JP5920645B2 - エネルギー回収アキシャルプランジャポンプ - Google Patents

Description

本発明は、回転するシリンダブロックを有するマルチシリンダピストンポンプ、特に逆浸透装置に使用されてエネルギーを回収することができるポンプに関する。

２０１０年９月２１日に公開された米国特許第７,７９９,２２１号に開示されている、圧力変換器によってエネルギーを回収する先行技術のエネルギー回収アキシャルピストンポンプは、シリンダブロックを有するとともに、液体がそこを通って流れる流路であって、該シリンダブロック流路がシリンダのピストンチャンバに接続されている流路、及び、圧力変換器の一部であるシリンダのロッドエンドチャンバに接続されている、エネルギーの回収に使用される液体の圧力変換器流路が設けられているロータと、貫通流路を有するステータであって、そのステータ平坦面を介してロータ端部に接触するとともに、ロータが回転する間にそのステータ流路の開口がロータ流路の開口と周期的に位置合わせされるステータとを備えている。この先行技術発明は、請求される発明に最も関連する先行技術として選択されている。

米国特許第７,７９９,２２１号明細書

この先行技術のアキシャルピストンポンプには欠点がある。ロータ上に発生する非対称（アンバランス）な荷重が軸線方向及び（回転軸線に対する）半径方向にロータが振動するようにし、したがって、隣接するロータ及びステータ並びにシリンダブロックの表面の不均一な摩耗の原因となるからである。この摩耗パターンは、ポンプの気密度及び効率に不利な影響を及ぼす。

油圧アキシャルプランジャポンプの耐用年数及び気密度（容積効率）は、その隣接する部分、特にステータと回転するロータとの間の接合部、及びプランジャの円筒表面と回転するロータの開口との間の位置合わせ部位における間隙の存在、幅及び一様性の影響を受ける。

典型的に油圧アキシャルプランジャポンプに生じるロータ上の非対称（アンバランス）な荷重は、回転するロータのその回転軸線に対する（軸線方向及び半径方向の）振動を助長し、その結果として、回転ロータと静止ディストリビュータの隣接表面、及び円筒プランジャ表面とそれに位置合わせされる回転ロータ開口の隣接表面の一様でない摩耗を助長する。この摩耗はポンプの気密度及び容積効率を著しく低下させる。

請求される発明の技術的な効果は、摩擦面における摩擦による摩耗の低減、運転中のパワーインプットの低下、及びポンプ容積効率の増加である。

この技術的な効果は、圧力変換器によってエネルギーが回収されるアキシャルプランジャポンプにおいて達成され、このポンプは、シリンダブロックを有するとともに、シリンダのプランジャチャンバに接続されている、それを通ってポンプ送りされる液体の流路と、圧力変換器の一部であるシリンダのロッドエンドチャンバに接続されている、エネルギー回収に使用される液体のための圧力変換器流路とが設けられているロータと、開口が設けられるとともにその平坦面をロータの端部に接触させているステータであり、ロータが回転する間に、ポンプ送りされる液体及びエネルギーの回収に使用される液体のためのロータ通路の開口にステータ通路の開口が周期的に位置合わせされるステータと、を備える。ロータは、ポンプ送りされる液体のための貫通流路とエネルギーの回収に使用される液体の流路とが設けられたプレートをさらに備える。そのプレートの平担面はステータの平担面と接触しており、かつその反対側の湾曲面がシリンダブロック端部の湾曲面に接触している。プレートは、ロータ軸線に沿った動き及びロータ軸線に向けた傾斜のためにロータ端部においてシリンダブロック上に設けられており、プレートの平坦面はステータの平坦面に対してシリンダブロック上に設けられたばねによって押圧されている。プレートの貫通流路の開口は各ロータ流路に続いている。

請求される発明の上述した技術的な効果は、ロータの振動にかかわらず不変のままである、ステータとロータとの間の間隙によって達成される。ロータ軸線に沿ったシリンダブロックに対するプレートの動き及びロータ軸線に向けたその傾斜がロータ流路の気密度に影響を及ぼさないこともまた、本発明の利点である。

さらにまた、シリンダブロックは、ロータの動きの程度を減少させ、またプランジャの円筒表面及びそれに位置合わせされるシリンダブロック内流路の摩耗を減少させるために、ハウジングのラジアルスラスト軸受の内側に取り付けることができる。

ポンプには液体が満たされるハウジングを設けることができ、その場合、ロータが回転する間にハウジング内部で液体が循環できるようにし、それによって軸受けユニットを潤滑し冷却するために、シリンダブロックの外側表面上に突部を設けることができる。

請求するアキシャルプランジャポンプの断面図である。

図１に示されているアキシャルプランジャポンプは、ハウジング１、軸受ユニット２、シャフト４上で回転するロータ３、シリンダブロック５、プレート６、ステータ７、ばね８、プランジャ９、突起１０、球面継ぎ手１１、支持軸受１２、傾斜ブロック１３、プランジャチャンバ１４、及びロッドエンドチャンバ１５を備えている。傾斜ブロック１３の滑り面を押圧する支持軸受１２は、各プランジャのロッド上の球面継ぎ手１１に嵌合している。

ポンプ送りされる液体は、ステータ７の流路（ｄ）及びプレート６の流路を通って一定の圧力で作動プランジャチャンバ１４に導かれ、ロッドエンドチャンバ１５はステータ７の出口流路（ｃ）を介して出口配管（図示せず）に接続されている。

ポンプ送りされる液体は、プランジャ９の作動チャンバ（プランジャチャンバ）１４からプレート６の流路及びステータ７の流路（ａ）を通ってユーザシステム（図示せず）へと高い圧力で押し出される。この目的のために、ロッドエンドチャンバ１５は、ポンプ送りの副作用として高められる高圧の液体に、ステータ７の入口流路（ｂ）を介して接続されている。このようにして、追加のエネルギーがプランジャ９に伝達され、したがって、作業チャンバ１４内の圧力を高めるために必要なエネルギー入力はより少なくなる。

ロータ３はシャフト４によって回転させられる。滑り軸受ユニット２は、シリンダブロック５とプレート６の湾曲面の間の接合部における気密性の損失なしに、かつプレート６とステータ７の平面の間の一様な間隔に影響を及ぼすことなしに、半径方向及び軸線方向に移動するプランジャ９によってシリンダブロック５に負荷される不釣合荷重を担う。

シリンダブロック５とプレート６は、高い精度で製造されたぴったりと合う湾曲面によって一体に接続され、比較的小さい程度で互いに移動するときに通路の気密度に影響を及ぼさない。

プレート６とステータ７の平面の間の一様な間隙は、プレート６をステータ７に押圧するばね８によって維持される。

ポンプハウジングは、ポンプハウジングの内部を流路（ｄ）に接続する入口流路（ｅ）を介して、ポンプ送りされる液体で満たされる。

シリンダブロックには、軸受ユニットを潤滑しかつ冷却するために、ロータが回転する間にハウジング内部で液体が循環できるようにする突部１０がその外側表面上に設けられている。

Claims (3)

1. エネルギー回収アキシャルプランジャポンプであって、シリンダのプランジャチャンバに接続されたポンプ送りされる液体の流路、及び前記シリンダのロッドエンドチャンバに接続されたエネルギーの回収に使用される液体の流路が設けられたシリンダブロックを支持するロータと、貫通流路が設けられるとともにその平担面を前記ロータの端部に接触させているステータであって、このステータの前記流路の開口がロータ回転の間に前記ロータの流路の開口と周期的に位置合わせされるステータと、を備え、
   前記ロータが、ポンプ送りされる液体の貫通流路とエネルギー回収液体の流路とが設けられた１つのプレートを備え、
   前記プレートが前記ステータの平担面に接触する平担面と前記シリンダブロックの湾曲面に接触する反対側の湾曲面とを具備しており、前記シリンダブロックに取り付けられて前記ロータの軸線に沿って移動しかつ前記ロータの軸線に対して傾斜することができ、かつその平担面をばねによって前記ステータの平担面に押圧させている、ポンプ。
2. 前記シリンダブロックが、前記ロータに負荷される不釣合荷重を担うラジアルスラスト軸受の内側において前記ハウジングの内側に配置される、請求項１に記載のポンプ。
3. 液体が満たされるハウジングであって、ロータが回転する間における前記ハウジング内の液体循環を可能にする突部がその外側表面上に設けられた前記シリンダブロックを有しているハウジングを更に備える、請求項２に記載のポンプ。

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