JP5952370B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、ぱちんこ遊技機(一般的に「パチンコ機」とも称する)等の遊技機に関するものである。
従来、この種の遊技機には、遊技領域の入賞領域に遊技球が入賞することに基づいて抽選遊技を行い、当該抽選遊技での当選を契機に特定遊技を発生させるものが知られている。そして、特定遊技において興趣を高めるために役物による演出と表示による演出とを組み合わせて提供するものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−148017号公報
しかしながら、上記した遊技機では、特定遊技における演出は一方的に提供されるものなので、遊技者の関心が薄くなりがちであり、遊技の興趣低下を招いていた。
本発明が解決しようとする課題は、上記事情に鑑みなされたもので、特定遊技における演出に遊技者の関心を向けることで、遊技の興趣低下を抑制可能な遊技機を提供することにある。
本発明の代表的な遊技機の一形態では、遊技領域内の入賞領域への遊技媒体の入賞に基づき抽選遊技を実行可能な抽選遊技実行手段と、前記抽選遊技が特定結果を導出した場合に遊技媒体を払出可能な特定遊技を実行可能な特定遊技実行手段と、遊技に関する演出を制御可能な演出制御手段と、遊技者による操作手段の操作を受付可能な操作受付手段と、を備え、前記演出制御手段は、前記特定遊技の開始に応じて実行される初期演出を決定する初期演出決定手段と、前記初期演出決定手段の決定に基づき決定された初期演出を実行可能な初期演出実行手段と、前記初期演出の後に行われる演出を後続演出として、当該初期演出を含む複数の演出から前記操作手段の操作に基づき決定する後続演出決定手段と、前記後続演出決定手段の決定に基づき決定された後続演出を実行可能な後続演出実行手段と、を有し、前記後続演出実行手段は、前記後続演出決定手段によって決定された後続演出が前記初期演出と一致しない場合は、実行中であった当該初期演出を停止して、当該決定された後続演出を冒頭から開始する一方、前記後続演出決定手段によって決定された後続演出が前記初期演出と一致する場合は、実行中であった当該初期演出を停止することなく継続して、前記後続演出として実行することを特徴とする。
ここで、「特定結果」とは、実施形態における小当りや大当りを導出する結果であり、「特定遊技」とは、実施形態における小当り遊技や大当り遊技である。また、「演出制御手段」とは、第4実施形態におけるラウンド演出設定処理(図219)を示す。
本発明の一形態によれば、上記課題を解決し、遊技の興趣低下を抑制し得る遊技機を提供することができる。
実施形態に係るパチンコ機の外枠に対して本体枠を開放し、本体枠に対して扉枠を開放した状態を示す斜視図である。 パチンコ機の正面図である。 パチンコ機の右側面図である。 パチンコ機の平面図である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の後方から見た分解斜視図である。 パチンコ機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の前方から見た分解斜視図である。 外枠の正面斜視図である。 外枠の正面から見た分解斜視図である。 外枠の正面図である。 外枠の背面斜視図である。 外枠の右側面図である。 本体枠の上軸支金具と外枠の上支持金具との脱着構造を説明するための斜視図である。 (A)は外枠の上支持金具の裏面に設けられるロック部材の取付状態を示す分解斜視図であり、(B)は(A)の図を下方から見た斜視図である。 軸支ピンとロック部材との関係を説明するための上支持金具部分の裏面図である。 ロック部材の作用を説明するための上支持金具部分の裏面図である。 扉枠の正面図である。 扉枠の背面図である。 扉枠を右前方から見た斜視図である。 扉枠を左前方から見た斜視図である。 扉枠の右後方から見た斜視図である。 扉枠を正面から見た分解斜視図である。 扉枠を背面から見た分解斜視図である。 (A)は扉枠における扉枠ベースユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における扉枠ベースユニットの背面斜視図である。 扉枠ベースユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 扉枠ベースユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 扉枠ベースユニットにおける扉枠ベース基板カバーと配線保持部材とを後から見た斜視図である。 扉枠と本体枠とを電気的に接続する配線の様子を拡大して示す斜視図である。 (A)は扉枠における右サイド装飾ユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における右サイド装飾ユニットの背面斜視図である。 右サイド装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 右サイド装飾ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 (A)は扉枠における左サイド装飾ユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における左サイド装飾ユニットの背面斜視図である。 左サイド装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 左サイド装飾ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 左サイド装飾ユニットの断面図である。 左サイド装飾ユニットの発光態様を写真で示す説明図である。 扉枠における上部装飾ユニットの正面斜視図である。 扉枠における上部装飾ユニットの背面斜視図である。 上部装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 上部装飾ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 扉枠における皿ユニットの正面斜視図である。 扉枠における皿ユニットの背面斜視図である。 皿ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 皿ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 扉枠における皿ユニットの貸球ユニットの部位で切断した断面図である。 (A)は扉枠における操作ユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における操作ユニットの背面斜視図である。 操作ユニットを分解して右前上方から見た分解斜視図である。 操作ユニットを分解して右前下方から見た分解斜視図である。 操作ユニットの断面図である。 操作ユニットにおける押圧操作部押した状態で示す断面図である。 (A)は扉枠におけるハンドル装置を分解して前から見た分解斜視図であり、(B)はハンドル装置を分解して後から見た分解斜視図である。 (A)扉枠におけるファールカバーユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(B)はファールカバーユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 ファールカバーユニットの前カバーを外した状態で示す正面図である。 静電気防止機構の正面図である。 静電気防止機構を備えた状態を示す扉枠を背面から見た場合の斜視図である。 静電気防止機構を備えた状態を示す扉枠の要部背面図である。 図56のA−A線断面図である。 (A)は扉枠における球送りユニットの正面斜視図であり、(B)は球送りユニットの背面斜視図である。 球送りユニットの背面図である。 (A)は球送りユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(B)は球送りユニットの後ケースを外して後から見た分解斜視図である。 (A)は球送りユニットにおける不正防止部材の平面図であり、(B)は不正防止部材の正面図であり、(C)は不正防止部材を前から見た斜視図であり、(D)は不正防止部材の作用を示す説明図である。 扉枠を上下方向略中央で切断して示す断面図である。 扉枠における発光装飾用のLEDの配置を示す正面図である。 扉枠における発光装飾用のLEDの系統を示す正面図である。 本体枠の正面図である。 本体枠の背面図である。 本体枠の正面斜視図である。 本体枠の背面斜視図である。 本体枠の左側面図である。 本体枠を分解して前から見た分解斜視図である。 本体枠を分解して後から見た斜視図である。 本体枠における本体枠ベースの正面斜視図である。 本体枠における本体枠ベースの背面斜視図である。 本体枠における打球発射装置の正面斜視図である。 本体枠における打球発射装置の背面斜視図である。 本体枠における賞球ユニットの正面斜視図である。 本体枠における賞球ユニットの背面斜視図である。 賞球ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 賞球ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 賞球ユニットにおける賞球タンクとタンクレールユニットとの関係を分解して後方から示す分解斜視図である。 賞球ユニットにおける賞球装置を分解して後から見た分解斜視図である。 賞球装置における払出通路と払出モータと払出回転体との関係を示す背面図である。 賞球ユニットにおける球の転動通路を示す断面図である。 本体枠における球出口開閉ユニットの正面斜視図である。 本体枠における球出口開閉ユニットの背面斜視図である。 本体枠における球出口開閉ユニットと扉枠におけるファールカバーユニットとの関係を示す説明図である。 本体枠における基板ユニットの正面斜視図である。 本体枠における基板ユニットの背面斜視図である。 基板ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 基板ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 基板ユニットにおける電源基板ボックスの立壁部の作用を説明する斜視図である。 (A)は基板ユニットにおける端子基板ボックスの断面図であり、(B)は基板ユニットにおける端子基板ボックスを分解して前から見た分解斜視図である。 (A)は発射電源基板ボックスの正面図であり、(B)は(A)に示すA−A線の断面図である。 (A)は本体枠における裏カバーの正面斜視図であり、(B)は本体枠における裏カバーの背面斜視図である。 裏カバーにおける締結機構の部位を拡大して示す断面図である。 裏カバーにおける締結機構を分解して後側から見た分解斜視図である。 (A)は本体枠における錠装置の左側面図であり、(B)は本体枠における錠装置を前から見た斜視図である。 (A)は錠装置の背面斜視図であり、(B)は錠装置のコ字状基体の内部に摺動自在に設けられるガラス扉用摺動杆と本体枠用摺動杆を示す背面斜視図であり、(C)は(B)の正面斜視図である。 錠装置を分解して後から見た分解斜視図である。 錠装置におけるガラス扉用摺動杆と本体枠用摺動杆の動作を示す説明図である。 錠装置における不正防止部材の動作を示す説明図である。 パチンコ機の扉枠を外した状態で本体枠に取付けられた遊技盤を示す正面図である。 遊技盤の正面図である。 遊技盤を分解して前から見た分解斜視図である。 遊技盤を分解して後から見た分解斜視図である。 (A)はパチンコ機に取付けた状態で遊技盤における機能表示ユニットを拡大して示す正面図であり、(B)は機能表示ユニットの他の形態を示す正面図である。 図104等の例とは異なる実施形態の遊技パネルを用いた遊技盤を分解して前から見た分解斜視図である。 図107を後から見た遊技盤の分解斜視図である。 図107の遊技盤における遊技パネルを縦方向に切断した断面図である。 図107等の例とは異なる実施形態の前構成部材を用いた遊技盤を分解して前から見た分解斜視図である。 図110を後から見た遊技盤の分解斜視図である。 パチンコ機の軸支側における防犯構造を示す部分断面図である。 本体枠内に遊技盤を収容した状態で後側から見た斜視図である。 パチンコ機における遊技盤の正面図である。 パチンコ機における遊技盤の特設入賞口が開放されたときの正面図である。 遊技盤を後から見た斜視図である。 遊技盤を構成する主な部材毎に分解して斜め後から見た斜視図である。 パチンコ機の制御構成を概略的に示すブロック図である。 扉枠ベース基板、周辺側中継端子板、異常音声信号遮断基板及び下部スピーカのブロック図である。 異常音声信号遮断基板の回路を示す回路図である。 主制御MPUによって実行される本実施形態のメイン処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態の電源断発生時処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態のタイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態の特別制御処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態の始動口入賞処理を示すフローチャートである。 本実施形態の第1特別図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態の第1変動開始処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態の第1変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態の第1変動中処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態の第1大当り遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態の第1大当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態の時短機能設定処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態の第1連動設定処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態の第2特別図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態の第2変動開始処理を示すフローチャートである。 本実施形態の第2変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態の第2変動中処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態の第2大当り遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態の第2大当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態の第2小当り遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態の第2小当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態の第2連動設定処理の一例を示すフローチャートである。 主制御MPUによって実行される本実施形態の普通制御処理の一例についてその手順を示すフローチャートである。 本実施形態のゲート通過処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態の普通図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態の第1特別図柄及び第2特別図柄の遊技スペックを示す各種テーブルの一例である。 本実施形態の遊技状態(遊技モード)の遷移を示す図である。 本実施形態の同時変動制御について説明するタイミングチャートの一例である。 本実施形態における理想的な遊技モード遷移について示したタイミングチャートの一例である。 周辺制御MPUによって実行される本実施形態のサブメイン処理の一例についてその処理手順を示すフローチャートである。 サブメイン処理にて16ms毎に実行される16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。 第2実施形態のパチンコ機における遊技盤の正面図である。 (A)はアタッカ装置の簡易構造図であり、(B)は機能表示ユニットを拡大して示す正面図であり、(C)は7セグ表示器を拡大して示す正面図である。 第2実施形態の第1特別図柄及び第2特別図柄の遊技スペックを示す各種テーブルの一例である。 第2実施形態の遊技状態(遊技モード)の遷移を示す図である。 第2実施形態の同時変動制御構造の制御パターンの概要を説明する図である。 第2実施形態の基本制御パターンにおける第1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態の基本制御パターンにおける第1大当り遊技処理の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態の基本制御パターンにおける第1連動設定処理の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態の基本制御パターンにおける第2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態の基本制御パターンにおける第2大当り遊技処理の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態の基本制御パターンにおける第2小当り遊技処理の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態の基本制御パターンにおける第2連動設定処理の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態の基本制御パターンにおける右打ちペナルティ設定処理の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態の基本制御パターンにおける液晶表示処理の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態の基本制御パターンにおける右打ちペナルティ報知処理の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態の優先制御パターンにおける第1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態の優先制御パターンにおける第1優先判定処理の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態の優先制御パターンにおける第1変動中処理の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態の優先制御パターンにおける第1連動設定処理の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態の優先制御パターンにおける第2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態の優先制御パターンにおける第2優先判定処理の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態の優先制御パターンにおける第2変動中処理の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態の優先制御パターンにおける第2連動設定処理の手順を示すフローチャートである。 (A)は第2実施形態の優先制御パターンにおける強制はずれ演出追加処理の手順を示すフローチャートであり、(B)は強制はずれ演出追加処理において追加はずれ報知演出が設定される場合の特別図柄変動と液晶表示装置1900における演出表示のタイミングチャートである。 第2実施形態の中断制御パターンにおける第1特別図柄制御処理の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態の中断制御パターンにおける第2特別図柄制御処理の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態の中断制御パターンにおける再開演出変更処理の手順を示すフローチャートである。 再開演出変更処理における再開後の演出例について説明する図である。 第2実施形態の中断制御パターンの変形例における第1連動設定処理の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態の中断制御パターンの変形例における第2連動設定処理の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態の再セット制御パターンにおける第1変動中処理の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態の再セット制御パターンにおける第1連動設定処理の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態の再セット制御パターンにおける第2変動中処理の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態の再セット制御パターンにおける第2連動設定処理の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態の再セット制御パターンにおける再セット設定について説明するタイミングチャートである。 第3実施形態における液晶表示処理の手順を示すフローチャートである。 第3実施形態における切替演出処理の手順を示すフローチャートである。 第3実施形態の切替演出制御について説明するタイミングチャートである。 (A)は第3実施形態の変形例の切替演出実行処理の手順を示すフローチャートであり、(B)は第1切替演出決定テーブルの一例を示す図である。 第3実施形態における可動役物演出処理の手順を示すフローチャートである。 第3実施形態の可動役物制御について説明する演出遷移の一例である。 第3実施形態における第1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。 第3実施形態における第1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。 第3実施形態における第1変動中処理の手順を示すフローチャートである。 第3実施形態における第1連動設定処理の手順を示すフローチャートである。 第3実施形態における第2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。 第3実施形態における第2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。 第3実施形態における第2変動中処理の手順を示すフローチャートである。 第3実施形態における第2小当り遊技処理の手順を示すフローチャートである。 第3実施形態における第2連動設定処理の手順を示すフローチャートである。 第3実施形態における疑似演出処理の手順を示すフローチャートである。 (A)は従来の遊技モード移行について説明するタイミングチャートであり、(B)及び(C)は第3実施形態の遊技モード移行及び疑似演出について説明するタイミングチャートである。 第3実施形態におけるST回数表示処理の手順を示すフローチャートである。 第3実施形態の液晶表示装置におけるST表示制御について説明するタイミングチャートである。 第4実施形態のパチンコ機における遊技盤の正面図である。 第4実施形態の遊技状態(遊技モード)の遷移を示す図である。 第4実施形態の第1特別図柄及び第2特別図柄の遊技スペックを示す各種テーブルの一例である。 第4実施形態の同時変動制御構造の制御パターンの概要を説明する図である。 第4実施形態における第1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。 第4実施形態における第1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。 第4実施形態における第1優先判定処理の手順を示すフローチャートである。 第4実施形態における第1変動中処理の手順を示すフローチャートである。 第4実施形態における第1大当り遊技処理の手順を示すフローチャートである。 第4実施形態における時短機能設定処理の手順を示すフローチャートである。 第4実施形態における第1連動設定処理の手順を示すフローチャートである。 第4実施形態における第2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。 第4実施形態における第2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。 第4実施形態における第2優先判定処理の手順を示すフローチャートである。 第4実施形態における第2変動中処理の手順を示すフローチャートである。 第4実施形態における第2大当り遊技処理の手順を示すフローチャートである。 第4実施形態における第2連動設定処理の手順を示すフローチャートである。 第4実施形態におけるラウンド演出設定処理の手順を示すフローチャートである。 第4実施形態の大当り遊技における演出遷移の一例を示す図である。 第4実施形態の変形例1の特徴的な遊技スペックについて説明する図である。 第4実施形態の変形例2の特徴的な遊技スペックについて説明する図である。 第4実施形態の変形例2の遊技状態(遊技モード)の遷移を示す図である。 第5実施形態の特別図柄抽選及び普通図柄抽選の当選確率を示すテーブルである。 第5実施形態の第1特別図柄の当り種類と振分率を示すテーブルである。 第5実施形態の第2特別図柄の当り種類と振分率を示すテーブルである。 第5実施形態における演出モード遷移について説明する図である。 第5実施形態の遊技状態(遊技モード)の遷移を示す図である。 第5実施形態における演出モード設定処理の手順を示すフローチャートである。 第5実施形態における演出実行処理の手順を示すフローチャートである。 第5実施形態における演出遷移の一例を示す図である。
[パチンコ機の全体構造]
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。まず、図1乃至図7を参照して実施形態に係るパチンコ機の全体について説明する。図1は、実施形態に係るパチンコ機の外枠に対して本体枠を開放し、本体枠に対して扉枠を開放した状態を示す斜視図である。図2は、パチンコ機の正面図であり、図3は、パチンコ機の右側面図である。また、図4は、パチンコ機の平面図であり、図5は、パチンコ機の背面図である。更に、図6は、パチンコ機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の後方から見た分解斜視図であり、図7は、パチンコ機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の前方から見た分解斜視図である。
図1乃至図7において、本実施形態に係るパチンコ機1は、遊技ホールの島設備(図示しない)に設置される外枠2と、外枠2に開閉自在に軸支され前側が開放された箱枠状の本体枠3と、本体枠3に前側から装着固定され遊技媒体としての遊技球が打ち込まれる遊技領域1100を有した遊技盤4と、本体枠3及び遊技盤4の前面を遊技者側から閉鎖するように本体枠3に対して開閉自在に軸支された扉枠5とを備えている。このパチンコ機1の扉枠5には、遊技盤4の遊技領域1100が遊技者側から視認可能となるように形成された遊技窓101と、遊技窓101の下方に配置され遊技球を貯留する皿状の上皿301及び下皿302と、上皿301に貯留された遊技球を遊技盤4の遊技領域1100内へ打ち込むために遊技者が操作するハンドル装置500と、を備えている。
本例のパチンコ機1は、図示するように、正面視において、外枠2、本体枠3、及び扉枠5が夫々上下方向へ延びた縦長の矩形状に形成されており、夫々の左右方向の横幅が略同じ寸法とされていると共に、上下方向の縦幅の寸法が、外枠2に対して本体枠3及び扉枠5の寸法が若干短く形成されている。そして、本体枠3及び扉枠5よりも下側の位置において、外枠2の前面に装飾カバー23が取付けられており、扉枠5及び装飾カバー23によって外枠2の前面が完全に閉鎖されるようになっている。また、外枠2、本体枠3、及び扉枠5は、上端が略揃うように夫々が配置されると共に、外枠2の左端前側の位置で本体枠3及び扉枠5が回転可能に軸支されており、外枠2に対して本体枠3及び扉枠5の右端が前側へ移動することで開状態となるようになっている。
このパチンコ機1は、正面視において、略円形状の遊技窓101を介して遊技球が打ち込まれる遊技領域1100が望むようになっており、その遊技窓101の下側に前方へ突出するように二つの上皿301及び下皿302が上下に配置されている。また、扉枠5の前面右下隅部には、遊技者が操作するためのハンドル装置500が配置されており、上皿301内に遊技球が貯留されている状態で遊技者がハンドル装置500を回転操作すると、その回転角度に応じた打球強さで上皿301内の遊技球が遊技盤4の遊技領域1100内へ打ち込まれて、遊技をすることができるようになっている。
なお、詳細は後述するが、扉枠5の遊技窓101は、透明なガラスユニット590によって閉鎖されており、遊技者から遊技領域1100内を視認することができるものの、遊技者が遊技領域1100内へ手等を挿入して遊技領域1100内の遊技球や障害釘、各種入賞口や役物等に触ることができないようになっている。また、本体枠3の後側には、各種の制御基板が備えられていると共に、遊技盤4の後方を覆うように閉鎖するカバー体1250備えられている。
[外枠]
外枠2について、主として図8乃至図16を参照して説明する。図8は外枠の正面斜視図であり、図9は外枠の正面から見た分解斜視図であり、図10は外枠の正面図である。また、図11は外枠の背面斜視図であり、図12は外枠の右側面図である。更に、図13は、本体枠の上軸支金具と外枠の上支持金具との脱着構造を説明するための斜視図である。また、図14(A)は外枠の上支持金具の裏面に設けられるロック部材の取付状態を示す分解斜視図であり、(B)は(A)の図を下方から見た斜視図である。図15は、軸支ピンとロック部材との関係を説明するための上支持金具部分の裏面図である。更に、図16は、ロック部材の作用を説明するための上支持金具部分の裏面図である。
図8及び図9に示すように、本実施形態のパチンコ機1における外枠2は、横方向へ延びる上下の上枠板10及び下枠板11と、縦(上下)方向へ延びる左右の側枠板12,13と、夫々の枠板10,11,12,13の端部を連結する四つの連結部材14と、を備えており、連結部材14で各枠板10,11,12,13同士を連結することで縦長の矩形状(方形状)に組立てられている。本例の外枠2における上枠板10及び下枠板11は、所定厚さの無垢材(例えば、木材、合板、等)により形成されており、左右両端の前後方向の略中央に、上下に貫通し左右方向中央側へ窪んだ係合切欠部15が備えられている。なお、上枠板10における左側端部の上面及び前面には、その他の一般面よりも窪んだ取付段部10aが形成されており、この取付段部10aに後述する上支持金具20が取付けられるようになっている。
一方、側枠板12,13は、一定断面形状の軽量金属型材(例えば、アルミ合金)とされており、外側側面は略平坦面とされていると共に、内側側面は後端部に内側へ突出し上下方向(押出方向)に貫通する空洞を有した突出部16を備えており、強度剛性が高められている(図9及び図112を参照)。なお、側枠板12,13の外側側面及び内側側面には、上下方向へ延びた複数の溝が形成されており、パチンコ機1を遊技ホールの島設備に設置する際等に、作業者の指掛りとなってパチンコ機1を保持し易くすることができるようにっていると共に、外観の意匠性を高められるようになっている。なお、便宜上、側枠板12,13の側面に形成された複数の溝を省略して示した図面もある。
本例の外枠2における連結部材14は、所定厚さの金属板をプレス成型等によって屈曲塑性変形させることで形成されたものであり、上枠板10又は下枠板11に固定され左右方向へ延びた板状の水平片17と、水平片17の外側端部から上下方向の一方側へ延び側枠板12,13に固定される板状の垂直片18と、垂直片18とは反対方向へ延び上枠板10又は下枠板11の係合切欠部15内に挿入係合可能な板状の係合片19と、を有している。なお、本例では、上枠板10と左側の側枠板12とを連結する連結部材14と、上枠板10と右側の側枠板13とを連結する連結部材14とは、夫々左右非対称の形状に形成されていると共に、垂直片18が前後に分かれて形成されている。一方、下枠板11と左側の側枠板12とを連結する連結部材14と、下枠板11と右側の側枠板13とを連結する連結部材14とは、夫々左右対称の形状に形成されている。
この連結部材14は、水平片17の上面及び下面が上枠板10及び下枠板11の下面及び上面と当接すると共に、係合片19が上枠板10及び下枠板11の係合切欠部15内に挿入係合された状態で、水平片17及び係合片19を貫通して所定のビスが上枠板10及び下枠板11にねじ込まれることで、上枠板10及び下枠板11に固定されるようになっている。また、上枠板10に固定された連結部材14は、その垂直片18が側枠板12,13の上端内側側面に当接した状態で、側枠板12,13を貫通して所定のビスが垂直片18へねじ込まれることで、上枠板10と側枠板12,13とを連結することができるようになっている。なお、上枠板10に固定された連結部材14における後側の垂直片18は、側枠板12,13の突出部16内に挿入された状態で、側枠板12,13へ固定されるようになっている。更に、下枠板11に固定された連結部材14は、その垂直片18が側枠板12,13の下端内側側面に当接した状態で、側枠板12,13を貫通して所定のビスが垂直片18へねじ込まれることで、下枠板11と側枠板12,13とを連結することができるようになっており、四つの連結部材14により、上枠板10、下枠板11、及び側枠板12,13を枠状に組立てることができるようになっている。
本例の外枠2は、上枠板10の左端上面に固定される上支持金具20と、上支持金具20と対向するように配置され左側の側枠板12における下部内側の所定位置に固定される下支持金具21と、下支持金具21の下面を支持するように配置され左右の側枠板12,13を連結するように固定される補強金具22と、補強金具22の前面に固定される装飾カバー23と、を備えている。この上支持金具20及び下支持金具21は、本体枠3及び扉枠5を開閉可能に軸支するためのものである。
まず、上支持金具20は、上枠板10に固定される板状の固定片20aと、固定片20aの前端から上枠板10の前端よりも前方へ突出する支持突出片20bと、支持突出片20bにおける前端付近の右側端から先端中央部へ向かって屈曲するように切欠かれて形成された支持鉤穴20cと、固定片20a及び支持突出片20bの左端から下方へ垂下し左側の側枠板12における外側側面と当接する板状の垂下固定片20d(図14(A)を参照)と、垂下固定片20dと連続し支持突出片20bの外側縁に沿って垂下する垂下壁20e(図14を参照)と、垂下壁20eと連続し支持鉤穴20cの入口端部で内側へ向って傾斜した停止垂下部20f(図15を参照)と、を備えている。この上支持金具20における支持鉤穴20cには、後述する本体枠3における上軸支金具630の軸支ピン633(図67を参照)が着脱自在に係合されるようになっている。また、上支持金具20は、固定片20aと垂下固定片20dとによって、上枠板10と左側の側枠板12とを連結することができるようになっている。
この上支持金具20は、支持突出片20bの外側縁から垂下する垂下壁20eによって、支持突出片20bの強度が高められていると共に、詳細は後述するが、正面から見た時に支持突出片20bの裏面に配置されるロック部材27が遊技者側から視認できないように隠蔽することができ、外観の見栄えを良くすることができるようになっている。また、支持突出片20bに形成された支持鉤穴20cは、垂下壁20eが形成されない反対側(右側)の側方から先端中央部に向かって傾斜状となるようにく字状に屈曲した形状とされていると共に、支持鉤穴20cの傾斜状穴部の幅寸法は、軸支ピン633の直径よりもやや大きな寸法とされている。
一方、下支持金具21は、補強金具22上に載置固定される水平固定片21aと、水平固定片21aの左端から上方へ立上がり左側の側枠板12の内側側面に固定される垂直固定片21bと、水平固定片21aの前端から上枠板10及び下枠板11よりも前方へ突出する板状の支持突出片21cと、支持突出片21cの前端付近から上向きに突設されたピン状の支持突起21dと、を備えている。この下支持金具21における支持突起21dには、後述する本体枠3の本体枠軸支金具644(図70等を参照)に形成された本体枠軸支が挿入されるようになっており、下支持金具21の支持突起21dを、本体枠3における本体枠軸支金具644の支持穴に挿入した後に、本体枠3の上軸支金具630の軸支ピン633を支持鉤穴20cに係止することにより簡単に本体枠3を開閉自在に軸支することができるようになっている。
また、本例の外枠2は、図示するように、右側の側枠板13の内側に、上下方向に所定距離離反して配置される二つの閉鎖板24,25が取付固定されている。これら閉鎖板24,25は、平面視で略L字状に形成されており、下側に配置される閉鎖板25には、前後方向に貫通する矩形状の開口25aを有している(図9を参照)。この閉鎖板24,25は、外枠2に対して本体枠3を閉じる際に、本体枠3の開放側辺に沿って取付けられる錠装置1000のフック部1054,1065(図97を参照)と係合するものであり、詳細は後述するが、錠装置1000のシリンダ錠1010に鍵を差し込んで一方に回動することにより、フック部1054,1065と閉鎖板24,25との係合が外れて本体枠3を外枠2に対して開放することができるものである。
更に、本例の外枠2は、補強金具22の右端上面に固定される案内板26を更に備えている。この案内板26は、外枠2に対して本体枠3を閉止する際に、本体枠3をスムーズに案内するためのものであり、交換可能に装着固定されている。
また、本例の外枠2は、図14等に示すように、上支持金具20における支持突出片20bの裏面に支持されたロック部材27を更に備えており、リベット28によって支持突出片20bに対して回動可能に軸支されている。このロック部材27は、合成樹脂により形成されており、リベット28により軸支される位置から前方へ突出するストッパ部27aと、リベット28により軸支される位置から右方向へストッパ部27aよりも短く突出する操作部27bと、操作部27bに対してリベット28により軸支される位置とは反対側から突出する弾性片27cと、ストッパ部27aの先端に前方側へ膨出するように形成された円弧状の先端面27dと、を備えている。このロック部材27は、図示するように、ストッパ部27aと操作部27bとで、略L字状に形成されている。また、ロック部材27の弾性片27cは、ストッパ部27aや操作部27bよりも狭い幅に形成されていると共に、ストッパ部27aから左方へ遠ざかるに従って前方へ延びだすように形成されている。
このロック部材27は、図14(B)や図15に示すように、上支持金具20の支持突出片20bに支持した状態(通常の状態)では、弾性片27cの先端当接部が垂下壁20eの内側面と当接しており、ストッパ部27aが支持鉤穴20cの傾斜状穴部を閉塞するようになっていると共に、ストッパ部27aの先端部分が、支持鉤穴20cの傾斜状穴部の先頭空間部分を閉塞した状態とはならず、支持鉤穴20cの先頭空間部分に本体枠3の上軸支金具630の軸支ピン633を挿入可能な空間が形成された状態となっている。
本例の上支持金具20とロック部材27とを用いた軸支ピン633の支持機構は、軸支ピン633が支持鉤穴20cの傾斜状穴部の先端空間部分に挿入されてストッパ部27aの先端側方が入口端部の停止垂下部20fに対向している状態(この状態ではストッパ部27aの先端側方と停止垂下部20fとの間に僅かな隙間があり当接した状態となっていない)である通常の軸支状態においては、屈曲して形成される支持鉤穴20cの傾斜状穴部の先端空間部分に位置する軸支ピン633とストッパ部27aの先端面27dとの夫々の中心が斜め方向にずれて対向した状態となっている。そして、この通常の軸支状態においては、重量のある本体枠3を軸支している軸支ピン633が支持鉤穴20cの先端部分に当接した状態となっているので、軸支ピン633からストッパ部27aの先端面27dへの負荷がほとんどかかっていないため、ロック部材27の弾性片27cに対し負荷がかかっていない状態となっている。なお、ストッパ部27aの先端に円弧状の先端面27dを備えているので、ロック部材27を回動させるために操作部27bを回動操作した時に、ロック部材27がスムーズに回動するようになっている。また、図示では、先端面27dの円弧中心が、リベット28の中心(ロック部材27の回転中心)とされている。
従って、軸支ピン633が支持鉤穴20cの傾斜状穴部の傾斜に沿って抜ける方向に作用力Fがかかって円弧状の先端面27dに当接したとき、その作用力Fを、軸支ピン633と円弧状の先端面27dとの当接部分に作用する分力F1(先端面27dの円弧の法線方向)と、軸支ピン633と支持鉤穴20cの傾斜状穴部の一側内面との当接部分に作用する分力F2と、に分けたときに、分力F1の方向がリベット28の中心(ロック部材27の回転中心)を向くため、ロック部材27のストッパ部27aの先端部が支持突出片20bから外れる方向(図示の時計方向)に回転させるモーメントが働かず、軸支ピン633がロック部材27のストッパ部27aの先端部と支持鉤穴20cの傾斜状穴部の一側内面との間に挟持された状態を保持する。このため、通常の軸支状態でもあるいは軸支ピン633の作用力がロック部材27にかかった状態でも、ロック部材27の弾性片27cに常時負荷がかからず、合成樹脂で一体形成される弾性片27cのクリープによる塑性変形を防止し、長期間に亘って軸支ピン633の支持鉤穴20cからの脱落を防止することができる。なお、仮に無理な力がかかってロック部材27のストッパ部27aの先端部が支持突出片20bから外れる方向(図示の時計方向)に回転させられても、ストッパ部27aの先端部の一側方が停止垂下部20fに当接してそれ以上外れる方向に回転しないので、ロック部材27が支持突出片20bの外側にはみ出ないようになっている。
なお、ストッパ部27aの先端面27dの形状は円弧状でなくても、上記した分力F1の作用により回転モーメントが生じない位置又はロック部材27をその先端部が支持突出片20bの外側に向って回転させる回転モーメントが生ずる位置にロック部材27の回転中心(リベット28により固定される軸)を位置させることにより、常時ロック部材27の弾性片27cに対しても負荷がかかることはないし、ロック部材27が回転してもストッパ部27aの先端一側方が停止垂下部20fに当接するだけであるため、ロック部材27が支持突出片20bの外側にはみ出ることもないという点を本出願人は確認している。
本例のロック部材27の作用について図16を参照して具体的に説明する。外枠2に本体枠3を開閉自在に軸支する前提として、本体枠3の本体枠軸支金具644(図67を参照)に形成される本体枠軸支穴(図示しない)に下支持金具21の支持突起21dが挿通されていることが必要である。そのような前提において、図16(A)に示すように、本体枠3の上軸支金具630の軸支ピン633をロック部材27のストッパ部27aの側面に当接させて押し込むことにより、図16(B)に示すように、ロック部材27が弾性片27cを変形させながら反時計方向に回動させるので、軸支ピン633を支持鉤穴20cに挿入することができる。そして、軸支ピン633が支持鉤穴20cの傾斜状穴部の先頭空間部分に到達すると、図16(C)に示すように、軸支ピン633とストッパ部27aの先端側面とが当接しなくなるためロック部材27が弾性片27cの弾性力に付勢されて時計方向に回動し、ロック部材27のストッパ部27aが再度通常の状態に戻って支持鉤穴20cの入口部分を閉塞すると同時に、ストッパ部27aの先端部分が軸支ピン633と対向して軸支ピン633が支持鉤穴20cから抜け落ちないようになっている。
そして、この状態は、図16(D)に示すように、本体枠3が完全に閉じられた状態でもあるいは本体枠3の通常の開閉動作中も保持される。次いで、軸支ピン633を支持鉤穴20cから取外すためには、図16(E)に示すように、指を支持突出片20bの裏面に差し入れてロック部材27の操作部27bを反時計方向に回動することにより、ロック部材27が弾性片27cの弾性力に抗して回動し、ストッパ部27aの先端部分が支持鉤穴20cから退避した状態となるため、軸支ピン633を支持鉤穴20cから取り出すことができる。その後、本体枠3を持ち上げて、本体枠軸支金具644に形成される本体枠軸支穴と下支持金具21の支持突起21dとの係合を解除することにより、本体枠3を外枠2から取外すことができるようになっている。
上述したように、本例の外枠2は、外枠2の外郭を構成する上枠板10と下枠板11とを従来と同じく木製とすると共に、側枠板12,13を軽量金属(例えば、アルミ合金)の押出型材としているので、パチンコ機1を遊技場に列設される島設備に設置する場合に、島の垂直面に対し所定の角度をつけて固定する作業を行う必要があるが、そのような作業は上枠板10及び下枠板11と島とに釘を打ち付けて行われるため、釘を打ち易くすることができ、既存の島設備に本パチンコ機1を問題なく設置することができるようになっている。また、側枠板12,13を軽量金属(例えば、アルミ合金)の押出型材としているので、従来の木製の外枠と比較して強度を維持しつつ肉厚を薄く形成することが可能となり、側枠板12,13の内側に隣接する本体枠3の周壁部605(図67等を参照)の正面から見たときの左右幅を広くすることができ、左右方向の寸法の大きな遊技盤4を本体枠3に装着することができると同時に、遊技盤4の遊技領域1100を大きく形成することができるようになっている。
また、外枠2の外郭を構成する上枠板10、下枠板11、及び側枠板12,13を連結部材14で連結するようにしており、連結部材14が側枠板12,13の内面に密着して止着されると共に連結部材14と上枠板10及び下枠板11が係合した状態で止着されるので、外枠2の組付け強度を高くすることができ、頑丈な方形状の枠組みとすることができるようになっている。また、連結部材14によって上枠板10、下枠板11、及び側枠板12,13を連結した後、上支持金具20を所定の位置に取付けたときに、図10に示すように、各枠板10,11,12,13の外側面(外周面)から外側に突出する部材が存在しないので、パチンコ機1を図示しない遊技ホールの島設備に設置する際に、隣接する装置(例えば、隣接する玉貸機)と密着して取付けることができるようになっている。
[扉枠の全体構成]
次に、上記した本体枠3の前面側に開閉自在に設けられる扉枠5について、図17乃至図23を参照して説明する。図17は扉枠の正面図であり、図18は扉枠の背面図であり、図19は扉枠を右前方から見た斜視図である。また、図20は扉枠を左前方から見た斜視図であり、図21は扉枠の右後方から見た斜視図である。更に、図22は扉枠を正面から見た分解斜視図であり、図23は扉枠を背面から見た分解斜視図である。
本実施形態のパチンコ機1における扉枠5は、図示するように、外形が縦長の矩形状に形成され内周形状がやや縦長の円形状(楕円形状)とされた遊技窓101を有する扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の右外周に取付けられる右サイド装飾ユニット200と、右サイド装飾ユニット200と対向し扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の左外周に取付けられる左サイド装飾ユニット240と、扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の上部外周に取付けられる上部装飾ユニット280と、を備えている。
また、扉枠5は、扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の下部に取付けられる皿ユニット300と、皿ユニット300の上部中央に取付けられる操作ユニット400と、皿ユニット300を貫通して扉枠ベースユニット100の右下隅部に取付けられ遊技球の打込操作をするためのハンドル装置500と、扉枠ベースユニット100を挟んで皿ユニット300の後側に配置され扉枠ベースユニット100の後面に取付けられるファールカバーユニット540と、ファールカバーユニット540の右側で扉枠ベースユニット100の後面に取付けられる球送りユニット580と、扉枠ベースユニット100の後側に遊技窓101を閉鎖するように取付けられるガラスユニット590と、を備えている。
[扉枠ベースユニット]
続いて、扉枠5における扉枠ベースユニット100について、主に図24乃至図28を参照して説明する。図24(A)は扉枠における扉枠ベースユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における扉枠ベースユニットの背面斜視図である。また、図25は扉枠ベースユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図26は扉枠ベースユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。更に、図27は扉枠ベースユニットにおける扉枠ベース基板カバーと配線保持部材とを後から見た斜視図であり、図28は扉枠と本体枠とを電気的に接続するの配線の様子を拡大して示す斜視図である。
本例の扉枠ベースユニット100は、図示するように、外形が縦長の矩形状に形成されると共に、前後方向に貫通し内周が縦長の略楕円形状に形成された遊技窓101を有する扉枠ベース本体110と、扉枠ベース本体110の前面で遊技窓101の下端左右両外側に配置される一対のサイドスピーカ130と、サイドスピーカ130を扉枠べース本体110へ固定するためのスピーカブラケット132と、扉枠ベース本体110の前面で正面視右下隅部に取付けられハンドル装置500を支持するためのハンドルブラケット140と、を備えている。
なお、扉枠ベースユニット100は、正面視で右側のサイドスピーカ130の外側には、サイドスピーカ130の側面と、右サイド装飾ユニット200等へ接続される配線(図示は省略)の前側とを覆い扉枠ベース本体110の前面に取付けられるカバー部材134を更に備えている。このカバー部材134は、配線をスピーカ取付部111の外周に沿って案内させることができると共に、サイドスピーカ130を取付ける際や取外す際に、配線が邪魔にならないように配線を保持することができるようになっている。
また、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース本体110の後側に固定される金属製で枠状の補強ユニット150と、扉枠ベース本体110の後面で遊技窓101の下部を被覆するように取付けられる防犯カバー180と、扉枠ベース本体110の後面で遊技窓101の外周の所定位置に回動可能に取付けられるガラスユニット係止部材190と、背面視で左右方向の中央より左側(開放側)に配置され遊技窓101の下端に沿って扉枠ベース本体110の後面に取付けられる発射カバー191と、発射カバー191の下側で扉枠ベース本体110の後面に取付けられハンドル装置500の回転位置検知センサ512と主制御基板4100との接続を中継するハンドル装置中継基板192と、ハンドル装置中継基板192の後側を被覆するハンドル装置中継基板カバー193と、左右方向の中央を挟んで発射カバー191やハンドル装置中継基板192等とは反対側(背面視で左右方向中央よりも右側(軸支側))に配置され扉枠ベース本体110の後面に取付けられる扉枠ベース基板194と、扉枠ベース基板194の後側を被覆する扉枠ベース基板カバー195と、扉枠ベース基板カバー195の後面に回動可能に軸支され扉枠5側と本体枠3側とを接続する配線196(図28を参照)の一部を保持する配線保持部材197と、を備えている。
本例の扉枠ベースユニット100は、合成樹脂からなる矩形状の扉枠ベース本体110の後側に、金属板金をリベット等で組立てた補強ユニット150が固定されることで、全体の剛性が高められていると共に、各装飾ユニット200,240,280や皿ユニット300等を充分に支持することができる強度を有している。
この扉枠ベースユニット100における扉枠ベース基板194は、サイドスピーカ130や左右のサイド装飾ユニット200,240の上部スピーカ222,262と接続されると共に、後述する遊技盤4に備えられた周辺制御部4140と接続されており、周辺制御部4140から送られた音響信号を増幅して各スピーカ130へ出力する増幅回路を備えている。なお、本例では、各装飾ユニット200,240,280及び皿ユニット300や操作ユニット400に備えられた各装飾基板430,432、操作ユニット400に備えられたダイヤル駆動モータ414やセンサ432a,432b,432c、ハンドル装置中継基板192、皿ユニット300の貸球ユニット360等と、払出制御基板4110や周辺制御部4140等とを接続する配線196が、扉枠ベース基板194の背面視で右側(軸支側)の位置に集約して束ねられた上で、詳細は後述するが、配線保持部材197に保持されて後方へ延出し、本体枠3の主側中継端子板880や周辺側中継端子板882に接続されるようになっている(図1及び図28を参照)。
本例の扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110は、図25及び図26等に示すように、合成樹脂によって縦長の額縁状に形成されており、前後方向に貫通し内形が縦長で略楕円形状の遊技窓101が全体的に上方へオフセットするような形態で形成されている。この遊技窓101は、図示するように、左右側及び上側の内周縁が連続した滑らかな曲線状に形成されているのに対して、下側の内周縁は左右へ延びた直線状に形成されている。また、扉枠ベース本体110における遊技窓101の下側の内周縁には、軸支側(正面視で左側)にファールカバーユニット540の第一球出口544aを挿通可能な方形状の切欠部101aが形成されている。この扉枠ベース本体110は、遊技窓101によって形成される上辺、及び左右の側辺の幅が、後述する補強ユニット150の上側補強板金151、軸支側補強板金152、及び開放側補強板金153の幅と略同じ幅とされており、正面視における扉枠ベース本体110の大きさに対して、遊技窓101が可及的に大きく形成されている。従って、扉枠5の後側に配置される遊技盤4のより広い範囲を遊技者側から視認できるようになっており、従来のパチンコ機よりも広い遊技領域1100を容易に形成することができるようになっている。
この扉枠ベース本体110は、遊技窓101の他に、遊技窓101の下辺の左右両外側に配置されサイドスピーカ130を取付固定するためのスピーカ取付部111と、球送りユニット580を取付固定するための球送りユニット取付凹部112(図26を参照)と、球送りユニット取付凹部112の所定位置で前後方向に貫通し皿ユニット300の上皿301に貯留された遊技球を球送りユニット580へ供給するための球送り開口113と、正面視で右下隅部に配置され前方へ膨出した前面の右側(開放側)端が後退するように斜めに傾斜しハンドルブラケット140を取付けるためのハンドル取付部114と、ハンドル取付部114の所定位置で前後方向へ貫通しハンドル装置500からの配線が通過可能な配線通過口115と、ハンドル取付部114の上側で前方へ向かって短く延びた筒状に形成され後述するシリンダ錠1010が挿通可能な錠穴116と、を備えている。
また、扉枠ベース本体110は、図26に示すように、球送りユニット取付凹部112に下側にハンドル装置中継基板192を取付けるための中継基板取付部117と、背面視で扉枠ベース本体の下部右側(軸支側)に配置され扉枠ベース基板194を取付けるための基板取付部118と、遊技窓101の下端の背面視左側(開放側)でスピーカ取付部111よりも中央寄りの配置から後方へ突出し防犯カバー180の装着弾性片185を装着するための防犯カバー装着部119と、扉枠ベース本体110は、その後側に、遊技窓101の内周に略沿って前側へ凹みガラスユニット590の前面外周縁が当接可能なガラスユニット支持段部110aと、遊技窓101の外周の所定位置から後方へ突出しガラスユニット係止部材190を回動可能に支持するための二つの係止部材取付部110bと、を更に備えている。
更に、扉枠ベース本体110の後側には、その下辺から後方へ所定量突出する扉枠突片110cを備えており、この扉枠突片110cは、後述する本体枠3の係合溝603内に挿入されるようになっている。これにより、扉枠5が本体枠3に対して位置決め係止することができると共に、扉枠5と本体枠3との下辺の隙間からピアノ線等の不正な工具をパチンコ機1内に挿入しようとしても、係合溝603と係合した扉枠突片110cによって工具の侵入を阻止することができ、パチンコ機1の防犯機能が高められている。また、扉枠ベース本体110の後側には、背面視で錠穴116よりもやや右下の位置から後方へ突出し本体枠3の嵌合溝612と嵌合する位置決め突起110dを、備えており、この位置決め突起110dが嵌合溝612と嵌合することで、扉枠5と本体枠3とが正しい位置に位置決めされるようになっている。
また、扉枠ベース本体110は、図25に示すように、その前面に、装飾ユニット200,240,280や皿ユニット300等を固定するための前方へ突出した複数の取付ボス110eが備えられていると共に、ハンドルブラケット140等を取付けるための取付穴が適宜位置に多数形成されている。また、扉枠ベース本体110は、サイドスピーカ130を取付けるスピーカブラケット132を取付けるための取付用ボス部110gや、サイドスピーカカバー338を取付けるための取付孔110h(図18等を参照)が、適宜位置に夫々形成されている。
また、扉枠ベース本体110には、球送りユニット取付凹部112と基板取付部118との間で、後述する皿ユニット300の皿ユニットベース310における下皿球供給口310g及びファールカバーユニット540の第二球出口544bと対応する位置に、前後方向に貫通する矩形状の球通過口110fを備えている。
更に、扉枠ベース本体110は、その前面側で左右のスピーカ取付部111の上側に形成され、略三角形状に後方へ窪んだ浅い皿状の防犯凹部120を備えている。この防犯凹部120内には、前側から浅い箱状に形成された防犯部材121が挿入されるようになっている。防犯部材121は、金属板を屈曲させて前側が開放された浅い箱状に形成されている。これにより、パチンコ機1の内部に対して不正行為を行うために、例えば、サイド装飾ユニット200,240と皿ユニット300との接合部位から細いドリル等により穴を開けられてしまうのを金属製の防犯部材121によって阻止することができ、不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。
また、扉枠ベースユニット100における一対のサイドスピーカ130は、詳細な図示は省略するが、その中心軸の交点が正面視で遊技領域1100の中央から前方へ所定距離(例えば、0.2m〜1.5m)の位置となるように斜めに固定されており、パチンコ機1の前に着座した遊技者に対して最も効率良く音が届くようになっている。また、このサイドスピーカ130は、主に中高音域の音を出力するようになっていると共に、パチンコ機1に対して、可及的に左右方向へ離反した位置に配置されており、左右のサイドスピーカ130から関連した異なる音を出力させることで、ステレオ感の高い音を出力することができるようになっている。
これらサイドスピーカ130は、その外周が、前側に配置された略円環状のスピーカブラケット132と、後側に配置された扉枠ベース本体110のスピーカ取付部111とによって挟持されることで、扉枠ベース本体110に取付けられるようになっている。なお、スピーカブラケット132は、所定のビスによって、前側から扉枠ベース本体110の取付用ボス部110gに取付けられるようになっている。
また、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース基板カバー195は、図25乃至図27等に示すように、前側が開放された薄い箱状に形成されていると共に、後側の後面に、上下方向の中央よりもやや下寄りの位置で前方へ窪んだ段部195aを備えている。この扉枠ベース基板カバー195の段部195aに、配線保持部材197が回動可能に取付けられている。
一方、扉枠ベースユニット100における配線保持部材197は、図27及び図28等に示すように、横方向へ長く延びた板状に形成されていると共に、断面がI字状に形成されており、比較的、硬質の合成樹脂によって形成されている。また、配線保持部材197は、図示するように、上下両端に長手方向へ沿って所定間隔で複数(本例では、上下に夫々三つずつ)の保持孔197aを備えている。この配線保持部材197は、扉枠5を組立てた状態で扉枠5が本体枠3に軸支される側の端部が、扉枠ベース基板カバー195における後面の段部195aに、上下方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支されており、詳細な図示は省略するが、配線保持部材197の自由端側が扉枠ベース基板カバー195側へ回動することで、配線保持部材197が扉枠ベース基板カバー195の段部195a内へ収容することができるようになっている。
この配線保持部材197は、その後面側に扉枠5と本体枠3とを電気的に接続するための配線196を沿わせた状態で、上下で対になった保持孔197aに所定の結束バンド198を挿通させて、その結束バンド198により配線保持部材197ごと配線196を締付けることで、配線196を保持することができるようになっている(図1及び図28を参照)。
本例の配線保持部材197は、本体枠3に対して扉枠5を閉じる方向へ回動させると、配線保持部材197の自由端側が、配線196における自由端側から本体枠3へ延びた部分により前方へ押されて扉枠ベース基板カバー195側へ近付く方向へ回動することとなる。これにより、扉枠5が閉まるに従って、配線保持部材197の自由端側が扉枠ベース基板カバー195へ接近すると共に、配線保持部材197の自由端から本体枠3側へ延びだした配線196が自由端付近で折れ曲りが大きく(鋭く)なる。そして、本体枠3に対して扉枠5が閉じられた状態となると、配線196が配線保持部材197の自由端側で横方向へ二つに折り畳まれたような状態となる。
一方、本体枠3に対して閉じられた扉枠5を開ける場合では、本体枠3と扉枠5とが相対的に遠ざかることとなるので、本体枠3側に接続された配線196によって配線保持部材197の自由端側が後方へ引っ張られることとなり、自由端側が扉枠ベース基板カバー195から遠ざかる方向(本体枠3の方向)へ移動するように配線保持部材197がスムーズに回動する。これにより、配線保持部材197の自由端側で折り畳まれた配線196が真直ぐに延びるように展開し、配線196によって阻害されること無く扉枠5を開くことができるようになっている。
このように、本例によると、配線保持部材197における扉枠5が軸支された側と同じ側の端部を、自由端側が本体枠3側へ移動するように扉枠ベース基板カバー195の後面に回動可能に軸支させると共に、扉枠5と本体枠3とを電気的に接続する配線196の一部が上下方向へ移動しないように保持するようにしているので、本体枠3に対して扉枠5を開閉させる際に、配線保持部材197の自由端側で配線196を横方向へ折り畳んだり、展開したりすることができ、扉枠5の開閉時に配線196が引っ掛かったり挟まれたりして不具合(配線196の断線、接続コネクタの外れ、等)が発生するのを防止することができるようになっている。
また、本例によると、配線保持部材197を比較的硬質で剛性の高い合成樹脂によって形成するようにしているので、扉枠5の開閉時に、配線196を介して力が作用しても、上下方向へブレ難くすることができ、配線196を確実に横方向へ折り畳んで不具合の発生を防止することができるようになっている。
更に、上述したように、本体枠3に対して扉枠5を開閉させると、配線保持部材197によって本体枠3と扉枠5との間に橋が掛けられたような状態となり、配線196の一部が配線保持部材197によって架橋された状態となるので、扉枠5を開閉させても配線196が垂れ下がるのを防止することが可能となり、配線196が垂れ下がることで他の部材に引っ掛かって断線したり扉枠5を閉じることができなくなったりする不具合が発生するのを防止することができ、本体側電気機器としての主制御基板4100、周辺制御部4140、払出制御基板4110等、と扉側電気機器としての各装飾基板214,216,254,256,288,290,322,430,432、スピーカ130,222,262、貸球ユニット360、ハンドル装置500等、とを接続する配線196に不具合が発生するのを可及的に低減させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、配線196の一部を回動可能な配線保持部材197で保持するようにしており、扉枠5を開ける時に、配線196が無理に引っ張られても、配線保持部材197が回動することでその力を逃がすことができるので、配線196が引っ張られるのを防止することができ、配線196が引っ張られて断線したり接続コネクタが外れたりするような不具合が発生するのを防止することができる。また、配線保持部材197によって配線196の一部を保持しており、配線196は配線保持部材197の回動に伴って単に部分的に曲がるだけなので、従来のもの(例えば、特開2009−213675)のように配線196が摺動することは無く、配線196が擦れて漏電や断線等の不具合が発生するのを防止することができる。
更に、配線保持部材197では、長手方向へ所定間隔で複数配置された貫通する保持孔197aに結束バンド198を挿通し、その結束バンド198によって配線196を保持するようにしているので、配線196を保持した結束バンド198が保持孔197aによって配線保持部材197の長手方向へ移動(スライド)するのを防止することができ、配線保持部材197から結束バンド198ごと配線196が脱落するのを確実に防止することができる。
また、本体枠3や扉枠5から配線196が延びだす位置を、扉枠5を軸支した側辺から離れた位置に配置しても、上述したように、配線保持部材197によって配線196をガイド(案内)して扉枠5を開閉する際に配線196が垂れ下がるのを良好に防止することができるので、扉枠5おける軸支された側辺側の強度・剛性を高めた本体枠3や扉枠5とすることができ、不正行為に対する防犯性の高いパチンコ機1とすることができる。
更に、配線保持部材197に、長手方向に対して直角方向両端から少なくとも配線196が沿う側へ突出した突条を備えるようにしているので、一対の突条と配線保持部材197の板面によって配線196の三方を囲むことができ、配線保持部材197に沿って配線196を保持し易くすることができる。また、配線保持部材197に突条を備えているので、板状の配線保持部材197の曲げ剛性を高めることができ、扉枠5を開閉する際に配線保持部材197が撓むのを防止して、良好な状態で扉枠5を開閉させることができる。
また、配線保持部材197の基端から先端までの長さを、扉枠5の軸心から基端の軸心までの距離と略同じ長さとすると共に、配線196における本体枠3の延出した所定位置を、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態で、配線保持部材197の先端よりも扉枠5の軸心側の位置としており、扉枠5の軸心と、配線保持部材197の軸心と、配線保持部材197の先端と、本体枠3における配線196が延出した位置とで、パンタグラフ状のリンクが形成されることとなるので、扉枠5を開閉する時の配線保持部材197や配線196等の動きをスムーズにすることができ、開閉作業を行い易くすることができると共に、配線196等に無理な力が作用するのを低減させて断線等の不具合が発生するのを防止することができる。また、パンタグラフ状のリンクを形成するようにしており、扉枠5を閉じる時に、配線196における配線保持部材197の先端から延出した部位が、配線保持部材197と沿うように先端側で折返されるので、扉枠5を閉じた状態では配線196を折り畳んでコンパクトに纏めることができ、配線保持部材197や配線196に係るスペースを小さくすることができる。
また、配線保持部材197を軸支した扉枠5の扉枠ベース基板カバー195に、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態で、本体枠3側へ向かって開口するように凹み、配線保持部材197を収納可能な段部195aを備えるようにしており、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、配線保持部材197が扉枠ベース基板カバー195に備えられた段部195a内へ収納されるので、扉枠5側から本体枠3側への配線保持部材197の突出を殆ど無くすことができ、扉枠5を閉じ易くすることができると共に、配線保持部材197や配線196をコンパクトに纏めることができ、配線196が他の部材に引っ掛かるのを抑制して不具合が発生するのを防止することができる。
更に、配線196を、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態で、配線保持部材197における本体枠3側を向いた面に沿って保持させるようにしており、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とした時に、配線保持部材197を扉枠5側(扉枠ベース基板カバー195側)へ可及的に近づけることができるので、これによっても、扉枠5からの配線保持部材197の突出を少なくすることができ、扉枠5を閉じ易くすることができると共に、配線保持部材197や配線196に係るスペースを可及的に小さくすることができる。
また、配線保持部材197を移動(開閉)する扉枠5側に備えているので、扉枠5を開閉させる慣性力や衝撃力等によって配線保持部材197を回動させ易くすることができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。また、配線保持部材197を扉枠5に備えており、本体枠3に配線保持部材197を備えるためのスペースを確保する必要が無いので、相対的に本体枠3における遊技盤4を保持するスペースを大きくしてより大きな遊技領域1100を有した遊技盤4を保持させることができ、大型の遊技盤4を有して遊技者の関心を強く引付けることが可能なパチンコ機1とすることができる。
更に、扉枠ベースユニット100におけるハンドルブラケット140は、図25及び図26等に示すように、前後方向へ延びた円筒状の筒部141と、筒部141の後端から筒部141の軸に対して直角方向外方へ延びた円環状のフランジ部142と、筒部141内に突出し筒部141の周方向に対して不等間隔に配置された複数(本例では三つ)の突条143と、筒部141の外周面とフランジ部142の前面とを繋ぎ筒部141の周方向に対して複数配置された補強リブ144と、を備えている。このハンドルブラケット140は、フランジ部142の後面を、扉枠ベース本体110におけるハンドル取付部114の前面に当接させた状態で、所定のビスによってハンドル取付部114に取付けられるようになっており、図示は省略するが、ハンドル取付部114に取付けた状態で、筒部141の軸が配線通過口115と略一致するようになっている。
このハンドルブラケット140は、筒部141内の上側に一つ、下側に二つの突条143が備えられており、これら突条143はハンドル装置500におけるハンドルベース502の円筒部の外周に形成された三つの溝部502aと対応する位置に配置形成されている。そして、ハンドルブラケット140の三つの突条143と、ハンドル装置500の三つの溝部502aとが一致した状態でのみ、筒部141内にハンドル装置500の円筒部を挿入させることができるようになっている。従って、ハンドルブラケット140に挿入支持されたハンドル装置500のハンドルベース502は、ハンドルブラケット140に対して相対回転不能の状態に支持されるようになっている。
なお、このハンドルブラケット140は、斜めに傾斜したハンドル取付部114に取付けることで、筒部141の軸が正面視で前方へ向かうに従って右側(開放側)へ向かうように延びるように取付けられ、この状態でハンドルブラケット140に支持されたハンドル装置500の軸も、同様に斜めに傾いた状態となるようになっている。
続いて、扉枠ベースユニット100における補強ユニット150は、主に図25及び図26に示すように、扉枠ベース本体110の上辺部裏面に沿って取付けられる上側補強板金151と、扉枠ベース本体110の軸支側辺部裏面に沿って取付けられる軸支側補強板金152と、扉枠ベース本体110の開放側辺部裏面に沿って取付けられる開放側補強板金153と、扉枠ベース本体110の遊技窓101の下辺裏面に沿って取付けられる下側補強板金154と、を備えており、それらが相互にビスやリベット等で締着されて方形状に形成されている。
この補強ユニット150は、図25に示すように、軸支側補強板金152の上下端部に、その上面に上下方向に摺動自在に設けられる軸ピン155を有する上軸支部156と、その下面に軸ピン157(図18を参照)を有する下軸支部158と、を一体的に備えている。そして、上下の軸ピン155,157が本体枠3の軸支側上下に形成される上軸支金具630及び下軸支金具640に軸支されることにより、扉枠5が本体枠3に対して開閉自在に軸支されるようになっている。
また、補強ユニット150の下側補強板金154は、所定幅を有して扉枠ベース本体110の横幅寸法と略同じ長さに形成され、その長辺の両端縁のうち下方長辺端縁に前方へ向って折曲した下折曲突片159と(図25を参照)、上方長辺端縁の正面視右側(開放側)部に前方へ向って折曲した上折曲突片160と、上方長辺端縁の中央部分に後方へ折曲した上で垂直方向に延設された垂直折曲突片161と、を備えている。この下側補強板金154は、下折曲突片159や上折曲突片160等によって強度が高められている。また、この下側補強板金154の垂直折曲突片161は、後述するガラスユニット590のユニット枠592の下端に形成された係止片592bと係合係止するように形成されており、ガラスユニット590を扉枠5の裏面側に固定した時に、垂直折曲突片161がガラスユニット590におけるユニット枠592の係止片592bが係止されることで、ガラスユニット590の下端が左右方向及び後方へ移動するのを規制することができるようになっている。なお、下側補強板金154には、扉枠ベース本体110の切欠部101aと略対応した切欠部162が形成されている。
また、補強ユニット150の開放側補強板金153は、上側補強板金151と下側補強板金154との間の長辺の両側に、後方へ向かって屈曲された開放側外折曲突片163と、開放側内折曲突片164とを備えており、図示するように、開放側外折曲突片163よりも開放側内折曲突片164の方が後方へ長く延び出したように形成されている。また、開放側補強板金153の後側下部には、後述する錠装置1000の扉枠用フック部1041と当接するフックカバー165が備えられている。更に、軸支側補強板金152には、その長辺の外側端に後方へ延び出すと共に軸支側の外側に開口したコ字状の軸支側コ字状突片166を備えている(図112を参照)。また、上側補強板金151は、その長辺の両側に後方へ向かって屈曲された屈曲突片167を夫々備えている。
この補強ユニット150の軸支側補強板金152は、本体枠3に対して上軸支部156と下軸支部158の上下の二点でのみ取付支持されるようになっているので、軸支側の扉枠5と本体枠3との間にドライバーやバール等の不正な工具が差込まれると、軸支側補強板金152が変形して扉枠5と本体枠3との隙間が大きくなって不正行為を行い易くなる虞があるが、本例の軸支側補強板金152では、軸支側コ字状突片166を備えているので、軸支側補強板金152の強度がより高められており、軸支側補強板金152が曲がり難くなっている。また、軸支側補強板金152の軸支側コ字状突片166は、そのコ字内に後述する本体枠3における側面防犯板950における前端片952bが挿入されるようになっており(図112を参照)、工具の挿入を阻止することができると共に、軸支側補強板金152のみが曲がるのを防止することができ、パチンコ機1の防犯機能を高めることができるようになっている。
次に、扉枠5における扉枠ベースユニット100の防犯カバー180について、主に図25及び図26を参照して説明する。この防犯カバー180は、上記したガラスユニット590の下部裏面を被覆して遊技盤4への不正具の侵入を防ぐ防犯機能が付与されたものであり、図示するように、透明な合成樹脂によって左右の補強板金152,153の間に配されるガラスユニット590の下方部を覆うような平板状に形成され、その上辺部に遊技盤4の内レール1112の下方円弧面に略沿って円弧状に形成された当接凹部181と、当接凹部181の上端に沿って後方に向って突出する防犯後突片182と、を備えている。また、防犯カバー180の左右両端には、その端部形状に沿って後方へ突出する防犯後端部突片183が夫々備えられている。なお、背面視で右側(軸支側)の防犯後端部突片183は、反対側(開放側)の防犯後端部突片183よりも後方へ長く延びだした形態となっている。一方、防犯カバー180の前面には、防犯カバー180を取付けた状態でガラスユニット590におけるユニット枠592の下方形状に沿って突設する防犯前突片184と、防犯前突片184の外側で左右の下部端に前方へ突出するU字状の装着弾性片185と、を備えている。
この防犯カバー180は、正面視で右側(開放側)の装着弾性片185を扉枠ベースユニット100の防犯カバー装着部119に装着すると共に、反対側(軸支側)の装着弾性片185を皿ユニット300の防犯カバー装着部364に装着することで、扉枠5の裏面側に着脱自在に取付けられるようになっている。この防犯カバー180を、扉枠5に取付けた状態では、詳細な図示は省略するが、防犯前突片184がガラスユニット590のユニット枠592の下部外周と嵌合するようになっていると共に、ユニット枠592の下端部後面が垂直折曲突片161と当接するようになっている。また、後方へ突出した防犯後突片182は、扉枠5を閉じた時に、軸支側の半分が遊技盤4に固定された内レール1112の下側面に挿入され、開放側の半分が前構成部材1110における内レール1112のレール防犯溝1118に挿入された状態となるようになっている。これにより、遊技盤4の遊技領域1100に不正な工具を侵入させようとしても、内レール1112の下側に挿入された防犯後突片182によりその侵入を阻止することができるようになっている。
なお、防犯カバー180は、その裏面によって、扉枠5を閉じた状態で外レール1111と内レール1112とで形成される打球の誘導通路の前面下方部分を覆うことができるようになっているので、誘導通路部分を飛送若しくは逆送する打球のガラス板594への衝突を防止することができるようになっている。
これにより、本例では、防犯カバー180で扉枠5におけるガラスユニット590(遊技窓101)の後側下部外周を覆うようにしているので、扉枠5の前側から遊技窓101とガラスユニット590との間に可撓性の高い工具を挿入してパチンコ機1内(遊技領域1100内)に対して不正行為を行おうとしても、防犯カバー180によって工具の侵入を阻止することができ、不正行為等に対してより安全性の高いパチンコ機1とすることができるようになっている。
続いて、扉枠ベースユニット100における四つのガラスユニット係止部材190は、扉枠ベース本体110から後方へ突出する係止部材取付部110bに対して回動可能に嵌合する嵌合部190aと、嵌合部190aの軸方向に対して直角方向へ延出しガラスユニット590の係止突片451fを係止する係止片190bと、を備えている。このガラスユニット係止部材190は、嵌合部190aに対して扉枠ベース本体110の係止部材取付部110bが貫通した状態で、係止部材取付部110bの先端に抜止め用のビスを固定することで、係止部材取付部110bに対して回転可能に軸支されるようになっている。
このガラスユニット係止部材190の係止片190bは、詳細な図示は省略するが、後側に後方へ突出した突条を有しており、この突条がガラスユニット590の着脱時において、回転操作する際の指掛りとなっている。
また、扉枠ベースユニット100における発射カバー191は、補強ユニット150における下側補強板金154の後側に固定されるようになっている。また、ハンドル装置中継基板カバー193及び扉枠ベース基板カバー195は、夫々扉枠ベース本体110の後側の所定位置に固定されるようになっている。なお、扉枠ベースユニット100に対して発射カバー191、ハンドル装置中継基板カバー193、及び球送りユニット580を取付けた状態では、それらの後面が略同一面状となるようになっており、それらによって本体枠3に取付けられる打球発射装置650の前面を被覆することができるようになっている。
[右サイド装飾ユニット]
続いて、扉枠5における右サイド装飾ユニット200について、主に図29乃至図31を参照して説明する。図29(A)は扉枠における右サイド装飾ユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における右サイド装飾ユニットの背面斜視図である。また、図30は、右サイド装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。更に、図31は、右サイド装飾ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。
本実施形態における扉枠5の右サイド装飾ユニット200は、図示するように、遊技窓101の前側外周のうち、正面視で下部を除く右側半分を装飾するものであり、内側が遊技窓101に沿って円弧状に形成されていると共に、外側が扉枠ベースユニット100の外周に沿って直線状に形成されている。この右サイド装飾ユニット200は、右サイド装飾ユニット200の外面を形成し略紡錘状の複数の湾曲面を有したサイドレンズ210と、サイドレンズ210の後側に配置されるサイドインナーレンズ212と、サイドインナーレンズ212の後側で上下方向の略中央から上側に配置され表面に複数のLED214a(フルカラーLED),214b(白色LED)が実装された右サイド上装飾基板214と、下側でサイドインナーレンズ212の上下方向の略中央から下側に配置され表面に複数のLED216a(フルカラーLED),216b(白色LED)が実装された右サイド下装飾基板216と、右サイド上装飾基板214の後側を覆い右サイド上装飾基板214を挟むようにサイドインナーレンズ212に取付けられる右サイド上装飾基板カバー218と、右サイド下装飾基板216の後側を覆い右サイド下装飾基板216を挟むようにサイドレンズ210及びサイドアウターカバー202に取付けられる右サイド下装飾基板カバー220と、を備えている。
また、右サイド装飾ユニット200は、サイドレンズ210の右上隅に取付けられるサイドアウターカバー202と、サイドレンズ210の前面で且つ遊技窓101の周方向に所定間隔で配置されると共に遊技窓101の略中央を中心として放射状に延びた複数のサイド閃光レンズ204と、サイドインナーレンズ212における左上部とサイドレンズ210との間に配置されるサイド上部インナーレンズ206と、サイド上部インナーレンズ206をサイドインナーレンズ212に取付けるためのインナーレンズブラケット208と、サイド上部インナーレンズ206に取付けられる右上部スピーカ222と、を備えている。
この右サイド装飾ユニット200は、サイドアウターカバー202、サイド閃光レンズ204、サイド上部インナーレンズ205、インナーレンズブラケット208、サイドレンズ210、及びサイドインナーレンズ212が、透光性の部材によって形成されており、サイドアウターカバー202、サイド上部インナーレンズ205、インナーレンズブラケット208、サイドレンズ210、及びサイドインナーレンズ212が略無色透明に、サイド閃光レンズ204が有色透明(本例では赤色)とされている。
なお、詳細な図示は省略するが、サイドインナーレンズ212及びサイド上部インナーレンズ206の表面には、複数の小径レンズが形成されており、光を乱屈折させることができるようになっている。そのため、サイドレンズ210、サイドインナーレンズ212、及びサイド上部インナーレンズ206の後側に配置された右サイド上装飾基板214や右サイド下装飾基板216の表面(前面)に実装されたLED214a,214b,216a,216b等が、遊技者側から明確に視認することができないようになっている。また、右サイド上装飾基板214や右サイド下装飾基板216の前面は、白色とされており、実装されたLED214a,214b,216a,216b等の光によって右サイド装飾ユニット200を効率良く発光装飾させることができるようになっていると共に、LED214a,214b,216a,216bが非点灯時に各装飾基板214,216が目立たないようになっている。なお、右サイド上装飾基板214及び右サイド下装飾基板216は、夫々周辺制御部4140と接続されており、周辺制御部4140からの駆動信号(発光駆動信号)により各LED214a,214b,214c,216a,216bを適宜発光させて、右サイド装飾ユニット200を発光装飾させることができるようになっている。
本例の右サイド装飾ユニット200におけるサイドレンズ210は、図示するように、正面視で右端及び上端が扉枠ベース本体110の外周に沿った直線状に形成されていると共に、左端が遊技窓101の右側外周に沿った湾曲状に形成されている。このサイドレンズ210は、略紡錘状の複数の湾曲面からなる周レンズ部210aと、周レンズ部210aを遊技窓101の周方向へ複数に分割すると共に遊技窓101と略同心円状に延びた複数のプリズム面からなる放射レンズ部210bと、を備えている。このサイドレンズ210における複数の放射レンズ部210bは、図示するように、正面視で遊技窓101の中央下部を中心とした放射線上に延びるように形成されていると共に、周レンズ部210aの前面よりも後方へ窪んだ状態に形成されており、その窪みにサイド閃光レンズ204が挿入されるようになっている。
また、サイドレンズ210は、右側面に、前後方向へ延びると共に上下方向へ列設されたサイド拡散レンズ部210cを備えている。このサイド拡散レンズ部210cにより、右サイド上装飾基板214及び右サイド下装飾基板216からの光をパチンコ機1の右方向及び上下方向へ広く拡散させることができるようになっている。なお、詳細な図示は省略するが、サイドレンズ210における右上部スピーカの下側に該当する部位には、複数の貫通孔が形成されており、右上部スピーカからのサウンドを遊技者側へ良好に伝達させることができるようになっている。
サイドインナーレンズ212は、略無色透明でサイドレンズ210の内部に後側から挿入嵌合されるものであり、図示するように、サイドレンズ210における周レンズ部210aと対応した部位がシワ状に形成されていると共に、放射レンズ部210bと対応した部位が平坦面状に形成されている。また、詳細な図示は省略するが、サイドインナーレンズ212は、サイドレンズ210の周レンズ部210aに対応したシワ状の部位における前方へ突出した山部に複数の小径レンズが形成されている。このサイドインナーレンズ212は、シワ状の部位と複数の小径レンズとによって光を乱屈折及び乱反射させることができ、前側に配置されるサイドレンズ210と協同して右サイド装飾ユニット200の外観をキラキラさせると共に遠近感が不明瞭な不思議な感じに見せることができるようになっている。
右サイド装飾ユニット200の右サイド上装飾基板214及び右サイド下装飾基板216は、表面に高輝度のカラーLEDが複数実装されており、サイドレンズ210の周レンズ部210aと対応する位置に配置されたLED214a,216aは比較的照射角度の広いもの(例えば、60゜〜180゜)が用いられており、サイドレンズ210の放射レンズ部210bと対応する位置に配置されたLED214b,216bは比較的照射角度の狭いもの(例えば、15゜〜60゜)が用いられている。なお、右サイド上装飾基板214のLED214cは、本例では、赤色と緑色のLEDとされている。
右サイド装飾ユニット200の右上部スピーカ222は、サイドスピーカ130と同様に、中高音域の音を出力するものであり、サイド上部インナーレンズ206により所定位置に所定方向へ向けて取付けられるようになっている。この右上部スピーカ222を支持するサイド上部インナーレンズ206は、正面視でパチンコ機1の左右中央で斜め前下方に向かって延びた円筒状のホーン部を備えており、ホーン部の上端裏側に、右上部スピーカ222が固定されて正面視では右上部スピーカ222が遊技者側から見えないようになっている。
本例の右上部スピーカ222は、サイド上部インナーレンズ206のホーン部によって、パチンコ機1の上部から下方の遊技者へ向かって発せられるようになっており、他のパチンコ機に対して騒音に為り難いようになっている。なお、このサイド上部インナーレンズ206もまた、サイドインナーレンズ212と同様に、その前面がシワ状に形成されていると共に、シワ状の部位における前方へ突出した山部に複数の小径レンズが形成されており、シワ状の部位と複数の小径レンズとによって光を乱屈折及び乱反射させることができるようになっている。
右サイド装飾ユニット200のサイド閃光レンズ204は、サイドレンズ210の後方へ窪んだ放射レンズ部210bの前側に挿入配置されるようになっており、紡錘状の複数の湾曲面によりゴツゴツした岩場を模したサイドレンズ210にアクセントを付けることができるようになっている。また、サイド閃光レンズ204は、後側に配置される右サイド上装飾基板214及び右サイド下装飾基板216のLED214b,216aの発光により、放射状の発光演出を行うことができると共に、周レンズ部210aを遊技窓101の周方向へ分割させて夫々を強調させることができるようになっている。
[左サイド装飾ユニット]
続いて、扉枠5における左サイド装飾ユニット240について、主に図32乃至図36を参照して説明する。図32(A)は扉枠における左サイド装飾ユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における左サイド装飾ユニットの背面斜視図である。また、図33は、左サイド装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。更に、図34は、左サイド装飾ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。また、図35は左サイド装飾ユニットの断面図であり、図36は左サイド装飾ユニットの発光態様を写真で示す説明図である。
本実施形態における扉枠5の左サイド装飾ユニット240は、図示するように、遊技窓101の前側外周のうち、正面視で下部を除く左側半分を装飾するものであり、右側が遊技窓101に沿って円弧状に形成されていると共に、左側及び上側が扉枠ベースユニット100の外周に沿って直線状に形成されており、右サイド装飾ユニット200とは非対称に形成されている。この左サイド装飾ユニット240は、右サイド装飾ユニット200の幅と略同じ幅で遊技窓101の周方向へ延びた複数の大窓枠242a、及び大窓枠242a同士の間に配置される楕円状の小窓枠242bを有した枠状のサイド下装飾フレーム242と、サイド下装飾フレーム242の上側に連続し遊技窓101の周方向へ延びると共に列設された二つの大窓枠244a、及び大窓枠244a同士の間に配置される一つの楕円状の小窓枠244bを有した枠状のサイド上装飾フレーム244と、を備えている。
また、左サイド装飾ユニット240は、サイド下装飾フレーム242及びサイド上装飾フレーム244の各小窓枠242b,244bに対して後側から嵌込まれるサイド閃光レンズ246と、サイド閃光レンズ246を後側から支持すると共にサイド下装飾フレーム242及びサイド上装飾フレーム244の大窓枠242a,244aに対して後側から嵌込まれる周レンズ部250aを複数有した透明なサイドレンズ250と、サイドレンズ250における周レンズ部250aの後側に配置され遊技窓101の周方向に延びた複数のスリット251aが形成され表面に金属光沢を有するメッキ層を備えたインナー装飾部材251と、インナー装飾部材251の後側に配置され遊技窓101の左右中央下部を中心とした放射状に延びる複数の帯状レンズにより形成された拡散部252aを有するサイドインナーレンズ252と、を備えている。
また、左サイド装飾ユニット240は、サイドインナーレンズ252の後側で上下方向の略中央から上側に配置され表面に複数のLED254a(フルカラーLED),254b(白色LED)が実装された左サイド上装飾基板254と、下側でサイドインナーレンズ252の上下方向の略中央から下側に配置され表面に複数のLED256a(フルカラーLED),256b(白色LED)が実装された左サイド下装飾基板256と、左サイド上装飾基板254の後側を覆い左サイド上装飾基板254を挟むようにサイドインナーレンズ252に取付けられる左サイド上装飾基板カバー258と、左サイド下装飾基板256の後側を覆い左サイド下装飾基板256を挟むようにサイドレンズ250に取付けられる左サイド下装飾基板カバー260と、を備えている。
更に、左サイド装飾ユニット240は、サイドインナーレンズ252の前側且つ正面視右上部に配置される左上部スピーカ262と、左上部スピーカ262を支持しサイドインナーレンズ252の前面右上部に取付けられる透明な上部スピーカブラケット264と、上部スピーカブラケット264の前面に取付けられ正面視右上のインナー装飾部材251内に後側から挿入され左右中央下部を中心とした放射状に延びる複数の帯状レンズにより形成された拡散部266aを有する右上インナーレンズ266と、を備えている。なお、左上部スピーカ262は、サウンドを透過可能な金属板からなる保護板268を挟むように上部スピーカブラケット264に取付けられている。
この左サイド装飾ユニット240は、サイド下装飾フレーム242、サイド上装飾フレーム244、左サイド上装飾基板カバー258、及び左サイド下装飾基板カバー260が不透光性の部材によって形成されており、インナー装飾部材251の表面には所定色(本例では、銀色)のメッキ層が備えられている。また、サイド閃光レンズ246は、透光性を有し全体が乳白色の合成樹脂により形成されている。また、サイドレンズ250、サイドインナーレンズ252、上部スピーカブラケット264、及び右上インナーレンズ266は、略無色透明の合成樹脂によって形成されている。
なお、本例では、サイド下装飾フレーム242及びサイド上装飾フレーム244における夫々の小窓枠242b,244bの両側(遊技窓101の左右中央下部を中心とした放射線状の軸線方向に対して小窓枠242b,244bを挟んだ両側)には、サイド下装飾フレーム242及びサイド上装飾フレーム244の側面まで切欠いた状態で貫通する開口枠242c,244cが形成されており、小窓枠242b,244b及び両側の開口枠242c,244cが後側からサイド閃光レンズ246によって閉鎖されるようになっている。従って、遊技者側からは、サイド下装飾フレーム242及びサイド上装飾フレーム244における小窓枠242b,244b及び開口枠242c,244cの後側が、乳白色のサイド閃光レンズ246によって視認できないようになっている。
一方、サイド下装飾フレーム242及びサイド上装飾フレーム244における大窓枠242a,244aには、後側から透明なサイドレンズ250における周レンズ部250aが挿入されて閉鎖されており、透明な周レンズ部250aを通して後側に配置されたインナー装飾部材251が遊技者側から視認できるようになっている。このインナー装飾部材251の後側には、サイドインナーレンズ252の拡散部252aが位置しており、拡散部252aで光が乱屈折することでインナー装飾部材251のスリット251aを通してサイドインナーレンズ252の後側を明確に視認することができないようになっている。つまり、インナー装飾部材251のスリット251aを通してサイドインナーレンズ252の後側に配置された左サイド上装飾基板254や左サイド下装飾基板256の表面(前面)に実装されたLED254a,254b,256a,256b等が、遊技者側から明確に視認することができないようになっている。
また、左サイド上装飾基板254や左サイド下装飾基板256の前面は、白色とされており、実装されたLED254a,254b,256a,256b等の光によって左サイド装飾ユニット240を効率良く発光装飾させることができるようになっていると共に、LED254a,254b,256a,256bが非点灯時に各装飾基板254,256が目立たないようになっている。なお、左サイド上装飾基板254及び左サイド下装飾基板256は、夫々周辺制御部4140と接続されており、周辺制御部4140からの駆動信号(発光駆動信号)により各LED254a,254b,256a,256bを適宜発光させて、左サイド装飾ユニット240を発光装飾させることができるようになっている。
本例の左サイド装飾ユニット240におけるサイド下装飾フレーム242は、遊技窓101の左側外周に沿って上下方向へ延びた形態とされ、後側が開放された断面コ字状に形成されている。このサイド下装飾フレーム242は、遊技窓101の外周に沿って延び前後方向に貫通した複数の大窓枠242aと、大窓枠242a同士の間に配置され前後方向へ貫通した略楕円形状の小窓枠242bと、小窓枠242bの両側(遊技窓101側及びパチンコ機1の外側)に配置され前後方向に貫通すると共に側面まで切欠かれた開口枠242cと、を備えており、合成樹脂により形成されている。
サイド下装飾フレーム242は、大窓枠242aにサイドレンズ250の対応する周レンズ部250aが後側から嵌め込まれるようになっていると共に、小窓枠242b及び開口枠242cに対応するサイド閃光レンズ246が後側から嵌め込まれるようになっている。つまり、サイド下装飾フレーム242は、夫々対応するサイドレンズ250の周レンズ部250aとサイド閃光レンズ246の外周枠を形成することができるようになっている。
また、左サイド装飾ユニット240におけるサイド上装飾フレーム244は、サイド下装飾フレーム242の上端に連続し遊技窓101の左上側外周から上側外周にかけて延びた正面視が略三角形状の形態とされ、後側が開放された断面コ字状に形成されている。このサイド上装飾フレーム244は、遊技窓101に沿って延び前後方向に貫通した二つの大窓枠244aと、大窓枠244a同士の間に配置され前後方向に貫通した略楕円形状の小窓枠244bと、小窓枠244bの両側(遊技窓101側及びパチンコ機1の外側)に配置され前後方向に貫通すると共に側面まで切欠かれた開口枠244cと、を備えており、合成樹脂によって形成されている。
このサイド上装飾フレーム244は、大窓枠244aにサイドレンズ250の対応する周レンズ部250aが後側から嵌め込まれるようになっていると共に、小窓枠244b及び開口枠244cに対応するサイド閃光レンズ246が後側から嵌め込まれるようになっている。つまり、サイド上装飾フレーム244は、夫々対応するサイドレンズ250の周レンズ部250aとサイド閃光レンズ246の外周枠を形成することができるようになっている。サイド上装飾フレーム244は、左サイド装飾ユニット240として組立てた状態では、サイド下装飾フレーム242と連続した意匠を形成するようになっている。
なお、本例では、サイド下装飾フレーム242及びサイド上装飾フレーム244は、黒色に着色されており、大窓枠242a,244a、小窓枠242b,244b、及び開口枠242c,244cから臨むサイドレンズ250やサイド閃光レンズ246が強調されて見えるようになっている。
また、左サイド装飾ユニット240におけるサイドレンズ250は、サイド下装飾フレーム242とサイド上装飾フレーム244とを組合せた大きさとされ、遊技窓101の左側及び上側で中央よりも左側に亘る大きさとされている。このサイドレンズ250は、サイド下装飾フレーム242及びサイド上装飾フレーム244の大窓枠242a,244aに後側から嵌め込まれる周レンズ部250aと、周レンズ部250a同士の間で後側へ窪んだ形態に形成され前側にサイド閃光レンズ246が配置される放射レンズ部250bと、を備えている。サイドレンズ250は、周レンズ部250aが夫々滑らかに湾曲した一つの曲面により形成されており、放射レンズ部250bが略平坦な面により形成されている。また、サイドレンズ250は、透明な合成樹脂により形成されており、後側が視認できるようになっている。
更に、左サイド装飾ユニット240におけるインナー装飾部材251は、サイドレンズ250における各周レンズ部250aの後側に配置され、遊技窓101の外周に沿って延び前後方向に貫通した複数のスリット251aを備えている。インナー装飾部材251は、図示するように、複数のスリット251aが、遊技窓101の外周に沿って延びると共に、遊技窓101の中央を中心として同心円状となるように、その幅方向に対しても複数備えられている。また、インナー装飾部材251は、複数のスリット251aが形成された前面が、サイドレンズ250の周レンズ部250aの内面に略沿った湾曲状に形成されている。なお、本例のインナー装飾部材251は、表面に銀色の金属光沢を有したメッキ層を有しており、透明なサイドレンズ250の周レンズ部250aを通して遊技者側から視認できるようになっている。
また、左サイド装飾ユニット240におけるサイドインナーレンズ252は、インナー装飾部材251の後側に配置されると共にサイドレンズ250と略同じ大きさ且つ外形形状とされ、略無色透明な合成樹脂により形成されている。サイドインナーレンズ252は、インナー装飾部材251と対応する部位が各インナー装飾部材251の内部へ後側から挿入されるように前方へ膨出した拡散部252aが形成されている。このサイドインナーレンズ252の拡散部252aは、前面に遊技窓101の左右方向中央下部を中心とした放射状に延びる複数の帯状レンズが形成されており、帯状レンズの延びる方向が前側に配置されるインナー装飾部材251のスリット251aの延びる方向に対して交差(略直交)するようになっている。
サイドインナーレンズ252は、インナー装飾部材251のスリット251aを通して拡散部252aが遊技者側から見えるようになっているが、拡散部252aに形成された複数の帯状レンズにより光が乱屈折するため、拡散部252aを通しては後側が明確には見えないようになっている。また、サイドインナーレンズ252は、図示するように、拡散部252a同士の間が略平坦面となっており、後側に配置される左サイド上装飾基板254や左サイド下装飾基板256からの光を、拡散させたり屈折させたりすることなく前方へ透過させることができるようになっている。
また、左サイド装飾ユニット240の左サイド上装飾基板254及び左サイド下装飾基板256は、表面に高輝度のカラーLEDが複数実装されており、サイド下装飾フレーム242及びサイド上装飾フレーム244の大窓枠242a,244a(サイドレンズ250の周レンズ部250a)と対応する位置に配置されたLED254a,256aは比較的照射角度の広いもの(例えば、60゜〜180゜)が用いられており、サイド下装飾フレーム242及びサイド上装飾フレーム244の小窓枠242b,244b及び開口枠242c,244c(サイドレンズ250の放射レンズ部250b、つまり、サイド閃光レンズ246)と対応する位置に配置されたLED254b,256bは比較的照射角度の狭いもの(例えば、15゜〜60゜)が用いられている。
左サイド装飾ユニット240の左上部スピーカ262は、サイドスピーカ130と同様に、中高音域の音を出力するものであり、上部スピーカブラケット264により所定位置に所定方向へ向けて取付けられるようになっている。この左上部スピーカ262を支持する上部スピーカブラケット264は、正面視でパチンコ機1の左右中央で斜め前下方に向かって突出する円筒状のホーン部(図示は省略)を備えている。そして、上部スピーカブラケット264におけるホーン部の上端裏側に、左上部スピーカ262が保護板268を介して固定されるようになっており、正面視では、左上部スピーカ262が遊技者側から見えないようになっている。また、金属板からなる保護板268により、左上部スピーカ262にイタズラされたり、左上部スピーカ262のコーンを破ってパチンコ機1内に不正工具が挿入されたりするのを防止することができるようになっている。本例の左上部スピーカ262は、パチンコ機1の上部から下方の遊技者へ向かって発せられるようになっており、他のパチンコ機に対して騒音に為り難いようになっている。
次に、本例の左サイド装飾ユニット240における特徴的な発光演出について説明する。左サイド装飾ユニット240は、上述したように、左サイド装飾ユニット240の外面を形成し湾曲した透明な周レンズ部250aを備えたサイドレンズ250と、周レンズ部250aの後側に配置され表面に金属光沢のメッキ層を有し前後方向に貫通した複数のスリット251aを備えたインナー装飾部材251と、インナー装飾部材251の後側に配置されスリット251aの延びる方向に対して交差する方向へ延びた複数の帯状レンズからなる拡散部252aを備えたサイドインナーレンズ252と、サイドインナーレンズ252の後側に配置され複数のLED254a,256aが実装された左サイド上装飾基板254及び左サイド下装飾基板256と、を備えている(図35等を参照)。これにより、左サイド装飾ユニット240では、LED254a,256aを発光させると、前方へ照射された光が、サイドインナーレンズ252の拡散部252aで拡散された上でインナー装飾部材251のスリット251aを通り、サイドレンズ250の周レンズ部250aから遊技者側へと照射され、左サイド装飾ユニット240の周レンズ部250aを発光装飾させることができるようになっている。
ところで、インナー装飾部材251のスリット251aを通って前方(サイドレンズ250側)へ照射された光は、その一部が透明なサイドレンズ250の周レンズ部250aを透過して遊技者側へ照射されると共に、残りの光が周レンズ部250aの内面で反射してインナー装飾部材251の前面を照射することとなる。そして、インナー装飾部材251に表面には銀色の金属光沢を有したメッキ層が備えられているので、周レンズ部250aの内面でインナー装飾部材251側へ反射した光が、インナー装飾部材251の表面(前面)で周レンズ部250a側へ反射することとなり、インナー装飾部材251の表面で反射した光の一部が周レンズ部250aを透過して遊技者側へ照射されることとなる。
この際に、本例では、図35に示すように、周レンズ部250a、インナー装飾部材251の前面、及びサイドインナーレンズ252の拡散部252aが、夫々滑らかに湾曲しているので、内面側(後面側)で反射した光は収束し外面側(前面側)で反射した光は拡散することとなり、周レンズ部250aには、インナー装飾部材251のスリット251aを通した直接的な光と、周レンズ部250a及びインナー装飾部材251の前面で反射した間接的な光とが、夫々ずれた位置に照射されることとなる。また、インナー装飾部材251のスリット251aを通過する光は、サイドインナーレンズ252における複数の帯状レンズにより形成された拡散部252aによって、スリット251aの延びた方向に対して縞状に拡散されると共に交差(略直交)する方向へ拡散される。従って、サイドレンズ250における周レンズ部250aには、スリット251aの幅よりも長くスリット251aの延びた方向に対して交差する方向へ延び、濃淡の異なる複数の縞状の光が照射(投影)されることとなり、遠近感のある幻想的な発光装飾をすることができるようになっている(図36を参照)。
[上部装飾ユニット]
続いて、扉枠5における上部装飾ユニット280について、主に図37乃至図40を参照して説明する。図37は、扉枠における上部装飾ユニットの正面斜視図であり、図38は、扉枠における上部装飾ユニットの背面斜視図である。また、図39は上部装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図40は上部装飾ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。
本実施形態の扉枠5における上部装飾ユニット280は、図17等に示すように、扉枠5の前面中央上部で、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240における中央側の上端縁同士の間に取付けられ、それらの間を装飾するものである。上部装飾ユニット280は、図示するように、前後方向に貫通した円環状の中央枠281a、中央枠281aの上部から左右に細長く延出し先端に向かうに従って細くなる枠状の上部延出枠281b、及び中央枠281aの下部から左右に延出し先端に向かうに従って細くなる枠状の下部延出枠281cを備えた前面装飾部材281と、前面装飾部材281の後側に配置され上部延出枠281b及び下部延出枠281cの枠内を閉鎖すると共に中央枠281aの内径よりも小径の貫通孔282aを備えた透光性を有する上部レンズ282と、上部レンズ282の貫通孔282aに挿入される筒状の中央スリーブ283と、中央スリーブ283内に挿入され前方へ膨出した上部中央レンズ284と、上部中央レンズ284の後側に配置され表面に微細なプリズムが複数形成された板状の拡散レンズ285と、拡散レンズ285の外周を保持すると共に上部レンズ282の後側に支持される環状のレンズ支持部材286と、レンズ支持部材286の後側に配置されレンズ支持部材286の内径と略同径の筒部287aを有した遮光部材287と、遮光部材287の後側に配置され遮光部材287の筒部287aの内側と対応した位置に配置された複数のLED288a、及び筒部287aの外側と対応した位置に配置された複数のLED288bが前面に実装された上部中央装飾基板288と、を備えている。
また、上部装飾ユニット280は、前面装飾部材281、上部レンズ282、遮光部材287、及び上部中央装飾基板288を後側から支持するユニットベース289と、ユニットベース289の後側に配置され前面に複数のLED290aが実装された上部サイド装飾基板290と、上部サイド装飾基板290の後面を覆いユニットベース289の後側に取付けられる基板カバー291と、基板カバー291の後面下部に取付けられ後方に延出した取付ブラケット292と、取付ブラケット292の下側に取付けられ前面装飾部材281の下部後端から後方へ延出した上部下カバー293と、上部下カバー293の下側を多い透光性を有すると共に所定形状に造形された上部下装飾カバー294と、を備えている。
更に、上部装飾ユニット280は、基板カバー291に取付けられると共に前面装飾部材281の上部後端から後方へ板状に延出し、左右方向中央に後端側が開放された切欠き部295aを有する上部上カバー295と、上部上カバー295の切欠き部295aを閉鎖する板状の蓋部材296と、ユニットベース289の正面視右側面に取付けられ所定形状に造形された飾り部材297と、を備えている。
本例の上部装飾ユニット280は、前面装飾部材281の表面に、銀色の金属光沢を有したメッキ層が形成されており、前面装飾部材281が外部からの光によってキラキラ光るようになっている。また、上部レンズ282は、無色透明な合成樹脂により形成されており、貫通孔282aの外周で前面装飾部材281の中央枠281a内に臨む中央環レンズ部282bと、前面装飾部材281における上部延出枠281b及び下部延出枠281cの枠内に臨む延出枠レンズ部282cと、を備えている。上部レンズ282は、中央環レンズ部282bの後面に放射状に延びた複数の帯状レンズが周方向に列設されていると共に、延出枠レンズ部282cの前面に貫通孔282aの軸芯を中心とした同心円状に延びた複数のプリズムが形成されている。これにより、上部レンズ282の複数のプリズムや帯状レンズにより、光を乱屈折させることができ、上部レンズ282の後側が明確には見えないようになっている。
また、上部装飾ユニット280の上部中央レンズ284は、無色透明な合成樹脂により形成されている。この上部中央レンズ284は、前面側が滑らかな紡錘形状に形成されているのに対して、後面側が同心円状の複数のレンズが形成されており、光を乱屈折させることができるので、後側が明確には見えないようになっている。
また、上部装飾ユニット280の上部中央装飾基板288は、前面に実装された複数のLED288a,288bが夫々フルカラーLEDとされており、上部中央レンズ284と前面装飾部材281における中央枠281aの枠内で上部中央レンズ284の外周とを夫々別々に発光装飾させることができるようになっている。更に、上部装飾ユニット280の上部サイド装飾基板290は、前面に実装された複数のLED290aが夫々フルカラーLEDとされており、それらLED290aが前面装飾部材281における上部延出枠281b及び下部延出枠281cの夫々枠内と対応した位置に配置されている。この上部サイド装飾基板290は、LED290aを適宜発光させることで、前面装飾部材281の上部延出枠281bや下部延出枠281cを発光装飾させることができるようになっている。
[皿ユニット]
続いて、扉枠5における皿ユニット300について、主に図41乃至図45を参照して説明する。図41は、扉枠における皿ユニットの正面斜視図であり、図42は、扉枠における皿ユニットの背面斜視図である。また、図43は、皿ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図44は、皿ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。図45は、扉枠における皿ユニットの貸球ユニットの部位で切断した断面図である。
本実施形態の扉枠5における皿ユニット300は、後述する賞球装置740から払出された遊技球を貯留するための上皿301及び下皿302を備えていると共に、上皿301に貯留した遊技球を球送りユニット580を介して後述する打球発射装置650へ供給することができるものである。本例の皿ユニット300は、図43及び図44等に示すように、扉枠ベースユニット100の下部前面に固定される左右方向延びた略板状の皿ユニットベース310と、皿ユニットベース310の前面略中央に固定され上方及び後方が開放され正面視左側(軸支側)が大きく前方へ膨出した皿状の上皿本体312と、上皿本体312の上部外周を覆うと共前端が正面視で左右方向中央が前方へ突出するように湾曲状に形成された上皿上部パネル314と、上皿上部パネル314の上側前端縁に取付けられる上皿前部装飾部材316と、上皿前部装飾部材316と上皿上部パネル314との間に配置される上皿上部インナー装飾部材318と、上皿前部装飾部材316における右側の部位と連続すると共に上皿上部パネル314における右側上部を覆う上皿上部右装飾部材319と、を備えている。
また、皿ユニット300は、上皿上部パネル314における左右中央から右側の下面に取付けられ表面に微細なプリズムが複数形成された板状の基板取付ベース320と、基板取付ベース320の下側に取付けられ上面に複数のLED322aが実装された上皿装飾基板322と、を備えている。この上皿装飾基板322のLED322aを適宜発光させることで、上皿前部装飾部材316の一部と上皿上部右装飾部材319を発光装飾させることができるようになっている。
更に、皿ユニット300には、上皿本体312の下側で皿ユニットベース310の前面に固定され上方及び後方が開放されると共に正面視で左右方向中央が前方へ膨出し前端が左右方向中央へ向かうに従って低くなるように形成された皿状の下皿本体324と、下皿本体324の上部に固定され正面視で左右方向中央が下皿本体324と略同様に前方へ膨出し前端が左右方向中央へ向かうに従って高くなるように湾曲した板状の下皿天板326と、下皿本体324の下辺前端を被覆し正面視で右側へ延出した部位に後述する錠装置1000のシリンダ錠1010が臨む錠孔328aを有した下皿カバー328と、下皿カバー328下端の左右中央左寄りの位置から右側を装飾し下皿カバー328の錠孔328aと同軸上の上開口部330a及び上開口部330aの下側に開口し前方からハンドル装置500が挿入される下開口部330bを備えた下皿サイドカバー330と、を備えている。
また、皿ユニット300には、下皿本体324の左辺前端及び下皿天板326の左側前端を覆う斜めに延びた下皿左上サイドカバー332と、下皿左上サイドカバー332の下端に配置され前後方向に貫通した開口部334aを有する下皿左下サイドカバー334と、下皿左下サイドカバー334の開口部334aを後側から閉鎖しサウンドが透過可能とされた金属板からなる保護カバー336と、保護カバー336の外周を保持し下皿左下サイドカバー334の後面に取付けられる枠状の保持部材337と、を備えている。なお、下皿天板326の右側前端は、上皿前部装飾部材316によって覆われるようになっている。
また、皿ユニット300は、皿ユニットベース310の左右両端上部に取付けられ右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240の下端と下皿サイドカバー330及び下皿左上サイドカバー332の上端とがデザイン的に連続するような形状に形成されると共に扉枠ベースユニット100に取付けられたサイドスピーカ130と対応する位置に前後方向に貫通した開口部338aを有するサイドスピーカカバー338と、サイドスピーカカバー338の開口部338aを後側から閉鎖し前側へ膨出するように緩く湾曲した円盤状で複数の孔を有したカバー体339と、を備えている。
なお、本例では、カバー体339が、所定のパンチングメタルによって形成されているので、表側から押されたり、叩かれたりしても、変形し難いようになっており、サイドスピーカ130を可能な限り保護することができるようになっている。また、サイドスピーカカバー338は、表面に銀色の金属光沢を有したメッキ層が形成されている。カバー体339は、黒色に着色されている。
更に、皿ユニット300には、皿ユニットベース310及び上皿本体312に取付けられ上皿301に貯留された遊技球を下皿302へ抜くための上皿球抜き機構340と、下皿本体324の下面に取付けられ下皿302に貯留された遊技球を下方へ抜くための下皿球抜き機構350と、皿ユニットベース310の正面視で左側上部に取付けられパチンコ機1に隣接して設置された球貸し機(CRユニット6とも称す、図示は省略)を作動させる貸球ユニット360と、を備えている。
本例の皿ユニット300は、皿ユニットベース310の一部、上皿本体312、及び上皿上部パネル314等によって遊技球を貯留可能な上皿301を構成している。また、皿ユニット300は、皿ユニットベース310の一部、下皿本体324、下皿天板326、及び下皿カバー328等によって遊技球を貯留可能な下皿302を構成している。
この皿ユニット300における皿ユニットベース310は、図43に示すように、左右方向へ延びた略板状に形成されており、左右へ延びた上端縁には所定形状の形成された装飾部310aが備えられている。この装飾部310aの左端に前後方向へ貫通し貸球ユニット360を取付けるための貸球ユニット取付部310bが形成されている。この皿ユニットベース310は、貸球ユニット取付部310bの下側(正面視で左上隅部近傍)に配置され横長の矩形状で前後方向に貫通する上皿球供給口310cと、上皿球供給口310cよりも下側(皿ユニットベース310の高さ方向の略中間)で装飾部310aの右端近傍の下側に前後方向へ貫通し上下方向へ延びた上皿球排出口310dと、上皿球排出口310d及び上皿球供給口310cの直下に配置され前方へ突出すると共に上面が同じ高さとされた一対の下皿支持部310eと、を備えている。なお、上皿球排出口310dは、直下に配置された下皿支持部310eの上面の前後方向中間位置まで連続して形成されている。
また、皿ユニット300は、一対の下皿支持部310eの間に配置され下皿本体324及び下皿天板326の後端と嵌合し正面視で横長の矩形環状に形成された下皿支持溝310fと、下皿支持溝310fによって囲まれた部位の中央右寄りの下部に配置され前後方向に貫通する矩形状の下皿球供給口310gと、を備えている。更に、皿ユニットベース310は、図44に示すように、下皿球供給口310gと連続するように後方へ筒状に延びた下皿球供給樋310hと、下皿球供給樋310hの開放側側面に形成され遊技球が通過可能な大きさの切欠部310iと、を備えている。
この皿ユニットベース310の上皿球供給口310cは、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110及び補強ユニット150の切欠部101a,162を介して扉枠ベースユニットの後側に取付けられるファールカバーユニット540の第一球出口544aと連通するようになっている。この上皿球供給口310cの前端には、正面視右方向へ長く延び後方へ窪んだ誘導凹部310jを備えている。この誘導凹部310jは、左右方向に対しては正面視右端側が若干低くなるように傾斜していると共に、前後方向に対しては前端側が低くなるように傾斜している。これにより、誘導凹部310jの前端と上皿本体312の底面との高低差は、誘導凹部310j右端へ向かうほど高くなるようになっており、誘導凹部310jの右端では、上皿本体312の底面との高低差が遊技球の外径よりも若干高くなるようになっている。
従って、本例では、上皿301内に貯留された遊技球によって上皿球供給口310cの前側が閉鎖された場合、ファールカバーユニット540を介して賞球装置740から払出された遊技球が、上皿球供給口310cから直線的に前方の上皿301内に出ることができなくなるので、払出された遊技球は上皿球供給口310cの前側を閉鎖した遊技球に当接してその転動方向が変化し、誘導凹部310j内を正面視右方向へと転動するように誘導され、誘導凹部310jの右端付近から上皿301内に貯留された遊技球の上側へと放出されることとなる。これにより、上皿301内において遊技球を自動的に上下二段に貯留させることができるので、上皿球供給口310cの前を遊技球が塞いだ時に遊技者が手で遊技球を寄せなくても払出された遊技球を上皿301内に供給(放出)し続けることが可能となり、上皿301への遊技球の貯留に対して遊技者が煩わしく感じてしまうのを抑制することができ、遊技者を遊技球の打込操作や打ち込まれた遊技球による遊技に専念させて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができると共に、上皿301における遊技球の貯留量を多くすることができるようになっている。
皿ユニットベース310の上皿球排出口310dは、上皿球抜き機構340における上皿球抜きベース344の開口部344a、及び扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の球送り開口113、を介して扉枠ベースユニット100の後側に取付けられる球送りユニット580の進入口581aと連通するようになっている。更に、下皿球供給口310gは、その後側から後方へ延びた下皿球供給樋310hが、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の球通過口110fを貫通して後方へ延出した上で、扉枠ベースユニット100の後側に取付けられるファールカバーユニット540の第二球出口544bに接続されていると共に、下皿球供給樋310hの切欠部310iが、上皿球抜き機構340における上皿球抜きベース344の球抜き流路344cと接続されている。
なお、本例では、図示するように、下皿球供給口310gの前端には、正面視で左方向へ広がった拡口部310kを備えており、この拡口部310kによって下皿球供給口310gの前端が左右方向へ広がった状態となっている。これにより、下皿球供給口310gの前側に溜まった下皿302内の遊技球により下皿球供給口310gにおいて早期に球詰りが発生してしまうのを抑制することができ、より多くの遊技球を下皿302内へ供給することができるようになっている。
皿ユニット300の上皿本体312は、正面視で中央よりも左側(軸支側)が前方へ膨出し、底面が全体的に左端側(開放側)及び後端側が低くなるように形成されている。この上皿本体312の底面は、軸支側の後端が皿ユニットベース310における上皿球供給口310cの底辺付近に、開放側の後端が皿ユニットベース310における上皿球排出口310dの上下方向中間位置付近に、夫々位置するように形成されており、上皿球供給口310cから上皿本体312(上皿301)に供給された遊技球が、上皿球排出口310dへ誘導されるようになっている。
なお、上皿本体312は、底面の後端で左右方向中央から開放側に遊技球と接触可能な金属製の上皿レール313が取付けられている。この上皿レール313は、図示は省略するが、電気的に接地(アース)されており、遊技球に帯電した静電気を除去することができるようになっている。
皿ユニット300の上皿上部パネル314は、上皿本体312の上端から扉枠5の左右方向中央が前方へ突出するように湾曲状に延びだしており、上皿本体312の開放側よりも外側に上下方向へ貫通し後述する上皿球抜き機構340の上皿球抜きボタン341が取付けられる取付孔314aが形成されている。この上皿上部パネル314は、前端に上皿本体312の上部前端よりも一段下がった段状に形成され上皿前部装飾部材316及び上皿上部インナー装飾部材318を取付けるための装飾取付部314bと、左右方向の中央で上皿本体312よりも前側の位置で装飾取付部314bよりも更に下がった段状に形成され後述する操作ユニット400を取付けるための操作ユニット取付部314cと、を備えている。
上皿前部装飾部材316は、無色透明な合成樹脂により、上皿上部パネル314の前端に沿って左右方向へ湾曲状に延びた形状に形成されている。この上皿前部装飾部材316は、左右方向中央右寄りの位置から左側が滑らかな形状に形成されているのに対して、右側が紡錘状に湾曲した複数の湾曲面により形成されており岩場のようなゴツゴツした形状に形成されている。また、上皿前部装飾部材316は、詳細な図示は省略するが、複数の湾曲面により形成された右側の後面に複数の小径レンズが形成されており、光を乱屈折させることができると共に遊技者側から後側が明確に見えないようになっている。上皿上部インナー装飾部材318は、上皿前部装飾部材316における左側の滑らかに形成された部位の後側に配置されるものであり、表面に銀色の金属光沢を有したメッキ層が備えられている。これにより、上皿上部インナー装飾部材318は、組立てた状態では上皿前部装飾部材316の左側を通して見える部位が遊技者側から明確に見えるのに対して、上皿前部装飾部材316の右側を通して見える部位は遊技者側から不明確で距離感の定まらない感じに見えるようになっている。
また、上皿上部右装飾部材319は、無色透明な合成樹脂により形成されている。この上皿上部右装飾部材319は、表面が上皿前部装飾部材316の右側の部位と同様に、紡錘状に湾曲した複数の湾曲面により形成されており、上皿前部装飾部材316の右側の部位と一体的な形状に形成されている共に、上部右端側が後述する上皿球抜き機構340の上皿球抜きボタン341の外周を装飾するように形成されている。また、上皿上部右装飾部材319は、裏面(下面)に複数の小径レンズが形成されており、光を乱屈折させることができると共に、遊技者側から下側が明確に見えないようになっている。なお、上皿前部装飾部材316における右側の部位の後側と、上皿上部右装飾部材319の下側には、上皿装飾基板322が配置されており、上皿装飾基板322のLED322aを適宜発光させることで、上皿前部装飾部材316及び上皿上部右装飾部材319を適宜発光させることができるようになっている。
皿ユニット300の下皿本体324は、平面視で前方へ扇状に広がり後端が左右方向へ直線状に形成され上面の略中央が最も低くなるように形成された底板324aと、底板324aの中央に上下方向へ貫通するように形成された下皿球抜き孔324bと、底板324aの後端を除く前端及び側端から上方へ立上る側板324cと、を備えている。この下皿本体324の側板324cは、底板324aの側端から上方へ立上った上端が、前側が最も低く後側へ向かうに従って高くなるように曲線状に形成されていると共に、底板324aの側端から上方へ立上った上端が直線状に形成されており、上端の直線状の部分に下皿天板326の左右両端が載置接続されるようになっている。
この下皿本体324は、底板324a及び側板324cの後端が、皿ユニットベース310の前面に形成された下皿支持溝310f内に挿入支持されるようになっている。また、下皿本体324の下皿球抜き孔324bは、底板324aの裏面側に配置される下皿球抜き機構350の開閉シャッター352によって閉鎖されるようになっている。
下皿カバー328は、黒色の合成樹脂で形成されている。一方、下皿サイドカバー330は、所定の合成樹脂により形成されていると共に表面に銀色で金属感(鏡面ではなくサンドブラスト処理をしたような艶消しの状態)のあるメッキ層が備えられている。この下皿サイドカバー330は、下端から後方へ延出し皿ユニット300の底面の一部を形成する板状の部位を備えている。下皿カバー328の錠孔328aと下皿サイドカバー330の上開口部330aとは、本体枠3に取付けられた錠装置1000のシリンダ錠1010と対応した位置に形成されており、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、この錠孔328a及び上開口部330aからシリンダ錠1010の錠穴が臨むようになっている。
また、下皿左上サイドカバー332は、所定の合成樹脂により形成されていると共に表面に銀色の金属光沢を有したメッキ層が備えられている。また、下皿左下サイドカバー334は、所定の合成樹脂により形成されていると共に表面に赤色の金属光沢を有したメッキ層が備えられており、下端から後方へ延出し皿ユニット300の底面の一部を形成する板状の部位を備えている。下皿左下サイドカバー334の開口部334aは、後述する本体枠3に備えられた下部スピーカ821(低音用スピーカ)の前面に相当する位置に形成されており、下部スピーカ821からのサウンドを遊技者側へ透過させることができるようになっている。この下皿左下サイドカバー334の開口部334aを閉鎖する保護カバー336は、金属板に複数の孔を穿設したパンチングメタルとされており、内部に不正工具が挿入されるのを防止している。
本例の皿ユニット300は、下皿サイドカバー330と下皿左下サイドカバー334とによって左右方向中央を除いた底面が閉鎖されるようになっており、下皿サイドカバー330と下皿左下サイドカバー334との間の底面が後述する下皿球抜き機構350によって閉鎖されるようになっている。
皿ユニット300における上皿球抜き機構340は、上皿上部パネル314の取付孔314aに対して上下方向へ進退可能に取付けられる上皿球抜きボタン341と、上皿球抜きボタン341の操作に対して上皿球抜きボタン341の上下動よりも大きく上下動し皿ユニットベース310の前面側に支持される作動片342と、作動片342を作動(回動)可能に支持すると共に皿ユニットベース310の前面に取付けられる取付ベース346と、取付ベース346に支持された作動片342の上下動によって上下方向へスライドし後述する球送りユニット580における球抜き部材583の作動棹583cと当接する当接片343aを備え皿ユニットベース310の後側に配置される上皿球抜きスライダ343と、上皿球抜きスライダ343を上下方向へスライド可能に支持し皿ユニットベース310の後側に取付けられる上皿球抜きベース344と、を備えている。
この上皿球抜き機構340は、詳細な図示は省略するが、上皿球抜きボタン341が上側の移動端に位置するように、上皿球抜きボタン341と伴に上下動する作動片342がコイルバネによって上方側へ付勢されている。また、上皿球抜きスライダ343は、上皿球抜きベース344との間に備えられたコイルバネによって上方側へ付勢された状態となっている。
上皿球抜き機構340の上皿球抜きベース344は、皿ユニットベース310の上皿球排出口310dを閉鎖すると同時に上皿球排出口310dと連絡し前方へ向かって開口する開口部344a(図43を参照)と、上皿球抜きベース344の裏面側で開口部344aと連通し開口部344aを通過した遊技球を下方へ誘導した後に後方へ誘導する球誘導流路344b(図42及び図44を参照)と、球誘導流路344bの下側から下方へ延出した後に上皿球抜きベース344の下辺に略沿って背面視で右側(軸支側)の端部へ向かって延出し遊技球が転動可能とされた球抜き流路344cと、を備えている。
上皿球抜きベース344は、開口部344aが上皿球排出口310dと連通すると共に、開口部344aと連通する球誘導流路344bの下端が扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の球送り開口113を介して扉枠ベース本体110の後側に取付けられる球送りユニット580の進入口581aと連通するようになっており、上皿301内に貯留された遊技球を、球送りユニット580へ供給することができるようになっている。
また、上皿球抜きベース344の球抜き流路344cは、球誘導流路344bと隣接した上端が扉枠ベース本体110の球送り開口113を介して球送りユニット580の球抜口581bと連通していると共に、軸支側へ延びた下端が皿ユニットベース310における下皿球供給樋310hの切欠部310iと連通しており、球送りユニット580の球抜口581bから排出された遊技球を下皿302へ誘導することができるようになっている。なお、球抜き流路344cの後端下部は上皿球抜き流路カバー345によって閉鎖されている。
この上皿球抜き機構340は、コイルバネの付勢力に抗して上皿球抜きボタン341を下方へ押圧すると、上皿球抜きスライダ343が下方へスライドすると共に後方へ突出した当接片343aも下方へ移動する。そして、当接片343aの上面と当接する球送りユニット580における球抜き部材583の作動棹583cは、当接片343aが下方へ移動することで球抜き部材583の仕切部583aが所定方向へ回動し、仕切部583aによって仕切られた進入口581aと球抜口581bとの仕切りが解除されて進入口581aと球抜口581bとが連通した状態となる。これにより、上皿301に貯留された遊技球は、上皿球排出口310dから上皿球抜きベース344の開口部344a及び球誘導流路344bを介して、球送りユニット580の進入口581aへ進入した上で球抜口581bから上皿球抜きベース344の球抜き流路344cへと排出され、皿ユニットベース310の下皿球供給樋310hを介して下皿球供給口310gから下皿302へ排出することができるようになっている。
なお、球送りユニット580の球抜き部材583は、その作動棹583cがコイルバネによって上方へ付勢された上皿球抜きスライダ343における当接片343aの上面と当接しているので、球抜き部材583の仕切部583a上に遊技球が勢い良く供給されても、その衝撃を、作動棹583cを介して上皿球抜きスライダ343を付勢するコイルバネによって吸収させることができ、球抜き部材583等が破損するのを防止することができると共に、遊技球が仕切部583aで跳ね返るのを防止することができるようになっている。
皿ユニット300における下皿球抜き機構350は、下皿本体324の下側で下皿サイドカバー330と下皿左下サイドカバー334との間に配置され皿ユニット300の底面中央部を形成する下皿球抜きベース351と、下皿球抜きベース351の上面に回動可能に軸支され下皿本体324の下皿球抜き孔324bを開閉可能な板状の開閉シャッター352と、開閉シャッター352を回動させると共に下皿球抜きベース351の上面に前後方向へスライド可能に支持された下皿球抜きスライド353と、下皿球抜きスライド353の前端に取付けられる下皿球抜きボタン354と、を備えている。
この下皿球抜きベース351は、下皿本体324の下皿球抜き孔324bと対向する位置に上下方向に貫通したベース球抜き孔351aを備えている。また、開閉シャッター352は、下皿球抜き孔324bを閉鎖可能な閉鎖部352aと、閉鎖部352aの前側に配置され下皿球抜き孔324bと略一致可能な上下方向に貫通したシャッター球抜き孔352bと、を備えており、下皿球抜きベース351との間でコイルバネ356によって閉鎖部352aが下皿球抜き孔324b及びベース球抜き孔351aを閉鎖する位置となるように付勢されている。
なお、詳細な図示は省略するが、開閉シャッター352は、下皿球抜きスライド353と当接可能な当接ピンを備えており、この当接ピンが下皿球抜きスライド353と当接することで、下皿球抜きスライド353によって閉鎖部352a及びシャッター球抜き孔352bが後方へ移動するように回動させられたり、コイルバネ356の付勢力により下皿球抜きスライド353を前方側へスライドさせたりすることができるようになっている。
また、下皿球抜き機構350は、開閉シャッター352のシャッター球抜き孔352bが、下皿本体324の下皿球抜き孔324b及び下皿球抜きベース351のベース球抜き孔351aと略一致した回動位置に保持するために、下皿球抜きスライド353を所定位置に保持する保持機構355を、更に備えている。
この下皿球抜き機構350は、下皿球抜きボタン354の表面形状が下皿カバー328等の表面形状と連続したような状態では、下皿球抜きボタン354が前方端へ移動した閉状態であり、開閉シャッター352の閉鎖部352aによって下皿本体324の下皿球抜き孔324bが閉鎖された状態となっている。この状態で、下皿本体324(下皿302)内に遊技球を貯留することができるようになっている。閉状態の下皿球抜きボタン354を、後方へ押圧しすると、下皿球抜きボタン354と下皿球抜きスライド353とが後方へスライドすると共に、下皿球抜きスライド353の後方へのスライドによって開閉シャッター352がコイルバネ356の付勢力に抗してその閉鎖部352a及びシャッター球抜き孔352bが後方へ移動するように回動することとなる。
そして、開閉シャッター352が後方へ回動することでシャッター球抜き孔352bが下皿球抜き孔324b及びベース球抜き孔351aと重なるようになり、やがて、シャッター球抜き孔352bと下皿球抜き孔324bとが一致し、下皿302に貯留された遊技球を下皿球抜き孔324bを介して皿ユニット300の下方へ排出することができる。なお、シャッター球抜き孔352bと下皿球抜き孔324bとが略一致する位置へ下皿球抜きスライド353が後方へ移動すると、下皿球抜きスライド353が保持機構355によってスライドが保持されるようになっており、下皿球抜きスライド353のスライドがロック(保持)されることで下皿球抜きボタン354が後方へ後退した開状態のままとなると共に、シャッター球抜き孔352bが下皿球抜き孔3324bと一致した状態で保持され、下皿球抜きボタン354を押し続けていなくても、下皿302に貯留された遊技球を下方へ排出することができるようになっている。
一方、下皿球抜き孔324bを閉鎖する場合、後退した開状態の下皿球抜きボタン354を更に後方へ押圧すると、保持機構355による下皿球抜きスライド353の保持が解除されて、下皿球抜きスライド353がスライドすることができるようになり、コイルバネによって閉鎖部352aが下皿球抜き孔324bを閉鎖する方向へ付勢された開閉シャッター352が、その付勢力によって閉鎖部352aが下皿球抜き孔324bの方向(前方)へ移動する方向へ回動することとなる。そして、開閉シャッター352の前方への回動に伴って下皿球抜きスライド353が前方へスライドし、閉鎖部352aによって下皿球抜き孔324bが閉鎖されると共に、下皿球抜きボタン354が下皿カバー328等の前面と略一致した閉状態の位置に復帰し、下皿302内に遊技球を貯留することができるようになる。
なお、下皿球抜き機構350の保持機構355は、上記の機能を有した公知の技術を用いており、その詳細な機構については、説明を省略する。
皿ユニット300における貸球ユニット360は、後方へ押圧可能な貸球ボタン361及び返却ボタン362を備えていると共に、貸球ボタン361と返却ボタン362の間に貸出残表示部363を備えている。この貸球ユニット360は、パチンコ機1に隣接して設けられた球貸し機に対して現金やプリペイドカードを投入した上で、貸球ボタン361を押すと、所定数の遊技球を皿ユニット300の上皿301内へ貸出す(払出す)ことができると共に、返却ボタン362を押すと貸出された分の残りを引いた上で投入した現金の残金やプリペイドカードが返却されるようになっている。また、貸出残表示部363には、球貸し機に投入した現金やプリペイドカードの残数が表示されるようになっている。
この貸球ユニット360は、皿ユニットベース310における上端の装飾部310aに形成された貸球ユニット取付部310bに対して、後側から取付けられるようになっている。また、貸球ユニット360には、後面から後方へ突出し防犯カバー180における軸支側(正面視で左側)の装着弾性片185を装着係止する防犯カバー装着部364を備えている。
更に詳述すると、貸球ユニット360は、貸出残表示部363の前面側を覆う透明な貸球ユニット前カバー365と、貸球ユニット前カバー365の後側に配置され貸出残表示部363が取付けられると共に貸球ボタン361及び返却ボタン362の操作により作動するスイッチが取付けられる貸球ユニット基板366(図45を参照)と、貸球ユニット基板366の後側を覆い皿ユニットベース310の貸球ユニット取付部310bの後側に取付けられる後カバー367と、を備えている。なお、防犯カバー装着部364は、後カバー367の後面に備えられている。
この貸球ユニット360が取付けられる皿ユニットベース310の貸球ユニット取付部310bには、貸球ボタン361及び返却ボタン362が臨む円形状のボタン開口310mと、ボタン開口310m同士の間に形成され貸球ユニット前カバー365によって閉鎖される矩形状の表示開口310nと、二つのボタン開口310mの外周に夫々形成され前方へ突出した突出部310oと、を備えており、表示開口310nを閉鎖する透明な貸球ユニット前カバー365を通して後側に配置された貸出残表示部363が遊技者側から見えるようになっている。また、皿ユニットベース310の突出部310oは、図45に示すように、前端が丸く形成されている。
本例の貸球ユニット360は、図示するように、皿ユニットベース310の貸球ユニット取付部310bが、上皿301よりも上側で上皿球供給口310cの直上に配置されていると共に、正面を向くように配置されている。また、貸球ユニット360は、返却ボタン362が貸球ボタン361よりも左右方向中央寄りの位置に配置されている。なお、本例では、貸球ボタン361及び返却ボタン362が、皿ユニットベース310(貸球ユニット取付部310b)とは異なる色に着色されている。これにより、遊技者に対して貸球ボタン361や返却ボタン362が認識し易くなっている。
また、貸球ユニット360は、貸球ボタン361及び返却ボタン362の外周から前方(遊技者側)へ突出した突出部310oを備えており、遊技者が上皿301内に手を挿入した際に、手が貸球ボタン361や返却ボタン362に触れる前に突出部310oに触れることとなるので、遊技者に対して貸球ボタン361や返却ボタン362の存在に気付かせることができ、貸球ボタン361や返却ボタン362等を誤操作してしまうのを防止することができるようになっている。
本例の皿ユニット300は、上皿301と下皿302とを備えており、貯留皿を二つ備えた従前のパチンコ機と同様な感じのパチンコ機1とすることができるので、昔ながらのパチンコ機を髣髴とさせることができ、新しいパチンコ機1(新機種のパチンコ機)でも遊技者に与える不安感等を低減させて遊技するパチンコ機として選択し易いパチンコ機1とすることができるようになっている。
[操作ユニット]
次に、扉枠5における操作ユニット400について、主に図46乃至図50を参照して説明する。図46(A)は扉枠における操作ユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における操作ユニットの背面斜視図である。また、図47は、操作ユニットを分解して右前上方から見た分解斜視図であり、図48は、操作ユニットを分解して右前下方から見た分解斜視図である。更に、図49は、操作ユニットの断面図であり、図50は、操作ユニットにおける押圧操作部押した状態で示す断面図である。
本実施形態の扉枠5における操作ユニット400は、正面視左右方向の略中央で上皿301の前面に配置され、遊技者が回転操作可能なダイヤル操作部401と、遊技者が押圧可能な押圧操作部405と、を備えており、遊技状態に応じて遊技者の操作を受付けたり、ダイヤル操作部401が可動したりすることができ、遊技者に対して遊技球の打込操作だけでなく、遊技中の演出にも参加することができるようにするものである。
この操作ユニット400は、円環状のダイヤル操作部401と、ダイヤル操作部401の円環内に挿入される円柱状の押圧操作部405と、ダイヤル操作部401の下端と連結される円環状の従動ギア410と、従動ギア410と噛合する円盤状の駆動ギア412と、駆動ギア412が回転軸に固定されるダイヤル駆動モータ414と、従動ギア410を回転可能に支持する円環状のギアレール416a、及び押圧操作部405を上下方向へ摺動可能に支持する円筒状のボタン支持筒416bを有した操作部保持部材416と、操作部保持部材416のボタン支持筒416b内に配置され押圧操作部405を上方へ付勢するバネ418と、操作部保持部材416のギアレール416a及びボタン支持筒416bが通過可能な開口420aを有し操作部保持部材416とダイヤル駆動モータ414とが下面に固定されるベース部材420と、ベース部材420の上面を覆いダイヤル操作部401の内筒部401aが通過可能な開口422aを有した上カバー422と、上カバー422の下側にベース部材420を挟むように取付けられベース部材420及びダイヤル駆動モータ414の下面を覆う下カバー424と、を主に備えている。
また、操作ユニット400は、上カバー422の上側を覆うようにベース部材420に固定されダイヤル操作部401の内筒部401aが通過可能な開口426a、及び開口426aの左右両側から外方へ延出し皿ユニット300における操作ユニット取付部314cへ固定するための固定部426bを有したカバー本体426と、カバー本体426の上側に配置され所定形状に形成されると共に表面に銀色の金属光沢を有したメッキ層が備えられたインナーカバー427と、インナーカバー427の上面を覆う透明な表面カバー428と、を備えている。インナーカバー427及び表面カバー428には、ダイヤル操作部401の外筒部401cが通過可能な円形の開口が形成されている。
更に、操作ユニット400は、ベース部材420の上面に取付けられ操作部保持部材416のボタン支持筒416b及びダイヤル操作部401の内筒部401aが通過可能な開口430aを有し上面におけるダイヤル操作部401の円環と対応した位置に複数のカラーLED430bが実装されたダイヤル装飾基板430と、操作部保持部材416の下側に固定され、ダイヤル操作部401の回転を検知する一対の回転検知センサ432a,432b、押圧操作部405の操作を検知する押圧検知センサ432c、及び押圧操作部405の直下の上面に実装されたカラーLED432dを有したボタン装飾基板432と、を備えている。このボタン装飾基板432は、操作部保持部材416の基板保持爪416gによって操作部保持部材416の下面に係止保持されるようになっている。
本例の操作ユニット400におけるダイヤル操作部401は、透光性を有した素材により形成されており、上下方向へ延びた筒状の内筒部401aと、内筒部401aの上端から外方へ延出し表面に所定の装飾が施された円環状の天板部401bと、天板部401bの外周端から下方へ筒状に延出し内筒部401aよりも短い外筒部401cと、外筒部401cの下端から外側へ環状に延出する鍔部401dと、を主に備えている。このダイヤル操作部401における鍔部401dの外径は、上カバー422における開口422aの内径よりも大径とされている。また、ダイヤル操作部401は、内筒部401aの下端に連結係止部(図48を参照)を備えており、従動ギア410の連結係止爪410bが係止されることで、ダイヤル操作部401と従動ギア410とを連結することができるようになっている。
更に、ダイヤル操作部401は、上端から所定距離下がった位置に内筒部401aの内壁から中心方向へ突出した突出部401fを更に備えている。ダイヤル操作部401の突出部401fは、内筒部401aの内周に沿って環状に形成されている。この突出部401fは、詳細は後述するが、押圧操作部405におけるボタンキャップ407の段部407aと当接することができるようになっており、ボタンキャップ407の段部407aがダイヤル操作部401の突出部401fと当接することで、ボタンキャップ407(押圧操作部405)がこれ以上内筒部401a内へ没入するのを防止することができるようになっている(図50を参照)。
なお、図示するように、ダイヤル操作部401の突出部401fと、押圧操作部405におけるボタンキャップ407の段部407aは、互いの当接面が、ダイヤル操作部401の中心へ向かうに従って低くなるような傾斜面とされており、互いが当接した時の接触面積が大きくなるようになっている。これにより、押圧操作部405からの荷重をダイヤル操作部401側へより多く分散させる(逃がす)ことができると共に、ダイヤル操作部401からの振動を押圧操作部405側へ伝え易くすることができるようになっている。
また、操作ユニット400における押圧操作部405は、上端が閉鎖された円筒状に形成されており、有底筒状のボタン本体406と、ボタン本体406の上端を閉鎖するボタンキャップ407と、ボタンキャップ407の内側に配置されボタン本体406の上端とボタンキャップ407の間に挟持されるキャップインナ408と、を備えている。この押圧操作部405のボタン本体406は、底部下面が下方へ向かうに従って窄まる円錐台形状とされており、この円錐台形状の下面にコイル状のバネ418の上端が挿入されるようになっていると共に、円錐台形状の下端面中央に上下方向に貫通する貫通孔406aを備えており、この貫通孔406aを通してボタン装飾基板432のLED432dからの光がボタンキャップ407及びキャップインナ408へ照射されるようになっている。
また、ボタン本体406は、外周下部から下方へ向かって延出し下端が軸直角方向外方へ突出した一対の係止爪406bを有しており、この係止爪406bが操作部保持部材416のボタン支持筒416b内に形成された係止凸部416f(図49及び図50を参照)と係止することで、ボタン本体406がボタン支持筒416bから抜けないように、上方への移動端を規制することができるようになっている。また、詳細な図示は省略するが、操作部保持部材416におけるボタン支持筒416b内には、ボタン本体406の係止爪406bが周方向へ移動するのを阻止する当接部を備えており、ボタン本体406(押圧操作部405)が、ボタン支持筒416b内で回転しないようになっている。なお、ボタン本体406の係止爪406bと、ボタン支持筒416b内の当接部との間には、周方向へ所定量の隙間が形成されており、その隙間によって、ボタン本体406が所定角度範囲内で回動することができるようになっている。
また、ボタン本体406は、係止爪406bとは外周下部の異なる位置から下方へ延出しボタン装飾基板432の押圧検知センサ432cによって検知可能な押圧検知片406cを備えている。この押圧検知片406cは、バネ418の付勢力に抗してボタン本体406(押圧操作部405)が下方へ移動すると、押圧検知センサ432cによって検知されるようになっている。
更に、押圧操作部405のボタンキャップ407は、図示するように、上下方向の略中央よりも下側の外径が上側よりも小径とされており、上側と下側との間に段部407aが形成されている。このボタンキャップ407(押圧操作部405)は、段部407aよりも下側が、ダイヤル操作部401における突出部401fの内径よりも小径とされていると共に、段部407aよりも上側が、ダイヤル操作部401の内筒部401aの内径よりも小径で突出部401fの内径よりも大径とされている。これにより、ボタンキャップ407(押圧操作部405)を、ダイヤル操作部401の上側から内筒部401a内へ挿入すると、ボタンキャップ407の段部407aがダイヤル操作部401の突出部401fに当接して、ボタンキャップ407(押圧操作部405)がこれ以上内筒部401a内へ没入することができないようになっている(図50を参照)。
更に、押圧操作部405のボタンキャップ407及びキャップインナ408は、透光性環有した素材によって形成されている。キャップインナ408の上面には「Push」の文字が表示されており、その文字がボタンキャップ407を通して外側から視認することができるようになっている。
操作ユニット400における従動ギア410は、円環状の外周に駆動ギア412と噛合する複数のギア歯を備えている。この従動ギア410は、その内径が操作部保持部材416におけるボタン支持筒416bの外径よりも若干大径とされていると共に、下面に操作部保持部材416のギアレール416aと当接する円環状の摺動面410aを備えている。この従動ギア410をボタン支持筒416bへ挿入すると共に、摺動面410aをギアレール416a上に当接させることで、従動ギア410がボタン支持筒416bと略同心状に摺動回転することができるようになっている。
また、従動ギア410は、上端の対向する位置から上方へ延出した上で内側へ向かって突出する一対の連結係止爪410bを備えており、この連結係止爪410bがダイヤル操作部401における内筒部401aの連結係止部401eと係止することで、従動ギア410とダイヤル操作部401とが一体回転可能に連結されるようになっている。
また、従動ギア410は、下端から下方へ突出し周方向に一定間隔で列設された複数の回転検知片410cを備えている。これら回転検知片410cは、ボタン装飾基板432に取付けられた一対の回転検知センサ432a,432bによって検知されるようになっており、詳細は後述するが、回転検知片410cと回転検知片410c同士の間に形成されたスリット410dとにより、回転検知片410cに対する各回転検知センサ432a,432bの検知パターンによって従動ギア410すなわちダイヤル操作部401の回転方向を検知することができるようになっている。なお、本例では、回転検知片410cとスリット410dにおける周方向の長さが、略同じ長さとされている。
また、操作ユニット400における駆動ギア412は、図示するように、従動ギア410と噛合する平歯車とされており、ダイヤル駆動モータ414の回転軸と一体回転可能に固定されている。また、ダイヤル駆動モータ414は、回転方向、回転速度、及び回転角度を任意に制御可能な公知のステッピングモータとされており、ダイヤル駆動モータ414によって回転軸を介して駆動ギア412を回転駆動させることで、従動ギア410を介してダイヤル操作部401を回転させることができるようになっている。また、ダイヤル駆動モータ414によって駆動ギア412(回転軸)を小刻みに正転・逆転を繰返させることで、ダイヤル操作部401を振動させるようにすることができる。また、回転検知センサ432a,342bからの検知信号等に基づいて所定回転角度毎にダイヤル駆動モータ414の回転を短時間停止させるようにすることで、ダイヤル操作部401の回転操作に対して、クリック感を付与することができるようになっている。
更に、操作ユニット400における操作部保持部材416は、従動ギア410を回転可能に支持する円環状のギアレール416aと、ギアレール416aの内側から上方へ筒状に突出し内部に押圧操作部405のボタン本体406を上下方向へ摺動可能に支持するボタン支持筒416bと、ボタン支持筒416b内の底部近傍の内周面に形成されボタン本体406の係止爪406bと係止可能な係止凸部416f(図49及び図50を参照)と、ボタン支持筒416b内の底部中央を貫通しボタン装飾基板432に実装されたLED432dからの光をボタン支持筒416b内(押圧操作部405)へ送る貫通孔416cと、ボタン支持筒416bよりも外側の底部を上下方向に貫通しボタン装飾基板432に取付けられた回転検知センサ432a,432bが通過可能な開口部416dと、ボタン支持筒416b内の底部を上下方向に貫通しボタン装飾基板432に取付けられた押圧検知センサ432cが上側から望む開口部416eと、下面から下方へ延出しボタン装飾基板432を係止保持するための一対の基板保持爪416gと、を備えている。
また、操作部保持部材416は、詳細な図示は省略するが、ボタン支持筒416b内に配置され、ボタン本体406の係止爪406bに対して周方向へ所定量の隙間を形成すると共に係止爪406bと当接可能とされた複数の当接部を更に備えている。この当接部によって、ボタン本体406(押圧操作部405)が、所定角度範囲内で回動することができると共に、ボタン支持筒416b内でグルグルと回転しないようになっている。更に、操作部保持部材416は、詳細な説明は省略するが、ベース部材420へ固定するためのビス孔や、ベース部材420やボタン装飾基板432との位置決めをするための位置決めボス等が適宜位置に備えられている。
この操作部保持部材416は、ボタン支持筒416bの外周に従動ギア410を挿通させてギアレール416a上に載置することで、従動ギア410(ダイヤル操作部401)を所定の回転軸を中心として摺動回転可能に支持することができるようになっている。また、ボタン支持筒416b内に押圧操作部405のボタン本体406を挿入することで、ボタン本体406を介して押圧操作部405を上下方向へ摺動可能に支持することができるようになっている。なお、ボタン支持筒416b内の底部とボタン本体406の円錐台状の下面と間に、コイル状のバネ418が配置されるようになっており、このバネ418によって、ボタン本体406(押圧操作部405)が上方へ向かって付勢された状態となっている。
操作ユニット400におけるベース部材420は、アルミ合金等の金属により形成されており、ダイヤル操作部401や押圧操作部405を強く叩いても操作ユニット400が破損し難いようになっている。このベース部材420は、操作部保持部材416の外周が嵌合可能とされ上方へ向かって窪んだ下部凹部420bと、下部凹部420bの底部(天井部)を上下方向に貫通し操作部保持部材416のギアレール416aが通過可能な内形とされた開口420aと、開口420aを挟んで下部凹部420bとは反対側に配置され少なくとも従動ギア410を収容可能な下方へ向かって窪んだ上部凹部420cと、を備えている。また、ベース部材420は、図48に示すように、下部凹部420bの外側に下方へ向かって開放されダイヤル駆動モータ414を取付けるためのモータ取付部420dと、下部凹部420bの外側から下方へ向かって所定量突出する複数(本例では四つ)の脚部420eと、各脚部420eの下端に下方へ向かって開口する位置決め孔420fと、を備えている。
また、ベース部材420は、上部凹部420cの外側に上方に配置されるカバー本体426を固定するための複数のカバー固定部420gと、カバー固定部420gとは上部凹部420cの外側の異なる位置から上方へ突出しダイヤル装飾基板430を取付けるための複数の基板取付ボス420hと、を備えている。更に、ベース部材420は、詳細な説明は省略するが、その上面及び下面の適宜位置に、各部材の位置決めをするための位置決めボスや、取付孔等が形成されている。
このベース部材420は、中央の開口420aに対して、下側からボタン支持筒416b及びギアレール416aが通過するように下部凹部420b内に操作部保持部材416を嵌合挿入した上で、所定のビスを上側から下部凹部420bの天井部を通して操作部保持部材416にねじ込むことで、操作部保持部材416を支持することができるようになっている。ベース部材420は、詳細な図示は省略するが、操作部保持部材416を支持した状態では、ギアレール416aの上端が下部凹部420bの天井部の上面、つまり、上部凹部420cの底面よりも僅かに上方へ突出した状態となるようになっており、ギアレール416a上に載置される従動ギア410が、上部凹部420c内で問題なく摺動回転することができるようになっている。
また、ベース部材420の脚部420eは、その下端に形成された位置決め孔420fが、後述する下カバー424における底部の上面に形成された位置決め突起424aと嵌合するようになっており、ベース部材420と下カバー424とが互いに決められた位置に位置決めすることができるようになっている。また、ベース部材420の基板取付ボス420hは、上部凹部420c内に収容配置された従動ギア410よりも上方の位置まで突出しており、基板取付ボス420h上に取付けられたダイヤル装飾基板430が、従動ギア410と接触しないようになっている。
更に、ベース部材420は、モータ取付部420dにダイヤル駆動モータ414を取付けることで、ダイヤル駆動モータ414の上面と面で接触するようになっており、ダイヤル駆動モータ414からの熱をベース部材420側へ充分に伝達させることができ、ダイヤル駆動モータ414の熱を、ベース部材420によって放熱させることができるようになっている。これにより、ダイヤル駆動モータ414の過熱を抑制させることができ、過熱によりダイヤル駆動モータ414等に不具合が発生するのを防止することができるようになっている。
操作ユニット400の上カバー422は、下方が開放された箱状で、その天板にダイヤル操作部401の外筒部401cが通過可能で鍔部401dが通過不能とされた内径の開口422aを備えている。この上カバー422は、平面視で、押圧操作部405(従動ギア410)の軸心と、ダイヤル駆動モータ414(駆動ギア412)の軸心とを結ぶ方向(パチンコ機1における左右方向)が長く延びたように形成されており、その長軸方向両端に下方へ突出した係合爪422bを備えており、この係合爪422bを下カバー424の係合部424bに係合させることで、上カバー422と下カバー424とを組立てることができるようになっている。
また、上カバー422は、短軸方向(パチンコ機1における前後方向)の一方(パチンコ機1における前側)の外周から下方へ延出した上で下端が外側へ突出した爪状の係止片422cを備えている。この係止片422cは、皿ユニット300における上皿前部装飾部材316と係止することができるようになっており、係止片422cを上皿前部装飾部材316に係止させることで、操作ユニット400が操作ユニット取付部314cから上方へ抜けるのを阻止することができるようになっている。
この上カバー422は、ベース部材420に、操作部保持部材416、従動ギア410、ダイヤル装飾基板430、及びダイヤル操作部401等を取付けた状態で、開口422aに対して下側からダイヤル操作部401が通るようにベース部材420の上方を覆うことで、開口422aによってダイヤル操作部401が上方へ抜けるのを防止することができるようになっている。
一方、操作ユニット400の下カバー424は、上方が開放された箱状で、外周形状が上カバー422の外周と略一致した形状とされており、底部上面の所定位置にベース部材420における脚部420e下端の位置決め孔420fと嵌合可能な位置決め突起424aを備えている。この下カバー424は、長軸方向(パチンコ機1における左右方向)両端の上部に、上カバー422の係合爪422bと係合可能な係合部424bを備えており、この係合部424bに係合爪422bを係合させることで、下カバー424に上カバー422を取付けることができるようになっている。
操作ユニット400におけるカバー本体426は、図示するように、中央に上下方向に貫通し上カバー422が通過可能な開口426aと、開口426aの左右両側から外方へ延出し皿ユニット300の操作ユニット取付部314cに固定される固定部426bと、開口426aの外周下面から下方へ延出しベース部材420のカバー固定部420gに固定される固定ボス426cと、を備えている。
本例の操作ユニット400は、カバー本体426の固定部426bを介して皿ユニット300に取付けられるようになっており、詳細な図示は省略するが、皿ユニット300の操作ユニット取付部314cに取付けた状態では、操作ユニット400(下カバー424)の下面が操作ユニット取付部314cの上面よりも若干浮いた状態(例えば、0.5mm〜2.0mm)で取付けられるようになっており、操作ユニット400を押圧操作した場合や叩いた場合に、カバー本体426が弾性変形して衝撃を緩和させることができるようになっている。
なお、この操作ユニット400は、インナーカバー427及び表面カバー428を外した状態で、皿ユニット300の操作ユニット取付部314cに対して、カバー本体426の固定部426bを所定のビスで取付け、その後、カバー本体426の上面にインナーカバー427及び表面カバー428を取付けるような構造となっている。
本実施形態の操作ユニット400は、ダイヤル操作部401と共に回転する従動ギア410の回転検知片410cが、隣接する回転検知片410c同士の間のスリットにおける周方向の長さと、回転検知片410cの周方向の長さが同じ長さとされている。また、ボタン装飾基板432に取付けられた一対の回転検知センサ432a,432bは、ダイヤル操作部401に対応した周方向の間隔が、回転検知片410cの周方向における長さの2.5倍の間隔とされている。これにより、詳細は後述するが、遊技者がダイヤル操作部401を回転操作することで、一対の回転検知センサ432a,432bによる回転検知片410cの検知・非検知にタイムラグが発生し、各回転検知センサ432a,432bによる回転検知片410cの検知パターンから、ダイヤル操作部401が何れの方向に回転しているのかを検知することができるようになっている。
また、本例の操作ユニット400は、詳細は後述するが、ダイヤル駆動モータ414の駆動力によって、ダイヤル操作部401を時計回りや、反時計周りの方向へ回転させることができるようになっている。また、操作ユニット400は、ステッピングモータを用いたダイヤル駆動モータ414の駆動力によって、ダイヤル操作部401を、カクカクと段階的に回転させたり、遊技者がダイヤル操作部401を回転操作した時に、その回転を補助したり、わざと回らないようにしたり、回転にクリック感を付与したりすることができるようになっている。更に、操作ユニット400は、ダイヤル駆動モータ414を小刻みに正転・逆転を繰返させることで、ダイヤル操作部401を振動させるようにすることができるようになっている。
また、本例の操作ユニット400は、図50に示すように、押圧操作部405を下方へ押圧すると、ボタンキャップ407の段部407aがダイヤル操作部401の突出部401fへ当接して、ボタンキャップ407(押圧操作部405)がこれ以上内筒部401a内へ没入することができないようになっているので、押圧操作部405へ加えられた荷重を、段部407a及び突出部401fを介してダイヤル操作部401側へ分散させることができ、押圧操作部405(操作ユニット400)が壊れ難いようになっている。
更に、本例の操作ユニット400は、押圧操作部405を押圧してボタンキャップ407の段部407aとダイヤル操作部401の突出部401fとが当接した状態で、ダイヤル駆動モータ414を小刻みに正転・逆転を繰返させることで、ダイヤル操作部401と共に押圧操作部405も振動させるようにすることができ、押圧操作部405の振動によって遊技者を驚かせて遊技や演出を楽しませることができるようになっている。
本例の操作ユニット400によると、遊技者が回転操作可能なダイヤル操作部401と押圧操作可能な押圧操作部405とを、金属製のベース部材420によって支持するようにしており、操作ユニット400の強度を高めることができるので、遊技者等が操作部401,405を強く叩いても、操作ユニット400が破損するのを防止することができ、遊技者に対して操作部401,405を自由に操作させることができると共に、操作部401,405の操作性を向上させることができ、操作部401,405を用いた演出を楽しませて遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、円環状のダイヤル操作部401の中心に押圧操作部405を配置するようにしており、押圧操作部405を強く叩こうとすると、蓋然的に、ダイヤル操作部401も叩くこととなり、操作部401,405を叩く力をダイヤル操作部401と押圧操作部405とに分散させることができ、叩いた衝撃が集中するのを抑制して、操作ユニット400や皿ユニット300が破損するのを防止することができるので、操作ユニット400の操作部401,405を強打に耐え得るものとすることが可能となり、遊技者に対して操作部401,405を自由に操作させることができ、操作部401,405の操作性を向上させることができると共に、操作部401,405を用いた演出を楽しませて、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、操作ユニット400のベース部材420等を皿ユニット300の凹んだ操作ユニット取付部314cに収容すると共にベース部材420の下端と操作ユニット取付部314cの底面との間で所定量の隙間が形成されるように、ベース部材420に取付けられたカバー本体426を皿ユニット300の上面に固定しており、操作ユニット400の操作部401,405を叩いて衝撃をかけたり、荷重をかけたりした場合、操作ユニット400の下端が操作ユニット取付部314cの底面と当接するまでは、カバー本体426の弾性変形によって衝撃や荷重を吸収することができ、操作ユニット400の下端が操作ユニット取付部314cの底面と当接した後には、操作ユニット取付部314cの底部(皿ユニット300)によって衝撃や荷重を受けることができるので、操作部401,405からの衝撃等を分散させて衝撃等が集中するのを回避させることができ、操作ユニット400及び皿ユニット300による耐衝撃性や耐荷重性を高めることができる。
更に、操作部401,405を支持する位置から離れた位置に下方へ突出した複数の脚部420eをベース部材420に備えるようにしており、ベース部材420の脚部420eが皿ユニット300における操作ユニット取付部314cの底面と当接して、操作部401,405からの衝撃がベース部材420にかかっても、衝撃の直下に脚部420eが配置されていないので、ベース部材420における操作部401,405を支持した部位が衝撃によって撓むこととなり、ベース部材420が撓む(弾性変形する)ことで操作部401,405からの衝撃をある程度吸収することができ、ベース部材420から皿ユニット300へかかる衝撃を減少させて皿ユニット300が破損するのを防止することができる。
また、ベース部材420に下側から取付けられる操作部保持部材416によって、ダイヤル操作部401の一部が平面視でベース部材420と重なるようにダイヤル操作部401を保持するようにしているので、ダイヤル操作部401を上側から強打した時に、ダイヤル操作部401を保持する操作部保持部材416がベース部材420から外れて下方へ移動しても、ベース部材420の上面にダイヤル操作部401が当接してベース部材420によりダイヤル操作部401の下方への移動を規制することができ、ダイヤル操作部401が落ち込んでしまうのを良好に防止することができる。
更に、中心に押圧操作部405を配置したダイヤル操作部401を、遊技状態に応じてダイヤル駆動モータ414により回転させるようにしているので、勝手に回転(振動も含む回転駆動)するダイヤル操作部401によって、遊技者を驚かせて操作部401,405による演出に注目させることができ、遊技者を楽しませることができると共に、ダイヤル操作部401をダイヤル駆動モータ414によって適宜駆動させることで、ダイヤル操作部401(押圧操作部405)を用いた演出をより多様なものとして飽き難くすることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、ダイヤル操作部401を従動ギア410及び駆動ギア412を介してダイヤル駆動モータ414によって回転させるようにしており、蓋然的に、ダイヤル駆動モータ414の回転軸の位置をダイヤル操作部401(従動ギア410)の回転軸の位置に対して偏芯した位置とすることができるので、ダイヤル操作部401や押圧操作部405が強く叩かれても、その衝撃がダイヤル操作部401の回転軸を介して直接ダイヤル駆動モータ414にかかるのを回避させることができ、ダイヤル駆動モータ414(操作ユニット400)が破損するのを防止することができる。
更に、ベース部材420の開口420aをダイヤル操作部401よりも小径とした上で、その開口420aを通して操作部保持部材416のギアレール416aによりダイヤル操作部401を支持するようにしているので、ダイヤル操作部401からの衝撃や荷重によってギアレール416a(操作部保持部材416)が下方へ移動しても、ダイヤル操作部401がベース部材420の開口420a上面に当接することができ、ダイヤル操作部401がベース部材420よりも落ち込んでしまうのを確実に防止することができる。また、ダイヤル操作部401を円環状のギアレール416aによって支持するようにしているので、ダイヤル操作部401と操作部保持部材416(ギアレール416a)との接触面積を増加させることができ、ダイヤル操作部401からの衝撃や荷重を分散させて操作部保持部材416が破損するのを防止することができる。
また、ダイヤル操作部401を回転駆動させるダイヤル駆動モータ414を金属製のベース部材420に取付けるようにしているので、ダイヤル駆動モータ414によりダイヤル操作部401を頻繁に回転駆動させたり、ダイヤル駆動モータ414により回転駆動させられているにも関わらず遊技者によってダイヤル操作部401の回転が強制的に停止させられていたりすることで、ダイヤル駆動モータ414に対する過度の負荷により発熱量が多くなっても、ダイヤル駆動モータ414から発生する熱を、ベース部材420を介して良好に発散・放熱させることができ、過熱によってダイヤル駆動モータ414に不具合が発生するの防止することができると共に、ダイヤル駆動モータ414を高い負荷に耐えられるようにすることが可能となり、上述したようなダイヤル駆動モータ414を用いたダイヤル操作部401の演出を十分に具現化することができ、遊技者を楽しませられるパチンコ機1とすることができる。
更に、ダイヤル操作部401の回転を検知する回転検知センサ432a,432bと、押圧操作部405の押圧を検知する押圧検知センサ432cと、を備えるようにしており、ダイヤル操作部401や押圧操作部405の回転操作や押圧操作を検知することができるので、その検知信号に基いて遊技者の操作に応じた演出を行うことが可能となり、操作部401,405を操作する遊技者に対してより一体感の有る演出を提供することができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、操作部401,405を発光装飾させるためのダイヤル装飾基板430やボタン装飾基板432を備えるようにしており、操作部401,405を発光装飾させることができるので、操作部401,405を発光させることで、遊技者の関心を操作部401,405に引付けることができ、遊技者に対して操作部401,405を操作させ易くすることができる。
また、操作ユニット400における押圧操作部405を押圧した時に、押圧操作部405の段部407aとダイヤル操作部401の突出部401fとが互いに接触するようにしているので、遊技者が押圧操作部405を押圧した時に、ダイヤル駆動モータ414によりダイヤル操作部401を所定角度範囲内で正転・逆転を繰返させて振動させることで、ダイヤル操作部401の突出部401fと接触した段部407aを介して押圧操作部405も振動させるができる。従って、押圧操作部405を振動させるためのバイブレータ等を別途備えなくても、遊技者に対して押圧操作部405に対する操作感を付与することができるので、操作ユニット400を用いた演出を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、押圧操作部405を押圧操作した時に押圧操作部405が振動するので、勝手には動かないと思っていた押圧操作部405が動くことで遊技者を大きく驚かせることができ、何か良いことがあるのではないかと思わせることが可能となり、遊技に対する期待感を高めて興趣が低下するのを抑制することができる。従って、従来の操作部と違ってダイヤル操作部401や押圧操作部405が勝手に動くことで遊技者の関心を操作ユニット400へ強く引付けることができ、操作ユニット400を用いた演出へ参加させ易くすることができると共に、遊技者に対して操作ユニット400を積極的に操作させることができ、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、押圧操作部405を押圧操作した時に、押圧操作部405とダイヤル操作部401とが互いに接触するようにしているので、押圧操作部405からの力をダイヤル操作部401側へ伝達させることが可能となり、押圧操作部405を強打された場合でも、押圧操作部405にかかった荷重や衝撃をダイヤル操作部401側にも分散させることができ、押圧操作部405に対する耐荷重性や耐衝撃性を高めることができる。従って、押圧操作部405を強打しても、押圧操作部405が破損するのを防止することができるので、押圧操作部405(操作ユニット400)の破損によって遊技が中断してしまうのを回避させることができ、遊技の中断によって遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを防止することができる。
また、押圧操作部405を、上下方向へ延びた軸心周りに対して所定角度範囲内のみ回動可能に支持するようにしており、遊技者が押圧操作部405を押圧操作した時に、ダイヤル駆動モータ414によってダイヤル操作部401を回転駆動させても、押圧操作部405がダイヤル操作部401と一緒に回転しようとするのを防止することができるので、遊技者に対して操作ユニット400におけるダイヤル操作部401と押圧操作部405の夫々の役割を確実に認識させることができ、遊技者に対して操作ユニット400を用いた演出を楽しませ易くすることができると共に、押圧操作部405の上面に案内された「PUSH」の文字が回ったり大きく傾いたりすることがなく遊技者側から読み易くすることができ、遊技者に対して押圧操作部405が押圧操作するものであることを確実に認識させることができる。
また、ダイヤル操作部401における内筒部401aの内周から軸心側へ突出した突出部401fを備えると共に、押圧操作部405の外周面に上下方向の所定位置よりも下側を小径とすることで形成する段部407aを備えるようにしているので、操作ユニット400の上端ではダイヤル操作部401の内筒部401aの内周面と押圧操作部405の外周面とを可及的に近付けることができ、ダイヤル操作部401と押圧操作部405との隙間を可及的に小さくして見栄えを良くすることができると共に、ダイヤル操作部401と押圧操作部405との隙間を介して操作ユニット400内へゴミや埃等の異物の侵入をし難くすることができ、異物の侵入によってダイヤル操作部401が回動し難くなったり、押圧操作部405を押圧し難くなったりする不具合の発生を防止することができる。
更に、操作ユニット400における押圧操作部405とダイヤル操作部401との接触部位を円環状に形成しており、押圧操作部405を押圧操作した際に、ダイヤル操作部401に対して周方向のどの位置でも接触することができるので、押圧操作部405が傾くような感じで押圧(押圧操作部405の中心よりも外周へ偏った位置を押圧)されても、確実にダイヤル操作部401と接触させることができ、ダイヤル操作部401を介してダイヤル駆動モータ414からの回動駆動を押圧操作部405へ確実に伝達させることができる。また、ダイヤル操作部401と押圧操作部405とが円環状に接触するので、押圧操作部405からの荷重を広くダイヤル操作部401側へ分散させることができ、押圧操作部405に対する耐荷重性や耐衝撃性をより高めることができる。
また、操作ユニット400における押圧操作部405とダイヤル操作部401との接触部位を、ダイヤル操作部401の回転軸心の方向へ向かって低くなるように傾斜させているので、傾斜していない場合と比較して相対的に接触面積を増やすことができ、ダイヤル操作部401を介してダイヤル駆動モータ414からの駆動力を押圧操作部405側へ伝達させ易くすることができる。また、押圧操作部405からの荷重を、回転軸心の延びた方向に対して直角方向の外側方向へ放射状に分散させることができ、荷重が集中するのを防止して、操作ユニット400における耐荷重性や耐衝撃性を確実に高めることができると共に、操作ユニット400の耐久性を高めることができ、遊技中に不具合が発生するのを可及的に低減させて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、操作ユニット400のダイヤル駆動モータ414を、正転・逆転可能なステッピングモータとしているので、ダイヤル操作部401を単に回転させるだけでなく、簡単に所定位置で停止させたり、正転、逆転の繰返しにより簡単に振動させたりすることができ、上記の作用効果を奏する操作ユニット400(パチンコ機1)を確実に具現化することができる。
また、遊技球を貯留する上皿301を備えた皿ユニット300に操作ユニット400を支持させるようにしているので、蓋然的に、多数の遊技球を貯留するために皿ユニット300の強度剛性が高くなっており、操作ユニット400(押圧操作部405)への強打に対しても充分に対応することができ、操作ユニット400を用いた演出を楽しませ易くすることができる。
[ハンドル装置]
次に、扉枠5におけるハンドル装置500について、主に図51を参照して説明する。図51(A)は扉枠におけるハンドル装置を分解して前から見た分解斜視図であり、(B)はハンドル装置を分解して後から見た分解斜視図である。本実施形態のハンドル装置500は、図示するように、皿ユニット300における下皿サイドカバー330の下開口部330bを通して扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の前面に取付けられたハンドルブラケット140に固定され円筒状で前端が軸直角方向へ丸く膨出したハンドルベース502と、ハンドルベース502に対して相対回転可能にハンドルベース502の前側に配置されるハンドル本体504と、ハンドル本体504の前面に配置されると共にハンドルベース502に固定されハンドルベース502と協働してハンドル本体504を回転可能に支持する前端カバー506と、を備えている。
また、ハンドル装置500は、ハンドル本体504の後側でハンドルベース502の前面に取付けられるインナーベース508と、インナーベース508及び前端カバー506とによって後端及び前端が回転可能に支持されると共にハンドル本体504と一体回転可能とされ外周に駆動ギア部510aを有した軸部材510と、軸部材510の駆動ギア部510aと噛合する伝達ギア511と、伝達ギア511と一体回転可能な検知軸部512aを有しインナーベース508とハンドルベース502との間に挟持される回転位置検知センサ512と、を備えている。
更に、ハンドル装置500は、一端側がインナーベース508に取付けられると共に他端側が伝達ギア511に取付けられ伝達ギア511を介して回転位置検知センサ512の検知軸部512aを正面視で時計回りの方向へ付勢する補助バネ514と、インナーベース508の後側に取付けられるタッチセンサ516と、タッチセンサ516とはインナーベース508の後面の異なる位置に取付けられる発射停止スイッチ518と、インナーベース508に対して回転可能に軸支され発射停止スイッチ518を作動させる単発ボタン520と、一端側がハンドルベース502に取付けられると共に他端側がハンドル本体504に取付けられハンドル本体504を初期回転位置(正面視で反時計周りの方向への回転端)へ復帰させるように付勢するハンドル復帰バネ522と、を備えている。
本例のハンドル装置500のハンドルベース502は、図示するように、前側が開放され後方へ丸く膨出した前端部から後方へ円筒状に延びた後端部を有した形態とされ、後端部の円筒状の外周に軸方向へ延びた三つの溝部502aが形成されている。ハンドルベース502の三つの溝部502aは、ハンドルブラケット140における筒部141内の三つの突条143と対応するように、上側に一つ、下側に二つ、周方向に対して不等間隔に配置されている。このハンドルベース502は、溝部502aが突条143と嵌合するように、ハンドルブラケット140の筒部141内に挿入することで、回転不能な状態で支持されるようになっている。
ハンドル装置500は、ハンドル本体504に、その回転軸と同心円状に配置された円弧状のスリット504aが形成されていると共に、前端カバー506に、後方へ突出する三つの取付ボス506aが形成されており、これら取付ボス506aがハンドル本体504のスリット504aを通してハンドルベース502の前面に固定されるようになっている。これにより、ハンドル本体504におけるスリット504aの周方向端部が、前端カバー506の取付ボス506aに当接することで、ハンドル本体504の回転範囲が規制されるようになっている。
また、ハンドル装置500は、ハンドル本体504に、後方へ突出する係止突部504bが形成されており、この係止突部504bにコイル状のハンドル復帰バネ522の他端側(前端側)が係止されることで、一端側がハンドルベース502に取付けられたハンドル復帰バネ522によってハンドル本体504が正面視で反時計周りの方向へ回動するように付勢されている。
本例のハンドル装置500は、扉枠ベース本体110のハンドル取付部114に対して、ハンドルブラケット140を介して取付けられるようになっている。この扉枠ベース本体110のハンドル取付部114は、上方から見た平面視において、その取付面が、外側(開放側)を向くように傾斜しているので、ハンドルブラケット140を介して取付けられるハンドル装置500も平面視で外側に傾斜(換言すると、パチンコ機1の前面垂直面に直交する線に対してその先端部がパチンコ機1の外側に向かうように傾斜している。)して扉枠5に取付固定されるようになっている。これにより、遊技者がハンドル装置500を握り易く、回動動作に違和感がなく回動操作が行い易いようになっている。
また、ハンドル装置500は、回転位置検知センサ512が可変抵抗器とされており、ハンドル本体504(ハンドル装置500)を回転させると、軸部材510及び伝達ギア511を介して回転位置検知センサ512の検知軸部512aが回転することとなる。そして、検知軸部512aの回転角度に応じて回転位置検知センサ512の内部抵抗が変化し、回転位置検知センサ512の内部抵抗に応じて後述する打球発射装置650における発射ソレノイド654の駆動力が変化して、ハンドル装置500の回転角度に応じた発射強度で遊技球が遊技領域1100内へ打ち込まれるようになっている。したがって、発射強度が所定値以上となるようにハンドル本体504を回すと、遊技領域1100に向けて発射された遊技球は、センター役物2500よりも右側の右側領域にまで到達し、この右側領域を流下する。一方、発射強度が所定値よりも小さくなるようにハンドル本体504を回すと、遊技領域1100に向けて発射された遊技球は、センター役物2500よりも左側の左側領域を流下する。このように、遊技者の操作によって、右側領域と左側領域とに遊技球を打ち分けることが可能とされている。なお、センター役物2500よりも右側の右側領域を流下する遊技球の球速度は、センター役物2500よりも左側の左側領域を流下する遊技球の球速度よりも相対的に速くなる。そして、相対的に速い球速度で右側領域を流下する遊技球は、後述する第2始動口2102への入賞が可能となり、相対的に遅い球速度で左側領域を流下する遊技球は、後述する第1始動口2101への入賞が可能となる。
なお、ハンドル本体504や前端カバー506の外周表面は、導電性のメッキが施されており、遊技者がハンドル本体504等に接触することでタッチセンサ516が接触を検出するようになっている。そして、タッチセンサ516が遊技者の接触を検出している時に、ハンドル本体504が回動すると、その回動に応じた強さで発射ソレノイド654の回転駆動が制御されて、遊技球を打ち込むことができるようになっている。つまり、遊技者がハンドル装置500を触らずに、何らかの方法でハンドル装置500を回転させて遊技球の打ち込みを行おうとしても、発射ソレノイド654は駆動されず、遊技球を打ち込むことができず、遊技者が本来とは異なる遊技をすることを防止してパチンコ機1を設置する遊技ホールに係る負荷(負担)を軽減させることができるようになっている。
また、遊技者がハンドル装置500を回転操作中に、単発ボタン520を押圧すると、発射停止スイッチ518が単発ボタン520の操作を検知し、発射制御部4120(図118を参照)によって発射ソレノイド654の回転駆動が停止させられるようになっている。これにより、ハンドル装置500の回転操作を戻さなくても、遊技球の発射を一時的に停止させることができると共に、単発ボタン520の押圧操作を解除することで、単発ボタン520を操作する前の打込強さで遊技球を発射することができるようになっている。
本例のハンドル装置500は、ハンドル本体504の回転操作を回転位置検知センサ512によって電気的に検知した上で、その回転位置検知センサ512からの回転位置の検知に基いて、発射制御部4120で発射ソレノイド654の回転駆動強さを制御するようにしているので、従来のパチンコ機のように、扉枠5に備えられるハンドル装置500と、本体枠3に備えられる打球発射装置650とを、扉枠5の閉鎖時には互いに連係し、扉枠5の開放時には連係が解除されるように機械的(例えば、ジョイントユニット)な機構を備える必要が無く、パチンコ機1に係る構成を簡略化することができると共に、ジョイントユニットでの不具合の発生をなくすことができ、遊技球の打込不具合によって遊技者の興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
なお、本実施形態にかかる打球発射装置650(発射ソレノイド654)では、ハンドル装置500の操作が行われると(維持されると)、1分間に100個の遊技球が一定の間隔で順次打ち出される打出速度(ペース)となるように駆動するものとなっている。したがって、本実施形態では、ハンドル装置500の操作が行われると(維持されると)、遊技領域1100には0.6秒間隔で遊技球が次々と打ち込まれることとなる。
[ファールカバーユニット]
次に、扉枠5におけるファールカバーユニット540について、主に図52及び図53を参照して説明する。図52(A)は扉枠におけるファールカバーユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(B)ファールカバーユニットを分解して後から見た分解斜視図である。また、図53は、ファールカバーユニットの前カバーを外した状態で示す正面図である。
扉枠5におけるファールカバーユニット540は、扉枠ベースユニット100における遊技窓101よりも下側の後面に取付けられ、後述する賞球ユニット700から払出された遊技球や、打球発射装置650により発射されにも関わらず遊技領域1100内へ到達しなかった遊技球(ファール球)を、皿ユニット300の上皿301や下皿302へ誘導するものである。本例のファールカバーユニット540は、前側が開放され複数の遊技球の流路を内部に有したカバーベース542と、カバーベース542の前端を閉鎖する前カバー544と、を備えている。
このファールカバーユニット540のカバーベース542は、図52(B)に示すように、背面視で右上隅に配置され前後方向に貫通する第一球入口542aと、この第一球入口542aと連通しカバーベース542の前端に向かうに従って正面視右側へ広がる第一球通路542bと、第一球入口542aの外側(背面視でで右側)に配置され第一球入口542aよりも大口の第二球入口542cと、第二球入口542cと連通しカバーベース542の内部で、下方へ延びた上で正面視右下隅へ向かって低くなるように傾斜した第二球通路542dと、を備えている。この第一球入口542a及び第二球入口542cは、扉枠5を本体枠3に対して閉じた状態で、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770の通常球出口774及び満タン球出口776と夫々対向する位置に形成されている。なお、カバーベース542における第二球通路542dは、図示するように、下端に沿って左右方向へ延びた部分の高さが、遊技球の外径に対して約3倍の高さとされており、所定量の遊技球を収容可能な収容空間546が形成されている。
また、カバーベース542は、左右方向の略中央上部に配置され上方に開口したファール球入口542eと、ファール球入口542eと連通し第二球通路542dの下流付近の上部へ遊技球を誘導可能なファール球通路542fと、を備えている。また、カバーベース542は、第二球入口542cの下側の後面に球出口開閉ユニット790の開閉シャッター792を作動させるための開閉作動片542gを、備えている。この開閉作動片542gは、扉枠5を本体枠3に対して閉じた時に、球出口開閉ユニット790における開閉クランク793の球状の当接部793dと当接することで、開閉クランク793を回転させて開閉シャッター792を開状態とすることができるものである。
ファールカバーユニット540の前カバー544は、カバーベース542の前面を閉鎖する略板状に形成されており、正面視左上隅に配置されカバーベース542の第一球通路542bと連通し前後方向に貫通した第一球出口544aと、正面視右下隅に配置されカバーベース542の第二球通路の下流端と連通し前後方向に貫通した第二球出口544bと、を備えている。前カバー544の第一球出口544aは、扉枠ベースユニット100の切欠部101aを通して皿ユニット300の上皿球供給口310cと接続されるようになっている。また、第二球出口544bは、扉枠ベース本体110の球通過口110fを通して皿ユニット300における下皿球供給樋310hの後端が接続されるようになっている。
本例のファールカバーユニット540は、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770の通常球出口774から第一球入口542aへ供給された遊技球を、第一球通路542bを通って第一球出口544aから皿ユニット300の上皿球供給口310cを介して上皿301へ供給することができるようになっている。また、ファールカバーユニット540は、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770の満タン球出口776から第二球入口542cへ供給された遊技球を、第二球通路542dを通って第二球出口544bから皿ユニット300の下皿球供給樋310h及び下皿球供給口310gを介して下皿302へ供給することができるようになっている。
更に、ファールカバーユニット540は、詳細は後述するが、扉枠5を本体枠3に対して閉じた状態とすると、ファール球入口542eが本体枠3のファール空間626の下部に位置するようになっており、打球発射装置650により発射された遊技球が遊技領域1100内へ到達せずにファール球となってファール空間626を落下すると、ファール球入口542eによって受けられるようになっている。そして、ファールカバーユニット540は、ファール球入口542eに受けられた遊技球を、ファール球通路542f及び第二球通路542dを通って第二球出口544bから皿ユニット300の下皿302へ排出(供給)することができるようになっている。
また、本例のファールカバーユニット540は、第二球通路542dにおける収容空間546の上流側(正面視左側)側面を形成し収容空間546内に貯留された遊技球によって揺動可能にカバーベース542に軸支された揺動部材548と、揺動部材548の揺動を検知する満タン検知センサ550と、揺動部材548が満タン検知センサ550によって非検知状態となる方向へ付勢するバネ552と、を備えている。この揺動部材548は、図53に示すように、カバーベース542に対して下端が回動可能に軸支されていると共に、上端が正面視左側へ回動するようになっており、略垂直な状態で収容空間546の左側側壁を形成するようになっている。また、揺動部材548は、バネ552によって略垂直状態となる位置へ付勢されている。また、揺動部材548は、収容空間546側とは反対側の側面に外側へ突出する検知片548aが形成されており、この検知片548aが満タン検知センサ550よって検知されるようになっている。
更に、ファールカバーユニット540は、第二球通路542dにおける収容空間546の底部に配置されるアースレール554と、カバーベース542の背面視で右端と、左端を夫々被覆する板状のアース金具556と、を備えており、遊技球の転動による転動抵抗によって発生する静電気を除去することができるようになっている。
本例では、賞球ユニット700から払出された遊技球が満タン分岐ユニット770の通常球出口774からファールカバーユニット540を介して皿ユニット300の上皿301へ供給されるようになっており、上皿301内が満杯となっても更に遊技球が賞球ユニット700から払出されると、ファールカバーユニット540の第一球通路542b内で滞り、更に満タン分岐ユニット770における通常球出口774の上流の通常通路773内も一杯になると、満タン分岐ユニット770の分岐空間772を介して満タン通路775側へ遊技球が転動するようになり(図83を参照)、満タン分岐ユニット770の満タン球出口776からファールカバーユニット540の第二球入口542c、第二球通路542d、及び第二球出口544bを介して皿ユニット300の下皿302へ供給されるようになる。
そして、皿ユニット300の下皿302内が遊技球で一杯になると、ファールカバーユニット540の第二球出口544bから遊技球が出られなくなり、第二球通路542d内の収容空間546内に滞った遊技球が貯留されることとなる。更に、賞球ユニット700から遊技球が払出されて収容空間546内に遊技球が多く貯留されるにつれて、遊技球の貯留圧が揺動部材548に作用し、バネ552の付勢力に抗して揺動部材548の上端が左方へと移動することとなる。そして、揺動部材548の検知片548aが、満タン検知センサ550によって検知されると、払出制御基板4110(図118を参照)において賞球ユニット700から遊技球の払出しが停止されると共に、遊技者に対して皿ユニット300内の遊技球を外部へ排出するのを促す通知を行うようになっている。
なお、収容空間546(下皿302)内の遊技球が排出されて、揺動部材548がバネ552の付勢力によって略垂直な状態に復帰すると、満タン検知センサ550による検知片548aの検知が非検知となり、賞球ユニット700からの遊技球の払出しが再開されるようになっている。
[扉枠ベース基板194の静電気防止対策]
上述したとおり、ファールカバーユニット540(透明ポリカーボネイトの成形品)(図52(A),(B)及び図53参照)は、下皿へ遊技球を誘導するための第二球通路542d及び遊技球を滞留する収容空間546が形成されており、遊技球(金属)が通路壁面と接触しながら早いスピードで通過するので、遊技球と樹脂とがこすれることにより静電気が発生し、遊技球が帯電しやすい。
このため、第二球通路542dの底部には、遊技球の転動による転動抵抗によって発生する遊技球の静電気を除去して下皿に排出するための金属製のアースレール554が設けられている。また、ファールカバーユニット540には、カバーベース542の右端と左端とを被覆する板状のアース金具556が設けられると共に、左端のアース金具556がファールカバーユニット540の底面においてアースレール554に導電可能に当接されている(図52(A),(B)及び図53参照)。このアース金具556は、静電気が逃げるように扉枠5の金属製の下側補強板金154(図18、図23、図26)にねじ止めされている。
ファールカバーユニット540の第二球通路542dは、上記のようにアースレール554により遊技球から静電気を除去できるものの、この部分のポリカーボネイトに静電の電荷が蓄積され、10数kVにもなることがある(蓄積された静電電荷の放電で痛みを感じるような場合でもせいぜい3〜4kV)。また、樹脂に蓄積された電荷はアースしてもそのごく周辺しか抜けず、大半が残っている。そして、この電荷による静電誘導で、これに近接した扉枠ベース基板194のデジタルアンプ回路が誤動作してしまう虞がある。
遊技機には、静電気を逃がすためのアース線が、例えば、上記下側補強板金154に取り付けられている。しかしながら、不慮の事故によりアース線が断線してしまったり、アース線の接続端子部が外れてしまったりする虞がある。
以下に説明する実施形態は、このような事情に鑑みてなされたものであり、万が一アースが取られていない場合であっても、ファールカバーユニット540に溜った電荷によって静電誘導を起こさないように金属板(後述のシールド板562)で扉枠ベース基板194をシールドし、さらにシールド用の金属板に逃がした静電気が周囲の導電体に飛び移るのを防止する静電気防止機構に係る発明に関するものである。
図54は静電気防止機構の正面図である。図55は静電気防止機構を備えた状態を示す扉枠を背面から見た場合の斜視図である。図56は静電気防止機構を備えた状態を示す扉枠の要部背面図である。また、図57は図56のA−A線断面図である。
図54に示すように、実施形態における静電気防止機構560は、ファールカバーユニット540に溜った電荷によって静電誘導を起こさないように扉枠ベース基板194をシールドする金属製(本例ではブリキ)薄板状のシールド板562と、シールド板562よりも大きい外周形状に形成され、かつシールド板562に飛び移った電荷が周囲の導電体に飛び移らないように絶縁するポリエチレンテレフタレート(PET)の薄板よりなる絶縁シート570と、を含んで構成されている。
シールド板562は、上下方向における上部に、扉枠5の下側補強板金154に当接することで導電接触される平板状の導電部563と、左右方向に向けて折曲形成された段部568を境界として導電部563よりも下方かつ奥方に位置し、扉枠5の下部裏面に取り付けられた扉枠ベース基板カバー195の背面側の略全域に亘って配置される略板状のシールド部564とを有している。
導電部563の上辺中程には、略半円状に延出された取付部565が形成され、取付部565には挿通孔566が穿設され、導電部563の上辺寄り左隅に取付孔567が穿設されている。
絶縁シート570は、シールド板562のシールド部564の外周縁よりも大きい形状とされ、シールド部564の外周縁を周囲の導電体に対して電気的に絶縁する機能を果たす。本実施形態では、図54に示されるように、シールド板562のシールド部564の裏面の上辺寄りに絶縁シート570が貼着により取り付けられている。
図55〜図57において、先に説明したように、扉枠ベース基板194は、後側を扉枠ベース基板カバー195で被覆されている(図23、図24)。静電気防止機構560の絶縁シート570は、扉枠ベース基板カバー195の背面の略全域亘って配置される。このとき、シールド板562は、絶縁シート570の背面において、絶縁シート570によってシールド部564の外周縁が囲まれるように配置される。すなわち、扉枠ベース基板カバー195とシールド板562との間にシールド板562が挟まれるかたちで配置される。このとき、絶縁シート570の外周部がシールド板562の外周部よりも径方向の外側に位置する。そして、シールド板562の導電部563が扉枠5の下側補強板金154(図23参照)の裏面に当接することで導電接触され、静電気を逃がすようになっている。
なお、扉枠5(扉枠ベース本体110)の下部裏面の右側部分の適宜箇所には、ファールカバーユニット540に対する取付用ボス部110g、110h、110i、110jが突設されている。また、下側補強板金154の適宜箇所には、シールド板562並びにアース金具556に対して、金属製の下側補強板金154に静電気を逃がすようにビス止めするための、ネジ挿通孔154a、154b、154cが設けられている(図56参照)。
シールド板562は、挿通孔566に取付用ボス部110gが挿通されることで位置決めされ、取付孔567及び下側補強板金154のネジ挿通孔154aにビスが挿通され、ビスをねじ込むことにより扉枠ベース本体110にビス止めされる。
そして、ファールカバーユニット540は、シールド板562の背面に前カバー544を面接触させて配置されると共に、その取付部分にビスが挿通され、ビスを取付用ボス部110g〜110jにねじ込むことにより、扉枠ベース本体110の裏面にビス止めされる。また、アース金具556もその取付部分にビスが挿通され、さらに下側補強板金154のネジ挿通孔154b、154cにビスが挿通され、ビスをねじ込むことにより金属製の下側補強板金154に静電気を逃がすように扉枠ベース本体110にビス止めされる。
なお、シールド板562及びファールカバーユニット540はビスによって取付用ボス部110gに共締めされて取り付けられている。また、下側補強板金154のネジ挿通孔154cには、ビスによりアース金具556と共にアース線(図示せず)が共締めされて取り付けられている。
[静電気防止機構560の作用]
ファールカバーユニット540に溜った静電気は面接触しているシールド板562のシールド部564及び下側補強板金154に面接触している導電部563を通じて金属製の下側補強板金154に逃げるので、金属製薄板状のシールド板562により、ファールカバーユニット540に溜った電荷によって静電誘導を起こさないように扉枠ベース基板194をシールドすることができる。
また、シールド板562は絶縁シート570によってシールド部564の外周縁が囲まれるように配置されているので、シールド板562に飛び移った電荷がシールド部564の角や端面から周囲の導電体(金属物やハーネス)飛び移ってしまうことを防止することができる。
[球送りユニット]
続いて、扉枠5における球送りユニット580について、主に図58乃至図61を参照して説明する。図58(A)は扉枠における球送りユニットの正面斜視図であり、(B)は球送りユニットの背面斜視図である。また、図59は、球送りユニットの背面図である。また、図60(A)は球送りユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(B)は球送りユニットの後ケースを外して後から見た分解斜視図である。更に、図61(A)は球送りユニットにおける不正防止部材の平面図であり、(B)は不正防止部材の正面図であり、(C)は不正防止部材を前から見た斜視図であり、(D)は不正防止部材の作用を示す説明図である。扉枠5における球送りユニット580は、皿ユニット300における上皿301から供給される遊技球を一つずつ打球発射装置650へ供給することができると共に、上皿301内に貯留された遊技球を、上皿球抜き機構340の上皿球抜きボタン341の操作によって下皿302へ抜くことができるものである。
この球送りユニット580は、皿ユニット300の上皿301に貯留された遊技球が、皿ユニットベース310の上皿球排出口310d、扉枠ベース本体110の球送り開口113を通して供給され前後方向に貫通した進入口581a、及び進入口581aの下側に開口する球抜口581bを有し後方が開放された箱状の前カバー581と、前カバー581の後端を閉鎖すると共に前方が開放された箱状で、前後方向に貫通し前カバー581の進入口581aから進入した遊技球を打球発射装置650へ供給するための打球供給口582aを有した後カバー582と、後カバー582及び前カバー581の間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支され前カバー581の後側で進入口581aと球抜口581bとの間を仕切る仕切部583aを有した球抜き部材583と、球抜き部材583の仕切部583a上の遊技球を一つずつ後カバーの打球供給口582aへ送り前カバー581と後カバー582との間で上下方向へ延びた軸周りに回動可能に支持された球送り部材584と、球送り部材584を回動させる球送ソレノイド585と、を備えている。本例では、図示するように、正面視で、球送り部材584が進入口581aの右側に配置されており、この球送り部材584の左側に球抜き部材583が右側に球送ソレノイド585が夫々配置されている。
この球送りユニット580の前カバー581は、正面視で球抜口581bの左側に、球抜き部材583の回転中心に対して同心円状に形成された円弧状のスリット581cを備えており、このスリット581cから後述する球抜き部材583の作動棹583cが前方へ延びだすようになっている。また、前カバー581は、進入口581aの上縁から上側が上方へ延びだしており、扉枠ベースユニット100へ組立てた際に、上皿球抜きベース344における球誘導流路344bの後端開口を閉鎖するように形成されている。
また、球抜き部材583は、進入口581aよりも下側で進入口581aと球抜口581bと間を仕切り上面が球送り部材584の方向へ向かって低くなる仕切部583aと、仕切部583aの球送り部材584とは反対側の端部から下方へ延出すると共に上下方向の中間付近から球抜口581bの下側中央へ向かってく字状に屈曲し下端が前後方向へ延びた軸周りに回動可能に支持される回動棹部583bと、回動棹部583bの上端から前方へ向かって突出する棒状の作動棹583cと、作動棹583cよりも下側で回動棹部583bの側面から仕切部583aとは反対側へ突出した錘部583dと、を備えている。この球抜き部材583の作動棹583cは、前カバー581に形成された円弧状のスリット581cを通して前方へ突出するように形成されており(図58を参照)、扉枠ベース本体110の球送り開口113を介して皿ユニット300の上皿球抜き機構340における上皿球抜きスライダ343の当接片343aの上端と当接するようになっている。
更に、球送り部材584は、進入口581a及び球抜き部材583の仕切部583aの方向を向き上下方向へ延びた回転軸芯を中心とした平面視が扇状の遮断部584aと、遮断部584aの後端から回転軸芯側へ円弧状に窪んだ球保持部584bと、球保持部584bの後端から下方へ延出する棒状の棹部584cと、を備えている。この球送り部材54における遮断部584aと球保持部584bは、夫々回転軸芯を中心とした約90゜の角度範囲内に夫々形成されている。また、球送り部材584の球保持部584bは、一つの遊技球を保持可能な大きさとされている。この球送り部材584は、球送ソレノイド585の駆動によって回転軸芯と偏芯した位置に配置された棹部584cが左右方向へ移動させられることで、回転軸芯周りに回動するようになっている。
球送り部材584は、遮断部584aが仕切部583aの方向を向くと同時に球保持部584bが打球供給口582aと連通した方向を供給位置と、球保持部584bが仕切部583aの方向へ向いた保持位置との間で回動するようになっている。この球送り部材584が供給位置の時には、球保持部584bに保持された遊技球が、打球供給口582aから打球発射装置650へ供給されると共に、進入口581aから仕切部583a上に進入した遊技球が、遮断部584aによって球保持部584b(打球供給口582a)側への移動が遮断されて仕切部583a上に留まった状態となる。一方、球送り部材584が保持位置へ回動すると、球保持部584bが仕切部583aの方向を向くと共に、球保持部584bの棹部584c側の端部が打球供給口582aを閉鎖した状態となり、仕切部583a上の遊技球が一つだけ球保持部584b内に保持されるようになっている。
また、球送りユニット580は、球送ソレノイド585の駆動(通電)によって先端が上下方向へ揺動する球送り作動桿586と、球送り作動桿586における上下方向へ揺動する先端の動きによって前後方向へ延びた軸周りに回動すると共に、球送り部材584を上下方向へ延びた軸周りに回動させる球送りクランク587と、を備えている。この球送りクランク587は、球送り作動桿586の上下動する先端と係合可能とされ左右方向へ延びた係合部587aと、係合部587aの球送り作動桿586と係合する側とは反対側に配置され前カバー581と後カバー582との間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支される軸部587bと、軸部587bから上方へ延出し球送り部材584における回動中心に対して偏芯した位置から下方へ突出する棒状の棹部584c(図60を参照)と係合する伝達部587cと、を備えている。
本例の球送りユニット580は、球送り作動桿586及び球送りクランク587によって、上下方向へ進退する球送ソレノイド585の駆動により揺動する球送り作動桿586の動きを伝達させて球送り部材584を回動させることができるようになっている。なお、球送ソレノイド585の非駆動時(通常時)では、球送り作動桿586が球送ソレノイド585の下端から離れて揺動する先端が下方へ位置した状態となるようになっており、この状態では球送り部材584が供給位置に位置した状態となる。また、球送ソレノイド585の駆動時では、球送り作動桿586が球送ソレノイド585の下端に吸引され揺動する先端が上方へ位置した状態となり、球送り部材584が保持位置へ回動するようになっている。つまり、球送ソレノイド585が駆動される(ONの状態)と球送り部材584が遊技球を一つ受入れ、球送ソレノイド585の駆動が解除される(OFFの状態)と球送り部材584が受入れた遊技球を打球発射装置650側へ送る(供給する)ようになっている。この球送りユニット580における球送ソレノイド585の駆動は、発射制御部4120により発射ソレノイド654の駆動制御と同期して制御されるようになっている。
また、本例の球送りユニット580における回動可能に軸支された球抜き部材583は、錘部583dによって正面視反時計周りの方向へ回転するようなモーメントがかかるようになっているが、前方へ突出した作動棹583cが皿ユニット300の上皿球抜き機構340における上皿球抜きスライダ343の当接片343aの上端と当接することで、その回動が規制されるようになっており、通常時では、球抜き部材583の仕切部583aが進入口581aと球抜口581bとの間を仕切って、球抜口581b側へ遊技球が侵入しないようになっている。そして、遊技者が、皿ユニット300における上皿球抜き機構340の上皿球抜きボタン341を下方へ押圧操作すると、上皿球抜きスライダ343が当接片343aと共に下方へスライドして、当接片343aの下方への移動に伴って作動棹583cも相対的に下方へ移動することとなる。
このように、上皿球抜き機構340の当接片343aと共に作動棹583cが下方へ移動することで、球抜き部材583が正面視反時計周りの方向へ回動して仕切部583aによる進入口381aと球抜口381bとの間の仕切りが解除され、進入口381aから進入した遊技球が、球抜口381bから皿ユニット300の上皿球抜きベース344の球抜き流路344cへと排出され、下皿302へ排出(供給)されるようになっている。
なお、球抜き部材583の作動棹583cが当接する上皿球抜きスライダ343の当接片343aは、コイルバネによって上方へ付勢されているので、仕切部583a上に遊技球が勢い良く供給されても、その衝撃を、作動棹583cを介して上皿球抜きスライダ343を付勢するコイルバネによって吸収させることができ、球抜き部材583等が破損するのを防止することができると共に、遊技球が仕切部583aで跳ね返るのを防止することができるようになっている。
また、本例の球送りユニット580は、後カバー582における打球供給口582aの背面視で右上に前方へ窪んだ矩形状の取付凹部582b(図60(B)等を参照)が形成されていると共に、その取付凹部582b内に不正防止部材588が取付けられている。球送りユニット580の不正防止部材588は、工具鋼やステンレス等の硬質の金属板により形成されており、後カバー582の取付凹部582b内に対して後側から脱着可能に取付けられている。この不正防止部材588は、図59等に示すように、背面視における全体の外径が横長の矩形状に形成されており、背面視で左辺側となる先端における上下方向の略中央から反対側の基端側(右辺側)へ向かって所定長さ伸びた分割線588aを境界として上下に分断された上片部588b及び下片部588cと、上片部588b及び下片部588cの先端が互いに遠ざかるように上片部588bの基端側を不正防止部材588の一般面に対して垂直方向(後方)へ屈曲させることで上片部588bと下片部588cとの間に形成されるV字状の切断部588dと、上片部588b及び下片部588cの先端に形成され切断部588dへ向かって傾斜した傾斜部588eと、を備えている。
この不正防止部材588は、図示するように、上片部588bの先端(背面視で左端側)が後方へ移動するように上片部588bの基端側が屈曲されることで、切断部588dが平面視でV字状に形成されており、V字状の内部に不正な遊技球Iに付けられた線材Iwが挿入されるようになっている。この不正防止部材588の切断部588dは、上片部588bの下辺と下片部588cの上辺とが平面視において所定角度で交差した状態となっており、基端側へ向かうに従って隙間が狭くなるように形成されている。
また、不正防止部材588の傾斜部588eは、切断部588dの先端に形成されており、傾斜部588eによって不正な遊技球Iに付けられた線材Iwを切断部588d内へ誘導案内することができるようになっている。本例の球送りユニット580は、不正防止部材588が、図示するように、後カバー582の取付凹部582b内に後側から取付けられていると共に、後カバー582における取付凹部582b内の切断部588dが形成された部位と対応した部位が前後方向に貫通すると同時に打球供給口582aと連通した形態に形成されている。換言すると、後カバー582は、打球供給口582aが取付凹部582b内まで延びだした形状に形成されている。
この不正防止部材588によると、線材Iwが付けられた不正な遊技球Iを球送りユニット580から打球発射装置650へ供給し、打球発射装置650によって不正な遊技球Iを遊技盤4の遊技領域1100内へ向かって打込むと、打球発射装置650によって発射された不正な遊技球Iが発射レール660に沿って正面視で斜め左上へと移動し、外レール1111と内レール1112との間を通って遊技領域1100内に侵入しようとする。この際に、不正な遊技球Iに付けられた線材Iwは、打撃された遊技球Iの勢いによって引張られることとなり、線材Iwは不正な遊技球Iの移動軌跡とは異なり、遊技球の通路内において最短距離で結ぶルート上に沿うように移動することとなる。従って、皿ユニット300から球送りユニット580の打球供給口582aを通って打球発射装置650側へ延びた線材Iwは、遊技球Iが正面視で左上方向(背面視で右上方向)へ移動することで、最短ルート上へ移動しようと打球供給口582aの背面視右上隅の方へと引張られ、打球供給口582aの背面視右上に形成された取付凹部582b内へと移動することとなる。そして、打球供給口582aの背面視で右方へ延出した部位(取付凹部582b内)へ移動した線材Iwは、当該位置に配置された不正防止部材588の一対の傾斜部588eによって、切断部588d内へと案内された上で、更に、不正な遊技球Iの勢いによって背面視右方へと引張られる。
これにより、不正な遊技球Iに付いた線材Iwが、不正な遊技球Iの勢いにより、不正防止部材588の切断部588dで、その隙間が狭くなる方向(正面視で左方向)へ引張られた状態となり、切断部588dにより摩擦や剪断力が作用して、線材Iwが切断されることとなる(図61(D)を参照)。この際に、線材Iwが付いた不正な遊技球Iは、線材Iwに作用する摩擦等によりその勢いが減衰するので、遊技領域1100内へ侵入することなく外レール1111と発射レール660との間を通って排出されることとなる。
従って、不正防止部材588の切断部588dによって、不正な遊技球Iに付いた線材Iwを切断することができるので、遊技領域1100内において線材Iwの付いた不正な遊技球Iで不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。なお、仮に不正な遊技球Iが遊技領域1100内へ侵入した場合でも、上述したように、不正防止部材588により線材Iwを切断することができるので、不正行為を行うことができない状態となる。また、仮に不正防止部材588により線材Iwを切断することができなかった場合でも、線材IwがV字状の切断部588dに食込むことで不正な遊技球Iの勢いを減衰させて遊技領域1100内に侵入するのを阻止することができるので、不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。
上述したように、本例によると、上皿301内に遊技球を貯留させて球送りユニット580へ遊技球を供給した上で、扉枠5の前面に備えられたハンドル装置500を遊技者が操作すると、球送りユニット580の球送ソレノイド585の駆動によって遊技球が打球発射装置650へ送られ、打球発射装置650によって遊技球が遊技領域1100へ打ち込まれることで、扉枠5の遊技窓101を介して視認可能とされた遊技領域1100内で遊技が行われることとなり、遊技者を楽しませることができると共に、扉枠ベースユニット100の後面に送り機構(球送り部材584や球送ソレノイド585等)と排出機構(球抜き部材583)とを備えた球送りユニット580を配置しているので、球送り部材584と球抜き部材583だけでなく球送り部材584と打球発射装置650も可及的に接近した状態となり、上皿球抜きボタン341の操作によって上皿301内の遊技球を排出させた時に、球送り部材584側に残存する遊技球の数を可及的に低減させることができ、遊技者が損した気分となるのを回避させて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、球抜き部材583を備えた球送りユニット580を扉枠ベースユニット100の後面に配置しているので、皿ユニット300における上皿301の容量を大きくすることが可能となり、遊技球の打込操作によって上皿301内の遊技球が早期になくなったり、上皿301内が遊技球で早期に満タンとなってしまったりするのを抑制することができ、上皿301内の遊技球に対して遊技者が煩わしく感じるのを低減させて興趣が低下するのを抑制することができると共に、上皿301の容量を維持した状態で皿ユニット300を小型化することができるので、相対的に遊技領域1100を大きく(広く)して遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができる。
また、球送りユニット580に球抜き部材583を備えるようにしているので、球送り部材584と球抜き部材583とを別々にしたものと比較して、球送りユニット580を取付けるだけで球送り部材584と球抜き部材583を取付けることができ、組立てに係る手間を簡略化することができると共に、送りユニット580を容易に交換することができ、球送り部材584や球抜き部材583に不具合が発生しても、球送りユニット580を交換することで簡単に不具合を解消させることができる。
更に、扉枠5における扉枠ベースユニット100の後面に球送りユニット580を配置するようにしているので、球送りユニット580を本体枠3側に備えるようにしたものと比較して、上皿球抜きボタン341の操作を球送りユニット580の球抜き部材583へ伝達させる伝達機構(上皿球抜き機構340)を開閉可能な扉枠5と本体枠3とに跨るように構成する必要がなく、伝達機構にかかる構成を簡略化することができる。また、球送りユニット580を扉枠5側に備えるようにしているので、球送りユニット580を本体枠3側に備えるようにした場合と比較して、扉枠5を開放する度に伝達機構(上皿球抜き機構340)が遮断されることで伝達機構が早期に消耗して誤作動したり破損したりする虞を回避させることができ、伝達機構や球送りユニット580等の作動に対する信頼性や耐久性を高めることができる。
また、上皿球抜きボタン341を下方へ押圧操作するものとしているので、上皿球抜きボタン341を下方へ押圧するだけで上皿301から遊技球を下皿302へ排出させたり、上皿301からの遊技球の排出を停止させたりすることができ、遊技者に対して上皿球抜きボタン341による上皿301内の球抜き操作を楽に操作させることができる。
また、上皿球抜きボタン341の操作に応じて上下方向へスライドする上皿球抜きスライダ343の動きによって、球抜き部材583の仕切部583aを可動させるようにしており、上皿球抜きスライダ343と共に仕切部583aも上下方向へ可動するので、上皿球抜きスライダ343や仕切部583aに係る水平方向の移動範囲を可及的に小さくすることが可能となり、上皿球抜き機構340や球送りユニット580を小型化することができ、上述した作用効果を確実に奏することが可能なパチンコ機1とすることができる。
更に、上皿球抜きスライダ343を上方へ付勢すると共に、上皿球抜きスライダ343が上昇位置の時に球抜き部材583の仕切部583aが進入口581aと打球供給口582aとを連通させるようにしているので、上皿301から遊技球が勢い良く仕切部583aに当接しても、その衝撃を上皿球抜きスライダ343に作用する付勢力によって緩和させることができ、仕切部583a(球抜き部材583)の耐久性を高めることができる。また、上皿球抜きスライダ343に作用する付勢力によって仕切部583aに係る衝撃を緩和させることができるので、遊技球が仕切部583aに衝突しても撥ね難くすることができ、遊技球の撥ねにより球送りユニット580等が破損して不具合が発生するのを抑制することができる。
また、仕切部583aを回動させるようにしているので、仕切部583aをスライドさせるようにした場合と比較して、仕切部583aに遊技球の荷重がかかった時の仕切部583aの移動に係るフリクションロスを低減させることができ、上皿球抜きボタン341の操作を軽くして操作性を向上させることができると共に、平面投影において仕切部583aの移動範囲を小さくすることができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、仕切部583aを、自重によって進入口581aと球抜口581bを連通する方向へ回動させるようにしているので、仕切部583aや上皿球抜き機構340に不具合が発生した場合、仕切部が自重によって回動することで進入口と排出口とを連通させた状態となり、排出操作部を操作していないのにも関わらず貯留皿内の遊技媒体が送り機構(投入装置)側へ送られずに遊技者側へ排出されることとなるため、遊技者に対してパチンコ機1に不具合が発生していることを認識させることができ、不具合の無いパチンコ機1へ移動させて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、球抜き部材583において仕切部583aを屈曲した回動棹部583bを介して回動させるようにしているので、遊技球が仕切部583aに衝突した場合、その衝撃を屈曲した回動棹部583bによって分散させたり、回動棹部583bの撓りによって吸収させたりすることで、回動軸へ直線的に衝撃が伝達されるのを防止することができ、球抜き部材583の耐久性を高めることができる。
また、上皿301側と連通する進入口581aの直下に球抜口581bを配置しているので、上皿301内の遊技球を排出させる際に、球送りユニット580内での遊技球の左右方向の動きを最小限とすることができ、球送りユニット580内での遊技球の通りを良くして遊技球を良好に排出させることができる。また、進入口581aの直下に球抜口581bを配置しているので、球送りユニット580内における遊技球の排出経路を可及的に短くすることができ、球送りユニット580に排出機構としての球抜き部材583を備えても、球送りユニット580が不必要に大型化するのを抑制することができる。
更に、不正防止部材588を、後カバー582の後側の取付凹部582bに取付けるようにしており、不正防止部材588(切断部588d)を打球発射装置650に対して可及的に近い位置に配置することができるので、打球発射装置650によって発射された直後の最も速度の速い(勢いのある)状態の不正な遊技球Iに付着した線材Iwが切断部588dに接触することとなり、切断部588dに対して線材Iwが速く(強く)引張られることで、線材Iwを確実に切断することができると共に、不正な遊技球Iの勢いを減衰させて遊技領域1100内に侵入するのを阻止することができ、不正な遊技球Iによって不正行為が行われるのを確実に防止することができる。
また、切断部588dを備えた不正防止部材588を、後カバー582の後面から前方へ向かって窪んだ取付凹部582b内に取付けるようにしているので、V字状の切断部588dを形成するために後方へ折曲げられた上片部588bが後カバー582の後端面から後方へ突出しない状態とすることができ、不正防止部材588の上片部588bによって組立て等の際に作業者が怪我をしてしまうのを防止することができる。
また、不正な遊技球Iに付けられた線材Iwを切断することが可能な不正防止部材588において、金属板材の右端から伸びた分割線588aを挟んで上側の上片部588bを後方へ屈曲させることで、V字状の切断部588dを形成するようにしているので、剪断力を発揮することが可能な切断部588dを簡単に形成(加工)することができ、パチンコ機1に係るコストが増加するのを抑制することができる。
[ガラスユニット]
次に、扉枠5におけるガラスユニット590について、主に図22及び図23を参照して説明する。このガラスユニット590は、遊技窓101と略同じ大きさの開口を有し合成樹脂で成型した環状で縦長八角形状のユニット枠592と、ユニット枠592の開口の前後端を夫々閉鎖する二枚の透明なガラス板594(図112を参照)と、を備えている。このガラスユニット590のユニット枠592は、左右両辺の上部に配置され外方へ板状に延出した二つの止め片592aと、下端に沿って左右方向へ延び下方へ延出した板状の係止片592bと、を備えている。
このガラスユニット590は、下端の係止片592bを、扉枠ベースユニット100の補強ユニット150における下側補強板金154の垂直折曲突片161に対して後上方から係合するように係止させた上で、ユニット枠592の外周縁を扉枠ベース本体110のガラスユニット支持段部110a内に嵌め込み、ガラスユニット係止部材190によってユニット枠592の止め片592aを係止させることで、扉枠ベースユニット100に対して脱着可能に取付けられるようになっている(図21等を参照)。
[扉枠における造形装飾]
次に、扉枠5における造形装飾、つまり、形状的な装飾について主に図17、図19、図20、及び図62を参照して説明する。図62は、扉枠を上下方向略中央で切断して示す断面図である。本実施形態のパチンコ機1における扉枠5は、図示するように、縦長楕円形状の遊技窓101の下側に、遊技球を貯留するための上皿301と下皿302とが上下に並ぶと共に、下皿302の正面視右側に、上皿301に貯留された遊技球を遊技窓101を閉鎖する透明なガラスユニット590の後側に配置された遊技盤4の遊技領域1100内へ打ち込むためのハンドル装置500が配置されている。また、扉枠5は、遊技窓101の左右及び上側を囲むように右サイド装飾ユニット200、左サイド装飾ユニット240、及び上部装飾ユニット280が配置されていると共に、遊技窓101の下側を囲むように皿ユニット300が配置されている。
扉枠5は、遊技窓101を挟んで両側の外観が大きく異なっており、右側が右サイド装飾ユニット200の外面を形成するサイドレンズ210によりゴツゴツした自然の岩のような感じの外観となっているの対して、左側が左サイド装飾ユニット240の透明なサイドレンズ250の周レンズ部250aから見えるサイド下装飾フレーム242及びサイド上装飾フレーム244により金属質のシャープで人工的な感じの外観となっている。
また、扉枠5は、図62に示すように、右サイド装飾ユニット200と左サイド装飾ユニット240とでは、前方への突出量が異なっており、右サイド装飾ユニット200の方が左サイド装飾ユニット240よりも大きく前方へ突出している。また、右サイド装飾ユニット200の前端は前方へ尖ったような形状に形成されているのに対して、左サイド装飾ユニット240の前端は緩く湾曲した平面状に形成されている。
これにより、本例の扉枠5は、右前方から見た時には右サイド装飾ユニット200と左サイド装飾ユニット240とが互いに同じようなボリュウムに見える(図19を参照)のに対して、左前方から見た時には右サイド装飾ユニット200が左サイド装飾ユニット240よりも大きく見える上に左サイド装飾ユニット240の装飾が殆ど見えなくなり、パチンコ機1に対する遊技者の立ち位置によって異なる印象を与えることができるようになっている。つまり、本パチンコ機1に対する遊技者の位置によって本パチンコ機1の外観が変化して見えて機種の異なるパチンコ機のように錯覚させることができるので、遊技するパチンコ機を選択中の遊技者等に対する訴求力を高くすることができ、遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができる。
また、扉枠5の前面外観を左右非対称としているので、例えば、遊技ホールの島設備等で本パチンコ機1を左右方向へ複数列設した場合、島設備全体の外観がのっぺりとしたベタな感じになってしまうのを抑制し異なる形態の右サイド装飾ユニット200と左サイド装飾ユニット240とが交互に配置されることでリズミカルな印象を与えて遊技者をワクワクさせられる外観(雰囲気)とすることができ、遊技者に対する訴求力を高くして遊技者の関心を強く引付けることができる。
また、扉枠5は、各ユニット200,220,280,300に備えられた装飾基板214,216,254,256,288,290,322等に実装されたLEDを発光させることで、遊技窓101を囲むように任意の発光色で発光装飾させることができるようになっている。また、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240に備えられた装飾基板214,216,254,256に実装されたLEDのうち、サイド閃光レンズ204,246の後側に配置されたLED214b,216b,254b,256を点灯したり消灯したりすることで、遊技窓101を囲んだ発光装飾の態様を変化させることができるようになっている。
[扉枠における発光装飾]
続いて、扉枠5における発光装飾について、主に図63及び図64を参照して説明する。図63は、扉枠における発光装飾用のLEDの配置を示す正面図である。また、図64は、扉枠における発光装飾用のLEDの系統を示す正面図である。本実施形態の扉枠5は、右サイド装飾ユニット200、左サイド装飾ユニット240、上部装飾ユニット280、及び皿ユニット300によって遊技盤4の遊技領域1100と略対応した遊技窓101の外周を略環状に囲うように形成されている。これら各ユニット200,240,280,300には、LEDが実装された装飾基板214,216,254,256,288,290,322を備えており、各LEDを適宜発光させることで、遊技窓101の外周を発光装飾させることができるようになっている。
扉枠5の右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240は、上述したように、遊技窓101の下辺を除く外周の殆どを囲うように形成されており、サイドレンズ210,250における複数の周レンズ部210a,250aが遊技窓101の外周に沿うように配置されていると共に、サイド閃光レンズ204,246が遊技窓101の左右方向中央の下部付近を中心とした放射状の軸線に沿って延びるように隣接した周レンズ部210a,250a同士の間に配置されている。
本例の扉枠5は、右サイド装飾ユニット200におけるサイドレンズ210の周レンズ部210aが略紡錘状の複数の湾曲面により形成されているのに対して、左サイド装飾ユニット240におけるサイドレンズ250の周レンズ部250aが一つの滑らかな緩い湾曲面により形成されている。また、扉枠5は、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240におけるサイドレンズ210,250の後側に、光を拡散させることが可能なサイドインナーレンズ212,252が配置されている。なお、左サイド装飾ユニット240では、サイドレンズ250における周レンズ部250aとサイドインナーレンズ252との間に複数のスリット251aを有したインナー装飾部材251が配置されている。
また、扉枠5は、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240におけるサイドインナーレンズ212,252の後側に、右サイド上装飾基板214、右サイド下装飾基板216、左サイド上装飾基板254、及び左サイド下装飾基板256が配置されており、各装飾基板214,216,254,256の前面には複数のLED214a,214b,214c,216a,216b,254a,254b,256a,256bが実装されている。
サイドインナーレンズ212,252の後側に配置される右サイド上装飾基板214、右サイド下装飾基板216、左サイド上装飾基板254、左サイド下装飾基板256には、周レンズ部210a,250aと対応する位置に配置されたLED214a,216a,254a,256aと、放射レンズ部210b,250b(サイド閃光レンズ204,246)と対応する位置に配置されたLED214b,216b,254b,256bとを備えている。本例では、周レンズ部210a,250aと対応したLED214a,216a,254a,256aがフルカラーLEDとされており、放射レンズ部210b,250bと対応したLED214b,216b,254b,256bが比較的高輝度のLEDとされている。また、右サイド上装飾基板214における上部右端に配置された二つのLED214cは、緑色LEDと赤色LEDとされている。
なお、本例では、右サイド上装飾基板214、右サイド下装飾基板216、左サイド上装飾基板254、及び左サイド下装飾基板256の表面が、白色のフォトレジスト、白色印刷(例えば、シルク印刷)、白色塗装、等によって白色とされている。これにより、装飾基板214,216,254,256での反射率を高めることができるので、各LED214a,216a等が非点灯時に遊技者側からの光を装飾基板214,216,254,256によって反射させることで、サイドレンズ210,250が暗くなりすぎて見栄えが悪くなるのを防止することができると共に、発光する各LED214a,216a等からの光を基板によって遊技者側へ反射させることで、サイドレンズ210,250をより明るく発光装飾させることができるようになっている。
扉枠5の上部装飾ユニット280は、上述したように、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240の上部における扉枠5の左右方向中央側を向いた端部同士の間を接続するように形成されており、遊技窓101の上部中央を装飾するものである。この上部装飾ユニット280は、左右方向中央に配置される上部中央レンズ284と、上部中央レンズ284の外周に配置される環状の中央環レンズ部282bと、中央環レンズ部282bよりも外側で外方へ延びた四つの延出枠レンズ部282cと、を備えている。なお、正面視右下側の延出枠レンズ部282cは前面が上部下装飾カバー294によって被覆されている。
この上部装飾ユニット280は、上部中央レンズ284及び上部レンズ282における中央環レンズ部282bの後側に配置される上部中央装飾基板288と、上部中央装飾基板288よりも左右方向へ延出し上部レンズ282における延出枠レンズ部282c及び上部中央装飾基板288の後側に配置される上部サイド装飾基板290と、を備えている。上部中央装飾基板288には、上部中央レンズ284と対応した複数のLED288aと、中央環レンズ部282bと対応した複数のLED288bとが前面に実装されており、上部中央レンズ284と中央環レンズ部282bとを夫々別々に発光装飾させることができるようになっている。また、上部サイド装飾基板290には、延出枠レンズ部282cと対応した複数のLED290aが前面に実装されており、各延出枠レンズ部282cを夫々発光装飾させることができるようになっている。なお、上部中央装飾基板288及び上部サイド装飾基板290の各LED288a,288b,290aは、フルカラーLEDとされている。
続いて、皿ユニット300では、外側表面が略紡錘状の複数の湾曲面によって形成されており、右サイド装飾ユニット200の外観と連続した外観となっている。この皿ユニット300は、上皿前部装飾部材316の後側に上皿装飾基板322が配置されており、上皿装飾基板322に実装された複数のLED322aによって、上皿前部装飾部材316における右側の部位と、上皿球抜きボタン341の前側外周を装飾する上皿上部右装飾部材319を発光装飾させることができるようになっている。なお、本例では、上皿装飾基板322のLED322aは、フルカラーLEDとされている。
次に、皿ユニット300に取付けられる操作ユニット400は、透光性を有した環状のダイヤル操作部401と、ダイヤル操作部401の内側に配置された透光性を有した円柱状の押圧操作部405とを備えており、ダイヤル操作部401及び押圧操作部405の下側にはダイヤル装飾基板430及びボタン装飾基板432が夫々配置されている。ダイヤル装飾基板430には、ダイヤル操作部401と対応するように周方向へ複数(本例では、四つ)配置されたLED430bが備えられている。また、ボタン装飾基板432には、押圧操作部405と対応するように一つのLED432dが備えられている。本例では、ダイヤル装飾基板430のLED430bが高輝度の白色LEDとされており、ボタン装飾基板432のLED432dがフルカラーLEDとされている。また、ダイヤル装飾基板430及びボタン装飾基板432の表面(上面)もまた、白色とされており、上記と同様の作用効果を奏することができるようになっている。
ところで、本例の扉枠5では、遊技窓101の下辺よりも上側の外周を覆う右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240におけるサイドレンズ210,250の各周レンズ部210a,250aと対応したLED214a,216a,254a,256aが、遊技窓101に近い第一環状グループ102(図63及び図64においてハッチの範囲内)と、第一環状グループ102よりも外側に配置された第二環状グループ103(図63及び図64においてクロスハッチの範囲内)とに分けられており、第一環状グループ102と第二環状グループ103のLEDを適宜発光させることで、遊技窓101を囲むように略同心円状に複数(本例では二つ)発光装飾させることができるようになっている。つまり、第一環状グループ102のLED214a,216a,254a,256aを全て発光させると、遊技窓101に近いハッチの範囲が環状に発光装飾され、第二環状グループ103のLED214a,216a,254a,256aを全て発光させると、遊技窓101から遠ざかったクロスハッチの範囲が環状に発光装飾されるようになっている。
また、扉枠5では、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240におけるサイド閃光レンズ204,246(サイドレンズ210,250の放射レンズ部210b,250b)と対応したLED214b,216b,254b,256bが、第一環状グループ102及び第二環状グループ103を周方向へ分割するように遊技窓101(遊技領域1100)の左右方向中央下部を中心として放射状に延びた放射状グループ104(図63及び図64において網掛けの範囲内)とされている。この放射状グループ104のLED214b,216b,254b,256bを適宜発光させることで、遊技窓101の外側を放射状に発光装飾させることができる他に、第一環状グループ102や第二環状グループ103による環状の発光装飾を周方向へ分割するように発光装飾させることができるようになっている。
また、扉枠5では、右サイド装飾ユニット200におけるサイドレンズ210の右上隅と対応した右サイド上装飾基板214のLED214cは、報知グループ105とされており、このLED214cを適宜発光させることで、遊技者やパチンコ機1を設置した遊技ホールの従業員等に対して様々な情報を報知させることができるようになっている。
また、扉枠5では、遊技窓101の上側中央を装飾する上部装飾ユニット280における上部中央レンズ284及び中央環レンズ部282bと対応したLED288a,288bが、第一環状グループ102及び第二環状グループ103の上部中央を発光装飾する上部中央グループ106とされている。この上部中央グループ106のLED288a,288bを適宜発光させることで、遊技窓101の上部中央を発光装飾させることができる他に、第一環状グループ102や第二環状グループ103による環状の発光装飾の基準点となるような発光装飾をさせることができるようになっている。また、上部装飾ユニット280における延出枠レンズ部282cと対応したLED290aは、上部中央グループ106の左右両側を発光装飾させる上部中央サイドグループ107とされている。この上部中央サイドグループ107のLED290aを適宜発光させることで、第一環状グループ102及び第二環状グループ103と上部中央グループ106との境界を発光装飾させることができるようになっている。
更に、扉枠5では、遊技窓101の下側に配置された皿ユニット300の上皿前部装飾部材316及び上皿上部右装飾部材319と対応したLED322aは、上皿301を発光装飾させる上皿グループ108とされている。また、扉枠5では、遊技窓101の下側中央で皿ユニット300の上部中央に配置された操作ユニット400のダイヤル操作部401及び押圧操作部405と対応したLED430b,432dが、操作ユニット400を発光装飾させる操作グループ109とされている。この操作グループ109のLED430b,432dを適宜発光させることで、ダイヤル操作部401や押圧操作部405を発光装飾させることができ、ダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作タイミングや操作方向等を遊技者に知らせることができるようになっている。
本実施形態における扉枠5における発光装飾について、更に、詳述すると、本例では、扉枠5に備えられた各LED214a,214b,214c,216a,216b,254a,254b,256a,256b,288a,288b,290a,322a,430b,432dが、夫々が属するグループ102,103,104,106,107,108,109内で制御系統に対応して更に細分化されている。具体的には、図64に示すように、第一環状グループ102に属する20個のLED214a,216a,254a,256aは、サイドレンズ210,250の各周レンズ部210a,250a毎に102a〜102jの10系統に分けられており、第二環状グループ103に属する26個のLED214a,216a,254a,256aは、サイドレンズ210,250の各周レンズ部210a,250a毎に103a〜103jの10系統に分けられている。
また、放射状グループ104に属する20個のLED214b,216b,254b,256bは、サイド閃光レンズ204,246(サイドレンズ210,250の放射レンズ部210b,250b)毎に104a〜104hの8系統に分けられている。また、報知グループ105に属する2個のLED214cは、上側105aと下側105bの2系統に分けられている。更に、上部中央グループ106に属する8個のLED288a,288bは、中央部106a、右部106b、左部106cの3系統に分けられている。また、上部中央サイドグループ107に属する7個のLED290aは、右側107aと左側107bの2系統に分けられている。
更に、上皿グループ108に属する11個のLED322aは、前後及び左右に108a〜108dの4系統に分けられている。また、操作グループ109に属する5個のLED430b,432dは、ダイヤル操作部401と対応した4個のLED430bが押圧操作部405を挟んで対角線状に配置されたLED430bを一組として左右109aと前後109bの2系統、押圧操作部405と対応した1個のLED432cが1系統、の3系統に分けられている。このように、本例の扉枠5では、各LED214a,214b,214c,216a,216b,254a,254b,256a,256b,288a,288b,290a,322a,430b,432dが、42の系統に分けられている。
ところで、扉枠5では、上述したように、LED214a,216a,254a,256a,288a,288b,290a,322a,432dがフルカラーLEDとされており、それらLED214a,216a,254a,256a,288a,288b,290a,322a,432dの属する28の系統102a〜102j,103a〜103j,106a〜106c,108a〜108d,109cでは、フルカラーで発光させるためにRGBの独立した3つの系統を更に備えており、実際の発光制御では3倍の84系統となっている。また、LED288a,430bは高輝度の白色LEDとされており、それらLED288a,430bが属する4つの系統107a,109a,109bでは、高輝度で発光させるために多くの電流を必要とするので、夫々2つの系統が接続されており、実際の発光制御では2倍の8系統となっている。
なお、LED214b,216b,254b,256bは通常の輝度の白色LEDとされており、8つの系統104a〜108hに属している。また、LED214cは緑色LED及び赤色LEDとされており、2つの系統105a,105bに属している。これらLED214b,216b,254b,256b,214cによる10の系統104a〜108h,105a,105bは、各系統で充分に制御することができるので、実際の発光制御でも同数の10系統となっている。
従って、扉枠5における発光制御での実際の系統数は、102系統となっており、各LED214a,214b,214c,216a,216b,254a,254b,256a,256b,288a,288b,290a,322a,430b,432dが属した系統毎に、点灯・点滅等がダイナミック点灯により制御されていると共に、階調(色や明るさ)がPWM制御(パルス幅変調制御)により制御されるようになっている。これにより、表情豊かな発光演出をすることができるようになっている。
扉枠5における発光演出としては、例えば、第一環状グループ102から第二環状グループ103へ順に発光(同色、或いは、類似色で順次発光)させることで遊技窓101を中心として外側へ広がるような発光演出や、逆に、第二環状グループ103から第一環状グループ102へ順に発光(同色、或いは、類似色で順次発光)させることで遊技窓101へ向かって外側から収束するような発光演出、或いは、第一環状グループ102と第二環状グループ103とを同時に発光させることで遊技窓101の外周全体を広く発光させるような発光演出等をすることができるようになっている。
また、遊技盤4に備えられたLED(詳細な図示は省略する)と協調することで、遊技盤4のLEDと、遊技窓101に近い第一環状グループ102のLEDと、第一環状グループ102よりも外側に配置された第二環状グループ103のLEDとによって、更に表情豊かな発光演出を行うことが可能となり、遊技者の関心を強く引付けることができると共に、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、第一環状グループ102、第二環状グループ103や、下部グループ108において、各系統102a〜102j,103a〜103jを適宜発光させることで、遊技窓101の外周に沿って上部装飾ユニット280の上部中央レンズ284へ向かって光が移動するような、或いは、上部中央レンズ284から光が遊技窓101の外周に沿って移動するような発光演出をしたりすることができる。なお、本例では、第一環状グループ102や第二環状グループ103を周方向へ10系統102a〜102j,103a〜103jに分割(10分割)したものを示したが、これに限定するものではなく、8系統程に分割(8分割程)されていれば遊技窓101の外周を光が周回するような発光演出を良好に行うことができる。
更に、放射状グループ104のみを発光させることで遊技窓101を中心に放射状に発光する発光演出をしたり、放射状グループ104と同時に第一環状グループ102、第二環状グループ103、及び下部グループ108を発光させることで遊技窓101の外周全体を略均一に発光させる発光演出をしたり、第一環状グループ102や第二環状グループ103の発光中に放射状グループ104を発光(点灯・点滅)させることで環状の発光装飾に対してアクセントを付与する発光演出をしたりすることができる。また、放射状グループ104の各系統104a〜104hを夫々個々に発光させることで、サイド閃光レンズ204,246(放射レンズ部210b,250b)が周回するような発光演出もすることができる。
また、上部中央グループ106や上部中央サイドグループ105を発光させることで、遊技者に対してチャンスの到来や特定の遊技状態(例えば、大当り遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態、確変時短遊技状態、等)を示唆する発光演出を行うことができる。
更に、下部グループ108の各系統108a〜108dを適宜発光させることで、上皿301を発光装飾させる発光演出をしたり、操作グループ109と関連させて発光させることで、ダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作を促す発光演出をしたりすることができる。また、操作グループ109におけるダイヤル操作部401と対応した系統109a,109bを適宜発光させることで、ダイヤル操作部401の操作を促したり、ダイヤル操作部401の回転操作方向を案内したりする発光演出をすることができる。更に、操作グループ109における押圧操作部405と対応した系統109cを発光させることで、押圧操作部405の操作を促す発光演出をすることができる。
なお、第一環状グループ102、第二環状グループ103、上部中央グループ106、下部グループ108、及び操作グループ109の系統109cは、フルカラーLEDとされているので、各グループ102,103,106,108,109毎や、各系統102a〜102j,103a〜103j,106a〜106c,108a〜108d,109c毎に、発光色や明るさ等の階調を異ならせた発光演出を行うことができ、多彩で表情豊かな発光演出を行うことができる。
[本体枠の全体構成]
次に、パチンコ機1における本体枠3について、図65乃至図71を参照して説明する。図65は、本体枠の正面図であり、図66は、本体枠の背面図である。また、図67は、本体枠の正面斜視図であり、図68は、本体枠の背面斜視図である。更に、図70は、本体枠を分解して前から見た分解斜視図であり、図69は、本体枠の左側面図であり、図71は、本体枠を分解して後から見た斜視図である。本実施形態の本体枠3は、外枠2に対して正面視左辺が軸支されており、扉枠5の後側で外枠2の前面を開閉するように扉状に支持されていると共に、前側が扉枠5によって開閉させられるようになっている。また、本体枠3は、扉枠5の遊技窓101と対応した位置に前側から遊技盤4を着脱自在に保持することができるようになっている。
本例の本体枠3は、本体枠3の骨格を形成すると共に前後方向に貫通し遊技盤4を保持するための矩形状の遊技盤保持口601を有した本体枠ベース600と、本体枠ベース600の正面視左側端部の上端及び下端に夫々取付けられ外枠2に軸支されると共に扉枠5を軸支するための上軸支金具630及び下軸支金具640と、本体枠ベース600の下部前面に取付けられ遊技盤4の遊技領域1100内へ遊技球を打ち込むための打球発射装置650と、本体枠ベース600の後側に取付けられ皿ユニット300の上皿301へ遊技球を払出すための賞球ユニット700と、本体枠ベース600の前面に取付けられ本体枠3に対して扉枠5が開いた時に賞球ユニット700から扉枠5の皿ユニット300への遊技球の流れを遮断する球出口開閉ユニット790と、を備えている。
また、本体枠3は、本体枠ベース600の下部後面に取付けられ遊技盤4を除く扉枠5や本体枠3に備えられた電気的部品を制御するための各種の制御基板や電源基板851等を一纏めにしてユニット化した基板ユニット800と、本体枠ベース600における遊技盤保持口601の後側開口を覆う裏カバー900と、本体枠ベース600の正面視左側端部を被覆する側面防犯板950と、本体枠ベースの正面視右側端部に取付けられ外枠2に対する本体枠3の開閉施錠、及び本体枠3に対する扉枠5の開閉施錠をする錠装置1000と、を主に備えている。
[本体枠ベース]
次に、本体枠3における本体枠ベース600について、主に図72及び図73を参照して説明する。図72は、本体枠における本体枠ベースの正面斜視図である。また、図73は、本体枠における本体枠ベースの背面斜視図である。本実施形態の本体枠3における本体枠ベース600は、合成樹脂によって一体成形されており、正面視の外形が扉枠5の外形と沿った縦長の矩形状とされていると共に、前後方向へ略一定の奥行きDを有するように形成されている(図69を参照)。これにより、本体枠ベース600に対して、その後側に賞球ユニット700、基板ユニット800、裏カバー900、及び錠装置1000等の取付作業時において、本体枠ベース600を伏せた状態で作業する際に、本体枠ベース600の後面が本体枠ベース600における奥行きDの高さで略平らな状態となり、賞球ユニット700等を容易に載置することができ、本体枠3の組立てに係る作業性を良くすることができるようになっている。
本体枠ベース600は、図示するように、上部から下部へ向かって全体の約3/4の範囲内が前後方向へ矩形状に貫通し遊技盤4の外周を嵌合保持可能な遊技盤保持口601と、本体枠ベース600の正面視左辺を除く前端外周を形成するコ字状の前端枠部602と、前端枠部602の前面から後方へ向かって窪み、扉枠5における扉枠ベース本体110の下端から後方へ突出した扉枠突片110c、扉枠5の補強ユニット150における上側補強板金151の後方へ突出した上側の屈曲突片167及び開放側補強板金153の後方へ突出した開放側外折曲突片163が挿入係合される係合溝603と、を備えている。
また、本体枠ベース600は、遊技盤保持口601の下側から本体枠ベース600下端まで延出し前端枠部602の前端から所定量後側へ窪み左右方向へ板状に広がった下部後壁部604と、前端枠部602よりも内側で後方へ突出し遊技盤保持口601の内周壁を形成する周壁部605と、を備えている。この周壁部605によって、コ字状の前端枠部602の自由端部(正面視で上下の左側端部)同士が連結されるようになっており、本体枠ベース600の外形が枠状となるようになっている。
また、本体枠ベース600は、下部後壁部604の上端に遊技盤保持口601の下辺を形成すると共に遊技盤4が載置される遊技盤載置部606と、遊技盤載置部606の左右方向略中央から上方へ突出し遊技盤4における遊技パネル1150のアウト球排出溝1156と係合する位置決め突起607と、周壁部605における正面視右側内壁の所定位置に形成され遊技盤4の遊技盤止め具1120が止め付けられる遊技盤係止部608(図65を参照)と、周壁部605の上側内壁から下方へ垂下し下端が遊技盤4の上端と当接可能な板状で左右方向に複数配置された上端規制リブ609と、を備えている。本体枠ベース600の位置決め突起607は、遊技盤4のアウト球排出溝1156と嵌合することで、遊技盤4の下端が左右方向及び後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。また、遊技盤係止部608は、遊技盤4の遊技盤止め具1120が係止されることで遊技盤4の正面視右辺が前後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。なお、遊技盤4の正面視左辺は、詳細は後述するが、側面防犯板950の位置決め部材956によって前後方向への移動が規制されるようになっている。
更に、本体枠ベース600は、コ字状の前端枠部602の自由端部(正面視で上下の左側端部)の後面に上軸支金具630及び下軸支金具640を取付けるための金具取付部610を備えている(図73を参照)。この金具取付部610は、図72等示すように、その前側が上下及び左右に延びた複数のリブによって補強されており、充分な強度で上軸支金具630及び下軸支金具640を取付けることができるようになっている。また、本体枠ベース600は、正面視で下部後壁部604の右端上部に前後方向に貫通した略円形のシリンダ錠貫通穴611と、シリンダ錠貫通穴611の正面視左下に形成され扉枠5における扉枠ベース本体110から後方へ突出する位置決め突起110dと嵌合するU字状の嵌合溝612と、嵌合溝612の正面視左下に形成され打球発射装置650の発射ソレノイド654を収容するソレノイド収容凹部613と、を備えている。
本例の本体枠ベース600は、上述したように、下部後壁部604が前端枠部602の前面よりも後側へ一段窪んだ位置に形成されており、下部後壁部604の正面視右側前面に、打球発射装置650の発射ソレノイド654がソレノイド収容凹部613内に収容されるように前側から打球発射装置650が取付けられるようになっている。この下部後壁部604の前面に打球発射装置650を取付けた状態では、図67や図102等に示すように、打球発射装置650における発射レール660の上端よりも正面視左側に、左方向及び下方へ広がったファール空間626が形成されるようになっている。本例では、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、ファール空間626の下部にファールカバーユニット540におけるファール球入口542eが位置するようになっており、ファール空間626を下降した遊技球が、ファールカバーユニット540のファール球入口542eに受けられて、皿ユニット300における下皿302へ排出されるようになっている。
また、本体枠ベース600は、正面視で下部後壁部604の左右中央よりも左側に前後方向へ矩形状に貫通する開口部614と、開口部614の上側及び正面視左右両側に複数形成され前後方向に貫通した透孔615と、を備えている。この本体枠ベース600の開口部614は、前側から中継端子板カバー692(図70等を参照)によって閉鎖されるようになっており、中継端子板カバー692の開口692aを通して、下部後壁部604の後面に取付けられた基板ユニット800の主側中継端子板880と周辺側中継端子板882とが前側へ臨むようになっている。また、複数の透孔615は、基板ユニット800のスピーカボックス820からの音を、本体枠ベース600の前側へ伝達させるためのものである。なお、開口部614の左右両側に配置された透孔615は、前側に衝壁を有したベンチレーション型の孔とされている。
また、本体枠ベース600は、開口部614の上側で下部後壁部604の前面上端付近に遊技盤4を脱着可能に固定するための遊技盤固定具690を回転可能に支持する固定具支持部616と、固定具支持部616の正面視右下から前方へ突出し遊技盤固定具690の回転位置を規制するストッパ617と、を備えている。
ここで、遊技盤固定具690は、図65等に示すように、本体枠ベース600の固定具支持部616に軸支される軸心を中心に扇状に広がる固定片690aと、固定片690aにおける周方向一端側(正面視で時計回りの方向へ回転させた時に後端となる側)から外方へ延出する操作片690bと、を備えている。この遊技盤固定具690は、本体枠ベース600の固定具支持部616に軸支させた上で、操作片690bを操作して遊技盤固定具690を正面視で時計回りの方向へ回動させると、固定片690aが遊技盤載置部606よりも上方へ突出し、遊技盤載置部606に載置された遊技盤4の固定凹部1121内に挿入されるようになっており、遊技盤4が前側へ移動するのを阻止することができるようになっている。また、遊技盤固定具690は、操作片690bがストッパ617と当接するようになっており、ストッパ617と当接することで、正面視反時計周りの方向への回動端が規制されるようになっている。
更に、本体枠ベース600は、シリンダ錠貫通穴611の下側前面に、本体枠3に対する扉枠5の開放を検知するための扉枠開放スイッチ618が取付けられており、本体枠3に対して扉枠5が開かれる(開放される)と、その押圧が解除されて扉枠5の開放を検知することができるようになっている。また、本体枠ベース600は、扉枠開放スイッチ618が取付けられた位置よりも下側後面に、外枠2に対する本体枠3の開放を検知するための本体枠開放スイッチ619が取付けられており(図73を参照)、外枠2に対して本体枠3が開かれる(開放される)と、その押圧が解除されて本体枠3の開放を検知することができるようになっている。
また、本体枠ベース600は、コ字状の前端枠部602における正面視で右側(開放側)辺の係合溝603よりも内側(軸支側)に、前後方向へ縦長に貫通する三つの扉用フック穴620と、下端の扉用フック穴620の下側に前後方向へ貫通し左右方向に二つ並んだ錠係止穴621と、を備えている。これら三つの扉用フック穴620は、上下方向の上下両端付近と、上下方向の略中央に夫々形成されている。この上側と中央の扉用フック穴620と錠係止穴621には、錠装置1000の上下両端に備えられた係止突起1004が係合係止されるようになっており、前端枠部602における正面視右辺の後側で周壁部605の外壁に沿って錠装置1000が本体枠ベース600に取付けられるようになっている。そして、本体枠ベース600に錠装置1000を取付けた状態では、錠装置1000の三つの扉枠用フック部1041が、三つの扉用フック穴620から前方へ突出すると共に、錠装置1000のシリンダ錠1010がシリンダ錠貫通穴611から前方へ突出した状態となるようになっている(図67を参照)。
更に、本体枠ベース600は、下部後壁部604の後面に、背面視で、右側上端から左右方向略中央へ向かって緩く斜めに下降した上で、左右方向の略中央で下部後壁部604における上下方向の中間からやや上寄りの位置まで垂下し遊技球が転動可能とされた本体枠ベース球抜通路622を備えている。この本体枠ベース球抜通路622は、基板ユニット800における基板ユニットベース810によって後側が閉鎖されようになっており、詳細は後述するが、賞球装置740における球抜通路741dを転動した遊技球が転動するようになっている。
また、本体枠ベース600は、周壁部605における背面視左辺の後端に、上下方向へ所定間隔で複数配置され裏カバー900の軸支ピン906を回動可能に軸支する裏カバー軸支部623と、下部後壁部604の前面で開口部614の正面視斜め左上に球出口開閉ユニット790を取付けるための取付部624と、周壁部605の正面視右側(開放側)側面に錠装置1000を取付固定するための錠取付部625と、を備えている。
なお、詳細な説明は省略するが、本体枠ベース600には、上記の他に、打球発射装置650、賞球ユニット700、及び基板ユニット800等を取付けるための取付ボスや取付孔等が適宜位置に形成されている。
[上軸支金具及び下軸支金具]
次に、本体枠3における上軸支金具630及び下軸支金具640について、主に図70及び図71を参照して説明する。本体枠3における上軸支金具630及び下軸支金具640は、本体枠ベース600の正面視左端上下後面の金具取付部610に、所定のビスを用いて夫々取付けることで、本体枠3に対して扉枠5を開閉可能に軸支することができると共に、外枠2に対して本体枠3を開閉可能に軸支させることができるものである。
まず、上軸支金具630は、本体枠ベース600の上側の金具取付部610に取付けられ上下左右方向へ広がる板状の取付部631と、取付部631の上端から前方へ延出する板状の前方延出部632と、前方延出部632の前端付近から上方へ延びだすように突設された軸支ピン633と、軸支ピン633の正面視左側に配置され扉枠5の軸ピン155が挿入される上下方向に貫通した扉枠軸支穴634(図67等を参照)と、前方延出部632の正面視左側端部から下方へ垂下し扉枠5の開放側への回動端を規制するストッパ635(図69及び図113を参照)と、を備えている。この上軸支金具630は、取付部631、前方延出部632、及びストッパ635が、一枚の金属板を屈曲成形することで一体的に形成されている。
一方、下軸支金具640は、扉枠5を軸支するための扉枠軸支金具642と、扉枠軸支金具642の下側に配置され外枠2に対して本体枠3を軸支するための本体枠軸支金具644と、を備えている。下軸支金具640における扉枠軸支金具642は、本体枠ベース600の下側の金具取付部610に取付けられ上下左右方向へ広がる板状の取付部642aと、取付部642aの下端から前方へ延出する板状の前方延出部642bと、前方延出部642bの前端付近に上下方向へ貫通し扉枠5の軸ピン157が挿入される扉枠軸支穴634と、前方延出部642bの正面視左側端部から上方へ立設され扉枠5の開放側への回動端を規制するストッパ642dと、を備えている。この扉枠軸支金具642は、取付部642a、前方延出部642b、及びストッパ642dが、一枚の金属板を屈曲成形することで一体的に形成されている。
また、下軸支金具640における本体枠軸支金具644は、本体枠ベース600の下側の金具取付部610に取付けられ上下左右方向へ広がる板状の取付部644aと、取付部644aの下端から前方へ延出する前方延出部644bと、前方延出部644b前端付近に上下方向へ貫通した本体枠軸支穴(図示は省略する)と、を備えている。この本体枠軸支金具644もまた、取付部644a、及び前方延出部644bが、一枚の金属板を屈曲成形することで一体的に形成されている。
本例の下軸支金具640は、扉枠軸支金具642の取付部642aと本体枠軸支金具644の取付部644aとが前後方向に重なった(接した)状態とされると共に、扉枠軸支金具642の前方延出部642bと本体枠軸支金具644の前方延出部644bとが上下方向に所定距離離間した状態で、本体枠ベース600における下側の金具取付部610に取付けられるようになっている。
この上軸支金具630及び下軸支金具640は、本体枠ベース600に取付けた状態で、上軸支金具630の軸支ピン633と、下軸支金具640の図示しない本体枠軸支穴とが同軸上に位置するようになっており、下軸支金具640における本体枠軸支金具644の本体枠軸支穴が、外枠2における下支持金具21の支持突起21dに嵌合挿入されるように、本体枠軸支金具644の前方延出部644bを、下支持金具21の支持突出片21c上に載置した上で、上軸支金具630の軸支ピン633を、外枠2における上支持金具20の支持鉤穴20c内に挿入することで、本体枠3を外枠2に対して開閉可能に軸支させることができるようになっている。
また、この上軸支金具630及び下軸支金具640は、本体枠ベース600に取付けた状態で、上軸支金具630の扉枠軸支穴634と、下軸支金具640の扉枠軸支金具642cとが同軸上に位置するようになっており、下軸支金具640における扉枠軸支金具642の扉枠軸支穴634に、扉枠5の軸ピン157が挿入されるように扉枠5の下軸支部158を扉枠軸支金具642の前方延出部642b上に載置した上で、扉枠5の軸ピン155を、上軸支金具630の扉枠軸支穴634に挿入することで、本体枠3に対して扉枠5を開閉可能に軸支することができるようになっている。なお、本例では、扉枠5の上側の軸ピン155は、上下方向へ摺動可能とされており、上軸支金具630の扉枠軸支穴634へ挿入させる際に、軸ピン155を一旦、下方へスライドさせて、扉枠5の上軸支部156と上軸支金具630の前方延出部632とが上下に重なるようにした上で、軸ピン155を上方へスライドさせることで扉枠軸支穴634へ挿入することができるようになっている。
[打球発射装置]
次に、本体枠3における打球発射装置650について、主に図74及び図75を参照して説明する。図74は、本体枠における打球発射装置の正面斜視図である。また、図75は、本体枠における打球発射装置の背面斜視図である。この打球発射装置650は、扉枠5の球送りユニット580から供給された遊技球を、ハンドル装置500の回転操作に応じた強さで遊技盤4の遊技領域1100内へ打ち込むことができるものである。
本実施形態の打球発射装置650は、本体枠ベース600における下部後壁部604の前面所定位置に取付けられる金属板の発射ベース652と、発射ベース652の下部後面に前側へ回転駆動軸654aが突出するように取付けられる発射ソレノイド654と、発射ソレノイド654の駆動軸654aに一体回転可能に固定される打球槌656と、打球槌656の先端に固定される槌先658と、槌先658の移動軌跡上における所定位置を基端として正面視斜め左上へ延出し発射ベース652の前面に取付けられる発射レール660と、発射レール660の基端上部に発射レール660との間で打球槌656先端の槌先658が通過可能とされると同時に遊技球が通過不能な隙間を形成し発射レール660の基端に遊技球を保持する球止め片662と、球止め片662によって発射レール660の基端に保持された遊技球を打球可能な打球位置よりも打球槌656(槌先658)が発射レール660側へ回動するのを規制するストッパ664と、を備えている。
この打球発射装置650における発射ソレノイド654は、詳細な図示は省略するが、駆動軸654aがハンドル装置500の回転操作角度に応じた強さ(速さ)で往復回動するようになっている。また、打球発射装置650の打球槌656は、発射ソレノイド654の駆動軸654aに固定される固定部656aと、固定部656aから緩やかな円弧状に延出し先端が駆動軸654aの軸心に対して法線方向を向き先端に槌先658が固定される棹部656bと、棹部656bに対して固定部656aを挟んで反対側へ延出しストッパ664と当接可能なストッパ部656cと、を備えている。打球槌656のストッパ部656cがストッパ664と当接することで、先端の槌先658が打球位置(正面視で反時計周りの方向の回動端)よりも発射レール660側へ回動するのが規制されるようになっている。
また、打球発射装置650の発射レール660は、遊技盤4の外レール1111の下端延長線上と略沿うように下方が窪んだ緩い円弧状とされている(図102を参照)と共に、前後方向に対して中央がV字状に窪んだ形状とされており、打球槌656によって打球された遊技球を発射レール660に沿って滑らかに遊技盤4側へ誘導させることができるようになっている。この発射レール660は、金属板を屈曲成形することで形成されている。
また、打球発射装置650は、打球槌656における打球位置側への回動端を規制可能なストッパ664の前面を被覆するストッパカバー666と、打球槌656における打球位置とは離れた位置の回動端(正面視で時計回りの方向の回動端)を規制するストッパ668と、を備えている。本例の打球発射装置650は、ストッパ664,668の表面がゴムで覆われており、打球槌656が当接した時の衝撃を吸収することができると共に、当接による騒音の発生を抑制することができるようになっている。
本例の打球発射装置650は、図67や図102等に示すように、本体枠ベース600の下部後壁部604に取付けた状態とすると、発射レール660の上端が左右方向の略中央で下部後壁部604の上端、つまり、遊技盤載置部606(遊技盤保持口601の下辺)よりも下方に位置するようになっており、遊技盤保持口601に保持された遊技盤4における外レール1111の下端との間で、左右方向に所定幅で下方へ広がったファール空間626が形成されるようになっている。そして、本例の打球発射装置650は、発射レール660よりも正面視左側のファール空間626を飛び越えるようにして遊技球を発射することで、遊技盤4の遊技領域1100内へ遊技球を打ち込むことができるようになっている。なお、上述したように、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、ファール空間626の下部にファールカバーユニット540のファール球入口542eが位置するようになっており、遊技領域1100内へ打ち込まれずにファール球となった遊技球が、ファール空間626を落下してファール球入口542eへ受入れられて、下皿302へ排出されるようになっている。
また、打球発射装置650は、発射ソレノイド654が、発射制御部4120によりハンドル装置500の回転操作に応じた駆動強さで駆動させられるようになっていると共に、球送りユニット580の球送ソレノイド585の駆動と同期するように駆動させられるようになっている。具体的には、打球発射装置650へ遊技球を供給する球送りユニット580では、球送ソレノイド585が駆動(ON)すると球送り部材584が遊技球を受入れ、その状態から球送ソレノイド585の駆動が解除(OFF)されると球送り部材584が受入れた遊技球を打球発射装置650側へ送るようになっているので、この球送りユニット580の球送ソレノイド585と略同時に発射ソレノイド654を駆動(ON)することで、球送りユニット580から発射レール660の後端へ遊技球を円滑に供給することができ、打球槌656の回動により遊技球を確実に発射することができるようになっている。
[賞球ユニット]
次に、本体枠3における賞球ユニット700について、主に図76乃至図83を参照して説明する。図76は、本体枠における賞球ユニットの正面斜視図であり、図77は、本体枠における賞球ユニットの背面斜視図である。また、図78は、賞球ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図79は、賞球ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。更に、図80は、賞球ユニットにおける賞球タンクとタンクレールユニットとの関係を分解して後方から示す分解斜視図である。図81は、賞球ユニットにおける賞球装置を分解して後から見た分解斜視図である。図82は、賞球装置における払出通路と払出モータと払出回転体との関係を示す背面図である。また、図83は、賞球ユニットにおける球の転動通路を示す断面図である。
本実施形態の本体枠3における賞球ユニット700は、パチンコ機1を設置する遊技ホールにおける島設備において、島設備側からパチンコ機1へ供給された遊技球を貯留した上で、所定の払出指示に基いてパチンコ機1の上皿301へ払出すものである。この賞球ユニット700は、本体枠ベース600の後面に取付けられる賞球ベース710と、賞球ベース710の後面上部に取付けられ島設備側から供給される遊技球を受けると共に貯留する賞球タンク720と、賞球タンク720の下側に配置され賞球タンク720に貯留された遊技球を整列させて下流側へ送るタンクレールユニット730と、タンクレールユニット730によって整列された遊技球を所定の払出指示に基いて払出す賞球装置740と、賞球装置740によって払出された遊技球を皿ユニットの上皿301へ誘導することができると共に上皿301が遊技球で満タンになると払出された遊技球を下皿302側へ分岐誘導することができる満タン分岐ユニット770と、を主に備えている。
また、賞球ユニット700は、賞球ベース710に形成された賞球通路715の後側開口を閉鎖する賞球通路蓋780と、タンクレールユニット730や賞球装置740を接地するためのアース金具782と、賞球ベース710の後面に取付けられる外部端子板784と、外部端子板784の後側を覆う外部端子板カバー786と、を備えている。賞球ユニット700における賞球通路蓋780は、その後面に裏カバー900を固定するための裏カバー係合溝780aと、裏カバー係合溝780aの背面視左側に裏カバー900を締結固定するための裏カバー締結孔780bとが形成されている(図77及び図79等を参照)。
この賞球ユニット700は、賞球ベース710が、正面視で本体枠ベース600の上辺と左辺に沿うような逆L字状に形成されており、上辺に賞球タンク720及びタンクレールユニット730が配置されていると共に、左辺に縦長の賞球装置740が配置されており、賞球装置740の下側に満タン分岐ユニット770が配置されている。また、賞球装置740の直上でタンクレールユニット730よりも上側に賞球タンク720と隣接するように外部端子板784及び外部端子板カバー786が配置されている。
次に、賞球ユニット700における賞球ベース710は、図示するように、本体枠ベース600の上辺と正面視で遊技盤保持口601の左辺と略対応するような正面視逆L字状に形成されており、透明な合成樹脂によって一体的に成形されている。この賞球ベース710は、逆L字状の外側外周に略沿って後方へ延出した周壁部710aと、周壁部710aの後端から内側へ所定幅で延出し略同一面状に配置された後壁部710bと、を備えている。本例では、図79に示すように、周壁部710aの上辺側が、賞球ベース710の上端よりも一段下がった位置から後方へ延出するように形成されている。この賞球ベース710は、後壁部710bが前端よりも奥まった位置に位置しており、本体枠ベース600に取付けた時に、遊技盤4を収容可能な空間を形成することができるようになっている。
また、賞球ベース710は、周壁部710aの上辺上側に賞球タンク720を取付けるタンク取付部711と、タンク取付部711の横(背面視で右側)に配置され外部端子板784及び外部端子板カバー786を取付けるための外部端子板取付部712と、後壁部710bの上辺下端後側にタンクレールユニット730を取付けるための複数の取付係止部713と、後壁部710bの垂直辺後側に賞球装置740を取付けるための賞球装置取付部714と、賞球装置取付部714に隣接して賞球装置740から払出された遊技球を下方へ誘導する賞球通路715と、後壁部710bの下端に満タン分岐ユニット770を取付けるための取付係止部716と、を備えている。
更に、賞球ベース710は、後壁部710bの賞球装置取付部714の位置に前後方向へ貫通し賞球装置740から前方へ突出した払出モータ744等を逃がすための逃し穴717と、裏カバー900を固定するための裏カバー係合溝718と、を備えている。また、賞球ベース710には、詳細な説明は省略するが、賞球タンク720や賞球装置740等を取付けたり、本体枠ベース600に取付けたりするための取付孔や取付ボス等が適宜位置に形成されている。
続いて、賞球ユニット700における賞球タンク720は、図80にも示すように、上方が開放された横長箱状に形成されており、平面視が横長の略矩形状とされた底壁部721と、底壁部721の外周から上方へ立上ると共に平面視で右側後部(開放側の後部)のみが矩形状に底壁部721よりも後方へ突出した外周壁部722と、外周壁部722における右側後部の底壁部721よりも後方へ突出した部位によって形成され下方へ開口した排出口723と、排出口723の平面視左側(軸支側)から賞球タンク720の左端まで板状に延びた庇部724と、庇部724の平面視左端下側から後方へ延出する棒状の軸部725と、軸部725の基端付近及び外周壁部722の前側両端に形成され賞球タンク720を賞球ベース710における賞球タンク取付部711へ取付けるための取付部726と、を備えている。
この賞球タンク720は、底壁部721の外周が外周壁部722で囲まれており、底壁部721上に所定量の遊技球を貯留することができるようになっている。また、賞球タンク720は、底壁部721の上面が、排出口723へ向かって低くなるように傾斜しており、底壁部721上の遊技球が排出口723へ向かって転動するようになっている。
また、賞球タンク720は、軸部725に回動自在に軸支される二つの球ならし部材727を備えている。この球ならし部材727は、図示するように、一端側が軸部725に軸支されるようになっていると共に内部に錘を保持しており、自重によって他端側が垂下するようになっている。この球ならし部材727は、後述するタンクレールユニット730内に垂下するようになっており、タンクレールユニット730内を転動する遊技球をならして整列させることができるものである。また、賞球タンク720の庇部724は、タンクレールユニット730の上側の略半分を覆うように形成されており、タンクレールユニット730内から遊技球が溢れるのを防止することができると共に、タンクレールユニット730内に埃等が侵入するのを防止することができるようになっている。
なお、詳細な図示は省略するが、賞球タンク720の底壁部721の上面は、平面視で左側(排出口723から遠い側)が右側へ向かって低くなるように傾斜していると共に、平面視で右側(排出口723に近い側)が後側の排出口723へ向かって傾斜するように形成されている。これにより、遊技球の流れをスムーズにすることができ、賞球タンク720内で球詰まりが発生するのを抑制することができるようになっていると共に、排出口723からタンクレールユニット730側へ遊技球をスムーズに排出することができるようになっている。
次に、賞球ユニット700におけるタンクレールユニット730は、図80にも示すように、賞球タンク720の下側に配置され左右方向へ長く延びたタンクレール731を備えている。このタンクレール731は、上方が開放された所定深さの樋状で前後方向に遊技球が二列で整列することが可能な幅(奥行)とされ、正面視左側(軸支側)端部が低くなるように底部が傾斜している。このタンクレール731は、左側(軸支側)端部に下方へ開口する排出口731a(図83を参照)と、前後方向の略中央で底部から上方へ延出した仕切壁731bと、前端下面より下方へ突出し賞球ベース710の取付係止部713に上側から係止される複数の係止突片731c(図78を参照)と、を備えている。
このタンクレール731は、正面視右側(開放側)端部が賞球タンク720における排出口723の直下に位置するようになっており、賞球タンク720の排出口723から排出された遊技球を受取った後に左方向へ転動させて排出口731aから賞球装置740側へ受け渡すことができるようになっている。また、タンクレール731の係止突片731cを賞球ベース710の取付係止部713に係止させることで、タンクレール731つまりタンクレールユニット730を賞球ベース710に取付けることができるようになっている。
また、タンクレールユニット730は、タンクレール731の排出口731a上部に回転可能に支持される整列歯車732と、整列歯車732の上部を覆う歯車カバー733と、歯車カバー733の正面視右端と連続しタンクレール731の上部を閉鎖する球押え板734と、タンクレール731内に進退可能とされタンクレール731内の遊技球が排出口731a側へ転動するのを停止させることが可能な球止片735と、タンクレール731内に配置されタンクレール731内の遊技球と接触可能とされたアース板736と、を備えている。整列歯車732は、図示するように、タンクレール731の仕切壁731bによって二列に仕切られた遊技球の二つの流路と対応するように、前後方向に並んで二つ備えられている。また、球押え板734は、上部に球止片735が取付けられる取付部734aと、上下方向に貫通し球止片735の突片735aが挿通可能な二つのスリット734bと、を備えている。
このタンクレールユニット730内には、賞球タンク720に軸支された二つの球ならし部材727が上方から球押え板734の上流側(開放側)に挿入されるようになっており、この球ならし部材727によって賞球タンク720の排出口723からタンクレール731内に排出された遊技球が、一段となるようにならすと共に、仕切壁731bに沿って二列に整列させるようにすることができるようになっている。また、球押え板734は、球ならし部材727によって一段とならなかった遊技球を強制的に一段とするためのものであり、排出口731a側へ向かうに従ってタンクレール731の底部との隙間が狭くなるようにタンクレール731に取付けられている。
タンクレールユニット730の整列歯車732は、図示するように、外周に複数の歯が形成されており、一対の整列歯車732における歯のピッチが半ピッチずつ、ずれるように軸支されている。これにより、タンクレール731を流下してきた遊技球の上部が整列歯車732の歯と噛み合いながら下流側の排出口723へ流下する時に、二列に整列された遊技球が交互に一つずつ賞球装置740へ送られるようになっている。
なお、タンクレール731の底部には、上下に貫通する細溝が形成されており、タンクレール731内を遊技球と一緒に転動する埃等の異物がその細溝から下方に落下するようになっている。また、タンクレール731の内壁に配置されたアース板736は、詳細な図示は省略するが、アース金具782を介して電源基板851のアース用コネクタを経由して外部に接地されるようになっており、タンクレール731内で遊技球がアース板736と接触することで、帯電した静電気を除去することができるようになっている。
また、タンクレールユニット730は、球押え板734の取付部734aに回動可能に取付けられた球止片735を回動させて、球止片735の突片735aをスリット734bを通してタンクレール731内へ挿入することで、突片735aによってタンクレール731内の二列の流路を閉止することができ、賞球装置740側へ遊技球が供給されるのを停止させることができるようになっている。
更に、タンクレールユニット730は、タンクレール731が透明な合成樹脂によって形成されており、外部からタンクレール731内の遊技球等の状態を視認することができるようになっている。
続いて、賞球ユニット700における賞球装置740は、タンクレールユニット730の排出口731aから排出供給された遊技球を、所定の払出指示に基いて皿ユニット300の上皿301へ払出すためのものである。この賞球装置740は、図81乃至図83等に示すように、賞球ベース710における賞球装置取付部714に取付けられる上下方向へ延びたユニットベース741を備えている。賞球装置740におけるユニットベース741は、図示するように、後面側に、上端に開口し遊技球の外形よりも若干広い幅で上下方向の中央よりもやや下側の位置まで延出する供給通路741aと、供給通路741aの下端と連通し所定広さの空間を有した振分空間741bと、振分空間741bの背面視左側(開放側)下端と連通し略く字状に曲がって背面視左側面に開口する賞球通路741cと、振分空間741bの背面視右側(軸支側)下端と連通し下方へ延出して下端に開口する球抜通路741dと、を備えている。このユニットベース741の供給通路741a、振分空間741b、賞球通路741c、及び球抜通路741dは、後方へ開放された状態で形成されている。
本例の賞球装置740は、ユニットベース741の後側に取付けられユニットベース741よりも上下方向の長さが短い裏蓋742と、裏蓋742の下側に配置される板状のモータ支持板743と、モータ支持板743の前側に配置され回転軸744aがモータ支持板743よりも後方へ突出するようにユニットベース741に固定される払出モータ744と、払出モータ744の回転軸744aに一体回転可能に固定されモータ支持板743の後側に配置される第一ギア745と、第一ギア745と噛合しユニットベース741に軸支される第二ギア746と、第二ギア746と噛合しユニットベース741に軸支される第三ギア747と、第三ギア747と共に一体回転しユニットベース741の振分空間741b内に配置される払出回転体748と、払出回転体748とは第三ギア747を挟んで反対側に一体回転可能に固定され周方向に等間隔で複数(本例では三つ)の検出スリット749aを有した回転検出盤749と、を備えている。
また、賞球装置740は、ユニットベース741に取付けられ供給通路741a内の遊技球の有無を検出する球切れスイッチ750と、ユニットベース741に取付けられ賞球通路741c内を転動する遊技球の数を計測するための計数センサ751と、払出回転体748と一体回転する回転検出盤749の検出スリット749aを検出する回転角センサ752と、回転角センサ752を保持し裏蓋742の後面に取付けられるセンサ基板753と、払出モータ744、球切れスイッチ750、計数センサ751、及び回転角センサ752と払出制御基板4110との接続を中継し裏蓋742の後面に取付けられる賞球中継基板754と、を備えている。
更に、賞球装置740は、賞球中継基板754を後側から覆い裏蓋742の後面に取付けられる基板カバー755と、第一ギア745、第二ギア746、第三ギア747(回転検出盤749)、及びセンサ基板753を後側から覆い裏蓋742を挟んでユニットベース741の後面に取付けられるギアカバー756と、ユニットベース741の供給通路741a内を転動する遊技球と接触可能な供給通路アース金具757と、モータ支持板743を挟んで払出モータ744をユニットベース741へ固定すると共に払出モータ744をアース接続するためのビス758と、裏蓋742をユニットベース741に対して着脱可能に支持する着脱ボタン759と、を備えている。
本例の賞球装置740は、ユニットベース741の後側に裏蓋742が取付けられることで、供給通路741a、振分空間741b、賞球通路741c、及び球抜通路741dの開放された後端が閉鎖されるようになっている。また、ユニットベース741は、供給通路741aにおける上端よりも下の位置が、一旦、後方へ膨出した形状とされており、タンクレールユニット730から排出落下してきた遊技球の勢いを緩和させることができるようになっている。また、ユニットベース741は、供給通路741aにおける後方へ膨出した位置よりも下側の一方(背面視左側)の側面が部分的に切欠かれていると共に供給通路741aの切欠かれた位置の外側に球切れスイッチ750を取付けるためのスイッチ取付部741eと、賞球通路741cの途中に計数センサ751を取付けるためのセンサ取付部741fと、賞球通路741cよりも下側で前後方向へ貫通するように形成され払出モータ744を挿通可能なモータ挿通孔741gと、を備えている。
このユニットベース741のスイッチ取付部741eに球切れスイッチ750を取付けることで、球切れスイッチ750の作動片が供給通路741aの側壁の一部を形成するようになっており、供給通路741a内に存在する遊技球によって作動片が押圧されることで球切れスイッチ750によって供給通路741a内の遊技球の有無を検知することができるようになっている。この球切れスイッチ750により供給通路741a内の遊技球が検知されていない状態(球切れの状態)では、払出モータ744が回転しないようになっていると共に、球切れであることが遊技者やホール側に報知されるようになっている。
また、ユニットベース741は、第二ギア746、及び第三ギア747(払出回転体748)を軸支するための軸受部741hと、供給通路741aにおけるスイッチ取付部741eと振分空間741bとの間に配置され供給通路アース金具757を取付けるためのアース金具取付部741iと、ユニットベース741の上部に配置され裏蓋742を着脱支持するための着脱ボタン759が支持されるボタン支持孔741jと、を備えている。このユニットベース741は、アース金具取付部741iに供給通路アース金具757を取付けることで、供給通路アース金具757の後面が供給通路741a内の遊技球と接触することができるようになっていると共に、供給通路アース金具757の前面がコ字状のアース金具782の下端後面と接触するようになっており、供給通路アース金具757を介して供給通路741a内を転動する遊技球の静電気を除去することができるようになっている。
賞球装置740の裏蓋742は、全体が縦長の板状とされ上端が後方へ膨出した形態とされている。裏蓋742の上部には、着脱ボタン759を挿通させるボタン挿通穴742aと、上下方向の略中央後面に賞球中継基板754及び基板カバー755を取付けるための中継基板取付部742bと、中継基板取付部742bの下側に配置されセンサ基板753を取付けるためのセンサ基板取付部742cと、払出回転体748が通過可能な貫通孔742dと、を備えている。裏蓋742の中継基板取付部742bは、ユニットベース741のアース金具取付部741iの後側に位置するように形成されている。
また、賞球装置740のモータ支持板743は、本例では、アルミ板とされており、払出モータ744の金属製のモータハウジングと接触するようになっており、払出モータ744で発生する熱を放熱し易くすることができるようになっている。
また、賞球装置740の払出回転体748は、図82に示すように、周方向に等間隔で夫々一つの遊技球を収容可能な大きさの三つの凹部748aを備えており、払出回転体748が回転することで、供給通路741aから供給された遊技球が一つずつ凹部748aに収容されて、賞球通路741c又は球抜通路741d側へ払出すことができるようになってい。また、払出回転体748と一体回転する回転検出盤749の三つの検出スリット749aは、払出回転体748の凹部748a間と対応する位置に夫々形成されており、検出スリット749aを回転角センサ752によって検出することで、払出回転体748の回転位置を検出することができるようになっている。
本例の賞球装置740は、払出制御基板4110に、主制御基板4100からの払出コマンドやCRユニット6からの貸出コマンド等が入力されたり、球抜きスイッチ860bが操作されたりすることで払出モータ744が回転して、所定数の遊技球を遊技者側(上皿301)へ払出したり、遊技ホール側(パチンコ機1の後側)へ排出したりすることができるようになっている。この払出モータ744の回転軸744aを回転駆動させると、回転軸744aに固定された第一ギア745を回転すると同時に、第一ギア745と噛合する第二ギア746が回転し、更に第二ギア746と噛合する第三ギア747が回転するようになっている。この第三ギア747には、前側に払出回転体748が、後側に回転検出盤749が、夫々一体回転可能に固定されており、第三ギア747と共に払出回転体748及び回転検出盤749が回転するようになっている。
この賞球装置740は、図82に示すように、振分空間741bの略中央に払出回転体748が回転可能に軸支されている。そして、払出モータ744によって払出回転体748が背面視反時計周りの方向へ回転させられると、供給通路741a内の遊技球が、賞球通路741c側へ払出されるようになっており、払出回転体748の回転によって賞球通路741c側へ払出された遊技球は、計数センサ751によって一つずつ数えられた上で賞球ベース710の賞球通路715へ受け渡されるようになっている。一方、払出モータ744によって払出回転体748が背面視時計回りの方向へ回転させられると、供給通路741a内の遊技球が球抜通路741d側へ払出されるようになっており、払出回転体748によって球抜通路741d側へ払出された遊技球は、球抜通路741dの下端から後述する満タン分岐ユニット770の球抜通路778、本体枠ベース600の本体枠ベース球抜通路622、基板ユニット800における基板ユニットベース810の開口部812、及び電源基板ボックスホルダ840の排出通路842を介してパチンコ機1の後側外部へと排出することができるようになっている。
なお、本例の賞球装置740におけるユニットベース741は、透明な合成樹脂によって形成されており、本体枠3に組立てられた状態でも、透明な賞球ベース710を通して本体枠3の前側から、賞球装置740の供給通路741a、振分空間741b、賞球通路741c、球抜通路741d等の内部を視認することができ、球詰り等の不具合を簡単に発見することができるようになっている。
次に、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770について、主に図78、図79及び図83を参照して説明する。賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770は、賞球ベース710の下端に取付けられるものであり、賞球装置740の賞球通路741c側へ払出された遊技球を、皿ユニット300へ誘導することができると共に、皿ユニット300の上皿301において遊技球が満タンになると、皿ユニット300の下皿302に対して遊技球を払出すように振分けることができるものである。
この満タン分岐ユニット770は、前後方向の略中央上部に賞球ベース710の取付係止部716に係止される係止部770aと、後端上部に賞球ベース710の下端裏面に固定される固定部770bと、を備えている。満タン分岐ユニット770は、係止部770aを賞球ベース710の取付係止部716に、後側から係止させることで取付係止部716に対して吊持ちされた状態となり、賞球ベース710に対して固定部770bを所定のビスで固定することで、満タン分岐ユニット770を賞球ベース710の下端に取付固定することができるようになっている。
また、満タン分岐ユニット770は、図示するように、全体が後端から前端へ向かうに従って低くなるような箱状に形成されており、後端上部における左右方向の略中央に上方へ向かって開口し賞球ベース710の賞球通路715を流下してきた遊技球を受ける賞球受口771と、賞球受口771の下側に配置され左右方向へ広がった分岐空間772(図83を参照)と、分岐空間772における賞球受口771の直下から前側へ向かって遊技球を誘導する通常通路773(図83を参照)と、通常通路773を転動した遊技球を前方へ放出し前端の正面視右端に開口した通常球出口774と、分岐空間772における賞球受口771の直下よりも背面視右側へ離れた位置から前側へ向かって遊技球を誘導する満タン通路775(図83を参照)と、満タン通路775を転動した遊技球を前方へ放出し通常球出口774の正面視左側に開口した満タン球出口776と、を備えている。
更に、満タン分岐ユニット770は、後端上部の正面視左側端部に上方へ向かって開口し賞球装置740の球抜通路741dを流下してきた遊技球を受ける球抜受口777と、球抜受口777に受けられた遊技球を前側へ誘導する球抜通路778(図83を参照)と、球抜通路778を転動した遊技球を前方へ放出し正面視左端で通常球出口774及び満タン球出口776よりも後方の位置で開口した球抜出口779と、を備えている。
本例の満タン分岐ユニット770は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、通常球出口774及び満タン球出口776が、夫々扉枠5におけるファールカバーユニット540の第一球入口542a及び第二球入口542cと対向して連通するようになっており、通常球出口774から放出された遊技球は、ファールカバーユニット540の第一球入口542aを通って皿ユニット300の上皿301へ供給され、満タン球出口776から放出された遊技球は、ファールカバーユニット540の第二球入口542cを通って皿ユニット300の下皿302へ供給されるようになっている。また、球抜出口779は、本体枠ベース600における本体枠ベース球抜通路622の背面視右側上端と連通するように形成されており、球抜出口779から放出された遊技球が本体枠ベース600の本体枠ベース球抜通路622へ受け渡されるようになっている。
この満タン分岐ユニット770は、賞球装置740の賞球通路741c側へ払出された遊技球が、賞球ベース710の賞球通路715を介して賞球受口771で受取られるようになっており、賞球受口771へ進入した遊技球は、通常の状態では、分岐空間772を垂下して賞球受口771の直下に配置された通常通路773内へと流下する。そして、通常通路773内へ流下した遊技球は、通常球出口774からファールカバーユニット540の第一球入口542aに進入し、第一球通路542bを通って第一球出口544aから皿ユニット300の上皿301へ供給されることとなる。
ところで、皿ユニット300の上皿301が遊技球で満タンとなった状態で、更に賞球ユニット700(賞球装置740)から遊技球が払出されると、ファールカバーユニット540の第一球出口544aから上皿301側へ出られなくなった遊技球が、ファールカバーユニット540の第一球通路542b内で滞り、やがて、満タン分岐ユニット770における通常球出口774を通して上流の通常通路773内も一杯になる。この状態で、賞球受口771から分岐空間772内へ進入した遊技球は、通常通路773内へ進入することができず、分岐空間772内で横方向へ移動し始め、横方向へ移動した遊技球が満タン通路775内へ進入して、満タン球出口776からファールカバーユニット540の第二球入口542c、第二球通路542d、及び第二球出口544bを介して皿ユニット300の下皿302へ供給されるようになっている。
なお、本例の満タン分岐ユニット770は、全体が透明な合成樹脂によって形成されており、外部から内部を視認することができるようになっている。これにより、満タン分岐ユニット770内に侵入した埃やゴミ等の異物や、球詰りの発生等を、満タン分岐ユニット7700を分解しなくても簡単に発見することができるようになっている。
このように、本例の満タン分岐ユニット770は、上皿301内で遊技球が満タンとなると、その満タンが解消されるまでは、賞球装置740から払出された遊技球を、自動的に下皿302へ供給させることができるので、従来のパチンコ機のように上皿が満タンとなって上皿の球抜ボタンを操作することで遊技球が打球発射装置に供給されなくなって遊技球の打込が中断してしまうのを回避させることができ、遊技中の煩わしさを解消させて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
また、本例の満タン分岐ユニット770は、上述したように、上皿301が満タンとなると、賞球装置740の直下、つまり、パチンコ機1の後部で払出される遊技球の通路を分岐させるようにしており、満タン分岐ユニット770の通常通路773内で滞留した遊技球は上皿301へ払出されるので、上皿301内の遊技球と通常通路773内の遊技球が打球発射装置650によって直接打ち込むことができる遊技球となり、上皿301における遊技球の貯留量は、実質的には、上皿301の容量と通常通路773の容量とを合わせた量となる。つまり、上皿301の容量を、従来のパチンコ機における上皿の容量よりも小さくしても、通常通路773の容量が加えられるので、従来と同等量の遊技球を上皿301で貯留することができる。従って、上皿301を小さくすることで相対的に扉枠5における遊技窓101を大きく(広く)することが可能となり、より広い遊技領域1100を備えたパチンコ機1とすることができ、遊技する遊技者に対して訴求力の高いパチンコ機1とすることができると共に、広い遊技領域1100により遊技者を楽しませることができるようになっている。
更に、満タン分岐ユニット770の二つの通常球出口774と満タン球出口776とを左右に並べて配置しているので、扉枠5に貯留皿を一つのみ備えるようにして受入口(第一球入口542a及び第二球入口542c)を一つのみとした場合でも、本体枠3側(満タン分岐ユニット770)を変更することなく、扉枠5側へ遊技球を送ることができる。従って、本体枠3における遊技球の流路(満タン分岐ユニット770)を変更しなくても、貯留皿の数が異なる扉枠5に対応させることが可能なパチンコ機1とすることができると共に、貯留皿の数が異なる扉枠5を備えたパチンコ機1のラインナップにかかるコストが増加するのを抑制することができる。
また、上述したように、扉枠5に備えられた貯留皿の数を変更しても、本体枠3を変更することなく対応させることができるので、扉枠5の変更にかかるパチンコ機1全体のコストを低減させることができ、多様なパチンコ機1を低コストで提供することができるようになっている。
更に、通常通路773を通って通常球出口774から扉枠5側へ送られる遊技球が、優先的に遊技領域1100内へ打ち込まれるようにしており、貯留皿を一つのみ備えた扉枠5に交換しても、賞球装置740から払出された遊技球を通常通路773及び通常球出口774を介して直ちに貯留皿へ送ることができるので、払出しから貯留までのタイムラグを少なくすることができ、打ち込むための遊技球が不足して遊技者の興趣が低下するのを抑制することができると共に、貯留皿の数が異なる扉枠5に対して充分に対応することができるようになっている。
また、上皿301が満タンでない限りは、賞球装置740から払出された遊技球が上皿301へ送られるので、下皿302に貯留された遊技球を上皿301へ移す頻度を低減させることが可能となり、遊技球の打込操作等に遊技者を専念させることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、満タン分岐ユニット770の通常球出口774と満タン球出口776とを、左右に並んで配置しており、扉枠5に貯留皿を一つのみ備えるようにした場合でも、第一球入口542a等に相当する受入口の下端の位置を、貯留皿を二つ備えた扉枠5の上皿301と対応した第一球入口542a等と同じ高さとすることができるので、貯留皿の深さが浅くなるのを回避させることが可能となり、貯留皿を深くして充分な遊技球の貯留量を確保することができ、遊技者に対して頻繁に貯留量を気にさせることなく遊技を行わせることができると共に、本体枠3側を変更することなく、異なる数の貯留皿を備えた扉枠5に対応させることができ、パチンコ機1の機種変更等にかかるコストが増加するのを抑制することができる。
更に、満タン分岐ユニット770における満タン通路775が通常通路773から分岐する位置を、賞球装置740に可及的に近い位置で分岐させるようにしており、上皿301が遊技球で満タンとなり通常球出口774から遊技球が出られなくなっても、通常球出口774から満タン通路775の分岐位置までの間の通常通路773内に貯留される遊技球の量を可及的に多くすることができ、上皿301に貯留される実質的な遊技球の貯留量を可及的に多くすることができる。なお、扉枠5に一つのみ貯留皿を備えるようにした場合では、貯留皿が遊技球で満タンとなって通常球出口774や満タン球出口776から遊技球が出られなくなっても、通常通路773から満タン通路775が分岐する位置を、賞球装置740に対して可及的に近い位置に配置しているので、通常通路773だけでなく満タン通路775にも多くの遊技球を貯留させることができ、貯留皿に貯留される実質的な遊技球の貯留量を可及的に多くすることができる。従って、扉枠5側に備えられた貯留皿の数が異なっていても、本体枠3側(満タン分岐ユニット770)を変更することなく、夫々の扉枠5における遊技球の貯留量を最大限に多くすることができ、異なる扉枠5に対して充分に対応することが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、満タン分岐ユニット770における通常通路773及び満タン通路775を、複数列で遊技球を転動可能な広さとしており、満タン分岐ユニット770内での遊技球の停留量(貯留量)をより多くすることができるので、扉枠5に備えられた貯留皿の数が異なっていても、満タン分岐ユニット770内の遊技球を合わせた実質的な貯留量が少なくなるのを回避させることができ、本体枠3における遊技球の流路を変更することなく、貯留皿の数が異なる扉枠5に対応させることが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、満タン分岐ユニット770を透明樹脂で形成することで通常通路773及び満タン通路775の内部を、外部から視認可能としているので、満タン分岐ユニット770内で遊技球が詰まって不具合が発生した際に、満タン分岐ユニット770の外部から球詰りの箇所を容易に発見することができ、不具合を早期に解消させてパチンコ機1の稼働率を高めることができる。
[球出口開閉ユニット]
次に、本体枠3における球出口開閉ユニット790について、主に図84乃至図86を参照して説明する。図84は、本体枠における球出口開閉ユニットの正面斜視図である。また、図85は、本体枠における球出口開閉ユニットの背面斜視図である。更に、図86は、本体枠における球出口開閉ユニットと扉枠におけるファールカバーユニットとの関係を示す説明図である。本実施形態の本体枠3における球出口開閉ユニット790は、本体枠ベース600の下部後壁部604における正面視左上端付近に形成された取付部624に取付けられるものであり、本体枠3に対して扉枠5が開いた時に、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770前端の通常球出口774と満タン球出口776とを閉鎖して、賞球ユニット700から扉枠5の皿ユニット300への遊技球の流れを遮断することができるものである。
この球出口開閉ユニット790は、本体枠ベース600の下部後壁部604における正面視左上端付近に形成された取付部624に下部後壁部604の上端よりも突出しないように取付けられるシャッターベース791と、シャッターベース791に上下方向へスライド可能に保持される板状の開閉シャッター792と、開閉シャッター792を上下方向へスライドさせる開閉クランク793と、開閉クランク793を介して開閉シャッター792が上昇するように付勢する開閉バネ794と、を備えている。
球出口開閉ユニット790のシャッターベース791は、開閉シャッター792がシャッターベース791の上端よりも上方へ突出するように上下方向へスライド可能に保持するための上下方向へ延びた一対のスライド溝791aと、一対のスライド溝791aの間で前後方向に貫通した矩形状の開口部791bと、正面視で左側端部前面に配置され開閉クランク793を前後方向へ延びた軸周りに回動可能に支持するクランク支持部791cと、開閉バネ794の一端(上端)を係止するバネ係止部791dと、を備えている。シャッターベース791のクランク支持部791cは、開口部791bの正面視左側に配置されていると共に、バネ係止部791dは、正面視で左右方向中央から左寄りの上部付近に配置されている。
また、球出口開閉ユニット790の開閉シャッター792は、平板状のシャッター本体792aと、シャッター本体792aの前面から突出しシャッターベース791のスライド溝791a内を摺動する一対の摺動突部(図示は省略)と、一対の摺動突部の間でシャッターベース791の開口部791bから臨む位置に配置され前後方向へ貫通した横長矩形状の駆動孔792bと、を備えている。
更に、球出口開閉ユニット790の開閉クランク793は、シャッターベース791のクランク支持部791cにより前後方向へ延びた軸周りに回動可能に支持される軸部793aと、軸部793aの正面視右側外周から右外方へ延出し先端が開口部791bの左右方向中央付近まで延出した駆動棹793bと、駆動棹793bの先端から後方へ突出し開閉シャッター792の駆動孔792b内に摺動可能に挿入される駆動ピン793cと、軸部793aの正面視下側外周から下方へ延出し先端が球形状とされた当接部793dと、駆動棹793bの途中上面に形成され開閉バネ794の他端(下端)を係止するバネ係止部793eと、を備えている。
なお、本例の球出口開閉ユニット790は、シャッターベース791及び開閉シャッター792が、透明な合成樹脂によって形成されており、開閉シャッター792が上昇した状態でも、開閉シャッター792を通して後側に配置された満タン分岐ユニット770における通常球出口774や満タン球出口776等が視認できるようになっている。
本例の球出口開閉ユニット790は、開閉クランク793が前後方向へ延びた軸回りに回動することで、開閉クランク793の駆動ピン793cが円弧状に上下方向へ回動すると同時に、駆動ピン793cが挿入された駆動孔792bを介して開閉シャッター792が上下方向へスライドするようになっている。この球出口開閉ユニット790は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態では、開閉クランク793の当接部793dが扉枠5におけるファールカバーユニット540の開閉作動片542gと当接して、当接部793dが正面視で時計回りの方向へ開閉バネ794の付勢力に抗して回動させられるようになっており、当接部793dと共に駆動ピン793cが正面視時計回りの方向へ回動することで、開閉シャッター792が下降して満タン分岐ユニット770前端の通常球出口774と満タン球出口776とを開放させることができるようになっている。
この状態から本体枠3に対して扉枠5を開くと、開閉クランク793の当接部793dと、扉枠5におけるファールカバーユニット540の開閉作動片542gとの当接が解除され、開閉クランク793が開閉バネ794の付勢力によって正面視反時計周りの方向へ回動すると同時に、開閉シャッター792が上昇して、満タン分岐ユニット770前端の通常球出口774と満タン球出口776とを閉鎖することができるようになっている。
このように、本体枠3に対する扉枠5の開閉に応じて、球出口開閉ユニット790により賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770前端の通常球出口774と満タン球出口776とを自動的に開閉させることができるので、満タン分岐ユニット770内に遊技球が残っている状態で扉枠5を開いても、通常球出口774や満タン球出口776から遊技球がこぼれてしまうのを防止することができるようになっている。
[基板ユニット]
次に、本体枠3における基板ユニット800について、主に図87乃至図93を参照して説明する。図87は、本体枠における基板ユニットの正面斜視図であり、図88は、本体枠における基板ユニットの背面斜視図である。また、図89は、基板ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。更に、図90は、基板ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。また、図91は、基板ユニットにおける電源基板ボックスの立壁部の作用を説明する斜視図である。図92(A)は基板ユニットにおける端子基板ボックスの断面図であり、(B)は基板ユニットにおける端子基板ボックスを分解して前から見た分解斜視図である。また、図93(A)は発射電源基板ボックスの正面図であり、(B)は(A)に示すA−A線の断面図である。
本体枠3における基板ユニット800は、本体枠ベース600の下部後壁部604の後面に取付けられる基板ユニットベース810と、基板ユニットベース810の正面視左側後面に取付けられるスピーカボックス820と、基板ユニットベース810の正面視右端後面に取付けられる発射電源基板ボックス830と、発射電源基板ボックス830を後側から囲うように基板ユニットベース810の後面に取付けられる電源基板ボックスホルダ840と、電源基板ボックスホルダ840の後面に取付けられ後端がスピーカボックス820の後端と略同一面状となる大きさに形成された電源基板ボックス850と、電源基板ボックス850及びスピーカボックス820の後面に取付けられる払出制御基板ボックス860と、払出制御基板ボックス860の正面視左側端部を覆うようにスピーカボックス820の後面に取付けられる端子基板ボックス870と、基板ユニットベース810の前面に取付けられる主側中継端子板880及び周辺側中継端子板882と、を備えている。
本例の基板ユニット800における基板ユニットベース810は、図示するように、左右方向へ長く延びた形態とされ、左右方向の略中央部が下方へ一段下がり左右両端へ向かうに従って緩やかに上側へ傾斜し前面から前方へ突出した壁状の遮蔽壁部811と、遮蔽壁部811における左右方向中央の一段下がった位置の上側に配置され前後方向へ貫通した開口部812と、遮蔽壁部811の下側で正面視左端近傍の前面に形成され主側中継端子板880及び周辺側中継端子板882を取付けるための基板取付部813と、基板取付部813の正面視左側で前後方向へ横長の矩形状に貫通した筒状のダクト部814と、後面に固定されるスピーカボックス820の下部スピーカ821と対応する位置で前後方向に貫通する縦長スリット状の複数の透孔815と、背面視左側(正面視右側)上部の後面に後方及び上方へ開放され発射電源基板ボックス830の前側を収容可能なボックス収容部816と、を備えている。
この基板ユニットベース810は、遮蔽壁部811が、本体枠ベース600における下部後壁部604の後面に形成された本体枠ベース球抜通路622の下側に沿うように形成されており、本体枠ベース球抜通路622から遊技球が下方へ脱落するのを防止することができると共に、基板ユニットベース810の強度を高めることができるようになっている。また、基板ユニットベース810は、前後方向に貫通した開口部812を通して、本体枠ベース球抜通路622を流下してきた遊技球を基板ユニットベース810の後側に配置された電源基板ボックスホルダ840へ送ることができるようになっている。
また、基板ユニットベース810は、主側中継端子板880及び周辺側中継端子板882を取付ける基板取付部813が、本体枠ベース600における矩形状に開口した開口部614と対応した位置に配置されており、基板取付部813に主側中継端子板880と周辺側中継端子板882を取付けた状態では、本体枠ベース600の開口部614から主側中継端子板880と周辺側中継端子板882が前側へ臨むようになっている。また、基板ユニットベース810は、ダクト部814及び複数の透孔815によってスピーカボックス820の下部スピーカ821からの音を前側へ良好に伝達させることができるようになっている。
更に、基板ユニットベース810は、ボックス収容部816が後側に配置される電源基板ボックスホルダ840の前ボックス収容部843と対応した位置に形成されており、ボックス収容部816と前ボックス収容部843とで、発射電源基板ボックス830を収容する収容凹部を形成することができるようになっている。
基板ユニット800におけるスピーカボックス820は、文字通り、前側を向いて取付けられた下部スピーカ821を備えている。このスピーカボックス820は、下部スピーカ821の後側を密閉状に覆うと同時に、正面視で下部スピーカ821の左側に横長矩形状の開放口822が形成されている。この開放口822は、詳細な図示は省略するが、所定の迷路状の通路を介して下部スピーカ821の後側の空間と連通することで、下部スピーカ821の後側の音の位相を反転させて前方へ放射するようにしており、下部スピーカ821の口径に対してより重低音を発することが可能なバスレフ型のスピーカボックスとされている。なお、基板ユニットベース810におけるダクト部814は、スピーカボックス820の開放口822と対応する位置に形成されており、開放口822から放射される音を前方へ良好に伝達させることができるようになっている。
基板ユニット800における発射電源基板ボックス830は、後方が開放された箱状に形成されており、その後端開口を閉鎖するように取付けられた発射電源基板831を備えている。この発射電源基板ボックス830は、発射電源基板831に取付けられた各種電子部品が内部に収容されるようになっており、上面及び下面に形成されたスリット830aを介して、電子部品等からの熱を外部へ放出することができるようになっている。
この発射電源基板ボックス830は、基板ユニットベース810のボックス収容部816と、後述する電源基板ボックスホルダ840の前ボックス収容部843とによって形成される上方へ開放された収容凹部内に、上方から脱着可能に収容されるようになっている。これにより、本体枠3を組立てた状態では、発射電源基板ボックス830に不具合が発生した場合、本体枠3の前側から発射電源基板ボックス830を簡単に脱着して交換したり修理したりすることができるようになっている(図67を参照)。
更に、発射電源基板ボックス830を詳述すると、図93にも示すように、発射電源基板831には、DC/DCコンバータ831aと、DC/DCコンバータ831aからの電力を充電及び放電する電解コンデンサSC0と、を備えており、DC/DCコンバータ831aからの電流と電解コンデンサSC0からの放電による電流とを併合した併合電流を打球発射装置650の発射ソレノイド654に電流を流して駆動している。この発射電源基板ボックス830は、発射電源基板831に実装されるDC/DCコンバータ831a及び電解コンデンサSC0が発する熱を外部へ放出するために、その上面及び下面に放熱孔としてのスリット830aが形成されている。
また、発射電源基板831の電解コンデンサSC0はDC/DCコンバータ831aと比べて熱によって破損しやすい電子部品であるため、電解コンデンサSC0が配置される発射電源基板ボックス830の側面には放熱孔としてのスリット830aが形成されている。また発射電源基板ボックス830には、その内部空間を、DC/DCコンバータ831aを収容するための空間と、電解コンデンサSC0を収容するための空間と、の2つの空間に仕切る仕切壁830bが上面内壁と下面内壁とを接続するように底面から端開口縁まで一体に形成されている。これにより、発射電源基板ボックス830の端開口に発射電源基板831を取付けて発射電源基板ボックス830の内部空間を閉鎖すると、発射電源基板ボックス830の内部空間が仕切壁830bによって、電解コンデンサSC0を収容するための収容空間830cと、DC/DCコンバータ831aを収容するための収容空間830dと、の2つ空間が形成されるため、仕切壁830bは、電解コンデンサSC0を収容するための収容空間830cと、DC/DCコンバータ831aを収容するための収容空間830dと、の熱の出入りを遮断する断熱壁として機能している。
電解コンデンサSC0が収容された収容空間830c内の熱は、つまり、電解コンデンサSC0が発する熱は、収容空間830cと外気とを連通する上面、側面、及び下面にそれぞれ形成された放熱孔としてのスリット830aを介して、外部へ放出されることにより、この放出される熱をDC/DCコンバータ831aが収容される収容空間830dへ入り込ませないようにすることができる。従って、電解コンデンサSC0が発する熱をDC/DCコンバータ831aへ伝えないようにすることができる。また、DC/DCコンバータ831aが収容された収容空間830d内の熱は、つまり、DC/DCコンバータ831aが発する熱は、収容空間830dと外気とを連通する上面及び下面にそれぞれ形成された放熱孔としてのスリット830aを介して、外部へ放出されることにより、この放出される熱を電解コンデンサSC0が収容される収容空間830cへ入り込ませないようにすることができる。従って、DC/DCコンバータ831aが発する熱を電解コンデンサSC0へ伝えないようにすることができる。
本実施形態では、打球発射装置650の発射ソレノイド654に流す併合電流を作成するためのDC/DCコンバータ831a及び電解コンデンサSC0が電源基板851に設られるのではなく、電源基板851と別体の発射電源基板831に設けられることにより発射電源基板831のサイズを電源基板851のサイズと比べて小さくすることができる。従って、発射電源基板831の小型化により取り扱え易くなって発射電源基板831の交換作業が容易となりその交換作業に費やす時間の短縮化に寄与することができる。この交換作業では、発射電源基板ボックス830の端開口に発射電源基板831が取付けたままの状態、つまり発射電源基板ボックス830ごと、交換することもできる。
またパチンコ機1が稼働されて電解コンデンサSC0がその寿命を迎え、発射ソレノイド654による駆動発射が突然発射不能となって遊技を中断せざるを得なくなっても、発射電源基板831の交換作業が容易に行えることにより遊技の中断を早い段階で解消することができる。したがって、電解コンデンサSC0の寿命による発射不能を極めて簡単に解消することができるとともに、その発射不能による遊技の中断を早い段階で解消して遊技を再開することができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
なお、発射電源基板831の電解コンデンサSC0は、発射ソレノイド654による駆動発射が行われるごとに、例えば、1分当りに100回という頻度において、充放電が繰り返し行われることにより劣化して寿命を迎えるのに対して、電源基板851は、遊技ホール等の島設備の交流電源から直流電源を作成するものの、発射電源基板831の電解コンデンサSC0と同様の頻度で充放電が繰り返し行わるものではないため、発射電源基板831と比べると、その寿命は極めて長い。換言すると、発射電源基板831は、電解コンデンサSC0の充放電にともなう劣化によって寿命を迎えるのに対して、電源基板851は、経年変化によって寿命を迎える。発射ソレノイド654に流す併合電流を作成するためのDC/DCコンバータ831a及び電解コンデンサSC0が電源基板851に設られるのではなく、電源基板851と別体の発射電源基板831に設けられることにより、寿命の長い経年変化にともなう電子部品を電源基板851に集中させることができる。これにより、寿命の長い経年変化にともなう電子部品が寿命の短い電解コンデンサSC0と一緒に交換されることを防止することができる。
また、打球発射装置650を制御する電解コンデンサSC0を備えた発射電源基板831を、遊技盤4を保持する遊技盤保持口601を通して前側から脱着可能としているので、打込特性を変化させるために容量の異なる電解コンデンサSC0に変更する不正を行おうとしても、発射電源基板831を脱着させるには遊技盤保持口601に保持された遊技盤4を取外す必要があり、発射電源基板831を交換し辛くして不正を行い難くすることができ、発射電源基板831が不正改造されて最適化されている打込強さを故意に変化させる不正を抑止することができると共に、不正を行い難くすることで苛立ち等を覚えた遊技者が不正行為等の不正へ発展するのを抑止することが可能なパチンコ機1とすることができるようになっている。
また、発射電源基板831を脱着可能として交換できるようにしているので、仮に、発射電源基板831の電解コンデンサSC0等に対して不正が行われても、発射電源基板831を直ちに交換して不正を解消させることができ、遊技の中断期間を可及的に短くすることができると共に、遊技の中断によって苛立ちを感じたり残念な気分になってしまったりするのを早期に解消させることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
更に、打球発射装置650を制御する発射制御部4120における電解コンデンサSC0を備えた発射電源基板831が、遊技盤4を保持する本体枠3の遊技盤保持口601を通して前側から脱着可能とされており、機種変更等により遊技盤4を交換する際に、発射制御部4120の発射電源基板831(発射電源基板ボックス830)も簡単に交換することができるので、交換する新機種のコンセプト等にマッチした打込特性を実現できる電解コンデンサSC0やDC/DCコンバータ831aを備えた発射電源基板831に交換することで、本体枠3に以前から備えられている打球発射装置650の打込特性を、新しい遊技盤4にマッチしたものとすることができる。従って、遊技球の打込特性を遊技盤4のコンセプトに簡単に合わせることができるので、新機種の遊技盤4による遊技を充分に楽しませることができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、発射制御部4120の発射電源基板831を前側から脱着できるようにしているので、発射電源基板831を交換する際に、遊技ホール等の島設備に対して本体枠3を開ける必要がなく、交換にかかる手間を簡略化することができると共に、短時間で交換することができ、遊技ホール側の負担が増加するのを抑制することができる。また、発射電源基板831(発射電源基板ボックス830)を脱着可能として交換できるようにしているので、発射制御部4120(払出制御基板4110)全体を交換する場合と比較して、打込特性の変更にかかるコストを低減させることができ、ホール側等の負担を軽減させることができる。
更に、機種等を変更する際に、遊技盤4のみを交換して扉枠5や本体枠3等は以前のものをそのまま使用できるようにしているので、長期間の使用によって発射制御部4120の発射電源基板831の電解コンデンサSC0等が劣化した場合、上述したように、発射電源基板ボックス830を前側から簡単に交換することができるので、劣化によって不具合が発生して発射電源基板831を直ちに交換して不具合を解消させることができ、遊技の中断期間を可及的に短くすることができると共に、遊技の中断によって苛立ちを感じたり残念な気分になってしまったりするのを早期に解消させることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、本体枠3の遊技盤保持口601を通して発射電源基板831(発射電源基板ボックス830)を支持させるようにしており、発射電源基板831を脱着させるには、遊技盤保持口601に保持された遊技盤4を取外す必要があるので、扉枠5と本体枠3との隙間から不正行為を行うための工具を侵入させても、遊技盤4によって不正な工具が発射電源基板831に到達するのを阻止することができ、発射電源基板831に対して不正行為が行われるのを防止することができると共に、不正行為に対する防御力の高いパチンコ機1とすることができる。
更に、遊技盤保持口601を通して発射電源基板ボックス830を支持させるようにしており、蓋然的に、発射電源基板ボックス830を支持する位置が本体枠3の前面よりも後側となるので、発射電源基板ボックス830を支持するためのスペースを確保し易くすることができ、発射電源基板ボックス830を支持して上記の作用効果を奏するパチンコ機1を確実に具現化することができる。
また、電解コンデンサSC0を発射電源基板831に備えるようにしており、発射電源基板831を本体枠3の前側から簡単に脱着することができるので、電解コンデンサSC0から発射ソレノイド654へ電源を供給することで電解コンデンサSC0にかかる負荷が大きくなって電解コンデンサSC0が劣化し易くなっても、電解コンデンサSC0(発射電源基板831)を簡単に交換することができ、不具合を早期に解消させて遊技の中断時間を可及的に短くすることができると共に、上述した作用効果を確実に奏するパチンコ機1とすることができる。
また、基板ユニット800における電源基板ボックスホルダ840は、正面視で左右中央よりも左側前面に、上方へ開放され遊技盤4のアウト球排出部1161から排出された下方へ排出された遊技球を受ける排出球受部841と、排出球受部841で受けられた遊技球を下方へ誘導して排出する排出通路842と、排出通路842及び排出球受部841の横(正面視で右側)の前面に前方及び上方へ開放され発射電源基板ボックス830の後側を収容可能な前ボックス収容部843と、電源基板ボックスホルダ840の後面全体が前側へ窪んだように形成され電源基板ボックス850の前端を収容可能な後ボックス収容部844と、を備えている。
この電源基板ボックスホルダ840は、排出通路842の開放された前端側が基板ユニットベース810の後面によって閉鎖されるようになっていると共に、基板ユニットベース810の開口部812が排出通路842へ望む位置に形成されており、本体枠ベース600における下部後壁部604の後面に形成された本体枠ベース球抜通路622を転動して基板ユニットベース810の開口部812を通って基板ユニットベース810の後側へ流下した遊技球と、詳細は後述するが遊技盤4のアウト球排出部1161から排出されて排出球受部841で受けられた遊技球とを、排出通路842を通してパチンコ機1の後側下方へ排出することができるようになっている。
また、電源基板ボックスホルダ840は、基板ユニットベース810のボックス収容部816と対応した位置に形成されており、ボックス収容部816と前ボックス収容部843とで、発射電源基板ボックス830を収容する収容凹部を形成することができるようになっている。
更に、基板ユニット800における電源基板ボックス850は、前方が開放された横長の箱状に形成されており、その前端開口を閉鎖するように取付けられた電源基板851を備えている。この電源基板ボックス850は、電源基板851に取付けられた各種電子部品が収容されるようになっており、上面及び下面に形成された複数のスリット850aを介して、電子部品等からの熱を外部へ放出することができるようになっている。なお、図90に示すように、電源基板ボックス850の後面には、電源基板851に取付けられた電源スイッチ852が臨むようになっている。
また、電源基板ボックス850は、電源基板851における電源スイッチ852の下側に取付けられた電源端子853(図88及び図90を参照)が後側へ臨む開口の下辺に沿って後方へ突出した立壁部850bと、立壁部850bの後端の両側から後方へ突出した突起部850cと、立壁部850bよりも前側且つ下側に配置され電源基板ボックス850の外周との間で配線コード854を挿通可能な隙間を形成する配線ガイド部850dと、を備えている。なお、詳細な図示は省略するが、電源基板851に実装された電源端子853は、コネクタ端子855の係止爪と係止する係止片を有しており、それら係止爪と係止片とを係止させることで、電源端子853からコネクタ端子855が外れないようになっている。
この電源基板ボックス850は、立壁部850bが、図91に示すように、電源基板851の電源端子853に配線コード854のコネクタ端子855を接続した状態で、コネクタ端子855の後端よりも若干後方へ突出するように形成されている。本例の電源基板ボックス850では、配線コード854が電源基板ボックス850の前方下側から立壁部850bの後端に引っ掛かるように後側へ回り込んだ状態で、電源基板851の電源端子853にコネクタ端子855が接続されるようになっている。
ところで、基板に取付けられた接続端子に対して、配線コードが延びだしたコネクタ端子を接続した上で、その配線コードを基板側へ引っ張った状態とすると、配線コードから係る張力によってコネクタ端子が接続端子側へ押し付けられるような状態となるので、接続端子からコネクタ端子を外し難くなる問題がある。しかしながら、本例の電源基板ボックス850によると、配線コード854の先端側(電源端子853と接続されたコネクタ端子855側とは反対側)が電源基板851側(本体枠3に対して前側)へ引っ張られても、コネクタ端子855よりも後方へ突出した立壁部850bによって、配線コード854がコネクタ端子855よりも後側へ回り込む(折返す)ように取り回されているので、配線コード854からコネクタ端子855が電源端子853側へ押し付けられるような力が作用するのを防止することができ、電源端子853に接続されたコネクタ端子855を簡単に外すことができるようになっている。
また、電源基板ボックス850は、立壁部850bの後端両側に後方へ突出した突起部850cを備えているので、配線コード854が立壁部850bの後端に沿ってスライドしても、後端の両端に備えられた突起部850cによって、それ以上外側へ配線コード854がスライドするのを阻止することができ、配線コード854が立壁部850bから外れるのを防止することができるようになっている。
また、電源基板ボックス850の配線ガイド部850dに配線コード854を挿入させることで、立壁部850bで折返された配線コード854を立壁部850b側へ寄せることができるので、立壁部850bから配線コード854を外れ難くすることができると共に、立壁部850bで配線コード854を折返した上で、直ちに配線ガイド部850dで配線コード854を立壁部850b側へ寄せることができるので、一連の作業を連続して行わせることができ、組立てに係る作業工程を簡略化することができるようになっている。
なお、電源基板ボックス850及び電源基板ボックスホルダ840は、互いに組付けた状態における前後方向の寸法が、スピーカボックス820の前後方向の寸法と略同じとなるように形成されており、基板ユニットベース810に取付けると、電源基板ボックス850の後面と、スピーカボックス820の後面とが略同一面状となるようになっている。
また、本例では、電源基板851を覆う電源基板ボックス850の開口から臨む電源端子853にコネクタ端子855を接続した上で、コネクタ端子855の後端よりも後側へ突出した立壁部850bによってコネクタ端子855の後端から延出した配線コード854を折返させるようにしているので、配線コード854が引っ張られることでコネクタ端子855に作用する張力を、係止爪等により接続が固定された電源端子853との接続を解除するような方向へ作用させることが可能となり、配線コード854によってコネクタ端子855が外せなくなるのを回避させることができ、電源基板851の電源端子853に接続されたコネクタ端子855を外し易くして基板の交換等のメンテナンスを簡単に行うことができる。
また、電源基板ボックス850の立壁部850bによって配線コード854を折返させるようにしており、立壁部850bが無い場合と比較して、配線コード854の折曲がり具合を緩くさせることができるので、配線コード854自体に無理な力が作用するのを回避させることができ、無理な力により配線コード854が断線して不具合が発生するのを防止することができる。
更に、電源端子853が臨む電源基板ボックス850の開口の近傍に立壁部850bを備えるようにしており、蓋然的に、立壁部850bが電源端子853と隣接した位置となるので、電源端子853に接続されたコネクタ端子855から延びた配線コード854を、コネクタ端子855に対して可及的に真直ぐ後側へ延びださせることが可能となり、コネクタ端子855と配線コード854との繋ぎ目が折れて無理な力が作用するのを防止することができ、断線等の不具合が発生するのを防止することができる。
また、電源基板851を被覆する電源基板ボックス850に立壁部850bを備えるようにしているので、電源基板851に立壁部850bを備える必要が無く、電源基板851の組立作業を容易にすることができる。また、電源基板ボックス850で電源基板851を覆うようにしているので、電源基板851に不具合の発生原因となる埃やゴミ等が付着するのを防止することができると共に、電源基板851に実装された電子部品(例えば、抵抗器、コンデンサ、トランジスタ、IC、CPU、メモリー、等)に対して触れ難くしたり交換し難くしたりすることができ、不正行為に対する防御力を高めることができるようになっている。
また、電源基板851における電源端子853にコネクタ端子855を接続する方向を、基板面に対して略直角方向(前後方向)としており、電源基板851に実装された電源端子853に対して、コネクタ端子855を接続したり取外したりする時にかかる力を電源基板851の面に作用させ易くすることができるので、電源端子853におけるリード部に剪断力が作用するのを防止することが可能となり、リード部が破断して通電不良が発生したり電源基板851から電源端子853が外れてしまったりするのを防止することができ、不具合が発生し難いパチンコ機1とすることができる。
更に、コネクタ端子855と電源端子853との接続を係止爪と係止片とによる固定手段によって固定するようにしているので、配線コード854が立壁部850bによって折返されることで配線コード854を介してコネクタ端子855に電源端子853との接続を解除するような方向へ力が作用しても、コネクタ端子855と電源端子853との接続が解除されてしまうのを防止することができ、コネクタ端子855と電源端子853との接続を確実に維持して接触不良や通電不良等の不具合が発生するのを防止することができる。
また、電源基板ボックス850の立壁部850bにおける配線コード854が折返される後端の両端に、後方へ突出する突起部850cを備えるようにしているので、配線コード854が立壁部850bにおける折返される辺に沿ってスライドしても、辺の両端に備えられた突起部850cによって、それ以上外側へ配線コード854がスライドするのを阻止することができ、配線コード854が立壁部850bから外れるのを防止して上述した作用効果を確実に奏するパチンコ機1を具現化することができる。
また、電源基板ボックス850に備えられた配線ガイド部850dによって、立壁部850bで折返された配線コード854を立壁部850b側へ寄せるようにしているので、立壁部850bから配線コード854を外れ難くすることができ、上述した作用効果を確実に奏するようにすることができると共に、立壁部850bで配線コード854を折返した上で、直ちに配線ガイド部850dで配線コード854を立壁部850b側へ寄せることが可能となり、一連の作業を連続して行わせることができ、組立てに係る作業工程を簡略化してコストが増加するのを抑制することができる。
また、基板ユニット800における払出制御基板ボックス860は、横長で後方が開放された薄箱状のボックスベース861と、ボックスベース861内へ後側から嵌合し前方が開放された薄箱状のカバー862と、ボックスベース861の後面に取付けられカバー862によって後面が覆われる払出制御基板4110(図118を参照)と、を備えている。また、払出制御基板ボックス860は、背面視左端から外方へ突出しボックスベース861及びカバー862の双方に形成された複数の分離切断部863を備えており、複数の分離切断部863の一箇所でボックスベース861とカバー862とがカシメ固定されている。これによってボックスベース861とカバー862とを分離するためには、分離切断部863を切断しないと分離できないようになっており、払出制御基板ボックス860を開くと、その痕跡が残るようになっている。従って、払出制御基板ボックス860が不正に開閉させられたか否かが判るようになっている。なお、本例では、検査等のために払出制御基板ボックス860を一回だけ開閉することができるようになっている。
この払出制御基板ボックス860は、払出制御基板4110に取付けられたエラー解除スイッチ860a、球抜きスイッチ860b、検査用出力端子860c、等がカバー862を通して後方へ臨むようになっている(図66を参照)。また、払出制御基板ボックス860は、主制御基板4100等と接続するための各種接続用の端子が、カバー862を通して後方へ臨むようになっている。
更に、基板ユニット800における端子基板ボックス870は、スピーカボックス820の後面に取付けられ、背面視左側上部後面に形成された基板取付部871a、及び背面視右端後面に形成された基板カバー取付部871bを有した基板ベース871と、基板ベース871の基板取付部871aに後側から取付けられ後面に周辺パネル中継端子872aが取付けられた周辺パネル中継端子板872と、基板ベース871の基板カバー取付部871bに後側から取付けられ後壁部873aに上下方向へ延びた開口部873bを有する接続端子板カバー873と、接続端子板カバー873の開口部873bから後方へ臨むCRユニット接続端子874aが後面に取付けられた接続端子板カバー873内に支持されるCRユニット接続端子板874と、接続端子板カバー873と共に基板ベース871の後側を覆う基板ボックスカバー875と、を備えている。
この端子基板ボックス870における周辺パネル中継端子板872は、パチンコ機1を設置する島設備側に備えられたパチンコ機1の稼動状態等を表示するための度数表示器と本パチンコ機1とを接続するためのものであり、CRユニット接続端子板874は、パチンコ機1と隣接して設置される球貸し機(CRユニット6とも称す)と本パチンコ機1とを接続するためのものである。なお、端子基板ボックス870における基板ベース871、接続端子板カバー873、及び基板ボックスカバー875は、夫々透明な合成樹脂によって形成されており、外部から内部の周辺パネル中継端子板872やCRユニット接続端子板874等を視認することができるようになっている。また、基板ボックスカバー875の後面には、パチンコ機1において球詰り等の不具合が発生した場合に、島設備側に設置された度数表示器やCRユニット6等に表示されるエラーコードの内容が表示された状態表示シール876が貼り付けられている。
この端子基板ボックス870における基板ベース871は、図92に示すように、基板取付部871aが、後端が開放された薄い箱状に形成されている。この基板ベース871は、基板取付部871aの内側上部に形成され周辺パネル中継端子板872の上端を固定する固定片(図示は省略する)と、基板取付部871aの内側下部に形成され周辺パネル中継端子板872の下端を係止する端子基板ボックス係止爪871iと、を備えており、固定片と端子基板ボックス係止爪871iとによって周辺パネル中継端子板872を後側から脱着可能に保持することができるようになっている。
また、基板ベース871は、基板カバー取付部871bが、後側へ開放された薄い箱状に形成されており、その内周の大きさが接続端子板カバー873の外周が挿入可能な大きさとされていると共に、その内周壁が前後方向へ延びた外片部871cとされている。基板ベース871は、背面視右側の外片部871cを左右方向へ貫通する一対の固定孔871dと、基板カバー取付部871bの底壁から後方へ延出しCRユニット接続端子板874の前面と当接する上下方向へ延びた二つの突条871eと、基板カバー取付部871bの背面視左外側に配置され前後方向へ貫通する係止孔871fと、を備えている。この基板ベース871における突条871eは、後方への突出量が外片部871cよりもやや控えた状態となっていると共に、図示するように、CRユニット接続端子板874の両側端に可及的に近い位置となるように配置されている。
更に、基板ベース871は、基板カバー取付部871bの背面視右側後面に上下方向へ離反して配置され基板ボックスカバー875を回動可能に軸支するための一対の軸受部871gと、背面視左端部付近の後面に配置され前後方向へ延びた角筒状の係止部871hと、を備えている。
端子基板ボックス870における接続端子板カバー873は、CRユニット接続端子板874の外周を囲うと共に基板ベース871の外片部871cで囲まれた基板カバー取付部871b内へ挿入可能とされた外壁部873cと、外壁部873cの後端を閉鎖する後壁部873aと、後壁部873aを貫通し上下方向へ延びた矩形状の開口部873bと、開口部873bの内周に略沿って後壁部873aから前方(基板ベース871側)へ延出する内壁部873dと、内壁部873dの前端がCRユニット接続端子板874の前面と当接するようにCRユニット接続端子板874を保持し上下の外壁部873cに形成された鉤爪状の一対の基板保持部873eと、を備えている。
また、接続端子板カバー873は、CRユニット接続端子板874に取付けられた複数の内部接続端子874bと対応する位置に配置され後壁部873aを貫通した複数の開口部873fと、上下方向の略中央に配置された開口部873fの後側を覆い背面視左側が開放された箱状の保護部873gと、外壁部873cにおける背面視右側端部から外方(右方向)へ延出し基板ベース871の固定孔871d内へ挿通可能とされた一対の固定片873hと、外壁部873cにおける背面視左側端部に形成され基板ベース871の係止孔871fへ係止可能とされた弾性爪状の係止爪片873iと、を備えている。なお、図示は省略するが、保護部873gを備えた中央の開口部873fにおける内周の上下にも前方へ延出した内壁部873dが形成されている。
この接続端子板カバー873は、外壁部873cと後壁部873aとによって、前側が開放された薄い箱状となっている。また、接続端子板カバー873は、開口した前側からCRユニット接続端子板874を内部へ挿入することで、内壁部873dの前端によってCRユニット接続端子板874が後方へ移動するのを規制することができると共に、一対の基板保持部873eによってCRユニット接続端子板874が前方へ移動するのを規制することができ、而して、CRユニット接続端子板874を脱着可能に保持することができるようになっている。更に、接続端子板カバー873は、その固定片873hを基板ベース871の固定孔871d内へ挿入した上で、係止爪片873iを基板ベース871の係止孔871fへ係止させることで、基板ベース871の基板カバー取付部871bへ脱着可能に取付けることができるようになっている。
端子基板ボックス870におけるCRユニット接続端子板874は、その表面側(後面側)に、パチンコ機1と遊技ホールの島設備側に設置されたCRユニット6とを接続するためのCRユニット接続端子874aの他に、払出制御基板4110や、貸球ユニット360等と接続するための複数の内部接続端子874bが備えられている。なお、本例のCRユニット接続端子板874では、図示するように、CRユニット接続端子874aが係止機能を有したD−subコネクタとされており、内部接続端子874bが角形ツーピースコネクタとされている。
また、端子基板ボックス870における基板ボックスカバー875は、基板ベース871の後面全体を略覆う大きさで全体が前側へ開放された薄い箱状に形成され、背面視右側面に配置され基板ベース871の軸受部871gに回動可能に軸支される一対の軸部875aと、接続端子板カバー873における開口部873bと対応し前後方向へ貫通した貫通口875bと、貫通口875bの左右両側端から前方へ延出する衝壁875cと、基板ベース871の係止部871hに係止される係止片875dと、を備えている。
この基板ボックスカバー875は、一対の軸部875aを基板ベース871の軸受部871gに軸支させることで、接続端子板カバー873と共に基板ベース871の後面を開閉可能に覆うことができるようになっている。また、基板ボックスカバー875は、軸部875aに近い側(軸支された側)の衝壁875cが基板ベース871の後面まで延出する長さとされており、軸部875aから遠い側の衝壁875cが接続端子板カバー873の後面まで延出する長さとされている。つまり、本例の端子基板ボックス870では、基板ボックスカバー875を閉じた状態とすると、夫々の衝壁875cの前端が、基板ベース871や接続端子板カバー873の後面に略当接した状態となるようになっている。
本例の端子基板ボックス870は、CRユニット接続端子板874のCRユニット接続端子874aをD−subコネクタとしているので、図92に示すように、CRユニット接続端子板874の後面に対してCRユニット接続端子874aの本体が浮いた状態となっており、CRユニット接続端子874aから延びたリード部がCRユニット接続端子板874の後面側でも外部に露出した状態となっている。また、CRユニット接続端子板874の内部接続端子874bは、角形のツーピースコネクタとされており、図示するように、後方から嵌合接続できるように取付けられている。
そして、本例の端子基板ボックス870は、図92に示すように、組立てた状態では、CRユニット接続端子板874の前面に沿った方向には接続端子板カバー873の外壁部873cと基板ベース871の突条871e及び外片部871cとが、また、CRユニット接続端子板874の後面に沿った方向には接続端子板カバー873の外壁部873cと内壁部873dと基板ボックスカバー875の軸部875a側の衝壁875cとが、夫々存在するので、幾重にもよる防壁が構築されることとなると共に、接続端子板カバー873と基板ベース871との境界の断面形状が蛇行したクランク形状となるようになっている。従って、喩え、接続端子板カバー873と基板ベース871との間(境界)に、可撓性に優れた不正な工具を侵入させようとしても、境界に沿って工具が曲がらず、CRユニット接続端子板874の面に沿った方向からの不正な工具の侵入を確実に阻止することができ、CRユニット接続端子板874に備えられたCRユニット接続端子874aに対する不正行為を確実に防ぐことができるようになっている。
また、この端子基板ボックス870は、接続端子板カバー873における内壁部873dの前端がCRユニット接続端子板874の後面と当接するようになっているので、CRユニット接続端子874aとして取付けられたCRユニット接続端子板874との間に隙間が形成されるD−subコネクタを用いても、内壁部873dによって露出したリード部の外周を覆うことができ、不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。
また、端子基板ボックス870は、基板ベース871の後面に回動可能に軸支された基板ボックスカバー875に、CRユニット接続端子874aが臨む貫通口875bの軸部875a側に、一対の軸部875a間に跨る長さの衝壁875cを備えており、衝壁875cによって基板ボックスカバー875の強度・剛性を高めることができるので、基板ボックスカバー875と基板ベース871との間にドライバー等を差し込んで一対の軸部875aの間に隙間を形成させようとしても、基板ボックスカバー875が歪むのを阻止して隙間が形成されるのを防止することができ、不正行為を行い難くして抑止力の高いものとすることができるようになっている。
更に、本例の端子基板ボックス870は、CRユニット接続端子板874の中央付近の内部接続端子874bの後側を接続端子板カバー873の保護部873gと基板ボックスカバー875とで覆うようにしているので、ツーピースコネクタとされた内部接続端子874bに配線コード側の接続端子が嵌合接続された状態で接続端子のコネクタ本体と配線コードとの隙間を通して針状の電極を挿入する不正行為を行おうとしても、保護部873gと基板ボックスカバー875とによって電極の挿入を阻止することができ、内部接続端子874bに対する不正行為も防止することができるようになっている。
このように、本例によると、本体枠3の後面にCRユニット接続端子板874を収容した端子基板ボックス870を取付けるようにしているので、パチンコ機1の表側から外枠2と本体枠3との間等を介して不正な工具を挿入して、パチンコ機1の裏面側へ不正な工具の先端を侵入させても、端子基板ボックス870によって、収容されたCRユニット接続端子板874を保護することができ、CRユニット接続端子板874に対する不正行為を確実に防ぐことができる。
また、端子基板ボックス870内にCRユニット接続端子板874を収容した状態では、CRユニット接続端子板874の前面(基板の裏面)に沿った方向には接続端子板カバー873の外壁部873cと基板ベース871の突条871e及び外片部と871cが、また、CRユニット接続端子板874の後面(基板の表面)に沿った方向には接続端子板カバー873の外壁部873cと内壁部873dと基板ボックスカバー875の衝壁875cとが、夫々存在するので、幾重にもよる防壁が構築されることとなると共に、接続端子板カバー873と基板ベース871との境界の断面形状が蛇行したクランク形状となり、喩え、接続端子板カバー873と基板ベース871との間(境界)に、可撓性に優れた不正な工具を侵入させようとしても、境界に沿って工具が曲がらず、CRユニット接続端子板874の面に沿った方向からの不正な工具の侵入を確実に阻止することができ、CRユニット接続端子板874に備えられたCRユニット接続端子874aや内部接続端子874bに対する不正行為を確実に防ぐことが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、接続端子板カバー873における内壁部873dの前端がCRユニット接続端子板874の後面と当接するようにしているので、CRユニット接続端子874aとして基板との間に各リード部が露出するようなD−subコネクタを用いても、内壁部873dによって露出したリード部の外周を覆うことができ、不正行為が行われるのを確実に防止することができる。
更に、端子基板ボックス870に、基板ベース871の後面に一方の端部が回動可能に軸支されて接続端子板カバー873の後面を開閉可能に覆うと共に、接続端子板カバー873の開口部873bと対応した貫通口875bにおける軸支された側の側端から前方へ基板ベース871の後面まで延出する板状の衝壁875cを有した基板ボックスカバー875を更に備えるようにしているので、基板ボックスカバー875における基板ベース871に対して軸支された部位同士の間に、ドライバー等を差し込んで隙間を形成して不正な工具を侵入させようとしても、衝壁875cによって不正な工具が接続端子板カバー873(CRユニット接続端子板874)側へ到達するのを阻止することができ、不正行為が行われるのを防止することができる。
また、端子基板ボックス870内のCRユニット接続端子板874を取出すには、基板ボックスカバー875を開けた上で接続端子板カバー873を開けなければならず、CRユニット接続端子板874を取出し難くすることができ、不正行為に対する抑止力を高めることができる。また、衝壁875cによって基板ボックスカバー875の強度・剛性を高めることができるので、基板ボックスカバー875と基板ベース871との間にドライバー等を差し込んで隙間を形成させようとしても、基板ボックスカバー875が歪むのを阻止して隙間が形成されるのを防止することができ、不正行為を行い難くして抑止力の高いものとすることができる。
更に、CRユニット接続端子板874の内部接続端子874bに接続された配線コード側の端子における被コネクタ本体と配線コードとの隙間を通して、針状の電極を挿入する不正行為を行おうとしても、対応した開口部873fの後側、すなわち、被コネクタ本体の配線コードと沿った隙間の開口の後側を保護部873gと基板ボックスカバー875とで覆うようにしているので、端子基板ボックス870の外側(後側)から被コネクタ本体の隙間へ針状の電極を挿入することができず、接続された配線コードの端子に対して不正行為が行われるのを防止することができ、防犯能力の高いものとすることができる。
また、接続端子板カバー873の外壁部873cに、CRユニット接続端子板874を保持する基板保持部873eを備えると共に、外壁部873cをCRユニット接続端子板874よりも前側へ延出させているので、不正行為を行うために接続端子板カバー873と基板ベース871との間にドライバー等を差し込んで隙間を形成させても、CRユニット接続端子板874が接続端子板カバー873と共に後側へ移動するため、接続端子板カバー873における外壁部873cの前端とCRユニット接続端子板874との位置関係は変化することが無く、CRユニット接続端子板874の外周が外壁部873c(接続端子板カバー873)で保護されたままとすることができ、CRユニット接続端子板874の後面のCRユニット接続端子874a等に対して不正行為を行うことができず、CRユニット接続端子板874やCRユニット接続端子874a等を狙った不正行為を防止することができる。
更に、端子基板ボックス870を、透明樹脂によって形成しており、外側から端子基板ボックス870内を視認することができるので、端子基板ボックス870を分解しなくても、端子基板ボックス870の外側から、内部に収容されたCRユニット接続端子板874や周辺パネル中継端子板872等に対して不正な工具が挿入されていないか、CRユニット接続端子板874等自体が不正なものに交換されていないか、或いは、CRユニット接続端子板874等に実装された電子部品(例えば、ROM、IC、抵抗器、コンデンサ、等)が不正なものと交換されていないか、等を簡単に点検することができ、不正行為を発見し易くすることができると共に、不正行為が発見し易くなるので、不正行為を行うものに対して不正行為の実行を躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力を高めることができる。
また、本体枠3の裏面側に、CRユニット接続端子板874等の表面が後側を向く方向となるように端子基板ボックス870を取付けているので、メンテナンス等の際に外枠2に対して本体枠3を前側へ回動させて本体枠3の後側が現れると、端子基板ボックス870に収容されたCRユニット接続端子板874等が作業者側(遊技者側)を向いた状態となり、CRユニット接続端子板874等や端子基板ボックス870を点検し易くすることができる。
基板ユニット800における主側中継端子板880及び周辺側中継端子板882は、本体枠3に取付けられる遊技盤4に備えられた周辺制御部4140や基板ユニット800の払出制御基板4110等と、扉枠5に備えられたハンドル装置500、各装飾基板や操作ユニット400等との接続を中継するためのものである。これら主側中継端子板880及び周辺側中継端子板882は、本体枠3側や扉枠5側へ接続するための複数の接続端子を備えており、基板ユニットベース810の前面に形成された基板取付部813に取付けることで、それら接続端子が本体枠ベース600の前面から前側を向くようになっている。
なお、主側中継端子板880及び周辺側中継端子板882は、図65及び図67等に示すように、本体枠ベース600の前面に取付けられる中継端子板カバー692によってその前側が覆われるようになっていると共に、中継端子板カバー692の開口692aを通して、扉枠5側と接続するための接続端子のみが前側へ臨むようになっており、それらの接続端子に配線196が接続されるようになっている(図1及び図28を参照)。
また、主側中継端子板880は、扉枠5側に配置される皿ユニット300における貸球ユニット360の貸球ボタン361、返却ボタン362、貸出残表示部363、ハンドル装置500の回転位置検知センサ512、タッチセンサ516、発射停止スイッチ518、及びファールカバーユニット540の満タン検知センサ550と、本体枠3側に配置される払出制御基板4110との接続を中継するためのものである。また、周辺側中継端子板882は、扉枠5側に配置される各装飾ユニット200,240,280及び皿ユニット300や操作ユニット400に備えられた各装飾基板430,432、及び操作ユニット400に備えられたダイヤル駆動モータ414やセンサ432a,432b,432cと、本体枠3側に配置される遊技盤4の周辺制御部4140との接続を中継するためのものである。
[裏カバー]
続いて、本体枠3における裏カバー900について、図94乃至図96を参照して説明する。図94(A)は本体枠における裏カバーの正面斜視図であり、(B)は本体枠における裏カバーの背面斜視図である。また、図95は、裏カバーにおける締結機構の部位を拡大して示す断面図であり、図96は、裏カバーにおける締結機構を分解して後側から見た分解斜視図である。本例の裏カバー900は、透明な合成樹脂によって形成されており、パチンコ機1の後側から本体枠3内を視認することができるようになっている。
本体枠3における裏カバー900は、本体枠3における遊技盤4を保持するための遊技盤保持口601(本体枠3に取付けられた遊技盤4)の後側を開閉可能に被覆するものである。この裏カバー900は、遊技盤保持口601の後側開口を閉鎖する板状の本体部902と、本体部902の正面視右辺から前方へ延出する側部904と、側部904の前端に上下方向へ並んで複数配置され下方へ向かって突出し本体枠ベース600の裏カバー軸支部623に軸支される軸支ピン906と、本体部902の正面視左辺上部と下部に夫々形成され賞球ベース710の裏カバー係合溝718と賞球通路蓋780の裏カバー係合溝780aとに夫々係合する係合片908と、下側の係合片908の近傍に裏カバー900を本体枠3に対して開閉不能に締結するための締結機構920とを備えている。
裏カバー900における締結機構920は、図95及び図96等に示すように、裏カバー900の本体部902における下側の係止片923aの背面視で左側に前後方向へ貫通した円形の挿通孔921と、挿通孔921の背面視で左側に所定距離はなれて配置され前後方向へ貫通した縦長矩形状の係止口922と、係止口922に対して後側から弾性係止される係止片923aを一端側に有すると共に他端側に挿通孔921と対応した横長の長孔923bを有する板状のガイド部材923と、ガイド部材923の長孔923bへ後側から挿通され本体部902の挿通孔921を介して賞球通路蓋780の裏カバー締結孔780bへ螺合される雄ねじ部924aを有した締結部材924と、締結部材924の雄ねじ部924aにガイド部材923を挟むように取付けられる保持部材925と、を備えている。なお、締結機構920におけるガイド部材923は、軟質の合成樹脂によって形成されており、曲がり易くなっている。
また、締結機構920は、ガイド部材923の係止片923aが、本体部902の係止口922に対して遊嵌状態で係止されるようになっており、ガイド部材923が所定の範囲内で遊動することができるようになっている。また、締結機構920は、締結部材924の雄ねじ部924aに取付けられた円盤状の保持部材925によって、締結部材924が長孔923bを通してガイド部材923に支持された状態となり、長孔923bに沿って左右方向へスライドすることができると共に、長孔923bから脱落しないようになっている。この締結機構920は、本体部902の係止口922へ後側からガイド部材923の係止片923aを係止させると、ガイド部材923の長孔923bを介して前側へ突出した締結部材924の雄ねじ部924aが、本体部902の挿通孔921へ挿通された状態となるようになっている。
本例の裏カバー900は、軸支ピン906を本体枠ベース600の裏カバー軸支部623に軸支させることで、本体枠3における遊技盤保持口601の後側開口を開閉することができ、係合片908を本体枠ベース600及び賞球通路蓋780の裏カバー係合溝718,780aに係合させることで、閉じた状態とすることができるようになっている。なお、裏カバー900を閉じた状態とすると、締結機構920における挿通孔921と賞球通路蓋780の裏カバー締結孔780bとが略一致した状態となるようになっている。
この裏カバー900を閉じた状態では、挿通孔921へ後側から前側へ挿通された締結部材924の雄ねじ部924aが、裏カバー締結孔780b内へ自然と螺合されることがないので、裏カバー900を閉じても雄ねじ部924aの先端が裏カバー締結孔780bの後端で止まった状態となり、締結部材924が裏カバー900の本体部902から後方へ突出することとなる。ところで、本例では、締結部材924が裏カバー900の本体部902の係止されたガイド部材923の長孔923b内に支持されているので、締結部材924が裏カバー900から脱落することなく、本体部902の後側に位置した状態が維持されるようになっている。
そして、この状態から締結部材924の雄ねじ部924aの先端を裏カバー締結孔780bへ挿入して締結部材924を回転させることで、雄ねじ部924aが裏カバー締結孔780b内へとねじ込まれて(螺合されて)、裏カバー900を締結固定することができるようになっている。なお、本例の締結機構920は、締結部材924を裏カバー締結孔780bへねじ込む時に、締結部材924を支持するガイド部材923が本体部902に対して斜めになっていても、締結部材924を長孔923bで支持しているので、締結部材924(雄ねじ部924a)を裏カバー締結孔780bの軸心に対して真直ぐに位置させることができ、締結部材924を裏カバー締結孔780bへ良好にねじ込むことができるようになっている。
また、本例では、裏カバー900を、一箇所の締結機構920によって本体枠3側へ締結固定するようにしているので、一箇所の締結部材924を操作するだけで簡単に締結したり締結を解除したりすることができ、裏カバー900の開閉に係る手間を簡略化してメンテナンス性を向上させることができるようになっている。
また、裏カバー900は、本体部902の正面視右側下端で上方へ矩形状に切欠かれた接続用切欠部910と、接続用切欠部910の正面視上側で矩形状に貫通した確認用開口部912と、本体部902の正面視左下隅部に矩形状に切欠かれた確認用切欠部914と、を備えている。
この裏カバー900は、図5に示すように、本体枠3に対して閉じた状態で、接続用切欠部910を通して遊技盤4における主制御基板ボックス1170のRAMクリアスイッチ4100cや主制御入力回路4100f等が後側へ臨むようになっている。また、裏カバー900は、確認用開口部912を通して、主制御基板ボックス1170の後面に貼り付けられた基板管理シール1178(図105を参照)が後側へ臨むようになっていると共に、確認用切欠部914を通して主制御基板ボックス1170の封止部1176が臨むようになっている。これにより、裏カバー900を本体枠3に対して開かなくても、主制御基板ボックス1170及び主制御基板4100の作動確認や外観確認、管理状態確認等を行うことができるようになっている。
また、裏カバー900は、本体部902及び側部904に細長く貫通した複数のスリット916が形成されており、これらスリット916を通して遊技盤4等で発生した熱を本体枠3(パチンコ機1)の後側外部へ排出することができるようになっている。なお、図示するように、中央から正面視でやや左寄りの位置に、幅広で上下方向へ長く延びた左右方向へ所定間隔で列設された複数の透孔918を備えている。これら透孔918は、裏カバー900を本体枠3に対して閉じた状態とすると共に、本体枠3内に遊技盤4を収容保持させた状態で、遊技盤4における液晶表示装置1900及び第二液晶表示装置3252の後側に備えられた周辺制御部4140や液晶制御部4150を冷却するための冷却ファンの後側に位置するようになっており、周辺制御部4140等からの熱を良好に排気することができるようになっている。因みに、透孔918の幅は、遊技球の外径よりも小さい幅とされており、透孔918を通してパチンコ機1内へ遊技球が侵入しないようになっている。
これにより、本例では、本体枠3に保持された遊技盤4の後側を閉鎖する裏カバー900を本体枠3へ締結する締結部材924を、裏カバー900に取付けられたガイド部材923に対して遊動可能に保持させているので、本体枠3に遊技盤4を保持した状態で、本体枠3の後側から裏カバー900を開いて遊技盤4の後側をメンテナンス等を行う際に、本体枠3に対して裏カバー900を締結固定している締結部材924の締結を解除して本体枠3の裏カバー締結孔780bから締結部材924を分離させても、締結部材924がガイド部材923を介して裏カバー900に保持された状態となり、締結部材924を紛失してしまったり、パチンコ機1内に取残してしまったりするのを防止することができ、裏カバー900から締結部材924が脱落するのを防止することが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、上述したように、開いた裏カバー900から締結部材924が脱落するのを防止することができるので、メンテナンス等の際に、締結を解除した締結部材924を所定位置に保管する必要が無く、ガイド部材923を介して裏カバー900の挿通孔921の近傍に保持することができ、メンテナンスを行い易くすることができる。
また、ガイド部材923の長孔923bを、少なくとも係止口922側とは反対側へ延びるようにしているので、ガイド部材923が裏カバー900の面に対して傾いた状態となっていても、締結部材924の雄ねじ部924aを裏カバー900の挿通孔921を通して本体枠3の裏カバー締結孔780bへ真直ぐに位置させることができ、裏カバー締結孔780bに対して雄ねじ部924aを正しい状態で確実に締結させることができる。従って、本体枠3に裏カバー900をきちんと締結させることができ、裏カバー900による防犯効果を確実に発揮させることができる。
更に、締結部材924の頭部と協働して締結部材924をガイド部材923に対して遊動可能に保持させる保持部材925を締結部材924の雄ねじ部924aに取付けるようにしているので、締結部材924の頭部と保持部材925とでガイド部材923が挟まれた状態となり、締結部材924の雄ねじ部924aがガイド部材923の長孔923bから抜けるのを確実に防止することができると共に、保持部材925との隙間と長孔923bによってガイド部材923に対して締結部材924を遊動可能に保持させることができる。
また、裏カバー900における挿通孔921の周囲に保持部材を収容可能な収容凹部を備えるようにしており、締結部材924の雄ねじ部924aを、裏カバー900の挿通孔921を通して本体枠3の裏カバー締結孔780bへ締結させる際に、締結部材924の頭部とでガイド部材923を挟んだ保持部材925を、収容凹部内へ収容することができるので、裏カバー900とガイド部材923とを密着させて裏カバー900からの突出を可及的に少なくすることができ、ガイド部材923や締結部材924の突出した部位に他の部材が当接する可能性を低くして不具合が発生するのを低減させることができると共に、見栄えを良くすることができる。
また、本体枠3の裏カバー締結孔780bを雌ねじ部として、締結部材924の雄ねじ部924aとねじ結合するようにしているので、単なる係止爪による係合と比較して、引っ張っただけでは締結を解除することができず裏カバー900を取外し難くすることができ、裏カバー900による防犯効果をより高めることができると共に、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1とすることができる。
更に、可撓性を有したガイド部材923としており、ガイド部材923が撓むことができるので、裏カバー900(挿通孔921)に対する締結部材924の動きの自由度を更に高めることが可能となり、締結部材924の雄ねじ部924aを本体枠3の裏カバー締結孔780bに対して真直ぐな位置に位置させたり、雄ねじ部924aを裏カバー締結孔780bに対して真直ぐに移動させたりするのをし易くすることができ、裏カバー締結孔780bに対して雄ねじ部924aを確実に締結させることができる。
また、ガイド部材923の係止片923aが、裏カバー900の係止口922における挿通孔921とを結んだ軸線に対して直角方向へ延びた内壁に沿って当接した状態で、係止口922へ弾性係止されるようにしているので、遊動可能に取付けられたガイド部材923の先端側(長孔923b側)を、挿通孔921とを結んだ軸線に対して直角方向へ延びた軸心周りを回動するように動かすことができ、係止口922に対して係止片923aが軸支されたようにすることができる。従って、ガイド部材923の先端側の長孔923bに保持された締結部材924を、裏カバー900の挿通孔921、すなわち、本体枠3の裏カバー締結孔780bを開閉するように回動させることができるので、挿通孔921や裏カバー締結孔780bに対して締結部材924の雄ねじ部924aを挿入し易くすることができ、締結部材924による締結作業を行い易くすることができる。
更に、本体枠3における裏カバー締結孔780bとは異なる位置に複数の裏カバー係合溝718,780aを更に備えた上で、裏カバー900に裏カバー係合溝718,780aと夫々弾性係合する複数の係合片908を更に備えるようにしており、裏カバー900の係合片908を本体枠3の裏カバー係合溝718,780aに係合させることで、締結部材924による締結とは別に、裏カバー900を本体枠3へ固定することができるので、締結部材924を用いて締結する箇所を一箇所のみとして締結作業を可及的に少なくすることができ、組立てやメンテナンス等の作業性を高めることができる。また、上述したように、締結部材924とは別に係合片908と裏カバー係合溝718,780aとの係合によって裏カバー900を本体枠3へ固定することができるので、閉鎖範囲の広い裏カバー900でも締結部材924による締結箇所を増やすことなく良好な状態で本体枠3における遊技盤保持口601の後側(遊技盤4の後側)を閉鎖させることができる。
また、本体枠3(本体枠ベース600)の裏カバー軸支部623に裏カバー900の軸支ピン906を軸支させることで、本体枠3に対して裏カバー900を回動可能に軸支できるようにしているので、裏カバー900を閉じる方向へ回動させて本体枠3における遊技盤保持口601の後側を閉鎖するだけで、裏カバー900の挿通孔921と本体枠3の裏カバー締結孔780bとを簡単に一致させることができ、挿通孔921を通して裏カバー900に保持された締結部材924を簡単に裏カバー締結孔780bへ締結させることができる。また、本体枠3に対して裏カバー900を回動可能に軸支するようにしているので、メンテナンス等の際に、締結部材924による締結を解除して裏カバー900を開けた場合でも、裏カバー900を本体枠3に軸支させた状態のままとすることができ、裏カバー900を本体枠3から取外す必要が無く、裏カバー900の開閉にかかる手間を簡略化することができる。
[側面防犯板]
次に、本体枠3における側面防犯板950について、主に図70及び図71を参照して説明する。本体枠3における側面防犯板950は、図示するように、正面視における本体枠3の左側面を形成するものであり、本体枠ベース600に取付けられるようになっている。この側面防犯板950は、平面視で浅いコ字状に押出し成形された金属製の本体952と、本体952の内側前端付近の上下に固定され本体枠ベース600の前面に取付けられる取付金具954と、本体952の内側に固定され遊技盤4の位置決め凹部1119と係合する位置決め部材956と、を備えている。
この側面防犯板950の本体952は、本体枠ベース600の高さと略同じ長さで上下方向へ延びると共に前後方向が略一定奥行きとされた側面片952aと、側面片952aの前端から正面視右方向へ延出した前端片952bと、前端片952bの後側に所定量の隙間を形成するように配置され前端片952bよりも突出量の少ない中片952cと、側面片952aの後端から正面視右方向へ前端片952bよりも長く延出した後端片952dと、を備えている(図112を参照)。この本体952は、側面片952a、前端片952b、及び後端片952dによって浅いコ字状に形成されており、中片952cと後端片952dとの間に遊技盤4における前構成部材1110と遊技パネル1150との正面視左側側部が挿入されるようになっている(図112を参照)。
本例の側面防犯板950は、取付金具954が本体枠ベース600の前面に取付けられると共に、本体952の後端片952dが本体枠ベース600の後面に取付けられるようになっている。この側面防犯板950は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、本体952の前端片952bが、扉枠5の補強ユニット150における軸支側補強板金152の軸支側コ字状突片166のコ字内に挿入されるようになっており、正面視左側において本体枠3と扉枠5との間に不正行為を行うための工具が挿入されるのを防止することができるようになっている(図112を参照)。また、側面防犯板950の本体952は、金属(例えば、アルミ合金)の押出型材とされていると共に、側面片952aの面に対して直角方向へ配置された前端片952b、中片952c、及び後端片952dを備えているので、側面防犯板950の強度・剛性が高められており、本体枠3全体の強度を高めて遊技盤4や扉枠5等を良好に支持することができるようになっている。
このように、本例によると、本体枠3の前面を扉枠5で閉鎖した状態とすると、側面防犯板950の前端内側に形成された前端片952bと中片952cとの間に扉枠5における補強ユニット150の略コ字状に形成された軸支側コ字状突片166の後側の片が挿入される(侵入する)ようになっており、前端片952bを軸支側コ字状突片166で挟持した状態となるので、本体枠3に対して扉枠5を無理やり開けようとしても、扉枠5の軸支側コ字状突片166が本体枠3の前端片952bに当接して扉枠5の軸支側コ字状突片166が本体枠3から離れる方向へ移動するのを阻止することが可能となり、閉鎖された扉枠5が抉じ開けられるのを防止することができ、本体枠3に対して扉枠5を抉じ開けるような不正行為が行われるのを防止することが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、本体枠3における金属により形成された側面防犯板950と、扉枠5における金属により形成された補強ユニット150とを嵌合させるようにしているので、本体枠3と扉枠5との間の強度・剛性が高くなり、不正工具によって本体枠3や扉枠5を歪み難くすることができ、パチンコ機1における防犯性能を高めることができる。また、遊技盤4を支持する本体枠ベース600を合成樹脂により形成した上で、扉枠5を軸支する側(軸支側)の側面防犯板950を金属により形成するようにしているので、本体枠3全体を金属によって形成するようにした場合と比較して、パチンコ機1に係るコストを低減させることができる。
更に、本体枠3に対して扉枠5を施錠する錠装置1000の扉枠用フック部1041を、上下両端と上下両端の間の一箇所で扉枠5における補強ユニット150のフックカバー165と係止させるようにして、錠装置1000側(開放側)における扉枠5と本体枠3との間を三つの扉枠用フック部1041によって係止するようにしているので、開放側がバール等の不正な工具によって抉られても扉枠5と本体枠3との間が広がるのを良好に防止することができ、扉枠5が無理やり抉じ開けられるのを防止することができる。
また、側面防犯板950における側面片952aの後端を、遊技盤4の前面(遊技領域1100)よりも後方へ延出させるようにしており、側面片952aの前後方向の寸法が長くなることで前後方向へかかる荷重に対する曲げ剛性が強くなるので、側面防犯板950全体の強度・剛性をより高めることができ、側面防犯板950が無理やり曲げられて不正行為が行われるのを防止することができる。
また、金属製の押出型材によって本体枠3の側面防犯板950を形成するようにしているので、前端片952bや中片952cを有した所定断面形状の側面防犯板950(本体952)を簡単に形成することができ、パチンコ機1の防犯性能を高めてもコストが増加するのを抑制することができると共に、金属板を屈曲させた場合と比較して、加工時に生ずる強度低下等の欠陥を可及的に少なくすることができ、耐久性や強度の高い側面防犯板950とすることができる。
[錠装置]
続いて、本体枠3における錠装置1000について、主に図97乃至図101を参照して説明する。図97(A)は本体枠における錠装置の左側面図であり、(B)は本体枠における錠装置を前から見た斜視図である。また、図98(A)は錠装置の背面斜視図であり、(B)は錠装置のコ字状基体の内部に摺動自在に設けられるガラス扉用摺動杆と本体枠用摺動杆を示す背面斜視図であり、(C)は(B)の正面斜視図である。更に、図99は、錠装置を分解して後から見た分解斜視図であり、図100は、錠装置におけるガラス扉用摺動杆と本体枠用摺動杆の動作を示す説明図であり、図101は、錠装置における不正防止部材の動作を示す説明図である。
本体枠3における錠装置1000は、本体枠3の本体枠ベース600における周壁部605の開放側の外側側面に沿って本体枠3の略上端から下端にかけて取付けられるものであり、図72に示すように、本体枠ベース600における前端枠部602の正面視右側(開放側)辺の上部に形成された扉用フック穴620及び下部に形成された錠係止穴621と、本体枠ベース600における周壁部605の正面視右側側面に複数形成された錠取付部625と、に取付られるようになっている。
図97乃至図99に示すように、錠装置1000は、断面コ字状に形成される錠基体としてのコ字状基体1001と、コ字状基体1001内に摺動自在に設けられる扉枠用摺動杆1040と、コ字状基体1001内に摺動自在に設けられる本体枠用摺動杆1050と、本体枠用摺動杆1050の摺動を不正に行うことができないようにコ字状基体1001の下部に取付けられる不正防止部材1023,1032と、を備えている。
錠装置1000におけるコ字状基体1001は、所定の金属板を断面コ字状となるように折曲成形したものであり、その内部に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが摺動可能に配置されるようになっている。なお、コ字状基体1001は、その横幅寸法が従来の断面L字状に成形された基体に集約された錠装置に比べて極めて薄いものとなっている。これにより、錠装置1000の左右方向の寸法を可及的に薄くすることが可能となり、相対的に本体枠3における遊技盤保持口601の左右方向の寸法を大きくすることができ、より遊技領域1100の広い遊技盤4を備えることができるようになっている。
このコ字状基体1001は、断面コ字状の開放側が本体枠ベース600の裏面と対面した状態で取付けられるようになっており、錠装置1000を本体枠3に取付けた状態では、コ字状基体1001の開放側が本体枠ベース600に閉鎖されるようになっている。これにより、コ字状基体1001の内部に配置された扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、夫々のフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001に完全に被覆された状態となり、外部から錠装置1000に対して不正行為を行い難い不正防止構造となっている。
また、錠装置1000におけるコ字状基体1001は、その開放側(後側)と反対の閉塞側(前側)上下に本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065が貫通可能な長方形状のフック貫通開口1002と、前側における本体枠ベース600の周壁部605と接する側面1001b(図99を参照)の上部と中程に外方へ向かって突設されたビス止め部1003と、ビス止め部1003が突設された側面1001bとは反対側の側面1001a(図99を参照)の開放側(前側)の上端部と中間部、及び開放側の両側面1001a,1001bの下端部から前方へ突出した係止突起1004と、を備えている。
コ字状基体1001のビス止め部1003と係止突起1004は、錠装置1000を本体枠ベース600の裏面に取付けるためのものであり、係止突起1004を本体枠ベース600の扉用フック穴620及び錠係止穴621に後側から挿入した上で、上方へ移動させると、ビス止め部1003と本体枠ベース600の錠取付部625とが一致するようになっており、ビス止め部1003を介して図示しないビスを錠取付部625へ螺着することで、錠装置1000を本体枠ベース600(本体枠3)に強固に固定することができるようになっている。
なお、錠装置1000のビスによる取付けは、上部と中程のビス止め部1003だけではなく、後述する錠取付片1008に形成されたビス止め部1003と、シリンダ錠貫通穴611の上方近傍に形成された錠取付部625と、においても図示しないビスで本体枠ベース600に止着されるようになっており、錠装置1000の下方も取付けられるようになっている。
また、錠装置1000の取付けに際し、コ字状基体1001の開放側(前側)の上中下の3箇所に形成された係止突起1004を、上中の扉用フック穴620と錠係止穴621とに挿入して位置決め係止すると共に、コ字状基体1001のビス止め部1003を錠取付部625にビスで固定する構造としているので、極めて簡単な構造で錠装置1000を本体枠ベース600(本体枠3)に強固に固定することができるようになっている。
換言すると、錠装置1000を極めて横幅寸法の薄いコ字状基体1001に集約して構成した場合でも、錠装置1000の前側及び後側の係止及び固定により、錠装置1000を本体枠3に強固に固定することができるものである。特に、本実施形態の場合には、前側の係止構造(固定構造でもよい)を構成する係止突起1004がコ字状基体1001の周壁部605と接しない側面1001aに突設した上で、後側の固定構造を構成するビス止め部1003がコ字状基体1001の周壁部605と密する側面1001bから周壁部605側へ突設した構造としているので、前側の係止構造が周壁部605と密する側面1001bに形成した場合と比較して、ガタ付きが生じないように錠装置1000を本体枠3に固定することができるようになっている。
また、コ字状基体1001は、その両側面1001a,1001bの上部、中程、下部に左右方向へ貫通した挿通穴1005を備えており、コ字状基体1001に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を収納した状態で挿通穴1005にリベット1006を差込んでかしめることで、コ字状基体1001の内部に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を上下方向へ摺動自在に取付けることができるようになっている。
つまり、図98(C)に示すように、扉枠用摺動杆1040の上中下の3箇所に形成されたリベット用長穴1042の上端部にリベット1006が貫通していると共に、図98(B)に示すように、本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051及び下フック部材1052に夫々一つずつ形成されたリベット用長穴1055,1061の下端部にリベット1006が貫通しており、扉枠用摺動杆1040を上方に、本体枠用摺動杆1050を下方に移動させることができるようになっている。
更に、コ字状基体1001は、その下部の閉塞側面に形成された不正防止切欠部1007と、開放側の本体枠ベース600における周壁部605と接する側面1001bの前端から側方へ向かって突設されシリンダ錠1010を取付けるための錠取付片1008と、周壁部605と接する側面1001bに挿入縦開口1020、バネ係止片1021、及び逃げ横穴1022と、が夫々形成されている。コ字状基体1001の不正防止切欠部1007は、詳細は後述するが、第一不正防止部材1023のストッパ片部1027が進退するようになっている。また、コ字状基体1001の錠取付片1008は、錠装置1000を本体枠ベース600の裏面に取付けた状態で、遊技盤保持口601の下端辺よりも下方の位置となるように側面1001bの前端部から側方に向かって突設されており、シリンダ錠1010が貫通する錠挿通穴1009と、シリンダ錠1010の錠取付基板1011に形成された取付穴1013をビス1012で取付けるため上下2箇所に穿設された取付穴1014と、錠装置1000の下部を本体枠3の裏面に取付けるために穿設されたビス止め部1003と、が形成されている。
また、コ字状基体1001は、シリンダ錠1010に固定される係合カム1016の第一係合突片1017及び第二係合突片1018がシリンダ錠1010の回動時に侵入する挿入縦開口1020と、第二不正防止部材1032を上方へ付勢するバネ1035を係止するためのバネ係止片1021と、連結ピン1034の移動の邪魔をしないように逃げ穴を形成する逃げ横穴1022と、を備えている。
錠装置1000におけるシリンダ錠1010は、コ字状基体1001における錠取付片1008に取付けられるものである。このシリンダ錠1010は、円筒状のシリンダ錠本体の後端に錠取付片1008へ取付けるための錠取付基板1011が固定されており、錠取付基板1011の後面からシリンダ錠本体の錠軸1015が延びだしていると共に、錠軸1015の後端にビス1019によって係合カム1016が固定されている。この係合カム1016は、ブーメラン形状に形成され、一端辺が回動時に本体枠用摺動杆1050の下降係合穴1062に係合する第一係合突片1017とされていると共に、他端辺が回動時に扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045に係合する第二係合突片1018とされている。
このシリンダ錠1010は、円筒状のシリンダ錠本体部分を錠取付片1008に形成された錠挿通穴1009に後側から挿通した上で、錠取付基板1011の上下2箇所に形成された取付穴1013を通して錠取付片1008の取付穴1014へビス1012を螺着することで、シリンダ錠1010をコ字状基体1001に固定することができるようになっている。
錠装置1000のコ字状基体1001に取付けられる不正防止部材1023,1032は、シリンダ錠1010を正式な鍵で回動させずに、例えばピアノ線や針金等で不正に本体枠用摺動杆1050を下降させることを防止するためのものである。この不正防止部材1023,1032は、図99に示すように、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを連結ピン1034で連結した構造となっている。第一不正防止部材1023は、縦長の板状で上端の揺動軸穴1025を中心にしてコ字状基体1001に揺動自在に支持されるようになっている。具体的には、この第一不正防止部材1023は、その揺動軸穴1025を通して、コ字状基体1001の内部に配置される扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050と共に最下方の挿通穴1005及びリベット1006によって取付けられるようになっている。
また、第一不正防止部材1023は、その板状面にコ字状基体1001の挿入縦開口1020と重複する位置で縦長に開口し係合カム1016の第二係合突片1018が挿入可能とされた突片挿入穴1026を備えている。この突片挿入穴1026と挿入縦開口1020とを、係合カム1016の第二係合突片1018が貫通することで、コ字状基体1001の内部に設けられた扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045と第二係合突片1018とが係合するようになっている。また、第一不正防止部材1023は、突片挿入穴1026の前斜め上方の外辺に、係合カム1016の回動時に第一係合突片1017の後面側と当接可能な斜めに傾斜した傾斜部1024を備えており、この傾斜部1024が、係合カム1016の回動時に第一係合突片1017と当接することで、第一不正防止部材1023が揺動軸穴1025を中心として揺動(図101(B)において時計回転方向)するようになっている。
更に、第一不正防止部材1023は、突片挿入穴1026の斜め後下方の外辺からコ字状基体1001側へ向かって突出したストッパ片部1027と、ストッパ片部1027が突出した位置から更に下方へ突出した規制突片1031と、規制突片1031の前側に左右方向へ貫通し上下に配置されたピン穴1029及び連結穴1030と、を備えている。この第一不正防止部材1023のストッパ片部1027は、本体枠用摺動杆1050の施錠時に、不正防止切欠部1007及び本体枠用摺動杆1050の係合切欠部1066に侵入係合させることで、本体枠用摺動杆1050が不正に摺動しないようにすることができるようになっている。また、第一不正防止部材1023の規制突片1031は、バネ1035によって上方へ付勢された第二不正防止部材1032と当接することで、第二不正防止部材1032が上方(付勢方向)へ移動するのを規制することができるようになっている。
また、第一不正防止部材1023のピン穴1029は、ガイドピン1028が第一不正防止部材1023の裏面側から挿入固定されるようになっており、ピン穴1029に固定されたガイドピン1028を、コ字状基体1001における挿入縦開口1020の最下端部に形成された横長状開口部に係合させることで、第一不正防止部材1023をコ字状基体1001の側面1001bに沿って案内することができるようになっている。更に、第一不正防止部材1023の連結穴1030は、連結ピン1034によって、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを回動可能に連結するためのものである。
一方、第一不正防止部材1023に連結される第二不正防止部材1032は、逆「て」字状の板材で形成され、その上部一端に連結穴1033と、上部他端にバネ係止穴1036とが夫々穿設されていると共に、下方端部に当接部1037が備えられている。第二不正防止部材1032は、連結穴1033を第一不正防止部材1023の連結穴1030と合わせた上で連結ピン1034を挿入することで第一不正防止部材1023と相対回転可能に連結することができるようになっている。また、第二不正防止部材1032は、バネ係止穴1036に、上端(一端)がコ字状基体1001のバネ係止片1021に係止されたバネ1035の下端(他端)を係止させることで、バネ1035によって上方へ付勢されるようになっている。更に、第二不正防止部材1032は、当接部1037が、本体枠3の閉鎖時に外枠2の内側下部に固定された閉鎖板25と当接するようになっている。
次に、錠装置1000における扉枠用摺動杆1040は、コ字状基体1001の内部に摺動自在に支持され、縦長の金属製の板状部材によって形成されている。この扉枠用摺動杆1040は、その一側縦辺の上中下の3箇所に前方へ向かって突出する扉枠用フック部1041を備えている。扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041は、コ字状基体1001内に扉枠用摺動杆1040を収納した状態で、コ字状基体1001の開放側から前方に突出するようになっており、錠装置1000を本体枠ベース600の裏面に固定した時に、本体枠ベース600に形成された扉用フック穴620(図67及び図72等を参照)から前方に突出して、扉枠5の裏面に形成されるフックカバー165(図18を参照)に係止することができるようになっている。なお、扉枠用フック部1041は、図示するように、下向きの係合爪形状となっており、これにより、扉枠用摺動杆1040を上昇させることで扉枠用フック部1041とフックカバー165との係止状態を解除することができるようになっている。
また、扉枠用摺動杆1040は、上中下の側面中央に穿設されリベット1006が挿通される縦長のリベット用長穴1042と、最上部のリベット用長穴1042の下方及び扉枠用摺動杆1040の最下端に扉枠用摺動杆1040の面に対して直角方向へ突出したガイド突片1043と、を備えている。この扉枠用摺動杆1040のリベット用長穴1042は、コ字状基体1001の挿通穴1005に挿通されるリベット1006が挿通されるようになっていると共に、リベット1006が扉枠用摺動杆1040の上昇動作を邪魔しないように縦長に形成されている。なお、通常状態では、リベット用長穴1042の上端部に貫通したリベット1006が当接した状態となっている。また、扉枠用摺動杆1040は、ガイド突片1043が、本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051及び下フック部材1052に形成された突片移動穴1056,1064に挿通されるようになっており、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の摺動動作を案内することができるようになっている。
また、扉枠用摺動杆1040は、上端部にスプリング1048の一端を係止するスプリングフック部1046が形成されている。このスプリングフック部1046に係止されたスプリング1048の他端は、本体枠用摺動杆1050における上フック部材1051のスプリングフック部1057に係止されており、スプリング1048によって、扉枠用摺動杆1040が下方向に、本体枠用摺動杆1050が上方向に、夫々相互に付勢されるようになっている。また、扉枠用摺動杆1040は、上下方向の中程に凸状に形成された当接弾性片1047を備えており、扉枠用摺動杆1040の一側側面からプレス成形により打ち出して凸状に形成されている。この当接弾性片1047は、コ字状基体1001の内側面に当接するようになっており、コ字状基体1001の内部で扉枠用摺動杆1040がガタ付くのを抑制することができるようになっている。
更に、扉枠用摺動杆1040は、下方部分の側面に縦長な遊び穴1044と、上昇係合穴1045と、を備えている。この遊び穴1044は、係合カム1016の第一係合突片1017が差し込まれて回動する時に、係合カム1016の回動動作の邪魔にならないように第一係合突片1017の先端部が移動可能な空間を構成するものである。また、上昇係合穴1045は、係合カム1016の第二係合突片1018が差し込まれて回動する時に、係合カム1016の回動動作によって扉枠用摺動杆1040が上昇するように係合するためのものである。なお、扉枠用摺動杆1040は、縦辺下部後方に、不正防止切欠部1007よりも上下方向に大きく切欠いた逃げ切欠部1049を備えている。この逃げ切欠部1049は、第一不正防止部材1023のストッパ片部1027が、確実に不正防止切欠部1007及び係合切欠部1066に係合するように、扉枠用摺動杆1040が邪魔にならないように該当部分を切欠いたものである。
一方、本体枠用摺動杆1050は、金属板製の上フック部材1051と、金属板製の下フック部材1052と、上フック部材1051と下フック部材1052とを連結する連結線杆1053と、を備えている。つまり、本体枠用摺動杆1050は、従来のように1つの金属製の縦長板で構成されておらず、フック部1054,1065を有する上フック部材1051と下フック部材1052とを金属製の板材をプレスで形成し、その金属製の上フック部材1051と下フック部材1052とを細い金属製の連結線杆1053で連結したものである。これにより、狭いコ字状基体1001の空間に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを効率よく収納することができるようになっている。
この本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051は、上端部に後方に向かって形成されたフック部1054と、フック部1054に隣接した板面部に左右方向へ貫通したリベット用長穴1055と、リベット用長穴1055の下方に左右方向へ貫通した突片移動穴1056と、突片移動穴1056の前方の縦辺下端部に形成されたスプリングフック部1057と、スプリングフック部1057の下側に穿設された連結穴1058と、上フック部材1051の上辺及び下辺に形成された当接部1059と、を備えている。この上フック部材1051のフック部1054は、コ字状基体1001の上方のフック貫通開口1002を貫通して外枠2の開放側内側の上部に備えられた閉鎖板24に係合するようになっており、上向きに係止爪部が形成されている。
また、上フック部材1051のこのリベット用長穴1055は、扉枠用摺動杆1040の上部に形成されたリベット用長穴1042に対応する位置に配置されており、このリベット用長穴1055にリベット1006が貫通した通常の状態では、リベット1006がリベット用長穴1055の最下端部を貫通した状態となり、上フック部材1051が下方へ向かって移動することができるようになっている。上フック部材1051の突片移動穴1056は、扉枠用摺動杆1040の上方のガイド突片1043が挿入されるようになっており、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の移動を案内することができるようになっている。
また、上フック部材1051のスプリングフック部1057は、スプリング1048の他端が係止されるようになっている。また、上フック部材1051の連結穴1058は、連結線杆1053の上端が折り曲げられて挿入されるようになっている。更に、上フック部材1051の当接部1059は、コ字状基体1001に収納された時に、コ字状基体1001の内部側壁に当接するようになっており、上フック部材1051の摺動動作においてガタ付きがなくスムーズに摺動することができるようになっている。
一方、本体枠用摺動杆1050の下フック部材1052は、下端部から後方に向かって突設されたフック部1065と、下フック部材1052の板面部の上端付近で左右方向へ貫通したリベット用長穴1061と、リベット用長穴1061の下側に配置された下降係合穴1062と、下降係合穴1062の下部後側から下方へ延出した遊び穴1063と、遊び穴1063の下方で下端付近に形成された突片移動穴1064と、下フック部材1052の縦辺上端部の前端側に穿設された連結穴1060と、下フック部材1052の後方の縦辺下部に形成された係合切欠部1066と、下フック部材1052の上辺及び下辺に形成された当接部1067と、を備えている。
この下フック部材1052のフック部1065は、コ字状基体1001の下方のフック貫通開口1002を貫通して外枠2の開放側内側の下部に形成された閉鎖板25と係合するようになっており、上向きに係止爪部が形成されている。また、下フック部材1052のリベット用長穴1061は、扉枠用摺動杆1040の下部に形成されたリベット用長穴1042と対応する位置に形成されており、このリベット用長穴1061にリベット1006を貫通させた通常の状態では、リベット1006がリベット用長穴1061の最下端部を貫通した状態となるようになっている。これにより、下フック部材1052が下方に向かって移動することができるようになっている。
また、下フック部材1052の下降係合穴1062は、係合カム1016の第一係合突片1017が差し込まれて回動する時に、その回動動作によって本体枠用摺動杆1050が下降するように係合するためのものである。また、下フック部材1052の遊び穴1063は、係合カム1016の第二係合突片1018が差し込まれて回動する時に、その回動動作の邪魔にならないように第二係合突片1018の先端部が移動可能な空間を形成することができるようになっている。また、下フック部材1052の突片移動穴1064は、扉枠用摺動杆1040の下方のガイド突片1043が挿入されるようになっており、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の移動を案内することができるようになっている。
また、下フック部材1052の連結穴1060は、連結線杆1053の折り曲げられた下端が挿入されるようになっている。更に、下フック部材1052の当接部1067は、コ字状基体1001に収納された時に、コ字状基体1001の内部側壁に当接するようになっており、コ字状基体1001に対して下フック部材1052が摺動動作する際に、ガタ付きがなくスムーズに摺動させることができるようになっている。
次に、本実施形態の錠装置1000の組立てについて説明する。この錠装置1000を組付けるには、本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051と下フック部材1052とを連結線杆1053で連結し、その状態で扉枠用摺動杆1040のガイド突片1043を、上フック部材1051と下フック部材1052の突片移動穴1056,1064に挿入すると共に、相互のリベット用長穴1042とリベット用長穴1055,1061を位置合わせして重ね合わせ、その重ね合わせた状態で上フック部材1051のフック部1054と下フック部材1052のフック部1065とを、コ字状基体1001のフック貫通開口1002に貫通させながら扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050をコ字状基体1001のコ字状の空間に挿入した後に、挿通穴1005からリベット1006を差し込む。
このリベット1006を挿入する際に、リベット1006がリベット用長穴1055,1061、1042を貫通するように差し込む。なお、最下端のリベット1006を差し込む時には、第一不正防止部材1023の揺動軸穴1025にもリベット1006を差し込んで第一不正防止部材1023をコ字状基体1001に同時に取付ける必要がある。また、第一不正防止部材1023をコ字状基体1001に取付ける前に、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを連結ピン1034で連結し、且つ、ガイドピン1028を、ピン穴1029に図示しないビスで止着してから、さらにガイドピン1028を挿入縦開口1020の最下端の開口部に挿入しておく必要がある。
更に、リベット1006で扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050をコ字状基体1001内に収納固定した状態で、スプリング1048をスプリングフック部1046,1057相互間に掛け渡し、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを相互に反対方向に付勢し、さらに、バネ1035をバネ係止片1021とバネ係止穴1036とに掛け渡して第二不正防止部材1032が規制突片1031に当接した状態とする。その後、錠取付片1008の錠挿通穴1009に、シリンダ錠1010の円筒状本体部分を挿入してシリンダ錠1010をビス1012で取付穴1014に固定する。なお、この時、係合カム1016の第一係合突片1017の先端部が傾斜部1024の外側で且つ挿入縦開口1020に僅かに挿入されると共に、係合カム1016の第二係合突片1018の先端部が第一不正防止部材1023の突片挿入穴1026及び挿入縦開口1020に僅かに挿入された状態となるようにシリンダ錠1010を錠取付片1008に取付ける。
このように、組立てた錠装置1000を本体枠ベース600の裏面に取付けるには、扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041を本体枠ベース600に形成された扉用フック穴620に差し込みながら、鉤型に突出する係止突起1004を本体枠ベース600の扉用フック穴620及び錠係止穴621に差し込んで上方に移動させ、その状態で水平方向に突出したビス止め部1003を錠取付部625に一致させ、その一致した穴に図示しないビスを螺着することにより、錠装置1000を本体枠ベース600の裏面に強固に固定することができる。特に、本実施形態の場合には、前方部の係止構造を構成する係止突起1004がコ字状基体1001の周壁部605と接しない側面1001aに突設形成される一方、後方部の固定構造を構成するビス止め部1003がコ字状基体1001の周壁部605と接する側面1001bから水平方向に突設形成される構造とされているので、前方部の係止構造が周壁部605と接する側面1001bに形成された場合と比較して、ガタ付きが生じないように錠装置1000を本体枠ベース600に固定することができるようになっている。
次に、本実施形態の錠装置1000の作用について、図100及び図101を参照して説明する。図100に示すように、本体枠ベース600(本体枠3)が外枠2に対して閉じ且つ扉枠5が本体枠3に対して閉じている状態においては、図100(A)に示すように、外枠2の閉鎖板24,25と本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065とが係止し且つ扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041と扉枠5のフックカバー165とが係止した状態となっている。その状態でシリンダ錠1010に図示しない鍵を差し込んで係合カム1016の第一係合突片1017が挿入縦開口1020内に侵入する方向に回動すると、図100(B)に示すように、第一係合突片1017の先端が本体枠用摺動杆1050の下降係合穴1062に係合してスプリング1048の付勢力に抗して下フック部材1052を下方に押下げ、これと連結されている連結線杆1053と上フック部材1051も押下げられて下降する。これにより、外枠2の閉鎖板24,25と本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065との係止状態が解除され、本体枠3を前面側に引くことにより本体枠3を外枠2に対して開放することができる。
なお、本体枠3を閉じる場合には、フック部1054,1065がスプリング1048の付勢力により上昇した状態(図100(A)に示す状態と同じ上昇した位置)となっているが、フック部1054,1065の上辺が外側に向かって下り傾斜しているため、強制的に本体枠3を外枠2に対して押圧することにより、フック部1054,1065の上辺傾斜部が閉鎖板24,25の下端部と当接するので、本体枠用摺動杆1050が下方に下降し、フック部1054,1065の上向き爪部と閉鎖板24,25とが再度係止した状態となって本体枠用摺動杆1050が上昇して係止状態に戻るようになっている。
一方、シリンダ錠1010に図示しない鍵を差し込んで係合カム1016の第二係合突片1018が挿入縦開口1020内に侵入する方向に回動すると、図100(C)に示すように、第二係合突片1018の先端が扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045に係合してスプリング1048の付勢力に抗して扉枠用摺動杆1040を上方に押し上げ上昇する。このため、扉枠5のフックカバー165と扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041とが係止状態が解除されるので、扉枠5を前面側に引くことにより扉枠5を本体枠3に対して開放することができる。
なお、扉枠5を閉じる場合には、扉枠用フック部1041がスプリング1048の付勢力により下降した状態(図100(A)に示す状態と同じ下降した位置)となっているが、扉枠用フック部1041の下辺が外側に向かって上り傾斜しているので、強制的に扉枠5を本体枠3に対して押圧することにより、扉枠用フック部1041の下辺傾斜部がフックカバー165の上端部と当接して扉枠用摺動杆1040が上方に上昇し、更に、扉枠用フック部1041の下向き爪部とフックカバー165とが再度係止した状態となって扉枠用摺動杆1040が下降して係止状態に戻る。なお、本実施形態における扉枠用摺動杆1040は、コ字状基体1001の全長と略同じ長さに形成されると共に、そのコ字状基体1001が本体枠3の縦方向の側面の略全長に亘って取付けられ、しかも、扉枠5との係止部である扉枠用フック部1041が扉枠用摺動杆1040の上端部、中央部、下端部の3箇所に形成されているので、扉枠5と本体枠3の縦方向の全長における施錠を確実に行うことができ、扉枠5と本体枠3との間を無理やりこじ開けてその間からピアノ線等の不正具を挿入する不正行為を行うことができないようになっている。
このように、本実施形態の扉枠5の錠装置1000は、シリンダ錠1010に差し込んだ鍵を一方向に回動することにより、外枠2に対する本体枠3の施錠を解除し、他方向に回動することにより、本体枠3に対する扉枠5の施錠を解除することができる。また、本例の錠装置1000は、シリンダ錠1010に鍵を差し込むことなく本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065にピアノ線等を引っ掛けてこれを下降させるような不正行為を行うことができないようになっている。このような不正行為を防止する構造の第一番目が第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とから構成されるロック機構であり、第二番目の不正防止構造がコ字状基体1001の閉鎖空間に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050が収納される構造である。
まず、第一番目の不正防止構造であるロック機構の作用について図101を参照して説明する。まず、外枠2と本体枠3とが閉じている状態では、図101(A)に示すように、外枠2の閉鎖板25と第二不正防止部材1032の当接部1037とが当接した状態となっている。この状態においては、バネ1035の付勢力により第一不正防止部材1023が反時計方向に回動してストッパ片部1027が不正防止切欠部1007内に侵入し、ストッパ片部1027が不正防止切欠部1007に対応する位置にある本体枠用摺動杆1050の下フック部材1052に形成される係合切欠部1066と係合した状態となっている。これにより、本体枠用摺動杆1050にピアノ線等を引っ掛けて引き降ろそうとしても、ストッパ片部1027と係合切欠部1066とが係合しているので、本体枠用摺動杆1050を不正に下方に引き降ろすこと(解錠すること)が不能となり、本体枠3を開放するという不正行為を行うことができないようになっている。
一方、シリンダ錠1010に鍵を差し込んで正規に本体枠3を開錠する場合には、図101(B)に示すように、鍵を回動させることにより係合カム1016の第一係合突片1017が挿入縦開口1020内に侵入するように回動される。この第一係合突片1017の回動時に、第一不正防止部材1023の傾斜部1024と第一係合突片1017の側面とが当接するため、第一不正防止部材1023が揺動軸穴1025を中心として図示の時計回転方向に回転を始め、ストッパ片部1027も不正防止切欠部1007から退避するように移動する。これにより、ストッパ片部1027と係合切欠部1066との係合が解除された状態となる。この時、第二不正防止部材1032は、バネ1035を伸ばして当接部1037が後退した位置となっている。この状態でさらに係合カム1016を回動させて第一係合突片1017も回動させると、第一係合突片1017の先端が下フック部材1052の下降係合穴1062に係合して本体枠用摺動杆1050の全体を下降させるので、フック部1054,1065と外枠2の閉鎖板24,25との係止状態が解除されて本体枠3を外枠2に対して開放することができるようになっている。
なお、本体枠3を外枠2に対して閉じる時には、第二不正防止部材1032は、規制突片1031に当接した状態となっているので、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032との位置関係は、図101(A)に示す状態と略同じ位置関係になっている。この状態で本体枠3を閉めると、外枠2の閉鎖板25と第二不正防止部材1032の当接部1037とが正面から当接し、最終的に図101(A)に示す状態となる。これにより、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とが、本体枠3を閉じる時に邪魔にならないようになっている。また、本実施形態においては、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とが本体枠用摺動杆1050の下降動作だけが不正に行われないように防止しているのは、本体枠用摺動杆1050を不正に開放すれば、解放後に扉枠用摺動杆1040を手動で簡単に開けることができることと、ピアノ線等で摺動杆を上昇させる不正行為は事実上行い難いという理由により、本体枠用摺動杆1050に対する不正操作ができないように工夫されている。
また、上記した第一番目の不正防止構造であるロック機構であっても、第一不正防止部材1023をピアノ線等で揺動させることにより、ロック機構の機能を無力化することも不可能ではない。そこで、万一ロック機構のロック機能が不正な行為により無力化される場合を想定すると、本実施形態においては、錠装置1000が本体枠3(本体枠ベース600)に取付けられた状態では、内部に設けられる扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、夫々のフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001の閉鎖空間に収納されて完全に被覆された状態となっているので、ピアノ線等を差し込んでコ字状基体1001の閉鎖空間の内部に設けられる本体枠用摺動杆1050を引き下げようとしても、コ字状基体1001の両側面1001a,1001bによって不正具の閉鎖空間への侵入が阻止されるため、不正行為を簡単に行うことができない構造となっている。
このように、本実施形態の錠装置1000は、その横幅寸法が従来のL字状基体に集約される錠装置に比べて極めて薄いコ字状基体1001の内部に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを摺動可能に設け且つ錠装置1000を操作するためのシリンダ錠1010のコ字状基体1001への取付位置を遊技盤4の下端辺よりも下方となる位置としているので、遊技盤4の左右方向及び上下方向の大きさを極めて大きくすると共に、本体枠3の周壁部605で囲まれる空間を大きくしても、錠装置1000を本体枠3の裏側に強固に取付けることができる。
また、コ字状基体1001の断面コ字状の開放側が本体枠3の裏面に対面するように取付けられるので、錠装置1000が本体枠3(本体枠ベース600)に取付けられた状態では、内部に配置された扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、夫々のフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001に完全に被覆された状態となっており、ピアノ線等を差し込んで内部に設けられる本体枠用摺動杆1050を引き下げる等の不正行為を簡単に行うことができないようになっている。
また、錠装置1000の取付けに際し、コ字状基体1001の開放側(前方部)の上中下の3箇所に形成される係止突起1004を扉用フック穴620や錠係止穴621に差し込んで位置決め係止し、コ字状基体1001の閉塞側(後方部)の上中下の3箇所に形成されたビス止め部1003を錠取付部625にビスで固定する構造としているので、極めて簡単な構造で錠装置1000を本体枠3(本体枠ベース600)に強固に固定することができるようになっている。
なお、本例の錠装置1000では、コ字状基体1001の下方部をビス止めする構造として錠取付片1008に形成されたビス止め部1003と本体枠3のシリンダ錠貫通穴611の上部近傍に形成した錠取付部625とを螺着する構造としたものを示しているが、これに代えて、シリンダ錠1010を錠取付片1008に取付けるビス1012を利用して、ビス1012の先端が錠取付片1008を貫通して螺着される錠取付穴をシリンダ錠貫通穴611の上下に形成する構造としても良い。また、コ字状基体1001の下方部をビス止めしなくても、錠装置1000の後方部のビス止め部1003と錠取付部625との固定だけでも、錠装置1000を本体枠3(本体枠ベース600)の裏面に、充分に強固に固定することができる。
また、本例の錠装置1000では、扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を左右の側面1001a,1001bを有するコ字状基体1001で完全に被覆するものを示したが、例えば、扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を周壁部605に接しない反対側の側面1001aに摺動自在にリベット等で装着し、周壁部605に接する側面1001bを省略したL字状基体(錠基体)とし、そのL字状基体(錠基体)の側面1001aと周壁部605とによって形成される閉鎖空間に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を収納する構造としても良く、上述した錠装置1000と同様の作用効果を奏することができる。
上述したように、本例の本体枠3によると、本体枠ベース600の後側に後方(前後方向)へ延出した周壁部710aを有する透明な賞球ベース710と、賞球ベース710の上側に本パチンコ機1を設置する遊技ホールの島設備側から供給された遊技球を貯留する賞球タンク720と、賞球タンク720から排出された遊技球を整列させ賞球ベース710の後壁部710bの後側に取付けられる透明なタンクレールユニット730と、タンクレールユニット730から放出された遊技球を所定の払出指示に基いて扉枠5の上皿301へ払出し賞球ベース710の後壁部710bの後側に取付けられる一部が透明の賞球装置740と、本体枠ベース600の後端へ延出した側部904を有し後面がタンクレールユニット730や賞球装置740の後面と略同一面状に配置された透明な裏カバー900とを備えているので、賞球ベース710や裏カバー900等を通して本体枠ベース600の遊技盤保持口601に保持された遊技盤4の後側と後側側面とを視認することができ、遊技盤4の後側を覆う裏カバー900を開けなくても簡単に遊技盤4の後側を点検(目視点検)することが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、透明な賞球ベース710や裏カバー900等を通して遊技盤4の後側(後面)だけでなく遊技盤4の後側側面も視認することができるので、本体枠ベース600の遊技盤保持口601へ前側から遊技盤4を脱着した際に、遊技盤4と裏カバー900との間にドライバーやペンチ等の工具、洗浄用のウエス、埃やゴミ、等が残留した場合でも、それらを外側からは簡単に発見することができ、残留物によって何らかの不具合が発生するのを防止することができる。
更に、上述したように、遊技盤4の後面や後側側面を外側から視認することができるので、遊技盤4の後側や側面等に不正行為を行うための不正な装置や工具等が取付けられていても、容易に発見することができ、不正行為が行われるのを防止することができると共に、遊技盤4に取付けられた不正な装置等を外側から簡単に発見することができるので、不正な装置等の取付けを躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、遊技盤4の後側を賞球ベース710や裏カバー900で覆うようにしているので、パチンコ機1を設置した島設備内の他の部材が遊技盤4と接触したり、遊技盤4の後側にゴミや埃等の異物が付着したりするのを防止することができ、遊技盤4を良好な状態に維持して不具合が発生するのを抑制することができる。
また、賞球タンク720の後面が本体枠ベース600の奥行きDに対して、本体枠ベース600の前端から約2倍の奥行きの位置となるようにしている、つまり、本体枠ベース600の奥行きDを、本体枠3の奥行きの約半分としているので、賞球ベース710や裏カバー900等を通して遊技盤4の後側や後側側面をより見易くすることができ、上記した作用効果を確実に奏することができる。また、本体枠ベース600の奥行きDを、本体枠3の奥行きの約半分としているので、本体枠ベース600を伏せた時の高さを可及的に低くして平坦な形状とすることができ、本体枠ベース600の後側へ賞球ベース710や裏カバー900、タンクレールユニット730、賞球装置740等を取付ける取付作業を行い易くすることができる。
更に、透明な裏カバー900の後面(本体部902)を、賞球ベース710に取付けられた賞球タンク720、タンクレールユニット730、及び賞球装置740等の後面と、略同一面状となるようにしているので、パチンコ機1の後面を略フラットな面とすることができ、後方への突起物を無くすことで設置される島設備内の他の部材に引っ掛かったり当接したりするのを防止して不具合が発生するのを防止することができる。また、パチンコ機1の後面が略フラットとなるので、パチンコ機1を搬送する際に、単純な形状の緩衝材を用いることができると共に、集積効率(収納効率)を高くすることができ、パチンコ機1に係るコストを低減させることができる。
また、裏カバー900に、複数のスリット916や透孔918を備えるようにしており、スリット916等を介して遊技盤4の後側や後側側面等を直接視認することができるので、遊技盤4の後側等を更に見易くすることができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。また、本体枠ベース600に保持された遊技盤4の後側を裏カバー900で覆っても、裏カバー900のスリット916等を介して遊技盤4からの熱を外部へ放出することができるので、遊技盤4からの熱が蓄積されるのを防止することができ、熱によって遊技に関する制御が不安定になったり、合成樹脂等の部材が変形したりして不具合が発生するのを抑制することができる。更に、裏カバー900のスリット916や透孔918を、遊技球が通過不能な大きさとしているので、例えば、島設備内でパチンコ機1の後側に遊技球がこぼれても、スリット916等を通して遊技球がパチンコ機1内へ侵入するのを阻止することができ、遊技球の侵入によって不具合が発生するのを防止することができる。
[遊技盤の基本構成]
次に、パチンコ機1における遊技盤4の基本構成について、図102乃至図111を参照して説明する。図102は、パチンコ機の扉枠を外した状態で本体枠に取付けられた遊技盤を示す正面図である。また、図103は、遊技盤の正面図であり、図104は、遊技盤を分解して前から見た分解斜視図であり、図105は、遊技盤を分解して後から見た分解斜視図である。更に、図106(A)はパチンコ機に取付けた状態で遊技盤における機能表示ユニットを拡大して示す正面図であり、(B)は機能表示ユニットの他の形態を示す正面図である。
また、図107は、図104等の例とは異なる実施形態の遊技パネルを用いた遊技盤を分解して前から見た分解斜視図であり、図108は、図107を後から見た遊技盤の分解斜視図である。また、図109は、図107の遊技盤における遊技パネルを縦方向に切断した断面図である。更に、図110は図107等の例とは異なる実施形態の前構成部材を用いた遊技盤を分解して前から見た分解斜視図であり、図111は図110を後から見た遊技盤の分解斜視図である。
本実施形態の遊技盤4は、図示するように、遊技者がハンドル装置500を操作することで遊技球が打ち込まれる遊技領域1100の外周を区画し外形が正面で略矩形状とされた前構成部材1110と、前構成部材1110の後側に配置され遊技領域1100の後端を区画する板状の遊技パネル1150と、遊技パネル1150の後側下部に配置される基板ホルダ1160と、基板ホルダ1160の後面に取付けられ遊技球を遊技領域1100内へ打ち込むことで行われる遊技内容を制御する主制御基板4100を収容する主制御基板ボックス1170と、主制御基板4100からの制御信号に基づいて所定の遊技状況を表示可能とされ前構成部材1110の所定位置に遊技者側へ視認可能に取付けられる機能表示ユニット1180と、を備えている。この遊技盤4は、図102乃至図109での図示は省略し詳細は後述するが、遊技パネル1150の前面に取付けられる表ユニットと、遊技パネル1150の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を更に備えている(図113、図116等を参照)。
本実施形態の遊技盤4は、前構成部材1110、遊技パネル1150、基板ホルダ1160、主制御基板ボックス1170、及び機能表示ユニット1180によって、基本的な構成が形成されており、遊技パネル1150に取付けられる表ユニット2000と裏ユニット3000、及び主制御基板ボックス1170内に収容される主制御基板4100によってパチンコ機1(遊技盤4)を特徴付ける詳細な構成が形成されている。ここでは、遊技盤4の基本構成を説明し、詳細構成については後述する。
[前構成部材]
続いて、遊技盤4における前構成部材1110について説明する。本例の遊技盤4における前構成部材1110は、外形が本体枠3の遊技盤保持口601内へ挿入可能な略矩形状とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域1100の外周が区画されるようになっている。この前構成部材1110は、正面視で左右方向中央から左寄りの下端から時計回りの周方向へ沿って円弧状に延び正面視左右方向中央上端を通り過ぎて右斜め上部まで延びた外レール1111と、外レール1111に略沿って外レール1111の内側に配置され正面視左右方向中央下部から正面視左斜め上部まで円弧状に延びた内レール1112と、内レール1112の下端から滑らかに連続するように正面視反時計回りの周方向へ沿って外レール1111の終端(上端)よりも下側の位置まで円弧状に延びた内周レール1113と、内周レール1113の終端(上端)と外レール1111の終端(上端)とを結び外レール1111に沿って転動してきた遊技球が当接可能とされた衝止部1114と、内レール1112と内周レール1113との境界部で遊技領域1100の最下端に配置され後方へ向かって低くなったアウト口誘導面1115と、内レール1112の上端に回動可能に軸支され、外レール1111との間を閉鎖するように内レール1112の上端から上方へ延出した閉鎖位置と正面視時計回りの方向へ回動して外レール1111との間を開放した開放位置との間でのみ回動可能とされると共に閉鎖位置側へ復帰するように図示しないバネによって付勢された逆流防止部材1116と、を備えている。
この前構成部材1110は、遊技盤4を本体枠3に取付けた状態とすると、図102等に示すように、外レール1111と内レール1112との間の下端開口が、本体枠3の打球発射装置650における発射レール660の延長線上に位置するようになっている。この外レール1111の下端と、発射レール660の上端との間には、左右方向及び下方へ広がった空間が形成されており、打球発射装置650の発射レール660に沿って打ち出された遊技球が、その空間を飛び越えて、外レール1111と内レール1112との間の下端開口から外レール1111と内レール1112との間へ打ち込まれるようになっている。外レール1111と内レール1112との間に打ち込まれた遊技球は、その勢いに応じて外レール1111に沿って上方へ転動し、内レール1112の上端に軸支された逆流防止部材1116を、その付勢力に抗して開放位置側へ回動させることにより、遊技領域1100内へ進入することができるようになっている。
また、打球発射装置650において遊技球を強く打球した場合、遊技領域1100内で外レール1111に沿って転動した遊技球が、外レール1111の終端に備えられた衝止部1114に当接するようになっており、この衝止部1114に遊技球が当接することで遊技球の転動方向を強制的に変化させることができ、外レール1111から内周レール1113へ連続して遊技球が転動するのを防止することができるようになっている。なお、遊技領域1100内へ進入した(打ち込まれた)遊技球が、外レール1111と内レール1112との間へ戻ろうとしても、その前に逆流防止部材1116が付勢力によって閉鎖位置へ復帰することで、逆流防止部材1116によって遊技球の逆流が阻止されるようになっている。
また、遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球は、後述する表ユニット2000の始動口2101,2102や入賞口2103,2104,2201等に受入れられなかった場合は、遊技領域1100の下端へと流下し、内レール1112と内周レール1113との境界のアウト口誘導面1115によって、遊技パネル1150のアウト口1151へ誘導され、アウト口1151から遊技盤4の後側下方へ排出されるようになっている。
一方、打球発射装置650から発射された遊技球が、内レール1112先端の逆流防止部材1116を越えて遊技領域1100内へ進入することができなかった場合は、外レール1111と内レール1112との間を逆方向の下方へ向かって転動し、外レール1111と内レール1112との間の下端開口から、発射レール660の上端と外レール1111の下端との間に形成されたファール空間626を落下することとなり、ファール空間626の下部に位置する扉枠5におけるファールカバーユニット540のファール球入口542eに受入れられて、皿ユニット300における下皿302へ排出されるようになっている。
なお、前構成部材1110における外レール1111は、その表面に金属板が取付けられており、遊技球の転動による耐摩耗性が高められていると共に、遊技球が滑らかに転動するようになっている。また、衝止部1114は、表面にゴムや合成樹脂等の弾性体が配置されており、遊技球が外レール1111に沿って勢い良く転動してきて衝突しても、その衝撃を緩和させることができるようになっていると共に、遊技球を内側へ反発させることができるようになっている。
また、前構成部材1110は、外レール1111の下部外側から前方へ向かって突出した壁状の防犯突起1117と、アウト口誘導面1115の下側から内周レール1113に沿って上下方向の略中央まで延出し前端から所定量窪んだ溝状のレール防犯溝1118と、を備えている。前構成部材1110における防犯突起1117は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とした時に、扉枠5における防犯カバー180の防犯後端部突片183と上下方向に重複するようになっており、これにより、軸支側(正面視左側)における本体枠3と扉枠5との間からピアノ線等の不正具を侵入させても、不正具を遊技領域1100内まで到達させることができないようになっている。
また、本例の前構成部材1110は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、レール防犯溝1118内に、扉枠5における防犯カバー180の防犯後突片182が挿入されるようになっていると共に、防犯後突片182が内レール1112の外側(遊技領域1100とは反対側)面に略接するように内レール1112と外レール1111との間に挿入されるようになっており、内レール1112及びレール防犯溝1118と防犯後突片182とでも、本体枠3と扉枠5との間から侵入させたピアノ線等の不正具が遊技領域1100内へ到達するのを防止することができるようになっている。
また、前構成部材1110は、正面視左端に上下方向へ離間して配置され前方から後方へ向かって窪むと共に左端に開放された一対の位置決め凹部1119と、正面視右端に上下方向へ離間して配置された一対の遊技盤止め具1120と、外レール1111の下端よりも正面視左側に配置され下方へ開放されると共に上側が円弧状に形成され前側から窪んだ固定凹部1121と、正面視下端の左側端部付近に下端から上方へ左右方向へ長く延びた矩形状に切欠かれた球通路用切欠部1122と、を備えている。前構成部材1110の位置決め凹部1119は、本体枠3における側面防犯板950の内側に取付けられた位置決め部材956と嵌合させることで、遊技盤保持口601に挿入された遊技盤4の正面視左端が、前後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。また、遊技盤止め具1120は、本体枠3における本体枠ベース600の遊技盤係止部608に対して着脱可能に係止することができるようになっており、遊技盤止め具1120を遊技盤係止部608に係止させることで、本体枠3の遊技盤保持口601に挿入された遊技盤4の正面視右端が、前後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。
また、前構成部材1110の固定凹部1121は、遊技盤4を本体枠3の遊技盤保持口601へ挿入した状態で、本体枠3の前面に軸支された遊技盤固定具690を正面視で時計回りの方向へ回動させると、遊技盤固定具690の固定片690aが挿入されるようになっており、遊技盤固定具690によって遊技盤4の下端が前方へ移動するのが規制されるようになっている。また、前構成部材1110の球通路用切欠部1122は、遊技パネル1150の同位置にも同様の球通路用切欠部1152が形成されており、遊技盤4を本体枠3の遊技盤保持口601へ挿入した状態では、球通路用切欠部1122,1152内に満タン分岐ユニット770の前端が挿通されるようになっている。
更に、前構成部材1110は、下端部における正面視右端近傍に、前後方向へ貫通した横長の貫通穴1123と、貫通穴1123の下辺における左右方向の中央から正面視左寄りの位置に前後方向の厚さを薄く形成した締結部1124と、貫通穴1123の正面視左側に配置され証明確認用の証紙を貼付るための証紙貼付部1125と、を備えている。この前構成部材1110における締結部1124は、詳細な図示は省略するが、本遊技盤を従前の本体枠に取付ける場合に、従前の本体枠に形成された締結穴に対して所定の締結バンドを互いに巻き掛けて締結することで、遊技盤4を取外し難くすることができ、遊技盤4の不正な取外しを防止することができるものである。
また、前構成部材1110は、内周レール1113に沿ったレール防犯溝1118の外側で正面視右下に、後述する機能表示ユニット1180の表示部1181が配置されている。また、前構成部材1110は、後面の下部の左右両端から後方へ突出した複数の取付ボス1126と、内レール1112の後面から後方へ突出した複数の位置決め突起1127と、を備えている。この取付ボス1126は、遊技パネル1150を貫通して基板ホルダ1160の固定ボス1162と係合するようになっており、基板ホルダ1160の後側から固定ボス1162を通して取付ボス1126へ所定のビスを螺着することで、前構成部材1110と基板ホルダ1160とで遊技パネル1150を挟持することができるようになっている。また、位置決め突起1127は、遊技パネル1150に形成された内レール固定孔1155へ嵌合させることで、内レール1112を遊技パネル1150の所定位置に固定することができるようになっている。
[遊技パネル]
続いて、遊技盤4における遊技パネル1150について説明する。本例の遊技パネル1150は、所定厚さ(例えば、18mm〜21mm)のベニア合板等の木質板材によって形成されており、外形が前構成部材1110の外形と略同形状とされている。この遊技パネル1150は、正面視左右方向略中央の下部で前構成部材1110におけるアウト口誘導面1115と対応した位置に前後方向へ貫通するアウト口1151と、下端の正面視左側に前後方向へ横長に貫通すると共に下方へ開放され前構成部材1110の球通路用切欠部1122と同形状の球通路用切欠部1152と、正面視右下隅部に前後方向へ貫通し機能表示ユニット1180の後方突出部1182が挿入される挿入穴1153と、を備えている。
また、遊技パネル1150は、下部の左右両端付近で前構成部材1110の取付ボス1126と対応した位置に前後方向へ貫通した複数のボス挿通孔1154と、前構成部材1110の位置決め突起1127が挿入固定される複数の内レール固定孔1155と、アウト口1151の後面側で後面から前方へ向かって所定量窪むと共に下端側が下方へ開放された溝状のアウト球排出溝1156(図105を参照)と、前構成部材1110の遊技盤止め具1120と対応した位置に形成され正面視右端から前後方向へ貫通するように切欠かれた切欠部1157と、を備えている。また、遊技パネル1150は、適宜位置に前構成部材1110の後面に対して取付固定するための複数の取付孔を備えている。
本例の遊技盤4における遊技パネル1150は、前構成部材1110によって外周が区画される遊技領域1100の後端を区画することができるものであり、前面における遊技領域1100と対応した範囲内に、複数の障害釘(図示は省略)が所定のゲージ配列で植設されるようになっていると共に、表ユニット2000が取付けられるようになっている。また、遊技パネル1150の後面には、裏ユニット3000が取付けられるようになっている。また、遊技パネル1150は、アウト口1151が、遊技領域1100の最下端に位置するように形成されており、遊技盤4に組立てた状態では、前構成部材1110における遊技領域1100の最下端に形成されたアウト口誘導面1115によって後方へ誘導された遊技球がアウト口1151へ進入して遊技盤4の後側へ排出されるようになっている。
[基板ホルダ]
次に、遊技盤4における基板ホルダ1160について説明する。基板ホルダ1160は、上方及び前方が開放された横長の箱状に形成されている。この基板ホルダ1160は、正面視左右方向の略中央における底壁部の前端に上下方向へ貫通するように形成されたアウト球排出部1161が形成されていると共に、底壁部の上面がアウト球排出部1161へ向かって低くなるように形成されており、遊技パネル1150のアウト口1151、表ユニットや裏ユニットから排出されて、基板ホルダ1160の底部上面に供給(排出)された遊技球が、アウト球排出部1161から下方へ排出されるようになっている。なお、アウト球排出部1161は、遊技盤4を本体枠3に取付けた状態とすると、本体枠3における基板ユニット800の排出球受部841の直上に位置するようになっており、遊技盤4から排出された遊技球は、すべて基板ユニット800の排出通路842を通ってパチンコ機1の後側下方へ排出されるようになっている。
また、基板ホルダ1160は、側壁部における上下両端の前端から前方へ突出した複数の固定ボス1162を備えている。複数の固定ボス1162は、先端が遊技パネル1520の後側からボス挿通孔1154内へ挿入された上で、前構成部材1110の取付ボス1126の後端と嵌合するようになっており、取付ボス1126と嵌合させた状態で、基板ホルダ1160の後側から固定ボス1162内を貫通して取付ボス1126へ所定のビスを螺着することで、前構成部材1110に対して基板ホルダ1160を組付けることができるようになっていると共に、前構成部材1110と基板ホルダ1160とで遊技パネル1150を挟持することができるようになっている。
また、基板ホルダ1160は、図105に示すように、後壁部における後面の背面視左側端部に主制御基板ボックス1170の固定片1174が横側から嵌合可能な固定部1163と、固定部1163と対向するように配置され主制御基板ボックス1170の弾性固定片1175が後方から係止可能な係止部1164と、を備えている。この基板ホルダ1160の固定部1163及び係止部1164によって、基板ホルダ1160の後面に主制御基板ボックス1170を着脱可能に支持することができるようになっている。
[主制御基板ボックス]
続いて、遊技盤4における主制御基板ボックス1170について説明する。この主制御基板ボックス1170は、後側が開放された薄い横長箱状の基板ベース1171と、基板ベース1171の後面を覆い前側が開放された薄い横長箱状で基板ベース1171の内部へ後側から嵌合する基板カバー1172と、基板カバー1172の前端に電子部品や端子等が後面側に実装された主制御基板4100と、を備えている。また、主制御基板ボックス1170は、基板ベース1171における背面視左側端部から外方へ延出し基板ホルダ1160の固定部1163と嵌合する固定片1174と、基板カバー1172における背面視右側端部から後方へ突出し基板ホルダ1160の係止部1164に弾性係止される弾性固定片と、を備えている。
また、主制御基板ボックス1170は、図105等に示すように、弾性固定片1175を挟んで上下に二つずつ背面視右側端部に配置され基板ベース1171と基板カバー1172との開閉を封止可能な封止部1176と、基板ベース1171と基板カバー1172の下端で基板ベース1171と基板カバー1172とに跨って貼付けられる密封シール(図示は省略)と、密封シールの表面を被覆する透明なシール保護カバー1177と、基板カバー1172の後面に貼り付けられる基板管理シール1178と、を備えている。この主制御基板ボックス1170の封止部1176は、基板ユニット800における払出制御基板ボックス860の分離切断部863と同様の構成とされており、四つの封止部1176の何れか一つにおいてカシメ固定されている。この主制御基板ボックス1170は、基板ベース1171と基板カバー1172とを分離するには、カシメ固定された封止部1176を切断する必要があり、主制御基板ボックス1170の開閉の痕跡が残るようになっている。これにより、主制御基板ボックス1170が不正に開かれたか否かが外部から目視で明瞭に判別することができるようになっている。
なお、主制御基板ボックス1170の封止部1176は、本例では四つ備えられているので、主制御基板ボックス1170を三回まで開閉することができるようになっている。また、本例の主制御基板ボックス1170は、基板ベース1171と基板カバー1172とに跨って密封シールが貼付られており、基板ベース1171と基板カバー1172とを分離させる際に、密封シールを切断したり剥したりする必要があり、この密封シールにおいても開閉の痕跡が残るようになっている。従って、主制御基板ボックス1170が不正に開閉されて、内部の主制御基板4100が不正に改造されたり、不正な主制御基板(或いは、遊技内容のプログラム等を記憶したROM)と交換されたりしても、外部から目視で確認することができ、それらの不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。
また、主制御基板ボックス1170は、基板カバー1172の前後方向へ貫通した開口が適宜位置に形成されており、その開口を通して主制御基板4100に取付けられた、RAMクリアスイッチ4100cや主制御入力回路4100f、周辺制御基板4010や払出制御基板4110等と接続するための各種接続端子等が後側へ臨むようになっている。なお、主制御基板ボックス1170の後面から臨む主制御入力回路4100fに、所定の計測機器を接続することで、主制御基板ボックス1170を開けることなく主制御基板4100を外部からチェックすることができると共に、上述の封止部1176や密封シールに対して巧妙な細工がなされていても、主制御基板4100に対する不正な改造の有無を目視以外に確認することができ、防犯性能の高いパチンコ機1とすることができるようになっている。
[機能表示ユニット]
次に、遊技盤4における機能表示ユニット1180について説明する。この機能表示ユニット1180は、前構成部材1110の所定位置に取付配置されるものであり、前構成部材1110の前面で遊技者側から視認可能に配置される表示部1181と、前構成部材1110の後面よりも後方へ突出した後方突出部1182と、を備えている。
本例の機能表示ユニット1180の表示部1181には、図106(A)に拡大して示すように、正面視左側端部に遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球によって変化する遊技状態を表示するための一つのLEDからなる遊技状態表示器1183と、遊技状態表示器1183の右側で上下方向へ並んだ二つのLEDからなり第1始動口2101への遊技球の受入れに関する保留数を表示するための第一特別図柄記憶表示器1184と、第一特別図柄記憶表示器1184の右側に配置され第1始動口2101への遊技球の受入れにより抽選された第一特別図柄の抽選結果(第一特別抽選結果)を第一特別図柄として表示するための一つの7セグメントLEDからなる第一特別図柄表示器1185と、第一特別図柄表示器1185の右斜め上に配置され第2始動口2102への遊技球の受入れにより抽選された第二特別図柄の抽選結果(第二特別抽選結果)を第二特別図柄として表示するための一つの7セグメントLEDからなる第二特別図柄表示器1186と、第二特別図柄表示器1186の右側で上下方向へ並んだ二つのLEDからなり第2始動口2102への遊技球の受入れに関する保留数を表示するための第二特別図柄記憶表示器1187と、を備えている。
また、機能表示ユニット1180の表示部1181には、第二特別図柄表示器1186の直上から内周レール1113に略沿った円弧状に並んで配置され遊技球による普図ゲート2301の通過に関する保留数を表示するための四つのLEDからなる普通図柄記憶表示器1188と、普通図柄記憶表示器の下側に配置され遊技球が普図ゲート2301を通過することで抽選された普通抽選結果を普通図柄として表示するための一つのLEDからなる普通図柄表示器1189と、普通図柄記憶表示器1188の斜め右上側へ並んで配置され第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果が「大当り(条件装置が作動する当り)」の時に大入賞口2103の開閉パターンの繰返し回数(ラウンド数)を表示するための二つのLEDからなるラウンド表示器1190と、を備えている。
本例の機能表示ユニット1180における遊技状態表示器1183は、赤色・緑色・橙色と、その発光色を変化させることが可能なカラーLEDとされており、発光する発光色と、点灯・点滅との組合せにより、様々な遊技状態(例えば、確率変動状態、時間短縮状態、確変時短遊技状態、大当り遊技状態、等)を表示することができるようになっている。本実施形態では、少なくとも確率変動状態、時間短縮状態及び右打ち遊技状態を表示することができるように構成される。特に、本実施形態では、センター役物2500の左側の遊技領域1100に遊技球を発射(いわゆる「左打ち」)すれば遊技者にとって有利とされる遊技状態と、センター役物2500の右側の遊技領域1100に遊技球を発射(いわゆる「右打ち」)すれば遊技者にとって有利とされる遊技状態とが混在するので、遊技者に「右打ち」を行うタイミングを明確に報知表示する。これにより、遊技初心者であっても「左打ち」と「右打ち」とを打ち間違えることなく、遊技状態の移行に伴ってスムーズに打ち方(打ち込み操作)を切り替えることができる。
なお、遊技状態表示器1183は、一つのカラーLEDによって構成されるものに限らず、複数のLED群や7セグメントLEDにより構成されてもよい。遊技中に遊技者が遊技状態表示器1183に視線を移した際に現在の遊技状態、特に、右打ちすればよい遊技状態であるのかを容易に把握することができる構成であればよい。
また、機能表示ユニット1180は、主制御基板4100の主制御MPU4100aによって制御されているが、この制御信号を後述する周辺制御基板4010の周辺制御部4140に送信して液晶表示装置1900において遊技者に「右打ち」を報知するのが好ましい。通常、遊技者の正面視(正面視線の先)には液晶表示装置1900が配設されているので、液晶表示装置1900において「右打ち」が報知される場合は視線を正面視左側端部に移すことなく遊技者は適切な打ち方(打ち込み操作)に切り替えることが可能となる。
また、機能表示ユニット1180における第一特別図柄記憶表示器1184は、第一特別図柄表示器1185において第一特別図柄を変動表示させることができない時に、第1始動口2101へ遊技球が受入れられた場合に、変動表示の開始が保留(記憶)された第一特別図柄の保留数(記憶数)を表示するものである。この第一特別図柄記憶表示器1184は、所定のLEDからなる第一特別図柄記憶ランプ1184aと、第一特別図柄記憶ランプ1184bとを有しており、第一特別図柄記憶ランプ1184a,1184bの点灯・点滅パターンによって、保留数を表示することができるようになっている。具体的には、例えば、保留数が一つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184aが点灯して第一特別図柄記憶ランプ1184bが消灯し、保留数が二つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184a,1184bが共に点灯し、保留数が三つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184aが点滅して第一特別図柄記憶ランプ1184bが点灯し、保留数が四つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184a,1184bが共に点滅するようになっている。なお、本例では、四つまで保留されるようになっている。
また、機能表示ユニット1180における第二特別図柄記憶表示器1187は、第二特別図柄表示器1186において第二特別図柄を変動表示させることができない時に、第2始動口2102へ遊技球が受入れられた場合に、変動表示の開始が保留(記憶)された第二特別図柄の保留数(記憶数)を表示するものである。この第二特別図柄記憶表示器1187は、所定のLEDからなる第二特別図柄記憶ランプ1187aと、第二特別図柄記憶ランプ1187bとを有しており、第二特別図柄記憶ランプ1187a,1187bの点灯・点滅パターンによって、保留数を表示することができるようになっている。具体的には、例えば、保留数が一つの時には第二特別図柄記憶ランプ1187aが点灯して第二特別図柄記憶ランプ1187bが消灯し、保留数が二つの時には第二特別図柄記憶ランプ1187a,1187bが共に点灯し、保留数が三つの時には第二特別図柄記憶ランプ1187aが点滅して第二特別図柄記憶ランプ1187bが点灯し、保留数が四つの時には第二特別図柄記憶ランプ1187a,1187bが共に点滅するようになっている。なお、本例では、四つまで保留されるようになっている。
更に、機能表示ユニット1180における第一特別図柄表示器1185及び第二特別図柄表示器1186は、第1始動口2101や第2始動口2102への遊技球の受入れにより、抽選された第一特別抽選結果や第二特別抽選結果を表示するものであり、7セグメントLEDが特別抽選結果に応じた所定の時間、変動した後に停止し、停止した7セグメントLEDの発光パターン(特別図柄)によって、第一特別抽選結果や第二特別抽選結果を遊技者側に認識させることができるようになっている。
また、機能表示ユニット1180における普通図柄表示器1189は、赤色・緑色・橙色と、その発光色を変化させることが可能なカラーLEDとされており、発光する発光色と、点灯・点滅との組合せにより、普図ゲート2301を遊技球が通過することで抽選される普通抽選結果を表示することができるようになっている。なお、普通図柄表示器1189による普通図柄の表示も、特別図柄と同様に、所定時間変動表示した後に、普通抽選結果に対応した発光パターンで停止表示するようになっている。
また、機能表示ユニット1180における普通図柄記憶表示器1188は、普通図柄表示器1189において普通図柄を変動表示させることができない時に、普図ゲート2301を遊技球が通過した場合に、変動表示の開始が保留(記憶)された普通図柄の保留数(記憶数)を表示するものである。この普通図柄記憶表示器1188は、下から並んで配置された四つの普通図柄記憶ランプ1188a〜1188dを備え、夫々が所定のLEDとされており、保留数に応じて下から普通図柄記憶ランプ1188a〜1188dを順次点灯させることで普通図柄の保留数を表示させることができるようになっている。なお、本例では、普通図柄の変動表示が四つまで保留(記憶)されるようになっている。
更に、機能表示ユニット1180におけるラウンド表示器1190は、所定のLEDからなるラウンド表示ランプ1190a,1190bを備えており、これらの表示ランプの点灯により、「大当り」遊技におけるラウンド数を表示することができるようになっている。
本例の機能表示ユニット1180は、図106(A)に示すように、遊技盤4をパチンコ機1に取付けた状態で、扉枠5の遊技窓101を通して遊技者側から視認することができるようになっている。また、機能表示ユニット1180の遊技状態表示器1183、第一特別図柄記憶表示器1184、第一特別図柄表示器1185、第二特別図柄表示器1186、第二特別図柄記憶表示器1187、普通図柄記憶表示器1188、普通図柄表示器1189、及びラウンド表示器1190は、機能表示基板(図示せず)の前面に取付けられている。また、機能表示ユニット1180の後方突出部1182の後端には、機能表示基板1191と、主制御基板4100とを接続するための接続端子が取付けられている。
本例では、機能表示ユニット1180を遊技盤4の前構成部材1110に備えるようにしているので、遊技パネル1150に取付けられる表ユニット2000や裏ユニット3000に備えるようにした場合と比較して、機能表示ユニット1180を遊技盤4の基本構成として流用することができ、パチンコ機1に係る構成を簡略化してコストが増加するのを防止することができると共に、パチンコ機1の機種(表ユニット2000や裏ユニット3000により具現化されパチンコ機1の機種を特徴付けることが可能な遊技盤4の詳細構成)が異なっていても、機能表示ユニット1180の表示部1181の位置が変化しないので、遊技者や遊技ホールの店員等に対して、戸惑うことなく表示部1181の位置を認識させることができるようになっている。
また、パチンコ機1の機能表示ユニット1180としては、図106(B)に示すような形態としても良い。この例では、7セグメントLEDにより構成した第一特別図柄表示器1185と第二特別図柄表示器1186を、夫々八つのLED群によって構成したものである。また、第一特別図柄記憶表示器1184と第二特別図柄記憶表示器1187を、夫々四つのLED群により構成すると共に、普通図柄記憶表示器1188を、二つのLEDにより構成するようにしている。
この機能表示ユニット1180でも上記と同様の作用効果を奏することができる他に、第一特別図柄表示器1185と第二特別図柄表示器1186を八つのLED群で構成するようにしているので、7セグメントLEDを用いた場合と比較して、遊技者に対して表示される特別図柄を憶え難くすることができる。従って、機能表示ユニット1180で表示されている内容が判り辛いので、遊技中に機能表示ユニット1180の表示が気掛かりとなって遊技に専念し難くなるのを抑制することができ、遊技球の動き、可動演出や演出画像等に専念させて遊技をより楽しませることができるようになっている。
[遊技パネルの第二実施形態]
続いて、上記した遊技盤4における遊技パネル1150とは異なる形態の遊技パネル1200について、図107乃至図109を参照して説明する。なお、図107乃至図109における前構成部材1110、基板ホルダ1160、及び主制御基板ボックス1170は、上述したものと同一の構成とされており、ここでの詳細な説明は省略する。本実施形態の遊技パネル1200は、上述した遊技パネル1150よりも厚さが薄く前構成部材1110によって外周が区画された遊技領域1100の後端を区画可能な板状で前構成部材1110の外形よりも外形が小さく形成されたパネル板1210と、パネル板1210を前側から脱着可能に保持すると共に前構成部材1110の後面に取付けられる枠状のパネルホルダ1220と、を備えている。
このパネル板1210は、その外形が遊技領域1100よりも若干大きい多角形状とされており、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂等の合成樹脂板や、ガラスや金属等の無機質板により形成されている。このパネル板1210の板厚は、パネルホルダ1220(遊技パネル1150)よりも薄く、障害釘Gを前面に植設したり表ユニット2000を取付けたりしても十分に保持可能な必要最低限の厚さ(8〜10mm)とされている。なお、本例では、透明な合成樹脂板によってパネル板1210が形成されている。
このパネル板1210は、外周近傍に配置され前後方向に貫通する丸孔からなる複数の嵌合孔1211と、左下部の外周近傍に配置され前後方向に貫通し上下方向に延びる長孔1212と、を備えている。これら嵌合孔1211及び長孔1212は、遊技領域1100よりも外側に配置されており、パネルホルダ1220との位置決めを行うものである。また、パネル板1210には、その上辺の両端と下辺の両端に、前側が窪んだ段状の係合段部1213が夫々備えられている。この係合段部1213は、パネル板1210の板厚の略半分まで切欠いた形態とされると共に、嵌合孔1211及び長孔1212と同様に、遊技領域1100よりも外側に配置されており、パネル板1210をパネルホルダ1220へ係合固定するためのものである。
また、パネル板1210は、所定位置に内レール固定孔1214が複数備えられている。この内レール固定孔1214に内レール1112の後側から突出する位置決め突起1127を嵌合固定させることで、内レール1112を所定の位置に固定することができるようになっている。更に、パネル板1210は、センター役物2500等の表ユニット2000を取付けるための前後方向へ貫通した複数の開口部1215を備えており、開口部1215に対して前側からアタッカ装置2100,2150等を有するユニットが挿入固定されるようになっている。
一方、遊技パネル1200におけるパネルホルダ1220は、パネル板1210を包含する大きさで外形が略四角形状とされ、上述した木質板からなる遊技パネル1150の厚さと略同じ厚さ(本例では、約20mm)とされた合成樹脂(例えば、熱可塑性合成樹脂)からなるものである。このパネルホルダ1220には、パネル板1210を着脱可能に保持し前面側から後方側に向かって凹んだ保持段部1221と、保持段部1221の内側において略遊技領域1100と同等の大きさで前後方向に貫通する貫通口1222とを主に備えている。
パネルホルダ1220の保持段部1221は、前面からの深さがパネル板1210の厚さと略同じ深さとされており、保持段部1221内に保持されたパネル板1210の前面がパネルホルダ1220の前面と略同一面となるようになっている。また、この保持段部1221は、その前側内周面が、パネル板1210の外周面に対して所定量のクリアランスが形成される大きさとされている。このクリアランスにより、温度変化や経時変化により相対的にパネル板1210が伸縮しても、その伸縮を吸収できるようになっている。なお、クリアランス内にゴム等の弾性部材を詰めても良い。
また、パネルホルダ1220には、保持段部1221に保持されるパネル板1210に形成された嵌合孔1211及び長孔1212と対応する位置に配置され、保持段部1221の前面から前方に向かって延び、パネル板1210の嵌合孔1211及び長孔1212に嵌合及び挿通可能な複数の突出ピン1223を備えている。これらの突出ピン1223をパネル板1210の嵌合孔1211及び長孔1212に嵌合及び挿通することで、パネルホルダ1220とパネル板1210とを互いに位置決めすることができるようになっている。
更に、パネルホルダ1220には、パネル板1210の係合段部1213と対応する位置に、係合段部1213と係合する係合爪1224及び係合片1225を供えている。詳述すると、係合爪1224は、パネルホルダ1220の上側の保持段部1221に配置されており、パネル板1210における上側の係合段部1213と対応し、保持段部1221の前面から前方に向かって突出し係合段部1213と弾性係合するようになっている。この係合爪1224は、その先端がパネルホルダ1220の前面から突出しない大きさとされている。一方、係合片1225は、パネルホルダ1220の下側の保持段部1221に配置され、パネル板1210における下側の係合段部1213と対応し、保持段部1221の前面との間にパネル板1210の係合段部1213が挿入可能な大きさの所定の隙間を形成した状態で、パネルホルダ1220の前面に沿って上側(中心側)に向かって所定量延びる形態とされている。これら係合爪1224及び係合片1225にパネル板1210の係合段部1213を係合させることで、パネル板1210がパネルホルダ1220に対して着脱可能に保持されるようになっている。
また、パネルホルダ1220には、前構成部材1110に備えられた取付ボス1126を挿通可能な前後方向に貫通するボス挿通孔1226を備えており、このボス挿通孔1226に前構成部材1110の取付ボス1126を挿通することで、パネルホルダ1220と前構成部材1110とが互いに位置決めされるようになっている。
このパネルホルダ1220には、図108に示すように、その後面側に、上下方向の中央やや下方より下側と外周縁を残すように前側に所定量窪んだ形態の取付支持部1227が備えられている。この取付支持部1227により、パネルホルダ1220の後面は、下端より所定高さまでの所定範囲より上側で、後面側外周部が後方に突出したような状態で窪んだ形態となると共に、その窪み量(深さ)が、取付支持部1227に取付固定される裏ユニット3000における裏箱3010のフランジ状の固定部3010c(図116参照)を収容できる深さ(本例では、約2.5mmとされており、1〜3mmの間とすることが望ましい)とされている。この取付支持部1227に所定の部材を取付固定することで、その固定部3010cがパネルホルダ1220よりも後側に突出するのを防止することができ、パネルホルダ1220すなわち遊技盤4を本体枠3(パチンコ機1)の遊技盤保持口601内に確実に設置装着できるようになっている。
更に、パネルホルダ1220には、図示するように、後面側の取付支持部1227内及び収容凹部630hよりも上側に配置され所定のビスを螺合可能な複数の取付孔1228が所定配列で配置されている。また、パネルホルダ1220には、取付孔1228と対応するように配置される複数の位置決め孔1229が備えられている。この位置決め孔1229は、取付孔1228を用いて取付固定される部材に形成された位置決め突起(例えば、裏箱3010における前面のフランジ状に形成された固定部3010cから前方へ突出する位置決め突起(図示は省略する))が挿入されるものである。なお、本例では、位置決め孔1229は、背面視略矩形状(角孔状)の止り孔とされている。
なお、取付孔1228に対して、その孔の内径が大径のものと小径のものとを混在させるようにして、取付固定する所定の部材の大きさや重量等に応じて、適宜径の取付孔1228を用いるようにしても良い。
また、パネルホルダ1220には、少なくとも下端から所定高さまでの所定範囲では後面側に開口する複数の肉抜き部1230が形成されており、肉抜き部1230によりパネルホルダ1220の重量が軽減されるようになっている。図107に示すように、収容凹部630hの前側、つまり、パネルホルダ1220の前面側の下端から所定高さまでの所定範囲内には、これらの肉抜き部1230が形成されておらず、その範囲内では、パネルホルダ1220の前面が略平らな面となるようになっているので、その前面に配置される前構成部材1110の後面が略平らな面となり、打球発射装置650から発射された遊技球が、滑らかに案内されるようになっている。また、このパネルホルダ1220は、図示するように、肉抜き部1230が形成されることで、取付孔1228等がボス状に形成されると共に、それらを支持したりパネルホルダ1220の強度を維持したりするために、箱状のリブが形成された状態となっている。
なお、このパネルホルダ1220には、障害釘植設装置(図示しない)や、組立治具等の位置決め手段に対応した位置決め部1231が形成されており、障害釘植設装置に遊技パネル1150を保持した状態でセットできるようになっている。また、パネルホルダ1220の下部には、前構成部材1110のアウト口誘導面1115と対応した位置に前後方向へ貫通するアウト口1232と、下端の正面視左側に前後方向へ横長に貫通すると共に下方へ開放され前構成部材1110の球通路用切欠部1122と同形状の球通路用切欠部1233と、正面視右下隅部に前後方向へ貫通し機能表示ユニット1180の後方突出部1182が挿入される挿入穴1234と、を備えている。
また、パネルホルダ1220は、アウト口1232の後面側で後面から前方へ向かって所定量窪むと共に下端側が下方へ開放された溝状のアウト球排出溝1235(図108を参照)と、前構成部材1110の遊技盤止め具1120と対応した位置に形成され正面視右端から前後方向へ貫通するように切欠かれた切欠部1236と、を備えている。また、パネルホルダ1220は、適宜位置に前構成部材1110の後面に対して取付固定するための複数の取付孔を備えている。
このパネルホルダ1220におけるアウト球排出溝1235は、遊技盤4を本体枠3の遊技盤保持口601へ挿入保持させると、本体枠3(本体枠ベース600における遊技盤載置部606の上面)に備えられた位置決め突起607と嵌合するようになっており、アウト球排出溝1235が位置決め突起607と嵌合することで、本体枠3に対して遊技盤4が左右方向へ相対移動するのが規制されるようになっている。
本実施形態の遊技パネル1200は、前方からパネルホルダ1220の保持段部1221内へパネル板1210を嵌合挿入して、係合爪1224及び係合片1225と、係合段部1213とを係合させることで、パネルホルダ1220にパネル板1210を保持させることができると共に、パネル板1210とパネルホルダ1220の前面側が略面一となるようになっており、従来より用いられている障害釘植設装置を改造等しなくてもパネル板1210をパネルホルダ1220に保持した状態で従前の障害釘植設装置にセットすることが可能となり、障害釘Gの植設にかかるコストが増加するのを抑制することができるようになっている。
また、本例の遊技パネル1200は、図示は省略するが、パネル板1210の前面における遊技領域1100と対応した範囲内に、複数の障害釘が所定のゲージ配列で植設されるようになっていると共に、表ユニット2000が取付けられるようになっている。また、パネルホルダ1220の後面には、裏ユニット3000が取付けられるようになっている。これにより、薄いパネル板1210においては、表ユニットのみを支持するようにしているので、表ユニットの荷重によってパネル板1210が歪むのを防止することができるようになっている。
更に、遊技パネル1200を、パネル板1210とパネルホルダ1220とによる分割構造としているので、パネル板1210を透明板としても遊技パネル1200全体の重量が増加するのを抑制することができ、透明なパネル板1210を通して遊技領域1100の後側が遊技者から見えるパチンコ機1を具現化することができ、遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができるようになっている。
また、遊技パネル1200を、パネル板1210、及びパネルホルダ1220に分割するようにしているので、パチンコ機1の機種によって障害釘や入賞口等の位置が変化するパネル板1210を交換パーツとすると共に、パネルホルダ1220を共通パーツとすることができ、パネル板1210のみを交換するだけで種々の機種に対応可能な遊技盤4を備えたパチンコ機1とすることができるようになっている。
更に、パネルホルダ1220に予め複数の取付孔1228が所定配列で備えられているので、機種に応じてパネルホルダ1220の後面側に取付固定される裏ユニット3000等の種々の所定部材の取付固定位置が異なる位置となっていても、各種部材の固定部を取付孔1228の位置と対応させるように設計することで、パネルホルダ1220を機種に依存しないパチンコ機1の共通パーツとすることができるようになっている。
[前構成部材の第二実施形態]
次に、上記した遊技盤4における前構成部材1110とは異なる形態の前構成部材1110Aについて、図110及び図111を参照して説明する。なお、図110及び図112における遊技パネル1200、基板ホルダ1160、及び主制御基板ボックス1170は、パネル板1210の外形とパネルホルダ1220の貫通口1222の内形が、図107乃至図109の実施形態と異なるのみで、図107乃至図109の例と同一の構成とされており、ここでの詳細な説明は省略する。
図110及び図111に示す前構成部材1110Aは、上記の前構成部材1110と比較して、前後方向に貫通した内周形状の一部が異なっている他に、機能表示ユニット1180を備えていない点が大きく異なっている。なお、その他の構成については、前構成部材1110と同様であり、同一の符号を付すと共に、詳細な説明は省略する。また、この前構成部材1110Aを用いた遊技盤4では、機能表示ユニット1180が、遊技盤4における表ユニット2000又は裏ユニット3000の何れかに備えられるようになっている(本例では、表ユニット2000に備えられている)。
この前構成部材1110Aは、図示するように、枠状の内周形状が、アウト口誘導面1115を基点として正面視で時計回りの方向へ内レール1112及び外レール1111の衝止部1114までの形状が、前述の前構成部材1110と同じ形状に形成されており、衝止部1114から時計回りの方向へアウト口誘導面1115までの形状が、前述の前構成部材1110とは異なる形状となっている。具体的には、衝止部1114から衝止部1114の直下に配置された右側の証紙貼付部1125の直上までの間が緩やかな円弧状に形成されていると共に、円弧状の下端からアウト口誘導面1115までの間がアウト口誘導面1115へ向かって低くなるように傾斜した直線状に形成されている。
本例の前構成部材1110Aは、前述の前構成部材1110と比較して、遊技領域1100がより広く確保することができるようになっており、広い遊技領域1100によって遊技者をより楽しませることができるようになっている。
[パチンコ機の防犯構造]
続いて、本実施形態のパチンコ機1における防犯構造について、主に図112及び図113を参照して説明する。図112は、パチンコ機の軸支側における防犯構造を示す部分断面図である。また、図113は、遊技盤を収容した状態で後側から見た斜視図である。
まず、本例のパチンコ機1における軸支側の防犯構造は、図112に示すように、本体枠3における合成樹脂によって形成された本体枠ベース600の軸支側(正面視で左側)の側面に取付けられる金属製の側面防犯板950と、扉枠5における合成樹脂によって形成された扉枠ベース本体110の後面に取付けられる金属製の補強ユニット150とによって構成されている。
本体枠3の側面防犯板950は、上述したように、金属(例えば、アルミ合金)製の押出型材によって形成されており、上下方向の寸法が本体枠ベース600の上下方向の寸法と略同じ寸法とされると共に、前後方向の寸法が遊技盤4における前構成部材1110と遊技パネル1150とを合せた前後方向の寸法よりも大きい寸法とされている。この側面防犯板950は、上下方向へ延びると共に前後方向へ延び本体枠3の側面を形成する板状の側面片952aと、側面片952aの前端から略直角方向内側(開放側)へ延びた前端片952bと、前端片952bの後側に所定量の隙間を形成するように側面片952aから前端片952bに沿って延びた中片952cと、側面片952aの後端から略直角方向内側へ延びた後端片952dとを備えている。これにより、側面防犯板950の前端は、前端片952bと中片952cとによって内側(開放側)に開口する断面が略コ字状に形成されている。
また、側面防犯板950(本体952)は、側面片952aの面に対して直角方向へ配置された前端片952b、中片952c、及び後端片952dにより、側面防犯板950の強度・剛性が高められており、本体枠3全体の強度を高めて遊技盤4や扉枠5等を良好に支持することができるようになっている。
一方、扉枠5の補強ユニット150は、上述したように、複数の長尺状の金属板をスポット溶接やリベット等を用いて扉枠5における遊技窓101の外周を囲うように枠状に形成したものであり、軸支側の軸支側補強板金152の外側辺には外側(軸支側)に開口した断面が略コ字状の軸支側コ字状突片166を備えている。この補強ユニット150の軸支側補強板金152では、軸支側コ字状突片166によって軸支側補強板金152の強度がより高められており、軸支側補強板金152が曲がり難くなっている。
ところで、本例では、扉枠5が本体枠3に対して上軸支部156と下軸支部158の上下の二点でのみ取付支持されるようになっているので、軸支側の扉枠5と本体枠3との間にドライバーやバール等の不正な工具が差込まれると、軸支側補強板金152が変形して扉枠5と本体枠3との隙間が大きくなりその隙間を介して不正行為が行われる虞がある。これに対して、本例の防犯構造は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、側面防犯板950の前端内側に形成された前端片952bと中片952cとの間に扉枠5における補強ユニット150の略コ字状に形成された軸支側コ字状突片166の後側の片が挿入される(侵入する)ようになっており、前端片952bを軸支側コ字状突片166で挟持した状態となるようになっている。これにより、本体枠3に対して扉枠5を無理やり開けようとしても、扉枠5の軸支側コ字状突片166が本体枠3の前端片952bの後面側に当接して扉枠5の軸支側コ字状突片166が本体枠3から離れる方向へ移動するのを阻止することができるので、閉鎖された扉枠5が抉じ開けられるのを防止することができ、本体枠3に対して扉枠5を抉じ開けるような不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。
また、本体枠3における金属により形成された側面防犯板950と、扉枠5における金属により形成された補強ユニット150とを嵌合させるようにしているので、本体枠3と扉枠5との間の強度・剛性が高くなり、不正な工具によって本体枠3や扉枠5を歪み難くすることができ、防犯性能を高めることができるようになっている。
更に、側面防犯板950における側面片952aの後端が遊技盤4における遊技パネル1150よりも後方へ延出するようにしているので、仮に側面片952aの後端よりも後側の本体枠ベース600が破壊されても、側面片952aの後端から遊技盤4(遊技パネル1150)の前面の遊技領域1100内へピアノ線等の不正な工具を侵入させることができず、不正行為が行われるのを確実に防止することができるようになっている。なお、図112に示すように、側面防犯板950の外側を覆うように外枠2の側枠板12が接しているので、堅牢な側面を有したパチンコ機1となっており、側面側からの破壊行為に対して充分に対抗できるようになっている。また、一般的に、パチンコ機1を設置する遊技ホールでは、パチンコ機1の側面がパチンコ機1を設置するための島設備の枠内に挿入固定されるようになっているので、遊技者側(前側)からは中片952cの後端よりも後側へ不正工具を侵入させることはほとんど不可能な状態となり、パチンコ機1の防犯性能をより高められた状態となるようになっている。
続いて、本例のパチンコ機1における後方側からの防犯構造としては、図113に示すように、遊技盤4を収容する本体枠3における賞球ベース710、タンクレール731、賞球装置740のユニットベース741、満タン分岐ユニット770、及び裏カバー900が、透明な合成樹脂によって形成されているので、本体枠3内に収容された遊技盤4の後側や側面側を、遊技盤4を本体枠3から取外したり裏カバー900を開けたりしなくても、本体枠3の後側から視認することができるようになっている。これにより、遊技盤4の後側等に不正な装置が取付けられていても、容易に発見することができ、不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。また、遊技盤4に取付けられた不正な装置等を外側から簡単に発見することができるので、不正な装置の取付けを躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力を高めることができるようになっている。
また、本体枠3の後側から遊技盤4の後側や側面側を、透明な賞球ベース710や裏カバー900等を通して視認することができるので、メンテナンスや機種の変更を行うために本体枠3に対して遊技盤4を脱着した際、本体枠3と遊技盤4との間に、ドライバーやペンチ等の工具、洗浄用のウエス、埃やゴミ、等が残留した場合でも、それらを外側から簡単に発見することができ、それらによって何らかの不具合が発生するのを防止することができるようになっていると共に、パチンコ機1に対するメンテナンス性を向上させることができるようになっている。
[遊技盤の詳細構成]
続いて、本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4の詳細な構成について、図114乃至図117を参照して説明する。図114はパチンコ機における遊技盤の正面図である。図115はパチンコ機における遊技盤の特設入賞口が開放されたときの正面図である。また、図116は、遊技盤を後から見た斜視図であり、図117は、遊技盤を構成する主な部材(ただしセンター役物2500は図示していない)毎に分解して斜め後から見た斜視図である。
本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4は、外レール1111及び内レール1112を有し、遊技者がハンドル装置500を操作することで遊技媒体としての遊技球(単に「球」とも称す)が打ち込まれる遊技領域1100の内周を区画形成する枠状の前構成部材1110Aと、板状の遊技パネル1200と、を備えている。
本例の遊技パネル1200は、前構成部材1110Aによって内周が区画された遊技領域1100の後端を区画可能な板状で前構成部材1110Aよりも外形が小さく形成された透明なパネル板1210と、パネル板1210を前側から脱着可能に保持すると共に前構成部材1110Aの後面に取付けられる枠状のパネルホルダ1220と、を備えている。遊技パネル1200の開口部は、透明なパネル板1210に形成されている。
また、遊技盤4は、遊技パネル1200の開口部に対して前側から取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1200(パネルホルダ1220)の後面に取付けられる裏ユニット3000と、裏ユニット3000の前端左端で透明なパネル板1210を通して遊技者側から視認可能とされると共にパチンコ機1へ取付けた時に扉枠5の遊技窓101から遊技者側へ視認可能となる位置に配置された機能表示ユニット1180と、裏ユニット3000の後側に遊技者側から視認可能に取付けられ所定の演出画像を表示可能な矩形の表示画面(表示領域)を有する液晶表示装置1900と、裏ユニット3000の下部を後側から覆うように遊技パネル1200の後面下部に取付けられる基板ホルダ1160と、基板ホルダ1160の後面に取付けられる主制御基板ボックス1170と、を備えている。
図114及び図115に示されるように、遊技領域1100内には、多数の障害釘が所定のゲージ配列をなして設けられているほか、その途中の所定位置に風車が設けられている。遊技領域1100のほぼ中央位置には、センター役物2500が配設されており、このセンター役物2500のデザインによってパチンコ機1の機種やゲームコンセプト等が特徴付けられている。
また、センター役物2500の後方には、遊技者からの注目を集めるように正面視で大きな領域をもって演出表示する演出表示装置1900が設けられている。演出表示装置1900は、装飾図柄画像情報、背景画像情報、キャラクタ画像情報等を合成した画像情報を表示可能な適宜の表示装置が用いられる。本実施の形態では、演出表示装置1900として液晶表示装置が用いられている。
また、液晶表示装置1900の上方には、液晶表示装置1900よりも小さな表示領域を有して補助的な表示演出を実現する第二液晶表示装置3252が設けられている。この第二液晶表示装置3252にも、装飾図柄画像情報、背景画像情報、キャラクタ画像情報等を合成した画像情報などを表示するようにしてもよい。
一方、遊技領域1100におけるセンター役物2500の右側領域から下側領域にかけては、上流から順に普図ゲート2301、アタッカ装置2100の大入賞口2103、第1始動口2101の特設入賞口2101b、第2始動口2102が設けられている。これに対し、遊技領域1100におけるセンター役物2500の左側領域には、複数の一般入賞口2201が設けられている。また、遊技領域1100におけるセンター役物2500の下方領域には、第1始動口2101の常時入賞口2101aが設けられている。
ここで、第1始動口2101は、遊技領域1100の左右方向略中央であって液晶表示装置1900の下方にて遊技球が常時入賞可能とされている常時入賞口2101aと、遊技領域1100内の右側にて可動片(普通電動役物)2111が動作したときにのみ遊技球が入賞可能とされる特設入賞口2101bとを有して構成されている。そして、この第1始動口2101(常時入賞口2101a、特設入賞口2101b)に遊技球が入球したときには、後述の第1始動口センサ3131(図118参照)によって同遊技球の入球(入賞)が検出される。そしてこの際、所定の特別始動条件が成立すれば、予め定められた数値範囲内で定期的(例えば4ms毎)に更新(生成)される第1特別図柄用の乱数に基づいて、後述のアタッカ装置2100の動作契機となる当りについての第1特別図柄抽選(第1特別判定)が行われ、第一特別図柄表示器1185に動的表示される第1特別図柄が所定の時間だけ変動表示される。そして、当りに当選するときには、この変動表示が終了した後に、ソレノイドなどを有して構成される後述のアタッカ駆動機構2121(図118参照)の駆動制御が行われ、これによってアタッカ装置2100が開閉動作されるようになる。こうしてアタッカ装置2100が開閉動作された後には、上記第1始動口2101の特設入賞口2101bへの遊技球の入賞し易さの向上が図られる後述の時短遊技状態に移行制御されうることとなる。
なお、後述するが、本実施形態にかかるパチンコ機1では、第1特別図柄と第2特別図柄とを同時変動させうる制御構造を有することとしており、第2特別図柄の変動を開始させることによって第1特別図柄抽選の結果に応じた図柄変動を変動開始待ち状態とすることはできないようになっている。
また、上記普図ゲート2301は、上記特設入賞口2101bの上方に設けられており、センター役物2500の右側領域に打ち込まれた遊技球が通過可能に構成されている。そして、普図ゲート2301への遊技球の受け入れ(通過)があったときには、後述のゲートセンサ2302(図118参照)によって同受け入れがあったことが検出される。
そしてこの際、所定の普通始動条件が成立すれば、予め定められた数値範囲内で定期的(例えば4ms毎)に更新(生成)される普通図柄用の乱数に基づいて、上記可動片(普通電動役物)2111の動作契機となる普通当りについての判定処理(普通判定)が行われ、普通図柄表示器1189に動的表示される普通図柄が所定の時間だけ変動表示される。そして、普通当りに当選するときには、この変動表示が終了した後、ソレノイドなどを有して構成される後述の普通役物駆動機構3114(図118参照)の駆動制御が行われる。この駆動制御によって可動片2111が下端を中心に上端を右方向(時計回り)に回動する開放動作を通じて第1始動口2101の特設入賞口2101bへの遊技球の受け入れが許容されるようになる。
すなわち、上記特設入賞口2101bは、普通当りの当選に応じて上記可動片2111による開放動作(可動片2111の下端を中心とした上端の回動動作)があったときにのみ遊技球の(入球)入賞が可能とされるように設けられている。この意味では、上記可動片2111は、第1始動口2101の特設入賞口2101bへの遊技球の入球を不可能とする態様(拒球態様)と、同入球を可能とする態様(許球態様)との間で切り替わるように動作可能なものであって、普通役物駆動機構3114の駆動制御が行われない限りは拒球態様にて維持されるものであるといえる。したがって、上記特設入賞口2101bでは、基本的には、通常遊技状態(非時短遊技状態)にあるときには遊技球の入賞がほとんど発生しない。これに対し、時短遊技状態においては、遊技領域1100のうち、センター役物2500の右側領域に遊技球が打ち込まれることで(右打ち)、遊技球の受け入れ易さの向上が図られている特設入賞口2101bへの遊技球の受け入れに応じた遊技(第1特別図柄抽選)を中心とした遊技性が実現されることとなる。
また、第2始動口2102は、上記特設入賞口2101bの下方に設けられており、センター役物2500の右側領域に打ち込まれ、アタッカ装置2100の大入賞口2103及び第1始動口2101の特設入賞口2101bに受け入れられなかった遊技球が入球可能に構成されている。そして、第2始動口2102に遊技球が入球されたときには、後述の第2始動口センサ3132(図118参照)によって同遊技球の入球(入賞)が検出される。そしてこの際、所定の特別始動条件が成立すれば、予め定められた数値範囲内で定期的(例えば4ms毎)に更新(生成)される第2特別図柄用の乱数に基づいて、後述のアタッカ装置2100の動作契機となる当りについての第2特別図柄抽選(第2特別判定)が行われ、第二特別図柄表示器1186に動的表示される第2特別図柄が所定の時間だけ変動表示される。そして、当りが得られているときには、この変動表示が終了した後に、ソレノイドなどを有して構成される後述のアタッカ駆動機構2121(図118参照)の駆動制御が行われ、これによってアタッカ装置2100が開閉動作されるようになる。
ここで、本実施形態にかかるアタッカ装置2100は、上記特設入賞口2101bの上方に設けられ、開放状態のときには遊技領域1100のうちセンター役物2500の右側領域に打ち込まれる遊技球を受け入れ可能に構成されている。
アタッカ装置2100は、大入賞口2103、閉状態と開状態との間で動作可能な開閉部材2106、及びこの開閉部材2106を開閉駆動させるアタッカ駆動機構2121(図118参照)によって構成されており、通常は、大入賞口2103に遊技球が受け入れられないように開閉部材2106によって閉鎖されている。
ただし後述するが、本実施形態にかかるパチンコ機1では、第1始動口2101への遊技球の受け入れに基づいて行われた特別抽選の結果として大入賞口2103を開放させるときと(第1特別図柄側の当り遊技)、第2始動口2102への遊技球の受け入れに基づいて行われた特別抽選の結果として大入賞口2103を開放させるときとでは(第2特別図柄側の当り遊技)、それらの開放にかかる制御態様を異ならせることによって遊技球が受け入れられる球数の調整を図ることとしている。
すなわち、アタッカ装置2100は、上記第1特別判定及び上記第2特別判定のいずれかの判定結果として大当りもしくは小当りが得られたときに、開閉部材2106の開閉動作によって大入賞口2103を開放させることで、遊技者に有利な特典としての大当り遊技状態もしくは小当り遊技状態を発生させるものとなっている。したがって、上記第1始動口2101(第一始動口センサ3131)や上記第2始動口2102(第二始動口センサ3132)に遊技球が入賞したときには3個の遊技球が払い出されるのに対し、大当り遊技状態や小当り遊技状態の実行に供される大入賞口2103(カウントセンサ2122a)に遊技球が入賞したときには15個の遊技球が払い出されるようになっている。なお、一般入賞口2201(一般入賞口センサ3133)に遊技球が入賞したときには10個の遊技球が払い出される。
ところで、時短遊技状態(本実施形態におけるラッシュ準備モード)では、普通図柄の変動時間が「0.08秒」となっており、普通図柄の変動停止後に可動片2111が開状態(特設入賞口2101bに遊技球が入賞可能とされる右回動側位置)にて維持される時間が「5.5秒」となっている。すなわち、普図ゲート2301を遊技球が通過するときには普通当りに必ず当選するようにした上で、この通過した遊技球が、可動片2111の可動領域に到達するまでの時間よりも短い時間(0.08秒)で普通図柄の変動を停止させるようにすることで、普通当りが当選される契機となった遊技球が第1始動口2101の特設入賞口2101bにそのまま入賞可能にしている。このような構成によれば、時短遊技状態において、特設入賞口2101bのさらに下方に設けられ、流下した遊技球を受け入れ可能な第2始動口2102に遊技球が入賞するのを抑制することができる。したがって、特設入賞口2101bへの遊技球の入賞に基づく第1特別図柄抽選の実行が好まれる時短遊技状態において、第2特別図柄抽選が実行されるのを抑制することができる。
なお、可動片2111は、開状態(特設入賞口2101bに遊技球が受け入れ可能とされる位置)にて「5.5秒」維持された後は、閉状態(特設入賞口2101bに遊技球が受け入れ不能とされる位置)となるように動作する。
したがって、時短遊技状態(ラッシュ準備モード)では、普通図柄の当選確率は100%であり、更に特設入賞口2101bの可動片2111を長期間(この例では5.5秒間)にわたって右回動側位置にて維持させるため、この場合には右打ちすることで特設入賞口2101bへの遊技球の入賞が容易となる。したがって、時短遊技状態ラッシュ準備モード)では、第1始動口2101(常時入賞口2101a)ではなく、第1始動口2101(特設入賞口2101b)に多くの遊技球が入賞するように、センター役物2500の右側を狙って遊技球を発射(いわゆる「右打ち」)するほうが遊技者にとって有利とされている。
一方、非時短遊技状態(本実施形態における通常モード及びラッシュモード)においては、普通図柄の当選確率を0%に設定するとともに普通図柄の変動表示制御に要する時間を所定の変動時間(例えば1秒)に設定することで第1始動口2101の特設入賞口2101bへの遊技球の受入れが不能とされる。
なお、非時短遊技状態であっても確変遊技状態であるか否かでセンター役物2500の左右どちらを狙って遊技球を発射するほうが遊技者に有利とされるか異なる。非時短遊技状態であって確変遊技状態ではない通常遊技状態(通常モード)においては、第1始動口2101の常時入賞口2101aに多くの遊技球が入賞するように、センター役物2500の左側を狙って遊技球を発射(いわゆる「左打ち」)するほうが遊技者にとって有利とされている。また、非時短遊技状態であって、かつ大当り当選確率が通常遊技状態よりも高い確変遊技状態である高確非時短遊技状態(ラッシュモード)においては、第2始動口2102に多くの遊技球が入賞するように、センター役物2500の右側を狙って遊技球を発射(いわゆる「右打ち」)するほうが遊技者にとって有利とされている。
また、時短制御としては、上記普通図柄の当選確率を非時短遊技状態よりも高める制御、上記普通図柄の変動表示制御に要する時間を非時短遊技状態よりも短縮する制御、第1始動口2101の特設入賞口2101bの可動片2111を右回動側位置にて維持させる期間を非時短遊技状態よりも延長する制御、可動片2111を右回動側位置に動作させる回数を非時短遊技状態よりも増加する制御、のうち何れか一つ又は任意の組み合わせ(全部でもよい)を実行するようにしてもよい。
また、遊技盤4における裏ユニット3000は、遊技パネル1200(パネルホルダ1220)の後側に取付けられ前側が開放されると共に後壁3010aに液晶表示装置1900の表示画面が臨む前後方向に貫通する開口3010bが形成された裏箱3010と、裏箱3010内の前端付近に配置される裏前装飾ユニット3100と、裏箱3010内で開口3010bの上側に配置される裏上演出ユニット3200と、裏箱3010内で開口3010bの下側に配置される裏下演出ユニット3400と、裏箱3010内の正面視右下隅で裏下演出ユニット3400と裏前装飾ユニット3100との間に配置される裏右下演出ユニット3600と、を主に備えている。裏ユニット3000における裏前装飾ユニット3100には、透明なパネル板1210を通して遊技者側から視認できる位置に機能表示ユニット1180が備えられている。
更に、遊技盤4における液晶表示装置1900の後側には、詳細は後述するが、周辺制御部4140及び液晶制御部4150を有した周辺制御基板4010(図118を参照)を収容する周辺制御基板ボックス1910が備えられている。
本実施形態の遊技盤4は、センター役物2500の左側の外周と遊技領域1100の外周(前構成部材1110Aの内周)との間では遊技球が充分に転動可能な広い領域とされており、遊技領域1100におけるセンター役物2500の左側の領域内でパネル板1210の前面に、複数の障害釘(図示は省略)が所定のゲージ配列で植設されている。
本例の遊技盤4では、センター役物2500の右側へ遊技球を打込む(所定強さ以上の強さで打込む)と、この遊技球は、前構成部材1110Aの衝止部1114の上流側からセンター役物2500の右側通路2545を流下する。ここで、右側通路2545は遊技球が1球ずつ流下できる幅となっており、この右側通路2545を流下した遊技球は、衝止部1114にて減速された後、まず、右側通路2545の経路上に配置された普図ゲート2301に到達する。その後、アタッカ装置2100の開閉部材2106の可動領域に誘導される。この可動領域において、開閉部材2106により大入賞口2103に受け入れられなかった遊技球は、次いで、可動片2111の可動領域に誘導される。なお、可動領域よりも右上方を流下する遊技球は、第1誘導部2901によって減速され流下方向を変換された上で可動片2111の可動領域に誘導される。ここでは、可動片2111により遊技球が受け入れられる状態となった特設入賞口2101bには、上方の普図ゲート2301を通過した遊技球が誘導される。
可動片2111の可動領域において、可動片2111により特設入賞口2101bに受け入れられるように誘導されなかった遊技球は、第2誘導部2902で再び減速された後、次いで、第2始動口2102に誘導される。右側通路2545を流下する遊技球は、大入賞口2103と特設入賞口2101bとのいずれにも入球しない限り、100%に近い確率で第2始動口2102へと誘導される。
以上により、時短遊技状態においては、右打ちされて普図ゲート2301を通過した遊技球は、ほぼ100%の確率で第1始動口2101の特設入賞口2101bに受け入れられるようになる。
そして、こうした遊技が行われた結果、上記第1特別判定及び上記第2特別判定のいずれかの判定結果として大当り又は小当りが得られると、開閉部材2106の開閉動作によって大入賞口2103が開放されることで、遊技者に有利な特典としての大当り遊技状態又は小当り遊技状態を発生させるものとなっている。
[液晶表示装置]
続いて、本例の遊技盤4における液晶表示装置1900について説明する。この液晶表示装置1900は、裏ユニット3000における裏箱3010の後面に脱着可能に取付けられるようになっており、遊技状態に応じて所定の演出画像を表示することができるようになっている。この液晶表示装置1900は、図117等に示すように、左右両側から外方へ突出した固定片1902を備えており、この固定片1902を介して裏箱3010の後側に取付けられるようになっている。
具体的には、液晶表示装置1900は、裏箱3010における後壁3010aの後側に形成された液晶挿入部3010d内へ後側から挿入されるようになっており、正面視右辺から突出した二つの固定片1902が、裏箱3010における背面視左側の二つの液晶固定部3010e内に挿入された上で、反対側の固定片1902がロック機構3050により形成される挿入口に挿入させた上で、ロック機構3050を下方へスライドして挿入口を閉鎖することで液晶表示装置1900を裏箱3010にロックして取付けられるようになっている。
また、液晶表示装置1900は、図116等に示すように、周辺制御部4140や液晶制御部4150(図118を参照)等を収容した周辺制御基板ボックス1910と、周辺制御基板ボックス1910の下部から後方へ延出したボリューム1912と、を備えている。このボリューム1912を適宜方向へ回転させることで、扉枠5に備えられた各スピーカ130,222,262や本体枠3に備えられた下部スピーカ821等から出力される音量を調節することができるようになっている。
なお、液晶表示装置1900は、バックライトとして光輝度白色LEDを用いたものとされている。
[各種基板]
続いて、パチンコ機1の各種制御を行う制御基板について、図118を参照して説明する。図118はパチンコ機の制御構成を概略的に示すブロック図である。パチンコ機1の制御構成は、図示するように、主基板4000のグループ及び周辺制御基板4010のグループから構成されており、これら2つのグループにより各種制御が分担されている。主基板4000のグループは、遊技動作(遊技の進行)を制御する主制御基板4100と、遊技球の払出し等を制御する払出制御基板4110と、を備えて構成されている。また、周辺制御基板4010のグループは、主制御基板4100からのコマンドに基いて遊技中の各種演出を制御する周辺制御部4140と、周辺制御部4140からのコマンドに基いて液晶表示装置1900での演出画像の表示を制御する液晶制御部4150と、を備えている。
[主制御基板]
遊技の進行を制御する主制御基板4100は、図118に示すように、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである主制御MPU4100aと、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポート4100bと、各種検出スイッチからの検出信号が入力される主制御入力回路4100fと、各種ソレノイドを駆動するための主制御ソレノイド駆動回路4100gと、主制御MPU4100aに内蔵されているRAM4100e(以下、「主制御内蔵RAM4100e」とも記載する。)に記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリアスイッチ4100cと、を備えている。主制御MPU4100aは、その内蔵されたROM4100d(以下、「主制御内蔵ROM4100d」とも記載する。)や主制御内蔵RAM4100eのほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、第1始動口2101へ受入れられた遊技球を検出する第1始動口センサ3131、第2始動口2102へ受入れられた遊技球を検出する第2始動口センサ3132、及び一般入賞口2201へ受入れられた遊技球を検出する一般入賞口センサ3133からの検出信号が夫々主制御I/Oポート4100bを介して入力されたり、ゲートセンサ2302、カウントセンサ2122(カウントセンサ2122a,カウントセンサ2122b)、特定センサ2580、及び裏ユニット3000に取付けられた磁気検出センサ3134からの検出信号が、遊技盤4に取付けられたパネル中継基板3040、及び主制御I/Oポート4100bを介して入力されたりするようになっている。
主制御MPU4100aは、これらの検出信号に基づいて、主制御I/Oポート4100bから主制御ソレノイド駆動回路4100gに制御信号を出力することにより、パネル中継基板3040を介して普通役物駆動機構2114、アタッカ駆動機構2121、入賞口振分駆動モータ2558、及び特定領域振分駆動モータ2559に駆動信号を出力したり、主制御I/Oポート4100b、パネル中継基板3040、及び機能表示基板1191を介して第一特別図柄表示器1185、第二特別図柄表示器1186、第一特別図柄記憶表示器1184、第二特別図柄記憶表示器1187、普通図柄表示器1189、普通図柄記憶表示器1188、遊技状態表示器1183、ラウンド表示器1190に駆動信号を出力したりする。
また、主制御MPU4100aは、遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払出しに関する各種コマンド等を払出制御基板4110に送信したり、この払出制御基板4110からのパチンコ機1の状態に関する各種コマンド等を受信したりする。更に、主制御MPU4100aは、遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを、主制御I/Oポート4100bを介して後述する周辺制御基板4010の周辺制御部4140に送信したりする(主制御基板4100と周辺制御部4140との基板間は図示しないハーネスより電気的に接続されている)。なお、主制御MPU4100aは、その詳細な説明は後述するが、払出制御基板4110からパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを受信すると、これらの各種コマンドを整形して周辺制御部4140に送信する。
主制御基板4100には、詳細な説明は後述するが、電源基板851から各種電圧が供給されている。この主制御基板4100に各種電圧を供給する電源基板851は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板4100に電力を供給するためのバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)を備えている。このキャパシタにより主制御MPU4100aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を主制御内蔵RAM4100eに記憶することができるようになっている。この記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板4100のRAMクリアスイッチ4100cが操作されると、主制御内蔵RAM4100eから完全に消去(クリア)されるようになっている。このRAMクリアスイッチ4100cの操作信号(検出信号)は、払出制御基板4110にも出力されるようになっている。
また、主制御基板4100には、停電監視回路が設けられている。この停電監視回路は、電源基板851から供給される各種電圧の低下を監視しており、それらの電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号を出力するようになっている。この停電予告信号は、主制御I/Oポート4100bを介して主制御MPU4100aに入力される他に図示しないハーネスを介して払出制御基板4110等にも伝達されている。
[払出制御基板]
遊技球の払出し等を制御する払出制御基板4110は、図118に示すように、払出しに関する各種制御を行う払出制御部4111と、発射ソレノイド654による発射制御を行うとともに、球送ソレノイド585による球送制御を行う発射制御部4120と、パチンコ機1の状態を表示するエラーLED表示器4130と、エラーLED表示器4130に表示されているエラーを解除するためのエラー解除スイッチ860aと、賞球タンク720、タンクレール731、及び賞球装置740内の遊技球をパチンコ機1の外部へ排出して球抜き動作を開始するための球抜きスイッチ860bと、を備えている。
[払出制御部]
払出制御基板4110における払出しに関する各種制御を行う払出制御部4111は、図118に示すように、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである払出制御MPU4111aと、I/Oデバイスとしての払出制御I/Oポート4111bと、払出制御MPU4111aが正常に動作しているか否かを監視するための外部ウォッチドックタイマ4111c(以下、「外部WDT4111c」と記載する。)と、賞球装置740の払出モータ744に駆動信号を出力するための払出モータ駆動回路4111dと、払い出しに関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される払出制御入力回路4111eと、を備えている。払出制御MPU4111aには、その内蔵されたROM(以下、「払出制御内蔵ROM」と記載する。)やRAM(以下、「払出制御内蔵RAM」と記載する。)のほかに、不正を防止するため機能等も内蔵されている。
払出制御部4111の払出制御MPU4111aは、主制御基板4100からの遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払い出しに関する各種コマンドを払出制御I/Oポート4111bを介してシリアル方式で受信したり、主制御基板4100からのRAMクリアスイッチ4100cの操作信号(検出信号)が払出制御I/Oポート4111bを介して入力されたりする他に、満タン検知センサ550からの検出信号が入力されたり、球切れスイッチ750、計数センサ751及び回転角センサ752からの検出信号が賞球中継基板754を介して入力されたりする。
賞球装置740のユニットベース741に形成された供給通路741a内に遊技球の有無を検出する球切れスイッチ750、及びユニットベース741に形成された賞球通路741c内を流下する遊技球を検出する計数センサ751からの検出信号は、まず賞球装置740の賞球中継基板754を介して払出制御入力回路4111eに入力され、払出制御I/Oポート4111bを介して払出制御MPU4111aに入力されている。賞球装置740の回転検出盤749に形成された検出スリット749aを検出するための回転角センサ752からの検出信号は、まず賞球装置740のセンサ基板753、そして賞球中継基板754を介して払出制御入力回路4111eに入力され、払出制御I/Oポート4111bを介して払出制御MPU4111aに入力されている。
また、本体枠3に対する扉枠5の開放を検出する扉枠開放スイッチ618、及び外枠2に対する本体枠3の開放を検出するた本体枠開放スイッチ619からの検出信号は、まず払出制御入力回路4111eに入力され、払出制御I/Oポート4111bを介して払出制御MPU4111aに入力されている。
また、ファールカバーユニット540の収容空間546が貯留された遊技球で満タンであるか否かを検出する満タン検知センサ550からの検出信号は、まずハンドル装置中継基板192、そして主側中継端子板880を介して払出制御入力回路4111eに入力され、払出制御I/Oポート4111bを介して払出制御MPU4111aに入力されている。
払出制御MPU4111aは、払出モータ744を駆動するための駆動信号を、払出制御I/O4111b、そして賞球中継基板754を介して払出モータ744に出力したり、パチンコ機1の状態をエラーLED表示器4130に表示するための信号を、払出制御I/Oポート4111bを介してエラーLED表示器4130に出力したり、パチンコ遊1の状態を示すためのコマンドを、払出制御I/Oポート4111bを介して主制御基板4100にシリアル方式で送信したり、実際に払い出した遊技球の球数を払出制御I/Oポート4111bを介して外部端子板784に出力したりする。この外部端子板784は、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータと電気的に接続されている。このホールコンピュータは、パチンコ機1が払い出した遊技球の球数やパチンコ機1の遊技情報等を把握することにより遊技者の遊技を監視している。
エラーLED表示器4130は、セグメント表示器であり、英数字や図形等を表示してパチンコ機1の状態を表示している。エラーLED表示器4130が表示して報知する内容としては、次のようなものがある。例えば、図形「−」が表示されているときには「正常」である旨を報知し、数字「0」が表示されているときには「接続異常」である旨(具体的には、主制御基板4100と払出制御基板4110との基板間の電気的な接続に異常が生じている旨)を報知し、数字「1」が表示されているときには「球切れ」である旨(具体的には、球切れスイッチ750からの検出信号に基づいて賞球装置740のユニットベース741に形成された供給通路741a内に遊技球がない旨)を報知し、数字「2」が表示されているときには「球がみ」である旨(具体的には、回転角センサ752からの検出信号に基づいて賞球装置740のユニットベース741に形成された供給通路741aと連通する振分空間741bの入口において払出回転体748と遊技球とがその入口近傍でかみ合って払出回転体748が回転困難となっている旨)を報知し、数字「3」が表示されているときには「計数スイッチエラー」である旨(具体的には、計数センサ751からの検出信号に基づいて計数センサ751に不具合が生じている旨)を報知し、数字「5」が表示されているときには「リトライエラー」である旨(具体的には、払い出し動作のリトライ回数が予め設定された上限値に達した旨)を報知し、数字「6」が表示されているときには「満タン」である旨(具体的には、満タン検知センサ550からの検出信号に基づいてファールカバーユニット540の収容空間546が貯留された遊技球で満タンである旨)を報知し、数字「7」が表示されているときには「CR未接続」である旨(払出制御基板4110からCRユニット6までに亘るいずれかにおいて電気的な接続が切断されている旨)を報知し、数字「9」が表示されているときには「ストック中」である旨(具体的には、まだ払い出していない遊技球の球数が予め定めた球数に達している旨)を報知している。
球貸スイッチ365aからの遊技球の球貸要求信号、及び返却スイッチ365bからのプリペイドカードの返却要求信号は、まず貸球ユニット基板366、主側中継端子板880、そしてCRユニット接続端子板874を介してCRユニット6に入力されるようになっている。CRユニット6は、球貸要求信号に従って貸し出す遊技球の球数を指定した信号を、CRユニット接続端子板874を介して払出制御基板4110にシリアル方式で送信し、この信号が払出制御I/Oポート4111bで受信されて払出制御MPU4111aに入力されるようになっている。またCRユニット6は、貸し出した遊技球の球数に応じて挿入されたプリペイドカードの残度を更新するとともに、その残度を残度数表示器365cに表示するための信号を、CRユニット接続端子板874、主側中継端子板880、そして貸球ユニット基板366に出力し、この信号が残度数表示器365cに入力されるようになっている。
[発射制御部]
発射ソレノイド654による発射制御と、球送ソレノイド585による球送制御と、を行う発射制御部4120は、図118に示すように、発射に関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される発射制御入力回路4120aと、定時間毎にクロック信号を出力する発振回路4120bと、このクロック信号に基づいて遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出すための発射基準パルスを出力する発射タイミング制御回路4120cと、この発射基準パルスに基づいて発射ソレノイド654に駆動信号を出力する発射ソレノイド駆動回路4120dと、発射基準パルスに基づいて球送ソレノイド585に駆動信号を出力する球送ソレノイド駆動回路4120eと、を備えている。発射タイミング制御回路4120cは、発振回路4120bからのクロック信号に基づいて、1分当り100個の遊技球が遊技領域1100に向かって打ち出されるよう発射基準パルスを生成して発射ソレノイド駆動回路4120dに出力するとともに、発射基準パルスを所定数倍した球送基準パルスを生成して球送ソレノイド駆動回路4120eに出力する。
ハンドル本体504に手のひらや指が触れているか否かを検出するタッチセンサ516、及び遊技者の意志によって遊技球の打ち出しを強制的に停止するか否かを検出する発射停止スイッチ518からの検出信号は、まずハンドル装置中継基板192、そして主側中継端子板880を介して発射制御入力回路4120aに入力され、発射タイミング制御回路4120cに入力されている。またCRユニット6とCRユニット接続端子板874とが電気的に接続されると、CR接続信号として発射制御入力回路4120aに入力され、発射タイミング制御回路4120cに入力されるようになっている。ハンドル本体504の回転位置に応じて遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出す強度を電気的に調節する回転位置検知センサ512からの信号は、まずハンドル装置中継基板192、そして主側中継端子板880を介して発射ソレノイド駆動回路4120dに入力されている。
この発射ソレノイド駆動回路4120dは、回転位置検知センサ512からの信号に基づいて、ハンドル本体504の回転位置に見合う打ち出し強度で遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出すための駆動電流を、発射基準パルスが入力されたことを契機として、発射ソレノイド654に出力するようになっている。これに対して、球送ソレノイド駆動回路4120eは、球送基準パルスが入力されたことを契機として、主側中継端子板880、そしてハンドル装置中継基板192を介して球送ソレノイド585に一定電流を出力することにより球送りユニット580の球送り部材584が皿ユニット300の上皿301に貯留された遊技球を1球受入れ、その球送基準パルスの入力が終了したことを契機として、その一定電流の出力を停止することにより球送り部材584が受入れた遊技球を打球発射装置650側へ送るようになている。このように、発射ソレノイド駆動回路4120dから発射ソレノイド654に出力される駆動電流は可変に制御されるのに対して、球送ソレノイド駆動回路4120eから球送ソレノイド585に出力される駆動電流は一定に制御されている。
なお、払出制御基板4110に各種電圧を供給する電源基板851は、電源遮断時にでも所定時間、払出制御基板4110に電力を供給するためのバックアップ電源としてのキャパシタBC1(乙169参照)を備えている。このキャパシタBC1により払出制御MPU4111aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を払出制御内蔵RAMに記憶することができるようになっている。この記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板4100のRAMクリアスイッチ4100cが操作されると、払出制御内蔵RAMから完全に消去(クリア)されるようになっている。
[周辺制御基板]
周辺制御基板4010は、図118に示すように、主制御基板4100からのコマンドに基づいて演出制御を行う周辺制御部4140と、この周辺制御部4140からの制御データに基づいて液晶表示装置1900や第二液晶表示装置3252の描画制御を行う液晶制御部4150と、を備えている。
[周辺制御部]
周辺制御基板4010における演出制御を行う周辺制御部4140は、図118に示すように、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPU4140aと、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶する周辺制御ROM4140bと、高音質の演奏を行う音源IC4140cと、この音源IC4140cが参照する音楽及び効果音等の音情報が記憶されている音ROM4140dと、を備えている。
周辺制御MPU4140aは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を複数内蔵しており、主制御基板4100から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、遊技盤4の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データをランプ駆動基板用シリアルI/Oポートからランプ駆動基板3041に送信したり、遊技盤4に設けられた各種演出ユニットを作動させる駆動モータへの駆動信号を出力するための遊技盤側駆動データを遊技盤装飾駆動基板用シリアルI/Oポートから裏箱3010の後面に取付けられたモータ駆動基板3045に送信したり、扉枠5に設けられたダイヤル駆動モータ414等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための扉側駆動データと、扉枠5の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力すための扉側発光データと、から構成される扉側駆動発光データを枠装飾駆動基板用シリアルI/Oポートから周辺パネル中継端子板872、そして周辺側中継端子板882を介して扉枠ベース基板194に送信したり、液晶表示装置1900や第二液晶表示装置3252に表示させる画面を示す制御データ(表示コマンド)を液晶制御部用シリアルI/Oポートから液晶制御部4150に送信したりするほかに、音ROM4140dから音情報を抽出するための制御信号(音コマンド)を音源IC4140cに出力したりする。
遊技盤4に設けられた各種演出ユニットの原位置を検出するための各種原位置検出センサからの検出信号は、裏箱3010の後面に取付けられたモータ駆動基板3045を介して周辺制御MPU4140aに入力されている。扉枠5に設けられた操作ユニット400のダイヤル操作部401の回転を検出する回転検知センサ432a,432b、押圧操作部405の操作を検出する押圧検知センサ432cからの検出信号は、扉枠ベース基板194、周辺側中継端子板882、そして周辺パネル中継端子板872を介して周辺制御MPU4140aに入力されている。
また周辺制御MPU4140aは、液晶制御部4150が正常に動作している旨を伝える信号(動作信号)が液晶制御部4150から入力されており、この動作信号に基づいて液晶制御部4150の動作を監視している。
音源IC4140cは、周辺制御MPU4140aからの制御データ(音コマンド)に基づいて音ROM4140dから音情報を抽出し、周辺パネル中継端子板872、そして周辺側中継端子板882を介して本体枠3に設けられた下部スピーカ821から各種演出に合せた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行うとともに、周辺パネル中継端子板872、周辺側中継端子板882、そして扉枠ベース基板194を介して扉枠5に設けられたスピーカ130,222,262や、本体枠3に備えられた下部スピーカ821から各種演出に合せた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行っている。なお、周辺制御基板4010に実装され周辺制御基板ボックス1910から後方へ突出したボリューム1912を回転操作することで、音量を調整することができるようになっている。
なお、周辺制御部4140は、周辺制御MPU4140aに内蔵されたウォッチドックタイマ(以下、「周辺制御内蔵WDT」と記載する。)のほかに、図示しない、外部ウォッチドックタイマ(以下、「周辺制御外部WDT」と記載する。)も備えており、周辺制御MPU4140aは、周辺制御内蔵WDTと周辺制御外部WDTとを併用して自身のシステムが暴走しているか否かを診断している。
この周辺制御MPU4140aから液晶制御部4150に出力される表示コマンドはシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレート(単位時間あたりに送信できるデータの大きさ)として19.2キロ(k)ビーピーエス(bits per second、以下、「bps」と記載する)が設定されている。一方、周辺制御MPU4140aから裏箱3010の後面に取付けられたランプ駆動基板3041やモータ駆動基板3045に出力される、初期データ、扉枠側点灯点滅コマンド、遊技盤側点灯点滅コマンド、可動体駆動コマンド、表示コマンドと異なる複数のシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレートとして250kbpsが設定されている。
この裏箱3010の後面に取付けられたランプ駆動基板3041やモータ駆動基板3045は、受信した扉枠側点灯点滅コマンドに基いて点灯信号又は点滅信号を、周辺側中継端子板882を介して扉枠5に備えられた各装飾基板214,216,254,256,288,290,322,430,432等のLEDに出力したり、受信した遊技盤側点灯点滅コマンドに基いて点灯信号又は点滅信号を遊技盤4に備えられた各装飾基板2116,2125,2569,3113,3114,3115,3123,3124,3266,3320,3322,3426,3536,3546等のLEDに出力したりする。また、裏箱3010の後面に取付けられたパネル中継基板3040は、受信した可動体の駆動コマンドに基いて駆動信号を、周辺側中継端子板882を介して扉枠5に備えられたダイヤル駆動モータ414や、遊技盤4に備えられた各駆動モータ3228,3234,3304,3460,3476,3508等や、各ソレノイド等に出力したりする。
また、周辺制御MPU4140aは、液晶制御部4150が正常動作している旨を伝える信号(動作信号)が液晶制御部4150から入力されたり、扉枠5における皿ユニット300に備えられた操作ユニット400におけるダイヤル操作部401の回転操作を検知する回転検知センサ432a,432bや、操作ユニット400における押圧操作部405の操作を検知する押圧検知センサ432cからの検知信号が、周辺側中継端子板882及び裏箱3010の後面に取付けられたランプ駆動基板3041やモータ駆動基板3045を介して入力されたりする。
音源IC4140cは、周辺制御MPU4140aから出力された音コマンドに基いて音ROM4140dから音情報を抽出し、裏箱3010の後面に取付けられたランプ駆動基板3041やモータ駆動基板3045等及び周辺側中継端子板882を介して扉枠5のサイドスピーカ130や上部スピーカ222,262から、或いは、裏箱3010の後面に取付けられたランプ駆動基板3041やモータ駆動基板3045等を介して本体枠3の下部スピーカ821から、各種演出に合せた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行う。本例では、上述したように、遊技窓101における下辺の左右両側に配置されたサイドスピーカと、遊技窓101の上側に配置された上部スピーカ222,262と、本体枠3の下部に備えられた低音用の下部スピーカ821に、音情報としての音響信号(例えば、2chステレオ信号、4chステレオ信号、後述する下部スピーカ391を加えた2.1chサラウンド信号或いは4.1chサラウンド信号、等)を送ることで、従来よりも臨場感のある音響効果(音響演出)を提示することができるようになっている。
[異常音発生防止対策]
扉枠5には、種々の音響設備、LED、センサなど電力を要する設備が装備されており、扉枠5の裏面には扉枠ベース基板194が取り付けられている(図25)。扉枠ベース基板194は、サイドスピーカ130、左右のサイド装飾ユニットの上部スピーカ222、262(図29、図32)及び本体枠3に設けられたスピーカボックス820内(図67)の下部スピーカ821(低音用スピーカ)(図89)と接続されると共に、遊技盤4に備えられた周辺制御基板4010と接続されており、周辺制御基板4010から送られた音声信号を増幅して各スピーカへ出力する増幅回路(デジタルアンプ回路)を備えている。
また、扉枠ベース基板194には、種々の音響設備、LED、センサなどと払出制御基板4110や周辺制御基板4010等とを接続する配線が、集約して束ねられた上で後方へ延出して本体枠3の主側中継端子板880や周辺側中継端子板882に接続されるようになっている(図67、図89)。なお、扉枠ベース基板194は、後側を扉枠ベース基板カバー195によって被覆されている(図23)。
また、扉枠ベース基板カバー195が配設されている箇所(後側)には、賞球ユニット700から払出された遊技球や、打球発射装置650により発射されにも関わらず遊技領域1100内へ到達しなかった遊技球(ファール球)を、皿ユニットの上皿301や下皿302へ誘導するファールカバーユニット540(透明ポリカーボネイトの成形品)が近接して設けられている(図23)。
ファールカバーユニット540の球通路542bは、遊技球(金属)が通路壁面と接触しながら早いスピードで通過するので、この部分のポリカーボネイトに静電の電荷が蓄積され、10数kVにもなることがある(蓄積された静電電荷の放電で痛みを感じるような場合でもせいぜい3〜4kV)。また、金属とは異なり、樹脂に蓄積された電荷は、アースしてもそのごく周辺しか抜けず、大半が残っている。
そして、この電荷による静電誘導で、これに近接した扉枠ベース基板194のデジタルアンプ回路(図示せず)が誤動作してしまうことがある。この場合、ある一定期間継続する異常な音声信号がスピーカのボイスコイルに入力されたり、デジタルアンプ回路による音声信号が極端に増幅されて適正増幅幅を超える(過度な交流電圧となると)といったことが起こる。そうなると、例えば、スピーカからガビガビバリバリといったような割れた音が発生したり、スピーカで再生される音が大きな不快音になってしまい(異常音が発生してしまい)、遊技者が不快な音に感じられることになる。また、スピーカが破損する虞もあり、スピーカにとってよくない。なお、デジタルアンプ回路は入力側に直流電圧カット機能があるが、出力側にはないのが通常である。
なお、下部スピーカ821のウーファは聞こえにくいので出力を大きめに設定する傾向がある。
以下に説明する実施形態は、扉枠ベース基板194から下部スピーカ821に対して出力される音声信号が、上述の異常な音声信号であるか否かを検知し、異常な音声信号である場合、異常な音声信号が下部スピーカ821に入力されないように遮断する異常音声信号遮断基板(後述)に関わる発明に関するものである。
音声出力に関して、先に述べたように、周辺制御MPU4140aは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を複数内蔵しており、主制御基板4100から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、音ROM4140dから音情報を抽出するための制御信号(音コマンド)を音源IC4140cに出力する(図118)。
音源IC4140cは、周辺制御MPU4140aからの制御データ(音コマンド)に基づいて音ROM4140dから音情報を抽出し、周辺側中継端子板882や扉枠ベース基板194等を介して本体枠3に設けた下部スピーカ821並びに扉枠5に設けたサイドスピーカ130や上部スピーカ222,262から各種演出に合わせた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行っている(図118及び図119参照)。
[異常音声信号遮断基板]
次に、異常音声信号遮断基板について、図119及び図120を参照して説明する。図119は、扉枠ベース基板194、周辺側中継端子板882、異常音声信号遮断基板884及び下部スピーカ821のブロック図である。図120は、異常音声信号遮断基板884の回路を示す回路図である。
図119に示すように、扉枠5に配設された扉枠ベース基板194と本体枠3に配設された周辺側中継端子板882とは配線196で接続され、扉枠ベース基板194から周辺側中継端子板882へは、+24V電圧、扉枠ベース基板194で増幅された下部スピーカ821用の音声信号であるウーファ+信号及びウーファ−信号が出力され、配線196を通じて周辺側中継端子板882に伝送されるようになっている。
また、図119に示すように、本体枠3において、周辺側中継端子板882とスピーカボックス820内に収納された下部スピーカ821との間に異常音声信号遮断基板884が設けられ、周辺側中継端子板882と異常音声信号遮断基板884とはスピーカ保護ハーネス883で接続され、異常音声信号遮断基板884と下部スピーカ821とは下部スピーカハーネス819で接続されている。
図120において、周辺側中継端子板882から異常音声信号遮断基板884へは、グランドGNDと、+24V電圧、扉枠ベース基板194から出力された下部スピーカ821用の音声信号であるウーファ+信号及びウーファ−信号が中継出力され、スピーカ保護ハーネス883を通じて異常音声信号遮断基板884に伝送されるようになっている。
また、異常音声信号遮断基板884から下部スピーカ821へは、下部スピーカ821用の音声信号であるウーファ+信号及びウーファ−信号が出力され、下部スピーカハーネス819を通じて下部スピーカ821に供給入力される構成とされている。このように、異常音声信号遮断基板884を通じて扉枠ベース基板194から出力される音声信号が下部スピーカ821に供給入力されるようになっている。
ところで、本体枠3における異常音声信号遮断基板884の配置箇所は、静電気ノイズの影響を受け難い箇所であることが望ましい。本実施形態では、ファールカバーユニット540から遠く距離を離した箇所、例えば、図67に示したスピーカボックス820の内部に異常音声信号遮断基板884が配置されている。このように、静電気ノイズの影響を受け難い箇所に異常音声信号遮断基板884を配置することにより、下部スピーカ821に対して異常な音声信号が入力されることを安定的に抑止することができる。
[異常音声信号遮断基板の回路]
異常音声信号遮断基板884は、スピーカ保護ハーネス883を通じて異常音声信号遮断基板884に供給された音声信号が、異常な音声信号であるか否かを検知し、異常な音声信号である場合、異常な音声信号が下部スピーカ821に入力されないように遮断するものである。
図120に示すように、異常音声信号遮断基板884は、音声信号が異常な音声信号であることを検知して異常検知信号を出力する異常音声信号検知回路885と、異常音声信号検知回路885から出力された異常検知信号を受けると、下部スピーカ821への異常な音声信号の供給を遮断する異常音声信号遮断回路895とを備えている。
スピーカ保護ハーネス883を通じて供給された+24V電圧は、異常音声信号遮断基板884において+24V供給ライン886を通じて異常音声信号遮断回路895に供給される。また、スピーカ保護ハーネス883を通じて供給されたグランドGNDは、異常音声信号遮断基板884においてグランドライン887を通じて異常音声信号遮断回路895に供給される。
スピーカ保護ハーネス883を通じて供給された音声信号であるウーファ+信号は、異常音声信号遮断基板884において2つに分岐され、一方はウーファ+信号ライン888を通じて異常音声信号遮断回路895に入力され、他方は異常音声信号検知回路885に入力される。
また、スピーカ保護ハーネス883を通じて供給された音声信号であるウーファ−信号は、異常音声信号遮断基板884において2つに分岐され、一方は、ウーファ−信号ライン889を通じて異常音声信号遮断基板884において中継されるのみで、下部スピーカハーネス819を通じて外部の下部スピーカ821に接続されている。また、他方は異常音声信号検知回路885に入力される。
[異常音声信号検知回路]
異常音声信号検知回路885は、4つのダイオードSD1〜SD4をブリッジ型に接続してなる整流ブリッジ回路、整流ブリッジ回路の後段に配された抵抗SR1(47kΩ)及び電解コンデンサSC1(本実施形態では、静電容量47μF)、トランジスタSTR1、トランジスタSTR2、フォトカプラSPC1(赤外LEDとフォトトランジスタとが内蔵されている)の赤外LEDを主として構成されている。
ダイオードSD4のカソード端子はダイオードSD2のアノード端子と接続され、ダイオードSD4のカソード端子とダイオードSD2のアノード端子との接続点に、2つに分岐されたうちの他方のウーファ+信号が入力されている。また、ダイオードSD3のカソード端子はダイオードSD1のアノード端子と接続され、ダイオードSD3のカソード端子とダイオードSD1のアノード端子との接続点に、2つに分岐されたうちの他方のウーファ−信号が入力されている。
さらに、ダイオードSD1のカソード端子とダイオードSD2のカソード端子とが電気的に接続され、ダイオードSD3のアノード端子とダイオードSD4のアノード端子とが電気的に接続されて整流ブリッジ回路が構成されている。ダイオードSD2のカソード端子には、後段に対して、整流ブリッジ回路によって整流されたプラス電圧を供給する+電圧ライン890が接続される一方、ダイオードSD4のアノード端子には、後段に対して、整流ブリッジ回路によってマイナス部分がカットされて実質的に電圧が0Vとされた0Vを供給する0Vライン891が接続されている。
そして、整流ブリッジ回路の後段において、+電圧ライン890に抵抗SR1の一端が接続され、抵抗SR1の他端が電解コンデンサSC1の+端子に接続され、さらに電解コンデンサSC1の−端子が0Vライン891に接続されている。
すなわち、整流ブリッジ回路によって整流されたウーファ+信号及びウーファ−信号(音声信号波形の高低の山が0Vを接続点として互いに連続的に接続している+電圧の波形)が抵抗SR1を介して電解コンデンサSC1の+端子に印加されることにより、+電圧の波形の0Vから山のピーク電圧までに至る期間は電解コンデンサSC1が充電され、+電圧の波形の山のピーク電圧から0Vまで至る期間は電解コンデンサSC1が放電するようになっている。なお、抵抗SR1の抵抗値と電解コンデンサSC1の静電容量とにより、抵抗SR1と電解コンデンサSC1の直列回路(平滑回路)における充電及び放電の時定数が決められている。
+電圧ライン890の抵抗SR1の接続点の後段において、+電圧ライン890にコンデンサSC2の一端が接続され、コンデンサSC2の他端はトランジスタSTR1のベース端子に接続されている。トランジスタSTR1のベース端子は、コンデンサSC2の他端と接続されるほかに、抵抗SR1と電解コンデンサSC1との接続点に一端が接続された抵抗SR3の他端と接続されている。つまり、電解コンデンサSC1の+端子の電圧が抵抗SR3を介してトランジスタSTR1のベース端子に印加されるようになっている。また、コンデンサSC2により、+電圧の波形のリップルが除去されて平滑化されている。
+電圧ライン890のコンデンサSC2の接続点の後段において、+電圧ライン890にトランジスタSTR1のコレクタ端子が接続され、整流後に平滑化されたウーファ信号、つまり+電圧が印加されている。トランジスタSTR1のエミッタ端子は抵抗SR2の一端に接続され、抵抗SR2の他端は抵抗SR4の一端に接続され、抵抗SR4の他端が0Vライン891に接続されている。抵抗SR2及び抵抗SR4は、分圧抵抗である。
抵抗SR2と抵抗SR4との接続点には、抵抗SR5の一端が接続され、抵抗SR5の他端がツェナーダイオードSZD1のカソード端子に接続され、ツェナーダイオードSZD1のアノード端子は抵抗SR6の一端に接続され、抵抗SR6の他端がトランジスタSTR2のベース端子に接続されている。また、トランジスタSTR2のベース端子には、抵抗SR7の一端が接続され、抵抗SR7の他端が0Vライン891に接続されている。
つまり、トランジスタSTR1のエミッタの出力電圧に基づいて現れる抵抗SR7の一端の電圧がトランジスタSTR2のベース端子に印加されるようになっている。
一方、+電圧ライン890のトランジスタSTR1のコレクタ端子との接続点の後段において、+電圧ライン890にダイオードSD5のアノード端子が接続され、ダイオードSD5のカソード端子はフォトカプラSPC1の赤外ダイオードのアノード端子に接続されている。また、フォトカプラSPC1の赤外ダイオードのカソード端子はトランジスタSTR2のコレクタ端子と接続され、トランジスタSTR2のエミッタ端子が0Vライン891に接続されている。
つまり、トランジスタSTR2がオンすることにより、フォトカプラSPC1がオンするようになっている。
[異常音声信号遮断回路]
異常音声信号遮断回路895は、フォトカプラSPC1のフォトトランジスタ、トランジスタSTR3、リレーSRL1を主として構成されている。つまり、フォトカプラSPC1を通じて異常音声信号検知回路885と異常音声信号遮断回路895とが接続されている。
異常音声信号遮断回路895において、24V供給ライン886は、2つに分岐され、一方はフォトカプラSPC1のフォトトランジスタのコレクタ端子に接続され、他方はリレーSRL1の8番端子(コイル+入力)に接続されている。フォトカプラSPC1のフォトトランジスタのエミッタ端子は抵抗SR8の一端に接続され、抵抗SR8の他端は抵抗SR9の一端に接続され、抵抗SR9の他端がグランドライン887に接続されている。抵抗SR8及び抵抗SR9は、分圧抵抗である。
抵抗SR8と抵抗SR9との接続点には、リレー動作用のトランジスタSTR3のベース端子が接続されると共に、他端をグランドライン887に接続されたコンデンサSC3の一端が接続されている。トランジスタSTR3のエミッタ端子はグランドライン887に接続され、トランジスタSTR3のコレクタ端子は、リレーSRL1の1番端子(コイル−入力)並びにリレーSRL1の3番端子(A接点の一方)に接続されている。
また、リレーSRL1の4番端子(A接点の他方)はグランドライン887に接続されている。さらに、リレーSRL1の5番端子(B接点の一方)は、ウーファ+信号ライン888に接続され、リレーSRL1の6番端子(B接点の他方)は、ウーファ+信号の外部出力として下部スピーカハーネス819を通じて外部の下部スピーカ821に接続される。
さらに、リレーSRL1の8番端子(コイル+入力)とリレーSRL1の1番端子(コイル−入力)との間に自己誘導作用による誘導電流バイパス用のバリスタSZNR1が並列接続され、リレーSRL1の5番端子(B接点の一方)とリレーSRL1の6番端子(B接点の他方)との間に接点保護用のバリスタSZNR2が並列接続されている。
なお、異常音声信号検知回路885と異常音声信号遮断回路895とがフォトカプラSPC1により信号接続されていることにより、異常音声信号検知回路885から異常音声信号遮断回路895に直接電気的ノイズが入り込まないようになっている。
次に、以上のように構成された異常音声信号遮断基板884の回路の作動について説明する。
[正常な音声信号が入力されたときの作動]
<異常音声信号検知回路885>
正常な音声信号(振幅のピークが異なる交流電圧の波形)が入力された場合、異常音声信号検知回路885の整流ブリッジ回路において、ウーファ+信号の場合には、ダイオードSD2及びダイオードSD3が導通し、図120において抵抗SR1を通じて電解コンデンサSC1に上から下へと電流が流れ、+電圧の波形の0Vから山のピーク電圧までに至る期間は電解コンデンサSC1が充電される。
正常な音声信号(振幅のピークが異なる交流電圧の波形)が入力された場合、電解コンデンサSC1の+端子に蓄えられる電荷による電圧の上昇は、トランジスタSTR1を動作させるベース端子電圧に至らない。従って、トランジスタSTR1はオンせず、オフの状態を維持する。
次いで、+電圧の波形の山のピーク電圧から0Vまで至る期間は電解コンデンサSC1が放電し、電解コンデンサSC1の+端子に溜った電荷は、抵抗SR1を通じてダイオードSD2のカソード端子に移動する。
ウーファ−信号の場合には、ダイオードSD1及びダイオードSD4が導通し、図120において抵抗SR1を通じて電解コンデンサSC1に上から下へと電流が流れ、+電圧の波形の0Vから山のピーク電圧までに至る期間は電解コンデンサSC1が充電される。
正常な音声信号(振幅ピークが異なる交流電圧の波形)が入力された場合、電解コンデンサSC1の+端子に蓄えられる電荷による電圧の上昇は、トランジスタSTR1を動作させるベース端子電圧に至らない。従って、トランジスタSTR1はオンせず、オフの状態を維持する。
次いで、+電圧の波形の山のピーク電圧から0Vまで至る期間は電解コンデンサSC1が放電し、電解コンデンサSC1の+端子に溜った電荷は、抵抗SR1を通じてダイオードSD1のカソード端子に移動する。
このように、正常な音声信号(振幅のピークが異なる交流電圧の波形)が入力された場合、異常音声信号検知回路885のトランジスタSTR1はオフの状態を維持する。従って、トランジスタSTR2、フォトカプラSPC1の赤外LED(フォトカプラ)もオフ状態を維持し、異常音声信号検知回路885は、実施的にオン作動しない。
<異常音声信号遮断回路895>
一方、異常音声信号遮断回路895においては、フォトカプラSPC1がオフ状態を維持することにより、トランジスタSTR3もオフ状態を維持する。また、リレーSRL1は非作動状態にある。よって、リレーSRL1のコイルは非励磁状態にあり、リレーSRL1の5番端子と6番端子間は非作動のB接点(接点が閉じた状態)、3番端子と4番端子間は非作動のA接点(接点が開いた状態)となっている。したがって、リレーSRL1の5番端子と6番端子とが導通状態にあり、ウーファ+信号ライン888のウーファ+信号は、下部スピーカハーネス819を通じて下部スピーカ821に供給入力される。
[ある一定期間継続する異常な音声信号が入力された場合]
[固定された直流電圧による異常な音声信号が入力されたときの作動]
<異常音声信号検知回路885>
固定された直流電圧による異常な音声信号(例えば、+24V、+18V、+1.5V等の定電圧)が継続的に入力された場合、異常音声信号検知回路885の整流ブリッジ回路において、ダイオードSD2及びダイオードSD3が導通し、図120において抵抗SR1を通じて電解コンデンサSC1に上から下へと充電電流が流れ、電解コンデンサSC1が充電され続ける。
固定的な定電圧による異常な音声信号が入力された場合、時間経過と共に抵抗SR1を通じて電解コンデンサSC1の+端子に蓄えられる電荷の増加による電解コンデンサSC1の+端子の電圧の上昇は、印加されている定電圧に近づくことになり、トランジスタSTR1を動作させるベース端子電圧に達する。従って、トランジスタSTR1がオンする。
トランジスタSTR1がオンすると、トランジスタSTR1のコレクタ端子、トランジスタSTR1のエミッタ端子、抵抗SR2及び抵抗SR4に電流が流れ、抵抗SR4に印加される電圧(抵抗SR2と抵抗SR4との接続点に現れる電圧)により、抵抗SR5、ツェナーダイオードSZD1、抵抗SR6、抵抗SR7を通じて電流が流れ、抵抗SR7に印加される電圧(抵抗SR6と抵抗SR7との接続点に現れる電圧)が後段のトランジスタSTR2のベース端子に印加されることでトランジスタSTR2がオンする。
トランジスタSTR2がオンすると、トランジスタSTR2のコレクタ電圧が0Vライン891側に引き下げられることになり、ダイオードSD5を通じてフォトカプラSPC1の赤外LEDがオンする。すなわち、フォトカプラSPC1がオンする。ここで、フォトカプラSPC1の赤外LEDがオンすることが、請求項1に記載される異常検知信号を出力することに相当する。なお、ダイオードSD5は赤外LEDに流れる電流を制限するものである。
<異常音声信号遮断回路895>
フォトカプラSPC1がオンすると、フォトカプラSPC1のフォトトランジスタがオンし、フォトカプラSPC1のフォトトランジスタ、抵抗SR8及び抵抗SR9を通じて電流がグランドに流れる。ここで、フォトカプラSPC1のフォトトランジスタがオンするとは、異常検知信号を受けることである。抵抗SR9に印加された電圧(抵抗SR8と抵抗SR9との接続点に現れる電圧)がトランジスタSTR3のベース端子に印加され、トランジスタSTR3がオンする。なお、トランジスタSTR3のベース端子に印加される電圧は、コンデンサSC3によりノイズが除去されて平滑化されている。
トランジスタSTR3がオンすると、トランジスタSTR3のコレクタ端子がグランド側に引き下げられ、トランジスタSTR3のコレクタ端子に接続されたリレーSRL1の1番端子がグランド側に引き下げられることにより、リレーSRL1の8番端子と1番端子との間のリレーSRL1内部のコイルが通電され、リレーSRL1が作動する。
よって、リレーSRL1のコイルは励磁状態となり、リレーSRL1の5番端子と6番端子間は作動状態時のB接点(接点が開いた状態)、3番端子と4番端子間は作動状態時のA接点(接点が閉じた状態)となる。したがって、リレーSRL1の5番端子と6番端子とが遮断状態に移行し、ウーファ+信号ライン888のウーファ+信号は、リレーSRL1の6番端子からの出力が遮断される。これにより、異常なウーファ+信号の下部スピーカハーネス819を通じた下部スピーカ821への供給が遮断される。
また、リレーSRL1の3番端子と4番端子とが導通状態に移行し、リレーSRL1の3番端子がグランドに引き下げられ、リレーSRL1の3番端子に接続されたトランジスタSTR3のコレクタ端子がグランドに引き下げられ、トランジスタSTR3がオフする。
一方、リレーSRL1の3番端子に並列接続されたリレーの1番端子もグランドに引き下げられることにより、8番端子、1番端子、3番端子、4番端子、グランドライン887の経路で電流が流れる導通状態に移行してコイルの通電状態が維持される。よって、ウーファ+信号は、リレーSRL1の6番端子からの出力が遮断されたままとなる。
このように、固定的な定電圧による異常な音声信号が入力された場合、異常音声信号検知回路885によって音声信号が異常な音声信号であることが検知されて異常検知信号を出力する(フォトカプラがオンする)。異常音声信号遮断回路895は、異常音声信号検知回路885から出力された異常検知信号を受けると(フォトカプラがオンすると)、リレーSRL1が作動することにより下部スピーカ821への異常な音声信号の供給を遮断する。従って、スピーカに固定的な直流電圧が印加され続けることによるスピーカの破損を防止することができる。
上述の実施形態では、異常な音声が入力された場合、リレーSRL1のコイルの通電状態が維持され、ウーファ+信号は、リレーSRL1の6番端子からの出力が遮断されたままとすることで、スピーカの破損を防止することを最優先として究極的に安全対策をとっている。したがって、係員等により異常な音声信号の原因が把握できた場合、或いは音声の出力停止状態が確認された場合には、遊技機の電源を再投入することにより、リレーSRL1の作動状態を解除して正常な初期状態に戻すことが可能である。
[過度な交流電圧による異常な音声信号が入力されたときの作動]
<異常音声信号検知回路885>
過度な交流電圧による異常な音声信号が入力されたとき、即ち、音声信号が極端に増幅されて適正増幅幅を超える過度な交流電圧が入力されたとき、例えば、ウーファ+信号の場合には、ダイオードSD2及びダイオードSD3が導通し、図120において抵抗SR1を通じて電解コンデンサSC1に上から下へと充電電流が流れ、+電圧の波形の0Vから山のピーク電圧までに至る期間は電解コンデンサSC1が充電される。
また、例えば、ウーファ−信号の場合には、ダイオードSD1及びダイオードSD4が導通し、図120において抵抗SR1を通じて電解コンデンサSC1に上から下へと充電電流が流れ、+電圧の波形の0Vから山のピーク電圧までに至る期間は電解コンデンサSC1が充電される。
この場合、正常な音声信号によるピーク電圧に比べて異常な音声信号のピーク電圧が極端に高いため、たとえ山型波形の幅が正常な波形と異常な波形とで同じであっても、抵抗SR1を通じて急速に電解コンデンサSC1に充電電流が流れ、電解コンデンサSC1が急速に充電される。
したがって、抵抗SR1を通じて電解コンデンサSC1の+端子に蓄えられる電荷は急速に増加する。この急速な電荷の増加により、電解コンデンサSC1の+端子の電圧は上昇し、トランジスタSTR1を動作させるベース端子電圧に達する。従って、トランジスタSTR1がオンする。
トランジスタSTR1がオンした後の異常音声信号検知回路885の作動と異常音声信号遮断回路895の作動は、先に説明した固定された直流電圧による異常な音声信号が入力された場合の作動と同じであり、簡略して説明する。
トランジスタSTR1がオンすることで、トランジスタSTR2がオンし、トランジスタSTR2がオンすることで、フォトカプラSPC1がオンする。異常音声信号遮断回路895では、フォトカプラSPC1がオンすることで、トランジスタSTR3がオンし、トランジスタSTR3がオンすることで、リレーSRL1が作動し、リレーSRL1の5番端子と6番端子とが遮断状態に移行し、ウーファ+信号ライン888のウーファ+信号は、リレーSRL1の6番端子からの出力が遮断される。これにより、異常なウーファ+信号の下部スピーカハーネス819を通じた下部スピーカ821への供給が遮断される。従って、極端に増幅されて適正増幅幅を超える過度な交流電圧の異常な音声信号による異常音の発生を防止することができる。したがって、不快な音を遊技者に出さないようにすることができる。
[液晶制御部]
次に、周辺制御基板4010における液晶表示装置1900や第二液晶表示装置3252の描画制御を行う液晶制御部4150は、図118に示すように、マイクロプロセッサとしての液晶制御MPU4150aと、各種処理プログラム、各種コマンド及び各種データを記憶する液晶制御ROM4150bと、上述した液晶表示装置1900や第二液晶表示装置3252を表示制御するVDP(Video Display Processorの略)4150cと、液晶表示装置1900に表示される画面の各種データを記憶するキャラROM4150dと、このキャラROM4150dに記憶されている各種データが転送されてコピーされるキャラRAM4150eと、を備えている。
この液晶制御MPU4150aは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を内蔵しており、周辺制御部4140からの制御データ(表示コマンド)に基づいてVDP4150cを制御して液晶表示装置1900や第二液晶表示装置3252の描画制御を行っている。なお、液晶制御MPU4150aは、正常に動作していると、その旨を伝える動作信号を周辺制御部4140に出力する。また液晶制御MPU4150aは、VDP4150cから後述する実行中信号が入力されており、この実行中信号の出力が16msごとに停止されたことを契機として、割り込み処理を行っている。
液晶制御ROM4150bは、液晶表示装置1900や第二液晶表示装置3252に描画する画面を生成するための各種プログラムのほかに、周辺制御基板4010からの制御データ(表示コマンド)と対応するスケジュールデータ、その制御データ(表示コマンド)と対応する非常駐領域転送スケジュールデータ等を複数記憶している。スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、液晶表示装置1900や第二液晶表示装置3252に描画する画面の順序が規定されている。非常駐領域転送スケジュールデータは、キャラROM4150dに記憶されている各種データをキャラRAM4150eの非常駐領域に転送する際に、その順序を規定する非常駐領域転送データが時系列に配列されて構成されている。この非常駐領域転送データは、スケジュールデータの進行に従って液晶表示装置1900に描画される画面データを、前もって、キャラROM4150dからキャラRAM4150eの非常駐領域に各種データを転送する順序が規定されている。
液晶制御MPU4150aは、周辺制御基板4010からの制御データ(表示コマンド)と対応するスケジュールデータの先頭の画面データを液晶制御ROM4150bから抽出してVDP4150cに出力した後に、先頭の画面データに続く画面データを液晶制御ROM4150bから抽出してVDP4150cに出力する。このように、液晶制御MPU4150aは、スケジュールデータに時系列に配列された画面データを、先頭の画面データから1つずつ液晶制御ROM4150bから抽出してVDP4150cに出力する。
VDP4150cは、液晶制御MPU4150aから出力された画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいてキャラRAM4150eからスプライトデータを抽出して液晶表示装置1900や第二液晶表示装置3252に表示する描画データを生成し、この生成した描画データを液晶表示装置1900に出力する。またVDP4150cは、液晶制御MPU4150aからの画面データを受入れないときに、その旨を伝える実行中信号を液晶制御MPU4150aに出力する。なお、VDP4150cは、ラインバッファ方式が採用されている。この「ラインバッファ方式」とは、液晶表示装置1900の左右方向を描画する1ライン分の描画データをラインバッファに保持し、このラインバッファに保持した1ライン分の描画データを液晶表示装置1900や第二液晶表示装置3252に出力する方式である。
キャラROM4150dには、極めて多くのスプライトデータが記憶されており、その容量が大きくなっている。キャラROM4150dの容量が大きくなると、つまり液晶表示装置1900に描画するスプライトの数が多くなると、キャラROM4150dのアクセス速度が無視できなくなり、液晶表示装置1900に描画する速度に影響することとなる。そこで、本実施形態では、アクセス速度の速いキャラRAM4150eに、キャラROM4150dに記憶されているスプライトデータを転送してコピーし、このキャラRAM4150eからスプライトデータを抽出している。なお、スプライトデータは、スプライトをビットマップ形式に展開する前のデータである基データであり、圧縮された状態でキャラROM4150dに記憶されている。
ここで、「スプライト」について説明すると、「スプライト」とは、液晶表示装置1900にまとまった単位として表示されるイメージである。例えば、液晶表示装置1900や第二液晶表示装置3252に種々の人物を表示させる場合には夫々の人物を描くためのデータを「スプライト」と呼ぶ。これにより、液晶表示装置1900や第二液晶表示装置3252に複数人の人物を表示させる場合には複数のスプライトを用いることとなる。また人物のほかに、背景を構成する家、山、道路等もスプライトであり、背景全体を1つのスプライトとすることもできる。これらのスプライトは、画面に配置される位置やスプライト同士が重なる場合の上下関係(以下、「スプライトの重ね合わせの順序」と記載する。)が設定されて液晶表示装置1900や第二液晶表示装置3252に描画される。
なお、スプライトは縦横それぞれ64画素の矩形領域を複数張り合わせて構成されている。この矩形領域を描くためのデータを「キャラクタ」と呼ぶ。小さなスプライトの場合には1つのキャラクタを用いて表現することができるし、人物など比較的大きいスプライトの場合には、例えば横2×縦3などで配置した合計6個のキャラクタを用いて表現することができる。背景のように更に大きいスプライトの場合には更に多数のキャラクタを用いて表現することができる。このように、キャラクタの数及び配置は、スプライトごとに任意に指定することができるようになっている。
液晶表示装置1900や第二液晶表示装置3252は、その正面から見て左から右に向かって順次、画素に沿った一方向に画素ごとの表示状態を設定する主走査と、その一方向と交差する方向に主走査を繰り返し行う副走査と、によって駆動されるようになっている。液晶表示装置1900は、液晶制御部4150から出力された1ライン分の描画データが入力されると、主走査として液晶表示装置1900や第二液晶表示装置3252の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。そして1ライン分の出力が完了すると、液晶表示装置1900や第二液晶表示装置3252は、副走査として直下のラインに移行し、同様に次ライン分の描画データが入力されると、この次ライン分の描画データに基づいて主走査として液晶表示装置1900や第二液晶表示装置3252の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。
[主制御基板での制御処理]
次に、図121〜図149を参照して、主制御基板4100(特に主制御MPU4100a)で実行される制御処理の例について説明する。
[メイン処理]
図121は、本実施形態の主制御基板におけるメイン処理の一例を示すフローチャートである。主制御MPU4100aは、パチンコ機1へ電力の供給が開始されると、電源投入時処理を実行する(ステップS1)。この電源投入時処理では、主制御基板4100(主制御MPU4100a)のRAMに記憶されているバックアップデータが正常であるか(停電発生時の設定値となっているか)否か判別し、正常であればRAMに記憶されているバックアップデータに従って停電発生時の状態に戻す処理(復電時処理)を実行し、バックアップデータが異常であればRAMをクリアしてCPU周辺のデバイス設定(通常の初期設定、割込タイミングの設定、等)を行う。
なお、遊技途中でパチンコ機1への電力供給が停止すると、RAMに現在の遊技状態がバックアップデータとして記憶される。また、電源投入時処理にてRAMに記憶されているバックアップデータのクリアを指示するRAMクリアスイッチ624aがオンであれば、RAMをクリアし、通常の初期設定を行う。また、電源投入時処理において、主制御基板4100(主制御MPU4100a)のRAMにバックアップデータが保存されていない場合には、RAMをクリアし、通常の初期設定を行う。
また、電源投入時処理では、通常の初期設定を実行した時に周辺制御部4140に、主制御基板4100が起動したことを示す電源投入コマンドを送信可能な状態にセットする処理も実行される。電源投入コマンドは、主制御基板4100が起動したことや電源遮断時における遊技状態などの遊技の進行状況を周辺制御部4140に通知するものである。なお、パチンコ機1を設置する遊技ホールの閉店時等にパチンコ機1への電力供給を停止した場合(電源を落とした場合)にもRAMにバックアップデータが記憶され、再びパチンコ機1への電力供給を開始した時には電源投入時処理が実行される。
この電源投入時処理が終了すると、主制御MPU4100aは、遊技用の各処理を繰返し実行するループ処理を開始する。このループ処理の開始時には、主制御MPU4100aは、まず、停電予告信号が検知されているか否かを判定する(ステップS2)。なお、本実施形態では、パチンコ機1にて使用する電源電圧は、電源基板によって生成される。すなわち、パチンコ機1に搭載される複数種類の装置はそれぞれ異なる電源電圧で動作するため、外部電源からパチンコ機1に供給される電源電圧を電源基板にて所定の電源電圧に変換した後、各装置に供給している。しかして、停電が発生し、外部電源から電源基板に供給される電源電圧が所定の電源電圧以下となると、電源基板から主制御基板4100に電源電圧の供給が停止することを示す停電予告信号が送信される。そして、ステップS2で主制御基板4100に搭載される主制御MPU4100aにより停電予告信号を検知すると、電源断発生時処理を実行する(ステップS4)。
この電源断発生時処理は、停電後に電源基板に供給される電源電圧(本実施形態では、24V)が復旧した場合に(以下、復電と呼ぶ)、遊技機の動作を停電前の状態から開始するために停電発生時の状態を主制御基板4100(主制御MPU4100a)のRAMにバックアップデータとして記憶する処理である。処理内容は後述するが、本実施例においては、図示する通り、電源断発生時処理は、割込処理ではなく、ループの開始直後に停電予告信号の検知有無に応じて実行される分岐処理としてメイン処理(主制御処理)内に組み込まれている。
ところで、ステップS2で停電予告信号が検知されていない場合、すなわち外部電源からの電力が正常に供給されている場合には、遊技にて用いられる各種乱数を更新する乱数更新処理2を行う(ステップS3)。
[電源断発生時処理]
図122は、本実施形態の電源断発生時処理の一例を示すフローチャートである。電源断発生時処理は、メイン処理において、停電予告信号が検出された時に実行される処理である。
主制御MPU4100aは、まず、割込処理が実行されないように割込禁止設定を行う(ステップS4a)。そして、主制御基板4100(主制御MPU4100a)のRAMのチェックサムを算出し、RAMの所定領域に保存する(ステップS4b)。このチェックサムは、復電時に停電前のRAMの内容が保持されているか否かをチェックするのに使用される。
続いて、主制御MPU4100aは、RAMの所定領域に設けられたバックアップフラグに、電源断発生時処理が行われたことを示す規定値を設定する(ステップS4c)。以上の処理を終えると、主制御MPU4100aは、RAMへのアクセスを禁止し(ステップS4d)、無限ループに入って電力供給の停止に備える。なお、この処理では、ごく短時間の停電等(以下、「瞬停」と呼ぶ)によって、電源電圧が不安定となることにより、電源断発生時処理が開始されてしまった場合、実際には電源電圧は停止されないため、上記処理では、無限ループから復帰することができなくなるおそれがある。かかる弊害を回避するため、本実施例の主制御MPU4100aには、ウォッチドックタイマが設けられており、所定時間、ウォッチドックタイマが更新されないとリセットがかかるように構成されている。ウォッチドックタイマは、正常に処理が行われている間は定期的に更新されるが、電源断発生時処理に入り、更新が行われなくなる。これにより、瞬停によって、電源断発生時処理に入り、無限ループに入った場合でも、所定期間経過後にリセットがかかり、電源投入時と同じプロセスで主制御MPU4100aが起動するようになっている。
[タイマ割込処理]
図123は、本実施形態のタイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。なお、タイマ割込処理は、主制御基板4100に搭載される主制御MPU4100aにより所定のタイミング(本実施形態では、4ms毎)で実行される。
主制御MPU4100aは、まず、レジスタの退避処理を実行した後(ステップS10)、ステップS11からステップS18の処理を実行する。ステップS11のスイッチ入力処理では、上述したスイッチ(ゲートスイッチ、始動口センサ、カウントセンサ、一般入賞スイッチ等)の検出信号を監視する処理を実行する。ステップS12の乱数更新処理1では、遊技にて用いられる各種乱数を更新する処理を実行する。なお、本実施形態では、乱数更新処理1にて更新される乱数と、上述した乱数更新処理2にて更新される乱数と、は異なる。ステップS13の払出動作処理では、スイッチ入力処理(ステップS11)にて検出された信号に基づいて払出制御基板4110に遊技球の払出しを指示する払出コマンドを設定する。
また、ステップS14の特別制御処理では、遊技の進行状態に基づいて特別図柄表示器1185,1186で第一特別図柄及び第二特別図柄を変動表示させたり、特別電動役物(すなわちアタッカ駆動機構2121によって大入賞口2103を開閉させる開閉部材2106)を制御し、大入賞口2103の開閉状態を変化させたりする処理を実行する。
ステップS15では、可動片2111の動作契機となる普通当りの当落にかかる抽選処理を含む普通制御処理を実行する。この普通制御処理では、基本的に、遊技の進行状況を示す普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選択的に実行されることとなる。また、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、大当り遊技状態の終了後、特定の条件(時短フラグのON)が満たされていると、可動片2111の駆動頻度がより高くなるように当該抽選処理を実行する構成となっている(いわゆる時短遊技状態)。なお、本実施形態では、大当り遊技状態の終了後の所定期間だけ普通図柄の変動表示制御に要する時間を短縮するとともに、可動片2111が動作するときの動作時間としてもこれを長い時間に設定することによって、通常状態(非時短遊技状態)よりも第1始動口2101の特設入賞口2101bへの遊技球の受け入れが容易化される時短遊技状態を実現するようにしている。
続くステップS16の出力データ設定処理では、パチンコ機1の外部(例えば、管理コンピュータ等)に遊技状態を示す状態信号を出力する処理、特図始動記憶表示器(図示せず)に駆動信号を出力する処理、等を実行する。ステップS17のコマンド送信処理では、演出コマンドを周辺制御部4140に送信する処理を実行する。また、コマンド送信処理では、パチンコ機1への電力供給が開始された時に電源投入時処理(ステップS1)でセットされた電源投入コマンドを周辺制御部4140に送信する処理も行われる。ステップS11からステップS17の処理を実行すると、レジスタの復帰処理(ステップS18)を実行して、処理を終了する。
ここで、上述した乱数更新処理1(ステップS12)および乱数更新処理2(ステップS3)で、主制御基板4100の主制御MPU4100aにより更新される各種乱数について説明する。本実施形態では、遊技にて用いられる各種乱数として、大当り遊技状態を発生させるか否かの判定(大当り判定、大当り抽選とも呼ぶ)に用いられる大当り判定用乱数、大当り判定において大当り遊技状態を発生させると判定されたときに特別図柄の停止図柄を決定するために用いられる大当り図柄用乱数、大当りに代えて小当り遊技状態を発生させるか否かの判定(小当り判定、小当り抽選とも呼ぶ)に用いられる小当り判定用乱数、小当り判定において小当り遊技状態を発生させると判定されたときに特別図柄の停止図柄を決定するために用いられる小当り図柄用乱数、大当り抽選及び小当り抽選にて当りでない旨判断されたときにリーチ演出などの高期待演出を行うか否かについての判定(リーチ判定)に用いられるリーチ判定乱数、特別図柄表示器1185,1186に表示されている特別図柄の変動表示パターン(変動時間など)を決定するために用いられる変動表示パターン乱数(変動時間用乱数)、大当り(小当り)遊技(特別ボーナス遊技)における大入賞口2103の開放態様(ラウンド数など)を決定するために用いられるラウンド決定用乱数、特設入賞口2101bを開閉する可動片2111を開放状態(上端が下端を中心に時計回りに回動した位置に位置する状態)に制御するか否かの判定(普通抽選当り判定)に用いられる普通当り判定用乱数、等がある。
また、大当り図柄用乱数は、大当りに当選された旨判断されたときに行われる大当りの状態種別(時短機能を作動させるか否かなど)にかかる判断にも供される。
これらの乱数のうち、乱数更新処理1では、大当り(小当り)抽選に関わる大当り(小当り)判定用乱数、大当り(小当り)図柄用乱数、ラウンド決定用乱数、および可動片2111を開放状態に制御するか否かに関わる普通図柄当り判定用乱数の更新を行う。すなわち、大当り(小当り)抽選および可動片2111の開閉制御に関わる判定に用いられる乱数は所定のタイミングとして4ms毎に更新される。このようにすることにより、それぞれの乱数での所定期間における確率(大当り(小当り)遊技状態を発生させると判定する確率、可動片2111を開放状態に制御すると判定する確率)を一定にすることができ、遊技者が不利な状態となることを防止することができる。一方、乱数更新処理2では、大当り(小当り)抽選、及び普通抽選に関わらないリーチ判定乱数、及び変動表示パターン乱数等の更新を行う。
[特別制御処理]
次に、図124に基づいて特別制御処理について説明する。図124は、本実施形態の特別制御処理の一例を示すフローチャートである。
この特別制御処理では、まず、第1・第2始動口入賞処理(ステップS110)を行う。この第1・第2始動口入賞処理では、第1始動口2101や第2始動口2102に遊技球が入賞したか否かについての判断などが行われる。そして、この第1・第2始動口入賞処理(ステップS110)が行われた後、第2特別図柄側の遊技の進行が制御される第2特別図柄制御処理(ステップS14b)と、第1特別図柄側の遊技の進行が制御される第1特別図柄制御処理(ステップS14a)とが順次にそれぞれ行われる。これにより、本実施形態にかかるパチンコ機1では、第1特別図柄側の遊技(第1特別図柄)と第2特別図柄側の遊技(第2特別図柄)とが同時変動しうるようになり、これによって一方側の図柄変動が開始しても、他方側の図柄変動が開始されなくなるようなことがなくなる。
[第1・第2始動口入賞処理]
次に、第1・第2始動口入賞処理(ステップS110の処理)について図125に基づいて説明する。図125は、本実施形態の第1・第2始動口入賞処理の一例を示すフローチャートである。
この第1・第2始動口入賞処理(ステップS110)においては、大きくは、第1始動口2101や第2始動口2102に遊技球が入賞されたか否かについての判断にかかる処理と、該入賞があった旨判断されたことを条件に、該当する特別図柄(第一特別図柄、もしくは第二特別図柄)の保留状態の更新にかかる処理とが行われる。
したがって、主制御MPU4100aは、まず、第2始動口センサ3132から検出信号が出力されたか否かについての判断を行う。そしてこの結果、第2始動口センサ3132から検出信号が出力された旨判断されたときには、第2始動口2102への遊技球の入賞があった旨判断し(ステップS201にてYES)、次にステップS202の処理を行う。このステップS202の処理では、第二特別図柄抽選用の各種乱数(大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数など)を取得し、主制御基板4100(主制御MPU4100a)のRAMに設けられている第二保留数カウンタの値が上限値となる1未満であるか否かについての判断を行う。そしてこの結果、第二保留数カウンタが1未満(第二保留数カウンタが0)であれば、第二始動保留記憶処理(ステップS203)、及び保留履歴更新処理(ステップS204)を順次に行う。
すなわちこの場合、主制御MPU4100aは、まず、第二始動保留記憶処理(ステップS203)として、第2始動口2102に遊技球が入賞したことによって取得された各種データ(大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数など)を、特別図柄の種類や保留順に対応付けしつつ所定の記憶領域(RAM)に記憶する。次いで、保留履歴更新処理(ステップS204)として、RAMに設けられている第二保留数カウンタのカウンタ値に1を加算することとなる。
なお、ステップS203の処理においては、第2始動口2102への遊技球の入賞があった旨(より正確には、特別図柄の種類や保留順など)が示される入賞通知コマンドをセットし、こうしてセットされた入賞通知コマンドが上述のコマンド送信処理(ステップS17)にて周辺制御部4140に対して送信されるようにしてもよい。このような構成では、周辺制御部4140による制御を通じて、液晶表示装置1900などに第2始動口2102側の保留表示をする場合にこれを迅速に更新させることができるようになる。
一方、上記ステップS201の処理において、第2始動口センサ3132からの検出信号が出力されていない旨判断されたときや、上記ステップS202の処理において、第二保留数カウンタの値が上限値となる1である旨判断されたときは、次にステップS205の処理として、第1始動口センサ3131から検出信号が出力されたか否かについての判断を行う。そしてこの結果、第1始動口センサ3131から検出信号が出力された旨判断されたときは、第1始動口2101への遊技球の入賞があった旨判断し(ステップS205にてYES)、次にステップS206の処理を行う。このステップS206の処理では、第一大当り抽選用の各種乱数(大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数など)を取得し、主制御MPU4100aのRAMに設けられている第一保留数カウンタの値が上限値となる4未満であるか否かについての判断を行う。そしてこの結果、第一保留数カウンタが4未満であれば、第一始動保留記憶処理(ステップS207)、及び保留履歴更新処理(ステップS208)を順次に行う。
すなわちこの場合、主制御MPU4100aは、まず、第一始動保留記憶処理(ステップS207)として、第1始動口2101に遊技球が入賞したことによって取得した各種データ(大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数など)を、特別図柄の種類や保留順に対応付けしつつ所定の記憶領域(RAM)に記憶する。次いで、保留履歴更新処理(ステップS208)として、RAMに設けられている第一保留数カウンタのカウンタ値に1を加算することとなる。
なお、ステップS207の処理においても、第1始動口2101への遊技球の入賞があった旨(より正確には、特別図柄の種類や保留順など)が示される入賞通知コマンドをセットし、こうしてセットされた入賞通知コマンドが上述のコマンド送信処理(ステップS17)にて周辺制御部4140に対して送信されるようにしてもよい。このような構成では、周辺制御部4140による制御を通じて、液晶表示装置1900などに第1始動口2101側の保留表示をする場合についてもこれを迅速に更新させることができるようになる。
他方、上記ステップS205の処理において、第1始動口2101への遊技球の入賞がなかった旨判断されたときや、上記ステップS206の処理において、第一保留数カウンタのカウンタ値が上限値となる4に達している旨判断されたときは、この時点で、当該第1・第2始動口入賞処理を終了する。
なお、本実施形態では、第2始動口2102への入賞処理(ステップS201〜ステップS204)を実行したのちに、第1始動口2101への入賞処理(ステップS205〜ステップS208)を実行している。ただし、これに代えて、第1始動口2101への入賞処理を実行したのちに、第2始動口2102への入賞処理を実行する態様であってもよい。
また、主制御MPU4100aは、取得された各種乱数に基づく先行判定処理を実行し、入賞通知コマンドとして、更に先行判定処理の結果を表すコマンドを、周辺制御部4140に送信する場合がある。先行判定処理は、ステップS203、S207で記憶された乱数を用いた抽選(例えば、後述の大当り抽選、確変抽選、変動表示パターンの決定)に先立って行われ、その抽選結果を事前に判定する処理である。先行判定処理では、ステップS203、S207で記憶された乱数と、先行判定テーブルとを用いて行われる。先行判定テーブルは、当該乱数を用いた抽選に利用されるテーブルと同様のテーブルである。先行判定処理では、当該乱数と先行判定テーブルとを比較することによって、当該乱数を用いた抽選が行われた場合の抽選結果(大当り(小当り)の当否と、大当りの種類と、変動表示パターン等)が判定される(このように抽選に先行して行われる判定は、「先読み判定」とも呼ばれる)。周辺制御部4140は、受信した入賞通知コマンド(先行判定結果)を反映した演出を、当該乱数を利用した抽選が行われるよりも前に、実現してもよい(このような演出は、「先読み演出」とも呼ばれる)。
なお、本実施形態のパチンコ機1では、先行判定テーブルの内容は、抽選に利用されるテーブルの内容と同じである。ただし、先行判定テーブルの内容の少なくとも一部が、抽選に利用されるテーブルの内容と異なっていても良い。
以下、第1特別図柄側の遊技の進行が制御される第1特別図柄制御処理(ステップS14a)と、第2特別図柄側の遊技の進行が制御される第2特別図柄制御処理(ステップS14b)とについての各詳細な手順について説明する。なおここでは、説明の便宜上、制御の実行手順とは異なり、第1特別図柄制御処理(ステップS14a)を先に説明することとする。
[第1特別図柄制御処理]
次に、第1特別図柄制御処理について図126に基づいて説明する。図126は、本実施形態の第1特別図柄側の特別図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。第1特別図柄制御処理は、前述の特別制御処理(図124)において上述の第1・第2始動口入賞処理(図125)及び後述の第2特別図柄制御処理(図134)が実行されたのちに実行される処理である。
主制御MPU4100aは、まず、第1特別図柄側の連動フラグがオン状態となっているか否かを判断する(ステップS100a)。第1特別図柄の連動フラグは、第1特別図柄側の遊技を第2特別図柄側の遊技に連動させるべき状態にあるときにオンに設定されるフラグである。
本実施形態にかかるパチンコ機1では、第1特別図柄側の遊技と第2特別図柄側の遊技とが同時に進行可能とされる制御構造となっている。このような制御構造では、第1特別図柄側の遊技と第2特別図柄側の遊技との間で当り大当り遊技(小当り遊技)が重複して発生してしまう懸念があることから、これを回避すべく、一方側の遊技で大当り(小当り)が得られたときには、他方側の遊技の進行を処理フラグに関係なく制御する旨を示す連動フラグをオン状態に操作するようにしている。したがって、第1特別図柄の連動フラグは後述の第2特別図柄制御処理(図134)において第2特別図柄抽選の結果が大当り(小当り)となる場合にオン状態に設定される。
主制御MPU4100aは、第1特別図柄の連動フラグがオン状態となっている場合には(ステップS100aにてYES)、第1処理フラグに応じた処理(ステップS130a〜ステップS200a)を行わず、第1連動設定処理を実行する(ステップS250a)。なお、第1連動設定処理についての詳細は、図133にて後述する。
これに対し、主制御MPU4100aは、ステップS100aの処理において、第1特別図柄の連動フラグがオフ状態となっている場合には(ステップS100aにてNO)、第1特別図柄側の遊技の本来の進行が許容される遊技状況にあるとして、第1特別図柄側の遊技の進行状況を示す第1処理フラグの状態を確認する。そして、主制御MPU4100aは、図中に示す複数の処理(ステップS130a〜ステップS200a)のうち、第1処理フラグの状態(第1特別図柄側の遊技の進行状況)に合った処理を選択的に実行するので、第1特別図柄側の遊技が適正に進行されていくこととなる。
より具体的には、主制御MPU4100aは、まず、第1処理フラグが0であるか否かを判断し(ステップS120a)、第1処理フラグが0であれば(ステップS120aにてYES)、第1変動開始処理(ステップS130a)を実行する。第1変動開始処理(ステップS130a)では、当り第1特別図柄抽選(第1特別判定)の結果などに基づいて第1特別図柄の変動表示を開始するための設定などが行われた後、第1処理フラグが「1」に更新される。
一方、主制御MPU4100aは、第1処理フラグが0でなければ(ステップS120aにてNO)、第1処理フラグが1であるか否かを判断する(ステップS140a)。そしてこの結果、第1処理フラグが1であれば(ステップS140aにてYES)、第1変動パターン設定処理(ステップS150a)を実行する。この第1変動パターン設定処理(ステップS150a)では、第一特別図柄表示器1185に表示される第1特別図柄(識別図柄)の変動パターン(第一特別図柄表示器1185において第1特別図柄(識別図柄)の変動表示を開始してから停止表示するまでの変動時間など)が決定された後、第1処理フラグが「2」に更新される。
また一方、主制御MPU4100aは、第1処理フラグが1でなければ(ステップS140aにてNO)、第1処理フラグが2であるか否かを判断する(ステップS160a)。そしてこの結果、第1処理フラグが2であれば(ステップS160aにてYES)、第1変動中処理(ステップS170a)を実行する。この第1変動中処理では、第1変動パターン設定処理(ステップS150a)にて設定された変動時間をタイマにより監視し、タイムアウトしたことに基づいて第一特別図柄表示器1185における第1特別図柄の変動表示を停止させる。そしてこの後、第1変動開始処理(ステップS130a)にて大当りに当選していると判断したときは、第2特別図柄側の遊技を第1特別図柄側の遊技に連動させるための連動フラグをオン状態としてから、大当り遊技を開始させるべく第1処理フラグを「3」に更新する。ただし、当りに当選しなかった場合(ハズレ)は、第1処理フラグを「0」に更新する。すなわちこの場合、次の割込処理では、第1変動開始処理(ステップS130a)から再びやり直すこととなる。
また一方、主制御MPU4100aは、第1処理フラグが2でなければ(ステップS160aにてNO)、第1処理フラグが3であるか否かを判断する(ステップS180a)。そしてこの結果、第1処理フラグが3であれば(ステップS180aにてYES)、大当り遊技を開始させる前のインターバル期間を創出する第1大当り遊技開始処理(ステップS190a)を実行する。なお、大当り遊技を開始させる前のインターバル期間が経過したときには、当該第1大当り遊技開始処理内にて第1処理フラグが「4」に更新される。
一方、主制御MPU4100aは、第1処理フラグが3でなければ(ステップS180aにてNO)、第1大当り遊技開始処理(ステップS200a)を実行する。この第1大当り遊技開始処理においては、大当り遊技を実行するための条件の一つである条件装置を作動させたり、時短機能を停止させたりする。そして、大当り遊技の開始準備が完了された後に、第1処理フラグを「4」に更新する。
一方、主制御MPU4100aは、第1処理フラグが3でなければ(ステップS180aにてNO)、第1処理フラグが4であるとして、第1大当り遊技処理(ステップS200a)を実行する。この第1大当り遊技処理では、大当り遊技の態様(ラウンド数や開放時間、最大入賞数など)をセットし、このセットされた大当り遊技の態様に基づいて開閉部材2106にかかる開閉動作が制御される。また、大当り遊技が終了する場合には、条件装置の作動を停止させる処理などが行われた後、処理フラグが「0」に更新される。すなわちこの場合、次の割込処理では、第1変動開始処理(ステップS130a)から再びやり直すこととなる。
このように、上記ステップS100aの処理において、第1特別図柄側の遊技を第2特別図柄側の遊技に連動させるべき状態にあることを示す連動フラグがオフ状態となっている場合には、ステップS130a、ステップS150a、ステップS170a、ステップS190a、及びステップS200aの処理のいずれかが第1処理フラグの状態に基づいて選択的に実行された時点で、当該割込処理内における第1特別制御処理は終了される。
以下、第1変動開始処理(ステップS130a)、第1変動パターン設定処理(ステップS150a)、第1変動中処理(ステップS170a)、第1大当り遊技開始処理(ステップS190a)、第1大当り遊技処理(ステップS200a)、及び第1連動設定処理(ステップS250a)の各処理について、それらの詳細な手順を各別にそれぞれ説明する。
[第1変動開始処理]
まず、第1変動開始処理について図127に基づいて説明する。図127は、本実施形態の第1変動開始処理の一例を示すフローチャートである。第1変動開始処理は、前述の第1特別図柄制御処理(図126)において第1処理フラグが「0」のときに実行される。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、ステップS301aの処理として、上記第1特別保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある第1特別図柄の抽選処理があるか否かの判断を行う。そして、上記第1特別保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある第1特別図柄の抽選処理がない旨判断された場合は(ステップS301aにてYES)、当該割込処理内での第1変動開始処理が一旦終了される。すなわちこの場合、上述の割込処理が行われる都度、上記ステップS301aの処理において、保留の状態にある第1特別図柄の抽選処理があるか否かが判断されるようになり、該保留の状態にある第1特別図柄の抽選処理がある旨判断されるようになるまでの間、第1特別図柄側の遊技の進行が実質的に待機状態とされることとなる。
これに対し、主制御MPU4100aは、上記ステップS301aの処理において、保留の状態にある第1特別図柄の抽選処理がある旨判断された場合には(ステップS301aにてNO)、次にステップS302aの処理として、ST回数が0であるか否かを判断する。ST回数は、大当りの当選確率を高確率(確変状態)とする抽選処理の回数(特別図柄の変動回数)であり、後述の第1大当り遊技処理(図131)において大当り遊技終了時に設定される。本実施形態では、全ての大当り遊技終了後にST回数として70回が付与される。なお、大当り種類についての詳細は図146にて後述する。
そして、主制御MPU4100aは、ST回数が0でない場合には(ステップS302aにてNO)、ステップS303aの処理として、ST回数を1減算更新する。一方、ST回数が0である場合には(ステップS302aにてYES)、ステップS303aの処理を行わず、ステップS304aの処理に移行する。
続いて、主制御MPU4100aは、ステップS304aの処理として、当該主制御MPU4100aのRAM4100eの第1特別図柄保留記憶領域に格納されている第1特別図柄の抽選処理に関わる乱数群(例えば、第1当落判定用乱数、第1図柄乱数、第1リーチ乱数、第1変動乱数)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数群を同RAM4100eから読み出す。次いで、ステップS305aの処理として、上記主制御MPU4100aのRAM4100eの第1特別図柄保留記憶領域の各記憶領域に格納されている上記第1特別図柄の抽選処理に関わる乱数群(第1当落判定用乱数、第1図柄乱数、第1リーチ乱数、第1変動乱数)を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する。
より具体的には、第一特別図柄保留記憶領域は1〜4の4つの記憶領域を有し、始動入賞の発生に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に始動入賞が発生するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記第1特別図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。
そしてその後、主制御MPU4100aは、ステップS306a及びS307aの処理として、上記第1特別保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記読み出された第1当落判定用乱数に基づいて上記当りについての抽選処理(第1特別図柄抽選)を行う。
ここで、本実施形態にかかる第1特別図柄抽選では、図146(A)に示すように、大当りの当選確率状態が通常状態の場合に1/399の確率で大当りに当選し、大当りの当選確率状態が確変状態(高確率状態)の場合に1/45の確率で大当りに当選するよう設定されている。
そして、こうして第1特別図柄抽選(ステップS307a)が行われると、主制御MPU4100aは、次にステップS308aの処理として、該第1特別図柄抽選の結果が示されるフラグと当選情報コマンドとをそれぞれセットする。またこの際、第1特別図柄抽選の結果に応じた停止図柄も決定する。そしてその後は、ステップS309aの処理として、上記第1変動パターン設定処理(ステップS150a)にプロセス移行されるように上記第1処理フラグを「1」に更新した時点で、この処理を終了する。
なお、この第1変動開始処理で得られた第1特別図柄抽選の結果は、上記ステップS308aの処理においてセットされた当選情報コマンドとして、図123に示したコマンド送信処理(ステップS17)によって周辺制御部4140に送信されることとなる。
[第1変動パターン設定処理]
次に、第1特別図柄抽選(ステップS307a)の結果などに基づいて第1特別図柄の変動パターンが設定される第1変動パターン設定処理について説明する。図128は、本実施形態の第1変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。
第1処理フラグが「1」のときに実行される第1変動パターン設定処理(ステップS150a)では、同図128に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、大当りに当選したことを示すフラグがセットされていれば(ステップS401aにてYES)、遊技状態に応じた大当り時の変動パターンテーブルを選択し(ステップS402a)、大当りに当選しないハズレであることを示すフラグ状態である場合には(ステップS401aにてNO)、ハズレ時の変動パターンテーブルを選択する(ステップS403a)。
そして、主制御MPU4100aは、選択した変動パターンテーブルと第1変動開始処理内のステップS304aで読み出した第1変動乱数とを比較することによって変動パターンを決定し(ステップS404a)、該決定した変動パターンを開始することを周辺制御基板4010に通知する変動パターンコマンドをセットして第一特別図柄表示器1185に表示される第1特別図柄の変動表示を開始する(ステップS405a)。また、主制御MPU4100aは、決定した変動パターンに対応して設定されている変動時間を第1変動タイマに設定する(ステップS406a)。これにより、こうして決定された変動時間だけ第一特別図柄表示器1185及び上記液晶表示装置1900にて変動制御が行われるようになる。そしてその後は、ステップS407aの処理として、上記第1変動中処理(ステップS170a)にプロセス移行されるように上記第1処理フラグを「2」に更新した時点で、この処理を終了する。
なお、この第1変動パターン設定処理で設定された変動パターンは、上記ステップS405aの処理においてセットされた変動パターンコマンドとして、図123に示したコマンド送信処理(ステップS17)によって周辺制御部4140に送信される。これにより、液晶表示装置1900においては、周辺制御部4140側による制御を通じて、上記演出コマンドにより示される変動パターンと上記当選情報コマンドにより示される情報とに基づいて、大当り抽選の結果が示されるように表示演出が行われるようになる。
なお、上記ステップS402a及びS403aの処理にて用いられる変動パターンテーブルのうち、通常遊技状態(通常モード)及び高確時短遊技状態(ラッシュ準備モード)にあるときに用いられる変動パターンテーブルでは、液晶表示装置1900における表示演出を盛り上げるための複数の変動パターン(変動時間)が記憶されている。これらの変動パターンには、「当選」となる期待度をそれぞれ異ならしめる演出(リーチ演出含む)が設定されており、上記ステップS405aの処理において、いずれかの変動パターンが選択的に決定されることとなる。これに対し、高確率非時短遊技状態(ラッシュモード)であるときに用いられる変動パターンテーブルでは、短縮された変動時間(例えば、1秒)が必ず選択されるようになっている。変動時間の設定についての詳細は、図146(E)にて後述する。
[第1変動中処理]
次に、図129を参照して、第1処理フラグが「2」のときに実行される第1変動中処理(ステップS170a)について説明する。図129は、本実施形態の第1変動中処理の一例を示すフローチャートである。
主制御MPU4100aは、まず、ステップS501aの処理として、上記第1変動パターン設定処理(ステップS150a)内のステップS406aの処理にて設定した第1変動タイマが0になったか否か、すなわち、上記設定された変動時間が経過したか否かについての判断を行う。そしてこの結果、第1変動タイマが0でない、すなわち、上記設定された変動時間が経過していない旨判断される限りは(ステップS501aにてNO)、当該第1変動中処理(ステップS170a)が行われる都度、ステップS521aの処理として、第1変動タイマを1減算することとなる。
そして、こうした処理が行われた結果、上記ステップS501aの処理において、第1変動タイマが0になった、すなわち、上記設定された変動時間が経過した旨判断されたときに(ステップS501aにてYES)、主制御MPU4100aは、ステップS502a及びステップS503aの処理として、既に決定済みとされている停止図柄(第1特別図柄抽選の結果に応じた停止図柄)を上記第一特別図柄表示器1185に表示することにより変動表示を終了させるための表示制御を行うとともに、上記液晶表示装置1900に第1特別図柄の停止図柄に応じた装飾図柄の表示結果の導出表示を指示する第1確定停止コマンドを上記周辺制御部4140へのコマンドとしてセットする。なお、こうしてセットされた第1確定停止コマンドは、図123に示したコマンド送信処理(ステップS17)によって周辺制御部4140に送信されることとなる。これにより、液晶表示装置1900においては、周辺制御部4140側による後述の制御を通じて、同表示演出における演出結果を確定表示させるようになる。
こうして図柄停止にかかる処理を行った後は、第1特別図柄抽選の結果に応じた各種の処理を実行した時点で、この処理を終了することとなる。
主制御MPU4100aは、第1特別図柄抽選の結果が大当りである場合は(ステップS504aにてYES)、第2特別図柄側で当りが重複して発生することを回避すべく、第2特別図柄側の遊技を第1特別図柄側の遊技に連動させるべき状態にあることを示す上述の第2特別図柄の連動フラグをオン状態とする(ステップS505a)。また、特別図柄抽選の大当り当選確率が高確率状態(確変状態)であることを示す確変フラグをオフ状態とする(ステップS506a)。そしてこの後、大当り遊技を開始させるべく、第1処理フラグを「3」に更新した時点で(ステップS507a)、この処理を終了する。
このような制御を行うようにしたことで、大当り遊技の終了インターバルが終了して第2特別図柄の連動フラグがオフ状態にされるまでの間(後述の第1大当り遊技処理(図131)のステップS726a)は、第2特別図柄側の遊技は第2処理フラグに関係なく第1特別図柄側の遊技に連動して停止されたり、現在の状態を維持されたりすることとなる。
他方、主制御MPU4100aは、第1特別図柄抽選の結果がハズレである場合は(ステップS504aにてNO)、まず、主制御基板4100のRAM4100eに設けられる確変フラグがオン状態であるか否かを判断する(ステップS511a)。確変フラグは、大当りの当選確率を通常確率(通常状態)から高確率(確変状態)に移行する際にオン状態に設定される。大当りの当選確率の変更は大当り発生を契機とするため、確変フラグは、後述の第1大当り遊技処理(図131)において大当り遊技終了時に設定される。
そして、主制御MPU4100aは、確変フラグがオン状態である場合には(ステップS511aにてYES)、ST回数が0であるか否かを判断する(ステップS512a)。ST回数が0である場合には(ステップS512aにてYES)、確変状態が終了したものと判断し、確変フラグをオフ状態に設定する(ステップS513a)。
一方、主制御MPU4100aは、確変フラグがオフ状態である場合は(ステップS511aにてNO)、ステップS514aの処理に移行する。また、確変フラグがオン状態であってもST回数が0でない場合には(ステップS512aにてNO)、確変状態が継続するので、確変フラグのオン状態を維持してステップS514aの処理に移行する。
続いて、主制御MPU4100aは、ステップS514aの処理として、時短機能が作動中であるか否かを判断する(ステップS514a)。具体的には、主制御基板4100のRAM4100eに設けられる時短フラグがON状態であるか否かを判断する。時短フラグは、後述の第1大当り遊技処理(図131)の時短機能設定処理(ステップS725a)で時短機能を作動させる場合にON状態に設定される。
そして、主制御MPU4100aは、時短機能が作動中である場合には(ステップS514aにてYES)、時短機能を停止させるか否かを判断する(ステップS515a)。本実施形態では、時短機能は、第1大当りAの発生を契機に確変機能とともに付与され、該確変機能が継続される間作動する。したがって、確変フラグがオフ状態である場合に時短機能を停止させると判断し、確変フラグがオン状態である場合に時短機能を作動継続させると判断する。
すなわち、主制御MPU4100aは、上述のステップS513aの処理において確変フラグがオフ状態に設定されたときに、時短遊技状態を終了させるべき条件が成立したとして、時短機能を停止させる(ステップS516a)。そして、こうして時短機能に関する処理が行われた後は、ハズレであることが示されるように特別図柄が変動停止され、該特別図柄が保留消化された処理段階にあるとして、第1処理フラグを「0」に更新し(ステップS517a)、この処理を終了する。これにより、次の割り込み制御が行われる際に、第1特別図柄にかかる次変動が行われることとなる。
[第1大当り遊技開始処理]
次に、図130を参照して、第1処理フラグが「3」のときに実行される第1大当り遊技開始処理(ステップS190a)について説明する。図130は、本実施形態の第1大当り遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。
主制御MPU4100aは、まず、ステップS601aの処理として、大当り遊技の開始前インターバルを計時するタイマ(第1大当り開始インターバルタイマ)がセット済みの状態であるか否かを判断する。そしてこの結果、第1大当り開始インターバルタイマが未だセットされていない場合には(ステップS601aにてNO)、ステップS602aの処理として、条件装置を作動させるとともに、ステップS603a及びステップS604aの処理として、時短機能が作動しているのであれば(ステップS603aにてYES)、該作動を停止させる。すなわち、こうした準備が整った後に、大当り遊技の開始前インターバルを開始させるべく、ステップS605a及びS606aの処理として、第1大当り開始インターバルタイマをセットするとともに、第1大当りインターバル開始コマンドをセットした時点で、この処理を一旦終了する。
なお、上記ステップS606aの処理にてセットされた第1大当りインターバル開始コマンドは、図123に示したコマンド送信処理(ステップS17)によって周辺制御部4140に送信されることとなる。これにより、液晶表示装置1900においては、周辺制御部4140側による後述の制御を通じて、大当り遊技の開始前インターバル中の表示演出が現れるようになる。
すなわち、こうして第1大当り開始インターバルタイマがセットされた以降は、割込処理が行われる都度、上記ステップS601aの処理にて第1大当り開始インターバルタイマがセット済みであると判断されるようになり(ステップS601aにてYES)、主制御MPU4100aは、次のステップS611aの処理において当該第1大当り開始インターバルタイマが0であるか否か、すなわち、上記大当り遊技の開始前インターバルとして設定された時間が経過したか否かについての判断を行うこととなる。そして、このステップS611aの処理において、第1大当り開始インターバルタイマが0でない、すなわち、上記大当り遊技の開始前インターバルとして設定された時間が経過していない旨判断される限りは(ステップS611aにてNO)、当該第1大当り遊技開始処理(ステップS190a)が行われる都度、ステップS621aの処理として、第1大当り開始インターバルタイマを1減算することとなる。
そして、こうした処理が行われた結果、上記ステップS611aの処理において、第1大当り開始インターバルタイマが0になった、すなわち、上記大当り遊技の開始前インターバルとして設定された時間が経過した旨判断されたとき(ステップS611aにてYES)、主制御MPU4100aは、大当り遊技を実行するべく、第1処理フラグを「4」に更新し(ステップS612a)、この処理を終了する。
なお、第1大当り開始インターバルタイマについては、大当り図柄の種類(第1図柄乱数により決定付けされる種類)に応じて時間長さが設定可能とされている。
[第1大当り遊技処理]
次に、図131を参照して、第1処理フラグが「4」のときに実行される第1大当り遊技処理(ステップS200a)について説明する。図131は、本実施形態の第1大当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。
主制御MPU4100aは、まず、ステップS701aの処理として、大当り遊技の実行にかかる制御が既に進行している状態にあることを示す第1大当り遊技実行フラグがオン状態にあるか否かを判断する。第1大当り遊技実行フラグは、主制御基板4100のRAM4100eに設けられ、第1大当り遊技の開始時に後述のステップS703aの処理でオン状態に設定され、終了時に後述のステップS723aの処理でオフ状態に設定される。
そして、主制御MPU4100aは、第1大当り遊技実行フラグがオン状態にない場合は(ステップS701aにてNO)、アタッカ装置2100を用いた大当り遊技の実行にかかる制御を開始させるべく、ステップS702aの処理として、大当りの種類に応じた開放態様(ラウンド数、各ラウンドの開放時間、各ラウンドの最大入賞数)をセットする。なお、大当りの種類に応じた開放態様についての詳細は、図146(C)にて後述する。
こうして大当り遊技の実行態様がセットされた後、主制御MPU4100aは、ステップS703a及びステップS704aの処理として、大当り遊技の実行にかかる制御が既に進行している状態にあることを示す第1大当り遊技実行フラグをオン状態に操作するとともに、第1大当り開始コマンドをセットした時点で、この処理を一旦終了する。
すなわち、こうして第1大当り遊技実行フラグがオン状態とされた以降は、割込処理が行われる都度、大当り遊技の実行にかかる制御が既に進行している状態にあると判断されるようになり(ステップS701aにてYES)、主制御MPU4100aは、次のステップS711aの処理として、上記セットされたラウンド数を消化したか否かについての判断を行うこととなる。そして、このステップS711aの処理において、上記セットされたラウンド数を未だ消化し終わっていない、すなわち、上記大当り遊技の実行にかかる制御の中途段階である旨判断される限りは(ステップS711aにてNO)、当該第1大当り遊技処理(ステップS200a)が行われる都度、主制御MPU4100aは、ステップS712aの処理として、上記セットした開放パターンに応じた制御を実行することとなる。これにより、上記割込処理が行われる都度(4ms毎に)、ステップS712aの処理を通じて開閉部材2106の開閉にかかる動き(ラウンド間のインターバルも含めて)が更新(管理)されるようになり、ひいては大当りの種類に応じた開放パターンをもってアタッカ装置2100が開閉動作する大当り遊技が実現されるようになる。
そして、こうした制御が行われているなかで、上記ステップS711aの処理において、上記セットされたラウンド数を消化し終わった、すなわち、上記大当り遊技の実行にかかる制御が全て完了した旨判断された場合は(ステップS711aにてYES)、主制御MPU4100aは、大当り遊技の終了インターバルを発生させるための各処理(ステップS721a,ステップS722a,ステップS731a,ステップS741a,ステップS742a)を行う。
すなわち、主制御MPU4100aは、まず、大当り遊技の終了インターバルを計時するタイマ(第1大当り終了インターバルタイマ)がセット済みの状態であるか否かを判断する(ステップS721a)。そしてこの結果、第1大当り終了インターバルタイマが未だセットされていない場合には(ステップS721aにてNO)、大当り遊技の終了インターバルを開始させるべく、ステップS741a及びS742aの処理として、第1大当り終了インターバルタイマをセットするとともに、第1大当りインターバル終了コマンドをセットした時点で、この処理を一旦終了することとなる。
なお、上記ステップS742aの処理にてセットされた第1大当りインターバル終了コマンドは、図123に示したコマンド送信処理(ステップS17)によって周辺制御部4140に送信されることとなる。これにより、液晶表示装置1900においては、周辺制御部4140側による後述の制御を通じて、大当り遊技の終了インターバル中の表示演出が現れるようになる。
すなわち、こうして第1大当り終了インターバルタイマがセットされた以降は、割込処理が行われる都度、上記ステップS721aの処理にて第1大当り終了インターバルタイマがセット済みであると判断されるようになり(ステップS721aにてYES)、主制御MPU4100aは、次のステップS722aの処理として、当該第1大当り終了インターバルタイマが0であるか否か、すなわち、上記大当り遊技の終了インターバルとして設定された時間が経過したか否かについての判断を行うこととなる。そして、このステップS722aの処理において、第1大当り終了インターバルタイマが0でない、すなわち、上記大当り遊技の開始前インターバルとして設定された時間が経過していない旨判断される限りは(ステップS722aにてNO)、当該第1大当り遊技処理(ステップS200a)が行われる都度、主制御MPU4100aは、ステップS731aの処理として、第1大当り終了インターバルタイマを1減算することとなる。
そして、こうした処理が行われた結果、上記ステップS722aの処理において、第1大当り終了インターバルタイマが0になった、すなわち、上記大当り遊技の終了インターバルとして設定された時間が経過した旨判断されたときに(ステップS722aにてYES)、主制御MPU4100aは、当該大当り遊技を終了させるための各処理(ステップS723a〜ステップS728a)を行うこととなる。
すなわち、主制御MPU4100aは、まず、ステップS723aの処理として、大当り遊技の実行にかかる制御が既に進行している状態にあることを示す第1大当り遊技実行フラグをオフ状態に操作する。そして次に、ステップS724aの処理として、特別図柄抽選の大当り当選確率が高確率状態(確変状態)であることを示す確変フラグをオン状態に操作し、高確率状態とする特別図柄抽選の回数(ST回数)に70回をセットする。ここでオン状態に操作された確変フラグは、ST回数を消化した場合(ステップS513a)や消化前に大当りとなった場合(ステップS506a)にオフ状態に操作される。
なお、本実施形態では、全ての大当りに対して確変機能を作動させるが、大当りの種類に応じて確変機能を作動させたりさせなかったりする場合には、後述の時短機能設定処理(ステップS725a)のように、まず確変機能を作動させる大当りか否かを判定する処理が実行されるようにしてもよい。そして、確変機能を作動させる大当りである場合に、主制御MPU4100aは、上述のステップS724aの処理と同様に確変フラグをオン状態に操作し、ST回数を設定する。また、次の大当りまで確変機能を作動させる大当りの場合は、主制御MPU4100aは、確変フラグをオン状態に操作するのみでST回数は設定しなければよい。
次に、主制御MPU4100aは、ステップS725aとして、大当りの種類及び遊技状態に応じて時短機能を作動させるか否かを設定する時短機能設定処理を実行する。なお、時短機能設定処理についての詳細は、図132にて後述する。
そして、確変機能及び時短機能に関する処理が行われた後は、主制御MPU4100aは、第2特別図柄側で大当り遊技が重複して発生する可能性がなくなったことに鑑みて、第2特別図柄側の遊技を第1特別図柄の遊技に連動させるべき状態にあることを示す上述の連動フラグをオフ状態とする(ステップS726a)。そしてこの後、条件装置の作動を停止させ(ステップS727a)、今回の大当りとなった第1特別図柄が保留消化された処理段階にあるとして第1処理フラグを「0」に更新し(ステップS728a)、この処理を終了する。これにより、次の割り込み制御が行われる際に、第1特別図柄にかかる次変動が行われることとなる。
このような大当り遊技処理によれば、ステップ711aの処理にてラウンド遊技が最大ラウンド数に到達した旨判断されるまでの間、対応する大入賞口2103は、大当りの種別に応じた開放態様(ステップS712a)をもって繰り返し開放されるようになり、遊技者は大当りの種別に応じた賞球を獲得可能になる。
[時短機能設定処理]
次に、上述の第1大当り遊技処理(図131)の時短機能設定処理(ステップS725a)について図132に基づいて説明する。図132は、本実施形態の時短機能設定処理の一例を示すフローチャートである。
主制御MPU4100aは、まず、大当りの種類に応じて今回の大当りが時短機能を作動させる大当りであるか否かを判定する(ステップS751)。本実施形態では、後述の図146(C)に示すように、第1特別図柄抽選において図柄Aの大当り(第1大当りA)に当選した場合にのみ時短機能が付与される。
そして、主制御MPU4100aは、時短機能を作動させる大当りである場合に(ステップS751にてYES)、現在の遊技モードがラッシュモードであるか否かを判定する(ステップS752)。本実施形態におけるラッシュモードとは、確変機能が作動し、時短機能は作動しない遊技状態(高確非時短遊技状態)を示す。したがって、具体的には、確変フラグがオン状態、かつ、時短フラグはオフ状態であるか否かを判定する。
主制御MPU4100aは、現在の遊技モードがラッシュモード(高確非時短遊技状態)でない場合には(ステップS752にてNO)、時短フラグをオン状態に操作して時短機能を作動させる(ステップS753)。その後、本処理を終了する。
一方、主制御MPU4100aは、今回の大当りが時短機能を作動させる大当りでない場合には(ステップS751にてNO)、時短フラグを操作することなく本処理を終了する。また、今回の大当りが時短機能を作動させる大当りであって現在の遊技モードがラッシュモード(高確非時短遊技状態)である場合にも(ステップS752にてYES)、時短フラグを操作することなく本処理を終了する。ここで、時短フラグは、上述の第1大当り遊技開始処理(図130)のステップS603a及びS604aの処理によって大当り遊技が開始されるときにオフ状態に設定されている。
したがって、現在の遊技モードがラッシュモード(高確非時短遊技状態)である場合には、第1特別図柄抽選の結果が時短機能を作動させる大当り(第1大当りA)となっても時短機能を作動させないこととなる。本実施形態では、一般的に遊技者に有利とされる時短機能を作動させないことで時短機能を作動させる遊技状態(ラッシュ準備モード)よりも遊技者に有利な遊技状態(ラッシュモード)を提供することを特徴とする。
[第1連動設定処理]
次に、図133を参照して、前述の第1特別図柄制御処理(図126)の第1連動設定処理(ステップS250a)について説明する。図133は、本実施形態の第1連動設定処理の一例を示すフローチャートである。
第1連動設定処理では、第2特別図柄側の遊技で大当りや小当りが導出される場合に、第2特別図柄側の遊技に連動するよう第1特別図柄側の遊技が制御される。
主制御MPU4100aは、まず、第1特別図柄が変動中であるか否かを判断する(ステップS1001a)。
そして、主制御MPU4100aは、第1特別図柄が変動中である場合には(ステップS1001aにてYES)、第1変動開始処理(図127)の第1特別図柄抽選(ステップS307a)で決定済みの停止図柄を所定のハズレ図柄に設定する(ステップS1002a)。
次に、主制御MPU4100aは、設定したハズレ図柄を第一特別図柄表示器1185に表示することにより変動表示を終了させるための表示制御を行う(ステップS1003a)。また、上記液晶表示装置1900に第1特別図柄の停止図柄に応じた装飾図柄の表示結果の導出表示を指示する第1確定停止コマンドを上記周辺制御部4140へのコマンドとしてセットする(ステップS1004a)。なお、これらのステップS1003a及びS1004aの処理は、上述の第1変動中処理(図129)において変動時間がタイムアップした際に行われるステップS502a及びS503aと同様である。
続いて、主制御MPU4100aは、上述の第1変動中処理(図129)において第1特別図柄がハズレとなる場合に実行するステップS511a〜S517aの処理と同様の処理をステップS1005a〜S1011aの処理で実行したのち本処理を終了する。
一方、主制御MPU4100aは、第1特別図柄が変動中でない場合には(ステップS1001aにてNO)、現在の第1特別図柄の状態(すなわち、第1特別図柄が変動していない状態)を継続させ(ステップS1021a)、本処理を終了する。
このように第1連動設定処理では、第2特別図柄の変動で大当りや小当りが導出される場合(第1連動フラグがオン状態である場合)に、変動中の第1特別図柄を強制的にハズレ図柄で停止させる。また、変動中でない第1特別図柄を第1連動フラグがオフ状態になるまで変動を開始させない待機状態にさせる。これにより、第1特別図柄側の遊技と第2特別図柄側の遊技との間で当りが重複することを回避する。
なお、本実施形態では第2変動中処理(図137)のステップS505bの処理において、第2特別図柄の変動時間が終了するタイミングで第1連動フラグをオンに設定し、第1連動設定処理において既に第1変動開始処理(図127)の当り判定処理(ステップS307a)で決定した停止図柄をはずれ図柄に変更するが、これに限らない。遊技状態に応じて変動が開始するタイミングで第1連動フラグをオンに設定してもよい。例えば、高確率非時短遊技状態(ラッシュモード)では、第2変動開始処理(図135)の当り判定処理(ステップS307b)で大当りや小当りが導出される場合に第1連動フラグをオン状態に設定するようにする。そして、第2大当りが導出される変動中に、第1変動開始処理(図127)の当り判定処理(ステップS307a)が行われる場合には第1当落判定用乱数を用いることなく、無抽選ではずれ図柄を決定するようにしてもよい。これにより、大当りが導出される第2特別図柄の変動中に実行される第1特別図柄の変動は変動開始時にはずれ図柄が決定されるので、第2特別図柄の変動終了タイミングにおける処理を簡易化することができる。
また、本実施形態の第1連動設定処理の変形例として、第1特別図柄が変動中であった場合にも変動状態が維持される待機状態が生み出されるようにしてもよい。このようにすれば、第1特別図柄側の変動で大当りが導出される場合に強制的にハズレに制御されてしまい、遊技者が本来獲得するはずの第1大当りの獲得機会を失うということがなくなる。
次に、図134〜図142を参照して、第2特別図柄側の遊技の進行が制御される第2特別図柄制御処理(ステップS14b)についての各詳細な手順について説明する。
なお、第2特別図柄制御処理については、上述の第1特別図柄制御処理を行う場合と同じプログラムを用いて、該プログラム内にて参照する各種の値を変えることによって行うようにしてもよい。
[第2特別図柄制御処理]
図134を参照して、第2特別図柄制御処理について説明する。図134は、本実施形態の第2特別図柄側の特別図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。
主制御MPU4100aは、まず、第2特別図柄側の連動フラグがオン状態となっているか否かを判断する(ステップS100b)。第2特別図柄の連動フラグは、第2特別図柄側の遊技を第1特別図柄側の遊技に連動させるべき状態にあるときにオン状態に設定されるフラグである。
すなわち上述の通り、本実施形態にかかるパチンコ機1では、第1特別図柄側の遊技と第2特別図柄側の遊技とが同時に進行可能とされる制御構造となっている。このような制御構造では、第1特別図柄側の遊技と第2特別図柄側の遊技との間で大当り遊技(小当り遊技)が重複して発生してしまう懸念があることから、これを回避すべく、一方側の遊技で大当り(小当り)が得られたときには、その時点で、他方側の遊技の進行を処理フラグに関係なく制御する旨を示す連動フラグをオン状態に操作するようにしている。ここで、第2特別図柄の連動フラグは、上述の第1特別図柄制御処理(図126)において第1特別図柄抽選の結果が大当りとなる場合にオン状態に設定される(ステップS505a)。
主制御MPU4100aは、第2特別図柄の連動フラグがオン状態となっている場合には(ステップS100bにてYES)、第2処理フラグに応じた処理(ステップS130b〜ステップS240b)を何ら行うことなく、第2連動設定処理を実行する(ステップS250b)。なお、第2連動設定処理についての詳細は、図142にて後述する。
これに対し、主制御MPU4100aは、上記ステップS100bの処理において、第2特別図柄の連動フラグがオフ状態となっている場合には(ステップS100bにてNO)、第2特別図柄側の遊技の本来の進行が許容される遊技状況にあるとして、第2特別図柄側の遊技の進行状況を示す第2処理フラグの状態を確認する。そして、主制御MPU4100aは、図中に示す複数の処理(ステップS130b〜ステップS240b)のうち、こうして確認された第2処理フラグの状態(第2特別図柄側の遊技の進行状況)に合った処理を選択的に実行することで、第2特別図柄側の遊技が適正に進行されていくこととなる。
より具体的には、主制御MPU4100aは、まず、第2処理フラグが0であるか否かを判断し(ステップS120b)、第2処理フラグが0であれば(ステップS120bにてYES)、第2変動開始処理(ステップS130b)を実行する。この第2変動開始処理(ステップS130b)では、当り第2特別図柄抽選(第2特別判定)の結果などに基づいて第2特別図柄の変動表示を開始するための設定などが行われた後、第2処理フラグが「1」に更新される。
一方、第2処理フラグが0でなければ(ステップS120bにてNO)、第2処理フラグが1であるか否かを判断する(ステップS140b)。そしてこの結果、第2処理フラグが1であれば(ステップS140bにてYES)、第2変動パターン設定処理(ステップS150b)を実行する。この第2変動パターン設定処理(ステップS150b)では、第二特別図柄表示器1186に表示される第2特別図柄(識別図柄)の変動パターン(第二特別図柄表示器1186において第2特別図柄(識別図柄)の変動表示を開始してから停止表示するまでの変動時間など)が決定された後、第2処理フラグが「2」に更新される。
また一方、主制御MPU4100aは、第2処理フラグが1でなければ(ステップS140bにてNO)、第2処理フラグが2であるか否かを判断する(ステップS160b)。そしてこの結果、第2処理フラグが2であれば(ステップS160bにてYES)、第2変動中処理(ステップS170b)を実行する。この第2変動中処理では、第2変動パターン設定処理(ステップS150b)にて設定された変動時間をタイマにより監視し、タイムアウトしたことに基づいて第二特別図柄表示器1186における第2特別図柄の変動表示を停止させる。そしてこの後、第2変動開始処理(ステップS130b)にて大当りに当選していると判断したときは、第1特別図柄側の遊技を第2特別図柄側の遊技に連動させるための連動フラグをオン状態としてから、大当り遊技を開始させるべく、第2処理フラグを「3」に更新する。また、小当りに当選していると判断したときは、同様に第1特別図柄側の遊技を第2特別図柄側の遊技に連動させるための連動ラグをオン状態としてから、小当り遊技を開始させるべく、第2処理フラグを「5」に更新する。ただし、小当りと大当りとのいずれの当りにも当選しなかった場合(ハズレ)は、第2処理フラグを「0」に更新する。これにより今回の変動が終了するので、次の割込処理では第2変動開始処理(ステップS130b)が実行される。
また一方、主制御MPU4100aは、第2処理フラグが2でなければ(ステップS160bにてNO)、第2処理フラグが3であるか否かを判断する(ステップS180b)。そしてこの結果、第2処理フラグが3であれば(ステップS180bにてYES)、第2大当り遊技開始処理(ステップS190b)を実行する。この第2大当り遊技開始処理においては、大当り遊技を実行するための条件の一つである条件装置を作動させたり、時短機能を停止させたりする。そして、大当り遊技の開始準備が完了された後に、第2処理フラグを「4」に更新する。
また一方、主制御MPU4100aは、第2処理フラグが3でなければ(ステップS180bにてNO)、第2処理フラグが4であるか否かを判断する(ステップS200b)。そしてこの結果、第2処理フラグが4であれば(ステップS200bにてYES)、第2大当り遊技処理(ステップS210b)を実行する。第2大当り遊技処理では、大当り遊技の態様(ラウンド数や開放時間、最大入賞数など)をセットし、このセットされた大当り遊技の態様に基づいて開閉部材2106にかかる開閉動作が制御される。また、大当り遊技が終了する場合には、条件装置の作動を停止させる処理などが行われた後、第2処理フラグが「0」に更新される。これにより今回の変動が終了するので、次の割込処理では第2変動開始処理(ステップS130b)が実行される。
また一方、主制御MPU4100aは、第2処理フラグが4でなければ(ステップS200bにてNO)、第2処理フラグが5であるか否かを判断する(ステップS220b)。そしてこの結果、第2処理フラグが5であれば(ステップS220bにてYES)、小当り遊技を開始させる前のインターバル期間を創出する第2小当り遊技開始処理(ステップS230b)を実行する。なお、小当り遊技を開始させる前のインターバル期間が経過したときには、当該第2小当り遊技開始処理内にて第2処理フラグが「6」に更新される。
一方、主制御MPU4100aは、第2処理フラグが5でなければ(ステップS220bにてNO)、第2処理フラグが6であるとして、第2小当り遊技処理(ステップS240b)を実行する。この第2小当り遊技処理では、小当りの種別に応じた制御態様で開閉部材2106を開閉動作させる小当り遊技を行う。また、小当り遊技が終了する場合は、第2処理フラグが「0」に更新される。これにより今回の変動が終了するので、次の割込処理では第2変動開始処理(ステップS130b)が実行される。
このように、上記ステップS100bの処理において、第2特別図柄側の遊技を第1特別図柄側の遊技に連動させるべき状態にあることを示す連動フラグがオフ状態となっている場合には、ステップS130b、ステップS150b、ステップS170b、ステップS190b、ステップS210b、ステップS230b、及びステップS240bの処理のいずれかが第2処理フラグの状態に基づいて選択的に実行された時点で、当該割込処理内における第2特別制御処理は終了される。
以下、第2変動開始処理(ステップS130b)、第2変動パターン設定処理(ステップS150b)、第2変動中処理(ステップS170b)、第2大当り遊技開始処理(ステップS190b)、第2大当り遊技処理(ステップS210b)、第2小当り遊技開始処理(ステップS230b)、第2小当り遊技処理(ステップS240b)、及び第2連動設定処理(ステップS250b)の各処理について、それらの詳細な手順を各別にそれぞれ説明する。
[第2変動開始処理]
まず、図135を参照して、第2変動開始処理について説明する。図135は、本実施形態の第2変動開始処理の一例を示すフローチャートである。第2変動開始処理は、前述の第2特別図柄制御処理(図134)において第2処理フラグが「0」のときに実行される。
主制御MPU4100aは、まず、ステップS301bの処理として、上記第2特別保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある第2特別図柄の抽選処理があるか否かの判断を行う。そして、上記第2特別保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある第2特別図柄の抽選処理がない旨判断された場合は(ステップS301bにてYES)、当該割込処理内での第2変動開始処理が一旦終了される。すなわちこの場合、上述の割込処理が行われる都度、上記ステップS301bの処理において、保留の状態にある第2特別図柄の抽選処理があるか否かが判断されるようになり、該保留の状態にある第2特別図柄の抽選処理がある旨判断されるようになるまでの間、第2特別図柄側の遊技の進行が実質的に待機状態とされることとなる。
これに対し、主制御MPU4100aは、上記ステップS301bの処理において、保留の状態にある第2特別図柄の抽選処理がある旨判断された場合には(ステップS301bにてNO)、次にステップS302bの処理として、ST回数が0であるか否かを判断する。ST回数は、大当りの当選確率を高確率(確変状態)とする抽選処理の回数(特別図柄の変動回数)であり、後述の第2大当り遊技処理(図139)において大当り遊技終了時に設定される。本実施形態では、全ての大当り遊技終了後にST回数として70回が付与される。なお、大当り種類についての詳細は図146にて後述する。
そして、主制御MPU4100aは、ST回数が0でない場合には(ステップS302bにてNO)、ステップS303bの処理として、ST回数を1減算更新する。一方、ST回数が0である場合には(ステップS302bにてYES)、ステップS303bの処理を行わず、ステップS304bの処理に移行する。
続いて、主制御MPU4100aは、ステップS304bの処理として、当該主制御MPU4100aのRAM4100eの第2特別図柄保留記憶領域に格納されている第2特別図柄の抽選処理に関わる乱数群(例えば、第2当落判定用乱数、第2図柄乱数、第2リーチ乱数、第2変動乱数)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数群を同RAM4100eから読み出す。次いで、ステップS305bの処理として、上記主制御MPU4100aのRAM4100eの第2特別図柄保留記憶領域の各記憶領域に格納されている上記第2特別図柄の抽選処理に関わる乱数群(第2当落判定用乱数、第2図柄乱数、第2リーチ乱数、第2変動乱数)を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する。
より具体的には、第二特別図柄保留記憶領域は1〜4の4つの記憶領域を有し、始動入賞の発生に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に始動入賞が発生するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記第2特別図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。なお、本実施形態では、第二特別図柄保留記憶領域は1番目の領域(消化領域)のみが有効とされる。すなわち、本実施形態の第2特別図柄の変動表示制御は、先に発生した始動入賞に対応する第2特別図柄が変動終了していない限り、後に発生した始動入賞に応じて抽出した乱数が記憶されることはない。
そしてその後、主制御MPU4100aは、ステップS306b及びS307bの処理として、上記第2特別保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記読み出された第2当落判定用乱数に基づいて上記当りについての抽選処理(第2特別図柄抽選)を行う。
ここで、本実施形態にかかる第2特別図柄抽選では、図146(A)に示すように、当選確率状態が通常状態の場合に1/399の確率で大当りに当選し、当選確率状態が確変状態(高確率状態)の場合に1/45の確率で大当りに当選するよう設定されている。また、当選確率状態が通常状態の場合に390/399の確率で小当りに当選し、当選確率状態が確変状態(高確率状態)の場合に44/45の確率で小当りに当選するように設定されている。
そして、こうして第2特別図柄抽選(ステップS307b)が行われると、主制御MPU4100aは、次にステップS308bの処理として、該第2特別図柄抽選の結果が示されるフラグと当選情報コマンドとをそれぞれセットする。またこの際、第2特別図柄抽選の結果に応じた停止図柄も決定する。そしてその後は、ステップS309bの処理として、上記第2変動パターン設定処理(ステップS150b)にプロセス移行されるように第2処理フラグを「1」に更新した時点で、この処理を終了する。
なお、この第2変動開始処理で得られた第2特別図柄抽選の結果は、上記ステップS308bの処理においてセットされた当選情報コマンドとして、図123に示したコマンド送信処理(ステップS17)によって周辺制御部4140に送信されることとなる。
[第2変動パターン設定処理]
次に、図136を参照して、第2変動パターン設定処理について説明する。図136は、本実施形態の第2変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。第2変動パターン設定処理は、前述の第2特別図柄制御処理(図134)において第2処理フラグが「1」のときに実行される。
主制御MPU4100aは、大当りに当選したことを示すフラグがセットされていれば(ステップS401bにてYES)、遊技状態に応じた大当り時の変動パターンテーブルを選択し(ステップS402b)、小当りに当選したことを示すフラグがセットされていれば(ステップS403bにてYES)、遊技状態に応じた小当り時の変動パターンテーブルを選択し(ステップS404b)、大当りと小当りのいずれでもないハズレであることを示すフラグ状態である場合には(ステップS403bにてNO)、ハズレ時の変動パターンテーブルを選択する(ステップS405b)。
そして、主制御MPU4100aは、選択した変動パターンテーブルと第2変動開始処理内のステップS304bで読み出した第2変動乱数とを比較することによって変動パターンを決定し(ステップS406b)、該決定した変動パターンを開始することを周辺制御基板4010に通知する変動パターンコマンドをセットして第二特別図柄表示器1186に表示される第2特別図柄の変動表示を開始する(ステップS407b)。また、主制御MPU4100aは、決定した変動パターンに対応して設定されている変動時間を第2変動タイマに設定する(ステップS408b)。これにより、こうして決定された変動時間だけ第二特別図柄表示器1186及び上記液晶表示装置1900において変動制御が行われるようになる。そしてその後は、ステップS409bの処理として、上記第2変動中処理(ステップS170b)にプロセス移行されるように上記第2処理フラグを「2」に更新した時点で、この処理を終了する。
なお、この第2変動パターン設定処理で設定された変動パターンは、上記ステップS407bの処理においてセットされた変動パターンコマンドとして、図123に示したコマンド送信処理(ステップS17)によって周辺制御部4140に送信される。これにより、液晶表示装置1900においては、周辺制御部4140側による制御を通じて、上記演出コマンドにより示される変動パターンと上記当選情報コマンドにより示される情報とに基づいて、大当り抽選(小当り抽選)の結果が示されるように表示演出が行われるようになる。
すなわち上述の通り、本実施形態にかかるパチンコ機1では、第1特別図柄側の遊技と第2特別図柄側の遊技とが同時に進行されるようになっていることから、液晶表示装置1900においては、周辺制御部4140側による制御を通じて、第1特別図柄側の表示演出(装飾図柄の変動など)と第2特別図柄側の表示演出(装飾図柄の変動など)とが同時に現れるようになっている。
なお、上記ステップS402b、S404b及びS405bの処理にて用いられる変動パターンテーブルのうち、通常遊技状態(通常モード)及び高確時短遊技状態(ラッシュ準備モード)にあるときに用いられる変動パターンテーブルでは、第1特別図柄側で選択可能とされる他のいかなる変動時間よりも10倍以上の長さを持った変動時間(例えば、600秒)が必ず選択されるようなっている。これに対し、高確率非時短遊技状態(ラッシュモード)であるときに用いられる変動パターンテーブルでは、短縮された変動時間(例えば、1秒)が必ず選択されるようになっている。なお、変動時間の設定についての詳細は、図146(E)にて後述する。
[第2変動中処理]
次に、図137を参照して、第2処理フラグが「2」のときに実行される第2変動中処理(ステップS170b)について説明する。図137は、本実施形態の第2変動中処理の一例を示すフローチャートである。
主制御MPU4100aは、まず、ステップS501bの処理として、上記第2変動パターン設定処理(ステップS150b)内のステップS408bの処理にて設定した第2変動タイマが0になったか否か、すなわち、上記設定された変動時間が経過したか否かについての判断を行う。そしてこの結果、第2変動タイマが0でない、すなわち、上記設定された変動時間が経過していない旨判断される限りは(ステップS501bにてNO)、当該第2変動中処理(ステップS170b)が行われる都度、ステップS521bの処理として、第2変動タイマを1減算することとなる。
そして、こうした処理が行われた結果、上記ステップS501bの処理において、第2変動タイマが0になった、すなわち、上記設定された変動時間が経過した旨判断されたときに(ステップS501bにてYES)、主制御MPU4100aは、ステップS502b及びステップS503bの処理として、既に決定済みとされている停止図柄(第2特別図柄抽選の結果に応じた停止図柄)を上記第二特別図柄表示器1186に表示することにより変動表示を終了させるための表示制御を行うとともに、上記液晶表示装置1900に第2特別図柄の停止図柄に応じた装飾図柄の表示結果の導出表示を指示する第2確定停止コマンドを上記周辺制御部4140へのコマンドとしてセットする。なお、こうしてセットされた第2確定停止コマンドは、図123に示したコマンド送信処理(ステップS17)によって周辺制御部4140に送信されることとなる。これにより、液晶表示装置1900においては、周辺制御部4140側による後述の制御を通じて、同表示演出における演出結果を確定表示させるようになる。
こうして図柄停止にかかる処理を行った後は、第2特別図柄抽選の結果に応じた各種の処理を実行した時点で、この処理を終了することとなる。
主制御MPU4100aは、第2特別図柄抽選の結果が大当りである場合は(ステップS504bにてYES)、第1特別図柄側で当りが重複して発生することを回避すべく、第1特別図柄側の遊技を第2特別図柄側の遊技に連動させるべき状態にあることを示す上述の第1特別図柄の連動フラグをオン状態とする(ステップS505b)。また、特別図柄抽選の大当り当選確率が高確率状態(確変状態)であることを示す確変フラグをオフ状態とする(ステップS506b)。そしてこの後、大当り遊技を開始させるべく、第2処理フラグを「3」に更新した時点で(ステップS507b)、この処理を終了する。
一方、主制御MPU4100aは、第2特別図柄抽選の結果が小当りである場合も同様(ステップS504bにてNO、且つステップS531bにてYES)、まずは、第1特別図柄側で当りが重複して発生することを回避すべく、第1特別図柄側の遊技を第2特別図柄側の遊技に連動させるべき状態にあることを示す上述の第1特別図柄の連動フラグをオン状態とする(ステップS532b)。そしてこの後、小当り遊技を開始させるべく、第2処理フラグを「5」に更新した時点で(ステップS533b)、この処理を終了する。
このような制御を行うようにしたことで、大当り遊技の終了インターバルが終了して第1特別図柄の連動フラグがオフ状態にされるまでの間(後述の第2大当り遊技処理(図139)のステップS726b)は、第1特別図柄側の遊技は第1処理フラグに関係なく第2特別図柄側の遊技に連動して停止されたり、現在の状態を維持されたりすることとなる。
他方、主制御MPU4100aは、第1特別図柄抽選の結果がハズレである場合は(ステップS504bにてNOかつステップS531bにてNO)、まず、主制御基板4100のRAM4100eに設けられる確変フラグがオン状態であるか否かを判断する(ステップS511b)。確変フラグは、大当りの当選確率を通常確率(通常状態)から高確率(確変状態)に移行する際にオン状態に設定される。大当りの当選確率の変更は大当り発生を契機とするため、確変フラグは、後述の第2大当り遊技処理(図139)において大当り遊技終了時に設定される。
そして、主制御MPU4100aは、確変フラグがオン状態である場合には(ステップS511bにてYES)、ST回数が0であるか否かを判断する(ステップS512b)。ST回数が0である場合には(ステップS512bにてYES)、確変状態が終了したものと判断し、確変フラグをオフ状態に設定する(ステップS513b)。
一方、主制御MPU4100aは、確変フラグがオフ状態である場合は(ステップS511bにてNO)、ステップS514bの処理に移行する。また、確変フラグがオン状態であってもST回数が0でない場合には(ステップS512bにてNO)、確変状態が継続するので、確変フラグのオン状態を維持してステップS514bの処理に移行する。
続いて、主制御MPU4100aは、ステップS514bの処理として、時短機能が作動中であるか否かを判断する(ステップS514b)。具体的には、主制御基板4100のRAM4100eに設けられる時短フラグがON状態であるか否かを判断する。時短フラグは、後述の第2大当り遊技処理(図139)の時短機能設定処理(ステップS725b)で時短機能を作動させる場合にON状態に設定される。
そして、主制御MPU4100aは、時短機能が作動中である場合には(ステップS514bにてYES)、時短機能を停止させるか否かを判断する(ステップS515b)。本実施形態では、時短機能は、第1大当りAの発生を契機に確変機能とともに付与され、該確変機能が継続される間作動する。したがって、確変フラグがオフ状態である場合に時短機能を停止させると判断し、確変フラグがオン状態である場合に時短機能を作動継続させると判断する。
すなわち、主制御MPU4100aは、上述のステップS513bの処理において確変フラグがオフ状態に設定されたときに、時短遊技状態を終了させるべき条件が成立したとして、時短機能を停止させる(ステップS516b)。そして、こうして時短機能に関する処理が行われた後は、ハズレであることが示されるように特別図柄が変動停止され、該特別図柄が保留消化された処理段階にあるとして、第2処理フラグを「0」に更新し(ステップS517b)、この処理を終了する。これにより、次の割り込み制御が行われる際に、第2特別図柄にかかる次変動が行われることとなる。
[第2大当り遊技開始処理]
次に、図138を参照して、第2処理フラグが「3」のときに実行される第2大当り遊技開始処理(ステップS190b)について説明する。図138は、本実施形態の第2大当り遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。
主制御MPU4100aは、まず、ステップS601bの処理として、大当り遊技の開始前インターバルを計時するタイマ(第2大当り開始インターバルタイマ)がセット済みの状態であるか否かを判断する。そしてこの結果、第2大当り開始インターバルタイマが未だセットされていない場合には(ステップS601bにてNO)、ステップS602bの処理として、条件装置を作動させるとともに、ステップS603b及びステップS604bの処理として、時短機能が作動しているのであれば(ステップS603bにてYES)、該作動を停止させる。すなわち、こうした準備が整った後に、大当り遊技の開始前インターバルを開始させるべく、ステップS605b及びS606bの処理として、第2大当り開始インターバルタイマをセットするとともに、第2大当りインターバル開始コマンドをセットした時点で、この処理を一旦終了することとなる。
なお、上記ステップS606bの処理にてセットされた第2大当りインターバル開始コマンドは、図123に示したコマンド送信処理(ステップS17)によって周辺制御部4140に送信されることとなる。これにより、液晶表示装置1900においては、周辺制御部4140側による後述の制御を通じて、大当り遊技の開始前インターバル中の表示演出が現れるようになる。
すなわち、こうして第2大当り開始インターバルタイマがセットされた以降は、割込処理が行われる都度、上記ステップS601bの処理にて第2大当り開始インターバルタイマがセット済みであると判断されるようになり(ステップS601bにてYES)、主制御MPU4100aは、次のステップS611bの処理において当該第2大当り開始インターバルタイマが0であるか否か、すなわち、上記大当り遊技の開始前インターバルとして設定された時間が経過したか否かについての判断を行うこととなる。そして、このステップS611bの処理において、第2大当り開始インターバルタイマが0でない、すなわち、上記大当り遊技の開始前インターバルとして設定された時間が経過していない旨判断される限りは(ステップS611bにてNO)、当該第2大当り遊技開始処理(ステップS190b)が行われる都度、ステップS621bの処理として、第2大当り開始インターバルタイマを1減算することとなる。
そして、こうした処理が行われた結果、上記ステップS611bの処理において、第2大当り開始インターバルタイマが0になった、すなわち、上記大当り遊技の開始前インターバルとして設定された時間が経過した旨判断されたとき(ステップS611bにてYES)、主制御MPU4100aは、大当り遊技を実行するべく、第2処理フラグを「4」に更新した時点で(ステップS612b)、この処理を終了する。
なお、第2大当り開始インターバルタイマについては、大当り図柄の種類(第2図柄乱数により決定付けされる種類)に応じて時間長さが設定可能とされている。
[第2大当り遊技処理]
次に、図139を参照して、第2処理フラグが「4」のときに実行される第2大当り遊技処理(ステップS200b)について説明する。図139は、本実施形態の第2大当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。
主制御MPU4100aは、まず、ステップS701bの処理として、大当り遊技の実行にかかる制御が既に進行している状態にあることを示す第2大当り遊技実行フラグがオン状態にあるか否かを判断する。第2大当り遊技実行フラグは、主制御基板4100のRAM4100eに設けられ、第2大当り遊技の開始時に後述のステップS703bの処理でオン状態に設定され、終了時に後述のステップS723bの処理でオフ状態に設定される。
そして、主制御MPU4100aは、第2大当り遊技実行フラグがオン状態にない場合は(ステップS701bにてNO)、アタッカ装置2100を用いた大当り遊技の実行にかかる制御を開始させるべく、ステップS702bの処理として、大当りの種類に応じた開放態様(ラウンド数、各ラウンドの開放時間、各ラウンドの最大入賞数)をセットする。なお、大当りの種類に応じた開放態様についての詳細は、図146(C)にて後述する。
こうして大当り遊技の実行態様がセットされた後、主制御MPU4100aは、ステップS703b及びステップS704bの処理として、大当り遊技の実行にかかる制御が既に進行している状態にあることを示す第2大当り遊技実行フラグをオン状態に操作するとともに、第2大当り開始コマンドをセットした時点で、この処理を一旦終了する。
すなわち、こうして第2大当り遊技実行フラグがオン状態とされた以降は、割込処理が行われる都度、大当り遊技の実行にかかる制御が既に進行している状態にあると判断されるようになり(ステップS701bにてYES)、主制御MPU4100aは、次のステップS711bの処理として、上記セットされたラウンド数を消化したか否かについての判断を行うこととなる。そして、このステップS711bの処理において、上記セットされたラウンド数を未だ消化し終わっていない、すなわち、上記大当り遊技の実行にかかる制御の中途段階である旨判断される限りは(ステップS711bにてNO)、当該第2大当り遊技処理(ステップS200b)が行われる都度、主制御MPU4100aは、ステップS712bの処理として、上記セットした開放パターンに応じた制御を実行することとなる。これにより、上記割込処理が行われる都度(4ms毎に)、ステップS712bの処理を通じて開閉部材2106の開閉にかかる動き(ラウンド間のインターバルも含めて)が更新(管理)されるようになり、ひいては大当りの種類に応じた開放パターンをもってアタッカ装置2100が開閉動作する大当り遊技が実現されるようになる。
そして、こうした制御が行われているなかで、上記ステップS711bの処理において、上記セットされたラウンド数を消化し終わった、すなわち、上記大当り遊技の実行にかかる制御が全て完了した旨判断された場合は(ステップS711bにてYES)、主制御MPU4100aは、大当り遊技の終了インターバルを発生させるための各処理(ステップS721b,ステップS722b,ステップS731b,ステップS741b,ステップS742b)を行う。
すなわち、主制御MPU4100aは、まず、大当り遊技の終了インターバルを計時するタイマ(第2大当り終了インターバルタイマ)がセット済みの状態であるか否かを判断する(ステップS721b)。そしてこの結果、第2大当り終了インターバルタイマが未だセットされていない場合には(ステップS721bにてNO)、大当り遊技の終了インターバルを開始させるべく、ステップS741b及びS742bの処理として、第2大当り終了インターバルタイマをセットするとともに、第2大当りインターバル終了コマンドをセットした時点で、この処理を一旦終了することとなる。
なお、上記ステップS742bの処理にてセットされた第2大当りインターバル終了コマンドは、図123に示したコマンド送信処理(ステップS17)によって周辺制御部4140に送信されることとなる。これにより、液晶表示装置1900においては、周辺制御部4140側による後述の制御を通じて、大当り遊技の終了インターバル中の表示演出が現れるようになる。
すなわち、こうして第2大当り終了インターバルタイマがセットされた以降は、割込処理が行われる都度、上記ステップS721bの処理にて第2大当り終了インターバルタイマがセット済みであると判断されるようになり(ステップS721bにてYES)、主制御MPU4100aは、次のステップS722bの処理において当該第2大当り終了インターバルタイマが0であるか否か、すなわち、上記大当り遊技の終了インターバルとして設定された時間が経過したか否かについての判断を行うこととなる。そして、このステップS722bの処理において、第2大当り終了インターバルタイマが0でない、すなわち、上記大当り遊技の開始前インターバルとして設定された時間が経過していない旨判断される限りは(ステップS722bにてNO)、当該第2大当り遊技処理(ステップS200b)が行われる都度、主制御MPU4100aは、ステップS731bの処理として、第2大当り終了インターバルタイマを1減算することとなる。
そして、こうした処理が行われた結果、上記ステップS722bの処理において、第2大当り終了インターバルタイマが0になった、すなわち、上記大当り遊技の終了インターバルとして設定された時間が経過した旨判断されたときに(ステップS722bにてYES)、主制御MPU4100aは、、当該大当り遊技を終了させるための各処理(ステップS723b〜ステップS728b)を行うこととなる。
すなわち、主制御MPU4100aは、まず、ステップS723bの処理として、大当り遊技の実行にかかる制御が既に進行している状態にあることを示す第2大当り遊技実行フラグをオフ状態に操作する。そして次に、ステップS724bの処理として、特別図柄抽選の大当り当選確率が高確率状態(確変状態)であることを示す確変フラグをオン状態に操作し、高確率状態とする特別図柄抽選の回数(ST回数)に70回をセットする。ここでオン状態に操作された確変フラグは、ST回数を消化した場合(ステップS513b)や消化前に大当りとなった場合(ステップS506b)にオフ状態に操作される。
なお、本実施形態では、全ての大当りに対して確変機能を作動させるが、大当りの種類に応じて確変機能を作動させたりさせなかったりする場合には、後述の時短機能設定処理(ステップS725b)のように、まず確変機能を作動させる大当りか否かを判定する処理が実行されるようにしてもよい。そして、確変機能を作動させる大当りである場合に、主制御MPU4100aは、上述のステップS724bの処理と同様に確変フラグをオン状態に操作し、ST回数を設定する。また、次の大当りまで確変機能を作動させる大当りの場合は、主制御MPU4100aは、確変フラグをオン状態に操作するのみでST回数は設定しなければよい。
次に、主制御MPU4100aは、ステップS725bとして、大当りの種類及び遊技状態に応じて時短機能を作動させるか否かを設定する時短機能設定処理を実行する。なお、時短機能設定処理は、前述の第1大当り遊技処理(図131)における時短機能設定処理(ステップS725a)と同処理であり、図132にて前述した通りである。
そして、確変機能及び時短機能に関する処理が行われた後は、主制御MPU4100aは、第1特別図柄側で大当り遊技が重複して発生する可能性がなくなったことに鑑みて、第1特別図柄側の遊技を第2特別図柄の遊技に連動させるべき状態にあることを示す上述の連動フラグをオフ状態とする(ステップS726b)。そしてこの後、条件装置の作動を停止させて(ステップS727b)、今回の大当りとなった第2特別図柄が保留消化された処理段階にあるとして第2処理フラグを「0」に更新し(ステップS728b)、この処理を終了する。これにより、次の割り込み制御が行われる際に、第2特別図柄にかかる次変動が行われることとなる。
このような大当り遊技処理によれば、ステップ711bの処理にてラウンド遊技が最大ラウンド数に到達した旨判断されるまでの間、対応する大入賞口2103は、大当りの種別に応じた開放態様(ステップS712b)をもって繰り返し開放されるようになり、遊技者は大当りの種別に応じた賞球を獲得可能になる。
[第2小当り遊技開始処理]
次に、図140を参照して、第2処理フラグが「5」のときに実行される第2小当り遊技開始処理(ステップS230b)について説明する。図140は、本実施形態の第2小当り遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。
主制御MPU4100aは、まず、ステップS801bの処理として、小当り遊技の開始前インターバルを計時するタイマ(第2小当り開始インターバルタイマ)がセット済みの状態であるか否かを判断する。そしてこの結果、第2小当り開始インターバルタイマが未だセットされていない場合には(ステップS801bにてNO)、小当り遊技の開始前インターバルを開始させるべく、ステップS802b及びS803bの処理として、第2小当り開始インターバルタイマをセットするとともに、第2小当りインターバル開始コマンドをセットした時点で、この処理を一旦終了する。
なお、上記ステップS803bの処理にてセットされた第2小当りインターバル開始コマンドは、図123に示したコマンド送信処理(ステップS17)によって周辺制御部4140に送信されることとなる。これにより、液晶表示装置1900においては、周辺制御部4140側による後述の制御を通じて、小当り遊技の開始前インターバル中の表示演出が現れるようになる。
すなわち、こうして第2小当り開始インターバルタイマがセットされた以降は、割込処理が行われる都度、第2小当り開始インターバルタイマがセット済みであると判断されるようになり(ステップS801bにてYES)、主制御MPU4100aは、次のステップS811bの処理において当該第2小当り開始インターバルタイマが0、すなわち、上記小当り遊技の開始前インターバルとして設定された時間が経過したか否かについての判断を行うこととなる。そして、このステップS811bの処理において、第2小当り開始インターバルタイマが0でない、すなわち、上記小当り遊技の開始前インターバルとして設定された時間が経過していない旨判断される限りは(ステップS811bにてNO)、当該第2小当り遊技開始処理(ステップS230b)が行われる都度、ステップS821bの処理として、第2小当り開始インターバルタイマを1減算することとなる。
そして、こうした処理が行われた結果、上記ステップS811bの処理において、第2小当り開始インターバルタイマが0になった、すなわち、上記小当り遊技の開始前インターバルとして設定された時間が経過した旨判断されたとき(ステップS811bにてYES)、主制御MPU4100aは、小当り遊技を実行するべく、第2処理フラグを「6」に更新した時点で(ステップS812b)、この処理を終了する。
[第2小当り遊技処理]
次に、図141を参照して、第2処理フラグが「6」のときに実行される第2小当り遊技処理(ステップS240b)について説明する。図141は、本実施形態の第2小当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。
主制御MPU4100aは、まず、ステップS901bの処理として、小当り遊技の実行にかかる制御が既に進行している状態にあることを示す第2小当り遊技実行フラグがオン状態にあるか否かを判断する。第2小当り遊技実行フラグは、主制御基板4100のRAM4100eに設けられ、第2小当り遊技の開始時に後述のステップS903bの処理でオン状態に設定され、終了時に後述のステップS921bの処理でオフ状態に設定される。
そして、主制御MPU4100aは、第2小当り遊技実行フラグがオン状態にない場合は(ステップS901bにてNO)、アタッカ装置2100を用いた小当り遊技の実行にかかる制御を開始させるべく、ステップS902bの処理として、小当りの種類に応じた開放態様(開放パターン)と該開放パターンにかかる制御実行に要する時間を計時する制御タイマとをそれぞれセットする。なお、本実施形態における小当りは1種類である。小当りの開放態様についての詳細は、図146(D)にて後述する。
次いで、主制御MPU4100aは、ステップS903b及びステップS904bの処理として、小当り遊技の実行にかかる制御が既に進行している状態にあることを示す第2小当り遊技実行フラグをオン状態に操作するとともに、第2小当り開始コマンドをセットした時点で、この処理を一旦終了する。
すなわち、こうして第2小当り遊技実行フラグがオン状態とされた以降は、割込処理が行われる都度、小当り遊技の実行にかかる制御が既に進行している状態にあると判断されるようになり(ステップS901bにてYES)、主制御MPU4100aは、次のステップS911bの処理において上記制御タイマが0、すなわち、上記小当り遊技の実行にかかる制御が終了されるタイミングが到来したか否かについての判断を行うこととなる。そして、このステップS911bの処理において、制御タイマが0でない、すなわち、上記小当り遊技の実行にかかる制御の中途段階である旨判断される限りは(ステップS911bにてNO)、当該第2小当り遊技処理(ステップS240b)が行われる都度、主制御MPU4100aは、まず、ステップS912bの処理として、上記セットした開放パターンに応じたアタッカ装置2100の開閉制御を実行することとなる。これにより、上記割込処理が行われる都度(4ms毎に)、ステップS912bの処理を通じて開閉部材2106の開閉にかかる動きが更新(管理)されるようになり、アタッカ装置2100が開閉動作する小当り遊技が実現されるようになる。
そして、こうした制御が行われているなかで、上記ステップS911bの処理において、制御タイマが0である、すなわち、上記小当り遊技の実行にかかる制御が全て完了した旨判断された場合は(ステップS911bにてYES)、主制御MPU4100aは、小当り遊技を終了させるための各処理(ステップS921b〜ステップS929b)を行う。
主制御MPU4100aは、まず、ステップS921bの処理として、小当り遊技の実行にかかる制御が既に進行している状態にあることを示す第2小当り遊技実行フラグをオフ状態に操作する。次に、第1特別図柄側で大当り遊技が重複して発生する可能性がなくなったことに鑑みて、第1特別図柄側の遊技を第2特別図柄の遊技に連動させるべき状態にあることを示す第1特別図柄の連動フラグをオフ状態とする(ステップS922b)。
さらに、主制御MPU4100aは、主制御基板4100のRAM4100eに設けられる確変フラグがオン状態であるか否かを判断する(ステップS923b)。そして、確変フラグがオン状態である場合には(ステップS923bにてYES)、ST回数が0であるか否かを判断する(ステップS924b)。ST回数が0である場合には(ステップS924bにてYES)、確変状態が終了したものと判断し、確変フラグをオフ状態に設定する(ステップS925b)。
一方、主制御MPU4100aは、確変フラグがオフ状態である場合は(ステップS923bにてNO)、ステップS926bの処理に移行する。また、確変フラグがオン状態であってもST回数が0でない場合には(ステップS924bにてNO)、確変状態が継続するので、確変フラグのオン状態を維持してステップS926bの処理に移行する。
続いて、主制御MPU4100aは、ステップS926bの処理として、時短機能が作動中であるか否かを判断する。そして、時短機能が作動中である場合には(ステップS926bにてYES)、時短機能を停止させるか否かを判断する(ステップS927b)。本実施形態では、時短機能は、第1大当りAの発生を契機に確変機能とともに付与され、該確変機能が継続される間作動する。したがって、確変フラグがオフ状態である場合に時短機能を停止させると判断し、確変フラグがオン状態である場合に時短機能を作動継続させると判断する。
すなわち、主制御MPU4100aは、上述のステップS925bの処理において確変フラグがオフ状態に設定されたときに、時短遊技状態を終了させるべき条件が成立したとして、時短機能を停止させる(ステップS928b)。そして、こうして確変機能と時短機能に関する処理が行われた後は、小当りを導出した特別図柄が保留消化された処理段階にあるとして、第2処理フラグを「0」に更新し(ステップS929b)、この処理を終了する。これにより、次の割り込み制御が行われる際に、第2特別図柄にかかる次変動が行われることとなる。
[第2連動設定処理]
次に、図142を参照して、上述の第2特別図柄制御処理(図134)の第2連動設定処理(ステップS250b)について説明する。図142は、本実施形態の第2連動設定処理の一例を示すフローチャートである。
第2連動設定処理では、第1特別図柄側の遊技で大当りが導出される場合に、第1特別図柄側の遊技に連動するよう第2特別図柄側の遊技が制御される。
主制御MPU4100aは、まず、第2特別図柄が変動中であるか否かを判断する(ステップS1001b)。
そして、主制御MPU4100aは、第2特別図柄が変動中である場合には(ステップS1001bにてYES)、第2変動開始処理(図135)の第2特別図柄抽選(ステップS307b)で決定済みの停止図柄を所定のハズレ図柄に設定する(ステップS1002b)。
次に、主制御MPU4100aは、設定したハズレ図柄を第二特別図柄表示器1186に表示することにより変動表示を終了させるための表示制御を行う(ステップS1003b)。また、上記液晶表示装置1900に第2特別図柄の停止図柄に応じた装飾図柄の表示結果の導出表示を指示する第2確定停止コマンドを上記周辺制御部4140へのコマンドとしてセットする(ステップS1004b)。なお、これらのステップS1003b及びS1004bの処理は、上述の第2変動中処理(図137)において変動時間がタイムアップした際に行われるステップS502b及びS503bと同様である。
続いて、主制御MPU4100aは、上述の第2変動中処理(図137)において第2特別図柄がハズレとなる場合に実行するステップS511b〜S517bの処理と同様の処理をステップS1005b〜S1011bの処理で実行したのち本処理を終了する。
一方、主制御MPU4100aは、第2特別図柄が変動中でない場合には(ステップS1001bにてNO)、現在の第2特別図柄の状態(すなわち、第2特別図柄が変動していない状態)を継続させ(ステップS1021b)、本処理を終了する。
このように第2連動設定処理では、第1特別図柄の変動で大当りが導出される場合(第2連動フラグがオン状態である場合)に、変動中の第2特別図柄を強制的にハズレ図柄で停止させる。また、変動中でない第2特別図柄を第2連動フラグがオフ状態になるまで変動を開始させない待機状態にさせる。これにより、第2特別図柄側の遊技と第1特別図柄側の遊技との間で当りが重複することを回避する。
[普通図柄側の処理]
続いて、図143〜図145を参照して、前述のタイマ割込処理(図123)の普通制御処理(ステップS15)について説明する。普通制御処理では、普図ゲート2301の遊技球の通過に基づいた普通図柄変動制御(普通図柄抽選)が実行され、該普通図柄抽選において当り(普図当り)が発生する場合に可動片(普通電動役物)2111を動作させて特設入賞口2101bへの遊技球の入賞を容易化する入賞補助制御が実行される。
[普通制御処理]
図143は、本実施形態の普通制御処理の手順を示すフローチャートである。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、普図ゲート2301への遊技球の通過を検出するゲートセンサ2302がオン状態であるか否かを判定する(ステップS2001)。そして、ゲートセンサ2302が普図ゲート2301への遊技球の通過を検出してオン状態となっている場合には(ステップS2001にてYES)、主制御MPU4100aは、普通図柄の普通乱数を乱数カウンタから取得してこれをRAMの普通図柄保留記憶領域に格納するなどのゲート通過処理を実行する(ステップS2010)。なお、ゲート通過処理についての詳細は、図144にて後述する。
次いで、主制御MPU4100aは、普通図柄プロセスフラグに応じて5つのプロセス処理(普通図柄通常処理、普通図柄変動時間決定処理、普通図柄変動処理、普通図柄停止処理、普通電動役物開放処理)の1つを選択的に実行して普通制御処理を終了する。
まず、ステップS2100の普通図柄通常処理において、主制御MPU4100aは、主制御MPU4100aのRAM4100eに格納されている普通乱数を読み出し、読み出した普通乱数に基づいて普通図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理などを実行する。
次に、ステップS2200の普通図柄変動時間決定処理において、主制御MPU4100aは、普図変動乱数に基づいて普通図柄表示器1189に表示される普通図柄の変動態様(変動時間)についての抽選処理などを実行する。
次に、ステップS2300の普通図柄変動処理において、主制御MPU4100aは、普通図柄表示器1189における普通図柄の変動表示が停止されるまで待機する処理を実行する。
次に、ステップS2400の普通図柄停止処理において、主制御MPU4100aは、普通図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて決定された普通図柄の変動制御停止時の態様が普通図柄表示器1189に表示されるように普通図柄の変動表示を停止させる処理を実行する。
次に、ステップS2500の普通電動役物開放処理において、主制御MPU4100aは、普通図柄の変動制御停止時の態様についての抽選処理の結果が「普図当り」を示唆する態様となったとき、可動片(普通電動役物)2111を動作させて第1始動口2101の特設入賞口2101bへの遊技球の入賞を可能に制御する処理を実行する。
なお、普通図柄プロセスフラグは、各種のレジスタや主制御内蔵RAM4100eに格納されているデータを初期化する処理において、普通図柄通常処理(ステップS2100)を行うべき旨を示すよう操作される。
[ゲート通過処理]
次に、図144を参照して、前述の普通制御処理(図143)のゲート通過処理(ステップS2010)について説明する。図144は、本実施形態のゲート通過処理の手順を示すフローチャートである。
主制御MPU4100aは、まず、普通保留数カウンタによるカウンタ値を主制御MPU4100aのRAM4100eから取得し、、該カウンタ値に基づいて普通図柄の保留数がその最大値である「4」未満の値であるか否かを判定する(ステップS2011)。
そして、主制御MPU4100aは、普通図柄の保留数がその最大値未満の値である場合には(ステップS2011にてYES)、普通図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、ステップS2012〜S2014の処理を実行する。まず、ステップS2012の処理として、普通保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS2013の処理として、普通乱数、普図変動乱数を乱数カウンタから取得する。そして次に、ステップS2014の処理として、こうして取得された各乱数を、主制御MPU4100aのRAM4100eの記憶領域のうちの普通保留数カウンタによるカウンタ値に対応する普通図柄保留記憶領域に格納する。その後、本ゲート通過処理を終了する。
一方、主制御MPU4100aは、普通図柄の保留数がその最大値である場合には(ステップS2011にてNO)、普通図柄の変動表示制御を新たに保留しない。すなわち、ステップS2012〜ステップS2014の処理を実行することなく、本ゲート通過処理を終了する。
[普通図柄通常処理]
次に、図145を参照して、前述の普通制御処理(図143)の普通図柄通常処理(ステップS2100)について説明する。普通図柄通常処理は、前述の普通制御処理において普通図柄プロセスフラグが本処理を行うべき旨を示している場合に実行される。図145は、本実施形態の普通図柄通常処理の手順を示すフローチャートである。
主制御MPU4100aは、まず、普通保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある普通図柄の変動表示制御があるか否かの判断を行う(ステップS2101)。この結果、保留の状態にある普通図柄の変動表示制御があると判断された場合には(ステップS2101にてYES)、主制御MPU4100aのRAMの普通図柄保留記憶領域に格納されている普通図柄の表示態様に関わる乱数(例えば、普通乱数、普図変動乱数)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数を同RAMから読み出す(ステップS2102)。そして、普通保留数カウンタを1減算するカウントダウンを行うとともに(ステップS2103)、主制御MPU4100aのRAMの普通保留記憶領域の各記憶領域に格納されている普通図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(普通乱数、普図変動乱数)を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する(ステップS2104)。
具体的には、主制御MPU4100aは、4つの記憶領域を有する普通図柄保留記憶領域の1番目(最先)の領域から順に普図ゲート2301への遊技球の通過に応じて抽出した乱数を記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に普図ゲート2301に遊技球が通過するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、普通図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。
次いで、主制御MPU4100aは、現在の遊技状態が時短遊技状態であるか否かを判定する(ステップS2105)。そして、現在の遊技状態が時短遊技状態であれば(ステップS2105にてYES)、時短時の普図当り判定テーブル(図示しない)を選択し(ステップS2106)、現在の遊技状態が非時短遊技状態であれば(ステップS2105にてNO)、非時短時の普図当り判定テーブル(図示しない)を選択する(ステップS2107)。その後、ステップS2106又はステップS2107の処理で選択した普図当り判定テーブルと、ステップS2102の処理で読み出した普通乱数とを比較する(ステップS2108)。
なお、普図当り判定テーブルは、上記主制御MPU4100aのROM4100dに記憶され、遊技状態が時短時の場合に使用する時短時の普図当り判定テーブルと、遊技状態が非時短時の場合に使用する非時短時の普図当り判定テーブルと、を備えている。そして、普通乱数と比較するために参照される時短時の普図当り判定テーブルでは、255種類の全ての普通乱数が普図当りに当選したことを示す普図当り判定値と一致し、普図はずれであることを示す普図はずれ判定値と一致することがないように普通乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、時短遊技状態では、普図ゲート2301への遊技球の通過があったとき、普図当りに必ず当選し、可動片(普通電動役物)2111を動作させて第1始動口2101の特設入賞口2101bへの遊技球の入賞が可能になるよう制御される。
また、普通乱数と比較するために参照される非時短時の普図当り判定テーブルでは、255種類の全ての普通乱数が普図当りに当選したことを示す普図当り判定値と一致することがなく、普図はずれであることを示す普図はずれ判定値と一致するように普通乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、非時短遊技状態では、普図ゲート2301への遊技球の通過があったとしても、普図当りに当選することがないため、可動片(普通電動役物)2111の開放動作を通じて第1始動口2101の特設入賞口2101bへの遊技球の入賞が可能になるよう制御されることがない。なお、上述の通り、非時短遊技状態においても普通図柄の当りが得られるようにしてもよく、この場合には時短遊技状態よりも低い当選確率(例えば50%)とし、普通図柄の抽選結果が当りとなったときに特設入賞口2101bの可動片2111を時短遊技状態よりも短い時間、例えば、0.1秒間開放動作させて特設入賞口2101bへの遊技球の入賞を可能とした後に閉鎖動作させて特設入賞口2101bへの遊技球の入賞を不能にするようにしてもよい。
主制御MPU4100aは、前述のステップS2108の処理の結果、普図当りとなるか否かを判定する(ステップS2109)。そして、普図当りの場合には(ステップS2109にてYES)、当該普通図柄の変動が普図当りに当選していることを示す普図当りフラグをセットした後(ステップS2110)、普通図柄の変動制御停止時の態様(普通図柄の停止図柄)としての普図当り図柄を決定する(ステップS2112)。
一方、主制御MPU4100aは、前述のステップS2108の処理の結果、はずれとなる場合には(ステップS2109にてNO)、普通図柄の変動制御停止時の態様(普通図柄の停止図柄)としての普図はずれ図柄を決定する(ステップS2111)。
ステップS2112又はステップS2111の処理終了後、主制御MPU4100aは、普通図柄変動時間決定処理(ステップS2200)にプロセス移行されるよう上述の普通図柄プロセスフラグを更新し(ステップS2113)、本処理を終了する。
なお、本実施形態では、時短機能が作動しない非時短遊技状態における普通図柄の当り当選確率を0%、時短機能が作動する時短遊技状態における普通図柄の当り当選確率を100%に設定しているが、これに限らない。時短遊技状態において第1始動口2101の特設入賞口2101bへの遊技球の入賞頻度(入賞確率)が常時入賞口2101aへの遊技球の入賞頻度(入賞確率)よりも高くなる、すなわち、時短遊技状態では左打ちではなく右打ちするように遊技者を誘導可能な普通図柄の遊技スペック(普図当り当選確率、普図変動時間、普通電動役物の開放パターン)であればよい。具体的に、時短遊技状態では、非時短遊技状態に比べて普図当り当選確率を高くする普図確変機能、普図変動時間を短くする普図変動短縮機能、及び普通電動役物による開放動作(入賞補助制御)を延長する普電開放延長機能のうち少なくとも一機能が付与される。これにより、時短遊技状態では、非時短遊技状態において設定される入賞補助制御をさらに強化した入賞補助強化制御が実行されることになる。
[特別図柄の遊技スペック]
図146は、本実施形態の第1特別図柄及び第2特別図柄の遊技スペックを示す各種テーブルの一例である。
まず、図146(A)を参照して、本実施形態の第1特別図柄抽選における当り当選確率について説明する。図146(A)に示すように、本実施形態の第1特別図柄抽選では、当り当選確率が通常状態(低確率状態)である場合に1/399の確率で大当りに当選する。また、当り当選確率が通常状態よりも高く設定される確変状態(高確率状態)である場合に1/45の確率で大当りに当選する。なお、本実施形態の第1特別図柄抽選における当りには、条件装置が作動する大当りのみが発生し、条件装置が作動しない小当りは発生しない。上述の第1変動開始処理(図127)の当り判定処理(ステップS307a)では、抽選実行時の確率状態に応じて1/399又は1/45の当選確率で大当り判定が行われる。
次に、図146(B)を参照して、本実施形態の第2特別図柄抽選における当り確率について説明する。図146(B)に示すように、本実施形態の第2特別図柄抽選における当りには、大当り及び小当りが含まれる。第2特別図柄抽選における大当り当選確率は、上述の第1特別図柄抽選における大当り当選確率と同じである。第2特別図柄抽選における小当り当選確率は、大当り当選確率が通常状態(低確率状態)である場合に390/399の確率で小当りに当選し、大当り当選確率が確変状態(高確率状態)である場合に44/45の確率で小当りに当選する。小当り当選確率は、遊技状態に拘らず一定確率であり、大当り当選確率のように通常状態と確変状態とに変化することはない。上述の第2変動開始処理(図135)の当り判定処理(ステップS307b)では、抽選実行時の確率状態に応じて1/399又は1/45の当選確率で大当り判定が行われ、390/399又は44/45の当選確率で小当り判定が行われる。
このように、本実施形態では、第2特別図柄抽選における小当り当選確率が高く設定されている。特に、確変状態における第2特別図柄抽選では大当りに当選しなかった場合は必ず小当りに当選するよう設定されることを特徴とする。なお、小当りは、大当りに当選しなかった場合に必ず当選するものではなくでもよい。ここでの小当りは、確変状態における第2特別図柄抽選において大当りに当選しなかった場合に、はずれとなる確率よりもはるかに高い確率で当選するものであればよい。
続いて、図146(C)を参照して、本実施形態の大当り種類について説明する。図146(C)に示すように、本実施形態の大当りには、第1特別図柄抽選において発生可能な第1大当りA及び第1大当りBと、第2特別図柄抽選において発生可能な第2大当りA及び第2大当りBとの合計4種類の大当りが設けられている。
第1大当りAは、第1特別図柄抽選の結果が大当りとなる場合に75%の確率で発生し、このとき第1特別図柄の変動表示は図柄Aで停止表示される。また、第1大当りBは、第1特別図柄抽選の結果が大当りとなる場合に25%の確率で発生し、このとき第1特別図柄の変動表示は図柄Bで停止表示される。
第2大当りAは、第2特別図柄抽選の結果が大当りとなる場合に50%の確率で発生し、このとき第2特別図柄の変動表示は図柄Aで停止表示される。また、第2大当りBは、第2特別図柄抽選の結果が大当りとなる場合に50%の確率で発生し、このとき第2特別図柄の変動表示は図柄Bで停止表示される。
これら4種類の大当りは、100%の確率で大当り遊技終了後の遊技状態を確変状態に移行させて、該確変状態を大当り遊技後の特別図柄の変動回数が70回実行されるまで継続させる確変機能を付与可能に設けられる。また、第1大当りAは、可動片(普通電動役物)2111を動作させて第1始動口2101の特設入賞口2101bへの遊技球の入賞を補助する入賞補助制御を行う時短機能を付与可能に設けられる。
また、大当りの種類に応じて大入賞口2103の開放態様が設定されており、第1大当りA、第1大当りB、第2大当りA及び第2大当りBは、それぞれ開放パターンA、B、C及びDが設定されている。ここでは、開放パターンによって遊技者が獲得可能な賞球数を変化させ、大当り遊技の興趣を高めている。
開放パターンA〜Cは、大入賞口2103の開放時間が長く、遊技者が十分な賞球を獲得できるように設定される。例えば、開放パターンA及び開放パターンBは、ラウンド遊技が4回にわたって行われる大当り遊技で、遊技者が賞球として500球獲得可能になるよう各ラウンドの開放時間及び最大入賞数がセットされる。また、開放パターンCは、ラウンド遊技が16回にわたって行われる大当り遊技で、遊技者が賞球として2000球獲得可能になるよう各ラウンドの開放時間及び最大入賞数がセットされる。
一方、開放パターンDは、大入賞口2103の開放時間が短く、遊技者が十分な賞球を獲得できないように設定される。例えば、開放パターンDは、ラウンド遊技が16回にわたって行われる大当り遊技で、1回の開放時間が短い高速開放を繰り返すことで遊技者が賞球を実質獲得できないようにセットされる。
次に、図146(D)を参照して、本実施形態の小当り種類について説明する。図146(D)に示すように、本実施形態の小当りには、第2特別図柄抽選において発生可能な第2小当りCが設けられている。第2小当りCは、第2特別図柄抽選の結果が小当りとなる場合に100%の確率で発生し、このとき第2特別図柄の変動表示は図柄Cで停止表示される。また、小当り遊技における大入賞口2103の開放態様には、開放パターンEが設定される。開放パターンEは、1回の開放時間が短く、偶発的な入賞によって賞球獲得可能に設けられる。ここで、偶発的な入賞とは、遊技者が大入賞口2013への入賞を意図して遊技球を遊技領域に打ち込んで獲得する入賞ではなく、大入賞口2013が配設される遊技領域に打ち込んでいた遊技球が大入賞口2013の開放時に偶然入賞可能な位置を流下していたことによって獲得できる入賞をいう。第2小当りCでは、遊技者が右打ちで遊技球を打ち込んでいれば、偶発的に約1〜2球程度の入賞が期待できるようにラウンド回数及び大入賞口2013の1回の開放時間がセットされる。第2小当りCによって大入賞口2013に約1〜2球程度の入賞がされた場合は、約15〜30球の賞球が獲得可能となる。
なお、本実施形態の高確率非時短遊技状態(ラッシュモード)では、第2小当りCが頻発するよう設けられており、遊技者が継続して右打ちで遊技球を打ち込ませることでラッシュモード中に発生する第2小当りCに基づく偶発的な入賞を促進することが可能となり、獲得可能な賞球数が該ラッシュモード中に獲得可能な賞球数(総獲得出球数)の大半を占めるようになる。本実施形態ではラッシュモード中にST回数(70回)の第2小当りC(最大30球)が発生した場合には、前述した大当りによる賞球(2000球)以上の賞球(最大2100球)が望めるので、ほとんど賞球が得られない小当り発生による遊技の興趣の低下を招くことがない。むしろ、1度の大当り遊技よりも複数回発生する小当り遊技のほうが遊技者の遊技への関心を継続させるので、ラッシュモード中の一連の遊技の興趣を高めることができる。
また、図146(E)を参照して、本実施形態の特別図柄の変動時間について説明する。図146(E)に示すように、本実施形態の特別図柄の変動時間は、遊技モード(遊技状態)に応じて異なる。第1特別図柄の変動時間は、遊技モードが通常モード及びラッシュ準備モードの場合にはリーチ演出の有無に応じて30秒〜60秒が設定され、遊技モードがラッシュモードの場合には1秒が設定される。また、第2特別図柄の変動時間は、遊技モードが通常モード及びラッシュ準備モードの場合には600秒が設定され、遊技モードがラッシュモードの場合には1秒が設定される。
ここで、通常モードとは、遊技者に第1始動口2101の常時入賞口2101aへの遊技球の入賞(すなわち、「左打ち」)を促す遊技モードであって、特別図柄抽選の大当り当選確率が通常状態(低確率状態)かつ時短機能が付与されない通常遊技状態を示す。また、ラッシュ準備モードとは、遊技者に第1始動口2101の特設入賞口2101bへの遊技球の入賞(すなわち、「右打ち」)を促す遊技モードであって、特別図柄抽選の大当り当選確率が確変状態(高確率状態)かつ時短機能が付与されている高確時短遊技状態を示す。また、ラッシュモードとは、遊技者に第2始動口2102への遊技球の入賞(すなわち、「右打ち」)を促す遊技モードであって、特別図柄抽選の大当り当選確率が確変状態(高確率状態)かつ時短機能が付与されない高確非時短遊技状態を示す。なお、ラッシュ準備モードの高確時短遊技状態は、上述の第1大当りAの発生を契機に移行可能な遊技状態である。
このように、遊技者に提供する特別図柄の遊技は遊技状態に応じて上述のスペック(当り当選確率、当り種類、変動時間等)が変化する。そして、通常遊技状態から遊技者にとって有利な有利遊技状態への移行は大当りの発生を契機とし、有利遊技状態から通常遊技状態への移行は付与されたST回数分(ここでは70回)の特別図柄抽選(変動)の消化を契機とする。
[遊技状態の遷移]
続いて、図147〜図149を参照して、遊技状態の移行や各遊技状態における第1特別図柄及び第2特別図柄の同時変動の制御について説明する。図147は、本実施形態の遊技状態(遊技モード)の遷移を示す図である。
(通常モード)
まず、遊技開始時の遊技モードは通常遊技状態(通常モード)である。通常遊技状態では、センター役物2500の左側の遊技領域1100を狙って遊技球を発射(いわゆる「左打ち」)することで、第1始動口2101の常時入賞口2101aに遊技球を入賞させることが遊技者にとって最善の遊技方法である。
ここで、本実施形態の第2始動口2102は、センター役物2500の右側の遊技領域1100を狙って発射(いわゆる「右打ち」)された遊技球が流下経路を辿るだけで容易に入賞可能に設けられている。そして、第2始動口2102への入賞に基づく第2特別図柄抽選は、賞球獲得可能な小当りの当選確率が高い(通常状態で390/399、確変状態で44/45)。これでは、遊技者は遊技開始時から右打ちして第2始動口2102への遊技球の入賞を狙おうとする。そこで、本実施形態では、前述の図146(E)に示すように、第2始動口2102への遊技球の入賞を推奨しない遊技状態(通常モード、ラッシュ準備モード)における第2特別図柄の変動時間を長時間変動(600秒)に設定している。これにより、両モードにおいて第2特別図柄の変動表示が開始されると停止表示される(抽選結果が判明する)まで長時間を要することになるので、遊技者の右打ちを抑制することができる。
なお、本実施形態の第2始動口2102は常時開放状態であり入賞容易であるため、第2始動口2102への遊技球の入賞を抑制するために該入賞を推奨しない遊技状態における第2特別図柄の変動時間を長時間に設定したが、これに限らない。第2始動口2102を入賞容易状態と入賞困難状態とに変換可能な状態変換部材を設け、第2始動口2102への遊技球の入賞を推奨しない遊技状態(通常モード、ラッシュ準備モード)では入賞困難状態に設定するようにしてもよい。本実施形態では、状態変換部材の制御にかかる構成及び処理の複雑化を回避するとともに、遊技者にとって要領が得やすい遊技を提供するため、遊技状態に応じて変動時間を変えることで遊技者にとって最善の遊技方法で遊技するよう誘導している。
したがって、通常遊技状態では主に第1始動口2101(常時入賞口2101a)への遊技球の入賞に基づく第1特別図柄抽選が実行される。そして、第1特別図柄抽選の結果がハズレとなる場合は通常遊技状態を継続する一方、第1特別図柄抽選の結果が第1大当りAとなった場合は高確率時短遊技状態(ラッシュ準備モード、第一有利遊技状態)に移行する。また、第1特別図柄抽選の結果が第1大当りBとなった場合は高確率非時短遊技状態(ラッシュモード、第二有利遊技状態)に移行する。
なお、上述したように通常遊技状態では、第2特別図柄抽選の発生を抑制するため第2特別図柄の変動時間を長く設定している。このため、通常遊技状態において第2特別図柄抽選の結果が判明する可能性(第2特別図柄の第2大当りを契機とした遊技状態移行の発生)は極めて低い。
(ラッシュ準備モード)
次に、遊技状態が通常遊技状態(通常モード)から高確率時短遊技状態(ラッシュ準備モード)に移行した場合について説明する。この状態移行に際し、遊技者には、第1大当りAの発生によって、賞球獲得とともに確変機能及び時短機能の付与という遊技者にとって有利な特典が与えられる。
高確率時短遊技状態(ラッシュ準備モード)では、センター役物2500の右側の遊技領域1100を狙って遊技球を発射(いわゆる「右打ち」)することで、第1始動口2101の特設入賞口2101bに遊技球を入賞させることが遊技者にとって最善の遊技方法である。
ここで、右打ちされた遊技球がセンター役物2500の右側の遊技領域1100に配設される普図ゲート2301を通過すると、時短機能が作動しているので普通図柄抽選で普図当りが導出される(時短状態における普図当り確率100%)。これにより、可動片(普通電動役物)2111が動作されて第1始動口2101の特設入賞口2101bへの遊技球の入賞が容易になる。また、前述したように時短遊技状態では、第1始動口2101の特設入賞口2101bへの遊技球の入賞頻度(入賞確率)が常時入賞口2101aへの遊技球の入賞頻度(入賞確率)よりも高く設定されるので、遊技者は右打ちを行って特設入賞口2101bを狙う。
したがって、高確率時短遊技状態では主に第1始動口2101(特設入賞口2101b)への遊技球の入賞に基づく第1特別図柄抽選が実行される。そして、特別図柄抽選の結果が70回連続してハズレとなった場合は通常遊技状態(通常モード)に移行する。また、特別図柄抽選が70回実行されるまでに第1大当りAとなる結果が導出された場合は、ST回数を70回にリセットして本遊技状態(ラッシュ準備モード、第一有利遊技状態)を継続する。また、特別図柄抽選が70回実行されるまでに第1大当りBとなる結果が導出された場合は、高確率非時短遊技状態(ラッシュモード、第二有利遊技状態)に移行する。
なお、上述したように高確率時短遊技状態では、第2特別図柄抽選の発生を抑制するため第2特別図柄の変動時間を長く設定している。このため、高確率時短遊技状態において第2特別図柄抽選の結果が判明する可能性(第2特別図柄の第2大当りを契機とした遊技状態移行の発生)は極めて低い。
(ラッシュモード)
次に、遊技状態が通常遊技状態(通常モード)又は高確率時短遊技状態(ラッシュ準備モード)から高確率非時短遊技状態(ラッシュモード)に移行した場合について説明する。この状態移行に際し、遊技者には、第1大当りBの発生によって、賞球獲得とともに確変機能の付与という遊技者にとって有利な特典が与えられる。
高確率非時短遊技状態(ラッシュモード)では、センター役物2500の右側の遊技領域1100を狙って遊技球を発射(いわゆる「右打ち」)することで、第2始動口2102に遊技球を入賞させることが遊技者にとって最善の遊技方法である。
ここで、本実施形態の第2始動口2102はセンター役物2500の右側の遊技領域1100の下流に設けられている。このため、右打ちされた遊技球は、普図ゲート2301及び特設入賞口2101bの可動片2111の可動領域を流下した後に第2始動口2102に到達するが、時短機能が作動しないので普図ゲート2301を通過しても普図当り(すなわち可動片2111の動作による特設入賞口2101bの入賞容易状態)が発生しない。したがって、高確率非時短遊技状態(ラッシュモード)において右打ちされた遊技球は、ほぼ第2始動口2102に入賞する。
したがって、高確率非時短遊技状態では主に第2始動口2102への遊技球の入賞に基づく第2特別図柄抽選が実行される。第1特別図柄抽選の実行は、遊技状態が移行する際に移行前の遊技状態で保留状態にされた第1特別図柄抽選に限られる。そして、本遊技状態における特別図柄抽選の結果が70回連続して大当りではない結果となった場合は通常遊技状態(通常モード)に移行する。また、特別図柄抽選が70回実行されるまでにいずれかの大当りとなる結果が導出された場合は、ST回数を70回にリセットして本遊技状態(ラッシュモード、第二有利遊技状態)を継続する。
なお、高確率非時短遊技状態における第2特別図柄抽選では、1/45の確率で大当りが導出されなかった場合は必ず小当りが導出される。そして、このとき発生する小当り遊技において、遊技者は、大当り遊技で獲得可能な遊技球数には及ばないが少量の遊技球数(例えば、30球)を賞球として獲得可能である。したがって、本遊技状態となれば遊技者は次の大当りまでの間、第2特別図柄抽選の実行毎に小当り遊技による賞球を獲得することができる。そして、本遊技状態では最大70回の小当り遊技が連続発生し得る。すなわち、次の大当り発生までの一連の第2特別図柄の遊技が賞球を獲得可能な特典遊技になる。
なお、高確率非時短遊技状態における第1特別図柄及び第2特別図柄の変動時間はともに短時間(1秒)に設定されている。本遊技状態では第2特別図柄抽選の実行を推奨することから、第1特別図柄抽選の結果が判明するまでに時間を要するように第1特別図柄の変動時間を長時間(600秒)に設定することも考えられる。しかし、本実施形態では確変機能の付与期間を特別図柄の実行回数(ST回数)で制御しており、ST回数のカウントは特別図柄の変動開始時に行われる。このため、確変機能の付与対象となる第1特別図柄の変動時間が長時間になると、第1特別図柄は確変機能が付与されているのに第2特別図柄は確変機能が付与されていないケースが生じ得る。したがって、本実施形態では、第1特別図柄の変動時間を第2特別図柄と同じ短時間に設定することで、同時変動状態の第1特別図柄と第2特別図柄とで確率状態が異なる事象の発生(確変状態の終了の不明瞭化)を防止している。なお、変形例として確変機能の付与期間の終了を次回大当りの発生までで制御する場合には、本遊技状態における第1特別図柄の変動時間を長時間に設定しても構わない。本実施形態では、一方の特別図柄抽選が大当りを導出する場合に同時変動中の他方の特別図柄抽選を強制的に停止させることが可能であるので、前述のような確変状態の終了の不明瞭化が生じることはない。
このように、本実施形態では、高確率非時短遊技状態(ラッシュモード)は大当りが導出されなくとも一連の第2特別図柄の小当り遊技において賞球を獲得可能であり、その合計賞球数は同モードで生じる大当り遊技で獲得可能な賞球数よりも多い。したがって、遊技者にとって最も有利な遊技状態は、高確率時短遊技状態(ラッシュ準備モード、第一有利遊技状態)ではなく高確率非時短遊技状態(ラッシュモード、第二有利遊技状態)である。
高確率非時短遊技状態(ラッシュモード)は、第1特別図柄抽選で第1大当りBが導出される場合に発生可能な遊技状態なので、遊技者は、まず、通常遊技状態(通常モード)もしくは高確時短遊技状態(ラッシュ準備モード)で第1始動口2101への遊技球の入賞を狙った遊技を行う。そして、第1大当りBの発生を契機に遊技状態が高確率非時短遊技状態(ラッシュモード)に移行したら、次に、遊技者は第2始動口2102への遊技球の入賞を狙った遊技を行う。
[各遊技状態の制御タイミングチャート]
前述したように、本実施形態では、第1特別図柄側の遊技(第1特別図柄)と第2特別図柄側の遊技(第2特別図柄)とが同時変動可能である。しかし、アタッカ装置2100を用いる大当り遊技や小当り遊技を双方の遊技で重複して発生させることはできない。そこで、図148及び図149を参照して、各遊技状態における同時変動制御のタイミングについて説明する。
(同時変動制御タイミングチャート)
図148は、本実施形態の同時変動制御について説明するタイミングチャートの一例である。図148(A)は、通常モード及びラッシュ準備モードにおける第2連動設定処理(図142)の連動停止制御の一例であり、図148(B)は、ラッシュモードにおける第1連動設定処理(図133)の連動停止制御の一例である。
図148(A)に示すように、通常モード(通常遊技状態)及びラッシュ準備モード(高確時短遊技状態)において、第2始動口2102に遊技球が入賞してしまうと第2特別図柄の変動時間(第2変動時間)は600秒に設定され、長時間変動が実行開始される。そして、第1始動口2101(常時入賞口2101a又は特設入賞口2101b)に遊技球が入賞すると第1特別図柄の変動時間(第1変動時間)は30秒〜60秒に設定され、入賞順に第1特別図柄の変動が実行される。
第1特別図柄側の遊技では、大当りが導出される場合には第1大当りの停止図柄で変動が停止されるとともに(ステップS502a)、第2特別図柄側の遊技を第1特別図柄側に連動させる連動フラグ(第2連動フラグ)がオン状態に設定される(ステップS505a)。そして、第1大当り遊技が実行される(ステップS190a,S200a)。
そして、第2特別図柄側の遊技では、第2連動フラグがオン状態になったのを受けて、第2連動設定処理(ステップS250b,図142)が実行され、変動中の第2特別図柄がはずれの停止図柄で強制的に停止表示される(ステップS1003b)。
ここで、第2連動フラグは、第1特別図柄側でアタッカ装置2100が用いられる第1大当り遊技が実行されるときに第2特別図柄側で同様にアタッカ装置2100が用いられる大当り遊技や小当り遊技が実行されるのを回避するために設けられるフラグであるが、さらに、ラッシュモード突入を準備するために必要なフラグでもある。
具体的には、通常モード(通常遊技状態)及びラッシュ準備モード(高確時短遊技状態)において、第1大当りBが発生した場合には、第1大当り遊技終了後の遊技状態がラッシュモード(高確非時短遊技状態)に移行する。移行後のラッシュモードでは、第2始動口2102への遊技球の入賞に基づく第2特別図柄側の遊技が主流となる。このとき、移行前に開始された第2特別図柄の変動が継続されていると、第2特別図柄側の遊技が該変動の停止待ちとなり待機状態となる。したがって、第2連動フラグは、ラッシュモードにおける遊技を滞りなく開始するためにも必要なフラグである。
図148(B)に示すように、ラッシュモード(高確非時短遊技状態)に移行した直後は、移行前の遊技状態において保留されていた第1特別図柄の変動が実行される。このときの第1特別図柄の変動時間は短時間(1秒)に設定される。そして、ラッシュモードでは、第2始動口2102への遊技球の入賞に基づく第2特別図柄の遊技が主流である。第2始動口2102は遊技初心者であっても右打ちすれば入賞可能な入賞口であり、第2特別図柄の変動時間は1秒に設定されるので、第2特別図柄の変動が頻発する。また、大当りを導出しない第2特別図柄は小当りを導出する。
したがって、第2特別図柄側の遊技では、次回の大当り発生まで第2特別図柄の変動と小当り遊技(第2小当り遊技)とが交互に繰り返される。そして、第2特別図柄の変動が停止表示される度に(ステップS502b)、第1特別図柄側の遊技を第2特別図柄側に連動させる連動フラグ(第1連動フラグ)がオン状態に設定される(ステップS532b)。そして、第2小当り遊技が実行され(ステップS230b、S240b)、第2小当り遊技が終了すると第1連動フラグがオフ状態に戻される(ステップS922b)。
第1特別図柄側の遊技では、第1連動フラグがオン状態になったのを受けて、第1連動設定処理(ステップS250a、図133)が実行される。このとき、変動開始していない第1特別図柄は変動を開始しないよう待機状態にされ(ステップS1021a)、第1連動フラグがオフ状態になったら変動が開始される(ステップS130a)。また、変動中の第1特別図柄ははずれの停止図柄で強制的に停止表示される(ステップS1003a)。
このように、第1特別図柄側の遊技が主流となる通常モード及びラッシュ準備モードでは第2連動設定処理(図142)の実行頻度が高く、第2特別図柄側の遊技が主流となるラッシュモードでは第1連動設定処理(図133)の実行頻度が高い。本実施形態では、第1特別図柄側の遊技と第2特別図柄側の遊技との間で当り遊技が重複して発生してしまう懸念があることから、これを回避すべく、一方側の遊技で当りが得られたときには、その時点で、他方側の遊技を連動設定処理で制御するようにしている。
(遊技モード遷移タイミングチャート)
図149は、本実施形態における理想的な遊技モード遷移について示したタイミングチャートの一例である。
遊技者が遊技を開始すると、まず、通常モードが始まる。通常モードでは、左打ちして第1始動口2101の常時入賞口2101aを狙うのが遊技者にとって最善である。ここで、打ち始めの遊技球の発射勢が強すぎて右打ちになってしまい、該遊技球が第2始動口2102に入賞すると、第2特別図柄の変動時間(第2変動時間)が長い長時間変動が実行される。
その後、遊技者が発射勢を調整して左打ちを行い、第1始動口2101の常時入賞口2101aに遊技球が入賞すると、第1特別図柄の変動が実行される。このときの変動時間(第1変動時間)は選択される変動パターンに応じて30秒〜60秒である。第1特別図柄側の遊技では、1/399の確率で大当りに当選する第1特別図柄抽選が実行される。そして、第1大当りAに当選すると、大当り図柄Aで変動が停止表示されて第1大当り遊技が実行される。このとき、第2連動フラグがオン状態に設定されるので、長時間変動状態の第2特別図柄の変動が強制的にはずれ図柄で停止表示される。そして、第1大当り遊技の終了とともに第2連動フラグがオフ状態に戻され、遊技モードが通常モードからラッシュ準備モードに移行する。
ラッシュ準備モードでは、右打ちして第1始動口2101の特設入賞口2101bを狙うのが遊技者にとって最善である。また、ラッシュ準備モードでは、ST回数70回の確変機能と特設入賞口2101bへの入賞を容易化する入賞補助制御を行う時短機能が付与されている。
遊技者が右打ちを行い、第1始動口2101の特設入賞口2101bに遊技球が入賞すると、第1特別図柄の変動が実行される。このときの変動時間(第1変動時間)は選択される変動パターンに応じて30秒〜60秒である。第1特別図柄側の遊技では、1/45の確率で大当りに当選する第1特別図柄抽選が実行される。そして、第1特別図柄の変動開始時にST回数が1減算更新される。そして、ST回数のカウントが68のときに第1大当りBに当選すると、大当り図柄Bで変動が停止表示されて第1大当り遊技が実行される。このとき、第2連動フラグがオン状態に設定されるが、第2特別図柄の変動が実行されていないので状態が維持される。そして、第1大当り遊技の終了とともに第2連動フラグがオフ状態に戻され、遊技モードがラッシュ準備モードからラッシュモードに移行する。
ラッシュモードでは、右打ちして第2始動口2102を狙うのが遊技者にとって最善である。また、ラッシュモードでは、時短機能は付与されず、ST回数70回の確変機能のみが付与される。ここで、ラッシュ準備モード終了時のカウント値が68であったST回数は再び70のカウント値からカウントされる。
ここで、遊技者は引き続き右打ちを行う。右打ちされた遊技球は、時短機能が作動しないので特設入賞口2101bには入賞せず、さらに下方の第2始動口2102に入賞する。第2始動口2102への入賞は遊技初心者であっても容易なので、第2始動口2102への遊技球の入賞が頻発する。このときの第2特別図柄の変動時間(第2変動時間)は1秒に設定されるので、第2特別図柄の変動が頻繁に実行される。
第2特別図柄側の遊技では、1/45の確率で大当りに当選し、大当りに当選しない場合は小当りに当選する第2特別図柄抽選が実行される。そして、第2特別図柄の変動開始時にST回数が1減算更新される。第2特別図柄抽選の結果、小当りとなる場合は、小当り図柄Cで変動が停止表示されて第2小当り遊技が実行される。このとき、第2小当り遊技が実行される間、第1連動フラグがオン状態に設定される。
なお、ラッシュモード開始直後は、移行前のラッシュ準備モードで発生した特設入賞口2101bへの遊技球の入賞に基づく第1特別図柄が保留状態になっており、これらの第1特別図柄の変動が実行されることになる。
第1特別図柄側の遊技では、1/45の確率で大当りに当選する第1特別図柄抽選が実行される。このときの第1特別図柄の変動時間(第1変動時間)は1秒に設定される。ラッシュモードにおいて、第2特別図柄側の遊技では小当り遊技が頻発するので、第1連動フラグも頻繁にオン状態に設定される。そこで、第2特別図柄が変動停止されるときに第1特別図柄が変動中の場合は、強制的にはずれ図柄で停止表示される。そして、第2小当り遊技の終了とともに第1連動フラグがオフ状態に戻されるので、次の第1特別図柄の変動が開始される。そして、第1特別図柄の変動開始時にもST回数が1減算更新される。
このように、ラッシュモード開始直後は、第1特別図柄の変動と第2特別図柄の変動とが短時間に効率よく実行されるので、ST回数の減算スピードも速い。そして、ST回数のカウント値が0になる、もしくは、次回大当りに当選するまで、第2特別図柄の変動と第2小当り遊技とが交互に繰り返し実行される。
本実施形態のラッシュモードでは、第2特別図柄抽選において大当り当選しないときは小当り当選するので、第2小当り遊技が頻発する。ラッシュモード中に獲得可能な賞球数は、1回の第2小当り遊技の賞球数を30球とするとST回数(70回)小当り当選したときには2100球となる。これは本実施形態の大当り遊技で獲得可能な最大賞球数(2000球)よりも多い。したがって、ラッシュモードにおける一連の第2小当り遊技は、大当り遊技に匹敵する特典遊技となり得る。また、ラッシュモード中にも1/45の確率で大当り遊技となる可能性もあるので、遊技者にとってラッシュモードが最も有利な(目指すべき)遊技モードとなる。
なお、ラッシュモードにおけるST回数は、第2特別図柄の変動回数で消化されるほうが遊技者にとって有益となる可能性が高い。したがって、ラッシュモードに保留状態の第1特別図柄が持ち越されないほうが好ましい。そこで、ラッシュモードへの移行が判明した時点で、すなわち、移行前の遊技モードにおいて第1大当りBに当選することが判明した時点で、第1始動口2101への遊技球の入賞を抑制させるような制御が行われるようにしてもよい。例えば、特設入賞口2101bへの入賞を補助する時短機能の作動停止や入賞補助機能が低下するように可動片2111の動作を制御してもよい。また、液晶表示装置1900にて何らかの報知演出を行ってもよい。
[周辺制御基板側の制御]
次に、図150及び図151を参照して、周辺制御基板4010に搭載される周辺制御MPU4140aによって実行される処理について説明する。
[サブメイン処理]
図150は、本実施形態のサブメイン処理の手順を示すフローチャートである。サブメイン処理は、当該パチンコ機1に電源が投入されると実行される処理である。
周辺制御MPU4140aは、パチンコ機1への電力供給が開始されると、まず、初期設定処理を行う(ステップS3001)。この初期設定処理は、周辺制御基板4010に搭載される周辺制御MPU4140aに内蔵されているRAMをクリアする処理等が行われる。なお、この初期設定処理中では割込禁止となっており、初期設定処理のあと割込許可となる。そして、初期設定処理が終了すると、16ms経過フラグTが「1」にセットされたか否かを監視するループ処理を開始する(ステップS3002)。
ここで、周辺制御MPU4140aは、2ms経過毎に割込を発生させ、2ms定常処理を実行する。2ms定常処理では、16ms経過監視カウンタをカウントアップする(16ms経過監視カウンタを1加算する)処理が実行され、16ms経過監視カウンタの値が8になったとき、すなわち、16ms経過したときに16ms経過フラグTをセットするとともに、16ms経過監視カウンタをリセットする(0にする)処理が実行される。このように、16ms経過フラグTは、2ms定常処理にて16ms毎に「1」に設定(セット)され、通常は「0」に設定(リセット)されている。
周辺制御MPU4140aは、16ms経過フラグTが「1」にセットされている場合には(ステップS3002にてYES)、16ms経過フラグTを「0」にリセットした後(ステップS3003)、16ms定常処理を実行する(ステップS3004)。16ms定常処理では、主制御基板4100から受信したコマンドに基づいて液晶表示装置1900、ランプ・LED、スピーカ130,222,262等を制御する処理が実行される。
周辺制御MPU4140aは、16ms定常処理を終了すると、再びステップS3002の処理に戻り、16ms経過フラグTがセットされる毎に、つまり16ms毎に上記したステップS3003〜ステップS3004の処理を繰り返し実行する。
一方、周辺制御MPU4140aは、16ms経過フラグTが「1」にセットされていない(16ms経過フラグTが「0」)場合には(ステップS3002にてNO)、16ms経過フラグTがセットされるまでループ処理を実行する。
[16ms定常処理]
次に、図151を参照して、前述のサブメイン処理(図150)において16ms毎に実行される16ms定常処理(ステップS3004)について説明する。図151は、本実施形態の16ms定常処理の手順を示すフローチャートである。
周辺制御MPU4140aは、まず、主制御基板4100から受信したコマンドを解析するコマンド解析処理を実行する(ステップS3101)。次に、前述のコマンド解析処理において解析された制御コマンド(受信した変動パターンコマンド等)に基づいて液晶表示装置1900に表示させる演出内容を制御する演出制御処理を実行する(ステップS3102)。
また、周辺制御MPU4140aは、スピーカ130,222,262から出力される音を制御する音制御処理を実行する(ステップS3103)。次に、パチンコ機1に設けられたランプ・LEDの演出を制御するランプ制御処理を実行する(ステップS3104)。また、ランプ駆動基板3041にランプ・LEDの点灯信号を送信する処理やモータ駆動基板3045に各種演出ユニットを作動させる駆動モータへの駆動信号を送信する処理等、演出を実行するための情報を出力する情報出力処理を実行する(ステップS3105)。その後、ステップS3102の演出制御処理で各種設定に用いられる乱数を更新する乱数更新処理を実行し(ステップS3106)、16ms定常処理を終了する。
なお、16ms定常処理は通常16ms以内に終了する。周辺制御MPU4140aは仮に、16ms定常処理を開始してから終了までに16ms以上かかったとしても、当該処理を開始してから16ms経過した時点で16ms定常処理を最初(ステップS3101の処理)から実行することはない。すなわち、16ms定常処理の実行中に16ms経過したときには、サブメイン処理において16ms経過フラグのセット(ステップS3002)のみを行い、当該16ms定常処理の終了後にサブメイン処理において16ms経過フラグがセットされていると判定された(ステップS3002にてYES)ときに次の16ms定常処理を開始する。
また、本実施形態では、16ms定常処理において乱数更新処理(ステップS3106)を実行して各種乱数を更新するように構成しているが、各種乱数を更新する時期(タイミング)はこれに限られるものではない。例えば、前述のサブメイン処理(図150)におけるループ処理および16ms定常処理のいずれか一方または両方にて各種乱数を更新するように構成してもよい。
(本実施形態の効果)
本実施形態によれば、第1始動口2101(常時入賞口2101a、特設入賞口2101b)への遊技球の入賞に基づく第1特別図柄と第2始動口2102への遊技球の入賞に基づく第2特別図柄とを同時変動させうる制御構造を有し、遊技状態に応じて遊技者が狙うべき入賞領域(常時入賞口2101a、特設入賞口2101b、第2始動口2102)や遊技球の打ち込み操作(右打ち(第二遊技状態)、左打ち(第一遊技状態))が異なるように複数の遊技状態が設けられている。本実施形態では、機能表示ユニット1180に遊技者に「右打ち」(第二遊技状態)を行うタイミングを明確に報知可能なLEDを含む遊技状態表示器1183を備えることで、遊技初心者であっても「左打ち」と「右打ち」とを打ち間違えることなく、遊技状態の移行に伴ってスムーズに打ち方(打ち込み操作)を切り替えることを可能としている。
さらに、主制御基板4100の主制御MPU4100aが遊技状態表示器1183を制御する制御信号を周辺制御基板4010の周辺制御部4140に送信することで、液晶表示装置1900において遊技者に「右打ち」を報知してもよい。通常、遊技者の正面視(正面視線の先)には液晶表示装置1900が配設される。したがって、液晶表示装置1900において「右打ち」が報知される場合は、遊技者は視線を正面視左側端部(機能表示ユニット1180)に移すことなく適切な打ち方(打ち込み操作)に切り替えることが可能となる。
また、本実施形態によれば、複数の遊技状態には、通常遊技状態(通常モード)、高確時短遊技状態(ラッシュ準備モード)及び高確非時短遊技状態(ラッシュモード)が含まれる。そして、ラッシュモードでは、遊技初心者でも入賞容易な第2始動口2102への遊技球の入賞に基づく第2特別図柄抽選が行われる都度、遊技者に対して賞球の獲得機会(小当り遊技もしくは大当り遊技)が付与される。また、ラッシュモードにおいて遊技者が獲得可能な遊技球数は、小当り遊技において獲得可能な遊技球数の割合が大当り遊技において獲得可能な遊技球数の割合よりも高くなる傾向にある。これにより、ラッシュモードにおける一連の小当り遊技は大当り遊技よりも多くの遊技球を付与可能にする期待が持てるので、小当り遊技にかかる遊技の興趣低下を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、高確非時短遊技状態のラッシュモード(第二有利遊技状態)は、一般的に遊技者に有利とされる時短機能を作動させる高確時短遊技状態(ラッシュ準備モード、第一有利遊技状態)よりも遊技者に有利な遊技状態である。そして、現在の遊技モードがラッシュモード(高確非時短遊技状態)である場合には、第1特別図柄抽選の結果が時短機能を作動させる大当り(第1大当りA)となっても時短機能を作動させずに、ラッシュモードを継続するように制御する。時短機能が作動(付与)されたほうが遊技者に有利であるという既成概念を覆す遊技を本実施形態の小当り遊技によって提供することができるので、遊技の興趣低下を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、第1始動口2101(常時入賞口2101a、特設入賞口2101b)への遊技球の入賞に基づく第1特別図柄と第2始動口2102への遊技球の入賞に基づく第2特別図柄とが同時変動した場合には、一方で当り(大当り、小当り)が導出される場合に、変動中の他方を強制的にはずれ図柄で停止表示させる。これにより、第1特別図柄側の遊技と第2特別図柄側の遊技との間で当りが重複することを回避するとともに、大当りを契機に他の遊技状態に移行した際に移行前と移行後とに他方の変動がまたがって実行されることを防止することができる。
(第2実施形態)
本発明のパチンコ機1は、前述したように第1始動口2101(常時入賞口2101a、特設入賞口2101b)への遊技球の入賞に基づく第1特別図柄と第2始動口2102への遊技球の入賞に基づく第2特別図柄とを同時変動させうる制御構造を有する。このような同時変動可能な制御では、第1特別図柄側の遊技と第2特別図柄側の遊技との間で特定遊技(小当り遊技、大当り遊技)が重複して発生するのを回避するための制御が必要である。前述の第1実施形態では、一方の特別図柄が特定結果(小当り、大当り)を示す停止図柄で変動を停止した際に、他方の特別図柄が変動中であれば停止図柄をはずれ図柄に置き換え、特定遊技中に他方の特別図柄が変動しないよう制御することで、同時変動可能な制御構造を成している。
第2実施形態では、図152〜図186を参照して、同時変動可能な制御構造の多様な制御パターンについて説明する。
[遊技盤]
図152は、本発明の第2実施形態のパチンコ機1における遊技盤4の正面図である。前述の第1実施形態の遊技盤4(図114参照)と共通の機能を有する部材については、同じ符号を付して説明を省略する。ここでは、第2実施形態の遊技盤4における特徴的な構成について説明する。
第2実施形態のセンター役物2500の右側の遊技領域には、上流から順に普図ゲート2301、第2始動口2102、第1始動口2101の特設入賞口2101b、大入賞口2103が配設されている。
本実施形態では、右側通路2545を流下した遊技球は、まず、普図ゲート2301に到達する。そして、普図ゲート2301を遊技球が通過すると普通図柄抽選が実行される。また、普図ゲート2301の下方には第2始動口2102が配設される。第2始動口は、普図ゲート2301を通過した遊技球も通過しなかった遊技球も受け入れ可能に設けられる。第2始動口2102への遊技球の受け入れがあった場合は、所定の特別始動条件が成立すれば第2特別図柄抽選が実行される。
第2始動口2102の直下には、第1始動口2101の特設入賞口2101bが配設される。特設入賞口2101bは上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球を受け入れ易い状態(受入容易状態)に変換する一対の可動部材(普通電動役物)2111を備える。一対の可動部材2111は、通常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。特設入賞口2101bは、上方に第2始動口2102が設けられているので、可動部材2111が閉状態では遊技球が受け入れられないように構成されている。可動部材2111は普通図柄抽選に当選した場合に閉状態から受入容易状態に変換され、これにより特設入賞口2101bへの遊技球の受け入れが許容されるようになる。そして、第1始動口2101の特設入賞口2101bへの遊技球の受け入れがあった場合は、所定の特別始動条件が成立すれば第1特別図柄抽選が実行される。
また、第1始動口2101の特設入賞口2101bの下方には、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選の当りが開放動作契機となり、動作時には右側通路2545を流下した遊技球を受け入れ可能なアタッカ装置2100が配設される。本実施形態のアタッカ装置2100は、前後方向にスライドする2つの開閉部材(第1開閉部材2106a及び第2開閉部材2106b)の開閉動作によって大入賞口2103を開放する所謂コンビアタッカ装置である。アタッカ装置2100についての詳細は、図153(A)にて後述する。
また、本実施形態の機能表示ユニット1180は、前構成部材1110の前面左下部分であって外レール1111の外側に配設されている。機能表示ユニット1180は、第1実施形態では遊技状態表示器1183に「右打ち」(第二遊技状態)を行うタイミングを明確に報知可能なLEDを設けていたが、本実施形態では遊技状態表示器1183とは別に右打ち状態表示器1192を設けている。本実施形態の機能表示ユニット1180についての詳細は、図153(B)にて後述する。
また、本実施形態では、センター役物2500の右上部分であって液晶表示装置1900の右上方に7セグ表示器1920が配設される。7セグ表示器1920は、周辺制御基板4010に搭載される周辺制御MPU4140aによって表示制御される。本実施形態では、遊技状態に応じて第1特別図柄及び第2特別図柄がそれぞれ液晶表示装置1900又は7セグ表示器1920にて表示される。7セグ表示器1920についての詳細は、図153(C)にて後述する。
このように、本実施形態の遊技盤4と前述の第1実施形態の遊技盤4(図114参照)とは、前述のように構成の違いはあるが、その遊技性(推奨する遊技モード遷移、遊技モードにおいて推奨する打ち込み操作)は同じである。
次に、図153(A)〜(C)を参照して、第2実施形態のアタッカ装置2100、機能表示ユニット1180及び7セグ表示器1920の構成について説明する。
[アタッカ装置]
図153(A)は、第2実施形態の遊技盤4に設けられるアタッカ装置2100の簡易構造図である。
アタッカ装置2100は、大入賞口2103、閉状態と開状態との間で動作可能な第1開閉部材2106a及び第2開閉部材2106b、及び2の開閉部材を開閉駆動させるアタッカ駆動機構2121(図118参照)によって構成される。本実施形態のアタッカ装置2100は、1つの大入賞口2103に対し、2つの開閉部材(第1開閉部材2106a及び第2開閉部材2106b)が設けられている構成を特徴とする。
第1開閉部材2106a及び第2開閉部材2106bは、通常は大入賞口2103に遊技球が受け入れられないように大入賞口2103を閉鎖状態にする閉状態を維持しており、センター役物2500の右側の遊技領域を流下した遊技球をセンター役物2500の下方の遊技領域に誘導する誘導流路2110の一部として構成される。
そして、第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選で当りが発生するとき該抽選にかかる変動表示が終了した後に、アタッカ駆動機構2121の駆動制御が行われ、第1開閉部材2106a及び第2開閉部材2106bの前後方向のスライド開閉動作が行われる。第1開閉部材2106a及び第2開閉部材2106bの開閉動作は同タイミングで制御される。
ここで、第1開閉部材2106a及び第2開閉部材2106bは、誘導流路2110の上流側と下流側とに間隔をあけて並設されている。すなわち、大入賞口2103は、開放状態となるときに遊技球を受け入れ可能な開口を2箇所有する。なお、大入賞口2103は、どちらの開口から遊技球を受け入れても内部で合流するように構成されており、一のカウントセンサ2122aによって遊技球の受け入れが検出される。
このように、本実施形態のアタッカ装置2100は、上流側の第1開閉部材2106aと下流側の第2開閉部材2106bとによる2箇所の開口によって大入賞口2103を開放状態にすることで、一回の開放で誘導流路2110を上流から下流に向かって転動する複数の遊技球を大入賞口2103に受け入れ可能とするコンビアタッカ構造を備える。
[機能表示ユニット]
図153(B)は、第2実施形態の遊技盤4に設けられる機能表示ユニット1180を拡大正面図である。機能表示ユニット1180は、主制御基板4100の主制御MPU4100aによって制御される。
本実施形態の機能表示ユニット1180には、表示部1181の上方に「右打ち」を行うタイミングであること報知するための二つのLEDからなる右打ち状態表示器1192が設けられている。右打ち状態表示器1192の下方には、第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果が「当り」の時に大入賞口2103の開閉パターンの繰返し回数(ラウンド数)を表示するための四つのLEDからなるラウンド表示器1190と、さらにラウンド表示器1190の下方に配置され第1始動口2101への遊技球の受入れに関する保留数を表示するための二つのLEDからなる第一特別図柄記憶表示器1184と、第一特別図柄記憶表示器1184の右側に配置され第1始動口2101への遊技球の受入れにより抽選された第一特別図柄の抽選結果(第一特別抽選結果)を第一特別図柄として表示するための八つのLED群からなる第一特別図柄表示器1185とが設けられている。また、第1特別図柄表示器1185の下方には、第2始動口2102への遊技球の受入れに関する保留数を表示するための二つのLEDからなる第二特別図柄記憶表示器1187と、第二特別図柄記憶表示器1187の左側に配置され第2始動口2102への遊技球の受入れにより抽選された第二特別図柄の抽選結果(第二特別抽選結果)を第二特別図柄として表示するための八つのLED群からなる第二特別図柄表示器1186とが設けられている。
また、表示部1181の下方には、遊技状態を表示するための二つのLEDからなる遊技状態表示器1183と、普図ゲート2301の通過に関する保留数を表示するための二つのLEDからなる普通図柄記憶表示器1188と、遊技球が普図ゲート2301を通過することで抽選された普通抽選結果を普通図柄として表示するための二つのLEDからなる普通図柄表示器1189と、が並んで設けられている。
本実施形態の右打ち状態表示器1192は、「右打ち」(第二遊技状態)を行うタイミングであるときにLEDを点灯させて、遊技者に「右打ち」を報知する。なお、「左打ち」(第一遊技状態)を行うタイミングであるときはLEDを消灯させる。
本実施形態では、「左打ち」を行うタイミングであるときに「右打ち」によって発生する普図ゲート2301への遊技球の通過が検出された場合は、遊技者に警告する信号が主制御基板4100から周辺制御基板4010に送信される。そして、周辺制御基板4010の周辺制御部4140は、液晶表示装置1900において左打ちに戻すよう警告するメッセージを表示するとともに、警報音を数秒間(例えば、10秒間)鳴らす。その後も「右打ち」が検出されるようであれば、遊技者に不利となる所定のペナルティを科すペナルティ制御を行うことを特徴とする。
[7セグ表示器]
図153(C)は、第2実施形態の遊技盤4に設けられる7セグ表示器1920の拡大正面図である。7セグ表示器1920は、周辺制御基板4010の周辺制御部4140によって制御される。
7セグ表示器1920は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示(抽選処理)及び保留数に関する情報が表示される。7セグ表示器1920には、第1特別図柄の変動表示(抽選結果)を表示するための7セグメントLEDからなる第一特別図柄表示部1921と、第1特別図柄の保留数を表示するための二つのLEDからなる第一特別図柄記憶表示部1922と、第1特別図柄の変動表示に関する第4図柄を表示するための一つのLEDからなる第4図柄表示部1923と、第2特別図柄の変動表示(抽選結果)を表示するための7セグメントLEDからなる第二特別図柄表示部1924と、第2特別図柄の保留数を表示するための二つのLEDからなる第二特別図柄記憶表示部1925と、第2特別図柄の変動表示に関する第4図柄を表示するための一つのLEDからなる第4図柄表示部1926と、が設けられる。
第一特別図柄表示部1921及び第二特別図柄表示部1924を構成する7セグメントLEDは、各セグメントの点灯と消灯(すなわち点滅)を順に繰り返すことで変動表示中を表し、結果に応じて所定のセグメントを点灯することで変動結果(抽選結果)を表示する。なお、待機中は抽選結果がはずれのときと同じセグメントを点灯する。
第一特別図柄記憶表示部1922を構成する二つのLEDは、保留数が「0」のとき消灯し、保留数が「1」のとき上側のLEDが点灯し、下側のLEDが消灯し、保留数が「2」のとき両方のLEDが点灯し、保留数が「3」のとき上側のLEDが点滅し、下側のLEDが点灯し、保留数が「4」のとき両方のLEDが点滅する。
第二特別図柄記憶表示部1925を構成する二つのLEDは、保留数が「0」のとき消灯し、保留数が「1」のとき上側のLEDが点灯し、下側のLEDが消灯し、保留数が「2」のとき両方のLEDが点灯する。本実施形態では、第2特別図柄の保留を「1」個記憶することが可能である。
第4図柄表示部1923、1926を構成する一つのLEDは、単色発光ではなく赤色と緑色に発光可能であり、変動表示中は赤色で点灯と消灯を繰り返し、変動結果がはずれのときに緑色で点灯し、変動結果が当り(大当り、小当り)のときに赤色で点灯する。
そして、遊技状態が通常遊技状態(通常モード)及び高確時短遊技状態(ラッシュ準備モード)の場合は、第1特別図柄の変動表示は液晶表示装置1900に表示され、第2特別図柄の変動表示は7セグ表示器1920に表示される。また、遊技状態が高確非時短遊技状態(ラッシュモード)のときは、第1特別図柄の変動表示は7セグ表示器1920に表示され、第2特別図柄の変動表示は液晶表示装置1900に表示される。
このように、本実施形態では、遊技状態に応じて第1特別図柄と第2特別図柄の変動表示が表示される表示装置が切り替わる。なお、遊技状態の移行は、第1特別図柄や第2特別図柄の抽選結果が大当りを契機としたり、付与されたST回数の終了を契機とする。大当りを契機とする場合は、大当り遊技終了後に液晶表示装置1900と7セグ表示器1920とが表示対象とする特別図柄を切り替える。また、ST回数の終了を契機とする場合は、ST最終変動が終了して確変フラグがオフに設定されるときに(図129のステップS513a、図137のステップS513b)、液晶表示装置1900と7セグ表示器1920とが表示対象とする特別図柄を切り替える。
[特別図柄の遊技スペック]
続いて、図154は、第2実施形態の第1特別図柄及び第2特別図柄の遊技スペックを示す各種テーブルの一例である。ここでは、前述の第1実施形態における遊技スペック(図146)と異なるスペックについて説明する。
まず、図154(A)及び図154(B)に示すように、本実施形態では、確変状態における大当り当選確率が第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選ともに1/51である。また、小当り当選確率は、常に1/3である。
また、図154(C)に示すように大当り種類は4種類で変更はないが、それぞれ当選した遊技状態に応じて時短機能の有無が異なる。本実施形態では、第1特別図柄の大当りB以外の大当りについては時短機能が付与される。したがって、ラッシュモードに突入するためには第1特別図柄の大当りBを契機とするしかない。また、前述の時短機能設定処理(図132)に示すように、ラッシュモードにおいて発生する大当りに時短機能は付与されない。
図154(D)に示すように、本実施形態では小当り種類が増える。本実施形態の小当りには、第2特別図柄抽選において発生可能な第2小当りCのほかに第2小当りDが設けられている。第2小当りCと第2小当りDとは、小当り遊技における大入賞口2103の開放態様が異なる。開放パターンEは、1回の開放時間が短く(例えば1.8秒)、1回のみ開放されるのに対し、開放パターンFは、1回の開放時間がさらに短いが(例えば0.9秒)、2回開放される。第2特別図柄抽選の結果が小当りとなる場合に50%の確率で第2小当りCもしくは第2小当りDが発生する。
なお、開放パターンEと開放パターンFとでは、開放パターンFのほうが大入賞口2103への入賞が期待できる。前述したように本実施形態のアタッカ装置2100は、遊技球が流下する誘導流路2110の上流と下流の2か所で開口して遊技球を受け入れ可能な大入賞口2103を備えるので、1回の開放時間が短時間であっても2回開放される開放パターンFのほうが遊技球の入賞の期待が大きい。
また、図154(E)に示すように、本実施形態では、遊技モードが通常モード及びラッシュ準備モードである場合に、第2特別図柄の変動時間が変動結果に応じて異なる。第2特別図柄抽選の結果が当りとなる場合の変動時間は5秒〜90秒の短縮変動であり、はずれとなる場合の変動時間は600秒の長時間変動である。また、遊技モードがラッシュモードである場合に、第1特別図柄の変動時間は1秒〜30秒の幅をもつ短縮変動である。
[遊技状態の遷移]
続いて、図155は、第2実施形態の遊技状態(遊技モード)の遷移を示す図である。ここでは、前述の第1実施形態における遊技状態の遷移(図147)と異なるスペックについて説明する。
前述の第1実施形態においてラッシュ準備モードは、第1大当りA(図146)の発生を契機に移行可能であったが、本実施形態では通常モードにおいて第1大当りA、第2大当りA及び第2大当りB(図154)の発生を契機に移行可能である。そして、ラッシュ準備モードから他の遊技モードへの移行は、ST回数の変動消化による通常モードへの移行、もしくは、第1大当りBの発生によるラッシュモードへの移行によるものである。また、ラッシュ準備モードから他の遊技モード(通常モード)への移行は、ST回数の変動消化による。ラッシュモードではいずれの大当りが発生しても、モードは移行しない。
なお、本実施形態では、通常モード及びラッシュ準備モードにおける第2特別図柄抽選の結果が当り(小当り、大当り)を導出する場合には、変動時間が1秒の短縮変動となる。本来、第2始動口2102への遊技球の入賞を促す遊技モードはラッシュモードであるが、これでは通常モード及びラッシュ準備モードにおいて第2始動口2102への入賞が狙われる可能性が高い。そこで、第2特別図柄抽選の結果がはずれを導出する場合には長時間変動(600秒)に設定したり、小当り結果が確定してから遊技球をアタッカ装置2100に向けて打ち出しても小当り遊技における大入賞口2103の開放に間に合わないように開放タイミングを設定したり、開放態様を複数種類備えることで開放パターンの推測を難しくしたりすることで、通常モード及びラッシュ準備モードにおける第2特別図柄抽選の実行効率を抑制する。
本実施形態では、第1始動口2101の特設入賞口2101bへの入賞、すなわち「右打ち」が推奨されるラッシュ準備モードにおける遊技が多様化される。第1実施形態では「右打ち」して第2始動口2102に遊技球が入賞しても第2特別図柄の変動は長時間となるので、実質、第1特別図柄の変動にしか興趣が見いだせなかった。しかし、本実施形態ではラッシュ準備モードにおける第2特別図柄の変動は当り結果を導出する場合は短時間となり、短時間変動は1/3以上の確率で発生する。そして、第2特別図柄抽選で大当り結果となれば、新たにST回数が付与され時短機能も継続する。このため、第2特別図柄の変動にも興趣が見いだせるようになり、ラッシュ準備モードにおけるゲーム性が向上する。
[制御パターン]
次に、図156を参照して、第1始動口2101(常時入賞口2101a、特設入賞口2101b)への遊技球の入賞に基づく第1特別図柄と第2始動口2102への遊技球の入賞に基づく第2特別図柄とを同時変動させうる制御構造における制御パターンの概要について説明する。図156は、同時変動制御構造の制御パターンの概要を説明する図である。以下では、図156(A)〜(D)を参照して、4つの制御パターンの概要を説明する。
まず、図156(A)は、基本制御パターンを示すタイミングチャートである。基本制御パターンは、前述の第1実施形態において説明したように一方の特別図柄が当り結果となったときに他方の変動中の特別図柄を強制的にはずれ結果に置き換えて変動停止させるものである。
例えば、図156(A)に示すように、第2特別図柄の変動が小当り停止図柄で停止したとき、変動中の第1特別図柄は、決定済みの大当り停止図柄を所定のはずれ停止図柄に置き換え、該はずれ停止図柄で変動停止する。
具体的に第1実施形態の制御処理に沿って説明すると、第2特別図柄に関する第2変動中処理(図137)において、第2特別図柄の変動時間がタイムアップし、小当り停止図柄で変動が停止すると、第1特別図柄の連動フラグがオンに設定される(ステップS501bにてYES→ステップS502b→ステップS503b→ステップS504bにてNO→ステップS531bにてYES→S532b)。これにより、第1特別図柄に関する第1特別図柄制御処理(図126)において、第1特別図柄の変動の進捗に関わらず第1連動設定処理が実行されることになる(ステップS100aにてYES→ステップS250a)。
そして、第1連動設定処理(図133)において、変動中の第1特別図柄が所定のはずれ図柄で停止表示される(ステップS1001aにてYES→ステップS1002a→ステップS1003a)。ここで、第1特別図柄が当りとなるか否かを判定する処理(当り判定処理)は該第1特別図柄が変動開始されるときに実行される第1変動開始処理(図127)のステップS307aにて実行されており、変動開始とともに第1特別図柄の停止図柄は決定されている。したがって、第1連動設定処理(図133)では、決定済みの停止図柄(ここでは大当り図柄)を所定のはずれ図柄に置き換えている。
このように、前述の第1実施形態の基本制御パターンでは、当りを導出する一方の特別図柄が変動停止するタイミングで他方の特別図柄側の遊技を一方の特別図柄側に連動させる連動フラグをオン状態に設定する。このため、一方の特別図柄の変動中に発生する他方の特別図柄は、連動停止制御によって強制的にはずれ結果となるにも関わらず、変動開始時には連動停止制御の有無が判断できないため当り判定処理(抽選処理)を実行しなければならなかった。
第2実施形態では、第1実施形態の基本制御パターンの別制御として、当りを導出する特別図柄が変動開始するタイミングで連動フラグをオン状態に設定し、他方の特別図柄は変動開始時に連動フラグがオン状態であれば、当り判定処理を実行することなく(無抽選で)はずれ図柄で変動停止するよう設定する例を説明する。
なお、第2実施形態における基本制御パターンの制御処理についての詳細は、図157〜図166にて後述する。
次に、図156(B)は、優先制御パターンを示すタイミングチャートである。優先制御パターンは、双方の特別図柄が導出する結果を比較して遊技者に有利な結果を導出する特別図柄を優先実行し、他方の特別図柄をはずれ図柄で変動停止させるものである。
例えば、図156(B)に示すように、第2特別図柄で小当りを導出する変動が実行されているときに、第1特別図柄で大当りを導出する変動が発生した場合は、双方の抽選結果が比較された結果、遊技者にとって有利な大当りを導出する第1特別図柄は、大当り図柄で変動停止する。そして、第2特別図柄は、決定済みの小当り停止図柄を所定のはずれ停止図柄に置き換え、該はずれ停止図柄で変動停止する。
このように優先制御パターンでは、特別図柄が導出する抽選結果に応じて同時変動する特別図柄のうち優先する特別図柄を決定する、すなわち遊技者にとってより有利な結果を導出する特別図柄を優先して実行することができる。前述の第1実施形態の基本制御パターンでは、変動開始時の当り判定で大当りとなった特別図柄であっても、もう一方の小当りとなる特別図柄が先に変動停止すると強制的にはずれに設定されていたが、このような大当りとなる特別図柄を不本意に逃すことがない。したがって、優先制御パターンは、基本制御パターンよりも遊技機本来の遊技性を保つことができる。
なお、第2実施形態における優先制御パターンの制御処理についての詳細は、図167〜図175にて後述する。
次に、図156(C)は、中断制御パターンを示すタイミングチャートである。中断制御パターンは、一方の特別図柄が導出した当り結果による当り遊技が行われている間、他方の特別図柄を中断させ、当り遊技終了後、他方の特別図柄は残時間の変動を再開させるものである。
例えば、図156(C)に示すように、第2特別図柄で小当りを導出する変動が実行され、第1特別図柄で大当りを導出する変動が実行される場合、第2特別図柄が小当り図柄で変動停止すると第1特別図柄は一時変動を中断する。そして、第2特別図柄の小当り結果に対応する小当り遊技が実行される。この間、第1特別図柄は変動を中断する。小当り遊技が終了すると、第1特別図柄は中断していた変動を再開する。
このように、中断制御パターンでは、発生した第1特別図柄及び第2特別図柄を全て取得した乱数に基づく結果通りに変動実行することができる。前述の基本制御パターン及び優先制御パターンでは、同時変動する特別図柄の一方は取得した乱数に関わらず強制的にはずれに設定されていたが、中断制御パターンでは遊技者が獲得した特別図柄の結果(乱数に基づく当り判定結果)が覆されることがない。したがって、中断制御パターンは、前述の優先制御パターンよりもさらに遊技機本来の遊技性を保つことができる。また、再開時の変動における演出によって第1特別図柄及び第2特別図柄による当り遊技に関連性があるように見せたりすることができるので、遊技の興趣を高めることができる。
なお、第2実施形態における中断制御パターンの制御処理についての詳細は、図176〜図181にて後述する。
次に、図156(D)は、再セット制御パターンを示すタイミングチャートである。再セット制御パターンは、前述の中断制御パターンをベースに、中断した他方の特別図柄を再開させるときに残変動時間を再設定するものである。
例えば、図156(D)に示すように、第2特別図柄で小当りを導出する変動が実行され、第1特別図柄で大当りを導出する変動が実行される場合、第2特別図柄が小当り図柄で変動停止すると第1特別図柄は一時変動を中断する。そして、第2特別図柄の小当り結果に対応する小当り遊技が実行される。この間、第1特別図柄は変動を中断する。ここまでは、前述の抽選制御パターンと同じ制御である。再セット制御パターンでは、小当り遊技が終了し、第1特別図柄は中断していた変動を再開する際、新たに再開後の変動時間を設定した上で変動を再開する。
このように、再セット制御パターンでは、前述の中断制御パターンよりも再開時の変動における演出に自由度が増すので、さらに遊技の興趣を高めることができる。また、再開時の変動時間を遊技状況に応じて設定することで、推奨する遊技を提供することができる。
なお、第2実施形態における再セット制御パターンの制御処理についての詳細は、図182〜図186にて後述する。
<基本制御パターン>
続いて、第2実施形態の基本制御パターンにおける特徴的な制御処理について説明する。以下では、前述の第1実施形態の基本制御パターンにおける制御構造をベースとし、異なる制御処理について説明する。
第2実施形態の基本制御パターンでは、当りを導出する特別図柄が変動開始するタイミングで他方の特別図柄の強制はずれフラグをオン状態に設定し、他方の特別図柄は変動開始時に該強制はずれフラグがオン状態であれば、当り判定処理を実行することなく(無抽選で)はずれ図柄で変動停止する制御構造を特徴とする。
[第1変動開始処理]
図157は、第2実施形態の基本制御パターンにおける第1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1実施形態の第1変動開始処理(図127)と共通の処理については、同じ符号を付して記載を省略する。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS306aの処理を実行した後、第1特別図柄を無抽選ではずれに設定する第1特別図柄の強制はずれフラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS311a)。そして、第1特別図柄の強制はずれフラグがオン状態でない場合は(ステップS311aにてNO)、第1特別図柄の抽選を行って抽選結果情報をセットするステップS307a及びステップS308aの処理を実行する。
続いて、主制御MPU4100aは、前述のステップS308aの処理においてセットした第1特別図柄抽選の結果が示されるフラグが当り結果を示すものであるか否かを判定する(ステップS313a)。そして、当り結果を示すフラグである場合は(ステップS313aにてYES)、第1特別図柄の変動中に発生する第2特別図柄の変動をはずれ結果にするための第2特別図柄の強制はずれフラグをオン状態とする(ステップS314a)。一方、当り結果を示すフラグではない、すなわち、はずれ結果を示すフラグである場合には(ステップS313aにてNO)、ステップS314aの処理を実行することなく、ステップS309aの処理に移行する。
一方、主制御MPU4100aは、第1特別図柄の強制はずれフラグがオン状態である場合は(ステップS311aにてYES)、第1特別図柄のはずれ結果を示すフラグとはずれ情報コマンドとをセットする(ステップS312a)。その後、ステップS309aの処理に移行する。
このように、第1変動開始処理において、第1特別図柄が当り結果を導出する場合に第2特別図柄の強制はずれフラグをオン状態に設定することで、該第1特別図柄の変動開始後に発生する第2特別図柄は無抽選ではずれ結果を導出するよう設定される。
[第1大当り遊技処理]
図158は、第2実施形態の基本制御パターンにおける第1大当り遊技処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1実施形態の第1大当り遊技処理(図131)と共通の処理については、同じ符号を付して記載を省略する。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、第1大当り遊技が終了したときに第2特別図柄の連動フラグ及び強制はずれフラグをオフ状態に設定する(ステップS751a)。
[第1連動設定処理]
図159は、第2実施形態の基本制御パターンにおける第1連動設定処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1実施形態の第1連動設定処理(図133)と共通の処理については、同じ符号を付して記載を省略する。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、第1特別図柄が変動中である場合(ステップS1001a)、前述の第1変動開始処理(図157)のステップS312aの処理で決定済みのはずれ図柄を第1特別図柄表示装置に表示する(ステップS1101a)。その後、ステップS1004aの処理に移行する。
[第2変動開始処理]
図160は、第2実施形態の基本制御パターンにおける第2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1実施形態の第2変動開始処理(図135)と共通の処理については、同じ符号を付して記載を省略する。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS306bの処理を実行した後、第2特別図柄を無抽選ではずれに設定する第2特別図柄の強制はずれフラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS311b)。そして、第2特別図柄の強制はずれフラグがオン状態でない場合は(ステップS311bにてNO)、第2特別図柄の抽選を行って抽選結果情報をセットするステップS307b及びステップS308bの処理を実行する。
続いて、主制御MPU4100aは、前述のステップS308bの処理においてセットした第2特別図柄抽選の結果が示されるフラグが当り結果を示すものであるか否かを判定する(ステップS313b)。そして、当り結果を示すフラグである場合は(ステップS313bにてYES)、第2特別図柄の変動中に発生する第1特別図柄の変動をはずれ結果にするための第1特別図柄の強制はずれフラグをオン状態とする(ステップS314b)。一方、当り結果を示すフラグではない、すなわち、はずれ結果を示すフラグである場合には(ステップS313bにてNO)、ステップS314bの処理を実行することなく、ステップS309bの処理に移行する。
一方、主制御MPU4100aは、第2特別図柄の強制はずれフラグがオン状態である場合は(ステップS311bにてYES)、第2特別図柄のはずれ結果を示すフラグとはずれ情報コマンドとをセットする(ステップS312b)。その後、ステップS309bの処理に移行する。
このように、第2変動開始処理において、第2特別図柄が当り結果を導出する場合に第1特別図柄の強制はずれフラグをオン状態に設定することで、該第2特別図柄の変動開始後に発生する第1特別図柄は無抽選ではずれ結果を導出するよう設定される。
[第2大当り遊技処理]
図161は、第2実施形態の基本制御パターンにおける第2大当り遊技処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1実施形態の第2大当り遊技処理(図139)と共通の処理については、同じ符号を付して記載を省略する。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、第2大当り遊技が終了したときに第1特別図柄の連動フラグ及び強制はずれフラグをオフ状態に設定する(ステップS751b)。
[第2小当り遊技処理]
図162は、第2実施形態の基本制御パターンにおける第2小当り遊技処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1実施形態の第2小当り遊技処理(図141)と共通の処理については、同じ符号を付して記載を省略する。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、第2小当り遊技が終了したときに第1特別図柄の連動フラグ及び強制はずれフラグをオフ状態に設定する(ステップS951b)。
[第2連動設定処理]
図163は、第2実施形態の基本制御パターンにおける第2連動設定処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1実施形態の第2連動設定処理(図142)と共通の処理については、同じ符号を付して記載を省略する。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、第2特別図柄が変動中である場合(ステップS1001b)、前述の第2変動開始処理(図160)のステップS312bの処理で決定済みのはずれ図柄を第2特別図柄表示装置に表示する(ステップS1101b)。その後、ステップS1004bの処理に移行する。
[右打ちペナルティ設定処理]
次に、図164は、第2実施形態の基本制御パターンにおける右打ちペナルティ設定処理の手順を示すフローチャートである。右打ちペナルティ設定処理は、「左打ち」を行うタイミングであるときの「右打ち」に対する警告及びペナルティ付与に関し、主制御基板4100の主制御MPU4100aによって実行される処理である。
本処理では、「左打ち」が推奨される遊技状態において「右打ち」が行われた場合に、まず、警告を行い、警告後も「右打ち」が行われた場合にはペナルティを科すための設定が行われる。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、現在の遊技モードが通常モード(低確非時短状態)中であるか否かを判定する(ステップS1201)。そして、遊技モードが通常モードである場合には(ステップS1201にてYES)、「右打ち」を検出したか否かを判定する(ステップS1202)。ここで、「右打ち」の検出とは、センター役物2500の右側の遊技領域に配設される普図ゲート2301への遊技球の通過をゲートセンサ2303が検出することをいう。なお、第2始動口2102への遊技球の受け入れ検出としてもよい。
主制御MPU4100aは、現在の遊技モードが通常モードでない場合(ステップS1201にてNO)や通常モードであっても「右打ち」の検出がない場合(ステップS1202にてNO)は、本処理を終了する。
そして、主制御MPU4100aは、「右打ち」の検出があった場合は(ステップS1202にてYES)、警告が実行済みか否かを判定する(ステップS1203)。警告とは、遊技者に「左打ち」に戻すよう報知することである。警告が実行済みか否かは、後述の警告タイマがタイムアップしたときに設定される警告実行済フラグがオン状態である否かを確認すればよい。
主制御MPU4100aは、警告が実行済みでない場合には(ステップS1203にてNO)、警告を行う時間(警告タイマ)をセットする(ステップS1204)。そして、警告タイマがタイムアップしたら(ステップS1205にてYES)、警告実行済フラグをオン状態に設定して(ステップS1206)、本処理を終了する。
一方、主制御MPU4100aは、警告が実行済みである場合には(ステップS1203にてYES)、警告したにも関わらず「右打ち」を継続していると判断するので、所定期間ペナルティを科す。
主制御MPU4100aは、まず、ペナルティを科す期間をであるペナルティタイマをセットし(ステップS1211)、第2特別図柄の強制はずれフラグをオン状態に設定する(ステップS1212)。そして、ペナルティタイマがタイムアップするまでは(ステップS1213にてNO)、第2特別図柄の強制はずれフラグをオン状態にする。
主制御MPU4100aは、ペナルティタイマがタイムアップしたら(ステップS1213にてYES)、第2特別図柄の強制はずれフラグ及び警告実行済フラグをオフ状態に設定し(ステップS1214)、本処理を終了する。
このように、「左打ち」が推奨される通常モードにおいて「右打ち」が検出された場合は、まずは遊技者に「左打ち」に戻すよう警告を行う。そして、それでも「右打ち」が継続された場合は、「右打ち」して第2始動口2102への遊技球の入賞が発生しても無抽選ではずれ結果となるペナルティ期間を与える。そして、ペナルティが科せられたことを遊技者に報知(示唆)するので(図166参照)、遊技モードに応じた適正な打ち込み操作を行うよう遊技者を誘導することができる。
続いて、周辺制御基板4010の周辺制御MPU4140aによって実行される制御について特徴的な処理を説明する。
[液晶表示処理]
図165は、第2実施形態の基本制御パターンにおける液晶表示処理の手順を示すフローチャートである。液晶表示処理は、液晶表示装置1900における表示に関し、周辺制御基板4010の周辺制御MPU4140aによって実行される演出制御処理(ステップS3102)の一つである。
周辺制御基板4010の周辺制御MPU4140aは、まず、現在の遊技モードがラッシュモード(高確非時短状態)であるか否かを判定する(ステップS3201)。そして、現在の遊技モードがラッシュモードでない場合、すなわち通常モード(低確非時短状態)又はラッシュ準備モード(高確時短状態)である場合に(ステップS3201にてNO)、主制御MPU4100aによって第2特別図柄側で当り結果を導出する当り変動が実行されているか否かを判定する(ステップS3202)。そして、第2特別図柄側で当り変動が実行されている場合には(ステップS3202にてYES)、液晶表示装置1900の表示をブラックアウトする(ステップS3203)。一方、第2特別図柄側で当り変動が実行されていない場合には(ステップS3202にてNO)、液晶表示装置1900で通常の表示演出を行う(ステップS3204)。
ここで、ブラックアウトとは、液晶表示装置1900の画面が暗く、ノイズがかかったような表示演出をいう。ブラックアウトは、7セグ表示器1920での変動表示対象となる特別図柄が当り結果を導出する変動を開始したときに始され、該変動で当り図柄確定するまで継続される。なお、7セグ表示器1920で表示される特別図柄は、遊技モードにおいて遊技者に推奨しない始動口への遊技球の入賞によるものである。したがって、ブラックアウトは、遊技モードにおいて推奨しない特別図柄による当り変動が発生したことを報知する当り予告演出ともいえる。
[右打ちペナルティ報知処理]
図166は、第2実施形態の基本制御パターンにおける右打ちペナルティ報知処理の手順を示すフローチャートである。右打ちペナルティ報知処理は、「左打ち」を行うタイミングであるときの「右打ち」に対する警告及びペナルティ報知に関し、周辺制御基板4010の周辺制御MPU4140aによって実行される演出制御処理(ステップS3102)の一つである。また、主制御基板4100の主制御MPU4100aによって実行される右打ちペナルティ設定処理(図164)に対応する演出処理である。
周辺制御基板4010の周辺制御MPU4140aは、まず、現在の遊技モードが通常モード(低確非時短状態)中であるか否かを判定する(ステップS3301)。そして、遊技モードが通常モードである場合には(ステップS3301にてYES)、「右打ち」を検出したか否かを判定する(ステップS3302)。ここで、「右打ち」の検出とは、センター役物2500の右側の遊技領域に配設される普図ゲート2301への遊技球の通過をゲートセンサ2303が検出することをいう。なお、第2始動口2102への遊技球の受け入れ検出としてもよい。
周辺制御MPU4140aは、現在の遊技モードが通常モードでない場合(ステップS3301にてNO)や通常モードであっても「右打ち」の検出がない場合(ステップS3302にてNO)は、本処理を終了する。
そして、周辺制御MPU4140aは、「右打ち」の検出があった場合は(ステップS3302にてYES)、警告が実行済みか否かを判定する(ステップS3303)。警告が実行済みか否かは、前述の主制御MPU4100a側で設定される警告実行済フラグの状態を確認すればよい。
周辺制御MPU4140aは、警告が実行済みでない場合には(ステップS3303にてNO)、警告を行う時間(警告タイマ)をセットする(ステップS3304)。なお、警告タイマは、前述の主制御MPU4100a側からタイマ情報を取得してもよい。そして、液晶表示装置1900にて「左打ちに戻してください」とのメッセージを表示する警告報知を実行する(ステップS3305)。このとき、警告音を所定期間(例えば10秒)鳴らしてもよく、警告が示唆されればよい。警告タイマがタイムアップするまでは(ステップS3306にてNO)、警告報知を行い(ステップS3305)、警告タイマがタイムアップしたら(ステップS3306にてYES)、本処理を終了する。
一方、周辺制御MPU4140aは、警告が実行済みである場合には(ステップS3303にてYES)、警告したにも関わらず「右打ち」を継続していると判断されるので、主制御MPU4100aによって所定期間ペナルティが科される。
周辺制御MPU4140aは、ペナルティタイマをセットする(ステップS3311)。そして、液晶表示装置1900にてペナルティが科せられたことを報知するペナルティ報知を実行する(ステップS3312)。ペナルティ報知は、ペナルティタイマがタイムアップするまで継続され、ペナルティタイマがタイムアップしたら(ステップS3313にてYES)、本処理を終了する。
<基本制御パターンによる効果>
このように、本実施形態の基本制御パターンによれば、当りを導出する特別図柄が変動開始するタイミングで連動停止制御の有無を決めるので、その後に開始される他方の特別図柄は変動開始時に当り判定処理を実行することなく(無抽選で)はずれ図柄で変動停止することができる。当り判定処理を実行しても強制的にはずれ結果が設定される他方の特別図柄において無駄な処理を省くことができるので、処理負担を軽減することができる。
<優先制御パターン>
続いて、第2実施形態の優先制御パターンにおける特徴的な制御処理について説明する。以下では、前述の第1実施形態の基本制御パターンにおける制御構造をベースとし、異なる制御処理について説明する。
優先制御パターンでは、第1特別図柄と第2特別図柄が導出する結果を比較して遊技者に有利な結果を導出する特別図柄を優先実行し、他方の特別図柄ははずれ図柄で変動停止する制御構造を特徴とする。
[第1変動開始処理]
図167は、第2実施形態の優先制御パターンにおける第1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1実施形態の第1変動開始処理(図127)と共通の処理については、同じ符号を付して記載を省略する。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS307aの処理を実行した後、第2特別図柄の変動と比較して第1特別図柄の今回の変動が遊技者にとって有利な変動であるか否かを判定する第1優先判定処理を実行する(ステップS321a)。第1優先判定処理についての詳細は、図168にて後述する。
その後、主制御MPU4100aは、ステップS308aの処理を実行して本処理を終了する。
[第1優先判定処理]
図168は、第2実施形態の優先制御パターンにおける第1優先判定処理の手順を示すフローチャートである。第1優先判定処理は、前述の第1変動開始処理(図167)のステップS321aの処理として実行される。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、第2特別図柄が変動中であるか否かを判定する(ステップS361a)。そして、変動中の第2特別図柄がない場合には(ステップSS361aにてNO)、比較対象がないので本処理を終了する。
主制御MPU4100aは、変動中の第2特別図柄がある場合には(ステップS361aにてYES)、変動中の第2特別図柄の当り判定処理の結果を取得し(ステップS362a)、前述の第1変動開始処理(図167)のステップS307aの当り判定処理の結果と比較する(ステップS363a)。
主制御MPU4100aは、第1特別図柄の方が遊技者にとって有利である場合には(ステップS364aにてYES)、第2特別図柄がはずれ結果であるか否かを判定する(ステップS365a)。そして、はずれ結果である場合には(ステップS365aにてYES)、本処理を終了する。一方、はずれ結果でない場合、すなわち、小当りもしくは大当り結果である場合には(ステップS365aにてNO)、第2特別図柄を強制的にはずれにする強制はずれフラグをオン状態に設定し(ステップS366a)、本処理を終了する。
一方、主制御MPU4100aは、第2特別図柄の方が遊技者にとって有利である場合には(ステップS364aにてNO)、第1特別図柄の当り判定処理の結果をはずれに設定して(ステップS367a)、本処理を終了する。
このように、第1優先判定処理では、第1特別図柄で変動が開始されるときに変動中の第2特別図柄があれば、どちらの変動結果が遊技者にとって有利であるかを判定し、第1特別図柄が有利であれば第2特別図柄をはずれ結果とし、第1特別図柄が有利でなければ該第1特別図柄をはずれ結果とすることで、同時変動する第1特別図柄と第2特別図柄とで当り遊技が重複発生しないようにする。
[第1変動中処理]
図169は、第2実施形態の優先制御パターンにおける第1変動中処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1実施形態の第1変動中処理(図129)と共通の処理については、同じ符号を付して記載を省略する。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS501aの処理で第1特別図柄の変動時間がタイムアップしたと判定した後、第1特別図柄の強制はずれフラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS551a)。第1特別図柄の強制はずれフラグは、後述の第2優先判定処理(図171)のステップS366bの処理においてオン状態に設定される。
そして、主制御MPU4100aは、第1特別図柄の強制はずれフラグがオン状態である場合には(ステップS551aにてYES)、第1特別図柄の停止図柄をはずれに置き換え、強制はずれフラグをオフ状態に設定する(ステップS552a)。
その後、主制御MPU4100aは、ステップS502aの処理で決定済みの停止図柄を第1特別図柄表示装置(液晶表示装置1900又は7セグ表示器1920)に表示する。したがって、変動中の第1特別図柄が後から変動開始された第2特別図柄によってはずれ結果に置き換えられる場合、該第1特別図柄の変動停止タイミングで変動開始時に決定されていた停止図柄をはずれに置き換える。
[第1連動設定処理]
図170は、第2実施形態の優先制御パターンにおける第1連動設定処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1実施形態の第1連動設定処理(図133)と共通の処理については、同じ符号を付して記載を省略する。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS1001aの処理で第1特別図柄が変動中と判定した場合に、第1特別図柄の強制はずれフラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS1111a)。第1特別図柄の強制はずれフラグは、後述の第2優先判定処理(図171)のステップS366bの処理においてオン状態に設定される。
そして、主制御MPU4100aは、第1特別図柄の強制はずれフラグがオン状態である場合には(ステップS1111aにてYES)、第1特別図柄の停止図柄をはずれに置き換え、強制はずれフラグをオフ状態に設定する(ステップS1112a)。なお、第1特別図柄の強制はずれフラグがオン状態でない場合には(ステップS1111aにてNO)、第1特別図柄は、変動開始時の当り判定処理(第1変動開始処理のステップS307a)においてはずれ結果となっている。
その後、主制御MPU4100aは、ステップS307aもしくはステップS1112aの処理で決定済みのはずれ停止図柄を第1特別図柄表示装置(液晶表示装置1900又は7セグ表示器1920)に表示する(ステップS1113a)。したがって、変動中の第1特別図柄が後から変動開始された第2特別図柄によってはずれ結果に置き換えられる場合であって、該第1特別図柄の変動停止タイミングよりも該第2特別図柄の変動停止タイミングの方が早い場合は、該第2特別図柄の変動停止タイミングで変動開始時に決定されていた停止図柄をはずれに置き換える。
[第2変動開始処理]
図171は、第2実施形態の優先制御パターンにおける第2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1実施形態の第2変動開始処理(図135)と共通の処理については、同じ符号を付して記載を省略する。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS307bの処理を実行した後、第1特別図柄の変動と比較して第2特別図柄の今回の変動が遊技者にとって有利な変動であるか否かを判定する第2優先判定処理を実行する(ステップS321b)。第2優先判定処理についての詳細は、図172にて後述する。
その後、主制御MPU4100aは、ステップS308bの処理を実行して本処理を終了する。
[第2優先判定処理]
図172は、第2実施形態の優先制御パターンにおける第2優先判定処理の手順を示すフローチャートである。第2優先判定処理は、前述の第2変動開始処理(図171)のステップS321bの処理として実行される。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、第1特別図柄が変動中であるか否かを判定する(ステップS361b)。そして、変動中の第1特別図柄がない場合には(ステップSS361bにてNO)、比較対象がないので本処理を終了する。
主制御MPU4100aは、変動中の第1特別図柄がある場合には(ステップS361bにてYES)、変動中の第1特別図柄の当り判定処理の結果を取得し(ステップS362b)、前述の第2変動開始処理(図171)のステップS307bの当り判定処理の結果と比較する(ステップS363b)。
主制御MPU4100aは、第2特別図柄の方が遊技者にとって有利である場合には(ステップS364bにてYES)、第1特別図柄がはずれ結果であるか否かを判定する(ステップS365b)。そして、はずれ結果である場合には(ステップS365bにてYES)、本処理を終了する。一方、はずれ結果でない場合、すなわち、大当り結果である場合には(ステップS365bにてNO)、第1特別図柄を強制的にはずれにする強制はずれフラグをオン状態に設定し(ステップS366b)、本処理を終了する。
一方、主制御MPU4100aは、第1特別図柄の方が遊技者にとって有利である場合には(ステップS364bにてNO)、第2特別図柄の当り判定処理の結果をはずれに設定して(ステップS367b)、本処理を終了する。
このように、第2優先判定処理では、第2特別図柄で変動が開始されるときに変動中の第1特別図柄があれば、どちらの変動結果が遊技者にとって有利であるかを判定し、第2特別図柄が有利であれば第1特別図柄をはずれ結果とし、第2特別図柄が有利でなければ該第2特別図柄をはずれ結果とすることで、同時変動する第1特別図柄と第2特別図柄とで当り遊技が重複発生しないようにする。
[第2変動中処理]
図173は、第2実施形態の優先制御パターンにおける第2変動中処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1実施形態の第2変動中処理(図137)と共通の処理については、同じ符号を付して記載を省略する。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS501bの処理で第2特別図柄の変動時間がタイムアップしたと判定した後、第2特別図柄の強制はずれフラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS551b)。第2特別図柄の強制はずれフラグは、前述の第1優先判定処理(図168)のステップS366aの処理においてオン状態に設定される。
そして、主制御MPU4100aは、第2特別図柄の強制はずれフラグがオン状態である場合には(ステップS551bにてYES)、第2特別図柄の停止図柄をはずれに置き換え、強制はずれフラグをオフ状態に設定する(ステップS552b)。
その後、主制御MPU4100aは、ステップS502bの処理で決定済みの停止図柄を第2特別図柄表示装置(液晶表示装置1900又は7セグ表示器1920)に表示する。したがって、変動中の第2特別図柄が後から変動開始された第1特別図柄によってはずれ結果に置き換えられる場合、該第2特別図柄の変動停止タイミングで変動開始時に決定されていた停止図柄をはずれに置き換える。
[第2連動設定処理]
図174は、第2実施形態の優先制御パターンにおける第2連動設定処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1実施形態の第2連動設定処理(図142)と共通の処理については、同じ符号を付して記載を省略する。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS1001bの処理で第2特別図柄が変動中と判定した場合に、第2特別図柄の強制はずれフラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS1111b)。第2特別図柄の強制はずれフラグは、前述の第1優先判定処理(図168)のステップS366aの処理においてオン状態に設定される。
そして、主制御MPU4100aは、第2特別図柄の強制はずれフラグがオン状態である場合には(ステップS1111bにてYES)、第2特別図柄の停止図柄をはずれに置き換え、強制はずれフラグをオフ状態に設定する(ステップS1112b)。なお、第2特別図柄の強制はずれフラグがオン状態でない場合には(ステップS1111bにてNO)、第2特別図柄は、変動開始時の当り判定処理(第2変動開始処理のステップS307b)においてはずれ結果となっている。
その後、主制御MPU4100aは、ステップS307bもしくはステップS1112bの処理で決定済みのはずれ停止図柄を第2特別図柄表示装置(液晶表示装置1900又は7セグ表示器1920)に表示する(ステップS1113b)。したがって、変動中の第2特別図柄が後から変動開始された第1特別図柄によってはずれ結果に置き換えられる場合であって、該第2特別図柄の変動停止タイミングよりも該第1特別図柄の変動停止タイミングの方が早い場合は、該第1特別図柄の変動停止タイミングで変動開始時に決定されていた停止図柄をはずれに置き換える。
続いて、周辺制御基板4010の周辺制御MPU4140aによって実行される制御について特徴的な処理を説明する。
前述のように、強制はずれフラグがオン状態に設定された特別図柄は、変動停止タイミングではずれ停止図柄に置き換えられる。このような特別図柄は、置き換え前の停止図柄は当り(小当り、大当り)であることから、液晶表示装置1900において変動中に表示されるキャラクタ等の表示内容(リーチ演出等)と変動停止時の表示内容(はずれ)とに違和感が生じる可能性がある。例えば、バトル演出において遊技者側のキャラクタが優勢で勝利目前であったのに突然敗北に切り替わると不自然である。多くの遊技者は液晶表示装置1900に表示されるキャラクタ等の演出表示によって変動結果を認識していることから、演出表示の遷移に生じる不自然さ(違和感)を回避したい。
そこで、本実施形態の優先制御パターンでは、特別図柄の変動停止タイミングよりも液晶表示装置1900におけるキャラクタ等の演出表示による該特別図柄の変動結果報知タイミング(はずれを表す演出表示)を遅延させる処理を実行する。
[強制はずれ演出追加処理]
図175(A)は、第2実施形態の優先制御パターンにおける強制はずれ演出追加処理の手順を示すフローチャートである。強制はずれ演出追加処理は、液晶表示装置1900における表示に関し、周辺制御基板4010の周辺制御MPU4140aによって実行される演出制御処理(ステップS3102)の一つである。
周辺制御基板4010の周辺制御MPU4140aは、まず、第1特別図柄又は第2特別図柄の強制はずれフラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS3321)。ここで、強制はずれフラグは、変動停止タイミングで当り停止図柄がはずれ停止図柄に置き換えられる特別図柄に対してオン状態に設定される。第1特別図柄及び第2特別図柄の強制はずれフラグがオフ状態である場合には(ステップS3321にてNO)、本処理を終了する。
一方、周辺制御MPU4140aは、第1特別図柄又は第2特別図柄の強制はずれフラグがオン状態である場合には(ステップS3321にてYES)、強制はずれフラグがオン状態に設定されている特別図柄は液晶表示装置1900にて変動表示する対象であるか否かを判定する(ステップS3322)。前述したように、遊技モードが通常モード又はラッシュ準備モードのときは第1特別図柄が液晶表示装置1900において変動表示され、遊技モードがラッシュモードのときは第2特別図柄が液晶表示装置1900において変動表示される。そして、強制はずれフラグがオン状態に設定されている特別図柄が液晶表示装置1900にて変動表示する対象でない場合には(ステップS3322にてNO)、本処理を終了する。
一方、周辺制御MPU4140aは、強制はずれフラグがオン状態に設定されている特別図柄が液晶表示装置1900にて変動表示する対象である場合には(ステップS3322にてYES)、液晶表示装置1900における追加はずれ報知演出を設定し(ステップS3323)、本処理を終了する。
ここで、追加はずれ報知演出とは、液晶表示装置1900に表示されるキャラクタ等の演出表示によって所定期間ではずれを報知する演出(例えば、キャラクタのバトル演出で遊技者側のキャラクタが負ける演出)を示す。なお、液晶表示装置1900に表示される装飾図柄を除く表示内容を対象とする。
図175(B)は、前述の強制はずれ演出追加処理において追加はずれ報知演出が設定される場合の特別図柄変動と液晶表示装置1900における演出表示のタイミングチャートである。
図175(B)に示すように、変動停止タイミングで当り停止図柄からはずれ停止図柄に切り替わる特別図柄に対応する演出表示は、当り結果に基づいて選択されたものであり、変動中の演出は遊技者に期待させる演出(バトル演出で遊技者側のキャラクタが優勢)である可能性が高い。そのような演出が実行されていたにも関わらず、変動停止タイミングで突然、はずれ確定演出(遊技者側のキャラクタの敗北)が実行されると不自然である。そこで、特別図柄の変動停止タイミングの後に追加はずれ報知演出を実行する。これにより、期待させる演出(優勢)からはずれ確定演出(敗北)までを違和感ない演出遷移にすることができ、遊技者に違和感(不自然さ)を感じさせない演出を提供することができる。
<優先制御パターンによる効果>
第2実施形態の優先制御パターンによれば、第1特別図柄と第2特別図柄が導出する結果を比較して遊技者に有利な結果を導出する特別図柄を優先実行し、他方の特別図柄ははずれ図柄で変動停止するので、基本制御パターンのように変動停止タイミングによって大当りを導出する特別図柄をはずれ結果に処理してしまうことがない。したがって、優先制御パターンは、基本制御パターンよりも遊技機本来の遊技性(ゲーム性)を保つことができる。
なお、本実施形態の優先制御パターンでは、第1特別図柄と第2特別図柄が導出する結果を比較して遊技者に有利な結果を導出する特別図柄を優先実行するようにしているが、これに限らない。共に大当りを導出する場合に先に変動開始した特別図柄を優先してもよいし、遊技モードに応じて優先する結果を順位付けし、該順位に応じて優先する特別図柄を決定してもよい。
また、液晶表示装置1900において強制はずれとなる特別図柄の演出が表示される場合には、特別図柄の変動停止タイミングよりも遅延してキャラクタ表示演出終了となるよう追加はずれ報知演出が設定される。これにより、当り結果に伴う演出表示であってもはずれ結果を導出する演出表示に遷移させることができるので、キャラクタ等の演出表示から結果を読み取る遊技者に違和感なくはずれを認識させることができる。よって違和感ある演出表示による遊技の興趣低下を防止することができる。
<中断制御パターン>
続いて、第2実施形態の中断制御パターンにおける特徴的な制御処理について説明する。以下では、前述の第1実施形態の基本制御パターンにおける制御構造をベースとし、異なる制御処理について説明する。
中断制御パターンでは、一方の特別図柄が導出した当り結果による当り遊技が行われている間、他方の特別図柄は変動を中断し、該当り遊技終了後に残りの変動を再開する制御構造を特徴とする。
[第1特別図柄制御処理]
図176は、第2実施形態の中断制御パターンにおける第1特別図柄制御処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1実施形態の第1特別図柄制御処理(図126)と共通の処理については、同じ符号を付して記載を省略する。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS100aの処理において第1特別図柄の連動フラグがオン状態である場合には本処理を終了する。前述の第1実施形態では第1特別図柄を強制的にはずれ図柄で変動停止させる第1連動設定処理(ステップS250a、図133)を実行していたが、本実施形態の中断制御パターンでは、第2特別図柄側で当り遊技が行われている間、第1特別図柄側の遊技を現状のまま中断(一時停止)するので何ら処理を行わない。
[第2特別図柄制御処理]
図177は、第2実施形態の中断制御パターンにおける第2特別図柄制御処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1実施形態の第2特別図柄制御処理(図134)と共通の処理については、同じ符号を付して記載を省略する。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS100bの処理において第2特別図柄の連動フラグがオン状態である場合には本処理を終了する。前述の第1実施形態では第2特別図柄を強制的にはずれ図柄で変動停止させる第2連動設定処理(ステップS250b、図142)を実行していたが、本実施形態の中断制御パターンでは、第1特別図柄側で当り遊技が行われている間、第2特別図柄側の遊技を現状のまま中断(一時停止)するので何ら処理を行わない。
続いて、周辺制御基板4010の周辺制御MPU4140aによって実行される制御について特徴的な処理を説明する。
前述のように、中断制御パターンでは一方の特別図柄側の当り遊技の発生に伴い他方の特別図柄は変動を中断するが、再開後の演出として中断前に行っていた演出を継続すると該当り遊技後の演出として適切でない虞がある。
そこで、本実施形態の中断制御パターンでは、中断された特別図柄の再開後の演出を、変動開始時に選択され中断前まで行われていた規定の演出から変更する再開演出変更処理を実行する。
[再開演出変更処理]
図178は、第2実施形態の中断制御パターンにおける再開演出変更処理の手順を示すフローチャートである。再開演出変更処理は、液晶表示装置1900における表示に関し、周辺制御基板4010の周辺制御MPU4140aによって実行される演出制御処理(ステップS3102)の一つである。
周辺制御基板4010の周辺制御MPU4140aは、まず、現在当り遊技中であるか否かを判定する(ステップS3331)。本実施形態では、当り遊技開始時に連動フラグがオン状態に設定され、終了時にオフ状態に設定される。そこで、第1特別図柄又は第2特別図柄の連動フラグがオン状態に設定されているか判断すればよい。そして、当り遊技中でない場合には(ステップS3331にてNO)、演出変更の対象となる中断している変動がないので本処理を終了する。
次に、周辺制御MPU4140aは、当り遊技中である場合には(ステップS3331にてYES)、中断している変動があるか否かを判定する(ステップS3332)。これは、第1処理フラグ又は第2処理フラグが「2」であるか否かを判定すればよい。第1変動中処理(図129)又は第2変動中処理(図137)が実行される場合(すなわち第1特別図柄又は第2特別図柄が変動中である場合)に、第1処理フラグ又は第2処理フラグは「2」に設定されている。そして、中断している変動がない場合には(ステップS3332にてNO)、演出変更の対象がないので本処理を終了する。
次に、周辺制御MPU4140aは、中断している変動がある場合には(ステップS3332にてYES)、その変動が当りであるか否かを判定する(ステップS3333)。そして、当りである場合には(ステップS3333にてYES)、現在実行中の当り遊技の当りよりも遊技者にとって有利な当りであるか否かを判定する(ステップS3334)。ここで、遊技者にとって有利な当りとする判断は、前述の優先制御パターンにおいてどちらの特別図柄を優先するか否かの判断と同様に、遊技者が獲得可能な特典、規定の優先順位等に応じて行われる。
そして、周辺制御MPU4140aは、中断している変動が現在実行中の当り遊技よりも遊技者にとって有利な当り遊技を導出する場合には(ステップS3334にてYES)、再開後の演出としてステップアップ演出を設定し(ステップS3335)、本処理を終了する。
また、周辺制御MPU4140aは、中断している変動が現在実行中の当り遊技ほどではない当り遊技を導出する場合には(ステップS3334にてNO)、再開後の演出としてボーナス演出を設定し(ステップS3336)、本処理を終了する。
また、周辺制御MPU4140aは、中断している変動がはずれを導出する場合には(ステップS3333にてNO)、再開後の演出として関連演出を設定し(ステップS3337)、本処理を終了する。
[再開演出例]
図179は、再開演出変更処理(図178)における再開後の演出例について説明する図である。ここでは、先に当りを導出する第2特別図柄の変動が実行され、該変動の停止タイミングで、後に実行開始される第1特別図柄の変動が残時間tを残して中断されるケースを一例に説明する。
ケース(A)は、ステップアップ演出(ステップS3335)について説明するケースである。ここでは、先の第2特別図柄により小当りCが発生し、その後、第1特別図柄により大当りBが発生する。この場合、再開後の第1特別図柄の変動(残時間t)に対応する演出(再開演出)として、小当りCから大当りBに発展したように見せるステップアップ演出が実行されるように設定する。具体的には、小当り遊技後の波が荒波に変化し、大当りが到来する演出が行われる。
ケース(B)は、ボーナス演出(ステップS3336)について説明するケースである。ここでは、先の第2特別図柄により大当りAが発生し、その後、第1特別図柄により大当りBが発生する。第2特別図柄の大当りAと第1特別図柄の大当りBとでは、第2特別図柄の大当りAのほうが遊技者にとって有利な特典が付与されるものとする。この場合、再開後の第1特別図柄の変動(残時間t)に対応する演出(再開演出)として、第2特別図柄の大当り遊技に付随して第1特別図柄の大当り遊技が付与されたかのように見せるボーナス演出が実行されるように設定する。具体的には、大当り遊技後の荒波が一旦収まりかけて再び荒波に変化し、大当りが到来する演出が行われる。なお、ボーナス演出では、特に中断変動が小当りを導出する場合には、残時間tのカウントダウン表示等により、小当り遊技時の大入賞口2103の開放タイミングを報知する。変動中断時に実行される当り遊技に付加された追加特典として小当り遊技を見せることができる。
このように、ステップアップ演出及びボーナス演出では、第1特別図柄側の当り遊技と第2特別図柄側の当り遊技とが一連の当り(両当り遊技におけるアタッカ装置2100の作動が一連の作動)であるかのように見せる演出が行われる。これにより、再開後の演出が実行時の遊技状況に適さない演出になることを回避することができるとともに、連続する当りを一連の当りに見せて興趣を高めることができるので、ゲーム性の高い遊技を提供することができる。
ケース(C)は、関連演出(ステップS3337)について説明するケースである。ここでは、先の第2特別図柄により小当りCが発生するが、このとき中断される第1特別図柄ははずれ結果となる。この場合、再開後の第1特別図柄の変動(残時間t)に対応する演出(再開演出)として、小当り遊技の余韻のような(小当り遊技からの発展を期待させるような)関連演出が実行されるように設定する。具体的には、小当り遊技後から一時波が立つが穏やかに戻り、新たな当り遊技に移行することなく終了する演出が行われる。
なお、前述のケース(C)のように中断された変動がはずれ結果を導出する場合は、ステップアップ演出やボーナス演出のような前後の当り遊技に関連性を持たせる演出効果が得られないので、変動の再開を中止してもよい。
以下、図180及び図181を参照して、中断制御パターンの変形例として、中断された変動がはずれ結果を導出する場合は再開せずに該変動を終了するパターンにおける特徴的な制御処理について説明する。なお、前述の第1実施形態の基本制御パターンにおける制御構造をベースとし、異なる制御処理について説明する。
[第1連動設定処理]
図180は、第2実施形態の中断制御パターンの変形例における第1連動設定処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1実施形態の第1連動設定処理(図133)と共通の処理については、同じ符号を付して記載を省略する。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS1001aの処理において第1特別図柄が変動中である場合に、該第1特別図柄の変動開始時に決定済みの停止図柄がはずれであるか否かを判定する(ステップS1121a)。そして、はずれである場合には(ステップS1121aにてYES)、決定済みのはずれ図柄を第1特別図柄表示装置(液晶表示装置1900又は7セグ表示器1920)に表示する(ステップS1122a)。その後、ステップS1004a以降の処理で第1特別図柄の変動停止にかかる処理を実行する。
一方、主制御MPU4100aは、変動中の第1特別図柄の決定済みの停止図柄がはずれではない、すなわち当りである場合には(ステップS1121aにてNO)、現在の状態を継続、すなわち前述の中断制御パターンのように一旦停止状態(中断状態)とし(ステップS1021a)、本処理を終了する。
[第2連動設定処理]
図181は、第2実施形態の中断制御パターンの変形例における第2連動設定処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1実施形態の第2連動設定処理(図142)と共通の処理については、同じ符号を付して記載を省略する。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS1001bの処理において第2特別図柄が変動中である場合に、該第2特別図柄の変動開始時に決定済みの停止図柄がはずれであるか否かを判定する(ステップS1121b)。そして、はずれである場合には(ステップS1121bにてYES)、決定済みのはずれ図柄を第2特別図柄表示装置(液晶表示装置1900又は7セグ表示器1920)に表示する(ステップS1122b)。その後、ステップS1004b以降の処理で第2特別図柄の変動停止にかかる処理を実行する。
一方、主制御MPU4100aは、変動中の第2特別図柄の決定済みの停止図柄がはずれではない、すなわち当りである場合には(ステップS1121bにてNO)、現在の状態を継続、すなわち前述の中断制御パターンのように一旦停止状態(中断状態)とし(ステップS1021b)、本処理を終了する。
このように、本実施形態の中断制御パターンの変形例では、前述の基本制御パターンにおける一方の当りを導出する特別図柄の変動停止タイミングで他方の特別図柄を強制的にはずれ停止させる制御と、中断制御パターンにおける一方の当りを導出する特別図柄の変動停止タイミングで他方の特別図柄を一旦停止させ、該当り遊技後に再開させる制御との組み合わせ制御が行われる。
変形例では、一方の当りを導出する特別図柄の変動停止タイミングで他方の特別図柄がはずれとなる場合に限りはずれ停止させ、当りとなる場合は中断させる。これにより、前述の関連演出(図179のケース(C))は実行されない。このため、変動中断による再開演出はステップアップ演出及びボーナス演出のどちらかとなり、再開演出の実行自体を期待度の高い予告演出(当り確定演出)とすることができる。
<中断制御パターンによる効果>
第2実施形態の中断制御パターンによれば、発生した第1特別図柄及び第2特別図柄を全て取得した乱数に基づく結果通りに変動実行することができる。前述の基本制御パターン及び優先制御パターンでは、同時変動する特別図柄の一方は取得した乱数に関わらず強制的にはずれに設定されていたが、中断制御パターンでは遊技者が獲得した特別図柄の結果(乱数に基づく当り判定結果)が覆されることがない。したがって、中断制御パターンは、前述の基本制御パターン及び優先制御パターンよりもさらに遊技機本来の遊技性を保つことができる。
また、中断制御パターンでは、一方の特別図柄が導出した当り結果による当り遊技が行われている間、他方の特別図柄は中断し、該当り遊技終了後に残りの変動を再開する。このとき、再開した変動に対応する演出(再開演出)を前後の遊技状況(一方の特別図柄側の当り遊技と該変動が導出する遊技)に応じて新たに設定する。これにより、中断した変動が再開されても違和感ない演出を提供することができる。また、中断した変動が当り遊技を導出する場合には、再開演出によって該当り遊技が一方の特別図柄側の当り遊技と関連性があるように見せることができるので、遊技の興趣を高めることができる。
<再セット制御パターン>
続いて、第2実施形態の再セット制御パターンにおける特徴的な制御処理について説明する。以下では、前述の第1実施形態の基本制御パターンにおける制御構造をベースとし、異なる制御処理について説明する。
再セット制御パターンでは、一方の特別図柄が導出した当り結果による当り遊技が行われている間、他方の特別図柄は変動を中断し、該当り遊技終了後に中断した変動を遊技状態に応じて見直した後に再開する制御構造を特徴とする。
[第1変動中処理]
図182は、第2実施形態の再セット制御パターンにおける第1変動中処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1実施形態の第1変動中処理(図129)と共通の処理については、同じ符号を付して記載を省略する。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS501aの処理において第1特別図柄の変動時間がタイムアップするまでステップS521aの処理としてタイマ値の減算を繰り返す。本実施形態では、主制御MPU4100aは、ステップS521aの処理の前に、再セットフラグをオフ状態に設定する(ステップS561a)。
ここで、再セットフラグは、後述の第1連動設定処理(図183)のステップS1134aの処理にてオン状態に設定される。再セットフラグは、中断した変動の変動時間を遊技状態に応じて再セットする再セット設定処理が実行された場合にオン状態に設定されるフラグである。
[第1連動設定処理]
図183は、第2実施形態の再セット制御パターンにおける第1連動設定処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1実施形態の第1連動設定処理(図133)と共通の処理については、同じ符号を付して記載を省略する。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS1001aの処理において第1特別図柄が変動中である場合に、再セットフラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS1131a)。そして、再セットフラグがオン状態である場合には(ステップS1131aにてYES)、現在の状態を継続、すなわち前述の中断制御パターンのように一旦停止状態(中断状態)とし(ステップS1021a)、本処理を終了する。
一方、主制御MPU4100aは、再セットフラグがオン状態でない場合には(ステップS1131aにてNO)、第1変動タイマのタイマ値を取得する(ステップS1132a)。そして、取得したタイマ値を遊技状態に応じて再セットし(ステップS1133a)、再セットフラグをオン状態に設定した後(ステップS1134a)、本処理を終了する。ここでは、ステップS1132a〜ステップS1134aの処理が再セット設定処理とされる。なお、中断された変動において再セットする対象は、変動の残り変動時間に限らず、変動パターン等、変動時間にかかる制御内容全体を対象としてもよい。
このように、再セット制御パターンでは、第1特別図柄の変動が中断されると、まず、再開後の変動についての再セット設定処理が実行される。再セット設定処理が実行されると再セットフラグがオン状態に設定され、第1連動フラグがオフ状態に解除されるまで第1特別図柄は再セットされたタイマ値を維持し、一旦停止状態となる。そして、第1連動フラグがオフ状態に解除されて第1変動中処理の実行が再開されると、再セットフラグがオフ状態に戻され、再セットされたタイマ値の減算が始まる(すなわち、変動が再開される)。
[第2変動中処理]
図184は、第2実施形態の再セット制御パターンにおける第2変動中処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1実施形態の第2変動中処理(図137)と共通の処理については、同じ符号を付して記載を省略する。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS501bの処理において第2特別図柄の変動時間がタイムアップするまでステップS521bの処理としてタイマ値の減算を繰り返す。本実施形態では、主制御MPU4100aは、ステップS521bの処理の前に、再セットフラグをオフ状態に設定する(ステップS561b)。
ここで、再セットフラグは、後述の第2連動設定処理(図185)のステップS1134bの処理にてオン状態に設定される。再セットフラグは、中断した変動の変動時間を遊技状態に応じて再セットする再セット設定処理が実行された場合にオン状態に設定されるフラグである。
[第2連動設定処理]
図185は、第2実施形態の再セット制御パターンにおける第2連動設定処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1実施形態の第2連動設定処理(図142)と共通の処理については、同じ符号を付して記載を省略する。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS1001bの処理において第1特別図柄が変動中である場合に、再セットフラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS1131b)。そして、再セットフラグがオン状態である場合には(ステップS1131bにてYES)、現在の状態を継続、すなわち前述の中断制御パターンのように一旦停止状態(中断状態)とし(ステップS1021b)、本処理を終了する。
一方、主制御MPU4100aは、再セットフラグがオン状態でない場合には(ステップS1131bにてNO)、第2変動タイマのタイマ値を取得する(ステップS1132b)。そして、取得したタイマ値を遊技状態に応じて再セットし(ステップS1133b)、再セットフラグをオン状態に設定した後(ステップS1134b)、本処理を終了する。
このように、再セット制御パターンでは、第2特別図柄の変動が中断されると、まず、再開後の変動についての再セット設定処理が実行される。再セット設定処理が実行されると再セットフラグがオン状態に設定され、第2連動フラグがオフ状態に解除されるまで第2特別図柄は再セットされたタイマ値を維持し、一旦停止状態となる。そして、第2連動フラグがオフ状態に解除されて第2変動中処理の実行が再開されると、再セットフラグがオフ状態に戻され、再セットされたタイマ値の減算が始まる(すなわち、変動が再開される)。
<再セット制御パターンによる効果>
第2実施形態の再セット制御パターンによれば、前述の中断制御パターンと同様に発生した第1特別図柄及び第2特別図柄を全て取得した乱数に基づく結果通りに変動実行することができる。したがって、再セット制御パターンは、前述の基本制御パターン及び優先制御パターンよりもさらに遊技機本来の遊技性を保つことができる。
また、再セット制御パターンは、中断された特別図柄の残りの変動時間を遊技状態に応じて変更する。ここで、特別図柄の変動中断は、もう一方の特別図柄側の当り遊技によって生じる。このため、該当り遊技後の遊技モードは他の遊技モードに移行している可能性がある。したがって、移行前の遊技モードに基づいて設定された変動パターンによる変動がそのまま再開されると遊技者に違和感を与える虞がある。そこで、再セット制御パターンによれば、当り遊技後に再開される変動について変動時間等の制御内容を見直すので、遊技者に違和感を与えることなく、変動実行される遊技状態に応じた変動を提供することができる。また、前述の中断制御パターンよりも再開時の変動における演出に自由度が増すので、さらに遊技の興趣を高めることができる。
具体的には、前述の第1特別図柄及び第2特別図柄の変動時間(図154(E))に従って、見直せばよい。例えば、第2特別図柄のはずれ結果を導出する変動が中断される場合は、移行後の遊技モードが通常モード及びラッシュ準備モードであれば長時間変動に再セットし、移行後の遊技モードがラッシュモードであれば短時間変動に再セットすればよい。
また、遊技モードがラッシュモードである場合にはST回数を消化して第2特別図柄の小当りC及び小当りDを頻発させたい。そこで、図186を参照して、ラッシュモードにおいてST回数が残っている状態で大当りを導出する第1特別図柄が発生した場合における再セット設定について説明する。
図186は、第2実施形態の再セット制御パターンにおける中断変動の再セット設定処理について説明するタイミングチャートである。前述したように、ラッシュモードにおいてST回数が残っている状態で大当りを導出する第1特別図柄が発生した場合は、なるべく現遊技で付与されているST回数を消化してから第1特別図柄の大当り遊技(すなわち新たなST回数の付与)を迎えたい。
そこで、残りのST回数が所定回数未満(ここでは5未満)になったときに第1特別図柄で大当り変動が発生した場合には、第2特別図柄の小当り遊技によって該大当り変動が中断されたときに再セットされる再開後の変動時間を長時間t1に設定する。長時間t1とは、例えば、本来の変動の残り時間tを延長した時間であり、その間に小当り遊技の発生が期待できる時間である。
そして、第1特別図柄の大当り変動が長時間t1の変動を再開している間に、第2特別図柄の小当り変動が発生し、該小当り変動の停止タイミングを迎える。そして、再び該大当り変動が中断される。ラッシュモードにおける第2特別図柄の変動時間は1秒の短変動(図154(E))であるので、テンポよくST回数が消化される。
そして、残りのST回数が1回になった場合は、再セットされる再開後の変動時間を短時間t2に設定する。短時間t2とは、例えば、本来の変動の残り時間tを短縮した時間であり、その間にST回数が0回になる第2特別図柄の変動が発生しても変動し終えない程度の時間である。これにより、中断を頻発させた第1特別図柄の大当り変動は、ST回数が有効である、すなわち、大当り結果と判定した確変状態において変動停止することができるので、遊技機本来の遊技性を乱すことがない。
このように、再セット制御パターンによれば、中断される特別図柄の変動再開後の変動時間を遊技状態に応じて調整することができるので、該中断される特別図柄の変動制御だけでなく、遊技状態における特別図柄の変動効率も調整可能である。したがって、多種多様に想定される遊技性に柔軟に対応することができるので、さらに遊技の興趣を高めることができる。
また、再セット制御パターンにおいても前述の中断制御パターンと同様に、再開した変動に対応する演出(再開演出)を前後の遊技状況(一方の特別図柄側の当り遊技と該変動が導出する遊技)に応じて新たに設定すれば、さらに違和感ない演出を提供することができる。また、中断した変動が当り遊技を導出する場合には、再開演出によって該当り遊技が一方の特別図柄側の当り遊技と関連性があるように見せることができるので、遊技の興趣を高めることができる。
以上より、本発明によれば、第1実施形態及び第2実施形態において挙げた基本制御パターン、優先制御パターン、中断制御パターン及び再セット制御パターンのいずれか若しくは組み合わせを採用した制御構造を備え、第1特別図柄側の遊技と第2特別図柄側の遊技との間で特定遊技(小当り遊技、大当り遊技)が重複して発生するのを回避し、同時変動可能とする。ここで、入賞領域への遊技球の入賞が同時期に発生しても、優先度に応じて一の抽選遊技のみが行われ、他の抽選遊技は待機状態にする遊技機では、入賞領域への遊技球の入賞テンポ(すなわち、遊技者の遊技テンポ)と抽選遊技テンポとにずれが生じることにより、遊技の興趣低下を招いていた。本発明では、同時変動制御により前述のような遊技の興趣低下を防止可能である。
(第3実施形態)
本発明のパチンコ機1は、前述したように第1特別図柄と第2特別図柄とを同時変動させうる制御構造を有する。前述の基本制御パターンや優先制御パターンでは、同時変動が発生した場合に、設定された変動パターンに応じて変動していた一方の特図変動が他方の特図変動の終了タイミングではずれ停止されるケースが生じる。そして、液晶表示装置1900で一方の特図変動に関する演出が実行されている場合は、突然変動がはずれ停止となって演出が終了することになるので、演出を見ていた遊技者に違和感を与え、遊技の興趣を低下させる懸念がある。特に、期待度の高い演出が行われていた場合は、突然のはずれ変動停止による演出終了に期待を裏切られたような失望、不快感や落胆といった負の印象を遊技者に抱かせてしまう可能性がある。
したがって、液晶表示装置1900において一方の特図変動に関する演出がはずれ変動停止で突然終了することになっても遊技の興趣の低下を防止可能な演出制御を行えばよい。
また、前述の第2実施形態の液晶表示装置1900では、遊技モードが推奨する始動口への遊技球の入賞に基づく特図変動(一方の特図変動)の演出が表示されることから、該演出の突然終了は、該遊技モードが推奨しない始動口への遊技球の入賞に基づく特図変動(他方の特図変動)によって発生し得る。
したがって、液晶表示装置1900において一方の特図変動に関する演出が突然終了することがないように、そもそも遊技モードが推奨しない始動口への遊技球の入賞発生を抑制可能な制御を行えばよい。具体的には、遊技者に推奨しない始動口を狙い打ちさせない狙い打ち防止制御を行う。
第3実施形態では、図187〜図190を参照して、同時変動可能な制御構造であって第2実施形態の基本制御パターンを適用した遊技機を例に、より詳細な演出制御及び狙い打ち防止制御について説明する。
<演出制御>
[液晶表示処理]
図187は、第3実施形態における液晶表示処理の手順を示すフローチャートである。なお、第2実施形態の液晶表示処理(図165)と共通の処理については、同じ符号を付して記載を省略する。
周辺制御基板4010の周辺制御MPU4140aは、現在の遊技モードがラッシュモードでない、すなわち通常モード(低確非時短状態)又はラッシュ準備モード(高確時短状態)であって(ステップS3201にてNO)、かつ主制御MPU4100aによって第2特別図柄側で当り結果を導出する当り変動が実行される場合に(ステップS3202にてYES)、切替演出処理を実行する(ステップS3211)。切替演出処理では、液晶表示装置1900にて実行されていた既定の演出、すなわち、ここでは第1特別図柄側の変動に関する演出を、切替演出に替え、該切替演出を液晶表示装置1900にて表示する。
また、周辺制御MPU4140aは、現在の遊技モードがラッシュモード(高確非時短状態)であって(ステップS3201にてYES)、かつ主制御MPU4100aによって第1特別図柄側で当り結果を導出する当り変動が実行される場合に(ステップS3205にてYES)、切替演出処理を実行する(ステップS3212)。切替演出処理では、液晶表示装置1900にて実行されていた既定の演出、すなわち、ここでは第2特別図柄側の変動に関する演出を、切替演出に替え、該切替演出を液晶表示装置1900にて表示する。
このように、本実施形態の液晶表示処理では、液晶表示装置1900の表示対象となる特図変動とは異なるもう一方の特図変動が当りを導出する変動を開始するときに、液晶表示装置1900における演出を、表示対象となる特図変動に関する演出から異なる別の演出(切替演出)に切り替える切替演出処理を行うことを特徴とする。
なお、前述の第2実施形態の液晶表示処理におけるステップS3203及びS3206の処理も切替演出処理の1パターンである。第2実施形態では、切替演出として液晶表示装置1900の表示をブラックアウトすることで、演出表示中であった特図変動がはずれにて強制停止されたところを遊技者に見せない。このように、液晶表示装置1900は、演出表示中であった特図変動が強制的にはずれ停止されるときブラックアウト表示中なので、遊技者に該特図変動がはずれにて強制停止されたことを察知させない。ブラックアウトという切替演出によって、遊技の興趣の低下を防止可能な演出を提供することができる。また、ブラックアウトは、もう一方の特図変動によって当りが発生することを予告する予告演出として機能する。これにより、演出表示中であった特図変動が突然はずれ変動停止で終了することよりも、もう一方の特図変動によって当りが導出することに遊技者の関心を誘導することができる。したがって、同時変動制御において負の印象の誘発を抑制可能な(遊技の興趣低下を防止可能な)演出を提供することができる。
[切替演出処理]
図188は、第3実施形態における切替演出処理の手順を示すフローチャートである。
周辺制御基板4010の周辺制御MPU4140aは、まず、本処理への移行の契機となったのが第2特別図柄の当り変動であるか否かを判定する(ステップS3221)。そして、第2特別図柄の当り変動である場合には(ステップS3221にてYES)、当該当り変動の変動時間が残り5秒であるか否かを判定する(ステップS3222)。第2特別図柄の変動時間として、主制御基板4100から第2変動中処理(図173)にてカウントされるタイマ値を受信してもよいし、周辺制御基板4010に設けられるカウントタイマを設けてタイマ値を読んでもよい。
ここで、第2特別図柄の当り変動は変動時間が5秒〜90秒の間で設定される(図154(E)参照)。そこで、本実施形態の切替演出処理では、当り結果を導出する第2特別図柄の変動時間のうち残り5秒だけ演出を切り替える制御を行い、それまでは表示中の第1特別図柄の変動に関する演出を表示する。
周辺制御MPU4140aは、第2特別図柄の変動時間が5秒でない場合には(ステップS3222にてNO)、液晶表示装置1900で通常の表示演出を継続する(ステップS3223)。一方、第2特別図柄の変動時間が5秒である場合には(ステップS3222にてYES)、液晶表示装置1900で表示していた通常の表示演出を第1切替演出に替えて表示する(ステップS3224)。第1切替演出は、5秒間の表示演出が設定され、それまでの演出の延長であるかのような演出であって違和感なく第1特別図柄をはずれ結果で変動終了したように見せる演出であってもよいし、第2特別図柄の当り発生を報知する演出であってもよい。第1切替演出は、遊技者に負の印象を誘発しない演出であればよい。
このように、本実施形態では、通常モード又はラッシュ準備モード中に第2特別図柄の当り変動が発生した場合に、第1特別図柄を表示対象とする液晶表示装置1900において第2特別図柄の当り変動が停止する5秒前まで第1特別図柄を表示対象とする通常の表示演出を行う。そして、第2特別図柄の変動停止5秒前になったら第1特別図柄の表示演出から第1切替演出に表示を切り替える。これにより、第1特別図柄が突然はずれ停止し、遊技の興趣が低下するのを防止することができる。
一方、周辺制御MPU4140aは、本処理への移行の契機となったのが第2特別図柄の当り変動でない、すなわち、第1特別図柄の当り変動であった場合には(ステップS3221にてNO)、液晶表示装置1900で表示していた通常の表示演出を第2切替演出に替えて表示する(ステップS3225)。第2切替演出は、例えば、当りを導出する第1特別図柄で設定された変動パターンに基づく演出であってもよいし、表示中の第2特別図柄の変動に関する演出を継続(延長)するかのような演出であってもよいし、予め設定された特定の演出であってもよい。
このように、本実施形態では、ラッシュモード中に第1特別図柄の当り変動が発生した場合は、該当り変動開始時に第2特別図柄を表示対象とする液晶表示装置1900において第2切替演出を行う。本実施形態(すなわち第2実施形態)における基本制御パターンでは、第1特別図柄の当り変動が開始してから終了するまでの間、第2特別図柄ははずれ結果となるので、はずれとなる短時間変動(1秒)の第2特別図柄よりも当りを導出する第1特別図柄に関する演出等を液晶表示装置1900の表示対象としたほうが遊技の興趣を高めることができる。つまり、周辺制御MPU4140aは、遊技モードに応じて一方の特別図柄を表示対象とする状態であっても、他方の特別図柄が当りを導出する場合は、該当りを導出する他方の特別図柄を表示対象に切り替え可能な制御機能を有している。
なお、本実施形態の切替演出処理では、液晶表示装置1900における表示演出の切り替えタイミングを、通常モード又はラッシュ準備モードである場合は表示対象ではない第2特別図柄の変動停止所定時間(5秒)前とし、遊技モードがラッシュモードである場合は表示対象ではない第1特別図柄の変動開始時としているが、これに限らない。通常モード又はラッシュ準備モードである場合に第2特別図柄の変動開始時に第1切替演出に切り替えてもよいし(後述の変形例参照)、ラッシュモードである場合に第2特別図柄の変動停止所定時間(例えば0.2秒)前になったら第2切替演出に切り替えてもよい。また、遊技モードにおいて演出の切り替えタイミングの契機となる当り特図変動が発生したときに、該当り特図変動の変動時間が表示演出中の特図変動の残り時間よりも長い場合には、表示演出中の特図変動終了後に演出を切り替えるようにしてもよい(後述の変形例参照)。
[切替演出制御のタイミングチャート]
続いて、図189を参照して、前述の液晶表示装置1900における切替演出制御について演出遷移の一例を説明する。図189は、第3実施形態の切替演出制御について説明するタイミングチャートである。
図189(A)に示すように、従来(第1実施形態)の通常モード及びラッシュ準備モードでは、液晶表示装置1900における表示対象は第1特別図柄である。そして、第1特別図柄のはずれ変動が期待度の高い演出(特1演出)で表示されているときに、小当りとなる第2特別図柄が発生すると、液晶表示装置1900で表示されていた特1演出は、該当り変動が停止するタイミングで突然はずれ停止で終了する。
図189(B)は、本実施形態の第1切替演出の一例について説明するタイミングチャートである。通常モード及びラッシュ準備モードで第1特別図柄のはずれ変動が実行されているときに小当りとなる第2特別図柄が発生した場合は、小当り変動が停止する5秒前になったら液晶表示装置1900での表示を特1演出から第1切替演出に切り替える。例えば、第1切替演出は、これまで表示されていた特1演出と同じキャラクタ等を用い、期待度の高い特1演出からはずれ結果に違和感なく導くような演出パターンを有する疑似特1演出である。このような第1切替演出を経て特1演出に対応する変動をはずれ結果へと導くので、遊技者に違和感を与えない。
また、図189(C)は、本実施形態の第2切替演出の一例について説明するタイミングチャートである。ラッシュモードで第2特別図柄のはずれ変動が実行されているときに大当りとなる第1特別図柄が発生した場合は、大当り変動が開始すると同時に液晶表示装置1900での表示を特2演出から第2切替演出に切り替える。例えば、第2切替演出は、大当りとなる第1特別図柄の変動に対応する特1演出である。ラッシュモード中の液晶表示装置1900は第2特別図柄側の遊技を表示対象としているが、第2特別図柄の変動時間は短時間変動(1秒)であり、大当りとなる第1特別図柄の変動中は第2特別図柄の変動は必ずはずれとなる。したがって、液晶表示装置1900において特2演出と異なる第2切替演出を行ったほうが遊技の興趣が高まる。
[切替演出実行処理の変形例]
また、本実施形態の切替演出実行処理(図188)では、通常モード及びラッシュ準備モードにおいて、当りを導出する第2特別図柄の変動時間が残り5秒になったら通常の表示演出から第1切替演出に切り替える。また、ラッシュモードにおいて、当りを導出する第1特別図柄の変動開始時に通常の表示演出から第2切替演出に切り替える。これに対し、変形例では、通常モード及びラッシュ準備モードにおいて第2特別図柄の変動開始時に第1切替演出に切り替え、ラッシュモードにおいて第1特別図柄の変動時間が表示中の第2特別図柄の残り変動時間より長い場合には表示中の第2特別図柄の変動終了後に第2切り替え演出に切り替えることを特徴とする。
図190(A)は第3実施形態の変形例の切替演出実行処理の手順を示すフローチャートであり、図190(B)は第1切替演出決定テーブルの一例を示す図である。なお、第3実施形態の液晶表示処理(図188)と共通の処理については、同じ符号を付して記載を省略する。
周辺制御基板4010の周辺制御MPU4140aは、本処理への移行の契機となったのが第2特別図柄の当り変動である場合には(ステップS3221にてYES)、第1切替演出決定テーブルに基づいて決定される第1切替演出に液晶表示装置1900の表示を切り替える(ステップS3231)。
第1切替演出決定テーブルには、図190(B)に示すように、通常モード及びラッシュ準備モードにおける第2特別図柄の変動時間(5秒〜90秒)にそれぞれ演出パターンが対応付けて設定されている。本処理への移行の契機となった第2特別図柄の当り変動時間に合わせた演出パターン(例えばA〜F)は、予め態様が決められた演出でもよいし、それまで表示していた演出の延長であるかのように見せる演出でもよい。
一方、周辺制御MPU4140aは、本処理への移行の契機となったのが第2特別図柄の当り変動でない、すなわち、第1特別図柄の当り変動であった場合には(ステップS3221にてNO)、該当り変動の変動時間は液晶表示装置1900で表示中の第2特別図柄の残り変動時間よりも長いか否かを判定する(ステップS3232)。そして、第1特別図柄の当り変動の変動時間が表示中の第2特別図柄の残り変動時間よりも短い場合は(ステップS3232にてNO)、本実施形態と同様に第1特別図柄の変動開始時に通常の表示演出から第2切替演出に切り替える(ステップS3225)。なお、本実施形態のラッシュモード中の第2特別図柄の変動時間は1秒であるのに対し、第1特別図柄の変動時間は1〜30秒に設定されるので、本実施形態のスペックでは必ず第1特別図柄の当り変動の変動時間が表示中の第2特別図柄の残り変動時間よりも長いと判定される。
周辺制御MPU4140aは、第1特別図柄の当り変動の変動時間が表示中の第2特別図柄の残り変動時間よりも長い場合には(ステップS3232にてYES)、第2特別図柄の変動が終了するまで(ステップS3233にてNO)、通常の表示演出(第2特別図柄に関する演出)を継続する(ステップS3234)。そして、第2特別図柄の変動が終了したら(ステップS3233にてYES)、通常の表示演出から第2切替演出に液晶表示装置1900の表示を切り替える(ステップS3225)。
このように変形例では、ラッシュモード中では表示中の第2特別図柄の変動がはずれ停止されるまで第2特別図柄を優先表示し、はずれ停止後に第2切替演出に切り替える。このとき第1特別図柄は変動を開始しているが、第2切替演出として変動中の第1特別図柄の当り変動に基づいて設定される変動パターン演出に切り替えてもよい。
<切替演出制御の効果>
第3実施形態の液晶表示装置1900における切替演出制御によれば、現在の遊技モードにおいて推奨しない始動口への遊技球の入賞に基づく特別図柄の当り変動、すなわち液晶表示装置1900が表示対象としていない当り変動が発生した場合に、液晶表示装置1900で表示されていた特図変動の既定演出を、該既定演出とは異なる別の演出(切替演出)に替えて表示する。なお、演出を切り替えるタイミングは、当り変動の開始時としてもよいし、当り変動の変動時間が所定時間となったときにしてもよい。これにより、表示中の変動が突然はずれ停止で終了してしまう場面を遊技者に見せることがない。よって、遊技の興趣の低下を防止可能な演出を提供することができる。
なお、前述の第2実施形態では、切替演出として液晶表示装置1900の表示をブラックアウトしている。これも同様に、表示中の変動が突然はずれ停止で終了してしまう場面を遊技者に見せることがない。よって、遊技の興趣の低下を防止可能な演出を提供することができる。
また、変形例の切替演出制御のように、液晶表示装置1900で表示されていた特図変動の既定演出を別の演出(切替演出)に切り替えるタイミングを、表示中の特図変動の残り変動時間が本処理の実行契機となる当り変動の変動時間よりも短い場合に限り、表示中の特図変動の変動終了時とする。この場合は、液晶表示装置1900において表示中の変動が突然はずれ停止で終了してしまう場面がそもそも生じない。よって、遊技の興趣の低下を防止可能な演出を提供することができる。
<狙い打ち防止制御>
続いて、遊技モードが推奨しない始動口を遊技者に狙い打ちさせない狙い打ち防止制御について説明する。前述は、推奨しない始動口への遊技球の入賞に基づく当り変動が発生した場合に遊技の興趣低下を防止する演出制御であって、周辺制御基板4010側の対応策であった。ここでは、そもそも推奨しない始動口への遊技球の入賞に基づく当り変動の発生自体を抑制する制御であって、主制御基板4100側の対応策を列挙する。
[1.変動時間]
まず、遊技モードが推奨しない特別図柄の変動時間を長時間に設定すればよい。これにより、遊技者が推奨しない始動口に遊技球を入賞させても、対応する特別図柄の変動は開始すると中々終了しないので変動効率が悪く、遊技の停滞を招く。このように、推奨しない始動口に対応する特別図柄側の遊技への興味を遊技者に抱かせないようにすることで、狙い打ちを防止する。
具体的に、前述の第1実施形態では、「左打ち」を推奨する通常モード及びラッシュ準備モードにおいて、第2特別図柄の変動時間を長時間に設定することで、小当り発生確率が高く「右打ち」すれば容易に入賞可能な第2始動口2102の狙い打ちを防止している。
[2.変動パターン数]
また、遊技モードが推奨しない特別図柄の変動パターン(変動時間)を複数設定すればよい。これにより、推奨しない特別図柄が変動停止するタイミングの予想が困難になるので、当りとなっても遊技者は該当りによる大入賞口2103の開放を狙って賞球を得るのも困難となる。このように、推奨しない始動口に対応する特別図柄側の遊技への興味を遊技者に抱かせないようにすることで、狙い打ちを防止する。
具体的に、前述の第2実施形態では、「左打ち」を推奨する通常モード及びラッシュ準備モードにおいて、第2特別図柄の変動時間を複数設定している。当りを導出する変動である場合は5秒〜90秒の間で複数設定され、はずれを導出する変動である場合は600秒に設定される。第2特別図柄の変動パターンは複数の変動時間に対応して複数設けられ(例えば、50パターン)、当り発生確率が高く容易に入賞可能な第2始動口2102を狙って「右打ち」を続けて賞球を獲得しても、遊技者にとって不利になるように変動パターン態様(変動時間、パターン数)が設定される。第2特別図柄の当りによって賞球を得ても獲得した遊技球数よりも「右打ち」によって打ち出された遊技球数の方が多くなるように設定される。このように、推奨しない始動口に対応する特別図柄側の遊技への興味を遊技者に抱かせないようにすることで、狙い打ちを防止する。また、長時間の変動時間も変動パターンに含めることで変動効率を低下させることができ、前述の効果をより有効なものにする。
[3.大入賞口開放態様と盤面構造]
また、本実施形態の遊技盤(図152参照)は、遊技者が大入賞口2103を狙って遊技球を打ち込んだ場合(すなわち、「右打ち」した場合)、遊技球が遊技領域に打ち出されてから大入賞口2103に入賞するまで所定時間を、小当り当選による大入賞口2103の開放時間と比べて長くなるように構成される。これにより、推奨しない始動口への入球による小当り変動に基づいて大入賞口2103が開放されても、遊技者が大入賞口2103の開放を確認して遊技球の打ち出し操作を行ったのでは、打ち出された遊技球が大入賞口2103の開放に間に合わない。打ち出された遊技球が大入賞口2103に到達するまでに大入賞口2103は開放を終了しているので、遊技者は大入賞口2103の開放を狙って賞球を得るのは困難である。このように、推奨しない始動口に対応する特別図柄側の遊技への興味を遊技者に抱かせないようにすることで、狙い打ちを防止する。
具体的に、本実施形態において、小当り当選に基づく大入賞口2103の開放時間は1.8秒である。そこで、遊技者が大入賞口2103を狙って打ち出した遊技球が大入賞口2103に至るまでの所定時間として約3秒を要するように、このとき遊技球が転動可能な遊技領域には、大入賞口2103への転動を阻害する転動阻害部材(図示省略)が配設されている。ここで、転動阻害部材とは、大入賞口2103に向かって転動する遊技球の転動速度を減速させる部材である。例えば、所定のゲージ配列で植設される複数の障害釘であってもよいし、凸状のリブであってもよい。また、小当り当選に基づく大入賞口2103の開放時間より短い時間を一定周期として周期ごとに常時可動される可動片でもよい。可動片は、主制御基板4100の主制御MPU4100aによって可動制御され、大入賞口2103への遊技球の転動を制限する。
<狙い打ち防止制御の効果>
第3実施形態の狙い打ち防止制御によれば、主制御基板4100側の対応策として遊技態様(変動時間の長時間設定、複数の変動時間設定)を遊技モードに応じて設定する。また、遊技領域に転動阻害部材と遊技態様(大入賞口の開放時間)との調整によって大入賞口2103への入賞効率を下げる。これにより、遊技モードが推奨しない始動口を狙った場合は、変動効率の低下を招いたり、獲得遊技球数に対して打ち出した遊技球数が多い等、遊技者に不利な遊技となるように設定可能である。したがって、遊技者に推奨しない始動口を狙った打ち出し操作(狙い打ち)を抑制することができる。
<可動役物制御>
また、液晶表示装置1900における表示に関し、周辺制御基板4010の周辺制御MPU4140aによって実行される演出には、可動役物の動作が伴う場合がある。可動役物の動作を液晶表示装置1900の表示対象の特別図柄(一方の特別図柄)に対応する演出態様のまま継続すると、該特別図柄が表示対象でない他方の特別図柄の変動停止タイミングで突然変動終了したときに、可動役物によって表示画面が覆われてしまい、確定した図柄(変動結果)が遊技者に視認不能となる可能性がある。
したがって、前述の演出制御(図187〜図190)に関連して液晶表示装置1900における変動結果の表示タイミングが変更になっても、可動役物が結果表示を覆い隠して遊技者の視認を妨害することがないように可動役物制御を行えばよい。
第3実施形態では、図191及び図192を参照して、液晶表示装置1900で表示対象となる特別図柄側の演出に可動役物の動作演出が含まれる場合に実行される可動役物演出処理について説明する。
[可動役物演出処理]
図191は、第3実施形態における可動役物演出処理の手順を示すフローチャートである。可動役物演出処理は、周辺制御基板4010の周辺制御MPU4140aによって実行される16ms定常処理(図151)の演出制御処理(ステップS3102)の一つであり、16ms毎に繰り返し実行される。
周辺制御MPU4140aは、まず、可動役物フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS3301)。可動役物フラグは、演出において可動役物を動作させることを示す場合にオン状態に設定されている。そして、可動役物フラグがオフである場合、すなわち可動役物を動作させない場合には(ステップS3301にてNO)、本処理を終了する。
一方、可動役物フラグがオンである場合には(ステップS3301にてYES)、周辺制御MPU4140aは、主制御基板4100から受信したコマンド(変動パターンコマンド等)に応じた演出態様でモータ等の駆動装置を制御して可動役物を動作させる制御を実行する(ステップS3302)。なお、主制御基板4100から受信したコマンドは、前述のコマンド解析処理(ステップS3101、図151)にて解析されている。前述の可動役物フラグは、このコマンド解析処理において必要な場合にオン状態に設定される。
そして、周辺制御MPU4140aは、液晶表示装置1900の表示対象ではない特別図柄側で当りを導出する変動が発生しているか否かを判定する(ステップS3303)。具体的には、現在の遊技モードが通常モード又はラッシュ準備モードの場合は、今回可動役物の動作演出を要する第1特別図柄の演出中に、当りを導出する第2特別図柄の変動が開始されたか否かを判定する。ここでは、第1特別図柄の強制はずれフラグがオン状態になったか否かを判定すればよい。同様に、現在の遊技モードがラッシュモードの場合は、第2特別図柄の演出中に当りを導出する第1特別図柄の変動が開始されたか否かを判定する。ここでは、第2特別図柄の強制はずれフラグがオン状態になったか否かを判定すればよい。
次に、周辺制御MPU4140aは、新たな当り変動が開始された(行われている)場合には(ステップS3303にてYES)、可動役物の原点検出を実行する(ステップS3304)。原点検出とは、静止状態(収容状態)であることを示す原点(初期位置)に可動役物があるかを判定するために原点状態を検出する処理である。
そして、可動役物が原点にあると判定された場合(ステップS3305にてYES)、すなわち可動役物が初期位置にある場合は、周辺制御MPU4140aは、可動役物の動作を禁止にする(ステップS3306)。そして、可動役物フラグをオフ状態に設定して(ステップS3310)、本処理を終了する。
一方、可動役物が原点にあると判定されなかった場合(ステップS3305にてNO)、すなわち可動役物が動作状態にある場合は、周辺制御MPU4140aは、前述のS3303の処理にて検知された当り変動の変動時間が残り5秒であるか否かを判定する(ステップS3307)。ここで、可動役物が最も動作した最大出現位置から初期位置に戻るまでに要する時間を5秒としている。ステップS3307の処理で判断する残り時間は、可動役物が初期位置に戻るまでに要する最大時間とすればよい。
周辺制御MPU4140aは、変動時間が残り5秒となった場合には(ステップS3307にてYES)、可動役物を原点に戻す(ステップS3308)。そして、可動役物フラグをオフ状態に設定して(ステップS3310)、本処理を終了する。
また、周辺制御MPU4140aは、変動時間が残り5秒でない場合、すなわち変動時間が5秒よりも長い場合には(ステップS3307にてNO)、可動役物による演出動作を継続し、後述のステップS3308の処理に移行する。
周辺制御MPU4140aは、新たな当り変動が開始されていない場合には(ステップS3303にてNO)及び当り変動が開始されても残り変動時間が5秒よりも長い場合には(ステップS3307にてNO)、可動役物による演出動作を継続し、動作終了したか否かを判定する(ステップS3309)。そして、動作がまだ終了していない場合には(ステップS3309にてNO)、本処理を終了する。
また、可動役物の動作が終了した場合には(ステップS3309にてYES)、周辺制御MPU4140aは、可動役物フラグをオフ状態に設定して(ステップS3310)、本処理を終了する。
なお、前述のステップS3307の処理で、周辺制御MPU4140aは、液晶表示装置1900の表示対象ではない特別図柄の当り変動の変動時間が残り5秒であるか否かを判定している。これは、表示対象の特別図柄の変動において動作中の可動役物が確実に原点(初期位置)に戻るまでに要する最大時間(5秒)を確保するためであり、表示中の変動を強制停止させる契機となる当り変動の変動時間が最大時間以上設けられていることを前提とする。本実施形態では、通常モード及びラッシュ準備モードにおける第2特別図柄の変動時間は5秒以上の時間に設定されるが、ラッシュモードにおける第1特別図柄の変動時間は1〜30秒に設定される。したがって、ラッシュモードにおける第1特別図柄の当りを導出する変動時間は、5〜30秒に設定されている。
なお、本実施形態の液晶表示装置1900は、遊技モードが通常モード又はラッシュ準備モードである場合(表示対象が第1特別図柄である場合)に第2特別図柄側で当り変動が発生したときは、当り変動の残り時間が5秒になるまで通常の表示演出(第1特別図柄側の演出)を行い、残り時間が5秒となったときに第1切替演出に切り替えている。そこで、本処理においても、液晶表示装置1900における表示内容に沿うように第2特別図柄の当り変動の残り時間が5秒になるまでは第1特別図柄側の演出として動作していた可動役物の可動を継続し、変動停止するまでに可動役物を原点に戻すようにしているが、これに限らない。変形例の切替演出処理(図190(A))では、第2特別図柄の当り変動が開始された時点で該当り変動の変動時間に応じた演出パターン(図190(B))による第1切替演出に切り替える。これに対応して、第2特別図柄の当り変動が開始された時点で可動役物を原点に戻すようにしてもよいし、演出パターン(図190(B))に可動役物の演出態様が設定されていれば第1切替演出として可動役物を動作させてもよい。また、遊技モードがラッシュモードである場合(表示対象が第2特別図柄である場合)に第1特別図柄側で当り変動が発生したときは、当り変動開始時から表示内容を第2切替演出に切り替えている(図188参照)。本処理では、同じ状況において可動役物はこれまで通りの通常の動作演出を継続し、第1特別図柄が当りで停止する直前に原点に戻る(動作を止める)ようにしているが、これに限らない。第1特別図柄の当り変動が開始された時点で、第2切替演出として第1特別図柄の当り変動に対応する可動役物の動作演出を行ってもよい。
また、本実施形態では、16ms毎に繰り返し実行される可動役物演出処理の中でステップS3303〜S3308の処理による可動役物制御を行っているが、これに限らない。これらの処理を独立した処理とし、主制御基板4100側から第1特別図柄又は第2特別図柄の強制はずれフラグのオン状態を受信したことを契機に実行される処理としてもよい。
[演出遷移例]
図192は、第3実施形態の可動役物制御について説明する演出遷移の一例である。
図192(A)に示すように、通常、可動役物は遊技盤4の裏側であって液晶表示装置1900の左右両側に、遊技者から視認不能に収容されている。ここで、可動役物は左右方向に動作可能である。左右両側の可動役物が画面中央に向かって最大限可動すると表示画面の前方が完全に被覆されて遊技者が表示画面を視認できなくなる。
可動役物が原点から動作を開始すると、液晶表示装置1900の左右から画面中央に向かって2つの扉(可動役物)が出現する。このとき、表示対象でない特別図柄側で当りを導出する当り変動が発生しても、該当り変動の変動時間が残り5秒になるまで可動役物は画面中央に向かって動作を継続する。
そして、図192(B)に示すように、現在の遊技モードで表示対象でない特別図柄側の当り変動の変動時間が5秒となったら、2つの扉(可動役物)は、それまでの設定されていた演出態様による動作を止めて原点に戻る動作を開始する。したがって、可動役物の原点に戻る動作に伴い、液晶表示装置1900の表示画面が被覆状態(視認不能状態)から視認可能状態に切り替わる。ここで、原点に戻る動作を開始するタイミングは、変動結果が表示されるまでに可動役物が最大可動位置から原点に戻ることが可能なように設定される。
これにより、図192(C)に示すように、液晶表示装置1900において変動結果が表示されるときに、可動役物は原点に戻っている。したがって、遊技者が変動結果を視認する際に可動役物が表示画面を被覆して妨害することがない。
<可動役物制御の効果>
第3実施形態の可動役物制御によれば、液晶表示装置1900で表示対象の特別図柄側の遊技ではなく、他方の特別図柄側の遊技で変動の停止タイミングが決まる場合には、該他方の特別図柄側の変動開始時に可動役物が原点にあるかを判定する原点検出を行い、今後の可動役物の動作制御を決定する。可動役物が原点にあると判定された場合は可動役物の動作を禁止し、可動役物が原点にあると判定されなかった場合は該他方の特別図柄側の変動が停止する前に原点に戻す。これにより、変動停止時は必ず可動役物は原点(収容状態)にあるので、可動役物が液晶表示装置1900の表示画面を覆ってしまい遊技者が図柄確定を視認することができないという懸念を解消することができる。
<状態移行制御>
本発明の遊技モードには、通常モード(低確非時短状態)、ラッシュ準備モード(高確時短状態)及びラッシュモード(高確非時短状態)があり、遊技モードがラッシュ準備モード及びラッシュモードに突入するとST回数が70回付与される。そして、各モードにおいて大当りが発生することなく70回の変動が終了すると遊技モードが通常モードに移行する(図155参照)。
ここで、通常、遊技モードの移行は、現在の遊技モードにおいて実行される遊技の終了を契機に行われる。具体的には、ラッシュ準備モードやラッシュモードでは確変状態で大当り抽選を行った70回目の変動終了を契機に通常モードに移行する。また、70回に到達する前に当りを導出する変動が発生した場合は、該変動に係る当り遊技を経て他の遊技モードに移行する。そして、このときの内部制御は、主制御基板4100が確変フラグや時短フラグをオン/オフにすることで遊技モードを設定し、周辺制御基板4010は変動確定時に主制御基板4100から状態指定コマンドを受信することで設定された遊技モードに応じた演出を実行している。また、主制御基板4100側でカウントされるST回数に関して、周辺制御基板4010は液晶表示装置1900に現在の残りのST回数を表示している。
ところが、後述の図201(A)に示すように、本実施形態のような基本制御パターン(一方が当り変動の場合は該変動中に開始された他方の変動は無抽選ではずれとなる)において、一方の特別図柄でST回数が70回目となるはずれ変動が開始されたときに他方の特別図柄で変動が実行されておらず、該はずれ変動開始後に他方の特別図柄で変動が開始される場合には、この他方の特別図柄の変動は既にST回数が終了しているにも関わらず高確率状態で大当り抽選(判定)が実行されてしまう。このように2つの特別図柄の変動が同時変動可能な制御構造では、同タイミングで変動していても、一方が確変対象の変動であって他方が確変対象でない変動となるケースが発生し得る。
したがって、確変機能が付与される遊技モードにおいて適切な回数の変動が高確率状態で判定されるような状態移行制御を行えばよい。具体的に、本実施形態では、ST回数消化に伴う確変機能の停止タイミング(状態移行タイミング)を70回目の変動終了時ではなく、変動開始時に行うことを特徴とする。以下、図193A〜図201を参照して、本実施形態の状態移行制御について説明する。
[第1変動開始処理]
図193A及び図193Bは、第3実施形態における第1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。なお、第2実施形態の基本制御パターンにおける第1変動開始処理(図157)と共通の処理については、同じ符号を付して記載を省略する。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS309aの処理を実行する前に状態指定コマンドの設定を行う処理(ステップS331a〜S336a)を実行する。
まず、主制御MPU4100aは、ステップS303aの処理で減算更新したST回数が0になったか否かを判定する(ステップS331a)。そして、ST回数が0になった場合には(ステップS331aにてYES)、確変フラグをオフ状態に設定した後(ステップS332a)、ステップS333aの処理に移行する。また、ST回数が0でない場合には(ステップS331aにてNO)、ステップS333aの処理に移行する。
次に、主制御MPU4100aは、時短フラグの状態から時短機能が作動中であるか否かを判定する(ステップS333a)。そして、時短機能が作動中である場合には(ステップS333aにてYES)、時短機能を停止させるか否かを判定する(ステップS334a)。本実施形態の時短機能は、確変フラグがオン状態である場合に作動し、オフ状態である場合に停止する。したがって、確変フラグがオフ状態のとき時短機能終了条件が成立したとして、時短機能を停止させる(ステップS335a)。なお、時短機能作動中でない場合(ステップS333aにてNO)及び時短機能終了条件が不成立の場合(ステップS334aにてNO)は、ステップS336aの処理に移行する。
最後に、主制御MPU4100aは、確変フラグ及び時短フラグのオン/オフ状態、残りのST回数等の情報を含めた状態指示コマンドをセットし(ステップS336a)、ステップS309aの処理に移行する。ここでセットされた状態指示コマンドは、変動開始時に変動パターンコマンドとともに主制御MPU4100aから周辺制御基板4010に送信される。周辺制御基板4010は、受信したコマンドに応じて演出を選択し、実行する。
[第1変動中処理]
図194は、第3実施形態における第1変動中処理の手順を示すフローチャートである。なお、第2実施形態(第1実施形態)の基本制御パターンにおける第1変動中処理(図129)と共通の処理については、同じ符号を付して記載を省略する。
前述したように、本実施形態では第1変動開始処理において確変フラグ及び時短フラグの状態移行処理(ステップS331a〜S336a)が実行されるため、従来変動停止時に実行していた同様の処理(ステップS511a〜S516a)が削除となる。
[第1連動設定処理]
図195は、第3実施形態における第1連動設定処理の手順を示すフローチャートである。なお、第2実施形態の基本制御パターンにおける第1連動設定処理(図159)と共通の処理については、同じ符号を付して記載を省略する。
前述したように、本実施形態では第1変動開始処理において確変フラグ及び時短フラグの状態移行処理(ステップS331a〜S336a)が実行されるため、従来変動停止時に実行していた同様の処理(ステップS1005a〜S1010a)が削除となる。
[第2変動開始処理]
図196A及び図196Bは、第3実施形態における第2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。なお、第2実施形態の基本制御パターンにおける第2変動開始処理(図160)と共通の処理については、同じ符号を付して記載を省略する。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS309bの処理を実行する前に状態指定コマンドの設定を行う処理(ステップS331b〜S336b)を実行する。
まず、主制御MPU4100aは、ステップS303bの処理で減算更新したST回数が0になったか否かを判定する(ステップS331b)。そして、ST回数が0になった場合には(ステップS331bにてYES)、確変フラグをオフ状態に設定した後(ステップS332b)、ステップS333bの処理に移行する。また、ST回数が0でない場合には(ステップS331bにてNO)、ステップS333bの処理に移行する。
次に、主制御MPU4100aは、時短フラグの状態から時短機能が作動中であるか否かを判定する(ステップS333b)。そして、時短機能が作動中である場合には(ステップS333bにてYES)、時短機能を停止させるか否かを判定する(ステップS334b)。本実施形態の時短機能は、確変フラグがオン状態である場合に作動し、オフ状態である場合に停止する。したがって、確変フラグがオフ状態のとき時短機能終了条件が成立したとして、時短機能を停止させる(ステップS335b)。なお、時短機能作動中でない場合(ステップS333bにてNO)及び時短機能終了条件が不成立の場合(ステップS334bにてNO)は、ステップS336bの処理に移行する。
最後に、主制御MPU4100aは、確変フラグ及び時短フラグのオン/オフ状態、残りのST回数等の情報を含めた状態指示コマンドをセットし(ステップS336b)、ステップS309bの処理に移行する。ここでセットされた状態指示コマンドは、変動開始時に変動パターンコマンドとともに主制御MPU4100aから周辺制御基板4010に送信される。周辺制御基板4010は、受信したコマンドに応じて演出を選択し、実行する。
[第2変動中処理]
図197は、第3実施形態における第2変動中処理の手順を示すフローチャートである。なお、第2実施形態(第1実施形態)の基本制御パターンにおける第2変動中処理(図137)と共通の処理については、同じ符号を付して記載を省略する。
前述したように、本実施形態では第2変動開始処理において確変フラグ及び時短フラグの状態移行処理(ステップS331b〜S336b)が実行されるため、従来変動停止時に実行していた同様の処理(ステップS511b〜S516b)が削除となる。
[第2小当り遊技処理]
図198は、第3実施形態における第2小当り遊技処理の手順を示すフローチャートである。なお、第2実施形態の基本制御パターンにおける第2小当り遊技処理(図162)と共通の処理については、同じ符号を付して記載を省略する。
前述したように、本実施形態では第2変動開始処理において確変フラグ及び時短フラグの状態移行処理(ステップS331b〜S336b)が実行されるため、従来小当り遊技終了時に実行していた同様の処理(ステップS923b〜S928b)が削除となる。
[第2連動設定処理]
図199は、第3実施形態における第2連動設定処理の手順を示すフローチャートである。なお、第2実施形態の基本制御パターンにおける第2連動設定処理(図163)と共通の処理については、同じ符号を付して記載を省略する。
前述したように、本実施形態では第2変動開始処理において確変フラグ及び時短フラグの状態移行処理(ステップS331b〜S336b)が実行されるため、従来変動停止時に実行していた同様の処理(ステップS1005b〜S1010b)が削除となる。
[疑似演出処理]
図200は、第3実施形態における疑似演出処理の手順を示すフローチャートである。疑似演出処理は、液晶表示装置1900における表示に関し、周辺制御基板4010の周辺制御MPU4140aによって実行される演出制御処理(ステップS3102)の一つである。
周辺制御基板4010の周辺制御MPU414aは、まず、主制御基板4100から状態指定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS3401)。そして、状態指定コマンドを受信した場合には(ステップS3401にてYES)、前回受信した状態指定コマンドと今回受信した状態指定コマンドとを比較する(ステップS3402)。そして、確変フラグがオン(前回)からオフ(今回)に変化したか否かを判定する(ステップS3403)。
周辺制御MPU414aは、確変フラグがオンからオフに変化していた場合には(ステップS3403にてYES)、今回の変動演出として疑似演出を実行する(ステップS3404)。その後、本処理を終了する。疑似演出には、例えば、変動開始時に可動役物(扉)が動作して液晶表示装置1900の前方を覆い、変動停止時には原点に戻る演出等がある。
一方、周辺制御MPU414aは、確変フラグがオンからオフに変化していない場合には(ステップS3403にてNO)、状態移行タイミングでないため、今回の変動演出として通常演出を実行する(ステップS3405)。その後、本処理を終了する。
本実施形態において、主制御基板4100は、変動開始時に確変フラグ及び時短フラグを設定し、状態指定コマンドを周辺制御基板4010に送信する。このため、ラッシュモードから通常モードに移行する場合(遊技モードの移行に伴い液晶表示装置1900の表示対象が変更になる場合)に、ST最終回(70回目)の第2特別図柄の変動は、周辺制御基板4010で通常モードにおける変動と判断され、本来液晶表示装置1900にて表示されるところ7セグ表示器1920にて表示されてしまう。
そこで、本実施形態の疑似演出処理では、状態移行したときの変動で疑似演出を実行する。これにより、該変動が実行されるべき遊技モードと内部制御での遊技モードとの相違によって起こりうる不具合を解消している。なお、疑似演出は、遊技モードの相違による違和感を遊技者に与えない演出であれば問題ない。また、周辺制御基板4010側での状態移行の判断は、変動開始時に主制御基板4100から送信される状態指定コマンドによってステップS3401〜S3403の処理によって行われているが、これに限らない。確率状態及び時短状態が変更になるときに主制御基板4100で状態移行指示コマンドを別途設定し、周辺制御基板4010に送信してもよい。この場合、周辺制御基板4010側での状態移行の判断は、状態移行指示コマンドの受信の有無で行うことができる。
[状態移行制御のタイミングチャート]
図201(A)は従来の遊技モード移行について説明するタイミングチャートであり、図201(B)及び(C)は第3実施形態の遊技モード移行及び疑似演出について説明するタイミングチャートである。
図201(A)は、従来のST回数消化によってラッシュ準備モードから通常モードに移行する場合について示す。従来では、ST最終回(ST=0)の第1特別図柄側の変動停止時に確変フラグ及び時短フラグが変更されて状態移行していた。このため、ラッシュ準備モードにおいて、ST最終回(ST=0)の第1特別図柄側のはずれ変動が開始されたとき、第2特別図柄側の変動は実行されていない状況の下、第1特別図柄側のはずれ変動中に第2特別図柄側の変動が開始される場合は、第2特別図柄側の変動は確変状態において大当り判定されることになる。
なお、第1特別図柄側がはずれ変動でなく当り変動である場合は、該当り変動中に開始される変動は無抽選ではずれとなるので、ST消化後に高確率で大当り判定される変動は生じない。また、第1特別図柄側のはずれ変動が開始されたとき、第2特別図柄側の変動が実行中であった場合は、第2特別図柄側の実行中であった変動が停止する際に確変フラグがオフにされるので、ST消化後に高確率で大当り判定される変動は生じない。
これに対し、図201(B)は本実施形態のST回数消化によってラッシュ準備モードから通常モードに移行する場合について示す。本実施形態では、ST最終回(ST=0)の第1特別図柄側の変動開始時に確変フラグ及び時短フラグが変更されて状態移行する。このため、ラッシュ準備モードにおいて、ST最終回(ST=0)の第1特別図柄側のはずれ変動が開始されたとき、第2特別図柄側の変動は実行されていない状況の下、第1特別図柄側のはずれ変動中に第2特別図柄側の変動が開始されても、第2特別図柄側の変動は通常状態(低確率状態)において大当り判定されることになる。
ここで、周辺制御基板4010は、ラッシュ準備モード(確変状態)における変動が開始される時点で状態指定コマンドを受信するので、該変動開始時に遊技モードが通常モード(通常状態)に移行したとコマンド解析する。このため、モード別に演出選択テーブルが設けられている場合は、本来ラッシュ準備モード(確変状態)における変動であるにもかかわらず、演出は通常モードに対応する演出選択テーブル(図示省略)から選択されることになり、演出に違和感が生じる懸念が新たに生じる。
そこで、本実施形態では、ST最終回(ST=0)の第1特別図柄側の変動、すなわちモード移行時の変動では、変動開始時に受信したコマンドに基づいて決定する通常演出ではなく、状態移行タイミングを考慮した疑似演出を行う。これにより、主制御基板4100側の状態移行制御によって生じる不具合を解消する。
図201(C)は本実施形態のST回数消化によってラッシュモードから通常モードに移行する場合について示す。本実施形態では、図201(B)と同様に、ST最終回(ST=0)の第2特別図柄側の変動開始時に確変フラグ及び時短フラグが変更されて状態移行する。そして、周辺制御基板4010は、ラッシュモード(確変状態)における変動が開始される時点で状態指定コマンドを受信するので、該変動開始時に遊技モードが通常モード(通常状態)に移行したとコマンド解析する。
ここで、ラッシュモードと通常モードとでは、液晶表示装置1900の表示対象となる特別図柄が異なる。したがって、ST最終回の第2特別図柄側の変動は、ラッシュモードでは液晶表示装置1900で表示されるが、通常モードでは7セグ表示器1920で表示されることになる。ST最終回の変動が終了する前に表示器(液晶表示装置1900、7セグ表示器1920)が切り替わるのは、遊技者に違和感を与える可能性がある。
そこで、本実施形態では、ST最終回(ST=0)の第2特別図柄側の変動、すなわちモード移行時の変動で疑似演出を行うことで、主制御基板4100側の状態移行制御によって生じる不具合を解消する。
<状態移行制御の効果>
第3実施形態の状態移行制御によれば、確変対象である一方の変動実行中に確変対象でない他方の変動が発生した場合に、他方の変動が高確率状態で大当り抽選されることがないよう一方の変動開始時に確変状態を終了させて状態移行を行う。これにより、確変機能が付与される遊技モードにおいて適切な回数の変動のみ高確率状態で判定することができる。また、変動開始時に状態移行を行った確変対象の変動では、該変動に対応する遊技モードと内部制御での遊技モードとの相違による違和感を遊技者に抱かせないような疑似演出を実行する。これにより、確変対象の変動開始時に状態移行を行うこと(遊技モードの早期移行)による不具合の発生を防止することができる。
<ST表示制御>
また、遊技モードがラッシュ準備モード(高確時短状態)及びラッシュモード(高確非時短状態)に移行するとST回数が70回付与される。ラッシュ準備モードでは第1特別図柄側の遊技を推奨しており、ラッシュモードでは第2特別図柄側の遊技を推奨している。したがって、各遊技モードへの移行時に付与されるST回数は、それぞれ推奨する遊技で消化されることが好ましい。
ところで、ラッシュ準備モード及びラッシュモードは「右打ち」によってそれぞれ第1始動口2101の特設入賞口2101b及び第2始動口2102への遊技球の入賞を推奨する。ラッシュ準備モードでは、第1始動口2101の特設入賞口2101bに入賞しなかった遊技球が下流の第2始動口2102に入賞する可能性がある。また、ラッシュモードでは、移行前の遊技モード(通常モード又はラッシュ準備モード)は第1始動口2101(常設入賞口2101a、特設入賞口2101b)への遊技球の入賞を推奨するので、移行直後は第1特別図柄の保留変動(上限4個)が残存している可能性がある。
このため、各遊技モードにおいて付与されるST回数を推奨する特別図柄側の変動のみで消化するのは難しい。また、同時変動状態の第1特別図柄と第2特別図柄は一方の変動が当りを導出する場合に他方ははずれとなるよう制御されるので、2つの特別図柄が同時変動状態となってもST回数の消化が早まるだけで、遊技の興趣低下を招く懸念がある。
本実施形態では、ST回数で確変機能が付与される遊技モードにおいて、遊技者が視認可能な液晶表示装置1900におけるST回数表示に着眼し、遊技の興趣低下を抑制可能なST回数の表示制御を行う。一例として、実際に付与されるST回数よりも所定数少ないST回数が付与されたかのように表示し、変動の実行回数に応じて減算したST回数が第1規定数に到達したことを契機に所定数分のST回数が追加で付与されたかのような演出(調整演出)を実行する。以下、図202及び図203を参照して、本実施形態のST表示制御について説明する。
[ST回数表示処理]
図202は、第3実施形態におけるST回数表示処理の手順を示すフローチャートである。ST回数表示処理は、液晶表示装置1900における表示に関し、周辺制御基板4010の周辺制御MPU4140aによって実行される演出制御処理(ステップS3102)の一つである。
周辺制御基板4010の周辺制御MPU414aは、まず、主制御基板4100から状態移行指示コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS3501)。ここで、状態移行指示コマンドとは、確率フラグ又は時短フラグの状態が変更になったときに主制御基板4100から周辺制御基板4010に送信されるコマンドである。状態移行指示コマンドは、大当りを契機に確変フラグや時短フラグがオン状態に設定された場合やST回数消化によって確変フラグや時短フラグがオフ状態に設定された場合に送信される。
そして、周辺制御MPU414aは、状態移行指示コマンドを受信した場合には(ステップS3501にてYES)、確変が付与されるか否かを判定する(ステップS3502)。すなわち、確変フラグがオン状態に設定される大当りを契機とした状態移行であるか否かを判定する。そして、確変が付与されない場合は(ステップS3502にてNO)、本処理を終了する。
一方、周辺制御MPU414aは、確変が付与される場合は(ステップS3502にてYES)、液晶表示装置1900にて付与されるST回数を所定数減算又は加算して表示する(ステップS3503)。後述の図203の例では、実際に付与されるST回数70回に対し所定数5回減算して65回と表示する。
また、周辺制御MPU414aは、状態移行指示コマンドを受信していない場合には(ステップS3501にてNO)、変動開始時に主制御基板4100から送信される変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS3504)。そして、変動パターンコマンドを受信した場合には(ステップS3504にてYES)、STカウンタ値が0より大か否かを判定する(ステップS3505)。なお、変動パターンコマンドの代わりに変動開始時に主制御基板4100から送信されるコマンドを適用してもよい。また、STカウンタ値は、主制御基板4100から送信されるコマンドに含まれる情報でもよいし、周辺制御基板4010側でモード移行後の変動回数を付与されたST回数から減算カウントするようにしてもよい。なお、変動パターンコマンドを受信していない場合(ステップS3504にてNO)又はSTカウンタ値が0である場合(ステップS3505にてNO)は、本処理を終了する。
周辺制御MPU414aは、STカウンタ値が0より大である、すなわち確変状態である場合は(ステップS3505にてYES)、液晶表示装置1900のSTカウンタ値を1減算表示する(ステップS3506)。その後、表示されているSTカウンタ値が第1規定数(ここでは5)に到達したか否かを判定する(ステップS3507)。ここで、STカウンタ値が第1規定数に到達していない場合(ステップS3507にてNO)は、本処理を終了し、第1規定数にSTカウンタ値が到達するまで減算表示を繰り返す。
そして、周辺制御MPU414aは、STカウンタ値が第1規定数(ここでは5)に到達した場合には(ステップS3507にてYES)、内部制御における実際のST回数と液晶表示装置1900に表示されるSTカウンタ値との整合性をとるべく調整演出を実行する(ステップS3508)。その後、本処理を終了する。調整演出とは、双方の値が0(ゼロ)となるタイミングを合わせるためSTカウンタ値の減算を加速したり、不足回数分を付与する演出である。
[ST表示制御のタイミングチャート]
図203は、第3実施形態の液晶表示装置におけるST表示制御について説明するタイミングチャートである。ここでは、ラッシュ準備モード中に発生した第1特別図柄の大当りを契機にラッシュモードに移行した場合を例に説明する。
まず、ラッシュ準備モード中に発生した第1特別図柄の大当り遊技終了時に確変フラグがオン状態に設定され、70回のST回数が付与される。このとき、主制御基板4100から周辺制御基板4010にラッシュモードに移行することを示す状態移行指示コマンドが送信される。そして、液晶表示装置1900では、状態移行指示コマンドに基づいて付与回数「70」から所定数「5」減算した回数「65」が付与されたように遊技者に報知表示される。ここでは、ラッシュモードが推奨する第2特別図柄の変動であって確変状態において実行可能な変動回数として65回を算出している。所定数「5」は第1特別図柄の変動回数分として差し引いた。
ラッシュモードに突入した直後はラッシュ準備モードで保留された第1特別図柄の変動も実行されることになる。このとき、ラッシュモードが推奨する第2特別図柄の変動の実行もあってST回数の消化は早いが、液晶表示装置1900に表示されるST回数が第1規定数「5」に到達すると調整演出が実行され、始めに差し引いた所定数「5」回分のST回数が追加で付与されたかのような演出が行われる。このように、ラッシュモードにおけるST回数の消化が終盤になったところで遊技者にST回数が追加されたと思わせることができるので、一連のラッシュモードの興趣低下を防止することができる。
なお、一例では、最初に表示されるST回数は実際に付与されるST回数よりも所定数減算して表示したが、加算してもよい。ラッシュ準備モードでは、第1始動口2101の特設入賞口2101bと第2始動口2102の構造配置関係から第2特別図柄の変動が定期的に発生し得る。そこで、前述の一例とは逆に、最初に実際に付与されるST回数よりも所定数(例えば「20」)加算した回数「90」が付与されたように液晶表示装置1900には表示する。そして、調整演出を行う契機とする規定数を複数設ける。例えば、第一規定数「70」、第2規定数「50」、第3規定数「20」に到達した際に所定の調整期間を設定し、この調整期間に1回の変動を複数回の変動に見せる演出(調整演出)を行う。このとき、変動1回あたりのST回数の減算数を変動させて、ST回数の消化が進むにつれ実際のST回数と表示回数との差分が徐々に小さくなるようにする。このような表示制御により、遊技者は多くのST回数がテンポよく消化されていると感じ、一連のラッシュ準備モードの興趣低下を防止することができる。
<ST表示制御の効果>
第3実施形態のST表示制御によれば、周辺制御基板4010は、主制御基板4100によって付与されたST回数とは異なる回数表示を液晶表示装置1900にて行う。そして、確変機能が付与された遊技モードが終了する際には整合性が合うように、該遊技モード中に調整演出(減算加速、回数付与等)を実行する。これにより、遊技モードにおけるST回数の消化演出が多様化し、遊技の興趣を高めることができる。そして、遊技モードにおいて推奨されない特別図柄の変動によってST回数が消化されてしまうことへの関心が薄れるので、遊技の興趣低下を抑制することができる。
(第4実施形態)
本発明のパチンコ機1は、前述したように第1特別図柄と第2特別図柄とを同時変動させうる制御構造を有する。第4実施形態では、先に発生した一方の変動の当りによって他方の変動が無抽選ではずれとなる無抽選期間を設ける基本制御パターン(第2実施形態)と、2つの変動のうち遊技者に有利な結果となる変動を優先して他方の変動を強制的にはずれとする優先制御パターン(第2実施形態)とを組み合わせた制御パターンを有する同時変動制御構造であって、一部の入賞領域(普図ゲート2301及び第一始動口2101の特設入賞口2101b)の配置が前述までの実施形態と異なる遊技領域(図204参照)を有する遊技機を例に、さらに遊技の興趣を高めることが可能な遊技制御及び演出制御について説明する。具体的に、遊技制御に関しては、高確率非時短状態(ラッシュモード)への移行契機に、第1大当りB(確変あり時短なし)の発生のみでなく、第1大当りA(確変あり時短あり)の複数回発生(時短リミット到達)も含める。また、演出制御に関しては、ラウンド遊技において、遊技者の嗜好を反映した演出を実行可能とする。
[遊技盤]
図204は、第4実施形態のパチンコ機における遊技盤の正面図である。前述の第1実施形態の遊技盤4(図114参照)及び第2実施形態の遊技盤4(図152参照)と共通する機能を有する部材については、同じ符号を付して説明を省略する。ここでは、第4実施形態の遊技盤4において特徴的な構成について説明する。
本実施形態では、センター役物2500の左側の遊技領域に普図ゲート2301が配設され、センター役物2500の下方領域に設けられる第1始動口2101の常時入賞口2101aの直下に第1始動口2101の特設入賞口2101bが配設される。なお、特設入賞口2101bを遊技球が入賞し易い状態(開状態)と遊技球が入賞できない状態(閉状態)とに変換する可動役物(普通電動役物)2111は、常設入賞口2101aの直下に設けられ、前述の第2実施形態と同様の機能を有する。したがって、遊技状態が高確率時短状態(ラッシュ準備モード)である場合は、遊技者に「左打ち」を促す。また、本実施形態のアタッカ装置2100は、前述の第2実施形態と同位置に配設されるコンビアタッカ装置(図153(A)参照)である。
このように、本実施形態の遊技盤4と前述の第1実施形態の遊技盤4(図114参照)及び第2実施形態の遊技盤4(図152参照)とは、普図ゲート2301と第1始動口2101の特設入賞口2101bとの配置が異なるので、高確率時短状態(ラッシュ準備モード)において遊技者が狙い打ちすべき遊技領域がセンター役物2500の左側の遊技領域となる点に違いがあるが、その他の遊技性(推奨する遊技モード遷移、遊技モードにおいて推奨する入賞口)は同じである。
[遊技概要]
図205は、第4実施形態の遊技状態(遊技モード)の遷移を示す図であり、図206は第4実施形態の第1特別図柄及び第2特別図柄の遊技スペックを示す各種テーブルの一例である。本実施形態の遊技モード遷移及び遊技スペックは、前述の第1実施形態の遊技モード遷移(図147参照)及び遊技スペック(図146参照)をベースとする。ここでは、前述の第1実施形態と異なる特徴について説明する。
図205に示すように、本実施形態の高確時短状態(ラッシュ準備モード)では、第1大当りBもしくは第1大当りA2の発生を契機に高確非時短状態(ラッシュモード)に移行可能であるとともに、第1大当りA(A1又はA2)の大当りの複数回発生を契機に高確非時短状態(ラッシュモード)に移行可能であることを特徴とする。詳細は後述するが、本実施形態の第1大当りAには、図柄A1と図柄A2の2種類が設けられている。低確率非時短状態(通常モード)における第1大当りA1及びA2は、共に確変機能と時短機能が付与されるが、高確率時短状態(ラッシュ準備モード)においては第1大当りA1のみに確変機能と時短機能が付与され、第1大当りA2には確変機能のみが付与され時短機能は付与されない。なお、高確率非時短状態(ラッシュ準備モード)では、第1大当りA1及びA2ともに確変機能のみ付与され、時短機能は付与されない。
本実施形態では、第1実施形態で前述したように、高確非時短状態(ラッシュモード)における第2特別図柄の遊技が賞球を獲得可能な特典遊技となるので、遊技者はラッシュモード突入を期待する。したがって、時短機能を作動させない大当り(通常モードにおける第1大当りB、ラッシュ準備モードにおける第1大当りA2/B)発生のみならず、その他の大当り(通常モードにおける第1大当りA、ラッシュ準備モードにおける第1大当りA1)の複数発生もラッシュモードへの移行契機とすることで、遊技者にとって有利なラッシュモードへの突入のチャンスが拡がり、遊技の興趣を高めることができる。
図206(C)に示すように、本実施形態は大当りスペックに特徴がある。前述したように、第1特別図柄抽選において第1大当りAには図柄A1と図柄A2の2種類が設けられている。図柄A1の大当り(第1大当りA1)はいずれの遊技状態においても当選した場合に時短機能が付与される点はこれまでの実施形態の第1大当りAと同じであるが、図柄A2の大当り(第1大当りA2)は低確率非時短状態における当選の場合のみ時短機能が付与される点に特徴がある。また、本実施形態では時短機能が作動する遊技状態(ラッシュ準備モード)において作動停止条件の一つとして時短リミット機能が設定されている。時短リミット機能は、時短機能の作動を継続する大当りが所定回数(3回)に到達した場合に時短機能の作動を停止する処理(後述の図211のステップS962の処理で「YES」)を実行するため機能であり、該所定回数を時短リミット回数とする。本実施形態の時短リミット回数は、時短状態(ラッシュ準備モード)突入契機となった第1大当りA(A1又はA2)も1回にカウントするようにしているが、これに限らない。
また、第1特別図柄抽選において第1大当りA1、第1大当りA2及び第1大当りBの振分率は、それぞれ25%、25%及び50%に設定されている。本実施形態では確率状態に応じて時短機能の作動可否が異なる第1大当りA2が設けられているので、確率状態に応じて各遊技モード突入確率が異なる。確率状態が通常状態(通常モード)である場合に高確率時短状態(ラッシュ準備モード)に突入する確率は50%であるが、突入後の高確率時短状態(ラッシュ準備モード)において再びラッシュ準備モードに突入する確率は25%となる。言い換えると、低確非時短状態(通常モード)における高確率非時短状態(ラッシュモード)突入確率は50%であり、ラッシュ準備モードにおけるラッシュモード突入確率は75%である。
なお、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選の全ての大当りは、100%の確率で大当り遊技終了後の遊技状態を確変状態に移行させ、該確変状態を大当り遊技後の特別図柄の変動回数が165回実行されるまで継続させる確変機能を付与可能に設けられる。
また、図206(E)に示すように、本実施形態では、遊技モードが通常モード及びラッシュ準備モードである場合には、第2特別図柄抽選の発生を抑制するため第2特別図柄の変動を600秒〜3300秒の長時間変動とする。
したがって、本実施形態では、通常遊技状態(通常モード)では、センター役物2500の左側の遊技領域1100を狙って遊技球を発射(いわゆる「左打ち」)することで、第1始動口2101の常時入賞口2101aに遊技球を入賞させることが遊技者にとって最善の遊技方法である。そこで、常時入賞口2101aへの遊技球の入賞に基づく第1特別図柄抽選の結果が第1大当りA(A1又はA2)となる場合に、遊技状態は確変機能及び時短機能が付与される高確時短遊技状態(ラッシュ準備モード)に移行する。高確時短遊技状態(ラッシュ準備モード)では、センター役物2500の左側の遊技領域1100を狙って遊技球を発射(いわゆる「左打ち」)することで、普図ゲート2301に遊技球を通過させて第1始動口2101の特設入賞口2101bへの入賞を狙うことが遊技者にとって最善の遊技方法である。また、常時入賞口2101a又は特設入賞口2101bへの遊技球の入賞に基づく第1特別図柄抽選の結果が第1大当りB又は第1大当りA2となる場合に、遊技状態は確変機能のみが付与される高確非時短遊技状態(ラッシュモード)に移行する。さらに、本実施形態には時短リミット機能が設けられているので、ラッシュ準備モード中にモード突入契機となった第1大当りA(A1又はA2)を含めて3回の第1大当りAが発生した場合にも、遊技状態が高確非時短遊技状態(ラッシュモード)に移行することになる。なお、高確非時短遊技状態(ラッシュモード)では、センター役物2500の右側の遊技領域1100を狙って遊技球を発射(いわゆる「右打ち」)することで、第2始動口2102への入賞を狙うことが遊技者にとって最善の遊技方法である。ラッシュモードにおいて発生する大当りはいずれもST回数を165回にリセットして現在の遊技状態(ラッシュモード)を継続する。ラッシュ準備モード及びラッシュモードにおいて新たな大当りが発生することなく165回の変動が終了した場合は、遊技状態が通常遊技状態(通常モード)に移行する。
[制御パターン]
図207は、第4実施形態の同時変動制御構造の制御パターンの概要を説明する図である。本実施形態では、前述の第2実施形態における基本制御パターンと優先制御パターンとを組み合わせた制御パターンが実行される。具体的には、先に発生した一方の変動の当りによって他方の変動が無抽選ではずれとなる無抽選期間を設ける基本制御パターン(第2実施形態、第3実施形態)と、2つの変動のうち遊技者に有利な結果となる変動を優先して他方の変動を強制的にはずれとする優先制御パターン(第2実施形態)との組み合わせである。
図207に示すように、先に発生した第1特別図柄の変動が大当りを導出する場合は、大当り判定と同じタイミングで第2特別図柄の強制はずれフラグをオン状態に設定する。これにより、第2特別図柄の変動が発生しても強制はずれフラグによって無抽選ではずれとなる。そして、第2特別図柄の変動は、第1特別図柄の変動停止タイミングではずれ停止する。
また、先に発生した第2特別図柄の変動が小当りを導出する場合は、当りであっても第1特別図柄の強制はずれフラグをオン状態に設定しない。後に第1特別図柄の変動が同時変動状態となる場合に優先判定処理が実行され、優先変動が決定する。ここで、第2特別図柄が変動中に大当りを導出する第1特別図柄の変動が開始されると、優先判定処理が行われて大当りを導出する第1特別図柄の変動が優先されることが決まる。これにより、第2特別図柄の強制はずれフラグがオン状態に設定される。そして、第2特別図柄の変動が終了するときに、強制はずれフラグによって小当り結果がはずれ結果に置き換えられて停止する。
<主制御>
続いて、図208A〜図214を参照して、第4実施形態の主制御MPU4100aが実行する特徴的な制御処理について説明する。なお、第4実施形態では、前述の第3実施形態と同様の状態移行制御を行う。具体的には、ST回数消化に伴う確変機能の停止タイミング(状態移行タイミング)を165回目の変動開始時に行う。また、第3実施形態の同時変動制御構造の制御パターンは、第2実施形態における基本制御パターンを採用している。以下では、前述の第3実施形態の処理をベースに変更部分について説明する。
なお、本実施形態では、第1特別図柄制御処理(図126)における各処理について、後述の第1変動開始処理(図208A及び図208B)、第1実施形態の第1変動パターン設定処理(図128)、後述の第1変動中処理(図210)、第1実施形態の第1大当り遊技開始処理(図130)、後述の第1大当り遊技処理(図211)、後述の第1連動設定処理(図213)が実行される。同様に、第2特別図柄制御処理(図134)における各処理について、後述の第2変動開始処理(図214A及び図214B)、第1実施形態の第2変動パターン設定処理(図136)、後述の第2変動中処理(図216)、第1実施形態の第2大当り遊技開始処理(図138)、後述の第2大当り遊技処理(図217)、第1実施形態の第2小当り遊技開始処理(図140)、第3実施形態の第2小当り遊技処理(図198)、後述の第2連動設定処理(図218)が実行される。
[第1変動開始処理]
図208A及び図208Bは、第4実施形態における第1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。なお、第3実施形態における第1変動開始処理(図193A及び図193B)と共通の処理については、同じ符号を付して記載を省略する。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS307aの当り判定処理とステップS308aの判定結果情報の設定処理との間で第1優先判定処理を実行する(ステップS341a)。第1優先判定処理では、ステップS307aの当り判定処理での判定結果と第2特別図柄側の遊技状況とから優先すべき特別図柄の変動を決定する処理が行われる。第1優先判定処理についての詳細は、図209にて後述する。なお、第3実施形態(図193A)ではステップS313a及びステップS314aの処理で当り判定の結果から第2特別図柄の強制はずれフラグの設定を行っていたが、本実施形態では第1優先判定処理(ステップS341a)にて行う。したがって、ステップS308aの処理後は、ステップS331a以降の処理に移行する。
また、主制御MPU4100aは、ステップS335aの処理の後、時短リミットのカウンタ値を0にリセットする処理を実行する(ステップS342a)。本実施形態は時短リミット機能が備えられており、時短リミットのカウンタは、大当り遊技終了時に実行される時短機能設定処理(ステップS762a)にてカウントアップされる。ステップS342aの処理は、ST回数の消化により時短機能の作動を停止させる場合に実行される。
[第1優先判定処理]
図209は、第4実施形態における第1優先判定処理の手順を示すフローチャートである。なお、第2実施形態の優先制御パターンにおける第1優先判定処理(図168)と共通の処理については、同じ符号を付して記載を省略する。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、前述の第1特別図柄の当り判定処理(ステップS307a)の判定結果が大当りであるか否かを判定する(ステップS371a)。そして、第1特別図柄の判定結果が大当りである場合には(ステップS371aにてYES)、第2特別図柄の強制はずれフラグをオンに設定して(ステップS372a)、本処理を終了する。
一方、主制御MPU4100aは、第1特別図柄の判定結果が大当りでない場合には(ステップS371aにてNO)、前述の第2実施形態と共通の処理(ステップS361a〜ステップS367a)を実行する。
このように、本実施形態では、前述の第1変動開始処理(図208A及び図208B)において第1特別図柄が無抽選ではずれとなる無抽選期間でない場合に(ステップS311aの処理にてNO)、第1優先判定処理が実行される。そして、第1優先判定処理(図209)では、第1特別図柄の変動が大当りとなる場合には、第2特別図柄が無抽選ではずれとなる無抽選期間が設定され、大当りとならない場合には、第2特別図柄が変動中である場合に遊技者に有利な結果となる変動を優先する処理が実行される。
[第1変動中処理]
図210は、第4実施形態における第1変動中処理の手順を示すフローチャートである。本実施形態の第1変動中処理は、第3実施形態における第1変動中処理(図194)をベースに第2実施形態の優先制御パターンにおける第1変動中処理(図169)のステップS551a及びS552aの処理が追加されたものである。本処理は、前述の第1変動中処理と共通の処理の組み合わせなので、同じ符号を付して記載を省略する。
[第1大当り遊技処理]
図211は、第4実施形態における第1大当り遊技処理の手順を示すフローチャートである。なお、第2実施形態の基本制御パターンにおける第1大当り遊技処理(図158)と共通の処理については、同じ符号を付して記載を省略する。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、大当り遊技を終了させるための各処理として、当該大当り遊技後の特別図柄抽選の大当り当選確率が高確率状態(確変状態)であることを示す確変フラグをオン状態に操作し、高確率状態とする特別図柄抽選の回数(ST回数)に165回をセットする(ステップS761a)。次に、従来の時短機能設定処理(図132)に時短リミット機能に関する制御を追加した時短機能設定処理を実行する(ステップS762a)。これらの処理が本実施形態特有の構成である。なお、時短機能設定処理についての詳細は、図212にて後述する。
[時短機能設定処理]
図212は、第4実施形態における時短機能設定処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1実施形態における時短機能設定処理(図132)と共通の処理については、同じ符号を付して記載を省略する。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、今回の大当りが時短機能を作動させる大当り(第1大当りA)であって(ステップS751にてYES)、現在(大当り判定時)の遊技モードがラッシュモードでない場合に(ステップS752にてNO)、時短機能を作動させて遊技状態を時短状態にするので、まず、時短リミットのカウンタ値を1加算更新する(ステップS761)。そして、時短リミットのカウンタ値が3(時短リミット回数)に到達したか否かを判定する(ステップS762)。そして、カウンタ値が3に到達していない場合には(ステップS762にてNO)、時短フラグをオン状態に操作して時短機能を作動させる(ステップS753)。その後、本処理を終了する。
これにより、時短機能を作動させている時短状態(ラッシュ準備モード)において連続で第1大当りA1が発生する度に時短リミットのカウンタ値が増える。すなわち、前述のステップS761の処理は、第1大当りA1の発生回数を計数する回数計数手段である。そして、主制御MPU4100aは、カウンタ値が3(時短リミット回数)に到達した場合には(ステップS762にてYES)、今回の大当りが第1大当りA1であっても時短リミット回数到達を契機に時短機能を作動させないことで遊技状態を高確非時短状態(ラッシュモード)に移行することが可能になる。
なお、主制御MPU4100aは、今回の大当りを契機に時短機能を作動させない場合に(ステップS751にてNO、ステップS752にてYES、ステップS762にてYES)、時短リミットのカウンタ値を0にリセットして(ステップS763)、本処理を終了する。このように、時短機能を作動させない大当り(第1大当りA1以外の大当り、例えば後述の変形例2の第1大当りX)が発生した場合にはこれまで計数していた時短リミットのカウント値が0にリセットされる(回数計数手段の初期化)。ラッシュ準備モードにおけるステップS751にてNOの判定を経て実行されるステップS763の処理(移行阻害手段)は、ラッシュ準備モードからラッシュモードへの移行を阻害することになり、発生する大当り種類も重要になることから遊技の興趣が高まる。
[第1連動設定処理]
図213は、第4実施形態における第1連動設定処理の手順を示すフローチャートである。本実施形態の第1連動設定処理は、第3実施形態における第1連動設定処理(図195)をベースに第2実施形態の優先制御パターンにおける第1連動設定処理(図170)のステップS1111a及びS1112aの処理が追加されたものである。本処理は、前述の第1連動設定処理と共通の処理の組み合わせなので、同じ符号を付して記載を省略する。
[第2変動開始処理]
図214A及び図214Bは、第4実施形態における第2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。なお、第3実施形態における第2変動開始処理(図196A及び図196B)と共通の処理については、同じ符号を付して記載を省略する。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS307bの当り判定処理とステップS308bの判定結果情報の設定処理との間で第2優先判定処理を実行する(ステップS341b)。第2優先判定処理では、ステップS307bの当り判定処理での判定結果と第1特別図柄側の遊技状況とから優先すべき特別図柄の変動を決定する処理が行われる。第2優先判定処理についての詳細は、図215にて後述する。なお、第3実施形態(図196A)ではステップS313b及びステップS314bの処理で当り判定の結果から第1特別図柄の強制はずれフラグの設定を行っていたが、本実施形態では第2優先判定処理(ステップS341b)にて行う。したがって、ステップS308bの処理後は、ステップS331b以降の処理に移行する。
また、主制御MPU4100aは、ステップS335bの処理の後、時短リミットのカウンタ値を0にリセットする処理を実行する(ステップS342b)。本実施形態は時短リミット機能が備えられており、時短リミットのカウンタは、大当り遊技終了時に実行される時短機能設定処理(ステップS762b)にてカウントアップされる。ステップS342bの処理は、ST回数の消化により時短機能の作動を停止させる場合に実行される。
[第2優先判定処理]
図215は、第4実施形態における第2優先判定処理の手順を示すフローチャートである。なお、第2実施形態の優先制御パターンにおける第2優先判定処理(図172)と共通の処理については、同じ符号を付して記載を省略する。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、前述の第2特別図柄の当り判定処理(ステップS307b)の判定結果が大当りであるか否かを判定する(ステップS371b)。そして、第2特別図柄の判定結果が大当りである場合には(ステップS371bにてYES)、第1特別図柄の強制はずれフラグをオンに設定して(ステップS372b)、本処理を終了する。
一方、主制御MPU4100aは、第2特別図柄の判定結果が大当りでない場合には(ステップS371bにてNO)、前述の第2実施形態と共通の処理(ステップS361b〜ステップS367b)を実行する。
このように、本実施形態では、前述の第2変動開始処理(図214A及び図214B)において第2特別図柄が無抽選ではずれとなる無抽選期間ではない場合に(ステップS311bの処理にてNO)、第2優先判定処理が実行される。そして、第2優先判定処理(図215)では、第2特別図柄の変動が大当りとなる場合には、第1特別図柄が無抽選ではずれとなる無抽選期間が設定され、大当りとならない場合には、第1特別図柄が変動中である場合に遊技者に有利な結果となる変動を優先する処理が実行される。
[第2変動中処理]
図216は、第4実施形態における第2変動中処理の手順を示すフローチャートである。本実施形態の第2変動中処理は、第3実施形態における第2変動中処理(図197)をベースに第2実施形態の優先制御パターンにおける第2変動中処理(図173)のステップS551b及びS552bの処理が追加されたものである。本処理は、前述の第2変動中処理と共通の処理の組み合わせなので、同じ符号を付して記載を省略する。
[第2大当り遊技処理]
図217は、第4実施形態における第2大当り遊技処理の手順を示すフローチャートである。なお、第2実施形態の基本制御パターンにおける第2大当り遊技処理(図161)と共通の処理については、同じ符号を付して記載を省略する。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、大当り遊技を終了させるための各処理として、当該大当り遊技後の特別図柄抽選の大当り当選確率が高確率状態(確変状態)であることを示す確変フラグをオン状態に操作し、高確率状態とする特別図柄抽選の回数(ST回数)に165回をセットする(ステップS761b)。次に、従来の時短機能設定処理(図132)に時短リミット機能に関する制御を追加した時短機能設定処理を実行する(ステップS762b)。これらの処理が本実施形態特有の構成である。なお、時短機能設定処理についての詳細は、図212にて述べたとおりである。
[第2連動設定処理]
図218は、第4実施形態における第2連動設定処理の手順を示すフローチャートである。本実施形態の第2連動設定処理は、第3実施形態における第2連動設定処理(図199)をベースに第2実施形態の優先制御パターンにおける第2連動設定処理(図174)のステップS1111b及びS1112bの処理が追加されたものである。本処理は、前述の第2連動設定処理と共通の処理の組み合わせなので、同じ符号を付して記載を省略する。
<演出制御>
[ラウンド演出設定処理]
続いて、図219及び図220を参照して、第4実施形態における演出制御について説明する。本実施形態では、大当り遊技において遊技者の嗜好に応じた演出を提供可能とする。図219は、第4実施形態におけるラウンド演出設定処理の手順を示すフローチャートである。ラウンド演出設定処理は、周辺制御基板4010の周辺制御MPU4140aによって実行される演出制御処理(ステップS3102)や音制御処理(ステップS3103)の一つである。また、図220は、大当り遊技における演出遷移の一例を示す図である。
周辺制御MPU4140aは、まず、主制御基板4100から大当り開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS3601)。大当り開始コマンドは、前述の第1大当り遊技処理(図211のステップS704a)又は第2大当り遊技処理(図217のステップS704b)において大当りの種類に応じたラウンド数、大入賞口の開放時間、最大入賞数等の情報を含むよう設定される。そして、大当り開始コマンドを受信していない場合には(ステップS3601にてNO)、後述のステップS3604の処理に移行する。本処理では、まず、ステップS3601〜S3603の処理で1ラウンド目の遊技演出(初期演出)の設定を行う。
周辺制御MPU4140aは、大当り開始コマンドを受信した場合には(ステップS3601にてYES)、これまでの遊技情報(大当りの連荘回数、前回選択した曲目等)に基づいて大当り遊技の初期演出を設定する(ステップS3602)。大当り遊技は、大入賞口2103の開閉パターンの繰り返し回数(ラウンド数)に対応する複数のラウンド遊技からなる。本実施形態では、初期演出とは、1ラウンド目のラウンド遊技における演出(液晶表示装置1900の表示内容、各スピーカ130,222,262,821等から出力される歌)である。
そして、周辺制御MPU4140aは、遊技者が操作手段を操作することによって演出を選択可能とする選択操作受付期間を設定し(ステップS3603)、本処理を終了する。ここで、1ラウンド目のラウンド遊技(初期演出)において選択操作受付期間が設定され、このとき図220(A)に示すように液晶表示装置1900には、遊技者に選択操作を促す表示が行われる。具体的には、遊技者がダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで2ラウンド目以降のラウンド遊技で流す歌(曲A又は曲B)を選択可能であることを報知する。1ラウンド目のラウンド遊技では、曲Aが流れ、曲Aをイメージした表示(夜の海)が画面表示されている。
次に、周辺制御MPU4140aは、大当り開始コマンドを受信しなかった場合には(ステップS3601にてNO)、前述のステップS3603の処理で設定された選択操作受付期間であるか否かを判定する(ステップS3604)。そして、選択操作受付期間でない場合には(ステップS3604にてNO)、本処理を終了する。一方、選択操作受付期間である場合には(ステップS3604にてYES)、ステップS3605以降の処理で2ラウンド目以降の遊技演出(後続演出)の設定を行う。
そして、周辺制御MPU4140aは、選択操作受付期間中に有効な操作入力があったか否かを判定する(ステップS3605)。ここでは、1ラウンド目のラウンド遊技において遊技者が歌を選択可能な選択操作受付期間中に検出されるダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作入力を有効な操作入力とする。
そして、周辺制御MPU4140aは、有効な操作入力があった場合には(ステップS3605にてYES)、操作入力に基づく演出を選択し(ステップS3606)、選択した演出は初期演出と同じであるか否かを判定する(ステップS3607)。具体的には、1ラウンド目のラウンド遊技で流している歌(曲A)と、遊技者が2ラウンド目以降のラウンド遊技で流す歌として選択した歌(曲A又は曲B)とが同一であるか否かを判定する。
周辺制御MPU4140aは、選択した演出と初期演出が同じである場合には(ステップS3607にてYES)、2ラウンド目以降の後続演出として初期演出の継続を設定する(ステップS3608)。その後、本処理を終了する。具体的には、図220(B1)に示すように、1ラウンド目のラウンド遊技で流している歌(曲A)及び表示パターン(夜の海)を2ラウンド目のラウンド遊技も継続する。歌を冒頭に戻すことなく初期演出に要する時間(所定時間)経過した位置からの歌の続きを2ラウンド目に流すことで、違和感ない演出を提供することができる。
一方、周辺制御MPU4140aは、選択した演出と初期演出が同じでない場合には(ステップS3607にてNO)、2ラウンド目以降の演出として選択した演出を冒頭から開始する設定を行う(ステップS3609)。その後、本処理を終了する。具体的には、図220(B2)に示すように、2ラウンド目のラウンド遊技では、新たに歌(曲B)を曲の冒頭部分から流し、曲Bをイメージした表示(晴れ空)に画面表示が切り替えられる。
なお、周辺制御MPU4140aは、有効な操作入力がなかった場合には(ステップS3605にてNO)、2ラウンド目以降の後続演出として1ラウンド目のラウンド遊技(初期演出)で流している歌を曲の冒頭から流す、すなわち初期演出を繰り返す設定を行い(ステップS3610)、本処理を終了する。なお、後続演出として初期演出で歌の演出を終了する設定を行ってもよい。また、ステップS3610の処理として、ステップS3608の処理と同様に1ラウンド目のラウンド遊技における初期演出をそのまま継続するようにしてもよい。
このように、ラウンド遊技において、遊技者の嗜好を反映した演出を実行可能とすることで、大入賞口2103への遊技球の入賞にしか向かなかった関心を演出にも向けることができ、遊技の興趣を高めることができる。また、ラウンド遊技における初期演出はそれまでの遊技情報に基づき設定されるので、より遊技の興趣を高めることができる。さらに、初期演出時の演出と同じ演出を遊技者が選択した場合には、2ラウンド目以降も当該演出を継続して実行する。嗜好に合っているからと遊技者が初期演出と同じ演出を選択したにもかかわらず、1ラウンド終了時に演出が一旦停止して2ラウンド開始時に演出の冒頭から再び繰り返されると、遊技者に違和感を与えたり、リズムの乱れから遊技者が気分を害したりする虞がある。ここでは1ラウンド目に実行していた演出をそのまま継続することで、違和感やリズムの乱れを抑えることが可能である。
(第4実施形態の効果)
第4実施形態によれば、低確率非時短状態(通常モード)及び高確率時短状態(ラッシュ準備モード)において、確変機能及び時短機能が付与される第1大当りを契機に高確率時短状態(ラッシュ準備モード)に移行し、確変機能は付与されるが時短機能は付与されない第1大当りを契機にラッシュ準備モードよりも遊技者にとって有利な高確率非時短状態(ラッシュモード、特定モード)に移行することが可能な遊技機において、確変機能及び時短機能が付与される第1大当りの複数回発生(時短リミット到達)もラッシュモードへの移行契機とする。このような第1大当りの発生によってラッシュモードへの移行期待値を上げることができるので、1回の発生でラッシュモードに直接移行する第1大当りに当選しなかったことによる遊技者の落胆を軽減することができる。また、ラッシュモードへの移行手段が増えるので、遊技の興趣を高めることができる。
ここで、通常モードから時短機能が作動するラッシュ準備モードに突入すると時短リミット発動状態となる。時短リミット発動状態では、ラッシュ準備モードへの突入契機となった第1大当りA(A1又はA2)を1回とカウントし、当該ラッシュ準備モード中に発生する第1大当りA1を加算カウントする。そして、カウンタ値が既定の時短リミット回数(3)に到達した場合に、ラッシュモードに突入する。このとき、確変機能及び時短機能が付与される第1大当りの発生回数(カウンタ値)に応じて大当り時のラッシュモード突入確率が異なる。具体的には、図206(C)に示すように1回目は通常モードなので50%、2回目はラッシュ準備モード中なので75%、3回目は時短リミット回数到達により100%のラッシュモード突入確率となる。さらに、確変機能及び時短機能を付与される第1大当りの発生回数が増えれば時短リミット回数に近づくので、大当り発生都度におけるラッシュモード突入確率とともにラッシュモード突入期待値が上がる。このように、確変機能及び時短機能を付与される第1大当りが発生回数を重ねるごとにラッシュモードへの突入確率及び突入期待値が高くなるので、遊技者の遊技継続意欲及び遊技の興趣を高めることができる。
また、ラッシュモードに一旦突入すれば、いずれの大当りもラッシュモードを継続させるもの(確変機能あり時短機能なし)となり、ST回数が消化されるまで(所定条件が成立するまで)ラッシュモードを繰り返す。ラッシュ準備モードのように時短リミット回数の到達によってモードが終了してしまうことがない。これにより、ラッシュモードに突入すれば一定の遊技価値(賞球獲得機会)を提供することができるので、よりラッシュモードの価値(有利度合い)を高めることができる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
また、本実施形態によれば、ラウンド遊技において、1R目にそれまでの遊技情報に基づいた初期演出が実行され、2R目以降に遊技者の趣向を反映した演出を実行可能とすることで、大入賞口2103への遊技球の入賞にしか向かなかった関心を演出にも向けることができ、遊技の興趣を高めることができる。さらに、初期演出と同じ演出を遊技者が選択した場合には2ラウンド目以降も当該初期演出を継続するので、演出の切り替えによる違和感やリズムの乱れを遊技者に与えてしまうことを回避することができる。
(変形例1)
前述の第4実施形態では、時短リミット発動状態において確変機能及び時短機能が付与される第1大当り(時短大当り)が発生回数を重ねるごとにラッシュモードへの突入確率が高くなっていた。これに対し、変形例1では、時短大当り発生1回目のほうが2回目よりも圧倒的にラッシュモードへの突入確率が高くなるように設定した。以下、図221を参照して、変形例1について説明する。
図221は、第4実施形態の変形例1の特徴的な遊技スペックについて説明する図である。図221(A)は、第4実施形態の時短リミット発動状態におけるモード振分率の変移を示すテーブルであり、図221(B)は、変形例1の時短リミット発動状態におけるモード振分率の変移を示すテーブルであり、図221(C)は、変形例1の普通図柄の当選確率を示すテーブルの一例である。
図221(A)に示すように、前述の第4実施形態では、時短大当りの発生回数(カウンタ値)の増加に応じて大当り時のラッシュモード突入確率が高くなる。これに対し、図221(B)に示すように、変形例1では、1回目の時短大当り発生時(通常モードからラッシュ準備モード突入時)のラッシュモード突入確率が50%であるのに対し、2回目の時短大当り発生時のラッシュモード突入確率は1%である。このように通常モードにおける第1大当りB(確変機能は付与されるが時短機能は付与されない大当り、時短なし大当り)の振分率を50%とし、ラッシュ準備モードにおける第1大当りB及び第1大当りA2(時短なし大当り)の振分率を1%とすることで、通常モードにおいて初回に第1大当りBに当選することに重きをおくゲーム性とする。通常モードでの初回大当りが第1大当りBでなければラッシュ準備モードで時短なし大当りの発生はほぼ期待できず、ラッシュモード突入には時短リミット回数到達を狙うしかない。なお、変形例1では時短リミット回数を3に設定しているので、3回目の時短大当り発生時は100%の確率でラッシュ準備モードからラッシュモードに突入する。
また、図221(C)に示すように、変形例1の普通図柄抽選は、遊技者に非時短状態と時短状態との区別がつかないように双方の確率が設定される。具体的には、時短機能が付与されない非時短状態である場合に1/200の確率で普図当りに当選する。また、時短機能が付与される時短状態である場合に1/199の確率で普図当りに当選する。このように時短状態を非時短状態と区別がつかない程度の状態(微時短状態)とする。
(変形例1の効果)
第4実施形態の変形例1によれば、通常モードでの初回大当りが第1大当りBでなければラッシュ準備モードで第1大当りB及び第1大当りA2(時短なし大当り)発生はほぼ期待できず、ラッシュモード突入には時短リミット回数到達を狙うしかないので、ラッシュモード突入の可能性に強弱をつけた遊技性を提供することができる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
また、変形例1の時短状態を非時短状態と区別がつかない程度の微時短状態に設定することで、出玉調整が容易になる。また、時短リミット機能が発動する時短状態(ラッシュ準備モード)における大当りが時短ありか否かを遊技者が区別できないようにすることで、遊技者に時短リミット回数を意識させすぎない。時短リミット回数にあと何回で達成するかに関心が集中してしまわないように微時短状態を設けることで、時短状態(ラッシュ準備モード)において前述のラウンド演出等を含む遊技全般に遊技者の関心を向けさせることができる。
(変形例2)
前述の第4実施形態では、全ての大当りにST回数(165回)の確変機能が付与されており、ST回数の消化を契機に通常モードに移行している。これに対し、変形例2では、確変機能や時短機能が付与されない通常大当り(第1大当りX)を有し、当該通常大当りの当選を契機とした通常モードへの移行が生じるように設定した。以下、図222及び図223を参照して、変形例2について説明する。
図222は、第4実施形態の変形例2の特徴的な遊技スペックについて説明する図である。図222(A)に示すように、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選において図柄Xの大当り(第1大当りX、第2大当りX)に当選した場合には、確変機能及び時短機能が付与されない「通常時短なし」大当りとなる。第4実施形態からは、大当り種類の振分率が変更になっている。第1特別図柄抽選における図柄A1、図柄A2、図柄B及び図柄Xの大当り振分率は、順に20%、44%、18%及び18%である。第2特別図柄抽選における図柄A、図柄B及び図柄Xの大当り振分率は、順に62%、20%及び18%である。ここでも第1特別図柄抽選における図柄A2の大当りは確率状態に応じて時短機能の付与/不付与が異なり、確率状態が通常状態(通常モード)である場合には時短機能が付与され、確率状態が高確率状態(ラッシュ準備モード、ラッシュモード)である場合には時短機能が付与されない。
したがって、図222(B)に示すように、1回目の時短大当り(第1大当りA1又はA2)発生時(通常モードからラッシュ準備モード突入時)のラッシュモード突入確率が18%であるのに対し、2回目の時短大当り(第1大当りA1)発生時のラッシュモード突入確率は62%である。ここで、変形例2では、常に18%の確率で通常モードに移行する可能性があることから、時短リミット回数到達の3回目の時短大当り(第1大当りA1)発生時のラッシュモード突入確率は82%である。
続いて、図223は、第4実施形態の変形例2の遊技状態(遊技モード)の遷移を示す図である。ここでは、第4実施形態(図205)と異なる点について説明する。変形例2では、確変機能及び時短機能が付与されない第1/第2大当りXが設けられ、これらの機能が付与される場合は次回の大当りまで有効であることを特徴とする。したがって、通常モードにおいて第1特別図柄抽選に大当り当選しても18%の確率で第1大当りXとなり、モード移行が発生しないケースが生じる。また、前述の第4実施形態ではラッシュ準備モード及びラッシュモードから通常モードへのモード移行はST回数の消化を契機としていたが、変形例2では第1/第2大当りXの発生を契機に通常モードに移行する。
(変形例2の効果)
第4実施形態の変形例2によれば、ラッシュモードやラッシュ準備モードにおいて第1/第2大当りX(通常時短なし)が発生した場合に通常モードに移行する。また、第1/第2大当りX大当り振分率は、どの遊技モードにおいても一律18%である。したがって、ラッシュモードやラッシュ準備モードに突入しても常に通常モードに移行する可能性が生じるので、モード突入直後の変動に対してモードが維持されるか否かのドキドキ感を与えることができる。このように遊技モードの移行機会が増えることによって、さらに遊技の興趣を高めることができる。
また、ラッシュ準備モード中に発生する第1大当りA1を加算カウントしても、時短リミット回数に到達するまでに第1大当りXが発生した場合は、これまで計数していたカウントがリセットされてしまい、ラッシュモードへの移行チャンスが遠のく。このように、時短リミット発動状態での大当りは時短機能が作動するか否かも重要となり、多様な遊技パターンが生まれるので、ラッシュ準備モードの遊技興趣を高めることができる
(第5実施形態)
本発明の遊技機は、一般的に遊技者に有利とされる時短機能を作動させないことで、時短機能を作動させる遊技状態(高確率時短状態、ラッシュ準備モード)よりも遊技者に有利な遊技状態(高確率非時短状態、ラッシュモード)を提供することを特徴とする。前述までの実施形態では、特別図柄抽選の大当りで時短機能(時短回数)が付与される場合に、時短回数と同じ回数(ST回数)の確変機能が付与されている。そして、高確率非時短状態(ラッシュモード)への移行契機は、第1実施形態〜第3実施形態では第1大当りB(確変あり時短なし)の発生のみであったが、第4実施形態では高確率時短状態における第1大当りA(確変あり時短あり)の複数回発生(時短リミット到達)も含める。このように遊技者に有利な遊技状態(高確率非時短状態)への移行契機となる機会を増やすことで、遊技の興趣を高めている。そこで、第5実施形態では、図224〜図231を参照して、高確率非時短状態への移行に関してさらに遊技の興趣を高めることが可能な遊技制御及び演出制御について説明する。
[遊技盤構成]
まず、第5実施形態の遊技盤は、前述の遊技盤と同様に、普通電動役物が第1特別図柄に対応する入賞口に設けられ、低確率非時短状態(通常モード)及び高確率時短状態(ラッシュ準備モード)では第1特別図柄側の遊技が中心となり、高確率非時短状態(ラッシュモード)では第2特別図柄側の遊技が中心となるように遊技者の打ち込み操作や遊技者が狙い打つ入賞口を誘導可能な構成であればよい。また、第2始動口と大入賞口とは同じ打ち込み操作方向となるように配設される。
[当りスペック]
次に、図224〜図226を参照して、本実施形態の当りスペックについて説明する。図224は、第5実施形態の特別図柄抽選及び普通図柄抽選の当選確率を示すテーブルである。図225は、第5実施形態の第1特別図柄の当り種類と振分率を示すテーブルである。図226は、第5実施形態の第2特別図柄の当り種類と振分率を示すテーブルである。
図224(A)は、第1特別図柄抽選の当り判定テーブルの一例である。第1特別図柄抽選では、当り当選確率が低確率状態(通常状態)である場合に5/399の確率で大当りに当選する。また、当り当選確率が通常状態よりも高く設定される高確率状態(確変状態)である場合に7/399の確率で大当りに当選する。また、本実施形態では第1特別図柄抽選でも小当りが設けられており、5/399の確率で小当りに当選する。
図224(B)は、第2特別図柄抽選の当り判定テーブルの一例である。第2特別図柄抽選では、第1特別図柄抽選と同様に、当り当選確率が低確率状態(通常状態)、高確率状態(確変状態)である場合に、それぞれ5/399、7/399の確率で大当りに当選する。また、390/399の確率で小当りに当選する。
図224(C)は、普通図柄の当選確率を示すテーブルの一例である。普通図柄抽選では、時短機能が付与されない非時短状態である場合に1/200の確率で普図当りに当選する。また、時短機能が付与される時短状態である場合に1/199の確率で普図当りに当選する。本実施形態では、遊技者に非時短状態と時短状態との区別がつかないように双方の確率が設定される。
図225(A)〜(C)に示すように、第1特別図柄の当りは8種類の大当りと1種類の小当りとで構成され、各大当りは遊技状態に応じて時短機能の付与対象となる変動回数(時短回数)が異なる。なお、全ての大当りがST回数128回の確変機能を付与する。
第1特別図柄の大当りには、大入賞口2103の開放態様として開放パターンAと開放パターンBとが設けられている。図柄A〜Eの6種類の大当りは開放パターンAとなる。図柄A〜Eの大当りは、それぞれに時短回数が設定されている。図225(A)に示すように、遊技状態が低確率非時短状態である場合には、図柄Aの大当り(第1大当りA)はST回数と同じ128回の時短回数を付与する。すなわち、低確率非時短状態で発生する第1大当りAは、変動上限128回の高確率時短状態を提供可能である。また、図柄B〜Eの大当り(第1大当りB〜E)はST回数よりも少ない時短回数、それぞれ118回、64回、32回、16回を付与する。すなわち、低確率非時短状態で発生する第1大当りB〜Eは、時短回数分の高確率時短状態とST回数から時短回数を減算した回数分の高確率非時短状態とを提供可能である。また、開放パターンBとなる図柄Fの大当り(第1大当りF)は時短機能を付与しない(時短回数0回である)。第1大当りFは、発生時の遊技状態に影響されない。すなわち、第1大当りFは、いずれの遊技状態で発生してもST回数分の高確率非時短状態を提供可能である。なお、第1特別図柄抽選で第1大当りA〜Fに当選する確率(振分率)は、それぞれ5%、20%、35%、25%、10%、5%に設定される。
第1特別図柄の小当りは、いずれの遊技状態においても1種類であり、100%の振分率で図柄Gの小当り(第1小当りG)となる。なお、小当りは状態移行を伴わない当りなので確変機能及び時短機能は作動しない。また、大入賞口2103の開放態様は、開放パターンAである。
本実施形態では、第1小当りGの開放パターンを第1大当りA〜Eと同じ開放パターンAとし、さらに時短状態と非時短上体との区別がつかないように普図当選確率を設定することで、当りを契機に遊技状態が状態移行したか否かを遊技者に悟られないようにしている。
図225(B)に示すように、遊技状態が高確率時短状態である場合には、第1大当りA〜Cが付与する時短回数が、遊技状態が低確率非時短状態である場合に付与する時短回数と異なる。具体的には、第1大当りA〜Cは、それぞれ0回、16回、32回の時短回数を付与する。すなわち、高確率時短状態で発生する第1大当りAは、ST回数分の高確率非時短状態を提供する。また、高確率時短状態で発生する第1大当りB及びCは、遊技状態が低確率非時短状態で発生する場合よりも少ない時短回数分の高確率時短状態を経て高確率非時短状態に移行させることが可能である。
図225(C)に示すように、遊技状態が高確率非時短状態である場合には、第1大当りA〜Eが付与する時短回数が0回に設定される。すなわち、高確率非時短状態で発生する第1大当りA〜Fは、いずれも遊技状態を状態移行させることなく新たにST回数分の高確率非時短状態を提供する。
図226(A)〜(C)に示すように、第2特別図柄の当りは2種類の大当りと1種類の小当りとで構成される。ここで、第2特別図柄の小当りは、第1特別図柄の小当りGと同じ図柄及び開放パターンである。また、全ての大当りにST回数128回の確変機能が付与される。
第2特別図柄の大当りには、開放パターンBの図柄Aの大当り(第2大当りA)と開放パターンCの図柄Bの大当り(第2大当りB)とが設けられている。第2大当りA及びBは、ともにST回数128回の確変機能を付与する。そして、図226(A)及び(B)に示すように、遊技状態が低確率非時短状態及び高確率時短状態である場合には、第2大当りA及びBは、ST回数と同じ128回の時短回数を付与する、すなわち変動上限128回の高確率時短状態を提供可能である。また、図226(C)に示すように、遊技状態が高確率時短状態である場合には、第2大当りA及びBは時短機能を付与しない。すなわち、高確率非時短状態で発生する第2大当りA及びBは、いずれも遊技状態を状態移行させることなく新たにST回数分の高確率非時短状態を提供する。なお、第2特別図柄抽選で第2大当りAに当選する確率(振分率)は40%であり、第2大当りBに当選する確率は60%である。
なお、本実施形態においても前述のように低確率非時短状態及び高確率時短状態における第2特別図柄の変動時間は長時間(600秒以上)に設定されるので、これらの遊技状態で第2特別図柄抽選の当りが発生する確率は相当低い。仮に当りが発生してもST回数と同じ回数の時短回数が付与されるので、該当りを契機に遊技者にとって最も有利な高確率非時短状態(ラッシュモード)に移行することはない。
ここで、本実施形態の大入賞口2103の開放態様には3種類の開放パターンA〜Cが設けられている。第1大当りA〜Eだけでなく第1小当りG及び第2小当りGの開放態様にも適用される開放パターンAは、前述の第1実施形態の第2小当りCの開放パターンE(図146(D))と同様である。開放パターンAは、1回の開放時間が短く、偶発的な入賞によって賞球獲得可能に設けられる。具体的には、大入賞口2103に約1〜2球程度の遊技球が入賞した場合は、約15〜30球の賞球が獲得可能となる開放態様である。これに対し、第1大当りF及び第2大当りAの開放パターンBと、第2大当りBの開放パターンCとは、大入賞口2103の開放時間が長く、遊技者が十分な賞球を獲得できるように設定される。具体的には、開放パターンBは約500球の賞球を獲得可能であり、開放パターンCは約2000球の賞球を獲得可能になる開放態様である。
[演出モード遷移]
図227は、第5実施形態における演出モード遷移について説明する図である。
本実施形態は、前述の実施形態と同様に、高確率非時短状態(ラッシュモード)が遊技者にとって最も有利な遊技状態としている。そして、ラッシュモードへの移行契機として、高確率時短状態(ラッシュ準備モード)における所定変動回数達成(時短回数消化)を設定している。ラッシュ準備モードでは大当りを介さずに遊技状態の移行が可能であるので、ラッシュ準備モードへの移行契機となる各大当りには、ST回数に応じた演出モードが設定されている。以下、図227(A)及び(B)を参照して、低確率非時短状態(通常モード)で発生可能な第1特別図柄の当りを例に、対応する演出モード遷移について説明する。
図227(A)は、通常モードでの第1当りの演出モード設定テーブルである。演出モード設定テーブルには、各当り(図225(A))に対し、当該当り発生後の遊技状態における変動回数に応じて演出モードが設定される。
具体的に、通常モードで発生する第1大当りB〜Eは、時短回数消化を契機にラッシュ準備モードからラッシュモードに移行可能である。したがって、これら大当り遊技後の遊技状態(ラッシュ準備モード)では、ラッシュモード移行の可能性を示唆する前兆演出モードが設定される。前兆演出モードは、時短機能が作動している間の変動で実行されるので、大当り種類毎に期間が異なる。なお、前兆演出モードが適用される時短回数は最大64回までである。また、前兆演出モードでは、いずれかの大当りで付与される時短回数(16、32、64)に到達するタイミングで時短機能が解除されるか否かの時短解除演出が実行される。
ここで、第1大当りBのように前兆演出モードが終了しても時短機能が作動し続ける場合には、時短回数が消化されるまでリベンジ演出モードとなる。リベンジ演出モードは、変動回数65回以降のラッシュ準備モードでの遊技に設定され、低確率非時短状態(通常モード)よりは遊技者にとって有利な遊技状態であることを示唆する演出モードである。
また、第1大当りBは、ST回数の残り10回が高確率非時短状態となる。そこで、残り10回変動分の高確率非時短状態(ラッシュモード)では、この間に大当りに当選することができればいずれの大当りであってもラッシュモードを継続させることができることを示唆するチャンス演出モードが設定される。また、このとき遊技者は「右打ち」して第2始動口2012への遊技球の入賞を狙う。第2特別図柄抽選では大当りに当選しなくても高い確率(390/399)で小当りに当選するので、この間に第2小当りGによる賞球を獲得可能な短期間(ST10回分)のボーナス期間が付与されたことをチャンス演出モードで示唆してもよい。
第1大当りC〜Eは、いずれも時短回数が64回以内に設定されるので前兆演出モードのみの設定となる。そして、前兆演出モード中に新たな大当りが発生することなく時短終了となった場合には、続くラッシュモードの初回変動においてバトルリーチ勝利演出が実行される。バトルリーチ勝利演出についての詳細は、後述する。
なお、第1大当りAは、ST回数(128回)と同じ回数の時短回数なので、時短回数消化を契機にラッシュ準備モードから通常モードに移行する。そこで、第1大当りAを契機とするラッシュ準備モードでは、時短回数消化を契機にラッシュモードに移行することはないがその可能性を期待させるガセ前兆演出モード(1回〜64回変動まで)が設定される。ここで、ガセ前兆演出モードは、前兆演出モードと同じ演出モードとする。そして、ガセ前兆演出モード終了後は、リベンジ演出モード(65回〜128回変動まで)が設定される。
第1小当りGは、遊技状態移行の契機とならないが、前述したように第1大当りA〜Eと大入賞口2103の開放パターンが同じであり、本実施形態における時短機能付与(普図当選確率の変化)は遊技者に把握し難く設定していることから、遊技者は小当りに当選したのか大当りに当選したのか判断しづらい。そこで、第1小当りG発生後の通常モードにおいてガセ前兆演出モードを設定する。これにより、遊技者は演出モードから大当りと小当りとの区別が出来なくなり、小当り後の遊技にも期待を持たせることができ、遊技の興趣が高まる。
また、第1大当りFは、時短機能の作動なく直接ラッシュモードに移行するので、前述の前兆演出モード、リベンジ演出モード及びチャンス演出モードの設定はされない。
ここでは通常モードでの第1当りの演出モード設定テーブルについて説明したが、ラッシュ準備モードでの第1当りの演出モードについても同様である。図225(B)にて前述したように、ラッシュ準備モードでの第1大当りは時短回数が最大32回までの付与となるので、前兆演出モードの設定のみとなる。また、第1小当りGに32回変動のガセ前兆演出モードを設定する。また、ラッシュモードでは発生するいずれの大当りもラッシュモード(高確率非時短状態)となるので、これらの演出モードの設定はない。
図227(B)は、通常モードにおいて(B1)第1大当りBが発生した場合、(B2)第1大当りAが発生した場合、(B3)第1大当りD発生後のラッシュモード中に第1大当りBが発生した場合における演出モード遷移例について説明する図である。
図227(B1)に示すように、低確率非時短状態(通常モード)で第1大当りBが発生した場合の演出モードは、高確率時短状態(ラッシュ準備モード)で前兆演出モード(1〜64回変動)からリベンジ演出モード(65〜118回変動)、時短回数消化により移行した高確率非時短状態(ラッシュモード)でチャンス演出モード(119〜128回変動)に遷移する。また、図227(B2)に示すように、低確率非時短状態(通常モード)で第1大当りAが発生した場合の演出モードは、高確率時短状態(ラッシュ準備モード)でガセ前兆演出モード(1〜64回変動)からリベンジ演出モード(65〜128回)に遷移する。
このように、ラッシュモードへの移行契機を含まない第1大当りAにおいてもガセ前兆演出モード及びリベンジ演出モードを実行することで、遊技者にラッシュモードへの移行契機を含む第1大当りBとの区別をつけさせずにST回数消化の直前(残り10回)までラッシュモード移行の期待を持たせることができる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
図227(B3)に示すように、低確率非時短状態(通常モード)で第1大当りDが発生した場合の演出モードは、高確率時短状態(ラッシュ準備モード)で前兆演出モード(1〜32回変動)を実行する。この前兆演出モード中で変動回数20回目に第1大当りBが発生すると、ラッシュ準備モード中の第1大当りBはST回数128回及び時短回数16回を付与するので、この時点から16回の時短変動が始まり、伴って前兆演出モードも延長となる。第1大当りDを契機としたラッシュ準備モード突入からラッシュモードへの移行タイミングは遅くなるが、ST回数に対して時短回数が少ない第1大当りBが発生することで移行後のラッシュモードの変動回数は96回から112回に増加することになる。したがって、遊技者は、ラッシュ準備モード中に大当りが発生して該ラッシュ準備モードが延長となっても獲得できるラッシュモード期間が長くなる期待を持てるので、遊技の興趣低下を招くことがない。新たに発生する大当りに対応する時短回数として現在の前兆演出モード突入の契機となった大当りに対応する時短回数より少ない値を設定するようにしてもよい。また、前兆演出モード中に大当りが発生すれば、前兆演出モード期間(最終的にラッシュモード突入までに付与される時短回数(所定回数))が変動する可能性があるので、遊技の興趣が高まる。
[遊技状態の遷移]
図228は、第5実施形態の遊技状態(遊技モード)の遷移を示す図である。ここでは、前述の演出モードの遷移と合わせて説明する。
遊技開始時の遊技状態である低確率非時短状態(通常モード)では、第1特別図柄の遊技が主となる。ここで、第1特別図柄抽選に当選すると、当り種類に応じて遊技状態が移行する。当選結果が第1大当りA〜Eのいずれかあった場合は、遊技状態が低確率非時短状態(通常モード)から高確率時短状態(ラッシュ準備モード)に移行する。当選結果が第1大当りFであった場合は、遊技状態が低確率非時短状態(通常モード)から高確率非時短状態(ラッシュモード)に移行する。また、当選結果が第1小当りGであった場合には、変動64回までガセ前兆演出モードが設定される。
ラッシュ準備モードでは、通常モードと同様に第1特別図柄の遊技が主となる。第1大当りAを契機としたラッシュ準備モードは、ガセ前兆演出モード及びリベンジ演出モードにおける高確率時短状態で時短回数(ST回数)128回が消化されると通常モードに戻る。また、第1大当りBを契機としたラッシュ準備モードは、前兆演出モード及びリベンジ演出モードにおける高確率時短状態で時短回数118回が消化されるとラッシュモードに移行する。第1大当りBの時短終了を契機としたラッシュモードは、チャンス演出モードにおける高確率非時短状態で残りのST回数10回が消化されると通常モードに戻る。また、第1大当りC〜Eを契機としたラッシュ準備モードは、前兆演出モードにおける高確率時短状態で時短回数が消化されるとラッシュモードに移行する。第1大当りC〜Eの時短終了を契機としたラッシュモードは、突入直後の初回変動でバトルリーチ勝利演出が実行され、残りのST回数が消化されると通常モードに戻る。
ラッシュ準備モードにおける第1特別図柄抽選において第1大当りA又はFに当選した場合には、大当り遊技後、ラッシュモードに移行する。また、第1大当りB〜Eに当選した場合には、大当り遊技後、前兆演出モードにおける高確率時短状態となり時短回数が消化されるとラッシュモードに移行する。また、第1小当りGに当選した場合には、小当り遊技後、32回変動のガセ前兆演出モードを実行する。
ラッシュモードでは、第2特別図柄の遊技が主となる。ラッシュモードでは、突入時のST回数が消化されると通常モードに移行する。ラッシュモードにおける第2特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)では、いずれの大当りに当選しても他の遊技モードに移行することはない。いずれの大当りもラッシュモードで実行される変動回数を追加することでラッシュモード期間を延長する。
ラッシュモードでは、第2特別図柄抽選で第2小当りGが頻発するように設けられている。遊技者が継続して第2始動口を狙って遊技球を打ち込むことで、第2小当りGに基づく偶発的な入賞を促進することが可能となり、獲得可能な賞球数が該ラッシュモード中に獲得可能な賞球数(総獲得出球数)の大半を占める。本実施形態ではラッシュモード中にST回数(128回)の第2小当りG(最大30球)が発生した場合には、大当りによる賞球数が最も多い第2大当りBによる賞球(約2000球)以上の賞球(最大3840球)が望めるので、1回の大当り遊技よりもラッシュモードの一連の遊技が遊技者にとって有利となる。また、第1大当りでの賞球数が約500球であることからも、ラッシュモードは、第1特別図柄の遊技を主とするラッシュ準備モードよりも遊技者にとって有利な遊技状態である。
[演出モード設定処理]
図229は、第5実施形態における演出モード設定処理の手順を示すフローチャートである。演出モード設定処理は、周辺制御基板4010の周辺制御MPU4140aによって実行される処理の一つである。演出モードは、前述の図227(A)のような演出モード設定テーブルを用いて大当り種類及び遊技モードから設定してもよいが、ここではフロー制御による処理の一例を説明する。
周辺制御基板4010の周辺制御MPU414aは、まず、主制御基板4100から大当り開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS3701)。大当り開始コマンドは大当り遊技を開始するときに大当り遊技処理にてセットされ、主制御基板4100から周辺制御基板4010に送信されるコマンドである。
周辺制御MPU414aは、大当り開始コマンドを受信した場合には(ステップS3701にてYES)、今回の大当りが時短機能を付与する大当りであるか否かを判定する(ステップS3702)。そして、時短機能を付与しない大当り(例えば、第1大当りF)である場合には(ステップS3702にてNO)、本処理を終了する。
一方、周辺制御MPU414aは、時短機能を付与する大当りである場合に(ステップS3702にてYES)、時短回数がST回数よりも少ないか否かを判定する(ステップS3703)。そして、時短回数がST回数より少ない場合には(ステップS3703にてYES)、時短回数が所定数以下であるか否かを判定する(ステップS3704)。ここで所定数は、遊技モードに応じて異なる。通常モードの場合は「64」であり、ラッシュ準備モードの場合は「32」である。
そして、周辺制御MPU414aは、時短回数が所定数以下である場合は(ステップS3704にてYES)、時短回数終了まで前兆演出モードを設定し(ステップS3705)、本処理を終了する。また、時短回数が所定数以下でない場合は(ステップS3704にてNO)、所定数まで前兆演出モード、所定数超えて時短回数までをリベンジ演出モード、時短回数終了後ST回数までをチャンス演出モードに設定し(ステップS3706)、本処理を終了する。
また、周辺制御MPU414aは、時短回数がST回数よりも少なくない、すなわち時短回数がST回数以上である場合には(ステップS3703にてNO)、所定数までガセ前兆演出モード、所定数超えてST回数までをリベンジ演出モードに設定し(ステップS3707)、本処理を終了する。
また、周辺制御MPU414aは、大当り開始コマンドを受信していない場合には(ステップS3701にてNO)、小当り開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS3708)。そして、小当り開始コマンドを受信していない場合には(ステップS3708にてNO)、本処理を終了する。
また、周辺制御MPU414aは、小当り開始コマンドを受信した場合には(ステップS3708にてYES)、時短機能が作動中であるか否かを判定する(ステップS3709)。前兆演出モードは時短状態において実行される演出モードなので、時短機能が作動中でない場合には(ステップS3709にてNO)、本処理を終了する。一方、時短機能が作動中である場合には(ステップS3709にてYES)、所定数までガセ前兆演出モードを設定し(ステップS3710)、本処理を終了する。
なお、演出モードの切り替えタイミングは、ST回数をカウントするカウンタ値に基づいて判断すればよい。
[演出実行処理]
図230は、第5実施形態における演出実行処理の手順を示すフローチャートである。演出実行処理は、液晶表示装置1900における表示に関し、周辺制御基板4010の周辺制御MPU4140aによって実行される演出制御処理(ステップS3102)の一つである。
周辺制御基板4010の周辺制御MPU414aは、まず、主制御基板4100から時短機能解除の状態移行指示コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS3801)。状態移行指示コマンドは、確率フラグ又は時短フラグの状態が変更になったときに主制御基板4100から周辺制御基板4010に送信されるコマンドである。状態移行指示コマンドは、大当りを契機に確変フラグや時短フラグがオン状態に設定された場合やST回数や時短回数の消化によって確変フラグや時短フラグがオフ状態に設定された場合に送信される。
周辺制御MPU414aは、時短機能解除の状態移行指示コマンドを受信した場合には(ステップS3801にてYES)、時短状態における変動回数が時短回数に到達したか否かを判定する(ステップS3802)。そして、時短状態における変動回数が時短回数に到達した場合には(ステップS3802にてYES)、本前兆演出モード中であるか否かを判定する(ステップS3803)。なお、時短状態における変動回数が時短回数に到達していない場合(ステップS3802にてNO)や時短回数に到達しても前兆演出モード中でない場合(ステップS3803にてNO)には、本処理を終了する。
そして、周辺制御MPU414aは、前兆演出モード中である場合には(ステップS3803にてYES)、バトルリーチフラグを設定し(ステップS3804)、本処理を終了する。したがって、バトルリーチフラグは、本前兆演出モードが設定された高確率時短状態において付与された時短回数(16、32、64)が消化されるときに設定される。
一方、周辺制御MPU414aは、主制御基板4100から時短機能解除の状態移行指示コマンドを受信していない場合には(ステップS3801にてNO)、変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS3805)。そして、変動パターンコマンドを受信していない場合には(ステップS3805にてNO)、本処理を終了する。
周辺制御MPU414aは、変動パターンコマンドを受信した場合には(ステップS3805にてYES)、バトルリーチフラグが設定されているか否かを判定する(ステップS3806)。そして、バトルリーチフラグが設定されている場合には(ステップS3806にてYES)、前兆演出モードで当り発生することなく付与された時短回数を消化した直後の変動となるので、当該変動でバトルリーチ勝利演出を実行し(ステップS3807)、本処理を終了する。また、バトルリーチフラグが設定されていない場合には(ステップS3806にてNO)、演出モードに応じて選択される通常演出を実行して(ステップS3808)、本処理を終了する。
本実施形態では変動開始時に確変フラグや時短フラグの切り替え処理が行われるので、前兆演出モードで時短終了となる場合は、該前兆演出モードにおける最終回変動が開始されるときに時短フラグがオン状態からオフ状態に切り替えられる(時短機能が解除される)。したがって、前兆演出モードにおける最後の変動開始時に、周辺制御基板4010は、高確率時短状態から高確率非時短状態に移行したことを示す状態移行指示コマンドを受信する。そこで、前兆演出モード中に当りが発生することなく付与された時短回数の変動を経て高確率非時短状態に移行した場合には、移行後の高確率非時短状態における初回の変動でバトルリーチに勝利する演出を行うようにすることで遊技者に有利なラッシュモード(高確率非時短状態)に突入したことを報知する。
[画面遷移例]
続いて、図231は、第5実施形態における演出遷移の一例を示す図である。図231(A)及び(B)は、前兆演出モードの高確率時短状態から時短回数の消化を経て高確率非時短状態に移行する場合の演出遷移例である。図231(A)、(C)及び(D)は、前兆演出モードとリベンジ演出モードからなる高確率時短状態から時短回数の消化を経て高確率非時短状態に移行する場合の演出遷移例である。
図231(A)は、前兆演出モードの画面表示例である。ここでは、高確率時短状態(ラッシュ準備モード)の演出要素を夜(月と星)とする。また、高確率非時短状態(ラッシュモード)の演出要素を昼(太陽)とする。前兆演出モードではラッシュ準備モードからラッシュモードへの移行を示唆するので、このときの画面表示は、夜空の一部で雲の後ろに太陽が見え隠れする。
また、画面表示には、前兆演出モードが始まったときの残り変動回数を「64」としてモード中の実行回数分を減算表示する残り変動回数が表示される。ここでは、「50」が表示される。このような残り変動回数表示を行うことで、前兆演出モード開始時に「残り64回」の表示を見た遊技者は、64回消化後に遊技者に有利な遊技状態(高確率非時短状態、ラッシュモード)に移行するのではないか、64回の変動中に何か良いことが起こるのではないか等、今後の遊技に期待感をもって遊技に興じることができる。そして、前兆演出モードを行う変動回数(時短回数)が32回に設定される第1大当りDや16回に設定される第1大当りEを契機とした前兆演出モードであった場合に、64回の変動消化の途中(それぞれ「残り49回」「残り33回」)でラッシュモードに突入する(バトルリーチ勝利演出が実行される)ことになる。このように、画面表示される残り変動回数が0になる前にラッシュモードに突入するので、遊技者の喜びが大きい。よって、より遊技の興趣を高めることができる。なお、前述したように、前兆演出モードとガセ前兆演出モードとは同じ画面表示を行うので、ガセ前兆演出モードにおいても初期を「64」とした残り変動回数の表示が行われる。
図231(B)は、バトルリーチ勝利演出の画面表示例である。ここでは、ラッシュ準備モードの演出要素である月とラッシュモードの演出要素である太陽とがバトル状態となり、太陽が勝利する画面表示となる。このとき、遊技者には「右打ち」が指示される。
図231(C)は、リベンジ演出モードの画面表示例である。ここでは、前兆演出モード中にラッシュモードに移行することはできなかったが、通常モードよりはラッシュモードに移行する可能性が高いことを示唆し、遊技者にラッシュモード狙いを諦めさせないように、前兆演出モードで表示されていた太陽と雲の表示占有範囲を大きくした画面表示とする。
図231(D)は、チャンス演出モードの画面表示例である。チャンス演出モードは、ラッシュモード中の演出モードである。しかし、この間に大当りが発生しなければ通常モードに移行してしまう短い期間(変動10回)なので、画面全体が太陽の表示になるが太陽が揺れて不安定であって、「右打ちチャンス!」とのメッセージが表示される画面表示である。なお、この間に大当りが発生せずラッシュモードが終了する場合には、太陽が一旦停止表示され「残念」とのメッセージとともに消滅する画面表示となる。
(第5実施形態の効果)
第5実施形態によれば、高確率時短状態(ラッシュ準備モード)における所定変動回数の実行(消化)を遊技者に有利な特定の遊技状態(高確率非時短状態、ラッシュモード)への移行契機とし、特定の大当り(第1大当りF)の発生以外にラッシュモードへの移行機会を増やすことができる。また、所定変動回数の消化でラッシュモードへの突入が可能となる遊技性のため、大当りに当選する引きの強さ(運)だけでなく、立ち回り(技能)でも勝負できると遊技者に感じさせることができるので、より遊技の興趣を高めることができる。
ここで、ラッシュ準備モードではST回数よりも少なく設定される所定変動回数の変動終了を契機に、ラッシュ準備モードからさらに遊技者に有利なラッシュモード(特定モード)へと移行する。所定変動回数は、ラッシュ準備モードの契機となった大当りの種類(第1大当りB〜E)に応じて異なる。なお、所定変動回数に到達していないラッシュ準備モードにおいて大当りが発生すると、当該大当りに応じて設定された所定変動回数にリセットされるので、ラッシュ準備モードで発生する大当りの種類や回数に応じてラッシュ準備モードに突入してからラッシュモードに移行するまでに要する変動回数が変化する。このように、ラッシュモードへの移行契機となる所定変動回数の変動終了タイミングが多様化するので、遊技の興趣を高めることができる。
また、所定変動回数に到達していないラッシュ準備モードにおいて発生した大当りによって、それまで消化していた時短回数に当該大当りに応じて設定された時短回数(新たな所定変動回数)が加算されることになり、変動消化が進んでいた場合はラッシュ準備モード期間が長くなる可能性もある。しかし、新たな所定変動回数が以前の所定変動回数よりも少ない値であれば、獲得できるラッシュモード期間は長くなるので、遊技者はラッシュ準備モード中の大当りにラッシュモード期間増大の期待を抱くことができるので、遊技の興趣を高めることができる。
また、ラッシュ準備モードに付与されるST回数に対して所定変動回数が少ないほどラッシュモード期間が長くなる。すなわち、所定変動回数は、少ないほどラッシュモードの発生を促進する方向に機能し、多いほどラッシュモードの発生を抑制する方向に機能する。このように、変動可能な所定変動回数を調整することによりラッシュモード発生の促進と抑制という相対する遊技状況を作り得るので、遊技の興趣を高めることができる。
さらに、所定変動回数の前後における遊技モード(ラッシュ準備モードとラッシュモード)において、同一特別図柄の大当りの発生を契機としたラッシュモード突入割合が変化する。具体的には、ラッシュ準備モードでの第1大当りは、10%の割合で大当り遊技後ラッシュモードとなるが、ラッシュモードでの第1大当りは、100%の割合でラッシュモードとなる。また、ラッシュ準備モードでの第2大当りは、大当り遊技後ラッシュモードとなる割合は0%であるが、ラッシュモードでの第2大当りは100%の割合でラッシュモードとなる。このように、所定変動回数を境界に同じ特別図柄抽選であってもラッシュモード突入割合が異なるので、保留記憶等変動の消化タイミングが遊技に及ぼす影響が大きくなる。これにより、遊技の興趣を高めることができる。
また、ラッシュ準備モードにおいて所定変動回数の変動期間に前兆演出モード期間(特定の演出モード期間)を設けている。所定変動回数の変動期間が後に発生するラッシュモードの前兆(予告)となるので、従来は保留上限数の範囲内でしかできなかった予告演出を長期間に亘って実行することが可能となる。したがって、遊技者の期待感を長く維持させることができる。また、前兆演出モード期間は所定変動回数を消化すればラッシュモードに突入することから、大当りが発生しなくても間を持たせやすくなり、遊技に飽きさせない。また、第1大当りAや第1小当りGにおいてもガセ前兆演出モード期間を設けている。遊技者は前兆演出モードとガセ前兆演出モードとの区別がつかないので、今回の大当りからラッシュモードへのモード発展が起こるか否かのドキドキ感を持って前兆演出モード期間の遊技に興じることができる。
また、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機1に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。
1 パチンコ機
2 外枠
3 本体枠
4 遊技盤
5 扉枠
1100 遊技領域
1180 機能表示ユニット
1200 遊技パネル
1900 液晶表示装置
2100 アタッカ装置
2101 第一始動口
2101a 常時入賞口
2101b 特設入賞口
2102 第二始動口
2111 可動片(普通電動役物)
2301 普図ゲート
4000 主基板
4010 周辺制御基板(演出(表示)制御手段、不利遊技状態示唆手段、演出変更手段、表示手段、演出切替手段、演出実行手段、可動役物制御手段、原点判定手段、動作禁止手段、表示付与回数設定手段、残回数表示手段、調整手段、演出決定手段、疑似演出手段、移行示唆演出手段)
4100 主制御基板(遊技制御手段、第一抽選遊技実行手段、第二抽選遊技実行手段、特定遊技実行手段、連動制御手段、結果置換手段、他方検出手段、不利遊技状態発生手段、結果変更手段、一旦停止手段、再開手段、強制終了手段、再設定手段、特定結果導出判定手段、遊技状態設定手段、有利遊技状態移行手段、付与回数設定手段、実行回数カウント手段、遊技状態移行手段、回数計数手段、移行阻害手段、遊技状態移行禁止手段、所定回数決定手段、所定回数変更手段)

Claims (3)

  1. 遊技領域内の入賞領域への遊技媒体の入賞に基づき抽選遊技を実行可能な抽選遊技実行手段と、
    前記抽選遊技が特定結果を導出した場合に遊技媒体を払出可能な特定遊技を実行可能な特定遊技実行手段と、
    遊技に関する演出を制御可能な演出制御手段と、
    遊技者による操作手段の操作を受付可能な操作受付手段と、を備え、
    前記演出制御手段は、
    前記特定遊技の開始に応じて実行される初期演出を決定する初期演出決定手段と、
    前記初期演出決定手段の決定に基づき決定された初期演出を実行可能な初期演出実行手段と、
    前記初期演出の後に行われる演出を後続演出として、当該初期演出を含む複数の演出から前記操作手段の操作に基づき決定する後続演出決定手段と、
    前記後続演出決定手段の決定に基づき決定された後続演出を実行可能な後続演出実行手段と、を有し、
    前記後続演出実行手段は、
    前記後続演出決定手段によって決定された後続演出が前記初期演出と一致しない場合は、実行中であった当該初期演出を停止して、当該決定された後続演出を冒頭から開始する一方、
    前記後続演出決定手段によって決定された後続演出が前記初期演出と一致する場合は、実行中であった当該初期演出を停止することなく継続して、前記後続演出として実行することを特徴とする遊技機。
  2. 遊技盤に設けられ、所定の演出画像を表示可能な液晶表示装置を備えることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記演出に合せた音楽及び効果音等を出力可能なスピーカを備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
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