以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1及び図2を参照しつつ遊技機の全体構成について説明する。
〔遊技機の全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠アセンブリ2、ガラス枠ユニット4、受け皿ユニット6及びプラ枠アセンブリ7(遊技機枠)を備えている。このうち外枠アセンブリ2は、木材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠アセンブリ2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。
その他のガラス枠ユニット4や受け皿ユニット6、プラ枠アセンブリ7は外枠アセンブリ2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図1中の正面からみてプラ枠アセンブリ7の右側縁部(図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応してガラス枠ユニット4及び外枠アセンブリ2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図1に示されるように、外枠アセンブリ2に対してガラス枠ユニット4及びプラ枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともにガラス枠ユニット4及びプラ枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受け皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動してプラ枠アセンブリ7とともにガラス枠ユニット4及び受け皿ユニット6の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠アセンブリ2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、プラ枠アセンブリ7は施錠されたままでガラス枠ユニット4の施錠だけが解除され、ガラス枠ユニット4が開放可能となる。ガラス枠ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。またガラス枠ユニット4を開放すると、受け皿ユニット6のロック機構(図示していない)が露出する。この状態でロック機構を解除すると、受け皿ユニット6をプラ枠アセンブリ7に対して前面側へ開放することができる。
またパチンコ機1は、遊技用ユニットとして上記の遊技盤8を備えている。遊技盤8は、ガラス枠ユニット4の背後(内側)で上記のプラ枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤8は、例えばガラス枠ユニット4を前面側へ開放した状態でプラ枠アセンブリ7に対して着脱可能である。ガラス枠ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、ガラス枠ユニット4の裏側に図示しないヒンジ機構を介して開閉式に取り付けられる。遊技盤8の前面には遊技領域8a(盤面)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。ガラス枠ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受け皿ユニット6は、全体的に外枠アセンブリ2から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また受け皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお本実施形態のパチンコ機1はいわゆるCR機(CRユニットに接続する機種)であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受け皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受け皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないCRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、CRユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではCR機を例に挙げているが、パチンコ機1はCR機とは別の現金機(CRユニットに接続されない機種)であってもよい。
また、受け皿ユニット6の前面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きレバー6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きボタン6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きレバー6dを例えば左方向へスライドさせることで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また遊技者は、下皿球抜きボタン6eを例えば押し込み操作することで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受け皿ユニット6の右下部には、グリップユニット16が設置されている。遊技者はこのグリップユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤8の左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。なお、遊技領域8a内(盤面)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
〔枠前面の構成〕
ガラス枠ユニット4には、演出用の構成要素としてガラス枠トップランプ46,48やガラス枠サイドランプ50がガラスユニット(参照符号なし)を取り巻くようにして複数の箇所に設置されている。また、受け皿ユニット6には受け皿ランプ52が設置されており、この受け皿ランプ52とガラス枠トップランプ46,48及びガラス枠サイドランプ50とは、外見上、パチンコ機1の前面において一体的につながっているかのようにデザインされている。
上述した各種ランプ46〜52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。またガラス枠ユニット4の上部には、左右一対のガラス枠上スピーカ54とその中央にガラス枠中スピーカ55が内蔵されており、そして受け皿ユニット6には、下皿6cの右側に受け皿スピーカ56が内蔵されている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
また受け皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45が設置されている。遊技者は、この演出切替ボタン45を操作することで演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりすることができる。
〔裏側の構成〕
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。なお、電子機器類については別のブロック図(図5)に基づいてさらに後述する。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aはプラ枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受け皿ユニット6に向けて案内する。
また上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。またアース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
〔盤面の構成〕
図3は、遊技盤8を単独で示した正面図である。遊技領域8a内には、その中央位置に比較的大型の演出ユニット40が配置されており、この演出ユニット40を中心として遊技領域8aが左側部分、右側部分及び下部分に大きく分かれている。また遊技領域8a内には、演出ユニット40の周辺に中始動ゲート20や右始動ゲート21、普通入賞口22,24,25、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30等が分布して設置されている。このうち中始動ゲート20は遊技領域8aの下部分の中央に位置しており、右始動ゲート21は遊技領域8aの右側部分でその上部寄りに位置している。また、2つの普通入賞口22は遊技領域8aの左側部分でその下寄りに位置しており、他の1つの普通入賞口24は中始動ゲート20の下方に位置している。残るもう1つの普通入賞口25は、遊技領域8aの右側部分にあって、右始動ゲート21の下方に位置しており、その直下方に可変入賞装置30が配置されている。また、可変始動入賞装置28は遊技領域8aの右側部分でその下寄りに位置している。
遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で無作為に中始動ゲート20や右始動ゲート21を通過したり、普通入賞口22,24,25に入賞したり、あるいは、作動時の可変始動入賞装置28や開放動作時の可変入賞装置30に入賞(入球)したりする。なお、遊技領域8aの左側領域を流下する遊技球は、主に中始動ゲート20を通過するか、もしくは普通入賞口22,24に入賞する可能性がある。遊技領域8aの右側領域を流下する遊技球は、主に右始動ゲート21を通過するか、普通入賞口25に入賞するか、あるいは、作動時の可変始動入賞装置28や開放動作時の可変入賞装置30に入賞(入球)する可能性がある。中始動ゲート20や右始動ゲート21を通過した遊技球は続けて遊技領域8a内を流下するが、普通入賞口22,24,25や可変始動入賞装置28、可変入賞装置30に入賞(入球)した遊技球は遊技板(遊技盤8を構成する合板材)に形成された貫通穴を通じて遊技盤8の裏側へ回収される。
本実施形態において、上記の可変始動入賞装置28は、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で停止表示された場合)に作動し、それに伴って始動入賞口28aへの入賞を可能にする(普通電動役物、作動手段)。可変始動入賞装置28は、例えば左右一対の可動片28bを有しており、これら可動片28bは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って左右方向に往復動作する。すなわち、図3中に実線で示されるように、左右の可動片28bは各先端が上を向いた状態で閉位置にあり、このとき始動入賞口28aへの入賞は不能(遊技球が流入できる隙間がない状態)となっている。一方、可変始動入賞装置28が作動すると、図3中の二点鎖線で示されるように、左右の可動片28bはそれぞれ閉位置から開放位置に向けて変位(拡開)し、始動入賞口28aの開口幅を左右に拡大する。この間に可変始動入賞装置28は遊技球の流入が可能な状態となり、始動入賞口28aへの入賞を発生させることができる(抽選契機発生動作手段)。なお、遊技盤8に設置されている障害釘の配列(ゲージ)は、基本的に可変始動入賞装置28(作動時の始動入賞口28a)に向かう遊技球の流下を極端に阻害しない態様となっているが、遊技球が作動時の可変始動入賞装置28に必ず流入するというわけではなく、あくまで流入は無作為に発生する。
また上記の可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が非当選以外の態様で停止表示された場合)に作動し、大入賞口30bへの入賞を可能にする(特別電動役物、可変入賞手段)。可変入賞装置30は例えば左右一対の開閉部材30aを有しており、これら開閉部材30aもまた、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って左右方向に往復動作する。すなわち、図3中に実線で示されるように、左右の開閉部材30aは各先端が上を向いた状態で閉止位置にあり、このとき大入賞口30bへの入賞は不能(遊技球が流入できる隙間がない状態)となっている。一方、可変入賞装置30が作動すると、図3中の二点鎖線で示されるように左右の開閉部材30aはそれぞれ閉止位置から開放位置に向けて変位(拡開)し、左右に開口幅を拡大して大入賞口30bを開放する(開放動作)。この間に可変入賞装置30は遊技球の流入が可能な状態となり、大入賞口30bへの入賞を発生させることができる(開放動作手段)。ここでも同様に、遊技盤8に設置されている障害釘の配列(ゲージ)は、基本的に可変入賞装置30(開放時の大入賞口30b)へ向かう遊技球の流下を極端に阻害しない態様となっているが、遊技球が開放動作時の可変入賞装置30(大入賞口30b)に必ず流入するというわけではなく、あくまで流入は無作為に発生する。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、入賞しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤8の裏側へ回収される。また、普通入賞口22,24,25や可変始動入賞装置28(始動入賞口28a)、可変入賞装置30(大入賞口30b)に入賞した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
図4は、遊技盤8の一部(窓4a内の右下位置)を拡大して示す正面図である。すなわち遊技盤8には、例えば窓4a内の右下位置に普通図柄表示装置33(第1図柄表示手段)及び普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、特別図柄表示装置34(第2図柄表示手段)及び遊技状態表示装置38が設けられている。このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、それぞれ0〜4個の記憶数を表示する。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、ここでは2つのランプ(LED)を使用することとしているが、4つのランプ(LED)を使用して普通図柄作動記憶ランプ33aを構成してもよい。この場合、点灯するランプの個数で作動記憶数を表示することができる。
普通図柄作動記憶ランプ33aは、上記の中始動ゲート20又は右始動ゲート21を遊技球が通過するごとに、作動抽選の契機となる通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その通過を契機として普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。なお本実施形態では、普通図柄作動記憶ランプ33aが未点灯(記憶数が0個)の場合、普通図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で中始動ゲート20又は右始動ゲート21を遊技球が通過しても表示態様は変化しない。すなわち、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示態様が意味する記憶数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない通過の回数を表している。
また特別図柄表示装置34は、例えば7セグメントLED(ドット付き)により特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段)。本実施形態では1つの特別図柄を使用しているため、特別図柄表示装置34として1個の7セグメントLEDを設ければよいが、図4に示されるように、予め2個の7セグメントLEDを実装しておくことで、2つの特別図柄を使用する他の機種にも同じハードウェア構成(統合表示基板89)を適用することができる。なお、本実施形態において特別図柄に対応する作動記憶ランプや作動記憶数表示装置は設けられていない。また、1つの特別図柄を2個の7セグメントLEDで表示してもよい。
遊技状態表示装置38には、例えば高確率状態表示ランプ38c、変動時間短縮状態表示ランプ38dにそれぞれ対応する2つのLEDが含まれている。なお図4中、特に参照符号を付していない他のランプ(LED)は未使用(ブランク)のものである。本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、特別図柄表示装置34及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤8に取り付けられている。
〔遊技盤のその他の構成:図3を参照〕
上記の演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40b,40c,40kを備えている。装飾部品40b,40c,40kはその立体的な造形により遊技盤8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また演出ユニット40の内側には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には普通図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤8は、その盤面の構成(図示しないセル板のデザイン)や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。
演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されており、その下縁部には転動ステージ40eが形成されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eは例えば上下2段に形成されており、このうち上段が遊技者からみて奥に位置し、下段が遊技者からみて手前に位置する。上下2段とも、それぞれ転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがてその下段から下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの下段には、その略中央位置に球放出部40iが形成されており、転動ステージ40eの下段から球放出部40iを介して流下した遊技球は、その真下にある中始動ゲート20を通過しやすくなる(ただし、必ず通過するわけではない。)。
また、転動ステージ40eの略中央位置には流入通路40gが形成されており、この流入通路40gには上下2段のいずれからも遊技球が無作為に流入し得る。流入通路40gは演出ユニット40の下縁部を下方に延びた後、手前側へL字形状に屈曲して形成されており、その終端に球放出口40hが形成されている。球放出口40hは前面に向けて開口しており、その開口位置が中始動ゲート20の真上に位置している。このため転動ステージ40e上から流入通路40g内に流入した遊技球は、球放出口40hから放出されて、その真下にある中始動ゲート20を通過しやすくなる(ただし、必ず通過するわけではない。)。
その他に演出ユニット40には、演出用の可動体40f(例えばハート形の装飾物)とともに図示しない駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属している。演出用の可動体40fは、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。このような可動体40fを用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。なお、可動体40fを用いた演出例につては後述する。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図5は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、大当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0〜65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
上述した中始動ゲート20及び右始動ゲート21には、それぞれ遊技球の通過を検出するための中ゲートスイッチ78及び右ゲートスイッチ80が一体的に設けられている。また遊技盤8には、可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30にそれぞれ対応して始動入賞口スイッチ82及びカウントスイッチ84が装備されている。このうち始動入賞口スイッチ82は、可変始動入賞装置28(始動入賞口28a)への遊技球の入賞を検出するためのものである。またカウントスイッチ84は、可変入賞装置30(大入賞口30b)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。同様に遊技盤8には、普通入賞口22,24,25への遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ86が装備されている。なお、入賞口スイッチ86は全ての普通入賞口22,24,26について共通のものを用いてもよいし、普通入賞口22,24,26のそれぞれに別々の入賞口スイッチ86を設置してもよい。例えば、盤面の左右と中央にそれぞれ別の入賞口スイッチ86を設置し、左側の入賞口スイッチ86では盤面の左側に位置する普通入賞口22に対する遊技球の入賞を検出し、中央の入賞口スイッチ86では盤面の中央に位置する普通入賞口24に対する遊技球の入賞を検出し、そして右側の入賞口スイッチ86では盤面の右側に位置する普通入賞口25に対する遊技球の入賞を検出することとしてもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類78〜86の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお遊技盤8の構成上、本実施形態では中ゲートスイッチ78、右ゲートスイッチ80、カウントスイッチ84及び入賞口スイッチ86からの入賞検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信されるものとなっている。パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、特別図柄表示装置34及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,38及びランプ33aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,38及びランプ33aは、上記のように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤8に設置されており、この統合表示基板89には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また遊技盤8には、可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30にそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88及び大入賞口ソレノイド90が設けられている。これらソレノイド88,90は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、可変入賞装置30を作動(開放)させる。なお、これらソレノイド88,90についても上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に上記のガラス枠ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また上記のプラ枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。ガラス枠ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また外枠アセンブリ2からプラ枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号からガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお主制御CPU72は、ガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、上記の外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、上記の外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って上記の受け皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
またパチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は上記の流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
またパチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受け皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受け皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上記のように遊技領域8に向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置する上記のグリップユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。またタッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がグリップユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
上記の受け皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120に上記のCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受け皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、上記の度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに送信される。またCRユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。またCRユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
またパチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。演出制御CPU126には、主制御CPU72よりも高速(高クロック周波数)で、データバス幅が広い(例えば64ビット)タイプのものを使用することができる。なお演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
また演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53を発光させたり、スピーカ54,55,56から実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を管理する。なお各種ランプには、上記のガラス枠トップランプ46,48やガラス枠サイドランプ50,受け皿ランプ52の他に、遊技盤8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は上記の演出ユニットに内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30等に内蔵されるLEDに相当するものである。なお、ここでは受け皿ランプ52がガラス枠電飾基板136に接続されている例を挙げているが、受け皿ユニット6に受け皿電飾基板を設置し、受け皿ランプ52については受け皿電飾基板を介してランプ駆動回路132に接続される構成であってもよい。
また音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、この音響駆動回路134は、上スピーカ54及び下スピーカ56を駆動して音響出力を行う。
本実施形態ではガラス枠ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されており、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種ランプ46〜52やスピーカ54,55,56に印加されている。またガラス枠電飾基板136には、上記の演出切替ボタン45が接続されており、遊技者が演出切替ボタン45を操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではガラス枠電飾基板136に演出切替ボタン45を接続した例を挙げているが、上記の受け皿電飾基板を設置する場合、演出切替ボタン45は受け皿電飾基板に接続されていてもよい。
その他、遊技盤8にはパネル電飾基板138が設置されており、このパネル電飾基板138には盤面ランプ53の他に可動体ソレノイド57が接続されている。可動体ソレノイド57は、例えば図示しないリンク機構を介して上記の可動体40fを駆動する。ランプ駆動回路132からの駆動信号は、パネル電飾基板138を経由して盤面ランプ53及び可動体ソレノイド57にそれぞれ印加されている。
上記の液晶表示器42は遊技盤8の裏側に設置されており、遊技盤8に形成された略矩形の開口を通じてのその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば例陰極管)に印加される交流電源を生成している。さらに、遊技盤8の裏側には演出表示制御装置144が設置されており、液晶表示器42による表示動作は、演出表示制御装置144により制御されている。演出表示制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である表示制御CPU146とともに、表示プロセッサであるVDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)が装備されている。このうち表示制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。またVDP152は、図示しないプロセッサコアとともに画像ROM154やVRAM156等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。なおVRAM156は、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用することができる。
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上記のように各種ランプ46〜53等やスピーカ54,55,56、可動体40fを用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
表示制御CPU146は、VDP152に対してさらに詳細な制御信号を出力する。これを受け取ったVDP152は、制御信号に基づいて画像ROM154にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM156に転送する。さらにVDP152は、VRAM156上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(例えば24ビットカラー画素)を個別に駆動する。
その他、プラ枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また上記のように電源制御ユニット162は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
上記の外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
〔リセットスタート(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。またリセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図6及び図7は、リセットスタート処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
ステップS103:主制御CPU72は、ここでリセット時待機処理を実行する。この処理は、リセットスタート(例えば電源投入)時にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に主電源断検出信号のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックする。主電源断検出信号は、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される。そして、ループカウンタが0になる前に主電源断検出信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1〜2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS104:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS105:また主制御CPU72、割り込みマスクを設定するためにマスクレジスタの初期設定を行う。具体的には、CTC割り込みを有効にする値をマスクレジスタに格納する。
ステップS106:主制御CPU72は、先に退避しておいたRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS107を実行する。
ステップS107:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS108を実行する。
ステップS108:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS109を実行する。
ステップS109:主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)する。
ステップS110:また主制御CPU72は、前回の電源断発生直前に送信待ちであったコマンドをクリアする。
ステップS111:次に主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンド(例えば機種指定コマンド、特別図柄確率状態指定コマンド、作動記憶数コマンド、回数切りカウンタ残数コマンド、特別遊技状態指定コマンド等)を送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、時間短縮状態、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ステップS112:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元にRAM76のワーク領域に各種の値をセットし、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、内部確率状態、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。また主制御CPU72は、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧する。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS106:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS107:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS108:No)、主制御CPU72はステップS113に移行する。
ステップS113:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタックエリアは全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS114:また主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS115:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が初期設定後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
ステップS116:主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は払出制御装置92に対して、賞球の払い出しを開始するための指示コマンドを出力する。
ステップS117:主制御CPU72は、CTC初期設定処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタレジスタを設定し、また、CTCに割り込みカウント値(例えば4ms)を設定する。これにより、次にCTC割り込みが発生すると、主制御CPU72はバックアップされていたPCレジスタのプログラムアドレスから処理を続行することができる。
リセットスタート処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は図7に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
ステップS118,ステップS119:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックし、電源遮断の発生(供給電圧の低下)を監視する。電源遮断が発生すると、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88及び大入賞口ソレノイド90に対応する出力ポートバッファをクリアすると、RAM76のワーク領域のうちバックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容をバックアップし、サムチェックバッファにサム結果値を保存する。そして主制御CPU72はバックアップ有効判定フラグ領域に上記の有効値(例えば「A55AH」)を格納し、RAM76のアクセスを禁止して処理を停止(NOP)する。一方、電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS120を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
ステップS120:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、普通図柄に対応する当り決定乱数、当り図柄乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。なお、特別図柄に対応する変動パターン決定乱数やリーチ判定乱数については、必要に応じて発生させることができ、使用しない場合は乱数発生の処理を省略することができる。いずれにしても、これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(図8中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が1巡するごとにループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS120では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS118で割込を禁止した後にステップS120を実行しているのは、別の割込管理処理(図8中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお上記のように、本実施形態において大当り決定乱数は乱数発生器75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。
ステップS121,ステップS122:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(図8)を実行した場合の残り時間で行われる。なお割込管理処理の内容については後述する。
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。図8は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ms)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB〜Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A〜L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76の乱数カウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数、普通図柄当り決定乱数等が含まれる。
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたものと同じである。
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力(I/O)ポート79から各種スイッチ信号を入力する。具体的には、中ゲートスイッチ78及び右ゲートスイッチ80からの検出信号や、始動入賞口スイッチ82、カウントスイッチ84、入賞口スイッチ86からの入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
ステップS204:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、中ゲートスイッチ78又は右ゲートスイッチ80からの通過検出信号や始動入賞口スイッチ82からの入賞検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
本実施形態では、始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定する。また中ゲートスイッチ78又は右ゲートスイッチ80から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、中ゲートスイッチ78又は右ゲートスイッチ80から通過検出信号が入力された場合に実行される処理や始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS205,ステップS206:主制御CPU72は、割込管理処理中において特別図柄遊技処理及び普通図柄遊技処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち特別図柄遊技処理(ステップS205)では、主制御CPU72は先に述べた特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、特別図柄表示装置34による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変入賞装置30の作動を制御したりする。なお、特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
また普通図柄遊技処理(ステップS206)では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)の中で中始動ゲート20又は右始動ゲート21の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通図柄遊技処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(第1段階抽選実行手段、作動抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる(抽選契機発生動作手段)。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。なお、普通図柄遊技処理の詳細についても、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS207:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、先の入力処理(ステップS203)において各種スイッチ80,84,86から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。
ステップS208:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータに対して上記の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
なお本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」〜「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる(外部情報信号出力手段)。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」〜「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理したり、内部的な確率状態(低確率状態又は高確率状態)や図柄変動時間の短縮状態の変化を認識したり、非当選以外であっても「大当り」に分類されない小当り(条件装置が作動しない当り)の発生を集計・管理したりすることが可能となる(ただし、本実施形態では小当りを用いていない。)。また大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」〜「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
ステップS209:また主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS210:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、特別図柄表示装置34、遊技状態表示装置38等の点灯状態を制御する。具体的には、先の特別図柄遊技処理(ステップS205)や普通図柄遊技処理(ステップS206)においてポート出力要求バッファに格納されている駆動信号をポート出力する。なお駆動信号は、各LEDに対して印加するバイトデータとしてポート出力要求バッファに格納されている。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)で駆動されることになる。
ステップS211:また主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の外部情報処理(ステップS208)でポート出力要求バッファに格納された外部情報信号(バイトデータ)をポート出力する。また主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている普通電動役物ソレノイド88及び大入賞口ソレノイド90の各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力する。
ステップS212:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、コマンドバッファ内に主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)があるか否かを確認し、未送信コマンドがある場合は出力対象のコマンドをポート出力する。
ステップS213:そして主制御CPU72は、今回のCTC割込で格納したポート出力要求バッファをクリアする。
なお本実施形態では、ステップS205〜ステップS212の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
ステップS214:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込終了を指定する値(01H)を割込プログラムカウンタ内に格納し、CTC割込を終了する。
ステップS215,ステップS216:そして主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A〜L)の値を復帰し、次回のCTC割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
〔スイッチ入力イベント処理〕
図9は、スイッチ入力イベント処理(図8中のステップS204)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS10:主制御CPU72は、特別図柄に対応する始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS11に進んで特別図柄記憶処理を実行する。なお、特別図柄記憶処理(ステップS11)の具体的な内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS12に進む。
ステップS12:主制御CPU72は、大入賞口に対応するカウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS13に進んで大入賞口カウント処理を実行する。大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に1ラウンドごとの可変入賞装置30への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS14に進む。
ステップS14:主制御CPU72は、普通図柄に対応する中ゲートスイッチ78又は右ゲートスイッチ80から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS16に進んで普通図柄記憶更新処理を実行する。普通図柄記憶更新処理(ステップS16)の具体的な内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72は割込管理処理(図8)に復帰する。
〔普通図柄記憶更新処理〕
次に、上記の普通図柄記憶更新処理(図9中のステップS16)について説明する。図10は、普通図柄記憶更新処理の手順例を示すフローチャートである。以下、普通図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS20:ここでは先ず、主制御CPU72は普通図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値の4未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている普通図柄当り決定乱数の個数(組数)を表すものである。すなわち、RAM76の乱数記憶領域は普通図柄について4つのセクション(例えば各1バイト)に分けられており、各セクションには普通図柄当り決定乱数を1個ずつ記憶可能である。このとき、作動記憶数カウンタの値が上限値(最大値)に達していれば(Yes)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図9)に復帰する。一方、作動記憶数カウンタの値が上限値(最大値)未満であれば(No)、主制御CPU72は次のステップS21に進む。
ステップS21:主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1つ加算する。普通図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の作動記憶数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図8中のステップS210)で普通図柄作動記憶ランプ33aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS22:そして主制御CPU72は、例えばRAM76の当り乱数カウンタ領域から普通図柄に対応する当り決定乱数値を取得する。主制御CPU72は、指定したアドレスから普通図柄当り決定乱数値をリードすると、これを普通図柄に対応する当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS23:主制御CPU72は、セーブした普通図柄当り決定乱数を普通図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これを領域内の空きセクションに記憶させる。複数のセクションには順番(例えば第1〜第4)が設定されており、現段階で第1〜第4の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に当り決定乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2〜第4セクションが空きであれば、第2セクションから順に当り決定乱数が記憶されていく。なお、乱数記憶領域の読み出しはFIFO形式である。
ステップS24:そして主制御CPU72は、普通図柄演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は例えば普通図柄の始動音制御コマンドを演出制御装置124に対して送信するための設定を行う。なお、主制御CPU72はこの処理の前に例えば先読み判定処理を行ってもよい。この場合、主制御CPU72は先読み判定処理において抽選の当否を事前に判定し、その結果に基づいて普図先判定演出コマンドを生成する。そして、主制御CPU72はステップS24で普図先判定演出コマンドを演出制御装置124に対して送信するための設定を行うことができる。
以上の手順を終えるか、もしくは普通図柄作動記憶数が4(最大値)に達していた場合(ステップS20:Yes)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図9)に復帰する。
〔普通図柄遊技処理〕
次に、割込管理処理中に実行される普通図柄遊技処理(図8中のステップS206)の詳細について説明する。図11は、普通図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。普通図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1001)、普通図柄変動前処理(ステップS2001)、普通図柄変動中処理(ステップS3001)、普通図柄停止表示中処理(ステップS4001)、可変始動入賞装置管理処理(ステップS5001)のサブルーチン群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って普通遊技管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1001:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2001〜ステップS5001のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして普通図柄遊技処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(例えば普通図柄遊技管理ステータスの値)によって異なる。例えば、未だ普通図柄が変動表示を開始していない状況であれば(普通図柄遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として普通図柄変動前処理(ステップS2001)を選択する。一方、既に普通図柄変動前処理が完了していれば(普通図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として普通図柄変動中処理(ステップS3001)を選択し、普通図柄変動中処理まで完了していれば(普通図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として普通図柄停止表示中処理(ステップS4001)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ここで、「普通図柄遊技管理ステータス」とは、主制御CPU72が普通図柄遊技処理を実行する中で、実際の遊技の進行状況に応じて設定する変数である。具体的には、主制御CPU72は、普通図柄に対応する遊技の進行状況(1)〜(7)に応じて、以下のように普通図柄遊技管理ステータスの値(カギ括弧内)をセットする。
(1)普通図柄変動待ち状態:「00H」
(2)普通図柄変動表示中状態:「01H」
(3)普通図柄停止表示中状態:「02H」
(4)可変始動入賞装置(普通電動役物)開放待ち状態:「03H」
(5)可変始動入賞装置(普通電動役物)開放状態:「04H」
(6)可変始動入賞装置(普通電動役物)開放後閉鎖状態:「05H」
(7)可変始動入賞装置(普通電動役物)作動終了時間中状態:「06H」
なお、主制御CPU72は、普通図柄遊技管理ステータスの値をセットした場合、その値を反映させた普通図柄遊技管理ステータスコマンドを生成する。普通図柄遊技管理ステータスコマンドは、演出制御出力処理(図8ステップS212)において演出制御装置124に送信される。
ステップS2001:普通図柄変動前処理では、主制御CPU72は普通図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3001:普通図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、普通図柄表示装置33の駆動制御を行う。具体的には、普通図柄表示装置33を構成する2つのLEDに対してそれぞれON又はOFFの駆動信号を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって普通図柄の変動表示が行われる。なお、本実施形態では2つのLEDを交互に点灯及び消灯させることで、普通図柄の変動表示を行うため、駆動信号のパターンをシンプルに(例えば2パターンで)構成することができ、それだけ主制御CPU72の負荷を軽減することができる。
ステップS4001:普通図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33の駆動制御を行う。ここでも同様に、2つのLEDに対してそれぞれON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより普通図柄の停止表示が行われる。なお、本実施形態では上下2つのLEDのうち、例えば上のLEDを点灯させた状態や上下2つのLEDを点灯させた状態で当選時の停止表示を行い、下のLEDを点灯させた状態で非当選時の停止表示を行うことができる。
ステップS5001:可変始動入賞装置管理処理は、先の普通図柄停止表示中処理において当りの態様(例えば上の1つのLEDや上下2つのLEDが点灯した状態)で普通図柄が停止表示された場合に選択される(普通図柄遊技管理ステータス:03H〜05H)。普通図柄が当りの態様で停止表示されると、主制御CPU72は作動条件が満たされたものとして、可変始動入賞装置28の開放待ちの状態となり(普通図柄遊技管理ステータス:03H)、可変始動入賞装置28の開放待ちの規定時間が経過すると、可変始動入賞装置28が開放状態となり(普通図柄遊技管理ステータス:04H)、可変始動入賞装置28の開放時間が経過すると、可変始動入賞装置28が閉鎖状態となる(普通図柄遊技管理ステータス:05H)。なお、可変始動入賞装置28についての作動条件についてはさらに後述する。
可変始動入賞装置28の作動中は、先の実行選択処理(ステップS1001)においてジャンプ先が可変始動入賞装置管理処理(ステップS5001)にセットされ、普通図柄の変動表示は行われない。また可変始動入賞装置管理処理においては、普通電動役物ソレノイド88が所定時間(例えば0.1秒又は5.8秒)、規定回数(例えば1回)だけ励磁され、これにより可変始動入賞装置28が設定されたパターンで作動し、始動入賞口28aへの入賞の発生が可能となる(抽選契機発生動作手段)。なお本実施形態においては、始動入賞口28aへの入賞の発生を契機として特別図柄遊技処理も進行していくが、以下では便宜上、先に普通図柄遊技処理についての説明を一通り行うものとする。
〔普通図柄の複数の当選種類〕
本実施形態では、普通図柄の複数の当選種類として(1)「第1当り」と、(2)「第2当り」とが設けられている(これ以上があってもよい)。
上記の当選種類は、当選時に停止表示される普通図柄の種類に対応している。例えば、「第1当り」は「第1当選図柄」の当りに対応し、「第2当り」は「第2当選図柄」の当りに対応する。このため以下では、「当選種類」のことを「当選図柄」として適宜呼称するものとする。
〔第1当選図柄〕
先ず、第1当選図柄について説明する。上記の普通図柄停止表示中処理において、普通図柄が「第1当選図柄」の態様で停止表示されると、可変始動入賞装置28が作動する契機が発生する。具体的には、可変始動入賞装置28は、特別図柄の抽選契機の発生が不能な非作動状態から、所定の第1作動パターン(作動時間5.8秒、作動回数1回)に基づいて入賞を伴う特別図柄の抽選契機の発生が可能な第1作動状態(ロング開放状態)に変化する作動を行う。このため、遊技者は、比較的容易に特別図柄の抽選を受けることができ、また、可変始動入賞装置28への入賞に対する出玉(賞球)を獲得することができる。
〔第2当選図柄〕
次に、第2当選図柄について説明する。上記の普通図柄停止表示中処理において、普通図柄が「第2当選図柄」の態様で停止表示されると、可変始動入賞装置28が作動する契機が発生する。具体的には、可変始動入賞装置28は、特別図柄の抽選契機の発生が不能な非作動状態から、所定の第2作動パターン(作動時間0.1秒、作動回数1回)に基づいて入賞を伴う特別図柄の抽選契機の発生が不能でなくとも困難となる第2作動状態(ショート開放状態)に変化する作動を行う。このため、基本的には可変始動入賞装置28への入賞が発生しないので、遊技者は、特別図柄の抽選を受けることができず、また、可変始動入賞装置28への入賞に対する出玉(賞球)も獲得することができない。ただし、作動時間0.1秒の間に、可変始動入賞装置28に入賞する可能性はゼロではない。
〔普通図柄変動前処理〕
次に図12は、普通図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS6100:先ず主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている普通図柄作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS6500のデモ設定処理を実行する。
ステップS6500:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、上記の演出制御出力処理(図8中のステップS212)において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は普通図柄遊技処理に復帰する。
これに対し、普通図柄作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS6200を実行する。
ステップS6200:主制御CPU72は、普通図柄記憶シフト処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(普通図柄当り決定乱数)を読み出し、これを例えば別の共通記憶領域に保存する。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば、主制御CPU72は第1セクションから順に乱数を読み出し、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。共通記憶領域に保存された各乱数は、以降の当り判定処理で作動抽選に使用される。
ステップS6250:次に主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数減算処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、RAM76に記憶されている普通図柄作動記憶数カウンタの値を1つ減算し、減算後の値を「普通図柄変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、上記の表示出力管理処理(図8中のステップS210)の中で普通図柄作動記憶ランプ33による記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS6300を実行する。
ステップS6300:主制御CPU72は、当り判定処理(作動抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、普通図柄当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(第1段階抽選実行手段、作動抽選実行手段)。このとき設定される普通図柄当り値の範囲は、非時間短縮状態(時間短縮機能が非作動時)や特殊状態(時間短縮機能が非作動時)と、時間短縮状態(時間短縮機能作動時)とで異なり、時間短縮状態では非時間短縮状態よりも当り値の範囲が約100倍程度に拡大されることで、作動抽選の当選確率が非時間短縮状態に比較して極端に高く設定される。そして、このとき読み出した乱数値が当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は普通図柄当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS6400に進む。なお、本実施形態ではプログラム上で当り値の範囲を設定して当り判定を行っているが、予め当り判定テーブルをROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら当り判定を行うプログラミング例もある。また、状態別の具体的な当選確率については別の図面を用いてさらに後述する。
ここで、本実施形態で登場する「非時間短縮状態」と「時間短縮状態」と「特殊状態」との3つの状態について説明する。
〔非時間短縮状態〕
先ず「非時間短縮状態」であるが、この状態は、特別図柄の変動時間が通常の長さに設定され(例えば1秒〜5秒程度)、かつ、少なくとも通常の頻度で特別図柄抽選についての抽選契機が発生する状態である(例えば、普通図柄が80回程度(場合によっては160回程度)変動して、特別図柄の抽選契機が1回程度発生する状態)。
〔時間短縮状態〕
次に「時間短縮状態」であるが、この状態は、上記の「非時間短縮状態」と比較して特別図柄の変動時間が短縮された長さに設定され(例えば0.6秒程度)、かつ、非時間短縮状態と比較して高い頻度で特別図柄抽選についての抽選契機が発生する状態である(例えば、普通図柄が1回程度変動して、特別図柄の抽選契機が1回程度発生する状態)。
〔特殊状態(有利な状態1〜4)〕
最後に「特殊状態」であるが、この状態は、上記の「非時間短縮状態」と同様に、特別図柄の変動時間が通常の長さに設定され(例えば1秒〜5秒程度)、かつ、非時間短縮状態と同等の頻度で特別図柄抽選についての抽選契機が発生する状態である(例えば、普通図柄が80回程度(場合によっては160回程度)変動して、特別図柄の抽選契機が1回程度発生する状態)。
なお、各状態の詳細は後述するが、簡単にまとめると、「非時間短縮状態」及び「特殊状態」は、通常の頻度で特別図柄抽選についての抽選契機が発生する状態であるため、いわゆる電チューサポートが行われていない状態である。これに対して、「時間短縮状態」は、「非時間短縮状態」や「特殊状態」と比較して高い頻度で特別図柄抽選についての抽選契機が発生する状態であるため、いわゆる電チューサポートが行われている状態である。
〔図12:普通図柄変動前処理を参照〕
ステップS6400:主制御CPU72は、先の当り判定処理で当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS6404を実行する。
ステップS6404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、普通図柄表示装置33によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄指定コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図8中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。
なお本実施形態では、普通図柄表示装置33に2つのLEDを用いているため、例えば上記のように、はずれ時の停止図柄の表示態様をいずれか1つ(下側)のLEDの点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。このような考え方は、普通図柄表示装置33に7セグメントLEDを用いた場合も同様に適用することができる。
ステップS6406:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、普通図柄についてはずれ時の変動パターン番号を決定する。変動パターン番号は、変動パターンの種類を区別したり、そのときの変動時間を規定したりするものであり、例えば主制御CPU72による乱数抽選で決定される。すなわち主制御CPU72は、この処理において例えば図示しない変動パターン決定テーブルを参照し、このテーブル上で普通図柄当り乱数(非当選のもの)に対応する変動パターン番号を選択する。またテーブルには、変動パターン番号に対応する変動時間(例えば6.0秒〜180秒)が予め設定されており、主制御CPU72は選択した変動パターン番号に対応する変動時間をテーブルから取得することができる。
なお本実施形態では、はずれリーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は、例えばステップS6250で設定した「変動表示開始時作動記憶数(0個〜3個)」に基づいて設定される。また変動時間については、「非時間短縮状態」と「時間短縮状態」と「特殊状態」とで設定が異なり、「非時間短縮状態や特殊状態」では上記のように選択した変動パターン番号に基づいて変動時間が設定されるが、「時間短縮状態」では固定値(例えば0.6秒)に設定される。なお、状態別の変動時間の設定についても、別の図面を使用してさらに後述するものとする。
以上のステップS6404,ステップS6406は、当り判定結果がはずれ時の制御手順であるが、判定結果が当り(ステップS6400:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。
ステップS6410:主制御CPU72は、当り時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は当り図柄乱数に基づき、今回の当選図柄の種類(当り時停止図柄番号)を決定する。当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め普通図柄当り時停止図柄選択テーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、当り時停止図柄決定処理において普通図柄当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる(当選種類決定手段)。
〔当り時の当選図柄〕
本実施形態では当り時に選択的に決定される当選図柄として、大きく分けて2種類が用意されている。2種類の内訳は、「第1当選図柄」及び「第2当選図柄」である。なお、2種類の当選図柄の各当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば「第1当選図柄」であれば、「第1当選図柄a」、「第1当選図柄b」、「第1当選図柄c」、・・・といった具合である。
〔普通図柄当り時停止図柄選択テーブル〕
図13は、普通図柄当り時停止図柄選択テーブルの構成列を示す図である。主制御CPU72は、今回の普通図柄の抽選結果が当選である場合、図13に示される普通図柄当り時停止図柄選択テーブルを参照して当選図柄の種類を決定する(当選種類決定手段)。
普通図柄当り時停止図柄選択テーブル中、左カラムには本実施形態で移行しうる各種状態(通常中、時短中、有利な状態1〜4)が示されている。なお、有利な状態1〜4は、特殊状態である。
普通図柄当り時停止図柄選択テーブル中、左から2番目のカラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「50」等は分母を100とした場合の割合に相当する。また左から3番目のカラムには、各振分値に対応する「第1当選図柄」及び「第2当選図柄」が示されている。ここで「第1当選図柄」に該当した場合は可変始動入賞装置28がロング開放状態に作動されることを意味しており、「第2当選図柄」に該当した場合は可変始動入賞装置28がショート開放状態に作動されることを意味している。
図示の例では、通常中の当り時に、「第1当選図柄」が選択される割合は100分の50(=50%)であり、「第2当選図柄」が選択される割合は100分の50(=50%)である。また時短中の当り時に、「第1当選図柄」が選択される割合は100分の100(=100%)であり、「第2当選図柄」が選択される割合は100分の0(=0%)である。なお、選択される割合が100分の0ということは、その図柄が選択されないことを意味している。
また有利な状態1での当り時に、「第1当選図柄」が選択される割合は100分の55(=55%)であり、「第2当選図柄」が選択される割合は100分の45(=45%)である。また有利な状態2での当り時に、「第1当選図柄」が選択される割合は100分の64(=64%)であり、「第2当選図柄」が選択される割合は100分の36(=36%)である。また有利な状態3での当り時に、「第1当選図柄」が選択される割合は100分の80(=80%)であり、「第2当選図柄」が選択される割合は100分の20(=20%)である。また有利な状態4での当り時に、「第1当選図柄」が選択される割合は100分の100(=100%)であり、「第2当選図柄」が選択される割合は100分の0(=0%)である。各振分値の大きさは、当り図柄乱数を用いた当選図柄別の選択比率に相当する。
このように、本実施形態では、特殊状態(有利な状態1〜4)に移行されている間に普通図柄抽選で当選が得られた場合、通常中(非時間短縮状態)にて普通図柄抽選で当選が得られた場合と比較して、「第1当選図柄」に該当するものと決定される確率を高く設定している(第1当選種類高設定手段)。
また、本実施形態によれば、第1段階抽選(普通図柄抽選)で「第1当選種類(ロング開放)に該当するものと決定される確率」に関しては、複数通りに予め用意された特殊状態(有利な状態1〜4)ごとに異ならせて設定されているため、それだけ遊技に多様性を与えて遊技の単調化を防止することができる。
しかも、特定の特殊状態(本実施形態では有利な状態4)に関しては、第1段階抽選での当選時に決定される当選種類を「第1当選種類(ロング開放)」に制限しているため、第1段階抽選(普通図柄抽選)に当選しさえすれば、基本的には必ず時間短縮状態に移行することとなり、略100%(非入賞や非当選の場合を除く)の確率でチャンスゾーンに突入することとなる。このように、100%の確率でチャンスゾーンに突入する状態を作り出すことにより、遊技に対する追いかけ要素(即ヤメ防止効果)を向上させることができる。
いずれにしても、今回の普通図柄抽選にて当りの結果が得られた場合、主制御CPU72は当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、普通図柄当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。また普通図柄当り時停止図柄選択テーブルには、右カラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。停止図柄コマンドは、例えばMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「A1H」は、普通図柄の当り時に選択されたものであることを表している。また下位バイトのEVENT値「00H」〜「0AH」は、それぞれ選択テーブル中で対応する状態別の当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の当りの結果が通常中での当選であり、当選図柄として「第1当選図柄」が選択された場合、当選時の停止図柄コマンドは「A1H00H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は普通図柄当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて普通図柄についての当り時停止図柄番号を決定する。
〔図12:普通図柄変動前処理を参照〕
ステップS6412:次に主制御CPU72は、当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は例えばRAM76のカウンタ領域から変動パターン決定乱数(普通図柄変動用乱数)を取得すると、その値に基づいて普通図柄の変動パターン(変動時間)を決定する。本実施形態のパチンコ機1による遊技では、基本的に、普通図柄の当り時には図柄演出を含めて当り時のリーチ変動を行うため、ここではリーチ変動パターンが選択される。なお一般的に当り時のリーチ変動の場合、はずれ通常変動時よりも長い変動時間が決定される。また、変動パターン決定乱数(普通図柄変動用乱数)は、このステップS6412で取得する以外に、例えば先の普通図柄記憶更新処理(図10)の中で取得してもよい。この場合、主制御CPU72は普通図柄記憶更新処理のステップS23において、取得した普通図柄変動用乱数を当り決定乱数とセットで記憶させるものとする。
ステップS6413:主制御CPU72は、当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は当り時停止図柄番号に基づいて、普通図柄表示装置33による停止図柄(当り図柄)の表示態様を決定する。ただし、上記のように本実施形態では停止図柄番号が2種類あるため、例えば主制御CPU72は第1当選図柄での当選であれば上側のLEDを点灯させる表示態様を決定し、第2当選図柄での当選であれば上側及び下側の2つのLEDを点灯させる表示態様を決定する。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理(図8中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。
ステップS6414:次に主制御CPU72は、普通図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択し、変動パターンに対応する変動時間の値を変動タイマにセットする。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に普通図柄の変動開始フラグをセットする。そして主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は普通図柄遊技処理に復帰する。
〔図11:普通図柄変動中処理,普通図柄停止表示中処理〕
普通図柄遊技処理に復帰すると、主制御CPU72は普通図柄変動中処理(ステップS3001)を次のジャンプ先に設定する。普通図柄変動中処理では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数、又は割込カウンタのカウント数)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで上記のように普通図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は普通図柄停止表示中処理(ステップS4001)を次のジャンプ先に設定する。
普通図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は当り時停止図柄決定処理(図12中のステップS6404,ステップS6410)で決定した停止図柄に基づいて普通図柄の停止表示を制御する。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。なお、普通図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。
〔可変入賞装置管理処理〕
次に、可変始動入賞装置管理処理について説明する。図14は、可変始動入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。可変始動入賞装置管理処理は、遊技プロセス選択処理(ステップS5101)、開放パターン設定処理(ステップS5201)、開閉動作処理(ステップS5301)、閉鎖処理(ステップS5401)、終了処理(ステップS5501)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5101:遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5201〜ステップS5501のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また戻り先のアドレスとして可変始動入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(例えば普通図柄遊技管理ステータスの値)によって異なる。例えば、未だ可変始動入賞装置28の作動を開始していない状況であれば(普通図柄遊技管理ステータス:03H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として開放パターン設定処理(ステップS5201)を選択する。一方、既に開放パターン設定処理が完了していれば(普通図柄遊技管理ステータス:04H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として開閉動作処理(ステップS5301)を選択し、開閉動作処理まで完了していれば(普通図柄遊技管理ステータス:05H)、次のジャンプ先として閉鎖処理(ステップS5401)を選択する。また、開閉動作処理及び閉鎖処理を実行すると(普通図柄遊技管理ステータス:06H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として終了処理(ステップS5501)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔開放パターン設定処理〕
ステップS5201:開放パターン設定処理では、主制御CPU72は可変始動入賞装置28の開放パターンとして、例えば作動時間(開放時間)と作動回数(開放回数)を設定する。なお、本実施形態では、「非時間短縮状態」、「時間短縮状態」、「特殊状態(有利な状態1〜4)」に応じて、可変始動入賞装置28の作動時間を異ならせて設定している(詳細は後述する)。
ここで、主制御CPU72は、作動時間と作動回数とを設定した後は、可変始動入賞装置28の開放待ちの規定時間が経過するまで、次のジャンプ先は設定しない(ジャンプ先を開放パターン設定処理に維持する)。そして、可変始動入賞装置28の開放待ちの規定時間が経過した後は、次のジャンプ先として開閉動作処理(ステップS5301)を設定する。ここで、可変始動入賞装置28の開放待ちの規定時間については、「非時間短縮状態」や「特殊状態(有利な状態1〜4)」であれば、時間短縮状態に移行するか否かの演出を行う時間を確保するため、ある程度の長い時間(例えば30秒〜60秒程度)を設定するが、「時間短縮状態」であれば、時間短縮状態に移行するか否かの演出を行う時間を確保する必要がないため、比較的短い時間(例えば1秒程度)を設定する。
ステップS5301:次の開閉動作処理では、主制御CPU72は先のステップS5201で設定した作動時間に基づいて普通電動役物ソレノイド212を駆動する。これにより、実際に可変始動入賞装置28の作動(開放)が行われる。また主制御CPU72は、次のジャンプ先として閉鎖処理(ステップS5401)を設定する。
ステップS5401:閉鎖処理では、主制御CPU72は作動時間の経過をタイマカウンタ値に基づいてカウントする。そして、タイマカウンタの値が0以下になれば、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド212を非作動状態(OFF)に切り替える。そして主制御CPU72は、次のジャンプ先として終了処理(ステップS5501)を設定する。
ステップS5501:終了処理では、主制御CPU72は可変始動入賞装置28の作動を終了する際の条件を整える。例えば、主制御CPU72は普通電動役物作動フラグの値(01H)をリセットする。そして主制御CPU72は、普通図柄遊技処理の中の実行選択処理(図11中のステップS1001)でのジャンプ先を普通図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変始動入賞装置管理処理に復帰する。
図15は、普通図柄作動条件設定テーブルの構成例を示す図である。この普通図柄作動条件設定テーブルは、通常中(非時間短縮状態)と、時短中(時間短縮状態)と、有利な状態(特殊状態)1〜4とで普通図柄の当り確率や変動時間を異なる設定としたり、また、当り時の可変始動入賞装置28の開放パターン(作動時間及び作動回数)を異なる設定としたりするためのものである。
図15中の上から2番目の段に示されているように、本実施形態において、通常中(非時間短縮状態)で行われる作動抽選に際しては、通常の当り確率(例えば1/80)が適用される。また通常中(非時間短縮状態)で行われる普通図柄の変動表示については、上記のように普通図柄変動用乱数を用いて設定された変動時間(設定時間)が適用される。また本実施形態では、通常中の作動時間は「0.1秒」又は「5.8秒」に設定される。いずれの作動時間が選択されるかについては、普通図柄の当選図柄に基づいて決定される。この点は、以下の有利な状態1〜3についても同様である。また本実施形態では、通常中の作動回数は、「1回」に設定されている。この点は、以下のすべての状態について同様である。
一方、図15中の上から3番目の段に示されているように、時短中(時間短縮状態)で行われる作動抽選に際しては、通常に比較して高い当り確率(例えば79/80≒1/1)が適用される。これにより、時間短縮状態では非時間短縮状態よりも高い頻度で作動抽選に当選する(作動条件が満たされる)ことから、それだけ高い頻度で可変始動入賞装置28への入賞が発生しやすくなる。また、時短中(時間短縮状態)で行われる普通図柄の変動表示については、予め設定された固定の変動時間(例えば0.6秒)が適用されることになる。また本実施形態では、時短中(時間短縮状態)の作動時間については「0.1秒」が設定されることはなく、必ず「5.8秒」が設定される。
一方、図15中の上から4番目〜7番目の段に示されているように、有利な状態(特殊状態)1〜4で行われる作動抽選に際しては、通常の当り確率(例えば1/80)が適用される。これにより、有利な状態1〜4では、非時間短縮状態と同等の頻度で作動抽選に当選する(作動条件が満たされる)ことから、非時間短縮状態と同等の頻度で可変始動入賞装置28への入賞が発生することとなる。また、有利な状態1〜4で行われる普通図柄の変動表示については、普通図柄変動用乱数を用いて設定された変動時間(設定時間)が適用される。この点は、すべての有利な状態で共通である。
そして、本実施形態では、有利な状態1〜3に関しては、作動時間が「0.1秒」又は「5.8秒」に設定されるが、有利な状態4に関しては、作動時間が必ず「5.8秒」に設定される。
以上が普通図柄遊技処理(図8中のステップS206)を通して行われる作動抽選や可変始動入賞装置28を作動させるための制御手法の概要である。次に、可変始動入賞装置28(始動入賞口28a)への入賞に伴う特別図柄記憶処理(図9中のステップS11)及びその入賞の発生を契機として進行する特別図柄遊技処理(図8中のステップS205)の内容について説明する。
〔特別図柄記憶処理〕
図16は、特別図柄記憶処理の手順例を示すフローチャートである。以下、特別図柄記憶処理について、手順例に沿って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は特別図柄について作動記憶があるか否かを確認する。本実施形態では、特別図柄に2個以上の作動記憶を設けていないため、ここでは例えば、既にRAM76の乱数記憶領域に転送済みの大当り決定乱数(1個)があれば、主制御CPU72は特別図柄について作動記憶があると判断する(Yes)。既に作動記憶がある状態であれば(Yes)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図9)に復帰する。一方、作動記憶が特にない場合(No)、主制御CPU72は次のステップS32に進む。なお、制御プログラムの構成上、ここで特別図柄作動記憶数カウンタ(上限数1個)を用いることとしてもよい。この場合、主制御CPU72は特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が1である場合は作動記憶があると判断する(Yes)。また作動記憶数が1でなければ(=0)、主制御CPU72は作動記憶がないと判断する(No)。
ステップS32:先のステップS30で作動記憶がないと判断した場合(ステップS30:No)、主制御CPU72は、上記のサンプリング回路77を通じて乱数発生器75から大当り決定乱数値を取得する。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビットのデータバス幅を有する場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを大当り決定乱数として転送先(乱数記憶領域)のアドレスにセーブする。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から大当り図柄乱数値を取得する。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、特別図柄の変動条件に関する乱数値として、例えば変動パターン決定乱数を取得する。この乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして主制御CPU72は、指定したアドレスから変動パターン決定乱数を取得すると、これを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS36:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数及び変動パターン決定乱数をともに特別図柄に対応する乱数記憶領域(この時点で空き状態)に転送し、これら乱数をセットで記憶させる。
ステップS38:そして主制御CPU72は、特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理は、例えば始動口入賞音制御コマンドを演出制御装置124に対して送信する設定を行うためのものである。
以上の手順を終えるか、もしくは特別図柄作動記憶が既にあった場合(ステップS30:Yes)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図9)に復帰する。
〔特別図柄遊技処理〕
次に、割込管理処理(図8)の中で実行される特別図柄遊技処理の詳細について説明する。図17は、特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。特別図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、可変入賞装置管理処理(ステップS5000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別図柄遊技処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1000:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000〜ステップS5000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(特別図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば(特別図柄遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、特別図柄表示装置34の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番〜7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は特別図柄表示装置34の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。またこの処理において、主制御CPU72は確率変動機能に関して「リミッタ回数」を設定したり、その減算処理を行ったりする。なお、処理の具体的な内容や「リミッタ回数」の意義についてはさらに後述する。
ステップS5000:可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において当りの態様(非当選以外の態様)で特別図柄が停止表示された場合に選択される。例えば、特別図柄が大当りの態様で停止表示されると、大当り遊技状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に移行する契機が発生する。大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、大入賞口ソレノイド90がある程度の時間(例えば最長で6.0秒間又は1個の入賞をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば2回)にわたって励磁され、これにより可変入賞装置30が決まったパターンで開閉動作する(開放動作手段)。この間に可変入賞装置30に対して遊技球を入賞させることで、遊技者には賞球(例えば1個の入賞に対して6個の賞球払出)を獲得する機会が与えられる(特別特典付与手段、入賞特典付与手段)。なお、このように大当り時に可変入賞装置30が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が2回であれば、これらを「2ラウンド」と総称することがある。ただし、本実施形態では1回あたりの開放時間が比較的短時間(6.0秒)であり、また、1ラウンド内のカウント数が最小(例えば1個)であるため、一般的な15ラウンド大当り(例えば1ラウンド29秒開放、カウント数9個)と比較すると、1回の大当り(2ラウンド)で獲得できる賞球数は少なくなっている。
いずれにしても、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開放動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の可変入賞装置30の開放動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数(この例では2回)に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで大当り遊技(大役)を終了する。
そして、大当り遊技(可変入賞装置30の開放動作)を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(高確率状態、時間短縮状態)を変化させる。「高確率状態」では確率変動機能が作動し、内部抽選での当選確率が通常よりも高くなる(高確率状態移行手段)。ただし本実施形態では、確率変動機能が非作動の「低確率状態」であっても、内部抽選での当選確率は1分の1に近い値(例えば65536分の65534程度)に設定されており、ここから「高確率状態」に移行した場合、当選確率は略同程度の高確率(例えば65536分の65535程度)に設定される。なお、「高確率状態」においては、内部抽選の当選確率を1分の1(例えば65536分の65536)に設定してもよい。
また「時間短縮状態」では時間短縮機能が作動し、上記のように普通図柄の作動抽選が高確率(例えば80分の1→80分の79)になり、普通図柄の変動時間が短縮して設定(例えば0.6秒程度に固定して設定)される(時間短縮状態移行手段)。合わせて特別図柄の変動時間についても、非時間短縮状態より短縮して設定(例えば0.6秒程度に固定して設定)される(時間短縮状態移行手段)。
これに対して「特殊状態(有利な状態1〜4)」では、確率変動機能も時間短縮機能も作動せず、普通図柄の作動抽選は低確率(例えば80分の1)の状態が維持され、普通図柄の変動時間も短縮されない(特殊状態移行手段)。ここで「特殊状態」とは、「非時間短縮状態」と同等の頻度で特別図柄抽選についての抽選契機が発生する状態(いわゆる電チューサポートが行われていない状態)である。
なお、「高確率状態」及び「時間短縮状態」については、制御上でいずれか一方だけに移行する場合もあれば、これら両方に合わせて移行する場合もある。また「低確率状態」又は「高確率状態」、「非時間短縮状態」,「時間短縮状態」又は「特殊状態」といった内部状態の変化の仕組みについては、特別図柄の当選図柄(当選種類)やパチンコ機1におけるゲームシステムと合わせてさらに後述する。
〔特別図柄変動前処理〕
図18は、特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、RAM76の乱数記憶領域に特別図柄作動記憶があるか否かを確認する。あるいは、上記のように作動記憶数カウンタの値を参照して確認を行ってもよい。なお特別図柄の作動記憶は、上記のようにスイッチ入力イベント処理において可変始動入賞装置28(始動入賞口28a)への入賞の発生を契機として発生するものである。このとき、未だ変動を開始するべき特別図柄の作動記憶がないことを確認した場合(No)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理(図17)に復帰する。これに対し、特別図柄の作動記憶があることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、先ず主制御CPU72は、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)を読み出す。読み出した乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存され、乱数記憶領域からは作動記憶が消去(消費)される。次に主制御CPU72は大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(第2段階抽選実行手段、内部抽選実行手段)。このとき設定される大当り値の範囲は、低確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なるが、上記のように本実施形態ではいずれの状態にあっても、略同程度の当選確率に合わせて大当り値の範囲(例えば低確率状態で0〜65533、高確率状態で0〜65534)が設定される。いずれにしても、このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、特別図柄表示装置34によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図8中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。
なお本実施形態では、特別図柄表示装置34に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を1つのセグメント(中央のバー「−」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2406:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する。変動パターン番号は、特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。はずれ時の変動時間は、上記の「時間短縮状態」であるか否かによって異なってくるため、この処理において主制御CPU72は、遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「時間短縮状態」であるか否かを確認する。そして「時間短縮状態」であれば、基本的にはずれ時の変動時間は短縮された時間(例えば0.6秒程度)に設定される。「時間短縮状態」でなければ(例えば非時間短縮状態や特殊状態(有利な状態1〜4)であれば)、はずれ時の変動時間は例えば変動パターン決定乱数に基づいて決定される。ただし、本実施形態では内部抽選の当選確率が略1分の1であるため、特別図柄のはずれ(非当選)変動が行われることは確率的にほとんどない。いずれにしても、主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする(変動時間設定手段)。
以上のステップS2404,ステップS2406は、大当り判定結果がはずれ時(非当選以外の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。本実施形態では当選確率が略1分の1であるため、ほとんど毎回の変動時に以下の処理が選択されることになる。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(第2段階抽選実行手段、当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別について今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め大当り時停止図柄選択テーブルで規定されている。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
ステップS2412:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2300で読み出した変動パターン決定乱数に基づいて特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。大当り時の変動時間についても、上記の「時間短縮状態」であるか否かによって異なってくる。このため、主制御CPU72は遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「時間短縮状態」であるか否かを確認する。そして「時間短縮状態」であれば、基本的に大当り時であっても変動時間は短縮された時間(例えば0.6秒程度)に設定される。「時間短縮状態」でない場合(例えば非時間短縮状態や特殊状態(有利な状態1〜4)である場合)、時間短縮状態に移行するか否かの演出を行う時間を確保する必要がないため、比較的短い変動時間(例えば1秒〜5秒程度)に対応する変動パターンが設定される。いずれにしても、主制御CPU72は、決定した変動時間(大当り時)の値を変動タイマにセットするとともに、大当り時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
ステップS2413:主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)がいずれかの確変図柄に該当する場合、例えば遊技状態フラグとして確率変動機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットし、合わせて回数切りカウンタ値(例えば10000回)をセットする。また主制御CPU72は、そのとき決定した当選図柄に対応する時間短縮機能作動回数が付加されている場合、遊技状態フラグとして時間短縮機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットし、あわせて回数切りカウンタ値(100回又は10000回)をセットする。
また主制御CPU72は、先のステップS2410で決定した当選図柄に基づいてRAM76のフラグ領域に記憶されている特殊状態ステータスの値を更新する。ここで「特殊状態ステータス」とは、複数通り予め用意された特殊状態(有利な状態1〜4)に対応する識別番号等を保持する変数であり、特別図柄抽選にて当選の結果が得られるたびにその値が更新される。本実施形態で登場する各状態には、固有の識別番号が割り当てられており、主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に記憶されている特殊状態ステータスの値を参照すれば、いかなる状態にて遊技が進行されているのかを認識することができる。なお、当選図柄の詳細については後述するが、当選図柄が単発(通常)図柄5に該当した場合は特殊状態(有利な状態1)に移行され、当選図柄が単発(通常)図柄6に該当した場合は特殊状態(有利な状態2)に移行され、当選図柄が単発(通常)図柄7に該当した場合は特殊状態(有利な状態3)に移行され、当選図柄が単発(通常)図柄8に該当した場合は特殊状態(有利な状態4)に移行される。
特殊状態ステータスの設定値に関しては、主制御CPU72は、特殊状態(有利な状態1)に該当する場合は特殊状態(有利な状態1)であることを示す識別番号(例えば01H)を、特殊状態(有利な状態2)に該当する場合は特殊状態(有利な状態2)であることを示す識別番号(例えば02H)を、特殊状態(有利な状態3)に該当する場合は特殊状態(有利な状態3)であることを示す識別番号(例えば03H)を、特殊状態(有利な状態4)に該当する場合は特殊状態(有利な状態4)であることを示す識別番号(例えば04H)を特殊状態ステータスにセットする。なお、主制御CPU72は、特殊状態以外の状態(例えば、非時間短縮状態又は時間短縮状態)に該当する場合は特殊状態以外の状態であることを示す識別番号(例えば00H)を特殊状態ステータスにセットする。なお、特殊状態ステータスの初期値は、非時間短縮状態に対応する値(00H)が設定されている。
また主制御CPU72は、当選図柄に対応して付加された時間短縮機能作動回数の値に基づき、時間短縮機能作動回数コマンド(回数切りカウンタ数コマンドでもよい)を生成する。ここで生成された時間短縮機能作動回数コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。なお、当選図柄の種類や時間短縮機能作動回数の付加については、具体例を挙げてさらに後述する。
またステップS2413の処理において、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて特別図柄表示装置34による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、上記の停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2414:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択し、変動パターンに対応する変動時間の値を変動タイマにセットする。また主制御CPU72は、変動パターンに対応する停止図柄表示時間の値を表示タイマにセットする。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔図17:特別図柄変動中処理,特別図柄停止表示中処理〕
特別図柄変動中処理では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数又は割込カウンタの値)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで上記のように特別図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定する。
また特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図18中のステップS2404,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。特別図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。なお、特別図柄停止表示中処理の手順についてはさらに別のフローチャートを用いて後述する。
〔大当り時の当選図柄〕
次に、先の大当り時停止図柄決定処理(図18中のステップS2410)で決定される当選図柄の種類について説明する。本実施形態では特別図柄の大当り時に選択的に決定される当選図柄として、大きく分けて以下の8種類が用意されている。8種類の内訳は、例えば「単発(通常)図柄1」、「単発(通常)図柄2」、「確変図柄1」、「確変図柄2」、「確変図柄3」、「確変図柄4」、「確変図柄5」及び「確変図柄6」である。なお、これらは好ましい例示に過ぎず、上記8種類の当選図柄は全てを網羅したものではない。
図19は、大当り時停止図柄選択テーブルの構成列を示す図である。主制御CPU72は先の大当り時停止図柄決定処理(図18中のステップS2410)において、図19に示される大当り時停止図柄選択テーブルを参照して当選図柄の種類を決定することができる。また主制御CPU72は、決定した当選図柄別にその時点での遊技状態(非時間短縮状態、特殊状態、時間短縮状態)に応じて時間短縮機能作動回数を決定することができる。
図19に示される大当り時停止図柄選択テーブル中、左端カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「1」,「1」,「48」,「34」,「4」,「4」,「4」,「4」は、それぞれ分母を100とした場合の割合(選択比率)に相当する。また左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「単発(通常)図柄1」、「単発(通常)図柄2」、「確変図柄1」、「確変図柄2」、「確変図柄3」、「確変図柄4」、「確変図柄5」及び「確変図柄6」が示されている。すなわち、特別図柄抽選(第2段階抽選)での大当り時には、「単発(通常)図柄1」が選択される割合は100分の1(=1%)であり、「単発(通常)図柄2」が選択される割合は100分の1(=1%)である。また「確変図柄1」が選択される割合は100分の48(=48%)であり、「確変図柄2」が選択される割合は100分の34(=34%)である。また「確変図柄3」が選択される割合は100分の4(=4%)であり、「確変図柄4」が選択される割合は100分の4(=4%)である。また「確変図柄5」が選択される割合は100分の4(=4%)であり、「確変図柄6」が選択される割合は100分の4(=4%)である。各振分値の大きさは、大当り図柄乱数を用いた当選図柄別の選択比率に相当する。ここでいう「単発(通常)図柄1」及び「単発(通常)図柄2」は、大当り後において確率変動機能を作動させることとならない当選図柄(非確変図柄)である。このため、本実施形態では全体として確変図柄の選択比率は98%であり、大当り時は極めて高い比率で「確変図柄」が選択されることになる。
〔時間短縮機能作動回数(時短回数)〕
次に、当選図柄(当選種類)別及び当選時の状態別に付加される時間短縮機能作動回数の違いについて説明する。本実施形態では、上述した8種類の当選図柄について、その当選時の状態に応じて付加される時間短縮機能作動回数が異なっている。以下、具体的に説明する。なお、時間短縮機能作動回数(0回以外)が付加されるということは、「時間短縮状態」に移行されることを意味しており、この「時間短縮状態」に移行された場合は、その後の普通図柄抽選について特定の条件(例えば普通図柄抽選の当選確率が通常の確率より高確率になり、普通図柄の変動時間が短縮されるという条件)を適用することを意味している。
(1)通常中(通常状態)
図19中の左から3番目のカラムは、非時間短縮状態である通常中(通常状態)で付与される時間短縮機能作動回数(時短回数)について示している。この状態は、特別図柄(内部抽選)に関して「低確率状態」であり、特別図柄の変動時間は短縮されておらず、普通図柄(作動抽選)に関しても「非時間短縮状態」である場合の状態である。この場合、当選図柄が「単発(通常)図柄1」又は「単発(通常)図柄2」のいずれに該当しても100回の時間短縮機能作動回数が付加されて時間短縮状態に移行される(第2段階抽選結果制限手段)。なお、「単発(通常)図柄1」又は「単発(通常)図柄2」のいずれかに該当した場合、大当り終了後の特別図柄の当選確率は「低確率」となる。
また、当選図柄が「確変図柄1」〜「確変図柄6」のいずれかに該当した場合、それぞれ10000回の時間短縮機能作動回数が付加されて時間短縮状態に移行される(第2段階抽選結果制限手段)。なお、「確変図柄1」〜「確変図柄6」のいずれに該当した場合であっても、大当り終了後の特別図柄の当選確率は「高確率」となる。
以上は、主に普通図柄(作動抽選)に関して時間短縮機能が非作動である「非時間短縮状態(通常中)」で付加される時短回数の違いであるが、「特殊状態」又は「時間短縮状態」で付加される時短回数の違いは、さらに以下のように細分化される。ここではまず、「特殊状態」について説明する。
(2)特殊状態(有利な状態1〜4)
図19中の左から4番目のカラムは、特殊状態(有利な状態1〜4)で付与される時間短縮機能作動回数(時短回数)について示している。この特殊状態(有利な状態1〜4)は、特別図柄(内部抽選)に関して「低確率状態」であり、特別図柄の変動時間は短縮されておらず、普通図柄(作動抽選)に関して「非時間短縮状態」である場合の状態である。このような特殊状態(有利な状態1〜4)は、後述するリミッタ到達時に「単発図柄5」〜「単発図柄8」に強制された場合に発生し得る。この場合、普通図柄に関しては「非時間短縮状態」であるため、普通図柄抽選で当選が得られる確率は低確率(1/80)のままである。
そして、この特殊状態(有利な状態1〜4)において、当選図柄が「単発(通常)図柄1」又は「単発(通常)図柄2」のいずれに該当しても100回の時間短縮機能作動回数が付加されて時間短縮状態に移行される(第2段階抽選結果制限手段)。なお、「単発(通常)図柄1」又は「単発(通常)図柄2」のいずれかに該当した場合、大当り終了後の特別図柄の当選確率は「低確率」となる。
また、当選図柄が「確変図柄1」〜「確変図柄6」のいずれかに該当した場合、それぞれ10000回の時間短縮機能作動回数が付加されて時間短縮状態に移行される(第2段階抽選結果制限手段)。なお、「確変図柄1」〜「確変図柄6」のいずれに該当した場合であっても、大当り終了後の特別図柄の当選確率は「高確率」となる。
〔時間短縮状態〕
以上は、主に普通図柄(作動抽選)に関して時間短縮機能が非作動である「非時間短縮状態」又は「特殊状態」で付加される時短回数の違いであるが、「時間短縮状態」で付加される時短回数の違いは、さらに以下のように細分化される。
〔リミッタ回数の設定〕
本実施形態においては、特別図柄(内部抽選)に関して当選時の内部状態が「低確率状態」であり、そこから「確変図柄1」〜「確変図柄6」のいずれかで当選(初回当選)すると、例えば先の特別図柄停止表示中処理(図17中のステップS4000)において、上記の「リミッタ回数」が所定の上限回数(例えば1回目を含めて15回とする)に基づいて設定される(残回数設定手段)。この「リミッタ回数」は、「高確率状態」での当選時に主制御CPU72が「確変図柄1」〜「確変図柄6」に該当すると連続して決定することができる限度(連続回数)を意味する。そして「リミッタ回数」は、「高確率状態」での当選時に「確変図柄1」〜「確変図柄6」に該当すると、その度ごとに1ずつ減算され、その残り回数が少なくなっていく。ただし、「リミッタ回数」が残り0回に達しない(残りが1回以上ある)間は、主制御CPU72は先の大当り時停止図柄決定処理(図18中のステップS2410)において、「高確率状態」での当選時に連続して「確変図柄1」〜「確変図柄6」に該当すると決定することが可能である。そこで先ず、「リミッタ回数」に1回以上の残りがある場合(リミッタ到達前)について説明する。
(3)時間短縮状態(高確率時短中)
例えば、図19中の左から5番目のカラム(右から3番目のカラム)に示されているように、特別図柄(内部抽選)に関して「高確率状態」であり、かつ、普通図柄(作動抽選)に関して「時間短縮状態」である場合を想定する。例えば、上記(1)の通常中の状態で「確変図柄1」〜「確変図柄6」のいずれかに該当した場合、上記(2)の特殊状態(有利な状態1〜4)で「確変図柄1」〜「確変図柄6」のいずれかに該当した場合、時間短縮状態(高確率時短中)に移行される。そしてこの場合、8種類あるいずれの当選図柄についても、必ず時間短縮機能作動回数が付加される。詳細には、当選図柄が「単発(通常)図柄1」又は「単発(通常)図柄2」に該当すると、いずれの場合も100回の時間短縮機能作動回数が付加される(第2段階抽選結果制限手段)。また、当選図柄が「確変図柄1」〜「確変図柄6」のいずれに該当した場合も10000回の時間短縮機能作動回数が付加される(第2段階抽選結果制限手段)。この場合、「高確率状態」で「確変図柄1」〜「確変図柄6」に連続当選しているため、上記のように「リミッタ回数」は1減算される。また「確変図柄1」〜「確変図柄6」のいずれに該当しても、大当り終了後の特別図柄の当選確率は「高確率」となり、合わせて「時間短縮状態」となるため、結果的に「(3)時間短縮状態(高確率時短中)」が維持されることになる。一方、「単発(通常)図柄1」又は「単発(通常)図柄2」のいずれかに該当した場合、大当り終了後の特別図柄の当選確率は「低確率」となるが、普通図柄(作動抽選)に関して「時間短縮状態」は維持されるため、以下の時間短縮状態(低確率時短中)に移行する。
(4)時間短縮状態(低確率時短中)
例えば、図19中の右から2番目のカラムに示されているように、特別図柄(内部抽選)に関して「低確率状態」であり、かつ、普通図柄(作動抽選)に関して「時間短縮状態」である場合を想定する。上記(1)の通常中の状態で「単発図柄1」又は「単発図柄2」に該当するか、上記(2)の特殊状態(有利な状態1〜4)で「単発(通常)図柄1」又は「単発図柄2」に該当するか、上記(3)の時間短縮状態(高確率時短中)に「単発(通常)図柄1」又は「単発(通常)図柄2」に該当した場合、時間短縮状態(低確率時短中)の状態となる。そしてこの場合も同様に、8種類あるいずれの当選図柄についても、必ず時間短縮機能作動回数が付加される(第2段階抽選結果制限手段)。詳細には、当選図柄が「単発(通常)図柄1」又は「単発(通常)図柄2」に該当すると、いずれの場合も100回の時間短縮機能作動回数が付加される(第2段階抽選結果制限手段)。また、当選図柄が「確変図柄1」〜「確変図柄6」のいずれかに該当すると、いずれの場合も10000回の時間短縮機能作動回数が付加される。この場合、「低確率状態」から「確変図柄1」〜「確変図柄6」に初当選していることになるため、「リミッタ回数」は再設定(残り14回に設定)される。また「確変図柄1」〜「確変図柄6」のいずれに該当しても、大当り終了後の特別図柄の当選確率は「高確率」となり、合わせて「時間短縮状態」となるため、結果的に上記(3)の時間短縮状態(高確率時短中)が再開されることになる。一方、「単発(通常)図柄1」又は「単発(通常)図柄2」のいずれかに該当した場合、大当り終了後の特別図柄の当選確率は「低確率」となるが、普通図柄(作動抽選)に関して「時間短縮状態」は維持されるため、結果的に「(4)時間短縮状態(低確率時短中)」が維持されることになる。
〔リミッタ到達時〕
特別図柄の当選確率が「高確率」である場合に連続して「確変図柄1」〜「確変図柄6」のいずれかに当選し、その度ごとに「リミッタ回数」が減算された結果、上記の「リミッタ回数」が残り0回に到達すると、「高確率状態」での当選時に主制御CPU72は「確変図柄1」〜「確変図柄6」に該当すると決定することができなくなる。具体的には、大当り図柄乱数が「確変図柄1」〜「確変図柄6」のいずれかに対応していたとしても、最終的な当選図柄は「単発図柄3」〜「単発図柄8」のいずれかへ強制的に変更される(第2段階抽選結果制限解除手段)。
(5)時間短縮状態(高確率時短中)のリミッタ到達時
当選図柄の強制変更については、図19中の右カラムに示されている。例えば、図19中の右カラムに示されているように、「高確率状態」かつ「時間短縮状態」で「リミッタ回数」の残りが0回(規定値)に達すると、確変図柄は以下のように単発図柄に強制される。
(a)「確変図柄1」(選択比率48%)に該当した場合、最終的な当選図柄は「単発図柄3」に強制される。
(b)「確変図柄2」(選択比率34%)に該当した場合、最終的な当選図柄は「単発図柄4」に強制される。
(c)「確変図柄3」(選択比率4%)に該当した場合、最終的な当選図柄は「単発図柄5」に強制される。
(d)「確変図柄4」(選択比率4%)に該当した場合、最終的な当選図柄は「単発図柄6」に強制される。
(e)「確変図柄5」(選択比率4%)に該当した場合、最終的な当選図柄は「単発図柄7」に強制される。
(f)「確変図柄6」(選択比率4%)に該当した場合、最終的な当選図柄は「単発図柄8」に強制される。
このような当選図柄の強制(規制)が行われる結果、「リミッタ回数」の残りが0回に達した後の「高確率状態」は継続されなくなり、大当り終了後に一度は「低確率状態」に強制的に復帰されることになる。さらに、当選図柄として「単発図柄1」又は「単発図柄2」が普通に選択された場合と、「単発図柄3」が強制的に選択された場合(合成選択比率50%)については、いずれも100回の時間短縮機能作動回数が付加されて時間短縮状態に移行するが、「単発図柄4」が強制的に選択された場合(選択比率34%)は時間短縮機能作動回数が付加されずに(0回=時短なし)、通常中の状態に移行される。また「単発図柄5」が強制的に選択された場合(選択比率4%)は時間短縮機能作動回数が付加されないが(0回=時短なし)、特殊状態(有利な状態1)に移行される。また「単発図柄6」が強制的に選択された場合(選択比率4%)は時間短縮機能作動回数が付加されないが(0回=時短なし)、特殊状態(有利な状態2)に移行される。また「単発図柄7」が強制的に選択された場合(選択比率4%)は時間短縮機能作動回数が付加されないが(0回=時短なし)、特殊状態(有利な状態3)に移行される。また「単発図柄8」が強制的に選択された場合(選択比率4%)は時間短縮機能作動回数が付加されないが(0回=時短なし)、特殊状態(有利な状態4)に移行される。
これはつまり、「リミッタ回数」が残り0回に到達すると、特別図柄(内部抽選)に関して「低確率状態」に必ず復帰するが、そのとき「時間短縮状態」から「非時間短縮状態」に復帰(移行)する割合が全体の34%あり、「時間短縮状態」から「特殊状態」に復帰(移行)する割合が全体の16%あり、残り50%の割合で「時間短縮状態」が維持されることを意味する(第2段階抽選結果制限解除手段、非時間短縮状態移行手段、特殊状態移行手段)。なお、本実施形態では、上記(1)の通常中(非時間短縮状態)や上記(2)の有利な状態1〜4(特殊状態)において、特別図柄抽選で当選した場合には、必ず時間短縮機能作動回数が付与されるので、「時間短縮状態」に移行されることなく「リミッタ回数」の残りが0回に到達することはない(「時間短縮状態」に移行されることなく「リミッタ回数」が減少するという現象は発生しない)。このため、「時間短縮状態」に移行する場合、「リミッタ回数」が最大限に残存している状態から連続した大当り遊技を開始することができるというメリットがある。
以上のように本実施形態では、当選時の状態別、リミッタ残数別(到達前・到達時)によって付加される時間短縮機能作動回数が異なっていることが分かる。その結果、例えば同じ「確変図柄2」であっても、当選時の状態別やリミッタ残数別(到達前・到達時)で10000回の時間短縮機能作動回数が付加される場合もあれば、「単発図柄4」に強制されて時間短縮機能作動回数が付加されない場合もある。
いずれにしても本実施形態では、「時間短縮状態」に移行されることとなる当選図柄が選択された場合を、特定の条件を適用する旨の抽選結果が得られた場合としている。また「特殊状態」に移行されることとなる当選図柄が選択された場合を、特定の条件を適用しない旨の抽選結果が得られた場合であって、特別図柄抽選の抽選結果について所定の条件が満たされた場合としている。
〔特別図柄停止表示中処理〕
次に、図20は、特別図柄停止表示中処理(図17中のステップS3000)の手順例を示すフローチャートである。以下に、特別図柄停止表示中処理の具体的な手順と合わせて、上記の「リミッタ回数」の設定や減算処理を行う手法について説明する。
ステップS4100:主制御CPU72は、停止図柄表示タイマの値を減算(例えば割込周期分だけデクリメント)する。
ステップS4200:そして主制御CPU72は、今回減算した停止図柄表示タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、停止図柄表示タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ停止表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(図17中のステップS1000)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。
これに対し、停止図柄表示タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は停止表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS4250を実行する。
ステップS4250:主制御CPU72は、図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また主制御CPU72は、ここで図柄変動中フラグを消去する。
ステップS4300:ここで主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4310を実行する。
ステップS4310:主制御CPU72は、今回の当選図柄が確変図柄であるか否かを確認する。この確認は、大当り時停止図柄番号に基づいて行うことができる。すなわち、今回の大当り時停止図柄番号が上記の「確変図柄1」〜「確変図柄6」のいずれかに該当する場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4320に進む。
〔確変図柄選択時〕
ステップS4320:主制御CPU72は、今回の当選時が「高確率状態」であるか否かを確認する。今回の当選時が「低確率状態」である場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4330を実行する。
ステップS4330:この場合、主制御CPU72は「リミッタ回数」を上限回数(1回目を含めて15回)に基づいて設定する。具体的には、「リミッタ回数」の値を14回(リミッタ残数=14)に設定し、その値を例えばRAM76の残数カウンタ領域にセーブする。なお、ここで「リミッタ回数」を14回に設定するのは、上記のように上限回数が1回目の当選を含めて15回としているため、全体を通して残りが14回となるからである。
以上は、今回の当選時が「低確率状態」である場合の手順例であるが、今回の当選時が「高確率状態」であった場合(ステップS4320:Yes)、主制御CPU72は以下の手順を実行する。
ステップS4340:この場合、主制御CPU72は「リミッタ回数」を減算(−1)し、その減算後の値を残数カウンタ領域にセーブ(更新)する。例えば、今回の当選が「確変図柄1」〜「確変図柄6」の2連続目であった場合、既に1回目の当選時に「リミッタ回数」が14回に設定されているので、主制御CPU72は2回目で「リミッタ回数」を1つ減算し、その残りを13回として「リミッタ回数」を更新する。あるいは、今回の当選が「確変図柄1」〜「確変図柄6」の3連続目であった場合、2回目で13回に減算された「リミッタ回数」をさらに3回目で1つ減算し、その残りを12回として「リミッタ回数」を更新する。これにより、「高確率状態」の大当り時に「確変図柄1」〜「確変図柄6」のいずれかに連続して該当すると、その度ごとに「リミッタ回数」の残りが減少していくことになる(残回数設定手段、連続回数減算手段)。
この後、当選の度ごとに15回目まで連続して「確変図柄1」〜「確変図柄6」に該当した場合、14回目で残り1回に減算された「リミッタ回数」をさらに15回目で1つ減算すると、その残りは0回に到達する。この場合、主制御CPU72が次回の当選時に先の大当り時停止図柄決定処理(図18中のステップS2410)を実行すると、図19のテーブルを用いた当選図柄の決定に際して「リミッタ回数」が残り0回に達しているため、上記のように「確変図柄1」〜「確変図柄6」は「単発図柄3」〜「単発図柄8」に強制されることになる。
〔単発(通常)図柄選択時〕
これに対し、先のステップS4310で今回の大当り時停止図柄番号が上記の「単発(通常)図柄1」又は「単発(通常)図柄2」に該当するか、もしくは強制的に決定された「単発図柄3」〜「単発図柄8」のいずれかに該当する場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4345に進む。
ステップS4345:この場合、主制御CPU72は「リミッタ回数」の値を0回にクリア(リミッタ残数=0)する。なお主制御CPU72は、例えば先の大当り時停止図柄決定処理(図18中のステップS2410)において、今回の当選図柄として「単発図柄1」〜「単発図柄8」のいずれかを選択した場合、そこで「リミッタ回数」の値をクリアすることとしてもよい。
ステップS4346:いずれにしても、以上の手順を実行すると、次に主制御CPU72は、現在の「リミッタ回数」に基づいてリミッタ残数コマンドを生成する。ここで生成したリミッタ残数コマンドは、演出制御出力処理(図8中のステップS212)で演出制御装置124に出力される。
ステップS4350:次に主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先を「可変入賞装置管理処理」に設定する。
ステップS4400:そして主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また合わせて主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
大当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。
〔非当選時〕
これに対し、大当り時以外の場合は以下の手順が実行される。
すなわち主制御CPU72は、ステップS4300において大当りフラグの値(01H)がセットされていないと判断した場合(No)、次にステップS4600を実行する。
ステップS4600:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして特別図柄変動前処理のアドレスをセットする。
ステップ4610:次に主制御CPU72は、回数切りカウンタの値をロードする。「回数切りカウンタ」は、「高確率状態」や「時間短縮状態」においてそれぞれのカウンタ値がRAM76の確変カウント領域又は時短カウント領域にセットされている。なお、ここでは「回数切り」としているが、「高確率状態」の場合の回数切りカウンタの値は、極端に膨大な値(例えば10000回以上)に設定されている。また「時間短縮状態」の場合についても、上記のように当選図柄によって10000回の作動回数が付加される場合もある。このような膨大な値を設定することで、実質的に次回の当選が得られるまで「高確率状態」や「時間短縮状態」が継続することを確率的に保証することができる。なお、「時間短縮状態」の作動回数として100回が付加された場合、回数切りカウンタの値は100回に設定されるが、本実施形態では「時間短縮状態」での普通図柄(作動抽選)の当選確率は略1分の1(79/80)であるため、100回でも次回まで「時間短縮状態」が継続することは確率的に保証される。
ステップS4620:主制御CPU72は、ロードしたカウンタ値が0であるか否かを確認する。このとき、既に回数切りカウンタ値が0であれば(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。一方、回数切りカウンタ値が0でなかった場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4630を実行する。
ステップS4630:主制御CPU72は、回数切りカウンタ値をデクリメント(1減算)する。
ステップS4640:そして主制御CPU72は、その減算結果が0でないか否かを判断する。減算の結果、回数切りカウンタの値が0でなかった場合(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。これに対し、回数切りカウンタの値が0になった場合(No)、主制御CPU72はステップS4650に進む。
ステップS4650:ここで主制御CPU72は、回数切り機能作動時のフラグを消去する。消去されるのは、確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグであるが、上記のように「高確率状態」で回数切りカウンタの値が0になることは実質的にはなく、同様に「時間短縮状態」で回数切りカウンタの値が0になることも実質的にない。ただし理論的には発生し得るので、もしも実際に回数切りカウンタの値が0になった場合、対応する確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグは消去される。これにより、特別図柄の停止表示を経て「高確率状態」や「時間短縮状態」が終了する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。
〔表示出力管理処理〕
次に図21は、割込管理処理の中で実行される表示出力管理処理(図8中のステップS210)の構成例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、状態表示設定処理(ステップS1220)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)のサブルーチン群を含む構成である。
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)と普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、については、既に述べたように特別図柄表示装置34、普通図柄表示装置33及び普通図柄作動記憶ランプ33aの各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。
また状態表示設定処理(ステップS1220)については、遊技状態表示装置38の各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。この処理では、主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグの値に応じてそれぞれ確率変動状態表示ランプ38c、時短状態表示ランプ38dの点灯を制御する。例えば、パチンコ機1の電源投入時において確率変動機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は確率変動状態表示ランプ38cに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。なお確率変動状態表示ランプ38cは、この後に特別図柄の変動表示が行われると、確率変動機能作動フラグがセットされていても非表示に(消灯)切り替えられる。一方、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、特に電源投入時であるか否かに関わらず、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38dに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。
〔可変入賞装置管理処理〕
次に、可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。図22は、可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。可変入賞装置管理処理は、遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5100:遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200〜ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また戻り先のアドレスとして可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ可変入賞装置30の作動(開放動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大入賞口開閉動作処理及び大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として終了処理(ステップS5500)を選択する。
ステップS5200:大入賞口開放パターン設定処理では、主制御CPU72は1ラウンド中の開放時間、インターバル及びラウンド数の開放パターンを設定する。なお本実施形態では、1ラウンドの開放時間が最大で例えば「6.0秒」、また、ラウンド数は「2ラウンド」に予め固定されている。これにより、開放タイマ、インターバルタイマ、ラウンド数カウンタにそれぞれ値がセットされることになる。そして主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。ただし、上記の開放パターンはあくまで一例であれ、これに限定されるものではない。
ステップS5300:次に大入賞口開閉動作処理では、主制御CPU72は可変入賞装置30の開閉動作(開放動作)を制御する。具体的には、主制御CPU72は大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、可変入賞装置30の開閉部材30aが閉止位置から開放位置に変位し、大入賞口30bへの入賞の発生が可能な状態になる。また主制御CPU72は、開放タイマのカウントダウンを実行し、開放タイマの値が0以下になっていなければ、次に入賞球数のカウントを実行する。開放時間が終了するか、もしくはカウント数が所定数(例えば1個)に達したことを確認すると、主制御CPU72は大入賞口を閉止させる。具体的には、大入賞口ソレノイド90に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、可変入賞装置30が開放状態から閉止状態に復帰する。この後、主制御CPU72はインターバルタイマのカウントダウンを実行し、インターバルタイマの値が0以下になると、次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定する。
ステップS5400:大入賞口閉鎖処理では、主制御CPU72は可変入賞装置30の作動を継続したり、その作動を終了したりする。すなわち、現在の遊技状態が大当り中(大役中)であれば、主制御CPU72は上記のラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値が増加する。そして主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定すると、入賞球数カウンタをリセットする。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(ステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後に主制御CPU72が再び大入賞口閉鎖処理を実行することで、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数(2回)に達するまでの間、可変入賞装置30の開閉動作が連続して実行される。そして、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。また主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔終了処理〕
図23は、終了処理の手順例を示すフローチャートである。この終了処理は、可変入賞装置30の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5502:主制御CPU72は、大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。
ステップS5504:また主制御CPU72は、ここで内部的に大役中の状態を終了する。
ステップS5510:次に主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域を参照し、上記の時間短縮機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。この時間短縮機能作動フラグは、先の特別図柄変動前処理(図18)においてセットされるものである。時間短縮機能作動フラグがセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5512を実行する。
ステップS5512:主制御CPU72は、今回の当選図柄に対応する時間短縮機能作動回数(100回又は10000回)に基づき、時間短縮機能に対応する回数切りカウンタの値を設定する。設定した回数切りカウンタの値は、上述したRAM76の時短カウント領域に格納される。なお、時間短縮機能作動フラグがセットされていなければ(ステップS5510:No)、主制御CPU72はステップS5512を実行しない。この場合、大当り終了後に「時間短縮状態」には移行しない(時間短縮機能が非作動)。
ステップS5514:主制御CPU72は、ここで状態指定コマンドを生成する。具体的には、大当りフラグのリセットに伴い、遊技状態として「大役終了」を表す状態指定コマンドを生成する。また時間短縮機能作動回数に基づいて回数切りカウンタの値を設定した場合、内部状態として「時間短縮状態」を表す状態指定コマンドを生成する。これら状態指定コマンドは、演出制御出力処理(図8中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。
ステップS5516:大当り時に以上の手順を経ると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS5518:そして主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図17中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。
以上が主制御装置70(主制御CPU72)による各種の制御処理の内容である。主制御CPU72がこれら処理を実行することで、パチンコ機1による遊技が具体的に進行することとなる。
〔ゲームフロー〕
次に図24は、本実施形態のパチンコ機1による遊技の流れを一例として示すゲームフロー図である。パチンコ機1による遊技は、遊技者の操作に応じて遊技球を遊技領域8a内に打ち込む(発射する)ことで進行する。以下、遊技球の打ち出しを前提とした遊技の流れについて説明する。なお以下の説明では、適宜、図中の参照符号F1〜F47等を括弧付きで示す。
〔F1〕通常遊技中
例えば、遊技者がパチンコ機1で遊技を開始した当初は、パチンコ機1の内部状態が「通常遊技中」の状態となっているものとする。本実施形態において「通常遊技中」の状態には、例えば最もオーソドックスな〔F1a〕通常中(通常状態)と、遊技者にとって〔F1a〕通常中よりも有利な状態である〔F1c〕特殊状態(有利な状態1〜4)が含まれる。
〔F1a〕通常中
〔F1a〕通常中に関しては、特別図柄の当選確率が低確率の状態であり、特別図柄の変動時間は短縮されておらず、普通図柄(作動抽選)に関して「非時間短縮状態」である。
〔F1c〕特殊状態(有利な状態1〜4)
〔F1c〕特殊状態(有利な状態1〜4)に関しては、特別図柄の当選確率が低確率の状態であり、特別図柄の変動時間は短縮されておらず、普通図柄(作動抽選)に関して「非時間短縮状態」である。
〔F2〕普通図柄非当選
いずれにしても〔F1〕通常遊技中において、中始動ゲート20(又は右始動ゲート21)を遊技球が通過すると、これを契機として上記の作動抽選が実行される。作動抽選の結果が非当選の場合、特に内部的な状態の変化は発生せず、そのまま〔F1〕通常遊技中が継続される。
〔F3〕通常遊技中の普通図柄当り
一方、〔F1〕通常遊技中に作動抽選で当選すると、ゲームフローが次の段階に進む。
〔F4〕可変始動入賞装置作動
普通図柄当りにて「第1当選」に該当した場合、可変始動入賞装置28がロング開放状態となる作動を行い、始動入賞口28aへの入賞の発生が可能な状態となる。なお遊技領域8a(盤面)の構成上、普通図柄(作動抽選)の当選後は遊技領域8a内の右側部分に向けて遊技球を打ち込むことが遊技を進行させる上で必要となる。
これに対して、普通図柄当りにて「第2当選」に該当した場合、可変始動入賞装置28がショート開放状態となる作動を行うため、遊技領域8a内の右側部分に向けて遊技球を打ち込んでも、始動入賞口28aへの入賞は、基本的には発生しない。
〔F5〕入賞なし
可変始動入賞装置28の作動中(作動時間;「0.1秒程度」又は「5.8秒程度」)に始動入賞口28aへの入賞が発生しなかった場合、ゲームフローは〔F1〕通常遊技中に戻る。この場合、ゲームフローはまた作動抽選から再開される。
〔F6〕始動口入賞
これに対し、可変始動入賞装置28の作動中(作動時間;「0.1秒程度」又は「5.8秒程度」)に始動入賞口28aへの入賞が発生した場合、ゲームフローがさらに次の段階に進む。なお、特別図柄抽選(内部抽選)の契機となる入賞は1回だけが有効となるが、可変始動入賞装置28の作動中に複数回の入賞(平均して7〜8個の入賞)が発生すると、その都度、入賞特典(例えば入賞球1個につき12個の賞球払出)が遊技者に付与される(特典付与手段)。
〔F7〕特別図柄変動
始動入賞口28aへの入賞の発生を契機として特別図柄抽選(内部抽選)が行われる。これにより、特別図柄表示装置34において特別図柄の変動表示が行われる。また、変動時間が経過すると、内部抽選の結果に応じて特別図柄が停止表示される。
〔F8〕非当選
特別図柄(内部抽選)に関しては、当選確率が略1分の1(「低確率状態」で65534/65536)であるため、確率的に非当選はほとんど発生しない。ただし、極希に内部抽選で非当選となった場合、特別図柄が非当選の態様で停止表示される。この場合、ゲームフローは〔F1〕通常遊技中に戻り、また作動抽選から再開される。
〔F11〕単発図柄1,2当選
特別図柄抽選(内部抽選)で当選し、今回の当選図柄が上記の「単発(通常)図柄1」又は「単発(通常)図柄2」に該当した場合、特別図柄が「単発(通常)図柄1」又は「単発(通常)図柄2」を表す態様で停止表示される。この場合、ゲームフローはさらに次の段階に進む。
〔F12〕可変入賞装置作動(大役中)
特別図柄(内部抽選)での当選により可変入賞装置30が開放動作し、その開放回数は2回(2ラウンド)である。2回の開放動作中に大入賞口30bへの入賞が発生すると、その都度、上記のように入賞特典(例えば、入賞球1個につき6個の賞球払出)が遊技者に付与される。「単発(通常)図柄1」又は「単発(通常)図柄2」に該当した場合、確率変動機能作動フラグはセットされないが、時間短縮機能作動回数は100回に設定される。このため、可変入賞装置30の開放動作後のゲームフローは〔F1〕通常遊技中ではなく、〔F31〕時短中の段階に進むことになる。なお、〔F31〕時短中からのゲームフローについては後述する。
〔F13〕確変図柄1〜6当選
特別図柄抽選(内部抽選)の当選時に、当選図柄が上記の「確変図柄1」〜「確変図柄6」に該当した場合、特別図柄が「確変図柄1」〜「確変図柄6」を表す態様で停止表示される。この場合もまた、ゲームフローはさらに次の段階に進む。
〔F14〕リミッタ残数セット
〔F1a〕通常中や〔F1c〕特殊状態からの当選に該当する場合、内部的に「リミッタ回数」が上限回数(1回目を含めて15回)に基づいて設定される。具体的には、ここで「リミッタ回数」が残り14回にセットされることになる(リミッタ残数=14)。このとき「確変図柄1」〜「確変図柄6」のいずれに該当した場合であっても、時間短縮機能作動回数は10000回に設定される。
〔F18〕可変入賞装置作動(大役中)
特別図柄(内部抽選)での当選により、可変入賞装置30が2ラウンドの開放動作を行う。また「確変図柄1」〜「確変図柄6」のいずれに該当する場合であっても、確率変動機能作動フラグがセットされるとともに、合わせて時間短縮機能作動回数が10000回に設定されるため、可変入賞装置30の開放動作後のゲームフローは確変中(高確率時短中:F19)に進むことになる。
〔F19〕確変中(高確率時短中)
本実施形態において、一度ゲームフローが〔F19〕確変中に突入すると、確率上でみて〔F19〕確変中が継続しやすくなっている。以下、この点について具体的に説明する。
〔F20〕普通図柄非当選
〔F19〕確変中においては、普通図柄(作動抽選)の当選確率が略1分の1(79/80)に設定されるため、確率的に非当選になることはほとんどない。ただし、理論上は非当選もあり得るため、もし非当選となった場合は〔F19〕確変中でのゲームが続行されることになる。
〔F21〕確変中の普通図柄当り
本実施形態では遊技領域8a(盤面)の構成上、〔F19〕確変中は遊技領域8a内の右側部分に遊技球が打ち込まれること(いわゆる「右打ち」)を想定している。これにより、右始動ゲート21を遊技球が通過すると、ほとんど1回の普通図柄の変動で当選する。また変動時間は、上記のように短縮(0.6秒)されているため、極めて短時間のうちにゲームフローは次の段階に進む。なお、〔F21〕確変中(時短中)の普通図柄当りに関しては、当選時に選択される当選図柄が「第1当選図柄」に制限されているため(図13参照)、可変始動入賞装置28は必ずロング開放状態となる作動を行うこととなる。
〔F22〕可変始動入賞装置作動
普通図柄(作動抽選)当選によって可変始動入賞装置28が作動し、始動入賞口28aへの入賞の発生が可能な状態となる。なお本実施形態では、「時間短縮状態」においても可変始動入賞装置28の作動時間は一定(5.8秒)である。ただし、遊技領域8a内の右側部分に遊技球が打ち込まれていれば、そのままの流れで作動中の可変始動入賞装置28に向かって遊技球が流下していく。
〔F23〕入賞なし
何らかの原因(球切れ、球詰まり等)で可変始動入賞装置28の作動中に始動入賞口28aへの入賞が発生しなかった場合であっても、ゲームフローは〔F19〕確変中が継続されるので、遊技者にとって極端な不利益はない。
〔F24〕始動口入賞
〔F19〕確変中の「右打ち」の流れにより、可変始動入賞装置28の作動中に始動入賞口28aへの入賞が発生すると、ゲームフローが次の段階に進む。
〔F25〕特別図柄変動
ここでも同様に、始動入賞口28aへの入賞の発生を契機として特別図柄抽選(内部抽選)が行われる。これにより、特別図柄表示装置34において特別図柄の変動表示が行われる。また、変動時間が経過すると、内部抽選の結果に応じて特別図柄が停止表示される。
〔F26〕非当選
特別図柄(内部抽選)に関して、「高確率状態」の当選確率は略1分の1(65535/65536)であるため、確率的に非当選はほとんど発生しない。ただし、極希に内部抽選で非当選となった場合、特別図柄が非当選の態様で停止表示される。この場合、ゲームフローは〔F19〕確変中が継続されるので、遊技者にとって極端な不利益はない。また、時間短縮機能作動回数は少なくとも100回(最大10000回)に設定されているので、たとえ1回の非当選が発生しても、未だ充分に時短回数(最低でも99回)が残っている。
〔F27〕確変図柄1〜6当選
本実施形態では、上記のように確変比率が全体の98%であるため、当選時は高い頻度で確変図柄が選択される。そして、〔F19〕確変中に当選図柄が「確変図柄1」〜「確変図柄6」のいずれかに該当した場合、上記のように時間短縮機能作動回数として10000回が付加されるため、この時点で内部的に〔F19〕確変中の継続が確定している(第2段階抽選結果制限手段)。
〔F28〕リミッタ残数−1
そしてこの場合、「高確率状態」で連続的に確変当選しているため、内部的に「リミッタ回数」が減算される(リミッタ残数−1)。
〔F18〕可変入賞装置作動(大役中)
同様に、特別図柄(内部抽選)での当選により、可変入賞装置30が2ラウンドの開放動作を行う。「確変図柄1」〜「確変図柄6」のいずれに該当した場合についても、確率変動機能作動フラグがセットされるとともに、合わせて時間短縮機能作動回数が10000回に設定されるため、ここで実際に可変入賞装置30の開放動作後のゲームフローは確変中(高確率時短中:F19)が継続される。
〔確変突入によるチャンスゾーン〕
以上のように、一度ゲームフローが〔F19〕確変中に移行すると、〔F21〕普通図柄当りから〔F22〕可変始動入賞装置作動、〔F24〕始動口入賞、〔F25〕特別図柄変動、〔F27〕確変図柄1〜6当選、〔F28〕リミッタ残数−1、そして〔F18〕可変入賞装置作動を経て〔F19〕確変中にループするというゲームフローが最も高い頻度(又は確率、割合、比率)で発生しやすくなる。この場合、1回のループ内で可変始動入賞装置28が1回ずつ作動し、また、可変入賞装置30が2ラウンド開放動作を行うため、基本的に遊技領域8a内の右側部分に遊技球が打ち込まれていれば、そのままの流れで入賞発生に対する賞球の払い出しが行われる(特別特典付与手段、入賞特典付与手段)。
なお、上記のループが1回行われるごとに〔F28〕リミッタ残数−1で「リミッタ回数」の残りが減少していくが、残り0回に到達するまでの間は、依然として高い頻度で同じループを繰り返すことになる。
〔F29〕確変中の単発図柄1,2当選
一方、〔F19〕確変中に当選図柄が「単発(通常)図柄1」又は「単発(通常)図柄2」に該当した場合は以下のゲームフローとなる。この場合、確変図柄ではないため「高確率状態」は維持されないが、時間短縮機能作動回数として100回が付加されるため、この時点で内部的に「時間短縮状態」の継続が約束されている。
〔F30〕可変入賞装置作動(大役中)
同じく特別図柄(内部抽選)での当選により、可変入賞装置30が2ラウンドの開放動作を行う。なお図示していないが、上記のように主制御CPU72の制御処理上で特別図柄の停止表示後にリミッタ残数は0クリアされている(リミッタリセット)。
〔F31〕時短中
〔F19〕確変中から「単発(通常)図柄1」又は「単発(通常)図柄2」のいずれか該当すると、確率変動機能作動フラグはクリアされるが、時間短縮機能作動回数は100回に設定されるため、可変入賞装置30の開放動作後のゲームフローは時短中(低確率時短中)に移行する(残回数設定手段、連続回数再設定契機発生手段)。
〔F20〕普通図柄非当選
〔F31〕時短中においても、普通図柄(作動抽選)の当選確率が略1分の1(79/80)に設定されるため、確率的に非当選になることはほとんどない。ただし、理論上は非当選もあり得るため、もし非当選となった場合は〔F31〕時短中でのゲームが続行されることになる。
〔F32〕時短中の普通図柄当り
〔F31〕時短中においても、そのまま「右打ち」の流れで右始動ゲート21を遊技球が通過すると、ほとんど1回の普通図柄の変動で当選する。また変動時間は、上記のように短縮(0.6秒)されているため、極めて短時間のうちにゲームフローは次の段階に進む。
〔F33〕可変始動入賞装置作動
普通図柄(作動抽選)当選によって可変始動入賞装置28が作動し、始動入賞口28aへの入賞の発生が可能な状態となる。
〔F34〕入賞なし
同様に、何らかの原因(球切れ、球詰まり等)で可変始動入賞装置28の作動中に始動入賞口28aへの入賞が発生しなかった場合であっても、ゲームフローは〔F31〕時短中が継続されるので、遊技者にとって極端な不利益はない。
〔F35〕始動口入賞
〔F31〕時短中の「右打ち」の流れにより、可変始動入賞装置28の作動中に始動入賞口28aへの入賞が発生すると、ゲームフローが次の段階に進む。
〔F36〕特別図柄変動
ここでも同様に、始動入賞口28aへの入賞の発生を契機として特別図柄抽選(内部抽選)が行われる。これにより、特別図柄表示装置34において特別図柄の変動表示が行われる。また、変動時間が経過すると、内部抽選の結果に応じて特別図柄が停止表示される。
〔F37〕非当選
〔F31〕時短中の特別図柄(内部抽選)に関して、「低確率状態」の当選確率は略1分の1(65534/65536)であるため、確率的に非当選はほとんど発生しない。ただし、極希に内部抽選で非当選となった場合、特別図柄が非当選の態様で停止表示される。この場合、ゲームフローは〔F31〕時短中が継続されるので、遊技者にとって極端な不利益はない。また、時間短縮機能作動回数は100回に設定されているので、たとえ1回の非当選が発生しても、未だ充分に時短回数(99回)が残っている。
〔F38〕時短中の確変図柄1〜6当選
そして、上記のように確変比率が全体の98%であるため、同じく当選時は高い頻度で確変図柄が選択される。そして、〔F31〕時短中から当選図柄が「確変図柄1」〜「確変図柄6」のいずれかに該当した場合、上記のように時間短縮機能作動回数として10000回が付加される。
〔F39〕リミッタ残数=14
そしてこの場合、〔F31〕時短中の「低確率状態」から1回目の確変当選に該当することとなるため、内部的にはここで「リミッタ回数」が再設定されることになる(リミッタ残数=14)。さらに、この場合は確変当選であるため、以下のゲームフローが進行することになる。
〔F18〕可変入賞装置作動(大役中)
特別図柄(内部抽選)での当選により、可変入賞装置30が2ラウンドの開放動作を行う。〔F31〕時短中から「確変図柄1」〜「確変図柄6」のいずれに該当した場合についても、確率変動機能作動フラグがセットされるとともに、合わせて時間短縮機能作動回数が10000回に設定されるため、ここで実際に可変入賞装置30の開放動作後のゲームフローは確変中(高確率時短中:F19)が再開(再突入、復帰)されることになる。
〔確変中の単発当選によるリミッタ上乗せ〕
以上のゲームフローは、先の〔F19〕確変中のループを繰り返す中で「リミッタ回数」がある程度まで減算されていたとしても、途中に「単発(通常)図柄1」又は「単発(通常)図柄1」で当選すると、それによって「リミッタ回数」がリセットされ、「確変図柄1」〜「確変図柄6」の当選によって「リミッタ回数」がまた最大値に再設定されることを意味している(残回数設定手段、連続回数再設定契機発生手段)。
これにより、たとえ〔F19〕確変中の「リミッタ回数」が残り0回に到達しつつあったとしても、その前に「単発(通常)図柄1」又は「単発(通常)図柄2」に当選(選択比率2%)すれば、それによって「リミッタ回数」が再設定されるため、それだけ〔F19〕確変中のループ回数を延ばしていくことができるというゲーム性が実現されることになる。
〔F40〕時短中の単発図柄1,2当選
なお、〔F31〕時短中に続けて当選図柄が「単発(通常)図柄1」又は「単発(通常)図柄2」に該当した場合、またそこで時間短縮機能作動回数として100回が付加される。したがってゲームフローは、〔F30〕可変入賞装置作動の後に〔F31〕時短中が継続されることになる。
以上は、〔F19〕確変中に「リミッタ回数」が残り0回に到達する前に発生し得るゲームフローである。これに対し、〔F19〕確変中に上記のループを繰り返した結果、「リミッタ回数」の残りが0回に到達した場合は以下のゲームフローとなる。
〔リミッタ到達時のゲームフロー〕
図25は、「リミッタ回数」が残り0回に到達した場合の遊技の流れを示すゲームフロー図である。例えば、〔F19〕確変中に「リミッタ回数」が残り0回に到達した状態で、〔F21〕普通図柄当り、〔F22〕可変始動入賞装置作動、そして〔F24〕始動口入賞が発生した場合を想定する。
〔F41〕特別図柄変動
ここでも同様に、始動入賞口28aへの入賞の発生を契機として特別図柄抽選(内部抽選)が行われる。これにより、特別図柄表示装置34において特別図柄の変動表示が行われる。また、変動時間が経過すると、内部抽選の結果に応じて特別図柄が停止表示される。
〔F42〕非当選
「リミッタ回数」に関わらず、特別図柄(内部抽選)に関して「高確率状態」の当選確率は略1分の1(65535/65536)であるため、確率的に非当選はほとんど発生しない。ただし、極希に内部抽選で非当選となった場合、特別図柄が非当選の態様で停止表示される。この場合、ゲームフローは〔F19〕確変中が継続されるが、「リミッタ回数」は残り0回のままである。なお、時間短縮機能作動回数は少なくとも100回(最大10000回)に設定されているので、たとえ非当選が発生しても、未だ充分に時短回数は残っている。
〔F43〕単発図柄1,2当選
〔F19〕確変中の「リミッタ回数」が残り0回に達した状態で、当選図柄が「単発(通常)図柄1」又は「単発(通常)図柄2」に該当した場合は以下のゲームフローとなる。この場合、確変図柄ではないため「リミッタ回数」の残数は特に関係なく、そのまま時間短縮機能作動回数として100回が付加される。
〔F44〕可変入賞装置作動(大役中)
そして、特別図柄(内部抽選)での当選により、可変入賞装置30が2ラウンドの開放動作を行う。また、この時点で「リミッタ回数」の残りは0回に達しているが、上記のように主制御CPU72の制御処理上で特別図柄の停止表示後にリミッタ残数は0クリアされる。
〔チャンスゾーン継続〕
この場合、ゲームフローは〔F31〕時短中に戻り、そこからまた「時間短縮状態」で〔F32〕普通図柄当り、〔F33〕可変始動入賞装置作動、〔F35〕始動口入賞、〔F36〕特別図柄変動といったゲームフローが進行する。そして、〔F38〕確変図柄1〜6当選に進むと〔F39〕リミッタ残数=14で「リミッタ回数」が再設定された上で、ゲームフローは再び〔F19〕確変中に移行する。
〔F45〕確変図柄1当選→強制単発3
また、〔F19〕確変中の「リミッタ回数」が残り0回に達した状態で、当選図柄が「確変図柄1」に該当した場合は以下のゲームフローとなる。この場合、既に「リミッタ回数」が残り0回に到達しているため、主制御CPU72の制御処理上で確変図柄を選択することができず、上記のように強制的に「単発図柄3」が選択されることになる。この場合、確率変動機能作動フラグはクリアされるが、時間短縮機能作動回数として100回が付加されるため、「時間短縮状態」は継続することになる。
〔F44〕可変入賞装置作動(大役中)
そして、特別図柄(内部抽選)での当選により、可変入賞装置30が2ラウンドの開放動作を行う。同様に、この時点で「リミッタ回数」の残りは0回に達しているが、特別図柄の停止表示後にリミッタ残数は0クリアされる。
〔チャンスゾーン継続〕
この場合も同様に、ゲームフローは〔F31〕時短中に戻り、そこからまた「時間短縮状態」で〔F32〕普通図柄当り、〔F33〕可変始動入賞装置作動、〔F35〕始動口入賞)、〔F36〕特別図柄変動といったゲームフローが進行する。そして、〔F38〕確変図柄1〜6当選に進むと〔F39〕リミッタ残数=14で「リミッタ回数」が再設定された上で、ゲームフローは再び〔F19〕確変中に移行する。
〔F46〕確変図柄2当選→強制単発4
これに対し、〔F19〕確変中の「リミッタ回数」が残り0回に達した状態で、当選図柄が「確変図柄2」に該当した場合は以下のゲームフローとなる。この場合についても、既に「リミッタ回数」が残り0回に到達しているため、主制御CPU72の制御処理上で確変図柄を選択することができない。そして「確変図柄2」については、上記のように強制的に「単発図柄4」へ変更されることになる。この場合、確率変動機能作動フラグがクリアされるとともに、時間短縮機能作動回数として0回(=時短なし)が設定されるため、時間短縮機能作動フラグもクリアされることになる。
〔F47〕可変入賞装置作動(大役中)
そして、特別図柄(内部抽選)での当選により、可変入賞装置30が2ラウンドの開放動作を行う。同様に、この時点で「リミッタ回数」の残りは0回に達しているが、特別図柄の停止表示後にリミッタ残数は0クリアされる。
〔チャンスゾーン終了〕
そしてこの場合、ゲームフローは〔F1a〕通常中に戻り、「非時間短縮状態」かつ「低確率状態」の〔F1〕通常遊技となる。
〔F48〕確変図柄3〜6当選→強制単発5〜8
また〔F19〕確変中の「リミッタ回数」が残り0回に達した状態で、当選図柄が「確変図柄3」〜「確変図柄6」のいずれかに該当した場合は以下のゲームフローとなる。この場合についても、既に「リミッタ回数」が残り0回に到達しているため、主制御CPU72の制御処理上で確変図柄を選択することができない。そして「確変図柄3」については強制的に「単発図柄5」へ変更され、「確変図柄4」については強制的に「単発図柄6」へ変更され、「確変図柄5」については強制的に「単発図柄7」へ変更され、「確変図柄6」については強制的に「単発図柄8」へ変更されることになる。この場合、確率変動機能作動フラグがクリアされるとともに、時間短縮機能作動回数として0回(=時短なし)が設定されるため、時間短縮機能作動フラグもクリアされることになる。
〔F47〕可変入賞装置作動(大役中)
そして、特別図柄(内部抽選)での当選により、可変入賞装置30が2ラウンドの開放動作を行う。同様に、この時点で「リミッタ回数」の残りは0回に達しているが、特別図柄の停止表示後にリミッタ残数は0クリアされる。
〔チャンスゾーン終了〕
そしてこの場合、ゲームフローは〔F1c〕特殊状態(有利な状態1〜4)に移行する。
以上のように本実施形態のパチンコ機1によるゲームフロー中には、普通図柄と特別図柄による2段階の抽選を用いたゲーム性が発揮されている。すなわち、〔F1〕通常遊技中から〔F3〕普通図柄当りに該当し、続く〔F7〕特別図柄変動において〔F16〕確変1〜6当選に該当するか、もしくは〔F11〕単発1,2当選に該当すると(いずれも時短あり図柄)、その後のゲームフローが「時間短縮状態(チャンスゾーン)」に突入するという利益が発生することになる。
ただし、この「時間短縮状態(チャンスゾーン)」は永続するものではなく、いずれはリミッタ回数が0回になり、時間短縮状態が終了することとなる。そして、このような場合に、〔F1c〕特殊状態(有利な状態1〜4)に移行する余地を残し、遊技者にとって次回の普通図柄の抽選結果に期待が持てる状態に突入させ、「時間短縮状態(チャンスゾーン)」が終了した後にも、さらなる利益を得ようとする動機付けを与え、遊技の継続性を向上させることができる。
このように、「非時間短縮状態」と比較して「特殊状態(有利な状態1〜4)」に対して優位性を持たせることにより(時間短縮状態の単なる終了状態ではない)、再び第1段階抽選に挑戦しようという動機付けを遊技者に与えることができる。その結果、遊技者の興趣の低下を抑え、時間短縮状態が終了した直後に遊技を中止してしまうという事態(いわゆる即ヤメ)を回避することができ、遊技機の稼動効率に貢献することができる。
〔ゲームフローのまとめ〕
以上は2段階抽選によるゲーム性についての説明であるが、2段階抽選を経て一度ゲームフローが〔F19〕確変中に移行した場合、本実施形態では以下のように利益の継続性を実現することができる。図26及び図27は、本実施形態におけるゲームフローのパターンを分類して示す概念図である。以下、順を追って説明する。
(1)基本パターン
図26中(A):「確変図柄1」〜「確変図柄6」の当選を経て、一度ゲームフローが〔F19〕確変中に移行した場合、基本的には極めて高い割合(選択比率98%)で確変当選が連続して発生する。したがって、1回目(初回)の確変当選前の「リミッタ回数」を便宜的に15回(1回目を含めて連続15回まで)と考えると、1回目の当選時に残り14回に設定された「リミッタ回数」は、次の連続2回目の確変当選により14回から1減算されて13回となり、さらに、連続3回目の確変当選により13回から1減算されて12回となる。
この後、確変当選が連続して発生する度ごとに「リミッタ回数」が減算されていき、1回目から数えて連続15回目の確変当選が発生すると、「リミッタ回数」は残り1回から減算されて0回に到達する。この場合、次回の当選時は単発図柄での当選が強制されるため、確変当選は連続15回までで強制終了となる。
(2)リミッタ上乗せパターン
図26中(B):上記(1)の基本パターン中、「リミッタ回数」が残り0回に到達する前、例えば1回目から連続n回の確変当選を経て、「リミッタ回数」が(15−n)回だけ残っている状態で「単発(通常)図柄1」又は「単発(通常)図柄2」のいずれかに該当した場合(合成選択比率2%)を考える。この場合、いずれの図柄についても時間短縮機能作動回数として100回が付加されるため、「時短ありの単発当選」に該当する。
図26中(C):すると、大役終了後は上記の〔F31〕時短中に移行するため、普通図柄(作動抽選)当選を経て次回の特別図柄(内部抽選)で確変当選(選択比率98%)することにより、そこで「リミッタ回数」が再設定される。この場合の確変当選は単発当選後の1回目に該当するため、この1回目を含めてさらに連続15回(「リミッタ回数」の残りは14回)の確変当選の可能性が新たに発生する。この場合の「リミッタ回数」には、今回新たに発生した15回から、ここまでの残り(15−n)回を除いた分(つまりn回)が上乗せされたことになる。
このような上乗せは繰り返し可能であり、「リミッタ回数」が再設定された状態でも、再設定後に「リミッタ回数」が残り0回に到達する前に再度、「単発(通常)図柄1」又は「単発(通常)図柄2」のいずれかに該当すると、いずれの図柄についても時間短縮機能作動回数として100回が付加されるため、「時短ありの単発当選」に該当する。
図26中(D):すると、同じように大役終了後は上記の〔F31〕時短中に移行するため、普通図柄(作動抽選)当選を経て次回の特別図柄(内部抽選)で確変当選(選択比率98%)することにより、そこで「リミッタ回数」が再設定される。同様に、この場合の確変当選は単発当選後の1回目に該当するため、この1回目を含めてさらに連続15回(「リミッタ回数」の残りは14回)の確変当選の可能性が新たに発生したことになる。
以上のように本実施形態のパチンコ機1は、〔F19〕確変中のリミッタ到達前に単発当選すると、次回の確変当選時に「リミッタ回数」が再設定(リミッタがリセット)されて〔F19〕確変中が再開される結果、あたかも見かけ上は「リミッタ回数」が次々と上乗せされていくかのようなゲーム性を実現することができる。ただし、遊技制御上で「リミッタ回数」を増加させているわけではなく、間に単発図柄当選を必ず挟んでいるため、極端に遊技の射幸性を高めてしまうことはない。また、上乗せ回数はあくまで「15回−現在の残り回数」であり、上乗せが発生した時点でそれまでの残り回数は破棄される。
(3)リミッタ到達後の継続パターン(リミッタ到達後の上乗せパターン)
図27中(E):一方、リミッタ到達前の上乗せが発生せず、上記(1)の基本パターンにしたがって「リミッタ回数」が残り0回に到達した場合、連続16回目で「確変図柄1」に該当しても、強制的に「単発図柄3」に変更される。
図27中(F):ただし、この場合の強制された「単発図柄3」には時間短縮機能作動回数として100回が付加されるため、大役終了後は上記の〔F31〕時短中に移行する。そして、普通図柄(作動抽選)当選を経て次回の特別図柄(内部抽選)で確変当選(選択比率98%)すると、そこで「リミッタ回数」が改めて設定される。この場合の確変当選は確変終了後の1回目に該当するため、この1回目を含めて連続15回(「リミッタ回数」の残りは14回)の確変当選の可能性が付加されたことになる。
この場合、ゲームフローとしてはリミッタ到達によって〔F19〕確変中が一旦は終了するが、リミッタ到達時の当選図柄が「単発図柄3」に強制された場合、〔F31〕時短中から次回の確変当選時に「リミッタ回数」が新たに設定されて〔F19〕確変中が再開される。なお、リミッタ到達後にたまたま「単発(通常)図柄1」又は「単発(通常)図柄2」に該当していれば、同じく時間短縮機能作動回数として100回が付加されているため、大役終了後は上記の〔F31〕時短中に移行する。したがって、リミッタ到達後に〔F31〕時短中に移行する割合は、「単発(通常)図柄1」、「単発(通常)図柄2」、「確変図柄1」の各選択比率を合成した50%となる。
いずれにしても、リミッタ到達後に「時短あり単発図柄」で当選することにより、見かけ上は「リミッタ回数」があたかも上乗せ(この場合は+15回)されたかのようなゲーム性を実現することができる。ここでも遊技制御上で確変の「リミッタ回数」を増加させているわけではなく、間にリミッタ到達による強制的な単発図柄当選(又は純粋な単発図柄当選)を発生させているため、極端に遊技の射幸性を高めてしまうことはない。
(4)終了パターン(その1)
図27中(G):これに対し、リミッタ到達後に「確変図柄2」に該当すると、今度は強制的に「単発図柄4」に変更される。この場合の強制された「単発図柄4」には時間短縮機能作動回数が付加されないため(0回=時短なし)、大役終了後は上記の〔F1a〕通常中に移行し、〔F19〕確変中の遊技は終了する。
(5)終了パターン(その2)
図27中(H):一方、リミッタ到達後に「確変図柄3」〜「確変図柄6」のいずれかに該当すると、今度は強制的に「単発図柄5」〜「単発図柄8」に変更される。この場合の強制された「単発図柄5」〜「単発図柄8」には時間短縮機能作動回数が付加されないが(0回=時短なし)、大役終了後は上記の〔F1c〕特殊状態(有利な状態1〜4)に移行し、〔F19〕確変中の遊技は終了する。
このような終了パターン(その2)にて、チャンスゾーンが終了した場合、〔F1a〕通常中ではなく、〔F1c〕特殊状態(有利な状態1〜4)に復帰するため、次に「第1段階抽選」で当選した場合には「第1当選種類(ロング開放)」に該当しやすい状態となっている。このため、チャンスゾーンが終了した後であっても、遊技の継続性を向上させることができる。
以上が本実施形態のパチンコ機1によるゲームフローの顕著なパターン(1)〜(4)の概要であるが、特に上記(2)のリミッタ上乗せパターン、(3)のリミッタ到達後の継続パターンについては、それぞれのゲームフローが発生したことで遊技者の利益が増加する。ただし、上記(2)及び(3)のパターンはあくまで主制御CPU72による制御処理の上で行われているものであり、その流れを直接的に遊技者が感得することは難しい。
もちろん、特別図柄表示装置34の表示態様を注意深く観察していれば、遊技中にどのような当選図柄に該当したかを遊技者が確認することは可能である。しかし、特別図柄表示装置34そのものは7セグメントLEDであり、いずれの当選図柄についても、その表示態様はある程度記号的(例えば「巳」、「己」、「L」、「¬」、「Γ」、「日」等)となるため、そのような表示態様から瞬時に当選図柄の種類を判別することは困難である。
また、「リミッタ回数」については内部的な制御上の変数であり、特に遊技状態表示装置38で表示されるものではないことから、遊技中に「リミッタ回数」の上乗せが発生したことや、「リミッタ回数」が残り0回に到達したこと、あるいは、リミッタ到達後に時短あり単発図柄に当選したこと等の制御情報を遊技者が直接知ることは難しい。
そこで本実施形態では、上記(1)〜(4)のパターンに沿ってゲームフローが進行していることを遊技者に分かりやすく伝達するための演出手法を採用している。以下、本実施形態で採用している演出手法について、いくつかの例を挙げて説明する。なお、これらはあくまで例示であり、演出図柄や演出画像の内容について特に限定する意図ではない。
〔普通図柄当り演出〕
先ず図28は、上記の〔F3〕普通図柄当り時に実行される演出例を示す連続図である。この演出例は、普通図柄の変動表示及び停止表示に対応させたものであり、具体的には演出図柄による変動表示演出及び結果表示演出の一例である。このうち変動表示演出は、普通図柄が変動表示を開始してから、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また結果表示演出は、普通図柄が停止表示したことと、そのときの作動抽選の結果を演出図柄の組み合わせとして表す演出である。上記のように、普通図柄表示装置33そのものは2つのLEDによる点灯・点滅表示であるため、それだけでは見た目上の訴求力に乏しい。そこでパチンコ機1では、基本的に演出図柄を用いた変動表示演出と結果表示演出が行われている。また、普通図柄の停止時もあくまでシンプルな態様(例えば上側のランプが1つ点灯)で表示されるだけであるため、演出図柄による結果表示演出からでなければ、当選したかどうかも遊技者は気付きにくい。これは逆に、遊技者は基本的に演出の内容から内部抽選の結果を判断する傾向にあることを意味し、それだけにゲームフロー上で演出が重要な役割を担っているといえる。
演出図柄には、例えば左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の3つが含まれており、これらは液晶表示器42の画面上で左・中・右に並んで表示される。各演出図柄は、例えば漢数字の「一」〜「九」とともに、何らかの画像(例えば図示しないキャラクター等)が付された絵札をデザインしたものとなっている。これら左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄は、例えば漢数字が「九」〜「一」の降順に並んだ図柄列を構成している。このような図柄列は、画面上の左領域・中領域・右領域でそれぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
〔変動表示演出開始〕
図28中(A):普通図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面上で3つの演出図柄がスクロール変動することで変動表示演出が開始される。すなわち、普通図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面内で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄が縦方向にスクロールするようにして変動表示演出が開始される。図中、演出図柄の変動表示は単に下向きの矢印で示されている。また、この場合の背景画像は、例えば海辺や山の風景が表示された風景画像となっている。このような背景画像は、内部状態が通常中であることを表現している。本実施形態において「通常中」は、図19の左から3番目のカラムに示す非時間短縮状態(通常状態)に対応するものとする。また、ここでは図示していないが、この後例えば表示画面内にキャラクターやアイテム等の画像を表示させることで、予告演出が行われる態様であってもよい。
〔リーチ状態発生〕
図28中(B):例えば、ある程度の時間が経過すると、最初に左演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の中段位置に漢数字の「五」を表す演出図柄が停止したことを表している。さらに、右演出図柄が変動を停止し、このとき画面の中段位置に同じく漢数字の「五」を表す演出図柄が停止することで、リーチ状態が発生する。このとき中演出図柄は変動中である。なお、この例では画面上で停止した演出図柄以外の演出図柄は表示されていない。
一般に、演出上で同種の演出図柄が3つ揃って停止すると「当り」であり、ここでは「当り」の確定まで残りあと中演出図柄の1つだけである。なお特に図示していないが、表示画面内に「リーチ!」等の文字情報を表示し、合わせて音声を出力する演出が行われる態様であってもよい。
〔リーチ演出〕
図28中(C):リーチ状態の発生後は、最後の演出図柄(中演出図柄)が停止表示されるまでの過程が多様な内容で表現される。この例では、漢数字の「一」〜「五」が表示画面内を飛び回るようにして移動しつつ、「一」から順番に数字が打ち落とされていく過程が表現されている。このような演出は、「最後に『五』の漢数字が残れば当り」という観念を遊技者に想起させ、それまでの過程で期待感を持続させようとするものである。なお図示していないが、この過程で表示画面内にキャラクター等の画像を表示させることで、リーチ発生後の予告演出が合わせて行われる態様であってもよい。
〔結果表示演出〕
図28中(D):普通図柄の停止表示に略同期して(完全に同時でなくてもよい)、最後の中演出図柄が停止する。図示の例では、画面上に漢数字の「五」が消去されずに残っており、左・中・右の演出図柄は「五」−「五」−「五」の当りの態様で停止表示される。ただし、本実施形態では普通図柄(作動抽選)の当り(第1段階抽選での当選)がそのまま上記の〔F19〕高確率中(第2段階抽選で所望の抽選結果が得られること)を確約するものではないため、あまり大々的に「当り」をアピールする内容となっていない。例えば、ここでは中演出図柄の表示態様(例えば漢数字の表示色)を左演出図柄や中演出図柄と異ならせることで、「三つ揃い」のイメージをある程度緩和させている。
〔可変始動入賞装置作動待ち中演出〕
図29〜図31は、上記の〔F3〕普通図柄当りから、上記の〔F4〕可変始動入賞装置作動までの間の可変始動入賞装置作動待ち中に実行される演出例を示す図である。なお図29及び図30は、〔F3〕の普通図柄当りにて「第1当選図柄」に該当した場合の演出例を示している。
例えば図29中(A)に示されているように、この演出の初期では、味方の女性キャラクター(左側)と敵方のキャラクター(右側)の画像が並んで表示されるとともに、お互いが睨み合い、真ん中で火花を散らしている様子が動画像によって演出的に表現されている。また適宜、表示画面内に「勝負」等の文字が表示されることで、遊技者に対して「いよいよこれから2人の勝負が始まるぞ」といった観念を想起させることができる。また、このとき合わせて各キャラクターの台詞(例えば「絶対に勝つ!」「かかって来なさい!」等)が音響出力される態様であってもよい。この場合、例えば台詞の内容で期待度を示唆することができる(台詞の内容が積極的なほど期待度が高い等。)。
図29中(B):演出の中期には、2名のキャラクターが表示画面から一旦消えて、「じゃんけん」という文字情報が大きく表示される。これにより、遊技者に対して「キャラクター同士がじゃんけんで勝負するのだな」という観念を想起させることができる。なお、合わせて「じゃんけんで勝負」といった掛け声や効果音、BGM等が音響出力される態様であってもよい。
図30中(C):演出の中後期には、2名のキャラクターが「それぞれじゃんけんの手を出す」という内容の動画像が表示される。この例では、画面の左から味方のキャラクターの手「チョキ」が出現し、また画面の右から敵方のキャラクターの手「パー」が出現するまでの一連の様子が表現されている。このとき、各キャラクターの動作に合わせて、「じゃーんけーんーぽん!」といった掛け声が音響出力される態様であってもよい。
図30中(D):演出の終期には、勝負の結果、見事に味方のキャラクターが勝利を収めたことが表示される。この例では、見事勝利した味方のキャラクターが表示画面の中央に大写しとなり、顔の横で勝利のVサインを見せている様子が演出的に表現されている。また表示画面内には、「勝った!!」という文字が表示されることで、遊技者に対して「じゃんけんに勝利した」という観念を想起させ、「今回の大当りで確変中への移行が確定した」、又は「可変始動入賞装置28がロング開放状態となる」ということを教示することができる。
なお、以上の演出例は〔F3〕の普通図柄当りにて「第1当選図柄」に該当した場合の演出例であるが、〔F3〕の普通図柄当りにて「第2当選図柄」に該当した場合の演出例は以下の通りとなる。
図31中(A):この例では、画面の左から味方のキャラクターの手「チョキ」が出現し、また画面の右から敵方のキャラクターの手「グー」が出現するまでの一連の様子が表現されている。
図31中(B):勝負の結果、残念ながら味方のキャラクターが敗北してしまったことが表示される。この例では、敗北した味方のキャラクターが表示画面の中央に大写しとなり、がっかりした様子が演出的に表現されている。また表示画面内には、「負けた・・・」という文字が表示されることで、遊技者に対して「じゃんけんに敗北した」という観念を想起させ、「今回の当りではチャンスゾーンに突入することができなかった」、又は「可変始動入賞装置28がショート開放状態となる」ということを教示することができる。
〔可変始動入賞装置作動時演出〕
次に図32は、上記の〔F4〕可変始動入賞装置作動時に実行される演出例を示す図である。この例では、例えば液晶表示器42の画面内に女性キャラクターが出現するとともに、「右打ちしてね!!」といった台詞を発する演出が行われている。また、台詞を文字表記した吹き出しの画像が表示され、その中に盤面の右下方向を指示する矢印が表示されている。このような演出を実行することで、遊技者に対して「右打ち」を促し、可変始動入賞装置28の作動が開始されることを意識させることができる。なお、このとき表示画面上で台詞を文字情報として表示するのに合わせて、スピーカ54,55,56から音声を発生させてもよい。ただし、この可変始動入賞装置作動時演出が実行されるのは、普通図柄抽選の当選時に「第1当選図柄」が選択された場合に限られる。また、上記の〔F7〕特別図柄変動時(変動時間内)にも、これと同様の演出(右打ちを示唆する演出)を行ってもよい。
〔確変中演出〕
次に図33は、上記の〔F18〕可変入賞装置作動から〔F19〕の確変中にゲームフローが進行する場合に実行される演出例を示す図である。
図33中(A):例えば〔F18〕の可変入賞装置作動時において、液晶表示器42の画面内には、例えば背景画像とともに「右打ち」の文字情報が表示されるとともに、遊技領域8a内の右側部分を指示する矢印記号が表示される。このような演出を実行することにより、遊技者に対して「右打ち」を促し、可変入賞装置30の開放動作に伴う入賞が発生することを意識させることができる。なお、このとき背景画像には、例えば先の演出例で勝利した女性キャラクターがリラックスして腰掛けている様子が表現されている。
また画面内の下部位置には、例えば「リミッタ回数」の残りに対応するリミッタ残数メータ(参照符号M)が表示されており、このリミッタ残数メータMには、現時点での「リミッタ回数」の残り回数が棒グラフのような態様で表示される。この例では、リミッタ残数メータMの矩形枠内において、その右端いっぱいまで縦長のブロックが全点灯した状態で「リミッタ回数」が最大(15回)であることを表している。なおこの後、〔F18〕の可変入賞装置作動から〔F19〕の確変中にゲームフローが進行すると、リミッタ残数メータMの表示は1つ減って14回となる。
〔リミッタ残数メータ演出〕
図33中(B):上記の〔F19〕確変中でループを繰り返している間、画面内には引き続き背景画像とともに「右打ち」の文字情報が表示され、合わせて遊技領域8a内の右側部分を指示する矢印記号が表示される。一方、リミッタ残数メータMについては、確変当選が発生する度ごとに1つずつ点灯ブロックが減少していく態様で表示される。このようなリミッタ残数メータMの表示態様により、遊技者に対して「確変中のリミッタ残数が次第に減少してきている」ということを想起させ、実際のゲームフロー上で使用されている内部情報(「リミッタ回数」)を遊技者に伝達(教示、示唆)することができる。
〔リミッタ上乗せ演出〕
次に図34は、確変中の単発当選によるリミッタ上乗せが発生した場合に実行される演出例を示す図である。ただし、実際の上乗せ回数はその発生時点でのリミッタ残数との関係で大小に異なるし、遊技者にとってはどの段階で実際の上乗せが発生したかを外見上で判別することは困難であるため、これを演出上で表現する場合の演出手法(見せ方)には様々な態様が考えられる。
図34中(A):例えば、内部的には「リミッタ回数」に8回の上乗せが発生していても、これを5回分と3回分とに分けて2回の上乗せ演出を実行することができる。この場合、画面内に比較的小型なハートの図形を模した画像が表示されるとともに、その内側に例えば「+5」の上乗せ回数情報が表示される。また、合わせてリミッタ残数メータMの表示を5度数増加させる演出が行われる(図示していない)。これにより、遊技者に対して「リミッタ回数の残りが5回上乗せされた」ということを伝達することができる。そしてこの後、例えばリミッタ残数メータMの表示が残り少なくなった段階で、さらに3回分の上乗せ演出が実行される。これにより、演出1回あたりの上乗せ回数は少なくなるものの、数多くの上乗せ演出を発生させることで、遊技者に対して意外感や驚きの感覚を抱かせることができる。
図34中(B):あるいは、既にリミッタ残数メータMの表示が残り少なくなった状態で実際に12回分の上乗せが発生した場合、これを一度の上乗せ演出で表現することもできる。この場合、画面内に比較的大型なハートの図形を模した画像が表示されるとともに、その内側に例えば「+12」の上乗せ回数情報が表示される。また、合わせてリミッタ残数メータMの表示を一気に12度数増加させる演出が行われる(図示していない)。これにより、遊技者に対して「リミッタ回数の残りが一気に12回上乗せされた」ということを伝達することができる。また、リミッタ残数メータMの表示が残り少なくなった時点で上乗せが発生したことにより、それまでの「リミッタがなくなるかもしれない」という緊張感を解きほぐし、上乗せによる安堵感や喜びの感情を抱かせることができる。
〔リミッタ到達後演出〕
次に図35は、リミッタ到達後にチャンスゾーンに再突入する場合に実行される演出例を示す図である。例えばゲームフロー上で「リミッタ回数」の残りが0回に達した場合、以下の演出例が実行される。
〔終了演出〕
図35中(A):この場合、画面内に例えば「チャンスゾーン終了」の文字情報が表示されるとともに、リミッタ残数メータMの表示数が0となる。これにより、遊技者に対して「確変中の終了」を教示し、また次回の確変突入に向けて意欲を維持させることに寄与する。
〔継続(復活)演出〕
図35中(B):一方、実際のゲームフロー上でリミッタ到達後に〔F31〕時短中へ移行する場合、上記の終了演出に続いて継続演出が実行される。この場合、液晶表示器42の手前側に上記の可動体40fを落下させる演出が行われる。また、合わせて背景画像中の女性キャラクターがあたかも可動体40fの落下に驚いているかのような様子が演出的に表現される。そして画面内の下部位置では、例えばリミッタ残数メータMの表示数が満杯(満タン)に復帰する演出が行われる。特に図示していないが、この後に可動体40fが元の位置に復帰し、例えば画面内に「チャンスゾーン継続」といった文字が表示される態様であってもよい。いずれにしても、このような継続演出を実行することにより、遊技者に対して大きな驚きを与えることができる。また、可動体40fを用いることで視覚的な訴求力を高め、その演出効果を最大に発揮させることができる。
〔背景チェンジ演出〕
その他に本実施形態では、例えばゲームフロー上で「リミッタ回数」が減少していくと、その残り回数に応じて背景画像を変化させる演出が行われる。図36は、ゲームフローの進行に伴って変化していく背景画像の例を示した図である。
〔初期ステージ演出〕
図36中(A):例えば、ゲームフロー上で〔F19〕確変中に移行したばかりの初期において、背景画像を先の「浴衣を着こなした女性キャラクター」とし、これを例えば「初期ステージ」とする。この場合、背景画像の内容が比較的落ち着いたものであるため、確変中に移行したばかりの安定した印象を演出で表現することができる。なお、ここでは図示していないが、表示画面内には上記のリミッタ残数メータMや「右打ち」の文字表示等が表示されているものとする(これ以降も同様とする。)。
〔浴衣ステージ演出〕
図36中(B):ゲームフローの進行に伴い、「リミッタ回数」の残りがある程度減少してくると(例えば残り12回〜10回)、演出制御上の抽選に基づいて背景画像を変化させる演出が行われる。この例では、例えば表示画面内に大きく「浴衣を着こなした女性キャラクター」が表示されており、これを例えば「浴衣ステージ」とする。このように、それまでの「初期ステージ」から「浴衣ステージ」へ変化させる演出(ステージチェンジ演出)を実行することにより、遊技者に対する視覚的なインパクトを高め、〔F19〕確変中での遊技の継続に対する実感や緊張感を与えることができる。
〔花火ステージ演出〕
図36中(C):さらにゲームフローが進行し、「リミッタ回数」が次第に少なくなっていくと(例えば残り9回〜5回)、演出制御上の抽選に基づいて、さらに背景画像を変化させる演出が行われる。この例では、例えば表示画面が「夜空に花火を打ち上げる風景」に変化し、「別の女性キャラクターが花火を見上げる様子」が演出的に表示されている。本実施形態では、これを例えば「花火ステージ」とする。このような「花火ステージ」へ変化させる演出を実行することにより、いよいよ〔F19〕確変中の遊技がクライマックスに差し掛かっていることを遊技者に実感させることができる。
〔お祭りステージ演出〕
図36中(D):この例は、背景画像を「お祭りの風景」に変化させるものであり、本実施形態ではこれを「お祭りステージ」とする。この「お祭りステージ」は、例えば「リミッタ回数」の残りが僅か(例えば4回〜1回)になっていることを表すものである。このような「お祭りステージ」へ変化させる演出を実行することにより、遊技者に対して〔F19〕確変中の遊技が残り少なくなっていることを実感させたり、リミッタ到達時(又は到達前)に上乗せによる継続が発生するかどうかへの緊張感を抱かせたりすることができる。
〔リミッタ到達後演出〕
次に図37は、リミッタ到達後にチャンスゾーンに再突入しない場合(通常中又は特殊状態(有利な状態1〜4)に復帰する場合)に実行される演出例を示す図である。例えばゲームフロー上で「リミッタ回数」の残りが0回に達した場合、以下の演出例が実行される。
〔終了演出〕
図37中(A):この場合、画面内に例えば「チャンスゾーン終了」の文字情報が表示されるとともに、リミッタ残数メータMの表示数が0となる。これにより、遊技者に対して「確変中の終了」を教示し、また次回の確変突入に向けて意欲を維持させることに寄与する。
〔遊技説明演出〕
図37中(B):そして、実際のゲームフロー上でリミッタ到達後に〔F1a〕通常中又は〔F1c〕特殊状態(有利な状態1〜4)へ移行する場合、上記の終了演出に続いて遊技説明演出が実行される。この例では、例えば液晶表示器42の画面内に女性キャラクターが出現するとともに、「左打ちに戻してね」といった台詞を発する演出が行われている。また、遊技領域8a内の左側部分を指示する矢印記号が表示される。このような演出を実行することで、遊技者に対して「左打ち」を促し、チャンスゾーンが終了したことを意識させることができる。なお、このとき表示画面上で台詞を文字情報として表示するのに合わせて、スピーカ54,55,56から音声を発生させてもよい。
そして、このようにチャンスゾーンが終了した場合であっても、〔F1c〕特殊状態(有利な状態1〜4)へ移行した場合、次の「普通図柄抽選」では「第1当選種類」に該当しやすい状態となっている。このため、チャンスゾーンが終了した後であっても、さらなる利益を得ようとする動機付けを与え、チャンスゾーン後の即ヤメを防止し、遊技の継続性を向上させることができる。
〔内部状態別演出〕
その他に本実施形態では、例えばゲームフロー上の「通常状態」又は「特殊状態(有利な状態1〜4)」で遊技を進行している場合に、その内部状態に応じた背景画像による演出を行うこととしている。図38は、内部状態に応じて表示される背景画像の表示例を示す図である。
〔通常背景画像〕
図38中(A):遊技状態が〔F1a〕通常中である場合、例えば海辺や山の風景が表示された風景画像が表示される。
〔有利背景画像1〕
図38中(B):遊技状態が〔F1c〕特殊状態(有利な状態1)である場合、例えば女性のキャラクターと、その女性のキャラクターとは別の女性のキャラクターがにらみ合う背景画像が表示される。
〔有利背景画像2〕
図38中(C):遊技状態が〔F1c〕特殊状態(有利な状態2)である場合、例えば提灯お化けの妖怪に顔をしかめる女性のキャラクターが表現された背景画像が表示される。
〔有利背景画像3〕
図38中(D):遊技状態が〔F1c〕特殊状態(有利な状態3)である場合、例えばキャラクターが表示画面の中央に大写しとなり、顔の横で勝利のVサインを見せている様子が表現された背景画像が表示される。
〔有利背景画像4〕
図38中(D):遊技状態が〔F1c〕特殊状態(有利な状態4)である場合、例えば3人の女性キャラクターが表示画面の中央に並んで表示され、全員の女性キャラクターがそれぞれ歓喜している様子が表現された背景画像が表示される。
このように、各内部状態に対応させた内部状態別の背景画像を表示することにより、内部状態を遊技者に教示して、遊技の継続性を向上させることができる。図示の例では、内部状態と背景画像とを1対1に対応させて分かりやすい遊技性を実現している。これに対して、例えばこれらの背景画像を内部状態に関わらずランダムに表示して、内部状態を判別しづらくしてもよいし、普通図柄の毎変動ごとに背景チェンジ抽選を行い、段階を踏んで「通常背景画像」から「有利背景画像4」に変化させることとして、内部状態を段階的に教示することとしてもよい。
次に、以上の演出を具体的に実現するための制御手法の例について説明する。上述した普通図柄当り演出(図28)や可変始動入賞装置作動待ち中演出(図29,図30,図31)、可変始動入賞装置作動時演出(図32)、確変中演出(図33)、リミッタ上乗せ演出(図34)、リミッタ到達後演出(図35,図37)、背景チェンジ演出(図36)、内部状態別演出(図38)等は、以下の制御処理を通じて制御されている。
〔演出制御処理〕
図39は、演出制御CPU126により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御CPU126は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば数十μs〜数ms周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、演出図柄管理処理(ステップS402)、普通図柄当り後演出管理処理(ステップS404)、表示出力処理(ステップS405)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御CPU126は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御CPU126は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば始動ゲート通過コマンド、普通別作動記憶数コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、図柄停止時コマンド、状態指定コマンド、時間短縮機能作動回数コマンド(回数切りカウンタ数コマンド)、リミッタ残数コマンド、エラー通知コマンド、普通図柄遊技管理ステータスコマンド等がある。
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出や結果表示演出の内容を制御する。この処理において、上記の普通図柄当り演出(図28)、内部状態別演出(図38)の内容が制御される。
ステップS404:普通図柄当り後演出管理処理では、演出制御CPU126は普通図柄抽選(作動抽選)で当選した後の演出を制御する。例えば、演出制御CPU126は可変始動入賞装置28の作動時の演出内容を制御したり、可変入賞装置30の開閉動作時の演出内容を制御したりする。この処理では、上記の可変始動入賞装置作動待ち中演出(図29,図30,図31)、可変始動入賞装置作動時演出(図32)、確変中演出(図33)、リミッタ上乗せ演出(図34)、リミッタ到達後演出(図35,図37)、背景チェンジ演出(図36)の内容が制御される。なお、普通図柄当り後演出管理処理の内容については別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS405:表示出力処理では、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して演出内容の基本的な制御情報(例えば、普通図柄の作動記憶数、変動演出パターン番号、予告演出番号、演出モード番号、リミッタ上乗せ演出パターン番号、リミッタ残数メータ表示数パターン番号、背景チェンジ演出パターン番号、復活演出パターン番号、終了演出パターン番号等)を指示する。これにより、演出表示制御装置144(表示制御CPU146及びVDP152)は指示された演出内容に基づいて液晶表示器42による表示動作を制御する(各種の演出実行手段としての機能を果たす。)。
ステップS406:ランプ駆動処理では、演出制御CPU126はランプ駆動回路132に対して制御信号を出力する。これを受けてランプ駆動回路132は、制御信号に基づいて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
ステップS408:次の音響駆動処理では、演出制御CPU126は音響駆動回路134に対して演出内容(例えば各種演出中のBGM、音声データ等)を指示する。これにより、スピーカ54,55,56から演出内容に応じた音が出力される。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御CPU126はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や背景チェンジ抽選(演出抽選)に用いられる乱数等がある。
ステップS412:その他の処理では、例えば演出制御CPU126は可動体40fの駆動用ICに対して制御信号を出力する。可動体40fは可動体ソレノイド57を駆動源として動作し、上記のように液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行う。
以上の演出制御処理を通じて、演出制御CPU126はパチンコ機1における演出内容を統括的に制御することができる。次に、演出制御処理の中で実行される普通図柄当り後演出管理処理の内容について説明する。
〔普通図柄当り後演出管理処理〕
図40は、普通図柄当り後演出管理処理の構成例を示すフローチャートである。普通図柄当り後演出管理処理は、例えば実行選択処理(ステップS500)、初回可変始動入賞装置作動時処理(ステップS502)、特別図柄変動時演出処理(ステップS504)、大役開始後演出処理(ステップS506)、終了演出処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS500:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS502〜ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(例えば普通図柄遊技管理ステータスコマンドに基づく普通図柄遊技管理ステータスの値)によって異なる。例えば、演出制御CPU126は、普通図柄遊技管理ステータスの値が可変始動入賞装置開放待ち状態を示す値(03H)であれば、ジャンプ先として初回可変始動入賞装置作動待ち処理(ステップS501)を選択する。また既に初回可変始動入賞装置作動待ち処理(ステップS501)が完了していれば(普通図柄遊技管理ステータスの値が可変始動入賞装置開放状態を示す値(04H)であれば)、演出制御CPU126は次のジャンプ先として初回可変始動入賞装置作動時処理(ステップS502)を選択する。一方、既に可変始動入賞装置作動時処理(ステップS502)が完了し、かつ、特別図柄の変動パターンコマンド(始動口入賞音制御コマンドでもよい)を受信していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として特別図柄変動時演出処理(ステップS504)を選択する。また特別図柄変動時演出処理(ステップS504)が完了し、かつ、特別図柄(内部抽選)の当選コマンドを受信していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として大役開始後演出処理(ステップS506)を選択する。そして演出制御CPU126は、大役開始後演出処理の中で終了フラグをセットした場合、次のジャンプ先として終了演出処理(ステップS508)を選択する。なお、初回可変始動入賞装置作動待ち処理(ステップS501)、初回可変始動入賞装置作動時処理(ステップS502)及び特別図柄変動時演出処理(ステップS504)は、「時間短縮状態」を表す状態指定コマンドを受信した場合はジャンプ先として選択されない。これは、ゲームフローが一度「時間短縮状態」(〔F19〕確変中又は〔F31〕時短中)に移行した場合、演出内容の中心が上記の確変中演出(図33)やリミッタ上乗せ演出(図34)、リミッタ到達後演出(図35)、背景チェンジ演出(図36)等に移行することから、この間に可変始動入賞装置作動待ち中演出(図29,図30,図31)や可変始動入賞装置作動時演出(図32)等を実行する必要がないためである。
ステップS501:初回可変始動入賞装置作動待ち処理では、演出制御CPU126は普通図柄(作動抽選)の初当り後に時間短縮状態に移行するか否かの演出(可変始動入賞装置26をロング開放させるか否かに関わる演出)を制御する。ここで制御される演出の内容は、上述した可変始動入賞装置作動待ち中に実行される演出(図29,図30,図31)と同様である。このような演出を実行することで、普通図柄(作動抽選)の初回当選後に、可変始動入賞装置26がロング開放するかショート開放するか、すなわち、確変(チャンスゾーン)に突入できるか否かといった期待感を遊技者に抱かせ、ハラハラドキドキとした興趣性を提供することができる。
ステップS502:初回可変始動入賞装置作動時処理では、演出制御CPU126は普通図柄(作動抽選)の初当り後に可変始動入賞装置26を作動させる場合の演出を制御する。ここで制御される演出の内容は、上述した可変始動入賞装置作動時演出(図32)と同様であり、例えば、液晶表示器42の画面上に「右打ちしてね!」等のメッセージを表示することで、遊技者に対してゲームフロー上の進捗状況を案内する。このような演出を実行することで、遊技者が漫然と遊技を消化するのを防止し、目的意識を再確認させて遊技意欲の低下を防止することができる。
ステップS504:この特別図柄変動時演出処理において、演出制御CPU126は特別図柄の変動表示や停止表示に対応させた内容の演出を行うことができる。ここで制御される演出の内容も、上述した可変始動入賞装置作動時演出(図32)と同様の内容である。
ステップS506:大役開始後演出処理では、演出制御CPU126は上記のように確変中演出(図33)、リミッタ上乗せ演出(図34)、リミッタ到達後演出(図35,図37)、背景チェンジ演出(図36)等の内容を制御する。これにより、ゲームフローが〔F19〕確変中又は〔F31〕時短中に移行した後の遊技の流れや進行状況についての情報を遊技者に伝達したり、「リミッタ回数」の上乗せ発生を強く訴求したりすることができる。
ステップS508:終了演出処理では、演出制御CPU126は〔F19〕確変中の終了に伴う演出の内容を制御する。ここで制御される演出の内容は、上述したリミッタ到達後演出のうち、「チャンスゾーン終了」を表す態様(図35中(A))と同様である。このような演出を実行することで、ゲームフロー上で一旦は〔F19〕確変中が終了したことを遊技者に伝達し、また次回の〔F19〕確変中への移行に向けて遊技意欲を維持させることができる。
〔大役開始後演出処理〕
図41は、大役開始後演出処理の手順例を示すフローチャートである。この処理において、演出制御CPU126は特別図柄(内部抽選)の当選図柄別(単発又は確変)の処理を行う。
ステップS600:すなわち演出制御CPU126は、今回の当選図柄が「確変図柄1」〜「確変図柄6」のいずれかに該当するか否かを確認する。この確認は、主制御CPU72から受信した当選図柄コマンドに基づいて行うことができる。演出制御CPU126は、例えばRAM130のコマンドバッファ領域に保存されている当選図柄コマンドを確認し、今回の当選図柄が「確変図柄1」〜「確変図柄6」のいずれかであることを確認すると(Yes)、次にステップS602に進む。
ステップS602:この場合、演出制御CPU126はチャンス中演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は上記の確変中演出(図33)、リミッタ上乗せ演出(図34)、リミッタ到達後演出(図35,図37)、背景チェンジ演出(図36)等について具体的な演出パターンを選択する。なお、チャンス中演出パターン選択処理の内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
一方、先のステップS600で今回の当選図柄が「確変図柄1」〜「確変図柄6」のいずれにも該当しないことを確認した場合(ステップS600:No)、演出制御CPU126はステップS604に進む。
ステップS604:次に演出制御CPU126は、今回の当選図柄が「時短ありの単発図柄」に該当するか否かを確認する。この確認は、例えば主制御CPU72から受信した時間短縮機能作動回数コマンドに基づいて確認することができる。すなわち演出制御CPU126は、例えばRAM130のコマンドバッファ領域に保存されている時間短縮機能作動回数コマンドを確認し、その値が0より大きい(>0)ことを確認すると(Yes)、次にステップS606に進む。
ステップS606:この場合、演出制御CPU126は演出用のリミッタ残数カウンタを最大に設定する。すなわち演出制御CPU126は、先のコマンド受信処理(図39中のステップS400)で主制御CPU72から受信したリミッタ残数コマンドに基づき、例えばRAM130のカウント領域に演出用のリミッタ残数カウンタを予め記憶しているが、このステップS606において、演出制御CPU126は演出用のリミッタ残数カウンタを最大値(例えば15回)に設定する。
これは、特別図柄(内部抽選)の当選図柄が「時短ありの単発図柄」に該当する場合、その後のゲームフローが〔F31〕時短中から〔F19〕確変中に移行することで、上記のように主制御CPU72の処理において「リミッタ回数」の再設定が発生することに対応させたものである。
ステップS602:そして演出制御CPU126は、演出用のリミッタ残数カウンタの値を最大値に設定した状態で、チャンス中演出パターン選択処理を実行する。
これに対し、先のステップS604で今回の当選図柄が「時短ありの単発図柄」に該当しないことを確認した場合(ステップS604:No)、演出制御CPU126はステップS608に進む。
ステップS608:この場合、演出制御CPU126は終了処理フラグをセットする。これにより、普通図柄当り後演出管理処理(図40)に復帰した後の実行選択処理(図40中のステップS500)において、次のジャンプ先として終了演出処理(図40中のステップS508)が選択されることになる。
〔チャンス中演出パターン選択処理〕
図42は、先の大役開始後演出処理の中で実行されるチャンス中演出パターン選択処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS700:先ず演出制御CPU126は、リミッタ残数カウンタの値を取得する。リミッタ残数カウンタは、上記のようにRAM130のカウント領域内に記憶されており、通常はリミッタ残数コマンドの値に基づいて更新(減算更新)されているか、もしくはリミッタリセット(上乗せ)発生に対応して最大値に設定されている。
ステップS702:次に演出制御CPU126は、液晶表示器42の画面内で表示しているリミッタ残数と内部的なリミッタ残数との差から優先する演出内容を選択する。例えば、演出制御CPU126は、先ず現時点で画面内に表示されているリミッタ残数メータMの表示数とリミッタ残数カウンタの値との差を算出する。そして演出制御CPU126は、その算出結果に応じて優先演出選択テーブル(図示していない)から優先する演出内容を選択する。
〔演出優先度の考え方〕
チャンス中演出パターンとしては、主に上記のリミッタ上乗せ演出(図34)、リミッタ到達後演出(図35)、背景チェンジ演出(図36)等があるが、いずれの演出を優先して実行するかは、ゲームフローの進行状況によって判断されることが望ましい。例えば、内部的に「リミッタ回数」の上乗せが発生した場合であっても、実際の上乗せ回数は、その発生時点でのリミッタ残数との関係で大小に異なるし、遊技者にとってはどの段階で実際の上乗せが発生したかを外見上で判別することは困難である。したがって、例えばリミッタ残数が充分に多い段階(例えば残り14回)で上乗せが発生しても、この場合の上乗せ回数は相対的に少ないため、このタイミングでリミッタ上乗せ演出(図34)を実行しても遊技者にとってそれほどの驚き(喜び)はない。これに対し、リミッタ残数がかなり少なくなった段階(例えば残り3回以下)で上乗せが発生すると、それだけ多くの上乗せ回数が得られることから、このタイミングでリミッタ上乗せ演出(図34)を実行すれば、それだけ遊技者にとって驚き(喜び)が大きくなる。またリミッタ到達後の復活演出(図35中(B))については、実際に「リミッタ回数」が残り0回になったタイミングで実行することが自然である。本実施形態では以上のような演出優先度の考え方に基づき、リミッタ残数メータMの表示数とリミッタ残数カウンタの値との差に応じて優先する演出内容を図示しない優先演出選択テーブルで規定している。
ステップS704:演出制御CPU126は、先のステップS702で回数増演出(リミッタ上乗せ演出)を優先演出として選択したか否かを確認する。そして、実際に回数増演出(リミッタ上乗せ演出)が今回の優先演出である場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS706を実行する。
ステップS706:この場合、演出制御CPU126はリミッタ回数増演出パターン選択処理を実行する。この処理において、演出制御CPU126は例えば演出抽選乱数を用いた演出抽選を行い、これに当選した場合はリミッタ上乗せ演出(図34)のパターン番号を選択する。ここで選択したリミッタ上乗せ演出パターン番号は、上記の表示出力処理(図39中のステップS405)において演出表示制御装置144(表示制御CPU146及びVDP152)に出力される。これにより、実際に液晶表示器42の画面内において図34中(A),(B)等に示されるリミッタ上乗せ演出が実行されることになる。
一方、先のステップS702で回数増演出(リミッタ上乗せ演出)を優先演出として選択しなかった場合、演出制御CPU126回数増演出(リミッタ上乗せ演出)が今回の優先演出でないと判断し(No)、次にステップS708を実行する。
ステップS708:この場合、演出制御CPU126はその他演出パターン選択処理を実行する。この処理においても、演出制御CPU126は演出抽選乱数を用いた演出抽選を行い、これに当選した場合に例えば上記の背景チェンジ演出(図36)のパターン番号を選択する。あるいは、例えばリミッタ残数メータMの表示数と実際のリミッタ残数カウンタの値との差がなく、両者がともに0回である場合、演出制御CPU126は演出抽選(確率1/1)でリミッタ到達後の復活演出(図35中(A)及び(B))のパターン番号を選択する。ここで選択した背景チェンジ演出パターン番号又は復活演出パターン番号もまた、上記の表示出力処理(図39中のステップS405)において演出表示制御装置144(表示制御CPU146及びVDP152)に出力される。これにより、実際に液晶表示器42の画面内において図36中(A)〜(D)等に示される背景チェンジ演出が実行されたり、あるいは、図35中(A)及び(B)に示される復活演出が実行されたりすることになる。
なお、先のステップS706及びステップS708のそれぞれにおいて、特に演出抽選に当選しなかった(演出非当選)場合、演出制御CPU126はリミッタ残数メータMの表示数を減少させる演出パターン番号を選択する。これにより、いずれの場合についても液晶表示器42の画面内においてリミッタ残数メータMの表示数を減少させる演出が実行されることになる。
〔演出手法のまとめ〕
上述した演出手法の例によれば、パチンコ機1におけるゲームフローの進行に即して遊技者に有益な情報を演出として提供することができる。具体的には、(1)「第1段階抽選」で当選が得られたこと、及び普通図柄の「第1当選図柄」による当りにより「右打ち」の必要性が発生したこと、(2)可変始動入賞装置28(始動入賞口28a)への入賞により内部抽選(特図変動)が実行されたこと、及び「第2段階抽選」に進むことができたこと、(3)内部抽選で確変図柄での当選が得られたこと、及び「第2段階抽選」で所望の抽選結果が得られたこと、(4)ゲームフローが〔F19〕確変中に移行(突入)したこと、(5)〔F19〕確変中に「リミッタ回数」の残りが減少していくこと、(6)「リミッタ回数」に上乗せが発生したこと、(7)リミッタ到達後に〔F31〕時短中を経て〔F19〕確変中へ復活する契機が発生したこと、逆に(8)リミッタ到達によって〔F19〕確変中が終了し、ゲームフローが〔F1〕通常遊技中に戻ったこと、(9)背景画像によって内部状態がいかなる状態であるかの目安を示すこと等の情報を演出によって遊技者に分かりやすく提供(伝達、教示、示唆)することができる。また上記(3)に関して、逆に内部抽選で確変図柄での当選が得られなかったことも情報として提供することができる。
これにより、ゲームフローの進捗状況が遊技者に理解されないまま遊技が漫然と行われるのを防止しつつ、本実施形態のパチンコ機1によるゲーム性(第2段階抽選によるゲーム性や、チャンスゾーン中の上乗せによる利益の継続性)を十二分に遊技者に堪能させることができる。また、実際にゲームフロー上で「リミッタ回数」の上乗せが発生したことを演出内容から明確に実感させることで、遊技者に対して自己の遊技成果(〔F19〕確変中に2%の単発当選を引き当てたこと)を実感させ、それによって一定の満足感や達成感を遊技者に抱かせることができる。あるいは、ゲームフロー上でリミッタ到達後に復活が発生したことを演出内容から明確に実感させることで、ここでも遊技者に対して自己の遊技成果(リミッタ到達後に50%で時短あり単発当選を引き当てたこと)実感させ、それによって一定の満足感や達成感を遊技者に抱かせることができる。
特に内部的なゲームフロー上、上記(6)や(7)の仕組みについては、実際の制御処理の内容が複雑であるが、本実施形態ではこれを演出情報として遊技者に分かりやすく伝達することができ、その点でゲームフローだけでなく演出手法もまた秀逸である。
〔ゲームフロー上の有用性〕
加えて本実施形態では、本来のゲームフローそのものに以下の有用性がある。
(1)例えば、〔F1〕通常遊技中からの〔F16〕確変図柄1〜6当選により、1回目を含めて連続15回の〔F19〕確変中のループを発生させる権利(可能性)が発生する。これにより、ループごとに〔F22〕可変始動入賞装置作動と〔F18〕可変入賞装置作動を通じて賞球が得られる機会を遊技者に付与し、その利益を増加させることができる。
(2)さらに、〔F19〕確変中のループ途中で〔F29〕単発図柄1,2当選を引き当てると、〔F31〕時短中を経て〔F38〕確変図柄1〜6当選(確変比率98%)が発生しやすく、それによって〔F19〕確変中への再ループが発生する。そして、この場合は上記のように「リミッタ回数」が再設定(リセット)されているため、先のループ中に消化し終わった分に対して新たな「リミッタ回数」の上乗せが発生することになる。これにより、上乗せ分でさらに〔F22〕可変始動入賞装置作動と〔F18〕可変入賞装置作動を通じて賞球が得られる機会を遊技者に付与し、その利益をさらに増加させることができる。
(3)また、〔F19〕確変中のループ中に上乗せが発生せず、「リミッタ回数」の残りが0回に到達した場合であっても、そこで〔F43〕単発図柄1,2当選又は〔F45〕確変図柄1当選→強制単発図柄3に該当する(合成選択比率50%)ことで、そこから〔F31〕時短中を経て〔F19〕確変中のループを再開させることができる。そして、この場合も同じく「リミッタ回数」が再設定(リセット)されているため、リミッタ到達前のループ中に消化し終わった分に対して新たな「リミッタ回数」の上乗せが発生することになる。これにより、上乗せ分でさらに〔F22〕可変始動入賞装置作動と〔F18〕可変入賞装置作動を通じて賞球が得られる機会を遊技者に付与し、その利益をさらに増加させることができる。
(4)また、上記(2)又は(3)の利益は特別図柄(内部抽選)の結果に応じてランダムに発生する可能性があるため、上記(2),(3)が連鎖的に発生していけば、その都度、出玉を上乗せしていくことが可能なゲーム性を実現することができる。
(5)加えて、従来この種のパチンコ遊技では、基本的に確変図柄を引くことが利益の連続性(いわゆる連チャン)を発生させるものであり、単発図柄を引くと、それによって利益の連続性が終了するというのが遊技の常識であった。しかしながら、本実施形態では〔F19〕確変中に敢えて単発図柄を引くことで利益の連続性に上積みを発生させており、従来とは逆転の発想を用いたゲーム性を実現している点で大きな有用性を発揮している。
(6)その上、本実施形態では、リミッタ到達時の第2段階抽選(特別図柄抽選)にて、〔F19〕確変中のループに突入しない旨の抽選結果が得られた場合であっても、「特殊状態(有利な状態1〜4)」に移行するという余地を残しており、確変中のループが終了した直後に遊技を中止してしまうという事態(いわゆる即ヤメ)を回避することができ、遊技機の稼動効率に貢献することができる。
本発明は、上述した実施形態に制約されることなく、各種の変形を採用することができる。例えば、各種演出手法の例として挙げた画像や動作はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。
一実施形態で挙げた抽選の確率や図柄の変動時間、可変始動入賞装置28の作動時間、可変入賞装置30の開放時間、開放回数、賞球数等の条件はあくまで例示であり、これらは適宜に変形してもよい。また、遊技領域8内の各種始動ゲート20,21、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30等の個数や配置は種々に変形して実施してもよい。
一実施形態で挙げた「特殊状態」は、4つの状態(有利な状態1〜4)を形成する例で説明したが、「特殊状態」は1つ〜3つの状態だけでもよく、5つ以上の状態を形成してもよい。
その他、パチンコ機1の構造や盤面構成等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能であることはいうまでもない。