JP5912845B2 - ガスシリンダの良否検査装置及び良否検査方法 - Google Patents

ガスシリンダの良否検査装置及び良否検査方法 Download PDF

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本願発明は、ガスシリンダ(ガススプリング)の良否検査装置及び良否検査方法に関するもので、特に、椅子用ガスシリンダを好適な検査対象にしている。
ガスシリンダは、例えば椅子に使用されている。このガスシリンダは、おおまかには、外筒と内筒とが摺動自在に嵌まり合った構成になっており、一端に設けたプッシュバルブを押すと伸縮自在なフリー状態になり、プッシュバルブを戻すと伸縮不能なロック状態になる。このガスシリンダを構成する部品は精密に加工されているが、加工工程で部品に傷がついたり、加工精度が悪かったり、或いは組立精度が悪かったりといった様々な理由により、正常に作動しない場合がある。
すなわち、押し縮めに異常に大きな力を要する、逆に、あまりに軽い力で押し縮められてしまう、伸長速度が異常に遅かったり速かったりする、押し縮めや伸長の動きがぎごちない、プッシュバルブを操作していないのに荷重がかかると縮んでしまう、プッシュバルブを操作していないのに自然に伸長してしまう、といった様々の作動不良が発生し得る。
他方、製造後のガスシリンダを検査することは行われており、特許文献1には、検査項目の例として、「ストローク測定」「反力測定」「ロック力測定」「反力速度測定」が挙げられているが、これら検査項目の内容は記載されていない。また、特許文献1には、検査データを保存機能部に保存しておく一方、各ガスシリンダには識別番号をレーザ光で刻印しておき、販売後に異常が発生した場合、ガスシリンダに刻印された識別番号から検査結果を読み出して、異常の原因の特定や対策に資することが開示されている。
特開2010−54202号公報
さて、ガスシリンダの不良として問題になるのは、押し縮めに必要以上に強い力を強い力を要する、逆に、押し縮めに対する抵抗が弱すぎる、押し縮めに要する力が大きく変動する(動きがぎごちない)、伸長する力が強すぎるか弱すぎる、伸長の動きがぎごちない、ロック状態が維持されているのに自然に伸長してしまう(ガスが抜ける)といった現象(症状)である。
椅子の座を支持するガスシリンダの場合、人が着座するとかなりの寸法縮むことがあり、これも問題のある不良品である(僅かの縮みの場合は、クッション作用として認識されるため、不良とまでは言えない。)。伸長していたガスシリンダが荷重によって自然に縮むことも有り得るが、これはガスシリンダとしての機能を果たしていないので、不良品の中でも特に悪い不良品と言える。
さて、ガスシリンダの作動態様は用途によって様々であり、例えば各種設備の蓋を開閉させる補助動力して使用する場合は、ガスシリンダは縮み切った状態から伸長し切った状態に移行するだけなので、伸縮の途中の段階はどうであれ、伸縮そのものが確実に行われたらよいと言える。しかし、椅子の座を支えるガスシリンダの場合は、基本的には長さが一定にロックされた状態で使用し、かつ、どの程度の長さで使用するか(すなわち、座をどの程度の高さで使用するか)は椅子の使用者によってまちまちであるため、伸縮長さの如何にかかわらず、的確にロックされることが要求される。
本願発明はこのような現状に鑑み成されたものであり、ガスシリンダの良否を的確に判断可能な装置と方法と提供せんとするものである。
本願発明はガスシリンダの良否検査装置と良否検査方法とを含んでおり、請求項1では良否検査装置を特定している。すわなち、請求項1の発明、
「伸長したガスシリンダを所定の圧力で押し縮めるか、又は、押し縮められたガスシリンダを所定圧力で加圧した状態で伸長させる駆動手段と、
前記駆動手段の押し縮めに対する抵抗の大きさ又は伸長に対する抵抗の大きさ若しくは両方を段階的に検知する反力検知手段とが備えられており、
前記押し縮めに対する反力の大きさ又は伸長に対する反力の大きさ若しくは両方を段階的に検知し、前記検知された反力の数値が予め設定された適正変動範囲に入っているか否かを比較し、1カ所でも適正変動範囲から外れた場合は不良品と認定する、
という構成であって、
前記ガスシリンダを押し縮め又は伸長させながら段階的に反力を測定しつつ、各測定ポイント又は予め設定した複数の測定ポイントでの実測値に予め設定した値を付加及び減じることで次の測定ポイントでの上限値と下限値とを設定し、次の測定ポイントでの実測値が前の測定ポイントでの測定実測値に基づく上限値と下限値との間の範囲から外れていた場合は、次の測定ポイントでの実測値が前記予め設定された適正変動範囲に含まれていても不良品と認定する、
という認定手段を備えている、」
という構成になっている。
請求項2の発明は検査方法に関するものであり、この方法は、
ガスシリンダを所定圧力で押し縮める行程、又はガスシリンダを所定の圧力で加圧しつつ伸長させる行程、若しくは両方の行程を有しており、
前記押し縮めに対する反力の大きさ又は伸長に対する反力の大きさ若しくは両方を段階的に検知し、前記検知された反力の数値が予め設定された適正変動範囲に入っているか否かを比較し、1カ所でも適正変動範囲から外れた場合は不良品と認定する、
という構成であって、
前記ガスシリンダを押し縮め又は伸長させながら段階的に反力を測定しつつ、各測定ポイント又は予め設定した複数の測定ポイントでの実測値に予め設定した値を付加及び減じることで次の測定ポイントでの上限値と下限値とを設定し、次の測定ポイントでの実測値が前の測定ポイントでの測定実測値に基づく上限値と下限値との間の範囲から外れていた場合は、次の測定ポイントでの実測値が前記予め設定された適正変動範囲に含まれていても不良品と認定する」
というものである。
請求項では、請求項1又は3において、押し縮め及び伸長行程の全行程のうち初期と終期とのある程度を除いた範囲を良否判定エリアとして、ガスシリンダが1〜数mm押し縮められ又は伸長するごとに反力が検知されて適正変動範囲と比較されるように設定されている。
否検査装置において、ガスシリンダをプッシュバルブが上に位置するように立てた姿勢に保持するホルダーと、前記ホルダーにセットされたガスシリンダに上から被さる押さえヘッドと、前記押さえヘッドを所定圧力で上から押してガスシリンダを押し縮めると共に所定圧力をかけた状態で伸長させる駆動手段とを備えており、前記押さえヘッドに、前記ガスシリンダをプッシュバルブが押されたフリー状態と押されていないロック状態とに切り替えるバルブ操作手段を設けてもよい。
ガスシリンダを構成する部品に例えば傷や打痕があったり、反りがあったり、加工精度の誤差に起因して嵌め合わせがきつ過ぎたり緩過ぎたりすると、押し縮めに対する抵抗(反力)の異常や伸長に対する抵抗の異常が表れるが、本願発明では、実際の反力と適正変動範囲との比較がストロークの略全長にわたって行われるため、どこに異常があってもこれを発見して、異常があったガスシリンダは不良品として排除することができる。
従って、椅子の座を支持するガスシリンダのように、どのような長さで使用するかが使用者に委ねられているガスシリンダの検査に好適である。また、押し縮め行程と伸長行程との両方において細かいピッチで異常を検知することで、異常の態様(パターン)を視覚的に把握できるため、原因の究明と除去にも貢献できる。
反力検知手段としては、例えば、ゴムを介してガスシリンダを押し縮めるにおいて、ゴムの圧縮変形量をマイクロメータで読み取り、マイクロメータの数値を抵抗値(ニュートン)に換算するといったことも可能であるが、これはアナログ的な検査になるため、正確さや迅速性に欠ける問題がある。これに対して、反力検知手段として実施形態のようにロードセルを使用すると、反力が電気信号としてダイレクトに出力されるため、正確性・迅速性に優れている。
また、反力の検知を段階的に行うものであるが、請求項3のように、検知ピッチは細かくできるため、実際には無段階的な検知と大差はなく、かつ、個々の検知データと適正変動範囲とをそのまま比較して良否を判定できるため、迅速性にも優れている。
また、押し縮め行程の初期と伸長行程の初期とは加圧力の立ち上がり現象によって反力を正確に検知し難いので、請求項3のように、押し縮め及び伸長行程の全行程のうち初期と終期とのある程度の範囲を検査対象エリアから除外することにより、反力を正確に検知して良否を適正に判別できる。
椅子用の座用ガスシリンダの検査項目として、ロック状態での耐荷重検査がある。すなわち、ロック状態で想定最大荷重を掛けて、これに耐えられるか否かを判別するものである。この耐荷重検査ではガスシリンダのプッシュバルブは押していないが、伸縮させながらの反力の検知はプッシュバルブを押した状態で行わねばならず、その場合、伸縮させながらの検査と耐荷重検査とで検査部品を交換するのは面倒である。
この点、実施形態のように押さえヘッドにバルブ操作手段を設けると、1種類の押さえヘッドを伸縮させながらの検査と伸長状態での耐荷重検査との両方に併用できるため、作業の手間増大を防止できる利点がある。
さて、反力の実測値が適正変動範囲(絶対的な変動範囲))に含まれていても、隣り合った測定ポイントでの変動幅が過度に大きいと、ガスシリンダのスムースな動きが阻害される可能性がある。この点、本願発明では、測定値は適正変動範囲に含まれていても、測定値の変動が激しいものは不良品として排除できる。従って、ガスシリンダを多面的に検査することができる。
実施形態に係る良否検査装置の外観斜視図である。 要部の分離斜視図である。 (A)は要部の一部分離縦断側面図、(B)は伸縮駆動手段を示す側面図、(C)は(A)のC−C視断面図である。 検査状態を示す縦断側面図で、(A)は概ね下側の部位を表示したもの、(B)は上側の部位を表示したものである。 (A)は偏荷重試験状態を示す一部破断側面図、(B)は耐荷重試験状態での要部の縦断側面図である。 (A)はワイヤー操作式ガスシリンダに適用した実施形態の要部縦断側面図、(B)は(A)のB−B視断面図、(C)(D)はそれぞれガスシリンダの支持態様の別例を示す図である。 (A)は検査方法を示すグラフであり、(B)(C)は検査例を示すグラフである。 (A)(B)は検査例を示すグラフ、(C)は検査方法を示す図である。
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は椅子の座を支持するガスシリンダの良否検査装置及び方法に適用している。まず、良否検査装置の構造を一通り説明し、それから判別手法を説明する。
(1).良否検査装置の構成
図1に示すように、良否検査装置は4本の脚柱2や前後左右の横桟2aを有する装置本体(機枠)1を有しており、装置本体1の略上半部は、立った人の腰より高い程度の高さの検査室3になっている。検査室3は、前面のみが開口するように底板4と天板5と側壁6とで囲われており、前面には水平回動式の左右一対の扉7を設けている。なお、本実施形態では、方向を特定するため「前後」「左右」の文言を使用するが、これは、装置本体1と対向した姿勢を基準にしている。
装置本体1の前面のうち検査室3の下方部位には配電盤8を配置しており、配電盤8の上面には、スタートボタン9と非常停止ボタン10とを左右に離して設けている。また、検査室3の上面には表示ユニット11を配置している。表示ユニット11には、検査データが波形で表示されるモニター12を設けている。なお、図示していないが、回転警告灯のような注意喚起用のランプを検査室3の上面等の適当な場所に設けて、不良品が発生した場合などに、ランプを点灯(或いは点滅)させることも可能である。
図2,3に示すように、検査対象であるガスシリンダ14は、ガス本体(インナーチューブ)18と摺動保持の外パイプ15より構成され、先端のプッシュバルブ19を押すとガス本体18 が外パイプ15により摺動保持され伸縮する。椅子においては、ガス本体18の先端嵌合部(テーパ部)が座ベースに設けた穴に下方から嵌着する。
また、ガス本体18は脚筒の下端に設けた底板から下向きに突出しており、底板から下向きに突出した部分にスナップリングを装着することで、ガスシリンダ14を脚筒に対して上向き抜け不能に保持している。なお、ガス本体18の先端嵌合部は上窄まりのテーパ形状になっているが、図2,3ではストレートに表示している。
検査室3の内部には、ガスシリンダ14を立てた状態に保持する角筒状のホルダー20が配置されている。ホルダー20の下端にはその前後左右に張り出した矩形のベース体21が溶接等で固定されており、ベース体21は、検査室3の底板4に固定した左右一対のガイド体22で前後スライド自在に保持されている。すなわち、ガイド体22はベース体21の左右側部を上から覆うように張り出し部を有しており、ガイド体22と底板4とで形成された蟻溝にベース体21が前後スライド自在に嵌まっている。
ベース体21はガイド体20の手前に抜き外すことができる。従って、ガスシリンダ14の長さ、形状に応じて、高さが異なるホルダー20を取り替えることができる。また、底板4には、ベース体21の前後位置を保持するストッパーピン23を嵌め込みできるようになっており、ストッパーピン23を抜き外すと、ホルダー20を検査室3の前部に引き寄せることができる。このため、ガスシリンダ14の着脱作業を行いやすい。ストッパーピン23の差し込み位置を変えることで、検査位置を前後に変更することもできる。
ホルダー20の前板は上向きに開口した二股状に抉られており、上部前面には、上向きに開口した二股状のガイド板24をねじ止め等で固定している。ガイド板24はホルダー20の上方に大きくはみ出ている。図3(A)及び図4(A)に示すように、ホルダー20の下端には下板20aを固着しており、下板20aとベース21とに、ガスシリンダ14が遊嵌する穴20bを開けている。
ホルダー20に嵌まったガス本体18の先端嵌着部には、押さえヘッド25が嵌まるようになっており、押さえヘッド25が電動シリンダ26のプランジャ27で押されるようになっている。図3に示すように、押さえヘッド25にはガスシリンダ14のプッシュバルブ19が遊嵌する逃がし穴28が空いている。従って、押さえヘッド25はガス本体18の上端面に当接する。電動シリンダ26は駆動手段の一例であるが、電動シリンダ26に代えてエアシリンダや油圧シリンダ等も使用できる。但し、電動シリンダ26は進退動を微細に制御できるので、本願発明には好適である。
そして、押さえヘッド25の上面に、バルブ操作手段の一例としてのエアシリンダ30を設けて、エアシリンダ30の可動ロッド31を押さえヘッド25の逃がし穴28に臨ませている。このため、図4に示すように、電磁ソレノイド30のピストンロッド31が前進すると、ガスシリンダ14のプッシュバルブ19が押されて、ガスシリンダ14はロックが解除されたフリー状態になる。なお、バルブ操作手段としては、エアシリンダ30に代えて電磁ソレノイドや油圧シリンダを使用することも可能である。
電動シリンダ26におけるプランジャ27の下端には、反力検知手段の一例としてロードセル32を固定しており、プランジャ27の前進に伴う押圧力は、ロードセル32と電磁ソレノイド30と押さえヘッド25とを介してガスシリンダ14に伝えられる。敢えて述べるまでもないが、ロードセル32は圧電素子で構成されており、圧力の強さが電流値として検出される。このため、ロードセル32には出力ケーブル33が接続されている。
押さえヘッド25には、手前に突出したアーム36が固定されており、アーム36の先端部に上向きのロッド37を設けている。アーム36はガスシリンダ14に偏荷重をかけるためのものであり、ロッド37の上面と電磁ソレノイド30の上面とは同じ高さになっている。アーム36はガイド板24の上向き開口溝に嵌まっている。このため、アーム36は手前に突出した姿勢に保持されている。
(2).動きの説明・他のバリエーション
ガスシリンダ14をホルダー20にセットしてから、押さえヘッド25をガス本体18に上から被せると準備が完了する。そこで、扉7を閉めてからスタートボタン9を押すと、エアシリンダ30のピストンロッド31が前進する。その状態で電磁シリンダ26のプランジャ27が前進(下降)して、エアシリンダ30の上端ブロックが押されることにより、プッシュバルブ19が後退してフリー状態になると共に、押さえヘッド25がガス本体18の上面に当接する。
これにより、ガスシリンダ14はフリー状態で押し縮められていき、押し縮められる過程で、例えば1mm間隔や2mm間隔で、ガスシリンダ14の反力がロードセル32の電流値として演算部(図示せず)に出力される。詳細は後述するが、演算部ではロードセル32の電流値を力の大きさ(ニュートン)に換算し、適正変動範囲内であるか否かを判断すると共に、表示ユニット11のモニター12に波形を表示する。
椅子の座を支持するガスシリンダ14は、椅子に深く腰掛けた状態を基準として、荷重の中心に位置するように設定しているが、人は浅く腰掛けたり身体を左や右にずらして腰掛けたりと、腰掛け方は様々であるため、実際には、荷重の中心がガスシリンダ14の軸心からずれることも多い。すなわち、実際には、ガスシリンダ14には偏荷重が作用することが多い(高さ調節するに際しては座の縁を押すことがあるが、この場合は偏荷重が掛かっている。)。そこで、実際の使用状態を想定して、図5(A)に示すように、ホルダー20を後ろにずらし移動させて、ガスシリンダ14でピストンロッド31を押すことで、偏荷重が作用したときにガスシリンダ14の動きにどのような抵抗が作用するかを知ることができる。
ロック状態での耐荷重検査を行う場合は、図5(B)に示すように、電磁ソレノイド30の可動ロッド29を後退させた状態でガスシリンダ14に下向きの力を掛ける。この耐荷重検査には、想定最大荷重を掛けてもガスシリンダ14がクッション量以上に縮まないか否かを検出する方法と、荷重を掛け続けてガスシリンダ14が大きく縮んだときの荷重を読み取る方法との2つの方法があり得るが、一般には前者で足りる。偏荷重を掛けて耐荷重検査を行うことも可能である。
ガスシリンダ14には、図6(A)(B)に示すように、プッシュバルブ19がガスシリンダ14の軸心に向けて倒れ回動するタイプもある。このタイプでは、ガス本体18の上端面には、概ね軸心を挟んでプッシュバルブ19と反対側に位置して支持片35を設けており、支持片35に、操作ワイヤーが摺動自在に嵌まっているチューブの一端を移動不能に保持し、ワイヤーの一端をプッシュバルブ19に上から嵌め込み係止している。レバーでワイヤーの他端を引っ張ると、プッシュバルブ19がガスシリンダ14の軸心側に倒れて、ガスシリンダ14はフリー状態になる。
そこで、このタイプでは、電磁ソレノイド30等のバルブ操作手段は横向きの姿勢で押さえヘッド25に固定しており、ピストンロッド31が前進するとプッシュバルブ19が軸心側に倒れ回動する。また、押さえヘッド25には、プッシュバルブ19と支持片35とが当たらないように逃がし穴38を設けている。なお、実施形態では、押さえヘッド25は内部にスペーサ25aを配置した複合構造になっており、スペーサ25aに逃がし穴38を設けているが、一体構造であってもよい。
(3).良否判別の具体的態様
次に、反力の値がどのようなパターンとして表れるか、及び、良否の判別をどのように行うのかを、図7以下の図面を参照して説明する。以下の説明は、プッシュバルブ19を押したフリー状態でガスシリンダ14を押し縮めたり伸長させたりして反力を検知する場合を示している。すなわち、ガスシリンダ14の伸縮の動きの異常に関して良否を判別している。
さて、図7(A)に示すように、ガスシリンダ14を所定(予め設定した値の)速度で押し縮めて行くと、ガスシリンダ14には、押し縮めに対する抵抗が生じる。この抵抗の大きさをロードセル32で電流値として検出し、電流値を演算装置でニュートンに変換する。ガスシリンダ14も押し縮めると若干は弾性復原力が蓄積されていくため、反力は押し縮めの進行に伴って緩い角度で増大していく。他方、縮み切ったガスシリンダ14に所定の負荷を掛けて伸長させていくと、反力は徐々に小さくなる。
そこで、図7(A)に示すように、押し縮め行程及び伸長行程での基準値K1,K2を中心にして上下の幅を持たせた状態で適正変動範囲(合格範囲)S1,S2を設定し、現実の測定値が適正変動範囲S1,S2に含まれている場合は良品と判定し、現実の測定値が適正変動範囲S1,S2から一部でも外れる場合は不良品と判定する。但し、押し縮めの初期と伸長の初期とは加圧力の立ち上がりあって正確に計測できないため、押し縮め行程の初期と終期、及び、伸長行程の初期と終期との一定範囲(例えば10mm)は除外し、その間を良否判別エリアEとする。
基準値K1,K2は一種の理想値(理論値)であり、計算によって求めることもできるし、多数の良品サンプルの平均値としてもよい。但し、本願発明では適正変動範囲S1,S2の上限値と下限値とが必須の要件であり、基準値K1,K2はさほどの意味は持たない。従って、単に適正変動範囲S1,S2の上下値と下限値とを設定するだけでもよい。なお、具体的な演算方法としては、適正変動範囲S1,S2の上限値と下限値とを各位置ごとに予め設定しておいてもよいし、基準値K1に予め設定した数値を足し引きして上限値と下限値を設定することも可能である。
既述のとおり、反力の測定は細かいピッチで行うのがよいが、実用的には、1mm又は2mm程度のピッチで行えば足りる。すなわち、1〜2mm程度の間隔で検査したら、傷等に起因した反力の異常は漏れなく検知できると言える。なお、実施形態では適正変動範囲S1,S2の上限値と下限値とは直線で表示しているが、適正変動範囲S1,S2の具体的な形態や上下幅(許容幅)はガスシリンダ14の種類や特性に基づいて定めたらよい。従って、適正変動範囲S1,S2が緩いカーブを描いたり、ストロークの変化に基づいて上下間隔が変化したりすることも有り得る。
次に、実際の測定値の波形と良否との関係を、図7(B)以下のグラフに基づいて見ていく。図7(B)は理想形に近いものであり、押し縮め行程での反力値を結んだ線及び伸長行程での反力値を結んだ線(以下「反力線」と言い、符号H1,H2を付す)とも、適正変動範囲S1,S2に包含されている。従って、良品である。
図7(C)の検査例では、伸長行程での反力線H2は適正変動範囲S2に含まれているが、押し縮め行程の反力線H1の一部が押し縮め終期近くにおいて上限値を超えている。図8(D)に示す例では、押し縮め行程では辛うじて適正変動範囲S1に入っているものの、伸長行程では全体が下限値以下に外れている。
ガスシリンダ14にガス漏れ(リーク)があると、ロック状態で押しても縮んでしまう。その例を図8(B)に示している。このうちR1は、荷重を増大させると縮む例であり、R2はある程度以上の荷重が掛かると縮んでしまう例である。本実施形態の検査装置はこのような異常も検出できる。
さて、反力の実測値が適正変動範囲に含まれていても、隣り合った測定ポイントでの変動幅が過度に大きいと、ガスシリンダのスムースな動きが阻害される可能性がある。そこで、測定値は適正変動範囲に含まれていても、測定値の変動が激しいものは不良品として認定することが可能である。その検査例を図8(C)に示している。
図8(C)のグラフは押し縮め行程での検査例を示しており、反力は、例えば1〜数mm間隔で段階的に測定される。そして、n回目の反力の実測値P(n)に上限許容幅数値W1を加えることで(n+1)回目の上限値U(n+1)を設定すると共に、n回目の反力の実測値P(n)から下限許容幅数値W2を減じることで(n+1)回目の下限値L(n+1)を設定して、(n+1)回目の実測値P(n+1)が予め設定した上限値U(n+1)と下限値L(n+1)との間に包含されているか否か(相対的変動供与範囲から外れていないかどうか)が判定される。
計測がm回行われる場合は、次の測定ポイントでの上限値と下限値との設定は(m−1)回目まで行われる。押し縮め行程では反力の絶対値は平均してcosecθの割合で増加傾向にあるので、W1とW2とは増加率を補正した値に設定している。すなわち、W1はW2より大きい値になっている。伸長行程では逆の設定になる。なお、n,mは当然ながら整数である。
図8(C)の場合は、(n+4)回目の実測値P(n+4)は適正変動範囲の絶対値の範囲には入っているが、(n+3)回目の実測値に基づいて設定した上限値U(n+4)を超えている。従って、不良品として処理される。なお、(n+4)回目の実測値に基づく上限値L(n+5)は適正変動範囲S1の上限値を超えているが、このように相対的な限度値が適正変動範囲S1を超える場合は、限度値を適正変動範囲S1の値に揃えてもよいし、適正変動範囲S1とは関係なく限度値を設定してもよい。
このように実測値に基づいて相対的な限度値を設定して良否を判定することは、各測定ポイントごとに行ってもよいし、例えば1つ置きや2つ置きのように飛び飛びに行ってもよい。
(4).その他
本願発明は上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えば、良否検査装置を構成するホルダーはガスシリンダを所定姿勢に保持できれば足り、実施形態のような筒型である必要はない。また、ガスシリンダを寝かせた姿勢で検査することも可能である。表示ユニットとしてパソコンを使用することも可能である。本願発明の検査装置は、ガスシリンダの製造ラインに組み込むことも可能である。
ロードセル等の検知手段で検知された数値データは、その都度比較回路等に通して許容範囲内であるか否かを判別してもよいし、押し縮め行程又は伸長行程を1単位として、これらの単位のデータが出揃ってから許容範囲内であるか否かを判別してもよい。
1 装置本体
3 検査室
11 表示ユニット
12 モニター
14 ガスシリンダ
19 プッシュバルブ
20 ホルダー
24 ガイド板(姿勢保持板)
25 ヘッド
26 駆動手段の一例としての電動シリンダ
27 電動シリンダのプランジャ
30 バルブ操作手段の一例としてのエアシリンダ
31 エアシリンダのピストンロッド
32 反力検知手段の一例としてのロードセル
E 良否判別エリア
S1,S1 適正変動範囲
H1,H2 反力の値を結んだ反力線

Claims (3)

  1. 伸長したガスシリンダを所定の圧力で押し縮めるか、又は、押し縮められたガスシリンダを所定圧力で加圧した状態で伸長させる駆動手段と、
    前記駆動手段の押し縮めに対する抵抗の大きさ又は伸長に対する抵抗の大きさ若しくは両方を段階的に検知する反力検知手段とが備えられており、
    前記押し縮めに対する反力の大きさ又は伸長に対する反力の大きさ若しくは両方を段階的に検知し、前記検知された反力の数値が予め設定された適正変動範囲に入っているか否かを比較し、1カ所でも適正変動範囲から外れた場合は不良品と認定する、
    という構成であって、
    前記ガスシリンダを押し縮め又は伸長させながら段階的に反力を測定しつつ、各測定ポイント又は予め設定した複数の測定ポイントでの実測値に予め設定した値を付加及び減じることで次の測定ポイントでの上限値と下限値とを設定し、次の測定ポイントでの実測値が前の測定ポイントでの測定実測値に基づく上限値と下限値との間の範囲から外れていた場合は、次の測定ポイントでの実測値が前記予め設定された適正変動範囲に含まれていても不良品と認定する、
    という認定手段を備えている、
    ガスシリンダの良否検査装置。
  2. ガスシリンダを所定圧力で押し縮める行程、又はガスシリンダを所定の圧力で加圧しつつ伸長させる行程、若しくは両方の行程を有しており、
    前記押し縮めに対する反力の大きさ又は伸長に対する反力の大きさ若しくは両方を段階的に検知し、前記検知された反力の数値が予め設定された適正変動範囲に入っているか否かを比較し、1カ所でも適正変動範囲から外れた場合は不良品と認定する、
    という構成であって、
    前記ガスシリンダを押し縮め又は伸長させながら段階的に反力を測定しつつ、各測定ポイント又は予め設定した複数の測定ポイントでの実測値に予め設定した値を付加及び減じることで次の測定ポイントでの上限値と下限値とを設定し、次の測定ポイントでの実測値が前の測定ポイントでの測定実測値に基づく上限値と下限値との間の範囲から外れていた場合は、次の測定ポイントでの実測値が前記予め設定された適正変動範囲に含まれていても不良品と認定する、
    ガスシリンダの良否検査方法。
  3. 押し縮め行程及び伸長行程の全行程のうち初期と終期とのある程度を除いた範囲を良否判定エリアとして、ガスシリンダが1〜数mm押し縮められ又は伸長するごとに反力が検知されて適正変動範囲と比較されるように設定されている、
    請求項1に記載したガスシリンダの良否検査装置又は請求項2に記載したガスシリンダの良否検査方法。
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