JP5944097B2 - 口腔内清掃具 - Google Patents
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Description
従って、本発明の課題は、舌や歯茎のように敏感な口腔内部分、特に口腔内粘膜の汚れを効率良く除去しつつ、かつ清掃時の痛みや刺激が抑制された口腔内清掃具を提供することにある。
また、凸部221は、基台部21からの高さh1(基台部21の表面からのZ方向の長さ)(図3参照)が0.5〜8mmであることが好ましく、舌清掃具として使用される口腔内清掃具1Aにおいては、清掃効率と柔らかな使用感を両立させる観点から、1〜5mmであることが更に好ましい。
基台部21の厚みt2の平均に対する凸部221の高さh1の比率(h1/t2)は、舌清掃具として使用される口腔内清掃具1Aにおいては、先端部にしっかりと固定すること及び使用時の嘔吐反射を抑制する観点から、0.3〜10であることが好ましく、1.5〜6であることが更に好ましい。
また、隣り合う凸部221どうしの凸部221の基部における間隔d1(図3参照)の平均は、0.3〜2mmであることが好ましく、舌清掃具として使用される口腔内清掃具1Aにおいては、清掃効率と柔らかな使い心地を両立させる観点から、0.5〜1mmであることが更に好ましい。
セル面積の測定は、走査型電子顕微鏡(リアルサーフェイス顕微鏡 商品名VE7800;(株)キーエンス製)を用いて測定する。図2に示す発泡体20を、Y方向にカッターで切断し、走査型電子顕微鏡を用いて、図4に示すように、基台部21又は凹凸部22の部分の拡大写真を撮影する。そして、この拡大写真から、10個の気泡(セル)を選択し、画像処理ソフト(商品名ウィンルーフ バージョン5.6.2 三谷商事製)を用いて、それぞれの気泡における面積を測定する。それらの結果から各気泡の平均面積を算出し、平均セル面積とする。
平均セル密度も、平均セル面積の測定同様、走査型電子顕微鏡を用いて測定する。基台部21又は凹凸部22の切断面10000μm2当たりに、気泡が何個含まれているのかを10箇所、目視にて測定し、平均値を求める。この平均値を1cm2当たりに換算した値を平均セル密度とする。
スキン層の平均厚みも、上述した平均セル面積の測定同様、走査型電子顕微鏡を用いて測定する。発泡体20の切断面における基台部21又は凹凸部22の部分の切断面の拡大写真を撮影し、この拡大写真から、スキン層の厚みを10箇所測定し、測定値の平均をスキン層の平均厚みとする。
口腔内清掃具1Aは、図1〜図3に示すように、先端部11の少なくとも一部に発泡体20を有し、発泡体20は先端部11の一方の面11aを覆い固定された板状の基台部21と、基台部21上に一体的に形成された凹凸部22とを有し、発泡体20と先端部11によって清掃部2を構成する。このように、先端部11の一方の面11aに基台部21を介して凹凸部22が配されているため、発泡体20を先端部11に強固に固定することができる。従って、口腔内清掃具1Aは、清掃時に清掃部2の発泡体20によって舌の汚れを強く掻き取ることができ、良好な清掃性が得られる。また、このように強く舌の汚れを掻き取っても、口腔内清掃具1Aは、発泡体20が所定の厚みのある基台部21を備えているため、クッション性がよく、所定の発泡特性(スキン層の平均厚み、平均セル面積400〜70000μm2)を有する基台部21及び凹凸部22を備えているため、舌を傷つけ難い。
先ず、口腔内清掃具1Aの発泡体20を製造する方法について説明する。基台部21及び凹凸部22を備える発泡体20は、化学発泡法及び物理発泡法により製造することができる。
化学発泡法としては、熱硬化性樹脂中に、加熱分解とともにガスを発生させる化合物を混合し、熱硬化性樹脂を加熱硬化させて発泡体を得る方法を用いることができる。使用する熱硬化性樹脂としては、シリコーン系、ウレタン系、アクリル系のものを用いることができ、これらの中でシリコーン系のものが安全性に優れ口腔内の使用に適していることから好ましい。また、熱硬化性樹脂中に水溶性粒子を混合したものを加熱成形し、熱硬化性樹脂を硬化させた後、水溶性粒子を水に溶解させることにより発泡体を得る方法も用いることができる。具体的な水溶性粒子としては、砂糖、マルチトール、エリスリトールなどの糖類、酢酸ナトリウム、硫酸マグネシウムなどの塩類を用いることができる。これ以外の化学発泡法としては、樹脂中に、水や酸と反応することによりガスを発生させる化合物を混合して発泡体を得る方法も用いることができる。
本発明の口腔内清掃具1Aの発泡体20の備える基台部21及び凹凸部22は、以上に述べた何れの方法を用いても製造することができるが、発泡体20のための発泡前の成形用樹脂を収容する圧力室内において、成形用樹脂を超臨界流体に接触させる工程と、その後に圧力室内を減圧させる工程とを備え、圧力室内を減圧させる工程が、第1減圧工程及び第1減圧工程より後の第2減圧工程を有し、第2減圧工程の減圧スピードが、第1減圧工程の減圧スピードよりも遅い製造方法が好ましい。以下に、超臨界流体用原料として二酸化炭素を用いた物理発泡法であるバッチ法によって発泡体20の基台部21及び凹凸部22を製造する方法を、図面を参照しながら説明する。
第1減圧工程の減圧スピードは、50〜1000MPa/分であることが好ましく、100〜800MPa/分であることがさらに好ましい。減圧スピードが50MPa/分より速ければ、発泡体20の気泡サイズが小さく、セル密度が大きくなるので好ましく、減圧スピードが1000MPa/分より遅ければ、他の吸引装置が必要とならず、圧力室100の減圧バルブ120を開放するだけで対応できるので、設備費を低く抑えられるので好ましい。
第2減圧工程の減圧スピードは、0.1〜10MPa/分であることが好ましく、3〜7MPa/分であることがさらに好ましい。減圧スピードが0.1MPa/分より速ければ、生産性が低下することがなく、10MPa/分より遅ければ、圧力室100の内部表面にドライアイスが発生し難いので好ましい。
以降は、上述した製造する方法と同様の工程を経た後、圧力室100から先端部11の固定された金属製容器300を取り出し、ボルトとナットをゆるめて、金型凹部330から取り出すことにより、基台部21及び凹凸部22からなる発泡体20が、先端部11の一方の面11a上に発泡成形により一体化された口腔内清掃具1Aを製造することができる。
第2実施形態の口腔内清掃具1B(以下、「口腔内清掃具1B」ともいう)については、第1実施形態の口腔内清掃具1Aと異なる点について説明する。特に説明しない点は、口腔内清掃具1Aと同様であり、口腔内清掃具1Aの説明が適宜適用される。また、図7〜図9において、図1〜図3と同じ部分には同じ符号を付してある。
ブリッスル23の毛丈t4に対する凸部221の高さh1の比率(h1/t4)は、歯を磨く歯ブラシとして使用されるとともに、舌の汚れを取る舌清掃具としても使用される観点及び口腔内の取り扱いやすさの観点から、1.5〜20であることが好ましく、5〜12であることが更に好ましい。
基台部の平均厚みt2に対する凸部の高さh1の比率(h1/t2)は、凸部による清掃性と良好な感触の観点、及び先端部にしっかりと固定する観点から、0.3〜10であることが好ましく、0.3〜6であることが更に好ましい。
第2実施形態の口腔内清掃具1Bの効果については、第1実施形態の口腔内清掃具1Aの効果と異なる点について説明する。特に説明しない点は、口腔内清掃具1Aの効果と同様であり、口腔内清掃具1Aの効果の説明が適宜適用される。
第2実施形態の口腔内清掃具1Bは、第1実施形態の口腔内清掃具1Aを製造する方法と同様に、図5に示す装置を用いて製造することができる。口腔内清掃具1Bを製造する方法については、口腔内清掃具1Aを製造する方法と異なる点について説明する。特に説明しない点は、口腔内清掃具1Aの製造方法と同様であり、口腔内清掃具1Aの製造方法説明が適宜適用される。
以降は、口腔内清掃具1Aを製造する方法と同様の工程を経た後、圧力室100から先端部11の固定された金属製容器300を取り出し(図12(b)参照)、ボルトとナットをゆるめて、金型凹部330から取り出すことにより、基台部21及び凹凸部22からなる発泡体20が、底部に融着部24が形成された嵌合用凹部内で発泡成形することにより先端部11と一体化して形成され、先端部11と、基台部21及び凹凸部22からなる発泡体20と、複数のブリッスル23とから構成された清掃部2を本体10に備えた口腔内清掃具1Bを製造することができる(図12(c)参照)。
第3実施形態の口腔内清掃具1C(以下、「口腔内清掃具1C」ともいう)については、第1実施形態の口腔内清掃具1Aと異なる点について説明する。特に説明しない点は、口腔内清掃具1Aと同様であり、口腔内清掃具1Aの説明が適宜適用される。また、図13〜図15において、図1〜図3と同じ部分には同じ符号を付してある。
口腔内清掃具1Cの発泡体20の各凸部221の丈h2(基台部21の表面からのZ方向の長さ)(図15参照)は、清掃効率(特に歯間部のように凹んだ部分)の観点から、1〜8mmであることが好ましく、3〜5mmであることが更に好ましい。
第3実施形態の口腔内清掃具1Cの効果については、第1実施形態の口腔内清掃具1Aの効果と異なる点について説明する。特に説明しない点は、口腔内清掃具1Aの効果と同様であり、口腔内清掃具1Aの効果の説明が適宜適用される。
第3実施形態の口腔内清掃具1Cは、第1実施形態の口腔内清掃具1Aを製造する方法と同様に、図5に示す装置を用いて製造することができる。口腔内清掃具1Cを製造する方法については、口腔内清掃具1Aを製造する方法と異なる点について説明する。特に説明しない点は、口腔内清掃具1Aの製造方法と同様であり、口腔内清掃具1Aの製造方法説明が適宜適用される。
成形用樹脂を収容する金属製容器301は、図16に示すように、矩形状の3枚の金属板311,321,331からなり、金属板331には、成形用樹脂を収容する金型凹部330が形成されている。金属板331の金型凹部330の形状は、図13,図14に示すような口腔内清掃具1Cの基台部21及び凹凸部22の形状に応じて形成される(図16(c),図16(d)参照)。また、2枚の金属板311,321は扁平に形成されている(図16(a),図16(b),図16(e),図16(f)参照)。金属板331を2枚の金属板311,321で挟むことにより、金属板331の金型凹部330に、口腔内清掃具1Cの基台部21及び凹凸部22の形状が形成されるようになっている。このような金型凹部330に成形用樹脂を収容した後、金属板331を、2枚の扁平な金属板311,321で挟み、3枚の金属板311,321,331の四隅をボルトとナットによりボルト締めすることにより一体化し、一体化した金属製容器301を、圧力室100の内部にセットする。
以降は、口腔内清掃具1Aを製造する方法と同様の工程を経た後、圧力室100から金属製容器301を取り出し、ボルトとナットをゆるめて、金型凹部330から取り出すことにより、基台部21及び凹凸部22からなる口腔内清掃具1Cの発泡体20を製造することができる。
図6(a)〜(d)に示す、図1〜図3に示す口腔内清掃具1Aの基台部21及び凹凸部22の形状に応じて形成され金型凹部330を備えた一対の金属板310,320を用い、テフロン(登録商標)コーティングした上下一対の金属板310,320に上記成形用樹脂シートをセットし、一対の金属板310,320間にネジ締め固定した。続いて、ネジ締め固定した金属製容器300を、図5に示す発泡処理装置の圧力室100(内容積1L)内に収容した。次に、ボンベ210から超臨界二酸化炭素を冷却器220、プランジャーポンプ230、加熱器240を通して密閉状態の圧力室100に注入した。冷却器220の設定温度は、−5℃とし、ガス状の二酸化炭素を一旦液化させたものをプランジャーポンプ230で送り、設定温度70℃で加熱された加熱器240を通して二酸化炭素を圧力室100に供給し続け、圧力室100内の圧力25MPaになるまでプランジャーポンプ230で二酸化炭素を供給し圧力室100の圧力を上げた。この時圧力室100内の温度が70℃となるようにした。圧力室100内の温度70℃、圧力室100内の圧力25MPaになった後、超臨界流体供給部200の供給バルブを閉めて、その温度及び圧力の状態を1時間保持し、超臨界状態の二酸化炭素を、発泡体20の構成樹脂に含浸溶解させた。続いて、圧力室100の減圧バルブ120を開いて減圧スピード600MPa/分にて減圧し、圧力室100内の圧力を25MPaから15MPaに減圧した(第1減圧工程)。次に、すばやく(2秒以内)再度、圧力室100の減圧バルブ120を開いて減圧スピード4MPa/分にて減圧し、圧力室100内の圧力を15MPaから常圧まで減圧し(第2減圧工程)、発泡体の構成樹脂を発泡させた。続いて圧力室100から金属製容器300を取り出し、冷却後に発泡させた発泡体20を取り出した。この発泡体20の基台部21及び凹凸部22の連続シートを、本体10の備える先端部11の形状と同一形状にカットし、カットした発泡体20を先端部11の一方の面11aに接着剤を用いて固定し、先端部11と、基台部21及び凹凸部22からなる発泡体20とから構成された清掃部2を有する、図1〜図3に示す口腔内清掃具を作製した。尚、凸部221は、その高さh1の平均が2mmであり、その厚みt3の平均が0.5mmであった。また、隣り合う凸部221どうしの凸部221の基部における間隔d1の平均は0.5mmであった。基台部21の厚みt2の平均は0.5mmであった。接着剤は、ブチルシアノアクリレートを含有する樹脂接着剤を用いた。
公知の射出成形法により、複数の植毛穴が所定の位置に形成された先端部を備える本体を作製した。次に、図10(a)〜(c)に示す製造工程を経て、ブリッスル23を固定する融着部24が先端部11の一方の面11a側に形成され、ブリッスル23が先端部11に固定されており、ブリッスル23が先端部11の他方の面11b側から突出している先端部11を有する本体を作製した(図7〜図9参照)。なおブリッスル23はポリブチレンテレフタレートからなるフィラメント材を用いた。
次に、図11(a)〜(d)に示す、図7〜図9に示す口腔内清掃具1Bの基台部21及び凹凸部22の形状に応じて形成され金型凹部330を備えた金属板320と、貫通穴350を備えた金属板310とを用い、図12(a)〜(c)に示すように、融着部24が底部に形成された嵌合用凹部に、上記成形用樹脂シートを本体10の先端部11の外形形状にカットしたカット片を2枚配し、金属板310及び金属板320の四隅をボルトとナットによりボルト締めすることにより固定し、先端部11の固定された金属製容器300を、図5に示す発泡処理装置の圧力室100(内容積1L)内に収容した。
実施例2においては、実施例1において、加熱器240の設定温度及び圧力室100の温度を80℃に変更する以外は実施例1と同様にして発泡処理を行い、図7〜図9に示す口腔内清掃具を作製した。尚、凸部221は、その高さh1の平均が1mmであり、その厚みt3の平均が0.5mmであった。また、隣り合う凸部221どうしの凸部221の基部における間隔d1の平均は0.5mmであった。基台部21の厚みt2の平均は2mmであった。
図16(a)〜(f)に示す、図13〜図15に示す口腔内清掃具1Cの基台部21及び凹凸部22の形状に応じて形成され金型凹部330を備えた金属板331と、2枚の扁平な金属板311,321と用い、金属板331の金型凹部330に、上記成形用樹脂シートを本体10の先端部11の外形形状にカットしたカット片を6枚配し、金属板331を、2枚の扁平な金属板311,321で挟み、3枚の金属板311,321,331の四隅をボルトとナットによりボルト締めした。続いて、ネジ締め固定した金属製容器301を、図5に示す発泡処理装置の圧力室100(内容積1L)内に収容した。
実施例3においては、実施例1において、加熱器240の設定温度及び圧力室100の温度を85℃に変更する以外は実施例1と同様にして発泡処理を行い、基台部21及び凹凸部22からなる発泡体20を作製し、この発泡体20を先端部11の一方の面11aに接着剤(ブチルシアノアクリレートを含有する樹脂接着剤)を用いて固定し、先端部11と、基台部21及び凹凸部22からなる発泡体20とから構成された清掃部2を備えた、図13〜図15に示す口腔内清掃具を作製した。尚、凸部221は、その丈h2の高さ平均が5mmであり、その直径の平均が1mmであった。また、隣り合う凸部221どうしの中心間の間隔の平均は2mmであった。基台部21の厚みt5は平均5mmであった。
厚み1.5mmの東ソー株式会社製の商品名ウルトラセン710(エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂)のシートを用いた。実施例1と同様に、図6(a)〜(d)に示す一対の金属板310,320を用い、金型凹部330に前記シートをセットし、発泡せずに、温度150℃にて加熱プレスし、未発泡のシートを作製した。この未発泡シートを、本体の備える先端部の形状と同一形状にカットし、カットしたカット片を先端部の一方の面に接着剤(ブチルシアノアクリレートを含有する樹脂接着剤)を用いて固定し、比較例1の口腔内清掃具を作製した。尚、比較例1の口腔内清掃具は、発泡していないこと以外、実施例1の口腔内清掃具同じであった。具体的には、比較例1の口腔内清掃具の有する凸部の大きさ及び基台部の大きさは、実施例1の口腔内清掃具の有する凸部の大きさ及び基台部の大きさと同じであった。
厚み1.0mmの東ソー株式会社製の商品名ウルトラセン710(エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂)のシートを用いた。実施例1と同様に、図6(a)〜(d)に示す一対の金属板310,320を用い、金型凹部330に前記シートをセットし、温度150℃にて加熱プレスした。冷却後、一対の金属板310,320間にネジ締め固定した。続いて、ネジ締め固定した金属製容器300を、図5に示す発泡処理装置の圧力室100(内容積1L)内に収容した。
比較例2においては、実施例1において、加熱器240の設定温度及び圧力室100の温度を50℃に変更する以外は実施例1と同様にして発泡処理を行い、発泡させた発泡体のシートを取り出した。この発泡体の基台部及び凹凸部の連続シートを、実施例1と同様に、先端部の形状と同一形状にカットし、カットした発泡体20を先端部の一方の面に接着剤(ブチルシアノアクリレートを含有する樹脂接着剤)を用いて固定し、基台部及び凹凸部からなる発泡体20を有する清掃部2を備えた比較例2の口腔内清掃具を作製した。
尚、比較例2の口腔内清掃具は、後述するように、発泡体のスキン層の平均厚みが大きく、平均セル面積が小さいこと以外、実施例1の口腔内清掃具同じであった。具体的には、比較例1の口腔内清掃具の有する凸部の大きさ及び基台部の大きさは、実施例1の口腔内清掃具の有する凸部の大きさ及び基台部の大きさと同じであった。
図17に示す清掃具を比較例3の口腔内清掃具とした。比較例3の口腔内清掃具は、図17に示すように、把持部と、清掃部を構成する先端部を備えている。先端部は、図17に示すように、X方向に長い楕円形状に形成され、先端部の一方の面からZ方向の上方に向かって隆起する3本の凸部からなる。3本の凸部は、図17に示すように、先端部のX方向の両端間に亘って連続して延びており、Y方向に略同じ間隔を空けて形成されている。
尚、3本の凸部は、Z方向への隆起高さが1.5mmであり、3本の凸部の中のY方向の両側に位置する2本の凸部のX方向の長さは25mmであり、該2本の凸部で挟まれた残りの凸部のX方向の長さは30mmであった。また、把持部も3本の凸部を備える清掃部も、その材質がポリスチレンであり発泡成形されていない。また、把持部のY方向の長さは135mmであった。
図18に示す清掃具を比較例4の口腔内清掃具とした。比較例4の口腔内清掃具は、図18に示すように、把持部と、清掃部を構成する先端部を備えている。先端部は、図18に示すように、へら状に形成され、先端部の一方の面から突出する複数の毛束を有している。複数の毛束は、図18に示すように、先端部の外端に円弧状に整列している。清掃部を構成する先端部の各毛束は、図18に示すように、複数本のブリッスルを束ねて形成されている。
尚、毛束の個数は21個であり、各毛束の直径は1.5mmであった。また、各ブリッスルの毛丈は5.5mmであり、直径は0.08mmであった。把持部の材質はポリプロピレンであり、各ブリッスルの材質はナイロンであった。また、把持部のY方向の長さは175mmであった。
実施例1、2及び3並びに比較例1、2、3及び4の口腔内清掃具の有する基台部及び凹凸部からなる発泡体について、スキン層の平均厚み、平均セル面積及び平均セル密度を、上述した方法により測定した。その結果を、表1に示す。
実施例1、2及び3並びに比較例1、2、3及び4の口腔内清掃具を用いて、舌の傷付き性を測定した。具体的には、80℃の水に伊那食品工業社製の寒天(商品名:ウルトラ寒天AX200)を濃度3%となるように溶解させたものを室温まで冷却して寒天ゲルシート(厚み2cm)を作製し、この寒天ゲルシートの表面上を、荷重を負荷した状態で、各口腔内清掃具を移動させた場合に、寒天ゲルシートの表面に目視にて傷が発生しはじめる際の荷重を求め、この荷重を傷付き性の尺度として舌の傷付き性を測定した。その結果を、表1に示す。
実施例1、2及び3並びに比較例1、2、3及び4の口腔内清掃具を用いて、舌の清掃性を測定した。具体的には、株式会社ニッシン製の舌モデル(商品名:ゼツZ−1)の表面に、人工汚れ(花王(株)社製の商品名「ホーミングクレンザー」)0.5gを均一となるように塗布し、人工汚れの上を、50g荷重を負荷した各口腔内清掃具にて10回往復させ、使用前後での人工汚れの除去率を測定した。汚れ除去率の測定は、清掃後の舌モデル表面を写真撮影し、画像処理ソフト(商品名「ウィンルーフ」 バージョン5.6.2 三谷商事製)を用いて、残存汚れ面積率を求め、この値を汚れ除去率とした。その結果を、表1に示す。
10 本体
11 先端部
11a 先端部の一方の面
11b 先端部の他方の面
12 把持部
13 首部
15 植毛穴
2 清掃部
20 発泡体
21 基台部
22 凹凸部
221 凸部
222 凹部
23 ブリッスル
24 融着部
4 保持治具
41 毛束(タフト)整形穴
100 圧力室
110 ヒーター
120 減圧バルブ
200 超臨界流体供給部
210 ボンベ
220 冷却器
230 プランジャーポンプ
240 加熱器
300、301 金属製容器
310,320,311,321,331 金属板
330 金型凹部
350 貫通穴
Claims (3)
- 把持部と先端部を備える口腔内清掃具であって、先端部の少なくとも一部に発泡体を備え、
発泡体は、板状の基台部と、該基台部上に一体的に形成された凹凸部とを備え、
前記発泡体の構成樹脂は、JIS K 6253に準ずるJIS−A硬度の測定値が40〜100であり、前記凹凸部を構成する凸部は、前記口腔内清掃具の長手方向に間隔を空けて複数形成されており、複数の該凸部は、それぞれ、前記長手方向に沿う長さである厚みが、前記基台部側の基部から上方に向かって均一であり、該凸部の該基部における平均厚みが0.2〜2mmであり、該凸部の前記基台部からの高さが0.5〜8mmであって、前記長手方向に隣り合う該凸部どうしの、該凸部の基部における間隔が0.3〜2mmであり、
前記基台部は、平均厚みが0.5〜5mmであり、該発泡体は、気泡の平均セル面積が3000〜25000μm2であり、気泡の平均セル密度が4000〜50000個/cm2であり、スキン層が1〜50μmであり、
前記発泡体は、発泡体を構成する樹脂に超臨界流体を接触させて金型成形されており、
前記超臨界流体を接触させる金型成形は、成形用樹脂を収容した圧力室内において、成形用樹脂を超臨界流体に接触させる工程と、その後に圧力室内を減圧させる工程からなり、圧力室内を減圧させる工程が、第1減圧工程及び第1減圧工程より後の第2減圧工程を有し、第2減圧工程の減圧スピードを、第1減圧工程の減圧スピードより遅くして形成されてなる前記発泡体を備える、口腔内清掃具。 - 前記発泡体は、前記先端部の一方の面に発泡成形により一体化して形成されている請求項1に記載の口腔内清掃具。
- 前記先端部は、前記先端部の他方の面側から一端側を突出する複数のブリッスルを備え、該ブリッスルは、融着植毛による融着部にて他端が固定されており、
前記融着部は、前記先端部の一方の面側に形成され、前記発泡体は、前記融着部を底部に備える嵌合凹部内に発泡成形により一体化して形成されている請求項1又は2に記載の口腔内清掃具。
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