JP5906659B2 - 音響信号に対する妨害信号の埋め込み装置 - Google Patents
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Description
また、本発明第1の態様によれば、第1の周波数範囲より低い第2の周波数範囲を設定し、第1の周波数範囲と同様に周波数成分を変更する処理を行うようにしたので、スピーカから発せられた音を人が聞いた場合には、音脈分凝により互いに補間されるため、雑音は聞こえないが、第2の周波数範囲における上位周波数帯と下位周波数帯の間付近の周波数を録音下限周波数とする録音機器で、スピーカから発せられた音を録音した場合には、第2下位周波数帯のスペクトル集合が欠落し、第2上位周波数帯のスペクトル集合のみとなるため、音脈分凝が働かず平坦化されないため、再生時に1フレームごとに減弱または増強を繰り返す第2上位周波数帯のスペクトル集合による振幅ゆらぎ雑音が妨害音として再生されるため、録音機器の下限周波数側においても原音と同等な品質で再生可能な状態での録音を防止することが可能になる。本発明第2の態様のように、高周波側の第1の周波数範囲と低周波側の第2の周波数範囲において妨害信号を埋め込むことにより、録音後再生した場合に高周波側、低周波側の双方において妨害信号に基づく雑音が発生される。また、録音機器の上限周波数または下限周波数が、高周波側、低周波側のどちらか一方の補間信号まで含んでしまう場合または妨害信号を含まない場合があっても、他方において妨害信号のみを含むような状況になれば、録音した音は正常な複製にはならず、複製を防止することが可能となる。
(1.本発明の基本概念)
最初に、本発明の基本概念について説明しておく。本発明では、違法コピーにおいて利用が想定されるマイクロフォン等の録音機器の感度上限周波数付近または違法コピーにおいて利用が想定される音声・音楽非可逆圧縮ツールの符号化上限周波数付近の所定の周波数範囲に妨害信号を埋め込む。そして、好適な実施形態として、さらにマイクロフォン等の録音機器の感度下限周波数付近の所定の周波数範囲にも妨害信号を埋め込む。
次に、音脈分凝の原理について説明しておく。本発明では、人間の聴覚心理特性である音脈分凝の原理を利用する。音脈分凝とは、時系列に高い音と低い音が交互に進行するパターンに対して、人間が、あたかも高低2つのトラックが連続して流れるように音を補間して聞いてしまう錯覚現象である。
次に、本発明に係る音響信号に対する妨害信号の埋め込み装置について説明する。図4は、本発明に係る音響信号に対する妨害信号の埋め込み装置のハードウェア構成図である。音響信号に対する妨害信号の埋め込み装置は、汎用のコンピュータで実現することができ、図4に示すように、CPU1(CPU: Central Processing Unit)と、コンピュータのメインメモリであるRAM2(RAM: Random Access Memory)と、CPU1が実行するプログラムやデータを記憶するための大容量の記憶装置3(例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ等)と、キーボード、マウス等のキー入力I/F(インターフェース)4と、外部装置(データ記憶媒体等)とデータ通信するためのデータ入出力I/F(インターフェース)5と、表示装置(ディスプレイ)に情報を送出するための表示出力I/F(インターフェース)6と、を備え、互いにバスを介して接続されている。
(2.2.1.周波数変換)
次に、図5に示した音響信号に対する妨害信号の埋め込み装置の処理動作について説明する。音響フレーム読込手段10は、音響信号記憶部61に記憶されたステレオ音響信号の左右の各チャンネルから、それぞれ所定数Nのサンプルを1音響フレームとして読み込む。音響フレーム読込手段10が読み込む1音響フレームのサンプル数Nは、適宜設定することができるが、設定値により妨害雑音の聴取具合、音脈分凝の働き方、埋め込み可能な付加情報の容量、付加情報の抽出精度が変化する。サンプリング周波数が44.1kHzの場合、4096サンプル程度とすると、最も原音に対するダメージを少なくできることが分かっているので、以下この設定値で説明する。(実用的には音脈分凝が最も働きやすい2048サンプルに設定することが多い。)したがって、音響フレーム読込手段10は、左チャンネル、右チャンネルについてそれぞれ4096サンプルずつ、順次音響フレームとして読み込んでいくことになる。
i≦N/8のとき、W(1,i)=0.0
N/8<i≦3N/8のとき、W(1,i)=0.5−0.5cos(4π(i−N/8)/N)
3N/8<i≦11N/16のとき、W(1,i)=1.0
11N/16<i≦13N/16のとき、W(1,i)=0.5+0.5cos(8π(i−11N/16)/N)
i>13N/16のとき、W(1,i)=0.0
i≦3N/16のとき、W(2,i)=0.0
3N/16<i≦5N/16のとき、W(2,i)=0.5−0.5cos(8π(i−3N/16)/N)
5N/16<i≦5N/8のとき、W(2,i)=1.0
5N/8<i≦7N/8のとき、W(2,i)=0.5+0.5cos(4π(i−5N/8)/N)
i>7N/8のとき、W(2,i)=0.0
Al(1,j)=Σi=0,…,N-1W(1,i)・Xl(i)・cos(2πij/N)
Bl(1,j)=Σi=0,…,N-1W(1,i)・Xl(i)・sin(2πij/N)
Ar(1,j)=Σi=0,…,N-1W(1,i)・Xr(i)・cos(2πij/N)
Br(1,j)=Σi=0,…,N-1W(1,i)・Xr(i)・sin(2πij/N)
Al(2,j)=Σi=0,…,N-1W(2,i)・Xl(i+N/2)・cos(2πij/N)
Bl(2,j)=Σi=0,…,N-1W(2,i)・Xl(i+N/2)・sin(2πij/N)
Ar(2,j)=Σi=0,…,N-1W(2,i)・Xr(i+N/2)・cos(2πij/N)
Br(2,j)=Σi=0,…,N-1W(2,i)・Xr(i+N/2)・sin(2πij/N)
同時に付加情報の埋め込みを行う場合には、周波数変換手段20は、周波数変換を実行した後に、各スペクトル集合の平均値が設定値になるように変換する。いわゆる振幅を変換する処理を行う。この振幅変換は、各フレームごとのレベル差を軽減し、適切な情報の埋め込みが可能になるようにすることを目的としているため、設定値Yoとしては適宜設定することができる。逆に、妨害信号の埋め込みのみを行う場合には、原信号へのダメージを大きくするだけのデメリットしかないため、本振幅変換を行わない。
Yl(1)=Yo/[Σj=m,…,M-1{Al(1,j)2+Bl(1,j)2}]1/2
Yl(2)=Yo/[Σj=m,…,M-1{Al(2,j)2+Bl(2,j)2}]1/2
Yr(1)=Yo/[Σj=m,…,M-1{Ar(1,j)2+Br(1,j)2}]1/2
Yr(2)=Yo/[Σj=m,…,M-1{Ar(2,j)2+Br(2,j)2}]1/2
周波数成分変更手段30は、妨害信号を埋め込むため、奇数番目および偶数番目の音響フレームについて、均一な規則で比較的高域に位置する所定周波数成分の強度を変更する処理を行う。
Al´(1,j)←Al(1,j)・γl
Bl´(1,j)←Bl(1,j)・γl
Al´(2,j)←Al(2,j)・γh
Bl´(2,j)←Bl(2,j)・γh
Ar´(1,j)←Ar(1,j)・γl
Br´(1,j)←Br(1,j)・γl
Ar´(2,j)←Ar(2,j)・γh
Br´(2,j)←Br(2,j)・γh
Al´(1,j)←Al(1,j)・γh
Bl´(1,j)←Bl(1,j)・γh
Al´(2,j)←Al(2,j)・γl
Bl´(2,j)←Bl(2,j)・γl
Ar´(1,j)←Ar(1,j)・γh
Br´(1,j)←Br(1,j)・γh
Ar´(2,j)←Ar(2,j)・γl
Br´(2,j)←Br(2,j)・γl
周波数成分変更手段30は、低周波成分にも妨害信号を埋め込むことが可能である。低周波成分に妨害信号を埋め込むためには、上記(2.2.3.高周波成分の変換(音脈分凝))において説明した処理と同様の処理を低周波成分に対して実行し、比較的低域に位置する所定周波数成分の割合を変更する。
他の実施形態として、周波数成分変更手段30は、上記(2.2.4)で説明した音脈分凝に代えて、低周波成分に聴覚マスキングを利用した妨害信号を埋め込むことが可能である。
Zl=[Σj=D2,…,M2-1{Al(1,j)2+Bl(1,j)2}/(M2−D2)]1/2
Zr=[Σj=D2,…,M2-1{Ar(1,j)2+Br(1,j)2}/(M2−D2)]1/2
Al(1,j)≧0の場合、Al´(1,j)←Al(1,j)+γ・Zl
Al(1,j)<0の場合、Al´(1,j)←Al(1,j)−γ・Zl
Bl(1,j)≧0の場合、Bl´(1,j)←Bl(1,j)+γ・Zl
Bl(1,j)<0の場合、Bl´(1,j)←Bl(1,j)−γ・Zl
Ar(1,j)≧0の場合、Ar´(1,j)←Ar(1,j)+γ・Zr
Ar(1,j)<0の場合、Ar´(1,j)←Ar(1,j)−γ・Zr
Br(1,j)≧0の場合、Br´(1,j)←Br(1,j)+γ・Zr
Br(1,j)<0の場合、Br´(1,j)←Br(1,j)−γ・Zr
周波数成分変更手段30は、上記妨害信号の埋め込みに加えて、付加情報を埋め込むことも可能である。付加情報を埋め込む場合、奇数番目の音響フレームについて、ビット配列作成手段70が作成したビット配列に応じて、所定周波数成分の割合を変更する処理を行う。本実施形態では、ビット配列を1ビットずつ読み込み、奇数番目、偶数番目の1対の音響フレームに対して1ビットの情報を埋め込む。埋め込まれる1ビットの値は、“0” “1”の2通りがある。本実施形態では、これらを値1、値2と定義する。2種類の符号を埋め込むことができるという点で、これらを符号1、符号2と表現することも可能である。この際、“0”“1”の2通りのうち、いずれを値1、値2(符号1、符号2)と定義しても良い。抽出側において、埋め込み側で埋め込まれた1ビットが特定できれば良いためである。したがって、この定義は、埋め込み側と抽出側で一致している必要がある。
E1d=Σj=m,…,m+G-1{Al(1,j)2+Bl(1,j)2}
E2d=Σj=m,…,m+G-1{Al(2,j)2+Bl(2,j)2}
E1u=Σj=m+G,…,m+2G-1{Al(1,j)2+Bl(1,j)2}
E2u=Σj=m+G,…,m+2G-1{Al(2,j)2+Bl(2,j)2}
埋め込みデータが値1の場合、ε=(E1d+E2u)/(E1u+E2d)
埋め込みデータが値2の場合、ε=(E1u+E2d)/(E1d+E2u)
ε<1.0の場合、α´=α・ε-1/2、β´=β・ε1/2
ε≧1.0の場合、α´=α・ε1/2、β´=β・ε-1/2
j=m〜m+G−1の各成分に対して
E(1,j)={Al(1,j)2+Bl(1,j)2+Ar(1,j)2+Br(1,j)2}1/2
Al´(1,j)=Al(1,j)・E(1,j)・α/{Al(1,j)2+Bl(1,j)2}1/2
Bl´(1,j)=Bl(1,j)・E(1,j)・α/{Al(1,j)2+Bl(1,j)2}1/2
Ar´(1,j)=Ar(1,j)・E(1,j)・α/{Ar(1,j)2+Br(1,j)2}1/2
Br´(1,j)=Br(1,j)・E(1,j)・α/{Ar(1,j)2+Br(1,j)2}1/2
E(2,j)={Al(2,j)2+Bl(2,j)2+Ar(2,j)2+Br(2,j)2}1/2
Al´(2,j)=Al(2,j)・E(2,j)・β/{Al(2,j)2+Bl(2,j)2}1/2
Bl´(2,j)=Bl(2,j)・E(2,j)・β/{Al(2,j)2+Bl(2,j)2}1/2
Ar´(2,j)=Ar(2,j)・E(2,j)・β/{Ar(2,j)2+Br(2,j)2}1/2
Br´(2,j)=Br(2,j)・E(2,j)・β/{Ar(2,j)2+Br(2,j)2}1/2
j=m+G〜m+2G−1の各成分に対して
E(1,j)={Al(1,j)2+Bl(1,j)2+Ar(1,j)2+Br(1,j)2}1/2
Al´(1,j)=Al(1,j)・E(1,j)・β/{Al(1,j)2+Bl(1,j)2}1/2
Bl´(1,j)=Bl(1,j)・E(1,j)・β/{Al(1,j)2+Bl(1,j)2}1/2
Ar´(1,j)=Ar(1,j)・E(1,j)・β/{Ar(1,j)2+Br(1,j)2}1/2
Br´(1,j)=Br(1,j)・E(1,j)・β/{Ar(1,j)2+Br(1,j)2}1/2
E(2,j)={Al(2,j)2+Bl(2,j)2+Ar(2,j)2+Br(2,j)2}1/2
Al´(2,j)=Al(2,j)・E(2,j)・α/{Al(2,j)2+Bl(2,j)2}1/2
Bl´(2,j)=Bl(2,j)・E(2,j)・α/{Al(2,j)2+Bl(2,j)2}1/2
Ar´(2,j)=Ar(2,j)・E(2,j)・α/{Ar(2,j)2+Br(2,j)2}1/2
Br´(2,j)=Br(2,j)・E(2,j)・α/{Ar(2,j)2+Br(2,j)2}1/2
j=m〜m+G−1の各成分に対して
E(1,j)={Al(1,j)2+Bl(1,j)2+Ar(1,j)2+Br(1,j)2}1/2
Al´(1,j)=Al(1,j)・E(1,j)・β/{Al(1,j)2+Bl(1,j)2}1/2
Bl´(1,j)=Bl(1,j)・E(1,j)・β/{Al(1,j)2+Bl(1,j)2}1/2
Ar´(1,j)=Ar(1,j)・E(1,j)・β/{Ar(1,j)2+Br(1,j)2}1/2
Br´(1,j)=Br(1,j)・E(1,j)・β/{Ar(1,j)2+Br(1,j)2}1/2
E(2,j)={Al(2,j)2+Bl(2,j)2+Ar(2,j)2+Br(2,j)2}1/2
Al´(2,j)=Al(2,j)・E(2,j)・α/{Al(2,j)2+Bl(2,j)2}1/2
Bl´(2,j)=Bl(2,j)・E(2,j)・α/{Al(2,j)2+Bl(2,j)2}1/2
Ar´(2,j)=Ar(2,j)・E(2,j)・α/{Ar(2,j)2+Br(2,j)2}1/2
Br´(2,j)=Br(2,j)・E(2,j)・α/{Ar(2,j)2+Br(2,j)2}1/2
j=m+G〜m+2G−1の各成分に対して
E(1,j)={Al(1,j)2+Bl(1,j)2+Ar(1,j)2+Br(1,j)2}1/2
Al´(1,j)=Al(1,j)・E(1,j)・α/{Al(1,j)2+Bl(1,j)2}1/2
Bl´(1,j)=Bl(1,j)・E(1,j)・α/{Al(1,j)2+Bl(1,j)2}1/2
Ar´(1,j)=Ar(1,j)・E(1,j)・α/{Ar(1,j)2+Br(1,j)2}1/2
Br´(1,j)=Br(1,j)・E(1,j)・α/{Ar(1,j)2+Br(1,j)2}1/2
E(2,j)={Al(2,j)2+Bl(2,j)2+Ar(2,j)2+Br(2,j)2}1/2
Al´(2,j)=Al(2,j)・E(2,j)・β/{Al(2,j)2+Bl(2,j)2}1/2
Bl´(2,j)=Bl(2,j)・E(2,j)・β/{Al(2,j)2+Bl(2,j)2}1/2
Ar´(2,j)=Ar(2,j)・E(2,j)・β/{Ar(2,j)2+Br(2,j)2}1/2
Br´(2,j)=Br(2,j)・E(2,j)・β/{Ar(2,j)2+Br(2,j)2}1/2
図11に、本実施形態による奇数番目、偶数番目のLチャンネル1音響フレームの所定周波数成分の状態を示す。Rチャンネルについては、Lチャンネルと同様であるので省略してある。図11に示す各音響フレームにおいて、横軸は時間方向、縦軸は周波数方向を示している。
E1D1=Σj=m,…,m+G-1{Al(1,j)2+Bl(1,j)2}
E2D1=Σj=m,…,m+G-1{Al(2,j)2+Bl(2,j)2}
E1D2=Σj=m+G,…,m+2G-1{Al(1,j)2+Bl(1,j)2}
E2D2=Σj=m+G,…,m+2G-1{Al(2,j)2+Bl(2,j)2}
E1U1=Σj=m+2G,…,m+2G+Gu-1{Al(1,j)2+Bl(1,j)2}
E2U1=Σj=m+2G,…,m+2G+Gu-1{Al(2,j)2+Bl(2,j)2}
E1U2=Σj=m+2G+Gu,…,m+2G+2Gu-1{Al(1,j)2+Bl(1,j)2}
E2U2=Σj=m+2G+Gu,…,m+2G+2Gu-1{Al(2,j)2+Bl(2,j)2}
埋め込みデータが値1の場合、ε=(E1D1・E1U1・E2D2・E2U2)/(E1D2・E1U2・E2D1・E2U1)
埋め込みデータが値2の場合、ε=(E1D2・E1U2・E2D1・E2U1)/(E1D1・E1U1・E2D2・E2U2)
0.01≦ε<1.0の場合、α´=α・ε-1/4、β´=β・ε1/4
ε<0.01の場合、α´=10.0・α、β´=0.1・β
ε≧1.0の場合、補正を行わない。
第1埋め込みデータが値1の場合、ε1=(E1D1・E2D2)/(E1D2・E2D1)
第1埋め込みデータが値2の場合、ε1=(E1D2・E2D1)/(E1D1・E2D2)
第2埋め込みデータが値1の場合、ε2=(E1U1・E2U2)/(E1U2・E2U1)
第2埋め込みデータが値2の場合、ε2=(E1U2・E2U1)/(E1U1・E2U2)
0.01≦ε1<1.0の場合、α1´=α・ε1 -1/2、β1´=β・ε1 1/2
ε<0.01の場合、α1´=10.0・α、β1´=0.1・β
ε≧1.0の場合、補正を行わない。
0.01≦ε2<1.0の場合、α2´=α・ε2 -1/2、β2´=β・ε2 1/2
ε<0.01の場合、α2´=10.0・α、β2´=0.1・β
ε≧1.0の場合、補正を行わない。
j=m〜m+G−1の各成分に対して
E(1,j)={Al(1,j)2+Bl(1,j)2+Ar(1,j)2+Br(1,j)2}1/2
Al´(1,j)=Al(1,j)・E(1,j)・α1/{Al(1,j)2+Bl(1,j)2}1/2
Bl´(1,j)=Bl(1,j)・E(1,j)・α1/{Al(1,j)2+Bl(1,j)2}1/2
Ar´(1,j)=Ar(1,j)・E(1,j)・α1/{Ar(1,j)2+Br(1,j)2}1/2
Br´(1,j)=Br(1,j)・E(1,j)・α1/{Ar(1,j)2+Br(1,j)2}1/2
E(2,j)={Al(2,j)2+Bl(2,j)2+Ar(2,j)2+Br(2,j)2}1/2
Al´(2,j)=Al(2,j)・E(2,j)・β1/{Al(2,j)2+Bl(2,j)2}1/2
Bl´(2,j)=Bl(2,j)・E(2,j)・β1/{Al(2,j)2+Bl(2,j)2}1/2
Ar´(2,j)=Ar(2,j)・E(2,j)・β1/{Ar(2,j)2+Br(2,j)2}1/2
Br´(2,j)=Br(2,j)・E(2,j)・β1/{Ar(2,j)2+Br(2,j)2}1/2
j=m+G〜m+2G−1の各成分に対して
E(1,j)={Al(1,j)2+Bl(1,j)2+Ar(1,j)2+Br(1,j)2}1/2
Al´(1,j)=Al(1,j)・E(1,j)・β1/{Al(1,j)2+Bl(1,j)2}1/2
Bl´(1,j)=Bl(1,j)・E(1,j)・β1/{Al(1,j)2+Bl(1,j)2}1/2
Ar´(1,j)=Ar(1,j)・E(1,j)・β1/{Ar(1,j)2+Br(1,j)2}1/2
Br´(1,j)=Br(1,j)・E(1,j)・β1/{Ar(1,j)2+Br(1,j)2}1/2
E(2,j)={Al(2,j)2+Bl(2,j)2+Ar(2,j)2+Br(2,j)2}1/2
Al´(2,j)=Al(2,j)・E(2,j)・α1/{Al(2,j)2+Bl(2,j)2}1/2
Bl´(2,j)=Bl(2,j)・E(2,j)・α1/{Al(2,j)2+Bl(2,j)2}1/2
Ar´(2,j)=Ar(2,j)・E(2,j)・α1/{Ar(2,j)2+Br(2,j)2}1/2
Br´(2,j)=Br(2,j)・E(2,j)・α1/{Ar(2,j)2+Br(2,j)2}1/2
j=m+2G〜m+2G+Gu−1の各成分に対して
E(1,j)={Al(1,j)2+Bl(1,j)2+Ar(1,j)2+Br(1,j)2}1/2
Al´(1,j)=Al(1,j)・E(1,j)・α2/{Al(1,j)2+Bl(1,j)2}1/2
Bl´(1,j)=Bl(1,j)・E(1,j)・α2/{Al(1,j)2+Bl(1,j)2}1/2
Ar´(1,j)=Ar(1,j)・E(1,j)・α2/{Ar(1,j)2+Br(1,j)2}1/2
Br´(1,j)=Br(1,j)・E(1,j)・α2/{Ar(1,j)2+Br(1,j)2}1/2
E(2,j)={Al(2,j)2+Bl(2,j)2+Ar(2,j)2+Br(2,j)2}1/2
Al´(2,j)=Al(2,j)・E(2,j)・β2/{Al(2,j)2+Bl(2,j)2}1/2
Bl´(2,j)=Bl(2,j)・E(2,j)・β2/{Al(2,j)2+Bl(2,j)2}1/2
Ar´(2,j)=Ar(2,j)・E(2,j)・β2/{Ar(2,j)2+Br(2,j)2}1/2
Br´(2,j)=Br(2,j)・E(2,j)・β2/{Ar(2,j)2+Br(2,j)2}1/2
j=m+2G+Gu〜M−1の各成分に対して
E(1,j)={Al(1,j)2+Bl(1,j)2+Ar(1,j)2+Br(1,j)2}1/2
Al´(1,j)=Al(1,j)・E(1,j)・β2/{Al(1,j)2+Bl(1,j)2}1/2
Bl´(1,j)=Bl(1,j)・E(1,j)・β2/{Al(1,j)2+Bl(1,j)2}1/2
Ar´(1,j)=Ar(1,j)・E(1,j)・β2/{Ar(1,j)2+Br(1,j)2}1/2
Br´(1,j)=Br(1,j)・E(1,j)・β2/{Ar(1,j)2+Br(1,j)2}1/2
E(2,j)={Al(2,j)2+Bl(2,j)2+Ar(2,j)2+Br(2,j)2}1/2
Al´(2,j)=Al(2,j)・E(2,j)・α2/{Al(2,j)2+Bl(2,j)2}1/2
Bl´(2,j)=Bl(2,j)・E(2,j)・α2/{Al(2,j)2+Bl(2,j)2}1/2
Ar´(2,j)=Ar(2,j)・E(2,j)・α2/{Ar(2,j)2+Br(2,j)2}1/2
Br´(2,j)=Br(2,j)・E(2,j)・α2/{Ar(2,j)2+Br(2,j)2}1/2
周波数逆変換手段40は、上記のようにして、妨害信号、付加情報を埋め込むために周波数成分の状態が変更されたフレームスペクトルを周波数逆変換して改変音響フレームを得る処理を行う。この周波数逆変換は、当然のことながら、周波数変換手段20が実行した手法に対応していることが必要となる。本実施形態では、周波数変換手段20において、フーリエ変換を施しているため、周波数逆変換手段40は、フーリエ逆変換を実行することになる。
Xl´(i)=1/N・{ΣjAl´(1,j)・cos(2πij/N)/Yl(1)−ΣjBl´(1,j)・sin(2πij/N)/Yl(1)}+Xlp(i+N/2)
Xr´(i)=1/N・{ΣjAr´(1,j)・cos(2πij/N)/Yr(1)−ΣjBr´(1,j)・sin(2πij/N)/Yr(1)}+Xrp(i+N/2)
Xl´(i+N/2)=1/N・{ΣjAl´(2,j)・cos(2πij/N)/Yl(2)−ΣjBl´(2,j)・sin(2πij/N)/Yl(2)}+Xlp(i+N)
Xr´(i+N/2)=1/N・{ΣjAr´(2,j)・cos(2πij/N)/Yr(2)−ΣjBr´(2,j)・sin(2πij/N)/Yr(2)}+Xrp(i+N)
次に、図5に示した音響信号に対する情報の埋め込み装置の処理の全体的な流れを、図12のフローチャートに従って説明する。図5に示した装置を構成する各構成要素は、連携して図12に従った処理を実行する。図12は、付加情報1ワード分の処理に対応したものとなっている。1ワードのビット数Nwとしては、任意のビット数に設定することができるが、上述のように、本実施形態では、ASCIIコードの実質7ビットに設定されている。
また、ビデオカメラやボイスレコーダで記録される際に、MPEGなど公知の音声または音楽非可逆圧縮が施されることが多い。妨害信号、補間信号が埋め込まれた音響信号に対して、音声または音楽非可逆圧縮を施すと、圧縮仕様によっては、第1の周波数範囲の上位側の成分が符号化対象にならず完全に削除されることが多く、更に第2の周波数範囲の下位側の成分も符号化対象にならず削除されることがある。(例えば、MPEG−1/Layer3方式では、24または32kHzで再サンプリングされるため、12kHzまたは16kHz以上の成分は完全に削除される。更に3GPP音声圧縮モードでは、8kHzで再サンプリングされるため、4kHz以上の成分は完全に削除されるとともに、300Hz以下の成分も削除される。)そのため、たとえマイクロフォンの感度領域が広帯域であっても、符号化・記録の段階で同様に帯域圧縮がなされ、記録された音響信号を再生すると、妨害音が聞こえることになり、同様に複製品を商品(海賊版)として出荷することは困難になる。
ここで、妨害信号の埋め込みによる音のパターンの変化と、妨害信号が埋め込まれた音響信号の再生音を録音した場合に得られる音について説明する。図13は、第1の周波数範囲に音脈分凝、第2の周波数範囲に聴覚マスキングに対応した妨害信号の埋め込みを行った場合の周波数成分の変化の様子を概念的に示した図である。
以上、本発明の好適な実施形態について限定したが、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、第3の周波数範囲に付加情報を埋め込むようにしたが、これは必須の処理ではない。第1の周波数範囲に音脈分凝に対応した妨害信号および補間信号を埋め込むだけでも、一般的な録音機器の感度領域の上限に埋め込まれた妨害信号により複製という意味での録音を防止することができる。また、第2の周波数範囲に聴覚マスキングに対応した妨害信号を埋め込むだけでも、一般的な録音機器の感度領域の下限に埋め込まれた妨害信号により複製という意味での録音を防止することができる。第1の周波数範囲に妨害信号および補間信号を埋め込み、第2の周波数範囲に妨害信号および補間信号(聴覚マスキングの場合は妨害信号のみ)を埋め込んだ場合は、一般的な録音機器の感度領域の上限および下限に埋め込まれた妨害信号により複製という意味での録音を防止することができる。第3の周波数範囲に付加情報を埋め込む場合、同時に著作権者情報を抽出することができ、万が一、第1の周波数範囲および第2の周波数範囲を完全に削除するような改変が行われても、コピー元を追跡することが可能となる。
20・・・周波数変換手段
30・・・周波数成分変更手段
40・・・周波数逆変換手段
50・・・改変音響フレーム出力手段
60・・・記憶手段
61・・・音響信号記憶部
62・・・付加情報記憶部
63・・・改変音響信号記憶部
70・・・ビット配列作成手段
Claims (11)
- 時系列のサンプル列で構成される音響信号に対して、雑音を発する妨害信号および当該妨害信号による雑音を打ち消す補間信号を聴取不能な状態で埋め込み、埋め込まれた音響信号に対して周波数帯域幅を狭めて取得された場合に、前記埋め込まれた補間信号が欠落することにより、前記埋め込まれた妨害信号が聴取可能になるように埋め込む装置であって、
前記音響信号より、所定数のサンプルを1つの音響フレームとして読み込む音響フレーム読込手段と、
前記読み込んだ音響フレームのうち、奇数番目および偶数番目の双方の音響フレームに対して所定の窓関数を用いて周波数変換を行い、複素周波数成分である奇数窓スペクトルおよび偶数窓スペクトルを得る周波数変換手段と、
前記生成された各奇数窓スペクトルおよび偶数窓スペクトルの第1の周波数範囲における互いに重複しない2つの周波数帯である第1上位周波数帯、第1下位周波数帯から、スペクトル集合を各々抽出し、奇数窓スペクトルの第1下位周波数帯に対応する第1下位奇数スペクトル集合と、偶数窓スペクトルの第1上位周波数帯に対応する第1上位偶数スペクトル集合を1つの組、奇数窓スペクトルの第1上位周波数帯に対応する第1上位奇数スペクトル集合と、偶数窓スペクトルの第1下位周波数帯に対応する第1下位偶数スペクトル集合を1つの組とし、一方の組の各スペクトル集合の強度を減弱させるように所定の1未満の係数を乗算するとともに、他方の組の各スペクトル集合の強度を増強させるように所定の1以上の係数を乗算することにより、第1上位奇数スペクトル集合、第1下位奇数スペクトル集合、第1上位偶数スペクトル集合、第1下位偶数スペクトル集合の各強度を変更するとともに、前記生成された各奇数窓スペクトルおよび偶数窓スペクトルにおける、前記第1の周波数範囲より低い第2の周波数範囲において互いに重複しない2つの周波数帯である第2上位周波数帯、第2下位周波数帯から、スペクトル集合を各々抽出し、奇数窓スペクトルの第2下位周波数帯に対応する第2下位奇数スペクトル集合と、偶数窓スペクトルの第2上位周波数帯に対応する第2上位偶数スペクトル集合を1つの組、奇数窓スペクトルの第2上位周波数帯に対応する第2上位奇数スペクトル集合と、偶数窓スペクトルの第2下位周波数帯に対応する第2下位偶数スペクトル集合を1つの組とし、一方の組の各スペクトル集合の強度を減弱させるように所定の1未満の係数を乗算するとともに、他方の組の各スペクトル集合の強度を増強させるように所定の1以上の係数を乗算することにより、第2上位奇数スペクトル集合、第2下位奇数スペクトル集合、第2上位偶数スペクトル集合、第2下位偶数スペクトル集合の各強度を変更する周波数成分変更手段と、
前記周波数成分が変更された第1上位奇数スペクトル集合、第1下位奇数スペクトル集合、第2上位奇数スペクトル集合、第2下位奇数スペクトル集合を含む各奇数窓スペクトル、および前記周波数成分が変更された上位第1偶数スペクトル集合、第1下位偶数スペクトル集合、第2上位偶数スペクトル集合、第2下位偶数スペクトル集合を含む各偶数窓スペクトルに対して周波数逆変換を行って、改変音響フレームを生成する周波数逆変換手段と、
前記生成された改変音響フレームを順次出力する改変音響フレーム出力手段と、を有し、
前記第1上位周波数帯が、スピーカにより出力可能であって、マイクロフォン入力や音声圧縮処理により、前記第1下位周波数帯に比べて減衰する範囲に設定され、前記第2下位周波数帯が、スピーカにより出力可能であって、マイクロフォン入力や音声圧縮処理により、前記第2上位周波数帯に比べて減衰する周波数範囲に設定されることを特徴とする音響信号に対する妨害信号の埋め込み装置。 - 請求項1において、
前記第1上位周波数帯と第1下位周波数帯の境界は11kHz〜13kHzの範囲で設定され、前記第2上位周波数帯と第2下位周波数帯の境界は150Hz〜350Hzの範囲で設定されることを特徴とする音響信号に対する妨害信号の埋め込み装置。 - 時系列のサンプル列で構成される音響信号に対して、雑音を発する妨害信号および当該妨害信号による雑音を打ち消す補間信号を聴取不能な状態で埋め込み、埋め込まれた音響信号に対して周波数帯域幅を狭めて取得された場合に、前記埋め込まれた補間信号が欠落することにより、前記埋め込まれた妨害信号が聴取可能になるように埋め込む装置であって、
前記音響信号より、所定数のサンプルを1つの音響フレームとして読み込む音響フレーム読込手段と、
前記読み込んだ音響フレームのうち、奇数番目および偶数番目の双方の音響フレームに対して所定の窓関数を用いて周波数変換を行い、複素周波数成分である奇数窓スペクトルおよび偶数窓スペクトルを得る周波数変換手段と、
前記生成された各奇数窓スペクトルおよび偶数窓スペクトルの第1の周波数範囲における互いに重複しない2つの周波数帯である第1上位周波数帯、第1下位周波数帯から、スペクトル集合を各々抽出し、奇数窓スペクトルの第1下位周波数帯に対応する第1下位奇数スペクトル集合と、偶数窓スペクトルの第1上位周波数帯に対応する第1上位偶数スペクトル集合を1つの組、奇数窓スペクトルの第1上位周波数帯に対応する第1上位奇数スペクトル集合と、偶数窓スペクトルの第1下位周波数帯に対応する第1下位偶数スペクトル集合を1つの組とし、一方の組の各スペクトル集合の強度を減弱させるように所定の1未満の係数を乗算するとともに、他方の組の各スペクトル集合の強度を増強させるように所定の1以上の係数を乗算することにより、第1上位奇数スペクトル集合、第1下位奇数スペクトル集合、第1上位偶数スペクトル集合、第1下位偶数スペクトル集合の各強度を変更するとともに、前記生成された各奇数窓スペクトル、偶数窓スペクトルのいずれか一方における、前記第1の周波数範囲より低い第2の周波数範囲において互いに重複しない2つの周波数帯である第2上位周波数帯、第2下位周波数帯から、スペクトル集合を各々抽出し、第2下位周波数帯に対応する第2下位スペクトル集合の各周波数成分の平均強度に所定の係数γを乗じたものを、第2上位周波数帯に対応する第2上位スペクトル集合の各周波数成分の強度に加算することにより、第2上位スペクトル集合の強度を変更する周波数成分変更手段と、
前記周波数成分が変更された第1上位奇数スペクトル集合、第1下位奇数スペクトル集合を含む各奇数窓スペクトル、および前記周波数成分が変更された第1上位偶数スペクトル集合、第1下位偶数スペクトル集合を含む各偶数窓スペクトルに対して周波数逆変換を行って、改変音響フレームを生成する周波数逆変換手段と、
前記生成された改変音響フレームを順次出力する改変音響フレーム出力手段と、
を有することを特徴とする音響信号に対する妨害信号の埋め込み装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項において、
前記音響信号に対して、さらに付加情報を聴取不能な状態で埋め込む装置であって、
前記周波数変換手段は、前記所定の窓関数として互いに異なる第1窓関数と第2窓関数を用い、奇数番目および偶数番目の音響フレームの一方に対しては第1窓関数を用いて周波数変換を行い、他方に対しては第2窓関数を用いて周波数変換を行うものであり、
前記周波数成分変更手段は、前記生成された各奇数窓スペクトルおよび偶数窓スペクトルにおける、前記第1の周波数範囲、前記第2の周波数範囲のいずれとも重複しない第3の周波数範囲において互いに重複しない2つの周波数帯である第3上位周波数帯、第3下位周波数帯から、スペクトル集合を各々抽出し、奇数窓スペクトルの第3下位周波数帯に対応する第3下位奇数スペクトル集合と、偶数窓スペクトルの第3上位周波数帯に対応する第3上位偶数スペクトル集合を1つの組、奇数窓スペクトルの第3上位周波数帯に対応する第3上位奇数スペクトル集合と、偶数窓スペクトルの第3下位周波数帯に対応する第3下位偶数スペクトル集合を1つの組とし、埋め込むべきビット配列に基づいて、一方の組の各スペクトル集合の強度に対して相対的に大きい係数を乗じ、他方の組の各スペクトル集合の強度に対して相対的に小さい係数を乗じて、第3上位奇数スペクトル集合、第3下位奇数スペクトル集合、第3上位偶数スペクトル集合、第3下位偶数スペクトル集合の各強度を変更するものであることを特徴とする音響信号に対する妨害信号の埋め込み装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項において、
前記音響信号に対して、さらに付加情報を聴取不能な状態で埋め込む装置であって、
前記周波数変換手段は、前記所定の窓関数として互いに異なる第1窓関数と第2窓関数を用い、奇数番目および偶数番目の音響フレームの一方に対しては第1窓関数を用いて周波数変換を行い、他方に対しては第2窓関数を用いて周波数変換を行うものであり、
前記周波数成分変更手段は、前記生成された各奇数窓スペクトルおよび偶数窓スペクトルにおける、前記第1の周波数範囲、前記第2の周波数範囲のいずれとも重複しない第3の周波数範囲において互いに重複しない4つの周波数帯である最上位周波数帯、中上位周波数帯、中下位周波数帯、最下位周波数帯から、スペクトル集合を各々抽出し、中上位周波数帯以上においては、奇数窓スペクトルの中上位周波数帯に対応する中上位奇数スペクトル集合と、偶数窓スペクトルの最上位周波数帯に対応する最上位偶数スペクトル集合を1つの組、奇数窓スペクトルの最上位周波数帯に対応する最上位奇数スペクトル集合と、偶数窓スペクトルの中上位周波数帯に対応する中上位偶数スペクトル集合を1つの組とし、一方の組の各スペクトル集合の強度に対して相対的に大きい係数を乗じ、他方の組の各スペクトル集合の強度に対して相対的に小さい係数を乗じて、最上位奇数スペクトル集合、中上位奇数スペクトル集合、最上位偶数スペクトル集合、中上位偶数スペクトル集合の各強度を変更し、中下位周波数帯以下においては、奇数窓スペクトルの最下位周波数帯に対応する最下位奇数スペクトル集合と、偶数窓スペクトルの中下位周波数帯に対応する中下位偶数スペクトル集合を1つの組、奇数窓スペクトルの中下位周波数帯に対応する中下位奇数スペクトル集合と、偶数窓スペクトルの最下位周波数帯に対応する最下位偶数スペクトル集合を1つの組とし、一方の組の各スペクトル集合の強度に対して相対的に大きい係数を乗じ、他方の組の各スペクトル集合の強度に対して相対的に小さい係数を乗じて、中下位奇数スペクトル集合、最下位奇数スペクトル集合、中下位偶数スペクトル集合、最下位偶数スペクトル集合の各強度を変更するものであることを特徴とする音響信号に対する妨害信号の埋め込み装置。 - 請求項4または請求項5において、
前記第3の周波数範囲は850Hzから3.4kHzであり、スピーカにより出力可能であって、マイクロフォン入力や音声圧縮処理により減衰の少ない範囲に設定されていることを特徴とする音響信号に対する妨害信号の埋め込み装置。 - 請求項4または請求項5において、
前記第1窓関数および第2窓関数は、前記1つの音響フレームのサンプル数をNとして、サンプル位置i(0≦i≦N−1)におけるにおける重みW(i)(0≦W(i)≦1)が、W(i)=0.5−0.5cos(2πi/N)で定義されるハニング窓関数を時間軸方向の中心N/2から非対称に2分割したものであり、前記第1窓関数は、前半分(0≦i≦N/2−1)に重みの最大値が存在し、前記第2窓関数は、後半分(N/2≦i≦N−1)に重みの最大値があることを特徴とする音響信号に対する妨害信号の埋め込み装置。 - 請求項1から請求項7のいずれか一項において、
前記第2の周波数範囲は20Hzから600Hzであり、
前記第2下位周波数帯が、スピーカにより出力可能であって、マイクロフォン入力や音声圧縮処理により、前記第2上位周波数帯に比べて顕著に減衰する範囲に設定されることを特徴とする音響信号に対する妨害信号の埋め込み装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項において、
前記所定の窓関数は、前記1つの音響フレームのサンプル数をNとして、サンプル位置i(0≦i≦N−1)における重みW(i)(0≦W(i)≦1)が、W(i)=0.5−0.5cos(2πi/N)で定義されるハニング窓関数であることを特徴とする音響信号に対する妨害信号の埋め込み装置。 - 請求項1から請求項9のいずれか一項において、
前記第1の周波数範囲は4kHzから18kHzであり、
前記第1上位周波数帯が、スピーカにより出力可能であって、マイクロフォン入力や音声圧縮処理により、前記第1下位周波数帯に比べて顕著に減衰する範囲に設定されることを特徴とする音響信号に対する妨害信号の埋め込み装置。 - 請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の音響信号に対する妨害信号の埋め込み装置として、コンピュータを機能させるためのプログラム。
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