JP5924205B2 - 通信装置及びプログラム、並びに通信システム - Google Patents
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Description
この発明は、通信装置及びプログラム、並びに通信システムに関し、例えば、データ、音声、映像等のメディアデータを伝送するネットワークに適用することができる。
従来の電話通信等のメディア通信に対応したIPネットワーク(例えば、通信キャリアのネットワーク)では、SIP(Session Initiation Protocol;非特許文献1参照)及びSDP(Session Description Protocol)によりセッション制御(呼制御)を行う構成が広く用いられている。
通常、SIPを用いたセッション制御では、接続の際、音声(audio)や映像(video)といったメディアごとに、セッションを張り管理する構成となっている。
IETF RFC3261
しかしながら、上述の電話通信に対応した通信キャリア等のIPネットワークでは、SIPにより制御されないトラヒックも存在する。例えば、映像(動画像)を配信する動画配信サーバと、映像を受信する端末との間では、長期的に(例えば、10分以上)継続して、SIPにより制御されないセッションが保持された状態となる場合もある。
また、映像データのストリーミング配信や大容量データファイルのダウンロードのように、大容量メディアのセッションが長期的に張られている経路には、大容量トラヒックがバースト的に流れる可能性があるので、同じ経路にSIPにより制御された電話通信等のリアルタイム性の高いセッションがあった場合、そのセッションの通信を圧迫して影響を及ぼす可能性がある。
上述のような問題に鑑みて、メディアデータの通信において、通信品質の低下を抑制しつつ、効率的なデータ通信を行うことができる通信装置及びプログラム、並びに通信システムが望まれている。
第1の本発明は、複数のネットワーク間のデータを中継する通信装置において、(1)受信したデータを、当該データの宛先に到達可能な方路に送出処理するデータ処理手段と、(2)当該通信装置に流れるデータをセッション単位で管理するものであって、管理しているセッションについて、呼制御装置により呼制御プロトコルを用いて管理されている管理セッションと、上記呼制御装置により上記呼制御プロトコルを用いて管理されていない非管理セッションとに分類して管理するセッション管理手段と、(3)上記セッション管理手段で管理されている管理セッションについてについて、当該管理セッションの宛先に到達可能な方路を通過する非管理セッションの状況に応じて、当該管理セッションに係る方路を決定する方路決定手段とを備え、(4)上記データ処理手段は、管理セッションに係るデータについて、上記方路決定手段で決定した方路に送出することを特徴とする。
第2の本発明の通信プログラムは、(1)複数のネットワーク間のデータを中継する通信装置に搭載されたコンピュータを、(2)受信したデータを、当該データの宛先に到達可能な方路に送出処理するデータ処理手段と、(3)当該通信装置に流れるデータをセッション単位で管理するものであって、管理しているセッションについて、呼制御装置により呼制御プロトコルを用いて管理されている管理セッションと、上記呼制御装置により上記呼制御プロトコルを用いて管理されていない非管理セッションとに分類して管理するセッション管理手段と、(4)上記セッション管理手段で管理されている管理セッションについてについて、当該管理セッションの宛先に到達可能な方路を通過する非管理セッションの状況に応じて、当該管理セッションに係る方路を決定する方路決定手段として機能させ、(5)上記データ処理手段は、管理セッションに係るデータについて、上記方路決定手段で決定した方路に送出することを特徴とする。
第3の本発明の通信システムは、複数のネットワーク間のデータを中継する通信装置を備える通信システムにおいて、上記通信装置として第1の本発明の通信装置を適用したことを特徴とする。
本発明によれば、メディアデータの通信において、通信品質の低下を抑制しつつ、効率的なデータ通信を行う通信システムを提供することができる。
(A)主たる実施形態
以下、本発明による通信装置及びプログラム、並びに通信システムの一実施形態を、図面を参照しながら詳述する。この実施形態では、本発明の通信装置をSBC(Session Border Controller)に適用した場合の例について説明する。
以下、本発明による通信装置及びプログラム、並びに通信システムの一実施形態を、図面を参照しながら詳述する。この実施形態では、本発明の通信装置をSBC(Session Border Controller)に適用した場合の例について説明する。
(A−1)実施形態の構成
図1は、この実施形態の通信システム1の全体構成を示すブロック図である。
図1は、この実施形態の通信システム1の全体構成を示すブロック図である。
通信システム1には、少なくとも、SBC10、3台の端末20(20−1〜20−4)、2台のSW30(30−1、30−2)、1台の呼制御装置としてのSIPサーバ40、及びコンテンツ配信サーバ50が配置されている。
図1では、本発明に係るSBC10に係る機能を説明する上で、最も簡易な構成例について記載している。したがって、図1に示す各装置間の間は直接接続する構成としてもよいし、間に他の通信装置を介した通信(例えば、スイッチ、ルータ等)を介した通信としてもよい。また、図1に示す各装置の数についても限定されないものである。
SBC10は、ネットワーク間の通信の制御(主としてネットワーク間のIPパケットの転送)を行う装置である。図1に示すように、SBC10は、少なくともネットワークN1、N2、スイッチ30−1、及びスイッチ30−2に接続している。
スイッチ30−1、30−2は、それぞれSBC10に接続するレイヤ3スイッチである。また、図1に示すように、以下では、SBC10からスイッチ30−1への方路(ルート)を「方路R1」と呼ぶものとする。また、以下では、SBC10からスイッチ30−2への方路(ルート)を「方路R2」と呼ぶものとする。
SIPサーバ40は、SIP及びSDPを用いて、SIPに対応した端末間の呼制御を行うコールエージェントとして機能する装置(呼制御装置)である。図1では、SIPサーバ40は、SBC10から見て、スイッチ30−2を経由した先に接続されている。図1では、SIPサーバ40は、少なくとも端末20−1と端末20−2との間の呼制御を行うものとして説明する。SIPサーバ40については、既存のSIP及びSDPに対応したコールエージェント等を適用することができるので、詳しい説明は省略する。なお、通信システム1において、呼制御を行う構成は限定されないものであり、複数のSIPサーバを用いて、呼制御処理を分散処理する構成としてもよい。
端末20−1及び端末20−2は、SIP及びSDPに対応した端末であり、音声通話又はビデオ通話の通信が可能であるものとする。端末20−1及び端末20−2としては、例えば、既存のPC、スマートホン、IP電話装置、会議端末等を適用することができるため、詳しい説明については省略する。図1では、端末20−1及び端末20−2は、SIPサーバ40の呼制御(SIPメッセージによる呼制御)に基づいてセッション(呼)が張られるものとして説明する。
図1に示すように、SBC10から見て、端末20−2は、スイッチ30−1又はスイッチ30−2のいずれかを経由して接続可能な位置に配置されているものとする。また、端末20−1は、ネットワークN2に接続されているものとする。
コンテンツ配信サーバ50は、端末(受信端末)の要求に応じて、映像データのストリーミング配信、音声データのストリーミング配信、データファイル(例えば、画像データや、テキストファイル、プログラム等)の送信等のコンテンツデータ配信を行うサーバである。コンテンツ配信サーバ50は、例えば、端末に映像データや音声データをストリーミング配信する場合、MPEG等の形式のストリーム形式のデータをRTP/RTCP(Real−time Transport Protocol/RTP Control Protocol)等の伝送プロトコルにより送信する。また、コンテンツ配信サーバ50は、例えば、端末にデータファイルを送信する場合には、FTPやHTTP等のプロトコルにより送信する。コンテンツ配信サーバ50としては、既存の種々のコンテンツ配信サーバを適用することができるため、詳しい説明を省略する。この実施形態では、コンテンツ配信サーバ50は、少なくとも端末20−3、20−4に、各種コンテンツのデータ配信を行うことが可能であるものとして説明する。また、この実施形態では、コンテンツ配信サーバ50からのデータ送信に係るセッションについては、通信制御にSIPは用いられていないものとする。なお、コンテンツ配信サーバ50は、ネットワークN1に接続されているものとする。
端末20−3、20−4は、コンテンツ配信サーバ50にコンテンツのデータ配信を要求して受信することが可能な端末(例えば、スマートホンやPC等)である。図1に示すように、SBC10から見て、端末20−3は、スイッチ30−1を経由した先に配置されているものとする。また、図1に示すように、SBC10から見て、端末20−4は、スイッチ30−2を経由した先に配置されているものとする。
次に、SBC10の内部構成について、図2を用いて説明する。
SBC10は、通信処理部11、インタフェース12(12−1〜12−4)、及び記憶部13を有している。
SBC10において、パケット処理(データ処理)を行う構成要素(例えば、通信処理部11及び記憶部13を含む構成要素)については、例えば、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータに、実施形態の通信プログラムを実行させることにより実現するようにしてもよい。その場合でもSBC10の機能的構成は、図2のように示すことができる。
インタフェース12−1〜12−4は、SBC10におけるネットワークインタフェースであり、例えば、各種イーサネット(登録商標)仕様のインタフェースを適用することができる。図1に示すように、インタフェース12−1は、ネットワークN1(ネットワークN1を構成するネットワーク装置)と接続している。また、インタフェース12−2は、ネットワークN2(ネットワークN2を構成するネットワーク装置)と接続している。さらに、インタフェース12−3は、スイッチ30−1(スイッチ30−1を含むネットワーク)と接続している。さらにまた、インタフェース12−4は、スイッチ30−2(スイッチ30−2を含むネットワーク)と接続している。
なお、SBC10において、搭載するインタフェースの数や、その種類については限定されないものであるが、この実施形態では、SBC10に少なくとも上述の4つのインタフェース12−1〜12−4が配置されているものとして説明する。
そして、通信処理部11は、各インタフェース12が受信したパケットを処理して宛先に対応する次の転送先(ネクストホップ)に転送する処理(ルーティング処理)を行う。通信処理部11は、基本的にセッション単位で、各パケットのルーティング処理を実行する。通信処理部11によるルーティング処理の詳細については、後述する。
また、通信処理部11は、各インタフェース12で受信したパケットを分析して、その分析結果を、記憶部13に記憶される各テーブルに反映する。
記憶部13は、通信処理部11により利用される各テーブル等のデータを記憶する記憶手段であり、この実施形態では、少なくともセッション管理テーブルT1、及び方路管理テーブルT2(T2−1、T2−2)が記憶されている。
通信処理部11は、インタフェース12間を流れるパケットをセッションごとに監視・分析して、セッション管理テーブルT1、及び方路管理テーブルT2(T2−1、T2−2)の内容を更新する。
図3は、セッション管理テーブルT1の構成例について示した説明図である。
セッション管理テーブルT1には、セッションごとに、セッションID、制御プロトコル、セッション識別情報(送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、ポート番号)、帯域情報(音声帯域、映像帯域、データ帯域)、及び方路情報の項目の情報が設定されている。
「セッションID」の項目は、通信処理部11により当該セッションに付される識別子である。この実施形態では、通信処理部11は、各セッションに、発生順で連続する番号(1、2、3、…)を付与するものとして説明する。
「制御プロトコル」の項目は、当該セッションがSIPにより管理されたセッション(SIPサーバ40により呼制御されたセッション)であるか否かを表している。以下では、SIPにより管理されたセッションを「SIP管理セッション」と呼ぶ。また、以下では、SIPにより管理されていないセッションを「非SIP管理セッション」と呼ぶものとする。そして、セッション管理テーブルT1において、SIP管理セッションに係る制御プロトコルの項目には、「SIP」と設定されるものとする。また、セッション管理テーブルT1において、非SIP管理セッションに係る制御プロトコルの項目には、「non−SIP」と設定されるものとする。
「セッション識別情報」の項目は、通信処理部11が当該セッションに係るパケットを識別するために必要な情報を示している。この実施形態のセッション管理テーブルT1では、図3に示すように、セッション識別情報の項目として、送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、及びポート番号(送信元ポート番号及び送信先ポート番号は一致しているものとする)が登録されているものとする。なお、以下では説明を簡易にするために、端末20−1〜20−4のそれぞれのIPアドレスをIP1〜IP4と表記するものとする。また、コンテンツ配信サーバ50のIPアドレスをIP5と表記するものとする。
「帯域情報」の項目は、当該セッションが利用している帯域(単位は[Mbps])を、データの種類ごとに示している。この実施形態では、帯域情報の項目は、音声帯域、映像帯域、及びデータ帯域の3の項目に分類されているものとする。なお、帯域情報の分類方式については限定されないものであり、特に分類せず合計値のみを表すようにしてもよい。
「方路情報」の項目は、当該セッションに係るメディアデータが、SBC10が対応するいずれの方路を経由しているかを示している。通信処理部11では、各方路に方路IDが付与されており、ここでは、方路R1の方路IDが「1」、方路R2の方路IDが「2」であるものとして説明する。
方路管理テーブルT2は、通信処理部11により、SBC10からの方路ごとに生成されるテーブルであり、この実施形態では方路R1、R2に対して、それぞれ方路管理テーブルT2−1、T2−2が生成されることになる。言い換えると、各方路管理テーブルT2は、セッション管理テーブルT1の情報のうち、当該方路に対応する情報(行)を抽出した情報であるともいえる。
図4は、方路管理テーブルT2の構成例について示した説明図である。図4(a)は、方路管理テーブルT2−1の構成例である。また、図4(b)は、方路管理テーブルT2−2の構成例である。
図4に示すように、方路管理テーブルT2には、当該方路に係る「セッションID」、「制御プロトコル」及び「帯域情報」の項目の情報が設定されている。なお、これらの項目はセッション管理テーブルT1と同様なので詳しい説明を省略する。
なお、この実施形態では説明を簡易にするために、通信処理部11が、セッション管理テーブルT1とは別に方路管理テーブルT2を生成するものとして説明するが、各方路ごとの情報(「セッションID」、「制御プロトコル」及び「帯域情報」の項目の情報)が管理されていれば、必ずしも別途方路管理テーブルT2を生成する必要はない。
次に、通信処理部11によるルーティング処理及び各テーブルの更新処理について説明する。
上述の通り、通信処理部11は、SBC10を流れるセッションごとに、当該セッションに係るルーティング先(ネクストホップとして指定する方路)を決定する。通信処理部11は、セッションごとに、当該セッションに係るパケットの宛先に到達可能な方路(ネクストホップ)を確認し、当該宛先に到達可能な方路が複数検出された場合には、いずれかの方路を当該セッションに係るルーティング先として決定する。なお、当該セッションに係る宛先に到達可能な方路が1つしかない場合は、通信処理部11は、その方路を当該方路のルーティング先として決定する。通信処理部11において、当該セッションに係るパケットの宛先に到達可能な方路(ネクストホップ)を検出する方法は限定されないものであるが、例えば、自身が保持する図示しないルーティングテーブル(例えば、ルータ等で生成されるレイヤ3のルーティングテーブルと同様のもの)の内容に基づいて求めるようにしてもよい。なお、この実施形態では、SBC10は、レイヤ3のルーティング処理をするルータやレイヤ3スイッチの機能に対応し、レイヤ3(IPアドレス)で各セッションに係るパケットの方路を選択(ルーティング処理)するものとして説明するが、レイヤ2(MACアドレス)でのスイッチング処理だけで方路の選択をする構成としてもよい。
そして、通信処理部11は、SIP管理セッションについて、複数の方路の候補からルーティング先を決定する場合には、各方路に流れる非SIP管理セッションの状況を確認し、その確認結果に応じて、いずれかの方路を当該セッションのルーティング先として設定する。具体的には、この実施形態の通信処理部11は、より非SIP管理セッションの数が少ない方路を、新規のSIP管理セッションのルーティング先として決定するものとする。
通信処理部11は、例えば、各インタフェース12を流れるSIPメッセージ(呼制御信号)のパケットを監視することにより、SIP管理セッションの検出及び管理を行うことができる。例えば、通信処理部11は、SIPのINVITEメッセージを含むパケットのヘッダ情報等を解析することにより、SIP管理セッションの発生を検知することができる。例えば、通信処理部11が、図5に示すヘッダ情報(SDPに基づいて記述された部分のみを抽出)を含むINVITEメッセージを受信した場合には、メディア記述部の内容(「m=」で始まる部分)を参照することにより、SIP管理セッションの発生を検出することができる。例えば、図5では、「m=audio 20000 RTP/AVP 0」、「m=Video 20002 RTP/AVP 31」と記述されているので、ポート番号20000で音声(audio)に係るメディアデータのセッション(SIP管理セッション)が発生し、ポート番号20002で映像(Video)に係るメディアデータのセッション(SIP管理セッション)が発生することを示している。そして、通信処理部11は、当該INVITEメッセージの他のヘッダ情報(例えば、ToヘッダやFromヘッダ等)を参照することにより、発生を検出したSIP管理セッションに関するポート番号以外の識別情報(送信元及び宛先のIPアドレス等の把握)の取得を行うことができる。このように通信処理部11では、SIPメッセージの内容を監視することにより、SIP管理セッションの発生及び、当該SIP管理セッションを識別するための情報(例えば、ポート番号、送信元及び宛先のIPアドレス)を把握することができる。なお、INVITEメッセージに送信元及び送信先のURIやホスト名のみが記述され、IPアドレス自体が記述されていない場合は、通信処理部11は、名前解決を行うことが可能な図示しないサーバ(例えば、他のSIPサーバや、DNSサーバ)に問い合わせることによりIPアドレスを取得するようにしてもよい。
また、通信処理部11は、例えば、各インタフェース12を流れるSIP以外のセッション制御に係るパケットを監視することにより、非SIP管理セッションの検出及び管理を行うことができる。例えば、通信処理部11は、TCPやUDPのセッション開始に係る制御パケット(例えば、SynパケットやSynパケットに応答するACKパケット)を監視することにより、非SIP管理セッションの発生及び非SIP管理セッションを識別するためのセッション識別情報(ポート番号、送信元及び宛先のIPアドレス)を把握することができる。
そして、通信処理部11は、複数の方路の候補からルーティング先を決定する場合には、各方路に流れる非SIP管理セッションの状況を確認し、その確認結果に応じて、いずれかの方路を当該セッションのルーティング先として設定する。具体的には、この実施形態の通信処理部11は、上述の通り、より非SIP管理セッションの数が少ない方路を、新規のSIP管理セッションのルーティング先として決定するものとする。
そして、通信処理部11は、決定したルーティング先に応じた内容を、セッション管理テーブルT1、及び方路管理テーブルT2(決定したルーティング先の方路に対応するテーブル)に反映する。
また、通信処理部11は、セッション管理テーブルT1、及び方路管理テーブルT2−1、T2−2で管理される各セッションに係るパケットの受信状況に応じて、各セッションの帯域情報を更新する。通信処理部11が各セッションの帯域情報を求めるアルゴリズムについては限定されないものであるが、例えば、直近の所定時間内における、単位時間あたりのデータ転送量やパケット転送数に基づいて算出するようにしてもよいし、当該セッションが生成されてから現在までのデータ転送量やパケット転送数に基づいて算出するようにしてもよい。
さらに、通信処理部11が、非SIP管理セッションのメディアの種類(例えば、音声、映像、データのいずれか)を判定する方法については限定されないものであるが、例えば、ポート番号に基づいて判定するようにしてもよい。なお、セッション管理テーブルT1、及び方路管理テーブルT2−1、T2−2で、帯域情報が管理されない場合や、帯域情報でメディアの種類を管理しない場合には、通信処理部11が、各セッションに係るメディアの種類を判定する必要がないことは当然である。
さらにまた、通信処理部11が行う非SIP管理セッションに関するルーティング先の決定方式は限定されないものであり、既存の種々の負荷分散方式のアルゴリズムを適用することができる。また、通信処理部11が、各種制御パケット(SIP信号を含む)等、継続的に張られたセッション上を流れないパケットのルーティング先の決定方式についても限定されないものであり、既存の種々の負荷分散方式のアルゴリズムを適用することができる。
また、この実施形態では、説明を簡易にするため、SBC10からスイッチ30−1又はスイッチ30−2の方路(方路R1又は方路R2)に係るセッションの処理を行う構成についてのみ示しているが、実際には、双方向(例えば、SBC10からネットワークN1又はネットワークN2の方向)のセッションについて同様の処理を行う構成としてもよいことは当然である。
(A−2)実施形態の動作
次に、以上のような構成を有するこの実施形態の通信システム1の動作を説明する。
次に、以上のような構成を有するこの実施形態の通信システム1の動作を説明する。
(A−2−1)非SIP管理セッションが発生した場合の動作
まず、非SIP管理セッションが新たに発生した場合の通信システム1の動作について図6のシーケンス図を用いて説明する。
まず、非SIP管理セッションが新たに発生した場合の通信システム1の動作について図6のシーケンス図を用いて説明する。
ここでは、図6のシーケンス図の処理の初期状態として、SBC10の方路管理テーブルT2、方路管理テーブルT2−1、T2−2については、図7、図8に示す状態であるものとして説明する。
そして、ここでは、端末20−4からコンテンツ配信サーバ50に対して、HTTPによるコンテンツデータのダウンロードの要求が行われたものとする。そして、コンテンツ配信サーバ50から、端末20−4へ向けて、HTTP(TCP/8080)を用いたデータ配信を行うセッションを開始するためのTCP Synパケットが送出されたものとする。このTCP Synパケットは、SBC10(通信処理部11)に供給されることになる。そして、通信処理部11は、そのTCP Synパケットを、宛先のIPアドレス(IP4、端末20−4)へ到達させるために、スイッチ30−2(方路R2)へ転送する。そして、そのTCP Synパケットは、スイッチ30−2を介して端末20−4に到達することになる(S101)。
そして、通信処理部11は、通過したTCP Synパケットの内容に基づいて、セッション管理テーブルT1について仮更新を実行する(S102)。このとき、通信処理部11は、上述のTCP Synパケットに係るセッションIDとして「3」を設定し、セッション管理テーブルT1を仮更新する。その結果、セッション管理テーブルT1の内容は、図9のように仮更新されることになる。このとき、通信処理部11は、新たに追加されたセッションID3の帯域情報の初期値として、対応する種類の項目に0を設定する。具体的には、通信処理部11は、帯域情報のうちデータ帯域の項目に0を設定する。なお、この時点で、セッションID3の方路情報は未設定の状態(空欄)である。
そして、端末20−4では、受信したTCP Synパケットに応答するためのTCP ACKパケットが、コンテンツ配信サーバ50に向けて送出される。そして、SBC10にそのTCP ACKパケットが供給されると、通信処理部11は、そのTCP ACKパケットを、コンテンツ配信サーバ50に転送処理する(S103)。
そして、通信処理部11では、セッションID3に係るTCP ACKパケットの通過を契機に当該セッションに係るパケットを転送する方路を決定する(S104)。ただし、SBC10から見て、端末20−4(IP4)に到達する方路は方路R2しかないため、通信処理部11では、セッションID3に対応する方路は方路R2に決定される。
そして、通信処理部11は、仮更新したセッション管理テーブルT1に方路を設定(セッションID3の方路情報に方路R2を設定)して確定し、方路R2に対応する方路管理テーブルT2−2にもセッションID3に係る情報を追加する更新を行う(S105)。その結果、セッション管理テーブルT1及び、方路管理テーブルT2(T2−1、T2−2)の内容は、図10、図11のように更新されることになる。なお、図11において、図11(a)は、この時点での方路管理テーブルT2−1の内容を示し、図11(b)は、この時点での方路管理テーブルT2−2の内容を示している。
そして、その後、コンテンツ配信サーバ50から端末20−4に向けて、コンテンツデータの送信が開始される。そして、SBC10では、セッション管理テーブルT1に基づいて、コンテンツ配信サーバ50から端末20−4に向けて送信されたコンテンツデータのパケット(セッションID3に係るパケット)が、方路R2(スイッチ30−2)に転送される(S106)。そして、その間通信処理部11では、セッションID3に係る帯域計測が行われる。そして、通信処理部11は、その帯域計測の結果に基づいて、セッション管理テーブルT1及び方路管理テーブルT2−2の帯域情報を更新する。
(A−2−2)SIP管理セッションが発生した場合の動作
次に、SIP管理セッションが新たに発生した場合の通信システム1の動作について図12のシーケンス図を用いて説明する。
次に、SIP管理セッションが新たに発生した場合の通信システム1の動作について図12のシーケンス図を用いて説明する。
ここでは、図12のシーケンス図の処理の初期状態として、SBC10の方路管理テーブルT2、方路管理テーブルT2−1、T2−2については、図10、図11に示す状態であるものとして説明する。
そして、ここでは、端末20−1からSIPサーバ40に対して、端末20−2とのビデオ通話(音声及び映像のセッション)の発呼を要求するINVITEメッセージ(SIPメッセージ)が送出されたものとする。そして、そのINVITEメッセージは、SBC10及びスイッチ30−2を介して、SIPサーバ40に到達したものとする(S201)。
このとき、そのINVITEメッセージが、SBC10を通過する際に、通信処理部11により参照される。そして、通信処理部11では、当該INVITEメッセージに基づいて、セッション管理テーブルT1が仮更新される(S203)。
このとき当該INVITEメッセージのヘッダには、上述の図5に示す内容(SDPにより記述された内容)が記載されており、そのうち「m=audio 20000 RTP/AVP 0」、「m=Video 20002 RTP/AVP 31」という内容等に基づいて、通信処理部11では、当該INVITEメッセージに係る2つのセッション(音声に係るメディアデータのセッションと、映像に係るメディアデータのセッション)が把握される。また、通信処理部11では、音声に係るセッションと映像に係るセッションに、それぞれセッションID4、5が付与されたものとする。そして、このとき仮更新された後のセッション管理テーブルT1の内容は、図13に示す状態となる。
そして、端末20−1からのINVITEメッセージを受信したSIPサーバ40では、そのINVITEメッセージが処理される。SIPサーバ40は、端末20−1からの要求に基づいて、端末20−2へ発呼するためのINVITEメッセージを生成して、端末20−2へ向けて送出することになる。そして、そのINVITEメッセージは端末20−2に供給されることになる(S202)。
そして、端末20−2では、供給されたINVITEメッセージに基づく呼に応答するための「200 OK」のSIPメッセージが生成され、SIPサーバ40に向けて送信されたものとする(S204)。
そして、SIPサーバ40では、供給された「200 OK」のSIPメッセージが処理される。SIPサーバ40は、端末20−2からの応答(200 OKのメッセージ)に基づいて、端末20−1へ応答するための「200 OK」のSIPメッセージを生成して、端末20−1へ向けて送出する。そして、その「200 OK」のSIPメッセージは、スイッチ30−2及びSBC10を経由して、端末20−1に供給される(S205)。
そして、SBC10の通信処理部11では、セッションID4、5に係る「200 OK」のSIPメッセージの通過を契機に当該セッションに係るパケットを転送する方路を決定する(S206)。このとき、通信処理部11では、端末20−2に到達可能な経路として、方路R1と方路R2が検出される。そして、通信処理部11は、方路管理テーブルT2−1、T2−2(図11の状態)を参照して、より非SIP管理セッション(制御プロトコルがnon−SIPとなっているセッション)の数が少ない方路を選択する。ここでは、通信処理部11は、非SIP管理セッションが少ない方路R1を選択することになる。
そして、通信処理部11は、仮更新したセッション管理テーブルT1に方路を設定(セッションID4、5の方路情報に方路R1を設定)して確定し、方路R1に対応する方路管理テーブルT2−1にもセッションID3に係る情報を追加する更新を行う(S207)。その結果、セッション管理テーブルT1及び、方路管理テーブルT2(T2−1、T2−2)の内容は、図14、図15のように更新されることになる。なお、図15において、図15(a)は、この時点での方路管理テーブルT2−1の内容を示し、図15(b)は、この時点での方路管理テーブルT2−2の内容を示している。
そして、その後、端末20−1から端末20−2に向けて、音声データ及び映像データの送信が開始される。そして、SBC10では、セッション管理テーブルT1に基づいて、端末20−1から端末20−2に向けて送信されたパケット(セッションID3、4に係るパケット)が、方路R1(スイッチ30−1)に転送されることになる(S207)。そして、その間通信処理部11では、セッションID3、4に係る帯域計測が行われる。そして、通信処理部11は、その帯域計測の結果に基づいて、セッション管理テーブルT1及び方路管理テーブルT2−1の帯域情報を更新する。
(A−3)実施形態の効果
この実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
この実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
通信システム1のSBC10(通信処理部11)は、新規に発生したSIP管理セッションについて、複数の方路の候補からルーティング先を決定する場合には、より非SIP管理セッションの数が少ない方路を、新規のSIP管理セッションのルーティング先として決定する。上述の通りSIPにより管理されないセッション(特に、長期的に張られた映像やデータファイルに係るセッション)については、バースト的に帯域使用量が増加する可能性がより高い傾向にあるため、SBC10(通信処理部11)が、SIP管理セッションについて、より非SIP管理セッションの数が少ない方路をルーティング先として決定することにより、SIP管理セッションの通信品質の低下を抑制(例えば、遅延やゆらぎの減少)することができる。
また、通信システム1では、上述のように、SIP管理セッションと非SIP管理セッションとを同じ帯域(通信パス)に混在させても、SIP管理セッションの通信品質の低下を抑制することができるため、効率的な通信帯域の利用を実現することができる。
(C)他の実施形態
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形実施形態も挙げることができる。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形実施形態も挙げることができる。
(C−1)上記の実施形態では本発明の通信装置をSBCに適用する例について説明したが、本発明の通信装置を適用する装置はこれに限定されないものである。例えば、本発明の通信装置を、例えば、ルータ、レイヤ3スイッチ、レイヤ4スイッチ(ロードバランサー)等のゲートウェイ装置に適用するようにしてもよい。
(C−2)上記の実施形態の通信システム1では、SBC10が自律的に、自己で取得可能な情報に基づいて、各セッションに係る方路を決定しているが、別途制御装置を構築して、その制御装置で方路決定を行うようにしてもよい。例えば、SBC10が複数存在し、方路決定が必要な分岐が複数存在する場合には、上述の制御装置が、エンドエンドで最も非SIP管理セッションが少ない経路を検出して、各SBC10に係る経路を決定するようにしてもよい。
(C−3)上記の実施形態のSBC10(通信処理部11)では、SIP管理セッションの方路を決定する際に、方路ごとの非SIP管理セッションの数を考慮しているが、さらに、方路ごとの帯域情報を考慮するようにしてもよい。例えば、SIP管理セッションの方路を決定する際に、非SIP管理セッションの数が同一の方路が複数存在する場合には、SBC10は、利用中の帯域が最も少ない方路(帯域情報に示される値の合計値)を当該SIP管理セッションの方路として決定するようにしてもよい。
(C−4)上記の実施形態のSBC10(通信処理部11)では、SIPにより呼制御されたSIP管理セッションに係るパケットを処理する例について示したが、その他の呼制御プロトコル(例えば、H.323等)により呼制御されたセッションについて同様に処理する構成としてもよい。
1…通信システム、10…SBC、11…通信処理部、12、12−1〜12−3…インタフェース、13…記憶部、T1…セッション管理テーブル、T2、T2−1、T2−2…方路管理テーブル、20、20−1〜20−4…端末、30、30−1、30−2…スイッチ、40…SIPサーバ、50…コンテンツ配信サーバ、N1、N2…ネットワーク。
Claims (5)
- 複数のネットワーク間のデータを中継する通信装置において、
受信したデータを、当該データの宛先に到達可能な方路に送出処理するデータ処理手段と、
当該通信装置に流れるデータをセッション単位で管理するものであって、管理しているセッションについて、呼制御装置により呼制御プロトコルを用いて管理されている管理セッションと、上記呼制御装置により上記呼制御プロトコルを用いて管理されていない非管理セッションとに分類して管理するセッション管理手段と、
上記セッション管理手段で管理されている管理セッションについてについて、当該管理セッションの宛先に到達可能な方路を通過する非管理セッションの状況に応じて、当該管理セッションに係る方路を決定する方路決定手段とを備え、
上記データ処理手段は、管理セッションに係るデータについて、上記方路決定手段で決定した方路に送出すること
を特徴とする通信装置。 - 上記方路決定手段は、上記セッション管理手段で管理されている管理セッションに係る方路を決定する際に、当該管理セッションの宛先に到達可能な方路を通過する非管理セッションの数を考慮することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
- 上記方路決定手段は、上記セッション管理手段で管理されている管理セッションの宛先に到達可能な方路のうち、通過する非管理セッションの数がより少ない方路を、当該管理セッションに係る方路として決定することを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
- 複数のネットワーク間のデータを中継する通信装置に搭載されたコンピュータを、
受信したデータを、当該データの宛先に到達可能な方路に送出処理するデータ処理手段と、
当該通信装置に流れるデータをセッション単位で管理するものであって、管理しているセッションについて、呼制御装置により呼制御プロトコルを用いて管理されている管理セッションと、上記呼制御装置により上記呼制御プロトコルを用いて管理されていない非管理セッションとに分類して管理するセッション管理手段と、
上記セッション管理手段で管理されている管理セッションについてについて、当該管理セッションの宛先に到達可能な方路を通過する非管理セッションの状況に応じて、当該管理セッションに係る方路を決定する方路決定手段として機能させ、
上記データ処理手段は、管理セッションに係るデータについて、上記方路決定手段で決定した方路に送出すること
を特徴とする通信プログラム。 - 複数のネットワーク間のデータを中継する通信装置を備える通信システムにおいて、上記通信装置として請求項1に記載の通信装置を適用したことを特徴とする通信システム。
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