JP5929461B2 - レジスト組成物及び塩 - Google Patents
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Description
〔1〕アルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸の作用によりアルカリ水溶液に溶解し得る樹脂と以下の式(I)で表される塩とを含有するレジスト組成物。
[式(I)中、
Q1及びQ2は、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
L1は、単結合又は炭素数1〜17の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表し、該2価の脂肪族飽和炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
R1及びR2は、互いに独立に、炭素数1〜6のアルキル基を表す。
環Wは、炭素数3〜36の脂肪族環を表し、該脂肪族環を構成するメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基又はスルホニル基で置き換わっていてもよく、該脂肪族環に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜12の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基で置換されていてもよい。
Z+は、有機カチオンを表す。]
〔2〕前記塩は、
前記式(I)の環Wが、アダマンタン環、シクロヘキサン環又はノルボルネン環の塩である、前記〔1〕記載のレジスト組成物。
〔3〕前記塩は、
前記式(I)のL1が
*−CO−O−(CH2)u−
(uは1〜6の整数を表す。*は、C(Q1)(Q2)の炭素原子との結合手を表す。)で表される基又は単結合の塩である、前記〔1〕又は〔2〕記載のレジスト組成物。
〔4〕前記塩は、
前記式(I)のR1及びR2がともにメチル基の塩である、前記〔1〕〜〔3〕のいずれか記載のレジスト組成物。
〔5〕前記塩は、
前記式(I)のZ+が、有機スルホニウムカチオンの塩である、前記〔1〕〜〔4〕のいずれか記載のレジスト組成物。
〔6〕前記樹脂が、以下の式(a1−1)で表される構造単位を有する樹脂である、前記〔1〕〜〔5〕のいずれか記載のレジスト組成物。
[式(a1−1)中、
La1は、酸素原子又は*−O−(CH2)k1−CO−O−(k1は1〜7の整数を表し、*はカルボニル基との結合手を表す。)で表される基を表す。
Ra4は、水素原子又はメチル基を表す。
Ra6は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基を表す。
m1は0〜14の整数を表す。]
〔7〕さらに、溶剤を含有する、前記〔1〕〜〔6〕のいずれか記載のレジスト組成物。
〔8〕さらに、塩基性化合物を含有する、前記〔1〕〜〔7〕のいずれか記載のレジスト組成物。
〔9〕(1)前記〔1〕〜〔8〕のいずれか記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程、
を含むレジストパターンの製造方法。
〔10〕以下の式(I)で表される塩。
[式(I)中、
Q1及びQ2は、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
L1は、単結合又は炭素数1〜17の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表し、該2価の脂肪族飽和炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
R1及びR2は、互いに独立に、炭素数1〜6のアルキル基を表す。
環Wは、炭素数3〜36の脂肪族環を表し、該脂肪族環を構成するメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基又はスルホニル基で置き換わっていてもよく、該脂肪族環に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜12の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基で置換されていてもよい。
Z+は、有機カチオンを表す。]
アルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸の作用によりアルカリ水溶液に溶解し得る樹脂(以下、場合により「樹脂(A)」という。)と
前記式(I)で表される塩(以下、場合により「塩(I)」という。)
とを含有する。
また、本レジスト組成物には、さらに、塩基性化合物(以下、場合により「塩基性化合物(C)」という。)及び溶剤(以下、場合により「溶剤(D)」という。)を含有していることが好ましい。
以下、本レジスト組成物の構成成分を、塩(I)、樹脂(A)、必要に応じて本レジスト組成物に含有される塩基性化合物(C)及び溶剤(D)の順に説明し、さらに、本レジスト組成物の調製方法及び本レジスト組成物を用いるレジストパターンの製造方法に関して説明する。
さらに、本明細書において、「(メタ)アクリル系モノマー」とは、「CH2=CH−CO−」又は「CH2=C(CH3)−CO−」の構造を有するモノマーの少なくとも1種を意味する。同様に「(メタ)アクリレート」及び「(メタ)アクリル酸」とは、それぞれ「アクリレート及びメタクリレートの少なくとも1種」並びに「アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種」を意味する。
脂肪族炭化水素基は、鎖式及び環式の双方を含み、特に定義しない限り、鎖式及び脂環式の脂肪族炭化水素基が組み合わせられたものをも包含する。また、これら脂肪族炭化水素基は、その一部に炭素−炭素二重結合を含んでいてもよいが、飽和の基(脂肪族飽和炭化水素基)が好ましい。
鎖式の脂肪族炭化水素基のうち2価のものとしては、アルキル基から水素原子を1個取り去ったアルカンジイル基が挙げられる。アルカンジイル基の具体例は、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、ウンデカン−1,11−ジイル基、ドデカン−1,12−ジイル基、トリデカン−1,13−ジイル基、テトラデカン−1,14−ジイル基、ペンタデカン−1,15−ジイル基、ヘキサデカン−1,16−ジイル基、ヘプタデカン−1,17−ジイル基、エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基などである。
アシル基としては、アセチル基(C2)、プロピオニル基(C3)、ブチリル基(C4)、バレイル基(C5)、ヘキサノイル基(C6)、ヘプタノイル基(C7)、オクタノイル基(C8)、デカノイル基(C10)及びドデカノイル基(C12)などのアルキル基とカルボニル基とが結合したもの、並びにベンゾイル基(C7)などのアリール基とカルボニル基とが結合したものが挙げられる。
アシルオキシ基としては、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基及びイソブチリルオキシ基などが挙げられる。
アラルキル基としては、ベンジル基(C7)、フェネチル基(C8)、フェニルプロピル基(C9)、ナフチルメチル基(C11)及びナフチルエチル基(C12)などが挙げられる。
アリールオキシ基としては、フェノキシ基(C6)、ナフチルオキシ基(C10)、アントリルオキシ基(C14)、ビフェニルオキシ基(C12)、フェナントリルオキシ基(C14)及びフルオレニルオキシ基(C13)などのアリール基と酸素原子とが結合したものが挙げられる。
アリール基としては、フェニル基(C6)、ナフチル基(C10)、アントリル基(C14)、ビフェニル基(C12)、フェナントリル基(C14)及びフルオレニル基(C13)などが挙げられる。2価の芳香族炭化水素基は例えば、ここに例示したアリール基から、さらに水素原子1個と取り去ったアリーレン基を挙げることができる。
塩(I)は上述のとおり、式(I)で表される。
[式(I)中、
Q1及びQ2は、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
L1は、単結合又は炭素数1〜17の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表し、該2価の脂肪族飽和炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
R1及びR2は、互いに独立に、炭素数1〜6のアルキル基を表す。
環Wは、炭素数3〜36の脂肪族環を表し、該脂肪族環を構成するメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基又はスルホニル基で置き換わっていてもよく、該脂肪族環に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜12の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基で置換されていてもよい。
Z+は、有機カチオンを表す。]
なお、以下の説明において、塩(I)から、有機カチオン(Z+)を除去してなる負電荷を有するものを、場合により「スルホン酸アニオン」という。
Q1及びQ2はそれぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。このペルフルオロアルキル基としては、すでに例示した炭素数1〜6のアルキル基において、当該アルキル基に含まれる全ての水素原子がフッ素原子に置き換わったものが挙げられる。具体的にいえば、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec−ブチル基、ペルフルオロtert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基及びペルフルオロヘキシル基などである。ここでは、ペルフルオロアルキル基を、その具体例を挙げて説明したが、Q1及びQ2はそれぞれ独立に、フッ素原子又はトリフルオロメチル基が好ましく、Q1及びQ2はともにフッ素原子がさらに好ましい。
式(b1−1)〜式(b1−7)中、
Lb2は、炭素数1〜15の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
Lb3及びLb4は、互いに独立に、炭素数1〜12の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。但しLb3及びLb4の合計炭素数の上限は13である。
Lb5及びLb6は、互いに独立に、炭素数1〜14の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。但しLb5及びLb6の合計炭素数の上限は15である。
Lb7は、単結合又は炭素数1〜15の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
Lb8は、炭素数1〜15の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。但しLb7及びLb8の合計炭素数の上限は16である。
Lb9は、単結合又は炭素数1〜13の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
Lb10は、炭素数1〜14の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。但しLb9及びLb10の合計炭素数の上限は14である。
Lb11及びLb13は、互いに独立に、炭素数1〜11の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
Lb12は、単結合又は炭素数1〜10の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。但しLb11、Lb12及びLb13の合計炭素数の上限は12である。
Lb14及びLb16は、それぞれ独立に、炭素数1〜13の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
Lb15は、単結合又は炭素数1〜12の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。但しLb14、Lb15及びLb16の合計炭素数の上限は14である。
式(b1−1)で表される2価の基又は単結合であると好ましく、
Lb2が炭素数1〜6の飽和炭化水素基である式(b1−1)で表される2価の基又は単結合であると、より好ましく、
*−CO−O−(CH2)u−
(uは1〜6の整数を表す。*は、C(Q1)(Q2)の炭素原子との結合手を表す。)
で表される基又は単結合であると、さらに好ましく、
単結合であると、特に好ましい。
環Wの脂肪族環を構成するメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基又はスルホニル基で置き換わっていてもよいが、塩(I)の製造上の容易さを考慮すると、環Wは、それを構成するメチレン基が、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基又はスルホニル基に置き換わっていない、脂肪族環であることが好ましい。また、環Wの脂肪族環に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜12の脂環式炭化水素基及び炭素数6〜10の芳香族炭化水素基からなる群より選ばれる置換基で置換されていてもよい。該アルキル基、アルコキシ基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基は、その炭素数がそれぞれ前記の範囲で、すでに例示したものを含む。ただし、置換基の炭素数は、上述の環Wの炭素数には含まれない。より好ましい環Wは、アダマンタン環、シクロヘキサン環及びノルボルネン環であり、アダマンタン環がさらに好ましい。
Z+で示される有機カチオンとしては、例えば、有機スルホニウムカチオン、有機ヨードニウムカチオン、有機アンモニウムカチオン、ベンゾチアゾリウムカチオン及び有機ホスホニウムカチオン等の有機オニウムカチオンが挙げられる。これらの中でも、有機スルホニウムカチオン及び有機ヨードニウムカチオンが好ましく、有機スルホニウムカチオンがより好ましい。
Rb4〜Rb6は、それぞれ独立に、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜18の飽和環状炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。該脂肪族炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、該飽和環状炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数2〜4のアシル基又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜18の飽和環状炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基で置換されていてもよい。また、Rb4とRb5が一緒になってイオウ原子を含む環を形成してもよい。
m2及びn2は、それぞれ独立に0〜5の整数を表す。m2が2以上の整数である場合、複数のRb7の全部又は一部は同じであってもよい。n2が2以上の整数である場合、複数のRb8の全部又は一部は同じであってもよい。
Rb11は、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。
Rb9〜Rb11は、それぞれ独立に、炭素数1〜18のアルキル又は炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表す。該アルキル基の炭素数は1〜12が好ましい。該脂環式炭化水素基の炭素数は4〜12が好ましい。
Rb12は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表し、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数1〜12のアルキルカルボニルオキシ基で置換されていてもよい。
Rb9とRb10、及び/又は、Rb11とRb12は、それぞれ独立に、互いに結合して、それらが結合している原子とともに3員環〜12員環(好ましくは3員環〜7員環)を形成していてもよく、これらの環に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
Lb11は、酸素原子又は硫黄原子を表す。
o2、p2、s2、及びt2は、それぞれ独立に、0〜5の整数を表す。
q2及びr2は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。
u2は0又は1を表す。
o2が2以上の整数である場合、複数のRb13の全部又は一部は同じであってもよい。p2が2以上の整数である場合、複数のRb14の全部又は一部は同じであってもよい。s2が2以上の整数である場合、複数のRb17の全部又は一部は同じであってもよい。u2が2以上の整数である場合、複数のRb18の全部又は一部は同じであってもよい。q2が2以上の整数である場合、複数のRb15の全部又は一部は同じであってもよい。r2が2以上の整数である場合、複数のRb16の全部又は一部は同じであってもよい。
Rb9〜Rb11の脂環式炭化水素基の好適例は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロデシル基、2−アルキルアダマンタン−2−イル基、1−(アダマンタン−1−イル)−1−アルキル基及びイソボルニル基などである。
Rb12の芳香族炭化水素基の好適例は、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−シクロへキシルフェニル基、4−メトキシフェニル基、ビフェニリル基及びナフチル基などである。
Rb12の芳香族炭化水素基とアルキル基が結合したものは、典型的にはアラルキル基である。
Rb11とRb12との組み合わせが結合して形成する環としては例えば、オキソシクロヘプタン環、オキソシクロヘキサン環、オキソノルボルナン環及びオキソアダマンタン環などが挙げられる。
式(b2−1−1)中、
Rb19、Rb20及びRb21は、それぞれ独立に、ハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)、ヒドロキシ基、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。また、Rb19〜Rb21から選ばれる2つが一緒になってヘテロ原子を有してもよい環を形成してもよい。
この脂肪族炭化水素基の炭素数は1〜12であると好ましく、炭素数1〜12のアルキル基及び炭素数4〜18の脂環式炭化水素基がより好ましく、さらには置換基として、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、炭素数2〜4のアシル基又はグリシジルオキシ基を有していてもよい。
v2、w2及びx2は、それぞれ独立に0〜5の整数(好ましくは0又は1)を表す。
v2が2以上のとき、複数のRb19の全部又は一部は同じであってもよい。w2が2以上のとき、複数のRb20の全部又は一部は同じであってもよい。x2が2以上のとき、複数のRb21の全部又は一部は同じであってもよい。
なかでも、Rb19、Rb20及びRb21は、それぞれ独立に、好ましくは、ハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基、又は炭素数1〜12のアルコキシ基である。
また、Rb19〜Rb21の脂環式炭化水素基は、炭素数4〜18の範囲が好ましく、脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数2〜4のアシル基又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよい。
なかでも、Rb19〜Rb21は、それぞれ独立に、好ましくは、ハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基である。
この組み合わせを具体的に例示すると、例えば、表1、表2、表3及び表4(表1〜表4)記載のものが挙げられる。
(式中、全ての符号は、それぞれ前記と同義である。)
この反応の溶媒としては、アセトニトリルなどが用いられる。
この反応の溶媒としては、アセトニトリルなどが用いられる。式(Ib1−c)で表される化合物は、例えば、特開2008−13551号公報に記載された方法で製造することができる。
本レジスト組成物は、単独種又は複数種の塩(I)を酸発生剤として含有することを特徴とするが、本レジスト組成物は、酸発生剤として、塩(I)以外の公知の酸発生剤をさらに含有していてもよい。塩(I)以外の酸発生剤としては、イオン性酸発生剤でも、非イオン性発生剤でもよい。
以下、本レジスト組成物に含有される、塩(I)以外の酸発生剤を場合により、「酸発生剤(B)」という場合がある。
樹脂(A)は上述のとおり、アルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸の作用によりアルカリ水溶液に可溶となる特性(以下、場合により「酸作用特性」という。)を有するものである。なお、「酸の作用によりアルカリ水溶液で溶解し得る」とは、「酸との接触前ではアルカリ水溶液に不溶又は難溶であるが、酸との接触後にはアルカリ水溶液に可溶となる」ことを意味する。
「酸不安定基」とは、酸と接触すると脱離基が開裂して、親水性基(例えば、ヒドロキシ基又はカルボキシ基)を形成する基を意味する。酸不安定基としては、例えば、式(1)で表される基(酸不安定基(1))、式(2)で表される基(酸不安定基(2))などが挙げられる。
[式(1)中、
Ra1、Ra2及びRa3(Ra1〜Ra3)は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を表すか、Ra1及びRa2は互いに結合して炭素数2〜20の2価の炭化水素基を形成する。*は結合手を表す。]
Ra1’及びRa2’は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12の1価の炭化水素基を表し、Ra3’は、炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表すか、Ra2’及びRa3’は互いに結合して炭素数2〜20の2価の炭化水素基を形成する。該1価の炭化水素基及び該2価の炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又は硫黄原子に置き換わってもよい。*は結合手を表す。]
かかる脂環式炭化水素基を有するモノマー(a1)を用いて得られる好適な構造単位(a1)を有する樹脂(A)について、さらに詳述する。該樹脂(A)の中でも、式(a1−1)で表される構造単位(以下、場合により「構造単位(a1−1)」という。)又は式(a1−2)で表される構造単位(以下、場合により「構造単位(a1−2)」という。)を有する樹脂(A)が好ましい。かかる樹脂(A)には、構造単位(a1−1)を単独種で有していてもよく、複数種有していてもよく、構造単位(a1−2)を単独種で有していてもよく、複数種有していてもよく、構造単位(a1−1)と構造単位(a1−2)とを合わせて有していてもよい。構造単位(a1−1)を有する樹脂であることがより好ましい。
[式(a1−1)中、
La1は、酸素原子又は*−O−(CH2)k1−CO−O−(k1は1〜7の整数を表し、*はカルボニル基との結合手を表す。)で表される基を表す。
Ra4は、水素原子又はメチル基を表す。
Ra6は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基を表す。
m1は0〜14の整数を表す。
式(a1−2)中、
La2は、酸素原子又は*−O−(CH2)k1−CO−O−(k1及び*は前記と同義である。)で表される基を表す。
Ra5は、水素原子又はメチル基を表す。
Ra7は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基を表す。
n1は0〜10の整数を表す。
n1’は0〜3の整数を表す。]
Ra4及びRa5は、好ましくはメチル基である。
Ra6及びRa7の脂肪族炭化水素基のうち、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜10の脂環式炭化水素基であり、この炭素数の上限以下の範囲で、すでに例示したものと同じものを含む。Ra6及びRa7の脂肪族炭化水素基はそれぞれ独立に、好ましくは炭素数8以下のアルキル基又は炭素数8以下の脂環式炭化水素基であり、より好ましくは炭素数6以下のアルキル基又は炭素数6以下の脂環式炭化水素基である。
m1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
n1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
n1’は好ましくは0又は1である。
[式(a1−3)中、
Ra9は、水素原子、置換基(例えばヒドロキシ基)を有していてもよい炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基、カルボキシ基、シアノ基、又は−COORa13で表される基を表し、Ra13は、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基に含まれる水素原子はヒドロキシ基などで置換されていてもよく、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。Ra10、Ra11及びRa12は、それぞれ独立に、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基を表すか、或いはRa10及びRa11は互いに結合して環を形成している。該脂肪族炭化水素基及に含まれる水素原子はヒドロキシ基などで置換されていてもよく、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。]
[式(a1−4)中、
R10は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
laは0〜4の整数を表す。
R11は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜4のアシルオキシ基、アクリロイル基又はメタクリロイル基を表し、laが2以上である場合、複数のR11は互いに同一であっても異なってもよい。
R12及びR13はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表す。
Xa2は、置換基を有していてもよい炭素数1〜17の脂肪族炭化水素基又は単結合を表し、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又は−N(Rc)−(ただし、Rcは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す)で表される基に置き換わっていてもよい。
Ya3は、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の炭化水素基を表す。]
R11のアルコキシ基は、炭素数1〜6の範囲において、すでに例示したものを含むが、中でも、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基及びエトキシ基がより好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
R11のアシル基及びアシルオキシ基も、その炭素数が2〜4の範囲において、すでに例示したものを含む。
R12及びR13の炭化水素基は、その炭素数が1〜12の範囲において、Ya3の炭化水素基は、その炭素数が1〜18の範囲において、すでに例示した脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基のいずれかを含む。
Xa2の脂肪族炭化水素基は2価の鎖式炭化水素基、2価の脂環式炭化水素基又は、鎖式炭化水素基と脂環式炭化水素基とが組み合わさった2価の基であり、炭素数1〜17の範囲ですでに例示した基を適宜組み合わせた基を挙げることができる。
式(a1−5)中、
R31は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
L3〜L5は、酸素原子、硫黄原子又は*−O−(CH2)k4−CO−O−で表される基を表す。ここで、k4は1〜7の整数を表し、*はカルボニル基(−CO−)との結合手である。
Z1’は、単結合又は炭素数1〜6のアルカンジイル基であり、該アルカンジイル基中に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
s1及びs1’は、それぞれ独立して、0〜4の整数を表す。
L5は、酸素原子が好ましい。
L3及びL4は、一方が酸素原子、他方が硫黄原子であると好ましい。
s1は、1が好ましい。
s1’は、0〜2の整数が好ましい。
Z1’は、単結合又は*−CH2−CO−O−が好ましい。
樹脂(A)は、酸不安定基を含む構造単位(a1)に加え、酸不安定基を有さない構造単位(以下、場合により「酸安定構造単位」といい、該酸安定構造単位を誘導し得るモノマーを、「酸安定モノマー」という。)を有していると好ましい。該樹脂(A)中、酸安定構造単位は1種のみを有していてもよく、複数種を有していてもよい。
酸安定構造単位は、ヒドロキシ基又はラクトン環を有する構造単位が好ましい。ヒドロキシ基を有する酸安定構造単位(以下、場合により「酸安定構造単位(a2)」という。)及び/又はラクトン環を有する酸安定構造単位(以下、場合により「酸安定構造単位(a3)」という。)を有する樹脂(A)は、当該樹脂(A)を含有する本レジスト組成物を基板に塗布したとき、基板上に形成される塗布膜、又は塗布膜から得られる組成物層が基板との間の密着性に優れるため、良好な解像度で、レジストパターンを製造することができる。なお、ここでいう本レジスト組成物を用いるレジストパターンの製造方法に関しては後述する。まず、酸安定構造単位として好適な、酸安定構造単位(a2)及び酸安定構造単位(a3)に関して具体例を挙げつつ説明する。
酸安定構造単位(a2)を樹脂(A)に導入する場合、当該樹脂(A)を含有する本レジスト組成物からレジストパターンを製造する際の露光源の種類によって、各々、好適な酸安定構造単位(a2)を選択することができる。すなわち、本レジスト組成物を、KrFエキシマレーザ(波長:248nm)を露光源とする露光、電子線あるいはEUV光などの高エネルギー線を露光源とする露光に用いる場合には、酸安定構造単位(a2)として、フェノール性ヒドロキシ基を有する酸安定構造単位(a2−0)を樹脂(A)に導入することが好ましい。
一方、短波長のArFエキシマレーザ(波長:193nm)を露光源とする露光を用いる場合は、酸安定構造単位(a2)として、後述の式(a2−1)で表される酸安定構造単位を樹脂(A)に導入することが好ましい。このように、樹脂(A)が有する酸安定構造単位(a2)は各々、レジストパターンを製造する際の露光源によって好ましいものを選ぶことができるが、樹脂(A)が有する酸安定構造単位(a2)は、露光源の種類に応じて好適な酸安定構造単位(a2)1種のみを有していてもよく、露光源の種類に応じて好適な酸安定構造単位(a2)2種以上を有していてもよく、或いは、露光源の種類に応じて好適な酸安定構造単位(a2)と、それ以外の酸安定構造単位(a2)とを組み合わせて有していてもよい。
式(a2−1)中、
La3は、酸素原子又は*−O−(CH2)k2−CO−O−(k2は1〜7の整数を表し、*はカルボニル基(−CO−)との結合手を表す。)で表される基を表す。
Ra14は、水素原子又はメチル基を表す。
Ra15及びRa16は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はヒドロキシ基を表す。
o1は、0〜10の整数を表す。
Ra14は、好ましくはメチル基である。
Ra15は、好ましくは水素原子である。
Ra16は、好ましくは水素原子又はヒドロキシ基である。
o1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
式(a2−0)中、
Ra30は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
Ra31は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜4のアシルオキシ基、アクリロイル基又はメタクリロイル基を表す。
maは0〜4の整数を表す。maが2以上の整数である場合、複数のRa31の全部又は一部は同じであってもよい。
Ra31のアルコキシ基の具体例は、炭素数1〜6の範囲で、すでに例示したものを含む。これらのうち、Ra31は、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基及びエトキシ基がより好ましく、メトキシ基がさらに好ましい。
maは0、1又は2が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。
酸安定構造単位(a3)が有するラクトン環は例えば、β−プロピオラクトン環、γ−ブチロラクトン環及びδ−バレロラクトン環のような単環式でもよく、単環式のラクトン環と他の環との縮合環でもよい。これらラクトン環の中で、γ−ブチロラクトン環及びγ−ブチロラクトン環と他の環との縮合環が好ましい。
[式(a3−1)中、
La4は、酸素原子又は*−O−(CH2)k3−CO−O−(k3は1〜7の整数を表す。)で表される基を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
Ra18は、水素原子又はメチル基を表す。
p1は0〜5の整数を表す。
Ra21は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、p1が2以上の場合、複数のRa21の全部又は一部は同じであってもよい。
式(a3−2)中、
La5は、酸素原子又は*−O−(CH2)k3−CO−O−(k3は1〜7の整数を表す。)で表される基を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
q1は、0〜3の整数を表す。
Ra22は、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、q1が2以上の場合、複数のRa22の全部又は一部は同じであってもよい。
式(a3−3)中、
La6は、酸素原子又は*−O−(CH2)k3−CO−O−(k3は1〜7の整数を表す。)で表される基を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
Ra20は、水素原子又はメチル基を表す。
r1は、0〜3の整数を表す。
Ra23は、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、r1が2以上の場合、複数のRa23の全部又は一部は同じであってもよい。]
La4〜La6は、それぞれ独立に、酸素原子又は、k3が1〜4の整数である*−O−(CH2)k3−CO−O−で表される基が好ましく、酸素原子及び、*−O−CH2−CO−O−がより好ましく、さらに好ましくは酸素原子である。
Ra18〜Ra21は、好ましくはメチル基である。
Ra22及びRa23は、それぞれ独立に、好ましくはカルボキシ基、シアノ基又はメチル基である。
p1、q1及びr1は、好ましくは0〜2の整数であり、より好ましくは0又は1である。なお、p1が2である場合、2つのRa21は互いに同一でも異なっていてもよく、q1が2である場合、2つのRa22は互いに同一でも異なっていてもよく、r1が2である場合、2つのRa23は互いに同一でも異なっていてもよい。
また、モノマー(a3−1)に由来する構造単位、モノマー(a3−2)に由来する構造単位及びモノマー(a3−3)に由来する構造単位それぞれの含有量は、樹脂(A)の全構造単位(100モル%)に対して、5〜60モル%が好ましく、5〜50モル%の範囲がさらに好ましく、10〜50モル%の範囲がさらにより好ましい。
樹脂(A)が有する酸安定構造単位として、好適な酸安定構造単位(a2)及び酸安定構造単位(a3)を説明したが、当該樹脂(A)は酸安定構造単位(a2)及び酸安定構造単位(a3)以外の酸安定構造単位を有していてもよい。ここで、酸安定構造単位(a2)及び酸安定構造単位(a3)以外の酸安定構造単位(a4)という。以下、この酸安定構造単位(a4)を、当該酸安定構造単位(a4)を誘導し得る酸安定モノマー(以下、場合により「酸安定モノマー(a4)」という。)を示すことで説明する。
式(a4−1)中、
Ra41は、炭素数1〜12の1価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜12の1価の芳香族炭化水素基を表し、該1価の脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。Aa41は、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルカンジイル基又は式(a−g1)
[式(a−g1)中、
sは0又は1を表す。
Aa42及びAa44は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基を表す。
Aa43は、置換基を有していてもよい炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基又は単結合を表す。
Xa41及びXa42は、それぞれ独立に、酸素原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を表す。
ただし、Aa42、Aa43、Aa44、Xa41及びXa42の炭素数の合計は6以下である。]
で表される基を表す。
Ra42は、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を表す。該脂肪族炭化水素基は部分的に、炭素炭素不飽和結合を有していてもよいが、炭素炭素不飽和結合を有さない脂肪族飽和炭化水素基が好ましい。該脂肪族飽和炭化水素基としては、アルキル基(当該アルキル基は直鎖でも分岐していてもよい)及び脂環式炭化水素基、並びに、アルキル基及び脂環式炭化水素基を組み合わせた脂肪族炭化水素基などが挙げられる。
[式(a−g3)中、
Xa43は、酸素原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を表す。
Aa45は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数3〜17の脂肪族炭化水素基を表す。]
つまり、Ra42は、以下の式(a−g2)で表される基であることが好ましい。
[式(a−g2)中、
Aa46は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数3〜17の脂肪族炭化水素基を表す。
Xa44は、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を表す。
Aa47は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数3〜17の脂肪族炭化水素基を表す。
ただし、Aa46、Aa47及びXa44の炭素数の合計は18以下である。]
[式(a4−1’)中、
すべての符号はいずれも、前記と同義である。]
一方、Aa47の炭素数は4〜15の範囲が好ましく、5〜12の範囲がより好ましい。さらに好ましいA14は、炭素数6〜12の脂環式炭化水素基であり、当該脂環式炭化水素基としては、シクロヘキシル基及びアダマンチル基がさらにより好ましい。
このような構造を有するモノマー(a4−1’)は、前記の具体例の中では、式(a4−1’−9)〜式(a4−1’−20)でそれぞれ表される化合物が該当する。
この場合、樹脂(X)における、モノマー(a4−1)に由来する構造単位の含有割合は、当該樹脂(X)の全構造単位(100モル%)に対して、80モル%以上が好ましく、85モル%以上がより好ましく、90モル%以上がさらに好ましい。
樹脂(A)は、構造単位(a1)を誘導するモノマー(a1)を、好ましくは、該モノマー(a1)と、酸安定モノマーとを共重合させたものであり、より好ましくは、構造単位(a1−1)及び/又は構造単位(a1−2)を誘導するモノマー(a1)と、酸安定構造単位(a2)及び/又は酸安定構造単位(a3)を誘導する酸安定モノマーとを共重合させたものである。なお、本レジスト組成物を例えば、EUV露光用とするうえでは、構造単位(a1−1)及び/又は構造単位(a1−2)を誘導するモノマー(a1)と、酸安定構造単位(a2−0)を誘導する酸安定モノマーとを共重合させたものを挙げることができる。
樹脂(A)は、構造単位(a1)として、アダマンチル基を有する構造単位(a1−1)を有することがさらに好ましい。樹脂(A)は、上述したようなモノマーを公知の重合法(例えばラジカル重合法)に供し、重合(共重合)することにより製造できる。
本レジスト組成物は、さらに、塩基性化合物(C)を含有していると好ましい。かかる塩基性化合物(C)は当技術分野でクエンチャーと呼ばれるものである。塩基性化合物(C)は、好ましくは塩基性の含窒素有機化合物であり、例えばアミン及びアンモニウム塩が挙げられる。アミンとしては、脂肪族アミン及び芳香族アミンが挙げられる。脂肪族アミンとしては、第一級アミン、第二級アミン及び第三級アミンが挙げられる。塩基性化合物(C)として、好ましくは、式(C1)で表される化合物〜式(C8)で表される化合物が挙げられ、より好ましくは式(C1−1)で表される化合物が挙げられる。
Rc1、Rc2及びRc3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、該アルキル基及び該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、アミノ基又は炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基で置換されていてもよい。]
Rc2及びRc3は、前記と同義である。
Rc4は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表す。
m3は0〜3の整数を表し、m3が2以上のとき、複数のRc4の全部又は一部は同じであってもよい。]
Rc5、Rc6、Rc7及びRc8は、それぞれ独立に、Rc1と同義である。
Rc9は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基又は炭素数2〜6のアルカノイル基を表す。
n3は0〜8の整数を表し、n3が2以上のとき、複数のRc9の全部又は一部は同じであってもよい。]
Rc10、Rc11、Rc12、Rc13及びRc16は、それぞれ独立に、Rc1と同義である。
Rc14、Rc15及びRc17は、それぞれ独立に、Rc4と同義である「。
o3及びp3は、それぞれ独立に0〜3の整数を表し、o3が2以上であるとき、複数のRc14の全部又は一部は同じであってもよい。p3が2以上であるとき、複数のRc1の全部又は一部は同じであってもよい。
Lc1は、炭素数1〜6のアルカンジイル基、−CO−、−C(=NH)−、−S−又はこれらを組合せた2価の基を表す。]
Rc18、Rc19及びRc20は、それぞれ独立に、Rc4と同義である。
q3、r3及びs3は、それぞれ独立に0〜3の整数を表し、q3が2以上であるとき、複数のRc18の全部又は一部は同じであってもよい。r3が2以上であるとき、複数のRc19の全部又は一部は同じであってもよい。s3が2以上であるとき、複数のRc20の全部又は一部は同じであってもよい。
Lc2は、単結合又は炭素数1〜6のアルカンジイル基、−CO−、−C(=NH)−、−S−又はこれらを組合せた2価の基を表す。]
式(C3)で表される化合物としては、モルホリンなどが挙げられる。
式(C4)で表される化合物としては、ピペリジン及び特開平11−52575号公報に記載されているピペリジン骨格を有するヒンダードアミン化合物などが挙げられる。
式(C5)で表される化合物としては、2,2’−メチレンビスアニリンなどが挙げられる。
式(C6)で表される化合物としては、イミダゾール及び4−メチルイミダゾールなどが挙げられる。
式(C7)で表される化合物としては、ピリジン及び4−メチルピリジンなどが挙げられる。
式(C8)で表される化合物としては、1,2−ジ(2−ピリジル)エタン、1,2−ジ(4−ピリジル)エタン、1,2−ジ(2−ピリジル)エテン、1,2−ジ(4−ピリジル)エテン、1,3−ジ(4−ピリジル)プロパン、1,2−ジ(4−ピリジルオキシ)エタン、ジ(2−ピリジル)ケトン、4,4’−ジピリジルスルフィド、4,4’−ジピリジルジスルフィド、2,2’−ジピリジルアミン、2,2’−ジピコリルアミン及びビピリジンなどが挙げられる。
本レジスト組成物は、さらに、溶剤(D)を含有していると好ましい。本レジスト組成物に含有される溶剤(D)は、塩(I)や樹脂(A)などの種類及びその量に応じ、さらに後述するレジストパターンの製造において、基板上に本レジスト組成物を塗布する際の塗布性が良好となるという点から適宜、最適なものを選ぶことができる。
本レジスト組成物は、塩(I)を含む酸発生剤及び樹脂(A)を含有する。さらに必要に応じて溶剤(D)、酸発生剤(B)及び塩基性化合物(C)以外の構成成分を含有していてもよい。この構成成分を「成分(F)」という場合がある。かかる成分(F)としては、本技術分野で公知の添加剤、例えば、樹脂(A)以外の高分子化合物、増感剤、溶解抑止剤、界面活性剤、安定剤及び染料などが挙げられる。
本レジスト組成物は、通常、溶剤(D)の存在下で、塩(I)及び樹脂(A)を混合することで調製することができる。さらに、上述のとおり必要に応じて酸発生剤(B)、塩基性化合物(C)及び/又は成分(F)を混合してもよい。塩基性化合物(C)を混合することが好ましい。混合順は任意であり、特に限定されるものではない。混合する際の温度は、10〜40℃の範囲から、樹脂(A)などの種類や樹脂(A)などの溶剤(D)に対する溶解度などに応じて適切な温度範囲を選ぶことができる。混合時間は、混合温度に応じて、0.5〜24時間の中から適切な時間を選ぶことができる。なお、混合手段も特に制限はなく、攪拌混合などを用いることができる。
本発明のレジスト組成物を調製する際に用いる各成分の使用量を選択することにより、本発明のレジスト組成物中の各成分の含有量を調節することができる。
本レジスト組成物を用いるレジストパターンの製造方法を具体的に示すと、
(1)本レジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層を露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を、現像する工程
を含む方法を挙げることができる。以下、ここに示す工程の各々を、「工程(1)」〜「工程(5)」のようにいう。
マスクを介して露光することにより、該組成物層には露光された部分(露光部)及び露光されていない部分(未露光部)が生じる。露光部の組成物層では該組成物層に含まれる酸発生剤(好ましくは、塩(I))が露光エネルギーを受けて酸を発生し、さらに発生した酸の作用により、樹脂(A)にある酸不安定基が脱保護反応により親水性を生じるため、露光部の組成物層にある樹脂(A)はアルカリ水溶液に可溶なものとなる。一方、未露光部では露光エネルギーを受けないため、樹脂(A)はアルカリ水溶液に対して不溶又は難溶のままとなる。露光部にある組成物層と未露光部にある組成物層とは、アルカリ水溶液に対する溶解性が著しく相違することとなる。
前記アルカリ水溶液としては、「アルカリ現像液」と称される本技術分野で公知のものを用いることができる。該アルカリ水溶液としては例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液や(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液などが挙げられる。
本レジスト組成物は、KrFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、ArFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、電子線(EB)照射用のレジスト組成物又はEUV露光機用のレジスト組成物として好適である。
実施例及び比較例中、含有量及び使用量を表す「%」及び「部」は、特記ないかぎり質量基準である。
重量平均分子量は、ポリスチレンを標準品として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(東ソー株式会社製HLC−8120GPC型、カラムは”TSKgel Multipore HXL−M”3本、溶媒はテトラヒドロフラン)により求めた値である。
カラム:TSKgel Multipore HXL-M x 3 + guardcolumn(東ソー社製)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/min
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μl
分子量標準:標準ポリスチレン(東ソー社製)
式(I1−a)で表される塩4.98部及びアセトニトリル25.00部を、反応器に仕込み、23℃で30分間攪拌した。その後、式(I1−b)で表される化合物2.17部を添加し、70℃程度まで昇温した後、同温度で2時間攪拌し、式(I1−c)で表される化合物を含む溶液を得た。得られた式(I1−c)で表される化合物を含む溶液に、50℃で、式(I1−d)で表される化合物2.00部及びクロロホルム20部の混合溶液を1時間かけて滴下し、さらに、50℃で24時間攪拌した後、得られた反応物を濃縮した。得られた濃縮物に、クロロホルム40部及び2%シュウ酸水20部を加え、23℃で30分間攪拌した。その後、静置し、分液して有機層を得た。得られた有機層に、イオン交換水20部を加え、23℃で30分間攪拌した。その後、静置し、分液して有機層を得た。この水洗操作をさらに5回繰り返した。水洗後の有機層に活性炭1.00部を仕込み、23℃で30分間攪拌し、ろ過した。ろ液を濃縮し、得られた濃縮物に、酢酸エチル100部を加えて攪拌した。得られた上澄液を除去し、上澄液除去後の残渣をさらに濃縮した。得られた濃縮物をアセトニトリルに溶解した後、濃縮することにより、式(I1)で表される塩5.14部を得た。これを「I1」という。
MASS(ESI(+)Spectrum):M+ 263.1
MASS(ESI(−)Spectrum):M− 351.1
式(I15−a)で表される化合物3.84部及びクロロホルム19.20部を仕込み、23℃で30分間攪拌した。その後、、式(I1−b)で表される化合物1.54部を添加し、80℃で1時間攪拌することで、式(I15−c)で表される化合物を含む反応溶液を得た。得られた反応溶液に、式(I1−d)で表される化合物1.84部をアセトニトリル5.52部に溶解した溶液を1時間かけて滴下し、さらに、80℃で1時間攪拌した。攪拌後の反応混合物を濃縮し、得られた濃縮物に、クロロホルム40部及びイオン交換水10部を加え、23℃で30分間攪拌した。その後、静置、分液して有機層を得た。このような水洗操作をさらに5回繰り返した。水洗後の有機層に活性炭0.50部を加え、23℃で30分間攪拌し、ろ過した。ろ液を濃縮し、得られた濃縮物に、tert−ブチルメチルエーテル20部を加えて攪拌した。得られた上澄液を除去し、除去後の残渣を濃縮した。酢酸エチル10部を加えて攪拌した。得られた上澄液を除去し、除去後の上澄液を除去した残渣を濃縮した。得られた濃縮物をアセトニトリルに溶解した後、濃縮することにより、式(I15)で表される塩3.62部を得た。
MASS(ESI(+)Spectrum):M+ 305.1
MASS(ESI(−)Spectrum):M− 351.1
式(I85−a)で表される塩10.95部、式(I85−b)で表される塩8.96部、アセトニトリル100部及びイオン交換水50部を仕込み、23℃で15時間攪拌した。得られた反応マスを濃縮した後、クロロホルム100部で抽出した。回収された有機層を濃縮することにより、式(I85−d)で表される塩14.63部を得た。
式(I85−d)で表される塩2.61部及びアセトニトリル15部を仕込み、23℃で30分間攪拌した後、式(I1−b)で表される化合物1.30部を仕込み、70℃で2時間攪拌した。得られた反応物を23℃まで冷却した後、ろ過することにより、式(I85−e)で表される化合物を含む溶液を得た。式(I85−e)で表される化合物を含む溶液に、式(I1−d)で表される化合物1.14部をクロロホルム3.42部に溶解した溶液を仕込み、23℃で23時間攪拌した。得られた反応物を濃縮し、得られた濃縮物に、クロロホルム60部及び2%シュウ酸水溶液30部を仕込み、攪拌、分液を行った。このシュウ酸水溶液洗浄を2回行った。回収された有機層に、イオン交換水30部を仕込み、攪拌、分液を行った。水洗を5回行った。得られた有機層を濃縮し、得られた濃縮物をアセトニトリル30部に溶解した後、濃縮した。得られた濃縮物に、tert−ブチルメチルエーテル50部を加えて攪拌し、上澄液を除去した。得られた残渣をアセトニトリルに溶解した後、濃縮することにより、式(I85)で表される塩1.85部を得た。
MASS(ESI(−)Spectrum):M− 351.1
モノマーとして、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−3)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−1−1)及びモノマー(a3−2−3)を用い、そのモル比(モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−3):モノマー(a2−1−1):モノマー(a3−1−1):モノマー(a3−2−3))が30:14:6:20:30となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。当該溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを73℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。かくして得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量8.1×103の樹脂A1(共重合体)を収率65%で得た。この樹脂A1は、以下の構造単位を有するものである。
モノマーとして、モノマー(a1−1−4)、モノマー(a2−1−1)及びモノマー(a3−1−1)を用い、そのモル比(モノマー(a1−1−2):モノマー(a2−1−1):モノマー(a3−1−1))が30:20:50となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。当該溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1.2mol%及び3.6mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。かくして得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量6.2×103の樹脂A2(共重合体)を収率85%で得た。この樹脂A2は、以下の構造単位を有するものである。
モノマーとして、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−3)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−2−3)及びモノマー(a3−1−1)を用い、そのモル比(モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−3):モノマー(a2−1−1):モノマー(a3−2−3):モノマー(a3−1−1))が、30:14:6:20:30となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.0×103の樹脂A3(共重合体)を収率60%で得た。この樹脂A3は、以下の構造単位を有するものである。
モノマーとして、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−5−1)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−2−3)及びモノマー(a3−1−1)を用い、そのモル比(モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−5−1):モノマー(a2−1−1):モノマー(a3−2−3):モノマー(a3−1−1))が、30:14:6:20:30となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.4×103の樹脂A4(共重合体)を収率62%で得た。この樹脂A4は、以下の構造単位を有するものである。
モノマーとして、モノマー(a4−1−7)を用い、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.7mol%及び2.1mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量1.8×104の樹脂X1を収率77%で得た。この樹脂X1は、以下の構造単位を有する。
<レジスト組成物の調製>
表7に示すように、各成分を混合して溶解し、さらに孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過して、レジスト組成物を調製した。
A1:樹脂A1
A2:樹脂A2
<塩基性化合物:クエンチャー>
C1:2,6−ジイソプロピルアニリン
シリコンウェハに、有機反射防止膜用組成物(ARC−29;日産化学(株)製)を塗布して、205℃、60秒の条件でベークすることによって、厚さ780Åの有機反射防止膜を形成した。次いで、前記の有機反射防止膜の上に、上記のレジスト組成物を乾燥後の膜厚が85nmとなるようにスピンコートした。レジスト組成物を塗布したシリコンウェハをダイレクトホットプレート上にて、表5の「PB」欄に記載された温度で60秒間プリベークし、レジスト膜を形成した。レジスト膜が形成されたシリコンウェハに、液浸露光用ArFエキシマステッパー(XT:1900Gi;ASML社製、NA=1.35、3/4Annular X−Y偏光)で、コンタクトホールパターン(ホールピッチ100nm/ホール径70nm)を形成するためのマスクを用いて、露光量を段階的に変化させて露光した。なお、液浸媒体としては超純水を使用した。
露光後、前記シリコンウェハを、ホットプレート上にて、表5の「PEB」欄に記載された温度で60秒間ポストエキスポジャーベーク処理した。次いでこのシリコンウェハを、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行い、レジストパターンを得た。
実効感度において、フォーカスを振った場合、線幅が55nm±5%の幅にある範囲(52.5〜57.7nm)を線幅指標として評価した。結果を表6に示す。
Claims (9)
- アルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸の作用によりアルカリ水溶液に溶解し得る樹脂と以下の式(I)で表される塩とを含有するレジスト組成物。
[式(I)中、
Q1及びQ2は、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
L1は、単結合又は炭素数1〜17の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表し、該2価の脂肪族飽和炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
R1及びR2は、互いに独立に、炭素数1〜6のアルキル基を表す。
環Wは、炭素数3〜36の脂肪族環を表し、該脂肪族環を構成するメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基又はスルホニル基で置き換わっていてもよく、該脂肪族環に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜12の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基で置換されていてもよい。
Z+は、有機スルホニウムカチオン又は有機ヨードニウムカチオンを表す。] - 前記塩は、
前記式(I)の環Wが、アダマンタン環、シクロヘキサン環又はノルボルネン環の塩である請求項1記載のレジスト組成物。 - 前記塩は、
前記式(I)のL1が
*−CO−O−(CH2)u−
(uは1〜6の整数を表す。*は、C(Q1)(Q2)の炭素原子との結合手を表す。)
で表される基又は単結合の塩である請求項1又は2記載のレジスト組成物。 - 前記塩は、
前記式(I)のR1及びR2がともにメチル基の塩である請求項1〜3のいずれか記載のレジスト組成物。 - 前記塩は、
前記式(I)のZ+が、有機スルホニウムカチオンの塩である請求項1〜4のいずれか記載のレジスト組成物。 - さらに、溶剤を含有する請求項1〜6のいずれか記載のレジスト組成物。
- さらに、塩基性化合物を含有する請求項1〜7のいずれか記載のレジスト組成物。
- (1)請求項1〜8のいずれか記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程、
を含むレジストパターンの製造方法。
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