JP5910987B2 - トイレ装置 - Google Patents

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Description

本発明の態様は、一般的に、トイレ装置に関する。
トイレ装置のなかには、便座に着座する使用者を検知する着座検知センサが設けられているものがある。着座検知センサとしては、例えば光電センサなどが一般的によく知られている。
しかしながら、光電センサを設置する場合には、例えば洗浄タンクやその他の箇所に透光性の窓部を設け、その窓部に臨むように光電センサを埋設する必要がある。そのため、トイレ装置の美観が窓部により損なわれる、あるいは例えば便器やその他の装置のデザインの自由度が制限されるという点においては改善の余地がある。
これに対して、便座に着座する使用者をドップラーセンサにより検知する多機能トイレ装置が提案されている(特許文献1)。あるいは、マイクロ波センサのドップラー効果と反射の大きさによる効果を用いた人体検知装置が提案されている(特許文献2)。ドップラーセンサが送信する電波は、樹脂等を通過可能である。そのため、例えばトイレ装置のケーシング等の内部に隠れた状態でドップラーセンサを設置することができる。これにより、光電センサのために必要であった窓部を省略することができる。
しかしながら、ドップラーセンサやマイクロ波センサは、人体の動きを検知するセンサであるため、使用者の着座中の微小動作と、離座動作と、を正確に判別することは困難である。例えば特許文献1に記載された多機能トイレ装置のように、ドップラーセンサから出力された信号の振幅と、閾値および減衰率と、を比較することにより着座の有無を判断する場合には、人体の大小により出力信号の振幅にばらつきが生じ、誤検知が生ずる場合がある。また、特許文献2に記載された人体検知装置では、マイクロ波センサのドップラー効果のみではなく、マイクロ波センサの反射による効果を利用するため、マイクロ波センサを構成する回路が複雑になる場合がある。
着座検知について誤検知が生ずる場合とは、例えば、使用者が便座に着座していないにもかかわらず使用者が便座に着座しているとセンサが判断する場合や、使用者が便座に着座しているにもかかわらず使用者が便座に着座していないとセンサが判断する場合などである。使用者が便座に着座していないにもかかわらず使用者が着座しているとセンサが判断すると、例えば、「おしり洗浄」の動作が禁止されず実行可能となる。その結果として、間違って「おしり洗浄」のスイッチを操作したときに、使用者や床に洗浄水がかかる。一方、使用者が便座に着座しているにもかかわらず使用者が着座していないとセンサが判断すると、「おしり洗浄」の動作が禁止される。その結果として、使用者が「おしり洗浄」のスイッチを操作しても、「おしり洗浄」が実行されない。
特開2002−70119号公報 特開2002−71824号公報
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、制御部への負荷を抑えつつより高い精度の離座判定を実行することができる、あるいはトイレ装置の美観を向上させることができるトイレ装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、便座と、放射した電波の反射波によって被検知体に関する情報を取得するドップラーセンサと、前記ドップラーセンサから出力された検知信号に基づいて使用者の前記便座からの離座を判定し制御信号を出力する制御部と、前記制御信号に基づいて制御される被制御部と、を備え、前記制御部は、前記検知信号から前記使用者の前記離座を判定できる信号に近似する信号である前記離座に近似する信号を抽出する第1のステップを実行した後、前記抽出した検知信号と、格納した離座波形のサンプルデータと、を波形解析によって比較し前記離座を判定する第2のステップを実行し、前記第1のステップは、所定数の波数が前記検知信号に存在するか否かを前記制御部が判定する波数判定ステップを有することを特徴とするトイレ装置である。
このトイレ装置によれば、制御部は、第1のステップにおいて抽出された離座に近似する信号のみを第2のステップにおいて離座波形のサンプルデータと比較することができる。そのため、制御部への負荷を抑えつつより高い精度の離座判定を実行することができる。また、ドップラーセンサを使用することで、光電センサのために必要であった窓部を省略することができる。そのため、トイレ装置の美観を向上させることができる。
また、第の発明は、第の発明において、前記所定数は、前記使用者が離座動作において前記便座から立ち上がる際に検知信号に生ずる振動の波数に設定されたことを特徴とするトイレ装置である。
これらのトイレ装置によれば、制御部は、所定数の波数が検知信号に存在するか否かを判定することで、検知信号が離座に近似する信号であるか否かを判定する。そのため、使用者が着座中に、例えば前傾動作やスライド動作などのように、ドップラーセンサから少し遠ざかる方向へ移動しても、制御部は、検知信号が離座に近似しない信号であると判定することができる。そのため、制御部にかかる負荷を抑えることができる。
また、第の発明は、第または第の発明において、前記第1のステップは、前記波数判定ステップにおいて前記所定数の波数が前記検知信号に存在すると前記制御部が判定した場合に、前記所定数の波数を有する波形が減衰しているか否かを前記制御部が判定する減衰率判定ステップをさらに有することを特徴とするトイレ装置である。
このトイレ装置によれば、制御部は、検知信号の波形が減衰しているか否かを判定することにより、検知信号が離座に近似する信号であるか否かを判定する。そのため、使用者が着座中に、例えばトイレットペーパーでお尻を拭く動作などのように、比較的長い時間にわたって動いても、制御部は、検知信号が離座に近似しない信号であると判定することができる。そのため、制御部にかかる負荷を抑えることができる。
また、第および第の発明にかかるトイレ装置によれば、制御部は、所定数の波数が検知信号に存在すると判定し、且つ所定数の波数を有する波形が減衰しているか否かを判定することで、使用者が所定の距離以上にドップラーセンサから遠ざかる動作を判定することができる。これにより、使用者が着座中に様々な方向へ比較的長い時間にわたって動いても、制御部は、検知信号が離座に近似しない信号であると判定することができる。
また、第の発明は、第1〜第のいずれか1つの発明において、前記制御部は、前記第1のステップを実行する前に、前記検知信号の周波数が所定周波数以上であるか否かを判定する周波数判定ステップを実行し、前記検知信号の周波数が前記所定周波数未満である場合には、続いて前記第1のステップを実行し、前記検知信号の周波数が前記所定周波数以上である場合には、前記第1のステップを実行することなく前記使用者が前記便座から離座したと判定することを特徴とするトイレ装置である。
このトイレ装置によれば、使用者が所定の速度以上で移動した場合には、すなわち検知信号の周波数が所定周波数以上である場合には、制御部は、使用者が便座から離座したと判定する。使用者は、便座に着座した状態では、所定の速度以上で移動することはできない。そのため、検知信号の周波数が所定周波数以上である場合には、制御部は、使用者の便座からの離座を判定できる。そして、制御部は、第1のステップおよび第2のステップを実行することなく、処理を終了する。そのため、制御部にかかる負荷を抑えることができる。
また、第の発明は、第1〜第の発明において、前記制御部は、前記使用者が前記便座から実際に離座したときに前記ドップラーセンサから出力される前記検知信号の波形を前記サンプルデータとして記憶することを特徴とするトイレ装置である。
このトイレ装置によれば、制御部は、より精度良く離座判定を行うことができる。
また、第の発明は、第1〜第のいずれか1つの発明において、前記制御部は、前記検知信号の振幅の大きさと第1の閾値とを比較し前記使用者のトイレルームへの入室を判定し、前記検知信号の振幅の大きさと第2の閾値とを比較し前記使用者の前記便座への着座を判定し、前記検知信号の振幅の大きさと第3の閾値とを比較し前記使用者の前記トイレルームからの退室を判定することを特徴とするトイレ装置である。
このトイレ装置によれば、制御部は、検知信号の振幅の大きさと閾値とを比較することで、離座判定以外の判定、すなわち入室判定、着座判定、および退室判定を行っている。つまり、制御部は、離座判定の動作よりも簡略化された動作により入室判定、着座判定、および退室判定を行っている。そのため、制御部にかかる負荷を抑えることができる。
本発明の態様によれば、制御部への負荷を抑えつつより高い精度の離座判定を実行することができる、あるいはトイレ装置の美観を向上させることができるトイレ装置が提供される。
本発明の実施の形態にかかるトイレ装置を表す斜視模式図である。 本実施形態にかかるトイレ装置の要部構成を表すブロック図である。 本実施形態にかかるトイレ装置の要部構成を表すブロック図である。 本実施形態のドップラーセンサの設置位置と送信波の放射方向とを表す平面模式図である。 使用者の動作と、ドップラーセンサの検知信号と、の関係を例示する概念図である。 使用者の離座動作と、ドップラーセンサの検知信号と、の関係を例示する概念図である。 使用者の着座中の動作と、ドップラーセンサの検知信号と、の関係を例示する概念図である。 離座動作に関する検知信号の電圧値の波形を例示するグラフ図である。 離座動作に関する検知信号の電圧値の他の波形を例示するグラフ図である。 波数を数える方法の一例を説明するためのグラフ図である。 離座動作に関する検知信号の振幅値のピーク値をプロットした一例を例示するグラフ図である。 本実施形態の離座判定の具体例を例示するフローチャート図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施の形態にかかるトイレ装置を表す斜視模式図である。
また、図2および図3は、本実施形態にかかるトイレ装置の要部構成を表すブロック図である。
また、図4は、本実施形態のドップラーセンサの設置位置と送信波の放射方向とを表す平面模式図である。
なお、図4(a)は、使用者が便器の前に立った状態を例示する平面模式図である。図4(b)は、使用者が便座に着座した状態を例示する平面模式図である。
図1に表したトイレ装置は、洋式腰掛便器(以下説明の便宜上、単に「便器」と称する)800と、その上に設けられた衛生洗浄装置100と、を備える。衛生洗浄装置100は、ケーシング400と、便座200と、便蓋300と、を有する。便座200と便蓋300とは、ケーシング400に対して開閉自在にそれぞれ軸支されている。
図2に表したように、ケーシング400の内部には、ドップラーセンサ410と、制御部420と、被制御部401と、が設けられている。
ドップラーセンサ410は、マイクロ波あるいはミリ波などの高周波の電波を放射(送信)し、放射した電波の被検知体からの反射波を受信する。そして、ドップラーセンサ410は、被検知体の有無や状態を検知し、その検知信号を出力する。制御部420は、ドップラーセンサ410から出力された検知信号に基づいて制御信号を出力する。ドップラーセンサ410および制御部420については、後に詳述する。
被制御部401は、洗浄ノズル473と、ノズルモータ476と、ノズル洗浄部478と、便座開閉ユニット441と、便蓋開閉ユニット442と、便器洗浄ユニット443と、脱臭ユニット444と、温風ユニット445と、便座暖房ユニット446と、を有する。なお、便器洗浄ユニット443および脱臭ユニット444は、後述する離座検知に基づいて制御される可能性のあるユニットである。
洗浄ノズル473は、ノズルモータ476からの駆動力を受け、便器800のボウル801内に進出したり後退することができる。つまり、ノズルモータ476は、制御部420からの信号に基づいて洗浄ノズル473を進退させることができる。ノズル洗浄部478は、その内部に設けられた図示しない吐水部から殺菌水あるいは水を噴射することにより、洗浄ノズル473の外周表面(胴体)を殺菌あるいは洗浄することができる。
便座開閉ユニット441は、制御部420からの信号に基づいて便座200を開閉できる。便蓋開閉ユニット442は、制御部420からの信号に基づいて便蓋300を開閉できる。使用者が例えばリモコンなどの操作部500を操作すると、便器洗浄ユニット443は、制御部420からの信号に基づいて便器800のボウル801内の洗浄を行うことができる。脱臭ユニット444は、フィルタや触媒などを介して臭気成分を低減させる。温風ユニット445は、便座200に座った使用者の「おしり」などに向けて温風を吹き付けて乾燥させる。便座暖房ユニット446は、トイレ室内に温風を吹き出してトイレ室を暖房する。
図2に表したように、ドップラーセンサ410には、アンテナ412と、送信部414と、受信部416と、ミキサ部418と、が設けられている。送信部414に接続されたアンテナ412からは、高周波、マイクロ波あるはミリ波などの10kHz〜100GHzの周波数帯の電波が放射される。具体的には、アンテナ412からは、例えば24.15GHzの周波数を有する送信波T1が放射される。人体などの被検知体からの反射波または透過波T2は、アンテナ412を経由して受信部416に入力される。ここで、アンテナは、図2に表したように、送信側と受信側とを共通としてもよく、または、図3に表したように、送信部414にはアンテナ412aを接続し、受信部416にはアンテナ412bを接続してもよい。
送信波の一部と受信波とは、ミキサ部418にそれぞれ入力されて合成され、例えばドップラー効果が反映された出力信号が出力される。ミキサ部418から出力された検知信号は、制御部420に出力される。制御部420には、フィルタ421と、周波数や波数や振幅値などを検出する物理量検出部422と、判定部423と、記憶手段427と、駆動制御部428と、が設けられている。判定部423は、離座判定部424と、着座判定部425と、入退室判定部426と、を有する。ミキサ部418から出力された検知信号は、まずフィルタ421において高周波数成分が取り除かれる。この際のフィルタリング周波数は、例えば200Hzとすることができる。
なお、本実施形態においては、フィルタ421は設けなくてもよい。また、本実施形態の制御部は、図2に表したように、フィルタ421と、物理量検出部422と、判定部423と、記憶手段427と、駆動制御部428と、を含む1つの制御部420として設けられていてもよい。あるいは、本実施形態の制御部は、図3に表したように、第1の制御部(駆動制御部)420aと、フィルタ421と物理量検出部422と判定部423と記憶手段427とを含む第2の制御部420bと、に別体として分割されていてもよい。
ミキサ部418から出力された検知信号は、周波数の低いベースラインに周波数の高い信号が重畳した波形を有する。高周波数成分には、ドップラー効果に関する情報が含まれる。すなわち、人体などの被検知体が移動すると、ドップラー効果によって反射波の波長がシフトする。ドップラー周波数ΔF(Hz)は、下記の式(1)により表すことができる。

ΔF=Fs−Fb=2×Fs×v/c 式(1)

但し、Fs:送信周波数(Hz)
Fb:反射周波数(Hz)
v:物体の移動速度(m/s)
c:光速(=300×10m/s)

ドップラーセンサ410に対して被検知体が相対的に移動すると、式(1)で表されるように、その速度vに比例した周波数ΔFを含む出力信号が得られる。出力信号は周波数スペクトラムを有し、スペクトラムのピークに対応するピーク周波数と移動体の速度vとの間には相関関係がある。従って、ドップラー周波数ΔFを測定することにより速度vを求めることができる。なお、日本においては、人体を検知する目的には10.50〜10.55GHzまたは24.05〜24.25GHzの周波数が使用できる。
本実施形態においては、図4(a)および図4(b)に表したように、ドップラーセンサ410は、例えば便座200の後方に設けられている。具体的には、図1に表したように、便座200の後方であってケーシング400の内部の前方部に設けられている。
なお、本願明細書においては、便座200に座った使用者からみて前方を「前方」とし、便座200に座った使用者からみて後方を「後方」とする。また、後方を向いて便器800の前に立った使用者からみて右側を「右側方」とし、左側を「左側方」とする。
図4(a)および図4(b)に表したように、ドップラーセンサ410は、前方へ向けて送信波T1を放射している。そして、ドップラーセンサ410は、便器800の前から便座200へ向かって移動し便座200に着座する使用者850を前述したドップラー効果あるいはドップラー周波数ΔFにより検知することができる。
ドップラーセンサ410が便座200に座った使用者を検知している場合において、使用者が操作部500を操作すると、洗浄ノズル473を便器800のボウル801内に進出させることができる。なお、図1に表した衛生洗浄装置100では、洗浄ノズル473がボウル801内に進出した状態を表している。
洗浄ノズル473の先端部には、ひとつあるいは複数の吐水口474が設けられている。そして、洗浄ノズル473は、その先端部に設けられた吐水口474から水を噴射して、便座200に座った使用者の「おしり」などを洗浄することができる。なお、本願明細書において「水」という場合には、冷水のみならず、加温されたお湯も含むものとする。
次に、使用者がトイレ室に入室してから退室するまでの一連の動作と、ドップラーセンサ410から出力された検知信号の電圧値および振幅値と、の関係について、図面を参照しつつ説明する。
図5は、使用者の動作と、ドップラーセンサの検知信号と、の関係を例示する概念図である。
なお、図5(a)は、ドップラーセンサから出力された検知信号の電圧値を例示するグラフ図である。すなわち、同図の縦軸は、ドップラーセンサから出力された検知信号の電圧値を表し、同図の横軸は、時間を表す。図5(b)は、ドップラーセンサから出力された検知信号の振幅値を例示するグラフ図である。すなわち、同図の縦軸は、ドップラーセンサから出力された検知信号の振幅値を表し、同図の横軸は、時間を表す。
まず、使用者がトイレ室の前に立ち(動作M11)、トイレ室の扉を開けてトイレ室に入室すると(動作M13:入室動作)、ドップラーセンサ410から出力された検知信号(ドップラー信号)の電圧値は、基準値を中心として振動を始める。そして、使用者がトイレ装置に近づくと、ドップラーセンサ410から出力された検知信号の振幅値は、徐々に増加する(動作M13:入室動作)。
ここで、図5(b)に表したように、検知信号の振幅値が入室動作に関する閾値(入室閾値:第1の閾値)以上となると、制御部420(入退室判定部426)は、使用者がトイレ室に入室したと判定する(時間t11)。つまり、本実施形態では、制御部420(入退室判定部426)は、検知信号の振幅値(振幅の大きさ)と第1の閾値とを比較し使用者の入室を判定する。
続いて、使用者が脱衣動作を行い便座200に着座するときには、検知信号の電圧値は、入室動作のときの検知信号の電圧値よりも大きく振動する(動作M15:着座動作)。つまり、使用者が便座200に着座するときには、検知信号の振幅値は、入室動作のときの検知信号の振幅値よりも大きくなる(動作M15:着座動作)。
ここで、図5(b)に表したように、検知信号の振幅値が着座動作に関する閾値(着座閾値:第2の閾値)以上となると、制御部420(着座判定部425)は、使用者が便座200に着座したと判定する(時間t13)。つまり、本実施形態では、制御部420(着座判定部425)は、検知信号の振幅値(振幅の大きさ)と第2の閾値とを比較し使用者の便座200への着座を判定する。
続いて、使用者が着座中に静止しているときには、検知信号の電圧値は、振動しない(動作M17:着座/静止)。これは、図2に関して前述した式(1)において、移動体(使用者)の速度vが略ゼロとなり、ドップラー周波数ΔFが略ゼロとなるためである。そのため、使用者が着座中に静止しているときには、検知信号の振幅値は、略ゼロとなる。
一方、使用者が着座中に身体を例えば前傾させたり、揺らしたり、捻ったりするなどの動作を行うと、検知信号の電圧値は、基準値を中心として振動を始める(動作M19:着座/動作)。そして、図5(b)に表したように、検知信号の振幅値は、第2の閾値と略同じ大きさとなる場合がある。使用者の着座中の動作については、後に詳述する。
続いて、使用者が着座中に再び静止すると、検知信号の電圧値は、振動しない(動作M21:着座/静止)。そのため、使用者が着座中に再び静止すると、検知信号の振幅値は、再び略ゼロとなる。
続いて、使用者が便座200から離座して立ち上がると、検知信号の電圧値は、基準値を中心として振動を始める(動作M23:離座動作)。そして、使用者が着衣動作を行い便座200から遠ざかると、検知信号の振幅値は、徐々に減少する(動作M23:離座動作)。続いて、使用者がトイレ室の扉を開けてトイレ室から退室すると、検知信号の振幅値は、離座動作のときの検知信号の振幅値よりも減少する(動作M25:退室動作)。
ここで、図5(b)に表したように、検知信号の振幅値が退室動作に関する閾値(退室閾値:第3の閾値)以下となると、制御部420(入退室判定部426)は、使用者がトイレ室から退室したと判定する(時間t15)。つまり、本実施形態では、制御部420(入退室判定部426)は、検知信号の振幅値(振幅の大きさ)と第3の閾値とを比較し使用者の退室を判定する。
なお、退室動作に関する退室閾値(第3の閾値)は、図5に表したように入室動作に関する入室閾値(第1の閾値)と異なっていてもよいし、あるいは同じであってもよい。
このように、使用者が着座中に身体を例えば前傾させたり、揺らしたり、捻ったりするなどの動作を行うと、検知信号の電圧値は、比較的大きい振動を行う。つまり、検知信号の振幅値は、比較的大きくなる。一方で、使用者が着座中に再び静止すると、検知信号の電圧値は、振動しない。つまり、検知信号の振幅値は、略ゼロとなる。そのため、前述した入室判定や、着座判定や、退室判定のように、制御部420が所定の閾値に基づいて離座判定や着座中判定を行うと、誤検知(誤判定)を行う場合がある。
離座判定や着座中判定について誤検知(誤判定)が生ずると、制御部420は、例えば、使用者が便座200に着座していないにもかかわらず使用者が便座200に着座していると判定したり、使用者が便座200に着座しているにもかかわらず使用者が便座200に着座していないと判定したりする。使用者が便座200に着座していないにもかかわらず使用者が便座200に着座していると制御部420が判定すると、例えば、「おしり洗浄」の動作が禁止されず実行可能となる。そうすると、使用者や床に洗浄水がかかる場合がある。一方、使用者が便座200に着座しているにもかかわらず使用者が便座200に着座していないと制御部420が判定すると、使用者が「おしり洗浄」を実行しても「おしり洗浄」の動作が禁止される。そうすると、使用者は、洗浄水を利用した「おしり洗浄」を実行できない場合がある。
これに対して、本実施形態にかかるトイレ装置の制御部420は、ドップラーセンサから出力された検知信号から離座に近似する信号を抽出する第1のステップを実行する。その後、制御部420は、第1のステップにおいて抽出した検知信号の波形と、記憶手段427に格納された離座波形のサンプルデータと、を比較し離座を判定する第2のステップを実行する。
これによれば、制御部420は、第1のステップにおいて抽出された離座に近似する信号のみを第2のステップにおいて離座波形のサンプルデータと比較することができる。そのため、制御部420への負荷を抑えつつより高い精度の離座検知(離座判定)を実行することができる。また、ドップラーセンサ410を使用することで、光電センサのために必要であった窓部を省略することができる。そのため、トイレ装置の美観を向上させることができる。
また、制御部420は、検知信号の振幅の大きさと閾値とを比較することで、離座判定以外の判定、すなわち入室判定、着座判定、および退室判定を行っている。つまり、制御部420は、離座判定の動作よりも簡略化された動作により入室判定、着座判定、および退室判定を行っている。そのため、制御部420にかかる負荷を抑えることができる。
次に、本実施形態の離座判定について、図面を参照しつつ説明する。
図6は、使用者の離座動作と、ドップラーセンサの検知信号と、の関係を例示する概念図である。
図7は、使用者の着座中の動作と、ドップラーセンサの検知信号と、の関係を例示する概念図である。
なお、図6(a)は、離座動作のときの検知信号の電圧値を例示するグラフ図である。すなわち、同図の縦軸は、検知信号の電圧値を表し、同図の横軸は、時間を表す。図6(b)は、使用者のおしりが便座から離れた瞬間を表す平面模式図である。図6(c)は、使用者が便座の前に立った状態を表す平面模式図である。
図7は、波数を横軸で表し、振幅が徐々に減少する度合を縦軸で表したときに、使用者の着座中の各動作に関する検知信号の電圧値の波形をマップとして例示したものである。
図6(b)に表したように、使用者のおしりが便座200から離れた瞬間においては、使用者のおしりや腰や背中などは、ドップラーセンサ410に比較的近い位置で、且つ比較的速い速度で便座200の前方へ移動する。そのため、図6(a)に表したように、使用者のおしりが便座200から離れた瞬間においては、検知信号の電圧値は、比較的大きい振動を行う。つまり、検知信号の振幅値は、比較的大きくなる(時間t21)。
続いて、図6(c)に表したように、使用者が離座してから便座200の前に立つまでの間には、使用者のおしりや腰や背中などは、比較的短い時間で、且つ比較的速い速度でドップラーセンサ410から遠ざかる。そのため、図6(a)に表したように、使用者が離座してから便座200の前に立つまでの間においては、検知信号の振幅値は、徐々に減少する。そして、検知信号の振幅値は、使用者の所定の移動距離の間において所定値以下の減衰率で減少する。
なおここで、減衰率が例えば「1/2」や「0.5」などのように「1未満」の数値で表される場合には、検知信号の振幅値は、使用者の所定の移動距離の間において減衰することを表す。一方、減衰率が例えば「1/2」の逆数「2」などのように「1以上」の数値で表される場合には、検知信号の振幅値は、使用者の所定の移動距離の間において増幅することを表す。本実施形態では、減衰率が「1未満」の数値で表される場合を例に挙げて説明する。
使用者の移動距離は、下記の式(2)により表すことができる。

Ds=λ/2×(波数−1) 式(2)

但し、Ds:使用者の移動距離
λ(発振波長):ドップラーセンサが放射する電波の波形の波長(1波あたりの長さ)
波数:検知信号の電圧値の波形における所定時間の波の数

発振波長は、ドップラーセンサ410が放射する電波の振動の周波数(発振周波数)により決定される。そのため、制御部420は、検知信号の電圧値の波形に表れる振動の波数を数えることで、使用者の移動距離を推定することができる。これについては、後に詳述する。
図7に表したように、使用者が着座中に、例えば自身のお尻を前方から見るような場合に「前傾」動作をすると、検知信号の振幅値は、徐々に減少する場合がある。しかしながら、この場合には、所定の波数が存在しない。すなわち、使用者は、所定の距離を移動しない。あるいは、検知信号の振幅値は、使用者の所定の移動距離の間では、所定値以下の減衰率では減少しない。そのため、この場合には、制御部420は、ドップラーセンサ410の検知信号が離座に近似する信号ではないと判定する。すなわち、制御部420は、ドップラーセンサ410の検知信号から離座に近似する信号を抽出しない。
また、図7に表したように、使用者が着座中に、略連続的に前後に身体を揺らす動作をすると、所定の波数が存在する場合がある。すなわち、使用者は、所定の距離を移動する場合がある。しかしながら、使用者は、便座200の前に立ったり、便座200から遠ざかったり(ドップラーセンサ410から遠ざかったり)することはないため、検知信号の振幅値は、徐々には減少しない。あるいは、検知信号の振幅値は、所定値以下の減衰率では減少しない。そのため、この場合においても、制御部420は、ドップラーセンサ410の検知信号が離座に近似する信号ではないと判定する。
また、図7に表したように、使用者が着座中に、例えば壁にもたれて寝るような場合に「静止」すると、検知信号の振幅値は、徐々には減少しない。また、所定の波数が存在しない。そのため、この場合においても、制御部420は、ドップラーセンサ410の検知信号が離座に近似する信号ではないと判定する。
これに対して、使用者が便座200から離座するときには、検知信号の振幅値は、徐々に減少する。そして、検知信号の振幅値は、使用者の所定の移動距離の間において所定値以下の減衰率で減少する。このように、離座動作に関する検知信号の電圧値の波形は、離座動作以外の着座中の動作に関する検知信号の電圧値の波形とは異なる。
次に、検知信号の電圧値の波形から移動距離を推定する方法の一例について、図面を参照しつつ説明する。
図8は、離座動作に関する検知信号の電圧値の波形を例示するグラフ図である。
すなわち、同図の縦軸は、検知信号の電圧値を表し、同図の横軸は、ドップラーセンサからの距離を表す。
図6に関して前述したように、発振波長は、ドップラーセンサ410が放射する電波の発振周波数により決定される。そのため、制御部420は、検知信号の電圧値の波形において波数を数えることで、使用者の移動距離を推定することができる。
発振波長は、下記の式(3)により表すことができる。符号「c」および符号「Fs」については、式(1)に関して前述した如くである。また、符号「λ」については、式(2)に関して前述した如くである。

λ=c/Fs 式(3)

例えば、光速を3×10m/sとし、発振周波数を24.15GHzとすると、発振波長は、3×10/(24.15×10)≒12.4mmとなる。
また、検知信号の1波あたりの時間(ΔT)は、下記の式(4)により表すことができる。符号「ΔF」は、式(1)に関して前述した如くである。

ΔT=1/ΔF 式(4)

したがって、前述した式(1)、式(3)、および式(4)より、検知信号の1波あたりの距離(Dk)は、下記の式(5)により表すことができる。符号「v」は、式(1)に関して前述した如くである。

Dk=ΔT×v=λ/2 式(5)

つまり、検知信号の1波あたりの距離(Dk)は、ドップラー信号の1波が検出された際の使用者の移動距離を意味する。前述したように、光速を3×10とし、発振周波数を24.15GHzとしたときの発振波長(λ)は、12.4mmであるため、図8に表したように、そのときの検知信号の1波あたりの距離は、12.4/2=6.2mmとなる。
これらにより、使用者の移動距離(Ds)は、前述した式(2)により表すことができる。
一方、本発明者の検討の結果、使用者が離座動作で便座200から立ち上がるために必要な移動距離は、約200mm〜250mm程度であることが分かった。そのため、例えば、使用者が離座動作で便座200から立ち上がるために必要な移動距離が200mmであるとすると、使用者が離座動作で便座200から立ち上がるために必要な波数は、式(2)により、2×Ds/λ+1=2×200/12.4+1≒33波となる。
そのため、制御部420は、検知信号の電圧値の波形において33波以上を数えると、使用者が離座動作で便座200から立ち上がるために必要な移動距離を移動したと推定することができる。これにより、例えば、制御部420は、検知信号の電圧値の波形において33波を数えたときに、検知信号の振幅値が所定値以下の減衰率で減少していると、ドップラーセンサ410の検知信号が離座に近似する信号であると判定する。制御部420が波数を数える方法については、後に詳述する。なお、前述した「33波」は、一例であり、これだけに限定されるわけではない。使用者が離座動作で必要な波数については、発振周波数、および離座動作に必要な移動距離の設定値に応じて適宜設定可能である。
図9は、離座動作に関する検知信号の電圧値の他の波形を例示するグラフ図である。 すなわち、同図の縦軸は、検知信号の電圧値を表し、同図の横軸は、時間を表す。
なお、図9(a)は、使用者の移動速度が相対的に速いときの波形を表すグラフ図である。図9(b)は、使用者の移動速度が相対的に遅いときの波形を表すグラフ図である。
図9(a)および図9(b)に表したように、使用者の移動速度が相対的に速いときの波と波との間(例えば山と山との間)の時間ΔT1は、使用者の移動速度が相対的に遅いときの波と波との間(例えば山と山との間)の時間ΔT2よりも短い。一方、使用者の移動速度が相対的に遅いときの波と波との間の時間ΔT2は、使用者の移動速度が相対的に速いときの波と波との間の時間ΔT1よりも長い。但し、波と波との間の時間が異なっても、波と波との間の移動距離は、同じである。つまり、横軸が時間を表している場合において、任意の距離を移動するためにかかる時間は異なる一方で、波と波との間の時間で移動した任意の距離は、同じである。そのため、横軸が時間を表したグラフ図の場合でも、検知信号の電圧値の波形において波数を数えることで、使用者の移動距離を推定することができる。
図10は、波数を数える方法の一例を説明するためのグラフ図である。
なお、図10は、図9(b)に関して前述したグラフ図と同様である。
図10に表したように、本実施形態の制御部420は、検知信号の電圧値の極大値をカウントすることで波数を数える。具体的には、制御部420は、時間の経過に従って検知信号の電圧値の極大値に例えば「1」、「2」、「3」などと番号を付し、波数を数えていく。
また、波と波との間の時間(例えば極大値「1」と極大値「2」との間の時間ΔT3)が所定時間以上となると、制御部420は、数えていた波数をリセットしゼロとする。すなわち、図6および図7に関して前述したように、使用者が便座200から離座するときには、検知信号の振幅値は、使用者の所定の移動距離(例えば33波)の間において所定値以下の減衰率で減少する。しかしながら、使用者が離座動作の途中で静止することが起こり得る。
そのため、本実施形態では、波と波との間の時間が所定時間以上となると、制御部420は、数えていた波数をリセットしゼロとする。つまり、例えば、制御部420は、使用者が離座動作で便座200から立ち上がるために必要な移動距離(例えば33波)が所定時間内に存在するか否かを判断する。これにより、制御部420は、より高い精度の離座判定を実行することができる。
なお、波数を数える方法は、これだけに限定されるわけではない。波数を数える方法は、例えば、時間の経過に従って検知信号の電圧値の極小値やゼロクロスに「1」、「2」、「3」などと番号を付して波数を数える方法などであってもよい。
次に、検知信号の振幅値から減衰率を推定する方法の一例について、図面を参照しつつ説明する。
図11は、離座動作に関する検知信号の振幅値のピーク値をプロットした一例を例示するグラフ図である。
すなわち、同図の縦軸は、検知信号の振幅値を表し、同図の横軸は、時間を表す。
図11に表したように、本実施形態の制御部420は、時間の経過が短い方から順に、検知信号の振幅値のピーク値に例えば「1」、「2」、「3」・・・「31」、「32」、「33」などと連続した番号を付す。つまり、制御部420は、33個のピーク値のうちで時間的に最も古いピーク値に「33」を付す。なお、前述したように、「33波」あるいは「33」は、一例であり、これだけに限定されるわけではない。
続いて、制御部420は、「1」を付したピーク値(振幅値)A1と「33」を付したピーク値(振幅値)A33とを比較し、(A1/A33)<(1/2)を満たすか否かを判断する。そして、(A1/A33)<(1/2)の式が成立する場合には、制御部420は、検知信号の振幅値が所定の移動距離(ここでは33波)の間において所定値以下の減衰率で減少したと推定する。検知信号の振幅値が所定値以下の減衰率で減少した場合には、制御部420は、使用者がドップラーセンサ410から遠ざかったことを推定することができる。
なお、制御部420が減衰率を推定する際の閾値「1/2」は、適宜変更可能である。また、図11に表したように、最初の振幅値A1と最後の振幅値A1とを比較することで検知信号の振幅値が所定値以下の減衰率で減少したと推定する方法は、一例であり、これだけに限定されるわけではない。
次に、本実施形態の離座判定の具体例について、図面を参照しつつ説明する。
図12は、本実施形態の離座判定の具体例を例示するフローチャート図である。
まず、制御部420は、使用者の便座200への着座を検出した後(ステップS101)、ドップラーセンサ410から出力された検知信号を取得する(ステップS103)。続いて、制御部420(離座判定部424)は、検知信号の周波数が所定周波数(第4の閾値)よりも小さいか否かを判定する周波数判定ステップを実行する(ステップS105)。言い換えれば、制御部420(離座判定部424)は、検知信号の周波数が所定周波数(第4の閾値)以上であるか否かを判定する周波数判定ステップを実行する(ステップS105)。検知信号の周波数が所定周波数よりも小さくない場合には(ステップS105:NO)、制御部420は、使用者が便座200から離座したと判定する(ステップS121)。そして、制御部420は、処理を終了する(ステップS123)。
これによれば、使用者が所定の速度以上で移動した場合には、すなわち検知信号の周波数が所定周波数以上である場合には、制御部420は、使用者が便座200から離座したと判定する。使用者は、便座200に着座した状態では、所定の速度以上で移動することはできない。そのため、検知信号の周波数が所定周波数以上である場合には、制御部420は、使用者の便座200からの離座を判定できる。そして、制御部420は、図12に表した第1のステップおよび第2のステップを実行することなく、処理を終了する。そのため、制御部420にかかる負荷を抑えることができる。
一方、検知信号の周波数が所定周波数よりも小さい場合には(ステップS105:YES)、制御部420は、検知信号のピークを取得する(ステップS107)。続いて、制御部420は、所定数のピーク(波数)が検知信号に存在するか否かを判定する波数判定ステップを実行する(ステップS109)。所定数のピーク(波数)が検知信号に存在する場合には(ステップS109:YES)、制御部420は、所定数のピークの中で最初に取得したピークが最も大きいか否かを判定する(ステップS111)。
一方、所定数のピーク(波数)が検知信号に存在しない場合には(ステップS109:NO)、制御部420は、ドップラーセンサ410から出力された検知信号を再び取得する(ステップS103)。
ここで、ステップS109における「所定数」とは、例えば使用者が離座動作で便座200から立ち上がるために必要な検知信号の波数である。図8に関して前述した例を挙げると、ステップS109における「所定数」は、例えば「33」である。但し、ステップS109における「所定数」については、適宜設定可能である。
このように、制御部420は、所定数のピーク(波数)が検知信号に存在するか否かを判定することで、使用者の移動距離を推定することができる。これは、図8に関して前述した如くである。つまり、制御部420は、所定数の波数が検知信号に存在するか否かを判定することで、検知信号が離座に近似する信号であるか否かを判定する。そのため、使用者が着座中に、例えば前傾動作やスライド動作などのように、ドップラーセンサ410から少し遠ざかる方向へ移動しても、制御部420は、検知信号が離座に近似しない信号であると判定することができる。この場合には、制御部420は、図12に表した第2のステップを実行することなく、ドップラーセンサ410から出力された検知信号を再び取得する(ステップS103)。そのため、制御部420にかかる負荷を抑えることができる。
続いて、所定数のピークの中で最初に取得したピークが最も大きい場合には(ステップS111:YES)、制御部420は、所定数のピークの中で最後に取得したピークが最初に取得したピークの1/2以下であるか否かを判定する(ステップS113)。言い換えれば、制御部420は、所定数の波数を有する波形の最初の振幅値から最後の振幅値への減衰率が所定値以下であるか否かを判定する減衰率判定ステップを実行する(ステップS113)。なお、図11に関して前述したように、制御部420が減衰率を推定する際の閾値「1/2」は、適宜変更可能である。
これによれば、制御部420は、検知信号の波形の最初の振幅値から検知信号の波形の最後の振幅値への減衰率により、検知信号が離座に近似する信号であるか否かを判定する。そのため、使用者が着座中に、例えばトイレットペーパーでお尻を拭く動作などのように、比較的長い時間にわたって動いても、制御部420は、検知信号が離座に近似しない信号であると判定することができる。この場合には、制御部420は、図12に表した第2のステップを実行することなく、ドップラーセンサ410から出力された検知信号を再び取得する(ステップS103)。そのため、制御部420にかかる負荷を抑えることができる。
また、制御部420は、所定数の波数が検知信号に存在すると判定し(ステップS109:YES)、且つ所定数のピークの中で最後に取得したピークが最初に取得したピークの1/2以下であると判定することで(ステップS113:YES)、使用者が所定の距離以上にドップラーセンサ410から遠ざかる動作を判定することができる。これにより、使用者が着座中に様々な方向へ比較的長い時間にわたって動いても、制御部420は、検知信号が離座に近似しない信号であると判定することができる。
一方、所定数のピークの中で最初に取得したピークが最も大きくない場合には(ステップS111:NO)、制御部420は、ドップラーセンサ410から出力された検知信号を再び取得する(ステップS103)。
続いて、所定数のピークの中で最後に取得したピークが最初に取得したピークの1/2以下である場合には(ステップS113:YES)、制御部420は、所定のピークの中の最大値で正規化を行う(ステップS115)。一方、所定数のピークの中で最後に取得したピークが最初に取得したピークの1/2以下ではない場合には(ステップS113:NO)、制御部420は、ドップラーセンサ410から出力された検知信号を再び取得する(ステップS103)。
このように、制御部420は、波形の最初の振幅値から最後の振幅値への減衰率が所定値以下であるか否かを判定することで、使用者がドップラーセンサ410から遠ざかったか否かを判定することができる。なお、図12に表したように、ステップS109〜ステップS113の動作は、図5に関して前述した第1のステップに相当する。
続いて、制御部420は、MT(Mahalanobis Taguchi)法の演算を行う(ステップS117)。続いて、制御部420は、MD(Mahalanobis' Distance)が閾値(第5の閾値)よりも小さいか否かを判定する(ステップS119)。MDが閾値よりも小さい場合には(ステップS119:YES)、制御部420は、使用者が便座200から離座したと判定する(ステップS121)。そして、制御部420は、処理を終了する(ステップS123)。一方、MDが閾値よりも小さくない場合には(ステップS119:NO)、制御部420は、ドップラーセンサ410から出力された検知信号を再び取得する(ステップS103)。
これによれば、制御部420は、波形解析によってより高い精度で離座を判定できる。具体的には、制御部420(離座判定部424)は、第1のステップにおいて抽出した検知信号の波形と、記憶手段427に格納(記憶)された離座波形のサンプルデータと、を比較し、使用者の便座200からの離座を判定できる。なお、図12に表したように、ステップS115〜ステップS121の動作は、図5に関して前述した第2のステップに相当する。
記憶手段427は、使用者が便座200から実際に離座したときにドップラーセンサ410から出力される検知信号の波形をサンプルデータとして記憶することができる。例えば、制御部420(離座判定部424)は、予め記憶手段427に記憶されたサンプルデータに基づいて、離座判定を行う。ここで、制御部420は、使用者が便座200から離座したと判定していないにもかかわらず、所定時間が経過しても検知信号がドップラーセンサ410から出力されない場合には、過去の検知信号の波形を参照することができる。そして、制御部420は、過去の検知信号の波形を参照し、使用者が便座200から実際に離座したと推定できるときの検知信号の波形をサンプルデータとして記憶手段427に格納することができる。つまり、制御部420は、学習機能を有する。これによれば、制御部420は、使用者の動作の癖などを学習し、より高い精度の離座判定を実行することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、ドップラーセンサ410や制御部420や被制御部401などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などやドップラーセンサ410の設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
100 衛生洗浄装置、 200 便座、 300 便蓋、 400 ケーシング、 401 被制御部、 410 ドップラーセンサ、 412、412a、412b アンテナ、 414 送信部、 416 受信部、 418 ミキサ部、 420 制御部、 420a 第1の制御部、 420b 第2の制御部、 421 フィルタ、 422 物理量検出部、 423 判定部、 424 離座判定部、 425 着座判定部、 426 入退室判定部、 427 記憶手段、 428 駆動制御部、 441 便座開閉ユニット、 442 便蓋開閉ユニット、 443 便器洗浄ユニット、 444 脱臭ユニット、 445 温風ユニット、 446 便座暖房ユニット、 473 洗浄ノズル、 474 吐水口、 476 ノズルモータ、 478 ノズル洗浄部、 500 操作部、 800 便器、 801 ボウル、 850 使用者

Claims (6)

  1. 便座と、
    放射した電波の反射波によって被検知体に関する情報を取得するドップラーセンサと、
    前記ドップラーセンサから出力された検知信号に基づいて使用者の前記便座からの離座を判定し制御信号を出力する制御部と、
    前記制御信号に基づいて制御される被制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記検知信号から前記使用者の前記離座を判定できる信号に近似する信号である前記離座に近似する信号を抽出する第1のステップを実行した後、前記抽出した検知信号と、格納した離座波形のサンプルデータと、を波形解析によって比較し前記離座を判定する第2のステップを実行し、
    前記第1のステップは、所定数の波数が前記検知信号に存在するか否かを前記制御部が判定する波数判定ステップを有することを特徴とするトイレ装置。
  2. 前記所定数は、前記使用者が離座動作において前記便座から立ち上がる際に検知信号に生ずる振動の波数に設定されたことを特徴とする請求項記載のトイレ装置。
  3. 前記第1のステップは、前記波数判定ステップにおいて前記所定数の波数が前記検知信号に存在すると前記制御部が判定した場合に、前記所定数の波数を有する波形が減衰しているか否かを前記制御部が判定する減衰率判定ステップをさらに有することを特徴とする請求項1または2に記載のトイレ装置。
  4. 前記制御部は、
    前記第1のステップを実行する前に、前記検知信号の周波数が所定周波数以上であるか否かを判定する周波数判定ステップを実行し、
    前記検知信号の周波数が前記所定周波数未満である場合には、続いて前記第1のステップを実行し、
    前記検知信号の周波数が前記所定周波数以上である場合には、前記第1のステップを実行することなく前記使用者が前記便座から離座したと判定することを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載のトイレ装置。
  5. 前記制御部は、前記使用者が前記便座から実際に離座したときに前記ドップラーセンサから出力される前記検知信号の波形を前記サンプルデータとして記憶することを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載のトイレ装置。
  6. 前記制御部は、
    前記検知信号の振幅の大きさと第1の閾値とを比較し前記使用者のトイレルームへの入室を判定し、
    前記検知信号の振幅の大きさと第2の閾値とを比較し前記使用者の前記便座への着座を判定し、
    前記検知信号の振幅の大きさと第3の閾値とを比較し前記使用者の前記トイレルームからの退室を判定することを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載のトイレ装置。
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