JP5916009B2 - 鉄系超電導体のウィスカー結晶とその製造方法 - Google Patents

鉄系超電導体のウィスカー結晶とその製造方法 Download PDF

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本発明は、鉄系超電導体ウィスカー結晶とその製造方法に関する。
本発明は、より詳しくは、成分組成に鉄とヒ素を含み、更に他の2種類以上の元素を含む棒針状のウィスカー結晶であり、絶対温度30K程度で超電導性を示す鉄系超電導体のウィスカー結晶と、このウィスカー結晶の製造方法に関する。
鉄系超電導体は、必須元素として鉄とヒ素を含有し、更に他の2種類以上の追加元素を含む場合に超電導転移温度が最も高くなることが知られている(非特許文献1)。このような鉄系超電導体の薄膜状やバルク状の結晶はすでに製造されているが(非特許文献1)、産業上重要なアスペクト比が高いウィスカー状の結晶は製造困難であった。
その理由の一つに、必須元素のヒ素の毒性に関する対応がある。一般的なウィスカー結晶の製造方法では、原料元素を気化し、反応ガス又は搬送ガスによって輸送し、気相反応によって基板上で結晶成長させるが、この製造方法では、結晶育成装置の中で原料元素のヒ素が広範に拡散するため、毒性対応が困難であった。
もう一つの理由は、鉄系超電導体の超電導特性が結晶組成に鋭敏なためである。例えば、超電導転移温度が絶対温度で30K以上の鉄系超電導体は、鉄とヒ素を含む4種類以上の元素から構成されている(非特許文献1)。公知の方法では、鉄とヒ素を含む4種類以上の構成元素を任意に制御してウィスカー結晶を合成することが難しく、実際、これまでに鉄系超電導体のウィスカー結晶は製造されていない。
特許文献1に鉄を含む針状結晶の製造方法に関する記述がある。この製造方法では、ヒ化鉄を原料物質の一部として使用するが、最終的には鉄とヒ素の両元素を含む針状結晶は製造されていない。更に、この製造方法で得られる結晶の長さと直径のアスペクト比は100以下であるため(特許文献1)、この製造方法を鉄系超電導体のウィスカー結晶の製造に適用することは難しい。
毒性を有する元素を含まない銅酸化物超電導体のウィスカー結晶の製造方法は、例えば、非特許文献2に開示されているが、毒性に関する理由のため、非特許文献2に開示された製造方法を原料元素にヒ素を含む鉄系超電導体のウィスカー結晶の製造に適用することは難しい。
同様に、二ほう化マグネシウム(MgB)超電導体のウィスカー結晶の製造方法は、例えば、非特許文献3に開示されているが、結晶組成の制御に関する理由のため、非特許文献3に開示された製造方法を、原料元素にヒ素を含む鉄系超電導体のウィスカー結晶の製造に適用することは難しい。
特開2001−342014号公報
前田京剛・今井良宗・高橋英幸、固体物理46 (2011) 453. Nagao, M.; Sato, M.; Maeda, H.; Kim, S. J.; Yamashita, T. Appl. Phys. Lett. 2001, 79, 16. Y. Wang, C. Zhuang, J. Gao, X. Shan, J. Zhang, Z. Liao, H. Xu, D. Yu, and Q. Feng, J. Am. Chem. Soc. 131, 2436 (2009). A. Iandelli, E. Franceschi, Journal of the Less Common Metals, Volume 30, Issue 2, February 1973, Pages 211-216. Satomi KAKIYA, Kazutaka KUDO, Yoshihiro NISHIKUBO, Kenta OKU, Eiji NISHIBORI, Hiroshi SAWA, Takahisa YAMAMOTO, Toshio NOZAKA, and Minoru NOHARA, Journal of the Physical Society of Japan 80 (2011) 093704. F. Izumi and T. Ikeda, Mater. Sci. Forum 321-324, 198 (2000).
広く開示されているウィスカー結晶の製造方法では、反応ガスや原料物質の気化又は蒸発を利用して原料元素を輸送するため、元素が合成装置内部で広範に拡散してしまう。このため、この製造方法では、ヒ素を含む鉄系超電導体を製造する場合、製造工程の安全性を確保するために、装置構成や工程が複雑化し、様々な制約条件の下で製造しなければならない。更に、30K以上の高い超電導転移温度を有する、鉄とヒ素を含む4種類以上の構成元素からなる鉄系超電導体の結晶を所望の成分組成に調節して製造することは難しい。また、長さ(L)と直径(d)のアスペクト比(L/d)が200以上である高アスペクト比のウィスカー結晶を製造することは難しい。本発明は、毒性対応が容易であり、30K程度の超電導転移温度を有する鉄系超電導体のウィスカー結晶と、このウィスカー結晶を工業的に有利に製造することのできる製造方法を提供することを課題としている。
本発明者らは、上記の現状を鑑みて、検討を重ねた結果、原料物質に結晶育成を促進する添加剤を混ぜ、この混合粉末をカプセル状の金属製反応容器に充填し、機械的に適切な圧力を加えて混合粉末の最適な高密度化を図った後、除圧し、適切な熱処理を施すことによって、鉄系超電導体のウィスカー結晶を製造することに成功した。
更に、本発明者らは、こうして得られた鉄系超電導体のウィスカー結晶が絶対温度33Kで超電導状態に転移することを確認した。
また、ウィスカー結晶は、棒針状であり、SrZnSb型結晶構造を有し、長さ(L)と直径(d)のアスペクト比(L/d)が200〜10000であり、直径(d)が1×10-3 mm以下のサイズであることも確認した。
本発明は、これらの新知見に基づき、更に検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明は、以下の鉄系超電導体のウィスカー結晶とその製造方法を提供するものである。
本発明の鉄系超電導体のウィスカー結晶は、M1(マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムまたはバリウムから選ばれた1種以上の元素)、Fe(鉄)、M2(白金族元素から選ばれた1種以上の元素)及びAs(ヒ素)の4群よりなり、各群の元素のモル比が、
M1:Fe:M2:As=10:(10−5x):(4+5x):18(0.1≦x≦0.36)
であり、SrZnSb型結晶構造を有することを特徴としている。
本発明の鉄系超電導体のウィスカー結晶では、棒針状の結晶の長さ(L)と直径(d)のアスペクト比(L/d)が200以上であり、かつ直径(d)が1×10−3mm以下であることが好ましい。
本発明の鉄系超電導ウィスカー結晶の製造方法は、金属ヒ化物粉末及び金属粉末から構成され、構成元素が、M1(マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムまたはバリウムから選ばれた1種以上の元素)、Fe(鉄)、M2(白金族元素から選ばれた1種以上の元素)及びAs(ヒ素)の4群よりなり、各群の元素のモル比が、M1:Fe:M2:As=10:(10−5x):(4+5x):18(0.1≦x≦0.36)である原料物質と、原料物質と粉末状の金属ヒ化物又は金属ハロゲン化物から選ばれる1種以上との混合粉末をカプセル状の金属製反応容器内に充填し、この反応容器をダイスに装填し、対向して配置された2つのポンチを介して機械的に240〜380MPaの圧力を印加し、除圧後、前記反応容器を700〜1000℃の温度範囲で48時間以上保持し、引き続いて前記反応容器を0.3℃/分以下の一定の降温速度で700℃以下まで炉冷することを特徴としている。
本発明の鉄系超電導ウィスカー結晶の製造方法では、金属製反応容器内に内容器を設置し、混合粉末と金属製反応容器を分離することが好ましい。
本発明の鉄系超電導体のウィスカー結晶は、従来のバルク結晶や薄膜結晶と比較すると、結晶の形状に著しい異方性がある。例えば、長さは2mmに達する一方で、直径は1×10−3mm以下である。また、本発明の鉄系超電導体のウィスカー結晶は、絶対温度30Kを超える温度でも超電導性を示す。このため、デバイス用の鉄系超電導線材や鉄系超電導接合素子材として適用可能である。
銅酸化物超電導体でも超電導転移温度が30Kを超えるウィスカー結晶が製造されているが、銅酸化物超電導体は、セラミックス固有の脆さのため、用途が限られている。これに対し、鉄系超電導体は、セラミックスよりも合金にその性質が近いため、銅酸化物超電導体ほど脆くなく、適用可能な用途の拡大を図ることができる。
本発明の鉄系超電導体のウィスカー結晶の製造方法では、カプセル状の金属製反応容器中に原料物質と添加剤の混合粉末を充填して固相反応によって結晶育成を行うため、結晶組成や結晶構造を制御しやすい。また、反応ガスや蒸発によって元素を輸送する機器を使用しないため、簡便かつ簡素であり、毒性を有する物質を含むにもかかわらず、安全性が保たれる。このような観点から、本発明の鉄系超電導体のウィスカー結晶の製造方法は、産業応用上有用であると考えられる。
鉄系超電導体のウィスカー結晶の製造に使用する、密閉前のカプセル状の金属製反応容器の外観とその断面を示した図である。 鉄系超電導体のウィスカー結晶の製造に使用する、カプセル状の金属製反応容器の密閉用ポンチとダイスを示した図である。 鉄系超電導体のウィスカー結晶の製造に使用する、密閉後のカプセル状の金属製反応容器の断面を示した図である。 鉄系超電導体のウィスカー結晶の走査型電子顕微鏡写真である。 鉄系超電導体のウィスカー結晶の走査型電子顕微鏡写真(高倍率)である。 鉄系超電導体のウィスカー結晶の磁化率の温度依存性を示した図である。 鉄系超電導体のウィスカー結晶の電気抵抗率の、温度と結晶サイズ(直径)の依存性を示した図である。 鉄系超電導体のウィスカー結晶の粉末X線回折チャートである。 鉄系超電導体のウィスカー結晶の透過型電子顕微鏡による高分解能像と、この高分解能像に対応する電子線回折パターンである。
本発明の鉄系超電導ウィスカー結晶の製造方法では、金属ヒ化物粉末及び金属粉末で構成される原料物質と結晶育成を促進する粉末添加剤との混合粉末をカプセル状の金属製反応容器に充填し、最終的に鉄系超電導体のウィスカー結晶を得る。
鉄系超電導体のウィスカー結晶は、構成元素として、鉄とヒ素、そして、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム又はバリウムから選ばれた1種以上の元素であるM1及び白金族元素から選ばれた1種以上の元素であるM2の4つの群を含む。各群の元素のモル比は、M1:Fe:M2:As=10:(10−5x):(4+5x):18(0.1≦x≦0.36)である。M1として代表的にはカルシウムが例示されるが、カルシウムは、周期表の第2族に属し、2価の陽イオンになりやすく、イオン半径や共有結合半径がカルシウムに近いマグネシウム、ストロンチウム又はバリウムの1種以上でその一部又は全部を置き換えることが可能である。M2として代表的には白金が例示されるが、白金は、他の白金族元素、すなわち、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム又はイリジウムと原子半径や電子分布が類似しているため、白金の一部又は全部を他の白金族元素の1種以上で置き換えることが可能である。なお、鉄は構成元素の一つであるが、非特許文献1に記載されているように、その一部は、結晶中のイオン半径や磁気的性質が類似する他の鉄族元素、すなわち、コバルトやニッケルで置き換えることが可能である。
鉄系超電導体のウィスカー結晶の育成を促進するために、密閉された金属製反応容器内で、1000℃以下、好ましくは700〜1000℃、より好ましくは800〜900℃の温度範囲で融解又は分解する添加剤を使用する。上記温度条件の範囲外や添加剤を未添加の場合、ウィスカー結晶は育成しない。
このような添加剤には、ウィスカー結晶への不純物の混入を最小限に抑えるために、例えば、ヒ化カルシウムなどの金属ヒ化物を使用することができる。ヒ化カルシウムは、非特許文献4に記載されているように、組成がCaAsの場合、900℃未満で分解するので、添加剤として好ましく使用される。金属ヒ化物の他に、金属ハロゲン化物が結晶育成を促進する添加剤として汎用されている。金属ハロゲン化物も、鉄系超電導体のウィスカー結晶の育成に適用可能である。
鉄系超電導体のウィスカー結晶の構成元素の中で、カルシウムは、水と接触した場合、激しく反応して水素を発生する危険物であり、粉末状態では空気中で酸化が進みやすい。このため、カルシウムを含む混合粉末は、真空中又は不活性ガス中で保存する必要があり、原料物質としての取扱いが困難である。
このような取扱困難なカルシウムを原料物質として使用することを避けるため、ヒ化カルシウムを事前に合成し、合成したヒ化カルシウムを原料物質として使用する。更に、ヒ化カルシウムを結晶育成に必要な量より過剰に使用すると、CaSeは、上記のとおり、900℃未満で熱分解するため、過剰分のヒ化カルシウムは添加剤として機能する。
ヒ素(融点は630℃)を原料物質として使用すると、他の原料物質より200℃以上融点が低いため、熱処理中に他の原料と均一に反応せず、所望の結晶が育成しない。この問題を回避するため、代替となる原料物質を使用する。例えば、構成元素の金属ヒ化物の中で、融点又は分解温度がヒ素の融点より高いヒ化カルシウム、ヒ化鉄、ヒ化白金などから1種以上を使用する。
ヒ化カルシウムは、ヒ素とカルシウムを直接反応させることによって予備合成する。それぞれの原料物質をアルゴンガス中で定比組成になるように秤量し、石英管中に真空封入する。この石英管をマッフル炉などの電気炉に入れ、一定の昇温速度で昇温し、500℃に達したらその温度を保つ。昇温速度は、一般的には0.1〜10℃/分が望ましく、好ましくは0.1〜1℃/分、より好ましくは0.1〜0.4℃/分である。昇温速度が10℃/分を超えると、均一な反応が得られない。保持時間は、十分に反応を促進させるために、48時間以上が望ましい。保持終了後、石英管を電気炉から取り出して空気中で室温になるまで急冷する。冷却終了後、予備合成したヒ化カルシウムを石英管から取り出し、乳鉢などを用いて粉砕、混合し、再度石英管中に真空封入する。同様な熱処理を、保持温度を変更し、その他の条件は同じにして繰り返し行い、最終的にヒ化カルシウムを得る。最終の保持温度は、好ましくは700〜800℃、より好ましくは800℃である。ヒ化鉄やヒ化白金の合成も、上記のとおりのヒ化カルシウムの合成と同じようにして行うことができる。
非特許文献5によると、バルク状の鉄系超電導体は、構成元素のモル比がCa:Fe:Pt:As=10:(10−5x):(4+5x):18であり、x=0.36の場合、SrZnSb型構造に結晶化し、超電導性を示す。この結果を参照し、ウィスカー結晶の製造の際にも、原料元素のモル比がCa:Fe:Pt:As=10:(10−5x):(4+5x):18(xは0.1以上0.36以下の任意の値)となるように原料物質を秤量して混合することができる。原料物質には、例えば、ヒ化鉄、ヒ化カルシウム、純鉄及び白金の粉末を選ぶことができる。
原料物質の混合粉末に、質量比で、一般には1〜20%、好ましくは5〜10%、より好ましくは10%の添加剤を加え、全体が均一になるまで混合する。
混合粉末の粒度は、小さすぎると、一部の粒子の融点が低下して反応が均一に進まなくなり、大きすぎると、均一な反応が進まないため、なるべく適切な範囲に分布していることが望ましい。適切な粒度範囲は、一般には0.5×10−3mm〜10×10−3mm、好ましくは1×10−3mm〜7×10−3mm、より好ましくは2×10−3mm〜5×10−3mmである。
混合粉末の純度は、一般には99.9%以上、好ましくは99.99%以上である。純度が低すぎると、不純物が混入し、超電導特性に悪影響を及ぼす。
混合粉末をカプセル状の金属製反応容器に充填し、この反応容器をダイスに装填し、上下などに対向して配置されたポンチを介して機械的に240〜380MPaの圧力を印加し、除圧後、反応容器を適切に熱処理する。反応容器は金属製とする。ガラス製やセラミック製のものは、耐熱性や化学的安定性に優れているが、圧力を加える工程で破損しやすい。反応容器を形成する金属材料としては、化学的安定性が高く、高融点の貴金属やタンタル、ニオブなどが好ましく、より好ましくはタンタル又はニオブであり、さらに好ましくはタンタルである。
混合粉末と金属製反応容器が直接接触すると、熱処理中に反応容器が破損する可能性があるため、内容器を使用して接触を避けることが好ましい。図1に示したように、まず、原料物質と添加剤の混合粉末13を有底円筒形状の内容器14に詰め、次いで金属製で、有底円筒形状の反応容器15に詰める。この後、混合粉末13に内容器14と同じ材質の蓋12を被せ、更に反応容器15の金属製の蓋11を被せ、蓋11から上にはみ出した反応容器11の端部を内側に折り曲げ、反応容器11をカプセル状にする。なお、内容器14には、混合粉末13より融点が高く、反応容器15や混合粉末13と熱処理中に反応しにくい、例えば、窒化ホウ素、窒化シリコンから形成されたものを使用することができる。
次いで、図2に示したように、カプセル状の反応容器22に、ダイス23と、上下に対向して配置されたポンチ21、24とを使用して一軸荷重(筒軸方向)をかけ、反応容器22の端部に位置する折り曲げ部を圧着させる。また、反応容器22に適切な圧力を印加して混合粉末13の高密度化を図った後、除圧する。印加圧力が低すぎると、反応容器22の折り曲げ部の圧着が不十分となり、熱処理中に内容物が漏出しやすく、また、合成反応が十分に進行せず、ウィスカー結晶が育成しない。逆に、印加圧力が高すぎると、ウィスカー結晶が成長する空間が減少し、ウィスカー結晶の育成が阻害される。このため、反応容器22に印加する圧力は240MPa以上380MPa以下とする。好ましくは300MPa以上380MPa以下であり、より好ましくは380MPaである。
そして、図3に示したように、密閉したカプセル状の反応容器33を透明石英管又は耐熱金属管などの真空容器32に封入し、マッフル炉などの加熱装置を使用して真空31中で加熱する。昇温速度は、一般的には0.1〜10℃/分が望ましく、好ましくは0.1〜1℃/分、より好ましくは0.1〜0.4℃/分である。あまり速すぎると、均一な反応が得られない。熱処理は、温度保持と冷却の二段階が必須であり、温度保持時と冷却時に以下の条件から外れると、ウィスカー結晶の育成を適切に行うことができない。熱処理の第1段階である温度保持では、700〜1000℃の範囲で一定の温度を保持する。保持温度は、好ましくは900〜1000℃の範囲であり、より好ましくは1000℃である。また、温度保持では、保持時間が短すぎると、反応が十分に進行しないため、48時間以上が必要である。72時間保持すれば、反応はより十分に進行する。
熱処理の第2段階である冷却は、温度保持後の炉冷により行う。炉冷速度が速すぎると、ウィスカー結晶が育成しないため、炉冷速度は0.3℃/分以下とし、好ましくは0.1℃/分以下である。炉冷は、ウィスカー結晶の育成が止まる温度以下、すなわち、700℃以下に冷却すれば十分である。好ましくは、500℃以下に炉冷する。炉冷後、反応容器33を空気中に取り出して室温に戻す。反応容器33中から取り出した試料の表面部に棒針状のウィスカー結晶が生成している。上記のとおりの二段階の熱処理によって、原料物質の反応と焼結が進み、カプセル状の反応容器33の内部にバルク状の結晶又は焼結体が生成する。バルク状の結晶又は焼結体の生成にともない、バルク状の結晶又は焼結体と反応容器33の内壁との間には隙間が生じる。この隙間に位置する、バルク状の結晶又は焼結体の表面部にウィスカー結晶が生成する。このようなウィスカー結晶には、長さ(L)と直径(d)のアスペクト比(L/d)が200以上であり、かつ直径(d)が1×10−3mm以下のものが得られる。また、ウィスカー結晶の結晶構造は、SrZnSb型結晶構造である。
<実施例1>
ヒ素(純度99.9%)とカルシウム(純度99.9%)をアルゴンガス中でモル比が1:1になるように秤量し、混合し、石英管中に真空封入した。この石英管を電気マッフル炉に入れ、昇温速度0.2℃/分で500℃まで加熱した。この温度で48時間保持した。温度保持終了後、石英管を電気マッフル炉から取り出して空気中で室温になるまで冷却した。冷却終了後、石英管から試料を取り出し、乳鉢を用いて粉砕混合し、石英管中に詰め、再度真空封入した。同様の熱処理を保持温度800℃で行い、最終的にヒ化カルシウム(CaAs)を得た。
ヒ素と鉄(純度99.9%)をモル比が1:1になるように秤量し、混合し、石英管中に真空封入した。この石英管を電気マッフル炉に入れ、昇温速さ0.2℃/分で500℃まで昇温した。この温度で48時間保持した。温度保持終了後、石英管を電気マッフル炉から取り出して空気中で室温になるまで冷却した。冷却終了後、石英管から試料を取り出し、乳鉢を用いて粉砕混合し、石英管中に詰め、再度真空封入した。同様の熱処理を保持温度800℃で熱処理を行い、最終的にヒ化鉄(FeAs)を得た。
原料物質として、合成したヒ化カルシウム(CaAs)、合成したヒ化鉄(FeAs)、鉄及び白金(純度99.9%)をモル比がCaAs:FeAs:Fe:Pt=12.81:8:1:5となるように秤量し、乳鉢を使ってそれらが均一になるまで混合した。混合粉末の粒度範囲は1×10−3mm〜10×10−3mmであった。なお、ヒ化カルシウムの秤量分には10質量%相当の添加剤を含んでいる。
この混合粉末を、有底円筒形状を有し、窒化ホウ素製の内容器(外径6.4mm×内径5mm×高さ6mm)に詰め、窒化ホウ素製の蓋(径4.9mm×厚さ1mm)を被せ、有底円筒形状を有し、タンタル製の反応容器(外径6.8mm×内径6.4mm×高さ6.5mm)に詰めた。更にタンタル製の蓋(径6.3mm×厚さ0.2mm)を被せ、蓋から上にはみ出した反応容器の端部を内側に折り曲げ、ダイスと上下に対向して配置されたポンチとを使って380MPaの圧力に達するまで一軸荷重をかけ、折り曲げ部を圧着させた。このカプセル状の反応容器を透明石英管に真空封入した。
真空封入した石英管を電気マッフル炉に入れ、昇温した。昇温速度は0.8℃/分とした。炉内の温度が1000℃に達した後、炉内温度を一定にし、その温度に72時間保持した。引き続き、700℃まで48時間かけて一定の冷却速度(0.1℃/分)で炉冷し、700℃に到達後、反応容器が真空封入された石英管を炉から空気中に取り出して室温まで冷却した。熱処理終了後、反応容器中から試料を取り出すと、図4に示したように、試料の表面部にウィスカー結晶が生成していた。
生成したウィスカー結晶を走査型電子顕微鏡で観測した結果、図5に示したように、ウィスカー結晶は細長い棒針状であり、長さ(L)が0.1〜2mm、直径(d)が0.2×10−3mm〜5×10−3 mmの範囲に分布していた。アスペクト比(L/d)は、200〜10000であった。
生成したウィスカー結晶を寄せ集めところ、総重量は2mgであった。ウィスカー結晶について磁化率の温度変化を測定した。図6に示したように、明瞭な反磁性転移を絶対温度33Kで確認した。次に、ウィスカー結晶を1本取り出して、4端子法で電気抵抗率の温度変化を測定した。図7に示したように、絶対温度33Kで急激な抵抗率の減少を確認した。更に、10K以下で電気抵抗がゼロになることが観測された。以上から、33Kでの転移は超電導転移と考えられる。
また、ウィスカー結晶を集めて乳鉢でよく粉砕して混合し、その粉末を室温においてX線回折法による構造解析を行った。図8に回折チャートをリートベルト法で解析した結果を示す。すでに非特許文献5で公表されているバルク試料の結晶構造解析結果を参考にして解析したところ、ウィスカー結晶の結晶構造は、SrZnSb型結晶構造(正方晶)として良好に解析できた。なお、図8の最下段のカーブが実測値と計算値の差を示している。また、チャートの下には、SrZnSb型結晶構造相と不純物に起因する回折ピークの位置を示している。不純物は、結晶を集める際に、結晶以外の部分を完全に分離できなかったために混入したと推定される。リートベルト法による解析結果から、ウィスカー結晶は、公知のバルク結晶と同一の結晶構造を有していると考えられる。また、リートベルト法による組成分析(非特許文献6参照)の結果は、Ca:Fe:Pt:As=10:9:5:18であった。この分析結果は、添加剤分を除く原料元素の配合組成であるCa:Fe:Pt:As=10:9:5:18に対応している。
図9に生成したウィスカー結晶の透過型電子顕微鏡による高分解能像と、この高分解能像に対応する電子線回折パターンを示す。明瞭なストライプ型のコントラストが、1nm周期で繰り返しているのが観測された。このコントラストの周期は、SrZnSb型結晶構造のc軸方向の積層周期と一致している。更に、同じ入射軸で撮影した電子線回折パターンの回折スポットの分布から、積層方向はa軸方向に垂直であると考えられる。ウィスカー結晶の長軸方向は積層方向に垂直であるので、生成したウィスカー結晶はSrZnSb型結晶構造のa軸方向に成長したと考えられる。
図7に電気抵抗率の温度と直径の依存性を示す。ウィスカー結晶の直径が細くなるほど、超電導転移温度が低下することが分かる。直径が1×10 nm以上である場合、超電導転移温度は33Kであり、直径が0.45×10 nmまで小さくなると、超電導転移温度は25Kに低下する。
<実施例2>
添加剤分を含めない原料元素のモル比をCa:Fe:Pt:As=10:(10−5x):(4+5x):18とし、xを0,0.1,0.2,0.3,0.36と変化させ、実施例1と同様にウィスカー結晶の製造を試みた。ウィスカー結晶の生成を確認できたのはx≧0.1のときであった。x=0.2のとき、最も密にウィスカー結晶が生成した。x=0.36のときには、ウィスカー結晶のサイズが最も大きくなったが、超電導転移温度は25Kであった。
<比較例1>
10質量%のヒ化カルシウムを添加しない以外は実施例1と同じ条件でウィスカー結晶の製造を試みた。しかしながら、ウィスカー結晶は生成しなかった。
<比較例2>
1000℃で72時間保持した後、700℃まで48時間かけて一定の冷却速度で炉冷する熱処理を省略し、直ちに空気中で急冷した以外は実施例1と同じ条件でウィスカー結晶の製造を試みた。しかしながら、ウィスカー結晶は生成しなかった。
<比較例3>
熱処理前にカプセル状の金属製反応容器に印加した圧力を420MPaとした以外は実施例1と同じ条件でウィスカー結晶の製造を試みた。しかしながら、ウィスカー結晶は生成しなかった。
本発明によれば、毒性対応が容易であり、鉄とヒ素を含む4種類以上の元素からなる結晶組成の制御が容易でもある。更にウィスカー結晶の長さ(L)と直径(d)のアスペクト比(L/d)が200以上であり、かつ直径が1×10−3mm以下である高アスペクト比のウィスカー結晶を製造することができる。得られるウィスカー結晶は、絶対温度30K程度で超電導性を示し、更に公知の銅酸化物超電導体のウィスカー結晶ほど脆くない。このため、適用可能な用途の拡大を図ることができ、工業的に有用である。特に、デバイス用の超電導線材や超電導接合素子材などの新規な産業技術材料に適用できる可能性がある。
11 反応容器の蓋
12 内容器の蓋
13 原料物質と添加剤の混合粉末
14 内容器
15 反応容器
21 ポンチ(上部)
22 カプセル状の金属製反応容器(圧着前)
23 ダイス
24 ポンチ(下部)
31 真空
32 真空容器
33 カプセル状の金属製反応容器(圧着後)

Claims (4)

  1. 鉄系超電導体のウィスカー結晶であって、M1(マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムまたはバリウムから選ばれた1種以上の元素)、Fe(鉄)、M2(白金族元素から選ばれた1種以上の元素)及びAs(ヒ素)の4群よりなり、各群の元素のモル比が、
    M1:Fe:M2:As=10:(10−5x):(4+5x):18(0.1≦x≦0.36)
    であり、SrZnSb型結晶構造を有することを特徴とする鉄系超電導体のウィスカー結晶。
  2. 請求項1に記載の鉄系超電導体のウィスカー結晶において、棒針状の結晶の長さ(L)と直径(d)のアスペクト比(L/d)が200以上であり、かつ直径(d)が1×10−3mm以下であることを特徴とする鉄系超電導体のウィスカー結晶。
  3. 請求項1又は2に記載の鉄系超電導体のウィスカー結晶の製造方法であって、金属ヒ化物粉末及び金属粉末から構成され、構成元素が、M1(マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムまたはバリウムから選ばれた1種以上の元素)、Fe(鉄)、M2(白金族元素から選ばれた1種以上の元素)及びAs(ヒ素)の4群よりなり、各群の元素のモル比が、M1:Fe:M2:As=10:(10−5x):(4+5x):18(0.1≦x≦0.36)である原料物質と、原料物質と粉末状の金属ヒ化物又は金属ハロゲン化物から選ばれる1種以上との混合粉末をカプセル状の金属製反応容器内に充填し、この反応容器をダイスに装填し、対向して配置された2つのポンチを介して機械的に240〜380MPaの圧力を印加し、除圧後、前記反応容器を700〜1000℃の温度範囲で48時間以上保持し、引き続いて前記反応容器を0.3℃/分以下の一定の降温速度で700℃以下まで炉冷することを特徴とする鉄系超電導体のウィスカー結晶の製造方法。
  4. 請求項3に記載の鉄系超電導体のウィスカー結晶の製造方法において、前記金属製反応容器内に内容器を設置し、前記混合粉末と前記金属製反応容器を分離することを特徴とする鉄系超電導体のウィスカー結晶の製造方法。
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