前記(1)に記載の発明によれば、扉部材の裏面側の所定箇所に設けられた支持部は、フレームが着脱自在で、かつ、フレームを窪み部に取着させた第1状態と、フレームを窪み部から離れた第2状態とに変位可能にフレームを支持する。つまり、装着の際には、透明部材が内装されたフレームを扉部材の支持部に取り付けることで、その透明部材付きフレームが扉部材の支持部で支持された状態となり、その支持状態のままで、フレームを窪み部に取着させた第1状態に移行できる。また、抜脱の際には、フレームを窪み部に取着させた第1状態から、フレームを窪み部から離れた第2状態に変位でき、しかもこれらの状態が扉部材に支持された状態のままであり、第2状態のフレームを支持部から取り外すことができる。したがって、透明部材の交換作業などを容易にかつ安全に行うことができる。
前記(2)に記載の発明によれば、窪み部は、透明部材との重なり代を、扉部材の裏面視で視認用開口部の下側の方が視認用開口部の上側および左右側よりも大きくした形状となっている。したがって、扉部材の正面視で視認用開口部の下側は、視認用開口部の上側および左右側に比べて不正が行われ易い箇所であり、視認用開口部の下側の重なり代を大きくすることで、透明部材の重量はその箇所分だけ増加してしまうが、重なり代が大きいことでさらに不正抑止効果が高まる。
なお、視認用開口部の上側(あるいは左側または右側)においての、フレームを扉部材に固定するための固定部により生じる部分は、視認用開口部の上側および左右側の重なり代に含まない。
前記(3)に記載の発明によれば、扉部材は、本体部材と対向する面とは反対側の面である前面側に位置する前面側部材と、本体部材と対向する面である裏面側に位置する裏面側部材とを備えている。前面側部材および裏面側部材は、視認用開口部を備えている。窪み部は、裏面側部材での本体部材と対向する側に形成されており、裏面側部材の裏面側から前面側に向けて突出した突出壁と、この突出壁の先端部から視認用開口部側に延出させた延出部とを備えたものであり、延出部で仕切られた空間に視認用開口部を形成している。したがって、扉部材の裏面側部材に形成された窪み部により、フレームの外周と窪み部との間に隙間が無く、しかも、フレームの窪み部側箇所とその窪み部の奥面との間も隙間が無く、扉部材の視認用開口部(具体的には視認用開口部と透明部材との間)にピアノ線などの不正部材を進入させることができないようにでき、遊技領域の入賞部品などが不正に操作されることを低減できる。
さらに、扉部材の窪み部におけるフレーム外周と取着する箇所たる突出壁を熱で溶かして透明部材面方向に不正な貫通孔を形成しようとしても、まず、フレームの窪み部側箇所たる延出部を熱溶解させなければ窪み部の突出壁に到達できないので、この延出部の熱溶解やそれを不正に修復したことを発見できるので不正を容易に発見できるし、窪み部は、その窪み形状からわかるように断面視で略L字形状となっており、その突出壁を溶かして透明部材面方向に不正な貫通孔を形成したとしても未だ扉部材の裏面側に達しておらず、遊技領域の入賞部品などが不正に操作されることもないし、不正抑止効果が高い。
さらに、扉部材は正面視で前後方向に前面側部材と裏面側部材とに分けられ、裏面側部材によって前述した不正抑止効果があり、前面側部材は専ら意匠性に優れた形状等とすることができ、不正行為低減のためにその意匠性などが制限されるという問題も生じない。
前記(4)に記載の発明によれば、フレームは、内装用開口部の一方の開口側および他方の開口側に透明部材がそれぞれ固着されるものであり、両透明部材が所定の間隔を空けて配設される二重透明部材構造となるように内装用開口部から突出した部分であって両透明部材間に挟まれる介装部を備えている。したがって、このような二重透明部材構造の扉部材では以下に説明するようにさらに不正抑止効果がある。つまり、透明部材が前後に二枚並べられ、かつ、内装用開口部の介装部を両透明部材で挟んだ状態とした二重透明部材構造となっているので、透明部材の外周とフレームの内装用開口部とが固着され、透明部材の外周とフレームの内装用開口部との間に隙間が無く、透明部材の外周とフレームの内装用開口部との間にピアノ線などの不正部材を進入させることができないようにでき、しかも、透明部材付きのフレームを正面視した場合での、透明部材の外周とフレームの内装用開口部との境界部分には、両透明部材間に挟まれた介装部が位置しており、この介装部が邪魔になってそれ以上不正部材を進入させることができないし、遊技領域の入賞部品などが不正に操作されることを低減できる。
前記(5)に記載の発明によれば、裏面側部材は、正面視で視認用開口部以外の箇所に貫通孔を備えている。さらに、この裏面側部材は、その窪み部のうちで貫通孔に近い箇所を貫通孔の方に領域拡張した拡張窪み部を備えている。フレームは、拡張窪み部付きの窪み部に対応した形状としており、拡張窪み部に対応する箇所に、両透明部材間を除湿するための乾燥剤を収納する乾燥剤入れ部を備えている。したがって、扉部材の視認用開口部から不正部材を進入させることは前述の前記(0)等と同様に困難とすることができ、扉部材の視認用開口部とこの扉部材の裏面側部材の貫通孔との間に設けられた乾燥剤入れ部が不正部材の進入を妨げるので、裏面側部材の貫通孔への進入を低減できる。つまり、扉部材の視認用開口部から不正部材を進入させ、かつ、この扉部材における裏面側部材の貫通孔に進入させる不正行為を低減できる。すなわち、裏面側部材の貫通孔を悪用(狙った)した不正部材の進入を低減できる。
なお、前記の貫通孔としては、払出装置からの遊技球を扉部材の裏面側から前面側の上皿に排出する排出口や、遊技球を投入するための投入口や、スピーカ用の孔などが挙げられる。
なお、本明細書でいう「補強部材による補強」とは、前面側部材および裏面側部材の性質を補うという意味を含む。例えば、前面側部材および裏面側部材が樹脂成形品であれば、高温となる発熱工具(例えば、はんだごてなど)が押し当てられるなどするとその箇所が溶けてしまうことから、熱に対して弱い性質であるとの見方ができる。そこで、補強部材として熱に強い金属品(金属板、金属線のメッシュ構造品など)を採用することで、前面側部材および裏面側部材を耐熱性に関して補強することができる。なお、このような耐熱性補強とともに、扉部材(つまり前面側部材や裏面側部材)が曲げ力や引っ張り力などで変形することや自重変形を低減するという剛性(力に対する頑丈さ)を補う要素をあわせ持ったものであってもよい。
前記(7)に記載の発明によれば、前面側部材および裏面側部材は、着色された材料で形成されており、不透明な部材となっている。したがって、扉部材における補強部材の配置箇所をわからないようにでき、扉部材を介しての不正行為を低減できる。
前記(8)に記載の発明によれば、前面側部材は、その前面側がが少なくとも着色されたものとし、裏面側部材は、その裏面側が少なくとも着色されたものとしており、不透明な部材となっている。したがって、扉部材における補強部材の配置箇所をわからないようにでき、扉部材を介しての不正行為を低減できる。
前記(9)に記載の発明によれば、前面側部材は、その前面側に着色された部材を備え、裏面側部材は、その裏面側に着色された部材を備えており、不透明な部材となっている。したがって、扉部材における補強部材の配置箇所をわからないようにでき、扉部材を介しての不正行為を低減できる。
前記(10)に記載の発明によれば、補強部材は、扉部材の正面視で当該扉部材のうちで視認用開口部を除く箇所で、かつ、視認用開口部の周囲に位置するように、前面側部材と裏面側部材との間に挟み込まれているので、扉部材の視認用開口部の周囲箇所のうちで補強部材を避けた位置やその有無についてもわからないようにでき、補強部材を避けた位置に孔を空けることを困難とすることができ、扉部材を介しての不正行為を低減できる。
前記(11)に記載の発明によれば、補強部材は、補強用の板金としているので、扉部材の剛性を確保できるのみならず、この板金を溶かして孔を空けることは困難であり、扉部材を介しての不正行為を低減できる。
前記(12)に記載の発明によれば、補強部材としての複数個の補強用の板金は、扉部材の正面視で当該扉部材のうちで視認用開口部を除く箇所で、かつ、視認用開口部の周囲にそれぞれ位置するように前面側部材と裏面側部材との間に挟み込まれているので、扉部材の剛性を確保できるのみならず、この板金を溶かして孔を空けることは困難であり、扉部材を介しての不正行為を低減できる。また、これら板金が電気的に接続されているので、いずれかの板金を接地することで、扉部材の全体にわたって接地させることができる。
前記(13)に記載の発明によれば、扉部材の上部には補強用の上板金を、扉部材の右部には補強用の右板金を、扉部材の下部には補強用の下板金を、扉部材の左部には補強用の左板金をそれぞれ備えており、これらの板金が前面側部材と裏面側部材との間に挟み込まれているので、扉部材の剛性を確保できるのみならず、この板金を溶かして孔を空けることは困難であり、扉部材を介しての不正行為を低減できる。また、これら板金が電気的に接続されているので、いずれかの板金に対して接地することで、扉部材の全体にわたって接地させることができる。
前記(14)に記載の発明によれば、本体部材は、扉部材を開閉可能に軸支する導電性の軸支部を備え、本体部材の軸支部は、複数個の板金のうちの少なくとも一つと電気的に接続されるとともに接地されているので、扉部材の全体にわたって接地させることができる。
前記(15)に記載の発明によれば、本体部材の接続部は、扉部材が当該本体部材に対して閉状態となると少なくとも一つの板金に接触して電気的に接続され、接続部は接地されているので、扉部材の全体にわたって接地させることができる。
前記(16)に記載の発明によれば、装飾部材(例えば金属製又は金属メッキを施した装飾部材など)に電荷が溜まることがあり、この電荷に起因して発生するノイズが扉部材から裏面側へ出射されることを導電性の補強部材により低減でき、本体部材の遊技盤の各種遊技部品や、ひいては、遊技内容を制御する制御基板に対し、悪影響をもたらすことを低減できる。
前記(17)に記載の発明によれば、金属製又は金属メッキを施した装飾部材に電荷が溜まることがあり、この電荷がノイズなどを発生させる要因となり、扉部材に取り付けられる電気部品(例えば、装飾部材を照らすランプ基板など)、ひいては、遊技内容を制御する制御基板に対し、悪影響をもたらすことになるという問題に対して、補強部材は装飾部材に電気的に接続されているので、扉部材内の補強部材つまり前面側部材と裏面側部材とに挟まれた補強部材によって、装飾部材が接地されることになり、装飾部材に電荷が溜まることがない。その結果、扉部材に取り付けられる各種電気部品(例えば、装飾部材を照らすランプ基板など)や遊技内容を制御する制御基板に対して悪影響をもたらすことがなく、装飾部材がノイズなどの電気的不具合を生じさせることがない。
前記(18)に記載の発明によれば、板金は、扉部材での前面側および裏面側を除く外周箇所である外周部(つまり、扉部材の外周側)でその扉部材の裏面の方に向かって折り曲げられた折り曲げ部を備えているので、扉部材の外周部に孔を空けることを困難とすることができ、扉部材を介しての不正行為を低減できる。
前記(19)に記載の発明によれば、本体部材は、当該本体部材の正面視でその外端箇所に、扉部材の閉状態において当該扉部材の外周部の少なくとも本体部材に近い側が内接または近接する外壁部を備えているので、扉部材の外周部で本体部材に近い側が本体部材の外壁部に内接または近接して閉じた状態となるので、扉部材と本体部材との隙間に細状部材を挿入して不正しようとしても、細状部材が本体部材の奥面に当たりそれ以上進まないかあるいは進み難いので、不正行為を低減できる。
前記(20)に記載の発明によれば、折り曲げ部は、その先端が本体部材の方に向かって突出した突出部を備えている。本体部材は、外壁部の内側で、扉部材の閉状態において当該扉部材の折り曲げ部の突出部が入る凹部を備えているので、扉部材が本体部材に対して閉じた状態となると、扉部材の外周部で本体部材に近い側が本体部材の外壁部に内接または近接して閉じた状態となるだけでなく、折り曲げ部の先端である突出部が本体部材の凹部に入った状態となるので、扉部材と本体部材との隙間に細状部材を挿入して不正しようとしても、細状部材が本体部材の凹部に当たりそれ以上進まないかあるいは凹部から出難くそれ以上進み難いので、不正行為を低減できる。
前記(22)に記載の遊技機によれば、透明部材の重量増加を抑止しつつ不正行為を低減できる扉部材を備えたパチンコ機を提供できる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて遊技用媒体としての球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞手段(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
実施例1のパチンコ機を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は、パチンコ機10の遊技盤30の正面図であり、図3は、パチンコ機10の裏面図である。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。図5は、第3図柄表示装置42の表示内容を示す説明図である。図6は、実施例1の前面枠セット14の裏面図である。図7は前面枠セット14を前後方向に二分した場合の分解斜視図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成し遊技場(ホール)の遊技島に固定される外枠11と、この外枠11の一側部(例えば正面視での左側部)を開閉軸として外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12と、この内枠12の一側部(例えば正面視での左側部)を開閉軸として内枠12に対して開閉自在に取り付けられる前面枠セット14とを備えている。
外枠11は、木製の板材により全体として正面視で矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。本実施の形態では、例えば、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属などにより構成されていてもよい。
図1に示すように、内枠12は、大別すると、その外形を形成する主要部材としての樹脂ベース(図示省略)と、この樹脂ベースの前面側で片開き自在な前面枠セット14と、樹脂ベース(図示省略)に取り付けられる遊技盤30(図2参照)とを備えている。
具体的には、樹脂ベース(図示省略)は、正面視で、その外形が略矩形状で、かつ、その略中央箇所を開口中心とする開口部(後述する遊技領域30a(図2参照)と同等の大きさの開口)が形成された板状部材としている。
前面枠セット14は、正面視左側で上下方向の開閉軸を軸心にして当該内枠12に対して開閉自在に取り付けられている。言い換えれば、前面枠セット14は、樹脂ベース(図示省略)に対して開閉自在となっている。
遊技盤30(図2参照)は、その遊技領域30aを樹脂ベース(図示省略)の開口部に位置させるようにして当該樹脂ベースに着脱自在に取り付けられる。
ここで、もう少し詳細に前面枠セット14について説明する。
前面枠セット14は、図1に示すように、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸を軸心にして前方側に開放できるようになっている。また、前面枠セット14は、図6に示すように、その裏面側に、後述するガラスユニット480が取り付けられている。
前面枠セット14は、図7に示すように、前面枠体410と裏面枠体430とに大別される。裏面枠体430は、ベースとしてのガラス枠ベース432を備えている。前面枠体410は、ガラス枠ベース432の前面側で最下部に取り付けられる下皿ユニット13と、ガラス枠ベース432の前面側で下皿ユニット13の上側に取り付けられる上皿ユニット21と、ガラス枠ベース432の前面側で上皿ユニット21の上側に取り付けられるガラス枠部23とを備えている。ガラス枠ベース432は、図7に示すように、その平面内に視認用開口部431が形成されている。この視認用開口部431は、図7に示すように、後述するガラスユニット480のガラス板137により塞がれている。
下皿ユニット13は、図1に示すように、前面枠セット14の最下部箇所に位置するように、ガラス枠ベース432に対してネジ等の締結具により固定されている。この下皿ユニット13は、その前面側に、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18とを備えている。球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜く(排出する)ためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に貯留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して下方向外部に抜くことができる。遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出して配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、遊技球発射装置38によって遊技球が後述する遊技盤30の方へ打ち込まれるようになっている。遊技球発射装置38は、例えば、遊技球発射ハンドル18と発射装置229(図4参照)などで構成されている。音出力部24は、前面枠セット14の正面視で上部の左右2箇所で、その前面枠セット14の内部あるいは背面箇所に設けられたスピーカからの音を出力するための出力口である。
上皿ユニット21は、図1に示すように、前面枠セット14の下部箇所(前述の下皿15の上方位置)に位置するように、ガラス枠ベース432に対してネジ等の締結具により固定されており、遊技球の受皿としての上皿19を備えている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。
ガラス枠部23は、図7に示すように、ガラス枠ベース432の前面側で上皿ユニット21の上側に形成された窓部101と、この窓部101の周囲に設けられた各種の電飾部とを備えている。
つまり、前面枠セット14には、図1に示すように、前述した上皿ユニット21の上側に、遊技盤30の遊技領域30a(図2参照)のほとんどを外部から視認することができるよう略縦長楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、略縦長楕円形状で中央が空洞となっており、図6に示すようにその空洞部分を略縦長楕円形状等のガラス板137で覆うようにガラスユニット480が前面枠セット14の裏面側に取り付けられたものである。ガラスユニット480は、後述するように二枚のガラス板137を前後方向に近設させて並べた二重ガラス構造としている。なお、窓部101の前記略中央部が直線状になるようにし、ガラス板137もその形状に合わせるようにしてもよい。また、ガラス板137は、ガラスに限定されず、所定の強度がある透明板であればその材質などは問わない。
加えて、前面枠セット14は、図1に示すように、その前面側で窓部101の周囲(例えば、上箇所、左箇所、右箇所など)に各種の電飾部(後述する上側電飾部400、左側電飾部402、右側電飾部404)を備えている。これらの電飾部は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁でその左箇所及び右箇所には、LED等を内蔵した左側電飾部402及び右側電飾部404がそれぞれに設けられ、窓部101の周縁でその上箇所(パチンコ機10の最上部)には、同じくLED等を内蔵した上側電飾部400が設けられている。
本パチンコ機10では、左側電飾部402、右側電飾部404および上側電飾部400は、大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。その他、本パチンコ機10のコーナー部には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが備えられている。また、窓部101の周縁で右斜め下箇所には、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓107が設けられている。この小窓107の所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙などを、小窓107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード(例えばプリペイドカード)等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、貸球操作部120にさらに度数表示部(図示省略)を設けるようにしてもよい。この度数表示部(図示省略)は、カード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
遊技盤30は、図2に示すように、正面視で四角形状の合板よりなり、その周縁部が内枠12の樹脂ベース(図示省略)の裏側に当接した状態で取着されており、この遊技盤30の前面側の略中央部分たる遊技領域30aが樹脂ベースの略楕円形状の図1に示した窓部101(ガラス板137)を通じて内枠12の前面側から視認可能な状態となっている。
次に、図2を用いて遊技盤30の構成を説明する。遊技盤30は、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1の始動口33a,33b(例えば作動チャッカ)、第2の始動口34(例えばスルーゲート)、可変表示装置ユニット35等を備えている。これらの一般入賞口31、可変入賞装置32、第1の始動口33a,33b(例えば作動チャッカ)、第2の始動口34(例えばスルーゲート)、可変表示装置ユニット35等は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通穴にそれぞれに配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取り付けられている。前述の一般入賞口31、可変入賞装置32および第1の始動口33a,33bに遊技球が入球し、当該入球が後述する検出スイッチ(入賞口スイッチ、カウントスイッチ、作動口スイッチ)で検出され、この検出スイッチの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。なお、前述したように、上部側の第1の始動口33aには作動口スイッチ(通過検出スイッチ)が設けられ、この第1の始動口33aへの入球をその作動口スイッチにより検出されるようになっている。また、下部側の第1の始動口33bにも作動口スイッチ(通過検出スイッチ)が設けられ、この第1の始動口33bへの入球をその作動口スイッチにより検出されるようになっている。すなわち、上部側の第1の始動口33aへの遊技球の入球または下部側の第1の始動口33bへの遊技球の入球のどちらの場合にも、それが始動入賞であることに変わりは無い。なお、上部側の第1の始動口33aと下部側の第1の始動口33bとは、図2に示すように、単一の始動入賞装置33で構成されている。
その他に、図2に示すように、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車37等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示装置ユニット35は、第1の始動口33a,33bへの入賞をトリガとして、識別情報としての第1図柄(例えば特別図柄)を変動表示する第1図柄表示装置40と、第2の始動口34の通過をトリガとして、第2図柄(例えば普通図柄)を変動表示する第2図柄表示装置41と、第1の始動口33a,33bへの入賞をトリガとして、第3図柄(例えば装飾図柄)を変動表示する第3図柄表示装置42とを備えている。
第1図柄表示装置40は、例えば、複数個(本実施例では2個)の2色発光タイプのLED(発光ダイオード)40a,40bと、このLED40a,40bでの変動表示の保留数を示す保留ランプ40cとを備えている。このLED40a,40bは、例えば、赤色と青色に発光可能なものである。第1図柄表示装置40は、各LED40a,40bの発光色を交互に変更させることで、第1図柄(本実施例では各LED40a,40bの発光色態様)の変動表示状態を発生させ、例えば、両方のLED40a,40bが赤色発光状態で停止すると確変大当り(特定当り)を示し、両方のLED40a,40bが青色発光状態で停止すると通常大当り(非特定当り)を示し、両方のLED40a,40bが互いに異なる色の発光状態で停止すると外れを示す。
なお、この第1図柄表示装置40として、少なくとも3色以上の発光が可能なタイプの単一のLEDを採用してもよく、各色の発光を交互などに行うようにすることで、第1図柄の変動表示状態を発生させ、LEDが第1の色の発光状態で停止すると確変大当り(特定当り)を示し、LEDが第2の色の発光状態で停止すると通常大当り(非特定当り)を示し、LEDが第3の色の発光状態で停止すると外れを示すようにしてもよい。なお、上述した第1図柄表示装置40が本発明における識別情報変動表示手段に相当する。
第2図柄表示装置41は、第2図柄用としての例えば「○」が描かれた表示部41aと、第2図柄用としての例えば「×」が描かれた表示部41bと、保留ランプ41cとを有し、遊技球が第2の始動口34を通過する毎に例えば表示部41a,41bによる表示図柄(普通図柄)が変動し、その変動表示が所定図柄で停止した場合に下部側の第1の始動口33bが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球が第2の始動口34を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ41cにて点灯表示されるようになっている。なお、表示部41a,41bは、その内部にLED(発光ダイオード)を有しており、このLEDの発光(あるいはランプの点灯)を切り換えることにより変動表示される構成としている。なお、上述した第2図柄表示装置41が本発明における普通識別情報変動表示手段に相当する。
第3図柄表示装置42は、例えば液晶表示装置で構成されており、後述する表示制御装置45により表示内容が制御される。第3図柄表示装置42には、例えば後述する図5に示すように、左、中及び右の3つの装飾図柄列L,M,Rが表示される。各装飾図柄列L,M,Rは複数の装飾図柄によって構成されており、これら装飾図柄が装飾図柄列L,M,R毎にスクロールされるようにして第3図柄表示装置42に可変表示されるようになっている。なお本実施の形態では、第3図柄表示装置42(液晶表示装置)は、例えば、11インチサイズの大型の液晶ディスプレイを備える。可変表示装置ユニット35には、第3図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。なお、上述した第3図柄表示装置42が本発明における装飾識別情報(図柄)変動表示手段に相当し、上述した表示制御装置45が本発明における表示制御手段に相当する。
図2に示すように、可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるものである。このように、大当たりの際に可変入賞装置32が開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動される状態は、特別遊技状態(例えば、大当り状態)と呼ばれ、可変入賞装置32に多数の遊技球が入球(入賞)し、その入賞に対して大量の遊技球が賞球払い出しされることから、遊技者にとって有利な遊技状態となっている。
より詳しくは、第1の始動口33a,33bに対し遊技球が入賞すると第1図柄表示装置40の2個のLED40a,40bが変動表示され、その変動停止後のLED40a,40bの表示が予め設定した発光態様の組合せとなった場合に特別遊技状態が発生する。例えば、両方のLED40a,40bが赤色発光状態で停止するという発光態様の場合には、確変大当り(特定当り)の特別遊技状態に当選したことを示し、両方のLED40a,40bが青色発光状態で停止するという発光態様の場合には、通常大当り(非特定当り)の特別遊技状態に当選したことを示し、両方のLED40a,40bが互いに異なる色の発光状態で停止するという発光態様の場合には外れ(特別遊技状態に落選したこと)を示す。
そして、可変入賞装置32は、その大入賞口32aが所定の開放状態となり、遊技球が入賞しやすい状態(大当たり状態)になるよう構成されている。具体的には、当該開放状態についての所定時間の経過又は所定個数の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口32aが所定回数(ラウンド数)繰り返し開放される。遊技球が第1の始動口33a,33bを通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ40cにて点灯表示されるようになっている。なお、保留ランプ40cは、第3図柄表示装置42の表示画面の一部で保留表示等される構成等であっても良い。
また、遊技盤30には、図2に示すように、遊技球発射装置38(図3参照)から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するための複数本のレール51,52が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は複数本のレール51,52の後述する球案内通路49を通じて所定の遊技領域30aに案内されるようになっている。複数本のレール51,52は長尺状をなすステンレス製の金属帯状部材であり、内外二重に遊技盤30に取り付けられている。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成されている。外レール52は、一部(主に左側部)が内レール51に向かい合うようにして形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51,52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路49が形成されている。なお、球案内通路49は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51及び外レール52間の球案内通路49から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路49内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、遊技盤30が内枠12に取り付けられた状態において、外レール52における、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図2の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)には、内枠12に設けられた返しゴムが位置するようになっている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム(図示省略)に当たって跳ね返されるようになっている。外レール52は、長尺状をなすステンレス製の金属帯としているので、遊技球の飛翔をより滑らかなものとする、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくすることができる。
なお、遊技盤30の右下隅部は、証紙(例えば製造番号が記載されている)等のシール(図2のS1)やプレートを貼着するためのスペースとなっている。遊技盤30の右下隅部に、証紙等のシール(図2のS1)を貼着することで、遊技盤30と証紙との一義性を持たせることができる。
次に、遊技盤30の遊技領域30aについて説明する。遊技領域30aは、図2に示すように、内レール51と外レール52との内周部(内外レール)により略縦長円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される当該遊技領域30aが従来よりもはるかに大きく構成されている。本実施の形態では、外レール52の最上部地点から遊技盤30下部までの間の距離は445mm(従来品よりも58mm長い)、外レール52の極左位置から内レール51の極右位置までの間の距離は435mm(従来品よりも50mm長い)となっている。また、内レール51の極左位置から内レール51の極右位置までの間の距離は418mmとなっている。
本実施の形態では、遊技領域30aを、パチンコ機10の正面から見て、内レール51及び外レール52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域30aと言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域30aの向かって左側限界位置は外レール52によってではなく内レール51によって特定される。同様に、遊技領域30aの向かって右側限界位置は内レール51によって特定される。また、遊技領域30aの下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域30aの上側限界位置は外レール52によって特定される。
従って、本実施の形態では、遊技領域30aの幅(左右方向の最大幅)は、418mmであり、遊技領域30aの高さ(上下方向の最大幅)は、445mmである。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置38には、前面枠セット14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。
次に、パチンコ機10の背面の構成について説明する。図3に示すように、パチンコ機10は、その背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構部352)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、後述する図4に示した主制御装置261とサブ制御装置262とを一方の取付台(図示省略)に搭載してユニット化すると共に、後述する図4に示した払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313を他方の取付台(図示省略)に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。
また、払出機構部352及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
また、遊技盤30の裏面には、各種入賞口などの遊技球の通過を検出するための入賞感知機構などが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチが設けられ、可変入賞装置32にはカウントスイッチが設けられている。カウントスイッチは入賞球をカウントするスイッチである。また、第1の始動口33a,33bに対応する位置には作動口スイッチがそれぞれ設けられ、第1の始動口33a,33bへの遊技球の入球を当該作動口スイッチで検出される。第2の始動口34に対応する位置にはゲートスイッチが設けられ、第2の始動口34への遊技球の通過を当該作動口スイッチで検出される。なお、上述した作動口スイッチが本発明における入賞検出手段に相当する。
入賞口スイッチ及びゲートスイッチは、図示しない電気配線を通じて盤面接続基板(図示省略)に接続され、さらにこの盤面接続基板が後述する主制御装置261内の主制御基板261a(図4参照)に接続されている。また、カウントスイッチは大入賞口中継端子基板(図示省略)に接続され、さらにこの大入賞口中継端子基板(図示省略)がやはり主制御基板261aに接続されている。これに対し、作動口スイッチは中継基板を介さずに直接に主制御基板261aに接続されている。
その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口32aを開放するための大入賞口ソレノイドが設けられ、下部側の第1の始動口33bには、電動役物を開放するための作動口ソレノイドが設けられている。
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主制御装置261内の主制御基板261aに取り込まれ、該主制御基板261aよりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板311aに送信される。そして、該払出制御基板311aの出力により所定数の遊技球の払出が実施される。
第1制御基板ユニット201は略矩形状の取付台(図示省略)を有し、この取付台に主制御装置261とサブ制御装置262とが搭載されている。ここで、主制御装置261は、図4に示すように、主たる制御を司るCPU501と、遊技プログラムを記憶したROM502と、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM503と、各種機器との連絡をとる入出力ポート505と、各種抽選の際に用いられる乱数発生器(図示省略)と、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路(図示省略)などを含む主制御基板261aを具備しており、この主制御基板261aが透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263(被包手段)に収容されて構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベース(図示省略)と該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(図示省略)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニット(図示省略)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
封印手段としての封印ユニットはボックスベース(図示省略)とボックスカバー(図示省略)とを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、本実施例では、例えば5つの封印部材が連結された構成となっており、この封印部材の長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に連結されるようになっている。封印ユニットによる封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度開封・封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、封印ユニット(図示省略)を構成する5つの封印部材のうち、少なくとも一つの封印部材の長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板261aの不具合などにより基板ボックス263を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部材と他の封印部材との連結を切断する。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス263の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス263に残しておけば、基板ボックス263を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
また、サブ制御装置262は、例えば主制御装置261内の主制御基板261aからの指示に従い音声やランプ表示の制御や表示制御装置45の制御を司るCPU551や、その他ROM552、RAM553、バスライン554及び入出力ポート555等を含むサブ制御基板262aを具備しており、このサブ制御基板262aが透明樹脂材料等よりなる基板ボックス(図示省略)に収容されて構成されている。サブ制御装置262上には電源中継基板(図示省略)が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板(図示省略)を介してサブ制御装置262および表示制御装置45に出力されるようになっている。
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台(図示省略)を有し、この取付台に払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が搭載されている。払出制御装置311は制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、発射制御装置312は発射制御基板を具備しており、電源装置313は電源制御基板を具備している。払出制御装置311の払出制御基板311aは、賞品球や貸出球の払出を制御する。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射装置229(図4参照)の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。本実施例の発射装置229は、発射ソレノイド(図示省略)への通電 /非通電に従って進退自在な発射槌部(図示省略)で遊技球を打ちつけて発射させるソレノイド式発射部品を採用しているが、それ以外の発射装置229としては、発射モータの駆動に従って動作する発射杵で遊技球を打ちつけて発射させる機械式発射部品や、電磁場を発生させることで遊技球を発射させる電磁式発射部品など種々のタイプのものが採用できる。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120(図1参照)及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックスにそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と同様、基板ボックス(被包手段)を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
払出制御装置311には状態復帰スイッチ(図示省略)が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ(図示省略)が押下されると、払出モータ358a(図4参照)がゆっくり正回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
また、電源監視基板261bにはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入することとしている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、図3に示すように、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。
裏パックユニット203は、その最上部に上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備(遊技島設備)から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに下り傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。ケースレール357の最下流部には、払出装置358が設けられ、払出モータ358a等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は払出通路(図示省略)等を通じて前記上皿19に供給される。
また、タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360が設けられている。例えば、バイブレータ360が例えば2本のネジでタンクレール356に締結されて取り付けられるようになっている。さらに、バイブレータ360は、タンクレール356に面接触するのではなく、当該2本のネジの部分で接触するようになっており、バイブレータ360による振動がより効果的にタンクレール356に伝わるようになっている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。
払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板(図示省略)が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
タンク355から払出通路(図示省略)に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する樹脂材料(例えば導電性ポリカーボネート樹脂)にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
なお、図3に示すように、内枠12の右上側には、内枠12が外枠11に対して開かれたことを検出する内枠開検出スイッチ388が設けられている。内枠12が開かれると、内枠開検出スイッチ388からホール内(パチンコ店内)用コンピュータへ出力されるようになっている。
次に、本パチンコ機10の電気的構成について、図4を用いて説明する。本パチンコ機10は、主制御装置261と、払出制御装置311と、発射制御装置312と、サブ制御装置262と、表示制御装置45と、電源装置313などを備えている。以下に、これらの装置を個別に詳細に説明する。
パチンコ機10の主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアを備えている。
つまり、停電などの発生により電源が切断された場合において、主制御装置261のCPU501は、通常処理を最後までを実行するので、RAM503は、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のカウンタ用バッファや保留球格納エリアの内容を記憶保持するだけでよく、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させることができる。具体的には、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)における通常処理の途中の遊技情報についての各レジスタやI/O等の値を記憶しておくための専用のバックアップエリアをRAM503に設ける必要がない。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号S1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、発射制御装置312、サブ制御装置262、第1図柄表示装置40、第2図柄表示装置41や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。また、主制御装置261は、第1図柄表示装置40における第1図柄の変動表示と、第2図柄表示装置41における第2図柄の変動表示とを制御する機能を備えている。
また、払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、前述した主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアを備えている。
RAM513は、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時の状態に関する情報を記憶保持する。つまり、このRAM513の記憶保持は、NMI割込み処理と払出制御処理の後半部分のステップとによって電源切断時に実行され、逆にRAM513の記憶情報の復帰は、電源入時の復電処理において実行される。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
図4に示すように、発射制御装置312は、発射装置229による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、発射制御装置312は、払出制御装置311からのカードユニット接続信号S4(前述したカードユニットがパチンコ機10に接続されている場合に出力される信号である)と、遊技者が遊技球発射ハンドル18をタッチしている場合に出力されるタッチ検出信号S5と、遊技球発射ハンドル18に設けられている、発射を停止させるための発射停止スイッチ18aが操作されていない場合に出力される発射維持信号S6との全てが入力されていることを条件に、発射許可信号S7を主制御装置261に出力する。
すなわち、発射許可信号S7がON(ハイレベル)である期間は発射許可状態であり、発射許可信号S7がOFF(ローレベル)である期間は発射不許可状態である。つまり、主制御装置261は、入力される発射許可信号S7がON(ハイレベル)である期間において、遊技球を発射する発射ソレノイド(図示省略)の制御を行う発射制御信号S8(パルス信号)と、発射レール401に遊技球を送る球送りソレノイドの制御を行う球送り制御信号S9(パルス信号)とを、発射制御装置312に所定の繰り返し周期で繰り返し出力する。発射制御装置312は、発射制御信号S8及び球送り制御信号S9に基づいて発射装置229を駆動制御し、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。逆に、主制御装置261は、入力される発射許可信号S7がOFF(ローレベル)である期間においては、発射制御信号S8及び球送り制御信号S9を発射制御装置312に出力せず、発射装置229によって遊技球が発射されることはない。
表示制御装置45は、第3図柄表示装置42における第3図柄(装飾図柄)の変動表示を制御するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力にはサブ制御装置262の出力が接続され、入力ポート527には、CPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力には液晶表示装置である第3図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、主制御装置261からの各種コマンドがサブ制御装置262で編集等されて送信される各種コマンドに基づいて、第3図柄表示装置42での装飾図柄表示を制御する。ROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
ビデオRAM524は、第3図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、第3図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、第3図柄表示装置42に表示される装飾図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置42に表示させるものである。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給するための電源部541とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
図4に示すように、主制御装置261は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263内に、主制御基板261aと、この主制御基板261aとは別体の電源監視基板261bとを備えている。電源監視基板261bは、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号S1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541で交流24ボルトの電圧を監視し、この電圧が24ボルト未満になった時間が例えば20ミリ秒を超えた場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号S1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号S1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、電源部541で監視している交流5ボルトが5ボルト未満となった時間が20ミリ秒を越えた後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアするための回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号S2を主制御基板261aに出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261においてRAM503のデータがクリアされ、払出制御装置311は主制御装置261からの初期化コマンドを受けるとRAM513のデータがクリアされる。
ところで、第3図柄表示装置42(液晶表示装置)には、図5に示すように、左・中・右の3つの装飾図柄列L,M,Rが設定されており、装飾図柄列L,M,R毎に上装飾図柄、中装飾図柄、下装飾図柄の3個ずつの装飾図柄が変動表示される。本実施の形態では、一連の図柄は、「0」〜「9」の数字を各々付した主装飾図柄SZと、菱形状の絵図柄からなる副装飾図柄FZとにより構成されており、数字の昇順又は降順に主装飾図柄SZが表示されると共に各主装飾図柄SZの間に副装飾図柄FZが配されて一連の装飾図柄列L,M,Rが構成されている。そして、周期性を持って主装飾図柄SZと副装飾図柄FZが上から下へと変動表示されるようになっている。
かかる場合、左装飾図柄列Lにおいては、上記一連の装飾図柄が降順(すなわち、主装飾図柄SZの番号が減る順)に表示され、中装飾図柄列M及び右装飾図柄列Rにおいては、同じく上記一連の装飾図柄が昇順(すなわち、主装飾図柄SZの番号が増える順)に表示される。そして、左装飾図柄列L→右装飾図柄列R→中装飾図柄列Mの順に変動表示が停止し、その停止時に第3図柄表示装置42上の5つの有効ライン、すなわち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5の何れかで主装飾図柄SZが大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主装飾図柄SZの組合せ)で揃えば大当たりとして特別遊技動画が表示されるようになっている。
続いて、本実施例のパチンコ機10のさらなる特徴部分について図6〜図19を用いて説明する。
図8は、裏面枠体430の前面図である。図9は、裏面枠体430を前面右上から見た斜視図である。図10は、裏面枠体430から発光部420を取り外した状態を示す分解斜視図である。図11は、ガラスユニット480の付いた状態でのガラス枠ベース432の裏面左上から見た斜視図である。図12は、ガラスユニット480の付いた状態でのガラス枠ベース432の裏面右上から見た斜視図である。図13は、ガラス枠ベース432を前面右上から見た斜視図である。図14は、図13のガラス枠ベース432から上部金具434,下部金具436を取り外した状態を示す分解斜視図である。図15は、図14の上部金具434,下部金具436を取り外し後のガラス枠ベース432を前面右上から見た斜視図である。図16は、図15のガラス枠ベース432から板金440a〜440dを取り外した状態を示す分解斜視図である。図17は、板金440a〜440dの斜視図である。なお、図17では、板金440a〜440dにおける一点鎖線円箇所の断面を矢印先の一点鎖線円内に示している。図18は、内枠12に対して閉状態とした裏面枠体430の前面図である。図19は、図18に示すA−A線箇所の断面図である。なお、図18,図19では、前面枠体410を除いた状態としている。
前面枠セット14は、図7に示すように、正面視でその上部側の上側電飾部400から下部側の下皿ユニット13(下皿15や遊技球発射ハンドル18など)までも含む単一の枠体となっているので、この前面枠セット14を内枠12に対して開状態とすると、下皿ユニット13も含めて一体的に開かれた状態となる。なお、この前面枠セット14を、下皿ユニット13を除いたものとしてもよい。
また、前面枠セット14は、図6,図7に示すように、裏面視で左端側で縦方向に間隔を空けて3個の係止爪406を備えている。前面枠セット14が内枠12に閉じられる際に、これら3個の係止爪406が内枠12の係止部(図示省略)に係止されることで、前面枠セット14が内枠12に閉状態に保持されるようになっている。また逆に、この係止爪406を係止部(図示省略)から解除することで、内枠12の正面視での左端側を開閉軸J1として前面枠セット14が内枠12に対して開放可能となる。
さらに、前面枠セット14は、図7に示すように分解視すると、前後方向に二分され、前面側の前面枠体410と、裏面側の裏面枠体430とから構成されている。つまり、前面枠セット14は、図7に示すように、内枠12と対向する面とは反対側の面である前面側に位置する不透明な前面枠体410と、内枠12と対向する面である裏面側に位置する不透明な裏面枠体430とを備えている。
前面枠体410および裏面枠体430は、樹脂成形されたものとしている。
具体的には、前面枠体410は、複数のユニット(ガラス枠部23と上皿ユニット21と下皿ユニット13)から構成されている。これらのユニット(ガラス枠部23と上皿ユニット21と下皿ユニット13)は、有色の樹脂成形品としており、裏面枠体430に別々に取り付けられている。つまり、ガラス枠部23を構成する上側電飾部400や左側電飾部402や右側電飾部404と、上皿ユニット21と、下皿ユニット13とが別々に裏面枠体430に取り付けられている。また、裏面枠体430は有色の樹脂成形品としている。このように前面枠体410は、裏面枠体430の全体を覆い、かつ、着色されているおり、裏面枠体430も有色部材となっていることから、前面枠セット14はその窓部101を除いて不透明となっている。
また、裏面枠体430は、当該裏面枠体430と同程度の大きさでベースとなる後述するガラス枠ベース432を備えており、このガラス枠ベース432は有色(例えば青色など)の樹脂成形品とし、ガラス枠ベース432に各種の部材(他の樹脂成形品や部品など)が取り付けられて構成されている。このように裏面枠体430は、ガラス枠ベース432が有色であることから不透明となっている。つまり、前面枠体410および裏面枠体430は、着色された材料で形成されている。
さらに、前面枠セット14は、図7に示すように、前面枠体410と裏面枠体430との間に、前面枠体410と裏面枠体430とは異なる材質で形成された補強部材としての板金440a〜440d(例えば、補強用の板金440a〜440d)を挟んで構成されている。本実施例では、裏面枠体430の前面側(内枠12と対向する面とは反対側)にその板金440a〜440dが取り付けられており、この裏面枠体430の前面側に前面枠体410を取り付けることで、前面枠体410と裏面枠体430との間に板金440a〜440dを挟み込む構成を実現している。なお、この板金440a〜440dについては後述する。
内枠12は、図9に示すように、前面枠セット14を開閉可能に軸支する導電性の軸支部460を備えている。具体的には、軸支部460は、図9に示すように、内枠12の正面視で左端上部と左端下部との2箇所に設けられている。
左端上部の軸支部460は、裏面枠体430の正面視で左端上部に設けられた導電性の上部金具434の高さ方向の軸部434aが挿入される、平面視で略U字形状(その切欠き口の幅が切欠き内部の幅よりも小さくなっている形状)の切欠き部462を有する導電性の上部支持具464である。軸部434aは、その上側に位置する直径の大きい円柱体と、それよりも直径の小さい下側に位置する円柱体とが同心軸で一体となった二段軸となっている。つまり、軸部434aの下側円柱体(幅細軸)を上部支持具464の切欠き部462にその切欠き口から入れた後、裏面枠体430が僅かに下がって上部支持具464の切欠き部462の切欠き内部に軸部434aの上側円柱体(幅広軸)が位置し、裏面枠体430を持ち上げなければ軸部434aが切欠き部462から外れないようになっている。
また、左端下部の軸支部460は、裏面枠体430の正面視で左端下部に設けられた導電性の下部金具436の水平方向に突き出た支持片438の円形の貫通孔438aに挿入される、高さ方向に突出する平面視で円形の突出ピン466を有する導電性の下部支持具468である。
図13に示した裏面枠体430の上部金具434および下部金具436は、図14に示すように、それに該当するネジ435(図13参照)を緩めて外すことで、裏面枠体430から取り外すことができる。
ところで、実施例の前面枠セット14は、前述したように上側電飾部400、左側電飾部402および右側電飾部404を備えている(図1参照)。これらの上側電飾部400、左側電飾部402および右側電飾部404は、図7に示すように、前面枠体410の装飾部材414と、この装飾部材414を照らすための発光部420とを備えている。つまり、発光部420は、図9,図10に示すように、所定箇所にLED422(発光ダイオード)が実装されたランプ基板424と、このランプ基板424を支持する支持部材426とを備えている。ランプ基板424を支持する支持部材426を裏面枠体430の正面視で窓部101の上側、右側および左側箇所に取り付けられている。ランプ基板424のLED422が発光することで前面枠体410の装飾部材414が照らされ、つまり、上側電飾部400、左側電飾部402および右側電飾部404が照らされ、前面枠体410の装飾部材414(上側電飾部400、左側電飾部402および右側電飾部404)が発光表示されるようになっている。なお、本実施例では、ランプ基板424のLED422として多色発光タイプのものを採用している。
ここで、前面枠体410と裏面枠体430との間に挟み込まれる補強用の板金440a〜440dについて説明する。
図7等を用いて前述したように、裏面枠体430は発光部420を備え、前面枠体410は裏面枠体430の発光部420により照らされる装飾部材414を備え、補強用の板金440a〜440dは、装飾部材414の裏面側でかつ裏面枠体430の前面側に位置している。
具体的には、補強用の板金440a〜440dは、図14〜図16に示すように、導電性の部材であり、裏面枠体430に複数個(本実施例では4個)備えられている。つまり、4個の板金440a〜440dは、前面枠セット14の正面視で当該前面枠セット14のうちで窓部101を除く箇所で、かつ、窓部101の周囲にそれぞれ位置するように裏面枠体430に設けられている。また、これら板金440a〜440dが電気的に接続されている。
図14〜図16に示すように、4個の補強用の板金440a〜440dは、前面枠セット14の正面視で当該前面枠セット14の上部に位置する補強用の上板金440aと、前面枠セット14の右部に位置する補強用の右板金440bと、前面枠セット14の下部に位置する補強用の下板金440cと、前面枠セット14の左部に位置する補強用の左板金440dのことである。
また、図13,図17に示すように、板金440b,440cは、その一部同士が直接的に接触した状態でネジ435等の締結部品で固定され、板金440d,440cも、その一部同士が直接的に接触した状態でネジ435等の締結部品で固定され、板金440a,440dが上部金具434の導電性金具434b(導電性部材)を介して間接的に接触した状態でネジ435等の締結部品で固定され、板金440a,440bが図14に示す導電性金具434c(導電性部材)を介して間接的に接触した状態でネジ435等の締結部品で固定されていることから、これらの板金440a〜440dが相互に電気的に接続された状態となっている。
さらに詳細に言えば、図13,図14に示すように、左板金440dの上部と上板金440aの左端部とは導電性の上部金具434の導電性金具434bで締結されているので、左板金440dと上板金440aとが電気的に接続されている。また、左板金440dの下部と下板金440cの左端部とは導電性の下部金具436で締結されているので、左板金440dと下板金440cとが電気的に接続されている。また、右板金440bの上部と上板金440aの右端部とは導電性金具434cで締結されているので、右板金440bと上板金440aとが電気的に接続されている。また、右板金440bの下部と下板金440cの右端部とは重なった状態でネジ435により締結されているので、右板金440bと下板金440cとが電気的に接続されている。
図9に示すように、内枠12の左端上部の軸支部460としての導電性の上部支持具464は、裏面枠体430の導電性の上部金具434を介して上板金440aおよび左板金440dに電気的に接続されており、内枠12の左端下部の軸支部460としての導電性の下部支持具468は、裏面枠体430の導電性の下部金具436を介して下板金440cおよび左板金440dに電気的に接続されており、内枠12の上部支持具464および下部支持具468が接地(アース)されている。
つまり、板金440a〜440dは、図7に示すように、前面枠セット14の正面視で当該前面枠セット14のうちで窓部101を除く箇所で、かつ、窓部101の周囲に位置するように、前面枠体410と裏面枠体430との間に挟み込まれている。
また、上板金440a、左板金440dおよび右板金440bは、図16,図17に示すように、断面視でコノ字形状である長手部材となっている。下板金440cは、図16,図17に示すように、裏面枠体430の幅と同程度の幅で窓部101の下部から裏面枠体430の下端までの高さを有する略平板状で、下方箇所が裏面枠体430の方に折り曲げられた形状となっている。
上述した4個の板金440a〜440dは、図17に示すように、前面枠セット14での前面側および裏面側を除く外周箇所である外周部でその前面枠セット14の裏面の方に向かって折り曲げられた折り曲げ部(リブ)442をそれぞれ備えている。
具体的には、上板金440aは、図17に示すように、前面枠セット14での前面側および裏面側を除く外周箇所である外周部の上部箇所でその前面枠セット14の裏面の方に向かって折り曲げられた折り曲げ部442を備えている。右板金440bは、図17に示すように、前面枠セット14での前面側および裏面側を除く外周箇所である外周部の右部箇所でその前面枠セット14の裏面の方に向かって折り曲げられた折り曲げ部442を備えている。下板金440cは、図17に示すように、前面枠セット14での前面側および裏面側を除く外周箇所である外周部の下部箇所でその前面枠セット14の裏面の方に向かって折り曲げられた折り曲げ部442を備えている。左板金440dは、図17に示すように、前面枠セット14での前面側および裏面側を除く外周箇所である外周部の左部箇所でその前面枠セット14の裏面の方に向かって折り曲げられた折り曲げ部442を備えている。
内枠12は、図19に示すように、当該内枠12の正面視でその外端箇所に、前面枠セット14の閉状態において当該前面枠セット14の外周部の少なくとも内枠12に近い側が近接する外壁部470を備えている。
図19に示すように、前述した板金440a〜440dの折り曲げ部442は、その先端が内枠12の方に向かって突出した突出部444を備えている。内枠12は、外壁部470の内側で、前面枠セット14の閉状態において当該前面枠セット14の板金440a〜440dの折り曲げ部442の突出部444が入る凹部472を備えている。
続いて、本実施例のパチンコ機10のさらなる特徴部分について図20〜図30を用いて説明する
図20は、ガラス枠ベース432とガラスユニット480を裏面左上から見た斜視図である。図21は、ガラス枠ベース432とガラスユニット480を裏面右上から見た斜視図である。図22は、ガラスユニット480を取り外した状態のガラス枠ベース432の裏面図である。図23(a)〜(e)は、その順に、ガラスフレーム482の上面図、左側面図、前面図、右側面図、下面図である。図24は、ガラスフレーム482の前面左上からみた斜視図である。図25は、ガラスフレーム482の前面右上からみた斜視図である。図26は、ガラスフレーム482の裏面左上からみた斜視図である。図27は、ガラスフレーム482の裏面右上からみた斜視図である。図28は、ガラスフレーム482の裏面図である。図29は、ガラスユニット480の分解斜視図である。図30は、前面枠セット14でのガラス枠ベース432の窪み部433の箇所の断面図である。
さらに、前面枠セット14は、図20,図21に示すように、その裏面側(内枠12と対向する側)にガラスユニット480を備えている。具体的には、前面枠セット14の裏面枠体430におけるガラス枠ベース432は、その裏面側にガラスユニット480が着脱自在となっている。
ガラスユニット480は、図20,図21に示すように、遊技盤30の遊技領域30a(図2参照)の前面を覆うガラス板137と、このガラス板137が固着されるガラスフレーム482とを備えている。具体的には、ガラスフレーム482は、図29に示すように、ガラス板137の外周箇所137aを内接させるようにして当該ガラス板137が固着される内装用開口部484を有する枠状のフレーム部材としている。
さらに、裏面枠体430は、図20〜図22に示すように、正面視でその所定箇所に、遊技盤30の遊技領域30aを視認するための視認用開口部431が形成され、裏面視でこの視認用開口部431を含む大きさの取付面に窪み部433が形成されている。
窪み部433は、図20〜図22に示すように、ガラスフレーム482の外周箇所を内接させるようにして当該ガラスフレーム482が取着されるものであり、かつ、その取着されたガラスフレーム482の当該窪み部433側箇所がその奥面433aに当接するものとしている。なお、窪み部433を、取着されたガラスフレーム482の当該窪み部433側箇所がその奥面433aに近接するものとしてもよい。
裏面枠体430は、図20〜図22に示すように、その裏面側の所定箇所に、ガラスフレーム482が着脱自在で、かつ、ガラスフレーム482を窪み部433に取着させた嵌合状態(第1状態)と、ガラスフレーム482を窪み部433から離脱した離脱状態(第2状態)とに変位可能に当該ガラスフレーム482を支持する支持部486を備えている。具体的には、ガラスフレーム482は、図20に示すように、その裏面視で右側部の上下2箇所に、下向きに突出した円柱形状の支持ピン483がそれぞれ形成されている。裏面枠体430は、図20に示すように、その裏面視で右側上下2箇所に、ガラスフレーム482の支持ピン483の挿入される挿入方向視で円形の支持孔485が形成された支持片487を、それぞれ備えている。
裏面枠体430の窪み部433は、図30に示すように、前面枠体410の方に窪んで形成されており、具体的には、裏面枠体430の裏面側から前面側に向けて突出した突出壁489と、この突出壁489の先端部から視認用開口部431の方に延出させた延出部491とを備えたものであり、延出部491で仕切られた空間に視認用開口部431を形成している。
窪み部433は、図22に示すように、ガラス板137との重なり代を、裏面枠体430の裏面視で視認用開口部431の下側の方がこの視認用開口部431の上側および左右側よりも大きくした形状となっている。つまり、窪み部433は、その視認用開口部431の下側での重なり代d1が、その上側での重なり代d2、左側での重なり代d3および右側での重なり代d4よりも大きくなっている。
さらに、窪み部433は、図20,図22に示すように、その所定箇所に、前面枠体410を裏面枠体430にネジ止めするためのネジ孔498が複数個(本実施例では10個)形成されている。つまり、前面枠体410を裏面枠体430のネジ孔498にネジ止めすることで、前面枠体410と裏面枠体430とを視認用開口部431の近傍で一体的に固定することができ、開口の剛性を高くできる。また、前面枠体410を裏面枠体430に取り付ける際には、支持部486により、ガラスフレーム482を窪み部433から離脱させた離脱状態(第2状態)でガラスユニット480を支持でき、ガラスユニット480を前面枠セット14から完全に取り外した状態とする必要もない。
ガラスフレーム482は、図29に示すように、内装用開口部484の一方の開口側(例えば裏面側)および他方の開口側(例えば前面側)にガラス板137(図参照)がそれぞれ固着され、二重ガラス構造とするものである。また、ガラスフレーム482は、図24〜図28に示すように、両ガラス板137が所定の間隔を空けて配設される二重ガラス構造となるように内装用開口部484から突出した部分であって両ガラス板137の間に挟まれる介装部482aを備えている。
裏面枠体430は、図22に示すように、正面視で視認用開口部431以外の箇所に、払出モータ358aからの遊技球を前面枠セット14の裏面側から前面側の上皿19に排出する排出口たる貫通孔493を備え、かつ、窪み部433のうちで貫通孔493に近い箇所を貫通孔493の方に領域拡張した拡張窪み部495を備えている。ガラスフレーム482は、拡張窪み部495付きの窪み部433に対応した形状としており、拡張窪み部495に対応する箇所に、両ガラス板137間を除湿するための乾燥剤を収納する乾燥剤入れ部497を備えている。
また、両ガラス板137は、図29に示すように、正面視でその形状が互いに異なっている。具体的には、図29に示すように、ガラスフレーム482の内装用開口部484での一方の開口側(例えば裏面側)に固着されるガラス板137は、正面視で略縦長楕円形状のものであり、ガラスフレーム482の内装用開口部484での他方の開口側(例えば前面側)に固着されるガラス板137は、正面視で、略縦長楕円形状に拡張窪み部495を加えたような形状となっている。
なおここで、図30に示すように、ピアノ線などの不正部材Fを窓部101から進入させようとする不正行為に対する効果などについて以下に説明する。
図30に示すように、前面枠セット14の視認用開口部431(具体的には視認用開口部431とガラス板137との間)にピアノ線などの不正部材Fを進入させようとしても、前面枠セット14は、ガラス板137が固着されたガラスフレーム482を窪み部433に内接させて取着しているので、ガラスフレーム482の外周と窪み部433との間に隙間が無く、しかも、取着されたガラスフレーム482の窪み部433側箇所がその窪み部433の奥面433aに当接しているので、ガラスフレーム482の窪み部433側箇所とその窪み部433の奥面433aとの間に隙間が無く、前面枠セット14での視認用開口部431とガラス板137との間にピアノ線などの不正部材Fを進入させることができないし、遊技領域の入賞部品(例えば、第1の始動口33a,33b)などが不正に操作されることがない。
さらに、前面枠セット14の窪み部433におけるガラスフレーム482の外周と取着する箇所たる「第1箇所」を熱で溶かしてガラス板137の面方向に不正な貫通孔493を形成しようとしても、まず、ガラスフレーム482の窪み部433の奥面433a箇所たる「第2箇所」を熱溶解させなければ第1箇所に到達できないので、この第2箇所の熱溶解やそれを不正に修復したことを発見できるので不正を容易に発見できるし、窪み部433は、その窪み形状からわかるように、薄壁状部材のような厚みの薄いものではなく、その窪み壁の厚みは前記薄壁状部材と比べて非常に厚くなっている(極端に言えば、前面枠セット14の視認用開口部431からその外側までの長さが、窪み部433の窪み壁の厚みと言える)ことから、その窪み壁を溶かしてガラス板137面方向に不正な貫通孔493を形成することも困難であり、不正抑止効果が高い。
なお、上述した内枠12が本発明における本体部材に相当し、上述した前面枠セット14が本発明における扉部材に相当し、上述したガラス板137が本発明における透明部材に相当し、上述したガラス板137が本発明における透明部材に相当し、上述したガラスフレーム482が本発明におけるフレームに相当し、上述した前面枠体410が本発明における前面側部材に相当し、上述した裏面枠体430が本発明における裏面側部材に相当し、上述した板金440a〜440d(上板金440a、右板金440b、下板金440c、左板金440d)が本発明における補強部材に相当し、上述した窓部101およびガラス板137が本発明における視認窓に相当し、上述した発光部420が本発明における発光手段に相当する。
上述したように、本実施例のパチンコ機10によれば、前面枠セット14は、遊技盤30の遊技領域30aの前面を覆うガラス板137と、このガラス板137の外周箇所137aを内接させるようにして当該ガラス板137が固着される内装用開口部484を有する枠状のガラスフレーム482とを備え、さらに、前面枠セット14は、正面視でその所定箇所に、遊技盤30の遊技領域30aを視認するための視認用開口部431が形成され、裏面視で視認用開口部431を含む大きさの取付面に窪み部433が形成されており、この窪み部433は、ガラスフレーム482の外周箇所を内接させるようにして当該ガラスフレーム482が取着されるものであり、かつ、その取着されたガラスフレーム482の当該窪み部433側箇所がその奥面433aに当接する。したがって、前面枠セット14は、ガラス板137が固着されたガラスフレーム482を窪み部433に内接させて取着しているので、ガラスフレーム482の外周と窪み部433との間に隙間が無く、しかも、取着されたガラスフレーム482の窪み部433側箇所がその窪み部433の奥面433aに当接しているので、ガラスフレーム482の窪み部433側箇所とその窪み部433の奥面433aとの間に隙間が無く、前面枠セット14の視認用開口部431(具体的には視認用開口部431とガラス板137との間)にピアノ線などの不正部材を進入させることができないようにでき、遊技領域の入賞部品などが不正に操作されることを低減できる。
さらに、前面枠セット14の窪み部433におけるガラスフレーム482の外周と取着する箇所たる「第1箇所」を熱で溶かしてガラス板137の面方向に不正な貫通孔493を形成しようとしても、まず、ガラスフレーム482の窪み部433側箇所たる「第2箇所」を熱溶解させなければ第1箇所に到達できないので、この第2箇所の熱溶解やそれを不正に修復したことを発見できるので不正を容易に発見できるし、窪み部433は、その窪み形状からわかるように、薄壁状部材のような厚みの薄いものではなく、その窪み壁の厚みは前記薄壁状部材と比べて非常に厚くなっている(極端に言えば、前面枠セット14の視認用開口部431からその外側までの長さが、窪み部433の窪み壁の厚みと言える)ことから、その窪み壁を溶かしてガラス板137面方向に不正な貫通孔493を形成することも困難であり、不正抑止効果が高い。
このことから、前面枠セット14を正面視した状態で視認用開口部431に対してガラス板137を十分に大きくしていく(つまり、視認用開口部431に対するガラス板137の重なり代を十分に大きくしていく)必要はなく、ガラス板137の重量増加を低減でき、重量増加に伴う作業性、運搬性等の低下の問題を低減できる。
その結果、ガラス板137の重量増加を抑止しつつ不正行為を低減できる前面枠セット14を備えた遊技機を提供することができる。
また、前面枠セット14は、その裏面側の所定箇所に、ガラスフレーム482が着脱自在で、かつ、ガラスフレーム482を窪み部433に取着させた第1状態と、ガラスフレーム482を窪み部433から離れた第2状態とに変位可能に当該ガラスフレーム482を支持する支持部486を備えている。つまり、装着の際には、ガラス板137が内装されたガラスフレーム482を前面枠セット14の支持部486に取り付けることで、そのガラス板137付きガラスフレーム482が前面枠セット14の支持部486で支持された状態となり、その支持状態のままで、ガラスフレーム482を窪み部433に取着させた第1状態に移行できる。また、抜脱の際には、ガラスフレーム482を窪み部433に取着させた第1状態から、ガラスフレーム482を窪み部433から離れた第2状態に変位でき、しかもこれらの状態が前面枠セット14に支持された状態のままであり、第2状態のガラスフレーム482を支持部486から取り外すことができる。したがって、ガラス板137の交換作業などを容易にかつ安全に行うことができる。
また、窪み部433は、ガラス板137との重なり代を、前面枠セット14の裏面視で視認用開口部431の下側の方が視認用開口部431の上側および左右側よりも大きくした形状となっているので、前面枠セット14の正面視で視認用開口部431の下側は、視認用開口部431の上側および左右側に比べて不正が行われ易い箇所であり、視認用開口部431の下側の重なり代を大きくすることで、ガラス板137の重量はその箇所分だけ増加してしまうが、重なり代が大きいことでさらに不正抑止効果が高まる。
なお、図22に示すように、視認用開口部431の上側(あるいは左側または右側)においての、ガラスフレーム482を裏面枠体430に固定するための固定部499(図20参照)が位置する部分d5は、視認用開口部431の上側および左右側の重なり代d2〜d4に含まない。
また、前面枠セット14は、内枠12と対向する面とは反対側の面である前面側に位置する前面枠体410と、内枠12と対向する面である裏面側に位置する裏面枠体430とを備え、前面枠体410および裏面枠体430は、視認用開口部431を備え、窪み部433は、裏面枠体430での内枠12と対向する側に形成されており、裏面枠体430の裏面側から前面側に向けて突出した突出壁489と、この突出壁489の先端部から視認用開口部431の方に延出させた延出部491とを備えたものであり、延出部491で仕切られた空間に視認用開口部431を形成しているので、前面枠セット14の裏面枠体430に形成された窪み部433により、ガラスフレーム482の外周と窪み部433との間に隙間が無く、しかも、ガラスフレーム482の窪み部433側箇所とその窪み部433の奥面433aとの間も隙間が無く、前面枠セット14の視認用開口部431(具体的には視認用開口部431とガラス板137との間)にピアノ線などの不正部材を進入させることができないようにでき、遊技領域の入賞部品などが不正に操作されることを低減できる。
さらに、前面枠セット14の窪み部433におけるガラスフレーム482の外周と取着する箇所たる突出壁489を熱で溶かしてガラス板137の面方向に不正な貫通孔493を形成しようとしても、まず、ガラスフレーム482の窪み部433側箇所たる延出部491を熱溶解させなければ窪み部433の突出壁489に到達できないので、この延出部491の熱溶解やそれを不正に修復したことを発見できるので不正を容易に発見できるし、窪み部433は、その窪み形状からわかるように断面視で略L字形状となっており、その突出壁489を溶かしてガラス板137面方向に不正な貫通孔493を形成したとしても未だ前面枠セット14の裏面側に達しておらず、遊技領域30aの入賞部品などが不正に操作されることもないし、不正抑止効果が高い。
さらに、前面枠セット14は正面視で前後方向に前面枠体410と裏面枠体430とに分けられ、裏面枠体430によって前述した不正抑止効果があり、前面枠体410は専ら意匠性に優れた形状等とすることができ、不正行為低減のためにその意匠性などが制限されるという問題も生じない。
また、ガラスフレーム482は、内装用開口部484の一方の開口側および他方の開口側にガラス板137がそれぞれ固着されるものであり、両ガラス板137が所定の間隔を空けて配設される二重ガラス構造となるように内装用開口部484から突出した部分であって両ガラス板137間に挟まれる介装部482aを備えているので、このような二重ガラス構造の前面枠セット14では以下に説明するようにさらに不正抑止効果がある。つまり、ガラス板137が前後に二枚並べられ、かつ、内装用開口部484の介装部482aを両ガラス板137で挟んだ状態とした二重ガラス構造となっているので、ガラス板137の外周とガラスフレーム482の内装用開口部484とが固着され、ガラス板137の外周とガラスフレーム482の内装用開口部484との間に隙間が無く、ガラス板137の外周とガラスフレーム482の内装用開口部484との間にピアノ線などの不正部材を進入させることができないようにでき、しかも、ガラス板137付きのガラスフレーム482を正面視した場合での、ガラス板137の外周とガラスフレーム482の内装用開口部484との境界部分には、両ガラス板137間に挟まれた介装部482aが位置しており、この介装部482aが邪魔になってそれ以上不正部材を進入させることができないし、遊技領域の入賞部品などが不正に操作されることを低減できる。
また、裏面枠体430は、正面視で視認用開口部431以外の箇所に貫通孔493を備え、かつ、窪み部433のうちで貫通孔493に近い箇所を貫通孔493の方に領域拡張した拡張窪み部495を備えており、ガラスフレーム482は、拡張窪み部495付きの窪み部433に対応した形状としており、拡張窪み部495に対応する箇所に、両ガラス板137間を除湿するための乾燥剤を収納する乾燥剤入れ部497を備えているので、前面枠セット14の視認用開口部431から不正部材を進入させることは前述したように困難とすることができ、前面枠セット14の視認用開口部431とこの前面枠セット14の裏面枠体430の貫通孔493との間に設けられた乾燥剤入れ部497が不正部材の進入を妨げるので、裏面枠体430の貫通孔493への進入を低減できる。つまり、前面枠セット14の視認用開口部431から不正部材を進入させ、かつ、この前面枠セット14における裏面枠体430の貫通孔493に進入させる不正行為を低減できる。すなわち、裏面枠体430の貫通孔493を悪用(狙った)した不正部材の進入を低減できる。
また、内枠12に対して開閉自在な前面枠セット14は、内枠12と対向する面とは反対側の面である前面側に位置する不透明な前面枠体410と、内枠12と対向する面である裏面側に位置する不透明な裏面枠体430とを備え、前面枠体410と裏面枠体430との間に、前面枠体410と裏面枠体430とは異なる材質で形成された補強用の板金440a〜440dを挟んで構成されているので、前面枠セット14を前面視したとしてもその前面枠体410が不透明なものであることから、前面枠セット14における補強用の板金440a〜440dの配置箇所をわからないようにできるし、たとえ前面枠セット14を開けて裏面視したとしても、裏面枠体430が不透明なものであるため、前面枠セット14における補強用の板金440a〜440dの配置箇所をわからないようにできる。つまり、前面枠セット14での補強用の板金440a〜440dの有無、補強用の板金440a〜440dを避けた位置やその有無についてもわからないようにできる。したがって、補強用の板金440a〜440dを避けた位置に孔(不正な孔)を空けることを困難とすることができ、前面枠セット14を介しての不正行為を低減できる。
また、前面枠体410および裏面枠体430は、着色された材料で形成されており、不透明な部材となっているので、前面枠セット14における補強用の板金440a〜440dの配置箇所をわからないようにでき、前面枠セット14を介しての不正行為を低減できる。
また、内枠12は、遊技球が打ち込まれる遊技領域30aを有する遊技盤30を備え、前面枠セット14は、内枠12に対して閉じた状態で遊技盤30の遊技領域30aが視認可能な窓部101およびガラス板137を備え、補強用の板金440a〜440dは、前面枠セット14の正面視で当該前面枠セット14のうちで窓部101およびガラス板137を除く箇所で、かつ、窓部101の周囲に位置するように、前面枠体410と裏面枠体430との間に挟み込まれているので、前面枠セット14の窓部101の周囲箇所のうちで補強用の板金440a〜440dを避けた位置やその有無についてもわからないようにでき、補強用の板金440a〜440dを避けた位置に孔を空けることを困難とすることができ、前面枠セット14を介しての不正行為を低減できる。
また、補強部材として補強用の板金440a〜440dを採用しているので、前面枠セット14の剛性を確保できるのみならず、この板金440a〜440dを溶かして孔を空けることは困難であり、前面枠セット14を介しての不正行為を低減できる。
また、複数個の補強用の板金440a〜440dは、前面枠セット14の正面視で当該前面枠セット14のうちで窓部101およびガラス板137を除く箇所で、かつ、窓部101の周囲にそれぞれ位置するように、前面枠体410と裏面枠体430との間に挟み込まれているので、前面枠セット14の剛性を確保できるのみならず、この板金440a〜440dを溶かして孔を空けることは困難であり、前面枠セット14を介しての不正行為を低減できる。また、これら板金440a〜440dが電気的に接続されているので、いずれかの板金440a〜440dを接地することで、前面枠セット14の全体にわたって接地させることができる。
また、前面枠セット14の上部には補強用の上板金440aを、前面枠セット14の右部には補強用の右板金440bを、前面枠セット14の下部には補強用の下板金440cを、前面枠セット14の左部には補強用の左板金440dをそれぞれ備えており、これらの板金440a〜440dが前面枠体410と裏面枠体430との間に挟み込まれているので、前面枠セット14の剛性を確保できるのみならず、この板金440a〜440dを溶かして孔を空けることは困難であり、前面枠セット14を介しての不正行為を低減できる。また、これら板金440a〜440dが電気的に接続されているので、いずれかの板金440a〜440dに対して接地することで、前面枠セット14の全体にわたって接地させることができる。
また、内枠12は、前面枠セット14を開閉可能に軸支する導電性の軸支部460を備え、内枠12の軸支部460は、複数個の板金440a〜440dのうちの少なくとも一つと電気的に接続されるとともに接地されているので、前面枠セット14の全体にわたって接地させることができる。
また、裏面枠体430は発光部420を備え、前面枠体410は裏面枠体430の発光部420により照らされる装飾部材414を備え、補強用の板金440a〜440dは、装飾部材414の裏面側でかつ裏面枠体430の前面側に位置しているので、装飾部材414に溜まるノイズによる悪影響を低減できる。つまり、装飾部材414(特に金属製又は金属メッキを施した装飾部材など)に電荷が溜まることがあり、この電荷に起因して発生するノイズが前面枠セット14から裏面側へ出射されることを導電性の板金440a〜440dにより低減でき、内枠12の遊技盤30の各種遊技部品や、ひいては、遊技内容を制御する制御基板に対し、悪影響をもたらすことを低減できる。
また、板金440a〜440dは、前面枠セット14での前面側および裏面側を除く外周箇所である外周部(つまり、前面枠セット14の外周側)でその前面枠セット14の裏面の方に向かって折り曲げられた折り曲げ部442を備えているので、前面枠セット14の外周部に孔を空けることを困難とすることができ、前面枠セット14を介しての不正行為を低減できる。
また、内枠12は、当該内枠12の正面視でその外端箇所に、前面枠セット14の閉状態において当該前面枠セット14の外周部の少なくとも内枠12に近い側が近接する外壁部470を備えているので、前面枠セット14の外周部で内枠12に近い側が内枠12の外壁部470に近接して閉じた状態となるので、前面枠セット14と内枠12との隙間に細状部材を挿入して不正しようとしても、細状部材が内枠12の奥面に当たりそれ以上進まないかあるいは進み難いので、不正行為を低減できる。
また、板金440a〜440dの折り曲げ部442は、その先端が内枠12の方に向かって突出した突出部444を備え、内枠12は、外壁部470の内側で、前面枠セット14の閉状態において当該前面枠セット14の板金440a〜440dの折り曲げ部442の突出部444が入る凹部472を備えているので、前面枠セット14が内枠12に対して閉じた状態となると、前面枠セット14の外周部で内枠12に近い側が内枠12の外壁部470に近接して閉じた状態となるだけでなく、板金440a〜440dの折り曲げ部442の先端である突出部444が内枠12の凹部472に入った状態となるので、前面枠セット14と内枠12との隙間に細状部材を挿入して不正しようとしても、細状部材が内枠12の凹部472に当たりそれ以上進まないかあるいは凹部472から出難くそれ以上進み難いので、不正行為を低減できる。
また、補強用の板金440a〜440dの折り曲げ部442の前面枠セット14の裏面側への突出量を、裏面枠体430の厚みの分だけ減らすことができ、前面枠セット14の厚みを薄くできる。したがって、丈夫な補強構造を維持しつつ薄くできる前面枠セット14を備えたパチンコ機を提供できる。このように、薄くした分(裏面枠体430の厚みの分)だけさらに前面側に盛り上った形状の前面枠セット14を採用することもでき、盛り上がり程度を大きくできることから造形性を向上させることができる。また、前面枠セット14は、前述したように薄くすることができるので、従来のパチンコ機での開き角(隣のパチンコ機に当たる角度)よりも大きな開き角とすることができ、作業性を向上させることができる。
また、前面枠体410と裏面枠体430とは樹脂成形されたものとしているので、前面枠体410と裏面枠体430とを容易に成形することができる。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例では、ガラス板137を採用しているが、透明樹脂板などガラス以外の材質のものを採用してもよい。
(2)上述した実施例では、中空環状のガラスフレーム482を採用しているが、矩形状や楕円形状など円形以外の中空形状としてもよい。
(3)上述した実施例における窪み部433の窪み壁を、ガラスフレーム482の外周から放射方向に向かって裏面枠体430の外側に達するまでの厚み、つまり、裏面枠体430の視認用開口部431からその裏面枠体430の外側までの長さとしてもよい。
(4)上述した実施例では、貫通孔493は、払出モータ358a(払出装置)からの遊技球を前面枠セット14(扉部材)の裏面側から前面側の上皿19に排出する排出口としているが、遊技球を投入するための投入口や、スピーカ用の孔など各種の貫通孔が挙げられる。
(5)上述した実施例では、前面枠体410および裏面枠体430は着色された材料で形成されているが、前面枠体410は、その前面側(前面枠体410における板金440a〜440dに接している面とは反対の面側)が少なくとも着色されたものとし、裏面枠体430は、その裏面側(裏面枠体430における板金440a〜440dに接している面とは反対の面側)が少なくとも着色されたものとしてもよい。例えば、前面枠体410および裏面枠体430のその外面を着色塗装するなどが挙げられる。この場合でも、扉部材(前面枠セット14)における補強部材(板金440a〜440d)の配置箇所をわからないようにでき、扉部材(前面枠セット14)を介しての不正行為を低減できる。
(6)上述した実施例では、前面枠体410および裏面枠体430は着色された材料で形成されているが、前面枠体410は、その前面側(前面枠体410における板金440a〜440dに接している面とは反対の面側)に着色された部材を備え、裏面枠体430は、その裏面側(裏面枠体430における板金440a〜440dに接している面とは反対の面側)に着色された部材を備えるようにしてもよい。例えば、前面枠体410および裏面枠体430のその外面に着色された部材(例えば、着色されたシート、シールなど)を貼り付けたり、取り付けたりすることなどが挙げられる。この場合でも、扉部材(前面枠セット14)における補強部材(板金440a〜440d)の配置箇所をわからないようにでき、扉部材(前面枠セット14)を介しての不正行為を低減できる。
(7)上述した実施例では、本体部材(内枠12)は、扉部材(前面枠セット14)を開閉可能に軸支する導電性の軸支部460を備え、この軸支部460は、複数個の板金440a〜440dのうちの少なくとも一つと電気的に接続されるとともに接地されている構成を採用しているが、以下のような構成を採用してもよい。
例えば、本体部材(内枠12)は、扉部材(前面枠セット14)が当該内枠12に対して閉状態となると、少なくとも一つの板金440a〜440dに接触して電気的に接続される図示省略の接続部(接触部)を備え、この接続部は接地されている構成が挙げられる。この場合には、本体部材(内枠12)の接続部(接触部)は、扉部材(前面枠セット14)が当該内枠12に対して閉状態となると、少なくとも一つの板金440a〜440dに接触して電気的に接続され、この接続部は接地されているので、扉部材(前面枠セット14)の全体にわたって接地させることができる。
(8)上述した実施例の装飾部材414を、発光部420により照らされ金属製又は金属メッキを施したものとし、補強部材(板金440a〜440d)はこの装飾部材414に電気的に接続されているという構成を採用した場合には、以下の効果がある。
つまり、金属製又は金属メッキを施した装飾部材414に電荷が溜まることがあり、この電荷がノイズなどを発生させる要因となり、扉部材(前面枠セット14)に取り付けられる電気部品(例えば、装飾部材414を照らすランプ基板424など)、ひいては、遊技内容を制御する制御基板に対し、悪影響をもたらすことになるという問題に対して、補強部材は装飾部材414に電気的に接続されているので、扉部材(前面枠セット14)内の補強部材つまり前面側部材(前面枠体410)と裏面側部材(裏面枠体430)とに挟まれた補強部材(板金440a〜440d)によって、装飾部材414が接地されることになり、装飾部材414に電荷が溜まることがない。その結果、扉部材(前面枠セット14)に取り付けられる各種電気部品(例えば、装飾部材414を照らすランプ基板424など)や遊技内容を制御する制御基板に対して悪影響をもたらすことがなく、装飾部材414がノイズなどの電気的不具合を生じさせることがない。
(9)上述した実施例では、内枠12は、図23に示すように、当該内枠12の正面視でその外端箇所に、前面枠セット14の閉状態において当該前面枠セット14の外周部の少なくとも内枠12に近い側が近接する外壁部470を備えているが、この外壁部470を、当該内枠12の正面視でその外端箇所に、前面枠セット14の閉状態において当該前面枠セット14の外周部の少なくとも内枠12に近い側が内接するものとしてもよい。
(10)本発明を各種(例えば第一種、第三種など)の遊技機に実施してもよいし、上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される。)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞されることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。また、球が所定の入賞口に入ることで特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機等の各種遊技機として実施するようにしてもよい。
なお、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の遊技球の投入後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受け皿に多量の球が払い出されるものである。