(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について図1乃至図10を参照して説明する。図1は、本実施形態の超音波処置システム1を示す図である。図1に示すように、超音波処置システム1は、超音波処置具(ハンドピース)2と、エネルギー制御装置3と、振動子ユニット5と、を備える。超音波処置具2は、長手軸Cを有する。ここで、長手軸Cに平行な方向を長手軸方向とする。長手軸方向の一方が先端側(図1の矢印C1側)であり、先端側とは反対方向が基端側(図1の矢印C2側)である。
超音波処置具2は、保持ユニット6と、シース7と、超音波プローブ8と、を備える。保持ユニット6は、術者が保持する保持ケーシング11と、保持ケーシング11に取付けられ、術者が操作するためのエネルギー操作入力部であるエネルギー操作ボタン12と、を備える。保持ユニット6の先端側には、長手軸Cに沿って延設される中空な筒状部材であるシース7が連結されている。このシース7の内部には、超音波プローブ(振動伝達部材)8が挿通されている。なお、超音波プローブ8の先端部は、シース7の先端から先端側に向かって突出している。
また、保持ユニット6の基端側には、振動子ケース13を有する振動子ユニット5が連結されている。振動子ユニット5には、ケーブル15の一端が接続されている。ケーブル15の他端は、エネルギー制御装置3に接続されている。エネルギー制御装置3は、電源と、電源からの電力を振動発生電力に変換する変換回路と、CPU(Central Processing Unit)又はASIC(application specific integrated circuit)を備えるプロセッサ(制御部)と、メモリ等の記憶媒体と、を備える。保持ケーシング11の内部には、エネルギー操作ボタン12でのエネルギー操作の入力によって開閉状態が変化するスイッチ(図示しない)が設けられる。スイッチは、振動子ユニット5及びケーブル15の内部を通って延設される信号経路を介して、エネルギー制御装置3のプロセッサに電気的に接続されている。また、超音波処置システム1では、保持ケーシング11の内部及び振動子ケース13の内部を通って、振動体ユニット20が延設されている。
図2は、振動体ユニット20の構成を示す図である。図2に示すように、振動体ユニット20は、前述の超音波プローブ8と、振動発生部である複数の圧電素子で構成された超音波振動子21と、中継伝達部材22と、を備える。超音波振動子21及び中継伝達部材22は、振動子ケース13の内部に配置され、中継伝達部材22は、振動子ケース13によって支持されている。超音波振動子21は、中継伝達部材22に取付けられている。保持ケーシング11の内部で中継伝達部材22の先端側に超音波プローブ8が接続される。中継伝達部材22には、長手軸Cに垂直な断面積が先端側に向かって減少する断面積変化部23が設けられている。断面積変化部(ホーン部)23は、超音波振動子21より先端側に位置している。超音波振動子21には、電気配線25A,25Bの一端が接続されている。電気配線25A,25Bは、ケーブル15の内部を通って延設され、他端がエネルギー制御装置3に接続されている。
エネルギー操作ボタン12でのエネルギー操作の入力によってスイッチが閉状態になることにより、エネルギー制御装置3では、制御部が変換回路を制御し、電気配線25A,25Bを通して振動発生電力(振動発生電流)を超音波振動子21に供給する。これにより、超音波振動子21で超音波振動が発生し、発生した超音波振動が中継伝達部材22を介して超音波プローブ8に伝達される。この際、中継伝達部材22の断面積変化部23で、超音波振動の振幅が拡大される。
超音波プローブ8は、長手軸Cに沿って延設されるプローブ本体部31を備える。プローブ本体部31は、長手軸Cを軸中心として、略真直ぐに延設されている。プローブ本体部31の基端側には、係合接続部32が設けられている。係合接続部32が中継伝達部材22に設けられる係合溝(図示しない)と係合することにより(例えば、雌ネジと雄ネジとの螺合により)、中継伝達部材22の先端側にプローブ本体部31が接続される。中継伝達部材22にプローブ本体部31が接続されることにより、プローブ本体部31の基端に形成される当接面33が中継伝達部材22と当接する。プローブ本体部31へは、当接面33を通して、中継伝達部材22から超音波振動が伝達される。
プローブ本体部31に超音波振動が伝達されることにより、プローブ本体部31(超音波プローブ8)において、基端側から先端側へ超音波振動が伝達される。プローブ本体部31が超音波振動を伝達する状態では、振動体ユニット20は、規定の周波数を含む規定の周波数範囲で、振動方向が長手軸方向に平行な縦振動を行う。この際、振動体ユニット20の基端(中継伝達部材22の基端)に、縦振動の振動腹の1つである振動腹(最基端振動腹)A1が位置し、振動体ユニット20の先端(超音波プローブ8の先端)に、縦振動の振動腹の1つである振動腹(最先端振動腹)A2が位置する。ここで、振動腹A1は、縦振動の振動腹の中で最も基端側に位置し、振動腹A2は、縦振動の振動腹の中で最も先端側に位置する。ある実施例では、振動体ユニット20は、超音波振動を伝達することにより、47kHz(規定の周波数)で縦振動を行う状態に設計され、実際に、46kHz以上48kHz以下の周波数範囲(規定の周波数範囲)で縦振動する。
超音波プローブ8は、長手軸方向について先端から基端(係合接続部32の基端)まで全長L1を有する。ある実施例では、全長L1は、183.1mmであることが好ましい。また、超音波プローブ8は、長手軸方向について先端から当接面33(プローブ本体部31の基端)まで長手寸法L2を有する。ある実施例では、長手寸法L2は、177.1mmであることが好ましい。
プローブ本体部31には、ホーン部(第1のホーン部)35が設けられている。ホーン部35では、長手軸Cに垂直な断面積が先端側に向かって減少する。ホーン部(断面積減少部)35は、当接面33より先端側に位置し、プローブ本体部31は、長手軸方向について当接面33からホーン部35の基端(振動入力端)E1まで長手寸法L3を有する。ある実施例では、長手寸法L3は、29mmであることが好ましい。また、ホーン部(第1のホーン部)35は、長手軸方向について基端(振動入力端)E1から先端(振動出力端)E2までホーン長手寸法(第1のホーン長手寸法)L4を有する。ある実施例では、ホーン長手寸法L4は、20mmであることが好ましい。
プローブ本体部31は、長手軸方向について当接面33からホーン部35の基端E1まで、外径が略一定に保たれる。したがって、プローブ本体部31では、当接面33及びホーン部35の基端E1において外径D1を有する。ある実施例では、外径D1は、7mmであることが好ましい。また、ホーン部35では、先端側に向かって断面積が減少するため、ホーン部35の先端E2では、プローブ本体部31は、外径D1より小さい外径D2を有する。すなわち、ホーン部35では、外径D1から外径D2までプローブ本体部31の外径が先端側に向かって減少する。ある実施例では、外径D2は、3.8mmであることが好ましい。
振動体ユニット20が規定の周波数範囲(例えば46kHz以上48kHz以下)で縦振動する状態では、縦振動の振動節の1つである振動節N1がホーン部35の基端E1又は基端E1の近傍に位置し、長手軸方向について縦振動のいずれの振動腹もホーン部35から離れて位置している。このため、先端側に向かって断面積が減少するホーン部35では、縦振動(超音波振動)の振幅が拡大される。ある実施例では、ホーン部35の基端E1に振動腹での振幅が18μmの縦振動が伝達され、ホーン部35で縦振動の振幅が拡大される。なお、規定の周波数範囲に含まれる規定の周波数(例えば47kHz)で振動体ユニット20が縦振動する状態では、振動節N1がホーン部35の基端E1に位置する。
プローブ本体部31には、ホーン部(第2のホーン部)36が設けられている。ホーン部36では、長手軸Cに垂直な断面積が先端側に向かって減少する。ホーン部(断面積減少部)36は、ホーン部(第1のホーン部)35より先端側に位置し、プローブ本体部31は、長手軸方向について当接面33からホーン部36の基端(振動入力端)E3まで長手寸法L5を有する。ある実施例では、長手寸法L5は、88.1mmであることが好ましい。また、ホーン部(第2のホーン部)36は、長手軸方向について基端(振動入力端)E3から先端(振動出力端)E4までホーン長手寸法(第2のホーン長手寸法)L6を有する。ある実施例では、ホーン長手寸法L6は、14mmであることが好ましい。
プローブ本体部31は、長手軸方向についてホーン部(第1のホーン部)35の先端E2からホーン部(第2のホーン部)36の基端E3まで、外径が略一定に保たれる。したがって、プローブ本体部31では、ホーン部36の基端E3において外径D2を有する。すなわち、ホーン部35の先端E2及びホーン部36の基端E3では、プローブ本体部31の外径が、外径D2となり、略同一の大きさとなる。また、ホーン部36では、先端側に向かって断面積が減少するため、ホーン部36の先端E4では、プローブ本体部31は、外径D2より小さい外径D3を有する。すなわち、ホーン部36では、外径D2から外径D3までプローブ本体部31の外径が先端側に向かって減少する。ある実施例では、外径D3は、2.7mmであることが好ましい。
振動体ユニット20が規定の周波数範囲(例えば46kHz以上48kHz以下)で縦振動する状態では、縦振動の振動節の1つである振動節N2がホーン部36の基端E3又は基端E3の近傍に位置し、長手軸方向について縦振動のいずれの振動腹もホーン部36から離れて位置している。このため、先端側に向かって断面積が減少するホーン部36では、縦振動(超音波振動)の振幅が拡大される。なお、規定の周波数範囲に含まれる規定の周波数(例えば47kHz)で振動体ユニット20が縦振動する状態では、振動節N2がホーン部36の基端E3に位置する。また、振動体ユニット20が規定の周波数範囲で縦振動する状態では、振動節N2は、振動節N1より先端側に位置する。
プローブ本体部31には、断面積増加部37が設けられている。断面積増加部37では、長手軸Cに垂直な断面積が先端側に向かって増加する。断面積増加部37は、ホーン部(第2のホーン部)36より先端側に位置し、プローブ本体部31は、長手軸方向について当接面33から断面積増加部37の先端(振動出力端)E6まで長手寸法L7を有する。ある実施例では、長手寸法L7は、116.7mmであることが好ましい。また、断面積増加部37は、長手軸方向について基端(振動入力端)E5から先端(振動出力端)E6まで延設寸法L8を有する。延設寸法L8は、小さいため、断面積増加部37では、基端E5から先端E6までの距離が小さくなる。
プローブ本体部31は、長手軸方向についてホーン部(第2のホーン部)36の先端E4から断面積増加部37の基端E5まで、外径が略一定に保たれる。したがって、プローブ本体部31では、断面積増加部37の基端E5において外径D3を有する。すなわち、ホーン部36の先端E4及び断面積増加部27の基端E5では、プローブ本体部31の外径が、外径D3となり、略同一の大きさとなる。また、断面積増加部37では、先端側に向かって断面積が増加するため、断面積増加部37の先端E6では、プローブ本体部31は、外径D3より大きい外径D4を有する。すなわち、断面積増加部37では、外径D3から外径D4までプローブ本体部31の外径が先端側に向かって増加する。ある実施例では、外径D4は、ホーン部36の基端E3での外径D2と略同一である。この場合、外径D4は、3.8mmであることが好ましい。
振動体ユニット20が規定の周波数範囲で縦振動する状態では、縦振動の振動腹の1つである振動腹A3が断面積増加部37に位置している。超音波振動による応力がゼロになる振動腹A3が断面積増加部37に位置するため、先端側に向かって断面積が増加する断面積増加部37においても、縦振動(超音波振動)の振幅はほとんど減少しない。なお、振動体ユニット20が規定の周波数範囲で縦振動する状態では、振動腹A3は、振動節N2より先端側に位置し、本実施形態では、振動腹A3は、縦振動の振動腹の中で2番目に先端側に位置する。
プローブ本体部31は、弾性部材(図示しない)を介してシース7に支持される被支持部38を備える。被支持部38は、断面積増加部37より先端側に位置している。プローブ本体部31は、長手軸方向について断面積増加部37の先端E6から被支持部38の基端E7まで長手寸法L9を有する。ある実施例では、長手寸法L9は、24.1mmであることが好ましい。また、被支持部38は、長手軸方向について基端E7から先端E8まで延設寸法L10を有する。延設寸法L10は、小さく、ある実施例では、延設寸法L10は、3mmである。
プローブ本体部31は、長手軸方向について断面積増加部37の先端E6から被支持部38の基端E7まで、外径が略一定に保たれる。したがって、プローブ本体部31では、被支持部38の基端E7において外径D4を有する。すなわち、断面積増加部37の先端E6及び被支持部38の基端E7では、プローブ本体部31の外径が、外径D4となり、略同一の大きさとなる。被支持部38の基端部では、プローブ本体部31の外径が、外径D4から外径D5に減少する。ある実施例では、外径D5は、外径D4に比べ0.4mm程度だけ小さくなる。被支持部38では、長手軸方向について大部分に渡って、プローブ本体部31の外径が、外径D5で略一定に保たれる。そして、被支持部38の先端部において、プローブ本体部31の外径が、外径D5から外径D6に増加する。これにより、プローブ本体部31は、被支持部38の先端E8において外径D6を有する。被支持部38の先端E8での外径D6は、被支持部38の基端E7での外径D4と略同一である。このため、被支持部38の基端E7及び先端E8では、長手軸Cに垂直なプローブ本体部31の断面積が略同一となる。ある実施例では、外径D6は、3.8mmであることが好ましい。
振動体ユニット20が規定の周波数範囲で縦振動する状態では、縦振動の振動節の1つである振動節N3が被支持部38に位置している。このため、プローブ本体部31(超音波プローブ8)は、縦振動している状態においても、被支持部38で弾性部材を介してシース7に取付けられる。また、縦振動の振動節N3でシース7に支持されるため、振動体ユニット20が規定の周波数範囲で縦振動する状態では、被支持部38からシース7への超音波振動の伝達が防止される。振動体ユニット20が規定の周波数範囲で縦振動する状態では、振動節(最先端振動節)N3は、振動節N2より先端側に位置し、縦振動の振動節の中で最も先端側に位置している。また、被支持部38の基端E7及び先端E8では、長手軸Cに垂直なプローブ本体部31の断面積が略同一となるため、被支持部38では、縦振動の振幅はほとんど変化しない。
また、シース7の先端は、被支持部38の先端E8より先端側に位置する。したがって、振動体ユニット20が規定の周波数範囲で縦振動する状態では、振動節の中で最も先端側に位置する振動節N3は、シース7の内部に位置する。
図3及び図4は、超音波プローブ8の先端部の構成を示す図である。ここで、長手軸Cに交差する(略垂直な)ある1つの方向を第1の交差方向(図2及び図3のそれぞれにおいれ矢印P1の方向)とし、第1の交差方向(第1の垂直方向)とは反対方向を第2の交差方向(図2及び図3のそれぞれにおいて矢印P2の方向)とする。また、長手軸Cに交差し(略垂直で)、かつ、第1の交差方向(第1の垂直方向)及び第2の交差方向(第2の垂直方向)に垂直な(交差する)2方向の一方を、第1の幅方向(図4において矢印B1の方向)とする。そして、第1の幅方向とは反対方向を第2の幅方向(図4において矢印B2の方向)とする。ここで、図2及び図3は、超音波プローブ8を第1の幅方向側から視た図であり、図4は、超音波プローブ8を第2の垂直方向側から視た図である。なお、図3において、破線S1及び破線S2で示す範囲が、シース7の先端より先端側に突出する。
図3及び図4に示すように、プローブ本体部31は、被支持部38より先端側の位置まで延設されている。すなわち、プローブ本体部31の先端E9は、被支持部38の先端E8より先端側に位置している。ただし、被支持部38の先端E8とプローブ本体部31の先端E9との間の長手軸方向についての距離は、小さく、ある実施例では0.6mm程度である。
前述のように、プローブ本体部31では、ホーン部(第1のホーン部)35及びホーン部(第2のホーン部)36において縦振動の振幅が拡大され、断面積増加部37及び被支持部38において縦振動の振幅がほとんど変化しない。前述のような構成であるため、ある実施例では、プローブ本体部31の基端(当接面33)に振動腹での振幅が18μmの縦振動が伝達された場合に、プローブ本体部31の先端E9において、振動腹での振幅が80μmの縦振動になる。
超音波プローブ8において、プローブ本体部31の先端側には、先端構成部31aが連続している。例えばプローブ本体部31の先端E9よりも前方が、先端構成部31aとして機能する。
図3に示すように、先端構成部31aは、後述する刃先部143を含む基準面31bと、基準面31bとは反対側に配設される反対面31cとを有している。基準面31bは先端構成部31aの上面であり、反対面31cは先端構成部31aの下面である。また、基準面31bは、第1の交差方向側を向き、反対面31cは、第2の交差方向側を向いている。基準面31b及び反対面31cは、先端構成部31aが先端構成部31aの先端E50に向かって細くなるように、絞られている。図3と図4とに示すように、基準面31b及び反対面31cにおいて、絞り開始位置S1は、長手軸C方向において、先端E50から長手寸法L50離れた位置となっている。長手寸法L50は、32mmであることが好ましい。基準面31b及び反対面31cの絞り開始位置S3は、テーパ部101の基端とプローブ本体部31の先端E9との連続位置であり、プローブ本体部31とテーパ部101との間の境界位置となる。
図3と図4とに示すように、先端構成部31aの周方向において、基準面31bと反対面31cとは、先端構成部31aの両側面31dと連続している。両側面31dの一方は、第1の幅方向側を向き、両側面31dの他方は、第2の幅方向側を向いている。図4に示すように、両側面31dの一部は、先端E50に向かって細くなるように絞られている。図3と図4とに示すように、両側面31dにおいて、両側面31dの絞り開始位置S4は、長手軸C方向において、先端E50から長手寸法L51離れた位置となっている。長手寸法L51は、25mmであることが好ましい。なお、両側面31dの絞り終了位置S5より先端側では、両側面31dは絞られておらず、図4に示すように絞り終了位置S5は、先端E50から長手寸法L53離れた位置となっている。長手寸法L53は、10mmであることが好ましい。また絞り開始位置S3から絞り開始位置S4までの間において、両側面31dは絞られていない。
図3と図4とに示すように、先端構成部31aは、テーパ部101(断面積減少部)と、中継延設部103と、湾曲部(湾曲延設部)105とを有している。テーパ部101の先端部は中継延設部103の基端部と連続し、中継延設部103の先端部は湾曲部105の基端部と連続している。
図3と図4とに示すように、テーパ部101では、先端側に向かうにつれて、長手軸Cに垂直な断面積が減少する。テーパ部101の(絞り開始位置S3での)最大外径D7は、3.8mmであることが好ましい。テーパ部101の(絞り終了位置S5,S6での)最小厚さ(最小外径)D8は、1.7mmであることが好ましい。
図3に示すように、テーパ部101の一部101aは、基準面31bに含まれ、例えばテーパ部101の上面である。テーパ部101の一部101bは、反対面31cに含まれ、例えばテーパ部101の下面である。一部101bは、テーパ部101において第1の交差方向側を向く第1の絞り外表面を形成し、一部101aは、テーパ部101において第2の交差方向側を向く第2の絞り外表面を形成する。一部101a,101bは、絞り開始位置S3から絞り終了位置S6まで絞られている。このため、一部(第1の絞り外表面)101bでは、基端側から先端側に向かうにつれて、長手軸Cからの第1の交差方向への第1の距離が減少する。そして、一部(第2の絞り外表面)101aでは、基端側から先端側に向かうにつれて、長手軸Cからの第2の交差方向への第2の距離が減少する。
絞り終了位置S6は、絞り開始位置S3よりも前方(先端側)に位置する。絞り開始位置S3から絞り終了位置S6までの長手寸法L54は、18mmであることが好ましい。一部101a,101bは、後述する絞り部位として機能する。
図3と図4とに示すように、テーパ部101では、両側面31dは、絞り開始位置S4から絞り終了位置S5まで絞られている。テーパ部101において、絞り開始位置S4より基端側では両側面31dは、絞られておらず、この長さは、絞り開始位置S3から絞り開始位置S4までの長さとなっている。
テーパ部101では、先端側に向かうにつれて、長手軸Cに垂直な断面積が減少する。振動体ユニット20が規定の周波数範囲(例えば46kHz以上48kHz以下)で縦振動する状態では、縦振動の振動節の1つである振動節(最先端振動節)N3が被支持部38に位置し、テーパ部101の基端(E9)の近傍に位置している。そして、振動体ユニット20が規定の周波数範囲で縦振動する状態では、長手軸方向について縦振動のいずれの振動腹もテーパ部101から離れて位置している。このため、先端側に向かって断面積が減少するテーパ部101では、縦振動(超音波振動)の振幅が拡大される。ある実施例では、テーパ部101の基端(E9)に振動腹での振幅が80μmの縦振動が伝達された場合に、先端E50が140μm〜150μmの縦振動になる。
また、本実施形態では、テーパ部101の基端(E9)から先端(S5)までの長手軸方向についての寸法が、振動体ユニット20が規定の周波数範囲で縦振動する状態での8分の1波長(λ/8)より大きくなる。ある実施例では、振動体ユニット20が46kHz以上48kHz以下(規定の周波数範囲)で縦振動する状態において、振動節(最先端振動節)N3から振動腹(最先端振動腹)A2である先端E50までの4分の1波長(λ/4)が34.4mm以上35.2mm以下となる。これに対し、この実施例では、テーパ部101の基端(E9)から絞り終了位置S5までの長手軸方向についての寸法が22mm程度となり、振動体ユニット20が46kHz以上48kHz以下(規定の周波数範囲)で縦振動する状態での8分の1波長より大きくなる。また、テーパ部101では、長手軸方向について基端(E9)と絞り終了位置S6との間の長手寸法L54も、17.9mm以上18.1mm以下である。したがって、長手寸法L54も、振動体ユニット20が46kHz以上48kHz以下(規定の周波数範囲)で縦振動する状態での8分の1波長より大きくなる。
図3に示すように、中継延設部103における基準面31bと反対面31cとは、絞られておらず、長手軸Cに沿って平行に配設されている。図4に示すように、中継延設部103において両側面31dは、絞り終了位置S5まで絞られている。中継延設部103の長さは、絞り終了位置S6から絞り終了位置S5までの長さとなっている。この部位は、後述する平行部位として機能する。
図5Aに示すように、湾曲部105は、プローブ本体部31の中心軸である長手軸Cに対して折れ曲がる中心軸C0を有している。湾曲部105の中心軸C0は、湾曲部105の基端部から湾曲部105の先端部に向かって長手軸Cから離れるように(下方に向かうように)折れ曲がる。中心軸C0は、直線状に延びている。そして図3と図5Aに示すように、湾曲部(湾曲延設部)105は、プローブ本体部31の先端側にてプローブ本体部31(長手軸方向)に対して折れ曲がっている。湾曲部105は、長手軸Cから離れるように第1の交差方向側に直線状に折れ曲がる。折れ曲がっている湾曲部105は、長手軸Cに沿って基端から先端に向かって超音波プローブ8をみたときに(すなわち基端側からの投影において)、プローブ本体部31の投影面内に常に配置される。図4に示すように湾曲部105において、両側面31dは、絞られておらず、長手寸法L53を有する部分に該当する。
図3と図5Aと図6とに示すように、湾曲部(湾曲延設部)105は、第1の交差方向側を向く第1の湾曲外表面105aと、第2の交差方向側を向く第2の湾曲外表面105bと、を備える。第1の湾曲外表面105aは、反対面31cの一部であり、第2の湾曲外表面105bは、基準面31bの一部である。また、湾曲部105は、第1の幅方向側を向く第3の湾曲外表面105cと、第2の幅方向側を向く第4の湾曲外表面105dと、を備える。湾曲部105は、断面積減少部110と、断面積均一部120と、処置部130とを有している。断面積減少部110の基端部は、中継延設部103の先端部と連続する。断面積均一部120の基端部は、断面積減少部110の先端部と連続する。処置部130の基端部は、断面積均一部120の先端部と連続する。断面積減少部110は湾曲部105の基端部に配設され、処置部130は湾曲部105の先端部に配設され、断面積均一部120は断面積減少部110と処置部130との間に配設される。処置部130は、例えば、膝関節における患部200である大腿骨を処置する(切削する)。
図3と図5Aとに示すように、断面積減少部110の一部110aは、基準面31b及び第2の湾曲外表面105bに含まれ、例えば断面積減少部110の上面である。一部110aは、テーパ状に絞られている。具体的には、一部110aは、中継延設部103における基準面31b(一部103a)に対して、長手軸Cに近づく方向に(長手軸Cに向かって下方に)直線状に折れ曲がっている。折れ曲がり角度(鋭角)θ50は5度以上20度以下となっている。
図3と図5Aとに示すように、断面積減少部110の一部110bは、反対面31c及び第1の湾曲外表面105aに含まれ、例えば断面積減少部110の下面である。一部110bは、長手軸Cに対して平行に配設されている。一部110bと長手軸Cとの間の寸法L56は、0.95mmであることが好ましい。
図5Aに示すように、一部110aと一部110bとによって、湾曲部105の中心軸C0に含まれる断面積減少部110の中心軸C1は、長手軸Cに対して長手軸Cから離れる方向に(長手軸Cに対して下方に向かって)直線状に折れ曲がる。すなわち、断面積減少部110は、長手軸Cに対して第1の交差方向側に折れ曲がる。
図3と図5Aとに示すように、断面積均一部120は、均一の太さとなっている。図5Aと図5Bとに示すように、断面積均一部120の高さ(厚さ寸法)H51は、1.4mmが好ましい。断面積均一部120の幅(幅寸法)W51は、2.8mmが好ましい。断面積均一部120の周囲において、角R51は、0.5mmとなっている。
図5Aに示すように、断面積均一部120の一部120aは、基準面31b及び第2の湾曲外表面105bに含まれ、例えば断面積均一部120の上面である。一部120aは、断面積減少部110の一部110aと連続し、一部110aと同一直線上に配設されている。このため、一部120aは、一部110aと同様に、中継延設部103における基準面31b(一部103a)に対して、長手軸Cに近づく方向に(長手軸Cに向かって下方に)直線状に折れ曲がっている。折れ曲がり角度(鋭角)θ50は5度以上20度以下となっている。図3と図6とに示すように、一部120aの先端部が長手軸C上に交差するように、一部120aは長手軸Cまで延びている。
図3と図5Aとに示すように、一部120aは、処置部130に連続し、長手軸Cに近づいて長手軸C上に交差するように中継延設部103の周面に対して折れ曲がる第1折曲面として機能する。したがって、一部110a,120aは、プローブ本体部31及びテーパ部101に対して第1の交差方向側に屈曲する状態で延設される延設面となる。
図3と図5Aとに示すように、断面積均一部120の一部120bは、反対面31c及び第1の湾曲外表面105aに含まれ、例えば断面積均一部120の下面である。一部120bは、反対面31cに含まれる断面積減少部110の一部110bと連続している。一部120bは、一部110bに対して、長手軸Cから離れる方向に(長手軸Cに対して下方に向かって)に直線状に折れ曲がっている。折れ曲がり角度(鋭角)θ50は、前記した折れ曲がり角度θ50と同様に、5度以上20度以下となっている。このように折れ曲がり角度θ50は、一部110a及び断面積均一部120の周面の折れ曲がり角度となる。これにより、一部120aは、一部120bと平行に配設されることとなる。図3と図6とに示すように、一部120bの先端部は、長手軸Cよりも下方に位置する。
図5Aに示すように、一部120aと一部120bとによって、湾曲部105の中心軸C0に含まれる断面積均一部120の中心軸C2は、断面積減少部110の中心軸C1に対して長手軸Cから離れる方向に(長手軸Cに対して下方に向かって)直線状に折れ曲がっている。すなわち、中心軸C2は、中心軸C1に対して第1の交差方向側に折れ曲がっている。折れ曲がり角度θ50は、前記した折れ曲がり角度θ50と同様に、5度以上20度以下となっている。なお湾曲部105の中心軸C0は、プローブ本体部31の長手軸C(長手軸方向)に対して5度以上8度以下の角度で折れ曲がることが好適である。つまり、折れ曲がり角度(鋭角)θ50は、5度以上8度以下であることが好適である。
図3と図5Aとに示すように、先端E50から反対面31c(第1の湾曲外表面105a)の折れ曲がり開始位置(第1の湾曲開始位置)E14までの長手寸法L55は、8.5mmが好ましい。折れ曲がり開始位置E14は、一部110bと一部120bとの連続部位である。このため、湾曲部105は、折れ曲がり開始位置E14を基準に形成される。長手寸法L55は、断面積均一部120の長さと処置部130の長さとの和を示す。
湾曲部(湾曲延設部)105の折れ曲がりにおいて、湾曲部105の上面である第2の湾曲外表面105bは、処置部位である刃先部143及び後述する突出部137の周面を含み、中継延設部103の上面に対して折れ曲がっている。また、湾曲部105の下面である第1の湾曲外表面105aは、湾曲部105の中心軸C0を挟んで湾曲部105の上面とは反対側に備えられ、中継延設部103の下面に対して折れ曲がっている。湾曲部105の上面は、例えば、基準面31bにおける一部110a,120a,130aを含む。湾曲部105の下面は、例えば、反対面31cにおける一部110b,120b,130bを含む。一部103aは、基準面31bに含まれ、例えば中継延設部103の上面である。一部103bは、一部110bと同様に、反対面31cに含まれる。一部103bは、中継延設部103の下面である。中継延設部103の上面(長手軸方向)に対する湾曲部105の上面の折れ曲がり開始位置(第2の湾曲開始位置)E15は、一部103aと一部110aとの連続部位である。中継延設部103の下面(長手軸方向)に対する湾曲部105の下面の折れ曲がり開始位置(第1の湾曲開始位置)E14は、一部110bと一部120bとの連続部位である。折れ曲がり開始位置E14は、折れ曲がり開始位置E15よりも先端側に位置する。プローブ本体部31と湾曲部105とは、プローブ本体部31から湾曲部105へ超音波振動が伝達されている状態で、規定の周波数範囲で振動する。プローブ本体部31と湾曲部105とが規定の周波数範囲で振動している状態において、折れ曲がり開始位置E14,15は、複数の振動節における最先端の振動節N3よりも前方つまり湾曲部105の先端部側に位置する。
図4に示すように、処置部130の幅W52(処置部130での第3の湾曲外表面105cと第4の湾曲外表面105dとの間の第1の幅方向及び第2の幅方向についての幅寸法)は、断面積均一部120の幅W51と同様に、2.8mmであることが好ましい。
図3と図6とに示すように、処置部130の一部130aは、基準面31b及び第2の湾曲外表面105bに含まれ、例えば処置部130の上面である。一部130aは、基準面31bに含まれる断面積均一部120の一部(延設面)120aに対して長手軸Cから離れる方向に(長手軸Cに対して下方に向かって)直線状に折れ曲がっている。一部130aは、処置部130に配設され、第1折曲面である一部120aの折曲方向且つ長手軸Cから離れる方向に向かって(すなわち第1の交差方向側へ)第1折曲面(延設面)に対して折れ曲がる第2折曲面として機能する。
図3と図6とに示すように、この一部130aは、円弧状に滑らかに湾曲して、基準面31b及び第2の湾曲外表面105bに含まれる一部131aに連続している。一部131aは、処置部130に配設され、第1折曲面である一部120aの折曲方向とは逆側である長手軸Cに近づく方向に向かって(すなわち第2の交差方向側へ)第2折曲面である一部130aに対して折れ曲がり、第1折曲面である一部120aの延長線125に向かって延びる第3折曲面として機能する。この一部131aは、一部130aに対して長手軸Cに向かって、一部(延設面)120aの延長線125に当接する位置、または、延長線125よりも下方の位置にまで延びている。一部131aは、例えば処置部130の上面である。
図6に示すように、両側面31dのそれぞれの側からみて、一部130a,131aの間の湾曲面部132aは、角R52を有し、角R52は0.5mmとなっている。湾曲面部132aにおいて、一部131aは、一部130aに対して角度θ51を有し、角度θ51は、90度である。一部130aに対する一部131aの高さH52は、0.6mmが好ましい。長手軸C方向と一部131aとの間に形成される角度(鋭角)θ52は、55度以上85度以下となっている。
図6に示すように、一部130a,131aによって、基準面31b(第2の湾曲外表面105b)の先端部には、凹部(凹表面)127が形成される。凹表面127は、一部(延設面)120aに対して第1の交差方向側に凹む。
図3と図6とに示すように、処置部130の一部130bは、反対面31c及び第1の湾曲外表面105aに含まれ、例えば処置部130の下面である。一部130bは、反対面31cに含まれる断面積均一部120の一部120bと連続し、一部120bと同一直線上に配設されている。一部130bは、湾曲面部132aよりも前方(先端側)にまで延びている。一部130bは、長手軸C且つ後方に向かって円弧状に滑らかに湾曲して、基準面31b及び第2の湾曲外表面105bに含まれる一部134aに連続している。一部134aは、例えば処置部130の上面である。
図6に示すように、両側面31dのそれぞれの側からみて、一部130b,134aの湾曲面部132bは角R53を有し、角R53は0.5mmとなっている。一部134aは、一部130bに対して角度θ53で傾斜している。角度θ53は、55度である。図4に示すように、基準面31b側からみて、湾曲面部132bは角R54を有し、角R54は0.5mmとなっている。
図6に示すように、一部130bと湾曲面部132bとの境界点133は、先端構成部31aの厚さ方向(径方向)において、処置部130のなかで長手軸Cから最も離れている部位である。この境界点133は、先端構成部31aの厚さ方向において、長手軸Cと最大外径D7を有するテーパ部101の一部位(例えばE9)における反対面31cとの間に位置する。すなわち、境界点133は、テーパ部101の基端において外表面の第1の交差方向側を向く部位に対して、第2交差方向側に位置する。つまり長手軸Cに沿って基端から先端をみたときに(長手軸方向について基端側からの投影において)、境界点133を有する処置部130を含む湾曲部105は、テーパ部101(プローブ本体部31)の投影面内に常に配置される。
図3と図6とに示すように、一部134aは、後方に向かって折れ曲がって、基準面31b(第2の湾曲外表面105b)に含まれる一部135aに連続している。この連続部位(折れ曲がり部分)は境界部141となる。境界部141は、処置部130の幅方向(矢印B1及びB2方向)に沿って線状に形成されており、一部134a及び一部135aの端部(境界)である。一部135aは、例えば処置部130の上面である。
図6に示すように、一部135aは、延長線125に対して角度θ54で折れ曲がっている。角度(鋭角)θ54は、25度である。言い換えると、一部135aは、断面積均一部120の中心軸C2に対して、角度θ54で傾斜している。
図3と図6とに示すように、一部135aは、一部131aと連続している。一部135aは、一部135aと一部131aとの連続部位を中心に一部134aに向かって(長手軸Cから離れるように(下方に向かうように))角度θ55で傾斜している。角度θ55は、30度以上45度以下である。このような一部135aは、第3折曲面である一部131aに対して第1折曲面である一部120aの折曲方向に折れ曲がる切削面として機能する。なお本実施形態では、一部134aは、一部135aよりも前方(先端側)に配設され、一部135aに対して長手軸Cから離れる方向に折れ曲がる延設面として機能する。したがって、切削面である一部135aは、先端側に向かうにつれて第1の交差方向側に位置する状態に長手軸方向に対して傾斜する。また、延設面である一部134aは、一部135aの先端側に連続する。そして、一部135aは、長手軸方向に対する鋭角が一部134aに比べて大きくなる状態に、一部135aに対して第1の交差方向側に屈曲する。
図3と図6とに示すように、一部135aと一部131aとの連続部位は、刃先部143として機能する。このため、一部135aは、刃先部143を有していることとなる。そして一部135aは、刃先部143を中心に、一部120aの折曲方向且つ一部120aの延長線125から離れる方向に刃先部143に対して折れ曲がることとなる。また一部134a,135aは、長手軸Cに対して傾斜している。したがって、切削面である一部135aは、刃先部143から先端側に向かって延設される。
図6に示すように、長手方向において湾曲面部132bに形成される先端E50(一部134aの先端)と刃先部143との間の長手寸法L57は、0.6mmであることが好ましい。図3と図4と図6とに示すように、刃先部143は、処置部130の幅方向に沿って線状に形成されており、一部131a及び一部135aの端部(境界)である。刃先部143と境界点133(第1の湾曲外表面105a)との間の高さH53(厚さ方向についての厚さ寸法)は、1.4mmが好ましい。高さH13は、後述する突出部137を含む処置部130の先端部の高さであり、処置部130の幅W52よりも短い。すなわち、長手軸方向について突出部137の突出端(143)の位置では、突出端(143)と第1の湾曲外表面105aとの間の湾曲延設部105の厚さ方向についての厚さ寸法(H13)は、第3の湾曲外表面105cと第4の湾曲外表面105dとの間での第1の幅方向及び第2の幅方向についての幅寸法(W52)より、小さい。なお幅W52は、前記したように、2.8mmである。長手軸Cに沿った一部135a(切削面)の長さは、刃先部143(処置部位)から湾曲部105の先端E50までの長手寸法L57の25%以上である。刃先部143は、処置部130と一部131aと一部135aとにおいて最も高い位置に配設されている。図6に示すように刃先部143を含む一部135aは、一部120aの延長線125上または延長線125よりも下方(第1の交差方向側)に位置する。刃先部143は、第3折曲面である一部131aと切削面(処置面)である一部135aとの連続部位に設けられる。刃先部143は、図6に示すように第1折曲面である一部120aの延長線125上に位置する、または、第1折曲面である一部120aの延長線125を境界として長手軸Cとは境界を挟んで反対側に位置する処置部位として機能する。つまり刃先部143は、延長線125に当接する位置または延長線125よりも下方の位置に配設される。また、刃先部143は、プローブ本体部31の長手軸に対して第1の交差方向側に位置する。
図6に示すように、前記した処置部130の形状において、処置部130は、長手軸Cに対する湾曲部105の中心軸C0の折れ曲がり方向とは逆側に(すなわち第2の交差方向側に向かって)突出する突出部137と、突出部137の端部に配設されることによって長手軸Cに対する中心軸C0の折れ曲がり方向とは逆側の位置に配設され、膝関節を処置する処置部位である刃先部143とを有することとなる。すなわち、刃先部143は、突出部137の突出端となり、一部131a及び切削面である一部135aによって突出部137の突出端が形成されている。突出部137は、第2の湾曲外表面105bの一部となる。また、一部130a,131aから形成される凹部(凹表面)127は、第2の湾曲外表面105bにおいて延設面である一部120aと切削面である一部135aとの間に連続し、一部135aに対して第1の交差方向側へ凹む。
突出部137は、例えば、湾曲面部132aと一部131a,135a,134aとに囲まれる領域部分である。湾曲面部132aと一部131a,135a,134aとは、突出部137の周面である。突出部137の端部(突出端)とは、一部131aと一部135aとの連続部位である。突出部137の最大高さは、一部130aに対する一部131aの高さH52である。
先端構成部31aは、前記したようなテーパ部101と中継延設部103と湾曲部(湾曲延設部)105とを有する。見方を変えると、超音波プローブ8は、絞り部位と平行部位と交差部位とを有する。
図3に示すように、絞り部位は、先端構成部31aに配設され、長手軸Cに向かって先細に絞られる。絞り部位は、一部101a,101bを有する。一部101a,101bは、長手軸Cを中心に上下対称に配設され、互いに同じ長さと形状と傾斜とを有する。このため上面(第2の絞り外表面)における絞り角度(第2の絞り角)は、下面(第1の絞り外表面)における絞り角度(第1の絞り角)と同一である。絞り部位は、プローブ本体部31及び湾曲部105とともに、絞り部位をとおしてプローブ本体部31から湾曲部105へ超音波振動が伝達されている状態で、規定の周波数範囲で振動する。絞り部位がプローブ本体部31と湾曲部105とともに規定の周波数範囲で振動している状態において、絞り部位の長手寸法L54、及び、絞り部位の基端(E9)から絞り終了位置S5までの寸法は、振動の8分の1波長よりも大きい。絞り部位と絞り部位よりも先端側に配設されている処置部130とは、振動の4分の1波長の中に配設される。
図3と図5Aとに示すように、平行部位は、プローブ本体部31の先端部且つ絞り部位よりも前方(先端側)に配設され、絞り部位に連続し、一部103a,103b,110bが長手軸Cに平行である。平行部位は、例えば、中継延設部103における基準面31b及び反対面31cと、断面積減少部110における反対面31cとを有する。言い換えると、平行部位は、例えば、中継延設部103の一部103a,103bと、断面積減少部110の一部110bとを有する。一部103aは、一部(第2の絞り外表面)101aと第2の湾曲外表面105bとの間に連続し、長手軸Cに平行な上面(第2の軸平行外表面)である。一部103b,110bは、一部(第1の絞り外表面)101bと第1の湾曲外表面105aとの間に連続し、長手軸Cを挟んで上面とは反対側に配設される下面(第2の軸平行外表面)である。一部103b,110bは、長手軸Cに平行で、上面(第2の軸平行外表面)を形成する一部103aよりも長い。一部103aと一部103bとは、長手軸Cを中心に上下対称に配設され、互いに同じ長さと形状とを有する。一部110bが配設されるため、平行部位における下面は、平行部位における上面よりも長く、平行部位における上面よりも先端側にまで延びている。
図5Aと図6とに示すように、交差部位は、湾曲部105に配設され、平行部位に連続し、長手軸Cに交差する。交差部位は、例えば、湾曲部105における基準面31bを有する。言い換えると、交差部位は、断面積均一部120の一部120aを有する。
前記したように、折れ曲がっている湾曲部105は、長手軸Cに沿って基端から先端に向かって超音波プローブ8をみたときに、プローブ本体部31の投影面内に常に配置される。そして、一部101bは、長手軸Cに向かって絞られる。連続する一部103bは一部101bの先端に連続し且つ長手軸Cに平行であり、一部110bは一部103bの先端に連続し且つ長手軸Cに平行である。一部103b,110bはプローブ本体部31の投影面内に常に配置される。一部120b,130bは、長手軸Cから離れる方向に直線状に折れ曲がっているが、一部103b,110bと同様にプローブ本体部31の投影面内に常に配置される。このため、図3に示すように、反対面31c側で、且つ、プローブ本体部31の投影面内には、スペース145が形成される。スペース145は、長手軸C方向において基端E9(一部101aの基端)と一部130bの先端との間に位置し、且つ、先端構成部31aの側方に位置する。スペース145は、先端構成部31aを挟んで、刃先部143とは逆側に配設される。
次に、本実施形態の超音波プローブ8の作用及び効果について説明する。
例えば膝関節の内視鏡観察下手術において、一般的には、患部200にアプローチするために配設される図示しないポート部(開口部)は所定の位置に定められている。
超音波プローブ8の形状において、超音波プローブ8の長手軸に沿って超音波プローブ8の基端部から先端部に向かって超音波プローブ8をみたときに、本実施形態とは異なり、超音波プローブ8の先端部が基端部の投影面外に常に配置されるように、先端部は基端部に対して折れ曲がっているとする。そして、処置部130が先端部に配置されているとする。この場合、一般的にポート部は狭く、筒状部材は細く、膝関節における腔は狭く、大腿骨の周面は曲面状に形成されている。このため、前記した超音波プローブ8の形状では、筒状部材に対する超音波プローブ8の挿入性と、患部200への超音波プローブ8における処置部位のアプローチ性とが低下する虞が生じる。超音波プローブ8において、振動方向によって処置できる方向が決まる。超音波プローブ8が適切な状態で患部200に接触されないと、処置の効率が低下する。また腔は狭く、患部は曲面状に形成されている。このため前記した超音波プローブ8の形状では、狭い腔にて患部200を処置するために適していない。また前記した超音波プローブ8の形状では、患部に接触する前に、患部以外の部位に接触し患部以外の部位を傷つけてしまう虞がある。このように、超音波プローブは狭い腔にて患部を処置するために適していない。
本実施形態では、湾曲部105は、プローブ本体部31に対して折れ曲がっている。この湾曲部105において、長手軸C方向に沿って基端から先端をみたときに、境界点133を有する処置部130を含む湾曲部105は、テーパ部101の投影面内に常に配置される。湾曲部105の中心軸は、プローブ本体部31の長手軸Cに対して5度以上8度以下の角度で折れ曲がる。
これによりポート部が狭く筒状部材が細くても、プローブ本体部31が筒状部材に挿入されれば、湾曲部105を有する超音波プローブ8において、筒状部材への超音波プローブ8の挿入性を向上できる。また湾曲部105の湾曲の程度によって、湾曲部105を有する超音波プローブ8は筒状部材を挿通可能となり、挿通時に、湾曲部105が筒状部材の内周面に当接しないですむ。そして図8Aと図8Bとに示すように、患部200である大腿骨への超音波プローブ8における処置部位である刃先部143のアプローチ性及び患部200に対する処置効率を向上できる。本実施形態では、図8Aと図8Bとに示すように、超音波プローブ8をプローブ本体部31の軸周りに回転させ、刃先部143の向きを変えることによって、大腿骨のどの部位であっても、容易に処置を可能にでき、処置効率及び処置クオリティを向上できる。患部200が十字靭帯の奥に存在する場合、刃先部143を患部200に容易にアプローチできる。
本実施形態では、第1折曲面(延設面)である一部120aが長手軸Cに近づいて長手軸C上に接するようにプローブ本体部31の周面に対して折れ曲がっている。そして処置部位である刃先部143(突出部137の突出端)は、第1折曲面である一部120aの延長線125上に位置する、または、第1折曲面である一部120aの延長線125を境界として長手軸Cとは境界を挟んで反対側に位置する(すなわち、延長戦125より第1の交差方向側に位置する)。刃先部143は、処置部130の幅方向に沿って線状に形成されている。
このため大腿骨と脛骨との間の腔が狭く、大腿骨の下面が曲面状に形成されていても、超音波プローブ8は、超音波プローブ8の形状によって、患部200を適切に処置できる。また膝関節に限定されることはなく、膝関節以外の関節(例えば肩関節)の狭い腔において、超音波プローブ8は、超音波プローブ8の形状によって、患部200を適切に処置できる。また、図8Aと図8Bとに示すように、患部200である大腿骨への超音波プローブ8における処置部位である刃先部143のアプローチ性及び患部200に対する処置効率を向上できる。特に超音波プローブ8(プローブ本体部31)が患部200に対して斜めにアプローチされても、刃先部143が傾いているため、処置効率を向上できる。また本実施形態では、図8Aと図8Bとに示すように、プローブ本体部31をプローブ本体部31の軸周りに回転させ、刃先部143の向きを変えることによって、大腿骨のどの部位であっても、容易に処置を可能にでき、処置効率及び処置クオリティを向上できる。また患部200が十字靭帯の奥に存在する場合、刃先部143を患部200に容易にアプローチできる。
処置部位である刃先部143は、湾曲部105の中心軸C0の折れ曲がり方向とは逆側の位置に配設される。このため、刃先部143をプローブ本体部31の投影面積内に常に配置できる。プローブ本体部31が細い筒状部材に挿入される際、刃先部143を筒状部材の内周面に当接させずにできる。また大腿骨のどの部位であっても、刃先部143のアプローチ性を向上できる。
処置部130は湾曲部105の細い先端部である。処置部130の先端部(突出部137の突出端)での高さが処置部130の幅よりも短いため、処置部130が薄い状態で、処置部130の強度を確保できる。強度が確保されるため、テーパ部101で縦振動の振幅Vを拡大しても、処置部130の折れを防止できる。そして、折れが防止された状態で、拡大した縦振動の振幅Vによって骨などの硬い患部200を処置できる。また処置部130が薄いため、処置部130を容易に患部200にアプローチできる。
折れ曲がり開始位置(第2の湾曲開始位置)E15は、折れ曲がり開始位置(第1の湾曲開始位置)E14よりも基端側に位置する。このため、逃げ部としてのスペース145を形成できるため、狭い腔において患部200へアクセス性を向上できる。具体的には、例えば患部200である大腿骨の下面が処置されるとする。スペース145が形成されることにより、例えば反対面31cが大腿骨の下面に対向する脛骨の上面に当接することを防止できる。つまり、患部200以外の部位が意図せずに処置されてしまうことを防止でき及び傷つくことを防止できる。そして、超音波プローブ8は、狭い空間でも患部200に容易にアクセスできる。また湾曲部105の先端部を細く及び軽くでき、狭い腔における処置効率を向上できる。
折れ曲がり開始位置E14,15は、最先端の振動節N3よりも湾曲部105の先端部側に位置する。このためテーパ部101で拡大された縦振動の振幅Vを刃先部143に伝達でき、処置効率を向上できる。
絞り部位と平行部位と交差部位とによって、プローブ本体部31の先端部を先細にでき、アプローチ性を向上できる。さらに、逃げ部としてのスペース145を形成できるため、狭い腔における処置効率を向上できる。具体的には、例えば患部200である大腿骨の下面が処置されるとする。スペース145が形成されることにより、例えば反対面31cが大腿骨の下面に対向する脛骨の上面に当接することを防止できる。つまり、患部200以外の部位が意図せずに処置されてしまうことを防止でき及び傷つくことを防止できる。そして、超音波プローブ8は、狭い空間でも患部200に容易にアクセスできる。また湾曲部105の先端部を細く及び軽くでき、狭い腔における処置効率を向上できる。
患部200が例えば骨のように硬い場合、縦振動の振幅Vを拡大する必要がある。本実施形態では、絞り部位を含むテーパ部101によって、縦振動の振幅Vを確実に拡大できる。
刃先部143を含む一部135aは、刃先部143を中心に一部134aに向かって長手軸Cに対して角度θ55で傾斜している。このため、プローブ本体部31が長手軸C方向に沿って進退する際、刃先部143を含む一部135aによって、例えば患部200の曲面状の側面を処置できる。また、一部135aによって患部200が切削されることにより、刃先部143によって切削された箇所のみが凹むことが防止され、患部200の周面において段差が形成されることが防止される。
一部131aと一部135aと一部134aとによって突出部137が形成され、つまり突出部137において刃先部(突出端)143より先端側が2段形成される。このため本実施形態では、刃先部143の先端側で傾斜が変化しない場合に比べて、処置部130の厚みと強度とを確保できる。また切削面(処置面)の長さは、刃先部143から湾曲部105の先端E50(一部134aの先端)までの長手寸法L57の25%以上である。このため、突出部137(処置部130)の厚みと強度とを確保できる。強度が確保されるため、テーパ部101で縦振動の振幅Vを拡大しても、突出部137の折れを防止できる。そして、折れが防止された状態で、拡大した縦振動の振幅Vによって骨などの硬い患部200を処置できる。
本実施形態では、テーパ部101と中継延設部103とが配設され、所定の長さが確保されている。このため、振幅が拡大されても、先端構成部31aの所定部位に応力が集中することを防止でき、先端構成部31a全体に応力を分散できる。
図7は、振動体ユニット20が規定の周波数範囲で縦振動する状態での、先端側から2番目の振動腹A3と最も先端側の振動腹A2との間における、縦振動の振幅V及び超音波振動による応力σを示している。図7では、横軸に長手軸方向についての位置を示し、縦軸に振幅V及び応力σを示している。また、図7では、縦振動の振幅Vの変化を実線で示し、応力σの変化を一点鎖線で示している。
図7に示すように、振動体ユニット20が規定の周波数範囲で縦振動する状態では、最も先端側の振動節N3より先端側にテーパ部101が位置し、テーパ部101で縦振動の振幅Vが拡大される。例えば、振動腹での振幅が80μmの縦振動が、テーパ部101によって、振動腹での振幅が140μm以上150μm以下の縦振動に拡大される。また、超音波振動による応力σは、振動節及び超音波振動の伝達方向に垂直な断面積が減少する部分で大きくなり、振動腹でゼロとなる。したがって、図7に示すように、振動節N3からテーパ部101の先端である絞り終了位置S5との間において、応力σが大きくなる。
ここで、本実施形態では、テーパ部101の基端(E9)から絞り終了位置S5までの長手軸方向についての寸法が、振動体ユニット20が規定の周波数範囲で縦振動する状態での8分の1波長(λ/8) より大きくなる。そして、テーパ部101では、長手軸方向について基端(E9)と絞り終了位置S6との間の長手寸法L54も、振動体ユニット20が規定の周波数範囲で縦振動する状態での8分の1波長より大きくなる。テーパ部101の基端(E9)から絞り終了位置S5(絞り終了位置S6)までの長手軸方向についての寸法が大きくなることにより、振動節N3からテーパ部101の絞り終了位置S5との間の全長に渡って、超音波振動による応力σが略均一に保たれる。すなわち、振動節N3からテーパ部101の絞り終了位置S5との間において、応力が局所的に大きくなることが(すなわち、ピークが発生することが)、有効に防止される。例えば、ある実施例では、振動腹での振幅が大きくなる(例えば80μmの)縦振動がテーパ部101の基端(E9)に伝達されても、振動体ユニット20が規定の周波数範囲(例えば46kHz以上48kH以下)で縦振動する状態では、振動節N3からテーパ部101の絞り終了位置S5との間において応力σが300Mpa程度で略均一に保たれる。すなわち、本実施形態では、振動節N3からテーパ部101の絞り終了位置S5との間において(例えば、テーパ部101の先端である絞り終了位置S5で)、応力が局所的に700Mpa程度まで大きくなることが防止される。応力σが局所的に大きくなることが防止されるため、超音波振動による超音波プローブ8の破損を有効に防止することができる。
本実施形態では、超音波プローブ8が骨などの硬い患部200を超音波振動によって処置する場合、テーパ部101で縦振動の振幅Vを拡大させる必要があり、刃先部143を患部200に押し付ける必要がある。処置時において、絞り部位を含むテーパ部101と湾曲部105とは、拡大した振幅Vと押し付けとによって折れる虞がある。本実施形態では、長手寸法L54は、超音波プローブ8の振動体ユニット20が縦振動する状態での8分の1波長よりも大きい。絞り部位と処置部130とは、振動体ユニット20が縦振動する状態での4分の1波長の中に配設される。このため長手寸法L54において応力が分散され、つまり前記したように、応力が局所的に大きくなることが防止される。また中継延設部103と湾曲部105とにおいて応力が減少する。よって、超音波振動による超音波プローブ8の破損を有効に防止でき、振幅Vの拡大と折れの防止とを両立できる。
本実施形態では、段差が形成されないようにプローブ本体部31及び先端構成部31aは形成されており、先端構成部31aは絞られているのみである。これによりキャビテーションの発生を抑制でき、患部200が処置される際にキャビテーションが観察視野を妨げることを防止でき、言い換えると術者の視認性を向上できる。そして、キャビテーションが患部200を傷つけることを防止でき、キャビテーションがプローブ本体部31及び先端構成部31aを傷つけることを防止できる。
断面積均一部120の周囲において角R51が形成され、湾曲面部132aにおいて角R52が形成され、一部130bの湾曲面部132bにおいて角R53と角R54とが形成される。このため、断面積均一部120と湾曲面部132bとにおいて、キャビテーションの発生を抑制でき、キャビテーションが患部200を傷つけることを防止できる。 また前記において、断面積均一部120と湾曲面部132aと湾曲面部132bとが患部200に接触しても、角R51,R52,R53,R54によって患部200が傷つけられることを防止できる。
(第2の実施形態)
本実施形態では、図9と図10と図11とを参照して第1の実施形態とは異なる点のみ記載する。
全長L1は、183.2mmであることが好ましい。長手寸法L2は、177.2mmであることが好ましい。長手寸法L53は、9.95mm以上10.05mm以下となっており、10mmであることが好ましい。
図9と図11とに示すように、湾曲面部132aにおいて、例えば角R52は0.4mmとなっている。一部130aに対する一部131aの高さH52は、0.7mmが好ましい。
図11に示すように、基準面31b側からみた場合の湾曲面部132bの角R54は、1mmとなっている。
図11に示すように、一部135aと一部130aの平面方向に対して直交する直交方向との間に形成される角度θ56は、70度である。一部135aの長手寸法L60は、0.2mmが好ましい。
図11に示すように、湾曲面部132bは、長手軸C且つ後方に向かって円弧状に滑らかに湾曲しており、基準面31b(第2の湾曲外表面105b)に含まれる一部134aに連続している。幅方向(第1の幅方向及び第2の幅方向)に垂直な断面において湾曲面部132bと一部134aとの間の湾曲部132cは角R55を有し、角R55は0.4mmとなっている。一部134aは、長手軸Cに対して角度θ57で曲がっている。角度θ57は、55度である。
図11に示すように、一部134aは、長手軸C且つ後方に向かって円弧状に滑らかに湾曲しており、一部135aに連続している。幅方向に垂直な断面において一部134aと一部135aとの間の湾曲部132dは角R56を有し、角R56は0.4mmとなっている。一部135aは、長手軸Cに対して角度θ58で曲がっている。角度θ58は、25度である。
図11に示すように、長手方向において湾曲面部132bに形成される先端E50(一部134aの先端)と刃先部143との間の長手寸法L61は、0.6mmが好ましい。
図11に示すように、刃先部143を含む一部135aの全面が一部120aの延長線125上に配置されるように、一部135aは、刃先部143を中心に、刃先部143に対して一部120aの折曲方向に折れ曲がっている。または刃先部143を含む一部135aの全面が一部120aの延長線125を境界として長手軸Cとは境界を挟んで反対側に位置するように、一部135aは、刃先部143を中心に、刃先部143に対して一部120aの折曲方向に折れ曲がっている。つまり刃先部143を含む一部135aの全面は、延長線125と同一平面上または延長線125よりも下方の平面上に配設される。
図11に示すように刃先部143を含む一部131aと一部135aとは、円弧状に形成されている。この場合、刃先部143の円弧を形成する中心位置と刃先部143との間の長手寸法L62は、2mmが好ましい。中心位置は、一部130a側(基端側)に形成される。
本実施形態では、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。本実施形態では、一部135aと一部134aとの間に境界部141の代わりに角のない湾曲部132dが形成されており、湾曲部132c,132dによってさらにキャビテーションの発生を抑制できる。刃先部143を含む一部131aと一部135aとは、円弧状に形成されている。このため、患部200に対する処置性を向上できる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について、図12乃至図20を参照して説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態の構成を次の通り変形したものである。なお、第1の実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
本実施形態でも、プローブ本体部31は、第1の実施形態と同様に、ホーン部35、ホーン部36、断面積増加部37及び被支持部38を備える。ある実施例では、超音波プローブ8の全長L1は、182.9mmである。また、ある実施例では、長手軸方向について超音波プローブ8の先端から当接面33(プローブ本体部31の基端)まで長手寸法L2は、177.5mmであることが好ましい。
また、本実施形態のある実施例では、長手軸方向について当接面33からホーン部35の基端(振動入力端)E1までの長手寸法L3は、29mmであることが好ましい。また、ホーン部(第1のホーン部)35の長手軸方向について基端(振動入力端)E1から先端(振動出力端)E2までのホーン長手寸法(第1のホーン長手寸法)L4は、20mmであることが好ましい。本実施形態でも、ホーン部35では、外径D1から外径D2までプローブ本体部31の外径が先端側に向かって減少する。ある実施例では、外径D1は、7mmであることが好ましい。そして、外径D2は、3.8mmであることが好ましい。
また、本実施形態のある実施例では、長手軸方向について当接面33からホーン部36の基端(振動入力端)E3までの長手寸法L5は、88.1mmであることが好ましい。そして、ホーン部(第2のホーン部)36の長手軸方向について基端(振動入力端)E3から先端(振動出力端)E4までのホーン長手寸法(第2のホーン長手寸法)L6は、13.9mm以上14.1mm以下であり、14mmであることが好ましい。本実施形態でも、ホーン部36では、外径D2から外径D3までプローブ本体部31の外径が先端側に向かって減少する。ある実施例では、外径D3は、2.7mmであることが好ましい。
本実施形態のある実施例では、長手軸方向について当接面33から断面積増加部37の先端(振動出力端)E6までの長手寸法L7は、116.7mmであることが好ましい。また、断面積増加部37の長手軸方向について基端(振動入力端)E5から先端(振動出力端)E6まで延設寸法L8は、小さくなる。本実施形態でも、断面積増加部37では、外径D3から外径D4までプローブ本体部31の外径が先端側に向かって増加する。ある実施例では、外径D4は、ホーン部36の基端E3での外径D2と略同一になり、外径D4は、3.8mmであることが好ましい。
本実施形態のある実施例では、長手軸方向について断面積増加部37の先端E6から被支持部38の基端E7までの長手寸法L9は、24.1mmであることが好ましい。また、被支持部38は、長手軸方向について基端E7から先端E8まで延設寸法L10は、3mmとなる。そして、被支持部38では、基端部において外径が外径D4から外径D5に減少し、先端部において外径が外径D5から外径D6に増加する。ある実施例では、外径D5は、外径D4に比べて僅かに(0.4mm程度)小さい。そして、外径D6は、外径D4と略同一であり、3.8mmであることが好ましい。
また、振動体ユニット20が規定の周波数範囲(46kHz以上48kHz以下)で縦振動する状態では、振動節N1がホーン部35の基端E1又は基端E1の近傍に位置し、振動節N2がホーン部36の基端E3又は基端E3の近傍に位置する。また、振動体ユニット20が規定の周波数範囲で縦振動する状態では、振動腹A3が断面積増加部37に位置し、振動腹(最先端振動腹)A2が超音波プローブ8の先端に位置する。そして、振動体ユニット20が規定の周波数範囲で縦振動する状態では、縦振動の振動節の1つである振動節(最先端振動節)N3が被支持部38に位置している。前述のような構成にすることにより、本実施形態のある実施例においても、プローブ本体部31の基端(当接面33)に振動腹での振幅が18μmの縦振動が伝達された場合に、プローブ本体部31の先端E9において、振動腹での振幅が80μmの縦振動になる。
図12及び図13は、超音波プローブ8の先端部の構成を示す図である。図12は、超音波プローブ8を第1の幅方向側(図13の矢印B1側)から視た図であり、図13は、超音波プローブ8を第2の交差方向側(図12の矢印P2側)から視た図である。なお、図12において、破線S1及び破線S2で示す範囲が、シース7の先端より先端側に突出する。
図12及び図13に示すように、本実施形態でも、プローブ本体部31の先端E9は、被支持部38の先端E8より先端側に位置する。ただし、被支持部38の先端E8とプローブ本体部31の先端E9との間の長手軸方向についての距離は、小さく、ある実施例では0.6mm程度である。
本実施形態では、プローブ本体部31の先端側には、テーパ部(断面積減少部)41が連続している。テーパ部(第3のホーン部)41では、長手軸Cに垂直な断面積が先端側に向かって減少する。テーパ部41の基端は、プローブ本体部31の先端E9と連続している。したがって、プローブ本体部31の先端E9は、プローブ本体部31とテーパ部41との間の境界位置となる。超音波プローブ8は、長手軸方向について先端からテーパ部41の基端(E9)まで長手寸法L11を有する。ある実施例では、長手寸法L11は、32.5mmであることが好ましい。
テーパ部41は、第1の交差方向側(図12の矢印P1側)を向く第1の絞り外表面51を備える。テーパ部41では、長手軸方向について基端(E9)と第1の絞り終了位置(第1の距離減少終了位置)E10との間で、長手軸Cから第1の絞り外表面51までの第1の交差方向への距離(第1の距離)δが、基端側から先端側に向かうにつれて減少する。第1の絞り終了位置E10は、テーパ部41の基端(E9)より先端側に位置している。このため、テーパ部41は、長手軸方向について基端(E9)と第1の絞り終了位置E10との間に、第1の絞り寸法(第1の距離減少寸法)L12を有する。ある実施例では、第1の絞り寸法L12は、18mmが好ましい。本実施形態では、テーパ部41の基端(E9)が、第1の絞り外表面51の基端となり、第1の絞り終了位置E10が、第1の絞り外表面51の先端となる。
また、テーパ部41は、第2の交差方向側を向く第2の絞り外表面52を備える。テーパ部41では、長手軸方向について基端(E9)と第2の絞り終了位置(第2の距離減少終了位置)E11との間で、長手軸Cから第2の絞り外表面52までの第2の交差方向への距離(第2の距離)δ´が、基端側から先端側に向かうにつれて減少する。第2の絞り終了位置E11は、第1の絞り終了位置E10より先端側に位置している。このため、テーパ部41は、長手軸方向について基端(E9)と第2の絞り終了位置E11との間に、第1の絞り寸法L12より大きい第2の絞り寸法(第2の距離減少寸法)L13を有する。ある実施例では、第2の絞り寸法L13は、23mmであることが好ましい。本実施形態では、テーパ部41の基端(E9)が、第2の絞り外表面52の基端となり、第2の絞り終了位置E11が、第2の絞り外表面52の先端となる。このため、テーパ部41では、第1の絞り外表面51の先端(第1の絞り終了位置E10)が、第2の絞り外表面52の先端(第2の絞り終了位置E11)に比べて、基端側に位置し、長手軸方向について第2の絞り外表面52の先端から離間する。
前述のような構成であるため、テーパ部41では、長手軸方向について基端(E9)と第2の絞り終了位置E11との間において、第1の交差方向及び第2の交差方向についての超音波プローブ8の厚さ(寸法)Tが、先端側に向かって減少する。したがって、テーパ部41の基端(E9)は、厚さ減少開始位置となり、第2の絞り終了位置E11は、厚さ減少終了位置となる。また、第1の幅方向(幅方向の一方側)からの投影において、第1の絞り外表面51の長手軸方向に対する絞り角(鋭角)である第1の絞り角α1は、第2の絞り外表面52の長手軸方向に対する絞り角(鋭角)である第2の絞り角α2より大きく、第2の絞り角α2とは異なる。
また、テーパ部41は、第1の幅方向を向く第3の絞り外表面53、及び、第2の幅方向(図13の矢印B2側)を向く第4の絞り外表面54を備える。テーパ部41では、長手軸方向について幅減少開始位置E12と幅減少終了位置E13との間において、長手軸Cから第3の絞り外表面53までの第1の幅方向への距離、及び、長手軸Cから第4の絞り外表面54までの第2の幅方向への距離が、基端側から先端側に向かうにつれて減少する。このため、テーパ部41では、長手軸方向について幅減少開始位置E12と幅減少終了位置E13との間において、第1の幅方向及び第2の幅方向についての超音波プローブ8の幅(寸法)Wが、先端側に向かって減少する。超音波プローブ8は、長手軸方向について先端から幅減少開始位置E12まで長手寸法L14を有する。長手寸法L14は、長手軸方向について超音波プローブ8の先端からテーパ部41の基端(E9)までの長手寸法L11より小さい。したがって、幅減少開始位置E12は、テーパ部41の基端(E9)より先端側に位置している。ただし、テーパ部41の基端(E9)と幅減少開始位置E12との間の長手軸方向についての距離は、小さい。ある実施例では、長手寸法L14は、32mmであることが好ましい。そして、この実施例では、テーパ部41の基端(E9)と幅減少開始位置E12との間の長手軸方向についての距離は、0.5mm程度となる。本実施形態では、幅減少開始位置E12が、第3の絞り外表面53及び第4の絞り外表面54の基端となり、幅減少終了位置E13が、第3の絞り外表面53及び第4の絞り外表面54の先端となる。
超音波プローブ8は、長手軸方向について先端から幅減少終了位置E13まで長手寸法L15を有する。本実施形態では、幅減少終了位置E13は、第2の絞り終了位置E11より先端側に位置している。そして、幅減少終了位置E13が、テーパ部41の先端となる。ただし、第2の絞り終了位置(第2の絞り外表面52の先端)E11と幅減少終了位置E13との間の長手軸方向についての距離は、小さい。ある実施例では、長手寸法L15は、9mmであることが好ましい。そして、この実施例では、第2の絞り終了位置E11と幅減少終了位置E13との間の長手軸方向についての距離は、0.5mm程度となる。
長手軸方向についてテーパ部41の基端(E9)と第1の絞り終了位置E10との間では、長手軸Cから第1の絞り外表面51(超音波プローブ8の外周面)までの第1の交差方向(第1の垂直方向)への距離(第1の距離)δが、距離δ1まで減少する。したがって、第1の絞り終了位置(第1の絞り外表面51の先端)E10では、超音波プローブ8は、長手軸Cから第1の絞り外表面51までの第1の交差方向への距離(第1の距離)δ1を有する。距離δ1は、プローブ本体部31の先端E9での外径D6の2分の1値より小さくなる。ある実施例では、距離δ1は、0.45mm以上0.5mm以下となる。
長手軸方向についてテーパ部41の基端(E9)と第2の絞り終了位置E11との間では、第1の交差方向及び第2の交差方向についての超音波プローブ8の厚さ(寸法)Tが、厚さT1まで減少する。したがって、第2の絞り終了位置(第2の絞り外表面52の先端)E11では、超音波プローブ8は、第1の交差方向(第1の垂直方向)及び第2の交差方向(第2の垂直方向)について厚さT1を有する。厚さT1は、プローブ本体部31の先端E9での外径D6より小さくなる。ある実施例では、厚さT1は、1.65mmであることが好ましい。
長手軸方向について幅減少開始位置E12と幅減少終了位置E13との間では、第1の幅方向及び第2の幅方向についての超音波プローブ8の幅(寸法)Wが、幅寸法W1まで減少する。したがって、幅減少終了位置(第3の絞り外表面53及び第4の絞り外表面54の先端)E13では、超音波プローブ8は、第1の幅方向及び第2の幅方向について幅寸法W1を有する。幅寸法W1は、プローブ本体部31の先端E9での外径D6より小さくなる。ある実施例では、幅寸法W1は、2.8mmであることが好ましい。
前述のようにテーパ部41が構成されるため、テーパ部41では、先端側に向かうにつれて、長手軸Cに垂直な断面積が減少する。振動体ユニット20が規定の周波数範囲(例えば46kHz以上48kHz以下)で縦振動する状態では、縦振動の振動節の1つである振動節(最先端振動節)N3が被支持部38に位置し、テーパ部41の基端(E9)の近傍に位置している。そして、振動体ユニット20が規定の周波数範囲で縦振動する状態では、長手軸方向について縦振動のいずれの振動腹もテーパ部41から離れて位置している。このため、先端側に向かって断面積が減少するテーパ部41では、縦振動(超音波振動)の振幅が拡大される。ある実施例では、テーパ部41での振幅が80μmの縦振動が伝達された場合に、超音波プローブ8の先端での縦振動の振幅が140μm以上150μm以下になる。
また、本実施形態では、テーパ部41の基端(E9)から先端(E13)までの長手軸方向についてのテーパ寸法が、振動体ユニット20が規定の周波数範囲で縦振動する状態での8分の1波長(λ/8)より大きくなる。すなわち、振動体ユニット20が規定の周波数範囲で縦振動する状態での8分の1波長(λ/8)は、テーパ部41の基端(E9)から先端(E13)までの長手軸方向についてのテーパ寸法より、小さい。ある実施例では、振動体ユニット20が46kHz以上48kHz以下(規定の周波数範囲)で縦振動する状態において、振動節(最先端振動節)N3から振動腹(最先端振動腹)A2までの4分の1波長(λ/4)が34mm以上35mm以下となる。これに対し、この実施例では、テーパ部41の基端(E9)から先端(E13)までの長手軸方向についてのテーパ寸法が23.5mm程度となり、振動体ユニット20が46kHz以上48kHz以下(規定の周波数範囲)で縦振動する状態での8分の1波長より大きくなる。また、テーパ部41では、長手軸方向について基端(E9)と第1の絞り終了位置E10との間の第1の絞り寸法L12も、18mmが好ましい。したがって、第1の絞り寸法L12(すなわち、第1の絞り外表面51の長手軸方向についての寸法)も、振動体ユニット20が46kHz以上48kHz以下(規定の周波数範囲)で縦振動する状態での8分の1波長より大きくなる。なお、第1の絞り終了位置E10は、テーパ部41の外周面(絞り外表面51〜54)において絞りが終了する位置(例えばE10,E11,E13)の中で、最も基端側に位置している。
超音波プローブ8では、テーパ部41(及びプローブ本体部31)より先端側に湾曲延設部40が設けられている。湾曲延設部40は、プローブ本体部31及びテーパ部41(すなわち、長手軸C)に対して第1の交差方向側に湾曲する状態で、延設されている。湾曲延設部40は、第1の交差方向側(湾曲延設部40が湾曲する側)を向く第1の湾曲外表面55と、第2の交差方向側(湾曲延設部40が湾曲する側とは反対側)を向く第2の湾曲外表面56と、を備える。また、湾曲延設部40は、第1の幅方向側を向く第3の湾曲外表面57と、第2の幅方向側を向く第4の湾曲外表面58と、を備える。なお、プローブ本体部31からテーパ部41を通して湾曲延設部40に超音波振動が伝達されることにより、湾曲延設部40は、プローブ本体部31及びテーパ部41と一緒に規定の周波数範囲で縦振動する。
第1の幅方向(幅方向の一方側)からの投影において、湾曲延設部40の第1の湾曲外表面55では、第1の湾曲開始位置E14より先端側の部位が、長手軸方向(プローブ本体部31)に対して第1の交差方向側に湾曲する。また、第1の幅方向からの投影において、湾曲延設部40の第2の湾曲外表面56では、第2の湾曲開始位置E15より先端側の部位が、長手軸方向に対して第1の交差方向側に湾曲する。すなわち、第1の湾曲外表面55は、第1の湾曲開始位置E14で長手軸Cに対して第1の交差方向側への湾曲を開始し、第2の湾曲外表面56は、第2の湾曲開始位置E15で長手軸Cに対して第1の交差方向側への湾曲を開始する。本実施形態では、第2の湾曲開始位置(第2の湾曲外表面56の基端)E15が、第1の湾曲開始位置(第1の湾曲外表面55の基端)E14より、先端側に位置し、長手軸方向について第1の湾曲開始位置E14から離間して位置している。ただし、本実施形態では、第1の湾曲開始位置E14と第2の湾曲開始位置E15との間の長手軸方向についての距離は、小さく、ある実施例では0.3mm程度となる。また、本実施形態とは異なるある変形例では、湾曲延設部40において、第1の湾曲開始位置(第1の湾曲外表面55の基端)E14が、第2の湾曲開始位置(第2の湾曲外表面56の基端)E15に対して、先端側に位置してもよい。
湾曲延設部40は、第1の湾曲開始位置E14を基端(湾曲基端)として先端側へ向かって延設されている。超音波プローブ8は、長手軸方向について先端から湾曲延設部40の基端(E14)まで長手寸法L16を有する。長手寸法L16は、長手軸方向について超音波プローブ8の先端から幅減少終了位置E13まで長手寸法L15より小さい。このため、湾曲延設部40の基端(E14)は、幅減少終了位置E13より先端側に位置している。ある実施例では、長手寸法L16は、8.4mm以上8.5mm以下となる。
また、超音波プローブ8では、長手軸方向についてテーパ部41と湾曲延設部40との間に中継延設部43が連続している。中継延設部43は、幅減少終了位置E13(テーパ部41の先端)から第1の湾曲開始位置E14(湾曲延設部40の基端)まで延設されている。ここで、幅減少終了位置E13と湾曲延設部40の基端(E14)との間の長手軸方向についての距離は、小さい。このため、中継延設部43の長手軸方向についての寸法は小さくなる。ある実施例では、中継延設部43の長手軸方向についての寸法は、0.5mm程度となる。
長手軸方向について第1の絞り外表面51と第1の湾曲外表面55との間には、第1の交差方向を向く第1の軸平行外表面61が連続している。第1の軸平行外表面61は、第1の絞り終了位置E10と第1の湾曲開始位置E14との間で、長手軸Cに平行(略平行)に延設されている。したがって、第1の絞り終了位置E10が第1の軸平行外表面61の基端となり、第1の湾曲開始位置E14が第1の軸平行外表面61の先端となる。そして、第1の軸平行外表面61は、長手軸方向について延設寸法(第1の延設寸法)L19を有する。第1の軸平行外表面61では、第1の絞り終了位置E10から第1の湾曲開始位置E14まで、長手軸Cからの第1の交差方向への距離δが、距離δ1で略一定に保たれる。
また、長手軸方向について第2の絞り外表面52と第2の湾曲外表面56との間には、第2の交差方向を向く第2の軸平行外表面62が連続している。第2の軸平行外表面62は、第2の絞り終了位置E11と第2の湾曲開始位置E15との間で、長手軸Cに平行(略平行)に延設されている。したがって、第2の絞り終了位置E11が第2の軸平行外表面62の基端となり、第2の湾曲開始位置E15が第2の軸平行外表面62の先端となる。そして、第2の軸平行外表面62は、長手軸方向について延設寸法(第2の延設寸法)L20を有する。第1の軸平行外表面61の延設寸法L19は、第2の軸平行外表面62の延設寸法L20に比べて、大きい。第2の軸平行外表面62では、第2の絞り終了位置E11から第2の湾曲開始位置E15まで、長手軸Cからの第2の交差方向への距離δ´が、略一定に保たれる。
前述のような構成であるため、長手軸方向について第2の絞り終了位置E11と第1の湾曲開始位置(湾曲延設部40の基端)E14との間では、第1の交差方向及び第2の交差方向についての超音波プローブ8の厚さTが、厚さT1で略一定に保たれる。また、長手軸方向について幅減少終了位置E13と超音波プローブ8の先端との間では、第1の幅方向及び第2の幅方向についての超音波プローブ8の幅Wが、幅寸法W1で略一定に保たれる。したがって、幅減少終了位置E13から第1の湾曲開始位置(湾曲延設部40の基端)E14まで延設される中継延設部43では、長手軸方向について全長に渡って、幅寸法W1で略一定になるとともに、厚さT1で略一定になる。そして、中継延設部43では、長手軸方向について全長に渡って、長手軸Cに垂直な断面積が略一定となる。
ここで、長手軸Cを通り、かつ、第1の交差方向及び第2の交差方向に対して垂直な(略垂直な)基準面(第1の基準面)Y1を規定する。中継延設部43では、長手軸Cから第1の軸平行外表面61(超音波プローブ8の外周面)までの第1の交差方向への距離(第1の距離)δ1は、第1の交差方向及び第2の交差方向についての超音波プローブ8の厚さT1の2分の1値より、小さくなる。このため、テーパ部41及び中継延設部43では、超音波プローブ8は、基準面Y1を中央面として非対称となる。そして、テーパ部41及び中継延設部43では、長手軸Cに垂直な断面での断面重心が長手軸Cより第2の交差方向側にずれる。特に、第1の絞り終了位置E10と第1の湾曲開始位置E14との間では、断面重心の長手軸Cに対する第2の交差方向側へのずれが、大きくなる。また、長手軸Cを通り、かつ、第1の幅方向及び第2の幅方向に対して垂直な(略垂直な)基準面(第2の基準面)Y2を規定する。テーパ部41及び中継延設部43では、超音波プローブ8は、基準面Y2を中央面として略対称となる。
湾曲延設部40は、湾曲延設部40の基端である第1の湾曲開始位置E14から先端側へ向かって延設され、プローブ本体部31及びテーパ部41に対して第1の交差方向側へ湾曲する第1の湾曲延設部42を備える。第1の幅方向(幅方向の一方側)からの投影において、第1の湾曲延設部42の外周面の第1の交差方向側を向く部位では、第1の湾曲開始位置E14での接線が長手軸方向に対して鋭角θ1を有する。また、第1の幅方向からの投影において、第1の湾曲延設部42の外周面の第2の交差方向側を向く部位では、第2の湾曲開始位置E15での接線が長手軸方向に対して鋭角θ2を有する。鋭角θ1及び鋭角θ2は、0°より大きく10°以下となる。ある実施例では、鋭角θ1が5°に対して、鋭角θ2が7.5°となり、鋭角θ2が鋭角θ1より大きくなる。
湾曲延設部40では、第1の湾曲延設部42の先端側に、第2の湾曲延設部45が連続している。第2の湾曲延設部45は、第1の湾曲延設部42に対して第1の交差方向側に湾曲する状態で延設されている。第1の幅方向(幅方向の一方側)からの投影において、第2の湾曲延設部45の外周面の第1の交差方向側を向く部位は、角R1の円弧状に延設されている。また、第1の幅方向からの投影において、第2の湾曲延設部45の外周面の第2の交差方向側を向く部位は、角R2の円弧状に延設されている。
角R1の円弧及び角R2の円弧の中心O1は、湾曲延設部40(超音波プローブ8)より第1の交差方向側に位置している。このため、第1の幅方向(第2の幅方向)からの投影において、第2の湾曲延設部45の外周面の第1の交差方向側を向く部位では、長手軸方向に対する鋭角が先端側に向かうにつれて大きくなる。同様に、第1の幅方向(第2の幅方向)からの投影において、第2の湾曲延設部45の外周面の第2の交差方向側を向く部位では、長手軸方向に対する鋭角が先端側に向かうにつれて大きくなる。したがって、第2の湾曲延設部45では、長手軸方向に対する鋭角が先端側に向かうにつれて大きくなる。
第2の湾曲延設部45の外周面の第1の交差方向側を向く部位では、先端での接線が、長手軸方向に対して鋭角θ3を有する。また、第2の湾曲延設部45の外周面の第2の交差方向側を向く部位では、先端での接線が、長手軸方向に対して鋭角θ4を有する。すなわち、第1の湾曲外表面55の先端で、湾曲延設部40は、長手軸方向に対して鋭角θ3を有する。そして、第2の湾曲外表面56の先端で、湾曲延設部40は、長手軸方向に対して鋭角θ4を有する。ある実施例では、角R1が15mmとなり、鋭角θ3が15°となる。また、角R2に対応させて、鋭角θ4が規定される。例えば、角R2が12.5mmの場合は、鋭角θ4が25°となり、角R2が16.5mmの場合は、鋭角θ4が20°となる。そして、角R2が30mmの場合は、鋭角θ4が15°となる。ある実施例では、第2の湾曲外表面56(第2の湾曲延設部45の外周面の第2の交差方向側を向く部位)では、先端での接線の長手軸方向に対する鋭角θ4が、10°以上30°以下となり、20°以上25°以下となることが好ましい 。
また、超音波プローブ8において延設方向に垂直で(略垂直で)、かつ、幅方向に垂直な(略垂直な)方向を厚さ方向とする。湾曲延設部40では、超音波プローブ8の延設方向が長手軸に対して平行でないため、湾曲延設部40では、厚さ方向は第1の交差方向及び第2の交差方向に対して平行ではない。超音波プローブ8は、長手軸方向について第2の湾曲開始位置E15から先端まで、厚さ方向について厚さ寸法T2で略一定に保たれる。すなわち、第2の湾曲開始位置E15と超音波プローブ8の先端との間では、第1の湾曲外表面55と第2の湾曲外表面56との間の距離である厚さ寸法T2が、略一定に保たれる。ある実施例では、厚さ寸法T2は、1.5mmである。したがって、第2の湾曲開始位置E15から先端まで超音波プローブ8の厚さ寸法T2が略一定になる状態に、鋭角θ1〜θ4及び角R1,R2が決定される。
また、第2の湾曲延設部45の外周面の第1の交差方向側を向く部位は、先端において長手軸Cからの第1の交差方向への離間距離T3を有する。ある実施例では、離間距離T3は、1.9mmであることが好ましい。
第2の湾曲延設部45は、超音波プローブ8の先端を形成する先端面46を備える。第1の幅方向(幅方向の一方側)からの投影において、第1の湾曲外表面55(第2の湾曲延設部45の外周面の第1の交差方向側を向く部位)と先端面46との間は、角R3の曲面状に形成されている。また、第1の幅方向からの投影において、第2の湾曲外表面56(第2の湾曲延設部45の外周面の第2の交差方向側を向く部位)と先端面46との間は、角R4の曲面状に形成されている。ある実施例では、角R3は、0.5mmであり、角R4は、0.9mmである。また、第2の交差方向(交差方向の一方側)からの投影において、第3の湾曲外表面57(第2の湾曲延設部45の外周面の第1の幅方向側を向く部位)と先端面46との間、及び、第4の湾曲外表面58(第2の湾曲延設部45の外周面の第2の幅方向側を向く部位)と先端面46との間は、角R5の曲面状に形成されている。ある実施例では、角R5は、1.25mmである。
図14は、第2の湾曲延設部45(湾曲延設部40の先端部)を図12の矢印XIVの方向から視た図であり、厚さ方向の一方側から第2の湾曲延設部45を見た図である。また、図15は、第2の湾曲延設部45を第1の幅方向側から視た図である。そして、図16は、図12のXVI−XVI線断面図であり、第2の湾曲延設部45の延設方向に垂直な断面を示している。ここで、矢印XIVの方向は、第1の幅方向からの投影において、先端側から第2の交差方向側へ向かって鋭角θ5だけ回動した方向と一致する。鋭角θ5は、例えば75°である。
図12乃至図16に示すように、第2の湾曲延設部45には、切削面(処置面)47〜49が、設けられている。第1の切削面47は、第2の湾曲外表面56(湾曲延設部40の外表面において第2の交差方向側を向く部位)に、設けられている。そして、第2の切削面48は、第3の湾曲外表面57(湾曲延設部40の外表面において第1の幅方向側を向く部位)に設けられ、第3の切削面49は、第4の湾曲外表面58(湾曲延設部40の外表面において第2の幅方向側を向く部位)に設けられている。切削面47〜49のそれぞれでは、後述する複数の溝が形成されている。また、切削面47〜49のそれぞれは、湾曲延設部40の先端(先端面46)から基端側へ向かって延設されている。第1の切削面47は、第2の湾曲延設部45で、かつ、第2の湾曲外表面56に設けられている。このため、第1の幅方向及び前記第2の幅方向のそれぞれからの投影において、第1の切削面47は、湾曲延設部40より第1の交差方向側に中心(O1)が位置する円弧状に形成される。
第2の湾曲延設部45は、第1の切削面47と第1の湾曲外表面55との間に、湾曲延設部40の厚さ方向についての厚さ寸法T6を有する。第1の切削面47と第1の湾曲外表面55との間の厚さ寸法T6は、厚さ寸法T2と略同一の大きさとなる。また、第2の湾曲延設部45は、第2の切削面48(第3の湾曲外表面57)と第3の切削面49(第4の湾曲外表面58)との間に、第1の幅方向及び第2の幅方向についての幅寸法W5を有する。第2の切削面48と第3の切削面49との間の幅寸法W5は、幅寸法W1と略同一の大きさとなる。このため、第1の切削面47が延設される範囲(第2の湾曲延設部45)では、第1の切削面47と第1の湾曲外表面55との間の湾曲延設部40の厚さ方向についての厚さ寸法T6(T2)は、第3の湾曲外表面57と第4の湾曲外表面58との間での第1の幅方向及び第2の幅方向についての幅寸法W5(W1)より、小さい。
第2の切削面48には、複数(本実施形態では5つ)の延設溝(第1の延設溝)63A〜63Eが形成されている。延設溝63A〜63Eのそれぞれは、湾曲延設部40の延設方向に対して略垂直に延設され、本実施形態では、湾曲延設部40の厚さ方向に沿って延設されている。また、延設溝63A〜63Eは、湾曲延設部40の延設方向について並設され、延設溝63A〜63Eのそれぞれは、湾曲延設部40の延設方向について隣設する延設溝(63A〜63Eの対応する1つ又は2つ)との間に間隔q1有する。また、延設溝63A〜63Eの中で最も先端側に位置する最先端延設溝63Aを規定する。第2の湾曲延設部45は、湾曲延設部40の延設方向について超音波プローブ8の先端から最先端延設溝63Aまで、延設寸法L17を有する。ある実施例では、間隔q1は0.9mmであり、延設寸法L17は0.45mmである。
また、長手軸Cを通り、かつ、第1の幅方向及び第2の幅方向に対して垂直な基準面(第2の基準面)Y2を規定すると、延設溝63A〜63Eのそれぞれの底位置は、基準面Y2から第1の幅方向へ幅方向距離W2だけ離れ位置している。ある実施例では、幅方向距離W2は、1.1mmとなる。また、厚さ方向の一方側(第1の切削面47側)から視て、延設溝(第1の延設溝)63A〜63Eのそれぞれは、直径φ1の円の半円部分から形成される半円状になる。ある実施例では、直径φ1は、0.5mmとなる。
第3の切削面49には、複数(本実施形態では5つ)の延設溝(第2の延設溝)65A〜65Eが形成されている。延設溝65A〜65Eのぞれぞれは、基準面Y2を中央面として対応する延設溝(63A〜63Eの対応する1つ)と略対称となる。このため、延設溝(第1の延設溝)63A〜63Eと同様に、延設溝65A〜65Eのそれぞれは、湾曲延設部40の厚さ方向に沿って延設され、延設溝(第2の延設溝)65A〜65Eに関連して、間隔q1、延設寸法L17、幅方向距離W2及び直径φ1が規定される。
また、第1の切削面47は、第2の切削面48及び第3の切削面49とは溝の延設パターンが異なる。第1の切削面47には、複数(本実施形態では5つ)の傾斜溝(第1の傾斜溝)66A〜66E及び複数(本実施形態では5つ)の傾斜溝(第2の傾斜溝)67A〜67Eが形成されている。傾斜溝66A〜66Eのそれぞれは、湾曲延設部40の延設方向に対して鋭角(第1の鋭角)θ6だけ傾斜する状態で延設されている。すなわち、傾斜溝(第1の傾斜溝)66A〜66Eのそれぞれは、第1の切削面47側からの投影において、長手軸方向に対して傾斜する。ここで、第1の切削面47側からの投影において、傾斜溝66A〜66Eのそれぞれの延設方向の一方側は、基端側から第2の幅方向側へ向かって鋭角θ6だけ回動した方向と一致する。また、傾斜溝67A〜67Eのそれぞれは、湾曲延設部40の延設方向に対して鋭角(第2の鋭角)θ7だけ傾斜する状態で延設されている。すなわち、傾斜溝(第2の傾斜溝)67A〜67Eのそれぞれは、第1の切削面47側からの投影において、長手軸方向に対して傾斜溝(第1の傾斜溝)66A〜66Eとは反対側に傾斜する。ここで、第1の切削面47側からの投影において、傾斜溝67A〜67Fのぞれぞれの延設方向の一方側は、基端側から第1の幅方向側へ向かって鋭角θ7だけ回動した方向と一致する。第1の切削面47では、傾斜溝66A〜66Eのそれぞれは、対応する傾斜溝(67A〜67Eの対応する1つ)と交差し、編み目構造(クロスハッチ構造)を 形成している。ある実施例では、鋭角(第1の鋭角)θ6及び鋭角(第2の鋭角)θ7は、45°以上65°以下であり、60°程度であることが好ましい。
傾斜溝(第1の傾斜溝)66A〜66Eのそれぞれは、(傾斜溝66A〜66Eの延設方向に垂直な方向について)隣設する傾斜溝(66A〜66Eの対応する2つ又は1つ)との間に間隔q2有する。また、傾斜溝66A〜66Eの中で3番目に先端側に位置する基準傾斜溝(第1の基準傾斜溝)66Cを規定する。第2の湾曲延設部45は、湾曲延設部40の延設方向について超音波プローブ8の先端から基準傾斜溝66Cの先端位置まで、延設寸法L18を有する。ある実施例では、間隔q2は0.8mmであり、延設寸法L18は2.25mmである。また、傾斜溝66A〜66Eのそれぞれは、深さT4及び幅φ2を有する。また、第2の切削面48側(幅方向の一方側)から視て傾斜溝66A〜66Eのそれぞれの底面は、角φ2/2の円弧状に形成されている。ある実施例では、傾斜溝66A〜66Eのそれぞれの深さT4は0.35mmとなり、幅φ2は0.35mmとなる。
傾斜溝(第2の傾斜溝)67A〜67Eのぞれぞれは、基準面Y2を中央面として対応する第1の傾斜溝(66A〜66Eの対応する1つ)と略対称となる。このため、傾斜溝66A〜66Eと同様に、傾斜溝67A〜67Eに関連して、間隔q2、延設寸法L18、深さT4及び幅φ2が規定される。
また、延設溝(第1の延設溝)63A〜63E及び延設溝(第2の延設溝)65A〜65Eのそれぞれは、長手軸方向について、対応する傾斜溝(66A〜66Eの対応する1つ)と対応する傾斜溝(67A〜67Eの対応する1つ)の交差部分と位置が一致している。例えば、延設溝63C,65Cのそれぞれは、傾斜溝(第1の傾斜溝)66Cと傾斜溝(第2の傾斜溝)67Cとの交差部分と、長手軸方向についての位置が一致する。
第2の湾曲延設部45では、延設方向に垂直な断面において、第1の湾曲外表面55(外表面の第1の交差方向側を向く部位)と第2の切削面48との間、及び、第1の湾曲外表面55と第3の切削面49との間が角R6の曲面状に形成されている。また、第2の湾曲延設部45では、延設方向に垂直な断面において、第1の切削面47と第2の切削面48との間、及び、第1の切削面47と第3の切削面49との間が角R7の曲面状に形成されている。ある実施例では、角R6が0.5mmであり、角R7が0.9mmとなる。
角R6の曲面部分は、長手軸方向について図3の範囲S1に渡って形成され、角R7の曲面部分は、長手軸方向について図3の範囲S2に渡って形成されている。すなわち、角R6の曲面部分及び角R7の曲面部分は、長手軸方向について超音波プローブ8の先端からテーパ部41まで延設され、超音波プローブ8においてシース7の先端からの突出部分(露出部分)に、角R6の曲面部分及び角R7の曲面部分が形成されている。このため、テーパ部41の一部及び湾曲延設部40では、延設方向に垂直な断面において、外表面の第1の交差方向側を向く部位と外表面の第1の幅方向側を向く部位との間、及び、外表面の第1の交差方向側を向く部位と外表面の第2の幅方向側を向く部位との間が、角R6の曲面状に形成される。そして、テーパ部41の一部及び湾曲延設部40では、延設方向に垂直な断面において、外表面の第2の交差方向側を向く部位と外表面の第1の幅方向側を向く部位との間、及び、外表面の第2の交差方向側を向く部位と外表面の第2の幅方向側を向く部位との間が、角R7の曲面状に形成される。
次に、本実施形態の超音波プローブ8の作用及び効果について説明する。図17及び図18は、超音波処置システム1を用いて肩関節300において骨を切削している状態を示す図である。図17は、肩関節300を前方側(胸側)から視た図であり、図18は、肩関節300を後方側(背中側)から視た図である。図17及び図18に示すように、肩関節300は、上腕骨301と肩甲骨302との間の関節である。肩甲骨302は、肩峰303を備える。肩峰303には、鎖骨305が連結される。肩甲骨302からは、肩甲下筋306、棘上筋307、棘下筋308及び小円筋309が起始する。肩峰303の下側には、肩甲下筋306、棘上筋307、棘下筋308及び小円筋309の腱として回旋筋腱板311が形成されている。回旋筋腱板311から上腕骨301が延設されている。また、肩峰303の下面312と回旋筋腱板311との間には、腔313が形成されている。
本実施形態では、肩峰303と回旋筋腱板311との間の腔313に硬性鏡(関節鏡)315の先端部及び超音波プローブ8の先端部を挿入する。硬性鏡315及び超音波プローブ8のそれぞれは、人体の外から腔313へ、前方側の挿入箇所、側方側の挿入箇所及び後方側の挿入箇所のいずれかを通して挿入される。ただし、硬性鏡315の挿入箇所は、超音波プローブ8の挿入箇所とは異なる。図17及び図18では、前方側の挿入箇所から硬性鏡315が腔313に挿入され、側方側の挿入箇所から超音波プローブ8が腔313に挿入される。そして、硬性鏡315による観察下で腔313において超音波プローブ8の切削面47〜49のいずれかを肩峰303の下面312に接触させる。切削面47〜49のいずれかが肩峰303の下面312に接触する状態において切削面47〜49に超音波振動が伝達されることにより、肩峰303の下面312において骨棘(骨)の切削が行われる。なお、肩峰303の下面312においての骨棘の切削は、第2の湾曲延設部45を液体(生理食塩水)に浸した状態で行われる。
図19及び図20は、超音波プローブ8の第2の湾曲延設部45の第1の切削面47が肩峰303の下面312に接触している状態を示す図である。図20では、肩峰303の下面312において図19とは異なる位置で第1の切削面47を接触させている。ここで、超音波プローブ8では、長手軸Cに沿って延設されるプローブ本体部31に対して第1の湾曲延設部42が第1の垂直方向側に湾曲し、第2の湾曲延設部45が第1の湾曲延設部42に対してさらに第1の垂直方向側に湾曲している。そして、第2の湾曲延設部45では、長手軸方向に対する鋭角が先端側に向かうにつれて大きくなり、第2の湾曲延設部45で、かつ、第2の湾曲外表面56に、第1の切削面47が設けられる。このため、本実施形態では、第1の幅方向及び前記第2の幅方向のそれぞれからの投影において、第1の切削面47は、湾曲延設部40より第1の交差方向側に中心(O1)が位置する円弧状に形成される。肩峰303と回旋筋腱板311との間の腔313は狭く、肩峰303の下面312は曲面状に形成されている。前述のように第1の湾曲延設部42及び第2の湾曲延設部45を形成することにより、曲面状に形成される肩峰303の下面312にも、適切に第1の切削面47を接触させることができる。
例えば、図19及び図20では、肩峰303の下面312において第1の切削面47と接触する位置が互いに対して異なるため、肩峰303の下面312に対する第1の切削面47の接触角が異なる。本実施形態では、前述のように第1の湾曲延設部42及び第2の湾曲延設部45が形成されるため、肩峰303の下面312に対する第1の切削面47の接触角が変化しても、第1の切削面47を適切に肩峰303の下面312に接触させることが可能となる。例えば、図10及び図11のいずれにおいても、第1の切削面47が肩峰303の下面312に適切に接触する。すなわち、肩峰303の下面312のいかなる位置においても(すなわち、肩峰303の下面312に対する第1の切削面47の接触角がいかなる角度であっても)、第1の切削面47を適切に肩峰303の下面312に接触させることができる。
また、本実施形態では、第1の切削面47は、湾曲延設部40の第2の湾曲外表面56に設けられ、第2の湾曲外表面56(湾曲延設部40の外周面の第2の交差方向側を向く部位)では、先端での接線の長手軸方向に対する鋭角θ4が、10°以上30°以下(好ましくは20°以上25°以下)となる。鋭角θ4を10°以上30°以下(特に20°以上25°以下)にすることにより、第1の切削面47が肩峰303の下面312に対応する形状となり、肩峰303の下面312のいかなる位置においても、第1の切削面47をさらに容易かつ適切に肩峰303の下面312に接触させることができる。
また、第1の切削面47では、傾斜溝(第1の傾斜溝)66A〜66Eのそれぞれが対応する第2の傾斜溝(67A〜67Eの対応する1つ)と交差し、編み目構造が形成されている。第1の切削面47に編み目構造が形成されるため、第1の切削面47を接触させた状態で第2の湾曲延設部45が超音波振動によって縦振動することにより、適切に骨(骨棘)が切削される。すなわち、硬い骨を適切に切削することができる。また、本実施形態では、超音波プローブ8の延設方向(すなわち、縦振動による振動方向)に対する傾斜溝(第1の傾斜溝)66A〜66Eのそれぞれの鋭角θ6、及び、超音波プローブ8の延設方向(すなわち、縦振動による振動方向)に対する傾斜溝(第2の傾斜溝)67A〜67Fのそれぞれの鋭角θ7が45°以上65°以下になる。鋭角θ6、θ7のそれぞれが前述の範囲になることにより、超音波振動を用いて第1の切削面47で肩峰303の下面112を切削する際に、骨の切削性が向上する。
本実施形態では、第2の切削面48又は第3の切削面49を肩峰303の下面312に接触させて骨を切削してもよい。また、第1の切削面47を肩峰303の下面312に接触させて骨(骨棘)を切削する際には、第1の切削面47によって切削される箇所の近傍において、第2の切削面48及び第3の切削面49によって、骨が切削される。切削面48,49によって骨が切削されることにより、第1の切削面47によって切削された箇所のみが凹むことが防止され、肩峰303の下面312において段差が形成されることが防止される。
また、第2の切削面48の延設溝63A〜63E及び第3の切削面49の延設溝65A〜65Eは、超音波プローブ8の延設方向(すなわち、縦振動による振動方向)に対して略垂直に(湾曲延設部40の厚さ方向に沿って)延設されている。縦振動による振動方向に対して略垂直に延設溝(第1の延設溝)63A〜63Eが延設されるため、超音波振動を用いて第2の切削面48で切削する際に、骨の切削性が向上する。同様に、縦振動による振動方向に対して略垂直に延設溝(第2の延設溝)65A〜65Eが延設されるため、超音波振動を用いて第3の切削面49で切削する際に、骨の切削性が向上する。
また、延設溝(第1の延設溝)63A〜63E及び延設溝(第2の延設溝)65A〜65Eのそれぞれは、長手軸方向について、対応する傾斜溝(66A〜66Eの対応する1つ)と対応する傾斜溝(67A〜67Eの対応する1つ)の交差部分と位置が一致している。延設溝63A〜63E、65A〜65E及び傾斜溝66A〜66E、67A〜67Eが前述のように配置されることにより、切削面47〜49で骨を切削する際に、骨がムラなく均一に切削され、切削性がさらに向上する。
また、本実施形態では、第1の絞り外表面51の先端(第1の絞り終了位置E10)が、第2の絞り外表面52の先端(第2の絞り終了位置E11)に比べて、基端側に位置し、第1の軸平行外表面61の延設寸法L19は、第2の軸平行外表面62の延設寸法L20に比べて、大きい。このため、第1の切削面47を肩峰303の下面312に接触可能な位置まで移動させる際に、湾曲延設部40、テーパ部41及び中継延設部43において外表面の第1の交差方向側を向く部位(背面側の部位)が、処置対象(肩峰303の下面)以外の生体組織等に接触し難くなる。したがって、第1の切削面47を肩峰303の下面312に接触可能な位置まで、移動させ易くなる。
また、本実施形態では、振動体ユニット20が規定の周波数範囲で縦振動する状態では、最も先端側の振動節N3より先端側にテーパ部41が位置し、テーパ部41で縦振動の振幅Vが拡大される。例えば、振動腹での振幅が80μmの縦振動が、テーパ部41によって、振動腹での振幅が140μm以上150μm以下の縦振動に拡大される。また、超音波振動による応力σは、振動節及び超音波振動の伝達方向に垂直な断面積が減少する部分で大きくなり、振動腹でゼロとなる。したがって、本実施形態では、振動節N3からテーパ部41の先端(E13)との間において、応力σが大きくなる(図7参照)。
ここで、本実施形態では、テーパ部41の基端(E9)から先端(E13)までの長手軸方向についての寸法が、振動体ユニット20が規定の周波数範囲で縦振動する状態での8分の1波長(λ/8) より大きくなる。そして、テーパ部41では、長手軸方向について基端(E9)と第1の絞り終了位置E10との間の第1の絞り寸法L12も振動体ユニット20が規定の周波数範囲で縦振動する状態での8分の1波長より 大きくなる。テーパ部41の基端(E9)から先端(E13)までの長手軸方向についての寸法が大きくなることにより、振動節N3からテーパ部41の先端(E13)との間の全長に渡って、超音波振動による応力σが略均一に保たれる。すなわち、振動節N3からテーパ部41の先端(E13)との間において、応力が局所的に大きくなることが(すなわち、ピークが発生することが)、有効に防止される。例えば、ある実施例では、振動腹での振幅が大きくなる(例えば80μmの)縦振動がテーパ部41の基端(E9)に伝達されても、振動体ユニット20が規定の周波数範囲(例えば46kHz以上48kH以下)で縦振動する状態では、振動節N3からテーパ部41の先端(E13)との間において応力σが300Mpa程度で略均一に保たれる。すなわち、本実施形態では、振動節N3からテーパ部41の先端(E13)との間において、(例えば、テーパ部41の先端(E13)で、)応力が局所的に700Mpa程度まで大きくなることが防止される。応力σが局所的に大きくなることが防止されるため、超音波振動による超音波プローブ8の破損を有効に防止することができる。
また、本実施形態では、テーパ部41及び中継延設部43において、長手軸Cに垂直な断面での断面重心が長手軸Cより第2の垂直方向側にずれる。特に、第1の絞り終了位置E10と第1の湾曲開始位置(湾曲基端)E14との間では、断面重心の長手軸Cに対する第2の交差方向側へのずれが、大きくなる。このため、本実施形態では、湾曲延設部40の長手軸方向に対する湾曲に起因する第1の交差方向側への重心のずれが、テーパ部41及び中継延設部43に起因する第2の交差方向側への重心のずれによって、打消される。これにより、超音波プローブ8が超音波振動を先端側に伝達している状態において、縦振動以外の不正振動(横振動、ねじれ振動)の発生を低減させることができる。
本実施形態では、第1の幅方向(幅方向の一方側)からの投影において、第1の湾曲外表面55と先端面46との間は、角R3の曲面状に形成されている。また、第1の幅方向からの投影において、第2の湾曲外表面56と先端面46との間は、角R4の曲面状に形成されている。そして、第2の交差方向(交差方向の一方側)からの投影において、第3の湾曲外表面57と先端面46との間、及び、第4の湾曲外表面58と先端面46との間は、角R5の曲面状に形成されている。これにより、超音波プローブ8の先端面46では、超音波プローブ8の延設方向(すなわち、縦振動の振動方向)に対して垂直な表面(外表面)の割合が小さくなる。縦振動の振動方向に対して垂直な表面の割合が小さくなることにより、第2の湾曲延設部45を液体(生理食塩水)に浸した状態で超音波プローブ8を縦振動させても、先端面46の近傍でのキャビテーションの発生が低減される。キャビテーションの発生が低減されることにより、処置における術者の視認性が向上する。
また、超音波プローブ8においてシース7の先端からの突出部分(露出部分)では、延設方向に垂直な断面において、外表面の第1の交差方向側を向く部位と外表面の第1の幅方向側を向く部位との間、及び、外表面の第1の交差方向側を向く部位と外表面の第2の幅方向側を向く部位との間が、角R6の曲面状に形成される。そして、超音波プローブ8においてシース7の先端からの突出部分(露出部分)では、延設方向に垂直な断面において、外表面の第2の交差方向側を向く部位と外表面の第1の幅方向側を向く部位との間、及び、外表面の第2の交差方向側を向く部位と外表面の第2の幅方向側を向く部位との間が、角R7の曲面状に形成される。このため、テーパ部41、中継延設部43及び湾曲延設部40の外周面において、角が形成されない。したがって、超音波プローブ8においてシース7の先端からの突出部分(露出部分)が処置対象以外の生体組織等に接触しても、生体組織の損傷を有効に防止することができる。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について、図21乃至図24を参照して説明する。第4の実施形態は、第3の実施形態の構成を次の通り変形したものである。なお、第3の実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
本実施形態でも、第3の実施形態と同様に、超音波プローブ8は、プローブ本体部31、テーパ部41及び湾曲延設部40(第1の湾曲延設部42及び第2の湾曲延設部45)を備える。そして、プローブ本体部31は、第1の実施形態と同様に、ホーン部35、ホーン部36、断面積増加部37及び被支持部38を備える。ある実施例では、超音波プローブ8の全長L1は、183.4mmであることが好ましい。また、ある実施例では、長手軸方向について超音波プローブ8の先端から当接面33(プローブ本体部31の基端)まで長手寸法L2は、177.5mmであることが好ましい。
また、本実施形態のある実施例では、長手軸方向について当接面33からホーン部35の基端(振動入力端)E1までの長手寸法L3は、29mmであることが好ましい。また、ホーン部(第1のホーン部)35の長手軸方向について基端(振動入力端)E1から先端(振動出力端)E2までのホーン長手寸法(第1のホーン長手寸法)L4は、20mmであることが好ましい。本実施形態でも、ホーン部35では、外径D1から外径D2までプローブ本体部31の外径が先端側に向かって減少する。ある実施例では、外径D1は、7mmが好ましい。そして、外径D2は、3.8mmが好ましい。
また、本実施形態のある実施例では、長手軸方向について当接面33からホーン部36の基端(振動入力端)E3までの長手寸法L5は、88.1mmであることが好ましい。そして、ホーン部(第2のホーン部)36の長手軸方向について基端(振動入力端)E3から先端(振動出力端)E4までのホーン長手寸法(第2のホーン長手寸法)L6は、14mmであることが好ましい。本実施形態でも、ホーン部36では、外径D2から外径D3までプローブ本体部31の外径が先端側に向かって減少する。ある実施例では、外径D3は、2.7mmであることが好ましい。
本実施形態のある実施例では、長手軸方向について当接面33から断面積増加部37の先端(振動出力端)E6までの長手寸法L7は、116.7mmであることが好ましい。また、断面積増加部37の長手軸方向について基端(振動入力端)E5から先端(振動出力端)E6まで延設寸法L8は、小さくなる。本実施形態でも、断面積増加部37では、外径D3から外径D4までプローブ本体部31の外径が先端側に向かって増加する。ある実施例では、外径D4は、ホーン部36の基端E3での外径D2と略同一になり、外径D4は、3.8mmが好ましい。
本実施形態のある実施例では、長手軸方向について断面積増加部37の先端E6から被支持部38の基端E7までの長手寸法L9は、24.1mmであることが好ましい。また、被支持部38は、長手軸方向について基端E7から先端E8まで延設寸法L10は、3mmとなる。そして、被支持部38では、基端部において外径が外径D4から外径D5に減少し、先端部において外径が外径D5から外径D6に増加する。ある実施例では、外径D5は、外径D4に比べて僅かに(0.4mm程度)小さい。そして、外径D6は、外径D4と略同一であり、3.8mmが好ましい。
また、振動体ユニット20が規定の周波数範囲(46kHz以上48kHz以下)で縦振動する状態では、振動節N1がホーン部35の基端E1又は基端E1の近傍に位置し、振動節N2がホーン部36の基端E3又は基端E3の近傍に位置する。また、振動体ユニット20が規定の周波数範囲で縦振動する状態では、振動腹A3が断面積増加部37に位置し、振動腹(最先端振動腹)A2が超音波プローブ8の先端に位置する。そして、振動体ユニット20が規定の周波数範囲で縦振動する状態では、縦振動の振動節の1つである振動節(最先端振動節)N3が被支持部38に位置している。前述のような構成にすることにより、本実施形態のある実施例においても、プローブ本体部31の基端(当接面33)に振動腹での振幅が18μmの縦振動が伝達された場合に、プローブ本体部31の先端E9において、振動腹での振幅が80μmの縦振動になる。
図21及び図22は、超音波プローブ8の先端部の構成を示す図である。図21は、超音波プローブ8を第1の幅方向側から視た図であり、図22は、超音波プローブ8を第2の交差方向側から視た図である。なお、図21において、破線S1及び破線S2で示す範囲が、シース7の先端より先端側に突出する。
図21及び図22に示すように、本実施形態でも、プローブ本体部31の先端E9は、被支持部38の先端E8より先端側に位置する。そして、ある実施例では、被支持部38の先端E8とプローブ本体部31の先端との間の長手軸方向についての距離は、1.2mm程度である。また、プローブ本体部31の先端E9は、テーパ部41の基端と連続
している。本実施形態のある実施例では、長手軸方向について超音波プローブ8の先端からテーパ部41の基端(E9)までの長手寸法L11は、32.5mmであることが好ましい。
本実施形態でも、テーパ部41は、第1の交差方向側を向く第1の絞り外表面51を備え、テーパ部41では、長手軸方向について基端(E9)と第1の絞り終了位置(第1の距離減少終了位置)E10との間で、長手軸Cから第1の絞り外表面51までの第1の交差方向への距離(第1の距離)δが、基端側から先端側に向かうにつれて減少する。ある実施例では、長手軸方向についてテーパ部41の基端(E9)と第1の絞り終了位置E10との間の第1の絞り寸法L12は、18mmであることが好ましい。また、本実施形態でも、テーパ部41は、第2の交差方向側を向く第2の絞り外表面52を備え、テーパ部41では、長手軸方向について基端(E9)と第2の絞り終了位置(第2の距離減少終了位置)E11との間で、長手軸Cから第2の絞り外表面52までの第2の交差方向への距離(第2の距離)δ´が、基端側から先端側に向かうにつれて減少する。第2の絞り終了位置E11(第2の絞り外表面52の先端)に比べ、第1の絞り終了位置E10(第1の絞り外表面51の先端)は、基端側に位置している。ある実施例では、長手軸方向についてテーパ部41の基端(E9)と第2の絞り終了位置E11との間の第2の絞り寸法L13は、21mmであることが好ましい。前述のような構成であるため、本実施形態のテーパ部41でも、長手軸方向についてテーパ部41の基端(厚さ減少開始位置)と第2の絞り終了位置(厚さ減少終了位置)E11との間において、第1の交差方向及び第2の交差方向についての超音波プローブ8の厚さ(寸法)Tが、先端側に向かって減少する。また、本実施形態でも、第1の幅方向(幅方向の一方側)からの投影において、第1の絞り外表面51の長手軸方向に対する絞り角(鋭角)である第1の絞り角α1は、第2の絞り外表面52の長手軸方向に対する絞り角(鋭角)である第2の絞り角α2より大きく、第2の絞り角α2とは異なる。
本実施形態でも、テーパ部41は、第1の幅方向を向く第3の絞り外表面53、及び、第2の幅方向を向く第4の絞り外表面54を備える。そして、テーパ部41では、長手軸方向について幅減少開始位置E12と幅減少終了位置E13との間において、第1の幅方向及び第2の幅方向についての超音波プローブ8の幅(寸法)Wが、先端側に向かって減少する。そして、幅減少終了位置E13が、第3の絞り外表面53及び第4の絞り外表面54の先端となり、テーパ部41の先端となる。ある実施例では、長手軸方向について超音波プローブ8の先端から幅減少開始位置E12までの長手寸法L14は、32mmであることが好ましい。そして、幅減少開始位置E12は、テーパ部41の基端(E9)より僅かに(0.5mm程度)先端側に位置している。また、ある実施例では、長手軸方向について超音波プローブ8の先端から幅減少終了位置E13まで長手寸法L15は、9mmであることが好ましい。そして、幅減少終了位置E13は、第2の絞り終了位置E11より2mm程度だけ先端側に位置している。
第1の絞り終了位置E10での長手軸Cから第1の絞り外表面51(超音波プローブ8の外周面)までの第1の交差方向への距離(第1の距離)δ1は、プローブ本体部31の先端E9での外径D6の2分の1値より小さくなり、ある実施例では、距離δ1は、0.45mm以上0.5mm以下となる。また、第2の絞り終了位置E11での超音波プローブ8の第1の交差方向及び第2の交差方向についての厚さT1は、プローブ本体部31の先端E9での外径D6より小さくなり、ある実施例では、厚さT1は、1.7mmであることが好ましい。そして、幅減少終了位置E13では、超音波プローブ8の第1の幅方向及び第2の幅方向についての幅W1は、プローブ本体部31の先端E9での外径D6より小さくなり、ある実施例では、幅W1は、2.8mmであることが好ましい。
前述のようにテーパ部41が構成されるため、テーパ部41では、先端側に向かうにつれて、長手軸Cに垂直な断面積が減少する。そして、振動体ユニット20が規定の周波数範囲(例えば46kHz以上48kHz以下)で縦振動する状態では、振動節(最先端振動節)N3がテーパ部41の基端(E9)の近傍に位置し、長手軸方向について縦振動のいずれの振動腹もテーパ部41から離れて位置している。このため、先端側に向かって断面積が減少するテーパ部41では、縦振動(超音波振動)の振幅が拡大される。ある実施例では、テーパ部41の振幅が80μmの縦振動が伝達された場合に、プローブの先端が140μm〜150μmの縦振動になる。
また、本実施形態でも、テーパ部41の基端(E9)から先端(E13)までの長手軸方向についての寸法に比べて、振動体ユニット20が規定の周波数範囲で縦振動する状態での8分の1波長(λ/8)が、小さくなる。また、テーパ部41では、長手軸方向について基端(E9)と第1の絞り終了位置E10との間の第1の絞り寸法L12も、振動体ユニット20が46kHz以上48kHz以下(規定の周波数範囲)で縦振動する状
態での8分の1波長より大きくなる。なお、第1の絞り終了位置E10は、テーパ部41の外周面(絞り外表面51〜54)において絞りが終了する位置(例えばE10,E11,E13)の中で、最も基端側に位置している。
本実施形態でも、第1の湾曲延設部42及び第2の湾曲延設部45を含む湾曲延設部40は、プローブ本体部31(すなわち、長手軸C)に対して第1の交差方向側に湾曲する状態で、延設されている。そして、湾曲延設部40は、第1の交差方向側(湾曲延設部40が湾曲する側)を向く第1の湾曲外表面55を備え、第1の幅方向(幅方向の一方側)からの投影において、第1の湾曲外表面55では、第1の湾曲開始位置E14より先端側の部位が、長手軸方向(プローブ本体部31)に対して第1の交差方向側に湾曲する。また、湾曲延設部40は、第2の交差方向側(湾曲延設部40が湾曲する側とは反対側)を向く第2の湾曲外表面56を備え、第1の幅方向からの投影において、第2の湾曲外表面56では、第2の湾曲開始位置E15より先端側の部位が、長手軸方向に対して第1の交差方向側に湾曲する。すなわち、第1の湾曲外表面55は、第1の湾曲開始位置E14で長手軸Cに対して第1の交差方向側への湾曲を開始し、第2の湾曲外表面56は、第2の湾曲開始位置E15で長手軸Cに対して第1の交差方向側への湾曲を開始する。また、本実施形態でも、湾曲延設部40は、第1の幅方向側を向く第3の湾曲外表面57と、第2の幅方向側を向く第4の湾曲外表面58と、を備える。
本実施形態では、第2の湾曲開始位置E15に対して、第1の湾曲開始位置E14が先端側に位置している。したがって、湾曲延設部40は、第2の湾曲開始位置E15を基端(湾曲基端)として先端側へ向かって延設されている。超音波プローブ8は、長手軸方向について先端から第1の湾曲開始位置E14まで長手寸法L16を有する。長手寸法L16は、長手軸方向について超音波プローブ8の先端から幅減少終了位置E13まで長手寸法L15より小さい。このため、第1の湾曲開始位置E14は、幅減少終了位置E13より先端側に位置している。ある実施例では、長手寸法L16は、8.5mmとなる。
また、本実施形態では、第2の湾曲開始位置(湾曲基端)E15は、第1の湾曲開始位置E14より基端側に位置するとともに、幅減少終了位置E13より基向側に位置している。したがって、本実施形態では、湾曲延設部40の基端(E15)は、テーパ部41の先端(E13)より基端側に位置している。このため、本実施形態では、テーパ部41の一部は、湾曲延設部40(第1の湾曲延設部42)の一部によって形成されている。ここで、ある実施例では、第2の湾曲開始位置(湾曲基端)E15と幅減少終了位置E13との間の長手軸方向についての寸法は1mm程度であり、幅減少終了位置E13と第1の湾曲開始位置E14との間の長手軸方向についての寸法は、0.5mm程度 となる。
本実施形態でも、長手軸方向について第1の絞り外表面51と第1の湾曲外表面55との間には、第1の交差方向を向く第1の軸平行外表面61が連続している。第1の軸平行外表面61は、第1の絞り終了位置E10と第1の湾曲開始位置E14との間で、長手軸Cに平行(略平行)に延設されている。そして、第1の軸平行外表面61は、長手軸方向について延設寸法(第1の延設寸法)L19を有する。第1の軸平行外表面61では、第1の絞り終了位置E10から第1の湾曲開始位置E14まで、長手軸Cからの第1の交差方向への距離δが、距離δ1で略一定に保たれる。また、本実施形態でも、長手軸方向について第2の絞り外表面52と第2の湾曲外表面56との間には、第2の交差方向を向く第2の軸平行外表面62が連続している。第2の軸平行外表面62は、第2の絞り終了位置E11と第2の湾曲開始位置E15との間で、長手軸Cに平行(略平行)に延設されている。そして、第2の軸平行外表面62は、長手軸方向について延設寸法(第2の延設寸法)L20を有する。第1の軸平行外表面61の延設寸法L19は、第2の軸平行外表面62の延設寸法L20に比べて、大きい。第2の軸平行外表面62では、第2の絞り終了位置E11から第2の湾曲開始位置E15まで、長手軸Cからの第2の交差方向への距離δ´が、略一定に保たれる。
前述のような構成であるため、長手軸方向について第2の絞り終了位置E11と第2の湾曲開始位置E15との間では、第1の交差方向及び第2の交差方向についての超音波プローブ8の厚さTが、厚さT1で略一定に保たれる。また、長手軸方向について幅減少終了位置E13と超音波プローブ8の先端との間では、第1の幅方向及び第2の幅方向についての超音波プローブ8(湾曲延設部40)の幅Wが、幅W1で略一定に保たれる。
本実施形態でも、テーパ部41の先端部では、長手軸Cから超音波プローブ8の外周面までの第1の交差方向への距離(第1の距離)δ1は、第1の交差方向及び第2の交差方向についての超音波プローブ8の厚さT1の2分の1値より、小さくなる。このため、長手軸Cを通り、かつ、第1の交差方向及び第2の交差方向に対して垂直な基準面(第1の
基準面)Y1を規定した場合、テーパ部41では、超音波プローブ8は、基準面Y1を中央面として非対称となる。そして、テーパ部41では、長手軸Cに垂直な断面での断面重心が長手軸Cより第2の交差方向側にずれる。特に、第1の絞り終了位置E10と第2の湾曲開始位置(湾曲基端)E15との間では、断面重心の長手軸Cに対する第2の交差方向側へのずれが、大きくなる。また、長手軸Cを通り、かつ、第1の幅方向及び第2の幅方向に対して垂直な基準面(第2の基準面)Y2を規定した場合、テーパ部41では、超音波プローブ8は、基準面Y2を中央面として略対称となる。
第1の幅方向(幅方向の一方側)からの投影において、第1の湾曲延設部42の外周面の第1の交差方向側を向く部位では、第1の湾曲開始位置E14での接線が長手軸方向に対して鋭角θ1を有する。また、第1の幅方向からの投影において、第1の湾曲延設部42の外周面の第2の交差方向側を向く部位では、第2の湾曲開始位置(湾曲基端)E15での接線が長手軸方向に対して鋭角θ2を有する。鋭角θ1及び鋭角θ2は、0°より大きく10°以下となり、ある実施例では、鋭角θ1が5°で、鋭角θ2が5°となる。
本実施形態でも、第1の湾曲延設部42の先端側に、第2の湾曲延設部45が連続し、第2の湾曲延設部45は、第1の湾曲延設部42に対して第1の交差方向側に湾曲する状態で延設されている。第1の幅方向(幅方向の一方側)からの投影において、第2の湾曲延設部45の外周面の第1の交差方向側を向く部位は、角R1の円弧状に延設され、第2の湾曲延設部45の外周面の第2の交差方向側を向く部位は、角R2の円弧状に延設されている。そして、角R1の円弧及び角R2の円弧の中心O1は、湾曲延設部40(超音波プローブ8)より第1の交差方向側に位置している。このため、本実施形態でも、第2の湾曲延設部45では、長手軸方向に対する鋭角が先端側に向かうにつれて大きくなる。
第2の湾曲延設部45の外周面の第1の交差方向側を向く部位では、先端での接線が、長手軸方向に対して鋭角θ3を有し、第2の湾曲延設部45の外周面の第2の交差方向側を向く部位では、先端での接線が、長手軸方向に対して鋭角θ4を有する。すなわち、第1の湾曲外表面55の先端で、湾曲延設部40は、長手軸方向に対して鋭角θ3を有する。そして、第2の湾曲外表面56の先端で、湾曲延設部40は、長手軸方向に対して鋭角θ4を有する。ある実施例では、角R1が15mmとなり、鋭角θが15°となる。また、ある実施例では、角R2が16.5mmとなり、鋭角θ4が20°となる。本実施形態でも第1の実施形態と同様に、第2の湾曲外表面56(第2の湾曲延設部45の外周面の第2の垂直方向側を向く部位)では、先端での接線の長手軸方向に対する鋭角θ4が、10°以上30°以下となり、20°以上25°以下であることが好ましい。
また、第1の実施形態と同様に超音波プローブ8の厚さ方向を規定すると、本実施形態では、超音波プローブ8は、長手軸方向について第1の湾曲開始位置E14から先端まで、厚さ方向について厚さ寸法T2で略一定に保たれる。すなわち、第1の湾曲開始位置E14と超音波プローブ8の先端との間では、第1の湾曲外表面55と第2の湾曲外表面56との間の距離である厚さ寸法T2が、略一定に保たれる。ある実施例では、厚さ寸法T2は、1.5mmである。したがって、第1の湾曲開始位置E14から先端まで超音波プローブ8の厚さ寸法T2が略一定になる状態に、鋭角θ1〜θ4及び角R1,R2が決定される。また、本実施形態でも、第2の湾曲延設部45の外周面の第1の交差方向側を向く部位は、先端において長手軸Cからの第1の交差方向への離間距離T3を有する。ある実施例では、離間距離T3は、1.9mmであることが好ましい。
そして、本実施形態でも、第1の幅方向(幅方向の一方側)からの投影において、第1の湾曲外表面55と先端面46との間は、角R3の曲面状に形成されている。また、第1の幅方向からの投影において、第2の湾曲外表面56と先端面46との間は、角R4の曲面状に形成されている。ある実施例では、角R3は、0.5mmであり、角R4は、0.9mmである。また、第2の交差方向(交差方向の一方側)からの投影において、第3の湾曲外表面57と先端面46との間、及び、第4の湾曲外表面58と先端面46との間は、角R5の曲面状に形成されている。ある実施例では、角R5は、1.25mmである。
図23は、第2の湾曲延設部45(湾曲延設部40の先端部)を第1の幅方向側から視た図である。そして、図24は、図23のXXIV−XXIV線断面図であり、湾曲延設部40の延設方向に垂直な断面を示している。図21乃至図24に示すように、本実施形態でも第1の実施形態と同様に、第2の湾曲延設部45には、切削面47〜49が設けられている。第1の切削面47は、第2の湾曲延設部45で、かつ、第2の湾曲外表面56に設けられている。そして、第1の幅方向及び前記第2の幅方向のそれぞれからの投影において、第1の切削面47は、湾曲延設部40より第1の交差方向側に中心(O1)が位置する円弧状に形成される。また、第2の切削面48は、第3の湾曲外表面57に設けられ、第3の切削面49は、第4の湾曲外表面58に設けられている。
第2の湾曲延設部45は、第1の切削面47と第1の湾曲外表面55との間に、湾曲延設部40の厚さ方向についての厚さ寸法T6を有し、厚さ寸法T6は、厚さ寸法T2と略同一の大きさとなる。また、第2の湾曲延設部45は、第2の切削面48(第3の湾曲外表面57)と第3の切削面49(第4の湾曲外表面58)との間に、第1の幅方向及び第2の幅方向についての幅寸法W5を有し、幅寸法W5は、幅寸法W1と略同一の大きさとなる。このため、第1の切削面47が延設される範囲(第2の湾曲延設部45)では、第1の切削面47と第1の湾曲外表面55との間の湾曲延設部40の厚さ方向についての厚さ寸法T6(T2)は、第3の湾曲外表面57と第4の湾曲外表面58との間での第1の幅方向及び第2の幅方向についての幅寸法W5(W1)より、小さい。
本実施形態でも、第2の切削面48には、複数(本実施形態では6つ)の延設溝(第1の延設溝)63A〜63Fが形成され、第3の切削面49には、複数(本実施形態では6つ)の延設溝(第2の延設溝)65A〜65Fが形成されている。延設溝63A〜63Fのそれぞれは、湾曲延設部40の延設方向に対して略垂直に延設され、本実施形態では湾曲延設部40の厚さ方向に沿って延設されている。また、延設溝63A〜63Fは、湾曲延設部40の延設方向について並設されている。延設溝63A〜63Fのそれぞれは、湾曲延設部40の延設方向について隣設する延設溝(63A〜63Fの対応する1つまたは2つ)との間に鋭角γ1有する。すなわち、延設溝63A〜63Fのそれぞれの延設方向は、隣設する延設溝(63A〜63Fの対応する1つまたは2つ)の延設方向に対して、鋭角γ1だけずれる。また、延設溝63A〜63Fの中で最も基端側に位置する最基端延設溝63Fを規定する。最基端延設溝63Fの延設方向は、基端側に対して鈍角θ8を有する。ある実施例では、鋭角γ1は3°であり、鈍角θ8は95°である。前述のように延設溝(第1の延設溝)63A〜63Fが延設されるため、第1の幅方向からの投影において、延設溝63A〜63Fは、湾曲延設部40より第1の交差方向側に中心(O1)が位置する円弧状の第1の切削面47に対して直交する状態で、第2の切削面48に延設される。したがって、本実施形態では、第1の幅方向からの投影において、延設溝63A〜63Fのそれぞれは、第1の切削面47との間に角度α3を形成し、角度α3は90°となる。そして、延設溝63A〜63Fは、第1の切削面47の円弧の中心(O1)において交差する。延設溝63A〜63Fのそれぞれは、幅φ3を有するとともに、深さW3を有する。ある実施例では、幅φ3が0.5mmとなるとともに、深さW3が0.35mmとなる。
延設溝(第2の延設溝)65A〜65Fのぞれぞれは、基準面Y2を中央面として対応する延設溝(63A〜63Fの対応する1つ)と略対称となる。このため、第2の幅方向からの投影において、延設溝65A〜65Fは、湾曲延設部40より第1の交差方向側に中心が位置する円弧状の第1の切削面47に対して直交する状態で、第3の切削面49に延設される。また、延設溝63A〜63Fと同様に、延設溝65A〜65Fに関連して、鋭角γ1、鈍角θ8、幅φ3及び深さW3が規定される。また、第2の湾曲延設部45は、延設溝63A〜63Fのそれぞれの底位置から対応する延設溝(65A〜65Fの対応する1つ)の底位置まで、第1の幅方向及び第2の幅方向について幅方向寸法W4を有する。ある実施例では、幅方向寸法W4は、2.1mm程度となる。
また、第1の切削面47には、複数(本実施形態では6つ)の中継溝71A〜71Fが形成されている。中継溝71A〜71Fのそれぞれは、湾曲延設部40の延設方向に対して略垂直に延設され、本実施形態では湾曲延設部40の幅方向(第1の幅方向及び第2の幅方向)に沿って延設されている。中継溝71A〜71Fのそれぞれの一端は、対応する延設溝(63A〜63Fの対応する1つ)と連続し、中継溝71A〜71Fのそれぞれの他端は、対応する延設溝(65A〜65Fの対応する1つ)と連続する。中継溝71A〜71Fは、延設溝63A〜63F,65A〜65Fと同一の幅φ3を有するとともに、深さT5を有する。ある実施例では、深さT5 は、0.3mm程度となる。また、第2の切削面48側(幅方向の一方側)から視て中継溝71A〜71Fのそれぞれの底面は、角φ3/2の円弧状に形成されている。
第2の湾曲延設部45では、延設方向に垂直な断面において、第1の湾曲外表面55(外表面の第1の垂直方向側を向く部位)と第2の切削面48との間、及び、第1の湾曲外表面55と第3の切削面49との間が角R6の曲面状に形成されている。また、第2の湾曲延設部45では、延設方向に垂直な断面において、第1の切削面47と第2の切削面48との間、及び、第1の切削面47と第3の切削面49との間が角R7の曲面状に形成されている。ある実施例では、角R6が0.5mmであり、角R7が0.9mmとなる。角R6の曲面部分は、長手軸方向について図3の範囲S1に渡って形成され、角R7の曲面部分は、長手軸方向について図3の範囲S2に渡って形成されている。すなわち、本実施形態でも、角R6の曲面部分及び角R7の曲面部分は、長手軸方向について超音波プローブの先端からテーパ部41まで延設され、超音波プローブ8においてシース7の先端からの突出部分(露出部分)に、角R6の曲面部分及び角R7の曲面部分が形成されている。
また、本実施形態では、第2の湾曲延設部45の延設方向に垂直な断面において、中継溝71A〜71Fのそれぞれと対応する延設溝(63A〜63Fの対応する1つ)との間、及び、中継溝71A〜71Fのそれぞれと対応する延設溝(65A〜65Fの対応する1つ)との間が角R8の曲面状に形成されている。ある実施例では、角R8が0.55mmである。
前述のような構成であるため、本実施形態においても第3の実施形態と同様の作用及び効果を奏する。
また、本実施形態では、中継溝71A〜71Fは、湾曲延設部40の延設方向(すなわち、縦振動による振動方向)に対して略垂直に延設されている。縦振動による振動方向に対して略垂直に中継溝71A〜71Fが延設されるため、超音波振動を用いて第1の切削面47で切削する際に、骨の切削性が向上する。
また、中継溝71A〜71Fのそれぞれは、対応する延設溝(63A〜63Fの対応する1つ)及び対応する延設溝(65A〜65Fの対応する1つ)と連続している。このため、切削面47〜49で骨を切削する際に、骨がムラなく均一に切削され、切削性がさらに向上する。
また、第2の切削面48には、円弧状の第1の切削面47に対して直交する状態で、延設溝(第1の延設溝)63A〜63Fが延設され、第3の切削面49には、円弧状の第1の切削面47に対して直交する状態で、延設溝(第2の延設溝)65A〜65Fが延設されている。このため、第2の切削面48又は第3の切削面49で切削する際に、骨の切削性が向上する。
また、本実施形態では、中継溝71A〜71Fのそれぞれと対応する延設溝(63A〜63Fの対応する1つ)との間、及び、中継溝71A〜71Fのそれぞれと対応する延設溝(65A〜65Fの対応する1つ)との間が角R8の曲面状に形成されている。このため、中継溝71A〜71Fのそれぞれと対応する延設溝(63A〜63Fの対応する1つ)との間、及び、中継溝71A〜71Fのそれぞれと対応する延設溝(65A〜65Fの対応する1つ)との間において、骨が切削されずに切残ることが、有効に防止される。
また、本実施形態では、第2の湾曲外表面56の第2の湾曲開始位置E15に対して、第1の湾曲外表面55の第1の湾曲開始位置E14が先端側に位置している。このため、第1の切削面47を肩峰303の下面312に接触可能な位置まで移動させる際に、湾曲延設部40及びテーパ部41において外表面の第1の交差方向側を向く部位(背面側の部位)が、処置対象(肩峰303の下面)以外の生体組織等にさらに接触し難くなる。したがって、第1の切削面47を肩峰303の下面312に接触可能な位置まで、さらに移動させ易くなる。
(変形例)
前述の実施形態等では、超音波プローブ(8)は、長手軸(C)に沿って延設され、基端側から先端側へ超音波振動を伝達する状態において、規定の周波数範囲で振動するプローブ本体部(31)と、プローブ本体部(31)に対して先端側に設けられるとともに、基端側から先端側に向かうにつれて、長手軸(C)に垂直な断面積が減少し、プローブ本体部(31)から超音波振動が伝達されている状態において、プローブ本体部(31)と一緒に規定の周波数範囲で振動するテーパ部(101;41)と、を備える。プローブ本体部(31)及びテーパ部(101;41)が規定の周波数範囲で振動している状態において、振動節の中で最も先端側に位置する最先端振動節(N3)は、テーパ部(101;41)の基端(E9)より基端側に位置するとともに、振動の8分の1波長(λ/8)は、テーパ部(101;41)の基端(E9)からテーパ部(101;41)の先端(S5;E13)までの長手軸方向についてのテーパ寸法より小さい。
以上、本発明の実施形態等について説明したが、本発明は前述の実施形態等に限るものではなく、発明の趣旨を逸脱することなく種々の変形ができることは、もちろんである。