JP5937130B2 - 油供給システム - Google Patents

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Description

本発明は、潤滑や冷却あるいは作動のために油を必要とする機器へ油や油圧を供給するポンプを備えた油供給システムであって、油中に発生する微小気泡によるポンプ起動時の不具合を防止する油供給システムに関する。
発電所をはじめとするプラントには様々なポンプや弁が用いられており、ポンプの軸受の潤滑や冷却に油を用いることは一般的であり、また、大型で高圧で駆動する弁の中には油圧で駆動されるものもある。
このように用いられる油を供給するシステムでは、軸受部で巻き込む気泡や弁から混入する気泡をはじめとして油が作用している箇所での微小気泡の混入は避けられないものの、微小気泡がシステムの停止しているポンプ内あるいはポンプに接続される油の吸込配管に貯留するとポンプ起動時に吐出圧が立ち上がるために時間を要したり、油圧が変動したりするという不具合を生じてしまう。
そこで、従来、混入した微小気泡を除去するための工夫がなされてきた。
例えば特許文献1に開示される「油圧発生装置」では、常用と待機用として並列に設置された2つの高圧制御油ポンプのケーシングの最頂部間を連通管によって接続する構成として、それぞれのポンプケーシング内の油面レベルを一定にしている。従って、気泡が混入しても常用側のポンプは気泡を含んだ油をそのまま吐出して気泡が貯留されることがなく、待機用のポンプは気泡が貯留されて油面レベルが下がってくるものの、ケーシング内の油面レベルは常用のポンプと接続される連通管で一定に保持されるため、問題となる油面までレベルが低下することはない。
また、特許文献2では「油圧発生装置」という名称で、常用と待機用として並列に設置された2つの高圧制御油ポンプがサクション配管から分岐するそれぞれの分岐配管に接続されるような構成において、それぞれの分岐配管が、サクション配管よりもポンプが接続される方向に向かって下方へ立ち下がる勾配の配管としたり、あるいはサクション配管の位置をポンプよりも高い位置としたものである。
このような分岐配管あるいはサクション配管の構成とすることで、ポンプのケーシング内への微小気泡の溜まりを防止することができ、ポンプのキャビテーション等の発生がなく、良好な高圧油発生装置を提供することができる。
最後に、特許文献3も「油圧発生装置」という名称であるが、この装置では主油圧ポンプの空気が溜まりやすい部位に設けられた空気抜き孔とこの空気抜き孔に接続される空気抜き配管を油タンクの循環用油圧ポンプの吸込口側に接続することで、主油圧ポンプから空気の混入した作動油を循環用油圧ポンプで吸い出して空気抜きを行うようにしたものである。
特開平11−210701号公報 特開2006−226291号公報 特開2009−299525号公報
しかしながら、特許文献1に開示される発明においては、常用ポンプと待機用ポンプのケーシング間を連通管で接続する必要があり、その工事を行う必要があるという課題があった。また、常用ポンプと待機用ポンプのいずれかに故障が生じた場合には、連通管が存在するために両方のポンプを停止させてメンテナンスする必要があり、稼働率が低下してしまうおそれがあるという課題もあった。
また、特許文献2に開示される発明においては、確かにポンプケーシング内への微小気泡の溜まりを防止することができるものの、一旦ポンプケーシングに溜まってしまうと排出することができないため、このポンプの吸込口に向かって立ち下がる配管による微小気泡の溜まりの防止には限界があるという課題があった。
特許文献3に開示される発明では、高圧で作動する主油圧ポンプに空気抜き孔を穿設する必要があるという課題があると同時に、循環用油圧ポンプの吸込み側に接続しなければならず、この循環用油圧ポンプに不具合が生じた場合には主油圧ポンプの作動にも影響を生じてしまうリスクを負うという課題があった。すなわち、主油圧ポンプ自体で閉じる系という構成ではないため、不具合を生じるリスクが主油圧ポンプ自体で閉じる系よりも増加してしまうという課題があった。
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものでありその目的は、複数台の油ポンプを並列に配置して、運転中の油ポンプから待機中の油ポンプに一部の油流量を循環させて待機中の油ポンプ内及び油ポンプの吸込配管内に溜まる微小気泡を排出可能として、待機中のポンプの不具合を予防することが可能な油供給システムを提供することである。
上記目的を達成するため請求項1記載の発明である油供給システムは、油を貯留する油タンクと、前記油を機器に供給するために並列に配置された複数台の油ポンプと、前記油タンクから前記油ポンプへ油を導く吸込配管と、前記複数台の各々の油ポンプに接続され合流点で合流して前記機器へ油を導く吐出配管と、前記合流点より上流の分岐した前記吐出配管の各々に設けられる逆止弁と、を有する油供給システムであって、前記各々の逆止弁の上流側で前記複数台の各々の油ポンプの吐出配管を接続する共通配管と、この共通配管から分岐して前記油タンクへ接続される返送配管を備えることを特徴とするものである。
上記構成の発明においては、待機中の油ポンプが起動した直後に、油ポンプ内や吸込配管内に滞留した微小気泡が混入している可能性の高い初期に吐出される油を共通配管及び返送配管を介して油タンクへ返送するように作用する。
また、共通配管は各々の油ポンプの吐出配管を連通しており、しかも逆止弁の上流側に配置されていることから、共通配管を介して運転中の油ポンプから待機中の油ポンプへ油の一部を返送するように作用する。待機中の油ポンプに流入して油タンクに返送される油は待機中の油ポンプのケーシング内部及び吸込配管内に油が滞留することを防止するように作用する。すなわち、待機中の油ポンプから油タンクまで流れを形成させることで油タンクから待機中の油ポンプや吸込配管へ滞留する微小気泡を油タンクへ流し戻すように作用する。
請求項2記載の発明である油供給システムは、請求項1記載の油供給システムであって、前記各々の逆止弁は弁体に補給孔が設けられて、前記複数台の油ポンプのうち運転中の油ポンプから待機中の油ポンプの吐出配管に設けられた逆止弁の前記補給孔を介して一部流量を前記油タンクへ返送することを特徴とするものである。
上記構成の発明は、請求項1記載の発明と同じ作用に加えて、運転中の油ポンプから吐出する油のうち、その一部が待機中の油ポンプの吐出配管に設けられている逆止弁の弁体に設けられた補給孔から逆流して、待機中の油ポンプ内に流入するように作用する。また、待機中の油ポンプに流入する油は吸込配管を逆流して油タンク内に返送されるように作用する。
油ポンプの逆止弁はそもそも運転中の油ポンプから吐出される油が待機中のポンプへ逆流することを防止するために設けられる弁であるが、本発明では、その逆止弁の弁体に油の逆流を許容する補給孔を穿設することで、運転中の油ポンプから油を必要する機器への流量を確保しながら、油の一部を待機中の油ポンプへ供給し、待機中の油ポンプ内及び油ポンプの吸込配管内での油の滞留を抑制するものである。すなわち、待機中の油ポンプから油タンクまで流れを形成させることで油タンクから待機中の油ポンプや吸込配管へ滞留する微小気泡を油タンクへ流し戻すように作用する。
請求項3記載の発明である油供給システムは、請求項1又は請求項2記載の油供給システムであって、前記吸込配管は、前記油タンク内において下流側に向かって下り勾配で挿設されるかあるいは前記油タンク外において下流側に向かって下り勾配で接続されることを特徴とするものである。
上記構成の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明と同様の作用に加え、共通配管からの逆流量あるいは逆止弁の弁体に設けられた補給孔からの逆流量が少ない場合においても、吸込配管の傾斜によって待機中の油ポンプや吸込配管内への微小気泡の流入を抑制するように作用する。
また、一旦油ポンプや吸込配管内に微小気泡が滞留しても、微小気泡を重力によって油タンクに戻すように作用する。
請求項4記載の発明である油供給システムは、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の油供給システムであって、前記吐出配管は、第2の油タンクを介して前記機器に油を導くことを特徴とするものである。
上記構成の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の発明と同様の作用に加え、第2の油タンクが機器へ供給する油のバッファータンクとして作用する。すなわち、第2の油タンクへ油を一旦貯留してその第2の油タンクから機器へ供給することで、機器への油供給を安定化させるように作用する。
請求項5記載の発明である油供給システムは、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の油供給システムであって、前記油は潤滑油であり、前記機器は軸受に潤滑油を必要とするポンプであることを特徴とするものである。
上記構成の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の発明と同様に作用する。
本発明の請求項1記載の油供給システムによれば、待機中であった油ポンプの起動直後の油を油タンクに返送することができるので、油に微小気泡が混入していても油供給システム内に送出されることなく、その後に油を安定した状態で供給することができる。また、油を必要とする機器に生じる不具合を低減することも可能である。
また、微小気泡が含まれる可能性の高い初期の油を予め油タンクに返送してしまうので、その後の油ポンプの油圧の立ち上がり時間(昇圧時間)も短縮することが可能であり、キャビテーションも予防することが可能である。
さらに、運転中の油ポンプから常に共通配管を介して待機中の油ポンプへ一部の油が供給されるので、待機中の油ポンプのケーシング内部及びその吸込配管の内部に油の滞留がなく、微小気泡が滞留することも防止することが可能である。従って、この待機中の油ポンプの起動時においても早期に油圧の昇圧を可能として油を必要とする機器に安定的かつ迅速に供給することができる。また、油ポンプの形式によっては、ポンプの吸込み側で発生する可能性のあるキャビテーションも防止することが可能である。
請求項2に記載の油供給システムによっても、運転中の油ポンプによって供給される油を利用して待機中の油ポンプ内及び吸込配管内に滞留する微小気泡を油タンクまで返送することが可能である。また、その際には油ポンプの吐出配管上の逆止弁の弁体に補給孔を設けておくだけで対応することができるので、他の系統の作動を必要とせず、また、本来不要な動的機器を追加することなく、従来の油供給システムと同様の構成によって油ポンプ内及び吸込配管内に滞留する可能性のある微小気泡を油タンクまで返送することが可能である。
従って、油ポンプ内及び吸込配管内に微小気泡が滞留しておらず、待機中の油ポンプが起動する際において油圧の立ち上がりの時間を短縮することが可能であり、油の供給が必要な機器に対して安定的かつ迅速に油を供給することができる。また、油ポンプの形式によっては、ポンプの吸込み側で発生する可能性のあるキャビテーションを防止することも可能である。
すなわち、さらに微小気泡の流入を抑制することができるので、請求項1に記載の発明と同様の効果を一層高めて発揮させることができる。
請求項3に記載の油供給システムによれば、請求項1又は請求項2に記載の発明と同様な効果を発揮することができることに加えて、たとえ油ポンプ内及び吸込配管内に油の逆流が生じないあるいはその流量が少ない場合であっても、重力の効果で待機中の油ポンプ内部に微小気泡が流入することを抑制し、また吸込配管内への微小気泡の流入や滞留を抑制して待機中の油ポンプの起動に際して、油圧の昇圧時間を短縮しつつ、安定的に油をシステムへ供給することを可能とする。この請求項3に記載の発明では、動的機器を必要とせず、重力によってのみ効果を発揮するので高い信頼性を担保することができる。
請求項4に記載の油供給システムによれば、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の発明と同様な効果を発揮することができることに加えて、第2の油タンクが油のバッファータンクとして機能して、油ポンプから供給される油が多少の脈動を生じたとしても、第2の油タンクから油を必要とする機器に一定の流量で供給することができる。
従って、油ポンプ内を流動する油に微小気泡が残留して流動が多少不安定になったとしても、油を必要とする機器に対しては安定供給可能であるし、その結果、その機器の不具合を予防することが可能である。
請求項5に記載の油供給システムによれば、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の発明と同様な効果を発揮することができる。
本発明の実施の形態に係る油供給システムのシステム構成図である。 本発明の実施の形態に係る油供給システムの逆止弁の断面図である。 本発明の実施の形態に係る油供給システムの下部油タンクの断面概念図である。
本発明の実施の形態に係る油供給システムについて図1乃至図3を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る油供給システムのシステム構成図である。
図1において、油供給システム1はポンプ軸受部15に対して下部油タンク2に貯留される潤滑油を供給するためのシステムである。ポンプ軸受部15を備える具体的なポンプの例としては、火力発電所に設置される汽水ドラムの缶水を強制循環させるためのボイラー循環(サーキュレーション)ポンプ等があるが、ポンプの軸受に対して潤滑油を供給する例は発電所に限らず化学プラント等においても多数存在している。
下部油タンク2に貯留される潤滑油は、吸込配管3a,3bを介して油供給ポンプ4a,4bによって供給されるが、一般的には2台の油供給ポンプ4a,4bのうち、1台が運転に供され、他の1台は待機しておき、運転中の1台が定期検査や何らかの原因で不具合を生じて停止した場合に待機中の1台が起動するように運用されている。本実施の形態においては2台の油供給ポンプ4a,4bを備えるシステムで説明しているが、発電プラントや化学プラントのように長期間定常的に運転することが予定されているシステムに必要とされる冗長性に応じて、3台以上の油供給ポンプが並列に構成される可能性もある。もちろん、その際にはそれぞれの吸込配管も並列に構成されることになる。
本実施の形態においては、油供給ポンプ4a,4bとしてはギヤー式の容積ポンプを採用した場合で説明するが、このタイプのポンプに限らず、例えばプランジャー式等の往復式の容積ポンプであってもよいし、インペラを備える遠心ポンプ等の非容積(ターボ型)ポンプであってもよい。
なお、容積ポンプの場合にはポンプの吸込側で流体から気泡が発生するキャビテーション(空洞現象)を生じ難いのでポンプの起動時の不具合としてのキャビテーションは含まれないことも多いが、本実施の形態で説明されるように、油圧の昇圧時間が長引く不具合が生じることで潤滑油を供給するポンプの軸受部での潤滑が不十分となることから、トリップ信号を発生させてポンプを停止させる必要がある場合もあり、潤滑油を供給するポンプ自体に不具合が発生しなくとも、潤滑油を必要とするポンプ側で不具合が生じる場合も有り得る。もちろん、起動時にキャビテーションを引き起こすような不具合もポンプの型式によってはあるので、本実施の形態における油供給システムの機能については様々な油供給ポンプを備えるシステムにおいて採用が可能である。
図1では油供給ポンプ4aが運転中で、油供給ポンプ4bが待機中として説明する。油供給ポンプ4a,4bの出口には、吐出配管5a,5bが接続され、この吐出配管5a,5b上には、分岐点6a,6bが設けられている。
この分岐点6a,6bの一方の下流側には、共通配管9a,9bが接続されており、その共通配管9a,9b上には止め弁10a,10bが設けられ、この止め弁10a,10bを介して合流点11から下部油タンク2へ潤滑油を返送する返送配管12が設けられている。共通配管9a,9bは吐出配管5a,5bの分岐点6a,6bから各々の油供給ポンプ4a,4bに共通に設けられる配管であるので、油供給ポンプが3台以上並列に配置されてもそれぞれの吐出配管を接続するように設けられる。
また、止め弁10a,10bは、いずれの油供給ポンプ4a,4bが運転中であっても、いずれも開状態を維持するように運用されており、図中Q1で示される油供給ポンプ4aによって吐出される流量が、返送配管12によって下部油タンク2へ返送されるばかりでなく、共通配管9aから止め弁10bを経由して油供給ポンプ4bから吸込配管3bを経て下部油タンク2に返送されることになる。すなわち、吐出配管5a,5bから分岐点6a,6b及び返送配管12を介して下部油タンク2へ戻る系と吐出配管5a,5bから分岐点6a,6b及び待機中の油供給ポンプ4bを介して下部油タンク2へ戻る系はそれぞれ循環系を構成している。
分岐点6a,6bのもう一方の下流側には逆止弁7a,7bが設けられており、その下流で吐出配管5a,5bは、合流点8で合流して吐出配管5cとなり、上部油タンク13に接続される。従って、油供給ポンプ4a,4bによって供給される潤滑油はポンプ軸受部15に供給される前に一旦上部油タンク13に貯留されることになる。吐出配管5a,5bは各油供給ポンプ4a,4bの吐出側に設けられる配管であるので、油供給ポンプの台数が3台以上となる場合には、吐出配管も油供給ポンプの台数に合わせて増加し、合流点8も一箇所とはならずいわゆるヘッダー構成となるかもしれないが、集約されて上部油タンク13へ接続されることになる。なお、逆止弁7a,7bは運転中の油供給ポンプ4aの吐出圧が待機中の油供給ポンプ4b側に抜けて逆流しないように設けられるものである。
上部油タンク13には圧力計17が設けられており、所望に定められた圧力を維持して、その圧力で貯留された潤滑油は供給配管14を介してポンプ軸受部15内の軸受に対して吹きつけられる。ポンプ軸受部15では、軸受の摩擦力を低下させて円滑にポンプ軸が回転するように、ポンプの運転中に常に所定量の潤滑油を必要としている。従って、上部油タンク13から供給される潤滑油の圧力が低下することで潤滑油の供給量が低下すると軸受の摩擦増大等の機能低下や焼き付きを生じる可能性があるので、上部油タンク13内の圧力値が低下した場合には、圧力計17によってトリップ信号18を発生させてポンプ本体19を停止させている。
なお、潤滑油を必要とするポンプ軸受部15としては、ポンプの回転軸の径方向の荷重を受けるラジアル軸受や軸方向の荷重を受けるスラスト軸受等の軸受が一般的に知られている。
ポンプ軸受部15には戻り配管16が接続されており、この戻り配管16は下部油タンク2に接続されている。
このように構成される油供給システム1では、下部油タンク2に貯留された潤滑油は、運転中の油供給ポンプ4aによって吸込配管3aを介して吸い込まれ、吐出配管5aに吐出される。前述のとおり、吐出される潤滑油の一部は流量Q1として分岐点6aから共通配管9aに流れ、止め弁10a及び合流点11を経由して返送配管12から下部油タンク2へ返送される。また、流量Q1の更なる一部流量は共通配管9b及び油供給ポンプ4bを経由して下部油タンク2へ返送される。すなわち、この共通配管9a,9bは油供給ポンプ4a,4bの吐出側を接続することで、運転中の油供給ポンプ4aから待機中の油供給ポンプ4bに潤滑油の一部を逆流させて供給することが可能となっている。
一方、分岐点6aから流量Q2として流れる潤滑油は、逆止弁7aを経由して、合流点8から吐出配管5cを経て上部油タンク13に供給される。さらに、上部油タンク13から供給配管14を経由してポンプ軸受部15に吹きつけられるのである。ポンプ軸受部15は潤滑油の供給を受けてポンプの軸と軸受の間の十分な潤滑を維持して摩擦増加や焼き付き等の不具合を発生させることなく機能を発揮することになる。
ポンプ軸受部15で潤滑の供した潤滑油は戻り配管16を経て下部油タンク2に返送される。
図1中の矢印は油供給ポンプ4aから吐出された潤滑油の流れを示すものである。
ここで、潤滑油の中に微小気泡が混入するメカニズムについて説明する。
前述のとおり、潤滑油は上部油タンク13からポンプ軸受部15に対して吹きつけられるようにして供給されるが、その際に気泡が潤滑油の中に混入してしまう。しかも、潤滑油の粘度にもよるが一般的に高い粘度の潤滑油が採用されることが多く、よって一旦微小気泡が混入すると流動性の低さから気泡の消滅には時間がかかり、この微小気泡が待機中の油供給ポンプ4bのケーシング内や吸込配管3b内で集まって滞留することで起動時には油圧の昇圧時間が長くなってしまったり、あるいはキャビテーションの発生という不具合が生じていたのである。
そこで、そのような微小気泡の潤滑油内への混入の影響を可能な限り減らして、油供給ポンプの起動が原因で生じる不具合を防止するために本願発明がなされたのである。
次に、油供給システム1の待機中の油供給ポンプ4bの起動について説明する。油供給システム1において、定期点検の場合や何らかの不具合が油供給ポンプ4aに生じて停止せざるを得ない場合には、手動あるいは自動で待機中の油供給ポンプ4bを起動させる。
その際に油供給ポンプ4bの起動による油圧の昇圧時間が長くかかってしまうと上部油タンク13の圧力が低下してしまい、ポンプ軸受部15に対する潤滑油の吹きつけによる供給が十分でなくなるためトリップ信号18が発生してしまう。
そこで油供給システム1では、油供給ポンプ4aによる通常運転時に、吐出される潤滑油の一部を待機中の油供給ポンプ4bに逆流によって供給している。従って、待機中の油供給ポンプ4bに潤滑油の一部を常に逆流させて吸込配管3bを経由して下部油タンク2に返送させることで、待機中の油供給ポンプ4b及び吸込配管3b内に微小気泡が集まったり滞留したりすることを防止可能である。
さらに、共通配管9a,9b及び返送配管12を用いることで、起動する油供給ポンプ4b内や吸込配管3b内に貯留された微小気泡を含む可能性のある潤滑油を一旦下部油タンク2に返送して、より微小気泡の混入の少ない下部油タンク2内の潤滑油を吸い込むことで油圧の昇圧時間を短縮させつつ、上部油タンク13に微小気泡の混入の少ない潤滑油を供給することが可能である。
待機中の油供給ポンプ4bでは潤滑油から微小気泡が析出してポンプのケーシング内に滞留している可能性があるため、起動直後はこの滞留している微小気泡がまとまって吐出配管5bに放出される可能性がある。しかしながら、吐出配管5a,5b間を接続する共通配管9a,9bを設けることで、起動直後で吐出圧が低い油供給ポンプ4bから送出される潤滑油は、高圧の上部油タンク13よりも共通配管9bを選択して下部油タンク2へ流れる。従って、微小気泡の除去を短時間で終えることが可能であり、待機中であった油供給ポンプ4bの昇圧時間を短縮することができる。
次に、図2を参照しながら、本実施の形態に係る油供給システム1の逆止弁7a,7bの構造について説明する。図2は、本発明の実施の形態に係る油供給システムの逆止弁の断面図である。
図2において、逆止弁7a,7bは一例としてスイング式の逆止弁として示しているが、逆止弁のタイプは以下に説明する機能を備えるのであれば特に限定するものではない。
逆止弁7a,7bは、弁入口22と弁出口23を備えたケーシング20を弁蓋21で封止するように構成されている。
ケーシング20の内部には、弁体24が収容されており、これが弁座28に接面して弁出口23から弁入口22への逆流を防止している。弁体24はアーム25の端部に設けられており、回動軸26に軸受27を介して固定されることで回動可能に構成されている。従って、弁入口22から流入する流体に対しては、弁体24が流体の圧力によって押されて、図2中で示される閉止の状態から、右方向にアーム25と共に回動軸26を軸中心として回動して開状態となる。
一方、弁出口23から流入する流体に対しては、逆に、弁体24はアーム25と共に回動軸26を軸中心として左方向に回動して弁座28に接面して閉止して流体の弁入口22側への流動を阻止する。
但し、本実施の形態に係る油供給システム1の逆止弁7a,7bには、弁体24に一部流量の逆流を許容する補給孔29が穿設されている。従って、図2中に2つの矢印で示すとおり、順方向へは通常通りの油流れFが流れるものの、逆方向へも少量ではあるが油補給流れRFを流すことが可能である。本来逆止弁は逆流を防止するための弁であることから、補給孔29が設けられることで逆止弁本来の機能が損ねられるとも考えられるが、補給孔29の口径を十分小さくすることで、逆止弁の機能を損ねることなく、少量の油補給のための逆流を生じさせることが可能となっている。従って、図1中においても逆止弁7bから油供給ポンプ4bに向かう潤滑油の流れを矢印で示すとおりとなっている。
このように構成される油供給システム1の逆止弁7a,7bの作用について図1も参照しながら説明する。
油供給システム1の運転中の油供給ポンプ4aは、分岐点6aから下流側の吐出配管5aに対して、Q2の流量を供給しているが、その一部は、上部油タンク13ではなく吐出配管5bを介して逆止弁7bから油供給ポンプ4bを経由して下部油タンク2に返送されている。逆止弁7a,7bには補給孔29が穿設されていることから、油供給ポンプ4aによって供給される潤滑油の流量Q2の一部は、吐出配管5bから逆止弁7bへ流れ、逆止弁7bの補給孔29を通過して、油供給ポンプ4bへ流れることが可能である。従って、油供給ポンプ4bのケーシング内部及び吸込配管3b内部に貯留する可能性のある微小気泡を下部油タンク2へ押し流すことが可能である。
先に図1を用いて説明したとおり、本実施の形態に係る油供給システム1は、共通配管9a,9bを用いて、油供給ポンプ4aによって供給される潤滑油の流量Q1の一部を同様に油供給ポンプ4bに流しているので、油供給ポンプ4b及び吸込配管3bには異なる経路による2つの逆流が作用することになる。
従って、いずれか一方の場合に比較すると、逆流に対する冗長性を担保することが可能であり、信頼性の向上を図ることが可能となる。もちろん、流量Q2の残りの流量であっても上部油タンク13へは十分な供給量が確保されるように設計されることは言うまでもない。また、油供給ポンプ4bへ流れるべき流量Q1の一部が吐出配管5bへ流れたり、あるいは流量Q2の一部が共通配管9bに流れる可能性についても否定できないが、共通配管9a,9bの配管径を調整したり、逆止弁7a,7bの補給孔29の口径を調整したり、更に必要であれば吐出配管5a,5bや共通配管9a,9bに流動抵抗となるオリフィス等を設けることによれば、系統内の圧力のバランスを取ることは可能である。
なお、補給孔29の口径は弁入口22から流入する順方向の流体の圧力によって弁体24が回動して開状態となる程度に小さくする必要があると同時に、弁出口23から流入する逆方向の流体の圧力によって弁体24が閉止し、その上で漏れる流量が待機中の油供給ポンプ4bのケーシング内及び吸込配管3b内を経由して下部油タンク2に返送される際に、それらに滞留する微小気泡を十分に流し戻すことが可能な流量となる程度に大きくする必要がある。さらに、流量Q2の一部を用いて逆止弁7bを経由する場合のみを考慮する単独のケースと冗長性を担保するために流量Q1の一部を用いて共通配管9a,9bを経由する場合も考慮する複合のケースの両方の場合があるので、これらをも考慮して決定することが望ましい。
次に、図3を参照しながら、本実施の形態に係る油供給システム1の下部油タンク2の構造について説明する。図3は、本発明の実施の形態に係る油供給システムの下部油タンクの断面概念図である。
図3において、下部油タンク2は、潤滑油30を貯留するとともに、その内部に油供給ポンプ4a,4bへ接続される吸込配管3a,3bの端部を収納している。また、この吸込配管3a,3bは下部油タンク2内において、符号Lで示されるタンク内吸込配管長分を吸込配管支持部31によって符号hで示される高さ分傾いた状態で支持されている。本実施例では、Lは150mmから170mmであり、hは10mm程度である。従って、このように構成される吸込配管3a,3bは3°程度油供給ポンプ4a,4b側に向かって立ち下がった状態にある。本実施の形態では、下部油タンク2の外部での吸込配管3a,3bの傾斜を明らかにしていないが、外部での傾斜を設けてもよい。
このように構成される下部油タンク2内の吸込配管3a,3bにおいては、油供給ポンプ4a,4bよりも下流側で油供給ポンプ4a,4bに向かって立ち下がっているので、油供給ポンプ4a,4b内や吸込配管3a,3b内に微小気泡が貯留され難くなっていると同時に、油供給ポンプ4a,4b内に貯留されても微小気泡が下部油タンク2内に返送され易くなっている。
従って、待機中の油供給ポンプ4b内に微小気泡が貯留され難くなり、起動時の潤滑油の昇圧時間も短縮することが可能である。
なお、吸込配管3a,3bの傾斜角度は3°から10°が望ましい。3°より緩やかになれば粘性流体である潤滑油内での微小気泡の流動が困難になるため、これよりも急であることが望ましいが、10°よりも急になると、運転中に吸込配管3a,3bの吸込み口に渦が発生してしまい、下部油タンク2の上部に存在する空気32を吸い込んでしまう可能性があり望ましくない。
もちろん、潤滑油の粘度によって上述の現象の程度は異なるので実際の吸込配管3a,3bの立ち下がりの角度については採用される潤滑油の粘度に応じて決定されることが望ましい。
また、本実施の形態においては、油供給ポンプ4a,4bとしてギヤー式の容積ポンプを用いたが、前述のとおり他の型式のポンプを用いてもよい。さらに、油を必要とする機器についてはポンプとして、その軸受の潤滑油として実施の形態を示したが、油を冷却材として必要な機器もあるし、その用途によっては油の粘性も変動するので、油の用途やその粘度に応じて適宜実施の形態について仕様は変更されることが望ましい。
本発明の請求項1乃至請求項5に記載された発明は、発電プラントに設置されたボイラー循環ポンプの軸受の潤滑油を供給するシステムの他、潤滑のみならず冷却に供するための油を供給するシステムとして、発電プラントの他化学プラント等にも利用することが可能である。
1…油供給システム 2…下部油タンク 3a,3b…吸込配管 4a,4b…油供給ポンプ 5a,5b,5c…吐出配管 6a,6b…分岐点 7a,7b…逆止弁 8…合流点 9a,9b…共通配管 10a,10b…止め弁 11…合流点 12…返送配管 13…上部油タンク 14…供給配管 15…ポンプ軸受部 16…戻り配管 17…圧力計 18…トリップ信号 19…ポンプ本体 20…ケーシング 21…弁蓋 22…弁入口 23…弁出口 24…弁体 25…アーム 26…回動軸 27…軸受 28…弁座 29…補給孔 30…潤滑油 31…吸込配管支持部 32…空気 F…油流れ h…高さ L…タンク内吸込配管長 Q1,Q2…流量 RF…油補給流れ

Claims (5)

  1. 油を貯留する油タンクと、前記油を機器に供給するために並列に配置された複数台の油ポンプと、前記油タンクから前記油ポンプへ油を導く吸込配管と、前記複数台の各々の油ポンプに接続され合流点で合流して前記機器へ油を導く吐出配管と、前記合流点より上流の分岐した前記吐出配管の各々に設けられる逆止弁と、を有する油供給システムであって、前記各々の逆止弁の上流側で前記複数台の各々の油ポンプの吐出配管を接続する共通配管と、この共通配管から分岐して前記油タンクへ接続される返送配管を備えることを特徴とする油供給システム。
  2. 前記各々の逆止弁は弁体に補給孔が設けられて、前記複数台の油ポンプのうち運転中の油ポンプから待機中の油ポンプの吐出配管に設けられた逆止弁を介して一部流量を前記油タンクへ返送することを特徴とする請求項1記載の油供給システム。
  3. 前記吸込配管は、前記油タンク内において下流側に向かって下り勾配で挿設されるかあるいは前記油タンク外において下流側に向かって下り勾配で接続されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の油供給システム。
  4. 前記吐出配管は、第2の油タンクを介して前記機器に油を導くことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の油供給システム。
  5. 前記油は潤滑油であり、前記機器は軸受に潤滑油を必要とするポンプであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の油供給システム。
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