JP5921327B2 - マルチ波長ファイバ合波器 - Google Patents

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Description

本発明は画像処理、眼底カメラと内視鏡等光による医療診断と治療、更には光通信及び投射型テレビ三色RGB光源など応用装置にけるマルチ波長レーザーでの同光軸照射技術を用いたマルチ波長ファイバ合波器に関する。
従来ファイバで光波長多重通信の場合に多本数のファイバに各々波長の光をまとめて一本のファイバに出力する多波長光のファイバ合波器はある。
また従来、ファイバを直接溶着で二本ファイバに伝送される光を一本ファイバに合波する方法と、ダイクロイックミラーの様な波長による結合フィルタとレンズを設けて二本ファイバから二波長の光を一本ファイバへまとめて転送し合波する二通りの方法で二波長ファイバ合波器を作れる(例えば特許文献1参照)。
波長による結合フィルタ型二波長合波器の場合一般には45°入射のダイクロイックミラー(結合フィルタ)を用いる。1本目ファイバから出射する波長λ1の光をコリメートレンズで平行光にし、45°入射で結合フィルタ透過する。一方2本目ファイバから出射する波長λ2の光もコリメートレンズで平行光にし、上記結合フィルタに45°入射で45°反射する。この二波長の光を上記結合フィルタで合波し同光軸になる。合波された同光軸の二波長レーザービームを、更に集光レンズを用いて3本目のファイバに入力する。この様に三個のレンズと一枚の結合フィルタと三本のファイバで結合フィルタ型の二波長合波器を作れる。
た、N本(N≧3)ファイバ合波器の場合、二ファイバの合波器N−1個を予め用意する。先ずN=1番目の二ファイバ合波器で1番目ファイバに伝送されているλ1波長の光と2番目ファイバに伝送されているλ2波長の光は、合波されて一本の出力側ファイバにまとめて出力される。次に、N=2番目の二ファイバ合波器を用いて、この合波器入力側の1本目のファイバに1番目の二ファイバ合波器の出力側ファイバで伝送される合波されたλ1とλ2二波長の光を入力し、入力側の2本のファイバに3番目のファイバで伝送される波長λ3の光を入力する。そしてこのN=2番目の二ファイバ合波器の出力側ファイバに入力側のニファイバからの三波長λn(n=1,2,3)の光は、合波されて出力される。
この様に一つずつの合波器の追加により一つずつ合波される波長の追加で、最後のステップにN−1番目までに次々設けられる二ファイバの合波器を用いて、元々N本ファイバ中に伝送されるN波長λn(n=1,2,・・・,N)の光N−1番目の二ファイバ合波器の出力側のファイバに合波して出力されることになり、N本ファイバの合波器はN−1個の二ファイバ合波器から構築される。
その他に、光通信に高密度波長分割多重方式(Dense Wavelength Division Multiplex: DWDM)の場合、合波される各光波間の波長の差は極めて微小なので、このような場合にN波長(N≧3)ファイバの合波器は、アレイ導波路グレーティング(AWG=Array Wave-Guide Grating: AWG)から作る方法もある(例えば特許文献2参照)。
特開2007−94279号公報 特開2005−234245号公報
上述の様な従来の技術で様々なマルチ波長ファイバ合波器を作れるが、光通信以外の応用、例えばレーザーを用いる医療機、画像処理と表示装置、及び投射型テレビ等デバイスと装置に、この様な合波器を使用る際にそれぞれの問題点がある
最近の医療機器、特に内視鏡と眼底カメラなど用途になる医療機器において、マルチ波長のレーザー光源を一つの装置に設けて、治療と診断の多用途に応じて選ばれる複数波長の光同時に、或いは順序に同光軸で対象物に直接照射させる要求は多い。例えば、治療用の照射ビームの波長と、診断の為(例えば蛍光励起用)の照射ビームの波長は、各々異なるので、診断と治療などそれぞれ医器具の機能に応じて、それぞれの診療段階に複数波長の照射光源を備える必要ある。
また、これらのマルチ波長の光で照射出来る応用機器に一般レーザーをファイバで伝送される場合は多い。特に内視鏡の様なデバイスでは、試料(医療の場合人体の内部器官等)までに光を届けるのは、一束のファイバだけで行い、又上述の様にマルチ波長のレーザーでの試料照射など多機能とするには、一本、或いは数本ファイバを一束とするバンドルファイバで多波長のレーザー光同一光軸で照射出来るマルチ波長の合波器、必要になる。
この様に、多用途に応じてマルチ波長に複数のレーザー光を一つの機器にまとめることが必要になり、それ伴って小型化と低ロスの多波長ファイバ合波器の開発は課題になる。更に、多目的の為に使われるレーザーの波長は、紫外から可視に亘り、更に赤外まで広い波長帯域になる傾向も有り、この様な広い帯域に使われるマルチ波長ファイバ合波器を作る際に、DWDMの様な各光の間に波長の差が極めて小さい場合と比べ、製造方法と製造装置に対する要求は多くの違いがあるので、それらの問題に対する解決策も本発明が解決しようとする課題である。
尚、最近話題になっているレーザーテレビとレーザープロジェクタ等レーザーを用いる画像表示機器の場合、赤(Red:R)と緑(Green:G)と青(Blue:B)の様な光の三原色RGBを用いるレーザー光源も、低コストで高い転送効率且コンパクトなRGB三原色の合波器の製造方法も課題になる。また、レーザーで高画質高輝度に鮮明な映像を作るため、赤緑青の三原色以外に、黄色などのレーザーも導入する場合、四波長或いは五波長以上の光に高い効率の合波器を低コストで製造する等の課題もある。
上述によってそれぞれの目的に合わせてマルチ波長の合波器を製造するに当たって、従来の技術で解決出来ない課題は多い。先ず普通の波長分離フィルタを用いる場合、二ファイバの二波長合波器から多波長合波器を作れるが、二波長合波器の方は三枚のレンズと一枚のフィルタを含むため、合波器自体のサイズが大きくなり、構造的に複数の二ファイバ合波器を並べた多波長合波器の小型化ができない。前述AWGの方法で小型合波器を作れるが、光通信デバイスの様な相対的に狭い波長帯域DWDMしか適用できず、RGBの様な可視の広い波長帯域とその他もっとブロードバンドの波長帯域をカバー出来ない。
また二本のファイバを直接溶着する方法で二対一のファイバ合波器を作る方法もあるが、その方法では、二本ファイバの合波器からN−1本(N≧4)ファイバの合波器を構築する際に、シングルモードファイバ等コア径小さいファイバの場合、二本ファイバから一本ファイバへの合波器に波長毎に−3dB(損失=50%)以上のロス基本的に存在する。そのため、その様な−3dB以上ロスを持つ二対一の合波器N−1個でN本ファイバの合波器を作る際に、2のN−1の指数倍でロスは急激に増加してしまう。
従って以上に述べたフィルタ型とファイバ直接溶着型の二対一のファイバ合波器N−1個で波長の合波器を構築る場合、設けられる複数の二対一のファイバ合波器の単体ロスから蓄積される大きな光学ロスは避けられないし、構造上の問題で小型化にも課題が残る。
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、小型な構成により高い光効率の光合波を行い得るマルチ波長ファイバ合波器を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、空間的に独立した複数の光源からの光を一つの点光源からの光と等価な合波した光を出射し得るマルチ波長ファイバ合波器を提供することにある。
上記の目的を達成するため、第1の発明のマルチ波長ファイバ合波器は、N本(ただし、N≧4)のシングル横モード偏波保持ファイバのうち、N−1本が入力側ファイバで、残りの1本が出力側ファイバであり、一つの貫通穴内にN−1本の入力側ファイバ及び1本の出力側ファイバを、隣接するファイバの互いの側面を密接させ、かつ、N−1本の入力側ファイバの出射端面と1本の出力側ファイバの入射端面における偏波方向をそれぞれ揃えて束ねる一つのフェルールと、N−1本の入力側ファイバの出射端から出射された互いに波長が異なるN−1本の光のコリメートと、1本の出力側ファイバの入射端への入射光の集光とを共用して行う1枚のレンズと、レンズによりコリメートされたN−1本の光に対して、それぞれ互いに異なる所定波長を反射し他の波長を透過することにより波長分離し、N−1本の反射光をレンズにより集光させて1本の出力側ファイバの入射端へ入射するN−1枚の入射角0°の波長分離フィルタとを有し、N−1個のシングル横モード光源からの光をN−1本の入力側ファイバの各入射端に入射し、1本の出力側ファイバの出射端からN−1対1合波した光を出射することを特徴とする。
また、上記の目的を達成するため、第2の発明のマルチ波長ファイバ合波器は、それぞれ直径が約3.5μmから約6μmまでの範囲のコアと、コアの外側を覆う直径が10μm程度のクラッドとからなる、可視光波長及び近赤外波長の帯域のシングル横モードに適用するN本(ただし、N≧3)のファイバと、N本のファイバのうち隣接するファイバの互いの側面を密接させ、かつ、N本のファイバの出射端面を揃えて束ねる一つのフェルールとを有し、N個の光源からN本のファイバの入射端にそれぞれ入射するN本の光ビームをN本のファイバの出射端からそれぞれ出射するときに、クラッドの厚みを薄くした構造とN本のファイバを密接して束ねた構造とにより、N本のファイバの出射端を一つの点光源からの光として見なせるN対1合波した光を出射することを特徴とする。
第1の発明では、N本ファイバを束ねるフェルールを設け、フェルールのファイバ端面に対してコリメートと集光の両機能有するレンズを設け、更にN−1枚波長分離フィルタを設け、この様な構成で広い波長帯域にN−1本の入力側ファイバからの光を合波して一本の出力側ファイバからN−1対1合波した光を出射するマルチ波長ファイバ合波器を作れる。
尚、第1の発明において、波長分離フィルタの波長分離特性が良ければ、つまり、各々の波長λn(n=1,2,・・・,N−1)を分離させる際にλnに対する反射率R≧99%及びその他波長の透過率T≧99%の様な特性を有する事で、尚且つ合波される各々波長に対して、レンズの色収差はうまく抑えられれば、合波されるファイバの本数と関係なく全ての波長の合波によるロスは、−3dB(=50%)以下に抑えることができる。波長帯域が広くて非球面レンズの色収差を抑えきれない場合、波長分離フィルタのフラット光学面を球面にすることにより色収差の補正レンズになって、収差が大きい波長に対し光の結合効率は高く維持できる。
第1の発明では、N本目の出力側ファイバとN−1本の入力側ファイバをフェルールでまとめてバンドルされてピグテール状になり、またレンズと波長分離フィルタをフェルールのファイバ端面に一方の方向に並べる形になり、合波器そのものは部品として非常にコンパクト化になる上に、他の二方向以上にファイバを引く一般的なファイバ合波器と比べ、合波器を使用されるシステムに組込む際に必要なスペースも最小限まで圧縮される。第1の発明のマルチ波長ファイバ合波器を図4下の段の写真で示しているが、従来市販品と類が無いコンパクトと使い易い外形になっている。
第2の発明によれば、クラッドの厚みを薄くした構造とフェルールによるN本のファイバを密接して束ねた構造とにより、N本のファイバの出射端を一つの点光源からの光として見なせるN対1合波した光を出射することができるため、一つのフリースペースの点光源出力のファイバ合波器を作れる。なお、この点光源の出力は1個のレンズでコリメートされ、フリースペースに一本れ平行光ビーム出力にもなる。
また、第2の発明によれば、波長帯域に制限は無い上に、ファイバの本数(つまり合波される光の数)は増えてもコスト的に増えることはなく、また、N本のファイバを束ねているから本数は多く増えてもサイズは大きくならなく、光通信にある一本ファイバピグテールの様なコリメーターと同じ程度で非常に小型化の部品になる。第2の発明のマルチ波長ファイバ合波器であれば、量産コストは、非常に低いものなので、内視鏡のような医療機器、大型プロジェクタのような業務用製品と、レーザー投射型テレビのような市場性が大きいコンシューマ製品にも非常に魅力的である
第2の発明によれば、元々波長の帯域に制限無く、また、第1の発明では波長分離フィルタの広い帯域化及びレンズの色収差の補正により、第1の発明及び第2の発明のいずれも、紫外光波長域から可視光波長域、そして近赤外光波長域まで非常に広い波長帯域に適用できる。
波長分離フィルタを用いる複数ファイバから複数波長光の合波器の概念図である。上の段は、構成及び光路図で、下の段は、N本のファイババンドルされたフェルール端面を示す図面である。 フェルール出射端面にコア対コアの密接状態で横並びにバンドルされる複数波長の光を伝送する複数本ファイバ及び一つのコリメートレンズと構成される平行光ビーム出力合波器の概念図である。(A)は、合波器の構成及び光路図で、(B)は、(A)のフェルール出射端面ファイバの横並び状態を示す図面である。 コア対コアで高度密接際に平行光ビームのレンズ光軸に対する斜め出射角度の定量的な説明図である(N=3の場合)。(A)はフェルール端面にバンドルされた3本ファイバの横並び状況を示す図面で、(B)は、(A)フェルールのO O方向に於ける断面図及び各部品の構成を含む光路図である ロングパスフィルタを用いてRGB三原色ファイバ合波器の説明図である(実施例1)。上の段は、N=4本偏波保持ファイバをバンドルされたフェルール端面の写真で、4本ファイバの偏波方向は端揃っている;中間の段は、N−1=3の三原色波長RGB合波器の三次元実装図下の段は、実装されたRGB合波器の実物写真である(金属ケース外径Φ10mm程度)。 19本のファイバ入力の平行光ビーム同光軸出力合波器のファイバをフェルールで束ねられた出射端面の写真である(実施例2) 図5の合波器に出射ビームの同光軸性を示す2メートル先のビームプロファイラデータである。
(第1の実施形態)
図1は、本発明のマルチ波長ファイバ合波器の第1の実施形態の構成及び光路図及びフェルール端面を示す。図1の上の段の構成及び光路図が示すように、本実施形態のマルチ波長ファイバ合波器は、N本(N≧4)のファイバ11−1〜11−Nと、一つの貫通穴にファイバ11−1〜11−Nを互いの側面を密接させ、かつ、図1の下の段に示すようにそれらのファイバの出射側または入射側端面が揃うように束ねて固定する(バンドルする)フェルール101と、フェルール101のファイバ端面からの出射光のコリメートとファイバ端面への入射光の集光とを共用して行う1枚のレンズ102と、予め割り当てられた一波長の光のみ反射し、それ以外の波長の光は透過することにより波長分離し、反射光をレンズ102に入射するN−1枚の入射角0°の波長分離フィルタ12−1〜12−N-1とから構成される。
ファイバ11−1〜11−Nはシングル横モード偏波保持ファイバ(PMF:Polarization Maintain Fiber)である。N−1本のファイバ11−1〜11−N-1が、互いに異なるN−1個の波長λn(ただし、n=1,2,・・・,N-1)の光が入射される入力側ファイバで、残りの1本のファイバ11−Nがレンズ102からの反射光が入射されてフェルール101の外部へ出射する出力側ファイバである。また、入射角0°の波長分離フィルタ12−1〜12−N-1のうち、n番目の波長分離フィルタ12−nは入射角0°で入射する光に対し、波長λnを反射し、それ以外の波長を透過する特性である。本実施形態のマルチ波長ファイバ合波器によれば、小型な構成により広い波長帯域のN−1個の波長λnの光をN−1本のファイバ11−n(ただし、n=1,2,・・・,N-1)に入射し、合波した光を1本のファイバ11−Nから出力するマルチ波長ファイバ合波器を実現することができる。フェルール101は、ファイバ11−1〜11−N-1の出射端面と、ファイバ11−Nの入射端面における偏波方向をそれぞれ揃えて、N本のファイバ11−1〜11−Nを束ねている。
次に、本実施形態の動作について説明する。
ファイバ11−1〜11−N-1を伝送した波長λnの光ビーム(具体的にはレーザー光)は、それぞれファイバ11−1〜11−N-1の出射側端面から出射されて、レンズ102でそれぞれ平行光ビーム13−1〜13−N-1にコリメートされる。このN−1本の平行光ビームのうち波長λ1の1番目光ビーム13−1は、レンズ102透過後、1枚目の入射角0°の波長分離フィルタ12−1で全反射されて逆方向進行の光ビーム14−1になり、残りのN−2本の波長λ2〜λN-1の光ビーム13−2〜13−N-1は透過する。
反射された波長λ1の光ビーム14−1は、再びレンズ102に入射し、レンズ102により集光点をフェルール101の端面におけるファイバ11−Nのコアに合わせてファイバ11−Nに入力される。ファイバ11−Nは、本来レーザー光が伝送されてない唯一のファイバなので、この段階で先ず上記の手順で波長λ1の入射レーザー光がファイバ11−1からファイバ11−Nに転送されて、ファイバ11−Nから出射されることになる。
一方、1枚目の波長分離フィルタ12−1から透過されたN−2本の光ビーム13−2〜13−N-1は、それぞれ上記と同様にして、波長分離フィルタ12−2〜12−N-1により別々に全反射されて入射時と逆進行方向の光ビーム14−2〜14−N-1になり、レンズ102の集光でファイバ11−Nに入力される。これにより、波長λ2〜λN-1の入射レーザー光はファイバ11−2〜11-N-1からファイバ11−Nに転送されて、1本のファイバ11−Nの出射端面から出力されることになる。
本実施形態のマルチ波長ファイバ合波器によれば、従来のフィルタ型と溶着型の二対一の合波器N個から作られたN−1(N≧4)合波器により合波される光に比べてロスが小さくできる。このことについて詳細に説明する。図1に示す本実施形態のマルチ波長ファイバ合波器では、合波器の主な光学的なロスは、波長分離フィルタ1−n(n=1,2,・・・,N−1)の波長λn(n=1,2,・・・,N)を分離する際の透過ロス及び反射ロスと、レンズ102の色収差による入力側ファイバ出射光をコリメートする際の光学ロス及び、フィルタ反射で戻ってくる平行光の集光による入射用ファイバ11−N光結合する際のロスである。
先ず、波長分離フィルタ12−1〜12−N-1にロングパスフィルタを使う場合のロスについて説明する。n番目の波長分離フィルタ12−nは、誘電体多層膜でコーティングされて、角0°で入射される光に対し、
波長λn(n=1,2,・・・,N−2)の反射率 R≧99%
波長λm(m=n+1,・・・,N−1)の透過率 T≧99%
になる。但し、N−1枚目の波長分離フィルタ12−N-1だけは、波長λ N−1 最後の残り進行ビーム対し反射率R≧99%の反射ミラーを使。この様にλn≦λn+1≦λn+2・・・であって、入射角0°のロングパスフィルタを使う場合であれば、フィルタによる光学ロスは少なくなる。最近の光学コーティング技術で多層膜誘電体コートの場合、上述のコートの仕様はそれほど難しく無い。
次に、本実施形態におけるレンズ102でコリメートと集光する際に発生する光学ロスの対策について説明する。この光学ロスの主な要因はレンズ102の色収差である。つまりλnの波長に対し、色収差によりレンズ102の焦点距離が異なるので、レンズ102を調芯して位置決めする際に合せられた中心波長によって、この種合波器に関わる各々波長の光に対し、ファイバから出射する光のコリメートの状況と、波長分離フィルタの反射で戻ってくる際ファイバ11−Nへの集光状況は、各々異なる。それにより、レンズ102の焦点距離に合わせられた中心波長から波長のズレ具合によって、合波器の各波長の光の結合効率の差は大きくなる。合波器に関わる各波長の帯域はそれほど広くなければ、色収差が少ない非球面レンズで、各波長の結合際の光学ロスを克服できる。しかし、波長の帯域が非常に広い場合に一枚の非球面レンズで関わる全ての波長の光の色収差をバランス良く補正し切れない。この様な場合、合わせられた中心波長から遠く離れた一部波長λnの光に対し、それらの波長分離フィルタを本来の両面研磨平−平ガラス基板から、それぞれ適当な曲率を持つ平−凸か平−凹面鏡の様なレンズにし、各々波長に対し、既に設けられた非球面レンズとの組合せにより、複合レンズの効果で収差(特に色収差)を補正出来る。
更に、本実施形態によれば、レーザー応用機器の小型化と低コスト化の要求伴って合波器の小型化と低コスト化の課題を解決できる。従来型の多波長ファイバ合波器と比べ、図1に示した本実施形態のマルチ波長ファイバ合波器の構造は、極めてコンパクトになっている事は明白である。この様に構造的に簡単化と伴う光学部品の点数を減ることと、組立ての簡素化により製造時のコストダウン来る。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図2は、本発明のマルチ波長ファイバ合波器の第2の実施形態の構成及び光路図及びフェルール端面を示す。図2(A)の構成及び光路図と同図(B)のフェルールの出射端面の図が示すように、本実施形態のマルチ波長ファイバ合波器は、それぞれ直径が約3.5μmから約6μmまでの範囲のコアと、コアの外側を覆う直径が10μm程度のクラッドとからなる、可視光波長及び近赤外波長の帯域のシングル横モードに適用するN本(ただし、N≧3)のファイバ21−1〜21−Nと、N本のファイバ21−1〜21−Nのうち隣接するファイバの互いの側面を密接させ、かつ、N本のファイバ21−1〜21−Nの出射端面を揃えて束ねる一つのフェルール201を有する。
次に、本実施形態の動作について説明する。
図2において、N本波長λn(n=1,2,・・・,N)のレーザー光は、N本のファイバ21−n(n=1,2,・・・,N)を設けて伝送される。フェルール201は、図2(B)に示すように、N本のファイバ21−1〜21−Nのうち隣接するファイバの互いの側面を密接させ、かつ、N本のファイバの出射端面を揃えて束ねる。フェルール201の端面に焦点を合わせてコリメートレンズ202を設けると、N本ファイバ21−nから出射されるN本のレーザービーム22−n(n=1,2,・・・,N)は、全て平行光になる。このN本のファイバ21−1〜21−Nはフェルール201の端面に横並びにしてレンズ202の焦点所在の平面に置いているので、コリメートされたN本平行光ビーム22−n各々の光軸は、レンズ202の光軸oo’に対し若干ずれて、それぞれ斜め角度αn(n=1,2,・・・,N)になっている。但し、N本ファイバ21−1〜21−Nはバンドルされる際に密接な状態になるほど、つまり、レンズ202焦点所在の平面にファイバ21−1〜21−Nのコアとコア間に横並びの間隔短くなるほど、コリメートされるN本の平行光レーザービーム持っている各々の光軸は、レンズ光軸oo’に対しずれ角αnが小さくなる。つまり、フェルール201出射端面にこのN本ファイバ21−1〜21−Nの横並びは極端な密接状態になるほど、コリメートされた各々ファイバから出射される平行光ビームの光軸は揃ってくる傾向ある。
一般に、ファイバ21−1〜21−Nのフェルール201の端面におけるお互いの間隔極端に縮まると、レンズ202でコリメートされるN本の平行光ビーム22−1〜22−Nは、レンズ光軸oo’に対し各々持つずれ角αnは、無視できるほどまでに極端に小さくなる。つまり、すべてのずれ角αn(n=1,2,・・・,N)は、レーザービーム本体の固有の拡がり角より小さいか、あるいは等しくなる。このN本ファイバ21−1〜21−Nから出射されるN本のコリメートされた平行光ビーム22−1〜22−Nは、レンズ202と同一光軸oo’出力の一つの平行光ビームと見られる。この様な方法でN本のファイバ21−1〜21−Nで伝送されるN本の波長が異なるレーザー光は、同じ光軸oo’に沿って伝搬される一つのフリースペース平行光ビームになっている。
すなわち、フェルール201を用いてバンドルされるN本のファイバ21−1〜21−Nは、例えば可視波長帯域にシングル横モードのものであれば、コア径は数μmのサイズになり、フェルール201の端面に“ファイバは極端な密接状態に並び”と言う意味について、ファイバはコア対コアで密接して並び、隣接される二本ファイバの間隔、つまり二者のコアとコア円心間の距離は、一つシングル横モードファイバコア径の様な数μの距離まで縮る。この場合には、レンズ202でコリメートされた後のN本平行光ビームビーム22−1〜22−Nのお互いの同軸性は極めて高いと予想出来る。これにより、本実施形態のマルチ波長ファイバ合波器は、N本のファイバ21−1〜21−Nの出射端を一つの発光点に縮めた一つの点光源からの光として見なせるN対1合波した光を出射する。
ところで、第1の実施形態のマルチ波長ファイバ合波器によれば、出射用ファイバ11−Nが、入射されたN−1個の波長λnのレーザ光の波長帯域が広くても、その波長帯域を伝送できる許容帯域内であれば、紫外光波長域から可視光波長域、更には近赤外光波長域まで、ブロードバンドの波長帯域に対応できる。なお、波長分離フィルタ12−1〜12−N-1は広い波長帯域に対応できる。すなわち、波長分離フィルタ12−1〜12−N-1は波長λn(n=1,2,・・・,N−1)の帯域は広くなっても、ロングパスフィルタの場合にλ1<λ2<・・・<λN-2<λN-1、ショートパスフィルタの場合にλ1>λ2>・・・>λN-2>λN-1の順にして、誘電体多層膜コーティングであれば、各々波長の光に対し要求される高い透過率或いは高い反射率を得られる。この二種類フィルタを波長分離フィルタに用いることで効率良く(つまりロスが少ない)、紫外光波長域から近赤外光波長域までの幅広い波長帯域に数多い本数のファイバから数多い波長相違の光を分離出来る。
しかしながら、シングルモードファイバ(Single Mode Fiber:SMF)と偏波保持ファイバ(Polarization Maintained Fiber:PMF)の場合、伝送される単一横モードの光波のモードフィールドサイズは、波長と関連されるので、ファイバにて伝送される波長の帯域幅は、一般200nm程度しかない。つまり、第1の実施形態のマルチ波長ファイバ合成器では、1本の入射用ファイバ11−Nに入射するN−1本の出射用ファイバ11−1〜11−N-1からの波長λn(n=1,2,・・・,N−1)の光の全体にわたる波長の帯域幅に対し物理的に制限があるため、結果的に合波器の許容される最も広い波長範囲は、入射用ファイバ11−Nで伝送可能な光の波長帯域幅である。
前述の様にそれぞれのレーザー応用機器に同光軸での合波が要求されるマルチレーザーは、紫外光波長域から近赤外光波長域まで波長の帯域が広くて、SMFPMFで伝送が許容出来る波長帯域幅200ns遥かに超える(例えば紫色光波長の405nmから赤色光波長690nmまでの可視光波長帯域は300nm近くなる)。つまり、波長の帯域幅に制限があるSMFやPMFを用いて合波第1の実施形態のマルチ波長ファイバ合波器では、対応し切れない波長域の光がある。
これに対し、図2に示す第2の実施形態のマルチ波長ファイバ合波器は、上記の問題を解決することができる。すなわち、N本のファイバ21−1〜21−Nにより伝送される波長が異なるN本の光は、ファイバから出射後にレンズ202でコリメートされてフリースペースに平行光で同光軸に出力する様に合波されので、ファイバとフィルタなどの様な波長帯域に対し制限があるものは光路中に入ってないからである。つまり、第2の実施形態のマルチ波長ファイバ合波器では、合波しようとする波長の本数と波長の帯域に制限される要因は殆どない。
但し、本実施形態のマルチ波長ファイバ合波器では合波器となる条件がある。すなわち、本実施形態では、1つのフェルール203によりN本のファイバ21−1〜21−Nを、互いの側面を密接し、かつ、出射端面を揃えて束ねると説明したが、具体的にこの構成とするためには、いくつかの問題をクリアする必要がある。
先ず、どの程度の密接状態で並ばせると各々ファイバから出射される光が1枚のレンズ202でコリメートされる際に各波長のビームは、多波長の成分を含みながら同一な光軸の一つ平行光ビームと見られるかという問題がある。つまり、コリメートされたファイバ21−1〜21−NからのN本ビームの間にお互いに光軸のズレが無く、N個の波長を含む一つの平行光ビームと見なせる条件を明らかにする必要がある
次に、実際に組立て時にバンドルされたN本のファイバ21−1〜21−Nのフェルール端面において各々ファイバとファイバの間にどの程度まで密接出来るか、つまり隣接のファイバを極限までに密接される定量的な根拠を明らかにする必要ある。
更に、フェルール201の端面にマルチファイバを横並ばせる際に、隣接されるファイバの間に距離を極限までに近づけてバンドルされる方法を見つけなければならない。
そこで、これら一連課題の解決に関し、以下にN=3、赤(R)、緑(G)とB(青)、所謂RGB三原色合波器を例にして詳細に説明する。
先ず、青色光波長440nm、緑色光波長532nm及び赤色光波長640nmのRGB三波長の帯域に使える製品番号460HPのNufern社シングルモードファイバSMFを試算してみる。ファイバのコア径Φは約3.5μmである。
ここに先ずこの種のSMFをコア径対コア径まで図3の様に“完全密接”させられると仮定すると、図3(A)に示すR用、G用、及びB用の計三本のファイバ311、312及び313のフェルール端面における各コア径間の距離Dij(i=1,2,3; j=2,3,1)はファイバのコア径ΦFと等しくなり、次式が成立する。
D12=D23=D31=ΦF
三本ファイバから出射されるRGB三色のレーザービームは、コリメートレンズ(図3(B)の302)でコリメートされた時、各二平行光ビーム間を挟む角度β=β12=β23=β31になる。また、次式
β=arc tan(ΦF/F)
が成立するので、コリメートレンズ302の焦点距離F=10mm、ファイバコア径ΦF=3.5μmの場合、β=0.35mradになる。
一方、図3(A)、(B)に示す様にフェルール端面にコリメートレンズ302の焦点OとバンドルされたRGB三本のファイバの質量中心(図中に同じOと表記)を合わせることを前提とすると、三本ファイバ各自のコア径中心Oi(i=1,2,3)からレンズ焦点Oまでの直線距離Di(i=1,2,3)は皆等しくなり、つまりD1=D2=D3=Dになっている。これにより、RGB三本のファイバからそれぞれ出射された光軸O 1i (i=1,2,3)を有するビーム32i−1(i=1,2,3)は、焦点距離Fのコリメートレンズ302を通過しコリメートされて、各々光軸O’ 1i (i=1,2,3)を有する平行光ビーム32i−2(i=1,2,3)になる。なお、図3(B)では図示の便宜上、一本のファイバ311から出射された光軸O 11 のビーム321−1と、それをコリメートレンズ302でコリメートして得た光軸O’ 11 の平行光ビーム321−2のみを示している。
各々光軸O’1i(i=1,2,3)を有する平行光ビーム32i−2は、コリメートレンズ302の光軸OO’と角度αi(i=1,2,3)を持って斜めに出射する。コリメートレンズ302の光軸に対する各平行光ビーム32i−2のずれ角αiは次式で示すように互いに等しい。
α=α1=α2=α3=arc tan(D/F)
ファイバ311、312、313の各コア径ΦF=3.5μm、又図3(A)、(B)に示す配置と上述Dの定義から、
D=2÷3×cos(30°)×ΦF=2(μm)
となる。更に上述と同じ試算でコリメートレンズ302の焦点距離F=10mmならば、コリメートレンズ302の光軸に対する各平行光ビーム32i−2のずれ角αi(=α)は
α=arc tan(D/F)=0.2(mrad)
となる。
尚、三本のファイバ311、312及び313がシングル横モードファイバの場合、RGB三原色の中間波長532nmでコア径Φ3.5μmとNA=0.12とから、大よそビーム質(エムスクエア)M=1.24になり、コリメートメンズ302が焦点距離F=10mm、収差が少ないレンズの場合、コリメートされるビーム径Φは2.4mmで、それによりこのビームの固有拡がり角θは0.35mradになる。
以上の分析により、図3(A)、(B)に示す構成でRGB三波長ファイバをフェルール端面に“完全密接”状態になる条件で、出力されたRGB三波長の平行光ビームは、
各ビームのレンズ光軸に対するずれ角 α=0.2mrad
各ビーム間挟む角度 β=0.35mrad
各ビームの物理的固有拡がり角 θ=0.35mrad
になっており、ファイバのフェルール出射端面におけるレンズ焦点Oからの位置ズレによる出力ビームのズレ角αとβは、物理的にシングル横モードビームの固有拡がり角θとほぼ同じ数値になり、無視できるほど最小限界に達するものになっている。
以上の諸角度に関して、例として、1番目とN番目の両ビームの挟む角度β 1-N (=α1+αN)を図2(A)に示す。また、レンズ302から出射の1番目の平行光ビーム321−2の拡がり各θ 1 を図3(B)に示す。
つまり、図3の様な構成と配置関係で構築されるファイバ光学系で、出力されるRGB三波長のレーザービームは、コリメートレンズの光軸に沿って同光軸で伝播する一つの平行光(但しRGB三波長のレーザー光成分含まれている)になっているので、この光学系は、三本ファイバからのRGBレーザービームの合波器になる。この様に、バンドルされる三本のファイバに対し上述の様な一定的な条件を満たすことであれば、マルチ波長ファイバ合波器であることを原理的に論証された。但し、最後に残った課題は、いかに図3の様にフェルールの端面にN本のファイバをコア径と同等なサイズまでに距離を接近させて、“密接”の状態でバンドル出来るである。この課題解決方法について以下説明する。
先ず、シングルモードファイバは、単一横モード(一般ガウシャンモードでTEM00モードと呼ぶ)の電磁波を伝送出来る構造になっている。また、市販の標準品のシングルモードファイバは、円柱状のクラッド層の中心軸に同軸の円柱状のコアが存在する構造になっている。製造上の都合で一般、開口数NAが約0.1程度のファイバに対しコア径は、TEM00モードフィールドサイズに見合う様に数μmであり、クラッド層の径Φは125μmである。クラッド層を剥離なければ、フェルール端面に各々ファイバをコア対コアで密接させることは出来ない。
ここクラッド層を部分剥離し、クラッド径を細くする考えもある。つまり、ファイバのクラッドを細くするほど、バンドルされるファイバの間の距離は縮る。クラッド径を細くする方法の一つは、化学薬品で腐蝕することである。この方法では、ファイバ先端部のクラッドを最小10μm程度ま細くできる。しかし、クラッド径Φが10μmほど細く腐蝕されファイバ先端部の強度は非常に弱くて、数本を束ねてフェルール端面に密接してバンドルする事はかなり難しくなり、出来ないことも有り得る。
一方、数μm直径のファイバをたくさん密接的に並んで束ねて作るイメジングファイバアレイの技術、近年開発されている(例えば、特開2008−233540号公報参照)。このイメジングファイバは、数μm径のファイバを画像素子の様に出射と入射面に規則正しく並ばせて、二次元面分布のアレイ状である。現時点でイメジングファイバアレイは、主に医用と工業用内視鏡等に応用されている。このイメジングファイバアレイは、数千本或いは数万本のファイババンドルされて作られて、目視不能の場所から鮮明な映像を光で転送出来る。この様な数千から数万本細いファイバから構成されるイメジングファイバアレイは、出射、或いは入射の端面見ると、面分布最小限界のハニカム形状にコア対コアの状態で非常に密接的に並び、一本一本のファイバエリメントの径は約数μmと極めて細い。この技術で、数μmから数十μm細いファイバの数本から数十本まで出射端面に密接の状態で並んで束ねるバンドルファイバを作れる。そこで、第2の実施形態のマルチ波長ファイバ合波器では、この技術を用いて出射端面にファイバの間に数μmまでの接近距離で密接な状態に横並ぶバンドルファイバを用いて、数本から数十本までの平行光出力ファイバ合波器を作る。
本実施形態によれば、N個の光源からN本のファイバ21−1〜21−Nの入射端にそれぞれ入射するN本の光ビームをN本のファイバ21−1〜21−Nの出射端からそれぞれ出射するときに、クラッドの厚みを薄くした構造とN本のファイバ21−1〜21−Nを密接して束ねた構造とにより、N本のファイバ21−1〜21−Nの出射端を一つの点光源からの光として見なせるN対1合波した光を出射することができる。これにより、本実施形態によれば、波長帯域に制限は無い上に、ファイバの本数(つまり合波される光の数)は増えてもコスト的に増えることはなく、また、N本のファイバを束ねているから本数は多く増えてもサイズは大きくならなく、光通信にある一本ファイバピグテールの様なコリメーターと同じ程度で非常に小型化の部品になる。更に、本実施形態のマルチ波長ファイバ合波器によれば、簡単な構造であるので光学部品の点数が減ることと、組み立ての簡素化により量産コストを大幅に低減できるので、内視鏡のような医療機器、大型プロジェクタのような業務用製品と、レーザー投射型テレビのような市場性が大きいコンシューマ製品にも非常に魅力的である
次に、実施例について説明する。実施例1は、請求項1に記載の第1の発明のマルチ波長ファイバ合波器を用いた実施例で、色光波長638nm、緑色光波長532nm、及び青色光波長460nmのRGB三色合波器の例である
使われているファイバは、規格HB450型クラッド径Φ125μの偏波保持型ファイバ(PMF)で、図4上の段に示す写真1によると、フェルールの研磨面に、4本のファイバを250μmの正方形穴に対称で並んで、偏波方向もそろっている。すなわち、図4の上の段の写真は4本のPMFが、互いの側面が密接するようにフェルールに束ねられて端面が揃えられていることを示している。
図4の中間の段の三次元実装図が示すフィルタはゼル度入射ロングパス型に使われている。各波長に対し
1枚目(図中42-1) 反射率R≧99%: 波長帯域λ1=440nm〜465nm
透過率T≧98%: 波長帯域λ2&λ3≧530nm
2枚目(図中42-2) 反射率R≧99%: 波長帯域λ2=510nm〜535nm
透過率T≧97%: 波長帯域λ3≧632nm
3枚目(図中42-3):反射率R≧99%: 波長帯域λ3=620nm〜680nm
その上、レンズ402は、F=2mm、NA=0.6の非球面のもの使われている。
実装に、ガラス部品レンズ402、フィルタ及びフェルール401図示しない各自の金属マウントの間に接着剤を使って固定しているが、光路を調芯して上記の諸光学部品とメインの金属マウント403間の固定は、レーザースポット溶接である。レンズ402の色収差が存在する事を判明したが、実装際にレンズ402の焦点位置を緑色に合わせている。この様に作られた合波器は、4本目の出力ファイバに、赤640nm波長に約51%、緑532nm波長に約69%、及び青460nm波長に約54%の転送効率になっている。赤波長に対しHB450の損失が若干大きいのは、転送効率低下の一つ要因と見られる。結果的に第1の実施形態の方法でRGB三色偏波保持ファイバ合波器の場合、各波長に対し光学転送ロスは3dB以下に、尚出力各波長の消光比は−13dB以下(つまり直線偏波性を維持され)になっている。
図4中間の段に示されているのは、部品実装の三次元図面である。本製作品の外形について、図中の金属マウント403のサイズは、Φ6径に長さ12mmになり、非常にコンパクトのものになる。本RGB合波器試作品の実物写真は図4下の段に示されている。
実施例2は、請求項2に記載の第2の発明のマルチ波長ファイバ合波器を用いた実施例で、イメージングファイバ技術を用い、NファイバからN波長のレーザービームを一つの平行光ビーム(N波長の光成分含まれている)に出力させる合波器の試作例である。
先ず図5に示すものは、研磨されたフェルールにより束ねられている開口数NA〜0.3、コア径Φ〜6μmのファイバ19本の出射端面の写真である。これにベースしてF=20mm焦点距離のコリメートレンズを付けてN=19本ファイバの合波器を試作した。この合波器は、可光波長から近赤外波長までの波長が異なる光を19本まで伝送出来る19本ファイバを有するが、とりあえずそのうち4本のファイバに、青色光波長(B波長)445nm、緑色光波長(G波長)532nmと赤色光波長(R波長)638nmの可視光波長帯域、更に近赤外波長808nmの四波長レーザー光を入れて合波してみた。この合波器から出た4本の平行光ビームの互光軸のずれは、約0.5mrad以下になりほぼ同光軸で出射されている。出力されたその4本の平行光ビームの光軸同一性す根拠は、図6のビームプロファイルのデータである。図6に示すように合波器出射口から2メートル先にビーム中に含まれるR、G、BとIRの4波長成分の各自ビーム中心位置の分布は、半径0.5mmの円内に入っており、このことから4本の平行光ビームの光軸がほぼ同光軸であることがわかる
この様に試作された本数19までのファイバから伝送されるビームをレンズで全て平行光にコリメートしてほぼ同光軸に出力する本実施例の合波器は、これから開発と技術の進展次第低コストで非常に高い性能を持つ製品として、期待出来る。コリメートレンズを除いて、ファイバをバンドルたフェルール部分の合波器の外形サイズは、Φ5mmの径に長さ10mmのもので、非常に小型化されている。
第1の発明の三波長ファイバ合波器(図4)は、RGB三原色の波長をメイン光源とする投射型テレビ等へ応用できる。従来技術の製品と比べ、−3dB以下の非常に低い光学ロス、又低コスト且つコンパクトサイズ、更に構造上に使い便利性など極めて優れ特性を持っているので、コンシューマ市場に投入出来るレーザープロジェクタの様な製品キー部品として期待出来る。尚、直線偏波を維持できる偏波保持ファイバでRGB三原色の光を伝送出来るので、これから最新技術の立体感持つ3D映像を映せる投射型テレビへの応用も期待される。
図5の様なイメジングファイバの技術から作られる第2の発明に基づく合波器、波長帯域の制限が殆ど無く今まで類が無い可視光波長から近赤外波長までの広い波長帯域の光に全て適用可能であり、眼底カメラと内視鏡等にレーザーを用いる診断から治療用の医療機器等に、これから多い応用製品への展開に大変期待出来る。また、第1及び第2の発明は、ビームスキャン方式での応用機器、例えば、レーザーでの表示と標識機器、測定器と医療機にも応用出来る。
図1に関する符号:
101 複数ファイバをバンドルされるフェルール
102 ファイバ出射ビームコリメート用、且つ
ファイバ入射ビーム集光用レンズ(焦点距離=F)
11−n(n=1,・・・,N−1)入力側の複数のファイバ
11−N 出力側のファイバ
12−n(n=1,・・・,N−1)第n枚目波長分離用ゼロ度入射フィルタ
波長λnの光に対し全反射(R≧99%)
波長λm(m>n)の光に対し透過(T≧99%)
13−n(n=1,・・・,N−1)複数N−1本ファイバからの出射平行光ビーム
14−n(n=1,・・・,N−1)第n枚目フィルタから反射で逆方向に戻る波長λnの平行光ビーム、レンズ101の集光で11−N番目入力ファイバへ向かって入力される
O→O’ レンズ101の光軸、図中にレンズの焦点Oは、複数N本ファイバの出射端面における質量中心点に合わせられていると仮想
図2に関する符号:
201 複数N本ファイバをバンドルされるフェルール
202 焦点距離Fのコリメートレンズ
21−n(n=1,・・・,N) 複数N本ファイバ(n番目波長λnビームの入力側)
22−n(n=1,・・・,N) レンズ202でコリメートされた複数N本ファイバからの出射平行光ビーム
O→O’ レンズ201の光軸、図中にレンズの焦点Oは、複数N本ファイバの出射端面における質量中心点に合わせられていると仮想
αn(n=1,・・・,N) レンズ光軸O→O’に対して、n本目ファイバから波長λnの平行光ビーム22−nの斜め出射角度
図3に関する符号:
301 3本入射ファイバをバンドルされるフェルール
302 焦点距離Fのコリメートレンズ
31n(n=1,,3) 出射端面におけるn本目ファイバ(見えているのは、ファイバのコア部分のみ)
32 本目ファイバから出射されるビーム
32 レンズ302でコリメートされた本目平行光ビーム
Φ31n(n=1,,3) n本目ファイバコア径(ΦF=Φ311=Φ312=Φ313)
Dij(i=1,2,3;j=2,3,1) iとj本目ファイバのコア中心間の距離三者は、お互い等間隔D12=D23=D31=D
O’ レンズ301の光軸
O レンズ301の焦点位置で、3本のファイバの端面における質量中心
1i 1i’(i=1,2,3) レンズコリメート後i番目平行光ビームの光軸
α レンズ光軸O→O’に対して、本目ファイバ出射波長λの平行光ビーム32−2の斜め出射角度
図4に関する符号:
401 N=4本ファイバをバンドルされるフェルール
402 入力側ファイバからビームのコリメート且つ出力側ファイバへ結合際に集光の両用レンズ(焦点距離=F)
403 合波器諸光学部品を固定するメインの金属マウント
41−n(n=1,2,3) 入力側RGB三波長光を別々に伝送されるファイバ
41−4 出力側RGB三波長光をまとめて伝送されるファイバ
42−n(n=1,2) n枚目ゼロ度入射波長分離用フィルタ、波長λnに全反射(R≧99%)、λm(m>n)に透過(T≧99%)
42−3 3枚目ゼロ度入射波長λ3の光を全反射するミラー

Claims (2)

  1. N本(ただし、N≧4)のシングル横モード偏波保持ファイバのうち、N−1本が入力側ファイバで、残りの1本が出力側ファイバであり、
    一つの貫通穴内に前記N−1本の入力側ファイバ及び前記1本の出力側ファイバを、隣接するファイバの互いの側面を密接させ、かつ、前記N−1本の入力側ファイバの出射端面と前記1本の出力側ファイバの入射端面における偏波方向をそれぞれ揃えて束ねる一つのフェルールと、
    前記N−1本の入力側ファイバの出射端から出射された互いに波長が異なるN−1本の光のコリメートと、前記1本の出力側ファイバの入射端への入射光の集光とを共用して行う1枚のレンズと、
    前記レンズによりコリメートされた前記N−1本の光に対して、それぞれ互いに異なる所定波長を反射し他の波長を透過することにより波長分離し、N−1本の反射光を前記レンズにより集光させて前記1本の出力側ファイバの入射端へ入射するN−1枚の入射角0°の波長分離フィルタとを有し、
    N−1個のシングル横モード光源からの光を前記N−1本の入力側ファイバの各入射端に入射し、前記1本の出力側ファイバの出射端からN−1対1合波した光を出射することを特徴とするマルチ波長ファイバ合波器。
  2. それぞれ直径が約3.5μmから約6μmまでの範囲のコアと、前記コアの外側を覆う直径が10μm程度のクラッドとからなる、可視光波長及び近赤外波長の帯域のシングル横モードに適用するN本(ただし、N≧3)のファイバと、
    前記N本のファイバのうち隣接するファイバの互いの側面を密接させ、かつ、前記N本のファイバの出射端面を揃えて束ねる一つのフェルールとを有し、
    N個の光源から前記N本のファイバの入射端にそれぞれ入射するN本の光ビームを前記N本のファイバの出射端からそれぞれ出射するときに、前記クラッドの厚みを薄くした構造と前記N本のファイバを密接して束ねた構造とにより、前記N本のファイバの出射端を一つの点光源からの光として見なせるN対1合波した光を出射することを特徴とするマルチ波長ファイバ合波器。
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