JP5890639B2 - 機器筐体内の回路保護用システム及び装置 - Google Patents

Description

本明細書で説明される実施形態は、全体的に、電力機器保護装置に関し、より詳細には、アーク発生時に用いるシステム及び装置に関する。

公知の電力回路及び開閉装置は、一般に、空気又はガスなどの絶縁体、もしくは固体誘電体によって隔てられた導体を有する。しかしながら、導体が互いに近過ぎる位置にある場合、又は導体間の電圧が導体の間の絶縁体の絶縁特性を上回る場合には、アークが発生する可能性がある。導体間の絶縁体がイオン化する可能性があり、これは、絶縁体を導電性にし、アークフラッシュの形成を可能にする。

アークフラッシュは、２つの相導体の間、相導体と中性導体との間、又は相導体と接地点との間の故障に起因したエネルギーの急激な放出によって引き起こされる。アークフラッシュ温度は、２０，０００℃に達し、又はこれを上回る場合があり、導体及び隣接する機器を気化させる可能性がある。その上、アークフラッシュは、熱、強い光、圧力波、及び／又は音波の形態で、導体及び隣接の機器に損傷を及ぼすのに十分な大きなエネルギーを放出することができる。しかしながら、アークフラッシュを発生させる故障の電流レベルは、一般に、短絡の電流レベルよりも小さく、回路遮断器がアーク故障状態を扱うように特別に設計されていない限り、回路遮断器が作動しない可能性があり、或いは遅延作動を示す。個人用保護服及び機器の使用を義務づけることによりアークフラッシュを規制する機関及び規格は存在するが、アークフラッシュを排除する規制により確立された装置は存在しない。

ヒューズ及び回路遮断器などの標準的な回路保護装置は、一般に、アークフラッシュを軽減するほど十分に迅速には反応しない。十分に迅速な応答を示す１つの既知の回路保護装置は、電気的「バール」であり、意図的に電気的な「短絡回路」を生成し、電気的エネルギーをアークフラッシュ点からから逸らすことにより、機械的及び／又は電気機械的プロセスを利用している。次いで、このような意図的な短絡回路故障は、ヒューズ又は回路遮断器を作動させることにより解消される。しかしながら、バールを用いて生成される意図的な短絡回路故障は、有意なレベルの電流が隣接する電気機器に流れることができ、これにより依然として機器を損傷させる可能性がある。

十分に迅速な応答を示す別の既知の回路保護装置は、アーク閉じ込め装置であり、閉じ込めアークを生成して、電気的エネルギーをアークフラッシュ点から逸らす。少なくとも一部の既知のアーク閉じ込め装置は、該アーク閉じ込め装置を完全に挿入して作動させるか、又は完全に引き出して非作動にさせることを可能にするだけのラックフレームを用いて機器筐体内に装架される。しかしながら、このような構成は、試験モードでのアーク閉じ込め装置の使用が可能ではない。その上、こうした構成は、電子モジュール又は機器の全体のセットのシャットダウンを避けるために、アーク閉じ込め装置を通電バスとの間で挿入又は取り出すことが可能ではない。

米国特許第７，１８５，４０７号明細書

１つの態様において、電気機器と共に使用するためのアークトランスファ装置が提供される。アークトランスファ装置は、電気機器から電力を受け取るように構成された少なくとも１つの電気コネクタと、アークトランスファ装置の装架位置に基づいて第１の電気コネクタを電気機器に電気的に結合するよう構成された少なくとも１つの第２の電気コネクタを含むラックカセットと、を含む。

別の態様において、回路と共に用いるための回路保護システムが提供される。回路保護システムは、回路におけるアークフラッシュ事象を検出するよう構成されたコントローラと、コントローラに動作可能に結合され、アークフラッシュ事象の検出時にアークを精製するよう構成されたアーク閉じ込め装置とを含む。アーク閉じ込め装置は、該アーク閉じ込め装置を複数の位置に装架するのを可能にするラックカセットを含み、複数の位置の各々が、アーク閉じ込め装置の作動ステータスに関連付けられる。

別の態様において、開閉装置スタックは、少なくとも１つの回路と、該回路に結合された回路保護システムとを含む。回路保護システムは、回路におけるアークフラッシュ事象を検出するよう構成されたコントローラと、アークフラッシュ事象の検出時にアークを精製するよう構成されたアーク閉じ込め装置と、ラックカセットとを含む。ラックカセットは、アーク閉じ込め装置に結合されるよう構成された少なくとも１つのラック部材と、ラック部材に結合され、アーク閉じ込め装置の装架位置に基づいて第１の方向及び第２の方向の一方でラック部材を駆動するよう構成されたシャフトと、を含む。

回路保護システムを含む例示的な開閉装置スタックの正面図。 図１に示す回路保護システムと共に用いることができる例示的なアーク閉じ込め装置の概略斜視図。 図２に示すアーク閉じ込め装置の概略断面図。 図１に示す回路保護システムと共に用いることができるラックカセットの１つの実施形態の斜視図。 図１に示す回路保護システムと共に用いることができるラックカセットの別の実施形態の概略斜視図。 図５に示すラックカセットと共に用いるよう構成された、図１に示す回路保護システムの概略斜視図。 第１の又は「切断」位置における図１に示す回路保護システムの概略斜視図。 第２の又は「試験」位置における図１に示す回路保護システムの概略斜視図。 第３の又は「接続」位置における図１に示す回路保護システムの概略斜視図。

本明細書では、回路保護装置と共に使用するシステム及び装置の例示的な実施形態が記載される。これらの実施形態は、アーク閉じ込め装置を回路遮断器キュービクルなどの機器筐体内の複数の位置の１つに挿入又は引き出すことによって位置決めなどの装架を可能にする。切断、試験、又は接続位置を含む複数の装架位置など、複数の位置にアーク閉じ込め装置を装架することにより、交換時のアーク閉じ込め装置の完全な取り外し、或いは、保守整備又は試験のためのアーク閉じ込め装置の部分的な取り外しを容易にする。

図１は、機器筐体１０２内に収容された例示的な開閉装置スタック１００の正面図である。開閉装置１００は、１つ又はそれ以上の電子モジュール１０４と、電子モジュール１０４に例えばアークフラッシュ事象からの保護を提供する回路保護システム１０６とを含む。機器筐体１０２は、複数の区画を含み、該複数の区画は、下側区画１０８、回路保護システム１０６を収容する中央区画１１０、及び電子モジュール１０４を収容する上側区画１１２を有する。回路保護システム１０６は、電子モジュール１０４又は給電装置など、回路中に検出されたアークフラッシュ事象からエネルギーを転送するアークトランスファ装置（図１には図示していない）を含む。アークトランスファ装置は、以下でより詳細に説明するアーク閉じ込め装置とすることができる。或いは、アークトランスファ装置は、アークフラッシュ事象に関連するエネルギーを別の場所に転送して何らかの好適な手法で放散させるボルト故障装置とすることができる。加えて、筐体１０２は、３つよりも多いか又は少ない区画を含むことができる点は理解されるであろう。

図２は、回路保護システム１０６（図１に示す）と共に使用できる例示的なアーク閉じ込め装置２００の斜視図であり、図３は、アーク閉じ込め装置２００の概略断面図である。例示的な実施形態において、アーク閉じ込め装置２００は、上カバー２０２と、導体組立体２０４とを含む。導体組立体２０４は、導体ベース２０６と、導体カバー２０８とを含み、複数の電気導体（図示せず）がこれらの間に位置付けられる。各電気導体は、電極ホルダ２１０に結合され、各電極ホルダ２１０は、電極２１４を支持するよう構成される。例えば、電極２１４は、電極ホルダ２１０のクランプ部分２１２内に移動可能に固定することができる。電極２１４は、プラズマガン（図示せず）がアブレーションプラズマを放出する軸線から各電極２１４がほぼ等距離にあるような平面に沿った向きにされる。プラズマガンは、プラズマガンカバー２１６により覆われる。

例示的な実施形態において、上カバー２０２は、回路上で検出されたアークフラッシュ事象に関連するエネルギーの放散で使用するアークを電極２１４が生成するメインチャンバ２１８を定める。上カバー２０２は、上面２２０、リップ部２２２、及び上面２２０とリップ部２２２との間を延びる側面２２４を含む。

図４は、回路保護システム１０６（図１に示す）と共に使用できるラックカセット３００の１つの実施形態の斜視図である。ラックカセット３００は、アーク閉じ込め装置２００を内部に支持するよう構成されたフレーム３０２を含む。フレーム３０２は、後壁３０４、対向する前壁３０６、第１の側壁３０８、及び対向する第２の側壁３１０を含む。１つ又はそれ以上のラックローラ３１２及びラック部材３１４は、各側壁３０８及び３１０に結合され、複数の位置でのアーク閉じ込め装置２００の装架を容易にする。ラックシャフト３１６は、フレーム３０２に結合され、少なくとも１つの１次コンタクト３１８が後壁３０４上に設けられ、開閉装置１００（図１に示す）の線間電圧への接続を可能にする。ラックカセット３００はまた、開閉装置１００の制御電圧への接続を容易にする少なくとも１つの２次コンタクト（図示せず）を含む。

アーク閉じ込め装置２００が、切断位置のような第１の位置に装架されると、ローラ３１２は、機器筐体１０２（図１に示す）の区画内に設けられた対応するレールのセット（図示せず）上又は内部で静止状態になる。その上、１次コンタクト３１８及び２次コンタクトは共に、対応する電圧接続部から係合解除される。従って、アーク閉じ込め装置２００は、第１の位置にて機能しない。

アーク閉じ込め装置２００が試験位置のような第２の位置に装架されると、ローラ３１２は、区画レールに沿って所定距離を移動している。例えば、ラックシャフト３１６は、所定量又は所定位置まで転回し、区画レールに沿ってローラ３１２を進める。その上、第２の位置において、ラック部材３１４は、区画内に設けられたラックローラ（図示せず）と部分的に係合する。更に、１次コンタクト３１８は、開閉装置１００の線間電圧から係合解除され、２次コンタクトが、開閉装置１００の制御電圧と係合する。従って、アーク閉じ込め装置２００が第２の位置に装架されると、コントローラ（図示せず）を用いて、アーク閉じ込め装置２００内の回路及び／又はプラズマガンの作動を検証することができる。

アーク閉じ込め装置２００が接続位置のような第３の位置に装架されると、ローラ３１２は、区画レールに沿って追加の距離を移動している。例えば、ラックシャフト３１６は、追加の所定量又は別の所定位置まで転回し、区画レールに沿ってローラ３１２を進める。その上、第２の位置において、ラック部材３１４は、区画内に設けられたラックローラと完全に係合する。１次コンタクト３１８は、開閉装置１００の線間電圧と係合し、２次コンタクトは、開閉装置１００の制御電圧と係合する。従って、アーク閉じ込め装置２００が第３の位置に装架されると、アーク閉じ込め装置２００は、完全に作動可能状態になる。

図５は、回路保護システム１０６（図１に示す）と共に用いることができる別の例示的なラックカセット４００の概略斜視図である。図６は、ラックカセット４００と共に使用するよう構成された回路保護システム１０６の概略斜視図である。ラックカセット４００は、アーク閉じ込め装置２００（図２及び３に示す）を支持するよう構成され、筐体１０２（図１に示す）内の機器ラック（図示せず）に回路保護システム１０６を装架するのを容易にする。例示的な実施形態において、ラックカセット４００は、下側表面又はトレイ４０２、第１のサイドシート４０４、及び対向する第２のサイドシート（図示せず）を含む。後壁４０６は、第１のサイドシート４０４と第２のサイドシートとの間に延びる。その上、ラックカセット４００は、後壁４０６から内壁４０８を通って延びる複数の突出部４１０を含む。突出部４１０は、内壁４０８と相対的に移動可能であり、アーク閉じ込め装置２００が以下でより詳細に説明するようにラックカセット４００内に挿入されたときに、突出部４１０が後壁４０６内に押し戻されて第２の１次コネクタを露出させるようになる。

例示的な実施形態において、回路保護システム１０６は、コントローラ５００及びアーク閉じ込め装置２００を含む。２つのサイドプレート５０２及びフロントプレート５０４を含む、複数のプレートがアーク閉じ込め装置２００に結合される。コントローラ５００は、フロントプレート５０４に結合され、回路保護システム１０６を機器筐体１０２（図１に示す）との間で挿入又は取り出すときに該コントローラ５００をアーク閉じ込め装置２００に固定する。サイドプレート５０２は、中央区画１１０（図１に示す）などの筐体区画内に設けられたラックレール（図示せず）内に挿入されるか、又は共に使用されるようなサイズにされた１つ又はそれ以上のローラ５０６を含む。

その上、コネクタ５０８は、各サイドプレート５０２を通って延びて、アーク閉じ込め装置２００に固定される。例えば、コネクタ５０８は、導体ベース２１０又は導体カバー２１２（両方とも図２及び３に示す）に固定することができる。アーク閉じ込め装置２００はまた、少なくとも１つの第１の電気コネクタを含む。例えば、アーク閉じ込め装置２００は、複数の第１の１次コネクタ５１０を含み、該１次コネクタ５１０は、アーク閉じ込め装置２００により監視され及び／又は保護されている回路（図示せず）の複数の導体（図示せず）にアーク閉じ込め装置２００を電気的に接続することを可能にする。第１の１次コネクタ５１０は、対応する複数の第２の１次コネクタ（図示せず）に結合されるよう構成され、該第２の１次コネクタは、後壁４０６と内壁４０８との間に位置付けられて、アーク閉じ込め装置２００を開閉装置１００（図１に示す）の線間電圧に接続するようにする。その上、コントローラ５００は、第１の２次電気コネクタ５１２を含み、該コネクタ５１２は、故障診断及び／又はプラズマガン発射試験を実施するのに用いるための第２の２次コネクタ（図示せず）にコントローラ５００を接続するのを可能にする。位置表示器５１４は、上カバー２０２に結合され、ラックカセット４００内のアーク閉じ込め装置２００の位置を表示できるように、ラックカセット４００内に設けられるスイッチと係合するような向きにされる。例えば、位置表示器５１４は、１つ又はそれ以上の取り付けアパーチャ５１８が貫通して延びたフランジ５１６を含み、該アパーチャ５１８は、位置表示器５１４を上カバー２０２に結合するためのそれぞれの締結機構を受けるようなサイズにされる。従って、上カバー２０２は、１つ又はそれ以上の対応する取り付けアパーチャ（図示せず）を含み、該アパーチャは、フランジ５１６のそれぞれの取り付けアパーチャ５１８の真下に位置付けられる。位置表示器５１４は、アーク閉じ込め装置２００の何れか好適な部分に結合され、スイッチがラックカセット４００内のアーク閉じ込め装置２００の位置を表示できるようになる点に留意されたい。

回路保護システム１０６が切断位置のような第１の位置に装架されると、機器ラック内では、第１の１次コネクタ５１０が第２の１次コネクタから切断され、第１の２次コネクタ５１２が第２の２次コネクタ４１２から切断される。加えて、突出部４１０は、後壁４０６から離れて前方に移動し、内壁４０８の背後に第２の１次コネクタをシールドする。回路保護システム１０６が切断位置に装架されると、回路保護システム１０６は、保守整備及び／又は交換のために機器ラックから取り外すことができる。その上、位置表示器５１４は、第１のサイドシート４０４に沿って設けられたスイッチ４４４と係合する。スイッチ４４４は、アーク閉じ込め装置２００が装架の準備ができていることを示す信号を開閉装置のコントローラ（図示せず）に送信する。更に、筐体１０２のドア（図示せず）は、アーク閉じ込め装置２００が装架される前に閉じることができる。

回路保護システム１０６が、機器ラック内の試験位置のような第２の位置に装架されると、第１の１次コネクタ５１０は第２の１次コネクタから切断され、第１の２次コネクタ５１２は第２の２次コネクタ４１２に電気的に結合される。具体的には、第２の２次コネクタ４１２は、第１の２次コネクタ５１２への電気的接続を維持するようシャフト４１４に沿って後壁４０６から前方に移動する。回路保護システム１０６が試験位置に装架されると、アーク閉じ込め装置２００は、装置インタフェース及び信号制御の試験を可能にする試験モードの状態になる。例えば、電力がコントローラ５００に供給されて、アークフラッシュ検出構成要素を試験し、及び／又はプラズマガンキャパシタバンクが接続モード中に適切に充電されているか否かを試験する。

回路保護システム１０６が機器ラック内で接続位置のような第３の位置に装架されると、第１の１次コネクタ５１０は、第２の１次コネクタに電気的に結合され、第１の２次コネクタ５１２は第２の２次コネクタ４１２に電気的に結合される。具体的には、突出部４１０が後壁４０６内に押し戻されて、第２の１次コネクタ及びこれに接続された第１の１次コネクタ５１０を露出させる。回路保護システム１０６が接続位置に装架されると、アーク閉じ込め装置２００が作動状態になる。例えば、電力がコントローラ５００に供給されて、プラズマガンキャパシタバンク（図示せず）を充電し、これを用いて電極２１４（図２及び３に示す）間にアークを起こすのに用いるプラズマガン（図示せず）に電力を提供する。

その上、例示的な実施形態において、ラックカセット４００は、クランク機構４１６、複数の第１のリンク４１８、及びシャフト４２０を含む。各第１のリンク４１８は、それぞれのインターロック４２６を介して、第１の端部４２２でクランク機構４１６に結合され、第２の端部４２４でシャフト４２０に結合される。ラックカセット４００はまた、それぞれの第２のリンク４３０を介してシャフト４２０に結合される複数のラック部材４２８を含む。具体的には、各第２のリンク４３０は、第１の端部４３２にてシャフト４２０に結合され、第２の端部４３４にてそれぞれのラック部材４２８に結合される。トレイ４０２は、第１のサイドシート４０４及び第２のサイドシートに結合されるサイドレール４３６に沿って、ラックカセット４００との間で挿入又は取り外しを行うことができる。ラックカセット４００へのトレイ４０２の挿入により、クランク機構４１６が第１のリンク４１８を後壁４０６に向けて戻すように移動させる。第１のリンク４１８の移動により、各インターロック４２６が回転し、これによりシャフト４２０が同じように時計回りに回転するようになる。シャフト４２０の回転により、第２のリンク４３０が各ラック部材４２８を時計回りに駆動又は回転させるようになる。各ロック部材４２８は、アーク閉じ込め装置２００の側面に沿って設けられたコネクタ５０８を受けるようなサイズにされるスロット４３８を含む。ラック部材４２８の回転により、コネクタ５０８がスロット４３８に沿って後壁４０６に向けて移動し、更に、第１の位置又は第２の位置に移動するようになる。各ラック部材４２８に設けられたリップ部４４０は、第１の位置又は第２の位置の何れかにコネクタ５０８をロックする。例えば、アーク閉じ込め装置２００は、コネクタ５０８がリップ部４４０を越えて後壁４０６に向かって移動するときに第１の位置にロックされる。しかしながら、アーク閉じ込め装置２００は、コネクタ５０８がリップ部４４０とラック部材４２８の端部４４２との間に位置付けられるときには、第２の位置にロックされる。

図７〜９は、回路保護システム１０６を機器筐体１０２（図１に示す）内に設けられた機器ラック内に装架することができる複数の位置を示している。具体的には、図７は、第１の又は切断位置を示し、図８は、第２の又は試験位置を示し、図９は、第３の又は接続位置を示している。

図７に示すように、回路保護システム１０６が第１の位置に装架されると、第１の１次コネクタ５１０が第２の１次コネクタ（図示せず）から切断され、第１の２次コネクタ５１２が第２の２次コネクタ４１２から切断される。同様に、突出部４１０は、後壁４０６から離れて移動し、第２の１次コネクタをシールドする。その上、アーク閉じ込め装置２００が第２又は第３の位置からレール４３６に沿って第１の位置に移動すると、コネクタ５０８は各々、それぞれのラック耳状リップ部４４０を越えて後壁４０６から離れて移動する。加えて、ラック部材４２８は、反時計回りに回転して、コネクタ５０８を第２の位置から解除する。回路保護システム１０６が切断位置で装架されると、回路保護システム１０６は、保守整備及び／又は交換するために機器ラックから取り外すことができる。その上、最初にアーク閉じ込め装置２００を装架すると、位置表示器５１４は、第１のサイドシート４０４に沿って設けられたスイッチ４４４と係合する。

図８に示すように、回路保護システム１０６が第２の位置に装架されると、第１の１次コネクタ５１０は、第２の１次コネクタ（図示せず）から切断され、第１の２次コネクタ５１２は、第２の２次コネクタ４１２に電気的に結合される。具体的には、第２の２次コネクタ４１２は、第１の２次コネクタ５１２への電気的接続を維持するようシャフト４１４に沿って後壁４０６から前方に移動する。その上、回路保護システム１０６がレール４３６に沿って第２の位置に移動すると、コネクタ５０８は各々、それぞれのラック耳状リップ部４４０を越えて後壁４０６から移動する。加えて、ラック部材４２８は、反時計回りに回転して、コネクタ５０８を第１の位置から更に係合して、コネクタ５０８を第２の位置にロックする。回路保護システム１０６が第２の位置に装架されると、アーク閉じ込め装置２００は、装置インタフェース及び信号制御の試験を可能にする試験モードの状態になる。例えば、電力がコントローラ５００に供給されて、アークフラッシュ検出構成要素を試験し、及び／又はプラズマガンキャパシタバンクが接続モード中に適切に充電されているか否かを試験する。

図９に示すように、回路保護システム１０６が第３の位置に装架されると、第１の１次コネクタ５１０は、第２の１次コネクタ（図示せず）に電気的に結合され、第１の２次コネクタ５１２は、第２の２次コネクタ４１２に電気的に結合される。その上、回路保護システム１０６がレール４３６に沿って第３の位置に移動されると、コネクタ５０８（図６に示す）は各々、それぞれのラック耳状リップ部４４０（図５に示す）を越えて後壁４０６に向けて移動する。加えて、ラック部材４２８（図５に示す）が時計回りに回転してコネクタ５０８を所定位置にロックする。回路保護システム１０６が第３の位置に装架されると、アーク閉じ込め装置２００は作動状態になる。例えば、電力がコントローラ５００に供給されて、プラズマガンキャパシタバンク（図示せず）を充電し、これを用いて電極２１４（図３に示す）間にアークを起こすのに用いるプラズマガン（図示せず）に電力を提供する。

上記では、電力供給設備の保護機器において使用される装置の例示的な実施形態を詳細に説明した。本装置は、本明細書で記載される特定の実施形態に限定されず、むしろ、システム及び／又は装置の方法及び／又は構成要素の作動は、本明細書で記載した他の作動及び／又は構成要素とは独立して別個に利用することができる。更に、記載した動作及び／又は構成要素はまた、他のシステム、方法、及び／又は装置において定義され、或いは、これらと組み合わせて用いることができ、本明細書で記載されるシステム、方法、及び記憶媒体のみを用いて実施することに限定されるものではない。

本発明は、例示的な電力供給環境に関連して説明したが、本発明の実施形態は、数多くの他の汎用又は特定用途の電力供給環境又は構成でも運用可能である。電力供給環境は、本発明の何れかの態様の用途又は機能の範囲に関してどのような限定も示唆するものではない。その上、電力供給環境は、この例示的な電力供給環境で例証した構成要素の何れか又はその組み合わせに関して何らかの依存関係又は必要条件として解釈すべきではない。

本発明の種々の実施形態の要素を導入する際に、数詞がないことや「前記」などの冠詞は、要素の１つ又はそれ以上が存在することを意味するものとする。用語「備える」、「含む」、及び「有する」は、包括的なものであり、記載した要素以外の付加的な要素が存在し得ることを意味する。本明細書は、最良の形態を含む実施例を用いて本発明を開示し、更に、あらゆる当業者があらゆるデバイス又はシステムを実施及び利用すること並びにあらゆる包含の方法を実施することを含む本発明を実施することを可能にする。本発明の特許保護される範囲は、請求項によって定義され、当業者であれば想起される他の実施例を含むことができる。このような他の実施例は、請求項の文言と差違のない構造要素を有する場合、或いは、請求項の文言と僅かな差違を有する均等な構造要素を含む場合には、本発明の範囲内にあるものとする。

１００ 開閉装置スタック
１０２ 機器筐体
１０４ 電子モジュール
１０６ 回路保護システム
１０８ 下側区画
１１０ 中央区画
１１２ 上側区画
２００ アーク閉じ込め装置
２０２ 上カバー
２０４ 導体組立体
２０６ 導体ベース
２０８ 導体カバー
２１０ 電極ホルダ
２１２ クランプ部分
２１４ 電極
２１６ プラズマガンカバー
２１８ チャンバ
２２０ 上表面
２２２ リップ部
２２４ 側面
３００ ラックカセット
３０２ フレーム
３０４ 後壁
３０６ 前壁
３０８ 第１の側壁
３１０ 第２の側壁
３１２ ラックローラ
３１４ ラック部材
３１６ ラックシャフト
３１８ １次コンタクト
４００ ラックカセット
４０２ 下部トレイ
４０４ 第１のサイドシート
４０６ 第２のサイドシート
４０８ 内壁
４１０ 突出部
４１２ ２次コネクタ
４１４ シャフト
４１６ クランク機構
４１８ 第１のリンク
４２０ シャフト
４２２ 第１の端部
４２４ 第２の端部
４２６ インターロック
４２８ ラック部材
４３０ 第２のリンク
４３２ 第１の端部
４３４ 第２の端部
４３６ サイドレール
４３８ スロット
４４０ リップ部
４４２ 端部分
４４４ スイッチ
５００ コントローラ
５０２ サイドプレート
５０４ フロントプレート
５０６ ローラ
５０８ コネクタ
５１０ 第１の１次電気コネクタ
５１２ 第１の２次電気コネクタ
５１４ 位置表示器
５１６ フランジ
５１８ 取り付けアパーチャ

Claims (10)

1. 電気機器と共に使用するためのアークトランスファ装置であって、
   少なくとも１つの第２の１次電気コネクタを介して前記電気機器から電力を受け取るように構成された少なくとも１つの第１の１次電気コネクタ（５１０）と、
   前記アークトランスファ装置を試験モードにするための少なくとも１つの第２の２次電気コネクタに接続可能な少なくとも１つの第１の２次電気コネクタ（５１２）と、
   前記少なくとも１つの第２の１次電気コネクタを含むラックカセット（４００）と、
   を備え、
   前記ラックカセット（４００）は、
   前記アークトランスファ装置が接続位置に装架されるときに、前記少なくとも１つの第１の１次電気コネクタ（５１０）を前記少なくとも１つの第２の１次電気コネクタに電気的に結合させ、
   前記アークトランスファ装置が試験位置に装架されるときに、前記少なくとも１つの第１の１次電気コネクタ（５１０）を前記少なくとも１つの第２の１次電気コネクタから切断する一方、前記少なくとも１つの第１の２次電気コネクタ（５１２）を前記少なくとも１つの第２の２次電気コネクタに電気的に接続するよう構成されるアークトランスファ装置。
2. 前記アークトランスファ装置が更に少なくとも１つのコネクタ（５０８）を含み、前記ラックカセット（４００）が更に、前記アークトランスファ装置の装架位置に基づいて前記少なくとも１つのコネクタ（５０８）を受けるようなサイズにされたスロット（４３８）を有する少なくとも１つのラック部材（４２８）を含む、請求項１に記載のアークトランスファ装置。
3. 前記ラックカセット（４００）が更に、クランク機構（４１６）及びシャフト（４１４）を含み、前記シャフト（４１４）が、前記クランク機構（４１６）及び前記少なくとも１つのラック部材（４２８）に結合され、前記アークトランスファ装置が、前記ラックカセット（４００）内の複数の位置で装架されるように構成される、請求項２に記載のアークトランスファ装置。
4. 前記ラックカセット（４００）が更に、
   前記アークトランスファ装置が切断位置に装架されたときに、前記少なくとも１つの第１の１次コネクタ（５１０）を前記少なくとも１つの第２の１次コネクタから切断し、前記第１の２次コネクタ（５１２）を前記少なくとも１つの第２の２次コネクタ（４１２）から切断するように構成されると共に、
   前記アークトランスファ装置が前記接続位置に装架されたときに、前記少なくとも１つの第１の１次コネクタ（５１０）を前記少なくとも１つの第２の１次コネクタに電気的に結合し、前記第１の２次コネクタ（５１２）を前記第２の２次コネクタ（４１２）に電気的に結合するように構成される、請求項１乃至３のいずれかに記載のアークトランスファ装置。
5. 前記ラックカセット（４００）が更に、前記アークトランスファ装置が前記接続位置に装架されたときに、前記少なくとも１つの第２の１次コネクタを露出させるように構成された少なくとも１つの突出部を含む、請求項４に記載のアークトランスファ装置。
6. 前記少なくとも１つの突出部（４１０）が、前記アークトランスファ装置が前記接続位置に装架されていないときには、前記少なくとも１つの第２の１次コネクタをシールドするよう構成される、請求項５に記載のアークトランスファ装置。
7. 位置表示器（５１４）を更に備え、前記ラックカセット（４００）が更にスイッチ（４４４）を含み、前記位置表示器（５１４）が、前記アークトランスファ装置の装架位置に基づいて前記スイッチ（４４４）と相互作用するよう構成され、前記スイッチ（４４４）が、前記アークトランスファ装置の装架位置の表示を開閉装置スタックに提供するよう構成される、請求項１乃至６のいずれかに記載のアークトランスファ装置。
8. 前記アークトランスファ装置がアーク閉じ込め装置（２００）を備える、請求項１乃至７のいずれかに記載のアークトランスファ装置。
9. 回路と共に用いるための回路保護システム（１０６）であって、
   請求項８に記載のアークトランスファ装置と、
   前記回路におけるアークフラッシュ事象を検出するよう構成されたコントローラ（５００）と、
   を備え、
   前記アーク閉じ込め装置（２００）が、前記コントローラ（５００）に動作可能に結合され、前記アークフラッシュ事象の検出時にアークを精製するよう構成される、回路保護システム（１０６）。
10. 前記少なくとも１つの第２の２次コネクタ（４１２）が、前記少なくとも１つの第１の２次コネクタ（５１２）と電気的に接続されると、前記アーク閉じ込め装置（２００）は、試験モードの状態になり、
    前記試験モードのときに、電力が前記コントローラ（５００）に供給され、前記コントローラ（５００）は、前記アーク閉じ込め装置（２００）のアークフラッシュ検出構成要素を試験し、及び／又は前記アーク閉じ込め装置（２００）のプラズマガンキャパシタバンクが適切に充電されているか否かを試験する、請求項９に記載の回路保護システム。
    

Images