JP5888000B2 - Sem画像適否判定方法、sem画像適否判定装置 - Google Patents
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Description
また、近年は半導体回路パターンの微細化に伴い、フォトマスクパターンの微細化が進展してきており、微細なパターンの寸法を精度良く測定する必要性が増してきている。SEMは試料表面から発生する二次電子量に応じて表示する画像の輝度を調整しているため、パターンの寸法によって、スペース部とライン部の輝度のコントラストが変化することがある。
図7の(a)は長寸法のスペースパターン、図7の(b)は短寸法のスペースパターンである。図示の信号波形は横方向のラインプロファイルを表す。長寸法と短寸法パターンの輝度を比較すると、ライン部に相当する領域では略同等であるが、スペース部は短寸法パターンの方が小さい。これは、スペース幅が小さくなると、パターンの側壁によって遮られる二次電子の割合が増えたり、スペース部とライン部の電位変化が顕著になったりすることで、検出器に届く二次電子量が減少するためである。
特許文献1に記載された従来技術では、チャージアップによる測定誤差量を算出するための指標として、測定値の設計値に対する誤差のレンジやバラツキを用いることで、パターン寸法の評価を行っている。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、取得したSEM画像がパターン寸法測定に適するか否かを、定量的に且つ正確に判定することを課題とする。
本発明の一態様に係るSEM画像適否判定方法は、
予め設定したパターンを有する被測定対象物を走査型電子顕微鏡で撮像し、SEM画像を取得する工程と、
SEM画像に基づいてパターンの信号強度分布を取得する工程と、
SEM画像がパターンの寸法測定に適するか否かを判定するための指標値を、信号強度分布のうち前記パターンのエッジ部分を除いた領域から取得する工程と、
指標値と予め設定した基準値との比較により、SEM画像がパターンの寸法測定に適するか否かを判定する工程と、を含むことを特徴とする。
信号強度分布におけるライン部とスペース部の信号強度の平均値を算出し、双方の信号強度比を指標値として取得することを特徴とする。
SEM画像がパターン寸法測定に適するか否かを判定する工程では、
指標値が基準値よりも小さいときには、パターン寸法測定に適していると判定し、
指標値が基準値よりも大きいときには、パターン寸法測定に適していないと判定することを特徴とする。
SEM画像がパターン寸法測定に適していないと判定されたときに、SEM画像を取得する画像取得条件を変更し、再度、SEM画像を取得する工程を含むことを特徴とする。
本発明の一態様に係るSEM画像適否判定装置は、
上記のSEM画像適否判定方法を実施することを特徴とする。
本実施形態1では、チャージアップにより輝度の濃淡の勾配や不均一性がある場合について説明する。図1は、本実施形態1を説明するフローチャートである。
先ず、測定対象パターン上をビームで走査し、SEM画像を取得する(S1)。図2の(a)はスペースパターンを撮影したSEM画像10を示す図である。
次に、得られたSEM画像に画像処理を施し、ラインプロファイルを生成する(S2)。図2(b)は(a)のSEM画像の横方向の信号強度分布を示すラインプロファイルである。P1、P2はパターンエッジに相当する信号ピークを表す。信号ピークを境目としてプロファイルの傾きを算出する領域を決定する。SEM画像10のパターンでは3つの領域に分割される。ピーク部分の信号値が最小となる点、或いはラインプロファイルを微分した信号の信号値がある閾値より小さくなる点を各領域の始点や終点と定義すればよい。信号ピークP1より左側を領域A1、P1とP2に囲まれた領域をA2、P2より右側の領域をA3とする。
次に、予め設定しておいた傾きの基準値と得られた傾きをそれぞれ比較する(S4)。
ここで、傾きの基準値とは、寸法測定に影響を及ぼし始める値とし、検証実験やシミュレーションなどを用いて、予め求めておく。具体的には、加速電圧などの測定条件を様々に変化させて、パターンがチャージアップしやすい状態で撮像し、プロファイルの傾きを変化させたSEM画像を取得する。プロファイルの傾きの大きさに伴いパターンエッジのピーク信号形状が変化するので、チャージアップの影響のないSEM画像から算出したエッジ位置との差が、寸法測定精度に影響を及ぼし始めるプロファイルの傾きを算出すればよい。寸法測定精度の指標としては、ITRS(International Technology Roadmap for Semiconductors)で示される要求値を参考にして適宜決めればよい。また、シミュレーション計算によって算出することも可能で、その場合にも前記方法と同様に求めればよい。
一方、傾きが基準値より大きい場合は、チャージアップの影響を顕著に受けて、画像の輝度の濃淡が著しく変化しているものと判断できるので、画像取得条件などを変更し、チャージアップの影響を抑えた画像を再度取得する(S6)。例えば、画像取得条件の変更は、加速電圧や積算フレーム回数などが考えられ、チャージアップが発生しにくい条件に変更する。
上記、実施形態1によれば、チャージアップにより輝度の濃淡の勾配や不均一性があるSEM画像に対して、定量的にチャージアップの影響を見積もることができ、正確な寸法測定の判断ができるようになる。
本実施形態2では、短寸法パターンでの輝度のコントラストに変化がある場合について説明する。図3は本実施形態2を説明するフローチャートである。
先ず、測定対象パターン上をビームで走査し、SEM画像を取得する(S7)。図4(a)はスペースパターンを撮影したSEM画像20を示す図である。
次に、得られたSEM画像に画像処理を施し、ラインプロファイルを生成する(S8)。図4(b)は(a)のSEM画像の横方向の信号強度分布を示すラインプロファイルである。P3、P4はパターンエッジに相当する信号ピークを表す。
次に、両者の輝度比(R=DL/DS)を計算する(S10)。
次に、予め設定しておいた輝度比の基準値との比較を行う(S11)。ここで、輝度比の基準値は、寸法測定精度に影響を及ぼし始める値とし、検証実験やシミュレーションなどを用いて、予め求めておく。検証実験で輝度比の基準値を決定する場合は、電界分布に依存したコントラストの影響が小さいSEM画像から決定するのが望ましい。例えば、スペース幅が十分に広いパターンや孤立ラインパターンなどが挙げられる。
一方、輝度比が基準値より大きい場合は、スペース部の輝度が電界分布の影響により小さくなっていることを意味し、寸法測定に影響を及ぼすと判断され、画像取得条件などを変更し、再度画像取得をする(S13)。
上記、実施形態2によれば、短寸法パターンで輝度のコントラストに変化が生じるSEM画像に対して、定量的に寸法測定精度に影響を与えるSEM画像の判断ができるようになる。
<実施例1>
先ず、実施形態1を適用した実施例1について説明する。
本実施例1ではフォトマスク基板上で、ユニフォーミティ(均一性)評価用のラインパターンを任意に10ヵ所選択し、測定を行った。測定したマスクはCrとQz(石英、石英ガラス、合成石英、合成石英ガラス、石英を主成分とするガラス)で構成されたバイナリタイプのマスクであり、Crがパターン部分に相当する。
次に、実施形態2を適用した実施例2について説明する。
本実施例2ではフォトマスク基板上のリニアリティ(直線性)評価用のスペースパターンに対して実施した。測定したマスクはCrとQzで構成されたバイナリタイプのマスクであり、Crがパターン部分に相当する。パターン寸法は300nm〜80nmのパターンに対して実施した。
先ず、リニアリティ評価用のスペースパターン全てに対して、順次ビームで走査し、SEM画像を取得した。図6に取得したSEM画像の一例を示す。
P1〜P4 信号ピーク
A1〜A3 プロファイルの傾き取得領域
DL、DS 輝度平均値
R 輝度比
Rth 輝度比の基準値
Claims (4)
- 予め設定したパターンを有する被測定対象物を走査型電子顕微鏡で撮像し、SEM画像を取得する工程と、
前記SEM画像に基づいて前記パターンの信号強度分布を取得する工程と、
前記SEM画像が前記パターンの寸法測定に適するか否かを判定するための指標値を、前記信号強度分布のうち前記パターンのエッジ部分を除いた領域から取得する工程と、
前記指標値と予め設定した基準値との比較により、前記SEM画像が前記パターンの寸法測定に適するか否かを判定する工程と、を含み、
前記指標値を取得する工程では、
前記信号強度分布におけるライン部とスペース部の信号強度の平均値を算出し、双方の信号強度比を指標値として取得することを特徴とするSEM画像適否判定方法。 - 前記SEM画像が前記パターン寸法測定に適するか否かを判定する工程では、
前記指標値が前記基準値よりも小さいときには、前記パターン寸法測定に適していると判定し、
前記指標値が前記基準値よりも大きいときには、前記パターン寸法測定に適していないと判定することを特徴とする請求項1に記載のSEM画像適否判定方法。 - 前記SEM画像が前記パターン寸法測定に適していないと判定されたときに、前記SEM画像を取得する画像取得条件を変更し、再度、SEM画像を取得する工程を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のSEM画像適否判定方法。
- 請求項1〜3の何れか一項に記載のSEM画像適否判定方法を実施することを特徴とするSEM画像適否判定装置。
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