JP5874333B2 - 高強度溶融亜鉛めっき熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
C:0.07〜0.10%
CはVCとしてフェライト相中に微細に析出し、高強度化に寄与する重要な元素である。C量が0.07%未満だと815MPa以上のTSが得られず、0.10%を超えるとベイナイト相やパーライトなどの硬質相が形成されやすくなり、伸びや伸びフランジ性の劣化を招く。したがって、C量は0.07〜0.10%とする。
SiやAlは、A3変態温度を上昇させる元素であり、その合計の含有量が0.50%を超えると熱間圧延前に鋼をオーステナイト化するための加熱温度を上昇せざるを得ず、製造コスト高を招く。したがって、Si+Al量は0.50%以下とする。
Mnは、固溶強化能の高い元素であるため鋼の強度レベルの調整に、また、鋼の変態温度を低下させるため熱間圧延前の加熱温度低下に効果的である。このような効果を得るには、Mn量を1.0%以上とする必要がある。一方、Mn量が1.5%を超えるとフェライト変態を遅滞させてベイナイト相やマルテンサイト相のような硬質相が形成されたり、その偏析によりバンド状組織が形成され、伸びや伸びフランジ性が劣化する。したがって、Mn量は1.0〜1.5%とする。
上述したように、PはVCの微細化を促進し、高強度化に有効な元素である。こうした効果を得るには、P量を0.060%以上にする必要がある。一方、P量が0.200%を超えると粒界偏析が顕著になって伸びや伸びフランジ性が劣化する。したがって、P量は0.060〜0.200%とする。
N量が0.0045%を超えると粗大なTiNが形成され、伸びや伸びフランジ性が劣化する。一方、N量を0.0020%未満に制御するには製鋼工程で特別の処理が必要となり製造コスト高を招く。したがって、N量は0.0020〜0.0045%とする。
本発明では、TiはNをTiNとして析出させるためのみに添加する。Ti量が0.010%未満だとNをすべてTiNと析出させることができず、0.02%を超えるとTiCが形成され、本発明に必要な微細なVCの形成を阻害する。したがって、Ti量は0.010〜0.02%とする。
上述したように、VはVCとしてフェライト相中に微細に析出し、高強度化に寄与する重要な元素である。V量が0.23%未満だと十分な量のVCが析出しないため、815MPa以上のTSが得られなくなるとともに、セメンタイトやパーライトが生成して伸びおよび伸びフランジ性が劣化する。一方、V量が0.60%を超えるとTSが1000MPaを超え、伸びが劣化する。したがって、V量は0.23〜0.60%とする。
ベイナイト相、マルテンサイト相、セメンタイト、パーライトなどの粗大な硬質相が存在すると伸びおよび伸びフランジ性の劣化を招くので、マトリックスはフェライト単相からなる組織とする。
熱間圧延前の加熱温度:1100℃以上
熱間圧延後にサイズが10nm未満の微細なVCをフェライト相中に析出させて高強度化を図るには、鋼中に析出している粗大なVCを熱間圧延前に加熱して溶解させる必要がある。特許文献1に開示されているようなTiとMoを含む炭化物では、炭化物の溶解のために1250℃以上に加熱する必要があるが、VCの場合は、P量を0.060%以上にすると1100℃以上の加熱で十分に溶解することが可能である。したがって、熱間圧延前の加熱温度は1100℃以上とする。なお、製造コストを低減する観点からは、1250℃未満の温度で加熱する必要があるが、1250℃以上の温度に加熱しても高強度化が図れることには変わりがない。
仕上温度が880℃未満だと圧延組織が残留し、伸びや伸びフランジ性が劣化する。したがって、仕上温度は880℃以上とする。なお、仕上温度が930℃を超えると十分に再結晶したオーステナイト組織からの変態になるのでフェライト組織が粗大化し、母相組織の強度が顕著に低下するため、仕上温度は930℃以下とすることが好ましい。
熱間圧延後の平均冷却速度が10℃/秒未満だと冷却中にパーライト変態やVCの粗大化が起こり、伸びや伸びフランジ性が劣化するとともに、高強度化が図れない。したがって、熱間圧延後の平均冷却速度は10℃/秒以上にする必要がある。
表面外観が重要視される亜鉛めっき鋼板においては、パウダリングや不めっき回避のために、熱間圧延後の鋼板は低温で巻取られることが望まれる。ただし、巻取温度が480℃未満では、VCの核生成が不十分となり、その後の亜鉛めっき処理前の焼鈍で815MPa以上のTSを得るために必須である微細なVCの十分な析出量の確保が困難になる。一方、巻取温度が650℃を超えると、めっき表面の外観不良を招くうえに、VCが粗大化し始めるので、815MPa以上のTSを確保が困難になる。したがって、巻取温度は480〜650℃とする。
亜鉛めっき処理前の焼鈍は、815〜1000MPaのTSを得るために必須である微細なVCを十分に析出させるために行われる。焼鈍温度が600℃未満や保持時間が10秒未満では微細なVCを十分に析出することができず、焼鈍温度が700℃を超えたり、保持時間が90秒を超えるとVCの粗大化と母相組織の粗大化が進行して815MPa以上のTSが得られない。なお、前述した巻取温度でのVCの析出状態は、焼鈍温度が600〜700℃で、保持時間が10〜90秒の範囲であれば、めっき後の強度が高位安定する。焼鈍は、その後のめっき処理でめっき不良が起こらないように還元雰囲気中で行う必要がある。
Claims (2)
- 鋼板が、質量%で、C:0.07〜0.10%、Si+Al:0.50%以下、Mn:1.0〜1.5%、P:0.060〜0.200%、N:0.0020〜0.0045%、Ti:0.010〜0.02%、V:0.23〜0.60%を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有し、
フェライト単相であり、前記フェライト相にはVの炭化物(VC)がVの析出量で0.15質量%以上析出しているミクロ組織を有し、
透過電子顕微鏡によりマトリックスであるフェライト相の[001]方位から観察される正方板状の炭化物(VC)の2 1/2 ×L(L:正方板の1辺の長さ)で表せるVCサイズの算術平均が10nm未満であることを特徴とする高強度溶融亜鉛めっき熱延鋼板。 - 請求項1に記載の高強度溶融亜鉛めっき熱延鋼板の製造方法であって、 請求項1に記載の組成を有する鋼を、1100℃以上に加熱後、880℃以上の仕上温度で熱間圧延し、10℃/秒以上の平均冷却速度で冷却後、480〜650℃の巻取温度で巻取り、酸洗後、還元雰囲気中で600〜700℃で10〜90秒保持の焼鈍を行い、亜鉛めっき浴に浸漬してめっき処理を施し、めっき層の合金化処理を行うことを特徴とする高強度溶融亜鉛めっき熱延鋼板の製造方法。
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