以下に添付図面を参照して、本発明にかかる算出装置、算出方法、および算出プログラムの実施の形態を詳細に説明する。
図1は、算出装置の動作例を示す説明図である。電力センサ網100は、電力会社から供給された電力を、建物内の機器に供給する分電盤1および分電盤2と、分電盤1または分電盤2のいずれかを供給元として電力の供給を受ける供給先となるコンセント1を含む。ここで、建物の管理者は、コンセント1が分電盤1または分電盤2のどちらに接続されているか不明な状態である。図1では、このように分電盤1、分電盤2とコンセント1との接続関係が不明な状態を“接続関係?”で表している。また、算出装置101は、分電盤1と、分電盤2と、コンセント1の電力量を通信回線網を介して収集して、分電盤1と、分電盤2と、コンセント1の電力量変化量を記憶している。電力量変化量とは、時刻ごとの電力量の変化量である。本実施の形態では、算出装置101は、電力量変化量から、コンセント1が、どの供給元に接続しているかを推定する。
算出装置101が記憶している電力量変化量は、たとえば、グラフ102で示すような内容である。グラフ102の横軸は、時刻を示す。グラフ102の縦軸は、電力量変化量を示す。グラフ102は、時刻t1〜時刻t3に対するコンセント1と分電盤1と分電盤2の電力量変化量を示す。電力量変化量を参照して、算出装置101は、分電盤1とコンセント1の接続関係と、分電盤2とコンセント1の接続関係を推定する。具体的に、算出装置101は、分電盤1とコンセント1の接続を推定した推定内容103に関して、推定内容103の正しさの度合いを示す確率となる尤度を算出する。同様に、算出装置101は、分電盤2とコンセント1の接続を推定した推定内容104に関して、推定内容104の正しさの度合いを示す確率となる尤度を算出する。
なお、供給元と供給先が接続されている場合、供給先の電力量が増大すると、供給元の電力量が増大する可能性が高い。本実施の形態では、供給先の電力量が増大すると、供給元の電力量が増大する可能性が高くなるという特徴を用いて、接続関係を推定する。また、実際には、分電盤1とコンセント1が接続されているものとする。
初めに、算出装置101は、推定内容103の尤度を算出する。具体的には、算出装置101は、各時刻において、分電盤1とコンセント1の接続を仮定した場合の分電盤1の電力量変化量が取り得る確率を算出する。ここで、分電盤1の電力量変化量が取り得る確率とは、分電盤1で発生し得る電力量変化量群のうち、ある電力量変化量が発生する確率を示す。次に、算出装置101は、各時刻の確率に基づいて、推定内容103の尤度を算出する。たとえば、算出装置101は、各時刻の確率を掛け合わせて推定内容103の尤度を算出する。
具体的に、図1では、算出装置101は、分電盤1で発生し得る電力量変化量が正規分布に従うと仮定している。かかる仮定のもと、算出装置101は、分電盤1の電力量変化量の平均と標準偏差から正規分布を生成し、生成した正規分布の確率密度関数を分電盤1の電力量変化量が取り得る確率の確率密度関数とする。次に、算出装置101は、確率密度関数f(x)を用いて、推定内容103の尤度を算出する。なお、xは電力量変化量を示す。接続を仮定した場合の分電盤1の電力量変化量の確率密度関数fC1(x)は、分電盤1の電力量変化量からコンセント1の電力量変化量を除いた電力量変化量が取り得る確率の確率密度関数で近似できる。
推定内容103における、生成した正規分布の確率密度関数f(x)と、時刻t1における確率密度関数fC1(x)を、グラフ105に示す。グラフ105は、時刻t1における分電盤1での電力量変化量が取り得る確率密度関数を示す。グラフ105の横軸は、電力量変化量を示す。グラフ105の縦軸は、電力量変化量の発生確率を示す。f(x)はグラフ105内の破線で示す。fC1(x)はグラフ105内の実線で示す。また、C1(t1)は、時刻t1におけるコンセント1での電力量変化量を示す。B1(t1)は、時刻t1における分電盤1での電力量変化量を示す。
グラフ102より、C1(t1)=10[W]となり、B1(t1)=15[W]となる。また、fC1(x)は、fC1(x)=f(x−10)のように近似できる。したがって、fC1(x)は、f(x)から正の方向に移動した関数となる。分電盤1での電力量変化量15[W]が取り得る確率fC1(15)は、f(15)に比べ大きい値となる。このように、分電盤1とコンセント1が接続されている場合、コンセント1での電力量変化量が正であれば、分電盤1での電力量変化量も正となりやすく、分電盤1での電力量変化量が取り得る確率も大きい値となる。
続けて、算出装置101は、時刻t2、時刻t3、…、時刻tkについても分電盤1の電力量変化量が取り得る確率を算出する。kは時刻のインデックスを示している。算出した結果の例を示した表が表106である。時刻t1について、C1(t1)が正であり、B1(t1)が正であるため、時刻t1での確率fC1(t1)は、f(t1)よりも大きくなる。時刻t2での確率と時刻t3での確率も、同様な算出方法を行い、大きな値となる。続けて、算出装置101は、時刻t1での確率、時刻t2での確率、時刻t3での確率、…、時刻tkでの確率を掛け合わせて推定内容103の尤度を算出する。
次に、算出装置101は、推定内容104の尤度を算出する。具体的には、算出装置101は、各時刻において、分電盤2とコンセント1の接続を仮定した場合の分電盤2の電力量変化量が取り得る確率を算出する。次に、算出装置101は、各時刻の確率から、推定内容104の尤度を算出する。たとえば、算出装置101は、各時刻の確率を掛け合わせて推定内容104の尤度を算出する。このように、算出装置101は、推定内容103の尤度の算出方法と同様の方法で推定内容104の尤度を算出する。
推定内容104における、生成した正規分布の確率密度関数f(x)および確率密度関数fC1(x)を、グラフ107に示す。グラフ107は、時刻t1における分電盤2での電力量変化量が取り得る確率密度関数を示す。グラフ107の横軸は、電力量変化量を示す。グラフ107の縦軸は、電力量変化量の発生確率を示す。f(x)はグラフ107内の破線で示す。fC1(x)はグラフ107内の実線で示す。B2(t1)は、時刻t1における分電盤2での電力量変化量を示す。
グラフ102より、C1(t1)=10[W]となり、B2(t1)=−5[W]となる。また、fC1(x)は、fC1(x)=f(x−10)のように近似できる。したがって、fC1(x)は、f(x)から正の方向に移動した関数となる。グラフ107より、分電盤2での電力量変化量−5[W]が取り得る確率fC1(−5)は、f(−5)に比べ小さい値となる。
続けて、算出装置101は、時刻t2、時刻t3、…、時刻tkについても分電盤2の電力量変化量が取り得る確率を算出する。算出した結果の例を示した表が表108である。時刻t1では、C1(t1)が正であり、B2(t1)が負であるため、時刻t1での確率fC1(t1)は、f(t1)より小さくなる。続けて、時刻t2について、C1(t2)が正であり、B2(t2)が正であるため、時刻t2での確率fC1(t2)は、f(t2)より大きくなる。
さらに、時刻t3での確率は、C1(t3)が正であり、B2(t3)が負であるため、時刻t3での確率fC1(t3)は、f(t3)より小さくなる。続けて、算出装置101は、時刻t1での確率、時刻t2での確率、時刻t3での確率、…、時刻tkでの確率を掛け合わせて推定内容104の尤度を算出する。
推定内容103の尤度と推定内容104の尤度を比較すると、表106と、表108より、確率fC1(tk)のフィールドが“大”となった個数が多い推定内容103の尤度が、推定内容104の尤度より高い値となる。
このように、算出装置101は、接続または非接続を仮定した場合の尤度を求める。これにより、算出装置101は、配線を追わずに分電盤とコンセントの接続関係を推定できる。また、算出装置101は、推定処理を容易に実行できる。以下、図2〜図18を用いて、算出装置101の詳細について説明する。
図2は、電力センサ網の接続例を示す説明図である。電力センサ網100は、分電盤1と、分電盤2と、親分電盤3と、コンセント1と、PC(Personal Computer)201と、コンセント2と、ディスプレイ202と、PC203と、コンセント3と、ファクシミリ204と、プリンタ205と、を含む。電力センサ網100に含まれる装置のうち、分電盤1と、分電盤2と、親分電盤3は、電力を供給する供給元である。また、電力センサ網100に含まれる装置のうち、分電盤1と、分電盤2と、親分電盤3以外の他の装置は、電力が供給される供給先である。電力センサ網100の上流に供給元が存在し、電力センサ網100の下流に供給先が存在する。なお、図示していないが、電力センサ網100内に、分電盤がN個存在するものとする。Nは、2以上の整数である。
分電盤1と、分電盤2と、親分電盤3は、それぞれ、電力センサB1、電力センサB2、電力センサB3を含む。また、コンセント1〜コンセント3は、それぞれ、電力センサC1〜電力センサC3を含む。電力センサB1〜電力センサC3は、電力を測定する装置である。
PC201と、PC203は、個人によって占有されて使用されるコンピュータである。ディスプレイ202は、映像を表示する装置である。ディスプレイ202は、たとえば、PC201から出力された映像を表示する。PC201は、コンセント1に接続している。したがって、PC201が使用した電力量は、電力センサC1によって測定される。同様に、ディスプレイ202は、コンセント2に接続している。したがって、PC201が使用した電力量は、電力センサC2によって測定される。
ファクシミリ204は、通信回線を通して画像情報を遠隔地に伝送する装置である。ファクシミリ204は、コンセント3に接続しており、ファクシミリ204が使用した電力は、電力センサC3によって測定される。プリンタ205は、コンピュータからの情報を出力する装置であり、たとえば、PC203からの情報を出力する。
親分電盤3は、分電盤1と分電盤2に電力を供給する。分電盤1と、分電盤2は、供給先となる装置群のいずれかの装置に電力を供給する。具体的にどの装置に供給するのかについて、ユーザは、接続関係がわからず、不明となっている。図2では、図1と同様に、分電盤1、分電盤2と、供給先となる装置群のいずれかの装置との接続関係が不明な状態を“接続関係?”で表している。接続関係が不明となる原因として、たとえば、建物の老朽化や拡張によって、配管配線工事が行われ、接続関係が建物の設計時と異なる場合である。また、接続関係を把握すべき場合として、建物のリフォームを行う場合、また、建物の売買を行う場合などがある。このとき、建物の管理者が、建物やインフラストラクチャの状況を把握するには時間と手間がかかる。本実施の形態では、このような供給元と供給先との接続関係が不明となってしまっている状態に対して、算出装置101は接続関係を推定する。
図3は、通信システムの接続例を示す説明図である。通信システム300は、電力センサB1〜電力センサB3と、電力センサC1〜電力センサC3と、ルータ301と、ハブ302と、無線ハブ303と、算出装置101と、を含む。また、通信システム300は、ネットワーク304とネットワーク305を含む。ネットワーク304は、ルータ301と、ハブ302と、無線ハブ303と、を含む。ネットワーク305は、ルータ301と、算出装置101と、電力センサC3を含む。
ルータ301は、ネットワーク304とネットワーク305と、を相互接続する通信装置である。ハブ302は、電送信号の中継を行う装置である。具体的に、ハブ302は、ネットワーク304に接続された装置と、電力センサB1〜電力センサB3とで行われる電送信号の中継を行う。無線ハブ303は、無線通信によって電送信号の中継を行う装置である。具体的に、無線ハブ303は、ネットワーク304に接続された装置と、電力センサC1、電力センサC2とで行われる電送信号の中継を無線通信にて行う。
ネットワーク304、ネットワーク305は、複数のコンピュータを接続するものである。ネットワーク304とネットワーク305は、たとえば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)である。
図4は、通信システムのハードウェア例を示す説明図である。図4では、電力センサB1〜電力センサC3のうち、電力センサC3についてと、算出装置101のハードウェアについて説明する。図4において、電力センサC3は、CPU(Central Processing Unit)401と、ROM(Read‐Only Memory)402と、RAM(Random Access Memory)403と、を含む。また、電力センサC3は、フラッシュROM404と、センサ405と、IF(InterFace)406と、を含む。また、各部はバス407によってそれぞれ接続されている。
ここで、CPU401は、電力センサC3の全体の制御を司る演算処理装置である。ROM402は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶する不揮発性メモリである。RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される揮発性メモリである。フラッシュROM404は、記憶内容を書き換え可能な不揮発性メモリである。たとえば、フラッシュROM404は、NOR型フラッシュメモリである。具体的に、フラッシュROM404は、電力センサC3の動作を制御するファームウェアなどを記憶する。たとえば、ファームウェアを更新する場合、電力センサC3は、IF406によって新しいファームウェアを受信する。次に、電力センサC3は、フラッシュROM404に格納されている古いファームウェアを、受信した新しいファームウェアに更新する。
IF406は、通信回線を通じてネットワーク305に接続され、ネットワーク305を介して他の装置に接続される。そして、IF406は、ネットワーク305と内部のインターフェースを司り、外部装置からのデータの入出力を制御する。センサ405は、測定対象を測定する装置である。
算出装置101は、CPU411と、ROM412と、RAM413と、磁気ディスクドライブ414と、磁気ディスク415と、IF416と、を含む。また、各部はバス417によってそれぞれ接続されている。
ここで、CPU411は、算出装置101の全体の制御を司る演算処理装置である。ROM412は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶する不揮発性メモリである。RAM413は、CPU411のワークエリアとして使用される揮発性メモリである。磁気ディスクドライブ414は、CPU411の制御に従って磁気ディスク415に対するデータのリード/ライトを制御する制御装置である。磁気ディスク415は、磁気ディスクドライブ414の制御で書き込まれたデータを記憶する不揮発性メモリである。
IF416は、通信回線を通じてネットワーク305に接続され、ネットワーク305を介して他の装置に接続される。そして、IF416は、ネットワーク305と内部のインターフェースを司り、外部装置からのデータの入出力を制御する。IF416には、たとえばモデムやLANアダプタなどを採用することができる。なお、電力センサC3と算出装置101は、IF406、IF416を介して接続されている。なお、算出装置101は、光ディスクドライブと、ディスプレイと、キーボードと、マウスと、を有していてもよい。
(算出装置101の機能)
次に、算出装置101の機能について説明する。図5は、算出装置の機能例を示すブロック図である。算出装置101は、測定データ受信部501と、測定データ記録部502と、変化量生成部503と、接続関係推定部504と、指標値記録部505と、結果出力部506を含む。また、算出装置101は、測定電力量データベース507と、電力量変化量テーブル508にアクセス可能である。
また、変化量生成部503は、測定データ読込部511と、供給元抽出部512と、電力量変化量算出部513と、測定サンプリングレート調整部514と、変化量記録部515と、を含む。さらに、接続関係推定部504は、抽出部521と、生成部522と、設定部523と、算出部524と、算出部525と、出力部526と、を含む。制御部となる測定データ受信部501〜出力部526は、記憶装置に記憶されたプログラムをCPU411が実行することにより、その機能を実現する。記憶装置とは、具体的には、たとえば、図4に示したROM412、RAM413、磁気ディスク415などである。または、IF416を経由して他のCPUが実行することにより、その機能を実現してもよい。
測定データ受信部501は、電力センサB1〜電力センサC3から、電力量を受信する。たとえば、測定データ受信部501は、電力センサB1から定期的に電力量を受信する。また、測定される測定対象としては、本実施の形態で説明する電力の他、ガス、水といった、配管によって供給される流体であってもよい。受信した測定値は、RAM413などの記憶領域に記憶される。
測定データ記録部502は、測定データ受信部501によって受信した電力量を、送信元の装置と時刻に対応づけて測定電力量データベース507に記録する。送信元の装置と対応づける方法としては、たとえば、送信元の装置の識別情報に電力量を対応づける。送信元の装置の識別情報は、“分電盤1”や、“コンセント1”といった名称であってもよいし、電力センサが有する固有の情報であってもよい。たとえば、測定データ受信部501が、分電盤1に含まれる電力センサB1から「2011/9/6 12:00」に、分電盤1が供給した電力量として、1740.0[Wh]という電力量を受信したとする。このとき、測定データ記録部502は、1740.0[Wh]という電力量を、分電盤1の識別情報と受信した「2011/9/6 12:00」という時刻情報とに対応づけて測定電力量データベース507に記録する。
変化量生成部503は、電力量から電力量変化量を生成する。たとえば、測定電力量データベース507が、分電盤1での電力量として、「2011/9/6 12:00」に1740.0[Wh]という電力量と、「2011/9/6 12:10」に1732.0[Wh]という電力量を記憶していたとする。このとき、変化量生成部503は、1732.0−1740.0=−8[Wh/10分]=−48[W]という電力量変化量を生成する。変化量生成部503は、生成した電力量変化量を電力量変化量テーブル508に記録する。
接続関係推定部504は、電力量変化量テーブル508から、供給元と供給先の対応関係を推定する。たとえば、接続関係推定部504は、電力量変化量テーブル508から、コンセント1が分電盤1と接続している可能性が高い、という指標値を出力する。なお、具体的な推定方法について、本実施の形態では、方法1から方法3まで例示する。方法1については、図9Aと図9Bで後述する。方法2については、図10Aと図10Bで後述する。方法3については、図11A〜図13で後述する。
指標値記録部505は、接続関係推定部504によって出力された、供給元と供給先とが接続されている可能性を示す指標値を記録する。記録先としては、たとえば、磁気ディスク415等が採用される。
結果出力部506は、記録された指標値を出力する。たとえば、算出装置101を遠隔操作する装置に対して、“コンセント1と接続されている可能性がある分電盤が分電盤1である”という旨を出力する。また、出力先として、結果出力部506は、RAM413に指標値を出力してもよいし、ネットワーク305を通じて、プリンタやディスプレイに出力してもよい。
測定電力量データベース507は、送信元の装置と時刻に対応づけられた電力量を記憶する。たとえば、測定電力量データベース507は、「2011/9/6 12:00」という時刻情報に対応づけられた1740.0[Wh]という電力量を送信元に対応づけて記憶する。なお、測定電力量データベース507の記憶内容の詳細については、図7にて後述する。
電力量変化量テーブル508は、測定対象を供給する供給元群の各供給元での測定対象の測定値の所定時間ごとの変化量および所定時間ごとの測定時刻を示す時刻情報となる第1の対応情報を記憶する。さらに、電力量変化量テーブル508は、測定対象が供給される供給先での測定対象の測定値の所定時間ごとの変化量および所定時間ごとの測定時刻を示す時刻情報となる第2の対応情報を記憶する。たとえば、第1の対応情報の例として、分電盤1での電力量変化量−48[W]と、測定時刻「2011/9/6 12:10」である。また、第2の対応情報の例として、コンセント1での電力量変化量−10[W]と、測定時刻「2011/9/6 12:10」である。第1の対応情報と、第2の対応情報の詳細については、図8にて後述する。
所定時間は、どのような時間であってもよい。本実施の形態では、所定時間を10分とする。また、所定時間は、供給元および供給先での測定対象の測定値が所定時間ごとに独立となるような時間が好ましい。所定時間が短すぎる場合、最初の所定時間における変化量と、次の所定時間における変化量が独立でなくなる可能性がある。たとえば、ある家電機器が、スイッチオンとなった場合少しずつ消費電力量が増大する第1の状態から、消費電力量が一定となる第2の状態に遷移するという動作を示すとする。さらに、消費電力量が増大する状態となった辺りで、電力量変化量テーブル508が1回目の電力量変化量を記憶しており、消費電力量が増大する状態が終了する前で、電力量変化量テーブル508が2回目の電力量変化量を記憶しているとする。
このとき、2回目の電力量変化量は、1回目の電力量変化量と関連がある。したがって、本実施の形態で用いる正規分布、χ2乗分布が前提とする、各時刻の電力量変化量が独立であるという前提を遵守できなくなるため、算出装置101が正しい推定結果を算出できない恐れがある。したがって、所定時間はある一定以上の時間間隔以上であることが好ましい。
なお、所定時間ごとの測定時刻を示す時刻情報とは、所定時間内の測定量を測定した時刻となる。具体的に、時刻情報は、所定時間の開始時刻と終了時刻両方であってもよいし、いずれか一方でもよいし、開始時刻と終了時刻の中央となる時刻を記憶してもよい。
たとえば、電力量変化量テーブル508は、「2011/9/6 12:10」での分電盤1での変化量を−48[W]、「2011/9/6 12:20」での変化量を−16[W]と記録する。なお、電力量変化量テーブル508の記憶内容の詳細については、図8にて後述する。
測定データ読込部511は、測定電力量データベース507から電力センサの識別情報と電力量と時刻情報とを読み込む。読込を行うタイミングは、たとえば、ユーザが操作する装置から、供給元と供給先の対応関係の推定要求を受け付けた場合である。また、推定要求は、特定の供給先に対して複数の供給元のうち、接続されている可能性が高いか否かを推定する要求となる。さらに、ユーザが操作する装置から複数の推定要求を行うことにより、算出装置101は、複数の供給先の接続元を推定することができる。なお、読み込んだ各情報は、RAM413などの記憶領域に記憶される。
供給元抽出部512は、供給元群のうち、推定対象となり得る供給元を抽出する。具体的に、供給元抽出部512は、ある時刻において、分電盤の電力量が推定対象となる供給先の電力量以上の電力量を供給する分電盤を、推定対象の候補とする。推定対象となる供給先の電力量未満の電力量を供給する分電盤は、推定対象となる供給先に接続していないことが明白である。したがって、供給元抽出部512は、推定対象となる供給先の電力量未満の電力量を供給する分電盤を推定対象から外すことができる。抽出された分電盤の識別情報は、RAM413などの記憶領域に記憶される。
電力量変化量算出部513は、電力量から、所定時間あたりの時系列な一連の変化量を算出する。たとえば、測定電力量データベース507が、分電盤1の電力量として「2011/9/6 12:00」にて1740.0[Wh]を記憶しているとする。さらに、測定電力量データベース507が、分電盤1の電力量として「2011/9/6 12:10」にて1732.0[Wh]、「2011/9/6 12:20」にて1729.3[Wh]を記録しているとする。
このとき、電力量変化量算出部513は、所定時間として、10分あたりの変化量を算出する。具体的に、電力量変化量算出部513は、12:00から12:10までの電力量変化量を、(1732.0−1740.0)=−8[Wh/10分]=−48[W]のように算出する。続けて、電力量変化量算出部513は、12:10から12:20までの変化量を、(1729.3−1732.0)=−2.7[Wh/10分]=−16[W]のように算出する。算出された変化量は、RAM413などの記憶領域に記憶される。
測定サンプリングレート調整部514は、電力量変化量算出部513によって算出された変化量について、供給元と供給先のサンプリングレートを同一にする。たとえば、供給元となる分電盤1での変化量が10分あたりであり、供給先となる電力センサC1での変化量が5分あたりである場合、測定サンプリングレート調整部514は、電力センサC1での電力量変化量を10分あたりの電力量変化量に調整する。調整された変化量は、RAM413などの記憶領域に記憶される。
変化量記録部515は、測定サンプリングレート調整部514によって調整された変化量を、電力量変化量テーブル508に記録する。たとえば、変化量記録部515は、分電盤1での変化量について、「2011/9/6 12:10」での変化量を−48[W]、「2011/9/6 12:20」での変化量を−16[W]として電力量変化量テーブル508に記録する。さらに、変化量記録部515は、コンセント1での変化量について、「2011/9/6 12:10」での変化量を−10[W]、「2011/9/6 12:20」での変化量を−30[W]として電力量変化量テーブル508に記録する。
抽出部521は、電力量変化量テーブル508から、第1の対応情報の時刻情報と第2の対応情報の時刻情報とが同一時刻となる供給元群のいずれかの供給元での変化量と同一時刻となる供給先での変化量との組合せを2以上について抽出する。たとえば、抽出部521は、1つ目の組合せについて、測定時刻「2011/9/6 12:10」での分電盤1での変化量−48[W]とコンセント1での変化量−10[W]を抽出する。さらに、抽出部521は、2つ目の組合せについて、2つ目の測定時刻「2011/9/6 12:20」での分電盤1での変化量−16[W]とコンセント1での変化量−30[W]を抽出する。
このように、抽出されるデータ数は、方法1〜方法3について2以上の時刻についてあればよい。抽出部521の動作により、算出装置101は、推定対象となるデータを絞り込むため、推定にかかる時間を短縮できる。抽出結果は、RAM413等の記憶領域に格納される。
生成部522は、抽出部521によって抽出された2以上のいずれかの供給元での変化量に基づいて、いずれかの供給元での変化量が取り得る確率の分布を示す統計モデルを生成する。統計モデルは、たとえば、正規分布でもよいし、混合正規分布でもよいし、経験分布でもよい。たとえば、統計モデルを正規分布であるとした場合、生成部522は、分電盤1の変化量の平均と標準偏差をパラメータとして、正規分布を生成する。正確な統計モデルを生成するには、変化量の個数が多いことが好ましいが、少なくとも2つの変化量があれば統計モデルを生成できる。
また、生成部522は、抽出部521によって抽出された2以上のいずれかの供給元での変化量の個数によって、いずれかの供給元での変化量の分散の観測値と分散の理論値との比が取り得る確率の分布を示す統計モデルを生成してもよい。統計モデルは、たとえば、χ2乗分布である。また、いずれかの供給元での変化量の分散の観測値とは、実際の測定データから直接分散を算出した値である。また、いずれかの供給元での変化量の分散の理論値とは、いずれかの供給元での変化量の分散と供給先での変化量の分散に基づいて、数式によって導いた値である。
たとえば、分電盤の変化量の個数が10であれば、生成部522は、自由度10−1=9をパラメータとしてχ2乗分布を生成する。生成部522の動作により、算出装置101は、尤度を求めるための確率密度関数を準備することができる。なお、生成された統計モデルのパラメータは、RAM413等の記憶領域に格納される。
設定部523は、いずれかの供給元での変化量と供給先での変化量とのうち少なくともいずれかの供給元での変化量に基づいて、いずれかの供給元と供給先との接続または非接続を示す推定内容に応じたいずれかの供給元での変化量を設定する。推定内容とは、いずれかの供給元と供給先が接続されていると仮定した内容またはいずれかの供給元と供給先が非接続されていると仮定した内容のいずれかとなる。
具体的に、設定部523は、推定内容が接続を示す場合、いずれかの供給元での変化量から供給先での変化量を減算した値を、接続を示す推定内容に応じたいずれかの供給元での変化量に設定してもよい。たとえば、「2011/9/6 12:10」における分電盤1での変化量が−48[W]であり、コンセント1での変化量が−10[W]であるとする。このとき、設定部523は、接続を示す推定内容を仮定した場合の分電盤1の変化量を−48−(−10)=−38[W]として設定する。
また、設定部523は、推定内容が非接続を示す場合、いずれかの供給元での変化量を、非接続を示す推定内容に応じたいずれかの供給元での変化量に設定してもよい。たとえば、「2011/9/6 12:10」における分電盤1の変化量が−48[W]であるとする。このとき、設定部523は、非接続を示す推定内容を仮定した場合の分電盤1の変化量を−48[W]として設定する。
また、設定部523は、いずれかの供給元での変化量と供給先での変化量に基づいて、いずれかの供給元と供給先との接続または非接続を示す推定内容に応じたいずれかの供給元での変化量の分散の観測値と分散の理論値とを設定してもよい。
具体的に、設定部523は、推定内容が接続を示す場合、いずれかの供給元での変化量から供給先での変化量を減算した値の分散を、接続を示す推定内容に応じたいずれかの供給元での変化量の分散の観測値に設定する。続けて、設定部523は、いずれかの供給元での変化量の分散から供給先での変化量の分散を減算した値を、接続を示す推定内容に応じたいずれかの供給元での変化量の分散の理論値に設定する。
たとえば、分電盤1での変化量の分散が1193.7であり、コンセント1での変化量の分散が309.5であるとする。このとき、設定部523は、各時刻において、分電盤1での変化量からコンセント1での変化量を減算した値の分散を、分電盤1での変化量の分散の観測値に設定する。また、設定部523は、接続を示す推定内容を仮定した場合の分電盤1の分散の理論値を、1193.7−309.5=884.2に設定する。
また、設定部523は、推定内容が非接続を示す場合、いずれかの供給元での変化量から供給先での変化量を減算した値の分散を、非接続を示す推定内容に応じたいずれかの供給元での変化量の分散の観測値に設定する。続けて、設定部523は、いずれかの供給元での変化量の分散に供給先での変化量の分散を加算した値を、非接続を示す推定内容に応じたいずれかの供給元での変化量の分散の理論値に設定してもよい。
たとえば、分電盤1での変化量の分散が1193.7であり、コンセント1での変化量の分散が309.5であるとする。このとき、設定部523は、各時刻において、非接続を示す推定内容を仮定した場合の分電盤1での変化量からコンセント1での変化量を減算した値の分散を、分電盤1での変化量の分散の観測値に設定する。また、設定部523は、非接続を示す推定内容を仮定した場合の分電盤1の分散の理論値を、1193.7+309.5=1503.2に設定する。設定部523の動作により、算出装置101は、確率モデルに入力する引数を設定することができる。なお、設定された情報は、RAM413等の記憶領域に格納される。
算出部524は、生成部522によって生成された統計モデルに、設定部523によって設定された変化量を入力して、推定内容の正しさの度合いを示す確率を算出する。具体的に、算出部524は、生成部522によって生成された統計モデルに、設定部523によって設定された接続を示す推定内容に応じた変化量を入力して、接続を示す推定内容の正しさの度合いを示す確率を算出してもよい。
たとえば、生成部522によって正規分布が生成された場合、算出部524は、生成された正規分布に、分電盤1の変化量−38[W]を入力して、接続を示す推定内容の正しさの度合いを示す確率0.0053を算出する。
また、算出部524は、生成部522によって生成された統計モデルに、設定部523によって設定された非接続を示す推定内容に応じた変化量を入力して、非接続を示す推定内容の正しさの度合いを示す確率を算出してもよい。たとえば、生成部522によって正規分布が生成された場合、算出部524は、生成された正規分布に、分電盤1の変化量−48[W]を入力して、非接続を示す推定内容の正しさの度合いを示す確率0.0034を算出する。
また、算出部524は、接続を示す推定内容の正しさの度合いを示す確率と非接続を示す推定内容の正しさの度合いを示す確率とに基づいて、いずれかの供給元と供給先とが接続されている可能性を示す指標値を算出してもよい。
供給元と供給先が接続されている場合、接続を示す推定内容の正しさの度合いを示す確率は大きくなり、非接続を示す推定内容の正しさの度合いを示す確率は小さくなる。したがって、たとえば、算出部524は、指標値を、接続を示す推定内容の正しさの度合いを示す確率から非接続を示す推定内容の正しさの度合いを示す確率を減算した値として算出してもよい。または、算出部524は、指標値を、接続を示す推定内容の正しさの度合いを示す確率を非接続を示す推定内容の正しさの度合いを示す確率で除算した値として算出してもよい。
たとえば、算出部524は、接続を示す推定内容の正しさの度合いを示す確率が0.0053であり、非接続を示す推定内容の正しさの度合いを示す確率が0.0034である場合、指標値を0.0053/0.0034≒1.56として算出する。
また、算出部524は、生成部522によって生成された統計モデルに、設定部523によって設定された分散の観測値と分散の理論値との比を入力して、推定内容の正しさの度合いを示す確率を算出してもよい。具体的に、算出部524は、生成部522によって生成された統計モデルに、設定部523によって設定された接続を示す推定内容に応じた分散の観測値と分散の理論値との比を入力して、接続を示す推定内容の正しさの度合いを示す確率を算出してもよい。
たとえば、生成部522が、自由度9のχ2乗分布を生成したとする。さらに、設定部523が、接続を示す推定内容での分散の観測値と分散の理論値との比として、((分電盤の変化量の個数−1)×分散の観測値/分散の理論値)=5.19を設定したとする。このとき、算出部524は、接続を示す推定内容の正しさの度合いを示す確率を0.09として算出する。
また、算出部524は、生成部522によって生成された統計モデルに、設定部523によって設定された非接続を示す推定内容に応じた分散の観測値と分散の理論値との比を入力して、非接続を示す推定内容の正しさの度合いを示す確率を算出してもよい。たとえば、生成部522が自由度9のχ2乗分布を生成したとする。さらに、設定部523が、非接続を示す推定内容での分散の観測値と分散の理論値との比として、((分電盤の変化量の個数−1)×分散の観測値/分散の理論値)=3.05を設定したとする。このとき、算出部524は、接続を示す推定内容の正しさの度合いを示す確率を0.04として算出する。
算出部524の動作により、算出装置101は、推定内容の正しさの度合いを示す確率を得ることができる。なお、算出結果は、RAM413等の記憶領域に格納される。
算出部525は、抽出部521によって抽出された2以上のいずれかの供給元での変化量の正負符号と2以上の供給先での変化量の正負符号とに基づいて、いずれかの供給元と供給先とが接続されている可能性を示す指標値を算出する。
たとえば、測定時刻「2011/9/6 12:10」での分電盤1での変化量が−48[W]であり、コンセント1での変化量が−10[W]であれば、算出部525は、分電盤1での変化量の正負符号となるマイナスを−1に符号化する。同様に、算出部525は、コンセント1での変化量の正負符号となるマイナスを−1に符号化する。続けて、算出部525は、測定時刻「2011/9/6 12:20」における分電盤1での変化量の正負符号と、コンセント1での変化量の正負符号とを算出する。続けて、算出部525は、符号化した値を各時刻で乗算した値を合計して指標値を算出してもよい。または、算出部525は、符号化した値の相関係数を算出してもよい。算出部525の動作により、算出装置101は、供給元と供給先にて、変化量の増減が一致する割合を求めることができる。なお、算出結果は、RAM413等の記憶領域に格納される。
出力部526は、算出部524によって算出された確率を出力する。また、出力部526は、算出部524または算出部525によって算出された指標値を出力してもよい。出力先としては、RAM413や、磁気ディスク415といった記憶領域に出力してもよいし、供給元と供給先の対応関係の推定要求を発行した装置に出力してもよい。
図6は、通信システムの動作例を示すシーケンス図である。分電盤1内の電力センサB1は、測定した電力量を算出装置101に送信する(ステップS601)。また、コンセント1内の電力センサC1は、測定した電力量を算出装置101に送信する(ステップS602)。なお、分電盤1内の電力センサB1が測定した電力量のサンプリングレートと、電力センサC1が測定したサンプリングレートは異なる場合もある。また、ステップS601とステップS602の処理は、継続的に行われる。
測定データ受信部501は、電力量を受信する(ステップS603)。なお、ステップS603の処理は、継続的に行われる。測定データ記録部502は、受信した電力量を測定電力量データベース507に記録する(ステップS604)。
ユーザから、特定の供給先について、どの供給元と接続しているかの推定要求を受け付けると、変化量生成部503は、測定電力量データベース507から電力量を読み込む(ステップS605)。次に、変化量生成部503は、電力量変化量を算出する(ステップS606)。続けて、変化量生成部503は、測定サンプリングレートを調整する(ステップS607)。ステップS607の実行終了後、変化量生成部503は、変化量を電力量変化量テーブル508に記録する(ステップS608)。
一定の変化量が電力量変化量テーブル508に蓄積された場合、接続関係推定部504は、電力量変化量テーブル508から変化量を読み出す(ステップS609)。次に、接続関係推定部504は、接続関係を推定する(ステップS610)。続けて、接続関係推定部504は、推定結果となる指標値を出力する(ステップS611)。接続関係推定部504による指標値の出力後、指標値記録部505は、指標値を記録する(ステップS612)。
図7は、測定電力量データベースの記憶内容の一例を示す説明図である。測定電力量データベース507は、供給元電力量テーブル701と、供給先電力量テーブル702とを含む。図7に示す供給元電力量テーブル701は、レコード701−1〜レコード701−3を記憶している。また、図7に示す供給先電力量テーブル702は、レコード702−1〜レコード702−3を記憶している。
供給元電力量テーブル701は、時刻、各供給元での電力量というフィールドを含む。時刻フィールドには、電力量を測定した時刻が格納される。各供給元での電力量フィールドには、供給元ごとの電力量が格納される。また、供給先電力量テーブル702は、時刻、各供給先での電力量というフィールドを含む。時刻フィールドには、電力量を測定した時刻が格納される。各供給先での電力量フィールドには、供給先ごとの電力量が格納される。
たとえば、レコード701−1は、「2011/9/6 12:00」における分電盤1での電力量が1740.0[Wh]であり、分電盤2の電力量が4500.0[Wh]であることを示す。また、レコード702−1は、「2011/9/6 12:00」におけるコンセント1での電力量が88.0[Wh]であり、コンセント2の電力量が48.0[Wh]であり、コンセント3の電力量が0.7[Wh]であることを示す。
図8は、電力量変化量テーブルの記憶内容の一例を示す説明図である。電力量変化量テーブル508は、供給元電力量変化量テーブル801と、供給先電力量変化量テーブル802とを含む。図8に示す供給元電力量変化量テーブル801は、レコード801−1、レコード801−2を記憶している。また、図8に示す供給先電力量変化量テーブル802は、レコード802−1、レコード802−2を記憶している。第1の対応情報は、供給元電力量変化量テーブル801の各レコードとなる。具体的に、図8では、第1の対応情報は、レコード801−1、レコード801−2となる。また、第2の対応情報は、供給先電力量変化量テーブル802の各レコードとなる。具体的に、図8では、第2の対応情報は、レコード802−1、レコード802−2となる。
供給元電力量変化量テーブル801は、時刻、各供給元での変化量というフィールドを含む。時刻フィールドには、変化量の測定時刻のうち、変化後の時刻が格納される。各供給元での変化量フィールドには、各供給元での前時刻から所定時間経過するまでの変化量が格納される。本実施の形態では、所定時間を10分としている。また、供給先電力量変化量テーブル802は、時刻、供給先での変化量というフィールドを含む。時刻フィールドには、変化量の測定時刻のうち、変化後の時刻が格納される。供給先での変化量フィールドには、供給先での前時刻から所定時間経過するまでの変化量が格納される。
たとえば、レコード801−1は、「2011/9/6 12:10」の10分前からの電力の変化量が、分電盤1では−48[W]であり、分電盤2では20[W]であることを示す。また、レコード802−1は、「2011/9/6 12:10」の10分前からの電力の変化量が、コンセント1では−10[W]であることを示す。
なお、電力量変化量テーブル508に関して、変化量生成部503が、測定電力量データベース507を参照して生成する。たとえば、変化量生成部503は、以下に示すように、レコード701−2の分電盤1での電力量フィールドの値1732.0[Wh]から、レコード701−1の分電盤1での電力量フィールドの値1740.0[Wh]を減算する。
分電盤1の12:00〜12:10における電力量変化量=1732.0[Wh]−1740.0[Wh]=−8[Wh/10分]=−48[W]
変化量生成部503は、算出された−48[W]を、レコード801−1の分電盤1での電力量変化量フィールドに格納する。変化量生成部503は、分電盤2、コンセント1での電力量変化量も同様に算出して、電力量変化量テーブル508内に格納する。
次に、図8にて示した電力量変化量テーブル508を参照して、接続関係推定部504が接続関係を推定する方法について説明する。本実施の形態では、接続関係を推定する方法1〜方法3を、図9A〜図13で説明する。なお、図9A〜図13では、特定の供給先をコンセント1とし、供給元群のうち、分電盤1に関して接続されている可能性を示す指標値を出力することを例として説明する。また、時刻tkにおけるコンセント1での電力量変化量をC(tk)とする。さらに、分電盤1での電力量変化量をB(tk)とする。kは、1から10までの整数である。また、電力量変化量テーブル508が、時刻t1〜時刻t10のコンセント1と分電盤1の電力量変化量を記憶しているとする。
図9Aと図9Bは、接続関係推定部における方法1の動作例を示す説明図である。図9A内のグラフ901は、分電盤1とコンセント1の電力量変化量を示す。グラフ901の横軸は時刻を示しており、縦軸は電力量変化量を示す。また、表902は、電力量変化量テーブル508からの抽出結果の一例を示す。具体的に、表902は、各時刻におけるコンセント1での電力量変化量と、分電盤1での電力量変化量を示す。また、表903は、抽出結果から電力量変化量の正負符号への変換結果の一例を示す。具体的に、表903は、各時刻におけるコンセント1での電力量変化量の正負符号と、分電盤1での電力量変化量の正負符号を示す。さらに、表904は、算出された指標値の一例を示す。
表902で示すように、接続関係推定部504は、分電盤1とコンセント1の電力量変化量について、電力量変化量の絶対値が閾値CV以上となる時刻の電力量変化量を抽出する。また、接続関係推定部504は、分電盤1とコンセント1の電力量変化量が同一時刻で共に存在した時刻について抽出する。グラフ901で示すように、時刻t8ではコンセント1での電力量変化量が閾値CV未満となっている。また、時刻t10では分電盤1での電力量変化量が閾値CV未満となっている。したがって、接続関係推定部504は、時刻t1〜時刻t7、時刻t9での分電盤1とコンセント1の電力量変化量を抽出する。
次に、表903で示すように、接続関係推定部504は、分電盤1とコンセント1の電力量変化量の正負符号から、分電盤1とコンセント1とが接続されている可能性を示す指標値を算出する。ここで、各時刻のコンセント1の正負符号をSC(tk)とし、分電盤1の正負符号をSB(tk)とする。たとえば、コンセント1の正負符号は、SC(tk)=Sign(C(tk))で算出することができる。ここで、Sign()は、引数が正であれば1を返し、引数が負であれば−1を返す関数である。
続けて、表904で示すように、接続関係推定部504は、指標値として、SC(tk)と、SB(tk)の相関係数R1を算出する。たとえば、接続関係推定部504は、相関係数R1=0.7745を算出する。方法1では、相関係数Rが、分電盤とコンセントとが接続されている可能性を示す指標値となる。さらに、接続関係推定部504は、分電盤2とコンセント1の相関係数R2を算出する。続けて、結果出力部506は、たとえば、相関係数が最も大きい分電盤の識別情報を出力する。
図9Aと図9Bで示したように、接続関係推定部504は、コンセントの電力量が増えると接続されている分電盤の電力量も増えることが多いことから、コンセントの電力量の増減と、分電盤の電力量の増減が一致する割合を数値化して、相関係数Rを算出している。
図10Aと図10Bは、接続関係推定部における方法2の動作例を示す説明図である。方法2では、接続を仮定したときの尤度と、非接続を仮定したときの尤度と、をχ2乗分布を用いて算出し、高い尤度となった接続関係を求める方法である。また、方法2では、各時刻での変化量は、独立であることを前提として、電力量変化量の分散の観測値と分散の理論値の比をχ2乗分布に代入して尤度を算出する。
グラフ1001は、分電盤1とコンセント1の電力量変化量を示す。グラフ1001の横軸は時刻を示しており、縦軸は電力量変化量を示す。また、表1002は、電力量変化量テーブル508からの抽出結果の一例を示す。具体的に、表1002は、各時刻におけるコンセント1での電力量変化量と、分電盤1での電力量変化量を示す。また、グラフ1003は、χ2乗分布の確率密度関数のグラフを示す。グラフ1003の横軸は、電力量変化量の分散の観測値と分散の理論値の比の値である。グラフ1003の縦軸は、比の値が取り得る確率を示す。表1004は、算出された指標値の一例を示す。
グラフ1001と表1002で示すように、接続関係推定部504は、分電盤1とコンセント1の電力量変化量が同一時刻で共に存在した時刻について抽出する。図10の例では、時刻t1〜時刻t10の全ての時刻において電力量変化量が存在する。したがって、接続関係推定部504は、時刻t1〜時刻t10での分電盤1とコンセント1の電力量変化量を抽出する。なお、電力量変化量が存在しない状態とは、電力センサが何らかの原因により時刻を測定できなかった場合である。測定できなかった原因とは、たとえば、コンセント1内の電力センサC1のファームウェアがアップデート中であり、電力センサC1が電力量を測定できなかった場合である。
電力量変化量の抽出後、接続関係推定部504は、コンセント1での所定時間あたりの電力量変化量の分散としてσC 2を算出する。同様に、接続関係推定部504は、分電盤1での所定時間あたりの電力量変化量の分散としてσB 2を算出する。なお、σC 2とσB 2の算出方法は、標本分散であってもよいし、不偏分散であってもよい。接続関係推定部504は、たとえば、コンセント1での分散を算出する場合、標本分散を採用するならば下記(1)式で分散を算出し、不偏分散を採用するならば下記(2)式で分散を算出する。
ここで、μCは、コンセント1での所定時間あたりの電力量変化量の平均である。また、nは、抽出した各時刻の電力量変化量の個数である。たとえば、時刻t1〜t10について抽出した場合、n=10となる。以下、接続関係推定部504は、分散の算出方法を(2)式で行うこととする。
次に、接続関係推定部504は、接続を仮定した場合のコンセント1での電力量変化量を除いた分電盤1の電力量変化量の分散の理論値σBC 2を算出する。具体的に、接続関係推定部504は、σBC 2を下記(3)式を用いて算出する。
σBC 2=σB 2−σC 2 …(3)
(3)式について、接続を仮定しているため、σBC 2は、σB 2からσC 2を減算した値となる。たとえば、σB 2=1193.7、σC 2=309.5とすると、接続関係推定部504は、σBC 2を(3)式を用いて以下のように算出する。
σBC 2=1193.7−309.5=884.2
続けて、接続関係推定部504は、非接続を仮定した場合のコンセント1での電力量変化量を除いた分電盤1の電力量変化量の分散の理論値σBN 2を下記(4)式を用いて算出する。
σBN 2=σB 2+σC 2 …(4)
(4)式について、非接続を仮定しているため、分電盤1の変化量とコンセント1の変化量は独立であり、σBN 2は、σB 2にσC 2を加算した値となる。たとえば、σB 2=1193.7、σC 2=309.5とすると、接続関係推定部504は、σBN 2を(4)式を用いて以下のように算出する。
σBN 2=1193.7+309.5=1503.2
次に、接続関係推定部504は、コンセント1での電力量変化量を除いた分電盤1の電力量変化量の分散の観測値σreal 2を算出する。σreal 2は、各時刻にて、分電盤1の電力量変化量からコンセント1の電力量変化量を減算した値の分散となる。
続けて、接続関係推定部504は、χ2乗分布の自由度を設定する。自由度は、抽出した各時刻の電力量変化量の個数から1引いた数となる。図10の場合は、10−1=9となる。次に、接続関係推定部504は、接続を仮定した場合の分電盤1の電力量変化量の分散の観測値と分散の理論値の比ZBCを下記(5)式を用いて以下のように算出する。
ZBC=(n−1)×σreal 2/σBC 2 …(5)
たとえば、接続関係推定部504は、n=10、σBC 2=884.2、σreal 2=573.7とすると、ZBCを、(5)式を用いて以下のように算出する。
ZBC=(10−1)×573.7/884.2=5.19
また、接続関係推定部504は、非接続を仮定した場合の分電盤1の電力量変化量の分散の観測値と分散の理論値の比ZBNを下記(6)式を用いて以下のように算出する。
ZBN=(n−1)×σreal 2/σBN 2 …(6)
たとえば、接続関係推定部504は、n=10、σBN 2=1503.2、σreal 2=573.7とすると、ZBNを、(6)式を用いて以下のように算出する。
ZBN=(10−1)×573.7/1503.2=3.05
次に、接続関係推定部504は、接続を仮定した場合にσreal 2が観測される確率PC(σreal 2)を、下記(7)式を用いて算出する。
PC(σreal 2)=f(ZBC;n−1) …(7)
ここで、fは、χ2乗分布の確率密度関数である。ここで、グラフ1003では、自由度9のχ2乗分布の確率密度関数を示す。たとえば、ZBC=5.19、n=10とすると、PC(σreal 2)=0.09となる。
また、接続関係推定部504は、非接続を仮定した場合にσreal 2が観測される確率PN(σreal 2)を、下記(8)式を用いて算出する。
PN(σreal 2)=f(ZBN;n−1) …(8)
たとえば、ZBN=3.05、n=10とすると、PN(σreal 2)=0.04となる。続けて、(7)式、(8)式によって確率を算出後、接続関係推定部504は、分電盤1とコンセント1とが接続されている可能性を示す指標値R1を下記(9)式を用いて算出する。
R1=PC(σreal 2)/PN(σreal 2) …(9)
(9)式を用いた算出結果が、たとえば、表1004で示した値となる。具体的に、接続関係推定部504は、R1=0.09/0.04=2.20を指標値として算出する。
このように、図10Aと図10Bでは、接続または非接続を仮定した場合の尤度を求めることにより、配線を追わずに分電盤とコンセントの接続関係を推定できる。
図11Aと図11Bは、接続関係推定部における方法3の動作例を示す説明図(その1)である。方法3では、分電盤の確率密度関数を用いて、接続を仮定したときの尤度と非接続を仮定したときの尤度を算出する方法である。また、図11Aと図11Bでは、分電盤で発生し得る電力量変化量が正規分布に従う例について説明する。図12では、分電盤で発生し得る電力量変化量が混合正規分布に従う例について説明する。図13では、分電盤で発生し得る電力量変化量が経験分布に従う例について説明する。
グラフ1001は、分電盤1とコンセント1の電力量変化量を示す。また、表1002は、電力量変化量テーブル508からの抽出結果の一例を示す。また、グラフ1101は、分電盤1での電力量変化量が取り得る確率の分布となる確率密度関数のグラフを示す。表1102は、各時刻における、接続を仮定した場合の電力量変化量が取り得る確率と、非接続を仮定した場合の電力量変化量が取り得る確率を示す。表1103は、算出された指標値の一例を示す。
グラフ1001と表1002で示すように、接続関係推定部504は、分電盤1とコンセント1の電力量変化量が同一時刻で共に存在した時刻について抽出する。この抽出方法については、図10Aで示した方法と同一であるため、説明を省略する。続けて、接続関係推定部504は、分電盤1での所定時間あたりの電力量変化量の平均μBを算出する。さらに、接続関係推定部504は、分電盤1での所定時間あたりの電力量変化量の標準偏差σBを算出する。
次に、接続関係推定部504は、分電盤1の電力量変化量の確率密度関数を生成する。グラフ1101は、分電盤1で発生し得る電力量変化量が正規分布に従うと仮定した場合の、確率密度関数のグラフである。グラフ1101の横軸は、電力量変化量を示す。また、グラフ1101の縦軸は、電力量変化量の発生確率を示す。接続関係推定部504は、分電盤1の電力量変化量の確率分布を用いて、接続を仮定した場合の尤度LCと、非接続を仮定した場合の尤度LNと、を算出する。
接続を仮定した場合の分電盤1の電力量変化量が観測される確率LC=PC(B1=B1(tk)|C=C(tk))は、下記(10)式のように近似できる。
LC=PC(B1=B1(tk)|C=C(tk))≒f(B(tk)−C(tk))=fC(B(tk)) …(10)
ここで、fは、分電盤1での電力量変化量が取り得る確率の分布を示す確率密度関数である。(10)式のように近似できる理由として、接続を仮定した場合、分電盤1には、コンセント1以外の供給先も接続されているが、コンセント1以外の供給先での電力量変化量は、コンセント1の電力量変化量とは独立である。したがって、コンセント1での電力量変化量を除いた分電盤1の電力量変化量の確率密度関数は、分電盤1の確率密度関数とほぼ一致するという仮定ができ、(10)式のような近似が行える。
たとえば、接続関係推定部504は、接続を仮定した場合の時刻t1における分電盤1の電力量変化量が観測される確率LCを、(10)式を用いて以下のように求める。
LC=PC(B1=B1(t1)|C=C(t1))≒f(B(t1)−C(t1))=f(−48−(−10))≒0.0053
また、非接続を仮定した場合のコンセント1での電力量変化量を除いた分電盤1の電力量変化量が観測される確率LN=PN(B1=B1(tk)|C=C(tk))は、下記(11)式のようになる。
LN=PN(B1=B1(tk)|C=C(tk))=f(B(tk))=fN(B(tk)) …(11)
(11)式について、非接続を仮定しているため、分電盤1の電力量変化量が観測される確率は、コンセント1の電力量変化量に関わらず、f(B(tk))となる。たとえば、接続関係推定部504は、非接続を仮定した場合の時刻t1における分電盤1の電力量変化量が観測される確率LNを、(11)式を用いて以下のように求める。
LN=PN(B1=B1(t1)|C=C(t1))≒f(B(t1)−C(t1))=f(−48)≒0.0034
表1102は、時刻t1〜時刻t10における電力量変化量が観測される確率を算出した一例である。ここで、実際にコンセント1と分電盤1が接続されている場合に、接続を仮定した場合の尤度が高くなる理由について説明する。
コンセント1と分電盤1が接続されていて、かつC(tk)が正の値である場合、グラフ1101で示す通り、fc(tk)がfN(tk)から正の方向に移動した関数となり、B(tk)も正の値をとることが多い。したがって、LC(tk)が、LN(tk)より大きい値となりやすい。また、コンセント1と分電盤1が接続されていて、かつC(tk)が負の値である場合、fc(tk)がfN(tk)から負の方向に移動した関数となり、B(tk)も負の値をとることが多い。したがって、LC(tk)が、LN(tk)より大きい値となりやすい。
一方、コンセント1と分電盤1が接続されていなく、かつC(tk)が正の値である場合、fc(tk)はfN(tk)から正の方向に移動した関数となるが、B(tk)は、C(tk)とは独立した値であり、正の値と負の値の取り易さは同一である。したがって、LC(tk)が、LN(tk)より大きな値とは限らない。コンセント1と分電盤1が接続されていなく、かつC(tk)が負の値である場合も同様に、LC(tk)が、LN(tk)より大きな値とは限らない。したがって、実際にコンセント1と分電盤1が接続されている場合、接続を仮定した場合の尤度が高くなる。
(10)式、(11)式によって確率を算出後、接続関係推定部504は、分電盤1とコンセント1とが接続されている可能性を示す指標値R1を下記(12)式を用いて算出する。
たとえば、表1103で示すように、接続関係推定部504は、R1を(12)式を用いて以下のように算出する。
R1=(LC(t1)/LN(t1))×(LC(t2)/LN(t2))×…×(LC(t10)/LN(t10))=7.9403
このように、図11で示した接続関係推定部504の動作により、算出装置101は、接続または非接続を仮定した場合の尤度を求めることにより、配線を追わずに分電盤とコンセントの接続関係を推定できる。
図12は、接続関係推定部における方法3の動作例を示す説明図(その2)である。図12では、分電盤で発生し得る電力量変化量が混合正規分布に従う例について説明する。ここで、混合正規分布とは、正規分布の重み付き和で表現された確率分布である。重みの合計は1となる。グラフ1201は、混合正規分布の一例を示す。グラフ1201の横軸は、電力量変化量を示す。グラフ1201の縦軸は、電力量変化量の発生確率を示す。
混合正規分布の確率密度関数f(x)は、正規分布の個数をmとすると、下記(13)式となる。
ここで、μjは、j番目の正規分布の平均を示す。また、σj 2は、j番目の正規分布の分散を示す。また、ξjは、j番目の正規分布の重みを示す。また、φ(x;μj,σj 2)は、j番目の正規分布の確率密度関数を示す。また、正規分布の個数については、いくつであってもよいが、本実施の形態では、たとえば、m=3で十分である。
また、各正規分布の重みξj、平均μj、分散σj 2といったパラメータは、たとえば、EM(Expectation Maximization)アルゴリズムで求めることができる。EMアルゴリズムを用いてパラメータを算出するフローチャートについては、図18にて後述する。
混合正規分布を用いる理由として、分電盤での電力量変化量が、正規分布に従わない場合が存在するためである。たとえば、分電盤での電力量変化量が、複数のピークを有する場合である。このような場合、接続関係推定部504は、実測値により近い確率密度関数を生成することができるため、混合正規分布を用いて算出される尤度は、正規分布を用いて算出される尤度よりも正確な値となる。
図13は、接続関係推定部における方法3の動作例を示す説明図(その3)である。分電盤で発生し得る電力量変化量が経験分布に従う例について説明する。ここで、経験分布とは、電力量変化量のヒストグラムの面積が1になる確率分布である。グラフ1301は、経験分布の一例を示す。グラフ1301の横軸は、電力量変化量を示す。また、グラフ1301の縦軸は、電力量変化量の発生確率を示す。
具体的に、接続関係推定部504は、階級jでの確率密度関数を、下記(14)式を用いて算出する。
ただし、Cjは、階級jでの度数を示す。また、wは、階級の幅を示す。また、qは、階級の個数を示す。経験分布を用いる理由として、分電盤での電力量変化量が、正規分布に従わない場合が存在するためである。このような場合、接続関係推定部504は、実測値により近い確率密度関数を生成することができるため、経験分布を用いて算出される尤度は、正規分布を用いて算出される尤度よりも正確な値となる。
図14Aと図14Bは、結果出力部における出力例を示す説明図である。図14Aと図14Bでは、結果出力部506の出力例として、図14Aの(A)〜図14Bの(D)を示す。図14Aの(A)で示す出力例は、“コンセント1と接続されている可能性がある分電盤は、分電盤1です。”という情報を示す。図14Aの(A)で示す出力例は、たとえば、接続関係推定部504が出力した指標値群のうち、特定の閾値以上となった指標値が分電盤1であった場合に出力される。
図14Aの(B)で示す出力例は、“コンセント1と接続されている可能性がある分電盤は、可能性が高いものから順に、分電盤1、分電盤2です。”という情報を示す。図14Aの(B)で示す出力例は、たとえば、接続関係推定部504が出力した指標値群のうち、特定の閾値以上となった指標値が分電盤1と分電盤2であり、指標値が分電盤1の方が大きくなった場合に出力される。
図14Aの(C)で示す出力例は、“コンセント1と接続されている可能性がある分電盤を推定することができませんでした。”という情報を示す。図14Aの(C)で示す出力例は、たとえば、接続関係推定部504が出力した指標値群のうち、特定の閾値以上となった指標値がない場合に出力される。
図14Bの(D)で示す出力例は、電力センサ網100内の供給元となる分電盤1および分電盤2と、供給先となるコンセント1〜コンセント3の接続関係の推定結果を図示して出力した例である。図14Bの(D)で示す出力例にて、結果出力部506は、指標値Rが特定の閾値として2以上となった接続関係同士を実線で結んだ状態で出力している。また、結果出力部506は、指標値Rが2未満となった接続関係同士を破線で結んでいる。たとえば、分電盤1とコンセント1とが接続されている可能性を示す指標値R1_C1が2.20となり2以上であるため、結果出力部506は、分電盤1とコンセント1とを実線で結んだ状態で出力している。また、分電盤2とコンセント1とが接続されている可能性を示す指標値R2_C1が0.41となり2未満であるため、結果出力部506は、分電盤2とコンセント1とを破線で結んだ状態で出力している。
なお、推定結果が全て特定の閾値未満となってしまうことも有り得る。この場合、結果出力部506は、図14Aの(C)で示すような出力例を出力してもよい。または、結果出力部506は、ユーザに対して、測定に用いるデータ数を変更して再推定を行うか否かを問い合わせる旨を表示してもよい。具体的には、1日間のデータから10分ごとの電力量変化量を用いて接続関係推定部504が推定していた場合、結果出力部506は、2日間以上のデータから、10分ごとの電力量変化量を用いて推定するか否かを問い合わせる旨を出力する。
続けて、図9A〜図13で示した接続関係推定部504で実行される接続関係推定処理のフローチャートについて説明する。
図15は、接続関係推定処理手順における方法1の例を示すフローチャートである。図15では、図9で示した方法1のフローチャートを示す。算出装置101は、変数iを1に設定する(ステップS1501)。次に、算出装置101は、分電盤1〜分電盤Nのうち、推定対象として分電盤iを選択する(ステップS1502)。続けて、算出装置101は、電力量変化量テーブル508から、分電盤iとコンセントに関して、共に絶対値が閾値CV以上の値が存在する時刻の変化量を抽出する(ステップS1503)。
次に、算出装置101は、抽出した各時刻の分電盤iとコンセントでの変化量を符号化する(ステップS1504)。続けて、算出装置101は、符号化した各時刻の変化量について、分電盤iとコンセントに関する相関係数Riを算出する(ステップS1505)。次に、算出装置101は、相関係数Riを出力する(ステップS1506)。
続けて、算出装置101は、全ての分電盤に対して推定したか否かを判断する(ステップS1507)。全ての分電盤に対して推定していない場合(ステップS1507:No)、算出装置101は、変数iをインクリメントする(ステップS1508)。ステップS1508の処理実行後、算出装置101は、ステップS1502の処理に移行する。全ての分電盤に対して推定した場合(ステップS1507:Yes)、算出装置101は、接続関係推定処理を終了する。このように、図15で示した接続関係推定処理は、指標値を出力して、接続先に対する接続元の推定結果をユーザに提供することができる。また、方法1による接続関係推定処理は、普段発生しないような例外的な変化量が発生しても、例外的な変化量に影響されにくい指標値を出力できるという効果がある。
図16A、図16Bは、接続関係推定処理手順における方法2の例を示すフローチャートである。図16A、図16Bでは、図10Aと図10Bで示した方法2のフローチャートを示す。また、図16Aにて示すステップS1601、ステップS1602は、ステップS1501、ステップS1502と同一であるため、説明を省略する。
図16Aにて、ステップS1602の処理実行後、算出装置101は、電力量変化量テーブル508から、分電盤iとコンセントに関して、共に値が存在する時刻の変化量を抽出する(ステップS1603)。続けて、算出装置101は、自由度を、抽出した分電盤iの変化量の個数−1に設定する(ステップS1604)。次に、算出装置101は、コンセントの所定時間あたりの変化量の分散σC 2を算出する(ステップS1605)。続けて、算出装置101は、分電盤iの所定時間あたりの変化量の分散σB 2を算出する(ステップS1606)。ステップS1605とステップS1606での算出式は、たとえば(2)式となる。
次に、算出装置101は、接続を仮定した場合のコンセントでの電力量変化量を除いた分電盤iの電力量変化量の分散の理論値σBC 2を算出する(ステップS1607)。ステップS1607での算出式は、(3)式となる。続けて、算出装置101は、非接続を仮定した場合のコンセントでの電力量変化量を除いた分電盤iの電力量変化量の分散の理論値σBN 2を算出する(ステップS1608)。ステップS1608での算出式は、(4)式となる。次に、算出装置101は、コンセントでの電力量変化量を除いた分電盤iの電力量変化量の分散の観測値σreal 2を算出する(ステップS1609)。
次に、図16Bにて、算出装置101は、接続を仮定した場合の分電盤iの電力量変化量の分散の観測値と分散の理論値の比ZBCを算出する(ステップS1610)。ステップS1610での算出式は、(5)式となる。続けて、算出装置101は、非接続を仮定した場合の分電盤iの電力量変化量の分散の観測値と分散の理論値の比ZBNを算出する(ステップS1611)。ステップS1611での算出式は、(6)式となる。次に、算出装置101は、自由度n−1となるχ2乗分布f(x;n−1)を生成する(ステップS1612)。
続けて、生成したχ2乗分布を用いて、算出装置101は、χ2乗分布f(ZBC;n−1)により、接続を示す推定内容の正しさの度合いを示す確率を算出する(ステップS1613)。ステップS1613での算出式は、(7)式となる。次に、算出装置101は、χ2乗分布f(ZBN;n−1)により、非接続を示す推定内容の正しさの度合いを示す確率を算出する(ステップS1614)。ステップS1613での算出式は、(8)式となる。
続けて、算出装置101は、分電盤iの指標値Riを算出する(ステップS1615)。ステップS1615での算出式は、(9)式となる。次に、算出装置101は、指標値Riを出力する(ステップS1616)。
続けて、算出装置101は、全ての分電盤に対して推定したか否かを判断する(ステップS1617)。まだ全ての分電盤に対して推定していない場合(ステップS1617:No)、算出装置101は、変数iをインクリメントする(ステップS1618)。ステップS1618の実行終了後、算出装置101は、ステップS1602の処理に移行する。全ての分電盤に対して推定した場合(ステップS1617:Yes)、算出装置101は、接続関係推定処理を終了する。
このように、図16A、図16Bで示した接続関係推定処理は、指標値を出力して、接続先に対する接続元の推定結果をユーザに通知することができる。また、方法2による接続関係推定処理は、計算量が少ないため、処理結果を早くユーザに通知することができる。また、方法2による接続関係推定処理は、変化量のばらつきが大きい場合に、より正確な推定結果を得ることができる。
図17A、図17Bは、接続関係推定処理手順における方法3の例を示すフローチャートである。図17A、図17Bでは、図11Aと図11Bで示した方法3のフローチャートを示す。また、図17Aにて示すステップS1701〜ステップS1703は、ステップS1601〜ステップS1603と同一であるため、説明を省略する。
ステップS1703の実行終了後、算出装置101は、尤度LCiを1に、尤度LNiを1に設定する(ステップS1704)。次に、算出装置101は、分電盤iでの所定時間あたりの電力量変化量の平均μBを算出する(ステップS1705)。続けて、算出装置101は、分電盤iでの所定時間あたりの電力量変化量の標本に基づいて予測した標準偏差σBを算出する(ステップS1706)。次に、算出装置101は、分電盤iでの電力量変化量が取り得る確率の分布を示す確率密度関数fを生成する(ステップS1707)。
ステップS1707にて、たとえば、分電盤iで発生し得る電力量変化量が正規分布に従うと仮定した場合、ステップS1705とステップS1706で算出した平均μBと標準偏差σBを用いて、正規分布に従った確率密度関数fを生成する。また、分電盤iで発生し得る電力量変化量が混合正規分布に従うと仮定した場合、算出装置101は、図12で説明したように、平均値、分散、重みのパラメータを設定し、確率密度関数fを生成する。また、分電盤iで発生し得る電力量変化量が経験分布に従うと仮定した場合、算出装置101は、図13で説明した確率密度関数fを生成する。
次に、図17Bにて、算出装置101は、kに1を設定する(ステップS1708)。続けて、算出装置101は、時刻tkにおける尤度LC(tk)を算出する(ステップS1709)。ステップS1709での算出式は、(10)式となる。次に、算出装置101は、時刻tkにおける尤度LN(tk)を算出する(ステップS1710)。ステップS1710での算出式は、(11)式となる。
続けて、算出装置101は、LCiにLCi×LC(tk)を設定する(ステップS1711)。さらに、算出装置101は、LNiにLNi×LN(tk)を設定する(ステップS1712)。続けて、算出装置101は、kがn以下か否かを判断する(ステップS1713)。kがn以下である場合(ステップS1713:Yes)、算出装置101は、kをインクリメントする(ステップS1714)。ステップS1714の処理実行後、算出装置101は、ステップS1709の処理に移行する。kがnより大きい場合(ステップS1713:No)、算出装置101は、分電盤iの指標値RiをLCi/LNiとして算出する(ステップS1715)。次に、算出装置101は、指標値Riを出力する(ステップS1716)。
続けて、算出装置101は、全ての分電盤に対して推定したか否かを判断する(ステップS1717)。まだ推定していない分電盤がある場合(ステップS1717:No)、算出装置101は、変数iをインクリメントする(ステップS1718)。ステップS1718の実行終了後、算出装置101は、ステップS1702の処理に移行する。全ての分電盤に対して推定した場合(ステップS1717:Yes)、算出装置101は、接続関係推定処理を終了する。
このように、図17A、図17Bで示した接続関係推定処理は、指標値を出力して、接続先に対する接続元の推定結果をユーザに通知することができる。また、方法3による接続関係推定処理は、方法1と方法2より正確な結果を得ることができる。
図18は、混合正規分布のパラメータ設定処理手順の例を示すフローチャートである。図18では、方法3にて分電盤で発生し得る電力量変化量が混合正規分布に従うとした場合、EMアルゴリズムに従って、重みξj、平均μj、分散σj 2といったパラメータを設定するフローチャートを示す。また、σj 2について、以下では、σj^2と示す。^は、べき乗を示す記号である。
初めに、算出装置101は、パラメータの繰り返し回数を示す変数tを0に設定する(ステップS1801)。次に、算出装置101は、t=0でのパラメータとして、μj (0)、σj^2(0)、ξj (0)を設定する(ステップS1802)。なお、μj (0)、σj^2(0)、ξj (0)は、どのような値を設定してもよい。また、jは、混合正規分布のインデックスとなる。たとえば、正規分布の個数m=3であれば、jは、1〜3の整数となる。m=3であれば、算出装置101は、初期パラメータとして、μj (0)、σj^2(0)、ξj (0)をそれぞれ3つ分、計9の初期パラメータを設定する。
次に、算出装置101は、各Btkに対して、Btkが混合正規分布jに属する条件付き確率Wjtk (t)を算出する(ステップS1803)。なお、Wjtk (t)は、下記(15)式を用いて以下のように算出される。
続けて、算出装置101は、ξj (t+1)を更新する(ステップS1804)。具体的に、算出装置101は、下記(16)式を用いて以下のようにξj (t+1)を更新する。
次に、算出装置101は、μj (t+1)を更新する(ステップS1805)。具体的に、算出装置101は、下記(17)式を用いて以下のようにμj (t+1)を更新する。
続けて、算出装置101は、σj^2(t+1)を更新する(ステップS1806)。具体的に、算出装置101は、下記(18)式を用いて以下のようにσj^2(t+1)を更新する。
次に、算出装置101は、tでのパラメータとt+1でのパラメータの差が閾値以下か否かを判断する(ステップS1807)。閾値より大きい場合(ステップS1807:No)、算出装置101は、tをインクリメントする(ステップS1808)。ステップS1808の実行終了後、算出装置101は、ステップS1803の処理に移行する。閾値以下の場合(ステップS1807:Yes)、算出装置101は、t+1でのパラメータを出力する(ステップS1809)。ステップS1809の実行終了後、算出装置101は、混合正規分布のパラメータ設定処理を終了する。このように、図18で示した混合正規分布のパラメータ設定処理は、混合正規分布で用いるパラメータを生成できる。
以上説明したように、算出装置、算出方法、および算出プログラムによれば、2以上の時刻における分電盤とコンセントの電力量の変化量から、供給元と供給先とが接続されている可能性を示す指標値を算出する。これにより、算出装置は、配線を追わずに分電盤とコンセントの接続関係の推定結果を示す指標値を出力できる。
また、本実施の形態にかかる算出装置は、一般的な家電が消費する電力情報を用いずに接続関係を推定することができるため、推定処理を容易に実行できる。さらに、本実施の形態にかかる算出装置は、供給元および供給先の電力制御を行わないため、推定処理をいつでも実行できる。なお、1つの時刻における変化量を用いる場合、算出装置は、供給先の電力制御を行って、供給元の変化量と供給先の変化量が類似したもの同士が接続しているとして推定することになる。しかし、本実施の形態にかかる算出装置では、2以上の時刻の変化量を用いることにより、供給元の変化量と供給先の変化量が類似したものを取得する可能性が高まるため、2以上の時刻の変化量を用いて算出した指標値は確からしいものとなる。したがって、本実施の形態にかかる算出装置は、電力制御を行わずに、確からしい接続関係を示す指標値を算出できる。
また、算出装置は、分電盤とコンセントの電力量の変化量から、分電盤の変化量が取り得る確率密度関数を生成し、接続または非接続を仮定した場合の尤度を求めてもよい。尤度は、仮定が正しい程、高い値となる。したがって、ユーザは、尤度が高くなった仮定を知ることにより、接続関係を把握することができる。
また、算出装置は、接続を仮定した尤度にて、接続関係の推定結果を示す指標値を算出してもよい。接続を仮定した尤度が高いほど、接続されているという仮定が正しかったことを示す。これにより、たとえば、ユーザは、出力された指標値を参照して、指標値が最も高い供給元を接続されていると認定することができる。
また、算出装置は、非接続を仮定した尤度にて、接続関係の推定結果を示す指標値を算出してもよい。非接続を仮定した尤度が低いほど、非接続であるという仮定が誤っていたことを示す。これにより、たとえば、ユーザは、出力された指標値を参照して、指標値が最も低い供給元と供給先が接続されていると認定することができる。
なお、接続を仮定した尤度、または非接続を仮定した尤度を求める場合、算出装置は、分電盤1とコンセント1での変化量のデータの個数と、分電盤2とコンセント1での変化量のデータの個数が一致している方が、より正確な指標値を算出することができる。
また、算出装置は、接続を仮定した尤度と非接続を仮定した尤度から、供給元と供給先とが接続されている可能性を示す指標値を算出してもよい。算出装置は、接続が仮定した尤度が最も高く、非接続を仮定した尤度が最も低くなった供給元が、供給先と接続されているという結果を出力することになる。したがって、算出装置は、接続を仮定した尤度または非接続を仮定した尤度のうちいずれか一方を用いた場合より正確な結果をユーザに対して出力することができる。また、指標値を求める方法を用いた場合、算出装置は、分電盤とコンセント1での変化量のデータの個数と、他の分電盤とコンセント1での変化量のデータの個数が一致していなくても、正確な指標値を算出することができる。
また、算出装置は、χ2乗分布に、供給元での変化量の分散の観測値と分散の理論値との比を代入して、尤度を算出してもよい。これにより、算出装置は、分電盤の変化量が取り得る確率密度関数を用いた場合よりも計算量が少なくなり、より早くユーザに推定結果を提供することができる。また、算出装置は、χ2乗分布を用いて、接続を仮定した場合の尤度を求めてもよい。また、算出装置は、χ2乗分布を用いて、非接続を仮定した場合の尤度を求めてもよい。さらに、算出装置は、χ2乗分布を用いて、接続を仮定した尤度と非接続を仮定した尤度から、供給元と供給先とが接続されている可能性を示す指標値を出力してもよい。
また、算出装置は、2つ以上の時刻における供給元と供給先の変化量の正負符号に基づいて、指標値を算出してもよい。算出装置は、普段発生しないような例外的な変化量が発生しても、例外的な変化量に影響されにくい指標値をユーザに提供することができる。
また、算出装置が提供した指標値を基に、ユーザとなる建物の管理者は、たとえば、分電盤に接続されているコンセントを使用している部署が用いている電力量を特定できる。特定した電力量を用いて、たとえば、建物の管理者は、該当の部署に対して節電要求を行うことができる。
なお、本実施の形態で説明した算出方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。本算出プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また本算出プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。