JP5881062B2

JP5881062B2 - 体外刺入式ドレーンシステム

Info

Publication number: JP5881062B2
Application number: JP2012122842A
Authority: JP
Inventors: 悠平名取
Original assignee: Juntendo University
Current assignee: Juntendo University
Priority date: 2012-05-30
Filing date: 2012-05-30
Publication date: 2016-03-09
Anticipated expiration: 2032-05-30
Also published as: JP2013247985A

Description

本発明は、抜去後の傷痕が残りにくく、しかも再留置に際しての患者への負担が少ない体外刺入式ドレーンシステムに関する。

一般に、手術創において創面より滲出液や出血があり、これが術後に貯留するおそれのある場合、縫合に際して排液用のドレーンを創部皮下（筋層）に挿入留置することが行なわれている（例えば、非特許文献１参照）。
しかしながら、当該創部皮下（筋層）に挿入留置されるドレーンは、その外径が１０〜１５Ｆｒ（約３．３〜５ｍｍ）と太いため、当該ドレーンの抜去後の傷痕が大きく残り目立つと云う問題があった。
また、上記の如き従来法においては、一旦抜去した後に、もう一度ドレーンの必要性が生じた場合には、再度開創して挿入留置しなければならず、患者への負担が大きいのが実状であった。

「月刊臨床と研究別冊」第７２巻第４号（平成７年４月発行）第１９３〜１９６頁「持続吸引装置Ｊ−ＶＡＣの使用経験」

本発明は、上記の如き従来の問題と実状に鑑みてなされたものであり、ドレーン抜去後の傷痕が残りにくく、しかも再留置に際しての患者への負担が少ない体外刺入式ドレーンシステムを提供することを課題としている。

本発明者は、上記の課題を解決すべく、種々検討を重ねた結果、従来用いられていたドレーンに比し外径が小さい留置針をドレーンとして用い、チューブを介して当該留置針と三方活栓と閉鎖式持続吸引器とを連結すれば、極めて良い結果が得られることを見出し、本発明を完成した。

すなわち、本発明は、延長チューブを介して外径２ｍｍ以下の皮膚側から刺入するドレーン用留置針が装着されている三方活栓を複数連結すると共に、当該最下流位置の三方活栓に排液チューブを介して閉鎖式持続吸引器を連結したことを特徴とする体外刺入式ドレーンシステムにより上記課題を解決したものである。

本発明は、従来用いられていたドレーンに比し外径が小さい留置針をドレーンとして用いているので、当該留置針抜去後傷痕が残りにくく目立たないため、特に美容外科領域での使用に効果的である。

また、本発明は、当該細い留置針を皮膚側から刺入して使用するものであるため、浸出液が貯留し易い場所に容易にかつ確実に挿入留置できると共に、抜去後にもう一度ドレーンの必要性が生じた場合であっても、開創することなく経皮的に刺入して留置できるため、患者に与える肉体的・精神的な苦痛・負担を大巾に軽減し得るので、特に外来患者に対し、簡便かつ効果的に持続吸引を行なうことができる。

更にまた、本発明は、閉鎖式吸引器を用いているので、開放式と異なり、外界との接触が遮断されるため、逆行性感染を防止することができる。

本発明ドレーンシステムの概略構成説明図。

以下本発明の実施の形態を図面と共に説明する。

図１において、１０ａ〜１０ｃはそれぞれ三方活栓で、何れも三方を開通せしめて直鎖状に３個連結されている。当該三方活栓１０ａ，１０ｂには、延長チューブ２０ａ，２０ｂを介してそれぞれ留置針３０ａ，３０ｂが１本ずつ装着連通されていると共に、当該最上流位置の三方活栓１０ｃには、延長チューブ２０ｃ，２０ｄを介して計２本の留置針３０ｃ，３０ｄが装着連通されている。

一般的に留置針は従来用いられていたドレーンより小径であるが、本発明に用いる留置針３０ａ〜３０ｄは、外径が２ｍｍ以下、特に１６〜１８Ｇのサーフロー針が、傷痕軽減と排液効率の点でより良い結果が得られる。
尚、延長チューブ２０ａ〜２０ｄとしては、通常医療用に用いられている延長チューブ（例えば外径３．８ｍｍ、内径２．５ｍｍ、長さ５０ｃｍ）が好適に使用される。

また、当該最下流の三方活栓１０ａには、排液チューブ４０を介して閉鎖式持続吸引器５０が連結されている。ここに閉鎖式持続吸引器５０としては、例えば「Ｊ−ＶＡＣドレーン」（ジョンソンアンドジョンソン社製）が好適に使用される。因みに、当該吸引器５０の吸引圧としては、通常４０〜６０ｍｍＨｇが好適である。
尚、排液チューブ４０としては、従来のドレーンに用いられていたと同様、例えば１５Ｆｒのチューブが好適に使用される。

次に、斯かる本発明体外刺入式ドレーンシステムの使用方法を説明する。
まず、留置針３０ａ〜３０ｄをそれぞれ経皮的に浸出液の貯留し易い部位に刺入する。次いで、外部に露出している留置針３０ａ〜３０ｄと延長チューブ２０ａ〜２０ｄの接続部領域を適宜接着テープ等で固定する。次いで、閉鎖式持続吸引器５０を作動させれば、浸出液はそれぞれ留置針３０ａ〜３０ｄから延長チューブ２０ａ〜２０ｄ、次いで三方活栓１０ａ〜１０ｃから排液チューブ４０を経て、閉鎖式持続吸引器５０に吸引される。

因みに、留置針３０ａ〜３０ｄは従来用いられていたドレーンに比し小径であるが、複数本使用して吸引しているため、全体としては従来と同様な吸引量が確保される。

１０ａ〜１０ｃ：三方活栓
２０ａ〜２０ｄ：延長チューブ
３０ａ〜３０ｄ：留置針
４０：排液チューブ
５０：閉鎖式持続吸引器

Claims

延長チューブを介して外径２ｍｍ以下の皮膚側から刺入するドレーン用留置針が装着されている三方活栓を複数連結すると共に、当該最下流位置の三方活栓に排液チューブを介して閉鎖式持続吸引器を連結したことを特徴とする体外刺入式ドレーンシステム。
三方活栓が３個連結されていると共に、最上流位置の三方活栓にはそれぞれチューブを介して２本の留置針が装着されていることを特徴とする請求項１記載の体外刺入式ドレーンシステム。