JP5897326B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技領域に設けられた始動領域に遊技球が進入したことを条件として、遊技者に有利な特別遊技の実行可否が決定される遊技機に関する。
従来、始動口に遊技球が入球すると大当たりの抽選が行われ、この大当たりの抽選により大当たりに当選すると、多量の賞球を獲得可能な特別遊技が実行可能となる遊技機が知られている。
そして、例えば、特許文献1に示される遊技機においては、大当たりの当選確率が低く設定された低確率遊技状態、および、この低確率遊技状態よりも大当たりの当選確率が高く設定された高確率遊技状態のいずれかの遊技状態にて遊技が進行する。また、この遊技機においては、高確率遊技状態や低確率遊技状態に加えて、始動口への遊技球の進入が困難な非時短遊技状態、および、この非時短遊技状態よりも始動口への遊技球の進入が容易となる時短遊技状態のいずれかの遊技状態にて遊技が進行するようにしている。
高確率遊技状態に設定された場合には、次に大当たりに当選するまでの時間が短縮化されるとともに、大当たりに当選するまでに費消する遊技球を低減させることができるといった遊技利益が遊技者にもたらされる。また、時短遊技状態に設定された場合は、始動口に次々と遊技球を入球させることができることから、遊技球の費消を低減しながら、短時間のうちに大当たりの抽選の権利を多数獲得することができるといった遊技利益が遊技者にもたらされる。このように、近年の遊技機においては、遊技者の有利度合いを異にする複数の遊技状態を設けることで、遊技の興趣向上を図るのが一般的となっている。
特開2011−255163号公報
しかしながら、高確率遊技状態や時短遊技状態などの遊技者に有利な遊技状態であっても、大当たりに当選するまでに長時間を要する場合がある。そのため、近年の遊技機は、時間が限られた遊技者が遊技を行いにくいという実態があり、また、特に遊技場の閉店時間が近づくにつれて、どうしても遊技機の稼働率が低下するという問題がある。
この点において、始動口に遊技球が入球しやすい盤面構成に設計したり、また、大当たりの当選確率を低く設定したりすれば、短時間での遊技も可能となる。しかしながら、この場合には、必要以上に遊技者に賞球が払い出されてしまい、遊技店に不利益がもたらされるおそれがある。
そこで、本発明は、遊技者に必要以上の遊技利益がもたらされることなく、短時間での遊技を可能とする遊技機の提供を目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の遊技機は、遊技者の有利度合いを異にする複数の遊技状態の中からいずれかの遊技状態に設定され、当該設定されている遊技状態に対応する遊技進行条件にしたがって遊技が進行する遊技機であって、遊技球を発射する遊技球発射手段と、前記遊技球発射手段によって発射された遊技球が流下する遊技領域が設けられた遊技盤と、前記遊技領域に配置された第1始動領域および第2始動領域と、前記第2始動領域への遊技球の進入を不可能もしくは困難とする第1の態様、または、前記第1の態様よりも前記第2始動領域への遊技球の進入を容易とする第2の態様に変移する始動可変入賞装置と、前記第1始動領域または前記第2始動領域に遊技球が進入したことを条件として、前記遊技領域に設けられた大入賞口が開放される特別遊技を実行可能とする大当たり結果、もしくは、前記特別遊技の実行を不可能とするハズレ結果を少なくとも導出するための乱数を取得するとともに、前記第1始動領域に遊技球が進入して取得した乱数を第1保留として記憶部に記憶し、前記第2始動領域に遊技球が進入して取得した乱数を第2保留として記憶部に記憶する乱数取得手段と、前記記憶部に記憶された乱数を読み出して前記大当たり結果もしくは前記ハズレ結果を抽選により導出する抽選手段と、前記抽選手段の抽選結果を報知するための変動演出の実行時間が対応付けられた変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、前記変動パターン決定手段によって決定された変動パターンに基づいて前記変動演出を実行する変動演出実行手段と、前記抽選手段によって前記大当たり結果が導出されるとともに、前記変動演出実行手段によって前記大当たり結果を報知する変動演出が実行された場合に、前記特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、前記遊技領域を流下する遊技球が進入可能に設けられた進入領域と、前記進入領域に遊技球が進入したことを条件として前記始動可変入賞装置を前記第2の態様に変移させるか否かを決定するとともに、当該始動可変入賞装置を前記第2の態様に変移させると決定した場合に、遊技状態が非特定遊技状態に設定されているときには、第1の時間に亘って前記始動可変入賞装置を前記第2の態様に変移させ、遊技状態が特定遊技状態に設定されているときには、前記第1の時間よりも長い第2の時間に亘って前記始動可変入賞装置を前記第2の態様に変移させる始動可変入賞装置制御手段と、少なくとも前記第1始動領域、前記第2始動領域、前記大入賞口に遊技球が進入した場合に、予め設定された賞球を払い出す賞球払出手段と、を備え、前記乱数取得手段は、前記第1始動領域に遊技球が進入した際に、前記記憶部に記憶されている第1保留数が予め設定された第1保留上限数の範囲内である場合に前記記憶部に前記第1保留を記憶し、前記第2始動領域に遊技球が進入した際に、前記記憶部に記憶されている第2保留数が予め設定された第2保留上限数の範囲内である場合に前記記憶部に前記第2保留を記憶し、前記特定遊技状態において、前記進入領域への1回の遊技球の進入に起因して前記始動可変入賞装置が前記第2の態様に変移される前記第2の時間は、前記第2始動領域に遊技球が進入して前記ハズレ結果が導出されたときに決定され得る変動パターンに対応付けられた前記変動演出の最短実行時間を前記第2保留上限数分合算した時間以上の時間であり、前記遊技球発射手段は、前記第2の時間内に、前記第1保留上限数または前記第2保留上限数よりも多い遊技球を発射可能であり、前記賞球払出手段は、前記第2始動領域に遊技球が進入した場合には、前記第1始動領域に遊技球が進入した場合よりも少ない賞球を払い出すことを特徴とする。
また、前記進入領域および前記第2始動領域は、当該進入領域に進入した遊技球が当該第2始動領域に進入可能な位置に配置され、前記始動可変入賞装置制御手段は、前記始動可変入賞装置を前記第2の態様に変移させるか否かを決定したとき、当該決定から予め設定された変動時間の経過後に当該決定結果を報知するとともに、前記始動可変入賞装置を前記第2の態様に変移させる決定結果が報知された場合に、当該決定結果の報知後に前記始動可変入賞装置の制御を開始し、前記変動時間は、遊技球が前記進入領域に進入した後、前記第2始動領域に到達するまでに要する時間よりも短く設定されているとよい。
扉が開放された状態を示す遊技機の斜視図である。 遊技機の正面図である。 遊技機のブロック図である。 特別図柄判定テーブルを説明する図である。 図柄種別判定テーブルを説明する図である。 特別電動役物作動テーブルを説明する図である。 遊技者に払い出される賞球数を説明する図である。 遊技状態設定テーブルを説明する図である。 第1変動パターンコマンド決定テーブルを説明する図である。 低確率・非時短遊技状態用の第2変動パターンコマンド決定テーブルを説明する図である。 高確率・時短遊技状態用の第2変動パターンコマンド決定テーブルを説明する図である。 普通図柄判定テーブルを説明する図である。 (a)は普通図柄変動パターン決定テーブルを説明する図であり、(b)は第2始動口開放制御テーブルを説明する図である。 主制御基板におけるメイン処理を示す図である。 主制御基板におけるタイマ割込処理を示す図である。 主制御基板における入力制御処理を示す図である。 主制御基板における第1始動口検出スイッチ入力処理を示す図である。 主制御基板におけるゲート検出スイッチ入力処理を示す図である。 主制御基板における特図特電処理を示す図である。 主制御基板における特別図柄変動開始処理を示す図である。 主制御基板における変動パターン決定処理を示す図である。 主制御基板における特別図柄変動停止処理を説明する図である。 主制御基板における停止後処理を示す図である。 主制御基板における特別電動役物制御処理を示す図である。 主制御基板における特別遊技終了処理を示す図である。 主制御基板における普図普電処理を示す図である。 主制御基板における普通図柄変動開始処理を示す図である。 主制御基板における普通図柄変動停止処理を示す図である。 主制御基板における普通図柄停止後処理を示す図である。 主制御基板における普通電動役物制御処理を示す図である。 時短遊技状態における変動演出の一例を説明する図である。 副制御基板におけるメイン処理を示す図である。 副制御基板におけるタイマ割込処理を示す図である。 副制御基板における変動パターンコマンド受信処理を示す図である。 本実施形態の遊技機の特徴点を説明する図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
本発明の実施形態の理解を容易にするため、まず、遊技機の機械的構成および電気的構成を簡単に説明し、その後、各基板における具体的な処理を説明する。
図1は、本実施形態の遊技機1の斜視図であり、扉が開放された状態を示している。図示のように、遊技機1は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠2と、この外枠2にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた中枠4と、この中枠4と同様に、ヒンジ機構によって外枠2に開閉自在に取り付けられた前枠6と、を備えている。
中枠4は、外枠2と同様に、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成されており、この囲繞空間に遊技盤8が保持されている。また、前枠6には、ガラス製または樹脂製の透過板10が保持されている。そして、これら中枠4および前枠6を外枠2に対して閉じると、遊技盤8と透過板10とが所定の間隔を維持して略平行に対面するとともに、遊技機1の正面側から、透過板10を介して遊技盤8が視認可能となる。
図2は、遊技機1の正面図である。この図に示すように、前枠6の下部には、遊技機1の正面側に突出する操作ハンドル12が設けられている。この操作ハンドル12は、遊技者が回転操作可能に設けられており、遊技者が操作ハンドル12を回転させて発射操作を行うと、当該操作ハンドル12の回転角度に応じた強度で、不図示の発射機構によって遊技球が発射される。この発射機構は、1分間に約100個の遊技球を発射可能に構成されており、したがって、遊技球は最大で約0.6秒に1球発射されることとなる。このようにして発射された遊技球は、遊技盤8に設けられたレール14a、14b間を上昇して遊技領域16に導かれることとなる。
遊技領域16は、遊技盤8と透過板10との間隔に形成される空間であって、遊技球が流下または転動可能な領域である。遊技盤8には、多数の釘や風車が設けられており、遊技領域16に導かれた遊技球が釘や風車に衝突して、不規則な方向に流下、転動するようにしている。
また、遊技領域16には、遊技球が入球可能な一般入賞口18、第1始動口20、第2始動口22が設けられており、これら一般入賞口18、第1始動口20、第2始動口22に遊技球が入球すると、それぞれ所定の賞球が遊技者に払い出される。
なお、詳しくは後述するが、第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球すると、予め設けられた複数の特別図柄の中からいずれか1の特別図柄を決定するための抽選が行われる。各特別図柄には、遊技者にとって有利な特別遊技の実行可否や、以後の遊技状態をどのような遊技状態にするかといった種々の遊技利益(状態)が対応付けられている。したがって、遊技者は、第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球すると、所定の賞球を獲得するのと同時に、種々の遊技利益を受ける権利獲得の機会を獲得することとなる。
また、第2始動口22は、可動片22bを有しており、この可動片22bの状態に応じて、第2始動口22への遊技球の進入容易性が変化するようになっている。具体的には、可動片22bが閉じられて遊技盤8と面一となる閉状態(第1の状態)にある場合には、可動片22bの正面を遊技球が流下する構成となっており、第2始動口22への遊技球の入球が不可能もしくは困難となっている。
これに対して、遊技領域16に設けられたゲート24を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われ、この抽選によって当たりに当選すると、可動片22bが所定時間、遊技領域16に向けて突出した開状態(第2の状態)に制御される。このように、可動片22bが開状態になると、当該可動片22bが遊技球を第2始動口22に導く受け皿として機能し、第2始動口22への遊技球の入球が容易となる。
さらに、第1始動口20および第2始動口22よりも下方にはアタッカー装置26が設けられている。このアタッカー装置26は、遊技球が入球可能な大入賞口28と、この大入賞口28を開閉する開閉扉28bと、を備えており、通常、開閉扉28bが閉扉して、大入賞口28への遊技球の入球が不可能となっている。これに対して、前述の特別遊技が実行されると、開閉扉28bが所定の態様で開放されるとともに、この開閉扉28bが遊技球を大入賞口28内に導く受け皿として機能する。そして、大入賞口28に遊技球が入球すると、所定の賞球が遊技者に払い出される。
なお、遊技領域16の最下部には、一般入賞口18、第1始動口20、第2始動口22、大入賞口28のいずれにも入球しなかった遊技球を、遊技領域16から遊技盤8の背面側に排出する排出口30が設けられている。
ここで、本実施形態においては、遊技領域16が第1遊技領域16aと第2遊技領域16bとに大別される。第1遊技領域16aは、遊技機1に正対する遊技者から見て左側に位置し、第2遊技領域16bは、遊技機1に正対する遊技者から見て右側に位置する。第1遊技領域16aおよび第2遊技領域16bには、それぞれ異なる強度で発射された遊技球が進入することとなるが、遊技領域16に遊技球を導くレール14a、14bが遊技機1の左側に位置することから、所定の強度未満で発射された遊技球は第1遊技領域16aに進入し、所定の強度以上で発射された遊技球は第2遊技領域16bに進入することとなる。
そして、第1始動口20は、遊技領域16の下部中央に配置されており、第1遊技領域16aに進入した遊技球のみが入球可能となっている。また、第2始動口20は、第2遊技領域16bに配置されており、第2遊技領域16bに進入した遊技球のみが入球可能となっている。ただし、第1始動口20および第2始動口22の配置はこれに限らず、例えば、第1始動口20を、第2遊技領域16bに進入した遊技球をも入球可能な位置に配置してもよい。
また、ゲート24は、遊技領域16の最上部に配置されており、第2遊技領域16bに進入する遊技球が全て通過するように設けられている。換言すれば、遊技領域16に発射された遊技球のうち、ゲート24を通過した遊技球は、必ず、第2遊技領域16bに進入するように配置されている。
そして、第2遊技領域16bには、他の領域に比べて遊技球が流下する時間が長くなる転動ルート部材31が設けられている。この転動ルート部材31は、ゲート24と第2始動口22との間に配置されており、ゲート24を通過した遊技球は、必ず、転動ルート部材31上を転動した後に、第2始動口22に導かれることとなる。このように、遊技球が転動ルート部材31を転動することにより、ゲート24を通過した遊技球が第2始動口22に到達するまでの時間がある程度確保されることとなる。
なお、本実施形態においては、転動ルート部材31上を転動した遊技球は、その殆どが第2始動口22に向けて流下する盤面構成となっている。したがって、第2始動口22の可動片22bが開状態に制御されているときに、第2遊技領域16bに向けて遊技球を発射させた場合には、殆ど全ての遊技球が第2始動口22に入球することとなる。
また、本実施形態においては、アタッカー装置26は、第2遊技領域16bに進入した遊技球のみが入球可能に配置されているが、第1遊技領域16aに進入した遊技球のみが入球可能に配置してもよいし、第1遊技領域16aおよび第2遊技領域16bの双方から遊技球が入球可能なように配置してもよい。
そして、遊技盤8には、遊技の進行中等に演出を行う演出装置として、液晶表示装置からなる演出表示装置50と、可動装置からなる演出役物装置52とが設けられている。演出表示装置50は、画像を表示する演出表示部50aを備えており、この演出表示部50aを、遊技盤8の略中央部分において、遊技機1の正面側から視認可能に配置している。
また、遊技盤8の裏面側であって、かつ、演出表示部50aよりも遊技機1の正面側には、演出役物装置52が設けられている。この演出役物装置52は、図示のように剣を模した形状に構成されており、演出表示部50aの前面から退避して遊技機1に正対する遊技者から視認できない初期位置から、図示のように演出表示部50aの前面に臨む変移位置へと変移可能に設けられている。
また、前枠6には、点灯態様や発光色をさまざまに制御して演出を行うためのランプからなる演出照明装置54が設けられている。さらに、遊技機1の幅方向略中央位置であって、かつ、透過板10よりも下方位置には、遊技者の押下操作を受け付けるボタンからなる演出操作装置56が設けられている。そして、前枠6の上部位置や外枠2の最下部位置には、遊技機1の正面側に向けられたスピーカからなる音声出力装置58が設けられている。
なお、図中符号70は、遊技機1から払い出される賞球や、遊技球貸出装置から貸し出される遊技球が導かれる上皿であり、この上皿70が遊技球で一杯になると、遊技球は下皿72に導かれることとなる。また、この下皿72の底面には、当該下皿72から遊技球を排出するための球抜き孔(不図示)が形成されている。この球抜き孔は、通常、開閉板(不図示)によって閉じられているが、球抜きつまみ72aを図中左右方向にスライドさせることにより、当該球抜きつまみ72aと一体となって開閉板がスライドし、球抜き孔から下皿72の下方に遊技球を排出することが可能となっている。
また、遊技盤8には、遊技領域16の外方であって、かつ、遊技者が視認可能な位置に、第1特別図柄表示器80、第2特別図柄表示器82、第1特別図柄保留表示器84、第2特別図柄保留表示器86、普通図柄表示器88、普通図柄保留表示器90が設けられている。これら各表示器80〜90は、遊技に係る種々の状況を表示するための装置であるが、その詳細については後述する。
(制御手段の内部構成)
図3は、遊技の進行を制御する制御手段の内部構成を示すブロック図である。
主制御基板100は遊技の基本動作を制御する。この主制御基板100は、メインCPU100a、メインROM100b、メインRAM100cを備えている。メインCPU100aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM100bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。メインRAM100cは、メインCPU100aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
上記主制御基板100には、一般入賞口18に遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出スイッチ18a、第1始動口20に遊技球が入球したことを検出する第1始動口検出スイッチ20a、第2始動口22に遊技球が入球したことを検出する第2始動口検出スイッチ22a、ゲート24を遊技球が通過したことを検出するゲート検出スイッチ24a、大入賞口28に遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出スイッチ28aが接続されており、これら各検出スイッチから主制御基板100に検出信号が入力されるようになっている。
また、主制御基板100には、第2始動口22の可動片22bを作動する始動口開閉ソレノイド22cと、大入賞口28を開閉する開閉扉28bを作動する大入賞口開閉ソレノイド28cと、が接続されており、主制御基板100によって、第2始動口22および大入賞口28の開閉制御がなされるようになっている。
さらに、主制御基板100には、第1特別図柄表示器80、第2特別図柄表示器82、第1特別図柄保留表示器84、第2特別図柄保留表示器86、普通図柄表示器88、普通図柄保留表示器90が接続されており、主制御基板100によって、これら各表示器の表示制御がなされるようになっている。
また、本実施形態の遊技機1は、主に第1始動口20または第2始動口22への遊技球の入球によって開始される特別図柄遊技と、ゲート24を遊技球が通過することによって開始される普通図柄遊技とに大別される。そして、主制御基板100のメインROM100bには、特別図柄遊技および普通図柄遊技を進行するための種々のプログラムや、各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
また、主制御基板100には、払出制御基板120および副制御基板200が接続されている。
払出制御基板120は、遊技球を発射させるための制御、および、賞球を払い出すための制御を行う。この払出制御基板120も、CPU、ROM、RAMを備えており、主制御基板100に対して双方向に通信可能に接続されている。この払出制御基板120には遊技情報出力端子板110が接続されており、主制御基板100から出力される遊技進行上の種々の情報が、払出制御基板120および遊技情報出力端子板110を介して、遊技店のホールコンピュータ等に出力されることとなる。
また、払出制御基板120には、貯留部に貯留された遊技球を賞球として遊技者に払い出すための払出モータ121が接続されている。払出制御基板120は、主制御基板100から送信された払出個数指定コマンドに基づいて払出モータ121を制御して所定の賞球を遊技者に払い出すように制御する。このとき、払い出された遊技球数が払出球計数スイッチ122によって検出され、払い出すべき賞球が遊技者に払い出されたかが把握されるようになっている。
また、払出制御基板120には、下皿72の満タン状態を検出する皿満タン検出スイッチ123が接続されている。この皿満タン検出スイッチ123は、賞球として払い出される遊技球を下皿72に導く通路に設けられており、当該通路を遊技球が通過するたびに、遊技球検出信号が払出制御基板120に入力されるようになっている。
そして、下皿72に所定量以上の遊技球が貯留されて満タン状態になると、下皿72に向かう通路内に遊技球が滞留し、皿満タン検出スイッチ123から払出制御基板120に向けて、遊技球検出信号が連続的に入力される。払出制御基板120は、遊技球検出信号が所定時間連続して入力された場合に、下皿72が満タン状態であると判断し、皿満タンコマンドを主制御基板100に送信する。一方、皿満タンコマンドを送信した後、遊技球検出信号の連続入力が途絶えた場合には、満タン状態が解除されたと判断し、皿満タン解除コマンドを主制御基板100に送信する。
また、払出制御基板120には、発射制御基板130が双方向に通信可能に接続されている。この発射制御基板130は、払出制御基板120から発射制御データを受信すると発射の許可を行う。この発射制御基板130には、操作ハンドル12に設けられ、当該操作ハンドル12に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ12aと、操作ハンドル12の操作角度を検出する操作ボリューム12bと、が接続されている。そして、タッチセンサ12aおよび発射ボリューム12bから信号が入力されると、発射制御基板130において、遊技球発射装置に設けられた発射用ソレノイド131を通電して遊技球を発射させる制御がなされる。
副制御基板200は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この副制御基板200は、サブCPU200a、サブROM200b、サブRAM200cを備えており、主制御基板100に対して、当該主制御基板100から副制御基板200への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU200aは、主制御基板100から送信されたコマンドやタイマからの入力信号等に基づいて、サブROM200bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、演出を実行するためのコマンドを、画像制御基板210または電飾制御基板220に送信する。このとき、サブRAM200cは、サブCPU200aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
画像制御基板210は、上記演出表示部50aに画像を表示させる画像表示制御を行うものであり、CPU、ROM、RAM、VRAMを備えている。この画像制御基板210のROMには、演出表示部50aに表示される図柄や背景等の画像データが多数格納されており、副制御基板200から送信されたコマンドに基づいて、CPUが、画像データをROMからVRAMに読み出して、演出表示部50aの画像表示を制御する。
電飾制御基板220は、副制御基板200から送信されたコマンドに基づいて、音声出力装置58から音声を出力させる音声出力制御を行う。また、電飾制御基板220は、副制御基板200から送信されるコマンドに基づいて、演出役物装置52を可動したり演出照明装置54を点灯制御したりする。さらには、演出操作装置56が押下操作されたことを検出する演出操作装置検出スイッチ56aから操作検出信号が入力された際に、所定のコマンドを副制御基板200に送信する。
なお、各基板には、不図示の電源基板が接続されている。この電源基板は、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板100に出力するようになっている。
次に、本実施形態の遊技機1における遊技について、メインROM100bに記憶されている各種テーブルを参照しながら説明する。
前述したように、本実施形態の遊技機1は、特別図柄遊技と普通図柄遊技の2種類の遊技が並行して進行するものであり、これら両遊技を進行する際の遊技状態として、低確率遊技状態または高確率遊技状態のいずれかの遊技状態と、非時短遊技状態または時短遊技状態のいずれかの遊技状態と、が組み合わされたいずれかの遊技状態にて遊技が進行する。
各遊技状態の詳細については後述するが、低確率遊技状態というのは、大入賞口28が開放される特別遊技を実行する権利獲得の確率が低く(本実施形態では1/273)設定された遊技状態であり、高確率遊技状態というのは、特別遊技を実行する権利獲得の確率が高く(本実施形態では1/27.3)設定された遊技状態である。
また、非時短遊技状態というのは、可動片22bが開状態になりにくく、第2始動口22に遊技球が入球しにくい遊技状態であり、時短遊技状態というのは、非時短遊技状態よりも可動片22bが開状態になりやすく、第2始動口22に遊技球が入球しやすい遊技状態である。
遊技者が操作ハンドル12を操作して遊技領域16に遊技球を発射させるとともに、遊技領域16を流下する遊技球が第1始動口20または第2始動口22に入球すると、遊技者に付与される遊技利益が対応付けられた特別図柄の決定処理(以下、「大当たりの抽選」という)が行われる。この大当たりの抽選において、大当たりに当選すると、大入賞口28が開放されるとともに当該大入賞口28への遊技球の入球が可能となる特別遊技が実行され、また、当該特別遊技の終了後の遊技状態が、上記のいずれかの遊技状態に設定される。以下では、大当たりの抽選方法について説明する。
なお、詳しくは後述するが、第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球すると、大当たりの抽選に係る種々の乱数値(特別図柄乱数、大当たり乱数、第1変動パターン乱数、第2変動パターン乱数)が取得されるとともに、これら各乱数値がメインRAM100cの保留記憶領域に記憶される。以下では、第1始動口20に遊技球が入球して保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して第1保留とよび、第2始動口22に遊技球が入球して保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して第2保留とよぶ。
この保留記憶領域は、第1保留記憶領域および第2保留記憶領域が設けられており、これら各記憶領域は、それぞれ4つの記憶部(第1〜第4記憶部)を有している。そして、第1始動口20に遊技球が入球すると、第1保留を、保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶する。具体的には、第1始動口20に遊技球が入球したとき、第1保留記憶領域の第1〜第4記憶部のいずれにも保留が記憶されていない場合には、第1保留記憶領域の第1記憶部に保留を記憶する。また、例えば、第1記憶部に第1保留が記憶されている状態で、第1始動口20に遊技球が入球した場合には当該保留を第2記憶部に記憶し、第1記憶部および第2記憶部に第1保留が記憶されている状態で、第1始動口20に遊技球が入球した場合には当該保留を第3記憶部に記憶し、第1記憶部〜第3記憶部に第1保留が記憶されている状態で、第1始動口20に遊技球が入球した場合には当該保留を第4記憶部に記憶する。なお、第1記憶部〜第4記憶部に第1保留が記憶されている状態で、第1始動口20に遊技球が入球した場合には、当該入球によって第1保留が記憶されることはない。
同様に、第2始動口22に遊技球が入球したとき、第2保留記憶領域の第1〜第4記憶部のいずれにも保留が記憶されていない場合には、第2保留記憶領域の第1記憶部に保留を記憶する。また、例えば、第1記憶部に第2保留が記憶されている状態で、第2始動口22に遊技球が入球した場合には当該保留を第2記憶部に記憶し、第1記憶部および第2記憶部に第2保留が記憶されている状態で、第2始動口22に遊技球が入球した場合には当該保留を第3記憶部に記憶し、第1記憶部〜第3記憶部に第2保留が記憶されている状態で、第2始動口22に遊技球が入球した場合には当該保留を第4記憶部に記憶する。なお、第1記憶部〜第4記憶部に第2保留が記憶されている状態で、第2始動口22に遊技球が入球した場合には、当該入球によって第2保留が記憶されることはない。
図4は、特別図柄判定テーブルを説明する図である。第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球すると、0〜545の範囲内から1つの特別図柄乱数が取得される。そして、遊技球が入球した始動口と、大当たりの抽選を開始するとき、すなわち、大当たりの判定を行うときの遊技状態と、に応じて特別図柄判定テーブルが選択され、当該選択された特別図柄判定テーブルと取得された特別図柄乱数とによって大当たりの判定が行われる。
低確率遊技状態において、第1保留に基づいて大当たりの抽選を開始する場合には、図4(a)に示す特別図柄判定テーブル1が参照される。この特別図柄判定テーブル1によれば、特別図柄乱数が7または107であった場合に大当たりと判定し、その他の特別図柄乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は1/273となる。
また、高確率遊技状態において、第1保留に基づいて大当たりの抽選を開始する場合には、図4(b)に示す特別図柄判定テーブル2が参照される。この特別図柄判定テーブル2によれば、特別図柄乱数が7、17、27、37、47、57、67、77、87、97、107、117、127、137、147、157、167、177、187、197であった場合に大当たりと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は1/27.3となる。このように、高確率遊技状態である場合には、低確率遊技状態である場合に比べて、大当たり確率が10倍となる。
また、低確率遊技状態において、第2保留に基づいて大当たりの抽選を開始する場合には、図4(c)に示す特別図柄判定テーブル3が参照される。この特別図柄判定テーブル3も、特別図柄判定テーブル1と同様に、特別図柄乱数が7または107であった場合に大当たりと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は1/273となる。
また、高確率遊技状態において、第2保留に基づいて大当たりの抽選を開始する場合には、図4(d)に示す特別図柄判定テーブル4が参照される。この特別図柄判定テーブル4も、特別図柄判定テーブル2と同様に、特別図柄乱数が7、17、27、37、47、57、67、77、87、97、107、117、127、137、147、157、167、177、187、197であった場合に大当たりと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は1/27.3となる。
図5は、特別図柄の種別を決定するための図柄種別判定テーブルを説明する図である。第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球すると、0〜299の範囲内から1つの大当たり乱数が取得される。そして、遊技球が入球した始動口と、上記の大当たりまたはハズレの判定結果と、に応じて図柄種別判定テーブルが選択され、当該選択された図柄種別判定テーブルと取得された大当たり乱数とによって特別図柄の種別が決定される。なお、大当たり乱数は、大当たりの判定結果が導出された場合に限らず、ハズレの判定結果が導出された場合にも、特別図柄の種別を決定する際に取得されるものである。以下では、大当たり乱数によって決定される特別図柄のうち、大当たりの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄を大当たり図柄とよび、ハズレの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄をハズレ図柄とよぶ。
ここで、上記した特別図柄判定テーブルによって第1保留を判定した結果、大当たりの判定結果が得られた場合には、図柄種別判定テーブル1が参照される。この図柄種別判定テーブル1によれば、図示のとおり、0〜299の各大当たり乱数に特別図柄A、B、Cの3種類の特別図柄が対応付けられており、例えば、大当たり乱数が「0」であった場合には、特別図柄Aが決定されることとなる。
また、上記した特別図柄判定テーブルによって第2保留を判定した結果、大当たりの判定結果が得られた場合には、図柄種別判定テーブル2が参照される。この図柄種別判定テーブル2によれば、図示のとおり、0〜299の各大当たり乱数に特別図柄A、Cの2種類の特別図柄が対応付けられており、例えば、大当たり乱数が「0」であった場合には、特別図柄Aが決定されることとなる。
また、上記した特別図柄判定テーブルによって第1保留または第2保留を判定した結果、ハズレの判定結果が得られた場合には、図柄種別判定テーブル3が参照される。この図柄種別判定テーブル3によれば、第1保留についてハズレの判定結果が得られた場合には、特別図柄の種別として必ず特別図柄Xが決定され、第2保留についてハズレの判定結果が得られた場合には、特別図柄の種別として必ず特別図柄Yが決定される。
図6は、大当たりに当選した場合に実行される特別遊技を制御するための特別電動役物作動テーブルを説明する図である。特別電動役物作動テーブルは、特別遊技の実行中に大入賞口開閉ソレノイド28cを通電制御するために参照されるものであり、本実施形態においては、特別電動役物作動テーブルとして、作動テーブル1、2が設けられている。
そして、特別図柄Aが決定されると、作動テーブル1を参照して特別遊技が実行される。この作動テーブル1によれば、大入賞口28が29秒開放すること、または、大入賞口28に8個の遊技球が入球する(カウントC=8)ことのいずれかの条件が成立することによって終了するラウンド遊技が15回実行される。なお、各ラウンド遊技中、大入賞口28は1回のみ開放され、各ラウンド遊技間に設定される大入賞口28の閉鎖時間すなわちインターバル時間が2.0秒に設定されている。
また、特別図柄B、Cが決定されると、作動テーブル2を参照して特別遊技が実行される。この作動テーブル2によれば、大入賞口28が29秒開放すること、または、大入賞口28に8個の遊技球が入球する(カウントC=8)ことのいずれかの条件が成立することによって終了するラウンド遊技が5回実行される。なお、各ラウンド遊技中、大入賞口28は1回のみ開放され、各ラウンド遊技間に設定される大入賞口28の閉鎖時間すなわちインターバル時間が2.0秒に設定されている。
図7は、遊技者に払い出される賞球数を説明する図である。この図に示すように、第1始動口20に遊技球が1個入球すると、遊技者には賞球として3個の遊技球が払い出され、第2始動口22に遊技球が1個入球すると、遊技者には賞球として1個の遊技球が払い出される。このように、本実施形態の遊技機1においては、第2始動口22に遊技球が入球した場合には、第1始動口20に遊技球が入球した場合よりも少ない賞球が払い出されることとなる。なお、大入賞口28に遊技球が1個入球すると、遊技者には賞球として15個の遊技球が払い出される。したがって、特別遊技が実行された場合には、遊技者は通常の遊技に比べて多量の賞球を獲得することが可能となっている。
図8は、上記のようにして特別遊技が実行された場合に、当該特別遊技の終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定テーブルを説明する図である。特別遊技の終了後の遊技状態は、大当たりの抽選によって決定された特別図柄の種別と、大当たり当選時の遊技状態とによって決定される。
図示のとおり、特別図柄A、Bが決定された場合には、特別遊技の終了後に高確率遊技状態に設定され、特別図柄Cが決定された場合には、特別遊技の終了後に低確率遊技状態に設定される。なお、高確率遊技状態の継続回数(以下、「高確回数」という)は10000回に設定される。これは、高確率遊技状態が、大当たりの抽選結果が10000回確定するまで継続することを意味している。高確率遊技状態においては、大当たりの当選確率が1/27.3に設定されていることから、実質的には、大当たりに再度当選するまで高確率遊技状態が継続することとなる。ただし、上記した高確回数は1の高確率遊技状態における最大継続回数を示すものであり、上記の継続回数に到達するまでの間に大当たりに当選した場合には、再度、高確回数の設定が行われることとなる。
また、特別遊技の終了後には、高確率遊技状態または低確率遊技状態のいずれかに設定されるとともに、必ず時短遊技状態に設定されることとなるが、この時短遊技状態の継続回数(以下、「時短回数」という)は、特別図柄の種別と、大当たり当選時の遊技状態とに応じて次のようにして決定される。
すなわち、特別図柄Aが決定された場合には、大当たり当選時の遊技状態を問わず、時短回数が10000回に設定され、特別図柄Bが決定された場合には、大当たり当選時の遊技状態を問わず、時短回数が30回に設定される。また、特別図柄Cが決定された場合に、大当たり当選時の遊技状態が時短遊技状態であったときには、時短回数が30回に設定され、大当たり当選時の遊技状態が非時短遊技状態であったときには、時短回数が10回に設定される。
図9〜図11は、変動パターンを決定する際に参照される変動パターンコマンド決定テーブルを説明する図である。第1始動口20または第2始動口22への遊技球の入球を契機として大当たりの抽選が行われると、当該抽選結果に基づいて変動パターンコマンドが決定される。この変動パターンコマンドは、主制御基板100から副制御基板200に送信されるものであるが、副制御基板200は、受信した変動パターンコマンドに基づいて、演出表示部50aに表示する画像等、具体的な変動演出の態様を決定する。つまり、変動パターンコマンドは、大当たりの抽選結果を報知する際に実行される変動演出の態様を決定するものであり、より詳細には、変動演出の時間を決定するものということができる。
この変動パターンコマンドは複数種類設けられているが、各変動パターンコマンドは変動パターンコマンド決定テーブルに対応付けられており、変動パターンコマンド決定テーブルごとに、いずれの変動パターンコマンドがどのような比率で決定されるのかが設定されている。
ここで、大当たりの抽選結果を遊技者に報知するための変動演出の態様(変動パターン)は、前半の演出(発展前演出)と後半の演出(発展後演出)とに分けられる。そして、変動パターンを決定する際には、第1変動パターンコマンド決定テーブルに基づいて、前半の変動演出が対応付けられた第1変動パターンが決定され、第2変動パターンコマンド決定テーブルに基づいて、後半の変動演出が対応付けられた第2変動パターンが決定される。
具体的には、第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球すると、0〜99の範囲内から1つの第1変動パターン乱数が取得されるとともに、0〜99の範囲内から1つの第2変動パターン乱数が取得される。そして、第1変動パターン乱数および第2変動パターン乱数が取得されると、第1変動パターンコマンド決定テーブルと第1変動パターン乱数とに基づいて第1変動パターンが1つ決定され、第2変動パターンコマンド決定テーブルと第2変動パターン乱数とに基づいて第2変動パターンが1つ決定されることとなる。以下では、第1変動パターン乱数と第2変動パターン乱数とを総称して変動パターン乱数とよぶ。
図9は、遊技状態ごとの第1変動パターンコマンド決定テーブルを示す図である。第1変動パターンコマンド決定テーブルは、遊技状態の組み合わせごとに設けられているが、ここでは、一例として、低確率遊技状態であって、かつ、非時短遊技状態用のテーブルを図9(a)に示し、高確率遊技状態であって、かつ、時短遊技状態用のテーブルを図9(b)に示す。
そして、図9(a)に示す第1変動パターンコマンド決定テーブルaによれば、例えば、大当たり図柄A、Bが決定された場合には、第1変動パターン乱数「0〜39」のとき「変動パターンA(20秒)」の第1変動パターン(コマンド)が決定され、第1変動パターン乱数「40〜69」のとき「変動パターンB(25秒)」の第1変動パターン(コマンド)が決定され、第1変動パターン乱数「70〜99」のとき「変動パターンC(30秒)」の第1変動パターン(コマンド)が決定される。また、大当たり図柄Cが決定された場合には、第1変動パターン乱数「0〜29」のとき「変動パターンA(20秒)」の第1変動パターン(コマンド)が決定され、第1変動パターン乱数「30〜49」のとき「変動パターンB(25秒)」の第1変動パターン(コマンド)が決定され、第1変動パターン乱数「50〜69」のとき「変動パターンC(30秒)」の第1変動パターン(コマンド)が決定され、第1変動パターン乱数「70〜99」のとき「変動パターンD(10秒)」の第1変動パターン(コマンド)が決定される。
さらに、図9(a)に示す第1変動パターンコマンド決定テーブルaによれば、ハズレ図柄X、Yが決定された場合には、第1変動パターン乱数「0〜89」のとき「なし(0秒)」の第1変動パターン(コマンド)が決定され、第1変動パターン乱数「90〜91」のとき「変動パターンA(20秒)」の第1変動パターン(コマンド)が決定され、第1変動パターン乱数「92〜94」のとき「変動パターンB(25秒)」の第1変動パターン(コマンド)が決定され、第1変動パターン乱数「95〜97」のとき「変動パターンC(30秒)」の第1変動パターン(コマンド)が決定され、第1変動パターン乱数「98〜99」のとき「変動パターンD(10秒)」の第1変動パターン(コマンド)が決定される。
なお、「なし(0秒)」の第1変動パターン(コマンド)は、前半(発展前)の変動演出が実行されることなく、後半(発展後)の変動演出のみが実行されることを示すものである。換言すれば、第2変動パターン(コマンド)に基づいてのみ、変動演出が実行されることとなる。また、図示は省略しているが、上記の第1変動パターンコマンド決定テーブルには、第1変動パターンコマンドが対応付けられており、決定された第1変動パターンに対応する第1変動パターンコマンドが副制御基板200に送信されることとなる。
このように、第1変動パターン(コマンド)を決定する際には、まず、現在の状態に基づいて1の第1変動パターンコマンド決定テーブルを選択するとともに、当該選択したテーブル、決定された特別図柄の種別、および、第1変動パターン乱数に基づいて1の第1変動パターン(コマンド)を決定することとなる。
また、遊技状態が高確率遊技状態であって、かつ、時短遊技状態である場合には、図9(b)に示す第1変動パターンコマンド決定テーブルbが選択される。この第1変動パターンコマンド決定テーブルbによれば、特別図柄の種別を問わず、必ず、「なし(0秒)」の第1変動パターン(コマンド)が決定されることとなる。つまり、本実施形態においては、高確率遊技状態であって、かつ、時短遊技状態に設定されている場合には、第2変動パターン(コマンド)のみに基づいて変動演出が実行されることとなる。
図10は、低確率遊技状態であって、かつ、非時短遊技状態に設定されている場合に選択される第2変動パターンコマンド決定テーブルを示す図であり、図11は、高確率遊技状態であって、かつ、時短遊技状態に設定されている場合に選択される第2変動パターンコマンド決定テーブルを示す図である。これらの図に示すように、第2変動パターンコマンド決定テーブルも、第1変動パターンコマンド決定テーブルと同様に、遊技状態ごとに設けられている。また、各第2変動パターンコマンド決定テーブルには、第2変動パターン乱数と第2変動パターン(コマンド)とが対応付けられており、選択した第2変動パターンコマンド決定テーブルと、取得した第2変動パターン乱数とに基づいて、1の第2変動パターン(コマンド)が決定されることとなる。
そして、低確率遊技状態であって、かつ、非時短遊技状態に設定されているときに、第1変動パターン(コマンド)として「なし(0秒)」が決定された場合には、図10(a)に示す第2変動パターンコマンド決定テーブルaが選択され、「なし(0秒)」以外の第1変動パターン(コマンド)が決定された場合には、図10(b)に示す第2変動パターンコマンド決定テーブルbが選択される。
図10(a)に示す第2変動パターンコマンド決定テーブルaによれば、保留数が1であった場合には、必ず「変動パターン1(12秒)」が決定され、保留数が2以上であった場合には、必ず「変動パターン2(3秒)」が決定されることとなる。また、図10(b)に示す第2変動パターンコマンド決定テーブルbによれば、決定された特別図柄の種別ごとに、取得した第2変動パターン乱数に基づいて、図示のとおりに第2変動パターン(コマンド)が決定されることとなる。
一方、高確率遊技状態であって、かつ、時短遊技状態に設定されている場合において、第1保留について第2変動パターン(コマンド)を決定する場合には、図11(a)に示す第2変動パターンコマンド決定テーブルcが選択され、第2保留について第2変動パターン(コマンド)を決定する場合には、図11(b)に示す第2変動パターンコマンド決定テーブルdが選択される。
図11(a)に示すように、第2変動パターンコマンド決定テーブルcによれば、決定された特別図柄が大当たり図柄A、Bであった場合には、必ず「変動パターン20(15秒)」が決定され、決定された特別図柄が大当たり図柄Cであった場合には、必ず「変動パターン21(15秒)」が決定され、決定された特別図柄がハズレ図柄Xであった場合には、必ず「変動パターン22(4秒)」が決定される。
また、図11(b)に示すように、第2変動パターンコマンド決定テーブルdによれば、決定された特別図柄が大当たり図柄A、B、Cであった場合には、必ず「変動パターン30(5秒)」が決定され、決定された特別図柄がハズレ図柄Yであった場合には、必ず「変動パターン31(1秒)」が決定される。
図12は、普通図柄判定テーブルを説明する図である。遊技領域16を流下する遊技球がゲート24を通過すると、第2始動口22の可動片22bを通電制御するか否かが対応付けられた普通図柄の決定処理(以下、「普図抽選」という)が行われる。
なお、詳しくは後述するが、遊技球がゲート24を通過すると、0〜19の範囲内から1つの普通図柄乱数が取得されるとともに、この乱数値がメインRAM100cの普図保留記憶領域に4つを上限として記憶される。したがって、普図保留記憶領域に4つの乱数値が記憶された状態で、遊技球がゲート24を通過した場合には、当該遊技球の通過に基づいて乱数値が記憶されることはない。以下では、ゲート24を遊技球が通過して普図保留記憶領域に記憶された乱数値(普通図柄乱数)を普図保留とよぶ。
非時短遊技状態において普図抽選を開始する場合には、図12(a)に示す普通図柄判定テーブル1が参照される。この普通図柄判定テーブル1によれば、普通図柄乱数が0であった場合に当選と判定し、普通図柄乱数が1〜19あった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の当選確率は1/20となる。
また、時短遊技状態において普図抽選を開始する場合には、図12(b)に示す普通図柄判定テーブル2が参照される。この普通図柄判定テーブル2によれば、普通図柄乱数が0〜18であった場合に当選と判定し、普通図柄乱数が19であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の当選確率は19/20となる。なお、普図抽選によって当選の判定結果が得られた場合には当たり図柄が決定され、ハズレの判定結果が得られた場合にはハズレ図柄が決定される。
図13(a)は、普通図柄変動パターン決定テーブルを説明する図であり、図13(b)は、第2始動口開放制御テーブルを説明する図である。上記のように、普図抽選が行われると、普通図柄の変動パターンが決定される。ここでは、遊技状態が非時短遊技状態に設定されている場合には変動時間が20秒に決定され、遊技状態が時短遊技状態に設定されている場合には変動時間が1秒に決定される。このようにして変動時間が決定されると、当該決定された時間にわたって普通図柄表示器88が変動表示(点滅表示)される。そして、当たり図柄が決定された場合には普通図柄表示器88が点灯し、ハズレ図柄が決定された場合には普通図柄表示器88が消灯する。
そして、普図抽選によって当たり図柄が決定されるとともに、普通図柄表示器88が点灯した場合には、第2始動口22の可動片22bが、普図抽選が行われたときの遊技状態に応じて図13(b)に示すように通電制御される。
すなわち、非時短遊技状態において当たり図柄が決定された場合には、始動口開閉ソレノイド22cが0.1秒×1回=0.1秒のみ通電され、第2始動口22の可動片22bが0.1秒のみ開放する。また、時短遊技状態において当たり図柄が決定された場合には、始動口開閉ソレノイド22cが5.0秒×1回=5.0秒通電され、第2始動口22の可動片22bが合計で5.0秒開放する。
このように、時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも第2始動口22に遊技球が入球しやすくなる。つまり、時短遊技状態においては、ゲート24を遊技球が通過する限りにおいて、次々と普図抽選がなされるとともに、第2始動口22が頻繁に開放状態となるため、遊技者は遊技球の費消を低減しながら、大当たりの抽選を行うことが可能となる。
次に、遊技機1における遊技の進行について、フローチャートを用いて説明する。
(主制御基板のメイン処理)
図14を用いて、主制御基板100のメイン処理を説明する。
電源基板より電源が供給されると、メインCPU100aにシステムリセットが発生し、メインCPU100aは、以下のメイン処理を行う。
(ステップS1)
メインCPU100aは、初期化処理として、電源投入に応じて、メインROM100bから起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM100cに記憶されるフラグ等を初期化したり、副制御基板200に送信する各種のコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶したりする。
(ステップS2)
次に、メインCPU100aは、変動パターン乱数(第1変動パターン乱数、第2変動パターン乱数)を更新する変動パターン乱数更新処理を行う。
(ステップS3)
次に、メインCPU100aは、特別図柄乱数および大当たり乱数を更新する際に参照される初期値乱数の更新を行う。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップS2とステップS3との処理を繰り返し行う。
(主制御基板のタイマ割込処理)
図15を用いて、主制御基板100のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板100に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(2ミリ秒、以下「2ms」という)毎にクロックパルスが発生されることで、以下のタイマ割込処理が実行される。
(ステップS100)
まず、メインCPU100aは、各種タイマカウンタを更新する時間制御処理を行う。
(ステップS200)
次に、メインCPU100aは、特別図柄乱数、大当たり乱数、普通図柄乱数を更新する処理を行う。具体的には、それぞれの乱数カウンタを1加算して、乱数カウンタを更新する。なお、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを0に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時の初期値乱数の値から乱数を更新する。
(ステップS300)
次に、メインCPU100aは、一般入賞口検出スイッチ18a、第1始動口検出スイッチ20a、第2始動口検出スイッチ22a、ゲート検出スイッチ24a、大入賞口検出スイッチ28aに入力があったか否か判定する入力制御処理を行う。
(ステップS400)
次に、メインCPU100aは、特別図柄、特別電動役物の制御を行うための特図特電処理を行う。
(ステップS500)
次に、メインCPU100aは、普通図柄、普通電動役物の制御を行うための普図普電処理を行う。
(ステップS600)
次に、メインCPU100aは、一般入賞口18、第1始動口20、第2始動口22、大入賞口28に遊技球が入球したか否かを確認するとともに、遊技球の入球があった場合には、それぞれに対応する払出個数指定コマンドを払出制御基板120に送信する。
(ステップS700)
次に、メインCPU100aは、外部情報データ、第2始動口開閉ソレノイドデータ、大入賞口開閉ソレノイドデータ、各表示器80、82、84、86、88、90の表示データを作成する処理を行う。
(ステップS800)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS700で作成した各データの信号を出力させるポート出力処理、および、上記各ステップでメインRAM100cの演出用伝送データ格納領域にセットされたコマンドを送信するコマンド送信処理を行う。
以下に、上記したタイマ割込処理のうち、ステップS300の入力制御処理、ステップS400の特図特電処理、ステップS500の普図普電処理について、詳細に説明する。
図16は、上記ステップS300の入力制御処理を説明するフローチャートである。
(ステップS310)
まず、メインCPU100aは、一般入賞口検出スイッチ18aから検出信号が入力されたか、すなわち、遊技球が一般入賞口18に入球したか否かを判定する。メインCPU100aは、一般入賞口検出スイッチ18aから検出信号が入力された場合には、賞球のために用いる一般入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新する。
(ステップS320)
次に、メインCPU100aは、大入賞口検出スイッチ28aから検出信号が入力されたか、すなわち、遊技球が大入賞口28に入球したか否かを判定する。メインCPU100aは、大入賞口検出スイッチ28aから検出信号が入力された場合には、賞球のために用いる大入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新するとともに、大入賞口28に入球した遊技球を計数するための大入賞口入球カウンタを加算して更新する。
(ステップS330)
次に、メインCPU100aは、第1始動口検出スイッチ20aから検出信号が入力されたか、すなわち、遊技球が第1始動口20に入球したか否かを判定して、大当たりの抽選を行うための所定のデータをセットする。詳しくは、図17を用いて後述する。
(ステップS340)
次に、メインCPU100aは、第2始動口検出スイッチ22aから検出信号が入力されたか、すなわち、遊技球が第2始動口22に入球したか否かを判定する。なお、この第2始動口検出スイッチ入力処理は、各種データやデータの記憶領域を異にする点、および、賞球カウンタに更新するカウンタ値(賞球数)を異にする点を除いて、上記ステップS330の第1始動口検出スイッチ入力処理と同じである。したがって、ここでは、第2始動口検出スイッチ入力処理の説明は省略する。
(ステップS350)
次に、メインCPU100aは、ゲート検出スイッチ24aから信号が入力されたか、すなわち、遊技球がゲート24を通過したか否かを判定する。このゲート検出スイッチ入力処理については、図18を用いて後述する。
図17は、上記ステップS330の第1始動口検出スイッチ入力処理を説明するフローチャートである。
(ステップS330−1)
まず、メインCPU100aは、第1始動口検出スイッチ20aから検出信号が入力されたか否かを判定する。第1始動口検出スイッチ20aから検出信号が入力されたと判定した場合にはステップS330−2に処理を移し、第1始動口検出スイッチ20aから検出信号が入力されていないと判定した場合には、第1始動口検出スイッチ入力処理を終了する。
(ステップS330−2)
上記ステップS330−1において、第1始動口検出スイッチ20aから検出信号が入力されたと判定した場合には、メインCPU100aは、賞球のために用いる賞球カウンタに所定のデータを加算して更新する処理を行う。
(ステップS330−3)
次に、メインCPU100aは、保留記憶領域に記憶されている第1保留数(X1)が4未満であるか否かを判定する。その結果、第1保留数(X1)<4と判定した場合にはステップS330−4に処理を移し、第1保留数(X1)≧4と判定した場合には第1始動口検出スイッチ入力処理を終了する。
(ステップS330−4)
上記ステップS330−3において、第1保留数(X1)<4と判定した場合には、メインCPU100aは、第1保留数(X1)に「1」加算した値を新たな第1保留数(X1)として記憶する。
(ステップS330−5)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS200で更新された特別図柄乱数を取得して、保留記憶領域にある第1記憶部から第8記憶部まで順に空いている記憶部を検索し、空いている記憶部に取得した特別図柄乱数を記憶する。
(ステップS330−6)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS200で更新された大当たり乱数を取得するとともに、当該取得した大当たり乱数を、上記ステップS330−5で特別図柄乱数を記憶したのと同じ記憶部に記憶する。
(ステップS330−7)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS2で更新された変動パターン乱数(第1変動パターン乱数、第2変動パターン乱数)を取得するとともに、上記ステップS330−5およびステップS330−6で各乱数を記憶したのと同じ記憶部に記憶する。
(ステップS330−8)
次に、メインCPU100aは、第1保留が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域にセットし、第1始動口検出スイッチ入力処理を終了する。
図18は、上記ステップS350のゲート検出スイッチ入力処理を説明するフローチャートである。
(ステップS350−1)
まず、メインCPU100aは、ゲート検出スイッチ24aから検出信号が入力されたか否かを判定する。その結果、ゲート検出スイッチ24aから検出信号が入力されたと判定した場合にはステップS350−2に処理を移し、ゲート検出スイッチ24aから検出信号が入力されていないと判定した場合には、当該ゲート検出スイッチ入力処理を終了する。
(ステップS350−2)
上記ステップS350−1において、ゲート検出スイッチ24aから検出信号が入力されたと判定した場合には、メインCPU100aは、普図保留数(Y)が4未満であるかを判定する。その結果、普図保留数(Y)<4と判定した場合にはステップS350−3に処理を移し、普図保留数(Y)≧4と判定した場合には、当該ゲート検出スイッチ入力処理を終了する。
(ステップS350−3)
上記ステップS350−2において、普図保留数(Y)<4と判定した場合には、メインCPU100aは、普図保留数(Y)に「1」加算した値を新たな普図保留数(Y)として記憶する。
(ステップS350−4)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS200で更新された普通図柄乱数を取得して普通図柄保留記憶領域に記憶して、当該ゲート検出スイッチ入力処理を終了する。なお、普通図柄保留記憶領域は、第1記憶部〜第4記憶部の4つの記憶部を有しており、普通図柄乱数が取得されると、第1記憶部から順に普通図柄乱数が記憶されていない空きの記憶部が検索され、空いている記憶部のうちもっとも番号(序数)の小さい記憶部に、取得した普通図柄乱数が記憶される。以下では、普通図柄保留記憶領域の記憶部に記憶された普通図柄乱数を普図保留とよぶ。
次に、図19〜図25を用いて、主制御基板100において実行される上記の特別図柄遊技に係る処理について説明する。
図19は、上記ステップS400の特図特電処理を説明するフローチャートである。
(ステップS410)
まず、メインCPU100aは、特図特電データの値をロードする。この特図特電データとしては、特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」と、特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」と、停止後処理の実行を示すデータ「02」と、特別電動役物制御処理の実行を示すデータ「03」と、特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」と、が設けられている。
そして、メインCPU100aは、上記ステップS410でロードした特図特電データの値に基づいて、特別図柄変動開始処理(ステップS420)、特別図柄変動停止処理(ステップS430)、停止後処理(ステップS440)、特別電動役物制御処理(ステップS450)、特別遊技終了処理(ステップS460)を実行する。これら各処理について、以下に、図面を参照して説明する。
図20は、上記ステップS420の特別図柄変動開始処理を説明するフローチャートである。この特別図柄変動開始処理は、上記ステップS410において、特図特電データ=00であると判定した場合に実行される。
(ステップS420−1)
メインCPU100aは、第2保留記憶領域に第2保留が記憶されているか(第2保留数(X2)≧1)を判定する。その結果、第2保留が記憶されていると判定した場合にはステップS420−2に処理を移し、第2保留は記憶されていないと判定した場合にはステップS420−3に処理を移す。
(ステップS420−2)
上記ステップS420−1において、第2保留記憶領域に第2保留が記憶されていると判定した場合には、メインCPU100aは、第2保留記憶領域に記憶されている第2保留をシフトする処理を行う。具体的には、第1記憶部に記憶されている乱数を所定の処理領域に複写するとともに、第2記憶部に記憶されている各乱数を第1記憶部にシフトさせて記憶する。同様に、第2記憶部〜第4記憶部に各乱数が記憶されている場合には、これら各乱数を番号(序数)の1つ小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第2保留は、留保された順に処理領域に書き込まれることとなる。したがって、記憶部に記憶された第2保留は、先に記憶された乱数から順に読み出されて、大当たりの抽選を行う際の判定に用いられることとなる。また、このとき、第2保留数(X2)から「1」減算した値を新たな第2保留数(X2)として記憶する。
(ステップS420−3)
また、上記ステップS420−1において、第2保留記憶領域に第2保留は記憶されていないと判定した場合には、メインCPU100aは、第1保留記憶領域に第1保留が記憶されているか(第1保留数(X1)≧1)を判定する。その結果、第1保留が記憶されていると判定した場合にはステップS420−4に処理を移し、第1保留は記憶されていないと判定した場合にはステップS420−10に処理を移す。
(ステップS420−4)
上記ステップS420−3において、第1保留記憶領域に第1保留が記憶されていると判定した場合には、メインCPU100aは、第1保留記憶領域に記憶されている第1保留をシフトする処理を行う。具体的には、第1記憶部に記憶されている乱数を所定の処理領域に複写するとともに、第2記憶部に記憶されている各乱数を第1記憶部にシフトさせて記憶する。同様に、第2記憶部〜第4記憶部に各乱数が記憶されている場合には、これら各乱数を番号(序数)の1つ小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第1保留は、留保された順に処理領域に書き込まれることとなる。したがって、記憶部に記憶された第1保留は、先に記憶された乱数から順に読み出されて、大当たりの抽選を行う際の判定に用いられることとなる。また、このとき、第1保留数(X1)から「1」減算した値を新たな第1保留数(X1)として記憶する。
(ステップS420−5)
次に、メインCPU100aは、特別図柄判定テーブル(図4参照)のうち、現在の遊技状態に対応するテーブルを選択し、当該選択したテーブルと、上記ステップS420−2または上記ステップS420−4において処理領域に複写された特別図柄乱数とに基づいて大当たりの抽選結果を導出する。そして、導出した抽選結果に応じて図柄種別判定テーブル(図5参照)を選択するとともに、当該選択したテーブルと、上記ステップS420−2または上記ステップS420−4において処理領域に複写された大当たり乱数とに基づいて特別図柄を決定する。そして、当該決定した特別図柄に対応するデータを、メインRAM100cの所定の領域に記憶する。また、この特別図柄決定処理においては、現在の遊技状態、すなわち、特別図柄を決定したときの遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。
このように、この特別図柄変動開始処理によれば、第1保留および第2保留の双方が記憶されている場合には、第2保留に基づいて特別図柄決定処理がなされる。つまり、ここでは、第2保留が第1保留に優先して処理されることとなる。
(ステップS420−6)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS420−5で決定された特別図柄の種別を示す図柄決定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。これにより、決定された特別図柄の種別に係る情報が、変動演出の開始時に副制御基板200に伝送されることとなる。
(ステップS421)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS420−2または上記ステップS420−4において処理領域に上書きされた変動パターン乱数を、第1変動パターンコマンド決定テーブルおよび第2変動パターンコマンド決定テーブルに基づいて判定することにより変動パターンを決定する。この変動パターン決定処理については、図21を用いて後述する。
(ステップS420−7)
次に、メインCPU100aは、第1特別図柄表示器80または第2特別図柄表示器82において、特別図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、第1保留に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第1特別図柄表示器80が点滅表示を開始するとともに、第2保留に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第2特別図柄表示器82が点滅表示を開始する。なお、ここで制御される点滅表示とは、各表示器80、82において「−」が所定の間隔で点滅することをいうものである。また、第1保留に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第1保留が1つ減ることを示すように、第1特別図柄保留表示器84が表示制御され、第2保留に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第2保留が1つ減ることを示すように、第2特別図柄保留表示器86が表示制御される。
(ステップS420−8)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS421で導出した合計変動時間を変動時間カウンタにセットする。
(ステップS420−9)
次に、メインCPU100aは、特図特電処理において特別図柄変動停止処理が実行されるように、特図特電データに「01」をセットし、当該特別図柄変動開始処理を終了する。
(ステップS420−10)
また、上記ステップS420−3において、第1保留は記憶されていないと判定した場合には、メインCPU100aは、デモ判定処理を実行する。このデモ判定処理において、メインCPU100aは、特別図柄の変動表示が行われていない時間を計時するとともに、所定時間にわたって特別図柄の変動表示が行われない場合には、演出表示部50aにデモ画面を表示するためのデモコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。
図21は、上記ステップS421の変動パターン決定処理を説明するフローチャートである。
(ステップS421−1)
まず、メインCPU100aは、始動口種別(第1始動口または第2始動口)、特別図柄決定処理によって決定された特別図柄の種別、現在の遊技状態にしたがって第1変動パターンコマンド決定テーブル(図9参照)を選択する。
(ステップS421−2)
次に、メインCPU100aは、処理領域に記憶された第1変動パターン乱数と、上記ステップS421−1で選択した第1変動パターンコマンド決定テーブルとに基づいて第1変動パターンコマンドを決定する。
(ステップS421−3)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS421−2で決定した第1変動パターンコマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
(ステップS421−4)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS421−2で決定された第1変動パターン、決定された特別図柄、現在の遊技状態等に基づいて、第2変動パターンコマンド決定テーブルを選択する(図10、図11参照)。
(ステップS421−5)
次に、メインCPU100aは、処理領域に記憶された第2変動パターン乱数と、上記ステップS421−4で選択した第2変動パターンコマンド決定テーブルとに基づいて第2変動パターンコマンドを決定する。
(ステップS421−6)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS421−5で決定された第2変動パターンコマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
(ステップS421−7)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS421−2で決定された第1変動パターンの変動時間と、上記ステップS421−5で決定された第2変動パターンの変動時間とから、合計変動時間を演算して当該変動パターン決定処理を終了する。
図22は、上記ステップS430の特別図柄変動停止処理を説明するフローチャートである。この特別図柄変動停止処理は、上記ステップS410において、特図特電データ=01であると判定した場合に実行される。
(ステップS430−1)
メインCPU100aは、変動時間(ステップS420−8でセット)が経過したか否かを判定する。その結果、変動時間が経過したと判定した場合にはステップS430−2に処理を移し、変動時間は経過していないと判定した場合には当該特別図柄変動停止処理を終了する。
(ステップS430−2)
上記ステップS430−1において、変動時間が経過したと判定した場合には、メインCPU100aは、上記ステップS420−5で決定、記憶された特別図柄を、第1特別図柄表示器80または第2特別図柄表示器82に停止表示するための停止表示データをセットする。
(ステップS430−3)
次に、メインCPU100aは、図柄が確定したことを示す図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
(ステップS430−4)
次に、メインCPU100aは、上記のようにして特別図柄の停止表示を開始したら、停止表示時間カウンタに図柄を停止表示する時間をセットする。
(ステップS430−5)
次に、メインCPU100aは、特図特電処理において停止後処理が実行されるように、特図特電データに「02」をセットし、当該特別図柄変動停止処理を終了する。
図23は、上記ステップS440の停止後処理を説明するフローチャートである。この停止後処理は、上記ステップS410において、特図特電データ=02であると判定した場合に実行される。
(ステップS440−1)
メインCPU100aは、停止表示時間(ステップS430−4でセット)が経過したか否かを判定する。その結果、停止表示時間は経過していないと判定した場合には当該停止後処理を終了し、停止表示時間を経過したと判定した場合にはステップS440−2に処理を移す。
(ステップS440−2)
上記ステップS440−1において、停止表示時間が経過したと判定した場合には、メインCPU100aは、現在設定されている遊技状態を遊技状態バッファに記憶する。
(ステップS440−3)
次に、メインCPU100aは、時短回数更新処理を行う。ここでは、メインCPU100aは、現在の遊技状態が時短遊技状態であることを示す時短遊技フラグがオンしているか否かを判定する。そして、時短遊技フラグがオンしている場合には、メインRAM100cに設けられた時短回数記憶領域を更新する。この時短回数記憶領域には、時短遊技状態が終了するまでの残り変動回数を示す時短回数が記憶されており、ここでは、現在、記憶されている時短回数から「1」減算した値を新たな時短回数として記憶することとなる。なお、時短回数を更新した結果、時短回数=0となった場合には、同時に時短遊技フラグをオフする処理が行われることとなる。また、時短遊技フラグはオンしていないと判定した場合には、そのまま次のステップS440−4に処理を移す。
(ステップS440−4)
次に、メインCPU100aは、高確回数更新処理を行う。ここでは、メインCPU100aは、現在の遊技状態が高確率遊技状態であることを示す高確遊技フラグがオンしているか否かを判定する。そして、高確遊技フラグがオンしている場合には、メインRAM100cに設けられた高確回数記憶領域を更新する。この高確回数記憶領域には、高確率遊技状態が終了するまでの残り変動回数を示す高確回数が記憶されており、ここでは、現在、記憶されている高確回数から「1」減算した値を新たな高確回数として記憶することとなる。なお、高確回数を更新した結果、高確回数=0となった場合には、同時に高確遊技フラグをオフする処理が行われることとなる。また、高確遊技フラグはオンしていないと判定した場合には、そのまま次のステップS440−5に処理を移す。
(ステップS440−5)
次に、メインCPU100aは、停止表示されている図柄が大当たり図柄であるかを判定する。その結果、停止表示されている図柄は大当たり図柄ではないと判定した場合にはステップS440−6に処理を移し、停止表示されている図柄は大当たり図柄であると判定した場合にはステップS440−7に処理を移す。
(ステップS440−6)
上記ステップS440−5において、停止表示されている図柄は大当たり図柄ではないと判定した場合には、メインCPU100aは、特図特電処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、特図特電データに「00」をセットし、当該停止後処理を終了する。これにより、次の特別図柄の変動表示が開始可能となる。
(ステップS440−7)
一方、上記ステップS440−5において、停止表示されている図柄は大当たり図柄であると判定した場合には、メインCPU100aは、遊技状態をリセットする処理を行う。
(ステップS440−8)
次に、メインCPU100aは、特図特電処理において特別電動役物制御処理が実行されるように、特図特電データに「03」をセットする。これにより、大当たり図柄が停止表示した後に特別遊技が開始されることとなる。
(ステップS440−9)
次に、メインCPU100aは、現在の遊技状態を確認し、遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットして当該停止後処理を終了する。
図24は、上記ステップS450の特別電動役物制御処理を説明するフローチャートである。この特別電動役物制御処理は、上記ステップS410において、特図特電データ=03であると判定した場合に実行される。
(ステップS450−1)
メインCPU100aは、まず、特別遊技を開始するにあたってオープニング開始処理を実行する。メインCPU100aは、特別遊技の開始にあたって、まずオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域にセットし、予め設定されたオープニング時間が経過するまで待機することとなる。なお、すでにオープニングコマンドが送信されている場合には、そのままステップS450−2に処理を移すこととなる。
(ステップS450−2)
次に、メインCPU100aは、現在、オープニング中であるか、すなわち、オープニング時間が経過したかを判定する。その結果、オープニング時間が経過していると判定した場合にはステップS450−3に処理を移し、オープニング時間は経過していないと判定した場合には当該特別電動役物制御処理を終了する。
(ステップS450−3)
上記ステップS450−2において、オープニング時間が経過したと判定した場合には、メインCPU100aは、特別遊技実行処理を行う。ここでは、停止表示されている特別図柄の種別に応じて、作動テーブル1、2のいずれかをセットするとともに、当該セットしたテーブルを参照して、大入賞口開閉ソレノイド28cの通電制御が行われることとなる。
(ステップS450−4)
次に、メインCPU100aは、大入賞口28の全開閉が終了したかを判定する。その結果、大入賞口28の全ての開閉が終了したと判定した場合にはステップS450−5に処理を移し、大入賞口28の全ての開閉が終了していないと判定した場合には当該特別電動役物制御処理を終了する。
(ステップS450−5)
上記ステップS450−4において、大入賞口28の全開閉が終了したと判定した場合には、メインCPU100aは、エンディング開始処理を実行する。ここでは、エンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域にセットするとともに、所定のエンディング時間が経過するまで待機する。
(ステップS450−6)
次に、メインCPU100aは、エンディング時間が経過したか否かを判定する。その結果、エンディング時間が経過したと判定した場合にはステップS450−7に処理を移し、エンディング時間は経過していないと判定した場合には当該特別電動役物制御処理を終了する。
(ステップS450−7)
上記ステップS450−6において、エンディング時間が経過したと判定した場合には、メインCPU100aは、特図特電処理において特別遊技終了処理が実行されるように、特図特電データに「04」をセットし、当該特別電動役物制御処理を終了する。
図25は、上記ステップS460の特別遊技終了処理を説明するフローチャートである。この特別遊技終了処理は、上記ステップS410において、特図特電データ=04であると判定した場合に実行される。
(ステップS460−1)
まず、メインCPU100aは、メインRAM100cに記憶された特別図柄データ、および、遊技状態バッファに記憶された大当たり当選時の遊技状態に係るデータをロードする。そして、図8に示す遊技状態設定テーブルを参照し、特別遊技の終了後の遊技状態を設定する。具体的には、高確遊技フラグ、高確回数、時短遊技フラグ、時短回数を設定する。
(ステップS460−2)
次に、メインCPU100aは、遊技状態を確認し、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。この遊技状態指定コマンドは、上記ステップS460−1で設定された高確遊技フラグ、高確回数、時短遊技フラグ、時短回数、特別遊技の実行契機となった大当たり図柄の種別に係る情報を有している。
(ステップS460−3)
次に、メインCPU100aは、特図特電処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、特図特電データに「00」をセットし、当該特別遊技終了処理を終了する。
次に、図26〜図30を用いて、主制御基板100において実行される上記の普通図柄遊技に係る処理について説明する。
図26は、上記ステップS500の普図普電処理を説明するフローチャートである。
(ステップS510)
まず、メインCPU100aは、普図普電データの値をロードする。この普図普電データは、普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」と、普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」と、普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」と、普通電動役物制御処理の実行を示すデータ「13」と、が設けられている。
次に、メインCPU100aは、普通図柄変動開始処理(ステップS520)、普通図柄変動停止処理(ステップS530)、普通図柄停止後処理(ステップS540)、普通電動役物制御処理(ステップS550)を実行する。これら各処理について、以下に、図面を参照して説明する。
図27は、上記ステップS520の普通図柄変動開始処理を説明するフローチャートである。
(ステップS520−1)
まず、メインCPU100aは、普図普電データが、普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」であるか否かを判定する。その結果、普図普電データ=10と判定した場合にはステップS520−2に処理を移し、普図普電データ=10ではないと判定した場合には当該普通図柄変動開始処理を終了する。
(ステップS520−2)
上記ステップS520−1において、普図普電データ=10と判定した場合には、メインCPU100aは、普図保留数(Y)が1以上であるかを判定する。その結果、普図保留数(Y)≧1と判定した場合にはステップS520−3に処理を移し、普図保留数(Y)<1と判定した場合には当該普通図柄変動開始処理を終了する。
(ステップS520−3)
上記ステップS520−2において、普図保留数(Y)≧1と判定した場合には、メインCPU100aは、普図保留数(Y)から「1」減算した値を新たな普図保留数(Y)として記憶する。
(ステップS520−4)
次に、メインCPU100aは、普通図柄保留記憶領域に記憶されている普図保留をシフトする処理を行う。具体的には、第1記憶部に記憶されている普通図柄乱数を所定の処理領域に複写するとともに、第2記憶部〜第4記憶部に普通図柄乱数が記憶されている場合には、これら各乱数を1つ番号(序数)の小さい記憶部にシフトさせる。具体的には、第1記憶部に記憶されている乱数を所定の処理領域に複写するとともに、第2記憶部に記憶されている乱数を第1記憶部にシフトさせて記憶する。同様に、第3記憶部および第4記憶部に乱数が記憶されている場合には、これら各乱数を番号(序数)の1つ小さい記憶部にシフトさせる。これにより、普通図柄保留記憶領域に記憶された普図保留は、記憶された順に処理領域に書き込まれることとなる。つまり、普通図柄保留記憶領域に記憶された乱数は、先に記憶された乱数から順に読み出されて、当選判定処理に用いられることとなる。
(ステップS520−5)
次に、メインCPU100aは、処理領域に複写された普通図柄乱数の当選判定処理を行う。具体的には、現在の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、図12(a)に示す普通図柄判定テーブル1を参照して、処理領域に複写された普通図柄乱数を判定する。また、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合には、図12(b)に示す普通図柄判定テーブル2を参照して、処理領域に複写された普通図柄乱数を判定する。
(ステップS520−6)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS520−5の当選判定処理の結果が当選であるか否かを判定する。その結果、当選の判定結果が得られた場合にはステップS520−7に処理を移し、当選ではなくハズレの判定結果が得られた場合にはステップS520−8に処理を移す。
(ステップS520−7)
上記ステップS520−6において、判定結果が当選であると判定した場合には、メインCPU100aは、当たり図柄データをメインRAM100cの所定の領域に記憶する。
(ステップS520−8)
一方、上記ステップS520−6において、判定結果がハズレであると判定した場合には、メインCPU100aは、ハズレ図柄データをメインRAM100cの所定の領域に記憶する。
(ステップS520−9)
次に、メインCPU100aは、現在の遊技状態が、非時短遊技状態または時短遊技状態のいずれに設定されているかを確認するとともに、現在の遊技状態に応じて普図変動時間をセットする。具体的には、図13(a)に示すように、現在の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、普図変動時間カウンタに20秒をセットし、時短遊技状態である場合には普図変動時間カウンタに1秒をセットする。
(ステップS520−10)
次に、メインCPU100aは、普通図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、普通図柄の変動表示が行われる場合には、普通図柄表示器88が点滅表示を開始する。また、普通図柄の変動表示が開始するのと同時に、普図保留が1つ減ることを示すように、普通図柄保留表示器90が表示制御される。
(ステップS520−11)
次に、メインCPU100aは、現在の遊技状態を変動開始時の遊技状態として遊技状態バッファに記憶する。
(ステップS520−12)
次に、メインCPU100aは、普図普電処理において普通図柄変動停止処理が実行されるように、普図普電データに「11」をセットし、当該普通図柄変動開始処理を終了する。
図28は、上記ステップS530の普通図柄変動停止処理を説明するフローチャートである。
(ステップS530−1)
まず、メインCPU100aは、普図普電データが、普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」であるか否かを判定する。その結果、普図普電データ=11と判定した場合にはステップS530−2に処理を移し、普図普電データ=11ではないと判定した場合には当該普通図柄変動停止処理を終了する。
(ステップS530−2)
上記ステップS530−1において、普図普電データ=11と判定した場合には、メインCPU100aは、普図変動時間(ステップS520−9でセット)が経過したかを判定する。その結果、普図変動時間が経過したと判定した場合にはステップS530−3に処理を移し、普図変動時間は経過していないと判定した場合には当該普通図柄変動停止処理を終了する。
(ステップS530−3)
上記ステップS530−2において、普図変動時間が経過したと判定した場合には、メインCPU100aは、普通図柄表示器88に普通図柄を停止表示するための停止表示データをセットする。これにより、普通図柄表示器88において、普通図柄が停止表示されることとなる。
(ステップS530−4)
次に、メインCPU100aは、上記のようにして普通図柄の停止表示を開始したら、停止表示時間カウンタに図柄を停止表示する時間をセットする。
(ステップS530−5)
次に、メインCPU100aは、普図普電処理において普通図柄停止後処理が実行されるように、普図普電データに「12」をセットし、当該普通図柄変動停止処理を終了する。
図29は、上記ステップS540の普通図柄停止後処理を説明するフローチャートである。
(ステップS540−1)
まず、メインCPU100aは、普図普電データが、普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」であるか否かを判定する。その結果、普図普電データ=12と判定した場合にはステップS540−2に処理を移し、普図普電データ=12ではないと判定した場合には当該普通図柄停止後処理を終了する。
(ステップS540−2)
上記ステップS540−1において、普図普電データ=12と判定した場合には、メインCPU100aは、停止表示時間(ステップS530−4でセット)が経過したか否かを判定する。その結果、停止表示時間は経過していないと判定した場合には当該普通図柄停止後処理を終了し、停止表示時間を経過したと判定した場合にはステップS540−3に処理を移す。
(ステップS540−3)
上記ステップS540−2において、停止表示時間が経過したと判定した場合には、メインCPU100aは、停止表示されている図柄が当たり図柄であるかを判定する。その結果、停止表示されている図柄は当たり図柄ではないと判定した場合にはステップS540−5に処理を移し、停止表示されている図柄は当たり図柄であると判定した場合にはステップS540−4に処理を移す。
(ステップS540−4)
上記ステップS540−3において、停止表示されている図柄は当たり図柄であると判定した場合には、メインCPU100aは、普図普電処理において普通電動役物制御処理が実行されるように、普図普電データに「13」をセットし、当該普通図柄停止後処理を終了する。
(ステップS540−5)
一方、上記ステップS540−3において、停止表示されている図柄は当たり図柄ではない(ハズレ図柄である)と判定した場合には、メインCPU100aは、普図普電処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図普電データに「10」をセットし、当該普通図柄停止後処理を終了する。
図30は、上記ステップS550の普通電動役物制御処理を説明するフローチャートである。
(ステップS550−1)
まず、メインCPU100aは、普図普電データが、普通電動役物制御処理の実行を示すデータ「13」であるか否かを判定する。その結果、普図普電データ=13と判定した場合にはステップS550−2に処理を移し、普図普電データ=13ではないと判定した場合には当該普通電動役物制御処理を終了する。
(ステップS550−2)
上記ステップS550−1において、普図普電データ=13と判定した場合には、メインCPU100aは、普通電動役物が制御中であるか、すなわち、すでに始動口開閉ソレノイド22cが通電制御中であるかを判定する。その結果、普通電動役物が制御中であると判定した場合には、ステップS550−5に処理を移し、普通電動役物は制御中ではないと判定した場合にはステップS550−3に処理を移す。
(ステップS550−3)
上記ステップS550−2において、普通電動役物は制御中ではないと判定した場合には、メインCPU100aは、普通図柄の変動開始時の遊技状態が、非時短遊技状態または時短遊技状態のいずれであったかを判定する。
(ステップS550−4)
次に、メインCPU100aは、始動口開閉ソレノイド22cの通電制御を開始すべく、上記ステップS550−3において確認した遊技状態に応じて通電制御データをセットする。具体的には、普通図柄の変動開始時の遊技状態が非時短遊技状態であった場合には始動口開閉ソレノイド22cの通電制御データとして、開放回数=1回、1回の開放時間=0.1秒となる通電制御データをセットする。また、普通図柄の変動開始時の遊技状態が時短遊技状態であった場合には、開放回数=1回、1回の開放時間=5.0秒となる通電制御データをセットする。
(ステップS550−5)
また、上記ステップS550−2において、普通電動役物が制御中であると判定した場合には、メインCPU100aは、上記ステップS550−4でセットされた通電時間を経過したかを判定する。その結果、通電時間を経過したと判定した場合にはステップS550−6に処理を移し、通電時間は経過していないと判定した場合には当該普通電動役物制御処理を終了する。
(ステップS550−6)
上記ステップS550−5において、通電時間が経過したと判定した場合には、メインCPU100aは、始動口開閉ソレノイド22cの通電を停止する処理を行う。
(ステップS550−7)
次に、メインCPU100aは、普図普電処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図普電データに「10」をセットし、当該普通図柄停止後処理を終了する。
以上のように、主制御基板100において各種の処理が実行されることにより、特別図柄遊技および普通図柄遊技が進行することとなるが、こうした遊技の進行中には、主制御基板100から送信されるコマンドに基づいて、副制御基板200において、さまざまな演出を実行するための制御が行われる。以下では、副制御基板200において決定、制御され、特別図柄の変動表示中に演出表示部50aに表示される変動演出について、具体的に説明する。
本実施形態においては、遊技状態ごとに種々の演出が行われるが、ここではまず、時短遊技状態における演出の一例について説明する。
図31は、時短遊技状態における変動演出の一例を説明する図である。この図に示すように、時短遊技状態においては、演出表示部50aに表示される3つの演出図柄40a、40b、40cの組み合わせによって、大当たりの抽選結果を遊技者に報知するようにしている。
演出図柄40a、40b、40cのそれぞれは、1〜8の数字が記された8種類の図柄から構成されている。そして、特別図柄の変動表示中には、演出図柄40a、40b、40cのそれぞれが、8種類の図柄を縦方向にスクロール表示(変動表示)する。なお、図31(b)における矢印は、演出図柄40a、40b、40cが変動表示中(縦方向のスクロール表示中)であることを示している。そして、特別図柄の変動表示が終了して、第1特別図柄表示器80または第2特別図柄表示器82に特別図柄が停止表示するのとほぼ同じタイミングで、演出表示部50aに、全ての演出図柄40a、40b、40cが停止表示される。
次に、上記の変動演出を実行するための副制御基板200における制御処理について説明する。
(副制御基板200のメイン処理)
図32は、副制御基板200のメイン処理を説明するフローチャートである。
(ステップS1000)
サブCPU200aは、電源投入に応じて、サブROM200bからメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM200cに記憶されるフラグ等の初期化、設定処理を行う。
(ステップS1001)
次に、サブCPU200aは、各演出乱数を更新する処理を行うとともに、以後は、割込み処理が行われるまで当該ステップS1001の処理を繰り返し行う。
(副制御基板200のタイマ割込処理)
図33は、副制御基板200のタイマ割込処理を説明するフローチャートである。副制御基板200には、所定の周期(2ms)でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(不図示)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、サブCPU200aはタイマ割込処理プログラムを読み込んで当該タイマ割込処理を開始する。
(ステップS1100)
まず、サブCPU200aは、副制御基板200で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を行う。
(ステップS1200)
次に、サブCPU200aは、サブRAM200cの受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を行う。副制御基板200においては、主制御基板100からコマンドが送信されると、コマンド受信割込処理が行われ、主制御基板100から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。ここでは、コマンド受信割込処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析することとなる。
(ステップS1300)
次に、サブCPU200aは、実行中の演出進行状況に応じて、演出操作装置56の操作の受け付け可否を判定するとともに、演出操作装置検出スイッチ56aの信号のチェックを行う。そして、演出操作装置検出スイッチ56aから操作信号が入力されたときに、演出操作装置56の操作受け付け中であった場合には、演出操作装置56が操作されたことを画像制御基板210に送信すべく、送信バッファにコマンドを格納する。
(ステップS1400)
次に、サブCPU200aは、サブRAM200cの送信バッファにセットされているコマンドを画像制御基板210や電飾制御基板220へ送信し、タイマ割込処理を終了する。
図34は、上記コマンド解析処理のうち、変動パターンコマンドを受信した場合に実行される変動パターンコマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、この変動パターンコマンドは、主制御基板100において、変動パターン決定処理(図21参照)のうち、ステップS421−3およびステップS421−6でセットされた後、ステップS800の出力制御処理(図15参照)によって副制御基板200に送信される。
(ステップS1220)
変動パターンコマンドを受信したと判定した場合には、まず、サブCPU200aは、発展後演出決定処理を行う。ここでは、サブCPU200aは、所定の範囲から1の演出用乱数を取得するとともに、当該取得した乱数と、受信した第2変動パターンコマンドに対応する発展後演出パターン決定テーブルとに基づいて、1の発展後演出パターンを決定する。なお、発展後演出パターン決定テーブルにおいては、受信した第2変動パターンコマンドに対応する1または複数の発展後演出パターンに演出用乱数が割り振られている。ここで決定される発展後演出パターンの演出実行時間は、受信した第2変動パターンコマンドに対応付けられた変動時間と等しいものが決定される。そして、発展後演出パターンが決定されると、当該発展後演出パターンに対応するコマンドが画像制御基板210および電飾制御基板220に送信され、画像制御基板210および電飾制御基板220において、変動演出が実行制御されることとなる。
(ステップS1221)
次に、サブCPU200aは、発展前演出決定処理を行う。ここでは、サブCPU200aは、所定の範囲から1の演出用乱数を取得するとともに、当該取得した乱数と、受信した第1変動パターンコマンドに対応する発展前演出パターン決定テーブルとに基づいて、1の発展前演出パターンを決定する。なお、発展前演出パターン決定テーブルにおいては、受信した第1変動パターンコマンドに対応する1または複数の発展前演出パターンに演出用乱数が割り振られている。ここで決定される発展前演出パターンの演出実行時間は、受信した第1変動パターンコマンドに対応付けられた変動時間と等しいものが決定される。そして、発展前演出パターンが決定されると、当該発展前演出パターンに対応するコマンドが画像制御基板210および電飾制御基板220に送信され、画像制御基板210および電飾制御基板220において、変動演出が実行制御されることとなる。
次に、上記の構成からなる遊技機1によってもたらされる作用、効果について、図35ならびに図1〜図34の各図を適宜用いて説明する。図35は、本実施形態の遊技機1の特徴点を説明する図である。遊技機1は、初期状態として低確率遊技状態であって非時短遊技状態に設定されているため、遊技者は、まず、第1遊技領域16aに向けて遊技球を発射して、第1始動口20に遊技球を入球させる(図2参照)。第1始動口20に遊技球が入球すると大当たりの抽選が行われ、この抽選によって大当たりに当選すると、特別遊技が実行され、遊技者は多量の賞球を獲得することができる。
そして、例えば、特別図柄Aが決定されて特別遊技が実行された場合には、特別遊技の終了後の遊技状態が、高確率遊技状態であって、かつ、時短遊技状態に設定される(図8参照)。このとき、高確回数および時短回数が10000回に設定されることから、実質的には、次回、再び大当たりに当選するまで、高確率遊技状態および時短遊技状態が継続することとなる。
遊技状態が時短遊技状態に設定されると、ゲート24を遊技球が通過することを条件として行われる普通図柄の抽選において、当選確率が19/20と高くなる(図12参照)。また、普通図柄の抽選が行われると、当該抽選が行われてから1秒後に普通図柄が停止表示されて、当該抽選結果が遊技者に報知される(図13参照)。このとき、普通図柄として当たり図柄が決定されると、第2始動口22が5秒間開放される。
また、遊技者が第2遊技領域16bに向けて遊技球を発射させると、必ず、ゲート24を遊技球が通過するとともに、当該ゲート24を通過した遊技球は、その殆どが第2始動口22に入球する盤面構成となっている。したがって、遊技状態が時短遊技状態に設定された場合には、遊技者は第2遊技領域16bに向けて遊技球を発射させる、所謂「右打ち」操作を行うこととなる。
ここで、本実施形態においては、ゲート24を通過した遊技球が、必ず、転動ルート部材31上を転動した後に、第2始動口22に向けて流下することとしており、ゲート24を通過した遊技球が第2始動口22に到達するまでの時間が、1〜2秒となるように構成されている(図35(f)参照)。また、遊技状態が時短遊技状態に設定されている場合において、遊技球がゲート24を通過して普通図柄の抽選および変動表示が行われ、このときの抽選結果が当たりであった場合には、当該遊技球がゲート24を通過してから約1秒後に第2始動口22が開放される(図35(c)参照)。
したがって、例えば、普図保留が記憶されていないときに第2遊技領域16bに向けて遊技球を発射させると、当該遊技球がゲート24を通過することによって第2始動口22が開放され、この開放中に当該遊技球が第2始動口22に入球可能となっている。これにより、時短遊技状態における遊技の再開後、第2遊技領域16bに向けて遊技球を発射させるだけで、遊技者は即座に第2保留に基づく大当たりの抽選の権利を獲得することが可能となる。
また、上記のようにして第2始動口22が開放された場合、当該第2始動口22は5秒間継続して開放状態に維持される(図35(d)参照)。ここで、遊技球発射機構は、約0.6秒間隔で遊技球を発射可能であるから(図35(e)参照)、時短遊技状態に設定されているときの1回当たりの第2始動口22の開放時間(5秒)内に、9個の遊技球が発射可能となっている。したがって、仮に、第2始動口22の開放と同時に遊技球が入球したとすると、第2始動口22の1回の開放につき、9個の遊技球を入球させることが可能となる。
このように、本実施形態では、時短遊技状態における第2始動口22の開放時間(5秒)内に、第1保留の上限数(4個)または第2保留の上限数(4個)よりも多い個数の遊技球が発射される。しかも、本実施形態では、時短遊技状態においてハズレ図柄が決定された場合に、特別図柄の変動時間が、必ず、第2始動口22の1回当たりの開放時間よりも短い1秒または4秒(図35(a)および図35(b)参照)に決定される。換言すれば、時短遊技状態において、第2始動口22の1回当たりの開放時間が、ハズレ図柄が導出された場合に決定され得る変動演出の最短実行時間以上に決定される。これにより、遊技者は、第2始動口22の1回の開放につき、各保留の上限数以上の大当たりの抽選の権利を獲得することが可能となっている。
より詳細には、例えば、時短遊技状態に設定されたときに、第1保留および第2保留が記憶されておらず、また、普図保留も記憶されていなかったとする。そして、遊技者が時短遊技状態における遊技の再開に伴って右打ちを行い、遊技球がゲート24を通過するとともに、当該ゲート24への遊技球の通過に伴って第2始動口22が5秒開放されたとする。そして、最初にゲート24を通過した遊技球が第2始動口22に入球するのをはじめとし、以後、0.6秒間隔で遊技球が発射されると、第2始動口22の1回の開放につき9個の遊技球が入球することとなる。
このとき、大当たりの抽選の結果が全てハズレであったとすると、第2保留に基づく特別図柄の変動時間は必ず1秒であることから、第2始動口22の1回の開放中に第2保留に基づく特別図柄の変動表示が5回実行可能となる。このように、特別図柄の変動表示が5回行われるということは第2保留が5つ処理されることとなるため、その分、新たな第2保留を受け入れ可能となる。したがって、第2始動口22の1回の開放が終了した時点で、5回の特別図柄の変動表示が実行され、かつ、第2保留が上限数である4つ記憶されている状態を創出することが可能となっている。
これにより、時短遊技状態という遊技者に有利な遊技状態において、短時間のうちに多数の大当たりの抽選の権利を次々と獲得することができる。したがって、時間が限られた遊技者や、遊技場の閉店時間が近い場合等にも遊技を行いやすくなり、遊技機の稼働率を向上することができる。
しかも、本実施形態においては、第2始動口22に遊技球が入球した際に払い出される賞球数が、第1始動口20に遊技球が入球した際に払い出される賞球数よりも少なく設定されている。したがって、上記のように次々と第2始動口22に遊技球が入球する構成であっても、必要以上の遊技利益が遊技者にもたらされてしまい、遊技店に不利益が生じるといったおそれもない。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
したがって、上記実施形態においては、第2保留が第1保留に優先して処理されることとしたが、第1保留と第2保留との処理タイミングについては特に限定されるものではない。例えば、第1保留を第2保留に優先して処理してもよいし、第1保留と第2保留とを区別することなく、記憶された順に処理してもよい。さらには、第1保留と第2保留とを同時に処理することとしても構わない。
なお、上記実施形態において、操作ハンドル12、タッチセンサ12a、操作ボリューム12b、発射制御基板130および発射用ソレノイド131が本発明の遊技球発射手段に相当する。
また、上記実施形態において、第1始動口20内の領域が本発明の第1始動領域に相当し、第2始動口22内の領域が本発明の第2始動領域に相当する。
また、上記実施形態において、可動片22bおよび始動口開閉ソレノイド22cが本発明の始動可変入賞装置に相当する。
また、上記実施形態において、図16のステップS330およびステップS340の処理を実行するメインCPU100aが本発明の乱数記憶手段に相当する。
また、上記実施形態において、特別図柄乱数および大当たり乱数が本発明の乱数に相当する。
また、上記実施形態において、図20のステップS420−5の処理を実行するメインCPU100aが本発明の抽選手段に相当する。
また、上記実施形態において、図21に示す変動パターン決定処理を実行するメインCPU100aが本発明の変動パターン決定手段に相当する。
また、上記実施形態において、図34に示す変動パターンコマンド受信処理を実行するサブCPU200a、画像制御基板210および電飾制御基板220が本発明の変動演出実行手段に相当する。
また、上記実施形態において、図24に示す特別電動役物制御処理を実行するメインCPU100aが本発明の特別遊技実行手段に相当する。
また、上記実施形態におけるゲート24内の領域が本発明の進入領域に相当する。
また、上記実施形態における時短遊技状態が本発明の特定遊技状態に相当し、非時短遊技状態が本発明の非特定遊技状態に相当する。なお、特定遊技状態の具体的な内容は上記実施形態に限定されるものではない。いずれにしても、特定遊技状態は、非特定遊技状態よりも、第2始動領域に遊技球が進入しやすい構成であればよい。
また、上記実施形態において、図13(b)に示す第2始動口開放制御テーブルで設定される0.1秒が本発明の第1の時間に相当し、第2始動口開放制御テーブルで設定される5.0秒が本発明の第2の時間に相当する。
また、上記実施形態において、図26に示す普図普電処理を実行するメインCPU100aが本発明の始動可変入賞装置制御手段に相当する。
また、上記実施形態において、図15に示すステップS600の処理を実行するメインCPU100aが本発明の賞球払出手段に相当する。
また、上記実施形態において、図11(b)に示す第2変動パターンコマンド決定テーブルdに設定されている変動パターン31に対応付けられた1秒が、本発明の最短実行時間に相当する。なお、上記実施形態においては、時短遊技状態においてハズレ結果が導出されたときに、変動演出の実行時間として、必ず、第2始動口22の1回当たりの開放時間よりも短い時間が決定されることとした。しかしながら、時短遊技状態においてハズレ結果が導出されたときに決定され得る変動時間の中に、第2始動口22の1回当たりの開放時間よりも短い変動時間が含まれていればよく、したがって、第2始動口22の1回当たりの開放時間よりも長い変動時間が決定され得るようにしても構わない。
また、上記実施形態では、時短遊技状態において第1保留に基づいてハズレ結果が導出された場合にも、第2始動口22の1回当たりの開放時間よりも短い変動時間が決定されることとしたが、第1保留に基づいてハズレ結果が導出された場合に決定され得る変動時間は特に制限されるものではない。
1 遊技機
8 遊技盤
12 操作ハンドル
12a タッチセンサ
12b 操作ボリューム
16 遊技領域
20 第1始動口
22b 可動片
22c 始動口開閉ソレノイド
22 第2始動口
24 ゲート
28 大入賞口
100 主制御基板
100a メインCPU
100b メインROM
100c メインRAM
200 副制御基板
200a サブCPU
200b サブROM
200c サブRAM
210 画像制御基板
220 電飾制御基板

Claims (2)

  1. 遊技者の有利度合いを異にする複数の遊技状態の中からいずれかの遊技状態に設定され、当該設定されている遊技状態に対応する遊技進行条件にしたがって遊技が進行する遊技機であって、
    遊技球を発射する遊技球発射手段と、
    前記遊技球発射手段によって発射された遊技球が流下する遊技領域が設けられた遊技盤と、
    前記遊技領域に配置された第1始動領域および第2始動領域と、
    前記第2始動領域への遊技球の進入を不可能もしくは困難とする第1の態様、または、前記第1の態様よりも前記第2始動領域への遊技球の進入を容易とする第2の態様に変移する始動可変入賞装置と、
    前記第1始動領域または前記第2始動領域に遊技球が進入したことを条件として、前記遊技領域に設けられた大入賞口が開放される特別遊技を実行可能とする大当たり結果、もしくは、前記特別遊技の実行を不可能とするハズレ結果を少なくとも導出するための乱数を取得するとともに、前記第1始動領域に遊技球が進入して取得した乱数を第1保留として記憶部に記憶し、前記第2始動領域に遊技球が進入して取得した乱数を第2保留として記憶部に記憶する乱数取得手段と、
    前記記憶部に記憶された乱数を読み出して前記大当たり結果もしくは前記ハズレ結果を抽選により導出する抽選手段と、
    前記抽選手段の抽選結果を報知するための変動演出の実行時間が対応付けられた変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、
    前記変動パターン決定手段によって決定された変動パターンに基づいて前記変動演出を実行する変動演出実行手段と、
    前記抽選手段によって前記大当たり結果が導出されるとともに、前記変動演出実行手段によって前記大当たり結果を報知する変動演出が実行された場合に、前記特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
    前記遊技領域を流下する遊技球が進入可能に設けられた進入領域と、
    前記進入領域に遊技球が進入したことを条件として前記始動可変入賞装置を前記第2の態様に変移させるか否かを決定するとともに、当該始動可変入賞装置を前記第2の態様に変移させると決定した場合に、遊技状態が非特定遊技状態に設定されているときには、第1の時間に亘って前記始動可変入賞装置を前記第2の態様に変移させ、遊技状態が特定遊技状態に設定されているときには、前記第1の時間よりも長い第2の時間に亘って前記始動可変入賞装置を前記第2の態様に変移させる始動可変入賞装置制御手段と、
    少なくとも前記第1始動領域、前記第2始動領域、前記大入賞口に遊技球が進入した場合に、予め設定された賞球を払い出す賞球払出手段と、を備え、
    前記乱数取得手段は、
    前記第1始動領域に遊技球が進入した際に、前記記憶部に記憶されている第1保留数が予め設定された第1保留上限数の範囲内である場合に前記記憶部に前記第1保留を記憶し、前記第2始動領域に遊技球が進入した際に、前記記憶部に記憶されている第2保留数が予め設定された第2保留上限数の範囲内である場合に前記記憶部に前記第2保留を記憶し、
    前記特定遊技状態において、前記進入領域への1回の遊技球の進入に起因して前記始動可変入賞装置が前記第2の態様に変移される前記第2の時間は、前記第2始動領域に遊技球が進入して前記ハズレ結果が導出されたときに決定され得る変動パターンに対応付けられた前記変動演出の最短実行時間を前記第2保留上限数分合算した時間以上の時間であり、
    前記遊技球発射手段は、
    前記第2の時間内に、前記第1保留上限数または前記第2保留上限数よりも多い遊技球を発射可能であり、
    前記賞球払出手段は、前記第2始動領域に遊技球が進入した場合には、前記第1始動領域に遊技球が進入した場合よりも少ない賞球を払い出すことを特徴とする遊技機。
  2. 前記進入領域および前記第2始動領域は、
    当該進入領域に進入した遊技球が当該第2始動領域に進入可能な位置に配置され、
    前記始動可変入賞装置制御手段は、
    前記始動可変入賞装置を前記第2の態様に変移させるか否かを決定したとき、当該決定から予め設定された変動時間の経過後に当該決定結果を報知するとともに、前記始動可変入賞装置を前記第2の態様に変移させる決定結果が報知された場合に、当該決定結果の報知後に前記始動可変入賞装置の制御を開始し、
    前記変動時間は、
    遊技球が前記進入領域に進入した後、前記第2始動領域に到達するまでに要する時間よりも短く設定されていることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
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