JP5880280B2 - 織物基材及び繊維強化複合材料 - Google Patents

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Description

本発明は、繊維束からなり互いに平行に配列された複数の第1の糸と、繊維束からなり互いに平行にかつ第1の糸と交差する方向に配列された複数の第2の糸とを備える織物基材、及び繊維強化複合材料に関する。
軽量、高強度の材料として繊維強化複合材料(以下、単に複合材料と称す。)が使用されている。複合材料は、強化繊維製の織物基材が樹脂に複合化されることにより、樹脂自体に比べて力学的特性(機械的特性)が向上するため、構造部品として好ましい。
このような複合材料の織物基材は、経糸と緯糸を織ってなり、複合材料用の成形型に沿わせて賦形しながら複数積層して製造される。しかし、織物基材の製造の際、織物基材を賦形させたとき、織物基材において、成形型の屈曲部や湾曲部に配置された部位に皺ができてしまう。皺ができたまま織物基材に樹脂を含浸させると、得られた複合材料において、皺のできた部位の強度が低下してしまう。
そこで、織物基材の皺を無くして、織物基材を成形するようにした技術として、例えば、特許文献1が挙げられる。特許文献1においては、織物基材全体を、その経糸と緯糸を粗い密度で製織して形成している。このため、経糸間又は緯糸間の間隔を詰める余裕があるため、織物基材の糸が目ずれしやすく、皺ができても、その皺を無くしながら織物基材を賦形させることが可能になる。
特開平8−311713号公報
しかし、織物基材を粗い密度で製織した場合には、経糸間及び緯糸間の間隔が広くなり物性が低下してしまうという問題が生じる。
本発明は、物性の低下を抑えつつ曲げ部の皺を無くしやすく賦形性が良い織物基材、及び繊維強化複合材料を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、繊維束からなり互いに平行に配列された複数の第1の糸と、繊維束からなり互いに平行にかつ前記第1の糸と交差する方向に配列された複数の第2の糸とを備える織物基材であって、織組織が相互に異なる第1部位と第2部位とを備え、前記第1の糸及び前記第2の糸のいずれか一方の一本の糸に対して交錯する前記第1の糸及び前記第2の糸の他方の糸と、該他方の糸と隣り合う糸との間隔を交錯部間のピッチとしたときに、前記第1部位は前記第2部位に比べて前記交錯部間のピッチの広い織組織で形成され、少なくとも前記第1部位に曲げ部が形成されている。
また、請求項9に記載の繊維強化複合材料は、請求項1〜請求項8のうちいずれか一項に記載の織物基材に樹脂を含浸させてなるものである。
これによれば、第1部位は、交錯部間のピッチが第2部位より広いため、第1の糸と第2の糸の交錯部の数は、単位面積当たりで比べると第1部位の方が第2部位より少なくなり、第1の糸と第2の糸が交錯することによる両糸の拘束点が少なくなる。よって、第1部位は、第2部位に比べて賦形しやすくなる。そして、第1部位を賦形させたとき、第1部位に皺が発生しても、第1部位の第1の糸、及び第2の糸を容易にずらすことができ、皺を簡単に無くすことができるとともに、織物基材の賦形性を良好なものにすることができる。また、第1の糸と第2の糸の交錯部の数は、単位面積当たりで比べると第2部位の方が第1部位より多くなり、第1の糸と第2の糸が交錯することによる両糸の拘束点が多くなる。よって、第2部位は、その織組織の拘束力が第1部位より高いため、織組織が硬く、目ずれしにくい。よって、第2部位では、第1の糸及び第2の糸が蛇行しにくくなり、第2部位の強度は低下しない。
そして、第1部位の賦形性を良くするために、第1部位を粗い密度で製織するのではなく、交錯部間のピッチを第2部位より広くした織組織で形成している。よって、第1部位は、ピッチが広くても、第1の糸と第2の糸とは密に織られており、第1の糸と第2の糸の間隔が広くなりすぎることがない。したがって、織物基材に樹脂を含浸させて得られた繊維強化複合材料においては、樹脂リッチな部分が形成されず物性の低下が生じない。
また、前記第1部位の前記曲げ部は、一方向に曲げられた部分が前記一方向とは異なる方向に更に曲げられた構造を有するものでもよい。
これによれば、第1部位は、曲げ部が一方向だけでなく複数方向に曲げられて形成されていても、賦形性が良いため、第1部位での皺が発生しにくい。
また、前記第2部位には一方向のみに曲げられた曲げ部が形成されていてもよい。
これによれば、一方向のみに曲げられた曲げ部は、第1部位のように複数方向に曲げられた曲げ部と比較すると、賦形時に皺が発生しにくいので、第1の糸と第2の糸の交錯部間のピッチが狭くても皺が発生しないようにすることが可能である。
また、前記第1部位の前記曲げ部は、膨出部を形成してもよい。
これによれば、曲げ部が膨出する形状であっても、第1部位は交錯部間のピッチが広く糸が移動しやすいことから、目ずれしやすく、第1部位を膨出部の形状変化に合わせることができ、膨出部に皺が発生しにくくなる。
また、前記第2部位は平坦形状であってもよい。
これによれば、第2部位は賦形しないため、皺が発生しにくい。
また、前記第1部位は、前記織組織としての朱子織りで形成されるとともに、前記第2部位は、前記織組織としての平織りで形成されていてもよい。
これによれば、朱子織りは、第1の糸及び第2の糸のうち、一方を他方よりも長く織物基材の表面に露出させてなる織組織であり、第1の糸と第2の糸の交錯部が平織りよりも少なく、交錯部間のピッチが広くなっている。そして、朱子織りは、織組織の中でも、第1の糸と第2の糸の交錯による拘束力が最も弱い織組織である。よって、第1部位を朱子織りで形成することで、第1部位に発生した皺をより簡単に無くすことができる。
また、前記第1部位は、前記織組織としての朱子織りで形成されるとともに、前記第2部位は、前記織組織としての綾織りで形成されていてもよい。
これによれば、綾織りは、第1の糸と第2の糸の交錯部が平織りよりも少なくなっており、第1の糸と第2の糸の交錯による拘束力が平織りに比べて弱い織組織である。よって、第1部位を綾織りで形成することで、第1部位に発生した皺を無くしやすくすることができる。
また、前記第1部位は、前記織組織としての綾織りで形成されるとともに、前記第2部位は、前記織組織としての平織りで形成されていてもよい。
これによれば、綾織りは、第1の糸と第2の糸の交錯による拘束力が平織りに比べて弱いが、朱子織りに比べては強い。このため、織物基材全体の強度が低下しにくい。
本発明によれば、物性の低下を抑えつつ曲げ部の皺を無くしやすく賦形性が良い織物基材、及び繊維強化複合材料を提供することができる。
(a)は実施形態の成形型、織物基材、及び繊維強化複合材料を示す斜視図、(b)は織物基材を示す部分拡大図。 賦形時の織物基材を拡大して示す図。 第1部位を綾織りで、第2部位を平織りで形成した織物基材を示す図。 第1部位を朱子織りで形成し、第2部位を綾織り及び平織りで形成した織物基材を示す図。 別例の成形型に沿って織物基材を賦形した状態を示す図。 (a)及び(b)は織物基材の別例を示す斜視図。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図2にしたがって説明する。
図1(a)の破線に示すように、成形型10は、略直方体状に形成されている。詳細に説明すると、成形型10は、長さ方向の一端面(前端面)に矩形状の前側平坦面10aが形成されるとともに、長さ方向の他端面(後端面)に矩形状の後側平坦面10bが形成されている。また、成形型10において、長さ方向に直交する方向を幅方向とすると、成形型10の幅方向の両端面には細長状の側方平坦面10cが形成されている。さらに、成形型10の下端面には、矩形状の下側平坦面10dが形成されるとともに、成形型10の上端面には、前側平坦面10aよりも短い矩形状の上側平端面10eが形成されている。また、成形型10において、前側平坦面10aと上側平端面10eとを繋ぐ面に、弧状に湾曲する湾曲面10fが形成されている。なお、この成形型10において、前側平坦面10aと湾曲面10fとを繋ぐ部位、及び湾曲面10fと上側平端面10eとを繋ぐ部位には、平坦状をなす部位から屈曲するように形状変化する屈曲部10gが形成されている。
次に、成形型10の表面に沿って賦形される織物基材20について説明する。
図1(b)に示すように、織物基材20は、強化繊維としての複数の経糸11(第1の糸)と、強化繊維としての複数の緯糸12(第2の糸)とを製織してなる。なお、「強化繊維」とは、織物基材20を、繊維強化複合材料の繊維基材として使用した際に、繊維強化複合材料のマトリックスを強化する役割を担う繊維束を意味する。そして、本実施形態では、強化繊維として炭素繊維が使用されるとともに、経糸11と緯糸12は同じ炭素繊維で形成された同一の糸となっている。また、複数の経糸11は、繊維束からなり互いに平行に真っ直ぐに配列され、複数の緯糸12も繊維束からなり互いに平行にかつ経糸11と交差(直交)する方向に真っ直ぐに配列されている。
そして、織物基材20は、成形型10の表面(前側平坦面10a、湾曲面10f、及び上側平端面10e)全体に沿って賦形される。織物基材20は、その長さ方向に沿って織組織が異なるように形成されている。図1(a)及び(b)に示すように、織物基材20は、長さ方向の一端側に、織組織が平織りで形成された第2部位22と、その第2部位22に連続し、かつ織組織が朱子織りで形成された第1部位21と、その第1部位21に連続し、長さ方向の他端側で織組織が平織りで形成された第2部位22とから形成されている。なお、図1(a)において、ハッチング間隔が狭い状態で示した部位が第2部位22を示し、ハッチング間隔が広い状態で示した部位が第1部位21を示す。
第1部位21を形成する朱子織りは、経糸11及び緯糸12のうち、緯糸12を経糸11よりも長く織物基材20の表面に露出させてなる織組織である。このため、朱子織りでは、単位面積当たりでの、経糸11と緯糸12の交錯部P(拘束点)が平織りよりも少なく、織組織の拘束力が弱くなっている。そして、朱子織りの第1部位21において、一本の緯糸12に対し交錯し、かつ隣り合う経糸11同士の間隔を、交錯部P間のピッチPaとする。
一方、第2部位22を形成する平織りは、経糸11と緯糸12を一本ずつ交互に組み合わせてなる織組織のことである。このため、平織りでは、経糸11と緯糸12の交錯部Pが朱子織りに比べて多く、硬めのものや張りのあるものになりやすい。そして、平織りの第2部位22において、一本の緯糸12に対し交錯し、かつ隣り合う経糸11同士の間隔を、交錯部PのピッチPaとすると、朱子織り(第1部位21)における交錯部P間のピッチPaは、平織り(第2部位22)における交錯部P間のピッチPaより広くなっている。
織物基材20においては、平織りの第2部位22と、朱子織りの第1部位21が混在するとともに、第1部位21の方が第2部位22よりも経糸11の延びる方向に移動しやすくなっている。また、単位面積当たりでの経糸11と緯糸12の本数(密度)は、第1部位21と第2部位22とで同じになっている。さらに、単位面積当たりでの経糸11と緯糸12の交錯部Pの数は、第1部位21の方が第2部位22より少なくなっている。
この織物基材20は、第2部位22が、成形型10の前側平坦面10aに配置されるとともに、第1部位21が、前側平坦面10aの一部、湾曲面10f全体、及び上側平端面10eの一部に跨って配置される。さらに、織物基材20は、残りの第2部位22が、第1部位21が配置された部位を除いた上側平端面10e全体に配置される。
すなわち、織物基材20は、第1部位21が湾曲面10f及び両屈曲部10gに沿うように賦形させながら(引き延ばしたり、押し縮めたりしながら)成形型10の表面に配置される。よって、織物基材20において、第1部位21は、その全体が成形型10の湾曲面10f、及び屈曲部10gに沿って賦形される曲げ部となっている。
なお、本実施形態では、第1部位21の全体が曲げ部となっているが、例えば、第1部位21の一部だけが屈曲部10gに沿って賦形され、第1部位21の一部だけが曲げ部となっていてもよい。一方、第2部位22は、前側平坦面10a及び上側平端面10eに沿って配置されるが、この前側平坦面10a、及び上側平端面10eは、湾曲面10f、及び屈曲部10gと異なり形状変化の無い部位であるため、第2部位22は平坦形状となっている。
次に、織物基材20の作用について説明する。
図2に示すように、織物基材20を成形型10に沿って賦形した際、第1部位21が湾曲面10f、及び屈曲部10gに沿って形状変化する。このとき、第1部位21は、交錯部P間のピッチPaが第2部位22よりも広い朱子織りで形成されている。このため、その賦形の際に、第1部位21に皺が発生しても、第1部位21の織組織を目ずれさせて皺を無くしながら第1部位21を賦形することができる。
また、前側平坦面10a、及び上側平端面10eでは、形状変化が無いため、第2部位22をそのまま沿わせて配置する。そして、図1(a)に示すように、織物基材20を成形型10に沿わせて配置した後、例えば、RTM法で硬化前の液状の熱硬化性樹脂が織物基材20に含浸硬化されて繊維強化複合材料40が形成される。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)織物基材20において、第1部位21の織組織を朱子織りで形成するとともに、第2部位22の織組織を平織りで形成した。すなわち、第1部位21を、第2部位22に比べて交錯部P間のピッチPaの広い織組織で形成した。そして、単位面積当たりの交錯部Pの数を、第2部位22より第1部位21の方を少なくした。よって、経糸11と緯糸12が交錯することによる両糸の拘束点が第1部位21の方が少なくなり、第1部位21を第2部位22に比べて賦形しやすくなる。そして、賦形しやすい第1部位21が、成形型10の湾曲面10f、及び屈曲部10gに沿うように織物基材20を賦形した。このため、第1部位21を賦形したとき、第1部位21に皺が発生しても、第1部位21の経糸11及び緯糸12を容易にずらすことができ、織物基材20に発生した皺を無くすことができるとともに、織物基材20の賦形性を良好なものにすることができる。
そして、織物基材20は、第1部位21の賦形性を良くするために、第1部位21を粗い密度で製織するのではなく、交錯部P間のピッチPaを第2部位22より広くした織組織で形成している。よって、第1部位21は、ピッチPaが広くても、経糸11と緯糸12とは密に織られており、経糸11と緯糸12の間隔が広くなりすぎることがない。したがって、織物基材20に樹脂を含浸させて得られた繊維強化複合材料40においては、樹脂リッチな部分が形成されず物性の低下が生じない。
また、得られた繊維強化複合材料40において、皺によって織物基材20の繊維が蛇行する部位が生じたり、皺を無くすための切り込みによって繊維が分断されたりすることが無くなり、得られる繊維強化複合材料40において、皺や繊維分断に起因した強度低下部分が生じることが防止される。
加えて、織物基材20を賦形する際に、皺が発生しにくく、賦形性が良好であるため、皺を戻す手間を省き、製造コストを低減させることができる。そして、織組織の変更は、織機によって簡単にできるため、織組織の異なる織物基材20を簡単に製造することができる。
(2)織物基材20において、第1部位21の織組織を朱子織りで形成し、第2部位22の織組織を平織りで形成した。このため、第2部位22においては、単位面積当たりの交錯部P(拘束点)の数が第1部位21よりも多く、織組織が硬く、目ずれしにくくなり、また、経糸11及び緯糸12が蛇行しにくくなる。よって、繊維強化複合材料40において、第2部位22を用いた部位は強度が低下しない。
(3)1枚の織物基材20の長さ方向に沿って第2部位22、第1部位21、及び第2部位22を連続して形成し、織物基材20の中に平織りと朱子織りが混在している。このため、成形型10が、前側平坦面10a、屈曲部10g、湾曲面10f、屈曲部10g、及び上側平端面10eのように連続して形状変化していても、織物基材20で対応しながら皺を無くすことができる。よって、形状変化に対応しつつ皺を無くすために、複数枚の織物基材をパッチワークのように繋ぎ合わせることがなく、織物基材20の強度低下を無くして繊維強化複合材料40の強度低下も無くすことができる。
(4)経糸11と緯糸12は、同じ炭素繊維からなる繊維束である。このため、例えば、経糸11と緯糸12が別々の材料である場合と異なり、織物基材20の品質にばらつきが生じることがなく、得られる繊維強化複合材料40の品質のばらつきを無くすことができる。
(5)織物基材20の第2部位22は、前側平坦面10a及び上側平端面10eに沿って配置され、第2部位22は平坦形状である。このため、第2部位22には皺が発生しにくい。よって、皺によって織物基材20の繊維が蛇行する部位が生じたり、皺を無くすための切り込みによって繊維が分断されたりすることが無くなり、繊維強化複合材料40において、第2部位22を用いて形成された部位でも皺や繊維分断に起因した強度低下部分が生じることが防止される。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 実施形態では、第1部位21を朱子織りで形成するとともに、第2部位22を平織りで形成したが、これに限らない。図3に示すように、第1部位21の織組織を綾織りで形成するとともに、第2部位22の織組織を平織りで形成してもよい。なお、綾織りは、織組織の織り目の位置が斜めに配列された組織であり、単位面積当たりでの交錯部P(拘束点)の数が平織りよりも少なく、経糸11と緯糸12が交錯することによる拘束力が平織りに比べて弱くなっている。そして、綾織りの第1部位21において、一本の緯糸12に対し交錯し、かつ隣り合う経糸11同士の間隔を、交錯部P間のピッチPaとする。この場合、第1部位21での交錯部P間のピッチPaは、第2部位22での交錯部P間のピッチPaより広くなっている。
このように構成すると、第1部位21を形成する綾織りは、第2部位22を形成する平織りに比べて織組織の拘束力は弱いが、朱子織りに比べて織組織の拘束力は強い。このため、織物基材20全体の強度が低下しにくい。
○ さらに、図4に示すように、第1部位21を朱子織りで形成するとともに、織物基材20の長さ方向の一端側の第2部位22を綾織りで形成し、長さ方向の他端側の第2部位22を平織りで形成してもよい。すなわち、第1部位21の両側に、異なる織組織の第2部位22を形成し、織物基材20の長さ方向に沿って全て織組織が異なるようにしてもよい。
○ 実施形態では、第1部位21を朱子織りで形成するとともに、第2部位22を平織りで形成したが、これに限らない。第1部位21の織組織を朱子織りで形成するとともに、第2部位22の織組織を綾織りで形成してもよい。
このように構成すると、綾織りは、単位面積当たりでの経糸11と緯糸12の交錯部P(拘束点)の数が平織りよりも少なくなっており、平織りに比べて織組織の拘束力が弱い織組織である。よって、第1部位21を綾織りで形成することで、第1部位21に発生した皺を無くしやすくすることができるとともに、第2部位22においても、万一、皺が発生しても、その皺を簡単に無くすことができる。
○ 図5に示すように、成形型50の上面に、上側平端面50aを形成するとともに、上側平端面50aに連続して弧状に湾曲する湾曲面50bを形成し、さらに、湾曲面50bに連続して前側垂直面50cを形成する。加えて、成形型50において、前側垂直面50cに連続して、屈曲部50dを形成するとともに、屈曲部50dに連続して前側平坦面50eを形成する。
そして、織物基材20を、長さ方向の一端側から第2部位22、第1部位21、第2部位22、第1部位21、及び第2部位22の順で形成する。この場合は、長さ方向一端側の第2部位22が、成形型50の前側平坦面50eに配置されるとともに、第1部位21が、前側平坦面50eの一部、及び屈曲部50dの一部に跨って配置される。さらに、第1部位21の隣りの第2部位22が、前側垂直面50cのほぼ全体に配置されるとともに、その隣りの第1部位21が、前側垂直面50cの一部及び湾曲面50bの一部に跨って配置される。また、織物基材20は、残りの第2部位22が、第1部位21が配置された部位を除いた上側平端面50a全体に配置される。すなわち、織物基材20は、第1部位21が湾曲面50b、及び屈曲部50dに沿うように賦形させながら成形型50の表面に配置される。なお、この場合、織物基材20は、成形型50に対して押し付けられて賦形される。
そして、第1部位21は、朱子織り又は綾織りで形成されるとともに、第2部位22は、第1部位21よりも交錯部P間のピッチPaが広い織組織(平織り又は綾織り)で形成される。
よって、織物基材20において、第1部位21は、成形型50における湾曲部である湾曲面50b、及び屈曲部50dに沿って賦形される曲げ部を含む。一方、第2部位22は、前側垂直面50c、前側平坦面50e及び上側平端面50aに沿って配置されるが、この前側垂直面50c、前側平坦面50e、及び上側平端面50aは、湾曲面50b、及び屈曲部50dと異なり形状変化の無い部位であるため、第2部位22は平坦形状に形成される。
これによれば、織物基材20は、第1部位21が朱子織り又は綾織りで形成されている。このため、第1部位21を賦形したとき、湾曲面50b及び屈曲部50dに沿って皺が発生しても、その皺を簡単に無くすことができ、織物基材20の賦形性を良好なものにすることができる。よって、第1部位21においては、形状変化の急な屈曲部50dと、形状変化の緩やかな湾曲面50bとが混在しても容易に対応することができる。
○ 図6(a)に示すように織物基材60を賦形してもよい。織物基材60は、その長さ方向に沿って第2部位62、第1部位61、及び第2部位62が連続して形成されている。そして、織物基材60は、一対の長辺部60aが一方向に曲げられている。なお、一対の長辺部60aの曲げ方向は同じになっている。よって、織物基材60は、第1部位61及び両第2部位62に曲げ部を有する。さらに、織物基材60は、第2部位62に挟まれた第1部位61において、織物基材60の長さ方向の中間で、長辺部60aが曲げられた一方向とは異なる方向に更に曲げられている。よって、織物基材60は、第1部位61が2方向に曲げられているが、第1部位61は賦形性が良いため、第1部位61での皺が発生しにくい。また、第2部位62において、曲げ部は一方向のみに曲げられている。このため、第2部位62の曲げ部は、複数方向に曲げられた第1部位61の曲げ部と比較すると、賦形時に皺が発生しにくいので、経糸11と緯糸12の交錯部P間のピッチPaが狭くても皺が発生しないようにすることが可能である。
○ 図6(b)に示すように織物基材70を賦形してもよい。織物基材70は一方向に沿って第2部位72、第1部位71、及び第2部位72が連続して形成されている。そして、織物基材70には、第1部位71によって膨出部73が形成されている。膨出部73は、第1部位71を一方向に膨らませて略円錐台状に形成しつつ、円錐台の頂部付近を円錐台の軸方向に交差する方向(一方向とは異なる方向)に曲げて形成されている。よって、織物基材70は、第1部位71が2方向に曲げられているが、第1部位71は賦形性が良いため、第1部位71での皺が発生しにくい。
○ 実施形態では、朱子織りにおいて、経糸11及び緯糸12のうち、緯糸12を経糸11よりも長く織物基材20の表面に露出させたが、経糸11を緯糸12よりも長く織物基材20の表面に露出させてもよい。
○ 実施形態では、織物基材20を二次曲面に沿って賦形できるように、織物基材20の長さ方向に沿って第1部位21と第2部位22を形成したが、三次曲面に沿って賦形できるように、織物基材20の長さ方向、及び長さ方向に直交する織物基材20の幅方向においても、第1部位21と第2部位22を形成してもよい。
○ 実施形態では、織物基材20の長さ方向に沿って第1部位21と第2部位22を連続して形成したが、長さ方向に直交する織物基材20の幅方向においても、第1部位21と第2部位22を形成してもよい。
○ 織物基材20を構成する繊維は炭素繊維に限らず、繊維強化複合材料40に要求される物性に対応して、アラミド繊維、ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、超高分子量ポリエチレン繊維等の高強度の有機繊維等、ガラス繊維やセラミック繊維等の無機繊維を使用してもよい。
○ 織物基材20に樹脂を含浸、硬化させて繊維強化複合材料40を製造する方法はRTM法に限らない。
○ 経糸11に対し、緯糸12は斜状に交差していてもよい。
○ 実施形態では、第1の糸を経糸11とし、第2の糸を12としたが、第1の糸を緯糸とし、第2の糸を経糸としてもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)前記繊維束は強化繊維よりなる請求項1〜請求項8のうちいずれか一項に記載の織物基材。
(ロ)前記繊維束は炭素繊維よりなる請求項1〜請求項8のうちいずれか一項に記載の織物基材。
P…交錯部、Pa…ピッチ、11…第1の糸としての経糸、12…第2の糸としての緯糸、20,60,70…織物基材、21,61,71…第1部位、22,62,72…第2部位、40…繊維強化複合材料、73…膨出部。

Claims (9)

  1. 繊維束からなり互いに平行に配列された複数の第1の糸と、
    繊維束からなり互いに平行にかつ前記第1の糸と交差する方向に配列された複数の第2の糸とを備える織物基材であって、
    織組織が相互に異なる第1部位と第2部位とを備え、
    前記第1の糸及び前記第2の糸のいずれか一方の一本の糸に対して交錯する前記第1の糸及び前記第2の糸の他方の糸と、該他方の糸と隣り合う糸との間隔を交錯部間のピッチとしたときに、
    前記第1部位は前記第2部位に比べて前記交錯部間のピッチの広い織組織で形成され、
    少なくとも前記第1部位に曲げ部が形成されていることを特徴とする織物基材。
  2. 前記第1部位の前記曲げ部は、一方向に曲げられた部分が前記一方向とは異なる方向に更に曲げられた構造を有する請求項1に記載の織物基材。
  3. 前記第2部位には一方向のみに曲げられた曲げ部が形成されている請求項2に記載の織物基材。
  4. 前記第1部位の前記曲げ部は、膨出部を形成する請求項1に記載の織物基材。
  5. 前記第2部位は平坦形状である請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の織物基材。
  6. 前記第1部位は、前記織組織としての朱子織りで形成されるとともに、前記第2部位は、前記織組織としての平織りで形成されている請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の織物基材。
  7. 前記第1部位は、前記織組織としての朱子織りで形成されるとともに、前記第2部位は、前記織組織としての綾織りで形成されている請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の織物基材。
  8. 前記第1部位は、前記織組織としての綾織りで形成されるとともに、前記第2部位は、前記織組織としての平織りで形成されている請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の織物基材。
  9. 請求項1〜請求項8のうちいずれか一項に記載の織物基材に樹脂を含浸させてなる繊維強化複合材料。
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