JP5903605B2 - レーザ発振装置及びレーザ加工機 - Google Patents
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Description
本発明に係るレーザ発振装置は、レーザガスが循環する循環経路と、循環経路内にてレーザガスを励起させる励起手段と、循環経路内にレーザガスを供給する供給手段と、循環経路からその外部へレーザガスを排出する排出手段と、循環経路内でのレーザガスの圧力を検出する圧力検出手段と、循環経路の外部の湿度を検出する湿度検出手段と、制御手段とを備えている。制御手段は、励起手段、供給手段、及び排出手段を制御する。具体的には、制御手段は、レーザガスの励起、供給、及び排出の全てを停止させた後、圧力検出手段により検出される圧力が、湿度検出手段により検出される湿度に応じて変化する閾値以上になった場合、第1制御として、レーザガスの供給を停止させたまま、排出手段にレーザガスの排出を再開させる。
[1]レーザ発振装置の構成
図1は、本発明の実施形態に係るレーザ発振装置を示した概念図である。又、図2は、本実施形態のレーザ発振装置を概念的に示したブロック図である。図1に示す様に、レーザ発振装置は、レーザガスが循環する循環経路1と、送風手段2と、励起手段3と、全反射鏡4と、部分反射鏡5と、供給手段6と、排出手段7と、制御手段8と、圧力検出手段9と、湿度検出手段10とを備えている。レーザガスには、二酸化炭素やヘリウム等のガス、又はこれらの混合ガスが用いられる。尚、レーザガスには、これらのガスに限らず、光の誘導放出が可能な様々なガスを用いることが出来る。
次に、モード切替制御手段113が実行する具体的な制御について、図面に沿って説明する。図4は、モード切替制御手段113が実行する制御(モード切替制御)を示したフローチャートである。このフローチャートは、レーザ発振装置の動作状態(モード)が稼動モードであって、且つ発振指令スイッチ112がオンに設定された状況での制御を特に示したものである。
次に、制御手段8が実行する具体的な制御について、図面に沿って説明する。図5(a)は、この制御によって生じるレーザガスの圧力変化を示したタイムチャートであり、図5(b)〜(e)は、供給手段6、排出手段7、送風手段2、及び高電圧電源33の切替えタイミングをそれぞれ示したタイムチャートである。これらタイムチャートを参照しながら、具体的な制御について説明する。
稼動モード時においては、循環経路1内のレーザガスの圧力Pが所定水準の圧力P0に保たれる様に、制御手段8(具体的には動作指令手段83)が、供給手段6及び排出手段7によるレーザガスの供給及び排出をそれぞれ制御する。そして、発振指令スイッチ112がオンに設定された場合、励起手段3によるレーザガスの励起が実行され、これによりレーザ光が出力される。レーザガスの圧力Pを所定水準の圧力P0に保つためには、レーザガスの供給及び排出が連続的に実行されてもよいし、レーザガスの供給及び排出の少なくとも何れか一方が断続的に実行されてもよい。
図6は、スタンバイモードへの切替え制御を示したフローチャートである。先ず、ステップS21において、動作指令手段83から励起手段3への指令により、高電圧電源33のスイッチがオフに設定される(図5(a)〜(e)において、時間t=t2のとき)。次に、ステップS22において、動作指令手段83が、送風手段2に送風を停止させる(図5(a)〜(e)において、時間t=t3のとき)。その後、ステップS23において、動作指令手段83が、供給手段6及び排出手段7にレーザガスの供給及び排出をそれぞれ停止させる(図5(a)〜(e)において、時間t=t4のとき)。この様な切替え制御により、レーザ発振装置の動作状態(モード)が、稼動モードからスタンバイモードへ切り替わる。
図5(a)に示す様に、稼動モードからスタンバイモードに切り替わった直後から、循環経路1内に外部から空気が侵入し、循環経路1内のレーザガスの圧力Pが上昇し始める。そして、本発明者らにより、圧力Pが閾値Pt以上となった場合、循環経路1内に多くの水分が侵入したことになり、その様な状態のままではレーザ光の出力が不安定になることが確認されている。そこで、本実施形態においては、圧力Pが閾値Pt以上となった場合、循環経路1内の水分を除去するために、循環経路1内のレーザガスを入れ替えるための制御が実行される。具体的には、以下の様に制御される。
稼動モードからスタンバイモードに切り替わった後、又はレーザガスが入れ替えられた後、圧力Pが閾値Ptに達する迄であれば、循環経路1内に侵入する総水分量は少ない。従って、稼動モードへの切替え制御では、循環経路1内のレーザガスを入れ替える必要がなく、循環経路1内でのレーザガスの圧力Pを、所定圧力P2(又は所定水準の圧力P0)からの上昇分だけ低下させればよい。
図9は、本実施形態のレーザ発振装置を備えたレーザ加工機を示した概念図である。図9に示す様に、レーザ加工機は、レーザ発振装置100と、加工対象106が載せられる加工テーブル101と、集光手段102と、駆動手段103と、加工制御手段104とを備えている。レーザ発振装置100から出力されるレーザ光は、レーザ光路105を通って集光手段102へ伝送される。集光手段102は、折返し鏡等を有しており、レーザ発振装置100から伝送されるレーザ光を集めると共に、集めたレーザ光を加工テーブル101上の加工対象106へ照射する。駆動手段103は、加工テーブル101及び集光手段102の少なくとも何れか一方を移動させるための手段である。加工制御手段104は、レーザ発振装置100及び駆動手段103を制御するための手段である。尚、加工制御手段104が実行する制御方式として、例えば数値制御が用いられる。
次に、上述したレーザ発振装置の変形例について説明する。尚、変形例に係るレーザ発振装置の構成は、上述したレーザ発振装置の構成(図1及び図2参照)と同じであるので、説明を省略する。以下では、特にスタンバイモード時の制御及び稼動モードへの切替え制御について、図面に沿って説明する。その他の制御については、上述した通りであるので、説明を省略する。
図10(a)は、第1変形例に係るレーザ発振装置の制御によって生じるレーザガスの圧力変化を示したタイムチャートであり、図10(b)〜(e)は、供給手段6、排出手段7、送風手段2、及び高電圧電源33の切替えタイミングをそれぞれ示したタイムチャートである。これらのタイムチャートを参照しながら、第1変形例での具体的な制御について説明する。
図11は、スタンバイモード時に制御手段8が実行する制御を示したフローチャートである。先ずステップS51において、循環経路1内でのレーザガスの圧力Pが監視される。具体的には、圧力検出手段9により検出される圧力Pが、閾値導出手段81により導出された閾値Pt以上であるか否かが、比較判定手段82により判定される。ステップS51にて「Yes」と判定された場合(図10(a)〜(e)において、時間t=t5のとき)、ステップS52が実行される。ステップS52では、動作指令手段83が、レーザガスの供給を停止させたまま、排出手段7にレーザガスの排出を開始させる。
図12は、稼動モードへの切替え制御(A)を示したフローチャートである。先ず、ステップS71において、動作指令手段83が、排出手段7にレーザガスの排出を開始させる(図10(a)〜(e)において、時間t=t15のとき)。次に、ステップS72において、圧力検出手段9により検出される圧力Pが、所定圧力P1以下であるか否かが、比較判定手段82により判定される。ステップS72の判定は、ステップS72にて「Yes」と判定される迄、繰り返し実行される。そして、ステップS72にて「Yes」と判定された場合(図10(a)〜(e)において、時間t=t16のとき)、ステップS73が実行される。ステップS73では、動作指令手段83が、排出手段7にレーザガスの排出を継続させつつ、供給手段6にレーザガスの供給を開始させる。又、動作指令手段83は、圧力検出手段9によって検出される圧力Pが上昇する様に、供給手段6及び排出手段7にレーザガスの供給量及び排出量をそれぞれ調整させる。
図13(a)は、第2変形例に係るレーザ発振装置の制御によって生じるレーザガスの圧力変化を示したタイムチャートであり、図13(b)〜(e)は、供給手段6、排出手段7、送風手段2、及び高電圧電源33の切替えタイミングをそれぞれ示したタイムチャートである。これらのタイムチャートを参照しながら、第2変形例での具体的な制御について説明する。
図14は、スタンバイモード時に制御手段8が実行する制御を示したフローチャートである。先ずステップS81において、圧力検出手段9により検出される圧力Pが、閾値導出手段81により導出された閾値Pt以上であるか否かが、比較判定手段82により判定される。ステップS81にて「Yes」と判定された場合(図13(a)〜(e)において、時間t=t5のとき)、ステップS82が実行される。ステップS82では、動作指令手段83が、レーザガスの供給を停止させたまま、排出手段7にレーザガスの排出を開始させる。
2 送風手段
3 励起手段
4 全反射鏡
5 部分反射鏡
6 供給手段
7 排出手段
8 制御手段
9 圧力検出手段
10 湿度検出手段
11 放電管
12、13 熱交換器
Claims (8)
- レーザガスが循環する循環経路と、
前記循環経路内にて前記レーザガスを励起させる励起手段と、
前記循環経路内に前記レーザガスを供給する供給手段と、
前記循環経路からその外部へ前記レーザガスを排出する排出手段と、
前記循環経路内での前記レーザガスの圧力を検出する圧力検出手段と、
前記循環経路の外部の湿度を検出する湿度検出手段と、
前記励起手段、前記供給手段、及び前記排出手段を制御する制御手段と
を備え、
前記制御手段は、前記湿度検出手段により検出される湿度から前記湿度に応じて変化する前記圧力の閾値を導出するとともに、
前記レーザガスの励起、供給、及び排出の全てを停止させた後、前記圧力検出手段により検出される圧力が、前記閾値以上になった場合、第1制御として、前記レーザガスの供給を停止させたまま、前記排出手段に前記レーザガスの排出を再開させる、レーザ発振装置。 - 前記制御手段は、
前記第1制御の実行により、前記圧力検出手段によって検出される圧力が第1所定圧力以下になった場合、第2制御として、前記排出手段に前記レーザガスの排出を継続させつつ、前記供給手段に前記レーザガスの供給を再開させると共に、前記圧力検出手段によって検出される圧力が上昇する様に、前記供給手段及び前記排出手段に前記レーザガスの供給量及び排出量をそれぞれ調整させ、
前記第2制御の実行により、前記圧力検出手段によって検出される圧力が第2所定圧力以上になった場合、第3制御として、前記レーザガスの供給及び排出を再び停止させる、請求項1に記載のレーザ発振装置。 - 前記制御手段は、前記励起手段に前記レーザガスの励起を再開させるとき、前記圧力検出手段によって検出される圧力が所定水準に保たれる様に、前記供給手段及び前記排出手段による前記レーザガスの供給及び排出をそれぞれ制御することが可能であり、
前記第2所定圧力は、前記所定水準の圧力と略同一の値に設定されている、請求項2に記載のレーザ発振装置。 - 前記第1所定圧力は、前記第2所定圧力の1/10以下に設定されている、請求項2又は請求項3に記載のレーザ発振装置。
- 前記制御手段は、前記第1制御の実行により、前記圧力検出手段によって検出される圧力が第1所定圧力以下になった場合、第2制御として、前記レーザガスの排出を再び停止させる、請求項1に記載のレーザ発振装置。
- 前記制御手段は、前記励起手段に前記レーザガスの励起を再開させる前に、
第3制御として、前記レーザガスの供給を停止させたまま、前記レーザガスの排出を再開させ、
前記第3制御の実行により、前記圧力検出手段によって検出される圧力が再び前記第1所定圧力以下になった場合、第4制御として、前記排出手段に前記レーザガスの排出を継続させつつ、前記供給手段に前記レーザガスの供給を再開させると共に、前記圧力検出手段によって検出される圧力が所定水準となる様に、前記供給手段及び前記排出手段に前記レーザガスの供給量及び排出量をそれぞれ調整させる、請求項5に記載のレーザ発振装置。 - 前記第1所定圧力は、前記所定水準の圧力の1/10以下に設定されている、請求項5又は6に記載のレーザ発振装置。
- 請求項1乃至請求項7の何れか1つに記載のレーザ発振装置と、
加工対象が載せられる加工テーブルと、
前記レーザ発振装置から出力されるレーザ光を集めて前記加工対象に照射する集光手段と、
前記加工テーブル及び前記集光手段の少なくとも何れか一方を移動させる駆動手段と、
前記レーザ発振装置及び前記駆動手段を制御する加工制御手段と
を備える、レーザ加工機。
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