JP5963247B2 - かみそり - Google Patents

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Description

本発明は、主に理容師がその業務に使用するかみそりに関する。
理容室において、かみそりは髭剃りに使用されるほかに、もみあげ、あるいは耳回りやそれに続く後頭部の両横や襟足など髪の生え際の際剃りに使用される。際剃りは、髪の生え際に沿った幅狭の部分の髪を剃っていくので刃体の刃先縁の全長が使用されるものでなく、刃先縁の先端部分を使用して際剃りが行われる。そして、際剃りにより生じる剃り際の線が綺麗に仕上がらないときは理容師の技術が低く評価されるので、理容師は細心の注意を払って際剃りを行うのである。
理容師の使用するかみそりは二種類あり、その一つは柄と刃取付け部が固定的に結合されているものであり日本式かみそりと呼ばれている。他の一つは、柄と刃取付け部が互いに回動可能に支軸で結合されているものであり西洋式かみそりと呼ばれている。そして、これらのかみそりの理容師の通常の持ち方は、日本式かみそりについては、手で柄を軽く握り、人差し指と親指とで柄の先端部すなわち刃取付け部との境界に隣接した部分を挟み持つか、刃取付け部の基部すなわち柄との境界に隣接した部分を挟み持つのである。西洋式かみそりについては、刃取付け部に対して柄の後端が上方に回動した状態で柄を軽く握り、人差し指と親指で刃取付け部の基部を挟み持つのである。いずれの場合においても、手の指全体で柄をきつく握り占めて使用するとかみそりの自由度が著しく制限されるのでそのような持ち方はしない。かみそりを主に支えているのは人差し指と親指である。
前述したように、際剃りはかみそりの刃先縁の先端部分を使用するので、際剃りの際に切断しようとする髪から受ける抵抗力はすべてかみそりの先端部分に集中することになる。これに対して、かみそりはその中央付近において人差し指と親指とで挟み持つことにより支えられているので、その支えられている場所と髪から抵抗力を受ける場所が離れている。したがって、切断しようとする髪から受ける抵抗力はテコの原理によって増幅されて指に伝わるので、かみそりを手でしっかり持って際剃りをしなければならない。そうすると手に余計な力が入るので、かみそりがぶれて綺麗な剃り際とすることができない虞がある。また、かみそりを指で支えている部分と、髪を切断する刃先縁の先端部とが離れているので、刃先縁の先端部を剃ろうとする場所に正確に宛がうことが容易に行えない。そこで、理容師が際剃りをするときはかみそりをそれまで通りに持った状態で、かみそりを支えていた親指の腹部を刃取付け部の側面上に移し、その親指でそれまでよりも先端寄りの場所においてかみそりを支えるのである。これは、例えば、包丁でネギを斜め薄切りする場合に似ている。すなわち、ネギを同じ厚みで次々に薄く切るためには包丁の柄を手でしっかり握っていてはネギに刃を正確に当てられない。そこで、人差し指を刃の背部の上まで伸ばして、この人差し指の腹部を包丁に軽く押し当てることにより細かな作業である正確なネギの斜め薄切りができるのである。このように、刃に指の腹部を押し当てることによって細かな作業が容易にできるのである。このようなことで、際剃りをするときにかみそりを支える親指の腹部をかみそりの先端に近づけて刃取付け部の側面に当てることにより、かみそりが安定し正確な際剃りをすることができるはずであるが、実際はそうとも言い切れない。なぜならば、かみそりを使用するときは顔に泡状の髭剃り石けんを塗るので、その石けんが刃取付け部や指に付着するからである。
通常、理容師用のかみそりの刃取付け部は金属で形成されていて、その表面は比較的滑りやすい。そして、髭剃りや際剃りをするときは水で溶いた細かい泡状の髭剃り石けんを塗るので、作業中に刃取付け部の側面と理容師の指先に髭剃り石けんが付着して摩擦力が非常に小さくなってすぐに滑ってしまうのである。このように非常に滑りやすい状態で際剃りをする場合には親指によるかみそりの支えが不安定であり、刃先縁の先端部を剃ろうとする場所に正確に宛がうことが容易に行えないし、刃先縁の先端部で髪の抵抗力を受けながらの刃の移動も不安定となるのである。
特表平10−511566号公報 特開昭58−78691号公報 特許第4786019号公報
本発明は、際剃りを安定した状態で正確に行うことができる際剃りに適したかみそりを提供しようとするものである。
請求項1記載の発明は、刃取付け部と柄とを有し、刃取付け部に取り付けられている刃体の刃先縁がかみそりの長さ方向に延びるかみそりであって、刃取付け部の少なくとも一方の側面に少なくとも1つの窪みが形成されており、この窪みは、そこに親指の腹部がフィットし、且つその親指の腹部が窪み内で長さ方向にもその垂直方向である上下方向にも容易に滑ることなく安定的に止めて置くことができるために、かみそりの長さ方向においても上下方向においても凹の湾曲面をなし、且つ窪みは四辺形をなし、その四辺形の、かみそりの長さ方向に延びる一対の横辺はそれぞれ外側に凸の湾曲線であり、上下方向に延びる一対の縦辺はそれぞれ直線である構成である。
請求項2記載の発明は、窪みの上下方向の幅が、刃取付け部の上下方向の最大幅に対して、所定の割合の長さに設定され、且つ、窪みはその下端が刃取付け部の下側縁部に近接するように下方に偏倚して形成されている構成である。
請求項3記載の発明は、窪みの上下方向の幅は、刃取付け部の上下方向の最大幅の40%以上70%以下の長さに設定されている構成である。
請求項4記載の発明は、刃取付け部と柄とを有し、刃取付け部に取り付けられている刃体の刃先縁がかみそりの長さ方向に延びるかみそりであって、刃取付け部の両側のそれぞれの側面において、複数の窪みがかみそりの長さ方向に並ぶように形成され、これらの窪みは、そこに親指の腹部がフィットし、且つその親指の腹部が窪み内で長さ方向にもその垂直方向である上下方向にも容易に滑ることなく安定的に止めて置くことができる形状に形成されている構成である。
請求項5記載の発明は、親指の腹部がフィットし、且つその親指の腹部が窪み内で長さ方向にも上下方向にも容易に滑ることなく安定的に止めて置くことができる窪みの形状は、かみそりの長さ方向においても上下方向においても凹の湾曲面をなす形状である構成である。
請求項1記載の発明は、刃取付け部の少なくとも一方の側面に少なくとも1つの窪みが形成されており、この窪みは、そこに親指の腹部がフィットし、且つその親指の腹部が窪み内で長さ方向にもその垂直方向である上下方向にも容易に滑ることなく安定的に止めて置くことができるために、かみそりの長さ方向においても上下方向においても凹の湾曲面をなし、且つ窪みは四辺形をなし、その四辺形の、かみそりの長さ方向に延びる一対の横辺はそれぞれ外側に凸の湾曲線であり、上下方向に延びる一対の縦辺はそれぞれ直線である。理容師がかみそりの柄を手で握り、親指の腹部を刃取付け部の側面に当てると、親指は刃取付け部と同じ方向に延びる。しかし、親指の付け根は刃取付け部の側面から垂直方向に離れているので、親指は刃取付け部の側面と平行ではなく、親指は全体的に刃取付け部の側面に対して傾斜する。このため、親指の腹部を刃取付け部の側面に押し当てたときに、親指が刃取付け部を押す力の方向はその側面に垂直でなく、やや刃取付け部の先端部の方向に傾斜した方向になる。このため、親指や刃取付け部に髭剃り石けんが付着していると、親指の腹部は刃取付け部の側面上を先端部方向に滑るのである。請求項1記載の発明は、親指の腹部が窪み内で長さ方向に容易に滑ることなく安定的に止めて置くことができる形状に形成されているので、親指の腹部が長さ方向に滑りづらくなり、際剃りを安定した状態で正確に行うことができる。また、際剃りをするときは、刃先縁の先端部が切断しようとする髪から抵抗力を受けるので、切断するために手に持ったかみそり全体を移動させようとするときに、抵抗力を受けている刃先縁の先端部だけが移動からやや取り残される。このとき、刃取付け部の側面に当てられている親指はかみそりと共に移動し取り残されないので、刃先縁の先端部が移動から遅れた分だけ親指の腹部は刃取付け部の側面上を刃取付け部の下方向に滑ることが考えられる。この場合、請求項1は、親指の腹部が窪み内で上下方向に容易に滑ることなく安定的に止めて置くことができる形状に形成されているので、親指の腹部が下方向に滑りづらくなり、際剃りを安定した状態で正確に行うことができる。
また、請求項1記載の発明は、親指の腹部がフィットし、且つその親指の腹部が窪み内で長さ方向にも上下方向にも容易に滑ることなく安定的に止めて置くことができるために、窪みの形状は、かみそりの長さ方向においても上下方向においても凹の湾曲面をなしている。したがって、親指の腹部の長さ方向の滑りは、窪みが長さ方向において凹の湾曲面に形成されていることで滑りづらくさせることができる。また、親指の腹部の上下方向の滑りは、窪みが上下方向において凹の湾曲面に形成されていることで滑りづらくさせることができる。
さらに、請求項1記載の発明は、窪みは四辺形をなし、その四辺形の、かみそりの長さ方向に延びる一対の横辺はそれぞれ外側に凸の湾曲線であり、上下方向に延びる一対の縦辺はそれぞれ直線である。前述したように、親指の腹部を刃取付け部の側面に当てて際剃りなどをする際に、親指の腹部は主に長さ方向と上下方向に滑りやすい。したがって、親指の腹部が長さ方向あるいは上下方向に滑りそうになっても、親指の腹部が窪みを構成する4つの辺のいずれかの辺に掛かって、容易に滑り出すことを防止することができる。また、窪みの辺は直線である方が親指の腹部の掛かりが良い。使用時に親指の腹部は上下方向よりも長さ方向に滑りやすいので、上下方向に延びる縦辺を直線にすることにより、親指の腹部が長さ方向に容易に滑り出すことを効果的に防止することができる。また、長さ方向に延びる横辺を外側に凸の湾曲線としたことにより、窪みに当てた指のフィット感を増すことができる。
請求項2記載の発明は、窪みの上下方向の幅が、刃取付け部の上下方向の最大幅に対して、所定の割合の長さに設定され、且つ、窪みはその下端が刃取付け部の下側縁部に近接するように下方に偏倚して形成されている。これにより、窪みに当てられた親指は刃体の刃先縁に近い部分を押すので、刃先縁がぶれることを防止することができる。
請求項3記載の発明は、窪みの上下方向の幅が、刃取付け部の上下方向の最大幅の40%以上70%以下の長さに設定されている。窪みの上下方向の幅がこれらの数値よりも小さいときは、窪みに対する親指のフィット感に不満が残り、これらの数値よりも大きいときは、窪みの横辺に親指の腹部が掛かりづらくなり、滑りやすくなる虞がある。
請求項4記載の発明は、刃取付け部の両側のそれぞれの側面において、複数の窪みがかみそりの長さ方向に並ぶように形成され、これらの窪みは、そこに親指の腹部がフィットし、且つその親指の腹部が窪み内で長さ方向にもその垂直方向である上下方向にも容易に滑ることなく安定的に止めて置くことができる形状に形成されている。したがって、刃取付け部の側面に当てる親指の腹部の位置を変更することができるから、剃る場所によって最適の位置を選択することができる。また、窪みを刃取付け部の両側の側面に形成することにより、親指を当てている側面と反対側の側面の窪みに人差し指を当てて作業をすることができる。その場合、人差し指と親指を同じ位置に対向するように当ててもよいが、人差し指を親指よりも柄寄りに当てると作業がしやすいのである。刃取付け部の両側のそれぞれの側面に複数の窪みを形成することにより、刃取付け部の側面に当てた人差し指を滑りづらくさせ安定した状態で際剃りなどをすることができる。また、複数の窪みが長さ方向に並ぶように形成されているので、親指の腹部を上下方向と長さ方向のいずれの方向においてもフィッさせることができる。さらに、頬の髭を剃る場合において刃取付け部の側面を頬に当てたときは、各窪みの間の境界部により頬の窪みへの全面的な食い込みが阻止され、頬と窪みとの間に空間が形成されるので、頬と刃取付け部の間の摩擦力を小さくすることができる。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、親指の腹部がフィットし、且つその親指の腹部が窪み内で長さ方向にも上下方向にも容易に滑ることなく安定的に止めて置くことができる窪みの形状が、かみそりの長さ方向においても上下方向においても凹の湾曲面をなす形状である。したがって、前述したように、親指の腹部の長さ方向の滑りは、窪みが長さ方向において凹の湾曲面に形成されていることで滑りづらくさせることができる。また、親指の腹部の上下方向の滑りは、窪みが上下方向において凹の湾曲面に形成されていることで滑りづらくさせることができる。
図1は本発明の正面図である。 図2は本発明の背面図である。 図3は本発明の平面図である。 図4は図1の刃取付け部の窪み付近の拡大図である。 図5は図4におけるA−A断面図である。 図6は図4におけるB−B断面図である。 図7は使用状態を示す正面図である。 図8は第二の実施例の正面図である。 図9は第二の実施例の開いた状態の正面図である。
次に、本発明の第一の実施例を図1から図4に示す日本式のかみそりについて説明する。かみそり1は替刃式であって、刃取付け部2と柄3を有する。刃取付け部2は金属製であって、プラスチック製の柄3に結合され柄3の先端から長さ方向に延びる取付け部本体4と、その取付け部本体4に着脱可能に取り付けられた押え板5とから成る。取付け部本体4の側面6には4つの窪み7,8,9,10が形成されている。これらの窪みはいずれも同一の形状に形成されているので、窪み8を例にとってその構成について説明する。
窪み8は、その外形線が四辺形をなし、図5に示すように、その図5の横方向である長さ方向において凹の湾曲面をなしており、図6に示すように上下方向においても凹の湾曲面をなしている。四辺形の長さ方向に延びる一対の横辺11,12はそれぞれ外側に凸の湾曲線である。四辺形の上下方向に延びる一対の縦辺13,14はそれぞれ直線である。窪み8の長さ方向の幅は約8.2mmであり、上下方向の最大幅は約8.6mmである。また、窪み7,8,9,10はそれぞれの境界部30,31,32が約1.2mmの間隔を有して長さ方向に並んでいる。図5に示すように、例えば窪み7と窪み8の間に境界部30が形成されているので、窪み8に当てた親指の腹部は境界部30の縦辺13に掛かって滑りづらくなるのである。ただし、窪み8の長さ方向の幅が20mmを越えるようなときは、境界部30と窪み8とのなす角度が小さくなるので、親指の腹部が境界部30に十分に掛からず滑り止めの効果が十分に得られない。したがって、窪み8の長さ方向の幅をそのように長くすることは本発明の本旨ではない。それとは反対に、窪み8の長さ方向の幅を4mm以下にすると、窪み間の複数の境界部が同時に親指の腹部に当たるので、親指の腹部が窪み8の底に届かず境界部30に十分に掛からないから滑り止めの効果が十分に得られない。したがって、窪み8の長さ方向の幅をそのように短くすることも本発明の本旨でない。また、窪みは取付け部本体4の先端までほぼ全長に亘って形成してもよいが、本実施例のように窪み7,8,9,10を取付け部本体4の全長に亘って形成せず、窪み7と取付け部本体4の先端との間の部分は、窪み7の長さ方向の幅よりも大きな幅で窪みを形成しないことが好ましい。その理由は、この部分に窪みを形成すると、そこに当てられた親指が邪魔になって刃先縁の先端部を使った際剃りに支障を来すことになる。そこで、窪みが形成されていない部分を残すことにより、必然的に、その部分に指を当てて際剃りをすることができないようにしたものである。
刃取付け部2の上下方向の最大縦幅は約17.3mmであり、前述した窪み8の最大縦幅は刃取付け部の最大縦幅のほぼ50%である。各窪み7,8,9,10は、刃取付け部2の上下方向の中央付近に形成されておらず、刃取付け部2の下側縁部15に近接するように下方に偏倚して形成されている。好ましくは、窪み8の四辺である横辺11,12及び縦辺13,14をシャープな稜線に形成すれば、指の掛かりが良くなり、滑りづらさを増すことができる。なお、本発明が上述した数値に限定されないことは勿論である。刃取付け部2には、さらに、その基部の両側面に上下方向に延びる多数の突条16により構成される一対の指当て部17,17が形成されている。この指当て部17,17は、頬の髭剃りなど刃先縁の全長を使う作業の場合に親指と人差し指を当てるために形成されている。
押え板5は、取付け部本体4と協働して刃体18を挟持するように取り付けるための部材である。押え板5の側面19には、取付け部本体4の側面に形成されている窪み7,8,9,10と同一で同数の窪み20,21,22,23が対称に形成されている。左利きの理容師が使用するときは、これら押え板5に形成されている窪みに親指を当てることができる。また、右利きの理容師が、取付け部本体4の窪み8に親指を当て、同時に押え板5に形成されて窪み8からずれた位置にある窪み22や窪み23などに人差し指を当てて際剃りなどの細かい作業することができる。なお、取付け部本体4の窪みと押え板5の窪みは同数でなくてもよく、対称の位置でなく互いにずれていてもよい。
押え板5を取付け部本体4に結合させて刃体18を取り付ける構造は公知の構成が用いられる。例えば特開平7−31757号公報に開示されているように、ヒンジピン、ヒンジ管及びバネ片を用いる取り付け構造である。この構造を本発明に使用するときは、押え板5の内面に長さ方向に延びるヒンジピンを設け、取付け部本体4の内面にはそのヒンジピンを受けるヒンジ管を設け、ヒンジピンをヒンジ管に挿入することにより押え板5を取付け部本体4に結合すると共に、刃体18を挟持するように取り付ける(図示せず。)。その際に、取付け部本体4と押え板5の間でヒンジピンよりも上方にバネ片を組み込むことにより、このバネ片の弾性力によって替刃が確実に挟持され取り付けられる。押え板5を取付け部本体4に結合する方法は、まず、押え板のヒンジピンと取付け部本体4のヒンジ管が長さ方向にずれるように両者の内面同士をずらして合せる。次に、押え板5を取付け部本体4に対して長さ方向に移動させながらヒンジピンをヒンジ管に挿入させて両者を結合するのである。また、押え板5を取付け部本体4から取り外すときは、押え板5を結合するときと反対方向に移動させればよい。その取り外しの際、折り曲げた中指や薬指や小指などの指の内面が柄3の背側から包むようにして柄3を握ると、親指は押え板5の側にくるので、親指を押え板5のいずれかの窪みに当てて長さ方向に押すことによって、押え板5は先方に移動してヒンジピンがヒンジ管から抜けて押え板5を取り外すことができる。この場合、親指が例えば窪み22の場合はその縦辺37に掛かるので、親指が滑ることなく押え板5を移動させることができる。
図7は、本発明の使用状態を示している。かみそり1のこの持ち方は際剃りに適した持ち方である。親指24の腹部は図1における窪み9に当てられている。また、人差し指25の腹部は図2における柄3に最も近い窪み23に当てられている。すなわち、親指24の腹部と人差し指25の腹部をずらした状態での際剃りであって、それぞれの指の腹部は滑りづらく、それぞれの腹部をこのようにずらすことによって、非常に安定した状態で際剃りをすることができる。
図8及び図9は本発明の第二の実施例である。この実施例は、刃取付け部26と柄27とが支軸28により回動可能に結合されている西洋式かみそりである。図8に示すように、取付け部本体29の側面に4つの窪み33,34,35,36が形成されていることは第一の実施例と同じである。これを使用するときは、図8のように閉じた状態から刃取付け部26を柄27に対して約240度開いて使用する。刃取付け部26を開くときに、親指を取付け部本体29のいずれかの窪みに当て、人差し指を押え板の窪み(図示せず。)に当てることによって、それらの指が滑ることを防止するから開きやすいのである。
次に、これまでに記載されていない第一の実施例のサイズについて説明する。柄3から露出している刃取付け部2の全長は約65mmである。また、柄3の長さ方向の距離は約86mmである。サイズは以上の通りであるが、本発明がこれらの数値に限定されないことは勿論である。
なお、本発明は前述した構成に基づいて種々の態様をとることが可能である。例えば、刃取付け部2は金属製でなくプラスチック製であってもよい。柄3はプラスチックでなく金属製や木製であってもよい。また、替刃式でなくてもよく、刃取付け部2と刃体18が一体に形成されていてもよい。
かみそりの刃取付け部の側面に窪みを形成し、この窪みを、そこに親指の腹部がフィットし、且つその親指の腹部が窪み内で長さ方向にもその垂直方向である上下方向にも容易に滑ることなく安定的に止めて置くことができる形状に形成することにより、際剃りを安定した状態で正確に行うことができるかみそりを提供することができる。
1 かみそり、 2 刃取付け部、 3 柄、 4 取付け部本体、 5 押え板、 6 側面、 7 窪み、 8 窪み、 9 窪み、 10 窪み、 11 横辺、 12 横辺、 13 縦辺、 14 縦辺、 15 下側縁部、 16 突条、 17 指当て部、 18 刃体、 19 側面、 20 窪み、 21 窪み、 22 窪み、 23 窪み、 24 親指、 25 人差し指、 26 刃取付け部、 27 柄、 28 支軸、 29 取付け部本体、 30 境界部, 31 境界部, 32 境界部、 33 窪み, 34 窪み, 35 窪み, 36 窪み、 37 縦辺

Claims (5)

  1. 刃取付け部と柄とを有し、刃取付け部に取り付けられている刃体の刃先縁がかみそりの長さ方向に延びるかみそりであって、刃取付け部の少なくとも一方の側面に少なくとも1つの窪みが形成されており、この窪みは、そこに親指の腹部がフィットし、且つその親指の腹部が窪み内で長さ方向にもその垂直方向である上下方向にも容易に滑ることなく安定的に止めて置くことができるために、かみそりの長さ方向においても上下方向においても凹の湾曲面をなし、且つ窪みは四辺形をなし、その四辺形の、かみそりの長さ方向に延びる一対の横辺はそれぞれ外側に凸の湾曲線であり、上下方向に延びる一対の縦辺はそれぞれ直線であることを特徴とするかみそり。
  2. 窪みの上下方向の幅が、刃取付け部の上下方向の最大幅に対して、所定の割合の長さに設定され、且つ、窪みはその下端が刃取付け部の下側縁部に近接するように下方に偏倚して形成されている請求項1記載のかみそり。
  3. 窪みの上下方向の幅は、刃取付け部の上下方向の最大幅の40%以上70%以下の長さに設定されている請求項2記載のかみそり。
  4. 刃取付け部と柄とを有し、刃取付け部に取り付けられている刃体の刃先縁がかみそりの長さ方向に延びるかみそりであって、刃取付け部の両側のそれぞれの側面において、複数の窪みがかみそりの長さ方向に並ぶように形成され、これらの窪みは、そこに親指の腹部がフィットし、且つその親指の腹部が窪み内で長さ方向にもその垂直方向である上下方向にも容易に滑ることなく安定的に止めて置くことができる形状に形成されていることを特徴とするかみそり。
  5. 親指の腹部がフィットし、且つその親指の腹部が窪み内で長さ方向にも上下方向にも容易に滑ることなく安定的に止めて置くことができる窪みの形状は、かみそりの長さ方向においても上下方向においても凹の湾曲面をなす形状である請求項4記載のかみそり。
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