JP5900075B2 - 変位計測システム - Google Patents

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Description

本発明は、変位を計測したい地点に設置した発信機からの信号を受信し、その受信位相差を利用して、発信機変位を観測する変位計測システムに関する。
変位を計測したい地点に設置した発信機からの受信位相を利用して、発信機変位を観測する従来技術としては、特許文献1のようなものがある。この特許文献では、位置が既知である固定点に設置された複数の受信機で受信した信号をそのまま用い、発信機位置が変位すれば、複数の受信機間での受信位相差も変化するという性質を利用して、発信機変位を計測している。
特許文献2では、電波発信機からの電波を複数の受信機で受信し、その受信信号間の位相差から、次式(1)の方程式を解くことにより電波発信機の位置を測定している。
Figure 0005900075
ここで、(x、y、z)は発信機の位置、
(X、Y、Z)は第n受信アンテナの位置、
λは電波の波長、 Nは受信アンテナの総数、
φn−1は第n受信機と第1受信機との受信信号位相差、
n−1は位相整数値バイアスであり、前回の測位観測値から算出できる。
特許文献2において当社は、発信機電波の一時的な遮蔽等により受信状態が悪くなり観測位相が大きく変化し整数値バイアスを誤ることにより、精度の悪化を招いてしまうという課題に対して、発信機の電波を複数の受信機で受信し、各受信信号毎に発信機の位置を一定周期ごとに測位し、次回の測位予測値を推定するフィルタ手段を備えた測位装置を用いることにより、整数値バイアスを保持する必要が無く、電波の一時的な遮蔽或いはフェージング等がある場合でも、測位精度を保つことができる手法を提案した。
又、当社は特願2011−070882号公報において、発信機からの信号を複数受信機で受信し、その受信位相差から発信機変位を観測する変位計測システムにおいて、発信機変位が発生していなくても降雨等による計測環境の変動により受信位相が変化し、発信機変位を誤検知してしまうという課題に対して、運用開始前に晴天時のデータをデータベース化し、運用開始後の観測時の状況(季節、温度等)に最も近いデータをリファレンスデータとし、観測信号との相関係数の変化から、降雨を検知する手法を提案した。
特開2008−202964号公報(第1−11頁、第1図) 特許第4397732号(第1−18頁、第1図)
しかし、特許文献2に記載の発明では、発信機の電波が長時間連続して遮蔽された場合には、観測位相誤差による予測値誤差が積みあがり、測位計算の過程における位相差算出での整数値バイアスを誤り、波長のN倍の位相誤差が生じ測位計算結果において、連続性が途切れる状態のオフセット誤差を生じる課題があった。
従って、発信機の電波が長い時間連続して遮蔽された場合、追尾フィルタと遅延手段から得られる予測値を用いた測位結果は、遮蔽が解消された場合には、初期値からの連続した変位として、オフセット誤差を生じることなく、初期値からの連続した変位として継続する必要がある。予測値を最適化すると共に、その生成方法と予測値を切り替えて受信位相を処理する処理をシステマティックに判断する必要があった。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、発信機電波の遮蔽や計測環境の変化が長時間連続していること(すなわち、マルチパス環境が長時間連続して変化したこと)に起因する変位の誤検出(オフセット誤差)を抑制し、計測精度の向上を図る。更に、測位結果を用いた測位値予測には、時間平均や標準偏差など処理により平滑効果が得られ、遮蔽などの連続した変動要因に起因する大きな誤差を抑圧することにより、計測データの連続性を保つ変位計測システムを得ることを目的とする。
変位が計測される場所に設置された発信機からの電波を一定周期毎に、変位しない場所に設置された複数の受信機がそれぞれ受信した信号から位相観測値を算出する位相観測値算出部と、前記位相観測値と前記位相観測値の予測値である受信位相予測値とから測位予測誤差を算出する測位予測誤差算出部と、前記測位予測誤差に基づき測位結果及び次回周期での測位結果の予測値である次回測位結果予測値を算出する追尾フィルタと、前記次回測位結果予測値を一周期分遅延させた、追尾フィルタ予測値を算出する遅延手段と、過去の前記測位結果を平滑処理した、平滑フィルタ予測値を算出する平滑フィルタと、前記追尾フィルタ予測値と前記平滑フィルタ予測値との差分が、予め設定された変化判定量より小さい場合は前記追尾フィルタ予測値を取得し、前記変化判定量より大きい場合は前記平滑フィルタ予測値に切り替え取得して、測位予測値として出力する測位予測値算出部と、前記測位予測値をもとに前記受信位相予測値を算出する受信位相予測値算出部とを備えた。
本発明に係る変位計測システムによれば、変位量は計測周期に比べて小さいこと、又は電波の1波長に比べて変位量は小さいことに着目し、追尾フィルタにより算出した測位の予測値(以降これを、「追尾フィルタ予測値」と呼ぶ。)と、平滑フィルタにより過去の測位データに重み付けして算出した測位予測値(以降これを、「平滑フィルタ予測値」と呼ぶ。)との差分が、予め設定した変化判定量と比べて大きい場合は、発信機電波の遮蔽などの環境変化が長時間連続して発生し大きな誤差となったと判断し、追尾フィルタ予測値を平滑フィルタ予測値に切り替えて測位予測値を算出する。この結果、発信機電波の遮蔽が長時間連続したため発生する大きな誤差を抑制でき、計測精度の向上を図った変位計測システムを得ることができる。
この発明の実施の形態1に係る変位計測システムの基本的な構成を示す図である。 この発明の実施の形態1に係るオフセット誤差発生の概要を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る予測値を用いたオフセット誤差の抑制概要を示す示す図である。 この発明の実施の形態1に係る変位計測システムのブロック図である。 この発明の実施の形態1に係る変位計測システムの動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1にて、通常の追尾フィルタの予測値と真値の状態を示す図である。 この発明の実施の形態1にて、予測値誤差が大きくなる状態である。 この発明の実施の形態1にて、追尾フィルタ予測値と平滑フィルタ予測値の比較状態図である。 この発明の実施の形態2に係る変位計測システムのブロック図である。 この発明の実施の形態3に係る変位計測システムのブロック図である。
実施の形態1.
まず始めに、本発明の基本概念について説明する。本発明は、次の3つの仮定に基づき、測位結果データを基に初期値から連続した測位予測値を算出し、追尾フィルタと遅延手段から得られた予測値との差分とあらかじめ設定された変化判定量とを比較して、その差分が変位判定量より大きい場合は、遮蔽等の外乱要因が連続している状態と判断して、測位予測値を用いて受信位相予測値算出を行うものである。
(仮定1)発信機に変位が生じた場合の発信機の変位は、数ミリ〜数センチメートル程度の大きさであり、発信機と受信機間の距離に比べると微小であると共に、1回の計測で計測する変位量は、受信する電波の1波長の長さより小さいこと。
(仮定2)発信機が遮蔽により計測位相に大きな誤差が生じた場合でも、遮蔽要因がなくなると計測位相の状態は遮蔽が起こる前に近い状態に戻る。
(仮定3)斜面の計測において計測する変位量の変化は、数ミリ〜数センチメートル程度/(数時間から数日において)の大きさであり、計測周期を数分〜10数分とした場合の1回の計測における変位量は、電波の波長(例えば2.4GHzにおいては、約12cm)に対して小さいものである。
本発明は、これら3つの仮定に着目し、追尾フィルタと遅延手段から得た測位の追尾フィルタ予測値と、測位結果の初期値から連続した測位データから時間平均や標準偏差などの処理により平滑処理され過去の測位結果に重み付けした平滑フィルタ予測値との差分と、あらかじめ設定された変化判定量と比較して、前述の差分が変化判定量より大きい場合には、計測位相誤差が大きく電波の遮蔽が長期間連続したことを検出して、受信位相予測値算出に用いる測位予測値を平滑フィルタ予測値に切り替えて受信位相を算出した後に、測位予測誤差を用いて追尾フィルタは測位結果を出力する。判定に用いる変化判定量は、例えば計測する電波の1波長の長さから1/4波長の長さを目安に設定される。
図1は、本実施の形態1における変位計測システムの基本的な構成を示す図である。本実施の形態では、n台の発信機1とm個の受信機2で送受信系が構成され、送信信号sが既知の場合について説明する。計測を行う斜面等に発信機を設置し斜面の変位があると発信機の電波からの計測位相が変化することに着目して、変位の計測を行なうものであり、変位を計測したい地点に設置されたn台の発信機1(1)〜1(n)と、設置箇所が変位しない場所に設置されたm個の受信機2(1)〜2(m)で構成される。
図2は、本発明の実施の形態に係る変位計測システムでの測位結果101である。測位結果101にオフセット誤差が生じた状況、オフセット誤差発生時の受信電力の状態、オフセット誤差発生時の計測位相の状態を示している。図2(a)は、オフセット誤差が発生時の変位状態を示す図である。図のAに示す部分は、オフセット誤差の発生前であり、一定のバラツキ幅(ランダム誤差)内にバラツイている。このバラツキ幅は、DOP×λ×Δφに依存している。ここで、DOPとは、計測点の配置による電波位相変化の検出精度の劣化を示す位置精度劣化係数であり、Dilution Of Precisionの略である。λは、使用する電波の波長、Δφは位相差である。図のBに示す部分では、発信機と受信機の間に介在する人間や車両などの障害物のため、電波が遮蔽され計測位相に大きな誤差が発生する。計測位相誤差が大きくなり、この状態が長時間連続すると、位相差算出時に整数バイアス誤差を生じる恐れがある。図のCに示す部分では、発信機と受信機間の障害物がなくなり計測位相に大きな誤差はないが、整数バイアスの算出は前段の処理結果が反映され、オフセット誤差が生じる恐れがある。
図2(b)は、オフセット誤差発生時の受信電力状態を示す図である。図のBに示す部分では、発信機と受信機間の障害物で、電波が遮蔽されたため、受信電力も変動している。図2(c)は、オフセット誤差発生時の計測位相状態を示す図である。図のBに示す部分では、発信機と受信機間の障害物で、電波が遮蔽された場合、計測位相も大きく変動している。図のCに示す部分では、電波の遮蔽が解消すると計測位相も元の状態に回復している。
図3は、本発明の実施の形態に係る変位計測システムでの測位結果101において、受信位相予測に用いる予測値を、過去の測位結果に重みを持たせ平滑処理した平滑フィルタ予測値111を用いることにより、受信位相の整数値バイアスを誤ることなく測位計算を行いオフセット誤差が抑制される状態を示している。
図3(a)は、オフセット誤差と追尾フィルタ予測値61の状態を示す図である。図のBに示す部分では、計測位相誤差が大きくなり、オフセット誤差が生じ始めている。しかし、図のDに示す部分は、初期値から連続した測位データから時間平均や標準偏差などの処理により過去の測位結果に重みを持たせたフィルタ処置を実施した後の平滑フィルタ予測値111であり、オフセット誤差は発生しなくなる。この平滑フィルタ予測値111を用いることにより、連続的な遮蔽時に現れるオフセット誤差を抑圧することが出来る。図のCに示す部分では、計測位相に大きな誤差は発生しない。図3(b)は、オフセット誤差を抑圧した状態を示す図である。図のBに示す部分では、平滑フィルタ予測値111を用いて、受信位相予測値51を算出し、整数値バイアスの誤りを抑制することで、オフセット誤差を抑圧している。図のCに示す部分でも、オフセット誤差を抑圧できている。
次に、図4は、本実施の形態における変位計測システムの処理を示すブロック図であり、これにより本システムの構成を説明する。実施の形態1における変位計測システムは、1台以上の発信機1の位置及び変位を一定周期ごとに計測する共に、次回の計測予測値を推定するフィルタ手段を備えており、複数台の受信機2、位相観測値算出部3、測位予測誤差算出部8、追尾フィルタ7、遅延手段6、受信位相予測算出部5、測位結果記録部100、平滑フィルタ110、測位予測値算出部120、及び測位値判定データ記録部130を備えている。実施の形態1において、遮蔽が長時間連続した場合の計測位相誤差から測位結果101のオフセット誤差を抑制する予測値処理部200は、測位結果記録部100、平滑フィルタ110、測位予測値算出120、及び測位値判定データ記録部130を有している。
図5は、本実施の形態1に係る変位計測システムの動作を示すフローチャートであり、これにより動作を説明する。まず始めに、受信位相観測値算出部3は、m個の受信機2(1)〜2(m)からの受信データ(受信信号)から位相観測値33を、発信機1と受信機2の組合せに対して算出する(ステップS11)。測位予測誤差算出部8は、位相観測値33と受信位相予測値算出部5が出力した受信位相予測値51から測位予測誤差81を算出する。(ステップS12)。追尾フィルタ7は、測位予測誤差算出部8の出力である測位予測誤差81から、次回周期における測位予測値を、例えば、α−βフィルタ、カルマンフィルタ等のフィルタにより推定すると共に、測位結果101のデータを出力する(ステップS13)。遅延手段6は、推定された次回周期での測位予測値を1周期分遅延させた追尾フィルタ予測値61を算出する(ステップS14)。
このように、次回周期の測位予測値を1計測周期分遅延させてフィードバックすることにより、それぞれの受信信号ごとに、受信位相観測値33と受信位相予測値51との差分に基づき測位予測誤差81を算出する。このようにして算出される測位予測誤差81は、いずれかの受信信号を基準として算出されるものではなく、自らの受信信号の(位相)観測値と(位相)予測値との差分に基づくものである。この場合、各受信機毎の観測値及び予測値を用いて測位計算を行うために、位相整数値バイアスを保持する必要がないため、一時的な電波の遮蔽により整数値バイアスを誤る大きな誤差が発生する問題は解消できる。
しかし、電波の遮蔽された状態が長時間連続した場合、受信機全体に受信位相データ誤差が大きな状態が連続すると、追尾フィルタ7の設定によっては、測位予測値の計算において、電波の1波長の長さの位相変動以上の変位量を算出してしまう恐れがある。この状態が連続すると、受信位相予測値算出部5において、位相算出における整数値バイアスを誤る可能性があり、測位結果101に急激な変化をもたらす、オフセット誤差を生じる恐れがある。この問題を解消するため実施の形態1では、追尾フィルタ7にて算出した測位結果101を測位結果記録部100にて、初期値(計測初期の観測値)からの測位結果101を連続したデータとして記録している(ステップS15)。
次に、平滑フィルタ110は、測位結果記録部100に初期値から連続して記録された測位データから、時間平均や標準偏差などの処理により平滑処理(フィルタ処理)し、過去の測位結果に重み付けした平滑フィルタ予測値111を算出する。ここで、過去の測位結果に重みを持たせて平滑処理した平滑フィルタ予測値111を算出することにより、直近の計測位相の誤差の影響を抑え、電波の遮蔽が連続した場合の整数値バイアス誤差を抑制できる(ステップS16)。平滑処理には、前述以外にもα−β追尾フィルタやカルマンフィルタ等を用いることも可能である。
測位値判定データ記録部130は、測位値判定データである記録変化判定量131をあらかじめ記録しておく。記録される変化判定量131は、例えば電波の波長の1波長から1/4波長程度から見込まれる長さが設定される(ステップS17)。測位予測値算出部120は、遅延手段6の出力である追尾フィルタ予測値61と平滑フィルタ110の出力である平滑フィルタ予測値111との差分を計算し、その差分が測位値判定データ記録部130に記録された変化判定量131より大きいか比較し判定する(ステップS18)。この変化判定量131は、例えば計測する電波の1波長の長さから1/4波長の長さを目安に設定される。
当該差分が、変化判定量131より小さい場合は、遮蔽が発生していない通常状態であると判定し、継続して追尾フィルタ予測値61を測位予測値として出力する(ステップS19)。当該差分が、変化判定量131より大きい場合は、遮蔽が発生した緊急状態であると判定し、測位予測値算出部120は追尾フィルタ予測値61に切り替えて、測位予測値として出力する(ステップS20)。次に、受信位相予測算出部5は、測位予測値算出部120にて切り替え出力した測位予測値121から、受信位相予測値51を計算しへ測位予測誤差算出部8出力する(ステップS21)。
図6から図8にはその判定の概要を示す。図において、発信機1の位置の真値は(x,y,z)、微小な誤差を含む予測位置は、i番目の受信アンテナの位置は(Xi,Yi,Zi)と表示している。図6は、通常の追尾フィルタ予測値61と真値の状態を示す図である。通常、追尾フィルタ予測値61は、受信位相の整数値バイアスを誤らない範囲にある。図7は、予測値誤差が大きくなる状態を示す図である。電波の遮蔽が連続して観測位相誤差が大きい状態が続くと、受信位相の整数値バイアスを誤る予測値を追尾フィルタ予測値61として算出する恐れがある。図8は、追尾フィルタ予測値61と平滑フィルタ予測値111の比較を示す図である。図中に、遅延手段6の出力である追尾フィルタ予測値61と、平滑フィルタ110の出力である平滑フィルタ予測値111と、これら2つの予測値の差分を示す。この差分と変化判定量131とを比較し、その結果に応じて、受信位相予測値算出部5にて出力する予測値を切り替える。
以上のように、本実施の形態1によれば、測位予測値算出部120にて、追尾フィルタ7と遅延手段6から算出した追尾フィルタ予測値61と、平滑フィルタ110から算出した平滑フィルタ予測値111との差分と、測位値判定データ記録部130に記録した変化判定量131とを比較し、2つの予測値を切り替えて受信位相の予測値算出を行っている。
このように、2つの予測値の切替処理を実施して測位を行うことにより、電波の遮蔽が長時間連続した場合に起因する測位結果のオフセット誤差を抑制し、計測精度の向上を図り且つ観測データの連続性を保持した変位計測システムを実現できる。また、変化判定量131の値との比較を行い、2つの予測値の差分が小さい場合は追尾フィルタ予測値61を切り替えずに継続して計算することにより、測位計算における微小な変位にも追従できる。
実施の形態2.
実施の形態1では、測位予測値算出部120において、追尾フィルタ7と遅延手段6から算出した追尾フィルタ予測値61と、平滑フィルタ110から算出した平滑フィルタ予測値111との差分と変化判定量131とを比較し、2つの予測値を切り替えて受信位相予測値51を算出する場合について説明した。これについては、本実施の形態2も同様である。しかし、特願2011−070882号広報に記載されている、環境変化検出部40にて検出した環境変化データ41から作成した環境変化フラグ151を利用して、測位予測値算出部120での測位値予測において、測位結果の有効判定を行い測位予測値の精度を向上する場合について説明する。
本実施の形態2における変位計測システムの構成を示すブロック図を、図9に示す。予測値を用いてオフセット誤差を抑制した状態、追尾フィルタ予測値61と平滑フィルタ予測値111の比較は、実施の形態1における図2、図3、図6〜図8と同じである。本実施の形態は図9のように、環境変化を検出する、データ取得部10、データ記憶部20、リファレンスデータ抽出部30、環境変化検出部40を備えている。また、予測値処理部201は、測位結果記録部100、平滑フィルタ110、測位予測値算出部120、及び測位値判定データ記録部130に加えて、環境変化記録部140、環境変化フラグ検出150を更に備えている。
実施の形態1では、電波の遮蔽が連続した場合の予測値の精度向上について説明したが、雨天などの環境の変化でも計測位相に誤差が増える可能性があり実施の形態2では、環境変化検出部40で算出した環境変化データ41を用いて環境変化フラグ検出部150にて、観測周期ごとの時系列フラグである環境変化フラグ151を作成する。
特願2011−070882号公報に記載されているように、受信データ取得部10は、システム運用開始前に、m個の受信機2(1)〜2(m)からの基準となるべき受信データ(受信信号)を、全ての発信機と受信機の組合せに対して収集する。より具体的には、受信データ取得部10は、外乱要因がないシステム導入環境下での種々の計測条件での受信データ(例えば、春夏秋冬、昼夜等により異なる日射・温度条件下での晴天時の種々の受信データ)を取得し、データ記憶部20に記憶させ、基準データをあらかじめデータベース化しておく。次に、システム運用開始後、リファレンスデータ抽出部30は、計測を行っている時期および時間帯などの計測条件が類似している基準となる受信データをデータ記憶部20から読み出し、リファレンスデータ31として登録しておく。一方、受信データ取得部10は、変位計測を行うため、発信機からの信号の受信を開始する。
環境変化検出部40は、リファレンスデータ抽出部30から読み出した基準となるリファレンスデータ31と、変位計測時に取得した受信信号に基づく観測データ11との相関係数を算出し、この相関係数が所定の閾値よりも低い場合には、計測環境の変化が発生したことを検出しアラームを発生すると共に、環境変化データ41を出力する。この相関係数が所定の閾値よりも高い場合には、降雨などの計測環境の変化は無いと判定する。
環境変化記録部140は、環境変化検出部40にて検出した相関係数データを基にした判定結果である環境変化データ41を記録する。次に、環境変化フラグ検出部150は、環境変化検出部40が出力し環境変化記録部140に記録された環境変化データ41を検出して、観測周期ごとの時系列フラグである環境変化フラグ151を作成する。平滑フィルタ110では、測位結果記録部100にある連続した測位結果101のデータについて、環境変化フラグ151を用いて有効か否かの有効判定を行い、時間平均や標準偏差などの処理により平滑処理の対象とする測位データを選択する。測位結果記録部100に記録された測位結果101のデータにおいて、環境変化フラグ151により環境変化あり無効と判定された時間帯の測位結果101については、平滑フィルタ110の平滑処理に使用しないこととする。この結果、測位予測値121の精度を向上できる。
測位予測値算出部120では、実施の形態1と同様に、受信位相予測算出部5にて追尾フィルタ予測値61から平滑フィルタ予測値111に切り替えて測位予測値121を算出する。受信位相予測算出部5では、測位予測値算出部120が切り替えて出力した測位予測値121を用いて、受信位相予測値を算出する。平滑フィルタ110では測位結果101データを平滑化して測位予測値を算出する際に、時系列の測位結果101データについて環境変化フラグ151を用いてデータの有効性を判定することにより、測位予測値算出部120における測位予測値121、ひいては測位予測誤差81を抑えることができるため、電波の遮蔽が長時間連続した場合の整数値バイアス誤差を抑制できる。
以上のように、本実施の形態2によれば、環境変化検出部40にて検出した相関係数データを基に判定した結果である環境変化データ41から環境変化フラグ検出部150は環境変化フラグ151を作成する。この環境変化フラグ151を利用して平滑フィルタ110は平滑処理する対象である測位結果101が有効であるか判定を行うことにより、平滑フィルタ110の測位予測の精度を向上でき、ひいては、測位結果及び変位計測結果の精度も向上できる。
実施の形態3.
本実施の形態3における基本的な構成は、実施の形態1の図1と同じである。予測値を用いてオフセット誤差を抑制した状態、追尾フィルタ予測値と平滑フィルタ予測値の比較は、実施の形態1における図3、図6〜図8と同様である。図10は、本実施の形態の変位計測システムの構成を示すブロック図である。図において、予測値処理部202は、測位結果記録部100、平滑フィルタ110、測位予測値算出部120、測位値判定データ記録部130、環境変化記録部140、環境変化フラグ検出部150に加えて、外部補正受信部170を備えている。
実施の形態1,2では、電波の遮蔽が連続した場合の予測値の精度向上について説明したが、計測する場所での遮蔽状態が長期間続くようなケースでは、更に全ての受信機にて位相観測に誤差が増加する可能性がある。このため実施の形態3では、外部フィルタが測位結果101のデータを用いてフィルタ処理を行ない、測位予測値の精度を向上する場合について説明する。ここで、外部フィルタとは、本変位計測システムの外部に設けられ、平滑フィルタ110とのインターフェイスを備えた、平滑処理を行なうフィルタである。
次に、動作について説明する。図10にて外部フィルタは、追尾フィルタ7が算出した測位結果101を受けて、外部フィルタ予測値171を出力する。外部補正受信部170は、この外部フィルタ予測値171を記録する。また、外部補正受信部170は、外部フィルタが出力した外部フィルタ予測値171等を外部フィルタと連動して取得するインターフェースも備えている。
通常、平滑フィルタ110は、実施の形態1で述べたように、測位結果記録部100に初期から連続して記録された測位結果101のデータを、平滑処理し過去の測位結果に重み付けした平滑フィルタ予測値111を算出する。しかし、平滑フィルタ110の内部に切替スイッチ115を設けており、これを外部補正を取得する設定に切替えた場合は、外部補正受信部170に記録された外部フィルタ予測値171をそのまま、平滑フィルタ110が出力する平滑フィルタ予測値111として測位予測値算出部120に送る。すなわち、この場合、平滑フィルタ110は平滑処理していない。
測位予測値算出部120は、実施の形態1と同様に、受信位相予測算出部5に追尾フィルタ予測値61と平滑フィルタ予測値111との差分を、変化判定量131と比較し
2つの予測値を切替えて、測位予測値121を出力する。これ以後は、実施の形態1又は実施の形態2と同様である。
以上のように、本実施の形態3によれば、外部に設けられたフィルタが出力した外部フィルタ予測値171を受けて記録する外部補正受信部170を備え、外部フィルタ予測値171を平滑フィルタ110の出力として切替えることにより、予想外の誤差が発生した場合であっても、測位精度を向上できる。
なお外部フィルタは、本変位計測システムとは異なる位置に設置された複数の受信機からの受信信号を用いて測位した測位結果を取得して、外部フィルタ予測値171を出力することも可能である。或いは、GPSを用いた変位計測システムなど、本変位計測システムとは異なる方法で計測した測位結果を取得して、外部フィルタ予測値171をこの外部フィルタが出力することも可能である。
また、外部フィルタは具体的には、変位計測に適した専用のフィルタであり、斜面の非線形な変形特性などを高速にシュミレートできるソフトウェアや、実際に変位計測を実施して決定した最適の係数値などを備えたものであっても良い。このようなフィルタを用いることにより、更に測位精度を向上できる。
また、外部補正受信部170が、外部フィルタと連動するインターフェースを有することもできる。この結果、外部に設けた外部フィルタから平滑フィルタ予測値の算出方法(平滑フィルタの動作方法)を、遠隔制御により選択することも実現できる。
1 発信機
2 受信機
3 位相観測値算出部
5 受信位相予測値算出部
6 遅延手段
7 追尾フィルタ
8 測位予測誤差算出部
10 受信データ取得部
11 観測データ
20 データ記憶部
30 リファレンスデータ抽出部
31 リファレンスデータ
33 位相観測値
40 環境変化検出部
41 環境変化データ
51 受信位相予測値
61 追尾フィルタ予測値
81 測位予測値誤差
100 測位結果記録部
101 測位結果
110 平滑フィルタ
111 平滑フィルタ予測値
115 切替スイッチ
120 測位予測値算出部
121 測位予測値
130 測位値判定データ記録部
131 変化判定量
140 環境変化記録部
150 環境変化フラグ検出部
151 環境変化フラグ
170 外部補正受信部
171 外部フィルタ予測値
200 予測値処理部

Claims (3)

  1. 変位が計測される場所に設置された発信機からの電波を一定周期毎に、変位しない場所に設置された複数の受信機がそれぞれ受信した信号から位相観測値を算出する位相観測値算出部と、
    前記位相観測値と前記位相観測値の予測値である受信位相予測値から測位予測誤差を算出する測位予測誤差算出部と、
    前記測位予測誤差に基づき測位結果及び次回周期での測位結果の予測値である次回測位結果予測値を算出する追尾フィルタと、
    前記次回測位結果予測値を一周期分遅延させた、追尾フィルタ予測値を算出する遅延手段と、
    去の前記測位結果を平滑処理した、平滑フィルタ予測値を算出する平滑フィルタと、
    記追尾フィルタ予測値と前記平滑フィルタ予測値との差分が、予め設定された変化判定量より小さい場合は前記追尾フィルタ予測値を取得し、前記変化判定量より大きい場合は前記平滑フィルタ予測値に切り替え取得して、測位予測値として出力する測位予測値算出部と
    前記測位予測値をもとに前記受信位相予測値を算出する受信位相予測値算出部と、
    を備えたことを特徴とする変位計測システム。
  2. 前記複数の受信機それぞれが受信する受信信号の基準となるリファレンスデータを登録するリファレンスデータ抽出部と、
    前記リファレンスデータと、前記受信信号との相関係数を算出し、この相関係数が所定の閾値より低い場合には計測環境の変化が発生したことを検出し環境変化データを出力する環境変化検出部とを更に備え、
    前記平滑フィルタは、前記環境変化データに基づき無効と判定される前記測位結果を前記平滑処理に使用しない
    ことを特徴とする請求項1に記載の変位計測システム。
  3. 本変位計測システムの外部に設けた外部フィルタが平滑処理した外部フィルタ予測値を受けて記録する外部補正受信部を更に備え、
    前記平滑フィルタは、前記外部フィルタを選択した場合には、前記外部補正受信部から取得した前記外部フィルタ予測値を前記平滑フィルタ予測値とする
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の変位計測システム。
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