JP5917218B2 - 内部欠陥検査装置及び内部欠陥の検査方法 - Google Patents

内部欠陥検査装置及び内部欠陥の検査方法 Download PDF

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Description

本発明は、各種製品を構成する物品の内部に生じた欠陥を非破壊で検出する内部欠陥検査装置及び方法に関し、特にマイクロ波の反射特性を利用して内部の層状の欠陥を検出する内部欠陥検査装置及び内部欠陥の検査方法に関する。
従来、物体の内部の欠陥などを非破壊で検出する方法や装置として、例えば、特許文献1〜3に記載された方法や装置が知られている。特許文献1には従来のタイヤの剥離検査装置の一例が記載されている。タイヤの一方の表面側から加熱手段によりタイヤを加熱し、剥離部分の熱伝導が小さいことを利用して、加熱された部分の温度分布を測定することにより剥離の発生を検出するものである。
特許文献2に記載の検査装置は、マイクロ波などの電磁波を測定対象となるコンクリート構造物に向けて照射し、そこからの反射波の強度や位相を検出することにより、その構造物の内部に生じたクラックや剥離などの欠陥を検出するものであり、電磁波の照射・検知手段を測定対象物上で走査することにより検出結果を画像データとして出力するものである。特許文献2においては、照射用のアンテナに対して検出用のアンテナを分離して設置し、その設置角度を照射されたマイクロ波が正反射する方向からずらすことで表面反射のノイズを減らす構成が記載されている。
特許文献3に記載の装置は、主として小型の部品等の内部の欠陥などを非破壊で測定する装置であり、検出を容易に、かつ高精度に行うことを目的として、送受信共用のアンテナを用いて構成したマイクロ波の共振系の中に被測定物を配置し、欠陥によるマイクロ波の透過波又は反射波の振幅の変化を検出する構成となっている。
特開2005−207763号公報 特開2007−121214号公報 特許3754556号公報
ゴム板や樹脂板などの板状の部材を用いた様々な工業部材や製品が使用されており、このような材料や製品において、その板状部材の張り合わせ部などの剥離や不適合層の混入のような内部に生じた層状の欠陥を短時間に簡易に、かつ高精度に検出することが望まれている。しかしながら、上記の従来の検査方法や装置では、このような要求に対しては十分な性能は得られない。
特許文献1の温度分布の測定による方法では、測定に一定の時間を要することや周囲環境の影響もあることから、短時間の検査や高精度の測定が難しい。
一方、特許文献2に記載の検査方式はコンクリート構造物などの欠陥検査を目的とした方式であることから、板状部材の内部の欠陥などのように、小さな部分の欠陥や厚さが薄い物体の内部の層状の欠陥を検査する場合には精度が不十分である。また、検査装置も複雑かつ大型化してしまう。
また、特許文献3に記載の、アンテナと被測定物を含んだマイクロ波の共振回路を構成する方式では、アンテナと被測定物との間の距離により測定値が変化してしまうため、正確な測定を行うためには上記の距離を精度よく一定に保つ必要がある。このため、特許文献3の装置を用いて、内部の剥離欠陥を短時間に簡易に測定することは難しい。
そこで、本発明は、係る問題を解決するためになされたものであり、被測定物の内部の層状の欠陥を短時間に簡易に、かつ高精度に検出することができる検査装置および検査方法を提供することを目的とする。
第1の観点では、本発明は、被測定物の内部の層状の欠陥を検出する検査装置であって、前記被測定物に照射されるマイクロ波を出力する送信アンテナと、該送信アンテナと空間的に分離され、前記マイクロ波の前記被測定物からの反射波を受信する受信アンテナとを有し、前記マイクロ波は前記被測定物の表面と前記欠陥間の多重反射による干渉を生ずる周波数を含み、前記周波数における前記反射波の強度を測定することにより前記欠陥を検出することを特徴とする内部欠陥検査装置を提供する。
本発明では、送信アンテナと受信アンテナを分離し、照射するマイクロ波の周波数を被測定物の表面と前記欠陥間の多重反射による干渉を生ずるように設定する。欠陥が存在し、前記の干渉が生ずる場合、特定の周波数において反射波は最大振幅または最小振幅となるため、干渉を利用しないで単に反射波の強度や位相を検出して欠陥を判別する場合に比べて、感度向上が得られる。また、高い検出精度を得るためには、被測定物の欠陥と表面以外の箇所から生ずる反射波を除去してノイズを減らす必要があるが、送信アンテナと受信アンテナとを共用した場合、アンテナの前段に方向性結合器やアイソレータが必要となるので、これらのデバイス内およびデバイス間の接続部での反射や、照射波のアンテナ開口部からの反射を除くことが困難であるため、十分なS/Nを得ることは難しい。本発明では送信アンテナと受信アンテナとが分離されているため、被測定物の内部の層状の欠陥に対しても高い検出精度を得ることができる。以上より、層状の欠陥を短時間に簡易に、かつ高精度に検出することができる。
また、本発明では、マイクロ波の出力パワーを有効に利用し、被測定物上で一定以上の反射波強度を確保できる範囲で、マイクロ波の照射領域の形状が被測定物にとって最適な形状となるようにすることができる。被測定物の表面に凹凸があり反射波に変動が起きる場合は、マイクロ波の照射範囲をそれらの凹凸部分を広くカバーするような被測定物に最適な大きさにすることで、その変動を平均化して除去することが可能となる。
第2の観点では、本発明は、前記第1の観点の内部欠陥検査装置において、マイクロ波の一部を透過する半透過反射板を有し、前記送信アンテナから出力されたマイクロ波の一部が前記半透過反射板を透過して前記被測定物の表面にほぼ垂直に照射され、前記被測定物からの反射波の一部が前記半透過反射板により反射されて前記受信アンテナに入射するように構成されることを特徴とする。
第3の観点では、本発明は、前記第1の観点の内部欠陥検査装置において、マイクロ波の一部を透過する半透過反射板を有し、前記送信アンテナから出力されたマイクロ波の一部が前記半透過反射板により反射されて前記被測定物の表面にほぼ垂直に照射され、前記被測定物からの反射波の一部が前記半透過反射板を透過して前記受信アンテナに入射するように構成されることを特徴とする。
前記第2の観点および第3の観点の内部欠陥検査装置は、従来、平面度などを測定するために使用されているフィゾー光学干渉計に類似の構成であり、半透過反射板を用いることにより、照射するマイクロ波を被測定物の表面にほぼ垂直に照射し、かつ、送信アンテナと受信アンテナとを空間的に分離することができる。照射するマイクロ波を被測定物の表面にほぼ垂直に照射することにより、送信アンテナおよび受信アンテナと被測定物との間の距離に対する設定許容度を大きくでき、また、前記距離に対する検出信号の変動を抑えることができる。
第4の観点では、本発明は、前記第1乃至第3のいずれかの観点の内部欠陥検査装置において、前記受信アンテナにより受信された受信信号に含まれる前記被測定物の表面形状に依存した信号を特定する手段と、前記の特定された信号を除去する手段を有することを特徴とする。被測定物の表面形状が固定されている場合、受信信号には被測定物の表面形状に依存した一定のノイズ信号が常に含まれることになる。表面形状に対応したノイズ信号波形を予め把握しておくことにより、それを受信信号より除くことができる。これにより不要なノイズを除去し、検出信号のS/Nを改善することができる。
第5の観点では、本発明は、前記第1乃至第4のいずれかの観点の内部欠陥検査装置において、前記送信アンテナから出力されるマイクロ波の周波数と異なる周波数のマイクロ波である局部波を発信する局部発振器と、前記局部波と前記受信アンテナにより受信された受信信号とを合波し両者の周波数の差の周波数を有する差周波数信号を生成するミキサと、前記差周波数信号を通過させる周波数フィルタとを有することを特徴とする。本観点の発明は、ヘテロダイン方式の検出を行うものである。本発明による内部欠陥検査装置を実用する場合、送信アンテナからのマイクロ波出力を電波法で規定されているレベルまで下げる必要があり、その周波数によっては、出力レベルを非常に小さく抑える必要が生ずる。この場合、受信信号をそのままアンプで増幅するだけでは検出信号のS/Nが低くなり欠陥の検出ができない場合が起こり得る。そこで、本観点の内部欠陥検査装置では、ヘテロダイン方式を採用し、先ず受信信号を局部波と合波することにより中間周波数へダウンコンバートする。その後、ノイズなどの不要成分をフィルタ等で除去した後に、ノイズフィギュアの小さなアンプで増幅する。これにより任意の周波数帯域でS/Nの高い検出が実現可能となる。
第6の観点では、本発明は、被測定物の内部にある層状の欠陥を検出する検査方法であって、送信アンテナが、前記被測定物の表面と前記欠陥間の多重反射による干渉を生ずる周波数を含むマイクロ波を出力し被測定物に照射するステップと、前記送信アンテナと空間的に分離された受信アンテナが、前記マイクロ波の前記被測定物からの反射波を受信するステップとを含み、前記周波数における前記反射波の強度を測定することを特徴とする内部欠陥の検査方法を提供する。
第7の観点では、本発明は、前記第6の観点の内部欠陥の検査方法において、前記被測定物は、板状の部分を有し、該板状の部分の内部に生じた剥離状の欠陥を検出することを特徴とする。特に、板状の被測定物において内部の層状の欠陥に対して高い検出精度を得るためには、被測定物の欠陥と表面および裏面以外の箇所から生ずる反射波を除去してノイズを減らすことが重要である。本発明では送信アンテナと受信アンテナとが分離されているため、板状の被測定物の内部の層状の欠陥に対しても高い検出精度を得ることができる。
第8の観点では、本発明は、前記第7の観点の内部欠陥の検査方法において、前記板状の部分は層状のゴムを貼り合わせた部分であることを特徴とする。特に層状のゴム製品においては、内部に剥離欠陥が生じた場合、その部分の誘電率の変化が大きいため多重干渉を生ずるのに十分なマイクロ波の反射率が得られ、本発明を用いることにより、より簡易に、かつ高精度に検出することが可能となる。層状のゴム製品の一例としてはタイヤが挙げられる。
以上のように、本発明の内部欠陥検査装置及び内部欠陥の検査方法によれば、被測定物の内部の層状の欠陥を短時間に簡易に、かつ高精度に検出することができる検査装置および検査方法が得られる。
実施例1に係る内部欠陥検査装置の模式的な構成図。 照射するマイクロ波の周波数に対する反射波の強度を示す図。 実施例1に係る内部欠陥検査装置の全体の構成を示すシステム構成図。 実施例1に係る内部欠陥検査装置に使用するIQミキサの内部構成図。 実施例1に係る内部欠陥検査装置を用いて、層状のゴム製品の内部の剥離欠陥を測定した結果の一例を示す図。 実施例2に係る内部欠陥検査装置の模式的な構成図。 実施例3に係る内部欠陥検査装置の模式的な構成図。
以下、図面を参照して本発明の内部欠陥検査装置を実施例により詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一符号を付し、その重複した説明を省略する。
図1は、実施例1に係る内部欠陥検査装置20の模式的な構成図である。図1において、本実施例の内部欠陥検査装置20は、被測定物10に照射されるマイクロ波8を出力する送信アンテナ1と、送信アンテナ1と空間的に分離され、マイクロ波8の被測定物10からの反射波9を受信する受信アンテナ2とを有し、被測定物10の内部の層状の欠陥11を検出する検査装置である。被測定物10に照射されるマイクロ波8は被測定物10の表面12と欠陥11間の多重反射による干渉を生ずる周波数を含み、その周波数における反射波9の強度を測定することにより被測定物10の内部の欠陥11を検出する。送信アンテナ1から出力されるマイクロ波8の波源の生成および受信アンテナ2で受信された反射波9からの検出信号の生成は回路部3で行われる。
図1において、被測定物10の表面12と欠陥11との間の間隔をd、マイクロ波8の入射角、即ち表面12の法線と成す角度をθ、マイクロ波8の周波数をf、被測定物10の比誘電率をεとし、欠陥11の比誘電率が剥離による空隙などの場合のようにεより小さいとすると、表面12と欠陥11間の多重反射による干渉により、反射波9の強度は式(1)を満たすとき最小となり、式(2)を満たすとき最大となる。但し、mは任意の整数、cは真空中の光速である。
Figure 0005917218
Figure 0005917218
図2は、照射するマイクロ波8の周波数に対する反射波9の強度を示す図である。被測定物10の欠陥11がない部分においては、上記のdの値を表裏面間の厚さとして、式(1)、式(2)を満たす周波数において、表面12と裏面13間の多重反射による干渉が生じ、図2の破線に示すような特性となる。一方、欠陥11が存在する部分においては、dの値は表裏面間の厚さよりも小さいので、式(1)、式(2)を満たす周波数は欠陥11が存在しない場合よりも大きくなり、図2の実線で示す特性となる。例えば、反射波が最小強度となる周波数は欠陥11がない部分ではF、欠陥11がある部分ではFとなり、周波数Fで被測定物10を移動させながら反射波9の強度を測定した場合、欠陥11がある部分ではその強度は大きく減少する。欠陥11の表面からの深さdによって式(1)、式(2)を満たす周波数は変化するが、表面12と欠陥11間の多重反射による干渉を生ずる欠陥の存在によって反射波9の強度は大きく変化するので、本発明では、多重反射による干渉を利用しないで単にマイクロ波の欠陥11からの反射強度や位相を検出する場合に比べて、短時間に簡易に、かつ高精度に検出可能である。
ここで、本発明において検出回路を簡易化するためには、多重反射による干渉を明確に生じさせる必要があり、このためには、被測定物10の表面12と欠陥11が略並行であるか、または、平行でない場合、1つの欠陥における表面からの深さの変化量が照射するマイクロ波の波長に対して十分に小さいこと、例えばマイクロ波の波長の1/5以下であることが望ましく、さらに、照射するマイクロ波の周波数は、式(1)でm=1を満たす周波数より大きく、通常用いられるマイクロ波の周波数の範囲内で設定することが望ましい。
図3は実施例1に係る内部欠陥検査装置20の全体の構成を示すシステム構成図である。図3に示すように、回路部3において、先ず、固定周波数fのマイクロ波を発信する発振器31により生成された信号に、掃引周波数として可変の周波数fのマイクロ波を発信する掃引発振器32により生成された信号をアップコンバータ33により合波して周波数f+fの送信波を生成する。この送信波をアッテネータ34により電波法によって規定された送信強度に調整し、送信アンテナ1からマイクロ波8として放射し被測定物10へ照射する。図1に示すように、マイクロ波8は被測定物10の表面12、裏面13や欠陥11等の誘電率が変化する境界面で反射し、その反射波9を受信アンテナ2で受信する。受信波の振幅A4は、図2のような干渉の情報を含んでおり、送信周波数f+fの関数で表わされる。
本発明の内部欠陥検査装置において、マイクロ波の周波数によっては、送信アンテナ1から放射されるマイクロ波の出力強度は電波法により非常に小さな強度に制限される。その場合、受信アンテナ2での受信強度も非常に小さくなり、アンプで増幅するだけではS/Nが不十分となり、精度よく測定することができない場合が生ずる。そこで、本実施例では、高い検出感度を得るため、送信アンテナ1から出力されるマイクロ波の周波数と異なる周波数のマイクロ波である局部波を発信する局部発振器と、局部波と受信アンテナ2により受信された受信信号とを合波し両者の周波数の差の周波数を有する差周波数信号を生成するミキサと、差周波数信号を通過させる周波数フィルタとを備え、ヘテロダイン方式により受信回路を構成している。すなわち、本実施例において、局部発振器として掃引発振器32を使用し、受信アンテナ2により受信された受信信号をローノイズアンプ36で増幅した後、ミキサ35において掃引発振器32により生成された信号と合波することにより、受信信号の周波数f+fと掃引発振器32の信号の周波数fの差の周波数 fを有する信号を得ている。ここで、ミキサ35からの出力には差の周波数f、元の周波数f+f、和の周波数f+2fの信号が含まれるため、それをバンドパスフィルタ37を通過させることにより差の周波数fのみを有する信号を得ている。
周波数f以外の不用成分が除去された信号はローノイズアンプ38で増幅され、欠陥情報を有する計測信号としてIQミキサ40に入力され、IQミキサ40内で発振器31の周波数fの参照波信号と合波され、検出信号が得られる。
図4は本実施例に使用するIQミキサの内部構成図である。図4において、計測信号をパワーディバイダ41で2つに分け、その分けられた同位相の2つの信号をそれぞれミキサ43、ミキサ44のRFポートに入力する。一方、参照波信号はハイブリッド42に入力され、位相が互いに90度異なる2つの信号に分けられ、それぞれミキサ43、ミキサ44のLOポートに入力する。ミキサ43、ミキサ44では、それぞれ計測信号と参照波信号の差の周波数信号と和の周波数信号が生成され、それぞれローパスフィルタ45、ローパスフィルタ46を通過させることにより差の周波数信号だけを取り出す。取り出される信号は、受信波の位相δと振幅A4の情報を含んだsin波成分とcos波成分の検出信号として出力される。
次に、本発明にかかる内部欠陥の検査方法について説明する。先ず、図1のように、送信アンテナ1から出力したマイクロ波8が被測定物10の表面12で正反射して反射波9として受信アンテナ2に入射するように送信アンテナ1と受信アンテナ2を配置する。図3において、マイクロ波8の周波数f+fが式(1)をm≧1の範囲で満たし、被測定物10の表面12と欠陥11間の多重反射による干渉を生ずるように固定の周波数fと掃引周波数fを設定する。掃引周波数fを変化させることによりマイクロ波8の周波数f+fを変化させて反射波9の強度を測定し、特定の周波数に対する強度、または周波数変化に対する強度の変化量の大きさから欠陥を検出する。
図5は、実施例1の内部欠陥検査装置20を用いて、層状のゴム製品の剥離欠陥を測定した結果の一例を示す図である。28〜29GHzの周波数のマイクロ波を掃引して送信アンテナ1から被測定物の表面に照射し、IQミキサから得られた検出信号の振幅の上記周波数内における最大値と最小値の差を算出してプロットした結果である。横軸はマイクロ波を照射した基準点からの相対的な位置である。図5に示すように、剥離欠陥のある位置では明確な信号出力の増加が得られ、目的とした欠陥の検出が確認できた。
なお、上記の層状のゴム製品の測定においては、マイクロ波の照射範囲を、表面の凹凸よる反射波の変動が平均化して低減されるように考慮した。
また、表面に周期的な凹凸を有する被測定物においては、表面の凹凸による反射波の変動によって計測信号に現れるノイズ波形は表面形状に応じてほぼ一定となるので、その波形を信号処理により除去することも可能である。
図6は、実施例2に係る内部欠陥検査装置21の模式的な構成図である。図6において、本実施例の内部欠陥検査装置21は、実施例1と同様に、被測定物10に照射されるマイクロ波8を出力する送信アンテナ1と、送信アンテナ1と空間的に分離され、マイクロ波の被測定物10からの反射波19を受信する受信アンテナ2とを有し、被測定物10の内部の層状の欠陥11を検出する検査装置である。被測定物10に照射されるマイクロ波8は被測定物10の表面12と欠陥11間の多重反射による干渉を生ずる周波数を含み、その周波数における反射波19の強度を測定することにより被測定物10の内部の欠陥11を検出する。送信アンテナ1から出力されるマイクロ波8の波源の生成および受信アンテナ2で受信された反射波19からの検出信号の生成は回路部3で行われる。
本実施例においては、マイクロ波の一部を透過する半透過反射板4を有し、送信アンテナ1から出力されたマイクロ波8の一部が半透過反射板4を透過して被測定物10の表面12にほぼ垂直に照射され、被測定物10からの反射波の一部が半透過反射板4により反射されて受信アンテナ2に反射波19として入射するように構成されている。また、本実施例では、マイクロ波8が被測定物10以外で反射されて受信アンテナ2に入射するのを避けるため、マイクロ波8の半透過反射板4により反射された成分を吸収体5で吸収している。半透過反射板4としては、使用するマイクロ波の周波数においてマイクロ波の一部を反射、透過する機能を有する板状の材料であればよく、例えば、アクリル板などを使用できる。
図1に示す実施例1の構成においては、アンテナ位置を固定して被測定物10を取り替える場合、送信アンテナ1および受信アンテナ2と被測定物10との間の距離により測定箇所に入射するマイクロ波8の入射角度θが変化し、この結果、式(1)、式(2)を満たす最小強度、最大強度を与える周波数が若干変化してしまう。このため、被測定物10はある程度同じ位置に設置する必要がある。一方、本実施例においては、半透過反射板4を用いて、マイクロ波を被測定物の表面にほぼ垂直に照射することにより入射角度θは常に0となり、理論的には被測定物10との間の距離に対して式(1)、式(2)を満たす周波数は依存性しない。この結果、本実施例においては被測定物10に対する設定許容度を大きくでき、また、被測定物10の設定位置に対する検出信号の変動を抑えることができる。
図7は、実施例3に係る内部欠陥検査装置22の模式的な構成図である。図7において、本実施例の内部欠陥検査装置22は、実施例1および2と同様に、被測定物10に照射されるマイクロ波8を出力する送信アンテナ1と、送信アンテナ1と空間的に分離され、マイクロ波8の被測定物10からの反射波29を受信する受信アンテナ2とを有し、被測定物10の内部の層状の欠陥11を検出する検査装置であり、被測定物10に照射されるマイクロ波8は被測定物10の表面12と欠陥11間の多重反射による干渉を生ずる周波数を含み、その周波数における反射波29の強度を測定することにより被測定物10の内部の欠陥11を検出する。また、実施例2と同様に、本実施例ではマイクロ波は被測定物10の表面12にほぼ垂直に照射される。
但し、本実施例においては、マイクロ波の一部を透過する半透過反射板4を有し、送信アンテナ1から出力されたマイクロ波8の一部が半透過反射板4により反射されて被測定物10の表面12にほぼ垂直に照射され、被測定物10からの反射波の一部が半透過反射板4を透過して受信アンテナ2に反射波29として入射するように構成されている。マイクロ波8の半透過反射板4を透過した成分は吸収体5で吸収される。図7に示すように、半透過反射板4のマイクロ波8の進行方向に対する角度は、半透過反射板4のマイクロ波の透過率、反射率、偏波特性などの入射角度に対する依存性を考慮して、最適な構成となるように任意に設定できる。
本実施例においても、実施例2と同様に、被測定物10に対する設定許容度を大きくでき、また、被測定物10の設定位置に対する検出信号の変動を抑えることができる。
なお、本発明は上記の実施例に限定されるものではないことは言うまでもなく、目的や用途に応じて設計変更可能である。例えば、反射波から得られる信号強度が大きく、必要なS/Nが得られれば、回路部の構成は、通常のアンプと、平均化処理やフィルタなどによるノイズ低減回路と、ピーク値や振幅の検出回路などの信号処理回路を用いても構成可能であり、ヘテロダイン方式を採用しなくてもよい。また、本発明の対象とする被測定物は、表面と欠陥との間で多重反射による干渉を生ずるような層状の欠陥を有するものであれば如何なる物体であってもよい。
1 送信アンテナ
2 受信アンテナ
3 回路部
4 半透過反射板
5 吸収体
8 マイクロ波
9、19、29 反射波
10 被測定物
11 欠陥
12 表面
13 裏面
20、21、22 内部欠陥検査装置
31 発振器
32 掃引発振器
33 アップコンバータ
34 アッテネータ
35、43、44 ミキサ
36、38 ローノイズアンプ
37 バンドパスフィルタ
40 IQミキサ
41 パワーディバイダ
42 ハイブリッド
45、46 ローパスフィルタ

Claims (8)

  1. 被測定物の内部の層状の欠陥を検出する検査装置であって、前記被測定物に照射されるマイクロ波を出力する送信アンテナと、該送信アンテナと空間的に分離され、前記マイクロ波の前記被測定物からの反射波を受信する受信アンテナとを有し、前記マイクロ波は前記被測定物の表面と前記欠陥間の多重反射による干渉を生ずる周波数を含み、前記周波数における前記反射波の強度を測定することにより前記欠陥を検出することを特徴とする内部欠陥検査装置。
  2. マイクロ波の一部を透過する半透過反射板を有し、前記送信アンテナから出力されたマイクロ波の一部が前記半透過反射板を透過して前記被測定物の表面にほぼ垂直に照射され、前記被測定物からの反射波の一部が前記半透過反射板により反射されて前記受信アンテナに入射するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の内部欠陥検査装置。
  3. マイクロ波の一部を透過する半透過反射板を有し、前記送信アンテナから出力されたマイクロ波の一部が前記半透過反射板により反射されて前記被測定物の表面にほぼ垂直に照射され、前記被測定物からの反射波の一部が前記半透過反射板を透過して前記受信アンテナに入射するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の内部欠陥検査装置。
  4. 前記受信アンテナにより受信された受信信号に含まれる前記被測定物の表面形状に依存
    した信号を特定する手段と、前記の特定された信号を除去する手段を有することを特徴と
    する請求項1乃至のいずれか1項に記載の内部欠陥検査装置。
  5. 前記送信アンテナから出力されるマイクロ波の周波数と異なる周波数のマイクロ波であ
    る局部波を発信する局部発振器と、前記局部波と前記受信アンテナにより受信された受信
    信号とを合波し両者の周波数の差の周波数を有する差周波数信号を生成するミキサと、前
    記差周波数信号を通過させる周波数フィルタとを有することを特徴とする請求項1乃至
    のいずれか1項に記載の内部欠陥検査装置。
  6. 被測定物の内部にある層状の欠陥を検出する検査方法であって、
    送信アンテナが、前記被測定物の表面と前記欠陥間の多重反射による干渉を生ずる周波数を含むマイクロ波を出力し被測定物に照射するステップと、
    前記送信アンテナと空間的に分離された受信アンテナが、前記マイクロ波の前記被測定物からの反射波を受信するステップと
    を含み、前記周波数における前記反射波の強度を測定することを特徴とする内部欠陥の検査方法。
  7. 前記被測定物は、板状の部分を有し、該板状の部分の内部に生じた剥離状の欠陥を検出
    することを特徴とする請求項に記載の内部欠陥の検査方法。
  8. 前記板状の部分は層状のゴムを貼り合わせた部分であることを特徴とする請求項に記
    載の内部欠陥の検査方法。
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