JP5875420B2 - 放射線検出素子およびその製造方法 - Google Patents

放射線検出素子およびその製造方法 Download PDF

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Description

シンチレータを用いた放射線検出素子およびその製造方法に関する。
医療現場等でX線撮影に用いられているフラットパネルディテクタ(FPD)などの放射線検出素子では、被写体を通過したX線をシンチレータで受け、そのシンチレータが発した光を光検出部で検出することで、間接的にX線等の放射線を検出している。このような放射線検出素子のイメージセンサーには複数の画素、例えば2600×2600個の画素があるが、シンチレータの発光が画素間に渡って拡散すると、所謂クロストークが生じ、撮像されたイメージの解像度が低下する。この対策として、シンチレータを画素毎に分離させ、シンチレータと画素間の空気との屈折率差によって生じる、光の全反射を利用して、光をシンチレータ内に閉じ込めてクロストークの発生を低減することが知られている。これについて、特許文献1には、シンチレータが形成される基板上の画素間に対応する部分に、凸または凹パターンを設け、この上にシンチレータを形成したうえで冷却工程を経ることで、シンチレータに、凸または凹パターンに沿った亀裂を形成させ、画素毎に分離させることが記載されている。
特開平07−027863号公報
しかし、我々の検討したところによると、特許文献1に記載の方法では、例えば画素の周期が100μm、画素間の間隔が10μmのような微細な間隔で画素が並ぶ場合、画素境界部分、すなわち亀裂形成部分のみに凸または凹パターンを設けた場合、新たな課題が生じることが判明した。つまりこのような場合、シンチレータ材成膜後の冷却過程でのシンチレータの収縮による亀裂形成に伴って、シンチレータと基板間の応力が増長され、基板からのシンチレータの剥れが生じやすいということが判明した。
そこで、それを解決するために、本発明は、
複数の光検出部と、該複数の光検出部上に位置するシンチレータ層とを有する放射線検出素子の製造方法であって、
前記複数の光検出部と複数の凸部を有する凸領域とを備え、複数の前記凸領域がそれぞれ前記光検出部と積層方向において重なるように配列されている基板の上に、前記複数の凸領域に跨るようにシンチレータ層を形成する工程と、
シンチレータ層が形成された基板を降温し、隣り合う凸領域間と積層方向において重なる前記シンチレータ層の部分に亀裂を形成する工程と、
を有し、
前記複数の凸領域は、以下の関係を満たす放射線検出素子の製造方法を提供する。
0.6≦s/t<0.9
d<D<4.6h
ここで、
tは、凸領域における複数の凸部の配列周期
sは、凸領域における個々の凸部のシンチレータ層と接する部分の大きさ(径)
hは、凸領域における個々の凸部の高さ
dは、凸領域における隣り合う凸部間の間隔
Dは、隣り合う凸領域間の平均間隔
また、本発明は、
複数の光検出部と、該複数の光検出部上に位置するシンチレータ層とを有する放射線検出素子の製造方法であって、
複数の凸部を有する凸領域を複数備える基板の上に、複数の前記凸領域に跨るようにシンチレータ層を形成する工程と、
シンチレータ層が形成された基板を降温し、隣り合う凸領域間と積層方向において重なる前記シンチレータ層の部分に亀裂を形成する工程と、
隣り合う光検出部間に前記亀裂が重なるように、該亀裂が形成されたシンチレータ層を備える基板を、前記複数の光検出部に対向配置する工程と、
を有し、
前記複数の凸領域は、以下の関係を満たす放射線検出素子の製造方法を提供する。
0.6≦s/t<0.9
d<D<4.6h
ここで、
tは、凸領域における複数の凸部の配列周期
sは、凸領域における個々の凸部のシンチレータ層と接する部分の大きさ(径)
hは、凸領域における個々の凸部の高さ
dは、凸領域における隣り合う凸部間の間隔
Dは、隣り合う凸領域間の平均間隔
さらに、本発明は、
放射線検出素子であって、複数の光検出部と、複数の凸部を有する凸領域と、複数の前記凸領域に跨るように設けられたシンチレータ層と、を備え、複数の前記凸領域は、それぞれ前記光検出部と積層方向において重なるように配列され、前記シンチレータ層は、隣り合う前記凸領域間と積層方向において重なる前記シンチレータ層の部分に亀裂を有し、以下の関係を満たす放射線検出素子を提供する。
0.6≦s/t<0.9
d<D<4.6h
ここで、
tは、凸領域における複数の凸部の配列周期
sは、凸領域における個々の凸部のシンチレータ層と接する部分の大きさ(径)
hは、凸領域における個々の凸部の高さ
dは、凸領域における隣り合う凸部間の間隔
Dは、隣り合う凸領域間の平均間隔
本発明の放射線検出素子およびその製造方法によれば、簡易な方法でクロストークを低減するとともに、シンチレータ膜の剥がれの発生も低減できる。
本発明の実施形態に係る放射線検出素子の一例を示した断面図 本発明の実施形態に係る放射線検出素子の製造工程の説明図 本発明の実施形態に係る凸領域の説明図 本発明の実施形態に係る凸部の形状及び配列パターンの説明図 本発明に係る放射線検出素子の上面図、及び断面図 本発明の実施例及び比較例に係る凸部の配列パターンの上面図 綱り合う凸領域間の平均間隔を説明する図 実施例及び比較例のデータを示す図
以下に、本発明の実施形態に係る放射線検出素子およびその製造方法について説明する。
図1の(a)、(b)は、本実施形態の放射線検出素子の一例を示した断面模式図である。
図1の(a)、(b)に示すように、本実施形態の放射線検出素子は、複数の光検出部13と、複数の光検出部13を含む光検出層14上に位置するシンチレータ層18とを有している。尚、図1の(a)、(b)に示す放射線検出素子は、いずれも好ましい形態として、光検出部13とシンチレータ層18との間に、光検出部を機械的、電気的に保護する保護層15を有している。また、シンチレータ層18の上に、シンチレータ層18で発生した光の利用率を上げるための反射層19を有している。尚、図1の(a)と(b)との違いは、図1の(a)の構成においては、光検出部13とシンチレータ層18との間に、それぞれが複数の凸部を有する複数の凸領域を有する凸パターン層17を有しているのに対し、図1の(b)の構成では、シンチレータ層18と反射層19との間に凸パターン層17を有していることである。
図中に示した矢印が積層方向になり、積層方向に平行にシンチレータ層中に亀裂が生じていることが分かる。この亀裂が画素ごとの境界12になる。尚、凸領域の詳細については、以下で図2及び図3を用いて、本実施形態の放射線検出素子の製造方法と共に説明する。
図2の(a)、(b)は、複数の光検出部13と、それぞれが複数の凸部を有する凸領域を複数備え、複数の凸領域のそれぞれが複数の光検出部と積層方向において重なるように配列されている基板を作成する手順を示している。詳述すると、まず図2の(a)に示すように、複数の光検出部13と、好ましい形態として光検出部上に位置する保護層15とを備えた基板10の上に、レジスト23を形成する。そして、レジスト23にマスク24を介して露光した後、現像することで、図2(b)に示すように、それぞれが複数の凸部20を有する凸領域21を複数形成する。尚、図2(b)では、後述のように、隣り合う凸領域21のそれぞれで、凸部20の配列パターンが異なるため、それぞれ凸領域21a、21bと区別して表記しているが、説明上区別する必要がない場合は、以下、総称して凸領域21と説明する。また、その他の部材についても、添え字を省略し、総称で説明する場合がある。このようにして、複数の凸領域21のそれぞれが複数の光検出部13のそれぞれと重なるように配列されている基板10を作成した。尚、図3の(a)、(b)、(c)は、このようにして作成された複数の凸領域21を有する基板10の上面図であり、それぞれ、凸領域21が有する複数の凸部20の配列パターンが異なっている。ここで、いずれの凸領域21も、凸部20の配列周期、間隔、形状(径や高さ)や、隣り合う凸領域21間の間隔に関して、後述する関係を満たしている。そして次に図2の(c)に示すように、このようにして作成された基板10の凸パターン層17上に、複数の凸領域21に跨るようにシンチレータ層18を形成する。そして、シンチレータ層18が形成された基板10を降温して、隣り合う凸領域21間の間隙と積層方向において重なるシンチレータ層の部分に亀裂を形成する。亀裂が形成されたシンチレータ層18の上面図及び断面図をそれぞれ図5の(a)、(b)に示す。図5の(a)、(b)において、18a、18bは、それぞれ凸領域21a、21bに形成されたシンチレータ層を示し、シンチレータ層の一部分18cは隣り合う凸領域21間の積層方向において重なるシンチレータ層の部分に形成された亀裂部を示す。このようにして作成した放射線検出素子は、従来の方法によって作成された放射線検出素子が抱えていた、シンチレータ層の剥がれの問題を解決し得るとともに、クロストークを低減し得る。これについて、以下に詳述する。
本実施の形態における凸領域21について図4を用いて説明する。凸領域21は、複数の凸部20の配列周期tと、凸領域21における個々の凸部20のシンチレータ層18と接する部分の大きさ(径)sと、個々の凸部20の高さhと、凸領域21における隣り合う凸部20間の間隔dと、隣り合う凸領域21間の平均間隔Dとが、0.6≦s/t<0.9(式1)、且つ、d<D<4.6h(式2)の関係を満たしている。尚、t、s、h、dについては、それぞれ図4(a)に示すとおりである。また、Dについては、詳細は後述するが、図4(b)、(c)及び図7に示すとおりである。本実施形態においては、式1および式2を満たすことによって、複数の凸領域21に跨って形成されたシンチレータ層18の隣り合う凸領域21間の積層方向において重なるシンチレータ層の部分に亀裂を形成する。これにより、個々の凸領域21内の積層方向において重なるシンチレータ層の部分において亀裂が生じることを防止することが出来る。さらに、凸領域上のシンチレータ層に亀裂が生じないことにより凸領域とシンチレータ層が密接に接着し、シンチレータ層18が凸部領域21から剥がれることも防止できる。詳述すると、我々の鋭意検討の結果、式1を満たすことによって、個々の凸領域21内において、亀裂が生じることと、シンチレータ層18が剥がれることの両者を防止できることが判明した。これは、0.6≦s/tを満たすことによって、凸領域21内において隣り合う凸部20間の間隔を凸部20の上面サイズに対して相対的に小さく抑えることが出来るため、凸領域21内における隣り合う凸部20間で亀裂が生じることを防止できると考えられる。また、s/t<0.9を満たすことによって、凸領域21内において隣り合う凸部20間の間隔を、凸部20の上面サイズに対して相対的に小さく抑えすぎないため、シンチレータ膜18の凸部20の上面との接触部における応力が十分に緩和され、シンチレータ層18の剥がれが防止できると考えられる。s/tの関係は、さらに0.6≦s/t≦0.8であることが好ましい。また、式2を満たすことによって、個々の凸領域21内の積層方向におけて重なるシンチレータ層において亀裂が生じることを防止しつつ、隣り合う凸領域21間において亀裂を生じさせる、つまり、隣り合う凸領域21間に選択的に亀裂を形成することが出来ることが判明した。これは、d<Dを満たすことによって、凸領域21内において隣り合う凸部20間におけるシンチレータ膜18にかかる応力よりも、隣り合う凸領域21間の積層方向において重なるシンチレータ膜18の部分にかかる応力を大きくすることが出来るため、選択的に隣り合う凸領域21間の積層方向において重なるシンチレータ膜に亀裂を形成させることが出来る。また、D<4.6hを満たすことによって、隣り合う凸領域21間にシンチレータ膜が回り込む、つまり、隣り合う凸領域21間の部分(凹部)がシンチレータ膜で埋まる(凹部がシンチレータ膜で満たされる)ことが防止できるため、亀裂を生じさせることを妨げることがない。さらに、d<D<4.6hかつ1.9h<D<3.8hであるとさらに好ましい。このように、本実施形態の製造方法によって、クロストークを低減するとともに、シンチレータ膜の剥がれの発生も低減できる、放射線検出素子を提供し得る。尚、図4に示すように、凸領域21における複数の凸部20の配列周期tや、凸領域21における個々の凸部20のシンチレータ層18と接する部分の大きさ(径)sが、各凸領域21で異なる場合は、それぞれの凸領域21で式1を満たす必要がある。同様に、凸領域21における個々の凸部20の高さhや、凸領域21における隣り合う凸部20間の間隔dにおいても、各凸領域21で異なる場合は、それぞれの凸領域21と互いに隣り合う凸領域21間とで式2を満たす必要がある。尚、凸部20のシンチレータ層18と接する部分の大きさ(径)sとは、凸部20を上面から見たサイズを意味し、上面形状が円であれば直径に対応し、正方形ならば一辺の長さに対応する。また、隣り合う凸領域21間の平均間隔Dは、次のようにして算出する。まず、図4の(c)に示す場合、隣り合う凸領域21間の平均間隔Dは、図のddとなる。一方、図4の(b)に示すように、隣り合う凸領域21の最近接列の凸部20cの列方向間隔dddが、凸部20の大きさ(径)sよりも大きい場合には、平均間隔Dは、D=dd+(1/4)t1+(1/4)t2となる。これについて、図7の(a)を用いて説明する。
図7の(a)は図4の(b)の部分拡大図であり、隣り合う凸領域21間の部分をエリアごとに区画した図と、このエリア部分だけを抜き出した図である。上述の図4の(c)の場合、隣り合う凸領域21間のエリアは略長方形となるが、図4の(b)及び図7の(a)の場合は、図7の(a)に示すように、隣り合う凸領域21間のエリアは、周期(ピッチ)t1、t2を一辺とする三角形を長方形に加えた形状となる。このため、隣り合う凸領域21間に位置するシンチレータ膜18には、このエリアの面積に依存した応力が発生することになる。従って、図4の(b)及び図7の(a)に示す構成の場合には、このエリアを、列方向の長さHを維持しつつ、これと面積が同じ長方形に置き換えた際の列方向と直行する方向における辺の長さが、隣合う凸領域21間の平均間隔Dとなる。尚、同様の考え方で、図7の(b)、(c)の構成の場合には、それぞれ平均間隔Dは、D=dd+(1/4)t1、D=dd+(1/4)t2となる。
また、上記においては、複数の光検出部と、複数の凸部を有する複数の凸領域を複数備え、複数の凸領域のそれぞれが複数の光検出部のそれぞれと積層方向において重なるように配列されている基板の上にシンチレータ層を形成する形態について説明したが、この形態に限る必要はない。例えば、上述の図1の(b)の構成の放射線検出素子を製造する場合であれば、それぞれが複数の凸部を有する複数の凸領域を備える基板の上に、複数の凸領域に跨るようにシンチレータ層を形成し、シンチレータ層が形成された基板を降温して、シンチレータ層の隣り合う凸領域間の部分に亀裂を形成した後、隣り合う光検出部間に亀裂が重なるように、亀裂が形成されたシンチレータ層を備える基板を、複数の光検出部に対向配置すればよい。
また、凸領域21における複数の凸部20の配列周期であるtは、1μm以上且つ15μm以下であることが好ましい。tが1μm以上であることによって、十分な発光量を得ることが出来るが、これは、入射した放射線が生成する高エネルギーの電子やホールの拡散長がこの程度であるからであり、1μm未満であると結果として発光量が低下することが予測されるためである。また、tが15μm以下であることによって、シンチレータ層18と凸部20との接触面積が大きくなりすぎるのを回避でき、シンチレータ層の剥がれが誘発するのを、より抑制することが出来る。
また、凸領域21における凸部20の配列がハニカムであることが好ましい。これによって、凸領域21内のシンチレータ層18の状態を良好に保つことが出来る。
また、亀裂に光を拡散する部材を充填する工程を更に有することが好ましい。これによって、クロストークをより低減することが可能となる。
また、亀裂に光を反射する部材を被覆する工程を更に有することが好ましい。これによって、クロストークをより低減することが可能となる。
次に、本実施形態における、各構成部材について更に説明する。
基板10は、ガラス等で形成することが出来る。
保護層15としては、ポリイミド等の樹脂が使用できる。
下地層16は、保護層15と共に光検出層14を保護するための層であり、シンチレータ層18がCsIのようなアルカリハライド系材料で構成される場合、保護層15を超えて光検出層14へのハロゲンの拡散等による劣化を防ぐために配置するとよい。
また、反射層19は、シンチレータで発生した光の利用効率を向上させるためのものであるが、特に図1の(b)の構成においては、凸部パターン層17が反射層を兼ねてもよい。
また、凸部20からなる凸パターン層17としては、エポキシ樹脂などが使用できる。
尚、実際の放射線検出素子においては、画素11a、11b毎に配置されたTFT(Thin Film Transistor)など、図示していないものも数多く含まれているが、本実施形態では、説明を簡便にする為、本質的な部分以外については説明及び図示を割愛している。
また、図2(a)に示す凸部20の形成方法としては、上述のように凸部20となるレジスト23として、エポキシ樹脂系のネガ型フォトレジストを使用した場合には、露光量と露光後のベーク時間を調節することによって、膜厚及びサイズを制御する。画素境界に対応する部分で配列が不連続となるCrパターンを配したマスク基板24を通して露光されたレジスト部分は、露光後ベークを施すことによって、レジスト部分の架橋及び定着が進行する。そして、現像液で非露光部分のレジストを除去することで、露光されたレジスト部分による凸パターン層17が形成される。画素(図1における11a、11b)のサイズは、概ね50〜200μmであるが、このとき、凸部20の配列パターンの上面図は、図3に示すように凸部20が画素サイズより細かい周期で配列されている。ここで、凸部20の配列パターンには、図3(a)に示すような、周期tと凸部サイズsとが両方異なる場合と、図3の(b)に示すような、周期tも凸部サイズsも同一であるが、画素間(隣り合う凸領域21間)で凸部20の配列パターンをずらしたもの、図3の(c)に示すような、周期tと凸部サイズsの何れか一方が異なる場合等がある。
尚、凸部20の形成については、上述のようにレジスト自体を凸パターン構造に加工する場合に限らず、基板自体を加工して凸部20を形成してもよい。例えば、Siやガラス、カーボン系の基板上にレジストを塗布し、レジストを加工してから基板自体をエッチングして凸パターンを形成する事も可能である。また、コストの面からインプリント法を利用する事も可能である。これらのような凸パターン層を形成する材質は、いずれの場合も軽元素主体の材料を用いることが好ましい。
また、シンチレータ層18の形成には、成膜速度が速く、実用的な真空蒸着法を採用するとよい。例えば、CsIとTlIの粉末を別々の蒸着ボートに投入し、CsIのボートを700℃、TlIのボートを300℃に加熱することで共蒸着を行い、さらに凸部20を室温より高温に加熱した状態、例えば200℃にした状態で、Arガス圧を5×10−3Pa、発光中心のTl含有量を1〜2mol%程度、膜厚が200μmという成膜条件にすることで、凸領域21の凸上面に接し、凸上面に対して平行な結晶面が主に(110)面であるCsI 多結晶膜が成長したシンチレータ層18を形成することが可能になる。本実施形態では、上記のように(110)配向のCsI蒸着膜を採用しているが、蒸着条件によっては、(200)配向等、他の配向のCsI蒸着膜や、複数の配向が混在したCsI蒸着膜が成長する。本実施の形態の(110)配向のCsI蒸着膜では、凸パターン層の凸上面から膜厚方向に遠ざかるにつれて、結晶は界面をもって接している。そのため、シンチレータ層の上部での応力が大きく、凸上面と接するシンチレータの下部では応力が小さく作用し、基板から、もしくは凸部20からCsI蒸着膜が剥がれることなく、画素境界部分(隣り合う凸領域間)に応力集中が生じる。したがって、XRD測定において粉末強度比を考慮して、もっとも(110)回折ピークが大きい状態の、すなわち、結晶面が主に(110)面であるCsI多結晶膜を真空蒸着法にて得ることが望ましい。
また、シンチレータ層18が形成された基板を降温させることによって、隣り合う凸領域21間(画素間)の部分のシンチレータ層18に亀裂を形成させる。この亀裂は、基板温度を例えば室温以下に低下させる際に、シンチレータ層に応力が印加されることにより発生させている。これは熱応力により凸領域21上に形成されたシンチレータ層が収縮する際に、凸領域21及び凸部20が、上述の式1、式2を満たすことにより、上述のとおり、隣り合う凸領域21間(画素境界領域)の空隙部分が応力に弱い領域になり、そこから亀裂が生じるものと考えられる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきた。次に、本発明の実施例について説明する。図8は、本発明の実施例及び比較例として、画素境界(隣り合う凸領域間)で配列パターンが不連続となる様々な凸部及び凸領域を形成した基板に対して、隣り合う凸領域に跨るようにシンチレータ層を形成し、その基板を降温することによって得た結果を示したものである。尚、隣り合う凸領域で、凸部20の配列パターンを変えているため、便宜上、それぞれの凸領域を、第一の凸パターン、第二の凸パターンと命名して、画素の境界部分(隣り合う凸領域間の部分)での亀裂形成、シンチレータの膜剥れ、光検出部におけるMTF(Modulation Transfer Function:画像の空間分解能)についてまとめている。
図8からも分かるように、s/tの関係は、0.6≦s/t<0.9で、さらに好ましくは、0.6≦s/t≦0.8である。また、dとDの関係は、d<D<4.6hで、さらに好ましくは、1.9h<D<3.8hになる。これは、実施例1や実施例5において、Dは5.8であり、3*1.9=5.7<Dの条件を満たす。また、実施例4において、Dは11.2からD<3*3.8=Dの条件を満たす。
以下、図8に示した各実施例、比較例に基づいて、本発明の放射線検出素子について詳細を説明する。まず、前提条件として、比較例1から説明する。
(比較例1)
上述の凸パターン層17を形成するプロセスによって、光検出部及びポリイミド製の保護層15が設けられたガラス基板10の上面に、複数の凸領域21を設け、上述のシンチレータ層18の形成プロセスによって、複数の凸領域21に跨るように基板全面に渡ってCsI膜を蒸着する。本比較例1では、図6(a)に示すような隣り合う凸領域21の周期が100μm、凸部上面サイズが90μm、凸部間隙が10μmで、この間隙が隣り合う光検出部の間に位置するように凸領域を形成する。つまり換言すると、各凸領域21は、1つの凸部から形成されている。尚、シンチレータ層18は、CsIとTlIの粉末を別々の蒸着ボートに投入し、CsIのボートを700℃、TlIのボートを300℃に加熱することで共蒸着を行って形成した。その他のパラメータとしては、基板温度は200℃、成膜時のArガスは5×10−3Paである。画素内に画素サイズより細かい周期を有する凸パターン層を形成していない、つまり、凸領域21内に複数の凸部を有さない本比較例1においては、上述の式1及び式2の両者を満たさないため、CsIの蒸着後、基板温度を室温以下に冷却する過程において、画素境界では亀裂が形成されず、また蒸着したCsI多結晶膜の膜剥れが見られた。
(実施例1)
上述の実施形態の凸パターン層17を形成するプロセスによって、光検出部及びポリイミド製の保護層15が設けられたガラス基板10の上面に、レジストとしてエポキシ樹脂系のネガ型フォトレジスト、例えばSU8を塗布し、フォトリソグラフィ技術を用いることにより、図4の(a)、(b)に示すような凸部20及び凸領域21を形成する。ここで、レジストとしてSU8を使用した場合には、露光量と露光後のベーク時間を調節することによって、膜厚及びサイズを制御している。Crパターンを配したマスク基板を通して露光されたレジスト部分は、65℃で1分間、さらに90℃で2分間の露光後ベークを施すことによって、レジスト部分の架橋及び定着が進行する。そして、現像液SU8 developerで非露光部分のレジストを除去することで、SU8の凸パターン層17が形成される。このとき、凸パターン層17の上面図は、図4(b)のようになっている。走査型電子顕微鏡SEM(日立製 S−5500)によって凸パターン層17の形状を観察すると、凸部20aのパターン周期t1が10μm、凸部20aの上面サイズs1が8μm、高さhが3μm、凸部20aの隙間d1が2μmの第一の凸パターン(第一の凸領域21a)と、凸部20bのパターン周期t2が5μm、凸部20bの上面サイズs2が3μm、高さhが3μm、凸部20bの隙間d2が2μm第二の凸パターン(第二の凸領域21b)が形成される。また、このとき第一の凸パターンと第二の凸パターンの平均間隔Dは5.8μmである。また、第一の凸パターンと第二の凸パターンの間隙、つまり隣り合う凸領域間の間隙が、隣り合う光検出部の間に位置していた。
次に、第一の凸パターンと第二の凸パターンとに跨るように、上述の比較例1と同様にしてシンチレータ層18を形成する。シンチレータ層の形成後、基板温度を室温以下に冷却することでシンチレータ層に応力が印加されて亀裂が発生する。また、このとき膜剥れは確認されなかった。シンチレータ層の形状は、走査型電子顕微鏡SEM(日立製 S−5500)によって観察すると、図5の(a)、及び(b)に示すような凸パターン層17に対応して結晶成長したシンチレータ層18が得られることが確認できる。
本実施例1において、SEM像によりシンチレータ蒸着膜では画素境界に対応する部分、すなわち隣り合う凸領域21の間の部分のシンチレータ18に形成された亀裂によって、画素間のクロストークを低減することができるため、MTFを向上させることが可能になる。
尚、本実施例1において、図4の(b)に示す凸領域の俯瞰図として、図6(b)に示すような凸部20の配列のパターン層を形成しているが、図6(c)に示すような配列のパターン層であっても、同等の効果が得られた。
(実施例2)
上記の実施例1と同様のプロセスによって、凸部20aのパターン周期t1が10μm、凸部20aの上面サイズs1が6μm、凸の高さhが3μm、凸部20aの隙間d1が4μmの第一の凸パターン(第一の凸領域21a)と、凸部20bのパターン周期t2が5μm、凸部20bの上面サイズs2が3μm、高さhが3μm、凸部20bの隙間d2が2μm第二の凸パターン(第二の凸領域21b)を形成する。このとき、上記の実施例1と同様に図6(b)に示すような凸部20の配列パターン層が形成され、第一の凸パターンと第二の凸パターンの平均間隔Dは7.1μmである。さらに、上記の実施例1と同様のシンチレータ形成プロセスによって、CsIを蒸着し、基板温度を室温以下に冷却する。シンチレータ層の形状は、走査型電子顕微鏡SEM(日立製 S−5500)によって観察すると、画素境界に対応する部分、すなわち第一の凸パターンと第二の凸パターンとの間の部分のシンチレータに亀裂が形成している様子が確認できる。また、実施例1と同様に膜剥れは確認されなかった。したがって、画素境界に対応する部分に形成された亀裂によって、画素間のクロストークを低減することができるため、MTFが向上している。
(実施例3)
上記の実施例1及び2と同様のプロセスによって、凸部20aのパターン周期t1が12.5μm、凸部20aの上面サイズs1が9μm、凸の高さhが3μm、凸部20aの隙間d1が3.5μmの第一の凸パターン(第一の凸領域21a)と、凸部20bのパターン周期t2が7.5μm、凸部20bの上面サイズs2が6μm、高さhが3μm、凸部20bの隙間d2が1.5μm第二の凸パターン(第二の凸領域21b)を形成する。このとき、上記の実施例1及び2と同様に図6(b)に示すような凸部20の配列パターン層が形成され、第一の凸パターンと第二の凸パターンの平均間隔Dは7.6μmである。さらに、上記の実施例1及び2と同様のシンチレータ形成プロセスによって、CsIを蒸着し、基板温度を室温以下に冷却する。シンチレータ層の形状は、走査型電子顕微鏡SEM(日立製 S−5500)によって観察すると、画素境界に対応する部分、すなわち第一の凸パターンと第二の凸パターンとの間の部分のシンチレータに亀裂が形成している様子が確認できる。また、実施例1及び2と同様に膜剥れは確認されなかった。したがって、画素境界に対応する部分に形成された亀裂によって、画素間のクロストークを低減することができるため、MTFが向上している。
(実施例4)
上記の実施例1から3と同様のプロセスによって、凸部20aのパターン周期t1が15μm、凸部20aの上面サイズs1が10μm、凸の高さhが3μm、凸部20aの隙間d1が5μmの第一の凸パターン(第一の凸領域21a)と、凸部20bのパターン周期t2が12.5μm、凸部20bの上面サイズs2が9μm、高さhが3μm、凸部20bの隙間d2が3.5μm第二の凸パターン(第二凸領域21b)を形成する。このとき、上記の実施例1から3と同様に図6(b)に示すような凸部20の配列パターン層が形成され、第一の凸パターンと第二の凸パターンの平均間隔Dは11.2μmである。さらに、上記の実施例1から3と同様のシンチレータ形成プロセスによって、CsIを蒸着し、基板温度を室温以下に冷却する。シンチレータ層の形状は、走査型電子顕微鏡SEM(日立製 S−5500)によって観察すると、画素境界に対応する部分、すなわち第一の凸パターンと第二の凸パターンとの間の部分のシンチレータに亀裂が形成している様子が確認できる。また、実施例1から3と同様に膜剥れは確認されなかった。したがって、画素境界に対応する部分に形成された亀裂によって、画素間のクロストークを低減することができるため、MTFが向上している。
(比較例2)
上記の実施例1から4と同様のプロセスによって、高さが3μmである単一の凸部20aからなる第一の凸パターン(ベタ膜である第一の凸領域21a)と、凸部20bのパターン周期t2が15μm、凸部20bの上面サイズs2が10μm、高さhが3μm、凸部20bの隙間d2が5μmの第二の凸パターンを形成する。このとき図6(d)に示すような凸パターン層が形成され、第一の凸パターンと第二の凸パターンの平均間隔Dは11μmである。さらに、上記の実施例1から4と同様のシンチレータ形成プロセスによって、CsIを蒸着し、基板温度を室温以下に冷却する。シンチレータ層の形状は、走査型電子顕微鏡SEM(日立製 S−5500)によって観察すると、画素境界に対応する部分、すなわち第一の凸パターンと第二の凸パターンとの間の部分のシンチレータに亀裂は確認されなかった。さらに、第一の凸領域21aに形成されたシンチレータ層は、冷却過程でシンチレータ層に印加される応力の影響で、部分的に膜剥れが確認された。そして、本比較例2においては、実施例1から4で見られたようなMTFの向上が見られなかった。
(比較例3)
上記の実施例1から4と同様のプロセスによって、凸部20aのパターン周期t1が7.5μm、凸部20aの上面サイズs1が4μm、高さhが3μm、凸部20aの隙間d1が3.5μmの第一の凸パターン(第一の凸領域21a)と、凸部20bのパターン周期t2が10μm、凸部20bの上面サイズs2が3μm、高さhが3μm、凸部20bの隙間d2が6μmの第二の凸パターン(第二凸領域21b)を形成する。このとき図6(e)に示すような凸パターン層が形成され、第一の凸パターンと第二の凸パターンの平均間隔Dは9.6μmである。さらに、上記の実施例1から4と同様のシンチレータ形成プロセスによって、CsIを蒸着し、基板温度を室温以下に冷却する。シンチレータ層の形状は、走査型電子顕微鏡SEM(日立製 S−5500)によって観察すると、画素境界に対応する部分、すなわち第一の凸パターンと第二の凸パターンとの間の部分のシンチレータに亀裂は確認されなかった。一方、第一の凸パターン上(第一の凸領域21a内)のシンチレータ層、及び第二の凸パターン上(第二の凸領域21b内)のシンチレータ層において、部分的に亀裂が発生していることが確認された。そして、本比較例3においては、実施例1から4で見られたようなMTFの向上が見られなかった。
本比較例3においては、凸部20の上面サイズsと凸部20の周期tとの比が、0.6未満であるため、冷却過程において、第一の凸パターン(第一の凸領域21a)と第二の凸パターン(第二の凸領域21b)との間の部分のシンチレータ層より、各凸領域21内における凸部の間隙部分の上のシンチレータ層の方が応力に弱く、結果、各凸領域21内において亀裂を形成しやすい状態になる。したがって、本比較例3においては、画素内(各凸領域21内)で亀裂形成が見られ、画素境界部分(隣合う凸領域21間の部分)では亀裂形成不良となるため、亀裂形成によるMTFの向上という効果が得られなくなる。
また、本比較例3においては、第一と第二の凸パターンの両方において、凸部20のサイズsと凸部20のパターン周期tの比が6割未満の場合であるが、何れか一方の凸パターンにおいて、凸部サイズと凸パターン周期の比が6割未満の場合であっても、同様に画素境界部分では亀裂形成不良となる。
(比較例4)
上記の実施例1から4と同様のプロセスによって、凸部20aのパターン周期t1が10μm、凸部20aの上面サイズs1が6μm、高さhが3μm、凸部20aの隙間d1が4μmの第一の凸パターン(第一の凸領域21a)と、凸部20bのパターン周期s2が7.5μm、凸部部20bの上面サイズs2が6μm、高さhが3μm、凸部20bの隙間d2が1.5μmの第二の凸パターン(第二の突領域21b)を形成する。このとき図6(f)に示すような凸パターン層が形成され、第一の凸パターンと第二の凸パターンの平均間隔Dは14.6μmである。さらに、上記の実施例1から4と同様のシンチレータ形成プロセスによって、CsIを蒸着し、基板温度を室温以下に冷却する。シンチレータ層の形状は、走査型電子顕微鏡SEM(日立製 S−5500)によって観察すると、画素境界に対応する部分、すなわち第一の凸パターンと第二の凸パターンとの間の部分のシンチレータに亀裂は確認されなかった。そして、本比較例4においては、実施例1から4で見られたようなMTFの向上が見られなかった。
つまり、本比較例4のように、第一の凸パターン(第一の凸領域21a)と第二の凸パターン(第二の凸領域21b)の両方とも凸部20の上面サイズsと凸部20のパターン周期tとの比が6割以上9割未満であっても、隣り合う凸領域21間の部分の平均間隔Dと凸部20の高さhとの関係がD<4.6hを満たさないため、隣り合う凸領域21の間の部分からもシンチレータが成長(成膜)し、結果隣り合う凸領域間の部分のシンチレータ膜にかかる応力が不十分となり、亀裂形成不良となる。
したがって、本比較例4においては、画素境界部分では亀裂形成不良となるため、亀裂形成によるMTFの向上という効果が得られなくなる。
(比較例5)
上記の実施例1から4と同様のプロセスによって、凸部20aのパターン周期t1が12.5μm、凸部20aの上面サイズs1が9μm、高さhが3μm、凸部20aの隙間d1が3.5μmの第一の凸パターン(第一の凸領域21a)と、凸部20bのパターン周期s2が12.5μm、凸部部20bの上面サイズs2が7μm、高さhが3μm、凸部20bの隙間d2が5.5μmの第二の凸パターン(第二の突領域21b)を形成する。このとき、第一の凸パターンと第二の凸パターンの平均間隔Dは16.6μmである。さらに、上記の実施例1から4と同様のシンチレータ形成プロセスによって、CsIを蒸着し、基板温度を室温以下に冷却する。シンチレータ層の形状は、走査型電子顕微鏡SEM(日立製 S−5500)によって観察すると、画素境界に対応する部分、すなわち第一の凸パターンと第二の凸パターンとの間の部分のシンチレータに亀裂は確認されなかった。そして、本比較例5においては、実施例1から4で見られたようなMTFの向上が見られなかった。
つまり、本比較例5においても、上述の比較例4と同様に、隣り合う凸領域間の部分のシンチレータ膜にかかる応力が不十分となり、亀裂形成不良となる。
したがって、本比較例5においては、画素境界部分では亀裂形成不良となるため、亀裂形成によるMTFの向上という効果が得られなくなる。
(比較例6)
上記の実施例1から4と同様のプロセスによって、凸部20aのパターン周期t1が15μm、凸部20aの上面サイズs1が10μm、高さhが3μm、凸部20aの隙間d1が5μmの第一の凸パターン(第一の凸領域21a)と、凸部20bのパターン周期t2が10μm、凸部20bの上面サイズs2が7.5μm、高さhが3μm、凸部20bの隙間d2が2.5μmの第二の凸パターン(第二の突領域21b)を形成する。このとき第一の凸パターンと第二の凸パターンの平均間隔Dは16.6μmである。さらに、上記の実施例1から4と同様のシンチレータ形成プロセスによって、CsIを蒸着し、基板温度を室温以下に冷却する。本比較例6においても、比較例4,5と同様に、隣り合う凸領域間の部分のシンチレータ膜にかかる応力が不十分となり、亀裂形成不良となる。
したがって、本比較例6においては、画素境界部分では亀裂形成不良となるため、亀裂形成によるMTFの向上という効果が得られなくなる。
(実施例5)
上記の実施例1で亀裂が形成されたシンチレータ層の上に酸化チタンの粉末を塗布することで、隣り合う凸領域21間の間の部分のシンチレータ層に形成された亀裂部分にも酸化チタンの粉末を充填させた。
本実施例5においても、上記の実施例1から4と同様に、亀裂によって画素間の分離が高まり、更に、亀裂に酸化チタンの粉末を充填することにより亀裂部での光の拡散が得られるため、画素間のクロストークをより低減することができるため、MTFが向上している。
(実施例6)
上記の実施例2で亀裂が形成されたシンチレータ層の上にAlの反射膜を設ける。具体的には、隣り合う凸領域21間の間の部分のシンチレータ層に形成された亀裂部分にも膜厚50nmのAlを成膜する。
本実施例6においても、上記の実施例1から5と同様に、亀裂によって画素間の分離が高まり、更に亀裂部が反射膜となるAlによって被覆されることにより、亀裂部での光が反射されるため、画素間のクロストークをより低減することができるため、MTFが向上している。
1 放射線検出素子
10 基板
14 光検出層
20 凸部
21 凸領域
18 シンチレータ層

Claims (8)

  1. 複数の光検出部と、該複数の光検出部上に位置するシンチレータ層とを有する放射線検出素子の製造方法であって、
    前記複数の光検出部と複数の凸部を有する凸領域とを備え、複数の前記凸領域がそれぞれ前記光検出部と積層方向において重なるように配列されている基板の上に、前記複数の凸領域に跨るようにシンチレータ層を形成する工程と、
    シンチレータ層が形成された基板を降温し、隣り合う凸領域間と積層方向において重なる前記シンチレータ層の部分に亀裂を形成する工程と、
    を有し、
    前記複数の凸領域は、以下の関係を満たすことを特徴とする放射線検出素子の製造方法。
    0.6≦s/t<0.9
    d<D<4.6h
    ここで、
    tは、凸領域における複数の凸部の配列周期
    sは、凸領域における個々の凸部のシンチレータ層と接する部分の大きさ(径)
    hは、凸領域における個々の凸部の高さ
    dは、凸領域における隣り合う凸部間の間隔
    Dは、隣り合う凸領域間の平均間隔
  2. 複数の光検出部と、該複数の光検出部上に位置するシンチレータ層とを有する放射線検出素子の製造方法であって、
    複数の凸部を有する凸領域を複数備える基板の上に、複数の前記凸領域に跨るようにシンチレータ層を形成する工程と、
    シンチレータ層が形成された基板を降温し、隣り合う凸領域間と積層方向において重なる前記シンチレータ層の部分に亀裂を形成する工程と、
    隣り合う光検出部間に前記亀裂が重なるように、該亀裂が形成されたシンチレータ層を備える基板を、前記複数の光検出部に対向配置する工程と、
    を有し、
    前記複数の凸領域は、以下の関係を満たすことを特徴とする放射線検出素子の製造方法。
    0.6≦s/t<0.9
    d<D<4.6h
    ここで、
    tは、凸領域における複数の凸部の配列周期
    sは、凸領域における個々の凸部のシンチレータ層と接する部分の大きさ(径)
    hは、凸領域における個々の凸部の高さ
    dは、凸領域における隣り合う凸部間の間隔
    Dは、隣り合う凸領域間の平均間隔
  3. 前記亀裂に光を拡散する部材又は光を反射する部材を充填する工程を更に有することを特徴とする請求項1または2に記載の放射線検出素子の製造方法。
  4. 放射線検出素子であって、
    複数の光検出部と、
    複数の凸部を有する凸領域と、
    複数の前記凸領域に跨るように設けられたシンチレータ層と、
    を備え、
    複数の前記凸領域は、それぞれ前記光検出部と積層方向において重なるように配列され、
    前記シンチレータ層は、隣り合う前記凸領域間と積層方向において重なる前記シンチレータ層の部分に亀裂を有し、
    以下の関係を満たすことを特徴とする放射線検出素子。
    0.6≦s/t<0.9
    d<D<4.6h
    ここで、
    tは、凸領域における複数の凸部の配列周期
    sは、凸領域における個々の凸部のシンチレータ層と接する部分の大きさ(径)
    hは、凸領域における個々の凸部の高さ
    dは、凸領域における隣り合う凸部間の間隔
    Dは、隣り合う凸領域間の平均間隔
  5. 前記tが1μm以上且つ15μm以下であることを特徴とする請求項4に記載の放射線検出素子。
  6. 前記凸領域における凸部の配列がハニカムであることを特徴とする請求項4または5に記載の放射線検出素子。
  7. 前記亀裂に光を拡散する部材が配置されていることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の放射線検出素子。
  8. 前記亀裂に光を反射する部材が配置されていることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の放射線検出素子。
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