JP5921426B2 - ネオジム磁石分別用の回転ドラム、ネオジム磁石回収装置 - Google Patents
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Description
ネオジム自体の素材価値が他の希土類と比べて特段高価とは言えず、またよく添加される稀少価値の高いジスプロシウムの含有量も数%であるため、ネオジム磁石の価値は貴金属と比べると安価であったため、様々な製品からこのネオジム磁石を取り出しリサイクルを行うための技術開発及び、回収とリサイクルを行うスキームの構築は活発でなかった。
特許文献1では、モータをモータの巻線被膜の溶解温度以下に加熱する工程と、ステータ電機子巻線に減衰交流電流を印加し磁界を発生させる工程を用いて磁石の減磁を行い、ネオジム磁石を回収する技術を提案している。
ハードディスクドライブは、リサイクル家電4品目のように効率よく解体し各構成物を分離する手法は未だ確立されていない。
ハードディスクドライブの分別方法としては、もっぱら手作業による解体により基盤のみを分離する方法や、全体をそのまま、粉々に破砕する方法がある。
破砕すると破砕機の内部や他の鉄部材に磁石が密着したままとなり、ネオジム磁石を効率よく回収するのは困難である。
ネオジム磁石は、概ね成分の約65%が鉄、28%がネオジム、残りの数%がジスプロシウムという組成である。
ネオジム磁石の保持力は、磁石の中で最も強力であり、少量であっても完全に着磁されたネオジム磁石を使用している製品、構成物からネオジム磁石のみを分離することは、機械の故障を誘発し易く、非常に危険である。
また、ハードディスクドライブ内部のネオジム磁石は、ヨークと呼ばれる鉄に接着剤で取り付けられており、このヨークの大半はハードディスクドライブの筐体に螺子で固定されているので、そのまま破砕して性質の違いを用いて他の組成物と分離すること、特に鉄と分離することが困難である。
そこで、特許文献1では、製品を巻き線皮膜の溶解温度以下や許容冷媒温度以下となる100℃や130℃位以下の温度に一旦加熱して保持し、磁束密度を低下させた後、端子間に減衰交流電流を印加し、更に減磁する手法が記載されている。
ネオジム磁石を内蔵した機器の温度を摂氏150〜200度の温度まで昇温させ、ネオジム磁石の磁束密度を0.6〜1.2テスラに減磁した前記機器を破砕した破砕物の中のネオジム磁石破砕物を吸着させる回転ドラムであって、前記回転ドラムを脱磁する脱磁コイルを備えたものである。
ネオジム磁石を内蔵した機器の温度を摂氏150〜200度の温度まで昇温させ、ネオジム磁石の磁束密度を0.6〜1.2テスラに減磁した前記機器を破砕した破砕物の中のネオジム磁石破砕物を吸着させる回転ドラムであって、前記回転ドラムを脱磁する脱磁コイルを備えたものなので、
定期的に回転ドラムの脱磁を行うことができる。
以下、本願発明の実施の形態1に係るネオジム磁石の減磁方法、ネオジム磁石分別用の回転ドラム、ネオジム磁石回収装置を図を用いて説明する。
図1は、ネオジム磁石回収装置100(以下、装置100という)の構成を示すブロック図である。
減磁機2は、ネオジム磁石を内蔵した機器(ハードディスクドライブ1)を加熱してハードディスクドライブ1内のネオジム磁石5を減磁する装置である。
破砕機3は、減磁後のハードディスクドライブ1を所定の大きさになるまで破砕する装置である。
振動フィーダ12は、破砕物11を分別するための回転ドラム13に送る装置である。
回転ドラム13の所定の位置には、回転ドラム13に付着したネオジム磁石破砕物15を削ぎ落として回収する固定スクレッパ16を備えている。
脱磁コイル17は、回転ドラム13の脱磁をおこなうコイルである。
脱磁用電源18は、脱磁コイルに定期的に電流を流すコンデンサー内蔵した電源である。
まず、ハードディスクドライブ1を加熱工程で加熱し(S001)、次に、ハードディスクドライブ1ごと破砕し(S002)、破砕物11を分別する(S003)。
図3は、ハードディスクドライブ1内にあるネオジム磁石5の形状と後述する磁束密度の測定点を示す図である。
この温度のことをキュリー温度という。
図4は、ネオジム磁石5をキュリー温度以下の所定の各温度に加熱して5分間保持し、冷却した後の測定点7における磁束密度をそれぞれ計測したときの、加熱温度と、残留した磁束密度の関係を示すグラフである。
ネオジム磁石5を100℃〜130℃で加熱処理すると、未だ2T以上の磁束密度が残っており、非常に強力な磁石のままである。
ネオジム磁石5を150℃〜200℃で加熱処理すると、ネオジム磁石5の磁束密度は、フェライト磁石と同程度の約0.6〜1.2Tまで低下して、ネオジム磁石5の取り扱いが容易になる。
加熱し、概ね5分程度保持し、冷却した後のハードディスクドライブ1は、内部のネオジム磁石5の磁束密度が上記のように減少してはいるが、ネオジム磁石5を容易にそのまま取り出すことはできない。
破砕機3は、直径10mm〜20mmの穴の開いたスクリーンが付いた200rpm以下で回転する1軸もしくは2軸のせん断式破砕機である。
また、同様のスクリーン穴が付いた300rpm以下で回転する衝撃式破砕機であっても良い。
破砕処理の衝撃が大きすぎたり破砕機3のスクリーン穴のサイズが小さすぎると、ネオジム磁石5が粉々になってしまう。
したがって、ネオジム磁石5が5mm〜10mm程度のサイズとなるように破砕を行う必要がある。
スクリーン穴を通過したハードディスクドライブ1の破砕物11には、様々な部材の破片が含まれる。
従って、破砕物11からネオジム磁石5の破片のみを分別し回収する必要がある(図2、S003)。
ヨークに接着されていたネオジム磁石5は、破砕物11の中で、概ねヨークから分離した状態となっている。
ネオジム磁石5には磁力が残っているため、ネオジム磁石5の破片が鉄系の部材の破片に吸着してしまう恐れがある。
そのため、破砕物11は、堆積させずにすぐに振動フィーダ12に供給し、ネオジム磁石5の破片と鉄系部材の破片が吸着するのを防ぐのが好ましい。
この回転ドラム13の表面に振動フィーダ12先端から落下した破砕物11が接触する。
磁性を帯びていない鉄系破砕物14(磁束密度が0)は、回転ドラム13の表面に吸着することなく回転ドラム13の表面を滑って前方のシュートに落下する。
一方、磁性を帯びているネオジム磁石破砕物15は、回転ドラム13の表面を滑り落ちず、磁力により回転ドラム13の表面に吸着したまま回転する。
回転ドラム13上に付着したネオジム磁石破砕物15は、固定スクレッパ16によってそぎ落とされ、後方のシュートで回収する。
このようにして、磁性を帯びているネオジム磁石破砕物15だけを分別して回収する。
そうすると、回転ドラム13自体が磁性を帯びていない鉄系破砕物14を吸着し、後方のシュートに回収してしまう恐れがある。
これを防止するため、回転ドラム13を囲むように、回転ドラム13用の脱磁コイル17を取り付け、定期的にコンデンサーを内蔵した脱磁用電源18から電流を流して回転ドラム13の脱磁を行う。
また、ネオジム磁石5を他の物と一緒に破砕しても破砕の衝撃に打ち勝って破砕機3の内部に破片が吸着して残ることなく排出できる。
また、ネオジム磁石5には適度に磁束密度が残っているので、分別用の鉄材を用いてネオジム磁石の破片のみを吸着させることにより、容易に他の樹脂、鉄、金属類部材と分別、回収することができる。
3 破砕機、5 ネオジム磁石、7 測定点、10 ホッパー、11 破砕物、
12 振動フィーダ、13 回転ドラム、14 鉄系破砕物、
15 ネオジム磁石破砕物、16 固定スクレッパ、17 脱磁コイル、
18 脱磁用電源。
Claims (5)
- ネオジム磁石を内蔵した機器の温度を摂氏150〜200度の温度まで昇温させ、ネオジム磁石の磁束密度を0.6〜1.2テスラに減磁した前記機器を破砕した破砕物の中のネオジム磁石破砕物を吸着させる回転ドラムであって、前記回転ドラムを脱磁する脱磁コイルを備えたネオジム磁石分別用の回転ドラム。
- ネオジム磁石を内蔵した機器の温度を摂氏150〜200度の温度まで昇温させ、ネオジム磁石の磁束密度を0.6〜1.2テスラに減磁する減磁機と、
前記機器を破砕する破砕機と、
請求項1に記載のネオジム磁石分別用の回転ドラムとを備えたネオジム磁石回収装置。 - 前記機器がハードディスクドライブである請求項1に記載のネオジム磁石分別用の回転ドラム。
- 前記機器がハードディスクドライブである請求項2に記載のネオジム磁石回収装置。
- 前記回転ドラムが鉄製である請求項1又は請求項3に記載のネオジム磁石分別用の回転ドラム。
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