JP5894311B1 - アオノクマタケラン由来成分を含有する組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
前記圧搾液を蒸留し蒸留液を得る工程
を含む[1]〜[6]のいずれか1つに記載の組成物の製造方法。
前記圧搾液を蒸留し蒸留液を得る工程を含む[10]〜[12]のいずれか1つに記載の抗アレルギー剤または抗炎症剤の製造方法。
(アオノクマタケランの圧搾蒸留液のヒト皮膚バリア機能の評価)
(1)アオノクマタケランの圧搾蒸留液の製造
アオノクマタケランの葉茎3kgを圧搾機 GP-E1503(グリーンパワーJAPAN社製、製品名グリーンパワー)を用いて圧搾し1.5kgのアオノクマタケランの圧搾液を得た。この圧搾液1.5kgを蒸留装置 K-HJ200(株式会社黄河社製、製品名蒸留ピュアスティーラーライト)を用いて、100℃以上で4時間加熱し蒸気を冷却して採取することにより800gのアオノクマタケランの圧搾蒸留液を得た。
(評価方法)
上記アオノクマタケランの圧搾蒸留液、及び比較対象物質として純水を用い、下記のヒト皮膚バリア機能の評価を行った。
2)塗布条件:各被験者につき、左右の前腕内側部(図1参照)にアオノクマタケランの圧搾蒸留液又は純水のいずれかを2回(100〜120μl/回)、噴霧により塗布した。
3−1)EUにおける化粧品の効能・効果を評価するための科学的専門機関(EEMCO)による角質水和評価ガイドラインをもとに、試験室内の温湿度を 20〜22℃/40〜60%RHになるように調整した。
4−1)処置前の被験者の経皮水分蒸散量(TEWL)及び皮膚表層pHを測定し、TEWLが10g/m2/hr以下、皮膚表面pHが5.0(正常なヒトの皮膚、弱酸性)前後であることを確認した。
1)TEWLについて(図2、3、表1及び2参照)
処置前のTEWLは、純水塗布群が5.37±0.52、アオノクマタケランの圧搾蒸留液塗布群が 4.51±0.41となっており、これは正常な皮膚TEWLであった。セロハンテープ着脱(Tape stripping;図表中で T.S.と表記)直後には、それぞれ23.04±0.83、および23.71±0.98まで上昇したことから、本試験で行ったセロハンテープ着脱によって、皮膚バリアが破壊されたことが確認された。アオノクマタケランの圧搾蒸留液塗布群では、純水塗布群に比べて、塗布10分後からTEWLが有意に低下し、以後、いずれの測定時間においても純水塗布群よりもTEWLが低く抑えられており、アオノクマタケランの圧搾蒸留液が皮膚バリアの回復を助けたことを意味している。
処置前の皮膚表層pHは、純水塗布群が4.95±0.20、アオノクマタケランの圧搾蒸留液塗布群が4.98±0.19となっており、これは正常な弱酸性の皮膚pHであった。セロハンテープ着脱(Tape stripping; 図表中で T.S.と表記)直後には、それぞれ5.18±0.16、および5.13±0.18まで上昇したことから、本試験で行ったセロハンテープ着脱によって、皮膚表層pHが上昇したことが確認された。アオノクマタケランの圧搾蒸留液塗布群では、いずれの測定時間においても純水塗布群に比べて、皮膚表層pHの上昇が低く抑えられていた。皮膚表層pHは皮膚バリアの損傷やそれに伴う皮膚の炎症によって上昇することから、アオノクマタケランの圧搾蒸留液が皮膚炎症の沈静化を助けたことを意味している。
純水を塗布した部位では、目視により発赤が確認できた。これは、セロハンテープ着脱により皮膚バリアが破壊されて局所の炎症が起こり、それがそのまま残っていることを示している。一方、アオノクマタケランの圧搾蒸留液塗布部位では、発赤が軽減していた。このことから、アオノクマタケランの圧搾蒸留液が、セロハンテープ着脱による皮膚バリア損傷に伴う皮膚の炎症を沈静化することが確認できた。
(アオノクマタケランの圧搾蒸留液のNC/Tndマウスのアトピー性皮膚炎症状に及ぼす影響の評価)
(1)アオノクマタケランの圧搾蒸留液又はクマタケランの圧搾蒸留液の製造
上記実施例1の「(1)アオノクマタケランの圧搾蒸留液の製造」と同様の操作を行い、アオノクマタケランの圧搾蒸留液を得た。
(評価方法)
1)8週齢から10週齢のアトピー性皮膚炎様病態を発症したNC/Tndマウスを皮膚炎症状および引っ掻き回数に基づいて選抜した。選抜したマウスを1群7匹3群に分け,生後5週目より固形試料(CRF-1)にて飼育した。試験開始前にマウスの頸背部の被毛を剪毛し、アオノクマタケランの圧搾蒸留液、クマタケランの圧搾蒸留液及び純水をそれぞれ、週5日、1日1回、約100μl/回、同じ時刻にマウスの頸背部の皮膚に塗布した。皮膚症状スコア、引っ掻き回数、総引っ掻き時間は、試験開始前、及び試験開始後は毎週記録・測定した。経皮水分蒸散量(TEWL)は、試験開始前、並びに塗布開始後2週目及び4週目に測定した。
Development of atopic dermatitis-like skin lesion with IgE hyperproduction in NC/Nga mice. Matsuda H, Watanabe N, Geba GP, Sperl J, Tsudzuki M, Hiroi J, Matsumoto M, Ushio H, Saito S, Askenase PW, Ra C. International Immunology, Vol. 9, No. 3, pp. 461-466.
2)試験開始後、皮膚症状の状態観察を週1回行い、以下の観察項目及び評点化の基準に基づいて症状のスコア付けを行った。
(i) pruritus/itching (掻痒症)
(ii) erythema/hemorrhage (発赤・出血)
(iii) edema (浮腫)
(iv) excoriation/erosion (擦傷・組織欠損)
(v) scaring/dryness (痂皮形成・乾燥)
2−2)評点化
上記観察項目について下記に示すスコアにより評点化した。
1 … 軽度
2 … 中等度
3 … 重度
3)引っ掻き回数及び総引っ掻き時間の測定
引っ掻き回数及び総引っ掻き時間は、試験開始前及び開始後は毎週測定した。20分間馴化させた後、引っ掻き回数測定装置(SCLABA(登録商標)-Real,ノベルテック社製)で、30分間の撮影及び記録を行い、30分あたりの引っ掻き回数を数え、30分あたりの総引っ掻き時間(秒)を計算した。
試験開始前及び試験開始後は2週間毎に測定した。測定はMulti Probe Adapter MPA5 & TM300MP probe(CK electronic GmbH社製)にて行い、測定用のプローブを頸背部皮膚の塗布部位に押し当て、数値が安定するまでほぼ均等の圧力で保持、3回測定してその平均値を採用した。
1)皮膚症状の観察について(表4及び図6参照)
純水塗布群では、試験期間中に皮膚炎症状スコアが増加したが、クマタケランの圧搾蒸留液塗布群では、ほぼ横ばいで推移した。一方、アオノクマタケランの圧搾蒸留液塗布群では、塗布開始1週間目から統計学的有意に臨床症状スコアが低下し、試験期間中の臨床症状スコアは低い状態を維持した。
純水塗布群では,試験期間中を通じて、引っ掻き回数及び総引っ掻き時間ともに高い数値で推移した。クマタケランの圧搾蒸留液塗布群では,試験期間中に引っ掻き回数及び総引っ掻き時間が増加する傾向を示した。一方で、アオノクマタケランの圧搾蒸留液塗布群では、塗布開始2週目以降では引っ掻き回数及び総引っ掻き時間が減少した。
純水塗布群では、試験中のTEWLは高い値で推移した。クマタケランの圧搾蒸留液塗布群では,試験期間中に上昇し、4週目でTEWLの上昇を示した。一方でアオノクマタケランの圧搾蒸留液塗布群では、試験中に低下する傾向を示した。
クマタケランの圧搾蒸留液と比較して、アオノクマタケランの圧搾蒸留液には、かゆみを軽減し,皮膚バリア機能を回復させ、アトピー性皮膚炎症状の改善させる効果がみられる。
(β−ピネンのNC/Tndマウスのアトピー性皮膚炎症状に及ぼす影響の評価)
(1)β−ピネン水溶液の製造
β−ピネンを純水に溶解し、β−ピネンの濃度が0.01重量%、0.1重量%、1重量%であるβ−ピネン水溶液をそれぞれ調整した。また、比較対象物質である基剤として純水を準備した。
(評価方法)
1)アオノクマタケランの圧搾蒸留液、クマタケランの圧搾蒸留液及び純水の代わりに0.01重量%β−ピネン水溶液、0.1重量%β−ピネン水溶液、1重量%β−ピネン水溶液及び基剤としての純水を用い、週5日、1日1回、約100μlの塗布条件の代わりに2週間、1日1回、約150μlの塗布条件とした以外は上記実施例2の「(2)NC/Tndマウスのアトピー性皮膚炎症状に及ぼす影響の評価 (評価方法)」と同様の評価方法1)〜3)を用い、皮膚症状スコア、引っ掻き回数及び総引っ掻き時間の測定を行った。
1)皮膚症状の観察について(表8及び図10)
未処置群及び基剤塗布群では、試験期間中に皮膚炎症状スコアが増加したが、0.01重量%β−ピネン水溶液塗布群、及び1重量%β−ピネン水溶液塗布群では,ほぼ横ばいで推移した。一方、0.1重量%β−ピネン水溶液塗布群では、塗布開始1週間目から統計学的有意に臨床症状スコアが低下し、試験期間中の臨床症状スコアは低い状態を維持した。
未処置群及び基剤塗布群では、試験期間中を通じて、引っ掻き回数及び総引っ掻き時間ともに高い数値で推移した。1重量%β−ピネン水溶液塗布群では、塗布開始1週間目から引っ掻き回数及び総引っ掻き時間ともにやや増加傾向にあったが、未処置群及び基剤塗布群に比べると低い数値であった。0.01重量%β−ピネン水溶液塗布群及び0.1重量%β−ピネン水溶液塗布群では、塗布開始1週間目、2週間目と時間が経つにつれて引っ掻き回数及び総引っ掻き時間ともに減少していった。特に、0.1重量%β−ピネン水溶液塗布群では、その減少傾向が顕著であった。
Claims (13)
- アオノクマタケランの圧搾蒸留液を含有し、抗アレルギー剤または抗炎症剤として使用される外用組成物。
- アオノクマタケランの葉茎の圧搾蒸留液を含有する、請求項1に記載の外用組成物。
- β−ピネンを含む、請求項1または2に記載の外用組成物。
- β−ピネンの含有量が前記外用組成物全体に対して0.05〜0.5重量%である、請求項3に記載の外用組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の外用組成物を含む化粧品。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の外用組成物を含む医薬品。
- アオノクマタケランを圧搾し圧搾液を得る工程、及び
前記圧搾液を蒸留し蒸留液を得る工程
を含む、前記蒸留液を含有し、抗アレルギー剤または抗炎症剤として使用される外用組成物の製造方法。 - 蒸留が常圧下100℃以上で行われる、請求項7に記載の製造方法。
- 圧搾液がアオノクマタケランの葉茎の圧搾により得られる、請求項7または8に記載の製造方法。
- 前記外用組成物がβ−ピネンを含む、請求項7〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
- β−ピネンの含有量が前記外用組成物全体に対して0.05〜0.5重量%である、請求項10に記載の製造方法。
- 前記外用組成物が化粧品として使用される、請求項7〜11のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記外用組成物が医薬品として使用される、請求項7〜11のいずれか1項に記載の製造方法。
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JPH09124677A (ja) * | 1995-11-01 | 1997-05-13 | Eba Keshohin:Kk | ゲットウを用いた組成物及びその製造方法 |
JP2002512198A (ja) * | 1998-04-16 | 2002-04-23 | アイダ ディベロップメント アクティーゼルスカブ | アルピニアガランガ中に存在する芳香族化合物及びテルペノイドを含む新規相乗組成物 |
JP2003238817A (ja) * | 2002-02-14 | 2003-08-27 | Riichiro Nakajo | 複合樹脂材料 |
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