特許文献1の遠心式のミスト発生装置によれば、大量のミストを浴室に充満させてミストサウナの環境を生成できる。しかし、1次ミストの衝突板との衝突作用で2次ミストを生成し、さらに2次ミストの飛散方向を衝突板で強制的に90度変向するので、衝突板に衝突した1次ミストの相当量が衝突板に付着して液滴化するのを避けられない。衝突板に付着した液滴は、自重で流下することにより衝突板から排除されるが、その間にも1次ミストが液滴に衝突して液滴を大きく成長させてしまう。そのため、ミスト発生装置を一定の時間駆動することで必要な量の2次ミストを供給できるものの、2次ミストを効果的に生成できない点に改良の余地がある。ミストの生成原理が同じ特許文献2のミスト発生装置においても同様の問題をはらんでいる。
本発明の目的は、遠心式のミスト発生装置で生成したミストが、周囲の構造体に付着して液滴化するのを防止して、生成したミストの殆どを装置の外へ放出できるミスト発生装置を提供することにある。
本発明は、生成盤2を駆動構造3で回転駆動して、液体を生成盤2の遠心力で周縁から放出してミストを生成する遠心式のミスト発生装置を対象とする。ミスト発生装置は、駆動構造3および生成盤2を支持する本体部1に、生成盤2に液体を供給する給水構造4と、生成盤2の周囲に配置されて、同円盤2で生成されたミストを外部空間へ向かって放出案内するミストガイド5とが設けてある。生成盤2から放出されたミストがミストガイド5の内面に付着するのを防止するミスト付着防止手段を、ミストガイド5に設けてあることを特徴とする。
ミスト付着防止手段は、ミストガイド5の内面に形成した撥水層49からなる(図8参照)。撥水層49は、撥水性に富む樹脂をミストガイド5の内面にコーティングして形成でき、あるいは撥水繊維をミストガイド5の内面形状に合致する形状に成形して形成することができる。撥水繊維で形成した撥水層49は、機能の低下に応じて交換する。また、ミストガイド5の内面に着脱可能に装着される、ミストガイド5の内面形状に合致する形状のフィルム、シートなどで撥水層49を形成することができる。
ミストガイド5は、生成盤2の周囲を囲むガイド基部47と、ガイド基部47から離れた位置で開口するミスト放出口48とを備えている。ミストガイド5は、ミスト放出口48に近づくほど生成盤2の回転中心軸から遠ざかる傾斜壁で形成する。
ミストガイド5は筒壁で構成する。生成盤2の回転平面を通る仮想平面からミスト放出口48までの距離L(図5参照)を、生成盤2の回転中心から円盤周縁までの回転半径R(図2参照)より大きく設定する。
ミストガイド5の筒壁は、ミスト放出口48に近づくほど生成盤2の回転中心軸から遠ざかる湾曲壁で形成する。この場合の湾曲壁は、図5に示すように外凸状の湾曲壁と、図12に示すように内凹み状の湾曲壁とのいずれであってもよい。
ミストガイド5の筒壁は、外凸状の湾曲壁で形成する。ミストガイド5の筒壁の傾斜角度を、ガイド基部47からミスト放出口48に近づくに従って大きく設定する(図8参照)。
ミストガイド5は断面円形の筒壁で構成する。ミスト付着防止手段は、ガイド基部47からミスト放出口48へ向かって搬送風を送る送風器6で構成する。ミスト放出口48の内部の中央に、送風器6から送出された搬送風を、ミストガイド5と協同してミスト放出口48へ向かって流動案内するガイド筒7を配置する。
ミストガイド5の筒壁、およびガイド筒7の筒壁のそれぞれを、ミスト放出口48に近づくほど生成盤2の回転中心軸から遠ざかる湾曲壁で形成する。ミストガイド5とガイド筒7との間の径方向の隙間寸法が、ミスト放出口48に近づくほど小さくなるように設定する。
生成盤2のミスト放出口48側の端部に、遠心ファン6で構成した送風器と、ガイド筒7とを記載順に配置する。ガイド筒7は、遠心ファン6の吸込み空気を流動案内するガイド体を兼ねている。
遠心ファン6のファンブレード54の一端部は生成盤2の周縁を囲んでいる(図2参照)。
遠心ファン6のファンブレード54の表面を撥水層で覆う。
ガイド筒7は、遠心ファン6の側からミスト放出口48側へ向かって外拡がりのベルマウス状に形成する。
ガイド筒7で区画された吸気通路とは別に、外部空気を遠心ファン6へ向かって流動案内する補助吸気通路17を本体部1に設ける。
ミスト付着防止手段は、ミストガイド5の内面に沿って流動するミストおよび搬送風の流れを、ミストガイド5の内面の中央へ向かって引寄せる搬送構造からなる。
搬送構造は、ミストガイド5と、生成盤2のミスト放出口48側に配置した遠心ファン6と、遠心ファン6のミスト放出口48側に配置したガイド筒7とで構成する。生成盤2で生成されたミストを、ミストガイド5とガイド筒7とが協同してミスト放出口48へ向かって変向案内し、遠心ファン6の吸込み空気をガイド筒7で流動案内する。
ガイド筒7の導入口60に臨んで、導入口60の開口量を調整する開口調整体65を配置する。開口調整体65は、ガイド筒7と開口調整体65との間に設けた支持構造67で位置調整可能に支持する。開口調整体65の支持位置を変更することにより、導入口60の開口量を調整できるようにする。
支持構造67は、ガイド筒7の中心軸線上に設けたガイド体68と、ガイド体68で往復スライド自在に案内される可動体69と、ガイド体68と可動体69との間に設けられる節度構造とで構成する。開口調整体65の支持位置を、ガイド筒7の中心軸線に沿って変更することにより、導入口60の開口量を調整できるようにする。
ミスト付着防止手段は、ミストガイド5に装着した超音波振動子80で構成する。超音波振動子80でミストガイド5の筒壁を振動させて、生成盤2から放出されたミストがミストガイド5の内面に付着するのを防止する。
ミストガイド5は筒壁で構成する。超音波振動子80は、生成盤2の周縁と対向するミストガイド5の筒壁の外面に配置する。
ミスト付着防止手段は、ミストガイド5に装着した加熱器83で構成する。
生成盤2によるミストの生成を停止したのち、所定時間T2が経過するまでの間、ミスト付着防止手段を作動させて、ミストガイド5の内面に付着したミストを強制的に除去する。
本発明のミスト発生装置においては、給水構造4から供給された水(液体)を、回転駆動される生成盤2の遠心力で周縁から放出してミストを生成し、生成されたミストをミストガイド5で変向案内して外部空間へ放出できるようにした。また、ミストガイド5にミスト付着防止手段を設けて、生成盤2から放出されたミストがミストガイド5の内面に付着するのを防止できるようにした。このように、ミストガイド5にミスト付着防止手段を設けたミスト発生装置によれば、生成盤2で生成したミストが、生成盤2の周囲のミストガイド5に付着して液滴化するのを防止でき、従って、生成盤2で生成したミストの殆どをミスト装置の外へ効果的に放出できる。
ミスト付着防止手段をミストガイド5の内面に形成した撥水層49で構成すると、生成盤2で生成したミストが撥水層49に付着して液滴化するのを防止して、生成盤2で生成したミストの殆どを効果的に放出できる。また、例えば撥水性に優れた樹脂をミストガイド5の内面にコーティングするだけで撥水層49を形成できるので、構造が簡単であり、ミスト付着防止手段を付加するためのコストが少なくて済む。
生成盤2の周囲を囲むガイド基部47とミスト放出口48を備えたミストガイド5において、ミスト放出口48に近づくほど生成盤2の回転中心軸から遠ざかる傾斜壁でミストガイド5を構成すると、生成盤2で生成したミストを傾斜壁でミスト放出口48へ向かってさらに確実に変向案内できる。また、傾斜壁でミストガイド5を構成するので、ミストガイド5の全体構造を簡素化でき、構造をより単純化できる分だけ変向案内機能を安定的に発揮できる。
ミストガイド5を筒壁で構成し、そのミスト放出口48までの距離Lを、生成盤2の回転中心から円盤周縁までの回転半径Rより大きく設定すると、生成盤2で生成したミストをミスト放出口48へ向かって変向案内したのち、さらにミストガイド5の内面に沿って流動案内できる。つまり、距離Lが大きい分だけ変向案内されたミストを、ミストガイド5の内面に沿って流動させて、ミスト放出口48から放出されるミストの放出方向を、ミストガイド5の内面に沿う方向に一致させて、ミストを確実に放出することができる。
ミストガイド5の筒壁を、ミスト放出口48に近づくほど生成盤2の回転中心軸から遠ざかる湾曲壁で形成すると、ミスト放出口48の近傍におけるミストの流動軌跡を、ミストガイド5の筒壁から徐々に離すことができる。そのため、ミスト放出口48の近傍に達したミストがミストガイド5の筒壁に接触して液滴化するのを防止して、生成盤2で生成したミストの殆どを効果的に放出できる。
外凸状の湾曲壁で形成したミストガイド5の筒壁の傾斜角度を、ガイド基部47からミスト放出口48に近づくに従って大きく設定すると、生成盤2の周縁と対向するガイド基部47におけるミストの付着を効果的に防止できる。これは、ミストの飛翔方向と、ガイド基部47の傾斜面との交差角度が小さいため、生成盤2から放出されたミストを徐々に変向案内して、ミストがガイド基部47の傾斜面に衝突するのを極力避けることができるからである。また、ミストガイド5の筒壁の傾斜角度を、ミスト放出口48の近傍において大きく設定するので、変向案内されたのちのミストをミスト放出口48の近傍の筒壁で整然と流動案内して、ミストがいたずらに拡散するのを防止でき、その放出方向をミストガイド5で一定の方向に揃えることができる。
ミスト放出口48へ向かって搬送風を送る送風器6を備えたミスト発生装置によれば、送風器6から送出した搬送風をミストガイド5で変向案内して、変向された搬送風にミストを乗せた状態でミスト放出口48へ向かって搬送し放出することができる。従って、ミストを搬送風の流動方向へ向かって確実に放出することができる。また、ガイド筒7を付加することにより、ミストガイド5の内部におけるミストおよび搬送風の流動状態を、ミストガイド5とガイド筒7との協同作用で制御し、ミストガイド5の内部における搬送風の流速を増速できるので、ミストガイド5の筒壁にミストが付着するのを確実に防止できる。
ミストガイド5とガイド筒7との間の径方向の隙間寸法を、ミスト放出口48に近づくほど小さくなるように設定すると、ミスト放出口48の近傍における搬送風の流速をさらに増速して、ミストを特定の方向へ向かってより遠くまで搬送できる。また、搬送風の流速が大きくなるのに伴い、ミスト放出口48の近傍の筒壁に付着したミストを、搬送風で捕捉して再び搬送することができる。
送風器を遠心ファン6で構成し、ガイド筒7を吸込み空気を流動案内するガイド体として利用すると、遠心ファン6から送出される搬送風と、遠心ファン6に吸込まれる吸込み空気とをガイド筒7で区分できるので、遠心ファン6による空気の吸込み効率を向上できる。搬送風で運ばれて、ミスト放出口48から放出されたミストが遠心ファン6に吸込まれて循環することもない。
ファンブレード54の一端部が生成盤2の周縁を囲むように遠心ファン6を配置すると、ファンブレード54から送出される搬送風に向かってミストを放出できる。このとき、遠心ファン6から送出された搬送風は、ミストガイド5のガイド基部47によって変向案内され、この変向された搬送風に向かってミストが生成盤2から放出されることになる。そのため、生成盤2から放出されたミストがガイド基部47に直接衝突するのを可及的に防止して、ミスト放出口48へ向かって変向された搬送風でミストを搬送することができ、従ってガイド基部47およびその周辺部分にミストが付着して液滴化するのをさらに確実に防止できる。
遠心ファン6のファンブレード54の表面を撥水層で覆うと、たとえ、生成盤2から放出されたミストがファンブレード54の撥水層に付着したとしても、撥水層の撥水作用のために付着位置に留まることはできず、遠心ファン6の遠心力を受けてファンブレード54から跳ね飛ばされる。そのため、ファンブレード54の表面においてミストが液滴化することはなく、生成盤2で生成したミストをミスト放出口48から効果的に放出できる。
ガイド筒7を外拡がりのベルマウス状に形成すると、ガイド筒7の内部における吸込み空気の流れを、遠心ファン6の吸込口56へ向かって徐々に絞ることができるので、遠心ファン6による空気の吸込み効率をさらに向上して、同ファン6の送風効率を向上することができる。また、遠心ファン6の送風効率が向上するのに伴って、搬送風によるミストの搬送をさらに的確に行うことができる。
ガイド筒7内の吸気通路とは別に、本体部1に補助吸気通路17が設けてあると、ガイド筒7の導入口60が手で塞がれるような場合であっても、遠心ファン6は補助吸気通路17を介して外部空気を吸込んで搬送風を適切に送出できる。また、ユーザーがガイド筒7の導入口60を意識的に塞ぎ、あるいは開放して、ミスト放出口48におけるミストおよび搬送風の放出状態を好みの状態に調整することができる。
ミスト付着防止手段を、ミストガイド5の内面に沿って流動するミストおよび搬送風の流れを、ミストガイド5の内面の中央へ向かって引寄せる搬送構造で構成すると、ミストが搬送風とともにミストガイド5の内面に接触する機会を減少できる。そのため、生成盤2から放出されたミストがミスト放出口48から放出されるまでの間に、ミストガイド5に付着するミスト量を減らすことができる。
ミストガイド5、遠心ファン6、およびガイド筒7とで構成した搬送構造によれば、生成盤2で生成されたミストと、遠心ファン6から送出された搬送風を、ミストガイド5とガイド筒7との協同作用でミスト放出口48へ向かって変向案内し、同放出口48から的確に放出できる。また、ガイド筒7を吸込み空気を流動案内するガイド体として利用すると、遠心ファン6から送出される搬送風と、遠心ファン6に吸込まれる吸込み空気とをガイド筒7で区分できるので、遠心ファン6による空気の吸込み効率を向上できる。また、搬送風で運ばれて、ミスト放出口48から放出されたミストが遠心ファン6に吸込まれて循環することもない。
ガイド筒7の導入口60に臨んで開口調整体65を配置し、開口調整体65の支持位置を変更して導入口60の開口量を調整できるようにすると、ガイド筒7に吸込まれる空気量を大小に調整できる。導入口60の開口量が小さい状態では、導入口60の近傍における流速が増加するので、ミストガイド5の内面に沿って流動する搬送風が、導入口60に吸込まれる空気の流れによって導入口60の側へより強く引寄せられ、ミストガイド5の中央寄りに集約される。逆に、導入口60の開口量が大きい状態では、導入口60の近傍における流速が低下するので、ミストおよび搬送風はミストガイド5の内面に沿って流動する。従って、ユーザーは、ミスト放出口48から放出されるミストの放出状態を、好みに応じて、ミストガイド5の内面に沿って拡散する状態と、中央に集約する状態とに調整して使用することができる。
ガイド体68および可動体69と、両者の間に設けた節度構造などで支持構造67を構成し、開口調整体65の支持位置をガイド筒7の中心軸線に沿って変更する調整構造によれば、開口調整体65を押引きするだけの簡単な操作で、その支持位置を変更できる。また、開口調整体65を常にガイド筒7の中心軸線上に位置させて、導入口60の開口外面を開口調整体65で塞ぐことができるので、髪の一部が導入口60を介して遠心ファン6に吸込まれるのを良く防止できる。
ミスト付着防止手段をミストガイド5に装着した超音波振動子80で構成すると、超音波振動子80でミストガイド5の筒壁を振動させることにより、生成盤2から放出されたミストがミストガイド5の内面に付着するのを防止できる。また、ミストがミストガイド5の内面に付着した場合でも、筒壁に付着したミストを超音波振動によってふるい落として、液滴化するのを解消できる。
超音波振動子80を、生成盤2の周縁と対向するミストガイド5の筒壁の外面に配置すると、ミストが最も衝突しやすい筒壁に超音波振動を作用させて、ミストが液滴化するのを防止できる。また、ミスト放出口48から充分に離れた位置の筒壁の外面に超音波振動子80を配置するので、放出されたミストが超音波振動子80に付着して短絡し、作動不良に陥るのを確実に防止できる。
加熱器83でミスト付着防止手段を構成すると、ミストガイド5に付着したミストを加熱器83で強制的に加熱して気化でき、従って、ミストガイド5に付着したミストが液滴にまで成長するのを防止できる。
生成盤2によるミストの生成を停止したのち、所定時間T2が経過するまでの間、ミスト付着防止手段を作動させると、ミストガイド5の内面に付着したミストを強制的に除去して、衛生的な状態で次回の使用に備えることができる。
(実施例) 図1ないし図10は、本発明に係るミスト発生装置の実施例を示す。図1においてミスト発生装置は、本体部1の内部にミストを生成する生成盤2と、同盤2を回転駆動するモーター(駆動構造)3と、生成盤2に液体を供給する給水構造4と、生成されたミストを放出案内するミストガイド5と、遠心ファン(送風器)6、およびガイド筒7などを配置して構成してある。なお、本発明における前後、左右、上下とは、図1に示す交差矢印と、各矢印の近傍に表記した前後、左右、上下の表示に従う。
本体部1は、逆L字状の本体ケース10を基体にして構成してあり、その内部の上方にモーターホルダー11と、給水ユニット12とミストガイド5が横並びに組付けられ、本体ケース10の内部の下方に設けた電装品室の内部に電池(電源)13および制御基板14が配置してある。電装品室の前面の上部には、制御基板14に設けたスイッチ素子15をオン操作する押ボタン(スイッチ操作具)16が設けてある。モーター3は、その中心軸が水平になる状態でモーターホルダー11の保持筒11aに組付けられており、前端の出力軸3aに生成盤2が固定され、さらに、生成盤2の前端側に遠心ファン6が同行回転可能に固定してある。モーターホルダー11は、保持筒11aと、保持筒11aの周囲を囲む外筒11bとで構成してあり、保持筒11aと外筒11bとの間の空間が補助吸気通路17になっている。外筒11bの後端壁には補助吸気口18が開口してある。後述するように、ガイド筒7の内面の空間は遠心ファン6用の吸気通路として機能するが、この吸気通路とは別に外部空気を遠心ファン6へ向かって供給するために、補助吸気通路17を本体ケース10に設けている。
図2に示すように、ミストを生成する生成盤2は、モーター3の出力軸3aに圧入される導水ブロック21と、導水ブロック21の前端にかしめ固定されるベース板22と、ベース板22の後面に積層される3個のドーナツ形の遠心ディスク23と、各遠心ディスク23をベース板22にかしめ固定する固定枠24とで構成してある。導水ブロック21は裁頭円錐台状に形成されて、その周面に一群の導水溝25が形成してある(図3参照)。導水ブロック21の前端側の直径を、後端側の直径より大きく設定することにより、導水溝25に滴下された液滴を、回転駆動される導水ブロック21の遠心力でベース板22および遠心ディスク23へ向かって強制的に移動させることができる。各遠心ディスク23をベース板22にかしめ固定する際には、図6に示すように、ベース板22と遠心ディスク23、および互いに隣接する遠心ディスク23どうしの間に平座金状のスペーサー26を配置して、小さな隙間E(図7参照)を確保できるようにしている。この実施例の隙間Eの値は0.04mmとした。
図1および図4において、給水構造4は、モーターホルダー11の上面に固定したタンク台29と、タンク台29で支持されるキャップ30付きのタンク31と、タンク31内の水(液体)を給水ユニット12へ送給する給水路32と、タンク台29に装着されて給水路32を開閉操作するソレノイド33などで構成する。タンク31およびキャップ30は、本体ケース10の上壁に開口した装填口34から出入れすることができる。タンク31をタンク台29に装着した状態では、その下面中央に設けた管状の給水口35が、タンク台29に設けた液受凹部36を介して給水路32と接続される。符号37は給水口35に装着したシールリング、符号38はタンク内の水が漏れ出るのを防止し、同時にタンク31内が負圧状態になるのを防ぐ空気弁である。
図1および図2において、給水ユニット12は、モーターホルダー11の外筒11bに連続する筒壁41と、筒壁41の中央に設けた給水ブロック42とを一体に備えており、給水ブロック42の前側に先の導水ブロック21を収容する裁頭円錐台状の滴下凹部43が形成され、その上部に滴下通路44が設けてある。給水路32の終端部は、滴下通路44の上端に接続してある。符号45は、出力軸3aの周囲を封止するパッキンである。
ソレノイド33に臨む給水路32の中途部は、軟質プラスチック材で形成したチューブ32aで形成されており、図4に想像線で示すように、先のチューブ32aをソレノイド33のプランジャー33aで押しつぶすことにより給水を停止できる。プランジャー33aは、図示していないばねで常にソレノイド33の本体部から進出する向きに移動付勢されており、モーター3の起動に連動してプランジャー33aをばねの付勢力に抗して退入させることにより、チューブ32aを自由状態に復帰させて給水を開始できる。
ミストガイド5は、生成盤2の周囲を囲むガイド基部47と、ガイド基部47から離れた前方位置で開口するミスト放出口48とを備えたプラスチック成形品からなり、ミスト放出口48に近づくほど生成盤2の回転中心軸から遠ざかる湾曲壁で形成する。この実施例では、図5および図8に示すように、ミストガイド5の筒壁を外凸状の湾曲壁で形成し、さらに、ミストガイド5の筒壁の傾斜角度が、ガイド基部47からミスト放出口48に近づくに従って大きくなるように設定して、筒壁全体が椀形になるように形成した。具体的には、生成盤2の回転平面を通る平面とガイド基部47とが交差する部分における筒壁の傾斜角度θ1を30度前後とするとき、ミスト放出口48の近傍における筒壁の傾斜角度θ2を80度前後とした(図8参照)。
生成盤2から放出されたミストがミストガイド5の内面に付着するのを防止するために、図8に示すようにミストガイド5の内面に撥水層(ミスト付着防止手段)49を形成している。撥水層49はシリコーン樹脂、フッ素樹脂、フッ化グラファイトなどの撥水性に富む樹脂をミストガイド5の内面にコーティングして形成してある。ミストガイド5は、ガイド基部47の側の端部も開口されていて、この開口50を介して、給水ユニット12の筒壁41で囲まれた空間を含む補助吸気通路17と連通している。
撥水層49は、撥水性に富む樹脂をミストガイド5の内面にコーティングして形成する以外に、撥水繊維をミストガイド5の内面形状に合致する形状に成形して形成することができる。撥水繊維で形成した撥水層49は、撥水機能の低下に応じて交換する。また、ミストガイド5の内面形状に合致する形状に成形したフィルム、シートなどで撥水層49を形成することができ、その場合の撥水層49はミストガイド5の内面に着脱可能に装着される。
図6に示すように、遠心ファン6は、前後一対のフランジ壁53と、両フランジ壁53の間に放射状に配置した一群のファンブレード54と、その中央の後部寄りに設けた連結座55とを一体に備えている。前側のフランジ壁53の中央には吸込口56が開口され、後側のフランジ壁53の中央には補助吸込口57が開口してある。図2に示すように、連結座55は、一群のファンブレード54を介して前後のフランジ壁53と一体化してあり、ベース板22を導水ブロック21にかしめ固定するとき、連結座55も同時にかしめ固定される。ファンブレード54の後端部は、生成盤2の周縁を囲んでいる。図示していないが、遠心ファン6のファンブレード54の表面をミストガイド5の撥水層49と同様の撥水材で覆うことにより、生成盤2から放出されたミストがファンブレード54に付着するのを防止できる。
生成盤2の回転平面を通る仮想平面からミスト放出口48を含む前開口縁までの距離L(図5参照)は、生成盤2の回転中心から円盤周縁までの回転半径R(図2参照)より大きく設定してある。このように、(L>R)とすることにより、ミスト放出口48から放出されるミストの放出方向を、ミストガイド5の内面に沿う方向に一致させて、ミストを確実に直線状に放出することができる。
遠心ファン6から送出された搬送風を、ミストガイド5と協同してミスト放出口48へ向かって流動案内するために、ミスト放出口48の内部の中央にガイド筒7を設けている。図5に示すようにガイド筒7は、遠心ファン6の側からミスト放出口48の側へ向かって外拡がりのベルマウス状に形成してある。ガイド筒7の前端には、空気の導入口60が開口してあり、後端には、遠心ファン6の吸込口56に臨む供給口61が開口してある。導入口60周囲には、ガイド筒7を本体ケース10に装着するための取付枠62が一体に設けてあり、筒内面の供給口61寄りに後述するシャッター65を支持する支持枠63が一体に設けてある。図8に示すように、ガイド筒7の内外面には、ミストガイド5の撥水層49と同じ樹脂をコーティングして撥水層64が形成してある。
図5および図8に示すように取付枠62は、リング枠88の内面の複数個所に係合爪89を一体に設けた枠体からなり、各係合爪89を本体ケース10の係合穴90に差込み係合することにより、ガイド筒7をミストガイド5と共に本体ケース10に固定している。リング枠88とガイド筒7とは、放射方向のリブを介して一体化してある。係合爪89は必要に応じて係合穴90から取外すことができ、ガイド筒7を本体ケース10から取外すことにより、ミストガイド5を本体ケース10から取り外すことができる。つまり、撥水層49を備えているミストガイド5は、本体ケース10に対して着脱自在に設けられており、撥水層49の撥水機能が低下した場合には、新規なミストガイド5を交換装着することができる。また、先に説明した、撥水繊維で形成した撥水層49や、フィルム、あるいはシートなどで形成した撥水層49も同様にして交換することができる。
上記のように、ミストガイド5の内部中央にガイド筒7を設けることにより、両者5・7の間に、生成盤2で生成されたミストをミスト放出口48へ向かって変向案内する搬送路51が形成される。搬送路51におけるミストガイド5とガイド筒7との間の径方向の隙間寸法は、図9に示すように、ガイド基部47の側で最も大きく、ミスト放出口48に近づくほど小さく設定してある。このように、ミストガイド5とガイド筒7との間の隙間寸法を、ミスト放出口48に近づくほど徐々に小さくすると、ミスト放出口48の近傍における搬送風の流速を大きくすることができる。また、生成盤2で生成されたミストを、ミストガイド5とガイド筒7とが協同してミスト放出口48へ向かって変向案内する搬送風の流れに乗せて放出することができる。このように、ガイド筒7は搬送風を流動案内する機能と、遠心ファン6の吸込み空気を流動案内するガイド体の機能とを備えている。
ミスト放出口48から放出されるミストの放出量を調整するために、ガイド筒7の導入口60に臨んでシャッター(開口調整体)65を配置し、導入口60の開口隙間をシャッター65で大小に調整できるようにしている。図5および図8に示すように、シャッター65は、導入口60の開口直径より僅かに大きな直径の円盤状の弁部66を備えている。弁部66は、ガイド筒7と弁部66との間に設けた支持構造67で前後に位置調整可能に支持してある。支持構造67は、ガイド筒7の中心軸線上に設けたガイド軸(ガイド体)68と、ガイド軸68で往復スライド自在に案内される弁部66側の可動筒(可動体)69と、ガイド軸68と可動筒69との間に設けられる節度構造とで構成する。ガイド軸68は、ガイド筒7の支持枠63と一体に形成してあり、可動筒69は弁部66と一体に形成してある。
図5において、節度構造は、ガイド軸68に設けた複数の節度突起70、および各節度突起70に隣接する凹部71と、可動筒69に設けた弾性変形可能な複数の節度腕72、および各節度腕72の遊端内面に設けた節度爪73とで構成してある。シャッター65の弁部66の周縁を掴んで押引きすることにより、弁部66の支持位置をガイド筒7の中心軸線に沿って変更して、導入口60と弁部66との前後間隔を大小に異ならせることができる。つまり、ガイド筒7の導入口60の開口量を調整して、ガイド筒7に吸込まれる空気量を大小に調整できる。
弁部66が導入口60に最も近付いた状態では、導入口60における空気の吸込み抵抗が増加する。しかし、その場合には、補助吸気通路17の側の空気が、遠心ファン6の後側の補助吸込口57から吸込まれるので、遠心ファン6から送出される搬送風量が極端に低下することは無く、従って、生成盤2で生成したミストを適正にミスト放出口48へ向かって変向案内し、搬送することができる。また、導入口60の開口量が小さくなる分だけ、導入口60の近傍における流速が増加するので、ミストガイド5の内面に沿って流動する搬送風が、導入口60に吸込まれる空気の流れによって導入口60の側へより強く引寄せられることになる。
以上のように構成したミスト発生装置の動作を、図10のタイミングチャートに基づき説明する。押ボタン16をオン操作すると、まずモーター3が起動して生成盤2および遠心ファン6が回転駆動される。同時にソレノイド33が作動して、プランジャー33aによるチューブ32aの閉止状態を解除して、導水ブロック21への給水が開始される。給水路32から滴下通路44を介して導水ブロック21に滴下された水滴は、導水ブロック21の遠心力によって導水溝25に沿ってベース板22の側へ送給される。ベース板22に達した水滴は、ベース板22と同板22に隣接する遠心ディスク23との間の隙間Eに入込み、平面状に拡がりながら隙間Eの周縁部分から接線方向へ放出される。同様にして、隣接する遠心ディスク23の間の隙間Eに入込んだ水滴は、平面状に拡がりながら隙間Eの周縁部分から接線方向へ放出される。このときの生成盤2の駆動回転数は10000回/分と高速度であるので、生成盤2から放出されたミストは微粒化される。
生成盤2が起動するのと同時に遠心ファン6が回転駆動されて、その周囲に搬送風を送出する。遠心ファン6から送出された搬送風は、ガイド基部47に衝突して前向きに変向案内され、主にミストガイド5の内面に沿ってミスト放出口48へと流動する。そのため、生成盤2から放出されたミストの殆どは、遠心ファン6から送出された搬送風に運ばれてミスト放出口48から放出される。このとき、導入口60においては、弁部66の周縁と導入口60の周縁との間の前後隙間から、空気がガイド筒7内へ吸込まれる。そのため、ミストガイド5の内面に沿って流動する搬送風が、導入口60に吸込まれる空気の流れによって導入口60の側へ引寄せられる。その結果、搬送風で運ばれるミストがミストガイド5の内面に付着する機会を大幅に減らして、生成盤2で生成したミストの殆どをミスト放出口48から放出することができる。また、ミストガイド5の内面に付着したミストは、撥水層49にはじかれて球状に丸まるので、搬送風によって撥水層49から剥離されて再び搬送風とともにミスト放出口48から放出される。
ミスト放出口48から放出されたミストは、例えば顔肌に向かって送給して、肌面に潤いを与えるために使用できる。このとき、ミストは微粒化されているので、ミストによって肌面が濡れることはない。また、雨粒が肌面に当る場合のような衝撃や接触感を生じることもなく、恰も霧や霞が肌面に当る場合のような、接触感を殆ど感じることのない柔和な感触となる。
押ボタン16を再度オン操作してミスト発生装置の使用を終了すると、ソレノイド33への給電が停止され、プランジャー33aがばねの付勢力で押出し操作されてチューブ32aを押潰し、導水ブロック21への給水が停止される。同時に、モーター3の駆動回転数が15000回/分に増速されて、その状態を一定時間T1(約2秒)だけ維持する。モーター3を増速することにより、導水ブロック21から生成盤2にわたって供給されていた水を短時間で放出し脱水することができるので、導水ブロック21および生成盤2に水が滞留したまま放置されるのを解消し、衛生的な状態で保管できる。
ミスト発生装置は、ミストガイド5およびガイド筒7の内面を水洗い洗浄することができる。その場合には、洗浄水をミスト放出口48の側からミストガイド5の内面に注ぎ込んで撥水層49を洗浄することができる。また、シャッター65を取外したのち、洗浄水を導入口60から注ぎ込んで、ガイド筒7の内面を洗浄することができる。いずれの場合にも、洗浄水は開口50から補助吸気通路17へ入込み、補助吸気口18から排出される。このように、水洗い洗浄を可能とするために、モーター3はモーターホルダー11の保持筒11aの内部に水密状に収容してある。上記のように、ミストガイド5およびガイド筒7の内面を水洗い洗浄する場合には、補助吸気通路17が通水路として機能し、補助吸気口18が排水口として機能する。
図11以下は、本発明に係るミスト発生装置の別の実施例を示す。なお、以下の説明においては、先の実施例と異なる点を主に説明し、先の実施例と同じ部材には同じ符号を付してその説明を省略する。
図11に示す遠心ディスク23は、その前面側に台形状の衝突壁76の一群を形成して、周方向に隣接する衝突壁76の間に液体通路77を設けたものである。遠心力で放射方向へ跳ね飛ばされた水滴は、衝突壁76に繰返し衝突して微細化され、最終的に遠心ディスク23の周縁から放出されて微細なミストになる。このように、一群の衝突壁76を備えた遠心ディスク23でミストを生成すると、ミストをさらに微粒化して比表面積を大きくでき、従って搬送風によるミストの搬送をさらに確実に行うことができる。この場合の平均的なミスト直径は30μmである。また、導水ブロック21を介して遠心ディスク23に供給された水は、遠心ディスク23を放射方向へ通過する間に、繰り返し衝突壁76と衝突して分散されるので、大きな水塊が放出されるのを確実に防止できる。衝突壁76の突出寸法は隙間Eの値と同じに設定してある。
図12のミスト発生装置では、ミストガイド5の筒壁、およびガイド筒7の筒壁のそれぞれを、ミスト放出口48に近づくほど生成盤2の回転中心軸から遠ざかる内凹み状の部分円弧(湾曲壁)で形成するようにした。また、ガイド筒7の円弧半径をミストガイド5の円弧半径より小さく設定して、ミストガイド5とガイド筒7との間の隙間寸法が、ミスト放出口48に近づくほど小さくなるようにした。この実施例から理解できるように、ミストガイド5の筒壁は、外凸状の湾曲壁と内凹み状の湾曲壁のどちらで形成してあってもよい。
図13のミスト発生装置では、ミストガイド5に装着した超音波振動子80でミスト付着防止手段を構成し、超音波振動子80でミストガイド5の筒壁を振動させて、生成盤2から放出されたミストがミストガイド5の内面に付着するのを防止できるようにした。そのために、生成盤2の周縁と対向するガイド基部47の外面にホルダー81を設け、ホルダー81の内部に超音波振動子80を固定した。超音波振動子80はモーター3と同時に起動してミストガイド5の筒壁を超音波振動させ、筒壁の内面にミストが付着するのを防止し、同時に、筒壁の内面に付着したミストをふるい落とす。また、超音波振動子80は、図15に示すように、生成盤2によるミストの生成を停止したのち、所定時間T2(約20秒)が経過するまでの間作動させて、ミストガイド5の内面に付着したミストを強制的に除去する。
図14のミスト発生装置では、ミストガイド5に装着したヒーター(加熱器)83でミスト付着防止手段を構成した。ヒーター83は、ミストガイド5の外面に周回状に配置されており、とくに、生成盤2の周縁と正対するガイド基部47を重点的に加熱して、ガイド基部47の内面に付着したミストを気化させるようにした。ヒーター83は、図15に示すように、生成盤2によるミストの生成を停止したのち、所定時間T2(約20秒)が経過するまでの間作動させて、ミストガイド5の内面に付着したミストを強制的に除去する。
図16(a)〜(c)は、ミストガイド5およびガイド筒7の構造を変更した実施例を示している。図16(a)では、ミストガイド5およびガイド筒7の断面を、それぞれ上下方向に長い楕円で形成した。図16(b)では、ミストガイド5のミスト放出口48、およびガイド筒7の導入口60を、それぞれ上下方向に長い楕円で形成し、ミストガイド5の開口50およびガイド筒7の供給口61を円形に形成した。ミストガイド5およびガイド筒7の断面形状は、円形から上下方向に長い楕円に徐々に変化する。図16(c)では、ミストガイド5のミスト放出口48、およびガイド筒7の導入口60を、それぞれ上下方向に長い四角形で形成し、ミストガイド5の開口50は円形に、ガイド筒7の供給口61は四角形状に形成した。ミストガイド5の断面形状は、円形から上下方向に長い四角形に徐々に変化する。ガイド筒7の断面は、四角形から上下方向に長い四角形へと徐々に変化する。
図17は、送風器が軸流ファン6である場合を示している。そこでは、モーター3の後端の出力軸3bに軸流ファン6を固定し、軸流ファン6で生成した搬送風を、補助吸気通路17と開口50を介してミストガイド5の内部に送給するようにした。この実施例では、軸流ファン6から送出された搬送風が、開口50を介してミストガイド5の内部に向かって螺旋状に送給されるので、生成盤2で生成したミストがガイド基部47に衝突するのをさらに効果的に防止できる。また、ミストガイド5の内部の搬送風とミストとは、ガイド筒7の筒壁に案内されて、ミスト放出口48から外広がり状に放出される。この実施例においてはシャッター65を省略している。なお、この実施例のミストガイド5およびガイド筒7は、図1〜図9で説明したミスト発生装置と同様に、ミストガイド5の内面に撥水層49を形成し、さらにガイド筒7の表面に撥水層64を形成して、生成盤2の周縁から放出したミストがミストガイド5およびガイド筒7に付着して液滴化するのを防止している。また、ミストガイド5の構造は図1〜図9で説明したミスト発生装置のミストガイド5と同じ構造になっている。
図18(a)・(b)は、ミストガイド5の構造を変更した実施例を示しており、いずれも生成盤2の周縁と対向するのが本体ケース10の筒壁である場合を示している。図18(a)では、本体ケース10の内部に生成盤2とモーター3と軸流ファン6を、ケース上部からケース下部へ向かって記載順に配置し、本体ケース10の上部にミストガイド5を配置した。ミストガイド5は、開口50が下向きに開口し、ミスト放出口48が前向きに開口する状態で形成した。ミスト放出口48は左右方向に長い楕円状に形成した。この実施例におけるミストガイドは、前向きに湾曲するミストガイド5と、生成盤2およびモーター3を収容する筒状の本体ケース10との2部品で構成してあり、本体ケース10がミストガイドの機能を兼ねている。要は、ミストガイドとは、生成盤2から放出されたミストをミスト放出口48へ向かって変向し流動案内できるものであればよい。なお、本体ケース10の筒壁の内面には、ミストガイド5に設けた撥水層49と同様の撥水層を設けることができる。
図18(b)では、本体ケース10の内部に前後一対の生成盤2とモーター3を配置し、モーター3の下方に軸流ファン6と、同ファン6を回転駆動するモーター85を設けるようにした。本体ケース10の上部に配置したミストガイド5は、開口50が下向きに開口し、ミスト放出口48が前向きに開口する状態で形成した。ミスト放出口48は上下方向に長い楕円状に形成した。この実施例から理解できるように、生成盤2は複数個設けることができる。この実施例におけるミストガイドは、前向きに湾曲するミストガイド5と、生成盤2およびモーター3を収容する筒状の本体ケース10との2部品で構成してあり、本体ケース10がミストガイドの機能を兼ねている。要は、ミストガイドとは、生成盤2から放出されたミストをミスト放出口48へ向かって変向し流動案内できるものであればよい。なお、本体ケース10の筒壁の内面には、ミストガイド5に設けた撥水層49と同様の撥水層を設けることができる。
上記の実施例以外に、ミストガイド5は、ミスト放出口48に近づくほど生成盤2の回転中心軸から遠ざかる傾斜壁で形成することができる。駆動構造としては、モーター3と、モーター3の駆動回転数を増速する増速構造とで構成することができる。また、駆動構造としては、ぜんまいばねの復元力を動力源にして回転動力を生成し、得られた回転動力を増速ギヤで増速して生成盤2に出力する構造を採用することができる。さらに、生成盤2の回転軸に羽根車を設けて、羽根車に加圧空気を噴出して生成盤2を回転駆動する構造を採用することができる。さらに、手動で揺動操作される駆動レバーと、駆動レバーでピニオンを介して一方向へのみ回転駆動されるフライホィールと、ピニオンとフライホィールとの間に配置されるワンウェイクラッチなどで手動式の駆動構造を構成し、フライホィールの回転動力で生成盤2を回転駆動することができる。シャッター65は、導入口60の開口量を調整するのと同時に、ミスト放出口48の開口量を調整するものであってもよい。ヒーター83としては、ニクロム線ヒーター以外に、セラミックヒーターを適用することができる。
上記の実施例では生成盤2を円盤状に形成したが、その必要はなく、生成盤2は三角形、四角形、楕円形状に形成することができる。また、生成盤2は、ベース板22に複数の遠心ディスク23を積層して構成したが、その必要はなく、少なくともベース板22を備えていれば足りる。ソレノイド33の代わりに電磁操作弁で給水路32を開閉することができる。ガイド体68の側に節度腕72と節度爪73を設け、可動体69の側に節度突起70と凹部71を設けることができる。
上記の実施例以外に、本発明のミスト発生装置は、例えば洗濯槽の内部に配置してミスト状の洗剤や柔軟材を洗濯対象に散布する液体散布器として使用することができる。その場合のミスト発生装置は、洗濯槽の周囲のケーシングに対して着脱自在に装着することができ、あるいは、ミスト発生装置の本体部1を洗濯槽の周囲のケーシングと一体化して、洗剤や柔軟材を補充可能とすることができる。