JP5935526B2 - 電解液の注液方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電解液の注液方法に関し、詳しくは、リチウムイオン二次電池や電気二重層キャパシタなどの電気化学素子を構成する、素子本体が内部に収容された容器への電解液の注液方法に関する。
近年、携帯電話やパーソナルコンピュータなどの電子機器や、車載用の機器に、リチウムイオン二次電池などの二次電池や、電気二重層キャパシタなどの電気化学素子が用いられるようになっている。
このような電気化学素子の1つであるリチウムイオン二次電池などの二次電池(以下、単に「電池」ともいう)としては、例えば、セパレータを介して複数の正極部材と負極部材とを積層することにより形成された電池要素(素子本体)を、正極部材および負極部材とそれぞれ導通する正極リード端子および負極リード端子を備えた容器(外装体)内に収納するとともに、容器内に電解液を注入した構造のものが広く用いられている。
ところで、容器に電解液を注入する方法として、以下に説明するような電池容器内への電解液の注液方法が提案されている(特許文献1参照)。
この方法では、まず、図10に示すように、注液チャンバー103に設置した、仕切り板121により仕切られて複数の単位注液槽122を有する注液槽102(図11参照)の各単位注液槽122に、液体(電解液)109を入れる。
それから、注液口107以外の部分が密閉された容器(電池容器)108を、注液口107が底面側に位置するような姿勢で収容し、排気手段105を作動させて注液チャンバー103内を減圧状態にし、予め定められた時間保持する。
その後、大気開放弁106を開放して注液チャンバー103内の圧力を大気圧に戻して所定時間保持した後、再び排気手段105を作動させて注液チャンバー103内を減圧状態にする。
それから、大気開放弁106を開放し、注液チャンバー103内の圧力を大気圧に戻し、予め定められた時間保持することにより、注液口107から容器108内に電解液109を注液した後、注液チャンバー103内から容器108を取り出す。そして、注液口107を上部に向けた後に封口処理を行う。これにより、電池要素と電解液が内部に収容された電池が得られる。
しかし、この特許文献1の方法の場合、仕切り板121で仕切って、注液すべき容器108の個数に応じた単位注液槽122を設けた注液槽102を用いることが必要なことから、注液槽102の構造が複雑になるという問題点がある。
また、電解液を計量して単位注液槽に注液することが必要で、工程が増加したり、ディスペンサーの用意が必要で、設備コストが増加するなどの問題点がある。
また、単位注液槽を設けずに注液した場合、液量の調整ができないという問題点がある。
また、特許文献1の注液方法の場合、電解液の蒸気圧を下回る圧力まで真空排気した場合には、電解液に含まれる溶媒が沸騰して単位注液槽や注液槽から電解液が溢れ、周りに飛散するなどの問題を生じる。また仮に電解液に含まれる溶媒が沸騰しない程度に真空排気した場合にも、真空排気により蒸発速度がある程度以上に高くなると、電解液の組成が変化して、所望の特性を実現することができなくなるというような問題を生じる可能性がある。
また、他の注液方法として、注液式電池の注液方法であって、電池容器内の真空度を調整することによって各素電池間に共通電解液を生じさせない程度の量の電解液を注液できるようにした注液式電池の注液方法が提案されている(特許文献2参照)。
なお、図12は、特許文献2の方法で注液される注液式電池を示す断面図である。この注液式電池においては、内部に、未注液状態で組み立てられた酸化銀−亜鉛電池等の極板群(図示せず)よりなる複数の素電池201が配設されており、各素電池201は、並列または直列に接続されている。
各素電池201の上部には電解液が注入される注入孔202が配置され、その上部には電解液の流れる通路である分岐管203が配設されている。
また、分岐管203と、電解液溶解室206とは、導液管204を介して連通しており、電解液溶解室206には水酸化カリウムなどの薬剤205が収容されている。
そして、O−リング208を備えたピストン207により、電池内部と外部とが気密を保たれている。また、内部を真空に吸引できるように、アダプタ211およびコック212を備えている。
この注液式電池において、注液を行うにあたっては、アダプタ211から真空吸引して、所定の真空度にした状態で、注液式電池を水中に置き、アーミングワイヤー209を引き抜くことにより、ピストン207をスプリング210により207’の位置に移動させ、外部の水を電解液溶解室206内に導入し、薬剤205を溶解させる。
これにより、導液管204、分岐管203、注入孔202を通じて液体が各素電池201内に注入され、電池としての機能を発揮できるようになる。
しかしながら、特許文献2の注液式電池の場合、所望量の注液が行われるように真空度を調整して注液を行ったとしても、構造が複雑なことから、内部の気体と電解液の交換が円滑に行われない場合が生じるという問題点がある。
また、素電池201内に気泡が混ざり込む(気泡噛みする)ことにより、所望の電池特性を得ることができなくなる(容量不良になる)おそれがあり、信頼性が低いという問題点がある。なお、製品(注液式電池)が小型になると、小さな気泡でも影響が大きくなり、また、小さな気泡は表面張力に対して浮力が小さいので、気液交換が行われにくいという問題点がある。
特許第4010477号公報 特開平2−86057号公報
本発明は、上記課題を解決するものであり、リチウムイオン二次電池や電気二重層キャパシタなどの電気化学素子を構成する素子本体が内部に収容された容器に、所望量の電解液を確実に注液することが可能な電解液の注液方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の電解液の注液方法は、
注液口を備え、他の部分は密閉された構造を有する容器であって、電気化学素子を構成する素子本体が内部に収容された容器への電解液の注液方法であって、
(a)前記容器と、前記容器に注液すべき量以上の電解液を入れた注液槽とを注液チャンバー内に配置し、前記容器の前記注液口が前記注液槽内の電解液に浸漬されていない状態を保ちつつ、注液チャンバーを第1減圧状態となるまで真空吸引する減圧工程と、
(b)前記注液チャンバーが第1減圧状態に保たれ、真空吸引が停止された状態で、前記容器の前記注液口を前記注液槽内の電解液に浸漬する浸漬工程と、
(c)前記容器の前記注液口が、前記注液槽内の電解液に浸漬された状態を保ちながら、前記注液チャンバーを、第1減圧状態よりも圧力が高く、大気圧よりも圧力が低い第2減圧状態にまで昇圧し、前記注液口から前記容器の内部に電解液を注液する注液工程と、
(d)前記注液工程の終了後に、前記容器の前記注液口を前記注液槽内の電解液から離間した状態とする離液工程と、
(e)前記注液チャンバーを大気圧に戻し、所定量の電解液が注液された後の前記容器に気体を注入する気体注入工程と
を有し、かつ、
前記第1減圧状態の圧力をX(Pa)とし、
前記容器内の空間の体積を1としたときの、前記容器に注液したい電解液の体積の割合をRとした場合に、
前記第2減圧状態の圧力の値Yを、下記の式(1)で表される値とすることを特徴としている。
Y=X/(1−R) ……(1)
(ただし、0<R<1)
また、前記注液槽として、複数の区画に分割されていない注液槽を用い、
複数個の前記容器をそれぞれ注液口が前記注液槽内の電解液に浸るように浸漬して、複数個の前記容器のそれぞれに電解液を注液することが好ましい。
本発明においては、注液槽を区画せず、複数の容器の注液口を電解液に浸漬して各容器に電解液を注液するようにした場合にも、各容器に所望量の電解液を効率よく注液することができる。すなわち、本発明によれば、複数の容器のそれぞれに所定量の電解液を注液する場合にも、電解液量を測定することを必要とせずに、圧力を調整するだけで、各容器に所望量の電解液を効率よく注液することができる。
また、注液槽を複数の区画に区分し、コストのかかる容積計量用のディスペンサーを複数用いて、複数の区画のそれぞれに所定量の電解液を供給するようにした場合に比べて、ディスペンサーや、複数に区画された複雑な構造の注液槽などが不要になり、コストの低減を図ることができる。
また、前記第1減圧状態の圧力を、前記注液工程における温度での電解液の蒸気圧以下にならないように制御することが好ましい。
第1減圧状態の圧力を電解液の蒸気圧以下にならないように制御することにより、電解液中の溶媒が沸騰して、容器内に注液された電解液に気泡を生じたり、電解液中の溶媒の蒸発により電解液の組成が変化して、目標とする特性を実現することができなくなることを防止して、所望の特性を備えた信頼性の高い電気化学素子を提供することが可能になる。
また、前記注液槽内の電解液を冷却しながら、少なくとも前記減圧工程、前記浸漬工程、および前記注液工程を実施することが好ましい。
電解液を冷却することにより、第1の減圧状態の圧力をさらに低くした場合にも、電解液中の溶媒の沸騰や、電解液の組成の変動などを防止して、所望の特性を備えた電気化学素子を提供することが可能になる。
また、前記注液槽内の電解液の表面の、前記注液チャンバー内の気相と接する領域の少なくとも一部を覆う被覆材を配設した状態で、少なくとも前記減圧工程、前記浸漬工程、および前記注液工程を実施することが好ましい。
電解液と気相との界面を減らすことにより、さらに確実に電解液中の溶媒の蒸発を抑制することが可能になり、本発明をさらに実効あらしめることができる。
本発明の電解液の注液方法は、上述のように、容器と、電解液を入れた注液槽が収容された注液チャンバーを第1減圧状態に減圧し、容器の注液口を電解液に浸漬した状態で、注液チャンバーを、第1減圧状態よりも圧力が高く、大気圧よりも低い減圧状態である第2減圧状態にまで昇圧して、容器に所定量の電解液を注液した後、容器の注液口を離液させて電解液に浸漬されていない状態で、注液チャンバーを大気圧に戻し、電解液が注液された後の容器に所定量の気体を注入するとともに、第1減圧状態の圧力をX(Pa)とし、容器内の空間の体積を1としたときの、容器に注液したい電解液の体積の割合をRとした場合に、第2減圧状態の圧力の値Yを、下記の式(1):
Y=X/(1−R) ……(1)
(ただし、0<R<1)
で表される値とするようにしているので、コストのかかる容積計量用のディスペンサーを用いることなく、圧力を調整するだけで、容器に所定量の電解液を注液することができる。
また、本発明の電解液の注液方法においては、容器内部が第1減圧状態にまで減圧されるので、注液前に容器内に残存する気体の量を少なくして、容器内部の電池要素などの素子本体に気泡を噛み込まれることを抑制、防止して、所望の特性を備えたリチウムイオン二次電池や、電気二重層キャパシタなどの電気化学素子を得ることができる。
また、所定量の電解液が容器内に注液された後に、気体が注入されることから、容器の注液口のシール部近傍には液体が存在せず、良好なシール性を確保することができる。
また、第2減圧状態の圧力の値Yを、上記の式(1)で表される値とすることにより、電解液量を測定することを必要とせずに、圧力を調整するだけで、所望量の電解液を容易かつ確実に容器に注液することが可能になる。ただし、素子本体や容器の構造などによっては、圧力損失が大きくなり、目標値と実際の注液量に差が生じる場合もあるが、その場合には、上記式(1)で求められる値に、経験的な補正を加えることにより、目標値に近い量の注液を確実に行うことが可能になる。
本発明の一実施形態(実施形態1)にかかる電解液の注液方法の一工程(減圧工程)を示す図である。 本発明の実施形態1にかかる電解液の注液方法の他の工程(浸漬工程)を示す図である。 本発明の実施形態1にかかる電解液の注液方法のさらに他の工程(注液工程)を示す図である。 本発明の実施形態1にかかる電解液の注液方法のさらに他の工程(離液工程)を示す図である。 本発明の実施形態1にかかる電解液の注液方法のさらに他の工程(気体注入工程)を示す図である。 本発明の他の実施形態(実施形態2)において用いた被覆材の構成を示す平面図である。 本発明の実施形態2にかかる電解液の注液方法の一工程(減圧工程)を示す図である。 本発明の実施形態2にかかる電解液の注液方法の他の工程(浸漬および注液工程)を示す図である。 本発明の実施形態2にかかる電解液の注液方法のさらに他の工程(離液および気体注入工程)を示す図である。 従来の、容器への液体の注入方法を示す図である。 図10で示した液体の注入方法おいて用いられている注液槽を示す斜視図である。 従来の注液方法の他の例を示す図である。
以下に本発明の実施形態を示して、本発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
[実施形態1]
この実施形態1では、電気化学素子として、リチウムイオン二次電池を製造する工程で、容量発現部として機能する電池要素(素子本体)を収容した容器に電解液を注液する場合を例にとって、図1〜5を参照しつつ説明する。
なお、この実施形態において、リチウムイオン二次電池を構成する容器1は、寸法が、幅30mm、高さ60mm、厚さ10mmの電池缶(金属製の缶)であり、図1に示すように、容器1の下部には、直径1mmの注液口2を備えている。
なお、容器1は、注液口2を備えているが、他の部分は密閉されている。また、容器1は電力取り出し用の端子を備えているが、図1〜5では図示を省略している。
そして、容器1の内部には、正極層と、負極層とが、セパレータを介して積層された構造を有する、容量発現部として機能する電池要素(素子本体)10が収容されている。
また、この実施形態において、容器1に電解液4を注液するために用いた注液チャンバー3には、真空吸引手段が接続されているが、図1〜5では図示を省略している。
以下、複数の容器1に同時に所定量の電解液4を注液する場合について、図1〜5を参照しつつ説明する。
なお、ここでは、容器1の空間体積の90%まで電解液を注液する場合について説明する。
また、この実施形態1では、電解液4としては、γ−ブチロラクトン(GBL)と、炭酸エチレン(EC)と、6フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を含む電解液を用いた。この電解液4の常温(20℃)での蒸気圧は、2×102Paより低い。
(1)まず、図1に示すように、注液チャンバー3内に、複数の容器1と、複数の容器1に注液すべき量(合計量)より多い量の電解液4を入れた注液槽5を注液チャンバー3に配置する。なお、注液槽5としては、特に仕切りを設けていない構造の注液槽を用いている。
それから、各容器1を、その注液口2が、注液槽5内の電解液4に浸漬されないように保持した状態で、注液チャンバー3を、大気圧(1×105Pa)の状態から、所定の減圧状態である第1減圧状態となるまで真空吸引する。具体的には、第1減圧状態として、注液チャンバー3の圧力が1×103Paになるまで真空吸引する。
その結果、真空吸引する前の段階で容器1内の空間に存在する気体の99%が外部に排出される。
なお、第1減圧状態の圧力1×103Paは、ここで注液しようとしている上述の組成を有する電解液4の蒸気圧より高い圧力であり、電解液4が沸騰したり、電解液中の溶媒が大量に蒸発したりすることのない圧力である。したがって、第1減圧状態の圧力を1×103Paとすることにより、電解液4の組成の変動を招くような溶媒の多量の蒸発を招くことはない。
(2)次に、注液チャンバー3の内部を第1減圧状態(1×103Pa)に保ちつつ、真空吸引を停止した状態で、図2に示すように、容器1の注液口2を注液槽5内の電解液4に浸漬する。
(3)それから、容器1の注液口2が、注液槽5内の電解液4に浸漬された状態を保ちながら、注液チャンバー3内を、第1減圧状態よりも圧力の高い減圧状態である第2減圧状態にまで昇圧する。このとき、具体的には、第2減圧状態として、注液チャンバー3内を1×104Paになるまで昇圧する。
その結果、第1減圧状態の圧力1×103Paと、第2減圧状態の圧力1×104Paとの差圧分だけ、電解液4が容器1内に注液される(図3参照)。なお、このとき、容器1内の上部空間には気体6が残る。
具体的には、第1減圧状態の圧力と、第2減圧状態の圧力の差圧に対応して、容器1の空間体積の90%に相当する量の電解液4が容器1内に注液される。
(4)それから、図4に示すように、上記(3)の注液工程で注液が行われた容器1を引き上げて離液させ、注液口2が注液槽5内の電解液4から離間した状態とする。
(5)次に、図5に示すように、注液チャンバー3を大気圧(1×105Pa)に戻すことにより、所定量の電解液4が注液された後の容器1に、所定量の気体を注入する。
具体的には、容器1の空間容積の90%が注液された電解液4で占められ、容器1の空間容積の残りの10%が気体で占められた状態となる。
なお、このとき、容器1内の上部空間および下部空間に気体6が存在することになる。
すなわち、上記(1)の工程(減圧工程)で、真空吸引する前の段階の大気圧下で容器1内の空間に存在する気体の99%が排気され、上記(3)の工程(注液工程)で容器1の空間体積の90%に相当する量の電解液4が容器1内に注液され、上記(5)の工程(気体注入工程)で、大気圧により容器1の第2減圧状態にある上部空間の気体を圧縮しながら、気体の合計量が容器1の空間体積の10%になるまで気体が容器1の下部空間に注入される。
なお、ここでは、容器1の空間体積の90%まで電解液を注液する場合について説明したが、第1減圧状態の圧力と第2減圧状態の圧力の値を適宜制御することにより、容器1の空間体積に対して任意の割合で電解液4を注液することができる。
この実施形態1の注液方法によれば、従来のように、注液槽として、仕切りを施して単位注液槽を設けた注液槽を用いたり、ディスペンサーにより電解液を計量して各単位注液槽に注液することを必要とせずに、仕切りのない単一の注液槽に、電解液を注液に必要な量よりも多めに入れておき、注液チャンバーの圧力を調整するだけで、複数の容器1に一括して所望量の電解液を注液することができる。
また、リチウムイオン二次電池や電気二重層キャパシタなどの電気化学素子では、電解液を容器に注液する際に、容器に電解液よりも先に気体が侵入し、容量発現部として機能する電池要素などの素子本体に気泡が噛み込まれると、所望の特性が発現せず、容量不良となるおそれが生じるが、この実施形態1の注液方法では、容器内の気体を、第1減圧状態になるまで排気した後に注液を行い、素子本体に確実に電解液を注液した後、大気圧に戻るまで気体を容器内に注入するようにしているので、容量発現部として機能する素子本体に気泡の噛み込みが生じることを防止しつつ、所望量の電解液を容器内に注液することができる。
さらに、注液後に注液口をシールする場合に、注液口付近に電解液が充填されていると、栓を施す際に電解液が溢れ出たり、レーザー溶接などの方法でシールする際に電解液が突沸したりするおそれがあるが、実施形態1の注液方法の場合、上記(3)の電解液の注液工程に続く、上記(5)の気体注入工程で容器内に気体が注入され、図5に示すように、注液口2付近には電解液はほとんど存在せず、気体6が存在することになるため、上述のような問題が生じることを防止して、良好なシール性を確保することができる。
なお、第1減圧状態の圧力を低圧にした方が、注液前に容器内に残存する気体の量を低減できるため好ましく、例えば、第1の減圧状態の圧力を2×102Paとした場合、容器内に残留する気体(電池要素(素子本体)に気泡噛みするおそれのある気体)を、大気圧下で容器1内の空間に存在する気体の約0.2%にまで低減させることができる。
したがって、電解液に含まれる溶媒の種類や配合割合を考慮して、第1の減圧状態の圧力を、電解液が沸騰したり、溶媒が多量に蒸発したりしない範囲でできるだけ低く設定することが望ましい。
なお、この実施形態1では、第1の減圧状態の圧力を1×103Paとしているので、溶媒をほとんど蒸発させることなく、容器内に注液することができる。
なお、この実施形態1では、容器が金属製の缶(電池缶)である場合を例にとって説明したが、本発明は、容器がラミネートフィルムなどを用いて形成したソフトパッケージである場合にも適用することができる。
また、この実施形態1では、リチウムイオン二次電池を例にとって説明したが、本発明は、リチウムイオン二次電池に限らず、電気二重層コンデンサや電解液を用いる電解コンデンサなどの電気化学素子にも適用することが可能である。
なお、上記実施形態1では、電解液の温度を調整することは行っていないが、電解液を冷却しながら諸工程を実施するように構成することも可能である。
例えば、上記実施形態で用いた、図1の注液槽5に冷却機能を持たせて電解液を冷却することにより、第1の減圧状態の圧力をさらに低くした場合にも、電解液が沸騰したり、多量に蒸発したりすることを防止して、気泡の噛み込みや、電解液の組成変動のない、特性の良好な電気化学素子を効率よく製造することができる。
[実施形態2]
上記実施形態1では、注液槽5内の電解液の表面と気相とが接している状態のまま、減圧工程、浸漬工程、および注液工程などの工程を実施するようにしているが、この実施形態2では、図6に示すように、注液槽5に浸漬される複数個の容器1の平面形状に対応する形状を有し、かつ、容器1の平面形状よりもわずかに大きい貫通孔20aを備えた被覆材20(電解液表面被覆材)を用いて、電解液4と気相16とができるだけ接しない状態で減圧工程、浸漬工程、注液工程などの各工程を実施するように構成している。
なお、図7は、本発明の実施形態2にかかる電解液の注液方法の一工程(減圧工程)を示す図、図8は、他の工程(浸漬および注液工程)を示す図、図9はさらに他の工程(離液および気体注入工程)を示す図である。
図7〜9において、図1〜5と同一符号を付した部分は、同一または相当する部分を示す。
なお、この実施形態2では、被覆材20として、比重が電解液4より小さいものを用いて、被覆材20が電解液4の表面に浮かぶようにしている。これにより、特に被覆材20を保持する機構を必要とすることなく、電解液4の表面(液面)と、気相16との界面を極力少なくして、電解液4からの溶媒の蒸発を抑制することができる。ただし、被覆材20の構成は、これに限られるものではなく、電解液4の表面(液面)と、気相16との界面を少なくすることが可能な種々の構成とすることが可能である。
上述のように、第1減圧状態の圧力を低圧にした方が、注液前に容器内に残存する気体の量を低減できるため好ましいが、注液チャンバーを減圧状態にすることにより、電解液中の溶媒が蒸発しやすくなり、溶媒が蒸発すると、電解液の組成が最適組成からずれて、所望の特性を得ることができなくなる場合がある。
しかし、この実施形態2のように、被覆材20を備えた構成とすることにより、電解液4と気相16との界面を減らして電解液4中の溶媒の蒸発を抑制、防止して、電解液4の組成を一定に保つことが可能になる。その結果、特性の良好な電気化学素子を効率よく製造することが可能になる。
なお、この実施形態2の場合にも、電解液を冷却しながら減圧工程、浸漬工程、注液工程などを実施するように構成することが可能であり、その場合には、さらに効果的に、電解液中の溶媒の蒸発を抑制、防止することが可能になる。
また、上記実施形態では、電解液としては、γ−ブチロラクトン(GBL)と、炭酸エチレン(EC)と、6フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を含む電解液を用いた場合について説明したが、電解液はこれに限られるものではなく、他の種々の電解質を用いる場合に本発明を適用することが可能である。
本発明は、その他の点においても上記実施形態に限定されるものではなく、上述の減圧工程、浸漬工程、注液工程、離液工程などの具体的な条件、容器の構成や形状などに関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
1 容器
2 注液口
3 注液チャンバー
4 電解液
5 注液槽
6 気体
10 電池要素(素子本体)
16 気相
20 被覆材
20a 貫通孔

Claims (5)

  1. 注液口を備え、他の部分は密閉された構造を有する容器であって、電気化学素子を構成する素子本体が内部に収容された容器への電解液の注液方法であって、
    (a)前記容器と、前記容器に注液すべき量以上の電解液を入れた注液槽とを注液チャンバー内に配置し、前記容器の前記注液口が前記注液槽内の電解液に浸漬されていない状態を保ちつつ、注液チャンバーを第1減圧状態となるまで真空吸引する減圧工程と、
    (b)前記注液チャンバーが第1減圧状態に保たれ、真空吸引が停止された状態で、前記容器の前記注液口を前記注液槽内の電解液に浸漬する浸漬工程と、
    (c)前記容器の前記注液口が、前記注液槽内の電解液に浸漬された状態を保ちながら、前記注液チャンバーを、第1減圧状態よりも圧力が高く、大気圧よりも圧力が低い第2減圧状態にまで昇圧し、前記注液口から前記容器の内部に電解液を注液する注液工程と、
    (d)前記注液工程の終了後に、前記容器の前記注液口を前記注液槽内の電解液から離間した状態とする離液工程と、
    (e)前記注液チャンバーを大気圧に戻し、所定量の電解液が注液された後の前記容器に気体を注入する気体注入工程と
    を有し、かつ、
    前記第1減圧状態の圧力をX(Pa)とし、
    前記容器内の空間の体積を1としたときの、前記容器に注液したい電解液の体積の割合をRとした場合に、
    前記第2減圧状態の圧力の値Yを、下記の式(1)で表される値とすることを特徴とする電解液の注液方法。
    Y=X/(1−R) ……(1)
    (ただし、0<R<1)
  2. 前記注液槽として、複数の区画に分割されていない注液槽を用い、
    複数個の前記容器をそれぞれ注液口が前記注液槽内の電解液に浸るように浸漬して、複数個の前記容器のそれぞれに電解液を注液すること
    を特徴とする請求項記載の電解液の注液方法。
  3. 前記第1減圧状態の圧力を、前記注液工程における温度での電解液の蒸気圧以下にならないように制御することを特徴とする請求項1または2記載の電解液の注液方法。
  4. 前記注液槽内の電解液を冷却しながら、少なくとも前記減圧工程、前記浸漬工程、および前記注液工程を実施することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電解液の注液方法。
  5. 前記注液槽内の電解液の表面の、前記注液チャンバー内の気相と接する領域の少なくとも一部を覆う被覆材を配設した状態で、少なくとも前記減圧工程、前記浸漬工程、および前記注液工程を実施することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電解液の注液方法。
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