JP5877820B2 - 建造物等の屋根構造 - Google Patents

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Description

本発明は、建造物あるいはコンテナ等の大型容器における屋根構造に関し、特に、運搬可能な建造物等の屋根に換気口を設け、雨水の侵入を防止しながら、効率的な自然換気を可能とする屋根構造に関するものである。
各種の貨物の輸送には、風雨などによる貨物の損傷が防止可能であって貨物の梱包を簡易化できるコンテナが盛んに使用される。コンテナは、強度の大きい壁面で取り囲まれた堅牢な構造の直方体の大型容器であり、船舶等に積み重ねて積載できるよう、隅部にはコーナーキャスティングと呼ばれる締結具が取り付けられている。車両による輸送時においては、コンテナは、通常、トラクタに牽引されるトレーラ(コンテナシャシ)上に積載され、ツイストロックと呼ばれる緊締具によりトレーラに固定される。
このようなトレーラの一例を図10に示す。トレーラのフレームFRは、前後方向に全長に亘って平行に延びる2本のメインビームMBと、その間を連結する複数のクロスメンバCMとを備えている。フレームFRの段差部の近傍とメインビームMBの後端部には、横方向に延びるボルスタBSが設けられ、その両端に、拡大図に示すツイストロックTLが設置される。コンテナを積載するときは、ツイストロックTLの頭部をコンテナ底面のコーナーキャスティングにおける長方形形状の貫通孔の差し込み、ハンドルを回転してコンテナを固定する。
輸送用のコンテナが堅牢な構造の大型容器であることから、これを改造して倉庫などの建造物に利用することがある。例えば、コンピュータネットワークの発展に伴い、大型のコンピュータを集中的に管理するデータセンターが急激に増加しているが、データセンターの中には、コンテナを改造して構築するコンテナ型データセンター(モジュール型データセンターともいわれる)が存在する。コンテナ型データセンターは、気密性が高く、塵埃の侵入を防止してコンピュータを保護するのも容易であり、また、輸送用のコンテナを基礎とするものであるので、車両による移設や複数のものの組み合わせによる増設が容易であるという利点を備えている。
コンテナを利用する建造物の一例として、本出願人の先行出願に係る特開2013−19617号公報に開示されたデータセンターについて、図11により説明する。
図11のデータセンターは、一般的なコンテナと同様に、全体としては6面体の直方体である箱型構造をなし、平面視で長方形の形状となっている。その長方形の4隅には、上下方向に延びる柱状部材PLが配置されるとともに、柱状部材PLの上部及び下部には締結具(コーナーキャスティング)CCが固着される。データセンターの内部には、サーバ等のコンピュータを収めた複数のラックLCが収容されている(図11の上図では箱型構造の側壁を除いて示す)。
ところで、多数のコンピュータを備えたデータセンターにおいては、コンピュータの発熱に起因する熱障害を回避するよう、室内の換気あるいは空調を行う必要があるが、図11のデータセンターでは、コンピュータ以外の電力の使用を極力抑制するため、外気冷却式の冷却装置が採用されている。この冷却装置は、2個の熱交換器に封入された冷媒の相変化を利用して、室内の熱を外気に放熱するものである。
断面拡大図に示すとおり、データセンターの屋根の下方には、ラックLCの上方まで延長された中間天井板MCを設け、その下側に室内側熱交換器IEを、上側に室外側熱交換器OEをそれぞれ設置する。コンピュータの発熱で温度の上昇した室内の空気を室内側熱交換器IEに通過させると、室内熱交換器IEの冷媒が沸騰蒸発して室外熱交換器OEに移送される。室外熱交換器IEでは、ファンOFで吸入した外気との熱交換によって冷媒が凝縮し、重力で室内熱交換器IEに還流する。コンピュータ室CR内の空気は、室内側ファンIFによって白抜き矢印のように循環し、室内熱交換器IEを通過するときに、封入された冷媒に放熱しながら自身は冷却される。
特開2013−19617号公報
輸送用のコンテナを基礎とする建造物の、車両による移設や複数のものの組み合わせによる増設が容易という特性を生かし、近年、データセンターなどに限らず、各種の目的の建造物として利用することが注目されている。そうしたものの一つに、コンテナを改造して、展示会あるいはイベント会場などにおいて商品の陳列や広告のために用いる、いわば可搬式のショールームとすることが考えられている。
ショールームとして利用する場合には、多数の来場者の目を引き付ける必要があることから、デザインが特に重視されるけれども、コンテナは全ての角部が直角をなし、非常に硬い印象を与える。ショールームのデザインの面からすれば、角部等の外観部分に曲線を採用し、ソフトな印象を与えるのが望ましいことが多い。また、ショールーム内に陳列した商品等を外部からも見ることのできるように、周囲の壁面には、ポリカーボネートやガラスなどの透明な材料を使用するのが望ましい。
そして、ショールーム内に多数の来場者が入場したときは、二酸化炭素の蓄積や体温による温度上昇などで室内の空気環境が悪化するので、コンテナを基礎とする建造物であっても、換気等の空調を考慮する必要がある。周囲の壁面に透明な材料を使用したショールームでは、太陽光の入射による温度上昇にも配慮しなければならない。
図11に示すデータセンターは、コンテナを改造した建造物ではあるが、4隅に上下方向の柱状部材を配した直方体の箱型構造であって、ショールームのデザインとしては硬すぎる面がある。室内の温度上昇を防止するよう、電力の使用の少ない外気冷却式の冷却装置が設けられているものの、この冷却装置は複雑な構造で高コストであるばかりでなく、室内は基本的に密閉されているので、外部の新鮮な空気を導入して室内の空気環境を改善することはできない。
本発明は、コンテナの形状を変更してショールームなどの建造物としたときに、建造物の屋根等に効率的な自然換気が可能な構造を採用し、電力等の動力を用いることなく、建造物の室内の空気環境の保全を図ることを課題とする。
上記の課題に鑑み、本発明は、建造物の屋根構造として、建造物の長手方向に延びる複数の板材を段違いに組み合わせて配列した板材配列部が、間隔を置いて上方及び下方に設置される構造体を屋根に設け、雨水の侵入を防止しながら、建造物の屋根から室内の空気の自然換気を図るものである。すなわち、本発明は、
「建造物の屋根に置かれる構造体であって、
建造物の長手方向に延びる複数の板材を、建造物の横断面中心線に対し対称に配列した板材配列部が、間隔を置いて上方及び下方に設置され、
前記板材配列部においては、隣接する板材は、その横方向の端部が平面視において重なり合い、かつ、その間に間隙が存在するよう段違いに配置されており、さらに、
上方の前記板材配列部では、建造物の横断面中央の板材が最も高い位置に、外方側の板材ほど低い位置となるように配置され、横断面中央の板材の端部には下向きの曲り部が形成されるとともに、それ以外の板材には、外方側の端部に下向きの曲り部が、中央側の端部に上向きの曲り部が形成され、
下方の前記板材配列部では、建造物の横断面中央の板材が最も低い位置に、外方側の板材ほど高い位置となるように配置され、横断面中央の板材の端部には上向きの曲り部が形成されるとともに、それ以外の板材には、外方側の端部に上向きの曲り部が、中央側の端部に下向きの曲り部が形成されている」
ことを特徴とする構造体となっている。
請求項2に記載のように、上方の前記板材配列部における板材と下方の前記板材配列部における板材とが、矩形の骨組み構造の連結部材により結合されていることが好ましい。この場合、建造物の上部に長手方向に延びるビーム材が設置されているときは、請求項3に記載のように、前記連結部材を前記ビーム材に取り付けることができる。
請求項4に記載のように、下方の前記板材配列部においては、建造物の横断面中央の板材を、建造物の長手方向の端部まで延長し排水装置に連結することが好ましい。
請求項5に記載のように、上方の前記板材配列部と下方の前記板材配列部との間には、建造物の装備品を取り付けることが可能な支持部材を配置することができる。
請求項6に記載のように、本発明の構造体を備えた建造物には、その横断面における下部の両側部に、空気の導入孔を設けることが好ましい。
また、請求項7に記載のように、本発明の構造体を備えた建造物には、その底部の縁部に、車両に設置された緊締具と係合する貫通係合孔を形成した締結具を固着して、車両により運搬可能とすることが好ましい。この場合には、請求項8に記載のように、前記締結具に、その上面側と下面側とに開口する貫通ねじ穴を形成したねじブロックを設けることができる。
本発明の構造体は、輸送用のコンテナを改造したショールームなどの建造物の屋根に設置されるものであって、建造物の長手方向に延びる複数の板材を段違いに組み合わせて配列した板材配列部が、間隔を置いて上方及び下方に配置してある。建造物の最上部に位置する上方の板材配列部においては、建造物の横断面中央の板材が最も高い位置に、外方側の板材ほど低い位置となるように配置され、隣接する板材は、その横方向の端部が平面視において重なり合い、かつ、その間に間隙が存在している。
建造物室内への入場者の体温あるいは太陽光の入射等により室内空気の温度が上昇すると、空気の比重量が小さくなって自然対流が生じ、高温となった空気は、建造物の最上部に置かれた上方の板材配列部に向けて流動する。そして、上方の板材配列部の隣接する板材の間隙を通過してさらに上方に流れ、建造物の外部に排出される。つまり、本発明の構造体が建造物の屋根に置かれ、ここが換気の排気口となるので、上昇する気流が滞留したり曲げられたりすることがなく、効率的な自然換気が行われる。
一方、建造物の最上部に位置する上方の板材配列部には、雨水が降りかかり、これが板材の間隙から建造物内に侵入する恐れがあるが、上方の板材配列部の隣接する板材は、その横方向の端部が平面視で重なり合うとともに、外方側の端部に下向きの曲り部が、中央側の端部に上向きの曲り部が形成されている。このため、侵入しようとする雨水は、上向きの曲り部によって堰き止められ、基本的には、ここで侵入阻止が行われる(後述の図8等を参照)。
また、上方の板材配列部の下側には、下方の板材配列部が置かれている。下方の板材配列部は、建造物の横断面において、上方の板材配列部と鏡像になるような形状(水平線を中心として線対称)を備えており、横断面中央の板材が最も低い位置に配置され、外方側の端部に上向きの曲り部が形成されている。雨水が上方の板材配列部の下側に入り込んだとしても、その雨水は、最終的には最も低い位置に配置された中央の板材に落下して貯留され、建造物の室内側に侵入することは防止される。中央の板材に落下した雨水は、排水パイプを適宜連結する、等の手段で建造物の外部に排出することもできるが、請求項4の発明のように、中央の板材を建造物の長手方向の端部まで延長し、ここで排水装置に連結したときは、建造物の室内にパイプ等を設けることなく、簡易な構成によって排水を図ることが可能となる。
請求項2の発明は、矩形の骨組み構造の連結部材を用いて、上方の板材配列部の板材と下方の板材配列部の板材とを結合するものである。こうすると、上方及び下方の板材配列部が一体化され、予め組み合わされたユニットとして建造物の屋根に取り付けることができる。なお、必ずしも全ての板材を連結部材で予め結合する必要はなく、一部の板材を分離しておき、後に屋根に組み付けるようにすることもできる。
ここで、コンテナを基礎とするショールーム等の建造物では、屋根を支える柱を室内に置くことなく、建造物の上部に長手方向に延びるビーム材を設置して屋根を支持するのが好都合である。このようなビーム材を有する建造物では、請求項3の発明のように、上記の連結部材をビーム材に固定して、屋根の構造体を建造物に取り付けることができる。
請求項5の発明は、上方の板材配列部と下方の板材配列部との間に支持部材を配置し、これに、例えば、照明器具のような建造物の装備品を取り付けるものであり、これによれば、屋根部分のスペースの有効活用が可能となる。
また、請求項6の発明は、本発明の構造体を備えた建造物において、その横断面における下部の両側部に、空気の導入孔を設けるものである。建造物には、通常、窓やドア等の隙間から空気が流入して自然循環による換気が行われるが、空気の導入孔を建造物の下部に設けると、自然対流が促進され、より効率的な換気が可能となる。
請求項7の発明は、トレーラ等の車両により運搬可能とした建造物、つまり、車両に設置された緊締具と係合する貫通係合孔を形成した締結具を底部に固着した建造物に、本発明の屋根部の構造体を取り付けるものである。このような建造物は、各地のイベント会場などを移動して設置されるけれども、場所によっては十分な容量の電源等を確保するのが困難な場合がある。
本発明の構造体を備えた建造物は、自然循環による換気を行うので、電力で駆動されるファン等を必要としない。そのため、本発明の構造体は、車両により運搬可能とした建造物に好適なものである。また、請求項8の発明のように、締結具に、その上面側と下面側とに開口する貫通ねじ穴を形成したねじブロックを設けたときは、この貫通ねじ穴を利用して、建造物のクレーンによる吊り上げ、又は、柱状体を用いた建造物の積み重ねを行うことができる。
本発明の構造体を屋根に備えた建造物を全体的に示す斜視図である。 図1の建造物の底面図である。 図1の建造物を積み重ねる状態を示す図である。 図1の建造物のA−A断面矢視図である。 図4の屋根部分の拡大図である。 図1の建造物のB−B断面の斜視図である。 図5において屋根を一部切断し上方から視た斜視図である。 本発明の構造体における換気の流れ等を示す説明図である。 図4のA部分の拡大斜視図である。 コンテナを積載する一般的なトレーラ及び緊締具を示す図である。 コンテナを改造したデータセンターを示す図である。
以下、図面に基づいて、コンテナを基礎とする建造物などの屋根に用いる本発明の構造体について説明する。この実施例の建造物は、商品等を陳列するショールームとして利用することを目的とするものであり、まず、この建造物の概要及びトレーラ等に固定するための締結具について、図1乃至図3によって説明する。
図1の斜視図に示すように、建造物STは、コンテナを基礎とするものではあるが、全体的に柔らかな印象を与えるよう、その前後の部分には、平面視でほぼ半円形の曲線をなすアーチ形壁面ARが採用されている。建造物STの側面は、ポリカーボネート等の透明な材料からなり、内部に陳列された商品等を見ることが可能である。また、両方の側面の前部及び後部には、透明な材料からなる跳ね上げ式のドアDRが配置してあり、ここから内部への出入りが可能となっている。建造物STの屋根の縁の部分にも透明な材料が用いられている。
建造物STの底面図である図2に示すとおり、建造物STの床部分は、一般的な輸送用のコンテナと同じように、前後方向に延びるビーム材BMの間に横方向に延びるクロス材CMを掛け渡したフレーム構造をなしている。前後の部分には、アーチ形壁面ARの平面形状に合致するアーチ形状の鋼材ASが置かれ、これは、辺部のビーム材BMに溶接等で固着される。そして、鋼材ASの外側には、建造物STの4隅に相当する個所に、締結具FNが溶接等によって取り付けられている。
締結具FNは、図1の拡大斜視図に示すとおり、板状の複数の鋼材を縦方向(板の厚さ部分が上下面となる)に配置し、これらの板状材を溶接して結合した骨組み構造をなしている。すなわち、アーチ形状の鋼材ASに対応するよう曲げられた板状材の両端に、放物線状に曲げられた板状材を溶接して周縁部F1とし、その中央に、貫通ねじ穴を形成した円筒形状のねじブロックF2を配置する。ねじブロックF2は、板状材を縦方向に放射状に配置した複数のリブ体F3により周縁部F1と結合される。
締結具FNの下方部には底板が設けてあり、底板には、図2の底面図に示すとおり、ツイストロック等の緊締具に係合する貫通係合孔F4が形成される。つまり、建造物STに取り付けられた締結具FNの貫通係合孔F4の位置は、例えば、図10に示すトレーラにおいて、ボルスタBSに設けたツイストロックTLの位置に対応するよう設定される。そのため、建造物STを通常のコンテナのようにトレーラ等の車両に固定し、イベント会場等に運搬したり、宣伝広告の目的で路上を走行させたりすることが可能である。
また、締結具FNには、上面側と下面側とに開口する貫通ねじ穴を形成したねじブロックF4が設けられている。この貫通ねじ穴を利用すると、クレーンを用いて建造物STを吊り上げたり、建造物を上下に積み重ねることが可能である。建造物STを吊り上げるときは、ねじブロックF4の貫通ねじ穴に、市販品のアイボルト(リング状の頭部を形成したボルト)を上面側からねじ結合する。アイボルトにクレーンのフック等を係合し、クレーンにより建造物STをトレーラに積み降ろしすることができる。
建造物STを積み重ねるときは、図3に示すように、柱状体PBを使用する。柱状体PBは、断面円形の直線状に延びる部材であって、両端に本体部分から分離可能な接続部材JTが印籠式に嵌め込まれており、接続部材JTの先端には、貫通ねじ穴にねじ結合されるねじ体が固着されている。積み重ね作業時には、下方となる建造物STの締結具FNの貫通ねじ穴に、一方の接続部材JTのねじ体を上面側からねじ結合し、ここに柱状体PBの本体部分を嵌め込んで、柱状体PBを垂直方向に設置する。柱状体PBを安定して支持するため、その上部をブラケットBKにより、建造物STの屋根に連結している。
他方の接続部材JTは、上方となる建造物STをクレーンで吊り上げた状態で、その締結具FNの貫通ねじ穴に下面側からねじ結合する。その後、接続部材JTと柱状体PBの本体部分との位置を合わせて建造物STを徐々に下降し、接続部材JTを柱状体PBの本体部分の上部に嵌め込んで、柱状体PBにより上方の建造物STを支持する。このとき、上方の建造物STの締結具FNには重量によるモーメント荷重が作用するが、締結具FNは、板状材を結合した骨組み構造であるので強度及び剛性の大きく、軽量なものであっても十分に荷重を支持することができる。
次いで、建造物STの屋根に設置される本発明の構造体について、図1、図4乃至図7に基づいて説明する。図4は図1のA−A断面矢視図であり、図5は図4の屋根部分の片側の拡大図、図6は図1のB−B断面を下方から見た斜視図、また、図7は図5において屋根を一部切断した斜視図である。
図1の全体図(図4の断面矢視図、図5の拡大図、図6も参照)に示すように、建造物STの屋根には本発明の構造体1が取り付けられ、構造体1における上方の板材配列部2が、建造物STの最上部に設けられている。上方の板材配列部2は、長手方向に延びる複数の板材2A〜2Cを段違いに組み合わせて配列した配列部であって、建造物STの前後に置かれたアーチ形壁面ARの間に設置されている。上方の板材配列部2の下側には下方の板材配列部3が設けられ、両方の板材配列部によって構造体1が構成される。上方の板材配列部2の両側には、建造物STの横方向の側壁との間に、ポリカーボネート等の透明板からなる側方屋根板4が設けられている。
図4、5から分かるように、上方の板材配列部2の板材2A〜2Cは、建造物の横断面中心線に対し対称に配列されており、中央の板材2Aが最も高い位置に、その他の板材2B、2Cは、外方側の板材ほど低い位置となるように配置される。中央の板材2Aは、複数の板材片を集合して並列に並べたものであり、板材2B、2Cは、断面がZ形状の同一の板材となっている。そして、中央の板材2Aの端部には下向きの曲り部2ADが形成されるとともに、それ以外の板材2B、2Cには、外方側の端部に下向きの曲り部2BD、2CDが、中央側の端部に上向きの曲り部2BU、2CUが形成される。これら板材2A、2B、2Cは、その曲り部の間に間隙が存在するよう段違いに配置される。
下方の板材配列部3の板材3A〜3Cは、図4、5の断面において、上方の板材配列部2の板材2A〜2Cと鏡像になるような形状、つまり、水平線を中心として線対称となる形状を備えており、中央の板材3Aが最も低い位置に配置され、外方側の端部に上向きの曲り部3AUが形成される。その他の板材3B、3Cは、外方側の板材ほど高い位置となるように配置されていて、外方側の端部に上向きの曲り部3BU、3CUが、中央側の端部に下向きの曲り部3BD、3CDが形成され、下方の板材配列部3においても、隣り合う板材の曲り部の間には間隙が存在する。
上方の板材配列部2の外側の板材2B、2Cは、矩形の骨組み構造の連結部材5B、5Cにより、下方の板材配列部3の外側の板材3B、3Cとそれぞれ結合される。連結部材5B、5Cは、直交する2辺の断面形状を備えるアングル材を矩形に組み合わせたものであり、同様の連結部材5Aが、上方の板材配列部2における中央の板材2Aの下側にも設けられる。
ここで、建造物STには、室内に屋根を支える柱が配置されておらず、建造物STの上部に長手方向に延びる矩形断面のビーム材6が、前後に置かれたアーチ形壁面ARを連結するよう設置されている。この実施例では、中央の板材2Aの連結部材5Aと連結部材5Bとがビーム材6に固着され、連結部材5Cが連結部材5Bに固着される形で、下方の中央の板材3Aを除いて、上方及び下方の板材配列部の板材が連結部材で結合され、これらが一体となってビーム材6に取り付けられている。図6に示すように、下方の板材配列部3における中央の板材3Aは、建造物STの前後の端部に置かれたアーチ形壁面ARまで延長され、この壁面に設けられた排水装置(図示省略)に接続される。
間隔を置いて設けられた上方の板材配列部2と下方の板材配列部3との間には、ビーム材6と建造物STの側壁の上部とを連結するよう、棒状の支持部材7が配置されている。屋根を一部切断した斜視図である図7に示すとおり、支持部材7は、ビーム材6と側壁の上部とに固着されたブラケット7Aに差し込まれ、平面視でV形に連続して長手方向に配置される。支持部材7の上面及び下面にはスリットが形成されており、例えば、照明器具のような建造物STの装備品を取り付けることができる。
次に、構造体1の換気の流れ及び雨水の侵入防止について図8により説明する。
建造物ST室内の入場者や太陽光の影響で室内空気の温度が上昇すると、暖められた空気は、比重量の差によって図8の実線矢印のように上方に流れ、構造体1の上方の板材配列部2と下方の板材配列部3との間又は下方の板材配列部3の板材の間隙を通過して、上方の板材配列部2の下側に達する。さらに、この空気は、上方の板材配列部2の隣接する板材2A〜2Cの間隙を通過して上方に流れ、建造物STの外部に排出される。
建造物の最上部に位置する上方の板材配列部2では、雨天の際には、図8の破線矢印のように、板材2A〜2Cの間隙から雨水が室内に侵入しようとする。しかし、板材2A〜2Cは、隣接する板材の横方向の端部が平面視で重なり合うとともに、外方側の端部に下向きの曲り部2AD〜2CDが、中央側の端部に上向きの曲り部2BU、2CUが形成されている。侵入しようとする雨水は、上向きの曲り部2BU、2CUによって堰き止められて上昇し、ここで慣性による分離が行われる。それでも板材2A〜2Cの間隙を通過した雨水は、下方の板材配列部3の板材3A〜3C上に落下し、最終的には最も低い位置にある中央の板材3Aに集められて、建造物STの端部の排水装置から排出される。
このように、本発明の構造体1においては、建造物STの室内への雨水の流れ込みを阻止しながら自然換気が可能である。構造体1は、建造物STの最上部に置かれるので、上昇する気流がスムースに外部に流れ、効率的な換気を行うことができる。
建造物STの床部分の構造について、図4のA部の斜視図である図9により説明する。
建造物STの底部の両側端部には、図2にも示すビーム材BMが長手方向に延びるように配置され、このビーム材BMには横方向に延びるクロス材(図9には表示されない)が掛け渡される。クロス材の上部には、発泡合成樹脂の両面に薄い金属板を積層したサンドイッチパネルSPが置かれ、さらにその上に、連続して延びるT形断面形状の突起を複数並列して形成した、いわゆるTボードTBが敷設される。ビーム材BMの上部には、ビーム材BMと同様に建造物STの長手方向に延びる上部ビーム材UBが固定され、これにカバー板CBが固着されている。カバー板CBには、長手方向に等間隔に並んだ空気の導入孔8が設けられている。
導入孔8は、建造物STの室内換気のための吸入口として作用する。つまり、自然換気により構造体1から排気された空気に代わり、建造物STの底部の両側に設けた導入孔8から外部の新鮮な空気が導入される。この空気は、上部ビーム材UBと、サンドイッチパネルSP及びTボードTBとの間隙を通過し屈曲した通路に沿って流入するため、水が流入することはなく、例えば、建造物STをトレーラに積載して運搬するときでも、車輪で巻き上げられた水が室内に入り込むのを防止できる。
以上詳述したように、本発明は、建造物の屋根構造として、建造物の長手方向に延びる複数の板材を段違いに組み合わせて配列して板材配列部を構成し、この板材配列部を上方及び下方に設置した構造体を設けることにより、雨水の侵入を防止しながら、建造物の屋根から室内の空気の自然換気を図るものである。上記の実施例では、本発明の構造体を、輸送用のコンテナを改造した建造物に適用しているが、一般の建築物等にも適用できるのは言うまでもない。また、上記の実施例では、構造体の両側に透明材料の屋根板を配置しているが、板材配列部の幅を広げて建造物の屋根の全面を覆うようにするなど、実施例に対し種々の変形が可能であるのは明らかである。
1 構造体
2 上方の板材配列部
2A〜2C 板材
3 下方の板材配列部
3A〜3C 板材
4 側方屋根板
5(5A〜5C) 連結部材
6 ビーム材
7 支持部材
8 導入孔(空気の)
ST 建造物
AR アーチ形壁面
FN 締結具

Claims (8)

  1. 建造物の屋根に置かれる構造体であって、
    建造物の長手方向に延びる複数の板材を、建造物の横断面中心線に対し対称に配列した板材配列部が、間隔を置いて上方及び下方に設置され、
    前記板材配列部においては、隣接する板材は、その横方向の端部が平面視において重なり合い、かつ、その間に間隙が存在するよう段違いに配置されており、さらに、
    上方の前記板材配列部では、建造物の横断面中央の板材が最も高い位置に、外方側の板材ほど低い位置となるように配置され、横断面中央の板材の端部には下向きの曲り部が形成されるとともに、それ以外の板材には、外方側の端部に下向きの曲り部が、中央側の端部に上向きの曲り部が形成され、
    下方の前記板材配列部では、建造物の横断面中央の板材が最も低い位置に、外方側の板材ほど高い位置となるように配置され、横断面中央の板材の端部には上向きの曲り部が形成されるとともに、それ以外の板材には、外方側の端部に上向きの曲り部が、中央側の端部に下向きの曲り部が形成されていることを特徴とする構造体。
  2. 上方の前記板材配列部における板材と下方の前記板材配列部における板材とが、矩形の骨組み構造の連結部材により結合される請求項1に記載の構造体。
  3. 建造物の上部には、長手方向に延びるビーム材が設置されており、前記連結部材が前記ビーム材に取り付けられる請求項2に記載の構造体。
  4. 下方の前記板材配列部における建造物の横断面中央の板材が、建造物の長手方向の端部まで延長されて排水装置に連結される請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の構造体。
  5. 上方の前記板材配列部と下方の前記板材配列部との間には、建造物の装備品を取り付けることが可能な支持部材が配置される請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の構造体。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の構造体を備えた建造物であって、その横断面における下部の両側部には、空気の導入孔が設けられている建造物。
  7. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の構造体を備えた建造物であって、その底部の縁部には、車両に設置された緊締具と係合する貫通係合孔を形成した締結具が固着されており、車両により運搬可能である建造物。
  8. 前記締結具には、その上面側と下面側とに開口する貫通ねじ穴を形成したねじブロックが設けられている請求項7に記載の建造物。
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