JP2012020105A - カテーテル - Google Patents

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Abstract

【課題】薬剤投与対象の腫瘍以外の他の組織に影響を及ぼさずに腫瘍に含まれる繊維性間質の薬剤投与を阻害する影響を減らして、薬剤投与対象の腫瘍に対する薬剤投与を円滑化できるカテーテルを提供すること。
【解決手段】本発明にかかるカテーテル1は、内部にルーメン5を有する細長い形状をなす躯体2と、当該カテーテル1の生体組織19内に導入される部位に設けられ、生体組織19を切開するワイヤ3と、ワイヤ3を操作して、ワイヤ3の少なくとも一部を、躯体2から離間する方向に変位させるスライダ8および線材4とを備える。
【選択図】図2

Description

この発明は、一部が生体組織内に導入されるカテーテルに関するものである。
膵癌をはじめとする繊維性間質が豊富な固形腫瘍では、この豊富な繊維性間質のために腫瘍内部に血管が十分に発達することができない。このため、静脈から全身の血管を経由して薬剤を送り届ける場合、血管の少ない腫瘍内部には薬剤が行き渡りにくく、抗がん剤の効果を上げることができなかった。
このような状況の中で最近、この繊維性間質の発達(間質の繊維化)を抑える薬剤を投与して、繊維性間質を減らすことによって、減少した繊維性間質部分に血管を新たに発達させて、静脈を介して薬剤を腫瘍内部に行き渡らせ、抗がん剤の効果的に作用させる方法が提案されている(非特許文献1参照)。また、繊維性間質を減少させた部分は生体組織自体の密度も低いため、この繊維性間質を減少させた部分に薬剤を直接投与した場合には、繊維性間質を減少させていない場合と比較して、薬剤の組織内への浸透度合いも高くなることが期待できる。
Kenneth P. Olive, et al. "Inhibition of Hedgehog Signaling Enhances Delivery of Chemotherapy in a Mouse Model of Pancreatic Cancer", Science vol.324, 12 June 2009, p1457-1461
しかしながら、非特許文献1の方法においては、繊維性間質を減らすために薬剤を全身に投与しているため、薬剤投与目的の腫瘍以外の他の組織に影響を及ぼす場合がある。
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、薬剤投与対象の腫瘍以外の他の組織に影響を及ぼさずに腫瘍に含まれる繊維性間質の薬剤投与を阻害する影響を減らして、薬剤投与対象の腫瘍に対する薬剤投与を円滑化できるカテーテルを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかるカテーテルは、一部が生体組織内に導入されるカテーテルであって、内部にルーメンを有する細長い形状をなす躯体と、前記生体組織内に導入される部位に設けられ、前記生体組織を切開する切開部材と、前記切開部材を操作して、前記切開部材の少なくとも一部を前記躯体から離間する方向に変位させる操作部材と、を備えたことを特徴とする。
また、この発明にかかるカテーテルは、上記の発明において、前記切開部材は、ワイヤであり、前記操作部材は、前記ワイヤの少なくとも一部が前記躯体側面から離間するように前記ワイヤを屈曲させることを特徴とする。
また、この発明にかかるカテーテルは、上記の発明において、前記ワイヤは、前記躯体側面の一部を覆っていることを特徴とする。
また、この発明にかかるカテーテルは、上記の発明において、前記切開部材は、ブレードであり、前記操作部材は、前記ブレードを、前記躯体に沿って位置する第1の状態から前記躯体に対して傾いた第2の状態に変位させることを特徴とする。
また、この発明にかかるカテーテルは、上記の発明において、前記ブレードは、2枚のブレードを回動軸で接続した構造を有することを特徴とする。
また、この発明にかかるカテーテルは、上記の発明において、前記操作部材は、前記躯体の外表面に沿って移動するスライダと、前記躯体のルーメンに挿通され、一端が前記スライダに接続し、他端が前記躯体の基端側において前記ルーメンから突出する線材と、を有し、前記切開部材は、直接または間接に、一端が前記躯体に固定され、他端が前記スライダに固定されていることを特徴とする。
また、この発明にかかるカテーテルは、上記の発明において、前記操作部材は、前記躯体のルーメン内を移動するスライダと、前記躯体のルーメンに挿通され、一端が前記スライダに接続し、他端が前記躯体の基端側において前記ルーメンから突出する線材と、を有し、前記切開部材は、直接または間接に、一端が前記躯体に固定され、他端が前記スライダに固定されていることを特徴とする。
また、この発明にかかるカテーテルは、上記の発明において、前記スライダには、当該スライダの前端と後端とを連通する貫通路が設けられ、前記躯体のルーメン内には、前記スライダよりも前記躯体の先端側に滑車が設けられ、前記線材は、前記躯体のルーメン内において、前記スライダに接続された一端から、前記滑車と前記貫通路とをこの順に経由して、前記躯体の基端側において他端が前記ルーメンから突出するように配設されていることを特徴とする。
また、この発明にかかるカテーテルは、上記の発明において、前記操作部材は、前記ワイヤの少なくとも一端が前記躯体のルーメンを通って前記躯体の基端から突出したものであることを特徴とする。
また、この発明にかかるカテーテルは、上記の発明において、前記躯体は、前記ワイヤの前記躯体側面からの離間を誘導するガイド部材を備えたことを特徴とする。
また、この発明にかかるカテーテルは、上記の発明において、前記ワイヤは、先端が前記躯体のルーメンの先端に固定されるとともに基端が前記躯体のルーメンを通って前記躯体の基端から突出し、前記躯体は、側面に前記ルーメンから前記ワイヤの少なくとも一部を突出させる開口が形成されており、当該躯体の前記ルーメンの先端は、前記ワイヤの前記開口からの突出を誘導する斜面となっていることを特徴とする。
また、この発明にかかるカテーテルは、上記の発明において、前記ワイヤは、先端が前記躯体のルーメンの先端に固定されるとともに基端が前記躯体のルーメンを通って前記躯体の基端から突出し、前記躯体は、側面に前記ルーメンから前記ワイヤの少なくとも一部を突出させる開口が形成され、当該躯体のルーメンに前記開口側に偏心したワイヤ通路が形成されるとともに、当該躯体のルーメン先端のうち前記開口の反対側近くに前記ワイヤの先端が固定されていることを特徴とする。
また、この発明にかかるカテーテルは、上記の発明において、前記躯体は、先端に開口が形成されており、前記操作部材は、前記切開部材を前記躯体の開口から前記躯体の軸方向に突出させるものであることを特徴とする。
また、この発明にかかるカテーテルは、上記の発明において、前記切開部材は、ワイヤであり、前記躯体は、前記ワイヤの前記躯体の軸方向への突出を誘導するガイド部材を備え、前記操作部材は、前記ワイヤの少なくとも一端が前記躯体のルーメンを通って前記躯体の基端から突出したものであることを特徴とする。
また、この発明にかかるカテーテルは、上記の発明において、前記躯体は、前記ルーメンと連通する薬剤吐出口が少なくとも一つ形成され、前記切開部材は、前記薬剤吐出口から前記躯体の外部に吐出される薬剤の流路中に、前記変位させられる部分の少なくとも一部が位置していることを特徴とする。
また、この発明にかかるカテーテルは、上記の発明において、前記薬剤吐出口は、前記躯体の側面に形成されていることを特徴とする。
また、この発明にかかるカテーテルは、上記の発明において、前記切開部材は、前記躯体側面において、前記薬剤吐出口の少なくとも一部を覆う位置に配設されていることを特徴とする。
また、この発明にかかるカテーテルは、上記の発明において、前記切開部材は、ワイヤであり、前記操作部材は、前記ワイヤの少なくとも一部が前記薬剤吐出口から離間するように前記ワイヤを屈曲させることを特徴とする。
また、この発明にかかるカテーテルは、上記の発明において、前記切開部材は、ブレードであることを特徴とする。
また、この発明にかかるカテーテルは、上記の発明において、前記薬剤吐出口は、前記躯体の先端に形成されていることを特徴とする。
また、この発明にかかるカテーテルは、上記の発明において、前記切開部材は、内部にルーメンを有するとともに、前記ルーメンと連通する薬剤吐出口が少なくとも一つ形成されることを特徴とする。
また、この発明にかかるカテーテルは、上記の発明において、前記切開部材は、先端が前記躯体のルーメンの先端に固定されるとともに基端が前記躯体のルーメンを通って前記躯体の基端から突出し、前記躯体は、側面に前記ルーメンから前記切開部材の少なくとも前記薬剤吐出口が形成された部分を突出させる開口が形成されており、当該躯体の前記ルーメンの先端は、前記切開部材の前記開口からの突出を誘導する斜面となっていることを特徴とする。
また、この発明にかかるカテーテルは、上記の発明において、前記切開部材は、先端が前記躯体のルーメンの先端に固定されるとともに基端が前記躯体のルーメンを通って前記躯体の基端から突出し、前記躯体は、側面に前記ルーメンから前記切開部材の少なくとも前記薬剤吐出口が形成された部分を突出させる開口が形成され、当該躯体のルーメンに前記開口側に偏心した切開部材用通路が形成されるとともに、当該躯体のルーメン先端のうち前記開口の反対側近くに前記切開部材の先端が固定されていることを特徴とする。
また、この発明にかかるカテーテルは、上記の発明において、前前記薬剤吐出口は、前記躯体から前記切開部材が突出した際に前記切開部材の側面のうち前記躯体とは逆側に位置する場所に形成され、前記操作部材は、前記躯体から離間する方向に変位させた前記切開部材の少なくとも一部を、前記躯体に近づく方向にも操作可能であることを特徴とする。
また、この発明にかかるカテーテルは、上記の発明において、前記薬剤吐出口は、前記躯体から前記切開部材が突出した際に前記切開部材の側面のうち前記躯体側に位置する場所に形成されることを特徴とする。
また、この発明にかかるカテーテルは、上記の発明において、前記操作部材は、前記切開部材を屈曲させて、前記切開部材の少なくとも一部を前記躯体から離間する方向に変位させるものであり、前記薬剤吐出口は、前記切開部材の屈曲前は閉状態であり、前記切開部材の屈曲によって開状態に遷移するスリットであることを特徴とする。
また、この発明にかかるカテーテルは、上記の発明において、前記切開部材は、前記躯体から離間する方向に変位する際に、前記生体組織を前記躯体に対して基端側に押圧する経路で離間するように構成されていることを特徴とする。
また、この発明にかかるカテーテルは、上記の発明において、前記ブレードは、前記躯体の先端側の面のほうが前記躯体の基端側の面よりも鋭利な形状をなすことを特徴とする。
また、この発明にかかるカテーテルは、上記の発明において、前記切開部材は、複数設けられていることを特徴とする。
また、この発明にかかるカテーテルは、上記の発明において、生体組織内に導入されるカテーテルであって、内部にルーメンを有し、前記ルーメンと連通する少なくとも1つの薬剤吐出口が形成された細長い躯体と、前記薬剤吐出口の薬剤吐出方向前方で拡張するワイヤステントと、を備えたことを特徴とする。
また、この発明にかかるカテーテルは、上記の発明において、生体組織内に導入されるカテーテルであって、内部にルーメンを有し、前記ルーメンと連通する少なくとも1つの薬剤吐出口が形成された細長い躯体と、前記躯体が前記生体組織に対して静止した状態で、前記薬剤吐出口の薬剤吐出方向前方の生体組織を切開する生体組織切開機構と、を備えたことを特徴とする。
この発明にかかるカテーテルは、内部にルーメンを有する細長い形状をなす躯体と、カテーテルの生体組織内に導入される部位に設けられ、生体組織を切開する切開部材と、切開部材を操作して、切開部材の少なくとも一部を躯体から離間する方向に変位させる操作部材とを備え、操作部材の操作により切開部材が薬剤吐出口の薬剤吐出方向前方の生体組織を切開することによって、薬剤投与目的の腫瘍以外の他の組織に影響を及ぼさずに繊維性間質を減らして、薬剤投与目的の腫瘍に対する薬剤投与を円滑化できる。
この発明にかかるカテーテルは、内部にルーメンを有し、ルーメンと連通する少なくとも1つの薬剤吐出口が形成された細長い躯体と、薬剤吐出口の薬剤吐出方向前方で拡張するワイヤステントとを備え、拡張したワイヤステントが薬剤吐出口の薬剤吐出方向前方の生体組織を切開することによって、薬剤投与目的の腫瘍以外の他の組織に影響を及ぼさずに繊維性間質を減らして、薬剤投与目的の腫瘍に対する薬剤投与を円滑化できる。
この発明にかかるカテーテルは、内部にルーメンを有し、ルーメンと連通する少なくとも1つの薬剤吐出口が形成された細長い躯体と、躯体が生体組織に対して静止した状態で、薬剤吐出口の薬剤吐出方向前方の生体組織を切開する生体組織切開機構とを備え、生体組織切開機構が薬剤吐出口の薬剤吐出方向前方の生体組織を切開することによって、薬剤投与目的の腫瘍以外の他の組織に影響を及ぼさずに繊維性間質の薬剤投与を阻害する影響を減らして、薬剤投与目的の腫瘍に対する薬剤投与を円滑化できる。即ち、この発明にかかるカテーテルによれば、カテーテルから薬剤を投与する場合においては、繊維間質を切開することにより薬剤が拡散する導路を確保する。また、カテーテルから薬剤を投与しない場合には、線維性間質に物理的に間隙を作り,その間隙へ新生血管が誘導されて血管が新生し,この新生された動脈血管を介して薬剤が送達されることによって,効果的な薬剤投与が可能となる。
図1は、実施の形態1にかかるカテーテルの斜視図である。 図2は、図1に示すカテーテルを該カテーテルの軸に沿って切断した断面図である。 図3は、実施の形態1にかかる他のカテーテルを該カテーテルの軸に沿って切断した断面図である。 図4は、実施の形態1にかかる他のカテーテルを該カテーテルの軸に沿って切断した断面図である。 図5は、実施の形態1にかかる他のカテーテルを該カテーテルの軸に沿って切断した断面図である。 図6は、実施の形態1の変形例1にかかるカテーテルの斜視図である。 図7は、図6に示すカテーテルを生体組織に導入した状態で該カテーテルの軸に沿って切断した先端部分の断面図である。 図8は、実施の形態1の変形例2にかかるカテーテルの斜視図である。 図9は、図8に示すカテーテルを生体組織に導入した状態で該カテーテルの軸に沿って切断した先端部分の断面図である。 図10は、実施の形態1の変形例3にかかるカテーテルの斜視図である。 図11は、図10に示すカテーテルを生体組織に導入した状態で該カテーテルの軸に沿って切断した先端部分の断面図である。 図12は、実施の形態1の変形例3にかかる他のカテーテルを生体組織に導入した状態で該カテーテルの軸に沿って切断した先端部分の断面図である。 図13は、図12(2)のA−A線断面図である。 図14は、実施の形態1の変形例3にかかる他のカテーテルを生体組織に導入した状態で該カテーテルの軸に沿って切断した先端部分の断面図である。 図15は、図10に示すカテーテルの使用方法を説明する図である。 図16は、図10に示すカテーテルの使用方法を説明する図である。 図17は、図10に示すカテーテルの使用方法を説明する図である。 図18は、実施の形態1の変形例4にかかるカテーテルの斜視図である。 図19は、図18に示すカテーテルを生体組織に導入した状態で該カテーテルの軸に沿って切断した先端部分の断面図である。 図20は、実施の形態1の変形例4にかかる他のカテーテルを該カテーテルの軸に沿って切断した断面図である。 図21は、実施の形態1の変形例5にかかるカテーテルの斜視図である。 図22は、図21に示すカテーテルを生体組織に導入した状態で該カテーテルの軸に沿って切断した先端部分の断面図である。 図23は、実施の形態1の変形例5にかかる他のカテーテルを該カテーテルの軸に沿って切断した断面図である。 図24は、実施の形態1の変形例5にかかる他のカテーテルの斜視図である。 図25は、図24に示すカテーテルを生体組織に導入した状態で該カテーテルの軸に沿って切断した先端部分の断面図である。 図26は、図24に示すカテーテルを説明する図である。 図27は、実施の形態1の変形例6にかかるカテーテルの斜視図である。 図28は、図27に示すカテーテルを生体組織に導入した状態で該カテーテルの軸に沿って切断した先端部分の断面図である。 図29は、実施の形態1の変形例6にかかるカテーテルの他の例を示す断面図である。 図30は、実施の形態1の変形例6にかかるカテーテルの他の例を示す断面図である。 図31は、実施の形態1の変形例6にかかるカテーテルの他の例を示す断面図である。 図32は、実施の形態1にかかるカテーテルの他の例を示す斜視図である。 図33は、図32に示すカテーテルの使用方法を説明する図である。 図34は、実施の形態2にかかるカテーテルを該カテーテルの軸に沿って切断した断面図である。 図35は、実施の形態1,2にかかるカテーテルで使用されるワイヤの断面図である。 図36は、実施の形態3にかかるカテーテルの斜視図である。 図37は、図36に示すカテーテルを生体組織に導入した状態で該カテーテルの軸に沿って切断した先端部分の断面図である。 図38は、図36のB−B線断面図である。 図39は、図36に示すカテーテルの板状部を含む部分の斜視図である。 図40は、図36に示すカテーテルの他の例を説明する図である。 図41は、実施の形態4にかかるカテーテルの斜視図である。 図42は、図41に示すカテーテルを生体組織に導入した状態で該カテーテルの軸に沿って切断した先端部分の断面図である。 図43は、図42(1)に示すC−C線で切断した基端部分の斜視図である。 図44は、実施の形態1にかかるカテーテルの使用方法を説明する図である。 図45は、図41に示すカテーテルの使用方法を説明する図である。 図46は、実施の形態4の変形例1にかかるカテーテルを生体組織に導入した状態で該カテーテルの軸に沿って切断した先端部分の断面図である。 図47は、図46のD−D線断面図である。 図48は、図41に示すチューブの他の例を示す断面斜視図である。 図49は、図46に示す埋め込み部材の他の例を示す断面図である。 図50は、図46に示す埋め込み部材の他の例を示す断面図である。 図51は、図46に示す埋め込み部材の他の例を説明する図である。 図52は、実施の形態4の変形例1にかかる他のカテーテルを生体組織に導入した状態で該カテーテルの軸に沿って切断した先端部分の断面図である。 図53は、実施の形態4の変形例1にかかる他のカテーテルを生体組織に導入した状態で該カテーテルの軸に沿って切断した先端部分の断面図である。 図54は、図53に示すE−E線断面図である。 図55は、実施の形態4の変形例1にかかる他のカテーテルを生体組織に導入した状態で該カテーテルの軸に沿って切断した先端部分の断面図である。 図56は、図55に示すF−F線断面図である。 図57は、実施の形態4の変形例1にかかる他のカテーテルの斜視図である。 図58は、実施の形態4の変形例1にかかる他のカテーテルの斜視図である。 図59は、実施の形態5にかかるカテーテルの斜視図である。 図60は、図59に示すカテーテルを生体組織に導入した状態で該カテーテルの軸に沿って切断した先端部分の断面図である。 図61は、実施の形態5にかかる他のカテーテルの斜視図である。 図62は、実施の形態5にかかる他のカテーテルの斜視図である。 図63は、実施の形態6にかかるカテーテルの斜視図である。 図64は、図63に示すカテーテルを生体組織に導入した状態で該カテーテルの軸に沿って切断した先端部分の断面図である。 図65は、実施の形態6にかかる他のカテーテルの斜視図である。 図66は、実施の形態7にかかるカテーテルの斜視図である。 図67は、図66に示すカテーテルを生体組織に導入した状態で該カテーテルの軸に沿って切断した先端部分の断面図である。 図68は、図66に示すカテーテルを使用して行う治療方法のフローチャートである。
以下、図面を参照して、この発明を実施するための形態として、人間を含む哺乳動物の生体組織内に導入されるカテーテルについて説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。
(実施の形態1)
まず、実施の形態1について説明する。図1(1)および(2)は、本実施の形態1にかかるカテーテルの斜視図である。図2(1)〜(3)は、図1に示すカテーテルを生体組織に導入した状態で該カテーテルの軸に沿って切断した先端部分の断面図である。
図1および図2に示すように、本実施の形態1にかかるカテーテル1は、人間を含む哺乳動物の生体組織内に導入されるカテーテルであり、細長い形状をなす躯体2と、切開部材であるワイヤ3と、ワイヤ3を操作するための操作部材である線材4とを備える。切開部材であるワイヤ3と、操作部材に含まれる線材4とは、切開機構を構成している。
躯体2は、内部にルーメン5を有し、このルーメン5と連通する少なくとも1つの薬剤吐出口6が形成されている。この薬剤吐出口6は、躯体2の側面に形成されている。躯体2の側面には、薬剤吐出口6よりも先端2a側に位置する貫通長穴13aと、貫通長穴13aと躯体2の直径方向で対向する貫通長穴13bとが形成されている。貫通長穴13aは、薬剤吐出口6と同軸上に位置する。躯体2の先端2aは、生体組織に穿刺できるように尖形状を有し、基端2bは、ルーメン5と連通した開口部を有する。また、躯体2の基端2b側の側面には、薬剤吐出口6と同軸上にマーク21が付されている。なお、躯体2は、耐食鋼などで形成される。もっとも、躯体2をポリウレタン、弾性シリコン、フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンなどで形成して、躯体2を柔軟な構造としてもよい。
スライダ8は、円環形のスライダ外周部11と柱状のスライダ基部12が一体となった構造をしている。スライダ外周部11は、躯体2の外部に位置する。スライダ基部12は躯体2のルーメン5内に位置する。そして、スライダ基部12は、貫通長穴13a,13bを通ってスライダ外周部11と繋がっている。したがって、スライダ8は、貫通長穴13a,13bに対して軸方向にスライドすることで、躯体2の外表面に沿って移動する。
線材4は、躯体2のルーメン5内部において、一端がアンカ9cによってスライダ基部12に固定接続され、他端が躯体2の基端2b側においてルーメン5から外部に突出している。そして、線材4の他端には、操作ノブ14が取り付けられている。なお、線材4は、直径0.2〜1.0mm程度の耐食鋼細線単身あるいは撚り線などで形成される。
また、スライダ8が基端2b側にスライドした場合であってもスライダ外周部11が薬剤吐出口6を覆わないように、躯体2内部のルーメン5内であって、薬剤吐出口6と貫通長穴13a,13bとの間に対応する位置に隔壁15が設けられている。この隔壁15には貫通穴16が形成されている。スライダ基部12に一端が固定接続された線材4は、この貫通穴16を通って、基端2b側に延伸している。貫通穴16にはOリング17が設けられており、このOリング17と線材4とが嵌合することで、隔壁15の前後で液密の状態が保たれる。また、スライダ基部12と隔壁15との間には弾性バネ18が配設されている。
ワイヤ3の一方の端部3aは、スライダ8の基端側外周面のうちの貫通長穴13a上に位置する面に、アンカ9aによって固定接続される。そして、ワイヤ3は、貫通長穴13a上および薬剤吐出口6上を躯体2の軸方向に延伸しており、ワイヤ3の他方の端部3bは、固定部材10の先端側外周面に、アンカ9bによって固定接続されている。固定部材10は、薬剤吐出口6よりも基端2b側で躯体2の外表面に固定されている。したがって、ワイヤ3は、躯体2の側面において、薬剤吐出口6の少なくとも一部を覆う位置に配設されている。ここで、図1および図2においては、薬剤吐出口6の図中上方の領域が、吐出された薬剤の導路7となる。このため、ワイヤ3は、薬剤吐出口6から吐出する薬剤の導路7中に少なくとも一部が位置するように配設されていることとなる。言い換えると吐出された薬剤の導路7中に、切開部材としてワイヤ3の一部が存在する。なお、ワイヤ3は、直径0.2〜0.5mm程度の耐食鋼細線単線あるいは撚り線などで形成される。
次に、実施の形態1にかかるカテーテル1を用いた薬剤投与方法について説明する。まず、操作者は、生体組織内にカテーテル1の先端2aを導入し、図2(1)に示すように、生体組織19内の薬剤を投与する目標部位にカテーテル1の薬剤吐出口6を位置付ける。このカテーテル1の導入方法として、生体外からカテーテル1を穿刺する、内視鏡や硬性鏡のチャネルを経由して導入する、または、開腹して留置する等の方法がある。生体組織19内へのカテーテル1の導入時には、ワイヤ3は、躯体2の側面に沿って位置しており、屈曲していないか、屈曲しても僅かしか屈曲していない状態となっている。
次に、操作者は操作ノブ14を把持して図1(2)の矢印Y1のように躯体2の基端2b側に引く。これによって、図2(2)の矢印Y1aに示すように、操作ノブ14に接続する線材4が基端2b側に引き出される。これにともない、矢印Y2のように、線材4の先端に接続されているスライダ8が躯体2の外表面に沿って基端2b側に移動する。なお、スライダ8の移動にともない、スライダ基部12と隔壁15との間に設けられた弾性バネ18が押圧されて縮む。
ここで、固定部材10は、躯体2の外表面に固定されているため線材4の引き出しがあっても移動しない。このため、線材4の基端側への引き出しにともないスライダ8が基端2b側の固定部材10に近づくにしたがって、スライダ8の基端側外周面に一端が接続されたワイヤ3は屈曲して拡張する。この屈曲で、薬剤吐出口6の上部にあるワイヤ3は、矢印Y3のように、薬剤吐出口6から吐出される薬剤の吐出方向前方に向かって突出するように変位する。換言すれば、線材4は、操作ノブ14の操作によって躯体2から引き出されることによって、薬剤吐出口6の上部にあるワイヤ3を薬剤吐出口6から離間するように屈曲させる。
このワイヤ3の屈曲によって、図2(2)に示すように、薬剤吐出口6の薬剤吐出方向前方にある生体組織19がワイヤ3によって切開される。このワイヤ3によって切開された領域が、薬剤が生体内に入ってゆく導路7となる。なお、ワイヤ3は、ワイヤ3の屈曲方向が傾いたり横になったりしないように、予め癖付けされているとよい。
次に、操作者が操作ノブ14を引く動作を止めると、弾性バネ18の弾性力により、図2(3)の矢印Y4のようにスライダ8は元の位置に復帰し、これにともない、矢印Y5のようにワイヤ3の屈曲も解消する。この状態で、カテーテル1の基端2b側から薬剤20がルーメン5内に導入されると、この薬剤20は、矢印Y6のように薬剤吐出口6から吐出し、ワイヤ3の切開によって形成された導路7を通って生体組織19内部に浸透してゆく。
このように、カテーテル1においては、以上に述べた操作を行うことによって薬剤吐出口6上部の生体組織19を切開して導路7を形成してから薬剤20を吐出することができる。したがって、カテーテル1においては、腫瘍に含まれる繊維性間質を減らすために薬剤を全身に投与せずとも、物理的に生体組織を切開することによって薬剤投与対象の腫瘍に含まれる繊維性間質を減らせる。切開によって繊維性間質を減少させた部分は、生体組織自体の密度も低いため、この繊維性間質を減少させた部分に薬剤を直接投与した場合には、繊維性間質を減少させていない場合と比較して、薬剤の組織内への浸透度合いも高くなる。したがって、カテーテル1によれば、薬剤投与対象の腫瘍以外の他の組織に影響を及ぼさずに腫瘍に含まれる繊維性間質を減らして、薬剤投与対象の腫瘍に対する薬剤投与を円滑化できる。
また、カテーテル1においては、薬剤吐出口6が生体組織19で塞がれた場合であっても、薬剤吐出口6を塞ぐ生体組織19自体をワイヤ3で切開して導路7を確保できるため、薬剤20の吐出圧力を必要以上に高めずとも薬剤投与対象の生体組織19に円滑に薬剤20を吐出することができる。
また、カテーテル1によれば、固形腫瘍に薬剤20を吐出する場合であっても、この固形腫瘍自体を切開して、薬剤20との接触面積を増やすことができるため、生体組織19内への薬剤の浸透も十分に確保することができる。
また、躯体2の基端2b側の側面には薬剤吐出口6と同軸上にマーク21が付されているため、操作者は、このマーク21の向きを所望の向きに合わせながらカテーテル1を生体組織19内に導入することによって、薬剤吐出対象の生体組織19内でも所望の向きに薬剤吐出口6の吐出方向およびワイヤ3の切開方向を調整でき、薬剤吐出対象の生体組織19に適切に薬剤20を吐出することができる。
なお、カテーテル1においては、図1(2)および図2(2)に示すワイヤ3が屈曲した状態で薬剤20の吐出を開始してもよい。この場合には、生体組織19の切開面が完全に閉じてしまう可能性を軽減でき、薬剤20の生体組織19への浸透をさらに確実化できる。
また、実施の形態1では、図3(1)に示すように、貫通穴16からOリング17を取り除いて、貫通長穴13aとルーメン5とを接続させて、貫通長穴13aから薬剤を吐出させるようにしてもよい。この場合には、ルーメン5内の薬剤が、貫通穴16を通って貫通長穴13aから図3(2)の矢印Y6Aのように吐出するため、薬剤吐出口6を省略した躯体2Aを採用できる。さらに、スライダ8が基端側に引ききられた場合でも、スライダ8が貫通穴13aを完全に閉塞しないように、隔壁15に、躯体2Aの基端方向に突出したストッパ部15Aを設けてもよい。このストッパ部15Aは、貫通穴13aの基端側端部よりも先端2a側に突出している。これによって、スライダ8が基端側に引ききられた場合でもスライダ基部12はストッパ部15Aによって基端側への移動を阻害されるため、スライダ8は、貫通長穴13aを完全には閉塞せず、貫通長穴13aからは薬剤が吐出可能である。また、このストッパ部は、図4の躯体2Bの外周部に設けられた凸状のストッパ部15Bでもよく、この場合には、スライダ外周部11の移動を阻害して、貫通長穴13aの閉塞を防止している。
また、スライダ8を引いたとき、カテーテル1内部のスライダ8よりも先端2a側の空間20b(図5参照)に外部から体液や血液が流れ込んでくる場合がある。スライダ8を先端側に戻すときになって、この液体が抵抗になって、戻りにくくなる場合も考えられる。そこで、図5のように、躯体2Cのスライダ8よりも先端2a側に、貫通穴13cを設けて、外部から躯体2C内部の空間20bに流れ込んだ液体がこの貫通穴13dから再度外部に流れ出るようにして、液体によるスライダ8への抵抗を減らしてもよい。また、貫通穴13dのように、スライダ8よりも先端側に貫通穴を延長させてもよい。この貫通穴13c,13dは、双方ともに形成してもよく、また、いずれか一方だけを形成してもよい。さらに、スライダ8Cのように、スライダ基部12Cに隙間16Cを設け、スライダ8Cと隔壁15との間の空間20cにも液体が流れるようにして、液体によるスライダ8Cへの抵抗をさらに減らしてもよい。なお、隙間16Cは、スライダ基部12Cに貫通穴を設けて形成するほか、スライダ基部12Cを柱状ではなく骨格だけの構造とすることによって形成してもよい。
(実施の形態1の変形例1)
次に、実施の形態1の変形例1について説明する。図6(1)〜(3)は、本実施の形態1の変形例1にかかるカテーテルの斜視図である。図7(1)〜(3)は、図6に示すカテーテルを生体組織に導入した状態で該カテーテルの軸に沿って切断した先端部分の断面図である。
図6および図7に示すように、実施の形態1の変形例1にかかるカテーテル201は、薬剤吐出口としても機能する一つの貫通長穴213が側面に形成された躯体202と、切開部材であるワイヤ3と、ワイヤ3を操作するための操作部材を構成する線材4とを備える。躯体2と同様に、躯体202の先端202aは尖形状を有し、基端202bは、ルーメン205と連通した開口部を有する。
また、カテーテル201は、躯体202のルーメン205内を移動する円柱状のスライダ208をさらに備える。スライダ208は、躯体202内表面に液密に接した状態で、貫通長穴213に沿って軸方向にスライドする。線材4は、躯体202のルーメン205内部において、一端がアンカ209cによってスライダ208の基端側底面に固定接続され、他端が躯体202の基端側202bにおいてルーメン205から外部に突出している。カテーテル1と同様に、線材4の他端には、操作ノブ14が取り付けられている。
そして、ワイヤ3の一端は、スライダ208の基端側底面の貫通長穴213側に、アンカ209aによって固定接続される。躯体202側面には、貫通長穴213よりも基端側に、貫通穴216が形成されている。ワイヤ3の他端は、この貫通長穴213を経由して躯体202外側面に出た後、貫通穴216を通ってルーメン205内に戻り、ルーメン205を通って躯体202の基端202b側から突出する。なお、貫通穴216にはOリング17が設けられており、このOリング17とワイヤ3とが嵌合することで、躯体202内部は液密の状態が保たれる。また、躯体202の基端202bから突出したワイヤ3の他端には、操作ノブ214が取り付けられている。切開部材であるワイヤ3は、操作ノブ214とともに操作部材としても機能する。
次に、カテーテル201を用いた薬剤投与方法について説明する。まず、操作者は、図7(1)のように生体組織内にカテーテル201の先端202aを導入し、生体組織19内の薬剤を投与する目標部位にカテーテル201の貫通長穴213の基端202b側を位置付けた後、図6(2)の矢印Y21のように操作ノブ14を基端202b側に引く。これによって、図7(2)の矢印Y21aのように、線材4も基端202b側に引き出され、これにともない、スライダ208が躯体202の内表面に沿って矢印Y22のようにルーメン205内を基端202b側に移動する。
そして、スライダ208が基端202b側に移動するにしたがって、貫通長穴213から躯体202外側面に出ているワイヤ3は、矢印Y23のように、貫通長穴213から吐出される薬剤の吐出方向前方に向かって突出するように屈曲して拡張し、貫通長穴213から離間する。このワイヤ3の屈曲によって、図7(2)に示すように、貫通長穴213の基端202b側の生体組織19がワイヤ3によって切開され、切開された領域が、薬剤が生体内に入ってゆく導路7となる。なお、ワイヤ3の屈曲方向が傾いたり横になったりしないように、ワイヤ3は、予め癖付けされているとよい。
次に、操作者が、図6(3)に示す矢印Y24のようにワイヤ3他端に取り付けられた操作ノブ214を基端202b側に引くと、図7(3)に示すように、ワイヤ3も矢印Y24aのように基端202b側に引かれ、これによって、吐出方向前方に向かって突出していた部分も矢印Y25のようにルーメン205内に引き込まれワイヤ3の屈曲も解消する。この状態で、カテーテル201の基端202b側から薬剤20がルーメン205内に導入されると、この薬剤20は、矢印Y26のようにスライダ208によって塞がれていない貫通長穴213の基端側部分から吐出し、ワイヤ3の切開によって形成された導路7を通って生体組織19内部に浸透してゆく。なお、カテーテル201においても、ワイヤ3が屈曲した状態で薬剤20の吐出を開始してもよい。
このように、カテーテル201においては、カテーテル1と同様の効果を奏するとともに、スライダ208が躯体202内部を移動するため、カテーテル201外にスライダ208が突出せずカテーテル201の生体内への導入が容易であるという効果をさらに奏する。
また、カテーテル201においては、切開部材であるワイヤ3の他端を躯体202のルーメン205を通って基端202bから突出させて操作部材として使用しているため、カテーテル1における隔壁15および弾性バネ18を備える必要がなく、構造をさらに簡易にすることができる。
また、カテーテル201においては、貫通長穴213を薬剤吐出口として利用しており、薬剤吐出口を別個に設ける必要がなくなることから、カテーテル1よりも強度を高めることができる。
(実施の形態1の変形例2)
次に、実施の形態1の変形例2について説明する。図8(1)〜(3)は、本実施の形態1の変形例2にかかるカテーテルの斜視図である。図9(1)〜(3)は、図8に示すカテーテルを生体組織に導入した状態で該カテーテルの軸に沿って切断した先端部分の断面図である。
図8および図9に示すように、実施の形態1の変形例2にかかるカテーテル301は、薬剤吐出口6が先端302a側の側面に形成された躯体302と、切開部材であるワイヤ3とを備える。躯体302は、躯体2と同様に、先端302aは尖形状を有し、基端302bはルーメン305と連通した開口部を有する。躯体302の先端302a側の側面には、薬剤吐出口6の先端302a側に貫通穴316aが形成され、薬剤吐出口6の基端302b側に貫通穴316bが形成されている。
ワイヤ3の一端は、基端302b側の開口部から突出しており、操作ノブ314aが取り付けられている。図9(1)に示すワイヤ3の下部3aが、基端302b側に延伸して操作ノブ314aに接続する。
ワイヤ3の他端は、基端302b側の開口部を介してルーメン305に通され、そのまま先端302a側にまで差し込まれる。ワイヤ3の他端は、貫通穴316aを経由して躯体302外側面に出た後、貫通穴316bを通ってルーメン305内に戻り、ルーメン305を通って躯体302の基端側302bから突出する。この基端302bから突出したワイヤ3の他端には、操作ノブ314bが取り付けられている。ワイヤ3の上部3bが、基端302b側に延伸して操作ノブ314bに接続する。切開部材であるワイヤ3は、操作ノブ314a,314bとともに操作部材としても機能する。なお、貫通穴316a,316bにはそれぞれOリング17が設けられており、このOリング17とワイヤ3とが嵌合する。
そして、躯体302内には、ワイヤ3の薬剤吐出口6からの離間を誘導するガイド部材322が設けられている。このガイド部材322は、図9に示すように、貫通穴316aよりも先端302a側で躯体302内部に一端が固定されており、他端側は開口している。そして、ガイド部材322は、貫通穴316aを覆うような断面形状を有する。
次に、カテーテル301を用いた薬剤投与方法について説明する。まず、操作者は、図9(1)のように生体組織内にカテーテル301の先端302aを導入し、生体組織19内の薬剤を投与する目標部位にカテーテル301の薬剤吐出口6を位置付けた後、図8(2)の矢印Y31のように、操作ノブ314aを基端302b側から先端302a側に押し込む。
これによって、図9(2)の矢印Y31aのように、ワイヤ3も先端302a側に押し込まれ、これにともない、ガイド部材322に沿って、ワイヤ3が躯体302の貫通穴316aから躯体302外部に繰り出される。ここで、貫通穴316bではOリング17がワイヤ3と嵌合しているため、貫通長穴316aからは、押し込まれた長さ分のワイヤ3がそのまま繰り出される。躯体302外側面に繰り出されたワイヤ3は、矢印Y33のように、薬剤吐出口6から吐出される薬剤の吐出方向前方に向かって突出するように屈曲して拡張し、薬剤吐出口6から離間する。このワイヤ3の屈曲によって、図9(2)に示すように、薬剤吐出口6の薬剤吐出方向前方にある生体組織19がワイヤ3によって切開され、切開された領域が、薬剤20が生体内に入ってゆく導路7となる。
次に、図8(3)の矢印Y34のように、操作者が操作ノブ314bを基端302b側に引くと、この操作ノブ314bに接続するワイヤ3の上部3bも図9(3)の矢印Y34aのように基端302bに引かれる。これによって、ワイヤ3の吐出方向前方に向かって突出していた部分も矢印Y35のように貫通穴316bを通ってルーメン305内に引き込まれワイヤ3の屈曲も解消する。この状態で、カテーテル301の基端302b側から薬剤20がルーメン305内に導入されると、この薬剤20は、矢印Y36のように、薬剤吐出口6から吐出し、ワイヤ3の切開によって形成された導路7を通って生体組織19内部に浸透してゆく。なお、カテーテル301においても、ワイヤ3が屈曲した状態で薬剤20の吐出を開始してもよい。
このように、カテーテル301においては、切開部材であるワイヤ3の両端を躯体302のルーメン305を介して基端302bの開口部から突出させて、操作部材の一部としている。このため、カテーテル301においては、カテーテル1およびカテーテル201におけるスライダ8,208を設ける必要がなく、さらに構成を簡易化することができる。また、カテーテル301においては、カテーテル1およびカテーテル201における貫通長穴13,213を削除した構成となるため、カテーテル1,201よりも強度を高めることができる。
(実施の形態1の変形例3)
次に、実施の形態1の変形例3について説明する。図10(1)〜(3)は、本実施の形態1の変形例3にかかるカテーテルの斜視図である。図11(1)〜(3)は、図10に示すカテーテルを生体組織に導入した状態で該カテーテルの軸に沿って切断した先端部分の断面図である。
図10(1)および図11(1)に示すように、実施の形態1の変形例3にかかるカテーテル401は、躯体402と切開部材であるワイヤ3とを備える。躯体2と同様に、躯体402の先端402aは、尖形状を有し、基端402bは、ルーメン405と連通した開口部を有する。
ワイヤ3は、先端が躯体402のルーメン405の先端に固定部材409によって固定されることで、躯体402内部に収容されるとともに、基端が躯体402のルーメン405を通って躯体402の基端402bから突出する。躯体402の基端402bから突出したワイヤ3の基端には、操作ノブ414が取り付けられている。
躯体402は、側面にルーメン405からワイヤ3の少なくとも一部を突出させる開口である貫通長穴413が形成されている。この貫通長穴413は、薬剤吐出口としても機能する。躯体402のルーメン405の先端は、ワイヤ3の貫通長穴413からの突出を誘導する斜面402cとなっている。
次に、カテーテル401を用いた薬剤投与方法について説明する。まず、操作者は、図11(1)のように生体組織内19にカテーテル401の先端402aを導入し、生体組織19内の薬剤を投与する目標部位にカテーテル401の貫通長穴413を位置付ける。
その後、図10(2)の矢印Y41のように操作ノブ414を躯体402のルーメン405内に押し入れる。これによって、図11(1)の矢印Y41aのように、先端側においてもワイヤ3が押し入れられ、ワイヤ3が躯体402のルーメン405の斜面402cに沿って当接していき、斜面402cと当接した部分よりも基端側の部分が貫通長穴413から矢印Y43のように、屈曲しながら突出するように誘導される。操作ノブ414を躯体402のルーメン403に押し入れることによって、ワイヤ3の少なくとも一部が躯体402側面から離間するようにワイヤ3を屈曲させることができる。
このワイヤ3の屈曲によって、図11(2)に示すように、貫通長穴413上の躯体402の側面の生体組織19がワイヤ3によって切開され、切開された領域が、薬剤が生体内に入ってゆく導路7となる。なお、ワイヤ3の屈曲方向が傾いたり横になったりしないように、ワイヤ3は、躯体402の径方向に沿って貫通長穴413上で屈曲するように、予め癖付けされているとよい。
続いて、操作者が、図10(3)に示す矢印Y44のようにワイヤ3他端に取り付けられた操作ノブ414を躯体402とは逆側に引くと、図11(3)に示すように、ワイヤ3の先端部も矢印Y44aのように基端402b側に引かれ、これによって、貫通長穴413上に向かって突出していた部分も矢印Y45のようにルーメン405内に引き込まれワイヤ3の屈曲も解消する。
そして、この状態で、カテーテル401の基端402b側から薬剤20がルーメン405内に導入されると、この薬剤20は、ルーメン405を通って、先端に至り、矢印Y46のように貫通長穴413から吐出し、ワイヤ3の切開によって形成された導路7を通って生体組織19内部に浸透してゆく。なお、カテーテル401においても、ワイヤ3が屈曲して貫通長穴413から出た状態で薬剤20の吐出を開始してもよい。
このように、カテーテル401においては、躯体402のルーメン405の先端面を斜面402cとして、この斜面402cによってワイヤ3が貫通長穴413に誘導されるようにしているため、ワイヤ3の先端部がルーメン405の中でたわむことなく貫通長穴413から突出させることができ、生体組織19の切開を確実に実行できる。
なお、実施の形態1の変形例3においては、図10および図11に示すカテーテル41に限らず、たとえば、図12および図13に示す構成であってもよい。図12は、本実施の形態1の変形例3にかかる他のカテーテルを生体組織に導入した状態で該カテーテルの軸に沿って切断した先端部分の断面図である。図13は、図12(2)のA−A線断面図である。
図12および図13に示すように、この場合においては、ルーメン405内に、貫通長穴413側の面にガイド用の溝405Bが設けられた埋め込み部材422を有する躯体402Bを用いる。この埋め込み部材422は、たとえば躯体402Bの基端まで延伸する形状を有し、埋め込み部材422の溝405Bも躯体402Bの基端まで延伸する。この溝405Bの中をワイヤ3が通っている。このため、溝405Bは、貫通長穴413に偏心したワイヤ通路として機能する。
この溝405Bを通るワイヤ3の先端は、躯体402Bのルーメン405先端に固定部材409によって固定される。図12(1)に示すように、このワイヤ3の先端は、躯体402Bのルーメン405先端部分のうち貫通長穴413の反対側近くの位置に固定されている。なお、この場合における躯体402Bのルーメン405の先端面402dは、傾斜面ではない。
図12(1)の矢印Y44Bのようにワイヤ3が前方に押されると、ワイヤ3は、溝405Bに沿って、たわむことなく前方に誘導される。ワイヤ3の先端は、貫通長穴413とは反対側近くの位置に固定されているため、押出されたワイヤ3は、図12(2)に示す矢印Y43Bのように、そのまま貫通長穴413から躯体402B外部に突出する方向に屈曲するように誘導される。このワイヤ3の屈曲によって、貫通長穴413上の躯体402の側面の生体組織19がワイヤ3によって切開される。
このように、貫通長穴413に偏心した溝405Bを設け、ワイヤ3の先端を貫通長穴413の反対側近くの位置に固定した場合も、ワイヤ3が貫通長穴413に誘導されるため、ワイヤ3の先端部がルーメン405の中でたわむことなく貫通長穴413から突出させることができ、生体組織19の切開を確実に実行できる。
また、図12および図13に示す場合においては、躯体402Bに代えて、図10および図11に示す躯体402を用いることによって、図14の矢印Y43Cのようにワイヤ3による貫通長穴413からの突出をさらに確実に誘導できるようにしてもよい。
また、実施の形態1および実施の形態1の変形例1〜3においては、切開部材の突出を利用して、躯体の位置を、腫瘍を含む生体組織の中で安定させることもできる。このような場合、切開部材として機能する線材およびワイヤは、生体組織19を押しつぶす程度の鋭利さであると扱いやすい。
たとえば、実施の形態1の変形例3に示すカテーテル401を例として説明する。図15に示すように、内視鏡23のチャネルを経由して、カテーテル402を胃壁19A経由で腫瘍19Bに穿刺し、切開部材であるワイヤ3を屈曲した状態で躯体402の貫通長穴から突出させると、この突出したワイヤ3が腫瘍19B内で引っかかるため、カテーテル401は、矢印Y47の方向に、腫瘍19Bから抜けにくくなる。
さらに、ワイヤ3の拡張方向を、図16および図17の矢印Y48Dのように、躯体402の挿入方向とは逆方向に傾いた方向となるように、ワイヤ3を癖付けしておいてもよい。言い換えると、ワイヤ3は、躯体402から離間する方向に変位する際に、腫瘍19Bを躯体402に対して基端側に押圧する経路で離間するように構成される。すなわち、ワイヤ3の拡張作用が腫瘍19Bを躯体402の挿入方向とは反対側に押す力成分をもつ。内視鏡23の先端当接面と拡張したワイヤ3によって、腫瘍19Bと胃壁19Aとが挟まれ、躯体402の位置がさらに安定する。この場合、突出したワイヤ3とともに内視鏡23の先端当接面も、躯体402の動きを止めるストッパとして作用する。
(実施の形態1の変形例4)
次に、実施の形態1の変形例4について説明する。図18(1)および(2)は、本実施の形態1の変形例4にかかるカテーテルの斜視図である。図19(1)および(2)は、図18に示すカテーテルを生体組織に導入した状態で該カテーテルの軸に沿って切断した先端部分の断面図である。
図18および図19に示すように、実施の形態1の変形例4にかかるカテーテル501は、図1および図2に示すカテーテル1と比して、切開部材としてワイヤ3に代えて、切開用のブレード503を備える。
このブレード503は、ほぼ同じ長さの2枚のブレード部503a,503bを回動軸503cで接続した構造を有する。そして、ブレード部503aの先端2a側は、スライダ8のスライダ外周部11に固定された固定部材509aに回転軸を介して接続し、ブレード部503bの基端2b側は、固定部材509bによって固定された固定部材10に、回転軸を介して接続する。ブレード503は、耐食鋼などによって形成される。
次に、カテーテル501を用いた薬剤投与方法について説明する。まず、操作者は、図18(1)および図19(1)のように生体組織19内にカテーテル501の先端2aを導入し、生体組織19内の薬剤を投与する目標部位にカテーテル1の薬剤吐出口6を位置付けた後、図18(2)の矢印Y51のように操作ノブ14を基端2b側に引く。これによって、図19(2)の矢印Y51aのように線材4が基端2b側に引き出され、矢印Y52のように、スライダ8が基端2b側に移動する。
そして、スライダ8が基端2b側の固定部材10に近づくにしたがって、ブレード503の各ブレード部503a,503bは、矢印Y53のように、図19(1)に示す躯体2の外表面に沿って位置する第1の状態から、図19(2)に示す躯体2の外表面に対して傾いた第2の状態に変位し、薬剤吐出口6の薬剤の吐出方向前方に突出するように屈曲する。ブレード部503a,503bは、この変位によって生体組織19を切開し、ブレード部503a,503bによって切開された領域が、薬剤が生体内に入ってゆく導路7となる。
そして、カテーテル1と同様に、操作者が操作ノブ14を引く動作を止めると、弾性バネ18の弾性力によりスライダ8は元の位置に復帰し、これにともない、ブレード503も躯体2の外表面に沿って位置する第1の状態に戻る。この状態で、カテーテル501の基端2b側から薬剤20がルーメン5内に導入されると、この薬剤20は、薬剤吐出口6から吐出し、ブレード部503a,503bの切開によって形成された導路7を通って生体組織19内部に浸透してゆく。
このように、カテーテル501においては、カテーテル1におけるワイヤ3に代えてブレード503を切開部材として用いるため、実施の形態1と同様の効果を奏するとともに、ブレード503を用いることによって、生体組織19に対する切開力をさらに高めることができ、また、切開形状も安定させることができる。
なお、実施の形態1の変形例4においては、図19に示すように、ほぼ同じ長さのブレード部503a,503bを有するブレード503に限らず、図20に示すように、長さの異なるブレード部503d,503eを有するブレード503Aを用いてもよい。この場合、先端2a側のブレード部503dの長さを、基端2b側のブレード部503eの長さよりも長く設定する。この結果、躯体2の挿入方向とは逆方向に傾いた方向にブレード503Aが立ち上がり、ブレード503Aが躯体2の挿入方向とは反対側に生体組織19を押す力成分を持つため、躯体2が生体組織19から抜けにくくなる。
(実施の形態1の変形例5)
次に、実施の形態1の変形例5について説明する。図21(1)および(2)は、本実施の形態1の変形例5にかかるカテーテルの斜視図である。図22(1)および(2)は、図21に示すカテーテルを生体組織に導入した状態で該カテーテルの軸に沿って切断した先端部分の断面図である。
図21および図22に示すように、実施の形態1の変形例5にかかるカテーテル601は、薬剤吐出口6および貫通長穴613が側面に形成された躯体602と、切開部材である1枚のブレード部603aを備えたブレード603と、ブレード603を操作するための操作部材を構成し端部に操作ノブ614が取り付けられた線材4とを備える。躯体2と同様に、躯体602の先端602aは尖形状を有し、基端602bは、ルーメン605と連通した開口部を有する。
カテーテル601は、躯体602のルーメン605内を移動する円柱状のスライダ608をさらに備える。スライダ608は、貫通長穴613に沿って、軸方向にスライドする。
ブレード603の1枚のブレード部603aは、先端602a側で屈曲しており、この屈曲した一端がスライダ608の底面のうち先端602a側の底面に回転軸で接続される。そして、ブレード部603aには、軸材603b,603cを含む伸縮機構が接続する。軸材603bの一端は、回転軸を介してブレード部603aの中央付近に接続されており、軸材603bの他端は、回転軸を介して軸材603cの一端と接続する。軸材603cの他端は、躯体602内部に固定された固定部材609cに回転軸を介して接続する。ブレード603は、耐食鋼などによって形成される。スライダ608は、固定部材609cよりも先端部をスライド移動する。
線材4は、躯体602のルーメン605内部において、一端がスライダ608の基端側底面に固定接続され、他端が躯体602の基端602b側においてルーメン605から外部に突出している。躯体602内部のルーメン605内であって、薬剤吐出口6と貫通長穴613との間に対応する位置に、貫通穴16が形成された隔壁15が設けられている。線材4の他端は、この貫通穴16を通って基端602b側開口部から突出している。貫通穴16に設けられたOリング17と線材4とが嵌合することで、隔壁15の前後で液密の状態が保たれる。
次に、カテーテル601を用いた薬剤投与方法について説明する。まず、操作者は、図22(1)のように生体組織19内にカテーテル601の先端602aを導入し、生体組織19内の薬剤を投与する目標部位にカテーテル601の薬剤吐出口6を位置付けた後、図21(2)の矢印Y61のように操作ノブ614を基端602b側に引く。これによって、図22(2)の矢印Y61aのように、線材4も基端602b側に引き出され、これにともない、スライダ608が躯体602の内表面に沿って矢印Y62のようにルーメン605内を基端602b側に移動する。
そして、スライダ608が基端602b側に移動するにしたがって、スライダ608に接続するブレード部603aも基端602b側に移動する。これにともない、ブレード部603aに接続する伸縮機構の軸材603b,603cも伸張する。この結果、図22(2)の矢印Y63のように、ブレード部603aは、躯体602の外表面に沿って位置する第1の状態から躯体602の外表面に対して傾いた第2の状態に変位する。言い換えると、ブレード部603aは、躯体602の基端602b側から先端602a側に、ブレード部603aの基端側端部が立ち上がる。ブレード部603aは、この変位によって薬剤吐出口6上方の生体組織19を切開し、ブレード部603aによって切開された領域が、薬剤が生体内に入ってゆく導路7となる。
そして、操作者が、操作ノブ614を先端602a側に押し込むと、線材4を介してスライダ608も先端602a側に戻る。この結果、吐出方向前方に立ち上がっていたブレード部603aの基端側端部も立ち下がり、躯体602の外表面側に沿って位置する第1の状態に戻る。この状態で、カテーテル601の基端602b側から薬剤20がルーメン605内に導入されると、この薬剤20は、薬剤吐出口6から吐出し、ブレード部603aの切開によって形成された導路7を通って生体組織19内部に浸透してゆく。
このように、カテーテル601においては、カテーテル501と同様の効果を奏することが可能になるとともに、カテーテル501よりも広い領域を切開できるという効果を奏する。
なお、図23に示すように、ブレード603のブレード部603aを、躯体602の先端602a側の面Bの方が、躯体602の基端602b側の面Aよりも鋭利な形状をなすように形成してもよい。すなわち、面Aの切れ味を面Bよりも鈍いものにする。この場合、この切れ味の鈍い面Aで、ブレード部603aが生体組織19に引っかかるため、躯体602が生体組織19から抜けにくくなる。
また、実施の形態1の変形例5にかかるカテーテルは、図21および図22のブレード603とは逆向きにブレードを配置させた構成であってもよい。図24(1)および(2)は、本実施の形態1の変形例5にかかるカテーテルの他の例の斜視図である。図25(1)および(2)は、図24に示すカテーテルを生体組織に導入した状態で該カテーテルの軸に沿って切断した先端部分の断面図である。
図24および図25に示すカテーテル601Aは、図21および図22に示すカテーテル601に比して、躯体602に代えて、薬剤吐出口としても機能する貫通長穴613Aが側面に形成された躯体602Aと、ブレード603に代えて、ブレード603とは逆刃である1枚のブレード部603dを備えたブレード603Aとを備える。躯体602と同様に、躯体602Aの先端602cは尖形状を有し、基端602dは、ルーメン605Aと連通した開口部を有する。
ブレード603Aのブレード部603dは、基端側で屈曲しており、この屈曲した基端がスライダ608Aの底面のうち躯体602Aの基端602d側の底面に回転軸で接続される。そして、ブレード部603dには、軸材603e,603fを含む伸縮機構が接続する。軸材603eの一端は、回転軸を介してブレード部603dの中央付近に接続されており、軸材603eの他端は、回転軸を介して軸材603fの一端と接続する。軸材603fの他端は、躯体602A内部に固定された固定部材609dに回転軸を介して接続する。スライダ608Aは、固定部材609dよりも基端側をスライド移動する。
この場合には、図25(1)のように生体組織内にカテーテル601Aの先端602cを導入した後、図24(2)の矢印Y61bのように操作ノブ614がルーメン605A内に押し入れられると、図25(2)の矢印Y61cのように、線材4も先端602c側に押し入れられ、これにともない、スライダ608Aが躯体602Aの内表面に沿って矢印Y64のようにルーメン605A内を先端602c側に移動する。
そして、スライダ608Aが先端602c側に移動するにしたがって、スライダ608に接続するブレード部603dも先端602c側に移動する。これにともない、ブレード部603cに接続する伸縮機構の軸材603e,603fも伸張する。この結果、図25(2)の矢印Y65のように、ブレード部603dは、先端側端部が立ち上がり、ブレード部603dは、この立ち上がり貫通長穴613A上方の生体組織19を切開し、薬剤の導路7を生成する。そして、カテーテル601Aの基端602d側から薬剤20がルーメン605A内に導入されると、この薬剤20は、貫通長穴613Aから吐出し、ブレード部603dの切開によって形成された導路7を通って生体組織19内部に浸透してゆく。
また、図26に示すように、ブレード603Aのブレード部603dを、躯体602Aの先端602c側の面Dの方が、躯体602Aの基端602d側の面Cよりも鋭利な形状をなすように形成してもよい。すなわち、面Cの切れ味を面Dよりも鈍いものとして、この切れ味の鈍い面Cで、ブレード部603dが生体組織19に引っかかるように
する。
(実施の形態1の変形例6)
次に、実施の形態1の変形例6について説明する。図27(1)〜(3)は、本実施の形態1の変形例6にかかるカテーテルの斜視図である。図28(1)〜(3)は、図27に示すカテーテルを生体組織に導入した状態で該カテーテルの軸に沿って切断した先端部分の断面図である。
図27および図28に示すように、実施の形態1の変形例6にかかるカテーテル701は、薬剤吐出口としても機能する一つの貫通長穴713が側面に形成された躯体702と、切開部材であるワイヤ3と、ワイヤ3を操作するための操作部材を構成する線材4とを備える。躯体2と同様に、躯体702の先端702aは尖形状を有し、基端702bは、ルーメン705と連通した開口部を有する。
また、カテーテル701は、躯体702のルーメン705内を移動する柱状のスライダ708をさらに備える。スライダ708は、躯体702内表面に液密に接した状態で、貫通長穴713に沿って軸方向にスライドする。
スライダ708は、スライダ708の前端と後端とを連通する貫通路708a,708b,708cが設けられる。そして、躯体702のルーメン705には、スライダ708の前方、すなわちスライダ708よりも先端702a側に、躯体702内部に固定された滑車709cが設けられる。
線材4の一端は、ルーメン705内部において、スライダ708の先端702a側の面にアンカ709bによって固定接続される。線材4の他端は、滑車709cにかかって向きが基端702b側に反転した後、貫通路708bを通ってルーメン705を経由して躯体702の基端702b側開口部から突出する。この基端702bから突出した線材4の他端には、操作ノブ14が取り付けられている。
躯体702側面には、貫通長穴713よりも先端702a側に、貫通穴716が形成されている。ワイヤ3の一端は、スライダ708の先端側底面に、アンカ709aによって固定される。ワイヤ3の他端は、貫通長穴713を経由して躯体702外側面に出た後、貫通穴716を通って、ルーメン705内に入り、貫通路708aを通ってルーメン705を経由して躯体702の基端702b側開口部から突出する。この基端702bから突出したワイヤ3の他端には、操作ノブ714が取り付けられている。
次に、カテーテル701を用いた薬剤投与方法について説明する。まず、操作者は、図28(1)のように生体組織19内にカテーテル701の先端702aを導入し、生体組織19内の薬剤を投与する目標部位にカテーテル701の貫通長穴713の先端側を位置付けた後、図27(2)の矢印Y71のように操作ノブ14を基端702b側に引く。これによって、図28(2)の矢印Y71aのように、線材4も基端702b側に引き出され、これにともない、スライダ708が躯体702の内表面に沿って矢印Y72のようにルーメン705内を先端702a側に移動する。
そして、スライダ708が先端702a側に移動するにしたがって、貫通長穴713から躯体702外側面に出ているワイヤ3は、矢印Y73のように、貫通長穴713から吐出される薬剤の吐出方向前方に向かって突出するように屈曲して拡張、貫通長穴713から離間する。このワイヤ3の屈曲によって、図28(2)に示すように、貫通長穴713の先端702a側の生体組織19がワイヤ3によって切開され、切開された領域が、薬剤が生体内に入ってゆく導路7となる。なお、ワイヤ3の屈曲方向が傾いたり横になったりしないように、ワイヤ3は、予め癖付けされているとよい。
次いで、操作者が、図27(3)に示す矢印Y74のようにワイヤ3他端に取り付けられた操作ノブ714を基端702b側に引くと、図28(3)に示すように、ワイヤ3も矢印Y74aのように基端702b側に引かれ、これによって、吐出方向前方に向かって突出していた部分も矢印Y75のようにルーメン705内に引き込まれワイヤ3の屈曲も解消する。この状態で、カテーテル701の基端702b側から薬剤20がルーメン705内に導入されると、この薬剤20は、スライダ708の貫通路708cを通って、スライダ708の先端702a側の空間に至る。スライダ708と躯体702のルーメン705は液密に接するようになっているため、貫通長穴713は、先端702a側の一部だけが開口し、残りはスライダ708によって塞がれる。そして、薬剤20は、矢印Y76のようにスライダ708によって塞がれていない貫通長穴713の先端702a側部分から吐出し、ワイヤ3の切開によって形成された導路7を通って生体組織19内部に浸透してゆく。なお、カテーテル701においても、ワイヤ3が屈曲した状態で薬剤20の吐出を開始してもよい。なお、図28(1)〜(3)では、スライダ708に薬剤20の通り抜け専用の管通路708cを設けた場合を例に説明したが、線材4およびワイヤ3が通る貫通路708a,708bが薬剤20の通り抜け用の貫通路を兼ねてもよい。
このように、カテーテル701においては、カテーテル1と同様の効果を奏するとともに、カテーテル側面に薬剤吐出口として機能する貫通長穴713を設けた場合でも、カテーテル先端に近い位置から薬剤20を吐出することができる。
なお、図29のカテーテル801に示すように、ワイヤ3の代わりに、2枚のブレード部503a,503bを回動軸503cで接続した構造のブレード803を採用して、切開力の向上と切開形状の安定化を図ってもよい。カテーテル801は、薬剤吐出口としても機能する一つの貫通長穴813が側面に形成された躯体802を有する。ブレード部503aの先端802a側が、回転軸を含む固定部材809cによって、躯体802の貫通長穴813よりも先端側内部に接続される。ブレード部503bの基端側が、スライダ808の先端側底面に、回転軸を含む固定部材809dによって接続される。なお、線材4の基端側には、カテーテル701と同様に、操作ノブが取り付けられている。
カテーテル801においては、カテーテル701と同様に、操作ノブが基端側に引かれることによって、矢印Y81のように線材4も基端側に引き出され、スライダ808が躯体802の内表面に沿って矢印Y82のようにルーメン805内を先端802a側に移動する。そして、スライダ808が先端802a側に移動するにしたがって、ブレード部503a,503bは、躯体802の外表面に沿った状態から、矢印Y83のように貫通長穴813の薬剤の吐出方向前方に突出した状態に変位して生体組織19を切開し、この切開された領域が、薬剤が生体内に入ってゆく導路7となる。なお、スライダ808が元の位置に戻されることによってブレード部503a,503bも躯体802の外表面に沿った状態に戻るため、カテーテル701のようにワイヤ3の一端を基端側まで引き出すための貫通路708aをスライダ808に設ける必要はない。
また、カテーテル701のようにワイヤ3の一端を基端側まで引き出さずとも、図30のカテーテル901に示すように、一端がスライダ808に固定されたワイヤ3の他端を、躯体902の薬剤吐出口6の基端側にある貫通穴916を経由して、躯体902外側面に出した後に、薬剤吐出口6を介してルーメン905内に導き、ルーメン905内で躯体902内部に固定部材909aで固定してもよい。このカテーテル901のように構成することによって、ワイヤ3の引き回しが簡易になるとともに、貫通穴916を設けることによってワイヤ3全体がルーメン905内に入り込んでしまうことを防止し、切開時のワイヤ3の屈曲を円滑化することができる。
カテーテル901においては、カテーテル701と同様に、操作ノブが基端側に引かれることによって、矢印Y91のように線材4も基端側に引き出され、スライダ808が躯体902の内表面に沿って矢印Y92のようにルーメン905内を先端902a側に移動する。そして、スライダ808が先端902b側に移動するにしたがって、ワイヤ3は、矢印Y93のように薬剤吐出口6の薬剤の吐出方向前方に突出するように屈曲して拡張することで生体組織19を切開し、この切開された領域が、薬剤が生体内に入ってゆく導路7となる。なお、スライダ808が元の位置に戻されることによってワイヤ3の屈曲も解消されるため、カテーテル701のようにワイヤ3の一端を基端側まで引き出すための貫通路708aをスライダ808に設ける必要はない。
さらに、図31に示すカテーテル1001のように、操作部材として、線材の代わりにネジ溝が側面に形成され躯体902の基端側開口部から突出するように延伸するロッド1004をスライダ1008に接続して、カテーテル901の滑車709cを省略してもよい。
なお、本実施の形態1においては、薬剤吐出口が複数設けられる場合にも適用可能である。たとえば、図32のカテーテル1101に示すように、躯体1102の先端1102a側の側面に、4つの薬剤吐出口(図32では2つの薬剤吐出口61,62のみを示す。)、4つの貫通長穴(図32では2つの貫通長穴131,132のみを示す。)が設けられた場合には、切開部材として4本のワイヤ31〜34を設ければよい。この4本のワイヤ31〜34は、それぞれ対応する各薬剤吐出口の一部を覆うように各端部がスライダのスライダ外周部11および固定部材10に接続されている。
そして、矢印Y1のように操作ノブ14が操作者によって基端1002b側に引かれることによってスライダも基端1002b側に移動し、これにともない4本のワイヤ31〜34も矢印Y3a〜Y3dのように各薬剤吐出口から離間するように屈曲して拡張する。この結果、生体組織19が各薬剤吐出口の薬剤吐出方向前方の4箇所でそれぞれ切開される。
このように、複数の薬剤吐出口が設けられていた場合には、各薬剤吐出口に対応させて切開部材を設けて、各薬剤吐出口に対応させて薬剤の導路を確保すればよい。なお、躯体1102の基端1002b側側面に各薬剤吐出口と同軸上にそれぞれマーク(図32では2つのマーク121,122のみを示す。)を設けて、薬剤吐出口の吐出方向およびワイヤ31〜34の切開方向を調整できるようにしてもよい。
また、カテーテル1101においては、図33に示すように、ワイヤ31の拡張方向を、図33の矢印Y113aのように、躯体1102の挿入方向とは逆方向に傾いた方向となるように、ワイヤ31を癖付けし、ワイヤ33の拡張方向を、図33の矢印Y113cのように、躯体1102の挿入方向に傾いた方向となるように、ワイヤ33を癖付けしてもよい。この場合には、ワイヤ31,33の拡張作用によって、腫瘍19Bを躯体1102の挿入方向に押す力成分と、腫瘍19Bを躯体1102の挿入方向とは反対側に押す力成分との2つを持たせることができる。この結果、カテーテル1102は、腫瘍19Bから抜けにくくなり、躯体1102の位置がさらに安定する。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。図34(1)および(2)は、本実施の形態2にかかるカテーテルを生体組織に導入した状態で該カテーテルの軸に沿って切断した先端部分の断面図である。
図34(1)に示すように、実施の形態2にかかるカテーテル1201は、先端に薬剤吐出口として機能する開口部1202aが形成された躯体1202と、先端1202a近くのルーメン1205内部に設けられた2つのガイド部材1208,1209と、切開部材として機能するワイヤ3とを有する。ガイド部材1208,1209には、それぞれが貫通路1208a,1209aを設けられる。
ワイヤ3の一端は、躯体1202の基端開口部から突出している。ワイヤ3の他端は、基端側開口部を介してルーメン1205に通され、ガイド部材1208の貫通路1208aを経由して躯体1202の先端にまで差し込まれる。そして、ワイヤ3の他端は、向きが反転された後にガイド部材1209の貫通路1209aを通ってルーメン1205を経由して躯体1202の基端側開口部から突出する。ワイヤ3の躯体1202の基端側開口部から突出した各端部は、躯体1202の先端側に押し入れられることによって、ワイヤ3を躯体1202先端の開口部1202aから軸方向へ突出させ、また、躯体1202の基端側に引かれることによって、躯体1202先端から突出していたワイヤ3を躯体1202内部に引き込むことができる。
ワイヤ3の両端は躯体1202の基端側開口部から躯体1202外部に出ているため、操作者によってワイヤ3の各端部を押し込まれることによって、ワイヤ3は、図34(1)の矢印Y121,122で示す軸方向に押し出され、図34(2)の矢印Y123のように躯体1202の先端1202aから軸方向に突出して拡張する。ワイヤ3は、ガイド部材1208,1209の各貫通路1208a,1209aに沿って押し出されており、ガイド部材1208,1209は、ワイヤ3の躯体1202の軸方向への突出を誘導している。このワイヤ3の開口部1202aからの突出によって、開口部1292a前方の生体組織19がワイヤ3によって切開され、切開された領域が、薬剤が生体内に入ってゆく導路7となる。なお、カテーテル1201においては、ワイヤ3の各端部を躯体1202の基端側に引いて躯体1202先端から突出していたワイヤ3を躯体1202内部に引き込んでから薬剤20の吐出を開始してもよく、また、ワイヤ3が突出した状態のままで薬剤20の吐出を開始してもよい。
このように、躯体1202の先端に薬剤吐出用の開口部1202aが設けられたカテーテル1201においても、この開口部1202aからワイヤ3を突出させることによって生体組織19を切開して導路7を確保できるため、実施の形態1と同様の効果を奏する。
また、実施の形態1,2において、切開部材としてワイヤを用いる場合には、図35(1)に示すように断面が円形のワイヤ35を採用するほか、図35(2)および図35(3)に示すように鋭角を有する断面のワイヤ36,37を採用して、さらに切開性能を高めてもよい。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について説明する。図36(1)および図36(2)は、本実施の形態3にかかるカテーテルの斜視図である。図37(1)および図37(2)は、図36に示すカテーテルを生体組織に導入した状態で該カテーテルの軸に沿って切断した先端部分の断面図である。
図36および図37に示すように、実施の形態3にかかるカテーテル1301は、内部にルーメン1305を有し、基端1302bに、ルーメン1305と連通した開口部を有する躯体1302を備える。躯体1302の先端1302aは、生体組織に穿刺できるように尖形状を有する。さらに、躯体1302からは、細長い板状の板状部1303が残るように、躯体1302の先端1302a側の一部が軸に沿って切り取られている。躯体1302から板状部1303以外の一部が切り取られることによって、ルーメン1305は、板状部1303基端の開口1313と接続する。板状部1303よりも先端に位置する先端部1302cは、たとえば中実となっており、基端側に、支持棒1314の一端が接続する。支持棒1314は、開口1313を経由してそのまま躯体1302のルーメン1305内部を挿通し、躯体1302の基端1302bから外部に他端が突出する。支持棒1314の他端には、操作ノブ14が取り付けられている。
次に、カテーテル1301を用いた薬剤投与方法について説明する。まず、操作者は、図37(1)のように生体組織19内にカテーテル1301の先端1302aを導入し、生体組織19内の薬剤を投与する目標部位にカテーテル1301の板状部1303を位置付けた後、図36(2)の矢印Y131のように操作ノブ14を基端1302b側に引く。これによって、図37(2)の矢印Y131aのように、支持棒1304も基端1302b側に引き出され、これにともない、先端部1302cも矢印Y132のように躯体1302本体の基端1302b側に移動する。
そして、先端部1302cが基端1302b側に移動するにしたがって、板状部1303は、矢印Y133のように、躯体1302の径方向外側に向かって突出するように屈曲する。この板状部1303の屈曲によって、図37(2)に示すように、開口1313近辺の生体組織19が切開され、切開された領域が、薬剤が生体内に入ってゆく導路7となる。この状態で、カテーテル1301の基端1302b側から薬剤20がルーメン1305内に導入されると、この薬剤20は、矢印Y136のように開口1313から吐出し、板状部1303の切開によって形成された導路7を通って生体組織19内部に浸透してゆく。
この実施の形態3のように、躯体1302の一部が切り取られて形成された板状部1303を屈曲するように変形させた場合も、生体組織19自体を切開して導路7を確保できるため、実施の形態1と同様の効果を奏する。
なお、板状部1303は、図36のB−B線断面図である図38に示すように、外部に凸となる形状に形成されることで、屈曲しやすくなっている。また、図39に示すように、さらに、板状部1303に躯体1302の周方向に沿ったスリット1303aを入れて、さらに屈曲しやすくさせてもよい。
また、図40の矢印のように、屈曲時に躯体1302Aの挿入方向とは逆方向に傾いた方向となるように、板状部1303Aの剛性を部位によって変えてもよい。たとえば、板状部1303Aの中央よりも基端側の領域A1の部分を他の部分よりも柔らかくし、この領域A1で板状部1303が屈曲しやすくなるようにする。このように屈曲した板状部1303に生体組織が引っかかり、カテーテルは、腫瘍から抜けにくくなる。
(実施の形態4)
次に実施の形態4について説明する。実施の形態4では、切開部材から薬剤を吐出する場合について説明する。図41(1)および(2)は、本実施の形態4にかかるカテーテルの斜視図である。図42(1)および(2)は、図41に示すカテーテルを生体組織に導入した状態で該カテーテルの軸に沿って切断した先端部分の断面図である。図43は、カテーテル1401を図42(1)に示すC−C線で切断した基端部分の斜視図である。
図41(1)および図42(1)に示すように、実施の形態4にかかるカテーテル1401は、内部にルーメン1405を有する躯体1402と、屈曲可能であって切開部材としても機能するチューブ1403とを備える。チューブ1403は、先端1403aが躯体1402のルーメン1405の先端面1402cにおいて、固定部材1409によって固定されることで、躯体1402内部に収容される。チューブ1403の先端1403aは、固定部材1409によって、躯体1402のルーメン1405の先端部分のうち、貫通長穴1413の反対側近くの位置に固定されている。
躯体1402の先端1402aは、尖形状を有し、基端1402bは、ルーメン1405と連通した開口部を有する。躯体1402の先端部側面には、ルーメン1405からチューブ1403の少なくとも一部を突出させる開口である貫通長穴1413が形成されている。
チューブ1403は、内部にルーメン1425が設けられており、ルーメン1425と連通する薬剤吐出口1406が側面に形成される。チューブ1403のルーメン1425は、チューブ1403の基端1403bまで延伸し、基端1403bに、ルーメン1425と連通した開口部が形成される。チューブ1403は、基端1403bが躯体1402のルーメン1405を通って躯体1402の基端1402bから突出する。チューブ1403の基端1403bは、切開部材として機能するチューブ1403の貫通長穴1413からの突出部分を躯体1402から離間する方向に変位させる操作部材として機能する。図42(2)に示すように、チューブ1403の薬剤吐出口1406は、躯体1403からチューブ1403が屈曲して突出した際に躯体1402とは逆側に位置するようにチューブ1403の側面に形成される。
また、躯体1402のルーメン1405のうち、貫通長穴1413に対応した領域に埋め込み部材1422が形成される。この埋め込み部材1422は、図43に示すように、貫通長穴1413側の面に貫通長穴1413に沿って掘られた溝1422aが形成される。埋め込み部材1422の溝1422aの中をチューブ1403が通っており、溝1422aは、貫通長穴1413に偏心した切開部材用の通路として機能する。
次に、カテーテル1401を用いた薬剤投与方法について説明する。まず、操作者は、図42(1)のように生体組織19内にカテーテル1401の躯体1402の先端1402aを導入し、生体組織19内の薬剤を投与する目標部位に躯体1402の貫通長穴1413を位置付ける。
その後、図41(2)の矢印Y411のようにチューブ1403を躯体1402のルーメン1405内に基端1402b側から押し入れる。これによって、図42(2)の矢印Y141aのように、先端側においてもチューブ1403が押し入れられ、チューブ1403は、溝1422aに沿って、たわむことなく前方に誘導される。チューブ1403の先端1403aは、貫通長穴1413の反対側近くの位置に固定されているため、押出されたチューブ1403は、図42(2)に示す矢印Y142のように、そのまま貫通長穴1413から躯体1402外部に突出する方向に屈曲するように誘導される。このチューブ1403の屈曲によって、貫通長穴1413上の躯体1402の側面の生体組織19がチューブ1403によって押し広げられるように切開される。なお、躯体1402の埋め込み部材1422の溝1422aによって、チューブ1403は、躯体1402の径方向に沿って矢印Y144(図43参照)のように貫通長穴1413上で屈曲するように誘導される。さらに、チューブ1403の屈曲方向が傾いたり横になったりしないように、チューブ1403は、躯体1402の径方向に沿って貫通長穴1413上で屈曲するように、予め癖付けされていてもよい。
そして、この状態で、チューブ1403の基端1403b側から薬剤20がチューブ1403のルーメン1425内に導入されると、この薬剤20は、ルーメン1425を通って、先端側に至り、矢印Y143のように薬剤吐出口1406から吐出し、チューブ1403の切開によって形成された導路7を通って生体組織19内部に浸透してゆく。なお、カテーテル1401においては、チューブ1403が屈曲した状態で薬剤20を吐出してもよく、チューブ1403の基端1403b側に引き出しながら薬剤20を導入して、チューブ1403を躯体1402側に近づけながら薬剤20を吐出してもよい。
このように、カテーテル1401においては、チューブ1403の先端1403aが貫通長穴1413の反対側近くの位置に固定されているとともに、貫通長穴1413に沿った溝1422aが形成されるため、チューブ1403の先端部をルーメン1405の中でたわむことなく溝1422aの直上の貫通長穴1413から突出させることができる。
ここで、実施の形態1にかかるカテーテル1においては、躯体2に薬剤吐出口6が設けられている。このため、ワイヤ3で生体組織19を切開した場合、図44(1)に示すように、ワイヤ3が躯体2から離間した状態ではワイヤ3と躯体2との間に作られた空間71に薬剤が矢印のように順調に吐出される。しかし、ワイヤ3を躯体2側に収納するにしたがい、ワイヤ3が薬剤の拡散を妨げる障害物として作用するときがあり(図44(2)参照)、ワイヤ3よりも外側に薬剤が拡散できない場合がある。そして、ワイヤ3を躯体2側面側に収納すると(図44(3)参照)、ワイヤ3が薬剤吐出口6上に位置するので、薬剤がさらに拡散しにくくなる場合もある。そこで、薬剤吐出口6のサイズや位置の調整や、ワイヤ3などの切開部材のサイズ、形状を調整する必要がある。
これに対し、本実施の形態4にかかるカテーテル1401においては、チューブ1403の基端1403bを基端方向に引き出すことによって、躯体1402から離間する方向に変位させたチューブ1403の貫通長穴1413からの突出部分を、躯体1402の貫通長穴1413に近づく方向にも移動することができる。また、薬剤吐出口1406は、躯体1402からチューブ1403が突出した際に躯体1402とは逆側に位置するようにチューブ1403の側面に形成されている。そこで、チューブ1403の基端1403bを躯体1402から引き出すことによって、図45(1)〜(3)に示すようにチューブ1403の突出部分を躯体1402側に矢印Y144のように(図45(2)参照)ゆっくりと戻しながら、それに連動するように矢印Y143のように薬剤を吐出させる。このようにカテーテル1401を操作することによって、チューブ1403が薬剤拡散の邪魔にならず、チューブ1403によって切開された空間72に薬剤を効率よく拡散することができる。
(実施の形態4の変形例1)
次に、実施の形態4の変形例1について説明する。図46(1)および(2)は、実施の形態4の変形例1にかかる示すカテーテルを生体組織に導入した状態で該カテーテルの軸に沿って切断した先端部分の断面図である。図47は、図46(1)のD−D線断面図である。
図46(1)および(2)に示すように、実施の形態4の変形例1にかかるカテーテル1401Aは、実施の形態4にかかるカテーテル1401と比して、躯体1402に代えて、躯体1402Aを有する。
躯体1402Aは、ルーメン1405の先端が、チューブ1403の貫通長穴1413からの突出を誘導する斜面1402dとなっている。また、躯体1402Aには、ルーメン1405内に、貫通長穴1413に沿ってガイド用の溝1422aが設けられるとともに、溝1422aと連続して設けられたルーメン1422bを有する埋め込み部材1422Aが設けられる。このルーメン1422bは、図47に示すように、貫通長穴1413に偏心したものであり、チューブ1403が挿通可能である。この埋め込み部材1422Aは、たとえば躯体1402Aの基端1402bまで延伸する形状を有し、埋め込み部材1422Aのルーメン1422bも躯体1402Aの基端1402bまで延伸する。この埋め込み部材1422Aのルーメン1422bおよび溝1422aの中をチューブ1403が通っている。
次に、カテーテル1401Aを用いた場合、まず、操作者は、図46(1)のように生体組織内にカテーテル1401Aの先端1402aを導入し、生体組織19内の薬剤を投与する目標部位にカテーテル1401の貫通長穴1413を位置付ける。
その後、チューブ1403を躯体1402Aのルーメン1405内に基端側から押し入れる。これによって、図46(2)の矢印Y141aのように、先端側においてもチューブ1403が押し入れられ、チューブ1403は、溝1422aに沿って、たわむことなく前方に誘導される。さらに、チューブ1403は、躯体1402Aのルーメン1405の斜面1402dに沿って当接していき、斜面1402dと当接した部分よりも基端側の部分が貫通長穴1413から矢印Y142aのように、屈曲しながら突出するように誘導される。このチューブ1403の屈曲によって、貫通長穴1413上の躯体1402Aの側面の生体組織19がチューブ1403によって押し広げられるように切開される。そして、この状態で、チューブ1403の基端1403b側から薬剤20がチューブ1403のルーメン1425内に導入されると、この薬剤20は、ルーメン1425を通って、先端側に至り、矢印Y143aのように薬剤吐出口1406から吐出する。
このように、カテーテル1401Aにおいては、躯体1402Aのルーメン1405の先端面を斜面1402dとして、この斜面1402dによってチューブ1403が貫通長穴1413にさらに適切に誘導されるようにしている。
なお、矢印Y141a(図46(2)参照)のようにチューブ1403が押し入れられて先端方向に向かう力がチューブ1403に加えられた場合、チューブ1403が躯体1402Aの径方向に沿って貫通長穴1413上で屈曲しやすくするために、チューブ1403の断面形状を円形以外の楕円形、長方形、三角形などの形状にしてもよい。
たとえば、図48(1)に示すように、断面形状およびルーメン1425aが楕円形であるチューブ1403Aを用いた場合、矢印Y141bの向きの力が加えられた場合、チューブ1403Aは、楕円断面の長軸方向よりも短軸方向(矢印Y144b)に対して屈曲しやすくなる。このため、チューブ1403Aの短軸方向と貫通長穴1413に向かう方向とが一致するように埋め込み部材1422Aの溝1422aおよびルーメン1422bにチューブ1403Aを配置すればよい。さらに、図48(2)に示すチューブ1403Bのように、突出方向側とは逆側の短軸方向側の側面の一部分(たとえば領域A2)を内側に凹ませておいてもよい。このようにすることによって、チューブ1403Bは、一部分の凹ませた側面側に屈曲しにくくなり、矢印Y141cの向きの力が加えられると短軸方向の一方の凹ませた側とは逆側の側面方向(Y144c)に屈曲しやすくなるため、チューブ1403Bの屈曲方向をさらに安定化できる。
また、チューブ1403Aが回転しないように、チューブ1403Aの形状に近い楕円形のルーメン1422cを有する埋め込み部材1422C(図49参照)を用いることによって、チューブ1403Aの形状まで含めて確実にチューブ1403Aを所望の位置に配置することができる。なお、ルーメン1422cは、中心C1ではなく、躯体1402Aの貫通長穴1413側に偏心しており、チューブ1403Aが貫通長穴1413側に対応する矢印の方向に正しく突出できるようにしている。また、チューブ1403Bを用いる場合には、チューブ1403Bの形状に近い、短軸方向側の側面の一部分が凹んだ楕円形状のルーメン1422dを有する埋め込み部材1422D(図50参照)を用いればよい。
また、チューブ1403Aおよびチューブ1403Bを用いた場合には、チューブ1403A,1403Bの屈曲方向を安定化できるため、図51に示すように、貫通長穴1413の基端側端部までを埋め込み部材1422Eで埋め込み、貫通長穴1413の下方を空にしてもよい。もちろん、断面形状が円形であるチューブ1403を用いた場合も、図52に示すカテーテル1401Fのように、貫通長穴1413の基端側端部までを、ルーメン1422bが貫通長穴1413側に偏心した埋め込み部材1422Fで埋め込み、貫通長穴1413の下方を空にしてもよい。チューブ1403は、先端1403aが固定部材1409bによって貫通長穴1413の反対側近くに固定されるとともに、貫通長穴1413側に偏心した埋め込み部材1422Fの角1422gで側面が支持される。このため、チューブ1403を先端側に押し入れる力が加えられると、チューブ1403の屈曲部分が貫通長穴1413側に偏心したルーメン1422b先端から貫通長穴1413方向に向かって突出しやすくなる。
このように、チューブ1403は、突出する部分の先端側が貫通長穴1413側とは反対側の位置で支持され、突出する部分の基端側が貫通長穴1413側の位置で支持されれば、貫通長穴1413から突出するようにチューブ1403の屈曲動作が正しく誘導される。したがって、図53のカテーテル1401Gのように、チューブ1403が躯体1402Aの先端側で折り曲げられて、埋め込み部材1422Fの先端面1422fに先端1403aが固定部材1409Gによって固定される構成でもよい。図53のE−E線断面図である図54に示すように、固定部材1409Gは、貫通長穴1413側とは反対側近くの位置にチューブ1403の先端1403aを固定している。また、貫通長穴1413側に偏心した埋め込み部材1422Fの角1422gでチューブ1403の突出部分の基端側側面が支持される。この場合も、チューブ1403を先端側に押し入れる力が加えられると、チューブ1403の屈曲部分が貫通長穴1413側に偏心したルーメン1422b先端から貫通長穴1413方向に向かって突出しやすくなる。
また、図55のカテーテル1401Hのように、ルーメン1422hにさらに埋め込み部材1422Hを埋め込み、この埋め込み部材1422Hを用い、ルーメン1422bに通されたチューブ1403を折り曲げて、さらに、このルーメン1422hに通し、外部から先端を突出させる構成でもよい。図55のF−F線断面図である図56に示すように、ルーメン1422hは、貫通長穴1413側とは反対側近くに設けられており、折り曲げられたチューブ1403はこのルーメン1422hを通る。埋め込み部材1422Hの二つのルーメン1422b,1422hの先端側の角でチューブ1403の側面が支持されており、この場合も、チューブ1403を先端側に押し入れる力が加えられると、チューブ1403の屈曲部分が貫通長穴1413側に偏心したルーメン1422b先端から貫通長穴1413方向に向かって突出しやすくなる。
このチューブ1403の二箇所の支持位置を、躯体1402A内部において躯体1402Aの貫通長穴1413を通る径方向に沿ってできるだけ離した方が、チューブ1403が貫通長穴1413方向に向かって屈曲しやすくなる。また、チューブ1403の突出する部分の基端側の支持位置を貫通長穴1413近くに設定し、チューブ1403の突出する部分の先端側の支持位置を貫通長穴1413からできるだけはなれた位置に設定することが望ましい。さらに、チューブ1403の突出する部分の基端側の支持位置、および、チューブ1403の突出する部分の先端側の支持位置は、カテーテルの軸との垂直面であって貫通長穴1413を通る面で切断した場合に、貫通長穴1413と躯体1402Aの中心位置とを通る直線上に位置していることが望ましい。
また、実施の形態4および実施の形態4の変形例1においては、図57のカテーテル1401Iに示すように、薬剤吐出口1406に代えて、スリット1406iをチューブ1403iに設け、チューブ1403iの屈曲による変形で、スリット1406iが開き、薬剤が吐出できるようにしてもよい。スリット1406iは、チューブ1403iが躯体1402内に収容されているときには閉状態を維持し、チューブ1403iが躯体1402から離間する方向に変位するとき、すなわちチューブ1403iが貫通長穴1413から屈曲しながら突出したときにのみ閉状態から開状態に遷移する。微小管によって薬剤を体内へ送達する場合、薬剤は温度膨張や毛細管現象、表面張力などの作用によって精密シリンジ等でコントロールしても薬剤吐出口から漏れ出ることがあるが、カテーテル1401iにおいては、チューブ1403iが躯体1402内に収容されているときには閉状態を維持するため、チューブ1403iが屈曲する場合以外において薬剤が漏れ出ることはない。ここで、一度開いたスリット1406iは、チューブ1403iの躯体1402内への収容によって閉じるように構成してもよい。また、スリット1406iを開状態に固定する機構を設けてチューブ1403iが躯体1402内に収納されても開状態が維持されるように構成してもよい。
また、図58のカテーテル1401Jに示すように、薬剤吐出口1401jは、躯体1402からチューブ1403jが突出した際に躯体1401側に位置するようにチューブ1403jの側面に形成されていてもよい。この場合には、図45で説明したように、チューブを躯体内に収納しながら、これに連動して薬剤を吐出する場合などに好適である。
(実施の形態5)
次に、実施の形態5について説明する。図59(1)および図59(2)は、本実施の形態5にかかるカテーテルの斜視図である。図60(1)および(2)は、図59に示すカテーテルを生体組織に導入した状態で該カテーテルの軸に沿って切断した先端部分の断面図である。
図59および図60に示すように、実施の形態5にかかるカテーテル1501は、躯体1502と、細長い棒状部材である操作部材1504とを有する。
躯体1502の先端部の先端1502aは、生体組織に穿刺できるように尖形状を有する。躯体1502は、第1のルーメン1505と、第2のルーメン1526とを有する。第1のルーメン1505と第2のルーメン1526とは、それぞれ基端1502b側に開口を有する。第1のルーメン1505および第2のルーメン1526は、内壁1502cによって仕切られている。躯体1502の第1のルーメン1505側の外壁1502dには、第1のルーメン1505と連通する薬剤吐出口1506が形成されている。躯体1502の第2のルーメン1526側の外壁1502eは、先端側において一部が切り取られ、第2のルーメン1526が露出している。外壁1502eの切取り部分に位置する内壁1502cおよび外壁1502dが、屈曲して躯体1502外側に突出する屈曲部1503として機能する。この屈曲部1503に薬剤吐出口1506が形成される。
躯体1502の先端部1502fは、中実となっており、躯体1502の内壁1502gに、操作部材1504の先端が接続する。操作部材1504は、第2のルーメン1526を経由して躯体1502の基端1502bから外部に基端が突出する。
次に、カテーテル1501を用いた薬剤投与方法について説明する。まず、操作者は、図60(1)のように生体組織19内にカテーテル1501の先端1502aを導入し、生体組織19内の薬剤を投与する目標部位にカテーテル1501の薬剤吐出穴1506を位置付けた後、図59(2)の矢印Y151のように操作部材1504を基端1502b側に引く。これによって、図60(2)の矢印Y151aのように、操作部材1504の先端部分も基端1502b側に引かれ、これにともない、操作部材1504の先端が接続する躯体1502の先端部1502fも矢印Y152のように基端1502b側に移動する。
そして、先端部1504が基端1502b側に移動するにしたがって、屈曲部1503は、矢印Y153のように、躯体1502の径方向外側に向かって突出するように屈曲する。ここで、領域S15b(図59(1)参照)で示した屈曲部1503の薬剤吐出口1506を含む部分の方が、領域S15a(図59(1)参照)で示した薬剤吐出口1506よりも先端側の部分および領域S15c(図59(1)参照)で示した薬剤吐出口1506よりも基端側の部分よりも柔らかくなるように形成して、屈曲部1503が躯体1502の径方向外側に確実に屈曲できるようにしている。
この屈曲部1503の屈曲によって、図60(2)に示すように、薬剤吐出口1506上の生体組織19が押し広げられるように切開され、切開された領域が、薬剤が生体内に入ってゆく導路7となる。この状態で、カテーテル1501の基端1502b側から薬剤20が第1のルーメン1505内に導入されると、この薬剤20は、矢印Y156のように薬剤吐出口1506から吐出し、屈曲部1503の切開によって形成された導路7を通って生体組織19内部に浸透してゆく。
このように、実施の形態5においては、屈曲部1503が屈曲するように躯体1502を変形させて生体組織19自体を切開することによって導路7を確保しているため、実施の形態1と同様の効果を奏するとともに、薬剤吐出口1506を含む部分と、それ以外の部分とで屈曲部1503の剛性を変えることによって、屈曲部1503が躯体1502の径方向外側に屈曲させて、生体組織19を正確に切開できるようにしている。
なお、実施の形態5においては、図61に示すカテーテル1501Aのように、矢印の方向に引く力が躯体1502Aに加わった場合に、屈曲部1503の躯体1502Aの径方向外側への屈曲を阻害しないように、領域S15d,S15eのように、躯体1502の外壁を、側面から見て円弧状に切り取ってもよい。
また、実施の形態5においては、図62のカテーテル1501Bのように、躯体1502Bの屈曲部1503Bに、薬剤吐出口1506に代えて、スリット1506Bを設けてもよい。スリット1506Bは、図62(1)のように、躯体1502Bの屈曲部1503Bが屈曲していないときには閉状態を維持し、図62(2)の矢印Y153bのように屈曲部1503Bが屈曲するときにのみ閉状態から開状態に遷移する。この場合も、図57のカテーテル1401Iと同様に、屈曲部1503Bが屈曲する場合以外において薬剤が漏れ出ることを防止することができる。
(実施の形態6)
次に、実施の形態6について説明する。図63(1)および(2)は、実施の形態6にかかるカテーテルの斜視図である。図64(1)および(2)は、図63に示すカテーテルを生体組織に導入した状態で該カテーテルの軸に沿って切断した先端部分の断面図である。
図63および図64に示すように、実施の形態6にかかるカテーテル1601における躯体1602は、先端1602aが、生体組織に穿刺できるように尖形状を有する。躯体1602は、第1のルーメン1605と、第2のルーメン1626とを有する。第1のルーメン1605と第2のルーメン1626とは、それぞれ基端1602b側に開口を有する。躯体1602の第1のルーメン1605側の外壁には、第1のルーメン1605と連通するスリット1606が形成されている。このスリット1606は、カテーテル1601の軸に対する垂直面に沿って形成される。躯体1602の第2のルーメン1626側の外壁には、スリット1606よりも先端1602a側に貫通穴1616aが設けられ、スリット1606の基端1602b側に貫通穴1616bが設けられる。
躯体1602の先端部は、中実となっており、躯体1602の内壁1602cに、ワイヤ3の先端が固定部材1609によって固定される。内壁1602cに先端が固定されたワイヤ3は、貫通穴1616aを通って第2のルーメン1626から躯体1602外部に出た後、躯体1602の外側面に沿って延伸し、貫通穴1616bと通って第2のルーメン1626に戻り、第2のルーメン1626を経由して、基端側1602bから突出する。貫通穴1616a,1616bには、それぞれOリング17が設けられている。ワイヤ3の基端には、操作ノブ1614が取り付けられている。
次に、実施の形態6にかかるカテーテル1601を用いた薬剤投与方法について説明する。まず、操作者は、生体組織内にカテーテル1601の先端1602aを導入し、図64(1)に示すように、生体組織19内の薬剤を投与する目標部位にカテーテル1601のスリット1606を位置合わせする。
次に、操作者は操作ノブ1614を図63(2)の矢印Y161のように躯体1602の基端1602b側に引く。これによって、図64(2)に示すように、カテーテル1601の先端側においても、矢印Y161aに示すようにワイヤ3が基端1602b側に引かれ、これにともない、ワイヤ3先端が接続する躯体1602の先端部も矢印Y162のように基端1602b側に移動する。そして、躯体1602の先端部が基端1602b側に移動するにしたがって、躯体1602は、矢印Y163のように、ワイヤ3とは反対側の方向に向かって屈曲する。
この躯体1602の屈曲によって、図64(2)に示すように、スリット1606が開くとともに、スリット1606の生体組織19が押し広げられるようにして切開され、切開された領域が、薬剤が生体内に入ってゆく導路7となる。この状態で、カテーテル1601の基端1602b側から薬剤20が第1のルーメン1605内に導入されると、この薬剤20は、矢印Y166のように薬剤吐出口1606から吐出し、導路7を通って生体組織19内部に浸透してゆく。
このように、実施の形態6においては、薬剤吐出用のスリット1606が設けられた躯体1602自体が屈曲することによって、生体組織19を切開してから薬剤を吐出するため、実施の形態と同様の効果を奏する。
なお、実施の形態6では、カテーテル1601の軸に対する垂直面に沿ってスリット1606が形成された場合を例に説明したが、もちろん、これに限らず、図65のカテーテル1601Aのように、カテーテル1601Aの軸と平行な面に沿ってスリット1606Aを形成してもよい。この場合も、図65(2)の矢印Y161Aのように操作ノブ1614が基端1502b側に引かれることによって、躯体1602Aの先端部も矢印Y162のように基端1602b側に移動した結果、躯体1602が矢印Y163aのように屈曲し、スリット1606Aも開いて薬剤吐出可能となる。
(実施の形態7)
次に、実施の形態7について説明する。実施の形態7においては、生体組織の切開のみを行うカテーテルについて説明する。図66(1)および(2)は、実施の形態7にかかるカテーテルの斜視図である。図67(1)および(2)は、図66に示すカテーテルを生体組織に導入した状態で該カテーテルの軸に沿って切断した先端部分の断面図である。
図66および図67に示すように、実施の形態7にかかるカテーテル1701は、実施の形態1にかかるカテーテル1と比して、薬剤吐出口6を省略した構成の躯体1702を有する。
このカテーテル1701においては、実施の形態1と同様に、操作ノブ14が図66(2)の矢印Y171のように躯体1702の先端1702a側から基端1702b側に引かれると、図67(2)の矢印Y171aに示すように、操作ノブ14に接続する線材4が基端1702b側に引き出される。これにともない、矢印Y172のように、線材4の先端に接続されているスライダ8が躯体1702の外表面に沿って基端1702b側に移動してワイヤ3が矢印Y173のように屈曲し、生体組織19がワイヤ3によって切開され、空間1707が生成される。
実施の形態7では、ワイヤ3を屈曲させることによって、薬剤投与対象の腫瘍の繊維性間質などの生体組織を物理的に切開している。実際には、このカテーテル1701による腫瘍の繊維性間質などの生体組織に対する切開処理が行われ(図68のステップS1)、ワイヤ3の屈曲を解消させてからカテーテル1701が腫瘍から引き抜かれた後、切開処理によって減少した繊維性間質部分に血管が新生される間を待機してから(ステップS2)、静脈を介して、あるいは、穿刺したカテーテル等を解して、薬剤を腫瘍内部に送達させる(ステップS3)。
このように、実施の形態7においては、腫瘍に含まれる繊維性間質を減らすために薬剤を全身に投与せずとも、物理的に生体組織を切開することによって薬剤投与対象の腫瘍に含まれる繊維性間質を減らせるため、他の組織に影響を及ぼすことがなく、減少した繊維性間質部分に血管を新たに発達させることができる。
なお、本実施の形態7では、カテーテル1の薬剤吐出口6を省略した構成について説明したが、もちろん、これに限らず、カテーテル301,501,601,1101,1401,1501,1601の薬剤吐出口6,61,62,1406,1506またはスリット1606を省略した構成においても、切開のみを行うカテーテルとして適用可能である。また、カテーテル201,401,701,801,901,1001,1201,1301を生体組織の切開のみに用いることももちろん可能である。
1,201,301,401,501,601,701,801,901,1001,1101,1201,1301,1401,1501,1601,1701 カテーテル
2,2A〜2C,202,302,502,602,702,802,902,1002,1102,1202,1302,1402,1502,1602,1702 躯体
3,31〜37 ワイヤ
4 線材
5,205,305,405,605,705,805,905,1205,1305,1405,1425 ルーメン
6,61,62,1406,1506 薬剤吐出口
7 導路
8,208,608,708,808 スライダ
9b,9a,209a,209c,709a,709b アンカ
10 固定部材
11 スライダ外周部
12,12C スライダ基部
13a,13b,131,132,213,613,713,813,1413 貫通長穴
14,214,314a,314b,614,1614 操作ノブ
15 隔壁
15A,15B ストッパ部
16,216,316a,316b,716,916 貫通穴
17 Oリング
18 弾性バネ
19 生体組織
20 薬剤
21,121,122 マーク
322 ガイド部材
503,803 ブレード
503a,503b ブレード部
503c 回動軸
509a,509b,609c,809c,809d 固定部材
603b,603c 軸材
708a,708b,708c,1208a,1209a 貫通路
709c 滑車
1004 ロッド
1208,1209 ガイド部材
1303 板状部
1313 開口
1403 チューブ
1504 操作部材
1606 スリット

Claims (31)

  1. 一部が生体組織内に導入されるカテーテルであって、
    内部にルーメンを有する細長い形状をなす躯体と、
    前記生体組織内に導入される部位に設けられ、前記生体組織を切開する切開部材と、
    前記切開部材を操作して、前記切開部材の少なくとも一部を前記躯体から離間する方向に変位させる操作部材と、
    を備えたことを特徴とするカテーテル。
  2. 前記切開部材は、ワイヤであり、
    前記操作部材は、前記ワイヤの少なくとも一部が前記躯体側面から離間するように前記ワイヤを屈曲させることを特徴とする請求項1に記載のカテーテル。
  3. 前記ワイヤは、前記躯体側面の一部を覆っていることを特徴とする請求項2に記載のカテーテル。
  4. 前記切開部材は、ブレードであり、
    前記操作部材は、前記ブレードを、前記躯体に沿って位置する第1の状態から前記躯体に対して傾いた第2の状態に変位させることを特徴とする請求項1に記載のカテーテル。
  5. 前記ブレードは、2枚のブレードを回動軸で接続した構造を有することを特徴とする請求項4に記載のカテーテル。
  6. 前記操作部材は、
    前記躯体の外表面に沿って移動するスライダと、
    前記躯体のルーメンに挿通され、一端が前記スライダに接続し、他端が前記躯体の基端側において前記ルーメンから突出する線材と、
    を有し、
    前記切開部材は、直接または間接に、一端が前記躯体に固定され、他端が前記スライダに固定されていることを特徴とする請求項1に記載のカテーテル。
  7. 前記操作部材は、
    前記躯体のルーメン内を移動するスライダと、
    前記躯体のルーメンに挿通され、一端が前記スライダに接続し、他端が前記躯体の基端側において前記ルーメンから突出する線材と、
    を有し、
    前記切開部材は、直接または間接に、一端が前記躯体に固定され、他端が前記スライダに固定されていることを特徴とする請求項1に記載のカテーテル。
  8. 前記スライダには、当該スライダの前端と後端とを連通する貫通路が設けられ、
    前記躯体のルーメン内には、前記スライダよりも前記躯体の先端側に滑車が設けられ、
    前記線材は、前記躯体のルーメン内において、前記スライダに接続された一端から、前記滑車と前記貫通路とをこの順に経由して、前記躯体の基端側において他端が前記ルーメンから突出するように配設されていることを特徴とする請求項7に記載のカテーテル。
  9. 前記操作部材は、前記ワイヤの少なくとも一端が前記躯体のルーメンを通って前記躯体の基端から突出したものであることを特徴とする請求項2に記載のカテーテル。
  10. 前記躯体は、前記ワイヤの前記躯体側面からの離間を誘導するガイド部材を備えたことを特徴とする請求項9に記載のカテーテル。
  11. 前記ワイヤは、先端が前記躯体のルーメンの先端に固定されるとともに基端が前記躯体のルーメンを通って前記躯体の基端から突出し、
    前記躯体は、側面に前記ルーメンから前記ワイヤの少なくとも一部を突出させる開口が形成されており、当該躯体の前記ルーメンの先端は、前記ワイヤの前記開口からの突出を誘導する斜面となっていることを特徴とする請求項2に記載のカテーテル。
  12. 前記ワイヤは、先端が前記躯体のルーメンの先端に固定されるとともに基端が前記躯体のルーメンを通って前記躯体の基端から突出し、
    前記躯体は、側面に前記ルーメンから前記ワイヤの少なくとも一部を突出させる開口が形成され、当該躯体のルーメンに前記開口側に偏心したワイヤ通路が形成されるとともに、当該躯体のルーメン先端のうち前記開口の反対側近くに前記ワイヤの先端が固定されていることを特徴とする請求項2に記載のカテーテル。
  13. 前記躯体は、先端に開口が形成されており、
    前記操作部材は、前記切開部材を前記躯体の開口から前記躯体の軸方向に突出させるものであることを特徴とする請求項1に記載のカテーテル。
  14. 前記切開部材は、ワイヤであり、
    前記躯体は、前記ワイヤの前記躯体の軸方向への突出を誘導するガイド部材を備え、
    前記操作部材は、前記ワイヤの少なくとも一端が前記躯体のルーメンを通って前記躯体の基端から突出したものであることを特徴とする請求項13に記載のカテーテル。
  15. 前記躯体は、前記ルーメンと連通する薬剤吐出口が少なくとも一つ形成され、
    前記切開部材は、前記薬剤吐出口から前記躯体の外部に吐出される薬剤の流路中に、前記変位させられる部分の少なくとも一部が位置していることを特徴とする請求項1に記載のカテーテル。
  16. 前記薬剤吐出口は、前記躯体の側面に形成されていることを特徴とする請求項15に記載のカテーテル。
  17. 前記切開部材は、前記躯体側面において、前記薬剤吐出口の少なくとも一部を覆う位置に配設されていることを特徴とする請求項16に記載のカテーテル。
  18. 前記切開部材は、ワイヤであり、
    前記操作部材は、前記ワイヤの少なくとも一部が前記薬剤吐出口から離間するように前記ワイヤを屈曲させることを特徴とする請求項15に記載のカテーテル。
  19. 前記切開部材は、ブレードであることを特徴とする請求項15に記載のカテーテル。
  20. 前記薬剤吐出口は、前記躯体の先端に形成されていることを特徴とする請求項15に記載のカテーテル。
  21. 前記切開部材は、内部にルーメンを有するとともに、前記ルーメンと連通する薬剤吐出口が少なくとも一つ形成されることを特徴とする請求項1に記載のカテーテル。
  22. 前記切開部材は、先端が前記躯体のルーメンの先端に固定されるとともに基端が前記躯体のルーメンを通って前記躯体の基端から突出し、
    前記躯体は、側面に前記ルーメンから前記切開部材の少なくとも前記薬剤吐出口が形成された部分を突出させる開口が形成されており、当該躯体の前記ルーメンの先端は、前記切開部材の前記開口からの突出を誘導する斜面となっていることを特徴とする請求項21に記載のカテーテル。
  23. 前記切開部材は、先端が前記躯体のルーメンの先端に固定されるとともに基端が前記躯体のルーメンを通って前記躯体の基端から突出し、
    前記躯体は、側面に前記ルーメンから前記切開部材の少なくとも前記薬剤吐出口が形成された部分を突出させる開口が形成され、当該躯体のルーメンに前記開口側に偏心した切開部材用通路が形成されるとともに、当該躯体のルーメン先端のうち前記開口の反対側近くに前記切開部材の先端が固定されていることを特徴とする請求項21に記載のカテーテル。
  24. 前記薬剤吐出口は、前記躯体から前記切開部材が突出した際に前記切開部材の側面のうち前記躯体とは逆側に位置する場所に形成され、
    前記操作部材は、前記躯体から離間する方向に変位させた前記切開部材の少なくとも一部を、前記躯体に近づく方向にも操作可能であることを特徴とする請求項21に記載のカテーテル。
  25. 前記薬剤吐出口は、前記躯体から前記切開部材が突出した際に前記切開部材の側面のうち前記躯体側に位置する場所に形成されることを特徴とする請求項21に記載のカテーテル。
  26. 前記操作部材は、前記切開部材を屈曲させて、前記切開部材の少なくとも一部を前記躯体から離間する方向に変位させるものであり、
    前記薬剤吐出口は、前記切開部材の屈曲によって閉状態から開状態に遷移するスリットであることを特徴とする請求項21に記載のカテーテル。
  27. 前記切開部材は、前記躯体から離間する方向に変位する際に、前記生体組織を前記躯体に対して基端側に押圧する経路で離間するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のカテーテル。
  28. 前記ブレードは、前記躯体の先端側の面のほうが前記躯体の基端側の面よりも鋭利な形状をなすことを特徴とする請求項4に記載のカテーテル。
  29. 前記切開部材は、複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載のカテーテル。
  30. 生体組織内に導入されるカテーテルであって、
    内部にルーメンを有し、前記ルーメンと連通する少なくとも1つの薬剤吐出口が形成された細長い躯体と、
    前記薬剤吐出口の薬剤吐出方向前方で拡張するワイヤステントと、
    を備えたことを特徴とするカテーテル。
  31. 生体組織内に導入されるカテーテルであって、
    内部にルーメンを有し、前記ルーメンと連通する少なくとも1つの薬剤吐出口が形成された細長い躯体と、
    前記躯体が前記生体組織に対して静止した状態で、前記薬剤吐出口の薬剤吐出方向前方の生体組織を切開する生体組織切開機構と、
    を備えたことを特徴とするカテーテル。
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