JP5940514B2 - 基地局装置、移動局装置及び移動通信システム - Google Patents

基地局装置、移動局装置及び移動通信システム Download PDF

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Description

本発明は、互いに無線通信可能な基地局装置及び移動局装置、並びに、それらを備える移動通信システムに関するものである。
3GPP(3rd Generation Partnership Project)において次世代の移動通信システムとして標準化されているLTE(Long Term Evolution、3GPP Rel.8/9)及びそれを発展させたLTE−Advanced(3GPP Rel.10/11)の仕様では、下りリンクの伝送方式として、OFDM(直交周波数分割多重)方式が採用されている(非特許文献1〜4参照)。このOFDM方式は、互いに直交する複数の狭帯域サブキャリアを利用して伝送対象のデータを周波数軸上で直交多重して送信する伝送方式であり、マルチパス環境(フェージング環境)下においても移動局側で1タップの比較的簡易な構成の受信機でも高精度に復調することができる。
また、上記OFDMの下りリンクでは、システム全体の周波数利用効率を高めるために、互いに隣接する複数の基地局間で同一の周波数を用いる1セル周波数繰り返しによるエリア展開が可能なシステムとなっている。しかし、1セル周波数繰り返しを適用した場合、同一の周波数を複数セル間で使用しているため、移動局が基地局から希望信号を受信しているとき、周辺基地局からの干渉を受けるおそれがある。
ところで、スマートフォン等の普及により移動通信システムのトラフィックは爆発的に増大している。このトラフィックの増大は、都心の主要駅付近等、ユーザが密集しやすい場所・地域において特に顕著であり、ホットスポット呼ばれるエリアが形成される傾向にある。このような、ホットスポットにおけるトラフィックを効率的に収容するため、通常十ワット以上の比較的大きな送信電力、10dBiを超える比較的大きな利得の送受信アンテナを用いて半径数百メートルから数キロメートルのエリア(以下、適宜「マクロセル」という。)をカバーするマクロセル基地局(以下、「マクロセル基地局」という。)のセルエリア内に存在するトラフィックが特に多いホットスポットエリアへ数ワット程度の比較的小さな送信電力、数dBi程度の比較的小さな利得の送受信アンテナを用いて比較的狭い範囲のピコセルやフェムトセル(以下、これらのセルを適宜「スモールセル」という)のエリアをカバーするピコセル基地局やフェムトセル基地局等の小型基地局(以下、適宜「スモールセル基地局」という)が配置された異種セルサイズ混在型のヘテロジーニアスセルラネットワーク(HetNet:Heterogeneous Network)において、マクロセルからスモールセルに積極的にトラフィックをオフロードする方法が3GPPにおいて検討されている(非特許文献5および非特許文献6参照)。このようなHetNetにおいて、マクロセル基地局のトラフィックのオフロード効果を上げるために、マクロセルからスモールセルに積極的に接続させることが提案されている。しかしながら、このようなHetNetにおいて、マクロセルのみで構成されるセルラネットワーク(Homogeneous Network)で一般に用いられている移動局が下りリンクの受信品質(あるいは受信電力)が最大となる基地局のセルを接続セルとして選択する方法をそのまま適用すると、低送信電力のスモールセル基地局の送信電力はマクロセル基地局に比べて小さいので、移動局がスモールセルを選択するエリアが小さくなってしまい、トラフィックオフロード効果が得られにくいという問題が指摘されている。この問題を解決する方法として、移動局が下りリンクの参照信号受信電力:RSRP(Reference Signal Received Power)あるいは参照信号受信品質RSRQ(Reference Signal Received Quality)に基づいて接続セルを選択する際、移動局で測定されるスモールセル基地局のRSRPあるいはRSRQに対して正のバイアスを加える方法が提案されている(非特許文献7参照)。この方法により、移動局ではスモールセル基地局から送信される信号の受信電力あるいは受信品質が見かけ上改善したように見えるため、移動局は積極的にスモールセルを選択できるようになり、大きなトラフィックオフロード効果を図ることができる。このバイアスを用いる手法は、低送信電力のスモールセル基地局のエリアカバレッジを広げることから、CRE(Cell Range Expansion)と呼ばれ、LTE/LTE−Advancedにおいても適用できる。また、上記CREにおけるバイアスは、基地局から移動局への個別制御情報あるいはシステム報知情報として通知されるハンドオーバ制御パラメータやセル再選択制御パラメータに含まれる接続セル(在圏セル)やその周辺セルのRSRPやRSRQ測定値に対するオフセット量の設定により実現することも可能である(非特許文献7および非特許文献8参照)。ところで、マクロセルからスモールセルへのトラフィックオフロードを積極的に行うCREを行う場合、スモールセル基地局からの送信電力は維持されたまま、移動局が接続するスモールセルのセルサイズ(セル半径)が等価的に拡大される。これにより、スモールセルのセル端で移動局がスモールセル基地局から受信する受信信号の強度がマクロセルに比べて弱いにもかかわらずスモールセルに接続する確率(接続率)が高めることができる。しかしながら、特にCo−channel HetNetと呼ばれるマクロセルとスモールセルが同一周波数を用いてエリア展開を行う場合、各基地局から送信された信号の移動局における実際の受信電力あるいは受信品質が変わるわけではないため、スモールセルのセル端のエリアでスモールセルに接続された移動局はマクロセル基地局からより大きなセル間干渉を受けやすくなる。
また、同様なセル間干渉の問題は、屋内やイベント会場などに設定されたスモールセルの周辺部分に利用者の移動局が集中しすぎる状況などにおいてスモールセルからマクロセルに積極的にトラフィックをオフロードする場合にも発生し得る。スモールセルからマクロセルへのトラフィックオフロードを積極的に行うようにマクロセルについて前述のCREなどのパラメータ設定を行うと、マクロセル基地局からの送信電力は維持されたまま、移動局が接続するマクロセルのセル半径が等価的に拡大される。これにより、マクロセルのセル端で移動局がマクロセル基地局から受信する受信信号の強度が弱いにもかかわらずマクロセルに接続する確率が高められる。しかしながら、特にCo−channel HetNetと呼ばれるマクロセルとスモールセルが同一周波数を用いてエリア展開を行う場合、各基地局から送信された信号の移動局における実際の受信電力あるいは受信品質が変わるわけではないため、マクロセルのセル端のエリアでマクロセルに接続した移動局はスモールセル基地局からより大きなセル間干渉を受けやすくなる。
更に、前述と同様なセル間干渉の問題は、スモールセル又はマクロセルについて、セルサイズ(セル半径)を等価的に狭くしてセルに接続される確率(接続率)を低下させるように前述のCREなどのパラメータ設定を行う場合にも同様に発生し得る。
なお、前述のLTE/LTE−Advancedの場合、下りリンクのデータ信号領域やL1/L2制御信号領域のトラフィックチャネルについて、互いに時間同期された基地局間でリソース割り当てのスケジューリングを実行することにより、周辺セル基地局からの上記セル間干渉を回避する複数基地局間協調送信(CoMP−JT:Coordinated Multi-Point transmission - Joint Transmission)が知られている(例えば、非特許文献5参照)。また、基地局間が互いに時間同期していることを前提として、与干渉セル側の下りリンク物理供給データチャネル(PDSCH)へのリソース割り当てを制限したり、制御チャネル区間以外を空白区間(ブランク期間)にすることが可能なMBSFNサブフレームでデータ区間へのリソース割り当てを制限したり、ABS(Almost Blank Subframe)を適用することにより、所望の信号が含まれる被干渉セル側のサブフレームの受信品質を保護する保護サブフレーム(Protected Subframe)技術が知られている(例えば、非特許文献9参照)。
しかしながら、前述の下りリンクの共通信号は、すべてのセルにおいて、無線フレームにおける所定の周波数帯域及び時間スロットで固定的に送信される。そのため、前述の保護サブフレーム技術や複数基地局間協調送信(CoMP−JT)を適用することが困難であり、前記セル調整パラメータの設定によって移動局装置において発生しやすくなる共通信号のセル間干渉が、その移動局装置における当該共通信号を用いた動作性能に影響を与えるおそれがある。
特に、前述のLTE/LTE−Advancedの場合、移動局におけるセル検出のために挿入される下りリンクのプライマリ同期信号(PSS)、セカンダリ同期信号(SSS)及び移動局におけるセル内報知信号取得のために挿入される物理報知チャネル(PBCH)などの共通信号は、すべてのセルにおいて、無線フレームにおける所定の周波数帯域及び時間スロットで固定的に送信される(非特許文献1〜4参照)。そのため、上記共通信号には、前述の保護サブフレーム技術を適用することが困難である。また、上記共通信号はセルを識別するためのセルIDを正確に特定する役割を担っている。LTE/LTE−Advancedでは、セルID ncell は0〜503の整数値で示され、0〜167の整数値で示される168種類のセルグループID ngroup に分類され、さらに各セルグループIDはさらに0〜2の整数値で表される3種類セルローカルID nlocal に分類され、セルIDはncell = 3ngroup+nlocalで表すことができる。LTE/LTE−Advancedでは、セルローカルIDの識別のためにPSS、セルグループIDの識別のためにSSSがそれぞれ用いられ、移動局装置は通常、時間領域信号におけるPSSの相関検出、周波数領域受信信号におけるSSSの相関検出という2段階の相関検出を行うことにより、通信可能なセルやその周辺のセルのセルIDを特定する。ところで、PSSはセルローカルIDによって異なる系列が適用され、SSSの系列にはセルグループIDによって決定される系列に対し、セルローカルID固有のスクランブリング系列が乗算されているためセルID毎に異なる系列となる。また、PBCHではセルIDによって異なるスクランブリング系列が送信データに乗算される。したがって、LTE/LTE−Advancedの共通信号では、セルID(PSSについてはセルローカルID)が異なる複数セル間で互いに異なる信号系列が送信または互いに異なるスクランブリング系列が適用されるため、干渉回避技術として、前述の複数基地局間協調送信(CoMP−JT)を適用することが困難である。このように上記共通信号に対しては、前述の保護サブフレーム技術や複数基地局間協調送信(CoMP−JT)の適用によりセル間干渉を回避できないため、マクロセルとスモールセルと間のトラフィックロードバランスの観点から最適なセル(以下、適宜「ベストセル」という。)やそのベストセルの報知情報を移動局が正しく検出できなくなるおそれがある。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、セル調整パラメータの設定によって移動局装置において発生しやすくなる下りリンク無線フレームにおける所定の周波数帯域及び時間スロットで固定的に送信される共通信号のセル間干渉が、その移動局装置における当該共通信号を用いた動作性能に与える影響を抑制又は防止することができる基地局装置、移動局装置及び移動通信システムを提供することである。
本発明に係る基地局装置は、移動局装置と無線通信可能な基地局装置であって、移動局装置に対して下りリンク無線フレームにおける所定の周波数帯域及び時間スロットで固定的に共通信号を送信する手段と、当該基地局装置に対応するセルのサイズ若しくは接続率又は当該基地局装置に隣接する他の基地局装置に対応するセルのサイズ若しくは接続率を等価的に変更するセル調整パラメータの設定に応じて、前記下りリンク無線フレームにおける前記共通信号が含まれるサブフレーム内で前記共通信号に割り当てる送信電力を調整する手段と、を備える。
この基地局装置では、セル調整パラメータの設定により、当該基地局装置に対応するセルのサイズ若しくは接続率又は当該基地局装置に隣接する他の基地局装置に対応するセルのサイズ若しくは接続率を等価的に変更することができる。このようにセルのサイズ若しくは接続率が変更されると、当該基地局装置のセルの端部又は当該基地局装置に隣接する他の基地局装置のセルの端部において、共通信号のセル間干渉が発生しやすくなる。そこで、前記セル調整パラメータの設定に応じて、下りリンク無線フレームにおける共通信号が含まれるサブフレーム内で共通信号に割り当てる送信電力を調整する。この送信電力の調整により、前記セル調整パラメータの設定によって移動局装置において発生しやすくなる共通信号のセル間干渉がその移動局装置における当該共通信号を用いた動作性能に与える影響(例えば、移動局装置において発生する複数セル間のトラフィックロード観点から最適なセル(以下、適宜「ベストセル」という)の検出性能劣化や当該移動局装置において同様に発生するそのベストセルに対する報知情報の検出性能劣化)を抑制又は防止することができる。
前記基地局装置において、前記セル調整パラメータの設定に応じて、前記下りリンク無線フレームにおける前記共通信号が含まれるサブフレーム内における前記共通信号に割り当てる送信電力と他の物理チャネルの信号に割り当てる送信電力との間の配分を調整してもよい。この基地局装置では、共通信号が含まれるサブフレームにおける全体の送信電力を所定電力に維持したまま、共通信号に割り当てる送信電力を調整することができる。
また、前記基地局装置において、前記セル調整パラメータの設定が、当該基地局装置に対応するセルのサイズ又は接続率を等価的に増加させる設定の場合に、前記下りリンク無線フレームにおける前記共通信号が含まれるサブフレーム内で前記共通信号に対する送信電力密度を増大させてもよい。この基地局装置では、前記セル調整パラメータの設定によって当該基地局装置に対応するセルのサイズ又は接続率を等価的に増加させる場合に、当該基地局装置の送信信号の最大許容送信電力制限を超えることなく、前記セル調整パラメータの設定によって移動局装置において発生しやすくなる共通信号のセル間干渉がその移動局装置における当該共通信号を用いた動作性能に与える影響を抑制又は防止することができる。
また、前記基地局装置において、前記他の物理チャネルの信号に対する送信電力の配分を制限してもよい。この基地局装置では、当該基地局装置から送信される送信信号の平均電力若しくはピーク電力又は平均電力とピーク電力との比(PAPR)の増大を抑制できる。
また、前記基地局装置において、前記セル調整パラメータの設定が、当該基地局装置に対応するセルのサイズ又は接続率を等価的に低減させる設定の場合に、前記下りリンク無線フレームにおける前記共通信号が含まれるサブフレーム内で前記共通信号に対する送信電力密度を低減させてもよい。この基地局装置では、前記セル調整パラメータの設定によって当該基地局装置に対応するセルのサイズ又は接続率を等価的に低減させる場合に、当該基地局装置の送信信号の最大許容送信電力制限を気にすることなく、前記セル調整パラメータの設定により移動局装置において発生しやすくなる共通信号のセル間干渉がその移動局装置における当該共通信号を用いた動作性能に与える影響を抑制又は防止することができる。
また、前記基地局装置において、当該基地局装置から送信される送信信号の平均電力若しくはピーク電力又は該平均電力と該ピーク電力との比(PAPR)が許容範囲内に入っている条件下で、前記共通信号に対する送信電力を調整してもよい。この基地局装置では、当該基地局装置から送信される送信信号における歪の発生を抑制しつつ、前記セル調整パラメータの設定によって移動局装置において発生しやすくなる共通信号のセル間干渉がその移動局装置における当該共通信号を用いた動作性能に与える影響を抑制又は防止することができる。
また、前記基地局装置において、前記セル調整パラメータは、CRE(セル範囲拡張)のバイアス値であってもよい。この基地局装置では、CREのバイアス値の設定によって移動局装置において発生しやすくなる共通信号のセル間干渉がその移動局装置における当該共通信号を用いた動作性能に与える影響を抑制又は防止することができる。
また、前記基地局装置において、前記共通信号以外の送信信号の送信電力密度に対する前記共通信号の送信電力密度へ与えるオフセット値を前記CREのバイアス値以下にしてもよい。この基地局装置では、共通信号への送信電力の配分を減らし、余剰電力を共通信号以外の信号に対する送信電力の増加分として配分することができるため、下りリンク無線フレームにおける共通信号が含まれるサブフレーム内で使用されない無効な送信電力リソースを減らすことができる。
また、前記基地局装置において、前記他の物理チャネルの信号に対する送信電力の配分を制限することで余った余剰電力を、前記共通信号に対する送信電力の増加分として配分してもよい。この基地局装置では、下りリンク無線フレームにおける共通信号が含まれるサブフレーム内で使用されない無効な送信電力リソースを減らすことができる。
また、前記基地局装置において、当該基地局装置から送信される送信信号の平均電力若しくはピーク電力又は該平均電力と該ピーク電力との比(PAPR)が許容範囲内に入っている条件下で、前記共通信号に対する送信電力密度を増加させてもよい。この基地局装置では、当該基地局装置から送信される共通信号における歪の発生を抑制しつつ、前記セル調整パラメータの設定によって移動局装置において発生しやすくなる共通信号のセル間干渉がその移動局装置における当該共通信号を用いた動作性能に与える影響を抑制又は防止することができる。
また、前記基地局装置において、前記共通信号は、プライマリ同期信号、セカンダリ同期信号及び物理報知チャネルの信号であってもよい。この基地局装置では、前記セル調整パラメータの設定によって発生しやすくなる複数セル間のトラフィックロードの観点から最適なベストセルの検出やベストセルに対する報知情報の検出に用いられる共通信号であるプライマリ同期信号、セカンダリ同期信号及び物理報知チャネルの信号のセル間干渉が、移動局装置における当該共通信号を用いた動作性能に与える影響(ベストセル検出性能劣化やそのベストセルに対する報知情報の検出性能劣化)を抑制又は防止することができる。
また、前記基地局装置において、当該基地局装置がマクロセル基地局装置であり、当該基地局装置のセル内に前記他の基地局装置としてのスモールセル基地局装置が位置してもよい。この基地局装置では、当該基地局装置であるマクロセル基地局装置のセル(マクロセル)と、そのマクロセル内に他の基地局装置として存在するスモールセル基地局装置のセル(スモールセル)との間において、前記セル調整パラメータの設定によって移動局装置において発生しやすくなる共通信号のセル間干渉がその移動局装置における当該共通信号を用いた動作性能に与える影響を抑制又は防止することができる。
また、前記基地局装置において、当該基地局装置がスモールセル基地局装置であり、前記他の基地局装置としてのマクロセル基地局装置のセル内に位置してもよい。この基地局装置では、当該基地局装置であるスモールセル基地局装置のセルと、そのスモールセル基地局装置が位置するマクロセルとの間において、前記セル調整パラメータの設定によって移動局装置において発生しやすくなる共通信号のセル間干渉がその移動局装置における当該共通信号を用いた動作性能に与える影響を抑制又は防止することができる。
また、前記基地局装置において、当該基地局装置に対応するセルのサイズ若しくは接続率又は当該基地局装置に隣接する他の基地局装置に対応するセルのサイズ若しくは接続率を等価的に変更するセル調整パラメータの設定が行われているか否かを判定する手段と、前記セル調整パラメータの設定が行われている場合に前記送信電力の調整を実行し、前記セル調整パラメータの設定が行われていない場合には前記送信電力の調整を実行しないように制御する手段と、を更に備えてもよい。この基地局装置では、前記セル調整パラメータの設定が行われている場合のみ前記送信電力の調整を実行することにより、基地局装置におけるトラフィックロードの増大を防止できる。
本発明に係る移動局装置は、基地局装置と無線通信可能な移動局装置であって、下りリンク無線フレームで受信された受信信号に基づいて、当該移動局装置が接続しているセルに加えてそれ以外の周辺のセルを検出する手段と、前記検出されたセルにおいて前記下りリンク無線フレームにおける所定の周波数帯域及び時間スロットで固定的に送信された共通信号を前記受信信号から抽出し、前記検出されたセルに対応する共通信号の受信信号レプリカを生成する手段と、前記検出されたセルに対応する共通信号の受信信号レプリカを用いて、前記検出されたセルに対応する共通信号の一部又はすべての成分を前記受信信号から除去する手段と、を備える。
この移動局装置では、当該移動局装置が接続しているセルに加えてそれ以外の周辺のセルにおいて送信された共通信号を受信信号から順次検出し、その検出されたセルの共通信号の受信信号レプリカを生成する。検出されたセルに対応する共通信号の受信信号レプリカを用いて、検出されたセルに対応する共通信号の一部又はすべての成分を受信信号から除去することにより、前記セル調整パラメータの設定によって移動局装置において発生しやすくなる共通信号のセル間干渉がその移動局装置における当該共通信号を用いた動作性能に与える影響を抑制又は防止することができる。
前記移動局装置において、前記共通信号の受信信号レプリカを作成する手段は、前記検出されたセルに対応するプライマリ同期信号及びセカンダリ同期信号を前記受信信号から抽出し、前記プライマリ同期信号及びセカンダリ同期信号それぞれに含まれる情報に基づいて、前記受信信号に含まれる前記検出されたセルに対応する物理報知チャネルの信号を復号および受信誤り有無確認を行うことにより前記検出されたセルの正否を確認し、正しく検出されたセルに対応する共通信号の受信信号レプリカとして、前記検出されたセルに対応するプライマリ同期信号、セカンダリ同期信号及び物理報知チャネルの信号それぞれの受信信号レプリカを生成してもよい。この移動局装置では、複数セル間のトラフィックロードの観点から最適なベストセルの検出やベストセルに対する報知情報の検出に用いられる共通信号であるプライマリ同期信号、セカンダリ同期信号及び物理報知チャネルの信号それぞれのセル間干渉が当該移動局装置おける当該共通信号を用いた動作性能に与える影響(具体的には、移動局装置において発生する複数セル間のトラフィックロードの観点から最適なベストセルの検出性能の劣化や、その移動局装置において同様に発生するベストセルに対する報知情報の検出性能の劣化)を抑制又は防止することができる。さらに、物理報知チャネルの復号において巡回冗長検査(CRC:Cyclic Redundancy Check)等を用いた受信誤り検出有無を判定することにより、検出されたセルの正確性を判定することができる。
また、前記移動局装置において、前記共通信号を送信するセルが複数存在する場合は、前記共通信号の受信電力が強いセルから順に検出し、検出されたセルについて前記共通信号の受信信号レプリカを作成し、前記検出されたセルに対する共通信号の一部又はすべての成分を前記受信信号から順次除去してもよい。この移動局装置では、最大の受信信号電力あるいは最良の受信品質となるセルだけでなく、その周辺のセルに対応する共通信号が複数ある場合に、各共通信号のセル間干渉が当該共通信号を用いた動作性能に与える影響を抑制又は防止することができる。
また、前記移動局装置において、当該移動局装置が接続しているセル又はその周辺のセルについてセルのサイズ若しくは接続率を等価的に変更するセル調整パラメータの設定が行われているか否かを判定する手段と、前記セル調整パラメータの設定が行われている場合に当該移動局装置で検出されたセルに対応する共通信号の受信信号レプリカを用いて、前記検出されたセルに対応する共通信号の一部又はすべての成分を前記受信信号から除去する処理を実行し、前記セル調整パラメータの設定が行われていない場合には前記共通信号の一部又はすべての成分を前記受信信号から除去する処理を実行しないように制御する手段と、を更に備えてもよい。この移動局装置では、前記セル調整パラメータの設定が行われている場合のみ前記共通信号の一部又はすべての成分を前記受信信号から除去する処理を実行することにより、移動局装置における負荷の増大を防止できる。
本発明に係る移動通信システムは、前記複数の基地局装置のいずれかと前記複数の移動局装置のいずれかと備える。この移動通信システムでは、前記セル調整パラメータの設定によって移動局装置において発生しやすくなる共通信号のセル間干渉が、その移動局装置における当該共通信号を用いた動作性能に与える影響をより確実に抑制又は防止することができる。
本発明によれば、セル調整パラメータの設定によって移動局装置において発生しやすくなる、下りリンク無線フレームにおける所定の周波数帯域及び時間スロットで固定的に送信される共通信号のセル間干渉が、その移動局装置における当該共通信号を用いた動作性能に与える影響を抑制又は防止することができる。
本発明の一実施形態に係る移動局装置が通信可能な移動通信システムの概略構成を示す説明図。 (a)は、移動局装置がスモールセルからマクロセルにハンドオーバするときの制御の一例を示すシーケンス図。(b)はハンドオーバ時の下りリンクの受信電力の時間変化を示すグラフ。 (a)及び(b)はそれぞれLTE及びLTE−Advancedにおける周波数帯域幅の説明図。 LTE/LTE−AdvancedのNormal CP仕様における下りリンクのフレーム構成、サブフレーム構成およびチャネル構成を示す説明図。 サブフレームの構成例を示す説明図。 無線フレームの第1のサブフレームにおいて同期信号(PSS,SSS)を含む時間スロットの2種類の構成例を示す説明図。 LTE及びLTE−AdvancedのNormal CP仕様における下りリンクの参照信号の構成例を示す説明図。 LTE及びLTE−AdvancedのNormal CP仕様における下りリンクの参照信号の構成例を示す説明図。 スモールセル基地局から送信される共通信号(PSS,SSS,PBCH)とマクロセル基地局から送信される共通信号との関係を示す説明図。 シミュレーションで用いたセル構成の説明図。 HetNetにおける移動通信システムのスモールセル内に在圏する移動局装置で実行する初期セルサーチ及びベストセルの選択の処理手順の一例を示すシーケンス図。 HetNetにおける移動通信システムのスモールセル内に在圏する移動局装置で実行する初期セルサーチ及びベストセルの選択の処理手順の他の例を示すシーケンス図。 共通信号のセル間干渉がないセル検出が理想的な場合についてマクロセル及びスモールセルそれぞれをベストセルとして検出する移動局装置の比率を評価した評価結果を示すグラフ。 基地局間同期環境下において共通信号のセル間干渉があるセル検出が理想的でない場合について初期セルサーチにおけるマクロセル及びスモールセルそれぞれをベストセルとして検出する移動局装置のセル検出特性を評価した評価結果を示すグラフ。 基地局間非同期環境下において共通信号のセル間干渉があるセル検出が理想的でない場合について初期セルサーチにおけるマクロセル及びスモールセルそれぞれをベストセルとして検出する移動局装置のセル検出特性を評価した評価結果を示すグラフ。 移動局装置が初期セルサーチにおいてスモールセルをベストセルとして検出するセル検出特性を評価した評価結果を示すグラフ。 周辺セルサーチにおけるスモールセルエリア内の移動局装置の所望スモール検出時間特性を評価した評価結果を示すグラフ。 移動局装置がスモールセルエリアでの周辺セルサーチにおいてスモールセルをベストセルとして検出するセル検出特性を評価した評価結果を示すグラフ。 (a)及び(b)はそれぞれ、共通信号の1つであるPSSに割り当てる送信電力を調整する送信電力配分制御の実行前及び実行後におけるサブフレーム内の様子の一例を概念的に示す説明図。 本実施形態の送信電力配分制御を実行可能なスモール基地局及びマクロセル基地局を構成する基地局装置の要部構成の一例を示す機能ブロック図。 スモールセルに設定する正のCREバイアス値を変化させたときの初期セルサーチにおけるスモールセルを検出可能な場所的確率(場所率)の改善効果を示すグラフ。 スモールセルに設定する正のCREバイアス値を変化させたときの周辺セルサーチにおける所望スモールセルを検出可能な場所的確率(場所率)の改善効果を示すグラフ。 本実施形態の逐次干渉キャンセラを適用可能な移動局装置の要部構成の一例を示す機能ブロック図。 移動局装置における周辺セルサーチの際に逐次干渉キャンセラを用いて共通信号の受信性能を改善する処理フローの一例を示すフローチャート。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
ここでは、LTE/LTE−Advancedへの適用を前提に本発明の実施形態を説明するが、類似のセル構成、物理チャネル構成を用いるシステムであれば、本発明の概念はどのようなシステムにも適用可能である。また、伝搬路の推定に用いられる参照信号系列や誤り訂正のために用いられる符号化方式はLTE/LTE−Advancedで定義されているものに限定されず、これらの用途に適合するものであれば、どのような種類のものでも構わない。
まず、本発明に係る移動局装置を適用可能な移動通信システムの全体構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る移動局装置が通信可能な移動通信システムの概略構成を示す説明図である。図1において、本実施形態の移動通信システムは、前述のLTE/LTE−Advancedの仕様に準拠するとともに、複数のアンテナでデータの送受信を行うMIMO(Multi Input Multi Output)無線伝送方式を採用したものである。この移動通信システムは、広域用のマクロセル基地局10と、そのマクロセル基地局10の無線通信エリアであるマクロセル10A内に位置するスモールセル基地局20とを備え、異種セルサイズ混在型のヘテロジーニアスセルラネットワーク(HetNet)を構成している。スモールセル基地局20の無線通信エリアであるスモールセル20Aは、マクロセル10Aよりもセルサイズが小さく、そのマクロセル10Aの内側に含まれている。ユーザ装置としての移動局装置30は、スモールセル20Aに在圏し、スモールセル基地局20から電話やデータ通信などの下りリンクの無線信号を希望信号(希望波)s(k)として受信可能な状態にある。また、移動局装置30は、スモールセル20Aの外縁部(マクロセル10Aとの境界部)に位置しているため、マクロセル基地局10から送信された下りの無線信号を干渉信号(干渉波)u(k)として受信するおそれがある。
なお、図1では、マクロセル基地局10、スモールセル基地局20及び移動局装置30を一つずつ図示しているが、マクロセル基地局10、スモールセル基地局20及び移動局装置30はそれぞれ複数であってもよい。
マクロセル基地局10は、移動体通信網において屋外に設置されている通常の半径数百m乃至数km程度の広域エリアであるマクロセルをカバーする広域の基地局であり、LTE/LTE−Advancedでは一般に「eNB(Evolved Node-B)」、「Macro e−Node B」、「MeNB」等と呼ばれる場合もある。マクロセル基地局10は、他の基地局と例えば有線の通信回線で接続され、所定の通信インターフェースで通信可能になっている。また、マクロセル基地局10は、回線終端装置及び専用回線を介して移動体通信網のコアネットワークに接続され、移動体通信網内の各種ノードとの間で所定の通信インターフェースにより通信可能になっている。
スモールセル基地局20は、広域用のマクロセル基地局10とは異なり、無線通信可能距離が数m乃至数百m程度であり、一般家庭、店舗、オフィス等の屋内にも設置することができる移動設置可能な基地局である。スモールセル基地局20は、移動体通信網における広域のマクロセル基地局がカバーするエリアよりも小さなエリア(例えばマイクロセルやピコセル)をカバーするように設けられるため、マイクロ基地局やピコ基地局と呼ばれる場合もある。また、本実施形態におけるスモールセル基地局20は、接続する移動局装置の制限を行わない基地局については「ピコ基地局」、「Pico e−Node B」、又は「Pico eNB」と呼ばれる場合もあり、特定の加入者の移動局装置のみ接続を許可する基地局については「フェムト基地局」、「Home e−Node B」、又は「Home eNB」と呼ばれる場合もある。スモールセル基地局20についても、回線終端装置及びADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線や光回線等のブロードバンド公衆通信回線を介して移動体通信網のコアネットワークに接続され、コアネットワーク上の各種ノードとの間で所定の通信インターフェースにより通信可能になっている。
ユーザが使用する移動局装置30は、LTE/LTE−Advancedでは一般にUE(User Equipment)と呼ばれる。移動局装置30は、マクロセル10Aやスモールセル20Aに在圏するときに、その在圏するセルに対応するマクロセル基地局10やスモールセル基地局20と間で所定の通信方式及びリソースを用いて無線通信することができる。
次に、上記構成の移動通信システムにおいて移動局装置30がマクロセル10Aからハンドオーバしてスモールセル20A内に在圏するようになるときの処理について説明する。
図2(a)は、移動局装置30がスモールセル20Aからマクロセル10Aにハンドオーバするときの制御の一例を示すシーケンス図である。また、図2(b)はハンドオーバ時の下りリンクの受信電力の時間変化を示すグラフである。なお、図2(a)中の破線で囲んだ処理は、マクロセル基地局10及びスモールセル基地局20と移動局装置30との間の無線通信を伴う処理である。本例は、LTE/LTE−Advancedで採用されている、通信するために接続するセルが1つとなるハード・ハンドオーバ(Hard HO)の例である。また、本例の移動局装置30は、下りリンクの受信電力に基づいてセルを選択する際、スモールセル基地局20からの受信品質(SINR:Signal-to-Interference and Noise power Ratio)に対して正のバイアスを加えるCREの機能を有している。これにより、移動局装置30は積極的にスモールセル基地局20の拡張されたセル20Aを選択し、大きなトラフィックオフロード効果を図ることができる。なお、図2において破線で示したエリア20A'はCREで拡張される前のスモールセルである。
図2において、移動局装置30は、現在通信中のハンドオーバ元セル(Source Cell)のスモールセル基地局20に、ハンドオーバ先候補セルの情報を含む測定結果報告(MR:Measurement Report)を送出する。スモールセル基地局20は、移動局装置30から受信した測定結果報告(MR)に基づき、周辺基地局であるマクロセル基地局10から送信した信号の受信電力が自局(スモールセル基地局)20から送信した信号の受信電力よりも所定のハンドオーバマージンだけ上回っているかどうか監視する。そして、マクロセル10Aの受信電力がスモールセル20Aの受信電力よりもハンドオーバマージンだけ上回る状態が所定の監視期間(TTT:Time-to-trigger)継続したとき、スモールセル基地局20は、測定結果報告(MR)の受信をトリガーとして、ハンドオーバ処理を開始する。より具体的には、スモールセル基地局20は、移動局装置30から受信した測定結果報告(MR)を元にハンドオーバ先となるターゲットセルであるマクロセルを選定し、コアネットワークを介してマクロセル基地局(Target eNB)10へ、ハンドオーバ要求とともに、ハンドオーバする移動局装置30の情報を送信して設定する。スモールセル基地局20は、マクロセル基地局10からハンドオーバ要求応答を受信したら、移動局装置30が自局との通信を切断するようにセル移動のハンドオーバ指示(HO Command)を移動局装置30に送信する。ハンドオーバ指示を受けた移動局装置30は、ハンドオーバ先のマクロセル基地局10にハンドオーバ完了を送信してマクロセル基地局10との通信を開始することにより、ハンドオーバを完了する。
なお、上記ハンドオーバにおける「ハンドオーバマージン」の値を大きく設定すると、そのハンドオーバ元(本例ではスモールセル基地局20)のセルへの接続率が向上し、ピンポンハンドオーバ(Ping-pong HO)の発生を抑制できるが、逆にハンドオーバ先(本例ではマクロセル基地局10)のセルへのハンドオーバ成功率は低下する。前述のCREでは、プラスのCREバイアスを加算して「ハンドオーバマージン」の値を大きく設定することにより、スモールセル20Aが積極的に選択されるようにすることで、移動局装置30がハンドオーバするスモールセル20Aから他のセルへハンドオーバが抑制されるため、セル20Aの半径があたかも拡張されたような効果が得られる。
次に、LTE/LTE−Advancedの移動通信システムにおける下りリンクの無線フレームについて説明する。LTE/LTE−Advancedでは、広帯域化に伴うマルチパス耐性向上の観点から、下りリンクアクセス方式としてOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)が採用されている。このOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル間干渉を除去するためのガードインターバル区間として、約4.76μs(Normal Cyclic Prefix仕様)および約16.67μs(Extended Cyclic Prefix仕様)をオプションとして選択できる。
図3(a)及び(b)はそれぞれLTE及びLTE−Advancedにおける周波数帯域幅の説明図である。図3(a)に示すように、LTEでは周波数帯域幅(システム帯域幅)として1.4MHz、3MHz、5MHz、10MHz、15MHz、20MHzの帯域幅がサポートされ、下りリンクについては、最大4送信アンテナまでの複数アンテナ送受信MIMOがサポートされる。一方、LTE−Advancedでは、図3(b)に示すようにLTEとの後方互換性を保ち、基本周波数ブロック(CC:Component Carrier)を複数組み合わせることで広帯域化を実現するCA(Carrier Aggregation)を用いて最大100MHzのシステム帯域幅までサポートされ、下りリンクについては最大8送信アンテナまでのMIMOがサポートされる。
図4は、LTE/LTE−AdvancedのNormal Cyclic Prefix(以下、「Normal CP」という。)仕様における下りリンクのフレーム構成、サブフレーム構成およびチャネル構成を示す説明図である。また、図5は、サブフレームの構成例を示す説明図である。無線フレーム長は10msであり、1ms長の10個のサブフレームから構成される。図5に示すように、サブフレームは14OFDMシンボルから構成される。また、無線リソース割当て最小単位はRB(Resource Block)と呼ばれ、周波数方向に12サブキャリア、時間軸方向に7OFDMシンボルの計84個のRE(Resource Element)で構成される。スケジューリングの最小単位であるTTI(Transmission Time Interval)は、1サブフレーム(14OFDMシンボル)であり、1サブフレーム毎に各移動局装置がどの周波数/時間リソースマッピングされているのか、各移動局装置へのデータ信号がどのような変調フォーマット(変調方式、符号化率)を使用するか等のスケジューリングを行い、その結果が移動局装置30へ通知される。以下、下りリンク物理チャネルとその役割について説明する。
〔同期信号(SS)〕
移動局装置30が複数セル間(主にマクロセルとスモールセルとの間)のトラフィックロードバランスの観点から最適なセルであるセルベストを探索することを「セルサーチ」と呼び、そのセルサーチに用いられる信号を同期信号(SS:Synchronization Signal)と呼ぶ。同期信号SSは、システム帯域の中央72サブキャリア分を用い、最小周波数帯域幅内で送信される。この最小周波数帯域幅内で同期信号SSを送信することにより、移動局装置30がシステムで使用されているシステム帯域幅を意識せずにセルサーチが可能となる。同期信号SSは2種類の符号系列を持っており、シンボルタイミング同期およびセルローカルID検出を目的としたプライマリ同期信号(PSS:Primary SS)と、無線フレーム同期およびセルグループID検出を目的としたセカンダリ同期信号(SSS:Secondary SS)とがある。これらの2系列の組合せを検出することにより、当該セルの識別情報である物理レイヤセルID(以下、「セルID」という。)を取得することが可能となる。また、複数アンテナ送信適用時の同期信号SSのプリコーディング方式として、移動局装置30がマクロセル基地局10の送信アンテナ数情報を用いずに送信ダイバーシティ効果を得るため、複数のプリコーディングベクトルを時間的に切り替えるPVS(Precoding Vector Switching)が適用可能である。
図6、無線フレームの第1のサブフレームにおいて同期信号(PSS,SSS)を含む時間スロットの2種類の構成例を示す説明図である。図6中の中段は、Normal CP(Cyclic Prefix)仕様を選択した場合の時間スロットの構成例であり、図6中の下段は、Extended CP(Cyclic Prefix)仕様を選択した場合の時間スロットの構成例である。同期信号(PSS,SSS)は、2種類のCP仕様のいずれにおいても、システム帯域内の中心の所定帯域Δfss(図示の例では945[kHz])にマッピングされる。
プライマリ同期信号(PSS)は、OFDMシンボルタイミング検出、セルローカルID検出、周波数オフセット推定などに使用される。また、プライマリ同期信号(PSS)では、送信信号系列として3種類のZadoff−Chu系列がセル間で繰り返し使用され、セルローカルIDを識別できるようになっている。
セカンダリ同期信号(SSS)は、上記2種類のCP仕様のいずれにおいてもCP長にかかわらず時間スロット中の同じ位置に設定され、10msフレームタイミング検出、セルグループID検出、Cyclic Prefix (CP)長検出などに使用される。また、セカンダリ同期信号(SSS)では、プライマリ同期信号(PSS)は、送信信号系列として504種類の擬似直交系列(2種類の長さ31のM系例を組み合わせ)がセル毎に変えて使用される。
〔物理報知チャネル(PBCH)〕
物理報知チャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)には、移動局装置30がセルサーチ後に最初に読むべき最低限の情報のみが含まれる。これらの情報はMIB(Master information Block)と呼ばれ、システム帯域幅やシステムフレーム番号(SFN:System Frame Number)等の基本情報が含まれる。その他のシステム情報であるSIB(System Information Block)に関しては、後述する物理共有データチャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)で送信される。PBCHは、送信アンテナ数に関わらず常に単一ストリーム送信であり、送信アンテナ数によってプリコーディング方式が異なるだけである。単一アンテナ送信時はPBCHのプリコーディングは適用されず、複数アンテナ送信時のPBCHのプリコーディング方式として、Alamouti符号に基づくSFBC(Space Frequency Block Coding)またはSFBC/FSTD(Space Frequency Block Coding/Fast Switching Transmit Diversity)が適用される。移動局装置30は、PBCHを復号することにより、当該セルの基地局のシステムフレーム番号(System Frame Number)、送信アンテナ数、システム帯域幅などの基本情報を取得することができる。また、PBCHもSSと同様にシステム帯域幅の事前情報なしで復号できる必要があるため、帯域の中心において最小帯域幅内で送信される。また、PBCHでは、誤り検出符号として巡回冗長検査(CRC:Cyclic Redundancy Check)符号が付与された後、誤り訂正符号として低符号化率のテイルビットを用いないTail−Biting畳み込み符号化された、セルID毎に異なるスクランブリング符号が乗算される。そのため、検出誤りに対する耐性が強化されていることが特徴である。
〔参照信号(RS)〕
図7及び図8はそれぞれ、LTE及びLTE−AdvancedのNormal CP仕様における下りリンクの参照信号の構成例を示す説明図である。
図7に示すように、LTEにおいてサブフレーム内の時間領域で14OFDMシンボルのうち、第1、5、8、12OFDMシンボル内、周波数領域で6サブキャリア間隔でセル固有参照信号(CRS:Cell-specific Reference Signal)はCC全体(周波数軸上および時間軸上)に分散して規則的に配置され常時送信される。また、CRSは、移動局装置30におけるチャネル品質情報(CSI:Channel State Information)の測定用の基準信号及びデータ復調用の基準信号という2つの役割を担っている。CRSはセルIDによって、異なるスクランブリングとマッピングされるサブキャリア位置の周波数シフトが適用される。
一方、LTE−Advancedでは、(i)下りリンク最大8アンテナ送信への拡張、(ii)Multi−User MIMO等における任意のプリコーディングに対応するため、CSI測定用基準信号とデータ復調用基準信号の2つの機能を分離し、それぞれCSI測定用参照信号(CSI−RS)と移動局装置それぞれに対応するUE固有参照信号(UE−RS)の2つの参照信号を新たに定義している。
図8に示すように、追加したCSI−RSがLTEの移動局装置に割り当てられたPDSCHへ与える干渉を最小限に抑えるため、CSI−RSはCRSに比較して複数サブフレーム毎に1回程度の長い周期で多重される。また、PDSCHにおける最大8レイヤのMIMO多重に対応するため、複数レイヤ間のUE−RSは直交符号により符号分割多重で送信される。これらのUE−RSは、典型的な伝搬環境における周波数軸上の補間精度を維持するため1RB当たり3サブキャリアの割合で挿入される。ただし、LTE−Advancedの移動局装置に割り当てられないRBではUE−RSは送信されない。なお、LTE−AdvancedにおいてもCRSが送信されている。これは、LTE−Advancedの基地局のエリア内で、LTEの移動局装置とLTE−Advancedの移動局装置を同一セル内で共存させる必要があることや、後述するL1/L2制御チャネルの復号を行う必要があるためである。
〔L1/L2制御チャネル(PCFICH、PHICH、PDCCH)〕
下りリンクL1/L2制御信号はLayer−1(L1)およびLayer−2(L2)に閉じた制御情報であり、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PHICH(Physical HARQ Indicator Channel)、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)という3つの異なる物理チャネルに対応する。
PCFICHは、PDCCHが使用するOFDMシンボル数を通知し、通常、間接的にサブフレーム内のデータ領域のスタートタイミングを示す。制御信号領域のサイズが1、2または3OFDMシンボルのどれに対応するかをPCFICHの中のCFI(Control Format Indicator)値により移動局装置30へ通知する。PCFICH情報の正確な復号は重要であり、仮に誤ると移動局装置30はサブフレーム内の制御チャネルとデータ領域のスタートタイミングを認識できなくなってしまう。また、PCFICHが、復号されるまで制御信号領域のサイズが分からないため、常に各サブフレームの先頭のOFDMシンボルにマッピングされる。
PHICHは、上りリンクの共有チャネルであるPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)に対する再送要求信号を通知する。PHICHは、PCFICHの指示によらず通常、各サブフレームの第1OFDMで送信される。また、PHICHは、MIBに設定するPHICH関連のパラメータにより、準静的に第1、第2、第3の3つのOFDMシンボル区間を用いて送信することも可能である。この場合は、制御信号領域のOFDMシンボル数はPCFICHの指示によらず3となり、データ領域のスタートタイミングは固定される。
PDCCHは、上下リンクのスケジューリングの決定や上りリンクの電力制御コマンドなどの制御情報(DCI:Downlink Control Information)の伝送に用いられる。DCIには、PDSCHリソース指示、伝送フォーマット、HARQ情報、および空間多重に関する制御情報を含む下りリンクスケジューリング割当てが含まれる。また、DCIには、PUSCHリソース指示、伝送フォーマット、HARQ関連情報を上りリンクスケジューリンググラントも含まれる。なお、上りリンクスケジューリンググラントには、PUSCH上り物理チャネルの電力制御のためのコマンドも含まれる。さらに、スケジューリング割当て/グラントにおける補助的なコマンドとなるUEのセットに対する電力制御コマンドもDCIに含まれる。
前述のように、各サブフレームは、下りリンクL1/L2制御チャネル信号のREがマッピングされる制御信号領域と、各ユーザのデータ信号およびL1/L2より上位レイヤの制御信号が含まれる物理共有チャネル信号のREがマッピングされるデータ領域とに分けられ、CRSに割り当てられたRE以外のREに対し、制御信号またはデータ信号が配置される。また、制御信号領域はリソース量に応じて各サブフレームの先頭1〜3OFDMシンボルである。LTE/LTE−Advancedの下りリンクL1/L2制御チャネルは、PBCHと同様、送信アンテナ数に関わらず単一ストリーム送信であり、送信アンテナ数によってプリコーディング方式が異なるだけである。例えば、単一送信アンテナではプリコーディングは適用されず、送信アンテナ数2および4の場合でSFBCおよびSFBC/FSTDがそれぞれ適用される。
〔物理共有チャネル(PDSCH)〕
PDSCHは、下りリンクデータを送信する物理チャネルであり、MIMO伝送方式としてMIMOダイバーシティに加え、LTEでは最大4レイヤのMIMO多重、LTE−Advancedでは最大8レイヤのMIMO多重に対応する。また、MIB以外の報知情報であるSIBや着信時の呼び出しであるページング情報、その他上位レイヤの制御メッセージ、例えばRRC(Radio Resource Control protocol)レイヤの制御情報もPDSCHで送信される。移動局装置30は、PDCCHから取得した無線リソース割当位置、変調方式、データサイズ(TB:Transport Block size)等の情報に基づいてPDSCHを復号する。
図9は、スモールセル基地局20から送信される共通信号(PSS,SSS,PBCH)とマクロセル基地局10から送信される共通信号(PSS,SSS,PBCH)との関係を示す説明図である。セル間同期環境では、前述の複数基地局間協調送信(CoMP−JT)や保護サブフレーム技術を適用することにより、下りリンクのデータ信号やL1/L2制御信号間のセル間干渉を低減または回避することができる。しかしながら、プライマリ同期信号(PSS)、セカンダリ同期信号(SSS)及び物理報知チャネル(PBCH)の報知信号は、各セルで必ず送信される共通信号であり、移動局装置30に対して下りリンク無線フレームにおける所定の周波数帯域及び時間スロットで固定的に送信される。従って、前述の複数基地局間協調送信(CoMP−JT)や保護サブフレーム技術を適用しても共通信号(PSS,SSS,PBCH)のセル間干渉が残存する。例えば、図9の例では、マクロセル基地局10から送信される共通信号(PSS,SSS,PBCH)が、スモールセル基地局20から送信される共通信号(PSS,SSS,PBCH)に干渉しており、このセル間干渉が残存する。この共通信号の干渉により、データ信号復調に不可欠なセル検出やタイミング検出特性の劣化が懸念される。特に、異種セルサイズ混在型のヘテロジーニアスセルラネットワーク(HetNet)の構成では、前述のCREなどのパラメータ設定を行ったときに、スモールセル20Aの共通信号がマクロセル10Aから大きな干渉を受ける。そのため、スモールセル20Aに接続する移動局装置30でのセル認識特性に影響を与える。また、セルIDが互いに異なるセル間での基地局間協調伝送(CoMP−JT)を適用する場合も、スモールセル20Aの共通信号はマクロセル10Aの共通信号からの大きな干渉を受けるため、同様の問題が発生する。
次に、上記LTE/LTE−Advancedの移動通信システムをモデル化したマルチセルリンクレベルシミュレーションにより、スモールセル20Aとマクロセル10Aとの境界付近に位置した移動局装置30が下りリンクの共通信号を受信するときの干渉がセルサーチ特性に与える影響を定量的に評価した結果について説明する。
ここで、移動通信システムにおけるセルサーチでは、移動局装置が、電源投入時、待受中および通信中に接続すべきセルのキャリア周波数、受信タイミング及びセルID(スクランブリングコード)を検出する。このセルサーチは、一般的に、「キャリア周波数同期」→「受信タイミング検出(タイミング同期)」→「セルID検出」の3つの手順で構成される。
電源投入時に実行される初期セルサーチでは、仕様で決められた周波数ラスタ上にある多数の候補のキャリア周波数(例えば、2GHz帯のみでも約300)の中からキャリアサーチを高速に行う必要がある。特に海外でのローミング時などではキャリアサーチを高速に行う必要がある。
また、待受中のセルサーチでは、移動局装置が常に最適なセルに在圏するために、待受中に周期的に在圏セルが最適かどうかを確認するための周辺セルサーチを繰り返す必要がある。なお、待受中、最適なセルが在圏セルと異なると判断された場合、上位レイヤの指示により「セル再選択」が実行される。この待受中のセルサーチでは、移動局装置の低消費電力化の観点から高速セルサーチが要求される。
また、通信中のセルサーチでは、「ハンドオーバ」時に連続的な通信を確保するために、周辺の受信レベルが低いセルを高速かつ高精度に検出されることが要求される。
〔システムモデル〕
本実施形態の移動通信システムの全体については次のようにモデル化した。前述の図1に示すように、本実施形態の移動通信システムは、同一周波数を用いてマクロセル10A内にスモールセル20Aがオーバラップする構成であり、スモールセル基地局20はマクロセル基地局10にサブフレーム同期している。スモールセル20Aをサービングセル、マクロセル10Aを干渉セルとし、図1内のマクロセル基地局10以外のマクロセル基地局から受ける移動局装置30への干渉はガウス雑音とみなす。また、残りのOFDMシンボルがデータ領域となる。また、本実施形態のモデル化した移動通信システムでは、スモールセル基地局20及びマクロセル基地局10はともにユーザ数が十分多い場合を想定して検討する。
図10は、シミュレーションで用いたセル構成の説明図である。
図10のセル構成では、21個のマクロセル10Aと、42個のスモールセルとが配置されている。マクロセル10Aは、3セクタセルであり、マクロセル基地局が位置する1箇所のマクロセルサイト10Sを中心に3つずつ正則配置されている。マクロセルサイト10S間の距離は500[m]である。スモールセルは、オムニセルであり、1箇所のマクロセル10Aあたり2箇所ずつランダムに配置されている。マクロセル基地局及びスモールセル基地局はそれぞれ2つのアンテナを備えている。また、移動局装置は2つのアンテナを備え、一様に分布するように配置されている。また、2アンテナによる下りリンクの共通信号の送信では送信ダイバーシティ効果を得るため、次のように行うものとしている。プライマリ同期信号(PSS)及びセカンダリ同期信号(SSS)については、[+1 +1]及び[+1 −1]のウェイトを5[ms]ごとに切り替えるプリコーディング・ベクトル・スイッチング(PVS:Precoding Vector Switching)を用いて送信する。また、物理報知チャネル(PBCH)の報知信号については、アンテナ数をブラインド検出し、時間方向の代わりにサブキャリア方向に時空間符号化を行うSFBC(Space Frequency Block Coding)を用いて送信する。
また、シミュレーションでは、PSSおよびSSSの受信信号の平均化区間をいずれも10[ms]として評価し、移動局装置が行うセルサーチは、次の2段階のステップで行うものとした。第1段階では移動局装置においてPSS/SSSがマッピングされている帯域幅でデシメーションされた受信信号とPSSの受信信号レプリカとの相互相関を時間領域で行うことにより、セルローカルID、基地局との周波数オフセットおよびPSSの受信タイミングをそれぞれ推定する。そして、受信信号に対し周波数オフセット補償を行った後、推定されたPSS受信タイミングに基づき,受信信号を周波数領域の信号へ変換する。第2段階では、第1段階のセルローカルID、PSS受信タイミングの推定結果をそれぞれ用い、周波数領域においてPSS受信信号から推定されたチャネル推定値を用いてSSS系列の同期検波復調を行い、SSS系列候補に対して周波数領域で相関検出を行うことにより、セルID、10msフレームタイミング、CP長を推定した。シミュレーションはセルID、フレームタイミング、CP長の推定結果のいずれかが間違っていた場合、第1段階および第2段階の処理を繰り返し実行するものとした。
表1は、シミュレーションの諸元をまとめた一覧表である。ただし、
セルレイアウト、シャドウイングモデル、アンテナ利得、アンテナパターンなどの評価条件は非特許文献5に記載のLTE−Advancedにおけるシステムレベル評価条件に準じて設定している。
図11は、CREが適用された異種セルサイズ混在型のヘテロジーニアスセルラネットワーク(HetNet)における移動通信システムのスモールセル内に在圏する移動局装置で実行する初期セルサーチ、周辺セルサーチ及びベストセル選択の処理手順の一例を示すシーケンス図である。この例は、移動局装置30がスモールセル基地局の近くに位置し、マクロセル基地局10から送信される共通信号の干渉の影響がない場合、すなわちスモールセル基地局20から送信される共通信号の受信強度もしくは受信品質がマクロセル基地局10から送信される共通信号の受信強度もしくは受信品質より高い場合を想定している。移動局装置30は電源投入後,最初の接続先セルを探索する初期セルサーチを行う。初期セルサーチでは、移動局装置はCREの適用有無の情報は持っていないため、受信品質が最も高いセルが検出される。移動局装置30とスモールセル基地局20との距離が短くスモールセル基地局20からの受信品質が高いため、初期セルサーチにおいて短時間で接続すべきベストセルを検出することができる。
図11において、移動局装置30は、初期セルサーチを実行した後、検出されたスモールセルのスモールセル基地局20から、PBCHの報知信号を受信してMIB(Master information Block)を取得する。更に、移動局装置30は、スモールセル基地局20から、PDSCHの共有データを受信してセル再選択における周辺セル情報を含むSIB(System Information Block)を取得する。また、このSIBには、セル再選択制御パラメータが含まれており、例えばCREバイアスに相当する周辺セルを含む各セルのRSRPに対するオフセット量設定に関する制御情報が含まれている。
次に、移動局装置30は、MIB及びSIBの情報に基づいて周辺セルサーチを実行する。図11の周辺セルサーチでは、初期セルサーチで検出されたスモールセルよりも受信品質が小さなマクロセルはスモールセルのRSRPまたはRSRQより低いかまたは検出されないため、移動局装置30はスモールセルを接続対象のベストセルとして選択する。
次に、移動局装置30は、セル接続制御を開始するためのランダムアクセスプリアンブルをスモールセル基地局20に送信し、ランダムアクセス応答をスモールセル基地局20から受信し、上りリンクタイミングを調整する処理を実行する。
次に、移動局装置30がスモールセル基地局20にRRC(Radio Resource Control)接続コマンドを送信すると、スモールセル基地局20はコアネットワーク40側にサービス要求を送信する。コアネットワーク40が、サービス要求を送信してきたスモールセル基地局20に初期コンテキストセットアップ要求を送信すると、スモールセル基地局20は移動局装置30にRRC接続セットアップを送信する。移動局装置30は、RRC接続セットアップに基づいて無線回線のセットアップ処理を実行し、移動局装置30とスモールセル基地局20との間で無線回線が確立される。
次に、セキュリティモードの設定処理を行った後、スモールセル基地局20は、セル再選択制御パラメータとしてのCREバイアスの情報を含むRRC接続再設定を移動局装置30に送信する。移動局装置30がハンドオーバにおける周辺セル情報を含むRRC接続再設定に基づいて無線回線の再設定処理を実行すると、移動局装置30とスモールセル基地局20との間で無線回線が再確立され、スモールセル基地局20を介して移動局装置30とコアネットワーク40との間でユーザデータの送受信が可能になる。なお、このRRC接続再設定には、ハンドオーバ制御パラメータに関する設定情報が含まれており、例えばCREバイアスに相当する周辺セルを含む各セルのRSRPやRSRQに対するオフセット量設定に関するの制御情報に加えて、ハンドオーバにおける接続先セル候補をランキングするためRSRPとRSRQどちらの測定量を用いるかのパラメータ設定情報も含まれている。
図12は、CREが適用されたHetNetにおける移動通信システムのスモールセル内に在圏する移動局装置で実行する初期セルサーチ及びベストセル選択の処理手順における他の例を示すシーケンス図である。この例は、移動局装置30がスモールセルのセル端に位置する場合を示している。但し、CRE適用により、スモールセル端においてマクロセル基地局10から送信される共通信号の受信品質がスモールセル基地局20から送信される共通信号の受信品質より高い場合を想定している。ここで、移動局装置30がスモールセル基地局20から受信する受信電力がマクロセル基地局10から受信する受信品質よりも低いため、初期セルサーチでは受信品質の最も高いマクロセルが検出される。なお、図12において、図11と共通する部分については説明を省略する。
図12において、移動局装置30は、初期セルサーチを実行した後、検出されたマクロセルのマクロセル基地局10から、PBCHの報知信号を受信してMIBを取得する。更に、移動局装置30は、マクロセル基地局10から、PDSCHの共有データを受信して周辺セル情報を含むSIBを取得する。また、このSIBには、セル再選択制御パラメータが含まれており、例えばCREバイアスに相当する周辺セルを含む各セルのRSRPに対するオフセット量設定に関する制御情報が含まれている。
次に、移動局装置30は、MIB及びSIB内の周辺セル情報に基づいて周辺セルサーチを一定周期で実行する。図12の例のように、マクロセルとの間でRRC接続設定が確立前に周辺セルサーチが行われる場合、セル再選択先候補となる周辺のセルを検出する。複数のセルが検出された場合には、各セルのRSRPとSIBに含まれる各セルに対するオフセット量に基づいて、接続先セルの優先順位を評価するセルランキングにおいてオフセット適用後のRSRPの値が一番大きいセルを接続対象セルとして最適なベストセルとして選択する。このとき、スモールセルに対するセル再選択制御パラメータ設定として、スモールセルのRSRP値に対してより大きな値にオフセット量を与えるほど、セル再選択処理においてスモールセルの選択確率がより向上することが期待される。セル再選択処理におけるベストセルとして、スモールセルが選択された後、図11と同様に、移動局装置30とベストセルのスモールセルとの間で回線が確立される。ここで、なお、図12の例とは異なるが、移動局装置では、マクロセルとの間でRRC接続設定が確立された後も最適なハンドオーバ先セルを探索するための周辺セルサーチ(「通信中セルサーチ」とも呼ばれる)を一定周期で実施する。RRC接続設定確立中、移動局装置ではRRC接続再設定に含まれるハンドオーバ制御パラメータの周辺セル情報に基づき選択されたセルにハンドオーバする処理が実行される。ハンドオーバ制御パラメータ設定としてスモールセルのRSRP値またはRSRQ値に対してより大きなオフセット量を与えるほど、スモールセルがハンドオーバ先候補としてより優先されるため、スモールセルへの接続率が向上されることが期待される。
次に、前述の初期セルサーチ及び周辺セルサーチにおいてセルIDを特定するセル検出特性(セル認識特性)の評価について説明する。ここでは、各セルのCREバイアス値に基づくオフセットが適用された後のRSRP値が最大となるセルをベストセルと定義し、評価するものとする。LTE/LTE−Advancedにおけるセル識別情報としてのセルID(非特許文献4参照)は、3種類のセルローカルIDと168種類のセルグループIDとの組合せにより決定され、計504種類のセルIDがある。セルIDはセル間で全て異なる値となるように以下の(1)〜(3)の手順で決定される。
(1)まず、セルグループIDをサイト間で互いに異なるようにランダムに割り当てる。このとき、同一マクロセルサイト内の3つのマクロセルは同じセルグループIDが割り当てられる。
(2)次に、マクロセル間で同一セルローカルIDの繰り返し距離が最大となるよう同一マクロセルサイト内の3つのマクロセルに互いに異なるセルローカルIDを割り当てる。
(3)スモールセルのセルローカルIDはエリアがオーバラップするマクロセルのセルローカルIDと異なるセルローカルIDを設定し、同一マクロセルエリア内のスモールセルのセルローカルIDが互いに異なるように割り当てる。
図13は、共通信号のセル間干渉の影響がない場合のセル検出(認識)、すなわちセル検出が理想的に行われた場合についてマクロセル及びスモールセルそれぞれをベストセルとして検出する移動局装置(UE)の比率を評価した評価結果を示すグラフである。図13の横軸はスモールセルに対するCREバイアス値(正の値)である。また、図13中の実線はスモールセルをベストセルとして検出した移動局装置(Pico UE)の比率であり、破線はマクロセルをベストセルとして検出した移動局装置(Macro UE)の比率である。また、マクロセル数対スモールセル数は21:42=1:2であり、移動局装置は一様に分布しているとした。
図13に示すように、セル検出が理想的である場合は、スモールセルに対するCREバイアス値(正の値)の増大に伴い、ベストセルとしてマクロセルを検出する移動局装置の比率は減少し、スモールセルを検出する移動局装置の比率は増大する。例えば、スモールセルを検出する移動局装置の比率は、約18%(@CREバイアス値=0dB)、約44%(@CREバイアス値=10dB)、約60%(@CREバイアス値=15dB)というように、CREバイアス値(正の値)に伴って増大する。また、CREバイアス値として負の値を設定した場合のセル検出に対するCREバイアス値の効果は、上記評価結果とは逆の効果になる。つまり、CREバイアス値(負の値)の絶対値の増大に伴い、ベストセルとしてマクロセルを検出する移動局装置の比率は増大し、スモールセルを検出する移動局装置の比率は減少する。
図13の評価結果からわかるように、セル検出が理想的である場合は、スモールセルに対するCREバイアス値(正の値)が大きくするほど、マクロセルからスモールセル(ピコセル)へのトラフィックオフロード効果を上げることができる。
図14及び図15は、共通信号のセル間干渉があるセル検出が理想的でない場合について初期セルサーチにおけるマクロセル及びスモールセルそれぞれをベストセルとして検出する移動局装置のセル検出特性を評価した結果を示すグラフである。図14は基地局間が互いに時間同期された環境(以下「基地局間同期環境」という。)でのセル検出時間のCDF(累積分布関数)特性の評価結果である。図15は基地局間が互いに時間同期されていない環境(以下「基地局間非同期環境」という。)でのセル検出時間のCDF特性の評価結果である。図中の横軸は初期セルサーチ開始からセル検出するまでのセル検出時間であり、縦軸は各セル検出時間におけるセル検出の累積確率である。
図14及び図15は、約99.5%以上の場所的確率(以下、適宜「場所率」という。)で20[ms]以内に少なくとも1つの正しいセル(マクロセルまたはスモールセル)を検出できることを示している。但し、図14の基地局間同期環境の場合は、図15の基地局間非同期環境に比べて若干初期セルサーチ時間が増大している。このように基地局間同期環境で初期セルサーチ時間が増大するのは、プライマリ同期信号(PSS)は3種類しかなく、基地局間同期環境では同一タイミングで到来するPSSが互いに干渉することにより、セカンダリ同期信号(SSS)の同期検波で用いるチャネル推定値が劣化するためである。
また、スモールセルのエリア内の初期セルサーチ時間特性はCREバイアス値にほとんど依存しない。このようにCREバイアス値にほとんど依存しないのは、最大受信電力となる同期信号(PSS/SSS)の受信SIR(Signal to Interference Ratio)は場所によって決まり、CREバイアス値に依存しないためである。
図16は、移動局装置が初期セルサーチにおいてスモールセルをベストセルとして検出できる確率を場所率で評価した結果を示すグラフである。図16の評価は、スモールセルに対してCREバイアス値(正の値)を適用した後の平均受信電力に基づき、ベストセルとしてスモールセルに接続されるべきエリア(スモールセルエリア)と、ベストセルとしてマクロセルに接続されるべきエリア(マクロセルエリア)とに区分けして行った。図16の縦軸は、初期セルサーチでスモールセルが検出される確率(場所率)である。
図16中の符号Aで示すデータは、スモールセルエリアのみの場合の評価結果であり、スモールセルエリア内の移動局装置(スモールセルへ最初に接続されるべき移動局装置)の初期セルサーチでスモールセルが検出できる場所率を示している。この場合のスモールセルの場所率は、基地局間同期環境及び基地局間非同期環境のいずれにおいても、CREバイアス値の増大に伴って減少している。例えば、CREバイアス値が0[dB]のときのスモールセルの場所率は約86%であり、CREバイアス値が15[dB]のときのスモールセルの場所率は約29%である。このようにスモールセルの場所率がCREバイアス値の増大に伴って減少しているのは、CREバイアス値が大きくなるほど、スモールセルエリアのうちCREにより拡張されたセル端のエリアではスモールセル基地局から送信される同期信号の受信SIRが劣化した影響による。
一方、図16中の符号Bで示すデータは、マクロセルエリア及びスモールセルエリアを含む全体エリアの場合の評価結果であり、スモールセルへ最初に接続されるべき移動局装置の初期セルサーチでスモールセルが検出できる場所率を示している。この場合、移動局装置は最も受信電力の強い基地局を検出するため、全体エリアにおけるスモールセルを検出可能な場所率は、CREバイアス値によらず一定である。このようにCREバイアス値にほとんど依存しないのは、最大受信電力となる同期信号(PSS/SSS)の受信SIR(Signal to Interference Ratio)は場所によって決まり、CREバイアス値に依存しないためである。
図16に示すように、異種セルサイズ混在型のヘテロジーニアスセルラネットワーク(HetNet)では、CREバイアス値の設定によって初期セルサーチによってスモールセルを検出できないスモールセルエリア内の移動局装置が発生しやすくなる。従って、このようなスモールセルエリア内の移動局装置は初期セルサーチに続く周辺セルサーチにより、所望のスモールセル(ベストセル)を検出する必要がある。
図17は、周辺セルサーチにおけるスモールセルエリア内に位置する移動局装置の所望スモールセル検出時間特性を評価した結果を示すグラフである。図中の横軸は、スモールセルエリア内で周辺セルサーチ開始から所望のスモールセル(ベストセル)を検出するまでのセル検出時間であり、縦軸は所望のスモールセル(ベストセル)の検出に必要な時間累積確率である。
図17において、基地局間同期環境及び基地局間非同期環境それぞれの場合のスモールセルエリア内に位置する移動局装置(スモールセルへ最初に接続されるべき移動局装置)の周辺セルサーチにおける90%の累積確率で評価すると、所望のスモールセル(ベストセル)を検出するのに必要な時間(所望スモールセル検出時間)は次のようになる。
(1)基地局間同期環境
・約20[ms](CREバイアス値=6[dB])
・約60[ms](CREバイアス値=15[dB])
(2)基地局間非同期環境
・約20[ms](CREバイアス値=6[dB])
・約100[ms](CREバイアス値=15[dB])
図17に示すように、スモールセルに対するCREバイアス値(正の値)が大きくなるほど、スモールセルエリア内に位置する移動局装置の周辺セルサーチにおける所望スモールセル検出時間が増大する。このように所望スモールセル検出時間が増大するのは、CREバイアス値が大きくなるほど、スモールセルのセル端で移動局装置がスモールセルの同期信号を受信するときの受信SIRが劣化するためである。この傾向は、基地局間同期環境(基地局間同期モード)に比べ、基地局間非同期環境(基地局間非同期モード)で顕著である。基地局間同期環境では、全てのセルで同期信号の受信タイミングはほぼ同じとなるのに対し、基地局間非同期環境では、全てのセルの同期信号の送信タイミングがランダムである結果、シンボルタイミングの誤検出が増えるためである。
図18は、スモールセルエリアに位置する移動局装置が周辺セルサーチにおいてベストセルとなるスモールセルを検出できる検出確率を場所率で評価した結果を示すグラフである。図18の縦軸は、周辺セルサーチで所望のスモールセルが検出される確率(場所率)である。
ここで、移動局装置におけるRRC接続再確立(Radio Resource Control connection re-establishment)におけるセルサーチ時間(Tsearch)への要求条件は次のとおりである(非特許文献10参照)。
search=100[ms](移動局装置が接続対象のセルを知っている場合)
search=800[ms](移動局装置が接続対象のセルを知らない場合、基地局間同期)
そこで、図18では、一例として、Tsearch=100[ms]以内に所望のスモールセルを検出できる確率(場所率)を評価した。
図18に示すように、基地局間同期環境及び基地局間非同期環境に関わらず、CREバイアス値の増大に伴い、周辺セルサーチにおいてスモールセルエリア内の移動局装置のスモールセル検出確率が低下している。このようにスモールセル検出確率が低下するのは、CREにより拡張されたスモールセルエリアでは、CREバイアス値の増大に伴い、スモールセルの同期信号の受信SIRが劣化するためである。周辺セルサーチでは、CREバイアス値が10[dB]を超える領域からスモールセルを検出できない場所が顕著に増える。セル検出性能の観点から,実用的に使用可能なCREバイアスの設定値は10[dB]以下である。10[dB]以上のCREバイアス値を適用するためには、同期信号における残留干渉問題を軽減する手法が必要である。
以上、LTE/LTE−AdvancedのHeNet環境の移動通信システムをモデル化したマルチセルリンクレベルシミュレーションにより、CREバイアス値と移動局装置におけるセル検出特性との関係を評価した結果、基地局間同期環境及び基地局間非同期環境に関わらず、大きなCREバイアス値が適用される程、CREにより拡張されたスモールセルエリアにおいて同期信号の受信SIRが劣化するため、次の(1)及び(2)の問題が発生することを確認できた。
(1)初期セルサーチにおけるスモールセルエリア内でのスモールセル検出可能な場所率の低下
(2)周辺セルサーチにおけるスモールセルエリア内での所望スモールセル検出時間の増大(10[dB]以上のCREバイアス値が適用された場合、100[ms]以内に所望スモールセルを検出できない確率(場所)が急激に増大)
また、物理報知チャネル(PBCH)においてもセル検出用同期信号(PSS/SSS)と同様のセル間干渉問題が残存するため、CREが適用されたHetNet環境では、CREによって拡張されたスモールセルエリアにおけるPBCHの検出成功率の低下が懸念される。
そこで、本実施形態の移動通信システムでは、上記LTE/LTE−Advancedにおける下りリンクの共通信号(PSS/SSS/PBCH)のセル間干渉が移動局装置における当該共通信号を用いた動作性能(セル検出性能及び報知情報検出性能)に与える影響を抑制又は防止するために、次の(1)及び(2)の解決手段の少なくとも一方を用いた。
(1)送信電力配分制御を用いた共通信号の受信性能の改善→基地局装置のパラメータの調整
(2)逐次干渉キャンセラを用いた共通信号の受信性能の改善→移動局装置の構成の改良
〔送信電力配分制御を用いた共通信号の受信性能の改善〕
まず、送信電力配分制御を用いて共通信号の受信性能を改善する基地局装置のパラメータの調整について説明する。この解決手段では、CREバイアス値に合せて、各セルの共通信号に割り当てる電力配分を調整することにより、CREバイアス値の設定により拡張されたセルエリアの共通信号の受信性能を向上させるものであり、基地局間同期環境及び基地局間非同期環境の両方において効果がある。
前述の図4及び図6に示すように、LTE/LTE−Advancedにおいてスモールセル基地局20から送信される共通信号(PSS/SSS/PBCH)は伝送帯域の中央に位置する945[kHz]帯域幅で送信される信号であり、全帯域幅(5[MHz],10[MHz],20[MHz]等)で送信される信号ではない。そこで、本実施形態では、CREバイアス値の設定に応じて、共通信号(PSS/SSS/PBCH)が含まれるサブフレーム内で当該共通信号に割り当てる送信電力を調整する送信電力配分制御を実行している。
図19(a)及び(b)はそれぞれ、共通信号の1つであるPSSに割り当てる送信電力を調整する送信電力配分制御の実行前及び実行後におけるサブフレーム内の様子の一例を概念的に示す説明図である。図19(a)に示すように、従来のPSSを含むサブフレームでは、PSS及び物理共有チャネル(PDSCH)それぞれにリソース(送信電力)が割り当てられている。これに対し、本実施形態では、スモールセルに対するCREバイアス値の設定に応じて、スモールセルにおいて共通信号(PSS/SSS/PBCH)が含まれるサブフレーム内で物理共有チャネル(PDSCH)へのリソース(送信電力)の割り当てを制限している。そして、スモールセルに対するCREバイアス値の設定に応じて、図19(b)に示すように当該サブフレームおいて余ったスモールセル基地局の送信電力を共通信号(PSS/SSS/PBCH)の送信電力増幅分として配分する技術(Power Boosting)を採用している。これにより、スモールセルのセル端での移動局装置による共通信号(PSS/SSS/PBCH)の受信SIRを改善し、CREのバイアス値の設定によって移動局装置において発生しやすくなる共通信号のセル間干渉がその移動局装置における当該共通信号を用いた動作性能に与える影響を抑制又は防止することができる。特に、CREのバイアス値の設定によって発生しやすくなる複数セル間のトラフィックロードの観点から最適なベストセルの検出やそのベストセルに対する報知情報の検出に用いられる共通信号(PSS/SSS/PBCH)のセル間干渉が、移動局装置における当該共通信号を用いた動作性能に与える影響(ベストセル検出性能劣化や報知情報の検出性能劣化)を抑制又は防止することができる。
次に、上記共通信号の送信電力配分制御の具体例を、基地局の種類(スモールセル基地局、マクロセル基地局)とCREバイアス値の極性(正、負)との組み合わせが互いに異なる複数種類の場合について説明する。
<送信電力配分制御例1:スモールセル基地局>
本例は、スモールセルのカバレッジを拡大または接続率を増加させるようにスモールセルに正のCREバイアス値を設定した場合にスモールセル基地局の共通信号の送信電力の配分を制御する例である。
本例のように、スモールセルに正のCREバイアス値を設定した場合は、例えば、スモールセル基地局における他の物理チャネルの信号に対して共通信号の送信電力密度を増大するように制御する。これにより、拡大されたスモールセルのセル端における移動局装置の共通信号の受信SIRを改善することができる。
また、スモールセルに正のCREバイアス値を設定した場合は、スモールセル基地局から送信される共通信号が含まれるサブフレームにおいて他の物理チャネルへの電力配分を制限するように制御してもよい。これにより、スモールセル基地局から送信される送信信号の平均電力若しくはピーク電力又は平均電力とピーク電力との比(PAPR)の増大を抑制できる。
また、スモールセルに正のCREバイアス値を設定した場合は、スモールセル基地局から送信される送信信号の平均電力若しくはピーク電力又は平均電力とピーク電力との比(PAPR)が許容範囲に収まる範囲でスモールセル基地局の共通信号の電力密度を調整するように制御してもよい。これにより、スモールセル基地局から送信される送信信号の歪の発生を抑制しつつ、最大限、スモールセルの共通信号の受信SIRを改善することができる。
<送信電力配分制御例2:スモールセル基地局>
本例は、スモールセルのカバレッジを縮小または接続率を抑制させるようにスモールセルに負のCREバイアス値を設定した場合にスモールセル基地局の共通信号の送信電力の配分を制御する例である。本例は、スモールセル付近にユーザが集中しすぎる場合に、マクロセルへオフロードを図りたいケースである。
本例のように、スモールセルに負のCREバイアス値を設定した場合は、例えば、スモールセル基地局における他の物理チャネル信号に対し、スモールセル基地局における共通信号の送信電力密度を低減するように制御する。これにより、縮小されたスモールセルのセル端の近傍におけるマクロセル部分での移動局装置の共通信号の受信SIRを改善することができる。
また、スモールセルに負のCREバイアス値を設定した場合は、スモールセル基地局から送信される送信信号の平均電力若しくはピーク電力又は平均電力とピーク電力との比(PAPR)が許容範囲に収まる範囲でスモールセル基地局の共通信号の電力密度を調整するように制御してもよい。これにより、スモールセル基地局から送信される送信信号の歪の発生を抑制しつつ、最大限、共通信号の受信SIRを改善することができる。
<送信電力配分制御例3:マクロセル基地局>
本例は、スモールセルのカバレッジを拡大または接続率を増加させるようにスモールセルに正のCREバイアス値を設定した場合にマクロセル基地局の共通信号の送信電力の配分を制御する例である。
本例のように、スモールセルに正のCREバイアス値を設定した場合は、例えば、マクロセル基地局における他の物理チャネル信号に対し、マクロセル基地局における共通信号の送信電力密度を抑制(低減)するように制御する。これにより、拡大されたスモールセルのセル端における移動局装置の共通信号の受信SIRを改善することができる。
また、スモールセルに正のCREバイアス値を設定した場合は、マクロセル基地局から送信される送信信号の平均電力若しくはピーク電力又は平均電力とピーク電力との比(PAPR)が許容範囲に収まる範囲でマクロセル基地局の共通信号の電力密度を調整するように制御してもよい。これにより、マクロセル基地局から送信される送信信号の歪の発生を抑制しつつ、最大限、スモールセルの共通信号の受信SIRを改善することができる。
<送信電力配分制御例4:マクロセル基地局>
本例は、スモールセルのカバレッジを縮小または接続率を抑制させるようにスモールセルに負のCREバイアス値を設定した場合にマクロセル基地局の共通信号の送信電力の配分を制御する例である。本例は、スモールセル付近にユーザが集中しすぎる場合に、マクロセルへオフロードを図りたいケースである。
本例のように、スモールセルに負のCREバイアス値を設定した場合は、例えば、マクロセル基地局における他の物理チャネル信号に対し、マクロセル基地局における共通信号の送信電力密度を増大させるように制御する。これにより、これにより、縮小されたスモールセルのセル端の近傍におけるマクロセル部分での移動局装置の共通信号の受信SIRを改善することができる。
また、スモールセルに負のCREバイアス値を設定した場合は、マクロセル基地局から送信される共通信号が含まれるサブフレームにおいて他の物理チャネルへの電力配分を制限するように制御してもよい。これにより、マクロセル基地局から送信される送信信号の平均電力若しくはピーク電力又は平均電力とピーク電力との比(PAPR)の増大を抑制できる。
また、スモールセルに負のCREバイアス値を設定した場合は、マクロセル基地局から送信される送信信号の平均電力若しくはピーク電力又は平均電力とピーク電力との比(PAPR)が許容範囲に収まる範囲でマクロセル基地局の共通信号の電力密度を調整するように制御してもよい。これにより、マクロセル基地局から送信される送信信号の歪の発生を抑制しつつ、最大限、共通信号の受信SIRを改善することができる。
上記送信電力配分制御例1〜4によれば、CREを適用したHetNetにおいてスモールセルのセル端又はそのセル端の近傍のマクロセルにおいて、移動局装置による共通信号(PSS/SSS/PBCH)の受信品質を改善することができる。
なお、上記送信電力配分制御例1〜4において、共通信号(PSS/SSS/PBCH)以外の送信信号の送信電力密度に対する共通信号の送信電力密度へ与えるオフセット値をCREバイアス値以下にしてもよい。これにより、共通信号への送信電力の配分を減らし、余剰電力を共通信号以外の信号に対する送信電力の増加分として配分することができるため、下りリンク無線フレームにおける共通信号が含まれるサブフレーム内で使用されない無効な送信電力リソースを減らすことができる。
図20は、本実施形態の送信電力配分制御を実行可能なスモール基地局20及びマクロセル基地局10を構成する基地局装置の要部構成の一例を示す機能ブロック図である。図20は、L1/L2制御チャネル(PDCCH)の下りリンク制御信号を共通信号(PSS、SSS、PBCH)とともに送信する場合の例を示している。
図20において、下りリンクの専用制御情報である各DCI(下りリンク制御情報)のビット列は、CRC付与(CRC bits attachment)部101で16ビットのCRC(巡回冗長検査符号)が付与され、通信路符号化器(Channel encoder)102で誤り訂正符号化される。CRCビットに対するマスクパターンを移動局識別情報であるUE−ID毎に変えることにより、受信側の移動局装置は自局宛のDCIを識別することができる。
誤り訂正符号化されたDCIは、予め定められた送信ビット数となるように、レートマッチング(Rate matching)部103でレートマッチング(リピテーションまたはパンクチャリング)される。
レートマッチングされた後のあるUE−IDのPDCCHブロックは、専用制御情報マルチプレクサ(Dedicated control channel MUX)104により、その他のUE−IDのPDCCHブロックと多重される。多重されたPDCCHブロックは、スクランブリング(Scrambling)部105でセル固有およびサブフレーム番号固有のスクランブリングがかけられた後、IQマッピング(I/Q mapping)部106で複素シンボルに変換される。そして、複素シンボルの系列はレイヤマッピング(Layer mapping)部107では複数アンテナ送信を適用するためのマッピング処理が行われた後、プリコーティング(Precoding)部108で送信アンテナ数に応じたプリコーディング行列が乗積され、送信アンテナに対応して設けられた物理チャネルマルチプレクサ(Physical channel MUX)109−1〜109−2に入力される。
各物理チャネルマルチプレクサ109−1〜109−2では、PDCCHブロックがその他の物理チャネル(PSS、SSS、PBCH、CRS、PDSCH等)と時間多重または周波数多重され、OFDM方式で変調された送信信号が生成される。
物理チャネルマルチプレクサ109−1〜109−2は、図示しないCPUなどで構成されたコントローラで制御されることにより、前述のCREバイアス値の設定に応じて下りリンク無線フレームにおける共通信号(PSS、SSS、PBCH)が含まれるサブフレーム内で共通信号に割り当てる送信電力を調整する手段としても機能し、前述の送信電力配分制御例1〜4等を実行することができる。
各物理チャネルマルチプレクサ109−1〜109−2から出力された送信信号は、逆高速フーリエ変換(IFFT)部110−1,110−2で逆フーリエ変換され、並直列変換器(P/S)111−1,111−2で直列信号に変換される。各並直列変換器111−1,111−2の出力信号は、CP(サイクリックプレフィックス)付加(CP add.)部112−1,112−2でガードインターバルに相当するCPが付加された後、図示しない混合器で搬送周波数に周波数変換され、電力増幅器(TX RF)113−1,113−2で電力増幅されてアンテナ114−1,114−2から送信される。
次に、前述のマルチセルリンクレベルシミュレーションにより、スモールセル基地局に上記送信電力配分制御(Power Boosting)を適用したときのセルサーチ特性における効果を定量的に評価した結果について説明する。
図21は、スモールセルに設定する正のCREバイアス値を変化させたときの初期セルサーチにおけるスモールセル検出可能場所率の改善効果を示すグラフである。図21の横軸は、スモールセル基地局における他の物理チャネルの信号に対して同期信号(PSS,SSS)の送信電力密度を増大させる値[dB]であり、同期信号(PSS/SSS)以外の送信信号の送信電力密度に対する同期信号の送信電力密度へ与えるオフセット値(以下「同期信号電力オフセット値」といい、図中では「SCH EPRE」で示す。)である。また、図21の縦軸は、初期セルサーチにおいて初めて検出されるセルがスモールセルである場所率である。
図22は、スモールセルに設定する正のCREバイアス値を変化させたときの周辺セルサーチにおける所望スモールセルの検出可能な場所率の改善効果を示すグラフである。図22の横軸は、スモールセル基地局における他の物理チャネルの信号に対して同期信号(PSS,SSS)の送信電力密度を増大させる同期信号電力オフセット値である。また、図22の縦軸は、周辺セルサーチにおいて所定の許容時間(図示の例では100[ms])以内に所望のスモールセルを正しく検出できる場所率を示している。図22に示すように、CREバイアス値が15[dB]でも、同期信号電力オフセット値(SCH EPRE)を9[dB]まで上げることにより、スモールセルの検出成功率をほぼ100%にすることができる。
図22に示すように、前記同期信号電力オフセット値を設定して送信電力配分制御(Power Boosting)を適用し、スモールセル基地局側の同期信号(PSS/SSS)の送信電力を大きく割り当てることにより、スモールセルのセル端における同期信号の受信SIRを改善することができる。従って、スモールセルに大きなCREバイアス値が設定されたHetNetにおいてスモールセルのセル端における所望スモールセルの検出を見逃す場所率を低減することができる。
〔逐次干渉キャンセラを用いた共通信号の受信性能の改善〕
次に、逐次干渉キャンセラを用いて共通信号の受信性能を改善する移動局装置の構成の改良について説明する。
この逐次干渉キャンセラでは、共通信号の受信電力の強いセルから順に検出し、検出されたセルの同期信号(PSS/SSS)及び物理報知チャネル(PBCH)の受信信号レプリカを作成し、検出されたセルの共通信号の一部または全ての成分を受信信号から順次除去する。これにより、共通信号の受信電力の弱いセルの共通信号の受信性能を向上させる。この逐次干渉キャンセラを用いた共通信号の受信性能の改善は、特に基地局間同期環境での適用効果が期待される。
図23は、本実施形態の逐次干渉キャンセラを適用可能な移動局装置30の要部構成の一例を示す機能ブロック図である。図23の例は、逐次干渉キャンセラを適用して共通信号(PSS、SSS、PBCH)を受信するとともに、L1/L2制御チャネル(PDCCH)の下りリンク制御信号を受信する場合の例を示している。通信中の移動局装置30は、同期信号(SS)の受信信号を用いて、サービングセルとしてのスモールセル20Aのみならず、干渉となる周辺セルであるマクロセル10Aについても受信電力を測定している。
図23において、移動局装置30はまず、各アンテナ301−1,301−2及び高周波増幅器(RX−RF)302−1,302−2を介して受信した同期信号(SS)の受信信号から、セルサーチ・タイミング検出(Cell search & Timing detection)部303でフレームタイミングを検出し、CP削除(CP del.)部304−1,304−2によりCyclic Prefix区間の受信信号を除去した後、直並列変換器(S/P)305−1,305−2で並列信号に変換される。各直並列変換器の出力信号は、高速フーリエ変換(FFT)部306−1,306−2によりサブキャリア毎の信号に変換された後、多重分離部(DEMUX)307−1,307−2により、送信側で時間多重または周波数多重されたPDCCHのブロックとその他の物理チャネル(PSS、SSS、PBCH、CRS、PDSCH等)のブロックとが分離される。
なお、セルサーチ・タイミング検出部303は、周辺セルの受信レベルを常にモニターし、そのモニター結果に基づいて、下りリンク共通信号のセル間干渉キャンセル対象の主要な干渉セルのセルIDを選択して出力する処理や、下りリンクL1/L2制御チャネルにおけるセル間干渉キャンセル対象の主要な干渉セルのセルIDを選択して出力する処理も行う。すなわち、セルサーチ・タイミング検出部303は、下りリンク無線フレームで受信された受信信号に基づいて、移動局装置30が接続しているセル以外の周辺のセルを検出する手段としても機能する。
サービングセル用のチャネル推定・物理報知チャネル復調(Channel estimation & PBCH decoding for serving-cell)部308は、サービングセルの基地局(スモールセル基地局20)の各送信アンテナから移動局装置30の各受信アンテナまでのチャネル応答(伝送路応答)を推定する。このチャネル応答の推定は、多重分離部(DEMUX)307−1,307−2から出力されるセル固有参照信号(CRS)と、セルサーチ・タイミング検出部303から出力されるサービングセルのセルIDとに基づいて行われる。
また、干渉セル用のチャネル推定・物理報知チャネル復調(Channel estimation & PBCH decoding for interfering-cell)部309は、主要な干渉セルの基地局(マクロセル基地局10)の各送信アンテナから移動局装置30の各受信アンテナまでのチャネル応答(伝送路応答)を推定する。このチャネル応答の推定は、多重分離部(DEMUX)307−1,307−2から出力されるセル固有参照信号(CRS)と、セルサーチ・タイミング検出部303から出力されるセル間干渉キャンセル対象の主要な干渉セルのセルIDとに基づいて行われる。
干渉キャンセル・希望信号合成(Interference canceling & desired signal combining)部310は、図示しないコントローラで制御されることにより、後で例示するような共通信号(PSS、SSS、PBCH)に対する逐次干渉キャンセラの処理を実行する。すなわち、干渉キャンセル・希望信号合成部310は、検出された周辺のセルにおいて下りリンク無線フレームにおける共通信号(PSS、SSS、PBCH)を受信信号から抽出し、周辺のセルに対応する共通信号の受信信号レプリカを生成する手段、及び、周辺のセルに対応する共通信号の受信信号レプリカを用いて、検出されたセルに対応する共通信号の一部又はすべての成分を受信信号から除去する手段としても機能する。
更に、干渉キャンセル・希望信号合成部310は、チャネル評価・物理報知チャネル復調部308,309から各チャネル応答の推定結果として出力されたサービングセル及び主要干渉セルそれぞれのチャネル品質情報(CSI)を用い、前述の最大比合成(MRC)やZero−Forcing(ZF)の受信信号処理アルゴリズムの処理手順に基づいて、PDCCH部分の受信信号から干渉成分を除去した軟判定シンボルを得る。通信路対数尤度比生成(Channel LLR per coded bit generation)部311は、干渉キャンセル・希望信号合成部310から出力された軟判定シンボルに基づいて、PDCCHのビット毎の対数尤度比(LLR)を生成する。復号・多重分離(De-scrambling dedicated control channel DEMUX)部312は、受信したPDCCHの復号化を行った後、PDCCHのビット列から、複数のDCIの符号化ビット列を分離する。そして、分離したビット列毎に、デレートマッチング(De-rate matching)部313によるデレートマッチング処理と通信路符号復号器部(Channel decoder)314による誤り訂正復号処理とを行った後、巡回冗長検査(CRC)及びCRCビット除去(CRC & CRC bits deletion)部315により、自局あての専用DCIを復元して検出する。
図24は、移動局装置における周辺セルサーチの際に逐次干渉キャンセラを用いて共通信号の受信性能を改善する処理フローの一例を示すフローチャートである。
図24において、まず、移動局装置は、予め取得しておいた周辺のセルに対応する既知の複数のセルIDの情報に基づいて、初期セルサーチの後、周辺セルサーチを開始する。そして、移動局装置は、第1番目のセルについて受信信号から取得したプライマリ同期信号(PSS)に基づいて、シンボルタイミング候補、ローカルID候補、周波数オフセット候補などを更新する(S1)。
次に、移動局装置は、第1番目のセルについて受信信号から取得したセカンダリ同期信号(SSS)に基づいて、フレームタイミング候補、グループID候補、CP長候補などを更新する(S2)。
次に、移動局装置は、上記更新した各種情報に基づいて、PBCHの復号を実行する(S3)。PBCHの復号に失敗した場合(S3でNO)は、次のセルIDについて上記同期信号に基づく各種情報の更新及びPBCHの復号を伴うセル検出を繰り返す(S1〜S3)。
一方、PBCHの復号に成功した場合(S3でYES)、移動局装置は、当該セルについてすべての共通信号(PSS/SSS/PBCH)が正しく受信され、当該セルが正しく検出されていると判断する。
ここで、正しく検出されたセル数が所定の最大検出セル数に到達せず且つセルサーチを開始してから所定のセルサーチ時間が経過していない場合(S4でNO)は、上記正しく検出されたセルの共通信号(PSS/SSS/PBCH)の受信信号レプリカを生成し(S5)、受信信号から正しく検出されたセルの共通信号(PSS/SSS/PBCH)の受信信号レプリカを受信信号から減算し(S6)、次のセルIDについて上記同期信号に基づく各種情報の更新及びPBCHの復号を伴うセル検出を繰り返す(S1〜S3)。そのとき、正しく検出されたセルを検出候補から除外する(S7)。
上記ステップS4において、正しく検出されたセル数が所定の最大検出セル数に到達した場合、又は、セルサーチを開始してから所定のセルサーチ時間が経過した場合(S4でYES)は、セルサーチを終了する。
以上、図24に示したように、移動局装置が検出に成功したセルの同期信号の受信信号レプリカを生成し、その受信信号レプリカを受信信号から除去することにより、HetNetにおけるスモールセルにCREを適用した場合でも、その拡張されたスモールセルのセル端におけるスモールセル検出性能を改善することできる。特に、移動局装置30における逐次干渉キャンセラを用いた共通信号の受信性能の改善を行った場合は、基地局における前述の同期信号電力オフセット値(SCH EPRE)などのパラメータ設定を更新することなく、共通信号の受信品質(受信SIR)を改善することができる。
なお、上記逐次干渉キャンセラ処理は、移動局装置30が接続しているセル又はその周辺のセルについてセルのサイズ若しくは接続率を等価的に変更するCREなどのセル調整パラメータの設定が行われているか否かの判定結果に基づいて実行するように制御してもよい。すなわち、移動局装置30において上記CREなどのセル調整パラメータの設定が行われていると判定した場合には、受信信号から正しく検出されたセルに対応する共通信号の受信レプリカを用いて、受信信号から正しく検出されたセルに対応する共通信号の一部又はすべての成分を受信信号から除去する逐次干渉キャンセラ処理を実行するように制御し、共通信号の受信性能の改善を図る。一方、移動局装置30において上記CREなどのセル調整パラメータの設定が行われていないと判定した場合には、上記逐次干渉キャンセラ処理を実行しないように制御する。このようにCREなどのセル調整パラメータの設定が行われている場合のみ移動局装置30で上記逐次干渉キャンセラ処理を実行することにより、移動局装置30における負荷の増大を防止できる。
以上、本実施形態によれば、上記スモールセル基地局20やマクロセル基地局10の基地局装置における共通信号(PSS,SSS,PBCH)の送信電力の調整制御により共通信号の受信性能を改善し、スモールセルにおけるCREバイアス値の設定によって移動局装置30において発生しやすくなる共通信号のセル間干渉がその移動局装置30における当該共通信号を用いた動作性能に与える影響を抑制又は防止することができる。
また、本実施形態によれば、移動局装置30における共通信号(PSS,SSS,PBCH)の逐次干渉キャンセラにより共通信号の受信性能を改善し、スモールセルにおけるCREバイアス値の設定によって移動局装置30において発生しやすくなる共通信号のセル間干渉がその移動局装置30における当該共通信号を用いた動作性能に与える影響を抑制又は防止することができる。
特に、本実施形態によれば、移動局装置30において発生する複数セル間のトラフィックロード観点から最適なベストセルの検出性能劣化や当該移動局装置30において同様に発生するそのベストセルに対する報知情報の検出性能劣化を抑制又は防止することができる。
なお、本実施形態の基地局装置における共通信号の送信電力配分制御と移動局装置における共通信号の逐次干渉キャンセラとは、互いに独立に適用してもよいし、両方を一緒に適用してもよい。
また、本実施形態では、基地局装置に対応するセルのサイズ若しくは接続率又は基地局装置に隣接する他の基地局装置に対応するセルのサイズ若しくは接続率を等価的に変更するセル調整パラメータとしてCREバイアス値を設定する場合について説明したが、本発明は、上記セル調整パラメータとしてCREバイアス値以外のパラメータを設定する場合にも同様に適用できる。
また、本実施形態では、LTE/LTE−Advancedへの適用を前提に説明したが、LTE/LTE−Advancedと類似のチャネル構成を用いるシステムであれば、本発明の概念はどのようなシステムにも適用可能であり、さらに本実施形態に示した送信機および受信機の構成に限定されない。また、セルサーチ用の信号系列、伝搬路応答の推定等に用いられるや参照信号の系列や誤り訂正のために用いられる通信路符号化方式はこれらの用途に適合するものであれば、どのような種類のものでも構わず、LTE/LTE−Advancedで定義されているものに限定されない。
また、本明細書で説明された処理工程並びに移動通信システム、基地局装置及び移動局装置の構成要素は、様々な手段によって実装することができる。例えば、これらの工程及び構成要素は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又は、それらの組み合わせで実装されてもよい。
ハードウェア実装については、実体(例えば、各種無線通信装置、Node B、端末、ハードディスクドライブ装置、又は、光ディスクドライブ装置)において上記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、1つ又は複数の、特定用途向けIC(ASIC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装(DSPD)、プログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本明細書で説明された機能を実行するようにデザインされた他の電子ユニット、コンピュータ、又は、それらの組み合わせの中に実装されてもよい。
また、ファームウェア及び/又はソフトウェア実装については、上記構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、本明細書で説明された機能を実行するプログラム(例えば、プロシージャ、関数、モジュール、インストラクション、などのコード)で実装されてもよい。一般に、ファームウェア及び/又はソフトウェアのコードを明確に具体化する任意のコンピュータ/プロセッサ読み取り可能な媒体が、本明細書で説明された上記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段の実装に利用されてもよい。例えば、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば制御装置において、メモリに記憶され、コンピュータやプロセッサにより実行されてもよい。そのメモリは、コンピュータやプロセッサの内部に実装されてもよいし、又は、プロセッサの外部に実装されてもよい。また、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、FLASHメモリ、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、磁気又は光データ記憶装置、などのような、コンピュータやプロセッサで読み取り可能な媒体に記憶されてもよい。そのコードは、1又は複数のコンピュータやプロセッサにより実行されてもよく、また、コンピュータやプロセッサに、本明細書で説明された機能性のある態様を実行させてもよい。
また、本明細書で開示された実施形態の説明は、当業者が本開示を製造又は使用するのを可能にするために提供される。本開示に対するさまざまな修正は当業者には容易に明白になり、本明細書で定義される一般的原理は、本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他のバリエーションに適用可能である。それゆえ、本開示は、本明細書で説明される例及びデザインに限定されるものではなく、本明細書で開示された原理及び新規な特徴に合致する最も広い範囲に認められるべきである。
10 マクロセル基地局
10A マクロセル
20 スモールセル基地局
20A スモールセル
30 移動局装置
40 コアネットワーク
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Claims (19)

  1. 移動局装置と無線通信可能な基地局装置であって、
    移動局装置に対して下りリンク無線フレームにおける所定の周波数帯域及び時間スロットで固定的に共通信号を送信する手段と、
    当該基地局装置に対応するセルのサイズ若しくは接続率又は当該基地局装置に隣接する他の基地局装置に対応するセルのサイズ若しくは接続率を等価的に変更するセル調整パラメータの設定に応じて、前記下りリンク無線フレームにおける前記共通信号が含まれるサブフレーム内で前記共通信号に割り当てる送信電力を調整する手段と、を備えることを特徴とする基地局装置。
  2. 請求項1の基地局装置において、
    前記セル調整パラメータの設定に応じて、前記下りリンク無線フレームにおける前記共通信号が含まれるサブフレーム内における前記共通信号に割り当てる送信電力と他の物理チャネルの信号に割り当てる送信電力との間の配分を調整することを特徴とする基地局装置。
  3. 請求項1又は2の基地局装置において、
    前記セル調整パラメータの設定が、当該基地局装置に対応するセルのサイズ又は接続率を等価的に増加させる設定の場合に、前記下りリンク無線フレームにおける前記共通信号が含まれるサブフレーム内で前記共通信号に対する送信電力密度を増大させることを特徴とする基地局装置。
  4. 請求項3の基地局装置において、
    前記他の物理チャネルの信号に対する送信電力の配分を制限することを特徴とする基地局装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかの基地局装置において、
    前記セル調整パラメータの設定が、当該基地局装置に対応するセルのサイズ又は接続率を等価的に低減させる設定の場合に、前記下りリンク無線フレームにおける前記共通信号が含まれるサブフレーム内で前記共通信号に対する送信電力密度を低減させることを特徴とする基地局装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかの基地局装置において、
    当該基地局装置から送信される送信信号の平均電力若しくはピーク電力又は該平均電力と該ピーク電力との比(PAPR)が許容範囲内に入っている条件下で、前記共通信号に対する送信電力を調整することを特徴とする基地局装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかの基地局装置において、
    前記セル調整パラメータは、CRE(セル範囲拡張)のバイアス値であることを特徴とする基地局装置。
  8. 請求項7の基地局装置において、
    前記共通信号以外の送信信号の送信電力密度に対する前記共通信号の送信電力密度へ与えるオフセット値を前記CREのバイアス値以下にすることを特徴とする基地局装置。
  9. 請求項4の基地局装置において、
    前記他の物理チャネルの信号に対する送信電力の配分を制限することで余った余剰電力を、前記共通信号に対する送信電力の増加分として配分することを特徴とする基地局装置。
  10. 請求項8又は9の基地局装置において、
    当該基地局装置から送信される送信信号の平均電力若しくはピーク電力又は該平均電力と該ピーク電力との比(PAPR)が許容範囲内に入っている条件下で、前記共通信号に対する送信電力密度を増加させることを特徴とする基地局装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれかの基地局装置において、
    前記共通信号は、プライマリ同期信号、セカンダリ同期信号及び物理報知チャネルの信号であることを特徴とする基地局装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれかの基地局装置において、
    当該基地局装置がマクロセル基地局装置であり、
    当該基地局装置のセル内に前記他の基地局装置としてのスモールセル基地局装置が位置していることを特徴とする基地局装置。
  13. 請求項1乃至11のいずれかの基地局装置において、
    当該基地局装置がスモールセル基地局装置であり、前記他の基地局装置としてのマクロセル基地局装置のセル内に位置していることを特徴とする基地局装置。
  14. 請求項1乃至13のいずれかの基地局装置において、
    当該基地局装置に対応するセルのサイズ若しくは接続率又は当該基地局装置に隣接する他の基地局装置に対応するセルのサイズ若しくは接続率を等価的に変更するセル調整パラメータの設定が行われているか否かを判定する手段と、
    前記セル調整パラメータの設定が行われている場合に前記送信電力の調整を実行し、前記セル調整パラメータの設定が行われていない場合には前記送信電力の調整を実行しないように制御する手段と、を更に備えることを特徴とする基地局装置。
  15. 請求項1乃至14のいずれかの基地局装置と、前記基地局装置と無線通信可能な移動局装置とを備える移動通信システム。
  16. 請求項15の移動通信システムにおいて、
    前記移動局装置は、
    下りリンク無線フレームで受信された受信信号に基づいて、当該移動局装置が接続しているセルに加えてそれ以外の周辺のセルを検出する手段と、
    前記検出されたセルにおいて前記下りリンク無線フレームにおける所定の周波数帯域及び時間スロットで固定的に送信された共通信号の成分を前記受信信号から抽出し、前記検出されたセルに対応する共通信号の受信信号レプリカを生成する手段と、
    前記検出されたセルに対応する共通信号の受信信号レプリカを用いて、前記検出されたセルに対応する共通信号の一部又はすべての成分を前記受信信号から除去する手段と、を備えることを特徴とする移動通信システム。
  17. 請求項16の移動通信システムにおいて、
    前記移動局装置における前記共通信号の受信信号レプリカを生成する手段は、
    前記検出されたセルに対応するプライマリ同期信号及びセカンダリ同期信号の成分を前記受信信号から抽出し、
    前記プライマリ同期信号及びセカンダリ同期信号それぞれに含まれる情報に基づいて、前記受信信号に含まれる前記検出されたセルに対応する物理報知チャネルの信号を復号および受信誤り有無確認を行うことにより前記検出されたセルの正否を確認し、
    正しく検出されたセルに対応する共通信号の受信信号レプリカとして、前記検出されたセルに対応するプライマリ同期信号、セカンダリ同期信号及び物理報知チャネルの信号それぞれの受信信号レプリカを生成する、ことを特徴とする移動通信システム。
  18. 請求項16又は17の移動通信システムにおいて、
    前記移動局装置は、前記共通信号を送信するセルが複数存在する場合は、前記共通信号の受信電力が強いセルから順に検出し、検出されたセルについて前記共通信号の受信信号レプリカを生成し、前記検出されたセルに対する共通信号の一部又はすべての成分を前記受信信号から順次除去することを特徴とする移動通信システム。
  19. 請求項16乃至18のいずれかの移動通信システムにおいて、
    前記移動局装置は、
    当該移動局装置が接続しているセル又はその周辺のセルについてセルのサイズ若しくは接続率を等価的に変更するセル調整パラメータの設定が行われているか否かを判定する手段と、
    前記セル調整パラメータの設定が行われている場合に当該移動局装置で検出されたセルに対応する共通信号の受信信号レプリカを用いて、前記受信信号から検出されたセルに対応する共通信号の一部又はすべての成分を前記受信信号から除去する処理を実行し、前記セル調整パラメータの設定が行われていない場合には前記共通信号の一部又はすべての成分を前記受信信号から除去する処理を実行しないように制御する手段と、を更に備えることを特徴とする移動通信システム。
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