JP5888938B2 - 描画装置 - Google Patents
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Description
このような表現形式が異なる複数の地図を重ねて表示する場合、ラスタデータに重畳しようとするベクタデータの拡大率、回転角度、移動量によりその都度、重畳のパラメータを計算する必要があり、処理が煩雑であった。この不都合を解消するため、特許文献1ではラスタデータおよびベクタデータの種類によらない重畳のキー情報(例えば衛星画像データと地図ベクトルデータの場合は、緯度経度)を用いてベクタデータを変換し、ラスタデータ上に重畳表示している。
図1は、この発明の実施の形態1による描画装置の構成を示すブロック図である。図1において、描画装置10は、ベクタデータ記憶部1、ラスタデータ記憶部2、輪郭描画部3、領域内描画部4、画像記憶部5および画像表示装置11で構成されている。
ベクタデータ記憶部1は、海岸線など線で表現する描画対象物のベクタ形式の図形データ(以下、ベクタデータと称する)を記憶する。描画対象物が例えば図2(a)に示す多角形である場合、該多角形のベクタデータは、図2(b)に示す各頂点の座標を示す頂点データと、図2(c)に示す各辺の始点および終点の頂点名を示した線分データで構成される。
輪郭描画部3の輪郭描画処理を図2に示したベクタデータを例に説明する。図2に示したベクタデータでは、各頂点の座標は緯度経度により表現されている。緯度経度により表現されている場合、各座標は予め定められた投影方法によって画素座標に変換されて描画される。
投影方法が正射投影の場合、頂点Aが描画される画素の座標(u,v)は次のように決定される。地球中心座標空間における緯度をφ、経度λ、楕円体高をhとすると、頂点Aの座標P=(X,Y,Z)は以下の式(1)で表される。
なお、Nは卯酉線曲率半径、eは楕円体の離心率である。また、楕円体高hは、ジオイド高と標高の和である。頂点が海岸線上の点であれば標高は0とみなせるので、ジオイド高のデータから楕円体高を決定できる。また、求められる精度と比べてジオイド高が十分に小さいとみなせる場合は楕円体高を0として計算してもよい。
p=R-1(P−T) ・・・(2)
ここで、正射投影の中心点oの緯度をφ0、経度をλ0とすると、回転行列Rは以下の式(3)で表される。
また、並進行列Tは、以下の式(6)で表される。
なお、Nは卯酉線曲率半径、eは楕円体の離心率、aは楕円体の長半径である。以上により、緯度、経度で与えられた頂点Aの座標が地平座標に変換される。
領域内描画部4は、画像記憶部5から輪郭が描画された画像を読み出す(ステップST1)。領域内画素抽出部41は、ステップST1で読み出した画像において、輪郭の内側であり、塗りつぶしの対象となる画素を抽出する(ステップST2)。色決定部42は、ステップST2で抽出した各画素について着色する色を決定する(ステップST3)。領域内描画部4は、ステップST3で決定した色に従い、各画素を着色する(ステップST4)。
まず、領域内画素抽出部41の抽出動作について、図5を参照しながら説明する。領域内画素抽出部41は、図5に示すように画像の各行を左から右に向けて走査し(走査線K参照)、該走査線Kと輪郭線Lとが交差する回数を数える。走査線Kの左端部側の開始点Kaが輪郭線Lの内側に位置する場合、輪郭を除く任意の画素までの走査における輪郭線Lとの交差回数が、偶数であれば輪郭線Lの内側の画素であり、奇数であれば輪郭線Lの外側の画素であると判定する。一方、走査線Kの左端部側の開始点Kaが輪郭線Lの外側に位置する場合、輪郭を除く任意の画素までの走査における輪郭線Lとの交差回数が偶数であれば輪郭線Lの外側の画素であり、奇数であれば輪郭線Lの内側の画素であると判定する。
色決定部42は描画対象となる各画素がもつ画素座標に基づき、地表面上で対応する点(以下、地球中心座標と称する)を算出する(ステップST11)。ステップST11で得た地球中心座標を緯度経度で表す座標に変換する(ステップST12)。ステップST12で得た緯度経度の値に基づいて、ラスタデータ記憶部2に記憶されたラスタデータを検索し、該当する領域のデータを取り出す(ステップST13)。例えば、ステップST12において、北緯35度30分、東経135度30分の値を得た場合、図3で示した太枠で囲まれた格子状の領域Jが選択され、該領域のデータが取り出される。ステップST13で取り出された領域の値に基づいて着色する色を決定し(ステップST14)、処理を終了する。
まずステップST11について図7を参照しながら説明する。投影中心である点oを原点とし、天頂方向をz軸、該z軸に直角に東方向に延びるx軸および北方向に延びるy軸を取ることにより定義される地平座標空間を考える。地平座標空間における位置は、以下の式(8)で示される点oを原点とした直交座標pにより表される。
p=R-1(P−T) ・・・(10)
ここで、回転行列Rは、以下の式(11),(12),(13)によって与えられる。
対象とする画素(u,v)に対応する投影面上の点をS=(Xs,Ys,Zs)、地平座標をs=(xs,ys,zs)とすると、以下の式(15),(16)で表される。なお、tは定数とする。
Q=S+kV ・・・(17)
すなわち、以下の式(18)で表される。
地表面は地球楕円体で近似されるものとすると、点Q(X,Y,Z)が地表面表に存在するという条件は以下の式(19)で表される。
なお、aは地球楕円体の長半径、bは地球楕円体の短半径である。
上述した実施の形態1では、色決定部42が画像座標に基づいて地表面上の点を算出し、得られた地球中心座標を緯度経度に変換する方式を示したが、この実施の形態1の処理では地球中心座標を緯度経度に変換するための繰り返し計算が必要であった。そこで、この実施の形態2では、緯度経度に変換するための座標計算を簡略化し、計算量削減を図った構成を示す。なお、実施の形態2の描画装置10の構成要素は実施の形態1と同一であるため、ブロック図の記載を省略する。また、この実施の形態2では、地球中心座標空間を地球楕円体の極方向にa/b倍に拡大した空間を想定し、当該空間を化成空間と定義する。なお、aは地球楕円体の長半径、bは地球楕円体の短半径である。すなわち、化成空間は、地球楕円体と赤道で接する球面体による空間と定義される。
まずステップST11として、対象となる各画素が持つ画素座標に基づいて、地表面上で対応する点を算出する。実施の形態1と同様にして、地球中心座標空間における視点S=(XS,YS,ZS)および視線方向V=(XV,YV,ZV)を決定する。これらを化成空間にマッピングした視点S´および視線方向V´は以下の式(23)により算出される。
X2+Y2+Z´2=a2 ・・・(26)
式(25)を式(26)に代入して方程式を解くと、kの値が得られる。kの値を式(24)に代入すると地点Q´の化成空間における座標が得られる。
ここで、緯度φ´は化成緯度である。φ´を算出するために繰り返し計算を行う必要がない。また、上述した式(22)を適用すると、容易に緯度(地理緯度)φに変換することができる。
また、異なる構成として、ラスタデータを予め化成緯度と経度をインデックスとして格納するように構成し、化成緯度φおよび経度λをキーとしてラスタデータを検索し、目的とする領域のデータを得るように構成してもよい。これにより、ステップST12の処理における化成緯度φ´から地理緯度φへの変換処理を省略することができる。
最後にステップST14として、ステップST13で取り出された領域の値に基づいて着色する色を決定し、処理を終了する。
Claims (3)
- 描画対象物の輪郭を地理座標で表現したベクタデータを記憶するベクタデータ記憶手段と、
前記描画対象物の領域の各地点の情報を地理座標と対応付けて表現したラスタデータを記憶するラスタデータ記憶手段と、
前記ベクタデータ記憶手段に記憶されたベクタデータを投影して、前記描画対象物の輪郭を描画する輪郭描画手段と、
前記ラスタデータ記憶手段に記憶されたラスタデータに基づいて、前記輪郭描画手段が描画した輪郭の内側の領域を塗りつぶす領域内描画手段と、
前記輪郭描画手段の描画結果と、前記領域内描画手段の描画結果とを記憶する画像記憶手段とを備え、
前記領域内描画手段は、前記輪郭描画手段が描画した輪郭の内側に位置する画素を抽出する領域内画素抽出手段と、
前記領域内画素抽出手段が抽出した各画素の座標を地理座標に変換し、得られた地理座標に基づいて前記ラスタデータ記憶手段に記憶されたラスタデータを検索し、当該検索したラスタデータを構成する各地点の情報に基づいて、各画素を着色するための色を決定する色決定手段とを備えた描画装置。 - ベクタデータを記憶するベクタデータ記憶手段と、
ラスタデータを記憶するラスタデータ記憶手段と、
前記ベクタデータ記憶手段に記憶されたベクタデータに基づいて所定の領域の輪郭を描画する輪郭描画手段と、
前記ラスタデータ記憶手段に記憶されたラスタデータに基づいて、前記輪郭描画手段が描画した輪郭の内側の領域を塗りつぶす領域内描画手段と、
前記輪郭描画手段の描画結果と、前記領域内描画手段の描画結果とを記憶する画像記憶手段とを備え、
前記ベクタデータ記憶手段は、ベクタデータを構成する頂点の座標を緯度および経度を用いて記憶し、
前記ラスタデータ記憶手段は、ラスタデータを所定間隔の緯度および経度で分割した格子状のデータとして記憶し、
前記輪郭描画手段は、前記ベクタデータ記憶手段に記憶された緯度および経度で示された頂点の座標を地球中心空間の座標に変換し、変換した地球中心空間の座標を地表面に対して設定した所定の投影面に投影して得られる画素座標に基づいて前記所定の領域の輪郭を描画し、
前記領域内描画手段は、前記輪郭描画手段が描画した輪郭の内側に位置する画素を抽出する領域内画素抽出手段と、
前記領域内画素抽出手段が抽出した各画素の画素座標に基づいて、前記所定の投影面に投影した投影点および当該投影点を通る鉛直線を定義し、定義した鉛直線と前記地表面との交点を算出し、算出した交点を地球中心空間の座標に変換し、変換した地球中心空間の座標の緯度および経度に基づいて前記ラスタデータ記憶手段に記憶された前記ラスタデータを検索し、当該検索により得られたラスタデータの値に基づいて各画素を着色するための色を決定する色決定手段とを備えた描画装置。 - 地球楕円体と赤道で接する球面体の空間を化成空間と定義した場合に、
前記色決定手段は、前記領域内画素抽出手段が抽出した各画素の画素座標に基づいて、前記化成空間の地表面に対して設定した所定の投影面に対して投影した投影点および当該投影点を通る鉛直線を定義し、定義した鉛直線と前記化成空間の地表面との交点を算出し、算出した前記交点の化成緯度および経度に基づいて前記ラスタデータ記憶手段に記憶された前記ラスタデータを検索し、当該検索により得られたラスタデータの値に基づいて各画素を着色するための色を決定することを特徴とする請求項2記載の描画装置。
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