JP5892636B2 - 喫煙物品用の付加部材及びこれを搭載した喫煙物品 - Google Patents
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Description
特許文献1は、内容物を含むカプセルをフィルタ内に配置したものを前提とし、カプセルの周囲に密着配置するサポートパーツとしてリング状の構造物を採用する場合を開示している。また、特許文献2はカプセルの破断挙動に関係するサポートパーツとしてリング状部材を用いる構造を開示し、サポートパーツを介してカプセル内の内容物を流出させる際にクリック音を発してユーザに内容物の流出を認識させる点について記載がある。
本発明の目的は、破壊音を複数発生させるように設計した喫煙物品用の付加部材を提供すること、そしてこの付加部材を採用した新趣向の喫煙物品を提供することである。
また、前記フィルタ部を覆うケーシング材は、押圧後に筒状に復元可能な弾性部材で形成してあることが望ましい。
以下、図面を参照して、本発明の付加部材の好適な実施形態と、これを搭載する喫煙物品について説明する。
図1は、単独型のリング状部材RG−1をフィルタ付きシガレットCGのフィルタFLに搭載した場合について示している。ここでは、図1AはシガレットCGを示し、図1BはこのシガレットCGに搭載したリング状部材RG−1を取り出して示した斜視図、更に図1Cはリング状部材RG−1の軸線CLの方向に垂直な横断面形状が確認できるように示した断面図である。
ケーシング201の一方端に位置する第1フィルタ部202はシガレット側となり、他方端に位置する第2フィルタ部203は吸い口を構成している。第1フィルタ部202と第2フィルタ部203とは、上記のように離間して配置され、その間が予め設けた収納空間204である。厳密には第1フィルタ部202と第2フィルタ部203とその間の収納空間204を含んでフィルタ本体部が構成されている。収納空間204の内部に、リング状部材RG−1が収容されている。
このリング状部材RG−1には、フィルタFLを潰すようなユーザによる外力F(フィルタ部分を指で摘むような力)を受けたときに容易に破壊されて破壊音を発するが、その破壊音に特徴的がある。リング状部材RG−1は、破壊するときに、ユーザが知覚できるレベルの破壊音を複数発生させるように易破壊部が設計してある。ここで、ユーザが知覚できるレベルの破壊音が複数とは、ユーザが知覚可能な破壊音が同時に複数であっても、ある程度の時間間隔をもった複数でもよい。また、破壊音が複数とは適宜設計の範囲で、少なくとも2回以上であればよく、例えば3回以上、例えば4回以上としてもよい。また、破壊音の回数の上限として、特に限定はされないが、例えば10回以下としてもよい。破壊音の回数は、例えば素材や薄肉域の数、薄肉域それぞれの厚さ、薄肉域それぞれの位置を変更することによって調整することが出来る。
易破壊部はリング状部材RG−1で周方向に間隔をもって配置した複数の薄肉域TAである。この薄肉域TAは応力を受けたに他の部分より破壊し易くするため、他の領域よりも薄肉に形成した領域であり、例えば薄肉域TAは図示のようにV字溝などとして形成した直線状の溝部とするのが好ましい。図1Bでは薄肉域TAとしての溝部を内周面に設けた場合を示すが、外周面に設けてもよく、内外を組合せてもよい。
本発明のリング状部材は、ユーザが知覚できるレベルの破壊音を複数回発生させることができれば、破壊の形態は特に限定されない。すなわち、一度の強い外力Fにより複数箇所が一気に破壊されて複数の破壊音を発生させる様な形態に限されない。例えば外力Fが徐々に加わることで、初めは最も破壊され易い部分が破壊され、その後、破壊され難い部分が破壊される、といったタイムラグを含む形態で、ユーザに複数の破壊音を知覚させてもよい。また、一度、外力Fを加え破壊させた後に、違う角度から外力Fを再度加えることによって、破壊するような形態であってもよい。
また、上記リング状部材破壊時にリリースされるように、香味剤もしくは吸着材を含有もしくは包摂させた素材でも良い。また香味剤もしくは吸着剤の一方もしくは両方を含まない素材でも良い。
この場合のカプセルはスペースSPに格納される大きさの円筒形状とし、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルアルコール及びポリアミドからなる群から選択される何れかである食品用のプラスチック素材を用いるのが望ましい。
そして、ラミネートフィルムなどのフィルム材で、ヒートシールで円筒の開口部を閉じるようにしてもよい。このようなシールフィルムを採用する場合には、熱可塑性の接着剤によって、側壁の開口縁に接着すればよい。この接着剤としては、例えば、接着性ポリオレフィン樹脂、低分子量ポリエチレン及びEVA(エチレンビニルアルコール)を主剤とするホットメルト接着剤等を使用できる。
上記のようにカプセルを配置するときは、ケーシング201とチップペーパ101との少なくとも一方に、耐水機能を備えたシート材を採用して、上記液体が外周部に漏れるのを防止する構造を備えたものとするのが好ましい。
なお、上記カプセルに替えて、アセテート繊維などによるフィルタ用材料を配置しておいてもよい、この場合にはケーシング201等を耐水性とする必要はない。
ところで、上記フィルタ部を覆うケーシング材201は、押圧後に筒状に復元可能な弾性部材で形成しておくのが好ましい。このように復元するケーシング材を採用しておくと、ユーザがフィルタ部を潰して破壊音を発生させたとき外形が一旦崩れても、その後にフィルタ形状を初期の形に復帰させることができる。この機能は、前述したように液体を封入したカプセルを備える構造を採用するときに有効である。ユーザは喫煙前、或いは喫煙の途中に、リング状部材RG−1を破壊すると共にカプセルも破壊して液体をフィルタ用材料に吸収させる。その際に、フィルタ部の形状が一旦は潰されるが、その後に復帰するのでユーザは気分良く喫煙を楽しむことができる。
図3は、図1Cと同様に、リング状部材RG−2の横断面の形状を示している断面図である。このリング状部材RG−2は径が異なる複数のリング要素部材FRを同心で多層に設けた複合型のリング状部材である。具体的には、異なるリング要素部材(FR−1、FR−2、FR−3)同士を接続リブRBにて接続して複合型のリング状部材RG−2としてある。このリング状部材RG−2の易破壊部は、異なるリング要素部材FR−1、FR−2、FR−3のそれぞれで、周方向に間隔をもって配置した複数の薄肉域である。
図3で例示するのは、3個のリング要素部材FR−1、FR−2、FR−3で軸心CPに対して同心で多層としたものである。そして、各リング要素部材FR−1、FR−2、FR−3について、前述した破壊位置の条件、すなわち中心点CP(軸線CLが通る点)を通るように引いた直線のいずれの上にも、薄肉域が複数存在しないようにしてそれぞれのリング要素部材での薄肉域TAが配置してある。
また、このリング状部材RG−2について、図2に例示した複数配置を採用すると、更に多くの破壊音を複雑に発生させることができる。
また、このリング状部材RG−2についても、中心部のスペースSPが確保されるので、このスペースSPに、先に説明したものと同様に液体を封止したカプセルなどを配置してもよい。
前述した2種類リング状部材RG−1,RG−2では中心側にスペースが存在していたが、本発明の付加部材はこのような形態に限定されない。図3に示すリング状部材RG−3は、軸心CPに位置する軸部LPとリング周部PPとが複数の接続リブRB(ここでは3個)にて接続されている。このリング状部材RG−3では、接続リブRBが前述した複数の薄肉域を配置する条件と同じに、即ち中心点CPを通るように引いた直線のいずれの上にも接続リブRBが複数存在しないように配置しておくのがよい。そして、より好ましくは、この接続リブRBにも、前述したものと同様な溝部による薄肉域TAを設けて破壊がより確実に促進するようにするのがよい。
このリング状部材RG−3をフィルタに搭載したシガレットも、前述したシガレットと同様にユーザを音で楽しませることができる新趣向の製品となる。
FL フィルタ
CG シガレット
CL 軸線
CP 軸心
TA 薄肉域
SP スペース
RB 接続リブ
FR リング要素部材
100 シガレット本体
101 チップペーパ
201 ケーシング
202 第1フィルタ部
203 第2フィルタ部
204 収納空間
Claims (9)
- 喫煙物品に予め設けた収納空間内に収納して使用する付加部材であって、
前記付加部材には複数の易破壊部が設けてあり、前記収納空間の位置を潰すような外力を受けて破壊されるときに前記易破壊部に基づいて破壊音を複数発し、
前記喫煙物品用の付加部材は、単独型のリング状部材であって、前記易破壊部は周方向に間隔をもって配置した複数の薄肉域である、ことを特徴とする喫煙物品用の付加部材。 - 喫煙物品に予め設けた収納空間内に収納して使用する付加部材であって、
前記付加部材には複数の易破壊部が設けてあり、前記収納空間の位置を潰すような外力を受けて破壊されるときに前記易破壊部に基づいて破壊音を複数発し、
前記喫煙物品用の付加部材は、径が異なる複数のリング要素部材を同心で多層に設けた複合型のリング状部材であって、前記異なるリング要素部材同士は接続リブにて接続され、
前記易破壊部は前記異なるリング要素部材のそれぞれで、周方向に間隔をもって配置した複数の薄肉域である、ことを特徴とする喫煙物品用の付加部材。 - 前記薄肉域は直線状の溝部であって、
前記単独型のリング状部材での横断面で中心点を通るように引いた1つの直線上に、前記薄肉域が複数存在しないように当該薄肉域が配置してある、ことを特徴とする請求項1に記載の喫煙物品用の付加部材。 - 前記薄肉域は直線状の溝部であって、
前記複合型のリング状部材のリング要素部材それぞれでの横断面で中心点を通るように引いた1つの直線上に、前記薄肉域が複数存在しないように当該薄肉域が配置してある、ことを特徴とする請求項2に記載の喫煙物品用の付加部材。 - 前記リング状部材の中心側にスペースが確保されており、前記スペース内に液体を封入したカプセル、またはフィルタ用材料が配備してある、ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の喫煙物品用の付加部材。
- 喫煙物品に予め設けた収納空間内に収納して使用する付加部材であって、
前記付加部材には複数の易破壊部が設けてあり、前記収納空間の位置を潰すような外力を受けて破壊されるときに前記易破壊部に基づいて破壊音を複数発し、
前記喫煙物品用の付加部材は、軸部とリング周部とを備えるリング状部材であって、前記軸部と前記リング周部とが複数の接続リブにて接続され、
前記接続リブが前記易破壊部としてある、ことを特徴とする喫煙物品用の付加部材。 - 上記収納空間はフィルタ付き喫煙物品のフィルタ部に設けた空間であって、
前記収納空間に請求項1から6のいずれかに記載の喫煙物品用の付加部材が前記フィルタ部の前記空間内に配置してある、ことを特徴とする喫煙物品。 - 前記フィルタ部の軸線方向で位置をずらし、前記喫煙物品用の付加部材が複数搭載されていることを特徴とする請求項7に記載の喫煙物品。
- 前記フィルタ部を覆うケーシング材は、押圧後に筒状に復元可能な弾性部材で形成してあることを特徴とする請求項7又は8に記載の喫煙物品。
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