以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。なお、以下では、パチンコ遊技機1を、単に、遊技機1という場合がある。
[パチンコ遊技機1の概略構成]
以下、図1〜図3を参照して、本発明の第1の実施形態に係るパチンコ遊技機1の概略構成について説明する。なお、図1は、本発明の第1の実施形態に係る遊技機1の一例を示す概略正面図である。図2は、遊技機1に設けられた表示器4の一例を示す拡大図である。図3は、遊技機1の部分平面図である。
図1において、遊技機1は、例えば遊技者の操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたパチンコ遊技機である。この遊技機1は、遊技球が打ち出される遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材5とを備えている。枠部材5は、軸支側に設けられた蝶番を中心に、遊技機1の主部に対して開閉可能に構成されている。そして、枠部材5の前面側となる所定位置(例えば、軸支側とは反対側となる端部)には錠部43が設けられており、錠部43を開錠することによって枠部材5を開くことが可能となる。
遊技盤2は、その前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域20が形成されている。遊技領域20には、下方(発射装置211;図4参照)から発射された遊技球が遊技盤2の主面に沿って上昇して遊技領域20の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材(図示せず)と、上昇した遊技球を遊技領域20の右側に案内する案内部材(図示せず)とが備えられている。
また、遊技盤2には、遊技者により視認され易い位置に、各種演出のための画像を表示する画像表示部6が配設されている。画像表示部6は、遊技者による遊技の進行に応じて、例えば、装飾図柄を表示することによって特別図柄抽選(大当り抽選)の結果を遊技者に報知したり、キャラクタの登場やアイテムの出現等による予告演出を表示したり、特別図柄抽選が保留されている回数を示す保留画像を表示したりする。なお、画像表示部6は、液晶表示装置やEL(Electro Luminescence:電界発光)表示装置等によって構成されるが、他の任意の表示装置を利用してもよい。さらに、遊技盤2の前面には、各種の演出に用いられる可動役物7および盤ランプ8が設けられている。可動役物7は、遊技盤2に対して可動に構成され、遊技の進行に応じて又は遊技者の操作に応じて、所定の動作を行うことによって演出を行う。また、盤ランプ8は、遊技の進行に応じて発光することによって光による各種の演出を行う。
遊技領域20には、遊技球の落下方向を変化させる遊技くぎ及び風車(共に図示せず)等が配設されている。また、遊技領域20には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。なお、図1においては、入賞や抽選に関する種々の役物の一例として、第1始動口21、第2始動口22、ゲート25、大入賞口23、および普通入賞口24が遊技盤2に配設されている。さらに、遊技領域20には、遊技領域20に打ち出された遊技球のうち何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球を、遊技領域20の外に排出する排出口26が配設されている。
第1始動口21および第2始動口22は、それぞれ遊技球が入ると入賞して特別図柄抽選(大当り抽選)が始動する。第1始動口21は、予め定められた特別電動役物(大入賞口23)および/または予め定められた特別図柄表示器(後述する第1特別図柄表示器4a)を作動させることとなる、遊技球の入賞に係る入賞口である。また、第2始動口22は、上記特別電動役物および/または予め定められた特別図柄表示器(後述する第2特別図柄表示器4b)を作動させることとなる、遊技球の入賞に係る入賞口である。ゲート25を遊技球が通過すると普通図柄抽選(下記の電動チューリップ27の開閉抽選)が始動する。なお、普通入賞口24に遊技球が入賞しても抽選は始動しない。
第2始動口22は、第1始動口21の下部に設けられ、普通電動役物の一例として、遊技球の入口近傍に電動チューリップ27を備えている。電動チューリップ27は、チューリップの花を模した一対の羽根部を有しており、後述する電動チューリップ開閉部112(例えば、電動ソレノイド)の駆動によって当該一対の羽根部が左右に開閉する。電動チューリップ27は、一対の羽根部が閉じていると、第2始動口22の入口へ案内される開口幅が極めて狭いため、遊技球が第2始動口22へ入らない閉状態となる。一方、電動チューリップ27は、一対の羽根部が左右に開くと、第2始動口22の入口へ案内される開口幅が拡大するため、遊技球が第2始動口22へ入り易い開状態となる。そして、電動チューリップ27は、ゲート25を遊技球が通過して普通図柄抽選に当選すると、一対の羽根部が規定時間(例えば、0.10秒間)開き、規定回数(例えば、1回)だけ開閉する。
大入賞口23は、第2始動口22の下側中央に位置し、特別図柄抽選の結果に応じて開放する。大入賞口23は、通常は閉状態であり遊技球が入ることがない状態となっているが、特別図柄抽選の結果に応じて遊技盤2の主面から突出傾斜して開状態となって遊技球が入り易い状態となる。例えば、大入賞口23は、所定条件(例えば、29.5秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態となるラウンドを、所定回数(例えば、16回)だけ繰り返す。
また、遊技盤2の右下には、上述した特別図柄抽選や普通図柄抽選の結果や保留数に関する表示を行う表示器4が配設されている。表示器4の詳細については後述する。
ここで、賞球の払い出しについて説明する。第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、および普通入賞口24に遊技球が入る(入賞する)と、遊技球が入賞した場所に応じて、1つの遊技球当り規定個数の賞球が払い出される。例えば、第1始動口21および第2始動口22に遊技球が1個入賞すると3個の賞球、大入賞口23に遊技球が1個入賞すると13個の賞球、普通入賞口24に遊技球が1個入賞すると10個の賞球がそれぞれ払い出される。なお、ゲート25を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは無い。
遊技機1の前面となる枠部材5には、ハンドル31、レバー32、停止ボタン33、取り出しボタン34、スピーカ35、枠ランプ36、演出ボタン37、演出キー38、および皿39等が設けられている。
遊技者がハンドル31に触れてレバー32を時計回りに回転させる操作を行うと、その操作角度に応じた打球力にて所定の時間間隔(例えば、1分間に100個)で、発射装置211(図4参照)が遊技球を電動発射する。皿39(図3参照)は、遊技機1の前方に突出して設けられ、発射装置211に供給される遊技球を一時的に溜めておく。また、皿39には、上述した賞球が払い出される。そして、皿39に溜められた遊技球は、遊技者のレバー32による操作と連動したタイミングで、供給装置(図示せず)によって1つずつ発射装置211に供給される。
停止ボタン33は、ハンドル31の下部側面に設けられ、ハンドル31に遊技者が触れてレバー32を時計回りに回転させている状態であっても、遊技者に押下されることによって遊技球の発射を一時的に停止させる。取り出しボタン34は、皿39が設けられた位置近傍の前面に設けられ、遊技者に押下されることによって皿39に溜まっている遊技球を箱(図示せず)に落下させる。
スピーカ35および枠ランプ36は、それぞれ遊技機1の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりする。スピーカ35は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行う。また、枠ランプ36は、点灯/点滅によるパターンや発光色の違い等によって光による各種の演出を行う。
次に、図2を参照して、遊技機1に設けられる表示器4について説明する。図2において、表示器4は、第1特別図柄表示器4a、第2特別図柄表示器4b、第1特別図柄保留表示器4c、第2特別図柄保留表示器4d、普通図柄表示器4e、普通図柄保留表示器4f、および遊技状態表示器4gを備えている。
第1特別図柄表示器4aは、第1始動口21に遊技球が入賞することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、第1特別図柄表示器4aは、7セグ表示装置で構成され、第1始動口21に遊技球が入賞した場合、特別図柄を変動表示した後に停止表示してその抽選結果を表示する。また、第2特別図柄表示器4bは、第2始動口22に遊技球が入賞することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、第2特別図柄表示器4bも同様に、7セグ表示装置で構成され、第2始動口22に遊技球が入賞した場合、特別図柄を変動表示した後に停止表示してその抽選結果を表示する。普通図柄表示器4eは、ゲート25を遊技球が通過することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、普通図柄表示器4eは、LED表示装置で構成され、遊技球がゲート25を通過した場合、普通図柄を変動表示した後に停止表示してその抽選結果を表示する。
第1特別図柄保留表示器4cは、第1始動口21に遊技球が入賞した場合の特別図柄抽選を保留している回数を表示する。第2特別図柄保留表示器4dは、第2始動口22に遊技球が入賞した場合の特別図柄抽選を保留している回数を表示する。普通図柄保留表示器4fは、普通図柄抽選を保留している回数を表示する。例えば、第1特別図柄保留表示器4c、第2特別図柄保留表示器4d、および普通図柄保留表示器4fは、それぞれ列設されたLED表示装置で構成され、その点灯態様によって保留回数が表示される。
遊技状態表示器4gは、遊技機1の電源投入時点における遊技状態(時短状態等)を表示する。
次に、図3を参照して、遊技機1に設けられる入力装置について説明する。図3において、遊技機1には、入力装置の一例として、演出ボタン37および演出キー38が設けられている。
演出ボタン37および演出キー38は、それぞれ遊技者が演出に対する入力を行うために設けられている。演出ボタン37は、遊技機1の前方に突出した皿39の上面脇部に設けられる。演出キー38は、中央キーと略十字に配列された4つの方向キーとを有し、演出ボタン37に隣接して皿39の上面脇部に設けられる。演出ボタン37および演出キー38は、それぞれ遊技者に押下されることによって所定の演出が行われる。例えば、遊技者は、所定のタイミングで演出ボタン37を押下することによって所定の演出を楽しむことができる。また、遊技者は、演出キー38の4つの方向キーを操作することにより、画像表示部6に表示されている複数の画像のいずれかを選ぶこと等が可能である。また、遊技者は、演出キー38の中央キーを操作することにより、選んだ画像を情報として入力することが可能である。
また、遊技機1の背面側には、払出用の遊技球を溜めておく球タンクや遊技球を皿39に払い出す払出装置(払出駆動部311)が設けられ、各種の基板等が取り付けられている。例えば、遊技盤2の後面には、メイン基板およびサブ基板等が配設されている。具体的には、メイン基板には、内部抽選および当選の判定等を行うメイン制御部100(図4参照)が構成されたメイン制御基板が配設されている。サブ基板には、遊技球を遊技領域20の上部へ発射する発射装置211を制御する発射制御部200(図4参照)が構成された発射制御基板、賞球の払出を制御する払出制御部300が構成された払出制御基板、演出を統括的に制御する演出制御部400が構成された演出制御基板、画像および音による演出を制御する画像音響制御部500が構成された画像制御基板、および各種のランプ(枠ランプ36、盤ランプ8)や可動役物7による演出を制御するランプ制御部600が構成されたランプ制御基板等が配設されている。また、遊技盤2の後面には、遊技機1の電源オン/オフを切り替えるとともに、遊技機1に供給された24V(ボルト)の交流電力を各種電圧の直流電力に変換して、それぞれの電圧の直流電力を上述した各種の基板等に出力するスイッチング電源が配設されている。
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
次に、図4を参照して、遊技機1における動作制御や信号処理を行う制御装置について説明する。なお、図4は、遊技機1に設けられた制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
図4において、遊技機1の制御装置は、メイン制御部100、発射制御部200、払出制御部300、演出制御部400、画像音響制御部500、およびランプ制御部600等を備えている。
メイン制御部100は、CPU(Central Processing Unit;中央処理装置)101、ROM(Read Only Memory)102、およびRAM(Random Access Memory)103を備えている。CPU101は、内部抽選および当選の判定等の払い出し賞球数に関連する各種制御を行う際の演算処理を行う。ROM102には、CPU101により実行されるプログラムや各種データ等が記憶されている。RAM103は、CPU101の作業用メモリ等として用いられる。以下、メイン制御部100の主な機能について説明する。
メイン制御部100は、第1始動口21または第2始動口22に遊技球が入賞すると特別図柄抽選(大当り抽選)を行い、特別図柄抽選で当選したか否かを示す判定結果データを演出制御部400に送る。
メイン制御部100は、電動チューリップ27の羽根部が開状態となる開時間や羽根部が開閉する回数、さらには羽根部が開閉する開閉時間間隔を制御する。また、メイン制御部100は、遊技球が第1始動口21へ入賞したときの特別図柄抽選の実行保留回数、遊技球が第2始動口22へ入賞したときの特別図柄抽選の実行保留回数、および遊技球がゲート25を通過したときの普通図柄抽選の実行保留回数をそれぞれ管理し、これらの保留回数に関連するデータを演出制御部400に送る。
メイン制御部100は、特別図柄抽選の結果に応じて、大入賞口23の開閉動作を制御する。例えば、メイン制御部100は、所定条件(例えば、29.5秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで、大入賞口23が突出傾斜して開状態となるラウンドを所定回数(例えば、16回)だけ繰り返すように制御する。また、メイン制御部100は、大入賞口23が開閉する開閉時間間隔を制御する。
メイン制御部100は、遊技の進行に応じて遊技状態を変化させ、又、遊技の進行に応じて、特別図柄抽選の当選確率、特別図柄抽選の実行間隔(特別図柄が表示器4に変動表示されて停止表示される時間と言ってもよい)、電動チューリップ27の開閉動作等を変化させる。
メイン制御部100は、第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、および普通入賞口24に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当り所定数の賞球を払い出すように払出制御部300に対して指示する。なお、メイン制御部100は、ゲート25を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しを払出制御部300に指示しない。払出制御部300がメイン制御部100の指示に応じて賞球の払い出しを行った場合、払出制御部300から払い出した賞球の個数に関する情報がメイン制御部100へ送られる。そして、メイン制御部100は、払出制御部300から取得した情報に基づいて、払い出した賞球の個数を管理する。
上述した機能を実現するために、メイン制御部100には、第1始動口スイッチ111a、第2始動口スイッチ111b、電動チューリップ開閉部112、ゲートスイッチ113、大入賞口スイッチ114、大入賞口開閉部115、普通入賞口スイッチ116、表示器4(第1特別図柄表示器4a、第2特別図柄表示器4b、第1特別図柄保留表示器4c、第2特別図柄保留表示器4d、普通図柄表示器4e、普通図柄保留表示器4f、および遊技状態表示器4g)が接続されている。
第1始動口スイッチ111aは、第1始動口21へ遊技球が入賞したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。第2始動口スイッチ111bは、第2始動口22へ遊技球が入賞したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。電動チューリップ開閉部112は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、電動チューリップ27の一対の羽根部を開閉する。ゲートスイッチ113は、ゲート25を遊技球が通過したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。大入賞口スイッチ114は、大入賞口23へ遊技球が入賞したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。大入賞口開閉部115は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、大入賞口23を開閉する。普通入賞口スイッチ116は、普通入賞口24へ遊技球が入賞したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。
[本実施形態のスイッチ処理について]
以下では、本実施形態のスイッチ処理(遊技球通過判定処理)について、具体的に説明する。なお、この遊技球通過判定処理は、上記した第1始動口21、第2始動口22、ゲート25、大入賞口23等に遊技球が入球(又は通過)したことを判定する場合に限らず、例えば、払い出した賞球(賞球数)を払出制御部300が判定(カウント)する場合等にも実行される。
図5は、上記した第1始動口21等への遊技球入賞(通過)を検出するための第1始動口スイッチ111a等として設置される近接スイッチの出力信号の例、および、この出力信号を通過判定閾値(5V)を用いてONレベルとOFFレベルとに2値化した2値化信号の例について説明するための図である。なお、近接スイッチは、一例として、長方形のプレートに遊技球が通過する円形の貫通孔を有しており、この貫通孔を遊技球が通過する際の磁束の変化に対応した電圧の出力信号を出力する直流2線式電子スイッチである。図5の点線で示すように、近接スイッチの出力信号の電圧レベルは、遊技球が貫通孔の中心に近づくにつれて降下していき、遊技球が貫通孔の中心に達する辺りで最小(極小)となり、遊技球が貫通孔の中心を通り過ぎて離れるにつれて上昇していく。また、図5に示すように、近接スイッチの出力信号は、コンパレータ(図示なし)によって、電圧レベルが通過判定閾値(5V)よりも大きいときには2値化信号のOFFレベルに変換され、電圧レベルが通過判定閾値(5V)以下のときには2値化信号のONレベルに変換される。なお、図5の例では、判定に用いる通過判定閾値を1つの通過判定閾値(5V)として説明したが、例えば、OFFレベルからONレベルに切り替わる際には第1の通過判定閾値(5V)を用いる一方で、ONレベルからOFFレベルに切り替わる際には第2の通過判定閾値(6V)を用いる構成としてもよい。これにより、ノイズの影響等で通過判定閾値を跨いで近接スイッチの出力信号が上下することによって2値化信号が不適切にON/OFF間で行き来することを防止できる。
そして、図9を用いて後述するメイン制御部100により4ミリ秒(4ms)間隔で実行されるタイマ割り込み処理における各処理の一部として、図5に示す2値化信号を4ミリ秒間隔でON/OFF判定することによって、遊技球の通過判定を行う。以下、具体的に説明する。
図5に示すように、2値化信号に対して、ONレベルであるのかOFFレベルであるのかが4ミリ秒間隔で判定(ON/OFF判定)される。図5では、自然数nを用いて、ON/OFF判定の順番を表している。また、図5では、n−2回目からn回目のON/OFF判定によってOFFレベルと判定され、その後、n+1回目のON/OFF判定によってONレベルと判定されている。ここで、本実施形態では、ONレベルと判定された場合には、このONレベルと判定したON/OFF判定の処理において、4ミリ秒間隔よりも短い所定の微小時間(例えば4マイクロ秒)が経過したタイミングで2回目のON/OFF判定を実行する。図5では、n+1回目のタイマ割り込み処理におけるON/OFF判定で2回ともONレベルと判定されている。その後、n+2回目からn+4回目のON/OFF判定によってOFFレベルと判定されている。なお、2値化信号のONレベルの期間(ON期間という)が図5の場合よりも長く(つまり、遊技球が図5の場合よりも遅い速度で通過して)例えばn+2回目のON/OFF判定もON期間に実行される場合には、n+2回目のON/OFF判定においても2回の判定を実行する。
本実施形態では、図5に示すように、n回目のON/OFF判定によってOFFレベルと判定されて、n+1回目のON/OFF判定によって2回ONレベルと判定されると、近接スイッチの貫通孔を遊技球が1つ通過したと判定する。なお、これらのON/OFF判定は、例えば第1始動口スイッチ111aとして設置された近接スイッチに対しては、メイン制御部100(より正確にはCPU101)が実行し、例えば払出制御部300に接続された遊技球の払い出し数を検出するための近接スイッチに対しては、払い出し制御部300(より正確にはCPU301)が実行する(図4参照)。
ここで、図5に示すn+1回目のON/OFF判定における上記した所定の微小時間(例えば4マイクロ秒)は、遊技球通過判定の演算処理を実行するためのソフトウエアのプログラミング内容によって予め設定される。つまり、上記した所定の微小時間は、このプログラミング内容によって任意な時間に設定できる可変時間である。遊技機1には微細周期のノイズ(例えば3〜15マイクロ秒周期のノイズ)が発生する場合があり、このノイズの周期は、遊技機の機種に或る程度依存している。例えば、或る機種の遊技機には5マイクロ秒周期のノイズが発生し易く、或る機種の遊技機には9マイクロ秒周期のノイズが発生し易い。そこで、本実施形態では、上記した所定の微小時間をプログラミング内容によって任意な時間に設定できる構成とすることによって、微細周期のノイズによる誤判定を有効に回避することができる。なお、上記した所定の微小時間を設けるための演算処理は、遊技進行には関係しない処理であって時間を稼ぐためだけの処理である。例えば、1マイクロ秒の時間を要する処理を4回繰り返すことによって、上記した所定の微小時間として4マイクロ秒をソフト的に設けることができる。
ところで、近年の遊技機では、演算処理内容の増大により演算処理の負荷が増大したために、以前の遊技機では2ミリ秒であったタイマ割り込み処理の実行間隔は4ミリ秒に延長され、このため、図5を用いて説明したように、近接スイッチを用いたON/OFF判定も2ミリ秒間隔から延長されて4ミリ秒間隔で実行される。
ここで、以前の遊技機は、n回目のON/OFF判定でOFFレベルと判定してn+1回目のON/OFF判定でONレベルと判定してn+2回目のON/OFF判定でONレベルと判定したことを持って1つの遊技球が通過したと判定していた(以下、「以前の判定方法」という)。つまり、3回のタイマ割り込み処理による3回のON/OFF判定によって遊技球通過を判定していた。なお、この様にn+1回目およびn+2回目でONレベルと判定するのは、ノイズにより偶然ONレベルと1回判定されたことによって遊技球が通過したと誤判定することを回避するためである。しかしながら、ON/OFF判定の間隔が4ミリ秒間隔に延長された近年の遊技機においては、上記した以前の判定方法では、速い速度で通過する遊技球の通過を判定することはできない。例えば、図5に示すような2値化信号のONレベルの期間(ON期間)が非常に短くなる(例えば7ミリ秒前後)ほど速い速度で通過する遊技球の通過を判定することは困難となってしまう。そこで、本実施形態では、図5を用いて説明した判定方法により、1つの遊技球が通過したと判定する。このことから、本実施形態によれば、2回のタイマ割り込み処理によるON/OFF判定によって、ノイズによる誤判定を防止しつつ確実に遊技球通過を判定することができる。
ところで、遊技機1には、遊技機1への電源供給が遮断されたことを検知するための電源監視回路、近接スイッチの配線が断線したことを検知するための断線検知回路、および近接スイッチの配線が短絡(ショート)したことを検知するための短絡検知回路等の異常検知回路(何れも図示なし)が設けられている。これらの異常検知回路は、異常発生を判定するための閾値(異常判定レベル)を、図5に示した通過判定閾値(5V)よりも高い電圧レベルに設けることによって、断線、電源遮断、又は短絡により近接スイッチの出力信号の電圧が低下した場合に、この出力信号の電圧が通過判定閾値まで降下する前に異常を判定して、遊技球が通過したと誤判定することを防止している。この様に、通過判定閾値よりも高い電圧レベルに異常判定レベルを設けているため、通過判定閾値を高い値(例えば10V)にすることによってON期間を長く取ることは困難である(図5参照)。この結果として、遊技機1において、出力信号のON期間を長く取って、上記した以前の判定方法を用いて遊技球通過を判定することは、現実的ではない。
なお、以上に説明したスイッチ処理において、ON判定されたタイマ割り込み処理の後に実行されるON判定されるタイマ割り込み処理においては、2回目のON/OFF判定は行わない構成としてもよい。
また、以上に説明したスイッチ処理において、2値化信号がONからOFFに切り替わるところを検出して遊技球の通過を判定する構成としてもよい。つまり、図5において、n+1回目のタイマ割り込み処理で2回ON判定してn+2回目のタイマ割り込み処理でOFF判定したことを持って1つの遊技球が通過したと判定してもよい。
また、以上に説明したスイッチ処理において、1回のタイマ割り込み処理(ON検出)において、3回以上ON/OFF判定を行ってもよいし、又、1回のタイマ割り込み処理(OFF検出)において、2回以上ON/OFF判定を行ってもよい。
また、以上に説明したスイッチ処理において、近接スイッチの出力信号(アナログ信号)を2値化信号(デジタル信号)に変換することなく遊技球通過判定を行う構成としてもよい。つまり、近接スイッチの出力信号(アナログ信号)に対して通過判定閾値(5V)以下か否かを判定することによって、遊技球通過判定を行ってもよい。
また、以上に説明したスイッチ処理において、近接スイッチの出力信号は、遊技球非検出時には低電圧レベルであり遊技球検出時に高電圧レベルになる出力信号であり、この出力信号を反転させる信号反転手段によりこの出力信号を反転させて図5の点線で示すような信号に変換する構成としてもよい。
また、以上に説明したスイッチ処理において、近接スイッチ自身がアナログ信号を2値化信号に変換して出力する構成を備えて、近接スイッチから2値化信号が出力される構成としてもよい。
以上で、本実施形態のスイッチ処理(遊技球通過判定処理)についての説明を終わる。
また、メイン制御部100は、第1始動口21への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選(以下、第1特別図柄抽選という場合がある)の結果を、第1特別図柄表示器4aに表示する。メイン制御部100は、第2始動口22への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選(以下、第2特別図柄抽選という場合がある)の結果を、第2特別図柄表示器4bに表示する。メイン制御部100は、第1特別図柄抽選を保留している保留回数を、第1特別図柄保留表示器4cに表示する。メイン制御部100は、第2特別図柄抽選を保留している保留回数を、第2特別図柄保留表示器4dに表示する。メイン制御部100は、ゲート25への遊技球の通過により始動した普通図柄抽選の結果を、普通図柄表示器4eに表示する。メイン制御部100は、普通図柄抽選を保留している保留回数を、普通図柄保留表示器4fに表示する。また、メイン制御部100は、遊技機1の電源投入時にその時点の遊技状態を遊技状態表示器4gに表示する。
発射制御部200は、CPU201、ROM202、およびRAM203を備えている。CPU201は、発射装置211に関連する各種制御を行う際の演算処理を行う。ROM202は、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM203は、CPU201の作業用メモリ等として用いられる。
レバー32は、その位置が中立位置にある場合、信号を出力せずに発射停止状態となる。そして、レバー32は、遊技者によって時計回りに回転操作されると、その回転角度に応じた信号を打球発射指令信号として発射制御部200に出力する。発射制御部200は、打球発射指令信号に基づいて、発射装置211の発射動作を制御する。例えば、発射制御部200は、レバー32の回転角度が増すほど、遊技球が発射される速度が速くなるように、発射装置211の動作を制御する。発射制御部200は、停止ボタン33が押下された信号が出力された場合、発射装置211が遊技球を発射する動作を停止させる。
払出制御部300は、CPU301、ROM302、およびRAM303を備えている。CPU301は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行う。ROM302は、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM303は、CPU301の作業用メモリ等として用いられる。
払出制御部300は、メイン制御部100から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。具体的には、払出制御部300は、メイン制御部100から、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部311を制御する。ここで、払出駆動部311は、遊技球の貯留部(球タンク)から遊技球を送り出す駆動モータ等で構成される。
演出制御部400は、CPU401、ROM402、RAM403、およびRTC(リアルタイムクロック)404を備えている。また、演出制御部400には、遊技者によって操作される演出キー38が接続され、演出制御部400は、遊技者による演出キー38の操作に応じて演出キー38から出力される操作データを取得する。また、演出制御部400は、ランプ制御部600を介して演出ボタン37から出力される操作データを取得する。CPU401は、演出を制御する際の演算処理を行う。ROM402は、CPU401にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM403は、CPU401の作業用メモリ等として用いられる。RTC404は、現時点の日時を計測する。
演出制御部400は、メイン制御部100から送られる特別図柄抽選結果等を示すデータに基づいて、演出内容を設定する。また、演出制御部400は、遊技者によって演出ボタン37または演出キー38が押下操作された場合、当該操作入力や検出結果に応じて演出内容を設定する場合もある。
画像音響制御部500は、CPU501、ROM502、およびRAM503を備えている。CPU501は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行う。ROM502は、CPU501にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM503は、CPU501の作業用メモリ等として用いられる。
画像音響制御部500は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、画像表示部6に表示する画像およびスピーカ35から出力する音響を制御する。具体的には、画像音響制御部500のROM502には、特別図柄抽選結果を報知等するための装飾図柄画像、予告演出や先読み予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等の画像、特別図柄抽選が保留されていることを示す保留画像、および各種背景画像等を、画像表示部6に表示するための画像データが記憶されている。また、画像音響制御部500のROM502には、画像表示部6に表示される画像と同期させて、または表示される画像とは独立に、スピーカ35から出力させる楽曲や音声等の各種音響データが記憶されている。画像音響制御部500のCPU501は、ROM502に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU501は、読み出した画像データを用いて、背景画像表示、装飾図柄画像表示、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理を行って、演出制御部400から送られたコマンドに対応した各種演出表示を行う。そして、CPU501は、画像処理された画像データが示す画像を画像表示部6に表示する。また、CPU501は、読み出した音響データを用いて音声処理を行い、音声処理された音響データが示す音響をスピーカ35から出力する。
ランプ制御部600は、CPU601、ROM602、およびRAM603を備えている。CPU601は、盤ランプ8や枠ランプ36の発光、および可動役物7の動作を制御する際の演算処理を行う。ROM602は、CPU601にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM603は、CPU601の作業用メモリ等として用いられる。
ランプ制御部600は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ8や枠ランプ36の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、ランプ制御部600は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、可動役物7の動作を制御する。具体的には、ランプ制御部600のROM602には、演出制御部400により設定される演出内容に応じた盤ランプ8や枠ランプ36での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU601は、ROM602に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU601は、読み出した発光パターンデータに基づいて、盤ランプ8や枠ランプ36の発光を制御する。また、ROM602には、演出制御部400により設定される演出内容に応じた可動役物7の動作パターンデータが記憶されている。CPU601は、ROM602に記憶された動作パターンデータの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU601は、読み出した動作パターンデータに基づいて、可動役物7の動作を制御する。
また、ランプ制御部600には、遊技者によって操作される演出ボタン37が接続され、ランプ制御部600は、遊技者による演出ボタン37の操作に応じて演出ボタン37から出力される操作データを取得して、当該操作データを演出制御部400に伝達する。
なお、演出制御部400は、ランプ制御部600から伝達される演出ボタン37の操作データ、および演出キー38から出力された操作データに基づいて、画像音響制御部500に対して、演出ボタン37および演出キー38の操作状態を通知する。ここで、演出ボタン37および演出キー38の操作状態とは、操作が行われているか否かや、どのような操作が行われているか(例えば、演出ボタン37の長押しや、演出キー38左方向キーの押下)等を含む情報である。したがって、例えば演出ボタン37が遊技者によって操作された場合、ランプ制御部600によって検出された演出ボタン37の操作状態が、演出制御部400を介して画像音響制御部500に伝達される。このため、画像音響制御部500は、演出制御部400から伝達される演出ボタン37の操作状態に基づいて、演出内容を変化させることもできる。
[本実施形態における遊技状態の概要]
次に、本実施形態における遊技機1の遊技状態について説明する。遊技機1の遊技状態としては、高確状態、低確状態、電サポ状態、非電サポ状態、時短状態、非時短状態、大当り遊技状態が少なくとも存在する。低確状態は、特別図柄抽選の当選確率が通常の低確率(例えば1/300)に設定されている遊技状態であり、高確状態は、特別図柄抽選の当選確率が、低確状態よりも高確率(例えば1/50)に設定されている遊技状態である。非電サポ状態は、普通図柄抽選の当選確率が通常の低確率(例えば1/10)であり、かつ普通図柄抽選に当選した場合であっても電動チューリップ27が短時間(例えば0.10秒間を1回)しか開放制御されない遊技状態であり、このため、第2始動口22に遊技球が入球し難い遊技状態である。電サポ状態は、普通図柄抽選の当選確率が非電サポ状態よりも高確率(例えば10/10)であり、かつ普通図柄抽選に当選した場合に電動チューリップ27が長時間(例えば2.00秒間を3回)開放されるように制御される遊技状態であり、このため、電動チューリップ27が頻繁に長時間開放されて第2始動口22に遊技球が頻繁に入球(入賞)し易くなる遊技状態である。非時短状態とは、特別図柄抽選の実行時間が通常の所定時間である遊技状態であり(図12-1参照)、時短状態とは、特別図柄抽選の実行時間が、非時短状態よりも短縮される遊技状態である(図13−2参照)。大当り遊技状態とは、特別図柄抽選に当選して(大当りして)大入賞口23が開放される大当り遊技が実行されている遊技状態である。なお、本実施形態においては、電サポ状態と時短状態とは同時に制御されるものとするが、この遊技状態においては、第2始動口22へ遊技球が入賞し易くなることにより遊技球が殆ど減ることなく、かつ短時間で多数の特別図柄抽選を実行できることとなる。また、以下では、低確状態かつ非電サポ状態かつ非時短状態に制御される遊技状態を通常遊技状態といい、高確状態かつ電サポ状態かつ時短状態に制御される遊技状態を確変遊技状態という。なお、本実施形態では、高確状態かつ非電サポ状態かつ非時短状態に制御される遊技状態である潜伏遊技状態は設けていない。
次に、パチンコ遊技機1が実行する処理フローについて説明する。
[メイン制御部100によるメイン処理]
まず、図6を参照しつつ、メイン制御部100によって実行されるメイン処理について説明する。なお、このメイン処理は、パチンコ遊技機1の電源が投入されると開始され、メイン制御部100が起動している間、継続的に実行される。
図6のステップS901において、まず、CPU101は、例えば2000ms待機して、処理はステップS902に移る。なお、図示はしていないが、演出制御部400のCPU401は、パチンコ遊技機1の電源が投入されると、待機処理を行うことなく、メイン制御部100からの信号を受信可能な状態となる。すなわち、演出制御部400のCPU401は、メイン制御部100のCPU101よりも先に、処理を開始できる状態となる。
ステップS902において、CPU101は、RAM103へのアクセスを許可して、処理はステップS903に移る。
ステップS903において、CPU101は、不図示のRAMクリアスイッチが「ON」であるか否かを判定する。ステップS903での判定がYESの場合、処理はステップS904に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS907に移る。
ステップS904において、CPU101は、RAMクリアを行う。ここで、RAMクリアは、公知の技術であるため詳細な説明は省略するが、RAM103に格納されている各種情報(例えば遊技状態を示す情報)を所定の初期状態とすることである。その後、処理はステップS905に移る。
ステップS905において、CPU101は、RAMクリア時の作業領域を設定し、処理はステップS906に移る。
ステップS906において、CPU101は、周辺部の初期設定を行う。ここで、周辺部とは、演出制御部400や払出制御部300等である。周辺部の初期設定は、それぞれの制御部に対して、初期設定の実行を指示する初期設定コマンドを送信することによって行われる。その後、処理はステップS910に移る。
ステップS907において、CPU101は、バックアップフラグが「ON」であるか否かを判定する。なお、バックアップフラグとは、電源遮断時にバックアップデータの生成が正常に完了した場合、オンになるフラグであり、生成したバックアップデータに関連付けて、当該バックアップデータが有効であることを示すフラグである。ステップS907での判定がYESの場合、処理はステップS908に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS904に移る。
ステップS908において、CPU101は、チェックサムが正常であるか否かを判定する。ステップS908での判定がYESの場合、処理はステップS909に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS904に移る。
ステップS909において、CPU101は、後述する復旧処理(図8参照)を実行し、処理はステップS910に移る。
ステップS910において、CPU101は、内蔵されているCTC(タイマカウンタ)の周期(例えば4ms)を設定する。なお、CPU101は、ここで設定された周期を用いて後述するタイマ割込処理(図9参照)を実行する。その後、処理はステップS911に移る。
ステップS911において、CPU101は、後述する電源遮断監視処理(図7参照)を実行し、処理はステップS912に移る。
ステップS912において、CPU101は、タイマ割込処理の割り込みを禁止する設定を行い、処理はステップS913に移る。
ステップS913において、CPU101は、初期値乱数を更新し、処理はステップS914に移る。
ステップS914において、CPU101は、タイマ割込処理の割り込みを許可する設定を行い、処理がステップS911に戻される。すなわち、CPU101は、ステップS911〜ステップS914の処理を繰り返し実行する。
[メイン制御部100による電源遮断監視処理]
図7は、図6のステップS911における電源遮断監視処理の詳細フローチャートである。図7のステップS9111において、CPU101は、割込処理を禁止し、処理はステップS9112に移る。
ステップS9112において、CPU101は、不図示の電源部から電源遮断信号が入力されたか否かに基づいて、パチンコ遊技機1に対する電源供給が遮断されたか否かを判定する。ステップS9112での判定がYESの場合、処理はステップS9114に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS9113に移る。
ステップS9113において、CPU101は、割込処理を許可し、電源遮断監視処理を終了する(処理は図6のステップS912に移る)。
一方、ステップS9114において、CPU101は、CPU101に対して各種情報が入出力される出力ポートをクリアし、処理はステップS9115に移る。
ステップS9115において、CPU101は、現在の遊技機1の遊技状態等に基づいて、バックアップデータをRAM103に作成後、RAM103の内容からチェックサムを作成してRAM103に格納する。なお、この処理は、メイン制御部100に供給される電源の電源遮断により電源電圧が低下し始めたことを検出してから(ステップS9112で「YES」と判定されてから)電源電圧が「0」になるまでの期間に行われる。この処理によって、電源が遮断される直前の遊技状態情報等がRAM103に記憶される。その後、処理はステップS9116に移る。
ステップS9116において、CPU101は、バックアップフラグを「ON」に設定し、処理はステップS9117に移る。
ステップS9117において、CPU101は、RAM103へのアクセスを禁止し、電源遮断監視処理を終了する(処理は図6のステップS912に移る)。
[メイン制御部100による復旧処理]
図8は、図6のステップS909における復旧処理の詳細フローチャートである。まず、図8のステップS9091において、CPU101は、復旧時におけるRAM103の作業領域を設定し、処理はステップS9092に移る。
ステップS9092において、CPU101は、RAM103の情報を参照して、電源遮断時における遊技状態や特別図柄抽選の保留数に関する情報を確認し、当該情報を含めた復旧通知コマンドを演出制御部400に対して送信する。このように、CPU101は、パチンコ遊技機1に対する電源供給が復旧したことを通知するために、電源遮断時の状態を示す復旧通知コマンドを演出制御部400へ送信する。このステップS9092の処理により、演出制御部400は、電源遮断前の遊技状態等を確認することができる。
ステップS9093において、CPU101は、周辺部の設定を行い、処理はステップS9094に移る。
ステップS9094において、CPU101は、バックアップフラグを「OFF」に設定し、復旧処理を終了する(処理は図6のステップS910に移る)。
[メイン制御部のタイマ割り込み処理]
次に、メイン制御部100において実行されるタイマ割込処理について説明する。図9は、メイン制御部100によって行われるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。以下に、図9を参照して、メイン制御部100において行われるタイマ割込み処理について説明する。メイン制御部100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図9に示す一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図9以降のフローチャートに基づいて説明するメイン制御部100で行われる処理は、ROM102に記憶されているプログラムに基づいて実行される。
まず、ステップS1において、メイン制御部100のCPU101は、大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等の各種の乱数の更新を行う乱数更新処理を実行する。ここで、大当り乱数は、特別図柄抽選の当選又は落選を判定する(つまり、特別図柄抽選を行う)ための乱数である。図柄乱数は、特別図柄抽選に当選した場合に大当りの種類を決定するための乱数である。大当り乱数及び図柄乱数は、後に説明する図11のステップS407の処理で使用される乱数である。リーチ乱数は、特別図柄抽選に落選した場合にリーチ演出を行うか否かを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄の変動時間(変動パターン)を決定するための乱数である。ここで、特別図柄の変動時間は、この特別図柄の変動に同期して実行される報知演出(変動演出)の実行時間と等しい。リーチ乱数及び変動パターン乱数は、後に説明する図11のステップS408の処理で使用される。ステップS1の乱数更新処理において、大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等は、それぞれ、1ずつ加算されて更新される。つまり、カウントアップされる。そして、ステップS2の始動口スイッチ(SW)処理やステップS3のゲートスイッチ(SW)処理において各乱数が取得されて、後述するステップS4の特別図柄処理やステップS5の普通図柄処理で使用される。なお、このステップS1の処理を行うカウンタは、典型的にはループカウンタであり、設定されている乱数の最大値(例えば大当り乱数では299)に達した後は再び0に戻る(つまり、循環する)。また、ステップS1の乱数更新処理において、大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等の各カウンタは、それぞれ、1回循環するとランダムに初期値(循環の起点となる値)を更新する。このことによって、これらの乱数の間でカウンタの値(カウント値)が同期することを回避できる。
次に、ステップS2において、CPU101は、第1始動口スイッチ111a及び第2始動口スイッチ111bの状態を監視し、いずれかのスイッチがONとなった時点(第1始動口スイッチ111a又は第2始動口スイッチ111bから遊技球の検出信号が出力された時点)で、第1特別図柄抽選の保留数U1や第2特別図柄抽選の保留数U2に関する処理や各種乱数を取得する処理を行う始動口スイッチ処理を実行する。この始動口スイッチ処理の詳細については、図10を参照して後に詳述する。
次に、ステップS3において、CPU101は、ゲートスイッチ113の状態を監視し、ゲートスイッチ113がONとなった時点(ゲートスイッチ113から遊技球の検出信号が出力された時点)で普通図柄抽選の保留数が上限値(例えば4)未満か否かを判断し、保留数が上限値未満であると判断した場合、後述するステップS5の普通図柄処理に使用される乱数を取得するゲートスイッチ処理を実行する。
次に、ステップS4において、CPU101は、第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選を実行し、第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bに特別図柄を変動表示させた後にこれらの抽選結果を示す停止図柄の表示処理や、演出制御部400へ各種コマンドを送信等するための特別図柄処理を実行する。この特別図柄処理については、図11を参照して後に詳述する。
次に、ステップS5において、CPU101は、ステップS3のゲートスイッチ処理で取得された乱数が所定の当り乱数と一致するか否かを判定する普通図柄処理を実行する。そして、CPU101は、普通図柄表示器4eに普通図柄を変動表示させた後に判定結果を示す普通図柄を停止表示させる。具体的には、CPU101は、普通図柄を変動表示させた後に停止表示させる普通図柄変動時間を、非時短状態では10秒に設定し、時短状態では0.5秒に短縮する。また、CPU101は、普通図柄表示器4eに表示された普通図柄が所定の当り図柄となる確率(つまり、普通図柄抽選の当選確率)を、非時短状態では低確率(1/10)に設定し、時短状態では高確率(10/10)に上昇させる。
次に、ステップS6において、CPU101は、ステップS4の特別図柄処理で特別図柄抽選に当選したと判定された場合(大当りした場合)等に、大入賞口開閉部115を制御して大入賞口23に所定の開閉動作を行わせ、また、いわゆる大当り遊技演出等に関する各種コマンドを演出制御部400に対して送信等するための大入賞口処理を実行する。この処理によって、大当り遊技(特別遊技)が進行され、遊技者は多量の賞球を獲得可能となる。この大入賞口処理については、図14及び図15を参照して後に詳述する。
次に、ステップS7において、CPU101は、ステップS5の普通図柄処理によって普通図柄表示器4eに表示された普通図柄が所定の当り図柄である場合(つまり、普通図柄抽選に当選した場合)に、電動チューリップ27を作動させる電動チューリップ処理を実行する。その際、CPU101は、非電サポ状態では電動チューリップ27を極短期間(0.10秒間を1回)開放制御し、電サポ状態では電動チューリップ27を長期間(2.00秒間を3回)開放制御する。なお、電動チューリップ27が開放状態に制御されることによって第2始動口22に遊技球が入賞可能な状態となり、第2始動口22に遊技球が入賞することで、第2特別図柄抽選が行われることとなる。
次に、ステップS8において、CPU101は、遊技球の入賞個数の管理及び入賞に応じた賞球の払出しを制御する賞球処理を実行する。
次に、ステップS9において、CPU101は、ステップS2の始動口スイッチ処理、ステップS4の特別図柄処理、ステップS6の大入賞口処理、ステップS8の賞球処理等でRAM103にセットされた各種コマンドや演出に必要な情報を演出制御部400又は払出制御部300へ出力する出力処理を実行する。なお、CPU101は、第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、普通入賞口24に遊技球が入賞する毎に、それぞれの入賞口に遊技球が入賞したことを通知するための入賞コマンドをRAM103にセットして、当該入賞コマンドを演出制御部400又は払出制御部300へ出力する。
[始動口スイッチ処理]
図10は、図9のステップS2における始動口スイッチ処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図9のステップS2における始動口スイッチ処理について、図10を参照して説明する。
まず、ステップS201において、メイン制御部100のCPU101は、第1始動口スイッチ111aからの検出信号の有無に基づいて、第1始動口21に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ111aがONになったか否かを判定する。ステップS201での判定がYESの場合、処理はステップS202に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS207に移る。
ステップS202において、CPU101は、ROM102から第1特別図柄抽選の保留数の上限値Umax1(本実施形態では「4」)を読み出し、RAM103に記憶されている第1特別図柄抽選の保留数U1が上限値Umax1未満であるか否かを判定する。ステップS202での判定がYESの場合、処理はステップS203に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS207に移る。
ステップS203において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U1の値を、1加算した値に更新する。また、CPU101は、第1始動口21に遊技球が入賞したことを演出制御部400に対して通知するための入賞コマンドをRAM103にセットする。この入賞コマンドは、図9のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信される。その後、処理はステップS204に移る。
ステップS204において、CPU101は、第1特別図柄抽選等に使用される乱数のセット(大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得して、取得した乱数の各セット(遊技情報)を、時系列順でRAM103に格納する。なお、後述する図11のステップS406の処理によって第1特別図柄抽選の保留数U1の値が1減算される度に、RAM103に格納された上記乱数セットは、格納時期が早いものから順に1セットずつ削除される。このことから、例えば第1特別図柄抽選の保留数U1の値が「3」の場合、直近3回のステップS204の処理によって取得された直近3回の上記乱数セットが、時系列順でRAM103に格納されていることとなる。その後、処理はステップS205に移る。
ステップS205において、CPU101は、事前判定処理を行う。具体的には、CPU101は、直近のステップS204の処理で取得されてRAM103に格納された大当り乱数等の乱数セット(つまり、直近に格納された第1特別図柄抽選用の大当り乱数等の乱数セット)を読み出し、この大当り乱数等がROM102に記憶されている所定値等と一致するか否かに基づいて、この大当り乱数を用いる第1特別図柄抽選の結果が大当りであるか否かや、リーチ演出を実行するか否か等を事前判定する。つまり、先読み予告演出や保留変化予告演出を実行するために必要な判定を、後述する図11のステップS407及びS408の処理に先立って事前判定する。その後、処理はステップS206に移る。
ステップS206において、CPU101は、第1特別図柄抽選の保留数が1増加したことを通知する第1保留数増加コマンドをRAM103にセットする。ここで、この第1保留数増加コマンドには、ステップS205の処理で行われた事前判定の結果を示す情報(以下、「事前判定情報」という)が含められている。なお、この事前判定情報を含む第1保留数増加コマンドが、図9のステップS9の出力処理によって出力されることにより、第1特別図柄抽選の保留に対する抽選結果が、第1特別図柄抽選における図柄変動が開始されるよりも前にメイン制御部100から演出制御部400に通知される。その後、処理はステップS207に移る。
ステップS207において、CPU101は、第2始動口スイッチ111bからの検出信号の有無に基づいて、第2始動口22に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ111bがONになったか否かを判定する。ステップS207での判定がYESの場合、処理はステップS208に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS3(ゲートスイッチ処理)に移る。
ステップS208において、CPU101は、ROM102から第2特別図柄抽選の保留数の上限値Umax2(本実施形態では「4」)を読み出し、RAM103に記憶されている第2特別図柄抽選の保留数U2が上限値Umax2未満であるか否かを判定する。ステップS208での判定がYESの場合、処理はステップS209に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS3(ゲートスイッチ処理)に移る。
ステップS209において、CPU101は、RAM103に格納されている保留数U2の値を、1加算した値に更新する。また、CPU101は、第2始動口22に遊技球が入賞したことを演出制御部400に対して通知するための入賞コマンドをRAM103にセットする。この入賞コマンドは、図9のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信される。その後、処理はステップS210に移る。
ステップS210において、CPU101は、第2特別図柄抽選等に使用される乱数のセット(大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得して、取得した乱数の各セットを、時系列順でRAM103に格納する。なお、後述する図11のステップS404の処理によって第2特別図柄抽選の保留数U2の値が1減算される度に、RAM103に格納された上記乱数セットは、格納時期が早いものから順に1セットずつ削除される。このことから、例えば第2特別図柄抽選の保留数U2の値が「3」の場合、直近3回のステップS210の処理によって取得された直近3回の上記乱数セットが、時系列順でRAM103に格納されていることとなる。その後、処理はステップS211に移る。
ステップS211において、CPU101は、事前判定処理を行う。具体的には、CPU101は、直近のステップS210の処理で取得されてRAM103に格納された大当り乱数等の乱数セット(つまり、直近に格納された第2特別図柄抽選用の大当り乱数等の乱数セット)を読み出し、この大当り乱数等がROM102に記憶されている所定値等と一致するか否かに基づいて、この大当り乱数を用いる第2特別図柄抽選の結果が大当りであるか否かや、リーチ演出を実行するか否か等を事前判定する。つまり、先読み予告演出や保留変化予告演出を実行するために必要な判定を、後述する図11のステップS407及びS408の処理に先立って事前判定する。その後、処理はステップS212に移る。
ステップS212において、CPU101は、第2特別図柄抽選の保留数が1増加したことを通知する第2保留数増加コマンドをRAM103にセットする。ここで、この第2保留数増加コマンドには、ステップS211の処理で行われた事前判定の結果を示す情報(事前判定情報)が含められている。なお、この事前判定情報を含む第2保留数増加コマンドが、図9のステップS9の出力処理によって出力されることにより、第2特別図柄抽選の保留に対する抽選結果が、第2特別図柄抽選における図柄変動が開始されるよりも前にメイン制御部100から演出制御部400に通知される。その後、処理は図9のステップS3(ゲートスイッチ処理)に移る。
[特別図柄処理]
図11は、図9のステップS4における特別図柄処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図11を参照して、図9のステップS4における特別図柄処理について説明する。
まず、ステップS401において、メイン制御部100のCPU101は、RAM103に記憶されている情報(典型的にはフラグによる情報)に基づいて、遊技機1の現在の状態が大当り遊技中(大当り遊技状態)であるか否かを判定する。つまり、特別図柄抽選に当選した場合に実行される大当り遊技(特別遊技)の実行中であるか否かを判定する。ステップS401での判定がYESの場合、処理は図9のステップS5(普通図柄処理)に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS402に移る。
ステップS402において、CPU101は、第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bによる特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する。ステップS402での判定がYESの場合、処理はステップS411に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS403に移る。
ステップS403において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U2が1以上であるか否か(つまり第2特別図柄抽選が保留されているか否か)を判定する。ステップS403での判定がYESの場合、処理はステップS404に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS405に移る。
ステップS404において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U2を、1減算した値に更新する。また、その際、CPU101は、RAM103に格納されている図10のステップS210によって取得されて格納された乱数セットのうち格納時期が最も早いものを読み出してRAM103から削除する。その後、処理はステップS407に移る。
一方、ステップS405において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U1が1以上であるか否か(つまり第1特別図柄抽選が保留されているか否か)を判定する。ステップS405での判定がYESの場合、処理はステップS406に移り、この判定がNOの場合、実行されるべき特別図柄抽選は無いとみなして、処理はステップS415に移る。
ステップS406において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U1を、1減算した値に更新する。また、その際、CPU101は、RAM103に格納されている図10のステップS204によって取得されて格納された乱数セットのうち格納時期が最も早いものを読み出してRAM103から削除する。その後、処理はステップS407に移る。
以上のステップS403〜S406の処理によって、第2特別図柄抽選が、第1特別図柄抽選よりも優先して実行されることとなる。
ステップS407において、CPU101は、特別図柄抽選が大当りであるかハズレであるかを判定する大当り判定処理を実行する。具体的には、ステップS404の処理に続いてステップS407の処理を実行する場合、CPU101は、このステップS404の処理でRAM103から読み出した大当り乱数が、ROM102に記憶されている大当りの当選値と一致するか否かに基づいて、第2特別図柄抽選の結果が大当りであるかハズレであるかを判定する。一方、ステップS406の処理に続いてステップS407の処理を実行する場合、CPU101は、このステップS406の処理でRAM103から読み出した大当り乱数が、ROM102に記憶されている大当りの当選値と一致するか否かに基づいて、第1特別図柄抽選の結果が大当りであるかハズレであるかを判定する。そして、CPU101は、特別図柄抽選の結果がハズレと判定した場合、特別図柄抽選にハズレたことを表すハズレ図柄を、設定情報における特別図柄の停止図柄としてRAM103にセットする。一方、CPU101は、特別図柄抽選の結果が大当りであると判定した場合、この判定に使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された図柄乱数がROM102に記憶されている所定値の何れと一致するかに基づいて、今回の大当りの種類を判定する。なお、本実施形態では、一例として、大当り遊技後に次回大当りするまで確変遊技状態に設定される確変大当りと、大当り遊技後に次回大当りするまで通常遊技状態に設定される通常大当りとがある。また、本実施形態では、第2特別図柄抽選の方が、第1特別図柄抽選よりも、遊技者の利益が比較的大きい確変大当りの当選割合が多いものとする。具体的には、第2特別図柄抽選では7割が確変大当りであり3割が通常大当りであり、一方、第1特別図柄抽選では4割が確変大当りであり6割が通常大当りである。そして、CPU101は、大当りしたこと及び大当りの種類を表す大当り図柄の情報を、設定情報における特別図柄の停止図柄の情報としてRAM103にセットする。その後、処理はステップS408に移る。
[変動パターン選択処理]
ステップS408において、CPU101は、変動パターン選択処理を実行する。具体的には、ステップS408において、CPU101は、通常遊技状態(非時短状態)のときには、図12−1及び図12-2に示す変動パターン決定テーブルHT1−1及びHT1−2を使用し、確変遊技状態(時短状態)のときには、図13−1及び図13−2に示す変動パターン決定テーブルHT2−1及びHT2−2を使用して、特別図柄抽選毎に変動パターンを決定(選択)する。ここで、この変動パターンは、表示器4に特別図柄が変動表示されてから停止表示されるまでの時間である特別図柄変動時間であり、この特別図柄変動時間は、報知演出の実行時間と同期しており報知演出の実行時間と同じ時間である。なお、以下では、変動パターン決定テーブルHT1−1、HT1−2、HT2−1およびHT2−2を、単に、HT1−1、HT1−2、HT2−1およびHT2−2いう場合がある。
まず、通常遊技状態(非時短状態)のときに、図12−1及び図12-2に示すHT1−1及びHT1−2を使用して変動パターンを選択する場合について、説明する。図12−1は、通常遊技状態(非時短状態)においてステップS407の処理で第1特別図柄抽選が実行された場合に、変動パターン決定に使用されるテーブルである。図12−2は、通常遊技状態(非時短状態)においてステップS407の処理で第2特別図柄抽選が実行された場合に、変動パターン決定に使用されるテーブルである。
[非時短状態/第1特別図柄抽選での変動パターン選択処理]
以下に、図12−1を用いて、通常遊技状態(非時短状態)においてステップS407の処理で第1特別図柄抽選が実行された場合における変動パターンの決定について、説明する。
ステップS408において、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で第1特別図柄抽選で大当りしたと判定した場合、変動パターン乱数に基づいて変動パターン(特別図柄変動時間)を決定する。具体的には、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数(0〜299のうちの何れか1つ)が、HT1−1の「大当り」の部分の各変動パターンに割り振られた乱数値の何れと一致するかに基づいて、変動パターン(特別図柄変動時間)を決定する。例えば、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数が「78」である場合、HT1−1の「大当り」の部分の変動パターン「90.03秒」に割り振られた乱数値「75〜124」に一致するので、変動パターンとして「90.03秒」を決定する。ここで、HT1−1に示すように、「大当り」の部分の変動パターン「15.01秒」、「40.01秒」、「40.02秒」、「40.03秒」、「90.01秒」、「90.02秒」、「90.03秒」、「90.04秒」及び「90.05秒」は、それぞれ、報知演出の演出パターンのタイプ「リーチ当り」、「第3SP当り」、「第2SP当り」、「第1SP当り」、「第5SPSP当り」、「第4SPSP当り」、「第3SPSP当り」、「第2SPSP当り」及び「第1SPSP当り」に対応する。また、「リーチ当り」はリーチ成立した後に大当りするタイプであり、「第1SP当り」〜「第3SP当り」は最終的にSPリーチに発展した後に大当りするタイプであり、「第1SPSP当り」〜「第5SPSP当り」は最終的にSPSPリーチに発展した後に大当りするタイプである。
なお、リーチ(リーチ成立)とは、報知演出において例えば複数の装飾図柄列のうち残りの1つが停止すると大当りを報知する特定の図柄状態になる演出であり、典型的には、右側と左側の装飾図柄列が同じ図柄(例えば7)で停止しており、残りの中央の装飾図柄列が同じ図柄(例えば7)で停止するとゾロ目(例えば777)となる演出である。また、SPリーチとは、一般にスーパーリーチやスペシャルリーチと呼ばれ、リーチよりも大当りすることを更に期待させる演出であり、例えば主人公のキャラクタが小判をゲットする動画像の演出である。また、SPSPリーチとは、一般にスーパースーパーリーチやスペシャルスペシャルリーチと呼ばれ、SPリーチ演出よりも大当りすることを更に期待させる演出であり、例えば主人公のキャラクタが敵のキャラクタと戦う動画像の演出である。
また、ステップS408において、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で第1特別図柄抽選でハズレと判定した場合、第1特別図柄抽選の保留数(U1)、リーチ乱数、及び変動パターン乱数に基づいて変動パターン(特別図柄変動時間)を決定する。
具体的には、CPU101は、第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」である場合、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出されたリーチ乱数(0〜99のうちの何れか1つ)が、HT1−1の「ハズレ」の保留数「1、2」の部分のリーチ乱数値範囲「0〜69」に含まれるのかリーチ乱数値範囲「70〜99」に含まれるのかを判定する。
そして、CPU101は、この読み出されたリーチ乱数がリーチ乱数値範囲「0〜69」に含まれる場合、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数(0〜299のうちの何れか1つ)が、変動パターン乱数値範囲「0〜59」に含まれるのか変動パターン乱数値範囲「60〜299」に含まれるのかを判定する。そして、CPU101は、この変動パターン乱数が変動パターン乱数値範囲「0〜59」に含まれる場合には変動パターンとして「8.00秒」を決定し、この変動パターン乱数が変動パターン乱数値範囲「60〜299」に含まれる場合には変動パターンとして「13.50秒」を決定する。ここで、HT1−1に示すように、変動パターン「8.00秒」及び「13.50秒」は、何れも、報知演出の演出パターンのタイプ「即ハズレ」に対応する。なお、「即ハズレ」は、リーチ成立もなく即ハズレる演出パターンのタイプである。
一方、CPU101は、この読み出されたリーチ乱数がリーチ乱数値範囲「70〜99」に含まれる場合、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数(0〜299のうちの何れか1つ)が、HT1−1の上記したリーチ乱数値範囲「70〜99」の部分の各変動パターンに割り振られた変動パターン乱数値範囲の何れに含まれるかに基づいて、変動パターン(特別図柄変動時間)を決定する。例えば、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数が「260」である場合、変動パターン「40.05秒」に割り振られた変動パターン乱数値範囲「256〜271」に含まれるので、変動パターンとして「40.05秒」を決定する。ここで、HT1−1に示すように、HT1−1の上記したリーチ乱数値範囲「70〜99」の部分の変動パターン「15.02秒」、「40.04秒」、「40.05秒」、「40.06秒」、「90.06秒」、「90.07秒」、「90.08秒」、「90.09秒」及び「90.10秒」は、それぞれ、報知演出の演出パターンのタイプ「リーチハズレ」、「第3SPハズレ」、「第2SPハズレ」、「第1SPハズレ」、「第5SPSPハズレ」、「第4SPSPハズレ」、「第3SPSPハズレ」、「第2SPSPハズレ」及び「第1SPSPハズレ」に対応する。また、「リーチハズレ」はリーチ成立した後にハズレるタイプであり、「第1SPハズレ」〜「第3SPハズレ」は最終的にSPリーチに発展した後にハズレるタイプであり、「第1SPSPハズレ」〜「第5SPSPハズレ」は最終的にSPSPリーチに発展した後にハズレるタイプである。
また、CPU101は、第1特別図柄抽選の保留数が「3」の場合、上記した第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」の場合と基本的に同様にして、変動パターンを決定する。但し、第1特別図柄抽選の保留数が「3」の場合には、CPU101は、HT1−1に示すように、上記した第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」の場合に対して、リーチ乱数値範囲「0〜69」を「0〜79」に置き換え、リーチ乱数値範囲「70〜99」を「80〜99」に置き換え、又、変動パターン「8.00秒」に割り振られた変動パターン乱数値範囲「0〜59」を「0〜209」に置き換え、変動パターン「13.50秒」に割り振られた変動パターン乱数値範囲「60〜299」を「210〜299」に置き換えた乱数値範囲によって、変動パターンを決定する。
また、CPU101は、第1特別図柄抽選の保留数が「4」の場合、上記した第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」の場合と基本的に同様にして、変動パターンを決定する。但し、第1特別図柄抽選の保留数が「4」の場合には、CPU101は、HT1−1に示すように、上記した第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」の場合に対して、リーチ乱数値範囲「0〜69」を「0〜84」に置き換え、リーチ乱数値範囲「70〜99」を「85〜99」に置き換え、又、変動パターン「8.00秒」に割り振られた変動パターン乱数値範囲「0〜59」を「210〜269」に置き換え、変動パターン「13.50秒」に割り振られた変動パターン乱数値範囲「60〜299」を「270〜299」に置き換え、更に、演出パターンのタイプ「即ハズレ」に対応し変動パターン乱数値範囲「0〜209」が割り振られた変動パターン「3.00秒」が加えられた内容の乱数値範囲によって、変動パターンを決定する。
以上に図12−1に示す変動パターン決定テーブルHT1−1を用いて説明したように、通常遊技状態(非時短状態)において第1特別図柄抽選でハズレた場合には、第1特別図柄抽選の保留数が少ないほど、リーチありの変動パターンが選択され易く、又、リーチなしの変動パターンが選択された場合には第1特別図柄抽選の保留数が少ないほど長い変動パターンが選択され易い。
[大当り信頼度]
ここで、大当り信頼度(大当り期待度)について説明する。大当り信頼度が高い演出とは、その演出が実行された場合において大当りが報知される可能性が高い演出であり、大当り信頼度が低い演出とは、その演出が実行された場合において大当りが報知される可能性が低い演出である。以下、図12−1に示すHT1−1を用いて具体的に説明する。HT1−1の「大当り」の部分から分かるように、大当りの場合には、「リーチ当り」、「第3SP当り」、「第2SP当り」、「第1SP当り」、「第5SPSP当り」、「第4SPSP当り」、「第3SPSP当り」、「第2SPSP当り」、「第1SPSP当り」の順で、変動パターン乱数値範囲が大きくなっている(一部同一あり)。一方で、HT1−1の「ハズレ」の部分から分かるように、ハズレの場合には、「リーチハズレ」、「第3SPハズレ」、「第2SPハズレ」、「第1SPハズレ」、「第5SPSPハズレ」、「第4SPSPハズレ」、「第3SPSPハズレ」、「第2SPSPハズレ」、「第1SPSPハズレ」の順で、変動パターン乱数値範囲が小さくなっている(一部同一あり)。以上から分かるように、大当りの場合に実行され易くハズレの場合に実行され難い演出は大当り信頼度が高い一方で、大当りの場合に実行され難くハズレの場合に実行され易い演出は大当り信頼度が低い。つまり、「リーチ演出」、「第3SPリーチ演出」、「第2SPリーチ演出」、「第1SPリーチ演出」、「第5SPSPリーチ演出」、「第4SPSPリーチ演出」、「第3SPSPリーチ演出」、「第2SPSPリーチ演出」、「第1SPSPリーチ演出」の順で大当り信頼度が高くなる。
[非時短状態/第2特別図柄抽選での変動パターン選択処理]
以下に、図12−2を用いて、通常遊技状態(非時短状態)においてステップS407の処理で第2特別図柄抽選が実行された場合における変動パターンの決定について、説明する。ステップS408において、CPU101は、図12−1を用いて説明した変動パターン決定の処理と基本的に同様の処理を行って、変動パターンを決定する。但し、CPU101は、図12−1を用いて説明した変動パターン決定の処理ではHT1−1を用いて第1特別図柄抽選に対して処理を行ったのに対して、この変動パターン決定の処理では図12−2に示すHT1−2を用いて第2特別図柄抽選に対して処理を行う点で異なる。ここで、図12−2に示すHT1−2は、図12−1に示したHT1−1に対して、「第1特別図柄抽選の保留数」が「第2特別図柄抽選の保留数」に置き換わった点で異なるのみである。つまり、図12−1を用いて説明した変動パターン決定の処理では第1特別図柄抽選の保留数が考慮されたのに対して、この変動パターン決定の処理では第2特別図柄抽選の保留数が考慮される。
[時短状態/第1特別図柄抽選での変動パターン選択処理]
以下に、図13−1を用いて、確変遊技状態(時短状態)においてステップS407の処理で第1特別図柄抽選が実行された場合における変動パターンの決定について、説明する。ステップS408において、CPU101は、図12−1を用いて説明した変動パターン決定の処理と基本的に同様の処理を行って、変動パターンを決定する。但し、CPU101は、図12−1を用いて説明した変動パターン決定の処理ではHT1−1を用いて第1特別図柄抽選に対して処理を行ったのに対して、この変動パターン決定の処理では図13−1に示すHT2−1を用いて第1特別図柄抽選に対して処理を行う点で異なる。ここで、図13−1に示すHT2−1は、図12−1に示したHT1−1に対して、「ハズレ」においてリーチ乱数によってリーチなしが選択された場合において、第1特別図柄抽選の保留数に関わらず一律に変動パターン「13.50秒」(即ハズレに対応)が選択される点で異なる。
[時短状態/第2特別図柄抽選での変動パターン選択処理]
以下に、図13−2を用いて、確変遊技状態(時短状態)においてステップS407の処理で第2特別図柄抽選が実行された場合における変動パターンの決定について、説明する。ステップS408において、CPU101は、図12−1を用いて説明した変動パターン決定の処理と基本的に同様の処理を行って、変動パターンを決定する。但し、CPU101は、図12−1を用いて説明した変動パターン決定の処理ではHT1−1を用いて第1特別図柄抽選に対して処理を行ったのに対して、この変動パターン決定の処理では図13−2に示すHT2−2を用いて第2特別図柄抽選に対して処理を行う点で異なる。ここで、図13−2に示すように、HT2−2は、図12−1に示したHT1−1に対して、「第1特別図柄抽選の保留数」が「第2特別図柄抽選の保留数」に置き換わっている。つまり、図12−1を用いて説明した変動パターン決定の処理では第1特別図柄抽選の保留数が考慮されたのに対して、この変動パターン決定の処理では第2特別図柄抽選の保留数が考慮される。また、図13−2に示すように、HT2−2では、「ハズレ」における第2特別図柄抽選の保留数「1」の場合においてリーチ乱数によってリーチなしが選択された場合に、一律に変動パターン「13.50秒」が決定される。また、図13−2に示すように、HT2−2では、「ハズレ」における第2特別図柄抽選の保留数「2〜4」の場合においてリーチ乱数によってリーチなしが選択された場合に、変動パターン乱数値範囲「0〜239」において変動パターン「2.00秒」が決定され、変動パターン乱数値範囲「240〜269」において変動パターン「4.00秒」が決定され、変動パターン乱数値範囲「270〜299」において変動パターン「10.00秒」が決定される。
ここで、ステップS403〜S406での処理で説明したように、本実施形態では、第2特別図柄抽選の保留が、第1特別図柄抽選の保留よりも優先して消化される。また、確変遊技状態(時短状態)では、図9のステップS5及びS7での処理で説明したように、電動チューリップ27が頻繁に長期間開放して第2始動口22に遊技球が頻繁に入賞するので、第2特別図柄抽選が頻繁に連続して実行される。また、ステップS407での処理で説明したように、第2始動口22への遊技球入賞による第2特別図柄抽選の方が、第1始動口21への遊技球入賞による第1特別図柄抽選よりも、次回大当りするまで確変遊技状態(時短状態)に制御される確変大当り(遊技者の利益が大きい大当り)の当選割合が多い。このことから、逆に言えば、確変遊技状態(時短状態)において、第1特別図柄抽選が実行されると、通常遊技状態に制御されることになる通常大当り(遊技者の利益が小さい大当り)に当選してしまう可能性が多くなってしまうと言える。本実施形態では、以上に図13−2のHT2−2を用いて説明したように、確変遊技状態(時短状態)においては、第2特別図柄抽選の保留数が2〜4でリーチなしの場合には短時間の変動パターン(2.00秒、4.00秒)を選択し易くして第2特別図柄抽選の保留が高速で消化されるようにしてスピード感のある遊技を実行する一方で、第2特別図柄抽選の保留数が1でリーチなしの場合には長時間の変動パターン(13.50秒)を必ず選択して遊技者に比較的不利な第1特別図柄抽選が実行され難く制御している。更に、本実施形態では、以上に図13−1のHT2−1を用いて説明したように、確変遊技状態(時短状態)においては、遊技者に比較的不利な第1特別図柄抽選が実行されたとしても、第1特別図柄抽選の保留数が1〜4の全てにおいて、リーチなしの場合には長時間の変動パターン(13.50秒)を必ず選択して、第2始動口22に遊技球が入賞して遊技者に比較的有利な第2特別図柄抽選が実行されるための時間を稼ぐように制御している。
以上のようにしてステップS408において決定された変動パターンの情報(つまり、報知演出の実行時間:報知演出の演出パターンのタイプの情報とも言える)は、設定情報としてRAM103にセットされる。その後、処理はステップS409に移る。
ステップS409において、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理によってセットされた設定情報、及びステップS408の変動パターン選択処理によってセットされた設定情報を含む報知演出開始コマンドを生成して、RAM103にセットする。ここで、報知演出開始コマンドは、演出制御部400に対して、画像表示部6及びスピーカ35等による報知演出の開始を指示するコマンドである。また、報知演出開始コマンドに含まれる設定情報には、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選の何れが実行されたかを示す情報も含まれる。また、CPU101は、現在の遊技状態(例えば、確変遊技状態)を示す遊技状態通知コマンドをRAM103にセットする。上記した報知演出開始コマンドおよび遊技状態通知コマンドは、図9のステップS9における出力処理によって、演出制御部400へ送信される。その後、処理はステップS410に移る。
ステップS410において、CPU101は、ステップS409の処理でセットされた報知演出開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bによる特別図柄の変動表示を開始する。その後、処理はステップS411に移る。
ステップS411において、CPU101は、ステップS410における特別図柄の変動表示の開始時点から、ステップS408の変動パターン選択処理で設定された変動パターンが示す特別図柄変動時間が経過したか否かを判定する。ステップS411での判定がYESの場合、処理はステップS412に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS5(普通図柄処理)に移る。
ステップS412において、CPU101は、画像表示部6等による報知演出の終了を指示する報知演出停止コマンドをRAM103にセットする。その後、処理はステップS413に移る。なお、ステップS412でセットされた報知演出停止コマンドは、図9のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信される。
ステップS413において、CPU101は、ステップS410の処理で開始した第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bによる特別図柄の変動表示を終了してその停止図柄を表示する。なお、このとき、CPU101は、図柄確定コマンドをRAM103にセットする。その後、処理はステップS414に移る。
ステップS414において、CPU101は、停止中処理を実行する。具体的には、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で大当りしたと判定した場合、RAM103に記憶されている情報(典型的にはフラグによる情報)を大当り遊技中(大当り遊技状態)であることを示すものに変更し、大当り遊技演出の開始を指示するオープニングコマンドをRAM103にセットする。なお、ステップS414における処理は、規定の確定時間(例えば0.5秒)が経過することで終了され、その後、処理は図9のステップS5(普通図柄処理)に移る。このため、次のタイマ割り込み処理によって再び図11に示す特別図柄処理が実行されるタイミングは、ステップS413の処理において特別図柄の変動表示が終了してから確定時間(0.5秒)を経過したタイミング(より厳密には、確定時間を経過して初めて到来する割り込みタイミング)となる。なお、上記したオープニングコマンドは、ステップS414の処理が開始されてから(ステップS413の処理が終了してから)、規定の確定時間(0.5秒)が経過すると、図9のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、大当り遊技演出が開始される。
ステップS415おいて、CPU101は、客待ちコマンドおよび現在の遊技状態を示す遊技状態通知コマンドを、ステップ416の処理(後述)で既に送信済みであるか否かを判定する。ここで、客待ちコマンドとは、ステップS414の処理が開始されてから規定の確定時間(0.5秒)を経過した時点(言い換えると、ステップS413の処理において特別図柄の変動表示が終了してから0.5秒経過した時点)において、特別図柄抽選の保留が存在しない場合に送信されるコマンドであり、特別図柄抽選の抽選結果を報知する報知演出が実行されていない状態(いわゆる客待ち状態)になったことを通知するコマンドである。ステップS415での判定がYESの場合、処理は図9のステップS5(普通図柄処理)に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS416に移る。
ステップS416おいて、CPU101は、客待ちコマンドおよび遊技状態通知コマンドをRAM103にセットする。この客待ちコマンドおよび遊技状態通知コマンドは図9のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、当該客待ちコマンドに基づいて、所定の停止演出(例えば装飾図柄停止表示の演出)が開始される。なお、上記した停止演出が開始されてから所定時間(例えば90秒)が経過すると、客待ち演出が開始される。ここで、客待ち演出は、例えば、遊技機1の題材となったコンテンツ(アニメや物語等)に関する映像を画像表示部6に表示させる演出や、例えば、遊技中に実行される所定の演出(例えばリーチ演出)の一部を画像表示部6に表示させる演出である。その後、処理は図9のステップS5(普通図柄処理)に移る。
[大入賞口処理]
図14及び図15は、図9のステップS6における大入賞口処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図9のステップS6における大入賞口処理について、図14及び図15を参照して説明する。
まず、ステップS601において、メイン制御部100のCPU101は、RAM103に格納されている情報(典型的には、フラグによる情報)に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技中であるか否かを判定する。ステップS601での判定がYESの場合、処理はステップS602に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS602において、CPU101は、RAM103に格納されている情報に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技のオープニング演出中であるか否かを判定する。ステップS602での判定がYESの場合、処理はステップS603に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS609に移る。
ステップS603において、CPU101は、オープニング演出の実行時間を規定する設定オープニング時間が経過したか否かを判定する。ステップS603での判定がYESの場合、処理はステップS604に移り、この判定がNOの場合、オープニング演出は終了していないので、処理は図9のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS604において、CPU101は、大当り遊技の全ラウンド数Rmaxと大当り遊技の大入賞口23の動作パターンとを設定し、その設定情報をRAM103にセットする。具体的には、CPU101は、大当り遊技に含まれるラウンドの数量(Rmax:本実施形態では「16」)と大当り遊技中の大入賞口23の動作パターンを設定し、その設定情報をRAM103にセットする。ステップS604の処理によって、大当り遊技の全ラウンド数Rmax、大当り遊技中のラウンドとラウンドとの間のインターバル時間、大当り遊技の最後にエンディング演出を行う時間である設定エンディング時間等が設定される。その後、処理はステップS605に移る。
ステップS605において、CPU101は、RAM103に格納されている大入賞口23への遊技球の入賞数Cを「0」にリセットする。その後、処理はステップS606に移る。
ステップS606において、CPU101は、RAM103に格納されている大当り遊技のラウンド数Rを、1加算した値に更新する。その後、処理はステップS607に移る。
ステップS607において、CPU101は、大入賞口開閉部115を制御して大入賞口23の開放制御を開始する。この処理によって、大当り遊技のラウンド(ラウンド遊技)が開始されて大入賞口23の開放動作(1回の開放動作)が開始される。その後、処理はステップS608に移る。
ステップS608において、CPU101は、ラウンド開始(ラウンド遊技開始)を通知するラウンド開始通知コマンドをRAM103にセットする。このラウンド開始通知コマンドは図9のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、ラウンド演出が開始されることとなる。なお、このラウンド開始通知コマンドには、ステップS604で設定された全ラウンド数Rmaxを示す情報およびステップS606の処理により更新された現在のラウンド数Rを示す情報が含まれている。その後、処理はステップS614に移る。
ステップS609において、CPU101は、RAM103に格納された情報に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技のインターバル中であるか否かを判定する。ステップS609での判定がYESの場合、処理はステップS610に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS611に移る。
ステップS610において、CPU101は、大当り遊技中の前回のラウンド終了時に大入賞口23が閉塞された時点から、ステップS604の処理で設定された大当り遊技中の設定インターバル時間が経過したか否かを判定する。ステップS610での判定がYESの場合、大当り遊技中の次のラウンドを開始するタイミングになっているので処理はステップS605に移り、この判定がNOの場合、大当り遊技中の次のラウンドを開始するタイミングになっていないので、処理は図9のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS611において、CPU101は、RAM103に格納された情報に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技のエンディング演出の実行中であるか否かを判定する。ステップS611での判定がYESの場合、処理は図15のステップS621に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS612に移る。
ステップS612において、CPU101は、遊技機1の状態が大当り遊技のラウンド中であると判断して、大入賞口スイッチ114からの検出信号の有無に基づいて、大入賞口スイッチ114がONになったか否かを判定する。ステップS612での判定がYESの場合、処理はステップS613に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS614に移る。
ステップS613において、CPU101は、大入賞口23への遊技球の入賞を検出したと判断して、RAM103に格納されている遊技球の入賞数Cを、1加算した値に更新する。ステップS613の処理が大入賞口スイッチ114がONになる毎に実行されることで、1つのラウンド中に大入賞口23に入賞した遊技球の総数(入賞数C)がRAM103に累積記憶されていく。また、CPU101は、大入賞口23に遊技球が入賞したことを演出制御部400に対して通知するための入賞コマンドをRAM103にセットする。この入賞コマンドは、図9のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、図18のステップS125の入賞処理が実行されることとなる。その後、処理はステップS614に移る。
ステップS614において、CPU101は、ステップS607の処理で大入賞口23の開放制御が開始された時点から規定の開放制御時間(本実施形態では29.5秒間)が経過したか否かを判定する。ステップS614での判定がYESの場合、処理はステップS616に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS615に移る。
ステップS615において、CPU101は、今回のラウンドにおける遊技球の入賞数Cが、大入賞口23が閉塞されるタイミングを規定する上限遊技球数Cmax(本実施形態では「10」)となったか否かを判定する。ステップS615での判定がYESの場合、処理はステップS616に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS616において、CPU101は、大入賞口開閉部115を制御して、ステップS607で開始した大入賞口23の開放制御を終了する。このように、CPU101は、大当り遊技中の各ラウンドにおいて、大入賞口23を開放してから29.5秒が経過するまでに大入賞口スイッチ114によって検出された遊技球の総数(入賞数C)が10個(Cmax)に達したこと、又は大入賞口23を開放してから10個の遊技球が入賞することなく29.5秒が経過したことを条件として大入賞口23を閉塞する。その後、処理はステップS617に移る。
ステップS617において、CPU101は、ラウンド終了(ラウンド遊技終了)を通知するラウンド終了通知コマンドをRAM103にセットする。このラウンド開始通知コマンドは図9のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、ラウンド演出が終了されることとなる。その後、処理はステップS618に移る。
ステップS618において、CPU101は、RAM103に格納されている現在のラウンド数Rが、ステップS604の処理で設定された大当り遊技の最大ラウンド数Rmaxに達したか否かを判定する。ステップS618での判定がYESの場合、処理は図15のステップS619に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
図15のステップS619において、CPU101は、RAM103に格納されているラウンド数Rを「0」にリセットする。その後、処理はステップS620に移る。
ステップS620において、CPU101は、演出制御部400に対して大当り遊技のエンディング演出の実行を指示するエンディングコマンドを、RAM103にセットする。この処理でセットされたエンディングコマンドは、図9のステップS9(出力処理)によって演出制御部400へ送信される。なお、このエンディングコマンドとしては、大当り図柄および大当り遊技終了後に制御される遊技状態に対応したコマンドが送信され、演出制御部400は、このエンディングコマンドに基づいて、エンディング演出終了後(大当り遊技演出終了後)の演出を制御する。具体的には、確変大当りを示す大当り図柄に対応したエンディングコマンドが送信された場合、演出制御部400は、当該エンディングコマンドに基づいて大当り遊技演出の終了後、確変遊技状態を示すモード演出を実行する。その後、処理はステップS621に移る。
ステップS621において、CPU101は、ステップS620でエンディングコマンドをRAM103にセットした時点から図14のステップS604の処理で設定された設定エンディング時間が経過したか否かを判定する。ステップS621での判定がYESの場合、処理はステップS622に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS622において、CPU101は、実行していた大当り遊技を終了する。具体的には、CPU101は、RAM103に格納されている大当り遊技中であることを示す設定情報(典型的には、フラグによる情報)を解除して、大当り遊技を終了する。その後、処理はステップS623に移る。
ステップS623において、CPU101は、遊技状態設定処理を実行する。具体的には、CPU101は、ステップS622で大当り遊技を終了した場合に、今回の大当りの種類(大当り図柄)に応じて遊技状態を切り替える(つまり、特別図柄抽選の当選確率設定および電動チューリップ27の開放設定を切り替える)。より具体的には、今回の大当りが通常大当りの場合は通常遊技状態に制御し、今回の大当りが確変大当りの場合は確変遊技状態に制御する。その後、処理は図9のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
[演出制御部による演出制御処理]
図16は、演出制御部400によって行われるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。以下に、図16を参照して、演出制御部400において行われるタイマ割込み処理について説明する。演出制御部400は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図16に示す一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図16以降のフローチャートに基づいて説明する演出制御部400で行われる処理は、ROM402に記憶されているプログラムに基づいて実行される。
まず、ステップS11において、演出制御部400のCPU401は、メイン制御部100から図9のステップS9の出力処理により出力された各種コマンドを受信して、受信したコマンドに応じて演出内容を設定し、設定した演出内容の演出を画像音響制御部500等に実行指示するための各種コマンドをRAM403にセットするコマンド受信処理を実行する。このコマンド受信処理については、図17及び図18を参照して後に詳述する。
次に、ステップS12において、CPU401は、ステップS11の処理でRAM403にセットされた各種コマンドを画像音響制御部500等に出力する出力処理を実行する。この処理によって、ステップS11の処理で実行決定された各種演出が、画像音響制御部500等の実行制御により、画像表示部6、
スピーカ35および盤ランプ8等で実行されることとなる。
なお、上記したタイマ割り込み処理の実行毎に、CPU401は、演出に使用する各種演出乱数(後述する第1演出乱数および第2演出乱数を含む)を更新する乱数更新処理を行う。この乱数更新処理においても、図9のステップS1の乱数更新処理と同様に、典型的にはループカウンタが用いられ、そのカウント値(更新された乱数値)は、最大値(例えば、99)に達した後は再び0に戻る(つまり、循環する)。また、この乱数更新処理において、各演出乱数のカウンタは、それぞれ、1回循環するとランダムに初期値(循環の起点となる値)を更新する。このことによって、これらの演出乱数の間でカウンタの値(カウント値)が同期することを回避できる。
[コマンド受信処理]
図17および図18は、図16のステップS11のコマンド受信処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図17および図18を参照して、図16のステップS11のコマンド受信処理について説明する。
まず、ステップS111において、演出制御部400のCPU401は、メイン制御部100から保留増加コマンド(第1保留数増加コマンド又は第2保留数増加コマンド)を受信したか否かを判定する(図10のステップS206及びS212参照)。ステップS111での判定がYESの場合、処理はステップS112に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS114に移る。
ステップS112において、CPU401は、ステップS111の処理で受信した保留増加コマンドに応じて、画像音響制御部500に指示して、画像表示部6に特別図柄抽選の保留を示す保留画像の追加表示処理や、保留画像を先読み表示態様に変化させる保留画像表示処理を行う。なお、表示された保留画像は、後述するステップS115の処理で報知演出が開始される際に順番に消化される。また、この画像音響制御部500への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。また、CPU401は、第1保留数増加コマンドを受信した場合、RAM403に、第1特別図柄抽選の保留を示すデータ(保留データ)を時系列順で1つ累積記憶させ、一方、第2保留数増加コマンドを受信した場合、RAM403に、第2特別図柄抽選の保留を示すデータ(保留データ)を時系列順で1つ累積記憶させる。また、その際に、CPU401は、保留増加コマンドに含まれる事前判定情報を抽出して上記した各保留データに含めて、RAM403に記憶する。その後、処理はステップS113に移る。
ステップS113において、CPU401は、先読み予告演出設定処理を行う。具体的には、CPU401は、RAM403に記憶されている特別図柄抽選の保留数(保留データの数)が、ステップS112で追加された保留を含めて2以上である場合、直近にRAM403に記憶された(つまり、直近の保留データに含まれる)事前判定情報に基づいて、先読み予告演出を実行するか否かを抽選等によって判定する。例えば、CPU401は、事前判定情報が、「大当り」を示すものである場合、「ハズレ」かつ「リーチ演出あり」を示すもの(リーチありハズレ)である場合、または、「ハズレ」かつ「リーチ演出なし」を示すもの(リーチなしハズレ)である場合のそれぞれにおいて、先読み乱数を取得し、当該先読み乱数が所定の先読み当選値に一致した場合に、先読み予告演出を実行すると決定する。なお、この先読み当選値は、事前判定情報が「大当り」の場合と、「リーチありハズレ」の場合と、「リーチなしハズレ」の場合とで、それぞれ異なる個数が設定されるものとしてもよい。具体的には、「大当り」の場合の先読み当選値の個数は、「リーチありハズレ」の場合の先読み当選値の個数よりも多く設定することにより、「大当り」時には先読み予告演出が実行され易いものとしてもよい。そして、先読み予告演出を実行すると決定した場合、CPU401は、この事前判定情報の条件(大当りしたか否かの条件等)を満たす多数の先読み予告演出のパターンから、抽選等によって、実行する先読み予告演出の内容を設定する。つまり、先読み予告演出として、各報知演出においてどの様な予告演出を行うかを設定する。なお、先読み予告演出は、例えば複数の報知演出に亘って大当りの可能性を示唆する予告演出である。その後、処理はステップS114に移る。
ステップS114において、CPU401は、図11のステップS409でセットされた報知演出開始コマンドおよび遊技状態通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS114での判定がYESの場合、処理はステップS115に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS116に移る。
ステップS115において、CPU401は、ステップS114の処理で受信した報知演出開始コマンドに応じて、画像音響制御部500等に指示して、画像表示部6等による報知演出を開始等する報知演出実行処理を行う。ここで、報知演出(変動演出)は、特別図柄の変動表示に応じて画像表示部6等において実行されて特別図柄抽選の結果を示唆する演出であり、例えば、装飾図柄DI(後述する図52参照)が変動表示され、当該変動表示された装飾図柄DIが停止表示されることにより特別図柄抽選の結果が報知される演出である。なお、この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。この報知演出実行処理については、図19を用いて後に詳述する。その後、処理はステップS116に移る。
ステップS116において、CPU401は、図11のステップS412の処理でセットされた報知演出停止コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS116での判定がYESの場合、処理はステップS117に移り、この判定がNOの場合、処理は図18のステップS120に移る。
ステップS117において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、ステップS115の処理で実行開始した報知演出を終了して、変動表示させていた装飾図柄を最終的に全て停止させて(確定停止表示させて)特別図柄抽選の結果を演出的に報知する。なお、この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理は図18のステップS120に移る。
図18のステップS120において、CPU401は、図11のステップS414の停止中処理でセットされたオープニングコマンドを受信したか否かを判定する。ステップS120での判定がYESの場合、処理はステップS121に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS122に移る。
ステップS121において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、大当り遊技演出のオープニング演出を開始する。つまり、大当り遊技演出を開始させる。ここで、大当り遊技演出のオープニング演出は、大当り遊技の開始を報知する演出であり、典型的には、大入賞口23に向けて遊技球を発射するように遊技者に促す画像演出である。この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS122に移る。
ステップS122において、CPU401は、図14のステップS608の処理でセットされたラウンド開始通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS122での判定がYESの場合、処理はステップS123に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS124に移る。
ステップS123において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、大当り遊技演出のラウンド演出を開始する。ここで、ラウンド演出は、大当り遊技のラウンド遊技中に実行される演出であり、例えば、主人公のキャラクタが敵のキャラクタと戦っている画像等による演出である。なお、この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS124に移る。
ステップS124において、CPU401は、図14のステップS613等の処理でセットされ、図9のステップS9の出力処理によって出力された入賞コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS124での判定がYESの場合、処理はステップS125に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS126に移る。
ステップS125において、CPU401は、画像音響制御部500に指示して入賞処理を開始する。ここで、入賞処理は、例えば大当り遊技中(ラウンド中)に開放される大入賞口23に入賞した遊技球に基づいて払い出された賞球数をカウントする処理であり、入賞処理の開始を指示された画像音響制御部500のCPU501は、演出制御部400を介して受信した入賞コマンドのうち、大入賞口23への遊技球入賞に基づく入賞コマンドを受信する毎に(すなわち、大入賞口23へ遊技球が1つ入賞する毎に)、大入賞口23に対応する賞球数「13」をRAM503に記憶された賞球総数に加算して更新し、更新された賞球総数を画像表示部6に表示する。その後、処理はステップS126に移る。
ステップS126において、CPU401は、図14のステップS617の処理でセットされたラウンド終了通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS126での判定がYESの場合、処理はステップS127に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS128に移る。
ステップS127において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、大当り遊技演出のラウンド演出を終了する。なお、この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS128に移る。
ステップS128において、CPU401は、図15のステップS620の処理でセットされたエンディングコマンドを受信したか否かを判定する。ステップS128での判定がYESの場合、処理はステップS129に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS130に移る。
ステップS129において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、大当り遊技演出のエンディング演出を開始する。つまり、大当り遊技演出を終了させる。ここで、エンディング演出は、大当り遊技の終了を報知する演出であり、典型的には、遊技機1のメーカー名を表示させる演出である。この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS130に移る。
ステップS130において、CPU401は、図11のステップS416の処理でセットされた客待ちコマンドおよび遊技状態通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS130での判定がYESの場合、処理はステップS131に移り、この判定がNOの場合、コマンド受信処理を終了し、処理は図16のステップS12に移る。
ステップS131において、CPU401は、ステップS130で受信した客待ちコマンドおよび遊技状態通知コマンドに基づいて、画像音響制御部500に指示して、停止状態処理を開始する。ここで、停止状態処理は、いわゆる客待ち状態になることを契機に開始される処理であり、停止状態処理の開始を指示された画像音響制御部500のCPU501は、遊技状態に応じた所定の停止演出(例えば、装飾図柄が停止表示された演出)を画像表示部6に表示する。なお、CPU501は、上記した停止演出を開始してから、所定時間(例えば90秒)が経過したときに、CPU401から、他の演出の指示を受けない場合、客待ち演出を開始する。なお、客待ち演出は、例えば、遊技機1の題材となったコンテンツ(アニメや物語等)に関する映像を画像表示部6に表示させる演出や、例えば、遊技中に実行される所定の演出(例えばリーチ演出)の一部を画像表示部6に表示させる演出である。そして、コマンド受信処理を終了し、処理は図16のステップS12に移る。
[本実施形態に係る遊技機の特徴的]
以下、図19〜図57を参照しながら、本実施形態に係る遊技機1の特徴を説明する。
[報知演出実行処理]
図19は、図17のステップS115の報知演出実行処理の一例を示す詳細フローチャートである。以下、図19を用いて、演出制御部400が行う報知演出実行処理について説明する。
まず、ステップS1151において、演出制御部400のCPU401は、図17のステップS114の処理で受信した報知演出開始コマンドに含まれる大当り乱数に基づき、特別図柄抽選に当選したか(大当りしたか)否かを判定する。ステップS1151の判定がYESの場合、処理はステップS1152に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS1153に移る。
次に、ステップS1152において、CPU401は、特別図柄の変動表示の終了時に画像表示部6に確定表示する図柄(大当りを報知する装飾図柄)を決定する。より詳細には、CPU401は、図17のステップS114の処理で受信した報知演出開始コマンドに含まれる設定情報に含まれる大当りの種類(8ラウンド通常大当り、8ラウンド確変大当り、15ラウンド確変大当り等)に対応する図柄を、確定表示する図柄として選択する。CPU401は、大当りの種類と図柄との対応を予め関連付けたテーブル等を参照して、大当り報知のために確定表示する図柄を決定する。その後、処理はステップS1153に移る。
ステップS1153において、CPU401は、報知演出開始コマンドに含まれる変動パターン(変動時間)に基づき、実行する演出パターン(演出シナリオ)を決定する。演出パターンは、変動パターン毎に予め複数用意されており、CPU401は、報知演出開始コマンドに含まれる変動パターン(変動時間)に対応した複数の演出パターンの中から、実行する演出パターンを抽選により決定する。その後、処理は、ステップS1154に移る。
ステップS1154において、CPU401は、リーチ演出を行うか否かを判定する。具体的には、CPU401は、報知演出開始コマンドに含まれる大当り乱数に基づいて特別図柄抽選に当選したと判定した場合には、リーチ演出を実行すると判定する。また、CPU401は、特別図柄抽選に落選したと判定した場合には、報知演出開始コマンドに含まれるリーチ乱数に基づいてリーチ演出を実行するか否かを判定する。1回の報知演出中には、複数回のリーチ演出を実行可能であり、ステップS1153で選択した演出パターンに複数回のリーチ演出の実行(例えば、前半リーチと後半リーチ)が定義されている場合は、CPU401は、設定された数だけリーチ演出の内容を決定する。ステップS1154の判定がYESの場合、処理はステップS1155に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS1157に移る。
ステップS1155において、CPU401は、実行するリーチ演出の内容を決定する。具体的には、CPU401は、予め用意された複数のリーチ演出の中から、抽選によりリーチ演出の内容を決定する。その後、処理はステップS1156に移る。
ステップS1156において、CPU401は、リーチ演出と同時に行うチャンスアップ演出の内容を決定する。チャンスアップ演出とは、リーチ演出実行時に表示するタイトルや文字、フレーム、背景等の色や模様を変化させたり、リーチ演出中に演出ボタン37を用いたボタン演出を行ったりすることによって、チャンスアップ演出を行わない場合と比べてリーチ演出によって示唆される大当り信頼度がより高いことを報知するための演出である。CPU401は、リーチ演出毎に同時実行可能なチャンスアップ演出を定義したテーブルを参照し、報知演出開始コマンドに含まれる変動パターンに基づいて、抽選によりチャンスアップ演出を決定する。尚、1回の報知演出中に複数回のリーチ演出を実行する場合は、リーチ演出毎にチャンスアップ演出の内容を決定する。その後、処理はステップS1157に移る。
ステップS1157において、CPU401は、報知演出中に実行するその他の演出内容を決定する。ここで決定する演出内容の例としては、例えば、報知演出中に保留画像の色や図柄をより大当たり信頼度が高い態様に変化させる演出や、報知演出中にカットイン画像を表示させる演出、報知演出中にミニキャラを登場させて大当りを示唆する演出、大当りを示唆する文字や図柄等を表示させる演出等が挙げられる。その後、処理はステップS1158に移る。
ステップS1158において、CPU401は、画像表示部6の図柄表示領域において図柄を変動表示させた後に仮停止させる図柄と、仮停止時の演出内容を決定する。ステップS1151において、CPU401が特別図柄抽選に当選していないと判定した場合は、このステップS1158で決定した仮停止図柄が本停止図柄にもなる。その後処理は、ステップS1159に移る。
ステップS1159において、CPU401は、画像音響制御部500に報知演出の実行を開始させる。なお、画像音響制御部500への指示は、ステップS1151〜S1158で決定した報知演出の内容を定義した報知演出実行開始コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理は図17のステップS116に移る。
図20は、図18のステップS125のオープニング演出処理の一例を示す詳細フローチャートである。以下、図20を用いて、演出制御部400が行うオープニング演出処理について説明する。
まず、ステップS1211において、演出制御部400のCPU401は、大当り遊技演出中の昇格シナリオを抽選等により決定する。昇格シナリオは、報知演出開始コマンドに設定された図柄乱数によって決定された大当り種類を大当り遊技演出中に確定報知するための演出内容を定義したものである。より詳細には、本実施形態に係る遊技機1は、大当り遊技演出のオープニング演出において、図柄乱数によって決定された大当り種類を報知せず、その後の大当り遊技演出中に昇格演出を行い、昇格演出の結果によって、図柄乱数によって決定された大当り種類を報知する演出を実行可能である。昇格シナリオとして、昇格演出の結果と大当り種類の報知方法の組み合わせが予め定められている。昇格シナリオの具体例としては、昇格演出を成功させて確変大当りを報知するパターンや、昇格演出を失敗させて通常大当りを報知するパターンや、昇格演出を失敗させるが、その後エンディングで復活確変大当りを報知するパターンなどが挙げられる。その後、処理はステップS1212に移る。
ステップS1212において、CPU401は、大当り遊技演出中に行う昇格演出の内容を抽選等により決定する。昇格演出としては、例えば、演出ボタン37や演出キー38で操作可能なゲームを画像表示部6で実行し、ゲームの結果に応じて、大当り種類の昇格の有無を報知する演出が挙げられる。その後、処理はステップS1213に移る。
ステップS1213において、CPU401は、画像音響制御部500にオープング演出の実行を開始させる。なお、画像音響制御部500への指示は、オープニング演出の実行を指示するオープニング演出実行開始コマンドをRAM403にセットすることで行われる。オープニング演出実行開始コマンドには、ステップS1211及びS1213で決定された昇格シナリオ及び昇格演出内容を特定する情報が含まれる。その後、処理は図17のステップS116に移る。
[遊技機1を用いたシステムの構成]
図21は、本実施形態に係る遊技機を用いたメッセージ送受信システムの概略構成図である。
図21に示す携帯端末70は、スマートフォンやタブレット端末、携帯電話機等のネットワーク経由でデータを送受信可能な端末装置である。携帯端末70には、サーバ71を介してテキストや画像を送受信するメッセンジャーアプリケーション(以下、単に「アプリケーション」という)がインストールされており、携帯端末70のユーザは、サーバ71に接続される他の外部端末70との間でメッセージを送受信したり、共有したりすることができる。
本実施形態に係る遊技機1は、所定のタイミングで画像表示部6上に、携帯端末70にインストールされたアプリケーションに所定動作を実行させるための識別コードを表示可能である。遊技機1は、例えば、一次元コード(バーコード)や、QRコード(登録商標)に代表される二次元コード、AR(拡張現実)マーカ、数字や文字の組み合わせ等の形態で識別コードを表示する。この識別コードには、遊技機1で行われている遊技に関する情報が含まれている。
ユーザAが携帯端末70のアプリケーションに表示された識別コードを入力すると、アプリケーションは、入力された識別コードから遊技に関する情報を抽出し、抽出した遊技に関する情報をサーバ71に送信する。サーバ71は、携帯端末70から受信した遊技に関する情報に基づいてユーザAが遊技中の遊技機1に関するメッセージを作成し、サーバ71に接続されているユーザB及びCの携帯端末70及びに対して作成したメッセージを送信する。これにより、ユーザAが遊技中の遊技機1の遊技に関する情報を、他のユーザB及びCと共有することができる。
詳細は後述するが、遊技機1は、遊技に関する情報として、実行中の報知演出の内容、実行中の大当り遊技演出の内容、及び、遊技結果の少なくとも1つを含む識別コードを画像表示部6に表示させる。サーバ71は、携帯端末70から実行中の報知演出の内容を受信した場合には、報知演出中に行われる演出内容(例えば、予告演出の種類やリーチ演出の種類等)を通知するメッセージを、予め定められたタイミングで経時的に携帯端末70に送信する。また、サーバ71は、携帯端末70から大当り遊技演出の内容を受信した場合には、大当り遊技演出中に行われる演出内容(昇格演出の内容や昇格演出の結果等)を通知するメッセージを、予め定められたタイミングで携帯端末70に送信する。更に、サーバ71は、携帯端末70から遊技結果に関する情報を受信した場合には、予め定められたタイミングで遊技結果を通知するメッセージを携帯端末70に送信する。
図22は、図21に示した遊技機1、携帯端末70及びサーバ71の相互作用を示すシーケンス図である。図22を参照しながら、遊技機1から出力される識別コードを用いたメッセージの送受信処理の概要を説明する。
まず、ユーザC、ユーザB及びユーザAがサーバ71にログインし、同じグループに参加する(ステップA〜C)。ユーザA〜Cが同じグループに参加入ることによって、サーバ71を介して相互にメッセージを送受信することができるようになる。
次に、ユーザAが遊技中の遊技機1は、所定のタイミングで識別コードを生成し(ステップD)、遊技機1が画像表示部6上に識別コードを表示する(ステップE)。
次に、ユーザAが携帯端末70に遊技機1の画像表示部6上に表示された識別コードを入力すると、携帯端末70は、識別コードを解析して、識別コードに含まれる識別情報を抽出する(ステップF)。尚、識別コードが二次元コード等の画像である場合には、携帯端末70に備わる撮像部(カメラ)で識別コードを撮影することによって識別コードを携帯端末70に取り込むことができる。次に、携帯端末70は、抽出した識別情報をサーバ71に送信する(ステップG)。
次に、サーバ71は、携帯端末70から識別情報を受信すると、識別情報を解析し(ステップH)、識別情報に含まれる情報に基づいて送信メッセージを作成する(ステップI)。サーバ71は、作成した送信メッセージを所定のタイミングでユーザA〜Cの携帯端末70に送信する(ステップJ、L、N)。ユーザA〜Cの携帯端末70は、サーバ71からメッセージ受信すると、受信したメッセージを表示画面に表示する(ステップK、M、O)。尚、サーバ71がメッセージを送信するタイミングについては後述する。
尚、サーバ71が送信メッセージを複数作成した場合には、ステップJ〜Oを繰り返すことによって、ユーザA〜Cの携帯端末70の表示画面に、複数のメッセージが順に表示される。
図23は、本実施形態に係る遊技機1、携帯端末70及びサーバ71の概略構成を示す機能ブロック図である。
[遊技機1の構成]
遊技機1の画像音響制御部500は、所定条件を満たしたときに、報知演出内容を特定する情報、大当り遊技演出内容を特定する情報、遊技結果に関する情報に基づいて、識別コードを生成する。報知演出内容を特定する情報及び遊技結果に関する情報は、図19のステップS1159で演出制御部400が出力する報知演出実行開始コマンドに含まれる情報である。また、大当り遊技内容を特定する情報は、図20のステップS1213で演出制御部が出力したオープニング演出実行開始コマンドに含まれる情報である。画像音響制御部500は、生成した識別コードを画像表示部6上の所定領域に表示する。尚、画像音響制御部500が行う識別コード生成処理の詳細は後述する。
[識別コードの表示タイミング]
図24は、遊技機1による識別コードの表示タイミングを示すタイムチャートであり、図25は、画像表示部6への識別コードの表示例を示す図である。
遊技機1の画像音響制御部500は、報知演出中(特別図柄の変動表示中)、大当り遊技演出中、大当り遊技演出終了後に制御される特定演出モード中に識別コードを表示可能である。尚、本実施形態に係る遊技機1では、1回の報知演出中に装飾図柄の仮停止と再変動とを複数回行うことにより、擬似的に複数回の装飾図柄変動が行われているように見せる疑似連続変動(疑似連)演出を実行可能である。以下においては、説明の便宜上、疑似連演出中の最初の装飾図柄の仮停止後に行われる装飾図柄の再変動を「疑似2連目の再変動」といい、疑似2連目の再変動開始後であって、装飾図柄の2回目の仮停止後に行われる装飾図柄の再変動を「疑似3連目の再変動」という。以下、これらの識別コード表示タイミングの詳細を説明する。
図24(1)に、1回の報知演出実行中における識別コードの表示タイミングを示す。画像音響制御部500は、特別図柄の変動開始時(表示タイミングa1)、疑似2連目の再変動開始時(表示タイミングa2)、疑似3連目の再変動開始時(表示タイミングa3)、特定リーチ開始時(表示タイミングa4)のいずれかにおいて識別コードを画像表示部6に表示可能である。画像音響制御部500が表示タイミングa1〜a4のいずれで識別コードを表示するかは、抽選により決定しても良いし、実行される報知演出の内容毎に予め定めても良い。
図25(1)〜図25(3)に、報知演出中における識別コードの表示例を示す。図25(1)は、報知演出開始時(図24(1)の表示タイミングa1)に識別コードを表示する例を示す。図25(1)の例では、装飾図柄が「628」で停止表示された後、次の報知演出の開始時に装飾図柄の変動開始に伴って、識別コード730が画像表示部6の左上に表示されている。また、識別コード730の下部には、識別コード730の表示期間を示すゲージ731が併せて表示されている。ゲージ731は、時間経過と共に表示態様を変化させることによって残り時間を表す。図25の例では、ゲージ731は、バーの長さ(黒い部分)が時間経過に伴って短くなり、バーの長さがゼロになったときに識別コード730の表示期間が終了することを示す。画像音響制御部500は、識別コード730の表示開始から所定の表示時間が経過すると、識別コード730及びゲージ731を画像表示部6から消去する。
図25(2)は、疑似連演出中の装飾図柄の再変動時(図24(1)の表示タイミングa2及びa3)に識別コードを表示する例を示す。図25(2)の例では、中央の装飾図柄表示領域に疑似連図柄732が仮停止した後、装飾図柄の再変動開始に伴って、識別コード730及びゲージ731が画像表示部6の左上に表示されている。
図25(3)は、特定リーチ演出の開始時(図24(1)の表示タイミングa4)に識別コードを表示する例を示す。以下の説明においては、特定リーチ演出がSPSPリーチ演出であるとして説明する。図25(3)の例では、SPSPリーチ演出の開始に伴って、識別コード730及びゲージ731が画像表示部6の左上に表示されている。
図24(2)に、大当り遊技演出中における識別コードの表示タイミングを示す。画像音響制御部500は、大当り遊技演出のオープニング演出の開始時(表示タイミングb)に識別コードを画像表示部6に表示可能である。図25(4)に、大当り遊技演出中における識別コード730の表示例を示す。図25(4)の例では、装飾図柄が「777」で停止した後、オープニング演出の開始に伴って、識別コード730及びゲージ731が画像表示部6の左上に表示されている。
図24(3)に、大当り遊技演出終了後における識別コードの表示タイミングを示す。本実施形態に係る遊技機1の演出制御部400は、通常大当りの大当り遊技演出の後に、画像表示部6において実行される演出のモードを、所定の変動回数(K回)の間、遊技状態が低確かつ非時短の特定演出モードに制御する。この特定演出モード中には、遊技機1の演出制御部400は、演出ボタン37や演出キー38の操作によってポイントを獲得できるミニゲームを画像表示部6において実行する。遊技者によって行われる演出ボタン37や演出キー38の操作入力は、ランプ制御部600を介して演出制御部400に通知され、演出制御部400は、演出ボタン37や演出キー38の操作入力が所定条件を満たすか否かに基づいて、ミニゲームの結果(スコア)を変化させる。特定演出モードの最終変動中(図24(3)における(M+K)変動中)には、特定演出モードで行われたミニゲームのスコアや、特定演出モードが開始する前の大当り遊技演出中に獲得した遊技球の個数や連続大当り回数等の遊技結果に関する情報が報知される。
本実施形態においては、画像音響制御部500は、特定演出モードの最終変動の開始時(表示タイミングc)に識別コードを画像表示部6に表示可能である。図25(5)に、特定演出モードの最終変動中における識別コード730の表示例を示す。図25(5)の例では、特定演出モード中に演出ボタン37の連打によってキャラクタ732を操作してポイントを獲得するミニゲームを行った後、特定演出モードの最終変動の開始に伴って、識別コード730及びゲージ731が画像表示部6の左上に表示されている。尚、特定演出モードの最終変動中には、図25(5)に示すように、特定演出モード中のミニゲームで獲得したポイント数とランクとが画像表示部6上で報知されている。
[識別コードの詳細]
以下、図26〜図34を参照しながら、遊技機1が出力する識別コードの詳細を説明する。
図26は、識別コードとしてコード化される識別情報のデータフォーマットの一例を示す図である。
本実施形態においては、識別コードとしてコード化される識別情報には、遊技機識別情報、誤り検出符号、時間、識別コード判別フラグ、表示タイミング、リーチ種類、チャンスアップ情報、演出パターン、演出情報、プレミア演出情報、特定強演出情報、大当り種類、昇格シナリオ、特別図柄情報、昇格演出内容、回転数、総回転数、総当り回数、連続大当り回数、出玉数情報、ミニゲームスコアが含まれる。
遊技機識別情報は、遊技機1に設定される一意な情報であり、例えば、識別コードに含まれる識別情報が遊技機1から出力されたものであるか否かを判定するために用いることができる。誤り検出符号は、チェックサムやCRC等の識別情報の誤りを検出するために用いる情報である。時間は、遊技機1によって識別コードが生成された時刻を表す情報である。識別コード判別フラグは、識別コードがメッセージ送信のために用いられるものであることを判定するためのものであり、遊技機1から出力される他の識別コードであって、本実施形態で説明するメッセージ送信以外の機能(例えば、遊技履歴記録機能)を実現するための識別コードと区別するために用いられる。
表示タイミングは、図24で説明した識別コードの表示タイミング(a1〜a3、b、c)を特定するための情報である。図27に表示タイミングの例を示す。図27の例では、表示タイミングとして、「変動開始時」、「疑似2連目の再変動開始時」、「疑似3連目の再変動開始時」、「SPSPリーチ演出開始時」、「オープニング演出開始時」、「特定演出モードの最終変動開始時」が定義されている。画像音響制御部500は、識別コードの生成時に、これらのいずれかの値を表示タイミングに設定する。
リーチ種類は、報知演出中に行われるリーチの種類を特定するための情報である。また、チャンスアップ情報は、リーチ演出に組み合わされる演出効果や演出内容を特定するための情報である。図28(1)に、リーチ種類の例を示し、図28(2)に、チャンスアップ演出の例及び各リーチ演出との組み合わせの可否を示す。本実施形態に係る遊技機1は、1回の報知演出の前半と後半とにそれぞれ異なるリーチ演出を実行することができ、報知演出の前半で実行可能なリーチ演出と、報知演出の後半で実行可能なリーチ演出とが予め定められている。また、上述したように、リーチ演出にはチャンスアップ情報を組み合わせることによって、リーチ演出のバリエーションを増やすことができ、リーチ演出が報知する大当たり信頼度を変化させることができる。例えば、図28(1)に示す前半リーチの「SPリーチA−1」には、チャンスアップ演出として、「前半リーチタイトル:赤」、「前半リーチタイトル:金」、「前半文字色:赤」を組み合わせ可能である。リーチ種類及びチャンスアップ演出は、図19のステップS1155及びS1156において演出制御部400が決定した演出内容である。
演出パターンは、変動パターン毎に定められた演出のパターンを特定する情報であり、図19のステップS1153において、演出制御部400が選択したものである。図29に演出パターンの例を示す。例えば、図29に示す演出パターンNo.19は、特別図柄抽選の結果が大当りであった場合に選択される演出パターンであり、報知演出の開始後に、装飾図柄の仮停止及び再変動(疑似連続変動)を2回行った後、SPリーチ演出を行い、更にSPSPリーチ演出を行ってから大当りを確定報知するという演出内容が定義されている。
演出情報は、演出パターンによって定められた演出内容に組み合わされる1以上の演出を特定するための情報である。図30に演出情報の例を示す。演出情報に設定される演出内容は、図19のステップS1157において演出制御部400が設定した演出内容であり、1以上の演出内容を組み合わせて設定される。
プレミア演出情報及び特定強演出情報もまた、上述した演出パターンによって定められた演出内容に組み合わされる演出を特定するための情報である。プレミア演出情報に設定されるプレミア演出は、出現頻度が極めて低く、特別図柄抽選の結果が大当りの時に選ばれやすい演出であり、例えば、文字や背景、フレーム等をアニマル柄で表示する演出内容が該当する。また、特定強演出情報に設定される特定強演出は、特別図柄抽選の結果が大当りの時に選ばれやすく、特定のリーチ演出に組み合わせて実行される演出である。尚、プレミア演出情報及び特定強演出情報は、上述した演出情報に含めても良い。
大当り種類は、オープニング演出において報知する大当りの種類を特定する情報である。図31に大当り種類の例を示す。図31の例では、大当り種類として、「ハズレ」、「ノーマルボーナス」、「スーパーボーナス」、「確変ボーナス」が定義されている。
特別図柄情報は、報知演出開始コマンドに設定された図柄乱数によって決定される特別図柄を特定するデータである。図32に特別図柄情報の例を示す。図32の例では、特別図柄情報として、「8R_通常」、「8R_確変」、「4R_確変」、「15R_確変」が定義されている。
昇格シナリオは、昇格演出の結果と大当り種類の報知方法の組み合わせをパターンとして予め定めた情報である。図33に昇格シナリオの例を示す。例えば、図33に示す昇格シナリオNo.4には、大当り遊技演出中に昇格演出として行われる確変チャレンジゲームに失敗したことを報知した後、エンディングで確変大当りに当選したことを復活報知するという演出内容が定義されている。
昇格演出内容は、大当り遊技演出中に行われる昇格演出の内容を特定するデータである。図34に昇格演出内容の例を示す。
回転数、総回転数、総当り回数、連続大当り回数、出玉数、ミニゲームスコアは、遊技結果を報知するために用いられる情報である。回転数は、前回の大当り終了後から今回の大当りまでに行われた特別図柄の変動回数を示すータである。前回の大当り終了から今回の大当りまでの特別図柄の変動回数に代えて、前回の連続大当りの終了から今回の大当りまでの特別図柄の変動回数を設定しても良い。総回転数は、遊技機1の電源投入後に行われた全ての特別図柄の変動回数を示す情報である。総当たり回数は、遊技機1の電源投入後に当選した全ての大当り回数を特定する情報である。連続大当り回数は、初当り(低確・非電サポ・非時短状態に制御される通常遊技状態での大当り)からの連続大当り回数を示すデータである。出玉数は、初当り(低確・非電サポ・非時短状態に制御される通常遊技状態での大当り)以降に獲得した遊技球の数を示す情報である。ミニゲームスコアは、大当り遊技演出後の特定演出モード中に行われるミニゲームで獲得したスコアを示す情報である。
尚、図26〜図34に示した識別情報のデータフォーマット及び識別情報に設定される内容は一例であって、サーバ71から携帯端末70に送信する送信メッセージの内容に応じて変更可能である。本実施形態では、報知演出中に識別コードを表示する場合、画像音響制御部500は、遊技機識別情報等のコードの生成に不可欠な情報の他に、少なくとも、表示タイミング、リーチ種類、チャンスアップ情報、演出パターン、演出情報、プレミア演出情報、特定強演出情報を含む識別コードを生成する。また、大当り遊技演出中に識別コードを表示する場合、画像音響制御部500は、遊技機識別情報等のコードの生成に不可欠な情報の他に、少なくとも、大当り種類、昇格シナリオ、特別図柄情報、昇格演出内容を含む識別コードを生成する。更に、大当り遊技演出後の特定演出モードにおいて識別コードを表示する場合、画像音響制御部は、遊技機識別情報等のコードの生成に不可欠な情報の他に、少なくとも、連続大当り回数、出玉数、ミニゲームスコアを含む識別コードを生成する。
[識別コード生成・表示処理]
以下、図35及び図36を参照しながら、識別コードの生成・表示処理について説明する。本実施形態では、特別図柄の変動中に識別コードを表示する場合(図24(1)及び(3))には、画像音響制御部500は、報知演出実行処理において、識別コードを生成して画像表示部6に表示させ、大当り遊技演出中に識別コードを表示する場合(図24(2))には、画像音響制御部500は、オープニング演出実行処理において、識別コードを生成し画像表示部6に表示させる。
図35は、画像音響制御部500が実行する報知演出実行処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS151において、画像音響制御部500のCPU501は、図19のステップS1159において演出制御部400がセットした報知演出実行開始コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS151の判定がYESの場合、処理はステップS152に移り、この判定がNOの場合、処理を終了する。
次に、ステップS152において、CPU501は、報知演出実行開始コマンドに設定された演出を実行する。その後、処理はステップS153に移る。
次に、ステップS153において、CPU501は、大当り遊技演出の後に行われる特定演出モード中であるか否かを判定する。大当り遊技演出後の特定演出モード中には、演出制御部400から当該特定演出モード専用の演出の実行が指示されるため、CPU501は、受信した報知演出実行開始コマンドに含まれる演出パターンに基づいて、特定演出モード中であるか否かを判定する。
ステップS153の判定がYESの場合、処理はステップS154に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS160に移る。
次に、ステップS154において、CPU501は、特定演出モードの最終変動であるか否かを判定する。特定演出モードの変動回数は予め定められているため、CPU501が特定演出モード中に実行した報知演出の回数をカウントすることにより、特定演出モード中の最終回の報知演出であることを判定しても良いし、演出制御部400のCPU401が報知演出実行開始コマンドに特定演出モードの最終回の報知演出であることを示す情報をセットし、この情報に基づいて特定演出モードの最終回の報知演出であることを判定してもよい。ステップS154の判定がYESの場合、処理はステップS155に移り、この判定がNOの場合、処理を終了する。
次に、ステップS155において、CPU501は、識別コードを生成する。ステップS155において生成される識別コードは、図24(3)に示した表示タイミングで表示されるものであるので、CPU501は、表示タイミングに「特定演出モードの最終変動開始時」を設定し、少なくとも、連続大当り回数、出玉数、ミニゲームスコアに値を設定する。その後、処理はステップS156に移る。
次に、ステップS156において、CPU501は、生成した識別コードを画像表示部6に表示させる。その後、処理はステップS157に移る。
次に、ステップS157において、CPU501は、識別コードの表示期間を示すゲージを画像表示部6に表示させる。CPU501は、時間経過に伴ってゲージの表示態様を変化させることによって、識別コードの表示期間が減少していることを遊技者に報知する。識別コードの表示期間は、ゲージ以外で報知しても良く、時間経過に伴って数値がカウントダウンまたはカウントアップされる数字、時間経過に伴って面積が変化する画像等、時間経過に伴って表示態様を変化させることができるものであれば良い。その後処理は、ステップS158に移る。
ステップS158において、CPU501は、識別コードの表示期間が終了したか否かを判定する。ステップS158の判定がYESの場合、処理はステップS159に移り、この判定がNOの場合、所定のインターバル時間の経過後に、再度ステップS158の判定を行う。
ステップS159において、CPU501は、識別コード及びゲージを画像表示部6から消去する。その後、処理を終了する。
ステップS160において、CPU501は、識別コードを表示するか否かを判定する。識別コードを表示するか否かは、報知演出実行開始コマンドに設定された演出パターンが、識別コードを表示することが予め定められた演出パターンに該当するか否かに基づいて判定することができる。また、変動パターンに基づき特別図柄の変動時間が所定時間より長い場合に、識別コードを表示すると判定しても良い。ステップS160の判定がYESの場合、処理はステップS161に移り、この判定がNOの場合、処理を終了する。
ステップS161において、CPU501は、識別コードの表示タイミングを決定する。本実施形態では、特定演出モード以外の報知演出中に識別コードを表示可能なタイミングは、報知演出開始時、疑似2連目の再変動開始時、疑似3連目の再変動開始時、SPSPリーチ演出の開始時に限られるので(図24(1))、報知演出実行開始コマンドに設定された演出パターンに基づいて、識別コードを表示可能な表示タイミングの候補を特定した後、当該候補の中から抽選等により表示タイミングを選択する。その後、処理はステップS162に移る。
ステップS162において、CPU501は、識別コードを生成する。CPU501は、表示タイミングにはステップS161で決定した値を設定し、報知演出実行開始コマンドに設定された情報に基づいて、少なくとも、リーチ種類、チャンスアップ情報、演出パターン、演出情報、プレミア演出情報、特定強演出情報に値を設定する。その後、処理はステップS163に移る。
次に、ステップS163において、CPU501は、ステップS161で決定した表示タイミングで、生成した識別コードを画像表示部6に表示させる。その後、処理はステップS157に移る。
図36は、画像音響制御部500が実行するオープニング演出実行処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS171において、画像音響制御部500のCPU501は、図20のステップS1213において演出制御部400がセットしたオープニング演出実行開始コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS171の判定がYESの場合、処理はステップS172に移り、この判定がNOの場合、処理を終了する。
次に、ステップS172において、CPU501は、オープニング演出実行開始コマンドに設定されたオープニング演出を実行する。その後、処理はステップS173に移る。
次に、ステップS173において、CPU501は、識別コードを生成する。テップS173において生成される識別コードは、図24(2)に示した表示タイミングで表示されるものであるので、CPU501は、表示タイミングには「オープニング演出開始時」を設定し、オープニング演出実行開始コマンドに設定された情報に基づいて、少なくとも、大当り種類、昇格シナリオ、特別図柄情報、昇格演出内容を識別コードに含ませる。その後、処理はステップS174に移る。
次に、ステップS174において、CPU501は、生成した識別コードを画像表示部6に表示させる。その後、処理はステップS175に移る。
次に、ステップS175において、CPU501は、識別コードの表示期間を示すゲージを画像表示部6に表示させる。CPU501は、時間経過に伴ってゲージの表示態様を変化させることによって、識別コードの表示期間が減少していることを遊技者に報知する。識別コードの表示期間は、ゲージ以外で報知しても良く、時間経過に伴って数値がカウントダウンまたはカウントアップされるタイマなど、時間経過に伴って表示態様が変化する画像であれば良い。その後処理は、ステップS176に移る。
ステップS176において、CPU501は、識別コードの表示期間が終了したか否かを判定する。ステップS176の判定がYESの場合、処理はステップS177に移り、この判定がNOの場合、所定のインターバル時間の経過後に、再度ステップS176の判定を行う。
ステップS177において、CPU501は、識別コード及びゲージを画像表示部6から消去する。その後、処理を終了する。
以上の制御処理を行うことによって、識別コードが画像表示部6に表示される。
[携帯端末70の概略構成]
再度、図23を参照して、携帯端末70の構成について説明する。携帯端末70は、入力部701と、表示画面702と、撮像部703と、識別コード解析部704と、識別情報送信部705と、メッセージ表示制御部706と、メッセージ送受信部707と、通信部708とを備える。
入力部701は、携帯端末70に情報を入力するための入力デバイスであり、携帯端末70が備えるタッチパネルやボタン、キー等が該当する。表示画面702は、携帯端末70が備える液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示装置である。撮像部703は、携帯端末70に備わるカメラであり、遊技機1の画像表示部6に表示された識別コードを撮影するために用いる。
識別コード解析部704は、撮像部703によって撮影された識別コードの画像を解析し、識別コードに含まれる識別情報を抽出する。識別情報送信部705は、識別コード解析部704によって抽出された識別情報を、通信部708を介してサーバ71に送信する。メッセージ表示制御部705は、サーバ71を介して他の携帯端末70との間で送受信されるメッセージの表示を制御する。より詳細には、メッセージ表示制御部705は、入力部701から入力されたメッセージを表示部702に表示すると共に、入力されたメッセージをメッセージ送受信部707に渡す。また、メッセージ表示制御部707は、メッセージ送受信部707から受け取ったメッセージを表示画面702に表示させる。メッセージ送受信部707は、メッセージ表示制御部706から受け取ったメッセージを、通信部708を介してサーバ71に送信し、通信部708を介してサーバ71から受信したメッセージをメッセージ表示制御部706に渡す。
尚、識別コード解析部704、識別情報送信部705、メッセージ表示制御部706及びメッセージ送受信部707の機能は、携帯端末70の記憶領域にインストールされたコンピュータプログラムを、携帯端末70のCPUが実行することによって実現される。
図37は、携帯端末70においてアプリケーション実行中に表示される表示画面の一例を示す画面遷移図である。
遊技者によって携帯端末70にインストールされたアプリケーションが起動
されると、図37(1)に示すように、表示画面702にアプリケーションのメニュー画面が表示される。図37(1)の例では、メニュー画面に「グループに入る」ボタン740と、「終了」ボタン741とが表示されている。「グループに入る」ボタン740が押下されると、図37(2)に示すメッセージ送受信画面に遷移する。また、「終了」ボタン741が押下されると、アプリケーションを終了する。
図37(2)に示すメッセージ送受信画面は、同じグループに属している他のユーザとの間でメッセージを送受信するための画面である。メッセージ送受信画面の下部には、テキストボックス744と「送信」ボタン745とが設けられており、ユーザがテキストボックス744にテキストを入力してから「送信」ボタン745を押下すると、入力されたテキスト744がサーバ71を介して他のユーザの携帯端末70に送信される。複数の携帯端末70の間で送受信されたメッセージは、表示画面702上に時系列に表示される。本実施形態では、最新のメッセージが最も下の行に追加される。表示画面702に収まらないメッセージは古い順に画面から消去されるが、表示画面702内のメッセージ表示領域をスクロールさせることによって、過去のメッセージを遡って閲覧することができる。
メッセージ送受信画面の上部には、「戻る」ボタン742と、「コード」ボタン743とが設けられている。「戻る」ボタンが押下されると、図37(1)に示したメニュー画面に遷移する。また、「コード」ボタン743が押下されると、図37(3)に示す識別コード撮影画面に遷移する。
図37(3)に示す識別コード撮影画面は、遊技機1の画像表示部6に表示された識別コードを撮影するためのものである。識別コード撮影画面には、枠746と、「戻る」ボタン747が設けられている。遊技者が識別コード撮影画面を表示した状態で遊技機1の画像表示部6に携帯端末70をかざして、枠746内に撮影対象となる識別コードが収まるように携帯端末70の位置を調節する。図23に示した識別コード解析部704は、撮像部703の撮影画像に含まれる識別コードの画像を検出し、検出した識別コードの画像を解析して、識別コードにコード化されている識別情報を抽出する。識別コード解析部704が識別情報の抽出に成功した場合、識別コード撮影画面から図37(2)に示したメッセージ送受信画面に遷移する。また、識別コード解析部704が識別情報の抽出に失敗した場合、予め定められた回数だけ抽出処理をリトライした後、識別コードの取得に失敗した旨のメッセージを表示画面702に表示し、その後、図37(2)に示すメッセージ送受信画面に遷移しても良い。また、識別コード撮影画面において、「戻る」ボタン747が押下された場合にも、メッセージ送受信画面に遷移する。
[サーバ71の概略構成]
再度、図23を参照して、サーバ71の構成について説明する。サーバ71は、識別情報解析部711と、タイミング情報記憶部712と、メッセージ情報記憶部713と、送信メッセージ記憶部714と、メッセージ送受信部715と、通信部716とを備える。
識別情報解析部711は、通信部716を介して携帯端末70から受信した識別情報を解析し、識別情報に基づいて送信メッセージリストを生成する。送信メッセージを生成する際に、識別情報解析部711は、メッセージの送信タイミングをタイミング情報記憶部712から取得し、送信するメッセージの内容をメッセージ情報記憶部713から取得する。タイミング情報記憶部713は、識別情報に含まれる演出内容(演出パターンまたは昇格シナリオ)毎に、メッセージの送信タイミングを定義したタイミング情報を記憶する。また、メッセージ情報記憶部713は、識別情報に含まれる演出内容のそれぞれに対応したメッセージを定義したメッセージ情報を記憶する。識別情報解析部711は、作成した送信メッセージリストを送信メッセージ記憶部714に格納し、メッセージ送受信部715にメッセージの送受信を指示する。メッセージ送受信部715は、識別情報解析部711からの指示に基づき、送信メッセージ記憶部714に記憶されている送信メッセージリストに含まれているメッセージを、各メッセージに対応付けられた送信タイミングで送信する。
尚、識別情報解析部711及びメッセージ送受信部715は、サーバ71のCPUがサーバの記憶領域にインストールされたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。また、タイミング情報記憶部712、メッセージ情報記憶部713及び送信メッセージ記憶部714は、RAM、ハードディスクドライブ、DVD−RAM等の記憶装置によって実現される。
[サーバ71が保持するタイミング情報及びメッセージ情報]
図38は、サーバ71のタイミング情報記憶部に記憶されているタイミング情報の一例を示す図である。
図38(1)は、識別情報に設定された表示タイミングが、変動開始時、疑似2連目の再変動開始時、疑似3連目の再変動開始時、SPSPリーチ演出開始時のいずれかである場合に、サーバ71の識別情報解析部711が参照するテーブルの例を示す。図38(1)に示すテーブルは、サーバ71が、報知演出中に実行される演出内容を示すメッセージの送信タイミングを取得するために参照されるものである。
図38(1)に示すテーブルには、演出パターン毎に、サーバ71がメッセージを送信可能な送信タイミングが定義されている。本実施形態においては、最大で7回のメッセージ送信タイミングを設定可能である。具体的に、送信タイミングとして、疑似2連告知タイミング、疑似3連告知タイミング、前半演出告知タイミング、後半演出告知タイミング、特定強演出告知タイミング、ボタン演出告知タイミング、当落情報告知タイミングが定義されている。図38(1)に示す送信タイミングは、サーバ71が携帯端末70から識別情報を受信した時刻からの経過時間として定義されている。また、図38(1)に示す送信タイミングは、報知演出が開始されてから、各演出パターンに定められた演出が開始されるまでの時間に基づいて設定されている。
具体的に、図38(1)のテーブルのNo.19は、報知演出の開始後に、装飾図柄の仮停止及び再変動(疑似連続変動)を2回行った後、SPリーチ演出を行い、更にSPSPリーチ演出を行ってから大当りを確定報知するという演出パターンが識別情報に設定されている場合に選択されるタイミング情報である。このタイミング情報No.19においては、識別情報の受信から18秒経過時、36秒経過時、66秒経過時、102秒経過時、121秒経過時、134秒経過時、145秒経過時のそれぞれにおいて、サーバ71が携帯端末70にメッセージを送信することが定義されている。
また、図38(2)は、識別情報に設定された表示タイミングが、オープニング演出開始時である場合に、サーバ71の識別情報解析部711が参照するテーブルの例を示す。図38(2)に示すテーブルは、大当り遊技演出中に実行される昇格演出内容や昇格演出の結果等を示すメッセージを、大当り遊技の進行に伴ってサーバ71が携帯端末70に送信するために用いるものである。
図38(2)に示すテーブルには、昇格シナリオ毎に、サーバ71がメッセージを送信可能な送信タイミングが定義されている。本実施形態においては、最大で4回のメッセージ送信タイミングを設定可能である。具体的に、送信タイミングとして、昇格演出内容告知タイミング、昇格演出結果告知タイミング、昇格告知タイミング、エンディング告知タイミングが定義されている。図38(2)に示す送信タイミングもまた、サーバ71が携帯端末70から識別情報を受信した時刻からの経過時間として定義されている。
図38(3)は、識別情報に設定された表示タイミングが、特定演出モードの最終変動時である場合に、サーバ71の識別情報解析部711が参照するテーブルの例を示す。図38(3)に示すテーブルは、大当り遊技演出後の特定演出モード中に行われるミニゲームの結果や、特定演出モード前の大当りの結果等を示すメッセージを、特定演出モードの最終回の変動開始後にサーバ71が携帯端末70に送信するために用いるものである。
図38(3)に示すテーブルには、サーバ71がメッセージを送信可能な送信タイミングとして、ミニゲームスコア告知タイミングと、大当り遊技結果告知タイミングとが設定されている。図38(3)に示す送信タイミングもまた、サーバ71が携帯端末70から識別情報を受信した時刻からの経過時間として定義されている。
図39及び図40は、サーバ71のメッセージ情報記憶部713に記憶されているメッセージ情報の一例を示す図である。
図39(1)は、識別情報に設定された表示タイミングが、変動開始時、疑似2連目の再変動開始時、疑似3連目の再変動開始時、SPSPリーチ演出開始時のいずれかである場合に、サーバ71の識別情報解析部711が参照するテーブルの例を示す。図39(1)に示すテーブルには、識別情報に設定可能な演出のそれぞれに対応して、サーバ71から携帯端末70へと送信されるメッセージが定義されている。尚、識別情報に含まれる演出とは、リーチ種類によって特定される演出、チャンスアップ情報によって特定される演出、演出パターン内に定義された演出(疑似連演出等)、プレミア演出情報によって特定される演出、特定強演出情報によって特定される演出をいう。また、識別情報に設定可能な演出毎の送信メッセージに加えて、携帯端末70で識別コードを読み込んだことを告知するメッセージと、当落結果を告知するメッセージとが定義されている。ただし、携帯端末70で識別コードを読み込んだことの告知や当落結果の告知を行わない場合には、これらの告知を行うためのメッセージはなくても良い。
図39(2)は、識別情報に設定された表示タイミングが、オープニング演出開始時である場合に、サーバ71の識別情報解析部711が参照するテーブルの例を示す。図39(2)に示すテーブルには、識別情報に設定可能な、昇格演出の内容、昇格演出の結果、昇格告知内容、エンディング告知内容毎に、サーバ71が外部情報端末70に送信するメッセージが定義されている。更に、図39(2)に示すテーブルには、大当りを告知するためのメッセージが、大当り種類(遊技機1のオープニング時に告知される大当り種類)毎に定義されている。大当りを告知するためのメッセージは、携帯端末70でオープニング演出実行中に識別コードを読み取った後、最初に送信されるメッセージである。
図40は、識別情報に設定された表示タイミングが、変動開始時、疑似2連目の再変動開始時、疑似3連目の再変動開始時、SPSPリーチ演出開始時のいずれかである場合に、サーバ71の識別情報解析部711が参照するテーブルの例を示す。図40に示すテーブルには、識別情報の演出情報に設定可能な演出(図30)毎に、サーバ71が携帯端末70に送信するメッセージが定義されている。本実施形態では、演出情報に設定された演出に関するメッセージは、後述する予告スクラッチを携帯端末70上で表示させるための予告情報として用いられる。
[サーバ71が行うメッセージ送信処理]
図41は、サーバ71が行うメッセージ送信処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップ181において、サーバ71の識別情報解析部711は、携帯端末70から識別情報を受信したか否かを判定する。ステップS181の判定がYESの場合、処理はステップS182に進み、この判定がNOの場合、処理を終了する。
次に、ステップS182において、識別情報解析部711は、識別情報に含まれる識別コードの表示タイミングが、特定モード以外の報知演出中であるか否か(つまり、報知演出開始時、疑似2連目の再変動開始時、疑似3連目の再変動開始時、SPSPリーチ演出開始時のいずれかであるか否か)を判定する。ステップS182の判定がYESの場合、処理はステップS183に進み、この判定がNOの場合、処理はステップS192に移る。
次に、ステップS183において、識別情報解析部711は、識別情報に含まれる演出パターンに対応したタイミング情報を、タイミング情報記憶部712から取得する。その後、処理はステップS184に移る。
次に、ステップS184において、識別情報解析部711は、識別情報に含まれる演出に対応したメッセージを、送信メッセージ情報記憶部713から取得する。その後、処理はステップS185に移る。
次に、ステップS185において、識別情報解析部711は、識別情報に含まれる識別コードの表示タイミングが、変動開始時であるか否かを判定する。ステップS185の判定がYESの場合、処理はステップS187に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS186に移る。
ステップS186において、識別情報解析部711は、送信タイミングを調節する。その後、処理はステップS187に移る。
ステップS186の処理を行う理由について説明する。図38(1)に示したタイミング情報では、報知演出開始から演出内容が変化(例えば、疑似再変動開始やリーチ演出開始)するまでに要する時間に基づいてメッセージの送信タイミングを定義しているため、報知演出開始から識別コード出力までの時間が長い場合にも図38(1)に示したタイミング情報を用いると、報知演出中の演出内容の切り替えタイミングと、メッセージの送信タイミングのズレが大きくなってしまう。具体例として、疑似2連目の再変動開始が報知演出開始から18秒後に行われ、疑似3連目の再変動開始が報知演出開始から36秒後に行われる場合を想定する。変動開始時に識別コードが表示された場合、識別コードの表示開始から疑似3連目の再変動開始までの時間が36秒であるのに対し、疑似2連目の再変動開始時に識別コードが表示された場合は、識別コードの表示開始から疑似3連目の再変動開始までの時間は18秒となる。これに対して、図38(1)に示すタイミング情報は、報知演出開始時を基準として、演出内容が変化するまで(この例では、疑似3連目の再変動開始まで)の時間に基づいて送信タイミングを定義したものであるので、変動開始時より後の段階で表示された識別コードに基づいて送信タイミングを設定する際に、図38(1)のタイミング情報をそのまま使用すると、疑似2連目の再変動開始時に識別コードが表示されたにもかかわらず、疑似3連目の告知タイミングが36秒となってしまい、18秒の遅延を生じる。報知演出中に演出内容が変化するタイミングに対して、当該演出内容の変化を告知するメッセージの送信タイミングが遅くなりすぎると、遊技者に対して違和感を与えてしまう。
そこで、識別情報解析部711は、識別情報が変動開始時より後の段階で出力されたものである場合には、変動開始から識別コードの表示開始までの時間を、図38(1)のタイミング情報に定義された送信タイミングから差し引くことによって送信タイミングの調整を行う。これにより、報知演出中において演出内容が変化するタイミングと、当該演出内容の変化を告知するメッセージの送信タイミングとのズレを小さくして、遊技者に違和感を与えることなく、あたかも実行中の報知演出内容を実況しているような印象を与えることができる。
具体的なタイミングの調整方法を説明すると、疑似2連目の再変動開始時に識別コードが表示された場合には、識別情報解析部711は、図38(1)のタイミング情報に定義された時間から18秒(変動開始から疑似2連目の再変動開始までの時間に相当)を差し引く。疑似3連目の再変動開始時に識別コードが表示された場合には、識別情報解析部711は、図38(1)のタイミング情報に定義された時間から36秒(変動開始から疑似3連目の再変動開始までの時間に相当)を差し引く。SPSPリーチ演出開始時(後半演出の開始時)に識別コードが表示された場合には、識別情報解析部711は、図38(1)のタイミング情報に定義された時間から、変動開始からSPSPリーチ演出開始までの時間を差し引く。尚、ステップS186で行うタイミング調整については、具体例に基づいて後述する
ステップS187において、識別情報解析部711は、予告情報を作成する。この予告情報は、識別情報に含まれる全ての演出内容から抽選により選択された、所定数の演出内容を告知するメッセージの組み合わせであり、携帯端末70において、報知演出の内容を示唆する予告スクラッチを表示するために用いられる。識別情報解析部711は、作成した予告情報をメッセージ送受信部715に渡し、携帯端末70への予告情報の送信をメッセージ送受信部715に指示する。尚、予告スクラッチの表示例については後述する。その後、処理はステップS188に移る。
ステップS188において、メッセージ送受信部715は、ステップS187で作成された予告情報を通信部716経由で携帯端末70に送信する。その後、処理はステップS189に移る。
ステップS189において、識別情報解析部711は、送信タイミング毎に送信メッセージを関連付けた送信メッセージリストを作成する。より詳細には、識別情報に含まれる表示タイミングが報知演出開始時である場合は、識別情報解析部711は、ステップS183で取得したタイミング情報と、ステップS184で取得した送信メッセージとに基づいて送信メッセージリストを作成する。識別情報に含まれる表示タイミングが報知演出開始時以外である場合は、識別情報解析部711は、ステップS186で調節したタイミング情報と、ステップS184で取得した送信メッセージとに基づいて送信メッセージリストを作成する。識別情報解析部711は、作成した送信メッセージリストを送信メッセージ記憶部714に格納し、メッセージ送受信部715にメッセージの送信を指示する。その後、処理は、ステップS190に移る。
次に、ステップS190において、メッセージ送受信部715は、ステップS189で作成された送信メッセージリストを参照し、指定された送信タイミングでメッセージを通信部716経由で携帯端末70に送信する。尚、メッセージ送受信部715は、ステップS181において識別情報を受信したと判定されたときにスタートさせたタイマに基づいて、メッセージの送信タイミングを判定する。その後、処理はステップS191に移る。
次に、ステップS191において、メッセージ送受信部715は、ステップS189で作成された送信メッセージリストに含まれる全てのメッセージの送信を完了したか否かを判定する。ステップS191の判定がYESの場合、処理を終了し、この判定がNOの場合、ステップS190に戻る。
次に、ステップS192において、識別情報解析部711は、識別情報に含まれる識別コードの表示タイミングが、オープニング演出の開始時であるか否かを判定する。ステップS182の判定がYESの場合、処理はステップS193に進み、この判定がNOの場合、処理はステップS196に移る。
次に、ステップS193において、識別情報解析部711は、識別情報に含まれる昇格シナリオに対応したタイミング情報を、タイミング情報記憶部712から取得する。その後、処理はステップS194に移る。
次に、ステップS194において、識別情報解析部711は、識別情報に含まれる大当り種類、特別図柄情報及び大当り遊技演出の内容(昇格演出内容、昇格シナリオ)に対応したメッセージを、送信メッセージ情報記憶部713から取得する。その後、処理はステップS195に移る。
次に、ステップS195において、識別情報解析部711は、送信タイミング毎に送信メッセージを関連付けた送信メッセージリストを作成する。識別情報解析部711は、作成した送信メッセージリストを送信メッセージ記憶部714に格納し、メッセージ送受信部715にメッセージの送信を指示する。その後、処理は、ステップS190に移る。
次に、ステップS196において、識別情報解析部711は、識別情報に含まれる識別コードの表示タイミングが、特定演出モードの最終変動開始時であるか否かを判定する。ステップS196の判定がYESの場合、処理はステップS197に進み、この判定がNOの場合、処理を終了する。
次に、ステップS197において、識別情報解析部711は、識別コードの表示タイミングに対応したタイミング情報を、タイミング情報記憶部712から取得する。その後、処理はステップS198に移る。
次に、ステップS198において、識別情報解析部711は、識別情報に含まれるミニゲームスコア、連続大当り回数、出玉数情報に基づき、遊技結果を告知するための送信メッセージを作成する。識別情報解析部711は、作成した送信メッセージリストを送信メッセージ記憶部714に格納し、メッセージ送受信部715にメッセージの送信を指示する。その後、処理は、ステップS190に移る。
サーバ71において以上の制御処理を行うことによって、遊技機1から出力された識別コードに基づいて、遊技内容を告知するためのメッセージを1以上の携帯端末70に送信することができる。
[メッセージ送信処理の具体例]
以下、図42〜図51を参照しながら、遊技機1が出力する識別コードを契機として実行されるメッセージ送受信処理の具体例を説明する。
図42は、識別情報に含まれる情報の一例を示す図であり、図43は、図42に示す情報に基づいて作成される送信メッセージリストの一例を示す図である。
サーバ71の識別情報解析部711が図42に示す情報を含む識別情報を受信した場合、まず、識別情報解析部711は、タイミング情報記憶部712から、演出パターンNo.19に対応したタイミング情報を取得する(図38(1))。図42においては、表示タイミングとして変動開始時が設定されているため、メッセージの送信タイミングは、サーバ71が識別情報を受信してから、18秒後(疑似2連告知)、36秒後(疑似3連告知)、66秒後(前半演出告知)、102秒後(後半演出告知)、121秒後(特定強演出告知)、134秒後(ボタン演出告知)、145秒後(当落情報告知)である。
次に、識別情報解析部711は、図39(1)のリーチ種類、チャンスアップ情報、演出パターン、プレミア演出情報、特定演出情報に設定されている演出内容に対応したメッセージをメッセージ情報記憶部713から取得する。
そして、識別情報解析部711は、取得したタイミング情報に定義される送信タイミング毎に、送信するメッセージを関連付けて、図43(1)に示す送信メッセージリストを作成する。チャンスアップ情報に設定される演出内容は、リーチ演出に伴うものであるので、識別情報解析部711は、チャンスアップ情報を告知するメッセージは、リーチ演出を告知するメッセージの送信タイミングに対応付ける。
尚、図42においては、識別情報の表示タイミングに変動開始時が設定された例が示されているが、表示タイミングが変動開始時以外の場合は、変動開始から識別コードの表示開始までの経過時間を、取得したタイミング情報に定義される時間から差し引くことによって送信タイミングを調節する。変動開始から識別コードの表示開始までの経過時間を、取得したタイミング情報に定義される時間から差し引くことによって、値がマイナスとなる場合には、送信タイミングを0秒とする。尚、送信タイミングが0秒である場合、メッセージ送受信部715は、送信メッセージリストの作成完了後、すぐに該当するメッセージを送信すれば良い。
図43(2)に、識別コードの表示タイミングが疑似2連の再変動開始時である場合の送信メッセージリストを、図43(3)に、識別コードの表示タイミングが疑似3連の再変動開始時である場合の送信メッセージリストを、図43(4)に、識別コードの表示タイミングが特定リーチ演出開始時である場合の送信メッセージリストを示す。送信タイミング調整幅(取得したタイミング情報に定義される値から差し引いた、変動開始から識別コードの表示開始までの経過時間)は、図43(2)の例で18秒、図43(3)の例で36秒、図43(4)の例で66秒である。
図44は、図42に示す情報に基づいて作成される予告情報の作成方法の一例を示す図である。
サーバ71の識別情報解析部711は、図42に示す全ての情報に基づいて、報知演出中に実行される全ての演出内容を抽出する。図44(1)に抽出した演出内容を示す。
次に、識別情報解析部711は、図44(1)に示す演出内容の中から、予告情報として携帯端末70に示唆する所定数(この例では4つ)の演出内容を抽選により決定する。図44(2)に、抽選で選ばれた4つの演出内容を示す。
そして、識別情報解析部711は、図44(2)に示す演出内容に対応したメッセージを、メッセージ情報記憶部713から取得し、取得したメッセージの組み合わせからなる予告情報を作成する。図44(3)に、作成した予告情報の例を示す。尚、図44(3)の例では、メッセージ情報記憶部713から取得したメッセージ(例えば、「SPリーチA−1出現」)の末尾に「かも!?」という文字列が付加されている。これは、予告情報によって示唆される演出内容が確定的ではないというニュアンスを持たせるためである。このように、予告メッセージの作成時には、メッセージ情報記憶部713から取得したメッセージの一部を、識別情報解析部711が変更しても良い。
図45及び図46は、遊技機1の画像表示部6で行われる報知演出と、サーバ71から携帯端末70へのメッセージ送信との対応を示すタイムチャートである。尚、図45及び図46では、説明を簡略化するために、特別図柄の変動開始からΔt秒経過後に遊技者が携帯端末70で識別コードを撮影し、タイムラグなくサーバ71からのメッセージ送信が行われる場合を想定する。実際には、携帯端末70及びサーバ71での処理に起因するタイムラグや、通信ネットワーク上のタイムラグがあるので、メッセージの送信タイミングは、タイムラグの分だけ、図示したメッセージ送信タイミングから遅れることになる。
図45(1)に示すタイムチャートは、変動開始時に識別コードが表示され、図43(1)に示す送信メッセージリストにしたがってメッセージ送信が行われる例を示したものである。
図45(1)の上段に示すように、特別図柄の変動開始(0秒)から所定時間(例えば15秒間)識別コードが表示された後、疑似2連目の変動表示(18秒後)、疑似3連目の変動表示(36秒後)、SPリーチ演出(66秒後)、SPSPリーチ演出(102秒後)、特定強演出(121秒後)、ボタン演出(134秒後)、変動停止・大当り遊技演出(145秒後)が順に実行される。
これに対して、遊技者が変動開始からΔt秒経過後に携帯端末70で識別コードを撮影すると、変動開始から少なくともΔt秒経過後にサーバ71が識別情報を受信するので、サーバ71は識別情報を受信した時点を基準として、図43(1)の送信メッセージリストに従ってメッセージ送信を行うと、図45(1)の下段に示すように、次のタイミングで遊技者の携帯端末70にメッセージが送信される。
変動開始からΔt秒後: 「識別コードゲット」
変動開始から(Δt+18)秒後: 「疑似2連発生」
変動開始から(Δt+36)秒後: 「疑似3連発生」
変動開始から(Δt+66)秒後: 「SPリーチA−1出現」
「リーチタイトル:赤」
変動開始から(Δt+102)秒後: 「SPSPリーチA−3出現」
「リーチタイトル:金」
「文字色:赤」
変動開始から(Δt+121)秒後: 「スーパーカットイン出現」
変動開始から(Δt+134)秒後: 「ボタン出現」
変動開始から(Δt+145)秒後: 「大当り!」
遊技者が外部携帯端末70で識別コードを撮影する必要があるので、遊技機1の画像表示部6で行われている報知演出の進行に対して、サーバ71から携帯端末70へのメッセージ送信タイミングは、変動開始から識別コード撮影までの時間Δt秒だけ遅れるものの、概ね実行中の報知演出の進行に合わせて、実行中の演出内容を告知するメッセージの送信が行われる。
図45(2)に示すタイムチャートは、疑似2連目の再変動開始時に識別コードが表示され、図43(2)に示す送信メッセージリストにしたがってメッセージ送信が行われる例を示したものである。また、図46(1)に示すタイムチャートは、疑似3連目の再変動開始時に識別コードが表示され、図43(3)に示す送信メッセージリストにしたがってメッセージ送信が行われる例を示したものである。更に、図46(2)に示すタイムチャートは、特定のリーチ演出の開始時に識別コードが表示され、図43(4)に示す送信メッセージリストにしたがってメッセージ送信が行われる例を示したものである。
これらの例の詳細な説明は省略するが、サーバ71において送信メッセージリストを作成する際に、変動開始から識別コードの表示開始までの経過時間の分だけ、送信タイミングを調節しているため、識別コード表示後の報知演出の進行に概ね合ったタイミングで、実行中の演出内容を告知するメッセージの送信が行われる。
尚、図45(2)、図46(1)及び図46(2)においては、識別コードの表示開始以前に行われた演出内容を、最初のメッセージ送信時に全て同時に表示しているが、識別コードの表示開始以前に行われた演出内容を告知するメッセージは送信せずに、識別コードの表示より後に行われる演出内容を告知するメッセージのみを送信しても良い。
また、図45及び図46には図示していないが、予告情報は、任意のタイミングで送信すれば良く、予告情報は、報知演出の終了前に実行される演出内容を事前に示唆するためのものであるので、特別図柄の変動終了までに予告情報を送信することが好ましい。この場合、サーバ71では、変動パターン及び識別コードの表示タイミングに基づいて、識別情報の受信から概ね何秒後に当落告知が行われるかを算出できるため、識別情報の表示開始から撮影までのタイムラグΔt秒を加味して、特別図柄の変動終了までに予告情報の送信が完了する送信タイミングを求めれば良い。例えば、サーバ71は、算出した当落告知タイミングから識別コードの表示時間を差し引いたタイミングまでに、予告情報を送信すれば良い。
図47は、識別情報に含まれる情報の一例を示す図であり、図48は、識別情報に基づいて作成される送信メッセージリストの一例を示す図である。
サーバ71の識別情報解析部711が図47に示す情報を含む識別情報を受信した場合、まず、識別情報解析部711は、タイミング情報記憶部712から、昇格シナリオNo.3に対応したタイミング情報を取得する(図38(2))。メッセージの送信タイミングは、サーバ71が識別情報を受信してから、0秒後(大当り遊技演出開始告知)、42秒後(昇格演出内容告知)、69秒後(昇格演出結果告知)、108秒後(エンディング告知)である。
次に、識別情報解析部711は、昇格シナリオに対応したメッセージをメッセージ情報記憶部713から取得する(図39(2))。
そして、識別情報解析部711は、取得したタイミング情報に定義される送信タイミング毎に、送信するメッセージを関連付けて、図48に示す送信メッセージリストを作成する。
図49は、識別情報に含まれる情報の一例を示す図であり、図50は、識別情報に基づいて作成される送信メッセージリストの一例を示す図である。
サーバ71の識別情報解析部711が図49に示す情報を含む識別情報を受信した場合、まず、識別情報解析部711は、タイミング情報記憶部712から、特定演出モードの最終変動に対応したタイミング情報を取得する(図38(3))。メッセージの送信タイミングは、サーバ71が識別情報を受信してから、20秒後(ミニゲームスコア告知)及び50秒後(大当り遊技結果告知)である。
次に、識別情報解析部711は、ミニゲームスコア、連続大当り回数及び出玉数情報に基づいて、図50に示す、遊技結果を告知する送信メッセージリストを作成する。
図51は、遊技機1の画像表示部6で行われる演出と、サーバ71から携帯端末70へのメッセージ送信との対応を示すタイムチャートである。図51においても、説明を簡略化するために、特別図柄の変動開始からΔt秒経過後に遊技者が携帯端末70で識別コードを撮影し、タイムラグなくサーバ71からのメッセージ送信が行われる場合を想定する。
図51(1)は、オープニング演出の開始時に識別コードが表示され、図48に示す送信メッセージリストに従ってメッセージ送信が行われる例を示したものである。また、図51(2)は、特定演出モード中の最終変動(特定演出モード開始後のK回目の特別図柄変動)時に識別コードが表示され、図50に示す送信メッセージリストに従ってメッセージ送信が行われる例を示したものである。
これらの例についても詳細な説明は省略するが、識別コード表示後の演出の進行に概ね合ったタイミングで、実行中の演出内容を告知するメッセージの送信が行われる。
[遊技機1及び携帯端末70の画面表示例]
以下、図52〜図57を参照しながら、遊技機1及び携帯端末70の画面表示例を説明する。図52〜図57は、図45(1)に示したタイムチャートに対応する。尚、図52〜図57に示す画像表示部6の画面例において、下向きの矢印は、装飾図柄DIが変動表示中であることを示す。
図52(1)は、遊技機1の画像表示部6上に、識別コードが表示される前の状態を示す。図52(1)においては、次に消化される保留データに対応した保留画像が、通常の保留画像よりも高い大当たり信頼度を示唆する緑色で表示されている。携帯端末70で識別コードを撮影する前は、図52(1)に示すように、サーバ71経由でメッセージを送受信することにより、同じグループに属するユーザ間でチャットを行うことができる。携帯端末70においては、ユーザが送信したメッセージが表示画面702の右寄りに表示され、他のユーザが送信したメッセージが表示画面702の左寄りに、ユーザ名と共に表示される。ま
次に、図52(2)は、図52(1)で行われていた特別図柄変動が終了し、緑色の保留画像に対応する保留データについての特別図柄変動が開始した状態を示す。画像表示部6の左上には、識別コード730及びゲージ731が表示されている。
次に、図52(3)は、ユーザAが携帯端末70の表示画面702を識別コード撮影画面に切り替えて、画像表示部6に表示された識別コード730を撮影している状態を示す。図52(3)に示すように、図52(2)の状態からの時間経過に伴ってゲージ731のバーの長さを減少させることにより、識別コード730の表示期間が減少していることが報知される。
次に、図53(1)は、図52(3)で撮影された識別コード730にコード化された識別情報がサーバ71に送信され、携帯端末70がサーバ71から最初のメッセージである「識別コードゲット」が送信された状態を示す。サーバ71は、同じグループに属するユーザA以外の携帯端末70にも同じメッセージを送信するため、ユーザBの携帯端末70にもユーザAのメッセージとして「識別コードゲット」が表示されている。
次に、図53(2)は、携帯端末70がサーバ71から予告情報を受信された状態を示す。携帯端末70は、受信した予告情報を予告スクラッチとして表示画面702に表示する。予告スクラッチは、携帯端末70にインストールされたアプリケーションによって実現される機能である。携帯端末70のアプリケーションは、受信した予告情報に含まれる予告メッセージを最初は隠蔽した状態で表示画面702に表示させ、ユーザが予告スクラッチ上のメッセージ隠蔽箇所に対してタップやスワイプ等の操作入力を行ったことを検出すると、図53(3)に示すように、隠蔽された予告メッセージを表示画面702に表示させる制御を行う。尚、図53(1)の状態の後、識別コード730の表示期間が終了したときに識別コード730及びゲージ731が表示画面6から消去され、図53(2)の状態では、識別コード730及びゲージ731は非表示となっている。
次に、図54(1)は、図53(3)で変動表示されていた装飾図柄DIが仮停止した状態であって、中央の装飾図柄DIの表示領域に疑似連図柄732が仮停止した状態を示す。尚、図54(1)に示すように、識別コード730を携帯端末70で撮影したことを契機としてサーバ71からのメッセージ送信が開始した後においても、サーバ71を介して携帯端末70同士でメッセージの送受信を行うことができる。
次に、図54(2)は、疑似2連目の装飾図柄DIの再変動が開始した状態を示す。疑似2連目の装飾図柄DIの再変動が開始した後、ユーザA及びユーザBの携帯端末70の表示画面には、サーバ71から受信した疑似2連目の告知メッセージである「疑似2連発生」が表示されている。
次に、図54(3)は、図54(2)で変動表示されていた装飾図柄DIが仮停止した状態であって、再度、中央の装飾図柄表示領域に疑似連図柄732が仮停止した状態を示す。
次に、図55(1)は、疑似3連目の装飾図柄DIの再変動が開始した状態を示す。疑似3連目の装飾図柄DIの再変動が開始した後、ユーザA及びユーザBの携帯端末70の表示画面には、サーバ71から受信した疑似3連目の告知メッセージである「疑似3連発生」が表示されている。
次に、図55(2)は、SPリーチ演出が開始してから所定時間経過後に、携帯端末70がサーバ71からSPリーチ演出の種類及びこれに組み合わされたチャンスアップ演出の内容を告知するメッセージを受信した状態を示す。
次に、図55(3)は、図55(2)で行われていたSPリーチ演出の後に、SPSPリーチ演出に発展した状態を示す。SPSPリーチ演出の開始から所定時間経過後に、携帯端末70がサーバ71から受信した、SPSPリーチ演出の種類及びこれに組み合わされたチャンスアップ演出の内容を告知するメッセージが表示画面702に表示される。
次に、図56(1)は、SPSPリーチ演出の実行中に、特定強演出である「スーパーカットイン演出」が実行された状態を示す。
次に、図56(2)は、図56(1)で特定強演出が実行された後にボタン演出が実行された状態を示す。携帯端末70の表示画面702には、図56(1)で実行された特定強演出を告知するメッセージ「スーパーカットイン出現」が表示されている。
次に、図56(3)は、図56(2)でボタン演出が実行された後に装飾図柄DIが「777」の揃い目で停止した状態を示す。携帯端末70の表示画面702には、図56(1)で実行された特定強演出を告知するメッセージ「ボタン出現」が表示されている。
図57は、図56(3)で装飾図柄DIが本停止した後にオープニング演出が実行されている状態を示す。携帯端末70の表示画面702には、図56(3)で装飾図柄DIを揃い目で停止して大当りとなったことを告知するメッセージ「大当り!」が表示されている。また、オープニング演出の開始時には、大当り遊技中の演出内容を識別情報としてコード化した識別コード730及びゲージ731が画像表示部6に表示されている。
尚、図45(2)、図46、図51に示したタイムチャートに沿ってメッセージ送信が行われる際の表示画面例の説明は省略するが、図52〜図57と同様に、遊技機1の画像表示部6で表示される演出内容の変化から少し遅れて、演出内容の変化を告知するメッセージが携帯端末70の表示画面702に表示される。
以上説明したように、本実施形態に係る遊技機1は、報知演出の内容や、大当り遊技演出の内容、ミニゲーム結果や大当り遊技結果を示す情報を含んだ識別コードを画像表示部6に表示する。この識別コードは、携帯端末70が読み込み可能な形態で画像表示部6に表示され、携帯端末70が識別コードを読み込んだことを契機として、サーバ71から携帯端末70へと演出内容を告知するメッセージを所定のタイミングで送信させることができる。このメッセージの送信タイミングは、遊技者が遊技中の遊技機1で行われる演出内容の変化タイミングから大きくずれないように設定されているため、あたかも、遊技機1で行われている演出内容が実況されているかのような印象を遊技者に与えることができる。また、サーバ71は、同じグループに属する複数の携帯端末70に同じメッセージを送信可能であるので、同じグループに属する複数の携帯端末70のユーザ同士で、遊技に関する情報を容易に共有することができる。したがって、本実施形態に係る遊技機1は、携帯端末70やサーバ71に上述したような所定の動作を実行させる識別コードを出力可能であるという、これまでにない新規な動作を行うことができる。また、本実施形態に係る遊技機1は、スマートフォン等の携帯端末70やサーバ71を用いて、これまでにない新しい遊技機1の遊び方を実現することができる。
[その他の変形例]
尚、上記の実施形態では、サーバ71がタイミング情報及びメッセージ情報を保持し、遊技機1での演出の進行に合わせてサーバ71がメッセージを送信しているが、タイミング情報及びメッセージ情報を携帯端末70に持たせて、識別コードを読み込んだ携帯端末70のアプリケーションで、メッセージの作成及び表示を行っても良い。この場合は、通信遅延やサーバの処理遅延に起因するタイムラグを無視できるので、遊技機1での演出の進行に対して、メッセージの表示タイミングを近づけることができる。
また、上記の実施形態では、図20に示したオープニング演出処理の中で、大当り遊技演出中に実行される演出内容(昇格シナリオ及び昇格演出内容)が決定する例を説明したが、図19に示した報知演出実行処理の中で大当り遊技演出中に実行される演出内容を決定しても良い。
また、上記の実施形態では、特定演出モード以外の報知演出実行中に識別コードを表示する場合、疑似連演出中の装飾図柄の再変動開始時や、リーチ演出の開始時など、特定の演出の開始時に識別コードを表示しているが、識別コードの表示開始は、必ずしも特定の演出の開始時と一致させる必要はなく、識別コードの表示開始タイミングが予め決まっている限り、どのタイミングでも識別コードを表示可能である。特別図柄の変動開始(報知演出の開始)から識別コードの表示開始までの時間と、各演出の実行タイミングとが予めわかっていれば、サーバ71でメッセージの送信タイミングを調整することができる。
また、上記の実施形態では、大当り遊技演出中に識別コードを表示する場合、オープニング演出開始時に識別コードを表示しているが、オープニング演出開始時に限らず、オープニング演出中の所定のタイミングや、ラウンド演出中など、大当り遊技演出開始後であれば、どのタイミングで識別コードを表示しても良い。
また、上記の実施形態では、大当り遊技演出中に識別コードを表示する場合、オープニング演出開始時に識別コードを表示し、ラウンド演出の開始前に識別コードの表示期間を終了しているが((図51(3)参照)、識別コードの表示期間は、オープニング演出からラウンド演出に跨がっていても良い。識別コードの表示期間をラウンド演出中に終了する場合、識別コードの表示期間は、本実施形態と同様に、表示開始から表示終了までの時間で特定しても良いし、識別コードの表示開始タイミングと表示終了タイミングで特定しても良い。後者の場合、識別コードの終了タイミングは、特定のラウンド演出の開始(終了)タイミング(例えば、4ラウンドの開始時)として特定しても良い。
また、上記の実施形態において、特定演出モードの所定回数の特別図柄の変動表示中に、特別図柄抽選に当選した(大当たりした)と判定された場合には、この特定演出モード中には、ミニゲームスコア及び/または大当り遊技結果を特定する識別コードの表示を行わず、この大当りについての大当り遊技演出後に行われる次回の特定演出モードの最終変動時に識別コードを表示すれば良い。この場合、特定演出モードの最終変動時に出力する識別コードには、ミニゲームスコアとして、前回の特定演出モード中に行ったミニゲームのスコアに代えて、今回の特定演出モード中に行ったミニゲームのスコアを用い、大当り遊技の結果として、前回の大当り遊技結果(出玉数、連続大当り回数等)に今回の大当り遊技結果を加算したものを用いれば良い。
また、上記の実施形態において、報知演出実行中であって、報知演出実行開始時以外の表示タイミングで識別コードを表示した場合(図45(2)及び図46参照)、識別コードの表示時点で実行済みの全ての演出内容を示すメッセージを、サーバ71が識別情報を受信した直後に送信しているが、識別コードの表示時点で行われた演出の次に行われる演出の告知タイミングに合わせて送信しても良い。具体的に、図46(1)を例として説明すると、本実施形態では、疑似3連目の再変動開始時に識別コードが表示された場合、サーバ71は、識別情報の受信直後に、「識別コードゲット」、「疑似2連発生」、「疑似3連発生」のメッセージを端末装置70に送信している。これに代えて、サーバ71は、識別情報の受信直後に、「識別コードゲット」のメッセージのみを送信し、疑似3連目の再変動開始の次に行われるSPリーチ演出の告知タイミングで、「疑似2連発生」、「疑似3連発生」、「SPリーチA−1出現」、「リーチタイトル:赤」のメッセージを端末装置70に送信しても良い。
また、上記の実施形態においては、報知演出実行中(特別図柄の変動表示中)に識別コードを表示する例を説明したが、行われた報知演出の内容を特定する識別コードを、客待ち演出中等の報知演出中以外で表示しても良い。この場合は、実行中の遊技の進行(報知演出の進行)に伴って報知演出の内容を告知することはできないものの、サーバ71を介して、複数のユーザ間で遊技に関する情報を共有することができるので、遊技者の携帯端末70を用いて、遊技機1の新しい遊び方を実現できる。
また、上記の実施形態において、特定演出モード以外の報知演出中に識別コードを表示する場合、遊技機1は識別コードの表示を1回だけ行い、サーバ71は、受信した識別情報に基づいて、当該報知演出中に行われる全ての特定演出(本実施形態では、疑似連演出中の装飾図柄の再変動、リーチ演出、特定強演出、ボタン演出等)を告知するメッセージを送信しているが、遊技機1は、特定演出を行うたびに識別コードを表示しても良い。つまり、遊技機1は、1回の報知演出中に識別コードを複数回表示しても良い。この場合、各回に表示される識別コードには、演出内容を特定する情報として、識別コードの表示時に実行された演出内容または識別コードの表示時より後に実行される演出内容を特定する情報が含まれていれば良く、サーバ71は、識別情報を受信するたびに、識別情報に特定される演出内容を告知するメッセージを携帯端末70に送信すれば良い。また、大当り遊技演出中や大当り遊技演出後に表示する場合も同様に、遊技機1は、複数回識別コードを表示しても良い。
また、上記の実施形態では、遊技機1が大当り遊技演出の終了後に特定演出モードでの演出を実行する例を説明したが、大当り遊技演出の終了後に特定演出モードで演出を行わない遊技機に対しても本発明の適用は可能であり、この場合、遊技機1は、遊技結果を含む識別コードを大当り遊技演出終了後の所定タイミングで表示すれば良い。
また、上記の実施形態では、ミニゲームスコア及び大当り遊技結果の両方を告知するメッセージを送信する例を説明したが、ミニゲームスコアまたは大当り遊技結果のいずれか一方のみをメッセージによって告知しても良い。
更に、上記の実施形態では、画像表示部6が1つの表示装置で構成される例を説明したが、画像表示部6を2以上の表示装置で構成してもよい。例えば、画像表示部6が、メイン表示装置とサブ表示装置とで構成される場合、画像音響制御部500は、メイン表示装置に識別コード730に表示しても良いし、サブ表示装置に識別コード730を表示しても良い。
また、本実施形態では、携帯端末70にメッセージ送受信機能及び識別コード認識機能を備えたアプリケーションをインストールし、サーバ71から携帯端末70のアプリケーションにメッセージを送信する例を説明したが、既存のメッセンジャーサービス等を利用し、サーバ71が既存のメッセンジャーアプリケーションのユーザとしてメッセージを送信しても良い。
また、上記の実施形態では、パチンコ遊技機を一例に挙げて本発明の説明を行った。しかし、本発明は、パチンコ遊技機に限られず、例えば、適用可能な範囲において、スロットマシン(回胴式遊技機、パチスロ)に適用されてもよい。この場合、スロットマシンにメダルが投入された状態でレバーがオン操作されることによって、当りを判定するための遊技情報(乱数;判定情報)が取得されることとなる(つまり、遊技情報が取得されるための条件が成立することとなる)。また、この場合、上記した第1〜第3の実施形態での「報知演出」は、スロットマシンにおけるレバーのオン操作によってリールが変動してから停止するまでの演出に対応することとなる。
また、上記の実施形態は、遊技機1と、外部装置(携帯端末70及びサーバ71)とを含むシステムの特徴として捉えることもできるし、携帯端末70及びサーバ71にこのような演出を行わせる遊技機1の特徴として捉えることもできる。
また、上述したパチンコ遊技機1に設けられている各構成要素の形状、数、および設置位置等は、単なる一例に過ぎず他の形状、数、および設置位置であっても、本発明の範囲を逸脱しなければ本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述した処理で用いられている数値等は、単なる一例に過ぎず他の数値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
以上、本発明を実施形態を用いて詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義も含めて)が優先する。