以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図中、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付してその重複した説明を省略したものもある。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る注入・吸引システムの概略の構成例を示す斜視図である。注入・吸引システム10は、本発明の位置制御システムを用いたものである。移動装置40及び位置検出装置50は、本発明の位置制御システムの一例である。この注入・吸引システム10は、人体P等の体内で磁界によって移動できる微細ヘッド20、及び微細ヘッド20に取り付けられ、液体を注入又は吸引可能な極細管30を有する注入・吸引装置100と、微細ヘッド20を磁界の力で移動させることが可能な移動装置40と、微細ヘッド20の位置を検出可能な位置検出装置50とを備える。
(注入・吸引装置)
細胞の大きさ(1〜100μm)を考えると、微細ヘッド20を体内に挿入した際に細胞をできるだけ破壊しないため、微細ヘッド20の最大幅は100μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましい。本実施の形態では、最大幅を1μmとする。また、微細ヘッド20は、磁性材料、例えばパーマロイ、ケイ素鋼等の透磁率が高い材料から形成されている。微細ヘッド20の詳細な構造については、後述する。
極細管30は、先端が開口した状態で微細ヘッド20に取り付けられ、先端の開口部を介して抗がん剤等の液体を注入し、細胞質基質等の液体を吸引する。極細管30は、例えば、外径が100nm〜1μm、長さが5cm〜10mを有する。極細管30は、非磁性体、例えば、アルミニウム、銀、金、石英ガラス等の透磁率が低い材料から形成される。ただし、金は通常は後述する膜2000の材料には適さない。本実施の形態では、内径150nm、外径350nm、長さ50cmなど、多くの人間の胴体の径の半分以上の長さのサイズを有する極細管30を用いる。
極細管30には、例えば電動機や圧電素子を用いて形成されたポンプが接続される。なお、注入・吸引装置100は、ポンプを接続しない、微細ヘッド20及び極細管30のみでもよい。この場合、点滴の要領で薬剤の自重により薬剤を注入したり、圧力が上がった膀胱に挿入して尿を吸引することなどが可能な注入・吸引装置となる。
(移動装置)
移動装置40は、電磁石400と、電磁石400を支持する第1及び第2のアーム410A、410Bと、第1及び第2のアーム410A、410Bを水平方向の軸を中心にそれぞれ回転移動させることが可能な第1及び第2の回転駆動部420A、420Bと、第2の回転駆動部420Bを垂直方向の軸を中心に回転移動させることが可能な第3の回転駆動部420Cと、回転駆動部420Cを支持するベース430と、移動装置40の各部を制御可能な制御部440と、制御部440に微細ヘッド20の移動すべき三次元位置を指示可能な操作部450とを備える。第1及び第2のアーム410A、410Bと、第1及び第2の回転駆動部420A、420Bと、第3の回転駆動部420Cと、ベース430と、制御部440と、操作部450は、電磁石が付与する磁界によって微細ヘッドに働く磁力の大きさ及び向きとを制御可能な移動装置の移動制御部の一例である。
電磁石400は、通電される電流の大きさに応じた強さの磁界を発生させる。電磁石400は、超伝導電磁石でもよい。
第1乃至3の回転駆動部420A〜420Cは、例えば運動部を有する原動機や圧電素子等を用いて構成することができる。原動機は電動機などでもよい。第1乃至3の回転駆動部420A〜420Cは、第1及び第2のアーム410A、410Bに接続され、第1及び第2のアーム410A、410Bを移動させて電磁石400を移動させる。第1乃至3の回転駆動部420A〜420Cは、移動装置の移動制御部が有する駆動部の一例である。
操作部450は、例えばレバー操作やコンピュータにより微細ヘッド20の移動すべき三次元位置を指示できるように構成されている。
制御部440は、操作部450により指示された三次元位置に基づき、電磁石400に通電される電流の大きさを制御して電磁石400が発生させる磁界の強さを細かく調整し、また、第1乃至3の回転駆動部420A〜420Cを制御して電磁石400の位置や向きを細かく調節して、微細ヘッド20に働く磁力の大きさ及び向きとを制御して、微細ヘッド20を指示された三次元位置、すなわち目的位置の方向に移動させる。
例えば、極細管30の移動経路の曲がりを抑制するように、すなわち、極細管30が目的位置に対してほぼ真っ直ぐに挿し込まれるように、電磁石400が微細ヘッド20に付与する磁界の強さや位置や向きを調節する、すなわち、微細ヘッド20に働く磁力の大きさ及び向きを調節する微細ヘッド20の進行方向制御を行うことで、極細管30が絡むことがなく、また、微細ヘッド20と極細管30を体内に挿し込むときや抜くときに、体内組織をあまり傷付けることがない。すなわち極細管30に結び目ができて、それが移動する際に体内組織を傷付けたり、極細管30が非常に微細であって管自体が糸状の刃物のように鋭利の場合に、軌道が曲がっているのに一方向へ引っ張った時に曲がりの内周側に力が加わって体内組織が切断されてしまうなどの問題が起こりにくい。また、この場合、微細ヘッド20の目的位置までの移動距離が短くなって素早く微細ヘッド20を目的位置に到達させやすくなるという利点も得られる。なお、極細管30の移動経路に屈折や曲がり等が存在していても、極細管30が前述の理由により体内組織をあまり傷つけない程度であれば、その状態も極細管30が目的位置に対してほぼ真っ直ぐに挿し込まれている状態に含む。
制御部440による微細ヘッド20の位置制御は、例えば、微細ヘッド20を単に目的位置の方向へ引っ張るというような制御でもよいし、右に行き過ぎていたら左に戻す、左に行き過ぎていたら右に戻す、上に行き過ぎていたら下に戻す、下に行き過ぎていたら上に戻すというような制御でもよい(図17参照)。特に、右に行き過ぎていたら左に戻す、左に行き過ぎていたら右に戻す、上に行き過ぎていたら下に戻す、下に行き過ぎていたら上に戻すというような制御の場合、ずれが生じても自ずと補正することができ、構造が複雑な人間・動物の体内においても正確に微細ヘッド20を目的位置に到達させやすくなる。
なお、移動装置40は、第1のアーム410Aと電磁石400の間にも回転駆動部を備えていてもよい。
また、移動装置40は、第1のアーム410Aと第1の回転駆動部420Aを省き、かつ、第2のアーム410Bを伸縮性のアームとしたものでもよい。
また、微細ヘッド20と極細管30は、使用前は水を入れた容器に入れておき、使用時にその容器ごと患者の体に密着させて、極細管30の先端をそこから移動装置40を用いて移動させてもよい。
また、本発明において、移動装置を用いる目的は、微細ヘッドを移動させることにある。
(位置検出装置)
位置検出装置50は、微細ヘッド20に塗布された放射性物質からなるマーク(図18A参照)から放出される放射線を検出・撮影可能な一対のX線CCDセンサ500と、X線CCDセンサ500を支持する第1及び第2のアーム510A、510Bと、第1及び第2のアーム510A、510Bを水平方向の軸を中心にそれぞれ回転移動させることが可能な第1及び第2の回転駆動部520A、520Bと、第2の回転駆動部520Bを垂直方向の軸を中心に回転移動させることが可能な第3の回転駆動部520Cと、回転駆動部520Cを支持するベース530と、各回転駆動部520A、520B、520Cを駆動制御するとともに、微細ヘッド20の位置を検出することが可能な制御部540と、X線CCDセンサ500の三次元位置を指示可能な操作部550と、検出された微細ヘッド20の位置を表示可能な表示部560とを備える。なお、放射性物質からなるマークを形成する位置は、極細管30の先端側の位置でもよい(図18B参照)。表示部560は、微細ヘッド20が目的の位置に到達したことの確認をコンピュータが自動的に行う場合は省いてもよい。X線CCDセンサ500は、位置検出装置の撮影部が有する透視撮影用センサの一例である。
一対のX線CCDセンサ500によって互いに直交する方向からマークの位置を検出することにより、微細ヘッド20の三次元位置を知ることができる。
操作部550は、例えばレバー操作やコンピュータによりX線CCDセンサ500の移動すべき三次元位置を指示できるように構成されている。
位置検出装置50は、第1のアーム510Aと第2のアーム510Bとの間の間接部や第2のアーム510Bとベース530との間の間接部に位置センサ、角度センサ等を設けるか、又は第1のアーム510Aの先端に三次元位置センサを設けることで、第1のアーム510Aの先端の三次元位置、すなわち、X線CCDセンサ500の三次元位置を精密に(例えば、μm単位で)計測できるように構成されている。その関節部に設けられた位置センサ、角度センサ等及び第1のアーム510Aの先端に設けられた三次元位置センサは、位置検出装置の撮影部が有する透視撮影用センサの三次元位置を計測可能な透視撮影用センサ位置検出部の一例である。
制御部540は、位置検出部の一例である。制御部540は、パターン認識によって画像を認識する画像認識処理を行うことが可能な画像認識処理部を備える。制御部540は、例えば
1.一対のX線CCDセンサ500によって互いに直交する方向から撮影された一対の画像データを用意する。
2.それぞれの画像データにおいて、マークに該当する部分を画像認識処理部によって探して、画像データの撮影範囲におけるマークの二次元位置を求める。
3.それぞれの画像データの撮影範囲におけるマークの二次元位置に、X線CCDセンサ500の三次元位置を加えて、それぞれの画像データの撮影範囲におけるマークの三次元位置を求め、一対の画像データの撮影範囲におけるマークの三次元位置を直交方向に合成して、微細ヘッド20の位置とする。
という手順(図19参照)で微細ヘッド20の位置を検出する。
また、制御部540は、操作部550により指示された三次元位置に基づき、第1乃至3の回転駆動部520A〜520Cを制御して、X線CCDセンサ500を指示された三次元位置に移動させる。
なお、マークは微細ヘッド20又は極細管30の先端側の位置に存在していればよく、微細ヘッド20及び極細管30とは別に形成しなくてもよい。つまり、微細ヘッド20の材料をX線CCDセンサ500によって透過撮影可能な物質として、微細ヘッド20自体をマークとしてもよい(図18C参照)。例えば、放射性物質を微細ヘッド20の材料に練り込んでもよい。また、極細管30の材料をX線CCDセンサ500によって透過撮影可能な物質として(図18D参照)、X線CCDセンサ500において極細管30の先端側を含む全体の像又は広い範囲の像が撮影された画像データに映るようにして、画像認識処理において、その極細管30の像のうち先端側に該当する部分をマークの像として扱ってもよい。例えば、極細管30の材料に放射性物質を練り込んで極細管30を作ってもよい。
医師の手などによってマーキングした範囲は、作業に当たる医者の手元の明るさにより異なるが、せいぜいミリメートル単位の精度の範囲である。また、多くの場合、その範囲の“概ね”中心辺りに微細ヘッド20を移動させるだけである。このため、巨大なのでコストを抑えるために精度が低いことが一般的であるデジタルX線撮影用の巨大X線CCDセンサを位置検出装置50として使用してもよい。デジタルX線撮影用の巨大X線CCDセンサを位置検出装置50として使用する場合、アームを用いずに、治療が終わるまでの間、X線CCDセンサを所定の位置に固定してもよい。アームがなくなることにより可動部分が減り、多くの場合にメンテナンスが容易になる。なお、微細ヘッド20を確実に細胞膜の内側又は外側へ移動させたい場合は、高精度の微細ヘッド20の移動を必要とするが、ポンプに圧力計を取り付けて圧力を測るなどの方法により極細管30の先端が細胞の細胞膜の内側にあるか・外側にあるかを判定できるため、位置検出の精度は低くてもよい。よって、この場合もデジタルX線撮影用の巨大X線CCDセンサを位置検出装置50として使用してもよい。
また、位置検出装置50は、第1のアーム510AとX線CCDセンサ500の間にも回転駆動部を備えていてもよい。
また、位置検出装置50は、第1のアーム510Aと第1の回転駆動部520Aを省き、かつ、第2のアーム510Bを伸縮性のアームとしたものでもよい。
また、X線CCDセンサの代わりにX線CMOSセンサを用いてもよい。
また、本発明において、位置検出装置を用いる目的は、微細ヘッド又は極細管の先端側の位置を知ることにある。
(微細ヘッドの詳細な構造)
図2は、第1の実施の形態に係る微細ヘッド20の斜視図、図3Aは、第1の実施の形態に係る微細ヘッド20の平面図、図3Bは、図3AのA−A線断面図である。
微細ヘッド20は、前側に位置する第1のヘッド部200と、後側に位置する第2のヘッド部210と、第1及び第2のヘッド部200、210間を接続する一対の接続部220とを備え、例えば、全体としてラグビーボール形状を有する。なお、微細ヘッド20の全体形状としては、微細・鋭利であれば、角柱型や円柱型などでもよい。
第1のヘッド部200は、例えば略三角錐などの先端に向かって細くなる形状を有し、側面200a、200b、200cと、底面200dを備える。また、第1のヘッド部200は、生体組織を切開可能に、例えば先端が鋭角に形成されている。第1のヘッド部200は、例えば透磁率が高い材料から形成されている。また、第1のヘッド部200及び接続部220の材料の格子定数は、第1のヘッド部200及び接続部220が第2のヘッド部210を形成するための液体材料と付着するものとしてもよい。なお、第1のヘッド部200は、その一部を他の部分の材料とは異なる材料から形成してもよい。例えば、先端部を透磁率が低い材料から形成し、他の部分を透磁率が高い材料から形成してもよい。また、第1のヘッド部200は、その一部としてワイヤ形状やブレード形状などの突起部を有していてもよい。
第2のヘッド部210は、例えば頂点が平坦な略三角錐などの後端に向かって細くなる形状を有し、底面210a、側面210b、210c、210eと、頂面210fとを備える。第2のヘッド部210は、例えば透磁率が高い材料から形成されている。なお、第2のヘッド部210は、第1のヘッド部200よりも融点が低い材料(例えば、低融点合金)から形成してもよい。また、第1及び第2のヘッド部200、210を同じ材料から形成してもよい。また、第1及び第2のヘッド部200、210のどちらかを透磁率が高い材料から形成し、もう一方を透磁率が低い材料から形成してもよい。また、第2のヘッド部210は、その一部を他の部分の材料とは異なる材料から形成してもよい。例えば、後端部を透磁率が低い材料から形成し、他の部分を透磁率が高い材料から形成してもよい。また、第1のヘッド部200は、その一部としてワイヤ形状やブレード形状などの突起部を有していてもよい。
接続部220は、本実施の形態では、第1のヘッド部200と一体的に形成されているが、別個に形成し、それを第1のヘッド部200に取り付けてもよい。なお、接続部220は、1つでも3つ以上でもよい。
極細管30は、その先端が第1及び第2のヘッド部200、210の間に位置するように設けられる。なお、極細管30の先端はヘッド部200、210間以外に位置させてもよい。
(注入・吸引装置の製造方法)
次に、注入・吸引装置100の製造方法のについて説明する。
(1)微細ヘッドの第1のヘッド部及び接続部の作製
集束イオンビーム(FIB)を用いた微小立体構造物形成方法(例えば、特開2004−291140号公報参照)により微細ヘッド20の第1のヘッド部200を作製する。すなわち、ガスノズルから基板に第1のヘッド部200の材料を含む原料ガスを吹き付けておき、そこへFIBを照射することにより、基板上に原料ガスの分解生成物からなる微小立体構造物を堆積させる。堆積した微小立体構造物の側壁には枝状の突起物が形成されているため、この突起物をFIBを照射して除去する。次に、微小立体構造物から基板を除去して第1のヘッド部200を作製する。
次に、第1のヘッド部200の底面200dに上記微小立体構造物形成方法により一対の接続部220を形成する。これにより接続部220を有する第1のヘッド部200が作製される。
次に、第1のヘッド部200又は第2のヘッド部210に放射性物質から形成されたマークを塗布する(図18A参照)。なお、放射性物質を第1のヘッド部200又は第2のヘッド部210の材料に練り込んでもよい(図18C参照)。
(2)極細管の作製
極細管30をインクジェットプリンタのノズルの作製工程等と同様のフォトリソグラフィを用いた以下のような手順などにより作製する。
まず、蒸着等により薄い(例えば250nm厚)膜2000を形成し、この膜2000にフォトリソグラフィにより細く浅い(例えば、150nmの幅、150nmの深さ)溝2000aを形成する(図4A参照)。
次に、薄く(例えば、100nm厚さ)、かつ、膜2000よりも融点が低い材料で形成された膜2010を溝2000aに被せる(図4B参照)。このとき、蒸着装置で直に成膜すると、溝2000aの中も膜2010の材料の分子が入り込んでしまうため、他の基板上に蒸着装置を使って形成した膜2010(例えば、落ちる場所が少々ずれても溝を被いきれる、大きめな膜)を、真空度を高くした部屋の中で落下させる等の方法により配置してもよい。なお、膜2000の材料と膜2010の材料の格子定数は、膜2010を膜2000に被せた際に膜2000と膜2010が一体化するような値となるように材料を選ぶとよい。また、膜2000及び膜2010は、共に透磁率の低い材料から形成するのが好ましい。
次に、膜2010が融け、膜2000は融けない温度に加熱し、膜2010だけを融かす。その後、冷やして膜2010を固め、膜2000と一体化する。なお、加熱・冷却の代わりに、薬品を加えた化学反応によって、膜2010だけを融かしたり、膜2010を固めてもよい。なお、液体には表面張力があるため、押し込みでもしない限り、融けた膜2010が溝2000aの内部に流れ込むことはない。
次に、例えば、100nm幅の加工を行える集束イオンビーム加工機等の微細加工機により、溝2000aの両脇をそれぞれ100nm残して、膜2010の厚み方向に切断する(図4C参照)。このようにして内径150nm、外径350nmの極細管30を作製する。
なお、極細管30を体内に挿入する場合、極細管30は長くなくてはいけない(例えば、50cm)が、パターンの大部分が直線状なので、溝2000aを形成するためのフォトマスクの生産(パターンの描画など)や、膜2000及び膜2010の切断も短時間で行えるため、生産性は比較的高い。
(3)微細ヘッドの第2のヘッド部の作製及び極細管の連結
ここでは、フォトリソグラフィや集束イオンビーム加工などの微細加工により作製された図5に示す型(かた)70を用いる。型70は、複数に分割されたものであり、第1のヘッド部200を収容する第1の空間部700と、第2のヘッド部210が形成される第2の空間部61と、極細管30を収容する貫通穴720及び凹部730とを備える。また、型70の材料の格子定数は、第2の空間部61に注入する材料が型70に付着しないものにする。なお、型70は分割されていなくてもよい。例えば、第2のヘッド部210を構成する面のうち平らな面を型70の上面に対応させた、上面が開放された一つの型を用いてもよい。
図5に示すように、型70の第1の空間部700に第1のヘッド部200を収容し、貫通穴720及び凹部730に極細管30を収容する。
次に、型70の図示しない注入穴から第2の空間部701に液体材料を注入する。極細管30の先端は型70の凹部730に挿入されているので、液体材料によって極細管30の先端が詰まることもない。なお、凹部730を設ける代わりに、液体材料が固まった後に極細管30の先端を切断して詰まりを解消してもよい。
次に、第2の空間部61に注入した液体材料を固める。液体材料の固化は、冷却でもよいし、薬品を加えた化学反応でもよい。なお、固まった後の液体材料の格子定数は、極細管30及び接続部220に付着し、かつ、型70には付着しないものが好ましい。
最後に型70を分離して型70から注入・吸引装置100を取り出す。以上のようにして第2のヘッド部210が作製され、第2のヘッド部210に極細管30が連結した注入・吸引装置100が製造される。
なお、上記実施の形態では、第2のヘッド部210を型70を用いて作製したが、集束イオンビーム加工等の微細加工により作製してもよい。この場合、第2のヘッド部210には、極細管30を通すための穴を空けておき、走査型プローブ顕微鏡(SPM)のプローブなどで極細管30を摘まんで嵌め込むという方法で第2のヘッド部210を作製することができる。
また、ヘッド部200、210は分割されていなくてもよい。例えば、第2のヘッド部210に該当する部分が存在せず、第1のヘッド部200に該当する部分に接続部220に該当する部分がつながっただけの形状のヘッド部や円柱又は角柱が1本のみの形状のヘッド部のように、ヘッド部が一体的に形成されていてもよい。その場合、一体的に形成されたヘッド部は、その一部を他の部分の材料とは異なる材料から形成してもよい。例えば、先端部を透磁率が低い材料から形成し、他の部分を透磁率が高い材料から形成してもよい。また、一体的に形成されたヘッド部は、その一部としてワイヤ形状やブレード形状などの突起部を有していてもよい。
また、ヘッド部は3つ以上に分割されていてもよい。その場合、分割されたヘッド部のうちの一部を透磁率が高い材料から形成し、他を透磁率が低い材料から形成してもよい。また、それぞれの分割されたヘッド部は、その一部を他の部分の材料とは異なる材料から形成してもよい。例えば、先端側に位置する分割されたヘッド部において、先端部を透磁率が低い材料から形成し、他の部分を透磁率が高い材料から形成してもよい。また、それぞれの分割されたヘッド部は、その一部としてワイヤ形状やブレード形状などの突起部を有していてもよい。
また、ヘッド部が分割されている・分割されていないに関わらず、接着剤を用いて、ヘッド部を極細管30に接着してもよい。この場合、極細管30の先端が微細・鋭利であれば、ヘッド部の幅は、極細管30の外径よりも小さくてもよい。
(注入・吸引システムの動作)
次に、注入・吸引システム10の動作例を、(1)抗がん治療の場合と、(2)脳腫瘍治療の場合に分けて説明する。
(1)抗がん治療
まず、患者をX線CT装置、MRI(磁気共鳴画像)装置、PET(陽電子放射断層撮影)装置等を用いて撮影し、患部の三次元画像を取得する。なお、治療が終わるまでの間、通常のがん放射線治療時と同様に、体を動かないように金具などを用いてしっかりと固定しておくとよい。
次に、医師は、得られた患者の三次元画像を見て患部、すなわち、対象部位に対して立体的なマーキングを行う。マーキングは、コンピュータにより自動的に行ってもよい。現在の画像処理技術水準では、高精度な自動検出はできないが、医師の手によるマーキングはせいぜいミリメートル単位の精度であり、それに準ずる精度があればよいので、コンピュータによる自動検出でも十分である。立体的なマーキングは、例えば、ある方向から見た画像に対してマーキングを行い、それに直交する方向から見た画像に対してマーキングを行い、両者のマーキング位置を三次元座標上に合成してもよい。
次に、医師は、移動装置40の操作部450を操作して、注入・吸引装置100の微細ヘッド20の移動すべき三次元位置、例えば上記マーキングの範囲の中心付近の位置を指示する。制御部440は、操作部450により指示された三次元位置に基づき、電磁石400と第1乃至3の回転駆動部420A〜420Cを制御して微細ヘッド20に働く磁力の大きさ及び向きとを制御し、微細ヘッド20を体内に挿入し、微細ヘッド20を指示された三次元位置である対象部位の方向に移動させる。なお、医師による操作は、コンピュータが自動的に行ってもよい。
X線CCDセンサ500の画面内にある値以上の放射線を出す画素が見つかるまで、X線CCDセンサ500の移動とスキャンを繰り返す。見つかったら、それ以後も、その画素の移動を追跡するようにX線CCDセンサ500を移動させてスキャンを繰り返す。ある値以上の放射線を出す画素は、通常はCCD中の全画素中1画素しかなく、それを検索する処理を行うだけなので、CTなどの画像形成計算と異なり、非常に計算量が少ないため、リアルタイムスキャンが可能である。X線CCDセンサ500の移動とスキャンは、コンピュータが自動的に行ってもよい。
次に、医師は、位置検出装置50により微細ヘッド20の位置を確認する。微細ヘッド20が目的の位置に到達したことを確認すると、ポンプにより抗がん剤を極細管30を介して対象部位に注入する。図6Aに示すように、複数のがん細胞1000は、がん細胞クラスター(細胞が連なってできた塊)1100を構成しており、図6Bに示すように、一つのがん細胞クラスター1100の中心に抗がん剤1200を注入することで、がん細胞クラスター1100内のがん細胞1000は、不活性化する。なお、微細ヘッド20が目的の位置に到達したことの確認は、コンピュータが自動的に行ってもよい。
抗がん剤の注入が終了すると、体外に出ている極細管30の部分を摘まんで真っ直ぐ引っ張ることで、微細ヘッド20を体内から引き抜く。微細ヘッド20を引き抜くとき、手前に引き抜く代わりに、極細管30の根元を切り離し、微細ヘッド20に磁界を付与して奥へ引っ張り出してもよい。
このとき、次の治療対象のがん細胞1000の位置がその直前の治療部位に近い場合は、極細管30を全て引き抜かずに体外側へ少し引っ張るだけにして、そこから次の治療対象のがん細胞1000の位置に移動させてもよい。
複数箇所のマーキング範囲が存在する場合、残りのマーキング範囲全てに対して上記動作を繰り返す。
なお、上記動作により一旦がん細胞1000を不活性化した後、対象のがん細胞の分裂の早さなどに応じて長さが決まる所定の時間(例えば、数週間〜数ヶ月)を置いてから、再び上記動作をがん細胞1000が完全に消滅するまで繰り返してもよい。がん細胞が小さく、患者を撮影して得られた画像からはがん細胞を確認できない場合でも、がん細胞が確認できる大きさに成長し、かつ、できるだけ再び末期化する、すなわち、太い血管を侵食する前に不活性化することを繰り返せば、比較的大きながん細胞しか検出できない現状においても、患者の体内に存在する全てのがん細胞を除去することができる。なお、繰り返す回数は、対象のがん細胞の分裂速度や全身への拡散のしやすさなどの状態によって異なる。
また、がん細胞の分裂速度は、早いものでも1ヶ月に2倍の大きさになる程度、すなわちがん細胞の分裂は、1ヶ月に1回程度である。また、前述の通り、本実施の形態は、がん細胞を細胞単位ではなく細胞クラスター単位で不活性化処理ができるため、本実施の形態によるがん細胞の不活性化処理ペースががん細胞の分裂ペースに追いつかないということは少ないと考えられる。なお、追いつかない場合でも、がんの進行を遅らせる効果はある。
また、抗がん剤1200を注入する時、微細ヘッド20を操作部450により指示された三次元位置付近に存在する細胞の外部、すなわち、細胞膜の外側に移動させてもよい。微細ヘッド20、すなわち極細管30の先端が細胞膜に入り込んでいるか否かは、例えば、細胞膜の内外で注入や吸引に必要な圧力に差がある(細胞質基質と間質液との粘性の違いなどによる)ことを利用して、極細管30を通じて抗がん剤を注入するためのポンプに圧力計を取り付けて極細管30の内部に加わる圧力の大きさを調べ、その圧力の大きさが細胞膜の内部のものか外部のものかを判別して、極細管30の先端が細胞の細胞膜に入り込んでいるかいないかを判断してもよい。また、その場合、もし極細管30の先端が細胞膜に入り込んでいれば、少しずつ、例えば、極細管30の先端が位置する辺りの細胞の平均的な全長の数分の1〜2分の1程度の長さずつ極細管30の先端を前進又は後退させながら圧力を計り直してもよい。極細管30の先端が細胞の細胞膜の外側に位置していれば、注入した抗がん剤が拡散しやすくなる。
また、図7Aに示すように、互いに近い位置に存在する複数のがん細胞クラスター1100をまとめて1つのクラスター1300として不活性処理してもよい。この場合、まとめた1つのクラスター1300の中心に抗がん剤1200を注入し、そこから抗がん剤1200を撒く。複数のがん細胞クラスター1100をまとめて不活性処理することで、患者への負担が少なく、大幅に処理を高速化できる。
また、上記がん治療では、薬剤として抗がん剤を用いたが、抗がん剤以外の薬剤を用いてもよい。また、薬剤は対象部位に応じたものを用いるのが好ましい。例えば対象部位のがん細胞が骨肉種である場合、抗がん剤の代わりに骨肉種を溶かすことができる塩酸等の薬剤を用いてもよい。この場合、骨肉種に至る経路上に存在する骨を、本装置100を用いて溶かしながら微細ヘッド20を進行させてもよい。また、治療対象が骨肉種と骨肉腫以外のがん細胞の両方を含む場合、骨肉種用と骨肉腫以外のがん細胞用として微細ヘッド20と極細管30とポンプの組を2台分用意して使い分けてもよい。また、対象部位のがん細胞内の遺伝子の働きを変化させる薬剤を用いてもよい。
(2)脳腫瘍治療
この場合は、上記のがん治療と同様の方法で行ってもよいし、以下の手順で行ってもよい。
まず、患者をX線CT装置、MRI(磁気共鳴画像)装置、PET(陽電子放射断層撮影)装置等を用いて撮影し、患部の脳腫瘍を識別できる三次元画像を取得する。
次に、医師は、得られた患者の三次元画像を見て除去すべき範囲を含む範囲に対して立体的なマーキングを行う。このとき、太い血管の血管壁に大きな穴が空かないように考慮してマーキングを行うとよい。なお、自動的に正確にCT画像・MRI画像・PET画像等から萎ませるべき範囲を算出することは難しいため、医師が目で見て判断してもよい。
次に、前述したように移動装置40を用いて微細ヘッド20をマーキング範囲に存在する細胞の内部、すなわち、細胞膜の内側に移動させる。微細ヘッド20、すなわち極細管30の先端が細胞膜に入り込んでいるか否かは、例えば、細胞膜の内外で注入や吸引に必要な圧力に差がある(細胞質基質と間質液との粘性の違いなどによる)ことを利用して、極細管30を通じて抗がん剤を注入するためのポンプに圧力計を取り付けて極細管30の内部に加わる圧力の大きさを調べ、その圧力の大きさが細胞膜の内部のものか外部のものかを判別して、極細管30の先端が細胞の細胞膜に入り込んでいるかいないかを判断してもよい。また、その場合、もし極細管30の先端が細胞膜に入り込んでいなければ、少しずつ、例えば、極細管30の先端が位置する辺りの細胞の平均的な全長の数分の1〜2分の1程度の長さずつ極細管30の先端を前進又は後退させながら圧力を計り直してもよい。
次に、極細管30を通してポンプにより細胞質基質を吸い出す。
次に、体外に出ている極細管30の部分を摘まんで真っ直ぐ引っ張ることで、微細ヘッド20を体内から引き抜く。
次に、マーキング範囲内の他の細胞も処理できるように、手探りで細胞を探すように少しずつ極細管30の先端を移動させながら細胞を萎めていく。
このとき、次の治療対象の細胞の位置がその直前の治療部位に近い場合は、極細管30を全て引き抜かずに体外側へ少し引っ張るだけにして、そこから次の治療対象の細胞の内部に移動させてもよい。
十分に縮ませるべき範囲が萎んだと判断したら、治療完了とする。
なお、脳腫瘍を治療する場合、頭蓋骨の離れた複数の箇所にドリル等によって穴を開けておき、それらの穴のうち、頭蓋骨に引っ掛からずに極細管30の先端を目的位置へ進められるものから極細管30を挿入してもよい。
(本実施の形態の効果)
本実施の形態によれば、以下の効果を奏する。
(ア)カテーテルは、径を細くするほど侵襲性を下げることができる。しかし、ガイドワイヤーは、径が非常に細いと(例えば、1μm径など)、硬い材料から形成しても柔らかくなってしまい、人の手により体内に押し込むことができるだけのトルク伝達性を得ることは難しい。また、管であれば中空であるため尚更であり、径が非常に細いカテーテル自体に十分なトルク伝達性を持たせることも難しい。このため、従来、径が非常に細いカテーテルを作ることは難しかった。しかし、本実施の形態は、磁性材料から形成された微細ヘッド20を、非磁性体から形成された極細管30の先端に取り付け、磁力によって微細ヘッド20を移動させることにより、径が非常に細い管を体内に挿入することができるため、径が非常に細い(例えば、1μm径など)カテーテルと同様の注入・吸引を行うことができる。
(イ)微細ヘッド20は、前後2分割された構造を有し、その隙間に極細管30の先端が位置する場合、極細管30の先端の開口が細胞膜の欠片等で詰まることも少ない。
(ウ)本実施の形態は、微細ヘッド20が何回体内を行き来してもあまり器官を破壊しないため、この抜き差しを繰り返して、複数箇所への移動を行うこともでき、短時間に多数の細胞又は細胞クラスターの不活性化を行うことができる。
(エ)極細管30による注入又は吸引に電動機や圧電素子によるポンプを用いることにより、極少量の吸い込みや吐き出しを行うことができるので、ある1つの細胞だけにピンポイントで高濃度の抗がん剤などを注入したり、ある1つの細胞だけの細胞質基質をピンポイントで吸い出し萎ませることができる。
(オ)一般に、CTやMRIなどにおける画像形成計算の計算量は膨大だが、本実施の形態の位置検出処理においては、ある画像を構成する画素の中から、通常は1箇所程度しか存在しない基準値以上の輝度を持つ画素、すなわち、放射線などを放出するヘッドが存在する位置を検索したり、アーム先端の三次元位置にX線CCDセンサ500で計測した微細ヘッド20の二次元位置を加算するだけなので、計算量が非常に少なく、高フレームレート・高速応答で、すなわち、リアルタイムに位置検出を行うことができる。
(カ)微細ヘッドの形状が円錐形や角錐形だと、微細ヘッドを体内から引き抜くときに円錐形又は角錐形の底面が体に引っ掛かる可能性があるが、微細ヘッド20の全体的な形状をラグビーボール形状とすれば、微細ヘッド20を体内からスムーズに引き抜くことができる。
(キ)放射性物質は放射状に放射線を発するので、X線CCDセンサ500において微細ヘッド20が元の大きさよりも大きく映るため、微細ヘッド20が非常に微細であっても識別しやすい。
なお、上記実施の形態で行ったがん治療や脳腫瘍治療は、人間だけではなくペットなどの動物にも使用することができる。
[第2の実施の形態]
図8は、本発明の第2の実施の形態に係る注入・吸引装置の要部斜視図である。第1の実施の形態では、注入・吸引装置100の微細ヘッド20を第1及び第2のヘッド部200、210と接続部220で構成したが、本実施の形態は、微細ヘッド20を第1のヘッド部200と接続部220で構成したものである。
第2の実施の形態に係る微細ヘッド20は、第1のヘッド部200及び一対の接続部220を例えば集束イオンビーム(FIB)を用いて形成してもよい。ただし、一対の接続部220の間隔は、極細管30と接触する距離でもよい。なお、第1のヘッド部200と一対の接続部220とを別々に作製した後、第1のヘッド部200と一対の接続部220とを接合してもよい。また、接続部220は、1つでも3つ以上でもよい。
微細ヘッド20と極細管30との接合は、例えば一対の接続部220と極細管30の先端部とを接着剤により接着して行う。
細胞の大きさ(1〜100μm)を考えると、微細ヘッド20を体内に挿入した際に細胞をできるだけ破壊しないため、微細ヘッド20の最大幅は100μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましい。本実施の形態では、最大幅を1μmとする。また、微細ヘッド20は、磁性材料、例えばパーマロイ、ケイ素鋼等の透磁率が高い材料から形成されている。
第1のヘッド部200は、例えば略三角錐などの先端に向かって細くなる形状を有し、側面200a、200b、200cと、底面200dを備える。また、第1のヘッド部200は、生体組織を切開可能に、例えば先端が鋭角に形成されている。なお、微細ヘッド20の全体形状としては、微細・鋭利であれば、角柱型や円柱型などでもよい。また、第1のヘッド部200は、その一部を他の部分の材料とは異なる材料から形成してもよい。例えば、先端部を透磁率が低い材料から形成し、他の部分を透磁率が高い材料から形成してもよい。また、第1のヘッド部200は、その一部としてワイヤ形状やブレード形状などの突起部を有していてもよい。
微細ヘッド20の外径は、極細管30の外径よりも大きくする。なお、微細ヘッド20の外径は、極細管30の外径よりも小さくてもよい。
上記の部分以外の部分に係る特徴は、第1の実施の形態に係る注入・吸引装置と同様である。
この第2の実施の形態に係る微細ヘッド20は、本明細書記載の第4〜10の実施の形態においても、微細ヘッド20として使用することができる。
この第2の実施の形態に係る微細ヘッド20によれば、部品点数を減らすことができる。
[第3の実施の形態]
図9は、本発明の第3の実施の形態に係る注入・吸引装置を示し、図9Aは要部斜視図、図9Bは正面図である。第1の実施の形態では、注入・吸引装置100の微細ヘッド20の先端を生体組織を切開可能な形状としたが、本実施の形態は、極細管2の先端を生体組織を切開可能な形状としたものである。
第3の実施の形態の微細ヘッド20は、例えば集束イオンビーム(FIB)を用いて透磁率が高い材料から形成された円柱状のヘッド部230で構成されている。ヘッド部230は、先端及び後端を生体組織を切開可能な形状、例えば、30°程度の傾斜角θを有する傾斜面230a、230bを備えていてもよい。なお、微細ヘッド20の全体形状としては、微細・鋭利であれば、角柱型などでもよい。
第3の実施の形態の極細管30は、先端を生体組織を切開可能な形状、例えば、30°程度の傾斜角θを有する傾斜面30aを備える。
微細ヘッド20と極細管30との接合は、例えばヘッド部230の周面と極細管30の周面とを接着剤により接着して行う。なお、本実施の形態では、ヘッド部230の先端を極細管30の先端よりも後端側にずらして接着したが、極細管30の先端をヘッド部230の先端よりも後端側にずらして接着してもよい。
細胞の大きさ(1〜100μm)を考えると、微細ヘッド20を体内に挿入した際に細胞をできるだけ破壊しないため、微細ヘッド20の最大幅は100μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましい。本実施の形態では、最大幅を1μmとする。また、微細ヘッド20は、磁性材料、例えばパーマロイ、ケイ素鋼等の透磁率が高い材料から形成されている。
ヘッド部230は、その一部を他の部分の材料とは異なる材料から形成してもよい。例えば、先端部と後端部を透磁率が低い材料から形成し、他の部分を透磁率が高い材料から形成してもよい。また、ヘッド部230は、その一部としてワイヤ形状やブレード形状などの突起部を有していてもよい。
極細管30は、例えばインクジェットプリンタのノズルの作製工程等と同様のフォトリソグラフィとを用いて透磁率が低い材料から形成し、集束イオンビーム加工機等の微細加工機により極細管30の先端を斜めに切断して作製する。
極細管30は、先端が開口した状態で微細ヘッド20に取り付けられ、先端の開口部を介して抗がん剤等の液体を注入し、細胞質基質等の液体を吸引する。極細管30は、例えば、外径が100nm〜1μm、長さが5cm〜10mを有する。極細管30は、非磁性体、例えば、アルミニウム、銀、金、石英ガラス等の透磁率が低い材料から形成される。ただし、金は通常は後述する膜2000の材料には適さない。本実施の形態では、内径150nm、外径350nm、長さ50cmなど、ほとんどの人間の胴体の径の半分以上の長さのサイズを有する極細管30を用いる。
極細管30には、例えば電動機や圧電素子を用いて形成されたポンプが接続される。なお、注入・吸引装置100は、ポンプを接続しない、微細ヘッド20及び極細管30のみでもよい。この場合、点滴の要領で薬剤の自重により薬剤を注入したり、圧力が上がった膀胱に挿入して尿を吸引することなどが可能な注入・吸引装置となる。
上記の部分以外の部分に係る特徴は、第1の実施の形態に係る注入・吸引装置と同様である。
この第3の実施の形態に係る微細ヘッド20及び極細管30は、本明細書記載の第4〜10の実施の形態においても、微細ヘッド20及び極細管30として使用することができる。
この第3の実施の形態に係る微細ヘッド20及び極細管30によれば、構成の簡素化を図ることができる。
[第4の実施の形態]
図10は、本発明の第4の実施の形態に係る注入・吸引システムの概略の構成例を示す斜視図である。第1の実施の形態では、移動装置40を、電磁石400と、第1及び第2のアーム410A、410Bと、第1及び第2の回転駆動部420A、420Bと、第3の回転駆動部420Cと、ベース430と、制御部440と、操作部450によって構成したが、本実施の形態は、移動装置を、それぞれ定位置に設けられた複数の電磁石460〜467と、制御部468と、操作部469で構成したものである。
移動装置40は、電磁石460〜467と、移動装置40の各部を制御可能な制御部468と、制御部468に微細ヘッド20の移動すべき三次元位置を指示可能な操作部469とを備える。なお、制御部468と、操作部469は、電磁石が付与する磁界によって微細ヘッドに働く磁力の大きさ及び向きとを制御可能な移動装置の移動制御部の一例である。
電磁石460〜467は、それぞれ通電される電流の大きさに応じた強さの磁界を発生させる。電磁石400は、超伝導電磁石でもよい。
電磁石460〜467は、例えば人体Pを取り囲む仮想の正六面体Qのそれぞれの頂点に位置するように設けられる。また、電磁石460〜467は、例えば、それぞれ、自身が発生させる磁界が仮想の正六面体Qの重心の位置に向くような向きで設けられる。その場合、微細ヘッド20は、仮想の正六面体Qの内部のほぼ任意の位置に移動することができる。
微細ヘッド20に働く磁力の合力の大きさ及び向きとは、通常は、電磁石460〜467それぞれが微細ヘッド20に付与する磁界によって微細ヘッド20に働く磁力を合力としたものの大きさ及び向きとなる。例えば、微細ヘッド20の現在位置と電磁石460との距離と、微細ヘッド20の現在位置と電磁石461との距離が等しく、かつ、電磁石460の方向及び電磁石461の方向とが、それぞれ発生させる磁界が微細ヘッド20の現在位置に向くような方向であり、かつ、電磁石460の発生させる磁界の向きと電磁石461の発生させる磁界の向きとが成す角が120度である場合、8個の電磁石のうち電磁石460及び電磁石461のみがそれぞれ同じ強さの磁界を発生させると、微細ヘッド20は、微細ヘッド20の現在位置から見て電磁石460と電磁石461とを結ぶ線の中点を通る方向へ移動する。また、このとき微細ヘッド20に働く磁力の合力の大きさは、電磁石460又は電磁石461のどちらか一方のみが発生させる磁界によって微細ヘッド20に働く磁力の大きさと同じとなる。
電磁石を設ける位置は、人体Pを取り囲む仮想の正四面体などのそれぞれの頂点に位置でもよい。その場合、電磁石は、例えば、それぞれ、自身が発生させる磁界が仮想の正四面体などの重心の位置に向くような向きで設けてもよい。この例の場合、微細ヘッド20は、仮想の正四面体などの内部のほぼ任意の位置に移動することができる。
操作部450は、例えばレバー操作やコンピュータにより微細ヘッド20の移動すべき三次元位置を指示できるように構成されている。
制御部440は、操作部450により指示された三次元位置に基づき、電磁石460〜467それぞれに通電される電流の大きさを制御して電磁石460〜467それぞれが発生させる磁界の強さを細かく調整し、微細ヘッド20に働く磁力の合力の大きさ及び向きとを制御して、微細ヘッド20を指示された三次元位置、すなわち目的位置の方向に移動させる。
例えば、極細管30の移動経路の曲がりを抑制するように、すなわち、極細管30が目的位置に対してほぼ真っ直ぐに挿し込まれるように、電磁石460〜467それぞれが微細ヘッド20に付与する磁界の強さや位置や向きを調節する、すなわち、微細ヘッド20に働く磁力の合力の大きさ及び向きを調節する微細ヘッド20の進行方向制御を行うことで、極細管30が絡むことがなく、また、微細ヘッド20と極細管30を体内に挿し込むときや抜くときに、体内組織をあまり傷付けることがない。すなわち極細管30に結び目ができて、それが移動する際に体内組織を傷付けたり、極細管30が非常に微細であって管自体が糸状の刃物のように鋭利の場合に、軌道が曲がっているのに一方向へ引っ張った時に曲がりの内周側に力が加わって体内組織が切断されてしまうなどの問題が起こりにくい。また、この場合、微細ヘッド20の目的位置までの移動距離が短くなって素早く微細ヘッド20を目的位置に到達させやすくなるという利点も得られる。なお、極細管30の移動経路に屈折や曲がり等が存在していても、極細管30が前述の理由により体内組織をあまり傷つけない程度であれば、その状態も極細管30が目的位置に対してほぼ真っ直ぐに挿し込まれている状態に含む。
制御部440による微細ヘッド20の位置制御は、例えば、微細ヘッド20を単に目的位置の方向へ引っ張るというような制御でもよいし、右に行き過ぎていたら左に戻す、左に行き過ぎていたら右に戻す、上に行き過ぎていたら下に戻す、下に行き過ぎていたら上に戻すというような制御でもよい(図17参照)。特に、右に行き過ぎていたら左に戻す、左に行き過ぎていたら右に戻す、上に行き過ぎていたら下に戻す、下に行き過ぎていたら上に戻すというような制御の場合、ずれが生じても自ずと補正することができ、構造が複雑な人間・動物の体内においても正確に微細ヘッド20を目的位置に到達させやすくなる。
また、微細ヘッド20と極細管30は、使用前は水を入れた容器に入れておき、使用時にその容器ごと患者の体に密着させて、極細管30の先端をそこから移動装置40を用いて移動させてもよい。
上記の部分以外の部分に係る特徴は、第1の実施の形態に係る注入・吸引システムと同様である。
移動装置40、位置検出装置50は、本発明の位置制御システムの一例である。
この第4の実施の形態に係る移動装置40は、本明細書記載の第2、第3、第5〜10の実施の形態の実施の形態においても、移動装置40として使用することができる。
この第4の実施の形態に係る移動装置40によれば、アームがなくなることにより可動部分が減り、多くの場合にメンテナンスが容易になる。
[第5の実施の形態]
図11は、本発明の第5の実施の形態に係る注入・吸引システムの概略の構成例を示す斜視図である。第1の実施の形態では、位置検出装置50の撮影部が有する透視撮影用センサを、X線CCDセンサ500で構成したが、本実施の形態は、位置検出装置50の撮影部が有する透視撮影用センサをMRIセンサ570で構成したものである。
位置検出装置50は、微細ヘッド20に塗布されたMRI造影剤からなるマークを撮影可能なMRIセンサ570と、MRIセンサ570を撮影面の方向と垂直な方向に直線移動させることが可能なスライド駆動部571と、MRIセンサ駆動部571を支持するベース572と、スライド駆動部571を駆動制御するとともに、微細ヘッド20の位置を検出することが可能な制御部573と、MRIセンサ570の三次元位置を指示可能な操作部574と、検出された微細ヘッド20の位置を表示可能な表示部575とを備える。なお、MRI造影剤からなるマークを形成する位置は、極細管30の先端側の位置でもよい。表示部575は、微細ヘッド20が目的の位置に到達したことの確認をコンピュータが自動的に行う場合は省いてもよい。MRIセンサ570は、位置検出装置の撮影部が有する透視撮影用センサの一例である。
MRIセンサ570を撮影対象の面と垂直な方向へ少しずつ移動させながら核磁気共鳴画像法による撮影を繰り返し、すわなちMRIセンサ570によりそれぞれの撮影対象の面が互いに水平な複数枚の画像データを撮影し、その画像データにおいて画像認識処理によってマークに該当する部分を探すことにより、微細ヘッド20の三次元位置を知ることができる。
マークの材料は、体内に存在しない原子を有した材料であれば、MRIセンサ570に映るのがマークだけとなり、マークの位置検出がしやすくなる。
体に作用させる静磁場と勾配磁場の強度は、微細ヘッド20がほぼ動かない程度の強度にするとよい。一般に、体に作用させる静磁場と勾配磁場の強度を下げるほどMRIセンサの解像度が下がるが、例えばマークの材料が体内に存在しない原子を有した材料であれば、マークだけがMRIセンサに映るため、弱い磁場でもマークの位置を検出しやすくなる。
MRIセンサ570による位置検出の妨げになるため、MRIセンサ570による撮影中は、移動装置40が有する電磁石400から磁界を生じさせないことが好ましい。
スライド駆動部571は、MRIセンサ570に接続され、MRIセンサ570を撮影対象の面と垂直な方向へ移動させる。
操作部574は、例えばレバー操作やコンピュータによりMRIセンサ570の移動すべき位置を指示できるように構成されている。
位置検出装置50は、MRIセンサ570とスライド駆動部571との間に位置センサを設けることにより、MRIセンサ570の撮影対象の面の基準位置(例えばMRIセンサ570との境界上に存在する所定の位置)の三次元位置を精密に(例えば、μm単位で)計測できるように構成されている。その位置センサは、位置検出装置の撮影部が有する透視撮影用センサの三次元位置を計測可能な透視撮影用センサ位置検出部の一例である。
制御部573は、位置検出部の一例である。制御部573は、パターン認識によって画像を認識する画像認識処理を行うことが可能な画像認識処理部を備える。制御部573は、例えば
1.MRIセンサ570によって、それぞれの撮影対象の面が互いに水平な複数の画像データを用意する。
2.画像データにおいてマークに該当する部分を画像認識処理部によって探し、画像データの撮影範囲におけるマークの二次元位置を求める。
3.画像データの撮影範囲におけるマークの二次元位置に、MRIセンサ570の撮影対象の面の基準位置の三次元位置を加えて、微細ヘッド20の位置とする。
という手順で微細ヘッド20の位置を検出する(図20参照)。なお、2において、撮影対象の面が隣り合う複数の画像データにおいてマークが見つかった場合、撮影対象の面が中央となる画像データにおいてマークが見つかったと扱ってもよい。
また、制御部573は、操作部574により指示された三次元位置に基づき、MRIセンサ駆動部571を制御して、MRIセンサ570を指示された位置に移動させる。
なお、マークの材料は、MRI造影剤以外の原子核スピンが0以外の材料でもよい。
また、マークは微細ヘッド20又は極細管30の先端側の位置に存在していればよく、微細ヘッド20及び極細管30とは別に形成しなくてもよい。つまり、微細ヘッド20の材料をMRIセンサ570によって透過撮影可能な物質として、微細ヘッド20自体をマークとしてもよい。例えば、MRI造影剤を微細ヘッド20の材料に練り込んでもよい。また、極細管30の材料をMRIセンサ570によって透過撮影可能な物質として、MRIセンサ570において極細管30の先端側を含む全体の像又は広い範囲の像が撮影された画像データに映るようにして、画像認識処理において、その極細管30の像のうち先端側に該当する部分をマークの像として扱ってもよい。例えば、極細管30の材料にMRI造影剤を練り込んで極細管30を作ってもよい。
また、特に極細管30の材料をMRIセンサ570によって透過撮影可能な物質として、MRIセンサ570において極細管30の先端側を含む全体の像又は広い範囲の像が撮影された画像データに映るようにして、画像認識処理において、その極細管30の像のうち先端側に該当する部分をマークの像として扱う場合、制御部573が微細ヘッド20の位置を検出する手順は、
1.MRIセンサ570によって、それぞれの撮影対象の面が互いに水平な複数の画像データを用意する。
2.画像データにおいて極細管30に該当する部分を画像認識処理部によって探し、見つかった極細管30に該当する部分のうち、極細管30の根元側ではない方の最も体外側を撮影した画像データにおいて見つかったものをマークに該当する部分と扱って、画像データの撮影範囲におけるマークの二次元位置を求める。
3.画像データの撮影範囲におけるマークの二次元位置に、MRIセンサ570の撮影対象の面の基準位置の三次元位置を加えて、微細ヘッド20の位置とする。
としてもよい。例えばそれぞれの撮影位置に極細管30の根元側又はその逆側から連番で番号を振っておくと、極細管30の根元側ではない方の最も体外側を撮影した画像データがどれであるかの判断を、その番号を比較するだけで容易に行える。通常、この手順は、極細管30が目的位置に対してほぼ真っ直ぐに挿し込まれるように移動装置40が微細ヘッド20を移動させる場合に用いられる。なお、極細管30の向きがMRIセンサ570の撮影対象の面と水平である場合は、通常はこの手順をそのまま使うことはできないが、2において、極細管30が映る画像データにおいて極細管30の像のうち先端側に該当する部分を画像認識処理部によって探す、すなわち、1で用意した画像データにおいてマークに該当する部分を画像認識処理部によって探すことにより、画像データの撮影範囲におけるマークの二次元位置を求めればよい。
また、特に極細管30の材料をMRIセンサ570によって透過撮影可能な物質として、MRIセンサ570において極細管30の先端側を含む全体の像又は広い範囲の像が撮影された画像データに映るようにして、画像認識処理において、その極細管30の像のうち先端側に該当する部分をマークの像として扱う場合、位置検出装置50に、それぞれの撮影対象の面が互いに水平な複数の断面画像データから間を補完して三次元画像データを作製する断面画像三次元化処理部を設け、画像認識処理部を、三次元的に画像認識処理を行うことが可能な画像認識処理部にして、制御部573が微細ヘッド20の位置を検出する手順を、
1.断面画像三次元化処理部によって、MRIセンサ570により撮影されたそれぞれの撮影対象の面が互いに水平な複数の画像データから作製された三次元画像データを用意する。
2.三次元画像データに映った極細管30の像のうち極細管30の先端側に該当する部分をマークの像として扱って、三次元画像データにおいて前記マークに該当する部分を前記画像認識処理部によって探し、三次元画像データの撮影範囲におけるマークの三次元位置を求める。
3.三次元画像データの撮影範囲におけるマークの三次元位置に、MRIセンサ570の撮影対象の範囲の基準位置(MRIセンサ570が移動範囲における端に位置する時の、撮影対象の面の基準位置など)の三次元位置を加えて、微細ヘッド20の位置とする。
としてもよい。なお、三次元的な画像認識処理は、Interactive Closed Pointアルゴリズムなどを用いた処理でもよいし、直交する2方向における無限遠方視点からの写像を用意し、それぞれにおいて二次元画像認識を行い、結果を直交方向に合成する処理でもよい。
上記の部分以外の部分に係る特徴は、第1の実施の形態に係る注入・吸引システムと同様である。
移動装置40、位置検出装置50は、本発明の位置制御システムの一例である。
この第5の実施の形態に係る位置検出装置50は、本明細書記載の第2〜4の実施の形態においても、位置検出装置50として使用することができる。
この第5の実施の形態に係る位置検出装置50によれば、放射線が不要となって安全性が高まり、また、アームがなくなることにより可動部分が減って多くの場合にメンテナンスが容易になる。
[第6の実施の形態]
図12は、本発明の第5の実施の形態に係る注入・吸引システムの概略の構成例を示す斜視図である。第1の実施の形態では、位置検出装置50の撮影部が有する透視撮影用センサを、X線CCDセンサ500で構成したが、本実施の形態は、位置検出装置50の撮影部が有する透視撮影用センサをCTセンサ580で構成したものである。
位置検出装置50は、微細ヘッド20に塗布されたCT造影剤からなるマークを撮影可能なCTセンサ580と、CTセンサ580を撮影面の方向と垂直な方向に直線移動させることが可能なスライド駆動部581と、CTセンサ駆動部581を支持するベース582と、スライド駆動部581を駆動制御するとともに、微細ヘッド20の位置を検出することが可能な制御部583と、CTセンサ580の三次元位置を指示可能な操作部584と、検出された微細ヘッド20の位置を表示可能な表示部585とを備える。なお、CT造影剤からなるマークを形成する位置は、極細管30の先端側の位置でもよい。表示部585は、微細ヘッド20が目的の位置に到達したことの確認をコンピュータが自動的に行う場合は省いてもよい。CTセンサ580は、位置検出装置の撮影部が有する透視撮影用センサの一例である。
CTセンサ580を撮影対象の面と垂直な方向へ少しずつ移動させながらコンピュータ断層撮影による撮影を繰り返し、すわなちCTセンサ580によりそれぞれの撮影対象の面が互いに水平な複数枚の画像データを撮影し、その画像データにおいて画像認識処理によってマークに該当する部分を探すことにより、微細ヘッド20の三次元位置を知ることができる。
本実施の形態で用いるCTは、X線CT、ポジトロン断層法(PET)、単一光子放射断層撮影(SPECT)、超音波CTでもよい。
スライド駆動部581は、CTセンサ580に接続され、CTセンサ580を撮影対象の面と垂直な方向へ移動させる。
操作部584は、例えばレバー操作やコンピュータによりCTセンサ580の移動すべき位置を指示できるように構成されている。
位置検出装置50は、CTセンサ580とスライド駆動部581との間に位置センサを設けることにより、CTセンサ580の撮影対象の面の基準位置(例えばCTセンサ580との境界上に存在する所定の位置)の三次元位置を精密に(例えば、μm単位で)計測できるように構成されている。その位置センサは、位置検出装置の撮影部が有する透視撮影用センサの三次元位置を計測可能な透視撮影用センサ位置検出部の一例である。
制御部583は、位置検出部の一例である。制御部583は、パターン認識によって画像を認識する画像認識処理を行うことが可能な画像認識処理部を備える。制御部583は、例えば
1.CTセンサ580によって、それぞれの撮影対象の面が互いに水平な複数の画像データを用意する。
2.画像データにおいてマークに該当する部分を画像認識処理部によって探し、画像データの撮影範囲におけるマークの二次元位置を求める。
3.画像データの撮影範囲におけるマークの二次元位置に、CTセンサ580の撮影対象の面の基準位置の三次元位置を加えて、微細ヘッド20の位置とする。
という手順で微細ヘッド20の位置を検出する(図20参照)。なお、2において、撮影対象の面が隣り合う複数の画像データにおいてマークが見つかった場合、撮影対象の面が中央となる画像データにおいてマークが見つかったと扱ってもよい。
また、制御部583は、操作部584により指示された三次元位置に基づき、CTセンサ駆動部581を制御して、CTセンサ580を指示された位置に移動させる。
なお、マークの材料は、CT造影剤以外のCTセンサ580によって透過撮影可能な物質でもよい。
また、マークは微細ヘッド20又は極細管30の先端側の位置に存在していればよく、微細ヘッド20及び極細管30とは別に形成しなくてもよい。つまり、微細ヘッド20の材料をCTセンサ580によって透過撮影可能な物質として、微細ヘッド20自体をマークとしてもよい。例えば、CT造影剤を微細ヘッド20の材料に練り込んでもよい。また、極細管30の材料をCTセンサ580によって透過撮影可能な物質として、CTセンサ580において極細管30の先端側を含む全体の像又は広い範囲の像が撮影された画像データに映るようにして、画像認識処理において、その極細管30の像のうち先端側に該当する部分をマークの像として扱ってもよい。例えば、極細管30の材料にCT造影剤を練り込んで極細管30を作ってもよい。
また、特に極細管30の材料をCTセンサ580によって透過撮影可能な物質として、CTセンサ580において極細管30の先端側を含む全体の像又は広い範囲の像が撮影された画像データに映るようにして、画像認識処理において、その極細管30の像のうち先端側に該当する部分をマークの像として扱う場合、制御部583が微細ヘッド20の位置を検出する手順は、
1.CTセンサ580によって、それぞれの撮影対象の面が互いに水平な複数の画像データを用意する。
2.画像データにおいて極細管30に該当する部分を画像認識処理部によって探し、見つかった極細管30に該当する部分のうち、極細管30の根元側ではない方の最も体外側を撮影した画像データにおいて見つかったものをマークに該当する部分と扱って、画像データの撮影範囲におけるマークの二次元位置を求める。
3.画像データの撮影範囲におけるマークの二次元位置に、CTセンサ580の撮影対象の面の基準位置の三次元位置を加えて、微細ヘッド20の位置とする。
としてもよい。例えばそれぞれの撮影位置に極細管30の根元側又はその逆側から連番で番号を振っておくと、極細管30の根元側ではない方の最も体外側を撮影した画像データがどれであるかの判断を、その番号を比較するだけで容易に行える。通常、この手順は、極細管30が目的位置に対してほぼ真っ直ぐに挿し込まれるように移動装置40が微細ヘッド20を移動させる場合に用いられる。なお、極細管30の向きがCTセンサ580の撮影対象の面と水平である場合は、通常はこの手順をそのまま使うことはできないが、2において、極細管30が映る画像データにおいて極細管30の像のうち先端側に該当する部分を画像認識処理部によって探す、すなわち、1で用意した画像データにおいてマークに該当する部分を画像認識処理部によって探すことにより、画像データの撮影範囲におけるマークの二次元位置を求めればよい。
また、特に極細管30の材料をCTセンサ580によって透過撮影可能な物質として、CTセンサ580において極細管30の先端側を含む全体の像又は広い範囲の像が撮影された画像データに映るようにして、画像認識処理において、その極細管30の像のうち先端側に該当する部分をマークの像として扱う場合、位置検出装置50に、それぞれの撮影対象の面が互いに水平な複数の断面画像データから間を補完して三次元画像データを作製する断面画像三次元化処理部を設け、画像認識処理部を、三次元的に画像認識処理を行うことが可能な画像認識処理部にして、制御部583が微細ヘッド20の位置を検出する手順を、
1.断面画像三次元化処理部によって、CTセンサ580により撮影されたそれぞれの撮影対象の面が互いに水平な複数の画像データから作製された三次元画像データを用意する。
2.三次元画像データに映った極細管30の像のうち極細管30の先端側に該当する部分をマークの像として扱って、三次元画像データにおいて前記マークに該当する部分を前記画像認識処理部によって探し、三次元画像データの撮影範囲におけるマークの三次元位置を求める。
3.三次元画像データの撮影範囲におけるマークの三次元位置に、CTセンサ580の撮影対象の範囲の基準位置(CTセンサ580が移動範囲における端に位置する時の、撮影対象の面の基準位置など)の三次元位置を加えて、微細ヘッド20の位置とする。
としてもよい。なお、三次元的な画像認識処理は、Interactive Closed Pointアルゴリズムなどを用いた処理でもよいし、直交する2方向における無限遠方視点からの写像を用意し、それぞれにおいて二次元画像認識を行い、結果を直交方向に合成する処理でもよい。
上記の部分以外の部分に係る特徴は、第1の実施の形態に係る注入・吸引システムと同様である。
移動装置40、位置検出装置50は、本発明の位置制御システムの一例である。
この第6の実施の形態に係る位置検出装置50は、本明細書記載の第2〜4の実施の形態においても、位置検出装置50として使用することができる。
この第6の実施の形態に係る位置検出装置50によれば、通常は使用する磁場がごく弱いものに限定されてしまう第5の実施の形態よりは高い解像度を得やすくなり、また、アームがなくなることにより可動部分が減って多くの場合にメンテナンスが容易になる。
[第7の実施の形態]
図13は、本発明の第5の実施の形態に係る注入・吸引システムの概略の構成例を示す斜視図である。第1の実施の形態では、位置検出装置50の撮影部が有する透視撮影用センサを、X線CCDセンサ500で構成したが、本実施の形態は、位置検出装置50の撮影部が有する透視撮影用センサを超音波検査用探触子590で構成したものである。
位置検出装置50は、マークを兼ねる微細ヘッド20に対して扇状に超音波を発生させて反射した超音波を受信することができる超音波検査用探触子590と、超音波検査用探触子590を支持する第1のアーム591Aと、第1のアーム591Aを垂直方向に移動させることが可能な伸縮駆動部592と、伸縮駆動部592及びスライド駆動部593とを支持する第2のアーム591Bと、第2のアーム591Bを水平方向に移動させることが可能なスライド駆動部593と、スライド駆動部593を支持するベース594と、超音波検査用探触子590と第1のアーム591Aとの間の圧力を計測可能な圧電素子598と、伸縮駆動部592、スライド駆動部593を駆動制御するとともに、微細ヘッド20の位置を検出することが可能な制御部595と、超音波検査用探触子590の三次元位置を指示可能な操作部596と、検出された微細ヘッド20の位置を表示可能な表示部597とを備える。なお、表示部597は、微細ヘッド20が目的の位置に到達したことの確認をコンピュータが自動的に行う場合は省いてもよい。超音波検査用探触子590は、位置検出装置の撮影部が有する透視撮影用センサの一例である。
超音波検査用探触子590は、扇状に音波を発生し、体の断面画像を見ることができる。
超音波検査用探触子590を撮影対象の面と垂直な方向へ少しずつ移動させながら超音波検査による撮影を繰り返し、すわなち超音波検査用探触子590によりそれぞれの撮影対象の面が互いに水平な複数枚の画像データを撮影し、その画像データにおいて画像認識処理によってマークに該当する部分を探すことにより、微細ヘッド20の三次元位置を知ることができる。
マークは、撮影画像データにおいて体内組織及び極細管30と識別しやすいように映る、すなわち音響インピーダンスが十分に離れているなどの特徴を持った材料から形成することが好ましい。
スライド駆動部593は、アームを介して超音波検査用探触子590に接続され、超音波検査用探触子590を撮影対象の面と垂直な方向へ移動させる。
圧電素子598は、超音波検査用探触子590と第1のアーム591Aとの間に取り付けられる。
操作部596は、例えばレバー操作やコンピュータにより超音波検査用探触子590の移動すべき位置を指示できるように構成されている。
位置検出装置50は、第1のアーム591Aと伸縮駆動部592との間、第2のアーム591Bとスライド駆動部593との間にそれぞれ位置センサを設けることにより、超音波検査用探触子590の撮影対象の面の基準位置(例えば超音波検査用探触子590と接する位置)の三次元位置を精密に(例えば、μm単位で)計測できるように構成されている。その位置センサは、位置検出装置の撮影部が有する透視撮影用センサの三次元位置を計測可能な透視撮影用センサ位置検出部の一例である。
制御部595は、位置検出部の一例である。制御部595は、パターン認識によって画像を認識する画像認識処理を行うことが可能な画像認識処理部を備える。制御部595は、例えば
1.超音波検査用探触子590によって、それぞれの撮影対象の面が互いに水平な複数の画像データを用意する。
2.画像データにおいてマークに該当する部分を画像認識処理部によって探し、画像データの撮影範囲におけるマークの二次元位置を求める。
3.画像データの撮影範囲におけるマークの二次元位置に、超音波検査用探触子590の撮影対象の面の基準位置の三次元位置を加えて、微細ヘッド20の位置とする。
という手順で微細ヘッド20の位置を検出する(図20参照)。なお、2において、撮影対象の面が隣り合う複数の画像データにおいてマークが見つかった場合、撮影対象の面が中央となる画像データにおいてマークが見つかったと扱ってもよい。
また、制御部595は、操作部596により指示された三次元位置に基づき、伸縮駆動部592及びスライド駆動部593を制御して、超音波検査用探触子590を指示された位置に移動させる。超音波検査用探触子590の移動は、超音波検査用探触子590を体に押し付ける力の大きさが適切な大きさであるか(高すぎないか、低すぎないか)を確認しながら行うことが好ましい。例えば、
1.スライド駆動部593を調節して第2のアーム591を動かし、操作部596によって指示された位置の方向へ少し移動させる。
2.圧電素子598によって、超音波検査用探触子590と第1のアーム591との間の圧力を計測する。圧力が低すぎた場合、伸縮駆動部592を調節して、超音波検査用探触子590を体の方向へ少し移動させてから、2の最初に戻る。圧力が高すぎた場合、伸縮駆動部592を調節して、超音波検査用探触子590を体の方向とは逆の方向へ少し移動させてから、2の最初に戻る。圧力が適切な大きさだった場合、超音波検査用探触子590の位置が操作部596によって指示された位置に達しているかを確認し、達していれば移動完了とし、達していなければ1に戻る。
という手順で超音波検査用探触子590の移動を行うとよい。なお、最初だけ医師が手で、超音波検査用探触子590を、超音波検査用探触子590が適切に近い高さの圧力で体に接する位置に動かしてもよい。
なお、マークは微細ヘッド20又は極細管30の先端側の位置に存在していればよく、微細ヘッド20及び極細管30とは別に形成してもよい。例えば、微細ヘッド20に、用いる周波数の超音波を反射しやすい材料を塗布し、それをマークとしてもよい。また、極細管30の材料を超音波検査用探触子590によって透過撮影可能な物質として、超音波検査用探触子590において極細管30の先端側を含む全体の像又は広い範囲の像が撮影された画像データに映るようにして、画像認識処理において、その極細管30の像のうち先端側に該当する部分をマークの像として扱ってもよい。
また、特に極細管30の材料を超音波検査用探触子590によって透過撮影可能な物質として、超音波検査用探触子590において極細管30の先端側を含む全体の像又は広い範囲の像が撮影された画像データに映るようにして、画像認識処理において、その極細管30の像のうち先端側に該当する部分をマークの像として扱う場合、制御部595が微細ヘッド20の位置を検出する手順は、
1.超音波検査用探触子590によって、それぞれの撮影対象の面が互いに水平な複数の画像データを用意する。
2.画像データにおいて極細管30に該当する部分を画像認識処理部によって探し、見つかった極細管30に該当する部分のうち、極細管30の根元側ではない方の最も体外側を撮影した画像データにおいて見つかったものをマークに該当する部分と扱って、画像データの撮影範囲におけるマークの二次元位置を求める。
3.画像データの撮影範囲におけるマークの二次元位置に、超音波検査用探触子590の撮影対象の面の基準位置の三次元位置を加えて、微細ヘッド20の位置とする。
としてもよい。例えばそれぞれの撮影位置に極細管30の根元側又はその逆側から連番で番号を振っておくと、極細管30の根元側ではない方の最も体外側を撮影した画像データがどれであるかの判断を、その番号を比較するだけで容易に行える。通常、この手順は、極細管30が目的位置に対してほぼ真っ直ぐに挿し込まれるように移動装置40が微細ヘッド20を移動させる場合に用いられる。なお、極細管30の向きが超音波検査用探触子590の撮影対象の面と水平である場合は、通常はこの手順をそのまま使うことはできないが、2において、極細管30が映る画像データにおいて極細管30の像のうち先端側に該当する部分を画像認識処理部によって探す、すなわち、1で用意した画像データにおいてマークに該当する部分を画像認識処理部によって探すことにより、画像データの撮影範囲におけるマークの二次元位置を求めればよい。
また、特に極細管30の材料を超音波検査用探触子590によって透過撮影可能な物質として、超音波検査用探触子590において極細管30の先端側を含む全体の像又は広い範囲の像が撮影された画像データに映るようにして、画像認識処理において、その極細管30の像のうち先端側に該当する部分をマークの像として扱う場合、位置検出装置50に、それぞれの撮影対象の面が互いに水平な複数の断面画像データから間を補完して三次元画像データを作製する断面画像三次元化処理部を設け、画像認識処理部を、三次元的に画像認識処理を行うことが可能な画像認識処理部にして、制御部595が微細ヘッド20の位置を検出する手順を、
1.断面画像三次元化処理部によって、超音波検査用探触子590により撮影されたそれぞれの撮影対象の面が互いに水平な複数の画像データから作製された三次元画像データを用意する。
2.三次元画像データに映った極細管30の像のうち極細管30の先端側に該当する部分をマークの像として扱って、三次元画像データにおいて前記マークに該当する部分を前記画像認識処理部によって探し、三次元画像データの撮影範囲におけるマークの三次元位置を求める。
3.三次元画像データの撮影範囲におけるマークの三次元位置に、超音波検査用探触子590の撮影対象の範囲の基準位置(超音波検査用探触子590が移動範囲における端に位置する時の、撮影対象の面の基準位置など)の三次元位置を加えて、微細ヘッド20の位置とする。
としてもよい。なお、三次元的な画像認識処理は、Interactive Closed Pointアルゴリズムなどを用いた処理でもよいし、直交する2方向における無限遠方視点からの写像を用意し、それぞれにおいて二次元画像認識を行い、結果を直交方向に合成する処理でもよい。
医師の手などによってマーキングした範囲は、作業に当たる医者の手元の明るさにより異なるが、せいぜいミリメートル単位の精度の範囲である。また、多くの場合、その範囲の“概ね”中心辺りに微細ヘッド20を移動させるだけである。このため、巨大なのでコストを抑えるために精度が低いことが一般的であるデジタルX線撮影用の巨大X線CCDセンサを位置検出装置50として使用してもよい。デジタルX線撮影用の巨大X線CCDセンサを位置検出装置50として使用する場合、アームを用いずに、治療が終わるまでの間、X線CCDセンサを所定の位置に固定してもよい。アームがなくなることにより可動部分が減り、多くの場合にメンテナンスが容易になる。なお、微細ヘッド20を確実に細胞膜の内側又は外側へ移動させたい場合は、高精度の微細ヘッド20の移動を必要とするが、前述したようにポンプに圧力計を取り付けて圧力を測るなどの方法により極細管30の先端が細胞の細胞膜の内側にあるか・外側にあるかを判定できるため、位置検出の精度は低くてもよい。よって、この場合もデジタルX線撮影用の巨大X線CCDセンサを位置検出装置50として使用してもよい。
また、位置検出装置50は、圧電素子598と第1のアーム591Aとの間に回転駆動部を備えていてもよい。
また、X線CCDセンサの代わりにX線CMOSセンサを用いてもよい。
また、位置検出装置50は、ベース594をスライド駆動部593の移動方向と垂直な方向に移動可能な別のスライド駆動部を備えていてもよい。
また、第1のアーム591A、伸縮駆動部592、第2のアーム591B、スライド駆動部593、ベース594、圧電素子598、操作部596を用いる代わりに、三次元位置センサ(複数の電波測距計を用いたものや、赤外線パターンを赤外線センサで撮影するものなど)を取り付けた超音波検査用探触子590を医師が手で動かしてもよい。その場合、画像や音などにより、超音波検査用探触子590を動かすべき方向を制御部595が指示できるようにしてもよい。
上記の部分以外の部分に係る特徴は、第1の実施の形態に係る注入・吸引システムと同様である。
移動装置40、位置検出装置50は、本発明の位置制御システムの一例である。
この第7の実施の形態に係る位置検出装置50は、本明細書記載の第2〜4の実施の形態においても、位置検出装置50として使用することができる。
この第7の実施の形態に係る位置検出装置50によれば、放射線が不要となって安全性が高まる。
[第8の実施の形態]
図14は、本発明の第8の実施の形態に係る注入・吸引システムの概略の構成例を示す斜視図である。第1の実施の形態では、位置検出装置50を撮影部と位置検出部で構成したが、本実施の形態は、計測部と位置検出部で構成したものである。計測部は、透過的にマークとの距離を計測できる透過測距用センサを3以上有し、その透過測距用センサによってマークの三次元位置を計測する。本実施の形態において、位置検出装置50の計測部が有する透過測距用センサは、電磁波測距センサ600〜602で構成する。
位置検出装置50は、マークを兼ねる微細ヘッド20を計測可能な電磁波測距センサ600〜602と、微細ヘッド20の位置を検出可能な制御部603と、検出された微細ヘッド20の位置を表示可能な表示部604とを備える。なお、表示部604は、微細ヘッド20が目的の位置に到達したことの確認をコンピュータが自動的に行う場合は省いてもよい。電磁波測距センサ600〜602は、位置検出装置の計測部が有する透視測距用センサの一例である。
電磁波測距センサ600〜602は、それぞれから微細ヘッド20に向けて互いに異なる周波数の発振した電磁波を発射し、微細ヘッド20で反射した電磁波のうち各々が担当する周波数のものを感知するまでに発振した回数から距離を得る。3以上の場所とマークとの距離及びその3以上の場所の三次元位置が分かれば、それらから計算によりマークの三次元位置が分かり、微細ヘッド20の三次元位置を知ることができる。
計測部が距離の計測に用いる電磁波の周波数は、人体に吸収されにくい周波数であることが好ましい。
マークは、用いる周波数の電磁波を反射しやすい材料から形成することが好ましい。
極細管30は、用いる周波数の電磁波を反射しにくい材料から形成することが好ましい。
電磁波測距センサ600〜602は、例えば、治療が終わるまでの間、それぞれ互いに離れた所定の位置に固定される。
制御部603は、位置検出部の一例である。制御部603は、例えば
1.電磁波測距センサ600〜602によって、電磁波測距センサ600〜602それぞれとマークとの距離を用意する。
2.ピタゴラスの定理によって、1で用意した距離と電磁波測距センサ600〜602それぞれの位置を用いて、電磁波測距センサ600〜602のうち1つ以上とマークとの三次元位置の差分を求める。
3.2で求めた差分に、電磁波測距センサの三次元位置を加えて、ヘッドの位置とする。
という手順で微細ヘッド20の位置を検出する(図21参照)。なお、電磁波測距センサ600〜602のうち1つ以上の三次元位置は、予め(3の前に)計測しておく。所定の位置に固定される場合、計測は一度でよい。また、電磁波測距センサ600〜602全ての三次元位置をを計測してある場合は、2において、1で用意した距離及び電磁波測距センサ600〜602の三次元位置とを用いて、直にヘッドの位置を求めてもよい。
なお、マークは微細ヘッド20又は極細管30の先端側の位置に存在していればよく、微細ヘッド20及び極細管30とは別に形成してもよい。例えば、微細ヘッド20に、用いる周波数の電磁波を反射しやすい材料を塗布し、それをマークとしてもよい。
上記の部分以外の部分に係る特徴は、第1の実施の形態に係る注入・吸引システムと同様である。
移動装置40、位置検出装置50は、本発明の位置制御システムの一例である。
この第8の実施の形態に係る位置検出装置50は、本明細書記載の第2〜4の実施の形態においても、位置検出装置50として使用することができる。
この第8の実施の形態に係る位置検出装置50によれば、放射線が不要となって安全性が高まり、また、アームがなくなることにより可動部分が減って多くの場合にメンテナンスが容易になる。
[第9の実施の形態]
図15は、本発明の第5の実施の形態に係る注入・吸引システムの概略の構成例を示す斜視図である。第1の実施の形態では、位置検出装置50を撮影部と位置検出部で構成したが、本実施の形態は、撮影部と計測部と位置検出部で構成したものである。
位置検出装置50は、計測部用マークを兼ねる微細ヘッド20を計測可能な電磁波測距センサ610を備える。また、位置検出装置50は、微細ヘッド20に塗布された放射性物質からなるマークから放出される放射線を検出・撮影可能な一対のX線CCDセンサ500と、X線CCDセンサ500を支持する第1及び第2のアーム510A、510Bと、第1及び第2のアーム510A、510Bを水平方向の軸を中心にそれぞれ回転移動させることが可能な第1及び第2の回転駆動部520A、520Bと、第2の回転駆動部520Bを垂直方向の軸を中心に回転移動させることが可能な第3の回転駆動部520Cと、回転駆動部520Cを支持するベース530と、各回転駆動部587A、587B、587Cを駆動制御するとともに、微細ヘッド20の位置を検出することが可能な制御部611と、X線CCDセンサ500の三次元位置を指示可能な操作部612と、検出された微細ヘッド20の位置を表示可能な表示部613とを備える。なお、放射性物質からなる撮影部用マークを形成する位置は、極細管30の先端側の位置でもよい。表示部613は、微細ヘッド20が目的の位置に到達したことの確認をコンピュータが自動的に行う場合は省いてもよい。X線CCDセンサ500は、位置検出装置の撮影部が有する透視撮影用センサの一例である。電磁波測距センサ610は、位置検出装置の計測部が有する透視測距用センサの一例である。
本実施の形態において、マークは、撮影部用マークと計測部用マークの2種類が設けられる。撮影部用マークと計測部用マークは、通常、同じ位置または互いに近い位置に設けられる。撮影部用マークと計測部用マークは、同じものでもよい。
撮影部は、X線CCDセンサ500によって撮影部用マークを撮影する。計測部は、電磁波測距センサ610によって計測部用マークを計測する。位置検出部は、X線CCDセンサ500における撮影部用マークが映った場所の位置、及び電磁波測距センサ610と計測部用マークとの距離を用いることで、撮影部用マークとX線CCDセンサ500との距離、すなわち撮影部が撮影した画像データにおける撮影部用マークの位置に対応した奥行き座標を求める。つまり、位置検出装置50は、撮影部によって座標軸2つにおける撮影部用マークの座標を求め、また、計測部によって残りの座標軸1つにおける撮影部用マークの座標を求めることによって、微細ヘッド20の三次元位置を知ることができる。
第1の実施の形態では一対のX線CCDセンサが設けられたが、本実施の形態ではX線CCDセンサは1つだけ設けられる。
計測部が距離の計測に用いる電磁波の周波数は、人体に吸収されにくい周波数であることが好ましい。
微細ヘッド20は、用いる周波数の電磁波を反射しやすい材料から形成することが好ましい。
極細管30は、用いる周波数の電磁波を反射しにくい材料から形成することが好ましい。
電磁波測距センサ610は、例えばX線CCDセンサ500の側面の所定の位置に固定される。
操作部612は、例えばレバー操作やコンピュータによりX線CCDセンサ500の移動すべき三次元位置を指示できるように構成されている。
位置検出装置50は、第1のアーム510Aと第2のアーム510Bとの間の間接部や第2のアーム510Bとベース530との間の間接部に位置センサ、角度センサ等を設けるか、又は第1のアーム510Aの先端に三次元位置センサを設けることで、第1のアーム510Aの先端の三次元位置、すなわち、X線CCDセンサ500の三次元位置を精密に(例えば、μm単位で)計測できるように構成されている。その関節部に設けられた位置センサ、角度センサ等及び第1のアーム510Aの先端に設けられた三次元位置センサは、位置検出装置の撮影部が有する透視撮影用センサの三次元位置を計測可能な透視撮影用センサ位置検出部の一例である。
制御部611は、位置検出部の一例である。制御部611は、パターン認識によって画像を認識する画像認識処理を行うことが可能な画像認識処理部を備える。制御部611は、例えば
1.X線CCDセンサ500によって画像データを用意する。電磁波測距センサ610によって、電磁波測距センサ610と計測部用マークとの距離を計測する。
2.画像データにおいて撮影部用マークに該当する部分を画像認識処理部によって探し、画像データの撮影範囲における撮影部用マークの位置を求める。
3.ピタゴラスの定理によって、電磁波測距センサ610と計測部用マークとの距離、画像データの撮影範囲における撮影部用マークの位置、X線CCDセンサ500の三次元位置、電磁波測距センサ610の三次元位置を用いて、撮影部用マークの位置とX線CCDセンサ500上の撮影部用マークが映った位置との距離を求める。
4.撮影部用マークの位置とX線CCDセンサ500上の撮影部用マークが映った位置との距離を、画像データの撮影範囲における撮影部用マークの位置の奥行き座標とし、画像データの撮影範囲における撮影部用マークの三次元位置を求める。
5.予めX線CCDセンサ500の三次元位置を計測しておき、画像データの撮影範囲における撮影部用マークの三次元位置に、X線CCDセンサ500の三次元位置を加えて、ヘッドの位置とする。
という手順(図22参照)で微細ヘッド20の位置を検出する。なお、本実施の形態においては撮影部用マークと計測部用マークとがほぼ同じ位置に設けられるため、撮影部用マークの位置と計測部用マークの位置とを同じとみなす。また、電磁波測距センサ610の三次元位置は、予め(3の前に)計測しておく。所定の位置に固定される場合、計測は一度でよい。また、電磁波測距センサ610が所定の位置に固定されていれば、画像データの撮影範囲における撮影部用マークの位置に、電磁波測距センサ610の位置を加えることにより、電磁波測距センサ610の位置と画像データの撮影範囲における撮影部用マークの位置との距離が求まる。上記3においては、この電磁波測距センサ610の位置と画像データの撮影範囲における撮影部用マークの位置との距離を直角をはさむ2辺のうちの1辺として、また、電磁波測距センサ610と計測部用マークとの距離、すなわち電磁波測距センサ610と撮影部用マークとの距離を斜辺として、ピタゴラスの定理によって、撮影部用マークの位置とX線CCDセンサ500上の撮影部用マークが映った位置との距離を求める。また、3〜5の代わりに、
3.ピタゴラスの定理によって、電磁波測距センサ610と計測部用マークとの距離、画像データの撮影範囲における撮影部用マークの位置、X線CCDセンサ500の三次元位置、電磁波測距センサ610の三次元位置を用いて、計測部用マークと電磁波測距センサ610との三次元位置の差分を求める。
4.予め電磁波測距センサ610の三次元位置を計測しておき、3で求めた三次元位置の差分に、電磁波測距センサ610の三次元位置を加えて、微細ヘッド20の位置とする。
としてもよい。
また、制御部611は、操作部550により指示された三次元位置に基づき、第1乃至3の回転駆動部520A〜520Cを制御して、X線CCDセンサ500を指示された三次元位置に移動させる。
なお、撮影部用マークは微細ヘッド20又は極細管30の先端側の位置に存在していればよく、微細ヘッド20及び極細管30とは別に形成しなくてもよい。つまり、微細ヘッド20の材料をX線CCDセンサ500によって透過撮影可能な物質として、微細ヘッド20自体を撮影部用マークとしてもよい。例えば、放射性物質を微細ヘッド20の材料に練り込んでもよい。また、極細管30の材料をX線CCDセンサ500によって透過撮影可能な物質として、X線CCDセンサ500において極細管30の先端側を含む全体の像又は広い範囲の像が撮影された画像データに映るようにして、画像認識処理において、その極細管30の像のうち先端側に該当する部分を撮影部用マークの像として扱ってもよい。例えば、極細管30の材料に放射性物質を練り込んで極細管30を作ってもよい。
また、計測部用マークは微細ヘッド20又は極細管30の先端側の位置に存在していればよく、微細ヘッド20及び極細管30とは別に形成してもよい。例えば、微細ヘッド20に、用いる周波数の電磁波を反射しやすい材料を塗布し、それをマークとしてもよい。
医師の手などによってマーキングした範囲は、作業に当たる医者の手元の明るさにより異なるが、せいぜいミリメートル単位の精度の範囲である。また、多くの場合、その範囲の“概ね”中心辺りに微細ヘッド20を移動させるだけである。このため、巨大なのでコストを抑えるために精度が低いことが一般的であるデジタルX線撮影用の巨大X線CCDセンサを位置検出装置50として使用してもよい。デジタルX線撮影用の巨大X線CCDセンサを位置検出装置50として使用する場合、アームを用いずに、治療が終わるまでの間、X線CCDセンサを所定の位置に固定してもよい。アームがなくなることにより可動部分が減り、多くの場合にメンテナンスが容易になる。なお、微細ヘッド20を確実に細胞膜の内側又は外側へ移動させたい場合は、高精度の微細ヘッド20の移動を必要とするが、ポンプに圧力計を取り付けて圧力を測るなどの方法により極細管30の先端が細胞の細胞膜の内側にあるか・外側にあるかを判定できるため、位置検出の精度は低くてもよい。よって、この場合もデジタルX線撮影用の巨大X線CCDセンサを位置検出装置50として使用してもよい。
また、位置検出装置50は、第1のアーム510AとX線CCDセンサ500の間にも回転駆動部を備えていてもよい。
また、位置検出装置50は、第1のアーム510Aと第1の回転駆動部520Aを省き、かつ、第2のアーム510Bを伸縮性のアームとしたものでもよい。
また、X線CCDセンサの代わりにX線CMOSセンサを用いてもよい。
上記の部分以外の部分に係る特徴は、第1の実施の形態に係る注入・吸引システムと同様である。
移動装置40、位置検出装置50は、本発明の位置制御システムの一例である。
この第9の実施の形態に係る位置検出装置50は、本明細書記載の第2〜4の実施の形態においても、位置検出装置50として使用することができる。
[第10の実施の形態]
図16は、本発明の第10の実施の形態に係る注入・吸引システムの概略の構成例を示す斜視図である。第1の実施の形態ではX線CCDセンサ500によって放射性物質からなるマークから放出される放射線を検出・撮影したが、本実施の形態は、マークを放射性物質を吸収しやすい物質、すなわちX線CCDセンサ500に映りにくい物質から構成し、放射線照射部620によってマークに対して放射線を照射しながら、放射線を検出・撮影するものである。つまり、第1の実施の形態で行う検出・撮影をポジ型の検出・撮影とすると、第10の実施の形態で行う検出・撮影はネガ型の検出・撮影である。
位置検出装置50は、マークに対して放射線を照射可能な放射線照射部620と、放射線照射部620から放出される放射線を検出・撮影可能な一対のX線CCDセンサ500と、X線CCDセンサ500を支持する第1及び第2のアーム510A、510Bと、第1及び第2のアーム510A、510Bを水平方向の軸を中心にそれぞれ回転移動させることが可能な第1及び第2の回転駆動部520A、520Bと、第2の回転駆動部520Bを垂直方向の軸を中心に回転移動させることが可能な第3の回転駆動部520Cと、回転駆動部520Cを支持するベース530と、各回転駆動部587A、587B、587Cを駆動制御するとともに、微細ヘッド20の位置を検出することが可能な制御部621と、X線CCDセンサ500の三次元位置を指示可能な操作部550と、検出された微細ヘッド20の位置を表示可能な表示部560とを備える。なお、放射性物質を吸収しやすい物質からなるマークを形成する位置は、極細管30の先端側の位置でもよい。表示部560は、微細ヘッド20が目的の位置に到達したことの確認をコンピュータが自動的に行う場合は省いてもよい。X線CCDセンサ500は、位置検出装置の撮影部が有する透視撮影用センサの一例である。
一対のX線CCDセンサ500によって互いに直交する方向からマークの位置を検出することにより、微細ヘッド20の三次元位置を知ることができる。
操作部550は、例えばレバー操作やコンピュータによりX線CCDセンサ500の移動すべき三次元位置を指示できるように構成されている。
位置検出装置50は、第1のアーム510Aと第2のアーム510Bとの間の間接部や第2のアーム510Bとベース530との間の間接部に位置センサ、角度センサ等を設けるか、又は第1のアーム510Aの先端に三次元位置センサを設けることで、第1のアーム510Aの先端の三次元位置、すなわち、X線CCDセンサ500の三次元位置を精密に(例えば、μm単位で)計測できるように構成されている。その関節部に設けられた位置センサ、角度センサ等及び第1のアーム510Aの先端に設けられた三次元位置センサは、位置検出装置の撮影部が有する透視撮影用センサの三次元位置を計測可能な透視撮影用センサ位置検出部の一例である。
制御部621は、位置検出部の一例である。制御部621は、パターン認識によって画像を認識する画像認識処理を行うことが可能な画像認識処理部を備える。制御部621は、例えば
1.一対のX線CCDセンサ500によって互いに直交する方向から撮影された一対の画像データを用意する。なお、画像データは、放射線照射部620によってマークに対して放射線を照射しながら撮影する。
2.それぞれの画像データにおいて、マークに該当する部分を画像認識処理部によって探して、画像データの撮影範囲におけるマークの二次元位置を求める。次に、一対の画像データにおけるマークの二次元位置を直交方向に合成して、画像データの撮影範囲におけるマークの三次元位置を求める。
3.画像データの撮影範囲におけるマークの三次元位置に、X線CCDセンサ500の三次元位置を加えて、微細ヘッド20の位置とする。
という手順(図19参照)で微細ヘッド20の位置を検出する。
また、制御部621は、操作部550により指示された三次元位置に基づき、第1乃至3の回転駆動部520A〜520Cを制御して、X線CCDセンサ500を指示された三次元位置に移動させる。
なお、マークは微細ヘッド20又は極細管30の先端側の位置に存在していればよく、微細ヘッド20及び極細管30とは別に形成しなくてもよい。つまり、微細ヘッド20の材料をX線CCDセンサ500によって透過撮影可能な物質として、微細ヘッド20自体をマークとしてもよい。例えば、放射性物質を微細ヘッド20の材料に練り込んでもよい。また、極細管30の材料をX線CCDセンサ500によって透過撮影可能な物質として、X線CCDセンサ500において極細管30の先端側を含む全体の像又は広い範囲の像が撮影された画像データに映るようにして、画像認識処理において、その極細管30の像のうち先端側に該当する部分をマークの像として扱ってもよい。例えば、極細管30の材料に放射性物質を練り込んで極細管30を作ってもよい。
医師の手などによってマーキングした範囲は、作業に当たる医者の手元の明るさにより異なるが、せいぜいミリメートル単位の精度の範囲である。また、多くの場合、その範囲の“概ね”中心辺りに微細ヘッド20を移動させるだけである。このため、巨大なのでコストを抑えるために精度が低いことが一般的であるデジタルX線撮影用の巨大X線CCDセンサを位置検出装置50として使用してもよい。デジタルX線撮影用の巨大X線CCDセンサを位置検出装置50として使用する場合、アームを用いずに、治療が終わるまでの間、X線CCDセンサを所定の位置に固定してもよい。アームがなくなることにより可動部分が減り、多くの場合にメンテナンスが容易になる。なお、微細ヘッド20を確実に細胞膜の内側又は外側へ移動させたい場合は、高精度の微細ヘッド20の移動を必要とするが、ポンプに圧力計を取り付けて圧力を測るなどの方法により極細管30の先端が細胞の細胞膜の内側にあるか・外側にあるかを判定できるため、位置検出の精度は低くてもよい。よって、この場合もデジタルX線撮影用の巨大X線CCDセンサを位置検出装置50として使用してもよい。
また、位置検出装置50は、第1のアーム510AとX線CCDセンサ500の間にも回転駆動部を備えていてもよい。
また、位置検出装置50は、第1のアーム510Aと第1の回転駆動部520Aを省き、かつ、第2のアーム510Bを伸縮性のアームとしたものでもよい。
また、X線CCDセンサの代わりにX線CMOSセンサを用いてもよい。
上記の部分以外の部分に係る特徴は、第1の実施の形態に係る注入・吸引システムと同様である。
移動装置40、位置検出装置50は、本発明の位置制御システムの一例である。
この第10の実施の形態に係る位置検出装置50は、本明細書記載の第2〜4の実施の形態においても、位置検出装置50として使用することができる。
[第11の実施の形態]
磁性材料から形成され、体内で磁界によって移動できるヘッドと、先端が開口した状態で前記ヘッドに取り付けられ、前記先端の開口部を介して液体を注入又は吸引可能な管と、を備えた注入・吸引装置。
第1〜3の実施の形態における極細管30などが、本実施の形態に該当する。
[第12の実施の形態]
磁性材料から形成され、最大幅が100μm以下であり、体内で磁界によって移動できるヘッドと、先端が開口した状態で前記ヘッドに取り付けられ、前記先端の開口部を介して液体を注入又は吸引可能な管と、を備えた注入・吸引装置。
本実施の形態は、主に第11の実施の形態において管の径を限定したものである。
[第13の実施の形態]
磁性材料から形成され、最大幅が5μm以下であり、体内で磁界によって移動できるヘッドと、先端が開口した状態で前記ヘッドに取り付けられ、前記先端の開口部を介して液体を注入又は吸引可能な管と、を備えた注入・吸引装置。
本実施の形態は、主に第11の実施の形態において管の径を限定したものである。
[第14の実施の形態]
磁性材料から形成され、最大幅が1μm以下であり、体内で磁界によって移動できるヘッドと、先端が開口した状態で前記ヘッドに取り付けられ、前記先端の開口部を介して液体を注入又は吸引可能な管と、を備えた注入・吸引装置。
本実施の形態は、主に第11の実施の形態において管の径を限定したものである。
[第15の実施の形態]
前記管は、非磁性体から形成された第11乃至14の実施の形態に記載の注入・吸引装置。
本実施の形態は、主に第11乃至14の実施の形態において管の材料を限定したものである。
[第16の実施の形態]
前記ヘッドは、先端が生体組織を切開可能に形成された第11乃至15の実施の形態のいずれか1つに記載の注入・吸引装置。
本実施の形態は、主に第11乃至15の実施の形態においてヘッド先端の形状などを限定したものである。
[第17の実施の形態]
前記ヘッドは、先端に向かって細くなる形状を有する第1のヘッド部と、前記第1のヘッド部に所定の間隔を有して配置され、後端に向かって細くなる形状を有する第2のヘッド部と、前記第1及び第2のヘッド部を接続する接続部とを備え、前記管は、その先端が前記第1及び第2のヘッド部の間に位置するように設けられた第11乃至16の実施の形態のいずれか1つに記載の注入・吸引装置。
本実施の形態は、主に第11乃至16の実施の形態においてヘッドの全体的な形状などを限定したものである。
[第18の実施の形態]
前記管は、先端が生体組織を切開可能に形成された第11乃至17の実施の形態のいずれか1つに記載の注入・吸引装置。
本実施の形態は、主に第11乃至17の実施の形態において管先端の形状などを限定したものである。
[第19の実施の形態]
磁性材料から形成され、体内で磁界によって移動できるヘッドに磁界を付与可能な電磁石と、前記電磁石が付与する磁界によって前記ヘッドに働く磁力の大きさ及び向きとを制御可能な移動制御部とを有する移動装置と、前記ヘッド又は先端が開口した状態で前記ヘッドに取り付けられ、前記先端の開口部を介して液体を注入又は吸引可能な管の先端側の位置に存在するマークの位置を求め、前記マークの位置に基づいて前記ヘッドの位置を検出可能な位置検出装置と、を備えた位置制御システム。
第1〜10の実施の形態などが、本実施の形態を用いて構成されている。
[第20の実施の形態]
磁性材料から形成され、最大幅が100μm以下であり、体内で磁界によって移動できるヘッドに磁界を付与可能な電磁石と、前記電磁石が付与する磁界によって前記ヘッドに働く磁力の大きさ及び向きとを制御可能な移動制御部とを有する移動装置と、前記ヘッド又は先端が開口した状態で前記ヘッドに取り付けられ、前記先端の開口部を介して液体を注入又は吸引可能な管の先端側の位置に存在するマークの位置を求め、前記マークの位置に基づいて前記ヘッドの位置を検出可能な位置検出装置と、を備えた位置制御システム。
本実施の形態は、主に第19の実施の形態において管の径を限定したものである。
[第21の実施の形態]
磁性材料から形成され、最大幅が5μm以下であり、体内で磁界によって移動できるヘッドに磁界を付与可能な電磁石と、前記電磁石が付与する磁界によって前記ヘッドに働く磁力の大きさ及び向きとを制御可能な移動制御部とを有する移動装置と、前記ヘッド又は先端が開口した状態で前記ヘッドに取り付けられ、前記先端の開口部を介して液体を注入又は吸引可能な管の先端側の位置に存在するマークの位置を求め、前記マークの位置に基づいて前記ヘッドの位置を検出可能な位置検出装置と、を備えた位置制御システム。
本実施の形態は、主に第19の実施の形態において管の径を限定したものである。
[第22の実施の形態]
磁性材料から形成され、最大幅が1μm以下であり、体内で磁界によって移動できるヘッドに磁界を付与可能な電磁石と、前記電磁石が付与する磁界によって前記ヘッドに働く磁力の大きさ及び向きとを制御可能な移動制御部とを有する移動装置と、前記ヘッド又は先端が開口した状態で前記ヘッドに取り付けられ、前記先端の開口部を介して液体を注入又は吸引可能な管の先端側の位置に存在するマークの位置を求め、前記マークの位置に基づいて前記ヘッドの位置を検出可能な位置検出装置と、を備えた位置制御システム。
本実施の形態は、主に第19の実施の形態において管の径を限定したものである。
[第23の実施の形態]
前記移動装置の移動制御部は、前記電磁石が付与する磁界によって前記ヘッドに働く磁力の大きさ及び向きを調節して、前記管が目的位置に対してほぼ真っ直ぐに挿し込まれるように前記ヘッドの進行方向制御を行うことが可能な移動制御部である第19乃至22の実施の形態に記載の位置制御システム。
本実施の形態は、第19乃至22の実施の形態において、主に移動装置の移動制御部の動作を限定したものである。
[第24の実施の形態]
前記位置検出装置は、透視撮影用センサを有し前記透視撮影用センサによって前記マークを撮影可能な撮影部と、前記撮影部によって撮影された前記マークに基づいて前記ヘッドの位置を検出可能な位置検出部とを有する位置検出装置である、第19乃至22の実施の形態に記載の位置制御システム。
第1〜7、第10の実施の形態などが、本実施の形態を用いて構成されている。
[第25の実施の形態]
前記移動装置の移動制御部は、前記電磁石が付与する磁界によって前記ヘッドに働く磁力の大きさ及び向きを調節して、前記管が目的位置に対してほぼ真っ直ぐに挿し込まれるように前記ヘッドの進行方向制御を行うことが可能な移動制御部である第24の実施の形態に記載の位置制御システム。
本実施の形態は、第24の実施の形態において、主に移動装置の移動制御部の動作を限定したものである。
[第26の実施の形態]
前記ヘッド又は前記管の先端側の位置に、前記ヘッド及び前記管とは別に前記マークを形成した、第24又は25の実施の形態に記載の位置制御システム。
本実施の形態は、第24又は25の実施の形態において、主にマークの形成位置を限定したものである。
[第27の実施の形態]
前記ヘッドの材料は前記透視撮影用センサによって透過撮影可能な物質である、第24又は第25の実施の形態に記載の位置制御システム。
本実施の形態は、第24又は第25の実施の形態において、主にマークの形成位置を限定したものである。
[第28の実施の形態]
前記位置検出装置の位置検出部は、画像認識処理を行うことが可能な画像認識処理部を有し、以下の1〜3の手順で前記ヘッドの位置を検出することが可能な位置検出部である、第24乃至27の実施の形態のいずれか1つに記載の位置制御システム。
1.前記撮影部によって画像データを用意する。
2.前記画像データにおいて前記マークに該当する部分を前記画像認識処理部によって探し、前記画像データの撮影範囲における前記マークの位置を求める。
3.予め前記撮影部が有する透視撮影用センサの三次元位置を計測しておき、前記画像データの撮影範囲における前記マークの位置に、前記撮影部が有する透視撮影用センサの三次元位置を加えて、前記ヘッドの位置を求める。
本実施の形態は、第24乃至27の実施の形態において、主にヘッドの位置検出の手順を限定したものである。
本実施の形態は、撮影部が有する透視撮影用センサの三次元位置を、撮影部の製造時などに予め人の手などにより計測しておく場合の実施の形態も含む。例えば、巨大CCDセンサを用いて撮影を行う場合、通常は、巨大CCDセンサを所定の位置に固定して動かさないので、本実施の形態に該当する。
[第29の実施の形態]
前記位置検出装置は、前記撮影部が有する透視撮影用センサの三次元位置を計測可能な透視撮影用センサ位置検出部を有し、前記透視撮影用センサ位置検出部によって、前記撮影部が有する透視撮影用センサの三次元位置を計測することが可能な位置検出装置である、第28の実施の形態に記載の位置制御システム。
本実施の形態は、第28の実施の形態において、撮影部が有する透視撮影用センサの三次元位置を、予め人の手などにより計測するのではなく、専用の位置センサによって計測する場合などの実施の形態である。
[第30の実施の形態]
前記撮影部が有する透視撮影用センサが一対の二次元画像センサであり、1において用意する前記画像データが、互いに直交する方向から撮影された一対の画像データであり、2において、それぞれの前記画像データにおいて前記マークに該当する部分を前記画像認識処理部によって探して前記画像データの撮影範囲における前記マークの二次元位置を求め、次に、一対の前記画像データの撮影範囲における前記マークの二次元位置を直交方向に合成して前記画像データの撮影範囲における前記マークの三次元位置を求め、3において、予め前記撮影部が有する透視撮影用センサの三次元位置を計測しておき、前記画像データの撮影範囲における前記マークの三次元位置に、前記撮影部が有する透視撮影用センサの三次元位置を加えて、前記ヘッドの位置とする、第28又は第29の実施の形態に記載の位置制御システム。
本実施の形態は、第28又は第29の実施の形態において、1〜3の手順を限定したものである。
なお、2〜3の代わりに、
それぞれの前記画像データにおいて前記マークに該当する部分を前記画像認識処理部によって探して前記画像データの撮影範囲における前記マークの二次元位置を求め、
次に、それぞれの前記画像データの撮影範囲における前記マークの二次元位置に、前記透視撮影用センサの三次元位置を加えて、それぞれの前記画像データの撮影範囲における前記マークの三次元位置を求め、一対の前記画像データの撮影範囲における前記マークの三次元位置を直交方向に合成して、前記ヘッドの位置とする。
としてもよい。
第1〜4、第10の実施の形態などが、本実施の形態を用いて構成されている。
[第31の実施の形態]
前記撮影部が有する透視撮影用センサが断面画像を得る二次元画像センサであり、1において用意する前記画像データが、それぞれの撮影対象の面が互いに水平な複数の画像データであり、2において、前記画像データにおいて前記マークに該当する部分を前記画像認識処理部によって探して前記画像データの撮影範囲における前記マークの二次元位置を求め、3において、前記撮影部が有する透視撮影用センサの三次元位置を、前記撮影部が有する透視撮影用センサの撮影対象の面の基準位置の三次元位置とした、第28の実施の形態に記載の位置制御システム。
本実施の形態は、第28の実施の形態において、1〜3の手順を限定したものである。
第5〜7の実施の形態などが、本実施の形態を用いて構成されている。
[第32の実施の形態]
前記撮影部が有する透視撮影用センサが断面画像を得る二次元画像センサであり、前記透視撮影用センサ位置検出部が、前記撮影部が有する透視撮影用センサの撮影対象の範囲の基準位置を計測可能な位置検出部であり、1において用意する前記画像データが、それぞれの撮影対象の面が互いに水平な複数の画像データであり、2において、前記画像データにおいて前記マークに該当する部分を前記画像認識処理部によって探して前記画像データの撮影範囲における前記マークの二次元位置を求め、3において、前記撮影部が有する透視撮影用センサの三次元位置を、前記撮影部が有する透視撮影用センサの撮影対象の面の基準位置の三次元位置とした、第29の実施の形態に記載の位置制御システム。
本実施の形態は、第29の実施の形態において、1〜3の手順を限定したものである。
本実施の形態は、第31の実施の形態において、撮影部が有する透視撮影用センサの三次元位置を、予め人の手などにより計測するのではなく、専用の位置センサによって計測する場合などの実施の形態である。
[第33の実施の形態]
前記位置検出装置の位置検出部は、画像認識処理を行うことが可能な画像認識処理部を有し、前記管の材料は前記透視撮影用センサによって透過撮影可能な物質であり、前記位置検出装置の位置検出部が有する画像認識処理部は、前記撮影部により用意した画像データに映った前記管の像のうち前記管の先端側に該当する部分を前記マークの像として扱う画像認識処理部である、第24又は第25の実施の形態に記載の位置制御システム。
本実施の形態は、第24又は第25の実施の形態において、主にマークの形成位置を限定したものである。
[第34の実施の形態]
前記位置検出装置の位置検出部は、画像認識処理を行うことが可能な画像認識処理部を有し、以下の1〜3の手順で前記ヘッドの位置を検出することが可能な位置検出部である、第33の実施の形態に記載の位置制御システム。
1.前記撮影部によって画像データを用意する。
2.前記画像データにおいて前記マークに該当する部分を前記画像認識処理部によって探し、前記画像データの撮影範囲における前記マークの位置を求める。
3.予め前記撮影部が有する透視撮影用センサの三次元位置を計測しておき、前記画像データの撮影範囲における前記マークの位置に、前記撮影部が有する透視撮影用センサの三次元位置を加えて、前記ヘッドの位置を求める。
本実施の形態は、第33の実施の形態において、主にヘッドの位置検出の手順を限定したものである。
本実施の形態は、撮影部が有する透視撮影用センサの三次元位置を、撮影部の製造時などに予め人の手などにより計測しておく場合の実施の形態も含む。例えば、巨大CCDセンサを用いて撮影を行う場合、通常は、巨大CCDセンサを所定の位置に固定して動かさないので、本実施の形態に該当する。
[第35の実施の形態]
前記位置検出装置の位置検出部は以下の1〜3の手順で前記ヘッドの位置を検出することが可能な位置検出部である、第33の実施の形態に記載の位置制御システム。
1.前記撮影部によって画像データを用意する。
2.前記画像データに映った前記管の像のうち前記管の先端側に該当する部分を前記マークの像として扱って、前記画像データにおいて前記マークに該当する部分を前記画像認識処理部によって探し、前記画像データの撮影範囲における前記マークの位置を求める。
3.予め前記撮影部が有する透視撮影用センサの三次元位置を計測しておき、前記画像データの撮影範囲における前記マークの位置に、前記撮影部が有する透視撮影用センサの三次元位置を加えて、前記ヘッドの位置を求める。
本実施の形態は、第33の実施の形態について、主にヘッドの位置検出の手順を限定したものである。
本実施の形態は、撮影部が有する透視撮影用センサの三次元位置を、撮影部の製造時などに予め人の手などにより計測しておく場合の実施の形態も含む。例えば、巨大CCDセンサを用いて撮影を行う場合、通常は、巨大CCDセンサを所定の位置に固定して動かさないので、本実施の形態に該当する。
[第36の実施の形態]
前記位置検出装置は、前記撮影部が有する透視撮影用センサの三次元位置を計測可能な透視撮影用センサ位置検出部を有し、前記透視撮影用センサ位置検出部によって、前記撮影部が有する透視撮影用センサの三次元位置を計測することが可能な位置検出装置である、第34又は35の実施の形態に記載の位置制御システム。
本実施の形態は、第34又は35の実施の形態について、撮影部が有する透視撮影用センサの三次元位置を、予め人の手などにより計測するのではなく、専用の位置センサによって計測する場合などの実施の形態である。
[第37の実施の形態]
前記撮影部が有する透視撮影用センサが一対の二次元画像センサであり、1において用意する前記画像データが、互いに直交する方向から撮影された一対の画像データであり、2において、それぞれの前記画像データにおいて前記マークに該当する部分を前記画像認識処理部によって探して前記画像データの撮影範囲における前記マークの二次元位置を求め、次に、一対の前記画像データの撮影範囲における前記マークの二次元位置を直交方向に合成して前記画像データの撮影範囲における前記マークの三次元位置を求め、3において、予め前記撮影部が有する透視撮影用センサの三次元位置を計測しておき、前記画像データの撮影範囲における前記マークの三次元位置に、前記撮影部が有する透視撮影用センサの三次元位置を加えて、前記ヘッドの位置とする、第34乃至36の実施の形態のいずれか1つに記載の位置制御システム。
本実施の形態は、第34乃至36の実施の形態において、1〜3の手順を限定したものである。
なお、2〜3の代わりに、
それぞれの前記画像データにおいて前記マークに該当する部分を前記画像認識処理部によって探して前記画像データの撮影範囲における前記マークの二次元位置を求め、
次に、それぞれの前記画像データの撮影範囲における前記マークの二次元位置に、前記透視撮影用センサの三次元位置を加えて、それぞれの前記画像データの撮影範囲における前記マークの三次元位置を求め、一対の前記画像データの撮影範囲における前記マークの三次元位置を直交方向に合成して、前記ヘッドの位置とする。
としてもよい。
第1〜4、第10の実施の形態において、管の全体の像又は広い範囲の像の先端側をマークとして扱う場合などに、本実施の形態が用いられている。
[第38の実施の形態]
前記撮影部が有する透視撮影用センサが断面画像を得る二次元画像センサであり、1において用意する前記画像データが、それぞれの撮影対象の面が互いに水平な複数の画像データであり、2において、前記画像データにおいて前記管に該当する部分を前記画像認識処理部によって探して、見つかった前記管に該当する部分のうち前記管の根元側ではない方の最も体外側を撮影した前記画像データにおいて見つかったものを前記マークに該当する部分と扱って、前記画像データにおける前記マークの二次元位置を求め、3において、前記撮影部が有する透視撮影用センサの三次元位置を、前記撮影部が有する透視撮影用センサの撮影対象の面の基準位置の三次元位置とした、第34乃至36の実施の形態のいずれか1つに記載の位置制御システム。
本実施の形態は、第34乃至36の実施の形態において、1〜3の手順を限定したものである。
第5〜7の実施の形態において、管の全体の像又は広い範囲の像の先端側をマークとして扱う場合などに、本実施の形態が用いられている。
[第39の実施の形態]
前記撮影部が有する透視撮影用センサが断面画像を得る二次元画像センサであり、前記透視撮影用センサ位置検出部が、前記撮影部が有する透視撮影用センサの撮影対象の範囲の基準位置を計測可能な位置検出部であり、1において用意する前記画像データが、それぞれの撮影対象の面が互いに水平な複数の画像データであり、2において、前記画像データにおいて前記管に該当する部分を前記画像認識処理部によって探して、見つかった前記管に該当する部分のうち前記管の根元側ではない方の最も体外側を撮影した前記画像データにおいて見つかったものを前記マークに該当する部分と扱って、前記画像データにおける前記マークの二次元位置を求め、3において、前記撮影部が有する透視撮影用センサの三次元位置を、前記撮影部が有する透視撮影用センサの撮影対象の面の基準位置の三次元位置とした、第36の実施の形態に記載の位置制御システム。
本実施の形態は、第36の実施の形態において、1〜3の手順を限定したものである。
本実施の形態は、第38の実施の形態において、撮影部が有する透視撮影用センサの三次元位置を、予め人の手などにより計測するのではなく、専用の位置センサによって計測する場合などの実施の形態である。
[第40の実施の形態]
前記位置検出装置は、それぞれの撮影対象の面が互いに水平な複数の断面画像データから間を補完して三次元画像データを作製する断面画像三次元化処理部を有し、前記撮影部が有する透視撮影用センサが断面画像を得る二次元画像センサであり、前記画像認識処理部が、三次元的に画像認識処理を行うことが可能な画像認識処理部であり、1において、断面画像三次元化処理部によって、前記撮影部が有する透視撮影用センサにより撮影されたそれぞれの撮影対象の面が互いに水平な複数の画像データから作製された三次元画像データを用意し、2において、前記画像データにおいて前記マークに該当する部分を前記画像認識処理部によって探して前記画像データの撮影範囲における前記マークの三次元位置を求め、3において、前記撮影部が有する透視撮影用センサの三次元位置を、前記撮影部が有する透視撮影用センサの撮影対象の範囲の基準位置の三次元位置とした、第34乃至36の実施の形態のいずれか1つに記載の位置制御システム。
本実施の形態は、第34乃至36の実施の形態において、1〜3の手順を限定したものである。
第5〜7の実施の形態において、管の全体の像又は広い範囲の像の先端側をマークとして扱う場合などに、本実施の形態が用いられている。
[第41の実施の形態]
前記位置検出装置は、それぞれの撮影対象の面が互いに水平な複数の断面画像データから間を補完して三次元画像データを作製する断面画像三次元化処理部を有し、前記撮影部が有する透視撮影用センサが断面画像を得る二次元画像センサであり、前記画像認識処理部が、三次元的に画像認識処理を行うことが可能な画像認識処理部であり、前記透視撮影用センサ位置検出部が、前記撮影部が有する透視撮影用センサの撮影対象の範囲の基準位置を計測可能な位置検出部であり、1において、断面画像三次元化処理部によって、前記撮影部が有する透視撮影用センサにより撮影されたそれぞれの撮影対象の面が互いに水平な複数の画像データから作製された三次元画像データを用意し、2において、前記画像データにおいて前記マークに該当する部分を前記画像認識処理部によって探して前記画像データの撮影範囲における前記マークの三次元位置を求め、3において、前記撮影部が有する透視撮影用センサの三次元位置を、前記撮影部が有する透視撮影用センサの撮影対象の範囲の基準位置の三次元位置とした、第36の実施の形態のいずれか1つに記載の位置制御システム。
本実施の形態は、第36の実施の形態において、1〜3の手順を限定したものである。
本実施の形態は、第40の実施の形態において、撮影部が有する透視撮影用センサの三次元位置を、予め人の手などにより計測するのではなく、専用の位置センサによって計測する場合などの実施の形態である。
[第42の実施の形態]
前記位置検出装置は、透過的に前記マークとの距離を計測できる透過測距用センサを3以上有し、前記透過測距用センサによって前記透過測距用センサと前記マークとの距離を計測可能な計測部と、前記距離に基づいて前記ヘッドの位置を検出可能な位置検出部とを有する位置検出装置である、第19乃至22の実施の形態に記載の位置制御システム。
第8の実施の形態などが、本実施の形態を用いて構成されている。
[第43の実施の形態]
前記移動装置の移動制御部は、前記電磁石が付与する磁界によって前記ヘッドに働く磁力の大きさ及び向きを調節して、前記管が目的位置に対してほぼ真っ直ぐに挿し込まれるように前記ヘッドの進行方向制御を行うことが可能な移動制御部である第42の実施の形態に記載の位置制御システム。
本実施の形態は、第42の実施の形態において、主に移動装置の移動制御部の動作を限定したものである。
[第44の実施の形態]
前記ヘッド又は前記管の先端側の位置に、前記ヘッド及び前記管とは別に前記マークを形成した、第42又は43の実施の形態に記載の位置制御システム。
本実施の形態は、第42又は43の実施の形態において、主にマークの形成位置を限定したものである。
[第45の実施の形態]
前記ヘッドの材料は前記透過測距用センサによって透過測距可能な物質である、第42又は43の実施の形態に記載の位置制御システム。
本実施の形態は、第42又は43の実施の形態において、主にマークの形成位置を限定したものである。
[第46の実施の形態]
前記位置検出装置の位置検出部は以下の1〜3の手順で前記ヘッドの位置を検出することが可能な位置検出部である、第42乃至45の実施の形態のいずれか1つに記載の位置制御システム。
1.前記透過測距用センサによって、それぞれの前記透過測距用センサと前記マークとの距離を用意する。
2.予め前記透過測距用センサの三次元位置を計測しておき、ピタゴラスの定理によって、前記距離と前記透過測距用センサの三次元位置を用いて、前記透過測距用センサのうち1つ以上と前記マークとの三次元位置の差分を求める。
3.2で求めた差分に、前記透過測距用センサの三次元位置を加えて、前記ヘッドの位置とする。
本実施の形態は、第42乃至45の実施の形態において、主にヘッドの位置検出の手順を限定したものである。
本実施の形態は、計測部が有する透視測距用センサの三次元位置を、計測部の製造時などに予め人の手などにより計測しておく場合の実施の形態も含む。例えば、電磁波測距センサを用いて計測を行う場合、通常は、電磁波測距センサを所定の位置に固定して動かさないので、本実施の形態に該当する。
[第47の実施の形態]
前記位置検出装置は、前記透過測距用センサの三次元位置を計測可能な透過測距用センサ位置検出部を有し、前記透過測距用センサ位置検出部によって、前記透過測距用センサの三次元位置を計測することが可能な位置検出装置である、第46の実施の形態に記載の位置制御システム。
本実施の形態は、第46の実施の形態において、計測部が有する透過測距用センサの三次元位置を、予め人の手などにより計測するのではなく、専用の位置センサによって計測する場合などの実施の形態である。
[第48の実施の形態]
前記マークは、撮影部用マーク及び計測部用マークであり、前記位置検出装置は、透視撮影用センサを有し前記透視撮影用センサによって前記撮影部用マークを撮影可能な撮影部と、透過的に前記計測部用マークとの距離を計測できる透過測距用センサを有し前記透過測距用センサによって前記透過測距用センサと前記計測部用マークとの距離を計測可能な計測部と、前記撮影部によって撮影された前記撮影部用マーク及び前記距離に基づいて前記ヘッドの位置を検出可能な位置検出部とを有する位置検出装置である、第19乃至22の実施の形態に記載の位置制御システム。
第9の実施の形態などが、本実施の形態を用いて構成されている。
なお、本実施の形態においても、第33〜41の実施の形態と同様に、管の全体の像又は広い範囲の像の先端側を撮影部用マークとして扱い、マークの位置検出を行ってもよい。その場合、通常は、電磁波測距は点との距離しか計測できない、すなわち線や面との距離は計測できないため、ヘッド又は管の先端側のみを計測部用マークとすることが好ましい。
[第49の実施の形態]
前記移動装置の移動制御部は、前記電磁石が付与する磁界によって前記ヘッドに働く磁力の大きさ及び向きを調節して、前記管が目的位置に対してほぼ真っ直ぐに挿し込まれるように前記ヘッドの進行方向制御を行うことが可能な移動制御部である第48の実施の形態に記載の位置制御システム。
本実施の形態は、第48の実施の形態において、主に移動装置の移動制御部の動作を限定したものである。
[第50の実施の形態]
前記ヘッド又は前記管の先端側の位置に、前記ヘッド及び前記管とは別に前記撮影部用マークを形成した、第48又は49の実施の形態に記載の位置制御システム。
本実施の形態は、第48又は49の実施の形態において、主に撮影部用マークの形成位置を限定したものである。
[第51の実施の形態]
前記ヘッドの材料は前記透視撮影用センサによって透過撮影可能な物質である、第48又は49の実施の形態に記載の位置制御システム。
本実施の形態は、第48又は49の実施の形態において、主に撮影部用マークの形成位置を限定したものである。
[第52の実施の形態]
前記ヘッド又は前記管の先端側の位置に、前記ヘッド及び前記管とは別に前記計測部用マークを形成した、第48又は49の実施の形態に記載の位置制御システム。
本実施の形態は、第48又は49の実施の形態において、主に計測部用マークの形成位置を限定したものである。
[第53の実施の形態]
前記ヘッドの材料は前記透過測距用センサによって透過測距可能な物質である、第48又は49の実施の形態に記載の位置制御システム。
本実施の形態は、第48又は49の実施の形態において、主に計測部用マークの形成位置を限定したものである。
[第54の実施の形態]
前記位置検出装置の位置検出部は、画像認識処理を行うことが可能な画像認識処理部を有し、以下の1〜5の手順で前記ヘッドの位置を検出することが可能な位置検出部である、第48乃至53の実施の形態のいずれか1つに記載の位置制御システム。
1.前記撮影部によって画像データを用意する。
2.前記画像データにおいて前記撮影部用マークに該当する部分を前記画像認識処理部によって探し、前記画像データの撮影範囲における前記撮影部用マークの位置を求める。
3.予め、前記透過測距用センサによって、前記透過測距用センサと前記計測部用マークとの距離を計測しておく。
また、予め、前記透視撮影用センサの三次元位置及び前記透視測距用センサの三次元位置を計測しておく。
ピタゴラスの定理によって、前記透過測距用センサと前記計測部用マークとの距離、前記画像データの撮影範囲における前記撮影部用マークの位置、前記透視撮影用センサの三次元位置、前記透過測距用センサの三次元位置を用いて、前記撮影部用マークの位置と前記透視撮影用センサ上の前記撮影部用マークが映った位置との距離を求める。
4.前記撮影部用マークの位置と前記透視撮影用センサ上の前記撮影部用マークが映った位置との距離を、前記画像データの撮影範囲における前記撮影部用マークの位置の奥行き座標とし、前記画像データの撮影範囲における前記撮影部用マークの三次元位置を求める。
5.前記画像データの撮影範囲における前記撮影部用マークの三次元位置に、前記透視撮影用センサの三次元位置を加えて、前記ヘッドの位置とする。
本実施の形態は、第48乃至53の実施の形態において、主にヘッドの位置検出の手順を限定したものである。
本実施の形態は、撮影部が有する透視撮影用センサの三次元位置を、撮影部の製造時などに予め人の手などにより計測しておく場合の実施の形態も含む。例えば、巨大CCDセンサを用いて撮影を行う場合、通常は、巨大CCDセンサを所定の位置に固定して動かさないので、本実施の形態に該当する。
また、本実施の形態は、計測部が有する透視測距用センサの三次元位置を、計測部の製造時などに予め人の手などにより計測しておく場合の実施の形態も含む。例えば、電磁波測距センサを用いて計測を行う場合、通常は、電磁波測距センサを所定の位置に固定して動かさないので、本実施の形態に該当する。
[第55の実施の形態]
前記位置検出装置の位置検出部は、画像認識処理を行うことが可能な画像認識処理部を有し、以下の1〜4の手順で前記ヘッドの位置を検出することが可能な位置検出部である、第48乃至53の実施の形態のいずれか1つに記載の位置制御システム。
1.前記撮影部によって画像データを用意する。
2.前記画像データにおいて前記撮影部用マークに該当する部分を前記画像認識処理部によって探し、前記画像データの撮影範囲における前記撮影部用マークの位置を求める。
3.予め、前記透過測距用センサによって、前記透過測距用センサと前記計測部用マークとの距離を計測しておく。
また、予め、前記透視撮影用センサの三次元位置及び前記透視測距用センサの三次元位置を計測しておく。
ピタゴラスの定理によって、前記透過測距用センサと前記計測部用マークとの距離、前記画像データの撮影範囲における前記撮影部用マークの位置、前記透視撮影用センサの三次元位置、前記透過測距用センサの三次元位置を用いて、前記計測部用マークと前記透視測距用センサとの三次元位置の差分を求める。
4.前記三次元位置の差分に、前記透視測距用センサの三次元位置を加えて、前記ヘッドの位置とする。
本実施の形態は、第48乃至53の実施の形態において、主にヘッドの位置検出の手順を限定したものである。
本実施の形態は、撮影部が有する透視撮影用センサの三次元位置を、撮影部の製造時などに予め人の手などにより計測しておく場合の実施の形態も含む。例えば、巨大CCDセンサを用いて撮影を行う場合、通常は、巨大CCDセンサを所定の位置に固定して動かさないので、本実施の形態に該当する。
また、本実施の形態は、計測部が有する透視測距用センサの三次元位置を、計測部の製造時などに予め人の手などにより計測しておく場合の実施の形態も含む。例えば、電磁波測距センサを用いて計測を行う場合、通常は、電磁波測距センサを所定の位置に固定して動かさないので、本実施の形態に該当する。
[第56の実施の形態]
前記位置検出装置は、前記撮影部が有する透視撮影用センサの三次元位置を計測可能な透視撮影用センサ位置検出部を有し、前記透視撮影用センサ位置検出部によって、前記撮影部が有する透視撮影用センサの三次元位置を計測することが可能な位置検出装置である、第54又は55の実施の形態に記載の位置制御システム。
本実施の形態は、第54又は55の実施の形態において、撮影部が有する透視撮影用センサの三次元位置を、予め人の手などにより計測するのではなく、専用の位置センサによって計測する場合などの実施の形態である。
[第57の実施の形態]
前記位置検出装置は、前記透過測距用センサの三次元位置を計測可能な透過測距用センサ位置検出部を有し、前記透過測距用センサ位置検出部によって、前記透過測距用センサの三次元位置を計測することが可能な位置検出装置である、第54乃至56の実施の形態に記載の位置制御システム。
本実施の形態は、第54乃至56の実施の形態において、計測部が有する透視測距用センサの三次元位置を、予め人の手などにより計測するのではなく、専用の位置センサによって計測する場合などの実施の形態である。
[第58の実施の形態]
前記移動装置の移動制御部は、前記電磁石を支持するアームと、前記アームを移動させることが可能な駆動部とを有し、前記電磁石が発生させる磁界の強さを調節して、前記電磁石が付与する磁界によって前記ヘッドに働く磁力の大きさを制御することが可能であり、前記電磁石の位置及び向きとを調節して、前記電磁石が付与する磁界によって前記ヘッドに働く磁力の向きを制御することが可能な移動制御部である第19乃至57の実施の形態のいずれか1つに記載の位置制御システム。
本実施の形態は、第19乃至57の実施の形態において、主にヘッドの移動制御の方法を限定したものである。
第1〜3、第5〜10の実施の形態などが、本実施の形態を用いて構成されている。
[第59の実施の形態]
前記移動装置の移動制御部が有する駆動部は、運動部を有する原動機又は圧電素子を有し、前記運動部又は前記圧電素子が前記アームに接続された駆動部である第58の実施の形態に記載の位置制御システム。
本実施の形態は、第58の実施の形態において、主に移動装置の移動制御部が有する駆動部を限定したものである。
[第60の実施の形態]
前記電磁石は複数の電磁石であり、前記移動装置の移動制御部は、前記電磁石それぞれが発生させる磁界の強さを調節して、前記電磁石が付与する磁界によって前記ヘッドに働く磁力の合力の大きさ及び向きとを制御可能な移動制御部である、第19乃至57の実施の形態のいずれか1つに記載の位置制御システム。
本実施の形態は、第19乃至57の実施の形態において、主にヘッドの移動制御の方法を限定したものである。
第4の実施の形態などが、本実施の形態を用いて構成されている。
[第61の実施の形態]
前記管は、非磁性体から形成された第19乃至60の実施の形態のいずれか1つに記載の位置制御システム。
本実施の形態は、第19乃至60の実施の形態において、主に管の材料を限定したものである。
[第62の実施の形態]
前記ヘッドは、先端が生体組織を切開可能に形成された第19乃至61の実施の形態のいずれか1つに記載の位置制御システム。
本実施の形態は、第19乃至61の実施の形態において、主にヘッド先端の形状を限定したものである。
[第63の実施の形態]
前記ヘッドは、先端に向かって細くなる形状を有する第1のヘッド部と、前記第1のヘッド部に所定の間隔を有して配置され、後端に向かって細くなる形状を有する第2のヘッド部と、前記第1及び第2のヘッド部を接続する接続部とを備え、前記管は、その先端が前記第1及び第2のヘッド部の間に位置するように設けられた第19乃至62の実施の形態のいずれか1つに記載の位置制御システム。
本実施の形態は、第19乃至62の実施の形態において、主にヘッドの全体的な形状を限定したものである。
[第64の実施の形態]
前記管は、先端が生体組織を切開可能に形成された第19乃至63の実施の形態のいずれか1つに記載の位置制御システム。
本実施の形態は、第19乃至63の実施の形態において、主に管先端の形状を限定したものである。
[第65の実施の形態]
前記ヘッドの最大幅が100μm以下であり、前記移動装置の移動制御部は、前記電磁石を支持するアームと、前記アームを移動させることが可能な駆動部とを有し、前記電磁石が発生させる磁界の強さを調節して、前記電磁石が付与する磁界によって前記ヘッドに働く磁力の大きさを制御することが可能であり、前記電磁石の位置及び向きとを調節して、前記電磁石が付与する磁界によって前記ヘッドに働く磁力の向きを制御することが可能な移動制御部であり、前記移動装置の移動制御部が有する駆動部は、運動部を有する原動機又は圧電素子を有し、前記運動部又は前記圧電素子が前記アームに接続された駆動部であり、前記位置検出装置は、透視撮影用センサを有し前記透視撮影用センサによって前記マークを撮影可能な撮影部と、前記撮影部によって撮影された前記マークに基づいて前記ヘッドの位置を検出可能な位置検出部とを有する位置検出装置であり、前記ヘッド又は前記管の先端側の位置に、前記ヘッド及び前記管とは別に前記マークを形成し、前記撮影部が有する透視撮影用センサが一対の二次元画像センサであり、前記位置検出装置は、前記撮影部が有する透視撮影用センサの三次元位置を計測可能な透視撮影用センサ位置検出部を有し、前記透視撮影用センサ位置検出部によって、前記撮影部が有する透視撮影用センサの三次元位置を計測可能な位置検出装置であり、前記位置検出装置の位置検出部は、画像認識処理を行うことが可能な画像認識処理部を有し、以下の1〜3の手順で前記ヘッドの位置を検出することが可能な位置検出部である、第19の実施の形態を引用する第23の実施の形態に記載の位置制御システム。
1.前記撮影部によって画像データを用意する。前記画像データは、互いに直交する方向から撮影された一対の画像データである。
2.それぞれの前記画像データにおいて前記マークに該当する部分を前記画像認識処理部によって探して前記画像データの撮影範囲における前記マークの二次元位置を求め、次に、一対の前記画像データの撮影範囲における前記マークの二次元位置を直交方向に合成して前記画像データの撮影範囲における前記マークの三次元位置を求める。
3.予め前記撮影部が有する透視撮影用センサの三次元位置を計測しておき、前記画像データの撮影範囲における前記マークの三次元位置に、前記撮影部が有する透視撮影用センサの三次元位置を加えて、前記ヘッドの位置とする。
本実施の形態は、第19、第20、第23、第24、第25、第26、第28、第29、第30、第58、第59の実施の形態記載の技術的特徴とを組み合わせたものである。
[第66の実施の形態]
第1乃至65の実施の形態のいずれか1つに記載の移動装置。
本実施の形態は、第1乃至65の実施の形態のいずれか1つに記載の移動装置である。
本実施の形態の目的は、体内の対象部位に対し、細胞をなるべく破壊せずに抗がん剤等の液体を注入し、細胞質基質等の液体を吸引することが可能な注入・吸引システムを構成する移動装置を提供することにある。
本実施の形態によれば、体内の対象部位に対し、細胞をなるべく破壊せずに抗がん剤等の液体を注入し、細胞質基質等の液体を吸引することが可能な注入・吸引システムを構成することができる。
[第67の実施の形態]
第1乃至65の実施の形態のいずれか1つに記載の位置検出装置。
本実施の形態は、第1乃至65の実施の形態のいずれか1つに記載の位置検出装置である。
本実施の形態の目的は、体内の対象部位に対し、細胞をなるべく破壊せずに抗がん剤等の液体を注入し、細胞質基質等の液体を吸引することが可能な注入・吸引システムを構成する位置検出装置を提供することにある。
本実施の形態によれば、体内の対象部位に対し、細胞をなるべく破壊せずに抗がん剤等の液体を注入し、細胞質基質等の液体を吸引することが可能な注入・吸引システムを構成することができる。
なお、本発明の実施の形態は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲内で種々に変形、実施が可能である。
例えば、第10の実施の形態以外においても、第10の実施の形態のように、位置検出装置の撮影部が用意した画像データにおいてマークの位置だけ明るく映るような位置検出装置の撮影部とマークとの組み合わせの代わりに、位置検出装置の撮影部が用意した画像データにおいてマークの位置だけ暗く映るような位置検出装置の撮影部とマークとの組み合わせを用いてもよい。すなわち、位置検出装置の撮影部が行う撮影は、ポジ型の撮影の代わりにネガ型の撮影であってもよい。