JP5906139B2 - 補正装置、そのプログラム及び立体撮像システム - Google Patents

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Description

本発明は、インテグラルフォトグラフィー方式において、撮像画像の色ずれを補正する補正装置、そのプログラム及び立体撮像システムに関する。
撮像装置(カメラ)における撮像用レンズの色収差による歪みを含めた幾何学歪みを補正する技術として、白黒パターンが規則正しく並んだ測定用パターン(例えば、チェスボードパターン)や、規則正しい間隔で表示された格子状の測定用パターンを用いる手法が提案されている(非特許文献1)。
この非特許文献1に記載の技術は、白黒パターンの頂点が隣接する点又は格子の交点を測定ポイントとし、撮像用レンズの中心から端までの範囲をRGBの各撮像素子によって撮像し、各測定ポイントが直線状に配置されるように撮像装置の幾何学歪みを補正するものである。
また、複数の撮像装置を用いる場合において、被写体の中から既知の3次元自然特徴点を抽出し、それらが一致するようにキャリブレーションを行う手法が提案されている(非特許文献2)。
要するに、非特許文献1,2に記載の技術では、既知のパターンを用いて、色収差による歪みを含む幾何学歪みの補正を行なっている。
ここで、撮像装置における色収差は、ズームやアイリスなどのレンズパラメータに応じて変化する。このため、レンズパラメータに応じて変化する倍率色収差の補正パラメータを事前に求め、信号処理による色収差補正を行う技術が提案されている(非特許文献3)。
近年、立体表示装置及び立体撮像装置の研究開発が進み、特殊なメガネを用いなくても観察者に立体像を視認させることが可能なインテグラルフォトグラフィー(以下、「IP」)が注目されている。このIPでは、撮像部において、凹レンズ又は凸レンズを並べたレンズアレイを用いて、被写体からの光線を(撮像素子)で記録する。また、IPでは、表示部において、レンズアレイを用いて、撮像部で記録した被写体からの光線を再生する。
ここで、光学系における色収差歪み及び幾何学歪みは、位置ずれの要因の一つであることから、色収差及び幾何学歪みによる再生立体像の劣化は大きくなる。そこで、IPにおいても、立体撮像装置の位置ずれを補正する様々な技術が提案されている(特許文献1)。
特許文献1に記載の発明は、撮像系レンズアレイと表示系レンズアレイとの間に位置誤差が生じている場合、撮像系レンズアレイ及び表示系レンズアレイにおける各要素レンズの位置を検出して、立体撮像装置で撮像された撮像画像の各要素画像の位置を、表示系の複眼レンズの要素レンズの位置に適合させるように補正するものである。
特開2004−336239号公報
「A flexible new technique for camera calibration」,http://opencv.jp/sample/camera_calibration.html,IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence,22(11),1330-1334,2000. 「Multiframe Image Point Matching and 3-D Surface Reconstruction.」,R.Y.Tsai.,IEEE Trans. on PAMI,5(2),159〜173,1983. 「信号処理による色収差補正における補正データ生成に関する検討」,山下、船津、三谷、野尻、中須,2010年電子情報通信学会総合大会,D−11−110
前記した従来技術には、以下で説明するような問題がある。
非特許文献1,2に記載の技術は、IPに適用した場合、既知の測定用パターンをレンズアレイの被写体側に配置する必要があるので、撮像面上ではレンズアレイ越しに既知の測定用パターンを撮像することになる。この場合、非特許文献1,2に記載の技術では、立体撮像装置での取得画像が歪んで既知の測定用パターンと異なる画像になるため、IPにおいて、色ずれを補正することが困難である。
なお、色ずれとは、3原色の間で表示位置がずれることであり、色収差による歪みと同じ意味である。
また、非特許文献3に記載された技術は、レンズパラメータごとに補正パラメータを取得する。そして、非特許文献3に記載された技術は、補正パラメータのないレンズパラメータの場合、そのレンズパラメータに対応する補正パラメータを、既に取得した前後の補正パラメータから補間する。しかし、IPでは、レンズアレイ及び集光レンズがカメラと一体化(固着)していないため、レンズアレイ、集光レンズ及びカメラの相対位置は、不規則に変化する。このため、非特許文献3に記載された技術は、IPに適した手法と言えるものではない。
また、特許文献1に記載の発明では、撮像及び表示の光学系が一致していると仮定し、撮像系レンズアレイの製造上の位置と表示系レンズアレイの製造上の位置との誤差を補正することを目的としており、色ずれが一切考慮されていない。
本発明は、前記した問題を解決し、IPにおいて、色ずれが原因となる撮像画像の画質劣化を抑制できる補正装置、そのプログラム及び立体撮像システムを提供することを課題とする。
前記した課題に鑑みて、本願第1発明に係る補正装置は、要素レンズが2次元状に配置されたレンズアレイと、撮像装置とを少なくとも含むインテグラルフォトグラフィー方式の立体撮像システムで撮像された撮像画像の色ずれを補正する補正装置であって、補正手段と、信号変換手段と、エンハンス量算出手段と、エンハンス処理手段と、信号逆変換手段と、を備えることを特徴とする。
かかる構成によれば、補正装置は、補正手段によって、撮像装置から入力された撮像画像の色収差による歪みを補正する。例えば、補正手段は、要素レンズの位置を3原色の画像間で一致させる補正データを算出し、算出した補正データに基づいて、3原色の撮像画像の色収差による歪みを補正する。しかし、この補正手段で補正された撮像画像には、色ずれが残っていることが多い。
そこで、補正装置は、信号変換手段によって、予め設定された変換式に基づいて、補正手段で補正された撮像画像のRGB信号を輝度信号及び色差信号に変換する。また、撮像画像は、エンハンス量算出手段によって、信号変換手段で変換された撮像画像の輝度信号において、予め設定されたエンハンス周波数領域の成分に所定のエンハンス係数を乗じることで、輝度信号の加算量であるエンハンス量を算出する。そして、補正装置は、エンハンス処理手段によって、エンハンス量算出手段で算出されたエンハンス量と撮像画像の輝度信号とを加算するエンハンス処理を行う。このように、エンハンス処理手段は、色ずれが原因で低下した輝度信号の高域周波数(エンハンス周波数)領域の成分を補う。
また、補正装置は、信号逆変換手段によって、予め設定された逆変換式に基づいて、信号変換手段で変換された撮像画像の色差信号及び前記エンハンス処理された撮像画像の輝度信号をRGB信号に逆変換することで、色ずれが補正された撮像画像を生成する。
また、本願第2発明に係る補正装置は、撮像画像の画素毎の奥行値が入力される奥行値入力手段、をさらに備え、エンハンス量算出手段が、エンハンス周波数領域の成分に奥行値とエンハンス係数とを乗じることで、撮像画像の画素毎にエンハンス量を算出することを特徴とする。
ここで、IP方式では、被写体の再生像がレンズアレイ付近に位置する場合よりもレンズアレイから離れるほど、色ずれが顕著になる。そこで、補正装置は、被写体の再生像がレンズアレイから最も離れた画素で最大となるように、エンハンス量を算出する。
また、本願第3発明に係る補正装置は、エンハンス量算出手段が、エンハンス周波数領域の成分に対して線形又は非線形となるようなエンハンス量を算出する。
かかる構成によれば、補正装置は、撮像画像に含まれる低輝度のノイズ成分に対するエンハンス処理を抑制することができる。
また、本願第4発明に係る補正装置は、エンハンス処理手段が、撮像画像の輝度信号において、各画素の輝度値が予め設定された閾値以上となるか否かを判定し、輝度値が前記閾値以上となる画素にエンハンス処理を行うことを特徴とする。
かかる構成によれば、補正装置は、撮像画像に含まれる低輝度のノイズ成分に対するエンハンス処理を抑制することができる。
また、本願第5発明に係る補正装置は、エンハンス量算出手段が、エンハンス周波数領域として、ナイキスト領域が予め設定されたことを特徴とする。
かかる構成によれば、補正装置は、色ずれが原因で周波数成分が低下し易く、色ずれが視認されやすいナイキスト領域に対し、エンハンス処理を行うことができる。
また、本願第6発明に係る補正装置は、レンズアレイが撮像された撮像画像の輝度信号から、レンズアレイの輪郭を示すマスク画像を生成するマスク画像生成手段、をさらに備え、エンハンス処理手段が、撮像画像の輝度信号において、マスク画像が示すレンズアレイの輪郭以外の画素に、エンハンス処理を行うことを特徴とする。
かかる構成によれば、撮像画像には、レンズアレイの輪郭が原因となって発生した高周波成分に対し、エンハンス処理を適用することがない。
また、前記した課題に鑑みて、本願第7発明に係る立体撮像システムは、撮像画像の色ずれを補正するインテグラルフォトグラフィー方式の立体撮像システムであって、レンズアレイと、光学部材と、撮像装置と、本願第1発明に係る補正装置と、を備えることを特徴とする。
かかる構成によれば、立体撮像システムは、レンズアレイによって、被写体からの光が2次元状に配置された要素レンズに入射する。また、立体撮像システムの光学部材は、撮像装置によって、レンズアレイに対向し、かつ、要素レンズに入射した前記被写体からの光の光路上に配置される。そして、立体撮像システムは、撮像装置によって、光学部材を介して被写体を撮像することで、撮像画像を生成する。さらに、立体撮像システムは、補正装置によって、色ずれが原因で低下した輝度信号の高域周波数(エンハンス周波数)領域の成分を補って、撮像画像の色ずれを補正する。
なお、本願第1,2発明に係る補正装置は、CPU、メモリ、ハードディスク等のハードウェア資源を備える一般的なコンピュータを、前記した各手段として協調動作させる補正プログラムによって実現することもできる。この補正プログラムは、通信回線を介して配布しても良く、CD−ROMやフラッシュメモリ等の記録媒体に書き込んで配布してもよい。
本発明によれば、以下のような優れた効果を奏する。
本願第1,7発明によれば、色ずれが原因で低下した輝度信号の高域周波数(エンハンス周波数)領域の成分を補うため、色ずれが原因となる撮像画像の画質劣化を抑制することができる。
本願第2発明によれば、被写体の再生像がレンズアレイから最も離れた画素で最大となるようにエンハンス量を算出するため、色ずれ補正の効果が最大限得られ、撮像画像の画質劣化を最小限に抑えることができる。
本願第3,4発明によれば、撮像画像に含まれる低輝度のノイズ成分に対するエンハンス処理を抑制するため、撮像画像の画質劣化を最小限に抑えることができる。
本願第5発明によれば、色ずれが視認されやすいナイキスト領域に対して、エンハンス処理を行うため、撮像画像の画質劣化を最小限に抑えることができる。
本願第6発明によれば、レンズアレイの輪郭が原因となって発生した高周波成分に対し、エンハンス処理を適用することがないため、視域の境界付近で不自然な撮像画像となることを防止し、撮像画像の画質劣化を最小限に抑えることができる。
本発明の第1実施形態に係る立体撮像システムの全体構成図である。 (a)は、本発明の第1実施形態における補正用画像の一例を示す図であり、(b)は、色収差による歪みを説明する図である。 図1の補正装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態において、色ずれによる輝度信号の周波数特性の変化を示すグラフである。 本発明の第1実施形態において、色ずれによる輝度信号の波形の変化を示すグラフである。 図1の補正装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の変形例1において、(a)は再生像の観察結果を示す図であり、(b)は再生像の位置に応じた限界解像度特性を示したグラフである。 本発明の第2実施形態において、要素レンズによる色ずれ量の拡大を説明する説明図である。 本発明の第2実施形態に係る立体撮像システムの全体構成図である。 図9の補正装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第3実施形態に係る補正装置の構成を示すブロック図である。 (a)及び(b)は、図11のマスク画像生成手段が生成したマスク画像を説明する説明図である。 本発明の第4実施形態において、図3の補正手段の構成を示すブロック図である。 図13の補正用レンズ位置検出手段の構成を示す第1のブロック図である。 図13の補正用レンズ位置検出手段の構成を示す第2のブロック図である。 図13の補正用レンズ位置検出手段の構成を示す第3のブロック図である。 図13の補正用レンズ位置検出手段の構成を示す第4のブロック図である。 図13の補正データ算出手段を説明する説明図である。 図13の撮像用レンズ位置検出手段の構成を示す第1のブロック図である。 図13の撮像用レンズ位置検出手段の構成を示す第2のブロック図である。 図13の歪み補正手段における2次元画像処理を説明する説明図である。 図13の歪み補正手段における3次元画像処理を説明する説明図である。 図13の補正手段が補正データを算出する動作を示すフローチャートである。 図13の補正手段が撮像画像を補正する動作を示すフローチャートである。 本発明の参考例1に係る補正装置の構成を示すブロック図である。
以下、本発明の各実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各実施形態において、同一の機能を有する手段には同一の符号を付し、説明を省略した。
(第1実施形態)
[立体撮像システムの概略]
図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る立体撮像システム100の概略について、説明する。
立体撮像システム100は、補正装置50によって、補正用白色被写体10を撮像して、色収差による歪みを補正する補正データを算出する。また、立体撮像システム100は、補正装置50によって、算出した補正データを用いて、撮像用被写体(被写体)90が撮像された撮像画像の色収差による歪みを補正する。さらに、立体撮像システム100は、補正装置50によって、補正データで補正しきれなかった撮像画像の色ずれも補正する。
この立体撮像システム100は、例えば、撮影スタジオ内に構築されていることとする。また、補正用白色被写体10、屈折率分布レンズアレイ20及び集光レンズ30は、例えば、図示を省略した三脚に置載されており、撮影スタジオ内の任意位置に配置可能とする。
まず、立体撮像システム100では、屈折率分布レンズアレイ20のカメラ側端面がカメラ40のフォーカス位置になるように、屈折率分布レンズアレイ20を手動で配置する。そして、立体撮像システム100では、屈折率分布レンズアレイ20のカメラ側に集光レンズ30を手動で配置し、屈折率分布レンズアレイ20の被写体側に補正用白色被写体10を手動で配置する。その後、カメラ40は、補正用白色被写体10を撮像する。
具体的には、カメラ40は、赤色、緑色及び青色という3原色の補正用画像を撮像する。例えば、補正用画像は、それぞれ、図2(a)に示すように、屈折率分布レンズアレイ20の屈折率分布レンズ21の配列を示すことになる。この場合、補正用画像は、それぞれ、屈折率分布レンズアレイ20、集光レンズ30及び撮像用レンズ41での色収差による歪みの影響を受けることになる。このため、図2(b)に示すように、同一の屈折率分布レンズ21であっても、緑色での屈折率分布レンズ21と、青色での屈折率分布レンズ21と、赤色での屈折率分布レンズ21との間には、中心位置のずれが生じる。そこで、補正装置50は、屈折率分布レンズ21の位置ずれを検出して、色収差による歪みを補正するための補正データを算出する。
補正データを算出した後、カメラ40は、補正用白色被写体10と撮像用被写体90とを入れ替えて、3原色の撮像画像を撮像する。そして、補正装置50は、算出した補正データを用いて、カメラ40で撮像された撮像画像の色収差による歪みを補正する。
以後、撮像用被写体90を単に「被写体90」と呼ぶ。
ここで、前記した補正データを用いることで、集光レンズ30及び撮像用レンズ41に起因する色収差による歪みを補正することができる。しかし、屈折率分布レンズ21の検出位置に応じて、3原色の画像を位置合わせしても、特徴点の検出精度が完全ではないため、色収差の影響が残る。また、前記した補正データでは、カメラ40が有する3原色の撮像素子43,43,43において、フォーカスが異なっているために生じる色ずれも補正することができない。さらに、前記した補正データでは、屈折率分布レンズ21に起因する色収差の影響が残ってしまう。このため、補正装置50は、後記するエンハンス処理によって、補正データで補正しきれなかった撮像画像の色ずれを補正する。
[立体撮像システムの構成]
図1に戻り、立体撮像システム100の構成について説明する。
立体撮像システム100は、補正用白色被写体10と、屈折率分布レンズアレイ(レンズアレイ)20と、集光レンズ(光学部材)30と、カメラ(撮像装置)40と、補正装置50と、データ転送線60とを備える。
補正用白色被写体10は、屈折率分布レンズ21に白色光を入射させるものである。このとき、補正用白色被写体10は、全ての屈折率分布レンズ21に白色光を入射させることが好ましい。
具体的には、補正用白色被写体10は、例えば、屈折率分布レンズアレイ20をカメラ側端面から撮像したとき、各屈折率分布レンズ21のカメラ側端面が白くなるサイズの白色画像表示装置又は白色光源である。ここで、白色画像表示装置は、その表示面全体に白画像を表示する液晶モニタである。また、白色光源は、白色光を発光する照明(ライト)としてもよい。
また、補正用白色被写体10は、後記する補正装置50における屈折率分布レンズ21の位置検出手法に応じて、拡散白色光又は平行白色光の何れかを出射する。ここで、拡散白色光を出射する場合、補正用白色被写体10は、白色光を十分に拡散させるために拡散フィルタ(不図示)を装着することが好ましい。
なお、要素レンズの位置検出手法と、拡散白色光又は平行白色光との関係については、第4実施形態で説明する。
屈折率分布(GRIN:GRaded INdex)レンズアレイ20は、要素レンズとしての屈折率分布レンズ21を2次元状に配置したものである。
具体的には、屈折率分布レンズアレイ20は、光軸に垂直な方向に屈折率分布を有する屈折率分布レンズ21が、縦横に整列したマトリクス状に配置される。また、屈折率分布レンズアレイ20は、屈折率分布レンズ21が、互いに半分ずらした俵ずみ状に配置されてもよい(デルタ配列)。このように、屈折率分布レンズアレイ20を用いることで、立体撮像システム100は、凸レンズを用いたレンズアレイで発生する奥行き情報の反転を防止することができる。
ここで、屈折率分布レンズ21は、光軸方向の長さをZとし、蛇行周期長をPとしたとき、下記の式(1)を満たすことで、屈折率分布レンズ21の外側に主点を持つことになる。
P/2<Z<P ・・・式(1)
さらに、屈折率分布レンズ21は、光軸方向の長さZが、下記の式(2)を満たすことが好ましい。この場合、屈折率分布レンズ21は、被写体側の無限遠に焦点を持つとともにカメラ側の端面に結像する。このため、屈折率分布レンズアレイ20は、隣接する他の屈折率分布レンズ21との間で、クロストークを防止することができる。
Z=3P/4 ・・・式(2)
なお、屈折率分布レンズ21は、光軸方向の長さZが、前記した式(1)を満たす代わりに、式(3)を満たしてもよい。だたし、式(3)では、nは2以上の整数である。
P/2+(n−1)P<Z<nP ・・・式(3)
また、屈折率分布レンズ21は、光軸方向の長さZが、前記した式(2)を満たす代わりに、式(4)を満たしてもよい。だたし、式(4)では、nは2以上の整数である。
Z=3P/4+(n−1)P ・・・式(4)
なお、屈折率分布レンズアレイ20は、補正用データの算出時、全ての屈折率分布レンズ21に、補正用白色被写体10からの白色光が入射する。また、屈折率分布レンズアレイ20は、被写体90の撮像時、被写体90からの光が入射する。
集光レンズ30は、屈折率分布レンズアレイ20に対向し、かつ、屈折率分布レンズ21に入射した補正用白色被写体10からの白色光の光路上に配置された凸レンズ等の光学部材である。ここで、集光レンズ30は、補正用データの算出時、補正用白色被写体10からの白色光をカメラ40に集光する。また、集光レンズ30は、被写体90の撮像時、被写体90からの光をカメラ40に集光する。
カメラ40は、例えば、撮像用レンズ41と、赤色の画像を撮像する撮像素子43と、緑色の画像を撮像する撮像素子43と、青色の画像を撮像する撮像素子43とを有する3板式のカメラである。3原色の撮像素子43,43,43としては、例えば、CCD(Charged Coupled Device)、又は、CMOS(相補型金属酸化膜半導体)を用いることができる。
このカメラ40は、集光レンズ30を介して補正用白色被写体10を撮像することで、屈折率分布レンズ21の配列を示す3原色の補正用画像を生成する(図2(a)参照)。また、カメラ40は、集光レンズ30を介して被写体90を撮像することで、3原色の撮像画像を生成する。さらに、カメラ40は、データ転送線60を介して、この補正用画像及び撮像画像を補正装置50に入力する。
ここで、カメラ40は、プリズム、ハーフミラーなどの分光手段(不図示)を備えてもよい。この分光手段は、撮像用レンズ41からの出射光を分光して、3原色の撮像素子43,43,43に入射させる。この場合、カメラ40は、3原色の撮像素子43,43,43をずらして配置することで、より高精細な画像を撮像することができる。
[補正装置の構成]
図3を参照して、補正装置50の構成について説明する(適宜図1参照)。
図3に示すように、補正装置50は、補正手段51と、信号変換手段52と、パラメータ設定手段53と、エンハンス処理手段54と、信号逆変換手段55とを備える。
補正手段51は、カメラ40から入力された補正用画像を用いて、補正データを算出すると共に、算出した補正データを用いて、カメラ40から入力された撮像画像の色収差による歪みを補正するものである。そして、補正手段51は、補正した撮像画像を信号変換手段52に出力する。
なお、補正手段51は、第4実施形態で詳細に説明する。
信号変換手段52は、予め設定された変換式に基づいて、補正手段51から入力された撮像画像のRGB信号を輝度信号Y及び色差信号Pb,Prに変換するものである。本実施形態では、信号変換手段52は、変換式として、下記の式(5)のカラーマトリックスを用いる。この式(5)は、ITU(International Telecommunication Union)−R BT.709に規定されている。
Figure 0005906139
そして、信号変換手段52は、撮像画像の輝度信号Yをエンハンス処理手段54に出力する。さらに、信号変換手段52は、撮像画像の色差信号Pb,Prを信号逆変換手段55に出力する。
パラメータ設定手段53は、エンハンス処理手段54でのエンハンス処理に必要な各種パラメータを設定するものである。そして、パラメータ設定手段53は、設定されたパラメータをエンハンス処理手段54に出力する。
ここで、パラメータ設定手段53で設定されるパラメータには、例えば、エンハンス係数及びエンハンス周波数領域が含まれる。これらパラメータの詳細は、エンハンス処理手段54と共に説明する。
<撮像画像の色ずれ量と輝度信号との関係>
図4,図5を参照し、エンハンス処理手段54の前提として、撮像画像の色ずれ量と輝度信号との関係について、説明する(適宜図3参照)。
図4には、撮像画像に色ずれがある場合において、撮像画像の輝度信号の変化を示したグラフを図示した。図4では、縦軸が撮像画像の周波数特性(周波数レスポンス)であり、横軸が撮像画像の空間周波数である。また、図4には、撮像画像のG信号を基準として、R信号及びB信号が、互いに逆方向に0.0画素、0.5画素、1.0画素及び1.5画素だけ色ずれを起こしたときのシミュレーション結果を示した。ここで、色ずれ量が0.0画素のシミュレーション結果を実線で図示し、色ずれ量が0.5画素のシミュレーション結果を長破線で図示し、色ずれ量が1.0画素のシミュレーション結果を一点鎖線で図示し、色ずれ量が1.5画素のシミュレーション結果を短破線で図示した。
図4のグラフでは、色ずれ量が1.0画素以下の場合、右下がりの曲線となっている。このことから、図4から、色ずれ量が1.0画素以下であれば、輝度信号の高域周波数成分が低下していることが分かる。その結果、色ずれが、輝度信号の高域周波数成分の劣化として視認される。
図5には、撮像画像の色ずれ量と、撮像画像のRGB信号の波形と、撮像画像の輝度信号(Y信号)の波形と、エンハンス処理後の輝度信号(Y信号)の波形と、逆変換後のRGB信号の波形とを図示した。
ここで、図5では、RGB信号の波形において、G信号の波形を実線で図示した。また、G信号に対してR信号及びB信号がずれている場合、R信号の波形を破線で図示し、B信号の波形を一点鎖線で図示した。言い換えるなら、撮像画像の色ずれ量が0.0画素の場合、G信号の波形だけを図示している。
図5から、色ずれ量が0.0画素であれば、撮像画像の輝度信号の波形が、撮像画像のRGB信号の波形から変化しないことが分かる。また、色ずれ量が0.5画素の場合、撮像画像の輝度信号の波形が、撮像画像のRGB信号の波形に対し、若干変形する。さらに、色ずれ量が1.0画素の場合、撮像画像の輝度信号の波形が、撮像画像のRGB信号の波形よりも低くなり、波形劣化が目立つようになる。
以上より、色ずれで、輝度信号Yの高周波領域成分が低下することが分かる。従って、撮像画像のRGB値を輝度信号Y及び色差信号Pb,Prに変換した後、輝度信号Yの高周波領域にエンハンス処理を適用し、色ずれが原因で低下した輝度信号Yの高周波領域成分を補う。そして、エンハンス処理後の輝度信号Y´と、色差信号Pb,PrとをRGB信号に逆変換すると、図5に示すように、撮像画像の色ずれを抑制できる。
図4に戻り、色ずれ量が1.5画素の場合を考える。
図4では、色ずれ量が1.5画素の場合、周波数特性が低下した後に再び上昇し、輝度信号のナイキスト周波数成分が高くなっている。従って、図5に示すように、撮像画像の輝度信号の波形が、撮像画像のRGB信号の波形よりも大幅に低くなり、かつ、複数のピーク(頂点)が表れている。この状態でエンハンス処理を行うと、エンハンス処理後の輝度信号の波形において、複数のピークで凹凸が強調され、色ずれがより顕著に表れる。
以上より、エンハンス処理によって色ずれの補正効果を得るためには、前記した補正手段51において、撮像画像の色ずれ量を1.0画以下に抑える必要がある。
図3に戻り、補正装置50の説明を続ける。
エンハンス処理手段54は、このエンハンス量算出手段54aで算出されたエンハンス量α・Hと、信号変換手段52から入力された撮像画像の輝度信号Yとを加算するエンハンス処理を行うものである。例えば、エンハンス処理手段54は、輝度画像(撮像画像の輝度信号Y)の画素毎に、下記の式(6)で定義されたエンハンス処理を行う。そして、エンハンス処理手段54は、エンハンス処理後の輝度信号Y´を、信号逆変換手段55に出力する。
Figure 0005906139
また、エンハンス処理手段54は、図3に示すように、エンハンス量算出手段54aを備える。
エンハンス量算出手段54aは、輝度画像の画素毎に、エンハンス周波数領域の成分Hにエンハンス係数αを乗じることで、輝度信号の加算量であるエンハンス量α・Hを算出するものである。例えば、エンハンス量算出手段54aは、ハイパスフィルタを用いて、撮像画像の輝度信号Yからエンハンス周波数領域の成分Hを抽出することができる。
ここで、エンハンス量算出手段54aがエンハンス量α・Hを算出するために、パラメータ設定手段53で適切なパラメータ(エンハンス周波数領域、エンハンス係数α)を設定しておく必要がある。そこで、これらパラメータの設定例について、具体的に説明する。
<エンハンス周波数領域の設定例>
エンハンス周波数領域とは、撮像画像の輝度信号の周波数成分うち、エンハンス処理の対象となる空間周波数領域のことである。
エンハンス処理を行う場合、色ずれが改善される周波数領域を検討する必要がある。前記したように、色ずれにより、輝度信号の高域周波数成分が低下する(図4参照)。また、人の視覚特性を考慮すれば、色ずれが、低域周波数よりも高域周波数の方が視認され易くなる。従って、エンハンス周波数領域として輝度信号のナイキスト領域を設定することが好ましい。
なお、ナイキスト領域とは、予め設定された周波数以上、かつ、輝度信号のナイキスト周波数未満の周波数領域のことである。図4の例では、ナイキスト領域は、色ずれ量が1.5画素の曲線が再び上昇に転じる0.35[cycles/pixel]以上、かつ、ナイキスト周波数0.5[cycles/pixel]以下の周波数領域である。
<エンハンス係数の設定例>
エンハンス処理を行う場合、エンハンス処理後の輝度信号にオーバーフロー(白とび)及びアンダーフロー(黒つぶれ)が発生しないことが好ましい。
ここで、補正手段51で補正された撮像画像は、色ずれ量が最大で1.0画素であると仮定する。また、この撮像画像に残った色ずれ量は、極微少であるために正確に検出することができないと仮定する。
前記したように、色ずれ量が大きいほど、輝度信号の高域周波数成分が大きく低下する(図4参照)。すなわち、エンハンス量を大きくすれば、色ずれが大きく改善される。そこで、式(6)を用いて、エンハンス処理前の輝度信号Yと、エンハンス量α・Hと加算して、エンハンス処理後の輝度信号Y´を予め計算する。そして、エンハンス処理後の輝度信号Y´の最大値が、予め規定された輝度値の最大値以下となるようにエンハンス係数αを設定する。例えば、輝度値が‘0’〜‘255’の範囲であれば、エンハンス処理後の輝度信号Y´の最大値が‘255’以下となるようにエンハンス係数αを設定する。これによって、エンハンス処理によるオーバーフローを抑制することができる。
さらに、前記した最大値の条件を満たし、エンハンス処理後の輝度信号Y´の最小値が、予め規定された輝度値の最小値(例えば、‘0’)以上となるようにエンハンス係数αを設定すれば、エンハンス処理によるアンダーフローも抑制することができる。
さらに、理想的には、図4において、色ずれ量が0.0画素の周波数特性に一致した水平線となるように、エンハンス周波数領域及びエンハンス係数を設定することが好ましい。
なお、オーバーフローやアンダーフローは、信号逆変換手段55から出力された撮像画像で判断することができる。つまり、補正装置50では、異なる値をエンハンス係数αに設定してエンハンス処理を繰返し行い、信号逆変換手段55の撮像画像でオーバーフローやアンダーフローが発生しないように、適切なエンハンス係数αを決定することが好ましい。
図3に戻り、補正装置50の説明を続ける。
信号逆変換手段55は、予め設定された逆変換式に基づいて、信号変換手段52から入力された撮像画像の色差信号Pb,Prと、エンハンス処理後の輝度信号Y´をRGB信号に逆変換することで、色ずれが補正された撮像画像を生成するものである。本実施形態では、信号逆変換手段55は、逆変換式として、下記の式(7)で定義されたカラーマトリックスを用いる。
Figure 0005906139
[補正装置の動作]
図6を参照して、補正装置50の動作について、説明する(適宜図3参照)。
補正装置50は、補正手段51によって、カメラ40から入力された補正用画像を用いて、補正データを算出する(ステップ1)。
このステップS1は、第4実施形態で詳細に説明する(図23)。
補正装置50は、パラメータ設定手段53によって、エンハンス係数、エンハンス周波数領域等のパラメータを設定する(ステップS2)。
補正装置50は、補正手段51によって、補正データを用いて、カメラ40から入力された撮像画像の色収差による歪みを補正する(ステップ3)。
このステップS3は、第4実施形態で詳細に説明する(図24)。
補正装置50は、信号変換手段52によって、式(5)に基づいて、補正手段51から入力された撮像画像のRGB信号を輝度信号Y及び色差信号Pb,Prに変換する(ステップS4)。
補正装置50は、エンハンス量算出手段54aによって、撮像画像の輝度信号Yにおいて、エンハンス周波数領域の成分Hにエンハンス係数αを乗じたエンハンス量α・Hを算出する(ステップS5)。
補正装置50は、エンハンス処理手段54によって、エンハンス量算出手段54aが計算したエンハンス量α・Hと、撮像画像の輝度信号Yとを加算するエンハンス処理を行う(ステップS6)。
補正装置50は、信号逆変換手段55によって、式(7)に基づいて、信号変換手段52から入力された撮像画像の色差信号Pb,Prと、エンハンス処理後の輝度信号Y´をRGB信号に逆変換する(ステップS7)。
以上のように、本発明の第1実施形態に係る補正装置50は、エンハンス処理によって、色ずれが原因で低下した輝度信号の高域周波数(エンハンス周波数)領域の成分を補うため、色ずれが原因となる撮像画像の画質劣化を抑制することができる。さらに、補正装置50は、色ずれが視認されやすいナイキスト領域に対して、エンハンス処理を行うため、撮像画像の画質劣化を最小限に抑えることができる。
(変形例1)
第1実施形態の変形例1,2に係る補正装置50について、第1実施形態と異なる点を説明する。
IP方式において、図1の構成を採用した場合、撮像素子43,43,43が、屈折率分布レンズアレイ20、集光レンズ30及び撮像用レンズ41を通過した光を、撮像画像として記録する。このように、複数のレンズを通過してきた光を記録するため、撮像画像の輝度が低くなる。この場合、撮像画像に低振幅で高域周波数成分のノイズが含まれる。そして、輝度が低い画素も含めた撮像画像全体にエンハンス処理を適用すると、このノイズ成分もエンハンスされることになる。このため、変形例1に係る補正装置50では、低輝度の高域周波数成分に対し、エンハンス処理を適用しないこととした。
具体的には、エンハンス処理手段54は、輝度画像の画素に、各画素の輝度値が輝度閾値(閾値)Th以上となるか否かを判定し、輝度値が輝度閾値Th以上となる画素にエンハンス処理を行う。言い換えるなら、エンハンス処理手段54は、下記の式(8)で定義されるエンハンス処理を行う。
Figure 0005906139
この式(8)では、ifが、後段の条件式が満たされるときに、前段の演算を行うことを示す。
なお、エンハンス処理手段54は、輝度値が輝度閾値Th以上とならない画素にはエンハンス処理を行わず、撮像画像の輝度信号Yをエンハンス処理後の輝度信号Y´として、そのまま出力する。
(変形例2)
変形例2に係る補正装置50では、エンハンス処理手段54が、変形例1と同様の理由により、エンハンス周波数領域の成分に対し、線形的又は非線形的なエンハンス量を加算するエンハンス処理を行う。言い換えるなら、エンハンス処理手段54は、下記の式(9)で定義されるエンハンス処理を行う。この式(9)では、YMAXが輝度信号Yの最大値(例えば、‘255’)であり、βが輝度信号Yの輝度値に比例する係数である。
Figure 0005906139
すなわち、エンハンス量算出手段54aは、前記した式(9)に示すように、エンハンス周波数領域の成分Hに、エンハンス係数αと、係数βとを乗じることで、エンハンス量α・β・Hを算出する。
以上のように、本発明の変形例1,2に係る補正装置50は、第1実施形態と同様の効果に加え、撮像画像に含まれる低輝度のノイズ成分に対するエンハンス処理を抑制するため、撮像画像の画質劣化を最小限に抑えることができる。
(変形例3)
図7を参照して、第1実施形態の変形例3として、エンハンス係数αの設定を説明する。
第1実施形態では、オーバーフローやアンダーフローが発生しないようにエンハンス係数αを設定する例を説明したが、エンハンス係数αの設定例は、これに限定されない。
図7(a)には、屈折率分布レンズアレイ20と再生像との位置関係に応じて、再生像がどのように観察されるかを図示した。
まず、観察者から見て、画面手前に位置する再生像「K」では、ぼけが大きくなる。また、観察者から見て、屈折率分布レンズアレイ20付近に位置する再生像「H」では、ぼけが殆ど発生しない。さらに、観察者から見て、画面奥側に位置する再生像「N」では、ぼけが発生してしまう(最も奥に位置する山の再生像も同様)。
なお、図7(a)では、図面を見やすくするため、屈折率分布レンズアレイ20が備える屈折率分布レンズ21の図示を省略した。
また、図7(b)には、再生像の位置と限界空間周波数との関係を図示した。この図7(b)では、屈折率分布レンズアレイ20の密度による限界を破線で図示し、IP方式の解像度特性(ナイキスト限界)を実線で図示した。つまり、再生像は、図7(b)に示す破線と実線とで囲われた領域(ハッチング部分)の周波数成分のみが表示できることを示している。その結果、図7(a)に示すように、屈折率分布レンズアレイ20から離れるに従って、再生像にぼけが発生する。
ここで、屈折率分布レンズアレイ20から最も離れた再生像において、エンハンス量が適切でなくオーバーフロー又はアンダーフローが生じた場合を考える。この場合でも、図7に示すように、再生像が、観察者から見て、ローパスフィルターを通過させたのと同じ状態で観察されることになる。以上より、エンハンス係数αは、再生像の位置によっては、オーバーフローやアンダーフローが発生するような値で設定しても、問題ないことが分かる。
(第2実施形態)
図8を参照して、本発明の第2実施形態に係る立体撮像システム100A(図9)について、第1実施形態と異なる点を説明する。
第1実施形態では、オーバーフロー及びアンダーフローを防止するため、エンハンス処理後の輝度信号Y´の最大値が輝度値の最大値以下、かつ、エンハンス処理後の輝度信号Y´の最小値が輝度値の最小値以上となるようにエンハンス係数αを設定することとした。
その一方、オーバーフロー及びアンダーフローが発生する可能性が高くなるが、エンハンス量が大きくなる程、エンハンス処理による色ずれの補正効果は、大きくなる。また、図8に示すように、IP方式では、2次元画像上での色ずれは、下記の式(10)に示すように、屈折率分布レンズ21で拡大される。
Figure 0005906139
この式(10)では、ΔDが2次元画像上での色ずれ量であり、ΔD´が屈折率分布レンズ21で拡大された色ずれ量であり、Lが屈折率分布レンズ21から被写体の再生像までの距離(奥行き)であり、fが屈折率分布レンズ21の焦点距離である。この式(10)より、色ずれは、屈折率分布レンズ21付近で再生される被写体の再生像よりも、屈折率分布レンズ21から離れる程、顕著になることが分かる。つまり、色ずれ量は、被写体の奥行きに比例する。
[立体撮像システムの構成]
そこで、図9に示すように、立体撮像システム100Aは、撮像画像に含まれる被写体の奥行情報をエンハンス量に反映させるため、補正用白色被写体10と、屈折率分布レンズアレイ20と、集光レンズ30と、カメラ40と、補正装置50Aと、データ転送線60と、ハーフミラー70と、奥行情報取得カメラ80とをさらに備える。
ハーフミラー70は、集光レンズ30を通過した被写体90からの光を、カメラ40と、奥行情報取得カメラ80とに分光するものである。このハーフミラー70は、カメラ40の光軸と、奥行情報取得カメラ80の光軸との交点に配置される。そして、ハーフミラー70は、被写体90からの光の半分をカメラ40に透過させると共に、残り半分の光を奥行情報取得カメラ80に向けて反射させる。
奥行情報取得カメラ80は、被写体90の奥行情報(奥行値)を取得し、データ転送線60を介して、補正装置50Aに出力するカメラ(例えば、ステレオカメラ)である。ここで、奥行情報取得カメラ80は、被写体90の奥行情報として、画素毎の奥行値を輝度値で示した奥行画像を生成する。
なお、奥行情報取得カメラ80は、被写体90の撮像時に奥行情報を取得すればよく、補正用データの算出時に奥行情報を取得しなくともよい。
この奥行画像は、屈折率分布レンズアレイ20と被写体90との距離が近づく程、奥行値が小さく、両者の距離が離れる程、奥行値が大きくなる。また、奥行画像は、奥行画像と撮像画像との画素同士を対応付けるため、撮像画像と同一画素数であることが好ましい。
[補正装置の構成]
図10に示すように、補正装置50Aは、補正手段51と、信号変換手段52と、パラメータ設定手段53と、エンハンス処理手段54Aと、信号逆変換手段55と、奥行情報入力手段(奥行値入力手段)56とを備える。
奥行情報入力手段56は、奥行情報取得カメラ80から奥行情報が入力されるものである。そして、奥行情報入力手段56は、入力された奥行情報を、エンハンス処理手段54Aに出力する。
エンハンス処理手段54Aは、エンハンス量算出手段54Aaで算出されたエンハンス量α・H・Zと、信号変換手段52から入力された撮像画像の輝度信号Yとを加算するエンハンス処理を行うものである。例えば、エンハンス処理手段54は、輝度画像(撮像画像の輝度信号Y)の画素毎に、下記の式(11)で定義されたエンハンス処理を行う。
Figure 0005906139
エンハンス量算出手段54Aaは、輝度画像(撮像画像の輝度信号Y)において、エンハンス周波数領域の成分Hに、奥行情報(奥行値)Zと、エンハンス係数αとを乗じることで、エンハンス量α・H・Zを画素毎に算出するものである。つまり、エンハンス量算出手段54Aaは、撮像画像に含まれる被写体90の奥行情報Zを、エンハンス量α・H・Zに反映させる。
以上のように、本発明の第2実施形態に係る補正装置50Aは、第1実施形態と同様の効果に加え、被写体の再生像がレンズアレイから最も離れた画素で最大となるようにエンハンス量を算出するため、色ずれ補正の効果が最大限得られ、撮像画像の画質劣化を最小限に抑えることができる。
なお、第2実施形態では、奥行情報取得カメラ80で奥行情報を取得することとして説明したが、本発明は、これに限定されない。
補正装置50Aは、図示を省略した奥行情報推定手段を備えてもよい。そして、奥行情報推定手段は、カメラ40から入力された撮像画像(要素画像群)に含まれる要素画像にステレオマッチングを行い、画素毎の視差情報を求める。さらに、奥行情報推定手段は、求めた視差情報から奥行情報を推定して、奥行情報入力手段56に出力する。
(第3実施形態)
図11を参照し、本発明の第3実施形態に係る補正装置50Bについて、第2実施形態と異なる点を説明する(適宜図9参照)。
カメラ40で撮像した撮像画像は、屈折率分布レンズアレイ20が撮像された画像、つまり、屈折率分布レンズアレイ20の形状が含まれる画像となる。IP方式では、各屈折率分布レンズ21で取得した要素画像を、立体表示システム(不図示)の各要素レンズが拡大することで、撮像時に取得した被写体からの光線を、立体像として再生する。すなわち、撮像画像で必要な情報は、要素画像である。
しかし、屈折率分布レンズ21が円形の場合、屈折率分布レンズ21同士に隙間が生じてしまうため、要素画像同士でも隙間が生じる。また、要素画像は、屈折率分布レンズ21のレンズ面の周辺がエッジになっているため、円形のエッジが含まれることになる。
以上より、IP方式の要素画像は、その淵に高域周波数成分(屈折率分布レンズ21のエッジ)が含まれる。この状態では、要素画像のエッジにも、そのままエンハンス処理が適用されてしまう。この要素画像のエッジは、再生像を視認できるエリア(視域)の境界付近に寄与する。このため、視域の境界付近で不自然な再生像が表示されてしまう。
そこで、立体撮像システム100Bでは、屈折率分布レンズアレイ20のエッジ(輪郭)を示すマスク画像を生成し、このマスク画像でマスクしてエンハンス処理を行う。このため、補正装置50Bは、補正手段51と、信号変換手段52と、パラメータ設定手段53と、エンハンス処理手段54Bと、信号逆変換手段55と、奥行情報入力手段56と、マスク画像生成手段57とを備える。
<マスク画像の生成>
まず、マスク画像を生成する方法について、説明する。
カメラ40は、通常の撮像画像と同様、補正用白色被写体10を配置した状態で撮像を行う。以後、この撮像画像を「レンズアレイ撮像画像」と呼ぶ。そして、カメラ40は、このレンズアレイ撮像画像を補正手段51に出力する。
ここで、レンズアレイ撮像画像(要素画像群)は、屈折率分布レンズ21のレンズ面が白色となっている。従って、レンズアレイ撮像画像に含まれる各要素画像は、屈折率分布レンズ21のエッジを除いて、白色の直流成分のみを有する周波数特性となる。すなわち、レンズアレイ撮像画像は、エッジのみが高域周波数成分となる。
補正手段51は、通常の撮像画像と同様、補正データを用いて、カメラ40から入力されたレンズアレイ撮像画像の色収差による歪みを補正する。そして、補正手段51は、補正したレンズアレイ撮像画像を、信号変換手段52に出力する。
信号変換手段52は、通常の撮像画像と同様、式(5)を用いて、レンズアレイ撮像画像のRGB信号を、輝度信号及び色差信号に変換する。そして、信号変換手段52は、レンズアレイ撮像画像の輝度信号を、マスク画像生成手段57に出力する。
なお、レンズアレイ撮像画像の色差信号は、特に用途がないため、削除してもよい。
マスク画像生成手段57は、信号変換手段52から入力されたレンズアレイ撮像画像の輝度信号から、屈折率分布レンズアレイ20のエッジを示すマスク画像を生成するものである。例えば、マスク画像生成手段57は、レンズアレイ撮像画像の輝度信号に2値化処理を施して、マスク画像を生成する。ここで、マスク画像は、図12(a)に示すように、屈折率分布レンズアレイ20が備える屈折率分布レンズ21のエッジのみをマスクしてもよい。また、マスク画像は、図12(b)に示すように、屈折率分布レンズアレイ20が備える屈折率分布レンズ21のエッジと、屈折率分布レンズ21同士の隙間とをマスクしてもよい。そして、マスク画像生成手段57は、生成したマスク画像を、エンハンス処理手段54Bに出力する。
<マスク画像を用いたエンハンス処理>
次に、マスク画像を用いたエンハンス処理について、説明する。
エンハンス処理手段54Bは、撮像画像の輝度信号Yにおいて、マスク画像が示す屈折率分布レンズアレイ20のエッジ以外の画素に、エンハンス処理を行うものである。ここで、撮像画像及びレンズアレイ撮像画像は、同一のカメラ40で撮像されているため、画素同士の対応が取れている。従って、エンハンス処理手段54Bは、撮像画像の輝度信号Yにおいて、屈折率分布レンズアレイ20のエッジ以外の画素に、エンハンス処理手段54Aと同様のエンハンス処理を行う。
なお、エンハンス処理手段54Bは、撮像画像の輝度信号Yにおいて、屈折率分布レンズアレイ20のエッジに含まれる画素にはエンハンス処理を行わず、撮像画像の輝度信号Yをエンハンス処理後の輝度信号Y´として、そのまま出力する。
また、エンハンス量算出手段54Baは、図10のエンハンス量算出手段54Aaと同様のため、説明を省略する。
以上のように、本発明の第3実施形態に係る補正装置50Bは、第2実施形態と同様の効果に加え、視域の境界付近で不自然な撮像画像となることを防止し、撮像画像の画質劣化を最小限に抑えることができる。
なお、第3実施形態では、第2実施形態に係る補正装置50Aにマスク処理を適用することとして説明したが、第1実施形態に係る補正装置50にもマスク処理を適用することができる。
(第4実施形態)
[補正手段の構成]
第4実施形態として、図3の補正手段51の構成について、説明する(適宜図1参照)。
図13に示すように、補正手段51は、補正用画像入力手段501と、補正用2値化手段502と、補正用レンズ位置検出手段503と、補正データ算出手段504と、撮像画像入力手段505と、撮像用2値化手段506と、検出対象要素レンズ設定手段507と、撮像用レンズ位置検出手段508と、補正データ修正手段509と、歪み補正手段510とを備える。
補正用画像入力手段501は、カメラ40から3原色の補正用画像が入力されるものであり、R補正用画像バッファ501と、G補正用画像バッファ501と、B補正用画像バッファ501とを備える。
R補正用画像バッファ501は、カメラ40から入力された赤色の補正用画像を蓄積するバッファメモリである。このR補正用画像バッファ501が蓄積する赤色の補正用画像は、後記するR補正用2値化手段502によって読み出される。
G補正用画像バッファ501及びB補正用画像バッファ501は、それぞれ、R補正用画像バッファ501と同様、緑色の補正用画像及び青色の補正用画像を蓄積するバッファメモリである。
補正用2値化手段502は、3原色の補正用画像に対して、2値化処理を行うものであり、R補正用2値化手段502と、G補正用2値化手段502と、B補正用2値化手段502とを備える。
R補正用2値化手段502は、R補正用画像バッファ501から赤色の補正用画像を読み出して、この赤色の補正用画像を輝度画像に変換する。そして、R補正用2値化手段502は、この輝度画像に2値化処理を行って2値化画像を生成する。例えば、R補正用2値化手段502は、輝度画像の各画素(注目画素)の輝度値と予め設定した閾値とを比較して、注目画素の輝度値が閾値以上の場合には注目画素を白色とし、注目画素の輝度値が閾値未満の場合には注目画素を黒色とする。このようにして、R補正用2値化手段502は、赤色の補正用画像から、前景となる屈折率分布レンズ21に対応する画素が白色で、背景となる補正用白色被写体10に対応する画素が黒色で表された2値化画像を生成する。つまり、この2値化画像は、屈折率分布レンズ21の領域(屈折率分布レンズ21のレンズ面内)が白色で、屈折率分布レンズ21以外の領域(屈折率分布レンズ21同士の隙間)が黒色となる。その後、R補正用2値化手段502は、生成した2値化画像を補正用レンズ位置検出手段503に出力する。
G補正用2値化手段502及びB補正用2値化手段502は、それぞれ、R補正用2値化手段502と同様、緑色の補正用画像及び青色の補正用画像に2値化処理を行うため、詳細な説明を省略する。
補正用レンズ位置検出手段503は、補正用2値化手段502によって2値化処理が行われた3原色の補正用画像に対して、重心検出処理、点像群検出処理又はパターンマッチングの何れか1以上を行うことで、屈折率分布レンズ21の位置を検出するものである。ここで、補正用レンズ位置検出手段503は、重心検出処理、点像群検出処理又はパターンマッチングを単独で行うか、又は、重心検出処理と点像群検出処理とを組み合わせることができる。以下、屈折率分布レンズ21の位置検出手法について、第1例〜第4例をあげて説明する。
<第1例:重心検出処理>
図14を参照して、屈折率分布レンズ21の位置検出手法の第1例について説明する(適宜図13参照)。
図14に示すように、補正用レンズ位置検出手段503は、重心検出処理を行うため、R補正用重心検出手段523と、G補正用重心検出手段523と、B補正用重心検出手段523とを備える。
R補正用重心検出手段523は、R補正用2値化手段502から、2値化画像(2値化処理が施された赤色の補正用画像)が入力される。そして、R補正用重心検出手段523は、この2値化画像に重心検出処理を行って、屈折率分布レンズ21の重心を検出する。例えば、R補正用重心検出手段523は、入力された赤色の補正用画像(2値化画像)に含まれる各白色領域(各屈折率分布レンズ21の領域)において、縦横の中間位置を重心として検出する、又は、この白色領域の面積により重心を検出することができる。その後、R補正用重心検出手段523は、検出した屈折率分布レンズ21の重心を、その屈折率分布レンズ21の中心位置として補正データ算出手段504に出力する。このように、R補正用重心検出手段523は、屈折率分布レンズ21の中心位置をサブピクセル精度で求めることができる。
G補正用重心検出手段523及びB補正用重心検出手段523は、それぞれ、R補正用重心検出手段523と同様、2値化処理を施した緑色の補正用画像及び青色の補正用画像に重心検出処理を行うため、詳細な説明を省略する。
<第2例:点像群検出処理>
図15を参照して、屈折率分布レンズ21の位置検出手法の第2例について説明する(適宜図13参照)。
図15に示すように、補正用レンズ位置検出手段503は、点像群検出処理を行うため、R補正用点像群検出手段533と、G補正用点像群検出手段533と、B補正用点像群検出手段533とを備える。
ここで、補正用白色被写体10が平行白色光を出射する場合、屈折率分布レンズアレイ20の各屈折率分布レンズ21における焦平面には、屈折率分布レンズアレイ20が有する屈折率分布レンズ21と同数の点像群が形成される。従って、この点像群を検出することで、屈折率分布レンズ21の中心位置を求めることができる。
R補正用点像群検出手段533は、R補正用2値化手段502から、2値化画像(2値化処理が施された赤色の補正用画像)が入力される。そして、R補正用点像群検出手段533は、この2値化画像に点像群検出処理を行って、点像群を検出する。その後、R補正用点像群検出手段533は、検出した点像群における各点像の位置を、各屈折率分布レンズ21の中心位置として補正データ算出手段504に出力する。このように、R補正用点像群検出手段533は、屈折率分布レンズ21の中心位置をサブピクセル精度で求めることができる。
なお、点像群検出処理としては、例えば、文献“「インテグラル方式における幾何光学を用いた奥行き制御手法」,洗井、河北、岡野,映像情報メディア学会技術報告 vol.32,no.44,pp.41-44,3DIT2008-74,IDY2008-102 (Oct.2008)”に記載された手法を用いることができる。
G補正用点像群検出手段533及びB補正用点像群検出手段533は、R補正用点像群検出手段533と同様、2値化処理を施した緑色の補正用画像及び青色の補正用画像に点像群検出処理を行うため、詳細な説明を省略する。
<第3例:重心検出処理と点像群検出処理との組み合わせ>
図16を参照して、屈折率分布レンズ21の位置検出手法の第3例について説明する(適宜図13参照)。
図16に示すように、補正用レンズ位置検出手段503は、重心検出処理と点像群検出処理との両方を行うため、R補正用重心検出手段523と、G補正用重心検出手段523と、B補正用重心検出手段523と、R補正用点像群検出手段533と、G補正用点像群検出手段533と、B補正用点像群検出手段533とを備える。
R補正用点像群検出手段533は、R補正用2値化手段502から、2値化画像(2値化処理が施された赤色の補正用画像)が入力される。そして、R補正用点像群検出手段533は、この2値化画像に点像群検出処理を行って、点像群の検出結果である点像群検出画像を生成する。その後、R補正用点像群検出手段533は、この点像群検出画像をR補正用重心検出手段523に出力する。
R補正用重心検出手段523は、R補正用点像群検出手段533から、点像群検出画像(点像群検出処理が施された赤色の補正用画像)が入力される。そして、R補正用重心検出手段523は、この点像群検出画像に重心検出処理を行って、屈折率分布レンズ21の重心を検出する。その後、R補正用重心検出手段523は、検出した屈折率分布レンズ21の重心を、その屈折率分布レンズ21の中心位置として補正データ算出手段504に出力する。
このように、R補正用重心検出手段523は、点像群の位置を参考として、点像群画像を2値化してから重心を求めることで、屈折率分布レンズ21の中心位置をより高い精度で求めることができる。
<第4例:パターンマッチング>
図17を参照して、屈折率分布レンズ21の位置検出手法の第4例について説明する(適宜図13参照)。
図17に示すように、補正用レンズ位置検出手段503は、パターンマッチングを行うため、R補正用パターンマッチング手段543と、G補正用パターンマッチング手段543と、B補正用パターンマッチング手段543とを備える。
R補正用パターンマッチング手段543は、R補正用2値化手段502から、2値化画像(2値化処理が施された赤色の補正用画像)が入力される。そして、R補正用パターンマッチング手段543は、この2値化画像にパターンマッチングを行って、各屈折率分布レンズ21の中心位置を検出する。例えば、R補正用パターンマッチング手段543には、屈折率分布レンズ21を予め撮像して、屈折率分布レンズ21のテンプレート画像を手動で登録しておく。そして、R補正用パターンマッチング手段543は、パターンマッチング(例えば、正規化相関法)によって、入力された2値化画像からテンプレート画像にマッチする画像領域(つまり、屈折率分布レンズ21の領域)を検出する。さらに、R補正用パターンマッチング手段543は、検出した各画像領域での中心位置を、各屈折率分布レンズ21の中心位置として、補正データ算出手段504に出力する。このように、R補正用パターンマッチング手段543は、屈折率分布レンズ21の中心位置をサブピクセル精度で求めることができる。
G補正用パターンマッチング手段543及びB補正用パターンマッチング手段543は、それぞれ、R補正用パターンマッチング手段543と同様、2値化処理を施した緑色の補正用画像及び青色の補正用画像にパターンマッチングを行うため、詳細な説明を省略する。
ここで、要素レンズの位置検出手法と、拡散白色光又は平行白色光との関係について説明する。前記したように、点像群検出処理を行う場合(第2例及び第3例)、補正用白色被写体10が平行白色光を出射するとよい。その一方、点像群検出処理を利用しない場合(第1例及び第4例)、拡散白色光を照射するとよい。
図13に戻り、補正手段51の構成について説明を続ける。
補正データ算出手段504は、補正用レンズ位置検出手段503が検出した屈折率分布レンズ21の位置を3原色の補正用画像の間で一致させる補正データを算出するものである。
具体的には、補正データ算出手段504は、補正用レンズ位置検出手段503から、赤色、緑色及び青色の補正用画像で検出された各屈折率分布レンズ21の中心位置が入力される。そして、補正データ算出手段504は、赤色、緑色及び青色の何れか一色を基準色として、この基準色での屈折率分布レンズ21の中心位置に対する、他の2原色での屈折率分布レンズ21の中心位置のずれ量を算出する。
以下、緑色を基準色として説明する。この場合、補正データ算出手段504は、図18に示すように、緑色での屈折率分布レンズ21の中心位置Cに対する、青色での屈折率分布レンズ21の中心位置Cのずれ量ΔG−Bを求める。また、補正データ算出手段504は、緑色での屈折率分布レンズ21の中心位置Cに対する、赤色での屈折率分布レンズ21の中心位置Cのずれ量ΔG−Rを求める。そして、補正データ算出手段504は、このずれ量ΔG−B,ΔG−Rをゼロにする補正データを算出する。その後、補正データ算出手段504は、この補正データと、赤色、緑色及び青色での各屈折率分布レンズ21の中心位置とを、後記する補正データ修正手段509に出力する。
また、補正データ算出手段504は、フィッティング関数を用いて、補正データを算出できる。例えば、屈折率分布レンズ21が縦横に3×3個マトリクス上に配置され、撮像素子43,43,43が縦横に300×300画素を有する場合を考える。この場合、屈折率分布レンズアレイ20内での屈折率分布レンズ21が9個であるため、各原色の補正用画像から検出できる屈折率分布レンズ21の最大位置数は、それぞれ9個となる。また、9個の屈折率分布レンズ21は、それぞれの位置ずれ量が異なる。その一方、9個の位置ずれをもとに、300×300画素の画像を補正するためには、画素ごとに補正データが必要となる。つまり、各屈折率分布レンズ21と、撮像素子43,43,43の各画素とを対応させるため、9個の位置ずれを通るような曲面を生成する必要がある。そこで、この曲面として、9個の位置ずれにおける二乗誤差が最小になる高次関数の曲面を生成する。すなわち、フィッティング関数とは、この二乗誤差が最小になる高次関数のことである。
なお、フィッティング関数を生成する手法としては、例えば、文献“「超高精細映像表示システムのコンバーゼンス誤差と素子位置調整の自動化」,日下部祐一、金澤勝、岡野文男,映像情報メディア学会誌vol.60,no.2,pp.234-241,2006年”に記載された手法を用いることができる。
なお、屈折率分布レンズ21の位置ずれを算出する数は、屈折率分布レンズアレイ20内での屈折率分布レンズ21の個数に依存する。従って、補正データ算出手段504は、全ての屈折率分布レンズ21から補正データを算出してもよく、一部の屈折率分布レンズ21から補正データを算出してもよい。一部の屈折率分布レンズ21から補正データを算出した場合、補正データ算出手段504は、残りの屈折率分布レンズ21の補正データを補間するとよい。
撮像画像入力手段505は、カメラ40から、3原色の撮像画像が入力されるものであり、R撮像画像バッファ505と、G撮像画像バッファ505と、B撮像画像バッファ505とを備える。
R撮像画像バッファ505は、カメラ40から入力された赤色の撮像画像を蓄積するバッファメモリである。このR撮像画像バッファ505が蓄積する赤色の撮像画像は、後記するR撮像用2値化手段506によって読み出される。
G撮像画像バッファ505及びB撮像画像バッファ505は、それぞれ、R撮像画像バッファ505と同様、緑色の撮像画像及び青色の撮像画像を蓄積するバッファメモリである。
撮像用2値化手段506は、3原色の撮像画像に対して、2値化処理を行うものであり、R撮像用2値化手段506と、G撮像用2値化手段506と、B撮像用2値化手段506とを備える。
R撮像用2値化手段506は、R撮像画像バッファ505から赤色の撮像画像を読み出して、この赤色の撮像画像を輝度画像に変換する。そして、R撮像用2値化手段506は、R補正用2値化手段502と同様、この輝度画像に2値化処理を行って2値化画像を生成する。その後、R撮像用2値化手段506は、生成した2値化画像をR検出対象要素レンズ設定手段507に出力する。
G撮像用2値化手段506及びB撮像用2値化手段506は、それぞれ、R撮像用2値化手段506と同様、緑色の撮像画像及び青色の撮像画像に2値化処理を行うため、詳細な説明を省略する。
検出対象要素レンズ設定手段507は、2値化処理が行われた3原色の撮像画像において、屈折率分布レンズ21のレンズ面全体が撮像されたか否かをパターンマッチング又は要素レンズの総輝度値によって判定し、レンズ面全体が撮像されたと判定された屈折率分布レンズ21を検出対象要素レンズとして設定するものである。このため、検出対象要素レンズ設定手段507は、R検出対象要素レンズ設定手段507と、G検出対象要素レンズ設定手段507と、B検出対象要素レンズ設定手段507とを備える。
R検出対象要素レンズ設定手段507は、R撮像用2値化手段506から2値化画像(2値化処理が行われた赤色の撮像画像)が入力される。そして、R検出対象要素レンズ設定手段507は、この2値化画像にパターンマッチングを行うか、又は、屈折率分布レンズ21の総輝度値を算出することで、各屈折率分布レンズ21が検出対象要素レンズであるか否かを判定する。さらに、R検出対象要素レンズ設定手段507は、レンズ面全体が撮像されたと判定された屈折率分布レンズ21を検出対象要素レンズとして設定する。その後、R検出対象要素レンズ設定手段507は、設定した検出対象要素レンズを一意に識別する検出対象要素レンズ識別情報と、入力された2値化画像とを撮像用レンズ位置検出手段508に出力する。以下、検出対象要素レンズの判定手法について、第1例及び第2例をあげて説明する。
<第1例:パターンマッチング>
R検出対象要素レンズ設定手段507には、レンズ面全体が見えるように屈折率分布レンズ21を予め撮像して、屈折率分布レンズ21のレンズ面全体を示すテンプレート画像を手動で登録しておく。そして、R検出対象要素レンズ設定手段507は、入力された2値化画像に対して、このテンプレート画像を用いて、パターンマッチング(例えば、正規化相関法)を行う。
ここで、例えば、レンズ面が半月状で撮像された屈折率分布レンズ21のように、レンズ面全体が撮像されていない屈折率分布レンズ21は、パターンマッチングで検出されないことになる。その一方、レンズ面全体が撮像された屈折率分布レンズ21は、パターンマッチングで検出されることになる。そこで、R検出対象要素レンズ設定手段507は、パターンマッチングで検出された屈折率分布レンズ21を検出対象要素レンズとして設定する。
<第2例:屈折率分布レンズの総輝度値>
R検出対象要素レンズ設定手段507は、レンズ面全体が見える状態で屈折率分布レンズ21を撮像した2値化画像から、屈折率分布レンズ21に対応する画像領域内画素の輝度値を合計した判定用総輝度値を予め算出する。つまり、この判定用総輝度値は、レンズ面全体が撮像された状態での屈折率分布レンズ21に対応する画像領域の総輝度値である。そして、R検出対象要素レンズ設定手段507は、入力された2値化画像において、屈折率分布レンズ21に対応する画像領域内の画素の輝度値を合計して、屈折率分布レンズ21ごとに総輝度値を算出する。さらに、R検出対象要素レンズ設定手段507は、算出した屈折率分布レンズ21の総輝度値が判定用総輝度値以上であるか否かを判定する。
ここで、例えば、レンズ面が半月状で撮像された屈折率分布レンズ21のように、レンズ面全体が撮像されていない屈折率分布レンズ21は、その総輝度値が判定用総輝度値未満となる。その一方、レンズ面全体が撮像された屈折率分布レンズ21は、その総輝度値が判定用総輝度値以上となる。そこで、R検出対象要素レンズ設定手段507は、算出した総輝度値が判定用総輝度値以上と判定された屈折率分布レンズ21を、検出対象要素レンズとして設定する。
G検出対象要素レンズ設定手段507及びB検出対象要素レンズ設定手段507は、それぞれ、R検出対象要素レンズ設定手段507と同様、2値化処理を施した緑色の撮像画像及び青色の撮像画像において検出対象要素レンズを設定するため、詳細な説明を省略する。
撮像用レンズ位置検出手段508は、撮像用2値化手段506によって2値化処理が行われた3原色の撮像画像に対して、重心検出処理又はパターンマッチングを行うことで、検出対象要素レンズの位置を検出するものである。以下、検出対象要素レンズの位置検出手法について、第1例及び第2例をあげて説明する。
<第1例:重心検出処理>
図19を参照し、検出対象要素レンズの位置検出手法の第1例について説明する(適宜図13参照)。
図19に示すように、撮像用レンズ位置検出手段508は、重心検出処理を行うため、R撮像用重心検出手段528と、G撮像用重心検出手段528と、B撮像用重心検出手段528とを備える。
R撮像用重心検出手段528は、R検出対象要素レンズ設定手段507から、検出対象要素レンズ識別情報と、2値化画像(2値化処理が施された赤色の撮像画像)とが入力される。そして、R撮像用重心検出手段528は、R補正用重心検出手段523と同様、この2値化画像に重心検出処理を行って、屈折率分布レンズ21の重心を検出する。その後、R撮像用重心検出手段528は、検出した全ての屈折率分布レンズ21のうち、検出対象要素レンズ識別情報で検出対象要素レンズとして設定された屈折率分布レンズ21の重心を、検出対象要素レンズの中心位置として補正データ修正手段509に出力する。このように、R撮像用重心検出手段528は、検出対象要素レンズの中心位置をサブピクセル精度で求めることができる。
G撮像用重心検出手段528及びB撮像用重心検出手段528は、それぞれ、R撮像用重心検出手段528と同様、2値化処理を施した緑色の撮像画像及び青色の撮像画像に重心検出処理を行うため、詳細な説明を省略する。
<第2例:パターンマッチング>
図20を参照し、検出対象要素レンズの位置検出手法の第2例について説明する(適宜図13参照)。
図20に示すように、撮像用レンズ位置検出手段508は、パターンマッチングを行うため、R撮像用パターンマッチング手段548と、G撮像用パターンマッチング手段548と、B撮像用パターンマッチング手段548とを備える。
R撮像用パターンマッチング手段548は、R検出対象要素レンズ設定手段507から、検出対象要素レンズ識別情報と、2値化画像(2値化処理が施された赤色の撮像画像)とが入力される。そして、R撮像用パターンマッチング手段548は、R補正用パターンマッチング手段543と同様、この2値化画像にパターンマッチングを行って、各屈折率分布レンズ21の中心位置を検出する。さらに、R撮像用パターンマッチング手段548は、検出した全ての屈折率分布レンズ21のうち、検出対象要素レンズ識別情報で検出対象要素レンズとして設定された屈折率分布レンズ21の中心位置を、検出対象要素レンズの中心位置として補正データ修正手段509に出力する。このように、R撮像用パターンマッチング手段548は、検出対象要素レンズの中心位置をサブピクセル精度で求めることができる。
G撮像用パターンマッチング手段548及びB撮像用パターンマッチング手段548は、それぞれ、R撮像用パターンマッチング手段548と同様、2値化処理を施した緑色の撮像画像及び青色の撮像画像にパターンマッチングを行うため、詳細な説明を省略する。
前記したように、レンズ面全体が撮像されていない屈折率分布レンズ21は、検出対象要素レンズとして設定されることがない。このため、第1例〜第4例の何れを用いた場合でも、撮像用レンズ位置検出手段508は、検出対象要素レンズの位置を検出できない事態や、検出対象要素レンズの位置を誤検出する事態を防止して、検出対象要素レンズの位置検出精度を高くすることができる。
図13に戻り、補正手段51の構成について説明を続ける。
補正データ修正手段509は、撮像用レンズ位置検出手段508が検出した検出対象要素レンズの位置ずれの平均値を算出し、算出した検出対象要素レンズの位置ずれの平均値に基づいて、補正データ算出手段504が算出した補正データを修正するものである。
ここで、補正用白色被写体10を撮像してから、被写体90を撮像するまでの間に、屈折率分布レンズアレイ20、集光レンズ30及び撮像用レンズ41の相対位置にずれが生じる場合がある。そこで、補正データ修正手段509は、補正用画像から検出した屈折率分布レンズ21の中心位置と、検出対象要素レンズの中心位置との位置ずれの平均値を算出し、この平均値を補正データに反映させる。
具体的には、補正データ修正手段509は、補正データ算出手段504から、補正データと、赤色、緑色及び青色での各屈折率分布レンズ21の中心位置とが入力される。また、補正データ修正手段509は、撮像用レンズ位置検出手段508から、赤色、緑色及び青色での検出対象要素レンズの中心位置が入力される。そして、補正データ修正手段509は、3原色ごとに、この検出対象要素レンズの中心位置と、この検出対象要素レンズに対応する屈折率分布レンズ21の中心位置との位置ずれ量を算出する。さらに、補正データ修正手段509は、3原色ごとに、算出した全ての位置ずれ量の平均値を算出して、この平均値を補正データに加算する。その後、補正データ修正手段509は、修正した補正データを歪み補正手段510に出力する。これによって、補正データ修正手段509は、補正用白色被写体10を撮像してから、被写体90を撮像するまでの間に生じた中心位置ずれを補正データに反映させることができる。
歪み補正手段510は、補正データ修正手段509が修正した補正データに基づいて、3原色の撮像画像を2次元画像処理又は3次元画像処理によって補正するものである。具体的には、歪み補正手段510は、カメラ40から、3原色ごとの撮像画像(動画)が入力される。この撮像画像(動画)は、被写体90を撮像した撮像画像がフレーム画像として連続したものである。また、歪み補正手段510は、補正データ修正手段509から、修正済みの補正データが入力される。そして、基準色が緑色であるため、歪み補正手段510は、赤色及び青色の撮像画像での屈折率分布レンズ21の中心位置か、緑色の撮像画像での屈折率分布レンズ21の中心位置に一致するように、赤色及び青色の撮像画像を補正する(図18参照)。その後、歪み補正手段510は、緑色の撮像画像と、補正済みの赤色及び青色の撮像画像とを合成して出力する。以下、撮像画像の補正方法について、第1例及び第2例をあげて説明する。
<第1例:2次元画像処理>
以下、図21を参照して、撮像画像の補正方法の第1例について説明する(適宜図1,図13参照)。
屈折率分布レンズアレイ20は、カメラ側端面が平面である(図1参照)。このため、歪み補正手段510は、2次元画像処理によって、色収差による歪みだけでなく、姿勢変化による位置ずれ(例えば、水平、垂直、回転及びあおり)も補正することが可能となる。
図21(a)のように、補正用白色被写体10を撮像してから、図21(b)のように、被写体90を撮像するまでの間、屈折率分布レンズアレイ20とカメラ40との相対的な姿勢が変化することがある。図21(b)の例では、屈折率分布レンズアレイ20とカメラ40との間で、相対的な姿勢変化によって、水平方向の位置ずれが生じる。この場合、図21(c)に示すように、歪み補正手段510は、2次元画像処理によって、補正用画像から検出された屈折率分布レンズ21の中心位置と、撮像画像から検出された検出対象要素レンズの中心位置とを比較、一致させる。これによって、歪み補正手段510は、姿勢変化による位置ずれも補正することができる
例えば、補正用白色被写体10を撮像してから、被写体90を撮像するまでの間、右方向に1画素分移動した場合を考える。この場合、歪み補正手段510は、補正用画像を右方向に1画素移動させた後、移動させた補正用画像と撮像画像とを用いて補正を行うことになる。
なお、移動方向と逆の方向(本例では左)にある補正用画像の左端の縦1列(右に1画素移動したので縦1列)では、その補正データが存在しないため、歪み補正手段510は、周辺画素の補正データから補間する。
<第2例:3次元画像処理>
以下、図22を参照して、撮像画像の補正方法の第2例について説明する(適宜図1,図13参照)。
ここで、図22(a)のように、補正用白色被写体10を撮像してから、図22(b)のように、被写体90を撮像するまでの間、屈折率分布レンズアレイ20とカメラ40との相対的な姿勢が変化したとする。
この場合、図22(c)に示すように、歪み補正手段510は、3次元画像処理(例えば、光線追跡法)によって、この姿勢変化から、屈折率分布レンズアレイ20とカメラ40とが相対的に正しい位置での光線を推定することができる。従って、歪み補正手段510は、3次元画像処理を用いて、高い精度で補正を行うことができる。特に、屈折率分布レンズ21の中心位置が設計位置からずれる場合(屈折率分布レンズアレイ20に製造上の誤差がある場合)でも、歪み補正手段510は、3次元画像処理によって光線を正確に推定できるので、より高い精度で補正を行うことができる。
ここで、光線追跡法としては、例えば、文献“「インテグラル方式における幾何光学を用いた奥行き制御手法」,洗井、河北、岡野,映像情報メディア学会技術報告 vol.32,no.44,pp.41-44,3DIT2008-74,IDY2008-102 (Oct.2008)”に記載された手法を用いることができる。この文献に記載された手法を用いる場合、奥行き変更を行わない。
なお、補正用白色被写体10を撮像して補正データを算出する際、屈折率分布レンズアレイ20とカメラ40とを適切な位置に手動で配置しておくとよい。
また、歪み補正手段510は、動画として撮像された撮像画像だけでなく、静止画として撮像された撮像画像を補正できることは言うまでもない。
[補正手段の動作:補正データの算出]
図23,図24を参照して、補正データの算出及び撮像画像の補正に分けて、図3の補正手段の動作について説明する(適宜図13参照)。
なお、図23,図24では、手動で行われる処理を破線で図示した。
図23に示すように、立体撮像システム100では、屈折率分布レンズアレイ20のカメラ端面がカメラ40の焦点位置になるように屈折率分布レンズアレイ20を手動で配置する(ステップS11)。
立体撮像システム100では、屈折率分布レンズアレイ20のカメラ側に集光レンズ30を手動で配置する(ステップS12)。また、立体撮像システム100では、屈折率分布レンズアレイ20の被写体側に補正用白色被写体10を手動で配置する(ステップS13)。
カメラ40は、屈折率分布レンズアレイ20のカメラ側端面を撮像する。すなわち、カメラ40は、集光レンズ30を介して補正用白色被写体10を撮像する。そして、補正手段51は、カメラ40から、屈折率分布レンズアレイ20の屈折率分布レンズ21の配列を示す補正用画像が、補正用画像入力手段501に入力される(ステップS14)。
補正手段51は、補正用2値化手段502によって、3原色の補正用画像に対して、2値化処理を行う(ステップS15)。そして、補正手段51は、補正用レンズ位置検出手段503によって、3原色の補正用画像に対して、重心検出処理、点像群検出処理又はパターンマッチングの何れか1以上を行うことで、3原色の補正用画像ごとに屈折率分布レンズ21の位置を検出する(ステップS16)。
補正手段51は、補正データ算出手段504によって、屈折率分布レンズ21ごとに、この基準色での屈折率分布レンズ21の中心位置に対する、他の2原色での屈折率分布レンズ21の中心位置のずれ量を算出する(ステップS17)。
補正手段51は、補正データ算出手段504によって、屈折率分布レンズ21の中心位置を一致させる補正データを算出する。すなわち、補正手段51は、補正データ算出手段504によって、色収差による歪みを補正する補正データを算出する(ステップS18)。
[補正手段の動作:撮像画像の補正]
図24に示すように、立体撮像システム100では、補正用白色被写体10に代えて、被写体90を屈折率分布レンズアレイ20の被写体側に手動で配置する(ステップS31)。
カメラ40は、屈折率分布レンズアレイ20のカメラ側端面を撮像する。すなわち、カメラ40は、集光レンズ30を介して被写体90を撮像する。そして、補正手段51は、カメラ40から、被写体90が撮像された撮像画像が、撮像画像入力手段505に入力される(ステップS32)。
補正手段51は、撮像用2値化手段506によって、3原色の撮像画像に対して、2値化処理を行う(ステップS33)。そして、補正手段51は、検出対象要素レンズ設定手段507によって、3原色の撮像画像において、屈折率分布レンズ21のレンズ面全体が撮像されたか否かをパターンマッチング又は要素レンズの総輝度値によって判定し、レンズ面全体が撮像されたと判定された屈折率分布レンズ21を検出対象要素レンズとして設定する(ステップS34)。
補正手段51は、撮像用レンズ位置検出手段508によって、3原色の撮像画像ごとに、重心検出処理又はパターンマッチングを行うことで、検出対象要素レンズの位置を検出する(ステップS35)。
補正手段51は、補正データ修正手段509によって、検出した検出対象要素レンズの位置ずれ量の平均値を算出する(ステップS36)。そして、補正手段51は、補正データ修正手段509によって、この平均値を補正データに加算して、補正データを修正する(ステップS37)。さらに、補正手段51は、歪み補正手段510によって、修正済みの補正データに基づいて、3原色の撮像画像を2元画像処理又は3次元画像処理によって補正する(ステップS38)。
(その他変形例)
第1〜3実施形態では、レンズアレイの一例として、屈折率分布レンズアレイ20を説明したが、本発明は、これに限定されない。
例えば、本発明は、レンズアレイとして、屈折率分布レンズアレイ20の代わりに、凹レンズを2次元に配置した凹レンズアレイ(不図示)を用いることもできる。
さらに、本発明は、レンズアレイとして、屈折率分布レンズアレイ20の代わりに、凸レンズアレイの対(不図示)を備えてもよい。
第1〜3実施形態では、光学部材の一例として、集光レンズ30を説明したが、本発明は、これに限定されない。例えば、本発明は、光学部材として、集光レンズ30の代わりに、拡散板(不図示)を用いることもできる。
第1〜3実施形態では、撮像装置の一例として、3板式のカメラ40を説明したが、本発明は、これに限定されない。例えば、本発明は、撮像装置として、単板式のカメラ(不図示)を用いることもできる。
第1〜3実施形態では、RGB信号から輝度信号及び色差信号への変換式が式(5)であり、輝度信号及び色差信号からRGB信号への逆変換式が式(7)であることとして説明したが、本発明は、これに限定されない。
第4実施形態では、補正用白色被写体10を撮像してから、撮像用被写体を撮像するまでの間における光学系の相対位置のずれを考慮して、補正データを修正することとしたが、本発明は、これに限定されない。つまり、補正手段51は、補正データを修正しなくともよい。
第4実施形態として、第1〜3実施形態に適用可能な補正手段51を説明したが、本発明は、これに限定されない。つまり、補正手段51は、撮像画像の色ずれ量を1.0画以下に抑えることが可能であれば、第4実施形態の構成に限定されない。
(参考例1)
図25を参照し、本発明の参考例1に係る補正装置50Cについて、第2実施形態と異なる点を説明する。
参考例1に係る補正装置50Cでは、エンハンス処理の代わりに、点拡がり関数(PSF:Point Spread Function)を用いることが、第2実施形態と異なる。このため、補正装置50Cは、図25に示すように、補正手段51と、信号変換手段52と、パラメータ設定手段53と、信号逆変換手段55と、奥行情報入力手段56と、点拡がり関数処理手段58とを備える。
具体的には、点拡がり関数処理手段58は、輝度画像(撮像画像の輝度信号Y)の画素毎に、下記の式(12)で定義された演算処理を行う。つまり、点拡がり関数処理手段58は、撮像画像の輝度信号Yに点拡がり関数Z´の計算値を乗算することで、撮像画像の輝度信号Yを輝度信号Y´に補正している。
Figure 0005906139
この式(12)では、*が畳み込み演算であり、がZ´が点拡がり関数であり、x,yがそれぞれ画素の水平座標及び垂直座標である。
また、σが、点の拡がり(点のぼけ)を示す係数である。点拡がり関数を用いる際、奥行情報が考慮されていなかったが、奥行が遠くなるほど、点の拡がりも大きくなると考えられる。そこで、係数σは、パラメータ設定手段53を用いて、奥行情報Zに依存するように予め設定することが好ましい。
以上のように、参考例1に係る補正装置50Cは、被写体90の奥行情報に応じたぼけを撮像画像の輝度信号に反映させるため、撮像画像の色ずれをより正確に補正することができる。
本発明は、IP方式の立体像(静止画及び動画)の撮像に利用することができる。例えば、本発明は、IP方式の立体テレビ受信機で視聴される立体画像などの立体映像コンテンツの撮像に利用することができる。
10 補正用白色被写体
20 屈折率分布レンズアレイ(レンズアレイ)
21 屈折率分布レンズ(要素レンズ)
30 集光レンズ(光学部材)
40 カメラ(撮像装置)
41 撮像用レンズ
43,43,43 撮像素子
50,50A,50B,50C 補正装置
51 補正手段
52 信号変換手段
53 パラメータ設定手段
54,54A,54B エンハンス処理手段
54a,54Aa,54Ba エンハンス量算出手段
55 信号逆変換手段
56 奥行情報入力手段(奥行値入力手段)
57 マスク画像生成手段
58 点拡がり関数処理手段
60 データ転送線
70 ハーフミラー
80 奥行情報取得カメラ
90 撮像用被写体(被写体)
100,100A,100B,100C 立体撮像システム
501 補正用画像入力手段
502 補正用2値化手段
503 補正用レンズ位置検出手段
504 補正データ算出手段
505 撮像画像入力手段
506 撮像用2値化手段
507 検出対象要素レンズ設定手段
508 撮像用レンズ位置検出手段
509 補正データ修正手段
510 歪み補正手段

Claims (9)

  1. 要素レンズが2次元状に配置されたレンズアレイと、撮像装置とを少なくとも含むインテグラルフォトグラフィー方式の立体撮像システムで撮像された撮像画像の色ずれを補正する補正装置であって、
    前記撮像装置から入力された撮像画像の色収差による歪みを補正する補正手段と、
    予め設定された変換式に基づいて、前記補正手段で補正された撮像画像のRGB信号を輝度信号及び色差信号に変換する信号変換手段と、
    前記信号変換手段で変換された撮像画像の輝度信号において、予め設定されたエンハンス周波数領域の成分に所定のエンハンス係数を乗じることで、当該輝度信号の加算量であるエンハンス量を算出するエンハンス量算出手段と、
    前記エンハンス量算出手段で算出されたエンハンス量と前記撮像画像の輝度信号とを加算するエンハンス処理を行うエンハンス処理手段と、
    予め設定された逆変換式に基づいて、前記信号変換手段で変換された撮像画像の色差信号及び前記エンハンス処理された撮像画像の輝度信号をRGB信号に逆変換することで、色ずれが補正された撮像画像を生成する信号逆変換手段と、
    を備えることを特徴とする補正装置。
  2. 前記撮像画像の画素毎の奥行値が入力される奥行値入力手段、をさらに備え、
    前記エンハンス量算出手段は、前記エンハンス周波数領域の成分に前記奥行値と前記エンハンス係数とを乗じることで、前記撮像画像の画素毎に前記エンハンス量を算出することを特徴とする請求項1に記載の補正装置。
  3. 前記エンハンス量算出手段は、前記エンハンス周波数領域の成分に対して線形又は非線形となるような前記エンハンス量を算出することを特徴とする請求項1に記載の補正装置。
  4. 前記エンハンス処理手段は、前記撮像画像の輝度信号において、各画素の輝度値が予め設定された閾値以上となるか否かを判定し、前記輝度値が前記閾値以上となる画素に前記エンハンス処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の補正装置。
  5. 前記エンハンス量算出手段は、前記エンハンス周波数領域として、ナイキスト領域が予め設定されたことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の補正装置。
  6. 前記レンズアレイが撮像された撮像画像の輝度信号から、前記レンズアレイの輪郭を示すマスク画像を生成するマスク画像生成手段、をさらに備え、
    前記エンハンス処理手段は、被写体が撮像された撮像画像の輝度信号において、前記マスク画像が示すレンズアレイの輪郭以外の画素に、前記エンハンス処理を行うことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載の補正装置。
  7. 要素レンズが2次元状に配置されたレンズアレイと、撮像装置とを少なくとも含むインテグラルフォトグラフィー方式の立体撮像システムで撮像された撮像画像の色ずれを補正するために、コンピュータを、
    前記撮像装置から入力された撮像画像の色収差による歪みを補正する補正手段、
    予め設定された変換式に基づいて、前記補正手段で補正された撮像画像のRGB信号を輝度信号及び色差信号に変換する信号変換手段、
    前記信号変換手段で変換された撮像画像の輝度信号において、予め設定されたエンハンス周波数領域の成分に所定のエンハンス係数を乗じることで、当該輝度信号の加算量であるエンハンス量を算出するエンハンス量算出手段、
    前記エンハンス量算出手段で算出されたエンハンス量と前記撮像画像の輝度信号とを加算するエンハンス処理を行うエンハンス処理手段、
    予め設定された逆変換式に基づいて、前記信号変換手段で変換された撮像画像の色差信号及び前記エンハンス処理された撮像画像の輝度信号をRGB信号に逆変換することで、色ずれが補正された撮像画像を生成する信号逆変換手段、
    として機能させるための補正プログラム。
  8. 前記コンピュータを、前記撮像画像の画素毎の奥行値が入力される奥行値入力手段、としてさらに機能させ、
    前記エンハンス量算出手段は、前記エンハンス周波数領域の成分に前記奥行値と前記エンハンス係数とを乗じることで、前記撮像画像の画素毎に前記エンハンス量を算出することを特徴とする請求項7に記載の補正プログラム。
  9. 撮像画像の色ずれを補正するインテグラルフォトグラフィー方式の立体撮像システムであって、
    被写体からの光が2次元状に配置された要素レンズに入射するレンズアレイと、
    前記レンズアレイに対向し、かつ、前記要素レンズに入射した前記被写体からの光の光路上に配置された光学部材と、
    前記光学部材を介して前記被写体を撮像することで、前記撮像画像を生成する撮像装置と、
    請求項1に記載の補正装置と、
    を備えることを特徴とする立体撮像システム。
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