JP5965269B2 - 真空弁ユニット監視装置 - Google Patents
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通報装置は、信号線が接続された端子のうちで通知信号が入力された端子がいずれであるのかに基づいて、どの真空弁ユニットにおいて、どの監視対象に異常が発生したのかを認識する。そして、その認識結果を反映した異常発生通知を、例えば、管理者の端末などに送信する。
しかし、上記のような監視装置が現実に監視対象とする真空弁ユニットは相当に多数であることから、現実における監視装置と通報装置との間の信号線の数も相当な多数にまで増加してしまう。このような信号線の増加は、例えば通報装置における通知信号用の入力端子の増加につながる。このために、通報装置のコストアップやハードウェア部品の大型化を招く。また、通報装置は、例えばシーケンサなどにより構成されるのであるが、このシーケンサの複雑化も招く。
本実施形態における下水道システムは、図1に示すように、複数の住宅10に対応する。
例えば住宅10(あるいは商業設備、公共設備などであってもよい)の近傍には、真空弁ユニット11が設置される。この真空弁ユニット11は、地中の自然流下管21を介して1または複数の住宅10と接続されている。また、真空弁ユニット11と真空ステーション40における集水タンク41との間は、真空下水管22により接続されている。
真空弁ユニット11は、汚水を貯留する汚水ますや、真空下水管22に接続される真空弁などを備える。
このように集水タンク41に貯留された汚水は、圧送ポンプ43によって例えば公共下水道23に排出される。
弁センサ12−1は、真空弁ユニット11における真空弁の開閉状態(開閉しているか否か)を検出対象として検出するセンサである。弁センサ12−1は、例えば、真空弁が閉状態であることを検出しているときには「Hi」のセンサ信号を出力し、真空弁が開状態であることを検出しているときには「Low」のセンサ信号を出力する。
各真空弁ユニット11に備えられる弁センサ12−1と水位センサ12−2の各センサ信号は、伝送線網30を経由して制御盤100に入力される。
なお、以降において弁センサ12−1と水位センサ12−2とを特に区別して説明する必要の無い場合には、センサ12と記載する。
図1に示す伝送線網30は、各真空弁ユニット11の弁センサ12−1と水位センサ12−2のセンサ信号ごとに対応する信号線を含む伝送線網である。これに応じて、制御盤100は、各真空弁ユニット11の弁センサ12−1と水位センサ12−2の各センサ信号を個別に入力する。
センサ信号Sv#1は、ユニット番号#1の真空弁ユニット11に備えられる弁センサ12−1から出力されたセンサ信号である。センサ信号Sw#1は、同じユニット番号#1の真空弁ユニット11に備えられる水位センサ12−2から出力されたセンサ信号である。
同様に、センサ信号Sv#2〜Sv#100は、それぞれ、ユニット番号#2〜#100の真空弁ユニット11に備えられる弁センサ12−1から出力されたセンサ信号である。センサ信号Sw#2〜Sw#100は、それぞれ、ユニット番号#2〜#100の真空弁ユニット11に備えられる水位センサ12−2から出力されたセンサ信号である。
上記のように制御盤100から出力された通知信号Iv#2は、通報装置200における入力端子Ti3に入力される。通報装置200は、入力端子Ti1〜Ti200ごとに、ユニット番号と検出対象の種別(真空弁の開閉状態または汚水ますの水位)を対応付けて記憶している。通報装置200は、上記のように入力端子Ti3に通知信号が入力されるのに応じて、ユニット番号#2の真空弁ユニット11における真空弁について異常が発生したことを認識する。そして、通報装置200は、ユニット番号#2の真空弁ユニット11における真空弁について異常が発生したことをメール送信などにより管理者に通報する。
センサ信号の数は、真空弁ユニット11の数と、1つの真空弁ユニット11に備えられるセンサの数とを乗算したものとなるので、真空弁ユニットの倍数で増加する。これまでの説明からも分かるように、図2の例では、真空弁ユニット11の数が100で、1つの真空弁ユニット11に備えられるセンサは弁センサ12−1と水位センサ12−2の2つであるから、センサ信号の数は、真空弁ユニット11の数の2倍の200となる。
そして、図2の制御盤100の構成では、通知信号もセンサ信号ごとに対応して個別に出力されることから、通知信号の数もセンサ信号の数と同じにまで増加してしまう。
そこで、本実施形態においては、以降説明するように制御盤100を構成することにより、制御盤100が出力する通知信号の数を削減する。これにより、通報装置200が備えるべき入力端子の数が削減される。
この図に示す制御盤100は、信号入力部101、判定部102、記憶部103、信号出力制御部104及び信号出力部105を備える。
つまり、信号入力部101は、ユニット番号#1〜#100の真空弁ユニット11ごとの弁センサ12−1と水位センサ12−2からのセンサ信号Sv#1〜Sv#100、Sw#1〜Sw#100を入力する。なお、センサ信号Sv#1〜Sv#100、Sw#1〜Sw#100は、それぞれ、図1の伝送線網30において個別の信号線を経由して伝送される。
このために、判定部102は、信号入力部101が入力したセンサ信号Sv#1〜Sv#100、Sw#1〜Sw#100をさらに入力し、入力したセンサ信号Sv#1〜Sv#100、Sw#1〜Sw#100を個々に監視する。
なお、判定部102は、センサ信号Sv#1〜Sv#100、Sw#1〜Sw#100を監視するにあたり、例えば、信号入力部101から一定周期ごとに順次、センサ信号Sv#1〜Sv#100、Sw#1〜Sw#100を入力すればよい。あるいは、センサ信号Sv#1〜Sv#100、Sw#1〜Sw#100を個別に入力し、入力したセンサ信号Sv#1〜Sv#100、Sw#1〜Sw#100をそれぞれ同時に監視できるように構成してもよい。
つまり、判定部102は、例えば弁センサ12−1から出力されるセンサ信号Sv#1〜Sv#100については、「Hi」の状態が予め定められた閾値時間(例えば1分程度)以上継続した場合に、そのセンサ信号が真空弁について異常であることを示す異常指示センサ信号であると判定する。このように、判定部102は、真空弁が例えば1分以上閉じたままの状態が継続した場合に、その真空弁に異常が発生したものと判定する。
また、水位センサ12−2から出力されるセンサ信号Sw#1〜Sw#100については、「Hi」の状態が予め定められた閾値時間(例えば1分10秒程度)以上継続した場合に、そのセンサ信号が水位について異常であることを示す異常指示センサ信号であると判定する。このように、判定部102は、汚水ますの水位が或る一定以上となる状態が例えば1分10秒以上継続した場合に、その水位について異常が発生したものと判定する。
なお、例えば記憶部103に上記の閾値時間を予め記憶させておいたうえで、判定部102は、この記憶部103から読み出した閾値時間を利用して上記のように判定を行うようにすればよい。
信号入力部101はセンサ信号Sv#1〜Sv#100、Sw#1〜Sw#100ごとに対応する200個のポート(端子)を備えており、これらのポートには、例えば図3の信号入力部101において示すように、例えば「#1」〜「#200」の番号が付されている。
そこで、判定部102は、異常指示センサ信号の有ることを判定した場合、この異常指示センサ信号が入力された信号入力部101のポート番号を示す信号(ポート番号信号)を生成し、信号出力制御部104に出力する。なお、このポート番号信号は、例えば所定のビット数によりポート番号を示すものであればよい。
一例として、本実施形態における信号出力制御部104は、判定部102により異常指示センサ信号が有ると判定されるのに応じて、この異常指示センサ信号を出力したセンサ12を備える真空弁ユニット11に対応する真空弁ユニット通知用の信号線を選択するとともに、異常指示センサ信号を出力したセンサの検出対象の種別に対応する検出対象種別通知用の信号線を選択する。
信号出力制御部104は、入力したポート番号信号が示すポート番号に対応付けられているユニット番号と検出対象の種別をポートテーブルから読み出す。これにより、信号出力制御部104は、ユニット番号と検出対象の種別を認識する。
一例として、本実施形態における信号出力部105は、異常指示センサ信号を出力したセンサ12を備える真空弁ユニット11を示すための信号を、複数の真空弁ユニット11ごとに対応する真空弁ユニット通知用の信号線から個別に出力する。また、これとともに、信号出力部105は、異常指示センサ信号を出力したセンサ12の検出対象の種別を示すための信号を、検出対象の種別ごとに対応する検出対象種別通知用の信号線から個別に出力する。
真空弁ユニット通知信号出力部105Aは、複数の真空弁ユニットごとに対応する真空弁ユニット通知信号Iu#1〜Iu#100を、それぞれ真空弁ユニット通知用の信号線L1〜L100から個別にする。
検出対象通知信号出力部105Bは、検出対象の種別が真空弁の開閉状態であることを示す検出対象通知信号Ivと、検出対象の種別が汚水ますの水位であることを示す検出対象通知信号Iwとをそれぞれ検出対象種別通知用の信号線L101、L102から個別に出力する。
また、信号出力制御部104は、信号線L101、L102のうちから認識した検出対象の種別に対応する信号線を選択したうえで、この選択した信号線から信号出力部105が検出対象通知信号を出力するように制御する。
信号出力制御部104は、記憶部103に記憶されるポートテーブルを参照することで、入力されたポート番号信号が示すポート番号#3に対応付けられているユニット番号が「#2」であり、検出対象の種別が「真空弁の開閉状態」であることを認識する。
そこで、信号出力制御部104は、ユニット番号#2に対応する信号線L2を選択し、この信号線L2から真空弁ユニット通知信号Iu#2が出力されるように真空弁ユニット通知信号出力部105Aを制御する。これとともに、信号出力制御部104は、検出対象の種別が真空弁の開閉状態である場合に対応する信号線L102を選択し、この信号線L102から検出対象通知信号Ivが出力されるように検出対象通知信号出力部105Bを制御する。
通報装置200は、例えば内部のシーケンサにより、入力端子Ti2に真空弁ユニット通知信号が入力された場合には、異常が発生した真空弁ユニット11のユニット番号が「#2」であると認識する。また、通報装置200は、入力端子Ti101に検出対象通知信号が入力された場合には、その真空弁ユニット11において「真空弁の開閉状態」について異常が発生したと認識する。そこで、通報装置200は、ユニット番号#2の真空弁ユニットにおいて、真空弁の開閉状態について異常が発生したことを示す内容の通報を管理者の端末などに送信する。
これに対して、本実施形態としての図3の構成の場合には、真空弁ユニット11のユニット番号ごとに対応する数の真空弁ユニット通知信号と、センサ12の検出対象の種別ごとに対応する検出対象通知信号とを出力させている。つまり、本実施形態では、真空弁ユニット番号を示すための信号群と、センサ12の検出対象の種別を示すための信号群の組み合わせにより図2と同じ内容を通知するものである。
この場合、本実施形態において制御盤100から出力される通知信号の数は、a+bとなる。これに伴い、通報装置200に設けるべき入力端子の数も、図2の場合にはa×bであるのに対して、図3に示す本実施形態の場合には、a+bでよいことになる。
具体的に、図2の通報装置200が備える入力端子は、図2では入力端子Ti1〜Ti200の200(=100×2)個であるのに対して、本実施形態の図3では、入力端子Ti1〜Ti102の102(=100+2)個となっており、80個の削減が図られている。
このように、本実施形態では、通報装置200が備えるべき入力端子の数を有効に削減することが可能である。
図4は、図3に示した本実施形態の制御盤100が実行する手順例を示している。
判定部102は、信号入力部101が入力したセンサ信号Sv#1〜Sv#100、Sw#1〜Sw#100の監視を行い(ステップS101)、これらのうちで、異常であることを示すセンサ信号(異常指示センサ信号)が有るか否かについて判定する(ステップS102)。
これに対して、異常指示センサ信号が有ると判定した場合(ステップS102−YES)、判定部102は、信号出力制御部104に対して、異常指示センサ信号が入力された信号入力部101のポート番号を示すポート番号信号を出力する(ステップS103)。
このために、信号出力制御部104は、ポートテーブルを参照して、ステップS103に応じて入力したポート番号信号が示すポート番号に対応付けられたユニット番号と検出対象の種別とを取得する。
これとともに、信号出力制御部104は、ステップS104により認識した検出対象の種別に対応する信号線から検出対象通知信号が出力されるように、検出対象通知信号出力部105Bを制御する(ステップS106)。ステップS106の処理を終了した後、信号出力制御部104は、ステップS101に処理を戻す。
具体例として、真空弁ユニット11の数が「100」である場合、真空弁ユニット通知信号出力部105Aに第1ビット〜第8ビットまでに対応する8本の信号線を設ける。そのうえで、信号出力制御部104は、通知すべきユニット番号に応じて、8本の信号線について「Hi」と「Low」のいずれを出力させるべきかを適宜選択する。
例えば、ユニット番号#3を通知すべき場合には、第1ビットと第2ビットの信号線には、「1」に対応する「Hi」を出力させ、残る第3ビット〜第8ビットの信号線には、「0」に対応する「Low」を出力させる。通報装置200は、このように入力された真空弁ユニット通知信号をビットパターンとして処理することにより、通知されたユニット番号が「#3」であることを認識できる。これにより、真空弁ユニット11のユニット番号ごとに1つの信号線を割り当てる場合より、さらに信号線の数を削減できる。
また、検出対象通知信号についても同様に信号線ごとにビットを割り当てることとすれば、同様に信号線の数を削減できる。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
11 真空弁ユニット
12 センサ
12−1 弁センサ
12−2 水位センサ
21 自然流下管
22 真空下水管
23 公共下水道
30 伝送線網
40 真空ステーション
41 集水タンク
42 真空ポンプ
43 圧送ポンプ
100 制御盤
101 信号入力部
102 判定部
103 記憶部
104 信号出力制御部
105 信号出力部
105A 真空弁ユニット通知信号出力部
105B 検出対象通知信号出力部
200 通報装置
Claims (2)
- 複数の真空弁ユニットのそれぞれに貯留された汚水を真空下水管経由で真空ステーションに搬送する下水道システムにおける真空弁ユニット監視装置であって、
前記複数の真空弁ユニットごとに対して備えられた複数のセンサがそれぞれ異なる検出対象を検出して出力したセンサ信号を入力する信号入力部と、
前記信号入力部により入力されたセンサ信号のうちで検出対象が異常であることを示している異常指示センサ信号が有るか否かについて判定する判定部と、
前記異常指示センサ信号を出力したセンサを備える真空弁ユニットを示す信号を真空弁ユニット通知用の複数の信号線を利用して出力し、前記異常指示センサ信号を出力したセンサの検出対象の種別を示す信号を検出対象種別通知用の信号線を利用して出力する信号出力部と、
前記判定部により異常指示センサ信号が有ると判定されるのに応じて、当該異常指示センサ信号を出力したセンサを備える真空弁ユニットを示すように選択した真空弁ユニット通知用の信号線から信号を出力させるとともに、前記異常指示センサ信号を出力したセンサの検出対象の種別を示すように選択した検出対象種別通知用の信号線から信号を出力させるように前記信号出力部を制御する信号出力制御部と
を備えることを特徴とする真空弁ユニット監視装置。 - 前記信号出力部は、
前記異常指示センサ信号を出力したセンサを備える真空弁ユニットを示すための信号を、複数の真空弁ユニットごとに対応する真空弁ユニット通知用の信号線から個別に出力するとともに、前記異常指示センサ信号を出力したセンサの検出対象の種別を示すための信号を、検出対象の種別ごとに対応する検出対象種別通知用の信号線から個別に出力し、
前記信号出力制御部は、
前記判定部により異常指示センサ信号が有ると判定されるのに応じて、当該異常指示センサ信号を出力したセンサを備える真空弁ユニットに対応する真空弁ユニット通知用の信号線を選択するとともに、前記異常指示センサ信号を出力したセンサの検出対象の種別に対応する検出対象種別通知用の信号線を選択する
請求項1に記載の真空弁ユニット監視装置。
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