ここで、本明細書における各用語の意義について説明する。まず、「入球」とは、賞球が払い出される入賞のみならず、賞球払い出しの無い「スルーチャッカー」の通過も含む。「抽選」とは、乱数を用いての電子計算機によるくじを指す。ここで、「乱数」とは、パチンコ遊技機において何らかの遊技内容(例えば、当否、停止識別情報、識別情報の変動態様、特定遊技の可否や内容等)を決定するためのものを指し、狭義の乱数(例えばハード乱数)の他、擬似乱数(例えばソフト乱数)をも包含する。例えば、遊技の結果に影響を与えるいわゆる「基本乱数」、具体的には、特別遊技の移行と関連した「当選乱数」、識別図柄の変動態様(又は変動時間)を決定するための「変動態様決定乱数」、停止図柄を決定する「図柄決定乱数」、特別遊技後に特定遊技(例えば確率変動遊技)に移行するか否かを決定する「当たり図柄決定乱数」等を挙げることができる。尚、変動態様の内容や確定識別情報の内容等を決定する際、これらすべての乱数を使用する必要はなく、互いに同一又は相違する、少なくとも一つの乱数を使用すればよい。また、本特許請求の範囲や本明細書では、乱数の数とか複数個の乱数、といった形で乱数を個数表示していることがあるが、乱数取得の契機となる入球口(例えば始動入球口)の一回の入球により取得された乱数を一個と称している(即ち、前記の例だと、当選乱数+変動態様決定乱数+図柄決定乱数・・・という乱数の束を一個の乱数と称している)。また、例えば、一種の乱数(例えば当選乱数)が、別種の乱数(例えば図柄決定乱数)を兼ねていてもよい。「情報」とは、五感で把握できる一切の情報を指し、例えば、視覚的な情報(例えば画像や図柄)、聴覚的な情報(例えば音楽や音声)、触覚的な情報(例えば振動)を挙げることができる。「識別情報」とは、視覚的に認識可能なものであれば特に限定されず、例えば、数字、文字、図柄等を挙げることができる(例えば、装飾図柄、特別図柄、普通図柄、ブランク図柄)。「開状態」とは、遊技球が流入可能な状態や流入し易い状態を指し、「閉状態」とは、遊技球が流入不能な状態や遊技球が流入困難な状態を指す。「入賞」とは、賞球払出に関連する概念である。特別遊技状態への移行権利に関する「行使」とは、特別遊技への移行権利を獲得した後に特別遊技に移行させることを指し、例えば、特別遊技への移行権利の獲得に伴って当該権利獲得に対応したフラグ(本最良形態では「特別遊技移行許可フラグ」)がオンになった状況下で、当該権利獲得に対応したフラグをオフにして特別遊技への移行に対応したフラグ(本最良形態では「特別遊技実行フラグ」や「特別遊技実行中フラグオン」)をオンにすることを指す。また、「未行使」とは、特別遊技への移行権利が獲得されている状況下、まだ特別遊技に移行していないことを指し、例えば、前述の例の場合だと、特別遊技への移行権利獲得に対応したフラグがオンのままである状況を指す。以下、本発明の最良形態を説明する。尚、以下の最良形態は、従来の第1種パチンコ遊技機に関するものであるが、これに限定されず、他の遊技機{例えば、従来の第1種の機能を二つ有する遊技機や、従来の第1種の機能と従来の第2種の機能を一つ有する遊技機}といったパチンコ遊技機}に応用された場合も本発明の範囲内である。尚、あくまで最良の形態であり、各手段が存在する場所や機能等、各種処理に関しての各ステップの順序、フラグのオン・オフのタイミング、各ステップの処理を担う手段名等に関し、以下の態様に限定されるものではない。また、以下で説明するように、本最良形態での「主制御装置1000」は本発明での「主遊技部」に相当し、本最良形態での「演出表示制御手段2150」は「副遊技部」に相当する。ここで、本最良形態では、演出表示制御手段2150を管理する基板は一つ(サブ基板)として構成されているが、例えば、演出表示制御手段2150の機能をサブメイン基板とサブサブ基板とに分けて構成してもよい。
まず、図1を参照しながら、本最良形態に係るパチンコ遊技機の前面側の基本構造を説明する。パチンコ遊技機は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。以下、これらを順に説明する。
はじめに、パチンコ遊技機の遊技機枠は、外枠102、前枠104、透明板106、扉108、上球皿110、下球皿112及び発射ハンドル116を含む。まず、外枠102は、パチンコ遊技機を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠104は、外枠102の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構を介して外枠102に開閉可能に取り付けられる。前枠104は、遊技球を発射する機構、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導又は回収するための機構等を含む。透明板106は、ガラス等により形成され、扉108により支持される。扉108は、図示しないヒンジ機構を介して前枠104に開閉可能に取り付けられる。上球皿110は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿112への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿112は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。また、上球皿110と下球皿112の間にはスピーカ114が設けられており、遊技状態等に応じた効果音が出力される。更には、後述するように、貯留機構αに貯留されている遊技球を解除するための、遊技者により操作可能な操作ボタンXが備えられている。
次に、遊技盤は、外レール122と内レール124とにより区画された遊技領域120が形成されている。そして、当該遊技領域120には、図示しない複数の遊技釘及び風車等の機構や各種一般入賞口の他、特図始動口2110、普図始動口2210、大入賞口2120、特別図柄表示装置2130、演出表示装置2140、普通図柄表示装置2220、貯留機構α、センター飾り192及びアウト口142が設置されている。以下、各要素を順番に詳述する。
まず、特図始動口2110は、主遊技に対応する始動入賞口として設置されている。具体的構成としては、特図始動口2110は、特図始動口入球検出装置2111と、特図始動口電動役物2112と、特図始動口電動役物2112を開閉させるための特図始動口電動役物ソレノイド2112aとを備える。ここで、特図始動口入球検出装置2111は、特図始動口2110への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す特図始動口入球情報を生成する。次に、特図始動口電動役物2112は、特図始動口2110に遊技球が入賞し得る通常状態と当該通常状態よりも遊技球が入賞し易い開放状態に可変する。
次に、普図始動口2210は、普図始動口入球検出装置2211を備える。ここで、普図始動口入球検出装置2211は、普図始動口2210への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す普図始動口入球情報を生成する。尚、普図始動口2210への遊技球の入球は、特図始動口2110の特図始動口電動役物2112を拡開させるための抽選の契機となる。
次に、大入賞口2120は、特別図柄が所定態様で停止した場合に開状態となる、横長方形状を成しアウト口142の上方に位置した、主遊技に対応した入賞口である。具体的構成としては、大入賞口2120は、遊技球の入球を検出するための大入賞口入賞検出装置2121と、大入賞口電動役物2122と、大入賞口電動役物2122を開閉させるための大入賞口電動役物ソレノイド2122aとを備える。ここで、大入賞口入賞検出装置2121は、大入賞口2120への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入球情報を生成する。大入賞口電動役物2122は、大入賞口2120に遊技球が入賞不能又は入賞困難な通常状態と遊技球が入賞し易い開放状態に大入賞口2120を可変させる。
次に、特別図柄表示装置2130は、主遊技に対応する特別図柄の変動表示及び停止表示を行う。具体的構成としては、特別図柄表示装置2130は、特図表示部2131と、特図保留表示部2132とを備える。ここで、特図保留表示部2132は、4個のランプから構成され、当該ランプの点灯個数が、主遊技に係る乱数の保留数(実行されていない特別図柄の変動数)に相当する。尚、特別図柄表示装置2130は、例えば7セグメントLEDで構成され、特別図柄は、「0」〜「9」の10種類の数字及びハズレの「−」で表示される。
尚、特別図柄は必ずしも演出的な役割を持つ必要が無いため、本最良形態では、特別図柄表示装置2130の大きさは、目立たない程度に設定されている。しかしながら、特別図柄自体に演出的な役割を持たせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、後述する演出表示装置2140のような液晶ディスプレーに、特別図柄を表示させるように構成してもよい。
次に、演出表示装置2140は、主として、特別図柄と連動して変動・停止する装飾図柄を含む演出画像の変動表示及び停止表示が行われる。具体的構成としては、演出表示装置2140は、装図表示部2141と、装図保留表示部2142とを備える。ここで、装図表示部2141は、例えば、スロットマシンのゲームを模した複数列の装飾図柄変動の動画像を画面の中央領域に表示する。尚、演出表示装置2140は、本最良形態では液晶ディスプレーで構成されているが、機械式のドラムやLED等の他の表示手段で構成されていてもよい。次に、装図保留表示部2142は、4個のランプから構成され、当該ランプは、特別図柄の保留ランプと連動している。
次に、普通図柄表示装置2220は、普通図柄の変動表示及び停止表示が行われる。具体的構成としては、普通図柄表示装置2220は、普図表示部2221と、普図保留表示部2222とを備える。ここで、普図保留表示部2222は、4個のランプから構成され、当該ランプの点灯個数が、普通図柄変動の保留数(実行されていない普通図柄変動の数)に相当する。
次に、センター飾り192は、演出表示装置2140の周囲に設置され、遊技球の流路、演出表示装置2140の保護、装飾等の機能を有する。また、遊技効果ランプ190は、遊技領域120又は遊技領域120以外の領域に設けられ、点滅等することで演出の役割を果たす。
次に、図2を参照しながら、本最良形態に係るパチンコ遊技機の貯留機構αを説明する。図2(a)に示すように、貯留機構αは、遊技球を1球貯留可能なベロ構造の貯留部α1と、貯留部α1で貯留されていた遊技球が解除された際に下方に導くための誘導路α2と、誘導路α2の出口から排出された遊技球を受け入れ可能な特定領域用入球口α3と、貯留部α1から解除された遊技球を検知するための貯留解除遊技球検知センサα4と、を有している。ここで、貯留部α1は、図2(b)に示す貯留位置(ベロが付き出た位置)から図2(c)に示す解除位置(ベロが引込んだ位置)に変位可能である。そして、当該変位は、図1に示す操作ボタンXを遊技者が操作した際、貯留部駆動手段α1−1が駆動されることにより実行される。そして、誘導路α2は、貯留部α1で遊技球が解除されてから当該遊技球が特定領域用入球口α3に到達するまでの時間として、演出を実行することが可能な時間(例えば3秒)が確保できるよう、緩やかに下方に傾斜した蛇状構造を採っている。次に、特定領域用入球口α3は、内部に特定領域(センサα3−1)を有している。そして、当該特定領域α3−1に遊技球が入球した場合、主制御装置1000側に入球信号を出力する。
ところで、本最良形態では、演出を実行することが可能な時間(例えば3秒)が確保できるよう、緩やかに下方に傾斜した蛇状構造としたが、これには限定されない。例えば、図2(d)に示すように、貯留状態では停止している回転体とし、貯留を解除する際には当該回転体を回転させることで特定領域用入球口に導くよう構成してもよい。尚、演出を実行することが可能な時間の調整であるが、本最良形態のような貯留装置であれば、本最良形態に示す手法の他、特定領域に向かう通路内にストッパー部材を設けた上、演出実行中はストッパー部材を停留位置として遊技球が下方の特定領域に落下しないようにし、演出が終了した後又は終了する直前にストッパー部材を解除して遊技球が下方の特定領域に落下するようにしてもよい。また、後者であれば、回転速度を変更することで当該時間の調整を容易に実行することが可能である。
次に、図3を参照しながら、パチンコ遊技機の背面側における基本構造を説明する。パチンコ遊技機は、パチンコ遊技機の全体動作を制御し、特に特図始動口2110へ入球したときの抽選等、遊技動作全般の制御(即ち、遊技者の利益と直接関係する制御)を行う主制御装置(メイン基板)1000と、遊技内容に興趣性を付与する装図表示部2141上での各種演出・情報報知に係る表示制御を行う演出表示制御手段(サブ基板)2150と、遊技の興趣性を高める演出が表示される演出表示装置2140と、賞球タンク212、賞球レール214及び各入賞口への入賞に応じて賞球タンク212から供給される遊技球を上球皿110へ払い出す払出ユニット216等を備える賞球払出機構(セット基盤)210と、払出ユニット216による払出動作を制御する賞球払出制御装置3000と、上球皿110の遊技球(貯留球)を遊技領域120へ1球ずつ発射する発射装置232と、発射装置232の発射動作を制御する発射制御基板230と、パチンコ遊技機の各部へ電力を供給する電源ユニット290と、パチンコ遊技機の電源をオンオフするスイッチである電源スイッチ292等が、前枠104裏面(遊技側と反対側)に設けられている。
次に、図4のブロック図を参照しながら、本最良形態に係るパチンコ遊技機の各種機能について説明する。はじめに、主制御装置1000は、遊技に係る遊技周辺機器2000、操作ボタンX、特定領域用入球口α3、貯留解除遊技球センサα4、主制御装置1000からの払出指示に基づき所定数の賞球の払出制御を行う賞球払出制御装置3000と、情報伝達可能に接続されている。その他、図示しないが、各種遊技効果ランプ190(例えばサイドランプ)やスピーカ114等とも電気的に接続されている。尚、主制御装置(メイン基板)1000や副制御装置(サブ基板)である演出表示制御手段2150等は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子等から構成される。尚、以下で主制御装置1000に含まれるとする各手段を周辺機器(例えば、遊技周辺機器2000)に搭載される形で構成してもよい。更には、周辺機器(例えば、遊技周辺機器2000)に含まれるとする各手段を主制御装置1000に搭載される形で構成してもよい。以下、上記各手段(装置)の詳細を説明する。
まず、主制御装置1000は、主遊技(特別遊技等)・補助遊技・一般遊技に関する主たる制御を司る遊技制御手段1100と、遊技周辺機器2000側に各種遊技情報{例えば、停止図柄情報、停止図柄の属性情報(例えば、確率変動大当たり、突然確率変動大当たり、時間短縮変動大当たり、小当たり、ハズレ)、変動態様に関する情報(例えば、変動時間)、特別遊技の開始信号・状態情報・終了信号、特別遊技移行権利付与情報、特別遊技移行権利行使情報、操作ボタン操作情報、貯留球解除情報等}を送信するための情報送信手段1200と、各種入賞口への遊技球の入賞に基づき所定の賞球の払出を行うように賞球払出制御装置3000を制御する賞球払出決定手段1300とを有している。
ここで、遊技制御手段1100は、各入球口(始動口等)への遊技球の流入を判定するための入球判定手段1110と、各乱数の取得可否を判定し、当該判定結果に基づき当該各乱数を取得するための乱数取得判定実行手段1120と、変動表示中における各始動口への入球を保留球として上限個数以内で一時記憶するための保留制御手段1130と、後述する特図保留手段1131(特図保留情報一時記憶手段1131a)に保留されている特図乱数を読み出し、全保留について、当否結果及び変動内容(リーチ変動態様であるか否かや変動時間)等を先読み(以下、先読みした情報を「保留先読み情報」という)するための保留先読み制御手段1133と、後述する遊技内容決定乱数(当選乱数)に基づき当たりであるか否かを抽選する当否抽選手段1135と、各乱数に基づき、各図柄の停止図柄及び変動態様(変動時間等)を決定するための図柄内容決定手段1140と、各図柄の変動及び停止表示する制御を行うための表示制御手段1150と、特図始動口2110の特図始動口電動役物2112の開閉決定に直接関連する各種処理を行うための電チュー開閉制御手段1160と、貯留装置αに貯留されている遊技球の貯留解除制御を司る貯留装置制御手段1165と、通常遊技よりも遊技者に有利な特別遊技に関する制御を司る特別遊技制御手段1170と、主遊技及び補助遊技に関し、現在の遊技状態をどの遊技状態に移行させるかの決定と、当該決定に基づき遊技状態を移行させる処理を行うための特定遊技制御手段1180と、重複した特別遊技の発生を防止するための作動回避制御手段1185と、現在の遊技状態[例えば、主遊技に関する状態{通常遊技状態、特定遊技状態(確率変動遊技状態、時間短縮遊技状態)、特別遊技状態}、補助遊技に関する状態(易開放状態、非易開放状態)、特別図柄に係る停止図柄及び変動態様情報、各種フラグのオンオフ状況、特別遊技中の遊技状態(例えばラウンド数や入賞個数情報)]等を一時記憶するための遊技状態一時記憶手段1190と、を有している。以下、各手段について詳述する。
まず、入球判定手段1110は、特図始動口2110へ遊技球が入球したか否かを判定する特図始動口入球判定手段1111と、普図始動口2210に遊技球が流入したか否かを判定する普図始動口入球判定手段1112と、特定領域用入球口α3へ遊技球が入球したか否かを判定する特定領域用入球口入球判定手段1113と、貯留解除遊技球検知センサα4を遊技球が通過(入球)したか否かを判定する貯留解除遊技球センサ入球判定手段1114と、を有している。
次に、乱数取得判定実行手段1120は、特図始動口2110への遊技球の入球に基づき遊技内容決定乱数を取得するか否かを判定すると共に、判定結果に応じて当該乱数(例えば、当選乱数、変動態様決定乱数、特別図柄決定乱数等)を取得する特図乱数取得判定実行手段1121と、普通図柄当選乱数の取得の可否を判定し、当該判定結果に基づき当該乱数を取得するための普図乱数取得判定実行手段1122とを有している。
ここで、上記を含め本特許請求の範囲及び本明細書における「乱数」は、例えば、乱数の種類により割り振られた「0」〜「65535」(当選乱数)や「0」〜「255」(変動態様決定乱数)といった所定範囲からランダムに選択された値である。また、乱数としては、数学的に発生させる乱数でなくともよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数等により発生させる擬似乱数でもよい。例えば、乱数にある夫々の値の発現方式が、乱数の数列に沿って順々に値を発現させる方式(プラスワン方式)、乱数の数列の最終値が発現したときの次の値(初期値)を偶然性のある値によって定める方式(初期値更新方式)、これらの組み合わせ等を挙げることができる。
次に、保留制御手段1130は、特別図柄変動許可が下りていない状況で取得した当該遊技内容決定乱数を一時記憶するか否かを判定し、当該判定結果に基づき前記乱数を図柄変動許可が下りるまで特図保留情報一時記憶手段1131aに保留するための特図保留手段1131と、普通図柄変動許可が下りていない状況で取得した当該遊技内容決定乱数を一時記憶するか否かを判定し、当該判定結果に基づき前記乱数を図柄変動許可が下りるまで普図保留情報一時記憶手段1132aに保留するための普図保留手段1132とを有している。ここで、特図保留手段1131及び普図保留手段1132は、最大4個まで記憶可能な、前記乱数を保留順序と結合した形で一時記憶するための、特図保留情報一時記憶手段1131a及び普図保留情報一時記憶手段1132aを夫々有している。
次に、保留先読み制御手段1133は、前記保留先読み情報を演出表示制御手段2150側に送信するための保留先読み情報送信手段1133aを有している。尚、保留の先読み処理の詳細については後述する。
次に、当否抽選手段1135は、乱数を取得した場合に当該乱数に基づいて特別遊技に移行させるか否かを決定する特別遊技移行決定手段1135aと、当否抽選を行う際に参照される当否抽選テーブル1135bと、を有している。そして、当否抽選テーブル1135bは、通常時に参照される通常時用当否抽選テーブル1135b−1と、特定時に参照される特定時用当否抽選テーブル1135b−2と、を有している。ここで、「特定時」とは、特別遊技移行権利が付与されており当該権利がまだ行使されていない状況を指し、「通常時」とは、特別遊技移行権利が付与されていない状況を指す。そして、通常時用当否抽選テーブル1135b−1は、通常時且つ通常遊技時又は時間短縮遊技時に参照される非確率変動遊技時当否抽選テーブル1135b−1−1と、通常時且つ確率変動遊技時に参照される確率変動遊技時当否抽選テーブル1135b−1−2と、を有している。
ここで、表1は、当否抽選テーブル1135bの一例を示したものである。これらの中で特に注目すべきは、特定時に参照される特定時用当否抽選テーブル1135b−2である。当該表から分かるように、特定時(特別遊技移行権利が付与されており当該権利がまだ行使されていない状況下)には、どのような乱数を取得しても特定時には必ずハズレになるようにテーブル構成されている。尚、本最良形態では、当否抽選を実行した上、特定時には必ずハズレになるよう構成されているが、これには限定されない。例えば、当否抽選を実行せずに図柄のみを決定し、図柄が所定の停止図柄である場合には当選とするよう構成されているパチンコ遊技機においては、特定時には前記所定の停止図柄が選択されないように構成すればよい。更には、特定時には必ずハズレとなるように構成しなくてもよい。例えば、特定時でも通常用当否抽選テーブルのような当選が存在するテーブルを用いて抽選を行った上、当選した場合には当該当選に基づく特別遊技移行権利をストックしておく(即ち、現在未行使である特別遊技移行権利が行使された後まで、今回新たに獲得した権利を一時記憶しておく)よう構成してもよい。尚、このようなストックタイプの場合には、権利を獲得した順に権利が消化されるようにすることが好適である。更には、ある特別遊技移行権が獲得されている状況下で新たに特別遊技移行権を獲得した場合、ストックせずに、当該ある特別遊技移行権を当該新たに獲得した特別遊技移行権に更新していくように構成してもよい(上書き)。このような構成は特別遊技移行権の付与期待利益が複数パターン存在する場合に特に有効である。例えば、付与期待利益が低利益である特別遊技移行権(例えば2R)が獲得されている状況下、高利益である特別遊技移行権(例えば15R)を獲得した場合、高利益である特別遊技移行権に書き換えられるため、遊技者に対して付与される利益がランクアップする。他方、付与期待利益が高利益である特別遊技移行権(例えば15R)が獲得されている状況下、低利益である特別遊技移行権(例えば2R)を獲得した場合、低利益である特別遊技移行権に書き換えられるため、遊技者に対して付与される利益がランクダウンする。尚、このようなランクアップやランクダウンとリンクした演出を実行すると、より興趣性のある遊技を提供することが可能となる。
次に、図柄内容決定手段1140は、取得した遊技内容決定乱数に基づき、特別図柄の停止図柄と変動態様(変動時間等)を決定する特図内容決定手段1141と、取得した普通図柄当選乱数に基づき普通図柄の停止図柄を決定する普図内容決定手段1142とを有している。
ここで、特図内容決定手段1141は、特別図柄に係る停止図柄や変動態様を決定する際に参照される特図内容決定用抽選テーブル1141aを有している。そして、当該特図内容決定用抽選テーブル1141aは、停止図柄を決定する際に参照される停止図柄決定抽選用テーブル1141a−1と、変動態様を決定する際に参照される変動態様決定抽選用テーブル1141a−2と、を有している。ここで、停止図柄決定抽選用テーブル1141a−1は、通常時に参照される通常時用停止図柄決定用抽選テーブル1141a−1−1と、特定時に参照される特定時用停止図柄決定用抽選テーブル1141a−1−2と、を有している。また、変動態様決定抽選用テーブル1141a−2も、通常時に参照される通常時用変動態様決定用抽選テーブル1141a−2−1と、特定時に参照される特定時用変動態様決定用抽選テーブル1141a−2−2と、を有している。更に、普図内容決定手段1142は、普通図柄に係る停止図柄を決定する際に参照される普図内容決定用抽選テーブル1142aを有している。そして、当該普図内容決定用抽選テーブル1142aは、遊技状態に応じて異なる各種当選テーブルを備えている(通常遊技→普図通常用抽選テーブル、確率変動遊技及び時間短縮遊技→普図時間短縮用抽選テーブル)。
ここで、表2は、停止図柄決定用抽選テーブルの一例を示したものである。ここで、停止図柄「3」は、非確率変動当たり図柄、停止図柄「7」は、確率変動当たり図柄、停止図柄「−」及び「X」〜「Z」は、ハズレ図柄である。尚、これについては後述するが、この特定図柄の停止図柄に対応して、サブ基板(演出表示制御手段2150)側でも装飾図柄の停止図柄を表示する。この際、特別図柄の停止図柄「−」に対応した装飾図柄の停止図柄としては完全なハズレ図柄が選択されるが、特別図柄の停止図柄「X」〜「Z」に対応した装飾図柄の停止図柄としては特定時(特別遊技移行権利を獲得しており且つ行使されていない状況時)であることを示唆するチャンス目のハズレ図柄が選択される。ここで、これらハズレ図柄「X」〜「Z」がどの程度の信頼性のあるチャンス目であるかであるが、上記表から理解できるように、ハズレ図柄「X」が出現した場合には「特定時」である可能性があり、ハズレ図柄「Y」が出現した場合には「特定時」である可能性が高く、ハズレ図柄「Z」が出現した場合には「特定時」であることが確定することになる。
次に、表3は、変動態様決定用抽選テーブルの一例を示したものである。ここで、「A1」は変動時間が短い変動態様であり(例えば5秒)、「A2」は変動時間が長い変動態様(例えば30秒)である。尚、これについては後述するが、この特別図柄の変動態様に対応して、サブ基板(演出表示制御手段2150)側でも装飾図柄の変動態様が決定される。この際、特別図柄の変動態様「A1」が選択された場合には、装飾図柄の変動態様として非リーチ変動態様が選択され、他方、特別図柄の変動態様「A2」が選択された場合には、装飾図柄の変動態様としてリーチ変動態様が選択される。更に、これも後述するが、特別図柄の変動態様として「A1」が選択された場合、当たりであったとしても当たりであったことが悟られないような変動態様が、サブ基板(演出表示制御手段2150)側では選択される。他方、特別図柄の変動態様として「A2」が選択された場合、サブ基板(演出表示制御手段2150)側では、状況に応じて異なるメッセージが当該変動終了後に表示される。まず、当該変動が当たりである場合に変動態様「A2」が選択された場合には、当該変動終了後に「大当たり確定です。」というメッセージ表示がなされる。尚、確率変動遊技時の当たりはすべて「A2」であるため、確率変動遊技状態で当った場合には当該変動終了後に常に上記メッセージが表示される。また、特定時(特に通常遊技状態時)である場合に変動態様「A2」が選択された場合には、当該変動終了後に「大当たり権利を既に獲得済です。」というメッセージがなされる。更に、通常時(特に通常遊技状態時)であり且つハズレである場合に変動態様「A2」が選択された場合には、当該変動終了後に「残念ながら大当たり権利は獲得していません」というメッセージがなされる。尚、特定時(特に時間短縮遊技時)である場合には、変動態様「A2」が選択されないよう構成されている。これについても後述するが、本最良形態では、特定時であり且つ回数制限付き時間短縮遊技中に、回数制限付き時間短縮遊技が終了する前に特別遊技の権利行使をした場合(即ち、ボタン操作した場合)には、当該特別遊技終了後に時短を付与しないというペナルティが課されるよう構成されている。したがって、このような状況下では「大当たり権利を既に獲得済みです。」というメッセージを表示せず、遊技者の利益を損なう事態の回避を図っている。
次に、表示制御手段1150は、特別図柄表示装置2130の特図表示部2131上で、所定時間特別図柄を変動させた後に停止表示する制御を行う特図制御手段1151と、普通図柄表示装置2220の普図表示部2221上で、所定時間普通図柄を変動させた後に停止表示する制御を行う普図制御手段1152とを有している。
ここで、特図制御手段1151は、前記特図内容決定手段1141により決定された変動態様に係る変動時間を管理するための特図変動時間管理手段1151aを更に有している。また、特図変動時間管理手段1151aは、ゼロクリア可能な特図変動管理用タイマ1151a−1(デクリメントカウンタ)を更に有している。更に、普図制御手段1152は、普通図柄表示装置2220の普図表示部2221上での普通図柄の変動時間を管理するための普図変動時間管理手段1152aを有している。また、普図変動時間管理手段1152aは、時間を計測可能な普図変動管理用タイマ1152a−1を更に備えている。
次に、電チュー開閉制御手段1160は、特図始動口2110の特図始動口電動役物2112を開閉する処理を行うための条件を充足しているか否かを判定するための条件判定手段1161と、特図始動口2110の特図始動口電動役物2112の駆動(開放)時間を計測する開放タイマ1162とを有している。
次に、貯留装置制御手段1165は、操作ボタンXからの操作信号や貯留解除信号を受信するための操作関連信号受信手段1165aを更に有している。
次に、特別遊技制御手段1170は、特別遊技移行決定手段1135aによる抽選に当選し且つ特別図柄が停止したことをもって特別遊技への移行権利を発生させる特別遊技移行権利付与手段1175と、特別遊技移行権利が発生している状況で特定領域α3に遊技球が入球した場合に特別遊技への移行権利を行使する(即ち、特別遊技への移行を許可する)特別遊技権利行使手段1176と、特別遊技移行条件を充足している場合、当該特別遊技の内容(具体的には、ラウンド数、ラウンド間時間等)を特別遊技関連情報一時記憶手段1191c中にセットする特別遊技内容決定手段1172と、大入賞口2120を所定条件で開状態にするという特別遊技を実行するための特別遊技実行手段1173と、特別遊技に関する各種処理の時間管理を行うための特別遊技時間管理手段1174とを有している。ここで、特別遊技時間管理手段1174は、時間を計測可能な特別遊技用タイマ1174aを更に有している。また、特別遊技内容決定手段1172は、特別遊技関連情報一時記憶手段1191cにセットされるべき前記特別遊技の内容を特定する際に参照される特別遊技内容参照テーブル1172aを更に有している。
次に、特定遊技制御手段1180は、特定遊技移行判定処理の際に必要な情報を一時記憶するための情報一時記憶手段1182と、特定遊技状態の終了条件を充足しているか否かを判定する特定遊技終了条件判定手段1181を有している。ここで、特定遊技終了条件判定手段1181は、時短回数をカウント可能な時短回数カウンタ1181aを更に有している。ここで、「特定遊技」とは、例えば、特別遊技への抽選確率が通常遊技時よりも高い確率変動遊技や、特別図柄の変動時間が通常遊技時よりも相対的に短い時間短縮遊技を指す。
ここで、本最良形態においては、時短回数は100回であり、当該時短中には、非時短中と比較して、特別図柄の変動時間が相対的に短縮される(時間短縮機能)。更に、普通図柄の変動時間も相対的に短縮されると共に、特図始動口2110の特図始動口電動役物2112の開放時間が相対的に延長される(開放時間延長機能)。尚、上記の特定遊技終了条件判定手段1181は、例えば、回数制限付きの確率変動遊技において終了回数に到達したか否かを判定する機能を有していたり(回数制限付確率変動遊技機能を有するパチンコ遊技機の場合)、図柄変動の度に所定確率で特定遊技(例えば確率変動遊技や時間短縮遊技)から通常遊技への移行抽選を行う機能を有していてもよい(転落抽選機能を有するパチンコ遊技機の場合)。
次に、作動回避制御手段1185は、図柄変動中に特別遊技に移行した場合、当該図柄変動の進行を一時停止する制御を実行する図柄変動一時停止手段1185aを有する。尚、図中の点線囲みの手段は変更例であるので、これについては後述する。
次に、遊技状態一時記憶手段1190は、主遊技における現在の遊技状態を一時記憶するための主遊技状態一時記憶手段1191と、補助遊技における現在の遊技状態を一時記憶するための補助遊技状態一時記憶手段1192とを有している。
ここで、主遊技状態一時記憶手段1191は、各種遊技状態における各種フラグのオンオフ情報を一時記憶するためのフラグ一時記憶手段1191aと、現在変動中の特別図柄(変動開始条件が成立した特別図柄)に係る停止図柄及び変動態様情報を一時記憶するための特図情報一時記憶手段1191bと、特別遊技に関する情報(例えば、ラウンド数、任意のラウンドにおける遊技球の入賞個数等)を一時記憶するための特別遊技関連情報一時記憶手段1191cとを有している。
また、補助遊技状態一時記憶手段1192は、補助遊技に関する情報(例えば、普通図柄当選フラグ・普通図柄変動中フラグ・開放延長フラグ・電チュー開放中フラグ・時間短縮フラグ等の各種フラグのオンオフ情報)を一時記憶するための補助遊技関連情報一時記憶手段1192aと、現在変動中の普通図柄(変動開始条件が成立した普通図柄)に係る停止図柄等の情報を一時記憶するための普図情報一時記憶手段1192bとを有している。
次に、遊技周辺機器2000について説明する。尚、一部の周辺機器については既に詳細構成を述べたので、残る構成について説明する。まず、遊技周辺機器2000は、主遊技側の周辺機器である主遊技周辺機器2100と、補助遊技に関する補助遊技周辺機器2200とを有している。以下、これらの周辺機器を順番に説明する。
まず、主遊技周辺機器2100は、特別遊技移行の契機となる特図始動口2110と、通常遊技の際には閉状態にあり、特別遊技の際には所定条件下で開状態となる大入賞口2120と、特別図柄の停止表示及び変動表示が可能な特別図柄表示装置2130と、装飾図柄の停止表示及び変動表示・特別遊技中の遊技進行状況を示す表示を含め、演出に係る表示を行う演出表示装置2140と、演出に係る一切の表示制御を司る演出表示制御手段2150とを有している。
ここで、演出表示制御手段2150は、主制御装置1000側からの各種情報を受信するための表示情報受信手段2151と、主制御装置1000側からの前記情報に基づき、演出表示装置2140上で演出表示制御を行う表示制御手段2152とを有している。以下、上記各手段を詳述する。
まず、表示情報受信手段2151は、主制御装置1000側からの主遊技に関する図柄情報を一時記憶するためのメイン側情報一時記憶手段2151aを有している。尚、メイン側情報一時記憶手段2151aに一時記憶された図柄情報は、以下で説明する各処理において、後述の各種手段により必要に応じ適宜参照される。
次に、表示制御手段2152は、演出表示装置2140の装図表示部2141上での装飾図柄の変動表示や停止表示に関する制御を司る装飾図柄表示制御手段2152aと、演出表示装置2140上で所定メッセージ(例えば、特別遊技権利を獲得しているか否かのメッセージ、ボタンを操作すべき旨のメッセージ)の表示制御を司るメッセージ表示制御手段2152dと、操作ボタンXを操作した際に実行されるボタン操作由来演出表示部2143上での演出制御を司るボタン操作由来演出表示制御手段2152eと、演出表示装置2140の装図保留表示部2142上での保留情報の表示処理に関する一切の制御を司る装図保留情報表示制御手段2152bと、当該演出の際に当該演出に関連する情報を含め演出表示に関連した情報を一時記憶する演出表示関連情報一時記憶手段2152cと、を有している。
ここで、装飾図柄表示制御手段2152aは、メイン側情報一時記憶手段2151a内に一時記憶された主制御装置1000側からの図柄情報に基づき、装飾図柄の停止図柄と変動態様を決定するための装図表示内容決定手段2152a−1と、装飾図柄や装飾図柄の変動態様に関するデータ(各種オブジェクトデータ、動画像データ、音声データ等)を含め演出に関する一切のデータを記憶するための装図変動態様記憶手段2152a−2とを更に有している。そして、装図表示内容決定手段2152a−1は、装飾図柄の停止図柄及び変動態様を決定する際に参照される装図表示内容決定用参照テーブル2152a−1−1を更に有している。
ここで、表4は、装図表示内容決定用テーブル2152a−1−1の一例を示したものである。ここで、本最良形態では、主制御装置(メイン基板)1000側からの特別図柄情報に基づいて、装飾図柄の表示内容(停止図柄及び変動態様)が決定されるよう構成されている。以下、当該表を参照しながら具体的に説明する。
まず、メイン基板側から特別図柄の停止図柄情報として「3」及び「7」が送信された場合を説明する。ここで、「3」及び「7」の場合、当該変動が非確変当たり及び確変当たりであることをそれぞれ意味する。ここで、メイン基板側からの特別図柄の変動態様が「A1」である場合、即ち、変動時間が短い場合には、当該変動時間と同じ非リーチ変動態様を選択すると共に、装飾図柄の出目としてバラケ目(非チャンス目)を選択する。これにより、装飾図柄だけを見ていても今回の変動が当たり変動があることを認識し難くなる。他方、メイン基板側からの特別図柄の変動態様が「A2」である場合、即ち、変動時間が長い場合には、当該変動時間と同じリーチ変動態様を選択すると共に、装飾図柄の出目として「333」(特別図柄が「3」である場合)又は「777」(特別図柄が「7」である場合)を選択する。これにより、装飾図柄を見れば今回の変動が当たり変動があることが認識できる。
次に、メイン基板側から特別図柄の停止図柄情報としてハズレ図柄が送信された場合を説明する。まず、ハズレ図柄「−」の場合であって、メイン基板側からの特別図柄の変動態様が「A1」である場合、即ち、変動時間が短い場合には、当該変動時間と同じ非リーチ変動態様を選択すると共に、装飾図柄の出目としてバラケ目(非チャンス目)を選択する。即ち、前述した当たりである場合に「A1」が選択された場合と同様である。他方、メイン基板側からの特別図柄の変動態様が「A2」である場合、即ち、変動時間が長い場合には、当該変動時間と同じリーチ変動態様を選択すると共に、装飾図柄の出目としてハズレリーチ図柄を選択する。これにより、遊技者は今回の変動がハズレであったことを認識することになる。
次に、ハズレ図柄「X」〜「Z」の場合であって、メイン基板側からの特別図柄の変動態様が「A1」である場合、即ち、変動時間が短い場合には、当該変動時間と同じ非リーチ変動態様を選択すると共に、装飾図柄の出目としてバラケ目(チャンス目)を選択する。ここで、表2の特別図柄決定用テーブルからも分かるように、「X」<「Y」<「Z」の順で、これらが選択された際に「特定時」(特別遊技移行権利を獲得しており且つ行使されていない状況時)である可能性が高まる。そこで、特定時である可能性の違いを遊技者に認識させるべく、特別図柄のハズレ図柄「X」〜「Z」に対応した形で、チャンス目の装飾図柄を表示する。尚、短い変動時間である変動態様「A1」が選択された場合にはαに属するチャンス目(表4参照)を表示し、長い変動時間である変動態様「A2」が選択された場合にはβに属するチャンス目(表4参照)を表示する。
再び図4に戻ると、メッセージ表示制御手段2152dは、特別遊技移行権利を獲得しているか否かやボタン操作を促すといった、装飾図柄表示部上で表示されるメッセージの可否や内容決定を行うメッセージ可否・内容決定手段2152d−1と、装飾図柄表示部上で表示されるメッセージの内容に関するデータが記憶されているメッセージ情報記憶手段2152d−2を有している。更に、メッセージ可否・内容決定手段2152d−1は、主制御装置1000側からの図柄情報や遊技状況等に基づき、メッセージの可否決定及び内容決定を行う際に参照されるメッセージ可否・内容決定用参照テーブル2152d−1−1を有している。
ここで、表5は、装図表示内容決定用参照テーブルの一例を示したものである。この表から分かるように、メイン側からの特別図柄情報に基づくメッセージと遊技状況に基づくメッセージに大別される。具体的に説明すると、メイン側からの特別図柄情報に基づくメッセージは、今回の変動が当たりである場合にその旨の告知(メッセージA)、特別遊技移行権利を未獲得な状況下でのハズレである場合にその旨を告知(メッセージB)、特別遊技移行権利を獲得している可能性がある状況下でのハズレである場合にその旨を告知(メッセージC)、特別遊技移行権利を獲得している可能性が高い状況下でのハズレである場合にその旨を告知(メッセージD)、特別遊技移行権利を獲得している可能性が100%である状況下でのハズレである場合にその旨を告知(メッセージE)、である。他方、遊技状況に基づくメッセージは、当該変動だけでなくその後の保留にも特別遊技に当選している状況となった場合に当該変動終了時点でただちに当該変動に基づく特別遊技を消化すべき旨の告知(メッセージF)、特別遊技移行権を獲得してから所定変動回数(n回)が経過した後に特別遊技移行権を獲得している旨の告知(メッセージG)、回数制限付き時短(チャンスゾーン)が終了した直後にボタン操作を促す旨の告知(メッセージH)、である。また、表6は、メッセージ情報記憶手段2152d−2の記憶内容例を示したものである。
再び図4に戻ると、ボタン操作由来演出表示制御手段2152eは、ボタン操作由来演出表示部2143上で実行されるボタン操作由来演出の内容を決定するボタン操作由来演出内容決定手段2152e−1を更に有している。そして、ボタン操作由来演出内容決定手段2152e−1は、特別遊技移行権利を獲得している状況下でボタン操作由来演出の内容を決定する際に参照される当たり時用演出決定用テーブル2152e−1−1と、特別遊技移行権利を獲得していない状況下でボタン操作由来演出の内容を決定する際に参照されるハズレ時用演出決定用テーブル2152e−1−2とを有している。
ここで、表7は、当たり時演出決定用テーブル2152e−1−1及びハズレ時演出決定用テーブル2152e−1−2の一例を示したものである。このように、特別遊技移行権利を獲得している状況下でボタン操作由来演出表示を実行する場合には、いずれかのタイミングで「当たり」が表示される一方、特別遊技移行権利を獲得していない状況下でボタン操作由来演出表示を実行する場合には、いずれのタイミングでも「ハズレ」が表示される。尚、この演出時間は、貯留装置αにて貯留を解除された遊技球が下方の特定領域用入球口(特定領域)α3に到達されるまでの時間を基準として設定されている。つまり、貯留が解除されてから特定領域用入球口に遊技球が到達するまでの時間よりも長いと、結論が出た後(即ち、特別遊技移行権利を獲得している場合には特定領域の通過により特別遊技が実行されることで結果が分かり、特別遊技移行権利を獲得していない場合には特定領域の通過により特別遊技が実行されないことで結果が分かる)に演出が実行されることになり好ましくない。そこで、本最良形態では、貯留が解除されてから特定領域用入球口に遊技球が到達するまでの時間(約3秒)を基準として、これと略同じか短い演出が選択されるように構成されている。尚、表7に示したように、本最良形態では乱数に基づき演出内容を決定するよう構成されているが、この乱数は新規に取得(例えば、ボタン操作があった際に取得)してもよいし、既に取得済みの乱数(例えば、図柄決定用乱数や変動態様決定用乱数等)を利用してもよい。
再び図4に戻ると、装図保留情報表示制御手段2152bは、保留数を一時記憶するための装図保留カウンタ2152b−1を更に有している。
次に、演出表示関連情報一時記憶手段2152cは、新たに特図乱数が保留された場合に主制御装置1000側の保留先読み情報送信手段1133aから送信される、特図保留に係る保留先読み情報(例えば、当否情報、特別図柄の変動態様及び/又は変動時間に関する情報、停止図柄情報等)を管理するための保留先読み情報管理手段2152c−1を有している。ここで、保留先読み情報管理手段2152c−1は、保留先読み情報送信手段1133aから送信された特図保留に係る保留先読み情報を、保留毎にその内容が認識できるように一時記憶するための保留先読み情報一時記憶手段2152c−1−1を更に有している。
尚、演出表示制御手段2150は、その他にも、遊技効果ランプ190の点灯及び消灯や、スピーカ114からの音声出力等の演出処理といった、画像表示以外の演出に係る一切の制御を更に制御する。また、本最良形態においては、演出表示制御手段2150が、装飾図柄、遊技ランプ及び音声の制御を一体的に行なうように構成しているが、機能的に別個の周辺機器として分離するように構成してもよい。この場合、当該周辺機器同士を基板対基板コネクタで接続するように構成してもよい。
次に、補助遊技周辺機器2200は、特図始動口2110の特図始動口電動役物2112の開放の契機となる普図始動口2210と、普通図柄の停止表示及び変動表示が可能な普通図柄表示装置2220とを有している。
尚、特別図柄表示装置2130及び普通図柄表示装置2220が、主制御装置1000と情報伝達可能に接続されており、残る演出表示装置2140が、演出表示制御手段2150と情報伝達可能に接続されている。即ち、特別図柄表示装置2130及び普通図柄表示装置2220は、主制御装置1000により制御され、演出表示装置2140は、演出表示制御手段2150により夫々制御されることを意味する。尚、主制御装置1000と片方向通信により制御される他の周辺機器を介して、別の周辺機器を制御するように構成してもよい。
次に、図5〜図24のフローチャートを参照しながら、本最良形態に係るパチンコ遊技機の処理の流れを説明する。はじめに、図5〜図16のフローチャートを参照しながら、本最良形態に係るパチンコ遊技機のメイン基板側での処理の流れを説明する。まず、図4は、主制御装置1000が行う一般的な処理の流れを示したメインフローチャートである。まず、ステップ1100で、主制御装置1000は、後述の普通図柄当選乱数取得処理を実行する。次に、ステップ1200で、主制御装置1000は、後述の電チュー駆動判定処理を実行する。次に、ステップ1300で、主制御装置1000は、後述の遊技内容決定乱数取得処理を実行する。次に、ステップ1350で、主制御装置1000は、後述の保留先読み制御処理を実行する。次に、ステップ1400で、主制御装置1000は、後述の特別図柄表示処理を実行する。次に、ステップ1800で、主制御装置1000は、後述のボタン操作関連処理を実行する。次に、ステップ1500で、主制御装置1000は、後述の特別遊技作動条件判定処理を実行する。次に、ステップ1600で、主制御装置1000は、後述の特別遊技制御処理を実行する。次に、ステップ1700で、主制御装置1000(特に賞球払出決定手段1300)は、遊技球が入賞した入賞口に基づき、賞球払出制御装置3000に対して払出コマンドを送信して所定の賞球数の払出処理を行い、再びステップ1100に戻る。以下、各サブルーチンに係る処理について詳述する。
まず、図6は、図5におけるステップ1100のサブルーチンに係る、普通図柄当選乱数取得処理のフローチャートである。まず、ステップ1102で、普図始動口入球判定手段1112は、普図始動口2210の普図始動口入球検出装置2211から普図始動口入球情報を受信したか否かを判定する。ステップ1102でYesの場合、ステップ1104で、普図乱数取得判定実行手段1122は、普図保留情報一時記憶手段1132aを参照し、保留球が上限(例えば4個)でないか否かを判定する。ステップ1104でYesの場合、ステップ1106で、普図乱数取得判定実行手段1122は、普通図柄当選乱数を取得する。次に、ステップ1108で、普図保留手段1132は、何個目の保留であるかという順番情報と共に、当該乱数を普図保留情報一時記憶手段1132aにセットする形で保留球を1加算する。そして、ステップ1110で、情報送信手段1200は、普図保留情報一時記憶手段1132aを参照し、当該乱数が何個目の保留として記憶されたのかの情報を取得すると共に、当該情報を演出表示制御手段2150側に送信し、次の処理(電チュー駆動判定処理1200)に移行する。尚、ステップ1102及びステップ1104でNoの場合も、次の処理(電チュー駆動判定処理1200)に移行する。
次に、図7は、図5におけるステップ1200のサブルーチンに係る、電チュー駆動判定処理のフローチャートである。まず、ステップ1202で、電チュー開閉制御手段1160は、補助遊技関連情報一時記憶手段1192aを参照して、電チュー開放中フラグがオフであるか否かを判定する。ステップ1202でYesの場合、ステップ1204で、普図制御手段1152は、補助遊技関連情報一時記憶手段1192aを参照して、普通図柄変動中フラグがオフであるか否かを判定する。ステップ1204でYesの場合、ステップ1206で、普図内容決定手段1142は、普図保留情報一時記憶手段1132aを参照し、普通図柄に関する保留球があるか否かを判定する。ステップ1206でYesの場合、ステップ1208で、普図内容決定手段1142は、当該保留球に基づく普通図柄乱数及び遊技状態に基づき停止図柄を決定する。次に、ステップ1210で、普図変動時間管理手段1152aは、遊技状態に基づき、普図変動管理用タイマ1152a−1に所定時間(例えば、時短遊技の場合には5秒、通常遊技の場合には30秒)をセットする。そして、ステップ1212で、普図制御手段1152は、補助遊技関連情報一時記憶手段1192a内の普通図柄変動中フラグをオンにする。次に、ステップ1214で、普図保留手段1132は、普通図柄に関する当該保留球を1減算した上で普図保留情報一時記憶手段1132aに記録されている保留情報を更新すると共に、普図制御手段1152は、普図変動管理用タイマ1152a−1をスタートした後、普図表示部2221上で普通図柄の変動表示を開始する。次に、ステップ1216で、普図変動時間管理手段1152aは、普図変動管理用タイマ1152a−1を参照して、前記所定時間に到達したか否かを判定する。ステップ1216でYesの場合、ステップ1218で、普図制御手段1152は、普図表示部2221上で、前記ステップ1208で普図内容決定手段1142が決定した停止図柄を確定表示する。そして、ステップ1220で、普図制御手段1152は、補助遊技関連情報一時記憶手段1192a内の普通図柄変動中フラグをオフにする。次に、ステップ1222で、条件判定手段1161は、当該停止図柄が「当たり」であるか否かを判定する。ステップ1222でYesの場合、ステップ1224で、電チュー開閉制御手段1160は、遊技状態に基づき、開放タイマ1162に所定時間(例えば、時短遊技の場合には5秒、通常遊技の場合には0.5秒)セットする。次に、ステップ1226で、電チュー開閉制御手段1160は、補助遊技関連情報一時記憶手段1192a内の電チュー開放中フラグをオンにする。そして、ステップ1228で、電チュー開閉制御手段1160は、特図始動口2110の特図始動口電動役物2112を開放する。次に、ステップ1230で、電チュー開閉制御手段1160は、開放タイマ1162を参照して、前記所定時間に到達したか否かを判定する。ステップ1230でYesの場合、ステップ1232及びステップ1234で、電チュー開閉制御手段1160は、特図始動口2110の特図始動口電動役物2112を閉鎖すると共に、補助遊技関連情報一時記憶手段1192a内の電チュー開放中フラグをオフにし、次の処理(特別遊技内容決定乱数取得処理1300)に移行する。
尚、ステップ1202でNoの場合はステップ1230に移行し、ステップ1204でNoの場合はステップ1216に移行し、ステップ1206、ステップ1216、ステップ1222及びステップ1230でNoの場合は次の処理(特別遊技内容決定乱数取得処理1300)に移行する。
次に、図8は、図5におけるステップ1300のサブルーチンに係る、特別遊技内容決定乱数取得処理のフローチャートである。まず、ステップ1302で、特図始動口入球判定手段1111は、特図始動口2110の特図始動口入球検出装置2111から特図始動口入球情報を受信したか否かを判定する。ステップ1302でYesの場合、ステップ1304で、特図乱数取得判定実行手段1121は、特図保留情報一時記憶手段1131aを参照し、保留球が上限(例えば4個)でないか否かを判定する。ステップ1304でYesの場合、ステップ1306で、特図乱数取得判定実行手段1121は、遊技内容決定乱数(当選乱数、変動態様決定乱数、特別図柄決定乱数等)を取得し、特図保留手段1131が、何個目の保留であるかという順番情報と共に、当該乱数を特図保留情報一時記憶手段1131aにセットする。そして、ステップ1308で、情報送信手段1200は、特図保留情報一時記憶手段1131aを参照し、当該乱数が何個目の保留として記憶されたのかの情報を取得すると共に、当該情報を演出表示制御手段2150側に送信し、次の処理(保留先読み制御処理1350)に移行する。尚、ステップ1302及びステップ1304でNoの場合も、次の処理(保留先読み制御処理1350)に移行する。
次に、図9は、図5におけるステップ1350のサブルーチンに係る保留先読み制御処理のフローチャートである。まず、ステップ1352で、保留先読み制御手段1133は、保留先読み条件を充足しているか否かを判定する。ここで、保留先読み条件とは、(1)新たに遊技内容決定乱数を取得した時(遊技球が特図始動口2110に入球した時)、(2)先読み結果と実際の結果とが異なり得る状況になった時(例えば、遊技状態が移行した時、保留球数が異なった時)等である。尚、(2)の場合に保留を先読みする理由は、例えば遊技状態が移行した時においては、ある遊技状態では当たりとなるのに別の遊技状態では同一乱数でもハズレとなる状況が想定され、また、例えば保留球数が異なった時においては、先読みした時点での保留球数ではリーチであるのに変動開始時での保留球数では非リーチである状況や変動時間が変わりうる状況が想定されるからである。ステップ1352でYesの場合、ステップ1354で、保留先読み制御手段1133は、特図保留情報一時記憶手段1131aに一時記憶されている、全保留における遊技内容決定乱数を読み出す。次に、ステップ1356で、保留先読み制御手段1133は、全保留について、遊技内容決定乱数(当選乱数)及び遊技状態に基づき、当否抽選テーブル1135bを参照し、特別図柄の当否を先読みする。次に、ステップ1358で、保留先読み制御手段1133は、全保留について、遊技内容決定乱数(例えば、特別図柄決定乱数、変動態様決定乱数)、前記当否結果、遊技状態、時短回数カウンタ値及び保留球数に基づき、特図内容決定用抽選テーブル1141a内の各抽選テーブルを参照し、特別図柄に関する停止図柄及び変動態様を先読みする。そして、ステップ1360で、保留先読み情報送信手段1133aは、前記先読み情報(全保留)を演出表示制御手段2150側に送信し、次の処理(特別図柄表示処理1400)に移行する。尚、ステップ1352でNoの場合にも、次の処理(特別図柄表示処理1400)に移行する。ここで、本最良形態においては、特図保留情報一時記憶手段1131aに、遊技内容決定乱数の形でセットするように構成されているが、先読みした情報をセットしてもよい。但し、先読みした情報をセットする場合、当該情報をセットした後に遊技状態が移行すると、実変動における情報と先読みした情報とで矛盾が生じるため、所定のタイミング(例えば変動の直前)で先読みした情報を再セットしなおす必要がある。更に、演出表示制御手段側に送信する先読み情報は、受信した演出表示制御手段2150側で予告可否・内容決定するために必要十分な情報であれば特に限定されず、例えば、各乱数値、各乱数値をグループ化した値、当否情報、遊技状態、変動態様情報、変動時間情報、図柄情報を挙げることができる。但し、各乱数値及びグループ化した値を演出表示制御手段2150側に送信する場合には、演出表示制御手段2150側では、前記乱数値等から当否結果等を先読みする手段を備える必要がある。更に、本最良形態においては、保留先読み条件を充足した場合に先読み情報を演出表示制御手段2150側に送信するように構成されているが、例えば、遊技球が特図始動口2110に入球する毎に、(1)先読み情報を演出表示制御手段2150側に送信するよう構成しても、(2)遊技内容決定乱数を演出表示制御手段2150側に送信し、演出表示制御手段2150側で前記ステップ1352〜ステップ1358の処理(同様の処理)を実行するよう構成してもよい。更に、本最良形態では、特別遊技移行権利が獲得されている状況(特定時)とされていない状況(通常時)とでは、参照されるテーブルが異なる。但し、先読みする際には、先読み時点で特別遊技移行権利が獲得されている状況であっても通常時用テーブルを参照し、その後にも特別遊技移行権を獲得し得る乱数が存在するか否かを判定する。
次に、図10は、図5におけるステップ1400のサブルーチンに係る、特別図柄表示処理のフローチャートである。まず、ステップ1402で、特図内容決定手段1141は、変動開始条件が成立しているか否かを判定する。ここで、この変動開始条件は、特別遊技中や特別図柄変動中でないことが条件となる。
ステップ1402でYesの場合、ステップ1404で、特図内容決定手段1141は、特図保留情報一時記憶手段1131aに一時記憶されている、今回の図柄変動に係る遊技内容決定乱数を読み出す。次に、ステップ1406で、当否抽選手段1135は、主遊技状態一時記憶手段1191のフラグ一時記憶手段1191aにアクセスし、特別遊技移行許可フラグがオフであるか否かを判定する。ここで、「特別遊技移行許可フラグ」とは、特別遊技移行権利が獲得されており且つ当該権利が未行使である状況下でオンとなるフラグである。尚、特別遊技移行権利は、当否抽選に当選し且つ当該抽選に基づく図柄変動が終了した時点で付与される(後述するステップ1442)。
ここで、ステップ1406でYesの場合(即ち、特別遊技移行権利を獲得していない場合)とNoの場合(即ち、特別遊技移行権利を獲得している場合)とではセットされる当否テーブルが異なる。具体的には、ステップ1406でYesの場合、当否抽選手段1135は、通常時用当否抽選テーブル1135b−1をセットする(より具体的には、通常遊技状態時及び時間短縮遊技時には非確率変動遊技時当否抽選テーブル1135b−1−1をセットし、確率変動遊技時には確率変動遊技時当否抽選テーブル1135b−1−2をセットする)。ここで、表1を見れば分かるように、この通常時用当否抽選テーブル1135b−1を用いた場合には、乱数値が所定値である場合には当選が選択される。他方、ステップ1406でNoの場合、当否抽選手段1135は、特定時用当否抽選テーブル1135b−2をセットする。ここで、表1を見れば分かるように、この特定時用当否抽選テーブル1135b−2を用いた場合には、どのような乱数値であってもハズレが選択される。このように、本最良形態では、特別遊技移行権利が獲得されている状況下では、それ以後に取得された乱数については、抽選は形式的に実行されるものの抽選結果はすべてハズレとなるよう構成されている。
そして、ステップ1412で、当否抽選手段1135は、セットされたテーブルを参照し、遊技内容決定乱数(当選乱数)に基づいて当否抽選を実行した上、当否結果を主遊技状態一時記憶手段1191に一時記憶する。次に、ステップ1413で、特図内容決定手段1141は、特図内容決定用抽選テーブル1141a内の各抽選テーブルを参照し、遊技内容決定乱数(例えば、特別図柄決定乱数、変動態様決定乱数)、当否結果及び遊技状態に基づいて特別図柄に関する停止図柄及び変動態様を決定し、これらを特図情報一時記憶手段1191bに一時記憶する。この際、当否抽選のときと同様、特別遊技移行権利を獲得していない「通常時」と特別遊技移行権利が獲得されている「特定時」とでは、参照されるテーブルが異なる(通常時の図柄決定:通常時用停止図柄決定用抽選テーブル1141a−1−1;特定時の図柄決定:特定時用停止図柄決定用抽選テーブル1141a−1−2;通常時の変動態様決定:通常時用変動態様決定用抽選テーブル1141a−2−1;特定時の変動態様決定:特定時用変動態様決定用抽選テーブル1141a−2−2)。次に、ステップ1414で、情報送信手段1200は、ステップ1413で決定した特別図柄に関する図柄情報(停止図柄情報、停止図柄の属性情報、変動態様情報等)を演出表示制御手段2150側に送信する。次に、ステップ1416で、特図変動時間管理手段1151aが、所定時間(前記ステップ1412で決定した変動態様に係る変動時間)を特図変動管理用タイマ1151a−1にセットする。そして、ステップ1418で、特図制御手段1151は、特別図柄表示装置2130の特図表示部2131上で、特図情報一時記憶手段1191bに記憶された変動態様に従い、特別図柄の変動表示を開始する。次に、ステップ1420で、特図制御手段1151は、フラグ一時記憶手段1191a内の変動中フラグをオンする。この処理で特別図柄の変動が開始される。
次に、ステップ1480で、主制御装置1000は、後述する作動回避処理を実行する。尚、本最良形態では、遊技者が図柄変動中にボタン操作を行わない場合には作動回避処理を実行する必要が無いが、遊技者が図柄変動中にボタン操作を行った場合には状況に応じて作動回避処理を実行する。
そして、ステップ1422で、特図変動時間管理手段1151aが、所定時間に到達したか否かを判定する。ここで、ステップ1422でNoの場合には、次の処理(ボタン操作関連処理1800)に移行する。他方、ステップ1422でYesの場合、ステップ1424で、特図制御手段1151は、特別図柄表示装置2130の特図表示部2131上での特別図柄の変動表示を停止し、特図情報一時記憶手段1191bに記憶されている停止図柄を確定停止図柄として表示制御する。そして、ステップ1426で、情報送信手段1200は、確定図柄と確定表示コマンドをサブ基板側(演出表示制御手段2150側)に送信する。次に、ステップ1428で、特図制御手段1151は、フラグ一時記憶手段1191a内の変動中フラグをオフにする。そして、ステップ1430で、特図変動時間管理手段1151aは、特図変動管理用タイマ1151a−1をリセットする。この処理で特別図柄の変動が終了する。
この段階で、今回の抽選で特別遊技移行権利を獲得したか否かの判定処理が実行される。具体的には、ステップ1440で、特別遊技移行権利付与手段1175は、主遊技状態一時記憶手段1191を参照して今回の抽選結果が当選であるか否かを判定する。ステップ1440でYesの場合、ステップ1442で、特別遊技移行権利付与手段1175は、主遊技状態一時記憶手段1191のフラグ一時記憶手段1191aにアクセスし、特別遊技移行許可フラグをオンにする。このフラグがオンになることにより、遊技者は特別遊技移行権利を獲得したことになる。更に、ステップ1444で、特定遊技制御手段1180は、情報一時記憶手段1182内に今回の当たり図柄を一時記憶する。尚、ここに一時記憶された情報(今回の処理で一時記憶された当たり図柄に加え、後述する処理で一時記憶する特別遊技移行直前の遊技状態)は、特別遊技終了後の遊技状態を決定する際に利用される。
そして、ステップ1450で、主制御装置1000は、後述の特定遊技終了判定処理を実行し、次の処理(ボタン操作関連処理1800)に移行する。尚、ステップ1402でNoの場合には、ステップ1432で、特図制御手段1151は、フラグ一時記憶手段1191aを参照し、変動中フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ1432でYesの場合にはステップ1480に移行し、Noの場合には次の処理(ボタン操作関連処理1800)に移行する。
図11は、図10におけるステップ1480のサブルーチンに係る、重複した特別遊技が実行されることを防止するための作動回避処理のフローチャートである。ここで、上段の処理{1480(1)}が、本最良形態に係る図柄変動を一時停止させる場合の処理である。尚、後段は変更例に係る処理であり、これについては後述する。
まず、図柄変動を一時停止させる場合の処理から説明すると、ステップ1482(1)で、図柄変動一時停止手段1185aは、特別遊技関連情報一時記憶手段1191cを参照し、特別遊技実行中でないか否かを判定する。ステップ1482(1)でYesの場合、ステップ1484(1)で、図柄変動一時停止手段1185aは、特図変動管理用タイマ1151a−1が一時停止中であるか否かを判定する。ステップ1484(1)でYesの場合、ステップ1486(1)で、図柄変動一時停止手段1185aは、特図変動管理用タイマ1151a−1の一時停止状態を解除して駆動させる。そして、ステップ1488(1)で、情報送信手段1200は、サブ基板側に特別図柄の変動再開信号を送信し、次の処理(ステップ1422)に移行する。
他方、ステップ1482(1)でNoの場合、即ち、大当たり実行中である場合には、ステップ1490(1)で、図柄変動一時停止制御手段1185aは、特図変動管理用タイマ1151a−1が動作中であるか否かを判定する。ステップ1490(1)でYesの場合、ステップ1492(1)で、図柄変動一時停止手段1185aは、特図変動管理用タイマ1151a−1を一時停止する。そして、ステップ1494(1)で、情報送信手段1200は、サブ基板側に特別図柄の一時停止信号を送信し、次の処理(ステップ1422)に移行する。
次に、図12は、図10におけるステップ1450のサブルーチンに係る、特定遊技終了判定処理のフローチャートである。まず、ステップ1452で、特定遊技制御手段1180は、時短回数カウンタ1181aを参照して、時短回数カウンタ値が0よりも大きいか否かを判定する。ステップ1452でYesの場合、ステップ1454で、特定遊技制御手段1180は、時短回数カウンタ1181aの時短回数カウンタ値を1減算する。次に、ステップ1456で、特定遊技制御手段1180は、時短回数カウンタ1181aを参照して、時短回数が0であるか否かを判定する。ステップ1456でYesの場合、ステップ1458で、特定遊技制御手段1180は、補助遊技関連情報一時記憶手段1192a内の時間短縮フラグをオフにする。そして、ステップ1460で、情報送信手段1200は、回数制限付き時間短縮遊技が終了した旨の時短終了信号をサブ基板側(演出表示制御手段2150側)に送信し、次の処理(ボタン操作関連処理1800)に移行する。尚、これを受信したサブ基板側(演出表示制御手段2150側)では、操作ボタンXを操作するメッセージ(チャンスゾーンである時間短縮遊技中に特別遊技移行権利を獲得したか否かを確認するためにボタン操作を促すメッセージ)を表示することになる。尚、ステップ1452及びステップ1456でNoの場合にも、次の処理(ボタン操作関連処理1800)に移行する。
次に、図13は、図5におけるステップ1800のサブルーチンに係る、ボタン操作関連処理のフローチャートである。まず、ステップ1802で、貯留装置制御手段1165は、操作関連信号受信手段1165aを参照し、操作ボタンXから操作信号を受信したか否かを判定する。ステップ1802でYesの場合、ステップ1804で、貯留装置制御手段1165は、貯留部駆動手段(貯留解除駆動用モータ)α1−1を所定時間駆動する。そして、ステップ1806で、貯留装置制御手段1165は、操作関連信号受信手段1165aを参照し、貯留解除遊技球検知センサα4から遊技球の通過信号を受信したか否かを判定する。ステップ1806でYesの場合、ステップ1808で、情報送信手段1200は、貯留球が解除された旨の貯留解除信号をサブ基板側(演出表示制御手段2150側)に送信し、次の処理(特別遊技作動条件判定処理1500)に移行する。尚、ステップ1802及びステップ1806でNoの場合にも、次の処理(特別遊技作動条件判定処理1500)に移行する。
次に、図14は、図5におけるステップ1500のサブルーチンに係る、特別遊技作動条件判定処理(特別遊技移行権行使処理)のフローチャートである。まず、ステップ1502で、特別遊技移行権利行使手段1176は、フラグ一時記憶手段1191aを参照し、特別遊技移行許可フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ1502でYesの場合、ステップ1504で、貯留解除遊技球センサ入球判定手段1114は、特定領域用入球口(特定領域)α3から通過(入球)信号を受信したか否かを判定する。ステップ1504でYesの場合、ステップ1506で、特定遊技制御手段1180は、現在の遊技状態を情報一時記憶手段1182に一時記憶する。尚、ここに一時記憶された情報(今回の処理で一時記憶された特別遊技直前の遊技状態に加え、前述したステップ1444で一時記憶した当たり図柄)は、特別遊技終了後の遊技状態を決定する際に利用される。次に、ステップ1510及びステップ1512で、特定遊技制御手段1180は、特定遊技フラグ(フラグ一時記憶手段1191a内の確率変動フラグ及び補助遊技関連情報一時記憶手段1192内の時間短縮フラグ)を一旦オフにすると共に、時短回数カウンタ1181aをリセット(時短回数カウンタ値=0)する。そして、ステップ1514及びステップ1516で、特別遊技移行権利行使手段1176は、フラグ一時記憶手段1191a内の特別遊技実行フラグをオンにすると共に特別遊技移行許可フラグをオフにし、次の処理(特別遊技制御処理1600)に移行する。尚、ステップ1502及びステップ1504でNoの場合は次の処理(特別遊技制御処理1600)に移行する。
次に、図15は、図5におけるステップ1600のサブルーチンに係る、特別遊技制御処理のフローチャートである。まず、ステップ1602で、特別遊技実行手段1173は、フラグ一時記憶手段1191aを参照し、特別遊技実行フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ1602でYesの場合、ステップ1604及びステップ1606で、特別遊技実行手段1173は、フラグ一時記憶手段1191a内の特別遊技実行フラグをオフにすると共に特別遊技実行中フラグをオンにする。次に、ステップ1608で、情報送信手段1200は、演出表示制御手段2150側に特別遊技開始信号を送信し、ステップ1612に移行する。他方、ステップ1602でNoの場合、ステップ1610で、特別遊技実行手段1173は、フラグ一時記憶手段1191aを参照し、特別遊技実行中フラグがオンであるか否かを判定する。そして、ステップ1610でYesの場合には、ステップ1612に移行する。尚、ステップ1610でNoの場合には、特別遊技実行手段1173は、特別遊技の許可が下りていないと判定し、次の処理(賞球払出処理1700)に移行する。
次に、ステップ1612で、特別遊技実行手段1173は、フラグ一時記憶手段1191aを参照し、ラウンド継続フラグがオンであるか否か、換言すれば、当該ラウンドが途中であるか否かを判定する。ステップ1612でYesの場合、即ち、当該ラウンドが途中である場合、以下で詳述するステップ1614〜1622の処理を行うことなく、ステップ1624に移行する。他方、ステップ1612でNoの場合、即ち、当該ラウンドの開始直前である場合、まず、ステップ1614で、特別遊技実行手段1173は、特別遊技関連情報一時記憶手段1191cにセットした開放パターン(例えば、開放し続ける開放パターン、開閉を行うパターン)をセットする(例えば、小当たりの開放パターンとしては、0.5秒開放→0.8秒閉鎖→0.5秒開放、という開放パターンをセットする)。次に、ステップ1616で、特別遊技実行手段1173は、特別遊技関連情報一時記憶手段1191c内の入賞球カウンタをゼロクリアする。次に、ステップ1618で、特別遊技実行手段1173は、特別遊技関連情報一時記憶手段1191c内のラウンド数カウンタに1を加算する。尚、特別遊技関連情報一時記憶手段1191cに記憶されているラウンド数は、特別遊技開始直後(初期値)は0であり、以後ラウンドを重ねていく毎に1ずつインクリメントされる。次に、ステップ1620で、特別遊技実行手段1173は、フラグ一時記憶手段1191a内のラウンド継続フラグをオンにする。そして、ステップ1622で、特別遊技実行手段1173は、大入賞口2120の大入賞口電動役物2122を駆動して大入賞口2120を開放し、ステップ1624に移行する。
次に、ステップ1624で、情報送信手段1200は、演出表示制御手段2150側に現在の遊技状態情報(例えば、現在のラウンド数や遊技球の入賞個数等)を送信する。そして、ステップ1626で、特別遊技実行手段1173は、特別遊技関連情報一時記憶手段1191cを参照して当該ラウンドで所定球(例えば10球)の入賞球があったか否かを判定する。ステップ1626でYesの場合には、ステップ1630に移行する。他方、ステップ1626でNoの場合、ステップ1628で、特別遊技実行手段1173は、特別遊技用タイマ1174a(特に開放時間タイマ)を参照して所定時間が経過したか否かを判定する。ステップ1626でYesの場合にも、ステップ1630に移行し、Noの場合には、次の処理(賞球払出処理1700)に移行する。
次に、ステップ1630で、特別遊技実行手段1173は、大入賞口2120の大入賞口電動役物2122の駆動を停止して大入賞口2120を閉鎖する。そして、ステップ1632で、特別遊技実行手段1173は、特別遊技用タイマ1174a(特に開放時間タイマ)をリセットする。次に、ステップ1634で、特別遊技実行手段1173は、フラグ一時記憶手段1191a内のラウンド継続フラグをオフにする。次に、ステップ1636で、特別遊技実行手段1173は、特別遊技関連情報一時記憶手段1191cを参照して、当該ラウンドが最終ラウンド(例えば、確率変動大当たり及び時間短縮変動大当たりの場合は15ラウンド、突然確率変動大当たりの場合は2ラウンド、小当たりの場合は1ラウンド)であるか否かを判定する。ステップ1636でYesの場合、ステップ1638で、特別遊技実行手段1173は、フラグ一時記憶手段1191a内の特別遊技実行中フラグをオフにする。次に、ステップ1640で、情報送信手段1200は、演出表示制御手段2150側に特別遊技終了信号を送信する。そして、ステップ1650で、遊技制御手段1100は、後述の特別遊技終了後の遊技状態決定処理を実行し、次の処理(賞球払出処理1700)に移行する。尚、ステップ1636でNoの場合にも、次の処理(賞球払出処理1700)に移行する。
次に、図16は、図15におけるステップ1650のサブルーチンに係る、特別遊技終了後の遊技状態決定処理のフローチャートである。まず、ステップ1652で、特定遊技制御手段1180は、情報一時記憶手段1182を参照し、当該特別遊技直前の遊技状態は回数制限付きの時短遊技状態であったか否かを判定する。ステップ1652でYesの場合、特定遊技には移行せずに次の処理(賞球払出処理1700)に移行する。このように、回数制限付き時短遊技が継続している状況下で遊技者が操作ボタンXを操作して特別遊技に移行させてしまった場合には、当該特別遊技後に特定遊技に移行しないというペナルティが課される。
他方、ステップ1652でNoの場合、ステップ1654で、特定遊技制御手段1180は、情報一時記憶手段1182を参照し、当該特別遊技の契機となった大当たり図柄は確率変動当たり図柄であったか否かを判定する。ステップ1654でYesの場合、ステップ1656及びステップ1658で、特定遊技制御手段1180は、フラグ一時記憶手段1191a内の確率変動フラグ及び補助遊技関連情報一時記憶手段1192内の時間短縮フラグを夫々オンにし、次の処理(賞球払出処理1700)に移行する。
他方、ステップ1654でNoの場合、ステップ1660で、特定遊技制御手段1180は、補助遊技関連情報一時記憶手段1192内の時間短縮フラグをオンにすると共に、時短回数カウンタ1181aに時短回数カウンタ値として所定値(例えば100)をセットする。そして、ステップ1664で、情報送信手段1200は、回数制限付き時短遊技(非確率変動遊技下での時短遊技)が開始された旨の時短開始信号をサブ基板側(演出表示制御手段2150側)に送信し、次の処理(賞球払出処理1700)に移行する。ここで、この回数制限付き時短開始信号を受信したサブ基板側では、回数制限付き時短遊技が開始されたことを認識すると共に、回数制限付き時短終了信号を受信するまでは、主制御装置1000側からどのような図柄情報(例えば当たり図柄情報)が来ようとも、操作ボタンXを操作する旨のメッセージを禁止する処理を実行する。その理由は、当該時短遊技中に操作ボタンXが操作された結果として特別遊技に移行した場合、当該特別遊技が確率変動当たりであったとしても前述の処理(ステップ1652でYesの場合の処理)に従い特定遊技(時間短縮遊技)が付与されないペナルティが課されてしまうからである。
次に、図17〜図24のフローチャートを参照しながら、本最良形態に係るパチンコ遊技機のサブ基板側での処理の流れを説明する。まず、図17は、演出表示制御手段2150が行う一般的な処理の流れを示したメインフローチャート6000である。まず、ステップ7100で、演出表示制御手段2150は、後述する保留情報管理・保留表示制御処理を実行する。次に、ステップ7200で、演出表示制御手段2150は、後述する保留先読みに基づく大当たり消化催促告知実行可否判定処理を実行する。次に、ステップ6100で、演出表示制御手段2150は、後述する装飾図柄表示内容決定処理を実行する。次に、ステップ6200で、演出表示制御手段2150は、後述する装飾図柄表示制御処理を実行する。次に、ステップ6400で、演出表示制御手段2150は、後述するメッセージ表示制御処理を実行する。次に、ステップ6500で、演出表示制御手段2150は、後述するボタン操作由来演出処理を実行する。そして、ステップ6300で、演出表示制御手段2150は、後述する特別遊技中表示制御処理を実行し、ステップ7100に戻る処理を繰り返す。以下、各サブルーチンに係る処理について詳述する。
次に、図18は、図17でのステップ7100のサブルーチンに係る、保留情報管理処理のフローチャートである。まず、ステップ7102で、装図保留情報表示制御手段2152bは、メイン側情報一時記憶手段2151aを参照し、主制御装置1000側から保留情報を受信したか否かを判定する。ステップ7102でYesの場合、ステップ7104で、装図保留情報表示制御手段2152bは、装図保留カウンタ2152b−1のカウンタ値に「1」を加算する。そして、ステップ7105で、装図保留情報表示制御手段2152bは、装図保留カウンタ2152b−1のカウンタ値と同数の保留表示を装図保留表示部2142上で実行し、次の処理(保留先読みに基づく大当たり消化催促告知実行可否判定処理7200)に移行する。他方、ステップ7102でNoの場合、ステップ7106で、装図保留情報表示制御手段2152bは、メイン側情報一時記憶手段2151aを参照し、主制御装置1000側から新たな図柄情報を受信したか否かを判定する。ステップ7106でYesの場合、ステップ7108で、装図保留カウンタ2152b−1のカウンタ値から「1」を減算する。そして、ステップ7110で、装図保留情報表示制御手段2152bは、演出表示関連情報一時記憶手段2152cのフラグエリア内の図柄内容決定許可フラグをオンにし、ステップ7105に移行する。尚、ステップ7106でNoの場合には、次の処理(保留先読みに基づく大当たり消化催促告知実行可否判定処理7200)に移行する。
次に、図19は、図14でのステップ7200のサブルーチンに係る、保留先読みに基づく大当たり消化催促告知実行可否判定処理のフローチャートである。まず、ステップ7202で、保留先読み情報受信手段2152c−1は、メイン側情報一時記憶手段2151aを参照し、主制御装置1000側から新たな保留に基づく保留先読み情報を受信したか否かを判定する。ステップ7202でYesの場合、ステップ7204で、保留先読み情報受信手段2152c−1は、保留先読み情報一時記憶手段2152c−1−1内の保留先読み情報を最新のものに更新する。次に、ステップ7206で、メッセージ可否・内容決定手段2152d−1は、保留先読み情報一時記憶手段2152c−1−1を参照し、現在変動中のものを含め大当たりが複数存在する状況であるか否かを判定する。ステップ7206でYesの場合、ステップ7208で、メッセージ可否・内容決定手段2152d−1は、演出表示関連情報一時記憶手段2152cのメッセージエリアに「メッセージF」(表5及び表6参照)をセットし、次の処理(装飾図柄表示内容決定処理6100)に移行する。尚、ステップ7202及びステップ7206でNoの場合にも、次の処理(装飾図柄表示内容決定処理6100)に移行する。
次に、図20は、図17でのステップ6100のサブルーチンに係る、装飾図柄表示内容決定処理のフローチャートである。まず、ステップ6102で、装図表示内容決定手段2152a−1は、演出表示関連情報一時記憶手段2152cのフラグエリアを参照し、図柄内容決定許可フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ6102でYesの場合、ステップ6104で、装図表示内容決定手段2152a−1は、演出表示関連情報一時記憶手段2152cのフラグエリア内の図柄内容決定許可フラグをオフにする。次に、ステップ6106で、装図表示内容決定手段2152a−1は、メイン側情報一時記憶手段2151a内に一時記憶された主制御装置1000側からの図柄情報に基づき、装図表示内容決定用参照テーブル2152a−1−1を参照して、装飾図柄の変動態様と停止図柄を決定すると共に、当該決定情報を演出表示関連情報一時記憶手段2152cの図柄関連情報エリアに一時記憶する。尚、主制御装置1000側からの停止図柄・変動態様(即ち、特別図柄の停止図柄・変動態様)と演出表示制御手段2150側で決定する停止図柄・変動態様(即ち、装飾図柄の停止図柄・変動態様)とは1対1対応でなくともよく、例えば、演出表示制御手段2150側での変動態様の比率を主制御装置1000側からの一変動態様に対して複数パターン持っていてもよい。次に、ステップ6108で、メッセージ表示制御手段2152dは、メイン基板側からの図柄情報(停止図柄及び変動態様)に基づき、メッセージ可否・内容決定用参照テーブル2152d−1−1を参照し、メッセージ表示条件を充足しているか否かを判定する。ステップ6108でYesの場合、ステップ6110で、メッセージ表示制御手段2152dは、メイン基板側からの図柄情報(停止図柄及び変動態様)に基づき、メッセージ可否・内容決定用参照テーブル2152d−1−1を参照し、演出表示関連情報一時記憶手段2152cのメッセージエリアに「メッセージA」〜「メッセージE」のいずれか(表5及び表6参照)をセットする。次に、ステップ6112で、メッセージ表示制御手段2152dは、演出表示関連情報一時記憶手段2152cのフラグエリアを参照し、大当たり権利獲得済みフラグがオフであるか否かを判定する。ここで、「大当たり権利獲得済みフラグ」とは、大当たりに当選した際にオンとなるフラグである。そして、当該フラグがオンになった後所定変動回数に到達しても大当たりに移行しない場合に、時短遊技中である場合を除き操作ボタンXの操作を促すメッセージが表示されることになる。次に、ステップ6112でYesの場合、ステップ6114で、メッセージ表示制御手段2152dは、演出表示関連情報一時記憶手段2152cを参照し、今回の変動は大当たりであるか否かを判定する。ステップ6114でYesの場合、ステップ6116で、メッセージ表示制御手段2152dは、演出表示関連情報一時記憶手段2152cのフラグエリアにアクセスし、大当たり権利獲得済みフラグをオンにする。そして、ステップ6118で、メッセージ表示制御手段2152dは、演出表示関連情報一時記憶手段2152cのn値一時記憶エリアにアクセスし、n値として0をセットする。その後、ステップ6120で、装図表示内容決定手段2152a−1は、演出表示関連情報一時記憶手段2152cのフラグエリア内の図柄内容決定フラグをオンにし、次の処理(装飾図柄表示制御処理6200)に移行する。
他方、ステップ6112でNoの場合、即ち、大当たり権利を既に獲得済みである場合には、ステップ6122で、メッセージ表示制御手段2152dは、演出表示関連情報一時記憶手段2152cのn値一時記憶エリアにアクセスし、n値に1を加算する。そして、ステップ6124で、メッセージ表示制御手段2152dは、演出表示関連情報一時記憶手段2152cのn値一時記憶エリアを参照し、n値が所定値であるか否か(例えば50)を判定する。ステップ6124でYesの場合、ステップ6126で、メッセージ可否・内容決定手段2152d−1は、演出表示関連情報一時記憶手段2152cのメッセージエリアに「メッセージG」(表5及び表6参照)をセットし、ステップ6120に移行する。尚、ステップ6102でNoの場合には、次の処理(装飾図柄表示制御処理6200)に移行する。また、ステップ6108でNoの場合にはステップ6112に移行し、ステップ6114及びステップ6124でNoの場合にはステップ6120に移行する。
次に、図21は、図17でのステップ6200のサブルーチンに係る、装飾図柄表示制御処理のフローチャートである。まず、ステップ6202で、装飾図柄表示制御手段2152aは、演出表示関連情報一時記憶手段2152cのフラグエリアを参照し、図柄変動中フラグがオフであるか否かを判定する。ステップ6202でYesの場合、ステップ6204で、装飾図柄表示制御手段2152aは、演出表示関連情報一時記憶手段2152cのフラグエリアを参照し、図柄内容決定フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ6204でYesの場合、ステップ6206及びステップ6208で、装飾図柄表示制御手段2152aは、演出表示関連情報一時記憶手段2152cのフラグエリア内の図柄変動中フラグをオンにすると共に、図柄内容決定フラグをオフにする。次に、ステップ6210で、装飾図柄表示制御手段2152aは、演出表示関連情報一時記憶手段2152cの図柄関連情報エリア内に一時記憶された決定内容に従い、演出表示装置2140の装図表示部2141上で装飾図柄の変動表示を開始する。
そして、ステップ6212で、装飾図柄表示制御手段2152aは、メイン側情報一時記憶手段2151aを参照し、主制御装置1000側から確定表示コマンドを受信したか否かを判定する。ステップ6212でYesの場合、ステップ6214で、装飾図柄表示制御手段2152aは、演出表示関連情報一時記憶手段2152cの図柄関連情報エリア内に一時記憶された決定内容(停止図柄)に従い、演出表示装置2140の装図表示部2141上で装飾図柄の停止図柄を確定表示する。そして、ステップ6216で、装飾図柄表示制御手段2152aは、演出表示関連情報一時記憶手段2152cのフラグエリア内の図柄変動中フラグをオフにする。最後に、ステップ6218で、表示制御手段2152は、演出表示関連情報一時記憶手段2152cのフラグエリア内のメッセージ表示許可フラグをオンにし、次の処理(メッセージ表示制御処理6400)に移行する。
尚、ステップ6202でNoの場合はステップ6212に移行し、ステップ6204及びステップ6212でNoの場合は次の処理(メッセージ表示制御処理6400)に移行する。
次に、図22は、図17でのステップ6400のサブルーチンに係る、メッセージ表示制御処理のフローチャートである。まず、本最良形態においては、所定条件を充足した場合、遊技者に対して操作ボタンXの操作催促に関連したメッセージが表示される。但し、回数制限付き時短遊技中であるときには、所定条件を充足した場合であってもメッセージの表示制御を禁止する処理が実行される。これは、前述のように、回数制限付き時短中に操作ボタンXを操作して特別遊技に移行した場合、当該特別遊技終了後に特定遊技が付与されないというペナルティが課されるからである。このように、当該メッセージ表示制御処理においては、回数制限付き時短遊技中であるか否かという点で処理が大きく異なる。
そこで、当該処理を説明すると、まず、ステップ6402からステップ6410にかけては、回数制限付き時短遊技中であるか否かの管理処理が実行される。具体的には、まず、ステップ6402で、メッセージ表示制御手段2152dは、メイン側情報一時記憶手段2151aを参照し、時短開始信号を受信したか否かを判定する。ここで、この「時短開始信号」は、回数制限付き時短遊技が開始される際、主制御装置1000側から送信される(図16のステップ1664参照)。ステップ6402でYesの場合、ステップ6404で、メッセージ表示制御手段2152dは、演出表示関連情報一時記憶手段2152cのフラグエリアにアクセスし、回数制限付き時短中フラグをオンにする。次に、ステップ6406で、メッセージ表示制御手段2152dは、メイン側情報一時記憶手段2151aを参照し、回数制限付き時短終了信号を受信したか否かを判定する。ここで、この「時短終了信号」は、回数制限付き時短遊技が終了する際、主制御装置1000側から送信される(図12のステップ1460)。ステップ6406でYesの場合、ステップ6410で、メッセージ表示制御手段2152dは、演出表示関連情報一時記憶手段2152cのフラグエリアにアクセスし、時短中フラグをオフにする。そして、ステップ6412で、メッセージ可否・内容決定手段2152d−1は、演出表示関連情報一時記憶手段2152cのメッセージエリアに「メッセージH」(表5及び表6参照)をセットする。以上で、回数制限付き時短遊技中であるか否かの管理処理が終了する。
次に、ステップ6214で、メッセージ表示制御手段2152dは、演出表示関連情報一時記憶手段2152cのフラグエリアを参照し、メッセージ表示許可フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ6214でYesの場合、ステップ6216で、メッセージ表示制御手段2152dは、演出表示関連情報一時記憶手段2152cのフラグエリアにアクセスし、メッセージ表示許可フラグをオフにする。そして、ステップ6218で、メッセージ表示制御手段2152dは、演出表示関連情報一時記憶手段2152cのフラグエリアを参照し、回数制限付き時短中フラグがオフであるか否かを判定する。ステップ6218でYesの場合、ステップ6220で、メッセージ表示制御手段2152dは、演出表示関連情報一時記憶手段2152cのメッセージエリアにアクセスし、セットされているメッセージ(図19のステップ7208、図20のステップ6110、図20のステップ6126、図22のステップ6212)を演出表示装置2140上に表示し、次の処理(ボタン操作由来演出処理6500)に移行する。但し、図19のステップ7208でセットしたメッセージFに関しては、当該変動結果が大当たりである場合にのみ表示することとする。他方、ステップ6218でNoの場合、ステップ6222で、メッセージ表示制御手段2152dは、演出表示関連情報一時記憶手段2152cのメッセージエリアにアクセスし、セットされているメッセージを表示することなくすべてクリアし、次の処理(ボタン操作由来演出処理6500)に移行する。尚、ステップ6402でNoの場合にはステップ6406に移行し、ステップ6406でNoの場合にはステップ6214に移行し、ステップ6214でNoの場合には次の処理(ボタン操作由来演出処理6500)に移行する。
次に、図23は、図17でのステップ6500のサブルーチンに係る、ボタン操作由来演出処理のフローチャートである。まず、ステップ6502で、ボタン操作由来演出表示制御手段2152eは、メイン側情報一時記憶手段2151aを参照し、メイン基板側からボタン操作信号を受信したか否かを判定する。ステップ6502でYesの場合、ステップ6504で、ボタン操作由来演出表示制御手段2152eは、演出表示関連情報一時記憶手段2152cのフラグエリアを参照し、大当たり権利獲得済みフラグがオンであるか否かを判定する。ステップ6504でYesの場合、ステップ6506で、ボタン操作由来演出表示制御手段2152eは、乱数を取得した上、当たり時演出テーブルを参照し、当該乱数に基づき抽選を実行して演出内容を決定する。他方、ステップ6504でNoの場合、ステップ6508で、ボタン操作由来演出表示制御手段2152eは、乱数を取得した上、ハズレ時演出テーブルを参照し、当該乱数に基づき抽選を実行して演出内容を決定する。そして、ステップ6510で、ボタン操作由来演出表示制御手段2152eは、ステップ6506又はステップ6508で決定した演出を、ボタン操作由来演出表示部2143で実行し、次の処理(特別遊技中表示制御処理6300)に移行する。尚、ステップ6502でNoの場合にも、次の処理(特別遊技中表示制御処理6300)に移行する。
次に、図24は、図17でのステップ6300のサブルーチンに係る、特別遊技中表示制御処理のフローチャートである。まず、ステップ6302で、表示制御手段2152は、演出表示関連情報一時記憶手段2152cのフラグエリアを参照し、特別遊技中フラグがオフであるか否かを判定する。ステップ6302でYesの場合、ステップ6304で、表示制御手段2152は、メイン側情報一時記憶手段2151aを参照し、主制御装置1000側から特別遊技開始信号を受信したか否かを判定する。ステップ6304でYesの場合、ステップ6306、ステップ6307及びステップ6308で、表示制御手段2152は、演出表示関連情報一時記憶手段2152cのフラグエリア内の特別遊技中フラグをオンにし大当たり権利獲得済フラグをオフにすると共に、演出表示装置2140上で大当たり開始表示を行う。そして、ステップ6310で、表示制御手段2152は、演出表示装置2140上で、主制御装置1000側から逐次送信されている遊技情報に基づき、ラウンド数と入賞個数を逐次表示する(確率変動大当たり又は時間短縮変動大当たりの場合のみ表示する)。ここで、突然確率変動大当たり(小当たりに当選し得るように設計した場合には小当たりも)である場合には、ラウンド数表示をすると、今回の当たりが「突然確率変動大当たり」(小当たりに当選し得るように設計した場合には「小当たり」も)であるかが遊技者に分かってしまうので、これらの当たりの場合には、当該処理においてラウンド数表示等を実行しない。次に、ステップ6312で、表示制御手段2152は、メイン側情報一時記憶手段2151aを参照し、主制御装置1000側から特別遊技終了信号を受信したか否かを判定する。ステップ6312でYesの場合、ステップ6314で、表示制御手段2152は、演出表示装置2140上で、大当たり終了表示を行う。そして、ステップ6316で、表示制御手段2152は、演出表示関連情報一時記憶手段2152cのフラグエリア内の特別遊技中フラグをオフにし、次の処理(保留情報管理・保留表示制御処理7100)に移行する。尚、ステップ6302でNoの場合はステップ6310に移行し、ステップ6304及びステップ6312でNoの場合は次の処理(保留情報管理・保留表示制御処理7100)に移行する。
次に、図25及び図26のタイミングチャートを参照しながら、本最良形態に係るパチンコ遊技機の作用を説明する。
まず、図25は、特別遊技移行権を獲得した状況下でボタン操作した場合(上段)と特別遊技移行権を獲得していない状況下でボタン操作した場合(下段)における、主制御装置側でのタイミングチャートである。
はじめに上段から説明すると、5回目の抽選で当選し、所定時間変動後に特別図柄が当たり図柄「7」で停止する。これにより「特別遊技移行許可フラグ」がオンとなり特別遊技移行権を獲得する。尚、これ以後の抽選はすべて乱数値にかかわらずすべてハズレとなる(6回目以降)。そして、10回目の特別図柄変動中に遊技者が操作ボタンXを操作することで遊技球が解除され、所定時間経過後に特定領域α3を通過する。この特定領域α3の通過を契機として「特別遊技移行許可フラグ」がオンからオフとなると共に「特別遊技実行フラグ」がオフからオンとなり特別遊技移行権が行使される。尚、この「特別遊技実行フラグ」がオンになったことを受け、当該フラグがオンになった時点で変動中であった特別図柄は、当該特別遊技終了後まで一時停止状態となる(11回目の特別図柄を参照)。また、特別遊技移行権を獲得して以後の6回目以降の特別図柄変動に際しては、特別遊技移行権利を獲得している場合に選択され易くなるハズレ図柄「X」〜「Z」が選択される。特に、9回目の特別図柄変動で表示されるハズレ図柄「Z」は、特別遊技移行権が獲得されている状況下でのみ選択されるハズレ図柄である。
次に下段から説明すると、上段と同様、10回目の特別図柄変動中に遊技者が操作ボタンXを操作することで遊技球が解除され、所定時間経過後に特定領域α3を通過する。しかしながら、この特定領域α3の通過時点で「特別遊技移行許可フラグ」はオフであるため、特別遊技に移行することなく通常遊技が引き続き実行される。また、特別遊技に移行しないので、特定領域αの通過時点で変動中であった特別図柄は、上段とは異なり一時停止状態とはならない(11回目の特別図柄を参照)。
次に、図26は、特別遊技終了後に回数制限付き(100回)時間短縮遊技に移行した場合における、異なるタイミングでボタン操作が実行された際の様子を示した図である。ここで、図26上段は、回数制限付き時間短縮遊技が終了した後にボタン操作が実行された場合のタイミングチャートであり、図26下段は、回数制限付き時間短縮遊技が終了する前にボタン操作が実行された場合のタイミングチャートである。
はじめに上段から説明すると、時間短縮遊技3回目の抽選で当選し、所定時間変動後に特別図柄が当たり図柄「3」で停止する。これにより「特別遊技移行許可フラグ」がオンとなり特別遊技移行権を獲得する。そして、この当たり図柄「3」は、時間短縮遊技が実行されていない状況下で特別遊技移行権が行使された場合、当該特別遊技終了後に特定遊技(時間短縮遊技100回)に移行する図柄である。そして、このまま遊技が継続され、時間短縮遊技が100回終了した時点で、「時短フラグ」がオフとなり時間短縮遊技が終了する。その後、遊技者が操作ボタンXを操作することで遊技球が解除され、所定時間経過後に特定領域α3を通過する。この特定領域α3の通過を契機として「特別遊技移行許可フラグ」がオンからオフとなると共に「特別遊技実行フラグ」がオフからオンとなり特別遊技移行権が行使される。そして、当該特別遊技終了後、回数制限付き特定遊技(時間短縮遊技)に移行する。
次に、下段を説明すると、上段同様、時間短縮遊技3回目の抽選で当選し、所定時間変動後に特別図柄が当たり図柄「3」で停止する。これにより「特別遊技移行許可フラグ」がオンとなり特別遊技移行権を獲得する。そして、この当たり図柄「3」は、前述のように、時間短縮遊技が実行されていない状況下で特別遊技移行権が行使された場合、特別遊技終了後に特定遊技(時間短縮遊技100回)に移行する図柄である。しかしながら、上段と異なり、時間短縮遊技が終了する前の71回目の特別図柄変動中に遊技者が操作ボタンXを操作することで遊技球が解除され、72回目の図柄変動の途中で特定領域α3を通過する。この特定領域α3の通過を契機として「特別遊技移行許可フラグ」がオンからオフとなると共に「特別遊技実行フラグ」がオフからオンとなり特別遊技移行権が行使される。但し、当該特別遊技終了後、特定遊技(時間短縮遊技)には移行しない。
以上でメイン基板側での作用例を説明したので、図25及び図26(及び表)を再度参照しながら、サブ基板側での作用例を説明することとする。
はじめに、図25上段の場合における、サブ基板側での作用例を説明する。まず、図柄変動の1回目〜5回目は、いずれも「変動時間短(A1)」が選択されている。したがって、表4からも分かるように、装飾図柄の停止図柄としてバラケ目が表示される。尚、5回目の図柄変動は当たり変動であるが、この変動についてもバラケ目が表示されるため、装飾図柄だけを見ている遊技者は当該変動が当たりとは認識しない。次に、特別遊技移行権を獲得して以後の図柄変動の6回目〜10回目については、特別遊技移行権獲得の可能性があるチャンス目が頻繁に表示されるようになる。本例では6回目及び10回目にチャンス目「246」が、8回目にチャンス目「123」が、9回目にチャンス目「373」が表示される。特に、9回目のチャンス目は特別遊技移行権獲得が確定するハズレ目である。更に、このチャンス目の表示と併せて、6回目及び10回目には「大当たり権利を獲得している可能性があります。」というメッセージ、8回目には「大当たり権利を獲得している可能性が高いです。」というメッセージ、9回目には「大当たり権利を既に獲得済みです。」というメッセージが表示される。そして、遊技者が操作ボタンXを操作すると(正確には貯留球の通過信号がメイン基板側から送信された後)、ボタン操作由来演出が実行される。ここで、本例では、表7の演出C−1−1(演出時間3秒)が選択されており、爆弾が3個出現して1秒毎に1個ずつ爆発して「ハズレ」→「ハズレ」→「当たり」が表示される演出が実行される。
次に、図25下段の場合における、サブ基板側での作用例を説明する。まず、図柄変動の1回目〜11回目は、いずれも「変動時間短(A1)」が選択されている。したがって、表4からも分かるように、装飾図柄の停止図柄としてバラケ目が表示される。尚、この間、特別遊技移行権利は獲得していないが、6回目及び8〜10回目にはチャンス目が表示され、これに対応して「大当たり権利を獲得している可能性があります。」等のメッセージも表示される。但し、図25上段の場合と異なり、「373」等の特別遊技移行権が獲得済みであるときにだけ選択されるハズレ目は選択されない。そして、遊技者が操作ボタンXを操作すると(正確には貯留球の通過信号がメイン基板側から送信された後)、ボタン操作由来演出が実行される。ここで、本例では、表7の演出B−1(演出時間2秒)が選択されており、爆弾が2個出現して1秒毎に1個ずつ爆発して「ハズレ」→「ハズレ」が表示される演出が実行される。
本最良形態によれば、特別遊技移行権利の獲得後、特別遊技状態への移行権利の行使可能期間を設けず、遊技球が特定領域に入球するまで特別遊技状態への移行権利を保持するように構成されているので、遊技者の希望するタイミングで特別遊技移行権利の行使を実現可能となる結果、特別遊技移行の獲得権が付与された後に何らかの事情(例えば、発射装置の故障や球切れ、急用、急病やトイレ等)が発生した場合であっても、遊技者が獲得した特別遊技移行権を保証することが可能になるという効果を奏する。加えて、本最良形態によれば、特別遊技移行権利の獲得後、特別遊技状態への移行権利の行使可能期間を設けず、遊技球が特定領域に入球するまで特別遊技状態への移行権利を保持するように構成されているので、内部での決定事項を報知する演出を必ず実行しなくても遊技者の利益を大きく損ねる事態を招かないため、内部での決定事項を必ずしも報知しないような興趣性の高い演出を実行可能となるという効果をも奏する。
更に、本最良形態によれば、特別遊技状態への移行権利が未行使状態である状況下では抽選結果として当選を選択しないよう構成されているので、抽選結果に起因した悪い印象を遊技者に対して与えることを防止することができると共に、再度の当選による特別遊技状態から通常遊技状態に戻る事態(パンク)を防止することができるという効果を奏する。
更に、本最良形態によれば、遊技者の意思で遊技球の貯留を解除可能な貯留機構を備え、遊技球の貯留が解除された場合には当該遊技球は特定領域側に誘導されるよう構成されているので、遊技者が特別遊技移行権利を獲得した後に当該権利を行使する意思を持ったとき、遊技者の意思に応じてただちに当該権利が行使可能となるという効果を奏する。
更に、本最良形態によれば、貯留機構から貯留球が解除されて当該貯留球が特定領域に到達するまでの期間中に特別遊技状態への移行権利が獲得済みか否かに関する情報が出力されるよう構成されているので、貯留球の解除により遊技者に対して内部での決定事項をただちに把握させることが可能になるという効果を奏する。
本最良形態によれば、特別遊技状態への移行権利が未行使状態である場合、識別情報の停止表示として特定態様を表示することで、特別遊技状態への移行権利が未行使状態であることを報知又は示唆するよう構成されているので、リーチ目やチャンス目の出現等、スロットマシンでは存在したがパチンコ遊技機では適用困難な興趣性の高い演出を実行することが可能になるという効果を奏する。
本最良形態によれば、特別遊技終了後における特定利益(いわゆる時間短縮)付与に関し、特別遊技移行権利獲得時の遊技状態ではなく、当該権利行使時の遊技状態に基づいて特定利益の付与可否又はその内容を決定するよう構成されているので、特別遊技移行権利獲得の際にすべての利益状態が決せられる従来機と比較し、遊技の広がりを更に持たせることが可能になるという効果を奏する。
本最良形態によれば、回数制限付きの特定遊技が実行された場合、当該特定遊技(本例では時間短縮遊技)後に操作ボタンを操作させて大当たり判定をさせるように構成されているので、特定遊技(本例では時間短縮遊技)を余すことなく実行させることができる結果、遊技機設計時に予定していた通りのスペックを実現させることが可能になることに加え、遊技者的にも提供されたメリットをすべて享受できるという効果を奏する。
次に、本最良形態に係るパチンコ遊技機の変更例を順次説明する。まず、本最良形態では、図柄変動時に特別遊技に移行した場合には、変動中の図柄を一時停止させることにより重複した特別遊技の実行やパンク等を回避している。他方、変動中の図柄変動を強制的にハズレにする処理を実行してもよい。以下、図4及び図11を参照しながら、本変更例を説明することとする。まず、図4に示すように、作動回避制御手段1185は、図柄変動中に特別遊技に移行した場合、当該図柄変動を強制終了すると共に強制的にハズレとする強制ハズレ手段1185bを有している。次に、図11は、図10におけるステップ1480のサブルーチンに係る、重複した特別遊技が実行されることを防止するための作動回避処理のフローチャートである。ここで、下段の処理{1480(2)}が、本変更例に係る強制ハズレ処理である。まず、ステップ1482(2)で、強制ハズレ手段1185bは、特別遊技関連情報一時記憶手段1191cを参照し、特別遊技実行中でないか否かを判定する。ステップ1482(2)でYesの場合には、次の処理(ステップ1422)に移行する。他方、ステップ1482(2)でNoの場合には、ステップ1484(2)で、強制ハズレ手段1185bは、特図変動管理用タイマ1151a−1に0をセット(インクリメントの場合には図柄変動終了時間以上の値)をセットする。そして、ステップ1486(2)で、強制ハズレ手段1185bは、特図情報一時記憶手段1191bに一時記憶されている今回の停止図柄情報をハズレのものと差替えた後(更には当該変動の結果もハズレに書き換え)、次の処理(ステップ1422)に移行する。このように、本変更例では、図柄変動時に特別遊技に移行した場合には、変動中の図柄変動を強制ハズレにするよう構成されているが、特別遊技移行権を獲得した後はもともとハズレでの抽選しかしていないため、強制ハズレにしたとしても、当たっている可能性のあるものがハズレになる訳ではなく、遊技者に不利益を与える事態にはならない。更に、本最良形態のように図柄変動を一時停止させた場合には、特別遊技終了直後の図柄変動(一時停止が解除された図柄変動)はハズレが確定しているのに対し、本変更例では特別遊技終了直後に当たりとなり得る抽選がすぐに実行されるので、前者のように遊技に対して興味を失する期間を無くすることが可能になる。
更に、本最良形態では、時間短縮遊技中に操作ボタンを押すことで特別遊技に移行させてしまった場合にはペナルティが課されるが、時間短縮遊技中であっても確率変動遊技中の場合にはペナルティが課されないように構成されている。しかしながら、確率変動遊技中であっても時間短縮遊技中に操作ボタンを押すことで特別遊技に移行させてしまった場合には、何らかのペナルティ(例えば、当選図柄が確率変動当たりである場合であっても確率変動遊技に移行させない、或いは時間短縮遊技に移行させない等)が課されるように構成してもよい。
更に、本最良形態では、特定領域通過時の遊技状態に基づき、特別遊技後に特定遊技状態(本例では時間短縮遊技状態)に移行するか否かが決定されるよう構成したが、当該特別遊技の契機となった当たり識別情報が確定停止した時点での遊技状態に基づいて決定されるように構成してもよい。このように構成することにより、特定領域の通過時の遊技状態に基づく場合と比較すると、操作の誤りや遊技性の不知があったとしても遊技者に損を与える事態を回避することが可能になる。
更に、本最良形態では、特別遊技移行権を獲得しているか否かの報知又は示唆を、サブ基板側での装飾図柄の停止図柄に化体させた形で実行するよう構成したが、サブ基板側での予告や背景変化等の演出で実行するよう構成してもよいし、併せて行ってもよい。
更に、本最良形態では、特別遊技移行権の獲得に関し、告知する場合及び告知でなく示唆する場合の両方が実行され得るよう構成したが、例えば特別遊技移行権を獲得した場合には完全に告知してもよく、逆に完全な告知は実行せずに常に示唆に留めるように構成してもよい。また、特別遊技移行権獲得後、所定回数変動が実行された後に(例えば、5ゲーム、10ゲーム)、報知又は示唆するように構成してもよい。
更に、本最良形態では、貯留装置を設けるよう構成したが、貯留装置を設けずに、特定領域のみを設ける(例えば、ゲートや始動口のような形態)ように構成してもよい。このように構成した場合、貯留装置の場合と異なり、演出時間が無く通過したらただちに特別遊技が実行される(特別遊技移行権を獲得している場合)。ところで、このような構成下で本最良形態と同様の演出を実現しようとする場合には、特別遊技状態に移行してもただちには可変入賞口を開放せず、特別遊技開始のデモ時間を設けるように構成すればよい。そして、このデモ時間中には、特別遊技に移行するか否かの煽り演出と、特別遊技に移行することが確定した当たり演出を実行する。他方、特別遊技移行権を獲得していない場合にも、前記特別遊技開始のデモ時間と略同一時間であるデモ演出を実行する。そして、このデモ時間中には、特別遊技に移行するか否かの煽り演出と、特別遊技に移行しないことが確定したハズレ演出を実行する。
更に、本最良形態においては遊技者の任意タイミングで貯留解除が実行されるよう構成されているが、これにも限定されず、ソフト的に(自動的に)解除してもよい。この場合、契機として、例えば、特別遊技移行権を獲得してから所定回数の変動が終了した時、時短終了時、特定の変動が実行された時(例えば、本最良形態で特別遊技移行権の獲得済みが確定する「Z」の停止図柄が表示された時)、更には、移行権を獲得している状況でありながらそれを知らずに席をたって遊技を終了してしまうことを防止することを目的として、発射停止してから所定時間経過後(例えば5秒後)、を挙げることができる。