以下、一実施形態を説明する。
なお、以下の説明では、「abcテーブル」の表現にて情報を説明することがあるが、情報は、テーブル以外のデータ構成で表現されていてもよい。データ構成に依存しないことを示すために「abcテーブル」のうちの少なくとも1つを「abc情報」と呼ぶことができる。
また、以下の説明では、「プログラム」を主語として処理を説明する場合があるが、プログラムは、プロセッサ(例えばCPU(Central Processing Unit))によって実行されることで、定められた処理を、適宜に記憶資源(例えばメモリ)及び/又は通信インターフェースデバイス(例えば通信ポート)等を用いながら行うため、処理の主語がプロセッサとされてもよい。プログラムを主語として説明された処理は、プロセッサあるいはそのプロセッサを有する装置が行う処理としてもよい。また、プロセッサは、処理の一部または全部を行うハードウエア回路を含んでもよい。プログラムは、プログラムソースから計算機のような装置にインストールされてもよい。プログラムソースは、例えば、プログラム配布サーバまたは計算機が読み取り可能な記憶メディアであってもよい。プログラムソースがプログラム配布サーバの場合、プログラム配布サーバはプロセッサ(例えばCPU)と記憶資源を含み、記憶資源はさらに配布プログラムと配布対象であるプログラムとを記憶している。そして、プログラム配布サーバのプロセッサが配布プログラムを実行することで、プログラム配布サーバのプロセッサは配布対象のプログラムを他の計算機に配布する。
また、管理システムは、一以上の計算機で構成されてよい。具体的には、例えば、管理計算機が情報を表示する場合(具体的には、管理計算機が自分の表示デバイスに情報を表示する、或いは、管理計算機が表示用情報を遠隔の表示用計算機に送信する場合)、管理計算機が管理システムである。また、例えば、複数の計算機で管理計算機と同等の機能が実現されている場合は、当該複数の計算機(表示を表示用計算機が行う場合は表示用計算機を含んでよい)が、管理システムである。計算機への情報の入力や、計算機からの情報の出力は、計算機が有する入出力デバイスにより行われてよい。入出力デバイスの例としては、表示デバイス、キーボード及びポインティングデバイスが考えられるが、これらのうちの少なくとも1つに代えて又は加えて別のデバイスが採用されてよい。また、入出力デバイスの代替として、シリアルインターフェースデバイスやイーサーネットインターフェースデバイス(イーサネットは登録商標)が採用され、そのようなインターフェースデバイスに、表示デバイスとキーボード及びポインタデバイスとを有する表示用計算機が接続され、計算機が表示用情報を表示用計算機に送信したり、計算機が入力用情報を表示用計算機から受信したりすることで、情報の出力(例えば表示)及び入力が行われてよい。本実施形態では、管理サーバ557が管理計算機であり、管理クライアント555が表示用計算機である。
また、以下の説明において、「エレメント」とは、計算機システムの構成要素を意味し、具体的には、計算機システムを構成する複数のノード(装置)の各々、及び、各ノードが有する複数のコンポーネントの各々の総称である。ノードとして、物理的なノード(例えばネットワークスイッチ)もあれば論理的なノード(例えば仮想マシン)もある。同様に、コンポーネントとして、物理的なコンポーネント(例えばマイクロプロセッサ)もあれば論理的なコンポーネント(例えばLDEV(論理ボリューム))もある。
また、以下の説明において、エレメントの「関連エレメント」(エレメントに関連するエレメント)とは、エレメントに直接的又は間接的にリンクしたエレメントである。エレメントに関連エレメントが「直接的に」リンクしている場合、エレメントと関連エレメントの間に他のエレメントが介在せず、エレメントに関連エレメントが「間接的に」リンクしている場合、エレメントと関連エレメントの間に他の1以上のエレメントが介在する。エレメントよりも上位の関連エレメントを、「上位関連エレメント」と言うことができ、エレメントよりも下位の関連エレメントを、「下位関連エレメント」と言うことができる。また、上位関連エレメントのうち、エレメントに直接的にリンクしている関連エレメントを「親エレメント」と言うことができ、下位関連エレメントのうち、エレメントに直接的にリンクしている関連エレメントを「子エレメント」と言うことができる。なお、「上位/下位」や「親/子」の概念は、ユーザが何を管理(例えば監視)する立場であるかによって変化する場合があり、また省略されてもかまわない。例えば、関連が、サーバとストレージシステムとのFC(Fibre Channel)スイッチを介した「接続関係」の場合、単に接続されているというレベルで見ればサーバとストレージシステムはどちらが上位や親かは一意に定まるものではなく、ユーザの立場によってサーバを上位と考えるか、ストレージシステムを上位と考えるか、又は上下という概念を持ち込まないかが決まってよい。反対に、関連が、包含(例えばノードがコンポーネントを含む)場合は、ノードの下位(又は子)はコンポーネントであるという概念はユーザの立場によらず共通である場合が多い。
また、以下の説明では、エレメントの識別情報として、名前或いはIDが使用されるが、それらは相互に置換可能であってもよいし、それらのうちの少なくとも1つに代えて又は加えて他種の識別情報が使用されてもよい。
また、以下の説明では、計算機システムの管理画面としてのGUI(Graphical User Interface)に対してユーザ(例えば管理者)が入力デバイスを使用して行う操作を、「ユーザ操作」と言う。ユーザ操作に使用される入力デバイスは、一般に、ポインティングデバイス或いはタッチスクリーンである。
まず、本実施形態の概要を説明する。
近年、例えば下記のうちの少なくとも1つが要因となり、計算機システムは大規模化及び複雑化している。
(*)計算機システムでハンドルする処理が大規模化する。
(*)クラウドサービスのように多数の処理が計算機システムによって実行される。
(*)計算機システム内のノードのタイプが増えた。
(*)ノードの内部構成が複雑になり、ノードを構成するコンポーネント(例えば論理的なコンポーネント及び物理的なコンポーネント)のタイプが増え、さらにこれらを管理する必要が出てきた。
(*)仮想化技術(例えば、サーバ仮想化、ネットワーク仮想化、ストレージ仮想化、データセンタ仮想化)が浸透し、装置の分割や集約が可能となった。
(*)デプロイ及びマイグレーション技術が進歩している。
ここで「大規模化」とは、計算機システムを構成するノード、当該ノードのコンポーネントといった、計算機システム内の管理対象となるエレメントの数が増えたことを指す。また、「複雑化」とは、管理対象エレメントのタイプが増加することによりエレメント間の関係がM:1、1:N、M:Nの関係となること(M及びNはそれぞれ2以上の整数)、M及びNのうちの少なくとも1つの値が大きくなること、及び、エレメント間の関係が時々刻々と変化すること、のうちの少なくとも1つを指す。
一方で、一般的なトポロジー表示技術では、表示対象のエレメントの表示オブジェクトが全て表示され、また、エレメント間の関係を表すために表示オブジェクト間に線が表示される。しかしながら、大規模化及び複雑化した計算機システムで一般的なトポロジー表示技術を適用すると、ユーザは効率よく問題状態であるエレメントを迅速に把握し、その分析のために関係するエレメントの状態を把握することができない。理由は、下記のうちの少なくとも1つに該当する。
(A)大規模化した場合、表示される表示オブジェクトの数が増えすぎてしまい、それにより、作業効率が低下する。例えば、1画面に全エレメントの表示オブジェクトを表示しようとすれば、個々のエレメントの表示オブジェクトのサイズが小さくなる。一方、個々の表示オブジェクトの大きさを維持すれば、1画面に全エレメントの表示オブジェクトが入りきらず、ユーザは、画面スクロールを駆使しながらエレメント間の関係を把握する必要がり、煩わしい。
(B)エレメントタイプが増加した場合、表示オブジェクトの形及び色の少なくとも1つによりエレメントタイプを区別させることに限界が生じる。現実問題として、表示オブジェクトのサイズが大き過ぎると、1画面に表示できる表示オブジェクト数が少なくなってしまうが、サイズの小さなアイコンで多数のエレメントタイプを表現すると、ユーザはよりそのアイコンを注視しないとアイコンの形状が区別できないため、作業効率が悪くなる。
(C)複雑化及び大規模化により、表示オブジェクト、及び、表示オブジェクト間の関係線が、多数描画される。このため、エレメント間の関係が把握できなくなる。
(D)仮に管理システムがトポロジー表示を見やすくするために、エレメントの関係を考慮して、できるだけ関係線の重複が無いように表示オブジェクトを画面配置できるとする。しかし、エレメント間の関係が時系列変化した場合、この機能(表示オブジェクトの配置位置を調整する機能)によって、エレメント間の関係の変化前後で、表示オブジェクトの画面上の配置が異なってしまう。その結果、ユーザは、効率よく所望の表示オブジェクトを画面から探し出すことができない。
以上の通り、システムが大規模化及び複雑化すると管理システムの視認性が悪くなる。これに伴って、障害発生時に行われていた障害根本原因の推定も難しくなる。そこで、本実施形態では、種々あるエレメントの状態を表現する画面の中から、エレメント一覧という観点の画面と、エレメントのトポロジーという観点の画面を関連付けし、一方の観点の画面から他方の観点の画面への遷移(切り替え)を可能とすることにより、ユーザの行う障害発生箇所の確認から絞り込み・障害影響範囲までの一連の作業をUIでシームレスに行うことができるようになる。これにより、ユーザの行う障害根本原因の分析や推定を容易にする。
図1は、本実施形態の概要を示す。
計算機システムでは、複数のエレメントタイプが階層関係を有していて、計算機システムを構成する複数のエレメントは、エレメントタイプの階層に沿ってツリー状に関連付けられている。本実施形態では、そのような構成に着目し、計算機システムの管理観点として、エレメントタイプの階層に沿ってツリー状になったエレメントのE2E(End-to-End)全体トポロジー(空間)52という観点と、E2E全体トポロジー(空間)52を複数のエレメントタイプのそれぞれについて区切ることにより得られた複数のエレメントタイプ面(断面)51A、51B、51C、…という観点が採用されている。エレメントタイプ面51A、51B、51C、…の各々は、エレメントタイプのエレメント一覧に相当する。
例えば、エレメントタイプ面51Aが、エレメントタイプ「VM」(VMは仮想マシンの略)に対応しており、管理システムが、複数のエレメントタイプからエレメントタイプ「VM」の選択を受け付けたとする。この場合、管理システムが、選択されたエレメントタイプ「VM」のエレメント一覧を表示する。エレメント一覧は、選択されたエレメントタイプ「VM」に属するエレメント(つまりVM)の一覧である。管理システムは、そのエレメント一覧からエレメント「VM#81」及び「VM#82」(例えば、障害が発生しているエレメント)の選択を受け付けた場合、E2E全体トポロジー52から、選択されたエレメント「VM#81」及び「VM#82」に関連するエレメントを特定し(つまりエレメントの絞り込みを実行し)、選択されたエレメントと特定された関連エレメントとで構成されたトポロジーであるE2E部分トポロジーを表示する。
このように、本実施形態では、エレメントタイプのエレメント一覧から、障害が発生したエレメントのような特定のエレメント(以下、「キーエレメント」と言うことがある)という視点で絞り込みに見当をつけ、その後、表示が、キーエレメントに関連するエレメントを含んだE2E部分トポロジーに自動的に遷移する。このため、ユーザ(例えば管理者)は、エレメントの選択、及び、選択されたエレメントの絞り込みの結果の確認(例えば、障害の影響範囲の確認)という一連の作業を、UIでシームレスに行うことができる。UIの視認性が向上し、障害原因分析等の管理の容易化につながる。
管理システムは、エレメント一覧からE2E部分トポロジーへの遷移(切替え)だけでなく、E2E部分トポロジーからエレメント一覧(E2E部分トポロジーから選択されたエレメントのエレメントタイプのエレメント一覧)への遷移も、E2E部分トポロジーから別のE2E部分トポロジー(E2E部分トポロジーから選択されたエレメントに関連するエレメントを含んだE2E部分トポロジー)への遷移も実行できる。
以下、本実施形態を詳細に説明する。
図2は、実施形態に係る計算機システム及び管理システムの構成を示す。
計算機システム100は、1以上のホスト553と、1以上のホスト553に接続された1以上のストレージシステム551とを含む。ストレージシステム551には、例えば、通信ネットワーク521(例えばSAN(Storage Area Network)又はLAN(Local Area Network))を介してホスト553が接続される。
ストレージシステム551は、物理記憶デバイス群563と、物理記憶デバイス群563に接続されたコントローラ561とを有する。
物理記憶デバイス群563は、1以上のPG(Parity Group)を有する。PGは、RAID(Redundant Array of Independent (or Inexpensive) Disks)グループと呼ぶこともある。PGは、複数の物理記憶デバイスで構成されており、所定のRAIDレベルに従いデータを記憶する。物理記憶デバイスは、例えば、HDD(Hard Disk Drive)或いはSSD(Solid State Drive)である。
ストレージシステム551は、複数の論理ボリュームを有する。論理ボリュームとしては、PGに基づく実体的な論理ボリューム(実ボリューム)565もあれば、シンプロビジョニング或いはストレージ仮想化技術に従う仮想的な論理ボリューム(仮想ボリューム)567もある。1つのストレージシステム551が必ずしも複数種類の論理ボリュームを有さないでよい。例えば、ストレージシステム551は、論理ボリュームとして、実ボリューム565のみを有してもよい。シンプロビジョニングに従う仮想ボリュームにはプールから記憶領域が割り当てられる。プールは、1以上の物理記憶デバイス(例えばPG)に基づく記憶領域群であり、例えば、1以上の論理ボリュームの集合でよい。プールは、シンプロビジョニングに従う仮想ボリュームに割り当てられる記憶領域を有するプールに代えて、オリジナルの論理ボリュームとそのスナップショットとの差分が格納されるプールでもよい。
コントローラ561は、複数のデバイス、例えば、ポート、MPB(1又は複数のマイクロプロセッサ(MP)を有するブレード(回路基板))及びキャッシュメモリを有している。例えば、ポートが、ホスト553からI/O(Input/Output)コマンド(ライトコマンド又はリードコマンド)を受信し、MPBが有するMPが、そのI/Oコマンドに従うデータのI/Oを制御する。具体的には、例えば、MPは、受信したI/OコマンドからI/O先の論理ボリュームを特定し、特定した論理ボリュームに対してデータのI/Oを行う。論理ボリュームに対してI/Oされるデータは、一時的に、キャッシュメモリに格納される。
ホスト553は、物理計算機でも仮想計算機でもよい。ホスト553で、1以上のアプリケーションプログラム(APP)552が実行される。APP552が実行されることにより、論理ボリュームを指定したI/Oコマンドがホスト553からストレージシステム551に送信する。
以上のように、計算機システム100は、階層的な複数のエレメントを有する。複数のエレメントは、具体的には、APP552、ホスト553、ストレージシステム551、コントローラ561、ポート、MPB、キャッシュメモリ、論理ボリューム及びPG等のうちの2つのエレメントタイプ以上のエレメントを含む。同じレイヤの複数のエレメントがグループ化されることでそのレイヤのエレメントより上位レイヤのエレメントが定義されてもよい。「エレメント」は、APPや論理ボリュームのような実体的なエレメントと、複数の実体的なエレメントのグループである仮想的なエレメントとがあってよい。
管理システムは、管理サーバ557と、管理サーバ557に接続された1以上の管理クライアント555とを含む。管理サーバ557には、通信ネットワーク(例えばLAN、WAN(World Area Network)又はインターネット)521を介して、管理クライアント555が接続される。
管理クライアント555は、入力デバイス501、表示デバイス502、記憶デバイス(例えばメモリ)505、通信インターフェースデバイス(以下、I/F)507、及び、それらに接続されたプロセッサ(例えばCPU(Central Processing Unit))503を有する。入力デバイス501は、例えば、ポインティングデバイス及びキーボードである。表示デバイス502は、例えば、情報が表示される物理画面を有するデバイスである。入力デバイス501及び表示デバイス502が一体となったタッチスクリーンが採用されてもよい。I/F507は、通信ネットワーク521に接続され、I/F507を介して、管理クライアント555は管理サーバ557と通信することができる。なお、通信ネットワーク521と、ホスト553とストレージシステム551と、を接続するネットワークとは一部または全てが共通であってもよい。
記憶資源505は、例えば、主記憶デバイス及び補助記憶デバイスのうちの少なくとも主記憶デバイス(典型的にはメモリ)を有する。記憶資源505は、プロセッサ503で実行されるコンピュータプログラム、及び、プロセッサ503に使用される情報を記憶することができる。具体的には、例えば、記憶資源505は、Webブラウザ511、及び、管理クライアントプログラム513を記憶する。管理クライアントプログラム513は、RIA(Rich Internet Application)でよい。具体的には、例えば、管理クライアントプログラムは、プログラムファイルであり、管理サーバ557(或いは他の計算機)からダウンロードされ、記憶資源505に記憶されてよい。
管理サーバ557は、記憶資源535、I/F537、及び、それらに接続されたプロセッサ(例えばCPU(Central Processing Unit))533を有する。I/F537は、通信ネットワーク521に接続され、I/F537を介して、管理サーバ557は管理クライアント555と通信することができる。管理サーバ557は、I/F537を介して、ユーザ操作に従う指示を受信したり、レイアウト領域に表示オブジェクトを描画したりすることができる。このため、I/F537は、I/Oインターフェースデバイスの一例である。なお、ここで言う「レイアウト領域」とは、表示オブジェクトが描画され得る領域である。レイアウト領域の全部又は一部の範囲が、Webブラウザ511(又は管理クライアントプログラム513)によって表示されるフレーム(例えばウィンドウ)での表示範囲である。表示オブジェクトが描画されたレイアウト領域の、上記フレーム内における表示イメージ(表示オブジェクトを含む)を、表示画面又はGUI画面と言うことができる。レイアウト領域に描画されたオブジェクトのうち、表示範囲に重なるオブジェクトが、表示デバイス502の物理画面上に表示される。このため、レイアウト領域にオブジェクトを描画することは、実質的に、オブジェクトを表示することの一例である。
記憶資源535は、例えば、主記憶デバイス及び補助記憶デバイスのうちの少なくとも主記憶デバイス(典型的にはメモリ)を有する。記憶資源535は、プロセッサ533で実行されるコンピュータプログラム、及び、プロセッサ533に使用される情報を記憶することができる。具体的には、例えば、記憶資源535は、管理サーバプログラム541及び管理テーブル群543を記憶する。管理テーブル群543は、計算機システムが有する複数のエレメントの階層関係(構成情報)や、各エレメントの障害情報等を含む。管理テーブル群543の少なくとも一部の情報は、管理サーバプログラム541により収集されてもよいし、情報を保有する他の管理システムにアクセスすることで取得してもよい。管理サーバプログラム541は、ユーザ操作に従う指示を管理クライアント555から受信したり、レイアウト領域に描画される情報を管理クライアント555に送信したりする。
管理サーバプログラム541と、Webブラウザ511(またはクライアントのRIA実行環境)と、管理クライアントプログラム513と、の連携処理によって、ユーザ操作に応じたGUI画面表示が実現される。管理サーバプログラム541が、画面を作成し、作成した画面の表示用情報を管理クライアントプログラム513に提供し、管理クライアントプログラム513が、その表示用情報を基に画面を表示してもよいし、画面作成処理の一部(例えば描画処理)が管理サーバプログラム541から管理クライアントプログラム513にオフロードされてもよい。連携の例としては以下がある。説明の簡略化のために、本実施例において(連携例2)が採用される場合を説明するが、連携例1にも適用可能であることは言うまでもない。
(連携例1)管理サーバプログラム541が、管理テーブル群543が有する情報の少なくとも一部を、Webブラウザ511(又は管理クライアントプログラム513)に送信し、それを、Webブラウザ511(又は管理クライアントプログラム513)が一時情報として記憶資源505に格納する。Webブラウザ511(又は管理クライアントプログラム513)が、ユーザ操作に従う指示と一時情報とを基に、レイアウト領域に表示オブジェクトを描画する(例えば、表示オブジェクトを新規描画、拡大又は縮小する)。
(連携例2)管理サーバプログラム541が、表示画面に対するユーザ操作に従う指示をWebブラウザ511(又は管理クライアントプログラム513)から受け、その指示と管理テーブル群543とを基に表示オブジェクトの表示用情報を作成し、その表示用情報を送信する。Webブラウザ511(又は管理クライアントプログラム513)は、表示用情報を受信し、その表示用情報に従い表示オブジェクトをレイアウト領域に描画する。つまり、端的に言えば、管理サーバプログラム541が、レイアウト領域に表示オブジェクトを描画する。Webブラウザ511(又は管理クライアントプログラム513)は、GUI画面に対するユーザ操作がされたら、そのユーザ操作に従う指示を管理サーバプログラム541に送信する。
以下、冗長な説明を避けるために、表示の制御は管理サーバプログラム541により行われるとする。
図3は、E2E全体トポロジーの構成の一例を示す。
複数のレイヤとして、例えば、上位レイヤから順に、Business、LAN、Servers、SAN及びStoragesがある。1番目のレイヤ(最上位レイヤ)「Business」に属するエレメントタイプは、「Customer」及び「APP」である。エレメントタイプ「Customer」に属するエレメントは、「Company」(計算機システム100内のエレメント(仮想マシン(VM))を使用する企業)であり、エレメントタイプ「APP」に属するエレメントは、「APP」(VM又は物理マシンのようなホストで実行されるAPP)である。2番目のレイヤ「LAN」に属するエレメントタイプは、「IP-SW」であり、エレメントタイプ「IP-SW」に属するエレメントは、「IP-SW」(LANにおけるIPスイッチ)である。3番目のレイヤ「Servers」に属するエレメントタイプは、「VM」、「HV」及び「DS」である。エレメントタイプ「VM」に属するエレメントは、「VM」(ホストで実行される仮想マシン)であり、エレメントタイプ「HV」に属するエレメントは、「HV」(1又は複数の仮想マシンを制御しホストで実行されるハイパバイザ)であり、エレメントタイプ「DS」に属するエレメントは、「DS」(データストア)である。データストアは、ハイパバイザから記憶デバイスとして認識されるエレメントである。4番目のレイヤ「SAN」に属するエレメントタイプは、「FC-SW」であり、エレメントタイプ「FC-SW」に属するエレメントは、「FC-SW」(SANにおけるFC(Fibre Channel)スイッチ)である。5番目のレイヤ「Storages」に属するエレメントタイプは、「Storages」であり、エレメントタイプ「Storages」に属するエレメントは、「Storage」(ストレージシステム)である。エレメントタイプ「Storages」に含まれるエレメントタイプとして、ストレージシステムにおける複数のコンポーネントタイプ、例えば、「Port」、「LDEV」、「MP」、「Pool」、「PG」及び「Cache」がある。エレメントタイプ「Port」に属するエレメントは、「Port」(FCスイッチに接続され仮想マシンからI/Oコマンドを受け付ける通信ポート)である。エレメントタイプ「LDEV」に属するエレメントは、「LDEV」(論理ボリューム(実ボリューム又は仮想ボリューム))である。エレメントタイプ「MP」に属するエレメントは、「MP」(マイクロプロセッサ)である。エレメントタイプ「Pool」に属するエレメントは、「Pool」(仮想ボリュームにシンプロビジョニングに従い割り当てられる実領域を含んだ記憶領域)である。エレメントタイプ「PG」に属するエレメントは、「PG」(パリティグループ)である。エレメントタイプ「Cache」に属するエレメントは、「Cache」(論理ボリュームに入出力されるデータが一時的に記憶されるキャッシュメモリ)である。
図3に示したようなトポロジー構成は、管理テーブル群543が表す構成情報から特定される構成である。1又は複数のエレメントタイプが1つのレイヤに属してもよい。同一エレメントタイプの2以上のエレメントにより1つのグループが構成されてもよく、その場合、1つのエレメントタイプについて異なる複数のグループが存在し、グループ毎に、そのエレメントタイプの1以上のエレメントが存在してもよい。つまり、「レイヤ」は、異なるエレメントタイプの集約であり、「グループ」は、同一エレメントタイプでの異なるエレメントの集約である。レイヤ及びグループのうちの少なくとも一方がユーザにより定義されてもよい。
以下、図4〜図9を参照して、管理テーブル群543に含まれるテーブルの一例を説明する。
図4は、エレメントテーブルの一例を示す。
エレメントテーブル400は、エレメントに関する情報を有する。エレメントテーブル400は、例えば、エレメント毎にレコードを有する。各レコードが、エレメントID、エレメント名、エレメントタイプ、レイヤ名(エレメントのエレメントタイプが属するレイヤの名前)、及び、エレメント詳細を有する。エレメント詳細とは、エレメントに関する詳細な情報であり、例えば、エレメントが属するグループのタイプと名前、エレメント(例えばPG)の記憶容量等がある。エレメント詳細の内容は、エレメントのエレメントタイプ等によって様々でよい。
図5は、関連エレメントテーブルの一例を示す。
関連エレメントテーブル500は、エレメント同士の関連を表す。例えば、関連エレメントテーブル500は、エレメント毎にレコード有し、各レコードは、エレメントID及び子エレメントID(エレメントの子エレメントのID)を有する。管理サーバプログラム541は、選択されたエレメントのIDを用いて、関連エレメントテーブル500から、選択されたエレメントの関連エレメントを特定できる。例えば、管理サーバプログラム541は、選択されたエレメントのIDをエレメントIDとして有するレコードを基点に関連エレメントテーブル500から特定されるレコードから、下位関連エレメントを特定でき、選択されたエレメントのIDを子エレメントIDとして有するレコードを基点に関連エレメントテーブル500から特定されるレコードから、上位関連エレメントを特定できる。関連エレメントテーブル500の各レコードは、子エレメントIDに代えて又は加えて親エレメントIDを有していてもよい。
図6は、カスタマーテーブルの一例を示す。
カスタマーテーブル600は、エレメントとカスタマーの関係を表す。例えば、カスタマーテーブル600は、エレメント毎にレコード有し、各レコードは、エレメントID及びカスタマーID(エレメントに関連付けられたカスタマーのID)を有する。
図7は、イベントテーブルの一例を示す。
イベントテーブル700は、発生したイベントに関する情報を有する。イベントテーブル700は、例えば、イベント毎にレコードを有する。各レコードが、エレメントID(イベントが発生したエレメントのID)、イベントタイプ、発生時刻、及び、メッセージID(イベントのメッセージのID)を有する。イベントタイプとしては、例えば、警告(例えば比較的軽い障害)又はエラー(例えば比較的重い障害)がある。
図8は、カスタマー詳細テーブルの一例を示す。
カスタマー詳細テーブル800は、カスタマーに関する情報を有する。カスタマー詳細テーブル800は、例えば、カスタマー毎にレコードを有する。各レコードが、カスタマーID、カスタマー名、グレード(カスタマーの優先度)、電話番号、及び、メールアドレスを有する。
図9は、画面遷移テーブルの一例を示す。
画面遷移テーブル900は、画面(具体的には、後述のメインエリア上のビュー)の履歴に関する情報を有する。画面遷移テーブル900は、例えば、画面毎にレコードを有する。各レコードが、画面履歴ID、画面タイプ(例えば、「一覧」(エレメント一覧)、又は、「E2E」(E2E部分トポロジー))、キーエレメント(画面におけるキーエレメントのエレメント名)、エレメントタイプ(エレメント一覧に対応したエレメントタイプ、又は、E2E部分トポロジーにおけるキーエレメントのエレメントタイプ)、及び、グループタイプ(エレメント一覧に対応したエレメントタイプに関連付いているグループのタイプ)を有する。
以上の図4〜図9に示したテーブルを含む管理テーブル群543を基に、エレメント一覧画面からE2E部分トポロジー画面への遷移、E2E部分トポロジー画面からエレメント一覧画面への遷移、及び、E2E部分トポロジー画面から別のE2E部分トポロジー画面への遷移が制御される。以下、エレメント一覧画面及びE2E部分トポロジー画面の具体例を説明する。なお、以下の説明では、説明の冗長を避ける目的で、表示が「管理サーバ557(管理サーバプログラム541)により」行われることの記載を省略することがある。また、エレメント一覧画面及びE2E部分トポロジー画面のうちの少なくとも一方において、一画面に表示対象の全てが表示されていない場合、スクロール、拡大又は縮小等の手法により、表示されていない部分が表示されるようにできる。
図10は、エレメント一覧画面の一例を示す。
エレメント一覧画面53Aは、エレメントタイプ「VM」に属するエレメント(VM)の一覧の画面である。エレメント一覧画面53Aは、複数のVMにそれぞれ対応した複数のエレメントオブジェクト40Aと、選択条件入力欄1001Aとを有する。「エレメントオブジェクト」とは、エレメントの表示オブジェクトである。エレメントオブジェクト(及び、後述のレイヤオブジェクト及びエレメントタイプオブジェクト)は、図形、テキスト及び模様等のうちの少なくとも1つにより実現されてよく、例えば、図示のようにボックスとボックス内のテキストとの組合せで実現されてよい。選択条件入力欄1001Aには、ユーザ操作により、選択されるエレメントに関する条件が入力される。条件は、プルダウンメニュー等から選択されてもよいし、マニュアルで入力されてもよい。管理サーバプログラム541は、エレメント一覧画面53Aを介してエレメントの選択を受け付ける。エレメントの選択の受付は、マニュアルでのエレメント(エレメントオブジェクト)の選択の受付でもよいし(例えばエレメントオブジェクトに対するクリックの受付)、選択条件入力欄1001Aに対する条件の受付でもよい。後者の場合、入力された条件に該当するエレメントを管理サーバプログラム541がエレメントテーブル400等を基に選択する。例えば、VMの場合では、「警告又はエラーを生じているエレメント」というような選択条件をユーザが指定して、指定された選択条件に該当するエレメントを管理サーバプログラム541により一括選択することなどが考えられる。図10の例では、3つのエレメント「VM#01」、「VM#02」及び「VM#10」がマニュアルより選択されている(太枠)。
エレメントタイプが異なれば、エレメント一覧画面の表示内容も異なる。例えば、図11に示すように、エレメントタイプ「LDEV」のエレメント一覧画面53Bは、エレメントタイプ「LDEV」に属するエレメント(LDEV)の一覧を表示する。エレメント一覧画面53Bも、複数のエレメントオブジェクト40Bと、選択条件入力欄1001Bとを有する。図11の例によれば、選択条件入力欄1001Bに入力された条件に従いエレメントが選択されており、選択されたエレメントは、1つのエレメント「LDEV#81」だけである。すなわち、エレメント一覧画面から選択されるエレメントは、2以上でもよいし1つだけでもよい。
また、エレメントの選択は、複数のエレメントタイプのうちの一部のエレメントタイプのエレメント一覧画面からされればよく、エレメント一覧画面は、2以上のエレメントタイプにそれぞれ対応した2以上のエレメント一覧を表示してもよい。例えば、図12に示すように、エレメント一覧画面53Cは、2つのエレメントタイプ「VM」及び「LDEV」にそれぞれ対応した2つのエレメント一覧を表示する。その2つのエレメント一覧からそれぞれエレメントの選択を受け付けることができる。
以上のようなエレメント一覧画面(例えば53A、53B又は53C)から、表示を、そのエレメント一覧画面から選択されたエレメント(キーエレメント)に関連するエレメントを含んだE2E部分トポロジーの画面へと遷移することができる。例えば、管理サーバプログラム541は、エレメントが選択されている状態においてマウスの右クリックにより開かれたメニューから「E2E表示」が選択された、選択されたエレメントオブジェクトがGUI上の所定エリア(例えば後述のナビゲーションエリア)へドラッグアンドドロップされた、又は、エレメントが選択されている状態においてE2E表示ボタン(図示せず)がクリックされた、といった所定のユーザ操作を検出したときに、エレメント一覧画面からE2E部分トポロジー画面への画面遷移を実行する。
図13は、E2E部分トポロジー画面の一例を示す。
図13が示すE2E部分トポロジー画面55Aは、図10が示したエレメント一覧画面53Aからの遷移後の画面である。E2E部分トポロジー画面55Aは、エレメント一覧画面53Aから選択されたエレメント(キーエレメント)「VM#01」、「VM#02」及び「VM#10」と、キーエレメント「VM#01」、「VM#02」及び「VM#10」に関連するエレメントとにより構成されたE2E部分トポロジーを表示した画面である。
具体的には、例えば、E2E部分トポロジー画面55Aは、レイヤオブジェクト60と、エレメントタイプオブジェクト61と、エレメントオブジェクト62と、表示条件入力欄1301とを有する。
レイヤオブジェクト60は、レイヤの表示オブジェクトである。複数のレイヤにそれぞれ対応する複数のレイヤオブジェクト60が、複数のレイヤの階層に沿って配置されている。図13の例では、画面左側が上位側であり、画面右側が下位側である。
エレメントタイプオブジェクト61は、エレメントタイプの表示オブジェクトである。複数のエレメントタイプにそれぞれ対応する複数のエレメントタイプオブジェクト61が、複数のエレメントタイプの階層に沿って配置されている。複数のエレメントタイプオブジェクト61は、レイヤによって区分されている。具体的には、例えば、エレメントタイプオブジェクト61は、そのエレメントタイプオブジェクト61に対応したエレメントタイプが属するレイヤのレイヤオブジェクト60内に表示される。
エレメントオブジェクト62は、上述したようにエレメントの表示オブジェクトである。キーエレメント「VM#01」、「VM#02」及び「VM#10」とそれの関連エレメントとにそれぞれ対応する複数のエレメントオブジェクト62が、エレメントタイプによって区分されている。具体的には、例えば、エレメントオブジェクト62は、そのエレメントオブジェクト62に対応したエレメントが属するエレメントタイプのエレメントタイプオブジェクト61内に表示される。
レイヤオブジェクト60、エレメントタイプオブジェクト61及びエレメントオブジェクト62のうちの少なくともエレメントオブジェクト62の表示態様は様々である。例えば、キーエレメント「VM#01」、「VM#02」及び「VM#10」のエレメントオブジェクトの枠線は太枠である。また、障害(例えば警告又はエラー)のような特定のイベントが発生しているエレメント「Storage#01」のエレメントオブジェクト上に、イベントタイプ(例えば警告)を表すマーク1302が表示される。
E2E部分トポロジー画面55Aの表示内容を、その画面55Aに対するユーザ操作又は予め設定した条件等により、管理サーバプログラム541が制御することができる。
例えば、図14に示すように、関連エレメントを包含している関連エレメント(例えば「Storage#01」)のエレメントオブジェクト内には、包含されている全て又は一部の関連エレメントのエレメントオブジェクトとそのエレメントが属するエレメントタイプのエレメントタイプオブジェクトとが表示されてもよい。図14の例によれば、関連エレメント「Storage#01」のエレメントオブジェクト内に、2以上のエレメントタイプ(例えば「Port」」等)にそれぞれ対応した2以上のエレメントタイプオブジェクトが表示され、その2以上のエレメントタイプオブジェクト内に、関連エレメント(例えば「Port#00」等)が表示される。これにより、より詳細に、キーエレメント「VM#01」、「VM#02」及び「VM#10」の関連エレメントを把握することができる。なお、図14の例では、関連エレメントを包含する関連エレメント「Storage#01」及び「Storage#02」のうち、関連エレメント「Storage#01」を例に取って、包含されている関連エレメントのエレメントオブジェクトを表示しているが、関連エレメント「Storage#02」も同様に、包含されている関連エレメントのエレメントオブジェクトが表示されてもよい。また、包含されている関連エレメントのエレメントオブジェクトの表示の有無は、設定された所定の条件に従って決められてもよいし、関連エレメントを包含している関連エレメント毎にユーザから表示の有無の選択を受け付けることにより決められてもよい。
また、例えば、エレメントタイプ毎に表示優先度が関連付けられていて(例えば、エレメントタイプと表示優先度の関係は、管理テーブル群543内の図示しないテーブルに登録されていて)、表示優先度が所定値より低いエレメントタイプについてのエレメントタイプオブジェクト及びエレメントオブジェクトは、図15に示すように、1つの集約オブジェクト(例えば「FC-SW」)1501として縮小して表示されてよい。それにより、表示優先度が所定値以上のエレメントタイプ(例えば「Storages」)の表示オブジェクトのための表示範囲が広がり、表示優先度が所定値以上のエレメントタイプについてより多くのエレメントオブジェクトが表示可能となる。例えば、図15に示した画面55Aの方が、関連エレメント「Storage#01」についてより多くのエレメントオブジェクトが一画面に表示される。結果として、視認性を高めることができる。また、キーエレメントがより目立つようにするために、キーエレメントのエレメントオブジェクトの近傍に、キーエレメントであることを示す吹き出し(例えば「Selected」という記載のある吹き出し)1502が表示されてもよい。
また、例えば、画面55Aに表示されるエレメント(エレメントオブジェクト)又はエレメントオブジェクトの表示態様は、表示条件入力欄1301に入力された表示条件によって制御可能である。表示条件入力欄1301には、ユーザ操作により、表示条件が入力される。表示条件は、プルダウンメニュー等から選択されてもよいし、マニュアルで入力されてもよいし、あるいは入力用のバーを設けて、0〜100%の間の任意の数値を入力される形をとってもよい。図13〜図15に例示した画面55Aでは、表示条件は、「共有率:0%」、すなわち、関連エレメントの共有率=0%である。関連エレメントの「共有率」は、キーエレメントの総数に対する、その関連エレメントに関連するキーエレメントの数の割合である。具体的には、例えば、3つのキーエレメントのうちの2つのキーエレメントに関連する関連エレメントの共有率は、2/3×100≒67%である。共有率=0%は、少なくとも1つのキーエレメントに関連するエレメントは、全て、表示対象の関連エレメントに該当することを意味する。そのため、図13〜図15に例示した画面55Aでは、キーエレメント「VM#01」、「VM#02」及び「VM#10」のうちの少なくとも1つに関連する関連エレメントが表示される。
ここで、例えば、図16に示すように、表示条件として「共有率:100%」があり、その表示条件が入力されたとする。共有率=100%は、少なくとも1つのキーエレメントに関連するエレメントのうちの、全てのキーエレメントに関連するエレメントのみが、表示対象の関連エレメントに該当することを意味する。従って、図16に示すように、画面55Aに表示されるエレメントオブジェクトは、キーエレメント「VM#01」、「VM#02」及び「VM#10」の全てに関連するエレメントのエレメントオブジェクトに絞り込まれる。なお、共有率は、0か100に限らず、0以上100以下の範囲でユーザ所望の値の共有率が表示条件として入力されてもよい。
また、例えば、図17に示すように、表示条件として「多段表示」があり、その表示条件が入力されたとする。管理サーバプログラム541は、少なくとも1つのキーエレメントに関連するエレメントの各々について、共有率を算出できる。管理サーバプログラム541は、少なくとも1つのキーエレメントに関連する関連エレメントの各々のエレメントオブジェクトを、複数段階の表示態様のうちの、その関連エレメントについて算出された共有率に属する段階に対応した表示態様で表示する。例えば、表示態様は3段階であるとし、共有率が0%以上50%未満である関連エレメントのエレメントオブジェクトの背景色が、白色であり、共有率が50%以上100%未満である関連エレメントのエレメントオブジェクトの背景色が、灰色であり、共有率が100%である関連エレメントのエレメントオブジェクトの背景色が、黒色であるとする。表示態様の段階(共有率範囲)と共有率との関係は、管理テーブル群543内の図示しないテーブルに登録されてよい。また、表示態様の段階は、3より大きくても小さくてもよい。エレメントオブジェクトの表示態様の制御(強調表示制御)は、背景色の色に代えて又は加えて、背景の模様、背景色の点滅、エレメントオブジェクトのサイズ(例えば幅及び高さの少なくとも一方)、テキストのサイズ、テキストの色等の少なくとも1つの制御でよい。
本実施形態においてE2E部分トポロジー画面で多段表示が可能であることの意義は、例えば次の通りである。ユーザによるエレメント一覧の表示対象とすべきエレメントタイプの選択ミス、或いは、エレメント一覧から分析対象として選択すべきエレメントの選択ミスの生じる可能性は、計算機システムの規模又は複雑さが大きい程高いと考えられる。なぜなら、警告又はエラーとすべき条件設定が間違っていた等の原因により間違って警告又はエラーのメッセージが発生したり、複数の異なるイベントが同時期に発生したりする可能性が高まるからである。また、複数のエラーが異なる時刻にそれぞれ発生しユーザによる分析の時点では複数のエラーが発生している状態であることもあるからである。特に、2個以上の障害根本原因が存在するときにエレメントタイプ又はエレメントの選択ミスが生じる可能性は高いと考えられる。このような選択ミスは、分析でのノイズとなる。本実施形態の多段表示は、管理対象の計算機システムに特有の問題に鑑みて採用された1つの工夫である。選択ミス(ノイズ)が発生しても、間違って選択されたエレメントに関連するエレメントのエレメントオブジェクトの表示態様(共有率)は、正しく選択されるべきエレメントに関連するエレメントのエレメントオブジェクトの表示態様よりも弱いと推定できる。これにより、ユーザは、優先すべき対象の関連エレメントを特定し易い。なお、段を増やせば増やすほど、いわゆるヒートマップに近づく。検討すべきエレメントが多い場合に効果を発揮する。
さて、例えば、図18に示すように、表示条件として「共有率:50%以上」があり、その表示条件が入力されたとする。管理サーバプログラム541は、少なくとも1つのキーエレメントに関連するエレメントのうち、共有率が50%以上である関連エレメントのみ(図17の画面55Aにおいて、背景色が灰色又は黒色のエレメントオブジェクトのみ)を表示対象とする。このように、表示条件として、共有率とそれの閾値との組合せも採用できる。表示条件としては、共有率がP%未満(Pは0より大きく100以下の数値)といった条件でもよいし、共有率がQ%以上P%未満(Qは0以上であり100%未満の数値)といった条件でもよい。共有率の閾値も、ユーザ所望の値でよい。
このように、表示条件として、種々の条件を採用可能である。例えば、表示条件として、図18を参照して説明したような共有率及びその閾値と、図17を参照して説明氏した多段表示との組合せも採用可能である。例えば、表示条件が、「共有率:50%以上、且つ、多段表示」であり、表示態様は3段階ある場合、共有率が50%以上75%未満である関連エレメントのエレメントオブジェクトの背景色が、白色であり、共有率が75%以上100%未満である関連エレメントのエレメントオブジェクトの背景色が、灰色であり、共有率が100%である関連エレメントのエレメントオブジェクトの背景色が、黒色でよい。
また、例えば、図13〜18のいずれかの画面55Aに対して、詳細情報表示のためのユーザ操作が行われた場合、画面55Aが表示するE2E部分トポロジーに関する詳細が、画面55A上(又は別の表示エリア)に表示される。図19は、図13の画面55Aに対して詳細情報表示のためのユーザ操作が行われたことにより、図13の画面55A上に詳細表示ボックス1901が表示されている例である。詳細表示ボックス1901は、「カスタマー」タブ1902Aと「イベント」タブ1902Bと、詳細表示エリア1904とを有する。図19の例では、「カスタマー」タブ1902Aがユーザ操作により選択され、故に、詳細表示エリア1904に、カスタマーに関する詳細情報が表示されている。具体的には、管理サーバプログラム541が、キーエレメント「VM#01」、「VM#02」及び「VM#10」のうちの少なくとも1つに関連付けられているカスタマーとその詳細を、カスタマーテーブル600(図6参照)とカスタマー詳細テーブル800(図8参照)から特定し、特定された情報を詳細表示エリア1904に表示する。これにより、ユーザは、キーエレメントについて、カスタマーに関する詳細な情報を知ることができる。なお、詳細表示エリア1904には、キーエレメントに代えて又は加えて、関連エレメント(例えば共有率が所定値以上の関連エレメント)のカスタマーについて情報が表示されてもよい。
「イベント」タブ1902Bがユーザ操作により選択された場合、図20に示すように、詳細表示エリア1904に、イベントに関する詳細情報が表示される。具体的には、管理サーバプログラム541が、画面55Aが表示するE2E部分トポロジーについて、イベントが発生しているエレメントとそのイベントの内容とを、イベントテーブル700(図7参照)から特定し、特定された情報を詳細表示エリア1904に表示する。これにより、ユーザは、画面55Aが表示するE2E部分トポロジーについて、イベントが発生しているエレメント(例えば「Storage#01」)とイベントの内容(例えば、発生時刻、イベントタイプ等)を知ることができる。
図19及び図20に例示した詳細表示ボックス1901の表示は、E2E部分トポロジー画面に加えて(又は代えて)、エレメント一覧画面上で行われてもよい。
また、上述したように、E2E部分トポロジー画面から別のE2E部分トポロジー画面へ遷移することもできる。例えば、図13の画面55Aから、1つの関連エレメント「Storage#01」が選択され(又は複数の関連エレメントが選択され)、且つ、視点切替え要求(選択された関連エレメント「Storage#01」をキーエレメントとしたE2E部分トポロジー表示の要求)のためのユーザ操作が行われた場合、図21に示すように、別のE2E部分トポロジー画面55Bが表示される。具体的には、管理サーバプログラム541は、キーエレメント「Storage#01」に関連するエレメントを関連エレメントテーブル500(図5参照)から特定し、キーエレメント「Storage#01」と特定された関連エレメントとにより構成されたE2E部分トポロジーの画面55Bを表示する。このように、E2E部分トポロジーにおける関連エレメントからキーエレメントを選択でき(つまりキーエレメントの切替えが可能であり)、キーエレメントの切り替え後のE2E部分トポロジーが表示される。これにより、障害(例えば警告又はエラー)の影響範囲を特定し易い。なお、画面55Bにおいて、遷移前の画面55Aにおいてキーエレメントであった「VM#01」、「VM#02」及び「VM#10」の各々のエレメントオブジェクトの表示態様は、対応するエレメントが遷移前の画面55Aにおいてキーエレメントであったことを意味する表示態様(例えば破線太枠)でよい。
以上、述べたように、エレメント一覧画面からE2E部分トポロジー画面への遷移も、E2E部分トポロジー画面からエレメント一覧画面への遷移も、E2E部分トポロジー画面から別のE2E部分トポロジー画面への遷移も可能である。エレメント一覧画面及びE2E部分トポロジー画面は、例えば、GUI上のメインエリアに表示される。
図22は、GUIの全体構成の一例を示す。
GUI2200は、メインエリア2204と、複数のタブ2201と、ナビゲーションエリア2202とを有する。
メインエリア2204は、方形のエリアである。メインエリア2204の表示内容は、複数のタブ2201から選択されたタブに応じた内容である。例えば「Resources」タブが選択されている場合に、メインエリア2204において、「53 <-> 55 (<-> 55)」に従う表示、すなわち、エレメント一覧画面(53)の表示、エレメント一覧画面(53)からE2E部分トポロジー画面(55)への遷移、E2E部分トポロジー画面(55)からエレメント一覧画面(53)への遷移、E2E部分トポロジー画面(55)から別のE2E部分トポロジー画面(55)への遷移等が行われる。本実施形態では、メインエリア2204において、画面(53)に代えて画面(55)が表示される、及び、画面(55)に代えて別の画面(55)が表示されるといった態様での視点切替え(注目画面の切替え)が行われるが、画面(53)が縮小されて画面(55)が表示されるといった態様で、視点切替えが行われてもよい。
複数のタブ2201は、メインエリア2204の上辺にその上辺に沿って並んでいる。
ナビゲーションエリア2202には、メインエリア2204に画面が表示される都度に、表示された画面のアイコン2203が表示される。図22の例によれば、メインエリア2204から、エレメントタイプ「VM」のエレメント一覧画面(53)が表示され、次に、3つのVMをキーエレメントとしたE2E部分トポロジーの画面(55)が表示され、次に、1つのストレージシステムをキーエレメントとしたE2E部分トポロジーの画面(55)が表示されたことがわかる。ナビゲーションエリア2202から所望の画面のアイコン2203が選択された場合、管理サーバプログラム541は、選択されたアイコン2203の画面履歴IDをキーに画面遷移テーブル900(図9参照)を参照することで、選択されたアイコン2203に対応した画面をメインエリア2204に復元できる。
ナビゲーションエリア202は、タブ2201が並んだ方向(例えば左右方向)と直交する方向(例えば上下方向)に長いエリアであり、タブ2201が並んだ方向に沿った側(例えばGUIの左側(又は右側))に配置されている。このため、メインエリア2204のタブ2201の並びを邪魔しないこと(タブ2201が入れ子になるのを防ぐこと)、及び、タブ2201とナビゲーションエリア2202が区別されていることでユーザにワークスペース(ナビゲーションエリア2202)で作業しているという感覚を与えることが期待できる。
以下、本実施形態で行われる幾つかの処理を説明する。
図23は、切替え(一覧→E2E)処理の流れを示す。
管理サーバプログラム541は、表示要求(一覧→E2E)を受信する(S2301)。表示要求(一覧→E2E)は、エレメント一覧画面からE2E部分トポロジー画面への遷移の要求、具体的には、エレメント一覧画面で選択されたエレメント(キーエレメント)とそれの関連エレメントとにより構成されたE2E部分トポロジーの画面を表示することの要求である。その要求は、GUIに対するユーザ操作に伴う要求でよい。管理サーバプログラム541は、E2E部分トポロジー画面を表示するためにE2E表示処理(図27)を実行し(S2302)、E2E部分トポロジー画面の表示に伴いナビゲーションエリア描画処理(図31)を実行する(S2303)。なお、エレメント一覧画面で選択されるエレメントは1つでも構わないが、複数選択される場合は、エレメント間の関係の複雑度合いが増すため、より本実施例の技術的効果が顕著になる。
図24は、E2E視点切替え処理の流れを示す。
管理サーバプログラム541は、表示要求(E2E→E2E)を受信する(S2301)。表示要求(E2E→E2E)は、E2E部分トポロジー画面から別のE2E部分トポロジー画面への遷移の要求、具体的には、E2E部分トポロジー画面で選択されたエレメント(キーエレメント)とそれの関連エレメントとにより構成された別のE2E部分トポロジーの画面を表示することの要求である。その要求は、GUIに対するユーザ操作に伴う要求でよい。管理サーバプログラム541は、別のE2E部分トポロジー画面を表示するためにE2E表示処理(図27)を実行し(S2402)、E2E部分トポロジー画面の表示に伴いナビゲーションエリア描画処理(図31)を実行する(S2403)。
図25は、切替え(E2E→一覧)処理の流れを示す。
管理サーバプログラム541は、表示要求(E2E→一覧)を受信する(S2501)。表示要求(E2E→一覧)は、E2E部分トポロジー画面からエレメント一覧画面への遷移の要求、具体的には、E2E部分トポロジー画面で選択されたエレメント(キーエレメント)が属するエレメントタイプ(キーエレメントタイプ)のエレメント一覧の画面を表示することの要求である。その要求は、GUIに対するユーザ操作に伴う要求でよい。管理サーバプログラム541は、エレメント一覧画面を表示するために一覧表示処理(図26)を実行し(S2502)、エレメント一覧画面の表示に伴いナビゲーションエリア描画処理(図31)を実行する(S2503)。
図26は、一覧表示処理の流れを示す。
一覧表示処理は、表示要求(E2E→一覧)の受信(図25のS2501)、一覧表示要求の受信、又は、キーエレメントタイプの特定(図30のS3004)に応答して行われる。表示要求(E2E→一覧)は、キーエレメントタイプのエレメントタイプ名を含んでよく、一覧受信要求は、ユーザ操作等により選択されたエレメントタイプのエレメントタイプ名を含んでよい。
管理サーバプログラム541は、受信した表示要求(E2E→一覧)又は一覧表示要求を基に、エレメントタイプを特定する(S2601)。既にエレメントタイプが特定されている場合(例えば図30のS3004)、S2601はスキップされてよい。管理サーバプログラム541は、特定したエレメントタイプに属する全てのエレメントをエレメントテーブル400(図4参照)から特定する(S2602)。
管理サーバプログラム541は、特定されたエレメントについてグループが関連付けられていない場合(S2603:No)、グループが関連付けられていない各エレメントについて、エレメントオブジェクトを描画する(S2604)。特定されたエレメントにグループが関連付けられているか否かは、エレメントテーブル400のレコードにおけるエレメント詳細から判断される。
管理サーバプログラム541は、特定されたエレメントについてグループが関連付けられている場合(S2603:Yes)、各グループについて、グループオブジェクト(グループの表示オブジェクト)を描画する(S2605)。そして、管理サーバプログラム541は、グループが関連付けられている各エレメントについて、そのエレメントが属するグループのグループオブジェクトを特定し(S2606)、特定したグループオブジェクト内に、そのエレメントのエレメントオブジェクトを描画する(S2607)。図32に、エレメント一覧にグループオブジェクト3201が描画され、グループオブジェクト内にエレメントオブジェクトが描画されたエレメント一覧画面53(エレメントタイプ「VM」のエレメント一覧の画面)の例を示す。なお、グループオブジェクトの描画は、E2E部分トポロジー画面にも適用されてよい。例えば、E2E部分トポロジーにおいて、同じエレメントタイプにおける2以上の関連エレメントのグループが共通している場合、その2以上の関連エレメントにそれぞれ対応した2以上のエレメントオブジェクトは、共通のグループの表示オブジェクト(1つのオブジェクト)に描画又は集約されてもよい。
以上の一覧表示処理により、エレメントタイプのエレメント一覧が完成する。なお、一覧表示処理において、描画されるエレメントオブジェクトは、所定サイズでもよいし、エレメントオブジェクトの数に応じて、拡大、縮小又は集約されてもよい。
図27は、E2E表示処理の流れを示す。
E2E表示処理は、表示要求(一覧→E2E)の受信(図23のS2301)、表示要求(E2E→E2E)の受信(図24のS2401)、又は、図30のS3006:Yesに応答して行われる。いずれの表示要求も、選択されたエレメント(キーエレメント)のエレメント名を含んでよい。
管理サーバプログラム541は、受信した表示要求(一覧→E2E)又は表示要求(E2E→E2E)を基に、全てのキーエレメントを特定する(S2701)。既にキーエレメントが特定されている場合(例えば図30のS3006:Yes)、S2701はスキップされてよい。管理サーバプログラム541は、特定したキーエレメントの各々について、カスタマーが関連付けられていればカスタマーを特定する(S2702)。管理サーバプログラム541は、E2Eエレメント描画処理(図29)を実行する(S2703)。管理サーバプログラム541は、カスタマー情報の表示をユーザ操作により要求された場合には(或いはそのような要求無しに)、カスタマー情報を、E2E部分トポロジー画面上に描画する(S2704)。カスタマー情報は、カスタマーテーブル600(図6参照)とカスタマー詳細テーブル800(図8参照)から特定された情報でよい(例えば図19参照)。
図28は、表示条件受信処理の流れを示す。
管理サーバプログラム541は、表示条件を受信する(S2801)。表示条件は、E2E部分トポロジー画面の表示条件入力欄を通じて受信してもよいし、その画面とは別の画面から入力されてもよい。また、表示条件の入力が、共有率(又はそれの閾値)の入力の場合、表示条件は、テキストで入力されてもよいし、スライダーバーの調整により入力されてもよい。管理サーバプログラム541は、受信した表示条件(例えば共有率)を記憶資源(例えばメモリ)535に格納し(S2801)、格納した表示条件を基にE2Eエレメント描画処理(図29)を実行する(S2803)。
図29は、E2Eエレメント描画処理の流れを示す。
管理サーバプログラム541は、キーエレメントを特定し(S2901)、各キーエレメントについて、S2902及びS2903を実行する。S2902で、管理サーバプログラム541は、キーエレメントについての全ての関連エレメントを関連エレメントテーブル500から特定する。S2903で、管理サーバプログラム541は、特定した関連エレメントの関連エレメント名を、例えば、記憶資源535における記憶エリアに登録する。
管理サーバプログラム541は、記憶資源535から表示条件(例えば共有率)を特定する(S2904)。管理サーバプログラム541は、記憶資源535における記憶エリアに登録されている各関連エレメントについて、S2905及びS2906を実行する。S2905で、管理サーバプログラム541は、関連エレメントの共有率を算出する。記憶エリアには、例えば、関連エレメント毎に、その関連エレメントに関連するキーエレメントの数が登録されている。管理サーバプログラム541は、キーエレメントの総数と、記憶エリアから特定されるキーエレメント数(関連エレメントに関連するキーエレメントの数)とを基に、関連エレメントの共有率を算出する。S2906で、管理サーバプログラム541は、S2905で算出された共有率と、S2904で特定された表示条件とを基に、関連エレメントのオブジェクトの表示態様を決定し(関連エレメントを表示対象とするか否かを含む)、決定した表示態様で関連エレメントオブジェクトを描画する。S2906では、関連エレメントが表示条件に該当しない場合、表示対象(E2E部分トポロジーの構成要素)とされない。また、特定された表示条件が、例えば「多段表示」を含む場合、S2906では、関連エレメントのエレメントオブジェクトの表示態様は、その関連エレメントについて算出された共有率に応じた表示態様とされる。
なお、S2906において、描画対象の関連エレメントオブジェクトの配置先となるレイヤオブジェクト及びエレメントタイプオブジェクトのうちの少なくとも一方が、描画が未だされていないのであれば、そのオブジェクトも描画されてもよい。
図29に示す処理において、描画されるレイヤオブジェクト、エレメントタイプオブジェクト及びエレメントオブジェクトのうちの少なくとも1つは、所定サイズでもよいし、レイヤオブジェクトの数、エレメントタイプオブジェクトの数、及び、エレメントオブジェクトの数のうちの少なくとも1つに応じて、拡大、縮小又は集約されてよい。
図30は、ナビゲーションエリア2202からの画面遷移の処理の流れを示す。
管理サーバプログラム541は、画面遷移要求を受信する(S3001)。画面遷移要求は、ナビゲーションエリア2202から選択されたアイコン2203に対応する画面を表示する要求である。画面遷移要求は、選択されたアイコン2203に対応する画面履歴IDを含んでよい。管理サーバプログラム541は、画面履歴IDに対応する画面タイプ及びキーエレメントを画面遷移テーブル900(図9参照)から特定する(S3002)。
特定された画面タイプが「一覧」の場合(S3003:Yes)、管理サーバプログラム541は、S3002で特定されたキーエレメントが属するエレメントタイプ(キーエレメントタイプ)をエレメントテーブル400から特定し(S3004)、一覧表示処理(図26)を実行する(S3005)。
特定された画面タイプが「E2E」の場合(S3003:No、S3006:Yes)、管理サーバプログラム541は、S3002で特定されたキーエレメントについて、E2E表示処理(図27)を実行する(S3007)。
図30に示す処理により、ナビゲーションエリア2202から選択されたアイコン2203に対応する画面が復元される。なお、S3002で特定された画面タイプが「一覧」でも「E2E」でも無い場合、特定された画面タイプに応じた処理が行われてよい(図示せず)。
図31は、ナビゲーションエリア描画処理の流れを示す。
管理サーバプログラム541は、ナビゲーションエリア描画要求を受信する(S3101)。ナビゲーションエリア描画要求は、メインエリア2204上の画面が更新(遷移)される都度に発生してよい。管理サーバプログラム541は、更新後(遷移後)の画面の画面タイプと、その画面についてのキーエレメントを特定する(S3102)。管理サーバプログラム541は、特定した画面タイプ及びキーエレメント等を有するレコードを画面遷移テーブル900(図9参照)に追加し、且つ、更新後(遷移後)の画面に対応したアイコン(画面遷移IDが関連付いたアイコン)をナビゲーションエリア2202に描画する(S3103)。
ナビゲーションエリア2202のアイコン2203は、例えば、そのアイコン2203が選択されて画面がメインエリア2204に表示された場合、アイコン2203の追加は行われないでもよい。また、アイコン2203は、ユーザ操作により削除されてよい。アイコン2203が削除された場合、管理サーバプログラム541により、削除されたアイコン2203に対応するレコードが画面遷移テーブル900から削除されてもよい。
以上が、本実施形態で行われる幾つかの処理である。
本実施形態において、E2E部分トポロジー画面において、図33に示す態様の表示がされてもよい。具体的には、例えば以下の通りである。
一般に、トポロジーを表示する画面では、エレメント同士が、関連を意味する線で結ばれる。しかし、計算機システムの大規模化又は複雑化により、トポロジー全体を一画面に表示することはできず、表示できたとしても、結線が多くなり視認性に欠ける。
そこで、本実施形態では、エレメント一覧画面から選択されたエレメントをキーとするE2E部分トポロジーの画面が表示される。これにより、視認性が高まる。また、本実施形態では、共有率に関する条件のような表示条件によりE2E部分トポロジーに含まれる関連エレメントを絞り込んだり、エレメントをグルーピングしたりすることが可能である。これは、視認性の更なる向上に貢献する。
ここで、E2E部分トポロジー画面において、キーエレメントが関連エレメントと同列に配置されると、E2E部分トポロジーがどのような基準(キーエレメント)での絞り込みであるかや、キーエレメントと関連エレメントの関連性が分かりにくいことがあり得る。これは、キーエレメントの数が多い程影響が大きい。
そこで、図33のように、キーエレメントタイプ(キーエレメントを含んだエレメントタイプ)の表示オブジェクトが、他のエレメントタイプの表示オブジェクトと明示的に区別される。例えば、E2E部分トポロジー画面55において、キーエレメントタイプ「VM」の表示オブジェクト62Tが、他のエレメントタイプの表示オブジェクトよりも高い位置とされる。これにより、キーエレメントタイプ「VM」の表示オブジェクト62Tが、他のエレメントタイプの表示オブジェクトよりも目立つので、ユーザは、キーエレメントタイプを特定し易い。なお、キーエレメントタイプを他のエレメントタイプよりも目立たせる方法としては、表示オブジェクトの表示位置に差をつけることに代えて又は加えて、キーエレメントタイプの表示オブジェクトから他のエレメントタイプの表示オブジェクトへ結線する(図33参照)、キーエレメントタイプの表示オブジェクトを強調表示する、又はそれらの組合せを採用する等が考えられる。
以上が、本実施形態の説明である。本実施形態において、管理システムのプロセッサは、情報の入出力(例えば、GUIの表示、GUIに入力された情報の受付等)を、インターフェース部を介して行うことができる。インターフェース部は、ネットワークインターフェース(例えば上記I/F537)、入力デバイスのためのインターフェースデバイス、及び、表示デバイスのためのインターフェースデバイスのうちの少なくとも1つを含んでよい。これらのインターフェースデバイスのうちの2以上のインターフェースデバイスが一体でもよい。
以上の説明から、例えば、下記を導き出すことができる。
第1の観点。管理システムのプロセッサが、複数のエレメントタイプのうちの一部のエレメントタイプのエレメント一覧を表示し、エレメント一覧の中からエレメントの選択を受け付ける。選択は、上述したように、マニュアルによる選択でもよいし、選択条件に従う選択でもよい。管理システムのプロセッサは、エレメント一覧から選択されたエレメント(キーエレメント)とそのキーエレメントの関連エレメントとにより構成されたトポロジーを表示する。「キーエレメントの関連エレメント」は、キーエレメントの少なくとも1つに関連するエレメントでもよいし、そのうちの上記表示条件(例えば共有率:0%以外の表示条件)に適合する関連エレメントでもよい。表示されるトポロジーは、例えば上述のE2E部分トポロジーであり、そのトポロジーに含まれるエレメントがエレメントタイプで区分されている。第1の観点によれば、エレメントタイプのエレメント一覧からキーエレメントの視点で絞り込みに見当をつけ、その後、キーエレメントに関連するエレメントを含んだトポロジーが表示される。これにより、視認性が向上し、障害原因分析等の管理の容易化につながる。
第2の観点。第1の観点において、複数のエレメントタイプは、階層関係を有する。表示された一覧は、階層関係を有する複数のエレメントタイプにそれぞれ対応した複数のエレメント一覧のうちの一部である。トポロジーに含まれる関連エレメントは、一部のエレメントタイプ以外の全てのエレメントタイプのエレメントのうちの、2以上のキーエレメントに関連するエレメントを含む。トポロジーの構成は、エレメントタイプの階層関係に沿った構成である。第2の観点によれば、視認性が向上する。
第3の観点。第1又第2の観点において、トポロジーに含まれる関連エレメントは、2以上のキーエレメントの少なくとも1つに関連するエレメントのうち、その2以上のキーエレメントの全てと関連するエレメントのみである。第3の観点によれば、全てのキーエレメントに関連するエレメントの特定が容易である。
第4の観点。第1乃至第3の観点のうちのいずれかの観点において、トポロジーに含まれる関連エレメントの各々の表示態様は、その関連エレメントの共有率に依存している。関連エレメントの共有率は、キーエレメントの総数と、その関連エレメントに関連するキーエレメントの数との比率である。第4の観点によれば、選択ミス(ノイズ)が発生しても、間違って選択されたエレメントに関連するエレメントの表示態様(例えば共有率)は、正しく選択されたエレメントに関連するエレメントの表示態様と異なるので、表示されたトポロジーから、優先すべき関連エレメントを容易に特定できる。
第5の観点。第1乃至第4の観点のうちのいずれかの観点において、トポロジーに含まれる関連エレメントは、2以上のキーエレメントの少なくとも1つに関連する関連エレメントのうち共有率が所定条件を満たす関連エレメントのみである。第5の観点によれば、表示されたトポロジーから、共有率が所定条件を満たす関連エレメントを容易に特定できる。
第6の観点。第1乃至第5の観点のうちのいずれかの観点において、表示された一覧と表示されたトポロジーとのうちのいずれかに含まれるエレメントのうちの一部の特定のエレメントに関する情報(例えば、カスタマー情報又はイベント情報)を、管理システムのプロセッサが、一覧又はトポロジーと共に表示する。その情報の表示位置は、一覧画面又はトポロジー画面上でもよいし、その画面とは別の位置でもよい。第6の観点によれば、特定のエレメントに関する追加情報を見ながら分析等の管理を行うことができる。
第7の観点。第1乃至第6の観点のうちのいずれかの観点において、管理システムのプロセッサが、トポロジーにおける新たなキーエレメントの選択を受け付ける。新たなキーエレメントとは、一覧で選択されたキーエレメントのエレメントタイプ以外のエレメントタイプのエレメントであり、トポロジーに含まれているエレメントのうちのエレメントである。管理システムのプロセッサは、選択された新たなキーエレメントとその新たなキーエレメントに関連するエレメントとにより構成された別のトポロジーを表示する。第7の観点によれば、トポロジーにおいて注目したエレメントをキーエレメントとした別のトポロジーを見ることができ、以って、障害影響範囲を特定する等の管理の容易化が期待できる。
第1乃至第7の観点の少なくとも1つにおいて、一覧から選択されるキーエレメントは1つでもよい。
以上、一実施形態を説明したが、これは本発明の説明のための例示であって、本発明の範囲をこの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、他の種々の形態でも実施することが可能である。