以下、本発明を適用したステープラについて、図面を参照して説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.画像形成装置と用紙処理装置の概要(図1−図4)
2.電動ステープラの概要(図5−図10等)
3.リフィルの基本構成の説明(図10−図15等)
3−1.リフィルの本体の説明
3−2.蓋部材の本体の説明
4.カートリッジの基本構成の説明(図5−図9及び図29−図38等)
4−1.押圧レバーの説明
4−2.ロック機構(係合部)の説明
4−3.ステープルガイド部の説明
4−4.送り機構の説明
4−5.位置決め機構の説明
5.マガジンの基本構成の説明(図36−図38及び図41等)
6.リフィルをカートリッジに装着するまでの基本動作の説明
7.リフィルの変形例の説明(図54−図63)
7−1.リフィル本体の切欠部の変形例の説明
7−2.リフィルを梱包体等の装着体へ装着する際の位置決めの説明
8.装着体の説明(図64−図68)
9.押圧レバーの変形例の説明(図69−図78)
9−1.押圧レバーと切欠部の変形例の説明、その1
9−2.押圧レバーと切欠部の変形例の説明、その2
10.押圧レバーのガイドの変形例の説明(図79−図91)
11.リフィルのロック機構の変形例の説明(図92−図99)
11−1.ロック機構の変形例1の説明
11−2.ロック機構の変形例2の説明
12.リフィルの高さ方向の位置決めの説明(図100−図103)
13.その他の変形例
13−1.その他の変形例1の説明
13−2.その他の変形例2の説明(図104−図108)
[1.画像形成装置と用紙処理装置の概要(図1−図4)]
図1に示すように、本発明が適用されたシート状連結ステープルを積層収納するリフィルが用いられる電動ステープラ1は、例えば中綴じ用電動ステープラとして用いられるものであって、複写機やプリンタ等の画像形成装置2に隣接して配設されている用紙処理装置3に内蔵されている。具体的に、この用紙処理装置3には、綴り用紙4の中綴じをするための中綴じユニット1aが設けられている。中綴じユニット1aには、図2に示すように、電動ステープラ1の他に、綴り用紙4をガイドするガイドローラ5,5や中折りのためのナイフエッジ6や中折りするための一対の折りローラ7,7等が設けられている。画像形成装置2で印刷された用紙4を中綴じするときには、例えば、綴り用紙4が画像形成装置2から一対のガイドローラ5,5にガイドされて図2中矢印A方向から供給され所定枚数ストックされる。そして、所定枚数の綴り用紙4は、電動ステープラ1によって中綴じがされる。この後、中綴じされた綴り用紙4は、ナイフエッジ6に対して適切な位置まで搬送されてから、ナイフエッジ6が綴り用紙4に対して垂直な図2中矢印B方向に移動することで、一対の折りローラ7,7間に進入し、中折りされた綴り用紙4が排出トレイ8より排出される。
図3に示すように、リフィルのステープルが無くなりシート状連結ステープルを補充するときには、用紙処理装置3より中綴じユニット1aを引き出す。図4に示すように、ステープラユニット1bは、綴り用紙4を複数箇所、例えば2カ所を綴じるように、ここでは2個の電動ステープラ1,1が配設されている。各電動ステープラ1は、タブ9を摘んで外側に回動することによって外筐を構成するフレーム9aより引き出すことができ、引き出された状態で、シート状連結ステープルが尽きて空のリフィルとシート状連結ステープルが充填されたリフィルとを交換することができる。具体的に、電動ステープラ1では、シート状連結ステープルが補充されたカートリッジをステープラ本体のマガジン105に装着することによって、リフィルの交換作業が行われる。なお、図4では、右側の電動ステープラ1が外側に引き出される途中の状態を示している。この後、図3に示すように、フレーム9a内に電動ステープラ1を戻し、更に、中綴じユニット1aを用紙処理装置3に戻すことで、リフィルの交換作業は完了する。また、フェイスプレートの裏側に詰まったステープルを除去処理するジャム処理を行うときにも、中綴じユニット1aは、フレーム9aより引き出される。このように、用紙処理装置3は、中綴じユニット1aを引き出した状態で、電動ステープラ1を操作してリフィルの交換作業を行うことができる。
[2.電動ステープラの概要(図5−図10等)]
図5−図10に示すように、電動ステープラは、真直状のステープルを多数並列させてシート状に連結してなるシート状連結ステープル10が積層収納されるリフィル11と、このリフィル11が電動ステープラ1のステープラ本体のマガジンに装着されるカートリッジ61とを備えている。カートリッジ61は、シート状連結ステープル10の打出部65が設けられており、この打出部65は、リフィル11より送られたシート状連結ステープル10を1本ずつステープラ本体側の駆動機構によって駆動されるフォーミングプレートで成形し、ステープラ本体側の駆動機構によって駆動されるドライバプレートで成形されたステープルを1本ずつ図5中矢印X方向より打ち出す。リフィル11は、カートリッジ61に対して着脱可能であり、図8に示すように、シート状連結ステープル10が最大限に装填された状態で図8中矢印Y方向からカートリッジ61に装着され、図9に示すように、シート状連結ステープル10が尽きたとき、カートリッジ61から図9中反矢印Y方向に引き出され、シート状連結ステープル10が最大限に装填された新たなリフィル11に交換される。
[3.リフィルの基本構成の説明(図10−図15等)]
[3−1.リフィルの本体の説明]
リフィル11は、図10−図15に示すように、例えば合成樹脂を射出成型してなるものであって、直方体状のリフィル本体12を有する。このリフィル本体12には、内部に、シート状連結ステープル10を積層収納するステープル収納部13が設けられている。リフィル本体12は、上面の全体に、ステープル収納部13と連続するステープル挿入口14が開口されている。ステープル収納部13には、シート状連結ステープル10がステープル収納部13に多数枚積層収納された状態で、ステープル挿入口14を閉塞するように蓋部材15が配設されている。
リフィル本体12の前面には、図10、図12及び図13に示すように、底面に沿うようにして、シート状連結ステープル10の1例として1枚分から5枚分程度の大きさのスリット状をなすステープル排出口16が形成されている。ステープル排出口16は、シート状連結ステープル10を排出するステープル排出部となる。リフィル本体12の前面12aには、ステープル排出口16の直上に、脱落防止片17が設けられている。この脱落防止片17は、前面12aより突出して設けられ、ステープル排出口16と連続した前面12aの凹部17a内に位置している。脱落防止片17は、前面12aより突出した薄肉のヒンジ17bを介して、前面12aと平行な面内を回動変位し、ステープル排出口16を開閉する。具体的に、脱落防止片17は、ヒンジ17bが略中央部分に設けられ、一端側に、シート状連結ステープル10の脱落を防止する突起部17cが形成されている。リフィル11の非使用時等にあっては、ステープル収納部13内のシート状連結ステープル10がステープル排出口16より誤って脱落することがあってはならない。そこで、非使用時にあっては、突起部17cがステープル排出口16に重なった位置にあり、リフィル11を使用するとき、ヒンジ17bを中心に脱落防止片17を回動変位し、突起部17cをステープル排出口16より退避させる。これにより、シート状連結ステープル10は、ステープル排出口16より排出可能となる。この脱落防止片17を含むリフィル本体12の前面の突出部17dは、例えばリフィル11の梱包体等の装着体に装着される際の第1の位置決め用突出部としても機能する。なお、図10−図15では、ステープル排出口16に突起部17cが重なり、ステープル排出口16からシート状連結ステープル10が脱落しないようになっている状態を示している。
更に、リフィル本体12の前面12aには、図10、図12及び図13に示すように、ステープル排出口16や脱落防止片17の上側であって、ステープル挿入口14と連続するように、凹状の切欠部18が形成されている。切欠部18は、ここでは略矩形をなし、ステープル挿入口14の縁からシート状連結ステープル10の挿入方向に延びる方向に切り欠かれ、例えば前面12aの高さ寸法の半分以上の深さを有する。このような切欠部18は、リフィル本体12の相対する一対の側面12b,12cのステープル挿入口14の側が拡幅する方向に撓み、ステープル挿入口14が大きくなるようにする。このように、リフィル本体12は、切欠部18を形成することで、ステープル挿入口14が大きくなるように一対の側面12b,12cを可撓変位させることができるので、シート状連結ステープル10の挿入作業や蓋部材15の取付作業を容易に行うことができる。また、側面12b,12cを撓ませるために、側面12b,12cの肉厚を薄くする必要がなくなり、部品成形性が悪くなることを防止できる。また、この切欠部18は、カートリッジ61に対して着脱されるとき、カートリッジ61の押圧レバー66が通過する領域となり、押圧レバー66が通過する際のガイド部としても機能する。
リフィル本体12の背面12dには、図11に示すように、一対の第2の位置決め用突出部19,19が形成されている。一対の第2の位置決め用突出部19,19は、背面12dの幅方向の中心線から等間隔の位置に三角形状に突出して設けられている。リフィル11は、梱包体、ステープラ本体のマガジン等の装着体に装着されるとき、上述した第1の位置決め用突出部となる脱落防止片17を含むリフィル本体12の前面の突出部17dの1カ所と、背面の2カ所の第2の位置決め用突出部19,19とによって位置決めされた状態で装着される。なお、リフィル本体12をステープラ本体のマガジン101に装着する際には、突起部17dをリフィル本体12の位置決めに用いない場合もある。また、第2の位置決め用突出部19,19は、リフィル本体12の上面側の端面19cを、底面12eと前面12aの方向を向くように下側に傾斜させた傾斜部とすることで、当該傾斜部を押圧した際、リフィル本体12を、梱包体等の装着体の下面側と前面側に向かって押し付けることができる。なお、第2の位置決め用突出部19,19の数は特に限定されるものではなく、3以上であってもよい。また、前面12a側の突起部17dが複数あるときには、背面12dの第2の位置決め用突出部19は1つであってもよい。
例えば、図16では、リフィル本体12の背面12dに、幅方向に一連に突出した1つの第2の位置決め用突出部19aを形成している。この第2の位置決め用突出部19aは、ガイド孔28を跨ぐように形成され、ガイド孔28と交差する部分には、蓋部材15の背面側端面15bに突設されたガイド突部27の逃げとなる凹部27aが形成されている。このような第2の位置決め用突出部19aにあっても、断面形状が三角形状をなしており、リフィル本体12の上面側の面を、底面12eと前面12aの方向を向くように下側に傾斜させ、当該傾斜部を押圧した際、リフィル本体12を、梱包体等の装着体の下面側と前面側に向かって押し付けることができるようにしている。
また、図17の例では、リフィル本体12の背面12dに、幅方向に一連に突出した1つの第2の位置決め用突出部19bがガイド孔28と交差しないように形成されている。この例では、ガイド孔28がリフィル本体12の背面12dの幅方向の一方に偏倚して形成され、ガイド孔28の横に隣接して、一連に突出した1つの第2の位置決め用突出部19bが形成されている。この第2の位置決め用突出部19bは、図16の第2の位置決め用突出部19aより幅方向に短いものとなっている。このような第2の位置決め用突出部19bにあっても、断面形状が三角形状をなしており、リフィル本体12の上面側の面を、底面12eと前面12aの方向を向くように下側に傾斜させ、当該傾斜部分を押圧した際、リフィル本体12を、梱包体等の装着体の下面側と前面側に向かって押し付けることができるようにしている。勿論、ガイド孔29を背面12dの幅方向中央に設け、第2の位置決め用突出部19bを一方の側に偏倚した位置に設けるようにしても良い。
更に、リフィル本体12の背面12dには、背面12dと面一で側面12b,12cの方向に張り出すように形成された突出部で構成された摘み部20,20が設けられている。摘み部20,20は、リフィル11をカートリッジ61に対して着脱する際指の掛かる部分となり、カートリッジ61に装着されたとき、カートリッジ61のリフィル挿入口64の開口端、具体的に後述する着脱操作凹部64aに位置する。着脱操作凹部64aより露出する摘み部20,20は、リフィル11をカートリッジ61より取り出すとき、指等に引っかけて容易にリフィル11をカートリッジ61から取り出すことができるようにする。更に、摘み部20,20は、梱包体等の装着体に装着されるとき、第1の位置決め用突出部である脱落防止片17を含むリフィル本体12の前面の突出部や背面の第2の位置決め用突出部19,19と共に、第3の位置決め用突出部としても機能する。
更に、リフィル本体12の背面12dには、底面12e側コーナ部に、同じ高さに突出した被押圧部29,29が形成されている。被押圧部29,29は、ステープラ本体のマガジン101に、リフィル11が装着されたカートリッジ61が装着されたとき、マガジン101側の圧接部としての装着レバー104や装着体111,131の圧接部としての背面位置決め凹部114,134に圧接され、マガジン101内や装着体111,131の内部で位置決めされる。被押圧部29,29の位置は、背面12dであれば特に限定されないが、特に、位置決め精度を上げるため強度の高い底面12eと側面12b,12cと背面12dとが交わる領域の付近に形成することが好ましい。また、被押圧部29,29の数は、1つでもよいし、3つ以上でもよいが、均等に押圧力が加わるように配置することが好ましい。
また、リフィル収納部63内におけるリフィル11のシート状連結ステープル10の送り方向の位置決めは次のように行われる。図6−図9に示すように、リフィル11のリフィル本体12には、背面12dの底面12e側の両コーナ部に、すなわち強度の高い部分に同じ高さに突出した被押圧部29,29が形成されている。この被押圧部29,29は、ステープラ本体のマガジン101に、リフィル11が装着されたカートリッジ61が装着されたとき、マガジン101側の押圧部102,102に圧接される。そして、後述するように、ステープル排出口16の両端部16a,16aがステープルガイド部75の第1の突当部91,91に突き当てられる。
また、リフィル本体12の一対の側面12b,12cは、蓋部材15がシート状連結ステープル10の厚さ方向の減少に従って漸次下がる際のガイド孔21,21が形成されている。蓋部材15のガイド部となるガイド孔21,21は、L字状の貫通孔であり、蓋部材15の昇降をガイドする垂直ガイド部21a,21aとステープル挿入口14側に水平ガイド部21b,21bとが連続して形成されている。また、水平ガイド部21b,21bとステープル挿入口14との間に連結部21c,21cが形成されている。なお、ガイド孔21,21は、少なくとも垂直ガイド部21a,21aを有していれば、その他の構成は必ずしも必要となるものではない。
[3−2.蓋部材の説明]
このようなリフィル本体12には、図10、図11及び図13に示すように、ステープル収納部13に収納されたシート状連結ステープル10の最上層を塞ぐようにして蓋部材15が配設される。蓋部材15は、ステープル挿入口14と略同じ大きさに形成されており、相対する側端面15a,15aに、ガイド孔21,21に係合するガイド突部22,22が形成されている。リフィル本体12側のガイド孔21,21の連結部21c,21cは、内面がテーパ面21eとなっており、ステープル挿入口14の開口端から下側に向かって漸次厚肉となり、ガイド突部22,22の挿入ガイド面が形成され、水平ガイド部21b,21bとの境界で脱落防止のため垂直面21fが形成されている。また、連結部21c,21cは、外側にやや膨出するように形成されている。蓋部材15は、ステープル収納部13に積層されたシート状連結ステープル10が収納されると、一方のガイド突部22が一方の水平ガイド部21bに内側から挿入され、他方のガイド突部22が連結部21cを乗り上げるようにして他方の水平ガイド部21bに挿入される。次いで、蓋部材15は、ガイド突部22,22が水平ガイド部21b,21bを垂直ガイド部21a,21aの方向に移動させるようにして、ステープル挿入口14を閉塞するように配設される。ガイド突部22,22の先端部は、ガイド孔21,21に係合されたとき、リフィル本体12の側面12b,12cより外側に突出し、詳細は後述するが、カートリッジ61に装着された際カートリッジ61の側面に形成された係合部73と係合する。更に、ガイド突部22,22は、リフィル本体12の側面12b,12cより外側に突出することで、例えばリフィル11の梱包体等の装着体に装着される際の第4の位置決め用突出部としても機能する。
また、蓋部材15の側端面15a,15aに隣り合う背面側端面15bには、更なるガイド突部27が設けられている。このガイド突部27は、リフィル本体12の背面12dの幅方向中程に高さ方向に形成されたガイド孔28に係合される。すなわち、ガイド孔28は、一対の第2の位置決め用突出部19,19の間に形成されている。したがって、蓋部材15は、側端面15a,15aのガイド突部22,22がガイド孔21,21に係合され、更に、背面側端面15bのガイド突部27がガイド孔28に係合されることで、ステープル収納部13内を降下する際にガイドされる。リフィル本体12側のガイド孔28の連結部28aは、内面がテーパ面28bとなっており、ステープル挿入口14の開口端から下側に向かって漸次厚肉となり、ガイド突部27の挿入ガイド面が形成されている。また、連結部28aは、外側にやや膨出するように形成されている。
蓋部材15は、図13に示すように、底面の各コーナ部に下方に突出した突起部23,23,23,23が形成されている。これら突起部23,23,23,23は、ステープル収納部13に収納されたシート状連結ステープル10の最上層のシート状連結ステープル10に当接する当接部であり、シート状連結ステープル10が尽きたときは、図15に示すように、リフィル本体12の底面12eの四隅に形成される逃げ部24,24,24,24に係合する。なお、突起部23の数は、特に限定されるものではない。
リフィル本体12の底面12eは、図12及び図15に示すように、ステープル排出口16と連続する切欠凹部25を有する。底面12eの切欠凹部25は、略中央部に、更に背面12d側に窪む位置決め凹部26が形成されている。位置決め凹部26は、後述するリフィル11が装着されるカートリッジ底面に形成された位置決め凸部が係合する。上述した、蓋部材15の突起部23,23,23,23は、リフィル本体12の底面12eの各コーナ部の逃げ部24,24,24,24に係合する。ステープル挿入口14側の逃げ部24,24は、切欠凹部25のコーナ部の一部に形成され、背面12d側の逃げ部24,24は、背面12d側のコーナ部の貫通孔によって形成されている。
蓋部材15は、カートリッジ61に装着された際、カートリッジ61の押圧レバー66によって押圧される。このため、蓋部材15の上面には、図13に示すように、押圧レバー66の押圧部70が係合する凹状の係合部31が形成されている。凹状の係合部31は、蓋部材15の幅方向に亘って形成されており、後述するように、リフィル11がカートリッジ61に装着された後、シート状連結ステープル10が尽きて無くなると、カートリッジ61側の押圧レバー66の押圧部70が係合するように設けられている。リフィル11をカートリッジ61に対して着脱する際には、押圧レバー66の押圧部70が蓋部材15の上面と当接しながら移動する。そこで、蓋部材15の上面には、押圧レバー66が直線的に移動できるように、押圧レバー66の押圧部70の摺動方向に沿ってガイド壁32,32が形成されている。ガイド壁32,32は、ほぼ押圧部70の幅分離間して形成されている。かくして、蓋部材15上には、リフィル11がカートリッジ61に装着される際、切欠部18より押圧レバー66の押圧部が進入し、ガイド壁32,32によってガイドされ、シート状連結ステープル10が減ってくると、凹状の係合部31に係合する。リフィル11がカートリッジ61に装着され使用されているときには、押圧レバー66の押圧部70がガイド壁32,32の間を徐々に係合部31の方向に移動する。
リフィル11がカートリッジ61に装着された状態では、図7に示すように、カートリッジ本体62の着脱操作凹部64aからリフィル本体12の背面12dに形成された摘み部20,20が外側に張り出すように位置している。利用者は、リフィル11を交換するとき、摘み部20,20に指を引っかけて容易に行うことができる。
なお、摘み部20の構成としては、図18−図20に示すように、リフィル本体12の背面12dに、指を掛ける指掛け部(摘み部)となる貫通孔20aを形成するようにしても良い。なお、ここでは、貫通孔20aとして、円形のものを示しているが、摘み部としては、楕円であったり、三角形、四角形、五角形といった多角形の貫通孔であっても良く、更に、指が引っ掛かる程度の大きさの複数の貫通孔で構成しても良い。また、貫通孔20aを形成する位置は、シート状連結ステープル10が尽きたとき、蓋部材15の上面が貫通孔20aより外部に臨むような高さが好ましい。貫通孔20aを形成した場合には、突片で構成された摘み部20を形成しなくても良く、外形の凹凸を少なくし形状の簡素化をすることができる。また、カートリッジ61からリフィル11を取り出すときは、シート状連結ステープル10が尽きたときであり、尽きたときは、図20に示すように、蓋部材15は、ステープル収納部13の下側に位置している。したがって、リフィル11は、指を貫通孔20aよりステープル収納部13内に差し込み、貫通孔20aの周囲を摘むようにして、カートリッジ61から取り出すことができる。更に、蓋部材15の背面側端面15bのガイド突部27は、貫通孔20aに係合され、蓋部材15がステープル収納部13から脱落することを防止する脱落防止突起のように機能する。
なお、図21に示すように、貫通孔20aを形成したときには、貫通孔20aより外部に臨むステープル収納部13内の蓋体15の上面に、凹部20bを形成するようにしても良い。この凹部20bは、蓋体15の上面の略全体に設けても良いが、少なくとも、貫通孔20aから内部に挿入した指が届く蓋体15の上面の背面側に設けられていれば良い。この場合には、貫通孔20aよりステープル収納部13内に挿入した指先を凹部20bに引っ掛けることができ、よりリフィル11をカートリッジ61から取り出し易くなる。また、この例では、貫通孔20aを用いてリフィル11の取り出しを十分容易に行うことができるので、カートリッジ61を構成するカートリッジ本体62の着脱操作凹部64aを設けなくても良い。
また、摘み部20の構成としては、図22及び図23に示すように、リフィル本体12の背面12dに、指を掛ける指掛け部(摘み部)となる切欠部20cを形成するようにしても良い。なお、ここでは、切欠部20cとして、U字状のものを示しているが、その形状は特に限定されるものではない。また、切欠部20cは、リフィル本体12の背面12dの上から半分位の深さに形成されている。カートリッジ61からリフィル11を取り出すときは、リフィル本体12の切欠部20cより指を差し込み、切欠部20cの周囲を摘むようにして、カートリッジ61から取り出すことができる。なお、この例では、蓋部材15の背面側端面15bにガイド突部27を形成しなくてもよい。
ところで、図22及び図23に示す例では、ステープル挿入口14と連続した切欠部20cがリフィル本体12の背面12dに形成されることで、リフィル本体12に蓋部材15のガイド突部27が係合する部分がなくなる。そこで、図24及び図25に示すように、リフィル本体12の背面12dには、切欠部20cの一方の脇に、ガイド突部27の係合するガイド溝27bを形成するようにしても良い。すなわち、蓋部材15の背面側端面15bには、幅方向の一方に偏倚した位置にガイド突部27が形成される。このガイド突部27の位置に対応して、リフィル本体12の背面12dの内面には、切欠部20cの一方の脇に位置して、ガイド突起27の係合するガイド溝27bが高さ方向に形成される。
なお、このガイド溝27bは、背面12dを貫通した貫通孔であっても良いし、有底の凹状の溝であっても良い。ガイド溝27bを貫通孔としたときには、ガイド突部27が貫通孔を挿通することになるので、蓋部材15の脱落も防止することができる。
更に、カートリッジ本体61からシート状連結ステープル10が空のリフィル11を取り出す際に指を掛ける指掛け部(摘み部)としては、図26−図28に示すように、リフィル本体12の側面12b,12cの背面12d側に形成するようにしても良い。具体的に、リフィル本体12の側面12b,12cの背面12d側には、側面12b,12cのそれぞれに凹状の凹部20d,20dを形成する。凹部20d,20dは、リフィル本体12の高さ方向を長手方向として矩形状に形成されている。これら凹部20d,20dは、カートリッジ本体62のリフィル収納部63に装着されたとき、カートリッジ本体62の両側面62b,62cに、リフィル挿入口64に連続して形成された着脱操作用の切欠凹部64b,64bが形成されている。リフィル本体12の凹部20d,20dは、カートリッジ本体62のリフィル収納部63に装着されたとき、カートリッジ本体62の切欠凹部64b,64bより外部に臨む。これにより、ユーザは、切欠凹部64b,64bから外部に臨んだ凹部20d,20dに指を引っ掛けて摘むことによって、容易に、シート状連結ステープル10が空になったリフィル11をリフィル収納部63から取り出すことができる。
なお、リフィル本体12の凹部20d,20dは、ユーザの指が引っ掛かるような形状であれば、矩形状以外の楕円等の形状であっても良く、また、有底でも貫通孔の何れであっても良い。また、凹部20d,20dは、所定領域に微小凹凸を多数形成したり、ゴムシート等を貼着した滑り止め部で構成しても良い。
[4.カートリッジの基本構成の説明(図5−図9及び図29−図38等)]
以上のようなリフィル11は、図5−図9に示すように、電動ステープラ1のステープラ本体のマガジンに装着されるカートリッジ61に装着される。なお、カートリッジ61は、リフィル本体12を受容する装着体の一例でもある。カートリッジ61は、内部にリフィル11が装着されるリフィル収納部63が形成されたカートリッジ本体62に底板部材74を結合してなる。一例として、底板部材74は、図31に示すように、一対の結合片74d,74dをカートリッジ本体62の底面側の係合凹部74eに係合させて、カートリッジ本体62と一体化される。また、図5−図9に示すように、カートリッジ本体62には、背面62dに、リフィル収納部63と連続したリフィル挿入口64が形成されている。カートリッジ本体62の両側面62b,62cには、リフィル挿入口64に連続するように、着脱操作凹部64a,64aが形成されている。リフィル11がリフィル収納部63に装着されたとき、リフィル挿入口64から外側に張り出すように、リフィル11の摘み部20,20が位置する。利用者は、リフィル挿入口64に連続して着脱操作凹部64a,64aが形成されているので、リフィル11の着脱操作を、摘み部20,20に指を引っかけて容易に行うことができる。なお、着脱操作凹部64a,64aの形状は、リフィル11がカートリッジ収納部63に収納された状態において、摘み部20,20が外側に張り出すことができる形状であれば特に限定されるものではない。
また、カートリッジ61の前面62eには、底面と連続するように、打出部65が突出して設けられている。打出部65は、詳細は後述するが、内部に、リフィル収納部63に収納されたリフィル11の最下層にあるシート状連結ステープル10をガイドするステープルガイド部75が設けられ、ステープルを打ち出す部分となる。
カートリッジ本体62の両側面62b,62cには、回動突起61a,61aが形成されている。回動突起61a,61aは、図3及び図4に示すように、ステープラ本体側のマガジン101の回動支持部105,105に係合することで、カートリッジ61をマガジン101に対して着脱する際に、カートリッジ61が回動軌跡を描くようにガイドする。これにより、カートリッジ61は、マガジン101よりリフィル11の交換やジャム処理の際に、外筐を構成するフレーム9aから引き出すように回動される。カートリッジ本体62の上面には、リフィル挿入口64の上に位置して、タブ9が設けられている。カートリッジ61の回動操作は、タブ9を用いて行われる。
[4−1.押圧レバーの説明]
図29及び図30に示すように、リフィル収納部63の内部には、収納されるリフィル11の蓋部材15を介してステープル収納部13内の積層されたシート状連結ステープル10を押圧する押圧レバー66が設けられている。この押圧レバー66は、カートリッジ本体62の上面62aにおいて、リフィル挿入口64が形成された背面側から打出部65が形成された前面に亘った凸状のレバー配設部67に配設されている。具体的に、押圧レバー66は、基端部を、リフィル挿入口64側にし、先端部をリフィル収納部63の奥側にしてレバー配設部67に配設される。押圧レバー66は、図31に示すように、基端部に回動軸68,68が突設され、回動軸68,68は、レバー配設部67の側面に形成された回動孔69,69に係合される。これにより、押圧レバー66は、図30中矢印C方向及び反矢印C方向に回動支持される。押圧レバー66は、先端部がリフィル収納部63に収納されたリフィル11の蓋部材15を当接して押圧する押圧部70となる。
押圧レバー66の内側には、図30及び図31に示すように、弾性付勢部材となるコイルバネ71が配設されている。コイルバネ71は、一端部がレバー配設部67の奥側に形成され係止凸部71aに係止され、他端部が押圧レバー66の押圧部70の裏側の係止凹部71bに係止される。かくして、押圧レバー66は、コイルバネ71によって常時リフィル11の蓋部材15を押圧する図30中矢印C方向に回動付勢されている。図30に示すように、リフィル挿入口64よりリフィル収納部63にリフィル11が挿入されるときには、挿入面となっているリフィル本体12の前面12aの切欠部18より進入し、ガイド壁32,32によってガイドされつつ蓋部材15の上に乗り上げる。そして、蓋部材15に当接している押圧部70は、シート状連結ステープル10が減ってくると、ガイド壁32,32によってガイドされながら、凹状の係合部31に係合する。これにより、押圧レバー66は、押圧レバー66が蓋部材15を介してステープル収納部13内の積層されたシート状連結ステープル10を確実に押圧できる。リフィル収納部63から取り出されるときには、押圧部70がガイド壁32,32にガイドされ、切欠部18を通過して、押圧レバー66がリフィル11から外れる。また、蓋部材15は、押圧部70が凹状の係合部31に係合するので、リフィル11がリフィル収納部63から誤って落下することを防止できる。また、押圧レバー66の解除は、リフィル11の取り出し作業の中で自動的にできるので、押圧レバー66の解除操作等が不要となり、操作性の向上を実現することができる。
なお、ここでは、押圧レバー66がコイルバネ71で直接的に押圧付勢される場合を説明したが、押圧レバー66の構造は、特に限定されるものではなく、例えば、ばね等の弾性力を利用しながらもリンク機構等を介してリフィル11内のシート状連結ステープル10の積層体を押圧付勢するようにしてもよい。
[4−2.ロック機構(係合部)の説明]
ところで、このカートリッジ61には、図32に示すように、使用途中に、リフィル11がリフィル収納部63から脱落することを防止するロック機構72が設けられている。ロック機構72は、カートリッジ本体62の側面62b,62cの内面に、リフィル本体12の側面12b,12cのガイド孔21,21より外側に突出したガイド突部22,22と係合する係合部73,73が設けられている。係合部73,73は、リフィル収納部63側に突出することで、リフィル11側のガイド突部22,22と係合するようになっている。
図32(A)及び(B)に示すように、係合部73,73は、シート状連結ステープル10が最大限に装填されたリフィル11が挿入されたとき、リフィル11側のガイド突部22,22を拾い込む拾込部73a,73aと、リフィル11のガイド孔21,21の垂直ガイド部21a,21aと平行でリフィル11の取り外しを制限する取外制限部73b,73bと、リフィル11のシート状連結ステープル10が尽きたときリフィル収納部63からの取り外しを許可する係合解除部73c,73cとを有している。拾込部73a,73aは上側に形成され、係合解除部73c,73cは下側に形成され、取外制限部73b,73bは垂直に形成されている。拾込部73a,73aは、シート状連結ステープル10が最大限装填されたリフィル11のガイド突部22,22を確実に拾い込むことができるように、リフィル挿入口64側が低く形成され、奥に行くに連れて漸次上昇するように形成されている。また、係合解除部73c,73cは、リフィル11のシート状連結ステープル10が尽きたときのガイド突部22,22の高さ位置よりも上方に位置するように形成されている。すなわち、蓋部材15のガイド突部22,22は、蓋部材15の裏面の突起部23,23,23,23が、シート状連結ステープル10が尽きることで、リフィル本体12の底面12eの四隅に形成される逃げ部24,24,24,24に係合する。これにより、ガイド突部22,22の高さ位置は、係合解除部73c,73cの下方に位置する(図15参照)。
図33に示すように、カートリッジ61のリフィル挿入口64よりリフィル収納部63にリフィル11が収納されるとき、先ず、蓋部材15のガイド突部22,22は、拾込部73a,73aに係合する。リフィル11がリフィル収納部63内に収納されて行くに連れて、押圧レバー66によって図33中矢印C方向から押圧されている蓋部材15のガイド突部22,22は、拾込部73a,73aの傾斜面によってコイルバネ71の弾性付勢力に抗して持ち上げられる。リフィル11がリフィル収納部63に完全に収納されると、図34に示すように、ガイド突部22,22は、取外制限部73b,73bに至る。この際、蓋部材15は、コイルバネ71によって図34中矢印C方向に弾性付勢された押圧レバー66によって僅かに下がってシート状連結ステープル10の最上層に押圧されるので、クリック感を発生させ、利用者に、リフィル11が確実にカートリッジ61に装着されたことを知らせることができる。
使用中、ガイド突部22,22は、取外制限部73b,73bをシート状連結ステープル10が減少するに連れて順に降下していく。リフィル11のシート状連結ステープル10が尽きると、ガイド突部22,22は、図35に示すように、蓋部材15の裏面の突起部23,23,23,23がリフィル本体12の底面12eの四隅に形成される逃げ部24,24,24,24に係合することで、ガイド突部22,22の高さ位置は、係合解除部73c,73cの下方に位置する。押圧レバー66は、シート状連結ステープル10が尽きても、蓋部材15を図35中矢印C方向に押圧し続けるので、蓋部材15の裏面の突起部23,23,23,23をリフィル本体12の底面12eの逃げ部24,24,24,24に確実に係合させることができる(図15参照)。
突起部23,23,23,23が逃げ部24,24,24,24に係合すると、ガイド突部22,22が突起部23,23,23,23の高さの分だけ下がり、確実に係合解除部73c,73cの下方に位置する。すなわち、ガイド突部22,22は、確実に取外制限部73b,73bと係合した状態が解除される。これにより、リフィル11は、リフィル収納部63より取り出されるとき、ガイド突部22,22が係合解除部73c,73cの下方を確実に通過することができる。そして、リフィル11は、リフィル収納部63より取り出すことができる。
このようなロック機構72では、リフィル11が使用途中、すなわちシート状連結ステープルがリフィル11に残存した状態でカートリッジ61から取り外され、既に打込部65に送られたシート状連結ステープル10とリフィル11内のシート状連結ステープル10とが分断されてしまうことが防止され、リフィル11がカートリッジ61に再装着され、故障することを防止できる。また、リフィル11の交換作業にあたっては、押圧レバー66の押圧解除等の作業を行う必要がなくなり、操作性の向上を図ることができる。なお、図39(A)に示すように、カートリッジ61のリフィル本体12を収容するリフィル収納部63のステープル打込部側の内壁面63aと取外制限部73b,73bとに囲まれた凹所74f,74fは、位置決め凹部113の一例である。
[4−3.ステープルガイド部(打出部)の説明]
カートリッジ本体62の前面には、底面と連続するように、リフィル収納部63に収納されたリフィル11の最下層にあるシート状連結ステープル10をガイドし、ステープルを打ち出す打出部65が設けられている。図31に示すように、カートリッジ本体62には、カートリッジ61の底面を構成する底板部材74が設けられている。底板部材74の前面側には、ステープルガイド部75が配設されている。ステープルガイド部75は、ステープルガイド蓋75aとステープルガイド板75bとを突き合わせ、内部に、リフィル11の最下層のシート状連結ステープル10の厚さ及び幅に合わせた通路を構成している。この通路は、ステープル収納部13の最下層のシート状連結ステープル10が送り機構によってステープル排出口16から打出部65に送り出されるとき、最下層のシート状連結ステープル10の上下面(平面部)の少なくとも一方をガイドし、更に、最下層のシート状連結ステープル10の両端部をガイドする。
この通路を構成するステープルガイド蓋75a及びステープルガイド板75bは、シート状連結ステープル10を打出部65に送る部材であり、ステープラ本体側のフォーミングプレート80aやドライバプレート80bに対するシート状連結ステープル10の位置決めを正確に行うため、強度の高い金属板等を打ち抜いて形成されている。シート状連結ステープル10を送る通路の先端部は、送り出されたシート状連結ステープル10の先端に位置する真直状のステープルがフォーミングプレートでコ字状に成形されドライバで綴り用紙に向けて打ち出される位置となり、ステープルガイド板75bには、突出して、フォーミングプレートでコ字状にステープルを成形するアンビル76が設けられている。ステープルガイド蓋75a及びステープルガイド板75bは、位置を一致させて位置決め孔74a,74aが形成され、底板部材74に突設された位置決め突起74b,74b及びカートリッジ61側の位置決め突起74c,74cが位置決め孔74a,74aに係合されることによって位置決めされる。
打出部65の前面には、プッシャ77が配設され、このプッシャ77は、コイルバネ等の付勢部材78,78によって前方に押圧付勢されている。プッシャ77は、コ字状に形成され、互いに平行な脚部77a,77aが底板部材74のガイド凹部77b,77bに係合され前方への移動がガイドされている。また、打出部65の前面には、プッシャ77の更に前方にフェイスプレート79が配設されている。
フェイスプレート79は、図31に示すように、カートリッジ61が例えば合成樹脂を射出成型してなるのに対し、更に強度の高い例えば金属を折曲して形成されている。このフェイスプレート79は、プッシャ77を覆うフェイス部79aと、フェイス部79aの両側のアーム部79b,79bとを有する。アーム部79b,79bは、支持凹部79c,79cを有し、支持凹部79c,79cを底板部材74の両側面に形成された回動支持突起79d,79dに係合させることで、図30中矢印D方向及び反矢印D方向に回動支持される。フェイス部79aは、図37及び図38に示すように、プッシャ77前面を閉塞する。フェイス部79aとステープルガイド板75bとの間は、ステープラ本体側の駆動機構によって駆動されるフォーミングプレート80aとドライバプレート80bが進入する間隙が形成される。また、フォーミングプレート80aとドライバプレート80bは、その間隙に対して進退自在に設けられている。リフィル11よりステープルガイド部75のステープルガイド蓋75aとステープルガイド板75bの間に構成された通路より送り出されたシート状連結ステープル10の先端から数本の真直状のステープルは、フェイス部79aとステープルガイド板75bとの間の間隙に進入したフォーミングプレート80aによってコ字状に成形される。真直状のステープルをコ字状に成形する際、フォーミングプレート80aにより折曲されるステープルは、アンビル76及びプッシャ77に沿って折曲される。そして、折曲されたステープルは、ドライバプレート80bによってフェイスプレート79に沿って打ち出される。なお、フェイスプレート79は、通常、図30中反矢印D方向に回動され、打出部65の前面を閉塞した状態にあり、ジャム等が発生したときには図30中矢印D方向に回動され、打出部65の前面を開放し、詰まったステープルを除去できるようにする。
[4−4.送り機構の説明]
カートリッジ61のリフィル収納部63に装着されたリフィル11より最下層のシート状連結ステープル10を打出部65に送る送り機構81が底板部材74に設けられている。この送り機構81は、図31及び図38に示すように、底板部材74の幅方向中央に長手方向に沿って設けられたガイド凹部82に、シート状連結ステープル10の送り方向に移動するガイド部材83と、ドライバプレート80bと係合する傾斜部84aを備えた送りプレート84と、送る対象となるシート状連結ステープル10に係合する送り爪85と、送り爪85をシート状連結ステープル10と係合する方向に付勢する付勢部材となるねじりコイルバネ86と、ガイド部材83をシート状連結ステープル10の送り方向に弾性付勢する弾性付勢部材となるコイルバネ87とが設けられている。
ガイド部材83内には、ガイド部材83の相対する側面に形成された軸孔85bに挿通された支軸85aに回動支持された送り爪85が配設され、送り爪85は、一端が送り爪85に係止され他端がガイド部材83に係止されたねじりコイルバネ86によってガイド部材83の開口部83aより外部に露出する方向に回動付勢されている。送り爪85は、リフィル11内の最下層のシート状連結ステープル10の互いに隣接する真直状のステープル間にある微小凹部に係合する。また、ガイド部材83の打出部65側の一端部には、送りプレート84が互いの凹部83b,84bを係合させることによって、取り付けられている。送りプレート84は、先端部に傾斜部84aが形成されており、傾斜部84aは、フェイスプレート79のフェイス部79aとプッシャ77との間に露出している。コイルバネ87は、ガイド凹部82のリフィル挿入口64側の側面とガイド部材83との間に、ガイド凹部82内のガイド壁82a,82aにガイドされた状態で配設され、ガイド部材83を打出部65の方向、すなわち図38中矢印E方向に付勢している。
このような送り機構81は、ステープルを打ち出すため、フェイスプレート79のフェイス部79aとプッシャ77との間の間隙に進入したドライバプレート80bによって、送りプレート84の傾斜部84aが押されると、ガイド部材83がコイルバネ87の付勢力に抗して図38中反矢印E方向に移動する。これにより、ガイド部材83の送り爪85は、リフィル11内の最下層のシート状連結ステープル10の真直状のステープル1本分、反矢印D方向に移動し、今まで係合していた真直状のステープル間の微小凹部から次の微小凹部に係合する。この後、ガイド部材83は、コイルバネ87の付勢力により元の位置に復帰し、すなわち図38中矢印E方向に移動し、この際に、ガイド部材83の送り爪85は、真直状のステープル1本分を打出部65の方向に送り出す。
[4−5.位置決め機構の説明]
図31、図39及び図40に示すように、ステープルガイド部75を構成するステープルガイド蓋75aと重ね合わされるステープルガイド板75bは、底板部材74に取り付けられたとき、リフィル挿入口64側に向かって突出する位置決め凸部89が形成されている。位置決め凸部89は、位置決め部となり、リフィル11がリフィル収納部63に装着されたとき、被位置決め部となるリフィル本体12の底面12eに形成された位置決め凹部26に嵌合する。すなわち、位置決め凸部89は、リフィル11の挿入方向と平行な面89a,89aを有し、リフィル収納部63にリフィル11が挿入されたとき、リフィル本体12の底面12eに形成された位置決め凹部26に嵌合する。このとき、位置決め凸部89のリフィル11の挿入方向と平行な面89a,89aとこれに対応する位置決め凹部26の嵌合面26a,26aとが当接する。このように構成されたリフィル11の位置決め機構88は、リフィル本体12のリフィル収納部13に収納されたシート状連結ステープル10の延在方向であるリフィル11の幅方向、すなわち位置決め凸部89がシート状連結ステープル10の送り方向に対して直交する方向の位置決めを行う。かくして、ステープル収納部13内の最下層のシート状連結ステープル10は、リフィル11のステープル排出口16からステープルガイド部75のステープルガイド蓋75aとステープルガイド板75bの間に構成された通路に受け渡される。また、位置決め凸部89の先端を位置決め凹部26の該先端面の対向端に突き当てることで、シート状連結ステープル10の送り方向の位置決めを行うこともできる。
また、リフィル収納部63内におけるリフィル11のシート状連結ステープル10の送り方向の位置決めは次のように行われる。図6−図9に示すように、リフィル11のリフィル本体12には、背面12dの底面12e側の両コーナ部に、同じ高さに突出した被押圧部29,29が形成されている。この被押圧部29,29は、図41に示すように、ステープラ本体のマガジン101に、リフィル11が装着されたカートリッジ61が装着されたとき、マガジン101側の押圧部102,102に圧接される。
一方、カートリッジ61では、図24、図25及び図28に示すように、底板部材74とカートリッジ61に固定されたステープルガイド部75の位置決め凸部89の両側の第1の突当部91,91に、リフィル本体12のステープル排出口16の両側部16a,16aが突き当てられ密接される。更に、ステープルガイド部75のフェイスプレート79のフェイス部79a側に、第2の突当部92,92が形成されている。第2の突当部92,92は、カートリッジ61がマガジン101に装着されたとき、フェイスプレート79のフェイス部79aの内面に突き当てられる。第2の突当部92,92が突き当てられるフェイス部79aの内面の反対の外面が、マガジン101の装着基準部103,103に突き当てられる。なお、第1及び第2の突当部91,91,92,92は、ここではステープルガイド板75bに形成されているが、ステープルガイド蓋75aに形成してもよい。
すなわち、リフィル11が装着されたカートリッジ61がステープラ本体のマガジン101に装着されたとき、リフィル11は、マガジン101の押圧部102,102に被押圧部29,29が押圧され、この押圧力を受けて、ステープル排出口16の両側部16a,16aがステープルガイド部75の第1の突当部91,91に突き当てられて密接され、更に、ステープルガイド部75の第2の突当部92,92がフェイスプレート79のフェイス部79aに突き当てられ、フェイス部79aがマガジン101の装着基準部103,103に突き当てられることになる。すなわち、ここでは、シート状連結ステープル10の供給源となるリフィル11のマガジン101での位置決めは、リフィル11を、ステープルガイド部75、フェイスプレート79を介して装着基準部103,103に突き当てて行われる。
これにより、カートリッジ61には、押圧部102,102に押圧される部位を設ける必要が無くなり、カートリッジ61の構成を簡素化できるとともに、カートリッジ61の外形を小型化できる。また、押圧部102,102に押圧される被押圧部29,29が背面12dにあるリフィル11は、シート状連結ステープル10が尽きると廃棄されて新しいものと交換される消耗品である。したがって、押圧部102,102に押圧される被押圧部29,29は、リフィル11を交換する都度、新品形状となって、リフィル11を精度良く位置決めすることができる。
従来、リフィル11は、カートリッジ61内において正確な位置決めがされておらず、がたつきを有していた。このため、カートリッジ61内でのシート状連結ステープル10のがたつきが大きくなることから、このがたつきを吸収するため、送りプレート84の傾斜部84aの傾斜角を小さくして緩やか傾斜にする等することで、送り機構81のガイド部材83や送りプレート84の動作ストロークを長くするようにしていた。図37、図38及び図41の例では、マガジン101内において、リフィル11がマガジン101の押圧部102,102に押圧され、ステープルガイド部75及びフェイスプレート79を介して装着基準部103,103に押圧されるようにしているので、マガジン101内でのリフィル11の位置を正確に位置決めできる。この結果、送り機構81のガイド部材83や送りプレート84の動作ストロークを短くでき、カートリッジ61の小型化を実現することができる。加えて、リフィル11は、強度の高い金属性のステープルガイド部75及びフェイスプレート79を介してマガジン101の装着基準部103,103に突き当てられるので、一層正確な位置決めを行うことができる。また、リフィル本体12がステープルガイド部75と密接してステープルガイド部75をフェイスプレート79に当接させるので、ステープルが通過する間隙の寸法を安定して保つことができる。
なお、以上の例では、マガジン101の押圧部102,102によって、リフィル本体12の背面12dに同じ高さに突出した被押圧部29,29を押圧して、リフィル11をマガジン101の装着基準部103,103に突き当て正確な位置決めを行う場合を説明したが、図43−図46のように構成しても良い。図43及び図44の例では、リフィル本体12の背面12dを面一として、被押圧部29,29を凸部ではなく背面12dの他の領域と同じ平面部29a,29aで構成している。この場合においても、図44に示すように、平坦な被押圧部29,29は、マガジン101の押圧部102,102に押圧されることになる。このようなリフィル11は、被押圧部29,29の凹凸な無くなることで外形形状を簡素化することができる。
更に、リフィル本体12の背面12dに形成された被押圧部29,29は、図45及び図46に示すように、凹部29b,29bで構成しても良い。この場合、凹部29b,29bを押圧するマガジン101の押圧部102,102は、凹部29b,29bと係合してリフィル本体12を押圧するように、凸部102a,102aで構成されている。凹状の被押圧部29,29は、更に、凸部102a,102aが凹部29b,29bに係合されることで、押圧部102,102と正確に位置合わせされ、マガジン101の凸状の押圧部102,102に押圧される。
以上のように、リフィル11のマガジン101内での位置決めは、リフィル11をステープルガイド部75及びフェイスプレート79を介して装着基準部103,103に押圧する必要がある。図47(A)及び(B)の例では、カートリッジ61側の押圧部材106を設けている。この押圧部材106は、図37及び図38に示すように、マガジン101に設けられた押圧部102,102に代わる部材である。この押圧部材106は、カートリッジ本体62のリフィル挿入口64側に、リフィル収納部63の底面に連続するように設けられ、先端部に、リフィル本体12の被押圧部29,29を押圧する押圧部106a,106aが突出するように設けられている。図47(A)及び(B)の例にあっても、リフィル11を、カートリッジ本体62の押圧部材106の押圧部106a,106aによって、カートリッジ本体62の前面側にあるステープルガイド部75及びフェイスプレート79を介して装着基準部103,103に押圧することができる。但し、図47(A)及び(B)の例は、カートリッジ本体62に押圧部材106が設けられることから、押圧部材106の分、カートリッジ本体62が大型化する。これに対して、図37及び図38の例で示すカートリッジ61は、カートリッジ本体62に押圧部材106を設ける必要がないことから、押圧部材106の分、小型化を実現することができる。
なお、カートリッジ61のリフィル収納部63に収納されたリフィル11は、図37、図38及び図41に示すように、マガジン101の押圧部102,102に被押圧部29,29が押圧され、この押圧力を受けて、ステープル排出口16の両側部16a,16aがステープルガイド部75の第1の突当部91,91に突き当てられて密接され、更に、ステープルガイド部75の第2の突当部92,92がフェイスプレート79のフェイス部79aに突き当てられ、フェイス部79aがマガジン101の装着基準部103,103に突き当てられる。したがって、この機能を実現するには、図48(A)及び(B)に示すように、リフィル本体12の前面12a側に、前壁を設けないようにしても良い。この場合にあっても、マガジン101の押圧部102,102に被押圧部29,29が押圧され、この押圧力を受けて、リフィル本体12の前面12aにおいて、底面12eと側面12b,12cとがなすコーナ部16e,16eがステープルガイド部75の第1の突当部91,91に突き当てられることになり、前壁がある場合と同様な効果を得ることができる。
[5.マガジンの基本構成の説明(図36−図38及び図41等)]
マガジン101には、図37及び図38に示すように、装着基準部103,103を有し、更に、フェイスプレート79のフェイス部79aを装着基準部103,103に突き当てるため、カートリッジ61に装着されたリフィル11の背面12dの被押圧部29,29と対向する位置に押圧部102,102が設けられている。また、マガジン101には、リフィル11の背面12dに形成された三角形状に突出した第2の位置決め用突出部19,19を押圧し、リフィル11が装着されたカートリッジ61を保持する装着レバー104,104が設けられている。装着レバー104,104は、例えば板バネを折曲した弾性片であって、先端部が一例として略90°折曲され、第2の位置決め用突出部19,19の傾斜部となった上側端面19cに係合する係合片104a,104aとなっている。なお、先端部の折曲角度は、略90°に限られず、第2の位置決め用突出部19,19の形状に合わせて適切な係合力が得られる角度になっていれば略90°でなくても良い。装着レバー104,104は、係合片104a,104aが第2の位置決め用突出部19,19の上側端面19cに係合する。装着レバー104,104は、係合片104a,104aが第2の位置決め用突出部19,19の上側端面19cに係合して、第2の位置決め用突出部19,19を上側から押圧することで、リフィル11を介してカートリッジ61をマガジン101の下面側と前面側に向かって押し付け、固定、すなわちロックする。すなわち、第2の位置決め用突出部19,19は、被押圧部29,29と共に、更なる被押圧部としても機能する。装着レバー104,104は、カートリッジ61をマガジン101に装着した状態にロックするロック部材であり、リフィル11の背面にある第2の位置決め用突出部19,19は、装着レバー104,104にロックされる被ロック部となる。
また、マガジン101には、フォーミングプレート80aとドライバプレート80bとが設けられている。図37及び図38に示すように、フォーミングプレート80aは、打出部65の上面側からフェイスプレート79とステープルガイド板75bとの間に進入し、リフィル11のステープル収納部13の最下層のシート状連結ステープル10の先端部に位置する真直状のステープル10aを、プッシャ77に沿って移動しアンビル76で、コ字状に成形する。ドライバプレート80bは、フォーミングプレート80aよりフェイスプレート79側に、フォーミングプレート80aと並んで配設されている。ドライバプレート80bは、打出部65の上面側からフェイスプレート79とプッシャ77との間に進入し、コ字状に折曲されたステープル10aを図38中矢印X方向に打ち出す。
なお、図6−図9並びに図37及び図38等に示したように、リフィル本体12の背面12dに形成された第2の位置決め用突出部19,19は、リフィル本体12の上面側の端面19cを、底面12eと前面12aの方向を向くように下側に傾斜させた傾斜部とすることで、当該傾斜部を押圧した際、リフィル本体12を、装着レバー104,104によって装着体の下面側と前面側に向かって押し付ける。すなわち、装着レバー104は、押圧部102に相当する機能を発揮し、第2の位置決め用突出部19,19は、被押圧部29,29に相当する機能を発揮する。したがって、カートリッジ61に装着されたリフィル11をマガジン101の装着基準部103,103に突き当てるにあたっては、リフィル本体12の被押圧部29,29とマガジン101の押圧部102,102を必ずしも設けなくても良い。
すなわち、図49(A)に示すように、ここで用いられるリフィル11には、リフィル本体12の背面12dの底面12e側コーナ部に被押圧部29,29が形成されておらず、三角形状に突出した第2の位置決め用突出部19,19が形成されている。そして、このリフィル11が装着されたカートリッジ61が装着されるマガジン101には、図49(B)に示すように、被押圧部29,29を押圧する押圧部102,102が設けられておらず、第2の位置決め用突出部19,19を押圧し、リフィル11が装着されたカートリッジ61を保持する装着レバー104,104が設けられている。装着レバー104,104は、先端部が略90°折曲され、第2の位置決め用突出部19,19の上側端面19cに係合する係合片104a,104aとなっている。このような装着レバー104,104は、押圧部102,102として機能し、リフィル11を、カートリッジ61内において、リフィル収納部63の底面側と前面側に向かって押し付ける。これにより、リフィル収納部63内のリフィル11は、収納状態がロックされる。これと共に、リフィル11は、図49(B)に示すように、装着レバー104,104の弾性付勢力によって、ステープル排出口16の両側部16a,16aがステープルガイド部75の第1の突当部91,91に突き当てられて密接され、更に、ステープルガイド部75の第2の突当部92,92がフェイスプレート79のフェイス部79aに突き当てられ、フェイス部79aがマガジン101の装着基準部103,103に突き当てられることにより、マガジン101との位置決めがなされる。
なお、被押圧部としても機能する第2の位置決め用突出部19,19の形状は、リフィル本体12の背面12dから突出した三角形状に限定されるものではない。例えば、被押圧部としても機能する第2の位置決め用突出部19,19は、図50(A)に示すように、上面側端面19cを、底面12eと前面12aの方向を向くように下側に傾斜させる際に、下側に反るように湾曲させた凹状の形状としても良い。この場合、装着レバー104,104の係合部104a,104aが下側に反るように湾曲した上面側端面19cに係合することによって、リフィル11がリフィル収納部63の底面側と前面側に向かって押し付けられることになる。このとき、第2の位置決め用突出部19,19と係合部104a,104aとが第1の当接部19Xの1点で当接する場合には、図50(A)中実線矢印に示すような押圧力が作用する。また、第2の位置決め用突出部19,19と係合部104a,104aとが第1の当接部19Xと第2の当接部19Yとの2点で当接する場合には、更に、図50(A)中破線矢印に示した押圧力も作用する。また、被押圧部としても機能する第2の位置決め用突出部19,19は、図50(B)に示すように、全体をリフィル本体12の背面12dから突出した円弧状の形状とし、底面12eと前面12aの方向を向く上面側端面19cを、凸状の円弧状面としても良い。この場合、装着レバー104,104の係合部104a,104aが円弧状に湾曲した上面側端面19cに係合することによって、リフィル11がリフィル収納部63の底面側と前面側に向かって押し付けられることになる。更に、被押圧部としても機能する第2の位置決め用突出部19,19は、図50(C)に示すように、リフィル本体12の背面12dから突出した段差形状としても良い。この場合の段差形状は、リフィル本体12の前面12aと平行な面と底面12eと平行な面とで構成される。装着レバー104,104の係合部104a,104aの折曲部が段差形状に係合し、リフィル11がリフィル収納部63の底面側と前面側に向かって押し付けられることになる。このとき、第2の位置決め用突出部19,19と係合部104a,104aとが第1の当接部19Xの1点で当接する場合には、図50(C)中実線矢印に示すような押圧力が作用する。また、第2の位置決め用突出部19,19と係合部104a,104aとが第1の当接部19Xと第2の当接部19Yとの2点で当接する場合には、更に、図50(C)中破線矢印に示した押圧力も作用する。
更に、以上の例では、リフィル本体12の背面12dに突出した第2の位置決め用突出部19,19を設けたが、これに代わって、第2の位置決め用突出部19,19は、突出部ではなく凹部で構成しても良い。具体的に、図51(A)及び(B)に示すように、リフィル本体12の背面12dには、被押圧部としても機能する位置決め用凹部19dが設けられている。ここでの位置決め用凹部19dは、リフィル本体12の背面12dのガイド孔28を跨ぐように幅方向に形成されており、装着レバー104,104の先端部が略90°折曲した係合片104a,104aに対応した三角形状に窪んだ凹部となっている。この場合、装着レバー104,104の係合部104a,104aは、位置決め用凹部19dに係合することによって、リフィル11をリフィル収納部63の底面側と前面側に向かって押し付けることになる。なお、位置決め用凹部19dの凹部の形状は、三角形状に限定されるものではなく、円弧状であったり、段差状であっても良い。また、位置決め用凹部19dの数も複数であっても良く、例えば背面12dに、ガイド孔28を挟んで2つ(例えば第2の位置決め用突出部19,19の位置と対応する位置に)設けるようにしても良い。
[6.リフィルをカートリッジに装着するまでの基本動作の説明]
リフィル11にシート状連結ステープル10の積層体を収納するには、図13に示すように、先ず、リフィル本体12に蓋部材15が取り付けられていない状態で、シート状連結ステープル10の積層体が収納される。この後、リフィル本体12には、蓋部材15の一方のガイド突部22が一方の水平ガイド部21bに内側から挿入され、次いで、他方のガイド突部22が連結部21cを乗り上げるようにして他方の水平ガイド部21bに挿入され、更に、ガイド突部27をガイド孔28に係合させることによって、蓋部材15がステープル収納部13に収納されたシート状連結ステープル10の積層体上に配設される。この際、リフィル本体12には、前面12aに切欠部18が形成されている。したがって、リフィル本体12は、相対する一対の側面12b,12cのステープル挿入口14側が拡幅する方向に撓み、ステープル挿入口14を大きくでき、シート状連結ステープル10の挿入作業や蓋部材15の取付作業を容易に行うことができる。
リフィル11は、図10及び図12に示すように、脱落防止片17の突起部17cがステープル排出口16に重なった位置にあり、最下層のシート状連結ステープル10がステープル排出口16より落下することが防止されている。リフィル11をカートリッジ61に装着するときには、ヒンジ17bを中心に脱落防止片17を回動変位し、突起部17cをステープル排出口16より退避させる。これにより、シート状連結ステープル10は、ステープル排出口16より排出可能となる。
以上のようにシート状連結ステープル10が最大限に装填された状態のリフィル11は、図8及び図9に示すように、前面12aを挿入面として、カートリッジ61のリフィル挿入口64からリフィル収納部63に挿入される。すると、図29及び図30に示すように、図30中矢印C方向に回動付勢されている押圧レバー66は、先端部の押圧部70が挿入面となっているリフィル本体12の前面12aの切欠部18より進入し、蓋部材15の上に乗り上げる。そして、蓋部材15に当接している押圧レバー66の押圧部70は、ガイド壁32,32によってガイドされて、シート状連結ステープル10が減ってくると、図42に示すように、凹状の係合部31に係合する。これにより、押圧レバー66は、押圧レバー66が蓋部材15を介してステープル収納部13内の積層されたシート状連結ステープル10を確実に押圧した状態となる。また、リフィル11は、蓋部材15に当接している押圧部70が凹状の係合部31に係合することで、リフィル収納部63からリフィル11が脱落することが防止される。
リフィル11をカートリッジ61のリフィル収納部63に収納するとき、図33−図35に示すように、蓋部材15のガイド突部22,22は、拾込部73a,73aに係合する。リフィル11がリフィル収納部63内に収納されて行くに連れて、押圧レバー66によって図42中矢印C方向に押圧されている蓋部材15のガイド突部22,22は、拾込部73a,73aの傾斜面によって持ち上げられる。リフィル11がリフィル収納部63に完全に収納されると、図34に示すように、ガイド突部22,22は、取外制限部73b,73bに至る。この際、蓋部材15は、僅かに下がって、コイルバネ71によって図34中矢印C方向に弾性付勢された押圧レバー66によってシート状連結ステープル10の最上層に押圧されるので、クリック感を発生させることができる。これにより、利用者は、リフィル11が確実にカートリッジ61に装着されたことを知ることができる。
使用中、ガイド突部22,22は、取外制限部73b,73bをシート状連結ステープル10が減少するに連れて順に降下していく。リフィル11のシート状連結ステープル10が尽きると、ガイド突部22,22は、蓋部材15の裏面の突起部23,23,23,23がリフィル本体12の底面12eの四隅に形成される逃げ部24,24,24,24に係合することで(図15参照)、ガイド突部22,22の高さ位置は、係合解除部73c,73cの下方に位置する。これにより、リフィル11は、ガイド突部22,22が係合解除部73c,73cの下方を通過してリフィル収納部63より取り外し可能となる。
なお、リフィル収納部63から取り出されるときには、蓋部材15に当接している押圧部70がガイド壁32,32にガイドされ、切欠部18を通過して、押圧レバー66がリフィル11から外れる。また、リフィル11は、摘み部20,20に指等に引っかけて容易にカートリッジ61から取り出すことができる。押圧レバー66の解除は、リフィル11の取り出し作業の中で自動的にできるので、押圧レバー66の解除操作等が不要となり、操作性の向上を実現することができる。
リフィル11がカートリッジ61に装着されているとき、図31、図39及び図40に示すように、ステープルガイド板75bの位置決め凸部89は、リフィル本体12の底面12eに形成された位置決め凹部26に嵌合する。このように構成されたリフィル11の位置決め機構88は、リフィル11の幅方向、すなわち位置決め凸部89がシート状連結ステープル10の送り方向に対して直交する方向の位置決めがされる。
以上のように、リフィル11が装着されたカートリッジ61は、更に、打出部65が形成された前面62eを挿入面として、ステープラ本体側のマガジン101に挿入され、装着される。図36−図38及び図41に示すように、マガジン101の装着レバー104,104は、三角形状の第2の位置決め用突出部19,19を上側から押圧し、リフィル11を介してカートリッジ61をマガジン101の下面側と前面側に向かって押し付ける。また、カートリッジ61に装着されているリフィル11は、マガジン101の押圧部102,102によって、カートリッジ61の背面62d側から外部に臨んでいるリフィル11の背面12dの被押圧部29,29よって押圧される。
すると、カートリッジ61では、図37、図38及び図41に示すように、底板部材74とカートリッジ本体62に固定されたステープルガイド部75の位置決め凸部89の両側の第1の突当部91,91に、リフィル本体12のステープル排出口16の両側部16a,16aが突き当てられ密接される。更に、ステープルガイド部75のフェイスプレート79のフェイス部79aの第2の突当部92,92は、フェイスプレート79のフェイス部79aの内面に突き当てられ、第2の突当部92,92が突き当てられるフェイス部79aの内面の反対の外面が、マガジン101の装着基準部103,103に突き当てられる。かくして、マガジン101内において、リフィル11は、ステープルガイド部75及びフェイスプレート79を介して装着基準部103,103に突き当てられ、正確な位置決めがなされる。また、リフィル本体12がステープルガイド部75と密接してステープルガイド部75をフェイスプレート79に当接させるので、ステープルが通過する間隙の寸法を安定して保つことができる。
リフィル11の最下層にあるシート状連結ステープル10は、図37及び図38に示すように、ステープル排出口16より、打出部65を構成するステープルガイド蓋75aとステープルガイド板75bとの間のシート状連結ステープル10の厚さ及び幅に合わせた通路に送り出される。そして、綴り用紙を綴じるには、先ず、フォーミングプレート80aが打出部65の上面側からフェイスプレート79とステープルガイド板75bとの間に進入し、リフィル11のステープル収納部13の最下層のシート状連結ステープル10の先端部に位置する真直状のステープルをアンビル76で、コ字状に成形する。次いで、ドライバプレート80bが打出部65の上面側からフェイスプレート79とステープルガイド板75bとの間に進入し、コ字状に折曲されたステープル10aを図38中矢印X方向に打ち出す。
ステープルが打ち出されると、リフィル11の最下層にあるシート状連結ステープル10は、一本分送り出される。具体的に、送り機構81は、フェイスプレート79のフェイス部79aとプッシャ77との間の間隙に進入したドライバプレート80bによって、送りプレート84の傾斜部84aが押される。すると、送りプレート84は、ガイド部材83がコイルバネ87の付勢力に抗して図38中反矢印E方向に移動する。これにより、ガイド部材83の送り爪85は、リフィル11内の最下層のシート状連結ステープル10の真直状のステープル1本分、反矢印E方向に移動し、今まで係合していた真直状のステープル間の微小凹部から次の微小凹部に係合する。この後、ガイド部材83は、コイルバネの付勢力により元の位置に復帰し、すなわち図38中矢印E方向に移動し、この際に、ガイド部材83の送り爪85は、真直状のステープル1本分を打出部65の方向に送り出す。
なお、マガジン101内において、リフィル11は、ステープルガイド部75及びフェイスプレート79を介して装着基準部103,103に突き当てられ、位置決めが行われている。これにより、リフィル11の装着基準部103,103への位置決めは、シート状連結ステープル10を打出部65へ送る機能に影響を与える部材がリフィル11、ステープルガイド部75、フェイスプレート79及び装着基準部103,103という必要最小限度の部材となることで、シート状連結ステープル10を打出部65へ送る送り精度を良化することができる。この結果、送り機構81のガイド部材83や送りプレート84のストロークを短くでき、カートリッジ61の小型化を実現することができる。
[7.リフィルの変形例の説明(図54−図63)]
[7−1.リフィル本体の切欠部の変形例の説明]
上述したリフィル11は、更に図54のように構成することができる。図54の例は、蓋部材15が略矩形に形成されているのではなく、正面視略H字状に形成されている。この蓋部材15は、図54(A)及び(B)に示すように、ステープル挿入口12の幅方向略中央において長さ方向に延在する縦部34aと、縦部34aの両端部に形成され、ステープル挿入口12の幅方向に延在する横部34b,34bとを備えている。リフィル本体12の前面12a側に位置する横部34bは、その両端に、側面12b,12cのガイド孔21,21に係合するガイド突部22,22が形成されている。また、リフィル本体12の背面12d側に位置する横部34bには、その中央部に、図13に示すリフィル本体12のように背面12dのガイド孔28に係合するガイド突部27が形成されている。また、図示しないが、横部34b,34bの各端部には、リフィル本体12の底面12eに形成された逃げ部24,24,24,24に係合する突起部23,23,23,23が形成されている。以上のような図54に示す蓋部材15にあっても、上述した略矩形の蓋部材15に対して、小型化しながら、リフィル本体12のステープル収納部13に収納されたシート状連結ステープル10の積層体の最上層の全体を均一に押圧することができる。
また、リフィル11は、図55(A)及び(B)に示すように、リフィル本体12の相対する側面12b,12cに形成されたガイド孔21,21に相当する部位が貫通孔ではなく有底の溝で形成するようにしてもよい。
更に、図56(A)及び図56(B)に示すように、リフィル11の切欠部18は、例えば図10に示すように、切欠部18をリフィル本体12の前面12aに形成するのではなく、側面12b,12cに、シート状連結ステープル10の挿入方向に沿って、すなわち蓋部材15のガイドをするガイド孔21の垂直ガイド部21aと平行となるようにスリット状に形成してもよい。ここでは、切欠部18,18を、側面12b,12cの前面12a側に形成しているが、背面12d側に形成してもよい。切欠部18,18においても、ステープル挿入口14側の端部を開放する。これにより、図56に示すリフィル11は、リフィル本体12の前面12aと背面12dとが離間する方向に撓ますことができるようになると共に、相対する側面12b,12cも切欠部18,18より背面12d側において外側に撓ますことができるようになる。したがって、図56に示すリフィル11においても、ステープル挿入口14を大きくすることができ、シート状連結ステープル10の挿入作業や蓋部材15の取付作業を容易に行うことができる。また、側面12b,12cを撓ませるために、側面12b,12cの肉厚を薄くする必要がなくなり、部品成形性が悪くなることを防止できる。なお、ガイド孔21の垂直ガイド部21aと平行とする切欠部18は、側面12b,12cの少なくとも何れか一方に形成すればよい。
更に、図57に示すように、リフィル11には、逆止爪22aと逆止溝22bを形成してもよい。具体的に、蓋部材15の相対する側端面15a,15aには、逆止爪22a,22aを形成する。これに対して、リフィル11には、リフィル本体12の側面12b,12cの内面に、逆止爪22a,22aが係止される逆止爪22b,22bをシート状連結ステープル10の挿入方向に沿って形成する。これにより、蓋部材15がリフィル11の交換時等にリフィル本体12から落下することを防止できる。
更に、図58(A)及び(B)に示すように、リフィル11は、リフィル本体12の相対する側面12b,12cに形成されたガイド孔21,21を、リフィル本体12の前面12a側ではなく背面12d側に形成するようにしても、前面12a側に形成した場合と同様な作用効果を得ることができる。また、切欠部18は、リフィル本体12の前面12aにではなく、背面12dに形成するようにしても、前面12a側に形成した場合と同様な作用効果を得ることができる。なお、この例では、背面12dに切欠部18が形成されるので、ガイド孔28は前面12aに形成され、ガイド孔28に係合する蓋部材15のガイド突部27も前面側端面に形成される。
ところで、切欠部18は、図10等に示すようにリフィル本体12の前面12aに形成してもよいし、図58に示すようにリフィル本体12の背面12dに形成するようにしてもよい。このようにリフィル本体12の前面12aや背面12dに形成される切欠部18は、図10、図58等に示すように、略矩形に形成してもよい他、図59(A)に示すように、略矩形を基本形状としながら、底面12e側の両コーナ部を円弧状に形成するようにしてもよい。また、図59(B)に示すように、切欠部18は、底面12e側の辺が幅狭となるように、逆台形状に形成するようにしてもよい。この場合、特に、押圧レバー66が通過するとき、特に蓋部材15上に進入してくるとき、傾斜している両側縁部が押圧レバー66のガイド部として機能する。更に、図59(C)に示すように、切欠部18は、前面12aや背面12dの幅方向略中央に高さ方向のスリット18aを形成し、底面12e側の先端部に円形部18bを形成するようにしてもよい。更に、図59(D)に示すように、切欠部18は、略矩形を基本形状としながら、底面12e側を幅広の形状にしてもよい。更に、図59(E)に示すように、切欠部18は、底面12e側の端部を円弧状に形成してもよい。このように、切欠部18は、図59(A)−(E)に示すような形状としても、相対する側面12b,12cのステープル挿入口14の側を外側に撓ますことができるようになり、シート状連結ステープル10の挿入作業や蓋部材15の取付作業を容易に行うことができ、また、側面12b,12cを撓ませるために、側面12b,12cの肉厚を薄くする必要がなくなり、部品成形性が悪くなることを防止できる。
なお、リフィル11は、図52及び図53に示すように構成としても良い。図52及び図53に示すリフィル11は、リフィル本体12の前面12a側を、前面12aから側面12b,12cの前面12a側に亘って切り欠いた構成となっている。また、このリフィル11では、リフィル本体12の前面12aにおいて、ステープル排出口16の直上に、脱落防止片17を残存させるようにしている。そして、このリフィル11では、リフィル本体12の前面12aの大きく切り欠かれた部分が切欠部18となる。また、脱落防止片17が設けられるリフィル本体12の前面12aを構成する前壁12gの高さは、シート状連結ステープル10が最大限装填されている状態において、シート状連結ステープル10の積層体の最上層と略同じ高さ又は最上層よりも高く設けられ、ステープル収納部13に収納されたシート状連結ステープル10が切欠部18より脱落しないようにしている。
[7−2.リフィルを梱包体等の装着体へ装着する際の位置決めの説明]
更に、このリフィル11では、図60に示すように、蓋部材15のガイド突部22,22を梱包体等の装着体111に装着する際の位置決め用突出部として用いることができる。具体的に、装着体111は、リフィル11を収納する凹状の収納部112を有し、リフィル本体の側面12b,12cより突出したガイド突部22,22と対向する位置に段部によって側面位置決め凹部113,113が形成されている。リフィル11は、搬送されるとき、使用前であり、シート状連結ステープル10が最大限に装填された状態であり、ガイド突部22,22は、ガイド孔21,21の垂直ガイド部21a,21aの上方に位置している。そこで、側面位置決め凹部113,113は、リフィル11にシート状連結ステープル10が最大限に装填された状態のときのガイド突部22,22の位置に対応して内方に突出した段部によって形成されている。また、装着体111の収納部112には、リフィル本体12の背面12dの三角形状に突出した一対の第2の位置決め用突出部19,19に係合する背面位置決め凹部114が収納部112の背面下側の段部によって形成されている。
一般に、装着体111である梱包体は、合成樹脂のモールド成形品であったり、パルプモールド成形品であったり、段ボール箱や発泡樹脂箱であったりし、変形し易いものとなっている。図61(A)及び(B)に示すように、リフィル11は、リフィル本体12の底面12eを挿入面として、装着体111の収納部112に挿入される。そして、収納部112に収納されると、リフィル11側のガイド突部22,22は、収納部112の内方に突出した段部を乗り越えて側面位置決め凹部113,113に係合し、更に、第2の位置決め用突出部19,19も、収納部112の内方に突出した段部を乗り越えて背面位置決め凹部114に係合する。これにより、装着体111には、収納部112にリフィル11が位置決めされ、更に脱落が防止された状態で収納されることになる。収納されたリフィル11は、図61(B)に示すように、収納部122の底面に突設された一又は複数の底面支持部115によって下側から支持され、底面支持部115が有する弾性によって、ガイド突部22,22と第2の位置決め用突出部19,19が位置決め凹部113,114と確実に係合される。
なお、図60及び図61に示す例では、装着体111の収納部112に形成された背面位置決め凹部114にリフィル本体12の背面12dの三角形状に突出した一対の第2の位置決め用突出部19,19を係合させるようにしたが、変形例としては、背面側の位置決めを、リフィル本体12の背面12dより突出した蓋部材15の背面側端面15bのガイド突部27を位置決め用突出部として用いてもよい。すなわち、図62、図63(A)及び(B)に示すように、装着体111の収納部112には、リフィル本体の背面12dより突出したガイド突部27と対向する位置に段部によって背面位置決め凹部114が形成されている。背面位置決め凹部114の段部は、リフィル11にシート状連結ステープル10が最大限に装填された状態のときのガイド突部27の位置に対応して内方に突出して形成されている。
リフィル11は、リフィル本体12の底面12eを挿入面として、装着体111の収納部112に挿入される。そして、収納部112に収納されると、リフィル11側のガイド突部22,22は、収納部112の内方に突出した段部を乗り越えて側面位置決め凹部113,113に係合し、更に、ガイド突部27も、収納部112の内方に突出した段部を乗り越えて背面位置決め凹部114に係合する。これにより、装着体111には、収納部112にリフィル11が位置決めされ、更に脱落が防止された状態で収納されることになる。収納されたリフィル11は、図63(B)に示すように、収納部122の底面に突設された一又は複数の底面支持部115によって下側から支持され、底面支持部115が有する弾性によって、ガイド突部22,22とガイド突部27が位置決め凹部113,114と確実に係合される。
なお、図60−図63の例では、装着体111が梱包体である場合を説明したが、位置決め凹部113,114の考え方は、カートリッジ61やカートリッジ61が装着されるマガジン101に適用してもよい。また、装着体111が梱包体である場合、装着体111の底面には、弾性体等のクッション材を配設するようにして、搬送時の振動等を吸収し、リフィル11を保護するようにしてもよい。
[8.装着体の説明(図64−図68)]
更に、装着体は、図64及び図65に示すようにすることもできる。すなわち、図64及び図65に示す装着体121は、リフィル11を収納する凹状の収納部122を有する。リフィル11のリフィル本体12の前面12aには、図10等に示すように、ステープル排出口16からシート状連結ステープル10が脱落することを防止する脱落防止片17を含む突出部17dが形成されており、この突出部17dは、第1の位置決め用突出部としても機能する。収納部122には、リフィル11のリフィル本体12の前面12aと対向する前面122aに、突出部17dと係合する第1の位置決め凹部123が形成されている。第1の位置決め凹部123は、収納部122の前面122aより内方に突出した段部によって形成されている。
また、リフィル11には、図11等に示すように、リフィル本体12の背面12dに、一対の第2の位置決め用突出部19,19が形成されている。図64及び図65に示すように、収納部122の背面122bには、一対の第2の位置決め用突出部19,19の少なくとも一方に係合して、リフィル本体12の背面12d側を位置決めする位置決め部材124が設けられている。なお、位置決め部材124は、ここでは一対の第2の位置決め用突出部19,19に係合する。また、詳細は省略するが、位置決め部材124は、収納部122内に進退自在に設けられて、一対の第2の位置決め用突出部19,19と係合し得るように周知のガイド手段によってガイドされている。位置決め部材124は、背面122b側に配設され、付勢部材となるコイルバネ125によって、常時収納部122の内方に突出されている。また、位置決め部材124は、その操作部124aが装着体121の操作孔124bより外部に臨まされている。リフィル11が挿入されると、位置決め部材124は、第2の位置決め用突出部19,19に押圧され、収納部122より一旦退避し、再度、コイルバネ125の弾性力によって、収納部122内に突出し、第2の位置決め用突出部19,19と係合する。収納部122よりリフィル11を取り出す際には、操作部124aを介してコイルバネ125を収縮させる方向にスライドさせることで、位置決め部材124を収納部122より退避させ、一対の第2の位置決め用突出部19,19と係合した状態を解除することができる。この装着体111では、第1の位置決め用突出部として機能する突出部17dと第2の位置決め用突出部として機能する第2の位置決め用突出部19,19の3点を、第1の位置決め凹部123と位置決め部材124とに係合させることによって、脱落防止された状態で安定して収納することができる。
更に、この装着体121では、収納部122の側面122c,122dに、背面122bと連続した位置決め凹部126,126が収納部122の深さ方向に沿って形成されている。位置決め凹部126,126は、リフィル本体12の背面12dに連続して形成され第3の位置決め用突出部としても機能する摘み部20,20と係合し、リフィル11の挿入時の挿入ガイドを行うと共にリフィル11の位置決めを行う。更に、収納部122の側面122c,122dには、リフィル本体の側面12b,12cより突出したガイド突部22,22と対向する位置に位置決め凹部127,127が形成されている。上述のように、ガイド突部22,22は、第4の位置決め用突出部としても機能するものであり、位置決め凹部127,127と係合し、リフィル11の挿入時の挿入ガイドを行うと共にリフィル11の位置決めを行う。
図66−図68には、装着体121の変形例を示す。この装着体131は、リフィル11を収納する凹状の収納部132を有する。収納部132には、リフィル11のリフィル本体12の前面12aと対向する前面132aに、第1の位置決め用突出部として機能する突出部17dと係合する第1の位置決め凹部133が形成されている。第1の位置決め凹部133は、収納部132の前面132aより内方に突出した段部によって形成されている。
収納部132の背面132bには、リフィル本体12の背面12dの一対の第2の位置決め用突出部19,19の少なくとも一方に係合して、リフィル本体12の背面12d側を位置決めする第2の位置決め凹部134が形成されている。第2の位置決め凹部134は、収納部132の背面132bより内方に突出した段部によって形成されている。収納されたリフィル11は、図68に示すように、収納部132の底面に突設された一又は複数の底面支持部137によって下側から支持され、底面支持部137が有する弾性によって、突出部17dと第2の位置決め用突出部19,19が位置決め凹部133,134と確実に係合され、がたつきが防止される。この装着体131では、第1の位置決め用突出部として機能する突出部17dと第2の位置決め用突出部として機能する第2の位置決め用突出部19,19の3点を、第1の位置決め凹部133と第2の位置決め凹部134とに係合させることによって、脱落防止された状態で、安定して収納することができる。
更に、収納部132の側面132c,132dには、背面122bと連続した第3の位置決め凹部135,135が収納部132の深さ方向に沿って形成されている。第3の位置決め凹部135,135は、リフィル本体12の背面12dに連続して形成された第3の位置決め用突出部としても機能する摘み部20,20と係合し、リフィル11の挿入時の挿入ガイドを行うと共にリフィル11の位置決めを行う。
更に、収納部132の側面132c,132dには、リフィル本体の側面12b,12cより突出した第4の位置決め用突出部としても機能するガイド突部22,22を含むガイド孔21,21と対向する位置に第4の位置決め凹部136,136が形成されている。ガイド孔21,21の連結部21c,21cは、外側にやや膨出するように形成されており、第4の位置決め凹部136,136は、連結部21c,21cの膨出した部分やガイド突部22,22の突出部分を逃げるようになっている。第4の位置決め凹部136,136は、連結部21c,21cと係合することで、リフィル11の挿入時の挿入ガイドを行うと共にリフィル11の位置決めを行う。
なお、第4の位置決め凹部136,136は、図64及び図65に示すように、ガイド突部22,22を逃げる位置決め凹部127,127と同様な構成としてもよい。また、装着体121,131が梱包体である場合、装着体121,131の底面には、弾性体等のクッション材を配設するようにして、搬送時の振動等を吸収し、リフィル11のがたつきを防止するようにしてもよい。
[9.押圧レバーの変形例の説明(図69−図78)]
[9−1.押圧レバーと切欠部の変形例の説明、その1]
図69−図71のリフィル11は、リフィル本体12の前面12aの切欠部18が逆台形状に形成されている。具体的に、切欠部18は、底面12e側の辺が幅狭で、両側縁部にテーパ部18c,18cが形成されている。これにより、切欠部18は、リフィル11のカートリッジ61からの出し入れの際に、押圧レバー66の押圧部70が切欠部18を通過するのが容易となる。なお、テーパ部18c,18cは、直線的なテーパであってもよいし、円弧状をなしていてもよい。
また、押圧レバー66は、押圧部70の両コーナ部にテーパ部70a,70aが形成されている。押圧部70は、リフィル11のカートリッジ61からの出し入れの際に、切欠部18への挿入端にテーパ部70a,70aが形成されるので、リフィル本体12の蓋部材15上に進入する際や退避する際のガイド部として機能する。なお、テーパ部70a,70aは、直線的なテーパであってもよいし、円弧状をなしていてもよい。
以上のように、図69−図71の例では、リフィル本体12の前面12aの切欠部18にテーパ部18c,18cが形成され、及び/又は、押圧レバー66の押圧部70にテーパ部70a,70aが形成されている。したがって、押圧レバー66の押圧部70は、リフィル11がカートリッジ61に挿入されるとき、押圧部70が切欠部18の相対する両側縁部に引っかかることなく、円滑にリフィル本体12内の蓋部材15上に進入することができる。また、押圧レバー66の押圧部70は、リフィル11をカートリッジ61から取り出すとき、リフィル本体12内の蓋部材15上から切欠部18を通過できる。
なお、図69−図71の例では、押圧レバー66が蓋部材15を押圧する場合を説明したが、次に説明するように、蓋部材15を配設することなく、押圧レバー66が直接押圧部70でステープル収納部13内のシート状連結ステープル10を押圧するようにしてもよい。すなわち、蓋部材15無しの場合であっても、切欠部18にテーパ部18c,18cを形成したり、押圧レバー66の押圧部70にテーパ部70a,70aを形成してもよい。
[9−2.押圧レバーと切欠部の変形例の場合の説明、その2]
また、以上の例では、リフィル11内のシート状連結ステープル10の積層体を、蓋部材15を介してカートリッジ61の押圧レバー66で押圧する場合を説明したが、リフィル11は、蓋部材15を設けなくてもよい。図72に示すように、ここで説明するリフィル11は、蓋部材15がステープル収納部13内に配設されていないため、ステープル収納部13内のシート状連結ステープル10の積層体の最上層がステープル挿入口14から直接露出した状態となる。このようなリフィル11がカートリッジ61のリフィル収納部63に挿入されると、図73に示すように、押圧レバー66は、リフィル本体12の前面12aの切欠部18よりステープル収納部13に進入する。この際、押圧レバー66の押圧部70は、切欠部18下の前面12aの前壁を乗り越え、更に、ステープル収納部13内のシート状連結ステープル10の積層体上に移動する。
また、図74に示すように、リフィル11のシート状連結ステープル10が尽きたとき、押圧レバー66の押圧部70は、ステープル収納部13の底面12eに当接する。カートリッジ61からリフィル11が取り出されるとき、押圧レバー66の押圧部70は、ステープル収納部13内からステープル収納部13外に移動する。この際、押圧部70は、切欠部18下の前面12aの前壁を乗り越える。このように、蓋部材15の無いリフィル11をカートリッジ61に装着した場合であっても、ステープル収納部13内のシート状連結ステープル10を底面12eに押圧することができ、確実にシート状連結ステープル10をカートリッジ61の打出部65に送り出すことができる。
また、蓋部材15の無いリフィル11は、図75に示すように、切欠部18下の前面12aの前壁を図72の例より更に低くしてもよい。この場合、リフィル11をカートリッジ61のリフィル収納部63に収納する際、押圧レバー66の押圧部70は、切欠部18下の前面12aの前壁に当たることなく、リフィル本体12のステープル収納部13内のシート状連結ステープル10の積層体に当接し、最上層のシート状連結ステープル10上に移動することになる。また、シート状連結ステープル10が尽きて空のリフィル11をカートリッジ61のリフィル収納部63から取り出すときには、切欠部18下の前面12aの前壁が低く底面12eとの高低差が小さい。したがって、押圧レバー66の押圧部70は、切欠部18下の前面12aの前壁を円滑に乗り越えることができ、リフィル11をカートリッジ61から引き出す際の操作力を小さくすることができる。
更に、図76に示すように、リフィル11は、リフィル本体12の前面12aに切欠部18を形成するのではなく、例えば前面12aに薄肉部37を形成し、リフィル11をカートリッジ61のリフィル収納部63に収納する際に、押圧レバー66の押圧部70が薄肉部37を破断することでリフィル本体12の前面12aを打ち抜き切欠部18を形成して、ステープル収納部13内の最上層のシート状連結ステープル10上に移動するようにしても良い。また、リフィル収納部63にリフィル11を収納するときには、前面12aの前壁を乗り越え、リフィル11を取り出す際に、前面12aの前壁を打ち抜くようにしても良い。更に、リフィル本体12の前面12aを打ち抜くにあたっては、図77、図78(A)及び(B)に示すように、リフィル本体12の前面12aに幅方向に亘った直線状の薄肉部で形成したヒンジ部18eを形成するようにしてもよい。リフィル本体12の前面12aにヒンジ部18eを形成したときには、カートリッジ61のリフィル収納部63にリフィル11を挿入する際、押圧レバー66の押圧部70がシート状連結ステープル10の積層体に支えられた打抜片18fを乗り越えることになる。また、リフィル収納部63からリフィル11を引き抜く際には、打抜片18fをヒンジ部18eを介してステープル収納部13の外方側に折曲することができる。なお、上述した図76及び図77に示す例においては、蓋部材15を設ける構成としても良い。また、図76及び図77に示す例において、切欠部18にテーパ部18c,18cを形成してもよいし、押圧レバー66の押圧部70にテーパ部70a,70aを形成してもよい。これにより、押圧レバー66の押圧部70は切欠部18を通過しやすくなる。
[10.押圧レバーのガイドの説明(図79−図91)]
図79及び図80に示すように、リフィル11のリフィル本体12に配設される蓋部材15の上には、リフィル11をカートリッジ61のリフィル収納部63に収納する際に、リフィル本体12の前面12aの切欠部18より進入する押圧レバー66の押圧部70が進入する。そこで、蓋部材15には、図8、図10、図11、図13及び図79に示すように、押圧部70の摺動方向に、押圧部70のガイド部となるガイド壁32,32がほぼ押圧部70の幅分離間して形成されている。したがって、押圧部70は、ステープル収納部13内にシート状連結ステープル10が最大限に装填されているとき、蓋部材15の凹状の係合部31に係合していないが、シート状連結ステープル10が減少するにつれて、図80に示すように、押圧部70がガイド壁32,32にガイドされながら移動し、凹状の係合部31に係合する。
リフィル11は、蓋部材15を設けなくても、押圧レバー66の押圧部70で直接リフィル本体12内のシート状連結ステープル10を押圧することができることは上述の通りである。図81の例では、リフィル11に蓋部材15を設けない場合において、リフィル11の底面からシート状連結ステープル10を装填し、リフィル本体12の前面12aと上面12fの幅方向中央に貫通したレバーガイド孔33を設けるようにしている。このレバーガイド孔33は、移動する押圧部70をガイドし得るように押圧部70と略同じ幅に形成されている。レバーガイド孔33は、リフィル本体12の前面12aの部分が切欠部18として機能する。図82に示すように、リフィル11がカートリッジ61のリフィル収納部63に収納されると、カートリッジ61の押圧レバー66の押圧部70は、レバーガイド孔33の前面12a側から進入し、上面12f側へ移動する。そして、図83に示すように、押圧レバー66は、リフィル11のシート状連結ステープル10が減少して行くに連れて、最上層のシート状連結ステープル10を押圧しつつレバーガイド孔33の上面12f側にガイドされながら進んでいく。これにより、押圧部70は、確実にシート状連結ステープル10を押圧することができる。また、リフィル11をカートリッジ61のリフィル収納部63より取り出すときにも、押圧部70は、レバーガイド孔33にガイドされながらリフィル本体12の前面12a側より退避することができる。
また、押圧レバー66の押圧部70のガイド部は、蓋部材15を有するリフィル11の場合、図84に示すように、蓋部材15の上面の幅方向中央に、突条のガイドレール35を形成するようにしてもよい。この場合、図85に示すように、押圧部70には、ガイドレール35が係合するガイド溝36を形成する。リフィル11がカートリッジ61のリフィル収納部63に収納されると、カートリッジ61の押圧レバー66の押圧部70は、リフィル本体12の前面12aの切欠部18よりステープル収納部13内の蓋部材15上へ移動する。そして、押圧部70のガイド溝36には、蓋部材15上のガイドレール35が係合する。そして、押圧部70は、図86に示すように、ガイドレール35がガイド溝36に係合した状態で、リフィル11のシート状連結ステープル10が減少して行くに連れて、蓋部材15の上を進んでいく。これにより、押圧部70は、確実にシート状連結ステープル10を押圧することができる。また、リフィル11をカートリッジ61のリフィル収納部63より取り出すときにも、押圧部70は、ガイド溝36にガイドレール35が係合してガイドされながらリフィル本体12の前面12a側より退避することができる。したがって、リフィル11は、カートリッジ61のリフィル収納部63から容易に取り出すことができる。
更に、押圧レバー66の押圧部70のガイド部は、図87に示すように、押圧レバー66の先端部に形成するようにしてもよい。すなわち、押圧レバー66には、先端部を延長するようにガイド片66aが形成されている。この場合のリフィル11のリフィル本体12の切欠部18は、略矩形をなしており、ガイド片66aは、この切欠部18と係合するように、切欠部18と略同じ幅を有する。また、このガイド片66aは、押圧レバー66がリフィル11のシート状連結ステープル10が最大限に装填されている状態(蓋部材15が最も高い位置にある状態)からシート状連結ステープル10が尽きた状態(蓋部材15が最も低い位置にある状態)まで常に切欠部18に係合し得る長さに形成されている。
図87に示すように、リフィル11がカートリッジ61のリフィル収納部63に収納されると、カートリッジ61の押圧レバー66の押圧部70は、リフィル本体12の切欠部18よりステープル収納部13内の蓋部材15の上に進入し移動する。そして、押圧レバー66の先端部のガイド片66aは、切欠部18に係合する。そして、図88に示すように、リフィル11のシート状連結ステープル10が減少して行くと、これに合わせて、押圧レバー66もコイルバネ71の弾性力によって図88中矢印C方向に回動し、蓋部材15の上面を移動していく。この際も、押圧レバー66のガイド片66aは、リフィル本体12の切欠部18に係合し続けている。これにより、押圧部70は、切欠部18によってガイドされて確実にシート状連結ステープル10を押圧することができる。また、リフィル11をカートリッジ61のリフィル収納部63より取り出すときにも、ガイド片66aが切欠部18に係合しているので、押圧部70は、リフィル本体12の前面12aの切欠部18より円滑に退避することができる。すなわち、リフィル11は、カートリッジ61のリフィル収納部63から容易に取り出すことができる。
なお、この図87及び図88の例においても、リフィル11のステープル収納部63内の蓋部材15は無くてもよい。この場合、押圧レバー66の押圧部70は、ステープル収納部63内のシート状連結ステープル10を直接押圧する。この場合、蓋部材15が無くガイド壁32,32のようなガイド機能は無いが、押圧レバー66のガイド片66aは、切欠部18に係合しているので、押圧レバー66をしっかりとガイドすることができる。
図10、図42等に示した上述の例によれば、押圧レバー66の押圧部70は、リフィル11内のシート状連結ステープル10の量が少なくなる又は尽きて空になると、リフィル11の蓋部材15の凹状の係合部31に係合し、リフィル11がカートリッジ61のリフィル収納部63から脱落しないようにしている。すなわち、図89(A)及び(B)に示すように、蓋部材15は、上面に凹部31aを形成することによって、シート状連結ステープル10の量が少なくなる又は尽きて空になると、押圧部70が凹部31aに係合するようにして、リフィル11がカートリッジ61から脱落しないようにしている。更に、リフィル11がカートリッジ61から脱落することを防止するには、図90(A)及び(B)に示すように、蓋部材15の上面に、押圧レバー66の押圧部70が係合する係合部として、段部31bを形成するようにしてもよい。段部31bは、リフィル本体12の前面12aの切欠部18側が高く、反対側が1段低くなるように形成する。これにより、押圧レバー66の押圧部70は、シート状連結ステープル10の量が少なくなる又は尽きて空になると、段部31bの高い方(切欠部側)から低い方に移動し、高低差のある段部31bと係合する。これにより、シート状連結ステープル10の量が少なくなる又はシート状連結ステープル10が尽きて空になったリフィル11がカートリッジ61のリフィル収納部63から脱落することを防止できる。
また、図91(A)及び(B)に示すように、押圧レバー66の押圧部70に凹部31cを形成し、蓋部材15の上面に突起部31dを形成してもよい。この凹部31cは、押圧部70のコーナ部であって、押圧部70が切欠部18より蓋部材15の上面に進入したとき、当接する部分に形成される。この場合、シート状連結ステープル10の量が少なくなる又はシート状連結ステープル10が尽きて空になると、押圧部70が蓋部材15の上面を移動し、押圧部70の凹部31cに蓋部材15の突起部31dが係合する。これにより、シート状連結ステープル10の量が少なくなる又はシート状連結ステープル10が尽きて空になったリフィル11がカートリッジ61のリフィル収納部63から脱落することを防止できる。
[11.リフィルのロック機構の変形例の説明(図92−図99)]
図32−図35に示すロック機構72は、リフィル11の蓋部材15のガイド突部22,22をカートリッジ61の側面62b,62cの内面に形成された係合部73,73に係合させることによって、カートリッジ61からリフィル11が脱落しないようにしている。特に、このロック機構72では、リフィル11にシート状連結ステープル10があるとき、一度、リフィル収納部63にリフィル11が収納されると、取り出すことができないようにし、リフィル11のシート状連結ステープル10が尽きて空になると、リフィル11をリフィル収納部63から取り出すことができるようにしている。これにより、ロック機構72では、既に打込部65に送られたシート状連結ステープル10とリフィル11内のシート状連結ステープル10とが分断されてしまうことを防止し、リフィル11がカートリッジ61に再装着され、故障することを防止できるようにしている。このような機能を実現するロック機構は、更に図92−図95のように構成することもできる。
[11−1.ロック機構の変形例1の説明]
このロック機構95は、リフィル本体12の側面12b,12cより外側に突出する蓋部材15のガイド突部22,22と係合する係合部として、カートリッジ61を構成するカートリッジ本体62の側面62b,62cの内面に、弾性係合片96,96が形成されている。この弾性係合片96,96は、図92−図94に示すように、C字状の切り込み94を形成して、先端部がリフィル収納部63の内外に亘る図70中矢印F方向に弾性変位する。図94に示すように、弾性係合片96,96は、リフィル収納部63側が傾斜面となっており、リフィル11側のガイド突部22,22を拾い込む拾込部96a,96aとなっている。また、弾性係合片96,96の拾込部96a,96aと反対側は、リフィル11のガイド孔21,21の垂直ガイド部21a,21aと平行でリフィル11の取り外しを制限する取外制限部96b,96bとなっている。取外制限部96b,96bは、ガイド突部22,22との係合が外れないように垂直壁で形成されている。更に、弾性係合片96,96は、カートリッジ本体62の上面62a側のリフィル11の挿入方向と平行な側縁の高さが、リフィル11にシート状連結ステープル10が最大限に装填された状態で収納された際の蓋部材15のガイド突部22,22の高さと同じ又は若干高くなっている。また、カートリッジ本体62の底板部材74側のリフィル11の挿入方向と平行な側縁の高さがリフィル11のシート状連結ステープル10が尽きて空になったときのガイド突部22,22の高さより高い位置になっており、弾性係合片96,96の底面部が係合解除部96c,96cとなっている。
図93及び図94に示すように、カートリッジ61のリフィル挿入口64よりリフィル収納部63にリフィル11が収納されるとき、先ず、蓋部材15のガイド突部22,22は、拾込部96a,96aのテーパ面に当たり、弾性係合片96,96をリフィル収納部63の外側に弾性変位させる。連続して、ガイド突部22,22は、拾込部96a,96aを乗り越え、弾性復帰した弾性係合片96,96の取外制限部96b,96bの垂直壁に係合する。使用中、ガイド突部22,22は、取外制限部96b,96bをシート状連結ステープル10が減少するに連れて順に降下していく。リフィル11のシート状連結ステープル10が尽きて空になると、図95に示すように、ガイド突部22,22は、蓋部材15の裏面の突起部23,23,23,23がリフィル本体12の底面12eの四隅に形成される逃げ部24,24,24,24に係合することで(図15参照)、取外制限部96b,96bの下の係合解除部96c,96cよりも下側に位置する。これにより、リフィル11は、リフィル収納部63より取り外し可能となる。
[11−2.ロック機構の変形例2の説明]
上述したロック機構95ではカートリッジ61側に弾性係合片96,96を形成したが、ここで説明する変形例2となるロック機構97は、弾性係合片97a,97aをリフィル11側に形成している。すなわち、図96及び図97(B)に示すように、リフィル11の蓋部材15には、ガイド突部22,22に更に弾性係合片97a,97aが一体的に形成されている。弾性係合片97a,97aは、L字状をなし、リフィル本体12の側面12b,12cのガイド孔21,21を挿通したガイド突部22,22の先端部からリフィル本体12の背面12d側に向かって、側面12b,12cから徐々に離間するように延在されている。このような弾性係合片97a,97aは、リフィル本体12の側面12b,12cに対して近接離間する図73(B)中矢印G方向に弾性変位する。
このような弾性係合片97a,97aは、図97(A)及び(B)に示すように、カートリッジ本体62の側面62b,62cの内面の係合部98,98に係合される。この係合部98,98は、側面62b,62cより内方に突出して形成されており、リフィル収納部63側が傾斜面となり、リフィル11側の弾性係合片97a,97aを拾い込む拾込部98a,98aを有している。拾込部98a,98aは、その高さがリフィル11にシート状連結ステープル10が最大限に収納された際の蓋部材15のガイド突部22,22の高さと同じ又は若干高くなっている。また、弾性係合片97a,97aの拾込部98a,98aと反対側は、リフィル11のガイド孔21,21の垂直ガイド部21a,21aと平行でリフィル11の取り外しを制限する取外制限部98b,98bとなっている。取外制限部98b,98bは、弾性係合片97a,97aの先端部との係合が外れないように垂直壁で形成されている。更に、カートリッジ本体62の底板部材74側のリフィル11の挿入方向と平行な側縁の高さがリフィル11のシート状連結ステープル10が尽きて空になったときのガイド突部22,22の高さよりも高い位置になっており、この弾性係合片97a,97aの底面部が係合解除部98c,98cとなっている。
図97(A)及び(B)に示すように、カートリッジ61のリフィル挿入口64よりリフィル収納部63にリフィル11が収納されるとき、先ず、蓋部材15のガイド突部22,22の弾性係合片97a,97aは、基端側が拾込部98a,98aのテーパ面に当たり、リフィル本体12の側面12b,12cに近接する方向に弾性変位する。そして、弾性係合片97a,97aは、図98(A)及び(B)に示すように、拾込部98a,98aを乗り越え、背面12d側の先端部が取外制限部98b,98bの垂直壁に係合する。使用中、ガイド突部22,22と一体の弾性係合片97a,97aは、取外制限部98b,98bをシート状連結ステープル10が減少するに連れて順に降下していく。リフィル11のシート状連結ステープル10が尽きて空になると、図99に示すように、ガイド突部22,22は、蓋部材15の裏面の突起部23,23,23,23がリフィル本体12の底面12eの四隅に形成される逃げ部24,24,24,24に係合することで(図15参照)、取外制限部98b,98bの下の係合解除部98c,98cよりも下方に位置する。これにより、リフィル11は、リフィル収納部63より取り外し可能となる。
[12.リフィルの高さ方向の位置決めの説明(図100−図103)]
図39及び図40に示すように、シート状連結ステープル10の送り方向に対して直交する方向の位置決めは、カートリッジ61側のステープルガイド板75bの位置決め凸部89をリフィル11のリフィル本体12の底面12eにある位置決め凹部26に嵌合することによって行われる。図100の例では、更にシート状連結ステープル10の積層方向(シート状連結ステープル10の厚さ方向)の位置決めを行う。具体的に、図100及び図102に示すように、ステープルガイド部75を構成するステープルガイド蓋75aには、リフィル収納部63側の両端部に、リフィル11の高さ方向の位置決めを行う位置決め嵌合片99,99が形成されている。位置決め嵌合片99,99は、先端部に先鋭となるようにテーパが形成され挿入ガイド部99a,99aが形成されている。位置決めされるリフィル11は、図101及び図102に示すように、リフィル本体12の前面12aのステープル排出口16の両側に位置決め嵌合孔16b,16bが形成されている。
図102及び図103に示すように、リフィル11がカートリッジ61のリフィル収納部63に収納されると、図39及び図40に示すように、カートリッジ61側のステープルガイド板75bの位置決め凸部89がリフィル本体12の底面12eにある位置決め凹部26に嵌合することによってシート状連結ステープル10の送り方向に対して直交する方向の位置決めが行われる。更に、この例では、ステープルガイド部75を構成するステープルガイド蓋75aの位置決め嵌合片99,99の上面99bと下面99cとがリフィル本体12の前面12aのステープル排出口16の上縁16cと下縁16dとによって挟持されつつ位置決め嵌合孔16b,16bに嵌合する。これにより、シート状連結ステープル10の積層方向の位置決めが行われる。かくして、ステープル収納部13内の最下層のシート状連結ステープル10は、リフィル11のステープル排出口16からステープルガイド部75のステープルガイド蓋75aとステープルガイド板75bの間に構成された通路に確実に受け渡される。なお、位置決め嵌合片99,99は、ステープルガイド蓋75aに形成するのではなく、ステープルガイド板75bに形成するようにしてもよい。
[13.その他の変形例]
[13−1.その他の変形例1の説明]
以上の説明では、ステープラ本体側のマガジン101に対してカートリッジ61が着脱可能で、更に、カートリッジ61に対してリフィル11が着脱可能である場合を説明したが、カートリッジ61がステープラ本体側に配設されており、リフィル11がステープラ本体側のカートリッジ61に対して着脱可能な構成としてもよい。また、図1−図4で示したように、中綴じ用の電動ステープラを例にとり説明したが、本発明では、用紙処理装置3に設けられる端綴じ用電動ステープラに適用することもできるし、更に、その他の用途に用いられる電動ステープラに適用することができる。
[13−2.その他の変形例2の説明]
以上の説明では、シート状連結ステープル10を用いた略矩形のリフィル11を説明したが、リフィルとしては、ロール状の連結ステープル200を収納したリフィル201であっても良い。このリフィル201は、図104−図108に示すように、リフィル本体202を有し、このリフィル本体202は、シート状連結ステープルがロール状に巻回されたロール体200aを収納する断面略円形のステープル収納部203と、ステープル収納部203に空間的に連続しロール体200aから引き出された連結ステープル200をカートリッジ61の打出部65へとガイドするガイド部204とを有している。ガイド部204の先端部は、図104に示すように、連結ステープル200を排出するステープル排出部となるスリット状をなすステープル排出口205が形成されている。
このステープル排出口205は、例えばシート状連結ステープル10の1枚分から5枚分程度の大きさに形成されている。また、テープル排出口16の直上には、脱落防止片206が設けられている。この脱落防止片206は、ステープル排出口205より突出して設けられている。脱落防止片206は、薄肉のヒンジを介して、ステープル排出口205が形成された面と平行な面内を回動変位し、ステープル排出口206を開閉する。この脱落防止片206は、例えばリフィル201の梱包体等の装着体に装着される際の第1の位置決め用突出部としても機能する。
リフィル本体202のステープル収納部203側の背面202aには、一対の第2の位置決め用突出部207,207が形成されている。一対の第2の位置決め用突出部207,207は、背面202aの幅方向の中心線から等間隔の位置に三角形状に突出して設けられている。リフィル11は、梱包体、ステープラ本体のマガジン等の装着体に装着されるとき、上述した第1の位置決め用突出部となる脱落防止片206の1カ所と、背面の2カ所の第2の位置決め用突出部207,207とによって位置決めされた状態で装着される。なお、第2の位置決め用突出部207,207の形状は、上述のように、図50(A)−(C)に示すような円弧状、段差部状等のであっても良く、また、その数も、図16及び図17に示すように単数であっても良く、更に3つ以上であっても良い。また、図51(A)及び(B)に示すような第2の位置決め用凹部として構成しても良い。
更に、リフィル本体202の背面202aには、背面202aと面一で両側面の方向に張り出すように形成された突出部で構成された摘み部208,208が設けられている。摘み部208,208は、リフィル201をカートリッジ61に対して着脱する際指の掛かる部分となり、カートリッジ61に装着されたとき、カートリッジ61のリフィル挿入口64の開口端、具体的に後述する着脱操作凹部64aに位置する。着脱操作凹部64aより露出する摘み部208,208は、リフィル201をカートリッジ61より取り出すとき、指等に引っかけて容易にリフィル201をカートリッジ61から取り出すことができるようにする。更に、摘み部208,208は、梱包体等の装着体に装着されるとき、第1の位置決め用突出部である脱落防止片206や背面の第2の位置決め用突出部207,07と共に、第3の位置決め用突出部としても機能する。
なお、摘み部としては、図18−図20に示すように、貫通孔20aで構成しても良く、図22及び図23に示すように、切欠部20cで構成しても良い。更に、図26−図28に示すように、摘み部としては、凹部20d,20dで構成しても良い。
更に、リフィル本体202の背面202aには、底面側コーナ部に、同じ高さに突出した被押圧部209,209が形成されている。被押圧部209,209は、ステープラ本体のマガジン101に、リフィル11が装着されたカートリッジ61が装着されたとき、マガジン101側の圧接部としての装着レバー104に圧接され、マガジン101内で位置決めされる。被押圧部209,209の位置は、背面202aであれば特に限定されないが、特に、位置決め精度を上げるため強度の高い底面と両側面と背面とが交わる領域の付近に形成することが好ましい。この被押圧部209,209は、ステープラ本体のマガジン101に、リフィル11が装着されたカートリッジ61が装着されたとき、マガジン101側の押圧部102,102に圧接される。
なお、被押圧部209,209の数は、1つでもよいし、3つ以上でもよいが、均等に押圧力が加わるように配置することが好ましい。更に、被押圧部209,209は、図43及び図44に示すように、平面部29a,29aで構成しても良く、また、図45及び図46に示すように、凹部29b,29bで構成しても良い。
リフィル本体202の底面202bは、ステープル排出口205と連続する切欠凹部211を有する。底面の切欠凹部211は、略中央部に、更に背面202a側に窪む位置決め凹部212が形成されている。位置決め凹部212は、後述するリフィル201が装着されるカートリッジ底面に形成された位置決め凸部が係合する。図39及び図40を参照すると、リフィル201がカートリッジ61のリフィル収納部63に収納されると、カートリッジ61側のステープルガイド板75bの位置決め凸部89がリフィル本体202の底面202bにある位置決め凹部212に嵌合することによって連結ステープル200の送り方向に対して直交する方向の位置決めが行われる。
以上のように構成されるリフィル201は、図105及び図106に示すように、電動ステープラ1のステープラ本体のマガジンに装着されるカートリッジ61に装着される。ここで、リフィル201は、前面側の上側、すなわちガイド部204の上側に、切り欠き空間が設けられるが、ステープル収納部203の上部並びに位置決め凹部212及び位置決め凸部89によって、カートリッジ61に確実に装着されることになる。このようなリフィル201は、上述したリフィル11と外形形状を異にするが、カートリッジ61への装着時にはステープル収納部203の横で、ガイド部204上に構成される空間部に、カートリッジ61側の押圧レバー41が配置されることで、カートリッジ61のリフィル収納部63に装着されることになる。