背景
無線技術や携帯電話などのサービスプロバイダや、デバイス製造業者は、魅力的なネットワークサービスなどを通じて、顧客に価値や利便性を提供しようと日々努力している。そこでの関心領域の一つは、ユーザデバイス間での近接ベース無線通信機能を提供することである。これにより、ユーザは、例えばコンテンツや情報の共有、購入したサービスやコンテンツの支払い等、ある範囲のタスク及び/又はサービスのために、他の近接デバイスと通信する様々なデバイス(例えば、携帯電話やスマートカード、メモリタグ等)を利用することができる。ユーザは様々なシナリオで、自動販売機や売店、スマートポスター、広告掲示板などと連動するデバイスを使用することができる。ここで、種々のユーザ情報が近距離無線通信(NFC)などの通信リンクを通じて伝達される。しかし多くのケースで、クレジットカード番号やパスワード、ユーザ識別情報などのユーザ情報がデバイス間で伝達されることもある。こうした機密情報は、権限の無いデバイスによって要求されるかもしれないし、意図せずそうしたデバイスに伝達されるかもしれない。
例示的実施形態
したがって、デバイス間での近接ベースインタラクションに対するセキュリティ機構のための方策が求められている。
ある実施形態に従う方法は、少なくとも1つの第1のデバイスと少なくとも1つの第2のデバイスとの間のインタラクションに対する要求を決定することであって、前記少なくとも1つの第1のデバイスは、少なくとも1つの第1のアンテナと少なくとも1つの第2のアンテナに少なくとも関連している、前記決定することを含む。前記方法は、前記少なくとも1つの第1のアンテナで受信される第1の信号と、前記少なくとも1つの第2のアンテナで受信される第2の信号を決定することも含む。前記方法はまた、前記第1の信号及び前記第2の信号に関する1つ又は複数の特性の1つ又は複数の差を決定することも含む。前記方法は加えて、前記インタラクションを許可するかどうかを決定するために、前記1つ又は複数の差の処理を行うこと、及び/又は前記処理を進めることとも含む。
別の実施形態に従う装置は、少なくとも1つのプロセッサと、1つ又は複数のコンピュータプログラムのためのコンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリを備え、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサと共に、前記装置に、少なくとも1つの第1のデバイスと少なくとも1つの第2のデバイスとの間のインタラクションに対する要求を決定することであって、前記少なくとも1つの第1のデバイスは、少なくとも1つの第1のアンテナと少なくとも1つの第2のアンテナに少なくとも関連している、前記決定することを、少なくとも実行させるように構成される。前記装置はまた、前記少なくとも1つの第1のアンテナで受信される第1の信号と、前記少なくとも1つの第2のアンテナで受信される第2の信号を決定させられる。また、前記装置は、前記第1の信号及び前記第2の信号に関する1つ又は複数の特性の1つ又は複数の差を決定させられる。前記装置は加えて、前記インタラクションを許可するかどうかを決定するために、前記1つ又は複数の差の処理を行うこと、及び/又は前記処理を進めることとも実行させられる。
別の実施形態に従うコンピュータ可読記憶媒体は、1つ又は複数の命令の1つ又は複数のシーケンスを担持し、前記1つ又は複数の命令は、1つ又は複数のプロセッサにより実行されると、装置に、少なくとも1つの第1のデバイスと少なくとも1つの第2のデバイスとの間のインタラクションに対する要求を決定することであって、前記少なくとも1つの第1のデバイスは、少なくとも1つの第1のアンテナと少なくとも1つの第2のアンテナに少なくとも関連している、前記決定することを、少なくとも実行させる。前記装置はまた、前記少なくとも1つの第1のアンテナで受信される第1の信号と、前記少なくとも1つの第2のアンテナで受信される第2の信号を決定させられる。また、前記装置は、前記第1の信号及び前記第2の信号に関する1つ又は複数の特性の1つ又は複数の差を決定させられる。前記装置は加えて、前記インタラクションを許可するかどうかを決定するために、前記1つ又は複数の差の処理を行うこと、及び/又は前記処理を進めることとも実行させられる。
別の実施形態に従う装置は、少なくとも1つの第1のデバイスと少なくとも1つの第2のデバイスとの間のインタラクションに対する要求を決定する手段であって、前記少なくとも1つの第1のデバイスは、少なくとも1つの第1のアンテナと少なくとも1つの第2のアンテナに少なくとも関連している、前記決定する手段を備える。前記装置はまた、前記少なくとも1つの第1のアンテナで受信される第1の信号と、前記少なくとも1つの第2のアンテナで受信される第2の信号を決定する手段を備える。また、前記装置は、前記第1の信号及び前記第2の信号に関する1つ又は複数の特性の1つ又は複数の差を決定する手段も備える。前記装置は加えて、前記インタラクションを許可するかどうかを決定するために、前記1つ又は複数の差の処理を行う、及び/又は前記処理を進める手段も備える。
加えて、本発明の様々な例示的実施形態において、次のことが適用されてもよい:(1)データ、及び/又は(2)情報、及び/又は(3)少なくとも一つの信号の処理を容易にすること、及び/又は、前記(1)〜(3)を処理することを含む方法であって、(1)データ及び/又は(2)情報及び/又は(3)少なくとも一つの信号は、本発明の実施形態に関連して本願に開示された方法やプロセスの何れか又はこれらの組み合わせに基づく、又はその少なくとも一部が上記方法やプロセスの何れか又はこれらの組み合わせから少なくとも部分的に導かれる、方法。
本発明の様々な例示的実施形態において、少なくとも1つのサービスへのアクセスを可能にするように構成される少なくとも1つのインタフェースへのアクセスを容易にする方法を適用することができる。この方法において、前記少なくとも1つのサービスは、本願に開示されるネットワークやサービスプロバイダによる方法やプロセスの何れか又はこれらの組み合わせを実行するように構成される。
本発明の様々な例示的実施形態において、次のことが適用されてもよい:(1)少なくとも1つのデバイスユーザインタフェース要素、及び/又は;(2)少なくとも1つのデバイスユーザインタフェース機能;を形成すること及び/又は変形することを含む方法であって、前記(1)少なくとも1つのデバイスユーザインタフェース要素及び/又は前記(2)少なくとも1つのデバイスユーザインタフェース機能は、本発明の実施形態に関連して本願に開示された方法やプロセスの何れか又はこれらの組み合わせによって得られたデータ及び/又は情報、及び/又は、本発明の実施形態に関連して本願に開示された方法やプロセスの何れか又はこれらの組み合わせによって得られた少なくとも1つの信号に少なくとも一部基づいている、方法。
本発明の様々な例示的実施形態において、次のことが適用されてもよい:(1)少なくとも一つのデバイスユーザインタフェース要素、及び/又は;(2)少なくとも一つのデバイスユーザインタフェース機能;を形成すること及び/又は変形することを含む方法であって、(1)少なくとも一つのデバイスユーザインタフェース要素及び/又は(2)少なくとも一つのデバイスユーザインタフェース機能は、本発明の実施形態に関連して本願に開示された方法やプロセスの何れか又はこれらの組み合わせによって得られたデータ及び/又は情報、及び/又は本発明の実施形態に関連して本願に開示された方法やプロセスの何れか又はこれらの組み合わせによって得られた少なくとも一つの信号に少なくとも部分的に基づいている、方法。
様々な例示的実施形態において、こうした方法(又はプロセス)は、サービスプロバイダ側や携帯デバイス側で達成されることもあり、両方の側で実行されるべき動作を両者間で共有するあらゆる方法によって達成されることもある。
本発明の様々な例示的実施形態に対し、次の事項も適用可能である:本願当初の請求項1から10および26から28の何れかに記載の方法を遂行する手段を備える、装置。
本発明のさらなる側面や特徴、利点が、以下の詳細説明によって容易に明らかになる。以下の詳細説明では、本発明を実施するための最良の形態であると考えられているものも含め、種々の具体的な実施形態や実装形態が例示される。本発明はまた、さらに多くの様々な異なる実施形態を取りうることができ、そのいくつかのディテールは、本発明の思想や範囲を逸脱することなく、多くの自明な観点から修正可能なものである。本明細書による説明や図面は例示的な性質を有するものと考えられるべきであり、制限的なものとみなされるべきではない。
添付の図面には、本発明の実施形態が示されている。これらは飽くまでも例示であって、限定する目的で示されるものではない。
ある実施形態に従い、デバイス間での近接ベースインタラクションに対するセキュリティ機構を提供できるシステムの略図である。
ある実施形態に従うPCモジュールの要素の略図である。
種々の実施形態に従う、システム100におけるプロセス及びデバイスインタラクションに関する様々な略図及び接続図である。
種々の実施形態に従う、システム100におけるプロセス及びデバイスインタラクションに関する様々な略図及び接続図である。
種々の実施形態に従う、システム100におけるプロセス及びデバイスインタラクションに関する様々な略図及び接続図である。
ある実施形態に従い、デバイス間インタラクション要求の決定を少なくとも行うプロセスのフローチャートである。
様々な実施形態に従い、1つ又は複数の差と1つ又は複数の閾値との比較を少なくとも行うプロセスのフローチャートである。
図6Aおよび図6Bは様々な実施形態に従う、図4及び5のプロセスで利用される例示的ユーザインタフェースの略図である。
本発明の実施形態を実装できるコンピュータシステム700を示す。
本発明の実施形態を実装できるチップセット又はチップ800を示す。
本発明の実施形態を実装するために使用できる携帯端末(ハンドセット等)の略図である。
いくつかの実施形態の説明
ここから、デバイス間近接ベースインタラクションに対するセキュリティ機構を提供する方法、装置及びコンピュータプログラムの実施例を開示する。以降の記述では、説明目的上、多くの具体的かつ詳細な構成が示されている。これらは、本発明の実施形態の深い理解に繋げるためのものである。なお、本発明の実施形態はこれらの詳細構成がなくとも実施可能であって、同等な構成によっても実施可能であるが、こうしたことは当業者にとって自明なことである。また、既知の構成やデバイスがブロック図の形で示されるが、これは、本発明の実施形態をいたずらに不明瞭にすることを避けるためである。
本願において「インタラクション要求」という用語は、1つ又は複数のデバイスが相互にやり取り(インタラクション)するための1つ又は複数の要求を意味する。例として、こうした要求及び/又はインタラクションは、1つ又は複数の近接ベース通信方法の使用により進められる。また、デバイス間インタラクションには、アクセス要求やアクセス許可、読取り、書込み、修正、アクセス、問合せ、その他類似の動作が含まれてもよい。こうした動作は、1つ又は複数のデータ項目にアクセスした可能性のある1つ又は複数のデバイスによって実行されてもよい。さらに、「メモリタグ」は無線メモリタグやRFIDメモリタグ等を表わしてもよい。このメモリタグは携帯デバイス等のデバイスに埋め込まれていてもよく、メモリカード/タグ等として独立デバイスであってもよい。
図1は、ある実施形態に従い、デバイス間での近接ベースインタラクションに対するセキュリティ機構を提供できるシステムの略図である。一般的に、近くにあるデバイスは、ユーザ、デバイス、及び/又はサービスプロバイダに関する各情報をあるデバイスから1つ又は複数の他のデバイスに伝達するために、例えば無線自動識別(RFID)を用いて、近接ベース通信リンクを要求及び/又は利用することができる。こうした情報は全般的な情報でもよく、該当するユーザ、デバイス、及び/又はサービスプロバイダに特化した情報でもよい。例えば、伝達される情報が、1つ又は複数のサービス地点(point of service;POS)プラットフォームの近くにあるデバイス/消費者に向けられる、販売業者やサービスプロバイダからの広告でもよい。こうしたPOSプラットフォームとは、売店やRDIDタグ等の無線メモリタグ、広告掲示板、製品パッケージ等のようなものである。他の例では、ユーザは、クレジットカード番号などの固有情報を特定のデバイスから伝送しようとしたり、特定のデバイスに伝送しようとしたりすることもある。こうした情報は機密情報や個人情報であって、権限の無いような他のデバイスとの共有が意図されことはない。別の例では、POSプラットフォームが、様々なデジタル化されたサービスを提供する機能を有することもできる。こうしたサービスには例えば、商品販売、携帯デバイスを使ったオンライン口座からの資金移動の受領、他のサービス(例えば、チケット販売や予約など)の提供などがある。また、ユーザは、タグにタッチして(例えば、よく近づけたり、1インチ以内に接近させたり、タッチ距離での無線(touch-distance-radio)などで)NFCメモリタグからデータを抽出できるNFC対応デバイス(例えば、携帯電話やタブレット等)を利用してもよい。こうしたデータには、無料の着信音やURL、あるいはローカルWiFiホットスポットの設定までもが含まれる。メモリタグは、(電源を内蔵していないメモリタグ等の)受動デバイスでもよく、(電源とプロセッサを備えたような)能動デバイスに関連付けられてもよい。さらに、無線メモリタグには、大容量メモリを備え、高速データ伝送機能を持つものもある。
こうした通信方法及び共有方法の実装が普及するにつれ、ユーザは、個人データを含むような、幅広い範囲の情報を他のユーザやデバイスと共有するために、こうした方法を利用したいと考えるようになる。しかし、他の日和見主義的なユーザやこうした機会に便乗するデバイスは、ユーザデバイスやその中にあるデータに対する不正アクセス(例えば、読取り及び/又は書込み)を試みるかもしれない。例えば、第1のユーザは、別の近接ターゲットデバイスに特定の情報を送信する、及び/又は該近接ターゲットデバイスから特定の情報を受信するための無線通信リンクを確立するためにデバイス(例えば、第1の携帯電話や銀行カード等)を利用してもよい。しかし、権限の無いユーザが、対象となる近接ターゲットデバイスを偽装して第1のユーザのデバイスと情報に対する不正アクセスを要求して実行するために、例えば遠隔で別のデバイス(例えば、別の携帯電話)を利用するかもしれない。また、近くにある無権限デバイスは、その存在を認識していない可能性のある2つの他のデバイスの間での通信リンクを、ハイジャックのように乗っ取って制御するようにプログラムされている可能性もある。
少なくともこうした問題に対応するために、図1のシステム100は、デバイス間での近接ベースインタラクションに対するセキュリティ機構を提供できる機能を導入する。より具体的には、第1のデバイスは例えば携帯電話やスマートカード、タブレット、メモリカード、受動デバイス、能動デバイス等であって、第1のデバイスと近接ターゲットデバイスとの間の通信リンクが、実際にこの第1のデバイスと対象とするターゲットデバイスとの間だけの通信リンクであるかどうかを決定してもよい。例えば、ユーザはターゲットデバイスと通信するために第1のデバイスを使用していて、第1のデバイスとターゲットデバイスは、相互にデータの読取り、転送、送信、及び/又は書込みを行うために、両デバイス間でのインタラクションを許可してもよい。別の例では、ターゲットデバイスの位置を決定するために、第1のデバイスが通信リンクを利用してもよい。実施形態によっては、第1のデバイスが自身とターゲットデバイスとの間のインタラクションを許可するとき、自身の位置を特定してターゲットデバイスに通知してもよい。種々の例において、第1のデバイス及び/又はターゲットデバイスは電源、記憶、計算の各リソースを含んでもよい。あるいは、こうしたデバイスが、データを格納し他のデバイスに応答する回路などのリソースを備える受動デバイスでもよい。受動デバイスは、能動デバイスから電源及び/又はデータ信号を受け取ることができる。
ユーザやユーザデバイスは、特定のシナリオにおいて様々なデバイス間でデータを共有する通信リンクを確立するとき、特定範囲のセキュリティ機構(例えば、ユーザIDやデバイスID、ペアリング、承認など)を採用することができる。この際、ユーザは例えば、従来のセキュリティ機構を全て使わずに最低限必要な設定で通信リンクを早く確立したいと望むこともできる。しかし、(例えば、数インチ以内にあるような)近くにあり、ユーザが通信リンクを確立して通信したいターゲットデバイスをユーザが特定するとき、ユーザは、所望のセキュリティレベルを達成するためにシステム100の機構を利用することができる。種々の実施形態において、承認された通信リンクとアクセス権を決定するために、1つ又は複数の通信信号(又は任意の信号)に関する1つ又は複数の特性(例えば、位相や振幅、電力、時間など)が解析されてもよい。実施形態によっては、対応する位相や電力、振幅、その他類似の信号の間の差を決定し、更に、1つ又は複数の可能性のある信号ソースの位置及び/又は方向を決定するために、システム100が複数の信号を処理してもよい。あるシナリオでは、2つのNFC対応デバイス(例えば、携帯デバイスやメモリカード)や他のあらゆる無線給電/無線対応デバイスは、この2つのデバイスが実質的に相互に接近させられるとき、通信リンクを確立してもよい。この2つのデバイスは、例えばデータ信号や電力信号、基準信号などの信号を送受信する複数のアンテナを備えていてもよい。また、受信デバイスは複数のアンテナを介して複数の送信信号を受信してもよい。ここで、送信デバイスが実質的に受信デバイスの近くにあるかどうかを決定するために、受信デバイスは、複数の送信信号の特性の差について処理、解析、推測等を行ってもよい。
ある実施形態において、複数のアンテナは、デバイスの別々の物理的位置に設けられてもよい。ここで、複数のアンテナで(例えば、同一のソースから)受信される信号が別々の特性を持つことができる。実施形態によっては、受信信号の特性の差が小さいか差が無い場合、その信号のソース(例えば、送信デバイス)が受信デバイスからずっと遠くにある可能性があると決定されてもよい。実施形態によっては、デバイスのアンテナ数が多いほど、複数の空間平面で追加情報の解析と決定を行うことができ、送信信号に関連するデバイスについてより正確な方向及び/又は位置の情報を推定することができる。実施形態によっては、こうした比較や解析、決定等を行う1つ又は複数のプロセスは、1つ又は複数のプロセッサやアルゴリズム、アプリケーション等を利用して(例えば、受信デバイスで)実行されてもよい。実施形態によっては、1つ又は複数のプロセスは、1つ又は複数の(例えば、電気的に静的、動的、又はアナログ、デジタル等の)回路で、少なくとも部分的に実行されてもよい。
ある実施形態において、システム100は、少なくとも1つの第1のデバイスと少なくとも1つの第2のデバイスとの間のインタラクションに対する要求を決定する。ここで、少なくとも1つの第1のデバイスは、少なくとも1つの第1のアンテナと少なくとも1つの第2のアンテナに少なくとも関連している。実施形態によっては、少なくとも1つの第1のデバイスは、携帯電話などのデバイスに埋め込むことができる無線メモリタグでもよい。ここで、無線メモリタグ及び/又はデバイスは、様々な無線信号を送受信する複数のアンテナを備えてもよい。実施形態によっては、少なくとも1つの第2のデバイスは、ユーザデバイス(例えば、携帯電話やNFCリーダー)、ネットワークデバイス(例えば、コンピュータや売店など)、能動デバイス(例えば、電源やプロセッサ等を備える)、受動デバイス(例えば、メモリカードやメモリタグ等)でもよい。実施形態によっては、無線メモリタグは、例えば銀行カードや身分証明書、旅券、ウォレット(wallet)等に埋め込まれてもよい。ここで、無線メモリタグは複数のアンテナを備える。実施形態によっては、インタラクション要求は、読取りや書込み、転送、照会、又はこれらの組合せを行うアクセスの要求でもよい。実施形態によっては、このインタラクションにNFCプロトコルを介した通信が含まれる。実施形態によっては、少なくとも1つの第1のデバイスや少なくとも1つの第2のデバイス、又はこれらの組合せは、無線メモリタグや受動デバイス、能動デバイス、又はこれらの組合せに関連している、及び/又は関連することができる。
ある実施形態において、システム100は、少なくとも1つの第1のアンテナで受信される第1の信号と、少なくとも1つの第2のアンテナで受信される第2の信号を決定する。実施形態によっては、メモリタグ及び/又はデバイス(例えば、タブレット)は、1つ又は複数の他のデバイス及び/又はメモリタグから複数の信号を受信してもよい。例えば、メモリタグは、その複数のアンテナを介して複数の信号を受信してもよい。実施形態によっては、デバイス(例えば、携帯電話)は、近接ベース通信デバイス(例えば、メモリタグや別のデバイス等)に関連する複数の信号を検出してもよい。実施形態によっては、第1の信号及び第2の信号には、1つ又は複数のデータ信号や1つ又は複数の電力信号、1つ又は複数の基準信号、又はこれらの組合せが含まれる。
ある実施形態において、システム100は、第1の信号及び第2の信号に関する1つ又は複数の特性の1つ又は複数の差を決定する。実施形態によっては、これらの信号に関連する1つ又は複数の特性や1つ又は複数のパラメータ、1つ又は複数の特質などを決定する複数の信号を処理するために、1つ又は複数のプロセッサやアルゴリズム、回路、コンポーネント、デジタル部品及び/又はアナログ部品などを利用してもよい。実施形態によっては、1つ又は複数の特性には、1つ又は複数の信号位相や信号振幅、電力、S/N比などが含まれる。実施形態によっては、メモリタグは、こうした特性を決定するために、複数のコンポーネント(例えば、アナログ部品)を備える1つ又は複数の回路を利用してもよい。種々の実施形態において、デバイス及び/又はメモリタグは、各信号に関連する1つ又は複数の特性の1つ又は複数の差を決定してもよい。例えば、第1の信号は、第2の信号や第3の信号などの特性と比較されるとき、それとは異なる位相や振幅、電力などを有してもよい。
ある実施形態において、システム100は、インタラクションを許可するかどうかを決定するために、1つ又は複数の差の処理を行う、及び/又は処理を進める。実施形態によっては、デバイス及び/又はメモリタグは、別のデバイス及び/又はメモリタグによって要求されたインタラクションを許可してもよい。例えば、第2のデバイス及び/又はメモリタグは、第1のデバイス及び/又はメモリタグの特定のデータへのアクセス(読取り/書込み/修正)を要求していてもよい。また例えば、メモリタグは、インタラクションを不許可にするために、1つ又は複数の回路の中の1つ又は複数のコンポーネントを無効にしてもよい。実施形態によっては、メモリタグは、インタラクションを拒否するために、1つ又は複数のプロセッサ及び/又はアプリケーションを利用してもよい。
ある実施形態において、システム100は、前述の1つ又は複数の差と1つ又は複数の閾値との1つ又は複数の比較を、少なくとも部分的に行う。実施形態によっては、1つ又は複数の決定された差は、1つ又は複数の特定の信号に関連するソースの近接(例えば、位置)を決定するために、1つ又は複数の閾値と比較される。例えば、第2のデバイス及び/又は第2のメモリタグからの信号は、第1のデバイス及び/又は第1のメモリタグから特定の距離だけ離れた位置にあると仮定される場合、その信号に関連する所定の特性を有するものであると決定することができる。例えば、第1のデバイス(例えば、ターゲットデバイス)から2〜3センチメートル程近くの位置に第2のデバイス(例えば、ソースデバイス)があり、その第2のデバイスから受信された2つの信号は、特定の閾値よりも大きい位相差及び/又は振幅差を持たなくてはならない。ただし、この差が特定の閾値よりも小さい場合、その信号のソース(例えば、ソースデバイス)が必ずしも前述のような近い距離にはないと示すことができる。実施形態によっては、デバイス間インタラクションを要求するデバイスの位置と環境によって、第1のデバイスとターゲットデバイスがやり取りするときに出現するはずの特定の信号特性が推奨されてもよい。例えば、第1のデバイスとターゲットデバイスが広い空間(例えば、公園)にある場合、そのインタラクションの信号特性は両デバイスが屋内にある場合の設定とは異なっていてもよい。
ある実施形態において、システム100は、前述の1つ又は複数の比較に少なくとも部分的に基づいて、インタラクションの中断を少なくとも部分的に行う。実施形態によっては、デバイス及び/又はメモリタグは別のデバイス及び/又はメモリタグによって要求されたインタラクションを許可し、その後、1つ又は複数の比較によって、1つ又は複数のパラメータ及び/又は特性値が閾値の範囲外にあると示された場合、許可されたインタラクション及び/又は通信リンクが無効にされてもよい。例えば、第2のデバイス及び/又はメモリタグは、第1のデバイス及び/又はメモリタグの特定のデータにアクセスしていても(例えば、読取り/書込みしていても)よい。実施形態によっては、メモリタグは、通信リンクを中断してインタラクションを止めるために、1つ又は複数の回路の中の1つ又は複数のコンポーネントを無効にしてもよい。
ある実施形態において、システム100は、このインタラクションに関する命令情報やステータス情報、又はこれらの組合せを提供するために、1つ又は複数の指標や1つ又は複数のメッセージ、又はこれらの組合せを含むユーザインタフェース(UI)の提示を少なくとも部分的に行う。実施形態によっては、UIは、インタラクション及び/又は通信リンクの要求が不正の可能性かその疑いがある、あるいは遠隔ソースからのものである等の警告を示してもよい。実施形態によっては、ターゲットデバイスのユーザは、別の信号セットが取込まれて新たな特性を決定できるように、特定の動作を行うよう指示されてもよい。こうした特定の動作は、例えばターゲットデバイスの移動でもよい。
ある実施形態において、システム100は、上記1つ又は複数の差に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つの第1のデバイスと少なくとも1つの第2のデバイスとの間の距離の推定を少なくとも部分的に行う。実施形態によっては、デバイスは、少なくとも1つの第1のデバイスと第2のデバイスとの間の距離を決定できるように、上記1つ又は複数の差に関する1つ又は複数のパラメータを解析する様々なプロセッサ、アルゴリズム、回路等を利用してもよい。例えば、振幅差や電力差、位相差などが距離を示してもよい。
ある実施形態において、システム100は、上記距離に少なくとも部分的に基づいて、インタラクションを許可するかどうかを決定する。例えば、ソースデバイスがユーザのターゲットデバイスから3センチメートル以内にあるとして、その推定距離が想定される3センチメートルより長いと計算/決定される場合、そのソースデバイスによるユーザのターゲットデバイスとやり取りしたいという要求は拒否されてもよい。
ある実施形態において、システム100は、少なくとも1つの第1のデバイスや少なくとも1つの第2のデバイス、又はこれらの組合せの位置決めを少なくとも行う方向情報を提供するために、1つ又は複数の指標や1つ又は複数のメッセージ、又はこれらの組合せを含むユーザインタフェースの提示を少なくとも部分的に行う。実施形態によっては、第1のデバイスは、例えばジャイロスコープや加速度計、コンパス等の1つ又は複数のコンポーネントを利用してもよい。加えて、第2のデバイスを位置決め/追跡するための方向情報を更に決定して示すために、第2のデバイスからの信号に関して決定された信号特性及び/又は差を利用してもよい。例えば、第2のデバイスの位置情報と他のデバイスに対する方向情報を決定するために、ユーザは第1のデバイスを利用する。実施形態によっては、少なくとも1つの第1のデバイスや少なくとも1つの第2のデバイス、又はこれらの組合せは、1つ又は複数のタスクを実行する1つ又は複数の他のデバイスとやり取りするために、1つ又は複数の指標及び/又は1つ又は複数のメッセージを利用してもよい。こうしたタスクは、1つ又は複数のゲームアプリケーションや1つ又は複数のエンタテインメントアプリケーション、1つ又は複数の教育アプリケーション等に関連している。例えば、1つ又は複数のユーザは、ユーザの位置に近接し、メモリタグを有する様々な対象物の位置決めを試みてもよい。実施形態によっては、ユーザは、方向情報を追随する1つ又は複数のユーザ機能を向上させるために、提示された指標を利用してもよい。
図1に示す通り、ある実施形態において、システム100は、ユーザ装置(UE)101a-101n(まとめてUE101及び/又はUE群101とする)を備える。UE101は、ソーシャルネットワーキング・ウェブブラウザやマルチメディア・アプリケーション、ユーザインタフェース(UI)、地図アプリケーション、ウェブクライアント等の1つ又は複数のアプリケーション103a-103n(まとめてアプリケーション103とする)を実行するのに利用されてもよい。こうして、UE101は、直接及び/又は通信ネットワーク113を通じて、他のUE101や1つ又は複数のサービスプロバイダ105a-105n(まとめてサービスプロバイダ105とする)、1つ又は複数のコンテンツプロバイダ107a-107n(まとめてコンテンツプロバイダ107とする)、1つ又は複数のPOSプラットフォーム109a-109n (まとめてPOSプラットフォーム109とする)、1つ又は複数のGPS衛星111a-111n(まとめてGPS衛星111とする)、及び/又はシステム100の他のコンポーネントと通信することができる。実施形態によっては、UE101は、UE101やUE101の1人又は複数のユーザ、アプリケーション103、1つ又は複数のコンテンツアイテム(例えば、マルチメディアコンテンツ)等に関連するデータ及び/又はコンテンツの決定及び/又は収集を行うデータ/コンテンツ収集モジュール115a-115n(まとめてDC収集モジュール115とする)を備えてもよい。加えてUE101は、1つ又は複数の情報の格納や処理、及び/又はシステム100の他のコンポーネントへの情報の転送を行うソフトウェアクライアントであるアプリケーション103を実行することもできる。
ある実施形態において、UE101は、近くのデバイス(例えば、データの格納及び/又は伝送を行うNFCデバイス)及び/又はメモリタグと通信する近接通信(proximity communication;PC)セキュリティモジュール116a-116n(まとめてPCモジュール116とする)を備えてもよい。実施形態によっては、PCモジュール116は、データの格納及び/又はそこからのデータの読出しを行うメモリタグ117を備えてもよい。実施形態によっては、メモリタグ117(例えば、117z)は、UE101以外のデバイスであって、例えばポスターや売店、クレジットカード、身分証明書、メモリスティック等に内蔵及び/又は装着されてもよい。種々の実施形態において、PCセキュリティモジュールの1つ又は複数の要素は、メモリタグ117(例えば、117z)に実装されてもよい。その際、メモリタグがUE101に関連していても(例えば、UE101に備えられていても)そうでなくてもよい。例えば、システム100のPCセキュリティ機能を提供する1つ又は複数の回路及び/又はコンポーネントが、メモリタグに実装されてもよい。種々の実施形態において、UE101やPCモジュール116、及び/又はメモリタグ117は、1つ又は複数の信号を送受信する複数のアンテナを備えてもよい。こうした信号には、データ信号や電力信号、基準信号等がある。種々の実施形態において、UE101及び/又はPCモジュール116は、別の近接通信(PC)可能なデバイス(例えば、UE101やメモリタグ117等)との通信を可能にするために、及び/又は、1つ又は複数の信号を処理・解析して信号に関連する1つ又は複数の特性を決定するために、1つ又は複数のプロセッサやアンテナ、回路、コンポーネント、アルゴリズム、ソフトウェア、アプリケーション等を備えてもよい。実施形態によっては、メモリタグ117は、別の近接通信(PC)可能なデバイス(例えば、UE101やPCモジュール、NFCリーダー等)との通信を可能にするために、及び/又は、1つ又は複数の信号を比較・解析して信号に関連する1つ又は複数の特性を決定するために、1つ又は複数のアンテナ、回路、コンポーネント等を備えてもよい。
ある実施形態において、サービスプロバイダ105は、1つ又は複数のデータベース118a-118n(まとめてデータベース118とする)を備えてもよく、及び/又はデータベース118にアクセスしてもよい。データベース118には、種々のユーザ情報やユーザプロファイル、ユーザの好み、1つ又は複数のユーザデバイスの1つ又は複数のプロファイル(例えば、デバイス設定やセンサ情報等)、サービスプロバイダ105の情報、他のサービスプロバイダの情報等が含まれる。実施形態によっては、サービスプロバイダ105として、広範なサービスを提供する様々なサービスプロバイダが含まれる。こうしたサービスプロバイダには、例えばオンラインショッピングやブログ等のソーシャルネットワーキングサービス、メディアアップロード、メディアダウンロード、メディアストリーミング、アカウント管理サービス、又はこれらの組合せがある。また、サービスプロバイダ105は、1つ又は複数のPOIや地理的位置等の関連するコンテンツアイテムやメディアアイテム、情報、クーポン等を検索することもできる。
ある実施形態において、コンテンツプロバイダ107は、1つ又は複数のデータベース119a-119n(まとめてデータベース119とする)を備えてもよく、及び/又はデータベース119にアクセスしてもよい。ここでデータベース119は、種々のコンテンツアイテムの格納、所持、及び/又はそれらへのアクセスを行える。例えば、コンテンツプロバイダ107は、様々なユーザやサービスプロバイダ、クラウドソーシング(crowdsourcing)のコンテンツ等によって提供されたコンテンツアイテムを(例えば、データベース119に)格納してもよい。
ある実施形態において、POSプラットフォーム109は、種々のアプリケーションやコンテンツ、ユーザ、サービスプロバイダ等に関連する情報にアクセスする、及び/又は情報を格納するために、1つ又は複数のデータベース121a-121n(まとめてデータベース121とする)を備えてもよく、及び/又はデータベース119にアクセスしてもよい。POSプラットフォーム109はシステム100における(例えば、コンピュータやサーバ等にある)独立型エンティティでもよく、サービスプロバイダ105の一部やコンテンツプロバイダ107の一部、UE101内に(例えば、アプリケーション103の一部として)組み込まれたもの、又はこれらの組合せでもよいことに留意されたい。また、POSプラットフォーム109やサービスプロバイダ105、及び/又はコンテンツプロバイダ107は、1つ又は複数のサービス・アプリケーションプログラミングインタフェース(API)/統合インタフェースを利用してもよい。これらを通じて、(例えば、ユーザやアプリケーション、サービス、コンテンツ等に関連する)通信やメディア、コンテンツ、情報が共有されたり、アクセスされたり、及び/又は処理されたりする。
UE101はあらゆる種類の端末でもよく、移動端末や固定端末、可搬型端末でもよい。例えば、携帯ハンドセットやNFCリーダー、局、ユニット、デバイス、医療診断・検査装置、製品検査装置、マルチメディアコンピュータ、マルチメディアタブレット、インターネットノード、ノートブックコンピュータ、ネットブック、タブレットコンピュータ、パーソナル通信システム(PCS)、パーソナルナビゲーションシステム、携帯情報端末(PDA)、音楽/ビデオプレーヤー、デジタルカメラ/デジタルビデオカメラ、位置同定機器、テレビ受像機、拡声器、ディスプレイモニタ、無線放送受信機、電子ブック機器、ゲーム機器、腕時計、又はこれらの組合せでもよい。さらに、これらのアクセサリーや周辺機器を含んでもよく、またそれらの組合せを含んでもよい。UE101はまた、あらゆる種類の(「ウェアラブル」回路等のような)対ユーザインタフェースをサポートできると考えられる。またUE101は、ユーザやユーザ環境、及び/又は任意のUE101に関連するデータを収集する様々なセンサを備えてもよい。こうしたセンサは例えば、音声やビデオ、画像、大気状態、デバイスの位置、ユーザの気分、周辺光、ユーザの生理的情報、デバイスの移動速度・向き等の決定及び/又は取込みを行うことができる。
ある実施形態において、UE101は、UE101自身の位置(例えば、ユーザの位置)を決定できるロケーションモジュール/センサを備える。UE101の位置は、GPSやアシスト型GPS(A-GPS)、原点セル(Cell of Origin)等の三角測量システムや無線ローカルエリアネットワークの三角測量、又は他のロケーション外挿技術によって決定することができる。標準のGPS・A-GPSシステムは、UE101の位置情報(例えば、経度、緯度、高度等)を正確に示す1つ又は複数の衛星111を使用できる。原点セルシステムは携帯端末UE101が同期する携帯通信鉄塔を決定するために使用される。携帯通信鉄塔は地理的にマッピングされうる固有のセル識別子(cell-ID)を持つため、この情報はUE101の大まかな位置情報を与える。ロケーションモジュール/センサは、UE101の位置を検出するために複数の技術を利用することもできる。GPS座標により、UE101の位置に関するより精緻な情報が与えられる。別の実施形態では、UE101は、例えばサービスプロバイダ等のインターネットソースからUE101の位置情報を決定するために、ローカルエリアネットワーク(有線LANや無線LAN等)を利用することもできる。
例として、システム100の通信ネットワーク113は、1つ又は複数のネットワークを含む。このネットワークはデータネットワークや電話ネットワーク、又はそれらを組合せのようなものでもよい。データネットワークは、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)やメトロポリタン エリア ネットワーク(MAN)、広域ネットワーク(WAN)、公衆データネットワーク(例えばインターネット)、近距離無線ネットワーク等でもよく、又は他の好適なパケット交換ネットワークでもよい。こうしたパケット交換ネットワークには、商業的に利用可能なものもあれば、個人の光ケーブルや光ファイバネットワークのような、私有のパケット交換ネットワークもあり、又はこれらの組合せ等もある。無線ネットワークは、例えばセルラネットワークであることができ、これは、EDGE(enhanced data rates for global evolution)やGPRS(general packet radio service),GSM(登録商標),IMS(Internet protocol multimedia subsystem),UMTS(universal mobile telecommunications system)など、様々な技術を利用したものであることができる。また、セルラネットワークで使用されうる無線媒体としては、WiMAX(worldwide interoperability for microwave access)やLTE(Long Term Evolution),CDMA(符号分割多元接続),WCDMA(登録商標),WiFi,無線LAN(WLAN),Bluetooth(登録商標),IPデータ放送,衛星,モバイルアドホックネットワークなどがあり、又はそれらを組み合わせたものであってもよい。
例として、UE101やサービスプラットフォーム105、コンテンツプロバイダ107、POSプラットフォーム109は、互いに通信したり、通信ネットワーク113の他のコンポーネントと通信したりすることができる。この通信には既知のプロトコルだけでなく、新しいプロトコルや開発中のプロトコルを用いてもよい。これに関連して、プロトコルは、ネットワーク113の各ネットワークノードが通信リンクを介して送信される情報に基づいてどのように相互作用するかを定義する、一連の規則を含む。プロトコルは、種々のタイプの物理信号の生成・受信から、これらの信号を送信するリンクの選択、これらの信号によって示される情報のフォーマット、コンピュータで実行中のソフトウェアアプリケーションのどれが情報を送受信するかの特定など、各ノード内の別々の動作レイヤにおいて有効である。ネットワークで情報交換する複数の概念上異なるプロトコルレイヤは、OSI参照モデルで記述される。
ネットワークノード間の通信は通常、パケットに分割したデータを交換することで実現される。各パケットは、通常、(1)特定のプロトコルに関するヘッダ情報と、(2)ヘッダ情報の次に位置するペイロード情報とを有する。ペイロード情報は、プロトコルによって個々に処理される。プロトコルによっては、(3)ペイロード情報の次に位置するトレーラ情報も有する。この情報は、ペイロード情報の終わりを示す。ヘッダはパケットの送信元や送信先、ペイロード長、その他プロトコルが使用する特性のような情報を含む。しばしば、あるプロトコルのペイロードに含まれるデータは、OSI参照モデルにおけるより高次のレイヤのプロトコルに関連するヘッダとペイロードを含んでいる。特定のプロトコルに関するヘッダは通常、そのペイロードに含まれる次のプロトコルに関する種類を示す。上位層プロトコルは下位層プロトコルにカプセル化されていると呼ばれる。複数の異なるネットワークであってインターネットのようなものを通るパケットに含められるヘッダは、通常、OSI参照モデルで記述されるような次のヘッダを含む:物理ヘッダ(レイヤ1);データリンクヘッダ(レイヤ2);インターネットワークヘッダ(レイヤ3);トランスポートヘッダ(レイヤ4);各種アプリケーションヘッダ(レイヤ5、レイヤ6、レイヤ7)。
ある実施形態において、UE101とPOSプラットフォーム109は、クライアント−サーバモデルに従ってやり取りしてもよい。クライアント−サーバモデルは、コンピュータ処理のやり取りにおいて広く知られており、また使われていることに留意されたい。クライアント−サーバモデルに従って、クライアントプロセスはリクエストを含むメッセージをサーバプロセスに送信し、サーバプロセスはサービスの提供によって応答する。サーバ処理は、クライアントプロセスに応答してメッセージを返すこともできる。しばしば、クライアントプロセスとサーバプロセスは異なるコンピュータ装置で実行される。こうした装置は、例えばホストと呼ばれ、ネットワーク通信のための1つ以上のプロトコルを用いてネットワークを介して相互に通信する。「サーバ」という用語は通常、サービスを提供するプロセスや、そのプロセスが動作するホストコンピュータを表わすのに用いられる。同様に、「クライアント」という用語も通常、リクエストをするプロセスや、そのプロセスが動作するホストコンピュータを表わすのに用いられる。本明細書で用いられるように、「クライアント」及び「サーバ」という用語は、文脈から明らかである場合を除き、ホストコンピュータでなくプロセスを表わしている。サーバによって実行されるプロセスは、複数のプロセスや複数のホストに分解されることができる。この場合の複数のホストのそれぞれを、ティア(tier)と呼ぶことがある。分解する理由は、例えば、信頼性やスケーラビリティ、冗長性などである。クライアントとサーバの役割は固定ではない。状況によっては、1つのデバイスがクライアントとサーバの二役で動作し、その役割が同時に行われることもあり、及び/又は、デバイスがこうした役割を変更できることにも留意されたい。
図2は、ある実施形態に従うPCモジュールの要素の略図である。例として、PCモジュール116は、1つ又は複数の通信信号の受信と処理、解析を行い、1つ又は複数の特性を決定する1つ又は複数のコンポーネントを備える。また、複数のデバイス間における1つ又は複数の近接ベース通信のために1つ又は複数のセキュリティ動作の決定を部分的に行うために、1つ又は複数の特性が利用されてもよい。こうしたコンポーネントの機能は、1つ又は複数のコンポーネントで結合されたり、同等の機能を有する他のコンポーネントによって実行されたりすることも考えられる。この実施形態では、PCモジュール116は、制御ロジックモジュール201と処理モジュール203、比較モジュール205、無線モジュール207、ユーザインタフェース(UI)モジュール209、メモリタグ117を備える。
制御ロジックモジュール201はタスクを監視する。タスクには、制御ロジックモジュール201と処理モジュール203、比較モジュール205、無線モジュール207、UIモジュール209、メモリタグ117によって実行されるタスクが含まれる。例えば、他のモジュールが実際のタスクを実行する可能性があるとしても、制御ロジックモジュール201は、こうしたタスクが何時どのように実行されるかを決定してもよい。あるいは、そのタスクを他のモジュールに実行させてもよい。
処理モジュール203は、1つ又は複数の信号に関連する1つ又は複数のプロセスを実行してもよい。この信号は1つ又は複数の方法でサンプリング、デジタル化、及び/又は処理が行われ、それによってPCモジュール116が処理信号を追加的に利用することができる。実施形態によっては、処理モジュール203は、信号を1つ又は複数のデジタル信号やデジタル配列、デジタルパターン等に変換する1つ又は複数のアルゴリズムを利用してもよい。比較モジュール205は、1つ又は複数の処理信号に関連する1つ又は複数の特性を決定するために、信号を比較してもよい。例えば、比較モジュール205は、各信号の位相や振幅、信号対雑音比(S/N比)、他の特性を別の信号と比較してもよい。実施形態によっては、比較モジュール205は、1つ又は複数のデジタル及び/又はアナログコンポーネントを通じて比較を行ってもよい。実施形態によっては、比較モジュール205は、処理モジュール203及び/又は無線モジュール207で受信された信号に関する比較を行ってもよい。
ある実施形態において、無線モジュール207は、1つ又は複数の他のデバイスとの1つ又は複数の通信リンク/セッションを有効化するために、1つ又は複数の信号を発生及び/又は受信してもよい。実施形態によっては、無線モジュール207は、処理及び/又は比較のために、処理モジュール203及び/又は比較モジュール205に1つ又は複数の信号をアナログフォーマットで提示してもよい。処理モジュール203及び/又は比較モジュール205は、アナログ回路及びコンポーネントを通じて処理及び/又は比較を行うことができる。実施形態によっては、無線モジュール207は、種々の回路及びコンポーネントを備え、無線信号を送受信することができる。こうした信号には、データや電力、制御の各信号、及び/又は基準信号が含まれる。種々の実施形態において、無線モジュール207は、無線信号を送受信する複数のアンテナを備えていたり、及び/又はインタフェースしたりする。
ユーザインタフェース(UI)モジュール209は、1つ又は複数の情報アイテム(例えば、メッセージや指標、位置や向き等)をユーザに提示したり、及び/又はユーザからの選択等の入力を受け取ったりするために、1つ又は複数の機構を提供してもよい。種々の実施形態において、UIモジュール209は、ユーザに提示するために、処理モジュール203と比較モジュール205、無線モジュール207等から1つ又は複数の情報アイテムを受け取ってもよい。実施形態によっては、UIモジュール209は、処理ステップの開始、継続、停止、拒否等を行う1つ又は複数の動作を選択するために、ユーザや別のモジュール、及び/又はサービスプロバイダから入力を受け取ってもよい。
図3Aから3Cは、種々の実施形態に従う、システム100におけるプロセス及びデバイスインタラクションに関する様々な略図及び接続図である。
図3Aには略図300が描かれている。略図300には、2つのアンテナ303・305を備えるメモリタグ301が含まれている。メモリタグには、物理的に異なる位置に(例えば、バンクカードの別々の端2箇所に)複数のアンテナが設けられてもよい。またメモリタグ301は、デバイス307(例えば、UE101aやPOS等)から無線通信信号を受信していてもよい。ここで、信号309・311は少なくとも、この2つのアンテナ303・305で受信されるが、特定の対応順序はない。実施形態によっては、2つのアンテナからの受信信号は、この2つの信号に関連する1つ又は複数の特性を決定するために処理/解析される。例えば、振幅や位相、電力等が測定され、記録されてもよい。あるユースケースシナリオでは、第2のデバイス313(例えば、UE101b)は、無線通信信号315・317を通じて、メモリタグ301に繋がってアクセスする要求を行うこともできる。無線通信信号は、少なくともアンテナ303・305で受信される。メモリタグ301及び/又はUE101の別々の場所に複数のアンテナを設けることができることに留意されたい。実施形態によっては、信号315・317は、メモリタグ301、及び/又はメモリタグ301に関連するUE101によって処理/解析されてもよい。実施形態によっては、デバイス313はデバイス307よりも離れた所にあり、信号315・317及びその信号に関連する特性の決定・解析によって、例えば、位相や振幅、電力等が類似するといった特性の類似が示される。実施形態によっては、メモリタグ301の1つ又は複数の回路は、デバイス313が推奨/適合近接通信の範囲外にあると決定されると、そのデバイスとの通信リンクを全て無効にしてもよい。ここでデバイス313は、実際よりも近い位置にあるかのように「偽装」しようとするかもしれない。例えば、デバイス313は、通信リンクを不正に乗っ取り、メモリタグ301の情報にアクセスしようとする可能性がある。
図3Bには、メモリタグや携帯電話等のデバイスに実装されるフローチャート350が描かれている。このデバイスは、複数のデバイス間での近接ベースインタラクションのために無線通信信号を受信するアンテナ351・353を備える。ターゲットデバイスがアンテナ351で受信した信号「A」は処理され、解析される。355で、信号「A」に関連する1つ又は複数の特性が決定される。この特性には、信号位相や振幅、電力等が含まれる。アンテナ353で受信された信号「B」も、信号「B」に関連する1つ又は複数の特性を決定するために357で処理・解析される。次に359で、1つ又は複数のプロセッサ及び/又は回路は、2つの信号「A」及び「B」に関する1つ又は複数の特性の間の1つ又は複数の差を計算/決定する。次に361で、1つ又は複数のプロセッサ及び/又は回路(例えば、アナログコンパレータ)は、ステップ359で計算/決定された差を、1つ又は複数の設定基準や閾値、及び/又は値の範囲と比較してもよい。計算/決定された差が条件を満たす場合、363でインタラクションが継続されてもよく、許可及び/又は継続されてもよい。あるいは、その両方でもよい。しかし、計算/決定された差が設定基準を満たさない場合、365で警報/警告が発せられ、それによってユーザは可能性のある問題に対処するための1つ又は複数の行動(例えば、ターゲットデバイスやメモリタグ等の移動)を取ることができる。実施形態によっては、例えばバンクカード等のメモリタグで(表示や入力等の)完全なUIを利用できる機構が無い場合、1つ又は複数の適切又は利用可能な警報がユーザに示されてもよい。例えば、メモリタグが小型バイブレーションコンポーネントや(オーディオ用)アナログ共鳴コンポーネント、及び/又は他の触覚/視覚警報(例えば、照明ストリップ)を備えてもよい。
図3Cは、デバイス371とデバイス373を含む略図370を示す。ここでユーザは、デバイス373を位置決め/追跡するために、例えばデバイス371の利用を望んでいる。デバイス371とデバイス373が逆でもよい。ある実施形態において、デバイス371は、375を介して1つ又は複数の信号(例えば、ビーコンやSMS等)をブロードキャストし、デバイス373は1つ又は複数の信号377で応答してもよい。実施形態によっては、デバイス371は、信号377に関連する1つ又は複数の特性を決定し解析するために1つ又は複数のアンテナを利用し、デバイス373を位置決め/追跡するために方向情報をデバイス371のユーザに提示してもよい。例えば、ユーザがデバイス371と共に移動すると、信号377の1つ又は複数の特性のうち少なくとも1つが変化する。それによって、デバイス373の位置情報を突き止めることができる。実施形態によっては、デバイス371が受信した1つ又は複数の信号の電力レベルをデバイス371が決定し、送信電力を調節してもよい。例えば、デバイス371が受信した信号で低い電力をデバイス371が測定している(例えば、デバイス373が遠くに離れていたり、両デバイスの間に障害物があったりする等の)場合、デバイス371からの送信信号をデバイス373が確実に受信できるように、デバイス371は送信信号の電力レベルを上げてもよい。実施形態によっては、デバイス373までの距離が直前の位置までの距離よりも近いと決定された場合、デバイス371は送信電力レベルを下げてもよい。実施形態によっては、デバイス371は、デバイス373への信号送信の中に、送信電力レベルの上げ下げをデバイス371にさせる要求を含めてもよい。
図4は、ある実施形態に従い、デバイス間インタラクション要求の決定を少なくとも行うプロセスのフローチャートである。様々な実施形態において、PCモジュール116及び/又はメモリタグ117は、プロセス400を実行でき、例えば、図8に示すようなプロセッサとメモリを備えるチップセットに実装されてもよい。それ故、PCモジュール116及び/又はメモリタグ117は、プロセス400における種々のパートを実行する手段に加え、システム100の他のコンポーネントと協働する他のプロセスを実行する手段も提供することができる。このプロセスを通じて、メモリタグ117はプロセス400における種々のパートを実行するものとみなされる。ただし、システム100の他のコンポーネントが処理ステップの一部及び/又は全てを実行できることを理解されたい。また様々な実施形態において、PCモジュール116及び/又はメモリタグ117は、システム100の1つ又は複数のエンティティに実装されてもよい。
ステップ401で、PCモジュール116は、少なくとも1つの第1のデバイスと少なくとも1つの第2のデバイスとの間のインタラクションに対する要求を決定する。ここで、少なくとも1つの第1のデバイスは、少なくとも1つの第1のアンテナと少なくとも1つの第2のアンテナに少なくとも関連している。実施形態によっては、少なくとも1つの第1のデバイスは、携帯電話などのデバイスに埋め込むことができる無線メモリタグでもよい。ここで、メモリタグ及び/又はデバイスは、様々な無線信号を送受信する複数のアンテナを備えてもよい。実施形態によっては、少なくとも1つの第2のデバイスは、ユーザデバイス(例えば、携帯電話やNFCリーダー)、ネットワークデバイス(例えば、コンピュータや売店など)、能動デバイス(例えば、電源やプロセッサ等を備える)、受動デバイス(例えば、メモリカードやメモリタグ等)でもよい。実施形態によっては、メモリタグは、例えば銀行カードや身分証明書、旅券、ウォレット(wallet)等に埋め込まれてもよい。ここで、メモリタグは複数のアンテナを備える。実施形態によっては、インタラクション要求は、読取りや書込み、転送、照会、又はこれらの組合せを行うアクセスの要求でもよい。実施形態によっては、このインタラクションにNFCプロトコルを介した通信が含まれる。実施形態によっては、少なくとも1つの第1のデバイスや少なくとも1つの第2のデバイス、又はこれらの組合せは、無線メモリタグやユニバーサルローカルストレージ、受動デバイス、能動デバイス、又はこれらの組合せに関連している、及び/又は関連することができる。
ステップ403で、PCモジュール116は、少なくとも1つの第1のアンテナで受信される第1の信号と、少なくとも1つの第2のアンテナで受信される第2の信号を決定する。実施形態によっては、メモリタグ及び/又はデバイス(例えば、タブレット)は、1つ又は複数の他のデバイス及び/又はメモリタグから複数の信号を受信してもよい。例えば、メモリタグは、その複数のアンテナを介して複数の信号を受信してもよい。実施形態によっては、デバイス(例えば、携帯電話)は、近接ベース通信デバイス(例えば、メモリタグや別のデバイス等)に関連する複数の信号を検出してもよい。実施形態によっては、第1の信号及び第2の信号には、1つ又は複数のデータ信号や1つ又は複数の電力信号、1つ又は複数の基準信号、又はこれらの組合せが含まれる。
ステップ405で、PCモジュール116は、第1の信号及び第2の信号に関する1つ又は複数の特性の1つ又は複数の差を決定する。実施形態によっては、これらの信号に関連する1つ又は複数の特性や1つ又は複数のパラメータ、1つ又は複数の特質などを決定する複数の信号を処理するために、1つ又は複数のプロセッサやアルゴリズム、回路、コンポーネント、デジタル部品及び/又はアナログ部品などを利用してもよい。実施形態によっては、1つ又は複数の特性には、1つ又は複数の信号位相や信号振幅、電力、S/N比などが含まれる。実施形態によっては、メモリタグは、こうした特性を決定するために、複数のコンポーネント(例えば、アナログ部品)を備える1つ又は複数の回路を利用してもよい。種々の実施形態において、デバイス及び/又はメモリタグは、各信号に関連する1つ又は複数の特性の1つ又は複数の差を決定してもよい。例えば、第1の信号は、第2の信号や第3の信号などの特性と比較されるとき、それとは異なる位相や振幅、電力などを有してもよい。
ステップ407で、PCモジュール116は、インタラクションを許可するかどうかを決定するために、1つ又は複数の差の処理を行う、及び/又は処理を進める。実施形態によっては、デバイス及び/又はメモリタグは、別のデバイス及び/又はメモリタグによって要求されたインタラクションを許可してもよい。例えば、第2のデバイス及び/又はメモリタグは、第1のデバイス及び/又はメモリタグの特定のデータへのアクセス(読取り/書込み/修正)を要求していてもよい。また例えば、メモリタグは、インタラクションを不許可にするために、1つ又は複数の回路の中の1つ又は複数のコンポーネントを無効にしてもよい。実施形態によっては、メモリタグは、インタラクションを拒否するために、1つ又は複数のプロセッサ及び/又はアプリケーションを利用してもよい。
図5は、様々な実施形態に従い、1つ又は複数の差と1つ又は複数の閾値との比較を少なくとも行うプロセスのフローチャートである。様々な実施形態において、PCモジュール116及び/又はメモリタグ117は、プロセス500を実行でき、例えば、図8に示すようなプロセッサとメモリを備えるチップセットに実装されてもよい。それ故、PCモジュール116及び/又はメモリタグ117は、プロセス500における種々のパートを実行する手段に加え、システム100の他のコンポーネントと協働する他のプロセスを実行する手段も提供することができる。このプロセスを通じて、メモリタグ117はプロセス500における種々のパートを実行するものとみなされる。ただし、システム100の他のコンポーネントが処理ステップの一部及び/又は全てを実行できることを理解されたい。また様々な実施形態において、PCモジュール116及び/又はメモリタグ117は、システム100の1つ又は複数のエンティティに実装されてもよい。
ステップ501で、PCモジュール116は、前述の1つ又は複数の差と1つ又は複数の閾値との1つ又は複数の比較を、少なくとも部分的に行う。実施形態によっては、1つ又は複数の決定された差は、1つ又は複数の特定の信号に関連するソースの近接(例えば、位置)を決定するために、1つ又は複数の閾値と比較される。例えば、第2のデバイス及び/又は第2のメモリタグからの信号は、第1のデバイス及び/又は第1のメモリタグから特定の距離だけ離れた位置にあると仮定される場合、その信号に関連する所定の特性を有するものであると決定することができる。例えば、第1のデバイス(例えば、ターゲットデバイス)から2〜3センチメートル程近くの範囲に第2のデバイス(例えば、ソースデバイス)があり、その第2のデバイスから受信された2つの信号は、特定の閾値よりも大きい位相差及び/又は振幅差を持たなくてはならない。ただし、この差が特定の閾値よりも小さい場合、その信号のソース(例えば、ソースデバイス)が必ずしも前述のような近い距離にはないと示すことができる。
ステップ503で、PCモジュール116は、前述の1つ又は複数の比較に少なくとも部分的に基づいて、インタラクションの中断を少なくとも部分的に行う。実施形態によっては、デバイス及び/又はメモリタグは別のデバイス及び/又はメモリタグによって要求されたインタラクションを許可し、その後、1つ又は複数の比較によって、1つ又は複数のパラメータ及び/又は特性値が閾値の範囲外にあると示された場合、許可されたインタラクション及び/又は通信リンクが無効にされてもよい。例えば、第2のデバイス及び/又はメモリタグは、第1のデバイス及び/又はメモリタグの特定のデータにアクセスしていても(例えば、読取り/書込みしていても)よい。実施形態によっては、メモリタグは、通信リンクを中断してインタラクションを止めるために、1つ又は複数の回路の中の1つ又は複数のコンポーネントを無効にしてもよい。
ステップ505で、PCモジュール116は、このインタラクションに関する命令情報やステータス情報、又はこれらの組合せを提供するために、1つ又は複数の指標や1つ又は複数のメッセージ、又はこれらの組合せを含むユーザインタフェース(UI)の提示を少なくとも部分的に行う。実施形態によっては、UIは、インタラクション及び/又は通信リンクの要求が不正の可能性かその疑いがある、あるいは遠隔ソースからのものである等の警告を示してもよい。実施形態によっては、ターゲットデバイスのユーザは、別の信号セットが取込まれて新たな特性を決定できるように、特定の動作を行うよう指示されてもよい。こうした特定の動作は、例えばターゲットデバイスの移動でもよい。
ステップ507で、PCモジュール116は、上記1つ又は複数の差に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つの第1のデバイスと少なくとも1つの第2のデバイスとの間の距離の推定を少なくとも部分的に行う。実施形態によっては、デバイスは、少なくとも1つの第1のデバイスと第2のデバイスとの間の距離を決定できるように、上記1つ又は複数の差に関する1つ又は複数のパラメータを解析する様々なプロセッサ、アルゴリズム、回路等を利用してもよい。例えば、振幅差や電力差、位相差などが距離を示してもよい。
ステップ509で、PCモジュール116は、上記距離に少なくとも部分的に基づいて、インタラクションを許可するかどうかを決定する。例えば、ソースデバイスがユーザのターゲットデバイスから3センチメートル以内にあるとして、その推定距離が想定される3センチメートルより長いと計算/決定される場合、そのソースデバイスによるユーザのターゲットデバイスとやり取りしたいという要求は拒否されてもよい。
ステップ511で、PCモジュール116は、少なくとも1つの第1のデバイスや少なくとも1つの第2のデバイス、又はこれらの組合せの位置決めを少なくとも行う方向情報を提供するために、1つ又は複数の指標や1つ又は複数のメッセージ、又はこれらの組合せを含むユーザインタフェースの提示を少なくとも部分的に行う。実施形態によっては、第1のデバイスは、例えばジャイロスコープや加速度計、コンパス等の1つ又は複数のコンポーネントを利用してもよい。加えて、第2のデバイスを位置決め/追跡するための方向情報を更に決定して示すために、第2のデバイスからの信号に関して決定された信号特性及び/又は差を利用してもよい。例えば、第2のデバイスの位置情報と他のデバイスに対する方向情報を決定するために、ユーザは第1のデバイスを利用する。実施形態によっては、少なくとも1つの第1のデバイスや少なくとも1つの第2のデバイス、又はこれらの組合せは、1つ又は複数のタスクを実行する1つ又は複数の他のデバイスとやり取りするために、1つ又は複数の指標及び/又は1つ又は複数のメッセージを利用してもよい。こうしたタスクは、1つ又は複数のゲームアプリケーションや1つ又は複数のエンタテインメントアプリケーション、1つ又は複数の教育アプリケーション等に関連している。例えば、1つ又は複数のユーザは、ユーザの位置に近接し、メモリタグを有する様々な対象物の位置決めを試みてもよい。実施形態によっては、ユーザは、方向情報を追随する1つ又は複数のユーザ機能を向上させるために、提示された指標を利用してもよい。
図6A及び6Bは、様々な実施形態に従う、図4及び5の処理で利用される例示的ユーザインタフェースの略図である。図のように、図6A及び6BのユーザインタフェースにはUI601及びUI603が含まれる。これらのUIは、プロセス400及び/又はプロセス500等のプロセスから結果として得られる情報、データ、及び/又は信号に少なくとも部分的に基づいて生成及び/又は変更される要素及び/又は機能を備える。図6Aを参照すると、デバイスのUI601が、NFC等の近接通信に対応した1つ又は複数のデバイスが近くで見つかったことを示している。ある実施形態において、UI601は、デバイス601からの1つ又は複数の解析に基づいて、1つ又は複数の近接通信要求/試行に関連する可能性のある問題(例えば、セキュリティ問題)を示す警報603を提示してもよい。実施形態によっては、例えば605と607のような1つ又は複数の選択肢がユーザに提示されてもよい。それによって、ユーザはアクセス拒否/停止をするために605を選択することができる。あるいは、デバイス601を移動させるために607を選び、それによってデバイスが通信信号を再解析することもできる。
図6Bで、UI631は、近接通信に対応した1つ又は複数の近接デバイスを関連する情報を、デバイス631のユーザに提示する。ある実施形態において、UI631は、1つ又は複数の他の近接デバイスを位置決めする方向情報633を提示してもよい。この情報は、デバイス631によって処理・解析された1つ又は複数の通信信号特性に基づいてもよい。実施形態によっては、ユーザは、例えば635でデバイスを探索/追跡したり、637で1つ又は複数の他のデバイスを探索/追跡したりといった幅広い選択肢から選ぶこともできる。様々な実施形態において、ユーザとデバイス631が移動すると、対応する位置情報の変更を反映して、提示される情報633と可能な選択肢が更新されてもよい。
本明細書で説明される、デバイス間近接ベースインタラクションのためのセキュリティ機構を提供するプロセスは、ソフトウェアやハードウェア、ファームウェア、またこれら何れか二つ以上の組合せによって実装することが有利であろう。例えば、本明細書で説明される処理は、1つ又は複数のプロセッサやデジタル信号処理チップ(DSP)、特定用途向けIC(ASIC)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などによって有利に実装されてよい。前述の機能を実行するこうした例示的なハードウェアが以下で説明される。
図7は、本発明の実施形態を実装できるコンピュータシステム700を示す。コンピュータシステム700は、特定のデバイスや装置を描いているが、ネットワーク要素やサーバなどの図7中の他のデバイスや装置が、システム700に描かれたハードウェアやコンポーネントを加えることも可能であると考えられる。コンピュータシステム700は、コンピュータプログラムコードや命令などによって、本明細書で説明されるような、デバイス間近接ベースインタラクションのためのセキュリティ機構を提供するようにプログラムされており、バス710などの通信機構を有している。通信機構は、コンピュータシステム700の他の内部及び外部コンポーネントとの間で情報を流す。「データ」とも呼ばれる「情報」は、測定可能な現象の物理的表現として表わされ、典型的には電圧であるが、実施形態よっては、磁気的、電磁気的、圧力的、化学的、生物学的、分子的、原子的、亜原子的、量子的相互作用のような現象で表わされる。例えば、N極・S極の磁極やゼロ・非ゼロの電圧は、2進数ビットの2つの状態(0,1)を表す。その他の現象で、より大きい基数の数を表現することもできる。観測前における複数の量子状態の同時重ね合わせ状態は、量子ビット(キュービット)を表現する。1つ又は複数の数(digit)のシーケンスはデジタルデータを構成し、数や文字コードを表すことができる。実施形態によっては、特定の範囲内で測定可能であるほぼ連続な値により、アナログデータと呼ばれる情報が表現される。コンピュータシステム700又はその一部は、デバイス間近接ベースインタラクションのためのセキュリティ機構を提供する1つ又は複数のステップを実行する手段を構成する。
バス710は、一つ以上の並行的な情報伝達手段を有する。それによって、バス710に組み合わされているデバイスの間で情報が高速に伝達されることができる。情報処理のための一つ以上のプロセッサ702がバス710に組み合わされている。
プロセッサ(又は複数のプロセッサ)702は、デバイス間近接ベースインタラクションのためのセキュリティ機構の提供に関連するコンピュータプログラムコードによって特定される情報に関する演算のセットを実行する。コンピュータプログラムコードとは、プロセッサ及び/又はコンピュータシステムに特定機能を実行させる演算命令を与える一連の命令又は記述である。このコードは例えば、プロセッサ固有の命令セットにコンパイルされるコンピュータプログラム言語で書かれてもよい。このコードはまた、固有の命令セット(機械語等)を用いて直接書かれてもよい。演算セットは、バス710から情報を取り出したり、バス710に情報を流したりすることを含む。演算セットはまた、通常、2つ以上の情報ユニットを比較したり、情報ユニットの位置をシフトしたり、2つ以上の情報ユニットを結合したりすることを含み、例えば加算や乗算、論理和、排他的論理和、論理積等の論理演算を含む。プロセッサにより実行可能な演算セットの各演算は、1つ又は複数のデジット(digit)による処理コードのような、命令と呼ばれる情報によってプロセッサに提供されることができる。演算コード列のようなプロセッサ702により実行される一連の演算は、プロセッサ命令を構成し、これはまた、コンピュータシステム命令や、より簡単にコンピュータ命令などと呼ばれる。プロセッサは、機械的、電気的、磁気的、光学的、化学的、量子的、又は他の方法で、単独で又はこれらを組み合わせて、実装されてもよい。
コンピュータシステム700はまた、バス710に接続されるメモリ704を備える。メモリ704は、ランダムアクセスメモリ(RAM)や他の動的なストレージデバイスであることができ、デバイス間近接ベースインタラクションのためのセキュリティ機構を提供するプロセッサ命令を含む情報を格納する。動的メモリは、そこに格納された情報をコンピュータシステム700が変更できるようにする。RAMは、メモリアドレスと呼ばれる場所に然るべき情報ユニットを格納し、隣接アドレスの情報とは独立に、当該情報ユニットが読取られるようにする。メモリ704は、プロセッサ命令を実行する間に一時的に値を格納するために、プロセッサ702によっても使用される。コンピュータシステム700は、読出し専用メモリ(ROM)706や他の静的記憶デバイスを備えてもよい。これらもバス710に接続されており、コンピュータシステム700が変更しない静的な情報を格納する。メモリによっては、電源が切られると格納された情報が失われる揮発性記憶装置から成るものもある。バス710には、不揮発性(持続性)記憶デバイス708も接続されている。このデバイスは例えば、磁気ディスクや光ディスク、フラッシュカードのような、コンピュータシステム700の電源が切られたり、その他の理由で電源を失ったりする場合でも保持されるべき情報(命令を含む)を格納する。
デバイス間近接ベースインタラクションのためのセキュリティ機構を提供する命令を含む情報は、人間によって操作される英数字キーを含むキーボードやセンサなどの外部入力装置712から、バス710に供給されプロセッサによって使用される。センサは、その周辺で生じた状況を検出し検出結果を物理的表現に変換する。この物理的表現は、コンピュータシステム700で情報を表現するのに用いられる測定可能な現象と合っている。その他の外部機器もバス710に接続され、特に人間とのやり取りのために使用される。このような外部デバイスには、例えば、ブラウン管(CRT)や液晶ディスプレイ(LED)、有機LED(OLED)、プラズマスクリーン等の表示装置714、テキストや画像を提示するためのプリンタ、マウスやトラックボール、カーソル指示キー、モーションセンサ等のポインティングデバイス716等がある。モーションセンサは表示装置714に表示された小さなカーソルの画像の位置を制御したり、ディスプレイ714表示されたグラフィックス要素に関連する命令を発行したりするために使用される。実施形態によっては、例えば、コンピュータシステム700が、人間の入力なしに全ての機能を自動的に実行することもあり、外部入力デバイス712や表示装置714、ポインティングデバイス716のうち1つ又は複数が省略されることもある。
例示された実施形態では、特定用途向け集積回路(ASIC)720のような特殊用途ハードウェアがバス710に接続されている。こうした特殊用途ハードウェアは、プロセッサ702ではその特殊用途に見合う速度で実行できないような処理を実行するように構成される。こうしたASICの例として、表示装置714上にイメージを生成するグラフィックアクセラレータカードや、ネットワークを介して送信されるメッセージの暗号化や解読を行う暗号化ボード、音声認識装置、又は特殊な目的の外部デバイスとのインタフェースなどがある。そのようなインタフェースには、例えば、ロボットアームや医療用スキャン装置など、複雑なシーケンスの動作を繰り返し行うような装置がある。こうした動作はハードウェアによってより効率的に実行することができる。
コンピュータシステム700は更に、バス710に接続される通信インタフェース770の1つ又は複数のインスタンスを有する。通信インタフェース770は、それぞれ自身のプロセッサを有する種々の外部デバイスに接続されて、一方向又は双方向の通信を提供する。このような外部デバイスとして、プリンタやスキャナ、外部ディスク装置などがある。一般的に、接続はネットワークリンク778によって行われ、ネットワークリンク778はローカルネットワーク780に接続される。ローカルネットワーク780には、自身でプロセッサを有する種々の種類の外部デバイスが接続されている。通信インタフェース770は、例えば、パーソナルコンピュータのパラレルポートやシリアルポート、ユニバーサルシリアル(USB)ポートであることができる。実施形態によっては、通信インタフェース770は、ISDNカードやDSLカードや電話モデムなど、対応する種類の電話通信ラインと情報通信接続を確立するようなものであることができる。実施形態によっては、通信インタフェース770は、ケーブルモデムであることができ、これは、バス710上の信号を、同軸ケーブルを用いた通信接続のための信号や、光ケーブルを用いた通信接続のための光信号に変換する。別の例では、通信インタフェース770は、ローカルエリアネットワーク(LAN)カードであり、これは、イーサネット(登録商標)などの互換性のあるLANとのデータ通信接続を提供する。ワイヤレスリンクが用いられる場合もある。ワイヤレスリンクとして、通信インタフェース770は、例えば電気的、音声的、電磁的な信号を、送信したり受信したり送受信したりする。このような信号には、デジタルデータなどの情報ストリームを運ぶこともできる赤外線や光信号も含まれる。例えば、携帯電話等の無線ハンドセットデバイスにおいて、通信インタフェース770はRF送受信機と呼ばれる、RF帯域の電磁波信号の送信機及び受信機を備える。実施形態によっては、通信インタフェース770は、デバイス間近接ベースインタラクションのためのセキュリティ機構を提供するために、通信ネットワーク113との接続を可能にする。
本明細書で用いられる「コンピュータ可読媒体」という用語は、プロセッサ702に情報(例えば実行命令)を提供しうるいかなる媒体であってもよい。このような媒体は様々な形態をとりうるものであり、揮発性又は不揮発性のコンピュータ可読記憶媒体や、伝送媒体が含まれる。ただし、これらに限定されない。不揮発性の媒体のような非一時的媒体は、例えば記憶デバイス708のような光ディスク又は磁気ディスクを含む。揮発性の媒体は、例えば動的メモリ704を含む。伝送媒体は、例えば、ツイストペアケーブルや同軸ケーブル、銅線、光ファイバーケーブル、ワイヤやケーブルを介さずに空間を伝う搬送波などであることができ、搬送波としては音波や電磁波があり、電磁波には無線電波、可視光、赤外線などがある。信号には、伝送媒体を介して伝送される、振幅,周波数,位相,偏極やその他の物理特性に関する人為的かつ過渡的変動を含む。コンピュータ可読媒体のよく知られた形態は、例えば、フレキシブルディスクやハードディスク、磁気テープなどの磁気的媒体、CD-ROMやCDRW、DVDなどの光媒体、パンチカードや紙テープ、光マークシートなどの、孔によるパターンやその他の光学的認識可能な目印を有する物理媒体、RAMやPROM、EPROM、フラッシュEPROM、EEPROMなどのメモリチップやカートリッジ、搬送波などであり、コンピュータが読み取りを行うことのできる種々の媒体が存在する。本明細書においてコンピュータ可読記憶媒体との用語は、伝送媒体を除くどのようなコンピュータ可読な媒体をも言及する。
1つ又は複数の有形の媒体に符号化されたロジックは、コンピュータ可読記憶媒体のプロセッサ命令と、ASIC720のような特定用途向けハードウェアの一方又は両方を含む。
典型的に、ネットワークリンク778は、伝送媒体を用いて情報通信を提供する。1つ又は複数のネットワークを通じて、情報を使用したり処理したりする他のデバイスへの情報通信が行われる。例えばネットワークリンク778は、ローカルネットワーク780通じてホストコンピュータ782への接続を提供する。また、インターネットサービスプロバイダ(ISP)によって運営される設備784への接続を提供してもよい。ISP設備784も同様に、一般的にインターネットと称される、ワールドワイドな公衆パケット交換通信ネットワーク790を通じて、データ通信サービスを提供する。
インターネットに接続される、サーバホスト792と称されるコンピュータは、インターネット通じて受信した情報に応答して、サービスを提供するプロセスをホストする。例えば、サーバホスト792は、表示用ビデオデータをディスプレイ714に表わす情報を提供する処理をホストする。なお、システム700の諸要素は、ホスト782やサーバ792など他のコンピュータシステムにおいて様々な構成をとりうると考えられる。
本発明の少なくともある実施形態は、コンピュータシステム700を、本明細書で説明される一部又は全ての技術を実装するために使用することに関している。本発明のある実施形態では、これらの技術は、メモリ704に格納されている1つ又は複数のプロセッサ命令の1つ又は複数のシーケンスをプロセッサ702が実行することによって、コンピュータシステム700により実行される。このような命令は、コンピュータ命令やソフトウェア、プログラムコード等と呼ばれ、記憶デバイス708やネットワークリンク778などの他のコンピュータ可読媒体からメモリ704に読み込まれてもよい。メモリ704に格納された命令シーケンスの実行により、プロセッサ702は本明細書で開示された方法ステップの1つ又は複数を実行する。別の実施形態では、ASIC720のようなハードウェアが、上記の手法の代わり、又はソフトウェアと組み合わされて、本発明を実装するために使用される。したがって、本発明の実施形態は、本明細書で明示されない限り、ハードウェア及びソフトウェアに関する如何なる特定の組合せにも限定されない。
ネットワークリンク778や通信インタフェース770を介する他のネットワークを通じて伝送される信号は、コンピュータシステム700対して送受信される情報を伝達する。コンピュータシステム700は情報を送受信することができる。このような情報にはプログラムコードが含まれ、とりわけネットワーク780や790を通って、ネットワークリンク778や通信インタフェース770を介して、送受信される。インターネット790を使用する実施例では、サーバホスト792は、特定のアプリケーションのためのプログラムコードを送信する。このアプリケーションは、インターネット790やISP設備784、ローカルネットワーク780、通信インタフェース770を通じてコンピュータ700が送信したメッセージによって要求される。受信されたコードは、受信時にプロセッサ702によって実行されてもよく、後で実行されるようにメモリ704や記憶デバイス708、その他任意の非揮発性媒体に格納されてもよい。あるいは、これら両方でもよい。こうした方法で、コンピュータシステム700は、搬送波による信号の形態でアプリケーションプログラムコードを取得してもよい。
種々の形態のコンピュータ可読媒体が、プロセッサ702により実行される命令やデータの1つ又は複数のシーケンスを担持するのに使用されることができる。例えば、命令やデータは、最初にホスト782のようなリモートコンピュータの磁気ディスクに担持されてもよい。リモートコンピュータは、命令及びデータを動的メモリにロードし、その命令及びデータを、モデムを使って電話線で送信する。コンピュータシステム700に設置されるモデムは、電話線で命令及びデータを受信し、その命令及びデータを信号に変換する赤外線トランスミッタを使用する。この信号は、ネットワークリンク778の役割を果たす赤外線搬送波で送られる。通信インタフェース770の役割を果たす赤外線検出器は、赤外線信号で運ばれる命令及びデータを受信し、その命令及びデータを表現する情報をバス710に配置する。バス710は、情報をメモリ704へ運び、プロセッサ702はメモリ904からこれらの情報を読み出して、上記の命令を実行する。メモリ704に受信された命令及びデータは、プロセッサ702による実行前又は実行後の何れかで、記憶デバイス708に格納されてもよい。
図8は、本発明の実施形態を実装できるチップセット又はチップ800を示す。チップセット800は、本明細書で説明されたデバイス間近接ベースインタラクションのためのセキュリティ機構を提供するようにプログラムされており、例えば、図7に関連して説明されたようなプロセッサやメモリを備え、これらが1つ又は複数の物理的パッケージ(例えば、チップ)に組み込まれている。 例として、物理的パッケージは、1つ又は複数の部材やコンポーネント、及び/又は基板などの構造物アセンブリ上のワイヤなどを含み、物理的強度、サイズの保持、及び/又は電気的相互作用の抑制などを提供する。実施形態によっては、チップセット800が単一チップとして実装できることも考えられる。実施形態によっては、チップセット又はチップ800が、単一の「システム・オン・チップ」に実装できることも考えられる。さらに実施形態によっては、個別ASICが用いられず、例えば、本明細書で説明される全ての重要な機能が1つ又は複数のプロセッサで実行されることも考えられる。チップセット又はチップ800、又はその一部は、機能の利用可能性に関連付けられたユーザインタフェース・ナビゲーション情報を提供する1つ又は複数のステップを実行する手段の一例を構成する。チップセット若しくはチップ800又はその一部は、デバイス間近接ベースインタラクションのためのセキュリティ機構を提供する1つ又は複数のステップを実行する手段を構成する。
ある実施形態において、チップセット又はチップ800は、チップセット800の要素間で情報をやり取りするためのバス801のような通信機構を備える。プロセッサ803は、メモリ805などに格納される命令を実行したり情報を処理したりするべく、バス801に接続可能に構成される。プロセッサ803は1つ又は複数のプロセッシングコアを有することができ、それぞれのコアは独立に実行されるように構成されており。マルチコアプロセッサは単一の物理的パッケージによって複数のプロセスを実行できる。マルチコアプロセッサには、2、4、8又はそれ以上のプロセッシングコアを有するものがある。あるいは、又は加えて、プロセッサ803はバス801を介して直列に配される1つ又は複数のマイクロプロセッサを備え、独立に命令を実行できてもよく、パイプラインやマルチスレッドプロセスを実行できてもよい。プロセッサ803は、1つ又は複数の特定用途の要素を備えてもよい。それらは特定のプロセス機能やタスクを実行するために用いられる。このような特定用途の要素の例は、1つ又は複数のデジタルシグナルプロセッサ(DSP)807や、1つ又は複数の特定用途向け集積回路(ASIC)809でもよい。DSP807は、通常、プロセッサ803とは独立に、音声などの現実世界の信号をリアルタイムでプロセスするように構成される。同様に、ASIC809は、より汎用のプロセッサでは容易に実行することができない特定の機能を実行するように構成されてもよい。本明細書で説明された発明性を有する機能を実行する助けとなりうるその他の特定用途コンポーネントとしては、1つ又は複数のFPGA(field programmable gate arrays)や1つ又は複数の特定用途のコンピュータチップがある。
ある実施形態において、チップセット又はチップ800は、1つ又は複数のプロセッサと、これらをサポートする及び/又はこれらに関連するいくつかのソフトウェア及び/又はファームウェアのみを備える。
プロセッサ803及び付随するコンポーネントは、バス801を介してメモリ805に接続できるように構成される。メモリ805はダイナミックメモリとスタティックメモリの両方を有する。ダイナミックメモリの例としては、RAMや磁気ディスク,書き込み可能な光ディスク等があり、スタティックメモリの例としては、ROMやCD-ROM等がある。これらのメモリは実行可能命令を格納するために使用され、これら実行可能命令は、実行されると、デバイス間近接ベースインタラクションのためのセキュリティ機構を提供する、本明細書で説明された発明性を有するステップを実行する。メモリ805はまた、これらの発明性を有するステップの実行に関連するデータや当該ステップの実行により生成されたデータを格納する。
図9は、本発明の実施形態を実装するために使用できる携帯端末(ハンドセット等)の略図である。実施形態によっては、携帯端末901又はその一部は、センサ及びセンサデータのコンテキストアウェアな制御を提供するための、一つ又は複数のステップを実行する手段を構成する。一般に、無線レシーバは通常、フロントエンド特性及びバックエンド特性の観点で規定される。受信機のフロントエンドはRF回路の全て含み、バックエンドはベースバンドプロセス回路の全てを含む。本願において使用されているように、「回路」という用語は、(1)ハードウェアのみによる実装と、(2)回路及びソフトウェア(及び/又はファームウェア)の組み合わせによる実装とを含む。前者は、アナログ回路のみの実装やデジタル回路のみの実装、又はこれらの両方を含む実装がある。後者は、特定のコンテキストで適用可能である場合は、1つ又は複数プロセッサ(デジタルシグナルプロセッサを含む)やソフトウェア、1つ又は複数のメモリを含み、又はこれらの組み合わせを含み、これらは協働して、携帯電話やサーバなどの装置に様々な機能を実行させる。この「回路」の定義は、本願において当該用語を使う全ての場合において適用される。特許請求の範囲においても同様である。さらなる例として、本願で使われているように、また特定のコンテキストで適用可能である場合は、「回路」との語句は、プロセッサと付随するソフトウェアやファームウェアのみの実装をもカバーしてもよい。なおプロセッサはマルチプロセッサでもよい。「回路」という語句はまた、特定の意味を含むことが可能な場合がある。例えば、携帯電話のベースバンド集積回路やアプリケーションプロセッサ集積回路を包含してもよく、セルラネットワークデバイスやそのネットワークデバイスにおける同様の集積回路を意味してもよい。
電話機の重要な内部コンポーネントには、メインコントロールユニット(MCU)903,デジタルシグナルプロセッサ(DSP)905,送受信ユニットがあり、送受信ユニットには、マイク利得制御ユニットやスピーカ利得制御ユニットが含まれる。メインディスプレイユニット907は、デバイス間近接ベースインタラクションのためのセキュリティ機構を提供するステップを実行したりサポートしたりする、様々なアプリケーションや携帯端末機能をサポートするための表示をユーザに提供する。ディスプレイ907は、携帯端末(携帯電話等)のユーザインタフェースの少なくとも一部を表示するように構成される表示回路を備える。加えてディスプレイ907及びディスプレイ回路は、携帯電話の少なくとも一部の機能に対するユーザ制御を容易にする。音声機能回路909はマイクロホン911と、マイクロホン911から出力されるスピーチ信号を増幅するマイクロホンアンプとを備える。マイクロホン911から出力された、増幅されたスピーチ信号は、符号化・復号回路(CODEC)913に供給される。
無線セクション915は、信号のパワーを増幅し、アンテナ917を介して基地局と通信するために、周波数変換を行う。パワーアンプ(PA)919や送信変調回路は、MCU903に制御されて応答可能である。本技術分野で周知の通り、PA919の出力は、デュプレクサ921やサーキュレータ、アンテナスイッチに組み合わされる。PA919はバッテリインタフェースやパワーコントロールユニット920に組み合わされる。
使用時において、携帯端末901のユーザはマイクロホン911に向かって話し、そのユーザの声は拾われたバックグラウンドノイズと共にアナログ電圧に変換される。このアナログ電圧はアナログ・デジタルコンバータ(ADC)923によってデジタル信号に変換される。コントロールユニット903は、このデジタル信号を処理するためにDSP905に提供する。この処理には、音声符号化やチャネル符号化、暗号化、インタリーブなどが含まれる。ある実施形態では、処理音声信号はセルラ転送プロトコルを用いて符号化される。この符号化は独立した要素として図示されていないユニットによって行われ、符号化方式としては、EDGE(enhanced data rates for global evolution)やGSM(登録商標)、IMS(Internet protocol multimedia subsystem)、UMTS(universal mobile telecommunications system)等でもよく、何れかの好適な無線媒体、例えばWiMAX(microwave access)やLTE(Long Term Evolution)、CDMA(code division multiple access)、WCDMA(登録商標)、WiFi(wireless fidelity)、衛星通信等、又はこれらの組合せを使用してもよい。
符号化された信号は、無線送信中に生じる周波数依存の損傷、例えば位相や振幅の歪みを補償するために、等価器925に送られる。ビットストリームを等価した後、変調機927が当該信号を、RFインタフェース929で生成されたRF信号と結合する。変調機927は、周波数又は位相変調により正弦波を生成する。信号を送信準備するため、アップコンバータ931は、変調機927から出力された正弦波をシンセサイザ933により生成された別の正弦波と結合し、送信に望ましい周波数を達成する。この信号はPA919に送られ、信号の強さを適切なレベルまで増幅する。実際のシステムにおいて、PA919は、ネットワークの基地局から受信した情報に基づいてDSP905によって利得が制御される、可変利得増幅器として動作する。信号は、デュプレクサ921でフィルタされ、場合によってはアンテナカプラ935に送られ、インピーダンスが合わされて、最大パワーでの送信が実現される。最後に信号はアンテナ917から現地の基地局へ送信される。受信機における最後のステージの利得を制御するために、自動利得制御機構(AGC)が提供されてもよい。信号は、そこからリモートの電話機と伝送される。当該リモートの電話機は、公衆交換電話ネットワーク(PSTN)や他の電話ネットワークに接続される、セルラ電話機や他の携帯電話機、固定電話機であってもよい。
携帯端末901に送信された音声信号は、アンテナ917を介して受信され、直ちに低ノイズアンプ(LNA)937によって増幅される。ダウンコンバータ939が搬送周波数を下げ、復調器941がRFを取り去ってデジタルビットストリームのみを残す。この信号は等価器925を通された後、DSP905によって処理される。その後、デジタル・アナログコンバータ(DAC)943が信号を変換し、その出力はスピーカ945を通じてユーザに届けられる。これらは全てメインコントロールユニット(MCU)903の制御下にある。MCU1103は、中央演算装置(CPU)によって実装されうる。
MCU903は様々な信号を受け取るが、その中にはキーボード947からの信号も含まれる。キーボード947及び/又はMCU903は、マイクロホン911など他のユーザ入力要素と共に、ユーザ入力を管理するユーザインタフェース回路を形成する。MCU903は、デバイス間近接ベースインタラクションのためのセキュリティ機構を提供するために、携帯端末901の少なくとも一部の機能をユーザが制御し易いようにするユーザインターフェース・ソフトウェアを実行する。MCU903はまた、表示命令や切り替え命令をディスプレイ907や音声出力切り替えコントローラにそれぞれ提供する。さらにMCU903は、DSP905と情報の交換を行い、搭載されている場合があるSIMカード949やメモリ951へアクセスすることも可能である。さらにMCU903は、端末によって必要な各種の制御機能を実行する。DSP905は、実装に応じて、音声信号についてのよく知られた各種のデジタル処理機能を実行してもよい。さらにDSP905は、マイクロホン911によって検出された信号から周辺環境の背景ノイズレベルを決定し、携帯端末901のユーザの声が自然に聞こえるようにマイクロホン911のゲインのレベルを設定する。
CODEC913は、ADC923及びDAC943を含む。メモリ951は、着信音データを含む様々なデータを格納し、また例えばグローバルなインターネットを介して受信した音楽データなどの他のデータを格納する能力を有する。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリやフラッシュメモリ、レジスタなど、技術分野で知られたいかなる形態の書き込み可能な記憶媒体に存在してもよい。メモリデバイス951は、単一のメモリ、CD、DVD、ROM、RAM、EEPROM、光記憶装置、磁気ディスク記憶装置、フラッシュメモリ記憶装置など、デジタルデータを記憶する能力を有する不揮発性のいかなる記憶媒体であってもよい。
オプションで搭載される場合があるSIMカード949は、例えば、セルラ電話機の番号やキャリアによって提供されたサービス、加入情報の詳細なセキュリティ情報などの重要な情報を担持する。SIMカード949の主要な役目は、無線ネットワークにおいて移動端末901を識別することである。カード949はまた、個人の電話帳やテキストメッセージ、ユーザ固有の携帯端末設定を格納するためのメモリも備える。
加えて、センサモジュール953は種々のセンサを備えていてもよい。こうしたセンサは例えば、携帯電話などの携帯端末901や携帯端末901のユーザ、携帯端末901及び/又はそのユーザの環境、又はこれらの組合せに関連する種々のデータを取込む位置センサや速度センサ、オーディオセンサ、イメージセンサ、輝度センサ、バイオメトリクスセンサ、種々の生理学的センサ、方位センサ等でもよい。こうしたデータは、携帯端末901の1つ又は複数のコンポーネント及び/又はモジュール、及び/又は、携帯端末901の外部にある1つ又は複数のエンティティによって収集、処理、格納、及び/又は共有されてもよい。
本発明を種々の実施形態や実装例を用いて説明してきたが、本発明の範囲はそのように限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲に包含される多くの明らかな変形や均等な構成を包含する。本発明の特徴は特許請求の範囲における特定の組合せで表現されるが、こうした特徴はあらゆる組合せ及び順序で構成されうると考えられる。