JP5953084B2 - マイクロチップ、及び血液観測装置 - Google Patents

マイクロチップ、及び血液観測装置 Download PDF

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Description

本発明は、マイクロチップ、及び血液観測装置に関する。
血液凝固能や血小板機能などの血液観測を行うためのマイクロチップおよびそれを用いた血液観測装置として、例えば特許文献1に記載の技術がある。特許文献1には、全血もしくは多血小板血漿またはそれらの薬剤処理液から選択される第1の液体を流入させる第1の流路と、第1の流路に接続されて、第1の液体と反応しうる薬剤を含む第2の液体を流入させる第2の流路と、第1の流路と第2の流路の接続部から延設された合流流路とを内部に備えるマイクロチップであって、合流流路に、第1の液体と第2の液体を混合する攪拌子を有する撹拌部が設置されたマイクロチップおよびそれを用いた血液観測装置が開示されている。
また、特許文献2には、流路を有するマイクロ化学チップと流路に液体試料を送液する送液チューブとを接続するマイクロコネクタが開示されている。また、特許文献2では、上記流路に接続された孔が形成されたチューブ挿入部を備え、送液チューブを、上記流路に接続された孔が形成されたチューブ挿入部に形成された孔に挿入することが開示されている。
国際公開第2009−069656号パンフレット 特開2007−152151号公報
マイクロチップを用いて血液観測を行う場合、マイクロチップを血液観測装置のステージにセットする必要がある。ここで、マイクロチップは、ステージの適正な位置にセットする必要があり、マイクロチップの位置がずれると正確な観測を行うことができない。そこで、例えば特許文献1では、ステージにチップ固定用ピンを設けるとともに、マイクロチップに固定用の孔を設け、チップ固定用ピンと固定用の孔とをはめ込むよう工夫している。また、特許文献1では、上記以外の工夫として、ステージに2つの接続ノズルを設置し、この2つの接続ノズルをマイクロチップの2つの流入口に接続することを開示している。
しかしながら、チップ固定用ピンと固定用の孔とをはめ込む場合には、チップ固定用ピンと固定用の孔を、血液観測装置のステージとマイクロチップに設ける必要がある。換言すると、チップ固定用ピンや固定用の孔を省くことができれば、血液観測装置やマイクロチップをより簡易な構成とすることができる。また、2つの接続ノズルをマイクロチップの2つの流入口に接続することで、チップ固定用ピンや固定用の孔を省くことができる。但し、特許文献1では、2つの接続ノズルをマイクロチップの2つの流入口に接続する場合における、接続ノズルやマイクロチップの具体的な構成については言及されていない。
本発明は、上記した問題に鑑み、マイクロチップの位置決めを行うことができる新たな技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、以下の手段を採用する。すなわち、本発明は、少なくとも2枚の基板が貼り合わされた、血液観測を行うためのマイクロチップであって、観測対象となる血液を含む第一流体が流入する第一流入口と、上流側において前記第一流入口と接続され、前記第一流体が流れ、血栓が生成される第一流路と、前記第一流路の下流側と接続され、血栓生成後の第一流体を外部へ排出する排出口と、前記血栓生成後の第一流体の凝固を抑制する第二流体が流入する第二流入口と、前記第二流体が流れる第二流路であって、一端が前記第二流入口と接続され、他端が前記血栓生成後の第一流体が流れる第一流路と接続される第二流路と、を備え、前記第二流入口は、一方の基板を貫通する貫通孔と、この貫通孔から他方の基板内に延出した窪み部とを含み、前記マイクロチップを載置するステージから突出し、前記第二流体を吐出するノズルを収容する。
血液観測を行うためのマイクロチップとは、全血または多血小板血漿などを用いて血流と同等環境下における血液凝固および血小板による血栓生成を微量の血液を用いて効率よく正確に評価するためのものである。本発明に係るマイクロチップでは、血栓生成後の第一流体の凝固を抑制する第二流体を吐出するノズルが、マイクロチップをステージに載置する際、第二流入口に収容される。ここで、第二流入口は、一方の基板を貫通する貫通孔と、この貫通孔から他方の基板内に延出した窪み部とを含む構成であり、ノズルは、一方の基板(ステージ側の基板)を貫通するだけでなく、他方の基板内にも伸びている。そのため、第二流入口にノズルが収容されると、ステージ上で、2枚の基板の移動が同時に規制され、マイクロチップの位置決めを確実に行うことができる。また、位置決めを確実に行えることで、観測の精度が向上する。
また、一方の基板に設けた貫通孔だけの場合では、マイクロチップの厚みに多少のばらつきがあった場合、ノズルが他方の基板に接触し流体の吐出が阻害されるおそれがあるが、他方の基板に窪み部を設けることで、マイクロチップの厚みのばらつきに対応することができる。
マイクロチップは、2枚の基板が貼り合わされたものの他、既存の3枚の基板が貼り合わされたものでもよい。第一流路の流路幅は、変化を持たせることができ、これにより血栓生成を促進することができる。第一流路の内面には、血栓生成を促進するため、コラーゲンなどの血栓生成誘発剤をコーティングするようにしてもよい。
また、ノズルは、先端に向けてその外径を徐々に細く形成することができ、第二流入口の窪み部は、底部に向けてその径を徐々に細く形成することができる。これにより、ノズルを第二流入口に容易に収容することができ、また、より確実にノズルが第二流入口に固定される。そのため、接続ミスの発生を抑制でき、また、接続ミスに伴う液漏れの発生も抑制することができる。
なお、本発明に係るマイクロチップは、上述した第一流入口と第二流入口の機能を兼備える流入口を備え、この流入口が、一方の基板を貫通する貫通孔と、この貫通孔から他方の基板内に延出した窪み部とを含み、マイクロチップを載置するステージから突出し、流入口から流入する流体を吐出するノズルを収容するようにしてもよい。この場合、流入口から流入する流体は、予め抗凝固処理された血液を含む流体とすることができる。すなわち、本発明は、少なくとも2枚の基板が貼り合わされた、血液観測を行うためのマイクロチップであって、観測対象となる、抗凝固処理された血液を含む流体が流入する流入口と、上流側において前記流入口と接続され、前記流体が流れ、血栓が生成される流路と、前記流路の下流側と接続され、血栓生成後の流体を外部へ排出する排出口と、を備え、前記流入口は、一方の基板を貫通する貫通孔と、この貫通孔から他方の基板内に延出した窪み部とを含み、前記マイクロチップを載置するステージから突出し、前記流体を吐出するノズルを収容する。なお、前記流入口は、前記ノズルを収容し、前記ステージ上での前記マ
イクロチップの移動を規制するようにしてもよい。また、前記ノズルは、先端に向けてその外径が徐々に細く形成され、前記流入口の窪み部は、底部に向けてその径が徐々に細く形成されるようにしてもよい。
ここで、本発明は、上述したマイクロチップを用いて血液観測を行う血液観測装置として特定することもできる。例えば、本発明は、血液観測装置であり、少なくとも2枚の基板が貼り合わされた、血液観測を行うための上述したマイクロチップを載置するステージと、前記ステージから突出し、血栓生成後の第一流体の凝固を抑制する第二流体を吐出するノズルであって、前記第二流入口に収容されるノズルと、を備える。
本発明に係る血液観測装置では、ノズルがステージより突出しており、第二流入口に収容される。そして、上述したように、このノズルは、一方の基板(ステージ側の基板)を貫通するだけでなく、他方の基板内にも伸びている。そのため、第二流入口にノズルが収容されると、2枚の基板の移動を同時に規制することができ、マイクロチップの位置決めを確実に行うことができる。また、位置決めを確実に行えることで、観測の精度が向上する。
ここで、ノズルが第二流入口に収容された状態では、第二流入口を中心としたマイクロチップの回転移動は許容される。そこで、前記ステージから突出し、前記マイクロチップの側部と接することで、前記第二流入口とともに、前記ステージ上での前記マイクロチップの移動を規制する、位置決め補助部を更に備える構成としてもよい。これにより、マイクロチップの回転移動を規制することができ、より確実に位置決めを行うことができる。
なお、上述したように、ノズルは、先端に向けてその外径を徐々に細く形成することができる。これにより、ノズルを第二流入口に容易に収容することができ、また、より確実にノズルが第二流入口に固定される。そのため、接続ミスの発生を抑制でき、また、接続ミスに伴う液漏れの発生も抑制することができる。
また、血液観測装置は、上述した予め抗凝固処理された血液を含む流体が流入する流入口を備えるマイクロチップを用いて血液観測を行うものでもよい。すなわち、本発明は、少なくとも2枚の基板が貼り合わされた、血液観測を行うためのマイクロチップを用いて血液観測を行う血液観測装置であって、前記マイクロチップは、観測対象となる、抗凝固処理された血液を含む流体が流入する流入口と、上流側において前記流入口と接続され、前記流体が流れ、血栓が生成される流路と、前記流路の下流側と接続され、血栓生成後の流体を外部へ排出する排出口と、を備え、前記流入口は、一方の基板を貫通する貫通孔と、この貫通孔から他方の基板内に延出した窪み部とを含み、前記マイクロチップを載置するステージから突出し、前記流体を吐出するノズルを収容し、前記血液観測装置は、前記マイクロチップを載置するステージと、前記ステージから突出し、前記流体を吐出するノズルであって、前記流入口に収容されるノズルと、を備える。
本発明に係る血液観測装置は、前記ステージから突出し、前記マイクロチップの側部と接することで、前記流入口とともに、前記ステージ上での前記マイクロチップの移動を規制する、位置決め補助部を更に備える構成でもよい。また、前記ノズルは、先端に向けてその外径が徐々に細く形成されているものでもよい。
本発明によれば、マイクロチップの位置決めを行うことができる新たな技術を提供することができる。
第一実施形態に係るマイクロチップの第一基板の平面図を示す。 第一実施形態に係るマイクロチップの第二基板の平面図を示す。 第一基板と第二基板を貼り合わせた、実施形態に係るマイクロチップの平面図を示す。 図1CにおけるA−A断面図を示す。 図1CにおけるB−B断面図を示す。 第一実施形態に係る血液観測装置の構成を示す。 ノズルと第二流入口との接続を説明する図を示す。 変形例に係るノズルと第二流入口との接続を説明する図を示す。 第二実施形態に係るマイクロチップの第一基板の平面図を示す。 第二実施形態に係るマイクロチップの第二基板の平面図を示す。 第一基板と第二基板を貼り合わせた、実施形態に係るマイクロチップの平面図を示す。 図5CにおけるA−A断面図を示す。 第二実施形態に係る血液観測装置の構成を示す。 第二実施形態において、ノズルと流入口との接続を説明する図を示す。
以下、図面を参照して、本発明に係る、マイクロチップ及び血液観測装置について説明する。なお、以下の実施形態の構成は例示であり、本発明はこの実施形態の構成に限定されるものではない。
[第一実施形態]
<マイクロチップ>
まず、マイクロチップについて説明する。図1Aから図1Eは、第一実施形態に係るマイクロチップの構成を示す。なお、図における破線は、流路や流入口などがマイクロチップ1の内部に存在することを意味する。
第一基板10は、図1Aに示すように、平面視長方形であり、第一流入口12が設けられている。第一流入口12には、図示しないチューブが接続され、観測対象となる血液を含む第一流体が流入する。第一流入口12は、第一流路20と連通しており、流入した第一流体は第一流路20へ流れる。チューブには、ポンプ、真空採血管、シリンジなどが接続されるが、これらについては、後述する血液観測装置2で説明する。第一実施形態における第一流体とは、血液に対して血液と反応しうる薬剤が既に混合された混合液である。第一流入口12は、貫通孔であり、第一実施形態では円形である。但し、第一流入口12の形状は限定されるものではなく、多角形など任意の形状とすることができる。
また、第一基板10には、更に、第二流入口13の一部が設けられている。第二流入口13は、第二基板11に設けられた貫通孔13bと、第一基板10に設けられた貫通しない窪み部13aとによって構成され(図1E参照)、第一基板10には、このうち窪み部13aが設けられている。第二流入口13(第二基板11側)には、図示しないチューブのノズル4が接続され、血栓生成後の第一流体の凝固を抑制する第二流体が流入する。第二流体には、第一流体としての混合液の凝固を抑制する血液凝固防止剤が例示される。また、第二流入口13は、マイクロチップ1をステージに載置する際の位置決め機能を有する。第二流入口13とチューブのノズル4の接続の詳細については後述する。第二流入口13は、第二流路17と連通しており、流入した第二流体は第二流路17へ流れる。チューブには、ポンプ、防止剤タンクなどが接続されるが、これらについては、後述する血液観測装置2で説明する。第一実施形態に係る窪み部13aは、断面が円形であるが、多角形など任意の形状としてもよい。また、窪み部13aの底部は、第一実施形態では平坦であるが、湾曲していてもよい。また、窪み部13aの深さは、ノズル4を収容でき、窪み
部13aの底部の厚みを確保できる深さとして設計することができる。窪み部13aの形状や大きさは、ノズル4の形状や大きさを考慮して設計することが好ましい。
また、第一基板10には、更に、排出口19が設けられている。排出口19は、廃液貯留部18と連接する貫通孔であり、廃液貯留部18で貯留される廃液を外部へ排出する。廃液は、吸湿性の繊維基材、例えば、コットン、不織布や織布等布などに染み込ませて吸い上げてもよく、また、ポンプなどにより吸引して、外部へ排出するようにしてもよい。
第二基板11も第一基板10と同じく、平面視長方形であり、第一流路20、第二流路17、第二流入口13、廃液貯留部18が設けられている。
第一流路20は、第一流入口12から流入する血栓生成前の混合液、血栓生成中の混合液、血栓生成後の混合液が流れる。第一流路20は、第二基板11の表面に形成された溝により構成されている。溝の形状や大きさは、特に限定されず、溝の形状は、例えば半円状、矩形状とすることができる。第一流路20の上流部分14は、一端が第一流入口12と接続されるとともに、第一流入口12の内径と同程度の幅を有しており、血栓生成前の混合液が流れる。第一流路20の上流部分14の他端には、下流側に向けて徐々にその幅が狭くなるテーパ部分16が設けられている。更に、このテーパ部分16の下流側には、上流部分14の半分程度の幅を有する下流部分15が接続されている。テーパ部分16及び下流部分15の内面は、コラーゲンなどの血栓生成誘発剤でコーティングされており、混合液がこれらの領域を通過することで、血栓が生成される。また、テーパ部分16を設けることで、高ずり応力惹起血小板凝集も観測することができ、アテローム血栓症の血栓生成を再現することもできる。
血栓生成誘発剤としては、コラーゲンやvWF(von Willebrand因子)、予め作られた血栓、絹糸やコットン等の繊維基材などが例示される。これらは一種単独で、または、複数を組み合わせて使用することができる。これらのうち、入手が容易で、取り扱いやすく、実際の血管に近いモデルとなることからコラーゲンが特に好ましく、コラーゲンと組織トロンボプラスチンを含むものでも良い。血栓生成誘発剤が血流によって流出しないようコラーゲンやvWFなどの血栓生成誘発剤は、テーパ部分16や下流部分15に高い接着強度でコーティングすることができる。コラーゲンのコーティングは、例えば、特開平05−260950号公報やBlood.1995 Apr 1;85(7):1826−35.に記載されているように、コラーゲンを酸性溶液に溶解し、これに親水性が付与されたガラスやポリスチレンの基板を浸漬し、洗浄、乾燥するなどの方法にて簡便に高い接着強度でコーティングが可能である。疎水性の樹脂等にコートする場合には、樹脂表面をプラズマ処理等で親水化した後、所望の領域にコラーゲン溶液を塗布し、自然乾燥ないしは減圧下にて乾燥することでコーティングすることが出来る。また、繊維基材や予め作られた血栓などの血栓生成誘発剤は、テーパ部分16や下流部分15に固定された状態が望ましい。そして、薄い吸湿性の繊維基材、例えば、コットン、不織布や織布等にコラーゲンを含浸し、乾燥させておく事で、より血栓生成誘発能の高い血栓生成誘発剤が得られる。また、組織トロンボプラスチンを含むコラーゲン溶液にそれらの基材を浸漬させ乾燥させると、さらに血栓生成誘発能が高まる。血栓生成誘発剤としてコラーゲンをコーティングする場合、第二基板11のうち少なくともコーティングする領域の基材は平滑なガラスまたはプラスチックとするとコラーゲンの密着性に優れ好ましい。基材としてプラスチックを用いた場合はプラズマ処理等で親水化し、所望の領域にコラーゲン溶液をピペットやシリンジ等のディスペンサーで塗布し、自然乾燥または減圧下で乾燥することでコラーゲンまたは組織トロンボプラスチンを含むコラーゲンを容易にコーティングすることが可能である。
第二基板11には、第二流入口13の貫通孔13bが設けられており、貫通孔13bを
介して上述したように血液凝固防止剤が流入する。第二流入口13を構成する貫通孔13bには、第二流路17の一端が接続され、血液凝固防止剤が流れる。
第二流路17は、上記のように一端が第二流入口13に接続され、他端が廃液貯留部18に接続されている。廃液貯留部18には、第一流路20の他端(下流部分15の最下流側)も接続されている。そのため、廃液貯留部18には、血栓生成後の混合液、すなわち廃液と、血液凝固防止剤とが流入する。廃液と、血液凝固防止剤とは、廃液貯留部18で混合された後、上述した貫通孔かなる排出口19より外部へ排出される。第一実施形態では、廃液貯留部18は平面視長方形であるが、円形、正方形など他の形状でもよい。
窪み部13aが設けられた面と各溝が設けられた面とが接するように、第一基板10と第二基板11とが貼り合わされることで、マイクロチップ1が構成される。すなわち、第二基板11の第一流路20、第二流路17、廃液貯留部18は、その表面に溝が形成され、一方、表面が平坦な第二基板11と貼り合わされることで、第二基板11が蓋として機能する。その結果、図1D、図1Eに示すように、第一流路20、第二流路17、廃液貯留部18が管状の流路となる。
ここで、マイクロチップ1の材質は、金属、ガラスやプラスチック、シリコーン等が好ましい。また、血液観測(特に画像解析)に使用する観点からは透明な材質が好ましい。さらに、流路を形成する観点からはプラスチックが好ましく、透明なプラスチックが特に好ましい。材質をPDMS(ポリジメチルシロキサン)等のシリコーン製とした場合には、基板同士の密着性に優れるため、第一基板10と第二基板11とを接着剤などで接着しなくても圧着することで積層することが出来るが、マイクロチップ1の内部に高い圧力がかかる場合は、接着剤を用いることが好ましい。ポリスチレン製の基板を用いた場合には流路内をポリビニルラクトンアミド(PVLA)で簡便に高い接着強度でコーティングすることができるので、抗凝固処理されていない血液を用いる場合に、意図しない部位での血液凝固を抑制することが可能である。また、ポリ2−メトキシエチルアクリレート(PMEA)によっても簡便かつ効果的に意図しない部位での血液凝固を抑制する事が可能である。なお、マイクロチップ1を構成する第一基板10や第二基板11に設けられる溝や穴は、刃物やレーザー光線で堀ることもできるが、マイクロチップ1の材質がプラスチックである場合は、射出成型で形成することもできる。射出成型で形成すると、一定した品質のマイクロチップ1を効率よく作成できる。
<血液観測装置>
次に血液観測装置2について説明する。図2に示すように、血液観測装置2は、ステージ21、第一ポンプ3、シリンジ31、第二ポンプ5、防止剤タンク51、カメラ7、コンピュータ8を備える。
ステージ21は、上述したマイクロチップ1を載置する。そのため、ステージ21は、マイクロチップ1よりも一回り大きく形成され、第一実施形態ではマイクロチップ1よりも一回り大きい長方形である。ステージ21は、マイクロチップ1を載置できればよく、その形状や大きさは特に限定されない。
ステージ21には、血液凝固防止剤を送るチューブの先端に設けられたノズル4が接続されている。ここで、図3は、ノズルと第二流入口との接続を説明する図を示す。図3に示すように、ノズル4は、マイクロチップ1を載置した際、マイクロチップ1の第二流入口13に対応する位置に設けられ、ステージ21の裏面から表面に貫通して上方に突出している。ノズル4は、外径が第二流入口13の内径よりも僅かに小さく形成され、第二流入口13に収容自在である。ステージ21から突出したノズル4の長さは、ノズル4を第二流入口13に収容した際、ノズル4の先端が第二流入口13の底部、すなわち窪み部1
3aの底部に接触しないよう、第二流入口13の深さよりも短く、かつ、ノズル4の先端が窪み部13aに達するよう設計されている。そのため、第二流入口13にノズル4が収容されると、ステージ21上では、2枚の基板(第一基板10、第二基板11)の移動が同時に規制され、マイクロチップ1の位置決めを確実に行うことができる。また、位置決めを確実に行えることで、観測の精度が向上する。更に、ノズル4は、先端に向けてその外径が徐々に細くなるように形成されている。これにより、ノズル4を第二流入口13に容易に収容することができる。そのため、接続ミスの発生を抑制でき、また、接続ミスに伴う液漏れの発生も抑制することができる。なお、図4に示すように、窪み部13aは、ノズル4と同じく、底部に向けてその径が徐々に細くなるように形成してもよい。これにより、第二流入口13にノズル4を収容した際の固定力が向上する。
ここで、マイクロチップ1は、ノズル4が第二流入口13に収容されることで、その移動が規制されるが、ノズル4と第二流入口13との接続のみでは、ノズル4を中心とした回転運動が許容される。そこで、第一実施形態では、ステージ21上に、この回転運動を抑制するための位置決め補助部としての突起ネジ22が設けられている。突起ネジ22は、マイクロチップ1を正しい位置に載置した際、マイクロチップ1の側部と接する位置に設けることができる。第一実施形態では、ノズル4の近傍に突起ネジ22が設けられている。これにより、マイクロチップ1の移動(ノズル4を中心とした回転運動)を規制することができ、より確実に位置決めを行うことができる。なお、突起ネジ22は、ステージ21に対して取り外し自在とすることが好ましい。また、大きさや形状が異なるマイクロチップ1に対応できるよう、ステージ21には、突起ネジ22を接続するための接続用孔を予め複数設けておくことが好ましい。これにより、利便性がより向上する。
ステージ21の中央には、第一流路20を流れる混合液をカメラ7で撮像するための窓部23が設けられている。第一実施形態の窓部23は、第一流路20に沿う細長い長方形であり、血栓の発生が促進される、テーパ部分16及び下流部分15をカメラ7で撮像できるようになっている。
カメラ7は、ステージ21の裏面側に配置され、上述した窓部23を通じて血栓の発生状況等を撮像自在である。カメラ7は、例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラ
によって構成することができる。カメラ7は、汎用のコンピュータ8に接続されており、撮像された画像データは、コンピュータ8の記憶装置に記憶することができる。コンピュータ8は、CPU、メモリ、ディスプレイ、キーボードやマウスなどの操作部を備える。撮像した画像データを分析する画像分析プログラムをコンピュータ8にインストールし、このコンピュータ8により画像分析を行えるようにしてもよい。なお、画像解析の方法は、例えば特許文献1に記載されている方法等、既存の方法により適宜行うことができる。
なお、図2では記載を省略しているが、血栓の生成を観察するため、マイクロチップ1内に圧力センサを設け、マイクロチップ1内の圧力を観察したり、または制御してもよい。また、必要に応じてマイクロチップ1を加温するヒータや、マイクロチップ1に対して光を発する照明等を設けてもよい。
第一ポンプ3は、チューブを介してシリンジ31と接続されている。また、シリンジ31は、チューブを介して第一流入口12と接続されている。第一ポンプ3は、シリンジ31に貯留される血液(血液に対して血液と反応しうる薬剤が既に混合された混合液)を送り出す。例えば、第一ポンプ3にはミネラルオイルが充填されており、第一ポンプ3からミネラルオイルがシリンジ31に注入され、注入されたミネラルオイルに押されて血液(混合液)がチューブを通り、第一流入口12を介してマイクロチップ1内に流入する。血液の流入圧力は圧力センサを配置し、配置した圧力センサによって計測することができる。シリンジ31に代えて血液リザーバを用いてもよい。第一ポンプ3には、市販の一般的
なポンプを用いることができる他、エアーの一定圧で押し出したり、シリンジをプランジャーが上になるよう倒立させ、プランジャーに重りをのせたりしてシリンジポンプとしてもよい。
第二ポンプ5は、チューブを介して血液凝固防止剤を貯留する防止剤タンク51と接続され、防止剤タンク51はチューブを介して第二流入口13とノズル4により接続されている。第二ポンプ5は、防止剤タンク51に貯留される血液凝固防止剤を送り出す。例えば、第二ポンプ5には、0.5M EDTA(pH10)の溶液が充填されおり、第二ポンプ5から上記溶液が防止剤タンク51に注入され、注入された溶液に押されて血液凝固防止剤がチューブを通り、ノズル4から吐出され、第一流入口12を介してマイクロチップ1内に流入する。血液凝固防止剤の流入圧力は圧力センサを配置し、配置した圧力センサによって計測することができる。
<観察方法>
次に、マイクロチップ1及び血液観測装置を用いた観察方法について説明する。まず、血液観測装置のステージ21にマイクロチップが設置される。マイクロチップ1の設置は、まず、第二流入口13にノズル4が収容され、次に、マイクロチップ1の側部が突起ネジ22と接するよう、マイクロチップ1の向きが調整される。ノズル4が第二流入口13に収容され、マイクロチップ1の側部が突起ネジ22と接すると、マイクロチップ1の設置、すなわち位置決めが完了する。
マイクロチップ1が設置されると、第一流入口12に血液が流される。すなわち、第一ポンプ3を動作させることで、シリンジ31に貯留されている血液(混合液)がチューブを介してマイクロチップ1内に流入する。血液の流入圧力は、例えば圧力センサにより計測することができる。
第一実施形態で観察対象となる血液は、血液に対して、血液と反応しうる薬剤が既に混合された混合液とすることができる。測定用サンプルとしての血液を採血する方法としては、シリンジまたは真空採血管に予め抗凝固処理剤を入れて採血を行うか、または、採血直後の血液に抗凝固処理剤を速やかに加える等の方法で抗凝固処理した血液を得ることができる。さらに、ヘパリンを含む真空採血管等で採血した後、へパリナーゼと観測目的に適した抗凝固処理剤を加え、ヘパリナーゼでヘパリンを分解させ、測定目的に適した抗凝固処理剤と置き換えることも可能である。また、同様にクエン酸を含む真空採血管で採血し、塩化カルシウムおよびコーン由来トリプシンインヒビターやトロンビンアプタマー等の観測目的に適した凝固因子阻害剤を加えることで、観測目的に合わせて抗凝固処理した血液を採血することが可能である。抗凝固処理剤としては、クエン酸ナトリウムまたはカリウム、シュウ酸ナトリウムまたはカリウム、ACD(Acid Citrate Dextrose)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)塩などを挙げることができる。このような抗凝固処理剤は、粉末、凍結乾燥品、水溶液などの溶液として使用することができる。これらの抗凝固処理剤のうち、一般的な3.2%クエン酸ナトリウムが容易に入手できることから好ましい。この場合、血液9容に対してこの抗凝固処理剤1容とするのが好ましい。その他の抗凝固処理剤としてはヘパリン、ヒルジン、ヒルログ(ヒルジンC末端領域ペプチド)、アプロチニン、抗トロンビン抗体、トロンビンアプタマー、コーン由来トリプシンインヒビター(1977. J.Biol.Chem 252.8105)等の利用が可能である。なお、抗凝固処理剤は、複数用いられてもよい。
血液と反応しうる薬剤には、抗凝固解除剤が例示される。抗凝固解除剤としては、クエン酸のようなキレート剤による抗凝固処理を解除する場合は、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム等のハロゲン化カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、硝酸カルシウム、重炭酸カルシウム等の無機酸カルシウム塩、蟻酸、酢酸、プロピオ
ン酸、酪酸、アルギン酸、乳酸、グルコン酸、グリセリン酸、グリセロリン酸等の有機酸のカルシウム塩、などの遊離カルシウム供与体であるカルシウム化合物を挙げることができる。
また、抗凝固解除剤として凝固因子阻害剤(抗凝固処理剤)による抗凝固処理を解除する場合は、凝固因子阻害剤に応じた抗凝固解除剤を適宜選択して使用することができる。例えば、ヘパリンを用いて抗凝固処理した場合の抗凝固解除剤としては、プロタミン、へパリナーゼまたは抗へパリン抗体等が利用可能であり、ヒルジン、ヒルログおよびアプロチニンを用いて抗凝固処理した場合の抗凝固解除剤としては、それぞれ抗ヒルジン抗体、抗ヒルログ抗体および抗アプロチニン抗体等の抗凝固解除剤が使用可能である。さらに、抗トロンビン抗体を凝固因子阻害剤による抗凝固処理を解除する場合は、抗凝固解除剤として、PPACKトロンビン等の完全に不活性化されたトロンビン、トロンビンの分解断片およびトロンビン中における抗体認識エピトープを含有する合成ポリペプチド等の抗凝固解除剤の使用が可能である。なお、抗凝固処理、または抗凝固解除に使用される抗体は補体系への影響を最小限にする為に、パパイン等でFcドメインを取り除いたものを使用するか鶏卵抗体等のヒト補体系活性化能を有さない抗体を使用することが望ましい。
そして、1本鎖オリゴDNAであるトロンビンアプタマー(Blood. 1993 Jun 15;81(12):3271−6.やJ Mol Biol. 1997 Oct 10;272(5):688−98.)を抗凝固処理剤として用いた場合にはトロンビンアプタマーに対するアンチセンスDNAまたはアンチセンスRNA等のトロンビンアプタマーに結合し機能を阻害する物質が抗凝固解除剤として使用可能である。トロンビンアプタマーはエクソサイトIおよびIIを認識する2種を併用すると、単独の場合より飛躍的に高い抗凝固処理効果が得られる。この際用いられるアンチセンスDNAは実質的にトロンビンアプタマーの抗トロンビン機能を無効化するものであれば、トロンビンアプタマーの一部に対するものであってもよい。
なお、薬剤には、血小板を活性化する薬剤を用いてもよい。血小板を活性化する薬剤としては、ADP、コラーゲン、トロンビンおよびリストセチンなどが例示される。
第一流入口12から流入した混合液は、第一流路20を流れる。具体的には、上流部分14、テーパ部分16、下流部分15の順に流れる。テーパ部分16及び下流部分には、血栓誘発剤が設けられており、テーパ部分16及び下流部分15を混合液が流れることで、血栓が生成される。混合液が第一流路20を流れる様子は、ステージ21の裏面側に設置されたカメラ7により、窓部23を通じて撮像することができる。撮像する画像データは、静止画でもよく、また、動画でもよい。
第一流路20の最下流に達した混合液は、廃液貯留部18に滞留する。廃液貯留部18には、第二流路17が接続されていることから、第二流路17を通じて血液凝固防止剤が混合される。廃液貯留部18において血液凝固防止剤が混合された廃液は、排出口19を通じて排出される。例えば、廃液は、吸湿性の繊維基材、例えば、コットン、不織布や織布等布などに染み込ませて吸い上げてもよく、また、ポンプなどにより吸引して、外部へ排出することができる。なお、第一実施形態では、廃液をマイクロチップ1の第一基板10から排出させたが、第二基板11に貫通孔を設け、第二基板側から排出させるようにしてもよい。この場合、ステージ23の対応する位置にも貫通孔を設ける必要がある。
血液の流速を目視で観測したり、例えば第一ポンプ3に圧力センサを接続し、接続した圧力センサによって測定することによって血液が有する血液凝固能を評価することができる。また、血栓が生成される様子を目視やカメラ7で観測することによって血液凝固の状態を調べることができる。
なお、薬剤として血小板を活性化する薬剤を用いた場合、混合された血液は、血小板が活性化されながら第一流路20を流れる。テーパ部分16や下流部分15を流れることで、血小板の粘着・凝集が惹起され、血小板血栓が生成される。このときの血液の流速や圧力を測定することによって血小板機能を評価することができる。また、血栓生成室を目視やカメラ7で観測することによって血小板による血栓生成の状態を調べることができる。これにより、血小板の粘着、凝集などの血小板機能を人体内に近い環境で具体的に観測することができる。
<効果>
以上説明した第一実施形態に係るマイクロチップ1及び血液観測装置2によれば、血液凝固防止剤を吐出するノズル4が、マイクロチップ1を血液観測装置2のステージ21に載置する際、第二流入口13に収容される。そのため、第二流入口13にノズル4が収容されると、ステージ21上では、2枚の基板(第一基板10、第二基板11)が同時に規制され、マイクロチップ1の位置決めを確実に行うことができる。また、位置決めを確実に行えることで、観測の精度が向上する。更に、ノズル4は、先端に向けてその外径が徐々に細くなるように形成されている。これにより、ノズル4を第二流入口13に容易に収容することができる。そのため、接続ミスの発生を抑制でき、また、接続ミスに伴う液漏れの発生も抑制することができる。
[第二実施形態]
<マイクロチップ>
図5Aから図5Dは、第二実施形態に係るマイクロチップの構成を示す。なお、図における破線は、流路や流入口などがマイクロチップ1aの内部に存在することを意味する。なお、第一実施形態と同様の構成については同一符号を付し、説明は割愛する。
第一基板10aは、図5Aに示すように、平面視長方形であり、流入口12aの一部が
設けられている。流入口12aは、第二基板11aに設けられた貫通孔12b1と、第一基板10aに設けられた貫通しない窪み部12a1とによって構成され(図5D参照)、第一基板10aには、このうち窪み部12a1が設けられている。流入口12a(第二基板11a側)には、図示しないチューブのノズル4aが接続され、抗凝固処理された血液を含む流体が流入する。また、流入口12aは、マイクロチップ1aをステージに載置する際の位置決め機能を有する。すなわち、先に説明した第一実施形態に係るマイクロチップ1における第二流入口13と同様の機能を有する。また、第一基板10aには、排出口19が設けられており、廃液貯留部18で貯留される廃液を外部へ排出する。
第二基板11aも第一基板10aと同じく、平面視長方形であり、流入口12aを構成する貫通孔12b1、流路20a、廃液貯留部18が設けられている。流路20aは、流入口12aから流入する血栓生成前の混合液、血栓生成中の混合液、血栓生成後の混合液が流れる。
窪み部12a1が設けられた面と各溝が設けられた面とが接するように、第一基板10aと第二基板11aとが貼り合わされることで、マイクロチップ1aが構成される。すなわち、第二基板11aの流路20a、廃液貯留部18は、その表面に溝が形成され、一方、表面が平坦な第二基板11aと貼り合わされることで、第二基板11aが蓋として機能する。その結果、図5Dに示すように、流路20a、廃液貯留部18が管状の流路となる。
<血液観測装置>
次に第二実施形態に係る血液観測装置2aについて説明する。図6に示すように、血液
観測装置2aは、ステージ21、ポンプ3a、シリンジ31a、カメラ7、コンピュータ8を備える。ポンプ3aは、チューブを介してシリンジ31aと接続されている。また、シリンジ31aは、チューブを介して流入口12aと接続されている。ポンプ3aは、シリンジ31aに貯留される血液(抗凝固処理された血液)を送り出す。
ステージ21には、抗凝固処理された血液を含む流体を送るチューブの先端に設けられたノズル4aが接続されている。ここで、図7は、ノズルと流入口との接続を説明する図を示す。図7示すように、ノズル4aは、マイクロチップ1a載置した際、マイクロチップ1aの流入口12aに対応する位置に設けられ、ステージ21の裏面から表面に貫通して上方に突出している。ノズル4aは、外径が流入口12aの内径よりも僅かに小さく形成され、流入口12aに収容自在である。流入口12aにノズル4aが収容されると、ステージ21上では、2枚の基板(第一基板10a、第二基板11b)の移動が同時に規制される。
<効果>
以上説明した第二実施形態に係るマイクロチップ1a及び血液観測装置2aによれば、ノズル4aが、マイクロチップ1aを血液観測装置2aのステージ21に載置する際、流入口12aに収容される。そのため、流入口12aにノズル4aが収容されると、ステージ21上では、2枚の基板(第一基板10a、第二基板11b)が同時に規制され、マイクロチップ1aの位置決めを確実に行うことができる。また、位置決めを確実に行えることで、観測の精度が向上する。更に、ノズル4aは、先端に向けてその外径が徐々に細くなるように形成されている。これにより、ノズル4aを流入口12aに容易に収容することができる。そのため、接続ミスの発生を抑制でき、また、接続ミスに伴う液漏れの発生も抑制することができる。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明は、これらに限らず、可能な限りこれらの組合せを含むことができる。また、上述した実施形態は、一例にすぎない。例えば、特許文献1に開示されているマイクロチップや血液観測装置2とも適宜組合せることができる。
1、1a・・・マイクロチップ
2、2a・・・血液観測装置
3・・・第一ポンプ
3a・・・ポンプ
4、4a・・・ノズル
5・・・第二ポンプ
7・・・カメラ
8・・・コンピュータ
10、10a・・・第一基板
11、11a・・・第二基板
12・・・第一流入口
12a・・・流入口
13・・・第二流入口
12a1、13a・・・窪み部
12b1、13b・・・貫通孔
17・・・第二流路
18・・・廃液貯留部
19・・・排出口
20・・・第一流路
20a・・・流路
21・・・ステージ
22・・・突起ネジ
23・・・窓部
31、31a・・・シリンジ
51・・・防止剤タンク

Claims (12)

  1. 少なくとも2枚の基板が貼り合わされた、血液観測を行うためのマイクロチップであって、
    観測対象となる血液を含む第一流体が流入する第一流入口と、
    上流側において前記第一流入口と接続され、前記第一流体が流れ、血栓が生成される第一流路と、
    前記第一流路の下流側と接続され、血栓生成後の第一流体を外部へ排出する排出口と、
    前記血栓生成後の第一流体の凝固を抑制する第二流体が流入する第二流入口と、
    前記第二流体が流れる第二流路であって、一端が前記第二流入口と接続され、他端が前記血栓生成後の第一流体が流れる第一流路と接続される第二流路と、を備え、
    前記第二流入口は、一方の基板を貫通する貫通孔と、この貫通孔から他方の基板内に延出した窪み部とを含み、前記マイクロチップを載置するステージから突出し、前記第二流体を吐出するノズルを収容し、
    前記窪み部は、前記マイクロチップの厚み方向において、前記第二流路よりも深く延出している
    マイクロチップ。
  2. 前記第二流入口は、前記ノズルを収容し、前記ステージ上での前記マイクロチップの移動を規制する、
    請求項1に記載のマイクロチップ。
  3. 前記ノズルは、先端に向けてその外径が徐々に細く形成され、
    前記第二流入口の窪み部は、底部に向けてその径が徐々に細く形成される、
    請求項1又は2に記載のマイクロチップ。
  4. 少なくとも2枚の基板が貼り合わされた、血液観測を行うためのマイクロチップであって、
    観測対象となる、抗凝固処理された血液を含む流体が流入する流入口と、
    上流側において前記流入口と接続され、前記流体が流れ、血栓が生成される流路と、
    前記流路の下流側と接続され、血栓生成後の流体を外部へ排出する排出口と、を備え、
    前記流入口は、一方の基板を貫通する貫通孔と、この貫通孔から他方の基板内に延出し
    た窪み部とを含み、前記マイクロチップを載置するステージから突出し、前記流体を吐出するノズルを収容し、
    前記窪み部は、前記マイクロチップの厚み方向において、前記流路よりも深く延出している
    マイクロチップ。
  5. 前記流入口は、前記ノズルを収容し、前記ステージ上での前記マイクロチップの移動を規制する、
    請求項4に記載のマイクロチップ。
  6. 前記ノズルは、先端に向けてその外径が徐々に細く形成され、
    前記流入口の窪み部は、底部に向けてその径が徐々に細く形成される、
    請求項4又は5に記載のマイクロチップ。
  7. 少なくとも2枚の基板が貼り合わされた、血液観測を行うためのマイクロチップを用いて血液観測を行う血液観測装置であって、
    前記マイクロチップは、観測対象となる血液を含む第一流体が流入する第一流入口と、
    上流側において前記第一流入口と接続され、前記第一流体が流れ、血栓が生成される第一流路と、
    前記第一流路の下流側と接続され、血栓生成後の第一流体を外部へ排出する排出口と、
    前記血栓生成後の第一流体の凝固を抑制する第二流体が流入する第二流入口と、
    前記第二流体が流れる第二流路であって、一端が前記第二流入口と接続され、他端が前記血栓生成後の第一流体が流れる第一流路と接続される第二流路と、を備え、
    前記第二流入口は、一方の基板を貫通する貫通孔と、この貫通孔から他方の基板内に延出した窪み部とを含み、前記マイクロチップを載置するステージから突出し、前記第二流体を吐出するノズルを収容し、
    前記窪み部は、前記マイクロチップの厚み方向において、前記第二流路よりも深く延出し、
    前記血液観測装置は、
    前記マイクロチップを載置するステージと、
    前記ステージから突出し、血栓生成後の第一流体の凝固を抑制する第二流体を吐出するノズルであって、前記第二流入口に収容されるノズルと、を備える血液観測装置。
  8. 前記ステージから突出し、前記マイクロチップの側部と接することで、前記第二流入口とともに、前記ステージ上での前記マイクロチップの移動を規制する、位置決め補助部を更に備える
    請求項7に記載の血液観測装置。
  9. 前記ノズルは、先端に向けてその外径が徐々に細く形成されている、
    請求項7又は8に記載の血液観測装置。
  10. 少なくとも2枚の基板が貼り合わされた、血液観測を行うためのマイクロチップを用いて血液観測を行う血液観測装置であって、
    前記マイクロチップは、観測対象となる、抗凝固処理された血液を含む流体が流入する流入口と、
    上流側において前記流入口と接続され、前記流体が流れ、血栓が生成される流路と、
    前記流路の下流側と接続され、血栓生成後の流体を外部へ排出する排出口と、を備え、
    前記流入口は、一方の基板を貫通する貫通孔と、この貫通孔から他方の基板内に延出した窪み部とを含み、前記マイクロチップを載置するステージから突出し、前記流体を吐出するノズルを収容し、
    前記窪み部は、前記マイクロチップの厚み方向において、前記流路よりも深く延出し、
    前記血液観測装置は、
    前記マイクロチップを載置するステージと、
    前記ステージから突出し、前記流体を吐出するノズルであって、前記流入口に収容されるノズルと、を備える血液観測装置。
  11. 前記ステージから突出し、前記マイクロチップの側部と接することで、前記流入口とともに、前記ステージ上での前記マイクロチップの移動を規制する、位置決め補助部を更に備える
    請求項10に記載の血液観測装置。
  12. 前記ノズルは、先端に向けてその外径が徐々に細く形成されている、
    請求項10又は11に記載の血液観測装置。
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