本発明に基づいた各実施の形態について、以下、図面を参照しながら説明する。各実施の形態の説明において、個数および量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数およびその量などに限定されない。各実施の形態の説明において、同一の部品および相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
[実施の形態1]
(血圧測定装置100の全体構成)
図1および図2を参照して、本実施の形態における血圧測定装置100の全体構成について説明する。図1および図2に示すように、血圧測定装置100は、本体部10およびカフ40を備える。図1においては、カフ40が折り畳まれている様子が示されている。図2においては、カフ40が広げられている様子が示されている。
本体部10は、箱状の形状を有し、カフ40に取り付けられている。本体部10の内部には、各種の電子機器が設けられる(詳細は図3を参照して後述する)。本体部10の表面には、表示部20および操作部22が設けられる。表示部20は、液晶パネル等により構成される。操作部22は、複数のスイッチを含み、被測定者からの指示を受け付ける。
カフ40は、表面部材44および裏面部材45を有する。表面部材44と裏面部材45とを重ね合わせてその周縁を縫合することによって、カフ40は袋状に形成される。カフ40の袋状に形成された空間内には、生体を圧迫するための空気袋(図1および図2において図示せず)が配置される。空気袋は、内部に膨縮空間を有する。空気袋の更なる詳細については後述する(図4中の空気袋50参照)。
カフ40の一端46側には、環状リング48が設けられる。環状リング48は、カフ40の他端47側の部分を挿通可能な挿通孔を有している。カフ40の他端47側の部分は、環状リング48の挿通孔に挿通される。カフ40の他端47側の部分が環状リング48を起点として折り返されることで、カフ40は、環状の部分を形成する(図2参照)。血圧測定装置100が使用される際、この環状の部分には、手首などの生体が挿入される。
カフ40の長手方向における途中部分には、面ファスナー44M(図2参照)が設けられる。カフ40の他端47側の部分と面ファスナー44Mとは、相互に係止する。面ファスナー44Mを用いてカフ40が手首などに締結されることで、カフ40は生体(手首など)に固定される。この状態で、血圧測定装置100は血圧を測定することが可能となる。
(血圧測定装置100の機能ブロック)
図3を参照して、血圧測定装置100の機能ブロックについて説明する。血圧測定装置100の本体部10は、上述した表示部20および操作部22に加え、メモリ部21、CPU28(Central Processing Unit)、電源29、エア管31,32、圧力センサ33、発振回路34、加圧ポンプ36、排気弁37、加圧ポンプ駆動回路38および排気弁駆動回路39を備える。
上述のとおり、カフ40内に配置される空気袋50は、内部に膨縮空間を有している。加圧ポンプ36および排気弁37は、エア管31を通して空気袋50内の膨縮空間に連通している。圧力センサ33は、エア管32を通して空気袋50内の膨縮空間に連通している。
CPU28は、血圧測定装置100の全体を制御する。電源29は、CPU28に電力を供給する。表示部20は、測定結果等を表示する。メモリ部21は、処理用メモリとデータ用メモリとを含む。メモリ部21は、血圧を測定するための処理手順をCPU28等に実行させるためのプログラムを記憶したり、測定結果等を記憶したりする。
操作部22は、電源スイッチ23、測定スイッチ24、停止スイッチ25、メモリスイッチ26およびIDスイッチ27(Identifier Switch)を含む。電源スイッチ23は、血圧測定装置100の電源をONまたはOFFするための指示を被測定者から受け付ける。測定スイッチ24は、測定開始の指示を被測定者から受け付ける。停止スイッチ25は、測定停止の指示を被測定者から受け付ける。
メモリスイッチ26は、メモリ部21に記録された血圧などの情報を読み出して表示部20に表示する指示を被測定者から受け付ける。IDスイッチ27は、被測定者を識別するためのID(Identifier)情報を入力する指示を被測定者から受け付ける。操作部22は、被験者により各スイッチ23〜27の操作を受け付けて、外部からの指示をCPU28に入力する。
圧力センサ33、加圧ポンプ36および排気弁37は、血圧測定装置100におけるエア系コンポーネント30として機能する。加圧ポンプ36および排気弁37は、血圧測定装置100における膨縮機構として機能し、空気袋50を膨張および収縮させる。加圧ポンプ36、排気弁37、加圧ポンプ駆動回路38および排気弁駆動回路39は、血圧測定装置100における調整機構35として機能する。
具体的には、測定スイッチ24が操作されたとき、CPU28は、加圧ポンプ36および排気弁37を駆動するための制御信号を加圧ポンプ駆動回路38および排気弁駆動回路39にそれぞれ入力する。加圧ポンプ36の膨縮動作は、CPU28から入力された制御信号に基づいて、加圧ポンプ駆動回路38により制御される。加圧ポンプ36は、空気袋50内の膨縮空間に空気などの流体を供給することにより、空気袋50の内部の圧力(カフ圧)を増加させる。
排気弁37の開閉動作は、CPU28から入力された制御信号に基づいて、排気弁駆動回路39により制御される。排気弁37は、空気袋50のカフ圧を維持したり、空気袋50内の膨縮空間を外部に開放して空気袋50のカフ圧を減少させたりする。圧力センサ33は、空気袋50内のカフ圧に応じた出力信号を発振回路34に入力する。発振回路34は、圧力センサ33から入力された信号に応じた発振周波数の信号を生成し、生成した信号をCPU28に入力する。
CPU28は、圧力センサ33によって検出された圧力値に基づいて被験者の血圧値を取得する血圧情報取得部(不図示)を含んでいる。血圧情報測定部によって算出された血圧値は、測定結果としてメモリ部21または表示部20に入力される。血圧を測定した後、被測定者は、操作部22(電源スイッチ23)を操作する。血圧測定装置100の電源はOFFになり、血圧測定装置100の測定動作は終了する。
(血圧測定装置100の詳細構成)
図4〜図12を参照して、血圧測定装置100の詳細構成について説明する。図4は、カフ40から本体部10を取り外した状態を示す斜視図である。上述のとおり、カフ40内には、空気袋50が配置される。空気袋50には、流路形成部材60が熱溶着などによって接合されている(図8参照)。詳細は図8等を参照して後述されるが、流路形成部材60は、第1流路形成管61、第2流路形成管62およびベース部65を有する。流路形成部材60が空気袋50に接合された状態で、ベース部65は空気袋50の内部に配置され、第1流路形成管61および第2流路形成管62の各々の先端側の部分は、空気袋50の表面から突出している(図10参照)。
流路形成部材60には、本体部10をカフ40に固定するための取付具80が取り付けられる(図5参照)。空気袋50に流路形成部材60が接合され、流路形成部材60に取付具80が取り付けられた状態で、空気袋50、流路形成部材60および取付具80は、カフ40の中に収容される。その後、本体部10はカフ40に取り付けられる(詳細は後述する)。
図5は、空気袋50に流路形成部材60が接合され、流路形成部材60に取付具80が取り付けられた状態を示す斜視図である。図6は、空気袋50(図示せず)に流路形成部材60が接合され、流路形成部材60に取付具80が取り付けられた状態を示す平面図である。図7は、図5中のVII−VII線に沿った矢視断面図である。図7においては、カフ40(表面部材44および裏面部材45)が一点鎖線を用いて仮想的に図示されている。
図8は、流路形成部材60が接合された空気袋50から、取付具80を取り外した状態を示す第1斜視図である。図9は、流路形成部材60が接合された空気袋50から、取付具80を取り外した状態を示す第2斜視図である。図9においては、図示上の便宜のため、空気袋50が点線を用いて仮想的に示されている。図10は、図8中のX−X線に沿った矢視断面図である。図11は、流路形成部材60が接合された空気袋50(図示せず)から、取付具80を取り外した状態を示す平面図である。図12は、流路形成部材60を示す平面図である。
(本体部10)
図4に示すように、本体部10は、取付具80を用いてカフ40に取り付けられる。具体的には、本体部10の下面には、第1接続管11、第2接続管12、凹部13、ネジ穴14、嵌込凹部15および嵌込凹部16が設けられる。第1接続管11および第2接続管12は、それぞれ円筒状の形状を有し、本体部10の下面から突出している。第1接続管11および第2接続管12は、互いに間隔を空けて、本体部10の幅方向にほぼ沿うように並んで配置されている。
第1接続管11は、本体部10の内部においてエア管31(図3参照)に接続され、加圧ポンプ36(図3参照)および排気弁37(図3参照)に連通している。第2接続管12は、本体部10の内部においてエア管32(図3参照)に接続され、圧力センサ33(図3参照)に連通している。
凹部13は、本体部10の下面から凹むように設けられる。ネジ穴14は、凹部13の内側に設けられる。嵌込凹部15,16も、本体部10の下面から凹むように設けられる。嵌込凹部15は、第1接続管11の近傍に設けられ、嵌込凹部16は、第2接続管12の近傍に設けられる。嵌込凹部15,16は、第1接続管11と第2接続管12とを結ぶ直線を挟んで、凹部13の反対側に位置している。凹部13および嵌込凹部15,16は、三角形の3つの頂点にそれぞれ重なるように配置されている。
(取付具80)
図5〜図11(特に、図8)を参照して、本体部10(図4参照)をカフ40(図4参照)に取り付けるための取付具80は、たとえば樹脂製の部材から、金型を用いた成形などによって形成される。取付具80は、第1開口81、第2開口82、固定部83、ネジ穴84、嵌込凸部85,86およびベース部87を含む。ベース部87は、板状の形状を有する。ベース部87の外形は、略矩形形状を周している。第1開口81および第2開口82は、ベース部87をその板厚方向に貫通しており、互いに間隔を空けて並んで配置されている。
第1開口81および第2開口82は、第1開口81および第2開口82を結ぶ直線がベース部87の長手方向にほぼ沿うように配列されている(図11参照)。本実施の形態の取付具80においては、第1開口81は、ベース部87の一方の側部寄りに配置されている。第2開口82は、ベース部87の他方の側部寄りに配置されている。本実施の形態においては、第1開口81および第2開口82の配列方向(第1開口81および第2開口82を結ぶ直線)と、ベース部87の長手方向とは完全には一致していない。換言すると、第1開口81および第2開口82を結ぶ直線と、ベース部87の長手方向とは平行な関係ではない。第1開口81および第2開口82の配列方向と、ベース部87の長手方向とは平行な関係であってもよい。
固定部83は、ベース部87の一方の側部に設けられる。固定部83は、ベース部87の一方の側部から起立して、ベース部87とは反対側に向かって折れ曲っている。固定部83は、全体としてL字状の形状を有し、その形状は本体部10(図4参照)の凹部13の形状に対応している。ネジ穴84は、固定部83をその板厚方向に貫通するように設けられている。ネジ穴84は、本体部10(図4参照)のネジ穴14に対応する形状を有している。
嵌込凸部85,86は、ベース部87の他方の側部にそれぞれ設けられる。嵌込凸部85,86も、ベース部87の他方の側部からそれぞれ起立して、ベース部87とは反対側に向かってそれぞれ折れ曲っている。嵌込凸部85,86は、全体としてL字状の形状(いわゆるフック形状)を有し、その形状は本体部10(図4参照)の嵌込凹部15,16の形状にそれぞれ対応している。
固定部83および嵌込凸部85,86は、三角形の3つの頂点にそれぞれ重なるように配置され、これらの位置は、本体部10の凹部13および嵌込凹部15,16の位置にそれぞれ対応している。ネジ穴84の位置も、本体部10のネジ穴14の位置に対応している。
図4を再び参照して、カフ40の表面部材44には、穴41〜43が設けられる。穴41〜43は、三角形の3つの頂点にそれぞれ重なるように配置される。穴41、穴42および穴43の位置は、取付具80の嵌込凸部85、嵌込凸部86および固定部83の位置にそれぞれ対応している。
取付具80は、空気袋50および流路形成部材60とともに、カフ40の内部に配置される。取付具80(取付具80のベース部87)は、表面部材44および裏面部材45の間に配置される(図7参照)。図4に示すように、取付具80がカフ40の内部に配置された状態で、固定部83は穴43から外部に露出し、嵌込凸部85は穴41から外部に露出し、嵌込凸部86は穴42から外部に露出する。
(空気袋50)
図5および図7〜図10に示すように、空気袋50は、表面部材54および裏面部材55を有する。表面部材54と裏面部材55とを重ね合わせてその周縁を溶着することによって、空気袋50は袋状に形成され、その内部には膨縮空間56(図7および図10参照)が形成される。表面部材54および裏面部材55は、好適には樹脂シートを用いて構成される。
表面部材54および裏面部材55を構成する樹脂シートの材質には、伸縮性に富んでおり溶着後において膨縮空間からの漏気がないものであればどのようなものでも使用可能である。好適には、表面部材54および裏面部材55を構成する樹脂シートの材質は、たとえばエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、軟質塩化ビニル(PVC)、ポリウレタン(PU)または天然ゴム(NR)等である。
図7および図10に示すように、空気袋50の表面部材54には、穴57が設けられる。穴57は、流路形成部材60の第1流路形成管61(詳細は後述する)に対応している(図8参照)。穴57には、流路形成部材60の第1流路形成管61が挿し込まれる。図8を参照して、空気袋50の表面部材54には、穴57と同様な穴58も設けられる。穴58は、流路形成部材60の第2流路形成管62(詳細は後述する)に対応している。穴58には、流路形成部材60の第2流路形成管62が挿し込まれる。
穴57に第1流路形成管61が挿し込まれ且つ穴58に第2流路形成管62が挿し込まれた状態で、表面部材54と流路形成部材60のベース部65(詳細は後述する)とが互いに接合される。その後、表面部材54と裏面部材55とが溶着され、膨縮空間56が形成される。流路形成部材60のベース部65は、空気袋50の内部(膨縮空間56内)に位置しており、第1流路形成管61の先端側の部分は、穴57を通して空気袋50(表面部材54)の表面から突出し、第2流路形成管62の先端側の部分は、穴58を通して空気袋50(表面部材54)の表面から突出することとなる。この状態で、流路形成部材60の第1流路形成管61および第2流路形成管62は、空気袋50内の膨縮空間56に連通している。
(流路形成部材60)
図8〜図11に示すように、流路形成部材60は、第1流路形成管61、第2流路形成管62およびベース部65を備える。ベース部65は、シート状の形状を有する。第1流路形成管61および第2流路形成管62は、ベース部65の上面から起立するようにそれぞれ設けられ、互いに間隔を空けて並んで配置されている。第1流路形成管61および第2流路形成管62は、ベース部65をその厚さ方向に貫通しており、第1流路形成管61および第2流路形成管62の下端側の部分は、ベース部65の下面に位置している(図9参照)。
上述のとおり、流路形成部材60は、熱溶着などによって空気袋50の表面(表面部材54)に接合される。図9に示すように、ベース部65の下面には、複数のリブ66(図9参照)が設けられている。
図11に示すように、本実施の形態のベース部65は、4つの角部がそれぞれ円弧状に形成された平行四辺形の形状を有している。第1流路形成管61および第2流路形成管62は、第1流路形成管61と第2流路形成管62とを結ぶ直線がベース部65の長手方向にほぼ沿うように配列されている。第1流路形成管61は、取付具80の第1開口81に対応するように配置され、第2流路形成管62は、取付具80の第2開口82に対応するように配置されている。
上述のとおり、取付具80における第1開口81および第2開口82の配列方向と、取付具80におけるベース部87の長手方向とは一致していない(平行ではない)。流路形成部材60の第1流路形成管61および第2流路形成管62の位置、ならびに取付具80の第1開口81および第2開口82の位置は、これらの位置関係が相互に対応していれば、取付具80におけるベース部87の長手方向と一致していてもよいし、本体部10(図4参照)の幅方向と一致していてもよいし、本体部10の長さ方向と一致していてもよい。
(第1係止部77)
図12を参照して、第1流路形成管61は、第1流路形成管61の外周面の周方向における一部(換言すると、一部のみ)から外方に向かって延出する第1係止部77を含む。第1係止部77は、第1領域71および第2領域72を有する。第1領域71は、第1流路形成管61と第2流路形成管62とを結ぶ直線LLに対して直交する方向(矢印DR1方向)に位置している。第2領域72は、第1流路形成管61を挟んで第1領域71の反対側に位置している。
第1領域71および第2領域72は、第1流路形成管61の外周面の周方向における一部のみから外方に向かってそれぞれ延出するように形成されており、直線LLを挟んで互いに反対側に位置している。
本実施の形態の第1領域71は、第1流路形成管61の外周面の周方向における一部から、取付具80(図11参照)の長手方向に対して直交する方向に向かって延出する形状を有している。本実施の形態の第2領域72は、第1流路形成管61の外周面の周方向における一部から、取付具80(図11参照)の長手方向に対して直交する方向(第1領域71の延出方向とは反対方向)に向かって延出する形状を有している。
図6に示すように、取付具80の第1開口81に第1流路形成管61が挿し込まれ、取付具80が流路形成部材60に取り付けられた状態においては、第1領域71および第2領域72の各延出方向は、取付具80のベース部87の長手方向に対して直交する方向に一致する。
第1領域71は、第1流路形成管61の外周面から見て直線LL(図12参照)に対して直交する方向(矢印DR1方向)に位置する部分を少なくとも含むように形成されていればよい。換言すると、第1領域71の延出方向は、取付具80の長手方向に対して直交する方向(取付具80の幅方向)に一致していなくてもよい。たとえば、第1領域71は、第1流路形成管61の外周面から見て直線LLに対して直交する方向(矢印DR1方向)に延出する形状を有していてもよい。
第2領域72も、第1流路形成管61の外周面から見て直線LL(図12参照)に対して直交する方向(矢印DR1方向とは反対方向)に位置する部分を少なくとも含むように形成されていればよい。換言すると、第2領域72の延出方向は、取付具80の長手方向に対して直交する方向に一致していなくてもよい。たとえば、第2領域72は、第1流路形成管61の外周面から見て直線LLに対して直交する方向(矢印DR1方向とは反対方向)に延出する形状を有していてもよい。
(第2係止部78)
第2流路形成管62は、第2流路形成管62の外周面の周方向における一部(換言すると、一部のみ)から外方に向かって延出する第2係止部78を含む。第2係止部78は、第3領域73および第4領域74を有する。第3領域73は、第1流路形成管61と第2流路形成管62とを結ぶ直線LLに対して直交する方向(矢印DR2方向)に位置している。第4領域74は、第2流路形成管62を挟んで第3領域73の反対側に位置している。
第3領域73および第4領域74は、第2流路形成管62の外周面の周方向における一部のみから外方に向かってそれぞれ延出するように形成されており、直線LLを挟んで互いに反対側に位置している。
本実施の形態の第3領域73は、第2流路形成管62の外周面の周方向における一部から、取付具80(図11参照)の長手方向に対して直交する方向に向かって延出する形状を有している。本実施の形態の第4領域74は、第2流路形成管62の外周面の周方向における一部から、取付具80(図11参照)の長手方向に対して直交する方向(第3領域73の延出方向とは反対方向)に向かって延出する形状を有している。
図6に示すように、取付具80の第2開口82に第2流路形成管62が挿し込まれ、取付具80が流路形成部材60に取り付けられた状態においては、第3領域73および第4領域74の各延出方向は、取付具80のベース部87の長手方向に対して直交する方向に一致する。
第3領域73は、第2流路形成管62の外周面から見て直線LL(図12参照)に対して直交する方向(矢印DR2方向)に位置する部分を少なくとも含むように形成されていればよい。換言すると、第3領域73の延出方向は、取付具80の長手方向に対して直交する方向(取付具80の幅方向)に一致していなくてもよい。たとえば、第3領域73は、第2流路形成管62の外周面から見て直線LLに対して直交する方向(矢印DR2方向)に延出する形状を有していてもよい。
第4領域74も、第2流路形成管62の外周面から見て直線LL(図12参照)に対して直交する方向(矢印DR2方向とは反対方向)に位置する部分を少なくとも含むように形成されていればよい。換言すると、第4領域74の延出方向は、取付具80の長手方向に対して直交する方向に一致していなくてもよい。たとえば、第4領域74は、第2流路形成管62の外周面から見て直線LLに対して直交する方向(矢印DR2方向とは反対方向)に延出する形状を有していてもよい。
本実施の形態においては、各領域71〜74の延出方向の先端は円弧状の形状を有している。第1流路形成管61の外周面からの第1領域71の延出方向と、第2流路形成管62の外周面からの第3領域73の延出方向とは、互いに平行である。第1流路形成管61の外周面からの第2領域72の延出方向と、第2流路形成管62の外周面からの第4領域74の延出方向とは、互いに平行である。
ここで言う第1流路形成管61の外周面からの第1領域71の延出方向とは、第1流路形成管61の中心と第1領域71の外縁の中心とを結ぶ方向であり、第1流路形成管61の外周面からの第2領域72の延出方向とは、第1流路形成管61の中心と第1領域71の外縁の中心とを結ぶ方向である。第2流路形成管62の外周面からの第3領域73の延出方向とは、第2流路形成管62の中心と第3領域73の外縁の中心とを結ぶ方向であり、第2流路形成管62の外周面からの第4領域74の延出方向とは、第2流路形成管62の中心と第4領域74の外縁の中心とを結ぶ方向である。
本実施の形態の流路形成部材60を図12に示すように平面視で見た場合、第1流路形成管61および第2流路形成管62は、各領域71〜74を含めて互いに同一の形状を有している。第1流路形成管61および第2流路形成管62は、第1流路形成管61と第2流路形成管62とを結ぶ線分の垂直二等分線に対して、各領域71〜74を含めて互いに左右対称の形状を有していてもよい。
本実施の形態においては、第1流路形成管61および第2流路形成管62のうちの筒状の形状を有する部分は、互いに同一の直径を有しているが、互いに異なる直径を有していてもよい。詳細は図4を参照して後述されるが、本体部10の第1接続管11は流路形成部材60の第1流路形成管61に挿し込まれ、本体部10の第2接続管12は流路形成部材60の第2流路形成管62に挿し込まれる。第1流路形成管61および第2流路形成管62のうちの筒状の形状を有する部分は、本体部10の第1接続管11および第2接続管12の位置および形状に対応していれば、互いに同一の形状を有していてもよく、互いに異なる形状を有していてもよい。
第1流路形成管61および第2流路形成管62は、各領域71〜74を含めて互いに同一の形状を有している場合、製作上の都合がよく、流路形成部材60を容易に製作することが可能となる。流路形成部材60の方向性を配慮する必要が無くなるため、流路形成部材60を空気袋50に接合する際にも都合がよい。
流路形成部材60においては、第1領域71の延出方向の先端部と第2領域72の延出方向の先端部との間の距離は、取付具80の第1開口81の直径よりも大きい。同様に、第3領域73の延出方向の先端部と第4領域74の延出方向の先端部との間の距離は、取付具80の第2開口82の直径よりも大きい。
図5〜図10に示すように、取付具80が流路形成部材60に取り付けられる際、流路形成部材60の第1流路形成管61は、取付具80の第1開口81に挿し込まれる。流路形成部材60の第2流路形成管62は、取付具80の第2開口82に挿し込まれる。図7に示すように、取付具80のベース部87は、第1係止部77(第1領域71および第2領域72)と流路形成部材60のベース部65との間、ならびに第2係止部78(第3領域73および第4領域74)と流路形成部材60のベース部65との間に配置される。
図5〜図7に示すように、取付具80が流路形成部材60に取り付けられた際、流路形成部材60の第1領域71および第2領域72は、取付具80のベース部87のうちの第1開口81の周縁部位に係止し、流路形成部材60の第3領域73および第4領域74は、取付具80のベース部87のうちの第2開口82の周縁部位に係止する。これらの係止によって、取付具80および流路形成部材60同士は互いに位置決めされ、取付具80が流路形成部材60から外れてしまうことは効果的に抑制される。血圧測定装置100が完成品として組み立てられた後においても、取付具80が流路形成部材60から外れてしまうこと(第1流路形成管61が第1開口81から外れたり、第2流路形成管62が第2開口82から外れたりすること)は効果的に抑制される。
図4を再び参照して、流路形成部材60に取付具80が取り付けられた状態で、空気袋50、流路形成部材60および取付具80は、カフ40の中(表面部材44および裏面部材45の間)に収容される。流路形成部材60および取付具80がカフ40の内部に配置された状態で、取付具80の固定部83は穴43から外部に露出し、流路形成部材60の第1流路形成管61および取付具80の嵌込凸部85は穴41から外部に露出し、流路形成部材60の第2流路形成管62および取付具80の嵌込凸部86は穴42から外部に露出する。この状態で表面部材44および裏面部材45の周縁が接合される。
本体部10がカフ40に取り付けられるとき、本体部10の第1接続管11は流路形成部材60の第1流路形成管61に挿し込まれ(矢印AR1参照)、本体部10の第2接続管12は流路形成部材60の第2流路形成管62に挿し込まれる(矢印AR2参照)。上述のとおり、流路形成部材60の第1流路形成管61および第2流路形成管62は、空気袋50内の膨縮空間に連通している。
本体部10の第1接続管11は、本体部10の内部においてエア管31(図3参照)に接続され、加圧ポンプ36(図3参照)および排気弁37(図3参照)に連通している。本体部10がカフ40に取り付けられたとき、加圧ポンプ36および排気弁37は、エア管31および第1流路形成管61を通して、空気袋50内の膨縮空間に連通する。
空気袋50は、加圧ポンプ36(図3参照)、エア管31(図3参照)および第1流路形成管61を通して流体が注入されることにより膨張する。空気袋50は、第1流路形成管61、エア管31および排気弁37(図3参照)を通して流体が排出されることにより収縮する。この膨張および収縮により、空気袋50はたとえば手首などの生体を圧迫することができる。
本体部10の第2接続管12は、本体部10の内部においてエア管32(図3参照)に接続され、圧力センサ33(図3参照)に連通している。本体部10がカフ40に取り付けられたとき、圧力センサ33は、エア管32および第2流路形成管62を通して、空気袋50内の膨縮空間に連通する。圧力センサ33は、空気袋50のカフ圧に応じた出力信号を発振回路34(図3参照)に入力する。発振回路34からの情報を受けたCPU28(図3参照)によって、血圧値が算出される。血圧測定装置100は、表示部20に測定結果を表示することが可能となる。
一方で、本体部10がカフ40に取り付けられるとき、取付具80の嵌込凸部85は本体部10の嵌込凹部15に挿し込まれ(矢印AR5参照)、取付具80の嵌込凸部86は本体部10の嵌込凹部16に挿し込まれる(矢印AR6参照)。取付具80の嵌込凸部85が本体部10の嵌込凹部15に係止し、かつ取付具80の嵌込凸部86が本体部10の嵌込凹部16に係止した状態で、取付具80の固定部83は、本体部10の凹部13内に嵌め込まれる(矢印AR3参照)。
図示しないネジがネジ穴84からネジ穴14に向かって挿し込まれた後、そのネジはネジ穴14に螺合する。ネジによって固定部83が凹部13に締結されることで、本体部10はカフ40に取り付けられる。本体部10は、カフ40に対して確実に取り付けられる。被測定者がカフ40を手首などに締結する際に、本体部10がカフ40から外れることはない。第1流路形成管61が第1接続管11から外れたり、第2流路形成管62が第2接続管12から外れたりすることも抑制されており、被測定者は血圧値などを適式に測定することが可能となる。
(作用および効果)
図13は、血圧測定装置100を組み立てる際(特に、取付具80を流路形成部材60に取り付ける際)の様子を示す平面図である。上述のとおり、流路形成部材60は、空気袋50(図8参照)を作成する際に表面部材54の裏面に熱溶着などによって予め接合される。熱溶着が実施される際に、流路形成部材60においては、第1流路形成管61の位置が矢印DR3方向(第2流路形成管62から離れる方向)に位置ずれし、第2流路形成管62の位置が矢印DR4方向(第1流路形成管61から離れる方向)に位置ずれすることがある。流路形成部材60そのものを製造する際にも、同様な位置ずれは発生し得る。
第1流路形成管61の位置および第2流路形成管62の位置がずれることにより、第1流路形成管61および第2流路形成管62の間の間隔は、設計値(第1開口81および第2開口82の間の間隔)に比べて大きくなる。第1流路形成管61のみが矢印DR3方向にずれた場合、および第2流路形成管62のみが矢印DR4方向にずれた場合であっても、第1流路形成管61および第2流路形成管62の間の間隔は、設計値(第1開口81および第2開口82の間の間隔)に比べて大きくなる。
本実施の形態の流路形成部材60においては、第1流路形成管61の外周部91には第1係止部77が設けられておらず、第2流路形成管62の外周部92にも第2係止部78が設けられていない。第1流路形成管61の外周部91とは、第1流路形成管61から見て第2流路形成管62の反対側に位置する部分である。第2流路形成管62の外周部92とは、第2流路形成管62から見て第1流路形成管61の反対側に位置する部分である。
取付具80を流路形成部材60に取り付ける際、換言すると、第1流路形成管61を第1開口81に挿し込み、第2流路形成管62を第2開口82に挿し込む際に、取付具80のベース部87(第1開口81の周縁部位)が第1係止部77に干渉されることはほとんどない。同様に、取付具80のベース部87(第2開口82の周縁部位)が第2係止部78に干渉されることもほとんどない。
第1流路形成管61を取付具80の第1開口81に挿し込む際、第1領域71および第2領域72は第1開口81の周縁部位に接触して弾性変形し、第1開口81の周縁部位を通過した後は元の状態に戻る。流路形成部材60の第1領域71および第2領域72は、取付具80のベース部87のうちの第1開口81の周縁部位に係止する。
第2流路形成管62を取付具80の第2開口82に挿し込む際、第3領域73および第4領域74は第2開口82の周縁部位に接触して弾性変形し、第2開口82の周縁部位を通過した後は元の状態に戻る。流路形成部材60の第3領域73および第4領域74は、取付具80のベース部87のうちの第2開口82の周縁部位に係止する。
各領域71〜74が第1開口81および第2開口82の周縁部位に係止することによって、取付具80および流路形成部材60同士は互いに位置決めされ、取付具80が流路形成部材60から外れてしまうことは効果的に抑制される。
したがって本実施の形態の流路形成部材60によれば、第1流路形成管61の位置およびまたは第2流路形成管62の位置が外側に向かってずれたとしても、第1流路形成管61を取付具80の第1開口81に容易に挿し込むこと、および第2流路形成管62を取付具80の第2開口82に容易に挿し込むことが可能となっている。取付具80が流路形成部材60に取り付けられた後においては、第1流路形成管61が第1接続管11から外れたり、第2流路形成管62が第2接続管12から外れたりすることも、効果的に抑制することが可能となっている。
図14は、血圧測定装置100を組み立てる際(特に、取付具80を流路形成部材60に取り付ける際)の他の様子を示す平面図である。上述のとおり、流路形成部材60は、空気袋50(図8参照)を作成する際に表面部材54の裏面に熱溶着などによって予め接合される。熱溶着が実施される際に、流路形成部材60においては、第1流路形成管61の位置が矢印DR5方向(第2流路形成管62に近づく方向)に位置ずれし、第2流路形成管62の位置が矢印DR6方向(第1流路形成管61に近づく方向)に位置ずれすることがある。流路形成部材60そのものを製造する際にも、同様な位置ずれは発生し得る。
第1流路形成管61の位置および第2流路形成管62の位置がずれることにより、第1流路形成管61および第2流路形成管62の間の間隔は、設計値(第1開口81および第2開口82の間の間隔)に比べて小さくなる。第1流路形成管61のみが矢印DR5方向にずれた場合、および第2流路形成管62のみが矢印DR6方向にずれた場合であっても、第1流路形成管61および第2流路形成管62の間の間隔は、設計値(第1開口81および第2開口82の間の間隔)に比べて小さくなる。
本実施の形態の流路形成部材60においては、第1流路形成管61の外周部93には第1係止部77が設けられておらず、第2流路形成管62の外周部94にも第2係止部78が設けられていない。第1流路形成管61の外周部93とは、第1流路形成管61から見て第2流路形成管62の側に位置する部分である。第2流路形成管62の外周部94とは、第2流路形成管62から見て第1流路形成管61の側に位置する部分である。
取付具80を流路形成部材60に取り付ける際、換言すると、第1流路形成管61を第1開口81に挿し込み、第2流路形成管62を第2開口82に挿し込む際に、取付具80のベース部87(第1開口81の周縁部位)が第1係止部77に干渉されることはほとんどない。同様に、取付具80のベース部87(第2開口82の周縁部位)が第2係止部78に干渉されることもほとんどない。
第1流路形成管61を取付具80の第1開口81に挿し込む際、第1領域71および第2領域72は第1開口81の周縁部位に接触して弾性変形し、第1開口81の周縁部位を通過した後は元の状態に戻る。流路形成部材60の第1領域71および第2領域72は、取付具80のベース部87のうちの第1開口81の周縁部位に係止する。
第2流路形成管62を取付具80の第2開口82に挿し込む際、第3領域73および第4領域74は第2開口82の周縁部位に接触して弾性変形し、第2開口82の周縁部位を通過した後は元の状態に戻る。流路形成部材60の第3領域73および第4領域74は、取付具80のベース部87のうちの第2開口82の周縁部位に係止する。
各領域71〜74が第1開口81および第2開口82の周縁部位に係止することによって、取付具80および流路形成部材60同士は互いに位置決めされ、取付具80が流路形成部材60から外れてしまうことは効果的に抑制される。
したがって本実施の形態の流路形成部材60によれば、第1流路形成管61の位置およびまたは第2流路形成管62の位置が内側に向かってずれたとしても、第1流路形成管61を取付具80の第1開口81に容易に挿し込むこと、および第2流路形成管62を取付具80の第2開口82に容易に挿し込むことが可能となっている。取付具80を流路形成部材60に取り付けられた後においては、第1流路形成管61が第1接続管11から外れたり、第2流路形成管62が第2接続管12から外れたりすることも、効果的に抑制することが可能となっている。
[比較例]
図15は、比較例における流路形成部材60Zを示す斜視図である。図16は、比較例における流路形成部材60Zに取付具80を取り付ける際の様子を示す平面図である。図15に示すように、比較例の流路形成部材60Zにおいては、第1流路形成管61が環状に形成された係止部77Zを含み、第2流路形成管62も環状に形成された係止部78Zを含む。
図16に示すように、流路形成部材60Zも、空気袋50(図8参照)を作成する際に表面部材54の裏面に熱溶着などによって予め接合される。熱溶着が実施される際に、流路形成部材60Zにおいては、第1流路形成管61の位置が矢印DR3方向(第2流路形成管62から離れる方向)に位置ずれし、第2流路形成管62の位置が矢印DR4方向(第1流路形成管61から離れる方向)に位置ずれすることがある。流路形成部材60Zそのものを製造する際にも、同様な位置ずれは発生し得る。
第1流路形成管61の位置および第2流路形成管62の位置がずれることにより、第1流路形成管61および第2流路形成管62の間の間隔は、設計値(第1開口81および第2開口82の間の間隔)に比べて大きくなる。第1流路形成管61のみが矢印DR3方向にずれた場合、および第2流路形成管62のみが矢印DR4方向にずれた場合であっても、第1流路形成管61および第2流路形成管62の間の間隔は、設計値(第1開口81および第2開口82の間の間隔)に比べて大きくなる。
流路形成部材60Zにおいては、第1流路形成管61の外周部91を含むように係止部77Zが設けられ、第2流路形成管62の外周部92を含むように係止部78Zが設けられている。外周部91とは、第1流路形成管61から見て第2流路形成管62の反対側に位置する部分である。外周部92とは、第2流路形成管62から見て第1流路形成管61の反対側に位置する部分である。
取付具80を流路形成部材60Zに取り付ける際に、取付具80のベース部87(第1開口81の周縁部位)は係止部77Zの外周部91に対応する部分に干渉され、さらに、取付具80のベース部87(第2開口82の周縁部位)は係止部78Zの外周部92に対応する部分にも干渉される。
第1流路形成管61の位置およびまたは第2流路形成管62の位置が外側にずれた場合、第1流路形成管61を取付具80の第1開口81に容易に挿し込むこと、および第2流路形成管62を取付具80の第2開口82に容易に挿し込むことは困難となっている。比較例の流路形成部材60Zにおいては、第1流路形成管61の位置およびまたは第2流路形成管62の位置が内側にずれた場合であっても、第1流路形成管61を取付具80の第1開口81に容易に挿し込むこと、および第2流路形成管62を取付具80の第2開口82に容易に挿し込むことは困難となっている。
これに対して上述の実施の形態1における流路形成部材60によれば、第1流路形成管61の位置およびまたは第2流路形成管62の位置が外側に向かってずれたとしても、第1流路形成管61の位置およびまたは第2流路形成管62の位置が内側に向かってずれたとしても、第1流路形成管61を取付具80の第1開口81に容易に挿し込むこと、および第2流路形成管62を取付具80の第2開口82に容易に挿し込むことが可能となっている。したがって上述の流路形成部材60によれば、血圧測定装置100(図1参照)などの完成品を容易に製造することが可能となっている。
[実施の形態2]
図17を参照して、本実施の形態における流路形成部材60Aについて説明する。流路形成部材60Aにおいては、第1流路形成管61が第1係止部77を含み、第2流路形成管62は環状に形成された第2係止部78Aを含む。第1係止部77は、上述の実施の形態1における流路形成部材60の第1係止部77と同様に形成される。
取付具80(図示せず)を流路形成部材60Aに取り付ける際には、上述の実施の形態1における流路形成部材60と同様に、第1流路形成管61の外周部91および外周部93が効果的に活用される。取付具80(図示せず)を流路形成部材60Aに取り付ける際、第1流路形成管61を先ず取付具80の第1開口81に挿し込み、その後、第2流路形成管62を取付具80の第2開口82に挿し込むという順番にしてもよいし、その順番の逆であってもよいし、これらを同時に挿し込んでもよい。いずれの挿し込み方法であっても、上述の実施の形態1と同様の作用および効果を得ることができる。
第1流路形成管61の位置およびまたは第2流路形成管62の位置が内側または外側にずれたとしても、外周部91,93を活用することによって、第1流路形成管61を取付具80の第1開口81に容易に挿し込むこと、および第2流路形成管62を取付具80の第2開口82に容易に挿し込むことが可能となっている。したがって流路形成部材60Aによっても、血圧測定装置などの完成品を容易に製造することが可能となっている。取付具80が流路形成部材60Aに取り付けられた後においては、第1流路形成管61が第1接続管11から外れたり、第2流路形成管62が第2接続管12から外れたりすることも、効果的に抑制することが可能となっている。
[実施の形態3]
図18を参照して、本実施の形態における流路形成部材60Bについて説明する。流路形成部材60Bにおいては、第1流路形成管61が第1係止部77Bを含み、第2流路形成管62が第2係止部78Bを含む。
第1係止部77Bは、第1領域71と第2領域72とを接続する接続領域75を有する。接続領域75は、第1流路形成管61から見て第2流路形成管62の反対側に位置している。第2係止部78Bは、第3領域73と第4領域74とを接続する接続領域76を有する。接続領域76は、第2流路形成管62から見て第1流路形成管61寄りに位置している。本実施の形態の流路形成部材60Bを図18に示すように平面視で見た場合、第1流路形成管61および第2流路形成管62は、各領域71〜74を含めて互いに同一の形状を有している。
取付具80(図示せず)を流路形成部材60Bに取り付ける際には、第1流路形成管61の外周部93および第2流路形成管62の外周部92が効果的に活用される。取付具80(図示せず)を流路形成部材60Bに取り付ける際、第1流路形成管61を先ず取付具80の第1開口81に挿し込み、その後、第2流路形成管62を取付具80の第2開口82に挿し込むという順番にしてもよいし、その順番の逆であってもよいし、これらを同時に挿し込んでもよい。いずれの挿し込み方法であっても、上述の実施の形態1と同様の作用および効果を得ることができる。
第1流路形成管61の位置およびまたは第2流路形成管62の位置が内側または外側にずれたとしても、外周部92,93を活用することによって、第1流路形成管61を取付具80の第1開口81に容易に挿し込むこと、および第2流路形成管62を取付具80の第2開口82に容易に挿し込むことが可能となっている。したがって流路形成部材60Bによっても、血圧測定装置などの完成品を容易に製造することが可能となっている。取付具80が流路形成部材60Bに取り付けられた後においては、第1流路形成管61が第1接続管11から外れたり、第2流路形成管62が第2接続管12から外れたりすることも、効果的に抑制することが可能となっている。
[実施の形態4]
図19を参照して、本実施の形態における流路形成部材60Cについて説明する。流路形成部材60Cにおいては、第1流路形成管61が第1係止部77Cを含み、第2流路形成管62が第2係止部78Cを含む。
第1係止部77Cは、第1領域71と第2領域72とを接続する接続領域75を有する。接続領域75は、第1流路形成管61から見て第2流路形成管62寄りに位置している。第2係止部78Cは、第3領域73と第4領域74とを接続する接続領域76を有する。接続領域76は、第2流路形成管62から見て第1流路形成管61の反対側に位置している。本実施の形態の流路形成部材60Cを図19に示すように平面視で見た場合、第1流路形成管61および第2流路形成管62は、各領域71〜74を含めて互いに同一の形状を有している。
取付具80(図示せず)を流路形成部材60Cに取り付ける際には、第1流路形成管61の外周部91および第2流路形成管62の外周部94が効果的に活用される。取付具80(図示せず)を流路形成部材60Cに取り付ける際、第1流路形成管61を先ず取付具80の第1開口81に挿し込み、その後、第2流路形成管62を取付具80の第2開口82に挿し込むという順番にしてもよいし、その順番の逆であってもよいし、これらを同時に挿し込んでもよい。いずれの挿し込み方法であっても、上述の実施の形態1と同様の作用および効果を得ることができる。
第1流路形成管61の位置およびまたは第2流路形成管62の位置が内側または外側にずれたとしても、外周部91,94を活用することによって、第1流路形成管61を取付具80の第1開口81に容易に挿し込むこと、および第2流路形成管62を取付具80の第2開口82に容易に挿し込むことが可能となっている。したがって流路形成部材60Cによっても、血圧測定装置などの完成品を容易に製造することが可能となっている。取付具80が流路形成部材60Cに取り付けられた後においては、第1流路形成管61が第1接続管11から外れたり、第2流路形成管62が第2接続管12から外れたりすることも、効果的に抑制することが可能となっている。
[実施の形態5]
図20を参照して、本実施の形態における流路形成部材60Dについて説明する。流路形成部材60Dにおいては、第1流路形成管61が第1係止部77Cを含み、第2流路形成管62が第2係止部78Bを含む。
第1係止部77Cは、第1領域71と第2領域72とを接続する接続領域75を有する。接続領域75は、第1流路形成管61から見て第2流路形成管62寄りに位置している。第2係止部78Bは、第3領域73と第4領域74とを接続する接続領域76を有する。接続領域76は、第2流路形成管62から見て第1流路形成管61寄りに位置している。本実施の形態の流路形成部材60Dを図20に示すように平面視で見た場合、第1流路形成管61および第2流路形成管62は、第1流路形成管61と第2流路形成管62とを結ぶ線分の垂直二等分線に対して、各領域71〜74を含めて互いに左右対称の形状を有している。
取付具80(図示せず)を流路形成部材60Dに取り付ける際には、第1流路形成管61の外周部91および第2流路形成管62の外周部92が効果的に活用される。取付具80(図示せず)を流路形成部材60Dに取り付ける際、第1流路形成管61を先ず取付具80の第1開口81に挿し込み、その後、第2流路形成管62を取付具80の第2開口82に挿し込むという順番にしてもよいし、その順番の逆であってもよいし、これらを同時に挿し込んでもよい。いずれの挿し込み方法であっても、上述の実施の形態1と同様の作用および効果を得ることができる。
第1流路形成管61の位置およびまたは第2流路形成管62の位置が内側または外側にずれたとしても、外周部91,92を活用することによって、第1流路形成管61を取付具80の第1開口81に容易に挿し込むこと、および第2流路形成管62を取付具80の第2開口82に容易に挿し込むことが可能となっている。したがって流路形成部材60Dによっても、血圧測定装置などの完成品を容易に製造することが可能となっている。取付具80が流路形成部材60Dに取り付けられた後においては、第1流路形成管61が第1接続管11から外れたり、第2流路形成管62が第2接続管12から外れたりすることも、効果的に抑制することが可能となっている。
[実施の形態6]
図21を参照して、本実施の形態における流路形成部材60Eについて説明する。流路形成部材60Eにおいては、第1流路形成管61が第1係止部77Bを含み、第2流路形成管62が第2係止部78Cを含む。
第1係止部77Bは、第1領域71と第2領域72とを接続する接続領域75を有する。接続領域75は、第1流路形成管61から見て第2流路形成管62の反対側に位置している。第2係止部78Cは、第3領域73と第4領域74とを接続する接続領域76を有する。接続領域76は、第2流路形成管62から見て第1流路形成管61の反対側に位置している。本実施の形態の流路形成部材60Eを図21に示すように平面視で見た場合、第1流路形成管61および第2流路形成管62は、第1流路形成管61と第2流路形成管62とを結ぶ線分の垂直二等分線に対して、各領域71〜74を含めて互いに左右対称の形状を有している。
取付具80(図示せず)を流路形成部材60Eに取り付ける際には、第1流路形成管61の外周部93および第2流路形成管62の外周部94が効果的に活用される。取付具80(図示せず)を流路形成部材60Eに取り付ける際、第1流路形成管61を先ず取付具80の第1開口81に挿し込み、その後、第2流路形成管62を取付具80の第2開口82に挿し込むという順番にしてもよいし、その順番の逆であってもよいし、これらを同時に挿し込んでもよい。いずれの挿し込み方法であっても、上述の実施の形態1と同様の作用および効果を得ることができる。
第1流路形成管61の位置およびまたは第2流路形成管62の位置が内側または外側にずれたとしても、外周部93,94を活用することによって、第1流路形成管61を取付具80の第1開口81に容易に挿し込むこと、および第2流路形成管62を取付具80の第2開口82に容易に挿し込むことが可能となっている。したがって流路形成部材60Eによっても、血圧測定装置などの完成品を容易に製造することが可能となっている。取付具80が流路形成部材60Eに取り付けられた後においては、第1流路形成管61が第1接続管11から外れたり、第2流路形成管62が第2接続管12から外れたりすることも、効果的に抑制することが可能となっている。
[実施の形態7]
図22を参照して、本実施の形態における流路形成部材60Fについて説明する。流路形成部材60Fにおいては、第1流路形成管61が第1係止部77Dを含み、第2流路形成管62が第2係止部78Dを含む。第1係止部77Dは、環状の形状を有し、第1流路形成管61の外周面の周方向における全部から外方に向かって延出している。第2係止部78Dも、環状の形状を有し、第2流路形成管62の外周面の周方向における全部から外方に向かって延出している。
第1係止部77Dは、第1領域71、第2領域72およびこれらを接続する接続領域を有する。一方の接続領域(図22の紙面右側に位置する接続領域)は、第1流路形成管61の外周部91に対応する部分に形成され、他方の接続領域(図22の紙面左側に位置する接続領域)は、第1流路形成管61の外周部93に対応する部分に形成される。
本実施の形態の第1係止部77Dにおいては、外周部91に位置する接続領域および外周部93に位置する接続領域は、第1領域71および第2領域72よりも薄い厚さを有する。外周部91に位置する接続領域および外周部93に位置する接続領域は、第1領域71および第2領域72に比べて低い剛性を有している。
第2係止部78Dは、第3領域73、第4領域74およびこれらを接続する接続領域を有する。一方の接続領域(図22の紙面左側に位置する接続領域)は、第2流路形成管62の外周部92に対応する部分に形成され、他方の接続領域(図22の紙面右側に位置する接続領域)は、第2流路形成管62の外周部94に対応する部分に形成される。
本実施の形態の第2係止部78Dにおいては、外周部92に位置する接続領域および外周部94に位置する接続領域は、第3領域73および第4領域74よりも薄い厚さを有する。外周部92に位置する接続領域および外周部94に位置する接続領域は、第3領域73および第4領域74に比べて低い剛性を有している。
本実施の形態の流路形成部材60Fを図22に示すように平面視で見た場合、第1流路形成管61および第2流路形成管62は、各領域71〜74および接続領域を含めて互いに同一の形状を有している。第1流路形成管61および第2流路形成管62は、第1流路形成管61と第2流路形成管62とを結ぶ線分の垂直二等分線に対して、各領域71〜74および接続領域を含めて互いに左右対称の形状を有していてもよい。
たとえば、第1係止部77Dにおいては外周部91に位置する接続領域のみが第1領域71および第2領域72に比べて低い剛性を有し、第2係止部78Dにおいては外周部92に位置する接続領域のみが第3領域73および第4領域74に比べて低い剛性を有していてもよい。若しくは、第1係止部77Dにおいては外周部93に位置する接続領域のみが第1領域71および第2領域72に比べて低い剛性を有し、第2係止部78Dにおいては外周部94に位置する接続領域のみが第3領域73および第4領域74に比べて低い剛性を有していてもよい。これらの場合、第1流路形成管61および第2流路形成管62は、第1流路形成管61と第2流路形成管62とを結ぶ線分の垂直二等分線に対して、各領域71〜74および接続領域を含めて互いに左右対称の形状を有することとなる。
取付具80(図示せず)を流路形成部材60Fに取り付ける際には、第1流路形成管61の外周部91,93、ならびに第2流路形成管62の外周部92,94が効果的に活用される。外周部91〜94に形成された接続領域は、低い剛性を有しているため、取付具80のベース部87に干渉したとしても、抵抗となることはほんどない。
取付具80(図示せず)を流路形成部材60Fに取り付ける際、第1流路形成管61を先ず取付具80の第1開口81に挿し込み、その後、第2流路形成管62を取付具80の第2開口82に挿し込むという順番にしてもよいし、その順番の逆であってもよいし、これらを同時に挿し込んでもよい。いずれの挿し込み方法であっても、上述の実施の形態1と同様の作用および効果を得ることができる。
第1流路形成管61の位置およびまたは第2流路形成管62の位置が内側または外側にずれたとしても、外周部91〜94に形成され低い剛性を有する接続領域を活用することによって、第1流路形成管61を取付具80の第1開口81に容易に挿し込むこと、および第2流路形成管62を取付具80の第2開口82に容易に挿し込むことが可能となっている。したがって流路形成部材60Fによっても、血圧測定装置などの完成品を容易に製造することが可能となっている。取付具80が流路形成部材60Fに取り付けられた後においては、第1流路形成管61が第1接続管11から外れたり、第2流路形成管62が第2接続管12から外れたりすることも、効果的に抑制することが可能となっている。
(変形例)
上述の各実施の形態は、血圧測定装置を用いて説明されている。血圧測定装置は、2つの流路形成管を備える流路形成部材が適用される一例である。少なくとも2つの流路形成管を備える流路形成部材は、血圧測定装置の他にも、流体を送り込んで袋状の部材を膨縮させ、マッサージ効果を得る各種のマッサージ装置等にも適用されることができる。少なくとも2つの流路形成管を備える流路形成部材は、これらの他にも、車両等に用いられるエアバッグ、ウォーターベッド、または、遊戯用の水泳具等にも適用されることができる。
上述の実施の形態における取付具80のベース部87は、矩形形状を有している(図11参照)。血圧測定装置100における取付具80のベース部87は、さらに長い長さを有していてもよい。この場合のベース部87は、いわゆるカーラとして機能することができる。カーラは、湾曲を有する弾性板として、空気袋50とともにカフ40に内包される。カーラは、一般的には、生体にフィットするように可撓性の部材により、略円筒形状に構成される。カーラは、一部が筒軸方向に沿って破断された形状を有しており、カフ40の長手方向に沿ってカフ40に内包される。
カーラは生体に巻きつけられる際に径方向に弾性変形することができる。カーラは、空気袋50の外側(カフ40を生体に巻きつけた際の空気袋50の外側)に配置される。取付具80のベース部87がカーラとして機能する場合であっても、上述の各実施の形態における流路形成部材が用いられることによって、第1流路形成管61を取付具80の第1開口81に容易に挿し込むこと、および第2流路形成管62を取付具80の第2開口82に容易に挿し込むことが可能となる。取付具80が流路形成部材に取り付けられた後においては、第1流路形成管61が第1接続管11から外れたり、第2流路形成管62が第2接続管12から外れたりすることも、効果的に抑制することが可能となる。
上述の各実施の形態における流路形成部材は、2つの流路形成管(第1流路形成管61および第2流路形成管62)を備える。上述の各実施の形態における流路形成部材は、2つ以上の流路形成管を備えていてもよい。当該構成であっても、上述の各実施の形態と同様の作用および効果を得ることができる。上述の各実施の形態における流路形成部材は、そのベース部65が表面部材54の裏面側に配置されるが、ベース部65は表面部材54の表面側に接合されてもよい。この場合、流路形成部材60は空気袋50の外表面上に配置される。当該構成であっても、上述の各実施の形態と同様の作用および効果を得ることができる。
以上、本発明に基づいた各実施の形態について説明したが、今回開示された各実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。