JP5878668B1 - 歯科用の補綴物 - Google Patents
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Abstract
【課題】歯間の虫歯を抜歯することなく歯科ブリッジを構成する。【解決手段】隣接歯に固定する固定部が備えられた虫歯の補綴物体Aにおいて、この補綴物体の固定部を歯科用セメントで固定すると共に、虫歯の補綴物4と治療した虫歯とをシリコーンで接着する。咬み合せ時に生じる虫歯への圧力を吸収し、単独での使用ができなくても抜歯することなくブリッジを構成することを可能とした。また、治療した虫歯に負担をかけないこの治療方法は先見治療の選択肢を拡大し、さらに、治療した虫歯は温存することでブリッジと歯茎との隙間がなく口腔の衛生を保持するという利点がある。【選択図】図1
Description
本発明は、虫歯をできる限り温存した状態に保持すると共に、虫歯をできる限り温存した状態でブリッジを構成するための歯科用の補綴物に関するものである。
歯科のブリッジ治療は歯間の虫歯を治療しても単独で使用できない場合において、虫歯を抜歯してブリッジを架けることでその虫歯の補綴物としての利用ができる利点があり、容易に治療することができることで実用的である。
実用の治療は虫歯を抜歯してブリッジを構成するのみで実用上十分であった。
実用の治療は虫歯を抜歯してブリッジを構成するのみで実用上十分であった。
しかし、治療をしても単独での使用が不可であるからといって安易に抜歯してブリッジを架けるのではなく、できる限り温存した状態でブリッジを構成することが望まれる。
そこで、歯牙が喪失した治療部位にその部位の両側に位置する隣接歯を利用して歯科用補綴物を固定する際に用いられる歯科用ブリッジ補強材であって、操作性が高くブリッジを簡単に制作できると共に隣接歯の切削量が少なくより小さな窩洞に固定することができる歯科用ブリッジ補強材として特許文献1があり、歯牙が喪失した状態の治療に関するものがある。
また、歯科インプラントを固定するためのアンカ部品と、超構造体を固定するためのアバットメントとを備え、アバットメントがアンカ部品に接続されており、アンカ部品およびアバットメントが酸化ジルコニウム系のものである歯科インプラントとして特許文献2があり、歯牙が喪失した治療部位に歯科インプラントを固定する技術に関するものがある。
虫歯の治療において抜歯は最後の手段であって、できる限り温存した状態を保持してブリッジを構成することを目的とする歯科治療おいて、従来のブリッジ治療はこの目的に叶うものではない。
解決しようとする問題点は、従来の虫歯の治療において最終手段として虫歯を抜歯するのが通例であるが、その前段階における温存のための治療手段がない点である。
隣接歯に固定する固定部が備えられた歯科用の補綴物体において、この補綴物体の固定部を歯科用セメントでしっかりと固定すると共に、虫歯部分の補綴物と治療した虫歯とを弾性を有するシリコーンで接着することを主要な特徴とする。
本発明は、最終手段として虫歯を抜歯するのではなく、できる限り温存した状態を保持することを目的とした歯科用の補綴物であることを最も主要な特徴とする。
治療した虫歯に装着する歯科用の補綴物体は、隣接歯に固定する固定部が備えられており、この固定部を歯科用セメントでしっかり固定すると共に、虫歯部分の補綴物と治療した虫歯とを弾性を有するシリコーンで接着することで、咬み合せ時に生じる虫歯への圧力を吸収し、単独での使用ができなくても抜歯することなくブリッジを構成することを可能とした。また、治療した虫歯に負担をかけないこの治療方法は先見治療の選択肢を拡大し、さらに、治療した虫歯は温存することでブリッジと歯茎との隙間がなく口腔の衛生を保持するという利点がある。
虫歯を抜歯することなくできる限り温存するという目的を、虫歯の治療した部分に簡易な土台を形成し、補綴物体の固定部を歯科用セメントでしっかり固定すると共に、治療した虫歯とこの虫歯部分の補綴物とを弾性を有するシリコーンで接着することにより、咬み合わせ時の虫歯にかかる圧力を吸収し、虫歯を温存したままで歯科ブリッジを実現する。
図1は本発明の歯科用の補綴物体を示す斜視図であって、Aは補綴物体であり、6,6´は隣接歯8,8´の被せ物(クラウン)であり、4は虫歯1に被せる補綴物である。
図2は本発明の歯科用の補綴物体Aの1実施例を示す斜視図であって、補綴物体Aの6,6´は隣接歯の被せ物(クラウン)であり、4は虫歯1に被せる補綴物(クラウン)である。
隣接歯の被せ物(クラウン)6,6´に歯科用セメント2,2´を適量充填して隣接歯8,8´に固定すると共に、虫歯1に被せる補綴物(クラウン)4にシリコーン3を適量充填して虫歯1に接着する。
図3は本発明の歯科用の補綴物体Bであって、片側の隣接歯に固定部を固定する1実施例を示す斜視図である。片側の隣接歯8に補綴物体Bの固定部である被せ物(クラウン)6を固定し、この固定部に虫歯1の補綴物(クラウン)4が連結された補綴物体Bであって、隣接歯8の被せ物(クラウン)6に歯科用セメント2を適量充填して隣接歯8に固定すると共に、虫歯1の補綴物(クラウン)4にシリコーン3を適量充填して虫歯1に接着する。
図4は本発明の歯科用の補綴物体Cであって、連結した二つの被せ物(クラウン)6,6´に虫歯1の補綴物(クラウン)4を連結して固定するように形成した1実施例を示す斜視図である。虫歯1の補綴物(クラウン)4を隣接歯8,8´の被せ物(クラウン)6,6´の6に連結して固定した補綴物体Cであり、隣接歯8,8´の被せ物(クラウン)6,6´に歯科用セメント2,2´を充填して隣接歯8,8´に固定すると共に、虫歯1の補綴物(クラウン)4にシリコーン3を適量充填して虫歯1に接着するものであり補綴物体Bより強固なものとする。なを、虫歯1の補綴物(クラウン)4は被せ物(クラウン)6,6´のいずれにも連結可能であって限定するものではない。
図5は本発明の歯科用の補綴物体C´であって、連結した隣接歯8,8´の被せ物(クラウン)6,6´に虫歯1の補綴物(クラウン)4を連結して固定するように形成され、この隣接歯8,8´の被せ物(クラウン)6,6´の一方が部分的な詰め物(イ)で形成された1実施例を示す斜視図である。隣接歯8の被せ物(クラウン)6に歯科用セメント2を適量充填して隣接歯8に固定すると共に、詰め物(イ)は歯科用の接着剤で隣接歯8´に固定するとよく、虫歯1の補綴物4(クラウン)にはシリコーン3を適量充填して虫歯1に接着するとよい。このような補綴歯科の治療は歯を大きく削ることなく必要最小限の処置で対応可能であり、また、虫歯の進行が初期の段階であるが単独での使用により進行の可能性が高くなるなどの歯科医の判断次第でその治療の選択肢を拡大することができる。
図6は本発明の歯科用の補綴物体Aの虫歯1の補綴物(クラウン)4の平常時の一部断面を示す断面図であって、虫歯1は根管治療などの治療をした後に土台9(歯根に挿し込んだ芯、略円錐形に形成した詰め物など)を歯科用セメント2で固定し、隣接歯8,8´の被せ物(クラウン)6,6´に歯科用セメントを適量充填して隣接歯8,8´にしっかりと固定すると共に、虫歯1の補綴物(クラウン)4にシリコーン3を適量充填してシリコーンの弾性を吸収する隙間7,7´を設け、虫歯1に接着して歯茎5で覆われた状態とする。
また、7,7´は虫歯1と補綴物(クラウン)4の根元部分の周縁部の隙間であって、咬み合わせによる圧力をシリコーン3の弾性で吸収する部分であり、虫歯1と補綴物(クラウン)4とはシリコーン3で完全に密着して水分や食べ物のかすなどが入らない状態を保持する。なお、虫歯の進行状態により治療や土台の制作も異なるが、虫歯1の補綴物(クラウン)4の内部は空洞なので製作時にあらかじめこの空洞部及び付け根の先端部周縁にシリコーンを塗布する、または、貼るなどの前処理をすることも可能であり、微調整の後に適量を充填して虫歯を完全に包み込む様にして接着できればよく、弾性を有する接着剤であればシリコーンに限定するものではない。また、虫歯の治療後の処置は咬み合せ時に圧力を分散できる形状が理想的であるが、虫歯の進行状況により判断すればよくこれらの対処は限定するものではない。
図7は本発明の歯科用の補綴物体Aの虫歯の補綴物(クラウン)4の咬み合せ時の一部断面を示す断面図であって、虫歯1の補綴物(クラウン)4はシリコーン3を適量充填して接着することで、咬み合せ時に虫歯1が補綴物(クラウン)4から受ける圧力を、シリコーン3を介して補綴物(クラウン)4と虫歯1との隙間7、7´から外部に押し出されることで最大限に吸収できるように装着する。なお、歯茎5と補綴物(クラウン)4との間には治療した虫歯1を温存するので従来の歯科ブリッジのような隙間がなく口腔の衛生を保持することができる。
本発明の歯科用の補綴物の装着は、従来通りの微調整をした後に隣接歯の被せ物に歯科用の接着剤として歯科用セメントを適量充填すると共に、虫歯の補綴物にシリコーンを適量充填してしっかりと咬み合わせた状態で装着すればよく、隣接歯に被せ物がしっかりと固定されるものであれば接着剤は歯科用セメントに限定するものではない。
また、クラウンの内壁及び開口部先端の周縁はシリコーンを密着可能な状態にあらかじめ仕上げて、張り付けてもよく、塗布してもよく、装着時に適量を充填してもよく、また、ゴム状であってもよく、ジェルのような液状であってもよい。また、弾性材料としての利用であってもよく、接着剤としての利用であってもよく、クラウンの内部と虫歯とがしっかりと密着した状態に保持できればよい。さらにまた、クラウンの根元先端の周縁部が鋭利な形状になく、咬み合わせ時にシリコーンが歯茎をカバーする形状が望ましい。また、シリコーンは必ずしも歯茎に接着する必要はなく弾性を有する接着剤であればシリコーンに限定するものではない。
このように構成することで歯間の虫歯をできる限り温存することを可能とすると共に口腔の衛生を保持することができる。なお、補綴物体は金であってもよく、銀であってもよく、チタン、セラミック、メタルボンドポーセレンなどであってもよく、これらに限定するものではない。
歯間の虫歯を温存するための選択肢を拡大し、少なくともブリッチを構成するために抜歯することがなくなる。
A B C C´ 歯科用の補綴物体
1 虫歯
2 2´ 歯科用セメント
3 シリコーン
4 虫歯の補綴物(クラウン)
5 歯茎
6 6´ 被せ物(クラウン,詰め物)
7、7´ 隙間
8 8´ 隣接歯
9 土台(歯根に挿し込んだ芯,略円錐形に形成した詰め物)
1 虫歯
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9 土台(歯根に挿し込んだ芯,略円錐形に形成した詰め物)
Claims (6)
- 隣接歯に固定する固定部が備えられた虫歯の補綴物体において、該補綴物体の固定部は歯科用の接着剤で前記隣接歯に固定され、虫歯の補綴物と虫歯とは弾性を有する接着剤で接着されたことを特徴とする歯科用の補綴物。
- 歯科用の接着剤はセメントであることを特徴とする請求項1記載の歯科用の補綴物。
- 弾性を有する接着剤はシリコーンであることを特徴とする請求項1又は2記載の歯科用の補綴物。
- 固定部は被せ物及び/又は詰め物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の歯科用の補綴物。
- 虫歯の補綴物は被せ物の空洞部にシリコーンが充填されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の歯科用の補綴物。
- 虫歯の補綴物は固定部を片側又は両側又は連結した固定部のいずれか一方に備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の歯科用の補綴物。
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