JP5946733B2 - 燃焼器の隙間計測装置及び隙間計測方法 - Google Patents
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Description
典型的なガスタービン燃焼器の構成として、パイロットノズルと、パイロットノズルの外周に等間隔に配置された複数のメインノズルと、メインノズルの下流側先端部分を覆うように設置されたメインバーナとを備えている。そして、燃料供給側に設置されるスワラ支持筒には燃焼ガスを下流側のタービンに導くための燃焼筒が接続されている。スワラ支持筒と燃焼筒との間には環状隙間が形成されており、この環状隙間内にはスプリングクリップが配置されている。
また、特許文献2には、原子力プラント蒸気発生器の伝熱管と振動止金物等の隙間を計測する計測装置が開示されている。
例えば、特許文献1及び2には、スワラ支持筒と燃焼筒との間の環状隙間の大きさを計測する計測装置や計測方法についての記載は全く無い。
先端側が前記燃焼器内に挿入された状態で、前記燃焼ノズルを固定するための前記燃焼器の第1フランジに取り付けられ、少なくとも基端側が中空であるロッド部と、
前記ロッド部の軸方向に直交する回動軸を中心として回動可能に前記ロッド部の先端に取り付けられた支持部と、
前記支持部に支持され、前記環状隙間を撮像する撮像素子と、
前記基端側の中空の前記ロッド部内を貫通し、前記支持部に向かって延在する操作レバーと、
前記操作レバーと前記支持部との間に設けられ、前記操作レバーの進退運動を、前記回動軸を中心とした前記支持部の回動運動に変換するリンク機構とを備えることを特徴とする。
前記光源からの前記光の照射方向と前記直線との交点において前記環状隙間が形成されように、前記ストッパ及び前記光源が構成される。
また、光源の照射方向と、環状隙間と回転軸とを結ぶ直線とが交差する位置に環状隙間が位置しているため、環状隙間に形成された影を撮像素子で撮像することができる。さらに、撮像素子で撮像された画像上の影の長さを計測することで、実際の環状隙間の大きさを算出することができる。
そして、光源は、第1筒体の第2筒体側の端部に対応する軸方向位置においてロッド部に取り付けられているため、第1筒体の第2筒体側の端部を真横(軸方向に直交する方向)から照射することができる。第1筒体の第2筒体側の端部を真横から照射することで、影の長さを実際の環状隙間の大きさと一致させることができるので、精度良く環状隙間の大きさを算出することができる。
前記固定プレートとともに前記第2フランジを挟むように配置され、締結部材によって前記固定プレートと締結されて前記第2フランジを摩擦固定する摩擦プレートとをさらに備え、
前記固定プレートには、前記締結ボルトの頭部が収容される座ぐり穴が設けられている。
例えば、複数の周方向位置における環状隙間の計測を行う際、摩擦プレートの固定プレートへの締結力を弱めた状態でロッド部を回動させることで、次の計測位置に撮像素子を容易に向けることができる。
少なくとも基端側が中空であるロッド部の先端側を前記燃焼器内に挿入し、前記ロッド部を前記燃焼器の第1フランジに取り付ける取付け工程と、
前記基端側の中空の前記ロッド部内を貫通し、前記ロッド部の先端に回動可能に取り付けられた支持部に向かって延在する操作レバーを進退させ、リンク機構を介して前記操作レバーに接続され、且つ、前記支持部を前記ロッド部の軸方向に直交する回動軸を中心として回動させる回動工程と、
前記回動工程において前記支持部によって支持された撮像素子が前記環状隙間に向けられた状態で、前記撮像素子によって前記環状隙間を撮像する撮像工程と、
前記撮像工程にて得られた前記環状隙間の画像に基づいて実際の前記環状隙間の大きさを算出する算出工程と、を備えることを特徴とする。
図1は、本発明の実施形態に係る燃焼器の構成を示す断面図である。
図1に示すように、燃焼器1は、燃料供給側に設置されるスワラ支持筒2a(第1筒体に相当。内筒と称される場合もある)と、前記スワラ支持筒2aに接続されて燃焼ガスを下流側のタービンに導く燃焼筒2b(第2筒体に相当。尾筒と称される場合もある)と、車室3の内壁に沿うように挿入されるとともにスワラ支持筒2aを覆う外筒2cとを備えている。スワラ支持筒2aと燃焼筒2bとのオーバーラップ部分におけるスワラ支持筒2aと燃焼筒2bとの間にはスプリングクリップ5が配置されている。
次に、スワラ支持筒2aと燃焼筒2bとの間の環状隙間19の大きさを実際に計測可能な燃焼器1の隙間計測装置について以下で説明する。
図2は、本発明の実施形態に係る隙間計測装置の側面図である。また、図3は、図2のA矢視図である。そして、図4は、図2のB−B矢視図である。
図2〜図4に示すように、燃焼器1の隙間計測装置20は、ロッド部30と、ロッド部30の先端に取り付けられた支持部50と、支持部50の先端に支持された撮像素子60と、基端側の中空のロッド部30内を貫通する操作レバー70と、操作レバー70と支持部50の間に設けられたリンク機構80とを備えている。
支持部50は、一対の略矩形の第2板状部材51a、51bを備えている。一対の第2板状部材51a、51bは、アーム34を両側から挟み込みように配置されている。また、第2板状部材51a、51bは、互いに平行に配置されるとともに、ロッド部30の軸方向に沿って延在している。
幾つかの実施形態では、撮像素子60は、CCDイメージセンサ又はCMOSイメージセンサである。
支持部50の先端部50bがストッパ53に当接して回動が制限されると、操作レバー70を先端側へ向かって移動させることができなくなる。即ち、操作レバー70を先端側へ向かって移動させることができなくなるまで操作することで、支持部50を常にストッパ53に当接した位置(最大回動角度)まで回動させることができる。これにより、支持部50を最大回動角度まで容易に回動させることができる。
そして、操作レバー70を基端側へ向かって移動させ続けると、回動した支持部50の基端部50aがストッパ53に当接する。
即ち、操作レバー70を基端側へ向かって移動させることができなくなるまで操作することで、支持部50の長手方向がロッド部30の軸方向と平行になるような角度位置まで支持部50を容易に回動させることができる。
燃焼器1内に挿入された隙間計測装置20を環状隙間19の周方向に沿って所定の角度だけ回動させる方法について以下で説明する。まず、隙間計測装置20を燃焼器1に固定する方法について説明し、その後、隙間計測装置20を回動させる方法について説明する。
図5に示すように、ロッド部30は、燃焼器1のパイロットノズル6を固定するための第1フランジ1a(図1参照)に取り付けるための第2フランジ36を基端部30aに有している。
隙間計測装置20を燃焼器1に取り付ける場合、第2フランジ36と第1フランジ1aとの間には、ロッド部30を挿通可能な貫通穴31を有する固定プレート37が設けられる。
座ぐり穴42の位置に対応する第2フランジ36の部分には、ボルト39を挿通可能な切欠き40(図4参照)が設けられている。
ボルト39は、パイロットノズル6を締結部材で第1フランジ1aに取り付ける際に利用するネジ穴に螺合する。このため、ボルト39用のネジ穴を第1フランジ1aに新たに設ける必要が無い。したがって、ボルト39用のネジ穴を設けることによって第1フランジ1aの強度が低下することを防止できる。
摩擦プレート43は、両端部を貫通する六角ボルト44により固定プレート37に締結される。摩擦プレート43の両端部の六角ボルト44を締め込むと、摩擦プレート43の中央部が第2フランジ36に当接して当該第2フランジ36を固定プレート37に押し付ける。このため、固定プレート37と第2フランジ36との間に摩擦力が発生し、当該摩擦力により第2フランジ36を固定プレート37に摩擦固定する。これにより、ロッド部30、即ち隙間計測装置20を燃焼器1に固定することができる。
なお、摩擦プレート43を締結するための六角ボルト44が螺着されるネジ穴は固定プレート37に設けられている。したがって、固定プレート37を設けることで、第2フランジ36を固定するための六角ボルト44用のネジ穴を第1フランジ1aに設ける必要が無い。したがって、六角ボルト44用のネジ穴を設けることによって第1フランジ1aの強度が低下することを防止できる。
そして、ロッド部30を回動させると、支持部50、撮像素子60、操作レバー70及びリンク機構80はロッド部30と一体的に周方向へ回動する。
所定の角度だけ回動させた後、再び、上述したように、摩擦プレート43の両端部の六角ボルト44を締め込んで、第2フランジ36を固定プレート37に固定する。
図6に示すように、第1フランジ1aからスワラ支持筒2aの先端側端面4までの軸方向の長さが、図5等に記載の燃焼器1と異なる燃焼器100に隙間計測装置20を取り付けると、光源47の位置が軸方向にずれてしまう。係る場合には、固定プレート37と第1フランジ1aとの間に、着脱自在に設けられるスペーサ21を設けて、光源47の軸方向の位置を調整する。
スペーサ21は、ロッド部30を挿通可能な貫通穴22と、ボルト23を収容する座ぐり穴24とを有している。スペーサ21は、ボルト23で第1フランジ1aに固定される。スペーサ21を用いる場合、固定プレート37は、第1フランジ1aとともにスペーサ21を挟むように配置される。
図7に示すように、軸方向において光源47の中心がスワラ支持筒2aの先端側端面4に一致するように配置して、軸方向に直交する方向から環状隙間19の周辺に光を当てた場合、前記スワラ支持筒2aの先端側端面4及び燃焼筒2bの内面に光が当たる。ここで、スワラ支持筒2aの径方向の外縁をA点とし、径方向にA点から燃焼筒2bの内面に向かって軸方向に直交する線を引き、その交点をB点とする。また、撮像素子60から出る光(計測線61)のうち、B点を通る計測線61にA点から下した垂線が交わる交点をC点とする。すなわち、撮像素子60から出る計測線61の軸方向に対する傾き角をαとすれば、線分ABと線分ACの交わる角は、傾き角αと一致することになる。
次に、隙間計測装置20で環状隙間19の大きさを算出するフローについて説明する。
図8に示すように、まず、隙間計測装置20を燃焼器1内に挿入する前に、既知の長さの環状隙間と撮像された画像上の環状隙間の大きさとの関係式を予め算出する(ステップS1)。
具体的には、試験用の光源47、撮像素子60及び隙間を設けて、これらの位置関係が、燃焼器1に隙間計測装置20を取り付けた状態における光源47、撮像素子60及び環状隙間19の位置関係と同じになるように、試験用の光源47、撮像素子60及び隙間を配置する。即ち、試験用の光源47からの光の照射方向と、試験用の隙間と試験用の撮像素子60とを結ぶ直線状の計測線61との交点(A点及びB点)に試験用の隙間が位置するように配置する。なお、試験用の隙間の大きさはノギス等の計測器にて計測する。
そして、試験用の光源47から試験用の隙間へ向かって光を照射し、試験用の隙間を試験用の撮像素子60にて撮像する。続いて、試験用の撮像素子60にて撮像された画像上の影の長さ(線分AC)を計測し、計測された画像上の影の長さと、試験用の実際の隙間(線分AB)の大きさとの関係を示す関係式を算出する。
ロッド部30の軸方向に支持部50が沿った状態で、隙間計測装置20の支持部50及びロッド部30を燃焼器1内に挿入する。続いて、固定プレート37を第1フランジ1aに固定し、第2フランジ36を摩擦プレート43で固定プレート37に固定して、隙間計測装置20を燃焼器1に取り付ける。
支持部50の先端部50bがストッパ53に当接するまで操作レバー70を先端側へ向かって移動させて、撮像素子60を環状隙間19に向ける。操作レバー70を先端側へ移動させることができなくなったら、操作レバー70をその位置で保持する。係る場合に、支持部50は最大回動角度に回動されている。
ステップS4にて撮像された画像上の環状隙間19、即ち影の長さを計測する。計測した環状隙間19の大きさをステップS1にて算出した関係式に代入して、実際の環状隙間19の大きさを算出する。
環状隙間19の周方向に角度を変えて予め設定された所定回数以上、環状隙間19を撮像したか否かを判定する。環状隙間19を撮像した回数が、予め設定された所定回数未満であれば(ステップS6:NO)、続いて、ステップS7を実施する。
続いて、六角ボルト44を締めて、第2フランジ36を固定プレート37に固定して隙間計測装置20を燃焼器1に固定する。
その後、再びステップS3を実施する。
例えば、複数の周方向位置における環状隙間19の計測を行う際、摩擦プレート43の固定プレート37への締結力を弱めた状態でロッド部30を回動させることで、次の計測位置に撮像素子60を容易に向けることができる。
1a 第1フランジ
2a スワラ支持筒
2b 燃焼筒
2c 外筒
3 車室
4 先端側端面
5 スプリングクリップ
6 パイロットノズル
8 メインノズル
10 パイロットコーン
12 メインバーナ
14 パイロットスワラ
17 燃焼室
19 環状隙間
20 隙間計測装置
21 スペーサ
22 貫通穴
23 ボルト
24 座ぐり穴
30 ロッド部
30a 基端部
30b 先端部
31 貫通穴
32 筒体
34 アーム
35a、35b 第1板状部材
36 第2フランジ
37 固定プレート
39 ボルト
40 切欠き
42 座ぐり穴
43 摩擦プレート
44 六角ボルト
45 スペーサ
47 光源
50 支持部
50a 基端部
50b 先端部
51a、51b 第2板状部材
52 連結ピン
53 ストッパ
54 切欠き
55 軸心
56 軌跡
60 撮像素子
61 計測線
70 操作レバー
70a 基端部
70b 先端部
71 第1リンクピン
72 第2リンクピン
80 リンク機構
80a 基端部
80b 先端部
100 燃焼器
Claims (9)
- 燃焼ノズルと、当該燃焼ノズルの周りに設けられて当該燃焼ノズルを囲む第1筒体と、前記第1筒体に接続され、前記燃焼ノズルによって燃焼した燃焼ガスを下流側に導く第2筒体とを備えた燃焼器の前記第1筒体と前記第2筒体とのオーバーラップ部分における前記第1筒体と前記第2筒体との間の環状隙間の大きさを計測する燃焼器の隙間計測装置であって、
先端側が前記燃焼器内に挿入された状態で、前記燃焼ノズルを固定するための前記燃焼器の第1フランジに取り付けられ、少なくとも基端側が中空であるロッド部と、
前記ロッド部の軸方向に直交する回動軸を中心として回動可能に前記ロッド部の先端に取り付けられた支持部と、
前記支持部に支持され、前記環状隙間を撮像する撮像素子と、
前記基端側の中空の前記ロッド部内を貫通し、前記支持部に向かって延在する操作レバーと、
前記操作レバーと前記支持部との間に設けられ、前記操作レバーの進退運動を、前記回動軸を中心とした前記支持部の回動運動に変換するリンク機構とを備えることを特徴とする燃焼器の隙間計測装置。 - 前記ロッド部に設けられて、前記支持部の最大回動角度を制限するストッパをさらに備え、
前記最大回動角度において、前記支持部に支持された前記撮像素子は前記環状隙間に向けられることを特徴とする請求項1に記載の燃焼器の隙間計測装置。 - 前記支持部が前記最大回動角度まで回動した状態で前記環状隙間と前記回動軸とを結ぶ直線上に前記撮像素子が位置するように、前記ストッパは構成されていることを特徴とする請求項2に記載の燃焼器の隙間計測装置。
- 前記第1筒体の前記第2筒体側の端部に対応する軸方向位置において前記ロッド部に取り付けられ、径方向外方に光を照射する光源をさらに備え、
前記光源からの前記光の照射方向と前記直線との交点において前記環状隙間が形成されるように、前記ストッパ及び前記光源が構成されることを特徴とする請求項3に記載の燃焼器の隙間計測装置。 - 前記支持部、前記撮像素子、前記操作レバー及び前記リンク機構は、前記ロッド部と一体的に周方向へ回動可能であることを特徴とする請求項1〜4のうち何れか一項に記載の燃焼器の隙間計測装置。
- 前記ロッド部に設けられた第2フランジと前記燃焼器の前記第1フランジとの間に着脱自在に設けられるスペーサをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の燃焼器の隙間計測装置。
- 前記ロッド部に設けられた第2フランジと前記燃焼器の前記第1フランジとの間において前記第1フランジに締結ボルトによって固定され、前記ロッド部を挿通可能な貫通穴を有する固定プレートと、
前記固定プレートとともに前記第2フランジを挟むように配置され、締結部材によって前記固定プレートと締結されて前記第2フランジを摩擦固定する摩擦プレートとをさらに備え、
前記固定プレートには、前記締結ボルトの頭部が収容される座ぐり穴が設けられていることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の燃焼器の隙間計測装置。 - 燃焼ノズルと、当該燃焼ノズルの周りに設けられて当該燃焼ノズルを囲む第1筒体と、前記第1筒体に接続され、前記燃焼ノズルによって燃焼した燃焼ガスを下流側に導く第2筒体とを備えた燃焼器の前記第1筒体と前記第2筒体とのオーバーラップ部分における前記第1筒体と前記第2筒体との間の環状隙間の大きさを計測する燃焼器の環状隙間計測方法であって、
少なくとも基端側が中空であるロッド部の先端側を前記燃焼器内に挿入し、前記ロッド部を前記燃焼器の第1フランジに取り付ける取付け工程と、
前記基端側の中空の前記ロッド部内を貫通し、前記ロッド部の先端に回動可能に取り付けられた支持部に向かって延在する操作レバーを進退させ、リンク機構を介して前記操作レバーに接続され、且つ、前記支持部を前記ロッド部の軸方向に直交する回動軸を中心として回動させる回動工程と、
前記回動工程において前記支持部によって支持された撮像素子が前記環状隙間に向けられた状態で、前記撮像素子によって前記環状隙間を撮像する撮像工程と、
前記撮像工程にて得られた前記環状隙間の画像に基づいて実際の前記環状隙間の大きさを算出する算出工程と、を備えることを特徴とする燃焼器の環状隙間計測方法。 - 前記ロッド部、前記支持部、前記撮像素子、前記操作レバー及び前記リンク機構を、一体的に前記ロッド部の周方向に回動させて、複数の周方向位置における前記環状隙間の大きさを求めることを特徴とする請求項8に記載の燃焼器の環状隙間計測方法。
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