本発明を実施するための実施形態について、図面を用いて説明する。本発明は、以下に記載の構成に限定されるものではなく、同一の技術的思想において種々の構成を採用することができる。例えば、以下に示す構成の一部は、省略し又は他の構成等に置換してもよい。他の構成を含むようにしてもよい。
<インクジェット記録装置>
インクジェット記録装置1について、図1〜図5等を参照して説明する。図1及び図2において、インクジェット記録装置1を構成するフレームは、後述する一部(「フレーム3」及び「フレーム5」参照)を除き、図示を省略している。
インクジェット記録装置1では、フルカラーの画像が記録(形成)される。画像の記録には、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のインクが用いられる。画像の記録には、これら4色の他、シアン、マゼンタ、イエローの各色の淡色系であるライトシアン、ライトマゼンタ、ライトイエロー、及び/又は、クリアを用いてもよい。本実施形態は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色を例として説明する。画像が記録される記録媒体7としては、記録用紙の他、加工生産において用いられる産業資材が例示される。産業資材には、短冊状又は長尺状の布帛、内装材又は外装材としての建築板、又は、コンクリートブロック等が例示される。
インクジェット記録装置1は、図1及び図2に示すように、搬送部10と、複数のキャリッジ20と、複数の移動機構40と、複数の位置決め機構60を備える。キャリッジ20のそれぞれには、後述するようにして、複数の記録ヘッド30が搭載される。図1〜図5において位置決め機構60は、簡略化して図示されている。
搬送部10は、搬送面12に載せ置かれた記録媒体7を、搬送部10の上流側から、キャリッジ20を通過させ、搬送部10の下流側に搬送する。搬送部10によって記録媒体7が搬送される方向を搬送方向という。搬送部10は、コンベア等によって構成される。例えば、搬送部10がベルトコンベアによって構成される場合、搬送部10は、搬送方向の上流側及び下流側に設けられた一対のローラと、一対のローラに架設された無端ベルトを含む。搬送部10は、既に実用化されたインクジェット記録装置が備える搬送部と同様の搬送部である。従って、搬送部10に関するこの他の説明は省略する。
複数の記録ヘッド30が搭載されたキャリッジ20は、画像の記録に用いられるインク色の数に対応した数だけ設けられる。画像の記録に上述した4色のインクが用いられる本実施形態では、インクジェット記録装置1は、4つのキャリッジ20を備える。記録ヘッド30には、搬送部10と対向する面(吐出面)に、インクを吐出するノズルが形成される。イエロー用の記録ヘッド30には、イエローインクを吐出するノズルが形成される。マゼンタ用の記録ヘッド30には、マゼンタインクを吐出するノズルが形成される。シアン用の記録ヘッド30には、シアンインクを吐出するノズルが形成される。ブラック用の記録ヘッド30には、ブラックインクを吐出するノズルが形成される。
本実施形態では、イエロー用の記録ヘッド30を「記録ヘッド30Y」といい、複数の記録ヘッド30Yが搭載されたキャリッジ20を「キャリッジ20Y」という。マゼンタ用の記録ヘッド30を「記録ヘッド30M」といい、複数の記録ヘッド30Mが搭載されたキャリッジ20を「キャリッジ20M」という。シアン用の記録ヘッド30を「記録ヘッド30C」といい、複数の記録ヘッド30Cが搭載されたキャリッジ20を「キャリッジ20C」という。ブラック用の記録ヘッド30を「記録ヘッド30K」といい、複数の記録ヘッド30Kが搭載されたキャリッジ20を「キャリッジ20K」という。記録ヘッド30Y,30M,30C,30Kを区別しない場合、又は、これらを総称する場合、「記録ヘッド30」という。キャリッジ20Y,20M,20C,20Kを区別しない場合、又は、これらを総称する場合、「キャリッジ20」という。
インクジェット記録装置1では、キャリッジ20Y,20M,20C,20Kは、それぞれ隣り合った状態で並んで設けられる。インクジェット記録装置1において、キャリッジ20Y,20M,20C,20Kが並べられる方向(第一方向)は、搬送方向に対応する。第一方向のうちの一方の方向は、搬送方向に一致する。キャリッジ20Y,20M,20C,20Kは、例えば、搬送方向の上流側から下流側に向けて、キャリッジ20K、キャリッジ20C、キャリッジ20M、キャリッジ20Yの順で、隣り合った状態で並んで設けられる。1色あたり、複数、例えば2つのキャリッジ20としてもよい。前述した例示のように1色あたり2つのキャリッジ20とした場合、インクジェット記録装置1は、合計、8つのキャリッジ20を含む。キャリッジ20Y,20M,20C,20Kは、それぞれ同様の構成を有する。記録ヘッド30Y,30M,30C,30Kは、それぞれ同様の構成を有する。
キャリッジ20は、直方体形状の各辺の位置に配置された棒状の枠材によって側面部が開放状態とされた枠状に形成される。枠材は、キャリッジ20の骨格を形成する。枠状のキャリッジ20の底部にはベース部24が設けられる。キャリッジ20の底部は、鉛直方向においてキャリッジ20の下端側部分である。ベース部24には、複数の記録ヘッド30が取り付けられる。ベース部24を含むキャリッジ20は、全体として有底枠状とされる。ベース部24は、キャリッジ20の底部を形成するプレート状部材の一部に形成されてもよく、また、キャリッジ20の底部を形成するプレート状部材とは別体のプレート状部材として形成されてもよい。後者の場合、キャリッジ20の底部を形成するプレート状部材の所定の位置には、ベース部24を取り付けるための構成(空間を含む)が形成される。複数の記録ヘッド30が取り付けられたベース部24は、キャリッジ20の底部に形成された前述の構成に取り付けられ、他の部分と共にキャリッジ20の底部を形成する。キャリッジ20の上端側部分は、図1及び図2等に示すように、この部分に設けられた天部によって閉じられた状態とされ、又は、側面部同様、枠材のみが設けられ開放された状態とされる。キャリッジ20の上端側部分を、閉じられた状態とするか、開放された状態とするかは、諸条件の下、適宜決定される。キャリッジ20の上端側部分は、鉛直方向においてキャリッジ20の底部とは反対側となる部分である。
ベース部24への複数の記録ヘッド30の取り付けに関し、複数の記録ヘッド30は、第一方向に交差、具体的には、直交する第二方向に複数配列された状態で、ベース部24に取り付けられる。インクジェット記録装置1において、第二方向は、搬送部10の幅方向、及び、搬送される記録媒体7の幅方向に一致する。図1及び図2に示す例では、1列あたり第二方向に5個の記録ヘッド30が配列され、このように配列された記録ヘッド30が、第一方向に2列配列されている。1列あたりの記録ヘッド30の個数と、列数は、諸条件の下、適宜決定される。列数は1列であってもよい。第二方向に配列された複数の記録ヘッド30は、ライン型の記録ヘッドを構成する。インクジェット記録装置1では、複数の記録ヘッド30が第二方向に配列された状態において、所定の色のインクを吐出するノズルが、搬送部10によって搬送される記録媒体7の幅以上の範囲に存在し、記録媒体7の幅方向の全域に画像を記録することができる。
1つのキャリッジ20において、ベース部24に取り付けられた複数の記録ヘッド30は、画像の記録に用いられる色のうちの1色分の記録部を構成する。複数の記録ヘッド30によって構成される記録部は、搬送部10によって搬送される記録媒体7に所定の画像を記録し、記録媒体7を模様付けする(図1において、キャリッジ20Yを通過し、搬送方向の下流側に搬送された記録媒体7に付された「網目模様」参照)。
移動機構40は、例えば、スライドレール又はリニアガイドによって構成される。移動機構40は、ガイド部42と、スライド部44を含む。移動機構40は、インクジェット記録装置1を構成するフレーム(不図示)と、キャリッジ20に取り付けられる。具体的に、ガイド部42は、インクジェット記録装置1を構成するフレーム(不図示)に取り付けられ、スライド部44は、キャリッジ20に取り付けられる。移動機構40において、スライド部44は、不図示のフレームに取り付け固定されたガイド部42に対して摺動する。
移動機構40(スライド部44)のキャリッジ20への取付位置に関し、移動機構40(スライド部44)は、鉛直方向においてキャリッジ20の底部とは反対側となるキャリッジ20の上端側部分の第二位置に設けられる(取り付けられる)。図1及び図2に示す例において、第二位置は、キャリッジ20の天面(キャリッジ20の上端側部分における上端面)である。インクジェット記録装置1において、キャリッジ20は、移動機構40によってインクジェット記録装置1を構成するフレーム(不図示)に吊り下げられたような状態で設けられる。移動機構40を介したキャリッジ20の移動は、操作者による手動によって行われる。キャリッジ20の移動は、動力源を介して自動的に行われるようにしてもよい。
移動機構40によれば、キャリッジ20を第二方向に移動(往復移動)させ、キャリッジ20を記録領域の側及び退避領域の側に配置することができる。記録領域は、搬送部10において記録媒体7が載せ置かれて搬送される搬送面12上の領域であって、搬送部10によって搬送される記録媒体7への画像の記録が行える領域である。退避領域は、搬送部10の搬送面12から離間した領域であって、搬送される記録媒体7への画像の記録が行えない領域である。移動機構40は、複数のキャリッジ20にそれぞれ設けられる。インクジェット記録装置1は、キャリッジ20Yのための移動機構40Yと、キャリッジ20Mのための移動機構40Mと、キャリッジ20Cのための移動機構40Cと、キャリッジ20Kのための移動機構40Kを備える。本実施形態では、移動機構40Y,40M,40C,40Kを区別しない場合、又は、これらを総称する場合、「移動機構40」という。
キャリッジ20Y,20M,20C,20Kは、それぞれ別個に移動されて記録領域の側及び退避領域の側に配置される。例えば、図1に示すように、記録領域に配置されたキャリッジ20Mを、図2に示すように、退避領域の側に移動させ、退避領域に配置することができる。インクジェット記録装置1が、画像の記録が可能な図1に示す状態から、所定のキャリッジ20を退避領域に配置させた図2に示す状態に移行する場合、フレーム3は、図2に示すように、キャリッジ20の移動が妨げられない位置に下降される。フレーム3は、第二方向の両側のうちの一端側(図1及び図2等参照)で、搬送部10に沿って設けられたインクジェット記録装置1を構成するフレームである。
インクジェット記録装置1は、フレーム3を昇降させるための昇降機構(不図示)を備える。昇降機構は、例えば、エア、油圧又は電動の何れかで動作するシリンダによって構成される。シリンダは、フレーム3の両側(第一方向の両端)において、不図示のフレームに固定される。各シリンダが備えるロッドの先端がそれぞれフレーム3の両側に固定される。両シリンダが同期した状態で動作し、ロッドが伸縮することにより、フレーム3の昇降が実現される。フレーム3には、位置決め機構60の一部の構成が取り付けられる。これに関する説明は後述する。
図1及び図2では、1つのキャリッジ20に対して1組のガイド部42及びスライド部44を設け、これにより移動機構40が構成されているが、キャリッジ20を移動させるための移動機構40は、1つのキャリッジ20に対して複数組のガイド部42及びスライド部44によって構成されてもよい。例えば、図3に示すように、移動機構40は、キャリッジ20の天面において、第一方向の両側(搬送方向の上流側及び下流側)である第二位置にそれぞれ設けられた2組のガイド部42及びスライド部44によって構成されてもよい。図1及び図2、又は、図3に示すように、移動機構40をキャリッジ20の天面に設けた構成によれば、第一方向において、キャリッジ20Y,20M,20C,20Kの間隔を狭くすることが可能となり、キャリッジ20Y,20M,20C,20Kをコンパクトに配置することができる。第一方向において、キャリッジ20Y,20M,20C,20Kの間隔を広げ、所定の隙間を設けられるような場合には、移動機構40は、図4に示すように、キャリッジ20の上端側部分の両側面である第二位置にそれぞれ設けられた2組のガイド部42及びスライド部44によって構成されてもよい。この場合、ガイド部42及びスライド部44は、前述の隙間部分に設けられる。この他、移動機構40は、図1及び図2に示す位置と、図4に示す位置にガイド部42及びスライド部44を設け、合計3組のガイド部42及びスライド部44によって構成されてもよい(図5参照)。前述した何れの場合についても、ガイド部42は、インクジェット記録装置1を構成するフレーム(不図示)に取り付けられ、スライド部44は、キャリッジ20の上端側部分の第二位置に取り付けられる。本実施形態において第二位置は、既に説明した通り、キャリッジ20の天面(キャリッジ20の上端面)(図1〜図3及び図5参照)、及び/又は、キャリッジ20の上端側部分の側面(図4及び図5参照)である。インクジェット記録装置1では、ガイド部42に対応した位置にフレーム(不図示)が設けられる。
位置決め機構60は、移動機構40によってキャリッジ20が記録領域の側に移動された場合、記録領域の側において、キャリッジ20を位置決めするための構成である。位置決め機構60は、複数のキャリッジ20にそれぞれ設けられる。インクジェット記録装置1は、キャリッジ20Yのための位置決め機構60Yと、キャリッジ20Mのための位置決め機構60Mと、キャリッジ20Cのための位置決め機構60Cと、キャリッジ20Kのための位置決め機構60Kを備える。本実施形態では、位置決め機構60Y,60M,60C,60Kを区別しない場合、又は、これらを総称する場合、「位置決め機構60」という。インクジェット記録装置1において、位置決め機構60は、キャリッジ20の底部に対応した第一位置に設けられる。移動機構40が設けられる位置として上述した第二位置は、第一位置より上方となる。位置決め機構60についての詳細は後述する。
インクジェット記録装置1は、上述した各部の他、例えば、インクタンクと、制御装置を備える。インクタンクは、記録ヘッド30に供給される各色のインクを貯留する。イエロー用のインクタンクに貯留されたイエローインクは、イエロー用の供給流路を流れて、複数の記録ヘッド30Yにそれぞれ供給される。マゼンタ用のインクタンクに貯留されたマゼンタインクは、マゼンタ用の供給流路を流れて、複数の記録ヘッド30Mにそれぞれ供給される。シアン用のインクタンクに貯留されたシアンインクは、シアン用の供給流路を流れて、複数の記録ヘッド30Cにそれぞれ供給される。ブラック用のインクタンクに貯留されたブラックインクは、ブラック用の供給流路を流れて、複数の記録ヘッド30Kにそれぞれ供給される。制御部は、インクジェット記録装置1で実行される各種の動作を制御する。制御装置は、CPU、ROM及びRAMを含む各種の電気部品(制御回路)等を含む。一部の電気部品は、複数の記録ヘッド30の上方となるキャリッジ20の所定の位置に設けられることもある。
<位置決め機構>
キャリッジ20の底部に対応した第一位置に設けられる位置決め機構60について、図6及び図7を参照して説明する。図6は、1つのキャリッジ20のみを対象として図示したものである。図6に図示されたフレーム3は、フレーム3の下側に設けられる各部の構成を明らかにするため、その一部を省略(切断)した状態としている。図7では、断面を示すハッチングは省略している。
位置決め機構60は、リニアガイド62と、第一ブロック64と、第一位置決めピン66と、第一支持部68と、第二支持部70と、付勢部72と、第二ブロック74と、第三ブロック76と、第二位置決めピン78と、第四ブロック80を含む。リニアガイド62は、後述するような、第一ブロック64の移動を実現するための構成である。図6に示す例では、位置決め機構60は、2個のリニアガイド62を含む。2個のリニアガイド62は、摺動方向が第二方向に一致するようにして、フレーム3の下側面に平行に固定される。位置決め機構60に含まれるリニアガイド62は、第一ブロック64の移動が実現可能となる個数だけ設けられる。リニアガイド62の個数は、図6に示すような2個とは異なり、1個又は3個以上としてもよい。本実施形態では、2個のリニアガイド62を例として説明する。リニアガイド62は、既に実用化された装置であるため、これに関する説明は省略する。
第一ブロック64は、フレーム3の下側面に固定されたリニアガイド62に固定される。第一ブロック64は、2個のリニアガイド62を介して、フレーム3の下側面に吊り下げられた状態とされる。第一ブロック64は、リニアガイド62を介して第二方向に移動することができる。第一ブロック64には、第一位置決めピン66が設けられる(立設される)。第一ブロック64への第一位置決めピン66の固定は、例えば、第一ブロック64に穴部を設け、この穴部に第一位置決めピン66を嵌合(圧入)して行われる。
第一支持部68は、第一ブロック64の側に向けて、2個のリニアガイド62の間となるフレーム3の下側面に固定される。第二支持部70は、2個のリニアガイド62を介してフレーム3の下側面に固定された第一ブロック64に設けられる。第二支持部70は、前述のようにしてフレーム3の下面側に固定された第一支持部68と第二方向に所定の隙間を隔てて対向するようにされる。第一支持部68及び第二支持部70が対向する面間に形成された前述の隙間には、付勢部72が所定の方法にて取り付けられる。付勢部72は、例えば、図6及び図7に示すように、コイルばねによって構成される。コイルばねによる付勢部72は、圧縮された状態で、第一支持部68及び第二支持部70による隙間に取り付けられる。
2個のリニアガイド62、第一ブロック64、第一位置決めピン66、第一支持部68、第二支持部70及び付勢部72が、上述したようにして設けられることで、第一ブロック64に固定された第一位置決めピン66は、第二方向を一端側から他端側(図1、図2及び図6参照)に向けて付勢された状態となる。本実施形態では、第二方向のうち一端側から他端側に向かう方向を「位置決め方向」という。位置決め方向は、第二方向において退避領域から記録領域の側に向かう方向でもある。第一位置決めピン66に作用する付勢力は、付勢部72のばね定数を適宜設定することで、変化させることができる。
第二ブロック74は、キャリッジ20の底部において第二方向の一端側に固定される。第二ブロック74の第二方向の一端側には、凹状の第一切欠部82が形成される。リニアガイド62に固定された状態でリニアガイド62から第二方向の他端側に突出し、第一位置決めピン66が固定された第一ブロック64の部分は、図7に示すように、キャリッジ20の底部から第二方向の一端側に突出した第二ブロック74の部分の下側となる位置に配置される。このとき、第一位置決めピン66は、図6に示すように、第一切欠部82に係合する。第一切欠部82には、第一位置決めピン66を介して付勢部72による付勢力が作用する。キャリッジ20は、第一切欠部82に作用する付勢力によって位置決め方向に付勢され、押し込まれる。
第三ブロック76は、キャリッジ20の側(第二方向の一端側)に向けて、ねじ止め等の所定の方法で、フレーム5に固定される。フレーム5は、第二方向の両側のうちの他端側で、搬送部10に沿って設けられたインクジェット記録装置1を構成するフレームである。第三ブロック76には、第二位置決めピン78が設けられる(立設される)。第三ブロック76への第二位置決めピン78の固定は、例えば、第三ブロック76に穴部を設け、この穴部に第二位置決めピン78を嵌合(圧入)して行われる。
第四ブロック80は、キャリッジ20の底部において第二方向の他端側に固定される。第四ブロック80の第二方向の他端側には、凹状の第二切欠部84が形成される。第二方向の一端側に突出するようにしてフレーム5に固定された第三ブロック76は、図7に示すように、キャリッジ20の底部から第二方向の他端側に突出した第四ブロック80の部分の下側となる位置に配置される。このとき、第二位置決めピン78は、図6に示すように、第二切欠部84に係合する。第二切欠部84には、第一位置決めピン66を介してキャリッジ20に作用した付勢部72による付勢力が作用する。キャリッジ20は、第二切欠部84に作用する付勢力によって位置決め方向に付勢され、第四ブロック80を介して第二位置決めピン78に押圧される。キャリッジ20は、第一位置決めピン66及び第二位置決めピン78によって、第一方向及び第二方向の位置(水平面上の位置)が位置決めされる。
キャリッジ20の鉛直方向の位置決めに関し、位置決め機構60は、図7に示すように、押圧部86,88(図1、図2及び図6では不図示)を含む。押圧部86は、第二方向の一端側で、第二ブロック74の上方の位置に設けられる。押圧部88は、第二方向の他端側で、第四ブロック80の上方の位置に設けられる。押圧部86,88は、インクジェット記録装置1を構成するフレームに固定される。例えば、図7に示すように、押圧部86は、所定の部材を介して、フレーム3に固定され、押圧部88は、所定の部材を介して、フレーム5に固定される。押圧部86,88は、例えば、エア、油圧又は電動の何れかで動作するシリンダによって構成される。押圧部86が動作し、押圧部86のロッド90が鉛直方向の下側に伸びると、ロッド90の先端が第二ブロック74に接し、第二ブロック74が下側に押圧される。押圧部88が動作し、押圧部88のロッド92が鉛直方向の下側に伸びると、ロッド92の先端が第四ブロック80に接し、第四ブロック80が下側に押圧される。
上述した通り、第二ブロック74の下側には第一ブロック64が配置され、第四ブロック80の下側には第三ブロック76が配置されている。従って、第二ブロック74は、第一ブロック64に押圧され、第四ブロック80は、第三ブロック76に押圧される。キャリッジ20は、第二方向の両側において、押圧部86,88からの押圧力によって鉛直方向の下側に押圧されて、鉛直方向の位置が位置決めされる。このようにしてキャリッジ20は、記録領域において、位置決め機構60により水平面上及び鉛直方向に位置決めされた状態とされる。
<本実施形態による効果>
本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)インクジェット記録装置1では、記録ヘッド30の交換、及び/又は、記録ヘッド30に対するメンテナンス等の作業性を向上させるため、移動機構40Y,40M,40C,40Kによって、キャリッジ20Y,20M,20C,20Kを第二方向に移動させることができる。インクジェット記録装置1では、移動機構40Y,40M,40C,40Kによって移動可能とされたキャリッジ20Y,20M,20C,20Kを記録領域に配置した場合、記録ヘッド30Y,30M,30C,30Kが好適な画像の記録を実現するための所定の位置に配置されるようにするため、位置決め機構60Y,60M,60C,60Kによって、キャリッジ20Y,20M,20C,20Kを位置決めすることができる。
ところで、移動機構40及び位置決め機構60を、鉛直方向において同様の高さ領域に接近させた状態で設けることとした場合、同様の高さ領域に両機構を設けるためのスペースを、キャリッジ20の外周部等に確保しなければならず、コンパクトな設計が困難となることもある。これに対し、インクジェット記録装置1では、移動機構40は、キャリッジ20の底部より鉛直方向の上方であるキャリッジ20の上端側部分の第二位置に設けられ、位置決め機構60は、キャリッジ20の下端側部分となる底部に対応した第一位置に設けられる。従って、移動機構40と位置決め機構60の配置が、互いに干渉することがなく、前述したようなスペースを確保しなくてもよい。従って、移動機構40及び位置決め機構60をコンパクトに配置することができる。
位置決め機構60は、記録ヘッド30が取り付けられるベース部24が設けられるキャリッジ20の底部に対応した第一位置に設けられる。そのため、例えば、ガイド部42及びスライド部44の嵌め合わせ等に起因したガタつきがキャリッジ20に生じたとしても、キャリッジ20の底部では位置決め機構60によってガタつきによる揺れ又は位置ずれ等を抑制することができる。その結果、記録ヘッド30の吐出面の揺れ又は位置ずれを抑制し、好適な画像の記録を実現することができる。
(2)インクジェット記録装置1では、記録領域においてキャリッジ20を位置決めするための位置決め機構60が付勢部72を含む構成とした。その上で、付勢部72による付勢力によって、第二方向の一端側において第一位置決めピン66と第一切欠部82を係合させ、キャリッジ20を位置決め方向に押し込み、第二方向の他端側において第二位置決めピン78と第二切欠部84を係合させて、キャリッジ20の位置決めを行うこととした。そのため、水平面上におけるキャリッジ20の位置ずれを抑制し、第一方向及び第二方向においてキャリッジ20を好適に位置決めすることができる。
インクジェット記録装置1において画像の記録が行われると、インクを吐出する記録ヘッド30の温度が上昇し、複数の記録ヘッド30が取り付けられたベース部24が設けられた底部が熱膨張することが想定される。記録ヘッド30の温度が上昇する要因としては、インクを吐出させるための構成であって、記録ヘッド30に含まれるピエゾ素子の駆動に伴う発熱が例示される。常温では高粘度のインクが画像の記録に用いられる場合がある。このようなインクを記録ヘッド30に形成されたノズルから好適に吐出させるため、吐出前にインクを加熱することがある。インクの加熱は、記録ヘッド30を加熱して行われることもある。このような加熱及び/又は加熱されたインクも、記録ヘッド30の温度を上昇させる要因となる。
インクジェット記録装置1では、キャリッジ20の位置決め方向への押し込みを、付勢部72による付勢力によって実現している。上述したようにしてキャリッジ20の底部が熱膨張した場合、熱膨張に伴うキャリッジ20の変形を、付勢部72が圧縮することで吸収することができる。インクジェット記録装置1では、キャリッジ20の底部が熱膨張した状態が基準とされる。インクジェット記録装置1は、所定量だけ熱膨張した状態で、キャリッジ20の底部に設けられたベース部24に取り付けられた複数の記録ヘッド30が、好適な画像の記録を実現するための所定の位置に配置されるように設計される。
キャリッジの位置決め精度を向上させるために、キャリッジを含めインクジェット記録装置の剛性を高め、熱膨張による変形の影響を抑制するといった方法も考えられる。しかし、このような方法によれば、キャリッジを含めインクジェット記録装置が大型化することとなり、コンパクトなインクジェット記録装置とすることが困難となる。本実施形態のインクジェット記録装置1では、上述した構成により、熱膨張による変形を好適に吸収することができるため、コンパクトなインクジェット記録装置とすることができる。
<変形例>
本実施形態は、次のようにすることもできる。
(1)上記では、1つのキャリッジ20における複数の記録ヘッド30によってライン型の記録ヘッドが構成されたインクジェット記録装置1を例に説明した。本実施形態の構成を採用することができるインクジェット記録装置は、シリアル型であってもよい。シリアル型の場合、各色用の記録ヘッドがそれぞれ搭載された各色用のキャリッジは、搬送方向に交差(直交)する方向、即ち、搬送部10の幅方向(搬送部10によって搬送される記録媒体7の幅方向)に隣り合った状態で並べて設けられる。画像の記録に際し、各色用のキャリッジは、一体となって前述した幅方向を往復移動する。このとき、記録ヘッドに形成されたノズルからは、所定のタイミングでインクが吐出される。
シリアル型の場合、各色用のキャリッジは、その全体が搬送部10の幅方向の両側のうち、所定の一方側に移動し、搬送部10から離間した状態で、複数のキャリッジが並べられた第一方向に交差する第二方向に移動される。これによって、各色用のキャリッジは、記録領域及び退避領域のそれぞれに配置される。ライン型では、キャリッジ20Y,20M,20C,20Kは、上述した通り、搬送方向に対応した方向に隣り合った状態で並べられる。そのため、上述したシリアル型における第一方向は、ライン型における第二方向に一致し、上述したシリアル型における第二方向は、ライン型における第一方向に一致する。
シリアル型の場合における記録領域は、キャリッジが往復移動する領域、又は、キャリッジが往復移動する領域を含み、さらにこの領域を往復移動する方向に拡張した領域である。シリアル型の場合、キャリッジは画像の記録を行うために往復移動するのであるから、キャリッジが往復移動する領域(記録領域)は、搬送部10によって搬送される記録媒体7への画像の記録が行える領域ということもできる。キャリッジが往復移動する領域を含みさらにこの領域を往復移動する方向に拡張した領域(記録領域)も、キャリッジが往復移動する領域を含み、さらにこの領域を往復移動方向に拡張したものであるから、搬送部10によって搬送される記録媒体7への画像の記録が行える領域ということもできる。退避領域は、記録領域ではない領域である。記録領域は、前述したように定義される領域であるから、記録領域ではない領域(退避領域)は、搬送部10によって搬送される記録媒体7への画像の記録が行えない領域ということもできる。
シリアル型の場合における移動機構及び位置決め機構は、インクジェット記録装置1が備える移動機構40及び位置決め機構60(位置決め機構61。位置決め機構61については後述する)と同様の構成を有し、同様の位置関係となるように配置される。従って、これらに関する説明は省略する。
(2)上記では、付勢部72としてコイルばねを用いた構成を例に説明した。付勢部72は、第二方向に弾性変形可能なものであれば、各種の構成を採用することができる。例えば、コイルばね以外のばねとしてもよい。また、ゴムのような弾性部材としてもよい。シリンダのような構成としてもよい。シリンダのような構成とする場合、シリンダ内部に供給されるエア(作動要素)の圧力は、好適な付勢力となるように適宜設定(調整)される。
(3)上記では、移動機構40が、鉛直方向においてキャリッジ20の底部とは反対側となるキャリッジ20の上端側部分の第二位置に設けられた構成を例に説明した。この他、移動機構40は、キャリッジ20の底部に対応して設けられる位置決め機構60との間でスペース上の干渉が生じない、第一位置より上方である第二位置に設けるようにしてもよい。移動機構40(スライド部44)は、例えば、キャリッジ20の底部と上端側部分を接続する鉛直方向の枠材に取り付けるようにしてもよい。この場合、移動機構40は、図4に示すような状態で、この枠材に取り付けられる。
(4)キャリッジ20を位置決めするための位置(第一位置決めピン66及び第二位置決めピン78を設ける位置)は、位置決め機構60の場合とは異なり、例えば、図8に示す位置決め機構61のようにしてもよい。位置決め機構61は、キャリッジ20Y,20M,20C,20Kのための各位置決め機構を総称等するものである。インクジェット記録装置1における位置決め機構が位置決め機構61とされる場合、キャリッジ20Y,20M,20C,20Kの何れについても、図8に示すような位置決め機構61が設けられる。位置決め機構61について、図8を参照して説明する。この説明において、位置決め機構60に含まれる各部と同一又はこれに対応する位置決め機構61の構成には、位置決め機構60の各部に付した符号と同一の符号を用いる。図8に図示されたフレーム3は、フレーム3の下側に設けられる各部の構成を明らかにするため、その一部を省略(切断)した状態としている。
位置決め機構61は、図8に示すように、リニアガイド62と、第一ブロック64と、第一位置決めピン66と、第一支持部68と、付勢部72と、第二ブロック74と、第三ブロック76と、第二位置決めピン78と、第四ブロック80を含む。図8に示す例では、位置決め機構61は、2個のリニアガイド62を含む。図8では図示を省略しているが、位置決め機構61は、位置決め機構60と同様、押圧部86,88を含む。位置決め機構61において、押圧部86,88は、位置決め機構60の場合と同様にして設けられる(図7参照)。押圧部86は、第二ブロック74を鉛直方向の下側にある第一ブロック64に押圧し、押圧部88は、第四ブロック80を鉛直方向の下側にある第三ブロック76に押圧する。位置決め機構61では、位置決め機構60とは異なり、第一位置決めピン66及び第二位置決めピン78は共に、第二方向の他端側にある第三ブロック76に設けられる(立設される)。第三ブロック76には、図8で第一位置決めピン66及び第二位置決めピン78が図示された位置に対応した各位置に、第一位置決めピン66及び第二位置決めピン78がそれぞれ嵌合される穴部が2箇所設けられる。第一位置決めピン66及び第二位置決めピン78は、2箇所の穴部にそれぞれ嵌合(圧入)して固定される。
第四ブロック80の第二方向の他端側には、第一切欠部82及び第二切欠部84が第一方向に隣り合った状態で形成される。位置決め機構61においても位置決め機構60の場合と同様、第一切欠部82には第一位置決めピン66が係合し、第二切欠部84には第二位置決めピン78が係合する。位置決め機構61では、位置決め機構60に含まれる第二支持部70が省略される。付勢部72は、第二方向において第一支持部68及び第二ブロック74が対向する面間に形成された隙間に、圧縮された状態で取り付けられる。付勢部72による付勢力は、直接、第二ブロック74に作用する。この他の構成については位置決め機構60と同様であるため、その説明は省略する。
位置決め機構61によれば、付勢部72による付勢力によって、キャリッジ20を位置決め方向に押し込むことができる。第二方向の他端側では、第一位置決めピン66と第一切欠部82が係合し、第二位置決めピン78と第二切欠部84が係合する。従って、位置決め機構61においても位置決め機構60の場合と同様、キャリッジ20の位置決めを行うことができる。そのため、水平面上におけるキャリッジ20の位置ずれを抑制し、第一方向及び第二方向においてキャリッジ20を好適に位置決めすることができる。位置決め機構61についても、付勢部72により、熱膨張によるキャリッジ20の底部の変形を好適に吸収することが可能で、コンパクトなインクジェット記録装置1を実現することができる。
位置決め機構61に含まれるリニアガイド62は、位置決め機構60の場合と同様、第一ブロック64の移動が実現可能となる個数だけ設けられる。位置決め機構61においても、リニアガイド62の個数は、1個又は3個以上としてもよい。位置決め機構60,61において、第一ブロック64の移動を実現するための構成として、上記ではリニアガイド62を例に説明した。リニアガイド62と同様の機能を実現可能な構成であれば、これとは異なる構成を採用してもよい。
(5)位置決め機構60で第二方向の一端側(フレーム3の側)に設けられた、リニアガイド62と、第一ブロック64と、第一位置決めピン66と、第一支持部68と、第二支持部70と、付勢部72と、第二ブロック74を、第二方向の他端側(フレーム5の側)に設け、位置決め機構60で第二方向の他端側に設けられた、第三ブロック76と、第二位置決めピン78と、第四ブロック80を、第二方向の一端側に設けるようにしてもよい。この場合、フレーム3は、第二方向の一端側に設けられる前述の各部に対応するようにして設けられる。フレーム5は、第二方向の他端側に設けられる前述の各部に対応するようにして設けられる。リニアガイド62及び第一支持部68は、位置決め機構60でフレーム3に固定された場合と同様にして、フレーム5に固定される。第二ブロック74は、キャリッジ20の底部において第二方向の他端側に固定される。第一ブロック64と、第一位置決めピン66と、第二支持部70と、付勢部72については、上記同様にして設けられる(図6及び図7参照)。第一位置決めピン66は、第一切欠部82に係合する。第三ブロック76は、位置決め機構60でフレーム5に固定された場合と同様にして、キャリッジ20の側に向けて、フレーム3に固定される。第四ブロック80は、キャリッジ20の底部において第二方向の一端側に固定される。第二位置決めピン78については、上記同様にして設けられる(図6及び図7参照)。第二位置決めピン78は、第二切欠部84に係合する。
位置決め機構61で第二方向の一端側(フレーム3の側)に設けられた、リニアガイド62と、第一ブロック64と、第一支持部68と、付勢部72と、第二ブロック74を、第二方向の他端側(フレーム5の側)に設け、位置決め機構61で第二方向の他端側に設けられた、第一位置決めピン66と、第三ブロック76と、第二位置決めピン78と、第四ブロック80を、第二方向の一端側に設けるようにしてもよい。この場合、フレーム3は、第二方向の一端側に設けられる前述の各部に対応するようにして設けられる。フレーム5は、第二方向の他端側に設けられる前述の各部に対応するようにして設けられる。リニアガイド62及び第一支持部68は、位置決め機構61でフレーム3に固定された場合と同様にして、フレーム5に固定される。第二ブロック74は、キャリッジ20の底部において第二方向の他端側に固定される。第一ブロック64及び付勢部72については、上記同様にして設けられる(図8参照)。第三ブロック76は、位置決め機構61でフレーム5に固定された場合と同様にして、キャリッジ20の側に向けて、フレーム3に固定される。第四ブロック80は、キャリッジ20の底部において第二方向の一端側に固定される。第一位置決めピン66及び第二位置決めピン78については、上記同様にして設けられる(図8参照)。第一位置決めピン66及び第二位置決めピン78は、第四ブロック80に第一方向に隣り合った状態で形成された第一切欠部82及び第二切欠部84にそれぞれ係合する。
この変形例(5)の構成によっても、付勢部72による付勢力によって、キャリッジ20を、第二方向のうち他端側から一端側に向かう方向に押し込むことができる(「一端側」及び「他端側」については、図6〜図8と同一とする。以下、同じ)。変形例(5)の構成では、上述した位置決め方向に対応する方向は、第二方向のうち他端側から一端側に向かう方向となる。付勢部72による付勢力によって、第一位置決めピン66と第一切欠部82を係合させ、且つ、第二位置決めピン78と第二切欠部84を係合させて、キャリッジ20の位置決めを行うことができる。そのため、水平面上におけるキャリッジ20の位置ずれを抑制し、第一方向及び第二方向においてキャリッジ20を好適に位置決めすることができる。
キャリッジ20の鉛直方向の位置決めに関し、押圧部86は、図7に示すような状態で第二方向の他端側に設けられた押圧部88と同様にして、第二方向の一端側で、第四ブロック80の上方の位置に設けられる。押圧部88は、図7に示すような状態で第二方向の一端側に設けられた押圧部86と同様にして、第二方向の他端側で、第二ブロック74の上方の位置に設けられる。押圧部86,88は、第二ブロック74及び第四ブロック80を下側(図7参照)に押圧した場合と同様にして、第四ブロック80及び第二ブロック74をそれぞれ下側に押圧する。