JP5965398B2 - 任意の種類の注目される核酸配列に結合するタンパク質を単離するための新規な方法 - Google Patents

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Description

本発明は、任意の種類の注目される核酸配列に結合するタンパク質を単離するための新規な方法に関する。
真核生物のDNAは、クロマチンのコンテクスト内で、種々のタンパク質複合体に接触し、読み取られている。
特定の遺伝子座位を調節する一群のタンパク質全てを記載することは、遺伝子発現及び調節を理解する上で極めて重要である。
細胞代謝、例えばゲノム維持、遺伝子発現、プログラム化された細胞増殖等は、クロマチン内において、強固に調節された特定のタンパク質の組み合わせによって達成(インデックス化)される。翻訳後修飾を担う斯かるタンパク質の組み合わせは、タンパク質ネットワークの一部を構成する。
細胞小器官の中でも染色体は、特性決定に多大な労力が注がれてきたにもかかわらず、殆ど特性決定されていない(Kornberg and Lorch, 2007)。
転写過程がクロマチンにおいてどのようにコード化され、保存されているかを理解することは、極めて困難な課題である。現在その制約となっているのは、クロマチンの特異的断片(以降「注目クロマチン」(chromatin of Interest:Col)という。)を単離し、そのタンパク質組成を生育条件、細胞周期、細胞型等の関数として分析する上で、簡便な手段が存在しないという点である。
「注目クロマチン」断片という語は、特異的核酸配列(即ち所与の遺伝子)と、これに随伴する全てのタンパク質との複合体を指すものとする。
ゲノムのサイズが極めて巨大である(例えばヒトゲノムは3×10bp)ことから、斯かる特異的核タンパク質断片の単離は、極めて困難な作業である。
単一のヒト遺伝子(仮想平均サイズ3kb)に随伴するクロマチン断片を単離するには、10の断片から一つの断片を単離する必要がある。
Col断片の単離を容易に行うための方法が求められている。
過去25年の間、遺伝子座位に特異的なタンパク質の組成を確立するために、種々のクロマチン単離の方策が検討されてきた。
これらは各々、標的とする領域の濃縮には有効であったものの、何れも隣接する因子の特定を可能とするのに十分な量及び純度の物質を得られる手法ではなかった。
Dejardin及びKingston(Cell, 136, 175-186, January 9, 2009)は、ワトソン・クリック(Watson-Crick)ハイブリダイゼーションに基づくテロメア含有クロマチン断片の単離方法を記載する。
しかし、この手法は、ワトソン・クリック(Watson-Crick)塩基対形成によって相補的なオリゴヌクレオチドプローブにハイブリダイズし得る、一本鎖領域(3’−オーバーハング)を含むテロメア断片にしか利用できなかった。
テロメアは、(1)配列が既知の一本鎖DNAを有し、相補的プローブワトソン・クリック(Watson-Crick)塩基対を形成し得ること、及び、(2)過剰に出現している(1細胞当たりのテロメア数は92)ことから、例外的であるといえる。
よって、斯かる既報の方法は、汎用性がなく、染色体末端以外の(即ち、染色体の任意の位置の)核タンパク質断片を(より好ましくは、注目の断片の核酸配列とは独立に)単離することを可能とする方法ではない。
染色体の任意の位置に存在する注目の核タンパク質断片、好ましくはクロマチン断片を、より好ましくは注目される断片の核酸配列とは独立に、単離することを可能にする方法が求められている。
本発明の目的の一つは、斯かる方法の提供にある。
本発明は、特に生細胞又は試験管内における、染色体DNA若しくはRNA、又はエピソームDNAのコンテクストにおいて、任意の種類の注目される核酸配列(注目配列:Sol)、好ましくは任意の種類の注目されるDNA配列に結合するタンパク質を単離及び特定するための新たな方法を提供するものである。
本発明との関連において、生細胞には、分析対象となるタンパク質が結合してなる核酸材料を含む任意の生物、例えばウイルス、細菌、細胞等が含まれる。
本発明は、三重らせん(triple helix)を形成し得る特異的核酸配列タグ、好ましくは特異的二本鎖DNA(これを三重鎖形成タグ配列(Triplex Forming Tags sequence:TFT配列)という)を利用する。TFT配列はSolの近傍に位置すると考えられる。
本発明は、前記注目配列(Sol)及びそれに結合するタンパク質に対して、所定長の短い三重鎖形成タグ(TFT)を導入することができるため、上に定義するような任意の種類の生細胞における任意の核酸源(Sol)に適用可能である。
好ましくは、本発明は、任意のDNA源(染色体、エピソーム、ウイルス...)に適用可能である。
本発明によれば、細胞内のTFT配列は、エピソームDNAの一部であってもよく、又は注目される核酸配列の近傍に統合されていてもよい。
本発明によれば、TFT配列は、特異的オリゴヌクレオチドプローブ(これを三重鎖形成オリゴヌクレオチド(TFO)という)と、三重らせん形態の安定な複合体を形成し得る。
TFT配列は、如何なる最終形態か(エピソーム型か統合型か)によらず、単一配列又は繰り返し配列として存在し得る。繰り返し配列である場合、その配置は頭頭型(head to head)でも頭尾型(head to tail)でもよく、また、連続して配置されても、間をおいて配置されてもよい。
即ち、本発明に係る方法の第1の工程は、分析対象となるタンパク質と複合体形成するSoIの近傍に、TFT配列を導入することである。
TFTをSoIの近傍に導入する際に、SoI及びこれに随伴するタンパク質を、無関係の核酸断片を含む複合混合物から、TFOプローブを用いて精製してもよい。
即ち、本発明の第1の目的は、任意の種類の注目される核酸配列(注目配列:Sequence-of-interest:SoI)に結合したタンパク質を単離する方法であって、
第1の工程では、三重鎖形成タグ配列(Triplex Forming Tags sequence:TFT配列)を生細胞の前記核酸配列に導入して、前記生細胞を生育させ、
第2の工程では、第1の工程で得られた細胞を収集し、核酸三重鎖の形成を許容する条件で、導入されたTFT配列に特異的な分子プローブ(TFOプローブ)と混合し、
第3の工程では、第2の工程で形成された核酸三重鎖を単離し、結合しているタンパク質を分析する、方法に関する。
本発明によれば、本発明に係る方法を用いて単離されるべきヌクレオチド配列を、注目される核酸配列(SoI)という名称で示す。斯かる表現の使用は、当該配列が既知か未知かに影響を与えるものではない。
本発明に係る方法は原核細胞にも真核細胞にも適用可能である。
本発明によれば、注目される核酸配列(SoI)は、DNA(デオキシリボヌクレオチド酸)でもRNA(リボヌクレオチド酸)でもよいが、DNAが好ましく、より好ましくはゲノム核酸(DNA又はRNA)、好ましくはゲノムDNA又はエピソームDNAである。
本発明の第1の工程によれば、TFTは、二本鎖の線状又は環状の核酸(TFT含有核酸)の一部、好ましくは二本鎖の線状又は環状DNAの一部であってもよい。
本発明の第1の実施形態によれば、TFT含有核酸は、細胞内でエピソームとして維持されていてもよい。この実施形態によれば、TFT含有核酸は環状核酸であり、好ましくはTFT配列に加えてウイルス起点を含むプラスミドである。
本発明の第2の実施形態によれば、TFT含有核酸は、前記核酸配列内にランダムに導入されてもよく、標的化して、即ち、所定のSoIの近傍に導入されてもよい。TFT含有核酸の挿入をランダムに行うことで、未知のSoIの分析が可能となる。この場合、TFT含有核酸は如何なる種類のDNAであってもよいが、導入されたDNAを有する細胞の検出のためのマーカーとして用いられるレポーター配列を更に含むことが好ましい。
TFT含有核酸の挿入を相同組換又は部位特異的組換を用いた標的化により行う場合には、既知のSoI及びこれに結合するタンパク質の分析が可能である。TFT含有核酸は、注目される既知の核酸配列の領域内であって、分析対象となる既知のSoIの近傍にTFT含有核酸を特異的に導入することを可能とする、既知のフランキング配列に隣接する位置に挿入される。この実施形態によれば、TFT含有核酸としては、TFT配列に加えて、プラスミドと注目核酸との相同組換を可能とする既知のフランキング配列を含むプラスミドが好ましい。更に言えば、前記プラスミドは更に、導入DNAを有する細胞を検出するためのマーカーとして用いられる配列を含むことが好ましい。
本発明の第1の工程によれば、三重鎖形成タグ(TFT含有核酸)を含む核酸の生細胞への導入は、既知の方法を用いて行うことができる。例としては、リン酸カルシウム法(Graham, F. L. and Van Der Eb., A. J., 1973, Virology 52:456-467)、DEAEデキストラン法(Farber, F.,et. al.,1975, Biochem. Biophys. Acta., 390:298-311; Pagano, J. S., 1970, Prog. Med. Virol. 12:1-48)、ポリオルニチン法(Farber, F., et.al.,1975, Biochem. Biophys. Acta., 390:298-311)、DNAマイクロインジェクション法(Cappechi, M. R., 1980, Cell. 22:479-488)、ポリエチレングリコール(PEG)/ジメチルスルホキシド(DMSO)法(Jonak, Z. L., et.al., 1984, Hybridoma 3:107-118)、トリプシン/EDTA/グリセロール法(Chu, G. J. and Sharp, P. A., 1981, Gene 13:197-202)、浸透圧衝撃法(Okada, G. Y., and Rechsteiner, M., 1982, Cell 29: 33-41)、リポソーム融合法(Poste, G., et. al., 1976, Methods. Cell. Biol., 14:33-71; Fraley, R. et.al., 1980, J. Biol. Chem. 255; 10431-10435; Wong, T. K., et.al., 1980, Gene 10;87-94)、ゴースト赤血球媒介法(Furusawa, M.,et.al., 1976, Methods. Cell. Biol.,14: 73-80; Straus, S. and Raskas, H., 1980, J. Gen. Virol. 48: 241-245; Godfrey, W., et.al., 1983, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 80: 2267-2271 )、細菌原形質融合法(Chu, G. J. and Sharp, P. A., 1981, Gene 13:197-202; Sandri-Goldin, R. M., et.al., 1981, Mol. Cell. Biol. 1:743-752; Oi, V. T., and Morrison, S. L., 1986, Biotechniques 4: 214-221)、再構成センダイウイルスエンベロープ法(Loyter, A., et. al., 1984, Ciba. Found. Symp., 103:163-180)、レーザービームポレーション法(Tsuka koshi, M., et.al., 1984, Appl. Phys. B., 35: 2284-2289; Tao, W., et.al., 1987, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 84: 4180-4184)、エレクトロポレーション法(Neumann, E., et. al., 1982; EMBO. J., 1 :841-845; Potter, H., et.al., 1984, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 81: 7161-7165)、タングステンマイクロプロジェクタイル法(Klein, T. M., et. al., 1987, Nature 327: 70-73)、レトロウイルスベクター法(Jaenisch, R., 1976, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 73: 1260-1264: Jahner, D. and Jaenish, R., 1980, Nature 287:456-458)等が挙げられる。
本発明の好ましい実施形態である、核酸配列内へのTFT含有核酸の組み込みには、相同組換や部位特異的組換等の手法を使用することが好ましい。斯かる手法は本分野で周知である。本発明によれば、Sorrell DA及びKolb AFによって記載される手法("Targeted modification of mammalian genomes" Biotechnol Adv. 2005 Nov; 23(7-8):431-69)が好ましい。
本発明の第1の工程によれば、生細胞の培養は、使用される生細胞の培養に適した既知の培養法であれば、任意の培養法によって行うことができる。当業者であれば困難を伴うことなく、対象とする細胞に適した培養条件を決定できるであろう。
本発明によれば、TFT配列は、これに特異的な分子プローブによって認識される必要があり、また、前記特異的分子プローブ(これを三重鎖形成オリゴヌクレオチド(TFO)という)と、三重らせん形態の安定な複合体を形成する必要がある。
概して、本発明の第1の工程において、三重鎖形成タグ(TFT)は、タグとして使用可能な核酸配列であれば任意である。但し、その配列が既知であり、その配列に相補的な特異的分子プローブを調製可能である必要がある。
本発明の別の実施形態によれば、TFT配列は、SoIを含む核酸配列内に通常は存在しない配列であることが好ましい。
TFTの特異性については種々の研究がなされてきた。これらの研究によれば、TFOの設計は構造上の制約による影響を受け、固有の結合特性を有するTFOの特異性頭部、即ちTFTを認識する特異的分子プローブに応じて、複数のサブタイプに分類されている。
三重鎖形成オリゴヌクレオチド(TFO)は、オリゴピリミジン−オリゴプリン配列の主溝に結合することにより、二本鎖DNAの特異的標的化を可能とする。
殆どの場合、DNAは、ワトソン・クリック(Watson-Crick)塩基対形成スキーム(A/T、G/C)に従って逆平行鎖が結合して形成される二重鎖の状態で存在することが知られている。
しかし、一方の鎖にポリプリン(ポリPu)トラックを有する(そして相補鎖にはポリピリミジン(ポリPy)トラックを有する)DNA二重鎖は、ポリPy又はポリPuのオリゴヌクレオチドとともに、フーグスティーン(Hoogsteen)塩基対により、三重鎖を形成し得ることも知られている。
即ち、本発明の別の実施形態によれば、TFT配列は、ポリピリミジン−ポリプリン配列、即ち、フーグスティーン(Hoogsteen)塩基対を介してポリピリミジンTFO又はポリプリンTFOにより認識され得る配列であることが好ましい。
TFT配列としては、フーグスティーン(Hoogsteen)塩基対を介してポリピリミジンTFOにより認識され得るポリピリミジン−ポリプリン配列であることが好ましい。
最も好ましい実施形態によれば、TFT配列は、SoIを含む核酸配列内に通常は存在しないポリピリミジン−ポリプリン配列である。
本発明によれば、TFT配列の長さは、例えば10〜50塩基対、好ましくは15〜35塩基対、特に好ましくは約20塩基対である。
本発明の方法の第2の工程によれば、第2の工程で得られる細胞を収集し、導入されたTFT(TFOプローブ)に特異的な分子プローブと、核酸三重鎖の形成を許容する条件下で混合する。
本発明の第2の工程によれば、細胞の収集は、任意の既知の方法で行うことができる。例としては、Molecular cloning: a laboratory manual(Joseph Sambrook, David William Russell, Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, New York, 2001)に記載の方法が挙げられる。細胞の収集法としては、剥離(scrapping)及び遠心分離が好ましい。
本工程において、採取される細胞は程度の差こそあれ、通常は凝集塊を形成しているので、TFOプローブの添加前に、解砕工程を追加することが好ましい場合がある。解砕には、種々の機械的手法(剪断法)、酵素法、又は超音波法を用いることができる。本発明では超音波法が好ましい。
この解砕工程によって、その後の工程におけるTFOプローブとTFT配列との三重鎖形成を促進することができる。
本発明の第2の工程によれば、採取後に解砕した細胞を、TFOによるTFT配列の認識を容易にするような手法で、TFOプローブと接触させる。本発明の方法の第2の工程によれば、TFOプローブとTFT配列との間で三重鎖を形成させる手法を用いることができる。
本発明の第2の工程の好ましい実施形態によれば、TFOとの混合前に細胞核を精製及び単離することにより、TFOによるTFT配列の認識を容易にすることができる。核を精製及び単離する場合、収集された細胞を以下のような処理に供する。即ち、例えばその核酸及びタンパク質、又は真核細胞核を、少なくとも部分的にその細胞環境から単離する。斯かる目的のための手法は当業者には種々公知であろう。斯かる手法は生物学及び/又は分子生物学の文献に詳細に記載されている。
本発明によれば、収集された細胞をまず溶解してから、その後に核酸及びタンパク質、又は真核細胞核を、精製又は単離してもよい。斯かる目的を達成する好ましい方法の一つとしては、Molecular cloning: a laboratory manual(Sambrook J. and Russell D., Cold Spring Harbor Laboratory Press, U.S.; Third edition (December 5、2000))に記載の方法が挙げられる。
本発明によれば、TFOプローブは、挿入されたTFT配列に相補的な核酸配列であれば、任意の配列でよい。本配列は単独で使用してもよく、その有効性を高める他の要素との組み合わせで使用してもよい。
これまでの知見によれば、TFOプローブに以下の修飾を施すことにより、選択された標的部位(三重鎖形成タグ部位)による三重鎖形成を安定化し、認識特異性を向上させることができる。
1.ロックド核酸(LNA)ヌクレオチドを通常のヌクレオチドと混合して導入:
ロックド核酸(LNA)とは、2’−O,4’−C−メチレン結合を有するリボヌクレオチドを含む核酸である。LNA含有TFOは近年、顕著な三重鎖の安定化の効果を有することが報告されている。より正確に言えば、これまでの研究により、TFO配列中にLNAと通常のヌクレオチドとを交互に配置することが、三重鎖の形成に好適であることが分かっている。即ち、本発明によれば、TFOは、核酸(LNA)ヌクレオチドを、通常のヌクレオチドと混合した状態で含むことが好ましい(Alexei A. et al., (1998). "LNA (Locked Nucleic Acids): Synthesis of the adenine, cytosine, guanine, 5-methylcytosine, thymine and uracil bicyclonucleoside monomers, oligomerisation, and unprecedented nucleic acid recognition". Tetrahedron 54 (14): 3607-30; Satoshi Obika et al. (1998). "Stability and structural features of the duplexes containing nucleoside analogues with a cross-linked N-type conformation, 2'-O,4'-C-methyleneribonucleosides". Tetrahedron Lett. 39 (30): 5401-4)。
2.インターカレーターとして機能し得る芳香環構造からなる化合物をTFOの3’又は5’末端に追加する。斯かる芳香環構造の例としては、ソラーレン、アクリジン、臭化エチジウム、ベルベリン、プロフラビン、ダウノマイシン、ドキソルビシン、サリドマイド、キナクリン、オルトフェナントロリン等が挙げられる。
3.シトシンの5−メチルシトシンによる置換
即ち、本発明の好ましい一実施形態によれば、TFOは、ロックド核酸(LNA)ヌクレオチドを通常のヌクレオチドと混合した状態で含む核酸配列である。
本発明の別の好ましい実施形態によれば、TFOは、その3’又は5’末端に、任意の芳香環構造からなる化合物、例えばインターカレート剤、例えばソラーレン、アクリジン、臭化エチジウム、ベルベリン、プロフラビン、ダウノマイシン、ドキソルビシン、サリドマイド、キナクリン、又はオルトフェナントロリン、好ましくはソラーレンを有する。前記化合物は、光活性化合物であることが好ましく、最も好ましくは光活性インターカレート剤である。これにより、前記化合物を二本鎖TFT核酸内にインターカレートした後に、光子放出源を用いて前記化合物を核酸に共有結合させることができる。これによってTFO/TFT複合体の強度を強化し、惹いては最終精製工程におけるタンパク質/核酸複合体の回収を容易にすることが可能となる。
本発明の別の好ましい実施形態によれば、TFO中のシトシンが、5−メチルシトシンに置換される。
本発明の別の実施形態によれば、TFOは、ロックド核酸(LNA)ヌクレオチドを通常のヌクレオチドと混合して含む核酸配列であるとともに、その3’又は5’末端に芳香環構造、例えばインターカレート剤を有し、更にシトシンが5−メチルシトシンで置換されていることがとりわけ好ましい。
本発明の別の実施形態によれば、TFOプローブは、上述のような特異性頭部(specific head)(LNA及び通常のヌクレオチドを含むプローブであって、その3’又は5’末端に芳香環構造を有するもの)を有すると共に、その反対側の端部(3’又は5’末端)に、リンカーを介して連結された捕捉ハンドル(capture handle)を有する。この捕捉ハンドルは、同種の(cognate)捕捉フック(capture hook)によって特異的に捕捉することができる。
本発明によれば、前記リンカーは、既知のスペーサであれば任意であるが、好ましくは炭素スペーサであり、その長さは、例えば炭素原子数1〜300、好ましくは100〜200、最も好ましくは110〜130である。
本発明によれば、捕捉デバイス(capture device)(捕捉ハンドル/同種の捕捉フック)は、強く相互作用する分子の組み合わせであれば任意である。例としては、アフィニティー相互作用を示す任意の種類の物質、例えばヒスチジン−金属、抗原−抗体(例えばFLAG−抗FLAG)、特定オリゴヌクレオチド−特定オリゴヌクレオチド結合タンパク質(例えばlacO−LacI)の組み合わせ等が挙げられる。
特定の実施形態によれば、捕捉ハンドルとしては、フックとして使用される別の化合物に結合し得る化合物が挙げられる。好ましいフックとしては、ストレプトアビジン又はその同等物、例えばアビジン又はニュートロアビジン等が挙げられ、好ましい捕捉ハンドルとしては、ビオチン又はその同等物、例えばデスチオビオチン等が挙げられる。
極めて好ましい実施形態によれば、TFOプローブは、その5’末端から順に、インターカレート剤(ソラーレン)、これに連結されるTFO配列、これに連結されるスペーサ、これに連結される捕捉ハンドルとして設計される。
図1に、斯かるTFOプローブの例を示す。
本発明の方法の第2の工程では、ヌクレオチド三重鎖構造が形成される必要がある。本発明では、斯かる構造を形成可能な条件であれば、任意の条件を使用することができる。本発明に使用可能な好ましい方法としては、Brunet等が報告する方法(Nucleic Acid Research, 2005, Vol.33, No.13, 4223-4234)等が挙げられる。
本発明の方法の第3の工程によれば、第2の工程で形成される核酸三重鎖は、任意の既知の方法で単離することができる。好ましい方法としては、捕捉ハンドルに特異的なフックを用いて、捕捉ハンドルを結合する方法が挙げられる。斯かる方法としては、例えば、ヒスチジン−金属、抗原−抗体(例えばFLAG−抗FLAG)、特定オリゴヌクレオチド−特定オリゴヌクレオチド結合タンパク質(例えばlacO−LacI)等の組み合わせによる方法が挙げられる。
本発明の好ましい実施形態の一つによれば、捕捉ハンドルはビオチン又はその同等物であり、フックはストレプトアビジンである。
捕捉された三重鎖の精製を容易にするために、フックをカラム又はビーズ、例えば磁性ビーズ等に固定してもよい。本発明に用いる精製法としては、磁性ビーズの使用が好ましい。斯かる方法は種々の文献に、例えばDejardin及びKingston(Cell, 136, 175-186, January 9, 2009)に記載されている。
本発明の別の具体的な形態によれば、核酸に結合したタンパク質の架橋工程を、本方法に追加してもよい。この架橋工程は、第1の工程の直後、即ち収集工程の前に追加してもよく、細胞の収集工程の直後、即ちTFOプローブの添加の直前に追加してもよい。
この工程の重要性は、架橋時に、核酸周囲のタンパク質がタンパク質相互間で、或いはタンパク質と核酸との間で架橋される点にある。
本発明では、タンパク質−タンパク質の架橋及び/又はタンパク質−核酸の架橋を可能とする本分野で既知の手法であれば、任意の手法を用いることができる。例えば、タンパク質−DNAの架橋法として、紫外光架橋法、ホルムアルデヒド架橋法、六価クロム法が挙げられる。タンパク質−DNA架橋との組み合わせで更なる分析を可能とするタンパク質−タンパク質の架橋法としては、アジプイミド酸ジメチル(DMA);スベリン酸ジスクシンイミジル(D88);ジチオビス[プロピオン酸スクシンイミジル](D8P);エチレングリコールビス[スクシン酸スクシンイミジル](EG8)等が挙げられる。
好ましくは、インビボ(in vivo)ホルムアルデヒド架橋法を、Orlando V等により記載の手法(Methods. 1997 Feb; 11(2):205-14)に従って用いることができる。
ここで留意すべきは、タンパク質相互間又はタンパク質と核酸との間の相互作用が十分に強く、更に架橋工程を行う必要がない場合には、架橋工程は必須ではないという点である。
本発明の別の具体的な形態によれば、本方法の最適化のために、細胞溶解工程を追加してもよい。選択される本発明の実施形態(架橋工程の有無)に応じて、この細胞溶解工程は、発明の方法の異なる時機に追加することができる。
本発明の方法において架橋工程を実施しない場合には、この細胞溶解工程は、第2の工程において細胞を収集した後に追加される。
本発明の方法において架橋工程を実施する場合には、この細胞溶解工程は、架橋工程の前又は後に、好ましくは架橋工程の前に、個別に追加される。
本発明の方法の使用される実施形態(架橋工程の有無)によらず、細胞溶解工程は任意の既知の手法で行うことができるが、以下の文献に記載の方法に従って行うことが好ましい("Association of RNA polymerase with transcribed regions in Escherichia coli", Wade JT, and Struhl K.; Proc Natl Acad Sci U S A. 2004 Dec 21;101(51):17777-82 or "Cockayne syndrome A and B proteins differentially regulate recruitment of chromatin remodeling and repair factors to stalled RNA polymerase II in vivo", Mol Cell. 2006 Aug; 23(4):471-82)。
また、本発明は、ヌクレオチド−タンパク質複合体の調製のための、本発明の方法の使用にも関する。
最後に、本発明は、本発明の方法を実施するためのキットに関する。このキットは、生細胞の核酸配列のSoIの近傍に導入されるべき、少なくとも1の上述のTFTと、少なくとも1の上述の架橋化合物と、前記TFT(TFOプローブ)に特異的な少なくとも1の上述の分子プローブと、前記TFOの捕捉ハンドルに結合し得る化合物により構成される、上述のフックとを含む。
本発明は、以下の実施例及び添付図面に関する説明を考慮することにより、より一層よく理解され、その詳細もより明確になるであろう。
図1は、TFOプローブ(TFO−1)の一例を示す。 図2は、三重鎖形成タグ(TFT)配列を含むプラスミドの構成を示す。 図3は、実施例3で得られた、TFO−1を用いたインビトロ(in vitro)でのプラスミド単離の結果を示す。 図4は、異なるバッファー条件下における、TFO−1を用いたインビトロ(in vitro)でのプラスミド単離を示す。 図5は、大腸菌(E. coli)から回収されたプラスミド及びプラスミドに結合するタンパク質の単離を示す。 図6は、ヒト細胞系から回収されたプラスミドの単離を示す。
図1は、TFOプローブ(TFO−1)の一例を示す。特異性頭部は、LNA及びDNA残基の混合から構成される、修飾された22量体のオリゴヌクレオチドによって形成される。LNA及びDNA残基は夫々小文字及び大文字で示す。大文字のCは、5−メチルシトシン残基を示す。オリゴヌクレオチドの5’末端にはソラーレン残基がグラフトされる。その3’末端は、124原子の線状鎖からなるスペーサを介して連結された、デスチオビオチン残基(捕捉ハンドル)によって修飾される。
図2は、三重鎖形成タグ(TFT)配列を含むプラスミドの構成を示す。pAS03はpcDNA3.1(+)CAT(lnvitrogen)から誘導される。pAS03.1はpAS03にTFT−1配列を挿入することにより誘導される。pAS03.2はpAS03.1に更なるTFT−1配列を挿入することにより誘導される。pAS04はpAS03.2に第3のTFT−1配列を挿入することにより誘導される。赤字のTFT−1配列がフーグスティーン(Hoogsteen)結合を介してTFO−1プローブと三重鎖を形成する。pUC ori:大腸菌(E coli)の高コピー数複製起点(high copy number origin)。SV40 ori:SV40ラージT抗原を発現する霊長類細胞の複製起点。Ap:アンピシリン耐性遺伝子。Neo:ネオマイシン耐性遺伝子。CAT:クロラムフェニコール耐性遺伝子。PCMV:ヒトサイトメガロウイルス前初期プロモータ/エンハンサ。
図3は、実施例3で得られた、TFO−1を用いたインビトロ(in vitro)でのプラスミド単離の結果を示す。各プラスミド(pAS03、pAS03.1、pAS03.2、pAS04)600ng(約140fmol)を8pmolのTFO−1(最終0.4μM)と混合し、24時間攪拌する。この混合物に150μgのC1を加え、18時間攪拌する。混合物を磁性スタンド上に載置し、C1結合各分を収集する。収集されたC1を2度洗浄し、C1に捕捉されたプラスミドを煮沸により放出する。
回収された試料をアガロースゲル電気泳動で分析する。プラスミドの出発量に対する回収率は、pAS03は<1%、pAS03.1は53%、pAS03.2は60%、pAS04は67%である。本実験で使用するプラスミドは、大腸菌(E. coli)から増幅・精製される。CC:閉環状。OC:開環状。Dimer:二量体プラスミド。
図4は、異なるバッファー条件下における、TFO−1を用いたインビトロ(in vitro)でのプラスミド単離を示す。各400ng(約93fmol)のプラスミド(pAS03、pAS04)を8pmolのTFO−1(最終0.4μM)と混合し、11時間攪拌する。この混合物に150μgのC1を加え、2時間攪拌する。混合物を磁性スタンド上に載置し、上清を除去する(この上清を未結合画分という。)。
収集されたC1画分を2度洗浄し、C1に捕捉されたプラスミドを煮沸により放出する。回収された試料をアガロースゲル電気泳動で分析する。プラスミドを完全に回収するために、未結合画分(UB、レーン2〜5、12〜15)及びC1から溶出するプラスミド(熱溶出、レーン6〜9、16〜19)を、夫々15ng及び20ng相当のプラスミドと添加する。
レーン(1、11)及びレーン(10、20)には、それぞれ15ng及び5ngのpAS04を、対照として添加する。バッファーAは、12.5mM トリス−HCl(7.6)、75mM NaCl、0.5% NP−40、0.5% デオキシコール酸ナトリウム、0.05% SDS、0.1mM EDTA、0.5mM EGTA、0.1% サルコシル、及び任意により10mM MgClからなる。バッファーBは、25mM トリス−HCl(7.6)、150mM NaCI、1% NP−40、1% デオキシコール酸ナトリウム、0.1% SDS、0.1mM EDTA、0.5mM EGTA、0.1% サルコシル、及び任意により10mM MgClからなる。
図5は、大腸菌(E. coli)から回収されたプラスミド及びプラスミドに結合するタンパク質の単離を示す。DH1/pAS03又はDH1/pAS04株をOD600=0.4となるまで培養する。細胞を30分間ホルムアルデヒド処理(最終3%)し、破壊してRNaseAで処理する。遠心分離により可溶性画分(sup−1)を不溶性画分から分離する。不溶性画分を再懸濁して超音波処理し、更に可溶化する(sup−2)。これらの可溶性画分sup−1及びsup−2をC1と混合し、TFO−1の有無によらずC1ビーズに結合するタンパク質を除去する。回収した上清をTFO法の出発物として用いる。混合物の一定量(7×10細胞相当、OD600=0.4の培養物1.75ml由来)を12.5pmolのTFO−1(最終0.25μM)と混合し、18時間攪拌する。混合物に200μgのC1を加え、2時間攪拌する。混合物を磁性スタンドに載置し、上清を除去する(この上清を未結合画分(UB)という。)。採集されたC1を6度洗浄し、10mMビオチンを含むバッファーを加えて、C1に捕捉されたプラスミドを放出させる(この溶出試料を溶出画分(E)という。)。
A)回収された試料(UB及びE)を熱で逆架橋(reverse crosslinked:RCL)し、或いは逆架橋せずに、3.3%(UB)及び10%(E)の試料をアガロースゲル電気泳動で分析する。
B)0.1%(UB)及び20%(E)の試料を逆架橋し、銀染色法及びそれに続くSDS−PAGEにより分析する。
図6は、ヒト細胞系から回収されたプラスミドの単離を示す。上清をストレプトアビジン結合ビーズと混合し、ヒト細胞に存在する天然のビオチン化タンパク質を除去する。
回収された上清(S)をTFO法の出発物として用いる。約3μgの総DNA(プラスミドDNA:約4.5ng)を含む一定分量のSを、2.5pmolのTFO−1(最終0.25μM)と混合し、16時間攪拌する。混合物に40μgのC1を加え、16時間攪拌する。収集されたC1を7度洗浄し、10mM ビオチンを含むバッファーを加えて、C1に捕捉されたプラスミドを放出させる(この溶出される試料を溶出画分(E)という。)。PCR分析前に、全ての試料を熱処理して逆架橋し、除タンパクする。
A)上清のDNA500ngをアガロースゲル電気泳動で分析する。線状又は開環状プラスミドDNAのサイズに相当する弱いバンドが識別できる。
B)pAS03又はpAS04由来のSのDNA1ngを鋳型とし、TFT−1部位を含むプライマーを用いてPCR増幅を行う。増幅された断片をアガロースゲル電気泳動で分析する。pAS03及びpAS04についてそれぞれ670bp及び731bpの断片が増幅される。
C)ビーズの溶出後に回収される試料(E)の1%を鋳型としてPCRを行い、アガロースゲル電気泳動で分析する。
実施例1:三重鎖形成オリゴヌクレオチドプローブ(TFOプローブ)の構築:
本発明によれば、図1に示すように、TFO−1プローブの最終構築物は以下の特徴を有する。
1 − オリゴヌクレオチドの5’末端に炭素数6のスペーサを介して結合されるソラーレン残基。
2 − 22量体の配列特異的オリゴヌクレオチド。うち11残基はLNA(小文字)で置換され、全シトシン残基(シトシンLNAアナログ含む)が5−メチルシトシンで置換される。
3 − ビオチンの代わりにデスチオビオチン(ビオチンアナログ)が、オリゴヌクレオチドの3’末端に、124原子のスペーサを介して連結される。
ビオチンの代わりにデスチオビオチンを使用するのは、ストレプトアビジンに対するアフィニティーがより弱いためである。これにより、遊離ビオチンを添加すれば、デスチオビオチン−ストレプトアビジンの相互作用を置換することが可能となる。
実施例2:三重鎖形成タグ(TFT)含有プラスミドDNAの構築:
プラスミドpAS03(6290bp)は、pcDNA3.1(+)CAT(6217bp、Invitrogen)から、数箇所の制限エンドヌクレアーゼ認識部位を修飾することにより誘導される。
実施例1に記載したようにTFO−1と三重鎖を形成するTFT−1配列を、pAS03内に1〜3コピー導入する。結果として得られるプラスミドを、pAS03.1(TFT−1配列1つ)、pAS03.2(TFT−1配列2つ)、及びpAS04(TFT−1配列3つ、6473bp)と命名する(図2)。
これらの新たに構築されたプラスミドは、CoIE1及びSV40起点を有するため、大腸菌(E. coli)によって増幅し、SV40ラージT抗原を発現する霊長類細胞内で培養することができる。
図2は、構築されたプラスミドのマップである。
実施例3:TFOを介したインビトロ(in vitro)でのプラスミドの捕捉:
TFO−1プローブがプラスミドDNA内のTFT−1配列を効率的に認識することを確認するために、実施例2で調製されたプラスミドをTFO−1プローブと混合、攪拌する。
Dynabeads MyOne ストレプトアビジンC1(lnvitrogen)磁性ビーズ(C1)を混合物に加え、更に攪拌する。
その後、混合物を磁性スタンドに暴露し、C1結合画分を未結合画分から分離する。C1画分試料をリンスして非特異的に結合するプラスミドDNAを除去した後、熱又は遊離ビオチン添加により、C1ビーズを溶出させる。
溶出物をアガロースゲル電気泳動で分析する。
図3に示すように、TFT−1配列の存在に基づいてプラスミドが回収される。これらのデータは、TFO−1とTFT−1部位とが、高い特異性及び安定性を以って複合体形成することを示している。滴定(TFO−1、C1、及びプラスミドの量)及び経時(プラスミドとTFO−1との攪拌時間、プラスミド/TFO−1とC1との攪拌時間、及び、C1からのプラスミド/TFO−1の溶出時間)実験から、以下の結論が導かれる。
1.プラスミドの効率的な回収を達成する上で、TFO−1のプラスミド(例えばpAS04)に対する分子比率は、約10:1が最適である。この比率は広範なTFO−1濃度範囲(例えば約40nM〜1000nM)に亘って有効である。
2.TFO−1によるpAS03(TFT−1配列なし)の非特異的な捕捉は、出発量の0.2%未満である。
3.20μgのC1ビーズにより、TFO−1を介して約94ngのpAS04が捕捉される。
4.20μgのC1を用いる場合、TFO−1の量は約1pmolが理想的である。
5.プラスミドとTFO−1とのインキュベーション時間は、室温(Room Temperature)で2〜3時間(hr)で十分である。インキュベーション時間を更に長くしても(例えば12hr超)改善はわずかである。
6.プラスミド及びTFO−1とC1ビーズとのインキュベーション時間は、RTで1.5〜2hrで十分である。インキュベーション時間を更に長くしても(例えば12hr超)改善はわずかである。
7.遊離ビオチンを加えてRTで3hrで、C1ビーズからのTFO−1−プラスミド複合体の溶出はほぼ最大に達する。
実施例4:バッファー成分:
本発明の方法論を用いてタンパク質を単離するためには、架橋DNA−タンパク質複合体を溶解させるために、弱い界面活性剤をバッファーに加える必要がある。
実施例3に記載したような、インビトロ(in vitro)でのTFOを介したプラスミドの単離を、界面活性剤を含む種々のバッファー条件下で検証したところ、イオン強度が低いとプラスミドの回収率が低下することを見出した。斯かる作用はMgClの添加により中和された(図4)。
結論として、TFO−プラスミド捕捉法は、界面活性剤を含むバッファー内で機能し、MgClの添加によってシグナル対ノイズ比率が改善される。
実施例5:大腸菌(Escherichia coli)からのプラスミド及びプラスミド−タンパク質複合体の単離:
TFO法の実現可能性、即ち生体内におけるTFT配列含有特異的DNA配列に結合するタンパク質の単離能を検証するために、まず大腸菌(E. coli)株を用いた実験を行った。
大腸菌(E. coli)DH1株をpAS03又はpAS04で形質転換し、形質転換株をモデル菌株として使用する。
DH1/pAS03株及びDH1/pAS04株の細胞をOD600=0.4となるまで液体培養し、RTで30分(min)ホルムアルデヒド処理(最終3%)して架橋を行う。
架橋細胞を破砕し、RNaseA処理してRNA成分を消化する。
可溶性画分(sup−1)を不溶性画分から遠心分離する。
不溶性画分をバッファーに再懸濁し、超音波処理して、更なる可溶成分の画分(sup−2)を回収する。
sup−1とsup−2との混合物を材料として、TFO法によるプラスミド−タンパク質複合体の単離に供する。
図5Aに示すように、pAS04が特異的に単離される。C1ビーズに結合しない画分(未結合画分UB)に相当量のプラスミドが確認されるが、2度目のTFO捕捉のサイクルで未結合プラスミドを回収することができる。
インビトロ(in vitro)反応では、20μgのC1により約94ngのpAS04が捕捉されたのに対して、大腸菌(E. coli)粗抽出物を用いた本実験では、20μgのC1により10ngのpAS04しか捕捉されなかった。
必要であれば、C1ビーズの量を増やすことにより、回収率を補うことができる。
図5Bに示すように、DH1/pAS04により回収されるタンパク質の量は、DH1/pAS03と比べて有意に高かった。これらの結果は、本発明のTFO法によって、インビボ(in vivo)でプラスミドに随伴するタンパク質を、大腸菌(E. coli)粗抽出物から特異的に回収できることを示している。
実施例6:ヒト細胞からのプラスミドの単離:
次の段階として、TFO法を、ヒト細胞におけるプラスミドDNAの捕捉に適用した。
ヒト細胞系293FT(lnvitrogen)をpAS03又はpAS04で一時的に形質転換し、形質転換細胞をモデル系として、TFO法がヒト細胞において実施可能か否かを調べた。
細胞をRTで30minのホルムアルデヒド処理(最終3%)により架橋する。架橋細胞から核を単離し、RNaseAで処理してRNA成分を消化する。核を超音波処理で破砕し、可溶性画分(上清;sup)を不溶性画分から遠心分離する。
上清の染色体DNA断片の平均サイズは約3〜4kbpであり(図6A)、元のプラスミドのサイズ(約6.5kbp)に近い。事実、上清のDNA500ngを分析する場合、アガロースゲル上のDNAスメアにおいて、線状又は開環状(OC)の全長プラスミドは殆ど識別できない(図6A)。上清調製物の質が重要であることを留意すべきである。
上清ストレプトアビジン結合ビーズと混合し、ヒト細胞に存在するビオチン含有タンパク質を除去する。上清(S)を材料として、TFO法によるプラスミド−タンパク質複合体の単離に供する。SのプラスミドDNAを定量するために、プラスミドDNA断片のPCR増幅を実施する。
図6Bに示すように、pAS03及びpAS04のプラスミドDNAは同様に増幅され、Sの総DNA量は約0.15%に相当すると見積もられる。約3μgの総DNA(即ちプラスミドDNAの推算量約4.5ng)を含む出発量のSを、まず2.5pmolのTFO−1と混合し、次いで40μgのC1と混合する。その後、C1表面によるDNA及びDNA/タンパク質複合体の非特異的結合を防止すべく、過剰量の一本鎖DNA(最終濃度10μMの19量体のオリゴヌクレオチド)を加えた(ビーズパッシベーション処理)。C1ビーズを洗浄した後、C1ビーズに捕捉されたプラスミドDNAを放出させ、PCRで分析する。図6Cに示すように、本発明のTFO法により、pAS04がヒト粗抽出物から特異的に単離される。事実、TFO−1の添加を省略すると、pAS04の増幅は負対照たるpAS03と同程度となる(図6C)。推算によるシグナル対ノイズ比率は>20倍である(図6C)。
ここで留意すべきは、本実験のノイズ(即ちpAS03が発するPCRシグナル)は、総DNAの0.15%を占めるDNAから生じる点である。この量は、単一コピーの断片化染色体DNAを含む状況と比べて高い。
即ち、ColFI実験では、シグナルとノイズとの違いは遥かに大きくなるであろう。データによれば、斯かる量のノイズは、磁性ビーズ表面に強固に結合するDNA/タンパク質複合体の非特異的結合により生じる(図6Cの−TFO実験)。インビトロ(in vitro)反応では、20μgのC1により約94ngのpAS04が捕捉されたのに対して、このヒト細胞粗抽出物では、20μgのC1により約0.1ngのpAS04しか補足されなかった。
これらの結果は、TFO法が、大量の非標的バルクDNAの存在下であっても、TFT−1標的を含むDNAを高い特異性を以って捕捉できることを示している。回収率(約2%)の低下は、C1ビーズの量を増やすことで補うことができる。

Claims (40)

  1. 任意の種類の注目される核酸配列(注目配列:Sequence-of-interest:SoI)に結合したタンパク質を単離する方法であって、
    第1の工程では、三重鎖形成タグ配列(Triplex Forming Tags sequence:TFT配列)を生細胞の前記核酸配列に導入して、前記生細胞を生育させ、
    第2の工程では、第1の工程で得られた細胞を収集し、核酸三重鎖の形成を許容する条件で、導入されたTFT配列に特異的な分子プローブ(TFOプローブ)と混合し、
    第3の工程では、第2の工程で形成された核酸三重鎖を単離し、任意の注目される核酸配列に結合しタンパク質を分析する、方法。
  2. 前記注目される核酸配列が、ゲノム核酸である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ゲノム核酸が、ゲノムDNA又はエピソームDNAである、請求項2に記載の方法。
  4. 前記三重鎖形成タグ配列(TFT配列)が、タグとして使用し得る任意の核酸配列である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記TFT配列が、SoIが存在する核酸配列内に通常は存在しない配列である、請求項に記載の方法。
  6. 前記TFT配列が、ポリピリミジン−ポリプリン配列である、請求項1〜いずれか一項に記載の方法。
  7. 前記TFT配列が、長さ10〜50塩基対の短い三重鎖形成タグ配列(TFT配列)である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記の短い三重鎖形成タグ配列(TFT配列)が、15〜35塩基対長を有する、請求項7に記載の方法。
  9. 前記の短い三重鎖形成タグ配列(TFT配列)が、20塩基長である、請求項7に記載の方法。
  10. 第2の工程において、第1の工程で得られた細胞の収集時、及び、TFOプローブとの混合前に、更に細胞解砕の工程を実施する、請求項1〜いずれか一項に記載の方法。
  11. TFOプローブを加える前に、更に細胞の核を精製及び単離する工程を実施する、請求項1〜10いずれか一項に記載の方法。
  12. 核酸に結合したタンパク質の架橋工程を追加する、請求項1〜11いずれか一項に記載の方法。
  13. 架橋工程を、第1の工程の直後、収集工程の前に追加する、請求項12に記載の方法。
  14. 架橋工程を、第2の工程において、細胞の最終の直後、TFOプローブを加える直前に追加する、請求項12に記載の方法。
  15. 架橋工程を、紫外光架橋、ホルムアルデヒド架橋法、アジプイミド酸六価クロムジメチル(DMA);スベリン酸ジスクシンイミジル(D88);ジチオビス[プロピオン酸スクシンイミジル](D8P);エチレングリコールビス[スクシン酸スクシンイミジル](EG8)から選択される任意の方法により行う、請求項1214いずれか一項に記載の方法。
  16. 架橋工程を、インビボ(in vivo)ホルムアルデヒド架橋法を用いて行う、請求項15に記載の方法。
  17. 細胞溶解の工程を更に実施する、請求項1〜16いずれか一項に記載の方法。
  18. 請求項1〜11いずれか一項に従い架橋工程を実施しないと共に、細胞溶解工程を第2の工程において細胞を収集した後に追加する、請求項17に記載の方法。
  19. 請求項1216いずれか一項に従い架橋工程を実施すると共に、細胞溶解工程を架橋工程の前又は後に個別に追加する、請求項17に記載の方法。
  20. 細胞溶解工程を架橋工程の前に個別に追加する、請求項19に記載の方法。
  21. 前記TFOプローブが、挿入されたTFTに対して相補的な任意の核酸配列、或いは当該配列とその有効性を向上させる他の要素との組み合わせである、請求項1〜20いずれか1項に記載の方法。
  22. 前記TFOプローブが、通常のDNAヌクレオチドと混合されたロックド核酸(LNA)ヌクレオチドを含む核酸配列である、請求項1〜21いずれか一項に記載の方法。
  23. 前記TFOプローブにおいて、シトシンが5−メチルシトシンで置換されてなる、請求項1〜22いずれか一項に記載の方法。
  24. 前記TFOプローブが、その3’又は5’末端に、インターカレーターとして機能する芳香環構造からなる化合物を含む、請求項1〜23いずか一項に記載の方法。
  25. 前記のインターカレーターとして機能する芳香環構造からなる化合物が、光活性インターカレート剤(intercalating agent)である、請求項24に記載の方法。
  26. 前記光活性インターカレート剤(intercalating agent)が、ソラーレン、アクリジン、臭化エチジウム、ベルベリン、プロフラビン、ダウノマイシン、ドキソルビシン、サリドマイド、キナクリン、又はオルトフェナントロリンである、請求項25に記載の方法。
  27. 前記TFOプローブが、通常のDNAヌクレオチドと混合されたロックド核酸(LNA)ヌクレオチドを含む核酸配列であって、その3’又は5’末端に、芳香環構造からなる化合物を、請求項1〜26いずれか一項に記載の方法。
  28. 前記のインターカレーターとして機能する芳香環構造からなる化合物が、インターカレート剤を含み、シトシンが5−メチルシトシンで置換されてなる、請求項24に記載の方法。
  29. 前記TFOプローブが、その3’又は5’末端の芳香環構造を有するプローブに続いて、その反対側末端(3’又は5’末端)に、リンカーを介して連結された捕捉ハンドル(capture handle)を有し、当該捕捉ハンドルが、同種の(cognate)捕捉フック(capture hook)によって特異的に捕捉され得る、請求項1〜26いずれか一項に記載の方法。
  30. 前記リンカーが、炭素原子数1〜300の長さを有する炭素スペーサである、請求項29に記載の方法。
  31. 前記炭素スペーサが、炭素原子数100〜200の長さを有する、請求項30に記載の方法。
  32. 前記炭素スペーサが、炭素原子数110〜130の長さを有する、請求項30又は31に記載の方法。
  33. 捉ハンドル及び又は同種の捕捉フックが、強く相互作用する任意の分子の組み合わせである、請求項29に記載の方法。
  34. 前記の強く相互作用する任意の分子の組み合わせが、アフィニティー相互作用を示す任意の種類の物質の組み合わせである、請求項33に記載の方法。
  35. 前記の強く相互作用する任意の分子の組み合わせが、ヒスチジン−金属、抗原−抗体、特定オリゴヌクレオチド−特定オリゴヌクレオチド結合タンパク質の組み合わせである、請求項34に記載の方法。
  36. 前記同種の捕捉フックが、ストレプトアビジン又はアビジン又はニュートロアビジンであり、捕捉ハンドルが、ビオチン又はデスチオビオチンである、請求項29に記載の方法。
  37. 前記フックがカラム又はビーズ固定される、請求項36に記載の方法。
  38. 前記ビーズが磁性ビーズである、請求項35に記載の方法。
  39. ヌクレオチド−タンパク質複合体の調製のための、請求項1〜38いずれか一項に記載の方法。
  40. 請求項1〜38いずれか一項に記載の方法を実施するためのキットであって、前記キットが、生細胞の核酸配列のSoIの近傍に導入されるべき少なくとも1のTFTと、少なくとも1の架橋化合物と、前記TFプローブと、前記TFOプローブの捕捉ハンドルに結合し得る化合物により構成されるフックとを含み、前記TFTは請求項4〜9のいずれか1項に記載の通りであり、前記TFプローブは請求項21〜29のいずれか1項に記載の通りであり、及び前記フック請求項36又は37に記載の通りである、キット。
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