[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るシール部材、及びこのシール部材を有するコネクタを含むコネクタ装置の構成例を示す一部断面図である。
(コネクタ装置1の構成)
このコネクタ装置1は、雄コネクタ11及び雌コネクタ12を有している。雄コネクタ11と雌コネクタ12とは、雄コネクタ11の雄側ハウジング3と雌コネクタ12の雌側ハウジング2とを嵌合することにより結合される。本実施の形態では、雄側ハウジング3の一部が雌側ハウジング2に収容されるように、雄側ハウジング3と雌側ハウジング2との嵌合が行われる。
雌コネクタ12には、例えば車両の駆動源としての電気モータに電流を供給するための3本の電線100が接続されている。この電気モータは例えば三相交流モータであり、3本の電線100は、三相交流モータに各相電流を供給する。
(雄コネクタ11の構成)
雄コネクタ11は、複数(本実施の形態では3つ)の雄側接続端子30と、複数の雄側接続端子30を保持する雄側ハウジング3とを有している。雄側ハウジング3は、アルミニウム等の導電性を有する金属製の第1エレメント31と、第1エレメント31に保持された樹脂製の第2エレメント32とを有する。
第1エレメント31は、複数の雄側接続端子30の一部を収容する筒状の筒部33と、雄側ハウジング3を機器のケース等の固定対象物に固定するための図略の貫通孔が形成されたフランジ部34とを一体に有している。筒部33には、その外周面に雌コネクタ12の雌側ハウジング2とランス嵌合するための嵌合突起330が設けられている。
第2エレメント32は、第1エレメント31の反対側に形成された端子台部35を一体に有している。端子台部35には、複数の雄側接続端子30が並列して保持されている。
(雌コネクタ12の構成)
雌コネクタ12は、複数(本実施の形態では3本)の電線100の一端に接続された複数(本実施の形態では3つ;図2にはこのうちの1つを破線で示す)の雌側接続端子20と、雌側接続端子20を保持する雌側ハウジング2とを有している。複数の電線100は、導電性の金属からなる芯線100aと、絶縁被覆100bとで構成されている。芯線100aは、雌側接続端子20に接続される先端部を除き、絶縁被覆100bで覆われている。電線100は、本発明の軸状部材の一例である。
雌側ハウジング2の外面には、雄コネクタ11の第1エレメント31に設けられた嵌合突起330とランス嵌合する嵌合凹部200が形成されている。雌側ハウジング2の端部21には、複数の電線100を導出させると共に、雌側ハウジング2と複数の電線100との間を封止するシール部材4を収容する収容孔210が形成されている。
(シール部材4の構成)
図2は、シール部材4を示す斜視図である。図3は、シール部材4を示し、(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は側面図である。
シール部材4は、一対の弾性部材としての一対のシール部材(第1シール部材4A及び第2シール部材4B)を組み合わせてなり、第1シール部材4Aと第2シール部材4Bとの組み合わせにより、トラック状の外周面4aと一対の平坦な側面4bとが形成される。シール部材4には、一対の側面4bの間を厚さ方向に貫通して複数の電線100をその軸方向に挿通させることが可能な複数(本実施の形態では3つ)の挿通孔40が形成されている。シール部材4は、電線100の外面100cと電線100の一部を収容する収容孔210の内面210aとの間をシール可能とする。
3つの挿通孔40は、それぞれが同じ構成を有しているが、以下の説明においてこれらを区別して説明する必要がある場合には、3つの挿通孔40を図3(a)の左側から順に挿通孔41,42,43として説明する。第1シール部材4A及び第2シール部材4Bの材料は、例えばシリコンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピルゴム等からなる。3つの挿通孔40は、それぞれの中心軸Cが互いに平行かつ側面4bに対して直交し、その内径は電線100(図1に示す)の外径よりも小さく形成されている。
シール部材4の外周面4aには、周方向の全周に亘って、中心軸Cに対して垂直な方向にV字状に突出する3つの外側シールリップ部401,402,403が互いに平行に形成されている。外側シールリップ部402は、シール部材4の厚さ方向における中央部に形成され、外側シールリップ部401及び外側シールリップ部403は外側シールリップ部402の両側に形成されている。3つの外側シールリップ部401,402,403は、その頂部401a,402a,403a(図3(c)参照)が雌側ハウジング2の収容孔210の内面210aに弾性的に接することにより、この収容孔210をシールする。ここで、「頂部」とは、シールリップ部の突出方向の頂点を含むその周辺部をいう。「弾性的に接する」とは、押し付け力に対して反発力を発揮するような弾性変形を伴って接触することをいう。
また、外側シールリップ部401,402,403の間には、周方向の全周に亘って、隙間400a,400bがそれぞれ互いに平行に形成されている。より具体的には、外側シールリップ部401と外側シールリップ部402との間に隙間400aが、外側シールリップ部402と外側シールリップ部403との間に隙間400bが形成されている。
図2に示すように、3つの挿通孔40の内周面40aには、周方向の全周に亘って、挿通孔40の内方にV字状に突出する3つの内側シールリップ部411,412,413が形成されている。内側シールリップ部411,412,413は、それぞれ互いに平行に形成されている。また、3つの挿通孔40(41,42,43)における内側シールリップ部411,412,413は、その頂部411a,412a,413aが電線100の外面100cに対するシール性を維持している。
内側シールリップ部411,412,413の間には、周方向の全周に亘って、隙間410a,410bがそれぞれ互いに平行に形成されている。より具体的には、内側シールリップ部411と内側シールリップ部412との間に隙間410aが、内側シールリップ部412と内側シールリップ部413との間に隙間410bが形成されている。
外周面4aにおける外側シールリップ部401,402,403と、3つの挿通孔40(41,42,43)のそれぞれの内周面40aにおける内側シールリップ部411,412,413とは、挿通孔40(41,42,43)の中心軸C方向において同じ位置に形成されている。同様に、外周面4aにおける隙間400a,400bと、3つの挿通孔40(41,42,43)のそれぞれの内周面40aにおける隙間410a,410bとは、挿通孔40(41,42,43)の中心軸C方向において同じ位置に形成されている。
また、図3(a)に示すように、第1シール部材4Aと第2シール部材4Bとは、それぞれに設けられた複数(本実施の形態では4つ)の接触部50で互いに接触する。以下の説明において、複数の接触部50を区別して説明する必要がある場合には、4つの接触部50を図3(a)の左側から順に接触部51,52,53,54として説明する。接触部51と接触部52との間には挿通孔41が、接触部52と接触部53との間には挿通孔42が、接触部53と接触部54との間には挿通孔43が、それぞれ挟まれて配置されている。接触部51及び接触部54は、3つの挿通孔40の配列方向の両端に位置している。
接触部51には、外側シールリップ部401,402,403の幅方向に突出した複数(本実施の形態では3つ)の外壁部451,452,453が外側シールリップ部401,402,403と一体に形成され、かつ挿通孔41における内側シールリップ部411,412,413の幅方向に突出した複数(本実施の形態では3つ)の内壁部461,462,463が内側シールリップ部411,412,413と一体に形成されている。ここで、「幅方向」とは、シールリップ部における挿通孔40の軸方向に沿った長さをいう。隙間400aはその一部を外壁部451及び外壁部452により塞がれ、隙間400bはその一部を外壁部452及び外壁部453により塞がれている。同様に、隙間410aはその一部を内壁部461及び内壁部462により塞がれ、隙間410bはその一部を内壁部462及び内壁部463により塞がれている。3つの外壁部451,452,453は、雌側ハウジング2の収容孔210の内面210aに接触するシール面451a,452a,453aを有し、3つの内壁部461,462,463は、電線100の外面100c(図1に示す)に接触するシール面461a,462a,463aを有している。
接触部52には、挿通孔41における内側シールリップ部411,412,413の幅方向に突出した3つの内壁部461,462,463が内側シールリップ部411,412,413と一体に形成され、かつ挿通孔42における内側シールリップ部411,412,413の幅方向に突出した3つの内壁部461,462,463が内側シールリップ部411,412,413と一体に形成されている。
接触部53には、挿通孔42における内側シールリップ部411,412,413の幅方向に突出した3つの内壁部461,462,463が内側シールリップ部411,412,413と一体に形成され、かつ挿通孔43における内側シールリップ部411,412,413の幅方向に突出した3つの内壁部461,462,463が内側シールリップ部411,412,413と一体に形成されている。
接触部54には、外側シールリップ部401,402,403の幅方向に突出した複数3つの外壁部451,452,453が外側シールリップ部401,402,403と一体に形成され、かつ挿通孔43における内側シールリップ部411,412,413の幅方向に突出した3つの内壁部461,462,463が内側シールリップ部411,412,413と一体に形成されている。
図4は、シール部材4を構成する第1シール部材4Aと第2シール部材4Bとが組み合わされる前のシール部材4を示す斜視図である。図5は、第1シール部材4Aを示し、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は図4における第1シール部材4AのA−A断面図である。
第1シール部材4Aには3つの断面半円状の溝部40A(41A,42A,43A)が、第2シール部材4Bには同じく3つの断面半円状の溝部40B(41B,42B,43B)が形成されている。第1シール部材4Aと第2シール部材4Bとを組み合わせると、溝部40Aと溝部40Bとの結合により挿通孔40が形成される。より具体的には、溝部41Aと溝部41Bとの結合により挿通孔41が、溝部42Aと溝部42Bとの結合により挿通孔42が、溝部43Aと溝部43Bとの結合により挿通孔43が、それぞれ形成される。
(第1シール部材4Aの構成)
図4に示すように、第1シール部材4Aの外面4Aaには、外面4Aaから垂直な方向にV字状に突出する3つの外側シールリップ部401A,402A,403Aが互いに平行に形成されている。また、外側シールリップ部401A,402A,403Aの間には、周方向の全周に亘って、隙間400Aa,400Abがそれぞれ互いに平行に形成されている。より具体的には、外側シールリップ部401Aと外側シールリップ部402Aとの間に隙間400Aaが、外側シールリップ部402Aと外側シールリップ部403Aとの間に隙間400Abが形成されている。
図5(c)に示すように、3つの溝部40Aの内周面40Aaには、挿通孔40の中心軸Cの周方向に沿って、溝部40Aの内方にV字状に突出する3つの内側シールリップ部411A,412A,413Aが形成されている。内側シールリップ部411A,412A,413Aは、それぞれ互いに平行に形成されている。また、内側シールリップ部411A,412A,413Aの間には、周方向の全周に亘って、隙間410Aa,410Abがそれぞれ互いに平行に形成されている。より具体的には、内側シールリップ部411Aと内側シールリップ部412Aとの間に隙間410Aaが、内側シールリップ部412Aと内側シールリップ部413Aとの間に隙間410Abが形成されている。
外面4Aaにおける外側シールリップ部401A,402A,403Aと、3つの溝部40A(41A,42A,43A)のそれぞれの内周面40Aaにおける内側シールリップ部411A,412A,413Aとは、溝部40A(41A,42A,43A)の中心軸方向において同じ位置に形成されている。同様に、外面4Aaにおける隙間400Aa,400Abと、3つの溝部40A(41A,42A,43A)のそれぞれの内周面40Aaにおける隙間410Aa,410Abとは、溝部40A(41A,42A,43A)の中心軸方向において同じ位置に形成されている。
第1シール部材4Aは、第1シール部材4Aと第2シール部材4Bを組み合わせた際に、第2シール部材4Bの4つの接触面50B(後述)にそれぞれ接触する4つの接触面50A(51A,52A,53A,54A)を有している。
接触面51Aを含むその近傍(第1シール部材4Aの接触部51)には、外面4Aaにおける外側シールリップ部401A,402A,403Aの幅方向に突出した複数(本実施の形態では3つ)の壁部451A,452A,453Aが外側シールリップ部401A,402A,403Aと一体に形成され、かつ溝部41Aにおける内側シールリップ部411A,412A,413Aの幅方向に突出した複数(本実施の形態では3つ)の壁部461A,462A,463Aが内側シールリップ部411A,412A,413Aと一体に形成されている。隙間400Aaはその一部を壁部451A及び壁部452Aにより塞がれ、隙間400Abはその一部を壁部452A及び壁部453Aにより塞がれている。同様に、隙間410Aaはその一部を壁部461A及び壁部462Aにより塞がれ、隙間410Abはその一部を壁部462A及び壁部463Aにより塞がれている。
3つの壁部451A,452A,453Aは、その一部に接触面51Aを有している。すなわち、接触面51Aは、その一部が3つの壁部451A,452A,453Aに形成されている。また、3つの壁部451A,452A,453Aは、外側シールリップ部401A,402A,403Aの頂部401Aa,402Aa,403Aaに連続して形成されて雌側ハウジング2の収容孔210の内面210aに接触するシール面451Aa,452Aa,453Aaを有している。3つの壁部461A,462A,463Aは、その一部に接触面51Aを有している。すなわち、接触面51Aは、その一部が3つの壁部461A,462A,463Aに形成されている。また、3つの壁部461A,462A,463Aは、内側シールリップ部411A,412A,413Aの頂部411Aa,412Aa,413Aaに連続して形成されて電線100の外面100c(図1に示す)に接触するシール面461Aa,462Aa,463Aaを有している。
接触面52Aを含むその近傍(第1シール部材4Aの接触部52)には、溝部41Aにおける内側シールリップ部411A,412A,413Aの幅方向に突出した3つの壁部461A,462A,463Aが内側シールリップ部411A,412A,413Aと一体に形成され、かつ溝部42Aにおける内側シールリップ部411A,412A,413Aの幅方向に突出した3つの壁部461A,462A,463Aが内側シールリップ部411A,412A,413Aと一体に形成されている。
接触面53Aを含むその近傍(第1シール部材4Aの接触部53)には、溝部42Aにおける内側シールリップ部411A,412A,413Aの幅方向に突出した3つの壁部461A,462A,463Aが内側シールリップ部411A,412A,413Aと一体に形成され、かつ溝部43Aにおける内側シールリップ部411A,412A,413Aの幅方向に突出した3つの壁部461A,462A,463Aが内側シールリップ部411A,412A,413Aと一体に形成されている。
接触面54Aを含むその近傍(第1シール部材4Aの接触部54)には、外面4Aaにおける外側シールリップ部401A,402A,403Aの幅方向に突出した複数(本実施の形態では3つ)の壁部451A,452A,453Aが外側シールリップ部401A,402A,403Aと一体に形成され、かつ溝部43Aにおける内側シールリップ部411A,412A,413Aの幅方向に突出した複数(本実施の形態では3つ)の壁部461A,462A,463Aが内側シールリップ部411A,412A,413Aと一体に形成されている。
(第2シール部材4Bの構成)
本実施の形態では、第1シール部材4A及び第2シール部材4Bは、それぞれが同一の形状であり、かつ同一の材質からなる。図4に示すように、第2シール部材4Bの外面4Baには、外面4Baから垂直な方向にV字状に突出する3つの外側シールリップ部401B,402B,403Bが互いに平行に形成されている。また、外側シールリップ部401B,402B,403Bの間には、周方向の全周に亘って、隙間400Ba,400Bbがそれぞれ互いに平行に形成されている。より具体的には、外側シールリップ部401Bと外側シールリップ部402Bとの間に隙間400Baが、外側シールリップ部402Bと外側シールリップ部403Bとの間に隙間400Bbが形成されている。
3つの溝部40Bの内周面40Baには、挿通孔40の中心軸Cの周方向に沿って、溝部40Bの内方にV字状に突出する3つの内側シールリップ部411B,412B,413Bが形成されている。内側シールリップ部411B,412B,413Bは、それぞれ互いに平行に形成されている。また、内側シールリップ部411B,412B,413Bの間には、周方向の全周に亘って、隙間410Ba,410Bbがそれぞれ互いに平行に形成されている。より具体的には、内側シールリップ部411Bと内側シールリップ部412Bとの間に隙間410Baが、内側シールリップ部412Bと内側シールリップ部413Bとの間に隙間410Bbが形成されている。
外面4Baにおける外側シールリップ部401B,402B,403Bと、3つの溝部40B(41B,42B,43B)のそれぞれの内周面40Baにおける内側シールリップ部411B,412B,413Bとは、溝部40B(41B,42B,43B)の中心軸方向において同じ位置に形成されている。同様に、外面4Baにおける隙間400Ba,400Bbと、3つの溝部40B(41B,42B,43B)のそれぞれの内周面40Baにおける隙間410Ba,410Bbとは、溝部40B(41B,42B,43B)の中心軸方向において同じ位置に形成されている。
第1シール部材4Aと第2シール部材4Bとを組み合わせると、外側シールリップ部401Aと外側シールリップ部401Bとの結合によりシール部材4の外側シールリップ部401が、外側シールリップ部402Aと外側シールリップ部402Bとの結合によりシール部材4の外側シールリップ部402が、外側シールリップ部403Aと外側シールリップ部403Bとの結合によりシール部材4の外側シールリップ部403が、それぞれ形成される。
同様に第1シール部材4Aと第2シール部材4Bとを組み合わせると、内側シールリップ部411Aと内側シールリップ部411Bとの結合により挿通孔41の内側シールリップ部411が、内側シールリップ部412Aと内側シールリップ部412Bとの結合により挿通孔41の内側シールリップ部412が、内側シールリップ部413Aと内側シールリップ部413Bとの結合により挿通孔41の内側シールリップ部413が、それぞれ形成される。挿通孔42,43についても、挿通孔41と同様の構成である。
このとき、頂部411Aaと頂部411Baとの結合により内側シールリップ部411の頂部411aが、頂部412Aaと頂部412Baとの結合により内側シールリップ部412の頂部412aが、頂部413Aaと頂部413Baとの結合により内側シールリップ部413の頂部413aが、それぞれ形成される。挿通孔42,43における内側シールリップ部411,412,413の頂部411a,412a,413aについても、挿通孔41における内側シールリップ部411,412,413の頂部411a,412a,413aと同様の構成である。
第2シール部材4Bは、第1シール部材4Aと第2シール部材4Bとを組み合わせた際に、第1シール部材4Aの4つの接触面50Aと接触する4つの接触面50B(51B,52B,53B,54B)を有している。第1シール部材4Aの接触面51Aと第2シール部材4Bの接触面51Bが、第1シール部材4Aの接触面52Aと第2シール部材4Bの接触面52Bが、第1シール部材4Aの接触面53Aと第2シール部材4Bの接触面53Bが、第1シール部材4Aの接触面54Aと第2シール部材4Bの接触面54Bが、それぞれ接触する。
第1シール部材4Aと同様に、第2シール部材4Bの接触面51Bを含むその近傍(第2シール部材4Bの接触部51)には、外面4Ba側にシール面451Ba,452Ba,453Baを有する壁部451B,452B,453Bが、また溝部41B側にシール面461Ba,462Ba,463Baを有する壁部461B,462B,463Bが、それぞれ形成されている。
接触面52Bを含むその近傍(第2シール部材4Bの接触部52)には、溝部41B側にシール面461Ba,462Ba,463Baを有する壁部461B,462B,463Bが、また溝部42B側にも同じくシール面461Ba,462Ba,463Baを有する壁部461B,462B,463Bが、それぞれ形成されている。
接触面53Bを含むその近傍(第2シール部材4Bの接触部53)には、溝部42B側にシール面461Ba,462Ba,463Baを有する壁部461B,462B,463Bが、また溝部43B側にも同じくシール面461Ba,462Ba,463Baを有する壁部461B,462B,463Bが、それぞれ形成されている。
接触面54Bを含むその近傍(第2シール部材4Bの接触部54)には、外面4Ba側にシール面451Ba,452Ba,453Baを有する壁部451B,452B,453Bが、また溝部43B側にシール面461Ba,462Ba,463Baを有する壁部461B,462B,463Bが、それぞれ形成されている。
第1シール部材4Aと第2シール部材4Bとを組み合わせると、壁部451Aと壁部451Bとの結合によりシール部材4の外壁部451が、壁部452Aと壁部452Bとの結合によりシール部材4の外壁部452が、壁部453Aと壁部453Bとの結合によりシール部材4の外壁部453が、それぞれ形成される。同様に、壁部461Aと壁部461Bとの結合によりシール部材4の内壁部461が、壁部462Aと壁部462Bとの結合によりシール部材4の内壁部462が、壁部463Aと壁部463Bとの結合によりシール部材4の内壁部463が、それぞれ形成される。
(雌コネクタ12の組み立て手順)
雌コネクタ12は、次に述べる手順によって組み立てられる。まず、3本の電線100のそれぞれに雌側接続端子20を接続し、3本の電線100の端部を雌側接続端子20と共に収容孔210から雌側ハウジング2内に挿入する。次に、雌側ハウジング2の端部21付近において、第1シール部材4Aと第2シール部材4Bとを3本の電線100を挟んで向かい合わせ、互いに接触させる。そして、第1シール部材4Aと第2シール部材4Bとを組み合わせた状態でシール部材4(第1シール部材4A及び第2シール部材4B)を収容孔210内に3本の電線100に沿って弾性変形させながら押し込む。
これにより、外側シールリップ部401,402,403の頂部401a,402a,403a、及び外壁部451,452,453のシール面451a,452a,453aが雌側ハウジング2の収容孔210の内面210aに弾性的に押し付けられて密着する。また、内側シールリップ部411,412,413の頂部411a,412a,413a、及び内壁部461,462,463のシール面461a,462a,463aが電線100の外面100cに弾性的に押し付けられて密着する。しかして、収容孔210の内面210aと3本の電線100の外面100cとの間がシール部材4によって封止される。
(第1の実施の形態の作用及び効果)
以上説明した第1の実施の形態の作用及び効果について、図6を参照して説明する。
図6は、シール部材4を示し、(a)及び(b)は雌側ハウジング2の収容孔210に収容したときの側面図である。
シール部材4を雌側ハウジング2の収容孔210に収容する場合、シール部材4を押し込む力が第1シール部材4A及び第2シール部材4Bの両方に対して均等に加わらないことがある。例えば、雌側ハウジング2に対するシール部材4の収容方向を図6の矢印B方向とし、第1シール部材4Aに加わる力よりも第2シール部材4Bに加わる力が大きい場合、第2シール部材4Bには、第1シール部材4Aに対して矢印B方向に動く力が働く。一方、第1シール部材4Aには、第2シール部材4Bに対して矢印B方向と逆向きの力(摩擦力)が働く。
例えば図6(a)に示すように、第1シール部材4Aの接触面50Aと第2シール部材4Bの接触面50Bとが滑ってしまう場合がある。このとき、第1シール部材4Aにおける外側シールリップ部401A,402A,403Aの頂部401Aa,402Aa,403Aaと第2シール部材4Bにおける外側シールリップ部401B,402B,403Bの頂部401Ba,402Ba,403Baとの間にずれが生じる。しかしながら、壁部451A,452A,453Aと壁部451B,452B,453Bとが接触面51Aと接触面51Bで接触しているため、外側シールリップ部401A,402A,403Aと外側シールリップ部401B,402B,403Bとの間に空気等が流通する隙間が形成されにくい。
また、図6(b)に示すように、第1シール部材4Aにおける外側シールリップ部401A,402A,403Aの頂部401Aa,402Aa,403Aaが接触部51において矢印Bと逆向きに曲がり、第2シール部材4Bにおける外側シールリップ部401B,402B,403Bの頂部401Ba,402Ba,403Baが接触部51において矢印B方向に曲がる場合がある。このとき、第1シール部材4A側の頂部401Aa,402Aa,403Aaと第2シール部材4B側の頂部401Ba,402Ba,403Baとの間にずれが生じる。しかしながら、壁部451A,452A,453Aと壁部451B,452B,453Bとが接触面51Aと接触面51Bで接触しているため、外側シールリップ部401A,402A,403Aと外側シールリップ部401B,402B,403Bとの間に空気等が流通する隙間が形成されにくい。
(1)本実施の形態に係るシール部材4は、外壁部451,452,453が外側シールリップ部401,402,403の幅方向に、また内壁部461,462,463が内側シールリップ部411,412,413の幅方向に、それぞれ突出しているため、シール部材4を収容孔210に押し込む力が第1シール部材4A及び第2シール部材4Bの両方に対して均等に加わらない場合でも、第1シール部材4Aの壁部451A,452A,453Aと第2シール部材4Bの壁部451B,452B,453Bとが接触面50A(51A,54A)及び接触面50B(51B,54B)で接触し、第1シール部材4Aの壁部461A,462A,463Aと第2シール部材4Bの壁部461B,462B,463Bとが接触面50A(52A,53A)及び接触面50B(52B,53B)で接触していることが可能である。さらに、外壁部451,452,453にはシール面451a,452a,453aが、また内壁部461,462,463にはシール面461a,462a,463aが、それぞれ形成されているため、第1シール部材4Aと第2シール部材4Bとの挿通孔40の軸方向のずれによって隙間が形成されることを抑制することができる。したがって、雌側ハウジング2と電線100との間のシール性が確保される。
(2)第1シール部材4Aには、壁部451A,452A,453Aと壁部461A,462A,463Aが、また第2シール部材4Bには、壁部451B,452B,453Bと壁部461B,462B,463Bが、それぞれ形成されているため、第1シール部材4Aと第2シール部材4Bとを組み合わせた際、第1シール部材4Aの接触面50A及び第2シール部材4Bの接触面50Bにおける接触面積が増える。これにより、シール部材4を雌側ハウジング2の収容孔210に収容するときに、第1シール部材4Aと第2シール部材4Bとの間に空気等が流通する隙間が形成されにくく、かつ第1シール部材4Aと第2シール部材4Bとのずれの許容値は、どちらか一方のシール部材にのみ壁部がある場合と比較して、拡大する。したがって、シール性がより確実となる。
(3)第1シール部材4Aと第2シール部材4Bとは、それぞれが同一の形状であり、かつ同一の材質からなるため、例えば1種類の金型で製造することが可能である。これにより、製造工程における作業効率の向上ならびに製造コストの削減につながる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について、図7から図11を参照して説明する。本実施の形態に係るシール部材8は、第1の実施の形態に係るシール部材4と同様に、第1シール部材8Aと第2シール部材8Bとを組み合わせてなる。本実施の形態に係るシール部材8は、壁部の形状が第1の実施の形態に係る壁部とは異なる。図7から図11において、シール部材4について説明したものと同一の機能を有する部位については共通する符号を付し、その重複した説明を省略する。
図7は、第2の実施の形態に係るシール部材8を示す斜視図である。図8は、第2の実施の形態に係るシール部材8を示し、(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は側面図である。
シール部材8における接触部51(図8(a)参照)には、外周面4aにおける外側シールリップ部401,402,403及びそれらの隙間400a,400bを含む範囲にまたがって外壁部90が形成され、かつ挿通孔41における内側シールリップ部411,412,413及び隙間410a,410bを含む範囲にまたがって内壁部91が形成されている。ここで、「またがって」とは、シール部材8の外周面4a又は挿通孔40の内周面40aにおける挿通孔40の軸方向(シール部材8の幅方向)に沿って亘っていることをいう。外壁部90は、雌側ハウジング2の収容孔210の内面210aに接触するシール面90aを有し、内壁部91は、電線100の外面100cに接触するシール面91aを有している。
接触部52には、挿通孔41における内側シールリップ部411,412,413及び隙間410a,410bを含む範囲にまたがって内壁部91が形成され、かつ挿通孔42における内側シールリップ部411,412,413及び隙間410a,410bを含む範囲にまたがって内壁部91が形成されている。
接触部53には、挿通孔42における内側シールリップ部411,412,413及び隙間410a,410bを含む範囲にまたがって内壁部91が形成され、かつ挿通孔43における内側シールリップ部411,412,413及び隙間410a,410bを含む範囲にまたがって内壁部91が形成されている。
接触部54には、外周面4aにおける外側シールリップ部401,402,403及びそれらの隙間400a,400bを含む範囲にまたがって外壁部90が形成され、かつ挿通孔43における内側シールリップ部411,412,413及び隙間410a,410bを含む範囲にまたがって内壁部91が形成されている。
図9は、第2の実施の形態に係るシール部材8を構成する第1シール部材8Aと第2シール部材8Bとが組み合わされる前のシール部材8を示す斜視図である。図10は、第2の実施の形態に係る第1シール部材8Aを示し、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は図9における第1シール部材8AのD−D断面図である。
接触面51Aを含むその近傍(第1シール部材8Aの接触部51)には、外面4Aaにおける外側シールリップ部401A,402A,403A及びそれらの隙間400Aa,400Abを含む範囲にまたがって壁部90Aが、また溝部41Aにおける内側シールリップ部411A,412A,413A及びそれらの隙間410Aa,410Abを含む範囲にまたがって壁部91Aが、第2シール部材8Bの接触面51Bに対向してそれぞれ形成されている。
これらの壁部90A及び壁部91Aは、その一部に接触面51Aを有している。壁部90Aは雌側ハウジング2の収容孔210の内面210aに接触するシール面90Aaを有し、壁部91Aは電線100の外面100cに接触するシール面91Aaを有している。
接触面52Aを含むその近傍(第1シール部材8Aの接触部52)には、溝部41Aにおける内側シールリップ部411A,412A,413A及びそれらの隙間410Aa,410Abを含む範囲にまたがって壁部91Aが、また溝部42Aにおける内側シールリップ部411A,412A,413A及びそれらの隙間410Aa,410Abを含む範囲にまたがって壁部91Aが、第2シール部材8Bの接触面52Bに対向してそれぞれ形成されている。
この壁部91Aは、その一部に接触面52Aを有し、かつ電線100の外面100cに接触するシール面91Aaを有している。
接触面53Aを含むその近傍(第1シール部材8Aの接触部53)には、溝部42Aにおける内側シールリップ部411A,412A,413A及びそれらの隙間410Aa,410Abを含む範囲にまたがって壁部91Aが、また溝部43Aにおける内側シールリップ部411A,412A,413A及びそれらの隙間410Aa,410Abを含む範囲にまたがって壁部91Aが、第2シール部材8Bの接触面53Bに対向してそれぞれ形成されている。
この壁部91Aは、その一部に接触面53Aを有し、かつ電線100の外面100cに接触するシール面としての外面91Aaを有している。
接触面54Aを含むその近傍(第1シール部材8Aの接触部54)には、外面4Aaにおける外側シールリップ部401A,402A,403A及びそれらの隙間400Aa,400Abを含む範囲にまたがって壁部90Aが、また溝部43Aにおける内側シールリップ部411A,412A,413A及びそれらの隙間410Aa,410Abを含む範囲にまたがって壁部91Aが、第2シール部材8Bの接触面54Bに対向してそれぞれ形成されている。
これらの壁部90A及び壁部91Aは、その一部に接触面54Aを有している。壁部90Aは雌側ハウジング2の収容孔210の内面210aに接触するシール面90Aaを有し、壁部91Aは電線100の外面100cに接触するシール面としての外面91Aaを有している。
第2シール部材8Bにおいて、第1シール部材4Aと同様に、第2シール部材8Bの接触面51Bを含むその近傍(第2シール部材8Aの接触部51)には、外面4Ba側にシール面90Baを有する壁部90Bが、また溝部41B側にシール面91Baを有する壁部91Bが、それぞれ形成されている。
接触面52Bを含むその近傍(第2シール部材8Aの接触部52)には、溝部41B側に壁部91Bが、また溝部42B側にも同じく壁部91Bが、それぞれ形成されている。
接触面53Bを含むその近傍(第2シール部材8Aの接触部53)には、溝部42B側に壁部91Bが、また溝部43B側にも同じく壁部91Bが、それぞれ形成されている。
接触面54Bを含むその近傍(第2シール部材8Aの接触部54)には、外面4Ba側に壁部90Bが、また溝部43B側に壁部91Bが、それぞれ形成されている。
第1シール部材8Aと第2シール部材8Bとを組み合わせると、壁部90Aと壁部90Bとの結合によりシール部材8の外壁部90が、また壁部91Aと壁部91Bとの結合によりシール部材8の内壁部91が、それぞれ形成される。
第1シール部材8Aと第2シール部材8Bとを組み合わせた状態でシール部材8(第1シール部材8A及び第2シール部材8B)を収容孔210内に3本の電線100に沿って弾性変形させながら押し込むと、外側シールリップ部401,402,403の頂部401a,402a,403a、及び外壁部90のシール面90aが雌側ハウジング2の収容孔210の内面210aに弾性的に押し付けられて密着する。また、内側シールリップ部411,412,413の頂部411a,412a,413a、及び内壁部91の外面91aが電線100の外面100cに弾性的に押し付けられて密着する。しかして、収容孔210の内面210aと3本の電線100の外面100cとの間がシール部材8によって封止される。
(第2の実施の形態の作用及び効果)
以上説明した第2の実施の形態の作用及び効果について、図11を参照して説明する。
図11は、第2の実施の形態に係るシール部材8を示し、雌側ハウジング2の収容孔210に収容したときの側面図である。
第1の実施の形態と同様に、例えば図11(a)に示すように、第1シール部材8Aの接触面50Aと第2シール部材8Bの接触面50Bとが滑ってしまう場合がある。このとき、第1シール部材8Aにおける外側シールリップ部401A,402A,403Aの頂部401Aa,402Aa,403Aaと第2シール部材8Bにおける外側シールリップ部401B,402B,403Bの頂部401Ba,402Ba,403Baとの間にずれが生じる。しかしながら、外側シールリップ部401A,402A,403A及びそれらの隙間400Aa,400Abを含む範囲に亘って形成された壁部90Aと外側シールリップ部401B,402B,403B及びそれらの隙間400Ba,400Bbを含む範囲に亘って形成された壁部90Bとが接触しているため、外側シールリップ部401A,402A,403Aと外側シールリップ部401B,402B,403Bとの間に空気等が流通する隙間が形成されることがない。
また、図11(b)に示すように、第1シール部材4Aにおける外側シールリップ部401A,402A,403Aの頂部401Aa,402Aa,403Aaが接触部51において矢印Eと逆向きに曲がり、第2シール部材4Bにおける外側シールリップ部401B,402B,403Bの頂部401Ba,402Ba,403Baが接触部51において矢印E方向に曲がる場合がある。このとき、第1シール部材4A側の頂部401Aa,402Aa,403Aaと第2シール部材4B側の頂部401Ba,402Ba,403Baとの間にずれが生じる。しかしながら、外側シールリップ部401A,402A,403A及びそれらの隙間400Aa,400Abを含む範囲に亘って形成された壁部90Aと外側シールリップ部401B,402B,403B及びそれらの隙間400Ba,400Bbを含む範囲に亘って形成された壁部90Bとが接触しているため、外側シールリップ部401A,402A,403Aと外側シールリップ部401B,402B,403Bとの間に空気等が流通する隙間が形成されることがない。
このように、本実施の形態では、外壁部90が外側シールリップ部401,402,403及びそれらの隙間400a,400bを含む範囲にまたがって形成され、かつ内壁部91が内側シールリップ部411,412,413及びそれらの隙間410a,410bを含む範囲にまたがって形成されているため、第1の実施の形態に係る外壁部451,452,453及び内壁部461,462,463と比較して、第1シール部材8Aと第2シール部材8Bとの挿通孔40の軸方向のずれによって隙間が形成されることがより抑制される。したがって、雌側ハウジング2と電線100との間のシール性をより確実にすることができる。
(実施の形態のまとめ)
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号等は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
[1]互いに組み合わされることにより軸状部材(電線100)をその軸方向に挿通させることが可能な挿通孔(40,41,42,43)を形成する一対の弾性部材(第1シール部材4A,8A、第2シール部材4B,8B)からなり、前記電線(100)の外面(100c)と前記電線(100)の一部を収容する収容孔(210)の内面(210a)との間をシール可能なシール部材(4,8)であって、前記第1及び第2シール部材(4A,4B,8A,8B)は、前記電線(100)の外面(100c)に弾性的に接触する内側シールリップ部(411,412,413)を備え、前記一対の弾性部材のうち少なくとも一方の弾性部材(第1シール部材4A,8A)は、他方の弾性部材(第2シール部材4B,8B)との接触部(50,51,52,53,54)に、前記内側シールリップ部(411A,412A,413A)の幅方向に突出して前記内側シールリップ部(411A,412A,413A)と一体に形成された壁部(461A,462A,463A,91A)を有し、前記壁部は、前記他方の弾性部材に接触する接触面(50A,51A,52A,53A,54A)、及び前記内側シールリップ部の頂部(411Aa,412Aa,413Aa)に連続して形成されたシール面(461Aa,462Aa,463Aa,91a,91Aa)を有する、シール部材(4,8)。
[2]互いに組み合わされることにより軸状部材(電線100)をその軸方向に挿通させることが可能な挿通孔(40,41,42,43)を形成する一対の弾性部材(第1シール部材4A,8A、第2シール部材4B,8B)からなり、前記電線(100)の外面(100c)と前記電線(100)の一部を収容する収容孔(210)の内面(210a)との間をシール可能なシール部材(4,8)であって、前記第1及び第2シール部材(4A,4B,8A,8B)は、前記収容孔(210)の内面(210a)に弾性的に接触する外側シールリップ部(401,402,403)を備え、前記一対の弾性部材のうち少なくとも一方の弾性部材(第1シール部材4A,8A)は、他方の弾性部材(第2シール部材4B,8B)との接触部(50,51,52,53,54)に、前記外側シールリップ部(401A,402A,403A)の幅方向に突出して前記外側シールリップ部(401A,402A,403A)と一体に形成された壁部(451A,452A,453A,90A)を有し、前記壁部は、前記他方の弾性部材に接触する接触面(50A,51A,52A,53A,54A)、及び前記外側シールリップ部の頂部(401Aa,402Aa,403Aa)に連続して形成されたシール面(451Aa,452Aa,453Aa,90a,90Aa)を有する、シール部材(4,8)。
[3]互いに組み合わされることにより軸状部材(電線100)をその軸方向に挿通させることが可能な挿通孔(40,41,42,43)を形成する一対の弾性部材(第1シール部材4A,8A、第2シール部材4B,8B)からなり、前記電線(100)の外面(100c)と前記電線(100)の一部を収容する収容孔(210)の内面(210a)との間をシール可能なシール部材(4,8)であって、前記第1及び第2シール部材(4A,4B,8A,8B)は、前記電線(100)の外面(100c)に弾性的に接触する内側シールリップ部(411,412,413)と、前記収容孔(210)の内面(210a)に弾性的に接触する外側シールリップ部(401,402,403)とを備え、前記一対の弾性部材のうち少なくとも一方の弾性部材(第1シール部材4A,8A)は、他方の弾性部材(第2シール部材4B,8B)との接触部(50,51,52,53,54)に、前記内側及び外側シールリップ部(401A,402A,403A,411A,412A,413A)の幅方向に突出して前記内側及び外側シールリップ部(401A,402A,403A,411A,412A,413A)と一体に形成された壁部(451A,452A,453A,461A,462A,463A,90A,91A)を有し、前記壁部は、前記他方の弾性部材に接触する接触面(50A,51A,52A,53A,54A)、及び前記内側及び外側シールリップ部の頂部(401Aa,402Aa,403Aa,411Aa,412Aa,413Aa)に連続して形成されたシール面(451Aa,452Aa,453Aa,461Aa,462Aa,463Aa,90a,90Aa,91a,91Aa)を有する、シール部材(4,8)。
[4]前記壁部(451A,452A,453A,461A,462A,463A,90A,91A,451B,452B,453B,461B,462B,463B,90B,91B)は、前記一対の弾性部材のそれぞれに形成され、前記壁部の前記接触面同士(50A,51A,52A,53A,54A、50B,51B,52B,53B,54B)が互いに接触する、[1]乃至[3]の何れか1項に記載のシール部材(4,8)。
[5]前記壁部(451A,452A,453A,461A,462A,463A)は、複数の前記内側及び外側シールリップ部(401A,402A,403A,411A,412A,413A)のそれぞれに形成されている、[1]乃至[4]の何れか1項に記載のシール部材(4,8)。
[6]前記壁部(90A,91A)は、前記複数のシールリップ部(401A,402A,403A,411A,412A,413A)を含む範囲にまたがって形成されている、[5]に記載のシール部材(4,8)。
[7]前記壁部には、前記接触面が前記挿通孔の軸方向に沿って形成されている、[1]乃至[6]の何れかに記載のシール部材(4,8)。
[8]前記一対の弾性部材は、それぞれが同一の形状であり、かつ同一の材質からなる、[1]乃至[7]の何れかに記載のシール部材(4,8)。
[9][1]乃至[8]の何れかに記載のシール部材と、前記収容孔を有するハウジング(雌側ハウジング2)とを備え、前記挿通孔を挿通する前記軸状部材としての電線(100)の端部を前記ハウジングに収容する、コネクタ(雌コネクタ12)。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
第1及び第2の実施の形態では、第1シール部材4A,8A及び第2シール部材4B,8Bに壁部が形成されていたが、少なくともどちらか一方のシール部材に壁部が形成されていればよい。
また、シール部材4,8の接触部50は挿通孔40の軸方向に沿って形成されていなくともよい。
また、また、本実施の形態では、1つのシール部材4,8に、複数(3つ)の挿通孔40,41,42,43、外側シールリップ部401A,402A,403A、内側シールリップ部411A,412A,413Aを形成している場合であったが、数に制限はない。
また、本実施の形態では、1つの収容孔210に対し、1つのシール部材4,8を押し込んだ場合(単層シール構造)を示したが、複数、例えば、2つのシール部材を押し込んだ場合(積層シール構造)であってもよい。この場合、2つのシール部材の各々に関し、両方とも、外側シールリップ部及び内側シールリップ部が形成されているものであってもよいし、一方は、外側シールリップ部のみを形成し、他方は、内側シールリップ部のみを形成したものとし、それらを組み合わせて、全体で所要のシール性(シール性能)を持たせる第1組合構造としてもよいし、一方は、外側シールリップ部及び内側シールリップ部の両方を形成し、他方は、外側シールリップ部又は内側シールリップ部の一方を形成し、それらを組み合わせる第2組合構造としてもよい。該第2組合構造の場合、一方のシール部材の方で、所要のシール性を有していれば、他方のシール部材、即ち、外側シールリップ部又は内側シールリップ部の一方を形成したシール部材は、補足的なシール性能の位置付けとなる。